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Title スライディングモードによる無停電電源装置(UPS)の 出力電圧制御 Author(s) 上里, 勝實; 千住, 智信; 松原, 淳; 宜保, 直樹 Citation 琉球大学工学部紀要(44): 111-124 Issue Date 1992-09 URL http://hdl.handle.net/20.500.12000/5480 Rights

スライディングモードによる無停電電源装置(UPS)の Issue ...ir.lib.u-ryukyu.ac.jp/bitstream/20.500.12000/5480/1/No44...112上里・千住・松原・宜保:スライディングモードによる無停電電源装歴(UPS〉の出力電圧制御

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  • Title スライディングモードによる無停電電源装置(UPS)の出力電圧制御

    Author(s) 上里, 勝實; 千住, 智信; 松原, 淳; 宜保, 直樹

    Citation 琉球大学工学部紀要(44): 111-124

    Issue Date 1992-09

    URL http://hdl.handle.net/20.500.12000/5480

    Rights

  • 111

    Output Voltage Control of Uninterruptible Power Supplyby Using Sliding Mode Control.

    Katsumi UEZATO· Tomonobu SENJYU*Atsushi MATSUBARA*· Naoki GIBO·*·

    AbstractThe output voltage of UPS is distorted by abrupt load current.

    Conventional control methods to adjust output voltage, PI controller,states feedback control, dead beat control method, so on, are proposedas the control method which controls the inverter switches to generatethe required pulse width modulated (PWM) pattern to produce lowtotal harmonic distortion (THD) sinusoidal output vol tage. The controlmethods, however. must regard robustness of the controller associatedwith LC filter. Because of the system parameter deviation, undesirablevoltage fluctuation arises.

    This paper adopts sliding mode control to control the outputvoltage of UPS. This method is robust with respect to parameterdeviation and nonlinearity of the system. As the most valuable featureof author's proposed method is that the feedback gain is changed withstate variable by adaptation process, hence the system has good voltage

    control quality even if the system is subjected to unexpected loaddisturbance. This useful features and validity are shown in simulations.

    Key Words: UPS, Output Voltage Control, Robust control, SlidingMode Control.

    ilI~, mffHttr~';j:~,i~n:~JitIA*~ -CoS IQ, 4'fi'bJ: ~~ll~:, ~ ~-CJAfllDIHH:~Ji ~-Ct,.,

  • 112上里・千住・松原・宜保:スライディングモードによる無停電電源装歴(UPS〉の出力電圧制御

    切り換わる‘いわゆるVSS理鏑に基づいたスライディ

    ングモード制御法側によるUPSの出力電圧制御法を

    提案する.この制御法は,制御特性が超平面に拘束さ

    れるためⅢパラメータ変動,非線形性,雑音などに対

    してロバストなシステムを実現できる.また本研究で

    は本システムに関するシミュレーションを行いその

    有効性を確認する.

    であるコンピュータ等のI間報,通信機器に与える影響

    は大きい.これらの機器は,電源側の一瞬の停電や,

    電圧低下によって誤動作を起こしたり,停止してしま

    うことがある.上記の問題を解決するため,これらの重

    要な負荷には無停電電源装極(UPS:Uninterruptible

    PowerSupply)が用いられている.

    ところが,上述したような負荷は,従来の電気機器

    と異なり,非線形負荷で代表されるスイッチングレギュ

    レータ方式の電源回路を内蔵しており,UPSシステ

    ムからみるとコンデンサインプット形整流負荷である.

    従って,電源となるUPSに高調波を含んだ歪波電流

    が流れ,出力電圧が歪んでしまうという問題が生じる.

    通常のUPSは,交流入力電源を整流,平滑し,バッ

    テリーをバックアップパワーとして並列に接続し,更

    にインバータで交流電圧をつくるそのため,UPS

    の出力電圧歪を抑制する手段として,従来は,1)直

    流電圧を制御する方式,2)インバータの半導体の導

    通時間を変えて,パルス幅を制御する方式(PWM制

    御),3)交流出力に定電圧制御装歴などを設ける方

    式、,などが用いられているが,ほとんどが2)の方

    式を採用しておりⅢ現在PWM制御としてデットビー

    ト制御方式②等の種盈の制御法が提案されている.

    しかし,これらの方法では機器パラメータの変動で

    出力電圧に誤差を生じ,また急激な負荷変動が生じた

    場合,良好な制御特性が得られないよって本研究で

    は,状態空間内に設定した超平面によって制御樹造が

    2.UPSシステム

    2.1UPSの概要

    UPSはUninterruptiblePowerSupplyの略称

    であり,交流無停電電源システムとして,「変換装醒

    エネルギー蓄積装画(蓄電池等)および必要に応じて

    スイッチを組み合せることにより,交流入力電源の停

    電に際し,負荷電力の連続性を確保することのできる

    交流電源システム」と定義されているIq.また.COか

    stantVoltageConstantFrequencyであることか

    らCVCFとも呼ばれている当初UPSはⅢ回転形が

    主流であり,電動機で電気エネルギーをいったん機械

    エネルギーに変換し,再び発電機で電気エネルギーに

    変換していた.現在では,サイリスタの実用化以降,

    半導体によるインバータ方式の静止形が全面的に用い

    られている.静止形は,回転形のようにエネルギーの

    変換が無いのでⅢ損失が少ないのが鰻大の特徴⑤で

    ある.

