1

インターコンチネンタル・インサイダーガイド美食を求める旅 編

32

館内レストランのプロデュース以外にも、ビカス・カンナ氏、テオ・ランダール氏、高木一雄氏と

いったさまざまなジャンルで活躍する食のエキスパートを「IHG食の親善大使」に任命し、インターコ

ンチネンタル ホテルズグループ（IHG）の料飲サービス充実化に努めています。食の親善大使が考案す

るさまざまなオリジナルメニューは、AEMA地域の一部のホテルやリゾートでも提供を開始しています。

インターコンチネンタルが70年近くにわたってそれぞれの土地ならではの奥深い旅の体験をお客様にお

届けしてきたノウハウと、各地で長年にわたって受け継がれてきた食の伝統を踏まえ、各地のホテルや

それぞれの国で自信を持ってお薦めできる料理とその魅力をたっぷりご紹介します。

各国の至高の逸品から絶品の屋台料理に出会える場所、一度は行ってみたい各地の名店情報まで、

インターコンチネンタルがご案内する美食の旅をお楽しみください。

インターコンチネンタル ホテルズ グループ（IHG）

アジア・中東・アフリカ地域 ラグジュアリー・ライフスタイル部門

ブランド・マーケティング ディレクター

ブルース・ライド（Bruce Ryde）

インターコンチネンタル・インサイダーガイド

はじめに

食の文化は、単に生存のための必要性にとどまらず、究極の味を求めてやまない人々の精神に支えられ

てたえず進化を続けてきました。食べることは私たちの大きな喜びであり、さまざまな国や地域の伝統

食はそこに生きる人々のアイデンティティと深く結びついています。「台所はその家の心」という言葉

も、文化に根ざした食の重要性を物語っています。人と人を結びつけるだけでなく、初めて訪れる土地

やそこでの文化に親しむ絶好の機会である食事は、旅においてもきわめて大きな部分を占めています。

このインサイダーガイドでは、世界60カ国以上に180以上のホテルとリゾートを展開するインターコン

チネンタル ホテルズ＆リゾーツから集めた料理・レストランに関するとっておきの情報をご紹介します。

ここAMEA（アジア・中東・アフリカ）地域は、伝統に根ざした豊かな料理とさまざまな味覚が多様に

味わえるエリアです。インターコンチネンタル ホテルズ＆リゾーツでは、ミシュランシェフとして

世界的に著名なピエール・ガニェール、ジェイソン・アサートンの各氏をはじめとする一流の専門家を

お迎えし、新たな食の魅力を切り拓くレストランを展開してさまざまな賞を獲得しています。AMEA

地域のどこにあっても、お客様に最高の食をお届けすることに全力を注いでいます。

54

ミシュランの星を獲得した名店だけでなく、路地裏の屋台、料理フェスティバル、オーガニック野菜のマルシェ

に至るまで、それぞれの地域の文化と食の醍醐味を理解することが、食の世界の魅力を広く味わうことにつなが

るのです。

各地のグルメ探訪など、食にフォーカスした文化への関心は世界的な盛り上がりを見せており、伝統の料理や

それぞれの起源、原産地、品質、文化的な広がりなどがホットな話題となっています。

ソーシャルメディアの普及とともに、世界各地の食を愛する人々が、それぞれの出会う美味しい料理や文化的

背景を紹介しあう場面も増えています。こうした動きは、「最高の料理、食材、とっておきの食事体験を求める」

という共通の目的のもとにつながったグローバルなコミュニティの形成へと発展しています。

究極の味を求めて

世界的に盛り上がる食への関心

シンガポール風中国料理の人気シェフ、サム・レオン氏によるシンガポール風中国料理の人気シェフ、サム・レオン氏による「鶏肉の特製ブラックペッパーソース炒め」

6 7

思い出に残る旅を、最高のお食事体験でさらに忘れがたいものにしませんか。インターコンチネンタルのホテル

やリゾートが誇る一流のレストランに、とびきりの装いでお越しください。

3つ星シェフピエール・ガニェールのプロデュースにより、旬の新鮮な素材を生かした先端的な現代ヨーロピアン

感覚のメニューがご賞味いただけます。市内を静かに流れるドバイ・クリーク沿いに広がるウォーターフロント

の景観が見渡せる店内で、地元ドバイの食文化に想を得た創作フレンチの粋をお楽しみください。メニューは、

情感・風味・発想が絶妙にバランスした、ガニェール氏の真骨頂ともいえる芸術的なコンポジションです。

姉妹店Choixは、同じくピエール・ガニェールが中東で初めて出店したパティスリー。定番のメニューを21世紀

感覚でさらに進化させたパティスリーの数々を取り揃えています。

各地の名店で最高のメニューを

マリーナ・ソーシャル

インターコンチネンタル ドバイ マリーナのオープンに合わせて、英国出身の人気シェフ、ジェイソン・アサー

トン氏の中東で初となる自身のレストランとして誕生。アサートン氏はソーシャル・レストランという斬新な

コンセプトでロンドンに開いたレストラン「ポレン ストリート ソーシャル（Pollen Street Social）」は、

オープン1 年目に早くもミシュランの 1 つ星を獲得して話題を集めました。このソーシャル・レストランの発想

をさらに拡げて誕生したこのレストランは、ドバイ最大のウイスキー・コレクションを誇るバー「ザ・ソーシャ

ル ルーム」や、夕景と音楽を楽しみながらミクソロジストのオリジナルカクテルを味わえる屋外テラスを併設

しています。

インサイダーからのアドバイス「レストランの醍醐味の一つが、親密な雰囲気です。食事をともにすることは人々の交流

