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主要な採用技術(CASBEE準拠) 階数 構造 延床面積 敷地面積 竣工年 建物データ 所在地 カテゴリー 施工 発注者 設計・監理 No.12-001-2010更新 千葉県松戸市 Q3.1. 生物環境の保全と創出(既存樹木の保存) Q3.2. まちなみ・景観への配慮(既存樹木の保存、分棟プラン) Q3.3. 地域性・アメニティへの配慮(コモンガーデン、子供の遊び場、風向シミュレーション) LR1.1. 建物の熱負荷抑制(欄間、日除けルーバー、壁面緑化、ダブルルーフ) LR1.2. 自然エネルギー利用(太陽光発電) LR1.3. 設備システムの高効率化(住宅用氷蓄熱ヒートポンプ、躯体蓄熱・輻射冷房) ECO VILLAGE MATSUDO エコビレッジ松戸 大成建設株式会社 TAISEI DESIGN Planners Architects & Engineers 大成建設株式会社一級建築士事務所 財団法人 電力中央研究所 集合住宅 新築 D. 評価技術/FB K. その他 J. 生物多様性 I. 周辺・地域への配慮 H. 生産・施工との連携 G. 建物基本性能確保 F. 長寿命化 E. リニューアル C. 各種制度活用 B. 省エネ・省CO2技術 A. 環境配慮デザイン 地上5階 RC造 6,811 8,544 2000 地域共生を意識した環境配慮型集合住宅 LR3.1. 地球温暖化への配慮 LR3.2. 地域環境への配慮 LR3.3. 周辺環境への配慮 ※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します 大成建設の環境配慮技術 ~エコビレッジ松戸~ 家族棟住宅 コモンガーデン 既存樹木の森 単身棟住宅 ・換気量削減 全電化厨房 ・省エネルギー ・快適環境 高気密・高断熱 ・省エネルギー ・快適環境 高気密・高断熱 ・高断熱 壁面緑化 ・太陽光発電 太陽光利用 ・太陽光発電 太陽光利用 ・24時間換気 ・住人の健康 ・快適環境 全熱交換機 貯水槽 ・住人同士の コミュニケーション 家庭菜園 ・資源の有効利用 ・ゴミ容量削減 生ゴミコンポスト ・環境保全 ビオトープ ・環境保全 既存樹木の保存・活用 ・負荷削減 ・快適環境 自然換気 ・資源の有効利用 ・環境保全 雨水浸透 ・高耐久性コンクリート 長寿命建築 ・日照・通風 逆梁・ハイサッシ ・床下収納 ・設備配管スペース ※メンテナンスが容易 ※将来の住戸プラン変更に対応 逆梁工法 ・高断熱 ペアガラス ・ゆとりと開放感 高階高 ・住人の健康 健康材料 ・省エネルギー 日よけルーバー ・節水 節水器具・定量止水弁 ・エネルギーの有効利用 住宅用氷蓄熱ピートポンプ ・エネルギーの有効利用 セントラル給湯ヒートポンプ ・省エネルギー 省エネスイッチ ・エネルギーの有効利用 躯体蓄熱・放射冷暖房 ・プライバシーの確保 空中廊下 ・高断熱 ダブルルーフ エコビレッジ松戸」は、(財)電力中央研究所の 社宅・独身寮の設計コンペにおいて「21世紀に ふさわしい住宅として、エネルギー資源の節約、 有効利用ならびに地域共生を考慮した環境配慮型 集合住宅」を実現するプロジェクトとして当選 し、平成12年、千葉県松戸市に竣工した。 日当たりと風通しの良い街づくり 家族棟住宅は真南を中心にサークル状に配置した 形態となっている。南の隅に密集していた既存樹 木を全面的に保存するとともに、動線やコミュニ ティーの要であるコモンガーデンを囲み込むよう に創るためのレイアウトである。また、これは日 照と、この地域の季節風にも配慮した配置となっ ている。この地域の風環境を解析し、夏は卓越風 である南南西の風を住棟間のスリットを通して呼 び込むように、冬は北西からの季節風を受け流す ようになっている。 また、家族棟を五つに分棟することによって出来 たスリットは周辺環境への威圧感を和らげるとと もに、既存樹木の森とコモンガーデンを一体的に 繁ぐ役目をしている。また、分棟化により全住戸 三面開口を可能とし、日照、通風、換気、プライ バシーといった戸建住宅の良さを集合住宅におい ても実現している。 健康で安全な次世代型長寿命住宅 家族棟住宅は階高3.3mと一般より高く とり、高い天井高の、明るく開放的なリビ ングルームをつくるとともに、さらに逆梁 を利用して床下収納や掘ごたつの設置、そ して設備の配管ダクトを床下展開として、 メンテナンスや将来の改修工事を行いやす くしている。 環境デザインからのアプローチ 松戸市にはビオトープネットワークによる街づくり構想があり、これを踏まえ て地域の生態系と連携する飛び石ビオトープを創っている。“コモンガーデン (中庭)”には暮らしの中で自然や“農”を楽しめるように、ミニ農園、果樹 林、コンポストなど多様なアクティビティを支えるしくみを導入し、コミュニ ティを活性化している。既存樹木を全面的に保存した“既存樹木の森”はクス ノキやオオムラサキツツジなどを活かした野生味のある子供の遊び場としてい る。また、境界部に塀を作らないなど地域に対しオープンでパブリックな環境 デザインをめざしている。 住空間の快適性と省エネ・省資源 省エネルギー対策としては、まず、パッシブなシェルターとしての建築的対応 を基本と考えている。戸内の欄間の設置による自然換気(通風)、ルーバーや 壁面緑化による日射制御、ダブルルーフ、ペアガラスの採用、外壁や屋根の高 断熱・高気密化を行っている。 環境整備テクノロジー 設備技術としてはエネルギー効率を重視した省エネ及び環境配慮を行った。 “電力の平準化”、つまり「昼間の電力使用量を極力夜間へ移行するための技 術」として、住宅用氷蓄熱ヒートポンプ空調機『ホームアイス』を家庭用に開 発した。また、『カベクール』は、夏場においてヒートポンプ給湯機の稼動時 に発生する冷熱を各戸に伝え、躯体蓄熱を利用して、夏の就寝時の輻射環境を 改善し快適環境を朝まで保つシステムである。このようにして電力負荷平準化 をしながらエネルギー効率を改善し、省エネルギーとCO2排出抑制を実現して いる。 設計担当者 総括:伊藤治麿、山田達行/建築:山田達行、北岡修、佐伯徹(元所員)/構造:穂刈孝史、森田泰治/設備:高橋淳一、吉永實、小林光/ 環境デザイン:人見修、蕪木伸一、川崎泰之、清流忠邦 冬の季節風のシミュレーション 夏の季節風のシミュレーション 『ホームアイス』 『カベクール』 配置図・1階平面図 コモンガーデン 既存樹木の森 住宅用氷蓄熱

