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チリ、アルゼンチン、ブラジルの鉱業事情鉱業事情

平成21年11月9日

JOGMECサンティアゴ事務所JOGMECサンティアゴ事務所

菱田元

1

鉱業事情チリの鉱業事情

１ 鉱業概要 2１．鉱業概要チリは、銅、モリブデン、リチウムなど豊富な鉱物資源を有し、特に銅の埋蔵量・生産量ともに世界第一位で、埋蔵量は世界の約29%、生産量は約35%を占めている。

2008年の鉱産物輸出額は420億US$であり、チリの全輸出額690億US$の60%に相当。鉱業は同国の基盤産業である。

チリは 政治的に安定しており 世界でも鉱業投資環境が整備された国であることからチリは、政治的に安定しており、世界でも鉱業投資環境が整備された国であることから、我が国企業もエスコンディーダ鉱山、ロスペランブレス鉱山、コジャワシ鉱山等への資本参加が行われている。

鉱 種 チリ（A） 世界（B） A／B（％）

世界順位

チリ共和国の主要鉱物資源埋蔵量チリ

35%ザンビア

3%

その他

21%

世界の銅生産量（2008）

（％）

銅（千t） 160,000 550,000 29.1 1

リチウム（千t） 3,000 4,100 73.2 1

モリブデン（千t） 1 100 8 600 12 8 3インドネ

シア

カナダ

4%

モリブデン（千t） 1,100 8,600 12.8 3

レニウム（t） 1,300 2,500 52.0 1

セレン（t） 20,000 86,000 23.3 1

出典：Mineral Commodity Summaries 2009

ペルー

8%

USA8%

中国

6%

オーストラリア

6%

ロシア

5%

4%

出典 y

２．生産動向3（１）銅・モリブデン生産量

・2008年の銅生産量は2007年の560万tから4.2％減少し、536万tとなった。

2008年のモリブデン生産量は2007年の44 8千tから25％減少し 33 6千tとなった・2008年のモリブデン生産量は2007年の44.8千tから25％減少し、33.6千tとなった。

・モリブデンは銅鉱山の副産物として生産されるため、銅・モリブデン生産量はほぼ相関関係にある。

出典 ( )

千t

出典：COCHILCO(2009)出典：COCHILCO(2009)

5 000

6,000SX-EWカソード

銅精鉱

千t

千t

45

50

3 000

4,000

5,000 銅精鉱

30

35

40

45

1 000

2,000

3,000

10

15

20

25

銅生産量の推移 モリブデン生産量の推移

0

1,000

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 20080

5

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008

銅生産量の推移 モリブデン生産量の推移

4（２）チリの主要鉱山と鉱山別銅生産量

鉱山名 2007(t)

2008(t)

2008/2007(%)(t) (t) (%)

Escondida 1 ,483,900 1,254,000 84.5

Codelco Norte 896,300 755,300 84.3

Collahuasi 452,000 464,400 102.7

El Teniente 404,700 381,200 94.2

Los Pelambres 300,100 351,200 117

Anglo American Sur 302,100 283,500 93.8

Andina 218,400 219,500 100.5

Candelaria 181,000 173,500 95.9

El Abra 166,000 165,800 99.9

Spence 128,100 164,800 128.6Spence 128,100 164,800 128.6

Anglo American Norte 151,600 148,900 98.2

Zaldivar 142,900 133,500 93.4

Cerro Colorado 98,700 104,200 105.6

El Tesoro 93 ,000 90,800 97.6

Quebrada Blanca 82,900 85,400 103

Gabrie l Mistral - 70,500 -

L B 61 500 59 200 96 3Lomas Bayas 61,500 59,200 96.3

Michilla 45 ,100 47,700 105.8

Salvador 63 ,900 42,700 66.8

その他 284,800 334,200 117.3

赤字 ：日本企業出資鉱山

合計 5,557,000 5,330,300 95.9

CODELCO 所有鉱山1,583,300 t （チリ国内シェア28.5%）

（１）銅輸出量

３．銅輸出動向

5・2008年にチリは540.5万tの銅を輸出。銅輸出のうち地金が55％、粗銅が8％、精鉱が37％を占める。

・主な銅輸出先は中国、日本、韓国、米国、インドでアジアの割合が高い。主な銅輸出先は中国、日本、韓国、米国、インドでアジアの割合が高い。

・日本の銅輸入量の約40％がチリからの輸出によるものである。

チリの銅輸出先チリの銅輸出先

5,000

6,000地金

粗銅

精鉱

千t 中国21%その他

33%

3,000

4,000日本12%

韓国8%米国

7%イタリア7%

ブラジル6%

オランダ6%

日本の銅精鉱輸入元

1,000

2,000

チリ41%

カナダ7%

豪州

その他13%

チリの形態別銅輸出量の推移 出典 ( )

