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オートクレーブ SM200/300 型 SM500/510 型 3 この度は、ヤマト科学のオートクレーブ SM シリーズを お買い上げいただきまして、誠にありがとうございます。 本器を正しく使っていただくために、お使いの前にこの 「取扱説明書」と「保証書」をよくお読みください。お読み になった後は「保証書」とともにいつでも使用できるよう に、大切に保管してください。 本器は設置管理医療機器に認定されていますので、専門 知識及び経験を有する者のみが当該製品の設置を行なう ことができます。 警告:取扱説明書本文に出てくる重要警告事項の部 分は製品を使用する前に注意深く読み、よく 理解してください。 この用紙は再生紙を使用しています。

オートクレーブ SM200/300型 SM500/510型 取扱説 …...オートクレーブ SM200/300型 SM500/510型 取扱説明書 第3版 この度は、ヤマト科学のオートクレーブSMシリーズを

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オートクレーブ

SM200/300 型

SM500/510 型

取 扱 説 明 書

第 3 版

● この度は、ヤマト科学のオートクレーブ SM シリーズを

お買い上げいただきまして、誠にありがとうございます。

● 本器を正しく使っていただくために、お使いの前にこの

「取扱説明書」と「保証書」をよくお読みください。お読み

になった後は「保証書」とともにいつでも使用できるよう

に、大切に保管してください。

● 本器は設置管理医療機器に認定されていますので、専門

知識及び経験を有する者のみが当該製品の設置を行なう

ことができます。

警告:取扱説明書本文に出てくる重要警告事項の部

分は製品を使用する前に注意深く読み、よく

理解してください。

この用紙は再生紙を使用しています。

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目次 絵表示の説明 ......................................................................................................................................1 安全上のご注意 ..................................................................................................................................3 ご使用前に .........................................................................................................................................6

各部の名称と働き.................................................................................................................................6 ご使用前に .........................................................................................................................................7

各部の名称と働き.................................................................................................................................7 据え付けかた ......................................................................................................................................10 運転前の準備 ......................................................................................................................................13

取扱上のご注意 ................................................................................................................................17 設定のしかた ....................................................................................................................................19

機能メニューキーの使い方 ................................................................................................................19 設定値の変更(温度、時間) ............................................................................................................20 シグナル音、ビープ音「ON/OFF」選択 .............................................................................................21 希望の運転モードの選択....................................................................................................................22

運転のしかた ....................................................................................................................................23 滅菌運転のしかた...............................................................................................................................23 「滅菌+乾燥」運転のしかた ................................................................................................................27 運転中に設定値を確認したいときは .................................................................................................32 運転の中断と再開...............................................................................................................................33

安全装置とエラーコード ..................................................................................................................34 緊急時の処置 ......................................................................................................................................34 停電になったら ..................................................................................................................................34

お手入れのしかた.............................................................................................................................35 日常の点検/お手入れ ..........................................................................................................................35 長期間使用しないとき、あるいは廃棄するとき ...............................................................................36

アフターサービスと保証 ..................................................................................................................37 修理を依頼されるとき .......................................................................................................................37 故障かな?と思ったら .......................................................................................................................38

交換部品表 .......................................................................................................................................39 仕様 ..................................................................................................................................................40 結線図 ..............................................................................................................................................42 配管図 ..............................................................................................................................................44 参考資料 ...........................................................................................................................................45

法定危険物一覧 ..................................................................................................................................45 表示文字の説明 ..................................................................................................................................46 操作手順のフロー...............................................................................................................................47

定期検査 ...........................................................................................................................................48 小型圧力容器の定期自主検査 ............................................................................................................48 医用電気機器の使用上(安全及び危険防止)の注意事項.................................................................55

標準据付マニュアル .........................................................................................................................57

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1

絵表示の説明

絵表示について

この取扱説明書及び商品には、安全にお使いいただくために、いろいろな絵表示を使用しています。

その表示を無視して、誤った取り扱いをすることによって生じる内容を以下のように区分しています。

内容をよく理解してから本文をお読みください。

警告 人が死亡または、重傷(注 1)を負う恐れがある内容を示しています。

注意 人がけが(注 2)をしたり、財産に損害(注 3)を受ける恐れがある内容を

示しています。

(注1) 重傷とは、けが・感電・骨折・中毒等の後遺症が残るもの、及び治療に入院や長期通院を要

するものをいいます。

(注2) けがとは、治療に入院や長期通院を要さないけがや感電をいいます。

(注3) 財産の損害とは、設備機器や建物等の財産に関わる損害をいいます。

絵表示の意味

この絵表示は、警告(注意を含む)を促す事項を示しています。

絵の近くに、具体的な警告内容を表記しています。

この絵表示は、してはいけない行為(禁止事項)を示しています。 絵の近くに、具体的な禁止内容を表記しています。

この絵表示は、必ず実行してほしい行為を示しています。 絵の近くに、具体的な指示内容を表記しています。

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2

絵表示の説明 シンボルマーク一覧表

警 告

警告一般 高電圧注意 高温注意 駆動部注意 爆発注意

注 意

注意一般 感電注意 やけど注意 空焚き注意 水漏れ注意

水専用 劇毒物注意

禁 止

禁止一般 火気禁止 分解禁止 接触禁止

強 制

強制一般 アース線接続 水平設置 電源プラグを抜く 定期点検

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3

安全上のご注意

引火性・爆発性のあるガス雰囲気中での使用禁止

本器は、防爆構造ではありませんので、引火性・爆発性のあるガス雰囲気中では、絶対に使用

しないでください。火災・爆発の原因となります。

アース線は必ず接続してください

アース線は、必ず接続してください。漏電による感電・火災の原因となります。

電源は定格のものを使用してください

電源は、必ず定格以上のものを使用してください。定格電圧・電流以外の電源を使用しますと

火災・感電の原因となります。

異常時の使用禁止

万が一、本器から煙が発生したり、異臭がする等の場合は、ただちに漏電ブレーカを切り、元

電源を抜いて、お買い上げの販売店または、ヤマト科学営業所までご連絡ください。放置して

おきますと火災・感電の原因となります。お客様による修理は危険ですので、絶対に行わない

でください。

電源コードを傷めないでください

電源コードを無理に曲げる、引っ張る、ねじる、継ぎ足す等の行為で傷つけないでください。

火災・感電の原因となります。

また、電源コードを束ねて使用したり、コードの上に物を載せたまま使用すると過熱し、火災

の原因となります。

爆発性・可燃性物質は使用しないでください

爆発性・可燃性物質及びそれらを含有した物質は絶対に使用しないでください。

爆発・火災の原因となります。(P45 参照)

本器を分解・改造しないでください

本器は絶対に分解・改造をしないでください。火災・感電・故障等の原因となります。

蒸気排気口に近づいたり、塞がないでください

本器の右側面部には蒸気排気口を設けています。ここからは高温の蒸気が出ますので、手や顔

等を近づけたり、塞がないでください。火傷や故障の原因となります。

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4

安全上のご注意

フタを開けるときは

本器のフタは、圧力が 「0 MPa」 に降下していることを確認した後で開い

てください。圧力の高い状態で開けると高温・高圧の蒸気が噴出するため、

火傷の恐れがあり危険です。

また、滅菌運転終了直後(缶内温度が高い時)に開けると、多量の蒸気が

缶内から出ますので、手や顔等を近づけないでください。

排水をするときは

滅菌用水の排水をするときは、圧力が 「0 MPa」 に降下していることを確認して行ってくださ

い。圧力の高い状態で排水バルブを開きますと、熱水が噴出して非常に危険です。

また、圧力が 「0 MPa」 でも滅菌運転終了直後は、滅菌用水が高温になっていますので、十分

冷めてから排水を行ってください。

運転中はドレンボトルに触らないでください

本器前面の扉内には、ドレンボトルが収納されています。運転中および運転終了直後には、熱

水がドレンボトル内に入っています。火傷をする恐れがありますのでドレンボトルの取り出し

は、熱水が十分冷めてから行ってください。なお、運転中は、扉を開けないでください。

高温になる部分を触らないでください

運転中及び運転終了直後は、フタとその周辺が高温になります。火傷をする恐れがありますの

で、触らないでください。

滅菌物を取り出すときは

滅菌物を取り出すときは、缶内の蒸気が十分に出た後で行ってください。滅菌物は高温になっ

ていますので、火傷防止のために耐熱革手袋等をはめて行ってください。

放熱口には触れないでください

滅菌運転中、何らかの異常により安全弁から蒸気が噴出する可能性がありますので、本器背面

部にある放熱口には直接触れないでください。なお、この放熱口は塞がないでください。

強制排気ボタンを使用するときは

本器の左側面部にある強制排気ボタンを使用するときは、蒸気排気口の近くに誰もいないこと

を確認してください。高温・高圧の蒸気が出るため、火傷をする恐れがあります。

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5

安全上のご注意

雷が鳴り始めたら

雷が鳴り始めたら直ちに漏電ブレーカを切り、元電源を切ってください。

そのままにしておきますと、落雷による火災・感電・故障の原因となります。

停電になったら

運転中(滅菌中または加圧、冷却中)漏電ブレーカ「切」や、停電により電源が遮断されると電

源復帰後、待機状態になりますが、缶内温度が水の沸点より低くなるまで、排気電磁弁は開き

ません。

この状態の時には、絶対にフタを開けないでください。高温・高圧の蒸気が噴出して非常に危

険です。

フタを開けたいときは、強制排気スイッチで缶内圧力を「0 MPa」まで下げた後に行ってくだ

さい。(P33、強制排気スイッチの使いかたをご参照ください)