エコビレッジ松戸ECO VILLAGE MATSUDO エコビレッジ松戸 大成建設株式会社 TAISEI DESIGN Planners Architects & Engineers 大成建設株式会社一級建築士事務所

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Page 1: エコビレッジ松戸ECO VILLAGE MATSUDO エコビレッジ松戸 大成建設株式会社 TAISEI DESIGN Planners Architects & Engineers 大成建設株式会社一級建築士事務所

主要な採用技術(CASBEE準拠)

サステナブル建築事例集/社団法人日本建設業連合会

階数

構造

延床面積

敷地面積

竣工年

建物データ

所在地

カテゴリー

施工

発注者

設計・監理

No.12-001-2010更新

千葉県松戸市 Q3.1. 生物環境の保全と創出(既存樹木の保存)

Q3.2. まちなみ・景観への配慮(既存樹木の保存、分棟プラン)

Q3.3. 地域性・アメニティへの配慮(コモンガーデン、子供の遊び場、風向シミュレーション)

LR1.1. 建物の熱負荷抑制(欄間、日除けルーバー、壁面緑化、ダブルルーフ)

LR1.2. 自然エネルギー利用(太陽光発電)

LR1.3. 設備システムの高効率化(住宅用氷蓄熱ヒートポンプ、躯体蓄熱・輻射冷房)

