データセンターの効率化に向けた国際標準化活動

東京大学 教授

ISO/IEC JTC 1/SC 39 専門委員会 委員長

日本データセンター協会 理事・運営委員長

江崎 浩(Hiroshi Esaki)

1. 自信を持って 世界へ情報発信

a. 東日本大震災の経験i. データセンターの経済への必須・致命(Critical)性

ii. 技術と運用 の日本品質(Japan Quality)

b. 先端的施策・技術 (東京都、東京大学、建築業界)

2. 日本の魅力・国際競争力向上の戦略a. 立地・誘致 条件の整備 と 発信

b. 評価方法の確立国際標準化

c. データセンター産業の成長

i. 戦略的 DCの利用 (e.g., 38%が自社にサーバ)ii. 事業継続 への 社会的負担の コンセンサス の形成

方向性と戦略

東日本大震災のメッセージ技術と運用 の日本品質(Japan Quality)

世界中で誰も経験していない事実に基づいた情報発信と提案

｜4

Intensity Scale

4 5- 5+ 6- 6+ 7

Source: The Meteorological Agency

Before

After

発災 直後

インターネット トラフィックの回復速度

【宮城県】

【全国】

(*) 資料提供： IIJ 技術研究所 所長 長 健二朗 博士

Damages & Operational Influences(東日本大震災の影響)

Kept Non-Stop Operation(サービスを継続)

No DC major damages reported(データセンターの被害報告はゼロ)

Internet with services maintained(インターネット上のサービスは継続)

6

発災 直後: 機能したもの

｜7

機能したもの

(バッテリー駆動)携帯端末

SNS(twitter, facebook)

Web

Satellite

機能しなかったもの

固定・携帯 電話

SMS・携帯メール

企業内停電対策

<Source: Prof.Jun Murai>

｜8

躯体・設備 の堅牢性

電源 供給 の継続性

日頃の準備 (『常時動いていないものは、非常時には動かない』)

データセンターが『運用』を継続できた理由

THE “Japan”Quality

先端的 な 施策と技術(建築業界、東京都、東京大学)

データセンター・ファシリティー・スタンダード (J-Tier)

• 日本品質(Japan Quality)1. 海外への発信 (含; 海外進出、

標準化)

2. 国内市場での普及

• 地震対策仕様

1. 市場からの要求

迅速な改訂

2. 規制への対応

公的機関からの方針が出た段階で改訂

｜10

分類 評価項目 ティア １ ティア ２ ティア ３ ティア ４

電気設備

電気室、UPS室 規定無し 規定無し独立した

専用区画室独立した

専用区画室

サーバ室 照明電源の冗長化

商用 商用 自家発 自家発

ＵＰＳの停電補償時間

規定無し 5分 5分 10分

オイル確保量（オイル供給会社の優先供給契約含む）

規定無し 12時間 24時間48時間

（24時間）

中央監視設備の冗長化

規定無し 規定無し 必要 必要

分類 評価項目 ティア １ ティア ２ ティア ３ ティア ４

電気設備

電気室、UPS室 規定無し 規定無し独立した

専用区画室独立した

専用区画室

サーバ室 照明電源の冗長化

商用 商用 自家発 自家発

ＵＰＳの停電補償時間

規定無し 5分 5分 10分

燃料確保量（オイル供給会社の（オイル供給会社の（オイル供給会社の

優先供給契約含む）優先供給契約含む）優先供給契約含む）規定無し 12時間 24時間

48時間（24時間）

中央監視設備の冗長化

規定無し 規定無し 必要 必要

非常用発電機の燃料確保量に関する見直し

公的機関からの方針が出た段階で見直し

データセンターに関する東京都 環境局 との関係。。。。

1. 当初 (2008年春)i. データセンターは、大量の電力を消費するので、悪魔の

ような存在だ。

2. 2010年初めi. 実は、データセンターは、トータルには電力消費量の削

減に寄与する良い奴なんだぁ。ii. (おまけ)脱税も減らして、税収の増加に寄与するのかな。

3. 現在i. 地球温暖化ガス(CO2 ) 環境条例で、データセンターに例

外規定を適用。

ii. 事業所の電力使用量の削減に、データセンターとクラウドサービスを使うことを推奨。

12

政策との連携

ホスティング サービスの節電効果

• ほとんどの事業所では、古い・効率の悪い空調を運用している。事業所で稼働しているサーバを、データセンターに移設することで、空調の費用が大きく削減可能。最新のデータセンターの空調システムは、既存の空調と比較して、30-40%の効率向上が実現されている。

