78
アニュアルレポート 2005 20053月期

アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

アニュアルレポート 20052005年3月期

Page 2: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

将来見通しの記述について

本アニュアルレポートにある計画、戦略、業績予想などに関する記述は、記述した時点で当社が入手できた情報に基づいたものです。これらの予想・予測には、当社を

取り巻く経済情勢、競合環境、関連法規、事業開発計画、為替レートなど不確実な要素が含まれており、これらの予想・予測を覆す潜在的なリスクが顕在化する可能性も

あります。したがって、将来の実際の業績・事業環境などが本レポートの記述と異なったものとなる可能性があることをご承知おきください。

連結財務ハイライト東京電力株式会社及び連結子会社3月31日に終了した会計年度

百万米ドル百万円 (注1)

2005 2004 2005

会計年度:売上高 ¥ 5,047,210 ¥ 4,853,826 $ 47,030営業利益 566,304 489,004 5,277当期純利益 226,177 149,550 2,108

1株当たり金額(円、米ドル):当期純利益 ¥ 167.29 ¥ 110.53 $ 1.56潜在株式調整後当期純利益 — 110.32 —配当金 60.00 60.00 0.56株主資本 1,853.52 1,748.06 17.27

会計年度末:株主資本 ¥ 2,502,157 ¥ 2,360,475 $ 23,315総資産 13,748,843 13,900,906 128,111

財務指標:ROA (%)(注2) 4.1 3.5ROE (%)(注3) 9.3 6.5株主資本比率 (%) 18.2 17.0

注: 1. 米ドル金額は、便宜上2005年3月31日現在の為替レートである1米ドル=107.32円で計算しています。2. ROA=営業利益/((前期末総資産+当期末総資産)/2)3. ROE=当期純利益/((前期末株主資本+当期末株主資本)/2)4. 百万円以下の金額については切り捨てて表示しています。また、米ドル金額およびパーセント表示については四捨五入して算出しています。

東京電力株式会社

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

2001 2002 2003 2004 2001 2002 2003 2004 2001 2002 2003 2004 2001 2002 2003 20040

52,580 52,205

48,538

2005

50,47249,191

2,000

4,000

6,000

8,000

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

0

40,000

80,000

120,000

160,000

0

6

12

18

24

0

7,325

6,589

4,890

2005

489

5,214

2,0782,017

1,495

2005

2,261

1,652

145,622 145,785139,009141,772

17.0

2005

137,488

14.015.0

15.8

23,604 25,02122,45821,81920,382

総資産(左軸)株主資本(左軸)株主資本比率(右軸)

5,663 18.2

売上高(億円)

営業利益(億円)

当期純利益(億円)

総資産、株主資本および株主資本比率(億円、%)

Page 3: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

アニュアルレポート2005 1

プロフィール

連結財務ハイライト ................................................................... 表紙裏

東京電力の事業概要.................................................................. 表紙裏

プロフィール ....................................................................................... 1

株主・投資家のみなさまへ ............................................................. 2

社長メッセージ ......................................................................... 4

経営ビジョン2010....................................................................... 9

1. 経営ビジョン2010の数値目標............................................ 10

2. 競争力の向上~電気事業の取り組み ................................ 12

3. 戦略事業領域における成長~新事業への取り組み ...... 14

4. 人と技術の育成....................................................................... 16

エネルギー・サービスのトップランナーとしてのCSR(社会的責任).................................................................. 18

1. 東京電力のCSR ..................................................................... 19

2. コーポレート・ガバナンス、企業倫理への取り組み ...... 20

3. 環境への取り組み................................................................... 22

4. 安定供給への取り組み .......................................................... 24

取締役、監査役および執行役員 .................................................... 26

組織図 .................................................................................................. 27

日本の電力自由化制度とバックエンド事業 ............................... 28

送電系統図.......................................................................................... 30

財務セクション ............................................................................... 31

主要子会社および関連会社 ........................................................... 71

用語解説 .............................................................................................. 72

会社概要 .............................................................................................. 73

目 次

札幌

仙台

富山

名古屋

大阪

高松

広島

福岡

浦添

東京東京電力

東北電力

北陸電力

中部電力

関西電力

四国電力

中国電力

九州電力

沖縄電力

北海道電力

東京電力は、1951年の設立以降、約半世紀にわ

たり発電・送電・配電一貫体制で、安価で高品質な電

気をお届けし、社会の発展と生活を支えてきました。

当社を取り巻く最近の経営環境は、経済の低成長

や省エネルギーの進展により電力消費の伸びが減

少する傾向を示す一方で、2005年4月からは総販

売電力量の6割以上を占めるお客さまにまで電力の

小売自由化の対象が拡大されるなど、市場競争は

ますます本格化しています。

当社では、「エネルギーの最適サービスを通じて豊

かな生活と快適な環境の実現に貢献する」という経

営理念の実現に向け、全社一丸となって徹底した経

営効率化を進め、お客さまサービスの充実、環境問

題への対応、新たな成長・発展につながる新規事業

の展開に積極的に取り組んでまいります。

電力10社のサービスエリア

当社が電気をお届けしている首都圏

の面積は全国の約1割ですが、人口

は約4,300万人で日本全体の約3割

を占めています。また、その経済規

模を示す国内総生産は184兆円で

日本全体の約4割にのぼります。

Page 4: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

東京電力の事業概要

発電電力量の海外比較と主要な電力会社との比較

発電電力量(注1) エネルギー別販売電力量(注2)国 名 発電電力量構成(注1) 主要な電力会社

(億kWh) (%) (億kWh)

日本 原子力 27.1% 東京電力 2,760水力 7.6%

10,877 石炭 26.8% 関西電力 1,402ガス 22.5%石油 13.4%

中部電力 1,222その他 2.6%

アメリカ 原子力 20.1% デューク・エナジー 828水力 5.9%

39,927 石炭 51.3% PECOエナジー 367ガス 17.8%石油 2.5%

コンソリデーテッド・エジソン 306その他 2.4%

イギリス 原子力 22.9% 水力 1.2% パワージェン 720

3,845 石炭 32.8%ガス 39.6%石油 1.8% RWEイノジー 593その他 1.7%

イタリア 原子力 14.2%石炭 14.6%

2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521石油 31.6%その他 3.8%

注: 1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES 2001-2002」2. 販売電力量(卸売およびトレーディングは除く)は、各社の2003年度実積

(億kWh)

1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005(各3月31日終了年度)

2006

2,835(見込み)

1,000

1,500

2,000

2,500

3,0002,867

1990

2,044

当社販売電力量の推移

東京電力株式会社

Page 5: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

(万kW)

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004(各3月31日終了年度)

20061991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005

水力

石炭

LNG・LPG

その他ガス

原子力

石油5,150

(見込み)7,6077,561

人 口(万人)

面 積(km2)

人口密度(人/km2)

電気事業営業収益(億円)

最大電力(万kW)

販売電力量(億kWh)

4,364(34.2%)

2,867(33.1%)

6,430(35.3%)

47,976(32.9%)

39,494(10.6%)

全国12,763(注2)

全国8,654

全国372,702(注3)

全国18,238

(2001年7月24日)

全国145,884

全国342.4

1,105.1(約3.2倍)

当社サービスエリア

全国(注1)

注:1.電力会社10社2.全国の人口は、2005年1月1日現在(総務省統計局調べ)3.出所:電気事業便覧(2004年版)

日本における東京電力の位置付け(2005年3月期)

当社電源設備の推移

アニュアルレポート2005

注:電源設備量には、他社からの受電分を含みます

Page 6: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

2 東京電力株式会社

株主・投資家のみなさまへ

当会計年度の営業概況

2004年度(2005年3月期)のわが国経済は、前半は企業収益の大幅な改善や民間設備投資の増加などに支えら

れ、着実な景気回復を続けましたが、後半にかけて、輸出や個人消費の伸びが鈍化するなど、回復の動きは緩やか

なものとなりました。

こうしたなか、当期の販売電力量は、記録的な猛暑の影響により冷房需要が大幅に増加したことに加え、景気の

回復基調を反映して産業用需要が増加したことなどから、前年度比3.9%増の2,867億kWhとなりました。

当会計年度の収支につきましては、収益面では、昨年10月からの電気料金引き下げの影響はあったものの、販

売電力量が増加したことなどから、連結売上高(連結営業収益)は前年度比4.0%増の5兆472億円となりました。

一方、費用面では、前年度に比べ原子力発電の稼働率を大きく回復できたことによる燃料費や購入電力料の減少

に加え、設備投資の抑制に伴う減価償却費の減少などがありましたが、安全確認のための原子力発電プラントの

点検・補修作業によって修繕費が増加したことなどから、連結営業費用は前年度比2.7%増の4兆4,809億円とな

りました。

取締役会長 田村 滋美 取締役社長 勝俣 恒久

私どもは、ますます激化する競争を勝ち抜

き、グループとして成長・発展していくために、

2004年10月に公表した東京電力グループ

の中期経営方針「経営ビジョン2010」の実

現に向け、グループが一丸となって取り組ん

でいきます。あわせてコーポレート・ガバナ

ンスの強化や企業倫理の遵守、安全確保、

安定供給など、社会的責任を今後も確実に

果たすことにより、持続的な企業価値の向上

に努めていきます。

Page 7: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

以上により、連結営業利益は前年度比15.8%増の5,663億円、連結当期純利益は前年度比51.2%増の2,261億

円となり、連結当期純利益につきましては過去最高となりました。なお、配当金につきましては、前年度と同様、

1株当たり年間60円とさせていただきました。

経営環境と経営課題

経済の低成長化などに伴い電力需要が伸び悩むなか、2005年4月からは電力小売自由化の範囲が拡大され、当

社の販売電力量の6割以上に相当するお客さまが自由化の対象となりました。同時に、全国規模の電力売買の仲介

を行う卸電力取引所が開設され、競争市場の環境が一段と整備されるなど、当社を取り巻く環境は新たな局面を

迎えています。

当社は、こうした厳しさを増す競争を勝ち抜き、グループとして成長・発展していくためには、グループが一丸

となり総合力を発揮していくことが必要と考え、昨年10月、東京電力グループとして初めての中期経営方針であ

る「経営ビジョン2010」を公表しました。このビジョンのもと、当社は、グループ会社との連携をより一層強化し、

エネルギー、情報通信などのトータルなサービスの提供や業務の効率化など、あらゆる面でグループが一体と

なった業務運営を推進していきます。

また、2004年6月には経営の健全性と透明性を一層高め、意思決定の迅速化を図るために、取締役の員数の削減、

執行役員制度の導入、社外監査役の増員を柱とする経営機構改革を実施しました。今後も引き続き、コーポレート・

ガバナンスの強化に積極的に努めるとともに、企業倫理、法令の遵守や情報公開はもちろん、安全確保、環境保全、

安定供給など、当社にとっての社会的責任を確実に果たしていきます。

ステークホルダーのみなさまの満足度向上に向けて

当社は、電気事業という事業の特性から、株主・投資家のみなさまをはじめ、お客さま、地域のみなさま、従業

員など、多くのステークホルダーのみなさまに支えられて事業を行っています。そのいずれもが円滑な事業運営

上、欠かすことのできない存在であり、当社は、それぞれの方々への責任を果たし、期待にお応えすることによっ

て、ステークホルダーのみなさまの満足度をトータルとして向上させていくことが重要と考えています。

そのためにも、「経営ビジョン2010」をはじめとする上記の取り組みを確実に達成し、持続的な企業価値の向上

に努めてまいります。

株主・投資家のみなさまには、当社の経営について今後も変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し

上げます。

2005年8月

取締役会長 取締役社長

アニュアルレポート2005 3

Page 8: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

➤「経営ビジョン2010」におけるグループ経営の意義

当社は、電力自由化の進展によってますます激しくなる競争状況や、原子力不祥事により失われた信頼回復

の取り組みなどの環境変化を踏まえ、2004年10月、東京電力グループとして初めてのグループ中期経営方

針である「経営ビジョン2010」を公表しました。

当社は、2001年3月に公表した中期経営方針「経営ビジョン」に代わり、新たに2010年度を

ターゲットとした「経営ビジョン2010」を昨年10月に公表しました。この「経営ビジョン2010」

の特徴は、初めて東京電力グループの中期経営方針として位置付けたことですが、なぜグループ

経営かというと、その理由は大きく3つあります。

まず第一に、「競争を勝ち抜く」ということです。電力の小売自由化の範囲は段階的に拡大さ

れ、2005年4月からは、高圧以上のお客さますべてが自由化の対象となりましたが、これは当社

の販売電力量の6割以上に相当します。また、卸電力取引所が創設されるとともに、振替供給料

金が廃止され、全国規模での競争を促進する環境整備が行われています。こうしたなか、新規参

入者との競争が一層厳しさを増すとともに、ガスをはじめとするエネルギー間競争も激化して

社長メッセージ

東京電力グループは、「エネルギーの最適サービスを通じて豊かな生活と

快適な環境の実現に貢献する」というグループ経営理念のもと、「エネルギー・

サービスのトップランナー」を目指していきます。

4 東京電力株式会社

取締役社長

勝俣 恒久

Page 9: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

います。この競争に打ち勝つためには、グループ全体が総合力を最大限に発揮し、価格競争力を

高めていくことが必要です。

第二に、「ビジネスチャンスを活かす」ということです。市場競争が激しくなる一方で、ビジネス

チャンスは拡がっており、新たなエネルギーソリューションビジネスやエネルギーと通信が融合

した新しいサービス市場が開かれつつあります。こうしたニーズに的確に応え、最適なサービス

を提供するためには、グループ内の連携を一層強める必要があります。

第三に、「グループの業務基盤の強化」です。企業倫理の遵守、安全の確保と品質管理、業務効

率化などは、グループ全体での取り組みが不可欠です。

こうした観点から、今回初めてグループとしての中期経営方針「経営ビジョン2010」を作成しま

した。今後はグループが一丸となって使命感を共有し、その実現に向けて取り組んでいきます。

アニュアルレポート2005 5

経営ビジョン2010

【グループ経営理念】

エネルギーの最適サービスを通じて豊かな生活と快適な環境の実現に貢献する

【グループ経営指針】

東京電力グループは、以下のグループ経営指針に沿って「エネルギー・サービスのトップランナー」を目指す

第1の経営指針「社会の信頼を得る」

第2の経営指針「競争を勝ち抜く」

第3の経営指針「人と技術を育てる」

競争市場への参加資格は、社会のみなさまからいただく「信頼」である。

確固たる「信頼」を獲得するために、

●全ての業務を「企業倫理遵守に関する行動基準」に従って行い、よりよい環境づくりなど、企業の社会的責任を誠実に果たす。

●全ての職場で、業務やサービスの品質を着実に高める。

●「安全最優先」の意識を徹底し、「世界トップレベルの安全・安心な会社」を目指す。

当社グループの喜びは、お客さまの「満足」である。

お客さまの「満足」を獲得するために、

●当社グループは一体となって、お客さまニーズを敏感に察知し、お客さまに選ばれ続けるエネルギーの最適サービスを提供する。

●コストダウンと企業体質強化に取り組み、競争力を高め、収益力の向上と事業発展を目指す。

●「情報通信」、「エネルギー・環境」、「住環境・生活」、「海外」の4分野で新事業を推進し、グループ全体としての持続的成長を確保する。

当社グループの未来を切り拓くのは、「人と技術」である。

「人と技術」の力で変革し続けるために、

●階層間、組織間、グループ内外を問わずコミュニケーションを活発にし、職場の活力と一人ひとりの働きがいを高める。

●社員の技術・技能の維持・強化に努め、日常の業務革新と効率化に挑戦する。

●社会の信頼獲得、競争力強化、事業発展に役立つ技術課題に挑戦する。

Page 10: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

➤経営理念と3つの経営指針

「経営ビジョン2010」では、「エネルギーの最適サービスを通じて豊かな生活と快適な環境の実現に貢献す

る」というグループ経営理念のもとに、「社会の信頼を得る」、「競争を勝ち抜く」、「人と技術を育てる」という

新たな3つの経営指針を掲げています。

この「経営ビジョン2010」で、当社は「エネルギーの最適サービスを通じて豊かな生活と快適

な環境の実現に貢献する」というグループ経営理念を掲げ、この経営理念のもと新たな3つの

グループ経営指針を策定しました。

第1の指針は「社会の信頼を得る」です。競争市場への参加資格は、社会のみなさまからの「信

頼」があってのことであると考えています。また、第2の指針である「競争を勝ち抜く」ためには、

いかにお客さまの満足を勝ち取っていくかが重要であり、お客さまに満足していただくことこそ、

私たちの喜びです。そして、第3の指針である「人と技術を育てる」は、当社グループの未来を切

り拓くのはまさに「人と技術」であるという思いから策定しました。

当社は、本格的な競争時代における東京電力グループのさらなる成長・発展を目指し、この3つ

の経営指針に沿って「エネルギー・サービスのトップランナー」を目指していきたいと考えています。

➤「経営ビジョン2010」における数値目標

「経営ビジョン2010」では、2010年度に向けた新たな目標を設定しました。特に、新たな事業の成長を達成

していくために、電気事業においては販売電力量の開拓目標を、また新事業の分野では売上高と営業利益目標

を設定しました。

旧経営ビジョンは、2005年度をターゲットに2001年3月に公表したものですが、このなかで掲

げた目標のうち、業務効率改善や財務体質といった企業体質に関わるものはほぼ達成できる見

込みです。これら旧ビジョンの達成状況を踏まえ、今回の「経営ビジョン2010」では、新たに2010

年度をターゲットとした数値目標を設定しました。

まず、さらなる競争力の確保と企業体質の強化のために、設備安全・品質確保を大前提に、

2003年度比で業務効率を20%以上改善させるとともに、株主資本比率のターゲットを25%以上

としました。さらに、事業の新たな成長を図るため、販売電力量の開拓目標を2010年度までの

累計で100億kWh以上、電気事業以外の売上高を6,000億円以上、同営業利益は600億円以上と

しました。電気事業以外のいわゆる新事業分野において、従来の売上高目標に加え、利益目標を

新たに設定したことも、この目標の特徴のひとつです。「情報通信」、「エネルギー・環境」、「住環境・

生活関連」、「海外」の4つの分野を戦略事業領域と位置付け、事業領域ごとに責任部署を明確化し、

目標達成に向けて最大限努力していきます。

※数値目標の詳細は、特集1(P9~)をご参照ください。

6 東京電力株式会社

Page 11: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

➤ 2005年度経営計画

2005年度の経営計画は、「経営ビジョン2010」の達成に向け、今後3年間で取り組むアクションプランです。

経常利益目標を「3,500億円以上」に引き上げるとともに、販売電力量の開拓や新事業分野における目標達成

に向け、積極的に取り組んでいきます。

本年3月末に発表した2005年度の経営計画は、経営ビジョン2010の達成に向け今後3年間

(2005~2007年度)で取り組むアクションプランとして策定したものです。利益に関する目標と

しては、まず、経常利益目標を従来より500億円引き上げ、3,500億円以上としました。フリー・

キャッシュ・フローの目標は5,000億円程度、ROAは4%以上としています。

また、引き続きあらゆる分野でコストダウンを推進していきますが、将来の設備安全・健全性

を確保するため、設備投資額は従来計画より300億円増の6,200億円程度、修繕費は前回同様の

4,600億円程度としています。

2003年度から新たに設定した販売電力量の開拓目標については、3年間で40億kWh程度とし

ています。なお、2004年度の獲得実績は約10億kWhと、目標であった7.5億kWhを上回ること

ができました。今後も、この目標をできるだけ上回るよう努力していきます。特に、2003年度

から力を入れている「オール電化住宅」の促進については、お客さまの認知度も高まってきており、

アニュアルレポート2005 7

数値目標の概要

2001年度 2004年度

3,195 3,845

2005年度経営計画(2005~2007年度目標)

3,500億円以上

経営ビジョン2010(目標年度:2010年度)

利益およびフリー・キャッシュ・フロー目標

経常利益(億円)

6,045 8,915 5,000億円程度フリー・キャッシュ・フロー(億円)

4.5% 4.0% 4%以上ROA(%)

9,322 4,642 6,200億円程度

設備安全・品質確保を大前提に、

2003年度比で20%以上改善

株主資本比率25%以上

業務効率改善目標

設備投資額(億円)

5,039 4,727 4,600億円程度修繕費(億円)

40,725 38,510 37,500人以下(2007年度末)社員数(人)

10.0

事業の成長目標

販売電力量の開拓量(億kWh)

0.317 0.381 CO2排出原単位を1990年度比で20%削減(目標年度:2010年度に約0.31kg-CO2/kWhへ)

地球環境貢献目標 CO2排出原単位(kg-CO2/kWh)

2,486電気事業以外の売上高(億円)

57

40億kWh程度(3カ年合計)

5,000億円程度(2007年度)

250億円程度(2007年度)

100億kWh以上(7カ年合計)

6,000億円以上

600億円以上電気事業以外の営業利益(億円)

14.1% 17.8% 22%以上(2007年度末)

財務体質改善目標

株主資本比率(%)

94,251 79,089 1兆円以上削減(3カ年合計)有利子負債(億円)

注:電気事業以外の売上高・営業利益を除き、目標値はすべて単体ベース

2005年度経営計画で対象期間に注記がないものは、すべて2005~2007年度の3カ年平均

Page 12: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

今年度も「Switch!キャンペーン」などを活用し、積極的な営業活動を展開していきます。

電気事業以外の成長目標については、2007年度における売上高目標を5,000億円程度、営業

利益目標を250億円程度としました。なかでもFTTH事業については、設備投資先行型であるこ

とから営業赤字が続いていますが、2004年度末で約13万件の加入をいただき、最近の加入者数

の伸びには大きな手応えを感じています。そして、目標である2008年度の加入者100万件の達

成に向けて、積極的にチャレンジしていきたいと考えています。

➤持続的な成長・発展を目指して

当社は、自由化の進展にあわせて確実に利益を増加させてきました。今後も中長期にわたり安定した利益成

長を目指し、企業価値の向上に努めていきます。

電力の自由化は段階的に拡大され、競争はますます激化しています。しかしながら、自由化の

拡大は私どもにとって、チャンスと可能性の拡大でもあります。それは、新たなビジネスチャン

スの拡大でもあり、効率化で挙げた成果の配分に対する自由度の拡大でもあるからです。こうし

た意味で、当社は自由化を前向きにとらえています。

実際に、当社は電力の自由化、すなわち経営の自由度拡大にあわせて、料金値下げを実施しつ

つも、ほぼ確実に利益水準を向上させてきました。今後も引き続き、経営の効率化に努め、競争

力を高めるとともに、収益力の向上を図り、中長期にわたり安定した利益成長を目指し、企業価

値の向上に努めていきます。

そうしたなかで、株主のみなさまへの利益配分にあたっては、なお脆弱な財務体質を改善し、

収益力を高めていくことが経営上の重要課題となっていることから、安定配当の継続を基本に、

業績および財務体質の改善状況などを総合的に勘案して、株主・投資家のみなさまのご期待に応

えていきたいと考えています。

最後に、当社グループが目指すべき企業像についてお話しします。

当社グループは、「社会の信頼を得る」、「競争を勝ち抜く」、「人と技術を育てる」という3つのグ

ループ経営指針を掲げていますが、これら3つの条件をすべて兼ね備えて初めて、企業としての

持続的な成長・発展を続けることができるものと信じています。当社グループが目指すのはまさ

にこうした企業像であり、株主・投資家のみなさまにおかれましては、引き続き、当社経営に変わ

らぬご支援とご理解を賜りますようお願い申し上げます。

8 東京電力株式会社

Page 13: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

➤ 経営ビジョン2010の数値目標経営ビジョン2010の数値目標の達成に向けて、グループの総力を挙げて取り組んでいきます。

➤ 競争力の向上~電気事業の取り組み多様化するお客さまニーズに迅速・的確に応えるソリューションサービスを展開し、競争に勝ち抜いていきます。

➤ 戦略事業領域における成長~新事業への取り組み電気事業を核に、4分野を戦略事業領域と位置付け、持続的な成長を目指します。

➤ 人と技術の育成社員の技術・技能の維持・強化を図り、社会の信頼獲得や競争力強化、事業発展に役立つ技術課題に挑戦します。

経営ビジョン2010Management Vision 2010

9アニュアルレポート2005

Page 14: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

業務効率改善目標

財務体質改善目標

事業の成長目標

地球環境貢献目標

設備安全・品質確保を大前提に

2003年度比で20%以上改善

1999年度比で 20%以上改善

株主資本比率25%以上 5カ年で有利子負債を

20%以上削減

CO2排出原単位を1990年度比で20%削減 (目標年度: 2010年度に約0.31kg-CO2/kWhへ)

