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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第 2 部 CTD の概要(サマリー) 2.6 非臨床試験の概要及び概括表 2.6.4 薬物動態試験の概要文

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

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Page 1: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤)

第 2 部 CTD の概要(サマリー)

2.6 非臨床試験の概要及び概括表

2.6.4 薬物動態試験の概要文

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

略号一覧 5-ALA 5-aminolevulinic acid

5-ALA HCl 5-aminolevulinic acid hydrochloride

5-ALA 塩酸塩

5-ALAP 5-aminolevulinic acid phosphate

5-ALA リン酸塩

AUC0-24h 投与後 0~24時間の血漿(血液)中濃度-時間曲線下面積

AUC0-∞ 投与後 0~無限大時間の血漿(血液)中濃度-時間曲線下面積

Cmax 最高血漿及び血中濃度 14C-5-ALA HCl 14C 標識 5-ALA 塩酸塩

CL 血漿クリアランス 14C-CO2

14C 標識二酸化炭素

CO2 二酸化炭素

CSF 脳脊髄液

dpm degradation per minute

分当たりの崩壊数

Em 蛍光波長

Ex 励起波長

F又は Fa 生物学的利用率

h 時間

HE 染色 Hematoxylin eosin 染色

ヘマトキシリン エオジン染色

HPLC 高速液体クロマトグラフィー

HPTLC High-performance thin-layer chromatography

高性能薄層クロマトグラフィー

LOQ 定量下限

MRT 平均滞留時間

n 例数

PPIX Protoporphyrin-IX

(7,12-Diethenyl-1,8,13,17-tetramethyl-21H,23H-porphyrin-2,18-dipropanoic

acid)

r 相関係数

SD 標準偏差

SE 標準誤差

T1/2 消失半減期

Tmax 最高血漿中薬物濃度到達時間

Vd又は Vz 分布容積

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

目次

2.6.4 薬物動態試験の概要文 .................................................................................................. 1 2.6.4.1 まとめ ................................................................1 2.6.4.2 試験方法及び試験材料 .................................................10

2.6.4.2.1 試験材料......................................................................................................... 10 2.6.4.2.2 分析方法......................................................................................................... 10

2.6.4.3 吸収 .................................................................11 2.6.4.3.1 単回投与..........................................................................................................11 2.6.4.3.2 反復投与 ...................................................................................................... 13 2.6.4.3.3 In vitro におけるラット大脳皮質への 5-ALA の取り込み........................... 17 2.6.4.3.4 In vitro マウス乳腺腺癌細胞への移行 ........................................................ 17

2.6.4.4 分布 .................................................................18 2.6.4.4.1 ラットにおける単回経口投与又は静脈内投与後の組織内分布 .................... 18 2.6.4.4.2 イヌにおける単回静脈内投与後の組織内分布 .............................................. 21 2.6.4.4.3 ヒト結腸管状乳頭腺癌を移植した担癌モデルマウスにおける組織内分布 .. 22 2.6.4.4.4 マウス乳腺腺癌 M2 を移植した担癌モデルマウスにおける組織内分布........ 24 2.6.4.4.5 乳腺腺癌細胞を移植した担癌モデルラットにおける組織内分布................. 25 2.6.4.4.6 グリオーマ細胞を移植した脳腫瘍モデルラットにおける組織内分布.......... 27 2.6.4.4.7 C6 グリオーマ細胞を移植した担癌モデルラットにおける脳内 PPIX 分布 ... 28 2.6.4.4.8 正常ウサギ又は VX2 腫瘍を移植した担癌モデルウサギにおける組織内分布29 2.6.4.4.9 胎盤通過性 ..................................................................................................... 30 2.6.4.4.10 乳汁移行性 ................................................................................................... 30 2.6.4.4.11 たん白結合 ................................................................................................... 30

2.6.4.5 代謝 .................................................................31 2.6.4.5.1 In vivo 代謝 ................................................................................................. 31 2.6.4.5.2 In vitro 代謝 ................................................................................................ 31 2.6.4.5.3 細胞におけるヘモグロビン生合成 ................................................................ 32

2.6.4.6 排泄 .................................................................33 2.6.4.6.1 単回投与......................................................................................................... 33 2.6.4.6.2 反復投与......................................................................................................... 34

2.6.4.7 薬物動態学的薬物相互作用 .............................................34 2.6.4.8 考察 .................................................................35

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

1

2.6.4 薬物動態試験の概要文

5-ALAは、動物及びヒトの体内において、ミトコンドリア膜に局在するALA合成酵素により、

glycine及びsuccinyl-Co Aから生成され、ヘモグロビンやチトクロムの組成であるポルフィ

リンの重要な前駆体である。外部から供給された5-ALAの薬物動態を、正常又は各種担癌モデ

ル動物(マウス、ラット、ウサギ又はイヌ)において検討したメダック社申請資料及び正常ラ

ットにおける血中動態について検討した 資料をもとに評価した。

薬物動態試験成績については、メダック株式会社より提供を受けた欧州における申請資料、

において実施した薬物動態試験と、文献検索により収集した論文の中か

ら試験方法、使用された実験動物種などを考慮し選定したものをCTD様式に編集した。

2.6.4.1 まとめ

(1) 吸収

① 雌雄ラットに 5-ALA 塩酸塩(5-ALA HCl)30 mg/kg 及び 300 mg/kg を経口投与したとき

の血漿中 5-ALA 濃度を測定した。30 mg/kg 及び 300 mg/kg のいずれの投与量においても、

投与後 20 分(最初の測定時間)に最高血漿中 5-ALA 濃度(Cmax)を示し、その濃度は、そ

れぞれ、雄ラットでは 7.1 μg/mL 及び 69.8 μg/mL、雌ラットでは 13.7 μg/mL 及び 68.6

μg/mL であった。血漿中 5-ALA 濃度は、投与後 24 時間には、いずれの投与量においても

定量下限以下まで減少し、30 mg/kg 及び 300 mg/kg 投与時の血漿中 5-ALA の消失半減期

(T1/2)は、それぞれ、雄ラットでは 70.8 及び 108.5 分、雌ラットでは 63.3 分及び 143.4

分であった。5-ALA HCl の経口吸収は速やかで、30~300 mg/kg の投与量範囲では、血漿

中 5-ALA 濃度は、ほぼ投与量比で増加し、雌雄ラットにおける 5-ALA の薬物動態は類似す

るものと推察された。また、雌雄ラットに 5-ALA リン酸塩(5-ALAP)15~250 mg/kg(5-ALA

換算:8.6~142.3 mg/kg、5-ALA HCl 換算:11.0~182.9 mg/kg に相当)を単回経口投与

したとき、いずれの投与量においても投与後 0.5 時間(最初の測定時間)が最高濃度であ

り、5-ALA の経口吸収は速やかであると推察された。血漿中 5-ALA 濃度は、投与後 24 時間

では内因性の 5-ALA とほぼ同レベルまで低下した。Cmax及び AUC0-24hは、投与量の増加とと

もに、ほぼ投与量比で増加した。これらの結果は、5-ALA HCl と 5-ALAP の薬物動態に差異

がないことを示唆した。

② イヌに5-ALA HCl 20 mg/kgを静脈内投与及び経口投与したときの血漿中5-ALA濃度及び

主要代謝物であるPPIX濃度を測定した。静脈内投与後の血漿中5-ALA濃度は、投与後0.058

時間にCmax(平均)40.9 μg/mLを示し、T1/2、AUC0-∞、血漿クリアランス(CL)及び分布容

積(Vd)は、それぞれ0.652 時間、25.9 μg・h/mL、0.799 L/kg・h及び0.751 L/kgであっ

た。経口投与後の血漿中5-ALA濃度は、投与後0.625時間(Tmax)にCmax(平均)14.72 μg/mL

を示し、T1/2、AUC0-∞、CL及びVdは、それぞれ0.623時間、22.3 μg・h/mL、0.940 L/kg・h

及び0.826 L/kgであった。5-ALA HCl経口投与後の生物学的利用率は平均86%であり、5-ALA

の経口吸収は速やかで、良好であることが示された。

血漿中PPIX濃度は、多くの測定試料において定量限界の0.005 μg/mL以下であり、測定

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

2

された最高濃度は、静脈内投与で0.035 μg/L、経口投与で0.033 μg/mLであった。

③ ラットに5-ALA HCl 30及び300 mg/kgを14日間反復経口投与したときの血漿中5-ALA濃度

は、いずれの投与量においても、単回投与時と同様に、投与後20分(最初の測定時間)が

最高濃度であった。その後の消失は、単回投与時と同様に速やかで[T1/2:1.06~2.39時間

(単回投与)及び0.72~1.47時間(反復投与)]、投与後24時間には、定量下限以下まで

減少した。また、ラットに5-ALAP 60及び250 mg/kgを28日間反復経口投与したときの血漿

中5-ALA濃度も、単回投与した時と同様に、いずれの投与量においても最初の測定時点で

ある投与後0.5時間がCmaxであり、また、Cmax及びAUC0-24hは単回投与時の値と大きな差異はな

かった。さらに、ラットに5-ALA HCl 125及び500 mg/kgを14日間反復静脈内投与したとき

の血漿中5-ALA濃度は、単回投与時と同様に、投与後速やかに減少した[T1/2:0.59~0.76

時間(単回)及び0.63~0.68時間(反復)]。

これらのことから、検討した投与経路、投与量及び投与回数では、5-ALAの薬物動態は、

5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

また、雌雄ラットに 5-ALA HCl 125 又は 500 mg/kg を 1 日 1 回 14 日間反復静脈内投与

したときの血漿中 PPIX濃度は、125 mg/kg では 投与後 2時間に、500 mg/kg では投与後 2

~8 時間にそれぞれ最高濃度平均 100.8 μg/L 及び 145.8 μg/L を示し、その後消失半減

期 1.84~3.18 時間で減少した。血漿中 PPIX 濃度には、単回及び反復投与間で、また雌雄

間でも大きな差異はなく、主要代謝物である PPIXの蓄積性は低いものと推察された。

④ 雌雄のイヌに 5-ALA HCl 1、3 及び 10 mg/kg を 28 日間反復経口投与(1日 1回)したと

きの血漿中 5-ALA 濃度の Cmax及び AUC0-24hは、ほぼ投与量比で増加し、雌雄イヌ間において

近似した。また、Tmax は、大部分のイヌで 0.5 時間であった。これらのことから、イヌに

おいても 5-ALA の薬物動態は、反復投与によって大きく変動しないものと推察された。

⑤ 5-ALA HCl(0.8~4.0 mM)をラット大脳皮質パーティクルとインキュベートしたとき、

脳細胞中に高濃度(21.04±1.05 nmol/mg たんぱく質)で取り込まれることが示された。

⑥ 14C-5-ALA HCl(0.1 mM又は0.6 mM)をマウス乳腺腺癌細胞(LM3細胞系)とインキュベ

ートしたとき、5-ALAの細胞への取り込み速度は、0.6 mM 5-ALA HCl(2.26 pmol 105細胞

-1・分)の方が、0.1 mM 5-ALA HCl(0.35 pmol 105細胞-1・分)よりも速かった。0.1 mM 5-ALA

では、60分間インキュベーション後に、取り込まれた5-ALAの15%以下が、また、0.6 mM

5-ALAでは40%が、それぞれポルフィリンに変換された。

(2) 分布

1) 正常動物における分布

① 雄ラットに5-ALA 200 mg/kgを経口投与又は静脈内投与し、5-ALA及びポルフィリンの組

織内分布について検討した。最高5-ALA濃度は、胃(p=0.004)、十二指腸吸引物(p=0.007)、

空腸(p<0.001)及び腎臓(p=0.02)においては有意に、また、肝臓及び血漿においては傾

向的に、静脈内投与よりも経口投与で高値であった。食道、結腸、脾臓、膀胱、心臓、肺、

筋肉、脂肪、脳及び神経中の5-ALA濃度は両投与経路で同程度であった。組織中の5-ALA濃

度は、静脈内投与後3~6時間では検出下限以下まで急速に減少し、経口投与ではやや遅れ

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

3

た。脳中5-ALA濃度は、投与後、わずかに上昇した。血漿中5-ALA濃度は、投与後1時間で、

既に、静脈内投与よりも経口投与で高値を示した(p<0.001)。両投与経路における血漿中

5-ALA濃度は、半減期約50分で急激に減少した。5-ALAを経口投与及び静脈内投与したとき

の、すべての組織におけるポルフィリンの最高濃度は、両投与で類似した(p>0.05)。組織

中総ポルフィリン量は、十二指腸吸引物で最も高く(100 nmol/g組織以上)、次いで空腸、

肝臓及び腎臓(10 nmol/g組織以上)、結腸、胃、心臓、肺、食道、脾臓、膀胱、神経(2

~10 nmol/g組織)、血漿、筋肉、脂肪、皮膚及び脳(2 nmol/g組織以下)の順であった。

腎臓を除いたすべての組織におけるポルフィリン濃度は、5-ALA投与後急速に上昇し、最高

濃度は、経口投与では、投与後2~4時間、静脈内投与では、1~3時間に到達した。5-ALA

投与後12時間で、腎臓を除いたすべての組織及び血漿中ポルフィリン濃度は、バックグラ

ンドレベルに低下した。腎臓中ポルフィリン濃度は、投与後24時間においても上昇した。

血漿中ポルフィリン濃度は、静脈内投与では2時間及び経口投与では3時間後に、それぞれ

最高値を示した。

② 雄イヌに5-ALA HCl 100 mg/kgを単回静脈内投与し、組織、血漿及び尿中ポルフィリン濃

度及びポルフィリン化合物を測定した。血漿中ポルフィリン濃度は、投与後1時間まで急速

に増加し、その後、徐々に減少したが、投与後8時間においても、まだ、高濃度のポルフィ

リンが検出された。最高血漿中ポルフィリン濃度は、バックグランドレベルの約50倍(60

~70 μg/dL血漿)を示した。投与後2時間の血漿中ポルフィリン化合物は、coproporphyrin

及びPPIXであった。

組織中ポルフィリン濃度は、投与後6~10時間までゆっくりと増加し、肝臓で最も高値を示

した。肝臓中ポルフィリン化合物は、主としてPPIXであった。皮膚へのポルフィリンの分

布はわずかであった。肝臓、膵臓、前立腺、膀胱及び筋肉中ポルフィリン濃度は、投与後1

~4時間にかけて有意に増加した(p=0.02~0.04)。

2) 担癌モデル動物における分布

① 種々の担癌モデル動物において、5-ALA投与後、ポルフィリン又はPPIXは、腫瘍組織に分

布及び集積することが示された。紫外線下、腫瘍組織中ポルフィリン又はPPIXの蛍光強度

は、周辺正常組織に比べて高く、正常組織との間で明瞭なコントラストが観察された。ま

た、in vitroでC6グリオーマ細胞を5-ALAとインキュベートしたとき、C6グリオーマ細胞中

にPPIXが集積した。

② ヒト結腸の管状乳頭腺癌(grade Ⅱ、UICC Staging Ⅱa)を側腹部に移植した担癌モデ

ルマウスに、5-ALA HCl 50 mg/kgを静脈内投与し、臓器中ポルフィリン濃度を、蛍光スペ

クトルの強度により測定した。すべての組織にポルフィリンの蛍光が認められ、最も強い

蛍光は、投与後6時間の腫瘍において認められた。

③ マウス乳腺腺癌M2を皮下に移植した担癌モデルマウスに、5-ALA HCL 2.5~10 mgを腹腔

内投与し、組織中ポルフィリン濃度を蛍光分光計で測定した。腹腔内投与後3時間では、腫

瘍組織中ポルフィリン濃度は、7.5 mg以上の投与において5.23±0.62 μg/g 組織のほぼ一

定値を示した。5 mg腹腔内投与後の組織内ポルフィリン濃度は、腫瘍、腫瘍をおおう皮膚

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

4

及び脳では、投与後3~5時間に、また、正常皮膚、肝臓及び腎臓では、投与後3時間に最高

値を示した。

④ 乳腺腺癌(R3230AC)を腹部に移植した担癌モデルラットに、5-ALA 又は14C-5-ALA 40~

600 mg/kg又は300 mg/kgを静脈内投与し、組織内ポルフィリン濃度及び組織内放射能濃度

を測定した。投与後3時間における腫瘍中ポルフィリン濃度は、300 mg/kgの投与量まで用

量依存的に増加した。5-ALA投与後3時間では、腫瘍中ポルフィリン濃度が最も高値を示し、

腫瘍へのポルフィリンの集積が示唆された。次いで腸管、肝臓、動脈、食道の順で高かっ

たが、皮膚、筋肉及び血清中のポルフィリン濃度は腫瘍中濃度の10%以下であった。腫瘍

中のポルフィリンは、主にPPIXであった。肝臓では、検出されたポルフィリンの18%がPPIX

であり、また筋肉では、PPIXは検出されなかった。

14C-5-ALA 300 mg/kgを静脈内投与したときの組織内放射能分布は、組織中ポルフィリンと

は異なる分布傾向を示し、投与後3時間の放射能濃度は、肝臓で、腫瘍中放射能より数倍高

い値を示した。

⑤ C6グリオーマ細胞を右前頭葉に移植後14日目のラットに、14C-5-ALA 120 mg/kgを静脈内

投与し、放射能の脳内分布について検討した。放射能は、投与後5分の腫瘍中にすでに認め

られ、投与後15分で、高い腫瘍対脳比を示し、投与後60分で最も高かった(5:1)。

⑥ C6グリオーマ細胞を5-ALAに暴露したときのポルフィリンの生成についてin vitro及び

in vivoで検討した。C6グリオーマ細胞を5-ALAとインキュベートしたとき、C6グリオーマ

細胞中にPPIXが集積した。C6グリオーマ細胞中PPIXは、インキュベート開始後85分までは

直線的に増加した(r=0.999)。また、C6グリオーマ細胞を脳に移植後9日のラットに、5-ALA

100 mg/kgを静脈内投与したとき、腫瘍中に、PPIXの顕著な蛍光が観察された。蛍光強度の

腫瘍対正常脳比は高く、紫外線下に、腫瘍組織を視覚認識できる明確なコントラストが得

られた。

⑦ VX2腫瘍を脳に移植した担癌モデルウサギ及び正常ウサギに、5-ALA HCl 100 mg/kgを静

脈内投与し、腫瘍及び脳におけるPPIXの生成及び分布について共焦点レーザー走査蛍光顕

微鏡を用いて検討した。5-ALAは、血液―脳関門を通過し、視床下部を除く脳部位において

PPIXに代謝された。また、PPIXは、腫瘍組織に正常脳組織に比べてより多く集積した。

3) 5-ALAは、動物において胎児毒性が報告されており、5-ALAの胎児への移行は明らかであ

った。

4) 5-ALAは中性アミノ酸類縁化合物であり、乳汁移行性はアミノ酸のそれに準ずると考えら

れた。

5) ヒト血漿と5-ALAの結合を限外ろ過法で検討したときの、5-ALAの平均たん白結合率は、

5-ALA濃度500~5000 μg/Lの範囲において12%であった。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

5

(3) 代謝

① イヌに、5-ALA HCl 100 mg/kgを静脈内投与し、血漿、肝臓及び尿中代謝物をHPLCによっ

て検討した。血漿中には、coproporphyrin Ⅲ及びPPIXが、肝臓中には、主にPPIXがそれぞ

れ同定された。また、尿中にはcoproporphyrin Ⅲが最も多いポルフィリンとして認められ

た。

② ラットに、5-ALA HCl 30及び300 mg/kgを経口投与で、125及び500 mg/kgを静脈内投与で、

単回及び14日間反復投与したとき、血漿中にPPIXが検出された。

③ ラットに、5-ALAP 15、60及び250 mg/kgを91日間反復経口投与したとき、血漿中に

uroporphyrin I、uroporphyrin Ⅲ、pentacarboxylporphyrin、heptacarboxylporphyrin、

coproporphyrin I及びcoproporphyrin Ⅲが検出され、これらはほぼ投与量の増加とともに

増大し、投与終了後0.5~4時間にCmaxを示した。

④ 14C-5-ALA HCl及び5-ALA HClをマウス乳腺腺癌細胞とインキュベートし、生成した代謝

物(ポルフィリン化合物)を測定した。0.1~0.6 mMの5-ALAを用いたとき、5-ALAの15~40%

がポルフィリン化合物に代謝された。

⑤ 14C-5-ALA HCl(0.5 μCi/mL)をラット肝ミトコンドリアとインキュベートしたとき、

約0.2%が14C-CO2に代謝され、Krebs cycleによる5-ALAの脱炭酸代謝は、マイナー代謝経路

と考えられた。

⑥ S-字結腸の腺癌細胞(WiDr株細胞)を2 mMの5-ALAとインキュベートしたとき、細胞内に

集積したポルフィリン化合物の91%がPPIXであった。また、細胞中にcoproporphyrin

(3.8%)、hexacarboxylporphyrin (0.2%)、heptacarboxylporphyrin (3.7%)、及び

uroporphyrin (1.5%)が検出された。

⑦ 内因性の 5-ALA は、細胞質又はミトコンドリアにおいて、ALA 脱水酵素、porphobilinogen

脱アミノ酵素、uroporphyrinogen Ⅲ合成酵素、uroporphyrinogen 脱カルボキシ酵素、

coproporphyrinogen酸化酵素及びprotoporphyrinogen酸化酵素が関与してPPIXに変換さ

れる。生成した PPIX はフェロケラターゼによって二価鉄が挿入されてヘムに変換される。

投与した 5-ALA も、これらのポルフィリンを経由してヘム合成に関わるものと推察される。

(4) 排泄

① ラットに、5-ALA 200 mg/kgを経口又は静脈内単回投与したとき、両投与群において、投

与後1時間の尿中に、5-ALAが検出された。なお、5-ALA非投与のラット尿中5-ALA及び総ポ

ルフィリン濃度を、投与群と同様に測定し、バックグランド値とした。尿中最高5-ALA濃度

は、投与後2時間に認められ、投与後4時間の尿中には少量の5-ALAのみが検出された。バッ

クグランド値以上の総ポルフィリン濃度が、投与後4時間の尿で認められた。投与後24時間

には、尿中ポルフィリン濃度は、バックグランド値を示した。また、ラットに、5-ALA HCl

30、100及び300 mg/kgを13日間経口投与し、最終投与後の尿中5-ALA濃度を測定した。5-ALA

の尿中濃度は、投与量に依存して増加した。100 mg/kg及び300 mg/kg投与群の5-ALA濃度は、

バックグランド値に比べて著しく高値であった。

② イヌに、5-ALA HCl 100 mg/kgを単回静脈内投与し、尿中5-ALA、総ポルフィリン及びポ

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

6

ルフィリン化合物濃度を測定した。尿中への5-ALAの排泄は、投与後速やかに増加し、投与

後2~4時間で最も高かった。尿中porphobilinogenはゆっくりと増加し、投与後4~8時間で

最高値に達した。尿中総ポルフィリンは、投与後に増加し、投与後4~8時間で最高値に達

した。尿中の主要ポルフィリン化合物はcoproporphyrinⅢであった。ただし、相対的には、

尿中heptacarboxylporphyrin、hexacarboxylporphyrin及びpentacarboxylporphyrinの増加

が認められた。

(5) 薬物動態学的薬物相互作用

5-ALAのヒト血漿たん白質との平均結合率は、5-ALA濃度500~5000 μg/Lの範囲において

12%と低値であり、たん白結合を介した5-ALAと他薬物との薬物相互作用はないと推察された。

5-ALAは細胞質及びミトコンドリアにおけるヘム生合成酵素によりポルフィリン及びヘムに

代謝されると考えられ、また5-ALAの代謝へのP450の関与は報告されていないため、薬物代謝

酵素を介した他薬物との薬物相互作用はないと推察された。

試験成績一覧表

試験 試験目的 動物種

被験物質 試験結果

CTD の記載

箇所

単回投与 ラット

イヌ

5-ALA HCl

5-ALAP

雌雄ラットに 5-ALA HCl 30 mg/kg 及び 300 mg/kg を経口投与

したとき、いずれの投与量においても血漿中 5-ALA 濃度は、

投与後 20 分 (最初の測定時間) に Cmaxを示し、それぞれ、雄

ラットでは 7.1 μg/mL 及び 69.8 μg/mL、雌ラットでは 13.7

μg/mL 及び 68.8 μg/mL であった。投与後 24 時間には、い

ずれの投与量においても定量下限以下まで減少した。T1/2は、

それぞれ、雄ラットでは 70.8 及び 108.5 分、雌ラットでは

63.3 及び 143.3 分であった。5-ALA HCl の経口吸収は速やか

で、血漿中 5-ALA 濃度は、30~300 mg/kg の投与量範囲では、

ほぼ投与量比で増加した。

雌雄ラットに 5-ALAP 15~250 mg/kg を経口投与したとき、い

ずれの投与量においても血漿中 5-ALA 濃度は、投与後 0.5 時

間 (最初の測定時間) に Cmaxを示し、投与後 24 時間では内因

性の 5-ALA とほぼ同レベルまで低下した。Cmax及び AUC0-24hは、

投与量の増加と供に、ほぼ投与量比で増加した。

雌雄イヌに 5-ALA HCl 20 mg/kg を静脈内投与及び経口投与

したときの血漿中 5-ALA濃度及び PPIX 濃度を測定した。静脈

内投与後の血漿中 5-ALA濃度は、投与後 0.058時間に Cmax(平

均)40.9 μg/mLを示し、T1/2、AUC0-∞、CL 及び Vdは、それぞ

れ 0.652 時間、25.9 μg・h/mL、0.799 L/kg・h 及び 0.751 L/kg

であった。

経口投与後の血漿中 5-ALA 濃度は、投与後 0.625 時間 (Tmax)

に Cmax 14.72 μg/mL を示し、AUC0-∞、T1/2、CL 及び Vdは、そ

れぞれ 22.3 μg・h/mL、0.623 時間、0.940 L/kg・h 及び 0.826

L/kg であった。5-ALAの生物学的利用率は平均 86%であった。

血漿中 PPIX 濃度は、多くの測定試料において定量下限の

0.005 μg/mL以下であり、測定された最高濃度は、静脈内投

与で 0.035 μg/mL、経口投与で 0.033 μg/mLであった。

4.2.2.2-1

4.2.2.2-2

4.2.2.2-5

吸収

反復投与 ラット

5-ALA HCl

5-ALAP

雌雄ラットに 5-ALA HCl 30 及び 300 mg/kg を 14 日間反復経

口投与したときの血漿中 5-ALA 濃度は、いずれの投与量にお

いても、単回投与した時と同様に、投与後 20 分が最高濃度で

あり、その後の消失は、単回投与と同様に速やかであり、投

4.2.2.2-1

Page 10: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

7

与後 24 時間には、定量下限以下まで減少した[T1/2:1.06~

2.39 時間 (単回) 及び 0.72~1.47時間 (反復)]。

雄ラットに 5-ALA HCl 125 及び 500 mg/kg を 14日間反復静脈

内投与したときの血漿中 5-ALA 濃度は、単回投与時と同様に、

投与後速やかに減少した[T1/2:0.59~0.76 時間 (単回投与)

及び 0.63~0.68時間 (反復投与)]。

雌雄ラットに 5-ALAP 60 及び 250 mg/kg を 28 日間反復経口

投与したときの血漿中 5-ALA 濃度は、単回投与した時と同様

に、いずれの投与量においても投与後 0.5 時間が最高濃度で

あり、また、Cmax及び AUC0-24hは単回投与時の値とほぼ同等で

あった。

雌雄ラットに 5-ALA HCl を 125 又は 500 mg/kg を 1 日 1 回 14

日間反復静脈内投与したとときの血漿中 PPIX 濃度は、125

mg/kg では 投与後 2時間に、500 mg/kg では投与後 2~8 時間

にそれぞれ最高濃度平均 100.8 μg/L 及び 145.8 μg/L を示

し、その後消失半減期 1.84~3.18 時間で減少した。血漿中

PPIX 濃度には、単回及び反復投与間で、また雌雄間でも大き

な差異はなかった。

雌雄のイヌに 5-ALA HCl 1、3 及び 10 mg/kg を 28 日間反復

経口投与(1日 1回)したときの血漿中 5-ALA濃度の Cmax及び

AUC0-24hは、ほぼ投与量比で増加し、雌雄イヌ間において近似

した。また、Tmaxは、大部分のイヌで 0.5 時間であった。これ

らのことから、イヌにおいても 5-ALA の薬物動態は、反復投

与によって大きく変動しないものと推察された。

4.2.2.2-3

4.2.2.2-4

4.2.2.2-3

4.2.2.2-6

(in vitro)