http://www.nttbiz.com/eco_act/housing.html

NTTビズリンクHP

15% 削減

Virtualization

仮想化技術・クラウドコンピューティングの節電効果

電力 ４０％削減電力 ４０％削減

電力消費量

Before After

40kVA

24kVA

Server A

Server B

Server C

Server A

Server B

Server C

• 事業所にある古いハードウェア上で稼働しているサーバを、仮想化して、データセンターに設置された最新のクラウドサーバに移設する。

• サーバが消費する電力と、サーバの冷却に必要な空調のための電力の両方が、大きく削減される。

Source : NTT

(1) データセンターへの移設

(2) 仮想化による資源の共有効果

CO2 排出量 = 100 CO2 排出量 = 6040% 削減

｜15

データセンターへの集約効果データセンターへの集約効果

-40%-15%

ＤＣに集約ＤＣに集約 DCDC集約＋仮想化集約＋仮想化

削減量削減量 256,384 [t]256,384 [t] 削減量削減量 683,692 [t]683,692 [t]

・業務系事業所・業務系事業所 Top3Top3分分(230,489t)(230,489t)に相当に相当

・業務系事業所総量の約・業務系事業所総量の約３％３％削減に相当削減に相当

・業務系事業所・業務系事業所 Top10Top10分分(685,934t)(685,934t)に相当に相当

・業務系事業所総量の約・業務系事業所総量の約８％８％削減に相当削減に相当

1. 東京都 環境条例での

例外規定2. データセンター・クラウ

ド利用の推奨

東京大学での事例節電・BCP・快適化・効率化の共栄

1. コンピュータシステムのクラウド化

a. 居室・実験室からサーバ室への集団疎開

b. プラットフォーム(HW&SW)のアップグレード

2. センサー・アクチュエータシステムのバックエンドのクラウド化

a. データ保全 at サーバ室

b. Off-Premises 化による危機分散と接続性・可動性の向上

c. マルチ・スクリーン化(PC, Touch-Pad, Smart-Phone)

EcoEco--ICT life with iPad ICT life with iPad 1. You do not need desktop nor note PC,

you can live only with iPad and i-Phone

(*) good for security management

2．Think Client charges up at home, no power consumption at the office

3．Serves go to Data Center

[停電・節電 対策]

1. 東京大 工学部 電気系サーバ と 江崎研究室 サーバ類の仮想化(クラウド化)

2. WIDEプロジェクトのクラウドシステム (6拠点)

東京大学 江崎研・電気系学科 サーバの仮想化節電効果: 71% (2.52kW)の削減効果(2011年11月時点)

19

Before AfterFaculty’s shared servers

Web, mail, DNS, group tool（Essential servers…）

0.647kW

Infra-servers of our Lab.

web/mail/radius/dns/document/miscbld2-guest-gw/mozilla-miror/storage

1.595kW

Students’ machines

Private cloud (stable)

Nexsan SATABeast

0.794kW

Using inexpensive model：HP ProLiant DL120 G6/G7

Private cloud (experimental) 0.153kW

x100.700kW

Infra-servers in another Lab.

Private cloud in another Lab.

0.623kW

0.100kW

Xen

Xen

VMware ESXi

Xen Xen

Xen

No failure since April 11

東京大学 江崎研・電気系学科 サーバの仮想化節電効果: 71% (2.52kW)の削減効果(2011年11月時点)

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Before AfterFaculty’s shared servers

Web, mail, DNS, group tool（Essential servers…）

0.647kW

Infra-servers of our Lab.

web/mail/radius/dns/document/miscbld2-guest-gw/mozilla-miror/storage

1.595kW

Students’ machines

Private cloud (stable)

Nexsan SATABeast

0.794kW

Using inexpensive model：HP ProLiant DL120 G6/G7

Private cloud (experimental) 0.153kW

x100.700kW

Infra-servers in another Lab.

