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. . ランダムウォークの座標の平均値と分散 樋口さぶろお 龍谷大学理工学部数理情報学科 計算科学☆演習 II L04(2013-05-01 Wed) 今日の目標 . . 1 ランダムウォークの座標の母平均値・母分散・ 母標準偏差を計算できる . . 2 C Excel でランダムウォークの座標の標本平 均値・標本分散・標本標準偏差を計算できる . . 3 C でランダムウォークに関する確率を推定する プログラムを書ける http://hig3.net 樋口さぶろお (数理情報学科) L04 ランダムウォークの座標の平均値と分散 計算科学☆演習 II(2013) 1/1

ランダムウォークの座標の平均値と分散 - 学習サポート hig3.netランダムウォークの座標の平均値と分散 樋口さぶろお 龍谷大学理工学部数理情報学科

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    ......ランダムウォークの座標の平均値と分散

    樋口さぶろお

    龍谷大学理工学部数理情報学科

    計算科学☆演習 II L04(2013-05-01 Wed)

    今日の目標

    ...1 ランダムウォークの座標の母平均値・母分散・母標準偏差を計算できる

    ...2 Cと Excelでランダムウォークの座標の標本平均値・標本分散・標本標準偏差を計算できる

    ...3 Cでランダムウォークに関する確率を推定するプログラムを書ける

    http://hig3.net

    樋口さぶろお (数理情報学科) L04 ランダムウォークの座標の平均値と分散 計算科学☆演習 II(2013) 1 / 1

    http://www.a.math.ryukoku.ac.jp/~hig/http://www.math.ryukoku.ac.jphttp://hig3.net

  • 母/標本 平均値と分散 Quiz 解説

    ここまで来たよ

    樋口さぶろお (数理情報学科) L04 ランダムウォークの座標の平均値と分散 計算科学☆演習 II(2013) 2 / 1

  • 母/標本 平均値と分散 Quiz 解説

    Quiz解答:ランダムウォーカーの到達点の座標の母平均・母分散

    ...1 µ = E(Rt+1) = (−1) · 59 + 0 ·19 + (+1) ·

    39 = −

    29 .

    ...2 E((Rt+1)2) = (−1)2 · 59 + 0

    2 · 19 + (+1)2 · 39 =

    89 . E(Rt+1)

    2 = (−29)2.

    σ2 = V(Rt+1) = E((Rt+1)2)− E(Rt+1)2 = 6881 .

    次のように直接に計算しても同じ結果になる.V(Rt+1) = E((Rt+1 − µ)2) =((−1)− (−29))

    2 · 59 + (0− (−29))

    2 · 19 + ((+1)− (−29))

    2 · 39 ....3 σRt+1 =

    √6881 =

    2√179 .

    ...4 一般に E(XT ) = T · E(Rt+1). T = 20とすると,E(X20) = 20E(Rt+1) = −409 .

    ...5 一般に V(XT ) = T ·V(Rt+1). T = 20とすると,V(X20) = 20V(Rt+1) =

    136081 .

    ...6 σX20 = (V(X20)))1/2 = (136081 )

    1/2

    樋口さぶろお (数理情報学科) L04 ランダムウォークの座標の平均値と分散 計算科学☆演習 II(2013) 3 / 1

  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 ランダムウォーカーの座標の場合

    ここまで来たよ

    樋口さぶろお (数理情報学科) L04 ランダムウォークの座標の平均値と分散 計算科学☆演習 II(2013) 4 / 1

  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 ランダムウォーカーの座標の場合

    ランダムウォーカーの座標の母分布

    Xt+1 = Xt +Rt+1, X0 = 0

    1歩分の母分布R = X1 確率 サイコロの目0 q = 1− p = 13 1,21 p = 23 3,4,5,6

    ベルヌーイ試行2歩分の母分布X2 確率 R1, R20 13 ·

    13 0, 0

    1 13 ·23 +

    23 ·

    13 0, 1 or 1, 0

    2 23 ·23 1, 1

    E(X2) =

    黒板で

    V(X2) =

    黒板で

    樋口さぶろお (数理情報学科) L04 ランダムウォークの座標の平均値と分散 計算科学☆演習 II(2013) 5 / 1

  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 ランダムウォーカーの座標の場合

    ランダムウォーカーの座標の平均値と分散

    母期待値をいきなり計算する方法

    Xt+1 = Xt +Rt+1, X0 = 0

    ということは

    XT = 0 +T∑t=1

    Rt.