を助けて世界をよりよい場所にしてくれます。それぞれの地元文化の尊重は私が特に重視

していることで、世界各地に出店しているすべてのレストランでは、現地のエグゼクティブ

シェフや私自身の調理技術にその土地ならではの繊細な感覚を生かすよう心がけています。

最高水準の食をめざすIHGとのパートナーシップも、まさにこの精神に基づいており、さま

ざまな食文化の粋を最高のスタンダードでお届けしていきます」

インターコンチネンタル ドバイ フェスティバルシティの「ルフレ＝パー＝ ピエール・ガニェール」

デザートは、豪華でありながら遊び心あふれるプレゼンテーション

ピエール・ガニェール（フランス料理の世界的シェフ）̶

ルフレ＝パー＝ ピエール・ガニェールシュー byピエール・ガニェール

インターコンチネンタル ドバイ フェスティバルシティ（アラブ首長国連邦）

住所：Dubai Festival City, Dubai, United Arab Emirates

電話：+971 4 7011111

インターコンチネンタル ドバイ マリーナ（アラブ首長国連邦）

住所：Bay Central Dubai Marina, Dubai 393080, United Arab Emirates

電話：+971 4 4466777

8 9

コー・バイ・イアン・キティチャイ

テオ ミオ

ラ・メゾン 1888

世界的な人気を誇るタイ料理シェフ、イアン・キティチャイによる

「海老のグリル、炭火焼オイスターマッシュルーム、カフィアとレモングラスのソース風味のスープ」

インドのムンバイにあるインターコンチネンタル マリンドライブで人気の、世界的なタイ料理シェフのイアン・

キティチャイ氏によるユニークな「ハイ・タイ」スタイルでお届けする、フォーマルなタイ料理レストラン。

ハタナカ サトミ氏とQuentin Dante of Studio Q Conceptsが手がけるセンスあふれるインテリアは、ゴージャスで

ありながらエキゾチックな雰囲気を楽しめます。

イギリスの人気シェフであるテオ・ランダール氏がイギリス以外に初めて展開する本格的なイタリア料理レスト

ラン。地元産の最高級食材とイタリア直送の厳選された野菜・果物を使ったエキサイティングな旬のメニューを

テーマにしています。

さまざまな料理を少量ずつ楽しめる盛り合わせなど、テーブルでシェアしやすい工夫も凝らされています。

アンティパストは、ホテルのラウンジバーでもお召し上がりいただけます。

ミシュランの 3 つ星シェフとして知られるピエール・ガニェール氏が2015年秋から就任。インターコンチネン

タル ホテルズ&リゾーツでガニェール氏が手がける4軒目のフランス料理レストランです。ANA インターコンチ

ネンタルホテル東京の「ピエール・ガニェール」では 6 年連続 でミシュランの2 つ星を獲得しています。

ラ・メゾン1888はまた、『Architectural Digest』誌から「デザインの美しさで注目される最近のレストラン」の

ひとつにも選ばれ、フランスのアンティーク様式の邸宅を模したインテリアと、東シナ海を臨む絶景も楽しむ

ことができます。高級フレンチのエッセンスに、アジア料理のエスプリと新鮮な地元食材を取り入れたメニュー

を提供します。

インターコンチネンタル マリンドライブ （インド）

住所：135 Marine Drive, Mumbai 400020, India

電話：+91 22 39879999

インターコンチネンタル バンコク（タイ王国）

住所：973 Ploen Chit Road, Bangkok 10330, Thailand

電話：+66 2 6560444

インターコンチネンタル ダナン サン ペニンシュラ リゾート（ベトナム）

住所：Bai Bac, Sontra Peninsula, Danang City, Vietnam

電話：+84 511 3938888

10 11

IHG「食の親善大使－イタリア料理」,テオ・ランダール氏（Theo Randall）

IHG「食の親善大使－シンガポール風中国料理」　,

サム・レオン氏（Sam Leong）

IHG「食の親善大使－モダン・オーストラリア料理」

ロス・ラステッド氏（Ross Lusted）

IHG「食の親善大使－日本料理」

高木一雄氏

IHG「食の親善大使－タイ料理」

イアン・キティチャイ氏（Ian Kittichai）

IHG「食の親善大使－ペストリー」

ディーン・ブレッシュナイダー氏（Dean Brettschneider）

IHG「食の親善大使－インド料理」

ビカス・カンナ氏（Vikas Khanna）

すばらしい食との出会いには、旅の印象を大きく変えてしまえるほどの力があります。インターコンチネンタル

ホテルズグループ（IHG）では、お客様にいっそうご満足いただける食の体験をお届けするための取り組みの

一環として「IHG食の親善大使」を開始しました。食の親善大使として当代の一流シェフ5氏をお招きし、特別に

考案された選りすぐりのオリジナルメニューをAMEA（アジア・中東・アフリカ）地域のグループホテルで提供

します。

「IHG食の親善大使」には、日本料理（京料理）の高木一雄氏、インド料理のビカス・カンナ氏（Vikas Khanna）、

イギリスで活躍するイタリア料理のテオ・ランダール氏（Theo Randall）、タイ料理のイアン・キティチャイ 氏

（Ian Kittichai）、シンガポール風中国料理のサム・レオン氏（Sam Leong）、オーストラリアの人気シェフ、

