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Copyright©2017 infcurion-group ,Inc.All Rights Reserved.
2017年3月31日
株式会社インフキュリオン・グループ 代表取締役一般社団法人FinTech協会 代表理事
丸山 弘毅
クレジットカードデータ活用に係る API 連携に関する検討会資料
資料5
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決済業界のAPI現況
PAGE. 1
加盟店
PSP・
PISP(一部)
ユーザー
銀行
イシュアアクワイアラ
国際ブランド
国際ブランドをはじめ、多くの決済プレイヤーたちが、API公開への流れを加速。世界規模で、FinTechのAPIエコノミーが構築されつつある
PISP・
AISP
API API API
API
API
Visaは2016年、MasterCardは2012年に事業者向けAPIを公開。
API
世界各地で、APIを活用したFinTechサービスが勃興している。
2017年、銀行法改正の閣議決定。一部銀行は、既にAPI公開開始。
API API公開が進んでいる領域 API 検討段階
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ブランドでの取組事例
PAGE. 2
Visaは、オープンプラットフォーム「Visa Developer」を立ち上げ、世界中のFinTech事業者に対し、150ものシステムにアクセス可能なAPIを公開
Visaが公開しているAPI
Visaが処理テクノロジーをサードパーティに公開するのは、約60年の同社の歴史の中で初めて。FinTechの流れにより、世界の決済業界が急激に動く中で、世界中の事業者に対してAPIを公開した。
2016年2月に発表
PaymentMethods
(決済)
Visa Checkoutをはじめとした、決済・送金に関するAPIを提供。
Risk and Fraud
(リスク検知)
決済利用場所通知やトークン管理等の、リスク検知・セキュリティに関するAPIを提供。
Data and Analytics
(データ分析)
加盟店情報・Visa対応ATM検索等、各種データに関するAPIを提供。
Loyalty and Offers
(ロイヤリティ)クーポンの発行やリコメンドに関するAPIを提供。
Trials(トライアル)
仮想通貨取引などのAPIを提供。
出所:Visa Developerサービスサイト
Copyright©2017 infcurion-group ,Inc.All Rights Reserved. PAGE. 3
Stripeをはじめとする世界各地のPSP事業者は、APIを活用することで、Webサイト/モバイルアプリ内に、容易に決済サービスを導入できるプロダクトを展開
PSPの取組事例
クレジットカード決済はもちろん、関連会社のPayPal、Venmo払い等、幅広い決済サービスを利用できる。
サイト内に数行のコードを埋め込むだけで決済機能を導入できるサービスを展開。
東南アジアでの決済ソリューション提供に強みを持つスタートアップ。アジア各国の主要決済手段を一括で導入・管理できる。
adidas・Facebook・Salesforce等のグローバル企業をはじめとして、全世界で100,000社以上に導入
UBER・yelp・Dropbox等を顧客に持ち、全世界40カ国以上で展開
スタートアップから多国籍企業まで東南アジア地域のリーディングカンパニーに導入
世界各国のPSP事業者(例)
出所:各社ホームページ
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Empyrは、国際ブランドAPIを活用することで、Webメディア事業者に対するO2O導入支援サービスを展開
APIサービス事例
Empyrが提供するO2Oサービス (yelpの事例)
Empyrを活用した「Get 10% Cash Back」
のオファーボタン
①Empyrの機能でyelp上にcashback
ボタンを表示
②興味あるオファーを選択し、自分のクレジッ
トカードを登録
③登録したクレジットカードを使い、店舗にて
決済
④1か月に一度、銀行口座に当月分のキャッ
シュバック振込
出所:Empyrサービスページ
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カード会社におけるAPI活用
PAGE. 5
カード会社(イシュア)がAPIを公開することにより、マーケティング面・業務面など、幅広い分野で新たなサービス実現の可能性がある。
新規顧客の獲得・利用促進
米Capital One、finbeeの事例
コスト削減
米Ondot、CRECOの事例
データクレンジング・統合
米Plaidの事例
API活用で実現されうること (例)
日本国内特有の環境により、海外事例がそのまま適用できないケースも多いが、事例を参考に、日本ならではのサービス構築も検討できると想定
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新規顧客の獲得
PAGE. 6
カード商品情報や信用状況に応じたレコメンド機能を外部サービスに提供することで、顧客獲得の漏れの防止や、新規開拓につなげることが可能
米Capital Oneの事例
米Capital Oneは、外部企業に対し「クレジットカード提案API」を公開することで、既存自社チャネル以外のルートで、新規顧客を獲得している。
出所:Capital Oneサービスサイト
②Capital OneのAPIをコール
①年収・社会保障番号等の情報を入力
③60秒以内に最適なカード商品を選定
④Credit Sesameの導線上で、各ユーザーに最適な
Capital Oneのカードを提案
Capital One API利用企業 ユーザー
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利用促進
PAGE. 7
カード利用履歴を即時取得できる環境を構築することで、新たなカード利用者層の掘り起こしや、従来にないカード利用シーン創出を期待できる
finbeeの事例
finbeeは、貯金アプリとカード利用履歴をAPIで紐づけることで、カード決済時に生じた端数を自動貯金するサービスを展開。( 例:700円のカード決済をした場合、1,000円に対する端数である300円が自動貯金される)
カード利用履歴
銀行残高
API
①参照
②カード決済額
API④貯金を指図
③端数を算出
