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-14- プリント基板のイオンマイグレーション解析 Deterioration of Insulation in Printed Circuit Boards due to Ionic Migration 論文 1.まえがき 近年,世界的な環境規制からハイブリッド カーや電気自動車のような電動パワープラン トを備える車両が増えている. 電動パワープラント車では 100~300V 程度 の高電圧を発するバッテリモジュールが使用 され,モータ給電においては 700V 付近まで 昇圧されることもある.一方で人員空間は従 来のガソリン車同等の居住性が求められるこ とから,インバータやバッテリ電圧センサユ ニットでは耐圧性能(絶縁距離)確保と共に小 型化が求められる. ユニット開発においてはこの背反する要求 に応えるべく,耐圧設計の最適指標を求める 必要がある.インバータを構成するプリント 基板(以下,基板)は高電圧系と低電圧系のパ ターンが同一基板内に配線されており,要求 耐圧に応じた絶縁距離の設定をすることで小 型化につながる. その保証には様々な要素が必要とされる. 耐圧性能を保証するための項目は,大別して 耐電圧性能・耐トラッキング性能・耐イオンマ イグレーション性能に分けられる.耐電圧性 能は基材毎に単位距離当たりの耐電圧が規定 されており,設計指標として利用できる.耐ト ラッキング性能も ISO60664 等の絶縁協調規 格で定義されている内容に準拠した設計とす ることで製品性能検証にて不具合が出ること はほぼないが,イオンマイグレーションにつ いては明確な規格も無ければメーカー保証も ない.この状況から耐イオンマイグレーショ ン性能については独自に設計指標を設ける必 要がある. 耐イオンマイグレーション性能は,温度,湿 度等の環境や使用される材料によって大きく 変動する.従来の基材には塩素や臭素等を主 とした難燃性材料を使用してきたが,近年は ハロゲンフリー難燃性材料に切り替わってき ており,耐イオンマイグレーション性能への 影響度を把握することが急務である. 本稿では,温度,湿度によるイオンマイグ レーションの加速性,材料違いによる耐イオ ンマイグレーション性能の差が明確になり, イオンマイグレーション観点での適切な絶縁 距離の設計指標を求めることが可能となった. その結果を紹介する. *1 開発本部 第七開発部 ※ 2016年 8月 29日受付, (公社)自動車技術会の許諾を得て, 2016 年秋季大会学術講演会講演予稿集 No.173-16A, 20166364より,加筆修正して転載 田 井 慎太郎 *1 浜 野 瑞 樹 *1 鷺 谷 吉 則 *1 Shintaro TAI Mizuki HAMANO Yoshinori SAGIYA Miniaturization of automotive electronic components is required in order to improve comfort in the vehicle. For this, reduced size and increased density of the printed circuit board becomes indispensable, but issues then arise with insulation degradation due to ionic migration. In this paper we describe the results of our observations of ionic migration due to differences in materials in the circuit board and resistor and the electric field pattern. Key Words: EV and HV systems, insulation, Ionic Migration

プリント基板のイオンマイグレーション解析...-15- ーン技報 Vol.5 (2016) 2.イオンマイグレーションによる 絶縁劣化について 2.1. イオンマイグレーションとは

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Page 1: プリント基板のイオンマイグレーション解析...-15- ーン技報 Vol.5 (2016) 2.イオンマイグレーションによる 絶縁劣化について 2.1. イオンマイグレーションとは

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プリント基板のイオンマイグレーション解析

プリント基板のイオンマイグレーション解析※

Deterioration of Insulation in Printed Circuit Boards due to Ionic Migration

論文

1.まえがき

近年,世界的な環境規制からハイブリッドカーや電気自動車のような電動パワープラントを備える車両が増えている.

電動パワープラント車では 100~300V 程度の高電圧を発するバッテリモジュールが使用され,モータ給電においては 700V 付近まで昇圧されることもある.一方で人員空間は従来のガソリン車同等の居住性が求められることから,インバータやバッテリ電圧センサユニットでは耐圧性能(絶縁距離)確保と共に小型化が求められる.

ユニット開発においてはこの背反する要求に応えるべく,耐圧設計の最適指標を求める必要がある.インバータを構成するプリント基板(以下,基板)は高電圧系と低電圧系のパターンが同一基板内に配線されており,要求耐圧に応じた絶縁距離の設定をすることで小型化につながる.

