49
ULの名称、ULのロゴ、ULの認証マークは、UL LLCの商標です。©2015 その他のマークの権利は、それぞれのマークの所有者に帰属しています。 本内容は一般的な情報を提供するもので、法的並びに専門的助言を与えることを意図したものではありません。 本テキストは、本セミナーの受講者が学習用教材として所有することだけを認め、本テキストのいかなる部分も、無断で複写、転載することを厳禁します。 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 2015716日(木) 10:0010:45 JASMAS (機械安全ソサエティ) 三平 律雄

機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

ULの名称、ULのロゴ、ULの認証マークは、UL LLCの商標です。©2015 その他のマークの権利は、それぞれのマークの所有者に帰属しています。 本内容は一般的な情報を提供するもので、法的並びに専門的助言を与えることを意図したものではありません。 本テキストは、本セミナーの受講者が学習用教材として所有することだけを認め、本テキストのいかなる部分も、無断で複写、転載することを厳禁します。

機械安全セミナーシリーズ第1回

機械安全の概要

2015年7月16日(木) 10:00~10:45

JASMAS (機械安全ソサエティ)

三平 律雄 氏

Page 2: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

機械安全セミナーシリーズ第1回 『機械安全の概要』

講師:機械安全ソサエティ 事務局

三平律雄

JASMAS

5

Page 3: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

1.機械安全の歴史的背景

3.リスクアセスメント

4.まとめ

2.機械指令と欧州規格

6

機械安全の概要

Page 4: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

1.機械安全の歴史的背景

7

機械安全の概要

Page 5: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

8

機械安全の概要 目次 1

1.機械安全(労働災害防止)の歴史的背景

1-1) 産業革命 Industrial Revolution ----------------- (1760~1830 )

1-3) ニューアプローチ決議(単一市場)----------- (1985)

1-4) 機械指令(英国の安全規格を導入) BS5304 -- (1975/1988)

1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合、 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体)を発足 -- (1957)

1-5) 機械指令の発布/施行 ------------------------- (1990/1995)

1-6) ウィーン協定 ---------------------------------------- (1991)

1-7) TBT協定(貿易の技術的障害に関する協定) --- (1995)

1-9) 機械指令の見直しと機能安全の導入 ----------- (2010)

1-8) 欧州規格と国際規格と国家規格の流れ

Page 6: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

9

マンチェスター

燃料に石炭 露天掘り→鉱脈

細い鉱脈で多くの子供も災害多発 英国は約100年間に渡り

世界の工場と言われた

1-1)産業革命 Industrial Revolution ( 1760~1830 )

機械の運転に機織り等の人達が従事

機械に無知な人達 による災害多発

蒸気機関の発明

多数の織機・紡績機・ 関連機械が作られた

Page 7: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

10

1-1)産業革命 Industrial Revolution ( 1760~1830 )

Page 8: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

11

1-1)産業革命 Industrial Revolution ( 1760~1830 )

フリードリッヒ エンゲルスの資料より

Page 9: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

12

1-1)産業革命 Industrial Revolution ( 1760~1830 )

作業風景はインターネットより

スラム

Page 10: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

13

1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合

ローマ条約でEEC(欧州経済共同体: 1957)を発足

目 的

経済統合の実現のための関税同盟の設立

2度の世界大戦で、欧州は疲弊しきっており、経済の立て直しが必要とされていた。

欧州の経済圏の統合

Page 11: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

14

1-3)ニューアプローチ決議(単一市場):1985

安全構築へのアプローチ

約30年弱、各国のエゴにより安全規格なども纏まらなかった

1985年以前を、オールドアプローチとする

1985年以降を、ニューアプローチとする

中国の広さに約20カ国が存在する

例えば、国間の移動で関税などのコストアップ要因がある

安全のレベルの差が激しい

Page 12: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS 1-3)ニューアプローチ決議(単一市場):1985

・ ニューアプローチ決議(単一市場) (1985)

・ 1993年頃、通産省に返答しなかった理由を確認したが、不明との回答であった。

・ 特に安全に関し米国や日本にも共同でやるように提案した。 しかし、米国も日本も返答を出さなかった。 欧州は独自に実施することとなった。

・ このことにより、以降に欧州で作られる安全規格に米国・日本とも参加する事ができなく、今後の大きな問題となった。

15

安全構築へのアプローチ 重 要

Page 13: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS 1-3)ニューアプローチ決議(単一市場):1985

