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ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援
超微細加工領域
平成20年度支援成果報告書
平成21年5月
学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
本報告書は文部科学省の平成20年度産学官連携
支援事業による委託業務として学校法人トヨタ学
園豊田工業大学が実施した平成20年度「中部地区
ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分
析(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援超微
細加工領域)」の成果を取りまとめたものです
目 次
1委託業務の目的 3
2平成20年度の実施内容
21 実施計画 3
22 実施内容(成果)
221 成果概要 4
222 支援成果トピックス 6
223 支援課題一覧 8
224 支援成果報告
(注07- シリーズの成果報告は昨年度の「公開猶予」分)
07-03 ナノ結晶制御型高品質結晶化Si形成 12
橋上 洋
07-04 プラズマCVDによる薄膜成膜 14
砂山竜男
07-05 側面へのパターニング技術 16
大平文和
07-06 微小面積薄膜のレーザ加熱による変形 18
柳瀬明久
07-07 超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発 20
中野圭洋
07-10 高分解プローブ顕微鏡による薄膜表面の構造評価 22
笹川 薫
07-12 鉄系シリサイド形成に関する研究 23
大平 豊丹司敬義
07-16 多結晶シリコンデバイスのための酸化メカニズムに関する研究 25
山本直矢
08-01 多結晶シリコン基板へのpnダイオード作製 27
小椋 厚志
08-02 可視光用超高速空間光変調器の研究開発 29
近藤 直樹
08-03 結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動について 31
仙田 愼嗣
08-04 ナノレベルで膜厚を制御した透明導電膜の光学的特性評価 33
吉野 賢二
08-05 プラズマCVD法による薄膜作成と構造評価 35
吉野 賢二
08-07 電子線ビーム露光技術と組み合わせたナノ粒子パターン配置技術の開発 36
熊谷慎也
08-08 超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発 38
中野 圭洋
08-13 垂直壁側面へのパターニング技術 40
大平文和
1
08-15 プローブ顕微鏡を用いた物性測定 42
田仲 圭
08-16 磁気記録用パターン媒体の研究 44
加藤剛志
08-17 鉄コバルト系シリサイド形成に関する研究 46
大平 豊丹司 敬義
08-20 ナノ構造半導体薄膜の作製 48
竹田 康彦
08-22 InAs量子ドットを電極としたナノショットキーダイオードの理想係数 50
田中一郎
08-26 FETデバイス基板の試作 52
吉村雅満
08-27 触媒ナノ粒子を用いたCVD膜中残留応力制御 54
熊谷慎也
08-28 a-SiNxHSi界面特性の面方位依存症 56
新船 幸二
08-29 太陽電池特性評価技術の習得 58
岩本 恵里
08-32 レジストマスクによるリン砒素のイオン注入 60
上田 一之
08-33 新規プローブの開発 62
森田 幸治
08-34 ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製 64
田中一郎
08-35 次世代メモリ用材料GeSbTe薄膜のCVD成膜 66
町田 英明
08-37 分光機能を持つMEMS赤外線センサ 68
佐々木 実
08-39 エンジニアリングプラスチックスの成形加工物の残留歪解析 70
安藤幸也
08-40 光ファイバー材料の吸発光特性 72
齋藤和也
23 成果の外部への発表 74
24活動(運営委員会等の活動等) 78
25 実施体制 79
26 支援装置 81
27 各種データ 86
2
1委託業務の目的
11 委託業務の課題
拠点課題名 「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析」
機関業務名 ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援 (超微細加工領域)
12 実施機関
機関名 学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
住 所 468-8511 愛知県名古屋市天白区久方2-12-1
13 委託業務の目的
中部地区ナノテクノロジー総合支援拠点を形成し「ナノ計測分析」「超微細加工」「分
子物質合成」の3領域において「最先端ナノ計測機器の利用支援」「有機生体関連分子
等の多彩な物質群の設計合成評価支援」「最先端設備技術による半導体超微細加工支援」等を
総合的に実施する
このため大学共同利用機関法人自然科学研究機構分子科学研究所国立大学法人名古
屋大学国立大学法人名古屋工業大学学校法人豊田工業大学の愛知県内4機関が共同で業
務を行う
学校法人トヨタ学園 豊田工業大学では超微細加工を中心とした支援を担当する
2平成20年度の実施内容
21 実施計画
①シリコン超微細加工用要素プロセス技術と評価の支援
クリーンルーム内に設置のシリコン系を主体とするプロセス装置を利用して各種素
子構造を試作するとともに各種の機能物質とシリコンとの複合化プロセスおよび評価
を行う今年度は特に電子線リソグラフィと走査型プローブ顕微鏡(兼加工装置)の
活用を進めるリソグラフィ薄膜形成イオン注入や熱拡散による不純物導入酸化
やウェットおよびドライエッチング等一連の要素プロセス技術を提供する微細構造
や物性の測定評価についてはクリーンルーム内の評価装置および関係研究室の精密分
析装置を併用して実施する
②3次元フォトリソグラフィなどによる(微細)デバイス構造の製作と評価の支援
ナノ構造などを持つ微細デバイス製作にはフォトリソグラフィが利用されるがMEMS
デバイスには3次元化も重要となるこのようなニーズに対応するためフォトレジス
トのスプレー成膜と立体特有の露光装置を組み合わせたオリジナルな3次元フォトリ
ソグラフィを開発応用しこれらを用いた新規デバイスの製作を支援する
平成20年2月の段階でスプレー成膜アライメントを必要としない立体露光触針段
差計による膜厚評価が可能となったアライナと組み合わせた露光UVキュア処理レ
ジスト剥離MEMS立体加工などと有機的に結び付く装置支援ができるよう順に用意す
る
③化合物半導体ナノ構造の形成(および有機物との複合化)と評価の支援
化合物半導体ナノ構造の形成のためにMBE(分子線エピタキシー)によるAlGaInAs
系AlGaInSb系のナノ薄膜超格子量子ドットなどの構造やこれを含む素子構造の形
成を行うまたこれらのナノ構造の光物性(蛍光と光吸収特性)および電子物性(伝
3
導特性)などの計測評価手法も提供し原子間力顕微鏡による構造評価も実施する
有機薄膜の形成と評価支援についてはOMBE(有機分子線エピタキシー)による有機薄
膜構造の形成真空一貫システムでの電極蒸着に加えて電子物性(伝導特性)や光物
性(蛍光と光吸収特性)原子間力顕微鏡による構造計測を実施する
④フラーレンナノ構造の作製と評価および化合物半導体シリコンナノ構造の評価の支
援
分子線エピタキシー装置によるC60(エピタキシャル)薄膜の作製支援ならびに
化合物半導体シリコンフラーレンなど半導体ナノ構造の物性評価の支援を行う物
性評価支援では主に以下の装置が利用できる(a)X線光電子分光装置元素分析化
学結合状態分析(b)結晶性解析X線回折装置結晶構造評価(c)DC amp ACホール効果
測定装置電気的特性(キャリア濃度移動度)評価
⑤カーボンナノプローブナノチューブおよび金属微粒子の形成と評価の支援
ナノ機能デバイスを実現することを目的としてカーボンナノチューブ(CNT)成長に加えてCNT
探針等を用いた高分解能走査プローブ顕微鏡(SPM)によるナノ構造評価などに関する支援を行う
また短パルス YAG レーザー照射によるナノマイクロ構造の加熱および抵抗加熱型真空蒸
着と短パルス YAG レーザー照射による金属微粒子形成に関する支援を行う
⑥有機物および高分子系材料のナノ構造物性評価
各種の有機材料特に高分子材料についてナノスケールでその階層的な構造をX線回折やラ
マンおよび赤外分光法で解明するまたその理論的理解のための計算機シミュレーションなど
に関する学術技術支援を行うさらに構造と種々の物性との相関解明の支援も行う
22 成果
221 成果概要
①シリコン超微細加工用要素プロセス技術と評価の支援
フォトリソグラフィおよびドライエッチングウェットエッチング等を組み合
わせたセンサー素子の作製低圧およびプラズマCVD法を用いたシリコン等各種
基板上へのシリコンナノ薄膜の形成ICの故障解析のための各種薄膜エッチング
法の検討と故障個所の解析フォトニック用デバイスのプロセス検討及び設計のた
めの基本的な知見の取得など12件の支援を実施した
②3次元フォトリソグラフィなどによる(微細)デバイス構造の製作と評価の支援
垂直壁側面へのパターニング技術およびレジストコーティング装置による側面への塗布
技術に関し1件の支援を実施したレジストのUVキュア処理装置の整備張り合わせウェハ
にも処理がし易いレジスト剥離用ツールの整備を実施した
③化合物半導体ナノ構造の形成(および有機物との複合化)と評価の支援
InAs 量子ドットの導電性 AFM 観察ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製新型
ガスセンサーに関する技術相談光ファイバー材料の吸発光特性測定など5件の支援を実施
した
④フラーレンナノ構造の作製と評価および化合物半導体シリコンナノ構造の評価の支
援
結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動に関する検討 ナノレベルで膜厚
を制御した透明導電膜の光学的特性評価太陽電池に必須なプラズマ CVD で形成した半導体
4
ナノ構造太陽電池材料における量子閉じ込め効果の評価など13
⑤カー
薄膜の構造的評価量子
件の支援を実施した
ボンナノプローブナノチューブおよび金属微粒子の形成と評価の支援
デバイスのナノ構造評価を行うためのトンネル顕微鏡(STM)あるいは磁気力顕
微鏡(MFM)用CNT探針の作製磁気記録媒体記録層を高温処理するための短パルス
所的短時間加熱方法の検討など7
件
⑥有機
YAGレーザー照射によるナノマイクロ構造の局
の支援を実施した
物および高分子系材料のナノ構造物性評価
エンジニアリングプラスチックスの成形加工物の残留歪解析分光機能を持つM
EMS赤外線センサの検討の支援2件を実施した
5
222 支援成果トピックス
6
7
一覧
支援課題一覧(H19 年度公開猶予分)
223 支援課題
平成19年度
支援機
関名
課題番
号 支援機能名 業務形態名 実施課題名 申請者の所属 申請者 役職
主な利用装置
名
主な利用装
置の利用
日数
豊田工
業大学 07-03 超微細加工 送致利用
結晶化Si形成 京セラ(株) 橋上 洋 研究員 2
ナノ結晶制御型高品質LPCVD
07-04 超微細加工 装置利用
プラズマCVDによる薄
膜成膜 矢崎総業(株) 砂山竜男
グルー
プリー
ダー
プラズマCVD 2 技術代行
07-05 超微細加工 装置利用 側面へのパターニング
技術
香川大学
工学部 大平文和
レジストスプ
レーコーター 4 教授
07-06 超微細加工
装置利用
微小面積薄膜のレーザ
ー加熱による変形 業大学 柳瀬明久
ダイシング 3 技術代行豊田工 准教授
アライナー 67
07-07 超微細加工 技術代行
装置利用
超微細加工技術を用い
たマイクロ流路チップの
開発
X 中野 圭洋
取締役
パターンジェ
ネレータ 5
株式会社
ESPINE
代表アライナー 11
電子線描画 2
RIE 13
07-10 超微細加工 協力研究 による薄膜表面の構造
株式会社コベル
コ科研 エレクト
ロニクス事業部
笹川 薫 主席
研究員
走査型プロー
ブ顕微鏡 1
高分解プローブ顕微鏡
評価
07-11 超微細加工 技術相談
立体サンプルのフォトリ
ソグラフィ技術に関する
相談
日本電波工業
株式会社 第一 松戸 秀亮 課長 ___ ___
技術部
07-12 超微細加工 装置利用 リサイド形成に関
名古屋大学エコ
トピア科学研究
所
大平 豊
丹司 敬義
教授 SPMSEM 10
鉄系シ
する研究
07-14 超微細加工 技術相談 カーボンナノチューブ深
針作製に関する相談
株式会社 ユニ
ソク 阪巻 なみ 研究員 ___ ___
07-16 超微細加工 装置利用
多結晶 デバイス
のための酸化メカニズ
ムに関する研究
株式会社IHI
薄膜表
ロジェクト部
山本 直矢 課長 エリプソメータ 3
シリコン産業システムセ
クター
面プ
8
平成20年度支援課題一覧
支援機
関名
課題番
号 支援機能名 業務形態名 実施課題名 申請者の所属 申請者 役職
主な利用装置
名
主な利用装
置の利用
日数
豊田工
業大学 08-01 超微細加工 協力研究 多結晶シリコン基板へ
小椋 厚志 教授
ナー
5 の pn ダイオード作製
明治大学
アライ
不純物拡散
炉
08-02 超微細加工 協力研究 可視光用超高速空間光
変調器の研究開発 近藤 直樹 講師 MBE 3
帝京大学
理工学部情報科
学科
08-03 超微細加工 技術相談装
結晶シリコン太陽電池
用受光面銀ペーストの
て
仙田 愼嗣
グルー
プリー
D 23
置利用 焼成挙動につい
株式会社ノリタ
ケカンパニーリ
ミテド ダー
プラズマCV
紫外可視
近赤外分光
光度計
2
08-04 超微細加工 技術代行装
置利用
ナノレベルで膜厚を制
御した透明導電膜の光
学的特性評価 学科
宮崎大学 工学
部電気電子工 吉野 賢二 准教授
紫外可視
近赤外分光
光度計
8
08-05 超微細加工 技術代行装
工学
吉野 賢二 准教授 プラズマCV
2 置利用
プラズマCVD法による
薄膜作成と構造評価
宮崎大学
部電気電子工
学科 D
08-06 超微細加工
技術代行装「公開猶予」
25
置利用
08-07 超微細加工 置利用
電子線ビーム露光技術
たナノ粒
子パターン配置技術の豊田工業大学 熊谷慎也 准教授
装置 32
技術代行装 と組み合わせ
開発
電子線描画
08-08 超微細加工 技術代行装
超微細加工技術を用い
株式会社
スピネックス)
代表取
置利用 たマイクロ流路チップの
開発
ESPINEX(イー 中野 圭洋 締役
アライナー
RIE 14
08-09 超微細加工 装
置利用 4
技術代行「公開猶予」
08-10 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-11 超微細加工 技術代行 「公開猶予」 3
装置利用 「公開猶予」
08-12 超微細加工
20
08-13 超微細加工 協力研究
垂直壁側面へのパター 香川大学 工学
アライナー ニング技術 部 大平文和 教授
スプレーコート10
9
08-14 超微細加工 技術相談 「公開猶予」
___
___
08-15 超微細加工 協力研究 プローブ顕微鏡を用い
た物性測定
株式会社大同
分析リサーチ 田仲 圭
技術主
任
カーボンナノ
チューブ製膜
装置
2
08-16 超微細加工 装置利用 磁気記録用パターン媒
大学工
学研究科 量子
工学専攻
加藤剛志 准教授 ルスYAG
2 体の研究
名古屋 パ
レーザ
08-17 超微細加工 に関する研究
名古屋大学エコ
ノマテリア
ル科学研究部
門
丹司 敬義
鏡 3 装置利用
鉄コバルト系シリサイド
形成
トピア科学研究
所 ナ大平 豊
教授 電子顕微
「公開猶予」 08-18 超微細加工 装置利用 2
08-19 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-20 超微細加工 技術代行装 株式会社 豊田
中央研究所 竹田 康彦
主任研
究員
フォトルミネ
ッセンス測定
装置
1 置利用
ナノ構造半導体薄膜の
作製
08-21 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-22 超微細加工 協力研究
InAs 量子ドットを電極と
したナノショットキーダイ
オードの理想係数
和歌山大学シ
ステム工学部 田中一郎 教授
顕微鏡 5
走査プローブ
08-23 超微細 予」
12 加工 装置利用 「公開猶
08-24 超微細加工
技術代行装
置利用 「公開猶予」
11
08-25 超微細加工 技術代行装
置利用 「公開猶予」
10
5
08-26 超微細加工 技術代行 FET デバイス基板の試
作 豊田工業大学 吉村雅満 准教授
アライナー
EB蒸着装置5
08-27 超微細加工 装置利用
触媒ナノ粒子を用いた
CVD 膜中残留応力制御豊田工業大学 熊谷慎也 准教授 LPCVD 2
08-28 超微細加工 協力研究
a-SiNxHSi 界面特性
の面方位依存性 兵庫県立大学 新船 幸二 准教授
プラズマCV
D 5
08-29 超微細加工 技術代行装
置利用
太陽電池特性評価技術
の習得
日本ソーラーシ
リコン(株) 岩本 恵里
アライナー
不純物拡散
炉
11
08-30 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 6
10
08-31 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 14
08-32 超微細加工 技術代行 レジストマスクによるリ
ン砒素のイオン注入
豊田工大 表面
科学研究室 上田 一之 教授
アライナー
イオン注入装
置
4
08-33 超微細加工 技術相談装
置利用 新規プローブの開発
株式会社 ユニ
ソク 森田 幸治 技術員
アライナー
イオン注入装
置
21
08-34 超微細加工 協力研究
ポテンシャルマッピング
用量子構造試料作製
和歌山大学シ
ステム工学部 田中一郎 教授
分子線エピタ
キシー 4
08-35 超微細加工 装置利用協
力研究
次世代メモリ用材料
GeSbTe 薄膜の CVD 成
膜
気相成長株式
会社 町田 英明
代表取
締役社
長
X 線光電子
分光装置 5
08-36 超微細加工 技術代行 「公開猶予」 3
08-37 超微細加工 協力研究
分光機能を持つ MEMS
赤外線センサ 豊田工業大学 佐々木 実 教授 FTIR 10
08-38 超微細加工 技術相談 「公開猶予」 ――― ―――
08-39 超微細加工 協力研究
エンジニアリングプラス
チックスの成形加工物
の残留歪解析
株式会社デンソ
ー材料技術部 安藤幸也
担当部
員 X線回折 7
08-40 超微細加工 装置利用
光ファイバー材料の吸
発光特性 豊田工業大学 齋藤和也 准教授
蛍光分光計
吸収分光計 6
224 超微細加工領域における支援成果報告
次ページ以後参照
11
装置利用
豊田工大 07-03
ナノ結晶制御型高品質結晶化 Si 形成技術調査
An investigation of technologies for nanocrystal-controlled high quality crystalline Si formation
橋上 洋
Hiroshi Hashigami
京セラ株式会社
Kyocera corporation
ナノサイズ結晶粒からなる高品質結晶化 Si を形成するための技術調査を行った
豊田工業大学クリーンルームにて LPCVD での結晶化 Si 形成を行った作製した LPCVD 結晶 Si と京
セラで作製したプラズマ CVD 結晶 Si との比較評価を行い結晶作製条件と結晶品質に関する知見を
得た
We conducted a technology investigation for realization of high quality crystalline silicon consisted of nanocrystal Crystalline Si was formed by means of LPCVD at a clean room of Toyota Technological Institute The LPCVD crystalline Si and plasma-CVD crystalline Si deposited at Kyocera have undergone comparative investigations from which we obtained knowledge about Si deposition conditions and quality of the crystal
背景と研究目的 結晶シリコン薄膜はTFT をはじめMEMSに至る広い分野で利用されている非常に有用な
材料であるしかしながらたとえばその電気
的特性は形成方法によって様々であるした
がって重要なのは必要とする結晶 Si のスペッ
クを明確化した上でこれに一番適した形成方
法を適用することであるそこで我々は結晶
Si 形成に最も一般的である化学気相堆積
(CVD)法に特化し各種 CVD 法とそれらに
よって得られる結晶 Si の特質を調査した 結晶Si形成方法 本調査では熱 CVD 法の一つである減圧
CVD(LPCVD)法およびこれとは対照的な低温
製膜手法であるプラズマ CVD(PECVD)につ
いて調査を行った以下に各技術の特徴を述べ
る
熱 CVD 法 熱 CVD 法は成膜する元素の揮発性化合物を
気化し高温加熱した基板上で熱分解反応をお
こなわせて基板上に薄膜を形成する方法である
シリコン薄膜を得る場合はモノシランガスや
ジシランガスあるいはジクロロシランや 4 塩
化シランなどが用いられる 成膜時の反応が熱分解であるため成膜温度
が反応ガスの反応温度である数百以上の高温
になる従って低軟化点基板には適用できない
のがデメリットであるしかし一方で高温の
プロセスであることにより一般的に品質の良
い膜を得ることが出来る熱 CVD にはこの他
以下のような特徴がある 1成膜速度が速い(数~数百μmmin) 2ステップカバレージが良く凹凸形状に
も反応ガスが行き渡れば均一に成膜で
きる 3高真空でないので装置が簡単で生産性
が高い
12
4成膜温度が高いので緻密で高純度の膜が
得られる 5密着性が良い 熱 CVD 法は大気圧で成膜を行う常圧 CVD と
~01torr に減圧して成膜を行う減圧 CVD とがあ
る常圧 CVD は真空装置が不要であるという
最も簡単な CVD として広く利用されているが
減圧 CVD では常圧 CVD を基に膜厚や抵抗率
分布の改善を意図して考え出された実際反
応炉内を減圧することにより反応ガスおよび
キャリアガスの平均自由行程および拡散定数が
大きくなり基板内の膜厚および比抵抗分布が
改善される またホットウォール型であるLPCVDでは
バッチあたりの処理枚数を多くすることが可能
でありしかも減圧下であることにより基板が
均一に過熱されやすいことで歩留まりや信頼性
も改善されるこれらの特長によりLPCVD は
結晶 Si 膜を作製する主な方法のひとつとなっ
ている プラズマ CVD 法 プラズマ CVD 法は薄膜の低温形成を意図
して生まれた成膜方法であるプラズマ放電中
では系内のガスは衝突により相互に活性化され
ラジカルとなり熱的励起のみによっては困難
な低温下での反応が可能になる特にプラズマ
CVD では非熱平衡状態で化学反応が進行する
ため熱 CVD とは異なった組成や特性の膜が
得られる プラズマ CVD に用いる原料ガスは熱
CVD と違いはないがプラズマではキャリアガ
スに用いられる水素ガス分子なども分解されて
しまうそのためこれらの成分も必然的に相当
量が膜中に取り込まれ形成された膜の特性に
影響を及ぼすその他にもプラズマ中では多種
多様な反応活性種が生成され堆積に関与する
ので膜形成過程は熱 CVD に比べてはるかに
複雑である 薄膜 Si 堆積においてプラズマの条件を変
化させるとSiH2SiHSiH高次シラン関
連反応種(SixHy)さらにイオン種の膜形成へ
の寄与率が変化し欠陥密度に影響を及ぼすこ
とが知られているまた結晶 Si 薄膜の形成にお
いてはこの他にキャリアガス流量なども結晶
の組成に影響を及ぼす プラズマ CVD にはプラズマの励起方式に
より平行平板型の他誘導結合プラズマ(ICP)型や電子サイクロトロン共鳴(ECR)型などが
ある平行平板型では原料ガスが広い面積にわ
たって均一に供給されるようにできており大
面積の膜形成に適しているしかしプラズマ密
度が比較的低いので製膜レートは他の方法に
比べて低い ICP 型は石英板の上に設置したアンテナに高
周波電流を流すことにより高周波磁場とこれ
を打ち消そうとする誘導磁場を生じさせ誘導
磁場によって加速した電子によってプラズマを
得るこの方法では高密度プラズマを比較的容
易に得ることができ一般に高速製膜が可能で
ある利点があるECR プラズマ法ではマイク
ロ波と磁場中での電子のサイクロトロン運動が
同期することで電子がエネルギーをもち低圧
高密度プラズマを得るこのため高速な成膜が
可能となりしかも膜の密着性が優れているな
どの利点がある
結果 LPCVD での結晶化 Si 形成は豊田工業大学ク
リーンルームにてジシランガスを用いて行った
また平行平板ICPECR の各種プラズマ CVDでの結晶化 Si を京セラで作製したLPCVD 膜
とプラズマ CVD との比較評価を行い結晶作
製条件と結晶品質に関する知見を得た
参考文献 [1] 金原粲白木靖寛吉田貞史 著薄膜
工学丸善2004 [2] 麻蒔立男薄膜作成の基礎第 3 版日刊
工業新聞社1996
13
技術代行装置利用
豊田工大 07-04
プラズマ CVD による薄膜成膜
Thin film fabrication by plasma CVD
砂山 竜男加藤 博照佐久本 尚武
Tatuo Sunayma Hiroteru Kato Naotake Sakumoto
矢崎総業株式会社
YAZAKI corporation
現在MEMS 技術を利用したセンサの開発を行っている本研究ではダイアフラム膜としてプラズ
マ CVD 装置により成膜した SiN 膜を検討するためその成膜条件と膜質を調査した成膜条件とし
てSiH4と NH3 の流量比を変更したところ流量比 15 で成膜後の膜応力がほぼ 0 となったまた
700アニール後2times109 dynecm2 の引っ張り応力が生じた The sensor has been developed using the micro-electro-mechanical systems (MEMS) technique In order to apply SiN film to plasma CVD as a diaphragm fabrication conditions and film characteristics were studied Film stress deposited on flow ratio 51 of SiH4 and NH3 was almost zero After annealing at 700 tension stress occurred and was about 2times109 dynecm2
背景と研究目的 現在開発しているセンサの断面構造を図1に
示すシリコンチップ上にPtヒーターをIC製造
技術を用いて形成したそしてヒーターの熱
絶縁性を向上させるためヒーター下部を
MEMS技術を用いて除去しダイアフラムを形
成した
本センサの特徴はMEMS技術を用いたこと
により小型軽量高速応答を実現した点で
ある b) cross-section Fig1 micro gas sensor 本報告書ではセンサのダイアフラム膜の検
討としてプラズマCVD装置により成膜した
SiN膜の成膜条件とその膜特性について述べる
実験 SiN膜の成膜ではSiH4とNH3の流量を変化さ
せた流量条件を表1に示す成膜温度は250
成膜圧力を04 Torrに設定し成膜時間を15 minとしたそして成膜後700Air中にてアニ
a) sensor chip (26 mm times 16 mm)
14
ールを行った 図4に膜応力と屈折率の関係を示す圧縮応
力が増加することで膜屈折率が小さくなること
がわかる 成膜したSiN膜は触針式段差計によりウェ
ーハのそりより応力を算出したまたエリプ
ソメータにより膜厚と屈折率を測定したそし
てアニール後にも応力測定を実施しその変
動を調査した
屈折率の変化は SiN 膜の組成が変化している
ことを示しておりNH3 流量を増加させること
で SiN 膜の組成比を制御することが可能となっ
たそしてこの組成比制御が応力緩和に有効で
あると予想できる
SiH4 NH3 SiH4 NH3
1 5 3 151 2 3 61 1 3 3
Flow ratio flow rate (sccm)Table 1 Flow ratio of SiH4 and NH3
SiH4 NH3
Filmthickness(Å)
Growthrate(Å)
σ()
1 5 34606 2307 00711 2 26070 1738 00481 1 30638 2043 0017
0
50
100
150
200
250
0 1 2 3 4 5 6
Flow ratio of NH3SiH4
Gro
wth
rate
Å
00000010002000300040005000600070008000900100
Stan
dard
dev
iatio
n
growth rate
standard deviation
-6E+09
-4E+09
-2E+09
0E+00
2E+09
4E+09
6E+09
0 1 2 3 4 5Flow ratio of NH3SiH4
Film
stre
ss
dyne
cm
2
6
(a)(b)
結果および考察 表2にプラズマ CVD 装置で成膜した SiN 膜
の膜厚を図2に SiH4に対する NH3の流量比と
面内ばらつきの関係を示す
膜厚は各流量条件ともにほぼ目標値通りであ
り成長レートはほぼ 200Åmin 程度であった
面内ばらつきは流量比と相関があり流量比が
小さいほど抑えられることがわかった
(a) As film deposition (b) After annealing Fig3 Relationship of film stresses to flow ratios
174
176
178
18
182
184
186
-8E+09 -6E+09 -4E+09 -2E+09 0 2E+09
Film stressdynecm2
Ref
ract
ive
inde
x
Table 2 Film thickness of each flow ratios
Fig4 Relationship of film stress and gas flow
ratios 今後の課題 今回の評価でプラズマ CVD 装置による SiN
膜の特性はほぼ把握した今後はセンサとし
ての評価を行いプラズマ CVD 装置とスパッ
タ装置による SiN 膜の比較をする
キーワード Fig2 Growth rates and standard deviations of flow ratios MEMSMEMS とは micro-electro mechanical
system の略で半導体の微細加工技術を用い
て作製する電気機械システムのことである
図3に流量比と膜応力の関係を示す成膜後
流量比 1で応力は圧縮方向に 5times109 dynecm2で
あったが流量比をあげることでその応力は小
さくなった
またアニール後の膜応力は流量比との依存
性がなくなり応力も圧縮方向から引張方向に
変化した
15
装置利用
豊田工大 07-05
スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線形成技術
Conductive pattern forming method on vertical wall using spray coating and angled exposure technologies
森井裕貴大平文和
Hiroki Morii Fumikazu Oohira
香川大学
Kagawa University
スプレーコート技術と傾斜露光技術を用いた垂直壁面への配線パターン形成方法について検討した
この方法を用いることによりチップパッケージサイズを縮小することが可能となるスプレーコート
技術と傾斜露光技術を用いることにより 600μm の垂直壁へレジストを均一に塗布さらにレジストパ
ターン形成を可能としたまた配線パターンはスパッタと無電解 Ni めっきにより形成した本研
究で製作した配線パターンの幅は 200μm配線間隔は 300μm である A novel conductive pattern forming method on the vertical wall using a resist spray coating and an angled exposure technologies is proposed This method makes it possible to decrease the chip package size The spray coating and the angled exposure technologies enable the uniform resist coating and the patterning the resist on the vertical wall of 600 μm height Then a conductive pattern layers are sputtered and electroless plated As the result the conductive patterns of 200 μm width and 300 μm spacing is successfully formed on the vertical walls
背景と研究目的 携帯電話や携帯情報端末な
どにおいて更なる小型化高機能化が求められ
ている限られた容積の中でそれらの要求を満
たすには半導体チップの小型化高集積化
又はチップ実装の高密度化が挙げられる 本研究ではチップ実装の小型化に着目し
半導体プロセス技術を用いてチップ実装パッケ
ージ側面に 3 次元的に電極を配線することによ
り高密度実装可能な側面配線技術の確立を目指
す パッケージ側面に金属の配線パターンを形成
する手段としてレジストにより配線パターン
を形成し金属を成膜しリフトオフすることに
より金属の配線パターンを形成するこのとき
半導体プロセス技術で成膜できる金属の膜厚は
数千Åと少ないため配線としては電流抵抗が
大きくなるそこで Ni めっきを行い配線とし
て十分な膜厚を得るここでスプレーコートに
よるパッケージ側面への 3 次元レジストパター
ニングの原理確認を行った
実験 スプレーコートを用いてチップ実装パ
ッケージにレジストを塗布するさらにサンプ
ルを露光する際に側面部が十分露光されるよう
にサンプルを傾けて傾斜露光[1]を行いパッケー
ジ側面に配線パターンを形成する本研究では
パッケージ高さ600μm配線幅200μm配線間
隔300μmであるスプレーコートによるレジス
ト塗布ではレジスト流量ステージ温度ステ
ージ速度によってレジストの膜厚や分布などが
変化する[2]そこでレジスト流量81gh100ghステージ温度95105115ステージ速
度300mms400mmsの条件を検討した 結果および考察 条件を検討した結果
すべての条件で塗布可能であるが比較的均一
な塗布条件はレジスト流量 100ghステージ温
度 105ステージ速度 300mmsである図 1
16
にレジストパターニングの結果を示すレジス
トはエッジ部で途切れることなく全面に塗布さ
れているレジストの段差切れが無いこと隣
接するパターンのつながりが無いことを確認し
600μmの垂直壁にも均一にレジストを塗布パ
ターニングが可能であることを明らかにした さらにレジストパターニングしたサンプル
にスパッタにより金属膜を成膜しリフトオフ
により配線パターンを形成したNi めっきを行
い配線として十分な膜厚を得た図 2 に Niめっき後の配線パターン形成の結果を示す Ni めっき後でも配線パターンがエッジ部で途
切れることなく隣接するパターンのつながり
が無いことを確認し600μm の垂直壁に配線形
成が可能であることを明らかにした
Fig1 The spray coating and patterning the resist
Fig2 Conductive pattern forming 今後の課題 パッケージ側面において下面に
近い部分でパターンが広がる基板とマスクの
間に空間ができるため回折などの影響によりパ
ターンが広がるこの広がりを抑える工夫を今
後検討していく 参考文献 [1] Hayato Izumi Yohei Matsumoto Seiji Aoyagi Yusaku Harada Shoso Shingubara Minoru Sasaki Kazuhiro Hane Hiroshi Tokunaga IEEJ Trans SM Vol 128-E No 3 (2008) pp102-107 [2] Vijay Kumar Singh Minoru Sasaki and Kazuhiro Hane Japanese Journal of Applied Physics Vol 46 No 9B (2007) pp 6449-6453
Substrate
Ni NiPlastic material
Resist Plastic material Resist
Substrate Plastic material
17
技術代行装置利用
豊田工大 07-06
微小面積薄膜のレーザー加熱による変形
Deformation of small patchy films by pulsed laser heating
柳瀬 明久
Akihisa Yanase
豊田工業大学
Toyota Institute of Technology
真空蒸着法で作製した微小面積の薄膜(パッチ状薄膜)は一般にエネルギー最小の安定な形態では
ない凹凸パターン基板上に堆積させたパッチ状金薄膜をパルスレーザー加熱することによって微粒
子化する方法を検討した結果サイズ分布の狭い球形金粒子が得られた A small patchy film fabricated by vacuum evaporation does not have a stable shape with an energy minimum A preparation method of Au particles from thin patchy Au films by pulsed laser heating has been studied As a result spherical Au particles with a narrow size distribution were obtained
背景と研究目的
ナノテクノロジーにおける微細構造作製方法
は大きく2つに分けられる一方はリソグラ
フィエッチングなどの微細加工技術に基づく
「トップダウンアプローチ」であり今日大き
な技術分野となっているしかし微細化の進
展とともに高コストで環境負荷の大きいことが
問題化されているもう一方は「ボトムアップ
アプローチ」と呼ばれ原子分子を積み上げ
ていく方法で今後の発展が期待されている
「ボトムアップアプローチ」では分子クラ
スター微粒子などの「部品」をまず作製し
次の段階でそれらを自己組織的に組み立ててい
くという階層的な方法が有力と考えられている
「ボトムアップアプローチ」の微粒子に関わる
要素技術として形状サイズならびに表面物
性が制御された微粒子の作製が最も基礎的であ
ると考える 単分散微粒子の一般的な作製法は液相中の
固相析出反応において核生成期とその後の粒
子成長期とを時間的に明確に分離し粒子成長
期における粒子間の凝集を防止する方法である
この原理に基づいてポリスチレンやシリカガ
ラスなどの材料で精度のよい単分散粒子が作製
されているしかし化学反応を用いる方法で
きわめてサイズの均一な粒子を作製することは
ごく一部の反応系を除いてきわめて困難である
のが現状である
短パルスレーザーを物質に照射すると物質
がその波長の光を十分に吸収する場合その表
面近傍はきわめて短時間で加熱されその後急
速に冷却されるこのパルスレーザー加熱によ
って基板上に形成された有限の面積をもつ固
体薄膜(以下パッチ状薄膜とよぶ)を溶融させ
ることが可能であるそして溶融した薄膜は
基板表面とぬれにくい場合表面張力により微
粒子化する[1]パッチ状薄膜の面積ならびに厚
さが均一であるならばこの方法により粒子
径のきわめてそろった単分散微粒子が得られる
はずである本方法により単純な物理プロセ
スによる広範囲な材料系に適用可能な単分散微
粒子作製法が確立されればその意義は大きい
本研究ではシリコン熱酸化膜上に形成した
パッチ状金薄膜を波長 532 nm のパルスレー
ザーによって加熱することによって球形金粒
子を得ることができた
18
パッチ状薄膜をパルスレーザー加熱して微粒
子を作製する方法の利点として次の3点が挙
げられる①プロセスが単純でありパッチ状
薄膜の大きさ膜厚を精度よく再現できること
から粒子サイズの制御性が高いことが期待さ
れる②パルス光を用いるため冷却過程を考
えても非常に短時間のプロセスであるその
ため材料の蒸発による損失が抑制される③
微粒子化させたい材料の種類に合わせてレーザ
ーの波長を選択できる
参考文献 [1] 特許 3989424
実験 Fig 1に実際の実験方法を模式的に
示したシリコン基板上にシリコン熱酸化膜
からなるテーブル状の凸構造(10 μm times 10 μm)
を周期 15 μmで2次元的に形成したまた
Fig2 に示すように隣り合う凸部間の溝部表
面をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
でコーティングしたこの基板上に膜厚30 - 90 nm の金薄膜を真空蒸着法によって堆積させた
金はPTFE上に付着しにくいため独立した
パッチ状の金薄膜がシリコン熱酸化膜上に得ら
れたこの試料を空気中でナノ秒パルス
NdYAGレーザーの2倍波 (532 nm) 1パルス
を照射して加熱したなおNdYAGレーザー
のパルス時間幅は 6 ns であった
Fig 1 Schematic procedure of preparation of monodisperse Au particles
PTFE SiO2
結果および考察 Fig 3 は膜厚 90 nm のパッチ状金薄膜をパルスエネルギー密度 140 mJcm-2 の条件で加熱した後の走査電子顕
微鏡像であるほぼ均一な粒子径をもつ金微粒
子が生成されていることがわかるその直径(~
27 μm)は1個のパッチ状金薄膜が1つの球
へと変化した場合に予想される直径とよく一致
したなお金薄膜の初期反射率( ~07)を
考慮するとこの照射条件は薄膜を十分に溶融
しえるものであるまた得られた金粒子は
基板との付着力が弱くドデカンチオールのエ
タノール溶液中で超音波照射することによって
基板から容易に脱離させることができた
Si
Fig 2 Cross-sectional SEM image of the patterned substrate used for preparing Au patchy films
また現在までに得られた結果から本方法
の特徴として①膜厚 50 nm 以下の薄膜は
1個のパッチから多数の微細な粒子に変形する
傾向をもつこと②微粒子化した場合生成し
た粒子は基板から離れて気相側に飛散しやすい
ことが挙げられる
今後の課題 リフトオフプロセスを利用して
平坦な基板上に微小面積薄膜のパターンを形成
する方法を用いる予定であるまたさらなる
プロセスの簡便化金以外の金属や半導体への
材料系の拡大ならびに粒子サイズの微細化
の検討を進めていく必要がある
Fig 3 SEM image of Au particles prepared on a patterned substrate by pulsed laser heating with a pulse energy of 140 mJcm-2 Initial film thickness of Au was 90 nm
19
技術代行装置利用
豊田工大 07-07
超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発
Development of microfluidic chip based on Nano fabrication technologies
中野 圭洋 安池 雅之
Keiyo Nakano Masayuki Yasuike
株式会社 ESPINEX
ESPINEX Inc
マイクロ流路を応用した細菌検出法を開発し大腸菌を用いた検出試験を行ったこの細菌検出法は
使い捨てのマイクロ流路チップと蛍光検出装置で構成されておりマイクロ流路はフォトリソグラフ
ィー技術とシリコーンゴム(PDMS)により製作したマイクロ流路中の検出部に抗体を固定して
抗原抗体反応により蛍光された大腸菌を捕捉した試料を注入し検出部における大腸菌の密度を上
げる事で大腸菌の計数高感度検出が可能となった Microfluidic based bacteria detection platform was developed and investigated the performance by detecting Escherichia-colis (e-coli) This platform is consisted a disposable microfluidic chip and a fluorescent detection system Microfluidic chip was fabricated using photolithography technology and PDMS At the detection spot of the microfluidic channel antibodies were immobilized to capture e-colis which contained fluorescent dyes Because of antigen-antibody interaction e-colis concentration was increased at the detection spot of microfluidic channel and the fluorescent detection system can count the number of e-colis captured
(一行スペース) 背景と研究目的 近年院内感染や食品の細
菌汚染問題が深刻化しており細菌汚染の迅速
検査は重要度を増しているしかし現行の細
菌検査は主に培養法を用いるため検査の結果
が出るまで数日を要するそこで当社は細菌
を抗原抗体反応でマイクロ流路中に高濃度で捕
捉して蛍光を光学的に検出することで培養過
程を要さない細菌の高感度迅速検出システム
の開発を行っているマイクロ流路を用いた細
菌検出の概略を図 1に示す
実験 マイクロ流路チップは流路構造を施
したシリコンモールド型をフォトリソグラフィ
ー技術により作製しその型から流路構造を転
写したシリコーンゴム(PDMS)を流路部スライ
ドガラスを基盤として作製した図 2 にPDMSマ
イクロ流路チップを示すその後マイクロ流
路中に蛍光試薬と大腸菌を含んだ試料を注入し
大腸菌を補足後検出部の画像を解析して大
腸菌の検出実験を行ったさらに大腸菌を捕
捉後抗生物質を注入し生死菌数の変化を観
察した大腸菌の薬剤感受性試験を行った マイクロ流路
検出装置
励起光
PC
マイクロ流路試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
抗体
蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
マイクロ流路
検出装置
励起光
PC
マイクロ流路試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
抗体
蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
Fig 1 Schematic diagram of bacteria detection by
microfluidic chip
20
Fig2 Image of PDMS microfluidic chip 結果および考察 検出部における蛍光さ
れた大腸菌の画像を図 3 に示す図 3 では生菌
が緑色死菌が赤色に発色し検出部において
多数の菌が確認でき大腸菌を効率よく捕捉し
ている結果が得られた検出に要した時間は約
10 分間であり培養法等と比べると格段に迅速
な検出が可能であることが証明された又図
4 に示す薬剤感受性試験の結果において抗生
物質投与直後2時間後4時間後と時間を経る
につれて赤色に発色している死菌が増加してい
ることが解る従ってマイクロ流路チップを
用いた細菌の薬剤感受性試験も良好な結果を得
た
緑生菌赤死菌
生菌数の計数 死菌数の計数総菌数の計数
画像処理
緑生菌赤死菌
生菌数の計数 死菌数の計数総菌数の計数
画像処理
Fig3 Florescence microscope images of Ecoli at a detection spot of microfluidic chip
抗菌剤投与直後 2時間後 4時間後抗菌剤投与直後 2時間後 4時間後 Fig4 Florescence microscope images of Ecoli in maicrofluidic chip after applying antibiotics 今後の課題 今回の実験により大腸菌の迅速
検出及び薬剤感受性試験におけるマイクロ流
路チップの有効性が確認されたが今後検出
感度の向上を目指した流路構造の最適化や大
腸菌以外の菌種での検出確認が課題として挙げ
られる又PDMSマイクロ流路チップは非常
に生産性が低い上抗体の固定化が容易ではな
いそこで生産性が高く抗体が容易に固定
できる樹脂製のマイクロ流路チップの製造技術
の確立が商業化に向けた課題であるといえる
論文発表状況特許出願 [1] 中野圭洋亀岡遵安池雅之特願
2008-053209チップ キーワード マイクロ流路 マイクロ又はナノサイズの極微細流路であり
化学物質や生体物質の検出解析などに用いら
れる
21
協力研究
豊田工大 07-10
高分解能プローブ顕微鏡による薄膜表面の構造評価 Structural evaluation of film surface by high-resolution probe microscope
笹川 薫
Kaoru Sasakawa
コベルコ科研
Kobelco Res Inst
無電解めっき法によって金属薄膜を形成させるために種々の金属触媒層が用いられているわれわれ
は PdSn 触媒を温度 85湿度 85の環境下に放置したときの形状変化を高分解能プローブ顕微
鏡によって調べることを目的とした平成 19 年度後期の協力研究ではガラス表面に形成した PdSn触媒層が高分解能プローブ顕微鏡によってどのように観察されるかを調べた Various kinds of metal catalysis are used by electroless plating method to form a metal film We were aimed at examining a shape change when a PdSn catalyst was left in 85 degrees Celsius and humidity 85 for several hundred hours by a high-resolution probe microscope In the cooperation study of the latter period in 2007 we examined how the PdSn catalysis which was formed on the glass surface was observed by a high-resolution probe microscope
背景と研究目的 無電解めっきに用いられる
PdSn[1]が電気回路基板の形成後に残留する場
合使用中に絶縁性が保たれることが必要であ
る高温高湿試験中PdSn触媒層の抵抗値は
様々に変化するが抵抗変化の原因の1つとし
てガラス基板表面の形状や触媒粒子の形状
が変化している可能性が考えられるそこで
高分解能プローブ顕微鏡(SPM Scanning Probe Microscopy)によって形状変化を調べることと
した 実験 高温高湿試験前後のPdSn触媒層およ
びガラス基板を用意しタッピングモードプ
ローブ顕微鏡(Beeco社製NanoScopeⅢa)により
高分解能形状観察を行った尚実験環境は大
気中室温である
結果および考察 ガラス基板上のPdSn触媒層について高い分解能でプローブ顕微鏡増
を得ることができたしかしながら触媒層の
下地に用いたガラス基板そのものが高温高湿
試験によって変質しPdSn触媒層の形状変化の
詳細を知るのは難しいということがわかった
PdSn以外の触媒もあり触媒自体の形状変化を
調べることができそうなものもあるがPdSnが基本となるのでこれ以上の検討は行わないこ
ととしたすなわち今回は準備した試料が
適切でないということがわかった 今後の課題 高温高湿試験の前後における触
媒層の形状変化を詳細に調べるためには高温
高湿試験により形状変化が生じないか生じても
触媒の変化を調べるのに影響しないような基板
を探す必要がある 参考文献
1) Eugene J M OrsquoSullivan J Horkans J R White
and J M Roldan IBM J Res Develop 32 (1988)
591
22
装置利用 豊田工大 07-12
鉄シリサイド形成に関する研究 Study for Iron Silicide Formation
丹司敬義ab大平 豊a
Takayoshi Tanjiab and Yutaka Ohiraa
a名古屋大学院工学研究科 b名古屋大学エコトピア科学研究所
aGraduate School of Engineering Nagoya University bEcoTopia Science Institute Nagoya University
様々な条件下で作製した一次元鉄シリサイドの形状について走査トンネル顕微鏡(STM)や走査電子
顕微鏡(SEM)等を用いて研究した50 times 10-8 Pa 以下の超高真空環境下で固相エピタキシー法(SPE)と反応性蒸着エピタキシー法(RDE)を用いて作製したナノワイヤの形状の違いについて述べるXPSの結果から両者は共に FeSi2の組成を持つことも明らかにしている更に40 times 10-4 Pa 以下の高真
空下でさえワイヤが形成されることを見出した One-dimensional (1D) iron silicides prepared under various growth conditions have been studied by scanning tunneling microscopy (STM) scanning electron microscopy (SEM) and so on We discuss difference in the shape of nanowires (NWs) prepared by solid-phase epitaxy (SPE) and reactive-deposition epitaxy (RDE) in an ultrahigh vacuum (UHV) of below 50 times 10-8 Pa A similar chemical shift in XPS spectra is observed on both surfaces corresponding to iron disilicide NWs are also formed even in a high vacuum (HV) of below 40 times 10-4 Pa at 600 ordmC 背景と研究目的主に電荷を用いる半導体エレク
トロニクスでは従来使われなかった電子のもう一
つの性質であるldquoスピンrdquoを積極的に利用して
新しい材料の機能やデバイスを構築しようとする
半導体スピントロニクスに関する研究が近年盛
んに行なわれているシリコン(以下Si)技術と
の融合を図るためにはSi基板上へ磁性体の直接
成長が必要となるまたデバイスの高集積化
高密度化を達成するために従来のリソグラフィ
ー技術を用いたトップダウン技術だけではなく
低次元構造体の作製が可能な自己組織化等のボト
ムアップ技術も必要になる このような背景の下我々はldquo磁性を有するナ
ノワイヤを Si 基板上に直接成長させるrdquoことを最
終目的としているそこでまず磁性元素である
鉄を Si(110)表面上に蒸着し加熱することで形成
されるナノワイヤに注目し研究を行なっている 先行研究としてはLiang et al1)らによる報告が
ありそれによると清浄化処理を行なった Si(110)基板を 600 ordmC に加熱しながら Fe を蒸着すること
でワイヤの幅が数十 nm長さが数μm にも及ぶ
高アスペクト比のワイヤが形成すると報告してい
