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■標準和名:ナルトビエイ ■学名:Aetobatus narutobiei ■分類:エイ目トビエイ科 ■形態:体盤は横に延びたひし形、 背面は茶褐色、尾は 長く棘は有毒 ■分布:国内では主に有明海・周防灘を含む九州沿岸域 と瀬戸内海に分布(伊勢湾でも確認) ■出現時期と回遊:有明海では、春~秋にかけて有明海 全海域を回遊して過ごし,雌雄別、成熟度別に群で行動。 有明海は繁殖場(交尾・出産)及び餌場(二枚貝類)と なっている。水温が低下する11月から12月には深場へ 移動し、さらに下がると有明海外へ移動。正確な越冬場 所は不明 ナルトビエイの生態 0 ナルトビエイの推定回遊経路

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Page 1: ナルトビエイの生態 - maff.go.jp · ナルトビエイの生物生態調査 2 ナルトビエイの効果的な駆除に必要となる、行動生態や二枚貝類 の食害実態把握のための調査

■標準和名:ナルトビエイ

■学名:Aetobatus narutobiei

■分類:エイ目トビエイ科

■形態:体盤は横に延びたひし形、 背面は茶褐色、尾は長く棘は有毒

■分布:国内では主に有明海・周防灘を含む九州沿岸域と瀬戸内海に分布(伊勢湾でも確認)

■出現時期と回遊:有明海では、春~秋にかけて有明海全海域を回遊して過ごし,雌雄別、成熟度別に群で行動。有明海は繁殖場(交尾・出産)及び餌場(二枚貝類)となっている。水温が低下する11月から12月には深場へ移動し、さらに下がると有明海外へ移動。正確な越冬場所は不明

ナルトビエイの生態

0 ナルトビエイの推定回遊経路

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アサリ、タイラギ等の二枚貝に対する食害や漁網(刺し網)の破損等の被害

ナルトビエイによる漁業被害

刺し網にかかったナルトビエイ 1

ナルトビエイが干潟の二枚貝を食べた痕

ナルトビエイの胃内容物 (大量の二枚貝)

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ナルトビエイの生物生態調査

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ナルトビエイの効果的な駆除に必要となる、行動生態や二枚貝類の食害実態把握のための調査

捕獲個体の体盤幅測定 捕獲個体への標識取り付け

捕獲個体の摂餌物調査 標識個体の放流

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ナルトビエイによる漁業被害防止対策

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刺し網を利用して、漁業者が洋上駆除を実施

刺し網を使って産仔前のナルトビエイを駆除

駆除したナルトビエイを陸揚げ

陸揚げしたナルトビエイを処理場等に運搬(買取)