ラット脳細胞への

取り込み

ラット

5-ALA HCl

5-ALA (0.8~4.0 Mm) をラット大脳皮質パーティクルとイン

キュベートしたとき、脳細胞中に高濃度 (21.04±1.05

nmol/mg たんぱく質) で取り込まれることが示された。

4.2.2.2-7 参

マウス乳腺腺癌細

胞への取り込み

マウス 14C-5-ALA HCl

14C-5-ALA (0.1 mM 又は 0.6 mM) をマウス乳腺腺癌細胞 (LM3

細胞系) とインキュベートしたとき、5-ALA の細胞への取り

込み速度は、0.6 mM 5-ALA (2.26 pmol 105 細胞-1・分) の方

が、0.1 mM 5-ALA (0.35 pmol 105細胞-1・分) よりも速かっ

た。60分間インキュベーション後に、0.1 mM 5-ALA では、取

り込まれた 5-ALA の 15%以下が、また、0.6 mM 5-ALA では、

40%がポルフィリンに変換された。

4.2.2.2-8 参

分布

分布

(正常動物)

単回投与

ラット

イヌ

5-ALA

5-ALA HCl

雄ラットに 5-ALA 200 mg/kg を経口投与又は静脈内投与し、

5-ALA及びポルフィリンの組織内分布について検討した。最高

組織中 5-ALA 濃度は、胃 (p=0.004)、十二指腸吸引物

(p=0.007)、空腸 (p<0.001)及び腎臓 (p=0.02) においては有

意に、また、肝臓及び血漿においては傾向的に、静脈内投与

よりも経口投与で高値であった。経口投与及び静脈内投与後

の食道、結腸、脾臓、膀胱、心臓、肺、筋肉、脂肪、脳及び

神経中の 5-ALA 濃度は同程度であった。組織中の 5-ALA 濃度

は、静脈内投与後 3~6時間では検出下限以下まで急速に減少

し、経口投与ではやや遅れた。脳中 5-ALA 濃度は、投与後、

僅かに上昇した。血漿中 5-ALA 濃度は、投与後 1 時間で、既

に、静脈内投与よりも経口投与で高値を示した (p<0.001)。

両投与群における血漿中 5-ALA 濃度は、半減期約 50 分で急激

に減少した。5-ALAを経口投与及び静脈内投与したときの、す

べての組織におけるポルフィリンの最高濃度は、両投与で類

似した(p>0.05)。組織中ポルフィリン量は、十二指腸吸引物

で最も高く (100 nmol/g 組織以上)、次いで空腸、肝臓及び腎

臓 (10 nmol/g 組織以上)、結腸、胃、心臓、肺、食道、脾臓、

膀胱、神経(2~10 nmol/g 組織)、血漿、筋肉、脂肪、皮膚及

び脳 (2 nmol/g 組織以下) の順であった。5-ALA 投与後 12時

間で、腎臓を除いたすべての組織及び血漿中ポルフィリン濃

度は、バックグランドレベルに低下した。腎臓中ポルフィリ

ン濃度は、投与後 24時間においても上昇した。血漿中ポルフ

4.2.2.3-1 参

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

8

ィリン濃度は、静脈内投与では 2 時間及び経口投与では 3 時

間後に、それぞれ最高値を示した。

雄イヌに 5-ALA HCl 100 mg/kg を静脈投与後の組織、血漿及

び尿中ポルフィリン濃度及びポルフィリン化合物を測定し

た。血漿中総ポルフィリン濃度は、投与後 1 時間まで急速に

増加し、その後、徐々に減少したが、投与後 8 時間において

も、まだ、高濃度のポルフィリンが検出された。最高血漿中

ポルフィリン濃度は、バックグランドレベルの約 50 倍 (60~

70 μg/dL血漿) を示した。投与後 2時間の血漿中ポルフィリ

ン化合物は、coproporphyrin 及び PPIXであった。

組織中ポルフィリン濃度は、投与後 6~10 時間までゆっくり

と増加し、肝臓で最も高値を示した。肝臓中ポルフィリン化

合物は、主として PPIX であった。皮膚へのポルフィリンの分

布は僅かであった。肝臓、膵臓、前立腺、膀胱及び筋肉中ポ

ルフィリン濃度は、投与後 1~4 時間にかけて有意に増加した

(p=0.02~0.04)。

4.2.2.3-2 参

(担癌モデル動物)

単回投与

マウス

ラット

ウサギ

5-ALA HCl

5-ALA 14C-5-ALA

種々の担癌モデル動物において、5-ALA 及び PPIXは、腫瘍組

織に分布及び集積することが示された。紫外線下、腫瘍組織

中 PPIX の蛍光強度は、周辺正常組織に比べて高く、正常組織

との間で明瞭なコントラストが観察された。

担癌モデル動物

① ヒト結腸管状乳頭腺癌 (grade Ⅱ、UICC Staging Ⅱa) を

側腹に移植した担癌モデルマウス (性別不明)

② マウス乳腺癌 M2を皮下に移植した担癌モデルマウス(雄)

③ 乳腺腺癌 (R3230AC) を腹部に移植した担癌モデルラット

(雌)

④ C6グリオーマ細胞を右前頭葉に移植した担癌モデルラッ

ト (雌)

⑤ C6グリオーマ細胞を線条体に移植した担癌モデルラット

(雄)

⑥ VX2腫瘍を脳に移植した担癌モデルウサギ (雄)

4.2.2.3-3 参

4.2.2.3-4 参

4.2.2.3-5 参

4.2.2.3-6 参

4.2.2.3-7 参

4.2.2.3-8 参

in vitro

C6 グリオーマ

細胞

5-ALA

グリオーマ細胞を 5-ALAとインキュベートしたとき、C6 グリ

オーマ細胞中に PPIXが集積した。C6 グリオーマ細胞中 PPIX

は、インキュベート開始後 85 分までは直線的に増加した

(r=0.999)

4.2.2.3-7 参

胎盤通過性 - 5-ALA は、動物において胎児毒性が報告されており、5-ALAの

胎児への移行は明らかであった。

CTD 毒性試験

の概要文

乳汁移行性 - 5-ALA は中性アミノ酸類縁化合物であり、5-ALAの乳汁移行性

はアミノ酸のそれに準ずると考えられた。

4.2.2.3-9 参

たん白結合 ヒト血漿

5-ALA HCL

ヒト血漿と 5-ALA の結合を限外ろ過法で検討したときの、

5-ALAの平均たんぱく質結合率は、5-ALA濃度 500~5000 μ

g/L の範囲において 12%であった。

4.2.2.3-10

単回投与 イヌ

5-ALA HCl

ラット

5-ALA HCl

雄イヌに 5-ALA HCl 100 mg/kg を静脈内投与したときの血漿、

肝臓及び尿中代謝物を HPLC により検討した。血漿中には、

coproporphyrin Ⅲ及び PPIXが、肝臓中には主に PPIX がそれ

ぞれ同定された。

また、尿中には coproporphyrin Ⅲが最も多いポルフィリン

として認められた。

ラットに、5-ALA HCl 30 及び 300 mg/kg を経口投与で、125

及び 500 mg/kg を静脈内投与で、単回投与したとき、血漿中

に PPIX が検出された。

4.2.2.4-1 参

4.2.2.4-2 参

4.2.2.4-3 参

代謝 反復投与 ラット

5-ALA HCl

5-ALLP

ラットに、5-ALA HCl 30 及び 300 mg/kg を経口投与で、125

及び 500 mg/kg を静脈内投与で、14 日間反復投与したとき、

血漿中に PPIX が検出された。

ラットに、5-ALAP 15、60 及び 250 mg/kg を 91日間反復経口

投与したとき、血漿中に uroporphyrin I、uroporphyrin Ⅲ、

pentacarboxylporphylin、heptacarboxylporphyrin、

4.2.2.4-3 参

4.2.2.4-4 参

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

9

coproporphyrin I 及び coproporphyrin Ⅲが検出された。

マウス乳腺癌

細胞

5-ALA HCl

14C-5-ALA HCl

14C-5-ALA 及び 5-ALA をマウス乳腺癌細胞とインキュベーし、

生成した代謝物 (ポルフィリン化合物) を測定した。0.1~

0.6 mM の 5-ALA を用いたとき、5-ALA の 15~40%がポルフィ

リン化合物に代謝された。

4.2.2.4-5 参

ラット肝ミト

コ ン ド リ ア14C-5-ALA HCl

約 0.2%が、14CO2に代謝され、Krebs cycle による 5-ALA の脱

炭酸代謝は、マイナー代謝経路と考えられた。

4.2.2.4-6 参

in vitro

S-字結腸腺癌

細胞 (WiDr 株

細胞)

5-ALA

細胞内に集積したポルフィリン化合物の 91%が PPIX であっ

た。また、細胞中に coproporphyrin (3.8%)、hexacarboxyl

porphyrin (0.2%)、heptacarboxylporphyrin (3.7%)、及び

uroporphyrin (1.5%)が検出された。

4.2.2.4-7 参

代謝経路及び代謝

に関わる酵素

内因性の 5-ALA は、細胞質又はミトコンドリアにおいて、ALA

脱水酵素、porphobilinogen 脱アミノ酵素、uroporphyrinogen

Ⅲ 合成酵素、 uroporphyrinogen 脱カルボキシ酵素、

coproporphyrinogen 酸化酵素及び protoporphyrinogen 酸化

酵素が関与して PPIX に変換される。生成した PPIX はフェロ

ケラターゼによって二価鉄が挿入されてヘムに変換される。

投与した 5-ALA も、これらのポルフィリンを経由してヘム合

成に関わるものと推察される。

4.2.2.4-8 参

単回投与 ラット

イヌ

5-ALA HCl

雄ラットに 5-ALA HCl 200 mg/kg を経口投与又は静脈内投与

し、尿中 5-ALA 濃度を測定した。両投与群において、投与後

1時間の尿中に、5-ALA が検出された。尿中最高 5-ALA 濃度は、

投与後 2時間に認められ、投与後 4時間の尿中には少量の

5-ALAのみが検出された。また、尿中ポルフィリンは、投与

後 4時間でバックグランド値以上の濃度が認められたが、投

与後 24 時間では、バックグランド値であった。

雄イヌに 5-ALA HCl 100 mg/kg を静脈内投与し、尿中 5-ALA、

総ポルフィリン及びポルフィリン化合物濃度を測定した。尿

中 5-ALA排泄は投与後速やかに増加し、投与後 2~4時間で最

も高かった。尿中 porphobilinogen はゆっくりと増加し、投

与後 4~8 時間で最高値に達した。尿中総ポルフィリンは、投

与後に増加し、投与後 4~8 時間で最高値に達した。尿中の主

要ポルフィリン化合物は coproporphyrin Ⅲであった。相対

的には、尿中 heptacarboxylporphyrin、hexacarboxylporphy

rin 及び pentacarboxylporphyrin の増加が認められた。

4.2.2.5-1 参

4.2.2.5-2 参

排泄

反復投与 ラット

5-ALA HCl

雌雄ラットに 5-ALA HCl 30、100 及び 300 mg/kg を 13 日間反

復経口投与し、最終投与後の尿中 5-ALA濃度を測定した。

5-ALAの尿中濃度は、投与量に依存して増加した。100 mg/kg

及び 300 mg/kg 投与群の 5-ALA 濃度は、バックグランド値に

比べて著しく高値であった。5-ALAの尿中濃度には、性差は

認められなかった。

4.2.2.5-3

薬物

相互

作用

①5-ALA のヒト血漿たん白質との平均たんぱく結合率は、5-ALA 濃度 500~5000 μg/L の範囲において

12%と低値であり、たん白結合を介した 5-ALA と他薬物との薬物相互作用はないと推察された。

②5-ALAは、細胞質及びミトコンドリアにおけるヘム生合成酵素によりポルフィリン及びヘムに代謝さ

れると考えられ、また5-ALAの代謝へのP450の関与は報告されていないため、薬物代謝酵素を介した

他薬物との薬物相互作用はないと推察された。

4.2.2.6-1

4.2.2.6-2 参

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

10

2.6.4.2 試験方法及び試験材料

2.6.4.2.1 試験材料

(1) 標識化合物

(添付資料 4.2.2.2 -8 参、4.2.2.3-8 参、4.2.2.4-5~4.2.2.4-6 参)

14C-5-ALA 及び 14C-5-ALA HCl の化学的及び放射化学的純度は、いずれも 98%以上であった

(UV 検出器及び放射能検出器を用いた HPLC 法)。

(2) 被験物質及び代謝物

5-ALA H2N

CO2H

O 5-ALA HCl

H2NCO2H

O

HCl.

(5-ALA 塩酸塩)

5-ALAP

(5-ALA リン酸塩) 14C-5-ALA [4-14C]-5-ALA

被験物質

14C-5-ALA HCl [4-14C]-5-ALA HCl 及び[5-14C]-5-ALA HCl

porphobilinogen

protoporphyrin IX (PPIX)

代謝物

その他の代謝物

何れもヘム生成系における中間生成物

uroporphyrin I

uroporphyrin Ⅲ

coproporphyrin Ⅰ

coproporphyrin Ⅲ

pentacarboxylporphyrin

hexacarboxylporphyrin

heptacarboxylporphyrin

2.6.4.2.2 分析方法

(添付資料番号 4.2.2.1-1~4)

分析方法及びバリデーションは概要表中に記載した。

H2NCO2H

O

・ H3PO4

H2NCO2H

O

・ H3PO4

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

11

2.6.4.3 吸収

2.6.4.3.1 単回投与

(1) ラット

(添付資料 4.2.2.2-1~2)

雌雄ラットに5-ALA HCl 30 mg/kg及び300 mg/kgを単回経口投与したときの血漿中5-ALA

濃度を測定し、図2.6.4.3.1-1に示した。投与前のラットの血漿中5-ALA濃度は、いずれも定

量下限(LOQ=0.075 μg/mL)以下であった。30 mg/kg及び300 mg/kgのいずれの投与量におい

ても血漿中5-ALA濃度は、投与後20分(最初の測定時間)にCmaxを示し、それぞれ、雄ラットで

は7.1 μg/mL及び69.8 μg/mL、雌ラットでは13.7 μg/mL及び68.6 μg/mLであった。血漿中

5-ALA濃度は、投与後24時間には、いずれの投与量においても定量下限以下まで減少し、30

mg/kg及び300 mg/kg投与時の血漿中5-ALAの消失半減期は、それぞれ、雄ラットでは70.8及び

108.5分、雌ラットでは63.3分及び143.4分であった。これらの結果は、5-ALA HClの経口吸収

は速やかで、30~300 mg/kgの投与量範囲では、血漿中5-ALA濃度は、ほぼ投与量比で増加し、

雌雄ラットにおける5-ALAの薬物動態は類似するものと推察された。

(雄ラット) (雌ラット)

図 2.6.4.3.1-1 雌雄ラットに 5-ALA HCl を単回及び反復経口投与したときの

血漿中 5-ALA 濃度 各値は平均値を示す(n=3)

また、雌雄ラットに5-ALAP 15、60及び250 mg/kg(5-ALA換算:8.6、34.3及び142.3 mg/kg、

5-ALA HCl換算:11.0、43.9及び182.9 mg/kg)を単回経口投与したときの血漿中5-ALA濃度を

測定した。血漿中5-ALA濃度及びそれから求めた薬物動態パラメーターを図2.6.4.3.1-2(雄

のみ)及び表2.6.4.3.1-1に示した。いずれの投与量においても投与後0.5時間(最初の測定

時間)が最高濃度であり、5-ALAPの経口吸収は速やかであると推察された。血漿中5-ALA濃度

は、投与後2又は4時間までは速やかに、その後は緩やかに減少し、投与後24時間では内因性

の5-ALAとほぼ同レベルまで低下した。Cmax及びAUC0-24hは、投与量の増加と供に増大した。こ

れらの結果は、上記5-ALA HCL投与時の5-ALAの血中動態と類似した。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

12

図 2.6.4.3.1-2 雄ラットに 5-ALAP を単回経口投与したときの血漿中 5-ALA 濃度 ●:250 mg/kg投与、▲:60 mg/kg投与、◆:15 mg/kg 投与

各値は平均値±SD(n=3)

表 2.6.4.3.1-1 ラットに 5-ALAP を単回経口投与したときの薬物動態パラメーター

薬物動態パラメーター Cmax

(μg/mL) Tmax (h)

AUC0-24h (μg・h/mL)

投与群

雄 雌 雄 雌 雄 雌

15 mg/kg 2.20 4.09 0.5 0.5 3.16 3.80

60 mg/kg 9.61 14.4 0.5 0.5 12.0 19.2

250 mg/kg 85.3 58.2 0.5 0.5 142 91.5 各値は平均値(n=3)

(2) イヌ

添付資料 4.2.2.2-5

イヌに5-ALA HCl 20 mg/kgを静脈内投与及び経口投与したときの血漿中5-ALA及び主要代謝

物PPIX濃度を測定した。血漿中5-ALA濃度及びそれから求めた薬物動態パラメーターを図

2.6.4.3.1-3及び表2.6.4.3.1-2に示した。静脈内投与後の血漿中5-ALA濃度は、投与後0.058

時間にCmax(平均)40.9 μg/mLを示し、T1/2及びAUC0-∞は、0.652 時間及び25.9μg・h/mLで

あり、CL及びVdは、0.799 L/kg・h及び0.751 L/kgであった。経口投与後の血漿中5-ALA濃度

は、投与後0.625時間(Tmax)にCmax(平均)14.72 μg/mLに達し、AUC0-∞及びT1/2は22.3 μg・

h/mL及び0.623 時間、CL及びVdは、0.940 L/kg・h及び0.826 L/kgであった。これら経口投与

後の薬物動態パラメーターは、上記静脈内投与時のそれと近似しており、5-ALAを経口投与及

び静脈内投与した時の薬物動態が同等であることを示唆した。また、5-ALA HCl経口投与後の

生物学的利用率は平均86%であり、5-ALAの経口吸収は、速やかであり、かつ良好であること

が示された。なお、経口投与後、3匹中2匹の雄イヌ及び3匹中1匹の雌イヌにおいて嘔吐が発

生した。嘔吐は、2匹のイヌにおいては投与1時間以降に、1匹のイヌでは、投与後5分以内に

それぞれ観察された。後者のイヌ(投与後5分以内に嘔吐)では、非常に低いAUCを示した

(AUC0-∞:静脈内投与25.9μg・h/mL 、経口投与:17.9 μg・h/mL)。

血漿中PPIX濃度は、多くの測定試料において定量下限の0.005μg/mL以下であり、測定され

た最高濃度は、静脈内投与で0.035 μg/mL、経口投与で0.033 μg/mLであった。PPIXの薬物

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

13

動態パラメーターは、定量できたPPIX濃度を持つ試料が少なかったため計算できなかった。

図 2.6.4.3.1-3 イヌに 5-ALA HCl 20 mg/kg を静脈内投与又は経口投与したときの

血漿中 5-ALA 濃度推移 ◆:静脈内投与、■:経口投与、各値は平均値±SD (n=6)、

表 2.6.4.3.1-2 イヌに 5-ALA HCl 20 mg/kg を静脈内投与又は経口投与したときの

薬物動態パラメーター

薬物動態パラメーター 静脈内投与 経口投与

AUC0-∞ (mg /L・h) 25.896±5.063 22.290±5.016

AUC0-t (mg/L・h) 25.669±5.028 22.212±5.002

Cmax (mg/L) 40.901±5.540 14.715±1.662

Tmax (h) 0.058±0.027 0.625±0.262

T1/2 (h) 0.652±0.059 0.623±0.129

MRT (h) 0.803±0.093 1.334±0.230

CL (L/kg・h) 0.799±0.163 0.940±0.230

Vd (L/kg) 0.751±0.164 0.826±0.192

Fa (%)* 86.2±11.5 *:生物学的利用率、各値は平均値±SD (n=6)

2.6.4.3.2 反復投与

添付資料4.2.2.2-1、4.2.2.2-3、4.2.2.2-4、4.2.2.2-6 雌雄ラットに 5-ALA HCl を 30 及び 300 mg/kg を経口投与で、125 及び 500 mg/kg を静脈内

投与で 1日 1回 14 日間反復投与したときの血漿中 5-ALA 濃度を測定した。血漿中 5-ALA 濃度

の半減期を表 2.6.4.3.2-1 に示した。投与前のラットの血漿中 5-ALA 濃度は、いずれも定量

下限以下であった。30 及び 300 mg/kg を反復経口投与した時の血漿中 5-ALA 濃度(図

2.6.4.3.1-1)は、いずれの投与量においても、単回投与時と同様に、投与後 20 分(最初の

測定時間)が最高濃度であった。その後の消失は、単回投与時と同様に速やかで[T1/2:1.06

~2.39 時間(単回投与)及び 0.72~1.47 時間(反復投与)]、投与後 24 時間には、いずれ

も定量下限以下まで減少した。また、5-ALA HCl を 125 及び 500 mg/kg を反復静脈内投与し

たときの血漿中 5-ALA 濃度は、単回投与時と同様に、投与後速やかに減少した[T1/2:0.59~

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

14

0.76 時間(単回投与)及び 0.63~0.68 時間(反復投与)]。これらのことから、5-ALA の薬

物動態は、いずれの投与経路においても、反復投与によって大きく変動しないものと推察さ

れた。

また、雌雄ラットに 5-ALA HCl を 125 又は 500 mg/kg を単回静脈内投与又は 1 日 1 回 14

日間反復静脈内投与したとときの血漿中 PPIX 濃度を同時に測定した 5-ALA 濃度とともに図

2.6.4.3.2-1 に示した。投与前の血漿中 PPIX 濃度は、個別にみると定量下限(5.6 μg/L)

以下~14.7 μg/L (雄ラット) 及び定量下限(5.6 μg/L)以下~10.4 μg/L (雌ラット) で

あった。血漿中 PPIX 濃度は、125 mg/kg では 投与後 2 時間に、500 mg/kg では投与後 2~8

時間にそれぞれ最高濃度平均 100.8 μg/L 及び 145.8 μg/L を示し、その後消失半減期 1.84

~3.18 時間で減少し、血漿中 PPIX 濃度には単回及び反復投与間で、また雌雄間でも大きな

差異は認められなかった。これらのことから、雌雄ラットのいずれにおいても主要代謝物で

ある PPIX の蓄積性は低いものと推察された。

表 2.6.4.3.2-1 ラットに 5-ALA HCl を経口及び静脈内単回及び反復投与したときの

血漿中 5-ALA の半減期

血漿中 5-ALA の半減期(時間)

単回投与 反復投与

静脈内投与 経口投与 静脈内投与 経口投与

投与量

(mg/kg)

雄 雌 雄 雌 雄 雌 雄 雌

30 1.18* 1.06* 1.47* 1.08*

125 0.76 0.61 0.68 0.63

300 1.81* 2.39* 0.72* 0.72*

500 0.64 0.59 0.63 0.63 *:最初の測定時点である投与後 20分 (Cmax)からの半減期。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

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雄ラット 雌ラット

図 2.6.4.3.2-1 ラットに 5-ALA HCl 125 mg/kg 又は 500 mg/kg を単回及び反復静脈内投与

(14 日間)したときの血漿中 5-ALA 及び PPIX 濃度 5-ALA 濃度(●:125 mg/kg(単回投与) 、▲:500 mg/kg(単回投与)、■:125 mg/kg(反

復投与)、◆:500 mg/kg(反復投与))

PPIX 濃度(○:125 mg/kg(単回投与)、△:500 mg/kg(単回投与)、□:125 mg/kg(反

復投与)、◇:500 mg/kg(反復投与))

また、雌雄ラットに 5-ALAP 60 及び 250 mg/kg を 28 日間反復経口投与したときの血漿中

5-ALA 濃度及びそれから求めた薬物動態パラメーターを図 2.6.4.3.2-2(雄のみ)及び表

2.6.4.3.2-2(比較のため表 2.6.4.3.1-1 より単回経口投与のパラメーターを転載)に示した。

単回投与時と同様に、いずれの投与量においても投与後 0.5 時間が最高濃度であり、また Cmax

及び AUC0-24hは単回投与時の値と大きな差異はなかった。これらのことから、検討した投与量

及び投与回数では、上記 5-ALA HCl を反復投与した時と同様に、5-ALAP を経口投与したとき

の 5-ALA の薬物動態は、反復投与によって大きく変動しないものと考えられた。

図 2.6.4.3.2-2 雄ラットに 5-ALAP を反復経口投与したときの血漿中 5-ALA 濃度

○:250 mg/kg投与、△:60 mg/kg投与、各値は平均値±SD (n=3)

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

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表2.6.4.3.2-2 ラットに5-ALAPを単回及び反復経口投与したときの薬物動態パラメーター

単回投与 反復投与 (28 日間、1日 1回)

投与群 Cmax

(μg/mL)

Tmax

(h)

AUC0-24h (μg・h/mL)

Cmax

(μg/mL)

Tmax

(h)

AUC0-24h (μg・h/mL)

雄 雌 雄 雌 雄 雌 雄 雌 雄 雌 雄 雌

60 mg/kg 9.61 14.4 0.5 0.5 12.0 19.2 22.3 20.3 0.5 0.5 24.8 29.1

250 mg/kg 85.3 58.2 0.5 0.5 142 91.5 109 114 0.5 0.5 141 161 各値は平均値(n=3)

雌雄のイヌに 5-ALA HCl 1、3及び 10 mg/kg を 28 日間反復経口投与(1日 1回)したとき

の血漿中 5-ALA 濃度を測定した。血漿中 5-ALA 濃度推移及びそれから求めた薬物動態パラメ

ーターを図 2.6.4.3.2-3 及び表 2.6.4.3.2-3 に示した。雌雄イヌにおける血漿中 5-ALA 濃度

の Cmax及び AUC0-24hは、ほぼ投与量比で増加し、雌雄イヌ間においても近似した。また、Tmax

は、3 mg/kg 1 回投与後の雄ラット及び 10 mg/kg 28 回投与後の雌ラットの各 1 匹を除いて

いずれも 0.5 時間であった。これらのことから、イヌにおいても 5-ALA の薬物動態は、反復

投与によって大きく変動しないものと推察された。

図 2.6.4.3.2-3 雄イヌに 5-ALA HCl を反復経口投与したときの血漿中 5-ALA 濃度

各値は平均値±SD (n=3 又は 4)

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

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表 2.6.4.3.2-3 雌雄イヌに 5-ALA HCl を単回及び反復経口投与したときの

薬物動態パラメーター 薬物動態パラメーター (平均値±SD)

Cmax (μg/mL) Tmax (時間) AUC0-24 h (μg・h/mL) 投与量

単回投与 反復投与 1) 単回投与 反復投与 1) 単回投与 反復投与 1)

雄ラット

1 mg/kg/日* 0.577±0.117 0.595±0.073 0.5±0.0 0.5±0.0 1.05±0.16 1.13±0.22

3 mg/kg/日* 2.11±0.25 1.81±0.43 0.7±0.3 0.5±0.0 3.38±0.26 3.06±0.27

10 mg/kg/日** 9.22±0.94 7.27±0.71 0.5±0.0 0.5±0.0 11.7±1.8 12.0±0.8

雌ラット

単回投与 反復 1) 単回投与 反復投与 単回投与 反復投与

1 mg/kg/日* 0.608±0.418 0.604±0.136 0.5±0.0 0.5±0.0 1.18±0.51 1.09±0.27

3 mg/kg/日* 2.29±0.21 1.90±0.14 0.5±0.0 0.5±0.0 2.91±0.27 2.74±0.30

10 mg/kg/日** 9.36±1.38 4.72±3.13 0.5±0.0 1.4±1.8 12.3±1.2 8.24±3.01

*:n=3、**:n=4、1):1日 1回 28日間投与

2.6.4.3.3 In vitro におけるラット大脳皮質への 5-ALA の取り込み

添付資料 4.2.2.2-7 参

5-ALAのラット大脳皮質への取り込みをin vitro 試験において検討した。5-ALAをラット大

脳皮質パーティクルとインキュベートしたときの5-ALA取り込み量を図2.6.4.3.3に示した。

5-ALA(0.8~4.0 mM)をインキュベーション反応液中に添加したとき、5-ALAは、脳細胞中に

高濃度(21.04±1.05 nmol/mg たん白質)に取り込まれることが示された。

(A) (B)

