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Case Study1 日産自動車株式会社様 アンケート調査を効率化する 『eSupplierStation ® 』を導入し 部品供給リスク対策を強化。 14 Club Unisys + PLUS VOL.30

アンケート調査を効率化する 『eSupplierStation 部 …Case Study1 日産自動車株式会社様 アンケート調査を効率化する 『eSupplierStation®』を導入し

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Page 1: アンケート調査を効率化する 『eSupplierStation 部 …Case Study1 日産自動車株式会社様 アンケート調査を効率化する 『eSupplierStation®』を導入し

Case Study1

日産自動車株式会社様

アンケート調査を効率化する『eSupplierStation®』を導入し部品供給リスク対策を強化。

14Club Unisys + PLUS VOL.30

Page 2: アンケート調査を効率化する 『eSupplierStation 部 …Case Study1 日産自動車株式会社様 アンケート調査を効率化する 『eSupplierStation®』を導入し

日産自動車株式会社設立

資本金

本社所在地

従業員数

事業内容

1933年12月26日6,058億13百万円横浜市西区高島1-1-1連結151,698名/単体29,878名自動車、船舶の製造、販売および関連事業

日産自動車株式会社様では、自動

車生産に必要な部品を安定的に調達

するために、サプライヤー各社の部

品供給能力に関するさまざまなアン

ケート調査を実施しています。調査

表の送付・回収は、主に電子メールで

行ってきましたが、この方法では、回

収状況の把握や督促メールの送信、

集めたデータの集計作業といった煩

雑な手作業が必要となり、効率的な

情報活用が難しいという悩みを抱え

ていました。

そこで同社は、2010年12月、

購買管理部における各種調査の

効率化に威力を発揮する、日本ユ

ニシスのクラウド型ソリューション

『eSupplierS

tation®

』を導入。調査

表の送付・督促・集計を効率化し、ス

ピーディーな供給リスク対策を実現

しました。

「NISSAN

」ブランドのもと、グローバル

な自動車市場で存在感を高めている日産

自動車様は、「人々の生活を豊かに」をビ

ジョンに掲げ、安全性能と環境性能を兼

ね備えた革新的な自動車を提供し続けて

います。

1998年の仏ルノーとの提携後、着実

に販売台数を伸ばし続けてきた同社は、

2008年秋のリーマンショックの影響を

受けて、一時は業績を落としたものの、徹

底的なコスト削減と中国やインドといった

成長市場の開拓によって、翌2009年に

は急速に業績を回復。2010年には世

界市場で過去最高の販売台数を記録し

ました。

こうした同社の生産拡大に大きな役割

を果たしてきたのが、部品の安定調達を

担う購買部門です。日産自動車様では、タ

イヤやブレーキ、エンジンといった部品ジャ

ンルごとにバイヤーを配置し、生産計画に

合わせて必要な部品を調達していますが、

グローバルな市場環境が目まぐるしく変

化する現在、正確な需要予測が難しい状

況が続いています。そこで購買管理部で

は、例えば生産計画が上方修正された場

合にも確実に部品を確保できるように、

定期的に部品サプライヤー各社の供給能

力をアンケート調査してきました。購買管

理部

主担の中村英夫氏が解説します。

「万が一、部品の調達遅れなどで生産が滞

ると、当社にとって機会損失となるだけで

なく、社会的な信用の低下にもつながり

かねません。とくにリーマンショックの影響

で余分な生産設備を絞り込んできたサプ

ライヤーも多く、このところの急速な増

産要求に対応し切れないケースも少なく

ありません。それだけに、サプライヤー各

社の生産能力を詳しく把握して、増産が

決まった場合などの対策を事前に検討し

ておくことが重要なのです」

購買管理部は、全国の一次サプライヤー

の部品供給能力について、次の3種類のア

ンケート調査を実施してきました。

① 「向こう1年間の供給能力についての

調査」(年2回実施)

② 「向こう3カ月の供給能力についての

調査」(月1回実施)

③ 「新車開発に必要となる新規部品の供

給能力についての調査」(必要に応じて

実施)

いずれの調査も、基本的にサプライヤー

への依頼メールにE

xcel

で作成したアン

ケートファイルを添付し、回答を記入した

ファイルを返信してもらう形で行っていま

した。ただし、②の調査では、取引量の多

いサプライヤーに限り、専用のWebサイ

トに用意した回答フォームに記入しても

迅速な供給リスク管理の

実現をめざし効率的な

アンケート管理手法を模索

生産拡大に円滑に対応するため

サプライヤーの

部品供給能力を調査

中村 英夫氏購買管理部 主担

奥津 幸人氏購買管理部

日産自動車株式会社様

15 Club Unisys + PLUS VOL.30

Page 3: アンケート調査を効率化する 『eSupplierStation 部 …Case Study1 日産自動車株式会社様 アンケート調査を効率化する 『eSupplierStation®』を導入し

