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1 分解組立する方について 分解組立は保守管理者 のみ行うことができます。この条件を満たさない場合は、キトーにご相談またはご依頼ください。 ※:チェーンブロックの構造や仕組みに関して精通し、専門知識を有すると事業体により認められた方 または、構造や仕組みに関して精通し、「定期点検基準マニュアル」や「分解組立マニュアル」を理解できる方 分解組立全般について 本チェーンブロックの分解組立マニュアルには、分解組立する方・お使いになる方や他の方への危害と財産の 損害を未然に防ぎ、安全に正しく分解組立していただくために重要な内容を記載しています。 分解組立を行う前に、別冊のチェーンブロック CX003/005 形または CX010L 形「取扱説明書」の内容も 適用されますので、事前にお読みいただき、あわせてお守りください。 また、本チェーンブロックの分解組立は、定期点検や修理時に欠かせません。別冊の「定期点検基準マニュアル」 と「故障の原因と対策」を参照し、正しく行ってください。 安全上のご注意 チェーンブロックの分解組立は、保守管理者以外の方は行わないでください。 保守管理者以外の方が行うと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。 禁  止 危険 オーバーロードリミッタ (OLL) を調整したり分解したりしないでください。 調整や分解をすると、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。 ※過度な負荷を防止する装置。ハンドホイルクミタテに内蔵されています。 禁  止 使用限界、判定基準を超えた部品、キトーチェーンブロック CX003/005/010L 形用 純正部品以外は使用しないでください。 キトーチェーンブロック純正部品であっても、モデルが異なると使用できない場合があります。 分解組立マニュアルに従って正しく部品を使用してください。 これらの内容を守らないと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。 禁  止 荷をつった状態でのチェーンブロックの分解組立は、行わないでください。 チェーンブロックの分解組立を行う場合は、製品を床に降ろして行ってください。 荷をつった状態で分解組立を行うと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。 禁  止 キトーチェーンブロック CX 形 分解組立マニュアル(CX003/005/010L 形) ブレーキバンに油を付けないでください。 ブレーキバンは、乾式です。 ブレーキバンに油が付着するとブレーキ不良が発生し、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。 禁  止 AS-CX1ZZZ-JPJ-01

キトーチェーンブロック CX形 - KITO · 2019-05-13 · 1 分解組立する方について 分解組立は保守管理者※のみ行うことができます。この条件を満たさない場合は、キトーにご相談またはご依頼ください。

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1

分解組立する方について分解組立は保守管理者※のみ行うことができます。この条件を満たさない場合は、キトーにご相談またはご依頼ください。※:チェーンブロックの構造や仕組みに関して精通し、専門知識を有すると事業体により認められた方 または、構造や仕組みに関して精通し、「定期点検基準マニュアル」や「分解組立マニュアル」を理解できる方

■分解組立全般について

本チェーンブロックの分解組立マニュアルには、分解組立する方・お使いになる方や他の方への危害と財産の損害を未然に防ぎ、安全に正しく分解組立していただくために重要な内容を記載しています。分解組立を行う前に、別冊のチェーンブロックCX003/005形またはCX010L形「取扱説明書」の内容も適用されますので、事前にお読みいただき、あわせてお守りください。また、本チェーンブロックの分解組立は、定期点検や修理時に欠かせません。別冊の「定期点検基準マニュアル」と「故障の原因と対策」を参照し、正しく行ってください。

安全上のご注意

チェーンブロックの分解組立は、保守管理者以外の方は行わないでください。保守管理者以外の方が行うと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。

禁  止

危険

オーバーロードリミッタ※(OLL) を調整したり分解したりしないでください。調整や分解をすると、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。※過度な負荷を防止する装置。ハンドホイルクミタテに内蔵されています。禁  止

使用限界、判定基準を超えた部品、キトーチェーンブロックCX003/005/010L 形用純正部品以外は使用しないでください。キトーチェーンブロック純正部品であっても、モデルが異なると使用できない場合があります。分解組立マニュアルに従って正しく部品を使用してください。これらの内容を守らないと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。