図 2.6.4.3.3 大脳皮質パーティクルにおける 5-ALA 取り込みに対する大脳皮質量及び

5-ALA 濃度の影響 (A):4.0 mM(○:パーティクル内、●:パーティクル外)、(B):0.8~4.0 mM(インキュ

ベーション時間:1時間 (○)、2時間 (●)、4時間 (△)、6時間 (▲))

2.6.4.3.4 In vitro マウス乳腺腺癌細胞への移行

添付資料 4.2.2.2-8 参

14C-5-ALA HCl(0.1 mM又は0.6 mM)をマウス乳腺腺癌細胞LM3細胞系とインキュベートし、

5-ALAのマウス乳腺腺癌細胞への取り込み及びポルフィリン生成について検討し、その結果を

図2.6.4.3.4に示した。5-ALAの細胞への取り込み速度は、0.6 mM 5-ALA(2.26 pmol 105細胞

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

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-1・分)の方が、0.1 mM 5-ALA(0.35 pmol 105細胞-1・分)よりも速かった。0.1 mM 5-ALA

では、60分間インキュベーション後に、取り込まれた5-ALAの15%以下がポルフィリンに変換

され、0.6 mM 5-ALAでは、40%がポルフィリンに変換された。

図 2.6.4.3.4 14C-5-ALA HCl をマウス乳腺腺癌細胞 (LM3 細胞系)とインキュベート

したときの 5-ALA の取り込み及びポルフィリン生成 14C-5-ALA 添加量:0.1 (○、△)及び 0.6 mM (●、▲)

5-ALA 取り込み量:○、●、ポルフィリン生成量:△、▲

各値は平均値±SD (n=4)

2.6.4.4 分布

2.6.4.4.1 ラットにおける単回経口投与又は静脈内投与後の組織内分布

添付資料 4.2.2.3-1 参

雄ラットに5-ALA 200 mg/kgを経口投与又は静脈内投与し、5-ALA及びポルフィリンの組織

内分布について検討した。5-ALA及びポルフィリンの組織内分布を図 2.6.4.4.1-1及び図

2.6.4.4.1-2に、また、組織中の5-ALA、PPIX(8分子の5-ALA分子で形成)及びporphobilinogen

(2分子の5-ALA分子で形成)を測定し、各組織中総5-ALA量の全組織中総5-ALA量に対する割

合を求めて表2.6.4.4.1-1にそれぞれ示した。最高5-ALA濃度は、胃(p=0.004)、十二指腸吸

引物(p=0.007)、空腸(p<0.001)及び腎臓(p=0.02)においては有意に、また、肝臓及び血

漿においては傾向的に、静脈内投与よりも経口投与で高値を示した。食道、結腸、脾臓、膀

胱、心臓、肺、筋肉、脂肪、脳及び神経内5-ALA濃度は両投与経路で同程度の値を示した。静

脈投与では、食道、胃、結腸、肝臓、心臓、肺、筋肉、脂肪、皮膚及び神経内の5-ALA濃度は、

投与後3時間ですでに検出下限以下まで急速に減少した。十二指腸吸引物、空腸、脾臓、腎臓

及び膀胱内5-ALA濃度は、投与後6時間には検出されなかった。経口投与時の胃、十二指腸吸

引物、空腸、肝臓、腎臓及び膀胱中5-ALA濃度の検出下限への減少は、静脈内投与時よりやや

遅れた。脳内5-ALA濃度は、5-ALA投与後、わずかに上昇した。血漿中5-ALA濃度は、投与後1

時間で、既に、静脈内投与よりも経口投与で高値を示した(p<0.001)。両投与群における血

漿中5-ALA濃度は、半減期約50分で急激に減少した。尿中5-ALAは、両投与群において、投与

後1時間で既に検出された。尿中最高5-ALA濃度は、投与後2時間で認められ、投与後4時間の

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

19

尿中には少量の5-ALAのみが検出された。

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (15) (16) (17) (18)

5-ALA 投与後の時間

図 2.6.4.4.1-1 ラットに 5-ALA 200 mg/kg を経口又は静脈内投与したときの、

組織内 5-ALA 濃度 X 軸上の点マークは、測定時間(投与後 0、1、2、3、4、6、12及び 24時間)を示す。

経口投与 (…)、静脈内投与 (――)、食道 (1)、胃(2)、十二指腸吸引物 (3)、空腸 (4)、

結腸 (5)、肝臓 (6)、脾臓 (7)、血漿 (8)、腎臓 (9)、膀胱 (10)、心臓 (11)、肺 (12)、

筋肉 (13)、脂肪 (14)、皮膚 (15)、脳 (16)、神経(17)、尿 (18)

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (15) (16) (17) (18)

5-ALA投与後の時間

図 2.6.4.4.1-2 ラットに 5-ALA 200 mg/kg を経口又は静脈内投与したときの

組織内ポルフィリン濃度 X 軸上の点マークは、測定時間(投与後 0、1、2、3、4、6、12及び 24時間)を示す。

経口投与 (…)、静脈内投与 (――)、食道 (1)、胃 (2)、十二指腸吸引物 (3)、空腸 (4)、

結腸 (5)、肝臓 (6)、脾臓 (7)、血漿 (8)、腎臓 (9)、膀胱 (10)、心臓 (11)、肺 (12)、

筋肉 (13)、脂肪 (14)、皮膚 (15)、脳 (16)、神経 (17)、尿 (18)

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

20

5-ALAを経口投与及び静脈内投与したときの、すべての組織におけるポルフィリンの最高濃

度は、両投与間で類似した(p>0.05)。組織中ポルフィリン濃度は、十二指腸吸引物で最も高

く(100 nmol/g組織以上)、次いで空腸、肝臓及び腎臓(10 nmol/g組織以上)、結腸、胃、心

臓、肺、食道、脾臓、膀胱、神経(2~10 nmol/g組織)、血漿、筋肉、脂肪、皮膚及び脳(2 nmol/g

組織以下)の順 であった。腎臓を除いたすべての組織におけるポルフィリンの分布パターン

は、5-ALA投与後急速に上昇した。最高ポルフィリン濃度は、経口投与では、投与後2~4時間

で、静脈内投与では、1~3時間で認められた。5-ALA投与後12時間で、腎臓を除いたすべての

組織におけるポルフィリン濃度は、バックグランドレベルに戻った。腎臓では、ポルフィリ

ンの相対的に高いバックグランド濃度が認められた(5.2±0.4 nmol/g組織)。腎臓中ポルフ

ィリン濃度は、投与後24時間においても上昇し、バックグランドレベルの約2.5倍であった。

血漿中ポルフィリンの最高濃度は、静脈内投与後2時間及び経口投与後3時間で認められた。

血漿中ポルフィリン濃度は、投与12時間後にバックグランドレベルに減少した。尿中におい

て、バックグランドレベル以上のポルフィリン濃度が、投与後4時間で検出された。投与後24

時間には、尿中ポルフィリン濃度は正常(バックグランドレベル)を示した。

また、表 2.6.4.4.1-1 に示したように、経口投与時の経路にあたる小腸と肝臓を除く組織

中総 5-ALA 量の分布パターンは、経口投与時と静脈内投与時でよく一致し、5-ALA 投与後の

分布には、両投与経路で差異がないことが示唆された。なお、この分布パターンは、投与後

4時間まで一定に推移した。

表 2.6.4.4.1-1 ラットに 5-ALA 200 mg/kg を経口投与及び静脈内投与したときの

組織中総 5-ALA*の分布

体内総 5-ALA*に対する組織中総 5-ALA*の割合 (%) 組織/臓器

経口投与 静脈内投与

食道 < 1 < 1

胃 1 1

十二指腸吸引物** 7 5

小腸 17 7

結腸 1 1

肝臓 45 55

脾臓 1 1

血液 4 4

腎臓 14 13

膀胱 1 1

心臓 < 1 < 1

肺 < 1 1

筋肉 3 3

脂肪 2 3

皮膚 4 4

脳 < 0.1 < 0.1

神経 < 0.1 < 0.1 * :総 5-ALA:5-ALA+porphobilinogen+porphylin。Porphobilinogen:2分子の 5-ALA から生成、Porphylin:

8分子の 5-ALAから生成。

**:胆汁を含む、分布パターンは投与後 1、2、3及び 4時間で変動なし。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

21

ラットに 5-ALA 200 mg/kg を経口投与したときの、血漿及び脳内 5-ALA 及び PPIX の最高濃

度を図 2.6.4.4.1-1 及び 2.6.4.4.1-2 より求めて表 2.6.4.4.1-2 に示した。血漿及び脳内

5-ALA 濃度は、いずれも投与後 1時間で最高値に達し、その濃度は、約 316 nmol/g 及び約 9

nmol/g であり、脳/血漿比は 0.03 であった。血漿及び脳内 PPIX 濃度は、いずれも投与後 3

時間に最高値約 1.2 及び 0.6 nmol/g を示し、脳/血漿比は 0.50 であった。これらの脳/血漿

比は、PPIX の脳への蓄積が 5-ALA のそれより約 16.7 倍高いことを示唆している。なお、血

漿及び脳内の 5-ALA と PPIX は、いずれも投与後 24時間までにバックグランド値まで減少し

た。

表 2.6.4.4.1-2 ラットに 5-ALA 200 mg/kg を経口投与したときの血漿及び

脳中 5-ALA 及び PPIX 濃度

5-ALA PPIX

血漿 脳 脳/血漿比 血漿 脳 脳/血漿比

Tmax (時間) 1 1 - 3 3 -

Cmax (nmol/g) 約 316 約 9 0.03 約 1.2 約 0.6 0.50 図 2.6.4.4.1-1 及び 2.6.4.4.1-2 より算出

2.6.4.4.2 イヌにおける単回静脈内投与後の組織内分布

添付資料 4.2.2.3-2 参

雄イヌに5-ALA HCl 100 mg/kgを単回静脈内投与し、組織、血漿及び尿中総ポルフィリン濃

度を測定し、図2.6.4.4.2-1及び図2.6.4.4.2-2に示した。また、組織、血漿及び尿中ポルフ

ィリン化合物をHPLCにより分析した。血漿中ポルフィリン濃度は、5-ALA HCl投与後1時間ま

で急速に増加し、その後、徐々に減少したが、投与後8時間においても、まだ、高い濃度のポ

ルフィリンが検出された。最高血漿中ポルフィリン濃度は、バックグランド値よりも約50倍

高値(60~70 μg/dL血漿)を示した(n=2)。投与後2時間の血漿中ポルフィリン化合物は、

coproporphyrin及びPPIXであった。

図 2.6.4.4.2-1 イヌに 5-ALA HCl 100 mg/kg を静脈内投与したときの

血漿中総ポルフィリン濃度 グラフは、個々のイヌの血漿中ポルフィリン濃度を示した

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

22

組織中ポルフィリン濃度は、投与後6~10時間までゆっくりと増加し、肝臓で他組織よりも

高く、肝臓中最高ポルフィリン濃度は、膵臓及び前立腺より3及び4倍高かった。肝臓中ポル

フィリン化合物は、主としてPPIXであった。皮膚へのポルフィリンの分布はわずかであった。

組織中ポルフィリン濃度は、肝臓、膵臓、前立腺、膀胱及び筋肉で投与後1~4時間にかけて

有意に増加した(p=0.02~0.04、Wilcoxon signed rank test)。

図 2.6.4.4.2-2 イヌに 5-ALA HCl 100 mg/kg を静脈内投与したときの

組織中総ポルフィリン濃度 各値は、平均値±SE。投与後 6時間まで:n=7、投与後 7~8時間まで:n=6、

投与後 9~10時間まで:n=3

2.6.4.4.3 ヒト結腸管状乳頭腺癌を移植した担癌モデルマウスにおける組織内分布

添付資料 4.2.2.3-3 参

ヒト結腸の管状乳頭腺癌(grade Ⅱ、UICC Staging Ⅱa)を側腹部に移植した担癌マウス

に、5-ALA HCl 50 mg/kgを静脈内投与し、投与後の所定の時間における臓器中ポルフィリン

濃度を、λ=635±2 nmでの蛍光スペクトルの強度により測定した。各臓器の最高蛍光強度を

示す時点における蛍光スペクトル及び膀胱、結腸、肝臓及び腫瘍中ポルフィリン濃度推移を

代表例として図2.6.4.4.3-1及び2.6.4.4.3-2に示した。すべての組織にポルフィリンの蛍光

が認められ、最も強い蛍光は腫瘍において認められた。結腸、腎臓、肝臓、膵臓及び脾臓は、

投与後最初の1時間中に最高蛍光強度に達し、一方、膀胱、脳、食道、肺及び筋肉は、投与後

1~2時間に最高値に達した。皮膚、腫瘍及び気管は投与後約3時間、約6時間及び約12時間に、

それぞれ最高蛍光強度を示した。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

23

図 2.6.4.4.3-1 腫瘍モデルマウスに 5-ALA HCl 50 mg/kg を静脈内投与したときの

最高蛍光強度を示す時点における各種臓器の蛍光スペクトル

図 2.6.4.4.3-2 腫瘍モデルマウスに 5-ALA HCl 50 mg/kg を静脈内投与したときの

膀胱、大腸、肝臓及び腫瘍中ポルフィリン濃度の薬物動態 各値は平均値±SD (n=5)

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

24

2.6.4.4.4 マウス乳腺腺癌 M2 を移植した担癌モデルマウスにおける組織内分布

添付資料 4.2.2.3-4 参

マウス乳腺腺癌 M2を皮下に移植した担癌モデルマウスに、5-ALA HCl 2.5~10 mgを腹腔内

投与し、組織中のポルフィリン濃度を蛍光分光計で測定した。腹腔内投与後3時間における

5-ALA HCl投与量と組織中ポルフィリン濃度を図2.6.4.4.4-1 に、また、5-ALA HCl 5 mgを腹

腔内投与後の組織中ポルフィリン濃度の時間推移を図2.6.4.4.4-2 に示した。腹腔内投与後3

時間では、腫瘍組織中ポルフィリン濃度は、7.5 mg以上の腹腔内投与において5.23±0.62 μ

g/g 組織のほぼ一定値を示した。正常皮膚及び腫瘍をおおう皮膚中ポルフィリン濃度は、5 mg

腹腔内投与において最高濃度を示した。肝臓中ポルフィリン濃度は、5 mg 腹腔内投与で定常

値に達し、10 mg腹腔内投与までほぼ一定値を示した。腎臓中ポルフィリン濃度は、7.5 mg

腹腔内投与で最高値を示し、10 mg 腹腔内投与では減少した。また、脳中ポルフィリン濃度

は、5 mg 腹腔内投与したときに、0.48±0.02 μg/g 組織を示し、10 mg 腹腔内投与までほ

ぼ一定値を示した。この濃度は、投与前のバックグランド値(投与前の値)の約15倍であり、

投与後24時間ではバックグランド値まで低下した。5 mg 腹腔内投与後の組織内ポルフィリン

濃度は、腫瘍、腫瘍を持った皮膚及び脳では、投与後3~5時間に、また、正常皮膚及び肝臓、

腎臓では、投与後3時間を中心に、最高値を示した。

図 2.6.4.4.4-1 担癌モデルマウスに 5-ALA HCl 2.5~10 mg を腹腔内投与したときの

投与後 3時間における組織中ポリフィリン濃度 ●:5-ALA を投与したときのポルフィリン濃度 (■:Hexyl ALA を投与したときのポ

ルフィリン濃度 (5-ALA の評価には関係しない))、各値は平均値±SD (n=3)

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

25

図 2.6.4.4.4-2 担癌モデルマウスに 5-ALA HCl 5 mg を腹腔内投与したときの

組織中ポリフィリン濃度推移 ●:5-ALA を投与したときのポルフィリン濃度 (■:Hexyl ALA を投与したとき

のポルフィリン濃度(5-ALAの評価には関係しない))、各値は平均値±SD (n=3)

2.6.4.4.5 乳腺腺癌細胞を移植した担癌モデルラットにおける組織内分布

添付資料 4.2.2.3-5 参

乳腺腺癌細胞(R3230AC)を腹部に移植した担癌モデルラットに、5-ALA 又は14C-5-ALAを

40~600 mg/kg又は300 mg/kg静脈内投与し、組織内ポルフィリン濃度及び組織内放射能濃度

について検討した。腫瘍中ポルフィリン濃度を図2.6.4.4.5-1に、ポルフィリンの組織内濃度

を表2.6.4.4.5に、及び組織内放射能濃度を図2.6.4.4.5-2に、それぞれ示した。投与後3時間

における腫瘍中ポルフィリン濃度は、300 mg/kgの投与量まで用量依存的に増加した。5-ALA

投与後3時間では、腫瘍中ポルフィリン濃度が最も高値を示し、腫瘍への5-ALAの集積が示唆

された。次いで腸管、肝臓、動脈、食道の順で高かったが、皮膚、筋肉及び血清中のポルフ

ィリン濃度は腫瘍中濃度の10%以下であった。

14C-5-ALA 300 mg/kgを静脈内投与したときの組織内放射能分布は、組織中ポルフィリンとは

異なる分布傾向を示し、投与後3時間の放射能濃度は、肝臓で、腫瘍中放射能より数倍高い最

も高値を示した。また、投与後3時間での皮膚と腫瘍を例に比較すると、腫瘍中ポルフィリン

濃度は、皮膚中のそれの約10倍(4.2、及び0.30 μg/g)であったが、両組織中放射能濃度比

は近似を示した。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

26

図 2.6.4.4.5-1 担癌モデルラットに 5-ALA 40~600 mg/kg を静脈内投与後

3 時間の腫瘍中ポルフィリン濃度 各値は平均値±SE (n=3~4)

図 2.6.4.4.5-2 担癌モデルラットに 14C-5-ALA 300 mg/kg を静脈内投与したときの

組織内放射能濃度 ●:皮膚、□:筋肉、◆:R323OAC 腫瘍、○:血液、▼:肝臓 各値は平均値±SE (n=3)

表 2.6.4.4.5 担癌モデルラットに 5-ALA 300 mg/kg を静脈内投与後 3時間の

組織内ポルフィリン濃度

組織 総ポルフィリン濃度 (μg/g 組織:平均値±SE) n

R3230AC 腫瘍 4.21±0.38 12

肝臓 3.75±0.27 10

皮膚 0.30±0.09 3

筋肉 0.36±0.04 3

食道 1.28±0.11 4

腸管 3.82±0.58 4

血清 0.21±0.02 4

動脈 2.61±0.75 4

なお、組織内に分布したポルフィリン化合物をHPLC法で分析したところ、腫瘍中のポルフ

ィリンは、主にPPIXであった。肝臓では、検出された総ポルフィリンの18%がPPIXであり、

また、筋肉ではPPIXは検出されなかった。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

27

2.6.4.4.6 グリオーマ細胞を移植した脳腫瘍モデルラットにおける組織内分布

添付資料 4.2.2.3-6 参

ヒト悪性神経膠腫のモデルであるグリオーマ細胞(C6グリオーマ)を右前頭葉に移植後14

日目のラットに、14C-5-ALA 120 mg/kgを静脈内投与し、放射能の脳内及び組織内放射能分布

について検討した。脳内及び組織内放射能の時間推移を図2.6.4.4.6-1及び2.6.4.4.6-2に示

した。移植側の脳、反対側の脳、小脳及び腫瘍中放射能は、投与後15分までに増加した。15

~30分後、放射能はゆっくりと減少した。8時間後、少量が腫瘍組織中に残存した(3653 dpm/g)。

腫瘍組織中への放射能の取り込みは、正常脳中への取り込みよりも明確に増加した(腫瘍:

59634 dpm/g、正常脳:17427 dpm/g)。放射能は、投与後5分の腫瘍中にすでに認められ、投

与後15分で高い腫瘍対脳比を示した。腫瘍と脳の放射能の分布比率は、投与後60分後で最も

大きく、5:1(46304:9127 dpm/g)であった。

肝臓組織は、投与後30分に高い放射能(150281 dpm/g)を示し、その後は、ゆっくりと減少

した。皮膚中放射能は、15分後で、腫瘍中放射能より非常に高値(皮膚:128245 dpm/g、 腫

瘍:59634 dpm/g)を示したが、その後は、両組織中放射能濃度は類似する推移を示した。

図 2.6.4.4.6-1 腫瘍を右前頭葉に移植後 14 日目のラットに、14C-5-ALA 120 mg/kg を静脈内

投与したときの脳内放射能分布 □:脳腫瘍、●:移植側の脳、■:反対側の脳、○:小脳、各値は平均値±SD (n=4、一部

n=5)

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

28

図 2.6.4.4.6-2 腫瘍を右前頭葉に移植後 14 日目のラットに、14C-5-ALA 120 mg/kg を

静脈内投与したときの組織内放射能分布 □:脳腫瘍、●:皮膚、■:肝臓、各値は平均値±SD (n=4、一部 n=5)

2.6.4.4.7 C6 グリオーマ細胞を移植した担癌モデルラットにおける脳内 PPIX 分布

添付資料 4.2.2.3-7 参

ヒト悪性神経膠腫のモデルである C6グリオーマ細胞を5-ALAに暴露したときのポルフィリ

ン生成についてin vitro 及びin vivo で検討した。

C6グリオーマ細胞を、1 mM 5-ALAとインキュベートしたときの位相差顕微鏡図及び蛍光顕微

鏡図を図2.6.4.4.7-1 に、インキュベーション時間との関係を図2.6.4.4.7-2 に示した。

5-ALAとのインキュベート後、C6グリオーマ細胞には、ポルフィリンが集積し、このポルフィ

リンは、635及び704 nmでピークを持つ、PPIXに特徴的な蛍光スペクトルを示した。C6グリオ

ーマ細胞中のPPIXの蛍光は、インキュベート開始後85分までは直線的に増加し(r=0.999)、そ

の後は、定常状態を示し始めた。

C6グリオーマ細胞を脳に接種後9日のラットに、5-ALA 100 mg/kgを静脈内投与し、投与後3、

6及び9時間に脳を採取し、凍結横断面切片を作成し、HE染色及び蛍光スペクトル分析により

腫瘍中PPIX生成について検討した。HE染色及び蛍光顕微鏡図を図2.6.4.4.7-3 に示した。顕

著な蛍光が、腫瘍に観察された。蛍光スペクトル分析ではPPIXに特徴的な635及び704 nmのピ

ークがみられた。蛍光強度の腫瘍対正常脳比は高く、紫外線下に、腫瘍組織を視覚認識でき

る明確なコントラストが得られた。

以上、in vitro 及び in vivo において、C6グリオーマ細胞は、5-ALA暴露後に、PPIXを生成、

集積することが示された。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

29

図 2.6.4.4.7-1 C6 グリオーマ細胞と 1 mM 5-ALA を 120 分間インキュベートしたときの

位相差顕微鏡図 (左) 及び蛍光顕微鏡図 (右)

図 2.6.4.4.7-2 C6 グリオーマ細胞と 1 mM 5-ALA をインキュベートしたときの

C6 グリオーマ細胞中ポルフィリン蛍光の動力学 各値は平均値±SE (n=4)

HE 染色図 蛍光顕微鏡図(1.25 倍拡大)

図 2.6.4.4.7-3 C6 グリオーマ細胞を移植したラットに、5-ALA 100 mg/kg を静脈内投与

したときの脳の HE 染色図及び蛍光顕微鏡図

2.6.4.4.8 正常ウサギ又は VX2 腫瘍を移植した担癌モデルウサギにおける組織内分布

添付資料 4.2.2.3-8 参

正常ウサギ又は VX2 腫瘍を脳に移植した担癌モデルウサギに、5-ALA HCl 100 mg/kg を静

脈内投与し、脳及び腫瘍における PPIX の生成及び分布を、光学顕微鏡(HE 染色)及び共焦

点レ-ザー走査蛍光顕微鏡を用いて検討した。脳腫瘍の顕微鏡図を図 2.6.4.4.8 に示した。

5-ALA は、血液―脳関門を通過し、視床下部を除く脳部位において PPIX に代謝された。また、

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

30

PPIX は、腫瘍組織に正常脳組織に比してより多く集積することが認められた。

蛍光顕微鏡図 光学顕微鏡図 (HE 染色)

図 2.6.4.4.8 VX2 腫瘍を移植した 担癌モデルウサギに 5-ALA HCl 100 mg/kg を静脈内投与後

6.5 時間の脳腫瘍の蛍光及び光学顕微鏡図

2.6.4.4.9 胎盤通過性

5-ALAは、動物において、胎児毒性が報告されており、5-ALAの胎児移行は明らかであった。

2.6.4.4.10 乳汁移行性

添付資料 4.2.2.3-9 参

5-ALAは中性アミノ酸類縁化合物であり、乳汁中への移行性はアミノ酸のそれに準ずるもの

と考えられる。表2.6.4.4.10に示したように、アミノ酸は、疎水性、親水性、酸性、中性及

び塩基性、また、必須アミノ酸であるか否かに関わらず測定したすべてのアミノ酸が母乳中

に存在し、アミノ酸が乳汁中に移行することが示され、5-ALAの乳汁中への移行が示唆された。

表 2.6.4.4.10 母乳中各種アミノ酸濃度

アミノ酸濃度 (nmol/mL)

親水性アミノ酸 疎水性アミノ酸

酸性 中性 塩基性 乳房

Ile Met Gly Asp Ser Thr Lys Arg His

右側 11.6±

0.80

9.30±

0.42

114±

5.92

68.0±

7.26

104±

7.02

85.7±

5.81

17.9±

1.63

11.1±

1.10

25.6±

1.72

左側 11.7±

1.20

9.30±

0.70

119±

6.82

77.1±

12.0

102±

5.79

88.9±

5.86

21.3±

3.00

11.2±

1.26

26.5±

1.72 各値は平均値±SEM (n=26)

Ile:イソロイシン (必須アミノ酸)、Met:メチオニン (必須アミノ酸)、Gly:グリシン、

Asp:アスパラギン酸、Ser:セリン、Thr:スレオニン (必須アミノ酸)、Lys:リジン (必須アミノ酸)、

Arg:アルギニン、His:ヒスチジン

2.6.4.4.11 たん白結合

添付資料 4.2.2.3-10

ヒト血漿と5-ALAの結合率を限外ろ過法で検討した。5-ALAの平均たん白結合は、5-ALA濃度

500~5000 μg/Lの範囲において12%であった。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

31

2.6.4.5 代謝

2.6.4.5.1 In vivo 代謝

添付資料 4.2.2.4-1 参、4.2.2.4-2~4

イヌに5-ALA HCl 100 mg/kgを静脈内投与した血漿、肝臓及び尿中代謝物をHPLCにより検討

した。血漿中には、coproporphyrin Ⅲ及びPPIXが、肝臓中には主にPPIXがそれぞれ同定され

た。また、尿中にはporphobilinogen 、ポルフィリンとしては主にcoproporphyrin Ⅲ、他に

heptacarboxylporphyrin、hexacarboxylporphyrin及びpentacarboxylporphyrinが認められた。

ラットに5-ALA HCl 30及び300 mg/kgを経口投与で、125及び500 mg/kgを静脈内投与で、単

回及び14日間反復 (概要文2.6.4.3.2に記載)投与したときの血漿中にPPIXが検出された。ま

た、ラットに5-ALAP 15、60及び250 mg/kgを91日間1日1回反復経口投与したトキシコキネテ

ィクス試験において血漿中代謝物をHPLCにより検討したところ、血漿中にuroporphyrin Ⅰ、

uroporphyrin Ⅲ、pentacarboxylporphyrin、heptacarboxylporphyrin、coproporphyrin Ⅰ

及びcoproporphyrin Ⅲが検出され、これらの代謝物はほぼ投与量の増加とともに増大し、投

与終了後0.5~4時間にCmaxを示した。

2.6.4.5.2 In vitro 代謝

添付資料 4.2.2.4-5~7参 14C-5-ALA HCl及び5-ALA HClをマウス乳腺腺癌細胞とインキュベートし、生成したポルフ

ィリン化合物を、液体シンチレーション計測及び蛍光分光光度計により測定した。0.1~0.6

mMの5-ALA HClを用いたとき、5-ALAの15~40%がポルフィリンに代謝された。

また、14C-5-ALA HCl(0.5 μCi/mL)をラット肝ミトコンドリアとインキュベートしたとき、

添加した14C-5-ALA HClの約0.2%が14CO2に代謝され、Krebs cycleによる5-ALAの脱炭酸代謝

は、マイナー代謝経路と考えられた。

S-字結腸の腺癌細胞(WiDr cell line)を2 mMの5-ALAとインキュベートし、細胞中に生成

されたポルフィリン化合物を蛍光検出器装着逆相HPLCにより分離定量した。HPLCクロマトグ

ラム及び生成したポルフィリン化合物量を図2.6.4.5.2及び表2.6.4.5.2に示した。細胞内に

蓄積したポルフィリンの91%がPPIXであった。また、細胞中にcoproporphyrin (3.8%)、

hexacarboxylporphyrin (0.2%)、heptacarboxylporphyrin (3.7%)、及びuroporphyrin

(1.5%)が検出されたが、これらポルフィリンのアイソマー(Ⅰ及びⅢ)は分離分析されなか

った。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

32

Rt (分)

図 2.6.4.5.2 5-ALA (2 mM)を WiDr 細胞とインキュベート(3.5 時間)したときの

細胞中のポルフィリン類の HPLC クロマトグラム URO:uroporphyrin、HEPTA:heptacarboxylporphyrin、HEXA:hexacarboxylporphyrin、

PENTA (内部標準物質)、COPRO:coproporphyrin、PROTO:PPIX

表 2.6.4.5.2 5-ALA (2 mM)を WiDr 細胞とインキュベート(3.5 時間)したときの HPLC 法

よる細胞中のポルフィリン化合物の同定・定量 ポルフィリン濃度 (pmol/mg タンパク質)

PPIX Coproporphyrin

Hexacarboxyl porphyrin

Heptacarboxy porphyrin

Uroporphyrin

5-ALA 添加細胞 622.0±30.0 26.3±2.3 1.5±0.2 25.4±3.4 10.1±1.7

対照群細胞 28.75±2.4 n.d. n.d. n.d. n.d.