01996 1998 2000 2002 2004 2006 2008

8%

インドネシア15% ペルー

16%チリの形態別銅輸出量の推移 出典：COCHILCO(2009)

（２）銅輸出額

6・2008年銅輸出額は世界経済危機に伴う銅価格下落の影響により、過去最高を記録した2007年から12.9% 減少。

・2008年チリ全輸出額のうち鉱産物輸出額は60％を占め そのうち銅輸出額は87%2008年チリ全輸出額のうち鉱産物輸出額は60％を占め、そのうち銅輸出額は87%。

・2008年モリブデン輸出額は生産減により、過去最高を記録した2007年から27.2% 減少。

百万US$US㌣/lb

50 000

60,000

70,000農林水産業等

その他鉱産物

モリブデン

銅

US㌣/lb

30,000

40,000

50,000

10,000

20,000

チリの輸出額の推移 出典：チリ中央銀行

01996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008

銅価格の推移（2004年1月～2009年10月）

４．投資状況7（１）探鉱・開発投資

・2008年のチリの探鉱･開発投資額は南米でペルーに次ぐ第2位、世界第7位。

銅価格の高騰により近年の探鉱 開発投資額は顕著な増加傾向にある

南米主要４ヵ国探鉱開発投資予算の推移

・銅価格の高騰により近年の探鉱･開発投資額は顕著な増加傾向にある。

2008年探鉱開発投資投入国ランキング

順国 名

探鉱予算

700

800 14

ペルー

（各国予算額） （世界予算額）

順位

国 名探鉱予算（US$ mil)

1 カナダ 2,401.72 豪州 1,708.63 米国 907 8

400

500

600

700

mil

8

10

12

bil

ペル

ブラジル

チリ

アルゼンチン

世界予算

3 米国 907.84 メキシコ 794.35 ペルー 673.16 ロシア 586.77 チリ 519 1

200

300

400

US$

2

4

6 US$世界予算 7 チリ 519.1

8 ブラジル 395.79 南アフリカ 357.110 中国 350.0

0

100

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008

0

2

出典：Metals Economics Group （2009）

11 DRC 300.012 モンゴル 245.513 アルゼンチン 229.214 インドネシア 204 8出典：Metals Economics Group （2009） 14 インドネシア 204.8

鉱山名等 プロジェクト名等投資額

（百万US$）概　　　要

生産開始予定年

銅生産量

千t※2進捗状況

CODELCO Radomiro Tomic Sulfid 370Radomiro Tomic鉱山の破砕鉱石をChuquicamata鉱

2010年Q2 160 計画通り

チリ主要銅鉱山開発・拡張プロジェクト

8CODELCO Radomiro Tomic Sulfid 370

山まで運搬し処理（100千t/d）2010年Q2 160 計画通り

Pilar Norte　（El Teniente）

128 El Teniente鉱山新鉱体開発 2010年Q1 55 計画通り

New Mine Level　（El Teniente）

1,480 El Teniente鉱山新鉱体開発 2017年 430 2009年9月内部承認

Plan de Desarrollo Andina Phase 1

989 粗鉱処理量拡大（72千t/d→94.5千t/ｄ） 2010年Q1 30計画通り（当初2009年後半生産開始）

Plan de Desarrollo Andina Phase 2

4,800 粗鉱処理量拡大（94.5千t/d→240千t/ｄ） 2015年 350 未実施

ChuquicamataChuquicamata Underground

1,800 Chuquicamata鉱山坑内掘 2018年 340 未実施

Mina Ministro A Hales 1,728 新規開発 2014年 170 土木工事中

Collahuasi 第1次拡張計画 0.75粗鉱処理量を35%拡大（126千t/d→170千t/d） 600千t/y生産規模へ

2010年 1502009年末F/S終了予定

第2次拡張計画 -選鉱設備拡張、二次硫化鉱リーチング開発1,000千t/y生産規模へ

- - 概念設計中

Los Pelambres 拡張計画 1,000 粗鉱処理量拡大（175千t/d） 2010年 90 計画通り

詳細 ジ グLos Bronces 拡張計画

2,200～2,500

粗鉱処理量拡大 2011年 170詳細エンジニアリング設計中（当初予定より8ヶ月遅延）

Lomas Bayas 第2次拡張計画 - サテライト鉱床開発 2011年 -F/S中、2009年下期：25千mボーリング実施予定

Escondida 第5次拡張計画 3,250 選鉱能力50%向上のための3基目の選鉱プラント建設 2015年 210 計画延期（市況次第）第 拡張 , 選鉱能 目 選鉱 ラ 建設 年 期（市況 第）