数値目標2010 (目標年度: 2010年度)

100億kWh以上の販売電力量を開拓

売上高(注1) 6,000億円以上 営業利益(注2) 600億円以上

1999年度比で グループ外顧客に対する

売上増加分

5,000億円以上

チャレンジ20+1 (目標年度: 2005年度)

電気事業以外の

数値目標2010(前回の中期経営方針との比較)

➤ 経営ビジョン2010の数値目標

当社は、2004年10月に東京電力グループ中期経営方針「経営ビジョン2010」を公表しま

した。このなかで、2000年の電力小売自由化開始後10年目となる2010年度をターゲット

とした「数値目標2010」を掲げ、グループを挙げて重点課題に取り組んでいます。

数値目標2010の概要当社は、これまでおおむね3年ごとに「中期経営方針」を策定し、その方針に基づき事業運営を

進めてきました。2001年3月に策定した2005年度をターゲットとする前回の中期経営方針の数

値目標については、目標の達成に向けて総力を挙げて取り組んできた結果、コストダウンや財務

体質の改善といった企業体質に関わる目標については、ほぼ達成できる見通しです。

今回新たに策定した「経営ビジョン2010」では、2000年の電力小売自由化開始後10年目とな

る2010年度をターゲットとした「数値目標2010」を掲げ、グループ一丸となって重点課題に取り

組んでいきます。具体的には、「業務効率改善」、「財務体質改善」、「事業の成長」、「地球環境貢献」

といった項目について、5つの数値目標を設定しています。これは、前回方針の数値目標と比べ、

電気事業以外の分野における利益目標を追加するなど、さらに深掘りした数値目標であると同

時に、グループ全体での視点となっている点が特徴です。

東京電力グループでは、さらに企業価値を高め、本格的な競争時代においても成長力あふれる

グループ経営体制を確立するため、これら5つの数値目標を達成していきます。

Man

agem

ent

Visi

on 2

010

10 東京電力株式会社

注: 1. 連結子会社・附帯事業の外部顧客に対する売上高の合計2. 連結子会社・附帯事業の営業利益の合計

Page 15: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

(億円) (人)

0

4,000

8,000

12,000 設備投資額(左軸)

16,000

20,000

35,000

40,000

45,000

2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2010(年度)

37,500人以下 (2007年度末)

6,200億円程度 (2005~2007年度平均)

社員数(右軸)

業務効率 20%以上改善 (2003年度比、

2010年度)

コストダウンの推進

業務効率改善目標設備安全・品質確保を大前提に、2010年度に

業務効率を2003年度比で20%以上改善すること

を目指します。この目標達成に向け、通常のコスト

ダウンはもちろんのこと、新たな視点に立った

抜本的な業務の効率化を進めていきます。

2010(年度末)

(兆円) (%)

0.0

3.0

6.0

9.0

12.0

15.0

15.0

10.0

5.0

0.0

20.0

25.0

2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

22%以上(2007年度末)

1兆円以上の削減 (2005~2007年度合計)

株主資本比率(右軸)

有利子負債残高(左軸)

25%以上 (2010年度末)

財務体質の改善

財務体質改善目標事業環境が大きく変化するなか、財務体質の改善

は当社にとって喫緊の課題です。今後も有利子負債

の削減を進めることなどにより、2004年度末で

17.8%である株主資本比率を2010年度末までに25%以上とする目標を目指していきます。

2010(年度)

(億kWh)25

5

10

20

15

2004 2005 2006 20070

法人・大口

家庭用

販売電力量の開拓 100億kWh以上

(2004~2010年度合計)

販売電力量の開拓 40億kWh程度

(2005~2007年度合計) 販売電力量の開拓

事業の成長目標-販売電力量の開拓目標法人・大口分野のお客さまへのトータルソリュー

ションサービスの提供、家庭用のお客さまへの「オール

電化住宅」の提案などを通じ、2004年度から2010年

度までの累計で100億kWh以上の販売電力量の開拓

を目指します。

1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2010(年度)

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

CO2排出原単位(販売電力量当たり)(左軸)

(kg-CO2/kWh) (10万トン-CO2、億kWh)

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

CO2排出量(右軸)

販売電力量(右軸)

CO2排出原単位

地球環境貢献目標地球温暖化問題への対策として、原子力発電所

の安全・安定運転をはじめ、自然エネルギーの導

入、京都メカニズムの活用などを推進し、2010年度までにCO2排出原単位を1990年度比で20%削減することを目指します。

(売上高: 億円) (営業利益: 億円) 10,000

600

300

0

900

1,200

5,000

2,500

0

7,500

2007 2010(年度)

2004

住環境・生活関連 +海外

電気事業以外の売上高6,000億円以上、 営業利益600億円以上(2010年度)

情報通信

電気事業以外の売上高 5,000億円程度、 営業利益

250億円程度 (2007年度)

エネルギー・環境

事業の成長

事業の成長目標-電気事業以外の売上高・営業利益目標「情報通信」、「エネルギー・環境」、「住環境・生活関

連」、「海外」の4分野を戦略事業領域と位置付け、2010年度における電気事業以外の売上高6,000億円以上、

営業利益600億円以上を目指します。

アニュアルレポート2005 11

Page 16: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

➤ 競争力の向上~電気事業の取り組み

小売自由化の範囲拡大とともに、他のエネルギーなどとの競争が激化するなか、多様化す

るお客さまニーズに迅速・的確に応えるソリューションサービスを展開し、お客さま満足の

獲得を目指します。同時に、「経営ビジョン2010」で掲げた販売電力量の開拓目標の達成を

目指します。

当社がお勧めする主な電気機器・システム

お客さま満足の獲得を目指した営業活動

経営ビジョン2010では、2010年度までに販売電力量を100億kWh以上(その内訳は法人・

大口分野で約2/3、家庭用・一般分野で約1/3)開拓するという目標を掲げました。また、2005年

度経営計画では、まずは2007年度までの3年間で40億kWh程度の販売電力量の開拓を目指して

います。

このため、2004年6月には販売営業本部を設置して組織体制を整備するとともに、同年10月

には料金改定を実施し価格競争力を強化しました。また多様化・高度化するお客さまニーズに応

えるため、ソリューションサービスを展開しつつ、サービス・業務品質のさらなる向上を進めて

います。今後も、お客さま満足の獲得を目指した営業活動を推進し、経営ビジョン2010の目標

達成を目指します。

Man

agem

ent

Visi

on 2

010

エコキュート(電気給湯機)

大気中の熱を利用してお湯を作る

「ヒートポンプ」システムにより、給湯分

野で大幅な省エネルギーを実現します。

また、充実した給湯機能に加え、割安な

夜間の電力を利用でき、ランニングコ

ストも極めて安価です。

磁力線で直接鍋を加熱するためガス

に負けないほど火力が強く、また調理

面がフラットで掃除・手入れが簡単です。

難しい火力の調節もワンタッチで済み、

火を使わないため安心で、快適なキッ

チン環境を実現します。

IHクッキングヒーター

大型ターボ冷凍機のCOPは既に6に到達するなどヒートポンプの高効率化

は目覚ましく、「地球温暖化対策の切り

札」として熱い期待が寄せられています。

12 東京電力株式会社

割安な夜間電力を使用することで電

気料金の大幅な低減を実現するエコ・

アイスは、あらゆる建物規模に適用可

能なため、空調用需要開拓の中心的役

割を担います。

クリーンで加熱能力の高いIH機器や、厨房温度の低下による調理環境の改善

が好評です。各種電気料金メニューとの

組み合わせで省コストも実現できます。

業務用電化厨房機器

高効率熱源機

エコ・アイス(氷蓄熱式空調システム)

Page 17: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

法人・大口分野法人・大口分野では、競合の激化する分野を中

心に本社営業およびソリューション提案活動を強

化し、お客さまの獲得によるシェア拡大に向けた

営業活動を展開しています。

具体的には、蓄熱システム、高効率熱源機、電

化厨房、電気加熱などの電化機器・システムの提

案をはじめ、省エネ診断やこれに付随する設備の

運転・メンテナンスなど、お客さまの設備全体に

まで踏み込んだ複合的なソリューションサービス

を提案していくことで、お客さまのエネルギーに

関するあらゆるニーズに応えていきます。

また、各種機器の実機展示や採用事例を紹介す

る各種フェアも積極的に展開しており、このよう

な活動を通じて販売電力量の開拓を実現し、経営

ビジョン目標の達成を目指します。

家庭用・一般分野これからの住宅に一層求められるのは、高気密・高断熱などによる

快適性や省エネ性、さらには高齢者に配慮した安心・安全性です。当社

では、IHクッキングヒーターやエコキュートなどの活用により、こう

した理想的な住環境・住空間を実現できる「オール電化住宅」を、マス

メディアによる広告やキャンペーンの展開、住宅メーカーなどへの営

業活動を通じて積極的に提案しています。

2004年度に2回開催した「Switch!キャンペーン」では、目標を上

回るIHクッキングヒーター、エコキュートの成約を獲得し、当社エリア

内における新築住宅のオール電化率は、6.4%にまで拡大しています

(2004年度実績)。このオール電化率については、2007年度までに

19%程度、2010年度までには24%程度と目標を設定し、さらに積極

的な営業活動を進めていきます。

お客さまのニーズ 東京電力グループのソリューション

電力供給だけでなく、電気設備・空調設備を中心としたさまざまな設備のご提案が可能です。

エネルギー供給• 電力• 熱• 燃料(ガスなど)

電気設備• 受変電設備• NAS電池システム• 自家発(コージェネ)• 非常用発電機

その他設備• 空調設備• 厨房設備• 情報通信設備• ボイラー・給排水設備

エネルギー診断、設備の計画・設計から、設置・運用、管理まで包括的なサポートが可能です。

設備の設置・運用 設備の管理

電力事業で培った多岐にわたる技術力を活かし、グループ企業の総合力を結集してニーズにお応えします。

お客さま グループ企業東京電力

東京電力グループワンストップサービス

コストの削減

高度信頼性の実現

省エネルギー性・環境性

オフバランス化・アウトソーシング

付加価値サービスの展開

設備の計画・設計

(%)

2007 2010(年度)

2002 2004 20052003 20060

5

10

15

20

25

30

2.4

6.44.5

24%程度

19%程度

アニュアルレポート2005 13

新築住宅に占めるオール電化住宅の割合

東京電力グループのトータルソリューションお客さまのニーズにお応えして、さまざまな解決策をご提案しています。

Page 18: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

電気事業を核に、「情報通信」、「エネルギー・環境」、「住環境・生活関連」、「海外」の4分野を

戦略事業領域と位置付け、グループ各社が連携を強化し、競争力を高めることで、東京電力

グループの持続的な成長・発展を実現します。

収益力ある新事業開発

今後の電気事業は、電力需要の増勢鈍化が見込まれることに加え、自由化範囲の拡大に伴う競

争激化により、売上高についても伸び悩むことが予想されます。一方、電気事業以外の分野でも、

規制改革や技術革新の進展によって、電力とその他のエネルギーが融合した市場やエネルギー

と通信が融合した新しい市場が生まれ、東京電力グループにとって新たなビジネスチャンスが

拡がっています。

経営ビジョン2010では、東京電力グループの経営資源を有効に活用し、また電気事業以外の

売上高を拡大するために、「情報通信」、「エネルギー・環境」、「住環境・生活関連」、「海外」の4分野

を戦略事業領域と位置付け、それぞれの分野で収益力ある事業展開を進めていきます。今後、

さらにグループ各社が連携し、競争力を高めることで、東京電力グループは持続的な成長・発展

を実現します。

Man

agem

ent

Visi

on 2

010

➤ 戦略事業領域における成長~新事業への取り組み

14 東京電力株式会社

電気事業

情報通信事業

信頼性の高い光ファイバやデータセンターなど

の有効活用による新サービスの開発や、グループ各

社の連携によるソリューション営業の充実を図り、

事業の成長・発展を目指します。

加えて、情報通信技術を活用したエネルギー関

連サービスの開発・提供を進めます。

エネルギー・環境事業

ガス、オンサイト電源を含めた電気事業周辺領域

の強化により、お客さまに選んでいただけるエネル

ギーサービスメニューの拡大を図るとともに、省エ

ネルギー・リサイクルなどの環境事業を推進します。

住環境・生活関連事業

お客さまの暮らしを支え、豊かな生活を実現す

るために、住宅、介護、教育・人材、医療・健康な

ど、暮らしや生活に密着した成長性の高い事業を、

グループが一体となって開発・強化し、生活領域に

おける東京電力ブランドの確立を目指します。

海外事業

当社が電力会社として長年培ってきた技術力・

ノウハウを最大限に活用して、外国の発電事業を中

心とする海外投資事業や農村電化などの海外コン

サルティング事業を着実に進めます。

成長性確保に向けた収益力ある新事業開発

Page 19: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

情報通信事業情報通信事業の主力のひとつとして、当社では2002年

3月よりFTTH(Fiber To The Home)事業を展開して

います。首都圏を中心に光ファイバネットワークを構築、

2004年度末時点で800万世帯をカバーし、FTTHサービ

ス「TEPCOひかり」の加入者数は約13万件に達していま

す。2005年度には、サービス提供エリアを1,000万世帯

まで拡大し、2008年度には加入者件数で100万件程度、

収支面でも単年度黒字化の達成を目指しています。

住環境・生活関連事業「電化+情報化」をコンセプトとしたオール電化住宅

「エストライフ」の提案や住宅性能保証などの住環境事

業、また介護事業や教育・人材派遣事業など、東京電力

ブランドの強みを活かした暮らしや生活に密着した事業

を展開していきます。

ガス事業の展開

海外事業の展開

FTTH事業

オール電化住宅「エストライフ」

海外投資 コンサルティング

アニュアルレポート2005 15

エネルギー・環境事業お客さまの幅広いニーズに対応するため、電気のみな

らず、ガス供給、分散型電源事業、ESCO事業をはじめ、

地域熱供給事業、環境・リサイクル事業など、トータルな

サービスを提供していきます。特にガス事業については、

制度改革(自由化範囲の拡大、卸託送制度の創設など)を

踏まえ積極的に展開しており、千葉県臨海部などにおけ

る自社のガスパイプラインの有効活用や、関連会社との

協調により、2007年度のガス事業の売上高は270億円を

目標としています。 富津火力発電所

袖ヶ浦火力発電所

姉ヶ崎火力発電所

川崎火力発電所

東扇島火力発電所

南横浜火力発電所

五井火力発電所

千葉火力発電所

東京湾 横浜火力発電所

LNG 火力発電所

ガス導管

「TEPCOひかり」のサービス提供エリア

海外事業海外でのビジネスチャンスの発掘による

新たな成長・発展を目指し、海外における発

電事業や多様な投資事業を推進するととも

に、当社の技術力・ノウハウを活用したコン

サルティング事業を推進します。

Page 20: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

東京電力グループの未来を切り拓くのは「人と技術」であるという認識のもと、人材の育成・

活用とともに、社員の技術・技能の維持・強化を図り、社会の信頼獲得、競争力強化、事業発

展に役立つ技術課題に挑戦します。

当社の技術開発活動

Man

agem

ent

Visi

on 2

010

➤ 人と技術の育成

電気事業の社会的使命を果たしつつ、将来にわたり

競争力を高めお客さまに選択していただくため、研究を

本務とする技術開発本部と、業務や設備を総括し第一

線職場の課題解決を行う各技術部門が一体となって競

争力とスピードを意識した技術開発への取り組みを進

めています。

16 東京電力株式会社

技術開発体制

各技術部門

各部門での技術開発

技術開発本部への依頼

第一線職場

現場の課題やニーズの解決

研究推進の一体化 第一線職場支援

技術開発本部• 各技術部門や第一線職場の依頼に基づく研究• 長期展望に立った基礎・基盤分野の研究

未来を切り拓く人と技術

東京電力グループの未来を切り拓き、事業発展を支えるのは「人と技術」です。

このため、部門間やグループ会社間、階層間などの壁を超えたコミュニケーションの活性化を

図るとともに、一人ひとりが存分に能力を発揮できる環境を整備することで、社員の働きがいを

高めていきます。また、女性社員の一層の能力発揮・活用に努めて人材の最適配置を推進すると

ともに、業務革新や新たな経営課題に挑戦する変革型人材を育成・活用していきます。

技術については、設備の改修・改善などを担当する第一線職場における技術・技能の強化・向

上が不可欠であり、グループ会社とともに、将来にわたって安全、品質、効率を向上させるために

必要な技術・技能の強化に取り組みます。同時にお客さまサービスの充実・業務運営の的確化を

進めるため、先進的な情報通信技術(IT)を積極的に活用し、当社グループの事業や業務の変革を

推進していきます。また、将来の成長を支える技術戦略を展開し、技術部門の総合力を発揮して

さまざまな課題に挑戦します。

Page 21: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

技術開発の重点実施分野東京電力グループの技術開発の中核である技術開発本部では、経営課題

やニーズを重視した技術開発課題への選択と集中を行い、

①安全の確保を最優先とした技術開発

②長期的にエネルギーセキュリティを確保し、地球環境を守る技術開発

③お客さまの満足を獲得するための技術開発

④競争力を強化する技術開発

の4つを重点実施分野として技術開発に取り組んでいます。さらには、発

電・送電・配電一貫の責任ある電力会社として将来を見通し、長期的展望に

立った基礎・基盤領域の研究や夢ある研究プロジェクトにも意欲的に挑戦

しています。

知的財産活用による企業価値向上当社では、原価低減やお客さま満足向上のため、日々

技術開発や工夫・改善を行っています。また、その成果に

ついては、特許の積極的出願など、知的財産として保護・

活用するための取り組みを強化しています。保有する知

的財産は競争力の源として収益性向上に活かしていくこ

とはもちろん、公開可能な知的財産により社会の発展に

も貢献していきます。2000 2003 2004(年度)

0

100

200

300

400

2001 2002

(件)

NAS電池システム

夜間の電力を貯蔵し、昼間使うことに

よって経済的な電気の有効活用が可能とな

ります。既に変電所をはじめ大手スーパー、

半導体工場など、6.9万kW(2005年5月末現在)の導入が進んでいます。

高速PLC

高速電力線通信(PLC)は、既存の電力線を用いて高速通信を実現する技術です。当

社は「コンセントでインターネット」の実現

を目指し、PLCの技術開発に取り組んでおり、現在、総務省の認可のもと、実証試験

を進めています。

材料の応力腐食割れ(SCC)評価

原子力プラントにおける設備の応力腐食

割れ(SCC)の発生・進展メカニズム解明に関する研究などを通じ、信頼性向上と稼

働率向上に寄与するための技術開発に取

り組んでいます。

ブレーカー 電力量 メーター

低圧配電線

光ファイバ (FTTH)

電化製品

PLC モデム

PLC モデム

光/電気 変換器

アニュアルレポート2005 17

主な研究成果と取り組み事例

特許出願数の推移

Page 22: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

➤ 東京電力のCSR電気の安定供給を基本とした、豊かな生活と快適な環境の実現のための事業活動が、当社の基本的な社会的責任です。

➤ コーポレート・ガバナンス、企業倫理への取り組みコーポレート・ガバナンスの充実と企業倫理の遵守を重要な経営課題とし、企業価値の向上と信頼回復を目指します。

➤ 環境への取り組み快適な生活と環境保全、これら双方への貢献を果たす活動に取り組んでいきます。

➤ 安定供給への取り組み発電・送電・配電の一貫体制のもと、高品質な電気を安定的に提供していきます。

エネルギーサービスのトップランナーとしてのCSR(社会的責任)

18 東京電力株式会社

Fulfilling the Social Responsibilities of Leadership in Energy Services

Page 23: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

東京電力のCSRの考え方グローバル化や国内における電力小売自由化範囲

の拡大による競争の激化など、当社を取り巻く環境は

大きく変化しています。そうした環境下においても、

エネルギーを中心に事業展開を図る東京電力グルー

プとして、単に利益だけを追求するのではなく、電気

の安定供給を基本とした「エネルギーの最適サービス

を通じて豊かな生活と快適な環境の実現に貢献」す

ることが社会的責任であると考え、これを当社グルー

プの経営理念として掲げています。その経営理念の

実現に向けて取り組むための目標と方向性を示した

「経営ビジョン2010」に基づき、当社はCSRへの取り

組みを含めたすべての事業活動を展開しています。

CSR推進体制と具体的な取り組み当社は、創業以来、企業の社会的責任の考え方を

重視し、企業倫理をはじめ、品質・安全、リスク管理、

環境、人権などCSRに関するさまざまな課題に取り

組んできました。しかし、昨今のCSRに対する社会

の関心の高さを踏まえ、東京電力グループ全体の

CSRへの意識・取り組みをさらに強化、定着させる

ため、昨年、CSR担当役員を委員長とするCSR委員

会を設置しました。あわせて、エネルギー・環境問題

について、東京電力グループとしての環境施策の総

合的な推進や目標設定の充実化を目的として、同委

員会に所属する「環境管理部会」を設置しました。

➤ 東京電力のCSR

豊かな生活と快適な環境の実現のために、電気の安定供給を基本とした事業活動を通じて、

社会の課題解決に貢献することが当社の基本的な社会的責任だと考えています。

企業倫理委員会 社 長

環境管理部会 〈事務局〉

(企画部・環境部・広報部)

グループ環境委員会 広報幹事会 CSR連絡会 グループ会社 企画担当者会議

CSR委員会 〈CSR担当役員〉

リスク管理委員会

品質・安全委員会

人権啓発委員会

(会長、社長と社外有識者で構成)

