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フーリエ変換・ラプラス変換...5 Fourier 級数展開 周期関数(x の増加に伴って周期的な値を取る関数)は一般にどの様に表せるか考えてみた

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フーリエ変換・ラプラス変換

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2

まとめ Fourier級数展開(周期2πの関数の場合)

1)( )cossin(

nnnx nxbnxaCf    

,

xdnxfb

dxnxfa

dxfC

xn

xn

x

2

0 )(

2

0 )(

2

0 )(

)cos(1

)sin(121

 

 

Fourier級数展開(周期 Lの関数の場合)

1)( )cossin(

nnnx L

nbxL

naCf    

,

xdxL

nfL

b

dxxL

nfL

a

dxfL

C

L

L xn

L

L xn

L

L x

)cos(1

)sin(121

)(

)(

)(

 

 

Fourier変換と逆変換

)(21

)()(

)()(

フーリエ逆変換ω      

  (フーリエ変換)    

ωω

ωω

degf

dxefg

xix

xix

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3

Parsevalの等式

ω   ω dgdxf x

2

)(

2

)( 21

Convolution定理

フーリエ変換が )(2)(1)( ωωω  ggG で、 )(1ωg , )(2ωg の逆フーリエ変換が )(1ωf , )(2ωf である時、

      dtffF ttxx )(2)(1)(

Laplace変換と逆変換

 (ラプラス逆変換)   

  (ラプラス変換)    

dsFei

f

dxefF

ia

ia ssx

x

sxxs

)()(

0 )()(

21

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4

Laplace変換表

ラプラス空間 実空間

s1 1 , )(tu

2

1s

t

1

1ns

nt

as1

atem

)(1

ass )1(1 ate

am

22 ass

cos(at)

22 ass

cosh(at)

22 asa

sin(at)

22 asa

sinh(at)

)0()( xXs s )(tx

)0()0()(2 xxsXs s )(tx

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5

Fourier級数展開

周期関数(xの増加に伴って周期的な値を取る関数)は一般にどの様に表せるか考えてみたい。

まずは周期が 2πの関数は一般にどの様に表せるか考えてみよう。つまり、 )2()( xx ff

(x=0の時の値と x=2πの時の値が同じである)という関数 fを探すクイズである。でも 実は答えは簡単に見つかってしまう。答えはいくつかあって、

xf x sin)(

xf x 2sin)(

xf x sin2)(

などがそうである。

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6

もっと複雑な形を考えて、一般解を見つけよう。

・・・         xxxf x 3sin22sin3sin)(

なども解になるので、0

)( sinn

nx nxaf   とできる。n が負の場合を考えないのは、

)sin()sin( xx   という性質があるためである。さらに、cosについても同様の議論を行え

る。ので 0

)( cosn

nx nxaf   も解である。これらを統合して

0)( )cossin(

nnnx nxbnxaf  

さらに、xに関係のない定数がくっついていても )2()( xx ff の要求を満たすので

0)( )cossin(

nnnx nxbnxacf    

n=0の時は xがいかなる値でも 00sin0a 、 00 0cos bb という定数になるのでシグ

マの外に出して c と合併する。( 0n の時は x の値によって変動するのでΣの外に出せない。)

1

0)(

)cossin(

)cossin(

nnn

nnnx

nxbnxaC

nxbnxacf

     

   

これが一般解であり、フーリエ級数展開と呼ばれている。ここから得られる大事な結論は いかなる周期2πの関数も sinと cosと定数の和で表現できるということである。

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7

[Q1] 1

)( )cossin(n

nnx nxbnxaCf   の C , na , nb を求めよ。

両辺を一周期の区間で積分すると

         

        

          

        

C

xC

dxnxbnxaCdx

dxnxbnxaCdxdxf

n

nnn

nnnx

2

0

)cossin(

)cossin(

1

20

1

2

0

2

0

2

01

2

0

2

0 )(

2

0 )(21 dxfC x

両辺に sin(mx)をかけて積分すると

           

             

        

n

n

nnnx

a

dxnxnxa

dxmxnxbmxnxadxmxCdxmxf

2

0

2

01

2

0

2

0 )(

)0sinsin(0

)sincossinsin()sin()sin(

2

0 )( )sin(1 dxmxfa xn

同様に、cos(mx)をかけて積分すると 2

0 )( )cos(1 dxmxfb xn

※ sin(nx)cos(mx) の積分は、sinが奇関数、cosが遇関数なのでゼロになる。

sin(nx)sin(mx) , cos(nx)cos(mx)の積分は、積和変換で cosになるためゼロだが、n=mの時だけは cosの2倍角に帰着するため値が残る。いずれも計算してみればわかる。