る(反応性蒸着エピタキシー法RDE)我々は
彼らとは別の成長方法を用いてナノワイヤを形成
させることに成功した(Fe を蒸着した後基板を
600 ordmC に加熱する(固相エピタキシー法SPE)) 本研究ではSPE と RDE で成長させたワイヤの
形状がどれくらい異なるかワイヤの組成は同一
なのかどうかを走査トンネル顕微鏡(STM)走査
電子顕微鏡(SEM)そして X 線光電子分光法(XPS)を用いて評価したまた通常ワイヤの作製には
超高真空環境が必要となるが我々は新たに高真
空環境でもワイヤが作製できる方法を開発した 実験試料作製は以下に示す真空度の異なる2種類のチャンバーを用いた 超高真空下での試料作製はSTMとXPSを装備
したチャンバー内(到達圧力lt 20 times 10-8 Pa)で
行なった試料にはPドープのn型Si(110)ウエハー
(2 ndash 4 Ωmiddotcm)を用いた試料の清浄化は通常用い
られる加熱処理により行なった2)Feの蒸着は
電子衝撃加熱法を用い蒸着レートは018 MLminである(1 MLSi(110) = 959 times 1014 atomscm2) 高真空下での試料作製は到達圧力が13 times 10-4 Pa以下のチャンバー内で行なった試料にはPドープのn型Si(110)ウエハー(lt 001 Ωmiddotcm)を用いた
試料の清浄化はフッ酸処理によるウエットプロ
セスにより行なったFeの蒸着はアークプラズ
23
マガン(APG)を用い蒸着レートは047 MLshotである それぞれの試料加熱は通電加熱法で行ない
温度測定には予め校正した放射温度計を用いた 結果および考察Figure 1 に超高真空下(50 times 10-8 Pa以下)で作製したナノワイヤを示す共に
蒸着量は 018 ML基板温度は 600 ordmCである
Figure 1(a)と(c)はSPEによって作製したワイヤの
SEM像とSTM像であるlt110gt方向に沿った長さ
は 20 ndash 120 nm幅は 6 ndash 15 nmであった一方
Fig 1(b)と(d)はRDEによって作製したワイヤの
SEM像とSTM像であるlt110gt方向に沿った長さ
は 100 ndash 1000 nm幅は 15 ndash 20 nmであったXPS結果からSPEとRDE共にFeSi2の組成を持つこと
も明らかにし両者とも同じ構造であると考えら
れるRDEで成長させたワイヤの長さはサブマ
イクロメートルにも達しSPEに比べ非常にア
スペクト比が大きくなることが分かる成長手法
を変えることでワイヤの長さをμmオーダーにす
るかnmオーダーにするかの制御が可能となる このような違いが生じる原因としては鉄を蒸
着するときの Si 基板の構造の違いが考えられる
基板温度-ワイヤの密度の依存性を調べることで
得られる活性化エネルギーの値を調べるとSPEの方が RDE に比べて小さくなるRDE の場合
鉄を蒸着するときに基板を 600 ordmC に加熱してい
るこの温度はFig 1(c)の下地にも確認できるよ
うにSi(110)-ldquo16 times 2rdquo清浄表面が形成される 3)
この表面は原子一層分の高さを有する凹凸構造
となるこの状態で蒸着種が拡散するためには
非常に大きなエネルギーを要し拡散する方向も
制限されると考えられるので非常に長いワイヤ
が形成されると考えられる
23
Figure 2(a)に高真空下(40 times 10-4 Pa以下)でSPEによって作製したナノワイヤのSEM像を示す超
高真空下と同様にlt110gt方向に沿っておりサ
イズもほぼ同程度であるしかし超高真空下で
作製したワイヤのSEM像のコントラストと比べ
ると非常に弱いこれは大気に一度曝すことで
生じる自然酸化膜の影響であると考えられるま
た当研究室でワイヤの断面TEM観察したところ
Si基板中の三角形のコントラストとして現れてい
る(Fig 2(b))超高真空下で作製したワイヤも同様
に基板内部にワイヤが成長するので 1)高真空
下と超高真空下で類似の構造を作製することに成
功した 以上のことからワイヤを作製するにあたり以
下の二点のことを明らかにした 数十 nm か数μm の長さのワイヤを自在に成長
させることが可能
10-4 Pa 台から 10-8 Pa 台の広い範囲の環境下で
ワイヤの作製は可能 今後の課題作製したワイヤに磁性が存在するの
かどうかについての研究を進めていく予定である 論文発表状況特許出願 1) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
Jpn J Appl Phys 47(7B) (2008) 6138 2) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
ldquoThe 15th International Colloquium on Scanning Probe Microscopyrdquo (poster)
3) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda ldquoThe 9th International Conference on Atomically Controlled Surfaces Interfaces and Nanostructuresrdquo (poster)
参考文献 1) S Liana R Islam D J Smith P A Bennet J R
OrsquoBrien and B Taylor Appl Phys Lett 88 (2006) 113111
2) R S Becker B S Swartzentruber and J S Vickers J Vac Sci Technol A6 (1988) 472
3) Y Yamamoto Phys Rev B 50 (1994) 8534
Fig 1 (a) and (b) SEM images of NWs on Si(110) surface prepared by SPE and RDE in UHV respectively In both cases the NWs grow along lt110gt
Fig 2 (a) SEM image of NWs on Si(110) surface prepared by SPE in HV The NWs grow along lt 1 10gt (b) Cross-Sectional TEM image of NWs observed along lt110gt direction The NWs are observed as a triangular contrast in the Si substrate
24
装置利用
豊田工大 07-16
多結晶シリコンデバイスのための酸化メカニズムに関する研究
The study on the silicon surface oxidation for poly-silicon electronic devices
山本 直矢a 芳之内 淳a 大下祥雄b
Naoya Yamamotoa Atsushi Yoshinouchia Yoshio Ohshitab
a株式会社 IHI b豊田工業大学
aIHI bTTU シリコン表面酸化速度はその面方位よって大きく異なることが知られている今回多結晶シリ
コンを用いた電子デバイスを作製するうえで重要なさまざまな面方位表面における酸化速度を詳細
に調べたまたシリコンの結晶構造の Si(100)表面で規格化された状態密度との比較も合わせて行った その結果各面方位の酸化速度はWet O2中での酸化では Si(111)面を除いてシリコン表面に存在
する Si-Si 結合の密度に近くなる一方で Dry O2 中では Si-Si 結合密度と表面原子密度の間に位置して
いることが分かった
The effects of crystal orientation of Si substrates on the oxidation rates are studied The Si with (111) (211) (311) (511) (100) (310) (210) and (110) surface are oxidized by the dry and the wet oxidation methods We analyzed the relative oxidation rates which is normalizing them by the values of Si(100) by comparing with the interface structure The relative wet oxidation rates at the low temperatures except for the surfaces that have a large lt111gt component can be explained by the number of the back bonds of Si at the SiSiO2 interface On the other hand the relative oxidation rate obtained by the dry oxidation lies between the numbers of Si-Si bonds and Si atoms at Si surface
背景と研究目的 近年多結晶シリコンを用いた電子デバイス
の開発が盛んに行われている多結晶シリコン
ウェハは単結晶化シリコンウェハに比べて安価
に製造することができるため太陽電池市場お
いてはシェアの多くを多結晶シリコン太陽電
池が占める多結晶シリコン薄膜はガラスや
プラスチック等のシリコンと異なる基盤表面に
成膜可能であることから液晶ディスプレイや
有機 EL ディスプレイ用の駆動用 TFT の活性層
としても用いられているまた特異な電子特性
からシリコンナノ結晶を用いたさまざまな電
子デバイスが提唱されている それらの多結晶シリコンデバイスの性能を向
上させるためにはいくつかの問題点があるが
その中でも重要なのがシリコンとそれを絶縁
させるための絶縁膜および界面の問題である
通常の単結晶シリコンデバイスでは酸化雰囲気
中でシリコン表面を酸化することで得られるシ
リコン熱酸化膜を用いるが多結晶シリコンデ
バイスでは粒界に不純物が析出したり基板が
反ったりと熱負荷をかけられない場合が多い
そ の た め 低 温 形 成 可 能 な 化 学 気 相 堆 積
(Chemical Vapor DepositionCVD)酸化膜が多
く用いられるが多結晶シリコン表面がそのま
まシリコンシリコン酸化膜界面になるため良
質な界面を得ることが難しい低温でもシリコ
ン表面を酸化することは可能ありそのメカニ
ズムに関しては以前から様々なモデルが提唱さ
れてきた[1-6]しかしそれらは多くは(100)(110)(111)面に関するものでありそれ以外の
面方位については実験データも少なく酸化の
25
メカニズムや酸化膜の膜質についても不明な点
が多い 本研究では低温における多結晶シリコン表
面の酸化のメカニズムとその膜質を検証する上
で必要な各種面方位を持ったシリコン単結晶
表面の酸化速度を分析しその傾向に関する知
見を得ることを目的とする 実験 鏡面研磨した(111)(211)(311)(511)(100)(310)(210)(110)それぞ
れの面方位をもった単結晶シリコンサンプルを
準備したそれらを縦型酸化炉にて各面方位一
括で酸化処理を行ったWetO2酸化の時はO2
H2を同じ流量で炉内横に設置された石英製の
燃焼器で燃焼させ燃焼ガスを炉内に導入した
酸化処理の後エリプソメーターにて膜厚を計
測した
Figure 2 Comparison of calculated data and oxide thickness formed in Wet O2
同じく750のWetO2中でシリコンを酸化し
たときの酸化膜厚と各種表面密度との比較を図
2に示す(100)方位から(110)方位に向かって
はバックボンド密度と非常によく似た傾向を
示す一方で(100)から(111)方面にかけては
弧を描くように増加し(111)表面では酸化膜厚
が遅くなっていることがわかるこの傾向はγ
(表面原子密度)の傾向に近いことが分かった
結果および考察 DryO2 およびWetO2
中さまざまな温度で酸化処理を行ったが今回
は温度の低い 750での酸化膜の成長に関する
結果を示す各面方位の酸化初期における相対
的な酸化膜厚は水蒸気が含まれても大きく変わ
らず基本的Si(100)からSi(111)Si(110)各面
方向に向かってほぼ直線的に増加する各表
面密度をSi(100)表面の値で規格化したものと
DryO2中 750において 180 分間酸化処理した
酸化膜厚をSi(100)の膜厚で規格化した値を
ここに示すような主要な(100)(110)(111)方面以外の酸化速度を同時に酸化処理を行っ
て得られたデータはこれまでになく酸化速度
の面方位依存性のメカニズムを検証する上で
貴重なデータになるものと考える 今後の課題 各面方位の実際の酸化速度と状
態密度の計算結果との違いの原因を調べるとと
もにより詳細な酸化メカニズムについて検討
を行うまたこのような酸化速度の違いが多
結晶デバイスに及ぼす影響についても分析を行
っていく
参考文献 1) B E Deal and A S Grove J Appl Phys 36
(1965) 3770
2) H Z Maasoud et al J Electrodhem Soc 132
(1985) 1745 Figure 1 Comparison of calculated data and oxide thickness formed in dry O2
3) E A Lewis and E A Irene J Electrochem Soc
134(1987) 2332
重ねたものを図1に示すαは各面方位表面の
シリコン原子が持つ Si-Si 結合(バックボンド)数の密度βはダングリングボンド密度γは
表面の原子密度それぞれを Si(100)表面の値で
規格化したものである酸化膜厚が Si(111)Si(110)かけての増加する様子はバックボンド
密度の傾向に似ているただ計算値に比べ酸
化膜厚が薄くなる傾向にある
4) S I Raider and LEForget J Electrochem Soc
127(1980)1783
5) E A Irene et al J Electrodhem Soc 133
(1986) 1253
6) J R Ligenza J Phys Chem 65 (1961) 2011
26
協力研究
豊田工大 08-01
多結晶シリコン基板への pn ダイオード作製
Fabricated p-n diode on multi-crystal Silicon substrate
小椋 厚志
Atsushi Ogura
明治大学
Meiji University
多結晶シリコンは太陽電池用基板として広く用いられているそれは単結晶シリコン基板に匹敵する
変換効率を有し多結晶シリコン基板のほうが低コストで作成することが出来るからである粒界
欠陥不純物などにより単結晶シリコンと比べ特性が劣化してしまう本研究では微少な p-n ダイ
オードを多結晶シリコン基板上に作成し電気特性と結晶性の評価を行い特性劣化の起因を調べる
ことを行った
Multi-crystalline silicon (mc-Si) is widely used as solar cell substrate For mc-Si it is desired to realize uniformly high conversion efficiency comparable to that of single-crystalline silicon with keeping its low production cost Inhomogeneous degradation in the efficiency can be caused by grain boundaries defects impurities and so on In this study we fabricated p-n diode array on mc-Si and the diode was evaluated relation between electrical property and crystal quality for revealing as causes of degradation
実験 背景と研究目的
キャスト法により作成された多結晶Si基板を
用いてp-nダイオードアレイを作成した図1が多結晶Si基板上に作製したダイオードアレイの
完成図であるAl電極をリン拡散領域に対して
およそ4分の1領域被せてある電極の大きさは
1mm角で各電極間の距離は2mmである
多結晶シリコン太陽電池は単結晶シリコン太
陽電池と比較してコストの低減が見込まれて
いるが結晶欠陥粒界不純物応力などの
種々の問題からいま一つ変換効率の向上が難し
い変換効率特性の改善の為にはこれらの欠
陥の挙動および特徴を理解し検証評価す
ることが求められている
A B
Al electrode
P diffusion area
A B
Al electrode
P diffusion area
SiO2 SiO2
p-type mc-Si
Al
P diffusion area
A-B cross-section
BA
(a) (b) Fig1 Structure of p-n diode (a) layout and (b) cross-section (A-B)
本研究では多結晶シリコン基板上に微小 p-nダイオードアレイを作製し各々の電気特性を
測定することで基板内での分布粒界や欠陥な
どの依存性を検証するまた同基板を用いて PLEBICTEM を用いた不純物分布および結晶
性の評価を行う
27
電気特性の測定から理想係数n値とリーク電
流に基板内で分布が見られることを確認した
同条件により単結晶Si基板上に作成したものに
は見られなかった為多結晶基板に見られる粒
界や欠陥などが起因していると考え結晶性評
価をEBICPLTEMを用いて行った
500μm
Al electrode
200 μm
High
Low
Al electrode
200 μm
Al electrode
200 μm
High
Low
High
Low
(a) (b)
Fig2 Images of (a) EBIC and (b) PL 結果および考察
Fig2 に PL 及び EBIC 像を示すこのダイオ
ードアレイの特性は理想係数 n 値リーク電流
はそれぞれ 319210E-08[A]を示し明確な粒
界の存在しないポイントであったしかしPLEBIC 像には明らかなダークラインが確認され
これらが電気特性悪化に起因しているのではな
いかと考えられるPL 測定に関して田島先生の
論文の中で小傾角粒界に起因した発光の確認[]がなされ今回測定した試料においても同様の
ものが見られたのではないかと考えられる
(a)
(b)
(c)
(d)
(a) (b)
Fig3 TEM images of the defect (a) low magnification
image (b) (c) TED pattern and (d) high magnification
image
ダークラインの構造を確認する為に TEM に
よる観察を行ったFig3 の(a)は低倍率による観
察(b)及び(c)は電子回折像(d)は高倍率による
観察である(a)及び(d)より転位が確認され電
子回折像の比較から異なるパターンを示して
いることを確認した 以上のことから多結晶 Si 上に作成したダイ
オードアレイの電気特性を劣化させている原因
は粒界だけではなく小傾角粒界も影響を与え
ることを確認した 今後の課題 今回基板特性がダイオード特性に大きく影響
を与えることを再度確認したので今後は基板
特性向上の為欠陥の種類の評価起因の解明
を行う予定である 謝辞 本研究は豊田工業大学大下祥雄准教授
兵庫県立大学新船幸二准教授の共同研究九
州大学柿本浩一教授宇宙航空研究開発機構
田島道夫教授のご助力に深く感謝致します
論文発表状況特許出願 [1] T Tachibana et al ECS Symposium Austria 200910 発表予定
参考文献
1) H Sugimoto K Araki M Tajima T Eguchi I
Yamaga M Dhamrin K Kamisako and T Saitoh
J Appl Phys 102 054506 (2007)
28
共同研究
豊田工大08-02
可視光用超高速空間光変調器の研究開発
Research amp Development of Ultrafast Spacial Light Modulator for Visible Light
近藤 直樹a
Naoki Kondoa
a帝京大学
aTeikyo University
半導体ナノ構造光デバイスの超高速性のイメージング応用の一環として量子井戸の光吸収変調を
用いた可視光用の透過型空間光変調器を作製しようとしている
今年度は透過型光変調器を作成する際に不要な吸収層となってしまう GaAs 基板をウェットエッ
チングで除去するプロセスの条件出しを行った3mm 角程度の面積の50nm の AlGaAs エッチスト
ップ層つき多重量子井戸構造サンプルにおいて面内均一に GaAs 基板層を除去することができた
またレーザ光照射による白色光の吸収変調測定系を立ち上げ室温での吸収変調の様子を測定した
As an attempt to exploit ultafast optical response of semiconductor nanostructures for imaging technologies we started to develop transmissive spacial light modulator for visible light using absoption modulation of quantum wells We have clarified conditions for uniform etch-off of GaAs substrate which would otherwise be
the dominant light absorber (3mm)2 MQW sample with 50nm AlGaAs etch stop layer was etched down to approximately 3μm thickness with modest in-plane uniformity We have also built white light transmission measurement system under additional laser irradiation and measured room-temperature modulated absorption of the processed sample
背景と研究目的 本研究は半導体量子ナノ
構造の光学応答の超高速性を背景としてそれ
を可視光域でのイメージング用途に用いる事で
現在イメージング用途に用いられている光変調
機構である機械式シャッターや液晶などをはる
かに上回る速度を実現し超高速イメージング
や新用途への展開を図ることを目的として行っ
ている具体的には光吸収飽和 1)を利用した
可視光用の透過型多重量子井戸空間光変調器
の作製を行う 今年度は前年度作成したGaAs系多重量子井
戸構造を透過型空間光変調器として利用するた
めの基板除去プロセスの条件出しを行ったま
たレーザ照射による白色光吸収の変調を測定
するための光学系を立ち上げ室温での吸収変
調効果の測定を行えるようにし予備的測定を
行った 実験 エッチング サンプル構造にはエッチストッ
プのための50nm厚のAlgaAs層が入っている多
重量子井戸構造を用いたエッチング剤には
29
GaAsとAlGaAsのエッチング速度が大きく異な
る選択性のもの(H2O2NH4OH)を用いる事で
GaAs基板を除去した
我々のGaAs基板のエッチング除去のプロセ
スでは最初にまずサンプル基板をガラスにエ
ポキシ樹脂で固定した後約100um厚まで機械
研磨しその後ウェットエッチング
(H2O2NH4OH=101 GaAsエッチング速度~
3ummin)でエッチングを行った
光変調吸収測定 レーザ照射による白色光吸収
の変調を測定するための光学系を組み室温で
のサンプルの吸収変調の様子を測定したサン
プルには残り膜厚約 3μm のものを用いた波
長 532nm05W の緑色レーザ光を集光せずにサ
ンプル前面に照射非照射した時のハロゲンラ
ンプ光吸収スペクトルを測定した
FigureCaption Fig 2 Microscope image of substrate-etched MQW sample
結果および考察 エッチング 当初機械研磨は表面にキズが目
視できるレベルで止めていたが表面にμmオ
ーダーで凹凸が残っていると後のエッチング
深さに大きな面内ムラが生じることがわかった
そのため表面が光学的鏡面になるまで研磨す
るようにしたところエッチング後の面内ムラ
は減少した(図2)ただし目視で透過が確認
できるところまでエッチングを行うと量子井戸
による吸収が消えてしまうため薄いAlGaAs層によるエッチストップには失敗しているよう
であった
FigureCaption Fig 2 Modulated transmission spectra of approx 3μm thick MQW sample at room temperature
光変調吸収測定 測定結果を図3に示すGaAsによる吸収端がレーザ照射によってシフトして
いることが確認できた 今後の課題
エッチングに関しては現在上記の透過測定
系を用いてレーザ透過強度変化を観察する事
により精度の高いエッチストップを行えるよ
う再実験中である光吸収変調に関しては
レーザ光照射および透過光測定を局所的にでき
るよう改善する予定である FigureCaption Fig 3 Calculated wavefunctions and energy levels in SLAM structures at room temperature 現在のサンプル構造は GaAsAlGaAs 系であ
るが可視光用途を GaAsAlGaAs 系で実現する
のは単純な量子井戸では可能なバンドギャッ
プの値から考えて困難である超格子疑似合金
(SLAM)2)構造を採用した可視光用量子井戸構
造を設計し数値解析した結果を図4に示す
本解析結果を元に試料を作製し可視光域での
動作を目指す予定である
参考文献
1) D A B Miller D S Chemla T C Damen A C
Gossard W Wiegmann T H Wood and C A
Burrus Phys Rev Lett 53 2173 (1984)
2) H Sakaki M Tsuchiya and J Yoshino Appl
Phys Lett 47 295 (1985)
30
技術相談装置利用
豊田工大 08-03
結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動について
Firing behavior of front side Ag for crystalline silicon solar cells
仙田 愼嗣 吉野 泰 加藤 夕子
Shinji Senda Yasushi Yoshino Yuko Kato
(株)ノリタケカンパニーリミテド
NORITAKE CO LIMITED
高結晶シリコン太陽電池用銀ペーストの焼成時の挙動を解明し高い出力の得られる銀ペーストを研
究することを目的として平成 19 年度 3 月から装置利用を開始しているp 型シリコンウエハ上に n
層SiNx 反射防止膜を作製し作製したセルを使用して出力評価を行った Silicon solar cell electrodes are typically formed by using the screen printing Technique Good fire-through properties are required for an Ag electrode for the front-side surface insufficient fire through causes higher contact resistance (Rc) which decreases the conversion efficiency of solar cells In order to control the fire-through properties contact formation mechanism is important In this study n-layer thickness and antireflection coating thickness have a positivenegative effect on fire-through of Ag paste
背景と研究目的 現在太陽電池市場は急速
に拡大しておりその市場の中でも大部分を結
晶シリコン太陽電池が占めている受光面側に
は銀ペーストが裏面側にはアルミペーストと銀
ペーストが電極として用いられておりスクリ
ーン印刷を用いて低コストで電極を形成して
いるさらなる高効率化低コスト化への要求
が高まる中で生産性の向上および出力特性向
上のために高速焼成が主流になってきており
電極ペーストの焼成挙動を解明しペースト組
成焼成条件を最適化し高速焼成に対応する
ことが必要となる本研究では結晶シリコン
太陽電池用電極ペーストにおいて特に受光面
銀ペーストにおける焼成挙動の解明を目的とし
高い出力を得られる銀ペーストの研究を行う 実験 市販のシリコン基板 (p型 抵抗率1~
H2
結果および考察
10 (Ωcm) CZ110 厚さ200μm)を用いたオ
キシ塩化リン(POCl3)窒素酸素の混合ガス雰
囲気で熱処理を行うことによりP拡散を行い
n層を形成したその後プラズマCVD装置
(Samco製)を用いSiH4ガスNH3ガスおよび
ガスを原材料として反射防止膜(シリコン窒化
膜)を成膜形成した反射防止膜の厚みと屈折
率の評価にはエリプソメーター反射率には反
射率測定装置を用いた作製した基板上に裏
アルミ電極表銀電極ペーストをスクリーン印
刷法で付着乾燥後焼成したソーラーシュ
ミレーターを使用し作製したセルの電気的特
性の評価を行った
表 1 にP拡散条件を変
化させたときのn層のシート抵抗を示すP拡散
を制御することができシート抵抗を変化させ
ることが可能であり低温で短時間の拡散とす
ることで高シート抵抗の基板を作製できるこ
とがわかった一般的に用いられる 30~60Ωsqのシート抵抗のセルは条件が合わず作製でき
ていない表 2 にSiNx膜形成条件を示すガス
組成および製膜時間によりSiNx膜厚および屈
折率を制御することが可能であり一般的な膜
厚 80nm程度のセルを作製することが可能であ
31
今後の課題
Sheet
resistance
[Ωsq]
Pre-deposition P-diffusion
Temperature
[]
Time
[min]
Temperature
[]
Time
[min]
6 840 10 1000 40
10 840 10 1000 10
15 840 10 1000 5
110 800 5 800 10
ることがわかったが屈折率は一般的な 20 程
度にすることが出来なかった屈折率を高くす
るためにはSiNx膜の密度を上げることが必要で
あるが密度を上げるためには製膜温度を上げ
る必要があると考えられるが本プラズマCVD製膜装置では 250が限界であったため250で試験を進めた図 1 に作製した基板の反射率
を示す作製した基板上にスクリーン印刷法に
より電極を形成し乾燥焼成し出力特性
評価を行った結果を表 3 に示すシート抵抗の
高いセルを用いるとVocが高くなることが確認
できた本来であればSiの吸収係数の高い長
波長側の反射率が低いSiNx膜厚 80 nmのセルの
方が 55 nmのセルより電流値が高くなると考え
られるがpn接合が浅くなることで電流として
利用可能な波長が増大した効果の方が大きかっ
たと考えられるFFについては良好な特性が得
られたため焼成条件を変えたときの焼結挙動
について検討を行っていきたい
Table 2 Condition of PE-CVD
SiNx membrane PE-CVD
Thickness
[nm]
Refractive
[-]
SiH4
[mlmi
n]
NH3
[mlmi
n]
H2
[ml
min]
Time
[min]
55 179 3 6 6 3
80 180 3 6 6 4
100 185 3 6 6 5
80 185 3 4 8 4
80 187 4 11 0 3
今回の試験ではFFについては
論文発表状況特許出願
良好な値が得られたがファイヤースルー性に
ついてはSiNx膜厚および密度によって大きく異
なると考えられより緻密な膜の形成条件を探
索していく必要があるシート抵抗およびSiNx膜ともに一般的なセルと同等のセルを作製し
銀ペーストと焼成条件を変えたときの焼結挙動
について試験を行いたい
特になし 参考文献 1) Y Ohshita Y Nishikawa M Tachibana VK
Hilali A Rohatgi S Asheri
Table 1 Condition of P-deposition
Tuong T Sasaki N Kojima S Tanaka M
Yamaguchi J Crystal Growth 275 (2005)
491-494
2) M
010203040506070
350 550 750 950 1150
Wavelength [nm]
Ref
lect
ance
[]
Mirror waferSiN 55nm(Planer cell)SiN 80nm (Planer cell)
Fig 1 Reflectance of planer cells
Table 3 Cell performance
Cell PE-CVD
Sheet
resistance
[Ωsq]
SiNx
membrane
thickness
[nm]
Jsc
[mAc
m2]
Voc
[mV]
FF
[]
Eff
[]
15 55 259 595 757 117
10 80 252 588 754 112
TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES 51
(2004) 948-955
32
技術代行装置利用
豊田工大 08-04
ナノレベルで膜厚を制御した透明導電膜の光学特性評価
Optical properties of TCO nano material
吉野賢二竹元裕仁小嶋稔
Kenji Yoshino Yujin Takemoto Minoru Oshima
宮崎大学工学部電気電子工学科 Department of Electrical amp Electronic Engineering University of Miyazaki
Ga-doped ZnO (GZO)をプラズマアークを利用したイオンプレーティング法で作製した作製した試料
を酸素雰囲気中で熱処理を行った熱処理温度の増加とともに赤外領域の透過率が減少したこれ
は自由キャリアの減少による散乱の減少と考えられる Ga-doped ZnO (GZO) films were deposited on alkali-free glass substrate by ion-plating system with DC arc discharge using a pressure gradient-type plasma gun The GZO films samples were annealed under O2 atmosphere at from 100 to 500 ˚C Optical transmittance in infrared region increased with increasing annealing temperature This was due to decreasing the scattering by decreasing of their free carrier 背景と研究目的 透明導電膜は高い電気伝
導度と高い可視光透過率を併せ持つものであり
現在 フラットパネルディスプレイ(FPD)や太
陽電池などさまざまな分野で利用されている
代表的な透明導電膜の材料としてIn2O3 SnO2
ZnO などがあるなかでも Sn を添加した
In2O3(ITO)は安易に 10-4 cm台の低抵抗が得ら
れているしかしITOの材料であるInは希少金
属であり価格が高いという難点があるまた 原料のInやSnに加えてITO粉末の毒性が懸念さ
れている加えて近年FPDや太陽電池などの
透明電極用途でのITO需要の恒常的な増大とは
相まってIn需要の増大が指摘されておりITO透明導電膜における省Inや脱In透明導電膜材料
が注目されている1)SnO2膜は比較的安価な
材料であるが エッチング加工と低温成長に難
があり用途が大幅に限定されるこれに対し
て ZnOは安価で豊富毒性に問題のない材料で
あるこのことからZnOはITOにかわる透明導
電膜の材料として注目されている 1) 本実験ではイオンプレーティング法により作
製
験
した Ga-doped ZnO(GZO)薄膜の熱処理を行
うことにより膜質の改善を試み考察した 実 イオンプレーティング法により作製し
果および考察
たGZO薄膜の熱処理を行った今回は焼きな
ましと呼ばれる熱処理方法を用いた雰囲気ガ
スとして酸素ガスを用い時間を 5 分温度 100~500 で行った試料をX線回折透過率
ホール測定で評価を行った 結 X線回折によりイオ
直型の検出器を用いた室温での
透
ンプレーティング法により作製されたGZO薄膜
はZnOのJCPDSカードと比較すると(0002)面のピークのみ確認された熱処理温度を増加
してもスペクトルに大きな変化は見られな
かった次にX線スペクトルより粒界サイズ
を計算し熱処理前の粒界サイズは約 64 nmで
あり熱処理後の粒界サイズは 61 ~67 nmとな
り粒界サイズの変化は見られなかったまた
格子定数もICDDとの差は 04以下である値が
得られ熱処理温度を増加させても変化は見ら
れなかった Fig 1 に垂
過スペクトルを示す一般的に ZnO のバンド
ギャップを室温では 33 eV で吸収端は 376 nmに位置することから今回熱処理に使用した
GZO 基板のバンドギャップとほぼ一致してい
る 2)また熱処理後も吸収端はほぼ同じ位置
であったGoncalves らの論文の方向によると熱
処理温度が増加すると吸収端が長波長側にシフ
トしているが2)本研究ではその傾向は見られ
33
熱処理温度 にしたがっ
Fig 1 Optical transmittance at RT
なかった 可視領域で
が増加する
て透過率にほとんど変化が見られなかったが
長波長側では透過率が上昇した(Figs 2 3)これは他の熱処理の論文でも同様な結果が報
告され 2)自由キャリアの減少による散乱の減
少と考えられキャリア濃度も熱処理温度が
400 度以上で減少している
Fig 2 Average transm e in visible region ittanc
Fig 3 Average transmittance in infrared region
今後の課題 今回の酸素中の熱処理の実験で
熱の効果を確認するためにアルゴンなどの不
活性ガスの実験を行う予定である 謝辞 本研究は豊田工業大学山口真史教
授大下祥雄准教授小島信晃助教に光透過測
定において協力を頂いた深く感謝したい
論文発表状況特許出願 [1] Y Takemo et al DRIP Conference USA 20099
発表予定
参考文献 1)南内嗣 応用物理 75 (2006) 1218 2) R Ghosh et al Mater Res Bull 40 (2005)
1905
0
20
40
60
80
100
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500
as-depo100200300350400450500
Tra
nsm
ittan
ce[
]
GZO O2 annealing 450oC 5min
Wavelength[nm]
34
技術代行装置利用 豊田工大 08-05
プラズマ CVD による薄膜作製と構造評価 a-Si film grown by plasma CVD
吉野賢二小嶋稔
Kenji Yoshino Minoru Oshima
宮崎大学工学部電気電子工学科 Department of Electrical amp Electronic Engineering University of Miyazaki
プラズマアーク CVD 法で作製したアモルファスシリコンをラマン法で評価を行ったスペクトルに
アモルファス成分結晶化成分および粒界成分に分離し結晶化度を決めることができた a-Si thin film on Si (100) substrate were successfully grown by plasma CVD Crystalline of the sample could be decided by Raman spectroscopy 背景と研究目的 アモルファスシリコンの原
子配列は規則正しい原子配列を結晶シリコン
とは異なり不規則になっている実際完全
場なアモルファスの結晶の存在は難しく一部
結晶化している 1)そこでラマン法により
結晶化度などの膜の構造に関する知見を非破壊
に得ることを目的として評価を行った
400 450 500 550
Experimental result Total c-Si GB a-Si
Inte
nsity
(au
)
Raman shift (cm-1)
a-Si
GB
c-Si
400 450 500 550
Experimental result Total c-Si GB a-Si
Inte
nsity
(au
)
Raman shift (cm-1)
a-Si
GB
c-Si
実験 グロー放電で発生するプラズマを中で
SiH4 を分解しa-Si膜をSi(100)基板上に作製し
たラマン分光法は室温でAr+レーザ(488 nm)を使用し測定した
Fig1 ラマンスペクトルのピーク分離例 結果および考察 Fig 1 にAr+レーザーで
ラマン測定した一例を示すSiのLOモードの信
号を結晶Si (c-Si)アモルファスSi (a-Si)結晶
粒間の粒界(GB)のピークに分離した
謝辞 本研究は豊田工業大学山口真史教
授大下祥雄准教授小島信晃助教にプラズマ
CVD作業において協力を頂いた深く感謝した
い GB ピークの起源についてはまだよく分かってい
ない各ピーク位置の結晶化度に対する依存性
はa-Si と c-Si のピークはややばらつきがある
が結晶化度によらず一定だったBG のピー
ク位置は結晶化度が上がるに伴って c-Si のピー
ク位置に近づいていったこれは結晶化度が
上がると GB の部分も結晶のフォノンエネルギ
ーに近づくことを意味しており構造が変化して
いることを示している
論文発表状況特許出願
該当なし
参考文献 1)森垣和夫米沢富美子嶋川晃一固体物理
37 (2002) 1
今後の課題 SiH4ガス圧などの条件を変えて
作製した試料のラマン測定やX線回折等の評価
を行う予定である
35
技術代行装置利用
豊田工大 08-07
電子線ビーム露光技術と組み合わせたナノ粒子パターン配置技術の開発
Patterning method of nanoparticles by using electron beam lithography
熊谷 慎也
Shinya Kumagai
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
近年ナノテクノロジー技術の進展に伴いナノ粒子が注目されているこのナノ粒子を自在に利用
するためには固体表面上の狙った位置にナノ粒子を配置する技術が必要とされる本研究では電
子ビーム露光技術を利用してナノパターンを作製しナノ粒子のパターン配置を試みた With the development in nanotechnology nanoparticles have attracted much attention and been utilized in various applications To utilize the nanoparticles patterning method of nanoparticles is indispensable In this study nanopatterns were fabricated by using electrom beam lithography technique and we investigated nanopatterning method through the lift-off process
背景と研究目的 ナノ粒子は通常のバルク材料とは異なった性
質を発揮することからナノテクノロジー研究
において注目されている例えば磁性材料
触媒ドラッグデリバリー等の用途での期待が
高まっている実際に応用することを考えると
固体表面上の狙った位置に配置する技術が必要
になってくる 12)本研究ではナノ粒子をナノス
ケールでパターン配置することを試みたナノ
粒子のパターン配置の方法としてリフトオフ
法を利用したリフトオフ法はこれまでに
MEMS 半導体デバイスの開発で使用されてお
り適切に用いればナノスケールの構造体を作
製することも可能でありここでは溶液中に
ナノ粒子を分散させた系に適用することを狙っ
ている
パターン配置の原理 パターン配置手法の概略をFig1に示す基板
表面にレジストを塗布し配置パターンを作製
するこのパターン基板にナノ粒子を分散させ
た溶液を滴下する溶液中に分散しているナノ
粒子は熱運動を利用してそのレジストのパタ
ーン内部に侵入させて露出している基板表面
と吸着させるレジストを溶解してレジスト
上に吸着したナノ粒子を取り除くと基板に直
接吸着したナノ粒子のみが残ることになる 実験 電子ビーム(EB)描画によるパターン作製 リフトオフ法に使用するレジストパターンを
EB 描画装置で作製した電子線レジスト
ZEP520A-7(日本ゼオン)にアニソールを加えて
10に希釈しスピンコーターによって塗布し
たスピンコートは500rpmで 10 秒回転させた
後3000rpm で30 秒回転させて行った(レジ
スト膜厚約15nm) EB 露光装置のDose 量[μCcm2]を変化させて微細なパターンの描画
を行った描画パターンの現像は酢酸アミル溶
液に15 秒間浸漬することで行いその後N2
ブローで乾燥させた
36
結
ナノ粒子のパターン配置 参考文献 配置パターンが描画された基板の上にイオン
強度を100mMに調整したナノ粒子溶液を滴下
し吸着を行ったこの条件のもとでは溶液
中の静電相互作用距離であるDebye 長は約1nm と計算されるナノ粒子―基板表面の間の静電
反発は十分に低くなっており表面近傍に十分
接近できる溶液を滴下後の状態を30分間保持
し純水でリンスしたその後 40の
ZDMAC(日本ゼオン)に5 分間浸し超音波を5 分間かけることでリフトオフを行いアセト
ン純水の順でリンスした
1) S Esconjauregui C M Whelan K Maex
Nanotechnology 19 (2008) 153306
2) W Hu K Sarveswaran M Lieberman G H
Bernstein J Vac Sci Technol B 22 (2004) 1711
果および考察 EB露光現像後の描画パターンの一例をFig2
に示す最も小さいもので直径20nmの微細な
ホールパターンを作製することができたさら
に小さなパターンを描画するためにはEB露光
条件現像条件を最適にチューニングする必要
があるナノ粒子の吸着実験では直径125nm~285nmのホールパターンを用いてリフトオフ
法でパターン配置を行ったSPM 観察画像を
Fig3(a)に示すFig 3(a) とFig 3(b) はそれぞ
れ使用したレジストパターンリフトオフ後
のナノ粒子の配置パターンのSPM像であるFig 3(a)と比べるとFig 3(b)ではナノ粒子の配置パ
ターンに大きさや形のばらつきが見られたナ
ノ粒子の配置パターンの面積は図5 のホールサ
イズの約8 割のサイズの大きさとなっていた
その理由の一つとしてシリコン酸化膜に吸着
したナノ粒子の一部がリフトオフの際に同時
に剥離されている可能性が考えられるその一
方で配置パターン以外の箇所へのナノ粒子の
吸着が見られたリフトオフ後に溶液中に分散
したナノ粒子が再付着したものと考えられる
またFig 3(b)においてFig 3(a)の125nm~
165nmに対応する部分にナノ粒子の吸着パター
ンが存在していないことがわかる本手法では
吸着パターン内にナノ粒子が積極的に入り込む
機構がないためにパターンが小さくなった場
合内部に侵入する確率が低くなり吸着パタ
ーンとして得られないことが要因として考えら
れる現在の環境下では直径175nm 以上のホ
ールであればナノ粒子をパターン配置するこ
とができるということがわかった
Fig 1 Principle of nanoparticle patterning through lift-off process
Fig 2 SEM image of EB lithography patterns The diameter of holes is φ20nm
(a) (b)
Fig 3 SPM images of (a) holes patterned in EB resist film and (b) nanoparticle patterns corresponding to each holes in (a) まとめ
ナノ粒子のパターン配置について検討した
今回検討した条件範囲内では175nm 以上のホ
ールを用いればナノ粒子をパターン配置でき
る今後の課題としてパターン以外の再吸着
量を低減させる必要がある
37
技術代行
豊田工大 08-08
超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発
Development of microfluidics chip using nanofabrication technologies
中野 圭洋 安池 雅之
Keiyo Nakano Masayuki Yasuike
株式会社 ESPINEX
ESPINEXINC
半導体製造技術を用いて作製されるマイクロ流路チップは近年バイオや化学研究用に用いられて
おり高精度な測定を可能にしている本研究では Si 基板上に作製したマイクロ流路型から細菌検
出用のマイクロ流路チップを作製し細菌を効率的に捕捉するための流路構造の最適化を行った
Recently microfluidics chips fabricated by the top-down semiconductor fabrication techniques have been widely utilized in the field of biology and chemistry These chips can detect bio- molecules or chemicals with ultra sensitivity In this research PDMS microfluidic chips for bacteria detection have been fabricated from Si wafer molds and structure of the microchannels have been optimized for bacterial sensing
背景と研究目的 半導体製造技術を用いて作
製するマイクロ流路チップは検出対象を微小
領域に高密度で凝集させることが出来るため
バイオや化学研究向けの高精度な測定に用いら
れている当社はマイクロ流路中に抗体を配
したバイオチップで特定の細菌を補足し蛍光
顕微鏡で検出するシステムを開発しており培
養を主体とする現状の検出法に比べ大幅に検査
時間を短縮でき簡便性にも優れるため感染
症診断や食品衛生検査での使用が見込まれる
(b)
Fig1 Microfluidics chip
本研究では効率的に細菌を捕捉するための流
路構造の最適化を行う具体的には作製した数
種類のチップで細菌の検出実験を行い抗生物
質の薬剤感受性試験 1)も行う
実験 (a)に示したマイクロ流路構造をSi 基板
上に凸形状として作製しシリコーンゴム
(PDMS)に転写して得られた凹形状のマイクロ
流路をガラス基盤と張り合わせて(b)のマイク
ロ流路チップを作製した実験は大腸菌(Ecoli K-12株)を用いてfig1(a)中の流入路より抗体
固相化剤(ZeptoBind)を用いて抗体(Poly Anti-
Fig2 Image of Ecoli captured in the microfludics chip
(a)
38
30min later 60min later 90min later
Fig3Images of Ecoli after applying antibioticz(Pansporin) Ecoli )を導入しブロッキングバッファー (Zepto block)を添加してガラス基盤上を修飾し
たその後104-105cfuml濃度の大腸菌液100ulを注入蛍光試薬(LIVEDEAD Baclight)を添加
して10分後バッファー(PBS)で洗浄し蛍光顕
微鏡観察を行ったさらに同チップに抗生物
質(Pansporin)1mgmlを添加し大腸菌に対する
同薬剤の感受性試験を行った
今後の課題 今回作成したマイクロ流路チッ
プはシリコーンゴム製で型を転写するだけで
1 時間程度かかり生産性が悪い量産にはポ
リスチレン等の樹脂にホットエンボス加工で転
写することが望ましいが離型時に樹脂の熱収
縮で流路構造が損傷する点や型として使用し
ているSi基板が転写時の圧力で損傷する点が今
後の課題として残る 結果および考察 大腸菌の捕捉率が高か
ったマイクロ流路(Fig1)での蛍光顕微鏡画像を
Fig2 に示す図中緑色に蛍光しているのが
生菌で死菌は赤く蛍光する前処理も含めて
1 時間程度で大腸菌を検出できた
謝辞 本研究は豊田工業大学の榊裕之教授
をはじめ共同利用クリーンルームの皆様にご協
力頂きました特にマイクロ流路の型製作に
おいて梶原建氏にご尽力頂き深く感謝してお
ります Fig3は抗生物質を添加してから 30 分60 分
90 分後の蛍光顕微鏡画像を示している時間経
過に伴って大腸菌が緑色(生菌)から赤色(死菌)に変化しているのが良く分かるFig4に薬剤感
受性試験結果をまとめた抗生物質未添加のチ
ップ(ピンク)では時間が経過しても死菌量が 0のまま増えないのに対して抗生物質を添加し
たチップ(青)では時間経過とともに死菌量がリ
ニアに増えている薬剤感受性試験でも前処
理を含めて 2 時間程度で検証できることが分か
った
論文発表状況特許出願 [1] ESPINEX特願 2008-53209チップ
注釈 1) ある細菌がある薬剤に対して感受性か耐性
かを判断する試験
0
5
10
15
20
25
0 02 04 06 08 1 12 14 16
Time (hour)
Dea
d ce
ll co
unts
w drugwo drug
Fig4 Result of drug screening test
39
協力研究
豊田工大 08-13
スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線形成技術
Conductive pattern forming method on vertical wall using spray coating and angled exposure technologies
森井裕貴大平文和
Hiroki Morii Fumikazu Oohira
香川大学
Kagawa University
スプレーコート技術と傾斜露光技術を用いた垂直壁面への配線パターン形成方法について検討した
この方法を用いることによりチップパッケージサイズを縮小することが可能となるスプレーコート
技術と傾斜露光技術を用いることにより 600μm の垂直壁へレジストを均一に塗布さらにレジストパ
ターン形成を可能としたまた配線パターンはスパッタと無電解 Ni めっきにより形成した本研
究で製作した配線パターンの幅は 200μm配線間隔は 300μm である A novel conductive pattern forming method on the vertical wall using a resist spray coating and an angled exposure technologies is proposed This method makes it possible to decrease the chip package size The spray coating and the angled exposure technologies enable the uniform resist coating and the patterning the resist on the vertical wall of 600 μm height Then a conductive pattern layers are sputtered and electroless plated As the result the conductive patterns of 200 μm width and 300 μm spacing is successfully formed on the vertical walls