ロス・ラステッド氏（Ross Lusted）、 アジア各国で活躍するニュージーランド出身のペストリーシェフ、

ディーン・ブレッシュナイダー氏（Dean Brettschneider）というように、幅広い美食の才能が集結しました。

ロンドンのレストランChez Maxのウェイターから始

まったテオ・ランダール氏は、現在、インターコン

チネンタル ロンドン パークレーンで「テオ・ラン

ダール」を切り盛りしています。同レストランはロ

ンドンで高く評価され、さらに2015年秋にはイン

ターコンチネンタル バンコクに同氏が海外で初めて

プロデュースするレストラン「テオ ミオ（Theo

Mio）」がオープンしました。

現代シンガポール料理を代表するサム・レオン氏は、

世界の料理関連イベントで多くの賞に輝いています。

多彩なレシピ本の出版、料理関連のイベント、食育、

後進の指導、コンサルティングなど、幅広い領域で

活躍中です。

6年連続でミシュランの2つ星を獲得している「京料

理 たか木」（兵庫県芦屋市）のオーナーシェフ。

IHG「食の親善大使」として、正統派の日本料理の

技術と現代的なセンスでグローバルな日本料理の

メニューを考案。国内外に多くのファンを持ち、

海外でも日本料理の普及と料理人の育成に力を注い

でいます。

オーストラリアの人気シェフ、ロス・ラステッド氏

はシドニーのレストランガイドで3シェフハットに

認定されたレストラン「ザ・ブリッジルーム（The

Bridge Room）」の共同オーナーシェフとして活躍。

ヨーロッパやアジアの食文化を融合して創作する氏

のメニューは、オーストラリアの食の評論家からも

絶賛されています。

ロンドンでの修業時に料理の才能が認められ、名門

料理学校に留学。現在、ニューヨーク、バルセロナ、

バンコクなど世界各地でレストランを開いているほ

か、ムンバイのインターコンチネンタル マリン ドラ

イブに「Koh by Ian Kittichai」を出店しています。

ニュージーランド出身のパティシエ、ディーン・

ブレッシュナイダー氏は、自らが出演する料理番組

「Kiwi Baker」をはじめ、世界各地にパティスリーや

カフェを所有しています。製パン・製菓の腕前は

各国のパティシエの間でも広く知られています。

最近では「Bread」と題する料理本も出版、同氏の

「Baker & Cook」はインターコンチネンタル シンガ

ポール内にも出店しています。

25年以上にわたる経験を持ち、本格インド料理を

クリエイティブなスタイルで提供し、数々のアワー

ドやベストセラーのインド料理本で世界中に旋風を

巻き起こしました。米ニューヨークのインド料理レ

ストラン「Junoon」はミシュランの1 つ星を獲得し

ています。バラク・オバマ米大統領が同氏の料理を

「インド料理のタージマハール」と絶賛したことで

も知らせます。各地が誇る最高の味覚を

1010

写真左から：ブレッシュナイダー氏、ランダール氏、高木氏、カンナ氏、

レオン氏、キティチャイ氏、ラステッド氏

12 13

ベイルートのインターコンチネンタル ムザールでは、中東のフレーバー豊かな料理が楽しめます

オーストラリア

奥まった路地裏や何気ないたたずまいの小さな店にも、街中のどこよりもすばらしい味と出会

える場所があります。このような店には、有名なガイドブックには必ずしも載っていない穴場

も少なくありません。地元の奥深い魅力を知り尽くしたインターコンチネンタルのコンシェル

ジュが、そんなとっておきの味をご紹介します。

人気ブログ「The Food Dept」の発行人、アン・マリー・クミン氏のおすすめ：

オーストラリアでは、朝食のことをスラングで「ブレッキー」と呼びます。国民食といわれることもある

『ベジマイト』のスプレッドを塗ったトーストを試してみてください。イースト菌抽出物が主原料で、外国

人旅行者によく驚かれる独特の塩辛い風味がトーストによく合います。

シドニーの人々がよく訪れるのは、ポッツポイント、レッドファーン、サリーヒルズなどの地区で、The

Winery、Yellow、The Apollo、Mrs G's、Restaurant Nomad、Kepos St Kitchen、Riley St Garageといった

店が人気です。シドニーに旅行するならぜひ立ち寄っていただきたいボンダイビーチでおすすめのレスト

ランは、North Bondi Fish。これぞオーストラリアという景観を見渡しながら、新鮮なシーフード料理が

楽しめます。シドニー港の絶景を楽しむには、Cafe Sydneyへ。シドニーのもう一つの名所、オペラハウス

に行くのもお薦めです。無料の音楽演奏を聞きながらオーストラリアワインやビールを楽しめるオペラハ

ウスのバーはいつも賑わっています。

インターコンチネンタル メルボルン ザ・リアルトのチーフ・コンシェルジュ、

ジェームス・ライデナーのおすすめ：

メルボルンの魅力は、おいしいレストランやカフェが何百軒もあること。当ホテルから徒歩圏の店でトップ

スリーを挙げるなら、Bistro Vue、The Grain Store、Chiara。私が今注目しているのは、質の高いレストラン

やバーが続々とオープンしているノースコートとソーンベリーという2つの地区です。お薦めのお店は、

The Mooreshead、Trumpy、Northern Git、The Estelle、Joanie's Baretto、The Back Room Bar at Carwyn

