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九工大大学院生命体工学研究科 教授九工大エコタウン実証研究センター センター長ＮＰＯ法人北九州エコ・サポーターズ 理事長
白井 義人
九州工業大学エコタウン実証研究センター
ケミカルリサイクルについて「グリーンプラスチックのケミカルリサイクル」
‐都市の食物連鎖‐
自然界の食物連鎖
生産者（植物）
第１次消費者（草食動物）
第２次消費者（小型肉食動物）
第３次消費者（大型肉食動物）
分解者（微生物）
都市の食物連鎖
生産者（農水畜産業）
ハード産業（第２次産業）
ソフト産業（第３次産業）
分解者（静脈産業）
化石資源
廃 棄
2001年北九州博覧祭会場の生ゴミからつくられた
ポリ乳酸ペレット
ケミカルリサイクルについて「グリーンプラスチックのケミカルリサイクル」
‐都市の食物連鎖‐
蒸留
生ゴミ糖化液からポリ乳酸の生産フロー図
生ゴミ糖化液
乳酸発酵
固液分離 水
濃縮
エステル化
加水分解90% 乳酸
ラクチド 重合 ポリ乳酸
アンモニア
残渣
残渣
100 kg
95 kg
65 kg
30 kg
5 kg
3 kg
8 kg
5 kg
15 Mcal
19 Mcal
10 Mcal
8 Mcal
10 Mcal
10 Mcal
72Mcal/5=14.4Mcal/kgPL
（飼料添加物）
（リン資源） ゴミ焼却排熱ブタノ－ル
ここがデンプン糖化液に変われば通常のポリ乳酸生産
発酵
精製
重合
ポリ乳酸
食糧との取り合いなし？
エタノール
バイオマスに関する基本コンセプト
太陽エネルギー以上はできない
食糧かエネルギー・資源か？
バイオマス資源を一瞬に使うべきでない！
バイオマスも2次資源(フィード・ストック）に！
最終的にエネルギーに！
L-Lactic acid D-Lactic acid
D
C H OH COOH CH3
乳酸（Lactic acid）
CH3CH(OH)COOH
Poly-L-Lactic acid
L L L L L L LL
D D DL L L L L
Poly-DL-Lactic Acid
ポリ乳酸の立体構造と光学活性
L 鏡
L L L L L L LL
ポリ乳酸の特徴（バイオマス由来に加えて）◎透明度が高い◎引っ張り強度が高い ポリスチレンに似ている◎ガラス転移点と融点が高い
◎生分解性がある◎加水分解や熱分解が容易
ケミカルリサイクルの可能性10％アンモニア水
ポリ乳酸 ポリエチレン 80℃に加温し攪拌 2時間後
アンモニアによるポリ乳酸の分解
OO
OO
OO
O O O
O O
O
O
O
O
汎用プラスチック
回収樹脂
OO
O
O
O O
O
OD ,L - D .D -
OH
O
etc
ポリ乳酸の化学リサイクル
ケミカルリサイクルケミカルリサイクル
・モノマー原料に戻すリサイクル法
・リサイクル製品の質が落ちない
ポリ乳酸製品のケミカルリサイクル
ラクチド化
重合
乳酸
ポリ乳酸
植物澱粉
糖化
乳酸発酵
精製
ラクチド
ポリ乳酸の製造工程ポリ乳酸の製造工程
熱分解
ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクル
グルコース
ポリ乳酸製造に必要な多くの製造工程を省ける
ポリ乳酸のケミカルリサイクル
エネルギーコストとも
削減できる！
課題： 効率的分解とラセミ化制御
OO
O
O
OO
O
O
OO
O
O
OO
OO
OO
OO
O
O
O
O
O
O
O
Kinetics Parameters
Control of Racemization
L,L meso D,D
etc.