    ここで, Rt (t = 1, 2, . . . , T ) は独立同分布, E(Rt) = µ,V(Rt) = σ2 とする.XT の母平均値

    E(XT ) = E

    (T∑t=1

    Rt

    )=

    T∑t=1

    E(Rt) = T × µR.

    直観的解釈:

    自分の言葉で書いてね

    樋口さぶろお (数理情報学科) L04 ランダムウォークの座標の平均値と分散 計算科学☆演習 II(2013) 6 / 1

  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 ランダムウォーカーの座標の場合

    XT の母分散 Rt が互いに独立なので

    V(XT ) = V

    (T∑t=1

    Rt

    )=

    T∑t=1

    V(Rt) = T × σ2R.

    直観的解釈:

    だれか教えて~

    XT の母標準偏差

    σ =

    √T × σR

    樋口さぶろお (数理情報学科) L04 ランダムウォークの座標の平均値と分散 計算科学☆演習 II(2013) 7 / 1

  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 ランダムウォーカーの座標の場合

    ってことは, ヒストグラムの時間変化はこんな感じ?

    いつでもこんな長方形? 待て中心極限定理

    樋口さぶろお (数理情報学科) L04 ランダムウォークの座標の平均値と分散 計算科学☆演習 II(2013) 8 / 1

  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 ランダムウォーカーの座標の場合

    .Quiz(離散的なランダムウォークの確率・平均・分散・標準偏差)..

    ......

    ランダムウォークを表す次の数列を考える.

    Xt+1 = Xt +Rt+1, X0 = 0.

    ただし, Rt+1

    確率 pでR = −3確率 1− pでR = +1

    の値をとる (0 < p < 1). 次のうち正しいものの記号をすべて答えよう.

    ...1 Xt は t に比例する.

    ...2 Xt の母平均は t に比例する.

    ...3 eXt の期待値は t に比例する.

    ...4 Xt の母分散は t に比例する.

    ...5 Xt の母標準偏差は t に比例する.

    樋口さぶろお (数理情報学科) L04 ランダムウォークの座標の平均値と分散 計算科学☆演習 II(2013) 9 / 1

  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 ランダムウォーカーの座標の場合

    ランダムウォーカーの座標の標本分布

    擬似乱数を使ってサイズ N の標本 X(1)T , X(2)T , . . . , X

    (N)T を作りたい.

    いきなり生成する getrandomT(double y) を書くのはたいへん…時間発展 (=漸化式)そのまま計算しちゃえ →

    シミュレーション

    1 /∗1∗/2 f o r ( n ){3 /∗2∗/4 f o r ( t ){5 /∗3∗/6 x=x+getrandom ( ge tun i f o rm ( ) ) ;7 /∗4∗/8 }9 /∗5∗/

    10 }11 /∗6∗/

    問: srand(seed), x=0, printf("\%d",x) はどこ?樋口さぶろお (数理情報学科) L04 ランダムウォークの座標の平均値と分散 計算科学☆演習 II(2013) 10 / 1

  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 確率シミュレーション

    ここまで来たよ

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  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 確率シミュレーション

    確率シミュレーション

    確率的法則を, 擬似乱数を使ってそのままコンピュータ上で再現して,

    何かの母期待値何かの母分布 ← 確率

    を推定すること.

    母期待値 E(f(XT )) を推定するには, 標本期待値

    f(XT ) =1

    N

    N∑n=1

    f(X(n)T )

    を使う.

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  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 確率シミュレーション

    課題 rw6, rw7 で作る表X

    (n)t

    t:

    時刻, 漸化式の t項め

    (n):

    サンプル内通し番号

    t = 0 t = 1 · · · t = Tn = 1 X

    (1)0 X

    (1)1 · · · X

    (1)T

    n = 2 X(2)0 X

    (2)1 · · · X

    (2)T

    ......

    ......

    ...

    n = N X(N)0 X

    (N)1 · · · X

    (N)T

    これを printfする for の構造は?

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  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 確率の推定

    ここまで来たよ

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  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 確率の推定

    確率の推定

    母期待値の推定はわかった. 母分布←確率を推定するには?.例題..

    ......

    x = 10 から出発したランダムウォーカーが, t = 20 で, 領域 x ≤ 0 に到達する確率は?

