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20191025経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 分散型エネルギーリソースを活用した エネルギーシステムの普及拡大に向けた取組

分散型エネルギーリソースを活用した エネルギーシ …...10,560 11,495 資源エネルギー庁「電源開発の概要」、 「電力供給計画の概要」を基に作成

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2019年10月25日経済産業省 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部

分散型エネルギーリソースを活用したエネルギーシステムの普及拡大に向けた取組

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1.分散型エネルギーを取り巻く状況2.需給一体型の再生可能エネルギー活用モデル

(1)家庭・大口需要家(2)地域

3.分散型エネルギーシステム構築ガイドブック4.バーチャルパワープラント(VPP)5.分散型エネルギープラットフォームの開催6.(参考)R2年度概算要求事業のご紹介

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エネルギー政策の基本的視座 資源に乏しい日本においては、安全性(Safety)を大前提として、自給率(Energy

Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境適合(Environment)の観点から多様なエネルギー源を組み合わせることが必要。

3

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「3E+S」 ⇒ 「より高度な3E+S」〇 安全最優先(Safety) + 技術・ガバナンス改革による安全の革新〇 資源自給率(Energy security) + 技術自給率向上/選択肢の多様化確保〇 環境適合(Environment) + 脱炭素化への挑戦〇 国民負担抑制(Economic efficiency) + 自国産業競争力の強化

2030年に向けた対応~温室効果ガス26%削減に向けて~~エネルギーミックスの確実な実現~

-現状は道半ば -計画的な推進-実現重視の取組 -施策の深掘り・強化

<主な施策>〇 再生可能エネルギー・主力電源化への布石・低コスト化,系統制約の克服,火力調整力の確保

〇 原子力・依存度を可能な限り低減・不断の安全性向上と再稼働

〇 化石燃料・化石燃料等の自主開発の促進・高効率な火力発電の有効活用・災害リスク等への対応強化

〇 省エネ・徹底的な省エネの継続・省エネ法と支援策の一体実施

〇 水素/蓄電/分散型エネルギーの推進

2050年に向けた対応~温室効果ガス80%削減を目指して~~エネルギー転換・脱炭素化への挑戦~

-可能性と不確実性 -野心的な複線シナリオ-あらゆる選択肢の追求

<主な方向>〇 再生可能エネルギー・経済的に自立し脱炭素化した主力電源化を目指す・水素/蓄電/デジタル技術開発に着手

〇 原子力・脱炭素化の選択肢・安全炉追求/バックエンド技術開発に着手

〇 化石燃料・過渡期は主力、資源外交を強化・ガス利用へのシフト、非効率石炭フェードアウト・脱炭素化に向けて水素開発に着手

〇 熱・輸送、分散型エネルギー・水素・蓄電等による脱炭素化への挑戦・分散型エネルギーシステムと地域開発(次世代再エネ・蓄電、EV、マイクログリッド等の組合せ)

基本計画の策定 ⇒ 総力戦(プロジェクト・国際連携・金融対話・政策)

第5次エネルギー基本計画(2018年7月閣議決定)の概要 4

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0

2000

4000

6000

8000

10000

12000

55 60 65 70 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2017

新エネ等

石油等

LNG

水力

石炭

原子力

(億kWh)

(年度)

3.1%

8.7%

39.8%

32.3%

8.0%

8.1%

1952

1,001

2,939

4,850

7,376

9,396

10,560

11,495

資源エネルギー庁 「電源開発の概要」、「電力供給計画の概要」を基に作成

資源エネルギー庁 「総合エネルギー統計」を基に作成

出典:エネルギー白書2019

「水主火従」時代

「油主炭従」時代

石油代替エネルギー

石炭火力と海外炭の利用拡大

日本の発電電力量及び電源構成の推移 5

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エネルギー需給における大きな変化①太陽光コストの急激な低下

FIT制度により、参入障壁が低く開発のリードタイムが短い太陽光発電は急速に拡大し、パネル費用含むシステム費用も急速に低減しており、一層の拡大が想定される。

また、FIT調達価格が電気料金(NW利用料込み)と同等以下になりつつあり、自家消費の経済的メリットが大きくなる。

<家庭用(電気料金と太陽光FIT価格)><産業用(電気料金と太陽光FIT価格)>

※電気料金は、電力需要実績確報(電気事業連合会)及び各電力会社決算資料等に基づくもの。

<国内の事業用太陽光発電のシステム費用の推移>

(出典)平成31年度以降の調達価格等に関する意見

25.0

4238

37

3331

2826

24

2012 2017

10

15

20

25

30

35

40

45

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

2019

(円/kWh)

電気料金

買取価格

17.3

40

36

32

2724

2118

14

2011.5 2016.5

10

15

20

25

30

35

40

45

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

2019

入札加重平均落札価格19.64

15.17

(円/kWh)