らう方法を採用してきました。

しかし、メールや専用Webサイトを使っ

たこのアンケート方法は、「とても非効率

だった」と購買管理部の奥津幸人氏は説

明します。

「例えば、年2回実施する『向こう1年間

の供給能力についての調査』では、対象サ

プライヤーが200社以上にも達するた

め、メールソフトを見ても、どの会社が回

答済でどの会社の回答が遅れているか簡

単には把握できません。そのため、遅れて

いるサプライヤーを手作業でリストアップ

し、督促メールを送るだけで何時間も作

業しなければなりませんでした。また、アン

ケート用のWebサイトも10年以上前に

構築した古いシステムなので、フォームの

内容を変更するとプログラムの改修費用

がかかるなどの問題を抱えていました」

そのため購買管理部では、もっと効率的

なアンケート調査手法を探していました。

「アンケートの結果、供給能力不足を早期

に把握できれば、例えば当社がサプライ

ヤーの設備投資を支援するなど、さまざ

まな対策を講じることができます。こうし

た供給リスク管理をもっと機動的に実行

するためにも、メールチェックや回答の督促

といったルーティン作業はできる限り省力

化したいと考えたのです」(中村氏)

そこで日産自動車様が着目したのが、

日本ユニシスの取引先調査ソリューション

『eSupplierS

tation®

』でした。

eSupplierS

tationは、購買管理部にお

ける各種調査やアンケート業務を効率化

するためのクラウドサービスです。お客様

(バイヤー)は、自社にサーバをもたずに、

ブラウザからインターネット経由で日本

ユニシスのデータセンタにアクセスして、取

引先(サプライヤー)の登録や変更、アン

ケートの作成、調査対象への依頼メールの

送信などを行います。取引先は依頼メール

に記載されたURLをたどってシステムに

ログインし、アンケートフォームに回答を入

力する仕組みです。

アンケートの実施期間中、お客様は

eSupplierS

tation

の画面からリアルタイム

に各社の回答状況を一覧できるのはもち

ろん、簡単な操作で未回答の取引先をリ

ストアップして督促メールを一斉配信する

ことができます。さらに、回答結果につい

ても、1社ごとに内容を確認できるだけ

でなく、全社分のデータをCSV形式で

ダウンロードできるため、集計・分析作業

高機能で操作性に優れた

調査システムを

新たな設備投資なしに

短期間で導入

eSupplierStation

取引先情報

アンケート情報

過去データ

日本ユニシスデータセンター

eSupplierStationの機能概要

企業情報個別登録

ユーザー管理

アンケート公開

回答状況参照

督促メール

各種検索

企業情報CSV入力

アンケート作成

通知メール

個別回答確認

回答一覧CSV出力

過去データ参照

インターネット

インターネット

企業情報更新

アンケート回答

各種検索

ユーザー情報更新

一次保存

過去データ参照

バイヤー企業 サプライヤー企業A社

サプライヤー企業B社

サプライヤー企業C社

16Club Unisys + PLUS VOL.30

Page 4: アンケート調査を効率化する 『eSupplierStation 部 …Case Study1 日産自動車株式会社様 アンケート調査を効率化する 『eSupplierStation®』を導入し

やレポート作成が容易になります。

「eSupplierS

tation

の場合、こうした必要

十分な機能を備えながらも操作が大変シ

ンプルです。仮にサプライヤーの担当者が

システムに詳しくない場合でも、これなら

問題なく使えるはずだと判断し、導入に

踏み切りました」(奥津氏)

導入にあたって、同社ではサプライヤー

にeSupplierS

tation

によるアンケートの

回答方法について説明を行ったほか、簡単

なマニュアルを配布しましたが、その後、使

用方法についての質問が寄せられること

もなく、サプライヤー各社に円滑に活用

されています。

さらに、クラウドサービスである

eSupplierS

tation

には、新たな投資を

必要とせず、利用料を経費として計上で

きる利点もあります。

「システムを構築する場合は設備投資と

いう形となり、予算申請や関連部門との

調整が必要になります。これに対して、

eSupplierS

tation

は、設備投資を必要と

しない利用型のソリューションであり、料金

が予算内であれば部内で意思決定できる

ため、迅速に導入できるのも大きなメリッ

トでした」(中村氏)