禁  止

荷をつった状態でのチェーンブロックの分解組立は、行わないでください。チェーンブロックの分解組立を行う場合は、製品を床に降ろして行ってください。荷をつった状態で分解組立を行うと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。禁  止

キトーチェーンブロック CX 形分解組立マニュアル(CX003/005/010L形)

ブレーキバンに油を付けないでください。ブレーキバンは、乾式です。ブレーキバンに油が付着するとブレーキ不良が発生し、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。禁  止

AS-CX1ZZZ-JPJ-01

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2

グリース・錆止め油を使用する場合は、火気や、火花の発生する場所で使用しないでください。発火の恐れがあります。禁  止

危険

ブレーキ部を組立てる場合は、ブレーキウケ・ブレーキバン・ツメグルマ・ツメグルマブッシュをきれいに拭いてください。ブレーキ面に油や・汚れ・異物が付着するとブレーキ不良が発生し、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。

強  制

ロードチェーンの切断・継ぎ足し、溶接はしないでください。守らないと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。

禁  止

組立が終了したら、機能検査(操作チェック)を行って正しく動作することを確認してください。守らないと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。詳しくは「操作のチェック」の項を参照してください。

強  制

組立する場合は、次の内容を守ってください。チェーンブロックが破損したり、部品脱落などによりけがの恐れがあります。• 分解後再使用する部品の汚れや油等は、拭き取りきれいにしてください。• 再組立する場合のグリースは、新しいグリースに交換してください。• 再組立する場合のスナップリングは、新品に交換してください。• 再組立する場合のワリピンは、新品に交換してください。• ボルト・ナットは規定の締付けトルクで締め付けてください。トルク値が小さい場合は、ねじが緩んで本体が分解する恐れがあります。また、トルク値が大きい場合は、メネジが破損して本体が分解する恐れがあります。• スナップリングは、完全に溝に組み込んでください。• ギヤ部の組立時に、ギヤ2同士のギヤマーク“O”“V”マークを合わせてください。• ロードチェーン(無負荷側)は、ねじれのないように組み込んでください。

注意

強  制

ツメ部を組立する場合は、次の内容を守ってください。荷が巻き上げられなくなります。• ツメバネクミを正しくツメに掛けてください。• ツメとツメグルマを正しくかみ合わせてください。

強  制

ハンドホイルクミタテは分解しないでください。守らないと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。

禁  止

ツメジクは分解しないでください。守らないと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。ツメジクがゆるんでいたら、ボディクミ(ツメジク含む)を交換してください。禁  止

ツメバネクミは必ず2つのツメバネを重ね合わせて、適正に組み合わせてください。適正でないと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。

ツメバネクミの下部を、ツメジクの段差の下まで確実に押し込んでください。守らないと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。

強  制

強  制

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3(つづく)

分解組立工具および潤滑油

分解組立の前に

分解組立には、以下の工具および潤滑油を用意してください。

No. 工具名 用途 アイコン

1 六角棒スパナ4mmフレームA・B、ギヤケース、ホイルカバー、ストッパ分解組立用

2 スナップリングプライヤ軸用 ツメ、カムガイド分解組立用

3 六角棒スパナ2.5mm チェーントメピン分解組立用

4 六角棒スパナ3mm シタカナグ、フックラッチ分解組立用

5 スパナ7mm,8mmx2,10mm ウエカナグ、シタカナグ、フックラッチ分解組立用

6 ラジオペンチ カムガイド用

7 自動車用ホイールベアリンググリース1種3号 (JISK2220) 下記以外の塗油箇所用

8 潤滑油形錆止め油2種1号(JISK2246) ツメ、ツメジクの塗油用

9 スリーボンド1401ロックタイト241または242

トメネジのネジロック、ウエカナグ /シタカナグ用ボルト組立用

10 トルクレンチ 締付力確認用

11 六角棒スパナ5mm ウエカナグ、シタカナグ分解組立用

危険

強  制

チェーンブロックの分解組立は、保守管理者以外の方は行わないでください。保守管理者以外の方が行うと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。

