41
ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書について この報告書は、インドネシアのハラール認証について、インド ネシアの認証機関への認定に係る基準や、日本国内の食肉処理施 設におけるハラール認証取得への取組状況等の聞き取り調査を行 い、現時点での状況をとりまとめたものです。 なお、ハラール認証の仕組等は国によって異なるほか、本調査 は調査先の説明をもとにしていますので、食肉処理施設がハラー ル認証取得に取り組まれる際には、認証機関へお問い合わせいた だくようお願いいたします。

ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書について

この報告書は、インドネシアのハラール認証について、インド

ネシアの認証機関への認定に係る基準や、日本国内の食肉処理施

設におけるハラール認証取得への取組状況等の聞き取り調査を行

い、現時点での状況をとりまとめたものです。

なお、ハラール認証の仕組等は国によって異なるほか、本調査

は調査先の説明をもとにしていますので、食肉処理施設がハラー

ル認証取得に取り組まれる際には、認証機関へお問い合わせいた

だくようお願いいたします。

Page 2: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

ハラール牛肉の供給体制の構築

に向けた調査事業

平 成 2 6 年 3 月

Page 3: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

Ⅰ.調査概要 ································································································· 1 1.はじめに ······························································································ 1 2.調査の目的 ··························································································· 1 3.調査の方法 ··························································································· 1

Ⅱ.インドネシア・ウラマ評議会(MUI)調査結果 ············································· 3 1.MUI のハラール認証 ·············································································· 3 (1)ハラール認証制度(HAS) ·································································· 3 (2)ガイドライン HAS23103 の内容 ··························································· 4

1. 条件と定義 ······················································································· 4 2. ハラール認証制度(HAS)の実施の主な目的とその原則 ·························· 5

2.1 HAS 実施の主な目的 ······································································ 5 2.2 ハラール認証制度(HAS)の原則 ···················································· 5

3. ハラール・ポリシー ··········································································· 5 4. ハラール・マネジメント・チーム ························································· 6 5. トレーニングと教育 ··········································································· 6 6. 許可された/合法の動物 ····································································· 6 7. 生産施設 ·························································································· 7 8. 重要な活動の手順書 ··········································································· 7

8.1 と畜前 ························································································ 7 8.2 スタニング(ある場合) ································································ 7 8.3 と畜 ·························································································· 10 8.4 と畜後 ······················································································· 12 8.5 と畜後の処理と保管 ····································································· 12 8.6 ラベル表示 ················································································· 12 8.7 輸送 ·························································································· 13

9. トレーサビリティ ············································································· 13 10. ノンハラール製品の取扱い ······························································· 13 11. 内部監査 ······················································································· 13 12. マネジメント・レビュー ·································································· 14 13. その他 ·························································································· 14

13.1 ハラール認証制度マニュアル ······················································· 14 13.2 LPPOM MUI ハラール認定施設/と畜場リスト ······························ 14

2.ハラール認証の手続き ··········································································· 15 3.ハラール認証に関する相談窓口 ······························································· 27

Page 4: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

Ⅲ.国内の食肉処理施設の調査結果 ·································································· 29 1.ハラール認証取得に関する関心度 ···························································· 29 2.国内食肉処理施設事例 ··········································································· 30

A 県事例 ····························································································· 32 B 県事例 ····························································································· 35

Page 5: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

Ⅰ.調査概要 1.はじめに

本調査は、農林水産省「ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業」の委託を受け、

株式会社 社構研が調査を行ったものである。 この報告書は日本国内の食肉処理施設及びインドネシアのハラール認証機関に聞取りを行い、

現時点での情報を取りまとめたものである。ハラール認証の取得にあたっては、ハラール認証

に係る関係機関と連絡、調整を行っていただきたい。 2.調査の目的

ハラール認証とは、宗教上の理由からイスラム教徒の消費者が食品をチェックする指標とな

る規格であり、認証の要件は国ごとに異なっている。 日本再興戦略(平成 25 年 6 月 14 日閣議決定)において、2020 年に農林水産物・食品の輸

出額を 1 兆円を目指すこととされ、これを受け農林水産物・食品の国別・品目別輸出戦略にお

いて、牛肉の輸出額を目標 250 億円とするとともに、ハラール認証を取得しようとする取組に

対し、きめ細やかな支援を措置することとされた。 こうしたことを受け、国産牛肉の輸出を拡大するためには、世界人口の 4 分の 1 を占めるイ

スラム教徒という巨大な食市場に対し輸出促進を図る必要がある。加えて、約 10 万人の国内在

住イスラム教徒、年間約 30 万人のイスラム圏からの旅行者に対するハラール牛肉の供給体制を

構築することで、国内向けの牛肉の需要を拡大することができる。 そこで本業務において、今後牛肉の輸出解禁が期待されるインドネシアについて、食肉処理

施設のハラール認証取得に必要な手続きを調査し、報告書としてとりまとめることで、ハラー

ル牛肉の供給の促進を図る。 3.調査の方法 (1)インドネシアのハラール認証機関へのヒアリング調査

インドネシアのハラール認証機関であるインドネシア・ウラマ 1評議会(MUI:Majelis Ulama Indonesia)を訪問し、資料収集及びヒアリングを行った。

(2)国内の食肉処理施設の事例調査

① 国内の牛のと畜のみを行う食肉処理施設に対し、インドネシアのハラール認証取得の意

向調査を行った。意向調査は調査票を郵送し FAX により回収後、必要に応じ電話で補足

調査を行った。 ② インドネシアのハラール認証を有する国内食肉処理施設1箇所に対し、ハラール牛肉生

1 ウラマとは、イスラム聖職者の意味。 - 1 -

Page 6: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

産の処理手順、導入設備、投資金額等について調査を行った。 ③ インドネシアのハラール認証取得の意向のある国内食肉処理施設1箇所に対し、牛肉生

産の処理手順、導入設備、投資金額等について調査を行った。 (3)検討委員会の開催

調査にあたって有識者3名により構成される検討委員会を設置した。委員会は2回開催され、

第 1 回委員会(平成 25 年 12 月 5 日)では調査に対する意見を、第 2 回委員会(平成 26 年 3月 3 日)では報告書に対する意見を求めた。

ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業検討委員(50 音順、敬称略)