電気料金

買取価格

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エネルギー需給における大きな変化②デジタル技術の発展

デジタル化により、IoT、人工知能(AI)、ビッグデータといった、新たな技術の進展が予想される。 エネルギー関連分野では、①AI、IoTを用いた需給予測の高度化や、②発電所運転の最適化、③

デマンドレスポンスやVPPによる分散型の電力のアグリゲート・最適制御等、多様な可能性がある。

揚水等調整力

自然変動再エネ

大型発電所(火力:脱炭素化、原子力)

グリッド

需要家

急速EV充電 ガス・熱

PVパネルEV=蓄電池

NET-ZEH 電動化

AIやIoTを用いた発電所の最適運転

ビッグデータ、IoTを用いた保守管理の高度化

DRやVPP等の電力のアグリゲート・最適制御

AI、IoTを用いた需給予測の高度化

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将来の可能性

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エネルギー需給における大きな変化③電力システム改革の展開

北海道胆振東部地震、2019年の台風15号等、度重なる自然災害により多様な発電主体による電源の分散化による災害時・緊急時のレジリエンスへの期待が拡大。

また、電力自由化に伴い地方自治体が主体となって地域電力を設立する取組が出てきている一方で、再エネ導入拡大における系統制約の課題も存在。

※浜松新電力 HPより作成

2019年の台風15号による停電において、住宅用太陽光発電ユーザー486件のうち約80%にあたる、388件が自立運転機能を活用したと回答。

事業用太陽光発電所においても、自立運転機能を有しているPCSを採用することにより、近隣住民へ電力の提供を行った事例もあった。

自立運転機能を活用したユーザーの声 すぐに電気が使えて助かった。 夜間に電気が使えることで子供も安心して過ごせたことが良かった。

エアコンや冷蔵庫が使用できて非常に助かった。 蓄電池で夜も電気が使えて助かった。近隣の方へ携帯の充電等で貢献できたことも嬉しかった。

<自立運転機能の活用実体調査> <地域新電力の事例(浜松新電力)>

静岡県浜松市と地元企業等で設立。 市内太陽光発電所や清掃工場のバイオマス発電を中心に再生可能エネルギーを調達し、浜松市内の公共施設や民間需要家へ供給 。

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※(出所)太陽光発電協会

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2016年に発効されたパリ協定を契機に、世界的にESG投資の動きが拡大。 事業者の低炭素・脱炭素化へのニーズは非常に高まっており、これに対する「再生可能エネルギー

の付加価値」への需要が高まっている。 「RE100」は2019年10月現在、204社がコミットしており、日本企業も25社が加盟。 また、需要家が非FIT再エネ電源と直接長期契約を結ぶVirtual PPAの実現も視野に、ブロックチェーンを活用したP2Pの電力取引プラットフォームの開発に乗り出す事業者(プラットフォーマーとしてのビジネスモデル)も登場。

エネルギー需給における大きな変化④再エネを求める需要家とこれに応える動き

(出典)みんな電力株式会社より提供

【RE100プロジェクト】 【需要家向け再エネ小売取引の事例】

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足下の環境変化:卒FIT太陽光の出現

(出典)費用負担調整機関への交付金申請情報、設備認定公表データをもとに作成。一部推定値を含む

FIT買取期間終了後の選択肢

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住宅用太陽光は2019年11月以降順次FIT買取期間の終了を迎える案件が発生。 こうした環境変化は、自家消費型のライフスタイルへの転換を図る契機となる。 小売電気事業者やアグリゲーターにとっては、投資回収が済んだ住宅用太陽光発電設

備の余剰電力を活用するビジネスチャンスとなる。

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大規模電源と分散型電源が共存した、電気・熱を双方向に融通する供給<電気>再エネ、小規模電源、需要家設備、IoT技術も活用した双方向での供給・調整<熱>面的融通による効率的なエネルギー消費<プレーヤー>自由化により多様な事業者が参入(電力、ガス、通信、運輸、需要家等)

エネルギーシステムの変革(集中から分散共存へ)

経済性の優れる大規模電源・大規模送電による一方向の供給<電気>需要に合わせて、化石燃料等による発電を活用した一方通行での供給・調整<熱>個々の需要家のみの消費で熱利用は進まず<プレーヤー>垂直統合型電力、垂直統合型ガス会社

これまで 今後

需要家

発 電

小 売

発 電

送電/配電

小 売

需要家

送電/配電

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1.分散型エネルギーを取り巻く状況2.需給一体型の再生可能エネルギー活用モデル

(1)家庭・大口需要家(2)地域

3.分散型エネルギーシステム構築ガイドブック4.バーチャルパワープラント(VPP)5.分散型エネルギープラットフォームの開催6.(参考)R2年度概算要求事業のご紹介

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電力システムの変容と再生可能エネルギーの新たな活用モデル 電力供給の担い手と需要家側のニーズの多様化に対応したモデルを促進していくことが必要。 再生可能エネルギーのコスト低減が進むことで、FIT制度に依拠した売電モデルから脱却し、需要と