◆本マニュアルを熟読し、正しい分解・組立を行ってください。◆揚程変更の際は、キトーにご相談ください。

強  制

使用限界、判定基準を超えた部品、キトーチェーンブロックCX003/005/010L 形用純正部品以外は使用しないでください。キトーチェーンブロック純正部品であっても、モデルが異なると使用できない場合があります。分解組立マニュアルに従って正しく部品を使用してください。これらの内容を守らないと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。

強  制

荷をつった状態でのチェーンブロックの分解組立は、行わないでください。チェーンブロックの分解組立を行う場合は、製品を床に降ろして行ってください。荷をつった状態で分解組立を行うと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。

強  制

組立が終了したら、機能検査(操作チェック)を行って正しく動作することを確認してください。守らないと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。詳しくは「操作のチェック」の項を参照してください。

◆再組立するとき、スナップリング、ワリピンおよびグリースを必ず新品と交換してください。

◆分解組立中のボディを安定させるため、木製ブロック(2個)があると便利です。

トルク

NEW

オイル

ロック

グリース

5 mm

3 mm

4 mm

2.5 mm

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4

ホイルカバー

ハンドチェーン

ブレーキバン

カムガイド

ハンドホイルクミタテ(OLL内蔵)

ツメグルマツマグルマブッシュ

スナップリングツメツメバネクミ

ボディクミツナギジクロードシーブフレームB

ロードギヤロッカクアナツキボルト

ロッカクアナツキボルトギザツキサラバネザガネ

バネザガネ

ピニオン

ギヤ2

クサリガイドロードチェーンシタカナグ

ギヤケースクミ

ロッカクアナツキボルト

ギザツキサラバネザガネ

ブレーキウケロッカクアナツキトメネジチェーントメピンフレームA

ワリピンミゾナット

スナップリング

クサリピン

シタフック

ウエフックウエフッククミタテ フックラッチ

シタフックイッシキ

フックラッチ

シタフック シタフックイッシキフックラッチ

ロードチェーン

各部名称

CX005

CX003/005

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5

ウエフックウエフッククミタテ フックラッチ

シタフックシタフッククミタテ

フックラッチ

クサリピンクサリピンイッシキ

ワリピンミゾナット

ストッパブクミ

ロッカクアナツキボルトバネザガネ

ストッパB

ストッパA

ロードチェーン

CX010L(CX003/005と異なる部品名のみ記載)

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6

(3) ブレーキバン(2枚)、ツメグルマ、ツメグルマブッシュ、ブレーキウケをピニオンから外す。

ピニオンブレーキウケ

ツメグルマブッシュ

ツメグルマ

ブレーキバン

(つづく)

分解手順

ブレーキの分解1

(2) カムガイドのスナップリングを取り外し、ラジオペンチなどの先の細いものでカムガイドを外し、ハンドホイルクミタテを反時計回りに回転させて取り外す。

ハンドホイルクミタテ

カムガイド

スナップリング

ロッカクアナツキボルト

ホイルカバーギザツキサラバネザガネ

ハンドチェーン 4 mm

ハンドホイルクミタテは分解しないでください。守らないと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。

強  制

危険スナップリングを取り外すときは注意してください。けがの恐れがあります。

注意

強  制

(1) ホイルカバーの3つのロッカクアナツキボルト、ギザツキサラバネザガネを外し、ホイルカバーを外し、ハンドチェーンを取り外す。

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7

分解手順(つづき)