萩原 新一 ゼンカイミート株式会社 代表取締役社長 長谷川 直行 日本貿易振興機構 農林水産・食品調査課 課長 細見 隆夫 公益財団法人日本食肉生産技術開発センター 専務理事

(4)調査時期

平成 25 年 12 月~平成 26 年 3 月 (5)調査実施機関

株式会社 社構研

- 2 -

Page 7: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

Ⅱ.インドネシア・ウラマ評議会(MUI)調査結果 1.MUI のハラール認証 (1)ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)

インドネシアでは、国家食品・医薬品監督庁(BPOM:Badan Pengawas Obat dan Makanan)により食品の流通が規制されおり、日本から食品を輸出する際には、ML 制度により、BPOMに申請し承認を得ることが義務付けられている。 さらに食品が、より厳格なイスラム法の見地からハラール 2(合法)であることの認証はイス

ラム聖職者の団体である MUI が担っており、具体的な検査、評価の手続きは MUI の食品・医

薬品・化粧品検査研究機関である LPPOM MUI が行っている。LPPOM MUI は 1988 年にム

スリムの水田に豚油脂が大量に流入した事件をきっかけに 1989年にMUIが創設した非営利の

検査機関である。 【補足】ML 制度とハラール制度 3

ML 制度とは、インドネシアに食品を輸入するとき、事前に国家食品・医薬品監督庁(BPOM)

に申請し、登録番号(ML 番号)を取得しなければならないとする制度である(根拠法規:保

健大臣規定 No. 382/MEN.KES/PER/VI/1989。ML:インドネシア語で海外食品を意味する

Makanan Luar Negeri の頭文字に由来)。したがって ML 番号のない輸入食品をインドネシア

国内で流通させることはできず、小売店舗に陳列することもできない。 ML 制度は、輸入食品の安全性と表示を確保する制度である。登録を得るためには、輸入業

者が商品(現物)を添えて BPOM に申請することとなる。申請に際しては、商標、原材料・

食品添加物、包装容器、生産プロセス、品質管理システム、製品の分析結果などの添付書類が

要求される。申請後、書面・現物に基づき審査が行われる。審査期間は 3 カ月、手数料は無料

とされている。ML 登録の期限はないが、加工食品の輸入には、国内搬入のたびに BPOM の搬入承認を得なければならないことになっている。 ハラール制度は、イスラム法にしたがった食品の規準を定め、これを管理する制度である。

具体的には、イスラム法の禁ずる豚肉やアルコール等を含まない、安全な食品の規準を定めて、

規準に適合する食品をハラール認証食品として表示をさせ、適合しない食品の生産、流通、輸

入などを制限する制度である。ハラール制度は、国家の定める基準ではなく、宗教機関の定め

る規格である。 LPPOM MUI は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価

を行っており、2012 年 3 月この HAS の基準書を作成した。その構成は以下の通りである。 HAS23000 (総論にあたる基準書で 2 部構成)

23000-1 ハラールマニュアルの基準 23000-2 ハラール認証方針と手続き

2 Halal はハラルとも表記されるが、本書ではハラールに統一して表記している。 3 「インドネシア食品産業進出可能性調査報告書」平成 24 年3月食品産業センターより一部抜粋

- 3 -

Page 8: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

HAS23103 と畜場のための HAS HAS23201 ハラール食品原料条件 このうち、HAS23103 の内容を以下に記述する。

(2)ガイドライン 23103 の内容 1. 条件と定義

a) ハラール認証制度(HAS)は、LPPOM MUI の要件に従ってハラール生産プロセス

を維持するために、材料、生産プロセス、製品、人材、そして手順を管理、確立、実

施、維持する統合マネジメント・システムである。 b) ハラール認定とは、企業の HAS の実施が LPPOM MUI の要求に合致することを証明

する、いくつかのステップを通してハラール認定書を手に入れるプロセスである。 c) ハラール認定書とは、ファトワ委員会の決議を経てMUIが発行する法的決定(fatwa)

書である。この決議は LPPOM MUI によって実施された監査プロセスに基づいて、

製品のハラール性を明示するものである。 d) と畜場は、技術と衛生の要件を満たす、特別に設計され建設された複合ビルである。

それは、大衆の消費のため、家畜や家禽のと畜をする場所として使われる。 e) 生産設備は、自他の所有にかかわらず、製品の生産に使用される全ての設備である。

設備という言葉はまた、と畜前、と畜、と畜後の処理、冷蔵室、脱骨室、製品保管庫、

運搬車といった、生産活動に使われるすべての設備を含んでいる。 f) 重要な活動は、生産プロセス・チェーンにおける活動で、製品のハラール・ステータ

スに影響を与える活動である。 g) このガイドラインにおける動物は、ハラールな畜種と定義され、その肉は普通に人間

によって消費される牛、水牛、馬、やぎ、羊、雄牛、ラクダ、ダチョウ、家禽(鶏、

アヒル、七面鳥)などである。 h) 枝肉は、ハラールなと畜をされ、頭、足、皮、生殖器、内臓、余分な脂肪を取り除い

た、健康な動物の胴体の部分である。 i) 食肉は、枝肉の一部、骨に密着した骨格筋であり、通常は安全で、骨付きでも骨なし

でも人間の消費に適している。 j) 可食臓器は(胸部であれ腹腔であれ)内部の部分/器官である。適切にハラール式に

と畜され、一般に人間の消費に適している。 k) 生体検査は、と畜前に所轄機関が動物の健康状態を調べる検査である。 l) と体検査は、と畜後に所轄機関が動物の枝肉と内臓を調べる検査である。 m) と畜は食肉を生産するいくつかのステップの活動であり、生体検査、と畜、と畜後の

処理、と体検査で構成される。 n) 動物の放血は、動物を殺し、完全に死んだ状態にする活動である。それは、動物愛護

と同様のイスラム法の原理に従って、動物を殺した結果による。スタニングはハラー

- 4 -

Page 9: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

ル式のと畜の前に、動物を気絶させることである。 o) ハラール・スーパーバイザーは、と畜場のマネージャにより配属された常勤の職員で

あり、と畜プロセスのハラーム(非合法)性の重点(クリティカル・ポイント)管理

責任者である。 p) と畜後の処理は、動物のと畜後に行われる活動で、足と頭の切断、皮剥ぎ、内臓外し、

枝肉仕上げ、冷蔵、脱骨、包装で構成される。 q) ハラール製品は、ハラールなと畜に由来する製品であり、ハラールの要求を満たす枝

肉、正肉、内臓、大動物/小動物の原皮などである。 r) ノンハラール製品は、ハラールと畜の要件を満たしていないと畜プロセスによる製品

であり、と畜前に死んだ動物、要件に合致しないスタニング、そして/または、ハラ

ールの要件を満たしていないと畜などである。

2. ハラール認証制度(HAS)実施の目的とその原則 2.1 HAS 実施の主な目的 HAS 実施の主な目的は、ムスリムがハラール製品を消費する義務を果たすために、製品のハ