Private cloud in another Lab.

0.623kW

0.100kW

Xen

Xen

VMware ESXi

Xen Xen

Xen

No failure since April 11

投資回収 1 年(計算機の電気のみ)

0.5年? (空調を含む. PUE=2.0)

本当の効果; 1.システムの管理性2.BCP(活動継続性)3.トラブル対応力の向上

先端的 な 施策と技術(建築業界、東京都、東京大学)

自信を持って世界へ情報発信

｜22

海外へ日本のデータセンタの実態を正しく伝える

22

JDCCとして San Franciscoで講演(June 30, 2011)

【講演】「The Realities of Disaster Recovery: How the Japan Data Center Council is Successfully Operating in the Aftermath of the Earthquake」

【ポイント】・東日本大震災は東北地方太平洋側を中心に大きな被害をもたらした。

・しかし日本のデータセンターのほとんどが、高い耐災害技術や日常の訓練により正常なオペレーションを継続。図らずも日本の高い技術力を立証。

・電力不足に対してもJDCCを通じ業界が一体となって乗り越えようとしている。・データセンターの東京一極集も地方分散がこれからさらに進んでいくだろう。・今回の大震災で日本のデータセンター業界が経験したことを海外データセンター業界と

情報共有していくので、米国内でのDR/BCP構築や強化に役立ててほしい」

講師；JDCC国際競争力WGリーダ山中氏(IDCフロンティア)

｜23

聴講者やマスメディアの反応

23

CIO Online

優れた建築と適切な備えのお陰で、日本のデータセンターは、2011年3月11日に発生した東日本大震災の被害をほぼ免れた。

（中略）山中氏の講演は、自然災害の影響を受けやすい地域に拠点を置

く米国のデータセンター事業者にとって特に刺激的なものだった。カリフォルニア州サクラメントに本社を置くイーコム・エンジニアリングのプリンシパルを務めるデビッド・スミス氏は、「実に興味深い講演だった」と振り返る。同氏は、日本のデータセンターは東日本大震災でもっと大きな被害を受けたと思っていたという。

（ジェームズ・ニコライ記者）

その他、USのメディア、リサーチャー、ブロガーにも取り上げられる

海外では情報が少なく「日本のデータセンターは壊滅した」と思われていた。

講演によりリアルな情報を発信し「正しい現状」の理解を促した。

2．日本の魅力・国際競争力向上戦略

日本の強みー 高品質・高機能・耐久性 ー

1. 構造物・躯体

– 耐震・免震構造

2. 非IT機器(空調、電源、蓄電)– 省スペース化、高効率化

3. IT機器(サーバ・ネットワーク)– 運用環境(温度・湿度) の緩和 (e.g., by ASHRAE)

4. 人材

｜26

海外から日本はどう見られているのか？

｜26

“Data Center Risk Index”--- Data Center Dynamics HPより（Cushman & Wakefield他著）

｜27

海外から日本はどう見られているのか？

｜27

海外から日本はどう見られているのか？

• 20国中、日本は総合19位にランクされている

• 下位（11位以下）に評価された項目– エネルギーコスト１９位/２０ ・・・ 評価ウエイトが高いためランキングに大きく影響

– 法人税 １４位/２０– 人件費 １２位/２０– 持続可能性 １５位/２０– 自然災害 ２０位/２０

• 上位（5位以上）に評価された項目– 政治安定性 ４位/２０– インフレ ２位/２０

｜28

日本の魅力・競争力

1. 堅牢性a. 日本 ファシリティースタンダードb. TGG, Uptime Institute との連携

2. {運用}人材a. JDCC 人材マネージメントWGb. DataCenterDynamics/TGG/DoEとの連携

3. 効率性(= High Performance/Quality)a. DPPE提案活動、PUE等測定法の定義b. SO/IEC SG39 での活動c. Singapore, China (?) との連携