背景と研究目的 携帯電話や携帯情報端末な
どにおいて更なる小型化高機能化が求められ
ている限られた容積の中でそれらの要求を満
たすには半導体チップの小型化高集積化
又はチップ実装の高密度化が挙げられる 本研究ではチップ実装の高密度化に着目し
半導体プロセス技術を用いてチップパッケージ
樹脂の垂直側面に 3 次元的に電極を配線するこ
とにより高密度実装可能な側面配線技術の確立
を目指す 本研究ではパッケージ樹脂高さ 600μm の
垂直側面に幅 200μm300μm の配線パターン
を形成するその手段としてフォトリソグラ
フィ技術を用いてフォトレジストの配線パター
ンを形成し金属を成膜しリフトオフすること
により金属の配線パターンを形成するこのと
き半導体プロセス技術で成膜できる金属の膜厚
は数千Åと少ないため配線としては電流抵抗
が大きくなるそこで配線として十分な膜厚を
得るため Ni めっきを行うこのプロセスにおい
て高さ 600μm の垂直側面にフォトレジスト
を均一に塗布することが重要となるそのため
スプレーコート技術と斜め露光技術を研究し
垂直側面への配線形成の原理確認を行った 実験 スプレーコートを用いてパッケージ樹
脂の垂直側面へのレジスト塗布の原理確認を行
ったスプレーコートではレジスト流量ステ
ージ温度ステージ速度などの条件がレジスト
の膜厚や分布に大きく影響する[2]そのため
これらのパラメータを調節し垂直側面へのレ
ジスト塗布を行った 露光プロセスでは垂直側面部が十分露光さ
れるように傾斜露光[1]を行うこのプロセスに
おいてマスクは平面のガラスマスクを用いる
ため樹脂側面やガラス基板上ではマスクとレ
ジストの間に間隔が生じるその結果光の回
折などにより側面のパターンが広がるそのた
40
め露光量に対するパターンの広がりについて検
証を行った さらにレジストパターニング後スパッタ
により金属膜を成膜リフトオフ無電解 Niめっきを行い配線パターンを形成した図 3にパッケージ樹脂の垂直側面に形成した配線パ
ターンを示す同様にして側面配線形成を行っ
たチップを 5 つ作製しそれぞれの抵抗値を計
測した5 つのサンプルを A から E としそれ
ぞれの抵抗値の平均値と分散値を図 4 に示す
製作した側面配線は数オームであり実用上問
題のない値であるこれらの原理確認から高さ
600μm の樹脂の垂直側面への配線形成が可能
であることを明らかにした
さらにレジストパターニング後スパッタ
により金属膜を成膜リフトオフ無電解 Niめっきを行い配線パターンを形成した図 3にパッケージ樹脂の垂直側面に形成した配線パ
ターンを示す同様にして側面配線形成を行っ
たチップを 5 つ作製しそれぞれの抵抗値を計
測した5 つのサンプルを A から E としそれ
ぞれの抵抗値の平均値と分散値を図 4 に示す
製作した側面配線は数オームであり実用上問
題のない値であるこれらの原理確認から高さ
600μm の樹脂の垂直側面への配線形成が可能
であることを明らかにした
結果および考察 スプレーコートにおい
てレジスト流量ステージ温度ステージ速度
条件を検討した結果レジスト流量 81grh100grhステージ温度 95105115ス
テージ速度 300mms400mmsで塗布が可能で
あることを確認した図 1 にレジスト流量
100grhステージ温度 105ステージ速度
300mmsの条件でスプレーコートしパターニ
ングしたサンプルを示すレジストはエッジ部
などで途切れることなく全面に塗布されている 斜め露光において露光量に対するパターン
の広がりについて検証した結果図 2 に示すよ
うに1Jcm2 では 20μm2Jcm2 では 50μm
4Jcm2 では 70μm8Jcm2では 90μm 程度側面
の最下部で広がっている本研究では配線間
隔は 300μm の設計であり広がりが生じても
パターンが重なることはなく実用上問題ない
研究では配線間
隔は 300μm の設計であり広がりが生じても
パターンが重なることはなく実用上問題ない スプレーコート技術と斜め露光技術により
パッケージ樹脂の垂直側面へのレジストパター
ニングを可能とした
スプレーコート技術と斜め露光技術により
パッケージ樹脂の垂直側面へのレジストパター
ニングを可能とした
Fig1 The spray coating and patterning the resist Fig1 The spray coating and patterning the resist
Fig7 Changes of pattern widths at various exposure doses Fig7 Changes of pattern widths at various exposure doses
Fig3 Conductive pattern forming Fig3 Conductive pattern forming
A
B
CD E
0
05
1
15
2
25
3
Resistan
ce(Ω
)
Fig4 Electric resistance measurement results 今後の課題 本研究で提案したプロセスでは
パッケージ樹脂側面の配線パターンが広がって
しまうこの広がりを抑える工夫を今後検討し
ていく 参考文献 [1] Hayato Izumi Yohei Matsumoto Seiji Aoyagi Yusaku Harada Shoso Shingubara Minoru Sasaki Kazuhiro Hane Hiroshi Tokunaga IEEJ Trans SM Vol 128-E No 3 (2008) pp102-107 [2] Vijay Kumar Singh Minoru Sasaki and Kazuhiro Hane Japanese Journal of Applied Physics Vol 46 No 9B (2007) pp 6449-6453
Plastic material NiNi
Substrate
Resist Plastic material Resist
Substrate Plastic material
Exposure doses (1) 1 Jcm2
(2) 2 Jcm2
(3) 4 Jcm2
(4) 8 Jcm2
43
2
1
Wall side Upper side
Height 600μm
Width 200μm
41
協力研究
豊田工大 08-15
プローブ顕微鏡を用いた物性測定
Measurement of Physical Properties by Scanning Probe Microscopy
田仲 圭
Kei Tanaka
(株)大同分析リサーチ
DAIDO BUNSEKI RESEARCH Inc
先端に磁性ナノ粒子を持つカーボンナノチューブ(CNT)探針は高分解能な磁気力顕微鏡(MFM)
用として有望である本研究ではこの CNT 探針を用いた際の分解能の Q 値依存性を調べるととも
に理論的に分解能の検討を行った Carbon nanotube probes with magnetic nanoparticles on the top are expected for use in high-resolution magnetic force microscopy (MFM) Here we investigate the Q-value dependency of resolution using such CNT probes and performed a theoretical discussion for resolution
背景と研究目的我々はこれまでに先端に磁
性ナノ粒子(触媒金属)を持つカーボンナノ
チューブ(CNT)をカンチレバー上に成長させ
た探針を使用することにより磁気力顕微鏡
(MFM)の分解能が市販品の従来探針に比べて
飛躍的に向上することを示した 1)今回はさ
らに分解能を向上させる手段として実験的
にはカンチレバーのQ値を高める工夫を行う
とともに理論的な面からもCNT探針の分解能
の検討を行った
24
min)(0QA
TBkkzF BL
ϖ=prime (2)
で表される3)ここでkLはカンチレバーのば
ね定数kBはボルツマン定数Tは探針の絶対
温度Bは周波数のバンド幅ω0は共振周波
数Qは探針の性能指数Aは探針振幅の実行
値である (2)式からも分かるように同じ探
針を使用した場合でもQ値を高めることによ
り熱振動ノイズが下がりSNが向上し到
達分解能が高くなることが予想される 理論 周期的に書き込まれた磁気記録媒体に対する磁気力顕微鏡が検出する信号(力勾配)は
果および考察結 (1)式から得られた関
数を用いて実験値に対してフィッティングを
行った結果をFig1 に示すFig1 のグラフは
周期的に書き込まれた磁気記録媒体のMFM像
に対してFFTを行いパワースペクトルから得
られたピーク強度とその空間周波数をプロッ
トしたものである黒丸および黒四角の点は
Q=200(前報値大気中観察Q値制御なし)
Q=526(今回報告値大気中Q値制御MFM SII
ナ ノ テ ク ノ ロ ジ - 製 SPM 装 置 rdquo
( ) ( )
tip
kzktstz dVekx tipz
ekMM
F int minusminus
partpart
minus=prime cos120μ
(1) で表される 2)ここでμ0は真空透磁率MtMs は探針および試料の磁化k は空間周波数を示すまた熱振動ノイズによって制限される最小の信号は
42
NanoNaviE-sweeprdquo使用)のそれぞれの場合で
得られた値を示すQ値が高くなると強度が高
くなっていることが分かる図中の実線は
Q=200 の場合の実験値に対して(1)から得ら
れた関数でフィッティングを行った結果であ
るそこから得られたパラメーターを用いて
比例定数のみをフィッティングパラメーター
としQ=526 に対してフィッティングを行っ
たものが図中の破線である上式(2)から算出
されたノイズレベルとの交点が予想される到
達分解能である現在(2)式を用いた熱振動
ノイズの算出を試みているしかしながら
現段階においても破線のカーブ(Q=526)は実
線のカーブ(Q=200)に比べて空間周波数が高
い方にシフトしていることからQ値を高くし
た効果として到達分解能が向上していること
が推測される
10E-01
10E+00
10E+01
10E+02
10E+03
10E+04
10E+07 10E+08
Spatial Frequency (1m)
Inte
nsi
ty (
au)
Q=200
Q=526
Fig1Spatial frequency dependence of MFM signal
参考文献
今後の課題 今後はQ値を系統的に変化させ
た測定値を得ることと熱振動ノイズの算出お
よび実験値との整合性を検討することにより
分解能の理論的予測を行っていく
1) K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J
Nanomater in press
2) S Porthu L Abelmann and C Lodder J Magn
Magn Mater 182 (1998) 238 謝辞 今回の測定はSIIナノテクノロジー社
の山岡武博氏の好意によるものである 3) T R Albrecht P Grutter D Horne and D Rugar
J Appl Phys 69 (1991) 668 論文発表状況特許出願
K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J Nanomater in press
43
装置利用
豊田工大 08-16
磁気記録用パターン媒体の研究
Fabrication of patterned media for magnetic recording
加藤 剛志
Takeshi Kato
名古屋大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Nagoya University
イオン照射型ビットパターン媒体として利用できる CrPt3 規則合金膜の成長プロセスを検討するため
赤外線ランプおよび短パルスレーザーを利用した急速熱処理を検討した赤外線ランプ加熱では真空
中熱処理と同様CrPt3膜を規則合金化できさらに多層構造を崩さずに CrPt3規則相を生成すること
が可能であることが分かった一方短パルスレーザー処理を行った場合赤外線ランプ処理のよう
な規則合金化は見られなかった In order to develop new fabrication process of CrPt3 ordered film for ion irradiation bit patterned media rapid thermal annealing using infra-red (IR) lamp or short pulse layer has been investigated In the case of IR lamp annealing the ordered structure of CrPt3 was confirmed just as in the sample prepared by vacuum annealing Moreover this method was found to be quite useful to fabricate multilayered structure including the ordered CrPt3 layer On the other hand the ordered CrPt3 was not confirmed for the annealing using short pulse layer
背景と研究目的 ハードディスクドライブ
(HDD)の記録媒体として現在使用されてい
る微粒子媒体に代わる超高密度記録媒体である
ビットパターン媒体が注目されているこれは
熱安定性の確保低記録磁界低ノイズという
現在微粒子媒体において問題となっているトリ
レンマを微細加工によりビットを定義すること
で克服するというものである超高密度なビッ
トパターン媒体に要求される特性として高い
熱安定性シャープなビット境界優れた表面
平坦性などが挙げられるこれまでに我々は
これらを満足するものとしてイオン照射型
CrPt3パターン媒体を作成し超高密度パターン
媒体の可能性があることを示してきた[1] イオン照射型パターン媒体はイオン照射に
より媒体の物性を局所的に制御しパターン化す
る方式であり表面平坦性に優れた媒体が作製
可能となるこれまで CoPt[2]CoPd[3]多層膜
などにおいて高エネルギーイオン照射により
垂直磁化の領域と面内磁化の領域をパターン化
する研究などが報告されているしかしながら
これらの材料ではイオン照射だけで照射領域を
非磁性化することが困難であり照射領域を介
した記録ビット間の磁気的結合が高密度記録に
重大な支障をきたす[3]一方CrPt3 膜は L12
型の規則合金ではフェリ磁性を不規則の fcc相では非磁性となり低ドーズのイオン照射に
よりこの相変化を起こすことが可能であるこ
のため低ドーズの照射により磁性非磁性領域
のパターン化が可能でビット間の磁気的結合
のないイオン照射型パターン媒体の実現が可能
となるCrPt3パターン媒体の応用上唯一の課
題はその規則化温度の高さであるこれまでの
報告ではCrPt3 規則合金の生成には真空中で
850˚C 程度の熱処理が必要であり[4]これは低
価格のディスク基板や軟磁性裏打ち層の形成の
障害となるこのため本研究では赤外線ラン
プおよび短パルスレーザーを利用した急速熱処
理を用いた CrPt3 規則合金膜の規則化を検討し
た
44
実験 マグネトロンスパッタ法によりSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substまたはSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (10 ndash 20 nm) CoFeZrNb (10 nm) SiO2 substという構成の膜を
作製したCr25Pt75層はCrとPtを同時成膜するこ
とで形成した赤外線ランプおよび短パルスレ
ーザーを用いた急速熱処理によりC 25Pt75 膜の
規則合金化を試みた赤外線ランプ加熱では
800 ˚C - 1000 ˚Cを 30 sec程度保持した昇温
降温速度は約 70 ˚Csecと真空中熱処理の 10 ˚Cminに比べ非常に速いパルスレーザー加熱
にはNdYAGレーザーのSHG光(パルス幅 6 nsec)を用い照射パワーを 40 - 190 mJcm2 と
変化させた膜構造はX線回折(XRD)により磁
気特性は交番磁界勾配型磁力計(AGM)磁気光
学Kerr効果測定装置により測定した
r
結
Fig1 (a) MndashH loops of lamp annealed Cr25Pt75 (15 nm) applying a magnetic field in-plane and film normal directions (b) Kerr loop of lamp annealed Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (20 nm) CoFeZrNb (10 nm)
果および考察 Fig 1 (a)はSiO2 (2 nm)
Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substを 1000 ˚C30 secの赤外線ランプ加熱処理後試料の磁化曲線を示し
ている18 kOeの最大印加磁場における磁化は
150 emucc程度で保磁力は 12 kOeとなった同
一のサンプルを真空中 850 ˚C15 minの熱処理
を行った場合磁化は 250 emucc保磁力は 12 kOeであったこれは赤外線ランプ加熱によっ
ても真空中熱処理と同様CrPt3膜を規則合金化
できることを示している真空中熱処理に比べ
赤外線ランプ加熱では短時間に熱処理を行うこ
とができるため多層構造膜の界面の合金化を
抑え熱処理することが可能となる可能性があ
るFig 1 (b)はSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (20 nm) CoFeZrNb (10 nm) SiO2 substの1000 ˚C30 secの赤外線ランプか熱処理後の
Kerrループを示しているKerrループは膜面側
から測定した結果でありCrPt層の磁化曲線を
反映するFig 1 (b)のように単層膜と同様の大
きな保磁力のループが得られておりSiO2 (20 nm)中間層によりCoFeZrNb層とCrPt3層との合
金化が抑えられたことを示している
Fig2 Dependence of saturation magnetization of pulse laser annealed Cr25Pt75 (15 nm) on the laser fluence
参考文献
[1] T Kato S Iwata Y Yamauchi S Tsunashima
K Matsumoto T Morikawa K Ozaki J Appl
Phys 105 (2009) 07C117
[2] C Chappert H Bernas J Ferreacute V Kottler J-P
Jamet Y Chen E Cambril T Devolder F
Rousseaux V Mathet H Launois Science 280
(1998) 1919
Fig 2 は SiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substを 40 ndash 190 mJcm2 のエネルギーでパルス
レーザー処理した後の磁化の照射強度依存性を
示している照射強度と温度との関係は不明で
あるがCr25Pt75 (15 nm)の反射率透過率から
照射エネルギーの 10 程度が膜に吸収される
と見積もられることからPt の体積比熱 29 JKcm3 を仮定すると50 mJcm2 で約 1000 ˚C の
温度上昇が見込まれるFig 2 に示すように CrPt合金膜に短パルスレーザー処理を行った場合
100 ndash150 mJcm2 程度の照射で若干磁化の増大
が観測されたが赤外線ランプ処理のような
100 emucc 以上の磁化は見られていない
[3] E Suharyadi T Kato S Tsunashima S Iwata
IEEE Trans Magn 42 (2006) 2972
[4] J Cho M Park H Kim T Kato S Iwata S
Tsunashima J Appl Phys 86 (1999) 3149
45
装置利用 豊田工大 08-17
鉄-コバルトナノワイヤシリサイド形成に関する研究 Study for Iron ndash Cobalt Nanowire Silicide Formation
丹司敬義ab大平 豊a
Takayoshi Tanjiab and Yutaka Ohiraa
a名古屋大学院工学研究科 b名古屋大学エコトピア科学研究所
aGraduate School of Engineering Nagoya University bEcoTopia Science Institute Nagoya University
Si(110)表面上にFe と Co の二元蒸着により作製したナノワイヤ(NW)の元素分析を行うために走査電子顕微鏡(SEM)に装備されているエネルギー分散型スペクトロスコピー(EDX)を用いたその結果我々は NW が形成されている同一表面上から FeCo の両ピークの検出に成功した Elemental analysis of Nanowire (NW) prepared by co-deposition of Fe and Co onto Si(110) surface have been studied by energy dispersion spectroscopy (EDX) equipped scanning tunneling microscopy (SEM) As a result we found both peaks of Fe and Co K line from same surface formed NW 背景と研究目的主に電荷を用いる半導体エレク
トロニクスでは従来使われなかった電子のもう一
つの性質であるldquoスピンrdquoを積極的に利用して
新しい材料の機能やデバイスを構築しようとする
半導体スピントロニクスに関する研究が近年盛
んに行なわれているシリコン(以下Si)技術と
の融合を図るためにはSi基板上へ磁性体の直接
成長が必要となる この背景の下我々はldquo磁性を有するナノワイ
ヤ(以下 NW)を Si 基板上に直接成長させるrdquoこ
とを最終目的として本研究を行なっているこれ
までは磁性元素である鉄(以下 Fe)のみを蒸着
し加熱することで形成される NW に注目し研
究を行なってきた 1)今回は FeSi(110)系に更にコ
バルト(以下 Co)を同時蒸着することにより
NW を形成させることを試みている Fe ndash CoSi(110)系の先行研究例は全くなくまず
Si(110)表面上に Fe と Co を同時に蒸着させた場合
にもFeSi(110)系や CoSi(110)系と同様なワイヤ
が形成されるかどうかを調べる必要があるこれ
はすでに著者らが形成されることを明らかにして
いる次の段階としてFe と Co 両方が同一ワイ
ヤ内に存在しているかどうかを調べるために本
支援により元素分析が可能な SEM ndash EDX を使
用した 実験Si(110)表面上にFeとCoの二元蒸着により
作製したNWのSEM ndash EDX測定を行う
結果および考察Figure 1 にFeとCoを蒸着
加熱を行い作製した試料のSEM像を示す
FeSi(110)系やCoSi(110)系で作製したNW同様
lt-110gt方向に配向したNWが観察されるNWの形
状としては幅が約 10 ndash 100 nm長さが約 300 ndash 1200 nmであり長いものでアスペクト比が 20 を
超えるNWが形成される この表面上の SEM ndash EDX 測定を行った結果を
Fig 2 に示す測定時に試料を入射電子線に対
して傾けて測定しているFeCo それぞれの K線のピーク(Fe 6398 keV Co 6924 keV)を検出す
ることに成功しこの表面上には FeCo それぞ
れ 2 種類の原子が存在していることを確認するこ
とができたまた母体である Si の K 線のピー
ク(Si 1739 keV)の横にあるピークはSi の K線エネルギーの丁度 2 倍の位置にあたりサムピ
ークと呼ばれているこれは検出器に Si からの特
性 X 線が 2 つ同時に入った場合検出器が分離で
きないために起こるアーティファクトである 次にワイヤ 1 本に FeCo がそれぞれ含まれ
ているかどうかを調べるためにEDX マッピング
を行ったその結果を Fig 3 に示すFigure 3(a)はマッピングを行った場所の SEM 像(b)から
(d)はそれぞれSiCoFe の K 線のピークの強
度を濃淡で表示したものであるこの結果SEM像と対応した濃淡を測定することはできなかった
これは試料のドリフトにより観察領域が同一の
場所に安定しないため測定することができなか
ったと考えられる
46
本支援ではFe と Co の二元蒸着により作製し
た Si(110)表面上の NW の元素分析を SEM ndash EDXにより行ったその結果 NW を有する表面上から Fe と Co の両ピーク
を検出した 非常に微小な構造のためSEM ndash EDX では
NW1 本辺りからの元素分析は困難であった 以上のことを明らかにした 今後の課題二元蒸着により作製したワイヤの詳
細な元素分析また磁気特性について研究を行な
う予定である 論文発表状況特許出願 該当なし 参考文献 1) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
Jpn J Appl Phys 47(7B) (2008) 6138
Fig 3 EDX mapping of Fe ndash CoSi(110) surface (a) SEM image (b) Si K line (c) Co K line (d) Fe K line
Fig 1 SEM images of NWs on Si(110) surface The NWs grow along lt110gt
Fig 2 (a) Configuration of EDX measurement (b) EDX spectrum of Fe ndash CoSi(110) surface
1 μm lt110
lt001gt
(c)Co K line
(a)SEM image (b)Si K line
500 nm
(d)Fe K line
47
技術代行装置利用
豊田工大 08-20
ナノ構造半導体薄膜の作製
Fabrication of Nano-Structured Semiconductor Thin films
竹田 康彦
Yasuhiko Takeda
株式会社 豊田中央研究所
Toyota Central Research and Development Laboratories Inc
分子線エピタキシー法によりGaAs ウェハー上に良質の GaAs 膜を作製するための条件を調べた成
膜時の基板温度が 520のときにバンド間遷移に起因するフォトルミネッセンスの強度が最大半値
幅が最小となりこれが最適条件であることがわかった We found the optimal substrate temperature to fabricate GaAs thin films on GaAs wafers by molecular beam epitaxy When the substrate temperature during the deposition was 520 the intensity of photoluminescence attributed to the band-to-band transition was the largest and the peak width was the narrowest
背景と研究目的 ナノ構造半導体中に閉じ込
められたキャリアはその構造の次元(2 次元
薄膜1 次元細線0 次元ドット)に特徴的
な光電子物性を示す1970 年代の分子線エピ
タキシー(MBE)成膜技術の進歩によってこ
の分野の研究が大いに進展した[1]このように
長い歴史をもつにも関わらず未だに新たな発
見が絶えない分野でもある例えば近年地球
温暖化対策の一環として種々の太陽電池の研究
開発が盛んになっている現在製品化されてい
る太陽電池の主流はシリコンpn接合を基にした
ものであるが変換効率の大幅な向上を目指し
ナノ構造半導体中の長寿命ホットキャリアや
多重キャリア生成の利用が提案されている[2]しかしこれらのナノ構造に特徴的な光電子
物性の起因と詳細は未だ議論の渦中にある[3 4]
III-V 族化合物半導体混晶を用いた多層薄膜
においてはその組成を変調することにより
キャリアに対する閉じ込めポテンシャルを制御
することができる更に格子整合不整合の
利用により閉じ込め構造の次元をも制御する
ことができるのでナノ構造に特徴的な物性を
発現させるための格好の舞台となる 我々は2 次元閉じ込めの代表的な材料であ
る GaAsAlGaAs 多層膜[1]及び 0 次元閉じ込め
構造が得られる InAsGaAs 多層膜[5]を GaAs ウェハー上に作製することを計画しているこれ
らを作製するためには通常GaAs ウェハーの
上に厚さ数 100nm の GaAs バッファ層が形成さ
れる新たに導入された MBE 成膜装置におけ
る成膜条件を調べる第一歩としてGaAs バッフ
ァ層の作製を試みた 実験 市販n型GaAs(100)ウェハー基板上に
MEB法により厚さ200nmのGaAs膜を作製した
良質な薄膜が得られる条件を調べるため基板
温度を400~600の間で変化させた成膜速度
が10~20nm分になるように原料の供給量を調
節した 作製したGaAs膜の結晶性をフォトルミネッ
センス測定により評価した励起光にはNdYAGレーザーの第2高調波(波長532nm)を用いた
この波長でのGaAsの光吸収係数は78times104cm-1
でであり[6]励起光は基板には到達しないので
膜からの発光のみを測定することができる検
48
出器にはInGaAs光電面をもつ光電子増倍管を
用いた試料温度は室温にて測定を行った
0
2
4
6
8
10
800 900 1000 1100 1200
Wavelength (nm)
PL Inte
nsi
ty (ar
b U
nits)
MBE film
Wafer
結果と考察 何れの基板温度の場合にもバン
ド間遷移に起因する発光ピークが波長 860nm付
近に現れたただしその強度とピークの幅は
基板温度に依存し520のときに強度が最大
かつピーク幅が最小であったこれよりも低温
では結晶性が低く一方高温ではAsの再蒸発に
より欠損が生じるためであると考えられる 今回の成膜条件において最適であった基板温
度 520にて作製された GaAs 膜のフォトルミ
ネッセンススペクトルを Fig 1 に示す同条件
にて測定された GaAs ウェハーの結果と比較す
るとピーク波長が若干短波長側にシフトして
いる更にピーク幅が広くまた長波長側に
格子欠陥あるいは不純物に起因すると考えられ
る発光が見られる従って結晶性にはまだ改
善の余地があると考えられる
Fig1 Photoluminescence spectra of the GaAs thin film deposited at a substrate temperature of 520degC and the GaAs wafer measured at room temperature
今後の課題 更に良質のGaAsバッファ層を作
製するための条件を探索すると共にこれを基
にナノ構造薄膜を作製しその光電子物性を
評価する予定である 謝辞 フォトルミネッセンス測定技術につい
てご指導いただきました豊田工業大学小島伸
晃先生に深謝申し上げます
参考文献
[1] 日本物理学会編半導体超格子の物理と応
用(培風館1984)
[2] M A Green Third Generation Photovoltaics
(Springer-Verlag Berlin 2003)
[3] J A McGuire et al Acc Chem Res 41 1810
(2008)
[4] A Pandy and P Guyot-Sionnest Science 322
929 (2008)
[5] R Ohshima et al J Cryst Growth 310 2234
(2008)
[6]
49
協力研究
豊田工大 08-22
InAs 量子ドットを電極としたナノショットキーダイオードの理想係数
Ideality factor of nano-Schottky diodes using InAs quantum dots as electrodes
田中 一郎
Ichiro Tanaka
和歌山大学 システム工学部
Faculty of Systems Engineering Wakayama University
導電性探針を用いた原子間力顕微鏡(AFM)によって表面における伝導性をナノスケールで測定する
ことが可能である本研究ではGaAs(001)表面上に自己形成した単一 InAs 量子ドットを電極とした
ナノショットキーダイオードの電流電圧特性を行いその理想係数に対するフェルミレベルピニン
グの影響を検討したまたGaAs 層へのドーピングによりその影響が緩和されることを明らかに
した We fabricated nano-scale Schottky diodes using self-assembled InAs quantum dots as nano-electrodes on n-GaAs layers and current-voltage characteristics of the single nano-Schottky diodes were measured with conductive AFM at room temperature It has been simulated and experimentally confirmed that the ideality factor of the nano-Schottky diodes becomes considerably large because of Fermi level pinning at GaAs (001) surfaces We have also found that higher doping concentration of n-GaAs decreases the influence of the environmental Fermi level pinning
背景と研究目的 InAs量子ドットはその0
次元電子物性や光電子素子への応用可能性が
注目されて様々な研究が行われてきた われわれは導電性探針を用いた原子間力顕
微鏡(AFM)により InAs量子ドットの導電性を画
像化し同ドットがナノ電極として使用できる
ことを見出している1) 今後デバイスの微細
化が進むとともに電極もナノスケール化される
と考えられるがそれによってデバイス特性が
受ける影響を検討することは重要である本研
究では InAs 量子ドットを電極に用いて GaAs ナノショットキーダイオードを作製してその電
流電圧特性を検討することを目的とした 計算 n-GaAs層上にナノスケールの電極を設
けてバイアス電圧を印加した場合にその電極
下における電位分布がどうなるかを有限要素法
によりポアッソン方程式を解いて計算したそ
のモデルを図1に示すこの計算においてナノ
電極以外の表面はフェルミレベルピニングによ
り電位が07Vに固定されているものとした 実験 n-GaAs層およびその上のInAs量子ドッ
トはn+-GaAs(001)基板上に固体ソースの分子線
結晶成長(MBE)装置を用いて作製した 試料表面をAFM観察し直径が60~80nm程度
のInAsドットに導電性探針を接触させて順バイ
アス電圧を印加し電流電圧特性を測定した 結果および考察 図2(a)にナノ電極の
05V の順バイアス電圧を加えた場合のナノ電
極近傍の電位分布計算結果を示すこの図にお
いてナノ電極は電位が 02V になっているため
その直下の電位はそれに応じて青色で表されて
いるが深さ 20nm 程度の所は緑色になってい
て電位がやや上昇しているさらに深くなると
50
別紙
電位は次第に減少し中性領域で 0V になるこ
のように電位が深さ方向に単調には減少しない
原因はナノ電極周囲の表面電位がフェルミレベ
ルピニングのため 07V に固定されていてその
影響がナノ電極下に及んでいるためであること
がわかる2) Z 軸に沿った深さ方向のポテンシ
ャル変化を図2(b)に示す この計算結果からナノショットキーダイオ
ードでは理想係数が増加すると考えられるそ
こでドナー濃度が 1x1017cm-3 の n-GaAs 層を
100nm 成長しその表面に InAs 量子ドットを形
成してナノショットキーダイオードを作製した
さらに接触モードの導電性 AFM でその表面
を観察した後単一ドット上に探針を移動させ
て順方向にバイアス電圧を印加し電流電圧
特性を測定したその結果図3に示すように
バイアス電圧が 03V 近辺から電流の増加が緩
やかになり理想係数が 14 から 22 になること
がわかったこれはフェルミレベルピニング
の影響により電極直下の電位が低下しにくくな
ったためと考えられる
Fig 1 Calculation model for voltage distribution under a nano-electrode formed on the (001) surface of n-GaAs layer
またn-GaAs 層のドナー濃度を3倍に高めた
ところこのような理想係数の増加は見られな
かったこれは空乏層中のドナーの増加によ
りフェルミレベルピニングの影響が緩和された
ためと考えられる Fig 2 Calculated (a) potential distribution near the nano-electrode on which a forward bias voltage of 05 V is applied and (b) potential variation along Z-axis
今後の課題 n-GaAs 層表面近傍の空乏層中に
二重障壁構造を作製して本研究と同様の手法
でナノ共鳴トンネルダイオード(nano-RTD)を作
製することができる3) この場合フェルミレ
ベルピニングの影響により共鳴トンネル効果が
生じる電圧が増加するためそれにより直接
的定量的に把握できる今後はnano-RTD を
用いて表面処理によるショットキー障壁の低
減を検討する
論文発表状況特許出願 [1]I Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and H Sakaki Abstract for the 2nd IEEE Nanotechnology Materials and Devices Conference Mo P38 (October 20-22 2008 Kyoto University Japan) 参考文献 1) I Tanaka I Kamiya H Sakaki N Qureshi S J Allen Jr and P M Petroff Appl Phys Lett 74 (1999) 844
Fig 3 Current-voltage characteristics of nano-Schottky diodes measured by conductive AFM2) T Sato S Kasai and H Hasegawa Jpn J Appl
Phys 40 (2001) 2021 3) I Tanaka Y Tada S Nakatani K Uno M Azuma K Umemura I Kamiya and H Sakaki Phys Stat Sol(c) 5 (2008) 2938
51
技術代行
豊田工大 08-26
カーボンナノチューブ FET の作製と評価
Fabrication and Measurement of Carbon Nanotube FET
吉村 雅満
Masamichi Yoshimura
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
カーボンナノチューブ FET 素子の試作を行ったHiPco 試料の I-V 特性は金属半導体(p 型)が混在
していることSG65 試料では半導体特性が明瞭に観測されたまた架橋した本数によりドレイン電
流値に違いがあり少数の CNT が架橋しているとゲート依存性が強くなることが分かった CNT-FET has been fabricated using dielectrophoresis method The HiPco-FET shows both p-type semiconducting and metallic behavior The semiconductor behavior is clearly observed for SG65-FET The Current value and gate voltage dependence are highly influenced by the number of bridged CNTs
背景と研究目的 現在の半導体産業はデバ
イスの微細化による素子性能の向上と高密度化
により発展を遂げてきたしかしシリコンMOSFET(metal-oxide- semiconductor field-effect transistor)では微細化が進むにつれてゲート絶縁
膜の薄膜化に伴う量子効果(例えばキャリアの
トンネル)の影響により性能の向上が阻害され
るそのためSi技術の微細化は限界が近づいて
いるそこで次世代のデバイス材料の一つとし
て注目されているのがカーボンナノチューブ
(CNT)であるカーボンナノチューブFET(以下
CNT-FET)とはCNTをチャネルとして利用した
電界効果トランジスタであるその構造の概略
図をFig1 に示すTansらは平面ゲート電極で変
調され室温で動作するカーボンナノチューブデ
バイスを初めて報告した[1] CNT-FET はバリスティック伝導および高い
電流密度を示しさらに基板を選ばず 1 次元チ
ャネルで短ゲート化に適しているなど優れた特
徴をもつそこで本研究では CNT-FET を作製し
その電気特性を測定することを目的とする 実験 溶媒としてDMF10 mlにCNT試料1 mgを
加え約50 で超音波処理を1 h行うことによ
り分散させたCNTを電極間に架橋させる方法
として誘電泳動法を用いた[2]すなわち溶
液中の微粒子に外部から電場を加えると溶液
-微粒子界面に電荷が誘起される電荷量は溶
媒と粒子の分極率に依存しこの相違により
双極子モーメントが誘起される本研究では
この原理を利用してCNTを電極に引き寄せる
CNT試料として異なる純度分散状態電気
的特性を有するUnidym社製Super Purified
HiPcoSouthWest Nano Technologies社製SG65
を使用したHiPcoは金属半導体の割合が1
2SG65は90 以上が半導体的なCNTで構成さ
れている 具体的にはCNT分散溶液を基板に
滴下後高周波(5 MHz)を15分程加えることに
よりCNTの配向を行ったソースメータ
(Keithley社製2636)及びマイクロプローバー
(共和理研社製K-157MP150)を用いFET特性の
測定を行ったFig1下図に測定回路図を示す
ゲート電極は基板背面を利用した 結果および考察 Fig2 にHiPco試料のド
52
レインソース間の電流(Ids)-電圧(Vds)特性のゲ
ート電圧依存性の測定結果を示すこのときゲ
ート電圧Vgsを-15~+15 Vの間で5 Vステップで
印加したオーミックな特性が観測されIdsはVgsを負に印加すると増加したよって架橋し
たCNTは金属p型半導体双方の性質をもつもの
が混在していたと考えられる直線の傾きから
抵抗値を見積もると抵抗値はVgs=-15 Vで 019 MΩ15 Vで 026 MΩとなりVgsが負のとき抵
抗値の低下が確認されたCNT 1 本当たりの抵
抗値に換算するとVgs=-15 Vのとき約 3 MΩと
なり文献値の 29 MΩとほぼ一致した[3]
-10 -05 00 05 10
-4
-2
0
2
4
1microm
Vgs=15V
Vgs=‐15V
0V
+
-
5Vstep
次に多量及び少数のSG65が架橋した電極の I-V測定結果を Fig34 に示すFig34 どちらも p 型
半導体的な特性が現れているまた CNT 数が少
数の場合電流値が約 120 に減少しているさ
らに Vgs による Ids の変調は少数の CNT が架橋
した時により大きいことがわかる
今後の課題 カーボンナノチューブの高分散
技術の改良ナノ電極のデザイン改良が今後必
要である 謝辞 本研究は豊田工業大学寺尾良輔氏
梶原健氏との共同研究である
参考文献
1) SJTanset alNature 393 (1998) 49
2) YMiyatoet alJpnJApplPhys 87
(2005) 183102
3) RMartelet alApplPhysLett 73
(1998) 2447
Fig1 Schematics of CNT-FET (upper) and electric circuit (lower)
SiO2
Source Drain
CNT
Gate(P+‐Si)
Vgs Vds
AD
S
G
CNT
Ids
-3 -2 -1 0 1 2 3-02
-01
00
01
02
Vgs=-10VVgs=-5VVgs=0VVgs=5V
1microm
Vds
Ids
(nA
)
Fig 4 IV curve of SG65-FET with a small amount of CNTs
Vds
Ids
(nA
)
Fig 3 IV curve of SG65-FET with plenty of CNTs
-3 -2 -1 0 1 2 3-10
-5
0
5
10
1microm
Vgs=‐10V
Vgs=‐10V‐5V
05V
‐5V +5V
0V
Vds
Ids
(μA
)
Fig 2 IV curve of HiPco-FET
53
装置利用
豊田工大 08-27
触媒ナノ粒子を用いた CVD 膜中残留応力制御
Study of controlling residual stress in CVD thin film by using catalyst nanoparticles
熊谷慎也
Shinya Kumagai
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
MEMS ではデバイス構造を作製するために Si 薄膜が使用される高性能な MEMS デバイスを実現す
るためにはその薄膜中の応力状態を制御することが必要であるアモルファス Si 薄膜を結晶化さ
せるとその過程で薄膜の堆積が収縮し薄膜中に引張応力が発生することが知られている薄膜の
結晶化を適切に促進すれば薄膜中の応力状態を制御することができると考えられる本研究では
アモルファス Si 薄膜の成膜および結晶化促進のための触媒ナノ粒子を Si 薄膜基板上に吸着させ
るプロセスについて検討を行った Thin films of Si are widely used in the fabrication of MEMS structure To realize high performance MEMS devices it is necessary to control the stress in the Si thin film As the crystallization of amorphous Si films proceeds the shrinkage of the volume of the Si thin film generates tensile stress in the film Appropriate crystallization process can control stress in the Si thin film In this study we investigated deposition condition of amorphous Si films and adsorption of catalyst nanoparticles onto the Si films
背景と研究目的 近年MEMS デバイスは我々の周りで広く使
用され欠かせないものになっている例えば
光関連の分野ではマイクロミラーデバイスが
プロジェクタプリンタ等の中に組み込まれて
いるこのミラーデバイスではミラーの回転
角は大きくその一方で不安定動作は小さい
ことが求められるこの要求を満たすために
例えばミラーを支えるトーションバーに張力
(引張応力)を加えることが提案されている[1] シリコン薄膜に引張応力を生じる原理はアモ
ルファスシリコンからポリシリコンへの結晶化
に伴う体積収縮によって発生する結晶化誘起応
力にあると言われている[2]通常はサンプル
を加熱するだけのアニール処理で行うためラ
ンダムな場所から核成長が起こり得られる結
晶粒径は限られ発生する引張応力も限られて
いたそこで何らかの方法で結晶粒径を大き
くできれば引張応力発生に寄与する材料の比
率が増しより大きな引張応力を得ることがで
きると考えられる[3]結晶化の促進には金属誘
起結晶成長法が利用できる[4] 本研究では
アモルファスシリコン薄膜の成膜とそのシリ
コン薄膜上へ結晶化促進のための触媒ナノ粒子
を吸着させるプロセスについて検討を行った
54
実験 アモルファスシリコン薄膜の堆積 プロセスガスとしてジシランを使用したジ
シランは通常用いられるシランよりも低い温度
で熱分解するためアモルファス薄膜の成膜に
適している[5]薄膜のアモルファス性が高いほ
ど結晶化する際の堆積収縮量が大きく引張応
力の発生の効果が大きいといえる堆積実験で
はCVD炉温度を510度に設定し炉内圧力
13Paのもとで成膜を行った成膜時間は100分間
とした
シリコン薄膜上への触媒ナノ粒子の吸着 触媒ナノ粒子を分散させた溶液をアモルファ
スシリコン薄膜上に滴下して10分間吸着を行っ
たその後遠心分離機(10000rpm1分)を用い
て余剰の溶液を除去しその後SPMで観察を
行った 結果および考察 シリコン薄膜堆積後光干渉法により膜厚
を測定したサンプル表面20箇所の平均値とし
て2790nmが得られた堆積レートに換算すると
約28nmminとなるMEMS応用には1μm程度の
Si薄膜の厚さがあることが望ましいそのため
にはより長い堆積時間が必要となる堆積レ
ートを高くするには成膜温度を上げることが
有効であるが堆積後に結晶化が進み薄膜の
アモルファス性が低下することになる膜質と
トレードオフの関係にあるため今後検討を進
めていく必要がある 作製した Si 薄膜のサンプルを用いてナノ粒
子の吸着実験を行ったFig 1 にナノ粒子吸着
後サンプル表面の SPM 像を示すナノ粒子が分
散して吸着していることがわかるその一方で
成膜後のサンプル表面を光学顕微鏡で観察した
限りでは分からなかったがナノ粒子の他に表
面に比較的大きな凹凸形状が見られるこのよ
うな箇所では MEMS 構造を作った際に機械的
強度が低下すると考えられ堆積条件のさらな
る検討が必要といえるFig2 ではナノ粒子濃度
を Fig1 の条件の 10 倍に希釈した溶液を滴下し
た後の SPM 像であるFig1 と比較すると溶
液濃度が希釈されて低くなっていることに対応
して表面上へのナノ粒子吸着量が減少してい
ることがわかる溶液中のナノ粒子濃度は基板
上への吸着量の制御パラメーターとして利用で
きる まとめ
Si 薄膜の堆積条件ナノ粒子の吸着プロセス
について検討を行った引き続き検討を行
いシリコン薄膜結晶化の評価を進めていく予
定である
参考文献
1) M Sasaki S Yuki K Hane IEEE Photon
Technol Lett 18 (2006) 1573
2) 三浦英夫ら日本機械学会論文集(A 編)58
巻 554 号(1992-10)216-221
3) P Temple-Boyer et alThin Solid Films 310
(1997) 234
4) C Hayzelden and J L Batstone J Appl Phys
73 (1993) 8279
5) K Nakazawa J Appl Phys 69 (1991) 1703
Fig1 SPM image of nanoparticle adsorption on Si film surface
Fig2 SPM image of nanoparticle adsorption Concentration of nanoparticle in the solution is 110 of the condition in Fig1
55
協力研究
豊田工大 08-28
a-SiNxHSi 界面特性の面方位依存性
Dependence of crystallographic orientation on a-SiNxHSi interface characteristics
新船 幸二a近藤 憲司b大下 祥雄b
Koji Arafune a Kenji Kondob Yoshio Ohshita b a 兵庫県立大学b 豊田工業大学
a University of Hyogo b Toyota Technological Institute
多結晶シリコン太陽電池の表面パッシベーション膜としてアモルファス水素化窒化シリコン膜
(a-SiNXH)が通常使用されているこのパッシベーション機構を明らかにするために面方位の異な
る単結晶シリコン基板に a-SiNXH 膜を同一条件で製膜しその容量-電圧特性を水素処理前後に測定
し界面準位密度や固定電荷について検討を行った a-SiNXH film is used as surface passivation layer for polycrystalline silicon solar cells In order to clarify the passivation mechanism a-SiNXH films are deposited on the single crystalline silicon substrates with different crystallographic orientation by plasma enhanced chemical vapor deposition The characteristics of a- SiNXHSi interface is also studied by C-V measurements
背景と研究目的 現在主流の多結晶シリコン
太陽電池には表面パッシベーション膜として
アモルファス水素化窒化シリコン膜(a-SiNXH膜)が使用されているa-SiNXH膜をシリコン基
板上に形成することにより界面準位密度が低
下し加えてa-SiNXH膜中の固定電荷に起因す
る電界効果により界面におけるキャリアの再
結合が抑制される 1)と考えられているしかし
具体的なパッシベーション機構については未だ
明らかになっていないこの原因の一つとして
多結晶シリコンが面方位の異なる結晶粒により
構成されているため得られる情報が平均化さ
れてしまうことが予想されるそこで面方位
の異なる単結晶シリコン上にa-SiNXH膜を形成
しそれらの電気的特性の相違を詳細に検討す
ることによりa-SiNXH膜によるパッシベーシ
ョン機構解明の端緒とすることを目的とした 実験 面方位が(100)および(111)である3inch
果および考察
のp型単結晶シリコン基板を4分割し希フッ酸
処理SC1処理希フッ酸-過酸化水素処理等
により洗浄を行った洗浄後の(100)および
(111)基板上にPECVD法によりa-SiNXH膜を製
膜した製膜条件は250 []圧力 04 [torr] ガス流量 SiH4 3 [sccm]NH3 6 [sccm]H2 6 [sccm]製膜時間 5 [min]とした製膜したa-SiNXH膜の
膜厚および屈折率はエリプソメトリー法により
評価したC-V測定サンプルのゲート電極には
Al(D=06mm)を使用した界面準位低減効果を
比較するためにフォーミングガス(N2+H2)によ
るアニールを400 []30 [min]で行った 結 製膜したa-SiNXH膜の
ングガスアニール前の C-V 曲
膜厚は面内で多少のばらつきはあったものの
(100)基板および(111)基板ともに89plusmn4 [nm]以内
であった屈折率に関しては178 と全て一定
の値を示した Fig1 にフォーミ
56
の C-V
えるとa-SiNXHSi 界面に
(a)
線を示す膜中の固定電荷に関しては(111)基板上の膜の方が(100)基板上の膜より密度が高