ラール性を保証することである。ハラール製品を消費することはムスリムの義務であり、法

的な義務があるものすべてについて、実行が義務付けられている。 2.2 ハラール認証制度(HAS)の原則 a)誠実 会社は使用されたすべての物質と生産プロセスについて誠実に述べなければならない。

b)信頼 LPPOM は、会社が、会社内の実際の状態に基づいて自ら HAS を確立、実施、維持するこ

とを信頼する。 c)全員参加型の取組 会社は、HAS の実行を維持するために、幹部、社員全員を参加させる。

d)絶対的 ハラール生産に使用されるすべての物質がハラールであると保証されなければならない。

製品のハラール性に関して、低・中・高リスクを認めない。

3. ハラール・ポリシー

a) 経営トップは、ハラール・ポリシーを明示しなければならない。これは、HAS の基礎

であるとともに、一貫してハラール肉だけを生産することへの会社の誓約を定めたもの

である。 b) 経営トップは、生産、流通を担当するすべての関係者に HAS 広め、伝えなければなら

ない。(例、部分肉加工場、独立した脱骨室)

- 5 -

Page 10: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

4. ハラール・マネジメント・チーム

a) 経営トップは、ハラール・マネジメント・チームを創設しなければならない。 b) ハラール・マネジメント・チームの義務、責任、権威は明確に定義され、すべての団体、

部門、部署に理解されなければならない。 c) ハラール・マネジメント・チームは、重要な活動に参加するすべての部門を含まなけれ

ばならない。 d) 経営トップは、HAS を開発、実行、そして継続的に改善していくために必要な資源を

提供しなければならない。必要な人材は、スローターマン、スタニング・オペレータ、

ハラール・スーパーバイザーなどである。スローターマンは専任者を最低 2 人置かなけ

ればならない。 スローターマンの条件:18 歳以上の健康なムスリムであり、MUI の発行すると畜

のライセンス保有していること スタニング・オペレータの条件:健康で、MUI のスタニング実践トレーニングに

パスしていること(ムスリムでなくともよい) ハラール・スーパーバイザーの条件:18 歳以上の健康なムスリムであり、MUI の

トレーニングにパスしていること

5. トレーニングと教育

a) 重要な活動に関与する全ての従業員のトレーニングについての手順書を作成しなけれ

ばならない。 b) トレーニングは少なくとも年に1回以上、計画的に行われなければならない。 c) 会社は認証取得時や更新時に LPPOM MUI が行うトレーニングに参加しなければなら

ない。 d) トレーニングの記録は維持、管理されなければならない。 e) スタニング・オペレータ、スローターマン、ハラール・スーパーバイザーは、LPPOM MUI

または MUI 公認のハラール認証機関により指揮監督されなければならない。

6. 許可された/合法の動物

a) このガイドラインにより許可された/合法の動物は、ハラール認定の施設・と畜場で、

と畜、加工、保管された、次に示す動物である。 反芻動物:雌牛、水牛、雄牛、やぎ、羊 家禽:鶏、あひる、七面鳥 ハラーム(非合法)動物は以下である: 豚と猪、犬、ロバ 野生動物、牙と爪をもつ肉食動物

- 6 -

Page 11: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

その他禁じられている生物 注:ハラーム動物は、イスラム方式でと畜されても、許容されない。

b) 動物はと畜前に生きている状態でなければならない。 c) 動物は健康で、動物福祉の原則を満たしていなければならない。

7. 生産設備

a) と畜場の施設は、ハラール動物の食肉のみを生産する専用施設でなければならない。(ノ

ンハラール動物のと畜と混ざってはならない) b) と畜場は豚のと畜場と同じ敷地にあってはならず、隣接してもならず、養豚場から最低

5km 離れていなければならない。 c) 脱骨プロセスがと畜場と別の場所(例:食肉カット工場)で行われる場合、枝肉はすべ

てハラールと畜場から来たものであることが保証されなければならない。 d) ナイフの条件:(ⅰ)鋭利(ⅱ)爪、歯/牙、骨から作ったものでないこと(ⅲ)サイズはと畜

される動物の首に合わせること(ⅳ)と畜される動物の前で砥いではならない。

8. 重要な活動の手順書

a) 会社は、重要な活動の実施に関する手順書を作成しなければならない。 b) 手順書は重要な活動に関わる全ての部署に配布され、活動記録は維持管理されなければ

ならない。最低でも年に 1 回は、重要な活動に対する手順書の効果が評価され、その評

価の結果は、責任部署に配布され、必要な是正措置と期限が決められなければならない。 c) 重要な活動の範囲は、と畜前、スタニング、と畜、と畜後の処理と入庫、包装、ラベル、

輸送に及ぶ。

d) 手順の十分な基準: 8.1 と畜前

a) と畜される動物は十分な休憩をとり、動物福祉の原則を満たす。 b) 生体検査は動物の健康面をチェックするために行われる c) 動物は、ストレスと痛みを最小化するようなやり方で抑えられなければ