El Abra 拡張計画（Sulfolix Proj 450 酸化鉱採掘から硫化鉱採掘へ移行 2012年 148 鉱床規模拡大の見通し

Esperanza 新規開発 2,300 粗鉱処理98千t/d、銅精鉱生産 2010年H2 191 計画通り

詳細エンジニアリング設計El Morro※１ 新規開発 2,500 粗鉱処理75千t/d、銅精鉱生産 2013年 157

詳細エンジニアリング設計及びF/Sアップデート中

Caserones 新規開発 1,860 銅精鉱生産、SX-EWによる銅地金生産 2013年 1802009年末F/S終了予定

各社レポート、CONAMAホームページ等により作成。

※1　Xstrata（70%権益保有）がBarrick Goldに権益売却へ。　　　　※2　拡張プロジェクトの場合、増産される銅量を記載。

（３）銅生産予測

9

（単位：千ﾄﾝ）2009年～2015年銅生産見通し

・COCHILCOの予測によると、2009年から2015年の6年間でチリの銅生産量は28％増加。

（単位：千ﾄﾝ）

生産形態 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

操業鉱山精鉱 3 271 3 609 3 851 3 799 3 996 3 904 3 950

年 年銅生産見通し

+ 精鉱 3,271 3,609 3,851 3,799 3,996 3,904 3,950

開発鉱山*（建設中） SX-EWｶｿｰﾄﾞ 2,110 2,172 2,073 1,99 1,872 1,799 1,682

小計 5 381 5 781 5 924 5 798 5 868 5 703 5 632小計 5,381 5,781 5,924 5,798 5,868 5,703 5,632

開発鉱山* 精鉱 0 0 0 0 41 235 997

(EIA承認済) SX-EWｶｿｰﾄﾞ 0 0 16 118 230 269 283 ｿ

小計 0 0 16 118 271 504 1,280

合計 精鉱 3,271 3,609 3,851 3,799 4,037 4,139 4,947

SX-EWｶｿｰﾄﾞ 2,110 2,172 2,089 2,117 2,102 2,068 1,965

合計 5,381 5,781 5,940 5,916 6,139 6,207 6,912

(COCHILCO 2009)＊拡張プロジェクトを含む (COCHILCO, 2009)＊拡張プロジェクトを含む

銅生産予測（その１）凡例操業+開発（建設中）鉱山 10

銅 産予測（2009～2025）

：操業+開発（建設中）鉱山：探鉱・開発プロジェクト

：新規プロジェクトの割合

出典：COCHILCO（2009）出典：COCHILCO（2009）

銅生産予測（その２） 11銅生産予測（その２）（2009～2025）凡例

：操業+開発（建設中）鉱山：探鉱・開発プロジェクト

銅精鉱 SX-EW 銅カソード

出典：COCHILCO（2009）

５．チリ鉱業の最近の動向（2009年）12鉱業政策

・CODELCO：改革法案（役員メンバー刷新、10億US$の投資）国会審議中。銅機密法の廃止法案にバチェレ大統領署名。

・閉山法：国会審議中。SERNAGEOMINと環境委員会との関係調整等。・中国との関係：ゴンザレス鉱業大臣が訪中（10月）、

SERNAGEOMIN、COCHILCOとの協力関係締結。

鉱業生産・大手民間鉱山会社（18社:CODELCOを含む）00 年上半期の売上は 億 $（対前年同期比 %減）2009年上半期の売上は33.7億US$（対前年同期比73%減）。

純利益は28.0億US$（前年同期比69%減）。・銅価格がUS$2.50～3/00/lbに回復（8～10月）

9月の鉱産品輸出額が世界景気後退後初めて前年同月を上回る→ 9月の鉱産品輸出額が世界景気後退後初めて前年同月を上回る。・銅価格回復により、休止中の拡張プロジェクトが再開（9月）：

Andina鉱山, Los Bronces鉱山, Escondida鉱山, El Abra鉱山。

・Escondida鉱山：SAGミル故障修復完了（8月） ※ 2009年上半期の銅生産量は対前年同期比28 1%減・Escondida鉱山：SAGミル故障修復完了（8月）、※ 2009年上半期の銅生産量は対前年同期比28.1%減。・Anglo American社：Los Bronces鉱山近傍で新鉱床発見（7月）

# San Enrique Monolito鉱床：粗鉱量 9億ｔ、銅品位 0.81%、モリブデン品位 0.02%# Los Sulfatos 鉱床 ：粗鉱量12億ｔ 銅品位 1 46% モリブデン品位 0 02%# Los Sulfatos 鉱床 ：粗鉱量12億ｔ、銅品位 1.46%、モリブデン品位 0.02%