いことが判ったこれはシリコン上の熱酸化膜
と同様の傾向を示しているまた両者ともに
ヒステリシスを示しているがその原因は(100)基板の場合は正の可動電荷型(111)基板では正
孔注入型と異なることが判った界面準位密度
に関してはどちらの場合も非常にリークが大
きいため今回の測定では求めることが出来な
かった今後膜厚増加によるリーク低減を行
い界面準位密度の評価を進めたい Fig2 にフォーミングガスアニール後
曲線を示すどちらの場合もフォーミングガス
アニールによりヒステリシスが消失している
これは熱による構造変化と水素によるダング
リングボンドの終端化によるものと考えられる
より詳細な検討を行うためにはアニールガス
種の変更や温度時間等を変化させた評価が必
要である界面準位密度に関してはフォーミ
ングガスアニールにより界面準位密度が低減さ
れた傾向が現れているまたC-V 特性測定時
の周波数を変化させた測定も行ったところ周
波数分散特性も(100)基板と(111)基板では大き
く異なっていた 以上の結果を踏ま
おける界面準位密度及び膜中固定電荷密度は基
板面方位に大きく依存しヒステリシス特性の
要因も基板面方位により変化することが明らか
になった
0
50
100
150
200
-10 -8 -6 -4 -2 0
容量[pF]
電圧[V]
(b)
0
50
100
150
200
-20 -18 -16 -14 -12 -10
容量
[pF]
電圧[V]
Fig1 C-V characteristics of a-SiNXH films on (a)
(100) and (b) (111) single crystalline silicon substrates before forming gas annealing
(a)
0
50
100
150
200
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
容量
[pF]
電圧[V]
(b)
0
50
100
150
200
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
容量
[pF]
電圧[V]
Fig2 C-V characteristics of a-SiNXH films on (a) (100) and (b) (111) single crystalline silicon
後の課題
substrates after forming gas annealing 今 今回はPVCVD装置のトラブルに
りサンプルは2種類しか試すことが出来なよ
かったが今後は(110)基板の使用やa-SiNXH膜の製膜条件を変えたサンプルを準備し固定
電荷の起源やパッシベーション能力の定量的評
価などを行う予定である 謝辞 C-V測定において兵庫県立大学の佐
真一教授及び吉田晴彦准教授に協力頂いた
許出願
藤
深く感謝したい
論文発表状況特 [1 未定
考文献
]
参
t et al Semicond Sci Technol vol16 1) JSchmid
pp164-170 (2001)
57
技術代行装置利用
豊田工大 08-29
太陽電池特性評価技術の習得 Acquirement of solar cell characterization skill
岩本 恵里
Eri Iwamoto
日本ソーラーシリコン株式会社
Japan Solar Silicon Co Ltd
特性の異なるシリコンウェーハから太陽電池セルを作製し作製した太陽電池セルについてその特性評
価を行った
We made silicon solar cells with silicon wafer of a different characteristic and conducted investigation of these
cell performance
研究目的 シリコン原料メーカーとして太陽
電池セルの特性評価に関する知識を持つことが
必要であるしたがって本研究ではセル作製工程
の一連の流れを理解し実際に作製したセルにつ
いてその特性評価を行い自社内での太陽電池特
性評価技術の向上を目的とする今回はプロセ
スに慣れることプロセス条件を最適化すること
を目的とし基板抵抗やPの拡散温度のセル特性
への影響を見ることとした
実験 Si基板は購入した 3 インチ厚み 380 μ
mのSi基板 (CZ結晶) でp型抵抗a (低抵抗) とb
(高抵抗) の2種類の比抵抗値を示す基板を用いた
Si基板を洗浄後基板上にPを温度A B Cの 3 水
準で変化させて拡散させた基板裏面の酸化膜を
除去した後リフトオフ工程によって表面に 10
mm角セル (16 個分) のAl電極パターンを形成し
たこの際Alの蒸着は抵抗加熱真空蒸着装置を用
いて行った表面と同様に裏面にAl電極を形成し
た後380で 10 分間の水素シンター処理を行っ
たその後ダイシング装置で 10 mm角セルに分
割し中心部分のセルについてI-V特性評価を行
ったこのI-V特性評価によってpn接合の良否
電極とSiの接触の良否などが判断できる
結果と考察 Fig1 に低抵抗Si基板と高抵抗Si基
散温度を変化させて作製した各セルの短
絡
板についてリン拡散温度を変化させて作製した
各セルの開放電圧 (Voc) を示すFig1 を見ると
温度Aで拡散させたセルでは他と比較してVocの
値が低かったこれは温度Aでのリン拡散が不十
分でpn接合がうまくできていないと考えられる
Fig2 に低抵抗 Si 基板と高抵抗 Si 基板について
リン拡
電流 (Isc) を示すFig2 を見ると拡散温度 C で
Isc が悪化しているこれは温度 C でのリン拡散
でp 層基板が高温処理によって劣化した可能性
が高いと考えられる
本設備においては拡散温度は CZ 基板を用い
58
た場合温度B近傍で行うのが最適と考えられる
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Isc
(arb
uni
ts)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
今後の課題 今回作製したセルはプロセスの最
適化がされていないため基板評価のため十分な
効率が得られていない今後はプロセス条件の改
善を実施し太陽電池特性評価技術の向上を目指
す
謝辞 本研究は豊田工業大学梶原氏および
下准教授に指導して頂いた深く感謝したい
豊田工業大学梶原氏および
下准教授に指導して頂いた深く感謝したい 大大
Fig2 The phosphorus diffusion temperature dependence of shortcircuit current (I sc) for low resistivity Si substrate and highresistivity Si substrate
Fig1 The phosphorus diffusion temperature dependence ocircuit voltage (V oc) for low resistivity Si substrate aresistivity Si substrate
f opennd high
Fig3 The phosphorus diffusion temperature dependence ofconversion efficiency for low resistivity Si substrate and highresistivity Si substrate
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Voc
(arb
uni
ts)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Con
vers
ion
effic
ienc
y (a
rb u
nits
)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
59
技術代行
豊田工大 08-32
レジストマスクによるリン砒素のイオン注入
P and As Ion implantation using Resist Mask patterns 上田一之
Kazuyuki Ueda
豊田工業大学ナノハイテクリサーチセンター
Nano High-Tech Research Center in Toyota Technological Institute Supported by MEXT
シリコン表面に PAs をイオン注入してマスクパターンを作りそのときの打ち込みエネルギーやイ
オンの種類により打ち込み層に含まれる水素や酸素の形態はpn 接合を考える上で極めて重要な
要素となるしたがってこれらの打ち込み層に存在する水素と酸素の起源と振舞いについて電子励
起イオン脱離法を応用した水素顕微鏡で調べた
Masked patterns by ion implanted surface include hydrogen and oxygen which might affect to p- n-junction properties Electron-stimulate-desorption (ESD) spectroscopy is useful to investigate behaviors of hydrogen and oxygen on the device surfaces Implated musked patterns have been investigated by using hydrogen microscope
背景と研究目的 2次元的なp- n-接合をシリコン表面上にイオン注入法で数十ナノメートルの深さ方向に作りその層の表面や層間に存在するする水素や酸素の起源と振る舞いを調べることは注入層がp-n-層として機能するかどうかの重要な問題を含んでいるナノテク支援により作成されたイオン注入マスクパターンを用いて超高真空中に配置された電子励起イオン脱離(ESD)を発展させた水素顕微鏡を使用して数百ナノメートルの2次元分解能でそれらの挙動を調べた 実験 実験は超高真空中にセットされたESD装置を応用した水素顕微鏡(Fig1)1)2)を使用して
実施されたナノ支援によってシリコンウエハ
ーに注入されたPおよびAsの格子状のパターン
構造をしており最上層にはPのストライプパタ
ーンの層がありその下にはAsのストライプパ
ターンが直角方向に形成されている表面の酸
化物層をイオン衝撃で取り除くとPのストライ
プパターンが現れイオン衝撃法により25nm程度の深さに達するとAsの打ち込み層が存在
していることが水素酸素のイメージから判る
これらのパターンの様子をFig2に2次元的な
模型で示しイオン衝撃に応じて水素顕微鏡で
観察するとFig3に示すようにPのストライプ
パターンが水素像酸素像として示されている
これは打ち込み層が極浅いところなのでP層の
みが現れている水素酸素に2種類のパターン
が示されているのはPとAsではそれぞれの層
に吸着する水素と酸素の吸着状態の違いを反映
して異なる運動エネルギーのイオン像が現れ
るであるうことを期待しているからである
Fig3に示すように同時に得られたSEM像には
両方の元素のパターンがモノクロに撮影されて
いるだけで表面物性的な差異は全く見られな
いこのことはSEM像が2次電子の発生深さの 情報を持つのに対してESDは殆どトップレイ
ヤーの情報しか持たないことに由来する
60
4μm
12μm
18μm
7μm
4μm
As+ As+ 5x1015cm2
P +
5x1015cm‐2
P +
As + 20 keV(127 nm)p‐S i(100)
S iO2
試料の形状(マスクによるイオンの打ち込み)
Top view
S ide view
P + 10keV (108 nm)Thickness of S iO2 1 5 nm
1times1010 As+(on the back ground)
7μm
Fig 1 Ion implanted patterns of P and As
On the B-dose Si surface
Fig2 Shematic drawing of hydrogen
microscope
Fig3 をさらにスパッタリングで 25nm 程度取
り除くと深いところに分布している As 層から
水素酸素の像が得られてそれぞれ格子模様と
なるこれらの水素酸素の起源はイオン注入
打ち込みの過程から考えて酸素は酸化物層にイ
オン注入しているので当然であるが水素につ
いては原因は不明であるイオン注入時はマス
フィルターにより元素を選択的に打ち込んでい
るので水素の混入は考えられないそうすると
マスク材料から打ち込まれたかあるいはマス
クを取り除く薬品から混入したことが考えられ
る現時点ではこれらの水素濃度の定量
Fig3 H+ and O+ images from P-implanted
Layer on Si-SiO2 layers
Fig4 H+ and O+ images from P-and
As implanted layer on Si-SiO2 layers
的評価は出来ないが水素の量によっては今後
のデバイス処理に重要な情報を与えているもの
と考えられる
参考文献
1) KUeda and KOgai Surf Sci 462 (2000) 1
2) 上田一之表面技術 59 (2008) 893
H(1)+ H(2) +
O(1)+ O(2) +
H(1)+ H(2) + SEM
O(1)+ O(2) +
61
協力研究
豊田工大 08-33
新規プローブの開発
Development of new probe for AFMSTM
森田 幸治 長村 俊彦 佐々木 徹
Kouzi Morita Toshihiko Nagamura Touru Sasaki
株式会社ユニソク
UNISOKU CoLtd
近年ナノスケールデバイスの開発においてその表面形状または電気的特性を評価するためのプロ
ーブの必要性が高まってきているそこでプローブ自身が歪み検出部分を持ちかつ先端に他と絶
縁された金属配線を持つ新しいプローブの要素技術開発を行った
Recently new probe to evaluate surface shape and electrical characteristics are required in nanometer scale devicersquos development Here we developed functional elements of new probe with piezo resistance and metal
wiring is isolated other metal wiring
背景と研究目的 現在LSI各種センサな
どのデバイスがナノスケールで開発作製され
それらの金属配線パターンは30nmオーダーに
まで達しているしかしそのデバイスの表面形
状力学的特性電気的特性を評価することは
非常に難しいこれらの研究分野ではデバイス
の各種評価用の装置またそれに合わせた新し
いプローブの開発製品化が強く求められてい
る 弊社では以前より立命館大学磯野教授との共
同開発で新しい機能を持ったプローブの試作を
行ってきた本研究ではその結果を利用して新
規プローブの量産化に向けたMEMSプロセスの
確立を行うプローブはSOIウェハ(Silicon On Insulator)から作製するプローブ上にはピエゾ
抵抗素子を作製しその抵抗変化によってプロ
ーブの歪み検出を行うまたプローブ先端には
他と絶縁された金属配線を持っているこれら
の組み合わせによって様々な評価を行えるプロ
ーブを作製する プローブの絶縁性能に関しては歪み検出を
しながらSTM(Scanning Tunneling Microscope)測定することを想定した時ピエゾ抵抗素子に1V
程度の電圧をかけた時にプローブ先端へ漏れる
電流はトンネル電流より十分少ないことが求め
られる今回はその漏れ電流01nA以下つまり
絶縁抵抗10GΩ以上を目標とする 実験 まず各種プロセス条件に関して以前
から弊社にて研究してきた結果が豊田工業大学
共同クリーンルームの装置で再現できるように
装置の扱いに慣れる意味も含めて繰り返し使用
しプロセス条件を修正合致させたその結
果フォトリソグラフィ真空蒸着イオン注
入TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)エッチング熱酸化シンタリングのプロセス
において以前の結果を再現させることができ
た そのプロセス条件を使用してピエゾ抵抗素
子とそれへの金属配線およびSiO2膜で絶縁され
た金属配線を作製したSiO2絶縁膜は熱酸化炉
(炉内温度1100O2雰囲気30分加熱)で作
製したFig1に作製したデバイスの断面模式図
を示すFig1中の①Al電極はSiO2絶縁膜で基盤
Siから絶縁されている②Al電極はピエゾ抵抗
素子と接続されている①②Al電極を弊社製
62
品であるAFM(Atomic Forced Microscope)STM測定用コントローラに接続しスイープ電圧を
かけてその時の微小電流値をモニターすること
で絶縁抵抗の評価を行った
Al SiO2
Piezo Resistance
(Type Positive)
Si(Type Negative)
① ②
結果および考察
Fig2に作製したデバイスの光学顕微鏡写真
を示す設計寸法通りパターニングできゴミ
などの不純物もほとんど乗ることなく出来上が
ったエリプソメーターでSiO2絶縁膜厚を測定
したところ80nmであったFig2中の①②は
Fig1の①Al電極②Al電極の場所を示している
Fig3にスイープ電圧とその時に得られた電流
値のグラフを示すPiezo resistance(Type Positive)とSi(Type Negative)の間のPN接合の影響で順
方向バイアスではノイズが漏れやすいことが分
かったグラフの傾きから絶縁抵抗値を計算し
たところ約25GΩの抵抗値が得られ目標の絶
縁抵抗値を達成することができた
Fig1 Cross section model of piezo resistance Al wiring and SiO2 dielectric(80nm)
今後の課題 本デバイスはピエゾ抵抗と金属
配線との間でAl-Alの積層構造を持っているが Al 同士の間に Al 酸化膜が存在し接触が不安
定になる現象が確認できた今後は Al を積層し
ない構造に変更するか配線材料の変更を検討
する実験を行う必要がある ② ①
Fig2 Optical microscope image of piezo resistance Al wiring and SiO2 dielectric(80nm) 参考文献
1) 江刺正喜藤田博之五十嵐伊勢美杉山進
共著「マイクロマシーニングとマイクロメカト
ロニクス」培風館
-15
-1
-05
0
05
1
15
-11 -9 -7 -5 -3 -1 1 3 5 7 9 11
Voltage(V)
Current(nA)
2) MエルベンスポークHVヤンセン 著田
畑修佐藤一雄 訳「シリコンマイクロ加工の
基礎」シュプリンガーフェアラーク東京
Forward bias back bias
Fig3 Graph of leak current and voltage put SiO2 dielectric(-9V to +9V)
63
研究協力
豊田工大 08-34
ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製
Fabrication of quantum-structures for potential mapping
賀数 広海 田中 一郎
Hiromi Kakazu Ichiro Tanaka
和歌山大学システム工学部
Faculty of Systems Engineering Wakayama University
InAs 量子ドットをナノメートルサイズの電極(ナノ電極)として用いて順バイアス電圧を印加した場合
その周囲におけるフェルミレベルピニングの影響により電極直下においても電位が下がりにくい
本研究ではInAs 量子ドットをナノ電極として GaAsAlAs 二重障壁構造を含むナノ共鳴トンネルダ
イオードを作製し導電性 AFM を用いてその電流-電圧特性を測定することにより二重障壁構造内
部の電位に対するフェルミレベルピニングの影響を検討することを目的とした When a forward bias voltage is applied on InAs quantum dots (QDs) used as nano-scale electrodes (nano electrodes) Fermi level pinning around nano-electrode prevents us from lowering the potential under the nano-electrodes We fabricated nano-scale resonant tunneling diodes (nano-RTDs) which comprise GaAsAlAs double barrier structures with InAs QDs electrodes by molecular beam epitaxy We measured current-voltage characteristics of the nano-RTDs by conductive AFM for investigating the influence of Fermi level pinning on the potential in the double barrier structure
背景と研究目的 近年ナノテクノロジーの
分野においてInAs量子ドットに関する研究が盛
んに行われているInAs量子ドットは分子線エ
ピタキシー法(MBE)等を用いてGaAs(001)基板
との僅かな格子定数の違いにより自己組織化成
長しナノメートルスケールのサイズを有する
そのためナノスケール化が予想される半導体
デバイスに対応する電極(ナノ電極)としての
応用が考えられるしかしGaAs(001)面上のナ
ノ電極に順バイアス電圧を印加した場合その
周囲のフェルミレベルピニングの影響によって
電極直下でも電位が下がりにくい このフェルミレベルピニングの影響はInAs
ドット直下のGaAs層のドナー濃度を高めるこ
とで緩和できる1)この点についてさらに検討す
るためGaAsAlAs二重障壁構造を含むナノ共
鳴トンネルダイオードを作製しその電流-電圧
特性を測定した 実験 MBEを用いてn+-GaAs(n=10~50times1018cm-3)基板上に基板温度約590でn+
-GaAs(n=20times1018cm-3)を500nmn-GaAs(n=50times1017cm-3)n-GaAs(n=10times1017cm-3)をそれぞれ
10nmudGaAsを25nm成長したその上に二
重障壁構造となるAlAs17nmGaAs50nm
AlAs17nmを成長したさらにキャップ層とし
てn-GaAs(n=10times1017cm-3)を20nm最後にInAs量子ドットを基板温度約460で約25ML成長
させたこのときのGaAsAlAsInAsの成長レ
ートはそれぞれ044MLs012MLs00159MLsであった 作製した試料をMBE装置から取り出した後
に試料表面の酸化を防ぐため硫化アンモニウ
ムで表面処理を行った 電流-電圧特性を測定するために試料を高真
64
空原子間力顕微鏡(AFM)装置に移したまず試
料表面の形状を測定して電極となるInAs量子
ドットを確認したドリフトの影響が小さくな
った後にひとつのInAs量子ドットの上に導電性
探針を移動させて電流-電圧測定を室温真空
中で行った今回は試料に0 ~ 2Vの順バイアス
電圧を印加した
結果および考察 Figure 1はAFMにより
測定した試料表面のInAs量子ドット形状像であ
る量子ドットの平均直径は616nm平均高さ
は393nmである Fig1 AFM image of InAs QDs grown on the n-GaAs cap layer The QD indicated as ldquoardquo was used as a nano-electrode
Figure 2 に Fig1 に示した量子ドット a をナノ
電極として測定した電流-電圧特性を示すショ
ットキー特性が得られているが共鳴トンネル
効果を示す負性微分抵抗は確認できなかった
これは試料に原因があると考えられる そこで作製した試料中に二重障壁構造が存在
するかどうかを確認するためフォトルミネッ
センス(PL)測定を液体窒素中(77K)励起光波
長 532nm の条件で行ったその結果を Fig3 に
示すAlAs(17nm)GaAs(5nm)AlAs(17nm)の二
重障壁構造中の第一準位に対応する PL ピーク
波長は約 720nm と見積もられる 2)しかし Fig3の PL の測定結果にはこのピークは見られな
かった PL 測定結果において GaAsAlAs 二重障壁構
造に対応するピークが見られなかったので今
回作製した試料中には同構造が存在せずその
ため電流-電圧特性にも共鳴トンネル効果が現
れなかったと推定されるこの原因としては
MBE における成長条件が最適化されていなか
ったことが考えられる
Fig2 Current-voltage characteristic measured using the InAs QD as a nano-electrode
今後の課題 今回はGaAsAlAs二重障壁構造
が作製できなかったためにその内部における
電位やそれに対するフェルミレベルピニングの
影響を検討できなかった今後MBE成長条件
を見直し同様の実験を行っていきたい
参考文献
1) 中谷 成希和歌山大学大学院システム工学
研究科システム工学専攻 修士論文 「InAs 自己
形成量子ドットのナノ電極効果」(2007 年)
2) 多田 吉伸和歌山大学大学院システム工学
研究科システム工学専攻 修士論文 「単一 InAs
量子ドットを介した共鳴トンネル効果の導電性
探針 AFM による測定」(2004 年)
Fig3 PL spectra of the sample measured at 77K
65
装置利用協力研究
豊田工大 08-35
次世代メモリ(PCRAMPhase Change RAM)用材料
GeSbTe 薄膜の CVD 成膜
GeSbTe-thin film formation by CVD for next generation
Memory (PCRAM Phase ChangeRAM)materials
町田英明
Hideaki Machida
気相成長株式会社
Gas Phase Growth LTD
GeSbTe薄膜は次世代メモリ(PCRAMPhase Change RAM)用材料として有望である本研究では
(t-C4H9)GeH3 (i-C3H7)3Sb (i-C3H7)2Teを原料として低圧熱CVD法によりSi基板上にGeSbTe薄膜を作成
しX線光電子分光 (XPS)分析によりGeSbTeの組成が堆積温度によってどのように変化するかを調べ
た
GeSbTe thin film is a promising material for next generation memory (PCRAM Phase Change RAM) Here
we report synthesis of GeSbTe-thin films onto the silicon substrate by thermal low pressure CVD technique
using (t-C4H9)GeH3 (i-C3H7)3Sb (i-C3H7)2Te precursors And also the GeSbTe film composition dependence
on deposition temperature and pressure is studied by X-ray photoelectron spectroscopy (XPS)
背景と研究目的 次世代半導体メモリ候補
として相変化メモリ(PRAM)が注目され相変
化材料としてGeSbTe(GST)系材料が提案されて
いる 12)大容量化のためには埋め込みに有
利 な 化 学 気 相 法 (CVD Chemical Vapor
Deposition)による成膜が必要とされるがCVD
法による組成や構造制御に関する基礎的な知見
は充分でない相変化材料GSTを用いたPCRAMデ
バイス試作研究においてGST膜堆積にはスパッ
タ法による蒸着が用いられているが高集積な
メモリデバイスに要求される膜均一性50nm
以下のホールへの埋め込み等が要求されるし
たがって良好な埋め込み形状を実現できる可
能性を有するCVD法によるGST系薄膜堆積技術へ
の期待が高まっている本研究ではGeSbTe薄
膜堆積のためのCVD原料の検討を行いGe原料に
Tertiarybutylgermane[(t-C4H9)GeH3] Sb原料
としてTriisopropylantimony[(i-C3H7)3Sb]
Te 原 料 と し て Diisopropyltellurium
[(i-C3H7)2Te]をそれぞれ用い成膜条件膜組
成等の成膜特性を明らかにすることを目的と
した
実験 成膜に用いたCVD装置は抵抗加熱のコ
66
ールドウオールタイプの低圧CVD装置であり
図1にレイアウトを示す成膜チャンバー内部
に設置した基板の温度は下部に設置したヒータ
ーで加熱しセンサーによる温度測定結果をフ
ィードバックして制御される膜堆積のための
基板はフォルダーに固定されロードロックチ
ャンバーより成膜チャンバーへと運ばれヒー
ター上部に設置される装置全体はターボ分子
ポンプで排気され成膜時の圧力はオリフィス
で制御する原料は原料容器中にH2ガスをバブ
リングする事によってH2ガスに同伴させて成
長チャンバーへと輸送した各原料輸送量はH2
キャリアガス流量と原料容器温度内圧により
見積り制御したSi(100)基板が設定温度に達し
たことを確認した後原料ガスを供給し膜堆積
を行った成膜条件は基板温度270-300
堆積中の圧力30torrGe Sb Te原料のキャ
リアH2 ガス流量10 sccm15sccm10sccm
原料容器温度-65550とした
教授明治大学小椋厚志准教授及び東京大
学大場隆之教授との共同研究である
各温度での堆積膜の炭素不純物及び GeSbTe
組成変化を XPS によって調べた
結果および考察 XPS分析により堆積膜に
はGeSbTeが含まれる事がわかった炭素の残留
不純物はXPSの検出限界以内では観察されず良
好な原料の選択と成膜条件が確認された図2
に 30Torrでの堆積膜のGeSbTe組成と温度の関
係を示す基板温度上昇とともにGe組成の減少
とSb組成の増加が見られたGeとSbには相互的
な影響が存在することが示唆された280deg以上
の温度領域ではTeの減少が確認されたがこれ
は堆積Te金属の蒸発が起こっていると思われる
後の課題今 今後CVDによるGST成膜実験で圧
辞
力と組成の関係2成分の堆積などを調べ膜
堆積組成制御に関するメカニズム解析を 行
いたい
謝 本研究は豊田工業大学大下祥雄准
考文献参
wa KMiyauchi T Tamura Y Yin
wa Y
g2 The GeSbTe film composition dependence on
1) S Hosoka
and H Sone Proc 15th symp Phase Change
Optical Information Storage PCOS 2003 (Ed T
Ide Atami Japan 2003) pp52-55
2) K Nakayama K Kojima F Hayaka
Imai1 A Kitagawa and M Suzuki Jpn J Appl
Phys 39 (2001) 6157
Fig1 Schematic diagram of the CVD system Container of Ge Sb and Te precursors were maintained at ndash6 55 50ordmC respectively These gases were mixed at sub chamber and introduced into the reactor
270 275 280 285 290 295 30015
20
25
30
35
40
45
50
55
60
Fi
deposition temperature
組成
(
)
基板温度()
Ge Sb Te
PH2
P
P
MFC
MFC
MFC
Ge
Sb
Te
Sub chamber
TMP
DP
Heater
Drain
Load Lockchamber
PH2
P
P
MFC
MFC
MFC
Ge
Sb
Te
Sub chamber
TMP
DP
Heater
Drain
Load Lockchamber
67
協力研究
豊田工大 08-37
分光機能を持つ MEMS 赤外線センサ
MEMS infrared sensor integrated with wavelength selective filter
佐々木 実
Minoru Sasaki
豊田工業大学
Toyota Technological Institute
小型軽量のメリットを生かすためサーモパイルを利用した赤外線センサが用いられる従来の誘
電体光学フィルタを使わないで高分子膜の赤外吸収スペクトルを利用した熱型赤外線センサを一体
型とするセンサを提案するセンサ自体が小型化に適すると共に分光特性の温度安定性が安定化す
る長所を持つことが分かった A thermal infrared detector integrated with wavelength selective filter is fabricated A polymer film is formed onto hot junctions of the thermopiles as a wavelength selective absorber to integrate spectroscopic characteristic The detector shows +35 increase of the signal output from the baseline at the absorbance peak The fabricated detector shows low temperature dependences on its center wavelength
背景と研究目的 近年環境測定や検知器な
ど手軽に物質の検知や濃度測定を行えるセンサ
のニーズが高まっているこのようなガスなど
の物質の検出と濃度測定を行うセンサに物質
固有の赤外吸収スペクトルにおけるピーク波長
と強度を利用した非分散型赤外分光 (NDIR)センサがあるNDIR型センサは高精度で応答時間
も短く検出器が被検体と直接接触しないため
信頼性も高いしかし別々の部品により構成さ
れるためその他のセンサ方式と比較して構造
が複雑で高価である現在広い市場からの受
け入れを目指しコストやサイズの削減に開発
努力が注がれている 1) 我々はその構成部品の中でも赤外線センサに
注目したNDIR 式センサの小型軽量のメリ
ットを生かすためサーモパイルを利用した赤
外線センサが用いられるサーモパイル型セン
サは熱を検出する方式であり波長に対してフ
ラットな分光特性を持つそのため特定波長
の赤外線を受光するために誘電体光学フィルタ
とパッケージで組み合わされるのが一般的であ
るしかし NDIR 式センサの目的に見合う性能
のフィルタは高価でありアセンブリ全体のコ
ストなどを上げる要因の一つとなっている光
学フィルタと熱型赤外線センサを一体型とする
形態も考案された 2)しかし光学フィルタと熱
型センサとのプロセス整合性に疑問が残るさ
らに光学フィルタの分光特性の温度依存性など
の問題なども懸念される 3)そこで高分子材料
の吸収スペクトルを利用して簡単な構造で分光
特性を集積化させた赤外線センサの試作を行っ
た温度特性についても報告する Fig1(a)に赤外線センサのベースとなるサー
モパイルセンサの概念図を示す20mmtimes
20mm 厚さ 04mm の Si を基板として基板上
に Pt と p++-Si で構成されたサーモパイルが形
成されるSi 異方性エッチングにより中央部の
約10mm角領域およびサーモパイル温接点部は
ダイアフラム構造となっている赤外吸収材と
してポリアクリロニトリル (PAN)をサーモパ
イルの温接点上に堆積した作製したデバイス
を Fig1(b)に示す
68
(a) (b) 実験 PANは波長~4450nmの赤外線に対し大
きな吸収を持つことが知られている吸収ピー
ク波長においては入射赤外線が効率よく熱に変
換されると考えられより高い感度を示すと考
えられる
Monochromater
Optical Chopper
IR Sensor
PC for DAQ
232C
Sensor S
ignal
Reference SignalChopperController
Lock In Amplifier
US
B
IR Source
Focusing Lens
Vacuum Chamber
Monochromater
Optical Chopper
IR Sensor
PC for DAQ
232C
Sensor S
ignal
Reference SignalChopperController
Lock In Amplifier
US
B
IR Source
Focusing Lens
Vacuum Chamber
作製したセンサはFig2に示す実験系で評価し
たFig3に分光特性を示す4450nmにおいて~
025μVのピーク出力を確認した 結果および考察 IRセンサの動作環境を
室温から 80まで変化させたときの特性を
Fig4 に示す加えてFT-IRでPANの透過特性の
温度依存を精密に計測した結果をFig5 に示す
吸収ピークの波長シフトは~3nmであった同
条件で従来の光学フィルタ式のものでは~
50nmのシフトがあるのと比べて温度特性が安
定していることがわかった 今後の課題 最も基本となる分子スペクト
ルのピークに対応したサーモパイルセンサの確
認に成功したがピークのSN比はベースライン
から+35に留まる赤外分光スペクトルから判
断するともっと大きな変化が期待できるPAN膜を付着するプロセスから改良する 論文発表状況特許出願 [1] 「温度依存性の少ない分光機能集積型赤外
線ディテクタ」桝野雄矢熊谷慎也佐々木実
第 56 回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集 No3 p1029 200942 筑波大学 [2] ldquoThermopile IR Detector Integrated with Wavelength Selective Filter Stable against Temperature and Incident Angle Changesrdquo Katsuya Masuno Shinya Kumagai Minoru Sasaki and Kohji Tashiro 2009 International Conference on Solid State Devices and Materials 投稿中
参考文献 1) Mark P McNeal Nicholas Moelders Martin U
Pralle Irina Puscasu Lisa Last William Ho Anton
C Greenwald James T Daly Edward A Johnson
ldquoDevelopment of Optical MEMS CO2 Sensorsrdquo
Proceedings SPIE vol 4805 (2002) p30-35 2) 特開 2006-58203 3) Shigeki Sakaguchi ldquoTemperature Dependence of
Transmission Characteristics of Multilayer Film
Narrow Bandpass Filtersrdquo Jpn J Appl Phys
Vol38 (1999) pp6362-6368
Fig2 Experimental setup
Fig5 Transmittances of PAN at various temperatures (Acquired with FT-IR)
Fig1 (a) Schematic diagram of a thermopile detector (b)Fabricated IR detector with a PAN bump as an absorber
Thermopiles
20 mm
04
mm TP2TP1
TP3
TP4
Thermopiles
20 mm
04
mm TP2TP1
TP3
TP4
PAN Bump
050607080910
4300 4350 4400 4450 4500 4550 4600
Wavelength [nm]
Sens
or O
utpu
t (w
ith P
AN) [μV
]
+025μV(+35)
Fig3 Spectral response from fabricated sensor
Fig4 Spectral responses of the fabricated sensor at various temperatures
03
04
05
06
4300 4400 4500 4600Wavelength [nm]
Sen
sor O
utpu
t [μV
] 80604022
0
10
20
30
40
4440 4450 4460 4470 4480wavelength [nm]
trans
mitt
ance
[]
20C40C60C80C
69
協力研究 豊田工大 08-39
エンジニアリングプラスチックスの残留歪解析 Residual Strain Analysis of Engineering Plastics
安藤 幸也a 田代 孝二b 杉田 英嗣a
Yukiya Andoa Kohji Tashirob Eiji Sugitaa
a(株)デンソー b豊田工業大学
aDENSO COLTD b TOYOTA TECHNOLOGICAL INSTITUTE エンジニアリングプラスチックスで自動車部品用途に多用される PPS(poly-p-phenylene sulfide)
を対象にX 線回折の sin2ψ法による残留歪測定の可能性を調査した A possibility to evaluate the residual strain of poly-p-phenylene sulfide (PPS) which is an engineering plastic and is used for automobile parts on the basis of sin2f method using X-ray diffraction data has been investigated 背景と研究目的 実験 自動車の軽量化のために自動車部品には樹脂
が多用されておりその使用比率は増加する一
方である樹脂はクリープしやすくその耐久
特性は応力の違いで大きく異なるため残留歪
の見積もりが甘いと大事故を招くことになる
残留歪は成形条件によっても変化するため
それに伴い耐久寿命も変化するしたがって
樹脂の残留歪の高精度測定が必要である
アニーリング処理した平板から切り出した試
験片を用いTD(流動直角方向)MD(流動方
向)にそれぞれ歪を負荷し側傾法で測定した
歪はかまぼこ型の冶具に沿わせることで負荷
した(図 1)着目した反射ピークは(311)反
射とした(図 2) 結果と考察 現状樹脂の残留歪測定は歪ゲージに頼って
いるがその精度は低く成形条件の違いによ
る残留歪の変化まで捉えることはできないま
た測定エリアが広いため平均化された値し
か得られないこのため金属分野で実績のあ
るX線回折法により樹脂の残留歪を高精度に
測定する技術を確立させることは樹脂製品の
信頼性向上のためにも極めて重要であるしか
しながらこの分野の研究事例はほとんどなく
手法の有効性が確認されれば様々の点で大き
な成果に結びつくと考えられCAE(Computer Aided Engineering)の予測精度向上にもつなが
る
歪と sin2ψ線図の傾きで整理した測定結果を
図3に示すこの結果PPS については0~15の歪範囲で歪と sin2ψ線図の傾きに良い
今回の実験では自動車部品に多用されている
耐熱性の高いエンジニアリングプラスチックス
である PPSPPS-GF40 を対象にsin2ψ法に
基づく残留歪測定を試みた
Fig 1 Equipment to generate strain on the sample
70
相関が見られMD と TD の差が小さく大き
なバラツキもなく良好な結果が得られたPPSでは>15の歪範囲PPS-GF40 では>0の
歪範囲でTD と MD の差が大きくバラツキ
も大きいことがわかった
今後の課題 今回sin2ψ法によりPPSPPS-GF40 の残
留歪を測定できないか調査したこの結果現
状実用性のある対象範囲がわかった 今後TDとMDの差バラツキ原因を調査し
精度向上できる測定条件を明確にする したがって実用化においては材料組成歪
範囲が限定されると考えられる
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
2θ
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
2θ
Fig2 X-ray diffraction pattern of PPS
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 15 2 25
歪 []
傾き
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 1
歪 []
傾き
5
(PPS) (PPS-GF40)
- TD- MD
- TD- MD
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 15 2 25
歪 []
傾き
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 1
歪 []
傾き
5
(PPS) (PPS-GF40)
- TD- MD
- TD- MD
Fig 3 Relation of sin2ψ and strain (311 reflection)
71
装置利用
豊田工大 08-40
光ファイバ材料の吸発光特性
Optical properties of optical fiber materials
齋藤和也
Kazuya Saito
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
Pd 内包カーボンナノチューブ(CNT)は走査型プローブ顕微鏡(SPM)用の探針先端材料(特に電気特
性評価用)として有望である本研究では探針材料と同一のシリコンウェハ上に化学気相成長法に
より Pd 内包 CNT を成長しその直径や密度が触媒調整条件によりどのように変化するかを調べると
ともにPd 内包 CNT の構造解析を行った Since the metal-filled CNT is expected to provide larger radial rigidity higher mechanical and thermal stability than the conventional hollow nanotube it would be suitable for the tip of scanning probe microscopy (SPM) Here we report synthesis of Pd-filled CNTs onto the silicon substrate by microwave plasma enhanced CVD technique Their structure is also studied by SEM TEM and Raman spectroscopy
背景と研究目的 希土類元素は固体中では
3価イオンRe3+として安定に存在するが2価
イオンRe2+として存在することもありRe3+とは
異なる分野で利用されているRe2+はそれと
等電子配置のRe3+と比較して電子項間のエネル
ギー間隔が減少するために異なる吸収蛍光ス
ペクトルをもつ特に4f-4f間の電気双極子遷
移確率に比べて 102~3倍ほど大きな値をもつ
4f-5d間の遷移が可視領域付近に現れることは
利用価値が大きく可視光におけるブロードな
蛍光は蛍光材料として広く利用されている
また価数変化を利用したX線イメージングプ
レートや赤外線検出器などでは電子正孔トラ
ップ(Re3+hArrRe2+)としての役割が活用されてい
る反対に価数変化が問題となるケースもある
例えばYb添加シリカファイバレーザーではフ
ォトダークニングを引き起こす主要因と考えら
れている[1]そこで本研究ではYb2+とEr2+
の光学特性を詳しく調べた 実験 Yb2+Er2+生成のために還元雰囲気下に
おける試料作製をMCVD法を用いて行ったこの
試料より2mm厚の光学研磨平板を作製し分光蛍
光光度計(日立F-7000)を用いて励起蛍光スペ
クトルを測定した
結果および考察 作製したYb2+生成試料
でUV~blue光励起で非常に輝度の高いYb2+か
らの蛍光を観測できた輝度の強い蛍光は波長
可変レーザーや他の活性イオンの増感剤として
の応用が期待できる図1にその励起蛍光ス
ペクトルを示す蛍光波長500nmにおける励起ス
ペクトルとMgF2結晶において報告されている
72
Yb2+の吸収スペクトル[2]を比較すると(図2)
ガラス中では無秩序な構造を反映して各4f135d
多重項は非常にブロードになっていることがわ
かるピーク分離で決定した各準位の中心波
長を図3に示す
5s 5p電子に遮蔽されている4f電子と異な
り5d電子は配位子場の影響を大きく受ける
ためYb2+の4f-5d遷移は仮想温度による配位
子場の変化の影響も大きく受けると予想され
る蛍光および励起スペクトルの仮想温度依
存性を測定したところ予想どおり大きな仮
想温度依存性があること明らかとなった 同様に還元雰囲気下において Er2+含有シリ
カガラスの作製を試みたEr は一般には2価の
酸化状態はとり難いと考えられているがpale
green の蛍光を示す試料を作製することができ
た図4にその蛍光スペクトルを示すEr3+の
4f-4f 遷移が示す鋭い蛍光ピークとは異なり非
常にブロードな蛍光であるさらに励起スペ
クトルには Er3+の鋭いピークに加えて可視か
ら紫外域にかけての非常にブロードな吸収があ
ることがわかり(図5)確かに Er2+の 4f-5d 遷
移によるものと判断できるEr は酸化物中では
2価状態をとり難いと考えられていたが還元
雰囲気下で安定な Er2+を生成できることが明ら
かとなった
今後の課題 今回作製した2価イオンを含む
シリカガラスのレーザー発振や他の活性イオン
の増感剤としての利用を検討するために蛍光
寿命等の詳細な測定を行う
論文発表状況特許出願 [1] K Saito et al XII PNCS Brasil 20099 発表
予定
参考文献 1) 例えばT Kitabayashi et al OFT 34 (2006) 9
2) J Rubio J Appl Chem Solids 52 (1991) 161
200 2 350 400 450
0
1000
50 300
2000
3000
4000
5000
Absorbance
MgF2
励起スペクトル SiO2中の Yb2+の
Fig1 EmissionEscitation pectrum of Yb2+ doped silicaS
Fig2 Comparison with theSpectrum of Yb2+MgF2
lower
59 eV 52 eV 45 eV 42 eV 38 eV 33 eV
Fig3 Energy levels of Yb2+ in silica glass
Fig4 Emission spectrum of Er2+ doped silica glass
(a)
3+
E
Er
r3+
Er3+ Er3+
Fig5 Excitation spectrum of Er2+ doped silica glass
73
23 成果の外部への公表
平成20年度支援成果による発表件数(H21年3月末時点)
和文(内
投稿中)英文等
(内投稿中)
計 国内(内
投稿中)海外
(内投稿中)
計 国内(内
申込中)海外
(内申込中)
計 国内 海外 計
計測分析 0 0 0 0
超微細加工 0 0 6 1 6 0 0 0 0 0 24 3 2 1 26 2 0 2
分子合成 0 0 0 0
極限環境 0 0 0 0
計 0 0 6 1 6 0 0 0 0 0 24 3 2 1 26 2 0 2注1注2 査読のあるプロシーディングは論文とみなす査読のないプロシーディング等(和文英文その他)は口頭発表とする注3
拠点名 機関名 機能名
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
プレス発表解説記事等 口頭発表(講演)
空欄に数値を記入してください
プレス発表解説記事等 には原著論文以外の紙上発表を記入する
特許出願原著論文発表
74
委託業務題目「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析 」(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援)
機 関 名学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
2学会誌雑誌等における論文掲載
業務コード実施年度
論文タイトル 発表者名 発表誌名 掲載号ページ(年)和誌洋誌
支援機能名
07008049 20
Local opening of a large bandgap in metallic single-walled carbon nanotubes induced by tunnel injectionof low-energy electrons
Kenta Yamada Hiroaki Sato TetsuyaKomaguchi Yutaka Mera and Koji Maeda Appl Phys Lett 投稿中 洋 超微細加工
07008049 20
Conductive pattern forming method on vertical wallusing spray coating and angled exposuretechnologies
H Morii F Oohira M Sasaki etal Proc Optical MEMS p30 (2008) 洋 超微細加工
07008049 20
Conductive pattern forming method on vertical wallusing spray coating and angled exposuretechnologies
H Morii F Oohira M Sasaki etal Proc 25th Sensor Symposium pp29-32 (2008) 洋 超微細加工
07008049 20
High-Resolution Magnetic Force Microscopy UsingCarbon Nanotube Probes Fabricated Directly byMicrowave Plasma-Enhanced Chemical VaporDeposition
K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J Nanomater in press 洋誌 超微細加工
07008049 H20 Iron Nanowire Formation in Si(110) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda JJAP 47(7B)61382008 洋紙 超微細加工
07008049 H20
TOF-ICISS and STM study on 3ML-PdPt(111) surface structure Does the latticemismatch determine the epitaxial growth
K Umezawa E Narihiro Y Ohira MYohimura Nucl Instrum Meth B vol 266 (2008) pp
1903-1907洋誌 超微細加工
学 会 等 発 表 実 績
75
委託業務題目「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析 」(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援)
機 関 名学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
1学会等における口頭ポスター発表業務コード
実施年度
講演タイトル 発表者名 講演会名 発表年月日国内国
際口頭ポ
スター支援機能名
07008049 20 太陽電池用多結晶Si基板の欠陥および不純物の評価今井 啓太田中 聡志立花 福久香川 泰平増田 純一小椋 厚志大下 祥雄新船 幸二河合秀昭田島 道夫井上 雅晶
第55回応用物理学関係連合講演会 2008329 国内 口頭 超微細加工