供給が一体となった需給一体型モデルなどが拡大していくことが考えられる。 一方で、単に小さい電源を増やしていけば良いわけではなく、系統の活用も含めたシステム全体の効

率性(社会コストの最小化)の追求と、地域経済・産業の活性化やレジリエンスをバランスさせながら再エネの活用モデルを構築していくことが重要。

需給一体型モデルについて需給の範囲ごとに整理し、(1)家庭・大口需要家、(2)地域の単位で、それぞれの論点と方向性について検討を進めているところ

大規模集中電源 分散型電源(再エネ)の拡大

地域独占発電自由化

固定価格・買取義務に依拠した売電モデル(FIT制度)

【変化①】電力会社以外の多様な主体が

発電部門に参入

【変化②】需要家の選択肢が拡大

• 再エネ電気を使いたい(RE100等)• 地域の電源を地域で使いたい

FITからの自立化に向けた多様な再エネ活用モデル

電源

電力システム

NWを含むシステム全体の効率性(社会コストの最小化)

災害に強いエネルギー供給

(レジリエンス)

【変化③】再エネ電気の売電価格が電気料金より安い時代へ

系統 大規模電源と需要地の接続 柔軟な系統運用

再エネ活用モデル

電力システムの変遷 検討の視点

小売全面自由化

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1.分散型エネルギーを取り巻く状況2.需給一体型の再生可能エネルギー活用モデル

(1)家庭・大口需要家(2)地域

3.分散型エネルギーシステム構築ガイドブック4.バーチャルパワープラント(VPP)5.分散型エネルギープラットフォームの開催6.(参考)R2年度概算要求事業のご紹介

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家庭における需給一体型の再エネ自家消費モデル

【ZEH+イメージ】

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卒FIT電源が投資回収が済んだ安価な電源として活用されることや、住宅用太陽光発電の買取価格が家庭用小売料金の水準(24円/kWh)と同額になり、自家消費の経済的メリットが大きくなることから、①自家消費、または②余剰電力活用の多様化が進むことが期待される。

①については、自家消費率向上に有効な機器の導入を支援するZEH+が有効と考えられる。 ②については、大手電力会社・新電力ともに続々と具体的な買取メニューを発表。顧客獲得競

争が激化している。一方、余剰電力を他の住宅やEVなど他の電力需要へ融通することも可能とするなど、新たなZEHのあり方も検討。

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大口需要家における需給一体型の再エネ自家消費モデル

※2019年4月18日付 イオン株式会社ニュースリリースより抜粋※2018年11月27日付 株式会社SUBARUニュースリリースより抜粋

ESCO型サービス(例)㈱SUBARU大泉工場に、日本ファシリティ・ソリューションズ㈱が自家消費型太陽光発電設備を設置し、CO2削減量を保証する。

PPA型サービス(例)イオンタウン湖南に、 MULユーティリティイノベーション㈱が太陽光発電設備を設置し、発電した電力を店舗へ供給。

16

事業用太陽光発電についても価格低下が著しく、RE100加盟やESG投資等もあいまって、大口需要家においても、FITを前提としない再エネ自家消費モデルが出てきている。

設備投資に係る負担を軽減しつつ、再エネ電気を大量に調達する手法として、オンサイト発電の第三者所有サービスや、オフサイトの非FIT再エネ電源の活用などFITを前提としない再エネ自家消費モデルが出始めてきており、一層これらを推進することが必要。

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1.分散型エネルギーを取り巻く状況2.需給一体型の再生可能エネルギー活用モデル

(1)家庭・大口需要家(2)地域

3.分散型エネルギーシステム構築ガイドブック4.バーチャルパワープラント(VPP)5.分散型エネルギープラットフォームの開催6.(参考)R2年度概算要求事業のご紹介

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地域での需給一体的な地域再エネの活用は、エネルギー供給の強靭化(レジリエンス)、地域内エネルギー循環、地域内の経済循環などの点で有効。

地域で活用される電源は、地域政策と連携しつつ、自家消費や熱電併給等で活用され、災害時・緊急時における地域のレジリエンス強化に資するもの。

自治体や地域におけるエネルギー供給事業者がプレーヤーとなることを念頭に、地域の再エネを、熱電併給で、コジェネなど他の分散型エネルギーリソースと組み合わせ、経済的な地域エネルギーシステムとして需給一体的に活用する取組について、検討を深めていくことが重要。

地域イメージ

地域における需給一体型の再エネ活用モデルの必要性 18

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(実証概要)実証事業名 :大規模電力供給用太陽光系統安定化等実証研究

(平成18年度~22年度:69.8億円)実証項目 :大規模PVのNAS電池による出力制御技術の開発

(北海道電力、明電社、日本気象協会ほか)運転開始日 :平成21年2月

※実証終了後の平成23年に稚内市に無償譲渡。(システム概要)定格出力 :1.5MW 蓄電池容量 :11.8MWh北海道電力変電所33kV連系

大型蓄電システム施設 メガソーラー(左)自営線で連系している球場(右上)