ISO、ITU、JTC1での動き

ISO国際標準化機構

ITU国際電気通信連合

JTC1

SC17,28SC2,6,7,22,23,24,,25,27,29,32,34,36,37,38

SC SC名称

1 用語

2 符号化文字集合

6 通信とシステム間の情報交換

7 ソフトウェア技術

11 フレキシブル磁気媒体

17 カードと個人識別

22 プログラム言語、その環境及びシステムソフトウェアインタフェース

23 情報交換用光ディスクカートリッジ

24 コンピュータグラフィクス及びイメージ処理

25 情報機器間の相互接続

27 セキュリティ技術

28 オフィス機器

29 音声,画像,マルチメディア,ハイパーメディア情報符号化

31 自動認識及びデータ取得技術

32 データ管理及び交換

34 文書の記述と処理の言語

35 ユーザインタフェース

36 学習,教育,研修のための情報技術

37 バイオメトリクス

38 クラウドコンピューティング

JBMIAビジネス機械・情報システム産業協会

IPSJ情報処理学会

SC35 SC31

WGs

JEITA電子情報技術産業協会

SC39:議長米国Sustainability for andby Information Technology

WG Data Centers米国（議長）、英国、カナダフランス、ドイツ、アイルランドオランダ、シンガポール中国、韓国、日本

JDCC日本データセンター協会

SG5 環境と気候変動

ITU-T 電気通信標準化部門

WP3 ICTと気候変動

ITU-T Recommendations L-Series

CJK-SITE中国・韓国・日本

国内審議体制

ISO/IEC JTC 1/SC 39 専門委員会委員長： 江崎 浩 （東京大学）副委員長： 椎野 孝雄 （野村総研）事務局： （一社）電子情報技術産業協会（JEITA)

ISO/IEC JTC 1/SC 39 検討タスクフォース（WG-EEDC対応小委員会）主査： 椎野 孝雄 （野村総研）事務局： （一社）電子情報技術産業協会（JEITA)

（参考）ISO/IEC JTC 1対応国内審議機関（一社）情報処理学会 情報規格調査会 技術委員会

SC 39 設立経緯

2011年11月のISO/IEC JTC 1サン･ディエゴ総会にて、Study Group on Energy Efficiency of Data Center (SG EEDC)は、

与えられたToRの完遂を報告した。

即ち、データセンタの効率に関するTaxonomy and Vocabulary, Key Performance Indicators (KPIs) and Algorithms, Best Practicesについて、現状の整理を完成させた。

この結果を踏まえてデータセンタの効率指標について規格を作るべくSGから規格開発可能なWGへの移行をSG自身が提案した。

SC 39 設立経緯（続き）

総会での議論の結果、“Sustainability for and by Information Technology”というタイトルのSC 39を新設することになり、SCの下にWG EEDCを設立した。SC, WGともに米国が議長、幹事を出すことを決定。

メンバ国の募集を行った結果、日米中韓仏加等11カ国がPメンバ登録

その後、米国、カナダから各1件、韓国から2件NPが出て、投票中。（米国案は成立、カナダ案は5/17投票締切、韓国案は6/9投票締切）

2012年6月12-14日に第1回のSC39会合が米国にて開催予定。

米国案：Power Usage Effectiveness (PUE) and Data Center infrastructure Efficiency (DCiE)

カナダ案： A Multilevel Taxonomy and related Data Centre Maturity Model To Assess Critical Facility Energy Efficiency that can be harmonized in the Management Lifecycle, Design, Location, Grade of Service and Workload contexts

韓国案1： Best practices and attributes for green ICT technologies and standards development

韓国案２： Best practices for green data centers

日本は、6月の総会でDPPEについてプレゼンし、米国提案プロジェクトのスコープに入れるか、別プロジェクトとして提案するかを議論する。

GIPC・TGG・JDCC・TGG・GIPCの関係

GIPC（ｸﾞﾘｰﾝIT推進協議会）

JDCC（日本ﾃﾞｰﾀｾﾝﾀｰ協会）

TGG(ｻﾞ･ｸﾞﾘｰﾝｸﾞﾘｯﾄﾞ)