CSR推進体制

アニュアルレポート2005 19

サステナビリティレポート(2005年7月に発行)

当社は、1992年より、環境への取り

組みを中心に紹介した「TEPCO環境行

動レポート」を発行してきました。この

たび、その名称を「サステナビリティレ

ポート」へ変更し、持続可能な社会の実

現に向けた当社の取り組み全体を報告

し、内容の充実を図っています。2005

年版では、「経営」、「環境」、「社会」、「原子力」の各分野の取り組みや、

CSRに対する当社社長の考えなどを紹介しています。

詳細につきましては当社ホームページでもご覧いただけます。

www.tepco.co.jp/

Page 24: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

コーポレート・ガバナンスに関する考え方

当社では、企業の継続的な成長・発展と長期的な企

業価値の向上を図る観点からコーポレート・ガバナン

スの充実を重要な経営課題と位置付け、その基本的

な考え方を「東京電力グループ企業行動憲章」および

「経営ビジョン2010」で示しています。

これらは、従来からの「企業行動憲章」および「経営

方針」をそれぞれ「グループ企業行動憲章」と「グルー

プ経営方針」に発展させたものであり、当社グループ

全体としての適切なガバナンスを目指したものです。

コーポレート・ガバナンス強化のための取り組み

当社は、電力自由化の進展や新事業への進出など、

経営環境の急激な変化に機動的かつ柔軟に対処して

いくとともに、経営の健全性・透明性を高めるため、

コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。

昨年実施した経営機構改革では、取締役員数の削減

や執行役員制度の導入などを行うとともに、業務執行

体制の充実、強化を目的として、本店組織を一部改編

しました。

経営機構改革の概要と成果

当社は、2004年6月、経営の健全性と透明性を一層

高め、意思決定の迅速化を図るために、以下の経営

機構改革を実施しました。

1.取締役員数を32名以内から20名以内に削減

2.執行役員制度の導入

3.監査役の半数以上を社外監査役に

この機構改革により、社外取締役による客観的な

視点に基づく活発な審議とも相まって、取締役会の

活性化が図られるとともに、監査役の独立性が高ま

り、監査機能が強化されています。

➤ コーポレート・ガバナンス、企業倫理への取り組み

当社は、コーポレート・ガバナンスの充実と企業倫理・法令の遵守を重要な経営課題とし、

企業価値の向上と失われた信頼回復に向けたさまざまな取り組みを実施しています。

監査役会(7名)

取締役会(20名以内)

業務執行

社内監査役

社外監査役(半数以上)

意思決定・監督

会 長代表取締役

非業務執行取締役

社外取締役

社 長代表取締役

副社長代表取締役

常務取締役業務担当取締役

執行役員

本店部長

支店長

原子力発電所長

カンパニー・プレジデント

などから選任

経営機構改革後のマネジメント体制

Fulf

illin

g th

e So

cial

Res

pons

ibili

ties

of

Lead

ersh

ip in

Ene

rgy

Serv

ices

20 東京電力株式会社

Page 25: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

また、執行役員制度の導入により、当社グループ

の全体的な経営課題に取り組む取締役と特定業務の

責任を負う執行役員の位置付けが明確化され、業務

執行の効率性が向上しています。

企業倫理の取り組み

当社は、「企業倫理遵守」を、すべての企業行動の基

盤であると考え、「東京電力グループ企業行動憲章」、

「企業倫理遵守に関する行動基準」を定めるとともに、

「企業倫理委員会」と「企業倫理相談窓口」を設置し、

その定着・徹底に向けて取り組んでいます。

具体的には、eラーニングなどを活用した企業倫

理研修やコミュニケーション活性化に向けた意見交

換会、啓蒙ポスターの掲出などの活動により、企業倫

理意識を高め、組織の風通しを良くするとともに、規

程・マニュアルの整備や業務監査・考査の強化も推進

し、仕事のルールの適正化・徹底を図っています。

また、モニタリング調査により定着度合いを定期

的にチェックし、適宜活動内容を見直しています。

取り組み状況と成果

延べ55万7千人以上を対象とした2004年度の企業倫理研修は、実施時間

が昨年度よりも若干増加し、職場懇親会の参加者も増加傾向にあります。

各職場で独自に行うアンケートの実施や協力企業との合同研修の実施など、

企業倫理遵守のための活動も多様化してきています。モニタリング調査結

果からも、社員への倫理意識の定着は確実に進んでいることが読み取れま

すので、今後も引き続き着実な取り組みを行っていきたいと思います。

総務部 企業倫理グループ

岡安 範子

グループ会社

取引先

取引先・グループ会社社員

報告・付議指 示

相 談

東京電力の仕事に関する相談

委 員 長: 会長(倫理担当)副委員長: 社長委  員: 組合委員長、社外有識者(弁護士、学者など)事 務 局: 総務部企業倫理グループ

役割:・ 企業倫理遵守のための活動方策の策定・展開・ 企業倫理に反する事案の調査・対応などの審議

総務部企業倫理グループ 企業倫理相談窓口

本 店

支店など

第一線機関

監査役会

企業倫理委員会

取締役会

社 長

企業倫理遵守推進体制

アニュアルレポート2005 21

eラーニング 企業倫理啓蒙ポスター

Page 26: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

東京電力グループ環境理念

東京電力グループは、以下の環境理念を掲げ、グ

ループが一丸となって効率的な環境対応に取り組ん

でいます。

○ 地球温暖化をはじめとする環境問題の解決に積極

的に取り組み、21世紀の持続可能な発展に向け

た、企業としての社会的責任を果たします。

○環境マネジメントシステムを継続的に改善し、大気

汚染防止などの環境リスク低減に努めるととも

に、CO2排出削減、廃棄物リサイクル、省エネル

ギー・省資源などに配慮した環境効率性の高い事

業活動を展開します。

○ 幅広い情報公開を通じて透明性を高

めるとともに、お客さま・投資家をは

じめ、事業にかかわる方々と双方向の

対話を重ねながら、21世紀にふさわ

しい社会づくりを目指します。

地球温暖化防止対策

経営ビジョン2010では、2010年度までに「CO2排

出原単位を1990年度比で20%削減」するという地球

環境貢献目標を掲げており、具体的には「0.31kg-

CO2/kWh程度」の水準まで削減することを目指して

います。

2004年度の実績を振り返ると、CO2総排出量は

10,920万トンとなり、停止していた原子力発電所が

段階的に運転を再開したことから、2003年度と比べ

て約1,800万トン(14%)減少しました。同様に、CO2

排出原単位も前年度と比べ17%減少したものの、そ

の水準は0.381kg-CO2/kWhにとどまっています。

ただし、原子力発電所の運転停止がなかった2001年

度には0.317kg-CO2/kWhにまで低下しており、当

社は、今後も地球温暖化防止に向け、さまざまな取

り組みを進めていきます。

具体的には、発電の際にCO2を排出しない原子力

発電や自然エネルギーなどの活用、火力発電の熱効

➤ 環境への取り組み

「毎日を快適に暮らすこと。自然を守ること。どちらも大切。どちらもがんばる――」

東京電力は従来から、「電気をつくること」と同時に「環境を守ること」にも取り組んできました。

そして、それは、いつまでも変わることのない当社の使命だと考えています。

Fulf

illin

g th

e So

cial

Res

pons

ibili

ties

of

Lead

ersh

ip in

Ene

rgy

Serv

ices

地球温暖化対策項目

22 東京電力株式会社

(g-CO2/kWh)

石炭 火力

石油 火力

LNG火力

LNGコンバインド

太陽光 風力 原子力 地熱 水力 0

200

400

600

800

1,000

出所:(財)電力中央研究所報告 ※ ライフサイクルCO2とは、発電燃料の燃焼に加え、原料の採掘から設備の建設、   燃料輸送、精製、運用、保守などのために消費されるすべてのエネルギーを対象   としたCO2排出量を算定したもの

975

742

608519

53 29 22 15 11

発電種別ごとのライフサイクルCO2排出量の比較(販売電力量当たりのCO2排出量)

電気供給面の対策•原子力発電の利用拡大•自然エネルギーの開発・普及•火力発電熱効率の向上

電気使用面の対策•エコライフの提唱•高効率機器の普及

その他の対策•京都メカニズムの活用•技術開発・研究• CO2以外の温室効果ガス対策

Page 27: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

率向上などの発電側による対策を進めるとともに、

高効率機器の普及などによる需要側の対策、さらに

京都メカニズムの活用など国際協力による対策を進

め、CO2の排出削減に積極的に取り組んでいきます。

大気汚染防止対策

当社の火力発電所では、大気汚染を防止するため

にさまざまな対策を講じています。例えば、燃料面

においては、1970年に当社が世界で初めて導入した

LNGや、硫黄分の少ない原油や重油など、良質な燃

料を使用する燃料対策をとっています。また、設備面

では、排煙からのSOx(硫黄酸化物)、NOx(窒素酸

化物)など大気汚染物質の除却装置を設置するなど

の対策を講じています。また、運用面でも徹底した

燃焼管理を行うなどの対策を実施しており、当社は

世界最高水準の大気保全レベルを達成しています。

自然環境保護

日光国立公園・尾瀬は、日本を代表する貴重な自

然資源として国の特別天然記念物にも指定されてい

ます。当社は、尾瀬の群馬県側のすべて、尾瀬全体の

約7割の土地と隣接する尾瀬戸倉山林を所有し、木道

の敷設や湿原の回復作業など、これまで約40年にわ

たり自然保護活動に努めてきました。東京電力では、

これからも尾瀬を自然環境のシンボルと位置付け、

自然と人間が共生することのできる生物多様性の保

全に積極的に取り組み、経営の重要課題である「環境

重視型社会の構築」に貢献していきます。

「尾瀬の木道エコペーパー」の開発

当社は中越パルプ工業(株)と(株)市瀬と共同で、尾瀬に敷設している

木道を紙パルプの原材料としてリサイクルする「尾瀬の木道エコペーパー」

を開発しました。総延長57kmのうち約20kmを当社が敷設し、毎年老朽

化した約2kmの架替工事を実施しています。これまで産業廃棄物として

処分していた木道を紙の原材料としてリサイクルすることにより、自然環

境保護と資源循環の両立を目指します。貴重な尾瀬の自然を未来に引き

継ぐために、当社はこれからも尾瀬の自然環境保護に積極的に取り組んで

いきます。

環境部 環境管理グループ

小暮 義隆

(g/kWh)

0

0.5

1.5

2.5

1.0

2.0

3.5

4.0

3.0

フランス

0.7 0.6

1.7

0.7

2.6

1.5

3.7

1.7

0.2 0.30.13 0.18

ドイツ イタリア イギリス アメリカ 日本 東京電力 2002 2002 2002 2002 2002 2003年度 2004年度

1.91.9

NOx排出原単位 SOx排出原単位

出所:「OECD ENVIRONMENTAL DATA COMPENDIUM 2004」および    「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES 2001-2002」より試算。   日本は電気事業連合会調べ

SOx、NOx排出原単位の国際比較(火力発電所の平均)

国の特別天然記念物でもある特別保護地区の尾瀬

アニュアルレポート2005 23

Page 28: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

安定供給の重要性

当社が電気をお届けしている首都圏は、面積では

全国の約10%に過ぎないものの、人口は日本全体の

約3分の1、経済規模を示す国内総生産(GDP)は約4

割を占め、日本の政治・経済の中心となっています。

近年は経済の低成長化に加え、省エネルギー機器

の普及などにより電力需要の伸びは緩やかになって

います。しかし、社会の成熟化に伴い、ゆとりや豊か

さが追求され、また社会の基盤を支える情報技術(IT)

の発達によって高度情報化が進展するなど、利便性

や快適指向の高まりを背景に、電気はあらゆる社会

活動・産業活動に欠かせないものとなっています。ま

た同時に、停電を起こすことのない、良質で信頼で

きる電気が社会から求められています。

設備形成の考え方

安定した質の高い電気をお届けするためには、電

気の需要の伸びに応じ、電源設備、流通設備の整備

を進める必要がありますが、一方でこのような設備

の拡充には多額の設備投資を伴います。当社では、

設備の安全性に十分に配慮しつつ、安定供給とコス

トダウンの両立に向け、弾力的かつ効率的な設備形

成を推進しています。

具体的には、電源設備については、安定供給、エネ

ルギーセキュリティの確保を基本に、経済性、運用性

および環境適合性などを考慮し、原子力発電を中核

としながら火力・水力をバランス良く組み合わせた

「電源のベストミックス」を推進しています。

また、流通設備については、供給の信頼度を確保

することを基本に、電源開発計画と地域の需要動向

を踏まえながら、既設設備を有効活用し、効率的な

設備形成を実施しています。

さらに他の電力会社と共同で電源を開発したり、

ネットワークを連係するなど、供給区域を越えた広域

運営を実施することによって、電力供給の安定性な

らびに効率性の向上を図っています。

➤ 安定供給への取り組み

生活に不可欠で、経済活動や文化を支える電気。東京電力は発電・送電・配電一貫体制のもと

高品質な電気を安定的にお届けし、みなさまの豊かな生活と快適な環境の実現に貢献します。

(万kW)

0

2,000

4,000

6,000

8,000

1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004(年度)電源設備 最大電力

※ 電源設備量は他社からの受電分を含みます

電源設備と最大電力の推移

Fulf

illin

g th

e So

cial

Res

pons

ibili

ties

of

Lead

ersh

ip in

Ene

rgy

Serv

ices

24 東京電力株式会社

Page 29: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

設備保全の考え方

当社は、安定供給を確保するため、電力需要の増

加に対して、電源設備、流通設備を拡充するととも

に、適切な設備の保全を実施しています。今後、設備

の経年化が進むなかで、引き続き設備の安全・健全

性などを確保していくために、設備の状態をより的

確に把握し、設備の改修・更新など必要な保全対策

を確実に実施していきます。

リスクマネジメントと極めて高い供給信頼度

電力の安定供給という社会的使命を果たすため、

当社は地震や台風などの災害に備え、「災害に強い設

備づくり」と「万一の災害発生に備えた復旧体制の整

備」を基本とした防災対策を実施しています。

例えば、送配電ルートの多様化などの設備対策に

加え、24時間の監視体制、初期応動体制の充実、復旧

資機材の常時確保、防災情報に関わるシステムの整

備、実践的な訓練などを実施しています。

これらの結果、当社は他の先進国と比べても、停電

の少ない、極めて高い供給信頼度を実現しています。

今後、需給動向の変化や電力自由化の進展など事業

環境が変化していくなかでも、発電所からお客さま

まで一貫した設備の形成や、その保全・運用を行う

ことによって、競争力を高めながら供給信頼度の維持

に努めていきます。

効果的な電力供給の管理

時々刻々と変化する電力需要に対し、東京電力は安定した電気を効率よ

くお客さまにお届けしています。中央給電指令所では、需要の変動に即応

できる火力、経済的な供給力である原子力、ピーク時に素早く対応する水

力など、それぞれの発電方法のメリットを活かし、最も効率的な電力供給を

目指し、各発電所の出力をコントロールしています。

中央給電指令所 指令グループ

石原 健司

お客さま1軒当たりの年間事故停電時間(2003年)

アニュアルレポート2005 25

(分/軒・年)

0

20

60

100

40

80

東京電力 アメリカ イギリス フランス

2

8070

45

出所: アメリカ: コンソリデーテッド・エジソン、フロリダ・パワー&ライト、エヌスター、        パシフィック・ガス&エレクトリック、サザン・カリフォルニア・エジソン        5社のSAIDI(1軒のお客さまが1年間に平均何分間の停電を経験した        かを示す指標)平均値   イギリス:「Ofgem Report on Distribution and Transmission Performance」        2003年度値   フランス:「EDF Annual Report」2001年値

Page 30: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

取締役、監査役および執行役員(2005年6月29日現在)

26 東京電力株式会社

取締役

取締役会長

田村 滋美倫理担当

取締役社長

勝俣 恒久

取締役副社長

築舘 勝利新事業推進本部長(業務全般、経理部)

内藤 久夫(業務全般、労務人事部、品質・安全監査部、原子力品質監査部)

森本 宜久販売営業本部長(業務全般)

林 喬電力流通本部長(業務全般)

白川 進(業務全般、用地部、国際部、燃料部)

服部 拓也(業務全般、環境部、火力部、建設部)

常務取締役

早瀬 佑一(企画部、広報部)

水谷 克己(総務部、総合研修センター)

清水 正孝(関連事業部、資材部)

武黒 一郎原子力・立地本部長

皷 紀男原子力・立地本部副本部長

藤本 孝新事業推進本部副本部長(システム企画部、電子通信部)

中村 秋夫技術開発本部長(技術部)

木村 滋販売営業本部副本部長

取締役

桝本 晃章

森田 富治郎

青山

取締役会長田村 滋美

取締役社長勝俣 恒久

取締役副社長築舘 勝利

取締役副社長内藤 久夫

取締役副社長森本 宜久

取締役副社長林 喬

取締役副社長白川 進

取締役副社長服部 拓也

監査役

常任監査役

村田

小島 民生

布野 俊一

監査役

野村 吉三郎

西岡 喬

林 貞行

k津 幸一

槇野 浩猪野 博行片倉 百樹松沢 邦夫勝又 淳旺神山 隆新井 是男立花 慶治尾  功並木 育朗千野 宗雄鈴木 均武井 優大久保 秀幸

山路 亨小山 寛直細見 建山崎 雅男巻口 守男山口 博橋本 哲半田 光一大出 厚楢崎 ゆう武藤 栄藤原 万喜夫泉 卓雄

執行役員

Page 31: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

組織図(2005年6月29日現在)

アニュアルレポート2005 27

会 長秘 書 部

企 画 部

技 術 部

環 境 部

シ ス テム 企 画 部

広 報 部

関 連 事 業 部

総 務 部

労 務 人 事 部

経 理 部

用 地 部

資 材 部

電 子 通 信 部

国 際 部

東 京 電 力 病 院

総合研修センター

総 合 研 修 部

技 術 研 修 部

東 電 学 園 高 等 部

技 術 開 発 本 部

開 発 計 画 部

技 術 開 発 研 究 所

営 業 部

販 売 営 業 本 部

法 人 営 業 部

電 力 契 約 部

光ネットワーク・カンパニー

ガ ス ・ カ ン パ ニ ー

電 力 流 通 本 部

工 務 部

配 電 部

系 統 運 用 部

ネ ッ ト ワ ー ク S C

原 子 力 ・ 立 地 本 部

原 子 力 ・ 立 地 業 務 部

原子力技術・品質安全部

立 地 地 域 部

原 子 力 運 営 管 理 部

原 子 燃 料 サ イ ク ル 部

火 力 部

燃 料 部

建 設 部

事 業 開 発 部

情 報 通 信 事 業 部

新 事 業 推 進 本 部

品 質 ・ 安 全 監 査 部

原 子 力 品 質 監 査 部

支   店(10)

電 力 所(3)

火力事業所(3)

建 設 所(5)

監査役業務部監査役

常務取締役

副 社 長

原 子 力 発 電 所(3)

社 長

Page 32: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

自由化制度の推移

競争を通じた電気料金の低減やサービス水準の向上

を目指すわが国の電力自由化は、1995年に卸発電事

業への参入が自由化され、2000年には小売市場の一

部が自由化されるなど、段階的に進められてきました。

2003年に決定した新たな電力自由化制度におい

ても、供給信頼度の維持、エネルギーセキュリティの

確保などの公益的課題と、効率化との両立を図りな

がら進められることになっています。

具体的には、2004年4月から、契約電力500kW以

上の高圧で電気の供給を受けるお客さままで、2005

年4月から、高圧で電気の供給を受けるすべてのお客

さまに、小売自由化範囲が段階的に拡大されていま

す。なお、一般のご家庭などの低圧分野については、

2007年4月頃を目途に具体的な検討が開始されるこ

とになっています。

また、新たな自由化制度のもとで重要な役割を果

たす組織として、電力会社や新規参入者などが余剰

電力の販売や、不足した電力を調達する場である「卸

電力取引所」と、電力会社の送配電分野の公平性・透

明性をより一層高めるため、電力系統のルール策定・

紛争処理などを行う「中立機関」が設立され、2005年

4月より本格的に業務を開始しています。

2,000 kW以上

500 kW以上

50 kW以上

すべてのお客さま

26%40%

63%

2007年を目途に検討開始当社

エリア内のお客さまの割合

特別高圧(20,000V以上)

大規模工場や商業施設など大規模工場や商業施設など

20002000 20042004 20052005

中規模の工場や建物など

中規模の工場や建物など

小規模の工場や建物など

小規模の工場や建物など

小規模工場や商店、家庭など

小規模工場や商店、家庭など

高圧(6,000V以上)

低圧(100V以上)

(2004年度 販売電力量 ベース)

わが国の電力自由化は、「公益的課題」と「効率化」の両立を図ることを大前提に進められ、

自由化のもとで原子力発電を推進するための条件整備も行われています。

段階的な自由化範囲の拡大

地域の電力会社

卸電力取引所

特定規模電気事業者

卸電気事業者

監視

中立機関

自家発電所有者 電力会社の 送電網

新たな電力取引制度の概要

日本の電力自由化制度とバックエンド事業

28 東京電力株式会社

Page 33: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

アニュアルレポート2005 29

バックエンド事業に対する経済的措置

電気事業分科会の下部組織である「コスト等検討小

委員会」では、日本原燃(株)の六ヶ所再処理施設での

処理処分費用を中心とした原子燃料サイクルバック

エンドの総事業費を約18.8兆円と試算しました。

また、「制度・措置検討小委員会」においてはバック

エンド事業の特質として、①極めて長期の事業であ

る、②費用が極めて巨額である、③事業の不確定性が

大きい、④発電と費用発生の時期が大きく異なるな

どの点が確認されました。

これを踏まえ、受益者負担に基づき発電時にバッ

クエンドコストを適切に回収・管理する仕組みを整

備する必要性が確認され、2004年8月の電気事業分

科会にて、その経済的措置に関する制度概要がとり

まとめられました。具体的には、過去の発電分につ

いては新規参入者の需要家を含むすべての需要家に

よって、将来発電分については電力会社の需要家に

よって広く負担することとなり、回収された費用は

将来における支払いの確実性と管理の透明性を担保

するため、既存の再処理引当金を含めて外部機関へ

と積み立てることとなっています。

2005年10月には「原子力発電における使用済燃料

の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関す

る法律」の施行が予定され、この制度が導入されるこ

とにより、民間の電力会社が電力自由化のもとにお

いて、バックエンド事業を推進していくリスクが軽減

されることとなります。

日本原燃(株)など (再処理事業など)

【既発電分】 「再処理施設廃止措置費用」、「TRU処理処分費用」など

(今回、新たに措置を講ずる費用)

特定規模電気事業者による代行回収

【将来発電分】 「再処理費用」(既存の引当金の対象費用)+「再処理施設廃止措置費用」、

「TRU処理処分費用」など(今回新たに措置を講ずる費用)