2010年12月のeS

upplierStation

導入後、従来なら3日間はかかったアン

ケートの確認・集計作業が数時間で可能

になるなど、購買管理部の調査業務は大

幅に効率化されました。そのため、複数の

アンケート調査を並行して実施すること

も容易になりました。

「2010年12月、毎月のアンケートに加え

て、新車開発にともなう調査やレアアース

の調達に関する調査など、合計5件のアン

ケート調査を行いました。多くの手作業を

要する従来の手法では、1カ月で5件のア

ンケートを処理することなど、想像もでき

ませんでした」(奥津氏)

同社では、今後、

eSupplierS

tation

の活

用範囲を、部品を同社

に直接納入している1

次サプライヤーだけで

なく、そのサプライヤー

に部品や材料を納入

している2次サプライ

ヤー、3次サプライヤー

…と、部品のサプライ

チェーン全体

に拡大させた

い考えです。

「より高度な

供給リスク

管理を実現

するために

は、サプライ

チェーンの各

段階で部品・原材料の供給能力を迅速に

把握できる仕組みが必要です。そこで今

後、まず当社の取引先である1次サプラ

イヤーにもeS

upplierStation

の導入を

推奨していこうと考えています」(中村氏)

また、部品の供給能力調査だけでな

く、イベント開催の通知や出欠確認、さ

らには取引先のコンプライアンスや環境

保全活動の状況などのCSR調査まで、

eSupplierS

tation

を幅広い用途に活用

できないか検討中です。

「現在は日本語環境だけなので、グローバ

ルで活用できるように、できるだけ早く多

言語対応していただければと思います。当

社では、今後もこのツールを一層有効活用

して、供給リスク管理の強化や業務効率

化を実現していく計画です。日本ユニシス

は、サービス導入までのサポートも丁寧で、

こちらの要望にもすぐに応えていただけ

るので非常に助かっています。これからも

協力をいただきながらeS

upplierStation

のより良い活用法を見出していきたいで

すね」(中村氏)

サプライチェーンでの利用や

CSR調査にも活用予定

日産自動車株式会社様

17 Club Unisys + PLUS VOL.30

Page 5: アンケート調査を効率化する 『eSupplierStation 部 …Case Study1 日産自動車株式会社様 アンケート調査を効率化する 『eSupplierStation®』を導入し