オフサイト電源

レジリエンス対策として地域再エネを活用した事例北海道胆振東部地震時、稚内市内は広域停電となったが、市が保有する太陽光発電所は系統から自動解列した。

一方で、太陽発電所に大型蓄電池が併設されていたため、自立運転機能により近隣の公園、球場等に電力を供給でき、災害対策として有効なことが示された。

第9回 再エネ大量導入・次世代電力NW小委員会(18年11月21日)資料2を一部編集

大型蓄電システム

メガソーラー

稚内市内

隣接した公園、球場等

広域停電

自営線で給電

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地域再エネを活用して、経済循環を図っている事例 岡山県真庭市では、地産電源を活用したエネルギー事業を実施。 具体的には、豊富な森林資源とバイオマス人材集積を活かし、地元で発生する間伐材などの未利用材や製材端材などをチップ化し、バイオマス発電用燃料として地域電力会社が安定的に発電。

地域電力会社の創業による直接雇用は15名程度(雇用創出)。 当エリアのバイオマス発電の課題は、燃料コストの削減及び燃料品質の向上(従前から利活用している針葉樹に加え、広葉樹の利活用を視野にいれた取組を検討中)。

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地域マイクログリッドのシステムモデル 地域における分散エネルギーシステムの構築については、自営線等の採算面や工事の大規模化

が大きな課題。 こうした課題に対しては、既存の系統配電線を活用し、電力を地域で面的に利用することを可能とする地域マイクログリッド(以下、地域MG)を構築が有効であり、その制度的・技術的課題の整理を行い、事業環境整備につなげていく必要がある。

一般住宅など

太陽光発電

蓄電池

需給調整システム

コジェネ

需給調整力

平時の電気の流れ

非常時に遮断

避難施設など

再エネ電源

再エネ電源

非常時に遮断

非常時に遮断

災害時の電気の流れ

系統配電線

【想定されるシステムモデル】

21

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事業の内容

条件(対象者、対象行為、補助率等)

事業イメージ事業目的・概要再生可能エネルギーを安定的に供給するには出力変動に対応する調整力が必要不可欠です。北海道胆振東部地震では、大規模停電により系統全体の周波数が低下し、多くの太陽光や風力発電は火力発電による調整余力が戻るまで再稼働できず、調整力の確保状況と並行して段階的に系統へ接続が行われました。一方で、蓄電池を併設した太陽光や風力発電については、蓄電池の調整力が利用できたため、比較的早期に接続が行われ、電力供給に貢献しました。

災害の多い日本においては、災害時の安定的な電力供給に向け、電力インフラのレジリエンスを強化していくことは緊急の課題です。緊急時における蓄電池の即時応答性及び調整力としての有用性が確認されたことを踏まえ、再エネ発電設備への蓄電池の導入を支援します。

また、災害時にも地域の再生可能エネルギー等の自立的な電源の活用を可能にするよう、蓄電池等の調整力を付加した配電網等による電力供給網(地域マイクログリッド)の構築を支援します。

成果目標蓄電池の導入により再生可能エネルギー6万kWの供給力を確保するとともに、優れたエネルギーシステムの構築を目指します。

(2)地域マイクログリッド構築支援事業

(1)再生可能エネルギー発電設備への蓄電池導入支援事業 災害時に、電力系統の調整力が不足した場合においても、電力系統へ再生可能エネルギーを迅速かつ安定的に供給するための蓄電池を導入する再エネ事業者を支援します。(補助率:中小企業1/2以内、大企業1/3以内)

地域マイクログリッドは、需給調整力や事故検知・遮断機能等を有し、既存の配電線や自営線を使って災害時にも再生可能エネルギー等を活用して電力を供給できるグリッド。この構築に向けた導入可能性調査を含む事業計画がマスタープラン。※ 固定価格買取制度の認定対象設備は補助対象経費に含まない

変電所やフィーダー

系統電力線

配電線または自営線

再生可能エネルギー発電需給調整力

蓄電池

など

地域の需要家

コジェネ

需給調整システム などバイオマス

太陽光風力

災害時の大規模停電における地域マイクログリッドの活用イメージ

地域で再エネ電力を活用

災害時にも地域にある再生可能エネルギーを活用し、地域に電力を供給できる「地域マイクログリッド」を構築しようとする民間事業者等(地方公共団体の関与は必須)を支援します。①マスタープラン作成費用に対する補助(補助率:3/4以内)②地域マイクログリッド構築費用に対する補助(補助率:2/3以内)

災害時にも再生可能エネルギーを供給力として稼働可能とするための蓄電池等補助金 平成30年度第2次補正予算額 44.0億円

資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部(1)新エネルギー課

03-3501-4031(2)政策課

03-3501-1728

(1)民間事業者等(2)民間事業者等(地方公共

団体の関与は必須)

補助(定額)