特定規模電気事業者の需要家 一般電気事業者の需要家

既存の再処理引当金

最大15年間の分割積立

積み立て

一般電気事業者

既発電分および将来発電分のいずれについても、 再処理工場の稼働期間を前提に

単価を算出し、できる限りの平準化を図る

託送の仕組みの利用 15年間で回収

外部資金管理法人(外部積立金)

支払い

取戻し

バックエンド経済的措置のイメージ

Page 34: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

送電系統図(2005年3月31日現在)

30 東京電力株式会社

*

*

*

*

*

*

***

*

*

*

*

*

500kV

275kV

水殿

新信濃

新高瀬川

新秦野線

線路 発電所 当社 当社 他社 他社

既設 既設

水力

火力

原子力

変電所

開閉所

周波数変換設備の ある融通受給地点

既設 既設

(地中)

(地中) (地中)

工事中 工事中

富津

佐久間東幹線

安曇幹線1号線

安曇幹線2号線 高根中信線 新

岡部線

玉原線

中東京幹線

新栃木線

新潟幹線

塩原線

新茂木線

新いわき線

香取線

新佐原 新筑波線

新古河線

東京中線

東京北線 鹿島線 新佐原線

印旛線

広野火力線

双葉線

大熊線

富岡線

相馬双葉幹線

川内線

下郷線

沼原線

福島幹線

福島東幹線

阿武隈線

南いわき幹線

阿武隈幹線

奥只見線

東京西線

高瀬川線

東京南線

新京葉線 東

京東線

君津線

房総線

北千葉線

新袖ケ浦線

新多摩線

京浜線

新秩父線

野川線

中東京幹線

西群馬幹線

新新潟幹線

新榛名線

安曇

新豊根

佐久間

鹿島共同

鹿島

東海第二

常陸那珂

福島第一

新福島

新いわき

南いわき

勿来

福島第二

広野

神流川

野川

横須賀

南横浜

横浜

東扇島

袖ヶ浦

姉崎

五井

千葉

川崎

大井 品川

秦浜線 磯子 君津共同

東山梨

新秦野

新富士

新多摩

新秩父

新京葉

房総

新木更津

富津火力線

玉原

矢木沢 今市 中津川第一

信濃川

柏崎刈羽

鬼怒川 塩原

秋元

新茂木

新栃木

新今市

沼原

東群馬

東群馬幹線

新飯能

西群馬

新榛名

高浜

奥清津

奥清津第二

新新田

新岡部

下郷

北東京

新坂戸

新野田 新所沢

新筑波

新古河

那珂線

新坂戸線

新赤城線

東北幹線

いわき幹線

南新潟幹線

新豊洲線

所沢線

注: 1. *の付いた水力は揚水式2. 当社の水力発電所は10万kW以上、他社の水力発電所は60万kW以上のものを掲載しています

Page 35: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

アニュアルレポート2005 31

11年間の主要データ ......................................................................... 32

財務分析 .................................................................................................. 34

リスク要因.............................................................................................. 38

連結貸借対照表.................................................................................... 40

連結損益計算書.................................................................................... 42

連結資本勘定計算書 .......................................................................... 43

連結キャッシュ・フロー計算書 ..................................................... 44

連結財務諸表に対する注記 ............................................................ 45

独立監査人の監査報告書................................................................. 59

貸借対照表 ............................................................................................. 60

損益計算書 ............................................................................................. 62

資本勘定計算書.................................................................................... 63

財務諸表に対する注記 ..................................................................... 64

独立監査人の監査報告書................................................................. 67

社債明細表(単体)............................................................................... 68

目 次

財務セクション

当アニュアルレポートに掲載されている連結財務諸表および個別

財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められた会計原則

に準拠して作成された財務諸表を基礎として、日本国外の利用者の

便宜のため、一部財務情報を追加するとともに組替調整して作成さ

れた英文の連結財務諸表および個別財務諸表を和訳したものです。

Page 36: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

2005 2004 2003 2002

会計年度:売上高 ....................................................................................................... ¥ 5,047,210 ¥ 4,853,826 ¥ 4,919,109 ¥ 5,220,578営業利益 .................................................................................................. 566,304 489,004 521,406 658,933税金等調整前当期純利益 .......................................................................... 372,814 255,309 265,170 312,414当期純利益................................................................................................ 226,177 149,550 165,267 201,727

1株当たり金額(円、米ドル):当期純利益 ............................................................................................ ¥ 167.29 ¥ 110.53 ¥ 122.08 ¥ 149.11潜在株式調整後当期純利益(注4)............................................................ — 110.32 121.33 147.89配当金 ................................................................................................... 60.00 60.00 60.00 60.00株主資本................................................................................................ 1,853.52 1,748.06 1,662.38 1,612.97

会計年度末:株主資本 ................................................................................................... ¥ 2,502,157 ¥ 2,360,475 ¥ 2,245,892 ¥ 2,181,983総資産 ....................................................................................................... 13,748,843 13,900,906 14,177,296 14,578,579有利子負債................................................................................................ 8,261,717 8,765,175 9,076,289 9,564,914従業員数(人)............................................................................................. 53,380 51,694 52,322 53,704

財務指標およびキャッシュ・フロー情報:ROA(%)(注6)........................................................................................... 4.1 3.5 3.6 4.5ROE(%)(注7)........................................................................................... 9.3 6.5 7.5 9.6株主資本比率(%)..................................................................................... 18.2 17.0 15.8 15.0営業活動によるキャッシュ・フロー ............................................................ ¥ 1,411,470 ¥ 1,147,591 ¥ 1,406,300 ¥ 1,464,181投資活動によるキャッシュ・フロー ............................................................ (577,503) (693,871) (863,797) (905,453)財務活動によるキャッシュ・フロー ............................................................ (785,600) (451,371) (573,761) (558,182)

その他の指標(単体):販売電力量(百万kWh)電灯....................................................................................................... 92,592 86,926 89,354 85,080電力(注8)................................................................................................ 78,239 114,772 116,551 115,354特定規模需要(注8).................................................................................. 115,910 74,314 75,997 75,106合計 ................................................................................................... 286,741 276,012 281,902 275,540

発電設備(千kW)(注9):水力....................................................................................................... 8,521 8,520 8,520 8,519火力....................................................................................................... 36,995 36,831 34,548 34,548原子力 ................................................................................................... 17,308 17,308 17,308 17,308風力....................................................................................................... 1 1 1 1合計 ................................................................................................... 62,825 62,660 60,377 60,375

原子力設備利用率(%).............................................................................. 61.7 26.3 60.7 80.1

注: 1. 米ドル金額は、便宜上2005年3月31日現在の為替レートである1米ドル=107.32円で計算しています。2. 百万円以下の金額については切り捨てて表示しています。また、米ドル金額およびパーセント表示については四捨五入して算出しています。3. 2002年3月期より、すべての子会社を連結子会社としています。4. 潜在株式調整後1株当たり当期純利益について、2005年3月期は潜在株式が存在しないため記載していません。

1995年、1996年、1997年、1999年、2000年の各3月期については転換社債を発行していますが、調整計算の結果、1株当たり当期純利益金額が減少しないため記載していません。5. 1999年3月期以前の連結有利子負債残高、従業員数、キャッシュ・フローは開示情報ではなかったため、記載していません。6. ROA=営業利益/((前期末総資産+当期末総資産)/2)。なお1995年3月期は平均すべき前期のデータがないため、記載していません。7. ROE=営業利益/((前期末株主資本+当期末株主資本)/2)。なお1995年3月期は平均すべき前期のデータがないため、記載していません。8. 特定規模需要は、電力小売自由化対象のお客さまの需要です。2000年3月からは特別高圧で受電する契約電力2,000kW以上のお客さま、2004年4月からは高圧以上で受電する契約電力500kW以上のお客さまが対象です。なお、電力および特定規模需要は、その当時の区分に基づいて開示しています。2000年3月期においては、特定規模需要は、電力に含めて開示しています。

9. 発電設備については自社設備のみの数値です。なお、1995年3月期から1999年3月期の風力発電設備については、設備を保有していません。

11年間の主要データ東京電力株式会社及び連結子会社3月31日終了年度

32 東京電力株式会社

Page 37: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

百万米ドル百万円 (注1)

2001 2000 1999(注5) 1998 1997 1996 1995 2005

¥ 5,258,014 ¥ 5,091,620 ¥ 5,088,403 ¥ 5,278,019 ¥ 5,038,797 ¥ 5,053,932 ¥ 5,002,454 $ 47,030732,561 788,078 688,607 723,555 628,429 705,731 745,785 5,277329,120 146,236 209,177 225,986 154,872 177,353 232,284 3,474207,882 87,437 97,425 135,322 81,602 51,821 86,504 2,108

¥ 153.66 ¥ 64.63 ¥ 72.01 ¥ 100.03 ¥ 60.32 ¥ 38.53 ¥ 64.58 $ 1.56152.36 — — 99.47 — — — —60.00 60.00 50.00 50.00 50.00 50.00 50.00 0.56

1,506.62 1,367.25 1,176.44 1,154.67 1,104.89 1,094.81 1,117.33 17.27

¥ 2,038,251 ¥ 1,849,692 ¥ 1,591,562 ¥ 1,562,110 ¥ 1,494,767 ¥ 1,481,114 ¥ 1,496,629 $ 23,31514,562,299 14,559,331 14,407,405 14,346,901 14,233,317 14,068,943 13,643,905 128,1119,968,871 10,309,674 — — — — — 76,982

48,024 48,255 — — — — —

5.0 5.4 4.8 5.1 4.4 5.1 —10.7 5.1 6.2 8.9 5.5 3.5 —14.0 12.7 11.0 10.9 10.5 10.5 11.0

¥ 1,456,478 ¥ 1,434,897 ¥ — ¥ — ¥ — ¥ — ¥ — 13,152(1,017,032) (1,070,487) — — — — — (5,381)

(431,235) (372,356) — — — — — (7,320)

85,990 83,974 80,984 78,910 76,531 76,508 73,486117,082 190,252 186,063 186,466 180,895 177,843 175,369

77,579 —280,651 274,226 267,047 265,376 257,426 254,351 248,855

8,508 8,103 7,695 7,664 7,643 7,634 7,34033,026 32,434 31,871 31,784 30,380 28,977 29,38217,308 17,308 17,308 17,308 15,952 14,596 14,596

1 158,843 57,846 56,874 56,756 53,975 51,207 51,318

79.4 84.4 83.1 79.5 84.1 83.2 76.6

アニュアルレポート2005 33

Page 38: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

概要

2005年3月期の売上高は前期比4.0%増の5兆472億円(47,030百万米ドル)、営業利益は前期比15.8%増の5,663億円(5,277百万米ドル)、当期純利益は前期比51.2%増の2,261億円(2,108百万米ドル)となりました。

売上高

当期における売上高は、前期比4.0%増の5兆472億円(47,030百万米ドル)となりました。事業別セグメントの売上高(セグメント間の内部取引消去前)は、

以下のとおりです。

電気事業の売上高は、前期比1.6%増の4兆7,988億円(44,715百万米ドル)となりました。この増加は、総販売電力量が前期比3.9%増の2,867億kWhとなったことなどによるものです。燃料費調整制度による収入減、および昨年10月から平均5.21%(現行の供給約款による電気料金)料金引下げを実施した一方で、昨年夏の記録的な猛暑の影響により冷房需要が大幅に増加したこと、さらに

は景気の緩やかな回復基調を反映して産業用需要が増加しました。総販売電力

量の内訳は、電灯が前期比6.5%増の926億kWh、電力が4.2%増の782億kWh、特定規模需要が1.7%増の1,159億kWhとなりました。なお、2004年4月の自由化対象範囲の拡大(契約電力500kW以上)に伴い、電力および特定規模需要の販売電力量の前期比は、現在の自由化対象範囲の区分に合わせて算定しています。

情報・通信事業の売上高は、前期比110.3%増の1,836億円(1,711百万米ドル)となりました。この増加は、(株)パワードコムを当中間期末から子会社化したこと

による収入増に加え、電気通信事業における「TEPCOひかり」の展開エリアの拡大や認知度の向上、さらには提携インターネットサービスプロバイダー各社によ

る各種キャンペーン実施を受け、加入者数が順調に伸長したことなどによるもの

です。

その他の事業の売上高は、前期比11.6%増の4,167億円(3,884百万米ドル)となりました。これは、在外子会社である東京ティモール・シー・リソーシズ社にお

いて、石油分(コンデンセートおよびLPG)の生産・販売を開始したことや、ガス事業におけるガス販売量が前期の約7万トンから約22万トンに増加したことなどによるものです。

経営成績の分析

財務分析

34 東京電力株式会社

売上高(億円)

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

2001 2002 2003 2004 20050

50,47252,580 52,205

49,191 48,538

営業利益および当期純利益(億円)

2001 2002 2003 2004 2005

2,000

4,000

6,000

8,000

0

5,663

7,325

2,078 2,0171,652 1,495

2,261

6,589

4,890

当期純利益 営業利益

5,214

286,741275,540

281,902 276,012

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

2002 2003 2004 20050 0

販売電力量(右軸) 営業利益(左軸) 売上高(左軸)

47,988

5,670

51,296

6,385 5,198

48,013 47,221

4,913

販売電力量と電気事業の売上高および営業利益(億円) (百万kWh)

Page 39: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

営業費用、営業利益

当期における営業費用は、前期比2.7%増の44,809億円(41,753百万米ドル)となり、営業利益は前期比15.8%増の5,663億円(5,277百万米ドル)となりました。事業別セグメントの営業費用および営業利益(セグメント間の内部取引消去

前)は以下のとおりです。

電気事業の営業費用は、前期とほぼ同額の4兆2,317億円(39,431百万米ドル)となりました。原子力プラントの点検・補修工事の完了に加え、火力発電設備の

定期点検台数の増加などにより修繕費は増加し、原子力発電電力量の増加に伴

いバックエンド費用も増加しました。一方、原子力プラントの再稼動などによる

燃料費や購入電力料の大幅な減少、さらには設備投資の抑制による減価償却費

の減少など、効率化やコストダウンに努めたため、営業費用は前期並みとするこ

とができました。以上により、電気事業の営業利益は前期比15.4%増の5,670億円(5,284百万米ドル)となりました。情報・通信事業の営業費用は、前期比105.0%増の2,155億円(2,009百万米ド

ル)となりました。(株)パワードコムを当中間期末から子会社化したことによる

費用の増加に加え、電気通信事業において、売上に先行したエリア整備などによ

る設備構築費用が発生するとともに、販売促進費が増加しました。その結果、情

報・通信事業の営業損失は319億円(298百万米ドル)となりました。その他の事業の営業費用は前期比8.0%増の3,882億円(3,618百万米ドル)と

なりました。これは、ガス事業におけるガス販売量の増加に伴い、原材料費など

が増加したことなどによるものです。以上により、その他の事業の営業利益は

前期比101.5%増の285億円(266百万米ドル)となりました。

その他の費用(純額)、税金等調整前当期純利益、当期純利益

社債・借入金残高の減少による支払利息の減少などにより、その他の費用は、

前期に比べ17.9%減の1,856億円(1,730百万米ドル)となりました。以上の結果、当期の税金等調整前当期純利益は、前期に比べ46.0%増の3,728

億円(3,474百万米ドル)となりました。法人税等調整額も含む法人税等は、前期比36.1%増の1,456億円(1,357百万米ドル)となり、当期純利益は前期比51.2%増の2,261億円(2,108百万米ドル)となりました。なお、1株当たり当期純利益は前期の110.53円から167.29円となりました。

アニュアルレポート2005 35

情報・通信事業の売上高および営業利益(損失)(億円)

2002 2003 2004 2005

0

500

1,000

1,500

2,000

-500

売上高 営業利益(損失)

1,836

-319

737861

-144 -178

-12

873

その他の事業の売上高および営業利益(億円)

4,500

4,000

500

3,500

3,000

2,500

2,000

1,500

1,000

2002 2003 2004 20050

3,834

144200

3,669

売上高 営業利益

141

3,735

285

4,167

フリー・キャッシュ・フロー(億円)

2001 2002 2003 2004 2005

2,000

4,000

8,000

6,000

10,000

0

9,468

6,1356,485

5,2985,578

注:フリー・キャッシュ・フロー=「営業活動によるキャッシュ・フロー」-「電気事業への設備投資」

Page 40: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

キャッシュ・フローの状況

現金及び現金同等物の当期末残高は前期比58.7%増の1,324億円(1,234百万米ドル)となりました。これは、当期において、電気料収入が増加したことに加

え、火力燃料購入に関する支出が減少したことなどによるものです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比23.0%増の1兆4,114億円(13,152百万米ドル)の収入となりました。これは、電気料収入が増加したことに加え、

火力燃料購入に関する支出が減少したことなどによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前期比16.8%減の5,775億円(5,381百万米ドル)の支出となりました。これは、供給信頼度を維持しつつ、設備の効率

的な形成・運用など設備投資の抑制に努めたことなどによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前期比74.0%増の7,856億円(7,320百万米ドル)の支出となりました。これは、設備投資の削減などによって生み出した

キャッシュ・フローを財務体質の改善に充てるべく、有利子負債の削減のために

支出したことなどによるものです。

当期のフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」-「電

気事業への設備投資」)は9,468億円(8,822百万米ドル)となりました。その用途は有利子負債の削減に7,017億円(6,539百万米ドル)、配当金の支払いに809億円(754百万米ドル)、多角化事業への投資などに1,641億円(1,529百万米ドル)を充当しました。

資産・負債・資本の状況

当期末の資産は、前期末に比べ1,520億円(1,417百万米ドル)減少し、13兆

7,488億円(128,111百万米ドル)となりました。これは、(株)パワードコムの子会社化などにより資産が増加したものの、主に電気事業において供給信頼度を

維持しつつ、設備の効率的な形成・運用など設備投資の抑制に努めたことなどに

よるものです。

当期末の負債は、前期末に比べ2,989億円(2,785百万米ドル)減少し、11兆

2,143億円(104,495百万米ドル)となりました。これは、(株)パワードコムの子会社化などにより負債が増加したものの、当社単独では有利子負債残高が前年

度末に比べ6,762億円(6,302百万米ドル)減少したことなどによるものです。当期末の株主資本は、前期末に比べ1,416億円(1,320百万米ドル)増加し、2

兆5,021億円(23,315百万米ドル)となりました。これは、当期純利益を計上したことによる利益剰余金の増加などによるものです。

この結果、株主資本比率は前期末の17.0%から18.2%に向上しました。

36 東京電力株式会社

流動性および資金の源泉総資産およびROA(億円) (%)

2001 2002 2003 2004 2005

136,000

146,000

138,000

140,000

142,000

148,000

144,000

1.0

2.0

3.0

4.0

7.0

6.0

5.0

0

137,488

134,000

145,622 145,785

141,772

139,009

4.1

5.0

4.5

3.6

3.5

総資産(左軸) ROA(右軸)

設備投資額(億円)

2,000

4,000

6,000

8,000

12,000

10,000

2001 2002 2003 2004 2005

5,612

0

9,211

9,958

7,0666,639

有利子負債(億円)

20,000

40,000

60,000

80,000

120,000

100,000

2001 2002 2003 2004 2005

82,617

0

99,68895,649

90,76287,651

Page 41: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

アニュアルレポート2005 37

当社は、電力自由化の進展など事業環境が大きく変化するなか、財務体質の改

善が喫緊の経営課題であると認識しています。業務全般にわたる効率化などを

通じて収益性の向上を実現するとともに設備投資などを抑制し、フリー・キャッ

シュ・フローの確保に努め、これを有利子負債の削減に重点的にあてることなど

により株主資本比率の向上を目指しています。

資金調達にあたっては、社債やコマーシャル・ペーパー(以下「CP」)などの直接金融に重点を置き、低コスト資金の確保に努めています。当社単独では、当期

に普通社債を2,500億円(2,329百万米ドル)、手形CPと短期社債(電子CP)を1兆3,650億円(12,719百万米ドル)発行しています。本冊子発行日現在、当社は、社債についてはスタンダード・アンド・プアーズ・

レーティングズ・サービシズ(以下「S&P」)よりAA-、ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク(以下「ムーディーズ」)よりAa3、(株)格付投資情報センター(以下「R&I」)よりAA+、(株)日本格付研究所(以下「JCR」)よりAAAの長期格付けを取得しています。CPについては、S&PよりA-1+、ムーディーズよりP-1、

R&Iよりa-1+、JCRよりJ-1+の短期格付けを取得しています。また、当社グループは、有利子負債の削減などの財務体質強化に取り組むとと

もに、グループ大の競争力強化の観点から、東電グループ金融制度を活用し、グ

ループ全体の資産・負債のスリム化および金融コストの削減に努めています。

利益配分にあたっては、安定配当の継続を基本に、業績などを総合的に勘案し

て、株主のみなさまのご期待にお応えしていきたいと考えています。

当期については、期末配当金として1株につき30円を株主総会にお諮りし、中間配当の30円と合わせて年間60円といたしました。これによる当期の配当性向は33.1%となりました。なお、内部留保については、財務体質の強化、電気事業における設備投資、新

事業への投資など、今後の事業展開に活用していく予定です。

財務政策

配当政策

株主資本およびROE(億円) (%)

2001 2002 2003 2004 2005

5,000

10,000

15,000

20,000

30,000

0

2.0

4.0

6.0

8.0

25,000 10.0

12.0

0

25,021

20,382

22,45823,604 9.3

10.7

9.6

7.5

6.5

株主資本(左軸) ROE(右軸)

21,819

株主資本比率(%)

2001 2002 2003 2004 2005

10.0

12.0

16.0

18.0

14.0

20.0

8.0

18.2

15.0 15.8

14.0

17.0

配当性向(%)

2001 2002 2003 2004 2005

10.0

20.0

40.0

50.0

30.0

60.0

0

33.1

43.6

53.1

39.9

53.5

Page 42: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

38 東京電力株式会社

(1)電気事業について

1. 経済状況などについて電気事業における販売電力量は、経済活動や生産活動を直接的に反映すること

から、景気の影響を受けることがあります。また、冷暖房需要に影響を受けるため、

夏季・冬季を中心とした天候(特に気温)に影響されることがあります。これらにより、

当社グループの業績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

2. 電力自由化について電気事業に関しては、2003年6月に成立した「電気事業法及びガス事業法の一部

を改正する等の法律」が2005年4月1日より全面的に施行され、振替供給料金の廃止による広域的な電力取引の円滑化などが図られています。また、自由化対象範囲

がすべての高圧のお客さままで拡大され、全国規模の卸電力取引所における取引

が開始されています。

原子燃料サイクルを含めた原子力発電は、地球温暖化防止や中長期的なエネルギ

ー安定供給のために必要不可欠なものであり、その必要性は、電力小売自由化対象

範囲の拡大後にあっても変わるものではなく、当社としても引き続き原子力発電事

業を着実に推進していきます。ただし、民間電力会社が長期の建設期間を要し、多大

な投資を必要とする原子力発電事業をバックエンド事業も含めて推進していくこと

に、リスクが伴うことは認識しています。このようななか、原子力発電およびバックエ

ンド事業の円滑な推進に向けた制度・措置が検討され、「原子力発電における使用済

燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律」が、2005年5月に成立しました。今後は、同法律の2005年中の施行などを中心として、再処理などを実施するための外部積立が実施される一方、再処理施設の廃止措置費用など従来