その保証には様々な要素が必要とされる.耐圧性能を保証するための項目は,大別して耐電圧性能・耐トラッキング性能・耐イオンマイグレーション性能に分けられる.耐電圧性

能は基材毎に単位距離当たりの耐電圧が規定されており,設計指標として利用できる.耐トラッキング性能も ISO60664等の絶縁協調規格で定義されている内容に準拠した設計とすることで製品性能検証にて不具合が出ることはほぼないが,イオンマイグレーションについては明確な規格も無ければメーカー保証もない.この状況から耐イオンマイグレーション性能については独自に設計指標を設ける必要がある.

耐イオンマイグレーション性能は,温度,湿度等の環境や使用される材料によって大きく変動する.従来の基材には塩素や臭素等を主とした難燃性材料を使用してきたが,近年はハロゲンフリー難燃性材料に切り替わってきており,耐イオンマイグレーション性能への影響度を把握することが急務である.

本稿では,温度,湿度によるイオンマイグレーションの加速性,材料違いによる耐イオンマイグレーション性能の差が明確になり,イオンマイグレーション観点での適切な絶縁距離の設計指標を求めることが可能となった.その結果を紹介する.

*1 開発本部 第七開発部

※ 2016年8月29日受付,(公社)自動車技術会の許諾を得て,2016年秋季大会学術講演会講演予稿集No.173-16A,20166364より,加筆修正して転載

田 井 慎太郎*1 浜 野 瑞 樹*1 鷺 谷 吉 則*1

Shintaro TAI Mizuki HAMANO Yoshinori SAGIYA

Miniaturization of automotive electronic components is required in order to improve comfort in the vehicle. For this, reduced size and increased density of the printed circuit board becomes indispensable, but issues then arise with insulation degradation due to ionic migration. In this paper we describe the results of our observations of ionic migration due to differences in materials in the circuit board and resistor and the electric field pattern.

Key Words: EV and HV systems, insulation, Ionic Migration

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ケーヒン技報 Vol.5 (2016)

2.イオンマイグレーションによる絶縁劣化について

2.1. イオンマイグレーションとは基板の電極間に電圧を印加すると配線パ

ターン(銅)の陽極側となる部分が電子をもらうことで表面から金属イオンが基板表面や基材内部に含まれる水分,イオン化促進物質に溶け出し,電界によるクーロン力で陰極側に移動し電子交換で再び金属として生成(以下,デンドライト)される.この現象をイオンマイグレーションという(1).

2.2. イオンマイグレーション発生原理イオンマイグレーションは電気化学反応に

よるものであり,陽極側,陰極側では Fig. 2のように示され,銅が析出される.このように電極金属のイオン化によりデンドライトが成長し,絶縁劣化を引き起こす.要因としては電界,水分,塩素等が起因していることがわかる.したがって,高湿度環境下での使用や塩素を含んだ材料を使用することにより耐イオンマイグレーション性能は低下すると考えられる(1).

3.試験方法

3.1. 試料の種類試料は6層構造とし,物性値の異なる基材

とレジスト材を比較するため,Table 1 に示すように試料 A,B,C を作成した.試料のサンプル写真を Fig. 3 に示す.

Table 2 に示すように,試料は実製品を想定し,電極パターンは,くし型(Fig. 4),ビアホール対向(Fig. 5)の2パターン(2),(3),導体間隔は 1.0,1.5,2.0mm の3パターンを準備した.

この試料は,前処理として実製品同等の熱ストレス(はんだ工程による熱印加)を与えている.

3.2. 試験条件の設定試料A,Bについては基材依存性を,試料B,

C についてはレジスト依存性を確認するため,85℃,85%RH(3)の一定条件で試験を実施した.

さらに,試料 C についてイオンマイグレーションは温度,湿度が大きく影響することから,Table 3 に示すように,温度依存性と湿度依存性が把握できるような条件で試験を実施した.また,印加電圧は DC800V で統一し,導体間隔の違いにより試験を実施した.

3.3. 試験方法,確認方法試験は前述の試料を恒温恒湿槽内に設置し,

Table 3 の各試験条件に到達した後,パターン端子間に電圧を印加,抵抗値変化の有無でイオンマイグレーションによる故障有無を判定した(4).高温高湿環境のため,一時的に抵抗値が下がる場合があるがこうしたものは記録データを見ながら,イオンマイグレーションか否かを判定することとした.劣化した試料は,イオンマイグレーション発生状況を目視,および金属顕微鏡を用いて観察し,全体の様子を把握した.次いで,電子プローブマイクロアナライザ

(以下,EPMA)を用いてイオンマイグレーションが発生した試料表面の成分分析を実施した.