国 民間団体等

(1)1/2,1/3(2)3/4,2/3補助

天候や日照条件で変動する出力を蓄電池により安定な出力にして連系する

電力系統

風力発電 蓄電池

太陽光発電

22

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MP作成事業で12件を採択。地産電源を有する自治体を中心に関心が高い。 単なるエネルギー事業にとどまらず、地域特性に合った電源の活用、レジリエンス強化等、地域の

課題解決に資する計画の策定を目指すモデルNo 主要申請者 自治体/管轄電力会社 計画概要及び主要設備

1 住友電気工業㈱ 北海道石狩市/北海道電力

・新港エリアにおいて港湾企業が主体となり、太陽光発電、蓄電設備を活用。

2 真庭バイオマス発電㈱ 岡山県真庭市/中国電力 ・自治体が主体となり、太陽光発電、木質バイオマス発電を活用。

3 阿寒農業協同組合 北海道釧路市/北海道電力

・農協が主体となり、太陽光発電、バイオマス発電、蓄電設備を活用。

4 SGET芦北御立岬メガソーラー(合) 熊本県芦北町/九州電力 ・自治体が主体となり、太陽光発電、蓄電設備を活用。

5 ㈱karch※上士幌町出資の新電力

北海道上士幌町/北海道電力

・地域新電力が主体となり、太陽光発電、バイオマス発電、蓄電設備を活用。

6 ㈱海士パワー 島根県隠岐郡海士町/中国電力

・離島において発電事業者が主体となり、小規模太陽光、蓄電設備を活用した離島BCPモデル

7 NTTスマイルエナジー㈱ 京都府舞鶴市/関西電力

・公共施設集積エリアにおいてエネマネ事業者が主体となり、太陽光、蓄電設備を活用したBCP対策モデル

8 (合)チュラエコネット 沖縄県竹富町(竹富島)/沖縄電力

・離島において発電事業者が主体となり、太陽光、蓄電設備を活用した離島BCPモデル

9 ㈱アドバンテック 北海道鶴居村/北海道電力

・発電事業者が主体となり、平時はバイオガス発電を自家消費、災害時は公共施設へ供給する地域電源活用モデル

10 ㈱ネクステムズ 沖縄県宮古島市(来間島)/沖縄電力

・エネマネ事業者が主体となり、太陽光発電、系統用蓄電池による系統の末端に位置する離島の独立モデル

11 川崎重工㈱ 兵庫県神戸市/関西電力

・港湾エリアにおいてプラントメーカーが主体となり、ごみ発電、太陽光発電、大規模蓄電設備を活用したモデル

12 安本建設㈱ 山口県周防大島町/中国電力

・離島において建設事業者が主体となり、太陽光発電、蓄電池を活用したモデル

(参考)30年度補正予算の採択状況(マスタープラン作成) 23

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熱と電気の面的利用

分散型エネルギーの利用形態による整理

電気

分散型エネルギーの

近接地で面的に利用

(面的利用)

系統ネットワークを

通じて系統全体で利用

熱は遠隔地への供給困難

コジェネ

再エネ電気

未利用熱利用

分散型エネルギーを

同一敷地内で利用

(自産自消)

個別方式 面的利用

個別に設備を設置 自営線および熱導管により、電気・熱等を融通

EMS電気 熱 電気 熱 電気 熱 電気 熱

熱は遠隔地への供給には適さないため、エネルギー源の近傍に需要地が必要 電気は自営線、または系統線を活用して広域で利用可能 より効率等を高めるためには、様々な分散型エネルギーをいかに統合するかが鍵。

24

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25

むつざわスマートウェルネスタウンにおける地産地消システム事業

道の駅Bゾーン(面的利用対象外)

道の駅Aゾーン(太陽光、太陽熱、コジェネ設置)

住宅ゾーン(自営線供給)

• 千葉県睦沢町他、地域資本による官民共同の地域エネルギー事業。• 天然ガスコージェネレーションと再エネ(太陽光と太陽熱)を組合わせ、エネルギーの

面的利用を実現。• 水溶性ガス採取後のかん水をコジェネの廃熱で加温して温浴施設で利用することで、

地元産天然ガスを100%使い切る。• 国の重点道の駅および防災拠点等に対し、災害時にもガスコジェネおよび自営線により

熱・電力の供給が可能。

25

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台風15号による停電時の活用事例• むつざわSWTでは、停電の4時間後にコジェネを立ち上げ、道の駅と住宅へ電力供給• 道の駅ではトイレや温水シャワーを近隣住民へ提供し、800人以上の住民が利用

9月 9日 5時:町内全域停電9日 9時:コジェネを立ち上げ住宅と道の駅に供給開始

10日 10時:コジェネの排熱を活用し温水シャワーを提供11日 9時:系統復電

【引用】9月17日付 電気新聞

【引用】㈱CHIBAむつざわエナジー HPより

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1.分散型エネルギーを取り巻く状況2.需給一体型の再生可能エネルギー活用モデル