チリ鉱業の最近の動向 （2009年） 13労働問題・Lomas Bayas鉱山（Xstrata社）でストライキ実施（5月）労働契約更改 E did 鉱山は早期妥結 S 鉱山はストライキ突入

チリ鉱業の最近の動向 （2009年）

・労働契約更改：Escondida鉱山は早期妥結、Spence鉱山はストライキ突入今後の更改（CODELCO Andina, CODELCO Norte、Cerro Colorado、ENAMI、Xstrata Artonorte）

エネルギー・水等ネルギ 水等・Mejillones LNG再ガス化プラント2010年4月に操業開始予定

（投資額US$5億； 発電能力1.1GW；CODELCO Norte, Escondida, Collahuasi, El Abra鉱山に送電 ）。・CODELCO Norte風力発電建設計画のEIAを提出（6月）、風 発電建設計画 を提 （ 月）、・CODELCO大規模石炭火力発電所の建設反対訴訟を最高裁が却下（8月）。・ 水：公共事業省が水資源に係る省庁連絡委員会を立ち上げ、コピアポ周辺の農業・鉱業用水問題に取り組む（海水淡水化の検討、30鉱山が購入に関心を示す）。

大統領選挙（12月）・ピニェラ候補（野党同盟：37%）、フレイ候補（与党連合：28%）、オミナミ候補（無所属：17%） の争い（ 数字は 月 世論調査支持率）17%）、の争い（※数字は8月の世論調査支持率）。

14

ゼ 鉱業事情アルゼンチンの鉱業事情

１．アルゼンチンの鉱業ポテンシャル

操業鉱山 探鉱プ ジ クト位置図 15操業鉱山・探鉱プロジェクト位置図

●アルゼンチンは金･銀・銅・リチウム等の鉱物資源ポ が高く 探鉱が十分 進ん なポテンシャルが高く、探鉱が十分に進んでいない地域が多く存在することから、魅力的な探鉱投資国となっている。

●アルゼンチンの2008年の鉱業分野への投資総額は対前年比53%増の26.3億US$、鉱物資源生産額は対前年比70%増の59 5億US$ 鉱産品輸出額は44 2億US$と大幅な70%増の59.5億US$、鉱産品輸出額は44.2億US$と大幅な上昇を記録した。

●非鉄金属鉱物資源の分布は主に２箇所に集中

a)アンデス山脈沿いの北西部地域（Jujuy州、Salta州、Catamarca州、La Rioja州、

S J 州 M d 州）San Juan州、Mendoza州）b)パタゴニア地域(Neuquen州、Rio Negro州、Chubut州、Santa Cruz州)

２ アルゼンチン：主要鉱産物の生産量推移 16２．アルゼンチン：主要鉱産物の生産量推移

2003 2004 2005 2006 2007 2008世界シェア

世界ランクシェア ランク

銅 199,020 177,143 187,317 187,240 180,200 156,900 1.0% 17

鉛 12,079 9,511 10,683 13,728 12,800 17,000 0.3% 23

亜鉛 29 839 27 220 30 227 31 870 29 800 30 900 0 3% 26亜鉛 29,839 27,220 30,227 31,870 29,800 30,900 0.3% 26

金 29.7 28.4 27.9 28.3 44.0 37.6 1.7% 16

銀 133.9 172.3 263.7 273.8 249.0 237.6 1.2% 14

リチウム 2 805 4 225 5 904 14 664 3 000 3 200

出典：World Metal Statistics Yearbook; リチウム：Mineral Commodity Summaries, *）輸出量からの推定値

リチウム 2,805 4,225 5,904 14,664 3,000 3,200* - -

17

アルゼンチン 主要操業鉱山アルゼンチン：主要操業鉱山

（赤字は2009年操業開始鉱山）

（青字は鉱業規制法制定の州）

鉱山名 州 企業名 鉱種 鉱床タイプ

Pirquitas Jujuy Silver Standard Ag-Sn-Zn Epithermal LS

Aguilar Jujuy Glencore Ag Zn Pb Breccias VMSAguilar Jujuy Glencore Ag-Zn-Pb Breccias, VMS