ならない。 d) レストレーナーを使用するときは、適切に操作され効果的に行う。 e) と畜前に死んだ動物の記録は、ノンハラールなものとみなす。

8.2 スタニング a) スタニングは、と畜プロセスを容易にし、と畜時の動物のストレスを最

小にすることだけが目的とされている。 b) スタニングは、次の条件を満たすときのみ許可される:(ⅰ)スタニングは

気絶させるだけで、と畜前に死なせない(ⅱ)スタニングがいかなる部位に

も重大な身体の損傷、特に中枢神経系への損傷を与えない。 - 7 -

Page 12: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

c) スタニング・オペレータは、と畜を始める前に、スタナーがきちんと作

動することを確認しなければならない。 d) ハラール・スーパーバイザーは、スタニングがと畜前に動物を殺してい

ないことを視覚的な生命のしるしをチェックすることにより、確認しな

ければならない。 e) スタニングの方法やパラメータの変更は、変更前に検証し、b)の条件が満

たされていることを保証しなければならない。道具、方法、スタニング・

パラメータに関するガイドラインは図表 1~3 を参照。 f) ハラール・スーパーバイザーは定期的に、スタニング方法とパラメータ

が条件に適合していることを確認しなければならない。 g) ハラールと畜場の管理者は、メンテナンス計画と適切なメンテナンス説

明書を参照しながら、スタナーが正常に作動するようにしておかなけれ

ばならない。 h) 担当者はスタナーの作動の有効性を定期的に検査しなければならない。

(例:電気スタンの場合、年に 1 回は電流計と電圧計を使ってチェック) i) 食道プラグを使う場合は、動物の食道を傷つけないかぎり有効である。 j) 電動イモビライザーは動物に痛みを与えない限り使用可能である。 k) 必要条件を満たしていないスタニングの記録は維持管理されなければな

らない。

- 8 -

Page 13: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

図表 1 電気スタニング・パラメータ № 畜種 間隔(秒) 電流(アンペア) 1 子羊 0.8-3.0 0.5-0.9 2 羊 1.0-3.0 0.7-1.2 3 やぎ 2.0-3.0 0.7-1.0 4 乳牛 2.5-3.5 2.0-3.0 5 子牛 1.0-3.0 0.5-1.5 6 去勢牛 2.0-3.0 1.5-2.5 7 水牛 3.0-4.0 2.0-3.0 8 雄牛 3.0-4.0 2.5-3.5

図表 2 スタナーを当てるポイント

図表 3 空気銃のスタナー

大脳

小脳

- 9 -

Page 14: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

8.3 と畜

a) スローターマンはそれぞれの動物をと畜する前に、「ビスミッラーヒ・ア

ウッラーフ・アクバル」または「ビスミッラーヒル・ラフマーニル・ロ

ヒーム」と唱えなければならない。 b) と畜の間、動物の位置は苦痛がないようにし、台の上に寝かせるか、レ

ールにぶら下げるか、立たせるかして、できるだけと畜が早く終わるよ

うにする。 c) と畜は、血管(頸静脈と頸動脈)、食道、気管を一気に切断しなければな

らない。 d) と畜プロセスは、1 回で、できるだけ早く終わらなければならない。もし

もと畜が 1 回で終わらない場合は、ナイフが離れない限り、「のこぎりを

ひくような動作」をしてもよい。 e) と畜は、頭やせき髄を切断しないように行わなければならない。 f) スタニングを行う場合は、動物の意識が戻る前にと畜しなければならな

い。 g) スタニングとと畜の間隔は家畜で最大 30 秒、家禽で 10 秒である。 h) 動物の胸はメッカの方角を向いていることが望ましい。 i) ハラール・スーパーバイザーは、と畜プロセスがハラール条件(と畜時

に 3 つの管が切断され、血液は赤く、すばやく流れること)を満たして

いることを保証しなければならない。 j) と畜プロセスの記録は、ノンハラールの製品も含め、維持管理されなけ

ればならない。

- 10 -

Page 15: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

図表 4 と畜時に 3 本の管を切断しなければならない(2 本の血管(頸動脈と頸静脈)、気管、食道)

気管

食道

頸動脈

頸静脈

気管

食道

頸動脈

頸静脈

頸静脈

- 11 -

Page 16: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

8.4 と畜後

a) と畜により動物が死亡または死亡したと思われた後、次のプロセスが行われる。

死亡の定義は、と畜により脳の活動が停止した時とされる。 b) と畜プロセスと次のプロセスとの間の最短時間は、大動物(牛)45 秒、小動物

(羊、ヤギ、仔牛)40 秒である。 c) ハラール・スーパーバイザーは、次のプロセスが実行される前に動物が既に死

亡していることを保証しなければならない。死亡の視覚的なサインは瞳孔反射、

瞬き反射がないこと、つねってもたたいても反応がないことである。 d) 枝肉と内臓の処理は別々に行われなければならない。 e) ハラール条件を満たさなかった動物の枝肉と内臓は、ノンハラール製品とみな

され、扱われなければならない。 f) と体の検査はしかるべき機関により行われなければならない。 g) と畜場が機械によるスタニングを行う場合は、ハラール責任者はスタニングに

よる頭蓋骨の損傷をチェックしなければならない。損傷した頭蓋骨はノンハラ

ール製品(全ての肉及び副産物)としてみなされ、維持管理されなければなら

ない。 h) 電気刺激や胸部穿刺は、と畜により動物が死亡した後に実行することができる。 i) 条件を満たしていない動物を含む、と畜後の記録は維持管理されなければなら

ない。

8.5 と畜後の処理と保管 a) ノンハラール製品は、容易に追跡できるように明確にラベル表示され、ハラー

ル製品とは別に、指定された場所で、処理、保管されなければならない。 b) ノンハラール製品や不浄なものとのクロス・コンタミネーションを防ぐために、

ハラール製品(枝肉/正肉/内臓/原皮)は適切な方法で保管されなければな

らない。 c) ハラール・スーパーバイザーは、脱骨室、冷蔵保管庫等でノンハラール製品が

混入していないことを保証しなければならない。 d) と畜後の処理と保管の記録は維持管理されなければならない。

8.6 ラベル表示

a) 包装は容易に追跡できるようにハラールロゴ・マーク・サインのあるラベルを

貼らなければならない。 b) ラベルはハラール製品とノンハラール製品の区別が容易にできるようにはっき

りと明記されていなければならず、少なくとも次のような情報を明記したもの

でなければならない:(ⅰ)ハラールロゴ(アラビア語とローマ字)(ⅱ)と畜日(ⅲ)と畜場の名称 かつ/または 工場番号/設立番号/と畜場登録番号、原産国、

そして(ⅳ)正味重量。 - 12 -

Page 17: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

c) ハラールラベルは、冷却室、倉庫、冷蔵庫に移される前に製品に取り付けられ

る。

8.7 輸送 a) 輸送車はハラール製品専用として使用され、豚製品やノンハラール製品に使用

してはならない。 b) 輸送車はハラールと不浄なものとの接触をしてはならない。

9. トレーサビリティ

a) 会社は、認可された製品のトレーサビリティを保証するための手順書を作成しなければ

ならない。 b) 手順は、認可された製品が、ハラール条件によりと畜され、生産施設の基準を満たす施

設で処理された、ハラール合法の動物によるものであることを保証しなければならない。

10. ノンハラール製品の取扱い

a) ハラール基準を満たしていない原料から加工された製品やそのような施設で生産され

た製品を取り扱うための手順書を作成しなければならない。 b) 基準を満たしていない製品をハラール製品を求める消費者に販売してはならない。 c) 基準を満たしていないのに販売されてしまった製品は回収されなければならない。 d) ノンハラール製品の扱いの記録は維持管理されなければならない。