平均値±SE (n=3 又は 4)、n.d.:検出限界以下

2.6.4.5.3 細胞におけるヘモグロビン生合成

添付資料4.2.2.4-8参

5-ALAは、生体内物質であり、ミトコンドリア膜に局在するALA合成酵素によりglycine及び

succinyl-coenzyme Aから生成され、ヘモグロビンやチトクロムの組成である、ポルフィリン

生合成の重要な前駆体である。細胞におけるヘモグロビン生合成経路を図 2.6.4.5.3に示し

た。ミトコンドリアで生成された5-ALAは、細胞質において、ALA脱水酵素、porphobilinogen

脱アミノ酵素、uroporphyrinogen Ⅲ合成酵素、uroporphyrinogen脱カルボキシ酵素の作用を

受け、再びミトコンドリアに戻りcoproporphyrinogen酸化酵素及びprotoporphyrinogen酸化

酵素が関与してPPIXに変換される。生成したPPIXはフェロケラターゼによって二価鉄が挿入

されてヘムに変換される。投与した5-ALAも、このヘモグロビン生合成経路によって、ポルフ

ィリンを経由して、ヘム合成に関わるものと推察される。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

33

図 2.6.4.5.3 細胞におけるヘムの生合成 1 :ALA 合成酵素

2 :ALA 脱水酵素

3a:porphobilinogen脱アミノ酵素

3b:uroporphyrinogenⅢ合成酵素

4 :uroporphyrinogen 脱カルボキシ酵素

5 :coproporphyrinogen 酸化酵素

6 :protoporphyrinogen 酸化酵素

7 :フェロケラターゼ (鉄キレート化酵素)

2.6.4.6 排泄

2.6.4.6.1 単回投与

添付資料 4.2.2.5-1 参、4.2.2.5-2 参

ラットに5-ALA 200 mg/kgを経口投与又は静脈内投与したとき、両投与群において、投与後

1時間の尿中に、5-ALAが検出された。尿中最高5-ALA濃度は、投与後2時間に認められ、投与

後4時間の尿中には少量の5-ALAのみが検出された。バックグランドレベル以上のポルフィリ

ン濃度が、投与後4時間の尿で認められた。投与後24時間には、尿中ポルフィリン濃度はバッ

クグランドレベルを示した。

イヌに5-ALA HCl 100 mg/kgを単回静脈内投与し、尿中5-ALA、総ポルフィリン、

porphobilinogen及びポルフィリン化合物濃度を蛍光光度計及びHPLC法で測定し、図

2.6.4.6.1に示した。尿中5-ALA排泄は投与後速やかに増加し、投与後2~4時間で最も高かっ

た。尿中porphobilinogenはゆっくりと増加し、投与後4~8時間で最高値に達した。尿中総ポ

ルフィリンは、投与後に増加し、投与後4~8時間で最高値に達したが、個体差が認められた。

尿中の主要ポルフィリン分子種はCoproporphyrin Ⅲであった。ただし、相対的には、尿中

heptacarboxylporphyrin、hexacarboxylporphyrin及びpentacarboxylporphyrinの増加が認め

られた。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

34

図 2.6.4.6.1 イヌに 5-ALA HCl 100 mg/kg を静脈内投与したときの尿中 5-ALA、総ポルフィ

リン、porphobilinogen 及びポルフィリン化合物濃度 各値は平均値 (投与後 6時間まで:n=7、投与後 7~8時間まで:n=6、投与後9~10時間ま

で:n=3)

2.6.4.6.2 反復投与

添付資料4.2.2.5-3

ラットに5-ALA HCl 30、100及び300 mg/kgを13日間経口投与し、投与後16時間の尿中5-ALA

濃度を測定した。尿中5-ALA濃度を表 2.6.4.6.2に示した。5-ALAの尿中濃度は、投与量に依

存して増加した。100 mg/kg及び300 mg/kg投与群の尿中5-ALA濃度は、対照群(バックグラン

ド値)に比べて著しく高値であった。

表 2.6.4.6.2 ラットに 5-ALA を 13 日間反復経口投与後の尿中 5-ALA 濃度 尿中 5-ALA 濃度 (μg/mL 尿)* 動物/投与量

(mg/kg) 0 30 mg/kg 100 mg/kg 300 mg/kg

雄ラット 4.7±2.0 6.6±2.2 39.4±35.3 340.4±182.3

雌ラット 5.7±1.4 6.9±1.1 42.7±16.9 251.4±148.6 *:最終投与後 16時間の尿を採集、各値は平均値±SD (n=10)

2.6.4.7 薬物動態学的薬物相互作用

添付資料4.2.2.6-1、4.2.2.6-2参

① 5-ALAのヒト血漿たん白質との平均たん白結合率は、5-ALA濃度500~5000 μg/Lの範囲において12%と低値であり、たん白結合を介した5-ALAと他薬物との薬物相互作用はないと推

察される。

② 5-ALAは、細胞質及びミトコンドリアにおけるヘム生合成酵素によりポルフィリン及びヘ

ムに代謝されると考えられ、また5-ALAの代謝へのP450の関与は報告されていないため、薬

物代謝酵素を介した他薬物との薬物相互作用はないと推察された。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

35

2.6.4.8 考察

ラットに 5-ALA 200 mg/kg を単回経口又は静脈内投与したとき、経口投与時の血漿中

5-ALA 濃度は、最初の測定時点である投与後 1 時間においてすでに最高濃度を示し、その濃

度及び推移(T1/2:約 0.83 時間)は、静脈内投与時(T1/2:約 0.83 時間)と類似したことか

ら、5-ALA の経口吸収は速やかで、かつ良好であると考えられた。また、血漿中ポルフィリ

ン濃度は、経口及び静脈内投与で類似した。これらのことから、5-ALA の薬物動態は投与経

路によって変動しないものと推察された。また、イヌに 5-ALA HCl を 20 mg/kg 単回経口及び

静脈内投与したときの薬物動態パラメーターは、両投与経路で近似し、また生物学的利用率

が 86%と高値であったことから、イヌにおいても、ラットと同様に、5-ALAは速やかに、か

つ良好に経口吸収され、その薬物動態は投与経路によって変動しないものと推察された。

ラットに5-ALA HCl 30及び300 mg/kgを 1日 1回 14日間反復経口投与した時の血漿中5-ALA

濃度は、いずれの投与量においても、単回投与時と同様に、投与後 20 分(最初の測定時間)

が最高濃度であった。その後の消失は、単回投与時と同様に速やかであり[T1/2:1.06~2.39

時間(単回投与)及び 0.72~1.47 時間(反復投与)]、投与後 24 時間には、投与前値まで

減少した。また、5-ALA HCl を 125 及び 500 mg/kg 14 日間反復静脈内投与したときの血漿中

5-ALA 濃度は、単回投与時と同様に、投与後速やかに減少した[T1/2:0.59~0.76 時間(単回

投与)及び 0.63~0.68 時間(反復投与)]。さらに、雌雄のイヌに 5-ALA HCl を 1、3 及び

10 mg/kg 1 日 1 回 28 日間反復経口投与したときの血漿中 5-ALA 濃度の Cmax及び AUC0-24hは、

ほぼ投与量比で増加し、雌雄イヌ間において近似し、Tmax は、大部分のイヌで単回投与時と

同様にいずれも 0.5 時間であった。

これらのことから、5-ALA の薬物動態は、ラット及びイヌのいずれにおいても、反復投与に

よって大きく変動しないものと推察された。

また、雌雄ラットに 5-ALA HCl 125 又は 500 mg/kg を 1 日 1 回 14 日間反復静脈内投与した

ときの血漿中 PPIX 濃度は、単回及び反復投与間で、また雌雄間でも大きな差異はなく、主要

代謝物である PPIX の蓄積性は低いものと推察された。

ラットに 5-ALA 200 mg/kg を単回経口又は静脈内投与したとき、組織中最高 5-ALA 濃度は、

胃、十二指腸吸引物、空腸及び腎臓において静脈内投与よりも経口投与で高値を示したが、

その他の組織中 5-ALA濃度は、両投与経路で同程度であった。一方、組織中ポルフィリン濃

度は、経口及び静脈内投与で類似した。経口及び静脈内投与後の 5-ALA の体内分布の差異の

有無を明確にするため、組織中の 5-ALA、PPIX(8 分子の 5-ALA 分子で形成)及び

prophobilinogen(2 分子の 5-ALA 分子で形成)を測定し、各組織中総 5-ALA 量の全組織中総

5-ALA 量に対する割合を求めた。経口投与時の経路にあたる小腸と肝臓を除く組織中総 5-ALA

量の分布パターンは、経口投与時と静脈内投与時でよく一致し、5-ALA 投与後の分布には、

両投与経路で差異がないことが示唆された。

経口投与時の血漿及び脳内 5-ALA 濃度は、いずれも投与後 1時間で最高値に達し、その濃

度は、約 316 nmol/g 及び約 9 nmol/g であり、脳/血漿比は 0.03 であった。血漿及び脳内

PPIX 濃度は、いずれも投与後 3 時間に最高値約 1.2 及び 0.6 nmol/g を示し、脳/血漿比は

0.50 であった。これらの脳/血漿比の差は、5-ALA の標的臓器である脳への蓄積に関して、

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

36

蛍光成分である PPIX が 5-ALA のそれより約 16.7 倍高いことを示しており、効果発現との関

連が示唆された。

一方、種々の担癌モデル動物において、PPIXは、腫瘍組織に分布及び集積することが示さ

れた。紫外線下、腫瘍組織中PPIXの蛍光強度は、周辺正常組織に比べて高く、正常組織との

間で明瞭なコントラストが観察された。PPIXが腫瘍細胞に蓄積する機序については以下のよ

うに考えられている。すなわち、生体内ではglycineとsuccinyl CoAから生成された5-ALAは、

PPIXを経てヘム合成に使われるが、その過程には多くの酵素が関与している(図2.6.4.8)。

外部から投与された5-ALAも同様な経路をたどると考えられる。悪性腫瘍細胞では正常細胞に

比べてPPIX生成までの酵素(ALA脱水酵素、porphobilinogen脱アミノ酵素、uroporphyrinogen

脱カルボキシ酵素)活性が高く(添付資料4.2.2.7-2参)、PPIXからヘムを触媒する酵素(フェ

ロケラターゼ)活性が低いため(添付資料4.2.2.7-3参)、結果的に腫瘍細胞ではPPIX濃度が高

まり、正常細胞に比べてPPIXが多く蓄積すると考えられている。

Glycine + succinyl CoA

↓ ALA 合成酵素

5-ALA

↓ ALA 脱水素酵素

PBG (ポルホビリノーゲン)

↓ porphobilinogen 脱アミノ酵素

URO (uroporphyrinogen Ⅲ)

+活性

↓ uroporphyrinogen 脱カルボキシ酵素

COPRO (coproporphyrinogen Ⅲ) 悪性腫瘍細胞 ↓ -活性

PPIX (protoporphyrin-IX)

↓ フェロケラターゼ

Heme

図 2.6.4.8 PPIX 及びヘムの生成経路と PPIX が腫瘍細胞に蓄積する機序

(添付資料 4.2.2.7-1 参)

ラットに 5-ALA 200 mg/kg を単回静脈内投与後の十二指腸吸引物中に 5-ALAが認められた

(図 2.6.4.4.1-1)。十二指腸吸引物中には、胆汁が含まれること、また、静脈内投与後の空

腸中 5-ALA 濃度の最高濃度到達時間(Tmax:2 時間)が、他組織中のそれ(Tmax:1 時間)より

もより遅延した(図 2.6.4.4.1-1)ことから、5-ALAの一部は、胆汁を介して腸管中に排出さ

れるものと推察された。また、経口投与後の血漿中 5-ALA 濃度(図 2.6.4.4.1-1)は、5-ALA

の消化管吸収が速やかで良好であることを示していることから、胆汁中に排泄された 5-ALA

は、腸管において再吸収されるものと推察され、ラットにおける 5-ALA の薬物動態への腸管

循環の関与が示唆された。また、ラットに 5-ALA を経口投与した時の 5-ALAの経口吸収は速

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.4 薬物動態試験の概要文

37

やかで、かつ良好であると考えられたこと、血漿中 5-ALA の T1/2は、経口投与時及び静脈内

投与時で差異はなく、両投与経路における薬物動態の差異は小さいと考えられたこと、経口

及び静脈内投与後の主要代謝物ポルフィリンの血漿中濃度は、両投与経路で近似し、初回通

過時の代謝には、投与経路による差異は小さいと考えられたこと、及び小腸中総 5-ALA の組

織中総 5-ALA に占める割合は、経口投与時で高かったが、経口投与時と静脈内投与時の差は

約 10%であり、腸肝循環に関わる 5-ALAは、多くても投与量の 10%程度と推察されたこと(表

2.6.4.4.1-1)から、経口投与時における 5-ALA の薬物動態への初回通過効果の関与は、小さ

いと推察される。

ミトコンドリアで生成された内因性の5-ALAは、細胞質において、ALA脱水酵素、

porphobilinogen脱アミノ酵素、uroporphyrinogen Ⅲ合成酵素、uroporphyrinogen脱カルボ

キシ酵素の作用を受け、再びミトコンドリアに戻りcoproporphyrinogen酸化酵素及び

protoporphyrinogen酸化酵素が関与してPPIXに変換される。生成したPPIXはフェロケラター

ゼによって二価鉄が挿入されてヘムに変換される。5-ALA HCl又は5-ALAPを投与したラット及

びイヌの血漿、臓器又は尿中にPPIX、uroporphyrin I、uroporphyrin Ⅲ、coproporphyrin Ⅰ、

coproporphyrin Ⅲ、heptacarboxylporphyrin、hexacarboxylporphyrin及びpentacarboxyl

porphyrinがそれぞれ同定され、また、尿中には2分子の5-ALAが縮合したporphobilinogen が

認められた。これらの代謝物はいずれも内因性の5-ALAから生成するポルフィリン化合物及び

その前駆体であることから、投与した5-ALAの多くは内因性の5-ALAと同様の生体内運命をた

どり代謝されるものと推察される。

ラットに 5-ALA 200 mg/kg を単回経口又は静脈内投与したとき、両投与経路において、投

与後 1 時間の尿中に、5-ALA が検出され、排泄パターンは、両投与経路で類似した。尿中最

高 5-ALA 濃度は、いずれの投与においても投与後 2時間に認められ、投与後 4時間の尿中に

は少量の 5-ALA のみが検出された。また、尿中へのポルフィリンの排泄は、経口投与時と静

脈内投与で時間差はあるが排泄パターンは類似し、5-ALA 投与後の排泄及び代謝には、経口

投与と静脈内投与で差異がないものと推察された。雌雄ラットに 5-ALA 100 mg/kg 及び 300

mg/kg を 13 日間反復経口投与したとき、5-ALA の尿中濃度は、投与量に依存して増加し、反

復投与による影響及び性差は認められなかった。

また、イヌに、5-ALA HCl 100 mg/kg を単回静脈内投与したとき、尿中への 5-ALA の排泄

は投与後速やかに増加し、投与後 2~4時間で最も高かった。尿中への porphobilinogen の排

泄はゆっくりと増加し、投与後 4~8時間で最高値に達した。尿中へのポルフィリンの排泄は、

投与後 4~8時間で最高値に達した。尿中の主要ポルフィリン化合物は coproporphyrin Ⅲで

あり、相対的には尿中に、 heptacarboxylporphyrin 、 hexacarboxylporphyrin 及び

pentacarboxylporphyrin の増加が認められた。

5-ALAのヒト血漿たん白質との平均たん白結合率は、5-ALA濃度500~5000 μg/Lの範囲にお

いて12%と低値であり、たん白結合を介した5-ALAと他薬物との薬物相互作用はないと推察さ

れた。また、5-ALAは細胞質及びミトコンドリアにおけるヘム生合成酵素によりポルフィリン

及びヘムに代謝されると考えられ、また5-ALAの代謝へのP450の関与は報告されていないため、

薬物代謝酵素を介した他薬物との薬物相互作用はないと考えられた。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤)

第 2部 CTD の概要(サマリー)

2.6 非臨床試験の概要及び概括表

2.6.5 薬物動態試験の概要表

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

略号一覧

5-ALA 5-aminolevulinic acid

5-ALA HCl 5-aminolevulinic acid hydrochloride

5-ALA 塩酸塩

5-ALAP 5-aminolevulinic acid phosphate

5-ALA リン酸塩

AUC0-24h 投与後 0~24 時間の血漿(血液)中濃度-時間曲線下面積

AUC0-∞ 投与後 0~無限大時間の血漿(血液)中濃度-時間曲線下面積

Cmax 最高血漿及び血中濃度 14C-5-ALA HCl 14C 標識 5-ALA 塩酸塩

CL 血漿クリアランス 14C-CO2

14C 標識二酸化炭素

CO2 二酸化炭素

CSF 脳脊髄液

CV 変動係数

DPBS Dulbecco phosphate-buffered saline

Dulbecco リン酸緩衝生理食塩液

dpm degradation per minute

1 分当たりの崩壊数

Em 蛍光波長

Ex 励起波長

F 又は Fa 生物学的利用率

h 時間

HE 染色 Hematoxylin eosin 染色

ヘマトキシリン エオジン染色

HPLC 高速液体クロマトグラフィー

HPTLC High-performance thin-layer chromatography

高性能薄層クロマトグラフィー

ip 腹腔内

iv 静脈内

LOQ 定量下限

MRT 平均滞留時間

n 例数

NaOH 水酸化ナトリウム

PBS リン酸緩衝生理食塩水

po 経口

PPIX Protoporphyrin-IX

(7,12-Diethenyl-1,3,8,13,17-tetramethyl-21H,23H-porphyrin-2,18-dipropanoic

acid)

QC 品質管理

r 相関係数

rpm 回転数(回転毎分)

SD 標準偏差

SE 標準誤差

T1/2 消失半減期

Tmax 最高血漿中薬物濃度到達時間

Vd又は Vz 分布容積

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

目次

2.6.5 薬物動態試験の概要表.........................................................................................................1

2.6.5.1 薬物動態試験一覧表 .........................................................................................................1

2.6.5.2 分析方法及びバリデーション ...........................................................................................2

2.6.5.2.1 血漿及び尿中 5-ALA濃度の測定..................................................................................2

2.6.5.2.2 血漿中PPIX濃度の測定 ...............................................................................................9

2.6.5.3 吸収試験 .........................................................................................................................14

2.6.5.3.1 単回投与...................................................................................................................14

2.6.5.3.2 反復投与...................................................................................................................22

2.6.5.3.3 In vitroにおけるラット大脳皮質への 5-ALAの取り込み ........................................23

2.6.5.3.4 In vitroマウス乳腺腺癌細胞への移行 ....................................................................24

2.6.5.4 分布試験 .........................................................................................................................25

2.6.5.4.1 ラットにおける単回経口投与又は静脈内投与後の組織内分布 ................................25

2.6.5.4.2 イヌにおける単回静脈内投与後の組織内分布 .........................................................27

2.6.5.4.3 ヒト結腸管状乳頭腺癌を移植した担癌モデルマウスにおける組織内分布 ..............28

2.6.5.4.4 マウス乳腺腺癌M2 を移植した担癌モデルマウスにおける組織内分布.....................29

2.6.5.4.5 乳腺腺癌細胞を移植した担癌モデルラットにおける組織内分布.............................30

2.6.5.4.6 グリオーマ細胞を移植した脳腫瘍モデルラットにおける組織内分布 .....................31

2.6.5.4.7 C6 グリオーマ細胞を移植した担癌モデルラットにおける脳内PPIX分布 .................32

2.6.5.4.8 正常ウサギ又はVX2 腫瘍を移植した担癌モデルウサギにおける組織内分布............33

2.6.5.4.9 胎盤通過性 ...............................................................................................................34

2.6.5.4.10 乳汁移行性 .............................................................................................................34

2.6.5.4.11 たん白結合 .............................................................................................................34

2.6.5.5 代謝試験 .........................................................................................................................36

2.6.5.5.1 In vivo代謝 .............................................................................................................36

2.6.5.5.2 In vitro 代謝..........................................................................................................43

2.6.5.6 排泄試験 .........................................................................................................................45

2.6.5.6.1 単回投与...................................................................................................................45

2.6.5.6.2 反復投与...................................................................................................................48

2.6.5.7 薬物動態学的薬物相互作用試験 .....................................................................................48

2.6.5.8 考察 ................................................................................................................................48

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

1

2.6.5 薬物動態試験の概要表

2.6.5.1 薬物動態試験一覧表 試験 試験目的 動物種/被験物質 投与方法 報告年/研究機関 記載箇所

分析

方法

5-ALA 濃度の測定方

及びバリデーション

イヌ

19 /

、ドイツ

20 /

、ドイツ

4.2.2.1-1

4.2.2.1-2

PPIX 濃度の測定方法

及びバリデーション

イヌ

ヒト

20 /

、ドイツ

19 /

、ドイツ

4.2.2.1-3

4.2.2.1-4

単回投与 ラット/5-ALA HCl

ラット/5-ALAP

イヌ/5-ALA HCl

po

po

iv、po

20 /

、ドイツ

20 / 、日本

20 /

、ドイツ

4.2.2.2-1

4.2.2.2-2

4.2.2.2-5

反復投与 ラット/5-ALA HCl

ラット/5-ALA HCl

ラット/5-ALAP

イヌ/5-ALA HCl

po

iv

po

po

20 /

、ドイツ

19 /

、ドイツ

20 / 、日本

20 / 、日本

4.2.2.2-1

4.2.2.2-3

4.2.2.2-4

4.2.2.2-6

(in vitro)

脳細胞への取り込み

ラット/5-ALA HCl - 1995/Buenos Aires 大学、アルゼンチン 4.2.2.2-7 参

吸収

(in vitro)

乳腺腺癌細胞への取

り込み

マウス/ 14C-5-ALA HCl

- 2002/Buenos Aires 大学、アルゼンチン 4.2.2.2-8 参

単回投与

(正常動物)

ラット/5-ALA

イヌ/5-ALA HCl

iv、po

iv

1998/Erasmus 大学、オランダ

1996/Texas 医科大学、アメリカ

4.2.2.3-1 参

4.2.2.3-2 参

単回投与

(担癌動物)

マウス/5-ALA HCl

マウス/5-ALA HCl

ラ ッ ト /14C-5-ALA

及び 5-ALA

ラット/14C-5-ALA

ラット/5-ALA

ウサギ/5-ALA HCl

iv

ip

iv

iv

iv

iv

1996/Munich 大学、ドイツ

2002/Buenos Aires 大学、アルゼンチン

1995/Rochester 大学、アメリカ

1998/Innsbruck 大学、オーストリア

1998/Ludwig-Maximilians 大学、ドイツ

2004/国立癌センター、シンガポール

4.2.2.3-3 参

4.2.2.3-4 参

4.2.2.3-5 参

4.2.2.3-6 参

4.2.2.3-7 参

4.2.2.3-8 参

in vitro

C6 グリオーマ細胞

ラット/5-ALA - 1998/Ludwig-Maximilians 大学、ドイツ 4.2.2.3-7 参

胎児移行 20 /ノーベルファーマ、日本 CTD2.6.6 毒

性試験の概

要文

乳汁中移行 ヒト 1994/金沢大学、日本 4.2.2.3.9 参

分布

たん白結合 ヒト血漿 5-ALA HCl - 20 /

、ドイツ

4.2.2.3-10

単回投与 イヌ/5-ALA HCl

ラット/5-ALA HCl

ラット/5-ALA HCl

iv

po

iv、po

1996/Texas 医科大学、アメリカ

20 /

、ドイツ

19 /

、ドイツ

4.2.2.4-1 参

4.2.2.4-2

4.2.2.4-3

反復投与 ラット/5-ALA HCl

ラット/5-ALAP

iv、po

po

19 /

、ドイツ

20 / 、日本

4.2.2.4-3

4.2.2.4-4

代謝

in vitro

マウス乳腺腺癌細胞

5-ALA HCl 14C-5-ALA HCl

- 2002/Buenos Aires 大学、アルゼンチン 4.2.2.4-5 参

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

2

in vitro

ラット肝ミトコンド

リア

14C-5-ALA HCl - 1994/Sào Paulo大学、ブラジル 4.2.2.4-6 参

in vitro

S-字結腸腺癌細胞

(WiDr 株細胞)

5-ALA - 2000/Trondheim大学病院、ノルウェー 4.3.2.4-7 参

代謝経路

ヘモグロビン生合成

5-ALA - 1998/大学医療センター

(Amsterdam)、オランダ

4.3.2.4-8 参

単回投与 ラット/5-ALA

イヌ/5-ALA HCl

iv、po

iv

1998/Erasmus 大学、オランダ

1996/Texas 医科大学、アメリカ

4.2.2.5-1 参

4.2.2.5-2 参排泄

反復投与 ラット/5-ALA HCl po 20 /

、ドイツ

4.2.2.5-3

たん白結合 - - 2006/Institut für Klinishe

Pharmakologie Bobenheim、ドイツ

4.2.2.6-1 参薬物

相互

作用 薬物代謝酵素 5-ALA - 1998/大学医療センター

(Amsterdam)、オランダ

4.2.2.6-2 参

2.6.5.2 分析方法及びバリデーション

分析方法は各表中に記載した。バリデーションは一部試験においては実施していない。

2.6.5.2.1 血漿及び尿中 5-ALA濃度の測定

添付資料 4.2.2.1-1

被験物質 5-ALA

HPLC 条件

カラム:LiChrospher RP-Select B5 (250×3 mm、CS Chromatographie Service)

プレカラム:LiChrospher RP-Select B5 (10×3 mm、CS Chromatographie

Service)

移動相:20 mM 酢酸ナトリウム(酢酸で pH3.0 に調整)-アセトニトリル (7:3、

v/v)

溶出速度:0.4 mL/min

試料注入量:100 μL

検出:蛍光検出 (Ex:373 nm、Em:463 nm)

5-ALA 溶出時間:約 8.7 分

試料調製

イヌの血漿及び尿試料 100 μL にアセトニトリル 100μL を添加し攪拌。混液

を遠心分離 (12000 rpm、2 分間)。試薬 A 3.5 mL に上清 100μL 及び試薬 B 450

μL を加えた。混液は攪拌後、その 1.5 mL をエッペンドルフバイアルに移し、

95℃で 25 分間インキュベートした(蛍光誘導体 2,6-ジアセチル-1,5-ジメチ

ル-7-(2-カルボキシエチル)-3H-ピロリジンを生成)。反応液はろ過 (0.45 μ

m、Sartorius MiniSart no. 16555) 後、HPLC 分析に供すためオートサンプラ

ーバイアル中に移した。

試薬 A:アセチルアセトン-エタノール-水 (1.5:1:7.5、v/v) 混液を透明

になるまで攪拌。使用する都度毎日調製。

試薬 B:37%ホルムアルデヒド水溶液-水 (2.8:7.2、v/v)、遮光下に保存。

使用する都度毎日調製。

5-ALA

保存溶液

5-ALA HCl 5.03(5.11:以下の括弧内の数字はこの 5.11 mg に対応) mg を 100

mL フラスコ中に秤量、水で 100 mL に調整。5-ALA の名目濃度:39.34 (39.97)

mg/L

5-ALA

希釈液

上記保存液の一部を水で希釈。

各 5-ALA 希釈液の名目濃度:

3.934(3.997)、1.967(1.999)、0.984(0.999)、0.492(0.500)、0.197(0.200)

及び 0.049(0.050) mg/L

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

3

キャリブレーション

標準液

上記 5-ALA 希釈液 10 μL に水 100μL を添加して調製(4(2)組を調製)。

5-ALA の名目濃度:4.9 (5.0)、19.7 (20.0)、49.2 (50.0)、98.4 (99.9)、196.7

(199.9)及び 393.4 (399.7) ng/mL

真度検討試料

水、血漿又は尿 100 μLに各 5-ALA希釈液 10 μLを添加して 18試料を調製。

5-ALA 未添加の血漿及び尿試料 (基準値評価のため)

各試料に添加した 5-ALA の名目濃度:0.0、20.0、50.0、99.9、199.9 及び 399.7

ng/mL

精度検討試料 水、血漿又は尿 100μL に各 5-ALA 希釈液 10 μL を添加して 18 試料を調製。

添加した 5-ALA の名目濃度:98.4 ng/mL (水) 又は 99.9 ng/mL (血漿、尿)

安定性検討試料

5 試料を、水、100 μL に各 5-ALA 希釈液 10 μL を添加して調製。試料は誘

導体化後プールし、それをオートサンプラーバイアル 18 本に分割。

最終試料中の 5-ALA 名目濃度:98.4 ng/mL

特異性測定試料

4 試料を、特異性測定のために調整。

・ 試薬 A 及び試薬 Bを添加した水

・ 試薬 A 及び試薬 Bを添加しない水

・ 試薬 A 及び試薬 Bを添加しないブランク血漿

・ 試薬 A 及び試薬 Bを添加しないブランク尿

直線性

5-ALA 添加濃度

(ng/mL) 4.9 19.7 49.2 98.4 196.7 393.4

ピーク面積

220055

230453

213515

213902

835491

972083

925739

889900

2235010

2412144

2322736

2215038

4293792

4849421

4698595

4244861

8820070

10028912

9538778

9255910

19188112

18871024

19818784

18220256

5-ALA のキャリブレーションカーブ及び分析の真度

キャリブレーションカーブ

分析の真度

試料に添加した 5-ALA の名目濃度(ng/mL)

5-ALA 分析の真度 (キャリブレーションカーブより計算)

5-ALA の名目濃度

(ng/mL) 測定濃度 (ng/mL) %名目濃度 不正確さ (%)

5.2 105.5 +5.5

5.4 109.9 +9.9

5.0 102.7 +2.7 4.9

5.0 102.9 +2.9

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

4

18.0 91.5 -8.5

20.9 106.0 +6.0

19.9 101.1 +1.1 19.7

19.2 97.3 -2.7

47.3 96.1 -3.9

51.0 103.6 +3.6

49.1 99.8 -0.2 49.2

46.9 95.3 -4.7

90.3 91.8 -8.2

101.9 103.6 +3.6

98.8 100.4 +0.4 98.4

89.3 90.7 -9.3

184.9 94.0 -6.0

210.2 106.9 +6.9

200.0 101.7 +1.7 196.7

194.0 98.6 -1.4

401.6 102.1 +2.1

395.0 100.4 +0.4

414.8 105.4 +5.4 393.4

381.4 97.0 -3.0

絶対値の平均値 ±4.2

5-ALA 分析の真度 (添加試料から計算)

試料番号 添加濃度 (ng/mL)

名目濃度(ng/mL)*

実測濃度(ng/mL)** %名目濃度 不正確さ

(%)

Matrix water (水に添加)

RO 0.0 0.0 <1.5 - -

R1 20.0 20.0 20.0 100.2 +0.2

R2 50.0 50.0 51.5 102.9 +2.9

R3 99.9 99.9 99.3 99.4 -0.6

R4 199.9 199.9 206.0 103.1 +3.1

R5 399.7 399.7 413.4 103.4 +3.4

絶対値の平均値 (水) ±2.0

Matrix plasma (血漿に添加)

R6 0.0 - 14.7 - -

R7 20.0 34.7 34.2 98.6 -1.4

R8 50.0 64.7 62.6 96.8 -3.2

R9 99.9 114.6 114.5 99.9 -0.1

R10 199.9 214.6 207.4 96.6 -3.4

R11 399.7 414.4 412.8 99.6 -0.4

絶対値の平均値 (血漿) ±1.7

Matrix urine (尿に添加)

R12 0.0 - 8.5 - -

R13 20.0 28.5 30.2 105.8 +5.8

R14 50.0 58.5 58.4 99.8 -0.2

R15 99.9 108.4 101.6 93.7 -6.3

R16 199.9 208.4 206.4 99.0 -1.0

R17 399.7 408.2 409.2 100.2 +0.2

絶対値の平均値 (尿) ±2.7

総平均値 (全試料) ±2.1

*:名目濃度[R7~R11 (血漿) 又は R13~R17 (尿)]= 実測濃度[R6 (血漿) 又は R12 (尿)]+添加濃度 (ng/mL)

**:添加 5-ALA 水溶液で得られたキャリブレーションデータを実測濃度の計算に使用した。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

5

精度

注入番号 試料番号 実測濃度 (ng/mL)

Matrix water (5-ALA の名目濃度:98.4 ng/mL)

23 Pr1 97.1

24 Pr2 103.8

25 Pr3 106.0

26 Pr4 106.1

27 Pr5 108.3

28 Pr6 106.2

平均値±SD

CV (%)

104.6±3.9

±3.8%

Matrix plasma (5-ALA の名目濃度:114.6 ng/mL)

100 Pr7 118.5

101 Pr8 117.9

102 Pr9 124.6

103 Pr10 126.9

104 Pr11 127.0

105 Pr12 130.1

平均値±SD

CV (%)

124.2±4.9

±4.0%

Matrix urine (5-ALA の名目濃度:108.4 ng/mL)

106 Pr13 105.9

107 Pr14 109.1

108 Pr15 106.4

109 Pr16 111.3

110 Pr17 110.0

111 Pr18 108.1

平均値±SD

CV (%)

108.5±2.1

±1.9

分析感度

検出限界 1.5 ng/mL

定量限界 3.0 ng/mL

測定誘導体の安定性 (オートサンプラー中での安定性)

ピーク面積 オートサンプラー

スタート時点 (n=6)

オートサンプラー

中間時点 (n=6)

オートサンプラー

終了時点 (n=6)

平均値±SD 6266519±174968 6131961±19252 5925179±32568

スタート値に対する% 100±2.8 97.9±0.3 94.6±0.5

室内再現性

試験日時 Y 切片[B(0)] 傾き[B(1)] [(ng/mL) -1] 重相関係数 (r2)

20.03.97 -27251 47842 0.998

24.03.97 -27276 44870 0.998

25.03.97 -27957 38484 0.997

26.03.97 -30776 36705 0.999

27.03.97 -63684 43384 0.996

01.04.97 +12813 45200 0.999

02.04.97 -48163 45559 0.999

07.04.97 -71296 44520 1.000

16.06.97 -37936 39302 0.999

平均値±SD

CV (%)

-

-

42874±3781

±8.8

-

-

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

6

QC 試料の実測値

試料番号 実施日時 名目濃度

(ng/mL)

実測濃度

(ng/mL) %名目濃度

QKPr1 19.7 20.7 105.0

QKPr2 24.03.97

98.4 100.1 101.7

QKPr3 19.7 20.4 103.6

QKPr4 25.03.97

98.4 98.7 100.3

QKPr5 19.7 21.0 106.6

QKPr6 26.03.97

98.4 104.6 106.3

QKPr7 19.7 19.8 100.4

QKPr8 27.03.97

98.4 94.4 96.0

QKPr9 19.6 17.9 91.3

QKPr10 01.04.97

98.0 92.9 94.7

QKPr11 19.6 19.4 98.9

QKPr12 02.04.97

98.0 93.7 95.6

QKPr13 19.6 18.4 93.7

QKPr14 07.04.97

98.0 93.0 94.9

平均値±SD 99.2±5.0

添付資料 4.2.2.1-2

被験物質 5-ALA HCl

試料調製

血漿 0.1 mL は、40%トリクロロ酢酸 20 μL を添加し、たん白質を沈殿さ

せた。遠心分離後、上清 25 μL にアセチルアセトン 100 μL、2%酢酸 500

μL 及び 10%ホルムアルデヒド 250 μL を加え、100℃で 30 分間加熱し、

5-ALA 濃度測定試料とした (蛍光誘導体 2,6-ジアセチル-1,5-ジメチル

-7-(2-カルボキシエチル)-3H-ピロロリジンを生成)。

HPLC 条件

ガードカラム:Merck LiChrospherⓇ 60 RP select B (5 μm、4×4 mm)

カラム:Merck SuperspherⓇ 60RP select B (4 μm、4×125 mm)

移動相:メタノール 800 mL+水 1000 mL+氷酢酸 1 mL

カラム温度:50℃

流速:1 mL/min

試料注入量:40 μL

総溶出時間:15 分間 (5-ALA の溶出時間:約 6分)

検出:蛍光検出 (Ex:373 nm、Em:463 nm)

5-ALA HCl に関するキャリブレーション標準 (a)

5-ALA 添加濃度 (μg/L)

31.05 58.84 191.09 276.27 463.95 943.66 試験実施日

5-ALA 実測濃度 (μg/L)

11.09.2000 33.65

28.07

39.47* 225.02 253.46 430.96 962.87

913.30

13.09.2000 27.77

34.02

78.96* 286.27* 296.24 458.04 908.68

931.08

05.10.2000 29.93

32.24

35.21* 186.76 257.96 233.27* 979.50

991.60

09.10.2000 34.77

27.37

27.70* 193.68 262.65 236.73* 910.20

1009.56

10.10.2000 29.49

11.24*

57.79 223.56* 311.98 502.80 862.84

869.26

12.10.2000 31.08

19.23*

85.10* 182.71 236.85 499.60 980.73

1018.50

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

7

13.10.2000 31.40

66.38*

57.10 197.30 207.38* 467.47 919.93

946.82

n 11 2 5 6 5 14

平均値(μg/L) 30.89 57.44 197.10 269.86 471.77 943.21

SD(μg/L) 10.25 69.48 44.24 109.01 217.79 49.09

精度(%) 8.41 0.85 8.43 10.51 6.37 5.20

真度(%) -0.51 -2.37 3.14 -2.32 1.69 -0.05

*:(添加濃度-実測濃度)/ 添加濃度×100 が 20%を超える測定値は統計計算から除外した。

真度(%) = (添加濃度-実測濃度)/ 添加濃度×100

5-ALA HCl に関するキャリブレーション標準 (b)

5-ALA 添加濃度 (μg/L)

28.77 60.80 190.06 281.76 470.12 955.04 試験実施日

5-ALA 実測濃度 (μg/L)

18.10.2000 30.34

26.63

63.28 245.45* 296.17 451.10 952.22

927.52

19.10.2000 27.44

58.87*

67.12 200.53 262.68 466.05 942.11

933.13

n 3 2 1 2 2 4

平均値(μg/L) 28.14 65.20 200.53 279.43 458.57 938.74

SD(μg/L) 1.95 2.71 - 23.68 10.57 10.81

精度(%) 6.92 4.16 - 8.47 2.30 1.15

真度(%) -2.20 7.23 5.51 -0.83 -2.46 -1.71

*:(添加濃度-実測濃度)/ 添加濃度×100 が 20%を超える測定値は統計計算から除外した。

真度(%) = (添加濃度-実測濃度)/ 添加濃度×100

5-ALA HCl に関する QC 試料 (a)

5-ALA 添加濃度 (μg/L)

64.67 184.21 694.14 試験実施日

5-ALA 実測濃度 (μg/L)

イヌ血漿 61.63 111.43* 579.67

イヌ血漿 54.32 151.10 339.13*

水 69.35 163.13 583.82 11.09.2000

水 67.56 190.02 368.84*

イヌ血漿 78.28* 210.24 831.22

イヌ血漿 53.72 189.59 772.91

水 74.20 199.90 729.86 13.09.2000

水 50.65* 190.51 800.37

イヌ血漿 70.64 197.12 713.11

血漿 67.06 185.82 715.46

水 70.83 201.36 677.13 05.10.2000

水 59.84 200.81 770.01

イヌ血漿 82.83* 216.48 721.83

イヌ血漿 91.39* 181.73 744.31

水 68.96 158.73 615.85 09.10.2000

水 63.93 175.54 599.88

イヌ血漿 57.28 192.77 767.88

イヌ血漿 57.79 202.93 791.96

水 52.82 184.20 700.59 10.10.2000

水 47.95* 173.52 757.35

イヌ血漿 167.27* 97.71* 672.94

イヌ血漿 70.78 183.16 779.86

12.10.2000

水 66.09 199.76 691.07

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

8

水 73.46 177.27 731.04

イヌ血漿 77.00 200.86 738.75

イヌ血漿 100.56* 217.89 740.89

水 71.69 165.96 627.40

13.10.2000

水 87.60* 159.49 652.52

n 20 26 26

平均値(μg/L) 65.45 187.30 711.83

SD(μg/L) 7.35 17.90 68.83

精度(%) 11.23 9.56 9.67

真度(%) 1.20 1.68 2.55

*:(添加濃度-実測濃度)/添加濃度×100 が 20%を超える測定値は統計計算から除外した。

真度(%) = (添加濃度-実測濃度)/ 添加濃度×100

5-ALA HCl に関する QC 試料 (b)

5-ALA 添加濃度 (μg/L)

65.61 186.31 691.88 試験実施日

5-ALA 実測濃度 (μg/L)

イヌ血漿 53.48 188.08 746.41

イヌ血漿 75.49 151.59 593.66

水 83.45* 198.03 753.18 18.10.2000

水 60.00 180.34 671.08

イヌ血漿 52.52 172.48 738.48

イヌ血漿 61.68 187.19 880.38*

水 61.62 218.67 814.59 19.10.2000

水 82.15* 193.54 700.41

n 6 8 7

平均値 (μg/L) 60.80 186.24 716.83

SD (μg/L) 8.25 19.54 70.42

精度 (%) 13.57 10.55 9.79

真度 (%) -7.33 -0.04 3.61

*:(添加濃度-実測濃度)/ 添加濃度×100 が 20%を超える測定値は統計計算から除外した。

真度 (%) = (添加濃度-実測濃度)/ 添加濃度×100

5-ALA HCl 投与前のイヌ血漿 (イヌ No.3) の HPLC クロマトグラム

イヌ

ブランク血漿

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

9

5-ALA HCl 投与後のイヌ血漿 (イヌ No.3) の HPLC クロマトグラム (20 mg/kg、po)

イヌ

5-ALA HCl

po 投与

20 mg/kg

2.6.5.2.2 血漿中PPIX濃度の測定

添付資料 4.2.2.1-3

被験物質 PPIX

化合物 (mg)

Dimethylform

amide 添加に

よる最終液量

(mL)

最終濃度

(μg/L) 保存溶液

PPIX 6.16 10 616000 SS-A

保存溶液の調製

2 種類を調製

PPIX 4.99 10 499000 SS-B

保存溶液 (mL)

Dimethylform

amide 添加に

よる最終液量

(mL)

最終濃度

(μg/L) 試験溶液

SS-A 0.5 10 30800 WS-A

試験溶液

SS-B 0.5 10 24950 WS-B

試験溶液 (WS-A) をヒトブランク血漿で希釈

キャリブレーション標準液

Solution made up with plasma to a final weight of

[g]

最終濃度 (μg/L)

E1 0.100 mL WS-A 11.581 265.95

E2 2.944 g E1 4.506 173.76

E3 1.412 g E1 4.505 83.36

E4 0.452 g E1 4.519 26.60

E5 0.201 g E1 4.541 11.77

キャリブレーシ

ョン標準液の調

E6 0.176 g E1 9.030 5.18

試験溶液 (WS-B) をヒトブランク血漿で希釈

QC 試料 Solution made up with

plasma to a final weight of [g]

最終濃度 (μg/L)

QC1 0.100 mL WS-B 12.017 207.62

QC2 2.279 g QC1 9.028 52.41

QC 試料の調製

QC3 0.457 g QC1 9.036 10.50

測定試料の調製 血漿 0.2 mL は 30%トリクロロ酢酸 50 μLを添加して除たん白した。ジメチルス

ルホキシド 400μL を加え、攪拌後遠心分離した。上清をオートサンプラーバイ

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

10

アルに分取した。

HPLC 条件

ガードカラム:Phenomenex Phenyl (4 μm、2×4 mm)

カラム:Waters NovaPak Phenyl 60 (4μm、3.9×150 mm)

移動相:22.5 g 酢酸アンモニウム(1000 mL 水)+75 mL 酢酸+1500 mL アセトニト

リル

流速:1 mL/分

総溶出時間:12 分間

検出:蛍光検出 (Ex:400 nm、Em:630 nm)

PPIX に関するキャリブレーション標準

PPIX 添加濃度 (μg/L)

5.18 11.77 26.60 83.36 173.76 265.95 試験実施日

PPIX 実測濃度 (μg/L)

10.11.2000 5.37

5.05

11.47 25.77 81.67 180.40 277.34

261.76

10.11.2000 5.18

6.37*

11.65 27.51 76.63 175.76 269.64

274.30

13.11.2000 5.20

5.24

10.81 29.08 86.23 162.67 208.63*

201.93*

13.11.2000 5.53

5.16

10.23 28.00 85.36 172.64 195.44*

193.32*

14.11.2000 5.60

4.05*

10.39 23.31 91.70 185.71 250.77

278.97

14.11.2000 5.05

8.41*

12.47 26.85 109.26* 181.37 242.03

266.35

平均値 (μg/L) 5.27 11.17 26.75 84.32 176.43 265.14

SD (μg/L) 0.20 0.85 2.02 5.60 8.13 13.08

精度 (%) 3.72 7.63 7.54 6.64 4.61 4.93

真度 (%) 2.65 8.88 -6.76 -4.41 0.76 -1.00

n 9 6 6 5 6 8

*:20%を超える測定値はキャリブレーション及び統計計算から除外

PPIX に関する QC 試料

PPIX 添加濃度(μg/L)

10.50 52.41 207.62

試験実施日

PPIX 実測濃度 (μg/L)

10.11.2000 9.11

11.85

49.76

57.83

167.80

231.39

10.11.2000 9.71

10.96

97.18*

50.69

282.74*

229.22

13.11.2000 10.85

np

49.96

56.43

205.59

211.81

13.11.2000 10.76

9.79

56.70

59.33

207.77

214.27

14.11.2000 12.33

8.80

56.01

63.01*

200.36

236.02

14.11.2000 11.77

13.79*

49.16

50.89

206.82

186.48

平均値 (μg/L) 10.59 53.68 208.87

SD (μg/L) 1.20 3.91 19.93

精度 (%) 11.36 7.28 9.54

真度 (%) -5.68 -5.81 -0.80

n 10 10 11

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

11

*:測定値が許容範囲である 20%をこえるため統計計算から除外した。

5-ALA HCl 投与イヌ血漿の HPLC クロマトグラム

イヌ

5-ALA HCl

po 投与

20 mg/kg

PPIX 濃度:定量限界以下

5-ALA HCl 投与イヌ血漿の HPLC クロマトグラム

イヌ

5-ALA HCl

po 投与

20 mg/kg

PPIX 濃度:6.93 μg/L

添付資料 4.2.2.1-4

被験物質 PPIX

試料の調製

血漿 (0.5 又は 0.25 mL) はジメチルスルホキシド/30%トリクロロ酢酸(水

溶液)混液(1:1、v/v)1 mL(0.25 mL の血漿の場合は、0.5 mL)を添加して

除たん白した。遠心分離で得た上清をオートサンプラーバイアルに分取し

た。

保存 PPIX 溶液(Ⅰ)

の調製

2.42 mg の PPIX を約 5 mL のアンモニアに分散し、5~10 mL の 1N 塩酸及び

25%塩酸(各2 mL)を添加した。混合液は1N塩酸で50 mLとし、最終濃度48400

μg/L に調整した。

1 N HCl による

調整量

添加濃度

(μg/L)

血漿濃度

(μg/L)

キャリブレー

ション標準

1.4 mL I 50 mL 1355.20 271.04 E1

4.5 mL E1 10 mL 609.84 121.97 E2

1.4 mL E1 10 mL 189.73 37.95 E3

0.75 mL E1 10 mL 101.64 20.33 E4

0.35 mL E1 10 mL 47.43 9.49 E5

キャリブレーション

用 PPIX 溶液の調製

0.40 mL E1 25 mL 21.68 4.34 E6

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

12

品質管理用保存試料

(Ⅱ)の調製

1.27 mg の PPIX を約 5 mL のアンモニアに分散し、5~10 mL の 1N 塩酸及び

25%塩酸(各 2 mL) 添加した。混合液は 1N 塩酸で 50 mL で、最終濃度 25400

μg/L に調整した。

1 N HCl による

調整量

添加濃度

(μg/L)

血漿濃度

(μg/L)

キャリブレー

ション標準

0.90 mL Ⅱ 25 mL 914.40 182.88 K1

1.5 mL K1 10 mL 137.16 27.43 K2

品質管理用 PPIX 溶液

の調製

0.4 mL K1 10 mL 36.58 7.32 K3

HPLC 条件

ガードカラム:Merck LiChrospherⓇ 60 RP select B (5 μm、4×4 mm)

カラム:Merck LiChrospherⓇ 60 RP select B (5 μm、4×125 mm)

移動相:

A:45 g 酢酸アンモニウム(1000 mL 水)+15 mL 酢酸

B:アセトニトリル

カラム温度:50℃

流速:1 mL/min

試料注入量:200 μL

総溶出時間:15 分間 (PPIX の溶出時間:約 5 分)

検出:蛍光検出 (Ex:400 nm、Em:618 nm)

血漿中 PPIX 濃度のキャリブレーションカーブ

PPIX

ヒト血漿

名目濃度(μg/L)

PPIX の検出限界 約 0.5 μg/L

血漿中PPIXの定量限界 4.34 μg/L (n=24、CV=13.11、精度及び真度:≦20%の濃度で定義)

真度及び精度

名目濃度 (μg/L)

7.32 27.43 182.88 試料

実測濃度 (μg/L)

1 6.50 29.75 176.20

2 6.50 29.48 178.49

3 6.98 25.20 171.62

4 7.44 30.96 186.55

5 5.96 29.32 185.17

6 6.24 29.96 192.33

平均値 (μg/L) 6.60 29.11 181.73

SD (μg/L) 0.53 2.00 7.63

精度 (%) 8.04 6.87 4.20

真度 (%) -9.78 6.13 -0.63

PPIX

日内再現性

ヒト血漿

n 6 6 6

名目濃度 (μg/L)

7.32 27.43 182.88

PPIX

日間再現性 (4 日間)

ヒト血漿

実測濃度 (μg/L)

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

13

平均値 (μg/L) 6.40 29.17 189.83

SD (μg/L) 1.13 3.47 18.59

精度 (%) 17.60 11.89 9.79

真度 (%) -12.55 6.33 3.80

n 24 23 24

直線性

名目濃度 (μg/L)

4.34 9.49 20.33 37.95 121.97 271.04

実測濃度 (μg/L)

平均値 (μg/L) 4.35 8.95 19.44 41.83 120.93 280.13

SD (μg/L) 0.31 1.02 1.41 1.61 6.89 14.78

精度 (%) 7.05 11.39 7.27 3.85 5.70 5.28

真度 (%) 0.20 -5.66 -4.38 10.22 -0.85 3.36

PPIX

直線性

ヒト血漿

n 8 8 8 7 8 8

ヒト血漿及びイヌ血漿の選択性

ヒトブランク血漿

の HPLC クロマトグラム

イヌブランク血漿の

HPLC クロマトグラム

PPIX 添加ヒト血漿

の HPLC クロマトグラム

PPIX 添加濃度:4.34 μg/L

PPIX 添加イヌ血漿

の HPLC クロマトグラム

PPIX 添加濃度:7.32 μg/L

本 HPLC 法による血漿中 PPIX 濃度測定には、ヒト及びイヌの血漿間において選択性が無いことを示した。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

14

2.6.5.3 吸収試験

2.6.5.3.1 単回投与

添付資料 4.2.2.2-1

動物種 SD 系ラット

性別/体重/動物数 雌雄/65~74 g/60 匹(雌雄各 30 匹)

給餌 自由摂取

被験物質/投与形態 5-ALA HCl/ 注射用水に溶解

投与方法 po 投与、単回及び 14 日間反復投与

投与量

30 及び 300 mg/kg (各々10 mL/kg)

グループ 2:30 mg/kg/day

グループ 3:300 mg/kg/day

試料 血漿:投与前、及び投与後 20 分、2、8 及び 24 時間の血漿

分析方法

5-ALA

血漿0.25 mLにトリクロロ酢酸(40%) 50μLを加え除たん白し、上清25 μ

L にアセチルアセトン 100 μL、2% 酢酸 500 μL 及び 10%ホルムアルデ

ヒド 250 μL を添加。反応混液は、100 ℃で 30 分間加熱し、5-ALA 蛍光

誘導体である 2,6-ジアセチル-1,5-ジメチル-7-(2-カルボキシエチ

ル)-3H-ピロリジンを生成させ、蛍光検出器を装着した HPLC を用いて

5-ALA 濃度を測定した。

HPLC 条件

ガードカラム:Merck LiChrospherⓇ60 RP select B (5 μm)

カラム:Merck SuperspherⓇ60 RP select B (4μm)、4 mm×125 mm

検出:蛍光検出 (Ex:373 nm 、Em:463 nm)

移動相:800 mL メタノール-1000 mL 水-1 mL 氷酢酸

カラム温度:50 ℃

流速:1 mL/min

総溶出時間:15 分

5-ALA 溶出時間:約 6分 (5-ALA 誘導体として)

定量限界 (75 μg/L)

バリデーション

キャリブレーションカーブの直線性、検出限界、精度、真度、安定性、

日間及び日内再現性、選択性等について検討。

雌雄ラットに 5-ALA HCl を単回及び反復 po 投与したときの血漿中 5-ALA 濃度

雌雄ラット

5-ALA HCl

po 投与

30 mg/kg

300 mg/kg

右図:雌ラット

左図:雄ラット

(雄ラット) (雌ラット)

概要文 2.6.4.3.1 の図 2.6.4.3.1-1 に転載

血漿中 5-ALA 濃度の測定値

5-ALA 濃度 (μg/L) 平均値±SD (n=3) 投与量

(mg/kg)

投与

期間 性

投与前 20 分後 2 時間後 8 時間後 24 時間後

Page 58: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

15

雄 <75>*

±0.00

7091.6

±6544.3

3996.6

±240.9

89.2

±24.6

<75>

±0.00 1 日目

雌 <75>

±0.00

13707.7

±2456.2

2995.9

±638.8

77.6

±4.4

<75>

±0.00

雄 <75>

±0.00

20259.6

±10521.2

2447.8

±769.0

356.0

±326.6

<75>

±0.00

30

14 日目

雌 <75>

±0.00

16864.8

±752.6

1274.4

±507.6

<75>

±0.00

<75>

±0.00

雄 <75>

±0.00

69760.3

±8195.6

38613.7

±20037.4

3742.3

±1278.5

<75>

±0.00 1 日目

雌 <75>

±0.00

68586.3

±14112.5

27586.5

±14264.0

6486.5

±1894.9

<75>

±0.00

雄 <75>

±0.00

100422.6

±21842.1

34103.5

±5134.6

<75>

±0.00

<75>

±0.00

300

14 日目

雌 254.9

±230.6

117316.4

±29301.2

27426.0

±7434.8

<75>

±0.00

<75>

±0.00

*<75>:定量限界以下

血漿中 5-ALA の消失半減期

消失半減期(分)