Fig. 1 Ionic migration

Fig. 2 Ionic migration chemical equation

metal ion

dendrite

anod

e

cath

ode

Cu → Cu2+ + 2e−

Cu2+ + 2OH− → Cu (OH)2

Cu2+ + 2e− → Cu

H2O → H+ + OH−

cathode

anode

<Water factor>

Cu + 2Cl− → CuCl2 + 2e−

CuCl2 → Cu2+ + 2Cl−

Cu2+ + 2e− → Cu

anode

cathode

<Chloric factor>

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プリント基板のイオンマイグレーション解析

Sample A B C

TraditionalFR-4

Non-HalogenFR-4

Non-HalogenFR-4Grade

Board material Material a Material b Material bResist Resist a Resist a Resist b

Fig

Fig. 4

Fig. 5

Electrode Pattern

Comb-Shaped

Via Hole

Item

Clearance (d)

Electrode Length (e)

Land Width (g)

Hole Pitch (h)

Dimensions (mm)

1.0/1.5/2.0

1.0/1.5/2.0

20.0

2.54

75%RHHumidity

Temperature85%RH

75ºC 75%RH/75ºC 85%RH/75ºC 95%RH/75ºC

95%RH

85ºC 75%RH/85ºC 85%RH/85ºC 95%RH/85ºC90ºC 75%RH/90ºC 85%RH/90ºC 95%RH/90ºC

Via Hole Electrode Pattern

Comb-Shaped Electrode Pattern

+Electrode

- Electrode

d

e

+Electrode F-f phase

g- Electrode

L1L2L3

L4L5L6

h

fF

3.4. 分析方法イオンマイグレーションは銅が徐々に析出

することにより進行するので,摩耗故障と同様のモードを持つ.このことから温度,湿度,電界強度を加速係数とする式(1)のアイリングモデルの寿命式が適用できる.イオンマイグレーションが発生した試料の故障発生時間,および累積故障率からワイブル分析を実施し,アイリングモデル(5)を利用して試験環境における基板の寿命時間を算出した.

L = A · exp ( · K1 · Sn)T

Ea (1)

式中の「Sn」については,加速係数全般を模擬している.

4.結果

4.1. 試験結果イ オ ン マ イ グ レ ー シ ョ ン 試 験 結 果 を

Table 4,Table 5,Table 6 に示す.Table 4 は85℃,85%RH の同一条件で実施した,くし型パターン試料 A,試料 B の試験結果である.各試料の成分詳細は明らかになっていないが,基材への塩素等の添加に差があり,同成分の少ないハロゲンフリー材(試料 B)の方で故障発生時間が長いことから,水分のほか基材成分もイオン化促進物質として影響することが考えられる.

Table 5 は同一の基材を使用した,くし型パターン試料 B,試料 C の試験結果である.試料 B と試料 C の違いはレジスト材のみとなり,その他は同一となる.試料 B の故障発生時間に比べ,試料 C は2倍以上の 5,000h を超えても故障には至らなかった.この結果より試料C のレジスト材は耐イオンマイグレーション性能が高いことがわかった.

Table 6 に試料 C(ビアホール対向パターン)の温度90℃一定,湿度75%RH,85%RH,95%RH の試験結果を示す.5000h の試験では故障発生時間の関係より湿度条件が高い

Fig. 3 Board sample

Table 1 Sample list

Table 2 Sample pattern

Fig. 4 Comb-shaped electrode pattern

Fig. 5 Via hole electrode pattern

Table 3 Test condition list (Sample C)

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ケーヒン技報 Vol.5 (2016)

Sample: CVia Hole Electrode PatternLand Width: 1.0mm

Sample: CComb-Shaped Electrode Pattern

75ºC/75%RH 85ºC/75%RH 90ºC/75%RH

Condition: 85ºC/85%RHSample

A(N = 5)

B(N = 5)

Failure Time222332338562586

1,0941,1751,3491,9572,419

Unit

hour

hour

Grade

TraditionalFR-4

Non-HalogenFR-4

Condition: 85ºC/85%RHSample

B(N = 5)

C(N = 5)

Failure Time

No Failure

1,0941,1751,3491,9572,419

Unit

hour

hour

Resist

Resist a

Resist b

85%RH

95%RH

75%RHSample Humidity

C

Condition Length (mm)1.0 2.0 3.0

No Failure

No Failure

No FailureNo Failure

No Failure

No FailureNo Failure

1,4571,6522,069

2,7733,2203,921

Unit

hour

hour

hour

95%RH の時に発生しやすくなる傾向であった.Fig. 6 は 90℃,95%RH の試験結果写真となる.表面層ではイオンマイグレーションが発生した状態を観察することはできなかった.そのため内層間でのショート CAF

(Conductive Anodic Filament)が発生していると考えられる.