07008049 20Evaluation of multi-crystalline silicon substrates with p-ndiode array
Tomihisa Tachibana Keita Imai Jyunichi MasudaAtushi Ogura Koji Arafune Yoshio Ohshita MichioTajima
18th Workshop on Crystalline SiliconSolar Cells amp Modules Materials andProcesses
200885 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20太陽電池用多結晶シリコン基板上に作成したp-nダイオードアレイの評価
増田 純一立花 福久今井 啓太大下 祥雄新船 幸二小椋 厚志
先端ナノオプトバイオワークショップ
20081213 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 太陽電池用多結晶Si基板の応力と結晶性の評価立花 福久増田 純一福田 晃司小椋 厚志大下 祥雄新船 幸二
第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Current-Voltage Characteristics of GaAs Nano-SchottkyDiodes Using InAs Self-Assembled Quantum Dots as Nano-Electrodes Dependence on Doping Concentration
Ichiro Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and HSakaki
IEEE Nanotechnology Materials andDevices Conference 2008
20081020 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20Current-Voltage Characteristics of GaAs Nano-SchottkyDiodes Using InAs Self-Assembled Quantum Dots as Nano-Electrodes Dependence on Doping Concentration
Ichiro Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and HSakaki
The 2nd IEEE NanotechnologyMaterials and Devices Conference2008 (NMDC2008)(October20-222008 Kyoto University JAPAN)
20081020 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20走査型トンネル顕微鏡探針による金属カーボンナノチューブへの欠陥導入
山田賢太佐藤弘紹駒口哲也目良裕前田康二 日本物理学会 第64回年次大会 2009329 国内 口頭 超微細加工
07008049 20金属カーボンナノチューブのSTM 探針による局所構造変化-HOMO-LUMO ギャップの形成
佐藤弘紹山田賢太駒口哲也目良 裕前田康二 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20単層カーボンナノチューブにおける電子励起による欠陥生成
目良 裕前田康二 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 磁気力顕微鏡用探針の分解能の理論的検討 〇田仲 圭石川憲一吉村雅満上田一之「ナノ格子新技術開発研究センター」第7回シンポジウム
2009年 3月 13日 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Fe-Co蒸着により形成されるSi(110)表面上のシリサイドナノワイヤ
大平 豊丹司敬義 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 Fe-Co二元蒸着によるシリサイドナノワイヤの作製 大平 豊丹司敬義文部科学省私立大学ハイテクリサーチセンター整備事業「ナノ格子新技術開発センター」第7回シンポジウム
2009313 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 電子線露光技術を用いたナノ構造の試作藤川久喜三浦篤志井上大介野村壮史佐藤和夫梶原建大澤潤
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線技術
森井裕貴大平文和佐々木実中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 酸化亜鉛透明導電膜の熱処理効果吉野賢二竹本裕仁小島稔小島信晃大下祥雄山口真史
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二 目良裕 吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成 年度成 報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
学 会 等 発 表 実 績
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二目良裕吉村雅満平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20InAs自己形成量子ドットを電極に用いたGaAsナノショットキーダイオードのI-V特性におけるドーピング濃度依存性
田中一郎中谷茂希宇野和行神谷格榊裕之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20低速イオン散乱およびSTMによる金属表件ナノ成長の観察
梅澤憲司吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 EB露光による窒化物半導体のナノ加工とPL評価 黒木康彦大澤潤中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20機能性カーボンナノチューブの開発-次世代プローブ顕微鏡の高分解能高性能化-
吉村雅満Chien-Chao Chiu田仲圭上田一之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 酸化亜鉛透明導電膜の熱処理効果吉野賢二竹本裕仁小島稔小島信晃大下祥雄山口真史
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20InAs自己形成量子ドットを電極に用いたGaAsナノショットキーダイオードのI-V特性におけるドーピング濃度依存性
田中一郎中谷茂希宇野和行神谷格榊裕之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二目良裕吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20低速イオン散乱およびSTMによる金属表件ナノ成長の観察
梅澤憲司吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 短パルスレーザーアニールによる規則合金膜生成の試み加藤剛志山内幸大徐倩茜大島大樹岩田聡綱島茂
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Correlation between structural disorder and opticalproperties in YbEr doped silica glass
K Saito E H Sekiya T Okazaki and Y FujitaXII PNCS (Conference on thePhysics of Non-Crystalline Solids)
200998 国際 口頭 超微細加工
76
特許
業務コード実施年度
発明の名称 発明者 出願人出願登録
区分出願番号(出願日)
出願区分
出願国登録番号(登録日)
支援機能名
07008049 H20 チップ中野 圭洋亀岡 遵安池 雅之
株式会社 ESPINEX 出願 特願2008-53209 国内 超微細加工
07008049 H20 微生物の検出方法中野 圭洋亀岡 遵安池 雅之
株式会社 ESPINEX 出願 特願2008-307867 国内 超微細加工
プレス発表業務コー
ド実施年度
発表タイトル 掲載新聞名 掲載日 支援機能名
受賞
業務コード
実施年度
受賞件名 受賞者氏名 所属機関名 受賞年月受賞理由
(本プロジェクトとの関係)
メモ
07008049 H20 Graduate Student Award 立花 福久 明治大学 200885 ポスター発表による表彰
該当なし該当なし
77
24 活動(運営委員会等の活動等)
平成20年度の活動(運営委員会等の活動等)
支援機関名 研究会名称 主催機関名 日時 場所 参加者数 内容 特記事項
中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析
自然科学研究機構分子科学研究所名古屋大学名古屋工業大学豊田工業大学
200934-5名古屋大学野依記念学術交流館
口頭24件ポスター35件
成果報告と互いの情報交換新しい連携も生まれた例があ
る
nano tech 2009国際ナノテクノロジー総合展技術会議
nano tech 実行委員会
2009219 東京ビッグサイト約16000名
成果報告と互いの情報交換ナノテクノロジー総合展示会
半導体プロセス実習講習会 豊田工業大学 2008724-25豊田工業大学 クリーンルーム3号棟
受講者56名
半導体プロセスの実習講習と共にナノテク総合支援のアピール
豊田工大 学内 ナノネット委員会(第1回)
豊田工業大学ナノネット運営委員会
2008519 学内8号棟中会議室学内関係者~16名
議題1H19年度実績 支援件数 委託費消費実績 2H19年度成果報告について 3H20年度受付状況 4その他
豊田工大 学内 ナノネット委員会(第2回)
豊田工業大学ナノネット運営委員会
20081125 書面審議学内関係
者
議題1H20年度予算配分 各支援別配分予算額 2H20年度委託費消費状況 3H20年度支援受付状況 4その他
豊田工業大学
78
25 実施体制
1業務責任者
役職氏名 豊田工業大学大学院 教授 榊 裕之E-メールアドレスsakakitoyota-tiacjp
TEL052-809-1706 FAX052-809-1741
2 実施場所
大学院工学研究科(各担当者研究室)
豊田工業大学共同利用クリーンルーム
3 業務項目(支援要素名)別実施区分及び担当者
研究項目 担当機関等 担当責任者及び担当者
1シリコン超微細加工用要素プロ
セス技術と評価の支援
豊田工業大学
工学部
大澤 潤准教授(施設長)
近藤憲司施設専任職員
梶原 建専任支援員
23次元フォトリソグラフィなど
による(微細)デバイス構造の製作
と評価の支援
豊田工業大学
工学部
佐々木 実教授
3化合物半導体ナノ構造の形成と
評価の支援
豊田工業大学
工学部
榊 裕之教授
4化合物半導体ナノ構造の形成お
よび有機物との複合化と評価の支
援
豊田工業大学
大学院
神谷 格教授
5フラーレンナノ構造の作製と評
価および化合物半導体シリコンナ
ノ構造の評価の支援
豊田工業大学
大学院
山口 真史教授
大下祥雄准教授
小島信晃助教
6カーボンナノプローブナノチ
ューブの形成と評価の支援
豊田工業大学
大学院
吉村 雅満准教授
7金属微粒子の形成と評価の支援 豊田工業大学
工学部
柳瀬 明久准教授
8有機物および高分子系材料のナ
ノ構造物性評価
豊田工業大学
大学院
田代孝二教授
注1 課題代表者サブテーマ代表者
注2 本業務に携わっている方はすべて記入
79
80
26 支援装置 261 超微細加工領域
クリーンルーム施設 【仕 様】
クリーン度クラス 100およびクラス 1000 の 2 室か
らなる面積 400m2 の本格的なものです 付帯設備として純水製造装置(18MΩ-cm)ガス
精製供給装置廃水処理装置ガス除害装置のほか空
調維持装置などを備えています 【特 徴】
本学クリーンルームの特徴としては主としてシリコ
ン系プロセス装置を利用して一連の各種素子試作や各
種機能薄膜等との複合化プロセスと評価が行えることで
す化合物系ではシリコン系と分離したホトリソ洗浄ウェットエッチング等の薬品処理も実施
可能です
主に以下の項目を実施できます ①アライナ用のマスク作製や電子線描画による直接露光 ②
イオン注入や熱拡散による不純物導入プロセス ③ウェットおよびドライエッチングプロセスなど
④試作プロセス途中および完了後の評価(必要に応じて関係研究室の支援を得ます)
電子ビーム露光装置 【仕 様】
電子ビーム最小径φ3nm にて線幅 20nm 前後の細線
描画および直径約 20nm のドットサイズまで加工を行え
ます基板サイズはφ4inch までレーザ干渉計ステージ
による 100nm のステージ位置読み取り分解能により
50nm のフィールドつなぎ精度と 50nm の重合わせ精度
でのプロセスが可能です描画フィールドサイズは
500μm 四方に対して 60000times60000 ピクセルに分割
(8nmpixel)が可能でより小さなフィールドサイズの例
としては例えば 100μm に対しては 17nmpixel のサイ
ズで描画パターンを与えることができます
【特 徴】 電子線を走査してレジスト上にパターンを直接描くためマスクなしでナノオーダーの微細なパ
ターンが形成できますリフトオフやエッチング等のプロセスと組み合わせて微細な電極形成など
の加工を行うことができますパターニングされた結晶成長のためのマスク形成やDFBレーザ用
パターンドットマトリクスパターンの形成などにも用いることが可能です
写真
81
プラズマCVD装置 【仕 様】
1356MHz の高周波プラズマにより
① SiH4+H2rarrα-Si
② SiH4+NH3+H2rarr P-SiN
を成膜する装置です
基板加熱は max250まで可能反応槽のクリーニングは
CF4O2 プラズマで行います
【特 徴】
φ4インチ以下の各種基板上に成膜可能です
基本レシピによる成膜レートは
① α-Si35nmmin
② P-SiN20nmmin
でありプロセス条件の例としては以下のとおりです
(1) α-Si
SiH425sccmH230sccmPress03TorrPower80WTemp200
(2) P-SiN SiH430sccmNH360sccmH260sccmPress04TorrPower100WTemp250
マスクアライナ装置 【仕 様】
i 線h 線g 線を用いた露光装置ですマスク寸法は 50 mm 角~102 mm 角基板寸法は 3ldquoΦ以下 露光最小線幅は 075 μm位置決め精度は 05 μm で
す 研究用に下記仕様の 2 台所有しています 1 マスク寸法 102mm角基板寸法3ldquo用アライナ
ー プロキシミティーギャップ量可変(0~48μm) 露光最小線幅 2μm
2 マスク寸法 50mm 角基板寸法 40mm角以内 ハードコンタクト(真空方式)可能 露光最小線幅は(05)~075 μm位置決め精度 05 μm
【特 徴】 研究者が使用する多様な寸法の基板に対応可能ですまた本アライナーで製作した基板上の位
置決めパターンを利用して上記の電子ビーム露光装置による微細パターンと組み合わせることも
可能です そのことによりパターン全体の描画時間の短縮や各種パターン要素の組み合わせによる効率的
な研究を進めることも可能です
写真
82
斜め露光用アライナ 【仕 様】
密着型露光装置ですマスクは2インチ角基板寸法は
2cm 角~1 インチ角ウェハ厚みは 200μm から 1mm です
ウェハ側が xy 粗微動の2重度をもつためマニュアル式な
がらも操作性が高い研究開発用ですアライメント等は
一般の片面アライナと同様です 【特 徴】
ウェハとマスクをメカクランプ機構によって固定できる
ためアライメントした状態のまま別装置 2 にセット可
能です垂直壁面にパターニングを行うためにはウェハ
壁面に対して斜め方向から UV 光を照射することが必須に
なりますが別に用意した斜め露光用照射系にセットする
ことが可能です更にアライナにウェハを固定する前にウェハを純水で濡らした状態にするこ
とでウェハとマスク間の隙間を空気から純水に置換することが出来ますレジスト表面と媒体
の屈折率差が小さくなるため界面反射を小さく押さえることが可能となります2009 年 3 月の
時点で段差 100μm の垂直壁に幅 30μm の斜め線も含めた任意パターンがアライメントし
た状態で転写可能です
装置2
83
X 線光電子分光装置(XPS) 【仕 様】
X 線源はMgKαAlKαデュアルアノード X 線源
とモノクロメータ X 線源の2種を装備しています
Ag 試料を使用して Ag 3d52ピークを測定した時のエ
ネルギー分解能(半値幅)はモノクロメータ X 線源
使用時で 048eV 以下となっています試料上の分析
位置を走査して水平分解能 10μm で空間マッピン
グが可能ですAr イオンエッチング銃を使用して深
さ方向分析ができます電子中和機構により絶縁性
試料の測定にも対応しています試料サイズは最大
15mmφ(厚さ 4mm)です 【特 徴】
材料の元素分析化学状態分析を行う装置ですモノクロメータ X 線源による高エネルギー分解
能での測定空間分解能 10μm でのマッピング測定が可能です
DC amp AC ホール効果測定装置 【仕 様】
以下の仕様で Van der Pauw 法による半導体薄膜材
料のホール効果測定が可能です ホール測定電圧感度10-8 V抵抗測定範囲001
~1012 Ω(電極端子間)試料印加電流5 pA~100 mA(電圧リミット 100V)最大磁場079 T(AC 磁
場での測定可能)測定温度42~400K試料サイズ
最大 10mm 角 【特 徴】
Van der Pauw 法によるホール効果測定により半
導体薄膜材料の抵抗率伝導型キャリア濃度移動度を測定する装置です交流磁場を使用した
AC ホール効果測定により高抵抗試料で問題となる測定器の DC ドリフトや試料の不均衡電圧に
よる誤差を除去し高感度な測定が可能です
84
ナノ秒パルスYAGレーザー装置 【仕 様】
小型のナノ秒パルス NdYAG レーザー装置ですレ
ーザー本体の出力は2倍波(532 nm)で 200 mJ です
基本的に2倍波を使用していますパルス時間幅は約 6 ns ですフライアイレンズを用いた照射光学系によって
照射エネルギー密度の均一化を図っています4 ミリ角
の照射領域に対して照射エネルギー密度は 300 mJfraslcm2
までの範囲で調整可能ですレーザーは 10 Hz の運転で
すが手動シャッターによって1パルスを切り分けて照
射できます
【特 徴】 空気中高真空中(~10-4 Pa)液体中に置かれた試料に対してパルスレーザー照射が可能です
用いる波長の光を吸収する物質を中心に加熱することができることきわめて短時間での加熱冷
却が可能なことが特徴です
X線回折装置 【仕 様】
高輝度小角 X 線散乱装置高分子専用X線装置単結
晶解析用X線装置等各種X線解析装置群で構成されて
います 【特 徴】
各種の有機材料特に高分子材料についてナノスケ
ールでその階層的な構造(結晶構造非晶構造高次
組織など)や構造形成プロセスあるいは試料中での
応力分布などを本装置群であるX線回折に加えてラ
マン赤外分光法などの手法を組み合わせることによ
り解明できますその理論的理解のための計算機シミ
ュレーションなども行い総合的に学術技術支援を
実施しますさらに構造と種々の物性との相関解明
の支援を実施できる
85
27 各種データ271 支援件数
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援日数 61 0 91 80 232 32 0 7 6 45 18 0 68 44 130 11 0 16 30 57 0 0 25 05 3 235
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
技術代行技術相談
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
計
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 委託事業(外部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況
総計利用機関
利用形態共同研究 装置利用
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援日数 61 0 91 80 232 32 0 7 6 45 18 0 68 44 130 11 0 16 30 57 0 0 25 05 3 235
注1 空欄に数値を記入してください注2注3注4 公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)注5 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
利用形態共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
一つの採択テーマにおいて複数回支援した場合は一つと数えるただしその支援が複数機関あるいは同一機関内でも複数領域にまたがる場合はそれぞれ別に数える大学は大学高等専門学校等の教育機関
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 自主事業(外部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況技術相談
総計利用機関
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計
86
なし なし なし なし なし実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関
のみ大学 公 大企業 中小企 合計
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援日数 88 0 0 0 0 88 10 0 0 0 0 10 58 0 0 0 0 58 20 0 0 0 0 20 0 0 0 0 0 0 88
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援日数 88 0 0 0 0 88 10 0 0 0 0 10 58 0 0 0 0 58 20 0 0 0 0 20 0 0 0 0 0 0 88
注1 空欄に数値を記入してください注2注3注4 公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)注5 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上注6 外部機関者が参加している課題は「外部参加機関あり」に仕分けしその外部機関に応じてカウントして下さいまた機関内利用で外部機関参加者なしの課題は「実施機関のみ」にカウントして下さい
(もし 複数の外部機関が参加している場合は も とも貢献度の大きい外部機関を選択して下さい )
外部参加機関あり
極限環境
計
一つの採択テーマにおいて複数回支援した場合は一つと数えるただしその支援が複数機関あるいは同一機関内でも複数領域にまたがる場合はそれぞれ別に数える大学は大学高等専門学校等の教育機関
中部地区ナノテク総合支援
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行技術相談
外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 委託事業(内部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況
分子合成
外部参加機関あり
(もし複数の外部機関が参加している場合はもっとも貢献度の大きい外部機関を選択して下さい)
なし なし なし
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関
のみ大学 公 大企業 中小企 合計
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
計
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 自主事業(内部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
外部参加機関あり
支援状況技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用
87
272 課金収入実績
平成20年度課金実績(H21年3月末時点) 委託事業(外部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
支援機関名
豊田工業大学
装置利用共同研究 技術代行利用形態
総計
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名
中部地区ナノテク総合支援
支援
利用機関技術相談
支援機能名
352
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(外部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
拠点名支援機関
名支援機能名
支援技術相談
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
352
88
平成20年度課金実績(H21年3月末時点) 委託事業(内部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(内部利用)
技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援
352
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(内部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援
352
89
本報告書は文部科学省の平成20年度産学官連携
支援事業による委託業務として学校法人トヨタ学
園豊田工業大学が実施した平成20年度「中部地区
ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分
析(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援超微
細加工領域)」の成果を取りまとめたものです
目 次
1委託業務の目的 3
2平成20年度の実施内容
21 実施計画 3
22 実施内容(成果)
221 成果概要 4
222 支援成果トピックス 6
223 支援課題一覧 8
224 支援成果報告
(注07- シリーズの成果報告は昨年度の「公開猶予」分)
07-03 ナノ結晶制御型高品質結晶化Si形成 12
橋上 洋
07-04 プラズマCVDによる薄膜成膜 14
砂山竜男
07-05 側面へのパターニング技術 16
大平文和
07-06 微小面積薄膜のレーザ加熱による変形 18
柳瀬明久
07-07 超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発 20
中野圭洋
07-10 高分解プローブ顕微鏡による薄膜表面の構造評価 22
笹川 薫
07-12 鉄系シリサイド形成に関する研究 23
大平 豊丹司敬義
07-16 多結晶シリコンデバイスのための酸化メカニズムに関する研究 25
山本直矢
08-01 多結晶シリコン基板へのpnダイオード作製 27
小椋 厚志
08-02 可視光用超高速空間光変調器の研究開発 29
近藤 直樹
08-03 結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動について 31
仙田 愼嗣
08-04 ナノレベルで膜厚を制御した透明導電膜の光学的特性評価 33
吉野 賢二
08-05 プラズマCVD法による薄膜作成と構造評価 35
吉野 賢二
08-07 電子線ビーム露光技術と組み合わせたナノ粒子パターン配置技術の開発 36
熊谷慎也
08-08 超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発 38
中野 圭洋
08-13 垂直壁側面へのパターニング技術 40
大平文和
1
08-15 プローブ顕微鏡を用いた物性測定 42
田仲 圭
08-16 磁気記録用パターン媒体の研究 44
加藤剛志
08-17 鉄コバルト系シリサイド形成に関する研究 46
大平 豊丹司 敬義
08-20 ナノ構造半導体薄膜の作製 48
竹田 康彦
08-22 InAs量子ドットを電極としたナノショットキーダイオードの理想係数 50
田中一郎
08-26 FETデバイス基板の試作 52
吉村雅満
08-27 触媒ナノ粒子を用いたCVD膜中残留応力制御 54
熊谷慎也
08-28 a-SiNxHSi界面特性の面方位依存症 56
新船 幸二
08-29 太陽電池特性評価技術の習得 58
岩本 恵里
08-32 レジストマスクによるリン砒素のイオン注入 60
上田 一之
08-33 新規プローブの開発 62
森田 幸治
08-34 ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製 64
田中一郎
08-35 次世代メモリ用材料GeSbTe薄膜のCVD成膜 66
町田 英明
08-37 分光機能を持つMEMS赤外線センサ 68
佐々木 実
08-39 エンジニアリングプラスチックスの成形加工物の残留歪解析 70
安藤幸也
08-40 光ファイバー材料の吸発光特性 72
齋藤和也
23 成果の外部への発表 74
24活動(運営委員会等の活動等) 78
25 実施体制 79
26 支援装置 81
27 各種データ 86
2
1委託業務の目的
11 委託業務の課題
拠点課題名 「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析」
機関業務名 ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援 (超微細加工領域)
12 実施機関
機関名 学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
住 所 468-8511 愛知県名古屋市天白区久方2-12-1
13 委託業務の目的
中部地区ナノテクノロジー総合支援拠点を形成し「ナノ計測分析」「超微細加工」「分
子物質合成」の3領域において「最先端ナノ計測機器の利用支援」「有機生体関連分子
等の多彩な物質群の設計合成評価支援」「最先端設備技術による半導体超微細加工支援」等を
総合的に実施する
このため大学共同利用機関法人自然科学研究機構分子科学研究所国立大学法人名古
屋大学国立大学法人名古屋工業大学学校法人豊田工業大学の愛知県内4機関が共同で業
務を行う
学校法人トヨタ学園 豊田工業大学では超微細加工を中心とした支援を担当する
2平成20年度の実施内容
21 実施計画
①シリコン超微細加工用要素プロセス技術と評価の支援
クリーンルーム内に設置のシリコン系を主体とするプロセス装置を利用して各種素
子構造を試作するとともに各種の機能物質とシリコンとの複合化プロセスおよび評価
を行う今年度は特に電子線リソグラフィと走査型プローブ顕微鏡(兼加工装置)の
活用を進めるリソグラフィ薄膜形成イオン注入や熱拡散による不純物導入酸化
やウェットおよびドライエッチング等一連の要素プロセス技術を提供する微細構造
や物性の測定評価についてはクリーンルーム内の評価装置および関係研究室の精密分
析装置を併用して実施する
②3次元フォトリソグラフィなどによる(微細)デバイス構造の製作と評価の支援
ナノ構造などを持つ微細デバイス製作にはフォトリソグラフィが利用されるがMEMS
デバイスには3次元化も重要となるこのようなニーズに対応するためフォトレジス
トのスプレー成膜と立体特有の露光装置を組み合わせたオリジナルな3次元フォトリ
ソグラフィを開発応用しこれらを用いた新規デバイスの製作を支援する
平成20年2月の段階でスプレー成膜アライメントを必要としない立体露光触針段
差計による膜厚評価が可能となったアライナと組み合わせた露光UVキュア処理レ
ジスト剥離MEMS立体加工などと有機的に結び付く装置支援ができるよう順に用意す
る
③化合物半導体ナノ構造の形成(および有機物との複合化)と評価の支援
化合物半導体ナノ構造の形成のためにMBE(分子線エピタキシー)によるAlGaInAs
系AlGaInSb系のナノ薄膜超格子量子ドットなどの構造やこれを含む素子構造の形
成を行うまたこれらのナノ構造の光物性(蛍光と光吸収特性)および電子物性(伝
3
導特性)などの計測評価手法も提供し原子間力顕微鏡による構造評価も実施する
有機薄膜の形成と評価支援についてはOMBE(有機分子線エピタキシー)による有機薄
膜構造の形成真空一貫システムでの電極蒸着に加えて電子物性(伝導特性)や光物
性(蛍光と光吸収特性)原子間力顕微鏡による構造計測を実施する
④フラーレンナノ構造の作製と評価および化合物半導体シリコンナノ構造の評価の支
援
分子線エピタキシー装置によるC60(エピタキシャル)薄膜の作製支援ならびに
化合物半導体シリコンフラーレンなど半導体ナノ構造の物性評価の支援を行う物
性評価支援では主に以下の装置が利用できる(a)X線光電子分光装置元素分析化
学結合状態分析(b)結晶性解析X線回折装置結晶構造評価(c)DC amp ACホール効果
測定装置電気的特性(キャリア濃度移動度)評価
⑤カーボンナノプローブナノチューブおよび金属微粒子の形成と評価の支援
ナノ機能デバイスを実現することを目的としてカーボンナノチューブ(CNT)成長に加えてCNT
探針等を用いた高分解能走査プローブ顕微鏡(SPM)によるナノ構造評価などに関する支援を行う
また短パルス YAG レーザー照射によるナノマイクロ構造の加熱および抵抗加熱型真空蒸
着と短パルス YAG レーザー照射による金属微粒子形成に関する支援を行う
⑥有機物および高分子系材料のナノ構造物性評価
各種の有機材料特に高分子材料についてナノスケールでその階層的な構造をX線回折やラ
マンおよび赤外分光法で解明するまたその理論的理解のための計算機シミュレーションなど
に関する学術技術支援を行うさらに構造と種々の物性との相関解明の支援も行う
22 成果
221 成果概要
①シリコン超微細加工用要素プロセス技術と評価の支援
フォトリソグラフィおよびドライエッチングウェットエッチング等を組み合
わせたセンサー素子の作製低圧およびプラズマCVD法を用いたシリコン等各種
基板上へのシリコンナノ薄膜の形成ICの故障解析のための各種薄膜エッチング
法の検討と故障個所の解析フォトニック用デバイスのプロセス検討及び設計のた
めの基本的な知見の取得など12件の支援を実施した
②3次元フォトリソグラフィなどによる(微細)デバイス構造の製作と評価の支援
垂直壁側面へのパターニング技術およびレジストコーティング装置による側面への塗布
技術に関し1件の支援を実施したレジストのUVキュア処理装置の整備張り合わせウェハ
にも処理がし易いレジスト剥離用ツールの整備を実施した
③化合物半導体ナノ構造の形成(および有機物との複合化)と評価の支援
InAs 量子ドットの導電性 AFM 観察ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製新型
ガスセンサーに関する技術相談光ファイバー材料の吸発光特性測定など5件の支援を実施
した
④フラーレンナノ構造の作製と評価および化合物半導体シリコンナノ構造の評価の支
援
結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動に関する検討 ナノレベルで膜厚
を制御した透明導電膜の光学的特性評価太陽電池に必須なプラズマ CVD で形成した半導体
4
ナノ構造太陽電池材料における量子閉じ込め効果の評価など13
⑤カー
薄膜の構造的評価量子
件の支援を実施した
ボンナノプローブナノチューブおよび金属微粒子の形成と評価の支援
デバイスのナノ構造評価を行うためのトンネル顕微鏡(STM)あるいは磁気力顕
微鏡(MFM)用CNT探針の作製磁気記録媒体記録層を高温処理するための短パルス
所的短時間加熱方法の検討など7
件
⑥有機
YAGレーザー照射によるナノマイクロ構造の局
の支援を実施した
物および高分子系材料のナノ構造物性評価
エンジニアリングプラスチックスの成形加工物の残留歪解析分光機能を持つM
EMS赤外線センサの検討の支援2件を実施した
5
222 支援成果トピックス
6
7
一覧
支援課題一覧(H19 年度公開猶予分)
223 支援課題
平成19年度
支援機
関名
課題番
号 支援機能名 業務形態名 実施課題名 申請者の所属 申請者 役職
主な利用装置
名
主な利用装
置の利用
日数
豊田工
業大学 07-03 超微細加工 送致利用
結晶化Si形成 京セラ(株) 橋上 洋 研究員 2
ナノ結晶制御型高品質LPCVD
07-04 超微細加工 装置利用
プラズマCVDによる薄
膜成膜 矢崎総業(株) 砂山竜男
グルー
プリー
ダー
プラズマCVD 2 技術代行
07-05 超微細加工 装置利用 側面へのパターニング
技術
香川大学
工学部 大平文和
レジストスプ
レーコーター 4 教授
07-06 超微細加工
装置利用
微小面積薄膜のレーザ
ー加熱による変形 業大学 柳瀬明久
ダイシング 3 技術代行豊田工 准教授
アライナー 67
07-07 超微細加工 技術代行
装置利用
超微細加工技術を用い
たマイクロ流路チップの
開発
X 中野 圭洋
取締役
パターンジェ
ネレータ 5
株式会社
ESPINE
代表アライナー 11
電子線描画 2
RIE 13
07-10 超微細加工 協力研究 による薄膜表面の構造
株式会社コベル
コ科研 エレクト
ロニクス事業部
笹川 薫 主席
研究員
走査型プロー
ブ顕微鏡 1
高分解プローブ顕微鏡
評価
07-11 超微細加工 技術相談
立体サンプルのフォトリ
ソグラフィ技術に関する
相談
日本電波工業
株式会社 第一 松戸 秀亮 課長 ___ ___
技術部
07-12 超微細加工 装置利用 リサイド形成に関
名古屋大学エコ
トピア科学研究
所
大平 豊
丹司 敬義
教授 SPMSEM 10
鉄系シ
する研究
07-14 超微細加工 技術相談 カーボンナノチューブ深
針作製に関する相談
株式会社 ユニ
ソク 阪巻 なみ 研究員 ___ ___
07-16 超微細加工 装置利用
多結晶 デバイス
のための酸化メカニズ
ムに関する研究
株式会社IHI
薄膜表
ロジェクト部
山本 直矢 課長 エリプソメータ 3
シリコン産業システムセ
クター
面プ
8
平成20年度支援課題一覧
支援機
関名
課題番
号 支援機能名 業務形態名 実施課題名 申請者の所属 申請者 役職
主な利用装置
名
主な利用装
置の利用
日数
豊田工
業大学 08-01 超微細加工 協力研究 多結晶シリコン基板へ
小椋 厚志 教授
ナー
5 の pn ダイオード作製
明治大学
アライ
不純物拡散
炉
08-02 超微細加工 協力研究 可視光用超高速空間光
変調器の研究開発 近藤 直樹 講師 MBE 3
帝京大学
理工学部情報科
学科
08-03 超微細加工 技術相談装
結晶シリコン太陽電池
用受光面銀ペーストの
て
仙田 愼嗣
グルー
プリー
D 23
置利用 焼成挙動につい
株式会社ノリタ
ケカンパニーリ
ミテド ダー
プラズマCV
紫外可視
近赤外分光
光度計
2
08-04 超微細加工 技術代行装
置利用
ナノレベルで膜厚を制
御した透明導電膜の光
学的特性評価 学科
宮崎大学 工学
部電気電子工 吉野 賢二 准教授
紫外可視
近赤外分光
光度計
8
08-05 超微細加工 技術代行装
工学
吉野 賢二 准教授 プラズマCV
2 置利用
プラズマCVD法による
薄膜作成と構造評価
宮崎大学
部電気電子工
学科 D
08-06 超微細加工
技術代行装「公開猶予」
25
置利用
08-07 超微細加工 置利用
電子線ビーム露光技術
たナノ粒
子パターン配置技術の豊田工業大学 熊谷慎也 准教授
装置 32
技術代行装 と組み合わせ
開発
電子線描画
08-08 超微細加工 技術代行装
超微細加工技術を用い
株式会社
スピネックス)
代表取
置利用 たマイクロ流路チップの
開発
ESPINEX(イー 中野 圭洋 締役
アライナー
RIE 14
08-09 超微細加工 装
置利用 4
技術代行「公開猶予」
08-10 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-11 超微細加工 技術代行 「公開猶予」 3
装置利用 「公開猶予」
08-12 超微細加工
20
08-13 超微細加工 協力研究
垂直壁側面へのパター 香川大学 工学
アライナー ニング技術 部 大平文和 教授
スプレーコート10
9
08-14 超微細加工 技術相談 「公開猶予」
___
___
08-15 超微細加工 協力研究 プローブ顕微鏡を用い
た物性測定
株式会社大同
分析リサーチ 田仲 圭
技術主
任
カーボンナノ
チューブ製膜
装置
2
08-16 超微細加工 装置利用 磁気記録用パターン媒
大学工
学研究科 量子
工学専攻
加藤剛志 准教授 ルスYAG
2 体の研究
名古屋 パ
レーザ
08-17 超微細加工 に関する研究
名古屋大学エコ
ノマテリア
ル科学研究部
門
丹司 敬義
鏡 3 装置利用
鉄コバルト系シリサイド
形成
トピア科学研究
所 ナ大平 豊
教授 電子顕微
「公開猶予」 08-18 超微細加工 装置利用 2
08-19 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-20 超微細加工 技術代行装 株式会社 豊田
中央研究所 竹田 康彦
主任研
究員
フォトルミネ
ッセンス測定
装置
1 置利用
ナノ構造半導体薄膜の
作製
08-21 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-22 超微細加工 協力研究
InAs 量子ドットを電極と
したナノショットキーダイ
オードの理想係数
和歌山大学シ
ステム工学部 田中一郎 教授
顕微鏡 5
走査プローブ
08-23 超微細 予」
12 加工 装置利用 「公開猶
08-24 超微細加工
技術代行装
置利用 「公開猶予」
11
08-25 超微細加工 技術代行装
置利用 「公開猶予」
10
5
08-26 超微細加工 技術代行 FET デバイス基板の試
作 豊田工業大学 吉村雅満 准教授
アライナー
EB蒸着装置5
08-27 超微細加工 装置利用
触媒ナノ粒子を用いた
CVD 膜中残留応力制御豊田工業大学 熊谷慎也 准教授 LPCVD 2
08-28 超微細加工 協力研究
a-SiNxHSi 界面特性
の面方位依存性 兵庫県立大学 新船 幸二 准教授
プラズマCV
D 5
08-29 超微細加工 技術代行装
置利用
太陽電池特性評価技術
の習得
日本ソーラーシ
リコン(株) 岩本 恵里
アライナー
不純物拡散
炉
11
08-30 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 6
10
08-31 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 14
08-32 超微細加工 技術代行 レジストマスクによるリ
ン砒素のイオン注入
豊田工大 表面
科学研究室 上田 一之 教授
アライナー
イオン注入装
置
4
08-33 超微細加工 技術相談装
置利用 新規プローブの開発
株式会社 ユニ
ソク 森田 幸治 技術員
アライナー
イオン注入装
置
21
08-34 超微細加工 協力研究
ポテンシャルマッピング
用量子構造試料作製
和歌山大学シ
ステム工学部 田中一郎 教授
分子線エピタ
キシー 4
08-35 超微細加工 装置利用協
力研究
次世代メモリ用材料
GeSbTe 薄膜の CVD 成
膜
気相成長株式
会社 町田 英明
代表取
締役社
長
X 線光電子
分光装置 5
08-36 超微細加工 技術代行 「公開猶予」 3
08-37 超微細加工 協力研究
分光機能を持つ MEMS
赤外線センサ 豊田工業大学 佐々木 実 教授 FTIR 10
08-38 超微細加工 技術相談 「公開猶予」 ――― ―――
08-39 超微細加工 協力研究
エンジニアリングプラス
チックスの成形加工物
の残留歪解析
株式会社デンソ
ー材料技術部 安藤幸也
担当部
員 X線回折 7
08-40 超微細加工 装置利用
光ファイバー材料の吸
発光特性 豊田工業大学 齋藤和也 准教授
蛍光分光計
吸収分光計 6
224 超微細加工領域における支援成果報告
次ページ以後参照
11
装置利用
豊田工大 07-03
ナノ結晶制御型高品質結晶化 Si 形成技術調査
An investigation of technologies for nanocrystal-controlled high quality crystalline Si formation
橋上 洋
Hiroshi Hashigami
京セラ株式会社
Kyocera corporation
ナノサイズ結晶粒からなる高品質結晶化 Si を形成するための技術調査を行った
豊田工業大学クリーンルームにて LPCVD での結晶化 Si 形成を行った作製した LPCVD 結晶 Si と京
セラで作製したプラズマ CVD 結晶 Si との比較評価を行い結晶作製条件と結晶品質に関する知見を
得た
We conducted a technology investigation for realization of high quality crystalline silicon consisted of nanocrystal Crystalline Si was formed by means of LPCVD at a clean room of Toyota Technological Institute The LPCVD crystalline Si and plasma-CVD crystalline Si deposited at Kyocera have undergone comparative investigations from which we obtained knowledge about Si deposition conditions and quality of the crystal
背景と研究目的 結晶シリコン薄膜はTFT をはじめMEMSに至る広い分野で利用されている非常に有用な
材料であるしかしながらたとえばその電気
的特性は形成方法によって様々であるした
がって重要なのは必要とする結晶 Si のスペッ
クを明確化した上でこれに一番適した形成方
法を適用することであるそこで我々は結晶
Si 形成に最も一般的である化学気相堆積
(CVD)法に特化し各種 CVD 法とそれらに
よって得られる結晶 Si の特質を調査した 結晶Si形成方法 本調査では熱 CVD 法の一つである減圧
CVD(LPCVD)法およびこれとは対照的な低温
製膜手法であるプラズマ CVD(PECVD)につ
いて調査を行った以下に各技術の特徴を述べ
る
熱 CVD 法 熱 CVD 法は成膜する元素の揮発性化合物を
気化し高温加熱した基板上で熱分解反応をお
こなわせて基板上に薄膜を形成する方法である
シリコン薄膜を得る場合はモノシランガスや
ジシランガスあるいはジクロロシランや 4 塩
化シランなどが用いられる 成膜時の反応が熱分解であるため成膜温度
が反応ガスの反応温度である数百以上の高温
になる従って低軟化点基板には適用できない
のがデメリットであるしかし一方で高温の
プロセスであることにより一般的に品質の良
い膜を得ることが出来る熱 CVD にはこの他
以下のような特徴がある 1成膜速度が速い(数~数百μmmin) 2ステップカバレージが良く凹凸形状に
も反応ガスが行き渡れば均一に成膜で
きる 3高真空でないので装置が簡単で生産性
が高い
12
4成膜温度が高いので緻密で高純度の膜が
得られる 5密着性が良い 熱 CVD 法は大気圧で成膜を行う常圧 CVD と
~01torr に減圧して成膜を行う減圧 CVD とがあ
る常圧 CVD は真空装置が不要であるという
最も簡単な CVD として広く利用されているが
減圧 CVD では常圧 CVD を基に膜厚や抵抗率
分布の改善を意図して考え出された実際反
応炉内を減圧することにより反応ガスおよび
キャリアガスの平均自由行程および拡散定数が
大きくなり基板内の膜厚および比抵抗分布が
改善される またホットウォール型であるLPCVDでは
バッチあたりの処理枚数を多くすることが可能
でありしかも減圧下であることにより基板が
均一に過熱されやすいことで歩留まりや信頼性
も改善されるこれらの特長によりLPCVD は
結晶 Si 膜を作製する主な方法のひとつとなっ
ている プラズマ CVD 法 プラズマ CVD 法は薄膜の低温形成を意図
して生まれた成膜方法であるプラズマ放電中
では系内のガスは衝突により相互に活性化され
ラジカルとなり熱的励起のみによっては困難
な低温下での反応が可能になる特にプラズマ
CVD では非熱平衡状態で化学反応が進行する
ため熱 CVD とは異なった組成や特性の膜が
得られる プラズマ CVD に用いる原料ガスは熱
CVD と違いはないがプラズマではキャリアガ
スに用いられる水素ガス分子なども分解されて
しまうそのためこれらの成分も必然的に相当
量が膜中に取り込まれ形成された膜の特性に
影響を及ぼすその他にもプラズマ中では多種
多様な反応活性種が生成され堆積に関与する
ので膜形成過程は熱 CVD に比べてはるかに
複雑である 薄膜 Si 堆積においてプラズマの条件を変
化させるとSiH2SiHSiH高次シラン関
連反応種(SixHy)さらにイオン種の膜形成へ
の寄与率が変化し欠陥密度に影響を及ぼすこ
とが知られているまた結晶 Si 薄膜の形成にお
いてはこの他にキャリアガス流量なども結晶
の組成に影響を及ぼす プラズマ CVD にはプラズマの励起方式に
より平行平板型の他誘導結合プラズマ(ICP)型や電子サイクロトロン共鳴(ECR)型などが
ある平行平板型では原料ガスが広い面積にわ
たって均一に供給されるようにできており大
面積の膜形成に適しているしかしプラズマ密
度が比較的低いので製膜レートは他の方法に
比べて低い ICP 型は石英板の上に設置したアンテナに高
周波電流を流すことにより高周波磁場とこれ
を打ち消そうとする誘導磁場を生じさせ誘導
磁場によって加速した電子によってプラズマを
得るこの方法では高密度プラズマを比較的容
易に得ることができ一般に高速製膜が可能で
ある利点があるECR プラズマ法ではマイク
ロ波と磁場中での電子のサイクロトロン運動が
同期することで電子がエネルギーをもち低圧
高密度プラズマを得るこのため高速な成膜が
可能となりしかも膜の密着性が優れているな
どの利点がある
結果 LPCVD での結晶化 Si 形成は豊田工業大学ク
リーンルームにてジシランガスを用いて行った
また平行平板ICPECR の各種プラズマ CVDでの結晶化 Si を京セラで作製したLPCVD 膜
とプラズマ CVD との比較評価を行い結晶作
製条件と結晶品質に関する知見を得た
参考文献 [1] 金原粲白木靖寛吉田貞史 著薄膜
工学丸善2004 [2] 麻蒔立男薄膜作成の基礎第 3 版日刊
工業新聞社1996
13
技術代行装置利用
豊田工大 07-04
プラズマ CVD による薄膜成膜
Thin film fabrication by plasma CVD
砂山 竜男加藤 博照佐久本 尚武
Tatuo Sunayma Hiroteru Kato Naotake Sakumoto
矢崎総業株式会社
YAZAKI corporation
現在MEMS 技術を利用したセンサの開発を行っている本研究ではダイアフラム膜としてプラズ
マ CVD 装置により成膜した SiN 膜を検討するためその成膜条件と膜質を調査した成膜条件とし
てSiH4と NH3 の流量比を変更したところ流量比 15 で成膜後の膜応力がほぼ 0 となったまた
700アニール後2times109 dynecm2 の引っ張り応力が生じた The sensor has been developed using the micro-electro-mechanical systems (MEMS) technique In order to apply SiN film to plasma CVD as a diaphragm fabrication conditions and film characteristics were studied Film stress deposited on flow ratio 51 of SiH4 and NH3 was almost zero After annealing at 700 tension stress occurred and was about 2times109 dynecm2
背景と研究目的 現在開発しているセンサの断面構造を図1に
示すシリコンチップ上にPtヒーターをIC製造
技術を用いて形成したそしてヒーターの熱
絶縁性を向上させるためヒーター下部を
MEMS技術を用いて除去しダイアフラムを形
成した
本センサの特徴はMEMS技術を用いたこと
により小型軽量高速応答を実現した点で
ある b) cross-section Fig1 micro gas sensor 本報告書ではセンサのダイアフラム膜の検
討としてプラズマCVD装置により成膜した
SiN膜の成膜条件とその膜特性について述べる
実験 SiN膜の成膜ではSiH4とNH3の流量を変化さ
せた流量条件を表1に示す成膜温度は250
成膜圧力を04 Torrに設定し成膜時間を15 minとしたそして成膜後700Air中にてアニ
a) sensor chip (26 mm times 16 mm)
14
ールを行った 図4に膜応力と屈折率の関係を示す圧縮応
力が増加することで膜屈折率が小さくなること
がわかる 成膜したSiN膜は触針式段差計によりウェ
ーハのそりより応力を算出したまたエリプ
ソメータにより膜厚と屈折率を測定したそし
てアニール後にも応力測定を実施しその変
動を調査した
屈折率の変化は SiN 膜の組成が変化している
ことを示しておりNH3 流量を増加させること
で SiN 膜の組成比を制御することが可能となっ
たそしてこの組成比制御が応力緩和に有効で
あると予想できる
SiH4 NH3 SiH4 NH3
1 5 3 151 2 3 61 1 3 3
Flow ratio flow rate (sccm)Table 1 Flow ratio of SiH4 and NH3
SiH4 NH3
Filmthickness(Å)
Growthrate(Å)
σ()
1 5 34606 2307 00711 2 26070 1738 00481 1 30638 2043 0017
0
50
100
150
200
250
0 1 2 3 4 5 6
Flow ratio of NH3SiH4
Gro
wth
rate
Å
00000010002000300040005000600070008000900100
Stan
dard
dev
iatio
n
growth rate
standard deviation
-6E+09
-4E+09
-2E+09
0E+00
2E+09
4E+09
6E+09
0 1 2 3 4 5Flow ratio of NH3SiH4
Film
stre
ss
dyne
cm
2
6
(a)(b)
結果および考察 表2にプラズマ CVD 装置で成膜した SiN 膜
の膜厚を図2に SiH4に対する NH3の流量比と
面内ばらつきの関係を示す
膜厚は各流量条件ともにほぼ目標値通りであ
り成長レートはほぼ 200Åmin 程度であった
面内ばらつきは流量比と相関があり流量比が
小さいほど抑えられることがわかった
(a) As film deposition (b) After annealing Fig3 Relationship of film stresses to flow ratios
174
176
178
18
182
184
186
-8E+09 -6E+09 -4E+09 -2E+09 0 2E+09
Film stressdynecm2
Ref
ract
ive
inde
x
Table 2 Film thickness of each flow ratios
Fig4 Relationship of film stress and gas flow
ratios 今後の課題 今回の評価でプラズマ CVD 装置による SiN
膜の特性はほぼ把握した今後はセンサとし
ての評価を行いプラズマ CVD 装置とスパッ
タ装置による SiN 膜の比較をする