空焚きしないでください

空焚きしないでください。

オートクレーブに使用している水用ヒータは、水が少ない状態で運転すると空気中に露出し、

劣化または破損します。

運転前に必ず缶体内の水量が適切であることを確認してください。

P15、「缶内に水を入れてください」をご参照ください。

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6

ご使用前に 各部の名称と働き

外部形状

ハンドル

フタ

蒸気排気口

操作パネル

アーム

圧力計

ラッチハンドル

ドレンボトル水位確認窓

パネルガード

強制排気スイッチ

漏電ブレーカ

端子台(標準外付属品)

プリンタコネクタ(標準外付属品) 電源コード

放熱口

放熱口

放熱口

蒸気受けカップ

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7

ご使用前に 各部の名称と働き

内部構造

安全弁

断熱材

缶温センサ

水温センサ

排水電磁弁

排気電磁弁

スノコ 乾燥ヒータ

缶体

滅菌ヒータ

サービスプラグ (R1/4)

マイクロスイッチ

フィルタ

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8

ご使用前に 各部の名称と働き

扉内部

缶体内部

ボトル栓 サイレンサ

排 水 バ ル

マイクロスイッ

排気ホース

滅菌ヒータ

フィルタ

缶温センサ

水温センサ

蒸気排気口

クランプ

フランジ

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9

ご使用前に 各部の名称と働き

操作パネル

① 実 行 キ ー 運転開始・停止及び、設定値や機能変更を確定します。

② アップ・ダウンキー 設定値及び機能変更を行います。

③ 運転メニューキー 運転前に「滅菌」運転、「滅菌+乾燥」運転のいずれかを選択します。

④ 機能メニューキー 設定値及び機能変更、または確認の開始・終了時に使用します。

⑤ メ イ ン 表 示 器 主に缶内温度・設定温度を表示します。

⑥ サ ブ 表 示 器 主に残時間・設定時間を表示します。

⑦ ヒ ー タ ラ ン プ ヒータに通電されているときに点灯します。

⑧ 滅 菌 工 程 ラ ン プ 滅菌運転中に点灯、または点滅します。

⑨ 乾 燥 工 程 ラ ン プ 乾燥運転中に点灯、または点滅します。

⑩ 終 了 ラ ン プ 運転終了時に点灯します。

⑪ 滅 菌 ラ ン プ 運転前に滅菌モードを選択したときに点滅し、運転中は点灯します。

⑫ 滅菌+乾燥ランプ 運転前に滅菌+乾燥モードを選択した時に点滅し、運転中は点灯します。

⑬ 異 常 ラ ン プ 機器の異常発生時に点灯します。

⑭ 確 認 ラ ン プ 運転中に設定値等の確認のため、機能メニューキーを押すと点灯します。

① ②

④ ③

⑩ ⑨

⑤ ⑦ ⑥

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10

ご使用前に 据え付けかた

引火性・爆発性・腐食性ガスのあるところには、設置しないでください

引火性・爆発性・腐食性ガスのあるとこ

ろには、絶対に設置しないでください。

火災・爆発・故障の原因となります。

以下のような場所には設置しないでください

① 直射日光の当たるところ。

② 周囲の温度が 5℃以下または、35℃以上

になるところ。

③ 寒暖の差の激しいところ。

④ 湿気やほこりの多いところ。

⑤ 水のかかりやすいところ。

⑥ 振動や衝撃の加わるところ。

水平で丈夫なところに設置してください

缶内の水を水平に保つため、本器は必ず水

平で丈夫なところに設置してください。

本体が傾きヒータが水面から出ますと、出

た部分が高温になり、ヒータの故障また

は、空焚き防止による運転の中断の原因と

なります。

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11

ご使用前に 据え付けかた

本器の周囲に空間をとってください

故障・誤動作を防ぐためにも、以下のスペ

ースをお取りください。

・ フタ開閉スペース…33cm 以上

・ 扉開放スペース……26cm 以上

・ 換気スペース………15cm 以上

警報器等に注意して設置してください

運転終了直後にフタを開けますと、多量の

蒸気が出ますので、本器の上部に電気類、

特に警報器等のあるところには設置しな

いでください。

キャスタをロックしてください

設置場所が決まりましたら、前面部のキャ

スタ 2 輪に、ロック機能がついていますの

で、必ずロックしてください。

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12

ご使用前に 据え付けかた

アース線を接続してください

漏電による感電事故を防ぐため、第 3 種接地工事以上の工事をした接地線に、アース線を確実

に接続してください。電源設備側にアース端子がない場合は、工事が必要です。お買い上げの

販売店、ヤマト科学営業所または、電気工事店に依頼してください。

接続の際には、ガス管・水道管・電話線・避雷針等には、絶対に接続しないでください。火災・

感電・の原因となります。

SM200 SM300/500/510

コンセントは接地型コンセントを使用する

ことをおすすめします。

これらの機種は電源プラグを付属していません。

接続される電源設備側に合わせて、アースを正し

く接続してください。

電源コードは本器の必要電源容量に余裕のある電源設備に接続してください

型 式 電 源 必要電源容量

SM200 AC100V 単相 15A 以上

SM300 AC100V 単相 20A 以上

SM500 AC100V 単相 20A 以上

電源が不足しますと、電源電圧の低下によ

り、正常な制御ができなくなりますので、

電源容量に余裕のある電源設備に接続し

てください。(右表参照)

SM510 AC200V 単相 12A 以上

電源コード接続の際には、各芯線の色に注意して接続してください

電源コードを接続するときは、必ず電源設備側の遮断機(ブ

レーカ)が「切」になっていることを確認してから行ってくだ

さい。なお、SM300/500/510 は、電源プラグを付属していませ

ん。接続される電源設備側に合わせ、電源容量に合ったプラ

グや端子を選定して接続してください。(右表参照)

M5 用丸端子 緑(アース端子へ)

黒(定格電源端子へ) 白(定格電源端子へ) 電源プラグ

接地型コンセント

アース

芯線色 屋内配線

黒 電圧側

白 接地側

緑 アース

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13

ご使用前に 運転前の準備

スノコを設置してください

スノコは、缶内に入れた滅菌物等を安定さ

せ、ヒータやセンサを保護します。必ず設

置してください。

ドレンボトルに注水してください

ドレンボトルに 1500cc の水を入れてくだ

さい。これは、缶内から排出される、高温

の蒸気を冷却するための水です。

本器は、「滅菌+乾燥」運転の際、缶内の水

を強制排水して、ボトル内に導きます。こ

のため、ボトル内に水を入れすぎますと、

強制排水された熱水がボトルから溢れて

しまい、火傷をする恐れがあり危険ですの

で、指定水量を守ってください。

排水バルブを閉めてください

排水バルブを閉めてください。

閉め忘れたり、不完全な閉めかたでは、

水漏れが起き、火傷・空焚きの原因とな

ります。

スノコ(水平に)