    『 ̄●-.-.-● ̄ローロー● ̄● ̄■---●-----.-.---.-.-----.-.-.-.-.-■-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.---■---.-.--U●

    バイパス切換スイッチ電力系統

    O□

    ← ̄● ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄●●● ̄U■ ̄I■● ̄● ̄-- ̄●● ̄--■■----●●●●●●CCC-C●-----●-■●●●●-cc●の00

    荷整流装置 インバータ

    UPS18

    スイッチ!②発電機

    Li4UuPs iUPS……--~---~~~…----…………-----,システム●0

    Q-.--.--.---=-=_=-------二-------=-,.-..-=_=_=_=二一J●

    Fig.1.DiagramofUPSsystem.

  • 琉球大学工学部紀要第44号,1992年 113

    UPSの代表的な榊造を図1に示す.

    図1は商用交流入力を整流装匝で直流に変換し、こ

    れをインバータにより安定な交流電源に変換し負荷へ

    出力する.バックアップパワーとしてバッテリーが整

    流装置に並列に接続されているが,長時間の停電に備

    えてディーゼルエンジン発電機も用いられている.そ

    のため商用電源に瞬時電圧低下,停電が起こっても負

    荷に安定した電力を供給できる.図1のような構造に

    ついては種凌の回路樽成が提案されており,UPSの

    使用目的や設備容量によりその櫛成は決定されている.

    鋼することで低次の高鯛波を除去している.これをP

    WM(PulseWidthModulation)制御と呼んでい

    るインバータで作られる出力電圧波形は,PWM制

    御による波形であっても正弦波ではないのでフィルタ

    が設けられるが,この方法を用いると高調波含有成分

    は低くなりⅢ出力電圧波形を正弦波にするためのフィ

    ルタが小形化できる.

    2.3非線形負荷による影響

    今日のエレクトロニクス機器の内部回路は,ほとん

    ど直流電源で動いているため,機器内部に交流入力を

    直流に変換するための整流回路を有している.この整

    流回路としては主に整流器と並列に平滑コンデンサが

    接続されたコンデンサインプット型整流回路が用いら

    れている.UPSシステムにつながる負荷はコンピュー

    タ等の楠報,通信機器であり,上述の整流回路を有す

    るため非線形負荷となる.図2に単相のコンデンサイ

    ンプット型整流回路を示す.UPSシステムにつなが

    る負荷が非線形負荷であるため,平滑コンデンサCの

    両端電圧よりも入力電圧が低い期間は,負荷電流は流

    れないこのためⅢ負荷電流が正弦波に対して大きく

    歪み,この結果UPS側に高調波電流を流してしまい,

    UPSシステムのフィルタで整形された出力電圧波形

    が歪んでしまう.

    2.2PWMインバータ

    UPSに用いられるインバータは,商用電源の代わ

    りにコンピュータなどの負荷に電力を供給するので,

    出力交流波形は正弦波でなければならないインバー

    タの出力電圧波形は方形波であるので,その基本波分

    のみをフィルタにより取り出し供給する.しかし,方

    形波の電圧波形には3次以上の全ての調波分が含まれ

    ており’低次のものほど含有率も高く,これをフィル

    タで除去するにはフィルタが大きくなり経済的でない

    また。高調波はインバータの諸特性(効率,電圧変動)

    にも影響を与える.よって,ほとんどの場合インバー

    タのスイッチング作用を利用して半サイクル内に複数

    のパルスを発生させ,このパルス波形を正弦波状に変

    Rc

    Fig.2.Single-phasedcapacitorinputtyperectifiercircuit.

  • 114上里・千住・松原・宜保:スライディングモードによる無停電電源装澄(UPS)の出力電圧制御

    図3に本研究で対象にするUPSのシムに適用する.図31

    ステム構成図を示す.

    3.スライディングモードの適用

    本章ではスライディングモード制御をUPSシステ

    LI--- IL

    CPWM

    Inverter杵VIE .

    VOlIL

    Robust

    VoItage

    Controller

    VR

    丼:nonlinearload

    Fig.3.Systemconfiguration.

    G8GCC

    Ed

    Gqc GE

    Fig.4.PWMinverterp

  • 琉球大学工学部紀要第44号,1992年 115

    これは,単相のUPSであり,直流電源E`を図4

    に示すPWMインバータで交流に変換し,LCフィル

    タにより高鯛波成分を除去した電圧を,非線形負間に

    出力するものである.扱う非線形負荷は.図2に示し

    たコンデンサインプット型整流回路である.また]こ

    のシステムはⅢ出力電圧V・と負荷電流Iしを検出し,

    電圧調整器により指令電圧VRと一致するような信号

    をPWMインバータのスイッチング素子に入力し,

    PWMインバータより制御入力V,を出力する.

    図3のシステム方程式を次式で表す.

    (5)式における右辺第3項はパラメータ誤差による外

    乱と考えられる.

    ここで,機器パラメータL,Cと定格値L,Cとの変

    動および誤差は周波数の変化や飽和の影轡によってあ

    る範囲幅に限定されるため,次のようにそれらの範囲

    を限定する.

    C-<C<C-,L…<L<L…

    次にスライディングモード存在条件(sきく0)を

    満たすようなフィードバックゲイン9A,山2を決定す

    る.(5)式の右辺第1項を負にするために,J2を(6)式

    のように定める.

    11.1

    V.=-ててVo-TIL+r5V1 (1)

    出力電圧V・と指令電圧VRとの誤差eを次のよう

    に定義する. (6)J2<-L-C…ス

    (2) ここで第2,3項も負にするためにフィードバック

    ゲイン山,を設定しなければならないが,これについ

    ては,いを

    e=Vo-VR

    次に誤差eを零にするための制御入力を(3)式に示す.