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8

[Q2] 下図の波をフーリエ級数展開せよ。

π)π (

π) (

xx

f x 101

)(

周期2πの関数なので、以下の様に展開できる。

1)( )cossin(

nnnx nxbnxaCf    

xdnxfb

dxnxfa

dxfC

xn

xn

x

π

π

π

 

 

)cos(1

)sin(121

)(

)(

)(

もちろんこの式に代入して計算しても良いのだが、計算量を減らす工夫をしよう。

Cは )(xf の振動中心を決める定数である。この問題における )(xf は y=0を中心に振動して

いるので C=0 である。また、 )(xf は奇関数であるからフーリエ展開も奇関数の sin だけ

で構成されているはずである。以上より

1)()( )sin(1sin

nxnnx dxnxfanxaf

π   、    

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1)()( )sin(1sin

nxnnx dxnxfanxaf

π   、     を計算してみよう。

が偶数の時)  ( 

が奇数の時) (

   

   

   

   

   

 

   

π

π

π

π

π

n

nn

n

nxn

nxn

dxnxdxnx

dxnxfdxnxf

dxnxfa

nn

xx

xn

0

4

))1(1())1(1(1

)cos(1)cos(11

)sin()1()sin()1(1

)sin()sin(1

)sin(1

00

0

0

0

0 )()(

)(

以上より1

)( )12sin()12(

4n

x xnn

f   

)(xf が連続な関数である時にはフーリエ級数展開で完璧に展開することが出来るが、 )(xf が

不連続な関数であるときは、不連続点付近で近似の精度が落ちる。これは不連続関数を連

続関数の重ね合わせで表現しようとすることに無理があるからである。この現象を Gibbs現象という。これについては江端氏がまとめているのでそちらを参照のこと。

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10

Fourier級数展開の拡張

フーリエ級数展開 1

)( )cossin(n

nnx nxbnxaCf     は周期が 2πの関数にしか

適用できなかった。これを拡張し、2π以外の周期の関数も扱えるようにしよう。つまり

)()( Lxx ff を満たす関数を見つけるという問題である。

xL

nf x sin)(

この関数は L≦x≦2L , 2L≦x≦3L , ・・・で同じ値を持つことが分かる。よってこれは要求を満たしている。( )sin(nx の xを xπ/Lにしたと考えても良いだろう。)この fについて先程と同様の議論を進めてゆけば

1)( )cossin(

nnnx x

Lnbx

LnaCf    

,

xdxL

nfL

b

dxxL

nfL

a

dxfL

C

L

xn

L

xn

L

x

0 )(

0 )(

0 )(

)cos(1

)sin(121

 

 

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[Q3] 下図の波をフーリエ級数展開せよ。

)( LxAxLAf x 02

)(

周期2πの関数なので、以下の様に展開できる。

1)( )cossin(

nnnx x

Lnbx

LnaCf    

,

xdxL

nfL

b

dxxL

nfL

a

dxfL

C

L

xn

L

xn

L

x

0 )(

0 )(

0 )(

)cos(1

)sin(121

 

 

Cは )(xf の振動中心を決める定数である。この問題における )(xf は y=0を中心に振動して

いるので C=0 である。また、 )(xf は奇関数であるからフーリエ展開も奇関数の sin だけ

で構成されているはずである。以上より

10 )()( )sin(1)sin(

n

L

xnnx dxxL

nfL

axL

nbf    、    

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12

10 )()( )sin(1)sin(

n

L

xnnx dxxL

nfL

axL

naf   、   を計算してみよう。

が偶数の時)  (

が奇数の時)    (

   

   

   

    

    

   

   

 