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14

ご使用前に 運転前の準備

ドレンボトルを設置してください

本器は、「滅菌+乾燥」運転中に強制排水を実行します。このとき高温・高圧の熱水が噴出しま

すので、ドレンボトルを必ず設置してください。

ドレンボトルを設置しませんと、安全装置(マイクロスイッチ)の働きにより運転ができませ

んのでご注意ください。

① 本器前面部の扉を開けてください。

ドレンボトルが設置されていませんので、表

示器に が点滅表示され、運転は

できません。

② 1500cc の水を入れたドレンボトルに、サイ

レンサを入れます。

③サイレンサを入れましたら、そのままドレ

ンボトルを扉内部の上へと押し込み、排気

ホースをドレンボトル内に入れます。

④ドレンボトルが収まりましたら、マクロスイ

ッチが押され、運転可能となり、表示器に設

定温度・設定時間が表示されます。

ボトル栓

サイレンサ

排気ホース

サイレンサ

排気ホース

マイクロスイッチ

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15

ご使用前に 運転前の準備

缶内に水を入れてください

滅菌物を入れる前に、スノコのゲージに従

い、缶内に水を入れてください。

水の入れ忘れや水量不足ですと、空焚きの

原因となります。ご使用の都度、水位を確

認し、ローレベルになる前に補給してくだ

さい。

各 機 種 注 水 量

SM200 1900~2000cc

SM300 2800~3000cc

SM500 2800~3000cc

注水量の目安として、右表をご参照くださ

い。なお、右表以上の水を入れますと、強

制排水のときに、ドレンボトルから熱水が

吹き出ることがありますので、規定量をお

守りください。 SM510 2800~3000cc

滅菌用水は蒸留水か精製水をご使用ください

缶内に入れる水は、蒸留水か精製水をご使用ください。水道水でもかまいませんが、缶石が缶

内に付着するため、頻繁な清掃が必要となります。

井戸水は、腐食や汚れの原因となりますので、使用しないでください。

滅菌物を設置してください

滅菌物は、ラックかカストに入れて缶内に

設置してください。

設置のときには、滅菌物が蒸気排気口を塞

がないように注意してください。蒸気が排

出されなくなり、正常な運転が行えなくな

ります。

また、滅菌物の出し入れのときに、滅菌物

をこぼさないようにしてください。配管系

統の故障・悪臭・汚れの原因となります。

ローレベル ハイレベル

蒸気排気口

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16

ご使用前に 運転前の準備

運転前には扉を閉めてください

運転前には、本器前面部の扉を必ず閉めてください。

扉を開けておいたり、不完全な閉めかたをしていますと、運転中にドレンボトルが倒れたりし

て火傷の原因となります。また、運転中は扉を開けないでください。

フタを閉めてください

フタは、缶体に接触後、ハンドルを右に 1/4

から 1/2 回転させ、確実に閉めてください。

閉めかたが不適切ですと蒸気が吹き出し、火傷

等の原因となります。

蒸気受けを付けてください

本器は、空気抜き中に発生する蒸気が水滴

となり床に落ちるのを防ぐため、マグネッ

ト付きの蒸気受けを付属しています。

右図を参考に組み立てた後、蒸気排気口の

下に取り付けてください。

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17

取扱上のご注意

高温になる部分に注意してください

運転中および運転終了直後は、フタ周辺部

の温度が高くなっています。

火傷をする恐れがありますので、触れない

ようにしてください。

◆右図のグレー部が特に高温になります。

フタを開けるときは

フタを開けるときは、圧力計が「0 MPa」に

降下していることを確認した後、ゆっく

りと開けてください。

◆缶内圧力が高いときに開けますと、高

温・高圧の蒸気が噴出して、非常に危

険ですので、絶対におやめください。

排水について

運転終了後は、缶内の水が熱水となってい

ます。火傷をする恐れがありますので、十

分冷えてから排水を行ってください。

排水の際には、高さ 6cm 以下の受け皿を排

水口の下に置くか、設置場所の近くに排水

口がありましたら、ホース(内径 10mm)を

接続して直接排水口まで導いて排水をして

ください。

◆運転中は、絶対に排水を行わないでくだ

さい。特に圧力の上昇しているときに排

水バルブを開きますと、熱水が噴出して

非常に危険です。

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18

取扱上のご注意

フタのパッキンや缶体のフランジ部は傷つけないでください

フタのパッキンや缶体のフランジ部(右図

グレー部)を傷つけたり、ごみを付着させ

ますと蒸気漏れをおこし、火傷をする恐れ

があります。

常に清潔に保ち、滅菌物を出し入れすると

きは、ラック等で傷つけないようにしてく

ださい。

なお、パッキンは、使用により劣化していきますので、蒸気漏れが頻繁に起こるようでした

ら交換が必要です。お買い上げの販売店または、ヤマト科学営業所までご連絡ください。

パネルガードに無理な力をかけないでください

パネルガードを持って本器を移動させたり、

無理な力をかけないでください。

パネルガードが取れたり、転倒の原因となり

ます。また、タオル等をかけたりしないでく

ださい。

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19

設定のしかた 機能メニューキーの使い方

機能メニューキーとは

機能メニューキーは、設定・機能変更・運転中に設定値を確認するためのキーです。

機能メニューキーには 「滅菌温度」 「滅菌時間」 「乾燥温度」 「乾燥時間」 の 4 種類の設定値変更機能

と、「シグナル音 on/off」 「ビープ音 on/off」 の 2 種類の選択機能があります。

機能メニューキーを押すと

漏電ブレーカを「入」にしてくださ

い。

待機状態となり、表示器には現在の

設定値が表示されます。

→メイン表示器…滅菌温度点滅表示

→サブ表示器……滅菌時間点滅表示

機能メニューキーを

押してください。

→メイン表示器… 点滅表示

→サブ表示器……設定温度点灯表示

◆ 機能メニューキーを押すと常にこ

の機能表示から始まります。

各機能を呼び出すには

希望の機能を呼び出すには、機能メニューキーを押した後、▽△キーを押して変更する機能を表示さ

せます。▽△キーを押すごとに 6 種類の機能が表示されていきます。その際、△キーで使用頻度の高

い機能から順行し、▽キーで逆行していきます。(下図参照)

表示文字の意味と機能

…滅菌温度…滅菌工程の温度設定を行ないます。

…滅菌時間…滅菌工程の時間設定を行ないます。

…乾燥温度…乾燥工程の温度設定を行ないます。

…乾燥時間…乾燥工程の時間設定を行ないます。

…シグナル…滅菌、乾燥の各工程終了時にシグナル音が鳴ります。(on/off で切り替え)

シグナル音は約 1 秒間鳴ります。

…ビープ……機器に異常が発生したとき、ビープ音が鳴ります。(on/off で切り替え)

ビープ音は電源を落とすまで鳴り続けます。

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設定のしかた 設定値の変更(温度、時間)

滅菌、乾燥の温度、時間設定のしかた

運転前に滅菌、乾燥工程の温度と時間を設定します。

◆ 運転中は設定値の変更を受け付けませんので、前回の設定値を変更するときは、運転前に必ず実行

してください。

◆ 設定を途中で終了させたいときは、機能メニューキーを押してください。

◆ 設定中 1 分間以上放置しておくと、自動的に待機状態に戻ります。

待機状態

●漏電ブレーカを「入」にしてください。

メイン表示器に滅菌温度、サブ表示器に滅菌時間が点滅表示されま

す。

●機能メニューキーを押してください。

メイン表示器に が点滅表示され、サブ表示器に滅菌温度が

点灯表示されます。

●実行キーを押してください。

パネル表示が反転して、滅菌温度の設定値変更が可能となります。

●▽△キーで希望の滅菌温度を入力します。(121℃設定にしました)

▽キー…温度が減算し 105℃で停止します。

△キー…温度が加算し 128℃で停止します。(SM200 は 123℃)

●実行キーを押してください。

滅菌温度の変更が確定し、次の機能である滅菌時間設定がパネルに表

示されます。

●再度実行キーを押してください。

パネル表示が反転して、滅菌時間の設定変更が可能となります。

●▽△キーで希望の滅菌時間を入力します。(20 分設定にしました)

▽キー…時間が減算していきます。

△キー…時間が加算していきます。

●実行キーを押してください。

滅菌時間の変更が確定し、次の機能である乾燥温度設定がパネルに点

滅表示されます。

乾燥温度

●再度実行キーを押します。

パネル表示が反転して、乾燥温度の設定変更が可能となります。

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設定のしかた 設定値の変更(温度、時間)

滅菌、乾燥の温度、時間設定のしかた

●▽△キーで希望の乾燥温度を入力します。(180℃設定にしました)

▽キー…温度が減算し 150℃で停止します。

△キー…温度が加算し 180℃で停止します。

●実行キーを押してください。

乾燥温度の変更が確定し、次の機能である乾燥時間設定がパネルに点

滅表示されます。

●再度実行キーを押します。

パネル表示が反転して、乾燥時間の設定変更が可能となります。

●▽△キーで希望の乾燥時間を入力します。(30 分設定にしました)

▽キー…時間が減算していきます。

△キー…時間が加算していきます。

● 実行キーを押してください。

乾燥時間の変更が確定し、自動的に待機状態のパネル表示に戻り、新

しく設定した滅菌温度、時間が点滅表示しています。

シグナル音、ビープ音「ON/OFF」選択

選択のしかた

「シグナル音 on/off」 「ビープ音 on/off」 の機能は、変更が終了すると自動的に待機状態に戻るため、

それぞれを単独で呼び出して設定を行うことになります。

◆ 「シグナル音 on/off」 「ビープ音 on/off」 の選択は、運転中も行うことができます。

「シグナル音 on/off」選択(例 on→off)

●機能メニューキーを押してください。

メイン表示器に が点滅表示され、サブ表示器に滅菌温度が

点灯表示されます。

● ▽△キーのいずれかを押してください。

左図のパネルを表示させます。

●実行キーを押してください。

パネル表示が反転して、設定変更が可能となります。

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設定のしかた シグナル音、ビープ音「ON/OFF」選択

●▽△キーのいずれかを押して希望の設定を表示させてください。

(off を選択しました)

●実行キーを押してください。

シグナル音の変更が確定し、自動的に待機状態のパネル表示に戻り

ます。

「ビープ音 on/off」選択(例 off→on)

●機能メニューキーを押してください。

メイン表示器に が点滅表示され、サブ表示器に滅菌温度が

点灯表示されます。

●▽△キーのいずれかを押してください。

左図のパネルを表示させます。

●実行キーを押してください。

パネル表示が反転して、設定変更が可能となります。

●▽△キーのいずれかを押して希望の設定を表示させてください。

(on を選択しました)

●実行キーを押してください。

ビープ音の変更が確定し、自動的に待機状態のパネル表示に戻りま

す。

希望の運転モードの選択

選択のしかた

本器には、滅菌機能と乾燥機能があり、「滅菌モード」「滅菌+乾燥モード」として選択が可能です。 運転中は、モードの変更を行えませんので、必ず運転前に行ってください。

●運転メニューキーを押してください。

押すごとに、運転モードが変更され、対応するモードランプが点滅します。

希望のモードランプが点滅したら設定は終了です。

選択した運転モードは運転終了後も変更はされず、再選択をするまで継続します。

◆ モード変更は、待機状態の時しか行えません。

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運転のしかた 滅菌運転のしかた

遅れ時間

遅れ時間

負荷(水量) SM200/300 SM500/510

500cc 5min. 10min.

1000cc 10min. 15min.

2000cc 15min. 20min.

3000cc 20min. 25min.

4000cc 25min. 30min.

液体を滅菌する場合、液体温度が滅菌設定温度に達する

までに、缶内温度との間に遅れ時間(b)が生じてしまい、

日本薬局方による通常通りの設定時間(c)では、滅菌時

間が不足し、滅菌不良になります。このため、予め滅菌

時間を延ばして設定する必要があります(a)。 水を負荷としたときの負荷の遅れ時間を右表に、無負荷

時の昇温および冷却時間等を下表にそれぞれ掲載しま

したので、ご参照ください。 5000cc 30min. 35min.