未確定であった部分のバックエンド費用についても電気料金による回収が可能とな

るなど(「バックエンド事業に対する制度・措置の在り方について」(総合資源エネルギ

ー調査会電気事業分科会中間報告、2004年8月30日))必要な措置が講じられることにより、リスク軽減が図られることとなります。なお、中間貯蔵される使用済燃料の

扱いについて、原子力委員会新計画策定会議における「核燃料サイクル政策について

の中間取りまとめ」(2004年11月12日)の中では、中間貯蔵された使用済燃料の処理の方策は、六ヶ所再処理工場の運転実績、高速増殖炉および再処理にかかる研究

開発の進捗状況などを踏まえて2010年頃から検討を開始するとされています。このような制度改革やそれに伴う競争の進展など、当社グループを取り巻く事業

環境の変化により、当社グループの業績および財政状態は影響を受ける可能性が

あります。

リスク要因

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事

項は以下のとおりです。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であ

ると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しています。

なお、本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本冊子を記述した時点において判断したものです。

Page 43: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

アニュアルレポート2005 39

3. 電力自由化以外の競合について電気事業に関しては、自家発電や他のエネルギーとの競合が進展しており、当社

グループの業績および財政状態はこうした競合の影響を受ける可能性があります。

4. 燃料価格の変動について電気事業用火力燃料であるLNG、原油、石炭などの燃料費については、価格なら

びに外国為替相場の動向により変動し、当社グループの業績および財政状態に影

響を与えます。ただし、燃料価格や外国為替相場の変動を電気料金に反映させる

「燃料費調整制度」が適用されているため、その影響は限定的と考えられます。

(2)電気事業以外の事業について

当社グループは収益性の向上と事業発展を図るために、「電気事業」のほか、「情

報・通信事業」、「その他の事業」を行っていますが、特に「情報・通信事業」は、当社

の新事業展開における中心的柱として位置付けており、今後も注力していきます。

また、各分野へ新規に投融資も行っています。これらの事業は、他事業者との競合

の進展など事業環境の変化により、投融資時点で想定した結果をもたらさない可

能性があります。これにより、当社グループの業績および財政状態は影響を受ける

可能性があります。

(3)その他のリスクについて

1. 設備および操業トラブルの発生について当社グループの業績および財政状態は、自然災害や事故などの設備および操業

トラブルの発生により影響を受ける可能性があります。

2. 個人情報の管理について当社グループは大量の個人情報を保有しています。「個人情報の保護に関する法

律」およびガイドラインなどの遵守や従業員教育などを通じ、個人情報の厳正な管理

に留意していますが、個人情報の流出により問題が発生した場合には当社グループ

の業績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

3. 金利変動について当社グループの業績および財政状態は、今後の金利動向および格付けの変更に

より調達金利が変動し、影響を受ける可能性があります。

4. 株式および債券保有について当社グループは、企業年金資産などにおいて国内外の株式や債券を保有してい

ます。このため、株式市況や債券市況の相場動向などにより時価が変動するため、

当社グループの業績および財政状態はその影響を受ける可能性があります。

Page 44: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

百万米ドル百万円 (注記2)

資産 2005 2004 2005

固定資産:

固定資産 ................................................................................................................ ¥ 28,914,990 ¥ 28,277,269 $ 269,428固定資産仮勘定 ..................................................................................................... 782,869 858,847 7,295

29,697,859 29,136,116 276,723

控除:

工事費負担金等 ................................................................................................. (324,029) (308,366) (3,019)減価償却累計額 ................................................................................................. (18,660,545) (17,850,929) (173,878)

(18,984,575) (18,159,296) (176,897)固定資産、純額(注記 4、9、17)............................................................................. 10,713,284 10,976,820 99,826

核燃料:

装荷核燃料 ............................................................................................................ 161,635 183,440 1,506加工中等核燃料 ..................................................................................................... 763,495 725,891 7,114

925,130 909,332 8,620

投資等:

長期投資(注記 5、9).............................................................................................. 609,800 626,974 5,682繰延税金資産(注記 14)......................................................................................... 353,337 352,752 3,292社債発行差金 ......................................................................................................... 283 315 3その他(注記 9)...................................................................................................... 424,423 403,854 3,955

1,387,845 1,383,896 12,932

流動資産(注記 9):

現金及び預金(注記 6)........................................................................................... 140,080 86,335 1,305受取手形及び売掛金 .............................................................................................. 356,513 323,272 3,322その他(注記 6、14)............................................................................................... 225,988 221,249 2,106

722,582 630,857 6,733

資産合計 ............................................................................................................ ¥ 13,748,843 ¥ 13,900,906 $ 128,111

連結貸借対照表東京電力株式会社及び連結子会社3月31日現在

40 東京電力株式会社

Page 45: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

百万米ドル百万円 (注記2)

負債、少数株主持分及び資本 2005 2004 2005

固定負債:

社債及び長期借入金(注記 7、9)............................................................................ ¥ 7,151,600 ¥ 7,394,986 $ 66,638その他の長期負債(注記 9、14)............................................................................. 93,871 67,119 875使用済核燃料再処理引当金(注記 10)................................................................... 1,248,549 1,136,843 11,634退職給付引当金(注記 13)..................................................................................... 512,027 547,053 4,771原子力発電施設解体引当金(注記 11)................................................................... 355,143 351,580 3,309

9,361,191 9,497,583 87,227

流動負債:

1年以内に期限到来の固定負債(注記 7)................................................................ 706,948 515,826 6,587短期借入金(注記 7、9).......................................................................................... 403,168 499,362 3,757支払手形及び買掛金 .............................................................................................. 159,168 149,011 1,483未払税金等 ............................................................................................................ 169,162 125,586 1,576その他(注記 7、14)............................................................................................... 395,043 714,042 3,681

1,833,491 2,003,829 17,084渇水準備引当金(注記 12)......................................................................................... 19,711 11,911 184

負債合計 ............................................................................................................ 11,214,394 11,513,324 104,495

少数株主持分............................................................................................................. 32,291 27,106 301

資本(注記 15、21):

資本金(無額面):

授権株式数 - 1,800,000,000株

発行済株式数- 2005年及び2004年3月末 1,352,867,531株 ................... 676,434 676,434 6,303資本剰余金 ............................................................................................................ 19,014 19,014 177利益剰余金 ............................................................................................................ 1,740,907 1,595,930 16,222土地再評価差額金.................................................................................................. 548 692 5その他有価証券評価差額金 ................................................................................... 69,951 71,860 652為替換算調整勘定.................................................................................................. 288 489 3

2,507,143 2,364,421 23,361自己株式(取得原価)............................................................................................... (4,986) (3,946) (46)資本合計 ............................................................................................................ 2,502,157 2,360,475 23,315

契約債務及び偶発債務(注記 18)

負債、少数株主持分及び資本合計...................................................................... ¥13,748,843 ¥13,900,906 $128,111

連結財務諸表に対する注記を参照

アニュアルレポート2005 41

Page 46: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

百万米ドル百万円 (注記2)

2005 2004 2005

営業収益:

電気事業 ................................................................................................................ ¥4,797,675 ¥4,722,118 $44,704その他事業 ............................................................................................................ 249,535 131,708 2,325

5,047,210 4,853,826 47,030

営業費用(注記 16):

電気事業 ................................................................................................................ 4,207,708 4,211,986 39,207その他事業 ............................................................................................................ 273,198 152,835 2,546

4,480,906 4,364,822 41,753営業利益 .................................................................................................................... 566,304 489,004 5,277

その他の(収益)費用:

支払利息 ................................................................................................................ 164,556 170,443 1,533持分法適用会社における減損損失 ........................................................................ 27,624 — 257その他、純額(注記 17).......................................................................................... (6,489) 55,637 (60)

185,690 226,080 1,730

特別項目、法人税等及び少数株主持分損益調整前当期純利益 .................................. 380,613 262,923 3,547

特別項目:

渇水準備金引当(注記 12)..................................................................................... 7,799 7,614 73

税金等調整前当期純利益........................................................................................... 372,814 255,309 3,474法人税等(注記 14):

法人税、住民税及び事業税..................................................................................... 146,289 98,376 1,363法人税等調整額 ..................................................................................................... (655) 8,612 (6)

145,633 106,988 1,357少数株主持分利益(損失)........................................................................................... 1,003 (1,229) 9

当期純利益........................................................................................................ ¥ 226,177 ¥ 149,550 $ 2,108

円 米ドル(注記 2)1株当たり金額:

1株当たり当期純利益............................................................................................. ¥167.29 ¥110.53 $1.56潜在株式調整後1株当たり当期純利益 ................................................................... — 110.32 —1株当たり配当金.................................................................................................... 60.00 60.00 0.56

連結財務諸表に対する注記を参照

連結損益計算書東京電力株式会社及び連結子会社3月31日終了年度

42 東京電力株式会社

Page 47: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

百万円

土地 その他有価株数 資本 利益 再評価 有価証券 為替換算 自己株式(千株) 資本金 剰余金 剰余金 差額金 価差額金 調整勘定 (取得原価)

2003年3月31日現在残高.................... 1,352,867 ¥ 676,434 ¥ 19,014 ¥ 1,527,474 ¥ 990 ¥ 20,631 ¥ 3,789 ¥ (2,443)2004年3月31日終了年度当期純利益.. 149,550土地再評価差額金取崩額 ................. 297 (297)配当金 .............................................. (81,120)取締役及び監査役に対する賞与 ...... (272)当期増減額....................................... 51,229 (3,300) (1,503)

2004年3月31日現在残高.................... 1,352,867 676,434 19,014 1,595,930 692 71,860 489 (3,946)2005年3月31日終了年度当期純利益.. 226,177土地再評価差額金取崩額 ................ 144 (144)配当金 .............................................. (81,080)取締役及び監査役に対する賞与 ...... (264)当期増減額....................................... (1,909) (201) (1,039)

2005年3月31日現在残高.................... 1,352,867 ¥676,434 ¥19,014 ¥1,740,907 ¥ 548 ¥69,951 ¥ 288 ¥(4,986)

百万米ドル(注記 2)

土地 その他有価資本 利益 再評価 証券評価 為替換算 自己株式

資本金 剰余金 剰余金 差額金 価差額金 調整勘定 (取得原価)

2004年3月31日現在残高 .......................................... $ 6,303 $ 177 $ 14,871 $ 6 $ 670 $ 5 $ (37)2005年3月31日終了年度当期純利益 .................... 2,108土地再評価差額金取崩額 ........................................ 1 (1)配当金..................................................................... (756)取締役及び監査役に対する賞与 ............................. (2)当期増減額.............................................................. (18) (2) (10)

2005年3月31日現在残高 .......................................... $6,303 $177 $16,222 $ 5 $652 $ 3 $(46)

連結財務諸表に対する注記を参照

連結資本勘定計算書東京電力株式会社及び連結子会社3月31日終了年度

アニュアルレポート2005 43

Page 48: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

百万米ドル百万円 (注記2)

2005 2004 2005

営業活動によるキャッシュ・フロー税金等調整前当期純利益 ....................................................................................... ¥ 372,814 ¥ 255,309 $ 3,474減価償却費 ............................................................................................................ 847,505 889,955 7,897核燃料減損額 ......................................................................................................... 47,395 20,170 442固定資産除却損 ..................................................................................................... 33,283 32,473 310退職給付引当金の減少額 ....................................................................................... (39,269) (66,157) (366)使用済核燃料再処理引当金の増加額 ..................................................................... 111,706 22,869 1,041原子力発電施設解体引当金の増加額 ..................................................................... 3,563 1,668 33受取利息及び受取配当金 ....................................................................................... (9,778) (8,385) (91)支払利息 ................................................................................................................ 164,556 170,443 1,533受取手形及び売掛金の増加額又は減少額 .............................................................. (12,227) 11,355 (114)支払手形及び買掛金の増加額 ................................................................................ 38,874 19,049 362その他.................................................................................................................... 121,000 70,083 1,127

1,679,423 1,418,835 15,649利息及び配当金の受取額 ....................................................................................... 8,278 4,614 77利息の支払額 ......................................................................................................... (165,350) (175,009) (1,541)法人税等の支払額.................................................................................................. (110,880) (100,848) (1,033)営業活動によるキャッシュ・フロー...................................................................... 1,411,470 1,147,591 13,152

投資活動によるキャッシュ・フロー固定資産の取得による支出.................................................................................... (561,438) (659,864) (5,231)工事費負担金等による収入.................................................................................... 16,600 13,633 155投融資による支出 .................................................................................................. (21,564) (22,185) (201)投融資の回収による収入 ....................................................................................... 31,234 2,025 291連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出(注記 6)............................... (30,770) (17,439) (287)連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入(注記 6)............................... 408 9,517 4その他.................................................................................................................... (11,974) (19,559) (112)投資活動によるキャッシュ・フロー...................................................................... (577,503) (693,871) (5,381)

財務活動によるキャッシュ・フロー社債の発行による収入........................................................................................... 252,106 534,587 2,349社債の償還による支出........................................................................................... (124,320) (284,090) (1,158)転換社債の償還による支出.................................................................................... — (178,431) —長期借入れによる収入........................................................................................... 96,431 147,642 899長期借入金の返済による支出 ................................................................................ (432,133) (393,359) (4,027)短期借入れによる収入........................................................................................... 1,075,828 1,377,472 10,024短期借入金の返済による支出 ................................................................................ (1,215,568) (1,563,243) (11,327)コマーシャル・ペーパーの発行による収入 ............................................................. 1,365,000 2,299,000 12,719コマーシャル・ペーパーの償還による支出 ............................................................. (1,720,000) (2,309,000) (16,027)配当金の支払額 ..................................................................................................... (80,939) (80,937) (754)その他.................................................................................................................... (2,006) (1,011) (19)財務活動によるキャッシュ・フロー...................................................................... (785,600) (451,371) (7,320)

現金及び現金同等物に係る換算差額 ......................................................................... 602 (2,044) 6現金及び現金同等物の増加額.................................................................................... 48,969 303 456現金及び現金同等物の期首残高 ................................................................................ 83,462 83,158 778現金及び現金同等物の期末残高(注記 6).................................................................. ¥ 132,431 ¥ 83,462 $ 1,234

連結財務諸表に対する注記を参照

連結キャッシュ・フロー計算書東京電力株式会社及び連結子会社3月31日終了年度

44 東京電力株式会社

Page 49: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

連結財務諸表に対する注記東京電力株式会社及び連結子会社2005年3月31日

1.重要な会計方針の要約

a. 作成の基礎東京電力株式会社(以下「当社」という)及び連結子会社(あわせて「当社等」)による当連結財務諸表は、日本

において一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠して日本の証券取引法により作成を義務づけられた連

結財務諸表を基に作成されたものであり、国際財務報告基準を適用し、開示したものとは一部相違がある。

海外の連結子会社の財務諸表は各所在地国の会計基準や関連法規に基づき作成されている。

当社は、日本において通常作成されない連結資本勘定計算書及びその他の追加的な情報を、当報告書に記

載する目的で作成している。

日本の証券取引法の規定に従い、百万円未満は切り捨てて表示している。そのため、当連結財務諸表に記

載されている合計金額は、個々の表示金額の合計とは必ずしも一致しない。

前期の連結財務諸表に記載された一部の金額は、当期の表示方法に合わせて組替表示している。

b. 連結の基準連結財務諸表には当社及び当社により直接または間接に支配されている会社を含んでおり、当社等が営業

及び財務の方針に対して重要な影響力を行使できる会社については持分法を適用している。連結上、連結会

社間の重要な残高及び取引高はすべて消去されている。

連結子会社及び持分法適用会社への投資原価と投資持分の公正な評価額との差額は5年間で均等償却している。

これ以外の金額的重要性の低い関連会社への投資額は取得原価で評価している。投資勘定について減損処

理を実施したものは、取得価額を減額処理している。

c. 固定資産及び減価償却の方法固定資産の帳簿原価は取得原価である。工事費負担金は関連する資産の帳簿原価から控除している。有形

固定資産の減価償却の方法は各資産の見積耐用年数に基づき、定率法によって算定している。

d. 核燃料核燃料の帳簿価額は取得価額から減損額を控除して表示している。装荷核燃料の減損計算は、発電に対応

した装荷核燃料の燃焼度合いに基づき行っている。

e. 投資有価証券は保有目的により以下のような3つの範疇に分類される。i)短期間で時価の変動により利益を得

ることを目的として保有する売買目的有価証券、ii)企業が満期まで保有することを目的としていると認められる満期保有目的の債券、iii)前述のいずれにも分類されないその他有価証券。その他有価証券のうち、市場価格のあるものについては時価で評価し、市場価格のないものについては移動平均法による原価法で評価し

ている。評価差額は税効果会計を適用のうえ、資本の部に区分して計上している。当該有価証券の売却損益

は移動平均法に基づき計算している。

f. 燃料、たな卸資産核燃料以外の燃料、たな卸資産は主として総平均法による原価法によっている。

g. 社債発行費及び社債発行差金社債発行費は発生時に償却している。社債発行差金は各社債の償還期間で均等償却によって処理を行って

いる。

アニュアルレポート2005 45

Page 50: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

h. リースリース物件の所有権が借主に移転すると認められるもの以外の解約不能リース取引については(そのリー

ス取引がオペレーティング・リースかファイナンス・リースかにかかわらず)主としてオペレーティング・リー

スとして処理している。

i. 退職給付引当金退職給付引当金は、主として貸借対照表日における退職給付債務及び年金資産の公正価値に基づいて計算

された金額に、未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務債務を調整して計上している。

数理計算上の差異は、発生年度から主として3年で定額法により処理を行っている。過去勤務債務は発生時に処理している。

j. 法人税等繰延税金資産及び負債は会計上と税務上の資産及び負債の差異に基づき認識し、その差異が解消されると

きに適用が見込まれる税率及び税法により計算している。

k. 外貨換算在外子会社の財務諸表項目のうち収益及び費用は期中平均レートにより円換算している。

在外子会社の財務諸表項目のうち貸借対照表科目については資本項目を除いて決算時レートにより円換算

している。資本項目については取得時レートにより円換算している。在外子会社の財務諸表の換算差額は為

替換算調整勘定として表示している。

外貨建勘定は貸借対照表日のレートで円金額に換算され、その結果発生した為替差損益は当期の損益とし

て計上している。

i. デリバティブ・ヘッジ取引デリバティブの評価は時価法によっており、評価差額は当期の損益として計上している。ただし、ヘッジ会

計の要件を満たすものについては繰延ヘッジ処理によっており、評価差額は資産又は負債として繰延処理さ

れている。

なお、デリバティブ取引によりヘッジされている外貨建負債は契約締結レートで換算している。

m. 現金同等物当社は購入時において満期が3ヶ月以内の流動性の高いすべての投資を現金同等物とみなしている。

n. 1株当たり情報1株当たり当期純利益は、普通株主に帰属する当期純利益金額及び普通株式の期中平均発行済株式数を基

礎として算定している。潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、転換社債の権利行使により発行される普通株式の希薄化効果を考慮したうえで、株主に帰属する当期純利益金額及び株式の期中平均発行済株式数を基

礎として算定している。

日本円金額から米ドル金額への換算は、読者の便宜のためにのみ行われている。換算レートとしては2005年3月31日の概算換算レートである107.32円/米ドルを用いている。米ドル換算額を表示していることは、この換算レートまたは他の換算レートにより円金額を米ドル金額に換金、決済されたこと、または決済されう

ることを意味しているものではない。

2.米ドル表示金額

46 東京電力株式会社

Page 51: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

当社及び国内連結子会社は、2004年3月31日に終了する事業年度から適用が可能となる固定資産の減損に係る新会計基準を早期に適用した。当会計基準は、有形・無形固定資産の帳簿価額(減価償却累計額控除後)

の回収が見込まれないことを示す一定の事象または環境の変化が生じた場合には、その都度減損の状況を検

討することを求めている。企業は収支の状況に照らして、資産の減損を示す兆候が存在し、かつ資産の帳簿価

額が割引前将来キャッシュ・フローの総額を上回るときに減損損失を認識しなければならない。減損損失は、

(1)正味売却価額、すなわち資産の時価から処分費用見込額を控除した金額と(2)当該資産の使用及びその資産の処分によって得られる将来キャッシュ・フローの現在価値のいずれか高い金額を帳簿価額が超過する部分

として測定される。当基準は、土地、工場、建物及びその他の有形固定資産と無形固定資産を対象としている。

固定資産のグルーピングは他の資産グループのキャッシュ・フローからおおむね独立したキャッシュ・フローを

生み出す最小の単位で行う。

新しい会計基準の適用の結果、2004年3月期の税金等調整前当期純利益は、44,825百万円減少している。

2005年及び2004年3月31日における主な固定資産(純額)の内訳は以下のとおりである。百万円 百万米ドル

2005 2004 2005水力発電設備 ........................................................................... ¥ 649,555 ¥ 683,438 $ 6,053汽力発電設備 ........................................................................... 1,469,811 1,541,812 13,696原子力発電設備 ....................................................................... 855,067 929,441 7,967送電設備 .................................................................................. 2,698,718 2,817,714 25,146変電設備 .................................................................................. 1,045,474 1,116,557 9,742配電設備 .................................................................................. 2,294,773 2,306,402 21,383業務設備 .................................................................................. 192,842 223,409 1,797その他の電気事業固定資産 .................................................... 23,347 17,900 218その他の固定資産 ................................................................... 706,694 492,139 6,585固定資産仮勘定 ....................................................................... 776,999 848,003 7,240

............................................................................................. ¥10,713,284 ¥ 10,976,820 $99,826

2005年及び2004年3月31日における満期保有目的の債券で時価のあるものは次のとおりである。百万円 百万米ドル

2005 2004 2005連結貸借 連結貸借 連結貸借対照表計 対照表計 対照表計上額 時価 差額 上額 時価 差額 上額 時価 差額

時価が連結貸借対照表計上額を超えるもの:

債券 .................... ¥200 ¥201 ¥1 ¥399 ¥405 ¥5 $2 $2 $0

3.会計方針の変更

4.固定資産、純額

5.市場価格のある有価証券及び投資有価証券

アニュアルレポート2005 47

Page 52: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

2005年及び2004年3月31日におけるその他有価証券で時価のあるものは次のとおりである。百万円 百万米ドル

2005 2004 2005連結貸借 連結貸借 連結貸借対照表計 対照表計 対照表計

取得原価 上額 差額 取得原価 上額 差額 取得原価 上額 差額

連結貸借対照表計上額が取得原価を超えるもの:

株式、債券等 ...... ¥39,350 ¥143,942 ¥104,592 ¥33,889 ¥134,767 ¥100,877 $367 $1,341 $975連結貸借対照表計上額が取得原価を超えないもの:

株式、債券等....... 836 749 (86) 11,408 9,399 (2,008) 8 7 (1)合計......................... ¥40,186 ¥144,692 ¥104,505 ¥45,297 ¥144,166 ¥ 98,868 $374 $1,348 $974