    `F|;$::二11,)とし,I)α,βをそれぞれ固定値とした場合と,Ⅱ)

    α,βをそれぞれ可変値とした場合に分けて考える.

    --Ce ̄●

    V,::=J1e+山26+LCV鳳十LIL+VR (3)

    ただし,妙,,J2はフィードバックゲイン

    LはLの定格値,CはCの定格値

    ここでスライディングモードの導入を行うため!切

    り換え超平面sを次式のように設定する. I)。,pをそれぞれ固定値とした鰯合

    (5)式を負とするため第2項により,Jlは次の条件

    を満足する値に股定する.(4)s=スe+も

    このとき傾きJ1はHurwitzの条件を満たすため次の

    ようになる.

    α<minJ2ス+LCス:+l

    L0C

    ifse>O

    β>maxJ2ス+LC/12+1

    L,C

    ifse<0(8)’96,=ス>0v(s)=s2/2をリヤプノプのテスト関数とするため,その時間微分S§は,(1),(2),(3),(4)式より次式の

    ように喪せる. このとき,(5)式において第1項と第2項との和の

    絶対値が,第3項の取り得る鍍大の絶対値よりも大と

    なるようにあらかじめゲイン(96,,J2,ス)を与える

    ことにより,存在条件を満たすことができる.‐而叩

    一一

    か』鵲

    』山v

    ’+

    か‐一匹刊

    PトⅡ

    十形一匹一m

    2e

    。s 二十十

    s sss

    Ⅱ)o,pをそれぞれ可変値とした喝合

    (5)式の第2項と第3項の和を負とするために.jI

    は次式を満足するようにする.

    (5)

  • 116上里・千住・松原・宜保:スライディングモードによる無停電電源装圃(UPS)の出力電圧制御

    本電圧制御システムのブロック図を図5に示す.こ

    の場合GainControllerにより(9)式を満たすよう

    なJIIをオンラインで計算するため,α,βは可変値

    となる.また,必要に応じてゲインを大きくするため,

    Iの場合(α,βを固定値)に比べて不必要なハイゲ

    インとなることがない.一般にディジタル制御では,

    不必要にハイゲインとすることにより不安定になるこ

    とが知られている.本手法は,システムが必要とする

    ゲインの十分値をオンラインにより時を刻々求めるた

    め,システムが不安定になることを緩和することがで

    きる101.また,ゲインを低減することもできるため,

    チャタリングの影響を小さくすることも可能である.

    以上で存在条件は満たせたので,次に到逮条件を考

    えるが.これは(6)式を満たせばその十分条件は満た

    される.よってパラメータL,Cに対してロバストな

    出力電圧制御システムが設計できる

    llHlI

    〔(LC-LCwRα<min

    LC

    +(L-L)1,〕

    +妙図ス+LCス2+1)

    ifse>0

    い= 1|M1

    〔(LC-LC)VRβ>max

    L,C

    +(L-L)’し〕

    +ムス+LCス2+1)

    ifsc<0

    (9)

    VR vf+ /へVlModel

    ++

    PlantPl妙I 汕包ZI

    '

    e' ee夕夕

    VoV夕

    IL

    d|趾

    tGain

    Controller

    Gain+

    eeController

    Fig.5.Blockdiagramofcontrolsystem.

  • 琉球大学工学部紀要第44号,1992年 117

    4.シミュレーション結果及び考察 ゲインJnは,負荷電流の値に応じて激しく変動し

    ているが,出力電圧はほぼ正弦波となりⅢ良好な制御

    が行われていることがわかる.この軍では,3章で設計したUPS出力電圧制御シ

    ステムのシミュレーション結果を,大きく3つに分け

    て示す.また,扱う負荷は3章でも述べたような図2

    の非線形負荷を想定している.

    4.2ゲインα,pが可変値の埋合

    次に,(9)式,(6)式の山’’962を用いてシミュレー

    ションを行った.J1(α,β)はオンラインで計算す

    る.この計算は図5のシステムブロック図に示したよ

    うに,必要な要素をフィードバックして(9)式により

    行うが,このときゲインの余裕となる値(以下6とす

    る)をそのゲイン計算値へ付加または減じる.α<(9)

    式,β>(9)式であるので,αに対する6を6,,βに

    対する6を62とする.

    また,本節ではさらに以下に示すように.4つのシ

    ミュレーションを行い,出力電圧波形に与えるそれぞ

    れの影響を調べる.

    I)フィードバックゲインJ,のゲイン加減値6を

    変化した場合

    Ⅱ)フィードバックゲイン96mを変化した場合

    Ⅲ)切り換え超平面の傾きスを変化した場合

    Ⅳ)パラメータ誤差を変化した場合

    V)サンプリング周期の影瀞

    サンプリング周期,指令電圧V、,周波数fは4.

    1節で用いたものと同値である

    4.1ゲイン。,pが固定値の鳴合

    ここでは,(8)式で表したい,(6)式のJ2を用いて出

    力電圧Vo,負荷電流Iし,及びインバータ出力電流I

    に関するシミュレーションを行った.図6にその結果

    を示す.負荷は非線形負荷を想定している.

    図6は定格値と機器パラメータ(L,C)に誤差が

    有る場合である.シミュレーションはⅢ出力電圧V・ロ

    負荷電流Iレロインバータ出力電流I,指令値VRにつ

    いて行っており,VRの波形は破線で表し,他の波形

    は実線で表している.シミュレーションにおける条件

    とパラメータ値を表1に示す.