滅菌所要時間 ・室温 25℃ (無負荷)

滅 菌 条 件 所 要 時 間 機 種 水温

設定温度 設定時間③ 空気抜き時間① 加圧時間② 冷却時間④

総所要時間

①+②+③+④

20℃ 115℃ 30min. 19min. 4min. 22min. 75min. SM200

20℃ 121℃ 20min. 19min. 6min. 29min. 74min.

20℃ 115℃ 30min. 23min. 4min. 27min. 84min.

20℃ 121℃ 20min. 23min. 7min. 31min. 81min. SM300

20℃ 126℃ 15min. 23min. 9min. 37min. 84min.

20℃ 115℃ 30min. 27min. 5min. 22min. 84min.

20℃ 121℃ 20min. 27min. 6min. 29min. 82min. SM500

20℃ 126℃ 15min. 27min. 8min. 35min. 85min.

20℃ 115℃ 30min. 22min. 4min. 22min. 78min.

20℃ 121℃ 20min. 22min. 5min. 29min. 76min. SM510

20℃ 126℃ 15min. 22min. 6min. 35min. 78min.

④ ③ ② ①

b c

缶内温度

負荷内温度(水温)

a=滅菌設定時間

b=遅れ時間

c=滅菌時間(日本薬局方による)

時間 ・滅菌設定温度 121℃ 室温 25℃(三角フラスコ使用)

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運転のしかた 滅菌運転のしかた

参考資料

生化学的危険物の廃棄用バッグを使用して、滅菌運転を行うときは

① バッグの口は、蒸気が浸入しやすいように必ず開いてください。また、運転中に倒れて閉じな

いように、金網ラック等で固定してください。

② バッグの高さは、缶体の 2/3 程度にしてください。高すぎると、蒸気が浸入しにくくなったり、

缶内上部の蒸気排気口がバッグのため塞がれやすくなり、滅菌不良の原因となります。

③ 設定温度は、使用するバッグの耐熱温度上限にしてください。

④ 設定時間は、滅菌対象物の質・量により異なります。以下のデータをご参照ください。 ・室温 25℃ (SM510 使用)

滅菌試料 滅菌温度 滅菌時間 備 考

ガーゼ 121℃ 30 分 乾燥したガーゼを 5 反使用

シャーレ 121℃ 40 分 フタ付のシャーレを 30 個使用

◆ なお、これらのデータは参考値であり、滅菌物の特性・量・容器の種類等により滅菌状態は変わ

りますので、ご使用の際はバイオロジカルインジケータまたは、ケミカルインジケータ等で滅菌

状態を確認してください。

ケミカルインジケータ(付属品)の使いかた ・ ケミカルインジケータ使用の際は、滅菌物の中心部へカードを入れてご使用ください。

・ このインジケータは、液体に浸けて使用することはできません。

・ 使用温度 121℃

・ 運転終了後、ケミカルインジケータの 内を見て、滅菌状態をご確認ください。

滅菌不良のときは、 内に“滅菌済”が薄茶

色で表示されます。

滅菌が問題なく行われたときは、 内に“滅

菌済”が黒褐色ではっきりと表示されます。

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運転のしかた 滅菌運転のしかた

滅菌工程概略

通常、滅菌工程では以下のような温度推移、動作が行われます。

(例) 設定温度…121℃ 設定時間…20 分

① …空気抜き(缶内の空気を水蒸気により排出します)

② …加圧(排気電磁弁を閉じ、缶内圧力を上昇させます)

③ …滅菌工程(設定した温度、時間で滅菌します)

④ …自然冷却(缶内温度が水の沸点より一定温度低くな

るまで温度を下げます)

滅菌運転操作手順

運転前に以下の事項を必ず確認、実行してください。

①スノコを設置していますか。(P13 参照)

②ドレンボトルを設置していますか。(P13、14 参照)

③排水バルブは閉まっていますか。(P13 参照)

④缶内へ水を入れていますか。(P15 参照)

⑤フタは閉まっていますか。(P16 参照)

●本体左側面にある漏電ブレーカを「入」にしてくださ

い。

●運転メニューキーを押して滅菌運転を選択します。

(P22 参照)

●希望の滅菌温度、時間を設定します。

(P20 参照)

→メイン表示器…設定温度を点滅表示

→サブ表示器……設定時間を点滅表示

→滅菌ランプ……点滅

(空気抜き)

●実行キーを押してください。

滅菌ヒータが作動し、運転を開始します。

排気電磁弁は開いたままで、缶内の空気を排出します。

→メイン表示器……水温を点灯表示

→サブ表示器………消灯

→滅菌工程ランプ…点滅

→滅菌ランプ………点灯

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運転のしかた 滅菌運転のしかた

滅菌運転操作手順

空気抜き終了後、排気電磁弁が閉じ、加圧が始まります。 →メイン表示器……缶内温度を点灯表示 →滅菌工程ランプ…点滅 →滅菌ランプ………点灯

缶内温度が設定温度に達すると滅菌工程が始まり、サブ

表示器に滅菌設定時間が表示され、減算していきます。 →メイン表示器……缶内温度を点灯表示 →サブ表示器………滅菌の残り時間を点灯表示 →滅菌工程ランプ…点灯 →滅菌ランプ………点灯

滅菌時間がタイムアップした時点で滅菌ヒータが切れ

て、自然冷却が始まります。 →メイン表示器……缶内温度を点灯表示 →サブ表示器……… 点滅 →滅菌工程ランプ…点灯 →滅菌ランプ………点灯

突沸防止のため、缶内温度が沸騰温度より一定温度低い

温度まで下がると、排気電磁弁が開き滅菌運転が終了し

ます。 →メイン表示器…缶内温度を点灯表示 →サブ表示器…… 点滅 →終了ランプ……点灯 →滅菌ランプ……点灯

●実行キーを押します。 運転前の待機状態のパネル表示に戻り、再運転が可能に

なります。

◆図の中の マークは「シグナル音 on/off」機能を「on」に設定した時にブザーが鳴ることを表し

ています。

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運転のしかた 「滅菌+乾燥」運転のしかた

「滅菌+乾燥」運転を行う前に

① 乾燥機能とは滅菌運転中、滅菌物に吸着した水分を除去するものであり、最初から濡れたものを

乾燥することはできません。なお、JIS(下記参照)で規定された乾燥条件は満足しています。

-JIS 7324-1989 医療用小型高圧蒸気滅菌器-

② 乾燥運転時の表示温度は、缶温センサ部の温度です。滅菌運転時は、缶内が蒸気で加熱されるた

め缶内温度と表示温度は、ほぼ一致していますが、乾燥運転は、缶体外面のヒータにより加熱す

るため、缶内温度は、表示より低くなります。また、温度分布も無負荷で 20℃程になります。

③ 布類の乾燥には、必ずカストをご使用ください。ご使用にならなかった場合、水滴によりしみが

付く可能性があります。

④ 乾燥運転時の缶壁は、高温になりますので、カストが缶壁に触れないよう、缶内の中央に設置し

てください。

⑤ カストを使用するときは、カストのシャッターを必ず開いてください。閉じたままですと、カス

ト内に蒸気が進入しないため、滅菌不良の原因となります。

⑥ カストに滅菌物を入れるときは、カスト容量の 80%以内にしてください。無理に詰めすぎますと、

滅菌不良の原因となります。

乾燥装置付のものは、試験パックに含まれる水分量が、滅菌前の質量の+5%

以下であり、また、布類に水滴によるしみの付いていないこと。

シャッターを開く

缶壁に触れない

底面のシャッターも開く

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運転のしかた 「滅菌+乾燥」運転のしかた

参考資料

以下の表は、ガーゼを使用し、「滅菌+乾燥」運転をした時のデータです。これらのデータを参考に乾

燥条件を設定してください。なお、以下のデータは、保証値ではありません。

・ 室温 24℃ SM510 使用

乾燥温度 乾燥時間 運転前ガーゼ総重量 運転後ガーゼ総重量 重量比

30min. 1585g 1580g -0.3%

60min. 1567g 1553g -0.9% 150℃

90min. 1560g 1534g -1.7%

165℃ 30min. 1564g 1548g -1.0%

180℃ 30min. 1570g 1531g -2.5%

・ 滅菌温度、時間 121℃、20 分

・ 試料は、カスト 3 ヶを使用し、各カストにガーゼ 5 反を設置。

・重量比=

◆ 乾燥温度が 180℃では、布類が変色する可能性があります。布類の乾燥を行う場合は、できるだけ

150℃で行ってください。

注意事項

連続して「滅菌+乾燥」運転を行う場合は、表示温度が 100℃以下になってから次の運転を行ってくだ

さい。表示温度が 100℃以上で運転を行いますと、空気抜き時間が非常に長くなり、ドレンボトル内

の水が沸騰したり、缶内の水が減少し空焚きの原因になる恐れがあります。

運転後ガーゼ重量-運転前ガーゼ重量

運転前ガーゼ重量 ×100

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運転のしかた 「滅菌+乾燥」運転のしかた

「滅菌+乾燥」工程概略

通常「滅菌+乾燥」工程では、以下のような温度推移、動作が行われます。

(例) 滅菌設定温度…121℃ 設定時間…20 分

乾燥設定温度…180℃ 設定時間…30 分

① …空気抜き(缶内の空気を水蒸気により排出します)

② …加圧(排気電磁弁を閉じ、缶内圧力を上昇させます)

③ …滅菌工程(設定した温度、時間で滅菌します)

④ …排水、排気(滅菌工程終了後、缶内の水、蒸気を排出します)