キーワード Fig2 Growth rates and standard deviations of flow ratios MEMSMEMS とは micro-electro mechanical
system の略で半導体の微細加工技術を用い
て作製する電気機械システムのことである
図3に流量比と膜応力の関係を示す成膜後
流量比 1で応力は圧縮方向に 5times109 dynecm2で
あったが流量比をあげることでその応力は小
さくなった
またアニール後の膜応力は流量比との依存
性がなくなり応力も圧縮方向から引張方向に
変化した
15
装置利用
豊田工大 07-05
スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線形成技術
Conductive pattern forming method on vertical wall using spray coating and angled exposure technologies
森井裕貴大平文和
Hiroki Morii Fumikazu Oohira
香川大学
Kagawa University
スプレーコート技術と傾斜露光技術を用いた垂直壁面への配線パターン形成方法について検討した
この方法を用いることによりチップパッケージサイズを縮小することが可能となるスプレーコート
技術と傾斜露光技術を用いることにより 600μm の垂直壁へレジストを均一に塗布さらにレジストパ
ターン形成を可能としたまた配線パターンはスパッタと無電解 Ni めっきにより形成した本研
究で製作した配線パターンの幅は 200μm配線間隔は 300μm である A novel conductive pattern forming method on the vertical wall using a resist spray coating and an angled exposure technologies is proposed This method makes it possible to decrease the chip package size The spray coating and the angled exposure technologies enable the uniform resist coating and the patterning the resist on the vertical wall of 600 μm height Then a conductive pattern layers are sputtered and electroless plated As the result the conductive patterns of 200 μm width and 300 μm spacing is successfully formed on the vertical walls
背景と研究目的 携帯電話や携帯情報端末な
どにおいて更なる小型化高機能化が求められ
ている限られた容積の中でそれらの要求を満
たすには半導体チップの小型化高集積化
又はチップ実装の高密度化が挙げられる 本研究ではチップ実装の小型化に着目し
半導体プロセス技術を用いてチップ実装パッケ
ージ側面に 3 次元的に電極を配線することによ
り高密度実装可能な側面配線技術の確立を目指
す パッケージ側面に金属の配線パターンを形成
する手段としてレジストにより配線パターン
を形成し金属を成膜しリフトオフすることに
より金属の配線パターンを形成するこのとき
半導体プロセス技術で成膜できる金属の膜厚は
数千Åと少ないため配線としては電流抵抗が
大きくなるそこで Ni めっきを行い配線とし
て十分な膜厚を得るここでスプレーコートに
よるパッケージ側面への 3 次元レジストパター
ニングの原理確認を行った
実験 スプレーコートを用いてチップ実装パ
ッケージにレジストを塗布するさらにサンプ
ルを露光する際に側面部が十分露光されるよう
にサンプルを傾けて傾斜露光[1]を行いパッケー
ジ側面に配線パターンを形成する本研究では
パッケージ高さ600μm配線幅200μm配線間
隔300μmであるスプレーコートによるレジス
ト塗布ではレジスト流量ステージ温度ステ
ージ速度によってレジストの膜厚や分布などが
変化する[2]そこでレジスト流量81gh100ghステージ温度95105115ステージ速
度300mms400mmsの条件を検討した 結果および考察 条件を検討した結果
すべての条件で塗布可能であるが比較的均一
な塗布条件はレジスト流量 100ghステージ温
度 105ステージ速度 300mmsである図 1
16
にレジストパターニングの結果を示すレジス
トはエッジ部で途切れることなく全面に塗布さ
れているレジストの段差切れが無いこと隣
接するパターンのつながりが無いことを確認し
600μmの垂直壁にも均一にレジストを塗布パ
ターニングが可能であることを明らかにした さらにレジストパターニングしたサンプル
にスパッタにより金属膜を成膜しリフトオフ
により配線パターンを形成したNi めっきを行
い配線として十分な膜厚を得た図 2 に Niめっき後の配線パターン形成の結果を示す Ni めっき後でも配線パターンがエッジ部で途
切れることなく隣接するパターンのつながり
が無いことを確認し600μm の垂直壁に配線形
成が可能であることを明らかにした
Fig1 The spray coating and patterning the resist
Fig2 Conductive pattern forming 今後の課題 パッケージ側面において下面に
近い部分でパターンが広がる基板とマスクの
間に空間ができるため回折などの影響によりパ
ターンが広がるこの広がりを抑える工夫を今
後検討していく 参考文献 [1] Hayato Izumi Yohei Matsumoto Seiji Aoyagi Yusaku Harada Shoso Shingubara Minoru Sasaki Kazuhiro Hane Hiroshi Tokunaga IEEJ Trans SM Vol 128-E No 3 (2008) pp102-107 [2] Vijay Kumar Singh Minoru Sasaki and Kazuhiro Hane Japanese Journal of Applied Physics Vol 46 No 9B (2007) pp 6449-6453
Substrate
Ni NiPlastic material
Resist Plastic material Resist
Substrate Plastic material
17
技術代行装置利用
豊田工大 07-06
微小面積薄膜のレーザー加熱による変形
Deformation of small patchy films by pulsed laser heating
柳瀬 明久
Akihisa Yanase
豊田工業大学
Toyota Institute of Technology
真空蒸着法で作製した微小面積の薄膜(パッチ状薄膜)は一般にエネルギー最小の安定な形態では
ない凹凸パターン基板上に堆積させたパッチ状金薄膜をパルスレーザー加熱することによって微粒
子化する方法を検討した結果サイズ分布の狭い球形金粒子が得られた A small patchy film fabricated by vacuum evaporation does not have a stable shape with an energy minimum A preparation method of Au particles from thin patchy Au films by pulsed laser heating has been studied As a result spherical Au particles with a narrow size distribution were obtained
背景と研究目的
ナノテクノロジーにおける微細構造作製方法
は大きく2つに分けられる一方はリソグラ
フィエッチングなどの微細加工技術に基づく
「トップダウンアプローチ」であり今日大き
な技術分野となっているしかし微細化の進
展とともに高コストで環境負荷の大きいことが
問題化されているもう一方は「ボトムアップ
アプローチ」と呼ばれ原子分子を積み上げ
ていく方法で今後の発展が期待されている
「ボトムアップアプローチ」では分子クラ
スター微粒子などの「部品」をまず作製し
次の段階でそれらを自己組織的に組み立ててい
くという階層的な方法が有力と考えられている
「ボトムアップアプローチ」の微粒子に関わる
要素技術として形状サイズならびに表面物
性が制御された微粒子の作製が最も基礎的であ
ると考える 単分散微粒子の一般的な作製法は液相中の
固相析出反応において核生成期とその後の粒
子成長期とを時間的に明確に分離し粒子成長
期における粒子間の凝集を防止する方法である
この原理に基づいてポリスチレンやシリカガ
ラスなどの材料で精度のよい単分散粒子が作製
されているしかし化学反応を用いる方法で
きわめてサイズの均一な粒子を作製することは
ごく一部の反応系を除いてきわめて困難である
のが現状である
短パルスレーザーを物質に照射すると物質
がその波長の光を十分に吸収する場合その表
面近傍はきわめて短時間で加熱されその後急
速に冷却されるこのパルスレーザー加熱によ
って基板上に形成された有限の面積をもつ固
体薄膜(以下パッチ状薄膜とよぶ)を溶融させ
ることが可能であるそして溶融した薄膜は
基板表面とぬれにくい場合表面張力により微
粒子化する[1]パッチ状薄膜の面積ならびに厚
さが均一であるならばこの方法により粒子
径のきわめてそろった単分散微粒子が得られる
はずである本方法により単純な物理プロセ
スによる広範囲な材料系に適用可能な単分散微
粒子作製法が確立されればその意義は大きい
本研究ではシリコン熱酸化膜上に形成した
パッチ状金薄膜を波長 532 nm のパルスレー
ザーによって加熱することによって球形金粒
子を得ることができた
18
パッチ状薄膜をパルスレーザー加熱して微粒
子を作製する方法の利点として次の3点が挙
げられる①プロセスが単純でありパッチ状
薄膜の大きさ膜厚を精度よく再現できること
から粒子サイズの制御性が高いことが期待さ
れる②パルス光を用いるため冷却過程を考
えても非常に短時間のプロセスであるその
ため材料の蒸発による損失が抑制される③
微粒子化させたい材料の種類に合わせてレーザ
ーの波長を選択できる
参考文献 [1] 特許 3989424
実験 Fig 1に実際の実験方法を模式的に
示したシリコン基板上にシリコン熱酸化膜
からなるテーブル状の凸構造(10 μm times 10 μm)
を周期 15 μmで2次元的に形成したまた
Fig2 に示すように隣り合う凸部間の溝部表
面をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
でコーティングしたこの基板上に膜厚30 - 90 nm の金薄膜を真空蒸着法によって堆積させた
金はPTFE上に付着しにくいため独立した
パッチ状の金薄膜がシリコン熱酸化膜上に得ら
れたこの試料を空気中でナノ秒パルス
NdYAGレーザーの2倍波 (532 nm) 1パルス
を照射して加熱したなおNdYAGレーザー
のパルス時間幅は 6 ns であった
Fig 1 Schematic procedure of preparation of monodisperse Au particles
PTFE SiO2
結果および考察 Fig 3 は膜厚 90 nm のパッチ状金薄膜をパルスエネルギー密度 140 mJcm-2 の条件で加熱した後の走査電子顕
微鏡像であるほぼ均一な粒子径をもつ金微粒
子が生成されていることがわかるその直径(~
27 μm)は1個のパッチ状金薄膜が1つの球
へと変化した場合に予想される直径とよく一致
したなお金薄膜の初期反射率( ~07)を
考慮するとこの照射条件は薄膜を十分に溶融
しえるものであるまた得られた金粒子は
基板との付着力が弱くドデカンチオールのエ
タノール溶液中で超音波照射することによって
基板から容易に脱離させることができた
Si
Fig 2 Cross-sectional SEM image of the patterned substrate used for preparing Au patchy films
また現在までに得られた結果から本方法
の特徴として①膜厚 50 nm 以下の薄膜は
1個のパッチから多数の微細な粒子に変形する
傾向をもつこと②微粒子化した場合生成し
た粒子は基板から離れて気相側に飛散しやすい
ことが挙げられる
今後の課題 リフトオフプロセスを利用して
平坦な基板上に微小面積薄膜のパターンを形成
する方法を用いる予定であるまたさらなる
プロセスの簡便化金以外の金属や半導体への
材料系の拡大ならびに粒子サイズの微細化
の検討を進めていく必要がある
Fig 3 SEM image of Au particles prepared on a patterned substrate by pulsed laser heating with a pulse energy of 140 mJcm-2 Initial film thickness of Au was 90 nm
19
技術代行装置利用
豊田工大 07-07
超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発
Development of microfluidic chip based on Nano fabrication technologies
中野 圭洋 安池 雅之
Keiyo Nakano Masayuki Yasuike
株式会社 ESPINEX
ESPINEX Inc
マイクロ流路を応用した細菌検出法を開発し大腸菌を用いた検出試験を行ったこの細菌検出法は
使い捨てのマイクロ流路チップと蛍光検出装置で構成されておりマイクロ流路はフォトリソグラフ
ィー技術とシリコーンゴム(PDMS)により製作したマイクロ流路中の検出部に抗体を固定して
抗原抗体反応により蛍光された大腸菌を捕捉した試料を注入し検出部における大腸菌の密度を上
げる事で大腸菌の計数高感度検出が可能となった Microfluidic based bacteria detection platform was developed and investigated the performance by detecting Escherichia-colis (e-coli) This platform is consisted a disposable microfluidic chip and a fluorescent detection system Microfluidic chip was fabricated using photolithography technology and PDMS At the detection spot of the microfluidic channel antibodies were immobilized to capture e-colis which contained fluorescent dyes Because of antigen-antibody interaction e-colis concentration was increased at the detection spot of microfluidic channel and the fluorescent detection system can count the number of e-colis captured
(一行スペース) 背景と研究目的 近年院内感染や食品の細
菌汚染問題が深刻化しており細菌汚染の迅速
検査は重要度を増しているしかし現行の細
菌検査は主に培養法を用いるため検査の結果
が出るまで数日を要するそこで当社は細菌
を抗原抗体反応でマイクロ流路中に高濃度で捕
捉して蛍光を光学的に検出することで培養過
程を要さない細菌の高感度迅速検出システム
の開発を行っているマイクロ流路を用いた細
菌検出の概略を図 1に示す
実験 マイクロ流路チップは流路構造を施
したシリコンモールド型をフォトリソグラフィ
ー技術により作製しその型から流路構造を転
写したシリコーンゴム(PDMS)を流路部スライ
ドガラスを基盤として作製した図 2 にPDMSマ
イクロ流路チップを示すその後マイクロ流
路中に蛍光試薬と大腸菌を含んだ試料を注入し
大腸菌を補足後検出部の画像を解析して大
腸菌の検出実験を行ったさらに大腸菌を捕
捉後抗生物質を注入し生死菌数の変化を観
察した大腸菌の薬剤感受性試験を行った マイクロ流路
検出装置
励起光
PC
マイクロ流路試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
抗体
蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
マイクロ流路
検出装置
励起光
PC
マイクロ流路試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
抗体
蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
Fig 1 Schematic diagram of bacteria detection by
microfluidic chip
20
Fig2 Image of PDMS microfluidic chip 結果および考察 検出部における蛍光さ
れた大腸菌の画像を図 3 に示す図 3 では生菌
が緑色死菌が赤色に発色し検出部において
多数の菌が確認でき大腸菌を効率よく捕捉し
ている結果が得られた検出に要した時間は約
10 分間であり培養法等と比べると格段に迅速
な検出が可能であることが証明された又図
4 に示す薬剤感受性試験の結果において抗生
物質投与直後2時間後4時間後と時間を経る
につれて赤色に発色している死菌が増加してい
ることが解る従ってマイクロ流路チップを
用いた細菌の薬剤感受性試験も良好な結果を得
た
緑生菌赤死菌
生菌数の計数 死菌数の計数総菌数の計数
画像処理
緑生菌赤死菌
生菌数の計数 死菌数の計数総菌数の計数
画像処理
Fig3 Florescence microscope images of Ecoli at a detection spot of microfluidic chip
抗菌剤投与直後 2時間後 4時間後抗菌剤投与直後 2時間後 4時間後 Fig4 Florescence microscope images of Ecoli in maicrofluidic chip after applying antibiotics 今後の課題 今回の実験により大腸菌の迅速
検出及び薬剤感受性試験におけるマイクロ流
路チップの有効性が確認されたが今後検出
感度の向上を目指した流路構造の最適化や大
腸菌以外の菌種での検出確認が課題として挙げ
られる又PDMSマイクロ流路チップは非常
に生産性が低い上抗体の固定化が容易ではな
いそこで生産性が高く抗体が容易に固定
できる樹脂製のマイクロ流路チップの製造技術
の確立が商業化に向けた課題であるといえる
論文発表状況特許出願 [1] 中野圭洋亀岡遵安池雅之特願
2008-053209チップ キーワード マイクロ流路 マイクロ又はナノサイズの極微細流路であり
化学物質や生体物質の検出解析などに用いら
れる
21
協力研究
豊田工大 07-10
高分解能プローブ顕微鏡による薄膜表面の構造評価 Structural evaluation of film surface by high-resolution probe microscope
笹川 薫
Kaoru Sasakawa
コベルコ科研
Kobelco Res Inst
無電解めっき法によって金属薄膜を形成させるために種々の金属触媒層が用いられているわれわれ
は PdSn 触媒を温度 85湿度 85の環境下に放置したときの形状変化を高分解能プローブ顕微
鏡によって調べることを目的とした平成 19 年度後期の協力研究ではガラス表面に形成した PdSn触媒層が高分解能プローブ顕微鏡によってどのように観察されるかを調べた Various kinds of metal catalysis are used by electroless plating method to form a metal film We were aimed at examining a shape change when a PdSn catalyst was left in 85 degrees Celsius and humidity 85 for several hundred hours by a high-resolution probe microscope In the cooperation study of the latter period in 2007 we examined how the PdSn catalysis which was formed on the glass surface was observed by a high-resolution probe microscope
背景と研究目的 無電解めっきに用いられる
PdSn[1]が電気回路基板の形成後に残留する場
合使用中に絶縁性が保たれることが必要であ
る高温高湿試験中PdSn触媒層の抵抗値は
様々に変化するが抵抗変化の原因の1つとし
てガラス基板表面の形状や触媒粒子の形状
が変化している可能性が考えられるそこで
高分解能プローブ顕微鏡(SPM Scanning Probe Microscopy)によって形状変化を調べることと
した 実験 高温高湿試験前後のPdSn触媒層およ
びガラス基板を用意しタッピングモードプ
ローブ顕微鏡(Beeco社製NanoScopeⅢa)により
高分解能形状観察を行った尚実験環境は大
気中室温である
結果および考察 ガラス基板上のPdSn触媒層について高い分解能でプローブ顕微鏡増
を得ることができたしかしながら触媒層の
下地に用いたガラス基板そのものが高温高湿
試験によって変質しPdSn触媒層の形状変化の
詳細を知るのは難しいということがわかった
PdSn以外の触媒もあり触媒自体の形状変化を
調べることができそうなものもあるがPdSnが基本となるのでこれ以上の検討は行わないこ
ととしたすなわち今回は準備した試料が
適切でないということがわかった 今後の課題 高温高湿試験の前後における触
媒層の形状変化を詳細に調べるためには高温
高湿試験により形状変化が生じないか生じても
触媒の変化を調べるのに影響しないような基板
を探す必要がある 参考文献
1) Eugene J M OrsquoSullivan J Horkans J R White
and J M Roldan IBM J Res Develop 32 (1988)
591
22
装置利用 豊田工大 07-12
鉄シリサイド形成に関する研究 Study for Iron Silicide Formation
丹司敬義ab大平 豊a
Takayoshi Tanjiab and Yutaka Ohiraa
a名古屋大学院工学研究科 b名古屋大学エコトピア科学研究所
aGraduate School of Engineering Nagoya University bEcoTopia Science Institute Nagoya University
様々な条件下で作製した一次元鉄シリサイドの形状について走査トンネル顕微鏡(STM)や走査電子
顕微鏡(SEM)等を用いて研究した50 times 10-8 Pa 以下の超高真空環境下で固相エピタキシー法(SPE)と反応性蒸着エピタキシー法(RDE)を用いて作製したナノワイヤの形状の違いについて述べるXPSの結果から両者は共に FeSi2の組成を持つことも明らかにしている更に40 times 10-4 Pa 以下の高真
空下でさえワイヤが形成されることを見出した One-dimensional (1D) iron silicides prepared under various growth conditions have been studied by scanning tunneling microscopy (STM) scanning electron microscopy (SEM) and so on We discuss difference in the shape of nanowires (NWs) prepared by solid-phase epitaxy (SPE) and reactive-deposition epitaxy (RDE) in an ultrahigh vacuum (UHV) of below 50 times 10-8 Pa A similar chemical shift in XPS spectra is observed on both surfaces corresponding to iron disilicide NWs are also formed even in a high vacuum (HV) of below 40 times 10-4 Pa at 600 ordmC 背景と研究目的主に電荷を用いる半導体エレク
トロニクスでは従来使われなかった電子のもう一
つの性質であるldquoスピンrdquoを積極的に利用して
新しい材料の機能やデバイスを構築しようとする
半導体スピントロニクスに関する研究が近年盛
んに行なわれているシリコン(以下Si)技術と
の融合を図るためにはSi基板上へ磁性体の直接
成長が必要となるまたデバイスの高集積化
高密度化を達成するために従来のリソグラフィ
ー技術を用いたトップダウン技術だけではなく
低次元構造体の作製が可能な自己組織化等のボト
ムアップ技術も必要になる このような背景の下我々はldquo磁性を有するナ
ノワイヤを Si 基板上に直接成長させるrdquoことを最
終目的としているそこでまず磁性元素である
鉄を Si(110)表面上に蒸着し加熱することで形成
されるナノワイヤに注目し研究を行なっている 先行研究としてはLiang et al1)らによる報告が
ありそれによると清浄化処理を行なった Si(110)基板を 600 ordmC に加熱しながら Fe を蒸着すること
でワイヤの幅が数十 nm長さが数μm にも及ぶ
高アスペクト比のワイヤが形成すると報告してい
る(反応性蒸着エピタキシー法RDE)我々は
彼らとは別の成長方法を用いてナノワイヤを形成
させることに成功した(Fe を蒸着した後基板を
600 ordmC に加熱する(固相エピタキシー法SPE)) 本研究ではSPE と RDE で成長させたワイヤの
形状がどれくらい異なるかワイヤの組成は同一
なのかどうかを走査トンネル顕微鏡(STM)走査
電子顕微鏡(SEM)そして X 線光電子分光法(XPS)を用いて評価したまた通常ワイヤの作製には
超高真空環境が必要となるが我々は新たに高真
空環境でもワイヤが作製できる方法を開発した 実験試料作製は以下に示す真空度の異なる2種類のチャンバーを用いた 超高真空下での試料作製はSTMとXPSを装備
したチャンバー内(到達圧力lt 20 times 10-8 Pa)で
行なった試料にはPドープのn型Si(110)ウエハー
(2 ndash 4 Ωmiddotcm)を用いた試料の清浄化は通常用い
られる加熱処理により行なった2)Feの蒸着は
電子衝撃加熱法を用い蒸着レートは018 MLminである(1 MLSi(110) = 959 times 1014 atomscm2) 高真空下での試料作製は到達圧力が13 times 10-4 Pa以下のチャンバー内で行なった試料にはPドープのn型Si(110)ウエハー(lt 001 Ωmiddotcm)を用いた
試料の清浄化はフッ酸処理によるウエットプロ
セスにより行なったFeの蒸着はアークプラズ
23
マガン(APG)を用い蒸着レートは047 MLshotである それぞれの試料加熱は通電加熱法で行ない
温度測定には予め校正した放射温度計を用いた 結果および考察Figure 1 に超高真空下(50 times 10-8 Pa以下)で作製したナノワイヤを示す共に
蒸着量は 018 ML基板温度は 600 ordmCである
Figure 1(a)と(c)はSPEによって作製したワイヤの
SEM像とSTM像であるlt110gt方向に沿った長さ
は 20 ndash 120 nm幅は 6 ndash 15 nmであった一方
Fig 1(b)と(d)はRDEによって作製したワイヤの
SEM像とSTM像であるlt110gt方向に沿った長さ
は 100 ndash 1000 nm幅は 15 ndash 20 nmであったXPS結果からSPEとRDE共にFeSi2の組成を持つこと
も明らかにし両者とも同じ構造であると考えら
れるRDEで成長させたワイヤの長さはサブマ
イクロメートルにも達しSPEに比べ非常にア
スペクト比が大きくなることが分かる成長手法
を変えることでワイヤの長さをμmオーダーにす
るかnmオーダーにするかの制御が可能となる このような違いが生じる原因としては鉄を蒸
着するときの Si 基板の構造の違いが考えられる
基板温度-ワイヤの密度の依存性を調べることで
得られる活性化エネルギーの値を調べるとSPEの方が RDE に比べて小さくなるRDE の場合
鉄を蒸着するときに基板を 600 ordmC に加熱してい
るこの温度はFig 1(c)の下地にも確認できるよ
うにSi(110)-ldquo16 times 2rdquo清浄表面が形成される 3)
この表面は原子一層分の高さを有する凹凸構造
となるこの状態で蒸着種が拡散するためには
非常に大きなエネルギーを要し拡散する方向も
制限されると考えられるので非常に長いワイヤ
が形成されると考えられる
23
Figure 2(a)に高真空下(40 times 10-4 Pa以下)でSPEによって作製したナノワイヤのSEM像を示す超
高真空下と同様にlt110gt方向に沿っておりサ
イズもほぼ同程度であるしかし超高真空下で
作製したワイヤのSEM像のコントラストと比べ
ると非常に弱いこれは大気に一度曝すことで
生じる自然酸化膜の影響であると考えられるま
た当研究室でワイヤの断面TEM観察したところ
Si基板中の三角形のコントラストとして現れてい
る(Fig 2(b))超高真空下で作製したワイヤも同様
に基板内部にワイヤが成長するので 1)高真空
下と超高真空下で類似の構造を作製することに成
功した 以上のことからワイヤを作製するにあたり以
下の二点のことを明らかにした 数十 nm か数μm の長さのワイヤを自在に成長
させることが可能
10-4 Pa 台から 10-8 Pa 台の広い範囲の環境下で
ワイヤの作製は可能 今後の課題作製したワイヤに磁性が存在するの
かどうかについての研究を進めていく予定である 論文発表状況特許出願 1) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
Jpn J Appl Phys 47(7B) (2008) 6138 2) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
ldquoThe 15th International Colloquium on Scanning Probe Microscopyrdquo (poster)
3) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda ldquoThe 9th International Conference on Atomically Controlled Surfaces Interfaces and Nanostructuresrdquo (poster)
参考文献 1) S Liana R Islam D J Smith P A Bennet J R
OrsquoBrien and B Taylor Appl Phys Lett 88 (2006) 113111
2) R S Becker B S Swartzentruber and J S Vickers J Vac Sci Technol A6 (1988) 472
3) Y Yamamoto Phys Rev B 50 (1994) 8534
Fig 1 (a) and (b) SEM images of NWs on Si(110) surface prepared by SPE and RDE in UHV respectively In both cases the NWs grow along lt110gt
Fig 2 (a) SEM image of NWs on Si(110) surface prepared by SPE in HV The NWs grow along lt 1 10gt (b) Cross-Sectional TEM image of NWs observed along lt110gt direction The NWs are observed as a triangular contrast in the Si substrate
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装置利用
豊田工大 07-16
多結晶シリコンデバイスのための酸化メカニズムに関する研究
The study on the silicon surface oxidation for poly-silicon electronic devices
山本 直矢a 芳之内 淳a 大下祥雄b
Naoya Yamamotoa Atsushi Yoshinouchia Yoshio Ohshitab
a株式会社 IHI b豊田工業大学
aIHI bTTU シリコン表面酸化速度はその面方位よって大きく異なることが知られている今回多結晶シリ
コンを用いた電子デバイスを作製するうえで重要なさまざまな面方位表面における酸化速度を詳細
に調べたまたシリコンの結晶構造の Si(100)表面で規格化された状態密度との比較も合わせて行った その結果各面方位の酸化速度はWet O2中での酸化では Si(111)面を除いてシリコン表面に存在
する Si-Si 結合の密度に近くなる一方で Dry O2 中では Si-Si 結合密度と表面原子密度の間に位置して
いることが分かった
The effects of crystal orientation of Si substrates on the oxidation rates are studied The Si with (111) (211) (311) (511) (100) (310) (210) and (110) surface are oxidized by the dry and the wet oxidation methods We analyzed the relative oxidation rates which is normalizing them by the values of Si(100) by comparing with the interface structure The relative wet oxidation rates at the low temperatures except for the surfaces that have a large lt111gt component can be explained by the number of the back bonds of Si at the SiSiO2 interface On the other hand the relative oxidation rate obtained by the dry oxidation lies between the numbers of Si-Si bonds and Si atoms at Si surface
背景と研究目的 近年多結晶シリコンを用いた電子デバイス
の開発が盛んに行われている多結晶シリコン
ウェハは単結晶化シリコンウェハに比べて安価
に製造することができるため太陽電池市場お
いてはシェアの多くを多結晶シリコン太陽電
池が占める多結晶シリコン薄膜はガラスや
プラスチック等のシリコンと異なる基盤表面に
成膜可能であることから液晶ディスプレイや
有機 EL ディスプレイ用の駆動用 TFT の活性層
としても用いられているまた特異な電子特性
からシリコンナノ結晶を用いたさまざまな電
子デバイスが提唱されている それらの多結晶シリコンデバイスの性能を向
上させるためにはいくつかの問題点があるが
その中でも重要なのがシリコンとそれを絶縁
させるための絶縁膜および界面の問題である
通常の単結晶シリコンデバイスでは酸化雰囲気
中でシリコン表面を酸化することで得られるシ
リコン熱酸化膜を用いるが多結晶シリコンデ
バイスでは粒界に不純物が析出したり基板が
反ったりと熱負荷をかけられない場合が多い
そ の た め 低 温 形 成 可 能 な 化 学 気 相 堆 積
(Chemical Vapor DepositionCVD)酸化膜が多
く用いられるが多結晶シリコン表面がそのま
まシリコンシリコン酸化膜界面になるため良
質な界面を得ることが難しい低温でもシリコ
ン表面を酸化することは可能ありそのメカニ
ズムに関しては以前から様々なモデルが提唱さ
れてきた[1-6]しかしそれらは多くは(100)(110)(111)面に関するものでありそれ以外の
面方位については実験データも少なく酸化の
25
メカニズムや酸化膜の膜質についても不明な点
が多い 本研究では低温における多結晶シリコン表
面の酸化のメカニズムとその膜質を検証する上
で必要な各種面方位を持ったシリコン単結晶
表面の酸化速度を分析しその傾向に関する知
見を得ることを目的とする 実験 鏡面研磨した(111)(211)(311)(511)(100)(310)(210)(110)それぞ
れの面方位をもった単結晶シリコンサンプルを
準備したそれらを縦型酸化炉にて各面方位一
括で酸化処理を行ったWetO2酸化の時はO2
H2を同じ流量で炉内横に設置された石英製の
燃焼器で燃焼させ燃焼ガスを炉内に導入した
酸化処理の後エリプソメーターにて膜厚を計
測した
Figure 2 Comparison of calculated data and oxide thickness formed in Wet O2
同じく750のWetO2中でシリコンを酸化し
たときの酸化膜厚と各種表面密度との比較を図
2に示す(100)方位から(110)方位に向かって
はバックボンド密度と非常によく似た傾向を
示す一方で(100)から(111)方面にかけては
弧を描くように増加し(111)表面では酸化膜厚
が遅くなっていることがわかるこの傾向はγ
(表面原子密度)の傾向に近いことが分かった
結果および考察 DryO2 およびWetO2
中さまざまな温度で酸化処理を行ったが今回
は温度の低い 750での酸化膜の成長に関する
結果を示す各面方位の酸化初期における相対
的な酸化膜厚は水蒸気が含まれても大きく変わ
らず基本的Si(100)からSi(111)Si(110)各面
方向に向かってほぼ直線的に増加する各表
面密度をSi(100)表面の値で規格化したものと
DryO2中 750において 180 分間酸化処理した
酸化膜厚をSi(100)の膜厚で規格化した値を
ここに示すような主要な(100)(110)(111)方面以外の酸化速度を同時に酸化処理を行っ
て得られたデータはこれまでになく酸化速度
の面方位依存性のメカニズムを検証する上で
貴重なデータになるものと考える 今後の課題 各面方位の実際の酸化速度と状
態密度の計算結果との違いの原因を調べるとと
もにより詳細な酸化メカニズムについて検討
を行うまたこのような酸化速度の違いが多
結晶デバイスに及ぼす影響についても分析を行
っていく
参考文献 1) B E Deal and A S Grove J Appl Phys 36
(1965) 3770
2) H Z Maasoud et al J Electrodhem Soc 132
(1985) 1745 Figure 1 Comparison of calculated data and oxide thickness formed in dry O2
3) E A Lewis and E A Irene J Electrochem Soc
134(1987) 2332
重ねたものを図1に示すαは各面方位表面の
シリコン原子が持つ Si-Si 結合(バックボンド)数の密度βはダングリングボンド密度γは
表面の原子密度それぞれを Si(100)表面の値で
規格化したものである酸化膜厚が Si(111)Si(110)かけての増加する様子はバックボンド
密度の傾向に似ているただ計算値に比べ酸
化膜厚が薄くなる傾向にある
4) S I Raider and LEForget J Electrochem Soc
127(1980)1783
5) E A Irene et al J Electrodhem Soc 133
(1986) 1253
6) J R Ligenza J Phys Chem 65 (1961) 2011
26
協力研究
豊田工大 08-01
多結晶シリコン基板への pn ダイオード作製
Fabricated p-n diode on multi-crystal Silicon substrate
小椋 厚志
Atsushi Ogura
明治大学
Meiji University
多結晶シリコンは太陽電池用基板として広く用いられているそれは単結晶シリコン基板に匹敵する
変換効率を有し多結晶シリコン基板のほうが低コストで作成することが出来るからである粒界
欠陥不純物などにより単結晶シリコンと比べ特性が劣化してしまう本研究では微少な p-n ダイ
オードを多結晶シリコン基板上に作成し電気特性と結晶性の評価を行い特性劣化の起因を調べる
ことを行った
Multi-crystalline silicon (mc-Si) is widely used as solar cell substrate For mc-Si it is desired to realize uniformly high conversion efficiency comparable to that of single-crystalline silicon with keeping its low production cost Inhomogeneous degradation in the efficiency can be caused by grain boundaries defects impurities and so on In this study we fabricated p-n diode array on mc-Si and the diode was evaluated relation between electrical property and crystal quality for revealing as causes of degradation
実験 背景と研究目的
キャスト法により作成された多結晶Si基板を
用いてp-nダイオードアレイを作成した図1が多結晶Si基板上に作製したダイオードアレイの
完成図であるAl電極をリン拡散領域に対して
およそ4分の1領域被せてある電極の大きさは
1mm角で各電極間の距離は2mmである
多結晶シリコン太陽電池は単結晶シリコン太
陽電池と比較してコストの低減が見込まれて
いるが結晶欠陥粒界不純物応力などの
種々の問題からいま一つ変換効率の向上が難し
い変換効率特性の改善の為にはこれらの欠
陥の挙動および特徴を理解し検証評価す
ることが求められている
A B
Al electrode
P diffusion area
A B
Al electrode
P diffusion area
SiO2 SiO2
p-type mc-Si
Al
P diffusion area
A-B cross-section
BA
(a) (b) Fig1 Structure of p-n diode (a) layout and (b) cross-section (A-B)
本研究では多結晶シリコン基板上に微小 p-nダイオードアレイを作製し各々の電気特性を
測定することで基板内での分布粒界や欠陥な
どの依存性を検証するまた同基板を用いて PLEBICTEM を用いた不純物分布および結晶
性の評価を行う
27
電気特性の測定から理想係数n値とリーク電
流に基板内で分布が見られることを確認した
同条件により単結晶Si基板上に作成したものに
は見られなかった為多結晶基板に見られる粒
界や欠陥などが起因していると考え結晶性評
価をEBICPLTEMを用いて行った
500μm
Al electrode
200 μm
High
Low
Al electrode
200 μm
Al electrode
200 μm
High
Low
High
Low
(a) (b)
Fig2 Images of (a) EBIC and (b) PL 結果および考察
Fig2 に PL 及び EBIC 像を示すこのダイオ
ードアレイの特性は理想係数 n 値リーク電流
はそれぞれ 319210E-08[A]を示し明確な粒
界の存在しないポイントであったしかしPLEBIC 像には明らかなダークラインが確認され
これらが電気特性悪化に起因しているのではな
いかと考えられるPL 測定に関して田島先生の
論文の中で小傾角粒界に起因した発光の確認[]がなされ今回測定した試料においても同様の
ものが見られたのではないかと考えられる
(a)
(b)
(c)
(d)
(a) (b)
Fig3 TEM images of the defect (a) low magnification
image (b) (c) TED pattern and (d) high magnification
image
ダークラインの構造を確認する為に TEM に
よる観察を行ったFig3 の(a)は低倍率による観
察(b)及び(c)は電子回折像(d)は高倍率による
観察である(a)及び(d)より転位が確認され電
子回折像の比較から異なるパターンを示して
いることを確認した 以上のことから多結晶 Si 上に作成したダイ
オードアレイの電気特性を劣化させている原因
は粒界だけではなく小傾角粒界も影響を与え
ることを確認した 今後の課題 今回基板特性がダイオード特性に大きく影響
を与えることを再度確認したので今後は基板
特性向上の為欠陥の種類の評価起因の解明
を行う予定である 謝辞 本研究は豊田工業大学大下祥雄准教授
兵庫県立大学新船幸二准教授の共同研究九
州大学柿本浩一教授宇宙航空研究開発機構
田島道夫教授のご助力に深く感謝致します
論文発表状況特許出願 [1] T Tachibana et al ECS Symposium Austria 200910 発表予定
参考文献
1) H Sugimoto K Araki M Tajima T Eguchi I
Yamaga M Dhamrin K Kamisako and T Saitoh
J Appl Phys 102 054506 (2007)
28
共同研究
豊田工大08-02
可視光用超高速空間光変調器の研究開発
Research amp Development of Ultrafast Spacial Light Modulator for Visible Light
近藤 直樹a
Naoki Kondoa
a帝京大学
aTeikyo University
半導体ナノ構造光デバイスの超高速性のイメージング応用の一環として量子井戸の光吸収変調を
用いた可視光用の透過型空間光変調器を作製しようとしている
今年度は透過型光変調器を作成する際に不要な吸収層となってしまう GaAs 基板をウェットエッ
チングで除去するプロセスの条件出しを行った3mm 角程度の面積の50nm の AlGaAs エッチスト
ップ層つき多重量子井戸構造サンプルにおいて面内均一に GaAs 基板層を除去することができた
またレーザ光照射による白色光の吸収変調測定系を立ち上げ室温での吸収変調の様子を測定した
As an attempt to exploit ultafast optical response of semiconductor nanostructures for imaging technologies we started to develop transmissive spacial light modulator for visible light using absoption modulation of quantum wells We have clarified conditions for uniform etch-off of GaAs substrate which would otherwise be
the dominant light absorber (3mm)2 MQW sample with 50nm AlGaAs etch stop layer was etched down to approximately 3μm thickness with modest in-plane uniformity We have also built white light transmission measurement system under additional laser irradiation and measured room-temperature modulated absorption of the processed sample
背景と研究目的 本研究は半導体量子ナノ
構造の光学応答の超高速性を背景としてそれ
を可視光域でのイメージング用途に用いる事で
現在イメージング用途に用いられている光変調
機構である機械式シャッターや液晶などをはる
かに上回る速度を実現し超高速イメージング
や新用途への展開を図ることを目的として行っ
ている具体的には光吸収飽和 1)を利用した
可視光用の透過型多重量子井戸空間光変調器
の作製を行う 今年度は前年度作成したGaAs系多重量子井
戸構造を透過型空間光変調器として利用するた
めの基板除去プロセスの条件出しを行ったま
たレーザ照射による白色光吸収の変調を測定
するための光学系を立ち上げ室温での吸収変
調効果の測定を行えるようにし予備的測定を
行った 実験 エッチング サンプル構造にはエッチストッ
プのための50nm厚のAlgaAs層が入っている多
重量子井戸構造を用いたエッチング剤には
29
GaAsとAlGaAsのエッチング速度が大きく異な
る選択性のもの(H2O2NH4OH)を用いる事で
GaAs基板を除去した
我々のGaAs基板のエッチング除去のプロセ
スでは最初にまずサンプル基板をガラスにエ
ポキシ樹脂で固定した後約100um厚まで機械
研磨しその後ウェットエッチング
(H2O2NH4OH=101 GaAsエッチング速度~
3ummin)でエッチングを行った
光変調吸収測定 レーザ照射による白色光吸収
の変調を測定するための光学系を組み室温で
のサンプルの吸収変調の様子を測定したサン
プルには残り膜厚約 3μm のものを用いた波
長 532nm05W の緑色レーザ光を集光せずにサ
ンプル前面に照射非照射した時のハロゲンラ
ンプ光吸収スペクトルを測定した
FigureCaption Fig 2 Microscope image of substrate-etched MQW sample
結果および考察 エッチング 当初機械研磨は表面にキズが目
視できるレベルで止めていたが表面にμmオ
ーダーで凹凸が残っていると後のエッチング
深さに大きな面内ムラが生じることがわかった
そのため表面が光学的鏡面になるまで研磨す
るようにしたところエッチング後の面内ムラ
は減少した(図2)ただし目視で透過が確認
できるところまでエッチングを行うと量子井戸
による吸収が消えてしまうため薄いAlGaAs層によるエッチストップには失敗しているよう
であった
FigureCaption Fig 2 Modulated transmission spectra of approx 3μm thick MQW sample at room temperature
光変調吸収測定 測定結果を図3に示すGaAsによる吸収端がレーザ照射によってシフトして
いることが確認できた 今後の課題
エッチングに関しては現在上記の透過測定
系を用いてレーザ透過強度変化を観察する事
により精度の高いエッチストップを行えるよ
う再実験中である光吸収変調に関しては
レーザ光照射および透過光測定を局所的にでき
るよう改善する予定である FigureCaption Fig 3 Calculated wavefunctions and energy levels in SLAM structures at room temperature 現在のサンプル構造は GaAsAlGaAs 系であ
るが可視光用途を GaAsAlGaAs 系で実現する
のは単純な量子井戸では可能なバンドギャッ
プの値から考えて困難である超格子疑似合金
(SLAM)2)構造を採用した可視光用量子井戸構
造を設計し数値解析した結果を図4に示す
本解析結果を元に試料を作製し可視光域での
動作を目指す予定である
参考文献
1) D A B Miller D S Chemla T C Damen A C
Gossard W Wiegmann T H Wood and C A
Burrus Phys Rev Lett 53 2173 (1984)
2) H Sakaki M Tsuchiya and J Yoshino Appl
Phys Lett 47 295 (1985)
30
技術相談装置利用
豊田工大 08-03
結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動について
Firing behavior of front side Ag for crystalline silicon solar cells
仙田 愼嗣 吉野 泰 加藤 夕子
Shinji Senda Yasushi Yoshino Yuko Kato
(株)ノリタケカンパニーリミテド
NORITAKE CO LIMITED
高結晶シリコン太陽電池用銀ペーストの焼成時の挙動を解明し高い出力の得られる銀ペーストを研
究することを目的として平成 19 年度 3 月から装置利用を開始しているp 型シリコンウエハ上に n
層SiNx 反射防止膜を作製し作製したセルを使用して出力評価を行った Silicon solar cell electrodes are typically formed by using the screen printing Technique Good fire-through properties are required for an Ag electrode for the front-side surface insufficient fire through causes higher contact resistance (Rc) which decreases the conversion efficiency of solar cells In order to control the fire-through properties contact formation mechanism is important In this study n-layer thickness and antireflection coating thickness have a positivenegative effect on fire-through of Ag paste
背景と研究目的 現在太陽電池市場は急速
に拡大しておりその市場の中でも大部分を結
晶シリコン太陽電池が占めている受光面側に
は銀ペーストが裏面側にはアルミペーストと銀
ペーストが電極として用いられておりスクリ
ーン印刷を用いて低コストで電極を形成して
いるさらなる高効率化低コスト化への要求
が高まる中で生産性の向上および出力特性向
上のために高速焼成が主流になってきており
電極ペーストの焼成挙動を解明しペースト組
成焼成条件を最適化し高速焼成に対応する
ことが必要となる本研究では結晶シリコン
太陽電池用電極ペーストにおいて特に受光面
銀ペーストにおける焼成挙動の解明を目的とし
高い出力を得られる銀ペーストの研究を行う 実験 市販のシリコン基板 (p型 抵抗率1~
H2
結果および考察
10 (Ωcm) CZ110 厚さ200μm)を用いたオ
キシ塩化リン(POCl3)窒素酸素の混合ガス雰
囲気で熱処理を行うことによりP拡散を行い
n層を形成したその後プラズマCVD装置
(Samco製)を用いSiH4ガスNH3ガスおよび
ガスを原材料として反射防止膜(シリコン窒化
膜)を成膜形成した反射防止膜の厚みと屈折
率の評価にはエリプソメーター反射率には反
射率測定装置を用いた作製した基板上に裏
アルミ電極表銀電極ペーストをスクリーン印
刷法で付着乾燥後焼成したソーラーシュ
ミレーターを使用し作製したセルの電気的特
性の評価を行った
表 1 にP拡散条件を変
化させたときのn層のシート抵抗を示すP拡散
を制御することができシート抵抗を変化させ
ることが可能であり低温で短時間の拡散とす
ることで高シート抵抗の基板を作製できるこ
とがわかった一般的に用いられる 30~60Ωsqのシート抵抗のセルは条件が合わず作製でき
ていない表 2 にSiNx膜形成条件を示すガス
組成および製膜時間によりSiNx膜厚および屈
折率を制御することが可能であり一般的な膜
厚 80nm程度のセルを作製することが可能であ
31
今後の課題
Sheet
resistance
[Ωsq]