    破産の確率

    .確率の推定..

    ......‘Aが成立する確率’の推定値=N のうち ‘A が成立している’ 試行の個数サンプルサイズ N

    これは, 次の f(XT )の標本期待値とも思える.

    f(XT ) =

    {1 XT に対して Aが成立0 XT に対して Aが成立しない

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  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 確率の推定

    1 /∗1∗/2 f o r ( n ){3 /∗2∗/4 f o r ( t ){5 /∗3∗/6 x=x+getrandom ( ge tun i f o rm ( ) ) ;7 /∗4∗/8 }9 /∗5∗/

    10 }11 /∗6∗/

    樋口さぶろお (数理情報学科) L04 ランダムウォークの座標の平均値と分散 計算科学☆演習 II(2013) 16 / 1

  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 確率の推定

    .例題..

    ......

    x = 10 から出発したランダムウォーカーが, 0 ≤ t ≤ 20 のいずれかの瞬間に, 領域 x ≤ 0 にいる確率

    これまで: サンプルは到着点 XT を集めたものこの例: サンプルは経路 (X0, X1, . . . , Xt, . . . , XT ) を集めたもの

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  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 ラグランジュ表現

    ここまで来たよ

    樋口さぶろお (数理情報学科) L04 ランダムウォークの座標の平均値と分散 計算科学☆演習 II(2013) 18 / 1

  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 ラグランジュ表現

    ラグランジュ表現: ウォーカーが g = 2人いたら?

    .例題..

    ......

    x = 0, 10 から出発した g = 2人のランダムウォーカーが, 0 ≤ t ≤ 20 の期間に衝突する (=同時刻に同地点にいることが 1回以上起きる)確率は?

    int x; → int x[2];

    ラグランジュ表現

    1 /∗1∗/2 f o r ( n ){3 /∗2∗/4 f o r ( t ){5 /∗3∗/6 x=x+getrandom ( ge tun i f o rm ( ) ) ;7 /∗4∗/8 }9 /∗5∗/

    10 }11 /∗6∗/

    樋口さぶろお (数理情報学科) L04 ランダムウォークの座標の平均値と分散 計算科学☆演習 II(2013) 19 / 1

  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 ラグランジュ表現

    .Quiz(確率シミュレーション)..

    ......

    ランダムウォークを表す次の数列を考える.

    Xt+1 = Xt +Rt+1, X0 = 0.

    t = 0 に x = 0 から出発するランダムウォーカーが, t = 20 に x = 0 に戻ってきている確率を, 標本を作ることによって推定してその推定値を出力するプログラムを書こう.ただし, Rt+1 は整数値をとる確率変数で, intgetrandom(getuniform()) の返り値として実現されている.答の記述では, getrandom, getunifrom の宣言や定義は省略すること (すでに使える状態にあると思ってよい). ユーザは乱数のシードのみを入力する.

    樋口さぶろお (数理情報学科) L04 ランダムウォークの座標の平均値と分散 計算科学☆演習 II(2013) 20 / 1

  • ランダムウォークの座標の平均値と分散 ラグランジュ表現

    予習復習問題これからは毎週

    金 11:05締切の予習復習問題は RaMMoodlehttp://el.math.ryukoku.ac.jp/moodle →計算科学 II(講義) でやってね.水 13:30締切の予習復習問題は C-learninghttp://asp.c-learning.jp/s/ でやってね.連休プチテスト対応. 実際に締切があるのは, 2013-05-08水(C-learning), 2013-05-15水 (C-learning), そのあとふつう.

    プチテスト演習のプチテストやります! 2013-05-10金 2. 案内参照. 出題計画 (って範囲がそれくらいしかない) hist1, rw1, rand2. 数値だけ変えた, よりは変化は大きい予定.自宅で演習の課題をやろう Visual Studio には Express Edition という ‘無料版’があります. 数理情報学科の学生は DreamSpark 経由で VisualStudio 製品を自宅で使えます.https://www.a.math.ryukoku.ac.jp/dreamspark/

    樋口さぶろお (数理情報学科) L04 ランダムウォークの座標の平均値と分散 計算科学☆演習 II(2013) 21 / 1

    http://el.math.ryukoku.ac.jp/moodlehttp://asp.c-learning.jp/s/https://www.a.math.ryukoku.ac.jp/dreamspark/