Cellars（20銘柄のクラフトビールが生で飲める）など。ホテルからは、Bourke Streetを通る86番のトラム

で行くのが便利です。

他にない個性的な味覚をお求めなら、カンガルーやエミューに代表される野生動物の肉も多くの店で提供され

ています。カンガルーの肉は先住民族がタンパク源として利用してきたもので、低脂肪であることも魅力です。

夕陽を眺めながら地元名産のシドニーロックオイスターをはじめとする新鮮なシーフードを堪能できる

Donovan'sは、くつろいだ造りと雰囲気のレストランです。オーナー夫妻のゲイルさんとケヴィンさんも

よく店に出てお客様をもてなしています。

オーストラリア料理は、ワインによく合います。世界有数のワイン生産国でもあるオーストラリアでは、

ハンターバレー、マーガレットリバー、バロッサバレーなどの名産地から最高級のワインが世界中に輸出

されています。「ペンフォールドは、オーストラリアを代表するブランドの一つ。国内・海外からのお客様に、

その奥深い魅力をぜひ知っていただきたいと願っています。当ホテルでは、レストランとバーにペンフォール

ズの最高級ワイン各種をご用意。Bluestone Wine Loungeでは、質の良いグラスワインを提供しています。

地元通が教える、とっておきの穴場

14 15

インド

日本

インドの人気レストランガイド「Zomato」の創設者／CEO、ディーピンダー・ゴヤル氏のおすすめ：

インドでは多くの人々が一日の最初に飲むというくらい、チャイが愛飲されています。インド南部では、

コーヒーも人気があります。都市部以外の朝食はパンと野菜という質素なものが主流ですが、南部では

イドリ（蒸しパン）、サンバル（スパイスのきいた豆スープ）、ドーサ（豆と米をクレープのように焼いた

もの）などを取り合わせた朝食が一日のメインになっています。

インターコンチネンタル マリンドライブ（ムンバイ）のチーフ・コンシェルジュ、

アルバート・アマンナのおすすめ：

ムンバイを訪問されたら、ぜひバダパブ（芋のフリッターをパンにはさんだベジタリアンファーストフード）

をお試しください。コラバ地区には、香り豊かなチャート（屋台で売られているスナック）、インド料理、

レバノン料理などの本格的な店が数多くあります。

お薦めのレストランには、インターコンチネンタル マリンドライブのKebab Korner（グリルとカレーの

インド料理）、Stadium（何代も続くパルシ料理の店）などがあります。

地元の人気スポット、チャウパティビーチは、おいしい店が多いことでムンバイ周辺でも有名です。Shree

Thaker Bhojanalayはムンバイでも指折りのベジタリアンインド料理店で、さまざまな賞も受けています。

ここは伝統のグジャラティ・タリー（グジャラート地方の定番コース料理）の店で、ロティまたはチャパティ

（イーストを使わない平たいパン）、ダール（乾燥レンズ豆）、カディ（ひよこ豆のカレー）、シャーク

（各種の野菜とスパイスを使ったカレー炒め）などがお薦めです。

ANAインターコンチネンタルホテル東京のチーフ・コンシェルジュ、桃井 忍のおすすめ：

早朝、東京の築地魚市場を訪れると、新鮮な海の幸が次々に競り落とされる様子を間近に見学することが

できます。新鮮な素材の味を引き立てるシンプルな調理は、日本食の真髄といわれています。

一流の寿司店が集まる東京の中であえて薦めしたいのは、『銀座 鮨一』です。ミシュラン一つ星のこの店

では、新鮮な寿司をリーズナブルな価格で味わうことができます。

また、寿司以外にも、熱々の一杯が人気の『赤坂ラーメン』、柔らかくジューシーな国産豚肉を使った

「とんかつ井泉本店」などもお薦めです。

また、大阪の食通に人気の道頓堀界隈は、無数の飲食店に色とりどりのネオンや店頭の動くディスプレイが

連なり、常に活気あふれる雰囲気を作り出しています。石畳の通り沿いにずらりと立ち並ぶ大阪名物の

お好み焼き、たこ焼き、串かつなどのB級グルメは、ぜひとも味わいたいもの。

インターコンチネンタルホテル大阪のコンシェルジュチームのおすすめ：

お好み焼きでは、「はた坊」がお薦めです。タコを生地でくるみ特製ソースをかけたたこ焼きでは、ふわっ