ニューアプローチ決議(単一市場) (1985)

16

安全構築へのアプローチ

欧州域内自由流通

人、物、金、サービスの自由流通

欧州各国の安全規格の整合と規格化

安全の考え方の見直しが行われる

Page 14: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

17

安全の基本的な考え方

髪を長く伸ばした人

ハイヒールを履いた人

長いスカートを着用した人

注意書き / 警告書を読めない外国人

注意を理解できない子供

1-3)ニューアプローチ決議(単一市場):1985

女性に対する検討がされている理由は: ・世界大戦で男性が少なくなり、女性が働く必要があった。

・女性は常に綺麗にしていたい、パーマや長い髪をして、ハイヒールやフリルの付いたスカートなども着用して働きたい。

子供に対しても検討されている理由は: ・子供連れの女性も働く必要があった。 ・小さな子供は母親を見れば工場内でも寄ってくる。

人の自由流通のために必要な処置として検討された。

Page 15: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

18

安全の基本的な考え方(子供の事故)

シュレッダー事故

回転ドア事故

流れるプール事故

エレベータ事故

日本では

Page 16: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

19

安全の基本的な考え方(子供の事故)

シュレッダー

投入口: 5mm

危険部到達距離:15mm

安全機能:無し

投入口: CD≒2.5mm

紙類≒3mm

危険部到達距離: CD≒50mm

紙類≒70mm

安全機能: タッチセンサ、

投入口カバースイッチ

同じメーカです。価格もほぼ同じです。 やればできる !!

ドラム式洗濯機事故

出所: NHK News/web

やっているところもある !!

Page 17: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

20

機械指令

・ 機械指令のベースとなる安全規格: (独)、(仏)、(英)の3か国で争った末、1989/末に英国に決定

・ 主な決定理由:

◦ 危険源の特定、危険源への対応、リスクアセスメント等が規格書として確立されていた。

◦ 3か国の中で英国は最も労働災害が少ない。 (日本とは 1桁位 違う)

◦ 英国の規格が機械指令の規格体系に最も適合していた。

・ 英国の安全規格:BS5304 (1975/1988)が機械指令のバイブルとな

る。

1-4) 機械指令(英国の安全規格を導入) BS5304 (1988)

Page 18: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

21

1-4) 機械指令(英国の安全規格を導入) BS5304 (1988)

Page 19: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

22

インターロック機器 ガードロック機器 機械の危険源への対応の例

回転センサ 停止検出

扉が開いて、インターロックが『開』になると、機械が停止になる

回転センサが機械の停止を検出するとガードロックがはずれ扉が開けられる

1-4) 機械指令(英国の安全規格を導入) BS5304 (1988)

Page 20: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

23

1-4) 機械指令(英国の安全規格を導入) BS5304 (1988)

スケールB

スケールC

スケールD

避けられない

可能性あり

ほぼ確実な

ほんのわずかな可能性

スケールA 致命傷

指つま先の切断

手足の切断

腕の切断

打身捻挫

リスクアセスメントの原型

災害の大きさ 災害の可能性

危険源への接近の頻度

危険度による要求インターロックシステム

④ → R

Page 21: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

24

1-5) 機械指令の発行/施行 1990/1995

安全構築へのアプローチ ・ 欧州の機械指令を発行(1990)→完全なスタート(1995)

・ 指令や規格を作成するときの条件:

◦ 指令や規格を作成している段階で、外部(行政、政治家、企業、影響力のある民間・個人等)からの影響を受けてはならない。

◦ 作成する構成員は決定権を有するエキスパートを選び、可能な限りあらゆる業種から選ぶ。

◦ これらの構成員は外部に対する守秘義務を要する。 (別件での参考例: TPP、農協が知りたがっているがオープンにされない

。)

◦ 日本では行政と大手企業などにより決められている。

Page 22: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

25

1-6)ウィーン協定 1991

ウィーン協定にて、国際規格(ISO)は欧州(EC)の安全規格(CEN/CENELEC)を受入(1991)

◦ 当初、ECが機械指令を発布した時、ISOにおいても国際規格として作成を試み、各国に参加を要請したが、ECの技術者はECの規格作成に既に従事しており参加を拒否し、技術者は集まらなかった。

◦ ISOは作成を諦め、EC(CEN/CENELEC)と打合せし、ECの長年に渡り作成してきたことに敬意を表し、欧州の安全規格を受け入れ、ISO規格にすることに決定した。

