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スペクトル解析 (Spectrum analysis)
5.1 フーリエ級数 Fourier series 5.2 フーリエ変換 Fourier transform 5.3 パワースペクトル Power spectrum 5.4 離散データのフーリエ展開 For discrete time series
– ナイキスト周波数とエイリアジング Nyquist frequency and aliasing
5.5 スペクトルと相関関数 Spectrum and correlation function 5.6 クロススペクトルとコヒーレンス Cross-spectrum and coherency 5.7 スペクトルの推定法と推定誤差 Estimation of spectrum and its error 5.8 スペクトル解析の例 applications
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直接法(FFTを用いる)による スペクトル解析の手順(概略)
1. データ数の決定 FFT (Fast Fourier Transform) を用いる場合には、
一般にデータ数を 2 のべき乗にしなければならない データの一部を削るか、後ろに値が 0 のデータを加えるか(ゼロパッディング)する
2. トレンドなどの除去(必要なら) 3. データウインドウの適用(必要なら) cos20、Hanning、Hamming テーパーなど 4. FFT を用いて生のスペクトルを計算 5. 周波数空間で平滑化 最終的なスペクトル 6. スペクトルの推定誤差を評価
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(Gaberson, 2006)
Boxcar データ・ウインドウと そのスペクトル・ウインドウ
データ数: 32
H は最大値を 1 に規格化 (Log10では0)
main lobe side lobes
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秒
(=fN) 対数表示
畳み込み (convolution) 例:真のスペクトルは 16.3Hz の信号(デルタ関数) boxcarウインドウによるスペクトル・ウインドウ
真のスペクトルがデルタ 関数的な単一のピークを 持っていたとしても、 有限な長さのデータから 推定されたスペクトルは、スペクトル・ウインドウが畳み込まれることで、スペクトル・ウインドウの形となる
↓ ピークの周波数から他の周波数への漏れ (Gaberson, 2006)
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線形表示
f = 13 Hz f = 14 Hz f = 15 Hz
f = 16 Hz f = 17 Hz f = 18 Hz
データ・ウインドウとテーパー
Boxcar ウインドウの両端で値が急激に変化するので、スペクトルのピークの周波数から他の周波数にスペクトルの漏れが発生(Gibbs現象のため) データの両端で値を緩やかに減衰させるテー パーを適用し、スペクトルの漏れを軽減 ピークを解像する能力が低下(スペクトルの漏 れを軽減するのは、スペクトル推定の周波数解 像度を減少させるという犠牲の下でのみ可能)
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テーパー Cos20 Hanning Hamming
小さな side lobe スペクトルの漏れを抑制 (Hamming) main lobe が広くなる
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秒
(fN)
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テーパー
テーパーの効果
伊藤・見延 (2010)
あるスペクトル・ピークの信頼限界の下限がその前後の周波数での信頼限界の上限を上回っている場合に、そのピークは統計的に有意
x(t) = cos(2πt/21) + 0.2 cos(2πt/9)
テーパーによって 周波数解像能が低下 周期 9 の小さなピークを有意に検出できているのは Hamming テーパーの場合のみ
スペクトルの漏れが大 スペクトルの漏れが小
T=21 T=9
スペクトルの漏れが大
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周波数空間での平滑化による効果
精度の向上 (信頼区間の減少)
↕ 周波数分解能の低下
伊藤・見延 (2010)
生のスペクトル 平均数: 3 平均数: 9
スペクトルの自由度
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スペクトルの誤差推定
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周波数空間での平滑化による効果
精度の向上 (信頼区間の減少)
↕ 周波数分解能の低下
伊藤・見延 (2010)
生のスペクトル 平均数: 3 平均数: 9
2乗コヒーレンスの有意水準
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等価自由度 Equivalent DOF Cf. 有効自由度 Effective DOF
5.8 スペクトル解析の実例 宗谷暖流の 5-20 日周期の変動のメカニズム (Ebuchi et al., 2009)
レーダーによる 表層の流速 (月平均)
表層の流速と 稚内と網走の 水位差
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水位(水位差)と表層の流速のスペクトル
水位(特に稚内)では 13.66 日の潮汐の周期が 卓越 水位差と流速には 5-20 日 周期の広いピークが有り
縦軸・横軸とも対数でプロット
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cpd: cycle per day 10-1 cpd 10 日周期
水位差と流速の 2 乗コヒーレンスと位相
5-20 日の周期で 2 乗コヒーレンスが 大きい(13.66 日の周期では値が小さい) 負の位相は水位差が流速をリード
点線は 0.5, 1, 2 日の位相差
有意水準
南風 日本海とオホーツク海 の水位差が増大 宗谷暖流の強化
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まとめ
時系列は異なる周期を持つ波に分解できる。パワースペクトルを計算することにより周波数空間での変動の強弱を調べることができる。
ナイキスト周波数より高周波の信号は折りたたみ効果により低周波スペクトルを汚染する(エイリアジング)。
自己(相互)相関関数のフーリエ変換がパワースペクトル(クロススペクトル)である。
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6. フィルタリング (Filtering)
• 6.1 線形時間不変システムとフィルター Linear Time Invariant (LTI) system and filters – FIRフィルターとIIRフィルター FIR and IIR filters – 移動平均 Moving average (Running mean)
• 6.2 周波数応答 Frequency response • 6.3 フィルターの種類
High-pass/Low-pass/Band-pass filters
• 6.4 様々なフィルターと海洋への応用 – 潮汐の例 Application to ocean tides
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6.1 線形時間不変システムとフィルター
入力 x(n)
出力 y(n)
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この説明は、 http://www.ic.is.tohoku.ac.jp/swk /lecture/yaruodsp/node10.html を参照 (2)
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フィルター