ECO VILLAGE MATSUDO

エコビレッジ松戸

大成建設株式会社

TAISEI DESIGN Planners Architects & Engineers

大成建設株式会社一級建築士事務所

財団法人 電力中央研究所

集合住宅

新築

D. 評価技術/FB

K. その他 J. 生物多様性 I. 周辺・地域への配慮

H. 生産・施工との連携 G. 建物基本性能確保 F. 長寿命化 E. リニューアル

C. 各種制度活用 B. 省エネ・省CO2技術 A. 環境配慮デザイン

地上5階

RC造

6,811

8,544

2000

地域共生を意識した環境配慮型集合住宅

LR3.1. 地球温暖化への配慮

LR3.2. 地域環境への配慮

LR3.3. 周辺環境への配慮

※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します

大成建設の環境配慮技術 ~エコビレッジ松戸~ 

家族棟住宅 コモンガーデン 既存樹木の森 単身棟住宅

・換気量削減

全電化厨房

・省エネルギー ・快適環境  

高気密・高断熱

・省エネルギー ・快適環境  

高気密・高断熱

・高断熱

壁面緑化

・太陽光発電

太陽光利用

・太陽光発電

太陽光利用

・24時間換気 ・住人の健康 ・快適環境

全熱交換機

貯水槽

・住人同士の  コミュニケーション

家庭菜園

・資源の有効利用 ・ゴミ容量削減

生ゴミコンポスト

・環境保全

ビオトープ

・環境保全

既存樹木の保存・活用

・負荷削減 ・快適環境

自然換気

・資源の有効利用 ・環境保全 

雨水浸透

・高耐久性コンクリート 

長寿命建築

・日照・通風

逆梁・ハイサッシ

・床下収納 ・設備配管スペース  ※メンテナンスが容易  ※将来の住戸プラン変更に対応

逆梁工法

・高断熱

ペアガラス

・ゆとりと開放感

高階高

・住人の健康

健康材料

・省エネルギー

日よけルーバー

・節水

節水器具・定量止水弁

・エネルギーの有効利用

住宅用氷蓄熱ピートポンプ

・エネルギーの有効利用

セントラル給湯ヒートポンプ

・省エネルギー

省エネスイッチ

・エネルギーの有効利用

躯体蓄熱・放射冷暖房

・プライバシーの確保

空中廊下

・高断熱

ダブルルーフ

「エコビレッジ松戸」は、(財)電力中央研究所の

社宅・独身寮の設計コンペにおいて「21世紀に

ふさわしい住宅として、エネルギー資源の節約、

有効利用ならびに地域共生を考慮した環境配慮型

集合住宅」を実現するプロジェクトとして当選

し、平成12年、千葉県松戸市に竣工した。

日当たりと風通しの良い街づくり

家族棟住宅は真南を中心にサークル状に配置した

形態となっている。南の隅に密集していた既存樹

木を全面的に保存するとともに、動線やコミュニ

ティーの要であるコモンガーデンを囲み込むよう

に創るためのレイアウトである。また、これは日

照と、この地域の季節風にも配慮した配置となっ

ている。この地域の風環境を解析し、夏は卓越風

である南南西の風を住棟間のスリットを通して呼

び込むように、冬は北西からの季節風を受け流す

ようになっている。

また、家族棟を五つに分棟することによって出来

たスリットは周辺環境への威圧感を和らげるとと

もに、既存樹木の森とコモンガーデンを一体的に

繁ぐ役目をしている。また、分棟化により全住戸

三面開口を可能とし、日照、通風、換気、プライ

バシーといった戸建住宅の良さを集合住宅におい

ても実現している。

健康で安全な次世代型長寿命住宅

家族棟住宅は階高3.3mと一般より高く

とり、高い天井高の、明るく開放的なリビ

ングルームをつくるとともに、さらに逆梁

を利用して床下収納や掘ごたつの設置、そ

して設備の配管ダクトを床下展開として、

メンテナンスや将来の改修工事を行いやす

くしている。

環境デザインからのアプローチ

松戸市にはビオトープネットワークによる街づくり構想があり、これを踏まえ

て地域の生態系と連携する飛び石ビオトープを創っている。“コモンガーデン

(中庭)”には暮らしの中で自然や“農”を楽しめるように、ミニ農園、果樹

林、コンポストなど多様なアクティビティを支えるしくみを導入し、コミュニ

ティを活性化している。既存樹木を全面的に保存した“既存樹木の森”はクス

ノキやオオムラサキツツジなどを活かした野生味のある子供の遊び場としてい

る。また、境界部に塀を作らないなど地域に対しオープンでパブリックな環境

デザインをめざしている。

住空間の快適性と省エネ・省資源

省エネルギー対策としては、まず、パッシブなシェルターとしての建築的対応

を基本と考えている。戸内の欄間の設置による自然換気(通風)、ルーバーや

壁面緑化による日射制御、ダブルルーフ、ペアガラスの採用、外壁や屋根の高

断熱・高気密化を行っている。

環境整備テクノロジー

設備技術としてはエネルギー効率を重視した省エネ及び環境配慮を行った。

“電力の平準化”、つまり「昼間の電力使用量を極力夜間へ移行するための技

術」として、住宅用氷蓄熱ヒートポンプ空調機『ホームアイス』を家庭用に開

発した。また、『カベクール』は、夏場においてヒートポンプ給湯機の稼動時

に発生する冷熱を各戸に伝え、躯体蓄熱を利用して、夏の就寝時の輻射環境を

改善し快適環境を朝まで保つシステムである。このようにして電力負荷平準化

をしながらエネルギー効率を改善し、省エネルギーとCO2排出抑制を実現して

いる。

設計担当者

総括:伊藤治麿、山田達行/建築:山田達行、北岡修、佐伯徹(元所員)/構造:穂刈孝史、森田泰治/設備:高橋淳一、吉永實、小林光/

環境デザイン:人見修、蕪木伸一、川崎泰之、清流忠邦

冬の季節風のシミュレーション 夏の季節風のシミュレーション

『ホームアイス』    『カベクール』

配置図・1階平面図

コモンガーデン 既存樹木の森

 

住宅用氷蓄熱