Pre-deposition P-diffusion
Temperature
[]
Time
[min]
Temperature
[]
Time
[min]
6 840 10 1000 40
10 840 10 1000 10
15 840 10 1000 5
110 800 5 800 10
ることがわかったが屈折率は一般的な 20 程
度にすることが出来なかった屈折率を高くす
るためにはSiNx膜の密度を上げることが必要で
あるが密度を上げるためには製膜温度を上げ
る必要があると考えられるが本プラズマCVD製膜装置では 250が限界であったため250で試験を進めた図 1 に作製した基板の反射率
を示す作製した基板上にスクリーン印刷法に
より電極を形成し乾燥焼成し出力特性
評価を行った結果を表 3 に示すシート抵抗の
高いセルを用いるとVocが高くなることが確認
できた本来であればSiの吸収係数の高い長
波長側の反射率が低いSiNx膜厚 80 nmのセルの
方が 55 nmのセルより電流値が高くなると考え
られるがpn接合が浅くなることで電流として
利用可能な波長が増大した効果の方が大きかっ
たと考えられるFFについては良好な特性が得
られたため焼成条件を変えたときの焼結挙動
について検討を行っていきたい
Table 2 Condition of PE-CVD
SiNx membrane PE-CVD
Thickness
[nm]
Refractive
[-]
SiH4
[mlmi
n]
NH3
[mlmi
n]
H2
[ml
min]
Time
[min]
55 179 3 6 6 3
80 180 3 6 6 4
100 185 3 6 6 5
80 185 3 4 8 4
80 187 4 11 0 3
今回の試験ではFFについては
論文発表状況特許出願
良好な値が得られたがファイヤースルー性に
ついてはSiNx膜厚および密度によって大きく異
なると考えられより緻密な膜の形成条件を探
索していく必要があるシート抵抗およびSiNx膜ともに一般的なセルと同等のセルを作製し
銀ペーストと焼成条件を変えたときの焼結挙動
について試験を行いたい
特になし 参考文献 1) Y Ohshita Y Nishikawa M Tachibana VK
Hilali A Rohatgi S Asheri
Table 1 Condition of P-deposition
Tuong T Sasaki N Kojima S Tanaka M
Yamaguchi J Crystal Growth 275 (2005)
491-494
2) M
010203040506070
350 550 750 950 1150
Wavelength [nm]
Ref
lect
ance
[]
Mirror waferSiN 55nm(Planer cell)SiN 80nm (Planer cell)
Fig 1 Reflectance of planer cells
Table 3 Cell performance
Cell PE-CVD
Sheet
resistance
[Ωsq]
SiNx
membrane
thickness
[nm]
Jsc
[mAc
m2]
Voc
[mV]
FF
[]
Eff
[]
15 55 259 595 757 117
10 80 252 588 754 112
TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES 51
(2004) 948-955
32
技術代行装置利用
豊田工大 08-04
ナノレベルで膜厚を制御した透明導電膜の光学特性評価
Optical properties of TCO nano material
吉野賢二竹元裕仁小嶋稔
Kenji Yoshino Yujin Takemoto Minoru Oshima
宮崎大学工学部電気電子工学科 Department of Electrical amp Electronic Engineering University of Miyazaki
Ga-doped ZnO (GZO)をプラズマアークを利用したイオンプレーティング法で作製した作製した試料
を酸素雰囲気中で熱処理を行った熱処理温度の増加とともに赤外領域の透過率が減少したこれ
は自由キャリアの減少による散乱の減少と考えられる Ga-doped ZnO (GZO) films were deposited on alkali-free glass substrate by ion-plating system with DC arc discharge using a pressure gradient-type plasma gun The GZO films samples were annealed under O2 atmosphere at from 100 to 500 ˚C Optical transmittance in infrared region increased with increasing annealing temperature This was due to decreasing the scattering by decreasing of their free carrier 背景と研究目的 透明導電膜は高い電気伝
導度と高い可視光透過率を併せ持つものであり
現在 フラットパネルディスプレイ(FPD)や太
陽電池などさまざまな分野で利用されている
代表的な透明導電膜の材料としてIn2O3 SnO2
ZnO などがあるなかでも Sn を添加した
In2O3(ITO)は安易に 10-4 cm台の低抵抗が得ら
れているしかしITOの材料であるInは希少金
属であり価格が高いという難点があるまた 原料のInやSnに加えてITO粉末の毒性が懸念さ
れている加えて近年FPDや太陽電池などの
透明電極用途でのITO需要の恒常的な増大とは
相まってIn需要の増大が指摘されておりITO透明導電膜における省Inや脱In透明導電膜材料
が注目されている1)SnO2膜は比較的安価な
材料であるが エッチング加工と低温成長に難
があり用途が大幅に限定されるこれに対し
て ZnOは安価で豊富毒性に問題のない材料で
あるこのことからZnOはITOにかわる透明導
電膜の材料として注目されている 1) 本実験ではイオンプレーティング法により作
製
験
した Ga-doped ZnO(GZO)薄膜の熱処理を行
うことにより膜質の改善を試み考察した 実 イオンプレーティング法により作製し
果および考察
たGZO薄膜の熱処理を行った今回は焼きな
ましと呼ばれる熱処理方法を用いた雰囲気ガ
スとして酸素ガスを用い時間を 5 分温度 100~500 で行った試料をX線回折透過率
ホール測定で評価を行った 結 X線回折によりイオ
直型の検出器を用いた室温での
透
ンプレーティング法により作製されたGZO薄膜
はZnOのJCPDSカードと比較すると(0002)面のピークのみ確認された熱処理温度を増加
してもスペクトルに大きな変化は見られな
かった次にX線スペクトルより粒界サイズ
を計算し熱処理前の粒界サイズは約 64 nmで
あり熱処理後の粒界サイズは 61 ~67 nmとな
り粒界サイズの変化は見られなかったまた
格子定数もICDDとの差は 04以下である値が
得られ熱処理温度を増加させても変化は見ら
れなかった Fig 1 に垂
過スペクトルを示す一般的に ZnO のバンド
ギャップを室温では 33 eV で吸収端は 376 nmに位置することから今回熱処理に使用した
GZO 基板のバンドギャップとほぼ一致してい
る 2)また熱処理後も吸収端はほぼ同じ位置
であったGoncalves らの論文の方向によると熱
処理温度が増加すると吸収端が長波長側にシフ
トしているが2)本研究ではその傾向は見られ
33
熱処理温度 にしたがっ
Fig 1 Optical transmittance at RT
なかった 可視領域で
が増加する
て透過率にほとんど変化が見られなかったが
長波長側では透過率が上昇した(Figs 2 3)これは他の熱処理の論文でも同様な結果が報
告され 2)自由キャリアの減少による散乱の減
少と考えられキャリア濃度も熱処理温度が
400 度以上で減少している
Fig 2 Average transm e in visible region ittanc
Fig 3 Average transmittance in infrared region
今後の課題 今回の酸素中の熱処理の実験で
熱の効果を確認するためにアルゴンなどの不
活性ガスの実験を行う予定である 謝辞 本研究は豊田工業大学山口真史教
授大下祥雄准教授小島信晃助教に光透過測
定において協力を頂いた深く感謝したい
論文発表状況特許出願 [1] Y Takemo et al DRIP Conference USA 20099
発表予定
参考文献 1)南内嗣 応用物理 75 (2006) 1218 2) R Ghosh et al Mater Res Bull 40 (2005)
1905
0
20
40
60
80
100
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500
as-depo100200300350400450500
Tra
nsm
ittan
ce[
]
GZO O2 annealing 450oC 5min
Wavelength[nm]
34
技術代行装置利用 豊田工大 08-05
プラズマ CVD による薄膜作製と構造評価 a-Si film grown by plasma CVD
吉野賢二小嶋稔
Kenji Yoshino Minoru Oshima
宮崎大学工学部電気電子工学科 Department of Electrical amp Electronic Engineering University of Miyazaki
プラズマアーク CVD 法で作製したアモルファスシリコンをラマン法で評価を行ったスペクトルに
アモルファス成分結晶化成分および粒界成分に分離し結晶化度を決めることができた a-Si thin film on Si (100) substrate were successfully grown by plasma CVD Crystalline of the sample could be decided by Raman spectroscopy 背景と研究目的 アモルファスシリコンの原
子配列は規則正しい原子配列を結晶シリコン
とは異なり不規則になっている実際完全
場なアモルファスの結晶の存在は難しく一部
結晶化している 1)そこでラマン法により
結晶化度などの膜の構造に関する知見を非破壊
に得ることを目的として評価を行った
400 450 500 550
Experimental result Total c-Si GB a-Si
Inte
nsity
(au
)
Raman shift (cm-1)
a-Si
GB
c-Si
400 450 500 550
Experimental result Total c-Si GB a-Si
Inte
nsity
(au
)
Raman shift (cm-1)
a-Si
GB
c-Si
実験 グロー放電で発生するプラズマを中で
SiH4 を分解しa-Si膜をSi(100)基板上に作製し
たラマン分光法は室温でAr+レーザ(488 nm)を使用し測定した
Fig1 ラマンスペクトルのピーク分離例 結果および考察 Fig 1 にAr+レーザーで
ラマン測定した一例を示すSiのLOモードの信
号を結晶Si (c-Si)アモルファスSi (a-Si)結晶
粒間の粒界(GB)のピークに分離した
謝辞 本研究は豊田工業大学山口真史教
授大下祥雄准教授小島信晃助教にプラズマ
CVD作業において協力を頂いた深く感謝した
い GB ピークの起源についてはまだよく分かってい
ない各ピーク位置の結晶化度に対する依存性
はa-Si と c-Si のピークはややばらつきがある
が結晶化度によらず一定だったBG のピー
ク位置は結晶化度が上がるに伴って c-Si のピー
ク位置に近づいていったこれは結晶化度が
上がると GB の部分も結晶のフォノンエネルギ
ーに近づくことを意味しており構造が変化して
いることを示している
論文発表状況特許出願
該当なし
参考文献 1)森垣和夫米沢富美子嶋川晃一固体物理
37 (2002) 1
今後の課題 SiH4ガス圧などの条件を変えて
作製した試料のラマン測定やX線回折等の評価
を行う予定である
35
技術代行装置利用
豊田工大 08-07
電子線ビーム露光技術と組み合わせたナノ粒子パターン配置技術の開発
Patterning method of nanoparticles by using electron beam lithography
熊谷 慎也
Shinya Kumagai
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
近年ナノテクノロジー技術の進展に伴いナノ粒子が注目されているこのナノ粒子を自在に利用
するためには固体表面上の狙った位置にナノ粒子を配置する技術が必要とされる本研究では電
子ビーム露光技術を利用してナノパターンを作製しナノ粒子のパターン配置を試みた With the development in nanotechnology nanoparticles have attracted much attention and been utilized in various applications To utilize the nanoparticles patterning method of nanoparticles is indispensable In this study nanopatterns were fabricated by using electrom beam lithography technique and we investigated nanopatterning method through the lift-off process
背景と研究目的 ナノ粒子は通常のバルク材料とは異なった性
質を発揮することからナノテクノロジー研究
において注目されている例えば磁性材料
触媒ドラッグデリバリー等の用途での期待が
高まっている実際に応用することを考えると
固体表面上の狙った位置に配置する技術が必要
になってくる 12)本研究ではナノ粒子をナノス
ケールでパターン配置することを試みたナノ
粒子のパターン配置の方法としてリフトオフ
法を利用したリフトオフ法はこれまでに
MEMS 半導体デバイスの開発で使用されてお
り適切に用いればナノスケールの構造体を作
製することも可能でありここでは溶液中に
ナノ粒子を分散させた系に適用することを狙っ
ている
パターン配置の原理 パターン配置手法の概略をFig1に示す基板
表面にレジストを塗布し配置パターンを作製
するこのパターン基板にナノ粒子を分散させ
た溶液を滴下する溶液中に分散しているナノ
粒子は熱運動を利用してそのレジストのパタ
ーン内部に侵入させて露出している基板表面
と吸着させるレジストを溶解してレジスト
上に吸着したナノ粒子を取り除くと基板に直
接吸着したナノ粒子のみが残ることになる 実験 電子ビーム(EB)描画によるパターン作製 リフトオフ法に使用するレジストパターンを
EB 描画装置で作製した電子線レジスト
ZEP520A-7(日本ゼオン)にアニソールを加えて
10に希釈しスピンコーターによって塗布し
たスピンコートは500rpmで 10 秒回転させた
後3000rpm で30 秒回転させて行った(レジ
スト膜厚約15nm) EB 露光装置のDose 量[μCcm2]を変化させて微細なパターンの描画
を行った描画パターンの現像は酢酸アミル溶
液に15 秒間浸漬することで行いその後N2
ブローで乾燥させた
36
結
ナノ粒子のパターン配置 参考文献 配置パターンが描画された基板の上にイオン
強度を100mMに調整したナノ粒子溶液を滴下
し吸着を行ったこの条件のもとでは溶液
中の静電相互作用距離であるDebye 長は約1nm と計算されるナノ粒子―基板表面の間の静電
反発は十分に低くなっており表面近傍に十分
接近できる溶液を滴下後の状態を30分間保持
し純水でリンスしたその後 40の
ZDMAC(日本ゼオン)に5 分間浸し超音波を5 分間かけることでリフトオフを行いアセト
ン純水の順でリンスした
1) S Esconjauregui C M Whelan K Maex
Nanotechnology 19 (2008) 153306
2) W Hu K Sarveswaran M Lieberman G H
Bernstein J Vac Sci Technol B 22 (2004) 1711
果および考察 EB露光現像後の描画パターンの一例をFig2
に示す最も小さいもので直径20nmの微細な
ホールパターンを作製することができたさら
に小さなパターンを描画するためにはEB露光
条件現像条件を最適にチューニングする必要
があるナノ粒子の吸着実験では直径125nm~285nmのホールパターンを用いてリフトオフ
法でパターン配置を行ったSPM 観察画像を
Fig3(a)に示すFig 3(a) とFig 3(b) はそれぞ
れ使用したレジストパターンリフトオフ後
のナノ粒子の配置パターンのSPM像であるFig 3(a)と比べるとFig 3(b)ではナノ粒子の配置パ
ターンに大きさや形のばらつきが見られたナ
ノ粒子の配置パターンの面積は図5 のホールサ
イズの約8 割のサイズの大きさとなっていた
その理由の一つとしてシリコン酸化膜に吸着
したナノ粒子の一部がリフトオフの際に同時
に剥離されている可能性が考えられるその一
方で配置パターン以外の箇所へのナノ粒子の
吸着が見られたリフトオフ後に溶液中に分散
したナノ粒子が再付着したものと考えられる
またFig 3(b)においてFig 3(a)の125nm~
165nmに対応する部分にナノ粒子の吸着パター
ンが存在していないことがわかる本手法では
吸着パターン内にナノ粒子が積極的に入り込む
機構がないためにパターンが小さくなった場
合内部に侵入する確率が低くなり吸着パタ
ーンとして得られないことが要因として考えら
れる現在の環境下では直径175nm 以上のホ
ールであればナノ粒子をパターン配置するこ
とができるということがわかった
Fig 1 Principle of nanoparticle patterning through lift-off process
Fig 2 SEM image of EB lithography patterns The diameter of holes is φ20nm
(a) (b)
Fig 3 SPM images of (a) holes patterned in EB resist film and (b) nanoparticle patterns corresponding to each holes in (a) まとめ
ナノ粒子のパターン配置について検討した
今回検討した条件範囲内では175nm 以上のホ
ールを用いればナノ粒子をパターン配置でき
る今後の課題としてパターン以外の再吸着
量を低減させる必要がある
37
技術代行
豊田工大 08-08
超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発
Development of microfluidics chip using nanofabrication technologies
中野 圭洋 安池 雅之
Keiyo Nakano Masayuki Yasuike
株式会社 ESPINEX
ESPINEXINC
半導体製造技術を用いて作製されるマイクロ流路チップは近年バイオや化学研究用に用いられて
おり高精度な測定を可能にしている本研究では Si 基板上に作製したマイクロ流路型から細菌検
出用のマイクロ流路チップを作製し細菌を効率的に捕捉するための流路構造の最適化を行った
Recently microfluidics chips fabricated by the top-down semiconductor fabrication techniques have been widely utilized in the field of biology and chemistry These chips can detect bio- molecules or chemicals with ultra sensitivity In this research PDMS microfluidic chips for bacteria detection have been fabricated from Si wafer molds and structure of the microchannels have been optimized for bacterial sensing
背景と研究目的 半導体製造技術を用いて作
製するマイクロ流路チップは検出対象を微小
領域に高密度で凝集させることが出来るため
バイオや化学研究向けの高精度な測定に用いら
れている当社はマイクロ流路中に抗体を配
したバイオチップで特定の細菌を補足し蛍光
顕微鏡で検出するシステムを開発しており培
養を主体とする現状の検出法に比べ大幅に検査
時間を短縮でき簡便性にも優れるため感染
症診断や食品衛生検査での使用が見込まれる
(b)
Fig1 Microfluidics chip
本研究では効率的に細菌を捕捉するための流
路構造の最適化を行う具体的には作製した数
種類のチップで細菌の検出実験を行い抗生物
質の薬剤感受性試験 1)も行う
実験 (a)に示したマイクロ流路構造をSi 基板
上に凸形状として作製しシリコーンゴム
(PDMS)に転写して得られた凹形状のマイクロ
流路をガラス基盤と張り合わせて(b)のマイク
ロ流路チップを作製した実験は大腸菌(Ecoli K-12株)を用いてfig1(a)中の流入路より抗体
固相化剤(ZeptoBind)を用いて抗体(Poly Anti-
Fig2 Image of Ecoli captured in the microfludics chip
(a)
38
30min later 60min later 90min later
Fig3Images of Ecoli after applying antibioticz(Pansporin) Ecoli )を導入しブロッキングバッファー (Zepto block)を添加してガラス基盤上を修飾し
たその後104-105cfuml濃度の大腸菌液100ulを注入蛍光試薬(LIVEDEAD Baclight)を添加
して10分後バッファー(PBS)で洗浄し蛍光顕
微鏡観察を行ったさらに同チップに抗生物
質(Pansporin)1mgmlを添加し大腸菌に対する
同薬剤の感受性試験を行った
今後の課題 今回作成したマイクロ流路チッ
プはシリコーンゴム製で型を転写するだけで
1 時間程度かかり生産性が悪い量産にはポ
リスチレン等の樹脂にホットエンボス加工で転
写することが望ましいが離型時に樹脂の熱収
縮で流路構造が損傷する点や型として使用し
ているSi基板が転写時の圧力で損傷する点が今
後の課題として残る 結果および考察 大腸菌の捕捉率が高か
ったマイクロ流路(Fig1)での蛍光顕微鏡画像を
Fig2 に示す図中緑色に蛍光しているのが
生菌で死菌は赤く蛍光する前処理も含めて
1 時間程度で大腸菌を検出できた
謝辞 本研究は豊田工業大学の榊裕之教授
をはじめ共同利用クリーンルームの皆様にご協
力頂きました特にマイクロ流路の型製作に
おいて梶原建氏にご尽力頂き深く感謝してお
ります Fig3は抗生物質を添加してから 30 分60 分
90 分後の蛍光顕微鏡画像を示している時間経
過に伴って大腸菌が緑色(生菌)から赤色(死菌)に変化しているのが良く分かるFig4に薬剤感
受性試験結果をまとめた抗生物質未添加のチ
ップ(ピンク)では時間が経過しても死菌量が 0のまま増えないのに対して抗生物質を添加し
たチップ(青)では時間経過とともに死菌量がリ
ニアに増えている薬剤感受性試験でも前処
理を含めて 2 時間程度で検証できることが分か
った
論文発表状況特許出願 [1] ESPINEX特願 2008-53209チップ
注釈 1) ある細菌がある薬剤に対して感受性か耐性
かを判断する試験
0
5
10
15
20
25
0 02 04 06 08 1 12 14 16
Time (hour)
Dea
d ce
ll co
unts
w drugwo drug
Fig4 Result of drug screening test
39
協力研究
豊田工大 08-13
スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線形成技術
Conductive pattern forming method on vertical wall using spray coating and angled exposure technologies
森井裕貴大平文和
Hiroki Morii Fumikazu Oohira
香川大学
Kagawa University
スプレーコート技術と傾斜露光技術を用いた垂直壁面への配線パターン形成方法について検討した
この方法を用いることによりチップパッケージサイズを縮小することが可能となるスプレーコート
技術と傾斜露光技術を用いることにより 600μm の垂直壁へレジストを均一に塗布さらにレジストパ
ターン形成を可能としたまた配線パターンはスパッタと無電解 Ni めっきにより形成した本研
究で製作した配線パターンの幅は 200μm配線間隔は 300μm である A novel conductive pattern forming method on the vertical wall using a resist spray coating and an angled exposure technologies is proposed This method makes it possible to decrease the chip package size The spray coating and the angled exposure technologies enable the uniform resist coating and the patterning the resist on the vertical wall of 600 μm height Then a conductive pattern layers are sputtered and electroless plated As the result the conductive patterns of 200 μm width and 300 μm spacing is successfully formed on the vertical walls
背景と研究目的 携帯電話や携帯情報端末な
どにおいて更なる小型化高機能化が求められ
ている限られた容積の中でそれらの要求を満
たすには半導体チップの小型化高集積化
又はチップ実装の高密度化が挙げられる 本研究ではチップ実装の高密度化に着目し
半導体プロセス技術を用いてチップパッケージ
樹脂の垂直側面に 3 次元的に電極を配線するこ
とにより高密度実装可能な側面配線技術の確立
を目指す 本研究ではパッケージ樹脂高さ 600μm の
垂直側面に幅 200μm300μm の配線パターン
を形成するその手段としてフォトリソグラ
フィ技術を用いてフォトレジストの配線パター
ンを形成し金属を成膜しリフトオフすること
により金属の配線パターンを形成するこのと
き半導体プロセス技術で成膜できる金属の膜厚
は数千Åと少ないため配線としては電流抵抗
が大きくなるそこで配線として十分な膜厚を
得るため Ni めっきを行うこのプロセスにおい
て高さ 600μm の垂直側面にフォトレジスト
を均一に塗布することが重要となるそのため
スプレーコート技術と斜め露光技術を研究し
垂直側面への配線形成の原理確認を行った 実験 スプレーコートを用いてパッケージ樹
脂の垂直側面へのレジスト塗布の原理確認を行
ったスプレーコートではレジスト流量ステ
ージ温度ステージ速度などの条件がレジスト
の膜厚や分布に大きく影響する[2]そのため
これらのパラメータを調節し垂直側面へのレ
ジスト塗布を行った 露光プロセスでは垂直側面部が十分露光さ
れるように傾斜露光[1]を行うこのプロセスに
おいてマスクは平面のガラスマスクを用いる
ため樹脂側面やガラス基板上ではマスクとレ
ジストの間に間隔が生じるその結果光の回
折などにより側面のパターンが広がるそのた
40
め露光量に対するパターンの広がりについて検
証を行った さらにレジストパターニング後スパッタ
により金属膜を成膜リフトオフ無電解 Niめっきを行い配線パターンを形成した図 3にパッケージ樹脂の垂直側面に形成した配線パ
ターンを示す同様にして側面配線形成を行っ
たチップを 5 つ作製しそれぞれの抵抗値を計
測した5 つのサンプルを A から E としそれ
ぞれの抵抗値の平均値と分散値を図 4 に示す
製作した側面配線は数オームであり実用上問
題のない値であるこれらの原理確認から高さ
600μm の樹脂の垂直側面への配線形成が可能
であることを明らかにした
さらにレジストパターニング後スパッタ
により金属膜を成膜リフトオフ無電解 Niめっきを行い配線パターンを形成した図 3にパッケージ樹脂の垂直側面に形成した配線パ
ターンを示す同様にして側面配線形成を行っ
たチップを 5 つ作製しそれぞれの抵抗値を計
測した5 つのサンプルを A から E としそれ
ぞれの抵抗値の平均値と分散値を図 4 に示す
製作した側面配線は数オームであり実用上問
題のない値であるこれらの原理確認から高さ
600μm の樹脂の垂直側面への配線形成が可能
であることを明らかにした
結果および考察 スプレーコートにおい
てレジスト流量ステージ温度ステージ速度
条件を検討した結果レジスト流量 81grh100grhステージ温度 95105115ス
テージ速度 300mms400mmsで塗布が可能で
あることを確認した図 1 にレジスト流量
100grhステージ温度 105ステージ速度
300mmsの条件でスプレーコートしパターニ
ングしたサンプルを示すレジストはエッジ部
などで途切れることなく全面に塗布されている 斜め露光において露光量に対するパターン
の広がりについて検証した結果図 2 に示すよ
うに1Jcm2 では 20μm2Jcm2 では 50μm
4Jcm2 では 70μm8Jcm2では 90μm 程度側面
の最下部で広がっている本研究では配線間
隔は 300μm の設計であり広がりが生じても
パターンが重なることはなく実用上問題ない
研究では配線間
隔は 300μm の設計であり広がりが生じても
パターンが重なることはなく実用上問題ない スプレーコート技術と斜め露光技術により
パッケージ樹脂の垂直側面へのレジストパター
ニングを可能とした
スプレーコート技術と斜め露光技術により
パッケージ樹脂の垂直側面へのレジストパター
ニングを可能とした
Fig1 The spray coating and patterning the resist Fig1 The spray coating and patterning the resist
Fig7 Changes of pattern widths at various exposure doses Fig7 Changes of pattern widths at various exposure doses
Fig3 Conductive pattern forming Fig3 Conductive pattern forming
A
B
CD E
0
05
1
15
2
25
3
Resistan
ce(Ω
)
Fig4 Electric resistance measurement results 今後の課題 本研究で提案したプロセスでは
パッケージ樹脂側面の配線パターンが広がって
しまうこの広がりを抑える工夫を今後検討し
ていく 参考文献 [1] Hayato Izumi Yohei Matsumoto Seiji Aoyagi Yusaku Harada Shoso Shingubara Minoru Sasaki Kazuhiro Hane Hiroshi Tokunaga IEEJ Trans SM Vol 128-E No 3 (2008) pp102-107 [2] Vijay Kumar Singh Minoru Sasaki and Kazuhiro Hane Japanese Journal of Applied Physics Vol 46 No 9B (2007) pp 6449-6453
Plastic material NiNi
Substrate
Resist Plastic material Resist
Substrate Plastic material
Exposure doses (1) 1 Jcm2
(2) 2 Jcm2
(3) 4 Jcm2
(4) 8 Jcm2
43
2
1
Wall side Upper side
Height 600μm
Width 200μm
41
協力研究
豊田工大 08-15
プローブ顕微鏡を用いた物性測定
Measurement of Physical Properties by Scanning Probe Microscopy
田仲 圭
Kei Tanaka
(株)大同分析リサーチ
DAIDO BUNSEKI RESEARCH Inc
先端に磁性ナノ粒子を持つカーボンナノチューブ(CNT)探針は高分解能な磁気力顕微鏡(MFM)
用として有望である本研究ではこの CNT 探針を用いた際の分解能の Q 値依存性を調べるととも
に理論的に分解能の検討を行った Carbon nanotube probes with magnetic nanoparticles on the top are expected for use in high-resolution magnetic force microscopy (MFM) Here we investigate the Q-value dependency of resolution using such CNT probes and performed a theoretical discussion for resolution
背景と研究目的我々はこれまでに先端に磁
性ナノ粒子(触媒金属)を持つカーボンナノ
チューブ(CNT)をカンチレバー上に成長させ
た探針を使用することにより磁気力顕微鏡
(MFM)の分解能が市販品の従来探針に比べて
飛躍的に向上することを示した 1)今回はさ
らに分解能を向上させる手段として実験的
にはカンチレバーのQ値を高める工夫を行う
とともに理論的な面からもCNT探針の分解能
の検討を行った
24
min)(0QA
TBkkzF BL
ϖ=prime (2)
で表される3)ここでkLはカンチレバーのば
ね定数kBはボルツマン定数Tは探針の絶対
温度Bは周波数のバンド幅ω0は共振周波
数Qは探針の性能指数Aは探針振幅の実行
値である (2)式からも分かるように同じ探
針を使用した場合でもQ値を高めることによ
り熱振動ノイズが下がりSNが向上し到
達分解能が高くなることが予想される 理論 周期的に書き込まれた磁気記録媒体に対する磁気力顕微鏡が検出する信号(力勾配)は
果および考察結 (1)式から得られた関
数を用いて実験値に対してフィッティングを
行った結果をFig1 に示すFig1 のグラフは
周期的に書き込まれた磁気記録媒体のMFM像
に対してFFTを行いパワースペクトルから得
られたピーク強度とその空間周波数をプロッ
トしたものである黒丸および黒四角の点は
Q=200(前報値大気中観察Q値制御なし)
Q=526(今回報告値大気中Q値制御MFM SII
ナ ノ テ ク ノ ロ ジ - 製 SPM 装 置 rdquo
( ) ( )
tip
kzktstz dVekx tipz
ekMM
F int minusminus
partpart
minus=prime cos120μ
(1) で表される 2)ここでμ0は真空透磁率MtMs は探針および試料の磁化k は空間周波数を示すまた熱振動ノイズによって制限される最小の信号は
42
NanoNaviE-sweeprdquo使用)のそれぞれの場合で
得られた値を示すQ値が高くなると強度が高
くなっていることが分かる図中の実線は
Q=200 の場合の実験値に対して(1)から得ら
れた関数でフィッティングを行った結果であ
るそこから得られたパラメーターを用いて
比例定数のみをフィッティングパラメーター
としQ=526 に対してフィッティングを行っ
たものが図中の破線である上式(2)から算出
されたノイズレベルとの交点が予想される到
達分解能である現在(2)式を用いた熱振動
ノイズの算出を試みているしかしながら
現段階においても破線のカーブ(Q=526)は実
線のカーブ(Q=200)に比べて空間周波数が高
い方にシフトしていることからQ値を高くし
た効果として到達分解能が向上していること
が推測される
10E-01
10E+00
10E+01
10E+02
10E+03
10E+04
10E+07 10E+08
Spatial Frequency (1m)
Inte
nsi
ty (
au)
Q=200
Q=526
Fig1Spatial frequency dependence of MFM signal
参考文献
今後の課題 今後はQ値を系統的に変化させ
た測定値を得ることと熱振動ノイズの算出お
よび実験値との整合性を検討することにより
分解能の理論的予測を行っていく
1) K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J
Nanomater in press
2) S Porthu L Abelmann and C Lodder J Magn
Magn Mater 182 (1998) 238 謝辞 今回の測定はSIIナノテクノロジー社
の山岡武博氏の好意によるものである 3) T R Albrecht P Grutter D Horne and D Rugar
J Appl Phys 69 (1991) 668 論文発表状況特許出願
K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J Nanomater in press
43
装置利用
豊田工大 08-16
磁気記録用パターン媒体の研究
Fabrication of patterned media for magnetic recording
加藤 剛志
Takeshi Kato
名古屋大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Nagoya University
イオン照射型ビットパターン媒体として利用できる CrPt3 規則合金膜の成長プロセスを検討するため
赤外線ランプおよび短パルスレーザーを利用した急速熱処理を検討した赤外線ランプ加熱では真空
中熱処理と同様CrPt3膜を規則合金化できさらに多層構造を崩さずに CrPt3規則相を生成すること
が可能であることが分かった一方短パルスレーザー処理を行った場合赤外線ランプ処理のよう
な規則合金化は見られなかった In order to develop new fabrication process of CrPt3 ordered film for ion irradiation bit patterned media rapid thermal annealing using infra-red (IR) lamp or short pulse layer has been investigated In the case of IR lamp annealing the ordered structure of CrPt3 was confirmed just as in the sample prepared by vacuum annealing Moreover this method was found to be quite useful to fabricate multilayered structure including the ordered CrPt3 layer On the other hand the ordered CrPt3 was not confirmed for the annealing using short pulse layer
背景と研究目的 ハードディスクドライブ
(HDD)の記録媒体として現在使用されてい
る微粒子媒体に代わる超高密度記録媒体である
ビットパターン媒体が注目されているこれは
熱安定性の確保低記録磁界低ノイズという
現在微粒子媒体において問題となっているトリ
レンマを微細加工によりビットを定義すること
で克服するというものである超高密度なビッ
トパターン媒体に要求される特性として高い
熱安定性シャープなビット境界優れた表面
平坦性などが挙げられるこれまでに我々は
これらを満足するものとしてイオン照射型
CrPt3パターン媒体を作成し超高密度パターン
媒体の可能性があることを示してきた[1] イオン照射型パターン媒体はイオン照射に
より媒体の物性を局所的に制御しパターン化す
る方式であり表面平坦性に優れた媒体が作製
可能となるこれまで CoPt[2]CoPd[3]多層膜
などにおいて高エネルギーイオン照射により
垂直磁化の領域と面内磁化の領域をパターン化
する研究などが報告されているしかしながら
これらの材料ではイオン照射だけで照射領域を
非磁性化することが困難であり照射領域を介
した記録ビット間の磁気的結合が高密度記録に
重大な支障をきたす[3]一方CrPt3 膜は L12
型の規則合金ではフェリ磁性を不規則の fcc相では非磁性となり低ドーズのイオン照射に
よりこの相変化を起こすことが可能であるこ
のため低ドーズの照射により磁性非磁性領域
のパターン化が可能でビット間の磁気的結合
のないイオン照射型パターン媒体の実現が可能
となるCrPt3パターン媒体の応用上唯一の課
題はその規則化温度の高さであるこれまでの
報告ではCrPt3 規則合金の生成には真空中で
850˚C 程度の熱処理が必要であり[4]これは低
価格のディスク基板や軟磁性裏打ち層の形成の
障害となるこのため本研究では赤外線ラン
プおよび短パルスレーザーを利用した急速熱処
理を用いた CrPt3 規則合金膜の規則化を検討し
た
44
実験 マグネトロンスパッタ法によりSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substまたはSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (10 ndash 20 nm) CoFeZrNb (10 nm) SiO2 substという構成の膜を
作製したCr25Pt75層はCrとPtを同時成膜するこ
とで形成した赤外線ランプおよび短パルスレ
ーザーを用いた急速熱処理によりC 25Pt75 膜の
規則合金化を試みた赤外線ランプ加熱では
800 ˚C - 1000 ˚Cを 30 sec程度保持した昇温
降温速度は約 70 ˚Csecと真空中熱処理の 10 ˚Cminに比べ非常に速いパルスレーザー加熱
にはNdYAGレーザーのSHG光(パルス幅 6 nsec)を用い照射パワーを 40 - 190 mJcm2 と
変化させた膜構造はX線回折(XRD)により磁
気特性は交番磁界勾配型磁力計(AGM)磁気光
学Kerr効果測定装置により測定した
r
結
Fig1 (a) MndashH loops of lamp annealed Cr25Pt75 (15 nm) applying a magnetic field in-plane and film normal directions (b) Kerr loop of lamp annealed Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (20 nm) CoFeZrNb (10 nm)
果および考察 Fig 1 (a)はSiO2 (2 nm)
Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substを 1000 ˚C30 secの赤外線ランプ加熱処理後試料の磁化曲線を示し
ている18 kOeの最大印加磁場における磁化は
150 emucc程度で保磁力は 12 kOeとなった同
一のサンプルを真空中 850 ˚C15 minの熱処理
を行った場合磁化は 250 emucc保磁力は 12 kOeであったこれは赤外線ランプ加熱によっ
ても真空中熱処理と同様CrPt3膜を規則合金化
できることを示している真空中熱処理に比べ
赤外線ランプ加熱では短時間に熱処理を行うこ
とができるため多層構造膜の界面の合金化を
抑え熱処理することが可能となる可能性があ
るFig 1 (b)はSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (20 nm) CoFeZrNb (10 nm) SiO2 substの1000 ˚C30 secの赤外線ランプか熱処理後の
Kerrループを示しているKerrループは膜面側
から測定した結果でありCrPt層の磁化曲線を
反映するFig 1 (b)のように単層膜と同様の大
きな保磁力のループが得られておりSiO2 (20 nm)中間層によりCoFeZrNb層とCrPt3層との合
金化が抑えられたことを示している
Fig2 Dependence of saturation magnetization of pulse laser annealed Cr25Pt75 (15 nm) on the laser fluence
参考文献
[1] T Kato S Iwata Y Yamauchi S Tsunashima
K Matsumoto T Morikawa K Ozaki J Appl
Phys 105 (2009) 07C117
[2] C Chappert H Bernas J Ferreacute V Kottler J-P
Jamet Y Chen E Cambril T Devolder F
Rousseaux V Mathet H Launois Science 280
(1998) 1919
Fig 2 は SiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substを 40 ndash 190 mJcm2 のエネルギーでパルス
レーザー処理した後の磁化の照射強度依存性を
示している照射強度と温度との関係は不明で
あるがCr25Pt75 (15 nm)の反射率透過率から
照射エネルギーの 10 程度が膜に吸収される
と見積もられることからPt の体積比熱 29 JKcm3 を仮定すると50 mJcm2 で約 1000 ˚C の
温度上昇が見込まれるFig 2 に示すように CrPt合金膜に短パルスレーザー処理を行った場合
100 ndash150 mJcm2 程度の照射で若干磁化の増大
が観測されたが赤外線ランプ処理のような
100 emucc 以上の磁化は見られていない
[3] E Suharyadi T Kato S Tsunashima S Iwata
IEEE Trans Magn 42 (2006) 2972
[4] J Cho M Park H Kim T Kato S Iwata S
Tsunashima J Appl Phys 86 (1999) 3149
45
装置利用 豊田工大 08-17
鉄-コバルトナノワイヤシリサイド形成に関する研究 Study for Iron ndash Cobalt Nanowire Silicide Formation
丹司敬義ab大平 豊a
Takayoshi Tanjiab and Yutaka Ohiraa
a名古屋大学院工学研究科 b名古屋大学エコトピア科学研究所
aGraduate School of Engineering Nagoya University bEcoTopia Science Institute Nagoya University
Si(110)表面上にFe と Co の二元蒸着により作製したナノワイヤ(NW)の元素分析を行うために走査電子顕微鏡(SEM)に装備されているエネルギー分散型スペクトロスコピー(EDX)を用いたその結果我々は NW が形成されている同一表面上から FeCo の両ピークの検出に成功した Elemental analysis of Nanowire (NW) prepared by co-deposition of Fe and Co onto Si(110) surface have been studied by energy dispersion spectroscopy (EDX) equipped scanning tunneling microscopy (SEM) As a result we found both peaks of Fe and Co K line from same surface formed NW 背景と研究目的主に電荷を用いる半導体エレク
トロニクスでは従来使われなかった電子のもう一
つの性質であるldquoスピンrdquoを積極的に利用して
新しい材料の機能やデバイスを構築しようとする
半導体スピントロニクスに関する研究が近年盛
んに行なわれているシリコン(以下Si)技術と
の融合を図るためにはSi基板上へ磁性体の直接
成長が必要となる この背景の下我々はldquo磁性を有するナノワイ
ヤ(以下 NW)を Si 基板上に直接成長させるrdquoこ
とを最終目的として本研究を行なっているこれ
までは磁性元素である鉄(以下 Fe)のみを蒸着
し加熱することで形成される NW に注目し研
究を行なってきた 1)今回は FeSi(110)系に更にコ
バルト(以下 Co)を同時蒸着することにより
NW を形成させることを試みている Fe ndash CoSi(110)系の先行研究例は全くなくまず
Si(110)表面上に Fe と Co を同時に蒸着させた場合
にもFeSi(110)系や CoSi(110)系と同様なワイヤ
が形成されるかどうかを調べる必要があるこれ
はすでに著者らが形成されることを明らかにして
いる次の段階としてFe と Co 両方が同一ワイ
ヤ内に存在しているかどうかを調べるために本
支援により元素分析が可能な SEM ndash EDX を使
用した 実験Si(110)表面上にFeとCoの二元蒸着により
作製したNWのSEM ndash EDX測定を行う
結果および考察Figure 1 にFeとCoを蒸着
加熱を行い作製した試料のSEM像を示す
FeSi(110)系やCoSi(110)系で作製したNW同様
lt-110gt方向に配向したNWが観察されるNWの形
状としては幅が約 10 ndash 100 nm長さが約 300 ndash 1200 nmであり長いものでアスペクト比が 20 を
超えるNWが形成される この表面上の SEM ndash EDX 測定を行った結果を
Fig 2 に示す測定時に試料を入射電子線に対
して傾けて測定しているFeCo それぞれの K線のピーク(Fe 6398 keV Co 6924 keV)を検出す
ることに成功しこの表面上には FeCo それぞ
れ 2 種類の原子が存在していることを確認するこ
とができたまた母体である Si の K 線のピー
ク(Si 1739 keV)の横にあるピークはSi の K線エネルギーの丁度 2 倍の位置にあたりサムピ
ークと呼ばれているこれは検出器に Si からの特
性 X 線が 2 つ同時に入った場合検出器が分離で
きないために起こるアーティファクトである 次にワイヤ 1 本に FeCo がそれぞれ含まれ
ているかどうかを調べるためにEDX マッピング
を行ったその結果を Fig 3 に示すFigure 3(a)はマッピングを行った場所の SEM 像(b)から
(d)はそれぞれSiCoFe の K 線のピークの強
度を濃淡で表示したものであるこの結果SEM像と対応した濃淡を測定することはできなかった
これは試料のドリフトにより観察領域が同一の
場所に安定しないため測定することができなか
ったと考えられる
46
本支援ではFe と Co の二元蒸着により作製し
た Si(110)表面上の NW の元素分析を SEM ndash EDXにより行ったその結果 NW を有する表面上から Fe と Co の両ピーク
を検出した 非常に微小な構造のためSEM ndash EDX では
NW1 本辺りからの元素分析は困難であった 以上のことを明らかにした 今後の課題二元蒸着により作製したワイヤの詳
細な元素分析また磁気特性について研究を行な
う予定である 論文発表状況特許出願 該当なし 参考文献 1) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
Jpn J Appl Phys 47(7B) (2008) 6138
Fig 3 EDX mapping of Fe ndash CoSi(110) surface (a) SEM image (b) Si K line (c) Co K line (d) Fe K line
Fig 1 SEM images of NWs on Si(110) surface The NWs grow along lt110gt
Fig 2 (a) Configuration of EDX measurement (b) EDX spectrum of Fe ndash CoSi(110) surface
1 μm lt110
lt001gt
(c)Co K line
(a)SEM image (b)Si K line
500 nm
(d)Fe K line
47
技術代行装置利用
豊田工大 08-20
ナノ構造半導体薄膜の作製
Fabrication of Nano-Structured Semiconductor Thin films
竹田 康彦
Yasuhiko Takeda
株式会社 豊田中央研究所
Toyota Central Research and Development Laboratories Inc
分子線エピタキシー法によりGaAs ウェハー上に良質の GaAs 膜を作製するための条件を調べた成
膜時の基板温度が 520のときにバンド間遷移に起因するフォトルミネッセンスの強度が最大半値
幅が最小となりこれが最適条件であることがわかった We found the optimal substrate temperature to fabricate GaAs thin films on GaAs wafers by molecular beam epitaxy When the substrate temperature during the deposition was 520 the intensity of photoluminescence attributed to the band-to-band transition was the largest and the peak width was the narrowest
背景と研究目的 ナノ構造半導体中に閉じ込
められたキャリアはその構造の次元(2 次元
薄膜1 次元細線0 次元ドット)に特徴的
な光電子物性を示す1970 年代の分子線エピ
タキシー(MBE)成膜技術の進歩によってこ
の分野の研究が大いに進展した[1]このように
長い歴史をもつにも関わらず未だに新たな発
見が絶えない分野でもある例えば近年地球
温暖化対策の一環として種々の太陽電池の研究
開発が盛んになっている現在製品化されてい
る太陽電池の主流はシリコンpn接合を基にした
ものであるが変換効率の大幅な向上を目指し
ナノ構造半導体中の長寿命ホットキャリアや
多重キャリア生成の利用が提案されている[2]しかしこれらのナノ構造に特徴的な光電子
物性の起因と詳細は未だ議論の渦中にある[3 4]
III-V 族化合物半導体混晶を用いた多層薄膜
においてはその組成を変調することにより
キャリアに対する閉じ込めポテンシャルを制御
することができる更に格子整合不整合の
利用により閉じ込め構造の次元をも制御する
ことができるのでナノ構造に特徴的な物性を
発現させるための格好の舞台となる 我々は2 次元閉じ込めの代表的な材料であ
る GaAsAlGaAs 多層膜[1]及び 0 次元閉じ込め
構造が得られる InAsGaAs 多層膜[5]を GaAs ウェハー上に作製することを計画しているこれ
らを作製するためには通常GaAs ウェハーの
上に厚さ数 100nm の GaAs バッファ層が形成さ
れる新たに導入された MBE 成膜装置におけ
る成膜条件を調べる第一歩としてGaAs バッフ
ァ層の作製を試みた 実験 市販n型GaAs(100)ウェハー基板上に
MEB法により厚さ200nmのGaAs膜を作製した
良質な薄膜が得られる条件を調べるため基板
温度を400~600の間で変化させた成膜速度
が10~20nm分になるように原料の供給量を調
節した 作製したGaAs膜の結晶性をフォトルミネッ
センス測定により評価した励起光にはNdYAGレーザーの第2高調波(波長532nm)を用いた
この波長でのGaAsの光吸収係数は78times104cm-1
でであり[6]励起光は基板には到達しないので
膜からの発光のみを測定することができる検
48
出器にはInGaAs光電面をもつ光電子増倍管を
用いた試料温度は室温にて測定を行った
0
2
4
6
8
10
800 900 1000 1100 1200
Wavelength (nm)
PL Inte
nsi
ty (ar