とした生地にボリュームある具で人気の「たこ家道頓堀くくる」などがあります。

また、食いだおれの街・大阪から、ワイン／フード・ジャーナリストの寺下光彦氏に通な魚の愉しみ方を

教えていただきました。

「どの魚を選ぶかで、あなたが決まる」　

標準的な寿司店や単品割烹で、常備される魚介類は約30種類。これが日本の素材力のあたりまえ、なのです。

何から選べばよいのか分からないから…、ひとまずトロ？ いえ関西にはトロよりさらに真の美食家を魅了する

極上の白身魚がひしめいています。中でも、これを注文すれば“通”と認められる高級魚はアコウ（明石産が

最上）、オコゼ（広島、尾道産が極上）、甘鯛（兵庫・津居山産が最上）。

口で勢いよくふくらむ自然の甘みと、美しく澄みきった余韻。一度味わうと、トロは眼中になくなるという

グルマンは、少なくありません。あ、もし貴方が外国からのお客様なら、このネタを注文した時の料理人の

びっくり顔も、ご期待ください。

インターコンチネンタルホテル大阪のフレンチレストラン「ピエール」

目にも美味しい彩豊かなプレゼンテーション

16 17

中東地域 シンガポール

南アフリカ共和国

エジプトの朝食には、一日を通じてどんな食事にも欠かせないパンと、エジプト伝統のモロヘイヤスープ

（モロヘイヤの葉とガーリック、コリアンダーで作る鮮やかなグリーンのスープ）がぴったりの相性です。

昼食はどこでもライスが中心で、おかずにはさまざまな肉のグリル（それぞれの土地に伝わるスパイスを

使用）が好まれます。夕食は「メッゼ」と呼ばれる形式で、テーブルを囲む人々と談笑しながら温かい料理

や冷たい料理を分けあいます。

手軽なスナックとして人気のシュワルマは、直火で串焼きした肉を平たいパン（ピタ）にはさんでガーリック

とタヒーナソースで味付けした料理。ヨルダンの屋台などで人気の「クナーファ」は、レヴァント風の

チーズペストリーをオレンジセモリナのクラストで包み、シロップをかけた甘いデザートです。

ヨルダン（ヨルダン・ハシミテ王国）のディナーといえば欠かせない国民食の「マンサフ」は、発酵させた

乾燥ヨーグルトのソースで味付けしたラム肉を、皿に盛ったライスかブルグァ（麦）にトッピングした

料理です。エジプトでお薦めの伝統料理としては、ライス、パスタ、レンズ豆などにトマトソースをかけた

「コシャリ」が、国中で広く親しまれています。

アラブ首長国連邦のインターコンチネンタル アブダビの総支配人、イヴォール・プレストウッドのおすすめ：

ホテル所有のプライベートマリーナにあるレストランByblos Sur Merは、アブダビでも最高クラスの本格

中東料理が自慢です。古き良きフェニキアの都に足を踏み入れたような雰囲気の中で、専門のシェフが腕に

よりをかけたレバノン料理をご賞味いただけます。「メッゼ」と呼ばれるコース料理、味わい豊かなマリネ、

レバノン伝統のスイーツなど、メニューも豊富。地元の職人が店内で毎日焼き上げているパン、伝統音楽の

生演奏もあり、息を呑むほど美しい夕陽をお供にお食事をお楽しみください。

シンガポールの典型的な朝食は、地元の人々に愛されているコピ（コーヒー）またはテ（ティー）、カヤ

（ココナッツジャム）のトーストと、ゆで卵のセットです。昼食は、Maxwell Food Marketをはじめとする

ホーカーセンターで、チキンライス、ラクサ（ピリ辛麺）、ホッケンミー（シーフード入り焼きそば）、

チャークイティオ（きしめん風焼きそばにトリガイ、肉、玉子、フィッシュケーキなどをトッピングした

もの）といった地元の人々に人気の料理を味わってみましょう。各地のショッピングモールにもテーマ

レストランが充実していて、シンガポール国民の食への関心の高さをうかがわせます。

インターコンチネンタル シンガポールのチーフ・コンシェルジュ、アーニー・リヴェラのおすすめ：

シンガポールらしい食を楽しむなら地元の人がよく行く店へ。本当にシンガポールらしい食事体験ができる

ところといえば、Old Airport Road Food Centre、Tiong Bahru Market、Geylang Serai Market and Food