⑤ …昇温(乾燥ヒータにより、缶内温度を上昇させます)

⑥ …乾燥工程(設定した温度、時間で乾燥します)

「滅菌+乾燥」運転操作手順

運転前に以下の事項を必ず確認、実行してください。

①スノコを設置していますか。(P13 参照)

②ドレンボトルを設置していますか。(P13、14 参照)

③排水バルブは閉まっていますか。(P13 参照)

④缶内へ水を入れていますか。(P15 参照)

⑤ フタは閉まっていますか。(P16 参照)

「滅菌+乾燥」運転では、乾燥運転に入る前に、缶内の水を圧力によってドレンボトルへと導く

強制排水が行われます。この時、ドレンボトル及び缶内への注水量が指定量よりも多いと、熱

水がドレンボトルから溢れ出したり、蒸気排出口から噴出して非常に危険です。ドレンボトル

と缶内の注水は指定量を必ず守り、運転前にはドレンボトルの水位を確認してください。

(P13、15 参照)

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運転のしかた 「滅菌+乾燥」運転のしかた

「滅菌+乾燥」運転操作手順

●本体左側面にある漏電ブレーカを「入」にしてくださ

い。

●運転メニューキーを押して「滅菌+乾燥」運転を選択

します。(P22 参照)

●希望の温度、時間を設定します。

(P20、21 参照)

→メイン表示器………設定温度を点滅表示

→サブ表示器…………設定時間を点滅表示

→滅菌+乾燥ランプ…点滅

(空気抜き)

●実行キーを押してください。

滅菌ヒータが作動し、運転を開始します。

排気電磁弁は開いたままで、缶内の空気を排出します。

→メイン表示器………水温を点灯表示

→サブ表示器…………消灯

→滅菌工程ランプ……点滅

→滅菌+乾燥ランプ…点灯

空気抜き終了後、排気電磁弁が閉じ、加圧が始まります。

→メイン表示器………缶内温度を点灯表示

→滅菌工程ランプ……点滅

→滅菌+乾燥ランプ…点灯

缶内温度が設定温度に達すると滅菌工程が始まり、サブ

表示器に滅菌設定時間が表示され、減算していきます。

→メイン表示器………缶内温度を点灯表示

→サブ表示器…………滅菌の残り時間を点灯表示

→滅菌工程ランプ……点灯

→滅菌+乾燥ランプ…点灯

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運転のしかた 「滅菌+乾燥」運転のしかた

「滅菌+乾燥」運転操作手順

滅菌時間がタイムアップした時点で、滅菌ヒータが切れ

滅菌運転が終了します。同時に排水電磁弁が開き、強制

排水が始まるとともに、乾燥ヒータが作動します。

→メイン表示器………缶内温度を点灯表示

→サブ表示器………… 点滅

→乾燥工程ランプ……点滅

→滅菌+乾燥ランプ…点灯

強制排水が終了した時点で、排水電磁弁が閉じ、排気電

磁弁が開いて缶内排気を行います。

→メイン表示器………缶内温度を点灯表示

→サブ表示器………… 点滅

→乾燥工程ランプ……点滅

→滅菌+乾燥ランプ…点灯

缶内排気が終了した後、乾燥ヒータにより、缶内温度が

上昇していきます。

→メイン表示器………缶内温度を点灯表示

→サブ表示器…………消灯

→乾燥工程ランプ……点灯

→滅菌+乾燥ランプ…点灯

缶内温度が設定温度より-4℃に達すると乾燥工程が始

まり、サブ表示器に乾燥設定時間が表示され、減算して

いきます。

→メイン表示器………缶内温度を点灯表示

→サブ表示器…………乾燥の残り時間を点灯表示

→乾燥工程ランプ……点灯

→滅菌+乾燥ランプ…点灯

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運転のしかた 「滅菌+乾燥」運転のしかた

「滅菌+乾燥」運転操作手順

乾燥時間がタイムアップした時点で乾燥ヒータが切れ

て、自然冷却が始まります。

→メイン表示器………缶内温度を点灯表示

→サブ表示器………… 点滅

→終了ランプ…………点灯

→滅菌+乾燥ランプ…点灯

●実行キーを押します。

運転前の待機状態のパネル表示に戻り、再運転が可能に

なります。

「滅菌+乾燥」運転終了後は、ドレンボトルの水を必ず排水してください。そのままにしてお

きますと、次の運転の時に熱水が噴出する原因となります。

なお、運転直後のドレンボトルには、熱水が入っていますので、十分に冷めてから排水を行っ

てください。

◆図の中の マークは「シグナル音 on/off」機能を「on」に設定した時にブザーが鳴ることを表し

ています。

運転中に設定値を確認したいときは

確認のしかた

運転中に設定した温度、時間等を確認したいときに、機能メニューキーを押すと、設定値が表示器に

表示されます。ただし、この機能は設定値を確認をするだけで、変更を行うことはできません。

●機能メニューキーを押します。

これで、滅菌の設定温度が確認できます。

→メイン表示器… 点滅

→サブ表示器……設定温度を点灯表示

→確認ランプ……点灯

その他の設定値等を確認するには、▽△キーのいずれかを押し

て、希望の表示文字をメイン表示器に点滅させて、サブ表示器

で確認してください。

終了するには、機能メニューキーを押してください。確認前の

状態に戻ります。

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33

運転のしかた 運転の中断と再開

運転を中断させたいときは

●実行キーを押します。

運転が中断されます。このとき、缶内圧力が高いと、

蒸気が蒸気排気口から、噴出しますのでご注意くだ

さい。

→メイン表示器…現在の缶内温度を点灯表示

→サブ表示器…… 点灯

●再度実行キーを押します。

待機状態に戻ります。

→メイン表示器…滅菌設定温度を点滅表示

→サブ表示器……滅菌設定時間を点滅表示

強制排気スイッチの使い方

●本体の左側面にある強制排気スイッチを押して

ください。

このスイッチを押すと、排気電磁弁が開き、缶内の

蒸気がドレンボトルへ排出されます。同時に缶内圧

力、温度も下がります。

強制排気スイッチを使用できるのは、排気電磁弁が閉じているときだけです。

使用するときは、缶内に入れた滅菌物が突沸の恐れのないこと、本器右側面の蒸気排気口の近

くに人がいないことを確認してください。急激な圧力低下に伴う突沸や蒸気の噴出により、滅

菌物を入れた容器等の破損や、火傷の原因となります。

待機状態で缶内温度を確認するには

●▽△キーのいずれかを押してください。

メイン表示器に缶内温度が点灯表示されます。キーをはなすと、待

機状態に戻ります。

強制排気スイッチ

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34

安全装置とエラーコード 緊急時の処置

安全装置の動作説明

本器に何らかの異常、故障が生じた場合は、操作パネルに 「異常」 の文字サインを点灯、エラーコー

ドを点滅表示させ、警報ブザーを鳴らし(ビープ on 設定時)、ヒータへの通電を停止します。異常発

生時には、エラーコードを確認のうえただちに漏電ブレーカを切り、運転を中止してください。

缶体内圧力の異常に対しては、安全弁が作動します。安全弁が作動したときは、特に警報は出ません

が、本体背面の放熱口や外装の隙間等から多量の蒸気が噴出します。この場合、空気抜き不良や温度

調節器不良等の異常が発生している可能性がありますので、ただちに実行キーを押して運転を停止し

てください。その後、蒸気の噴出が収まりましたら、漏電ブレーカを切ってください。

エラーコード一覧

表 示 原 因 異常の知らせ 実行動作 処理方法

センサ関連の故障 表示及びブザー警報 ヒータ回路遮断 センサ交換等

トライアック関連の

故障 表示及びブザー警報 ヒータ回路遮断 トライアック交換等

ヒータ関連の故障 表示及びブザー警報 ヒータ回路遮断 ヒータ交換等

メインリレー関連の

故障 表示及びブザー警報 ヒータ回路遮断 リレー交換等

バックアップ電池

消耗 表示及びブザー警報

待機状態から次の動

作に移行しない

漏電ブレーカを「入」

にし、充電する

空焚き(水量不足) 表示及びブザー警報 ヒータ回路遮断 給水

◆ 処理できない異常の場合は、お買い上げの販売店または、ヤマト科学営業所までご連絡ください。

ご連絡の際には、必ず発生したエラーコードをお知らせください

停電になったら

運転中(滅菌中または加圧、冷却中)漏電ブレーカ「切」や、停電により電源が遮断されると、

電源復帰後、待機状態になりますが、缶内温度が水の沸点より低くなるまで、排気電磁弁は

開きません。

この状態の時には、絶対にフタを開けないでください。高温・高圧の蒸気が噴出して非常に

危険です。

フタを開けたいときは、強制排気スイッチで缶内圧力を「0 MPa」まで下げた後に行ってくだ

さい。(P33、強制排気スイッチの使いかたをご参照ください)