ロードチェーンの取り外し2

(2) ピニオンを反時計回りに回しながら、ロードチェーンを取り外す。

(1) ロッカクアナツキトメネジを外し、チェーントメピンを取り外す。

  チェーントメピンが取りにくい場合は、ギヤケース側面を軽くたたく。

チェーントメピン

ロッカクアナツキ トメネジ

2.5 mm

シタフック

ロードチェーン

ピニオン

シタフック、ロードチェーンを強く引っ張らないでください。チェーンがもつれるおそれがあります。

注意

強  制

(4) ツメジクのスナップリングを取り外し、ツメ、ツメバネクミを取り外す。

ツメバネクミ

ツメジク

ツメ

スナップリング

ツメジクは分解しないでください。もしゆるんでいたら、ボディクミ(ツメジク含む)を交換してください。強  制

危険スナップリングを取り外すときは注意してください。けがの恐れがあります。

注意

強  制

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8

(2) ツナギジクを引き抜き、ウエフッククミタテを取り外す。

ツナギジク

ウエフッククミタテ

(1) 本体を反転させ、4つのロッカクアナツキボルト、ギザツキサラバネザガネを外し、ギヤケースクミを取り外す。

ギザツキ サラバネザガネ

ギヤケースクミ

ロッカク アナツキボルト

4 mm

ギヤの分解3

(4) 下側のロッカクアナツキボルト(2本)を取り外し、クサリガイドを取り外す。

(3) ギヤ 2(2つ)、ピニオン、ロードギヤを取り外す。

ロードギヤ

ピニオン

ギヤ2

ロッカク アナツキボルト

バネザガネ

4 mm クサリガイド

(つづく)

ハンドホイル側を木製ブロックに置いて行うと、ピニオンがじゃまにならず分解し易いです。

上側のロッカクアナツキボルト(2本)をゆるめておくと、取り外し易いです。

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9

フックラッチの分解4

(2) フックラッチをしっかり押さえながら、ロッカクアナツキボルトを取付穴から外す。

(1) フックラッチを固定しているロッカクアナツキボルトをゆるめてからロッカクナットを外す。

分解手順(つづき)

フックラッチのロッカクアナツキボルトを外すときは、フックラッチをしっかり押さえながら、外してください。レバーバネが飛んで、けがの恐れがあります。

注意

強  制

ロッカクナット

フックラッチ

ロッカクアナツキボルト

3 mm7 mm

フックラッチロッカクアナツキボルト

レバーバネ

(5) 上側のロッカクアナツキボルト(2本)を取り外し、フレームB、ロードシーブを取り外す。

ロッカク アナツキボルト

バネザガネ

フレームB

4 mm

ロードシーブ

フレームA

(6) 反対側のフレームAを取り外す。

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10 (つづく)

組立手順

ロードシーブ

フレームA

ツメジク ボディクミ

ギヤの組立1(1) ロードシーブの指定箇所(図中の矢印部)全周にグリースを塗布する。

自動車用ホイールベアリンググリース・定格荷重0.25t:1.2 グラム・定格荷重0.5t :1.5 グラム・定格荷重1.0t :1.5 グラム

グリース

ロードシーブ断面図

全周 全周

ロッカク アナツキボルト

バネザガネ

フレームB

4 mm

(2) ボディクミのブレーキ側(ツメジク有)にフレーム Aを組み込み、ボディクミのギヤ側からロードシーブの向きに注意して組み込む。

(3) ボディクミのギヤ側からフレームBを挟み込み、上側2本のみバネザガネ、ロッカクアナツキボルト(M5-25)で仮固定※する。

※:バネザガネがフレームBに接触するまで締めます。

各部品のグリース、油、汚れなどをふきとってください。

フレームA(穴5ケ)

フレームB(穴7ケ)

<ボディクミのギヤ側>

<ボディクミのブレーキ側>

<ボディクミのギヤ側>

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11

(5) フレーム A/B の下側 2本のバネザガネ、ロッカクアナツキボルトを仮固定する。その後①→②→③→④の順で、ロッカクアナツキボルトを定められた締付トルクで固定する。

  ロードシーブがスムーズに回転するか確認する。

締付トルク:7〜8N ・ m

(6) ロードギヤをロードシーブに取り付ける。

  ピニオンの指定箇所に規定量のグリースを塗布し、ピニオンをロードシーブ穴に入れた後2〜 3回出し入れし、ピニオンを組み込む。

自動車用ホイールベアリンググリース・定格荷重0.25t:0.7 グラム・定格荷重0.5t :0.9 グラム・定格荷重1.0t :0.9 グラム

ロードギヤ

ロードシーブ

ピニオングリース

ギヤ2

ロッカク アナツキボルト

バネザガネ

ロードシーブ

4 mm

トルク

組立手順(つづき)