   

nn

AL

n

nnnA

nAn

nA

nAn

nA

nnAx

LnnL

LnA

xL

nnAx

Ln

nLx

Lnx

nL

LA

dxxL

nAL

dxxL

nxLA

L

dxxL

nAxLA

L

dxxL

nfL

a

L

LL

L

LL

L

L

xn

2

0

1)cos()cos(2

)cos(02)cos(2

1)cos()cos(0)cos(2

)cos()cos()cos(2

)sin(1)sin(21

)sin(21

)sin(1

0

0

2

00

2

00

0

0 )(

以上より 1

)(2sin

nx x

Ln

nALf  

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Fourier級数展開の拡張 2

フーリエ級数展開 1

)( )cossin(n

nnx Lnbx

LnaCf     には sin と cos が含ま

れているので、これらを何とか指数関数で表したい。なぜなら指数関数のほうが取り扱い

(微分など)が簡単だからである。オイラーの公式 xixeix sincos を用いると

1

1

1

1

1)(

)(21)(

21

21

21

22

)cossin(

n

xL

nixL

ni

n

xL

ni

nn

xL

ni

nn

n

xL

nixL

ni

n

xL

nixL

ni

n

n

xL

nixL

ni

n

xL

nixL

ni

n

nnnx

BeAeC

eiabeiabC

eebeeiaC

eebieeaC

Lnbx

LnaCf

      

      

      

      

     

ここで    xdxL

nfL

bL

L xn )cos(1)( ,

L

L xn dxxL

nfL

a )sin(1)(  に注目すると、Aと B

の関係が見えてくる。 na , nb を指数関数に変換してから A, Bの標識に代入してみよう。

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xdeefLixdeef

L

xdieef

Lxdeef

L

dxxL

nfL

axdxL

nfL

b

L

L

xL

nixL

ni

x

L

L

xL

nixL

ni

x

L

L

xL

nixL

ni

x

L

L

xL

nixL

ni

x

L

L xn

L

L xn

)(2

)(21

21

21

)sin(1)cos(1

)()(

)()(

)()(

           

             

          

n

L

L

xL

ni

x

L

L

xL

nixL

nixL

nixL

ni

x

L

L

xL

nixL

ni

x

L

L

xL

nixL

ni

xnn

C

xdefL

xdeeeefL

xdeefLiixdeef

Liab

         

         

         

      

)(21

)(41

)(22

1)(121

21

)(

)(

)()(

カッコ内は積分なので、いかに x が変動しても最終的にただの数値になってしまう。そこで定数 Cとして表すことにした。nが添えてあるのは nは一つの数字ではなく 1,2,3,・・・という値を取るので、変数ではないにしろ気にしておきたいからである。同様にして

n

L

L

xL

ni

x

L

L

xL

nixL

nixL

nixL

ni

x

L

L

xL

nixL

ni

x

L

L

xL

nixL

ni

xnn

C

xdefL

xdeeeefL

xdeefLiixdeef

Liab

         

         

         

      

)(21

)(41

)(22

1)(21

21

21

)(

)(

)()(

Cの添え字を- nにしたのは、 nC でnの代わりに- nを代入すると同じ値になるからである。

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15

n

xL

ni

n

n n

xL

ni

n

xL

ni

n

n

xL

ni

n

n n

xL

ni

n

xL

ni

n

n

xL

ni

n

xL

ni

nx

eC

eCeCeC

eCeCC

eCeCCf

      

           

               

        

1 10

1 1

1)(

ここで、C= 0a + 0b +定数 だったので、Cは  0n

xL

ni

neC と表せないのではと思うかも

しれないが、定数部を 0a , 0b に吸収させたと考えれば、それでよい事が分かる。以上より

n

xL

ni

nx eCf     )(

tdefL

CL

L

tL

ni

tn )(21

)(    

これがフーリエ級数展開の指数関数(複素数)表示である。

nC の表式で xを tに変えたのは

n

xL

niL

L

xL

ni

xx exdefL

f )(21

)()(     

これだと微少長さ dxが変動することになってしまう。そういう 意味ではないので、違う文字でおいて誤解を避けることにした。

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16

Fourier級数展開の拡張 3

フーリエ級数展開 n

xL

ni

nx eCf   )( , tdefL

CL

L

tL

ni

tn )(21

)(   は周期が L で

ある関数について成り立つものであった。では L→∞(周期が∞)の時はどのようになるか考えてみよう。周期が∞の関数と言うのは xを-∞から+∞まで変化させても1周期分しかない、よって周期関数でない関数ということになる。

まずは n

xL

ni

nx eCf   )(で nL

πと置いてみる。

いま L→∞を考えているので、L1ω は超微少な値になる。しかし nについてはΣがある

ので、この超微少な値の(2倍を入れた時)+(3倍を入れた時)・・・と-∞倍から∞倍ま

を足し合わせる。これはまさに dω=Lπの積分である。

ω     

ω     

     