(1)家庭・大口需要家(2)地域

3.分散型エネルギーシステム構築ガイドブック4.バーチャルパワープラント(VPP)5.分散型エネルギープラットフォームの開催6.(参考)R2年度概算要求事業のご紹介

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分散型エネルギーシステム構築の計画時に必要な検討事項に焦点を当てて解説。

地域の特性を活かした地産地消の分散型エネルギーシステム構築ガイドブック 概要

事業の計画段階で考慮すべき事項を整理

太陽光発電 風力発電 バイオマス発電

企画立案

実現可能性調査

事業計画策定

設計・施工

運用

事業のステップ

主に対象とする範囲エネルギー種ごとではなく分散型エネルギーシステムを構築することそのものの事業計画段階で考慮す

べき課題や対応策について種横断的に解説

一般的な事項について概要を解説エネルギー種・個別テーマごとの既存ガイドブックが存在するため、種横断的に一般的な事項を整理

…エネルギー種横断

課題と成功要因

地域住民

事業実施者

自治体

金融機関

既存のエネルギー事業者

事業実施者視点で各ステークホルダーとの関係性も含めて解説

自治体と協力すべきことは何か

エネルギー需要家

どうやって需要家を集めるか

地域に対してどのような貢献ができるか

既存のエネルギー事業者とどのような調整が必要か

どうやって資金を集めるか

国(資源エネルギー庁、地方経産局等)

どのような政策的支援が行われているか

ガイドブックの対象者 簡易収支計算ツール ツールにより、分散型エネルギーシステムの経済性(導入前後のエネルギーコスト、投資回収年数等)が簡易的に評価可能

構築する際に誰と何を議論すれば良いのか、ステークホルダーとの協力・調整事項を整理

事業の計画段階を中心に、エネルギー種横断的にエネルギー特性等を解説主な対象範囲

2

1. ガイドブックの趣旨2. 地産地消の分散型エネルギーシステムの意義

3. 事業の計画段階で考慮すべき事項4. 事業の設計・施工段階で考慮すべき事項

5. 事業の運用段階で考慮すべき検討事項

6. 分散型エネルギーシステムの簡易収支計算ツール

7. ガイドブックの検討体制8. 参考情報

検討結果

初期投資 千円年間利益 千円/年投資回収年数 年(参考)メンテナンス費 3,679 千円/年※メンテナンス費は初期投資の2%と想定している。

※年間利益は、「再エネ導入による現状からのエネルギー削減料+売電/売熱料」の試算結果。※太陽光発電設備の廃棄費用(初期投資額の5%とする)と太陽光パネル等のシステム更新費用を計上。自営線の更新は考慮していない。※本検討は概算参考値であるため、再エネ導入の際には詳細検討を行う必要があります。

183,96012,27615.0

面的利用/個別利用再生可能エネルギーの種類

熱の利用用途

面的利用太陽光

-

-200,000

-150,000

-100,000

-50,000

0

50,000

100,000

150,000

0年 1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年

11年

12年

13年

14年

15年

16年

17年

18年

19年

20年

21年

22年

23年

24年

25年

26年

27年

28年

29年

30年

31年

32年

33年

34年

35年

36年

37年

38年

39年

40年

41年

42年

43年

44年

45年

46年

47年

48年

49年

50年

利益

[千円

]

運用年数

積算利益[千円] 単年利益[千円/年]

ガイドブックの構成省エネ・省CO2 地方創生 災害対応

設備の高効率化 住民サービスの質の向上

設備の稼働に必要な資源の確保

再生可能エネルギーの活用 産業育成 供給先・供給設備の

優先順位

エネルギーマネジメント 人口減少対策

非常時需要量と平常時設備容量とのバランス

エネルギー自給率の向上 地域特性の有効活用 (特に電力の場合)系

統との接続方法非常時のエネルギーマネジメント

例)分散型エネルギーシステムの意義に関する事項

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具体的な検討内容を個別参照することが可能。分散型エネルギーシステムの構築を計画する際に検討すべき事項

分散型エネルギーシステムを構築する意義を知りたい

事業化する上でのキーポイントを知りたい

エネルギー供給の仕組みを検討したい

事業を行う場所の条件・特性を把握したい

事業の経済性を評価したい

災害対応地方創生省エネ・省CO2

自治体との連携 持続的事業実施体制の確立 需要家の確保 エネルギー供給以外の付加価値

エネルギー源 エネルギーインフラ エネルギーマネジメント

都市/地方 地域資源需要施設

資金調達 コストと事業性

災害等非常時におけるエネルギー供給源の確保

地域・需要家のBCP、LCPへの貢献 地域経済への貢献、雇用の創出 観光資源としての活用

エネルギー消費量、CO2排出量の削減に貢献

自治体の協力が必要な事項 自治体との連携方法

関連するステークホルダーの種類と役割 参加主体のコミットメントを高める方法

需要家を集める方法(囲い込み方、契約条件の厳しさ)

