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目次 2 名取初美 (看護学部長) 3 佐藤悦子 (大学院看護学研究科長) 4 阿部美穂子 (看護関連科学領域 教授) 5 武田 (看護関連科学領域 教授) 5 神山とき江 (母性看護学領域 助教) 新任教員の紹介 P4~5 巻頭のことば P2~3 看護学部 広報誌 山梨県立大学大学院看護学研究科 Graduate School of Nursing, Yamanashi Prefectural University 山梨県立大学看護学部 Faculty of Nursing, Yamanashi Prefectural University 2019 1

ハーモニー...山 梨 県 立 大 学 大 学 院 看 護 学 研 究 科 は 、 2 0 1 0 年 SO 平 成 14 年 SP に 開 学 し 、 1 0 9 名 の 修 了 生 を 輩 出 し

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目 次

2 名取初美 (看護学部長)

3 佐藤悦子 (大学院看護学研究科長)

4 阿部美穂子 (看護関連科学領域 教授)

5 武田 清 (看護関連科学領域 教授)

5 神山とき江 (母性看護学領域 助教)

新任教員の紹介 P4~5

巻頭のことば P2~3

看護学部広報誌

山梨県立大学大学院看護学研究科Graduate School of Nursing, Yamanashi Prefectural University

山梨県立大学看護学部Faculty of Nursing, Yamanashi Prefectural University

2019 第1号

巻 頭 の こ と ば

2

今回は、山梨県立大学

看護学部の歴史や教育、

学生支援についてお話し

したいと思います。

山梨県立大学看護学部

は、昭和28年に山梨県立

高等看護学院として、看

護師と保健師の教育を開

始しました。そのあと平

成7年に山梨県立看護短

期大学、平成10年に山梨

県立看護大学、そして平

成17年には山梨県立大学

看護学部となり、山梨県

の看護職の育成に尽力し

てきました。たくさんの

卒業生は、県内外で活躍

しています。もしかした

ら、皆さんの身近にも、

本学部や前身校出身の方

がいらっしゃるかもしれ

ません。

看護学部では、現在看

護師、保健師、助産師、

養護教諭(一種)の養成

をしています。本学部を

目指す高校生の皆さんに、

大学での学習方法や内容、

実習について説明します。

まず、大学での授業は90

分が1コマになっており、

授業が5コマ連続する時

は、朝9時から夕方6時

まで授業となります。授

業を受ける場合、先生の

講義を聞いているだけで

はなく、グループで話し

合ったり、文献を調べた

りして学修することもた

くさんあります。また、

授業を受けている時間以

上に予習復習時間が必要

です。そしてどんなこと

を学ぶのかというと、看

護や医学系の学修だけで

はなく、社会学系、心理

学系など多くの関連する

学問の学修もします。で

すので、1年生の時から

結構ハードです。次に実

習についてですが、実習

では医療機関や地域で対

象者の方と触れ合いなが

ら、実際の看護を学修し

ます。現在では、1年生

から実習があります。本

格的な実習は3年生後期

から4年生前期です。合

計すると5ヶ月にも及び

ます。実習は、看護職に

なる学生にとってはとて

も大切な科目です。対象

者や現場の看護師・保健

師・助産師の方々からた

くさんのことを学びます。

学生は大変と言いますが、

充実しているとも言って

います。

看護師・保健師・助産師・養護教諭を目指す高校生のみなさん‼

山梨県立大学看護学部で一緒に学びましょう。看護学部長 名取初美

看護師・保健師・助産師・養護教諭を目指す高校生のみなさん‼

山梨県立大学看護学部で一緒に学びましょう。看護学部長 名取初美

最後に皆さんの関心

が高い、チューター制度

について説明します。

チューター制度とは、小

グループに分かれて授業

をするというものではあ

りません。学生の学修支

援や生活支援、国家試験

や就職試験への支援等を

行うための制度です。具

体的には、1年生から4

年生の10人ずつ、計40人

くらいを3~4人の教員

で担当し、支援する体制

です。学生の大学生活が

円滑に行えるよう、大学

全体で支援をしています。

4月当初、新入生はと

ても不安げな様子ですが、

徐々に大学生活に慣れて

いきます。3年生や4年

生になると、その成長を