◦ これがウィーン協定である。

その理由は

Page 23: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

26

TBT協定(貿易の技術的障害に関する協定)発効 (1995)

◦ 日本もTBT協定が発効されると同時に参加する。

◦ この協定により、貿易の障害を無くす為、安全規格等は国際規格が制定されると同時に自国の規格に反映させなければならない

1-7)TBT協定(貿易の技術障害に関する協定) 1995

Page 24: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

27

1-8)欧州規格と国際規格と国家規格の流れ

欧州規格 → 国際規格 → JIS規格

-欧州連合- イギリス=BS ドイツ =DIN フランス=NF ***

[法律]

機械指令

1990年

E N規格

I S O規格

[国際規格] 機械安全規格

●BS5304 (イギリス国家規格) ●EN292 (欧州規格)

ウイーン協定 ●ISO12100 (国際標準化機構)

1991年

日 本 =JIS アメリカ =ANSI 中 国 =GB/T オーストラリア=AS

[国家規格]

WTO/TBT

貿易の技術的障害に関する協定

1995年

整合

ISO12100 2003年11月に制定 2004年11月にJIS化JISB9700-1,-2

重 要

Page 25: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

28

機械指令の見直しと機能安全の必要性

◦ 機械指令が1995年からすべての機械を対象に運用された。 (CEマーキングが義務化)

◦ しかしながら、2000年過ぎた頃より、輸入されたCEマーキングの機械で労働災害が発生してきたことにより、見直しが必要となった。

◦ 同時にマイクロプロセッサーを使った制御機器を使う装置が多くなり、それらを考慮した安全機器も検討する必要性が出てきた。

1-9)機械指令の見直しと機能安全の導入 2010

ISO12100-1 : 2003

ISO14121-1 : 1999

ISO12100-2 : 2003 ISO12100 : 2010

(3つの規格を1つに纏めた)

Page 26: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

29

1-9)機械指令の見直しと機能安全の導入 2010

機械指令の見直しと機能安全の導入に関し、

1. 安全機器類の信頼性を確保する評価方法の導入 (信頼性の低い安全機器による災害発生の防止)

2. 現在の産業革命に対する考え方: ◦英国から始まった 産業革命を第1次とし、 ◦第2次産業革命:1800年代後半より組込まれた電力による機械

のマスプロ生産ライン ◦第3次産業革命:1900年代後半より電子機器(コンピュータを含む

)/ITを組み込んだ生産システム

3. この第3次産業革命より採用されている、電子機器/ITの安全の評価方法の機能安全を導入

4. これから始まる、第4次産業革命:実世界とITが緊密に結合されたシステム「Cyber-Physical Systems(CPS)」を組み入れる生産システムに対する検討も将来は必要

Page 27: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

30

機械安全の概要

2. 機械指令と欧州規格

Page 28: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

31

機械安全の概要 目次 2

2.機械指令と欧州規格

2-1) 機械指令の対応方法

① 安全規格の構造

② モジュール

③ リスクアセスメント (詳細は3項へ)

④ 技術資料(テクニカルファイル)

⑤ 第三者機関による認証

⑥ 適合宣言書

⑦ CEマーキング

⑧ 域内自由流通

Page 29: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

32

2-1) 機械指令の対応方法

2-1) 機械指令 -------------- (98/37/EC → 2006/42/EC)

① 安全規格 --------------- (98/37/EC → 2006/42/EC: Article 7)

② モジュール ------------- (93/465/EEC)

③ リスクアセスメント ------ (ISO 12100:2010 + ISO TR 1412-2)

カテゴリー ---------------- (ISO 13849-1: 2006)

④ 技術資料 (テクニカルファイル) (98/37/EC → 2006/42/EC: ANNEX VII)

⑤ 第3者機関による認証 (98/37/EC → 2006/42/EC: ANNEX IX)

⑥ 適合宣言書 ------------- (98/37/EC → 2006/42/EC: ANNEX II)

⑦ CEマーキング ----------- (98/37/EC → 2006/42/EC: ANNEX III)

⑧ 域内自由流通 ---------- (98/37/EC → 2006/42/EC: Article 6)

①から⑧へ、順番に処理をする。 詳細内容は指令・規格による

Page 30: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

33

タイプC規格

タイプB規格

タイプA規格 基本概念・設計原則などを取扱う

(10~20規格)