グリース

ギヤ断面図

(7) ギヤ 2 にグリースを塗布し、O-V表示が図のように対向するように組み込む。

  ギヤ 2がスムーズに回転するか確認する。

自動車用ホイールベアリンググリース・定格荷重0.25t:0.2 グラム・定格荷重0.5t :0.3 グラム・定格荷重1.0t :0.3 グラム

(4) クサリガイドの切り込み部がボディ側の切り込み部と同一側にあることを確認し、ボディクミの下側より組込む。

クサリガイド

切り込み部

ピニオン

ギヤ2ギヤ2

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12 (つづく)

(2) ロードチェーンには、ねじれ・もつれ・絡まりのないことを確認し、ボディクミにロードチェーンの無負荷側端末を挿入する。

ロードチェーンの無負荷側を短めにした方が、ねじれ・もつれ・絡まりの確認が容易です。

(8) ギヤ 2およびロードギヤの全周にグリースを注入する。

  ウエフッククミタテを手で支え、グリースを全周に塗布したツナギジクを取り付ける。

(1) ロードチェーンの端末リンクをクサリガイドの負荷側から、図のように溶接部が外側になるように組み込む。

  端末リンクが無負荷側から出て、ある程度の長さになるまでピニオンを時計方向に回す。

ロードチェーンの取り付け2

(9) ギヤケースクミの向きを確認して(ネームプレートの上下に注意)ボディにかぶせ、ギザツキサラバネザガネ、ロッカクアナツキボルト(M5-15)4 本で図の向きに仮固定する。その後①→②→③→④の順で、ロッカクアナツキボルトを定められた締付トルクで固定する。

締付トルク:7〜8N ・ m

0.25t

ギザツキ サラバネザガネ

ギヤケースクミ

ロッカク アナツキボルト

4 mm

トルク

ツナギジク

ウエフッククミタテ

グリース

シタフック

ロードチェーン

端末リンク

ピニオン

溶接部

溶接部 端末リンク

負荷側 無負荷側

自動車用ホイールベアリンググリース使用量

定格荷量 ギヤ2・ロードギヤ ツナギジク

0.25t 10グラム 0.2 グラム0.5t 12グラム 0.3 グラム1.0t 12グラム 0.3 グラム

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13

組立手順(つづき)

(4) ロードチェーンに、ねじれ・もつれ・絡まりのないことを確認する。ウエカナグにロードチェーンをセットし、クサリピンをウエカナグに通して、ミゾナットで締込み、ワリピンを組込み折り曲げる。

(5) ロードチェーンの端末から6リンク目にストッパBをセットし、ストッパBの反対側からストッパAをロードチェーンにかぶせる。ロッカクアナツキボルトとバネザガネをストッパA側から入れ込み固定する。

締付けトルク:7〜8N・m

(3) チェーントメピンを挿入し、無負荷側端末を固定する。トメネジにネジロックを塗布し、チェーントメピンをロッカクアナツキトメネジで固定する。

チェーントメピン

ロッカクアナツキ トメネジ

2.5 mm

ロック

以下の手順 (4)、(5) は 010Lの場合のみ

手順 (4)、(5) の取り付け状態

ミゾナット

ワリピン

ワリピンの曲げ方

ミゾナット

ワリピン

クサリピン

8 mm 8 mmNEW

ロッカクアナツキボルト

バネザガネ

ストッパA

ストッパB

6リンク目4 mm

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14 (つづく)

スナップリングNEW

(1) 2 つのツメバネを図のように組み合わせ、ツメバネクミにする。

  ツメバネクミを正しい向きでツメジクの段差の下まで押し込んで取り付け、ツメジク・ツメバネクミに潤滑油形錆止め油を塗油する。

潤滑油形錆止め油:一滴

ブレーキの組立3 ツメバネ

ツメバネクミ

ツメバネクミをここに引っかける

オイル

(3) 必ず新しいスナップリングにて固定する。このとき、ツメバネクミの下部がツメジクの段差の下にあることと、スナップリングがしっかりとツメジクの溝に組み込まれていることを確認する。