     

    

ωω

ωω

deg

egd

etdefL

etdefL

eCf

xi

n

xi

n

xL

niL

L

tL

ni

t

n

xL

niL

L

tL

ni

t

n

xL

ni

nx

n

n

)(

)(

)(

)(

)(

21

21

)(21

)(21

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17

まとめると以下の様になる。

dxefg

degf

xix

xix

ωω

ωω

    

ω    

)()(

)()( 21

この、周期の無い関数にも適応できるフーリエ級数展開をフーリエ変換と呼ぶ。

フーリエ変換は dxf x

2

)( が収束するものにしか行えない。収束しないと gが不定か発散

になってしまうからである。この条件を2L ノルム有界と言う。でも xie ω

があるためどんな

関数も収束するのでは?と思うかもしれないが、これは複素数であるため押さえにならな

い。

Page 18: フーリエ変換・ラプラス変換...5 Fourier 級数展開 周期関数(x の増加に伴って周期的な値を取る関数)は一般にどの様に表せるか考えてみた

18

[Q4] )sin()( ktf t のフーリエ変換を求めよ。 フーリエ変換の式に代入すると

)δ(δπ

  

)δ(δπ

  

)δ(δπ

  

ππ

π  

ωπ

ωπ

π  

ωω  

ω  

ω  

ω   

ωω

ωω

ωω

ωω

ω

ω

ωω

)()(

)()(

)()(

)()(

)()(

)()(

)22

(

)22

(22

)(21

)2

(

)sin(

F

kk

kk

ba

ibtiat

tkitki

tkitki

tiiktikt

ti

tit

i

i

i

dbedaei

dedei

dedei

deiee

dekt

def

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19

[Q5] )(0)()(

ttt VRI

dtdI

L δ+ の特解を求めよ。

フーリエ逆変換を用いて

)2

()2

()2

( )(0

)()(ω

π

δ  ω

π +ω

π  ωωωωωω deVde

IRde

IdtdL tititi

1

)()(

   

δδ ωω dte ti

t

)()()(-

0)()( ω   +ω ωωω

ωω deVdteIRdteILi tititi

)()()( 0)()(tititi eVeIReILi ωω

ωω

ω    ω

L

VIω

    ω iR0

)(

Page 20: フーリエ変換・ラプラス変換...5 Fourier 級数展開 周期関数(x の増加に伴って周期的な値を取る関数)は一般にどの様に表せるか考えてみた

20

この )(ωI をフーリエ変換の式に代入して

ω  ω

    

ω ω

  

ω    

ω

ω

ωω

dL

eV

deL

V

deI

ti

ti

tit

iR2

iR21

2I

0

0

)()(

あとは複素積分を行えば t

LR

t eL

VI 0

)(    という解(特解)が求まる。

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21

[Q6] )sin(0)()( kxVRI

dtdI

L tt+ の特解を求めよ。

フーリエ逆変換を用いて

)2

)(()

2()

2(

)()(

0)()( dteiVdte

IRdte

IdtdL ti

kktiti ω

ωωωωωω

π

δδπ

  π

 +π

))(()()( )()(0)()( dtei

VdteIRdteILi tikk

titi ωωω

ωω

ωω δδ

π   +ω

)( )()(0)()( ωωωω δδπ

   +ω kkiVIRILi

)(iR1

)()(0

)( ωωω δδπ 

ω     kki

VL

I

)(

- )()(0

)( ωωω δδω

π     kkiRL

VI

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22

この )(ωI をフーリエ変換の式に代入して

)sin(

)cossin()(

)cossin(2)(2

))sin)(cos()sin)(cos((2

)))(()()((

2

)(2

)(2

)(21

2I

222

0

222222

222222

0

2220

2220

0

0

)()(0

)()(0

)()(

φ  

  

  

  

  

  

ω δω

δω   

ω δδω

π

π  

ω    

ω

ω

ω

ω

ωωω

ωω

ktLkR

V

ktLkR

kLktLkR

RLkRLkR

V

ktkLktRLkR

V

LkRktiktkLiRktiktkLiRV

kLiRkLiRekLiRekLiRV

iRkLe

iRkLeV

diRL

eiRL

eV

deiRL

V

deI

iktikt

iktikt

k

ti

k

ti

tikk

tit

以上より )sin(222

0)( φ   kt

LkR

VI t と解(特解)が求まる。

Page 23: フーリエ変換・ラプラス変換...5 Fourier 級数展開 周期関数(x の増加に伴って周期的な値を取る関数)は一般にどの様に表せるか考えてみた

