ハイスループットHPLCのトラブル解決法 1/15

ハイスループットHPLCのトラブル解決法 2/15

　既に一般的な使用法が確立しているＨＰＬＣだが，ここ数年，検出器を質量分析（ＭＳ）としたＬＣ－ＭＳ，更にＭＳを接続した選択性の高いＬＣ－ＭＳ／ＭＳの使用が急激に増加している．

　ＬＣ－ＭＳの場合，維持費が高いことに加え，特に医薬品開発の薬物動態分野では開発期間短縮のため，スループット向上が大きな命題になっており，ＬＣに対しても従来要求されている『分離』はもちろん，『いかに高速化できるか』という大きなテーマが与えられている．

　ＬＣ－ＭＳに焦点を当てたハイスループット分析時におけるトラブルと，その解決法を紹介する．

　はじめに　　　　　　　　　　　　　はじめに　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ハイスループットHPLCのトラブル解決法 3/15

２回目

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4Time, min

３回目

１回目

5%B

65%B

1.5min

1.0min

２回目以降では早くなる

【原因】初期移動相に平衡化されていない

【問題】 ・洗浄時間など条件を変更したとき

・測定し直しになったとき

↓

保持のずれ，または時間を要する

　高速グラジエント条件時にみられるトラブル　　　　高速グラジエント条件時にみられるトラブル　　　　

Column ： CAPCELL PAK C18 MGII　 S3 2.0 mm I.D.×20 mm

M. Phase ： A) 0.1% HCOOHB) 0.1% HCOOH, CH3CN

Flow Rate ： 1000 µL/minTemp. ： 40 ℃Injection ： 2 µLSample ： サルファ剤７種

Detection ： ESI, Positive

　繰返しの１回目と２回目以降で保持時間がずれる　　　　　　　　　　 　

ハイスループットHPLCのトラブル解決法 4/15

Column ： CAPCELL PAK C18 MGII S32.0 mm I.D.×20 mm

M. Phase ： A) MeOHB) 0.05% アセトン,CH3OH

Flow Rate ： 200 µL/minTemp. ： 40 ℃Detection ： UV 280 nm

0 min 1.5 min 5.5 min

0.2 mL/min90 %B

15 %B

デッドボリュームによる遅れにより短縮できない

Minutes0 1 2 3 4 5

　平衡化時間が長いため、分析サイクルを短縮できない　　　　　　　　　

ハイスループットHPLCのトラブル解決法 5/15

⇒　ＬＣ－ＭＳを用いた高速グラジエント条件での分析に最適化したポンプを開発

　高速グラジエント条件時におけるトラブルの対策　　　　　　　　　 　 　

• 徹底的にデッドボリュームを削減し、プログラム追随性を向上することで迅速で安定したグラジエントレスポンスを得る

• 配管

• ダンパー

• ミキサー

• サンプルループ

• カラム

～ デッドボリュームの要因 ～

ハイスループットHPLCのトラブル解決法 6/15

新製品　3301デュアルポンプMS

　　　MS検出器に最適化した　　　　　　高レスポンス２連ポンプ

　高速グラジエント条件のための新開発ポンプ　 　　　　　　　　 　 　　　

ポンプB(送液部)

ポンプA(送液部)

新開発マージユニット

サンプラー

カラム

検出器

ハイスループットHPLCのトラブル解決法 7/15

0 min 1.5 min 5.5 min15 %B

0.2 mL/min90%B

0 min 0.4 min 1.5 min15 %B

1 mL/min90%B

0 1 2 3 4 5

Minutes0 1 2 3 4 5

0.0 0.5 1.0 1.5

Minutes0.0 0.5 1.0 1.5

　当社現行ポンプと新規開発ポンプの比較①　　　　　　　　　　　　　　　

ハイスループットHPLCのトラブル解決法 8/15

0.5 1.0 1.5 2.0 2.5Time, min

0.5 1.0 1.5 2.0 2.5Time, min

＜サルファ剤７種＞

5 %B

65 %B

0 min 1 min 3 min

1 mL/min

5 %B

65 %B

0 min 1 min 1.1 min

1 mL/min

現行ポンプ

新規開発ポンプ

　当社現行ポンプと新規開発ポンプの比較②　　　　　　　　　　　　　　　

ハイスループットHPLCのトラブル解決法 9/150.2 0.4 0.6

Time, min

１回目

２回目

３回目

5%B

47%B

0.8min

0.7minColumn ： CAPCELL PAK C18 MGII

S3 2.0 mm I.D.×20 mm M. Phase ： A) 0.1% HCOOH

B) 0.1% HCOOH, CH3CNFlow Rate ： 1000 µL/minTemp. ： 40 ℃Injection ： 2 µLSample ： サルファ剤７種