Bajo de la Alumbrera CatamarcaXstrata/Goldcorp/Yamana

GoldCu-Au-Mo Porphyry

Salar del HombreCatamarca FMC Li Brine

MuertoCatamarca FMC Li Brine

Gualcamayo San Juan Yamana Gold Au Skarn/Breccia

Veladero San Juan Barr ick Au-Ag Epithermal HS

Minmetals/Gov ofSierra Grande Rio Negro

Minmetals/Gov. ofArgentina

Fe -

Cerro Vanguardia Santa Cruz Anglo Gold/Fomicruz Au-Ag Epithermal LS

Manantial Espejo Santa CruzPan AmericanSilver/Iamgold

Ag-Au Epithermal LSSilver/Iamgold

Martha Santa Cruz Coeur D'Alene Ag-(Au) Epithermal LS

San Jose Santa Cruz Hochschild/Minera Andes Ag-Au Epithermal LS

３．アルゼンチンの探鉱・開発投資状況18

ア ンチン 探鉱 開発投資状況

・2008年のアルゼンチンの探鉱・開発投資額は南米でペルー、チリ、ブラジルに次ぐ第4位、世界第13位。

南米４ヵ国探鉱開発投資予算の推移 2008年探鉱投資投入国ランキング

・近年は金属価格の高騰により増加傾向にある。

南米４ヵ国探鉱開発投資予算の推移

700

800

12

14

ペルー

順位

国　名探鉱予算（US$ mil)

1 カナダ 2,401.72 豪州 1 708 6

（各国予算額） （世界予算額）

400

500

600

700

$ mil

8

10

12

S$ bil

ル

ブラジル

チリ

アルゼンチン

世界予算

2 豪州 1,708.63 米国 907.84 メキシコ 794.35 ペルー 673.16 ロシア 586 7

100

200

300

400

US$

2

4

6 US世界予算 6 ロシア 586.7

7 チリ 519.18 ブラジル 395.79 南アフリカ 357.110 中国 350 0

出典：Metals Economics Group （2009）

0

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008

0

10 中国 350.011 DRC 300.012 モンゴル 245.513 アルゼンチン 229.214 インドネシア 204 8出典：Metals Economics Group （2009） 14 インドネシア 204.8