23

Fourier変換の世界

フーリエ変換には、単に関数を sinや eで展開できるという以上の意味がある。 一見関係ないようだが、まずはここから考えてゆこう。任意の点 P は直行座標でかならず表す事が出来る。

zcybxaP      

このとき x、y、zの間には内積がゼロ(例えば 0  yx )が成り立っているため3軸は

直交しおり、これらが張る三次元空間で全ての関数を表すことができる。

ところで、フーリエ級数展開 ・・・   +     xcxbxaf x 3sin2sinsin)( は全

ての関数について行えるので、任意の点 1P , 2P ,・・・は以下の様に表せる。

   ・          

   ・          

   ・          

・・・         

・・・         

・・・         

333333)(3

222222)(2

111111)(1

3sin2sinsin

3sin2sinsin

3sin2sinsin

3

2

1

xcxbxafP

xcxbxafP

xcxbxafP

x

x

x

するとこれは sinx、sin2x、sin3x、・・・を直交軸とする無限次元空間で全ての関数を表す事が出来る・・・ということになるだろう。また本当に直交しているかを確かめる式は

1P のとき 1sin x と 12sin x の内積は・・・、 2P のとき 2sin x と 22sin x ・・・と確かめるため、

dxmxnx ))(sin(sin

を計算すればよいだろう。(n=mの時だけ値があればよい。)

Page 24: フーリエ変換・ラプラス変換...5 Fourier 級数展開 周期関数(x の増加に伴って周期的な値を取る関数)は一般にどの様に表せるか考えてみた

24

まとめると、 任意の点 Pを色々な座標でみることができる。座標にはいくつか種類があり、直交座標(三次元)、極座標(三次元)、円筒座標(三次元)、フーリエ空間(無限次元)などが存在する・・・

ということである。これは P をどの様な物差しで測るかということで、P 自体は何も変わっていない。

),3sin,2sin,(sin),,(),,(),,( ・・・xxxzrrzyx PPPP

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25

Parsevalの等式

いま、関数 fの値 dxx

2

)(f を計算をしてみよう。

 ω         

 ω         

 ω         

 ωω         

     f

ωω

ωω

ωω

ωω

ωω

dxdtdegg

dxdtdegg

dxdtegdeg

dxdegdeg

dxffdx

tixt

tixt

itxt

xi

xixi

xxx

)()()(

*

)()()(

*

)()(*

)()(*

)(*

)(

2

)(

21

21

21

21

21

21

21

21

積分の順序は自由であること、またデルタ関数の定義 dyeixyx 2

1)( にも注目すると

ω         

ω         

ω         

ω         

ω

ωω

ωω

ωω

dg

dgg

dtdgg

dtddxegg

tt

tixt

2

)(

)()(*

)()()(*

)()()(

*

21

21

21

21

21

この結果は当然である。なぜなら実空間とフーリエ空間は、ある関数 fをどの座標でみているかという違いなので、実空間での値とフーリエ空間での値が変わってはならない。 これを「パーセバルの等式」と呼ぶ。

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26

音波を使ってパーセバルの等式を直感的に説明してみよう。 スピーカーから音が出ており、その音量が 10dbの音量で聞こえた。 フーリエ変換するとスピーカーからの音は 10kHzと 100kHzと 1000kHzで構成されていることが分かった。スピーカーからその3つの波が別々に出ているとして、それらの音量

の和を求めたとしても、それは 10dbでなければならない。

低音← →高音

カーステレオなどに付いているアレ

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27

Convolution定理(畳み込み積分)

フーリエ変換が ωωω sin)( eG である時、もとの関数 )( xF は

ωe の逆フーリエ変換と ωsin

の逆フーリエ変換の積になるのでは・・・と思う。もしそうなら計算が随分楽になる。こ

れが本当に成り立つのか一般的にチェックしてみよう。

dtdxeff

dtefdxef

dxefdxef

ggG

txitx

tit

xix

xix

xix

)()(2)(1

)(2)(1

)(2)(1

)(2)(1)(

ω

ωω

ωω

ωωω

      

      

      

   

ここで、x+t=yと置くと

dtdyeff yitty

ω       )(2)(1

dteffeF

dtdyeffdyeF

dtdyeffdxeF

dtdyeffG

yitty

yiy

yitty

yiy

yitty

xix

yitty

ωω

ωω

ωω

ωω

      