Centreなどが挙げられます。おいしい料理が目移りするほど並んでいて天国のようですよ。

シーフードがおいしい店としてRed HouseやLong Beachもお薦めです。折りたたみテーブルとプラスチック

のイスを並べた素朴な客席で、おいしい匂いや煙に包まれながらできたてのストリートフードを楽しんで

みたい方は、地元産のタイガービールをおともにシンガポール随一といわれるサテを食べられるLau Pa Sat

へどうぞ。

また、シンガポールのアンダーグラウンドシーンを体験するなら、28 Hong Kong Streetがお薦め。ここは

シンガポールで一番の穴場店。普通の商業ビルのような店構えで、入口に看板もかかっていないというミス

テリアスなレストランです。おすすめのメニューはマック・アンド・チーズボールやスライダーバーガー、

それにこの店のオリジナルカクテルです。

首都ヨハネスブルグでお薦めの朝食は、インターコンチネンタル ヨハネスブルグO.R.タンボ・エアポートの

人気メニューになっている南アフリカの伝統料理「ポイキ」です。17世紀にオランダ人によって伝えられ、

今や国内のどこの家庭でも必須アイテムとなっている小さな鉄鍋を使い、肉と野菜をオランダマレー風

スパイスでじっくり煮込んで作られます。

ポイキに続く軽めのランチには、ビーフ、ジビエ、時にはダチョウなどの肉を干して加工した「ビルトン」

と呼ばれる人気のスナックはいかがでしょうか。狩猟で得た肉を長期保存用に調理加工していた伝統を今に

伝える直火の炙り焼き「ブラーイ」も、南アフリカを代表する料理のひとつです。

インターコンチネンタル ヨハネスブルグO.R.タンボ・エアポートの総料理長、トレバー・ボイドのおすすめ：

Local Grill Restaurantは、お客様の注文に応じて新鮮な肉を切り分けてくれる地元精肉店から生まれた

レストランらしいユニークなサービスで知られています。

Chesa Nyamaでは、オープンキッチン形式の厨房で直火焼きした最高級熟成肉を、伝統食のパップ

（トウモロコシ粥）、ソース、作りたてのチップスとともに味わえます。シンガポール風中国料理の人気シェフ、サム・レオン氏による

「ラムチョップの焼物　レモングラス風味」

18 19

クラッシュ・フェスティバルアデレード（南オーストラリア） テイスト・

オブ・メルボルンメルボルン

オージー・ワイン月間 オーストラリア全域

メルボルン

グルメ・エスケープマーガレットリバー（西オーストラリア）

オーストラリア

「食との出会いこそ旅の大きな楽しみ」という方にとって、世界各地の食の名所や

イベントは見逃せないもの。季節ごとの魅力的なフェスティバルをご紹介します。

世界各地の食巡り

オーストラリアでは5月を通じ、ワイナリーでの

コンサート、ワインの産地を回る自転車ツアー

など、おいしいワインと料理を楽しむイベント

が国内各地で開かれます。

毎年恒例のこのフェスティバルでは、

シドニーの多彩なレストランシーンと

食文化の魅力を存分に味わうことがで

きます。フェスティバル期間中は、

会場のセンテニアルパークが世界最大

の屋外レストランに変わります。ワイ

ン、シャンパン、ビール、野菜などの

コーナーもあります。

オーストラリアらしい魅力にあふれる

マーガレットリバーを会場に、世界中

からシェフやワイン生産者を集めて開か

れる食の祭典です。

アデレード・ヒルズで毎年オース

トラリア・デーの祝日を含む連休

に開かれる食とワインの祭典で、

南オーストラリアが誇る最高級ワ

イン、ファッション、音楽、アー

トなどに出会うことができます。

メルボルンのユニークで先進的なレス

トランシーンを紹介する4日間のフェス

ティバル。市内の人気レストランから

自慢の料理が出品されます。

世界的に有名なシェフらを招き、メル

ボルンと地元ビクトリア州が誇る斬新

な創作料理を紹介する17日間のフェス

ティバルです。目にも美味しいイタリア料理シェフ、テオ・ランダール氏の「フィッシュ・シチュー」

テイスト・オブ・シドニー シドニー

メルボルン・フード＆ワインフェスティバル

20 21

にいがた酒の陣 新潟

東京ラーメンショー 東京

築地市場東京

道頓堀大阪

日本

ベルソバ・シーフードフェスティバルムンバイ

カコリ・フードフェスティバルムンバイ

マサラカートハイデラバード

マイラポール・フェスティバルチェンナイ

インド

シーフードに目がない人々にぴったりのこの

フェスティバルでは、料理やダンスなど、

ムンバイの先住民コリ族の伝統文化を紹介する

企画やコンテストも見どころ。五感でフルに

楽しめる3日間です。

ケバブ、ビリヤニ、パニールなどのムガール料理

（南アジアの伝統料理）を愛好する人々にとって、

天国のようなイベントです。

2013年に始まった新しいストリートフェスティバルで、

インドの文化的多様性を背景にした豊かな食の魅力に

出会うことができます。インド各地に伝わる本格スパ

イスや料理の数々をお楽しみください。

合計12の会場で4日間にわたってその年の収穫を祝う地元伝統

の祭り「ポンガル」のに先立って行われます。さまざまな食べ

物や地元の名産品の露店をめぐりながら、民族音楽や舞踊など

のパフォーマンスを楽しめるイベントです。お子様には、パラ

ンクジ、ダヤカッタムなどの伝統の遊びに挑戦できるコーナー

もあります。

新潟市で毎年3月に開催される国内最大級の

日本酒イベント。新潟の90以上の蔵元から

集まった合計500銘柄以上の地酒が飲み比べ

できます。

道頓堀川に沿って多くの飲食店が立ち並ぶ

このエリアは、たこ焼きやお好み焼きに代表

される大阪の味を食べ比べることができます。

早朝から水揚げされた魚が次々に競り落とされていく

様子を見学したり、場内や場外で新鮮な寿司を楽しん

だりできます。場外市場では、観光客の方でも生鮮品、

日本茶、台所用品、漬物、卵焼きや鰻といった特産品

をお求めになれます。

（場内市場は2016年11月に豊洲に移転）

駒沢オリンピック公園で毎年開催されるラーメンの

祭典です。全国から40軒以上のラーメン店が参加し、

40万人以上が来場。入場は無料で、来場者は好きな

ラーメンを食べ比べることができます。

2322

ドバイ・フードフェスティバルドバイ（アラブ首長国連邦）

Q8・フード・フェスティバルクウェート

テイスト・オブ・アブダビアブダビ（アラブ首長国連邦）