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35

お手入れのしかた 日常の点検/お手入れ

お手入れのときは

お手入れの際には、安全のため必ず漏電ブレーカ及び、元電源を切ってから行ってください。

運転終了直後等、缶内が熱いときは、十分冷めるのを待ってから行ってください。

本器外装部の汚れは、よく絞った柔らかい布で拭き取ってください。ベンジン・シンナー・

クレンザー等で拭いたり、たわしでこすったりしないでください。変形・変質・変色の原因

となります。

フィルタの清掃について

缶底中央にあるフィルタがほこりやゴミ等

により目詰まりすると、排水が行われなく

なります。使用状況に応じて、適切な間隔

で清掃してください。

フィルタは、缶底中心部の排水口に差し込

まれていますので、引き抜いてください。

清掃後は、必ず取り付けてください。

缶内の清掃について

缶内の清掃は、表面を傷つけないように柔らかいスポンジ等で行ってください。缶底には、

ヒータやセンサがありますので、曲げたり破損させないようにご注意ください。

なお、缶内の清掃の際には、底部中央にあるフィルタを抜かないでください。フィルタを抜

いて清掃しますと、缶内のゴミが配管に詰まります。

サイレンサの清掃について

本器には、空気抜き中に発生する騒音対策と

して、排気ホースの先端にサイレンサを取り

付けています。一ヶ月に一回程度サイレンサ

を取り外して、水洗いをしてください。

◆ サイレンサの中には、水の逆流防止のた

めボールを入れていますので、取り外すとき

には、このボールをなくさないようにして

ください。

サイレンサ

ボール

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36

お手入れのしかた 日常の点検/お手入れ

動作確認

月に一回程度、漏電ブレーカのテストボタンを押して、

動作確認を行ってください。

① 漏電ブレーカを「入」にします。

② 漏電ブレーカの「テスト」スイッチを押してくださ

い。

③ 正常ならば、漏電ブレーカが「切」になります。

漏電ブレーカが「入」のままですと、故障と考えられま

すので、漏電ブレーカを切り、お買い上げの販売店

または、ヤマト科学営業所までご連絡ください。

本器を分解・改造しないでください

本器は、絶対に分解・改造をしないでくださ

い。火災・感電・故障の原因となります。

内部の点検・調整・修理は、お買い上げの販

売店または、ヤマト科学営業所に依頼してく

ださい。

長期間使用しないとき、あるいは廃棄するとき

長期間使用しないときは

長期間使用しないときは、安全のため必ず漏電ブレーカ及び元電源を切ってください。

また、缶内及びドレンボトルに入れた水は、必ず排水してください。腐敗して悪臭の原因と

なります。

廃棄するときは

廃棄するときは、子どもの遊ぶような場所に放置しないでください。また、フタがロックさ

れないように、本体から取り外してください。

テストスイッチ

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37

アフターサービスと保証 修理を依頼されるとき

修理を依頼されるときは

万一異常が発生しましたら、表示器のエラーコードを確認の上、ただちに運転を中止して漏電ブレー

カを切り、電源プラグ(コード)を抜いて、お買い上げの販売店または、ヤマト科学営業所までご連

絡ください。

ご連絡いただきたい内容

● 製品の形式名

● 製造番号

● お買い上げ年月日

● 故障の内容(できるだけ詳細に)

● エラーコード

サービスマンがお伺いした折には、保証書を必ずご提示ください。

保証書(別に添付してあります)

● 保証書はお買い上げの販売店または弊社営業所からお渡ししますので、「販売店名、お買い上げ日」

等、必要事項をご記入の上、お客様総合サービスセンター宛 FAX(03-3231-6523)にて送信くださ

い。保証書は、大切に保管してください。

● 保証期間は、お買い上げいただいた日から1ヵ年です。保証書の記載内容により、無料修理いたし

ます。

● 保証期間経過後の修理については、お買い上げの販売店または弊社営業所にご相談ください。

修理によって機能が維持できる場合は、お客様のご要望により有料で修理いたします。

補修用性能部品の最低保有期間

本器の補修用性能部品の最低保有期間は、製造打ち切り後 7 年です。

なお、補修用部品とは、その製品の性能を維持するために必要な部品です。

保証書または本器に取り付けてある銘板をご覧ください

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38

アフターサービスと保証 故障かな?と思ったら

こんなときは

症 状 確 認 事 項

漏電ブレーカを「入」にしても

表示部が点灯しない。

・ 電源コードが配電盤または、コンセントに接続されていますか。

・ 停電していませんか。

・ 電源電圧は正しいですか。

排気が行われない。

安全弁が作動する。

・ ドレンボトルへ通じるホースが曲げられていたり、塞がれていま

せんか。

・ 缶内の排気口が、滅菌物等により塞がれていませんか。

排水が行われない。または、乾

燥工程で排水が行われない。 ・ フィルタが目詰まりしていませんか。

滅菌温度が上がらない。

缶内圧力が上がらない。

・ フタは確実に閉まっていますか。

・ 滅菌物の量が多すぎませんか。

・ 環境温度の変化が大きすぎませんか。

・ パッキンやフランジ部が傷ついていませんか。

電磁弁が閉じていないのに缶

内圧力が上がる。 ・ 缶内の排気口が塞がれていませんか。

使用中に温度が変化する。 ・ 環境温度の変化が大きくありませんか。

蒸気の吹き出しが激しい。

・ ドレンボトルに水が入っていますか。

・ ドレンボトルの水が熱水になっていませんか。

・ 排気ホースが外れたり、破損していませんか。

水が漏れる。 ・ 排水バルブを確実に閉めていますか。

・ ドレンボトルに水が溜まりすぎていませんか。

待機状態から運転できない。 ・ ドレンボトルの設置を忘れていませんか。

空気抜き中の音が大きい。 ・ サイレンサが外れていませんか。

◆ 以上のいずれにも該当しない場合は、ただちに漏電ブレーカを切り、元電源を切った後、お買い上

げの販売店または、ヤマト科学営業所までご連絡ください。

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39

交換部品表 SM シリーズ共通

部 品 名 部 品 番 号 仕 様 メ ー カ

制御基板 1-24-000-0023 ⅣCR ヤマト科学

表示基板 1-24-000-0028 ⅣFR ヤマト科学

パワー基板 1-24-000-0026 ⅣCR ヤマト科学

トランス(SM200/300/500) 2-18-000-0022 ⅣCR AC100V ヤマト科学

トランス(SM510) 2-18-000-0023 ⅣCR AC200V ヤマト科学

リレー 2-05-000-0028 JRlaF-TM-DC12V 松下電工

リレー 2-05-000-0010 HEla-DC12V 松下電工

リレー 2-05-000-0031 LY2F-DC12V オムロン

カレントトランス 2-17-001-0002 CTL-6-S-400 U-RD

SSR LT00028423 SSR-01 ヤマト科学

SSR1 LT00028427 SSR-01A ヤマト科学

SSR2 LT00028425 SSR-01B ヤマト科学

漏電ブレーカ(SM200/510) 2-06-005-0001 BJS153 松下電工

漏電ブレーカ(SM300/500) 2-06-005-0002 BJS203 松下電工

電磁弁(SM200/300/500) 3-02-001-0016 AB41-02-7K4A PT1/4 AC100V CKD

電磁弁(SM510) 3-02-001-0017 AB41-02-7K4A PT1/4 AC200V CKD

排気スイッチ 2-01-001-0014 A2A-4W オムロン

マイクロスイッチ 2-02-001-0005 ABV163661 松下電工

滅菌ヒータ(SM200) 2-24-000-0051 AC100V 1.3kW ヤマト科学

滅菌ヒータ(SM300/500) 2-24-000-0052 AC100V 1.7kW ヤマト科学

滅菌ヒータ(SM510) 2-24-000-0053 AC200V 2.0kW ヤマト科学

乾燥ヒータ(SM200) 2-26-000-0001 AC100V 500W ヤマト科学

乾燥ヒータ(SM300/500/510) 2-26-000-0002 AC100V 750W ヤマト科学

水温センサ SM500-40050 T シース型熱電対 ヤマト科学

缶温センサ SM500-40060 PT100 測温抵抗体 ヤマト科学

安全弁 3-18-001-6002 MSD-B2±0.2kgf/cm2G ミハナ製作所

圧力計 5-05-000-0001 GK58-201 長野計器

パッキン(SM200) 241024-180 SH75UN ヤマト科学

パッキン(SM300/500/510) 241022-180 SH75UN ヤマト科学

パッキン SM200-40140 ヤマト科学

ドレンボトル 7-26-000-0006 ブックボトル 5 ㍑ サンプラテック

排気ホース SM500-30300 ヤマト科学

ボトル栓 SM500-30280 ヤマト科学

サイレンサ SM500-30340 ヤマト科学

蒸気受けコップ 7-26-000-0007 マルエム容器 No.8 マルエム

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40

仕様

SM200/300

型 式 SM200 SM300

承認番号 20900BZZ00022000 20900BZZ00023000

方 式 自動式高圧蒸気滅菌

滅菌 105℃~123℃ 105℃~128℃ 温度設定範囲

乾燥 150℃~180℃

最高使用圧力 0.18MPa 0.2MPa

電 源 AC100V 15A (50/60Hz) AC100V 20A (50/60Hz)

温度調節器 マイクロコンピュータ温度調節器(PID 制御)デジタル設定・指示

缶温用 Pt100Ω測温抵抗体 検 出 端

水温用 T 熱電対

タ イ マ 1 分~99 時間 59 分、100~999 時間

滅菌用 パイプヒータ 1.3kW パイプヒータ 1.7kW ヒータ容量

乾燥用 バンドヒータ 1.0kW バンドヒータ 1.5kW

安全装置 漏電ブレーカ・安全弁・自己診断機能(自動過昇防止・センサ異

常・ヒータ断線・SSR 短絡・メインリレー不良・空焚き)

外形寸法 幅 410mm、奥行 470mm、高さ 953mm 幅 440mm、奥行 530mm、高さ 965mm

有効寸法 径 240mm、深さ 445mm 径 300mm、深さ 445mm

有効内容積 0.020m3 0.032m3

総内容積 0.022m3 0.036m3

重 量 65kg 80kg

小型圧力容器構造規格 適用除外(構造準拠) 検定合格品(設置届不要)