データセンターのエネルギー効率評価指標（PUE/DCiEを含む）の提案 ※1

ＤＰＰＥの検討

ｼﾞｬパンファシリティスタンダードの検討 ※2⇒省エネ＋BCP、セキュリティなど幅が広い

ﾃﾞｰﾀｾﾝﾀｰﾃﾞｻﾞｲﾝｶﾞｲﾄﾞ (DCDG)・本編は、ｸﾞﾛｰﾊﾞﾙで検討・各地域（EMEA/Japan）における

特記事項→日本でも策定中

※1 TGGおよびGIPCで世界的に比較可能なデータセンターの性能基準を策定中

※２ データセンターのファシリティの安全性に重点を置いたJDCC独自のガイドライン

MOU締結

『 PUE/DCiE計測に関するガイドライン』の検討

ＰＵＥ計測方法の提案

米国ＥＰＡ

欧州委員会ＥＣ英国ＩＴ協会

議論

議論

議論

議論

日米欧ＤＣエネルギｰ効率評価手法ハーモナイゼーション会議

・ＰＵＥ測定方法を基本合意・ＤＰＰＥの欧米評価の共有

35

PUE(Power Usage Effectiveness)

ファシリティ(空調、他)

１０

IT機器10

ファシリティ ５

PUE = 2.0 PUE = 1.5

ＰＵＥ値 =データセンターの総消費エネルギー※

ＩＴ機器の消費エネルギー※

IT機器10

■米国The Green Grid (TGG)が提唱するデータセンタのエネルギー※効率を示す指標

・データセンタ全体の消費エネルギーを、ＩＴサーバなどのIT機器の消費ｴﾈﾙｷﾞｰで除した値で、PUE 値が1.0 に近いほどエネルギー利用効率がよい。

例）

ファシリティ部分の省エネ化

※ＴＧＧは「電力効率」と表現消費エネルギー：電力量等

36

(注) DCiE は、PUEの逆数

ＪＤＣＣ「ＰＵＥ計測ガイドライン」イメージ

37

■使用エネルギーは瞬時に変動

■エネルギー量は、日々、季節で変動

■測定ポイントの標準化－データセンター専用施設－他用途との共存施設（共有部分の按分方法）

■データセンターのプロフィール情報の標準化

■測定器の精度

◆エネルギー量を積算値で測定（積算型計測機器）

◆外部公表値は１年間の積算値（１年に満たない場合は期間を明示）

◆センター全体のエネルギー量：センター受電盤、非電気設備毎

◆IT機器ｴﾈﾙｷﾞｰ：ＰＤＵ出力（UPS出力、UPS入力等）

◆ロケーション、グレード、センター用途、等

◆推奨精度

ＰＵＥ／ＤＣｉＥの測定についてＰＵＥ／ＤＣｉＥの測定について

ＰＵＥ／DCiE測定の課題 検討案

■電気以外のエネルギー活用センターへの対応（ガス、重油を活用した空調設備等）

◆メジャーをエネルギー量とし合算（例：原油換算：現在の経産省向けｴﾈﾙｷﾞｰ報告単位）

－「ＰＵＥ／ＤＣｉＥ測定方法の検討ドラフト(案)」のポイントー

データセンターエネルギー効率評価指標：DPPE（取り組み中）

●データセンターの消費エネルギーあたりの生産性を表す指標

DPPE ＝ ITEU × ITEE × ×PUE１

１ーGEC

１

■ITEU：IT機器のリソースをどの程度有効活用しているかを表す。

■ITEE：省エネ型のIT機器をどの程度導入しているかを表す。

■GEC：自然エネルギーをどの程度利用しているかを表す。

※DPPE：Datacenter Performance Per Energy

（IT機器有効

活用電力効率）

（IT機器電力効率） （データセンター

電力効率）

（グリーン電力効率）（データセンター

電力効率指標）

40

DPPEとは？（１）

• DPPE（Datacenter Performance per Energy）は、データセンタにおける非グリーンエネルギー当たりの生産量を示し、ITEU、ITEE、PUE、GECの4つのサブ指標から構成されます。