19

アルゼンチン：探鉱・鉱山開発プロジェクト（その１）

（青字は鉱業規制法制定の州）

鉱山・プロジェクト名 州 企業名 ステージ 鉱種 鉱床タイプ

Lindero Salta MansfieldReservesDevelopment

Au-(Cu) Porphyry

Ri G d S l M fi ld/AReserves

C A P hRio Grande Salta Mansfield/AntaresDevelopment

Cu-Au Porphyry

Taca Taca Salta Lumina CopperReservesDevelopment

Cu-Au-(Mo) Porphyry

Leon Salta Alexander Mining FS Cu-Ag Stratabound

Don Otto Salta CNEA FS U Stratabound

Diablillos Salta Silver StandardReservesDevelopment

Ag-Au Epithermal HS

Farallon Negro Catamarca BHP Billiton Exploration Au-Ag Epithermal LS

Agua Rica Catamarca Yamana Gold FS Cu-Mo-Au Porphyry

Filo Colorado Catamarca Xstrata Target Outline Cu-Mo Porphyry

Famatina La Rioja Barr ick/Yamari Target Outline Cu-Mo-Au Porphyry

/La Mej icana La Rioja Barrick/Yamari Target Outline Au-Ag Epithermal HS

Rio Tendal La Rioja Latin American Mienrals - Zn-Pb-Cu -

Las Aguilas San Luis Castillan/MarifilReservesDevelopment

Ni, Cu, Co, Pt Podiform

Los Azules San Juan Minera Andes/XstrataReservesDevelopment

Cu Porphyry

El Altar San Juan PeregrineReservesDevelopment

Cu-Mo Porphyry

El P h S J X FS C M P hEl Pachon San Juan Xstrata FS Cu-Mo Porphyry

Pasucua Lama San Juan Barr ick FS Au-Ag Epithermal HS

Casposo San Juan Troy Resources FS Au-Ag Epithermal LS

アルゼンチン：探鉱・鉱山開発プロジェクト（その２）20

鉱山・プロジェクト名 州 企業名 ステージ 鉱種 鉱床タイプ

S J M d C Mi iReserves

C A P h

（青字は鉱業規制法制定の州）

San Jorge Mendoza Coro MiningDevelopment

Cu-Au Porphyry

Santa Clara Mendoza - Target Outline Cu-Mo Porphyry

Paramillos MendozaNorthern Orion/Minera del

OesteTarget Outline Cu-Mo Porphyry

Sierra Pintada Mendoza CNEA FS U Sediment Hosted

K- Rio Colorado Mendoza Vale - KCl Sediment Hosted

La Cabeza Mendoza exeterReserves

Au Epithermal LSLa Cabeza Mendoza exeterDevelopment

Au Epithermal LS

Andacollo Neuquen Andacollo S.A. - Au Epithermal HS

Campana Mahuida Neuquen Northern OrionReservesDevelopment

Cu Porphyry

Calcatreu Rio Negro Aquiline FS Au Epithermal LS

Esquel Chubut Yamana Gold (Suspended) Au Epithermal LS

Cerro Solo Chubut CNEAReservesDevelopment

U Sediment Hosted

Navidad Chubut AquilineReservesDevelopment

Ag-(Pb-Zn) Epithermal

Cerro Moro Santa Cruz exeter Exploration Au Epithermal LS

Pinguino Santa Cruz Argentex ExplorationCu-Pb-Zn-A A I

Epithermal LSPinguino Santa Cruz Argentex ExplorationAu-Ag-In

Epithermal LS

４．Pascua Lama金・銀鉱山開発プロジェクト21

出典：Barrick Gold社

Pascua Lama金・銀鉱山開発プロジェクト22

出典：Barrick Gold社

Pascua Lama金・銀鉱山開発プロジェクト23

出典：Barrick Gold社

Pascua Lama金・銀鉱山開発プロジェクトプロジェクト概要

年 カ ダ 社が探鉱実施 24・1989年 カナダLac Mienrals社が探鉱実施・1995年 カナダBarrick Gold社が探鉱ボーリング実施・2001年 粗鉱量225百万ｔ、金品位 1.98 g/t, 銀品位 66 g/tを発表・2009年 確定鉱量 金 17 8百万oz（553 ｔ）、銀717 6百万oz（22 319 ｔ）、2009年 確定鉱量 金 17.8百万oz（553 ｔ）、銀717.6百万oz（22,319 ｔ）、

※高硫化系浅熱水性金鉱床では世界第３位の規模

税金の配分問題1997年12月 チリ アルゼンチン国境鉱業統合協定に両国政府が署名・1997年12月 チリ・アルゼンチン国境鉱業統合協定に両国政府が署名・2007年8月 税の配分について両国で議論発生。

鉱量の賦存割合から、チリ側に70%、アルゼンチン側に30%との推測流れる。アルゼンチン側は鉱石処理施設が全てアルゼンチン側に建設予定であることから、アル ンチン側は鉱石処理施設 全てアル ンチン側 建設予定である ら、同国が100%を受け取るべきと主張。

・2008年8月 両国の税担当者が会談するも決着はつかず。・2009年1月 鉱業統合協定２国間委員会の最終会合で、本件が両国の税当局に委ねられる。

2009年2月 B i k社CEOがアルゼンチンS J 州鉱業次官と面談・2009年2月 Barrick社CEOがアルゼンチンSan Juan州鉱業次官と面談・2009年4月 Barrick社CEOがチリ・バチェレ大統領と面談・2009年4月 チリ国税局長とアルゼンチン大蔵大臣が会合を持ち、税の配分について合意に至る。

今後の計画等・許可申請はほぼ承認され、10月に建設開始。投資額約30億US$。・キャンプ設営 2010年3Q、剥土開始 2011年Q1、 金地金生産開始 2013年Q1操業開始後５年間の生産計画 金 23 25ｔ／年 銀 1 088ｔ／年・操業開始後５年間の生産計画→ 金 23～25ｔ／年、銀 1,088ｔ／年・カナダSilver Wheaton社と銀生産量25%の販売契約締結

５．アルゼンチン鉱業の最近の動向25

（１）鉱産品輸出税・鉱産品輸出税は2002年３月に導入されていたが、それ以前に生産開始した鉱山からの鉱産品は課税対象となっていなかった鉱産品は課税対象となっていなかった。しかしながら、2007年12月に連邦鉱業庁は2002年３月以前に生産開始した鉱山からの鉱産品への課税を決定。・鉱山会社はこれに対して控訴。裁判ではCerro Vanguardia鉱山（金；Anglo Gold）、g gSalar de Houmbre Muerto（リチウム; FMC）が勝訴。

（２）州政府による反鉱業政策反鉱業政策を掲げる州が近年増加 年ま に全 州 うち 州・反鉱業政策を掲げる州が近年増加。2008年までに全23州のうち6州（Tucuman州、Mendoza州、La Pampa州、Rio Negro州、Chubut州、San Luis州）で「鉱業におけるシアン・水銀等の使用禁止、露天採掘の禁止」の法律が制定された。・2009年10月現在で、鉱業規制法を制定した新たな州はなし。2009年10月現在で、鉱業規制法を制定した新たな州はなし。・Chubut州は2006年6月に制定された露天採掘・シアン等使用禁止法の2012年までの延長を検討中。

（３）リチウム探鉱・開発案件の増加・Jujuy州Olaroz塩湖、Cauchari塩湖（Latin American Minerals；カナダ）（6月）・Salta州Sal de Vidaプロジェクト（Lithium One：カナダ）（9月）