安全関連機器・装置などを取扱う (100~300規格)

個別機械・装置に関する規格 (≑ 3000規格)

① 安全規格

Page 31: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

34

ISO/IECガイド51

ISO:機械系 IEC:電気系

A 機械類の安全性-基本概念, 一般設計原則規格

(ISO 12100)

インタロック規格 ガードシステム規格 システム安全規格 安全関連部品規格 安全距離規格 非常停止規格 突然の起動防止規格 両手操作制御装置規格 マットセンサ規格 階段類の規格

(ISO 14119) (ISO 14120) (ISO 13849-1) (ISO 13849-2) (ISO 13857) (ISO 13850) (ISO 14118) (ISO 13851) (ISO 13856) (ISO 14122)

電気設備安全規格 安全センサ類の規格 人体検知の規格 電気的安全機能規格 スイッチ類規格 EMC規格 トランス規格 防爆安全規格

(IEC 60204) (IEC 61496) (IEC 62046) (IEC 61508) (IEC 60947) (IEC 61000-4) (IEC 60076) (IEC 60079)

基本安全規格: 全ての規格類で共通に利用できる基本概念,設計原則を扱う規格

グループ安全規格: 広範囲の機械類で利用できるような安全,又は安全装置を扱う規格

C 個別機械安全規格:

特定の機械に対する詳細な安全要件を規定する規格

製品例 : 工作機械,産業用ロボット,鍛圧機械,無人搬送車,化学プラント,輸送機械など

① 安全規格

日本機械連合会の資料より(但し、1部訂正)

Page 32: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

35

② モジュール (93/465/EEC)

Page 33: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

36

③ リスクアセスメント (ISO 12100: 2010) (ISO 13849-1: 2006)

機械指令

日本ではこの部分だけが法制化された。

欧州の法律

① 安全規格

② モジュール

③ リスクアセスメント 安全カテゴリー

④ 技術資料 (テクニカルファイル)

⑤ 第3者機関による認証

⑥ 適合宣言書

⑦ CEマーキング

⑧ 域内自由流通

Page 34: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

37

④ 技術資料(テクニカルファイル):TCF)

TCF: Technical Construction File

(2006/42/EC: ANNEX VII)

機械の説明 据付手順 電源接続手順 電源の仕様 物理的環境条件 回路図 操作手順 検査項目 保守点検項目 部品表 安全防護物の説明 安全防護柵の説明 正常な運転条件 不適切な使用 輸送、運転、補完時の温度、湿度、高度など の環境条件

機械に添付する取扱説明書に下記の情報を含める

技術資料には打合時のどんなメモでも入れて置く。どの様にして決定されたかの情報源になり、ノウハウにもなる。

また、災害が出た時の考え方の証明になる。

Page 35: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

38

⑤ 第3者機関による認証 (2006/42/EC: ANNEX IX)

認証機関の名称

認証機関の担当者名及びサイン

Page 36: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

39

⑥ 適合宣言書 (2006/42/EC: ANNEX II)

会社名 住所

担当者名 部署・サイン

担当者名 部署・サイン

Page 37: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

40

⑥ 適合宣言書 (サインした人は・・・)

欧州では・・・

英国では、ある工場での安全の是正要求が何度か出されたが、会社側は対応しなかったため、その会社の副社長が投獄された。

Page 38: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

41

⑦ CEマーキング (2006/42/EC: ANNEX III)

EUROPEAN COMMITTEE FOR STANDARDIZATION:英語 COMITÉ EUROPÉEN DE NORMALISATION:CEN仏語 EUROPÄISCHS KOMITEE FÜR NORMUNG:独語

なぜ“CE”なのか?

1.ECだと、街のあちこちに存在し、紛らわしい 2.言語はフランス語になる 考え方は英国で、規格の体系はドイツが多い

Page 39: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

42

⑧ 自由流通 (2006/42/EC: Article 6)

・人、物、金、サービスの自由流通 (単一市場)

Page 40: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

43

機械安全の概要

3 リスクアセスメント

Page 41: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

44

機械安全の概要 目次 3

(1) 安全対策の方法

(2) 安全設計の手順

(3) リスク要素決定上の留意事項

(4) 危険源の同定

(5) リスクの見積もり方法 (グラフ方式)