2005年及び2004年3月期において売却したその他有価証券の売却損益は次のとおりである。百万円 百万米ドル

2005 2004 2005売却益の 売却損の 売却益の 売却損の 売却益の 売却損の

売却額 合計額 合計額 売却額 合計額 合計額 売却額 合計額 合計額

その他有価証券 ...... ¥28,229 ¥9,906 ¥516 ¥81 ¥58 ¥14 $263 $92 $5

2005年及び2004年3月31日における取得原価で評価されている時価のない有価証券は以下のとおりである。

百万円 百万米ドル

2005 2004 2005満期保有目的の債券:

コマーシャル・ペーパー ...................................................... ¥ — ¥ 1,099 $ —その他有価証券:

非上場株式............................................................................ 91,957 97,551 857その他 ................................................................................... 11,247 7,728 105

2005年3月31日におけるその他有価証券のうち満期があるもの及び満期保有目的の債券の今後の償還予定額は次のとおりである。

百万円

1年超5年 5年超10年1年以内 以内 以内 10年超

債券 ...................................................... ¥582 ¥319 ¥457 ¥ —

百万米ドル

1年超5年 5年超10年1年以内 以内 以内 10年超

債券 ...................................................... $5 $3 $4 $ —

連結キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表の現金及び預金の期末残高との関係は以下のとおりである。

百万円 百万米ドル

2005 2004 2005現金及び預金 ........................................................................... ¥140,080 ¥86,335 $1,305預入期間が3ヶ月を超える定期預金等 ................................... (11,108) (7,331) (104)その他の流動資産(僅少なリスクしか負わない

償還期限が取得日から3ヶ月以内の短期投資)................. 3,458 4,459 32現金及び現金同等物................................................................ 132,431 83,462 1,234

6.連結キャッシュ・フロー計算書関係

48 東京電力株式会社

Page 53: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

7.短期債務及び長期債務

2004年3月期及び2005年3月期において、株式を取得したことにより新たに子会社を連結の範囲に含めている。以下の表は、当該子会社の株式取得日の資産及び負債の内訳並びに株式の取得価額と取得に伴う支出

(純額)との関係を表している。百万円 百万米ドル

2005 2004 2005固定資産及び繰延資産 ............................................................ ¥154,237 ¥31,922 $1,437流動資産 .................................................................................. 122,370 880 1,140連結調整勘定 ........................................................................... 62,475 (505) 582固定負債 .................................................................................. (144,154) (3,406) (1,343)流動負債 .................................................................................. (107,772) (1,900) (1,004)少数株主持分 ........................................................................... (5,233) (9,008) (49)

81,923 17,982 763連結開始前の既取得分等 ........................................................ 13,197 — 123新規連結子会社株式の取得原価 ............................................. 95,120 17,982 886新規連結子会社の現金及び現金同等物.................................. (64,349) (542) (600)新規連結子会社取得による支出 ............................................. ¥ 30,770 ¥17,439 $ 287

2004年3月期において、株式を取得したことにより新たに子会社を連結の範囲に含めている。以下の表は、当該子会社の株式取得日の資産及び負債の内訳並びに株式の取得価額と取得に伴う収入(純額)との関係を表

している。百万円

2004固定資産........................................................................................................ ¥ 56,062流動資産........................................................................................................ 25,110連結調整勘定 ................................................................................................ 5,020固定負債........................................................................................................ (51,119)流動負債........................................................................................................ (11,416)少数株主持分 ................................................................................................ (7,737)

¥ 15,920

連結開始前の既取得分等 ............................................................................. ¥(11,921)新規連結子会社株式の取得価額 .................................................................. 3,998新規連結子会社の現金及び現金同等物 ....................................................... (13,516)新規連結子会社取得による収入 .................................................................. ¥ 9,517

短期借入金及びコマーシャル・ペーパーは無担保である。当該借入金の2005年及び2004年3月期の平均利率はそれぞれ0.323%及び0.301%である。当該コマーシャル・ペーパーの2004年3月期の平均利率は0.009%である。

2005年及び2004年3月31日における短期債務は以下のとおりである。百万円 百万米ドル

2005 2004 2005短期借入金............................................................................... ¥403,168 ¥499,362 $3,757コマーシャル・ペーパー ......................................................... — 355,000 —

¥403,168 ¥854,362 $3,757

アニュアルレポート2005 49

Page 54: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

2005年及び2004年3月31日における普通社債(内債)の利率はそれぞれ0.335%~5.05%、0.335%~5.05%の範囲にある。また、2005年及び2004年3月31日における普通社債(外債)の利率は、それぞれ4.375%~7.125%、4.00%~7.125%の範囲にある。2005年及び2004年3月期の長期借入金(1年以内返済予定分を除く)の平均利率は、それぞれ2.506% 及び2.617%である。

2005年及び2004年3月31日における社債及び長期借入金の内訳は以下のとおりである。百万円 百万米ドル

2005 2004 2005内債:普通社債(償還期限:2004年~2019年)...................... ¥5,140,690 ¥4,995,510 $47,901

外債:普通社債(償還期限:2006年~2014年)..................... 660,262 660,262 6,152

金融機関等からの借入れ ..................................................... 2,057,595 2,255,040 19,1737,858,548 7,910,812 73,225

控除:1年以内返済予定........................................................ (706,948) (515,826) (6,587)¥7,151,600 ¥7,394,986 $66,638

2005年3月31日以降の社債及び長期借入金の償還予定額及び返済予定額は以下のとおりである。3月31日終了年度 百万円 百万米ドル

2006....................................................................................................... ¥ 706,948 $ 6,5872007....................................................................................................... 1,085,021 10,1102008....................................................................................................... 904,024 8,4242009....................................................................................................... 862,144 8,0332010....................................................................................................... 639,778 5,9612011以降............................................................................................... 3,660,630 34,109

a. 借主側以下の金額は、現在オペレーティング・リースとして会計処理されているファイナンス・リースに、仮にフ

ァイナンス・リースの会計が適用されたとした場合に連結貸借対照表に計上されることになる、2005年及び2004年3月31日現在のリース資産の取得価額相当額、減価償却累計額相当額、減損損失累計額相当額及び帳簿価額相当額を示している。

2005百万円

取得価額 減価償却累計額 減損損失累計額 帳簿価額相当額 相当額 相当額 相当額

原子力発電設備 ................................................. ¥14,278 ¥ 6,508 ¥ — ¥ 7,770業務設備 ............................................................. 1,558 912 — 646その他の固定資産 ............................................. 40,528 16,227 430 23,871その他 ................................................................. 1,612 1,104 — 507合計 ..................................................................... ¥57,978 ¥24,752 ¥430 ¥32,795

2005百万米ドル

取得価額 減価償却累計額 減損損失累計額 帳簿価額相当額 相当額 相当額 相当額

原子力発電設備 ................................................. $133 $ 61 $— $ 72業務設備 ............................................................. 15 8 — 6その他の固定資産 ............................................. 378 151 4 222その他 ................................................................. 15 10 — 5合計 ..................................................................... $540 $231 $ 4 $306

50 東京電力株式会社

8.リース

Page 55: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

アニュアルレポート2005 51

2004百万円

取得価額 減価償却累計額 帳簿価額相当額 相当額 相当額

原子力発電設備 ..................... ¥16,267 ¥ 9,488 ¥ 6,779業務設備 ................................. 2,185 1,271 914その他 ..................................... 19,513 5,671 13,841合計 ......................................... ¥37,966 ¥16,431 ¥21,534

オペレーティング・リースとして会計処理されているファイナンス・リースに係る支払リース料は、2005年及び2004年3月31日に終了した事業年度において、それぞれ9,041百万円(84百万米ドル)及び5,389百万円であった。当社の連結子会社は2005年3月31日に終了した事業年度において430百万円(4百万米ドル)のリース減損損失を認識した。これらのリース資産は連結貸借対照表に計上されていないため、同額のリース

資産減損勘定をその他の長期負債に計上している。リース資産減損勘定はリース期間にわたって収益化され、

2005年3月31日に終了した事業年度においては25百万円(0百万米ドル)の取崩額を計上した。オペレーティング・リースとして会計処理されているファイナンス・リースに適用されたとしたならば連結

貸借対照表に計上されていたであろう、2005年及び2004年3月31日現在のリース資産の減価償却費相当額はそれぞれ9,016百万円(84百万米ドル)及び5,389百万円である。リース資産の減価償却費相当額の見積計算は、リース期間にわたり残存価額をゼロとした定額法によっている。

オペレーティング・リースとして会計処理されているファイナンス・リースに係る将来の支払リース料(支

払利息相当額を含む)は、以下のように要約される。3月31日終了年度 百万円 百万米ドル

2006.............................................................................................................. ¥ 9,067 $ 842007以降...................................................................................................... 23,728 221合計 ................................................................................................................ ¥32,795 $306

オペレーティング・リースとして会計処理されている2005年3月31日以降の将来の支払リース料は、以下のように要約される。3月31日終了年度 百万円 百万米ドル

2006.............................................................................................................. ¥ 0 $ 02007以降...................................................................................................... — —合計 ................................................................................................................ ¥ 0 $ 0

b. 貸主側以下の金額は、オペレーティング・リースとして会計処理されているファイナンス・リースに係る2005年

及び2004年3月31日現在のリース資産の取得価額、減価償却累計額及び帳簿価額を示している。

2005百万円 百万米ドル

減価償却 減価償却取得価額 累計額 帳簿価額 取得価額 累計額 帳簿価額

その他の電気事業固定資産 .. ¥ 5,765 ¥1,261 ¥4,503 $ 54 $12 $42その他の固定資産 ................. 5,500 2,404 3,095 51 22 29合計 ......................................... ¥11,265 ¥3,666 ¥7,599 $105 $34 $71

Page 56: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

52 東京電力株式会社

2004百万円

減価償却取得価額 累計額 帳簿価額

その他の電気事業固定資産 .. ¥ 601 ¥ 152 ¥ 449その他の固定資産 ................. 5,265 2,686 2,578合計 ......................................... ¥5,867 ¥2,839 ¥3,027

連結財務諸表において、オペレーティング・リースとして会計処理されているファイナンス・リースに係る

受取リース料は、2005年及び2004年3月31日に終了した事業年度において、それぞれ1,111百万円(10百万米ドル)及び875百万円であった。オペレーティング・リースとして会計処理されているリース資産の減価償却費は、2005年及び2004年3月31日に終了した事業年度において、それぞれ1,868百万円(17百万米ドル)及び762百万円であった。

オペレーティング・リースとして会計処理されているファイナンス・リースに係る将来の受取リース料(受

取利息相当額を含む)は、以下のように要約される。3月31日終了年度 百万円 百万米ドル

2006.............................................................................................................. ¥ 1,950 $ 182007以降...................................................................................................... 8,837 82合計 ................................................................................................................ ¥10,787 $101

オペレーティング・リースとして会計処理されている2005年3月31日以降の将来の受取リース料は、以下のように要約される。3月31日終了年度 百万円 百万米ドル

2006.............................................................................................................. ¥ 344 $ 32007以降...................................................................................................... 2,522 24合計 ................................................................................................................ ¥2,866 $27

Page 57: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

アニュアルレポート2005 53

2005年3月31日時点で、当社の総財産を日本政策投資銀行からの借入金733,916百万円(6,839百万米ドル)及び社債6,115,772百万円(56,986百万米ドル)の一般担保に供している。当社の一部の長期借入契約において、貸手は、利益処分案を事前に承認するために、株主への通知に先立っ

て利益処分案の提出を求めることができる。ただし、この権利が行使された実績はない。

2005年3月31日において、一部の連結子会社の長期借入金90,937百万円(847百万米ドル)、短期借入金778百万円(7百万米ドル)及びその他の長期負債1,337百万円(12百万米ドル)の担保に供している資産は次のとおりである。

百万円 百万米ドル

固定資産、純額水力発電設備............................................................................................ ¥ 4,767 $ 44その他の固定資産.................................................................................... 87,133 812

固定資産仮勘定 ............................................................................................ 11,412 106現金及び預金 ................................................................................................ 10,607 99受取手形及び売掛金 .................................................................................... 1,285 12その他の資産 ................................................................................................ 802 7

¥116,009 $1,081

このほか、連結上相殺消去されている子会社株式4,850百万円(45百万米ドル)を担保に供している。また、一部の連結子会社の出資会社における金融機関からの借入金等に対して、1,643百万円(15百万米

ドル)の長期投資に質権を設定している。

日本国内の電気事業者に適用される電気事業会計規則に基づき、使用済核燃料の再処理に要する費用に充

てるため、再処理費の当連結会計年度末要支払額の60%を計上している。

原子力発電施設の解体に要する費用に充てるため、解体費の総見積額を基準とする額を原子力の発電実績

に応じて計上している。

水力発電に関し、豊水または渇水による利益の変動を抑えるため、電気事業法の規定に基づいて計上して

いる。

10.使用済核燃料再処理引当金

9.担保資産

12.渇水準備引当金

11.原子力発電施設解体引当金

Page 58: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

54 東京電力株式会社

2005年3月31日において、当社と一部の連結子会社は、確定給付型の適格退職年金制度及び退職一時金制度を設けている。当社及び連結子会社全体では、退職一時金制度については39社が有しており、適格退職年金については12年金を有している。以下の表は、当社等の確定給付制度に係る2005年及び2004年3月31日現在の積立状況及び債務の状況と、連結貸借対照表において計上された金額を示している。

百万円 百万米ドル

2005 2004 2005退職給付債務 ......................................................................... ¥(1,115,260) ¥(1,088,343) $(10,392)年金資産(時価)....................................................................... 627,999 564,955 5,852退職給付引当金 ..................................................................... 512,027 547,053 4,771前払年金費用 ......................................................................... (1,890) (1,849) (18)未認識数理計算上の差異等 ................................................. ¥ 22,875 ¥ 21,815 $ 213

2005年及び2004年3月期における退職給付費用の内訳は以下のとおりである。百万円 百万米ドル

2005 2004 2005勤務費用 ................................................................................. ¥ 38,437 ¥ 39,022 $358利息費用 ................................................................................. 21,739 21,915 203期待運用収益 ......................................................................... (2,935) (2,366) (27)数理計算上の差異等の費用処理額 ..................................... (9,552) 46,653 (89)過去勤務債務の費用処理額 ................................................. 262 (68,072) 2

¥ 47,952 ¥ 37,152 $447

当社等の退職給付債務等の算定基礎は次のとおりである。2005 2004

退職給付見込額の期間配分方法 ..................................... 期間定額基準 期間定額基準割引率 ................................................................................. 主として2.0% 主として2.0%期待運用収益率 ................................................................. 主として0.5% 主として0.5%過去勤務債務の額の処理年数 ......................................... — 主として発生した年度に

全額処理を行っている。数理計算上の差異の処理年数 ......................................... 主として3年 主として3年

13.退職給付制度

Page 59: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

当社及び電気事業を行っている連結子会社の法人税等は法人税及び住民税からなり、法定税率は2005年及び2004年において約36%である。その他の主な連結子会社の法人税等は法人税、住民税及び事業税からなり、法定税率は2005年及び2004

年において、それぞれ約41%及び約42%である。2005年及び2004年3月31日における繰延税金資産及び繰延税金負債の主な内訳は次のとおりである。

百万円 百万米ドル

2005 2004 2005繰延税金資産:退職給付引当金 ................................................................ ¥179,651 ¥185,112 $1,674減価償却費損金算入限度超過額 .................................... 81,208 49,294 757使用済核燃料再処理引当金 ............................................ 63,144 63,144 588繰越欠損金...................................................................... 41,553 — 387原子力発電施設解体引当金........................................... 32,791 32,791 306税法上の繰延資産 ............................................................ 25,904 29,283 241その他 ................................................................................ 95,688 87,715 892

519,942 447,343 4,845評価性引当額 .................................................................... (91,887) (21,111) (856)

繰延税金資産 合計 ............................................................. 428,055 426,232 3,989

繰延税金負債:その他有価証券評価差額金 ............................................ (38,062) (36,640) (355)その他 ................................................................................ (10,077) (6,734) (94)

繰延税金負債 合計 ............................................................. (48,139) (43,375) (449)繰延税金資産 純額 ............................................................. ¥379,915 ¥382,856 $3,540

その他流動資産、その他の長期負債及びその他流動負債に含まれる繰延税金資産及び繰延税金負債は次の

とおりである。百万円 百万米ドル

2005 2004 2005その他流動資産 ..................................................................... ¥34,035 ¥34,250 $317その他の長期負債 ................................................................. 7,456 4,146 69その他流動負債 ..................................................................... — 0 —

2005年及び2004年3月期における法定実効税率と損益計算書における法人税等の負担率との差異は次の理由による。

2005

法定実効税率 ................................................................................................ 36.2%持分法適用会社における減損損失 ....................................................... 2.7その他 ....................................................................................................... 0.2

税効果会計適用後の法人税等の負担率 .................................................... 39.1%

2004

法定実効税率 ................................................................................................ 36.2%評価性引当額増減 ................................................................................... 6.6持分法による投資損失 ........................................................................... 2.3情報通信機器等税額控除 ....................................................................... (1.4)試験研究費税額控除 ............................................................................... (1.4)その他 ....................................................................................................... (0.4)

税効果会計適用後の法人税等の負担率 .................................................... 41.9%

14.法人税等

アニュアルレポート2005 55

Page 60: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

56 東京電力株式会社

日本の商法に従い、会社は利益処分として利益準備金を積み立てており、これは利益剰余金に含められてい

る。商法は利益準備金と資本準備金の合計で資本金の25%になるまで利益分配額の10%以上を利益準備金として計上しなければならないと規定している。なお、2005年3月31日時点における利益準備金の残高は169,108百万円(1,576 百万米ドル)である。商法は、資本準備金及び利益準備金を配当することを禁止しているが、株主総会の決議により両者を欠損填補に充当するか、あるいは取締役会の決議により資本金へ組

み入れることが認められる。また、商法では資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の25%を超過している場合、超過分を株主総会の承認をもって資本の払戻し又は配当という形で株主に分配できる。

2005年及び2004年3月期における研究開発費の総額は、それぞれ35,181百万円(328百万米ドル)及び36,970百万円である。

当社及び一部の国内連結子会社は、2004年3月期において固定資産に係る減損損失を44,825百万円計上した。内訳は以下のとおりである。

百万円

2004その他の電気事業固定資産....................................................................... ¥ 4,152その他の固定資産....................................................................................... 11,366固定資産仮勘定........................................................................................... 29,306合計............................................................................................................... ¥ 44,825

減損損失44,825百万円は、連結損益計算書におけるその他(収益)費用のその他、純額に含まれている。その他の電気事業固定資産及び建設仮勘定に係る減損損失は、個々の資産ごとに認識している。また、その他

の固定資産(主に不動産賃貸事業用の土地)は賃貸地点ごとにキャッシュ・フローを生成しているので、賃貸地点

ごとにグループ化し、減損損失を認識している。これらの資産グループについては、割引前将来キャッシュ・フ

ローの見積額と帳簿価額とを比較して、割引前将来キャッシュ・フローの見積額が資産の帳簿価額を下回った場

合に減損損失を計上している。

これらの資産グループの回収可能価額は、正味売却価額によっている。

2005年3月31日時点で、偶発債務の合計額は981,307 百万円(9,144 百万米ドル)であり、うち389,171百万円(3,626 百万米ドル)は他の会社の借入金、社債、リース債務及びその他の契約履行に対する保証債務又は履行義務である。

また、252,136 百万円(2,349百万米ドル) は当社等の従業員の持ち家財形融資等に関する保証債務である。残額の340,000百万円(3,168百万米ドル)は債務履行引受契約に基づいて金融機関に委任された債務である。

18.契約債務及び偶発債務

15.株主持分

16.研究開発費

17.減損損失

Page 61: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

当社は燃料価格の変動によるリスクをヘッジするために商品スワップを利用している。

当社と一部の連結子会社は外国為替相場の変動によるリスクをヘッジし、外貨建支払額のキャッシュ・フ

ローを固定する目的でのみ、為替予約取引を利用している。

当社は外国為替相場の変動によるリスクをヘッジし、外貨建社債の元利金支払に関する将来キャッシュ・

フローを固定するために、通貨スワップを利用している。

デリバティブ取引によりヘッジされている外貨建負債は契約締結レートで換算されている。

当社と一部の連結子会社は、金利変動のリスクをヘッジし、金融機関からの借入金の利息の支払に関する

将来キャッシュ・フローを固定化する目的で、金利スワップ及び金利キャップを利用している。

当社は夏季の気温の変化による収支変動リスクをヘッジする目的で気温リスク交換取引(ウェザー・デリ

バティブ取引)を利用している。

当社は燃料費調整制度の基準となる価格と購入燃料費価格との価格差による収支変動リスクをヘッジす

る目的で燃料価格差スワップ取引を利用している。

当社と一部の連結子会社は社内の規程に基づき、特定のリスクに対してヘッジを行うことのみを目的にデ

リバティブ取引を行っている。当社とこれらの連結子会社はこれまで投機目的のデリバティブ取引は行って

いない。

デリバティブ取引は、取引相手の契約不履行による信用リスクを有するが、当社及び一部の連結子会社は

信用度の高い金融機関等を相手としてデリバティブ取引を行っているため、そのようなリスクは極めて低い

と判断している。

当社等の主な事業は電気事業、情報・通信事業、その他の事業の3つの事業である。情報・通信事業の事業

内容は電気通信サービスの供給、情報処理、ソフトウェアの開発・保守及び有線テレビジョン放送等である。そ

の他の事業の内容は発電設備の補修工事、送電・変電設備等の修繕・保守、不動産業及び設備管理等である。

2005年及び2004年3月31日における当社等の事業の種類別セグメント情報は次のとおりである。百万円

2005情報・通信 その他の 消去又は

電気事業 事業 事業 計 全社 連結

I. 売上高及び営業損益売上高外部顧客に対する売上 ... ¥ 4,797,675 ¥110,410 ¥139,125 ¥ 5,047,210 ¥ — ¥ 5,047,210セグメント間の内部売上又は振替高........... 1,157 73,195 277,665 352,018 (352,018) —

計 ................................... 4,798,832 183,605 416,791 5,399,229 (352,018) 5,047,210営業費用 .............................. 4,231,772 215,599 388,280 4,835,652 (354,745) 4,480,906営業利益(損失)................... ¥ 567,060 ¥ (31,993) ¥ 28,510 ¥ 563,577 ¥ 2,726 ¥ 566,304

II. 資産、減価償却費及び資本的支出

資産 ...................................... ¥12,693,782 ¥377,303 ¥930,701 ¥14,001,787 ¥(252,944) ¥13,748,843減価償却費 .......................... 787,592 32,548 33,004 853,145 (5,639) 847,505資本的支出............................. 459,375 40,093 64,981 564,451 (3,244) 561,206