26

ブ ジ 鉱業事情ブラジルの鉱業事情

27１．ブラジル：主要鉱産物の生産量推移

鉱種 2004 2005 2006 2007 2008 世界シェア 世界ランク鉱種 2004 2005 2006 2007 2008 世界シェア 世界ランク

鉄鉱石 (Mt) 270 345 350 360 390 17.7% 2

ボーキサイト (Mt) 21 .0 22.0 22.7 25.4 21.7 10.4% 2

マンガン (Mt) 3 .1 3 .5 3.0 2 .0 1.7 4 .9% 8

銅 (t) 102,500 132,500 140,000 200,000 214,500 1.4% 15

チタン (t) - - 89,200 95,600 96,000 2.2% 10

クロム (t) 445,000 394,000 370,000 410,000 630,000 2.6% 7

ニッケル (t) 31 ,998 36,562 36,224 37,380 37,700 2.5% 10

亜鉛 ( ) 167 735 175 407 184 189 181 353 189 600 1 6% 13亜鉛 (t) 167,735 175,407 184,189 181,353 189,600 1.6% 13

鉛 (t) - - - - 17,000 0.4% 22

錫 (t) - - - 9,600 9,600 3.1% 5

出典：WBMS, USGS, DNPM

金 (t) 42 44 43 47 49 2.3% 13

２．ブラジルの探鉱・開発投資状況28

ラジ 探鉱 開発投資状況

・2008年のブラジルの探鉱・開発投資額は南米でペルー、チリに次ぐ第３位、世界第8位。

南米４ヵ国探鉱開発投資予算の推移2008年探鉱投資投入国ランキング

・近年は金属価格の高騰により顕著な増加傾向にある。

南米４ヵ国探鉱開発投資予算の推移

700

800 14

ペルー

（各国予算額） （世界予算額）順位

国　名探鉱予算（US$ mil)

1 カナダ 2,401.72 豪州 1 708 6

400

500

600

700

mil

8

10

12

bil

ペル

ブラジル

チリ

アルゼンチン

世界予算

2 豪州 1,708.63 米国 907.84 メキシコ 794.35 ペルー 673.16 ロシア 586 7

200

300

400

US$

2

4

6 US$世界予算 6 ロシア 586.7

7 チリ 519.18 ブラジル 395.79 南アフリカ 357.110 中国 350 0

0

100

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008

0

2

出典：Metals Economics Group（2009）

10 中国 350.011 DRC 300.012 モンゴル 245.513 アルゼンチン 229.214 インドネシア 204 8出典：Metals Economics Group（2009） 14 インドネシア 204.8

３．Ｖａｌｅの近況29・2009年第１四半期: 売上 54億US$（対前年同期比32.6%減）

純利益 13億US$（対同32.5%減）第２四半期： 売上 50億US$（同53.3%減）第２四半期： 売上 50億US$（同53.3%減）

純利益が7.9億US$（同84.2%減）第３四半期： 売上68.9億US$（同43.1%減）

# 部門別シェア：鉄鉱石 63.4%、非鉄金属 28.9%、ロジスティックス4.6%、石炭2.0%、その他1.1%ジ 欧 他# 地域別シェア：アジア56.4%、米州24.2%、欧州17.7%、他地域1.7%

# 国別シェア：中国37.3%、ブラジル15.5%、日本9.8%、ドイツ4.2%、韓国3.8%、米国3.7%

・2009年第１四半期に鉄鉱石3,000万ｔ 輸出を計画（ブラジル輸出の60%）。,中国の在庫拡大と港湾混雑により5月の輸出は最低水準。

・2009年投資額を142億US$から36.5%減の90億US$へ下方修正（5月）。

・2010年投資計画:129億US$（10月発表）# 部門別シェア：鉄鉱石 30.0%、非鉄金属 31.6%、ロジスティックス20.6%、石炭6.9%、発電6.5%、鉄鋼 2.7%

・海外探鉱：ザンビア、コンゴ（民）でのJV探鉱に合意（銅・金・コバルト）（3月）チリ第Ⅳ州Tres Valles銅開発プロジェクトの承認を得る（10月）

30４．ブラジル：銅操業鉱山・開発プロジェクト

鉱山名州 銅生産量 企業名

鉱山名（鉱床タイプ）

州 銅生産量 企業名

操業鉱山Sossego(IOCG)

Para (Carajas)118,000 t (2007)125,900 ｔ （2008)

Vale

Chapada（ポーフィリー）

Goias (Alto Horizonge)

51,000 t (2007)63,200 t （2008）

Yamana Gold, Mineracao Maraca

鉱山名（鉱床タイプ）

州 銅生産量見込み 企業名

開発 Copro 118開発プロジェクト

Copro 118(IOCG)

Para (Carajas) 約 40,000 t/y Vale

Cristalino(IOCG)