11. 内部監査

a) 会社は、ハラール認証システムの内部監査についての手順書を作成しなければならない。 b) 内部監査は、計画に基づいて少なくとも半年に 1 回、必要であればそれ以上行われなけ

ればならない。 c) 内部監査は、適切で独立した内部のハラール監査人によって行われなければならない。 d) 内部監査の結果は、それぞれの活動の責任部署に配布される。 e) 必要な是正措置とその期限が決定されなければならない。 f) 是正措置の結果は、内部監査の期間中に見つかった不適合を解決し、将来の再発防止を

保証するものでなければならない。 g) 内部監査の結果は、半年ごとに定期的な報告として LPPOM MUI へ伝えられる。 h) 内部監査の記録は、維持管理されなければならない。

- 13 -

Page 18: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

12. マネジメント・レビュー

a) 経営トップは、年に 1 回、必要ならそれ以上の頻度で、ハラール認証システム実施の効

果をレビューしなければならない。 b) 評価の結果は、それぞれの活動の責任部署へ配布されなければならない。 c) 評価結果のフォローアップは、期限を決めなければならない。 d) マネジメント・レビューの記録は、維持管理されなければならない。

13. その他

13.1 ハラール認証システム(HAS)マニュアル a) ハラール認定プロセスへの登録を希望すると畜場はすべてこのガイドラインで

要求されている HAS の基準を見たし、それを HAS マニュアルに詳細に記さな

ければならない。 b) HAS マニュアルは、状態に応じて発展させることが可能である:(ⅰ)会社の実

際の内部状態に合わせて、この要求に当てはめることができる(ⅱ)HAS マニュ

アルを開発し実行する一般的な方法を含む、と畜場向けのマニュアルのガイダ

ンスに従っても良い。 c) HAS マニュアルは、他のマネジメント・システムとは切り離して文書化されな

ければならないが、手続き、業務指示、書式は社内のマネジメント・システム

に統合されることができる。

13.2 LPPOM MUI がハラール認定した施設/と畜場のリスト 海外に位置し、MUI により承認されたハラール認定団体により認定されたと畜場は、

インドネシアに製品が輸出される前に、ハラール認定の初期の段階で LPPOM の監査

をうけなければならず、3 年内にレビューされる。と畜場がこの条件を満たせば、

LPPOM MUI ハラール認定施設/と畜場としてリストに掲載される。このリストは製

品をインドネシアに販売したいと畜場にとって必須のものとなろう。

- 14 -

Page 19: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

2.ハラール認証の手続き HAS の認定取得の申請は、LPPOM MUI(MUI の食品・医薬品・化粧品検査研究所)に行

う。役割分担は LPPOM は化学的検査、MUI は宗教的判断である。 ハラール認証取得の申請

は、2012 年 7 月から、オンラインサービスシステム CEROL-SS23000 のみにより受け付けて

いる。CEROL-SS23000 の URL は www.e-lppom.org である。また、LPPOM MUI の公式サ

イト www.halaumui.org からのリンクを経由していくこともできる。 申請から認証までの手続きは図表 5 のとおりである。

図表 5 CEROL-SS23000 によるハラール認証手続き

画面の指示に従い、企業情報の登録や料金の支払いを行うと、申請書類のアップロードが可

能になる。申請書類の内容が審査され、不備や疑問がある場合には、申請企業に伝えられ、追

加や修正をしていく。監査が終了すると現地アセスメント(査察)が行われる。査察結果に基

づき、ファトワ委員会(イスラム法学者から構成される委員会)が認定するかどうか判定する。

ファトワ委員会の承認がおりれば、MUI(インドネシア・ウラマ評議会)が認定証を発行、ア

ップロードされる。申請企業はそれをダウンロードして使用する。 申請そのものの費用は、品目等により異なるが、数千円程度である。品目によって査察が不

要のものもあるが、と畜場は必須である。また、期間については通常 3 週間以内に認定証が発

行されるが、と畜場については、査察官が不足していることやトレーニングを要するなどの理

サインアップ・ログイン 登録

登録料金の支払

登録料金の支払承認

申請書類のアップロード

新規契約

契約料金の支払

契約料金の支払承認

プレ監査

監査

HASアセスメント

ファトワ委員会

認定証アップロード

認定証ダウンロード

プレ監査モニタリング

監査モニタリング

HASアセスメントモニタリング

ファトワ委員会モニタリング

申請企業

LPPOM-MUI

- 15 -

Page 20: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

由から数か月を要することもある。4

図表 6 CEROL-SS23000 の画面

http://www.e-lppommui.org/

また、同サイトから CEROL-SS23000 のマニュアルがダウンロード可能である。

図表 7 ユーザーマニュアル(製造業)

4 費用、期間等はヒアリングに基づく。 - 16 -

Page 21: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

以下、CEROL-SS23000 のユーザーマニュアルの主要部分を記載する。 最初に、CEROL-SS23000 ホームページからサインアップの画面へ行き、申請者の情報を登