アブダビ・フードフェスティバルアブダビ（アラブ首長国連邦）

中東地域

ビアフェスト・アジア

ワールド・グルメ・サミット

シンガポール

地元の料理人や職人が手作りした料理やパン、有名

レストランの看板料理など、クウェートの多彩な食の

魅力が一堂に集まる、幅広い層に人気のイベントです。

アブダビの地元や世界各国から参加する

シェフたちが腕を競うこのフェスティバル

では、どんな味覚をお求めの人にも最高の

逸品が必ず見つかります。

アブダビ市内のさまざまなレストランが自慢の

料理を競う、家族ぐるみで楽しめるイベントです。

23日間にわたって、業界関係者や一般来場者を

対象とするイベント、プロモーション、フード

セレブの講演などを通じてUAEの食の最先端を

紹介する一大祭典です。さまざまな文化と民族が

集まるドバイならではの多様性と創造性に富んだ

食の魅力を感じることができます。

最高級のワインと食事体験にフォーカスした、

一味違うフェスティバルです。市内各地の有名

レストランで特別メニューが提供されるほか、

シンガポールや世界各地の有名シェフによる

さまざまなコラボ企画が実施されます。

食を愛する人々が一堂に会する1ヶ月間のイベント

です。市内各地のマーケットやレストランで、東南

アジア各地から集まった自慢の料理に出会うことが

できます。

すべてのビール好きにとって1年のハイラ

イトともいえる祭典です。世界各国から

500銘柄以上のビールが出展されるほか、

今年はさまざまなウィスキーが飲み比べ

られるウィスキー・ラウンジも設けられ、

楽しみの幅がさらに広がります。

シンガポール・フードフェスティバル

24 25

南アフリカ共和国

ルシート・ランド - ヨハネスブルグヨハネスブルグ

南アフリカ・チーズフェスティバルステレンボッシュ

ROUTE 62, 南アフリカ共和国全域

別名「南アフリカのワインルート」としても

名高いこの道路は、沿道に南アフリカ国内で

も屈指のワイナリーが数多くあります。愛好

家なら見逃せないバラエティ豊かなワインに

出会える周遊コースです。

有名ブランドの定番品から、職人技で手作り

された珍しい逸品まで、バラエティ豊かな

チーズが400種類以上も集まるフェスティバル

です。さまざまな展示や人気シェフによる実演

を通して、注目の新進ブランドやこれまでに

ない新しい料理との組み合わせを発見できます。

ルシート・ランドは、ヨハネスブルグでいま最も

注目されている家族向けフェスティバルです。

国内各地から集まった実力派のミュージシャンや

バンドのステージや、あつあつのポルトガル料理

を味わえます。ヨハネスブルグ南部のラロッシェル

にあるパイオニア・パークの湖（ヴェンマー・パン）

周辺を会場とする、自然の中のイベントです。

旅先の食文化に親しみたい方にぜひお薦めしたいのが、地元の市場めぐりです。市場

で売られている商品には、その国や地域の文化を深く理解することに役立つヒントが

あふれています。無数のスパイスが並ぶインドの巨大マーケットから南アフリカの

週末市まで、各地のインサイダーがそれぞれの地元を代表する市場をご紹介します。

地元の味覚を食卓に

インターコンチネンタル ボラボラ リゾート&タラソスパでは、

素晴らしい眺めとともに特別なデザートタイムが楽しめます

2726

タヒチ（フランス領ポリネシア）

タイ王国

アラブ首長国連邦（UAE）

オーストラリア

インド

インドネシア

南アフリカ共和国

メルボルンを訪れたら行ってみたいのが、上質で新鮮な食材が揃ったサウス・メルボルン・マーケットと

プラーン・マーケットです。サウス・メルボルン・マーケットは、オリーブオイルの品揃えとおいしい

中国料理の点心が有名です。プラーン・マーケットの人気スポットは、コーヒーショップのMarket Laneと、

珍しい芋をたくさん扱っている通称「ポテト・マン」の店。高級な鮮魚や精肉を扱う店と並んで、グルメ

キッチンストアやおいしいデリカテッセンもあります。

ムンバイを訪れたら、コラバ地区の市場周辺を歩いてみましょう。色とりどりの工芸品、シルクペイン

ティング、スカーフ、ジュエリーなどの土産物がところ狭しと並んでいます。市場は年中無休で朝から

夜までオープンしています。歩き疲れたら、旅行者や地元客で人気のLeopold's CaféまたはCafé Mondegar

で休憩を。

「ジャカルタでお薦めのショッピングスポットはSMESCOビルです。インドネシアの食料品やスナックなど、

お土産にもぴったりな品が豊富に揃っています。食品以外にも、パペットや木工品など、ジャカルタや

インドネシア伝統の工芸品や民族衣装などもありますので、大切な方へのギフトとしても喜ばれます」

（インターコンチネンタル ジャカルタ ミッドプラザのチーフ・コンシェルジュ、イルワナ・ユスフのおすすめ）

ヨハネスブルグのブライアンストン・オーガニック＆ナチュラルマーケットは、この街でも歴史のある野外

市場で、国内最高品質の農産物や食料品が手に入るところです。営業時間は毎週木曜・土曜と祝日の午前9時

から午後3時です。ブラームフォンテン地区のネイバーグッズ・マーケット（土曜の午前9時から午後3時）

にも、新鮮な食品やパン、土産物などが豊富に揃っています。

首都パペーテの中心街にあるル・マルシェは、ぜひとも行きたい市場。2階建ての各フロアに豊富な掘り出し

物があります。マルシェの入口には、もぎたてのきりっと冷えたココナッツが手頃な値段で売られています。

新鮮なココナッツジュースで喉を潤しながら、手作りの工芸品や帽子、ジュエリーなどを見て回るのが

お薦めです。旅の記念にタトゥーを入れる観光客の方も。早起きできる方は、日曜の日の出に合わせて市場

を訪れると、この市場の本当の魅力を味わえます。

インターコンチネンタル バンコクのチーフ・コンシェルジュ、タナラット・メンバンプンのお薦めは、

タイの魅力である屋台料理が豊富に食べ比べできるバンコクのチャトチャック・ウィークエンド・マーケット

です。隣接するオートーコー・マーケットも、各種のスパイスやハーブをはじめ、ドライマンゴーなどの

特産品が揃っています。

地中海様式の建物が立ち並ぶアブダビのザ・コレクション内で毎週土曜日にオープンする、ライプ・フード＆

クラフト・マーケットは、近郊で作られたオーガニック野菜や地元のアーチストが制作した美術工芸品・

服飾品が並ぶ市場です。