実感します。プロフェッ

ショナルな看護者に近づ

いている感じがします。

看護師、保健師、助産師、

養護教諭になりたいと思

う高校生のみなさん、今

は高校生活でしか学習で

きないこと、体験できな

いことをたくさんしてく

ださい。そして、本学で、

たくさんの仲間と一緒に

看護職への道を歩みま

しょう。

2019年4月8・9日 スタートアップセミナー

山梨県立大学大学院看護学研究科は、

2010年(平成14年)に開学し、1

09名の修了生を輩出しています。現

在は28名の学生が在籍しており、多

くは仕事と学業を両立させながら学ん

でいます。

看護実践を積んでいく中で、「もっ

と学びたい」「もっとよい看護を実践

したい」という意欲に突き動かされて

集まってきた学生たちと、夜遅くまで

「看護」を語り合う楽しさは、私自身

のエネルギーにもなっています。そし

て、あっという間に時間が経ってしま

うという体験をもてることに、心から

感謝する毎日です。

学生たちからは、たくさんの刺激を

頂きます。遠い県外から、また県内で

あってもさまざまな調整をしながら講

義室に飛び込んでくる学生たちの熱意

に触れると、自分自身の有り様を見つ

め、私自身はこれでよいのか振り返え

らされます。大学院の授業は課題に対

する学生のプレゼンテーションを中心

に展開されます。課題に対するディス

カッションを通し、他者が納得できる

ようわかりやすく伝えるためには、理

論的な裏づけに基づいたプレゼンテー

ション能力を鍛えなければならないこ

とを実感します。これは学生ばかりで

なく教員も同様です。

なかでも興味深いのは、事例につい

てのディスカッションです。知識、分

析力はもちろんですが、そこに人生観

や看護観が絡み、「その人がどう生き

たいかを中心に支援者である看護職が

先を見据えてどう支援するか」の議論

を展開していきます。「今まで見えな

かった部分が見えてきた」「なるほど、

そういう考え方もある」等々、考える

筋道が見え、次の看護につなげられる

確信が持てると、学び合う仲間として

達成感で満たされます。

学ぶということは、他からもらった

刺激を自己の原動力にして、様々な活

動につなげられることだと考えます。

本大学院看護学研究科は、まさにこの

「学びあえる拠点」だと実感し、さら

にその学びを「高め合える場所」とし

て位置づいていきたいと考えます。

3

巻 頭 の こ と ば

大学院看護学研究科紹介大学院看護学研究科長 佐藤悦子

看護政策学授業風景

新 任 教 員 紹 介

看護関連科学領域

阿部美穂子

教授

「QOL

(Qu

alityo

fLife)

を支える人材育成」

4

特別支援学校の教員、教育センター研究主事を経て大

学に職を転じました。専門研究領域は、特別支援教育、

臨床心理学です。現在は、主に障害のあるお子さんの家

族支援、中でもきょうだい児の支援に重点を置いて研究

を進めています。障害のある子どもや重い病気を持つ子

どもの家族は、その子どもの育成と介護を最優先に生活

しがちになり、きょうだいの中には、疎外感や孤独、欲

求不満を抱く者もいます。親もまた、きょうだい児の育

成に悩みを抱えます。そのため、家族QOL

(Quality

ofLife)

の視点から、きょうだいも含め、家族成員一人

一人の生活の充実を図るサポートが求められます。

先日、養護教諭志望の1年生達と、重い障害のあるお

子さんたちが通う特別支援学校に見学に行きました。吸

引、経管栄養などの医療的ケアを必要とする子どもたち

が多数在籍しており、教員や看護師が常に連携して授業

を行います。養護教諭はその連携の要として、学校の子

どもたちの動き全体を把握し、次々と対応していきます。

送迎する保護者とのコミュニケーションも欠かせません。

まさに、障害のあるお子さんの家族QOLを支える一員

として活躍する姿がそこにありました。

多様化が進む現代にあって、看護師をはじめ、人に関わ

り、支援する者に求められるのは、多職種の人々との協働

力だと考えます。すなわち他の専門性を持つスタッフと

チームになり、個々の対象者に応じたトータルなケアを実

現することです。その目指すところは、対象者とその家族

のQOLにほかなりません。そのため、看護師(支援援援

する立場)にあっては、専門的知識技能はもちろんのこと、

どんな相手ともチームを作ることができるコミュニケー

ション力が必要になります。

看護関連科学という窓

口から、これからの社会

に力を発揮できる人材育

成に取り組みたいと思い

ます。

よろしくお願いいたし

ます。

5

みなさまどうぞよろしくお願いします!