     

     

        

)(2)(1)(

)(2)(1)(

)(2)(1)(

)(2)(1)(

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ωω

ωω

dtffF

dtffF

edtffeF

dteffeF

ttxx

ttyy

yitty

yiy

yitty

yiy

)(2)(1)(

)(2)(1)(

)(2)(1)(

)(2)(1)(

以上より、 )(2)(1)( ωωω  ggG で、 )(ωG , )(1ωg , )(2ωg の個々の逆フーリエ変換が

)(ωF , )(1ωf , )(2ωf である時、 )(2)(1)( xxx ffF   は成り立たず

      dtffF ttxx )(2)(1)(

となる。これをコンボリューション定理と呼ぶ。

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29

Laplace変換

フーリエ変換は

2L ノルム有界な関数についてしか行えなかった。これを何とか改良して、どんな関数でも行えるようにしたい。

いま、2L ノルム有界を満たさない関数 )(xf があるとする。これを無理矢理収束させるには

dxef axx)(

一見解決できたかに見えるが、これでは+∞の時は収束しても、-∞の時が収束しない。

dxef axx0 )(

これで解決する。しかしフーリエ変換の定義は-∞から+∞なので、なんとか積分領域を伸ばしたい。そこで、ステップ関数θ(x<0で 0 、 0<xで 1)をかける。

dxef axxx )()(θ

これで積分領域を保ちつつ収束させることに成功した。ではフーリエ変換してみよう。

dxef

dxef

dxeefg

xiax

xiaxx

xiaxxx

0

)()(

)()()(

)()()(

ω

ω

ωω

   

θ   

θ  

Page 30: フーリエ変換・ラプラス変換...5 Fourier 級数展開 周期関数(x の増加に伴って周期的な値を取る関数)は一般にどの様に表せるか考えてみた

30

dxefg xiax0

)()()(

ωω   

ここで a+iω=sと置き換えると

dxefF sxxs 0 )()(   

これをラプラス変換と呼ぶ。 フーリエ逆変換は

dsFei

f

dseeFi

fe

deFfe

xdeFfe

deFfe

ia

ia ssx

x

ia

ia

sxaxsx

ax

xasx

ax

xix

ax

xix

axx

)()(

)()(

)()()(

)()(

)()()(

21

2121

)0(21

21

     

   

ω    

ω      

ω   θ

ω

ωω

ωω

これがラプラス逆変換である。

Page 31: フーリエ変換・ラプラス変換...5 Fourier 級数展開 周期関数(x の増加に伴って周期的な値を取る関数)は一般にどの様に表せるか考えてみた

31

微分方程式の Laplace変換による解法

ラプラス変換の値を覚えておくと、非常に鮮やかに微分方程式を解くことが出来る。 物理問題で現れやすいラプラス変換を書き出しておくと

ラプラス空間 実空間

s1 1 , )(tu

2

1s

t

1

1ns

nt

as1

atem

)(1

ass )1(1 ate

am

22 ass

cos(at)

22 ass

cosh(at)

22 asa

sin(at)

22 asa

sinh(at)

これらはもちろん定義に従って計算すれば求まるのだが、これらを暗記するかもしくは割

り切って公式集を見るのがミソである。これから続く問題を見てみればそれがわかるだろ

う。

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[Q7] )(tx )(tx のラプラス変換を求めよ。

)0()(

)()0(

0 )()0(

0 )(0)(

0)()(

0

0

xsX

sXx

dtexsx

dtexsex

dtexX

s

s

stt

stt

stt

stts

    

    

    

    

  

)0()0()(2

)0()0()(

)0()(

0)()0(

0)(

0)(

0)()(

)(

0

xsxXs

xxsXs

xXs

dtexsx

dtexsex

dtexX

s

s

s

stt

stt

stt

stts

    

    

    

    

    

  

Page 33: フーリエ変換・ラプラス変換...5 Fourier 級数展開 周期関数(x の増加に伴って周期的な値を取る関数)は一般にどの様に表せるか考えてみた

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[Q8] ) ( 0)0(iERidtdiL を解け。

両辺をラプラス変換して

)(

1

)(

1)(

1)0(

1)(

)(

)(

)(

)()(

)()0()(

LRssL

EI

RLssEI

sEIRLs

sERIsIL

sERIisIL

s

s

s

ss

ss

       