録しなければならない。 ホームページ

企業名、所在地、担当者、ユーザー名、パスワード等を登録する。企業の担当者とは別に

MUI と連絡をとる担当者の入力欄もある。 サインアップ画面

- 17 -

Page 22: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

サインアップが終了すると、ホームページに戻り、ユーザー名とパスワードでログインが可

能になる。 ホームページ

ログインに成功すると、会員用のメニューページに遷移する。メニューには、ハラール申請

登録、支払い登録、文書のアップロード、文書リスト、製品リスト、原料リスト等々がある。 メインメニュー

- 18 -

Page 23: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

登録リスト画面に行くと、すでに申請をしている製品のリストについて、支店、日付、登録

番号、業種、新規・更新、有効無効の状態などが表示されている。ADD DATA をクリックする

ことで、新たな申請を行うことができる。 登録リスト

ADD DATA をクリックすると、追加登録画面に遷移する。支店、日付、業種、すでにハラー

ルの認定を所持しているかどうか、所持している場合には認定証の登録№等を入力する。 追加登録画面

- 19 -

Page 24: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

LPPOM MUI の規約に同意することで、申請登録が完了する。同意しないをクリックすると、

申請はキャンセルされる。内容は主に HAS23000 に記載されている事項である。 規約への同意

登録料金として 200,000 ルピア(約 1800 円 5)の支払いが要求される。振込、クレジットカ

ード、現金での支払いを選択する。振込の場合は振込証のコピーをアップロードする。登録申

請後 10 日以内に支払い登録をしないと申請がキャンセルされる。 登録料金支払い

5 2014.3.7三菱東京 UFJ の参考相場 100 インドネシアルピア=0.9 円 - 20 -

Page 25: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

登録料金の支払いが承認されたら、文書をアップロードする。必要な文書は、①過去の認定

証、②HAS マニュアル、③フローチャート、④ポークフリーステートメント、⑤生産施設の所

在地リスト、⑥認定証のステータス(所持者のみ)、である。 データ・アップロード

各文書の Choose File ボタンを押して、ファイルを指定後、Process Upload Data を押して

アップロードをする。該当する文書がない場合には、白紙をアップロードする。

- 21 -

Page 26: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

製造業の場合には Manufacture のリンクをクリックして、すべての工場の所在地や連絡先等

を登録しなければならない。 工場の登録

次は申請する製品の登録である。製造業者、製品のグループ、タイプを選択する。申請する

製品の製品名や製品コードを登録する。(マニュアルの巻末に製品一覧が掲載されている) 製品の登録

- 22 -

Page 27: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

エクセルのファイルを使って製品データを登録することが可能である。エクセルのテンプレ

ートをダウンロードし、必要なデータを作成したら csv 形式で保存し、Choose File ボタンで指

定することによりインポートが可能である。

現在の HAS に関する 27 の質問に Yes/No で答えなければならない。ブランクにしておくと

登録ができない。1.HAS のマニュアルは作成済みか。2.HAS マニュアルを LPPOM MUI に提

出したか、といった内容である。これで文書のアップロードが完了する。 製品の登録

- 23 -

Page 28: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

ファイルのアップロードが終了すると、契約書が作成されるので、契約料金を支払わなけれ

ばならない。金額、操作方法とも登録料金の場合と同様である。 契約料金支払い

契約後、LPPOM MUI による監査が始まる。審査の期間、要求があれば、質問に答えたり、

追加文書をアップロードしたりすることが必要である。モニタリングは Halal Doc List メニュ

ーの項目を使って行う。 モニタリング

- 24 -

Page 29: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

この画面はモニタリングの例を示している。モニターするプロセスとしてプレ監査

(Pre-audit)が選択され、文書ごとに「通過(pass)」が表示されているが 1 箇所「文書不鮮

明。要再アップロード」といったコメントが表示されている。この場合は当該文書を再アップ

ロードしなければならない。全ての文書が「通過」になるまでこれを繰り返す。

メニューの View History から、認定プロセスの直近の活動、完了・進行中、実施者、次のス

テップなどを確認することができる。 ヒストリーの確認

- 25 -

Page 30: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

認定プロセスが終了し、ファトワ委員会の承認が下りると認定証が発行される。メニューの

Download Certificate から、画面に入り View リンクをクリックすると認定証が表示されるの

で、保存、印刷する。 ヒストリーの確認

- 26 -

Page 31: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

3.ハラール認証に関する相談窓口 MUI が正式に承認している、海外のハラール認定団体リストには、23 か国の 40 の認定団体

が掲載されている。リストは 3 つのカテゴリーから構成されており、日本の状況は次の通りで

ある。

カテゴリー 承認団体名 牛のと畜 slaughtering 九州イスラム文化センター 食品加工 food processing 日本ムスリム協会 香料 flavor 日本ムスリム協会

また、新たに 2013 年 9 月に一般社団法人 HDFJ(Halal Development Foundation Japan)

が設立された。(URL:www.hdfj.org )HDFJ は、日本製品のハラール認証を促進することを

目的としており、ハラール認証普及促進事業、ハラール認証に関連した業界、団体等への業務

提携支援、ハラール認証製品の輸出入・販売コンサルティング事業、MUI のハラール認証取得

のサポートを開始していると聞いている。

- 27 -

Page 32: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

- 28 -

Page 33: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

Ⅲ.国内の食肉処理施設の事例調査結果 1.ハラールの認証取得に関する関心度の調査

国内の牛のと畜のみを行う食肉処理施設に対し、インドネシアのハラール認証取得の意向調

査を行った。意向調査は調査票を郵送し FAX により回収後、必要に応じ電話で補足調査を行っ

た。 当初は 24 か所の施設を対象としたが、そのうち 2 施設は既に閉鎖となっていた。また 2 施

設は連絡がとれない状態になっており、回答企業は 20 施設となった。この 20 施設をハラール

認証の取得状況、ハラール認証への関心により区分すると、以下のようになった。

図表 8 ハラール認証の取得状況と認証取得への関心 取得済 未取得 計

関心あり 4 3 7 関心なし 0 13 13

計 4 16 20 「すでにハラール認証を取得した」と回答した施設は 4ヶ所で、内容は、インドネシア、UAE、

トルコ、日本国内向けとなっている。認証取得済みの施設は、すでに取得した認証以外の国の

認証取得に対しても、総じて関心が高い。 ハラール認証未取得の施設では、16 施設中関心があるのは 3 施設だけで、13 施設は関心が

なかった。認証取得済の施設では、関心が具体的な国の認証制度になっているのに対し、未取

得施設では、まだ具体的な相手国等がなく、ハラール認証取得の要件等についての基本的な情

報を模索している段階である。 関心がないと答えた施設の関心がない理由は、「要望がない」「取扱頭数が少ない」「予算がな

い」などである。 意見や疑問として挙げられたのは、

「現状のと畜処理方法と大きな差異がある」、 「ハラール牛肉以外の枝肉と同じラインで処理して問題ないか」、 「ハラール認証取得によるデメリットはあるか」、 「イスラム聖職者やハラール専門の職人の雇用契約について」 などであった。