「改元の年に」

介紹員教任新

4月から母性看護学・助産学領域の教員として着任いたし

ました神山とき江と申します。

富士山の麓、富士河口湖町から参りました。着任前は、富

士吉田市の病院で就業し、ご縁があり本校にお世話になるこ

とになりました。着任後、母性看護学領域の先生方をはじめ、

多くの領域の先生方より温かいご指導をいただきながら生活

しております。

私を助産師の道に導いてくれたのは、小児科に搬送されて

くる子どもたちでした。「何故、こういう状況になってしま

うのか」「妊娠中の母体の管理はどうなっているのか」の疑

問や「辛く苦しい思いする母親や子どもたちのケアを学びた

い」という思いからでした。助産師になり、周産期管理の難

しさ、お産の怖さとすばらしさを体験しました。児が出生す

るまでの緊張感は、無事生まれたときに喜びに変わります。

そして、励みにもなりました。改めて命の尊さ、愛おしさを

実感することになりました。

子どもたちが健やかに成長できることを願い、研究では妊

婦の禁煙支援にも取り組んできました。少しでも喫煙妊婦が

減ること、出産後の再喫煙が減少すること、喫煙による子ど

もへの影響が少なくなることを念頭におき、お母さんや子ど

もたち、その家族に寄り添いながら、研究に取り組んで参り

たいと思っております。

4月より多くの学生さんたちと触れ合う機会がありました。

今後は、学生の皆さんのパワーをいただきながら一緒になり

学修していくこと、また、今までの経験知を少しでも多く伝

えていけたらと思っております。私自身、歩みはゆっくりで

はありますが、日々努力し、知識を深めていきたいと思って

おります。

どうぞよろしくお願いいたします。

「学生の皆さんとともに」

母性看護学領域

神山とき江

助教

看護関連科学領域

武田

教授

私は、初めは主に1980年後半頃より非A非B型肝

炎と呼ばれていました、C型肝炎ウイルス(

HCV)

の研

究をしておりました。本年は改元の年となりましたが、

改元に因み当時の事を思い出しました。1989年すな

わち昭和から平成へと変わる頃のことです。私は、白金

にありました北里研究所の肝臓病センターで、多くの研

究スタッフと共に必死でクローニングを行い、原因ウイ

ルスの同定に努めていました。私は途中からでしたが、

他の多くのスタッフはチンパンジーの感染実験からです

ので、かなりの年月をHCVの研究に費やしていた訳で

すが、奮闘するも思うような結果が出せないままでした。

しかし私たちの研究の停滞状況とは全く関係なく、世界

は動いておりました。前年度末より、病状の悪化した昭

和天皇に輸血をするにあたり、ウイルスに感染した血液

を輸血するわけにはいかないと、当時まだ未公開のHC

Vスクリーニング用のキットを、アメリカのカイロン社

が特別に日本に提供していたとのことであります。これ

は平成になり、かなり経過してから聞いた話ですが、カ

イロン社のHCVの研究が遙かに進んでいたことを知り、

それは大変な衝撃を受けたものでした。結局HCV

の研究で

は、GORという関連抗体を発見したのみで、思うよう

な成果は出ませんでした。しかし同時に進行していまし

たB型肝炎ウイルスの研究は、セロコンバージョンとポ

イントミューテーションに関するもので、それなりの成

果は出せたと思っております。

現在は、肝炎の研究を離れまして、脳血管疾患リハビ

リテーション、嚥下障害の評価、そして新たに看護職の

ストレス評価についての研究に取り組みを始めておりま

す。何とかこれらの研究を発展させつつ、皆様のお役に

立てればと願っております。また教育に関しましては、

実際に臨床で役立つ基本的な考え方をお伝えできればと

考えております。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

Harmonyは今後も山梨県立大学看護学部の活動を学内・学外に

向けて発信していきたいと思います。

お忙しい中、原稿をお寄せいただきました皆様にこの場をお借りして

感謝申し上げます。

Harmonyに関するご意見、ご感想がありましたら下記委員まで

ご連絡ください。

(広報誌編集担当 山下恵子・渡邉学)

看護学部広報誌「Harmony~調和~」2019年 第1号(2019年8月)

≪山梨県立大学看護学部広報委員会≫平尾百合子 本間隆之 依田純子 大久保ひろ美 山下恵子

清水智嘉 渡邊由香 上野裕幸 渡邉学

山梨県立大学 看護学部〒400-0062 山梨県甲府市池田1-6-1 Tel: 055-253-7780 Fax: 055-253-7781 http://www.yamanashi-ken.ac.jp

≪編集後記≫