20.セグメント情報

アニュアルレポート2005 57

19.デリバティブ取引

Page 62: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

58 東京電力株式会社

百万円

2004情報・通信 その他の 消去又は

電気事業 事業 事業 計 全社 連結

I. 売上高及び営業損益売上高外部顧客に対する売上... ¥ 4,722,118 ¥ 20,389 ¥111,319 ¥ 4,853,826 ¥ — ¥ 4,853,826セグメント間の内部売上又は振替高 ................... — 66,917 262,214 329,131 (329,131) —

計 ...................................... 4,722,118 87,306 373,533 5,182,958 (329,131) 4,853,826営業費用 .............................. 4,230,806 105,169 359,383 4,695,358 (330,536) 4,364,822営業利益(損失)................... ¥ 491,311 ¥ (17,862) ¥ 14,150 ¥ 487,599 ¥ 1,404 ¥ 489,004

II. 資産、減価償却費、減損損失及び資本的支出

資産 ...................................... ¥13,143,545 ¥120,136 ¥867,522 ¥14,131,204 ¥(230,298) ¥13,900,906減価償却費 .......................... 846,903 18,023 29,674 894,601 (4,645) 889,955減損損失 .............................. 33,458 — 11,366 44,825 — 44,825資本的支出............................. 573,599 26,025 67,588 667,212 (3,244) 663,967

百万米ドル

2005情報・通信 その他の 消去又は

電気事業 事業 事業 計 全社 連結

I. 売上高及び営業損益売上高外部顧客に対する売上 ... $ 44,704 $1,029 $1,296 $ 47,030 $ — $ 47,030セグメント間の内部売上又は振替高 ................... 11 682 2,587 3,280 (3,280) —

計 ..................................... 44,715 1,711 3,884 50,310 (3,280) 47,030営業費用 .............................. 39,431 2,009 3,618 45,058 (3,305) 41,753営業利益(損失)................... $ 5,284 $ (298) $ 266 $ 5,251 $ 25 $ 5,277

II. 資産、減価償却費及び資本的支出

資産 ...................................... $118,280 $3,516 $8,672 $130,468 $(2,357) $128,111減価償却費 .......................... 7,339 303 308 7,950 (53) 7,897資本的支出............................. 4,280 374 605 5,260 (30) 5,229

全セグメントの売上高の合計及び全セグメントの資産の金額の合計額に占める海外の割合がいずれも

10%未満であるため、所在地別セグメント情報及び海外売上高の記載を省略している。

2005年3月期の連結財務諸表には反映されていないが、2005年6月28日に開催された当社の株主総会で以下の利益処分が承認された。

百万円 百万米ドル

配当金(1株当たり30円 = 0.28 米ドル).................................................. ¥40,529 $378取締役及び監査役への賞与 ........................................................................ 75 1

21.後発事象

Page 63: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

東京電力株式会社

取締役会御中

我々は、東京電力株式会社及び連結子会社の2005年及び2004年3月31日現在の円金額で表示された連結貸借対照表並びに

同日に終了する事業年度に係る連結損益計算書、連結資本勘定計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書について監査を行っ

た。この連結財務諸表の作成責任は経営者にある。我々の責任は監査結果に基づいて連結財務諸表に対する意見を表明するこ

とにある。

我々は、日本において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。この監査の基準は、我々に連結財

務諸表に重要な虚偽の表示がないかどうかの合理的な保証を得るために監査を計画し、実施することを求めている。監査は、

試査を基礎として行われ、財務諸表における金額及び開示内容の根拠となる証拠の検証を含んでいる。また、監査は、経営者が

採用した会計方針及び経営者によって行われた見積りの評価も含め全体としての連結財務諸表の表示を検討することも含んで

いる。我々は、監査の結果として意見表明のための合理的基礎を得たと判断している。

我々の意見では、円金額で表示された当連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠して、

2005年及び2004年3月31日現在の東京電力株式会社及び連結子会社の連結財政状態並びに同日に終了する年度の連結経営

成績及び連結キャッシュ・フローを適正に表示している。

追記情報

注記3に記載のとおり、固定資産の減損に係る会計基準が2004年3月31日に終了する連結会計年度より適用が可能になった

ことに伴い、会社は、2004年3月期より新会計基準を早期に適用している。

2005年3月31日終了年度の連結財務諸表における米ドル金額は便宜的に記載している。我々の監査は、円金額から米ドル金

額への換算も対象としており、我々の意見では、この換算は注記2に記載された方法に基づいて行われている。

新日本監査法人

2005年6月28日

独立監査人の監査報告書

アニュアルレポート2005 59

Page 64: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

百万米ドル百万円 (注記2)

資産 2005 2004 2005

固定資産:

固定資産 ................................................................................................................ ¥ 27,845,331 ¥ 27,621,530 $ 259,461固定資産仮勘定 ..................................................................................................... 744,519 816,217 6,937

28,589,851 28,437,747 266,398

控除:

工事費負担金等 ................................................................................................. (311,809) (304,272) (2,905)減価償却累計額 ................................................................................................. (18,128,697) (17,516,830) (168,922)

(18,440,506) (17,821,103) (171,827)固定資産、純額(注記 4、6).................................................................................... 10,149,344 10,616,644 94,571

核燃料:

装荷核燃料 ............................................................................................................ 162,450 184,261 1,514加工中等核燃料 ..................................................................................................... 766,681 727,257 7,144

929,131 911,518 8,658

投資等:

長期投資 ................................................................................................................ 562,831 588,722 5,244関係会社長期投資.................................................................................................. 517,268 414,757 4,820繰延税金資産 ......................................................................................................... 313,597 313,548 2,922社債発行差金 ......................................................................................................... 283 315 3その他.................................................................................................................... 60,225 43,850 561

1,454,206 1,361,193 13,550

流動資産:

現金及び預金 ......................................................................................................... 68,309 40,444 637売掛金.................................................................................................................... 314,997 307,002 2,935貯蔵品.................................................................................................................... 80,340 78,292 749その他.................................................................................................................... 104,856 119,230 977

568,504 544,970 5,297

資産合計 ............................................................................................................ ¥ 13,101,186 ¥ 13,434,326 $ 122,076

貸借対照表東京電力株式会社3月31日現在

60 東京電力株式会社

Page 65: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

百万米ドル百万円 (注記2)

負債及び資本 2005 2004 2005

固定負債:

社債及び長期借入金 .............................................................................................. ¥ 6,861,813 ¥ 7,239,437 $ 63,938その他の長期負債.................................................................................................. 55,715 37,233 519使用済核燃料再処理引当金 ................................................................................... 1,248,549 1,136,843 11,634退職給付引当金 ..................................................................................................... 463,996 506,313 4,323原子力発電施設解体引当金 ................................................................................... 355,143 351,580 3,309

8,985,218 9,271,407 83,724

流動負債:

1年以内に期限到来の社債及び長期借入金............................................................ 653,128 494,804 6,086

1年以内に期限到来のその他の長期負債 ............................................................... 3,295 2,487 31短期借入金 ............................................................................................................ 394,000 496,000 3,671コマーシャル・ペーパー.......................................................................................... — 355,000 —買掛金.................................................................................................................... 147,279 137,407 1,372未払税金 ................................................................................................................ 88,535 54,052 825預り金 .................................................................................................................... 3,107 2,739 29その他.................................................................................................................... 472,257 438,828 4,400

1,761,604 1,981,319 16,415渇水準備引当金 ......................................................................................................... 19,599 11,853 183負債合計 ................................................................................................................ 10,766,422 11,264,581 100,321

資本:(注記 7、8)

資本金(無額面):

授権株式数 - 1,800,000,000株

発行済株式数- 2005年及び2004年3月末 1,352,867,531株 ........................... 676,434 676,434 6,303資本剰余金 ............................................................................................................ 19,014 19,014 177利益剰余金 ............................................................................................................ 1,579,814 1,416,147 14,721その他有価証券評価差額金 ................................................................................... 63,900 61,509 595自己株式(取得原価)............................................................................................... (4,398) (3,359) (41)資本合計 ............................................................................................................ 2,334,764 2,169,745 21,755

契約債務及び偶発債務(注記 5)

負債及び資本合計 .............................................................................................. ¥13,101,186 ¥13,434,326 $122,076

財務諸表に対する注記を参照

アニュアルレポート2005 61

Page 66: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

百万米ドル百万円 (注記2)

2005 2004 2005

営業収益:

電灯料.................................................................................................................... ¥1,976,832 ¥1,909,435 $18,420電力料.................................................................................................................... 2,660,435 2,688,725 24,790その他.................................................................................................................... 185,991 136,404 1,733

4,823,259 4,734,565 44,943

営業費用:

燃料費.................................................................................................................... 822,488 905,806 7,664減価償却費 ............................................................................................................ 785,909 845,028 7,323購入電力料 ............................................................................................................ 600,895 637,116 5,599修繕費.................................................................................................................... 472,776 411,488 4,405人件費.................................................................................................................... 454,453 445,167 4,235諸税 ....................................................................................................................... 319,293 315,929 2,975その他.................................................................................................................... 831,950 701,828 7,752

4,287,767 4,262,365 39,953営業利益 .................................................................................................................... 535,491 472,200 4,990

その他(収益)費用:

支払利息 ................................................................................................................ 156,334 167,977 1,457その他、純額(注記 6)............................................................................................. (5,345) 41,698 (50)

150,988 209,676 1,407

特別項目及び法人税等調整前利益 ............................................................................ 384,503 262,524 3,583

特別項目:

渇水準備金引当 ..................................................................................................... 7,745 7,567 72

税金等調整前当期純利益........................................................................................... 376,757 254,956 3,511

法人税等:

法人税、住民税及び事業税..................................................................................... 133,662 88,027 1,245法人税等調整額 ..................................................................................................... (1,727) 15,110 (16)

131,934 103,137 1,229当期純利益......................................................................................................... ¥ 244,822 ¥ 151,818 $ 2,281

円 米ドル(注記2)1株当たり金額:

1株当たり当期純利益............................................................................................. ¥181.13 ¥112.25 $1.69潜在株式調整後1株当たり当期純利益.................................................................... — 112.01 —

1株当たり配当金 .................................................................................................... 60.00 60.00 0.56

財務諸表に対する注記を参照

損益計算書東京電力株式会社3月31日終了年度

62 東京電力株式会社

Page 67: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

資本勘定計算書東京電力株式会社3月31日終了年度

百万円

その他株数 資本 利益 有価証券 自己株式(干株) 資本金 剰余金 剰余金 評価差額金 (取得原価)

2003年3月31日現在残高 ....................................................... 1,352,867 ¥676,434 ¥19,014 ¥1,345,523 ¥19,419 ¥(1,856)

2004年3月31日終了年度当期純利益 ................................... 151,818配当金 .................................................................................. (81,120)取締役及び監査役に対する賞与........................................... (75)当期増減額 ........................................................................... 42,090 (1,502)

2004年3月31日現在残高 ....................................................... 1,352,867 676,434 19,014 1,416,147 61,509 (3,359)

2005年3月31日終了年度当期純利益 ................................... 244,822配当金 .................................................................................. (81,080)取締役及び監査役に対する賞与........................................... (75)当期増減額 ........................................................................... 2,391 (1,039)

2005年3月31日現在残高 ....................................................... 1,352,867 ¥676,434 ¥19,014 ¥1,579,814 ¥63,900 ¥(4,398)

百万米ドル(注記2)

その他資本 利益 有価証券 自己株式

資本金 剰余金 剰余金 評価差額金 (取得原価)

2004年3月31日現在残高............................................................................ $ 6,303 $177 $13,196 $573 $(31)

2005年3月31日終了年度当期純利益 ....................................................... 2,281配当金 ...................................................................................................... (756)取締役及び監査役に対する賞与 ............................................................... (1)当期増減額 ............................................................................................... 22 (10)

2005年3月31日現在残高............................................................................ $6,303 $177 $14,721 $595 $(41)

財務諸表に対する注記を参照

アニュアルレポート2005 63

Page 68: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

財務諸表に対する注記東京電力株式会社2005年3月31日

作成の基礎

東京電力株式会社(以下「当社」)の財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠

して日本の商法に従って記録された勘定等を基に作成されており、国際財務報告基準を適用し、開示したもの

とは一部相違がある。当社は、日本において通常作成されない資本勘定計算書及びその他の追加的な情報を、

当報告書に記載する目的で作成している。日本の商法の規定に従い、百万円未満は切り捨てて表示している。

そのため、当個別財務諸表に記載されている合計金額は、個々の表示金額の合計とは必ずしも一致しない。

財務諸表は当社についてだけのものであり、子会社及び関連会社への投資額を取得価額で計上している会

計処理を除き、連結財務諸表の注記1で示した会計方針と同じ基準に基づいて作成されている。前期の財務諸表に記載された一部の金額は、当期の表示方法に合わせて組替表示している。

日本円金額から米ドル金額への換算は、読者の便宜のためにのみ行われている。換算レートとしては2005年3月31日の概算換算レートである107.32円/米ドルを用いている。米ドル換算額を表示していることは、この換算レートまたは他の換算レートにより円金額を米ドル金額に換金、決済されたこと、または決済されうる

ことを意味しているものではない。

当社は、2004年3月31日に終了する事業年度から適用が可能となる固定資産の減損に係る新会計基準を早期に適用した。当会計基準は、有形・無形固定資産の帳簿価額(減価償却累計額控除後)の回収が見込まれな

いことを示す一定の事象または環境の変化が生じた場合には、その都度減損の状況を検討することを求めて

いる。企業は収支の状況に照らして、資産の減損を示す兆候が存在し、かつ資産の帳簿価額が割引前将来

キャッシュ・フローの総額を上回るときに減損損失を認識しなければならない。減損損失は、(1)正味売却価額、すなわち資産の時価から処分費用見込額を控除した金額と(2)当該資産の使用及びその資産の処分によって得られる将来キャッシュ・フローの現在価値のいずれか高い金額を帳簿価額が超過する部分として測定

される。当基準は、土地、工場、建物及びその他の有形固定資産と無形固定資産を対象としている。固定資産

のグルーピングは他の資産グループのキャッシュ・フローからおおむね独立したキャッシュ・フローを生み出

す最小の単位で行う。

新しい会計基準の適用の結果、2004年3月期の税金等調整前当期純利益は、41,956百万円減少している。

1.重要な会計方針の要約

2.米ドル表示金額

3.会計方針の変更

64 東京電力株式会社

Page 69: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

2005年及び2004年3月31日における主な固定資産の内訳は以下のとおりである。百万円

工事費 減価償却2005年3月31日現在 帳簿原価 負担金等 累計額 帳簿価額

水力発電設備...................................................... ¥ 1,475,639 ¥ 7,302 ¥ 825,279 ¥ 643,057汽力発電設備...................................................... 5,443,903 33,269 3,936,629 1,474,004原子力発電設備 .................................................. 5,038,113 3,644 4,176,139 858,329内燃力発電設備 .................................................. 39,511 156 26,584 12,771送電設備 ............................................................. 6,987,660 160,949 4,113,194 2,713,516変電設備 ............................................................. 3,261,114 43,126 2,161,968 1,056,020配電設備 ............................................................. 4,932,298 41,174 2,541,665 2,349,458附帯事業固定資産 .............................................. 127,162 40 31,802 95,320その他の固定資産 .............................................. 539,927 22,146 309,460 208,320固定資産仮勘定 .................................................. 744,519 — 5,973 738,546

¥28,589,851 ¥311,809 ¥18,128,697 ¥10,149,344

百万円

工事費 減価償却2004年3月31日現在 帳簿原価 負担金等 累計額 帳簿価額

水力発電設備...................................................... ¥ 1,474,360 ¥ 7,077 ¥ 790,481 ¥ 676,801汽力発電設備...................................................... 5,383,849 33,290 3,803,949 1,546,609原子力発電設備 .................................................. 5,024,519 3,644 4,088,043 932,832内燃力発電設備 .................................................. 39,562 156 25,696 13,709送電設備 ............................................................. 6,946,782 160,096 3,953,022 2,833,662変電設備 ............................................................. 3,252,319 36,723 2,087,337 1,128,258配電設備 ............................................................. 4,829,308 40,788 2,425,121 2,363,398附帯事業固定資産 .............................................. 101,221 15 19,165 82,040その他の固定資産 .............................................. 569,607 22,481 313,168 233,957固定資産仮勘定 .................................................. 816,217 — 10,843 805,373

¥28,437,747 ¥304,272 ¥17,516,830 ¥10,616,644

百万米ドル

工事費 減価償却2005年3月31日現在 帳簿原価 負担金等 累計額 帳簿価額

水力発電設備...................................................... $ 13,750 $ 68 $ 7,690 $ 5,992汽力発電設備...................................................... 50,726 310 36,681 13,735原子力発電設備 .................................................. 46,945 34 38,913 7,998内燃力発電設備 .................................................. 368 1 248 119送電設備 ............................................................. 65,111 1,500 38,326 25,284変電設備 ............................................................. 30,387 402 20,145 9,840配電設備 ............................................................. 45,959 384 23,683 21,892附帯事業固定資産 .............................................. 1,185 0 296 888その他の固定資産 .............................................. 5,031 206 2,884 1,941固定資産仮勘定 .................................................. 6,937 — 56 6,882

$266,398 $2,905 $168,922 $94,571

4.固定資産

アニュアルレポート2005 65

Page 70: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

66 東京電力株式会社

2005年3月31日時点で、偶発債務及び契約債務の合計は1,019,812 百万円(9,503 百万米ドル)であり、うち

433,030百万円(4,035 百万米ドル)は他の会社の借入金、社債及びその他契約債務に対する保証債務または履行義務である。ただし、11,973百万円(112百万米ドル)は連帯保証人間の契約に基づいて当社以外の連帯保証人が負担する金額である。

また、246,782百万円(2,300 百万米ドル)は当社の従業員の持ち家財形融資等に関する保証債務である。残額の340,000 百万円(3,168 百万米ドル)は、債務履行引受契約に基づいて金融機関に委任された債務

である。

当社は、2004年3月期において固定資産に係る減損損失を41,956百万円計上した。内訳は以下のとおりである。

百万円

2004附帯事業固定資産 ................................................................................... ¥ 8,497その他の固定資産のうち事業外固定資産 .............................................. 4,152建設仮勘定 .............................................................................................. 29,306合計...................................................................................................... ¥41,956

減損損失41,956百万円は、個別損益計算書におけるその他(収益)費用のその他、純額に含まれている。その他の固定資産及び建設仮勘定に係る減損損失は、個別の資産ごとに認識している。また、附帯事業設備

に係る固定資産(主に不動産賃貸事業用の土地)は賃貸地点ごとにキャッシュ・フローを生成しているので地点

ごとにグループ化し、減損損失を認識している。これらの資産グループについては、割引前将来キャッシュ・

フローの見積額と帳簿価額とを比較して、割引前将来キャッシュ・フローの見積額が資産の帳簿価額を下回っ

た場合に減損損失を計上している。

これらの資産グループの回収可能価額は、正味売却価額によっている。

日本の商法に従い、会社は利益処分として利益準備金を積み立てており、これは利益剰余金に含められてい

る。商法は利益準備金と資本準備金の合計で資本金の25%になるまで利益分配額の10%以上を利益準備金として計上しなければならないと規定している。なお、2005年3月31日時点における利益準備金の残高は

169,108百万円(1,576 百万米ドル)である。商法は、資本準備金及び利益準備金を配当することを禁止しているが、株主総会の決議により両者を欠損填補に充当するか、あるいは取締役会の決議により資本金へ組み

入れることが認められる。また、商法では資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の25%を超過している場合、超過分を株主総会の承認をもって資本の払戻し又は配当という形で株主に分配できる。

2005年3月期の財務諸表には反映されていないが、2005年6月28日に開催された当社の株主総会で以下の利益処分が承認された。

百万円 百万米ドル

配当金(1株当たり30円 = 0.28 米ドル)........................................................ ¥40,529 $378取締役及び監査役への賞与 ........................................................................... 75 1

6.減損損失

7.株主持分

8.後発事象

5.契約債務及び偶発債務

Page 71: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

東京電力株式会社

取締役会御中

我々は、東京電力株式会社の2005年及び2004年3月31日現在の円金額で表示された貸借対照表並びに同日に終了する事業

年度に係る損益計算書、資本勘定計算書について監査を行った。この財務諸表の作成責任は経営者にある。我々の責任は監査

結果に基づいて財務諸表に対する意見を表明することにある。

我々は、日本において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。この監査の基準は、我々に財務諸

表に重要な虚偽の表示がないかどうかの合理的な保証を得るために監査を計画し、実施することを求めている。監査は、試査

を基礎として行われ、財務諸表の数値及び開示内容の根拠となる証拠を検証することを含んでいる。また、監査は、経営者が

採用した会計方針及び経営者によって行われた見積りの評価も含め全体としての財務諸表の表示を検討することも含んでい

る。我々は、監査の結果として意見表明のための合理的基礎を得たと判断している。

我々の意見では、円金額で表示された当財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠して、2005

年及び2004年3月31日現在の東京電力株式会社の財政状態並びに同日に終了する年度の経営成績を適正に表示している。

追記情報

注記3に記載のとおり、固定資産の減損に係る会計基準が2004年3月31日に終了する会計年度より適用が可能になったこと

に伴い、会社は、2004年3月期より新会計基準を早期に適用している。

2005年3月31日終了年度の財務諸表における米ドル金額は便宜的に記載している。我々の監査は、円金額から米ドル金額へ

の換算も対象としており、我々の意見では、この換算は注記2に記載された方法に基づいて行われている。

新日本監査法人

2005年6月28日

独立監査人の監査報告書

アニュアルレポート2005 67

Page 72: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

68 東京電力株式会社

(単位:特に記載のない限り、百万円)

担保 期末未償還残高内訳

銘柄 発行年月日 発行総額 償還額 期末未償還 発行価額 利率 (種類、目的物 償還期限 1年を超えた後に 摘要

残高 (円) (%/年) および順位) 期限の到来するもの その他のもの

東京電力

第414回社債 1992年5月25日 100,000 100,000 100.00 6.1 2004年5月25日

415 1992年6月25日 100,000 100,000 100.00 6.1 2004年6月25日

416 1992年7月28日 100,000 100,000 100.00 5.8 2004年7月28日

417 1992年12月24日 100,000 100,000 99.85 5.375 2004年12月24日

418 1993年1月27日 100,000 100,000 100.00 5.275 2005年1月27日

419 1993年3月25日 100,000 100,000 99.80 4.65 2005年3月25日

423 1994年2月28日 150,000 18,000 132,000 100.00 4.75 2014年2月28日 132,000

425 1994年7月29日 100,000 23,200 76,800 99.80 5.0 2014年7月29日 76,800

426 1994年11月28日 100,000 77,500 22,500 99.60 5.05 2014年11月28日 22,500 (注記)

428 1995年5月29日 150,000 48,900 101,100 100.00 4.1 2015年5月29日 101,100

429 1995年8月24日 150,000 32,000 118,000 100.00 3.1 2007年8月24日 118,000

431 1996年2月28日 100,000 21,500 78,500 100.00 3.25 2008年2月28日 78,500

433 1996年4月30日 150,000 44,500 105,500 100.00 3.45 2008年4月30日 105,500

434 1996年5月31日 150,000 150,000 99.80 3.5 2006年5月31日 (注記)

