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パーソナルデータの流通・活用について (「情報銀行」に関する検討の紹介) 平成 29 12 7 情報流通行政局 情報通信政策課 資料2-2

パーソナルデータの流通・活用について³‡料2-2...パーソナルデータの利活用 ・個人の関与の下でパーソナルデータの流通・活用を進める仕組みであるPDS(

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パーソナルデータの流通・活用について(「情報銀行」に関する検討の紹介)

平成29年12月7日情報流通行政局情報通信政策課

資料2-2

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個人によるパーソナルデータの提供

パーソナルデータの提供状況・理解度・不安感(日本)

提供の意向

※ 米・英・独・中・韓の調査結果と比較すると、提供状況及び理解度について、日本は各国との間で大きな差はない。一方、不安感については日本と韓国がその他の国よりも高いという結果であった。

20.4

26.4

13.9

62.3

57.8

60.8

17.4

15.8

25.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

提供状況

利用目的等

の理解度

提供に関する

不安感

不安を感じない

やや不安を感じる とても不安を感じる

普段から提供

提供したことはある 提供したことはない

明確に理解 大体理解 理解せず

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

大規模災害等緊急時、防災

国家・国民の安全保障

国民の健康・福祉

公共サービス高品質化、利便性向上

渋滞、老朽化対策等社会課題解決

地域振興・観光等地域経済の活性化

自分への経済的なメリット(

割引等)

自分へのサービスの向上(

追加機能等)

製品機能向上、サービス品質向上

新商品や新しいサービスの開発に活用

企業の経営方針策定・マーケティング

日本 米国 イギリス ドイツ 韓国 中国

パーソナルデータ提供の許容度

※3「どんな場合でも提供したくない」を除いた人のうち「提供してもよい」と回答した割合

顕在的な許容度(※

3)

公共目的 商業目的

69.6

30.4

提供して

もよい※1

提供したくない

56.2 43.8

提供して

もよい※2

提供したくない

※2: うち「条件に

よっては提供してもよい」が49.1%

※1: うち「条件に

よっては提供してもよい」が53.2%

提供等の現状

● 日本では、一般利用者側でパーソナルデータの提供と理解は8割超である一方、不安感も8割超。● 日本でのパーソナルデータ提供の許容度は公共目的が商業目的よりも高く、情報の種別によって差異がある。● 日本の利用者のパーソナルデータ提供の許容度は、米・英・独・中・韓の各国利用者と比べて低い。

1

【出典】平成29年版情報通信白書

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65.8

57.6

46.6 46.242.6

38.333.9 33.1

26.9

51.3

20.1

34.4

24.2

17.511.2

15.418.2

6.7

74.1

34.1

45.4

34.6

16.8 28.6 13.5 13.5

16.2

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

データの利用目的

取得するデータのセキュリティ

の確保方法

第三者提供の有無、

第三者提供先の明示

取得するデータの

種類、項目の明示

取得したデータの

適切な破棄の仕組み

個人がいつでもデータの収集や

使用を無効にできる仕組み

データの取扱い等プライバシーポリシー

変更時の手続きや通知方法

情報の取得方法

相談/問い合わせ窓口の明示

個人(N=1030) 一般企業(N=616) ITAC企業(N=185)

● パーソナルデータ提供・取得時に企業が個人に提供すべき情報について、個人と企業の認識ギャップが存在。セキュリティ確保やデータ破棄の仕組みについて、特にギャップが大きい。

● 利用者には、情報提供をサービス便益享受のためやむを得ないとする層と、情報の流出・不正利用への警戒 感の強い層が見られる。

コメント例(情報の提供に対してネガティブ)

ある程度は仕方ないが、その情報を元に広告メールや

情報流出等、不正利用が恐い。

個人情報の管理がどのくらいきちんとされているか確認

出来ないので不安。

どのような個人情報が何の目的で利活用されているか

によるが、悪用されるのは怖い。

個人情報等の提供に対する個人の認識

パーソナルデータにおける個人・企業間の認識ギャップ

パーソナルデータ提供時に企業が提供すべき情報

コメント例(情報の提供に対してポジティブ)

