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水中におけるヘルムホルツ共鳴を利用した体積計測法
研究責任者 ： 近藤直 （京都大学 農学研究科 教授） コーディネータ： 吉川信久 （京都大学 産官学連携本部 研究員）
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消費者 の声
海産物情報センター （漁協，管理法人等）
データベース ネットワーク
精密
どのように育てたら どのくらいの収入が得られたか？ （最小の投資で最大の収入）
・品質評価
魚の成育状況の把握が不可欠
給餌・成育情報 環境情報 作業履歴
研究背景
研究背景
養殖魚の成育把握のための体積測定法の開発 • 水揚げ時期の予測 • 給餌量の最適化→環境負荷の低減 • 養殖技術の向上 • 生簀内の魚のサイズの均一化による養殖の効率化
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ヘルムホルツ共鳴を用いた体積測定法 ヘルムホルツ共鳴とはネック部と空洞部からなる容器に息を吹き込むと聞こえる音響共鳴現象のこと。 容器内の物体の体積が変われば音色も変わる。 つまり、音色から体積を予測できる。
本体積計測法のメリット • 測定時間が短い (1~ 3 秒) • 非接触測定が可能
• 形状による影響が少ない • 測定精度が高い
水中での体積測定に応用できないか？ • 水中ヘルムホルツ共鳴器の試作 • 明確な共鳴現象の発生に成功 • サンプル体積と共鳴音に明確な相関があることを確認 • 非接触測定のための開放系共鳴器での共鳴の発生に成功
研究背景
研究開発成果
魚体積と音の高さの関係 （開放系）
気泡体積と音の高さの関係 （閉鎖系）
ガラス玉体積と音の高さの関係 （閉鎖系）
閉鎖系共鳴器 開放系共鳴器
開放系共鳴器
ガラス玉および気泡の体積予測
研究開発成果
新技術の特徴、従来技術・競合技術との比較
• 水中での体積測定は他に類を見ない
• 超音波を用いた海中の魚の体長を測定する技術はすでに開発されているが鰾を持つ魚のみ測定が可能
• 本技術は水と堅さ（弾性率）の異なる物体であれば金属から気泡まであらゆる物の体積測定が可能
• 水中を漂う微小な気泡の体積の測定も可能
• 開放系共鳴器を用いれば生簀内の魚の振り分けも非接触で行うことができる
想定される用途
• 魚養殖における成長具合の把握および振り分け。
• 空気中の測定と組み合わせることで貝類などの可食部のみの体積を殻を開けることなく測定できる可能性が示唆された。
• 気泡が含まれると不都合な液体に対して気泡検出センサーとして利用可能。
実用化に向けた課題
• 測定は共鳴器内の気泡の影響を受けやすく、気泡の除去法またはその影響をキャンセルできる計測方法を考案する必要がある。
• 金属などの水より堅い物体の測定は空気などの計測に比べて精度が悪い。理論からのシミュレーションと比較し、精度の向上を目指す。
• 魚養殖への適応には魚を共鳴器内に誘導する手法の考案が不可欠。
• 開放系共鳴器の横穴は現段階では魚が通るには小さく、大きな口径でも共鳴を発生させることができるか確認する必要がある
本技術に関する知的財産権
• 発明の名称 ：体積計測用ヘルムホルツ共鳴容 器，体積計測装置及び体積計測 方法 • 出願番号 ：特願2011-280906 • 出願人 ：京都大学，岐阜大学 • 発明者 ：近藤直，小川雄一，西津貴久
想定される技術移転
・本発明は、いけす養殖魚の個体測定に応用できる可能性がある。本発明が鯛やぶり等の養殖に用いられた場合には市場が大きいと思われる。 ・漁具メーカとライセンス契約を締結交渉中で、本発明を基にした製品化を目指している。