- 29 -

Page 34: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

2.国内食肉処理施設事例 (1) 調査対象

(1) A 県の事例 (2) B 県の事例

(2) 調査実施時期 (1) A 県事例

平成 25 年 11 月 (2) B 県事例

平成 26 年 2 月 (3) 調査の要約

(1) A 県事例はインドネシア、トルコのハラール認証を受けており、タイは輸出認証を

得ている。B 県事例は UAE、オマーンの輸出認証を得ている。 (2) 両社とも直接ハラール認証を得ているのではなく、認証国に新たに設立された輸入

商社・販売会社のと畜場、加工工場として認証を取得している。 (3) A 県事例のハラール認証のビジネススキームは以下の通り。現在のところ、このよ

うなスキームを利用しないとインドネシアでの認証を得ることは難しいとの発言

があった。

MUI 食品販売会社(インドネシア窓口)) コンサルタント(日本側窓口) A 県事例

※ MUI はインドネシアの認証機関

(4) ハラール認証に伴ってハラール保証システムマニュアルの整備が義務付けられており、

その内容は①マニュアルの目的と範囲、②ハラール方針、③ハラールマネージメント

チーム ④危険行動に関する手順 ⑤流通経路追跡システム ⑥訓練 ⑦内部監査

⑧経営監査などである。 (5) A 県事例は 2009 年にインドネシアのハラール認証を取得し、販売実績は 4,000 ㎏/

月程度である。 (6) ハラールと畜の特徴は以下の通り。

① ハラールと畜では、ムスリムのと夫(スロータ―マン)によって神へのお祈りの後

にと畜する。

- 30 -

Page 35: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

② 牛を気絶させた後、ナイフで喉切りを行うが、それ以前に牛を殺すことは禁止され

ている。 ③ インドネシアでは、気絶させるためにスタニングの使用は認められている。エアガ

ンの使用も認められている。 ④ 放血時間は、A 県事例で 7~8 分、一般的なと畜時間と比べると長く、と畜処理の効

率性は低くなる。 ⑤ と畜後は頭を落とし、額等のスタニングによって死亡していないかを確かめるため

に頭部の写真を撮って、日本側コンサルを通じて LPPOM MUI に送らなければなら

ない。 ⑥ 冷蔵庫もハラール専用庫を用意する必要がある。

(7) 今後の課題は、インドネシア向けの輸出を実現するための方策を日本側コンサルタン

トとともに検討する点にあるとしている。また、スタニング方法の確立とと畜時間の

短縮、効率化が求められている。

- 31 -

Page 36: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

A 県事例(聞き取り)

1. 工場概要

(1) 工場名:A 県事例 (2) 平成 24 年度生産実績

① と畜頭数:8,448 頭 ② 冷蔵牛肉及び冷凍牛肉:1,800 トン

(3) 1 日当たり業務時間:7 時間 30 分 (4) 施設従業員数:65 名 (5) 排水処理能力:250t/日 (6) 食品安全プログラム:

① ISO9001 認証取得(2004 年) ② HACCP 認証取得(2004 年)

2. ハラール認証取り組みの経緯と現状

(1) ハラール取組の意図 ① 2001 年に発生した BSE 問題によって牛肉需要が急減し、当社の経営状況が危

機的状況に直面していた。このピンチをチャンスに変えるためにホルモンの直接

販売や食肉のインターネット販売に取り組むとともに、今後の需要拡大が見込め

る ASEAN 地域での牛肉販売に注目した。 ② ASEAN 諸国のニーズ調査を始めてイスラム教徒の食肉マーケットは大きな成

長が見込めること、同時に国内に一定の需要が存在していることを理解した。当

社は差別化によってニッチなマーケットを探していきたいと考えていた。 ③ したがって他社に先駆けてハラール認証を獲得することにより国内外のイスラ

ムマーケット獲得できると考え、牛肉のハラール認証の取得に取り組んでいった。

結局、2011 年 11 月には日本で通用するハラール認証を取得し、2012 年 7 月 25日にはインドネシアの認証機関であるMUIから国際的なハラール認証を受けた。

(2) ハラール認証の窓口 ① ハラール認証取得のためマレーシアの JAKIM と交渉したが、ハラールの専用施

設でないとダメであり、スタニングもダメということであった。最後は、ダメな

ものはダメという見解であり、断念せざるを得なかった。 ② その後、インドネシア認証取得のため、日本側コンサルタントとハラール認証の

取得のビジネススキーム提案を受けた。

- 32 -

Page 37: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

(3) ハラール認証スキーム ① 2010 年に日本側コンサルの協力を背景にしてハラール認証スキームづくりを提

案された。 ② その提案されたスキームは以下の通り。

MUI 食品販売会社(インドネシア窓口)) コンサルタント(日本側窓口) A 県事例

※ MUI はインドネシアの認証機関

(4) ハラール販売の実績 ① 2011 年以来、国内向けに月 4 トン程度出荷している。1 日換算で 200 ㎏程度と

なる。 ② 販売先は留学生や在日の労働者などをターゲットとしたハラールショップ(全国

200 店)に販売。

3. ハラールと畜の方法 (1) と畜場の条件

① 豚と畜を行っていないこと、周辺 5km 圏に養豚場や豚と畜場がないことが条件。

(2) と畜方法 ① と畜の喉切りは回転式のノッキングペンを使用している。鼻に引き縄を付けた生

体を回転式の不動化装置に導入する。 ② その前にエアガンで額をスタニング※する。牛は気絶した状態となり、体を回転

させ、喉を上に向けてナイフで動脈、気管等を切断する。 ※スタニングとはと畜する際にスタンガンなどで牛を失神させること。

③ 1 人のムスリムのと夫がナイフでスロータリングする。このナイフはハラール専

用を使用。 ④ その後、7~8 分放血する。放血は下のバケツで受ける。と夫がもういいと合図

したら、回転式を開き、床に生体を搬出する。 ⑤ その後、後脚にチェーン掛けして、シャックリングする。 ⑥ それ以後のプロセスは、通常のと畜方法と同じ。 ⑦ 1 頭をと畜すると、と畜室の血液等をきれいに洗浄し、と夫の前掛け、靴なども