Detection ： ESI, Positive

繰り返し分析の１回目から安定した保持時間

　最短時間でも良好な再現性　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ハイスループットHPLCのトラブル解決法 10/15

n=5 Column ： CAPCELL PAK C18 MGIIS3 2.0 mm I.D.×20 mm

M. Phase ： A) 10mmol/L酢酸アンモニウムB) CH3CN

Injection ： 2 µLSample ： アルキルパラベン（C1-C7）

Detection ： UV 277 nm

n=5

TimeFlow rate(µL/min)

B% A%

Init 200 20 801.3 200 90 102.0 200 90 102.0 200 20 803.1 200 20 80

初期移動相に高速平衡化

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0%

20

40

60

80

Minutes0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

%

20

40

60

80

TimeFlow rate(µL/min)

B% A%

Init 200 20 801.3 200 90 102.0 200 90 10

2.0 1000 20 802.3 1000 20 80

2.3 200 20 802.4 200 20 80

　分析例分析例　アルキルパラベンの高速分析　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ハイスループットHPLCのトラブル解決法 11/15

1000µL/min

600µL/min

400µL/min

200µL/min

0.008

0.009

0.010

0.011

0.012

0.013

0.014

0.015

0.016

0 200 400 600 800 1000 1200Flow rate (μL/min)H

eigh

t equ

ival

ent t

o th

eore

tical

pla

te fo

r na

phth

alen

e

MGMGII

UG120

ACR

AQ

Product A

Product EProduct D

Product B

0.008

0.009

0.010

0.011

0.012

0.013

0.014

0.015

0.016

0 200 400 600 800 1000 1200Flow rate (μL/min)H

eigh

t equ

ival

ent t

o th

eore

tical

pla

te fo

r na

phth

alen

e

MGMGII

UG120

ACR

AQ

Product A

Product EProduct D

Product B

Column ： C18 MGII S3 2.0 mm×20 mmn=5

全てのMGシリーズ（MG,MGII,MGIII）に共通特性

Minutes0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

　分析例分析例　MGIIショートカラムを用いた高流速化による迅速測定　　　　

ハイスループットHPLCのトラブル解決法 12/15

Column ： C18 MGII S3 2.0 mm×20 mm

Flow Rate ： 1000 µL/minn=5

TimeFlow rate(µL/min)

B% A%

Init 1000 20 800.4 1000 90 100.5 1000 90 100.5 1000 20 800.8 1000 20 80

M. Phase ： A) 10mmol/L CH3COONH4B) CH3CN

Injection ： 2 µLSample ： アルキルパラベン（C1-C7）

Detection ： UV 277 nm

Minutes0.0 0.2 0.4 0.6 0.8

%20

40

60

80

　分析例分析例　5倍流速でのアルキルパラベン高速分析　　　　　　　　　　　　

ハイスループットHPLCのトラブル解決法 13/15

Column ： C18 MGII S3 1.5 mm×35 mm Flow Rate ： 500 µL/min

n=5

n=5

TimeFlow rate(µL/min)

B% A%

Init 500 20 80

0.4 500 90 10

0.8 500 90 10

0.8 500 20 80

1.3 500 20 80

TimeFlow rate(µL/min)

B% A%

Init 250 5 95

1.1 250 90 10

1.5 250 90 10

1.5 250 5 95

2.4 250 5 95

Column ： C18 MGII S3 1.0 mm×35 mm Flow Rate ： 200 µL/min

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2%

20

40

60

80

Minutes0.0 0.5 1.0 1.5 2.0

%

0

25

50

75

100

　分析例分析例　内径2mm以下のセミミクロカラムを使用　　　　 　　　　　　　　

ハイスループットHPLCのトラブル解決法 14/15

Column ： C18 MGII S3 2.0×20mm

M. Phase ： A) 10mmol/L CH3COONH4

： B) CH3CN

Volume ： 10ppb 2µL

Flow Rate ： 1000µL/min

Detection ： ESI, negative

0.2 0.4 0.6Time, min

30%B

80%B

TimeFlow rate(µL/min)

B% A%

Init 1000 30 70

0.7 1000 80 20

0.7 1000 30 70

0.75 1000 30 70

　分析例分析例　LC-MSを用いたアルキルパラベン高速分析①　　　　　　　　

ハイスループットHPLCのトラブル解決法 15/150.1 0.2 0.3 0.4

Time, min

30%B

90%B

TimeFlow rate(µL/min)

B% A%

Init 1000 30 70

0.3 1000 90 10

0.3 1000 30 70

0.5 1000 30 70

　分析例分析例　LC-MSを用いたアルキルパラベン高速分析②　　　 　 　 　　

Column ： C18 MGII S3 2.0×20mm

M. Phase ： A) 10mmol/L CH3COONH4

： B) CH3CN

Volume ： 10ppb 2µL

Flow Rate ： 1000µL/min

Detection ： ESI, negative