  スナップリングがスムーズに回転するか確認する。

(2) 潤滑油形錆止め油を塗油したツメを正しい向きで組み込み、ツメバネクミのコの字形の部分にツメを引っかける。

ツメ

ツメバネクミ

スナップリング

ツメジク

ツメバネクミ

ツメオイル

ツメバネクミは必ず2つのツメバネを重ね合わせて、適正に組み合わせてください。適正でないと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。

強  制

危険

ツメバネクミの下部を、ツメジクの段差の下まで確実に押し込んでください。守らないと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。

強  制

危険

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15

組立手順(つづき)

(4) ツメを外側に開きながらブレーキウケ、ブレーキバン、ツメグルマブッシュ、ツメグルマ、ブレーキバンの順に組み込んでいく。

  ツメグルマは、向きに注意して組み込み、ツメとツメグルマが正しく噛み合っていることを確認する。

(5) ハンドホイルクミタテの中央のネジ部にネジ谷に入り込むまでグリースを塗布する。

  ハンドホイルクミタテをブレーキウケに時計回りに回しながら組み込む(カチカチとツメ音が発生するまで回す)。

  カムガイドをハンドホイルの隙間の中で、真ん中になるように取り付ける。押し込めないときは、時計回りに回しながら押し込む。カムガイドとハンドホイルクミタテとの隙間が図のようになっていることを確認する。必ず新しいスナップリングにて固定する。

自動車用ホイールベアリンググリース・定格荷重0.25t:0.3 グラム・定格荷重0.5t :0.4 グラム・定格荷重1.0t :0.4 グラム

ハンドホイルクミタテのブレーキ制動面にゴミ等がついてないことを確認し、ついているときはきれいにふき取ってください。守らないと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。

強  制

危険

ツメ ツメグルマ

ハンドホイルクミタテ

カムガイド

スナップリング

隙間A ≧ 隙間B

ピニオンブレーキウケ

ツメグルマブッシュ

ツメグルマ

ブレーキバン

グリース

ハンドホイルクミタテ

カムガイド

スナップリングNEW

強  制

危険•ブレーキウケ、ブレーキバン、ツメグルマの制動面にゴミ等がついてないことを確認し、ついているときはきれいにふき取ってください。

• 組み込み後、ツメバネクミの下部がツメジクの段差の下まで押し込まれていることを確認してください。

守らないと、死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。

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16

(2) 片方のシタカナグをかぶせ、ロッカクアナツキボルトにネジロックを塗布し、ロッカクナット、バネザガネで定められた締付トルクで固定する。固定後は、シタフックが軽く回ることを確認する。

締付トルク:2.1 〜 3.1N ・ m

(1) シタカナグにロードチェーンとシタフックをセットする。

シタフックイッシキの組立(チェーンから外した場合)4シタカナグ

ロードチェーン

シタフック

ロッカクナット

ロッカク アナツキボルト

バネザガネ

シタカナグ

3 mm

トルク

ロック

7 mm

(6) 溶接部がハンドホイル外側になるようにハンドチェーンを組み込み、ホイルカバーをかぶせ、ギザツキサラバネザガネ、ロッカクアナツキボルト(M5-30)3本で図の向きに定められた締付トルクで固定する。