    0000000000

    0000000000

    ●。■●●千●■●●

    0000000000

    211つ」21l「こ

    (『》j|

    (く)乙一

    ご面侭剖シエ』■■はぷ

    r 一~-ノーーー'~、--、_""〆一則r糠

    55555500、0O0

    LL00005孔0孔5

    ←●(C-xシ)どう

    几、乃出■Rn

    illl IllllllllllllllllI)フィードバックゲインムの余裕値6を変化した

    埋合

    6の値を変えてシミュレーションを行った結果を図

    7,図8に示し,変化させる6の値はその都度示す.

    また使用するパラメータとその条件の値を表2に示す

    (パラメータ誤差有り).

    図7の波形を見ると出力電圧波形に歪が生じている

    のがわかる.図8は,歪の無いほぼ指令値に追従した

    出力電圧波形が得られている.この結果より11Aの

    ゲインの余裕値6は,その絶対値がほぼ零に近づくほ

    、、ノ ̄

    3.00'1.0O

    BO間Lい)X10.0

    00 2.00

    Fig.6.Outputwaveformswithaltemativegain

    表1シミュレーションにおける条件とパラメータ値

    Table-1Valueofconditionandparameterforsimulation. 表2シミュレーションにおける条件とパラメータ値

    Table-2Valueofconditionandparameterforsimulation.

    い0.9xlO-D【、、C=3.Oxl0-5[F】

    L富0.75XlO-D【Ⅱ〕、C=2.5xlO-9【F〕

    し、0の富0.6xIO-s【Ⅱ]・CDI”=1.5xlO-s【F]

    1...画回1.0xlO-3【Ⅱ】.C、.こ=4.OxIO-5IFj

    VQ雪イnxlOO×sin(⑩t).①:2×瓦×「

    。T=-1.65×10‐0,1画0.40xIO0

    α■-0.15.β・1.5

    サンプ・リンゲ周期T壜0.1〔ロs】、周波数「=50[Ⅱz)

    L宮0.9xlO‐、【Ⅱ〕.C‐3.Ox10-6【F〕

    L事0.75×10.,【Ⅱ)、C=2.5xIO-5(IF〕

    L,1口ロ0.6xlO‐、【Ⅱ〕.C,I⑤=】、5×10-6[F]

    Lロ.、pLOxlO-3【11〕、C,.■雪4.OxIO-B(F〕

    妙ロコーL65xIO‐4.jl宮0.40xIO8

  • 118上里・千住・松原・宜保:スライディングモードによる無停電電源装極(UPS)の出力電圧制御

    00000000000000000000

    00000000000000005050

    ■ロ■●●■■■■■●■ロの■●ひ●●■

    0000⑪000000505057075

    2--22112’

    一’’

    一’

    一一

    】一

    .『xle

    (く)津『

    (く》■{

    (。『xシ)⑪シ

    ■笹Rヨシ室一砥■毎匁

    八や乃

    田■Rヨ

    いてシミュレーションを行った.その結果を図9,図

    10に示す.使用する妙迩の値はその都度示す.962は(6)

    式に示したようにその値は漠然とした範囲であるが,

    山,の6同様に962の値による出力電圧特性を示す.使

    用するパラメータとその条件の値を表3に示す(パラ

    メータ誤差有り).

    卿M'-,M側蹴Lノ佑炉

    rL-ハーー

    H-H-h'‐ 表3シミュレーションにおける条件とパラメータ値Table-3Valueofconditionandparameter

    forsilnulation.

    L江0.9xIO-D〔Ⅱ]、C画3.OXlO-5〔F]

    L=0.75×】0-3[H〕、C画2.5XlO-6【F〕

    L・I、=0.6XlO-3【H〕、C・I、ご】、5x】0-6〔F)

    L,.■.】・Ixlo-3〔ID、c、.ze4.5×10-5[F〕

    61=-0.7xlO-3、62=0.7x10-q

    l=0.5×104

    0.00】、002.003.004.00吋閃こい)XOO・け

    Fig.7.Influenceofgainmergina(6islarge)(6]=-0.616z=0.8)

    00000000000000

    00000000000000

    ■■●◆●◆●●■●■■●□

    00000000000505

    2-122112’

    一一

    』一

    (く)ョ。。『x一○

    (『)ゴー

    矼口Rヨシ定一皿■律頃

    ハヤ$

    00000000000000000000

    00000000000000005050

    ■。●●■●●●●■の■●●●■■ロ●■

    00000000000505057075

    21122112522S’

    一’

    一一

    ・『

    (ご)・『

    (『》ご旨

    一◆

    《。『×シ)Uシ

    ■■RヨシZ。毬伍はく

    凡で巧

    団廿Rn

    へノー

    一一、一万一

    トーー/H=0000000000

    000000s050

    ■■●□q■●●■●

    0505057075

    1---

    』’

    一一

    H-」L-,,-「。

    『xシ》。シ

    出咳侭ヨ

    0.001.002.003.004.OOBOmE(■)x10.0

    0.001.002.003.004.00吋関上(s)xIO-p

    Fig.8.Innuenceofgainmargin6.(aissmsll)

    (6J=-06×10-4,62=q8x10-5)Fig.9.Influenceofl62.

    (J2islarge)(J2=-2.5xlO-`)

    ど良好な制御が行えることがわかる.また,結果は示

    していないが,スの値を本シミュレーションで用いた

    値より小さな値を用いると,ゲインの余裕債6は本シ

    ミュレーションで用いた絶対値より大きな値が取れⅢ

    安定化のためには6は』が大きいほどより小さい値で

    なければならないことがわかった.