       

     

  

 

ラプラス変換表と見比べれば

tLR

tLR

t

eRL

eRL

LEi

1

1)(

     

    

Page 34: フーリエ変換・ラプラス変換...5 Fourier 級数展開 周期関数(x の増加に伴って周期的な値を取る関数)は一般にどの様に表せるか考えてみた

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[Q9] ) ( 5,3423 )0()0(2

2

2

xxexdtdx

dtxd t を解け。

両辺をラプラス変換して

214143)23(

21429353

21423

)(2

)()()(2

)()0()()0()0()(2

ssXss

sXsXsXs

sXxsXxsxXs

s

sss

sss

               

            

        

2

2

2

2

2)(

)2(4

21

17

)1()2(24203

224203

)1)(2(1

)143(2

423

1

sss

ssss

sss

ss

sssX s

          

      

      

    

ラプラス変換表と見比べれば

tttt teeex 22)( 447    

※ もちろんラプラス逆変換を真面目に計算してもよいのだが、そうすると複素積分が出

てくるために計算が大変で、普通に解くのと労力が変わらなくなってしまう。

Page 35: フーリエ変換・ラプラス変換...5 Fourier 級数展開 周期関数(x の増加に伴って周期的な値を取る関数)は一般にどの様に表せるか考えてみた

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[Q10] ) ( 1,0sin52 )0()0(2

2

xxtexdtdx

dtxd t を解け。

両辺をラプラス変換して

)22(11)52(

1)1(150210

sin52

2)(2

2)()()(2

0

)1()()0()()0()0()(

2

ssXss

sXsXsXs

tdteXxsXxsxXs

s

sss

tssss

                 

            

        

4)1(1

32

1)1(1

31

521

32

221

31

)52)(22(32

22

22

22

2

)(

ss

ssss

ssssssX s

        

         

    

ラプラス変換表と見比べれば

       

       

tte

tetex

t

ttt

2sinsin31

2sin21

32sin

31

)(

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[Q11] )1,10(02

0432yxt

yxdtdy

dtdx

yxdtdy

dtdx

で    を解け。

初期条件に気を付けつつ 2式の両辺をラプラス変換すると

02))1(()1(

043))1(()1(2

)()()()(

)()()()(

        

      

ssss

ssss

YXsYsX

YXsYsX

簡単な連立方程式になったので、Xと Yについてまとめる。

1)1(1

1)1(1

2)(

2)(

ssY

sX

s

s

 

ラプラス逆変換を用いれば、解が求まる。

)cos(

))sin()(cos(

)(

)(

tey

ttex

tt

tt

 

Page 37: フーリエ変換・ラプラス変換...5 Fourier 級数展開 周期関数(x の増加に伴って周期的な値を取る関数)は一般にどの様に表せるか考えてみた

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Fourier / Laplace変換 まとめ フーリエ変換は初期条件を考慮せずに用いることができ、方程式の特別解を得ることが出来る。 ラプラス変換は初期条件無しに用いることはできず、方程式の一般解を得ることが出来る。 両変換の数学的な有用性は、微分方程式を代数方程式に変換することによって計算を簡単にでき

ることにあるが、物理的な有用性はどう説明されるのだろうか? フーリエ変換は初期条件によらない解を導くが、これは与えられた系の初期条件によらない状態

(定常状態)が得られているということである。一方でラプラス変換は初期値による解、つまり

定常的でない状態が得られる。二つの変換は異なるコンセプトで用いるもので、決して「フーリ

エ変換を便利にしたのがラプラス変換」では無いのである。 物理問題は大別して「定常状態を探る問題」と「初期値問題」の2つに分けられる。よって、与

えられた問題がどちらを聞いているのかを見極める力があれば、自ずとどちらの変換を使うべき

かが見えてくるのである。

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[参考文献]

・ マグロウヒル大学演習シリーズ「フーリエ解析」

Murry R. Spigel著 中野寛 訳 オーム社

・ マグロウヒル大学演習シリーズ「ラプラス変換」 Murry R. Spigel著 中野寛 訳 オーム社

・ 「使える数学 フーリエ変換・ラプラス変換」

楠田信・平居孝之・福田亮治 著 共立出版株式会社 ・ 物理数学 2のテキストとノート ・ 物理数学演習のテキストとノート ・ 江端修一郎氏のまとめノート

著者 井上 http://bme.web.infoseek.co.jp