Case Study2

株式会社山梨中央銀行様

次世代勘定系システム『BankVision®』導入を機に業務プロセスを改革し営業力強化を推進。

18Club Unisys + PLUS VOL.30

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株式会社山梨中央銀行創立

資本金

本店所在地

従業員数

事業内容

1941年12月1日154億円山梨県甲府市丸の内一丁目20番8号1,659名(2010年3月31日現在)銀行業

山梨県および東京都を営業エリア

として地域社会に密着した金融

サービスを展開する山梨中央銀行

様は、勘定系システムの全面更改に

あたって、2007年10月、日本ユニ

シスの次世代オープン勘定系システム

『BankV

ision®

』の採用を決定し

ました。

以来、新システム導入に向けた業

務オペレーションの刷新や職員への業

務トレーニングなど、入念な移行準

備を進めてきました。2011年1

月、同行の新勘定系システムは本番

稼働し、期待どおり安定稼働を続け

ているのはもちろん、営業店舗での

事務効率化など、導入効果を発揮し

つつあります。

1877(明治10)年、第十国立銀行と

して創業した山梨中央銀行様は、経営理

念「地域密着と健全経営」のもと、山梨県

のリーディングバンクとして地域とともに

発展してきました。主要営業エリアである

山梨県は、豊かな自然の恩恵を受け、ぶど

うや桃、ミネラルウォーターが全国一の生

産量を誇る一方、県内には最先端の機械

電子分野の企業が数多く立地し、燃料電

池や太陽光発電などの開発拠点としても

注目を集めています。さらに、リニア中央

新幹線や中部横断自動車道など、新たな

交通網の整備も計画されています。

こうした地域特性を今後の経済活性

化に結びつけるため、現在、同行は積極

的な活動を展開しています。例えば、地

域のニーズに密着した動産担保融資とし

て、代表的な地域資源であるワインを担

保に醸造会社への融資を実施しているほ

か、東京都内の支店網を活用して、山梨

県内のお客様と東京のお客様とのビジ

ネスマッチングにも力を注いでいます。

こうした地域密着型の金融サービスを

推進する同行が、近年、重要な経営課題

の1つとして取り組んできたのが勘定系

システムの全面更改でした。

旧システムのハードウェアは日本ユニシ

スが構築した汎用機システムで、2001

年1月の稼働以来、10年近くが経過して

いました。また、ソフトウェアについては、

1989年1月

稼働の第3次

オンラインにお

いて開発・導入

したプログラム

に修正を加え

ながら使い続け

てきました。

「旧勘定系シス

テムは、導入以

来、数多くの修正・機能追加を行ってき

たため、プログラムの複雑化・肥大化が

進み、どこかに手を加えようとすると予

想外の障害が発生するなど、保守が難

しくなっていました。また、ハードウェア面

でも、通信制御装置の保守期限が迫って

いたため、早期の全面更改が必要だった

のです」

こう振り返るのは、新システムの導入を

担当した事務統括部

システム統括課

長の向山茂樹氏です。

同行は多角的に検討を進め、既存の

汎用機に比べて「導入・運用コストを低く

抑えられる」「開発・導入のリードタイム

を短縮できる」「システムの拡張性に優れ

る」といったメリットを備えたオープン系シ

ステムに着目。複数ベンダの提案を比較

検討した結果、2007年10月、日本ユニ

シスのオープン系フルバンキングシステム

モデル行での稼働実績を評価し

『BankV

ision®

』を選定

世紀を超えて

地域のニーズに密着した

金融サービスを提供

一之瀬 滋輝氏次期システム移行プロジェクトチーム プロジェクトサブリーダー事務統括部 副部長

嶋田 和生氏次期システム移行統括部 次期システム移行統括課 課長次期システム移行プロジェクトチーム スタッフ

田中 教彦氏次期システム移行プロジェクトチーム プロジェクトサブリーダー融資審査部 副部長

向山 茂樹氏事務統括部 システム統括課 課長

株式会社山梨中央銀行様

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『BankV

ision®

』の採用を決定しました。

次期システム移行プロジェクトチームのプ

ロジェクトサブリーダーとして主に預金部

門を担当した事務統括部

副部長の一之

瀬滋輝氏は、「2007年5月に本稼働を

始めた百五銀行さんのシステムが、安定的

に稼働していることがB

ankVision

を選択

する決め手となりました」と採用経緯を

振り返ります。

採用決定後、同行では新旧システムの

差異分析を実施し、BankV

ision

の標準機

能に対して改造すべき点を洗い出して要

件定義に盛り込んでいきました。

「既存のお客様サービスを維持・継続して

いくために最低限の改造は加えたもの

の、基本的にはB

ankVision

の機能を受け

入れる形にしました。当行独自の業務プ

ロセスにこだわっていろいろな改造を加え

てしまうと、低コストで短期間に導入でき

るという共同開発システムのメリットが損

なわれてしまうからです」(向山氏)

一之瀬氏は、移行プロジェクトが成功し

た要因として「既存の業務やシステムに

こだわらずゼロベースから検討した」こと

をあげます。

「今回のプロジェクトの重要な目的の

1つは、システム更改をきっかけとして、

当行全体で業務プロセスの改善・効率化

を図り、経営基盤強化を実現することに

ありました。

そのため、差

異分析や要

件定義におい

ては、既存の

業務・システ

ムの延長線上

で物を考え

るのではなく、

『合理性の

追求』と『お客

さまの利便性向上』を基準に、すべての

業務をゼロベースで見直したのです。そ

のなかで、銀行業務の1つのひな形とし

てBankV

ision

が合理的で洗練された機

能を備えていることが確認できましたの

で、BankV

isionに合わせて当行の業務

オペレーションを再構築することにした

のです」(一之瀬氏)