    図9は,ほぼ良好な出力電圧が得られているが,図

    10のように仏図の値が大きくなると,波形に歪が生じ

    ているのがわかるこのとき(6)式のL…C…×スの

    値は,2.475であるので962のゲイン加減値も6同様に

    その絶対値が零に近いと制御が良好に行えることがわ

    かる.これは,J2の値が固定されていることで,I

    でも述べたように,ゲイン加減値が大きいと過度なハ

    イゲインになるものと考えられる.

    Ⅱ)フィードバックゲイン妙2を変化した場合

    ここではフィードバックゲイン9,2に3つの値を用

  • 琉球大学工学部紀要

    士00000000000000000000

    肥C0UUDpO0U0ODC0DU5Dsp

    900,00000000505057075「1

    1う」I122112E)2251

    0{く》一国

    (く)宇吟

    』。

    (。【xシ】⑪シ

    号鱈ロR週二軍一鱈口:

    ハマキ

    出世侭ヨ

    44第

    1992年 119

    U00000

    000000

    ▲●■●●●

    000000

    二とI122

    』二

    (く》⑪『

    ■回宍、シz』

    ’'1MしノョiWMMMAノロMil三一い 、一一、 ̄''十m」L-1L-」し----

    0.001.F ̄弓---- ̄

    0.001.002.003.004.00

    00何K〔■)xIO・■

    1.002.003.004.00

    町固し(8)xIO-2

    Figl21nfluecnceof’1.Qislarge)い=0.6×10,J2=-3.25×10-`)

    Fig.10.InfluenceofJ12.(J2issmall)(ぬ=-3.Ox10ヨ)

    Ⅲ)切り換え超平面の傾きスを変化した鰯合

    ここでは,切り換え超平面の傾きスを3つの値を用

    いてシミュレーションを行ったので,その結果を図11,

    図12,図13に示す.また,ス及びJ1図(スによって最適

    値が変化するため)はその都度示し,使用するパラメー

    タとその条件の値を表4に示す(パラメータ誤差有り),

    図11の出力電圧波形はほぼ指令値VRに追従してお

    り良好な結果が得られているが,図12ではⅢ出力電圧

    波形は大きく脈動した波形となっている.

    00000000000000000000

    00000000000000005050

    ●■●■●●●●●■●●■■●●■■■●

    0000000口000505057075

    211221125225’

    一1

    .一

    一一

    (く》ロー

    (く)マー

    。●

    (。』xシ》U夛

    凹■Rnシz『

    凶□はベ

    ハヤL

    出ばRn

    グー~へ、_ ̄

    Qz20.01J

    :21000ヨー〔B,00>=--10.00

    三一2,00

    雲鱒トノーー 0.001.002.003.004.no町田[い)xIO-DFig、13.Innuenceofノ1.

    口issmall)

    い=qlxlOl,妙2=-2.2x10-l)

    0000000000

    0000005050

    s⑤□■印■●。●■

    0505057075}1

    5225l

    『●

    (C-xシ)】ア

    ハマ玲

    凶■侭剤

    I-W-HI-1L表4シミュレーションにおける条件とパラメータ値

    Table-4Valueofconditionandparameterforsimulation.

    戸一一一一一一一一一一コ

    0,00ル002-003.004.00吋InlU《sIXlO・ロ

    L=0.9xlO-n(Ⅱ].C=3.OxlO-B[F〕

    L=0.75xlO-D(Ⅱ〕、C塗2.5xlO-0〔F】

    L,,、言0.6xlO-D【Ⅱ〕.C・川,宮1.5xlO-6〔F]

    L,.ご曇1.2x】0-,【Ⅱ〕,C,、耳。4.5×10-5〔F〕6,=-0.6xIO-d、65口0.8×】O‐0

    Fig1LInfluecnceofス.qismedium〉

    い=0.4×10ヨ,山2=-2.2×10-`)

  • 120上里・千住・松原・宜保:スライディングモードによる無停電電源装腫(UPS)の出力電圧制御

    00000

    ⑪0000

    白●●cc

    00000

    21-2。一

    (く)の》

    ■■Rnシz一

    図13は,位相がずれた波形となっており,また,出

    力電圧のピーク値が指令値VRよりも高くなっている.

    図12の脈動の原因は,スが大きくなっているために,

    J2が過度なハイゲインとなっていることが考えられ

    る.図13については,スが小さいために指令値と出力

    電圧の誤差eが,切り換え超平面上で零に収束する速

    度が遅くなるので,位相のずれとピーク値に誤差が生

    じているものと考えられる.

    以上のことよりⅢ良好な制御特性を得るためにはⅢ

    スはある範囲内に限定され,本制御システムにおいて

    は,

    0.lx10`<ス<0.6×104

    の範囲に存在し,図11に用いた値(O4x104)が適

    当であると考えられる.

    j鍵トモーー

    (こ)一計

    ■■■丘

    0000000000

    0000005050

    ■●●●●●5●●●

    0505057075

    1-’’

    一-

    .lx』◇

    (Clxシ)uシ

    ハ〒$

    出■Rヨ

    0.001.002.003.004.00,■、(B)x10.0

    Fig.15.Outputwaveformswithparametererror.

    (J2=2.6×10-4,6,=-0.6x10-2,62=q8x10-3

    L=0.75×10-2〔H〕,c=2.5xlO~`〔F〕)

    Ⅳ)パラメータ醸差を変化した埋合

    ここでは,パラメータ変動に対する制御特性を調べ

    るため,図14では,誤差が無い状態での良好な結果を

    示し,図15ではパラメータ誤差を生じた時(LjI

    のゲイン余裕値6,J2は図14での値と同値)の出力

    波形を示す.また,この方法とは逆に図16にパラメー

    タ誤差がある状態での良好な結果を示し,図17ではパ

    ラメータ誤差が無い状態い,山Iのゲイン余裕値6,

    J'2は図16での値と同値)での出力波形を示す.