435 1996年11月29日 150,000 120,000 30,000 99.80 2.8 2006年11月29日 30,000 (注記)

436 1996年11月29日 50,000 8,100 41,900 100.00 3.45 2016年11月29日 41,900

437 1997年5月15日 100,000 14,000 86,000 100.00 2.5 2007年5月15日 86,000

438 1997年6月25日 50,000 7,700 42,300 100.00 3.15 2009年6月25日 42,300

439 1997年7月31日 100,000 8,500 91,500 100.00 2.625 2007年7月31日 91,500

440 1997年7月28日 50,000 2,000 48,000 100.00 3.225 2017年7月28日 48,000

441 1997年9月22日 50,000 5,000 45,000 100.00 3.075 2017年9月22日 45,000

442 1997年12月19日 50,000 50,000 100.00 2.2 2007年12月19日 50,000

443 1997年12月22日 50,000 1,700 48,300 100.00 2.775 2017年12月22日 48,300

445 1998年1月30日 50,000 50,000 100.00 2.15 2008年1月30日 50,000 (注記)

446 1998年3月23日 50,000 7,000 43,000 100.00 2.9 2018年3月23日 43,000 (注記)

447 1998年3月24日 60,000 60,000 100.00 2.25 2008年3月24日 60,000 (注記)

448 1998年4月17日 70,000 12,200 57,800 100.00 2.775 2018年4月17日 57,800 (注記)

449 1998年4月17日 50,000 50,000 100.00 2.1 2008年4月17日 50,000 (注記)

450 1998年5月18日 50,000 50,000 100.00 1.825 2005年5月18日 50,000 (注記)

451 1998年5月15日 50,000 50,000 100.00 2.15 2008年5月15日 50,000 (注記)

452 1998年5月28日 80,000 80,000 100.00 2.0 2008年5月28日 80,000 (注記)

453 1998年7月29日 50,000 50,000 100.00 1.625 2005年7月29日 50,000 (注記)

454 1998年8月28日 50,000 50,000 100.00 1.825 2008年8月28日 50,000 (注記)

455 1998年10月23日 50,000 50,000 100.00 2.075 2018年10月23日 50,000 (注記)

456 1998年10月23日 50,000 50,000 100.00 1.325 2008年10月23日 50,000 (注記)

457 1998年11月16日 50,000 50,000 100.00 2.05 2018年11月16日 50,000 (注記)

458 1998年11月18日 50,000 50,000 100.00 1.33 2008年11月18日 50,000 (注記)

459 1999年1月29日 50,000 5,400 44,600 100.00 2.7 2019年1月29日 44,600 (注記)

460 1999年3月17日 50,000 50,000 100.00 2.4 2011年3月17日 50,000 (注記)

461 1999年4月15日 100,000 100,000 100.00 1.18 2004年4月15日 (注記)

462 1999年4月15日 50,000 50,000 100.00 2.0 2009年4月15日 50,000 (注記)

463 1999年6月24日 50,000 50,000 100.00 0.85 2005年6月24日 50,000 (注記)

464 1999年7月28日 70,000 70,000 100.00 2.025 2011年7月28日 70,000 (注記)

465 1999年9月17日 50,000 50,000 100.00 2.0 2009年9月17日 50,000 (注記)

466 1999年9月17日 50,000 6,500 43,500 100.00 2.8 2019年9月17日 43,500 (注記)

467 1999年12月9日 50,000 50,000 100.00 1.825 2009年12月9日 50,000 (注記)

468 2000年2月15日 50,000 50,000 100.00 1.325 2006年2月15日 50,000 (注記)

469 2000年4月27日 100,000 100,000 100.00 1.25 2005年4月27日 100,000 (注記)

470 2000年6月15日 50,000 50,000 100.00 1.99 2012年6月15日 50,000 (注記)

471 2000年6月15日 50,000 50,000 100.00 1.825 2010年6月15日 50,000 (注記)

472 2000年8月17日 50,000 50,000 100.00 1.825 2010年8月17日 50,000 (注記)

473 2000年8月17日 50,000 50,000 100.00 1.975 2012年8月17日 50,000 (注記)

社債明細表(単体)2004年4月1日から2005年3月31日まで

一般担保

社債発行による手取金は設備資金に充当。

Page 73: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

アニュアルレポート2005 69

(単位:特に記載のない限り、百万円)

担保 期末未償還残高内訳

銘柄 発行年月日 発行総額 償還額 期末未償還 発行価額 利率 (種類、目的物 償還期限 1年を超えた後に 摘要

残高 (円) (%/年) および順位) 期限の到来するもの その他のもの

東京電力

第474回社債 2000年10月27日 50,000 50,000 100.00 1.44 2006年10月27日 50,000 (注記)

475 2000年10月27日 50,000 50,000 100.00 1.96 2010年10月27日 50,000 (注記)

476 2000年11月30日 50,000 50,000 100.00 1.93 2010年11月30日 50,000 (注記)

477 2000年12月15日 50,000 50,000 100.00 1.17 2005年12月15日 50,000 (注記)

478 2001年2月23日 50,000 50,000 100.00 1.68 2011年2月23日 50,000 (注記)

479 2001年2月27日 50,000 50,000 100.00 1.11 2007年2月27日 50,000 (注記)

480 2001年3月14日 50,000 50,000 100.00 1.54 2011年3月14日 50,000 (注記)

481 2001年3月14日 50,000 50,000 100.00 0.82 2006年3月14日 50,000 (注記)

482 2001年5月25日 100,000 100,000 100.00 1.45 2011年5月25日 100,000 (注記)

483 2001年6月15日 50,000 50,000 100.00 1.4 2011年6月15日 50,000 (注記)

484 2001年6月15日 50,000 50,000 100.00 0.51 2006年6月15日 50,000 (注記)

485 2001年6月22日 50,000 50,000 100.00 1.38 2011年6月22日 50,000 (注記)

486 2001年6月26日 50,000 50,000 100.00 0.48 2006年6月26日 50,000 (注記)

487 2001年10月26日 50,000 50,000 100.00 1.445 2011年10月26日 50,000 (注記)

488 2001年10月26日 50,000 50,000 100.00 0.5 2006年10月26日 50,000 (注記)

489 2001年11月15日 100,000 100,000 100.00 1.39 2011年11月15日 100,000 (注記)

490 2001年11月29日 50,000 50,000 100.00 0.5 2006年11月29日 50,000 (注記)

491 2002年1月31日 50,000 50,000 100.00 1.49 2012年1月31日 50,000 (注記)

492 2002年3月13日 50,000 50,000 100.00 0.73 2007年3月13日 50,000 (注記)

493 2002年4月26日 100,000 100,000 100.00 1.49 2012年4月26日 100,000 (注記)

494 2002年5月14日 50,000 50,000 100.00 0.59 2007年5月14日 50,000 (注記)

495 2002年5月30日 50,000 50,000 100.00 1.455 2012年5月30日 50,000 (注記)

496 2002年6月14日 100,000 100,000 100.00 1.49 2012年6月14日 100,000 (注記)

497 2002年7月30日 100,000 100,000 100.00 1.395 2012年7月30日 100,000 (注記)

498 2002年12月13日 100,000 100,000 100.00 1.1 2012年12月13日 100,000 (注記)

499 2002年12月26日 50,000 50,000 100.00 1.115 2012年12月26日 50,000 (注記)

500 2002年12月25日 50,000 50,000 100.00 0.635 2009年12月25日 50,000 (注記)

501 2003年2月14日 100,000 100,000 100.00 0.92 2013年2月14日 100,000 (注記)

502 2003年2月27日 50,000 50,000 100.00 0.96 2013年2月27日 50,000 (注記)

503 2003年3月17日 50,000 50,000 100.00 0.36 2008年3月17日 50,000 (注記)

504 2003年4月25日 50,000 50,000 100.00 0.335 2008年4月25日 50,000 (注記)

505 2003年4月25日 50,000 50,000 100.00 0.775 2013年4月25日 50,000 (注記)

506 2003年5月30日 100,000 100,000 100.00 0.675 2013年5月30日 100,000 (注記)

507 2003年10月28日 50,000 50,000 100.00 1.47 2013年10月28日 50,000 (注記)

508 2003年10月28日 50,000 50,000 100.00 0.62 2008年10月28日 50,000 (注記)

509 2003年12月24日 50,000 50,000 100.00 0.655 2008年12月24日 50,000 (注記)

510 2003年12月24日 50,000 50,000 100.00 1.415 2013年12月24日 50,000 (注記)

511 2004年5月28日 50,000 50,000 100.00 1.615 2014年5月28日 50,000 (注記)

512 2004年5月28日 50,000 50,000 100.00 0.725 2009年5月28日 50,000 (注記)

513 2004年7月28日 50,000 50,000 100.00 1.85 2014年7月28日 50,000 (注記)

514 2004年10月29日 50,000 50,000 100.00 1.565 2014年10月29日 50,000 (注記)

515 2005年2月10日 50,000 50,000 100.00 1.435 2015年2月10日 50,000 (注記)

内債計 6,430,000 1,313,700 5,116,300 4,716,300 400,000

一般担保

社債発行による手取金は設備資金に充当。

Page 74: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

70 東京電力株式会社

(単位:特に記載のない限り、百万円)

担保 期末未償還残高内訳

銘柄 発行年月日 発行総額 償還額 期末未償還 発行価額 利率 (種類、目的物 償還期限 1年を超えた後に 摘要

残高 (円) (%/年) および順位) 期限の到来するもの その他のもの

第15回 27,012 27,012 102.50 4.50 27,012スイス・フラン建 1996年9月27日 300,000 300,000 2006年9月27日 300,000東京電力社債 千スイス・フラン 千スイス・フラン 千スイス・フラン

第1回 85,120 85,120 99.403 6.50 85,120 フランス・フラン建 1996年9月27日 4,000,000 4,000,000 2006年9月27日 4,000,000東京電力社債 千フランス・フラン 千フランス・フラン 千フランス・フラン

第7回 116,400 116,400 99.758 7.00 116,400 米ドル建 1997年2月13日 1,000,000 1,000,000 2007年2月13日 1,000,000東京電力社債 千米ドル 千米ドル 千米ドル

第8回 58,100 58,100 99.815 7.125 58,100米ドル建 1997年6月13日 500,000 500,000 2007年6月13日 500,000東京電力社債 千米ドル 千米ドル 千米ドル

第2回 125,850 125,850 99.738 4.375 125,850ユーロ建 1999年5月14日 1,000,000 1,000,000 2009年5月14日 1,000,000 (注記)東京電力社債 千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ

第3回 113,510 113,510 100.977 5.125 113,510ユーロ建 2002年3月27日 1,000,000 1,000,000 2007年3月27日 1,000,000 (注記)東京電力社債 千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ

第4回 134,270 134,270 99.763 4.50 134,270ユーロ建 2004年3月24日 1,000,000 1,000,000 2014年3月24日 1,000,000 (注記)東京電力社債 千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ

660,262 660,262 660,262300,000 300,000 300,000

千スイス・フラン 千スイス・フラン 千スイス・フラン

1,500,000 1,500,000 1,500,000外債計 千米ドル 千米ドル 千米ドル

4,000,000 4,000,000 4,000,000千フランス・フラン 千フランス・フラン 千フランス・フラン

3,000,000 3,000,000 3,000,000千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ

期中発行額 期中償還額 当期増加額合計 250,000 123,700 126,300

7,090,262 1,313,700 5,776,562 1.906 5,376,562 400,000

(注記)1.東京電力社債の次の回号については、債務履行引受契約を締結し、債務の履行を委任したので、償還したものとして処理しています。2000年度契約締結分:第434回社債(うち120,000百万円)2001年度契約締結分:第426回社債(うち70,000百万円)、

第434回社債(うち30,000百万円)、第435回社債(うち120,000百万円)

なお、社債権者に対する当社の原債務償還義務は、偶発債務として単体貸借対照表の注記5に記載しています。

2. 第445回から第458回までの東京電力社債、第504回から第510回までの東京電力社債および第513回から第515回までの東京電力社債の発行による手取金は、設備資金および借入金返済に充当しています。

3. 第459回から第503回までの東京電力社債、第511回東京電力社債および第512回東京電力社債ならびに第2回ユーロ建東京電力社債、第3回ユーロ建東京電力社債および第4回ユーロ建東京電力社債の発行による手取金は、設備資金、借入金返済および社債償還に充当しています。

4. 外債はすべて、発行時に償還額および支払利息について通貨スワップを付しており、円貨額は確定しています。

[ ]

[ ]

[ ]

[ ]

[ ]

[ ]

[ ]

[ ][ ][ ][ ]

[ ]

[ ]

[ ]

[ ]

[ ]

[ ]

[ ]

[ ][ ][ ][ ]

[ ]

[ ] [ ]

[ ]

[ ]

[ ]

[ ]

[ ]

[ ][ ][ ][ ]

[ ][ ]

一般担保

社債発行による手取金は設備資金に充当。

Page 75: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

主要子会社および関連会社(2005年3月31日現在)

アニュアルレポート2005 71

主要な連結子会社

資本金 出資比率名  称 (百万円) (%) 主要な事業の内容

電気事業

東京発電(株) 2,200 100.0 発電事業

情報・通信事業

(株)パワードコム 45,010 83.8 電気通信事業

(株)アット東京 11,250 52.0 情報ソフト・サービス事業

(株)テプコケーブルテレビ 8,775 85.4 有線テレビジョン放送事業

(株)テプコシステムズ 350 100.0 情報ソフト・サービス事業

その他の事業

東電不動産管理(株) 2,000 100.0 不動産管理

東新ビルディング(株) 1,100 100.0 不動産管理

東京都市サービス(株) 400 100.0 エネルギー・環境事業

東電工業(株) 300 100.0 設備の建設・保守

東電環境エンジニアリング(株) 300 100.0 設備の建設・保守

(株)東電ホームサービス 200 100.0 設備の建設・保守

東京電設サービス(株) 50 100.0 設備の建設・保守

東京リビングサービス(株) 50 100.0 運輸・サービス

東電設計(株) 40 100.0 設備の建設・保守

東電広告(株) 20 80.2 運輸・サービス

テプコ・インターナショナル社 240百万ユーロ 100.0 海外事業

パシフィック・エルエヌジー・シッピング社 3,755 70.0 運輸・サービス

持分法適用関連会社

資本金 出資比率名  称 (百万円) (%) 主要な事業の内容

電気事業

相馬共同火力発電(株) 120,000 50.0 発電事業

日本原子力発電(株) 120,000 28.2 発電事業

常磐共同火力(株) 56,000 49.1 発電事業

鹿島共同火力(株) 22,000 50.0 発電事業

君津共同火力(株) 8,500 50.0 発電事業

その他の事業

日本原燃(株) 200,000 20.6 燃料の供給

(株)関電工 10,264 46.2 設備の建設・保守

関東天然瓦斯開発(株) 7,902 21.4 エネルギー・環境事業

(株)高岳製作所 5,906 28.2 資機材の供給

東光電気(株) 1,452 45.4 資機材の供給

Page 76: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

用語解説

「経営ビジョン2010」と「経営計画」当社は、おおむね3年おきに、会社が中期的に目指すべき基本的方向性

を示す「中期経営方針」を策定しています。また、その方針に基づいて、今

後3年間で取り組むべき実行計画を毎年の「経営計画」として発表してい

ます。「経営ビジョン2010」は2004年10月に公表した中期経営方針で、初

めてグループの方針として位置付けたのが特徴です。当社はこのなかで、

「エネルギーの最適サービスを通じて豊かな生活と快適な環境の実現に

貢献する」というグループ経営理念を掲げ、「社会の信頼を得る」、「競争を

勝ち抜く」、「人と技術を育てる」という3つのグループ経営指針に沿って、

「エネルギー・サービスのトップランナー」を目指すことを表明しました。

「東京電力グループ企業行動憲章」

CSR(企業の社会的責任)に対する取り組みをグループ企業が一丸と

なって推進するため、2005年4月、東京電力グループとして果たすべき

行動理念のあり方を定めたもの。具体的には、企業倫理の徹底や商品・

サービスの品質・安全確保、環境問題への積極的な取り組みなどの行動

原則を掲げています。

フリー・キャッシュ・フロー

当社では、フリー・キャッシュ・フローを、

「営業活動によるキャッシュ・フロー」-「電気事業の設備投資」

と定義しています。

公益的課題

電力の小売自由化範囲拡大の前提として、効率化との両立が求められ

ている諸課題。主にユニバーサルサービスの達成、供給信頼度の維持、

エネルギーセキュリティ(エネルギー安全保障)を含めた安定供給確保、

環境保全など。

供給信頼度

電力品質の用語として、一般には停電の発生度合いのことをいい、

お客さま1軒当たりの年間停電時間あるいは年間停電回数を用います。

IPP(Independent Power Producer)卸電力供給を目的とする、一般電気事業者以外の独立系発電事業者。発

電設備のみを所有し、送電系統は所有していない卸売発電事業者の総称。

特定規模電気事業者

特定規模需要に応じ電気の供給を営むことを、経済産業大臣に届け出

た事業者をいいます。特定規模需要とは、一般電気事業者が維持および

運用する特別高圧電線路、または高圧電線路から受電する需要であって、

契約電力が原則として50kW以上の需要をいいます。

LNG(Liquefied Natural Gas)液化天然ガス。メタン(CH4)、エタン(C2H6)を主成分とする天然ガスを、

マイナス162˚Cに冷却して液体にしたもの。LNG船と呼ばれる特殊な船舶

で輸送され、荷揚げ後に再度気化し発電用燃料などとして使用されます。

火力発電熱効率

消費した燃料の熱エネルギーに対する発生電力量の割合。

熱効率=発生電力量(kWh)×3.60(MJ/kWh)/燃料消費量(kl, t)×

燃料の単位発熱量(MJ/kl, t)

卸託送(ガス)

一般ガス事業者または卸ガス供給事業者が他の一般ガス事業者にガス

の卸供給を行う際に、第三者のパイプを利用してガスの供給を行うこと。

当社は、お客さまのエネルギーに関するあらゆるニーズにお応えするた

め、採算性確保を前提に、卸託送制度の活用も踏まえたガス事業を展開

しています。

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会

経済産業大臣の「我が国経済活動および国民生活の基盤となる電力の

安定供給を効率的に達成しうる公正かつ実効性のあるシステムの構築に

向けて、今後の電気事業制度はいかにあるべきか」という諮問を受け2001年11月5日に発足した、電気事業の今後のあり方を検討する審議会。

原子燃料サイクル

天然に存在するウラン、トリウム資源は採掘、精錬、転換、濃縮、加工さ

れた後、核燃料として原子炉で使用されます。そして原子炉から取り出さ

れた後、再処理、再加工されて再び原子炉で使用され、残りが廃棄物とし

て処理処分されます。この一連の循環を「原子燃料サイクル」といいます。

バックエンド事業

原子燃料サイクル上の燃料の流れは発電を中心に考えると、前段(フロ

ントエンド)あるいは上流(アップストリーム)と、後段(バックエンド)ある

いは下流(ダウンストリーム)に分けられ、バックエンドはその後段の工程

を指します。軽水炉の核燃料の場合、バックエンドとは使用済燃料の冷

却・再処理、回収ウランおよびプルトニウムの再加工の各工程とそれらの

工程の間に必要となる輸送工程、さらにはそれらの各工程から発生する

廃棄物の処理処分を意味します。なお、使用済燃料を再処理せずに直接

処分あるいは保管する場合もバックエンド事業に当たります。

原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の

積立て及び管理に関する法律

原子力発電所を保有する電気事業者に対し、六ヶ所再処理施設で行う

使用済核燃料を再処理するための費用などを外部の指定法人へ積み立て

ることを義務付けた法律。また、経済産業省がその外部指定法人の指定・

監督を行うことも盛り込まれています。2005年5月の通常国会において

可決され、政省令の公布を経て、同年10月に施行される見通し。

六ヶ所再処理施設

青森県六ヶ所村にある日本原燃(株)の原子燃料サイクル施設のひとつ。

使用済核燃料からプルトニウムなどの有用物質を取り出し、再利用するた

め建設が進められています。現在進められているウラン試験を経て、2007年5月の竣工が予定されています。

72 東京電力株式会社

Page 77: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

会社概要(2005年3月31日現在)

アニュアルレポート2005 73

商号: 東京電力株式会社

本店: 〒100-8560東京都千代田区内幸町1丁目1番3号電話:(03)4216-1111(代表)

設立年月日: 1951年5月1日

決算期末: 3月31日

資本金: 676,434,197,050円

従業員数: 38,510人

海外事務所: ワシントン事務所

1901 L Street, N.W., Suite 720,Washington, D.C. 20036, U.S.A.電話:+1-202-457-0790

ロンドン事務所

Berkeley Square House,Berkeley Square, London W1J6BR, U.K.電話:+44-20-7629-5271

発行済株式総数: 1,352,867,531株

株主数: 821,841人

株主総会: 6月

上場証券取引所: 東京、大阪、名古屋

独立監査人: 新日本監査法人

株式名義書換代理人: UFJ 信託銀行株式会社 証券代行部

〒100-0005東京都千代田区丸の内1丁目4番3号

刊行物: ・TEPCO 会社案内・数表で見る東京電力・サステナビリティレポート

信用格付:

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P) AA- (見通し:安定的)

ムーディーズ・インベスターズ・サービス Aa3 (見通し:ポジティブ)

株式会社格付投資情報センター(R&I) AA+ (見通し:安定的)

株式会社日本格付研究所(JCR) AAA (見通し:安定的)

大株主:所有株式数

株主名 (千株)

日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 61,050第一生命保険相互会社 55,001日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 52,974日本生命保険相互会社 52,017東京都 42,676株式会社三井住友銀行 35,927株式会社みずほコーポレート銀行 35,234株式会社新生銀行 16,389ステート ストリート バンクアンドトラスト カンパニー 505103 15,567東京電力従業員持株会 13,354

株式分布状況:

所有株主別株式分布状況

所有株数別株主分布状況

100株未満21.7%

証券会社0.8%

政府、地方公共団体3.2%

外国法人等14.1%

個人・その他38.1%

その他法人6.4%

金融機関37.4%

100,000株以上0.1%

1,000~9,999株20.7%

100~999株57.0%

10,000~99,999株0.5%

お問い合わせ先:東京電力株式会社・総務部株式グループ・経理部財務グループ〒100-8560 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号電話:(03)4216-1111(代表)FAX:(03)4216-2539

東京電力IRサイトhttp://www.tepco.co.jp/ir/index-j.html決算情報に加え、事業内容の紹介なども掲載しています。ぜひ、ご覧下さい。

Page 78: アニュアルレポート 2005 - TEPCO2,775 ガス 35.8% イタリア電力公社(ENEL) 1,521 石油 31.6% その他 3.8% 注:1. 出所:「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES

このレポートはFSCに認定された再生紙と環境にやさしい植物性大豆インキを使用しています。また、印刷工程で有害な廃液を出さない水なし印刷方式で印刷しています。 Published August 2005

Cert no. SA-COC-1210