単回投与 (1 日目) 反復投与 (14 日目) 投与量

(mg/kg) 雄ラット 雌ラット 雄ラット 雌ラット

30 70.8(1.18)* 63.3(1.06)* 88.1(1.47)* 64.6(1.08)*

雌雄ラット

5-ALA HCl

po 投与

30 mg/kg

300 mg/kg 300 108.5(1.81)* 143.4(2.39)* 43.3(0.72)* 43.1(0.72)*

*:( )内の単位は時間 (ノーベルファーマ(株)において計算)

概要文 2.6.4.3 の表 2.6.4.3.2-1 中に転載

添付資料 4.2.2.2-2 社内資料 試験番号 )

動物種/動物数 Wistar 系ラット/42 匹

性別/体重/年齢 雌雄/141~175 g (雄)、101~127 g (雌)/6 週齢

給餌 自由摂取

被験物質/投与形態 5-ALA phosphate (以下 5-ALAP と略)/注射用水に溶解。

15 mg/kg/day:1.5 mg/mL、60 mg/kg/day:6 mg/mL、250 mg/kg/day:25 mg/mL

投与方法 po 投与

投与量 単回投与:15、60 及び 250 mg/kg/day

試料

投与後 0.5、1、2、4、8及び 24 時間の血漿

試料の処理

血漿 100 μL に水 10μL を加え、Microcon Ultracel YM-3 に注入し遠心

分離 (14000×g、60 分間、4℃)。ろ液(55 μL)に酢酸緩衝液 (pH3.8、250

μL)、試薬 A* (350 μL)及び試薬 B** (50 μL)を加えて、沸騰液中で煮

沸 (15 分間)。冷却後、水 (300 μL)及び酢酸エチル (5 mL)を加えて振

とう抽出、遠心分離後酢酸エチル層を分取、、蒸発乾固後 50%エタノール

(0.5 mL) に溶解して HPLC 試料とした *:水 54 mL+アセチルアセトン 15 mL+エタノール 10 mL の混液

**:ホルムアルデヒド液 8.5 mL に水を加え 100 mL とした溶液

分析方法

血漿中 5-ALA 濃度は上記の試料処理で蛍光誘導体化し HPLC 法で測定した。

HPLC 条件

カラム:Inertsil ODS-2 (5 μm、4.6 mm×150 mm)

カラム温度:45℃

移動相:1.5%酢酸-アセトニトリル (7:3、v/v)

検出:蛍光検出 (Ex:373 nm、Em:463 nm)

検量線範囲:0.01~1 μg/mL

Page 59: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

16

ラットに 5-ALAP を単回 po 投与したときの血漿中 5-ALA 濃度

雄ラット

5-ALAP

単回 po 投与

投 与 量 :15 、 60 及 び

250mg/kg

◆:15 mg/kg 投与

▲:60 mg/kg 投与

●:250 mg/kg 投与

平均値±SD(n=3)

概要文 2.6.4.3.1 の図 2.6.4.3.1-2 に転載

ラットに 5-ALAP を単回 po 投与したときの薬物動態パラメーター (上図から求めた)

薬物動態パラメーター

Cmax

(μg/mL)

Tmax

(h)

AUC0-24h

(μg・h/mL) 投与群

雄 雌 雄 雌 雄 雌

15mg/kg 投与群 2.20 4.09 0.5 0.5 3.16 3.80

60 mg/kg 投与群 9.61 14.4 0.5 0.5 12.0 19.2

250 mg/kg 投与群 85.3 58.2 0.5 0.5 142 91.5

平均値 (n=3)

概要文 2.6.4.3.1 の表 2.6.4.3.1-1 に転載及び概要文 2.6.4.3.2 の表 2.6.4.3.2-2 に一部転載

添付資料 4.2.2.2-3

動物種 SD 系ラット (雄:6 週齢、雌:7週齢)

性別/体重/動物

雌雄/雄:175~194 g、雌:178~188 g/60 匹 (雌雄各 30 匹)

給餌 自由摂取

被験物質/投与形

5-ALA HCl/5.7%リン酸水素二ナトリウム溶液に溶解し、3% (125 mg/kg 用) 及び

5% (500 mg/kg 用) 溶液を調製

投与方法 iv 投与、1日 1回、14 日間反復投与

投与量 125 mg/kg 及び 500 mg/kg

試料

投与 1 日目と 14 日目の投与前、及び投与後 1分、及び 2、4、8及び 24 時間の血

漿。投与 1 日目採血では、ラットは、雌雄各 4 群 (3 匹/群) に分け、低用量及

び高用量各投与に 2 群を使用し、0、4 及び 24 時間採血群及び 1 分、2 及び 8 時

間採血群とした。投与後 14 日目の採血では、ラットは、雌雄各 6群(3 匹/群)に

分け、低用量及び高用量各投与に 3 群を使用し、0 及び 4 時間採血群、1 分及び

8 時間採血群並びに 2及び 24 時間採血群とした。

分析方法

5-ALA

血漿 0.25 mL にトリクロロ酢酸(40 %) 50 μL を加え除たん白し、上清 25 μL

にアセチルアセトン100 μL、2%酢酸 500 μL及び 10%ホルムアルデヒド 250 μ

L を添加。反応混液は、100℃で 30 分間加熱し、5-ALA 蛍光誘導体である 2,6-ジ

アセチル-1,5-ジメチル-7-(2-カルボキシエチル)-3H-ピロリジンを生成させ、蛍

光検出器を装着した HPLC を用いて 5-ALA 濃度を測定した。

HPLC 条件

ガードカラム:Merck LiChrospherⓇ60 RP select B (5 μm)、4×4mm

カラム:Merck SuperspherⓇ60 RP select B (4μm)、4 mm×125 mm

検出:蛍光検出 (Ex:373 nm 、Em:463 nm)

移動相:800 mL メタノール-1000 mL 水-1 mL 氷酢酸

試料注入量:40 μL

カラム温度:50 ℃

流速:1 mL/分

Page 60: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

17

総溶離時間:15 分

5-ALA 溶出時間:約 6分 (5-ALA 誘導体として)

定量限界 (29.71 μg/L)

PPIX

血漿 0.5 又は 0.25 mL にジメチルスルホキシド/30%トリクロロ酢酸 (1:1、v/v) 1

又は 0.5 mL を添加、除たん白し、上清をオートサンプラー中に移した。

HPLC 条件

ガードカラム:Merck LiChrospherⓇ60 RP select B (5 μm)、4×4 mm

カラム:Merck LiChrospherⓇ60 RP select B (5 μm)、4×125 mm

検出:蛍光検出 (Ex:400 nm 、Em:618 nm)

移動相:

A:45 g 酢酸アンモニウム(1000 mL 水)-15 mL 酢酸

B:アセトニトリル

試料注入量:200 μL

カラム温度:50 ℃

流速:1 mL/分

溶出プログラム

時間(分) %A %B

0 50 50

10 60 40

10.1 50 50

総溶出時間:15 分

PPIX 溶出時間:約 5分

定量限界 (5.62 μg/L)

バリデーション

キャリブレーションカーブの直線性、検出限界、定量限界、精度、真度、安定性、

日間及び日内再現性、選択性等について検討。

血漿中 5-ALA 及び PPIX 濃度推移

雌雄ラット

5-ALA HCl

iv 投与

単回及び反復投与

125 mg/kg

500 mg/kg

右図:雌ラット

左図:雄ラット

5-ALA 濃度(●:125 mg/kg (単回) 、

▲:500 mg/kg (単回)、■:125 mg/kg

(反復)、◆:500 mg/kg(反復))、

PPIX 濃度(○:125 mg/kg (単回)、

△:500 mg/kg (単回)、□:125 mg/kg

(反復)、◇:500 mg/kg(反復))

雄ラット 雌ラット

概要文 2.6.4.3.2 の図 2.6.4.3.2-1 中に転載

Page 61: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

18

血漿中 5-ALA 濃度の測定値

5-ALA 濃度 (μg/L) 平均値±SD (n=6) 投与量

(mg/kg)

投与

期間 性

投与前値 1 分後 2 時間後 4 時間後 8 時間後 24 時間後

雄 <42.7

±>12.50

505858.7

±440265.91

4668.3

±2120.21

252.3

±105.95

51.0

±4.36

144.7

±26.86 1 日目

雌 <30

±>0.00

806419.7

±68277.16

11494.7

±5091.08

571.7

±241.42

65.0

±6.68

152.7

±14.84

雄 <36.0

±>5.57

653030.0

±54652.71

2801.3

±1558.51

388.0

±459.31

86.3

±30.99

77.7

±14.19

125

14日目

雌 <33.7

±>6.35

673567.7

±67208.78

4877.0

±1257.11

462.3

±172.97

58.0

±5.72

104.0

±18.25

雄 49.3

±8.14

2666666.7

±1154700.54

18316.7

±4875.75

2712.7

±2533.34

390.7

±464.13

168.0

±10.58 1 日目

雌 <33.7

±>6.35

3000000.0

±1000000.00

42320.3

±25504.17

4549.0

±1790.07

174.3

±134.75

156.7

±28.36

雄 55.3

±8.74

1333333.3

±577350.27

11058.3

±2445.17

595.7

±226.85

125.7

±63.52

150.0

±13.11

500

14日目

雌 52.7

±7.37

2000000.0

±0.00

19204.7

±1099.03

3832.0

±3193.24

159.0

±24.27

169.7

±28.57

血漿中 PPIX 濃度の測定値

PPIX 濃度 (μg/L) 平均値±SD (n=6) 投与量

(mg/kg)

投与

期間 性

投与前値 1 分後 2 時間後 4 時間後 8 時間後 24 時間後

雄 < 7.80

±> 3.811

< 5.60

-

56.27

±38.984

< 7.27

±> 1.498

< 5.60

-

< 5.60

- 1 日目

雌 < 7.17

±> 1.464

< 6.53

±> 1.617

54.57

±7.107

< 5.80

±> 0.265

< 5.60

-

< 5.60

-

雄 < 5.60

-

77.27

±22.286

80.10

±5.403

< 7.30

±> 1.539

15.07

±4.438

22.20

±9.440

125

14日目

雌 < 7.20

±> 2.771

25.40

±7.398

100.83

±74.800

< 8.97

±> 3.400

< 6.77

±> 2.021

15.20

±7.102

雄 < 9.87

±> 4.576

20.93

±1.305

21.63

±6.389

87.47

±36.271

16.70

±1.758

< 6.80

±> 1.664 1 日目

雌 < 6.87

±> 2.194

20.53

±11.838

13.90

±1.212

94.60

±23.666

15.03

±3.421

< 6.37

±> 1.328

雄 < 7.17

±> 1.550

< 14.00

±> 9.242

78.40

±39.777

86.50

±257.507

145.80

±104.637

<12.23

±>10.551

500

14日目

雌 < 5.60

-

19.80

±12.128

38.33

±31.173

23.17

±7.206

9.70

±1.825

< 5.60

-

血漿中 5-ALA の消失半減期

半減期(分)

単回投与 (1 日目) 反復投与 (14 日目) 投与量

(mg/kg) 雄ラット 雌ラット 雄ラット 雌ラット

125 45.6 (0.76)* 36.7 (0.61)* 40.5 (0.68)* 37.9 (0.63)*

雌雄ラット

5-ALA HCl

iv 投与

125 mg/kg

500 mg/kg 500 38.5 (0.64)* 35.1 (0.59)* 37.5 (0.63)* 37.5 (0.63)*

*:( )内の単位は時間 (ノーベルファーマ(株)において計算)

概要文 2.6.4.3.2 の表 2.6.4.3.2-1 中に転載

血漿中 PPIX の消失半減期

半減期(分)

単回投与 (1 日目) 反復投与 (14 日目) 投与量

(mg/kg) 雄ラット 雌ラット 雄ラット 雌ラット

125 136.3 (2.27) * 127.5 (2.13) * 190.7 (3.18) * 110.6 (1.84) *

雌雄ラット

5-ALA HCl

iv 投与

125 mg/kg

500 mg/kg 500 -** -** -** -**

*:( )内の単位は時間 (ノーベルファーマ(株)において計算)

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

19

**:明確な消失相が得られないため算出できない

概要文 2.6.4.3.2 にデータを引用

添付資料 4.2.2.2-4 ( 社内資料 試験番号 )

動物種/動物数 Wistar 系ラット/30 (雄雌各 15 匹、60 mg/kg 群及び 250 mg/kg 群:各 6

匹、対象群:各 3匹)

性別/体重/年齢 雌雄/128~163 g(雄)、110~124 g(雌)/6 週齢

給餌 自由摂取

被験物質/投与形態 5-ALAP/注射用水に溶解。

60 mg/kg/day:6 mg/mL、250 mg/kg/day:25 mg/mL

投与方法 po 投与、28 日間反復投与 (1 日 1 回)

投与量 60 及び 250 mg/kg

試料

投与前、及び投与後 0.5、1、2、4、8及び 24 時間の血漿

試料の処理

血漿 100 μL に水 10 μL を加え、Microcon Ultracel YM-3 に注入し遠

心分離 (14000×g、60 分間、4℃)。ろ液(55 μL)に酢酸緩衝液 (pH3.8、

250 μL)、試薬 A* (350 μL) 及び試薬 B** (50 μL) を加えて、沸騰液

中で煮沸 (15 分間)。冷却後、水 (300 μL) 及び酢酸エチル (5 mL) を

加えて振とう抽出、遠心分離後酢酸エチル層を分取、、蒸発乾固後 50%

エタノール(0.5 mL)に溶解して HPLC 試料とした *:水 54 mL+アセチルアセトン 15 mL+エタノール 10 mL の混液

**:ホルムアルデヒド液 8.5 mL に水を加え 100 mL とした溶液

分析方法

血漿中 5-ALA 濃度は、上記の試料処理で蛍光誘導体化し HPLC 法で測定し

た。

HPLC 条件

カラム:Inertsil ODS-2 (5 μm、4.6 mm×150 mm)

カラム温度:45℃

移動相:1.5%酢酸-アセトニトリル (7:3、v/v)

検出:蛍光検出 (Ex:373 nm、Em:463 nm)

検量線範囲:0.01~1 μg/mL

ラットに 5-ALAP を反復 po 投与したときの血漿中 5-ALA 濃度

雄ラット

5-ALAP

反復 po 投与

(1 日 1 回)

60 及び 250 mg/kg

△:60 mg/kg 投与

○:250 mg/kg 投与

平均値±SD(n=3)

概要文 2.6.4.3.2 の図 2.6.4.3.2-2 に転載

ラットに 5-ALAP を 28 日間反復 po 口投与したときの薬物動態パラメーター(上図から求めた)

Cmax

(μg/mL)

Tmax

(h)

AUC0-24h

(μg・h/mL) 投与群

雄 雌 雄 雌 雄 雌

60 mg/kg 投与群 22.3 20.3 0.5 0.5 24.8 29.1

250 mg/kg 投与群 109 114 0.5 0.5 141 161

平均値(n=3)

概要文 2.6.4.3.2 の表 2.6.4.3.2-2 に転載

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

20

添付資料 4.2.2.2-5

動物種 ビーグル種イヌ

性別/体重/動物数 雌雄/10.4~10.5 kg (雄)、10.7~10.8 kg (雌)/6 匹 (雌雄各 3匹)

給餌 毎日 2 時間自由摂取

被験物質/投与形態

5-ALA/5-ALA HCl 1.5 g を 5.7% リン酸二ナトリウム溶液 50 mL に溶解(3%

溶液)した (保存溶液)。保存溶液は、投与直前に、50 mL の注射用水で希

釈し、1.5%投与液とした。

投与方法 単回 iv 投与 (投与速度 30 秒) 又は po 投与を cross over 法で投与。投与

間には、2 週間の休薬期間を置いた。

投与量 1.33 mL/kg (20 mg/kg)

試料

血漿

iv 投与:投与前、投与後 2、5、15、30、45、60 分及び 2、3、4、6、8、

10、12 及び 24 時間

po 投与:投与前、投与後 5、15、30、45、60、90 分及び 2、3、4、5、6、

8、10、12、24 及び 48 時間

試料の処理

血漿 0.1 mL に、トリクロロ酢酸(40%) 20μL を添加し、たんぱく質を除

去した(5 分間攪拌後、10 分間遠心分離)。上清 25 μL に、アセチルアセ

トン 100 μL、酢酸 500 μL (2%)、及びホルムアルデヒド(10%) 250 μL

を添加し、反応混液とした。反応混液は、100℃、30 分間加熱(蛍光誘導

体を生成)

分析方法

血漿中 5-ALA 及び PPIX 濃度は HPLC 法で測定した。

5-ALA の測定

HPLC 条件

ガードカラム:Merck LiChrospherⓇ60 RP select B (5 μm、4×4 mm)

カラム:Merck SuperspherⓇ 60 RP select B (4 μm、125×4 mm)

カラム温度:50 ℃

移動相:800 mL メタノール+1000 mL 水+1 mL 氷酢酸

流速:1 mL/分

試料注入量:40 μL

検出:蛍光検出 (Ex:373 nm、Em:463 nm)

5-ALA が内因性物質であることから、測定値は、投与前 5-ALA 濃度で

補正した。

定量下限:31.05 μg/L

分析の精度:13.6%、

HPLC 法の検量線範囲:31.05~943.66 μg/L 及び 28.77~955.04 μg/L

PPIX の測定

HPLC 条件

ガードカラム:Phenomenex Phenyl (4 μm、2×4 mm)

カラム:Waters NovaPak Phenyl 60 (4μm、3.9×150 mm)

移動相:22.5 g 酢酸アンモニウム (1000 mL 水)+75 mL 酢酸+1500 mL ア

セトニトリル

流速:1 mL/分

総溶出時間:12 分

検出:蛍光検出 (Ex:400 nm、Em:630 nm)

定量下限:4.34 μg/L(検出限界:約 1 μg/L)

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

21

5-ALA を iv 投与又は po 投与したときの血漿中 5-ALA 濃度推移(平均値±SD:n=6)

イヌ

5-ALA HCL

iv 及び po 投与

20 mg/kg

◆:iv 投与

■:po 投与

概要文 2.6.4.3.1 の図 2.6.4.3.1-3 に転載

5-ALA HCl を iv 投与又は po 投与したときの薬物動態パラメータ- (平均値±SD:n=6)

薬物動態パラメータ- 静脈内投与 経口投与

AUC0-∞ (mg /L・h) 25.896±5.063 22.290±5.016

AUC0-t (mg/L・h) 25.669±5.028 22.212±5.002

Cmax (mg/L) 40.901±5.540 14.715±1.662

Tmax (h) 0.058±0.027 0.625±0.262

T1/2 (h) 0.652±0.059 0.623±0.129

MRT (h) 0.803±0.093 1.334±0.230

CL (L/h/kg) 0.799±0.163 0.940±0.230

Vd (L/kg) 0.751±0.164 0.826±0.192

イヌ

5-ALA HCl

iv 及び po 投与

20 mg/kg

Fa (%)* 86.2±11.5

*:生物学的利用率

概要文 2.6.4.3.1 の表 2.6.4.3.1-2 に転載

投与後の各時間における血漿中 5-ALA 濃度 (平均値±SD:n=6)

血漿中 5-ALA 濃度 (μg/L) 投与後の時間

(分又は時間) 静脈内投与 経口投与

0 (分) n.c. n.c.

2 39540.58±7075.74 -

5 35350.17±3258.39 1308.78±1143.89

15 25726.15±5035.29 10519.55±3918.19

30 16150.99±2447.11 13805.89±2288.92

45 11766.59±3165.55 12270.96±3326.46

60 8186.60±1095.49 10889.32±2294.62

90 - 7303.69±2679.11

2 (時間) 2553.15±1162.03 4879.26±1840.28

3 941.93±371.08 1623.72±829.43

4 317.11±164.58 646.25±381.88

5 - 238.18±227.36

6 n.c. 57.44±53.58

8 n.c. n.c.

10 n.c. n.c.

24 n.c. n.c.

イヌ

5-ALA HCl

iv 及び po 投与

20 mg/kg

48 - n.c.

n.c.:データの半数以上が定量限界(31.05 μg/L)以下の場合であり、算出しなかった。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

22

2.6.5.3.2 反復投与

添付資料 4.2.2.2-6

動物種 ビーグル種 イヌ

性別/体重/動物数 雌雄/8.12~10.52 kg (雄)、7.10~8.62 kg (雌) /雌雄各 10 匹

給餌 自由摂取 (8:30~13:00 の間)

被験物質/投与形

5-アミノレブリン酸塩酸塩 (5-ALA HCl)/注射用水で 0.2、0.6 及び 2.0 mg/mL

の水溶液を調製

投与方法 po 投与 (28 日間反復投与)

投与量 1、3 及び 10 mg/kg/日、

試料

血漿

投与 1 日:投与後 0.5、1、2、4、8 及び 24 時間

投与 28 日:投与前、投与後 0.5、1、2、4、8 及び 24 時間

分析方法

HPLC-蛍光法により、血漿中 5-ALA 濃度を測定した。

HPLC 条件

カラム:TSKgelODS-80Ts (5 μm、4.6 mm ×150 mm)

移動層:1.5% 酢酸-メタノール (55:45、v/v)

検出:蛍光検出(Ex:373 nm、Em:463 nm)

雄イヌに 5-ALA HCl を単回及び反復 po 投与したときの薬物動態パラメーター

薬物動態パラメーター (平均値±SD)

Cmax (μg/mL) Tmax (時間) AUC0-24 h (μg・h/mL) 投与量

単回投与 反復投与1) 単回投与 反復投与 単回投与 反復投与

1 mg/kg/日* 0.577±0.117 0.595±0.073 0.5±0.0 0.5±0.0 1.05±0.16 1.13±0.22

3 mg/kg/日* 2.11±0.25 1.81±0.43 0.7±0.3 0.5±0.0 3.38±0.26 3.06±0.27

10 mg/kg/日**

9.22±0.94 7.27±0.71 0.5±0.0 0.5±0.5 11.7±1.8 12.0±0.8

*:n=3、**:n=4、1):28 日目

概要文 2.6.4.3.2 の表 2.6.4.3.2-3 に転載

雌イヌに 5-ALA HCl を単回及び反復 po 投与したときの薬物動態パラメーター 薬物動態パラメーター (平均値±SD)

Cmax (μg/mL) Tmax (時間) AUC0-24 h (μg・h/mL)

投与量

単回投与 反復投与1) 単回投与 反復投与 単回投与 反復投与

1 mg/kg/日* 0.608±0.418 0.604±0.136 0.5±0.0 0.5±0.0 1.18±0.51 1.09±0.27

3 mg/kg/日* 2.29±0.21 1.90±0.14 0.5±0.0 0.5±0.0 2.91±0.27 2.74±0.30

10 mg/kg/日**

9.36±1.38 4.72±3.13 0.5±0.0 1.4±1.8 12.3±1.2 8.24±3.01

*:n=3、**:n=4、1):28 日目

概要文 2.6.4.3.2 の表 2.6.4.3.2-3 に転載

雄イヌに 5-ALA HCl を単回 po 投与したときの血漿中 5-ALA 濃度

雄イヌ

5-ALA HCl

単回 po 投与

1、3 及び 10 mg/kg

―◆― 1 mg/kg

―■― 3 mg/kg

―▲― 10 mg/kg

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

23

雄イヌに 5-ALA HCl を反復 po 投与したときの血漿中 5-ALA 濃度

雄イヌ

5-ALA HCl

28 回反復 po 投与(1日 1回)

1、3 及び 10 mg/kg

―◆― 1 mg/kg

―■― 3 mg/kg

―▲― 10 mg/kg

概要文 2.6.4.3.2 の表 2.6.4.3.2-3 に転載

雌イヌに 5-ALA HCl を単回 po 投与したときの血漿中 5-ALA 濃度

雌イヌ

5-ALA HCl

単回 po 投与

1、3 及び 10 mg/kg

―◆― 1 mg/kg

―■― 3 mg/kg

―▲― 10 mg/kg

雌イヌに 5-ALA HCl を反復 po 投与したときの血漿中 5-ALA 濃度

雌イヌ

5-ALA HCl

28 回反復 po 投与(1日 1回)

1、3 及び 10 mg/kg

―◆― 1 mg/kg

―■― 3 mg/kg

―▲― 10 mg/kg

2.6.5.3.3 In vitroにおけるラット大脳皮質への 5-ALAの取り込み

添付資料 4.2.2.2-7 参

動物種 Chbb Thom ラット

(12 時間ライト下/12 時間無灯下のサイクル、6~18 時ライト下)

性別/体重/動物数 雄/200~250 g/6~10 匹

被験物質 5-ALA

大脳皮質パーティクル

の調製

前もってヘパリンを投与したラットを光源下に、10~11 時の間で、心臓

放血により屠殺し、直ちに、脳を採取。大脳皮質は、直ちに切り分け、

パーティクルを Alperin (1986)*1) の方法で調製。6~10 匹のラットの大

脳皮質パーティクルを保存し、実験に供した。 1):Alperin et al. J Neurochem 1986; 47: 355-362

インキュベーション混液 種々の濃度の基質 (5-ALA)、大脳皮質パーティクル (組織たんぱく質 5

mg 相当)、グルコース(1 g/L) を含む Minimum essential medium (MEM)

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

24

2 mL、NaHCO3 2.2 g/L 及び最終濃度 2 mM で L-グルタミンを含有する栄

養補助。

試料 大脳皮質パーティクル (大脳皮質の最小組織単位)

定量方法

大脳皮質パーティクル内 5-ALA 濃度

インキュベーション終了後、遠心分離して大脳皮質パーティクルを沈

殿、洗浄。50 mM トリス-塩酸緩衝液(pH 7.4) 2.5 mL に懸濁し超音波処

理してパーティクル内容物を放出させ遠心分離後上清の 5-ALA を

Mauzerall(1956)2)の方法で測定した。 2):Mauzerall et al, J. Biol. Chem. 1956; 219: 435-446

大脳皮質パーティクルにおける 5-ALA 取り込みに対する大脳皮質量及び 5-ALA 濃度の影響

ラット

大脳皮質パーティクル

in vitro

5-ALA

A:40 mM

B:0.8~4.0 mM A:○;パーティクル内、

●;パーティクル外

B:インキュベーション時間

1 時間(○)、2 時間(●)、

4 時間(△)、6 時間(▲)

A B

概要文 2.6.4.3.3 の図 2.6.4.3.3 に転載

2.6.5.3.4 In vitroマウス乳腺腺癌細胞への移行

添付資料 4.2.2.2-8 参

動物種 マウス

継代細胞 マウス乳腺腺癌 M3 から継代培養された LM3.