採れたての野菜を買うなら、ザビールパークのライプ・フード・マーケットがお薦め。冬季の毎週金曜日に

オープンするこのマーケットには、近隣で生産された多彩なオーガニック野菜が並びます。

オーストラリア料理の人気シェフ、ロス・ラステッド氏による

「ザリガニとこしょう・カラメル・ココナッツ・ピーナツの一皿、野菜のピクルス添え」

28 29

1. 使用するカメラに習熟する

2. 焦点

旅先で出会ったおいしい料理を写真に撮って、ネットで紹介したり友人に自慢したりするのは楽しいもの。

最高のスナップを撮影するには、いくつかのコツが必要です。

ドバイで活躍するプロ写真家のネヴィル・ホプウッド氏は、「料理をおいしく見せる写真には、通常の撮影とは

違ったテクニックと手間が必要です」と言います。料理の写真は、見る人の心を引きつけ、「おいしそう」

「食べてみたい」と思わせる仕上がりになっていることが大切です。料理を撮るということは、見る人に

「どうぞご一緒に」と体験をおすそ分けすること。言葉では伝えられない味わいを伝える力を持った写真を

上手に撮るための秘訣をシンプルにまとめると、次のようになります。

料理の写真を効果的に撮影ためにまず必要となるのが、使用するカメラの特徴をすみずみまで理解しておくこと

です。あなたのスマートフォンやカメラは、どんなソフトウェアを使って映像を記録しているでしょうか。

細かい設定によって、どんな効果が生まれるのでしょうか。ひとつひとつの設定を試し撮りしながら確かめ、

写真がどんな仕上がりになるのかを知っておくことが重要です。習うより慣れろといいますが、ゆっくり時間

をかけてご自身のカメラの使いこなし方を体得しましょう。

写真の印象は、被写体となる料理のどの部分に焦点を当てるかで大きく変わります。スマートフォンのカメラ

には、オートフォーカス機能や画面をタップするとその箇所に焦点が合わせられる機能がオプションでついた

ものもあります。仕上がりにいま一つ満足できないという場合は、ピント機能があるアプリ（Pro Cameraなど）

も試してみましょう。単体のカメラには、多くの場合オートフォーカス機能があり、シャッターを半押しすると

任意の場所にピントが合わせられるようになっています。

ANAインターコンチネンタルホテル東京のピエール・ガニェールは、デザートも魅力的

失敗しない料理写真のコツ

30 31

3. 構図

4. 場面設定

料理の皿を必ず画面の中心に据えなければならないという決まりはありません。真ん中から少しずらしたり、

上下や左右で画面にメリハリをつけたりと、いろいろな構図を工夫してみましょう。俯瞰とアオリの使い分け

は、光線を基準に考えます。レストランでは、直射日光を避けながら十分な明るさを確保できるテーブルを

選びましょう。

「軽く遠近感を出し、料理の特定部分にピントを合わせた撮り方をすると、アーティスティックな仕上がりに

なります。料理全体にくっきりとピントを合わせる撮り方は一般的な料理写真のテクニックですが、多くの

光量が必要で、きれいに撮るためのアレンジにも手間がかかります」（ホプウッド氏）

レストランの店内風景や賑わっている様子を画面に入れ込んだり、窓からの景色、テーブルのセッティングや

デコレーションを料理と一緒に撮るなど、さまざまな設定が可能です。食べている途中の料理を段階的に撮影

するのもおもしろい方法です。

「いい写真が撮影できるかどうかを分ける一つのポイントが、ライティングです。ステーキのような料理には

黄色や赤など暖色系の光が合います。一方、地中海料理などには明るい白色光を使うのがおいしく見せるコツ

です」（ホプウッド氏）

インターコンチネンタル ダナン サン ペニンシュラ リゾートのCitronでは、ベトナム各地の料理のほか週末のワールドブッフェが名物

32 33

5. シンプルさを心がけて

6. ソーシャルメディアの活用

7. おいしく食べることも忘れずに

インサイダーからのアドバイスオーストラリアの人気ブログ「The Food Dept」の発行人、アン・マリー・クミン氏

-

完璧主義に陥りすぎないよう、肩の力を抜くことも大切です。できるだけ自然光を使用して、料理が持つ色味、

質感、奥行きを大切にしながら撮影してみましょう。テーブルに少しでもパンくずなどが落ちていると許せない

という人もいますが、それで写真の味わいが増すこともあります。

自慢の写真が撮れたら、ソーシャルメディア（SNS）に効果的にアップしてみましょう。写真に位置情報を

添付したり、キャプションにハッシュタグを入れたりすると、似たような関心を持つ人々の目に止まりやすく

なり、多くの「いいね！」やフォロワーが集まります。インターコンチネンタル ホテルズ＆リゾーツのレスト

ランやバーで撮影した写真には、ぜひ「#IHGFoodie」のハッシュタグをつけてください。

撮影とアップが完了したら、おいしい料理をおいしいうちに味わうことをお忘れなく！

光源の方向を確認して、撮りたい料理の撮りたい箇所にきれいに光が当たるように配置を工夫して

みましょう。夜間でも、スマートフォンのフラッシュライト機能を使うと明るく撮ることができます。

写真は小物使いがポイント。画面全体のメリハリを考えて、ワイングラス、調味料の容器といった

脇役も効果的に配置してみましょう。どうすればいいかわからない時は、真上からダイレクトに

撮影することをお薦めします。

インターコンチネンタル ドバイ マリーナに人気シェフのジェイソン・アサートンのレストランがオープン。

デザートには「オレンジとクローブのスフレ」がおすすめ

34 35

旅先でその土地の食をめぐることも、その土地ならではのかけがえのない体験（写真：インターコンチネンタル フェニキア ベイルート）

多様な料理を味わうことは、文化の豊かさを体験するまたとない機会。アジア・中東・アフリカ（AMEA）

地域は、新たな美食を見出し、それぞれの料理に息づく伝統や文化に出会う旅の舞台としてうってつけの

エキサイティングな地域です。

「IHG食の親善大使」や、AMEA各地のホテルで活躍するインターコンチネンタルのプロフェッショナルが

お薦めする選り抜きの情報が、皆さまの旅をいっそう豊かなものにし、それぞれの訪問先の思い出に残る

一皿との出会いのきっかけとなれば幸いです。

インターコンチネンタル ホテルズ＆リゾーツ一同よりお客様に、心をこめて「ボナペティ（どうぞ召し上がれ）！」

美食を探して旅に出ましょう