ラック 径 207mm、深さ 204mm 2 個 径 264mm、深さ 204mm 2 個

ドレンボトル 5 ㍑ 1 個

ス ノ コ 1 個

蒸気受け 1組

ケミカルインジケータ 1セット

缶体合格証 1部

取扱説明書 1 冊

保 証 書 1 枚

温度出力 1 端子(電圧出力)

外部警報出力 1 端子(リレー出力)

タイムアップ出力 1 端子(リレー出力)

標準外付属品 デジタルプリンタ(別置) 1 組

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仕様

SM500/510

型 式 SM500 SM510

承認番号 20900BZZ00024000 20900BZZ00025000

方 式 自動式高圧蒸気滅菌

滅菌 105℃~128℃ 温度設定範囲

乾燥 150℃~180℃

最高使用圧力 0.2MPa

電 源 AC100V 20A (50/60Hz) AC200V 12A (50/60Hz)

温度調節器 マイクロコンピュータ温度調節器(PID 制御)デジタル設定・指示

缶温用 Pt100Ω測温抵抗体 検 出 端

水温用 T 熱電対

タ イ マ 1 分~99 時間 59 分、100~999 時間

滅菌用 パイプヒータ 1.7kW パイプヒータ 2.0kW ヒータ容量

乾燥用 バンドヒータ 1.5kW バンドヒータ 1.5kW

安全装置 漏電ブレーカ・安全弁・自己診断機能(自動過昇防止・センサ異

常・ヒータ断線・SSR 短絡・メインリレー不良・空焚き)

外形寸法 幅 440mm、奥行 530mm、高さ 1085mm

有効寸法 径 300mm、深さ 665mm

有効内容積 0.047m3

総内容積 0.051m3

重 量 85kg

小型圧力容器構造規格 検定合格品(設置届不要)

ラック 径 264mm、深さ 315mm 2 個

ドレンボトル 5 ㍑ 1 個

ス ノ コ 1 個

蒸気受け 1組

ケミカルインジケータ 1セット

缶体合格証 1 部

取扱説明書 1 冊

保 証 書 1 枚

温度出力 1 端子(電圧出力)

外部警報出力 1 端子(リレー出力)

タイムアップ出力 1 端子(リレー出力)

標準外付属品 デジタルプリンタ(別置) 1 組

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42

結線図

SM200

SM300/500

◆ 破線部は標準外付属品

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43

結線図

SM510

◆ 破線部は標準外付属品

記 号 部 品 名 記 号 部 品 名

Tr トランス PIO2 表示基板

X リレー POWER2 パワー基板

CT カレントトランス SW1 強制排気スイッチ

SSR ソリッドステートリレー SW2 マイクロスイッチ

ELB 漏電ブレーカ TC 水温センサ(T 熱電対)

T 端子台 PT 缶温センサ(Pt100 測温抵抗体)

MV1 排気電磁弁 H1 滅菌ヒータ

MV2 排水電磁弁 H2~4 乾燥ヒータ

PLANAR 制御基板

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44

配管図

SM シリーズ共通

缶体

乾燥ヒータ

缶温センサ

水温センサ

滅菌ヒータ(H1)

排水バルブ

サイレンサ

ドレンボトル

排 気 電 磁 弁

排 水 電 磁 弁

圧力計

安全弁 乾燥ヒータ

(H4,5)

(H2,3)

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参考資料 法定危険物一覧

下表の物質は、使用しないでください

ニトログリコール、ニトログリセリン、ニトロセルローズ

その他の爆発性の硝酸エステル類

トリニトロベンゼン、トリニトロトルエン、ピクリン酸

その他の爆発性のニトロ化合物

過酢酸、メチルエチルケトン過酸化物、過酸化ベンゾイル

その他の有機過酸化物

爆発性物質

爆発性の物

アジ化ナトリウム、その他の金属のアジ化物

発火性の物

金属「リチウム」、金属「カリウム」、金属「ナトリウム」、黄りん、硫化りん、赤りん、

セルロイド類、炭化カルシウム(別名カーバイド)、りん化石灰、マグネシウム粉、

アルミニウム粉、マグネシウム粉及びアルミニウム粉以外の金属粉、

亜ニチオン酸ナトリウム(別名ハイドロサルファイト)

塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸アンモニウム、その他の過塩素酸塩類

過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩酸アンモニウム、その他の過塩素酸塩類

過酸化カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、その他の無機過酸化物

硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、その他の硝酸塩類

亜塩素酸ナトリウム、その他の亜塩素酸塩類

次亜塩素酸カルシウム、その他の次亜塩素酸塩類

エチルエーテル、ガソリン、アセトアルデヒド、酸化プロピレン、二硫化炭素

その他の引火点が零下 30 度未満の物

ノルマルヘキサン、酸化エチレン、アセトン、ベンゼン、メチルエチルケトン

その他の引火点が零下 30 度以上、0 度未満の物

メタノール、エタノール、キシレン、酢酸ペンチル(別名酢酸アミル)

その他の引火点が 0 度以上、30 度未満の物

灯油、軽油、テレピン油、イソペンチルアルコール(別名イソアミルアルコール)、酢酸

その他の引火点が 30 度以上、65 度未満の物

可燃性のガス

水素、アセチレン、エチレン、メタン、エタン、プロパン、ブタン

その他の温度 15 度、1 気圧において気体である可燃性の物をいう

(労働安全衛生施行令第6条別表第一より)

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参考資料 表示文字の説明

表示文字一覧

表示文字 表示している文字 表 示 の 意 味

BEEP ビープ:ブザー音(異常発生時) B

BOTTLE ボトル:ドレンボトル未設置

DRY TEMPERATURE 乾燥温度設定機能 D

DRY TIME 乾燥時間設定機能

END エンド:運転終了表示 E

ERROR エラー:異常表示

OFF オフ:ビープ、シグナル機能切 O

ON オン:ビープ、シグナル機能入

STERILIZE TEMPERATURE 滅菌温度設定機能

STERILIZE TIME 滅菌時間設定機能

STOP ストップ:運転中断表示 S

SIGNAL シグナル:ブザー音(運転終了時)

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参考資料 操作手順のフロー

機能メニューキー

SM200 は 123℃

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定期検査 小型圧力容器の定期自主検査

小型圧力容器(SM300/500/510)は、「ボイラー及び圧力容器安全規則第 94 条」で、1 年以内ごと

に1回、定期的に自主検査を行い、検査結果を3年間保存しなければならないことになってい

ます。

ボイラー及び圧力容器安全規則

第 94 条(定期自主検査)

1.事業者は、小型ボイラーまたは小型圧力容器について、その使用を開始した後、1年以内ごとに

1 回、定期的に次の事項について自主検査を行わなければならない。ただし、1年をこえる期間

使用しない小型ボイラーまたは小型圧力容器の当該使用しない期間においては、この限りでない。

1) 小型ボイラーにあっては、ボイラー本体・燃焼装置・自動制御装置及び附属品の損傷または異

常の有無。

2) 小型圧力容器にあっては、本体・フタの締付ボルト・缶及び弁の損傷または摩耗の有無。

2. 事業者は、前項ただし書の小型ボイラーまたは小型圧力容器については、その使用を再び開始す

る際に、同項各号に揚げる事項について、自主検査を行わなければならない。

3. 事業者は、前二項の自主検査を行ったときは、その結果を記録し、これを三年間保存しなければ

ならない。

第 95 条(補修等)

事業者は、前条第一項または第二項の自主検査を行った場合において、異常を認めたときは、補

修その他の必要な措置を講じなければならない。

次頁からの検査手順を参考に検査を実施し、記録を残してください。

なお、お客様自身での実施が困難な場合は、お買い上げの販売店または、ヤマト科学営業所までご連

絡ください。

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定期検査 小型圧力容器の定期自主検査

検査手順

-検査に必要な器具-

① 工具類

+ドライバー・スパナ(対辺 10、14、17、19、24、30)・モンキースパナ・六角レンチ(対辺 2.5)

② 200℃まで測定できる、校正された温度センサ及び温度記録計

③ 圧力範囲 0.3MPa の校正された圧力計

④ 加圧装置(0.22MPa まで加圧できるコンプレッサまたは、不燃性ガスの高圧ボンベ・自転車

用空気入れでも可)

⑤ 耐圧ゴムホース(内径 10mm)・ホースバンド及び継手

① 缶体及びフタに傷・錆・、変形のないことを確認してください。

●軽微な傷や錆は、研磨剤で除去してください。

② アームの表面に、傷(亀裂)のないことを確認してください。

傷(亀裂)がある場合は、アームの交換が必要です。

③ ハンドルネジに傷・錆がなく、スムーズに回ることを確認してください。

錆が発生していたり、スムーズに回らない場合は、グリス(三菱マルチパーパス 0 号または

相等品可)を塗ってください。

④ アーム用ナットがフタを開けた状態で、回らないことを確認してください

● 動く場合は、止めネジが緩んでいます。止めネジを外しナットを軽く締め込んだ後、止

めネジを固く締め込んでください。

⑤ パッキンに傷・変形のないことを確認してください。

傷・変形のある場合は、パッキンの交換が必要です。

③ハンドルネジ

②アーム

①フタ

⑤パッキン(フタの裏)