ただし、これは新システム稼働と同時に

行内業務のオペレーションが大きく変わる

ことを意味するため、日々大量の事務処

理に追われる営業店が混乱してしまう可

能性がありました。そのため同行では、す

でにB

ankVision

導入を進めていた他行の

アドバイスを参考に、早い段階から入念な

移行準備に取り組みました。

「システム移行はシステム部門だけの問題

ではなく、全職員が当事者意識をもって

取り組むための体制づくりが不可欠――

というのが各行共通の意見でした。そこで

当行では、2008年6月、事務統括部、

融資審査部、営業統括部など本部各部門

から専門スタッフを集め、『次期システム

移行プロジェクトチーム』を発足させまし

た。さらに、部長クラスによる『次期システ

ム移行推進委員会』、各部門から実務者

を集めた『次期システム移行推進作業部

会』を組織し、預金・融資・営業などの業

務を見直して新たな事務手順を決定す

るとともに、事務規程の全面改定やオペ

レーションマニュアルの作成などの作業を

進めていったのです」

こう説明するのは、プロジェクトチーム

の主要メンバーであり、次期システム移行

統括部同統括課

課長の嶋田和生氏です。

「今回、全行レベルで業務を見直したため、

委員会と作業部会での検討議題は膨大

な量になった」と嶋田氏は当時のことを

振り返ります。

新たなオペレーションの概要が固まった

のを受けて、プロジェクトチームは、新シス

テムに対応した業務トレーニングの準備に

着手しました。まず、事務統括部と融資

審査部から数名をインストラクターに任

命。BankV

ision

導入が決定していた十八

銀行様、筑邦銀行様、佐賀銀行様の研修

手法を参考にしたり、また研修に参加す

るなど、講師として必要な知識・スキルを

習得しました。次に、全91店舗の営業店

から女性職員を1名ずつ「事務リーダー」

綿密なトレーニングによって

スムーズな移行を実現

業務プロセス改革に向けて

プロジェクトチームを発足

20Club Unisys + PLUS VOL.30

Page 8: アンケート調査を効率化する 『eSupplierStation 部 …Case Study1 日産自動車株式会社様 アンケート調査を効率化する 『eSupplierStation®』を導入し

として任命し、2009年9月から12月

までインストラクターによる研修を実施

しました。そして2010年1月からは、

事務リーダーがそれぞれの営業店で職

員への業務トレーニングを実施していった

のです。

「一番苦心したのが全職員への研修です。

各営業店において、事務リーダーが先生役

となって、毎週3回、業務終了後に2時間

の研修を実施したのですが、1人でもカ

リキュラムの消化が遅れると店舗での研

修スケジュールに影響を及ぼします。稼働

までの期間は限られていますから、全員の

進捗管理表を作成し、一人ひとりの習得

状況を定期的に把握しながら研修を進め

ました」(嶋田氏)

また、こうした職員研修と並行して、営

業店参加によるシステムテストや業務リ

ハーサルを繰り返し実施しました。

「当初は、現場で多少の混乱が生じるこ

とを覚悟していたのですが、トレーニング

に時間をかけられたことで思った以上に

営業店の業務習熟度が高く、リハーサルは

毎回スムーズでした。問題が少な過ぎるの

で、逆に不安だったくらいです」(向山氏)

そして、2011年1月、BankV

ision

を採用した新勘定系システムが稼働しま

した。研修期間を十分に確保するととも

に、リハーサルを繰り返しながらレベルアッ

プを図ったことが功を奏し、システム移行

は円滑に進みました。もちろん導入後も

新勘定系システムは安定的に運用されて

います。

「プログラムやデータ移行の微細なミスは

見つかりましたが、業務に影響するような

根本的なトラブルはありません」(向山氏)

本番稼働してまだ日は浅いものの、導

入効果も着々と現れつつあります。

「営業店では、窓口終了後にその日の入

出金を集計・精査するのですが、旧システ

ムは店全体で処理していたため、勘定が合

わなければすべての端末の取り引きを調

べ直す必要がありました。これに対して新

システムは、1つひとつの端末ごとに精査

を行うため、早期に問題の所在を絞り込

むことが可能です」(一之瀬氏)

加えて、職員は各自が担当する端末の

入出金が合えば、ほかの業務に取り組む

ことができるようになりました。こうした

業務効率化を追求することで「営業店を

„事務処理の場“ではなく、本来の„営業の

場“に変革し、お客様にとって魅力ある商

品やサービスを開発・提供していきたいと

考えています」(嶋田氏)

同行では、今後、勘定系システムと連携

しながら各種の銀行業務を効率化する

ための関連サブシステムを積極的に導入・

拡充していく計画です。プロジェクトサブ

リーダーとして主に融資部門を担当した

融資審査部

副部長の田中教彦氏が語

ります。

「その1つとして、鹿児島銀行さん、十八

銀行さんと共同開発した融資支援システ

ムをこの夏にも本稼働させる計画です。

3行がB

ankVision

という共通の情報基

盤を採用していることもあって、サブシス

テムの共同開発を効率的に進めること

ができました。このように銀行間の連携

強化や共同化を促進し、必要なシステム

をいち早く取り入れられるようになるの

も、BankV

ision

の大きなメリットです」

最後に、日本ユニシスに対する期待と

要望を伺いました。

「日本ユニシスには、システムパートナーと

してはもちろん、BankV

ision

ユーザー行の

相互連携を促すコーディネーターとして

も、その責任を踏まえ、十分に力を発揮し

ていただきたいと思っています」(一之瀬氏)

営業店の事務効率化を促進し

営業力強化に寄与

ふれあい、さわやか

http://www.yamanashibank.co.jp/

株式会社山梨中央銀行様

21 Club Unisys + PLUS VOL.30