Para (Carajas) 約 90,000 t/y Vale(IOCG)

Alemano(IOCG)

Para (Carajas) 約 70,000 t/y Vale

Salobo(IOCG)

Para (Carajas)

127,000 t/y （2011～）+127,000 t/y(2013～）

Vale

Vale：銅鉱山開発プロジェクト31

Project Mineral Reserve Production Product Mine Life Mining Method Obs

166 5 Mt @ 0 93% f C t d (30%

Vale：銅鉱山開発プロジェクト

Sossego 166,5 Mt @ 0,93% of Cu e 0,26 g/t de Au 400.000 t/yearCopper concentrade (30%

Cu and 8 g/t Au) 17 years Open pit In operation since 2004

UHC - 10.000 t/year Copper cathode (99,999%) - - To show the feasibility of the h d t l i ly pp ( , ) hydrometalurgical process

Salobo I 929 Mt @ 0,77% of Cu e 0,50 g/t Au 270.000 t/yearCopper concentrade (38%

Cu and 16 g/t Au) 77 years Open pit In construtiction

Salobo II 929 Mt @ 0,77% of Cu and 0,50 g/t Au 540.000 t/yearCopper concentrade (38%

Cu and 16 g/t Au) 39 years Open pit In basic engineering

Cristalino 379 Mt @ 0 66% Cu 340 000 t/year Copper concentrade (28% 24 years Open pit In environment licenceCristalino 379 Mt @ 0,66% Cu 340.000 t/year Cu and 4,1 g/t Au) 24 years Open pit In environment licence

Alemão 106 Mt @ 1,45% Cu e 1,01 g/t Au 235.000 t/yearCopper concentrade (32%

Cu and 17 g/t Au) 22 years Underground Feasibility study

11877,7 Mt @ 0,87% Cu (Óxido) e 11,5 Mt @ 2,4% Cu (Sulfeto)

45.000 t e 100.000 t/year

Copper cathode and copper concentrade 11 years

Open pit and underground

Oxide in environment licence and Sulphide in

feasibility study

（出典：Vale 2009）（出典：Vale 2009）

Carajás Mining District32

São Luís

j g（出典：Vale 2009）

MARABÁ

SALOBO(Au, Cu/ Au)

São Luís

SERRA LESTE (Fe)

SERRA LESTE (Au) SERENO (Mn)

ALEMÃO (Cu/Au)

N1

N4W (Fe)N4E (Fe)

N5 (Fe) CARAJASVILLAGE PARAUAPEBAS

MANGANÊS AZUL (Mn)

S S ( e)POJUCA (Zn)

PA 275

AIRPORT

ÁGUAS CLARAS (Au) 118 (Cu/ Au)

ASPHALT PAVED ROADNO PAVED ROADRAILROAD SOSSEGO (Cu/

Au)

VERMELHO (Ni)

Au) CRISTALINO (Cu/Au)

TOWNSITEAu)

33

５．ブラジル鉱業の最近の動向

（１）鉱業法改正 33（ ）鉱業法改・2008年より政府が鉱業法改正を検討

a) 鉱業ロイヤリティ税率引き上げ、b) 採掘許可期間の制限（35年）、c) 探鉱権・採掘権の先願関係の廃止、等の案に対し鉱業界は懸念を表明。)

（２）中国との関係・5月にルーラ大統領訪中。ブラジルの大型油田開発での協力、及び資源探査衛星を活用したアフリカ資源戦略で合意。・鉄鉱石：Valeが2009年Q1に3,000万ｔ 輸出を計画（ブラジル輸出の60%）。中国の在庫拡大と港湾混雑により5月の輸出は最低水準。調達日数大幅短縮のため、Valeが中国に鉄鉱石ストックヤード建設を計画（5月）。・10月に中国宝鋼集団がAnglo American社Minas Rio鉄鉱石鉱山権益取得を提案。

（ ）注目されるプ ジ クト（３）注目されるプロジェクト・Barro Altoニッケル・プロジェクト（Goias州：Anglo American）：2月に投資額減額（US$90億→US$45億）と生産開始1年延期を発表。

ケル プ ジ クト（ 州 ） 月に減速 月に再開を発表・Onça Pumaニッケル・プロジェクト（Para州：Vale）：4月に減速、7月に再開を発表（2010年下期生産開始予定）。・Santa Ritaニッケル鉱山（Bahia州：豪州Mirabela Nickel）：8月に操業開始。年間ニッケル生産18 5千ｔ 26千ｔ（2010年半ば）年間ニッケル生産18.5千ｔ→ 26千ｔ（2010年半ば）。・Maracasバナジウム・白金族プロジェクト（Bahia州：カナダLargo Resources）；

5月にBahia州政府環境委員会が承認。