    使用する定格値,スの値は,上記4つのシミュレー

    ションとも同じで,表5のような値である.

    00000000000000000000

    00000000000000005050

    ●■●け■●0●●●●●■●己●●●■●

    00000000000505057075

    一1-

    -1

    21122112I

    C『x|●

    (c-xシ》』シ

    (『》手『

    (く》。芦

    八守乃

    出演侭靭

    ■け偵石シヱ房“戒ぼく /~汽/-

    00000000000000000000

    00000000000000005050

    ●●■●■◆●の●●4■●●●白守●●■

    00000000000505057075

    -11

    吉1

    21122112I

    P』

    。『

    。『x-C

    (C-x戸)⑪シ

    (く)少》

    (く)一一

    八〉串

    田税代週

    邑域侭曰シ室『己■はぷ

    0.001.002.003-004.00吋■[(■)XOO-D

    Fig・16.OutPutwavefoI・UnswithParametererror.

    (J'2=2.25×10-0,6,=-0.6xlO-`,62=0.8x10-5L=q75xlO-3〔H〕,C=25x1O-5〔F〕)

     ̄ ̄、一一

    図14,図15の結果よりパラメータ誤差が無い状態で

    フィードバックゲインJ2,及びJ1のゲイン加減値6

    を設定すると,パラメータ誤差が生じた場合に出力電

    圧にわずかな脈動が生じているのがわかる.

    これとは逆にパラメータ誤差がある場合に山2,6を

    設定するとⅢパラメータ誤差が無い状態でも良好な出

    力電圧波形が得られることがわかる.本制御システム

    0.001.002.003.004.00町臼[(■)又’0.0

    Fig.14.Outputwaveformswithnoparametererror.

    (J2=2.6×10~`,6,=-0.6×10-2,6,=q8x10-2)

  • 琉球大学工学部紀要第44号,1992年 121

    を設計するためには,あらかじめパラメータ誤差が有

    るものとして妙2,6を設定することが必要である.

    このことよりパラメータ変動に対してロバストな制御

    系が構成できる.

    鑿f:::8,へ

    V)サンプリング周期を変化した塙合の影審

    これまでのシミュレーションは,サンプリング周期

    を0.1〔ms〕で行ない良好な制御特性を得ることがで

    きた.ここでは,サンプリング周期を変えることによっ

    て制御特性にどのような影響を与えるか検討する図

    18では,これまで用いてきたサンプリング周期よりも

    長くし,図19では短くした値を用いている.また,図

    20では,サンプリング周期を短くし,パラメータ誤差

    もこれまでより大きくしている(Lについては27.7%,

    Cについては30%の誤差).

    週つ、、、

    トト

    000000000000000000

    000000000000005050

    缶■■●&■●◆●①⑪●■e●■■⑤

    000000000505057075

    1221121

    -’’

    一’

    一一

    )}一

    (く)。{

    C『x『●

    (。【xシ)》シ

    五シ二一■ロ位尽

    八やL

    出演Rヨ

     ̄、-戸--、-/

    } 鬘i蕊八20.00-

    、/

    0000

    0000

    ●●●●

    0000

    112

    (く》■『

    且ロh■

    :;蕊l----i- ̄---- ̄----0.001.002.00]、004.0020閃L(■)xlODFig、17.Outputwaveformswithno

    parametererror.

    (Jj2=2.25×10-`,61=-0.6xlOヨ,62=0.8×10-`)

    15.00

    s7.50

    ;且oooR--7.50四U>

    -15.00

    表5シミュレーションにおける条件とパラメータ値

    Table-5Valueofconditionandparameterforsimulation.

    0.00[、002.003.004.00

    90回【(o)xL0.0

    Fig.18.1,fluenceoflongersamplingperiod.(sampimgperiodT=0.2〔ms〕!L=0.75xlO-3m〕,C=2.5×10~`〔F〕)L=0.9xlo-DIm、c室3.0×]0-6(F〕

    L言0.75xIO-0(H]、C二2.5×10-5[F]

    L、,、雪0.6xlO-3(Ⅱ〕.C,,n章1.5×10-0[F]

    L,.z=1.lx10-3〔Ⅲ、C、、1-4.5xlO-6【F]

    6I。-0.6xlO-d、6■薑q8xlO-6、ADO、45xlOo

    Ⅲ20.00

    :S10.00ヨー0.00>三一100o

    z-20.00

    20.00

    531::Iは--10.00卓司

    -20.00

    .10.00~5.00

    ハビo・COや己-5.0or

    -10.00

    15.00

    87.50

    W二oooR-‐7.50劃u

    -15.00

    ここではパラメータ誤差がある場合のL,Cの値は

    定格値以下の値を用いている.ここには示していない

    が定格値以上の値を用いてもⅢパラメータ誤差が無い

    ときのような良好な結果が得られているまた,定格

    値を本シミュレーションよりもある程度小さな値を用

    いて,パラメータ変動の範囲や,フィードバックゲイ

    ンの設定を考慮にいれ,シミュレーションを行ったが,

    パラメータ誤差が無いときでも出力電圧波形に歪が生

    じた.これは本制御法を用いた場合でも,LCフィル

    タをある程度の大きさ以下にするとⅢインバータの出

    力電圧に含まれる高調波成分が,フィルタで完全に除

    去できないため良好な出力電圧波形が得られないこと

    を表しているものと考えられる.