目標環境に優しく、持続可能なデータセンターの運用

導入したＩＴ機器を最大効率で使う

エネルギー効率の良いＩＴ機器を導入する

設備部分の消費エネルギー比率を減らす

商用電力の利用をグリーン電力で置換える

ＩＴＥＵＩＴ Ｅｑｕｉｐｍｅｎｔ

Ｕｔｉｌｉｚａｔｉｏｎ

ＩＴＥＥＩＴ Ｅｑｕｉｐｍｅｎｔ

Ｅｎｅｒｇｙ Ｅｆｆｉｃｉｅｎｃｙ

ＰＵＥＰｏｗｅｒ ＵｓａｇｅＥｆｆｅｃｔｉｖｅｎｅｓｓ

ＧＥＣＧｒｅｅｎ Ｅｎｅｒｇｙ

Ｃｏｅｆｆｉｃｉｅｎｔ指標

データセンター内のＩＴ機器の消費エネルギーを減らす

データセンターの設備の消費エネルギーを減らす

手段

41

DPPEとは？（２）

DPPE＝ ＝DCｴﾈﾙｷﾞｰ－ｸﾞﾘｰﾝｴﾈﾙｷﾞｰ

IT機器稼働率× IT機器能力

GEC＝データセンターの総消費エネルギー（kWh）

グリーンエネルギー（kWh）

PUE＝データセンターの総消費エネルギー（kWh）

IT機器の消費エネルギー（kWh）

ITEE＝∑（ｻｰﾊﾞの定格電力）+∑（ｽﾄﾚｰｼﾞの定格電力）+∑（NW機器の定格電力） （W）

α∑(サーバー能力)+β∑(ストレージ能力)+γ∑(NW機器能力) （能力）

ITEU＝IT機器の定格電力量（kWh）

IT機器の電力量（kWh）

1

1－GEC× ITEE ×

PUE×

1ITEU

42

ITEU IT Equipment Utilization

ITEUの計測

• 総消費エネルギー＝1ヶ月間の積算電力量

• 総定格消費エネルギー＝カタログの定格電力×測定時間（24時間×測定日数）

• 積算電力量の測定ができない場合、毎月1回、電圧、電流、（力率）の瞬時値を計測し、電力量（電圧×電流×力率）を算出し、1カ月間の積算電力量に換算

• 計測対象ラック内のIT機器の機器構成と、各機器の定格消費電力をカタログ等から調査し、1ヶ月間の積算電力量に換算する

• すべてのIT機器が対象

• 算出に適用する機器構成は、各月の月末時点とする。

ＩＴ機器の総消費エネルギー [kWh]

ＩＴ機器の総定格消費エネルギー [kWh]ＩＴＥＵ ＝

43

ITEE IT Equipment Energy Efficiency

ITEEの計測

• ＩＴ機器の総定格能力＝省エネ法で規定されているエネルギー消費効率から能力仕様（サーバ能力、ストレージ能力、ネットワーク機器能力）に係数をかけて合計したもの

• 2005年の標準的なサーバ・ストレージ・ネットワークで１になるよう調整[Work]

• ＩＴ機器の総定格電力＝カタログの定格電力[W]（電力量[kWh]でない）

• サーバ、ストレージ、ネットワーク機器のみで計算。（その他機器は含めない）

• 算出に適用する機器構成は、各月の月末時点とする。

α×Σ（サーバ能力）＋β×Σ（ストレージ能力）＋γ×Σ（ＮＷ機器能力）

ＩＴ機器（サーバ、ストレージ、ＮＷ機器）の総定格電力[W]ＩＴＥＥ ＝

α ＝ ７．７２ [W / GTOPS]β ＝ ０．０９３３ [W / Gbyte]γ ＝ ７．１４ [W / Gbps]

44

ITEE IT Equipment Energy Efficiency

サーバ能力・ストレージ能力の計算

• サーバ 最大消費電力209[W]、エネルギー消費効率0.0016[d区分]

209[W]/0.0016[MTOPS/W]/1000＝131[GTOPS]/台

• ストレージ 最大消費電力4620[W]、エネルギー消費効率0.025[AAA]

4,620[W]/0.025[Gbyte/W]=184,800[Gbyte]/台

ネットワーク機器能力の計算

• ネットワーク 最大消費電力145[W]、最高通信速度1[Gbps]