Fig. 7 は,くし型パターン(1.0mm)の湿度75%RH 一定,温度75℃,85℃,90℃の試験結果である.写真では樹枝状のデンドライトが確認されているためイオンマイグレーションが発生していることがわかる.このことから温度に依存してイオンマイグレーションの進展が促進される傾向であり,本試験結果

は従来から報告されているイオンマイグレーション研究結果が再現できていることを裏付ける内容でもあった.

4.2. 分析結果Fig. 7 でイオンマイグレーションが発生し

た試料 C(90℃,75%RH)について EPMA を用いて成分分析した結果を Fig. 8 に記載する.Fig. 7 に現れている生成物の成分は C,Ba,O,Cu,S,Si,Cl,Al,Mg である.分析の結果,デンドライト部にも Cu 以外のレジスト材等の成分が検出されていることがわかる.この結果は水分のほか,レジスト材や基材に含まれるイオン化促進成分がイオンマイグレーションの進展に影響することを裏付ける結果となった.

今回の試験結果よりワイブル分析行い,ア

Table 4 Ionic migration test results 1 (board difference)

Table 5 Ionic migration test results 2 (resist difference)

Table 6 Ionic migration test results 3 (humidity difference)

Fig. 6 Via hole electrode pattern (Sample C)

Fig. 7 Ionic migration test results 4 (temperature difference)

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プリント基板のイオンマイグレーション解析

(95%RH/90ºC)(85%RH/90ºC)

Failure Time [hour]

Cum

ulat

ive

Failu

re R

ate

[%]

1

0.1

0.01

90755025

10

99

5

1 1,00050010010 100,000Sample ASample B

Sample C Sample C

Sample: C (90ºC/75%RH)Comb-Shaped Electrode Pattern

Ba

O

C

Cu

S

Al Mg

Si

Cl

Fig. 8 Ionic migration analysis (Sample C EPMA)

5.まとめ

評価手法および条件を定義し試験を行うことにより,温度,湿度,基材,レジスト材によるイオンマイグレーションの加速性を明らかにすることで設計指標を設定することができ

た.また,事前に製品に必要な電圧,温湿度,必要寿命時間からイオンマイグレーション観点での適切なクリアランスの設定が可能となった.

観察結果から,材料個々に寿命特性を有するため,同じ FR-4 グレードの基材でも新規材料適用時には改めて評価を行い,設計指標を設ける必要があることがわかった.

絶縁劣化の要因のひとつとしてイオンマイグレーションによる劣化の推定が可能であることは本研究により判明したが,その他の劣化要因における寿命,寿命予測からの絶縁距離設計の基準の明確化は今後の課題として継続して研究を続けていく.

参考文献

(1) 高薄一弘:電子部品・実装におけるイオンマイグレーションの評価方法,最先端電子デバイス・部品における信頼性試験・評価事例集第1版,東京,2006,技術情報教会,p.249

(2) 社団法人日本プリント回路工業会:プリント配線板試験方法 JIS C5012-1993, 1993, 30p

(3) 長嶋紀孝:プリント配線板環境試験方法 JPCA-ET01~09-2007 第3版,東京,2007,社団法人日本電子回路工業会,114p

(4) 長嶋紀孝:ビルドアップ配線板(用語)(試験方法)JPCA-BU01-2007第3版,東京,2007,社団法人日本電子回路工業会,50p

(5) 津久井勤ほか:プリント配線板のイオンマイグレーションと絶縁信頼性評価法,東海大学,vol.34, No.1, p.39-50 (1994)

Fig. 9 Ionic migration analysis

イリングモデルの加速係数を求め,寿命を予測した.その結果を Fig. 9 に示す.また,予測寿命値より耐イオンマイグレーション性能の設計指標を設定し,指標を元に作成した製品での耐久試験を行った結果が問題なかったことを付け加えておく.

Page 6: プリント基板のイオンマイグレーション解析...-15- ーン技報 Vol.5 (2016) 2.イオンマイグレーションによる 絶縁劣化について 2.1. イオンマイグレーションとは

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ケーヒン技報 Vol.5 (2016)

本稿の評価によりイオンマイグレーションによる絶縁劣化の加速性を明らかにすることで製品に必要な絶縁クリアランスの設定が可能となりました.今後も様々な仕様に応じた最適設計ができるよう理解を深めたいと思います.自動車技術会での発表および本技報への執筆におきまして,ご指導・ご協力いただきました皆様に深く感謝申し上げます.(田井)

鷺 谷 吉 則

著 者

田井慎太郎 浜 野 瑞 樹