締付トルク:7〜8N ・ m

ロッカクアナツキボルト

ホイルカバーギザツキサラバネザガネ

4 mm

トルクハンドチェーン

溶接部

(1) シタフッククミにロードチェーンをセットし、クサリピンをシタフックイッシキに通して、ミゾナットで締込み、ワリピンを組込み折り曲げる。

シタフックイッシキ

クサリピン

ロードチェーンミゾナット

ワリピン

8 mm

8 mm

■CX003の場合

■CX005の場合

ミゾナット

ワリピン

ワリピンの曲げ方

NEW

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フックラッチの組立5

(2) フックラッチをフック側の取付穴に合わせ、ロッカクアナツキボルトとロッカクナットで締め付ける。

  フックラッチがスムーズに開閉するか確認する。

締付トルク:2.1 〜 3.1 N ・ m

(1) フックラッチの取付部に、取付穴を合わせ、正しい向きでレバーバネを取り付ける。

レバーバネ

ロッカクナット

フックラッチロッカクアナツキボルト

3 mm

7 mm

(2) 片方のシタカナグをかぶせ、ロッカクアナツキボルトにネジロックを塗布し、バネザガネを挿入しロッカクナットとともに定められた締付トルクで固定する。 固定後は、シタフックが軽く回ることを確認する。

締付トルク:7〜8N ・m

(1) ニードルベアリング内側に規定量のグリスを塗布し、アイドルシーブにシタジクを組み込み、シタカナグにロードチェーンを組み込む。

定格荷重  1.0t:0.3 グラム

■CX010Lの場合

組立手順(つづき)

ロードチェーン

ニードルベアリング

シタカナグ

シタフックイッシキ

シタジク

アイドルシーブ

グリース

ロッカクナット

シタカナグ

フックブクミ

ロッカクアナツキボルト

バネザガネ

ロック

5 mm

トルク

10 mm

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操作のチェック分解組立終了後、必ず下記を確認してから使用するようにしてください。

(1)組立忘れの部品は残っていないか確認する。 部品が残っていたときは再度分解・組立を行って、正確に組み立ててください。(2)日常点検を行う。 詳細は取扱説明書を参照ください。(3)無負荷で異常のないことを確認してから、定格荷重をつり下げて、下記の作動テストを行う。

項目 点検方法 使用限界または判定基準 対処方法

無負荷テスト

巻き上げ・巻き下げを数回繰り返す

• 手動力が軽く操作できること。• 巻き上げ時、ツメ音が“カチカチ”と規則正しく鳴ること。

正常に組み立てられているか、部品に異常はないか分解して点検する。

定格荷重テスト

定格荷重をつり、20〜30cm上げ下げする月例点検の「基本動作」の項目を実施する

• 巻き上げ時、ブレーキ装置のツメの「カチカチ」音が聞こえ、スムーズに動作すること。• 音が弱くなったり、不規則音になっていないこと。• 巻き下げ時、音がしないこと。• 手動力が異常に重くないこと。• ブレーキの滑りがないこと。

■作動テスト分解組立が終了したら、操作のチェックを行って正しく動作することを確認してください。これを守らないと死亡または重傷などの重大事故の恐れがあります。

危険

強  制

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■ 本社/Head Office

本社工場 Head Office & Factory

〒409-3853 山梨県中巨摩郡昭和町築地新居 2000

≪TEL≫055-275-7521 ≪FAX≫055-275-6162

東京本社 Tokyo Head Office

〒163-0809 東京都新宿区西新宿 2-4-1 新宿 NS ビル 9 階

≪TEL≫03-5908-0155 ≪FAX≫03-5908-0159

■ カスタマーセンター/Customer Center of Japan

Tokyo 東部カスタマーセンター 〒163-0809 東京都新宿区西新宿 2-4-1 新宿 NS ビル 9 階

≪TEL≫0120-994-404 ≪FAX≫0120-994-504

Osaka

西部カスタマーセンター

(大阪) 〒570-0003 大阪府守口市大日町 2-10-3

≪TEL≫0120-959-488 ≪FAX≫0120-959-499

Nagoya

西部カスタマーセンター

(名古屋) 〒465-0025 愛知県名古屋市名東区上社1丁目908 エブタ上社3F

≪TEL≫0120-929-965 ≪FAX≫0120-929-966

■ お客様相談センター/Customer Service Center

受付時間 9:00~17:00 (土・日祝日を除く)

≪TEL≫0120-988-558 ≪FAX≫0120-988-228 ≪URL≫

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