自分の場合は個人情報の件は気にはなりますが、利便

性と天秤にかけた時、ネット利用による便利さが勝る。

ショッピングサイトなどはある程度しょうがないと思う。

しっかりセキュリティをかけて流出しなければ特に気にし

ていない。

個人情報を渡してサービスを受けている、ギブ&テイクだと思う。

※ 「ITAC」について

・ 「IoT推進コンソーシアム」の略。・産・学・官で利活用を促進するため設立された民主導の組織。総務省・経済産業省が協力。

・参加者企業数は3000社超。

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【出典】平成29年版情報通信白書

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● 日本の国民の間でPDS・情報銀行への利用意向が限定的であることに加え、我が国企業は総じてこれらの新たなデータ流通モデルに対する関心が未だに薄く、今後の「個人情報を含むデータ」の流通に向けては課題が残る

パーソナルデータストア・情報銀行の企業の期待度

PDS/情報銀行の企業の認識(国際比較)

パーソナルデータストア・情報銀行の企業の認知度

3

【出典】平成29年版情報通信白書

5.5 8.3

31.821.5

17.314.0

21.0

24.3 43.0 50.0

16.7

18.8

24.3

19.622.7

63.8

51.9

19.6 15.910.0

0%

20%

40%

60%

80%

100%

日本(一般)企業(N=616) 日本(ITAC)企業(N=181) 米国企業(N=107) イギリス企業(N=107) ドイツ企業(N=110)

具体的な内容も含めて、知っている 知っているが、具体的な内容までは知らない

名前は聞いたことがある 知らない(初めて聞いた)

5.212.8

37.4

24.3 21.8

25.3

29.4

28.0

43.0 49.1

43.4

31.1

21.511.2 5.5

14.6 17.8

9.3

16.8 19.1

11.5 8.9

3.7 4.7 4.5

0%

20%

40%

60%

80%

100%

日本(一般)企業(N=616) 日本(ITAC)企業(N=180) 米国企業(N=107) イギリス企業(N=107) ドイツ企業(N=110)

とても期待している やや期待している どちらともいえない あまり期待していない 期待していない

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「情報銀行」に関する検討の経緯

【データ流通環境整備検討会(内閣官房IT総合戦略室)】

「AI、IoT時代におけるデータ活用WG 中間とりまとめ」(平成29年2月)

・PDS、情報銀行、データ取引市場等、パーソナルデータ活用のための仕組みの必要性についてとりまとめ。

・官民の関係者での取組を注視しつつ、支援策や制度整備の検討を継続するとしている。

【情報通信審議会(総務省)】

「IoT/ビッグデータ時代に向けた新たな情報通信政策の在り方」第四次中間答申(平成29年7月)

・情報信託機能については、2017年夏以降、必要なルールを更に具体化するための実証事業を継続するとともに、2017年中に、 産学が連携して推進体制を整備し、任意の認定制度やルールの在り方について検討し、年内に認定業務に着手することを目指す。

政府等における検討

総務省及び経済産業省で、「情報銀行」について民間団体等における任意の認定制度を創設することを目指し、「情報信託機能の認定スキームの在り方に関する検討会」を立ち上げ

「未来投資戦略2017」(平成29年6月9日閣議決定)

第2 具体的政策 -Ⅱ Society 5.0 に向けた横割課題-

A.価値の源泉の創出 1.データ利活用基盤の構築 (2)新たに講ずべき具体的施策

ⅲ)パーソナルデータの利活用

・個人の関与の下でパーソナルデータの流通・活用を進める仕組みであるPDS(Personal Data Store)や情報銀行、データ取引市場等について、その具体的なメリットの「見える化」に配慮しつつ、観光や医療・介護・ヘルスケア等の分野における官民連携実証事業の推進等を通じて先駆的な取組を後押しするとともに、具体的プロジェクトの創出に取り組む。あわせて、こうした実証事業や諸外国における検討状況等を踏まえてデータ流通・活用を更に促進するため、情報銀行やデータ取引市場について、個人の関与の下で信頼性、公正性、透明性を確保するための制度の在り方等について検討し、本年中に結論を得る。