(6) 危険除去のために採用すべき設計対策

(7) カテゴリ要求事項の要約と指定アーキテクチュア

3.リスクアセスメント

のマスクをかぶっている部分は、後のシリーズに含ませて頂きます

Page 42: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

45

(1) 安全対策の方法

機械が安全である証明(CEマーキング)としての製造者の対応: 対象機械のタイプC規格が有るか無いかで作業が異なる。

◎ 個別機械安全規格(タイプC規格)が有る場合 個別機械規格が有る場合、規格自体がタイプA規格(リスクアセスメントを含

む)、タイプB規格を既に検討されてタイプC規格が出来上がっている。 新たにCEマーキングで大変な作業のリスクアセスメントを省略できる。 (同じ作業を2回もやらなくとも良いという論理)

◎ 個別機械安全規格(タイプC規格)が無い場合 個別機械規格が無い場合、製品自体はタイプA規格、タイプB規格を検討されていない。 その為、CEマーキングで大変な作業であるリスクアセスメントをやらなければならない。 場合(今までにない開発製品)により、安全の立証まで必要になる。

Page 43: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

46

① 安全規格

② モジュール

③ リスクアセスメント 安全パフォーマンス

④ 技術資料 (テクニカルファイル)

⑤ 第3者機関による認証

⑥ 適合宣言書

⑦ CEマーキング

⑧ 域内自由流通

② 、③をスキップ

① 個別機械安全規格 (タイプC規格有る)

◎ 個別機械安全規格(タイプC規格)が有る場合

(1) 安全対策の方法

Page 44: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

47

(3) リスク要素の決定上の留意事項

運搬から解体までの機械寿命の全期間を考慮する。(ライフサイクル)

故障状態も含め、機械で起こり得る全状態を考慮する。(段取り、教示、工程の切り換え、洗浄)

予見可能な誤使用も考慮する。

Page 45: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

48

機械安全の概要

4.まとめ 4-1) 機械安全の歴史的背景

・ 日本からの会合への出席者は規格作成等の決定権限を持つことが必要になる。 (一般的に日本ではメッセンジャーボーイ的な役割でしかなく、欧米では問題になっている。 悪い言い方で、窓際族の出席になっている。)

・ 現在、欧州主導で行われている安全規格の作成なども、日本も積極的に参加し、欧州との人的つながりを持つことが重要になる。(参加コストが大きな問題。:人的つながりを持つことで日本での開催も可能になる。)

・ 出席者の地位とその保全が必要である。(スペシャリスト)

重 要

Page 46: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

49

機械安全の概要

4-2) 機械指令と欧州規格

◦ ISO12100:2010 の改定で、 ISO13849-1:2006 が見直しになると考える。

◦ 今後もCEマーキングの問題点が発生する場合、その都度見直しがなされることになる。

◦ これから第4次産業革命などで、新しいコントロールシステム等が開発されることもある。 それらに対する安全システムに対する見直しも必要性になるであろう。

◦ 5~10年間で、新しい安全システムの見直しになると考える。

Page 47: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

50

機械安全の概要

4-3) リスクアセスメント

◦基本的には規格書を理解して、規格書の通りに実施することをお勧めします。これには法的根拠が有ります。

◦それら使用する際は取扱注意を熟読して使用してください。 これらは法的根拠が無いので注意してください。

◦パフォーマンスレベル(PL)を計算するに当たり、認証機関や安全機器メーカが計算方法や表記入などにより、簡易的に割り出す方法を提供しています。

リスクアセスメントの方法が見直しなどで変更になることが有りますが、機械安全に対し基本的には同じです。 運営中で発生する問題点の修正になります。

重 要

Page 48: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

JASMAS

51

機械安全の概要

終わり

ご清聴ありがとうございました

Page 49: 機械安全セミナーシリーズ第1回 機械安全の概要 - Japan | UL...2015/07/07  · 1-2) 第2次世界大戦後、経済圏統合 ローマ条約でEEC(欧州経済共同体:

本日のご参加ありがとうございました

機械安全セミナーシリーズ 第2回: 7月30日(木) 産業機械の電気安全 - IEC 60204-1の概要 第3回: 8月 6日(木) 米国向けフィールドエバリュエーションについて 第4回: 8月27日(木) 機能安全について 第5回: 9月 3日(木) 産業機械のEMCについて 第6回: 9月17日(木) 産業機械の環境規制(RoHS, WEEE)について

*今後のセミナーへのお申し込みもお待ちしております*