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
150 200 250 300 350 400T (℃)
w
Heating rate: 5°C min-1
PLLA-HMgOCaO
選択的ラセミ化 L-lactide ラセミ化
Mgの分解プロセスへの効果
マグネシウムによるラセミ化制御
0
5
10
15
20
25
60-1
8018
0-19
019
0-20
020
0-21
021
0-22
022
0-23
023
0-24
024
0-25
025
0-26
026
0-27
027
0-28
028
0-29
029
0-30
0
Temperature range/℃
Amou
nt o
f mes
o-la
ctid
e
0102030405060708090100
Rat
io o
f mes
o-la
ctid
eamount
ratio
PLLA+MgO，金属含有率 5%，He，60~270℃，10℃／min
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
150 200 250 300 350 400 450 500
Temp[℃]
w
熱分解における触媒 (ＭｇＯ) の効果とは？
各ブレンドフィルム(PLLA成分)の残重量分率ｗと温度[℃]の関係 (φ= 5K min-1)
PLLA-H50%-PS50%_MgO2.5%
PLLA-H50%-PS50%
PLLA-H20%-PE80%
PLLA-H20%-PE80%_MgO 5.0%
MgOの添加効果によりPLLAの
熱分解温度が低温側へ移行
0
100000
200000
300000
400000
500000
600000
700000
0 10 20 30 40
熱分解生成物 (ＭｇＯ添加)
Ｌ，Ｌ－ｌａｃｔｉｄｅ
各ブレンドフィルムの熱分解GC/MSの測定結果
PLLA-H20%/PE80%_MgO 5.0% (260℃)
PLLA-H50％/PS50％_MgO 2.5% (260℃)
経過時間 [min]
○回収ラクチドの再重合
ポリ乳酸製カップ 触媒混合
ラクチド回収
再重合
精製LL-ラクチド
再生PLLA
Mw=20万
Mw=27万
PLLA/PLLA/汎用樹脂からの汎用樹脂からのL,LL,L--ラクチドへの選択的解重合ラクチドへの選択的解重合
-押出成形機を用いた高速ケミカルリサイクル-目標• ポリマーアロイ／難燃性／リサイクル性の鼎立• ラクチド定量回収と高光学純度保持課題• Al(OH)3の機能評価
• リン系難燃剤の機能評価• 実機による実証• ネガティブリストの作成
可塑化部 滞留部
ベント-1
ラクチド
汎用樹脂リペレット
滞留部 滞留部
スクリュ－モーター
スクリュ－モーター
OO
O
O
PLLA／汎用樹脂／
難燃化剤／解重合触媒ベント-2 ベント-3
前処理前処理
「難燃性乳酸ポリマーのケミカルリサイクル方法」特願2004‐135476 世界10カ国以上に国際出願
「ラクチドの製造方法」特願2002‐124375、「ラクチドの回収方法」特願2007-074639「難燃化乳酸ポリマー組成物からのラクチドの回収方法」特願2008-298858
「ラクチドの回収装置および回収方法」特願2009-9737
トウモロコシ バイオマス（ポリ乳酸）
カップ
イベント会場での使用と回収
ＮＰＯ法人北九州エコ・サポーターズは多くの方々の応援の下、トウモロコシからできたポリ乳酸カップを、コンサート、スポーツ観戦、地域の祭などのイベントや企業社内での使用後、回収し、さらに進化したポリ乳酸としてケミカル・リサイクルさせる事業を提案しています。その第1弾として7月24日から8月3日までZeppで開催された坂本龍一JAPANTOUR2005で世界で初めて試みられました、ポリ乳酸はバイオマスからできた、化石資源を使わないプラスチック、たとえ燃やされ炭酸ガスになっても、光合成によって吸収され、炭酸ガスの放出がない環境にやさしい素材として知られています、一方、容易に原料乳酸に戻り、元のプラスチック以上の品質をもつプラスチックになるケミカル・リサイクルはほとんど知られていません。ここに世界で初めて実際に使用されたポリ乳酸製品のケミカルリサイクル社会実験の結果をアップします。