④アーム用ナット

止めネジ

①缶体

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50

定期検査 小型圧力容器の定期自主検査

検査手順

① 背面カバー、右カバー、左カバーの順に取り外します。

査 ① 排水バルブ・排水電磁弁・排気電磁弁が手で回らないこと、取付部付近に水滴が付着してい

ないことを確認してください。

●手で回ったり、水滴が付着している場合は、緩んでいますので増し締めしてください。

② 継手部のナットをスパナで軽く右に回し、回らないこと、付近に水滴が付着していないこと

を確認してください。

● 手で回ったり、水滴が付着している場合は、緩んでいますので増し締めしてください。

③ 配管に傷のないこと、水滴が付着していないことを確認してください。

●傷、特に水滴が配管の継手部以外で確認された場合は、配管の交換が必要です。

背面カバー

左カバー

右カバー

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51

定期検査 小型圧力容器の定期自主検査

検査手順

① 上図を参考に各機器を設置、接続してください。

② 缶内を加圧していき、校正された圧力計が 0.05MPa、0.1MPa、0.15MPa のときに、本器の圧

力計と比較してください。

● 比較した圧力精度が、±0.005MPa 以内であれば問題はありません。オーバーした場合は、

圧力計の交換が必要です。

①安全弁の作動圧力を確認するため、0.15MPa 以降、徐々に加圧していきます。

② 0.18MPa~0.2MPa で安全弁が作動すれば正常です。なお、安全弁が作動しない場合でも、0.22

MPa 以上は、加圧をしないでください。

● 0.18MPa~0.2MPa の範囲を外れた場合、下記の手順で作動圧力を範囲内に調整してくださ

い。

1) 固定ネジを緩めます。

2) 調整ネジで作動圧力を調整します。

3) 調整が終わったら固定ネジを締めます。

ホースバンド等でしっかりと止める

フタを閉める

校正された圧力計

固定ネジ

調整ネジ

スプリング

【分解図】

作動圧力低下 作動圧力上昇

緩む 締る

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52

定期検査 小型圧力容器の定期自主検査

検査手順

① 安全弁が作動したら、ただちに排水バルブを閉めてください。

②排気ホースの穴をテープで塞ぎます。

③サイレンサ・排水口をコップ等を利用して水に浸し、気泡が出ているかどうか確認します。

● 気泡が出た場合、排気電磁弁・排水電磁弁・排水バルブのいずれかからの漏れですので、

修理もしくは、交換が必要です。

● 気泡が出ていないのに、圧力が低下した場合は、どこかに漏れ個所があります。石鹸水等

を利用して漏れ個所を探し、増し締め、パッキンの交換等、適切な処置をしてください。

穴を塞ぐ

閉める

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定期検査 小型圧力容器の定期自主検査

検査手順

以下のいずれかの方法で、温度精度を確認します。

① 校正された温度センサ(記録計付)または、留点温度計を缶内の缶温センサ近くに設置し、

無負荷で滅菌運転(設定 128℃)を行い、本器に表示された缶内温度と校正された温度計と

を比較します。128℃表示に対して、温度計の値が 128~130℃以内であること。

なお、温度センサ等の設置には、サービスプラグ部(R1/4 めねじ)をご利用ください。

② 滅菌運転を行い、滅菌時の圧力と温度を比較します。

大気圧が 1013hPa 時の缶内温度と飽和圧力の関係は、以下の通りです。

120℃…0.097MPa

121℃…0.104MPa

122℃…0.110MPa

123℃…0.117MPa

124℃…0.124MPa

125℃…0.131MPa

126℃…0.138MPa

127℃…0.145MPa

128℃…0.153MPa

129℃…0.161MPa

130℃…0.169MPa

◆ 以上の検査で、部品の交換・修理または処置できないことがありましたら、お買い上げの販売店ま

たは、ヤマト科学営業所までご連絡ください。

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定期検査 小型圧力容器の定期自主検査

-検査事項記入表- 検査年月日

検査項目 年 月 日 年 月 日 年 月 日 年 月 日

缶 体 傷・錆・変形

フ タ 傷・錆・変形

アーム 傷(亀裂)

ハンドルネジ 傷・錆

アーム用ナット ネジの緩み

パッキン 傷・変形

排水バルブ 取付部の緩み

漏水

排水電磁弁 取付部の緩み

漏水

排気電磁弁 取付部の緩み

漏水

安全弁 作動圧力

配管・継手 傷・緩み・漏水

圧力計 圧力精度の確認

温度精度 温度精度の確認

検 査

承 認

・異常のない場合は、を記入。異常のある場合は、異常内容と処置を記入。

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定期検査 医用電気機器の使用上(安全及び危険防止)の注意事項

次の注意事項を熟読して、機器を正しく使用して下さい。 1.機器の取扱いには、その機器の取扱い、操作を充分に熟知してから使用して下さい。 2.機器を設置する時は、次の事項に注意すること。

(1) 水のかからない場所に設置すること。 (2) 気圧、温度、湿度、風通し、日光、ほこり、塩分、イオウ分等を含んだ空気等により、悪

影響の生ずる恐れのない場所に設置すること。 (3) 傾斜、振動、衝撃(運搬時を含む)等、安定状態に注意すること。 (4) 化学薬品の保管場所や、ガスの発生する場所に設置しないこと。 (5) 電源の周波数と、電圧及び許容電流値(又は消費電力)に注意すること。 (6) アースを正しく接続すること。

2. 機器の使用する前には、次の事項に注意すること。

(1) スイッチの接触状況、メータ類等の点検を行ない、機器が正確に作動することを確認する

こと。 (2) アースが完全に接続されていることを確認すること。 (3) 全てのコードの接続が正確で、且つ完全であることを確認すること。

3. 機器の使用中は次の事項に注意すること。

(1) 機器全般に異常のないことを絶えず監視すること。 (2) 機器に異常が発見された場合は、機器の作動を止める等、適切な措置を講ずること。

4. 機器の使用後は、次の事項に注意すること。

(1) 定められた手順により、操作スイッチなどを使用前の状態に戻した後、電源を切ること。 (2) コード類の取り外しに際しては、コードを持って引抜くなど、無理な力をかけないこと。 (3) 保管場所については、次の事項に注意すること。

a 水のかからない場所に保管すること。 b 気圧、温度、湿度、風通し、日光、ホコリ、塩分、イオウ分を含んだ空気等により、 悪影響の生ずる恐れのない場所に保管すること。 c 傾斜、振動、衝撃(運搬時を含む)等、安定状態に注意すること。 d 化学薬品の保管場所や、ガスの発生する場所に保管しないこと。

(4) 付属品、コード等は清浄にした後、整理してまとめておくこと。 (5) 機器は次回の使用に支障のないよう、必ず清浄にしておくこと。

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定期検査 医用電気機器の使用上(安全及び危険防止)の注意事項

5. 故障した時は、勝手にいじらず適切な処置を行ない、修理は専門家に任せること。 6. 機器を勝手に改造しないこと。 7. 保守点検

(1) 機器及び部品は必ず定期点検を行なうこと。 (2) しばらく使用しなかった機器を再使用する時は、使用前に必ず機器が正常、且つ安全に作

動することを確認すること。

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標準据付マニュアル ※下記項目に従い据付を実施願います。(オプション・特別仕様の場合は別途確認願います。)

型式 製造番号 日付 据付担当者(会社名) 据付担当者 判定

№ 項目 実施方法 目次№ 取扱説明書参照欄 判定 仕 様 1 付属品 付属品欄に基づき員数チェック 仕様 P.40

2 設置 周囲状況目視確認 注意:周囲環境に注意

ご使用前に ・本器の周囲に空間・・ P.11

3 排水ホース 排水ホースを水受容器に入れる ご使用前に ・排水について P.17

動作関係

1 電源電圧

・テスターにて顧客側電圧 (コンセント等)を測定 ・ヒータ稼動時の電圧測定 (規格内であること)

注意:プラグ・ブレーカに取り

付ける場合は、規格にあ

ったものを使用してく

ださい

ご使用前に ・アース線を必ず・・ ・電源コードは・・ 仕様 ・規格-電源

P.12 P.40

2 ドレンボトル

の設置

・ドレンボトルに注水 1500cc の水を入れる

・ドレンボトルを本体に設置

ご使用前に ・ドレンボトルに・・ ・ドレンボトルを・・

P.13 P.14

3 スノコの設置 ・缶内にスノコを設置 ご使用前に ・スノコを設置・・

P.13

4 缶内に給水 ・缶内に水を入れる ・スノコのハイレベルまで給水

ご使用前に ・缶内に水を入れて・・

P.15

5 運転開始

・缶内にラックを入れ、ケミカル

インジケータを 1 枚スノコ中

央に設置する ・滅菌温度/時間を設定 (121℃、15 分)

運転のしかた ・ケミカルインジケータの使い方 ・滅菌運転のしかた

P.24 P.23~

説 明

1 操作説明 取扱説明書に従い顧客へ各部の

操作説明 設定のしかた 運転のしかた

P.19~ P.23~

2 エラーコード 取扱説明書に従い顧客へエラー

コード説明・解除方法 安全装置と

エラーコード P.34

3 保守点検 取扱説明書に従い顧客へ各部の

操作説明 お手入れのしかた 定期検査

P.35~ P.48~

4 据付完了 記載事項

・本体銘板に据付日・担当者を記

載する ・保証書に必要事項を記載し、顧

客に手渡しする ・アフターサービスルート説明

アフターサービスと 保証

P.37~

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改 訂 2013 年 10 月 25 日

ヤマト科学株式会社 〒103-0022 東京都中央区日本橋室町二丁目 2 番 1 号 室町東三井ビルディング(COREDO 室町) お客様総合サービスセンター

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