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情報信託機能の認定スキームに関する検討会

検討会の開催概要

・ いわゆる「情報銀行」に求められる情報信託機能に関し、民間団体等による任意の認定制度の在り方について検討を行う

【主な検討事項(予定)】・ 情報信託機能による個人情報の提供に関する法的整理・ 情報信託機能を担う者に必要となる体制面等の要件、セキュリティ対策等・ 認定団体の運用スキーム

【アウトプット】・ 民間団体等による任意の認定制度を想定した、情報信託機能の認定に係るガイドライン

スケジュール

(有識者)○宍戸 常寿 東京大学院法政治研究科教授上原 哲太郎 立命館大学情報理工学部情報システム学科 教授加毛 明 東京大学院法政治研究科 教授越塚 登 東京大学大学院情報学環 教授森亮 二 英知法律事務所 弁護士

(消費者団体)長田 三紀 全国地域婦人団体連絡協議会 事務局長古谷 由希子 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・

相談員協会 常務理事(関係団体)日本経済団体連合会データ流通推進協議会 ※オブザーバー

(民間企業)博報堂大日本印刷さくらインターネットみずほ情報総研野村総研

(関係省庁) ※オブザーバー内閣官房(IT総合戦略室)個人情報保護委員会

【主 催】総務省、経済産業省【事務局】日本IT団体連盟、富士通総研

・ 第1回検討会を11月7日(火)に開催、年度内に取りまとめ予定(計3回程度開催)

構成員

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Page 7: パーソナルデータの流通・活用について³‡料2-2...パーソナルデータの利活用 ・個人の関与の下でパーソナルデータの流通・活用を進める仕組みであるPDS(

「情報信託機能の認定スキーム」に関する検討のスコープ

情報銀行(情報利用信用銀行):個人とのデータ活用に関する契約等に基づき、PDS等のシステムを活用して個人のデータを管理するとともに、個人の指示又は予め指定した条件に基づき個人に代わり妥当性を判断の上、データを第三者(他の事業者)に提供する事業。

(図の出典)第二回データ流通環境整備検討会(平成29年3月15日)「AI、IoT時代におけるデータ活用ワーキンググループ中間とりまとめの概要」

• 個人情報を含む「パーソナルデータ」を念頭に検討• 個人情報保護法への考慮が必要

• 個人に代わってパーソナルデータを管理する「情報銀行」を念頭に検討

• 個人の便益への配慮と、信頼性の確保が求められる

取扱いデータ 認定の対象

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「情報信託機能の認定スキーム」に関する検討の内容

・個人はデータが第三者に渡ることに漠然とした不安を感じ、データを提供することに消極的である傾向・安心・安全にデータを預けることができるよう、事業の信頼性を確保するための社会的な仕組みが求められる・一定の要件を満たした事業者について、第三者による認定・公表を含め客観的な基準の下に認知する仕組みが必要

民間団体等

事業者A 事業者B 事業者C

認定

認定のための要件整理

検討会のアウトプット

検討の目的

認定制度イメージ

消費者

認定を確認し、信頼性の目安を判断する材料に

民間団体等が情報信託機能を提供する事業者の認定を行う場合に、参照できるような内容とする

認定は任意(信頼性の確保等を目的とする)

① 個人情報の提供に関する個人との合意の整理② 契約に基づく合意の取得の手法

ex) 約款に必要となる事項、ユーザーインターフェイス③ 情報信託機能に必要となる要件

ex) 信頼性、経営・ガバナンス体制、セキュリティ対策④ 認定のスキーム

ex) 認定基準と審査手順、認定条件に違反した場合・情報漏洩が起きた場合の対応

検討内容

民間団体等による任意の認定制度に資するガイドライン

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(情報通信審議会データ取引市場等SWG取りまとめ(平成29年6月)より)

パーソナルデータ事業者A

事業者B

事業者C

情報信託機能

②質の高いサービスの提供

①便益

個人

【「情報信託機能」について】

・個人のデータを管理・個人の指示またはあらかじめ指定した条件に基づき、個人に代わり妥当性を判断の上、データを第三者に提供