被験物質 [4-14C]-5-ALA HCl (14C-5-ALA HCl)

反応系への添加濃度

14C-5-ALA HCl は 0.1%グルコースを含むリン酸緩衝生理食塩液(PBS)に溶

解 (NaOH で pH 7.4 に調整) し、0.1 又は 0.6 mM (0.3 mL) を反応系に

添加

インキュベーション条件

細胞は PBS-0.1%グルコース 0.5 mL で 2 回洗浄後 37 ℃プレインキュベ

ートし、その後 14C-5-ALA HCl 溶液 0.3 mL を添加し、37 ℃でインキュ

ベート

分析方法

インキュベーション終了後、細胞は 1 mM 5-ALA を含んだ氷冷 PBS 0.5 mL

で 4 回洗浄、その後 0.1 mM NaOH で破壊、バイアルに移し液体シンチレ

ーションカウンターで放射能を測定。

細胞中のポルフィリンは 5% 塩酸で抽出し蛍光分光光度計 (Ex:406 nm、

Em:604 nm) で測定。

Page 68: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

25

14C-5-ALA HCl をマウス乳腺腺癌細胞とインキュベートしたときの

5-ALA の取り込み及びポルフィリン生成

マウス乳腺腺癌細胞 (LM3 細胞系) 14C-5-ALA HCl

in vitro

0.1 及び 0.6 mM

14C-5-ALA 添加量:

0.1 mM(○、△)及び

0.6 mM(●、▲)

5-ALA 取り込み量:○、●

ポルフィリン生成量:△、▲ 概要文 2.6.4.3.4 の図 2.6.4.3.4 に転載

2.6.5.4 分布試験

2.6.5.4.1 ラットにおける単回経口投与又は静脈内投与後の組織内分布

添付資料 4.2.2.3-1 参

動物種 WAG/Rij 系ラット

性別/体重/動物数 雄/約 200 g/48 匹 (21 匹/群、コントロール群 6匹)

給餌 記載なし

被験物質/投与形態 5-ALA/リン酸緩衝生理食塩液 (PBS、pH 7.0)

投与方法 po 投与及び iv 投与

投与量 200 mg/kg

試料

投与後 1、2、3、4、6、12 及び 24 時間の臓器及び体液 (n=3)

尿中の 5-ALA及び porphobilinogenは直接イオン交換樹脂カラムを用いて分

離し測定に供した。

血漿及び組織中 5-ALA 及び porphobilinogen の測定

組織試料は、弱い光の下、水で 10~20%ホモジネートを調製。血漿及び組

織ホモジネート (120 μL) 中の 5-ALA は、DMSO-metaanol (30:70、v/v、

480 μL) で抽出し、5-ALA 及び porphobilinogen の測定に供した。

分析方法

血漿及び組織中 5-ALA の測定は、de Rooij (1987) 1) の fluorimetric enzyme

assay で行った。血漿及び組織中ポルフィリン (PPIX) の測定は、Chisolm J

(1975) 2) の micro-scale photofluoremetric 検出法で行った。

尿中 5-ALA、porphobilinogen 分画は Ehrling 試薬で赤色化合物に変換後、

分光光度計で定量した。尿中ポルフィリン類の分離測定には HPLC 法を用い

た 3)。 1):de Rooij FWM et al. Clin Chim Acta 1987; 162: 61-68

2):Chisolm J, et al. Clin Chem 1975; 21: 1669-1682

3):Lim CK et al, Clin Chem Acta 1984; 139: 55-63

Page 69: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

26

ラットに 5-ALA を 200 mg/kg po 又は iv 投与したときの組織内 5-ALA 濃度

ラット

5-ALA

po 及び iv 投与

200 mg/kg

x 軸上の点マークは、

測定時間(投与後 0、1、

2、3、4、6、12 及び 24

時間)を示す

n=3

…:po 投与

―:iv 投与 5-ALA 投与後の時間

概要文 2.6.4.4.1 の図 2.6.4.4.1-1 に転載

ラットに 5-ALA を 200 mg/kg po 又は iv 投与したときの組織内ポルフィリン濃度

ラット

5-ALA

po 及び iv 投与

200 mg/kg

x 軸上の点マークは、

測定時間(投与後 0、1、

2、3、4、6、12 及び 24

時間)を示す

n=3

…:po 投与

―:iv 投与 5-ALA 投与後の時間

概要文 2.6.4.4.1 の図 2.6.4.4.1-2 に転載

5-ALA を経口及び静脈内投与したときの組織中総 5-ALA*の分布

体内総 5-ALA に対する組織中総 5-ALA の割合 (%) 組織/臓器

経口投与 静脈内投与

食道 < 1 < 1

胃 1 1

十二指腸吸引物** 7 5

小腸 17 7

結腸 1 1

肝臓 45 55

脾臓 1 1

血液 4 4

腎臓 14 13

膀胱 1 1

心臓 < 1 < 1

肺 < 1 1

筋肉 3 3

脂肪 2 3

皮膚 4 4

脳 < 0.1 < 0.1

ラット

po 及び iv 投与

200 mg/kg

*総 5-ALA

(5-ALA+porphobilinog

en+porphyrin)

Porphobilinogen:2 分

子の 5-ALA から生成

Porphyrin: 8 分子の

5-ALA から生成

**:胆汁を含む

神経 < 0.1 < 0.1

概要文 2.6.4.4.1 の表 2.6.4.4.1-1 に転載

Page 70: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

27

2.6.5.4.2 イヌにおける単回静脈内投与後の組織内分布

添付資料 4.2.2.3-2 参

動物種 雑種イヌ

性別/体重/動物数 雄/10~30 kg (平均 19.7 kg)/7 匹

給餌 一晩絶食

被験物質/投与形態 5-ALA HCl/無菌 0.01 mol/L リン酸緩衝生理食塩液 (pH7.4) に、投与直前に

溶解 (80 mg/mL) した。

投与方法 iv 投与

投与量 100 mg/kg

試料

投与前及び投与後 1~10 時間の所定の時間に、バイオプシーにより膀胱、前

立腺、皮膚、大腿筋肉、肝臓、膵臓、血漿及び尿を採取した。各組織は約 0.3

g を採取した。

(総ポルフィリン)

組織試料は、0.25 mol/L ショ糖-0.02 mol/L Tris 緩衝液(pH7.4)の 1.5 mL

分析方法

とホモジネート後、ポルフィリンを 1 mol/L 過塩素酸-メタノール (1:1、v/v)

で抽出し、血漿中総ポルフィリン濃度は、血漿 2 μL を酢酸エチル-氷酢酸

(2:1、v/v) 0.3 mL 及び 0.5 N 塩酸 0.3 mL でポルフィリンを抽出し、蛍光

分光光度計で測定した(Ex:400 nm、Em:650 nm)た。

尿中総ポルフィリン濃度は Schwartz (1976)1)の方法に準じ、蛍光分光光度

計で測定した(Ex:400 nm、Em:650 nm)た。 1):Schwartz S, et al, Ann Chin Res 1976; 8: 156-161

(5-ALA 及び porphobilinogen)

尿中 5-ALA 及び porphobilinogen 濃度は、Mauzerall (1956) 2)の方法によっ

て測定した。 2):Mauzerall D,et al. J Biol Chem 1956; 219: 435-446

(ポルフィリン類)

組織、血漿及び尿中ポルフィリン類は逆相 HPLC によって測定した。

カラム

組織及び尿:Phenomenex C18 μm (10 mm×100 mm)

血漿:Waters C18 μm Bondapak (10 mm×150 mm)

溶出液:溶媒系 A (1 mol/L 酢酸アンモニウム、10% アセトニトリル、pH5.16)

と溶媒系 B (メタノール-アセトニトリル、9:1、v/v) 間の直線グ

ラジエントで溶出。

検出:蛍光検出 (Ex:397 nm、Em:618 nm)

イヌに 5-ALA HCl を 100 mg/kg iv 投与したときの血漿中総ポルフィリン濃度

イヌ

5-ALA HCl

iv 投与

100 mg/kg

グラフは、個々のイヌの血漿中ポルフィリン濃度を示した (n=2)

概要文 2.6.4.4.2 の図 2.6.4.4.2-1 に転載

Page 71: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

28

イヌに 5-ALA HCl を 100 mg/kg iv 投与したときの組織中総ポルフィリン濃度

イヌ

5-ALA HCl

iv 投与

100 mg/kg

投与後6時間まで:n=7、

7~8 時間まで:n=6

9~10 時間まで:n=3

各値は、平均値±SE

概要文 2.6.4.4.2 の図 2.6.4.4.2-2 に転載

2.6.5.4.3 ヒト結腸管状乳頭腺癌を移植した担癌モデルマウスにおける組織内分布

添付資料 4.2.2.3-3 参

動物種

腫瘍モデルマウス:胸腺無形成及びヒト結腸の管状乳頭腺癌(grade Ⅱ、UICC

Staging Ⅱa)を移植したヘアレスマウス。腫瘍は、マウスの側腹部に移植。

腫瘍サイズが平均直径 7~8 mm に達したマウスを実験に使用した。

性別/体重/動物数 記載なし/記載なし/62 匹 (5 匹/群、コントロール 2匹)

給餌 記載なし

被験物質/投与形態 5-ALA HCl/投与直前に、生理的食塩液に溶解 (pH:3~4)

投与方法 iv 投与。すべてのマウスは、蛍光測定まで、強力光源から保護。

投与量 50 mg/kg

試料

投与後 0、0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、5、6、24 及び 26 時間の腫瘍、膀胱、

脳、結腸、食道、腎臓、肝臓、肺、筋肉、膵臓、皮膚、脾臓及び気管。蛍光

測定は、屠殺直後に行った。

分析方法 臓器中ポルフィリン濃度は、λ=635±2 nm での蛍光スペクトルの強度により

測定した。

最高蛍光強度を示す時点における各種臓器の蛍光スペクトル

腫瘍モデルマウス

5-ALA

iv 投与

50 mg/kg

概要文 2.6.4.4.3 の図 2.6.4.4.3-1 に転載

Page 72: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

29

5-ALA 50 mg/kg を iv 投与したときの、膀胱、大腸、肝臓及び腫瘍中ポルフィリン濃度推移

腫瘍モデルマウス

5-ALA

iv 投与

50 mg/kg

平均値±SD(n=5)

概要文 2.6.4.4.3 の図 2.6.4.4.3-2 に転載

2.6.5.4.4 マウス乳腺腺癌M2 を移植した担癌モデルマウスにおける組織内分布

添付資料 4.2.2.3-4 参

動物種 BALB/c 系マウス:マウス乳腺癌 M2 由来の LM2 細胞株を皮下に移植し、

移植後約 20 日に試験に供した。

性別/体重 雄/20~25 g

給餌 自由摂取

被験物質/投与形態 5-ALA HCl/投与直前に、生理食塩液に溶解。

投与方法 ip 投与

投与量 2.5~10 mg

試料 腫瘍、正常皮膚、腫瘍をおおう皮膚、肝臓、腎臓及び脳

分析方法

組織中のポルフィリン濃度は、試料を酢酸エチル:氷酢酸 (4:1)混液

中でホモジナイズし、上清を 5% HCl で抽出して蛍光分光計で測定した。

Ex:406 nm、Em:604 nm

担癌モデルマウスに 5-ALA HCl 2.5~10mg を ip 投与後 3時間における組織中総ポリフィリン濃度

担癌モデルマウス

5-ALA HCl

ip 投与

2.5~10 mg

●:5-ALA を投与したときの

総ポルフィリン濃度

■:Hexyl ALA を投与したとき

の総ポルフィリン濃度

(5-ALA の評価には関係し

ない)

平均値±SD (n=3)

概要文 2.6.4.4.4 の図 2.6.4.4.4-1 に転載

Page 73: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

30

担癌モデルマウスに 5-ALA HCl 5 mg を ip 投与したときの組織中総ポリフィリン濃度推移

担癌モデルマウス

5-ALA HCl

ip 投与

5 mg

●:5-ALA を投与したときの

総ポルフィリン濃度

■:Hexyl ALA を投与したとき

の総ポルフィリン濃度

(5-ALA の評価には関係し

ない)

平均値±SD (n=3)

概要文 2.6.4.4.4 の図 2.6.4.4.4-2 に転載

2.6.5.4.5 乳腺腺癌細胞を移植した担癌モデルラットにおける組織内分布

添付資料 4.2.2.3-5 参

動物種 Fischer 系ラット:乳腺腺癌細胞(R3230AC)を腹部に移植。

性別/体重/動物数 ラット:雌/120~135 g/1 群 4 匹

給餌 記載なし

被験物質/投与形態

5-ALA/5-ALA 5~40 mg を滅菌 0.9%食塩水 250 μL に溶解 (用時調製) 14C-5-ALA (比活性:48.2 mCi/mmol、標識位置記載なし)/14C-5-ALA を含む

5-ALA を使用

投与方法 iv 投与

投与量 5-ALA:40~600 mg/kg 14C-5-ALA:300 mg/kg (25 μCi/kg)

試料

5-ALA 投与後の所定の時点での組織:採取した組織は秤量後、組織 0.1~0.4

g を 1 N 過塩素酸-メタノール (1:1、v/v) 5 mL とホモジネート、遠心分

離後、上清中のポルフィリン類を測定した。 14C-5-ALA 投与後所定の時点での組織:採取した組織は秤量後、100~200 mg

を 0.9%食塩水 0.2 mL とホモジネートし、ホモジネート中の放射能を測定

した。

分析方法

ポルフィリン類の組織中濃度

上記上清中のポルフィリン類を蛍光分光光度計(Ex:400 nm、Em:550~680

nm)により測定。

抽出率:PPIX を用いた添加回収実験により、この方法による組織からの

回収率は>90%であった。

最大蛍光強度:605 nm で検出され、このピークは、PPIX 濃度 0~10 μg/mL

で直線性を示した。

組織中ポルフィリン類の HPLC による同定

上記上清(2~3 mL)に同量のクロロホルムを加えて攪拌抽出し、クロロホル

ム層を分取、蒸発乾固物を上記過塩素酸-メタノールに溶解し、HPLC に資

した。

HPLC 条件

カラム:8NVC184 Radial-pak cartridge カラム (Waters)

溶出速度:1.0 mL/min

Page 74: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

31

溶離液:① 55% 0.1 M リン酸ナトリウム-45%メタノール、② 95%メタノ

ール-5% 0.1 M リン酸ナトリウム、はじめの 18 分間は①→②の

直線グラジエントで溶出、次の 12 分間は②で溶出、その後再び

①で 5 分間以上溶出。

検出:400 nm

放射能

組織ホモジネート中の放射能は、シンチレーション溶液を加え、液体シン

チレーションカウンターを用いて測定した。なお、5-ALA 投与及び未投与

の動物から採取した組織を同様に処理し、放射能を測定したがバックグラ

ンド以上の放射能は検出されなかった。

担癌ラットに 5-ALA 40~600 mg/kg を iv 投与後 3 時間の腫瘍中ポルフィリン濃度

担癌ラット

5-ALA

iv 投与

40~600 mg/kg

平均値±SE (n=3~4)

概要文 2.6.4.4.5 の図 2.6.4.4.5-1 に転載

担癌モデルラットに 14C-5-ALA 300 mg/kg を iv 投与したときの組織内放射能濃度

担癌ラット 14C-5-ALA

iv 投与

300 mg/kg

平均値±SE (n=3)

●:皮膚、□:筋肉

◆:R323OAC 腫瘍

○:血液、▼:肝臓

概要文 2.6.4.4.5 の図 2.6.4.4.5-2 に転載

担癌ラットに 5-ALA 300 mg/kg を iv 投与後 3時間の組織内ポルフィリン濃度

組織 ポルフィリン濃度 (μg/g 組織:平均値±SE) n

R3230AC 腫瘍 4.21±0.38 12

肝臓 3.75±0.27 10

皮膚 0.30±0.09 3

筋肉 0.36±0.04 3

食道 1.28±0.11 4

腸管 3.82±0.58 4

血清 0.21±0.02 4

担癌ラット

5-ALA

iv 投与

300 mg/kg

動脈 2.61±0.75 4

概要文 2.6.4.4.5 の表 2.6.4.4.5 に転載

2.6.5.4.6 グリオーマ細胞を移植した脳腫瘍モデルラットにおける組織内分布

添付資料 4.2.2.3-6 参

動物種 SD 系ラット:神経膠腫細胞(C6 グリオーマ細胞)を右前頭葉に移植

性別/体重/動物数 雌/約 160 g/1 群 4 (一部 5)匹

Page 75: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

32

給餌 記載なし

被験物質/投与形態 [4-14C]-5-ALA (14C-5-ALA)/230788±11026 dpm/10 μL (5-ALA 0.4 mg/10

μL に相当)

投与方法 iv 投与

投与量 120 mg/kg

試料 14C-5-ALA 投与後の所定の時点における組織

分析方法

組織中放射能の測定

0.08±0.05 g 組織を soluene 350 (Packard Ins.,Vienna, Austria) 1.5 mL

に溶解、Hionic Fluor 15 mL を加えて、液体シンチレーションカウンター

を用いて放射能を測定。クエンチング補正は外部標準 (133Ba) 法で行っ

た。肝臓を除いて、測定効率は 92~95%、肝臓の測定効率は、カラークエ

ンチングのため 88%に低下した。

担癌ラットに、14C-ALA を 120 mg/kg iv 投与したときの脳内放射能分布

ラット 14C-ALA

iv 投与

120 mg/kg

平均値±SE (n=4、一部 5)

□:脳腫瘍

●:移植側の脳

■:反対側の脳

○:小脳

投与後の時間 (分)

概要文 2.6.4.4.6 の図 2.6.4.4.6-1 に転載

担癌ラットに、14C-ALA を 120 mg/kg iv 投与したときの組織内放射能分布

ラット 14C-ALA

iv 投与

120 mg/kg

平均値±SE (n=4、一部 5)

□:脳腫瘍

●:皮膚

■:肝臓

投与後の時間 (分)

概要文 2.6.4.4.6 の図 2.6.4.4.6-2 に転載

2.6.5.4.7 C6 グリオーマ細胞を移植した担癌モデルラットにおける脳内PPIX分布

添付資料 4.2.2.3-7 参

動物種 Wistar 系ラット:C6 グリオーマ細胞を線条体に移植

性別/体重/動物数 雄/250~350 g/24 匹

給餌 記載なし

被験物質/投与形態 5-ALA/5-ALA 20 mg をリン酸緩衝生理食塩液 (pH 6.5) 1 mL に溶解

投与方法 iv 投与 (右大腿静脈に装着したカニューレにて投与)

投与量 100 mg/kg

試料 投与後 3、6 及び 9 時間に脳を摘出、脳は、-70 度で凍結し、クライオス

タットを用いて冠状断面切片を作成した。

Page 76: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

33

分析方法 組織・細胞:位相差顕微鏡及び蛍光顕微鏡

C6 グリオーマ細胞と 1 mM 5-ALA を 120 分間インキュベーションしたときの

C6 グリオーマ細胞中ポルフィリン蛍光

in vitro

C6 グリオーマ細胞との

インキュベート

5-ALA

1 mM

位相差顕微鏡図(左)及び蛍光顕微鏡図(右)

概要文 2.6.4.4.7 の図 2.6.4.4.7-1 に転載

C6 グリオーマ細胞を移植したラットに、5-ALA 100 mg/kg を iv 投与したときの

脳の HE 染色図及び蛍光顕微鏡図

ラット

C6 グリオーマ細胞を移

5-ALA

ia 投与

100 mg/kg

(1.25 倍拡大)

HE 染色図 蛍光顕微鏡図

概要文 2.6.4.4.7 の図 2.6.4.4.7-3 に転載

C6 グリオーマ細胞と 1 mM 5-ALA をインキュベーションしたときの

C6 グリオーマ細胞中ポルフィリン蛍光の動力学

in vitro

C6 グリオーマ細胞との

インキュベート

5-ALA

1 mM

平均値±SE (n=4)

概要文 2.6.4.4.7 の図 2.6.4.4.7-2 に転載

2.6.5.4.8 正常ウサギ又はVX2 腫瘍を移植した担癌モデルウサギにおける組織内分布

添付資料 4.2.2.3-8 参

動物種 New Zealand 白色種ウサギ

性別/体重/動物数 雄/2~2.5 kg/24 匹 (4 匹/群)

給餌 自由摂取

被験物質/投与形態 5-ALA HCl/リン酸緩衝生理食塩液(pH 7.2)に溶解(80 mg/mL)

投与方法 iv 投与

投与量 100 mg/kg

試料 脳及び腫瘍

分析方法 PPIX の生成及び分布は、光学顕微鏡(HE 染色)及び共焦点レーザー走査

蛍光顕微鏡を用いて検討した。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

34

担癌ウサギに 5-ALA HCl を 100 mg/kg iv 投与後 6.5 時間の脳腫瘍の蛍光及び HE 染色顕微鏡図

ウサギ

VX2 腫瘍を脳に移植

5-ALA HCl

iv 投与

100 mg/kg

蛍光顕微鏡図 HE 染色顕微鏡図

概要文 2.6.4.4.8 の図 2.6.4.4.8 に転載

2.6.5.4.9 胎盤通過性

CTD2.6.6 毒性試験の概要文を参照

2.6.5.4.10 乳汁移行性

添付資料 4.2.2.3-9 参

動物種 授乳中婦人

被験物質/投与形態 なし

試料 乳汁

分析方法

母乳中のアミノ酸類を測定

各人から左右乳汁各々約 3 mL を採取。乳汁は 40,000 rpm で 30 分間遠心

分離し、乳清を採取。乳清は 30%スルフォサルチル酸で除たん白した。

30,000 rpm で 20 分間遠心分離した。上清中のアミノ酸レベルをアミノ酸

分析機を用いて測定した。

母乳中各種アミノ酸濃度

アミノ酸濃度 (nmol/mL) 乳房

Ile Met Gly Asp Ser Thr Lys Arg His

右側 11.6±

0.80

9.30±

0.42

114±

5.92

68.0±

7.26

104±

7.02

85.7±

5.81

17.9±

1.63

11.1±

1.10

25.6±

1.72

左側 11.7±

1.20

9.30±

0.70

119±

6.82

77.1±

12.0

102±

5.79

88.9±

5.86

21.3±

3.00

11.2±

1.26

26.5±

1.72

平均値±SEM (n=26)

Ile:イソロイシン (必須アミノ酸)、Met:メチオニン (必須アミノ酸)、Gly:グリシン、

Asp:アスパラギン酸、Ser:セリン、Thr:スレオニン (必須アミノ酸)、Lys:リジン (必須アミノ酸)、

Arg:アルギニン、His:ヒスチジン

概要文 2.6.4.4.10 の表 2.6.4.4.10 に転載

2.6.5.4.11 たん白結合

添付資料 4.2.2.3-10

試験材料 ヒト血漿 (ヘパリン血漿)

被験物質 5-ALA HCl

インキュベーション 血漿 5 mL に、5-ALA を 5,000 μg/L 及び 500 μg/L になるように添加し、

37℃で 30 分間放置

たん白結合率の測定

5-ALA のヒト血漿たん白質との結合性を限外ろ過法で検討した。上記イン

キュベーション混液 1 mL を限外ろ過チューブに移し、10 分間遠心分離し

た。上清中 5-ALA 濃度を HPLC 法により測定。

HPLC 用試料の調製 上清 0.05 mL に、水 0.35 mL、アセチルアセトン 0.2 mL 及び 10%ホルムア

Page 78: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

35

ルデヒド 0.2 mL を加え、100℃で 30 分間放置。冷却後、遠心分離し、上

清 200 μL をオートサンプラーバイアル中に移した。

分析方法

HPLC 条件

カラム:Phenomenex aqua.C-18 (5 μm、4.6 mm×150 mm)

移動相

溶媒系 A:1000 mL 水-1.5 g 酢酸アンモニウム-10 mL 酢酸

溶媒系 B:アセトニトリル

溶出:72%溶媒系 A-28%溶媒系 B

検出:蛍光検出 (Ex:373 nm、Em:463 nm)

5-ALA HCl 濃度の計算

ピーク高を用いてキャリブレーションカーブより計算

直線性の検討

5-ALA HCl 添加濃度 (μg/L)

200 500 2000 5000 10000 20000 バッチ番号

実測濃度 (μg/L)

相関係数

206 493 2192 5162 10281 18681 1

194 499 1953 4853 9537 20485

0.99646

188 446 1925 5331 10516 18785 2

211 551 2155 4534 9979 20093

0.99861

196 476 2269 5072 9321 18312 3

205 508 2001 4609 10201 21804

0.9969

n 6 6 6 6 6 6 3

平均値 (μg/L) 200 496 2083 4927 9973 19693 1

SD (μg/L) 8.79 34.85 141.65 316.37 459.97 1341.46 0.00

精度 (%) 4.40 7.03 6.80 6.42 4.61 6.81 0.11

真度 (%) 0.02 -0.87 4.13 -1.47 -0.27 -1.53

精度及び真度

5-ALA HCl 添加濃度 (μg/L)

400 8000 16000

実測濃度 (μg/L)

n 18 18 18

平均値 (μg/L) 452 8510 16976

SD (μg/L) 41.67 925.21 1847.76

精度 (%) 9.22 10.87 10.88

真度 (%) 13.03 6.37 6.10

定量下限 (200 μg/L) のバリデーション

5-ALA HCl 添加濃度 (μg/L)

200

実測濃度 (μg/L)

n 18

平均値 (μg/L) 227

SD (μg/L) 13.33

精度 (%) 5.88

真度 (%) 13.41

5-ALA たん白結合率

血漿 1 血漿 2 血漿 3

5-ALA HCl 添加濃度 (μg/L)

5,000 500 5,000 500 5,000 500 試料番号

実測濃度 (μg/L)

1 4,107 471 4,780 441 4,601 470

2 4,140 436 4,378 464 4,374 366

Page 79: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

36

3 4,468 393 4,542 406 4,613 432

平均 4,238 434 4,566 437 4,529 423

遊離画分 85 87 91 87 91 85

たん白結合率 (%) 15 13 9 13 9 15

平均 12

概要文 2.6.4.4.11 の文中に概要を引用

限外ろ過装置への吸着及び回収

5-ALA 添加した血漿 5-ALA 添加した水の限外ろ過液

5-ALA HCl 添加濃度 (μg/L)

4,000 20,000 試料番号

実測濃度 (μg/L)

1 4,199 22,940

2 4,026 21,562

n 2 2

平均値 (μg/L) 4,112 22,,251

SD (μg/L) 122 975

精度 (%) 2.97 4.38

真度 (%) 2.81 11.25

2.6.5.5 代謝試験

2.6.5.5.1 In vivo代謝

添付資料番号 4.2.2.4-1 参

添付資料番号 4.2.2.3-2 と同一資料

動物種 雑種イヌ

性別/体重/動物数 雄/10~30 kg (平均 19.7 kg)/7 匹

給餌 一晩絶食

被験物質/投与形態 5-ALA HCl/無菌 0.01 mol/L リン酸緩衝生理食塩液 (pH7.4) に、投与直前に

溶解 (80 mg/mL) した。

投与方法 iv 投与

投与量 100 mg/kg

試料

投与前及び投与後 1~10 時間の所定の時間に、バイオプシーにより膀胱、前

立腺、皮膚、大腿筋肉、肝臓、膵臓、血漿及び尿を採取した。各組織は約 0.3

g を採取した。

分析方法

(総ポルフィリン)

組織試料は、0.25 mol/L ショ糖-0.02 mol/L Tris 緩衝液(pH7.4)の 1.5 mL

とホモジネート後、ポルフィリンを 1 mol/L 過塩素酸-メタノール (1:1、v/v)

で抽出し、血漿中総ポルフィリン濃度は、血漿 2 μL を酢酸エチル-氷酢酸

(2:1、v/v) 0.3 mL 及び 0.5 N 塩酸 0.3 mL でポルフィリンを抽出し、蛍光

分光光度計で測定した(Ex:400 nm、Em:650 nm)た。

尿中総ポルフィリン濃度は Schwartz (1976)1)の方法に準じ、蛍光分光光度

計で測定した(Ex:400 nm、Em:650 nm)た。 1):Schwartz S, et al, Ann Chin Res 1976; 8: 156-161

(5-ALA 及び porphobilinogen)

尿中 5-ALA 及び porphobilinogen 濃度は、Mauzerall (1956) 2)の方法によっ

て測定した。 2):Mauzerall D,et al. J Biol Chem 1956; 219: 435-446

(ポルフィリン類)

組織、血漿及び尿中ポルフィリン類は逆相 HPLC によって測定した。

カラム

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

37

組織及び尿:Phenomenex C18 μm (10 mm×100 mm)

血漿:Waters C18 μm Bondapak (10 mm×150 mm)

溶出液:溶媒系 A (1 mol/L 酢酸アンモニウム、10% アセトニトリル、pH5.16)

と溶媒系 B (メタノール-アセトニトリル、9:1、v/v) 間の直線グ

ラジエントで溶出。

検出:蛍光検出 (Ex:397 nm、Em:618 nm)

尿中 5-ALA 及びポルフィリン濃度

イヌ

5-ALA HCl

iv 投与

100 mg/kg

各値は平均値を示した。

投与後 0~6 時間:n=7

投与後 7~8 時間:n=6

投与後 9~10 時間:n=3

-□-:5-ALA

-●-:総ポルフィリン

-▲-:porphobilinogen

投与後の時間(時間)

概要文 2.6.4.5.1 の文中に概要を転載

尿中ポルフィリン濃度

イヌ

5-ALA HCl

iv 投与

100 mg/kg

各値は平均値を示した。

投与後 0~6 時間:n=7

投与後 7~8 時間:n=6

投与後 9~10 時間:n=3

-○-: uroporphyrin

-■-:heptacarboxylporphyrin

-△-:hexacarboxylporphyrin

-▲-:pentacarboxylporphyrin

-●-:coproporphyrine

投与後の時間(時間)

概要文 2.6.4.5.1 の文中に概要を転載

添付資料 4.2.2.4-2

添付資料 4.2.2.2-1 と同一資料

動物種 SD 系ラット

性別/体重/動物数 雌雄/65~74 g/60 匹(雌雄各 30 匹)