ポリ乳酸
バイオマス
ラクチド
熱分解
プラスチック製品白いラクチド粉末が見える
坂本龍一JAPANTOUR2005とZeppでコラボレーション世界初！バイオマスプラカップのケミカルリサイクル
使用カップは(社)日本有機資源協会より我が国第1号のバイオママーク商品として認定されました。
NPO法人 北九州エコ・サポーターズ
農林水産省支援プロジェクト、主催：NPO法人北九州エコ・サポーターズ・（株）東大総研、協力機関：アサヒビール（株）・NPO法人エコロジーオンライン・国立大学法人九州工業大学・(株）ホールネットワーク・NPO法人グリーンズ
回収ボックス
ドリンクコーナーの販売風景
啓発パネル
ポリ乳酸製カップ（バイオマスカップ）
押出成形機で熱分解ポリ乳酸原料
（ラクチド）再生ポリ乳酸
ハート型マグネット
NPO法人北九州エコ・サポーターズ
活動紹介 ～バイオマスカップ使用とケミカルリサイクル～
ボールとバットの模型
メガホンバングル
カップは回収後、資源となります
様々なポリ乳酸製グッズを開発中
NPO法人北九州エコ・サポーターズ
NPO法人北九州エコサポーターズでは、バイオマスカップの普及とリサイクルに取り組んでいます。このカップはとうもろこし由来の生分解性プラスチックからできています。石油由来のプラスチックとは異なり、回収後、リサイクルして原料のポリ乳酸に戻すことができます。現在では、回収したカップを原料とした様々なポリ乳酸グッズを開発中です。今回、ご使用いただいたカップも新たな製品に生まれ変わります。
生解分解性プラスチックの新しいリサイクル；ケミカルリサイクル
ヤフードーム 学園祭
サンセットライブカップ回収の様子
福岡県内を中心に全国様々な場所でバイオマスカップを使用していただいています。
カップ使用年間
約２０万個
お問い合わせ〒808-0002北九州市若松区向洋町10-1TEL&FAX: 093-751-2811E-mail: [email protected]: http://kitaq-eco.net
水蒸気分解による他樹脂との分離
PET： kd,Mv≈0
PLLA：kd,Mw=0.0240
Critical Value
K d,M
w
130℃120℃110℃
PETとの分離
PBS,PCとの分離
Critical Value
オリゴマー
ポリマー
オリゴマー化条件 130℃
水蒸気分解
PLLA フレーク
PET
破砕
変化なし
乳酸オリゴマー
重合
乳酸
ポリ乳酸
植物澱粉
糖化
乳酸発酵
精製
ラクチド
ポリ乳酸の製造工程ポリ乳酸の製造工程
水蒸気分解
ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクルケミカルリサイクル
・モノマー原料に戻すリサイクル法
・リサイクル製品の質が落ちない
グルコース
ポリ乳酸製造に必要な多くの製造工程を省ける
ポリ乳酸製品のマテリアルリサイクルとケミカルリサイクル
樹脂化
回収した卵パックを専用袋へ入れる
１３０℃、９０分で加熱水蒸気処理
処理後は体積が減り、白色化
ポリ乳酸製卵パックは手で砕くと簡単に粉々になる
ラベル、ビニールテープ、PET製パックを取り除くとポリ乳酸をオリゴマーの状態で回収することができる
加圧高温水蒸気による回収卵パックからの乳酸オリゴマーの回収
・ポリ乳酸地域循環と回収ポリ乳酸を利用した次世代ポリ乳酸の開発
北九州エコサポーターズと環境テクノスが中心になって卵パック等の店頭回収
回収ポリ乳酸を原料とした次世代ポリ乳酸の開発
耐熱性＋資源循環特性
物性↑・資源循環特性保持
融点↑, 資源循環特性↓
PLLA
sc-PLA
ガラ
ス転
移温
度
融点
資源循環特性
PTMG
PLLA/PP
Tg 維持Tm 30℃以上up資源循環性 問題あり
耐熱性 15℃以上up資源循環性 OK
PLLATg 55℃Tm ～170℃
機械的性質 up資源循環性 問題あり
次世代ポリ乳酸の必要性と方針
アンチラセミ化
耐熱性改善結晶化速度向上
循環性維持
O
O
O
O
Tetramethylglycolide(TMG)
O
O
O
O
O
O
O
O
O
O
O
O
L,L-lactide D,D-lactidemeso-lactide
PLLA (S)(S)
(R)(S)
(R)(R)
PTMG（次世代ポリ乳酸）