メリットの訴求方法 想定される付加価値の種類 事業化への貢献

エネルギー源の種類と特徴 各エネルギー源における事業化上の課題・リスク

既存インフラの活用 自営線、熱導管の新規設置

エネルギー需給調整 見える化による需要家の省エネ・省CO2

都市部における特徴と課題 地方における特徴と課題

活用可能な地域資源の把握 地域資源を活用するために必要な検討事項

需要施設、需要量の把握 需要施設の用途に応じた特性(時刻別の需要量など)

資金調達方法の種類と特徴 資金調達方法ごとに必要な検討事項

事業化までに必要なコスト 事業収支の考え方

検討したい内容 具体的な検討項目

3

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地産地消促進事業TOPページ http://www.teitanso.or.jp/sc_top 一般社団法人 低炭素投資促進機構(GIO)の下記HPに掲載。

ガイドブックのHP掲載について 30

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1.分散型エネルギーを取り巻く状況2.需給一体型の再生可能エネルギー活用モデル

(1)家庭・大口需要家(2)地域

3.分散型エネルギーシステム構築ガイドブック4.バーチャルパワープラント(VPP)5.分散型エネルギープラットフォームの開催6.(参考)R2年度概算要求事業のご紹介

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分散型エネルギーリソース 「分散型エネルギー」は、比較的小規模で地域内に分散しているエネルギー源の総称。 ①創エネ、蓄エネ、省エネといったリソースに分かれ、②供給方法も電気か熱、将来的に

は水素もあり、③機器単位でも、複数機器の組合せでも使用可能。

1.創エネ ~つくる~

2.蓄エネ ~ためる~

3.省エネ・制御系 ~かしこくつかう~

太陽光発電 コジェネ エネファーム

工場等からの廃熱 再エネ熱 FCV

HEMS 業務・産業用EMS

家庭用蓄電池・系統用蓄電池 ヒートポンプ給湯器

Power-to-Gas(水素) EV・PHV

ディマンドリスポンス(DR) IoT化された照明、空調、冷凍機器等

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バーチャルパワープラント(VPP)は、系統上に散在する分散型エネルギーリソースをIoT技術を用いて遠隔に制御することで、発電所のような電力創出と調整機能を提供する仕組みをいう。アグリゲーター※がエネルギーサービスを提供するキープレイヤーとなる。

新しい電力創出・調整力となりうるVPP

VPPのイメージ

※ここでは、リソースアグリゲーター(需要家とVPPサービス契約を直接締結し、リソース制御を行う事業者)とアグリゲーションコーディネーター(送配電事業者や電力市場等に対して電力取引を行う事業者)を意味する。

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ディマンドリスポンスの概要 ディマンドリスポンス(DR)とは、電力の供給状況に応じて、賢く電力需要(消費パターン)を変化させる取組

電気料金型DRとインセンティブ型DRの2種類に分類できる

電気料金型DR インセンティブ型DR(ネガワット取引)

夜間時間

ピーク時間

昼間時間

昼間時間

23:00

7:00

10:00

17:00

ピーク時は節電しよう!

概 要 ピーク時に電気料金を値上げメリット 比較的簡便であり、大多数に

適用可デメリット

時々の需要家の反応によるため、効果が不確実

概 要 電力会社とピーク時の節電に係る契約を締結し、電力会社からの依頼に応じて節電した場合に対価を得る

メリット 契約によるため、効果が確実デメリット

比較的手間がかかり、需要家への適用が困難

ピーク時間帯

節電量

ディマンドリスポンスにより電力需要をスマートにコントロール

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VPPとDRの関係

ERAB(VPPを活用したビジネス)

需要減

需要増

小売電気事業者 アグリゲーター

需要家設備 (DSR: Demand Side Resources)

料金メニュー

DR(※逆潮 流なし)

電気料金型DR インセンティブ型DR

VPP

発動

上げDR 上げDR

下げDR 下げDR(ネガワット取引)

逆潮流

系統直付け設備

発動

逆潮流

出力等制御

発動

分散型エネルギー資源(DER:Distributed Energy Resources)=DSR+系統直付け設備

VPPは、インセンティブ型DR、逆潮流、系統直付け設備の統合したシステムを指す。

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VPPの意義1:負荷平準化効果 VPPによりピーク時間帯の系統需要を下げ、別の時間帯にずらすことで、負荷平準化を図ることが可能。電力システム全体の観点から、以下のメリットを創出。

① コストの高い電源の焚き増し(kWh)の回避② 年間のわずかな時間のみ稼働するピーク電源に対する投資(kW)の回避

【出典】 東京電力「でんき予報」の需要データをもとに資源エネルギー庁作成

384万kWll最大

電力需要の7.5%

電力供給設備量(イメージ)

×

0 8,760時間時間(h)

電力

需要

(万

kW)