1台あたりのポート数24

（全ポートは10/100Mbps設定可能、うち14ポートは1Gbps設定可能）

10×0.1[Gbps]＋14×1[Gbps]＝15[Gbps]/台

45

ＧＥＣ Ｇｒｅｅｎ Ｅｎｅｒｇｙ Ｃｏｅｆｆｉｃｉｅｎｔ

GECの計測

• データセンター敷地内で発電されたグリーン電力（太陽光発電など）のエネルギー量を計測し、1ヶ月間の積算エネルギー量に換算する。

• 敷地外で発電したグリーン電力の購入分は指標に含めない。

• データセンターで消費された分を対象にする。（一般オフィス等の使用分は含めない）

データセンターで生成され消費されたグリーンエネルギー [kWh]

データセンターの総消費エネルギー [kWh]ＧＥＣ ＝

46

ＤＰＰＥ Ｄａｔａｃｅｎｔｅｒ Ｐｅｒｆｏｒｍａｎｃｅ Ｐｅｒ Ｅｎｅｒｇｙ

ＤＰＰＥ ＝ ＩＴＥＵ × ＩＴＥＥ × ×１ＰＵＥ

１１－ＧＥＣ

データセンター全体で計測機器構成を把握

したＩＴ機器で計測

当該ＩＴ機器によるコンピューティングサービスのＤＰＰＥ

ＤＰＰＥの算定

•ITEUおよびITEEが対象とするIT機器はほぼ一致していることが望ましい。

•PUEおよびGECはデータセンター全体の測定値であることが望ましい。

•ITEU、ITEE、PUE、GECの測定期間は一致していなければならない。

日本の魅力・競争力1. 堅牢性

a. 日本 ファシリティースタンダードb. TGG, Uptime Institute との連携

2. {運用}人材a. JDCC 人材マネージメントWGb. DataCenterDynamics/TGG/DoEとの連携

3. 効率性(= High Performance/Quality)1. DPPE提案活動、PUE等測定法の定義2. ISO/IEC SG39 での活動3. Singapore, China (?) との連携

SC39 (1/3)• Title: Sustainability for and by Information Technology• Scope: Standardization related to the intersection of resource

efficiency and IT which supports sustainable development, application, operation and management aspects.

• To avoid any duplication of work and to support innovation, SC 39 will engage in active liaison and collaboration with:– Other JTC 1 entities– ISO TC 207, ISO TC 242, ISO TC 257– IEC TC 100, IEC TC 108, IEC TC 111, SMB SG 4, IEC/PC 118, IEC TC 57/WG 21,

IEC TC 8 and SMB SG 3– ITU‐T SG 5– Any other appropriate body including external organizations (e.g. consortia)

＜参考資料＞

SC39 (2/3)• SC 39 will establish its own substructure and discuss and possibly

propose improvements in its title and Terms of Reference at its first meeting. Based on discussions at the JTC 1 Plenary, it is anticipated that SC 39 will initially establish a group as follows:

• A Working Group on Energy Efficient Data Centres

• Draft Terms of Reference:– a) development of a data centre energy efficiency taxonomy and

vocabulary

– b) development of a holistic suite of metrics supporting universally accepted standardized Key Performance Indicators

– c) development of best practices for energy efficient data centres

– d) development of an energy management system standard specifically tailored for data centres

＜参考資料＞

SC39 (3/3)• SC 39 will investigate together with ITU‐T SG 5 the possibility of

developing joint projects in accordance with JTC 1 Standing Document 3, in particular as already identified for potential revision of Recommendation ITU‐T L.1300.

• Between now and the 2012 JTC 1 Plenary meeting, SC 39 should survey ongoing and new activities in JTC 1, identify overlaps with respect to their scope and make recommendations to the 2012 Plenary on how such overlaps should be addressed.

• Administrative support and leadership of SC 39 will be provided as follows:a. The US National Body will serve as Secretariat for the SC and John Calhoon

will serve as the Acting Chair for the SC.b. The US National Body will provide a Convenor of the Working Group on

Data Centres. The individual will be named within 60 days.

＜参考資料＞