給餌 自由摂取

被験物質/投与形態 5-ALA HCl/ 注射用水に溶解

投与方法 po 投与、単回及び 14 日間反復投与

投与量

30 及び 300 mg/kg (各々10 mL/kg)

グループ 2:30 mg/kg/day

グループ 3:300 mg/kg/day

試料 血漿:投与前、及び投与後 20 分、2、8 及び 24 時間の血漿

分析方法

PPIX

血漿 0.25 mL(又は 0.5 mL)にジメチルスルホキシド/トリクロロ酢酸

(1:1、v/v、30%水溶液) 0.5 mL(又は 1 mL)を添加し、除たん白、上清を

オートサンプラー中に移した。

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

38

HPLC 条件

ガードカラム:Merck LiChrospherⓇ60 RP select B (5 μm)、4×4mm

カラム:Merck LiChrospherⓇ60 RP select B (5 μm)、4×125 mm

検出:蛍光検出 (Ex:400 nm、Em:618 nm)

移動相:

A:45 g 酢酸アンモニウム(1000 mL 水)-15 mL 酢酸

B:アセトニトリル

カラム温度:50 ℃

流速:1 mL/min

溶出プログラム

時間(分) %A %B

0 50 50

10 60 40

10.1 50 50

総溶出時間:15 分

PPIX 溶出時間:約 5分

定量限界 (5.04 μg/L)

バリデーション

キャリブレーションカーブの直線性、検出限界、精度、真度、安定性、

日間及び日内再現性、選択性等について検討。

雌雄ラットに 5-ALA HCl を単回及び反復 po 投与したときの血漿中 PPIX 濃度

雌雄ラット

5-ALA HCl

po 投与

単回及び反復投与(14 日

間)

30 mg/kg

300 mg/kg

左図:雌ラット

右図:雄ラット ●:30 mg/kg 単回投与

▲:300 mg/kg 単回投与

■:30 mg/kg 反復投与

◆:300 mg/kg 反復投与

概要文 2.6.4.5.1 の文中に概要を転載

血漿中 PPIX の消失半減期

消失半減期(分)

単回投与 (1 日目) 反復投与 (14 日目) 投与量

(mg/kg) 雄ラット 雌ラット 雄ラット 雌ラット

30 345.3(5.76)* 619.7(10.33)* 460.0(7.67)* -

雌雄ラット

5-ALA HCl

po 投与

30 mg/kg

300 mg/kg 300 460.0(7.67)* 435.8(7.26)* 1205.2(20.01)* -

*:( )内の単位は時間 (ノーベルファーマ(株)において計算)

添付資料番号 4.2.2.4-3

添付文書 4.2.2.2-3 と同一資料

動物種 SD 系ラット (雄:6 週齢、雌:7週齢)

性別/体重/動物数 雌雄/雄:175~194 g、雌:178~188 g/60 匹 (雌雄各 30 匹)

給餌 自由摂取

被験物質/投与形態 5-ALA HCl/5.7%リン酸水素二ナトリウム溶液に溶解し、3% (125 mg/kg 用) 及

び 5% (500 mg/kg 用) 溶液を調製

Page 82: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

39

投与方法 iv 投与、1日 1回、14 日間反復投与

投与量 125 mg/kg 及び 500 mg/kg

試料

投与 1 日目と 14 日目の投与前、及び投与後 1 分、及び 2、4、8 及び 24 時間

の血漿。投与 1 日目採血では、ラットは、雌雄各 4 群 (3 匹/群) に分け、低

用量及び高用量各投与に 2 群を使用し、0、4 及び 24 時間採血群及び 1 分、2

及び 8 時間採血群とした。投与後 14 日目の採血では、ラットは、雌雄各 6群

(3 匹/群)に分け、低用量及び高用量各投与に 3 群を使用し、0 及び 4 時間採

血群、1分及び 8時間採血群並びに 2 及び 24 時間採血群とした。

分析方法

PPIX

血漿0.5又は0.25 mLにジメチルスルホキシド/30%トリクロロ酢酸 (1:1、v/v)

1.0 又は 0.5 mL を添加、除たん白し、上清をオートサンプラー中に移した。

HPLC 条件

ガードカラム:Merck LiChrospherⓇ60 RP select B (5 μm)、4×4 mm

カラム:Merck LiChrospherⓇ60 RP select B (5 μm)、4×125 mm

検出:蛍光検出 (Ex:400 nm 、Em:618 nm)

移動相:

A:45 g 酢酸アンモニウム(1000 mL 水)-15 mL 酢酸

B:アセトニトリル

試料注入量:200 μL

カラム温度:50 ℃

流速:1 mL/分

溶出プログラム

時間(分) %A %B

0 50 50

10 60 40

10.1 50 50

総溶出時間:15 分

PPIX 溶出時間:約 5分

定量限界 (5.62 μg/L)

バリデーション

キャリブレーションカーブの直線性、検出限界、定量限界、精度、真度、安

定性、日間及び日内再現性、選択性等について検討。

血漿中 5-ALA 及び PPIX 濃度推移

雌雄ラット

5-ALA HCl

iv 投与

単回及び反復投与(14 日間)

125 mg/kg

500 mg/kg

右図:雌ラット

左図:雄ラット

5-ALA 濃度(●:125 mg/kg (単回) 、

▲:500 mg/kg (単回)、■:125 mg/kg

(反復)、◆:500 mg/kg(反復))、

PPIX 濃度(○:125 mg/kg (単回)、

△:500 mg/kg (単回)、□:125 mg/kg

(反復)、◇:500 mg/kg(反復))

雄ラット 雌ラット

概要文 2.6.4.5.1 の文中に概要を転載

Page 83: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

40

血漿中 PPIX 濃度の測定値

PPIX 濃度 (μg/L: 平均値±SD 、n=6) 投与量

(mg/kg)

投与

期間 性

投与前値 1 分後 2 時間後 4 時間後 8 時間後 24 時間後

雄 < 7.80

±> 3.811

< 5.60

-

56.27

±38.984

< 7.27

±> 1.498

< 5.60

-

< 5.60

- 1 日目

雌 < 7.17

±> 1.464

< 6.53

±> 1.617

54.57

±7.107

< 5.80

±> 0.265

< 5.60

-

< 5.60

-

雄 < 5.60

-

77.27

±22.286

80.10

±5.403

< 7.30

±> 1.539

15.07

±4.438

22.20

±9.440

125

14日目

雌 < 7.20

±> 2.771

25.40

±7.398

100.83

±74.800

< 8.97

±> 3.400

< 6.77

±> 2.021

15.20

±7.102

雄 < 9.87

±> 4.576

20.93

±1.305

21.63

±6.389

87.47

±36.271

16.70

±1.758

< 6.80

±> 1.664 1 日目

雌 < 6.87

±> 2.194

20.53

±11.838

13.90

±1.212

94.60

±23.666

15.03

±3.421

< 6.37

±> 1.328

雄 < 7.17

±> 1.550

< 14.00

±> 9.242

78.40

±39.777

86.50

±257.507

145.80

±104.637

<12.23

±>10.551

500

14日目

雌 < 5.60

-

19.80

±12.128

38.33

±31.173

23.17

±7.206

9.70

±1.825

< 5.60

-

添付資料番号 4.2.2.4-4

動物種 Wistar 系ラット

性別/体重/動物数 雌雄/141~175 g (雄)、101~127 g (雌)/42 匹

給餌 自由摂取

被験物質/投与形態 5-ALAP/注射用水に溶解。15 mg/kg/day:1.5 mg/mL、60 mg/kg/day:6 mg/mL、

250 mg/kg/day:25 mg/mL

投与方法 po 投与 [91 日間反復投与 (1 日 1 回)]

投与量 15、60 及び 250 mg/kg

試料

投与前、投与後 0.5、1、2、4、8 及び 24 時間の血漿

試料の処理

血漿 100 μL に水 10μL を加え、Microcon Ultracel YM-3 に注入し遠

心分離 (14000×g、60 分間、4℃)。ろ液 55 μL に酢酸緩衝液 (pH3.8、

250 μL)、試薬 A* (350 μL)及び試薬 B* (50 μL)を加えて、沸騰液中

で煮沸 (15 分間)。冷却後、水 (300 μL)及び酢酸エチル (5 mL)を加

えて振とう抽出、遠心分離後酢酸エチル層を分取、、蒸発乾固後 50%エ

タノール (0.5 mL) に溶解して HPLC 試料とした。 *:水 54 mL+アセチルアセトン 15 mL+エタノール 10 mL の混液

**:ホルムアルデヒド液 8.5 mL に水を加え 100 mL とした溶液

分析方法

血漿中代謝物濃度は HPLC 法で測定した。

HPLC 条件

カラム:Capcell Pak C18 AG120 (5 μm、4.6 mm I.D.×250 mm)

カラム温度:40℃

移動相

A 液:12.5% アセトニトリル-1 M 酢酸アンモニウム混液(pH 5.15)

B 液:80% アセトニトリル-50 mM 酢酸アンモニウム混液(pH 5.15)

グラジェントテーブル

時間 (分) A 液 (%) B 液 (%)

0 100 0

5 100 0

40 65 35

41 0 100

50 0 100

Page 84: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

41

51 100 0

60 100 0

流速:1 mL/分

検出:蛍光検出器 (Ex:404 nm、Em:620 nm)

血漿中 Uroporphyrin Ⅰ濃度

ラット

5-ALAP

反復 po 投与

(91 日間、1日/1 回)

15、60 及び 250 mg/kg

-◆-:15 mg/kg (雄)

-■-:15 mg/kg (雌)

-▲-:60 mg/kg (雄)

-×-:60 mg/kg (雌)

-✳-:250 mg/kg (雄)

-●-:250 mg/kg (雌)

血漿中濃度 (p mol/mL)

投与後の時間 (時間)

概要文 2.6.4.5.1 の文中に概要を転載

血漿中 Uroporphyrin Ⅲ dihydrochloride 濃度

ラット

5-ALAP

反復 po 投与

(91 日間、1日/1 回)

15、60 及び 250 mg/kg

-◆-:15 mg/kg (雄)

-■-:15 mg/kg (雌)

-▲-:60 mg/kg (雄)

-×-:60 mg/kg (雌)

-✳-:250 mg/kg (雄)

-●-:250 mg/kg (雌)

血漿中濃度 (p mol/mL)

投与後の時間 (時間)

概要文 2.6.4.5.1 の文中に概要を転載

血漿中 5-Carboxy porphyrin 濃度

ラット

5-ALAP

反復 po 投与

(91 日間、1日/1 回)

15、60 及び 250 mg/kg

-◆-:15 mg/kg (雄)

-■-:15 mg/kg (雌)

-▲-:60 mg/kg (雄)

-×-:60 mg/kg (雌)

-✳-:250 mg/kg (雄)

-●-:250 mg/kg (雌)

血漿中濃度 (p mol/mL)

投与後の時間 (時間)

概要文 2.6.4.5.1 の文中に概要を転載

Page 85: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

42

血漿中 7-Carboxy porphyrin 濃度

ラット

5-ALAP

反復 po 投与

(91 日間、1日/1 回)

15、60 及び 250 mg/kg

-◆-:15 mg/kg (雄)

-■-:15 mg/kg (雌)

-▲-:60 mg/kg (雄)

-×-:60 mg/kg (雌)

-✳-:250 mg/kg (雄)

-●-:250 mg/kg (雌)

血漿中濃度

(p mol/mL)

投与後の時間 (時間)

概要文 2.6.4.5.1 の文中に概要を転載

血漿中 4-Carboxy porphyrin(Coproporphyrin Ⅰ)濃度

ラット

5-ALAP

反復 po 投与

(91 日間、1日/1 回)

15、60 及び 250 mg/kg

-◆-:15 mg/kg (雄)

-■-:15 mg/kg (雌)

-▲-:60 mg/kg (雄)

-×-:60 mg/kg (雌)

-✳-:250 mg/kg (雄)

-●-:250 mg/kg (雌)

血漿中濃度

(p mol/mL)

投与後の時間 (時間)

概要文 2.6.4.5.1 の文中に概要を転載

血漿中 Coproporphyrin Ⅲ dihydrochloride 濃度

ラット

5-ALAP

反復 po 投与

(91 日間、1日/1 回)

15、60 及び 250 mg/kg

-◆-:15 mg/kg (雄)

-■-:15 mg/kg (雌)

-▲-:60 mg/kg (雄)

-×-:60 mg/kg (雌)

-✳-:250 mg/kg (雄)

-●-:250 mg/kg (雌)

血漿中濃度

(p mol/mL)

投与後の時間 (時間)

概要文 2.6.4.5.1 の文中に概要を転載

Page 86: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

43

2.6.5.5.2 In vitro 代謝

添付資料番号 4.2.2.4-5 参

添付資料番号 4.2.2.2-8 参と同一資料

動物種 マウス

継代細胞 マウス乳腺腺癌 M3 から継代培養された LM3.

被験物質 [4-14C]-5-ALA HCl (14C-5-ALA HCl)

反応系への添加濃度 14C-5-ALA HCl はリン酸緩衝生理食塩水 (PBS) に溶解 (NaOH で pH 7.4 に

調製) し、0.1 又は 0.6 mM (0.3 mL) を反応系に添加

インキュベーション条

細胞は PBS-0.1%グルコース 0.5 mL で 2 回洗浄後 37 ℃プレインキュベー

トし、その後 14C-5-ALA HCl 溶液 0.3 mL を添加し、37 ℃でインキュベー

分析方法

インキュベーション終了後、細胞は 1 mM 5-ALA を含んだ氷冷 PBS 0.5 mL

で 4 回洗浄、その後 0.1 mM NaOH で破壊、バイアルに移し液体シンチレー

ションカウンターで放射能を測定。

細胞中のポルフィリンは 5% 塩酸で抽出し蛍光分光光度計 (Ex:406 nm、

Em:604 nm) で測定。 14C-5-ALA HCl をマウス乳腺腺癌細胞とインキュベートしたときの

5-ALA の取り込み及びポルフィリン生成

マウス乳腺腺癌細胞 (LM3 細胞系) 14C-5-ALA HCl

in vitro

0.1 及び 0.6 mM

14C-ALA 添加量:

0.1 mM(○、△)及び

0.6 mM(●、▲)

5-ALA 取り込み量:○、●

ポルフィリン生成量:△、▲

概要文 2.6.4.5.2 の文中に概要を転載

添付資料番号 4.2.2.4-6 参

動物種 ラット

性別/体重/動物数 いずれも記載なし

被験物質/投与形態 [5-14C]-5-ALA HCl (0.1 mCi/mL、2.0 μmol/mL) (14C-5-ALA HCl)

ミトコンドリアの調製

ラット肝臓からのミトコンドリアの調製は、Klingenberg (1959)1)の報告

に従った。ミトコンドリア懸濁液のたん白質濃度は Lowry (1951)2) の方法

によって測定。 1):Klingenberg M,et al, Biochem. Z. 1959; 231: 486-517

2):Lowry OH, et al, J Biol Chem 1951; 193: 265-275

ミトコンドリアによる

5-ALA の取り込み

14C-5-ALA のミトコンドリアと外液相への分布が、Pfaff (1968)3) による

silicone oil 遠心分離法 [Soboll (1991) により改変された方法 4)]を用

いて評価した。

5-ALA 濃度:1 mM 14C-5-ALA HCl:0.5 μCi/mL

3):Pfaff E, et al,Eur J Biochem 1968; 6: 66-79

4):Sobll S, et al, Eur J Biochem 1991; 197: 113-117

ミトコンドリアによる14C-5-ALA からの 14C-CO2生成

ミトコンドリアと 14C-5-ALA との反応液から発生する 14C-CO2は、Duggan5)

の方法に準じ、0.2 mL の 2-フェニルエチルアミンに吸収させて捕集した。

標準反応液 (総容量 1.0 mL) と反応条件 14C-5-ALA HCl (0.1 mCi/mL、2.0 μmol/mL) 5 μL、2 mg ミトコンドリア

たん白質/mL (0.20 M ショ糖)、10 mM グルコース、10 mM Tris-HCl、10 mM

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

44

KH2PO4、10 mM KCl、5 mM MgCl2、pH7.2、総容量 1.0 mL。25℃で 1 時間イ

ンキュベート。

ミトコンドリアと ADP の影響の検討には、それぞれ、図中の濃度を添加し

た。 5):Duggan JX, et al. Plant Physiol 1982; 69: 19-22

分析方法

放射能測定

捕集液中の放射能は、捕集液に emulsifier safe scintillation cocktail

(Packard Ins.) 10 mL を加え、液体シンチレーションカウンターで測定し

た。

5-ALA のミトコンドリア中への取り込み

ラット 14C-5-ALA HCl (0.5 μCi/mL)

1 mM 5-ALA

肝ミトコンドリアとの

インキュベート

ミトコンドリア

(μL/mg ミトコンドリアたん白質)

インキュベーション時間及び 14C-5-ALA HCl 濃度と 14C-CO2生成

ラット 14C-5-ALA HCl

0.5 μCi/mL、10 μmol/L

肝ミトコンドリアとの

インキュベート

時間(分)

14C-CO2生成に対するミトコンドリア及び ADP の影響

ラット 14C-5-ALA HCl

●:0.5 μCi/mL、10 μmol/L

□:1.0 μCi/mL、20 μmol/L

ADP:0~4 mM

ミトコンドリア:図中に示す

肝ミトコンドリアとの

インキュベート

ミトコンドリア ADP

(mg/mL) (mM)

概要文 2.6.4.5.2 の文中に引用

添付資料番号 4.2.2.4-7 参

細胞種 S-字結腸の腺癌細胞 (WiDr cell line)

被験物質/使用量 5-ALA/2 mM

インキュベーション条

牛胎児血清を添加した RPMI-1640 培養液に 5-ALA (2 mM) を添加し、37℃

で 3.5 時間インキュベートした。

試料

インキュベーション後の細胞及びポルフィリン標準化合物 (meso-、

copro-、penta-、hexa-、hepta-及び uroporphyrin とそれらのメチルエス

テル)

分析方法

インキュベーション後の細胞 (約 5× 106) は、 DPBS (Dulbecco

phosphate-buffered saline、pH7.4) で 3 回洗浄後 DPBS 中に懸濁し、た

ん白質量を定量。遠心分離により得られた沈殿を 1.5 mmol/リン酸カリウ

ム (pH7.0) を含むメタノール-水 (60:40、v/v) 1 mL に懸濁。内部標準

物質 (ペンタカルボキシポルフィリンⅠ塩酸塩、43.5 μmol/L、0.9 μL)

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

45

を添加後超音波処理し、遠心分離により上清を得た 1)。上清 (200 μL) は、

直ちに、以下の条件の HPLC 分析に供した。

HPLC 条件

ガードカラム:2 cm Perisorb C18 プレカラム

カラム:μ C18 Nucleosil カラム (5 μm、4.6 mm×200 mm)

溶出液:2溶媒系による濃度勾配

溶媒系 A:0.05 mM K2HPO4/KH2PO4緩衝液 (pH6.8)

溶媒系 B:100%メタノール

溶媒系 A からスタート、溶出開始後 8 分で、両溶媒系が 50%に

なる直線勾配で溶出、5 分間溶媒系の比率を変えずに溶出、そ

の後再び直線勾配で溶出(8 分間で溶媒系 B 100%に)

検出:蛍光検出器 (Ex:400 nm、Em:623 nm)

内部標準物質:ペンタカルボキシポルフィリンⅠ塩酸塩

ピークの同定及び定量:

C-R6A BASIC reporting integrator (Shimadzu、Japan) を使用して

実施した、

すべての HPLC 分析は、3又は 4 回実施した。標準誤差は 10%以下であった。

たん白質量:Lowry2)の方法に準じて測定 1):Moan J, et al, Cancer Lett 1987; 34: 283-289

2):Lowry OH, et al, J Biol Chem 1951; 193: 265-275

5-ALA を WiDr 細胞とインキュベートしたときの、細胞中のポルフィリン類の HPLC クロマトグラム

WiDr 細胞

5-ALA:2 mM

37℃で 3.5 時間インキュベート

概要文 2.6.4.5.2 の図 2.6.4.5.2 に転載

5-ALA を WiDr 細胞とインキュベートしたときの HPLC 法による細胞中の

ポルフィリン化合物の同定・定量

ポルフィリン濃度 (pmol/mg タンパク質)

PPIX Coproporphyrin Hexaporphyrin Heptaporphyrin Uroporphyrin

5-ALA

添加細胞 622.0±30.0 26.3±2.3 1.5±0.2 25.4±3.4 10.1±1.7

対照群細胞 28.75±2.4 n.d. n.d. n.d. n.d.

平均値±SE (n=3 又は 4)、n.d.:検出限界以下.

概要文 2.6.4.5.2 の表 2.6.4.5.2 に転載

添付資料 4.2.2.4-8 参

緒言に記載された図を概要文 2.6.4.5.3 の図 2.6.4.5.3 に転載

2.6.5.6 排泄試験

2.6.5.6.1 単回投与

添付資料番号 4.2.2.5-1 参

添付資料番号 4.2.2.3-1 参と同一資料

動物種 WAG/Rij 系ラット

性別/体重/動物数 雄/約 200 g/48 匹 (21 匹/群、コントロール群 6匹)

給餌 記載なし

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

46

被験物質/投与形態 5-ALA/リン酸緩衝生理食塩液 (PBS、pH 7.0)

投与方法 po 投与及び iv 投与

投与量 200 mg/kg

試料

投与後 1、2、3、4、6、12 及び 24 時間の臓器及び体液 (n=3)

尿中の 5-ALA及び porphobilinogenは直接イオン交換樹脂カラムを用いて分

離し測定に供した。

血漿及び組織中 ALA 及び porphobilinogen の測定

組織試料は、弱い光の下、水で 10~20%ホモジネートを調製。血漿及びソ

シキホモジネート (120 μL) 中の ALA は、DMSO-metaanol (30:70、v/v、

480 μL) で抽出し、ALA 及び porphobilinogen の測定に資した。

分析方法

血漿及び組織中 5-ALA の測定は、de Rooij FWM (1987) 1)の fluorimetric

enzyme assayで行った。血漿及び組織中porphyrin (PPIX) の測定は、Chisolm

J (1975) 2) の micro-scale photofluoremetric 検出法で行った。

尿中 5-ALA、porphobilinogen 分画は Ehrling 試薬で赤色化合物に変換後、

分光光度計で定量した。尿中ポルフィリン類の測定には、HPLC 法を用いた 3)

1):de Rooij FWM et al. Clin Chim Acta 1987; 162: 61-68

2):Chisolm J, et al. Clin Chem 1975; 21: 1669-1682

3):Lim CK et al, Clin Chem Acta 1984; 139: 55-63

ラットに 5-ALA 200 mg/kg を po 又は iv 投与したときの組織内 5-ALA 濃度

ラット

5-ALA

po 及び iv 投与

200 mg/kg

x 軸上の点マークは、

測定時間 (投与後 0、1、

2、3、4、6、12 及び 24

時間) を示す

n=3

…:po 投与

―:iv 投与

概要文 2.6.4.6.1 の文中に引用

ラットに 5-ALA 200 mg/kg を po 又は iv 投与したときの組織内ポルフィリン濃度*

ラット

5-ALA

po 及び iv 投与

200 mg/kg

x 軸上の点マークは、

測定時間 (投与後 0、1、

2、3、4、6、12 及び 24

時間) を示す

n=3

…:po 投与

―:iv 投与

*:測定は、PPIX に特定した蛍光波長 (Ex:410 nm、Em:650 nm)で行った。また、ポルフィリン濃度は、HPLC

法による PPIX 濃度に比例した。

概要文 2.6.4.6.1 の文中に引用

添付資料番号 4.2.2.5-2 参

添付資料番号 4.2.2.3-2 参と同一資料

動物種 雑種イヌ

性別/体重/動物数 雄/10~30 kg (平均 19.7 kg)/7 匹

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アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

47

給餌 一晩絶食

被験物質/投与形態 5-ALA HCl/無菌 0.01 mol/L 燐酸緩衝生理食塩液 (pH7.4) に、投与直前に溶

解 (80 mg/mL) した。

投与方法 iv 投与

投与量 100 mg/kg

試料

投与前及び投与後 1~10 時間の所定の時間に、バイオプシーにより膀胱、前

立腺、皮膚、大腿筋肉、肝臓、膵臓、血漿及び尿を採取した。各組織は約 0.3

g を採取した。

分析方法

(総ポルフィリン)

尿中総ポルフィリン濃度は Schwartz (1976)1)の方法に準じ、蛍光分光光度

計で測定した(Ex:400 nm、Em:650 nm)た。

(5-ALA 及び porphobilinogen)

尿中 5-ALA 及び porphobilinogen 濃度は、Mauzerall (1956) 2)の方法によっ

て測定した。

(ポルフィリン類)

組織、血漿及び尿中ポルフィリン類は逆相 HPLC によって測定した。

カラム

組織及び尿:Phenomenex C18 μm (10 mm×100 mm)

血漿:Waters C18 μm Bondapak (10 mm×150 mm)

溶出液:溶媒系 A (1 mol/L 酢酸アンモニウム、10% アセトニトリル、pH5.16)

と溶媒系 B (メタノール-アセトニトリル、9:1、v/v) 間の直線グ

ラジエントで溶出。

検出:蛍光検出 (Ex:397 nm、Em:618 nm) 1):Schwartz S, et al, Ann Chin Res 1976; 8: 156-161

2):Mauzerall D,et al. J Biol Chem 1956; 219: 435-446

尿中 5-ALA 及びポルフィリン濃度

イヌ

5-ALA HCl

iv 投与

100 mg/kg

各値は平均値投与後 0~6 時間:n=7

投与後 7~8 時間:n=6

投与後 9~10 時間:n=3

概要文 2.6.4.6.1 の図 2.6.4.6.1 に転載

尿中ポルフィリン濃度

イヌ

5-ALA HCl

iv 投与

100 mg/kg

各値は平均値

投与後 0~6 時間:n=7

投与後 7~8 時間:n=6

投与後 9~10 時間:n=3

概要文 2.6.4.6.1 の図 2.6.4.6.1 に転載

Page 91: アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 第2部 CTDの概要(サマ …...5-ALA HCl及び5-ALAPの反復投与によっても、大きく変動しないものと考えられた。

アミノレブリン酸塩酸塩(製剤) 2.6.5 薬物動態試験の概要表

48

2.6.5.6.2 反復投与

添付資料番号 4.2.2.5-3

添付資料番号 4.2.2.2-1 と同一資料

動物種 SD 系ラット

性別/体重/動物数 雌雄/65~74 g/80 匹 (雌雄各 40 匹)

給餌 自由摂取

被験物質/投与形態 5-ALA HCl/ aqua ad iniectabilia に溶解

対照群は 0.9% 食塩水

投与方法 po 投与、14 日間反復投与

投与量

30、100 及び 300 mg/kg (各々10 mL/kg)

グループ 1:対照群 (0.9% 食塩水を 10 mL/kg を po 投与)

グループ 2:30 mg/kg/day

グループ 3:100 mg/kg/day

グループ 4:300 mg/kg/day

試料 尿: 13 日目の投与後 16 時間までの尿

分析方法 5-ALA

尿中 5-ALA 濃度は、Tomokuni1)の方法によって測定した。 1):Tomokuni K, et al. Clin Chem 1972; 18: 1534-1536

ラットに 5-ALA を 13 日間反復 po 投与後の尿中 5-ALA 濃度 (平均値±SD、n=10)

投与量 (mg/kg) 0 30 mg/kg 100 mg/kg 300 mg/kg

雄ラット 4.7±2.0 6.6±2.2 39.4±35.3 340.4±182.3

雌ラット 5.7±1.4 6.9±1.1 42.7±16.9 251.4±148.6

最終投与後 16 時間の尿を採集

概要文 2.6.4.6.2 の表 2.6.4.6.2 に転載

2.6.5.7 薬物動態学的薬物相互作用試験

添付資料番号 4.2.2.6-1 参

添付資料番号 4.2.2.3-10 と同一資料

概要文 2.6.4.7 の文中に引用

添付資料番号 4.2.2.6-2 参

添付資料番号 4.2.2.4-8 参と同一資料

概要文 2.6.4.7 の文中に引用

2.6.5.8 考察

添付資料番号 4.2.2.7-1 参

概要文 2.6.4.8 考察に引用

添付資料番号 4.2.2.7-2 参

概要文 2.6.4.8 考察に引用

添付資料番号 4.2.2.7-3 参

概要文 2.6.4.8 考察に引用