    ’/IJIノ̄0

    0.001.002.003.004.0000HDL(■)XlD.u

    Fig.19.Influenceofsamplingperiod.(samplingperiodT=0.05〔ms〕,L=q75x10-3〔H〕,C=2.5×10-0〔F〕)

  • 122上里・千住・松原・宜保:スライディングモードによる無停電電源装圃(UPS)の出力電圧制御

    (く》ざ『

    ■材貝週尹z

    000000000000000000.00

    00000000000000005050

    ■■■●●●●■●●一◆■●●●●■●●

    00000000000505057、75

    一11

    「1

    21122112’

    一一

    4.31サンプルの制御遅れの鰯合

    これまでのシミュレーションは制御入力V[が状態

    変数e,ILの測定と同時に計算できるものとして考え

    てきた.しかし,実際には,計算機内におけるフィー

    ドバック係数の計算や,状態変数にフィードバック係

    数を掛けるときの演算時間がありⅢこの演算時間の遅

    れにより理論通りに制御則が実現できない場合がある

    この場合,サンプリング周期が短ければ,1サンプル

    前の制御入力データを利用することが考えられる②

    【く》ゴー

    魁■泣く

    。『x』◆

    ハャェ

    T-T-

    xシ)■夛

    田■R週

    00000000000000000000

    00000000000000005050

    ▲●●●c。◆●●●●●■■■●』▲●●

    00000000000505057075

    211221I「こ’

    一11

    一’

    一}

    』一

    (く)}】CHx』●

    (。【xシ)Uシ

    《く)]』

    ハヤキ

    出■代ヨ

    且■代惑うz】魅げに匁

    0.001.002.003.004‐00町間Lい)X00.6

    r-戸一一

    lHmJ,lHll-

    Fig.20.Influenceofsamplingperiod.(samplingperiodT=0.05〔ms〕,L=0.65×10-m〔H〕,C=25×10-5〔F〕)

    表6シミュレーションにおける条件とパラメータ値

    Table-6Valueofconditionandparameterforsimulation.

    L=0.9X10-9〔H]、C室3.0X10-B〔F〕

    L=0.75×10-3[Ⅱ〕、C直2.5xlO-s【F〕

    しロ,、B0.6xlO-a(H]、C,1,=1.5xlO-6〔F]

    Lロ.、国1.lx10‐8(H】、C、.z言4.5xIO-G〔F〕

    6,=-0.6xlO-d、62.0.8x10-5

    ib2p-2.25×’0-.,1雲0.45xI0a

    0.DOI、DC2.003.004.00go岡Lい)x10.0

    Fig.21.0utputwaveformswithnocomputatio、time.シミュレーションで使用するサンプリング周期は図

    示してあり,パラメータ,フィードバックゲインの値

    は表6に示す.

    図18より,サンプリング周期を長くするとⅢ良好な

    制御特性は得られないことがわかる.これとは逆に,

    サンプリング周期を短くすると図19のように良好な結

    果が得られⅢまたこのときパラメータ誤差をさらに大

    きくした(図20)にもかかわらず,出力電圧は指令値

    に追従していることがわかる.

    フィードバックゲイン妙]は,図18では変化が少な

    いのに対し,図19,図20では大きく変化している事が

    わかる.図19,図20では同一時間内に!より多く制御

    入力が得られるので指令値への追従性が良くなり,こ

    のような良好な結果が得られたものと考えられる.

    サンプリング周期はフィードバック制御においては

    計算機内での計算量が増えるとⅢその演算時間で与え

    られる.よって,現実には演算時間を速くすることが

    重要となる.

    睾j蕊ト塁燃lハーは‐-20.CO」

    --、_/''---/へ、--、_/--

    0000000000

    0000005050

    ●●●●■■■。■⑤

    0505057075

    -一11.

    -l

    一ローx戸●

    《olxシ》uシ

    匁八で叫

    田廿衙ヨ

    一TN-

    /0.001.002.003.00.1.00

    時閃【(品)x10.F

    Fig.22.0utputwaveformswithnocomputatio、time.

  • 琉球大学工学部紀要第44号,1992年 123

    竃g0PjO

    ピミ’o・(1M弩-0.00

    >・身‐10.0,=

    _-2C、UO

    00000000000000000000

    00000000000000005050

    ①●●●。■■●◆●●●CC■■■●●■

    000000000005,5057075

    21122-121

    1-

    -l

    (く]凸『

    (く》]『

    ○『x|●

    (C-xシ)・ラ

    ビ■代ヨシヱ」

    冨湿な乍

    八T野

    田■侭ヨ

    ’''1'llI

    三蕊'八M''MIMI',、,11,,,  ̄、_ ̄

    妻薫'--1

    1lWMMノー’11-J(Un》on)n〕

    050R》0

    ●P●●●

    5707.5

    1’1

    (ローxシ》ごう

    出ロ代已

    0.001.002.003.004.cc

    10期[(8)xlO.D

    Fig.23.Outputwaveformsusingonesamplingaheaddirectivevalue.

    (nodelayindirectivevalue)

    0. 00 IDO2.003.00 4. 00時関《(DIX10.・

    Fig.25.Outputwaveformsusingonesamplingaheaddirectivevalue.