Aさんは700円のカード決済をした
1,000円に対する端数は300円
Aさんの銀行口座に300円を貯金
出所:ネストエッグ
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不正検知コストの削減
PAGE. 8
カードのOn/Offなど「セルフコントロール機能」の公開により、不正検知コストの圧縮も期待できる
米Ondotの事例
アプリ上から、各カードの決済可能条件(エリア・加盟店業種・チャネル等)を設定できるOndotの活用で、カードの不正利用が約4割削減された。
出所:Ondotサービスサイト
クレジットカード自体のON/OFFコントロール
クレジットカード利用可能エリアの設定
クレジットカードが使用できる加盟店業種(ガソリンスタンド等)の設定
クレジットカードが使用できるチャネル(リアル・EC等)の指定
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督促・債権回収コストの削減
PAGE. 9
残高不足を事前検知し、ユーザーに対しアラートをあげることが可能。加えて、この状況をカード会社にフィードバックすることで、事前に振替不能者の把握の可能性もある
CRECOとみずほ銀行の事例
CRECOはみずほ銀行と連携し、引落日に口座の残高不足が発生すると予測される場合には、「みずほダイレクトアプリ」から適切な金融取引サービスを提案する機能を実装。
出所:アイ・ティ・リアライズ株式会社のプレスリリース
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データクレンジング・統合
PAGE. 10
APIエコノミーの中で、カード会社の決済データや加盟店情報がクレンジング・統合され、消費者対応や加盟店管理に反映できる可能性がある
APIを活用したデータクレンジング・統合
カード会社データベース
API API
①APIにより決済データや加盟店情報を取得
③データのフィードバック
②自社サービスに活用するためのデータクレンジング・統合
④クレンジング・統合されたデータを取得し事業に活用
従来のカード会社が持つ情報は、必ずしも十分な正確性を持っていない
例えばPFM企業は、ユーザー自身がデータ修正に関わることで、データの正確性を向上させている
消費者対応や加盟店管理への反映
カード会社 FinTech企業
FinTech企業データベース
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【参考】Plaidによるデータクレンジング・統合
PAGE. 11
Plaidは、金融機関のデータをクレンジング・統合を実現
米Plaidによるデータクレンジング・統合
出所:PLAIDサービスページ
クレンジング前は、加盟店名が略称である他、十分なデータも取得できていない
Plaidのクレンジング・統合により、より精緻で正確な情報になった
Before After
PRCH STARBU ST SACR CA XXXXXXCARD 2760 $3.99
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期待される効果 API活用案 詳細
新規顧客の獲得・利用促進
カード商品情報や与信エンジンの提供による獲得
カード商品情報や与信エンジンを外部サービスに提供することで、利用者に最適なカードの提案を行うなど、新たなチャネルからの顧客獲得が期待できる。
カード利用履歴を即時取得できる機能
カード利用履歴を即時取得できる環境を構築することで、カードの端数の貯金・津市などにより、新たなカード利用者層の掘り起こしや、従来にないカード利用シーン創出が期待できる。
外部サービス上でのポイント利用・交換
外部サービス(サイト/アプリ)上で、ポイント利用・交換可能な仕組みを提供することにより、顧客満足度の向上及びカード利用促進が期待できる。
外部サービス上での支払手段変更
リボ払い変更や分割払い変更を、外部サービスから手軽に申込・変更できる機能により、収益増加が期待できる。
コスト削減
利用通知やカードセルフコントロールによる不正検知
決済利用通知やカードセルフコントロール機能に関するAPIを充実させることで、不正使用の防止や早期検知に繋がり、当該業務のコスト削減が見込める。
残高不足アラートによる延滞防止
引き落とし情報と銀行口座残高情報を紐付け、残高不足アラートを上げることで延滞防止に繋げたり、カード会社側で事前に引き落とし不能状態を把握することで、督促業務コストの削減が期待できる。
洗い替えの簡潔化によるコスト削減
バッチ処理されている洗い替えの作業をAPI化することにより、低コストかつ迅速な洗い替え作業の実現が見込める。
悪質加盟店・不正利用対応のコスト削減
悪質加盟店や不正利用時の対応における、イシュア・アクワイアラー間の円滑な情報連携によるコスト削減が期待できる。
データクレンジング・統合
AI・集合知・クレンジング技術の活用
カード利用明細と、PFM事業者が保有する高精度な業種情報、またAIやクロール技術を用いたクレンジング技術を活用することで、明細の精緻化や、加盟店業種の正確な把握などが期待できる。
加盟店情報との結合加盟店が保有する情報とクレジット利用明細を紐付けることで、従来以上に高精度なレコメンドやクーポンオファーの実現を期待できる。
カード会社のAPI活用案
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カード市場拡大への可能性
12%
16%
26%
27%
46%
5.サインや暗証番号の入力が面倒
4.金利負担が生じるのを避けたい
3.原則は現金払い主義/なんとなくクレ
ジット…
2.セキュリティなど安全性に不安がある
1.使い過ぎが気にかかる
クレジットカードを利用していない理由
上位5位 (MA)
PAGE. 13
カード決済時のお釣りを自動的に投資・貯蓄するなど、現金決済では実現できない付加価値を付与することで、動機づけが可能となる。
銀行口座残高情報などと組み合わせることで、事前にアラートを上げることが可能。
自分で利用上限額を設定したり、利用後リアルタイムで金額を把握することも可能。
カード決済時のお釣りで貯金・投資など、カード利用による資産増加も可能。
カードAPIの公開によるオープンイノベーションの促進により、現在クレジットカードを利用していないユーザーのニーズを満たすサービスが生まれる可能性がある
カードセルフコントロールやリアルタイムでのカード利用アラートなどを用いることにより、不正利用の防止や早期検知を実現できる。
出所:日本銀行「生活意識に関するアンケート調査(第45回)