上位88時間

ミドル電源

ベースロード電源

5,093万kW

効果①: 需要抑制電力量(kWh価値)発電所の稼働が不要になる

効果②:需要抑制容量(kW価値)発電所の維持管理・更新が不要になる

||年間時間の1%

0 8,760時間時間(h)

電力

需要

(万

kW)

上位88時間

ピーク電源

ミドル電源

ベースロード電源

5,093万kW

負荷持続曲線の平準化イメージ

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VPPの意義2:再生可能エネルギー導入拡大 近年の再生可能エネルギーの急速な導入拡大に伴い、自然変動電源(太陽光・風力)の出力変動が系統安定に影響を及ぼしており、これを吸収するための調整力の確保が喫緊の課題。

VPPは、再生可能エネルギーの供給過剰を吸収することで再エネの導入拡大に貢献。需給調整力が逼迫している事例

<2018年5月3日の九州の電力需給実績>

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VPP実証事業 アグリゲーターが新たな電力サービスを創出し、より効率的なエネルギーシステムが構築につながる。以下はエネルギーサービスの例。

<送配電事業者へのサービス>1. 調整力・予備力の提供:東電エリア、関電エリアで数十万kWの調整・需要抑制量

2. 電力品質維持

<小売電気事業者へのサービス>1. 供給力の提供:DRによる石油火力の焚き減らし2. インバランス回避

<再エネ事業者へのサービス>1. 出力抑制回避:PVの出力抑制回避のため上げDRを検討

<需要家へのサービス>1. 電気料金削減(ピークカット等)2. 卒FIT太陽光を効率的に逆潮して収益最大化:PVの余剰電力+蓄電池で自家消費増・逆潮流収益最大化

出典: Energy Pool Japan

予備力提供の例(2017年度DR発動実績)

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1.分散型エネルギーを取り巻く状況2.需給一体型の再生可能エネルギー活用モデル

(1)家庭・大口需要家(2)地域

3.分散型エネルギーシステム構築ガイドブック4.バーチャルパワープラント(VPP)5.分散型エネルギープラットフォームの開催6.(参考)R2年度概算要求事業のご紹介

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分散型エネルギープラットフォームの開催

需給一体型の再エネ活用モデルの推進策として、関係する事業者、自治体間でニーズ、シーズのマッチング等を行うプラットフォームを形成し、新たなビジネスの推進につなげていくことを検討(※)。

そこで、「地域循環共生圏の形成と分散型エネルギーシステムの構築に向けた連携チーム」の取組の一つとして「分散型エネルギープラットフォーム」を開催。

<分散型エネルギープラットフォームのねらい>

官民が連携して、需給一体型の再エネ活用モデルに取組む上での課題分析を的確に行うと共に、分散型エネルギーに関係するプレイヤーが共創していく環境を醸成する。

家庭・大口需要家、地域の各レベルにおいて、多様なプレイヤーが一堂に会し、討論形式で自由な議論を行う。

<分散型エネルギープラットフォームの概要>

(※)再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会(大量小委)第3次中間整理

第1回(11/1金) 第2回~ 最終回

(聴講形式)・取組事例の紹介・論点案の提示

(グループ討議)・家庭・大口需要家・地域

(聴講形式)・論点、意見の

まとめ

論点の選択

意見の集約

結果の広報

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※第2回以降は詳細調整中

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分散型エネルギープラットフォームの開催

参加を御希望の方は、10月28日(月曜日)18時までに下記ページよりお申し込みください。https://mm-enquete-cnt.meti.go.jp/form/pub/enecho-seisaku/bunsan-plat

(1) 日 時 令和元年11月1日(金曜日) 14時00分~16時30分(13時30分開場)(2) 場 所 東京コンベンションホール 大ホール

(東京都中央区京橋三丁目1-1 東京スクエアガーデン5F)(3) 内 容 (予定)

①. 開会挨拶②. 取組事例紹介(イオン㈱、ソニーコーポレートサービス㈱、大和ハウス工業㈱ 他)③. 第2回に向けた論点の提示④. 今後の進め方について⑤. 閉会挨拶

(4) 対象者 分散型エネルギービジネスに関係する事業者、自治体等の担当者定員200名(1社・団体あたり3名程度を想定)

(5) 参加費 無料

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https://www.meti.go.jp/press/2019/10/20191021003/20191021003.html

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(1)家庭・大口需要家(2)地域

3.分散型エネルギーシステム構築ガイドブック4.バーチャルパワープラント(VPP)5.分散型エネルギープラットフォームの開催6.(参考)R2年度概算要求事業のご紹介

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令和2年度概算要求について

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令和2年度概算要求について

地域におけるエネルギー事業促進が目指す世界観

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令和2年度概算要求について

地域における地産地消

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令和2年度概算要求について

再エネ普及に向けた調整力の確保等

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令和2年度概算要求について

地域における水素サプライチェーン構築

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令和2年度概算要求について

太陽光発電×電動車による地域への貢献

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令和2年度概算要求について

住宅・ビル・工場のゼロエネルギー化促進

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