- 33 -

Page 38: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

水で洗浄する。ハラールと畜では、1 頭、1 頭と畜した後にきれいに洗浄するこ

とが求められている。 ⑧ 冷蔵庫はハラール用を分けて確保しなければならない。 ⑨ ハラールと畜と非ハラールと畜とが併存する場合では、と畜順は、ハラールと畜

を最後にするか、最初に行う。タイムラグを持つことによってハラールと非ハラ

ールのクロスを回避する。 ⑩ 部分肉処理も同様で一般的には、その日のカットの最後にハラールカットを行う。

このようなタイムラグの設定は、国内供給を中心とした施設ではやむ得ないもの

として認められている。

(3) 衛生管理 ① マレーシア、インドネシアの場合は国際的に通用する HACCP や ISO22000 等

は不可欠である。

(4) ハラール設備投資 合計 約 26,000 千円

- 34 -

Page 39: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

B 県事例(聞き取り)

1. 工場概要

(1) 工場名:B 県事例 (2) 許可頭数:牛 150 頭/日 (3) と畜:週 2 回(現状はと畜を集約している) (4) と畜頭数:約 8,000 頭 (5) 部分肉処理:約 6,000 頭 (6) 排水処理能力:600 ㎥/日(1 頭 4 ㎥換算) (7) 食品安全プログラム:HACCP や ISO の認定は取っていない。

2. ハラール認証取り組みの経緯と現状

(1) 取り組みのきっかけ 2007 年夏、当社に間接的な知人よりドバイの王族が和牛を食べたいと言ってい

るので供給できないかという打診があり、日本産和牛を扱いたいという声が多く

聞かれたこともあり当社に協力を求めてきた。 (2) 認証

① 2009 年 8 月にドバイ自治政府からのインポートライセンスが届き、正式に認証

を受ける。 ② 認証は、ドバイの食肉輸入会社が受け、当社はそのと畜場と加工工場という位置

づけで認証を受ける。 ③ 認証までの期間は約 6 ヶ月。

(3) 認証の仲介機関 認証の仲介機関はイスラミックセンター・ジャパンである。

(4) ハラールと畜の導入 現在までに 15 頭の牛をハラールでと畜している。

3. UAE のハラールと畜の方法

(1) と畜場の条件 ① 同じ施設内で豚のと畜や食肉処理を行うことはできない。 ② 周辺に養豚場や豚処理施設があるところでの牛のと畜は出来ない。

(2) と畜方法

① 牛と畜の際に気絶させることはできるがスタニングは禁止。ハラールに則って行

うと畜ではスタニングは使わなかった。

- 35 -

Page 40: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

② 喉切りの前には西の方向にお祈りを捧げる。 ③ スタニング無しにと畜を行う場合には、牛の鼻に引き縄を付けて、慎重に牛の足

を縛り、喉を切る。と畜は、喉の動脈、気管等を一気に切る。 ④ 使用するナイフは、と畜場で使用していたものを貸した。 ⑤ 喉切りはムスリムでなければならない。 ⑥ 放血時間は 15 分程度。 ⑦ ハラールに基づくと畜方法で行っても肉質にスポットなどは発生することはな

かった。

4. インドネシアのハラール認証取得の検討 (1) インドネシアのハラール認証取得への基本的考え方

① インドネシア対しても今後は輸出を検討したい。 ② 現在、インドネシアの食肉パッカーと食肉輸入に関してアプローチを受けている。 ③ 基本的には、国の機関(農水省、厚労省、動物検疫所等)とよく協議しながら、

インドネシア向けのハラール輸出を検討したい。

(2) 認証に関する取組 ① インドネシアの認証に関しては今後取り組む予定。 ② 現在アプローチのあるインドネシアのパッカーは既にハラール認証を受けてい

るのであるから、そこ向けの牛肉輸出ということであれば認証を受けるための障

壁は大きくない。 ③ 認証仲介機関に関しては検討していない。

(3) ハラールと畜の方法

① と畜場の条件 と畜場の立地条件は、UAE と同じく、周辺に豚と畜施設や養豚場があるとこ

ろでは牛のハラールと畜は出来ない。 同じ施設内で豚のと畜処理は出来ない。

② と畜方法 両国ともあらかじめ牛を気絶させてと畜(スロータリング)を行うことは認

められている。 スタニングがインドネシアと UAE では異なる。インドネシアでは牛を気絶

させる方法としてスタニングが認められているが、UAE では認められない。 喉切り用のナイフも通常日本で使用しているもので良いと理解している。 それ以外は基本的に UAE のハラールと畜と大きく異なる点はないと理解し

ている。

- 36 -

Page 41: ハラール牛肉の供給体制の構築に向けた調査事業報告書につ …...は、ハラール認証システム(HAS:Halal Assurance System)に基づく評価 を行っており、2012

5. 今後の方向性

(1) ハラール専用施設としての活用

① インドネシアの認証取得時にノッキングペンによるスタニングが認められ、と畜

スピードが短縮できるようになれば、この施設全体をハラール専用施設にすると

いう考えもある。

(2) 牛肉輸出の考え方 ① インドネシア対しても今後は輸出を検討したい。 ② ドバイに関しても手順を踏んで輸出拡大を図っていきたい。 ③ イスラム専用と畜場を目指して、その他のイスラム圏の人たちにも日本の和牛を

届けたい。 ④ 最終的には世界中の人々に日本の和牛を食してもらいたい。

(3) 牛肉輸出の問題点

① ハラールと畜は原則フルセット販売のみである。輸入先は単品、特にロイン系(ロ

ース、ヒレ)を望んでいる。 ② しかし、当初はロイン系の部位販売を先行させて、販売量が定着し、数量拡大し

ていくとともにフルセット販売に転換していく事も可能ではないかと考えてい

る。逆にフルセットを販売して必要部位以外は日本の各部位相場で買い取ること

もできる。ただしこの場合通常日本で流通している単価になる。 ③ 将来を視野に入れて考えると現在の施設を全量ハラール処理施設に転換してい

きたいと考えている。イスラム教信者の数や日本国内で消費されるであろう数量

を考えると間違いなくハラールビーフが増えていくと確信している。 ④ ハラールビーフの流通ルートも現状では確立されていないことなど、問題は山積

である。

- 37 -