    (withonesamplmgdelayindirectivevalue)(samplingperiodT=005〔ms〕)

    ■へ2C,02

    代く10.00召一

    >-0.00正一一10.00

    -2000

    20.00

    5三1000種‐0.00

    4〔勇一】0.00

    -20.00

    210.0ロハモ5.00

    ¥。0.00

    冬-5.00-10.00

    】5.00へ

    。7.50

    :二0.00へ-

    辺・‐7.so>

    -15.00

    いれ1サンプル前の制御入力を用いた波形を示す.尚,

    前者は指令値に遅れが無い波形で,後者は指令値に1

    サンプルの遅れがある波形である.また,サンプリン

    グ周期を短くしたときの影響を検討するため,

    サンプリング周波数T=0.05〔ms〕

    とし,指令値VRに遅れがあり,制御入力Vjが1サ

    ンプル遅れたときのシミュレーション結果を図25に示

    す.シミュレーションに用いたパラメータとその条件

    を表7に記す.

    },'1---

    表7シミュレーションにおける条件とパラメータ値

    Table-7Valueofconditionandparameterforsimulation.戸

    COO:、OC2.00].CO小、■閃&(B)xM).,

    Fig.24.Outputwaveformsusingonosamplingaheaddirectivevalue.

    (withonesamplmgdelayindirectivevalue)

    L=0.9×10-ないl]、Cs3.0×10-0(F]

    L‐0.75xIO・ヨ(Ⅱ】.C目2.5xlO-G【I1

    L.,、=0.6xlO-D(Ⅱ〕・CnInp1.5xl0-6[P]

    L,.□雷LOxlO-。(Ⅱ〕.C、、口窒4.OxlO-6【F)

    6,言一q6xlO-△、52口0.8×10-6

    中芒宕-2.2xlO‐4,A。0.4xlOd

    サンプ・リンク゛周期T直0.1〔IRB】

    Vロロ』すxIOOXBin(②L)、⑪:ZxjTXf

    ここでは状態変数e]’しに対して,1サンプル前の

    制御入力Viを利用した場合と,演算遅れがなく理想

    的な場合との比較を行う.また,誤差e(出力電圧と

    指令値の誤差)における指令値が遅れた場合と遅れ

    が無い場合についても検証してみた.

    図21,図22には,演算時間の遅れが無い制御入力の

    場合の波形を示す.尚前者は指令値に遅れが無い波

    形で,後者は指令値に1サンプルの遅れがあるものを

    用いている.図23,図24には演算時間遅れを考慮に

    図21,図22の波形より,演算遅れがなく理想状態の

    場合は,指令値に遅れがあっても,またなくても良好

    な結果が得られている.図23,図24の波形では,演算

    時間遅れを考慮にいれ1サンプル前の制御入力を用い

    ると指令値に遅れがあっても,遅れがなくても出力電

  • 124上里・千住・松原・宜保:スライディングモードによる無停電電源装極(UPS)の出力電圧制御

    圧波形が大きく脈動し,指令値に追従していないこと

    がわかる.出力電圧の不安定化は,電流が零となる時

    間から始まっており興味深い現象である.この結果に

    ついては,フィードバックゲイン9Aがオンラインで

    計算され,時間と共に変化するため1サンプル制御入

    力が遅れると,制御入力V,の安定性が保証されず指

    令値に追従できなくなってしまうためと思われるし

    かし,サンプリング周期Tを短くすると,図25より良

    好な結果が得られているよって,演算遅れを考慮し

    た場合,制御入力を1サンプル遅らせる方法は,サン

    プリング周期をさらに短くすることによって,安定性

    は向上するといえる.

    なハイゲインとならないようにうまく設定することに

    より,制御系の安定化が実現できる

    またⅢ演算時間の遅れによりシステムが不安定にな

    ることが明らかになった.この問題は,サンプリング

    周期を短くすることによって解決できた.

    今後の課題としては,実システムを構成し実験によ

    り本制御法の有効性を確認することである.

    参考文献

    (1)定由「無停電電源装霞(UPS)導入実戦ガイド」

    電気雷院

    (2)Cokhale,Kawamura,Hoft「DeadBeat

    MicroprocessorControlofPWMInverter

    forSinusoidalOutputWaveformSynthesis」

    IEEETRANSACTIONONINDUSTRY

    APPLICATION,VOL,IA-23INo、5,

    SEPTEMBER/OCTOBER1987

    (3)原島’橋本「SlidingModeとその応用I,Ⅱ」

    システムと制御ⅢVOL29,No21pp94~103,N04,

    pp242~250,1985

    (4)地福,天野「UPSの技術動向」電学論D,107巻

    11号,昭62

    (5)無停電電源装腫調査専門委員会編「無停電電源装

    置の動向」電気学会技術報告(Ⅱ部)第372号

    (6)千住,上里「PWMインバータのロバスト電流制

    御法」’電気学会リニアドライブ研究会資料,LD-

    92-23,pp61~70(平4-3)

    (7)美多]原,近藤「基礎ディジタル制御」コロナ社

    5.あとがき

    本論では,非線形負荷による高調波電流によって生

    じるUPSの出力電圧波形歪みの問題を解決し,パラ

    メータ変動や負荷変動に対してロバストな制御システ

    ムを実現するために,ロバスト制御法の1つであるス

    ライディングモード制御法によるPWMインバータ

    の出力電圧制御法を提案した.そしてシミュレーショ

    ンによりその有効性を検証した.

    この結果,非線形負荷を接続し,機器パラメータが

    ある範囲幅で変動しても1本制御法を用いることで,

    UPSの出力電圧が指令値に追従し,良好な制御が行

    えることが確認できた.良好な制御を行うために今回

    はⅢフィードバックゲイン,切り換え超平面の傾きス

    の適当な値をシミュレーションによりⅢ試行錯誤で決

    定した.これらの値は,フィードバックゲインが過度