b U
nits)
MBE film
Wafer
結果と考察 何れの基板温度の場合にもバン
ド間遷移に起因する発光ピークが波長 860nm付
近に現れたただしその強度とピークの幅は
基板温度に依存し520のときに強度が最大
かつピーク幅が最小であったこれよりも低温
では結晶性が低く一方高温ではAsの再蒸発に
より欠損が生じるためであると考えられる 今回の成膜条件において最適であった基板温
度 520にて作製された GaAs 膜のフォトルミ
ネッセンススペクトルを Fig 1 に示す同条件
にて測定された GaAs ウェハーの結果と比較す
るとピーク波長が若干短波長側にシフトして
いる更にピーク幅が広くまた長波長側に
格子欠陥あるいは不純物に起因すると考えられ
る発光が見られる従って結晶性にはまだ改
善の余地があると考えられる
Fig1 Photoluminescence spectra of the GaAs thin film deposited at a substrate temperature of 520degC and the GaAs wafer measured at room temperature
今後の課題 更に良質のGaAsバッファ層を作
製するための条件を探索すると共にこれを基
にナノ構造薄膜を作製しその光電子物性を
評価する予定である 謝辞 フォトルミネッセンス測定技術につい
てご指導いただきました豊田工業大学小島伸
晃先生に深謝申し上げます
参考文献
[1] 日本物理学会編半導体超格子の物理と応
用(培風館1984)
[2] M A Green Third Generation Photovoltaics
(Springer-Verlag Berlin 2003)
[3] J A McGuire et al Acc Chem Res 41 1810
(2008)
[4] A Pandy and P Guyot-Sionnest Science 322
929 (2008)
[5] R Ohshima et al J Cryst Growth 310 2234
(2008)
[6]
49
協力研究
豊田工大 08-22
InAs 量子ドットを電極としたナノショットキーダイオードの理想係数
Ideality factor of nano-Schottky diodes using InAs quantum dots as electrodes
田中 一郎
Ichiro Tanaka
和歌山大学 システム工学部
Faculty of Systems Engineering Wakayama University
導電性探針を用いた原子間力顕微鏡(AFM)によって表面における伝導性をナノスケールで測定する
ことが可能である本研究ではGaAs(001)表面上に自己形成した単一 InAs 量子ドットを電極とした
ナノショットキーダイオードの電流電圧特性を行いその理想係数に対するフェルミレベルピニン
グの影響を検討したまたGaAs 層へのドーピングによりその影響が緩和されることを明らかに
した We fabricated nano-scale Schottky diodes using self-assembled InAs quantum dots as nano-electrodes on n-GaAs layers and current-voltage characteristics of the single nano-Schottky diodes were measured with conductive AFM at room temperature It has been simulated and experimentally confirmed that the ideality factor of the nano-Schottky diodes becomes considerably large because of Fermi level pinning at GaAs (001) surfaces We have also found that higher doping concentration of n-GaAs decreases the influence of the environmental Fermi level pinning
背景と研究目的 InAs量子ドットはその0
次元電子物性や光電子素子への応用可能性が
注目されて様々な研究が行われてきた われわれは導電性探針を用いた原子間力顕
微鏡(AFM)により InAs量子ドットの導電性を画
像化し同ドットがナノ電極として使用できる
ことを見出している1) 今後デバイスの微細
化が進むとともに電極もナノスケール化される
と考えられるがそれによってデバイス特性が
受ける影響を検討することは重要である本研
究では InAs 量子ドットを電極に用いて GaAs ナノショットキーダイオードを作製してその電
流電圧特性を検討することを目的とした 計算 n-GaAs層上にナノスケールの電極を設
けてバイアス電圧を印加した場合にその電極
下における電位分布がどうなるかを有限要素法
によりポアッソン方程式を解いて計算したそ
のモデルを図1に示すこの計算においてナノ
電極以外の表面はフェルミレベルピニングによ
り電位が07Vに固定されているものとした 実験 n-GaAs層およびその上のInAs量子ドッ
トはn+-GaAs(001)基板上に固体ソースの分子線
結晶成長(MBE)装置を用いて作製した 試料表面をAFM観察し直径が60~80nm程度
のInAsドットに導電性探針を接触させて順バイ
アス電圧を印加し電流電圧特性を測定した 結果および考察 図2(a)にナノ電極の
05V の順バイアス電圧を加えた場合のナノ電
極近傍の電位分布計算結果を示すこの図にお
いてナノ電極は電位が 02V になっているため
その直下の電位はそれに応じて青色で表されて
いるが深さ 20nm 程度の所は緑色になってい
て電位がやや上昇しているさらに深くなると
50
別紙
電位は次第に減少し中性領域で 0V になるこ
のように電位が深さ方向に単調には減少しない
原因はナノ電極周囲の表面電位がフェルミレベ
ルピニングのため 07V に固定されていてその
影響がナノ電極下に及んでいるためであること
がわかる2) Z 軸に沿った深さ方向のポテンシ
ャル変化を図2(b)に示す この計算結果からナノショットキーダイオ
ードでは理想係数が増加すると考えられるそ
こでドナー濃度が 1x1017cm-3 の n-GaAs 層を
100nm 成長しその表面に InAs 量子ドットを形
成してナノショットキーダイオードを作製した
さらに接触モードの導電性 AFM でその表面
を観察した後単一ドット上に探針を移動させ
て順方向にバイアス電圧を印加し電流電圧
特性を測定したその結果図3に示すように
バイアス電圧が 03V 近辺から電流の増加が緩
やかになり理想係数が 14 から 22 になること
がわかったこれはフェルミレベルピニング
の影響により電極直下の電位が低下しにくくな
ったためと考えられる
Fig 1 Calculation model for voltage distribution under a nano-electrode formed on the (001) surface of n-GaAs layer
またn-GaAs 層のドナー濃度を3倍に高めた
ところこのような理想係数の増加は見られな
かったこれは空乏層中のドナーの増加によ
りフェルミレベルピニングの影響が緩和された
ためと考えられる Fig 2 Calculated (a) potential distribution near the nano-electrode on which a forward bias voltage of 05 V is applied and (b) potential variation along Z-axis
今後の課題 n-GaAs 層表面近傍の空乏層中に
二重障壁構造を作製して本研究と同様の手法
でナノ共鳴トンネルダイオード(nano-RTD)を作
製することができる3) この場合フェルミレ
ベルピニングの影響により共鳴トンネル効果が
生じる電圧が増加するためそれにより直接
的定量的に把握できる今後はnano-RTD を
用いて表面処理によるショットキー障壁の低
減を検討する
論文発表状況特許出願 [1]I Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and H Sakaki Abstract for the 2nd IEEE Nanotechnology Materials and Devices Conference Mo P38 (October 20-22 2008 Kyoto University Japan) 参考文献 1) I Tanaka I Kamiya H Sakaki N Qureshi S J Allen Jr and P M Petroff Appl Phys Lett 74 (1999) 844
Fig 3 Current-voltage characteristics of nano-Schottky diodes measured by conductive AFM2) T Sato S Kasai and H Hasegawa Jpn J Appl
Phys 40 (2001) 2021 3) I Tanaka Y Tada S Nakatani K Uno M Azuma K Umemura I Kamiya and H Sakaki Phys Stat Sol(c) 5 (2008) 2938
51
技術代行
豊田工大 08-26
カーボンナノチューブ FET の作製と評価
Fabrication and Measurement of Carbon Nanotube FET
吉村 雅満
Masamichi Yoshimura
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
カーボンナノチューブ FET 素子の試作を行ったHiPco 試料の I-V 特性は金属半導体(p 型)が混在
していることSG65 試料では半導体特性が明瞭に観測されたまた架橋した本数によりドレイン電
流値に違いがあり少数の CNT が架橋しているとゲート依存性が強くなることが分かった CNT-FET has been fabricated using dielectrophoresis method The HiPco-FET shows both p-type semiconducting and metallic behavior The semiconductor behavior is clearly observed for SG65-FET The Current value and gate voltage dependence are highly influenced by the number of bridged CNTs
背景と研究目的 現在の半導体産業はデバ
イスの微細化による素子性能の向上と高密度化
により発展を遂げてきたしかしシリコンMOSFET(metal-oxide- semiconductor field-effect transistor)では微細化が進むにつれてゲート絶縁
膜の薄膜化に伴う量子効果(例えばキャリアの
トンネル)の影響により性能の向上が阻害され
るそのためSi技術の微細化は限界が近づいて
いるそこで次世代のデバイス材料の一つとし
て注目されているのがカーボンナノチューブ
(CNT)であるカーボンナノチューブFET(以下
CNT-FET)とはCNTをチャネルとして利用した
電界効果トランジスタであるその構造の概略
図をFig1 に示すTansらは平面ゲート電極で変
調され室温で動作するカーボンナノチューブデ
バイスを初めて報告した[1] CNT-FET はバリスティック伝導および高い
電流密度を示しさらに基板を選ばず 1 次元チ
ャネルで短ゲート化に適しているなど優れた特
徴をもつそこで本研究では CNT-FET を作製し
その電気特性を測定することを目的とする 実験 溶媒としてDMF10 mlにCNT試料1 mgを
加え約50 で超音波処理を1 h行うことによ
り分散させたCNTを電極間に架橋させる方法
として誘電泳動法を用いた[2]すなわち溶
液中の微粒子に外部から電場を加えると溶液
-微粒子界面に電荷が誘起される電荷量は溶
媒と粒子の分極率に依存しこの相違により
双極子モーメントが誘起される本研究では
この原理を利用してCNTを電極に引き寄せる
CNT試料として異なる純度分散状態電気
的特性を有するUnidym社製Super Purified
HiPcoSouthWest Nano Technologies社製SG65
を使用したHiPcoは金属半導体の割合が1
2SG65は90 以上が半導体的なCNTで構成さ
れている 具体的にはCNT分散溶液を基板に
滴下後高周波(5 MHz)を15分程加えることに
よりCNTの配向を行ったソースメータ
(Keithley社製2636)及びマイクロプローバー
(共和理研社製K-157MP150)を用いFET特性の
測定を行ったFig1下図に測定回路図を示す
ゲート電極は基板背面を利用した 結果および考察 Fig2 にHiPco試料のド
52
レインソース間の電流(Ids)-電圧(Vds)特性のゲ
ート電圧依存性の測定結果を示すこのときゲ
ート電圧Vgsを-15~+15 Vの間で5 Vステップで
印加したオーミックな特性が観測されIdsはVgsを負に印加すると増加したよって架橋し
たCNTは金属p型半導体双方の性質をもつもの
が混在していたと考えられる直線の傾きから
抵抗値を見積もると抵抗値はVgs=-15 Vで 019 MΩ15 Vで 026 MΩとなりVgsが負のとき抵
抗値の低下が確認されたCNT 1 本当たりの抵
抗値に換算するとVgs=-15 Vのとき約 3 MΩと
なり文献値の 29 MΩとほぼ一致した[3]
-10 -05 00 05 10
-4
-2
0
2
4
1microm
Vgs=15V
Vgs=‐15V
0V
+
-
5Vstep
次に多量及び少数のSG65が架橋した電極の I-V測定結果を Fig34 に示すFig34 どちらも p 型
半導体的な特性が現れているまた CNT 数が少
数の場合電流値が約 120 に減少しているさ
らに Vgs による Ids の変調は少数の CNT が架橋
した時により大きいことがわかる
今後の課題 カーボンナノチューブの高分散
技術の改良ナノ電極のデザイン改良が今後必
要である 謝辞 本研究は豊田工業大学寺尾良輔氏
梶原健氏との共同研究である
参考文献
1) SJTanset alNature 393 (1998) 49
2) YMiyatoet alJpnJApplPhys 87
(2005) 183102
3) RMartelet alApplPhysLett 73
(1998) 2447
Fig1 Schematics of CNT-FET (upper) and electric circuit (lower)
SiO2
Source Drain
CNT
Gate(P+‐Si)
Vgs Vds
AD
S
G
CNT
Ids
-3 -2 -1 0 1 2 3-02
-01
00
01
02
Vgs=-10VVgs=-5VVgs=0VVgs=5V
1microm
Vds
Ids
(nA
)
Fig 4 IV curve of SG65-FET with a small amount of CNTs
Vds
Ids
(nA
)
Fig 3 IV curve of SG65-FET with plenty of CNTs
-3 -2 -1 0 1 2 3-10
-5
0
5
10
1microm
Vgs=‐10V
Vgs=‐10V‐5V
05V
‐5V +5V
0V
Vds
Ids
(μA
)
Fig 2 IV curve of HiPco-FET
53
装置利用
豊田工大 08-27
触媒ナノ粒子を用いた CVD 膜中残留応力制御
Study of controlling residual stress in CVD thin film by using catalyst nanoparticles
熊谷慎也
Shinya Kumagai
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
MEMS ではデバイス構造を作製するために Si 薄膜が使用される高性能な MEMS デバイスを実現す
るためにはその薄膜中の応力状態を制御することが必要であるアモルファス Si 薄膜を結晶化さ
せるとその過程で薄膜の堆積が収縮し薄膜中に引張応力が発生することが知られている薄膜の
結晶化を適切に促進すれば薄膜中の応力状態を制御することができると考えられる本研究では
アモルファス Si 薄膜の成膜および結晶化促進のための触媒ナノ粒子を Si 薄膜基板上に吸着させ
るプロセスについて検討を行った Thin films of Si are widely used in the fabrication of MEMS structure To realize high performance MEMS devices it is necessary to control the stress in the Si thin film As the crystallization of amorphous Si films proceeds the shrinkage of the volume of the Si thin film generates tensile stress in the film Appropriate crystallization process can control stress in the Si thin film In this study we investigated deposition condition of amorphous Si films and adsorption of catalyst nanoparticles onto the Si films
背景と研究目的 近年MEMS デバイスは我々の周りで広く使
用され欠かせないものになっている例えば
光関連の分野ではマイクロミラーデバイスが
プロジェクタプリンタ等の中に組み込まれて
いるこのミラーデバイスではミラーの回転
角は大きくその一方で不安定動作は小さい
ことが求められるこの要求を満たすために
例えばミラーを支えるトーションバーに張力
(引張応力)を加えることが提案されている[1] シリコン薄膜に引張応力を生じる原理はアモ
ルファスシリコンからポリシリコンへの結晶化
に伴う体積収縮によって発生する結晶化誘起応
力にあると言われている[2]通常はサンプル
を加熱するだけのアニール処理で行うためラ
ンダムな場所から核成長が起こり得られる結
晶粒径は限られ発生する引張応力も限られて
いたそこで何らかの方法で結晶粒径を大き
くできれば引張応力発生に寄与する材料の比
率が増しより大きな引張応力を得ることがで
きると考えられる[3]結晶化の促進には金属誘
起結晶成長法が利用できる[4] 本研究では
アモルファスシリコン薄膜の成膜とそのシリ
コン薄膜上へ結晶化促進のための触媒ナノ粒子
を吸着させるプロセスについて検討を行った
54
実験 アモルファスシリコン薄膜の堆積 プロセスガスとしてジシランを使用したジ
シランは通常用いられるシランよりも低い温度
で熱分解するためアモルファス薄膜の成膜に
適している[5]薄膜のアモルファス性が高いほ
ど結晶化する際の堆積収縮量が大きく引張応
力の発生の効果が大きいといえる堆積実験で
はCVD炉温度を510度に設定し炉内圧力
13Paのもとで成膜を行った成膜時間は100分間
とした
シリコン薄膜上への触媒ナノ粒子の吸着 触媒ナノ粒子を分散させた溶液をアモルファ
スシリコン薄膜上に滴下して10分間吸着を行っ
たその後遠心分離機(10000rpm1分)を用い
て余剰の溶液を除去しその後SPMで観察を
行った 結果および考察 シリコン薄膜堆積後光干渉法により膜厚
を測定したサンプル表面20箇所の平均値とし
て2790nmが得られた堆積レートに換算すると
約28nmminとなるMEMS応用には1μm程度の
Si薄膜の厚さがあることが望ましいそのため
にはより長い堆積時間が必要となる堆積レ
ートを高くするには成膜温度を上げることが
有効であるが堆積後に結晶化が進み薄膜の
アモルファス性が低下することになる膜質と
トレードオフの関係にあるため今後検討を進
めていく必要がある 作製した Si 薄膜のサンプルを用いてナノ粒
子の吸着実験を行ったFig 1 にナノ粒子吸着
後サンプル表面の SPM 像を示すナノ粒子が分
散して吸着していることがわかるその一方で
成膜後のサンプル表面を光学顕微鏡で観察した
限りでは分からなかったがナノ粒子の他に表
面に比較的大きな凹凸形状が見られるこのよ
うな箇所では MEMS 構造を作った際に機械的
強度が低下すると考えられ堆積条件のさらな
る検討が必要といえるFig2 ではナノ粒子濃度
を Fig1 の条件の 10 倍に希釈した溶液を滴下し
た後の SPM 像であるFig1 と比較すると溶
液濃度が希釈されて低くなっていることに対応
して表面上へのナノ粒子吸着量が減少してい
ることがわかる溶液中のナノ粒子濃度は基板
上への吸着量の制御パラメーターとして利用で
きる まとめ
Si 薄膜の堆積条件ナノ粒子の吸着プロセス
について検討を行った引き続き検討を行
いシリコン薄膜結晶化の評価を進めていく予
定である
参考文献
1) M Sasaki S Yuki K Hane IEEE Photon
Technol Lett 18 (2006) 1573
2) 三浦英夫ら日本機械学会論文集(A 編)58
巻 554 号(1992-10)216-221
3) P Temple-Boyer et alThin Solid Films 310
(1997) 234
4) C Hayzelden and J L Batstone J Appl Phys
73 (1993) 8279
5) K Nakazawa J Appl Phys 69 (1991) 1703
Fig1 SPM image of nanoparticle adsorption on Si film surface
Fig2 SPM image of nanoparticle adsorption Concentration of nanoparticle in the solution is 110 of the condition in Fig1
55
協力研究
豊田工大 08-28
a-SiNxHSi 界面特性の面方位依存性
Dependence of crystallographic orientation on a-SiNxHSi interface characteristics
新船 幸二a近藤 憲司b大下 祥雄b
Koji Arafune a Kenji Kondob Yoshio Ohshita b a 兵庫県立大学b 豊田工業大学
a University of Hyogo b Toyota Technological Institute
多結晶シリコン太陽電池の表面パッシベーション膜としてアモルファス水素化窒化シリコン膜
(a-SiNXH)が通常使用されているこのパッシベーション機構を明らかにするために面方位の異な
る単結晶シリコン基板に a-SiNXH 膜を同一条件で製膜しその容量-電圧特性を水素処理前後に測定
し界面準位密度や固定電荷について検討を行った a-SiNXH film is used as surface passivation layer for polycrystalline silicon solar cells In order to clarify the passivation mechanism a-SiNXH films are deposited on the single crystalline silicon substrates with different crystallographic orientation by plasma enhanced chemical vapor deposition The characteristics of a- SiNXHSi interface is also studied by C-V measurements
背景と研究目的 現在主流の多結晶シリコン
太陽電池には表面パッシベーション膜として
アモルファス水素化窒化シリコン膜(a-SiNXH膜)が使用されているa-SiNXH膜をシリコン基
板上に形成することにより界面準位密度が低
下し加えてa-SiNXH膜中の固定電荷に起因す
る電界効果により界面におけるキャリアの再
結合が抑制される 1)と考えられているしかし
具体的なパッシベーション機構については未だ
明らかになっていないこの原因の一つとして
多結晶シリコンが面方位の異なる結晶粒により
構成されているため得られる情報が平均化さ
れてしまうことが予想されるそこで面方位
の異なる単結晶シリコン上にa-SiNXH膜を形成
しそれらの電気的特性の相違を詳細に検討す
ることによりa-SiNXH膜によるパッシベーシ
ョン機構解明の端緒とすることを目的とした 実験 面方位が(100)および(111)である3inch
果および考察
のp型単結晶シリコン基板を4分割し希フッ酸
処理SC1処理希フッ酸-過酸化水素処理等
により洗浄を行った洗浄後の(100)および
(111)基板上にPECVD法によりa-SiNXH膜を製
膜した製膜条件は250 []圧力 04 [torr] ガス流量 SiH4 3 [sccm]NH3 6 [sccm]H2 6 [sccm]製膜時間 5 [min]とした製膜したa-SiNXH膜の
膜厚および屈折率はエリプソメトリー法により
評価したC-V測定サンプルのゲート電極には
Al(D=06mm)を使用した界面準位低減効果を
比較するためにフォーミングガス(N2+H2)によ
るアニールを400 []30 [min]で行った 結 製膜したa-SiNXH膜の
ングガスアニール前の C-V 曲
膜厚は面内で多少のばらつきはあったものの
(100)基板および(111)基板ともに89plusmn4 [nm]以内
であった屈折率に関しては178 と全て一定
の値を示した Fig1 にフォーミ
56
の C-V
えるとa-SiNXHSi 界面に
(a)
線を示す膜中の固定電荷に関しては(111)基板上の膜の方が(100)基板上の膜より密度が高
いことが判ったこれはシリコン上の熱酸化膜
と同様の傾向を示しているまた両者ともに
ヒステリシスを示しているがその原因は(100)基板の場合は正の可動電荷型(111)基板では正
孔注入型と異なることが判った界面準位密度
に関してはどちらの場合も非常にリークが大
きいため今回の測定では求めることが出来な
かった今後膜厚増加によるリーク低減を行
い界面準位密度の評価を進めたい Fig2 にフォーミングガスアニール後
曲線を示すどちらの場合もフォーミングガス
アニールによりヒステリシスが消失している
これは熱による構造変化と水素によるダング
リングボンドの終端化によるものと考えられる
より詳細な検討を行うためにはアニールガス
種の変更や温度時間等を変化させた評価が必
要である界面準位密度に関してはフォーミ
ングガスアニールにより界面準位密度が低減さ
れた傾向が現れているまたC-V 特性測定時
の周波数を変化させた測定も行ったところ周
波数分散特性も(100)基板と(111)基板では大き
く異なっていた 以上の結果を踏ま
おける界面準位密度及び膜中固定電荷密度は基
板面方位に大きく依存しヒステリシス特性の
要因も基板面方位により変化することが明らか
になった
0
50
100
150
200
-10 -8 -6 -4 -2 0
容量[pF]
電圧[V]
(b)
0
50
100
150
200
-20 -18 -16 -14 -12 -10
容量
[pF]
電圧[V]
Fig1 C-V characteristics of a-SiNXH films on (a)
(100) and (b) (111) single crystalline silicon substrates before forming gas annealing
(a)
0
50
100
150
200
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
容量
[pF]
電圧[V]
(b)
0
50
100
150
200
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
容量
[pF]
電圧[V]
Fig2 C-V characteristics of a-SiNXH films on (a) (100) and (b) (111) single crystalline silicon
後の課題
substrates after forming gas annealing 今 今回はPVCVD装置のトラブルに
りサンプルは2種類しか試すことが出来なよ
かったが今後は(110)基板の使用やa-SiNXH膜の製膜条件を変えたサンプルを準備し固定
電荷の起源やパッシベーション能力の定量的評
価などを行う予定である 謝辞 C-V測定において兵庫県立大学の佐
真一教授及び吉田晴彦准教授に協力頂いた
許出願
藤
深く感謝したい
論文発表状況特 [1 未定
考文献
]
参
t et al Semicond Sci Technol vol16 1) JSchmid
pp164-170 (2001)
57
技術代行装置利用
豊田工大 08-29
太陽電池特性評価技術の習得 Acquirement of solar cell characterization skill
岩本 恵里
Eri Iwamoto
日本ソーラーシリコン株式会社
Japan Solar Silicon Co Ltd
特性の異なるシリコンウェーハから太陽電池セルを作製し作製した太陽電池セルについてその特性評
価を行った
We made silicon solar cells with silicon wafer of a different characteristic and conducted investigation of these
cell performance
研究目的 シリコン原料メーカーとして太陽
電池セルの特性評価に関する知識を持つことが
必要であるしたがって本研究ではセル作製工程
の一連の流れを理解し実際に作製したセルにつ
いてその特性評価を行い自社内での太陽電池特
性評価技術の向上を目的とする今回はプロセ
スに慣れることプロセス条件を最適化すること
を目的とし基板抵抗やPの拡散温度のセル特性
への影響を見ることとした
実験 Si基板は購入した 3 インチ厚み 380 μ
mのSi基板 (CZ結晶) でp型抵抗a (低抵抗) とb
(高抵抗) の2種類の比抵抗値を示す基板を用いた
Si基板を洗浄後基板上にPを温度A B Cの 3 水
準で変化させて拡散させた基板裏面の酸化膜を
除去した後リフトオフ工程によって表面に 10
mm角セル (16 個分) のAl電極パターンを形成し
たこの際Alの蒸着は抵抗加熱真空蒸着装置を用
いて行った表面と同様に裏面にAl電極を形成し
た後380で 10 分間の水素シンター処理を行っ
たその後ダイシング装置で 10 mm角セルに分
割し中心部分のセルについてI-V特性評価を行
ったこのI-V特性評価によってpn接合の良否
電極とSiの接触の良否などが判断できる
結果と考察 Fig1 に低抵抗Si基板と高抵抗Si基
散温度を変化させて作製した各セルの短
絡
板についてリン拡散温度を変化させて作製した
各セルの開放電圧 (Voc) を示すFig1 を見ると
温度Aで拡散させたセルでは他と比較してVocの
値が低かったこれは温度Aでのリン拡散が不十
分でpn接合がうまくできていないと考えられる
Fig2 に低抵抗 Si 基板と高抵抗 Si 基板について
リン拡
電流 (Isc) を示すFig2 を見ると拡散温度 C で
Isc が悪化しているこれは温度 C でのリン拡散
でp 層基板が高温処理によって劣化した可能性
が高いと考えられる
本設備においては拡散温度は CZ 基板を用い
58
た場合温度B近傍で行うのが最適と考えられる
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Isc
(arb
uni
ts)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
今後の課題 今回作製したセルはプロセスの最
適化がされていないため基板評価のため十分な
効率が得られていない今後はプロセス条件の改
善を実施し太陽電池特性評価技術の向上を目指
す
謝辞 本研究は豊田工業大学梶原氏および
下准教授に指導して頂いた深く感謝したい
豊田工業大学梶原氏および
下准教授に指導して頂いた深く感謝したい 大大
Fig2 The phosphorus diffusion temperature dependence of shortcircuit current (I sc) for low resistivity Si substrate and highresistivity Si substrate
Fig1 The phosphorus diffusion temperature dependence ocircuit voltage (V oc) for low resistivity Si substrate aresistivity Si substrate
f opennd high
Fig3 The phosphorus diffusion temperature dependence ofconversion efficiency for low resistivity Si substrate and highresistivity Si substrate
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Voc
(arb
uni
ts)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Con
vers
ion
effic
ienc
y (a
rb u
nits
)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
59
技術代行
豊田工大 08-32
レジストマスクによるリン砒素のイオン注入
P and As Ion implantation using Resist Mask patterns 上田一之
Kazuyuki Ueda
豊田工業大学ナノハイテクリサーチセンター
Nano High-Tech Research Center in Toyota Technological Institute Supported by MEXT
シリコン表面に PAs をイオン注入してマスクパターンを作りそのときの打ち込みエネルギーやイ
オンの種類により打ち込み層に含まれる水素や酸素の形態はpn 接合を考える上で極めて重要な
要素となるしたがってこれらの打ち込み層に存在する水素と酸素の起源と振舞いについて電子励
起イオン脱離法を応用した水素顕微鏡で調べた
Masked patterns by ion implanted surface include hydrogen and oxygen which might affect to p- n-junction properties Electron-stimulate-desorption (ESD) spectroscopy is useful to investigate behaviors of hydrogen and oxygen on the device surfaces Implated musked patterns have been investigated by using hydrogen microscope
背景と研究目的 2次元的なp- n-接合をシリコン表面上にイオン注入法で数十ナノメートルの深さ方向に作りその層の表面や層間に存在するする水素や酸素の起源と振る舞いを調べることは注入層がp-n-層として機能するかどうかの重要な問題を含んでいるナノテク支援により作成されたイオン注入マスクパターンを用いて超高真空中に配置された電子励起イオン脱離(ESD)を発展させた水素顕微鏡を使用して数百ナノメートルの2次元分解能でそれらの挙動を調べた 実験 実験は超高真空中にセットされたESD装置を応用した水素顕微鏡(Fig1)1)2)を使用して
実施されたナノ支援によってシリコンウエハ
ーに注入されたPおよびAsの格子状のパターン
構造をしており最上層にはPのストライプパタ
ーンの層がありその下にはAsのストライプパ
ターンが直角方向に形成されている表面の酸
化物層をイオン衝撃で取り除くとPのストライ
プパターンが現れイオン衝撃法により25nm程度の深さに達するとAsの打ち込み層が存在
していることが水素酸素のイメージから判る
これらのパターンの様子をFig2に2次元的な
模型で示しイオン衝撃に応じて水素顕微鏡で
観察するとFig3に示すようにPのストライプ
パターンが水素像酸素像として示されている
これは打ち込み層が極浅いところなのでP層の
みが現れている水素酸素に2種類のパターン
が示されているのはPとAsではそれぞれの層
に吸着する水素と酸素の吸着状態の違いを反映
して異なる運動エネルギーのイオン像が現れ
るであるうことを期待しているからである
Fig3に示すように同時に得られたSEM像には
両方の元素のパターンがモノクロに撮影されて
いるだけで表面物性的な差異は全く見られな
いこのことはSEM像が2次電子の発生深さの 情報を持つのに対してESDは殆どトップレイ
ヤーの情報しか持たないことに由来する
60
4μm
12μm
18μm
7μm
4μm
As+ As+ 5x1015cm2
P +
5x1015cm‐2
P +
As + 20 keV(127 nm)p‐S i(100)
S iO2
試料の形状(マスクによるイオンの打ち込み)
Top view
S ide view
P + 10keV (108 nm)Thickness of S iO2 1 5 nm
1times1010 As+(on the back ground)
7μm
Fig 1 Ion implanted patterns of P and As
On the B-dose Si surface
Fig2 Shematic drawing of hydrogen
microscope
Fig3 をさらにスパッタリングで 25nm 程度取
り除くと深いところに分布している As 層から
水素酸素の像が得られてそれぞれ格子模様と
なるこれらの水素酸素の起源はイオン注入
打ち込みの過程から考えて酸素は酸化物層にイ
オン注入しているので当然であるが水素につ
いては原因は不明であるイオン注入時はマス
フィルターにより元素を選択的に打ち込んでい
るので水素の混入は考えられないそうすると
マスク材料から打ち込まれたかあるいはマス
クを取り除く薬品から混入したことが考えられ
る現時点ではこれらの水素濃度の定量
Fig3 H+ and O+ images from P-implanted
Layer on Si-SiO2 layers
Fig4 H+ and O+ images from P-and
As implanted layer on Si-SiO2 layers
的評価は出来ないが水素の量によっては今後
のデバイス処理に重要な情報を与えているもの
と考えられる
参考文献
1) KUeda and KOgai Surf Sci 462 (2000) 1
2) 上田一之表面技術 59 (2008) 893
H(1)+ H(2) +
O(1)+ O(2) +
H(1)+ H(2) + SEM
O(1)+ O(2) +
61
協力研究
豊田工大 08-33
新規プローブの開発
Development of new probe for AFMSTM
森田 幸治 長村 俊彦 佐々木 徹
Kouzi Morita Toshihiko Nagamura Touru Sasaki
株式会社ユニソク
UNISOKU CoLtd
近年ナノスケールデバイスの開発においてその表面形状または電気的特性を評価するためのプロ
ーブの必要性が高まってきているそこでプローブ自身が歪み検出部分を持ちかつ先端に他と絶
縁された金属配線を持つ新しいプローブの要素技術開発を行った
Recently new probe to evaluate surface shape and electrical characteristics are required in nanometer scale devicersquos development Here we developed functional elements of new probe with piezo resistance and metal
wiring is isolated other metal wiring
背景と研究目的 現在LSI各種センサな
どのデバイスがナノスケールで開発作製され
それらの金属配線パターンは30nmオーダーに
まで達しているしかしそのデバイスの表面形
状力学的特性電気的特性を評価することは
非常に難しいこれらの研究分野ではデバイス
の各種評価用の装置またそれに合わせた新し
いプローブの開発製品化が強く求められてい
る 弊社では以前より立命館大学磯野教授との共
同開発で新しい機能を持ったプローブの試作を
行ってきた本研究ではその結果を利用して新
規プローブの量産化に向けたMEMSプロセスの
確立を行うプローブはSOIウェハ(Silicon On Insulator)から作製するプローブ上にはピエゾ
抵抗素子を作製しその抵抗変化によってプロ
ーブの歪み検出を行うまたプローブ先端には
他と絶縁された金属配線を持っているこれら
の組み合わせによって様々な評価を行えるプロ
ーブを作製する プローブの絶縁性能に関しては歪み検出を
しながらSTM(Scanning Tunneling Microscope)測定することを想定した時ピエゾ抵抗素子に1V
程度の電圧をかけた時にプローブ先端へ漏れる
電流はトンネル電流より十分少ないことが求め
られる今回はその漏れ電流01nA以下つまり
絶縁抵抗10GΩ以上を目標とする 実験 まず各種プロセス条件に関して以前
から弊社にて研究してきた結果が豊田工業大学
共同クリーンルームの装置で再現できるように
装置の扱いに慣れる意味も含めて繰り返し使用
しプロセス条件を修正合致させたその結
果フォトリソグラフィ真空蒸着イオン注
入TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)エッチング熱酸化シンタリングのプロセス
において以前の結果を再現させることができ
た そのプロセス条件を使用してピエゾ抵抗素
子とそれへの金属配線およびSiO2膜で絶縁され
た金属配線を作製したSiO2絶縁膜は熱酸化炉
(炉内温度1100O2雰囲気30分加熱)で作
製したFig1に作製したデバイスの断面模式図
を示すFig1中の①Al電極はSiO2絶縁膜で基盤
Siから絶縁されている②Al電極はピエゾ抵抗
素子と接続されている①②Al電極を弊社製
62
品であるAFM(Atomic Forced Microscope)STM測定用コントローラに接続しスイープ電圧を
かけてその時の微小電流値をモニターすること
で絶縁抵抗の評価を行った
Al SiO2
Piezo Resistance
(Type Positive)
Si(Type Negative)
① ②
結果および考察
Fig2に作製したデバイスの光学顕微鏡写真
を示す設計寸法通りパターニングできゴミ
などの不純物もほとんど乗ることなく出来上が
ったエリプソメーターでSiO2絶縁膜厚を測定
したところ80nmであったFig2中の①②は
Fig1の①Al電極②Al電極の場所を示している
Fig3にスイープ電圧とその時に得られた電流
値のグラフを示すPiezo resistance(Type Positive)とSi(Type Negative)の間のPN接合の影響で順
方向バイアスではノイズが漏れやすいことが分
かったグラフの傾きから絶縁抵抗値を計算し
たところ約25GΩの抵抗値が得られ目標の絶
縁抵抗値を達成することができた
Fig1 Cross section model of piezo resistance Al wiring and SiO2 dielectric(80nm)
今後の課題 本デバイスはピエゾ抵抗と金属
配線との間でAl-Alの積層構造を持っているが Al 同士の間に Al 酸化膜が存在し接触が不安
定になる現象が確認できた今後は Al を積層し
ない構造に変更するか配線材料の変更を検討
する実験を行う必要がある ② ①
Fig2 Optical microscope image of piezo resistance Al wiring and SiO2 dielectric(80nm) 参考文献
1) 江刺正喜藤田博之五十嵐伊勢美杉山進
共著「マイクロマシーニングとマイクロメカト
ロニクス」培風館
-15
-1
-05
0
05
1
15
-11 -9 -7 -5 -3 -1 1 3 5 7 9 11
Voltage(V)
Current(nA)
2) MエルベンスポークHVヤンセン 著田
畑修佐藤一雄 訳「シリコンマイクロ加工の
基礎」シュプリンガーフェアラーク東京
Forward bias back bias
Fig3 Graph of leak current and voltage put SiO2 dielectric(-9V to +9V)
63
研究協力
豊田工大 08-34
ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製
Fabrication of quantum-structures for potential mapping
賀数 広海 田中 一郎
Hiromi Kakazu Ichiro Tanaka
和歌山大学システム工学部
Faculty of Systems Engineering Wakayama University
InAs 量子ドットをナノメートルサイズの電極(ナノ電極)として用いて順バイアス電圧を印加した場合
その周囲におけるフェルミレベルピニングの影響により電極直下においても電位が下がりにくい
本研究ではInAs 量子ドットをナノ電極として GaAsAlAs 二重障壁構造を含むナノ共鳴トンネルダ
イオードを作製し導電性 AFM を用いてその電流-電圧特性を測定することにより二重障壁構造内
部の電位に対するフェルミレベルピニングの影響を検討することを目的とした When a forward bias voltage is applied on InAs quantum dots (QDs) used as nano-scale electrodes (nano electrodes) Fermi level pinning around nano-electrode prevents us from lowering the potential under the nano-electrodes We fabricated nano-scale resonant tunneling diodes (nano-RTDs) which comprise GaAsAlAs double barrier structures with InAs QDs electrodes by molecular beam epitaxy We measured current-voltage characteristics of the nano-RTDs by conductive AFM for investigating the influence of Fermi level pinning on the potential in the double barrier structure
背景と研究目的 近年ナノテクノロジーの
分野においてInAs量子ドットに関する研究が盛
んに行われているInAs量子ドットは分子線エ
ピタキシー法(MBE)等を用いてGaAs(001)基板
との僅かな格子定数の違いにより自己組織化成
長しナノメートルスケールのサイズを有する
そのためナノスケール化が予想される半導体
デバイスに対応する電極(ナノ電極)としての
応用が考えられるしかしGaAs(001)面上のナ
ノ電極に順バイアス電圧を印加した場合その
周囲のフェルミレベルピニングの影響によって
電極直下でも電位が下がりにくい このフェルミレベルピニングの影響はInAs
ドット直下のGaAs層のドナー濃度を高めるこ
とで緩和できる1)この点についてさらに検討す
るためGaAsAlAs二重障壁構造を含むナノ共
鳴トンネルダイオードを作製しその電流-電圧
特性を測定した 実験 MBEを用いてn+-GaAs(n=10~50times1018cm-3)基板上に基板温度約590でn+
-GaAs(n=20times1018cm-3)を500nmn-GaAs(n=50times1017cm-3)n-GaAs(n=10times1017cm-3)をそれぞれ
10nmudGaAsを25nm成長したその上に二
重障壁構造となるAlAs17nmGaAs50nm
AlAs17nmを成長したさらにキャップ層とし
てn-GaAs(n=10times1017cm-3)を20nm最後にInAs量子ドットを基板温度約460で約25ML成長
させたこのときのGaAsAlAsInAsの成長レ
ートはそれぞれ044MLs012MLs00159MLsであった 作製した試料をMBE装置から取り出した後
に試料表面の酸化を防ぐため硫化アンモニウ
ムで表面処理を行った 電流-電圧特性を測定するために試料を高真
64
空原子間力顕微鏡(AFM)装置に移したまず試
料表面の形状を測定して電極となるInAs量子
ドットを確認したドリフトの影響が小さくな
った後にひとつのInAs量子ドットの上に導電性
探針を移動させて電流-電圧測定を室温真空
中で行った今回は試料に0 ~ 2Vの順バイアス
電圧を印加した
結果および考察 Figure 1はAFMにより
測定した試料表面のInAs量子ドット形状像であ
る量子ドットの平均直径は616nm平均高さ
は393nmである Fig1 AFM image of InAs QDs grown on the n-GaAs cap layer The QD indicated as ldquoardquo was used as a nano-electrode
Figure 2 に Fig1 に示した量子ドット a をナノ
電極として測定した電流-電圧特性を示すショ
ットキー特性が得られているが共鳴トンネル
効果を示す負性微分抵抗は確認できなかった
これは試料に原因があると考えられる そこで作製した試料中に二重障壁構造が存在
するかどうかを確認するためフォトルミネッ
センス(PL)測定を液体窒素中(77K)励起光波
長 532nm の条件で行ったその結果を Fig3 に
示すAlAs(17nm)GaAs(5nm)AlAs(17nm)の二
重障壁構造中の第一準位に対応する PL ピーク
波長は約 720nm と見積もられる 2)しかし Fig3の PL の測定結果にはこのピークは見られな
かった PL 測定結果において GaAsAlAs 二重障壁構
造に対応するピークが見られなかったので今
回作製した試料中には同構造が存在せずその
ため電流-電圧特性にも共鳴トンネル効果が現
れなかったと推定されるこの原因としては
MBE における成長条件が最適化されていなか
ったことが考えられる
Fig2 Current-voltage characteristic measured using the InAs QD as a nano-electrode
今後の課題 今回はGaAsAlAs二重障壁構造
が作製できなかったためにその内部における
電位やそれに対するフェルミレベルピニングの
影響を検討できなかった今後MBE成長条件
を見直し同様の実験を行っていきたい
参考文献
1) 中谷 成希和歌山大学大学院システム工学
研究科システム工学専攻 修士論文 「InAs 自己
形成量子ドットのナノ電極効果」(2007 年)
2) 多田 吉伸和歌山大学大学院システム工学
研究科システム工学専攻 修士論文 「単一 InAs
量子ドットを介した共鳴トンネル効果の導電性
探針 AFM による測定」(2004 年)
Fig3 PL spectra of the sample measured at 77K
65
装置利用協力研究
豊田工大 08-35
次世代メモリ(PCRAMPhase Change RAM)用材料
GeSbTe 薄膜の CVD 成膜
GeSbTe-thin film formation by CVD for next generation
Memory (PCRAM Phase ChangeRAM)materials
町田英明
Hideaki Machida
気相成長株式会社
Gas Phase Growth LTD
GeSbTe薄膜は次世代メモリ(PCRAMPhase Change RAM)用材料として有望である本研究では
(t-C4H9)GeH3 (i-C3H7)3Sb (i-C3H7)2Teを原料として低圧熱CVD法によりSi基板上にGeSbTe薄膜を作成
しX線光電子分光 (XPS)分析によりGeSbTeの組成が堆積温度によってどのように変化するかを調べ
た
GeSbTe thin film is a promising material for next generation memory (PCRAM Phase Change RAM) Here
we report synthesis of GeSbTe-thin films onto the silicon substrate by thermal low pressure CVD technique
using (t-C4H9)GeH3 (i-C3H7)3Sb (i-C3H7)2Te precursors And also the GeSbTe film composition dependence
on deposition temperature and pressure is studied by X-ray photoelectron spectroscopy (XPS)
背景と研究目的 次世代半導体メモリ候補
として相変化メモリ(PRAM)が注目され相変
化材料としてGeSbTe(GST)系材料が提案されて
いる 12)大容量化のためには埋め込みに有
利 な 化 学 気 相 法 (CVD Chemical Vapor
Deposition)による成膜が必要とされるがCVD
法による組成や構造制御に関する基礎的な知見
は充分でない相変化材料GSTを用いたPCRAMデ
バイス試作研究においてGST膜堆積にはスパッ
タ法による蒸着が用いられているが高集積な
メモリデバイスに要求される膜均一性50nm
以下のホールへの埋め込み等が要求されるし
たがって良好な埋め込み形状を実現できる可
能性を有するCVD法によるGST系薄膜堆積技術へ
の期待が高まっている本研究ではGeSbTe薄
膜堆積のためのCVD原料の検討を行いGe原料に
Tertiarybutylgermane[(t-C4H9)GeH3] Sb原料
としてTriisopropylantimony[(i-C3H7)3Sb]
Te 原 料 と し て Diisopropyltellurium
[(i-C3H7)2Te]をそれぞれ用い成膜条件膜組
成等の成膜特性を明らかにすることを目的と
した
実験 成膜に用いたCVD装置は抵抗加熱のコ
66
ールドウオールタイプの低圧CVD装置であり
図1にレイアウトを示す成膜チャンバー内部
に設置した基板の温度は下部に設置したヒータ
ーで加熱しセンサーによる温度測定結果をフ
ィードバックして制御される膜堆積のための
基板はフォルダーに固定されロードロックチ
ャンバーより成膜チャンバーへと運ばれヒー
ター上部に設置される装置全体はターボ分子
ポンプで排気され成膜時の圧力はオリフィス
で制御する原料は原料容器中にH2ガスをバブ
リングする事によってH2ガスに同伴させて成
長チャンバーへと輸送した各原料輸送量はH2
キャリアガス流量と原料容器温度内圧により
見積り制御したSi(100)基板が設定温度に達し
たことを確認した後原料ガスを供給し膜堆積
を行った成膜条件は基板温度270-300
堆積中の圧力30torrGe Sb Te原料のキャ
リアH2 ガス流量10 sccm15sccm10sccm
原料容器温度-65550とした
教授明治大学小椋厚志准教授及び東京大
学大場隆之教授との共同研究である
各温度での堆積膜の炭素不純物及び GeSbTe
組成変化を XPS によって調べた
結果および考察 XPS分析により堆積膜に
はGeSbTeが含まれる事がわかった炭素の残留
不純物はXPSの検出限界以内では観察されず良
好な原料の選択と成膜条件が確認された図2
に 30Torrでの堆積膜のGeSbTe組成と温度の関
係を示す基板温度上昇とともにGe組成の減少
とSb組成の増加が見られたGeとSbには相互的
な影響が存在することが示唆された280deg以上
の温度領域ではTeの減少が確認されたがこれ
は堆積Te金属の蒸発が起こっていると思われる
後の課題今 今後CVDによるGST成膜実験で圧
辞
力と組成の関係2成分の堆積などを調べ膜
堆積組成制御に関するメカニズム解析を 行
いたい
謝 本研究は豊田工業大学大下祥雄准
考文献参
wa KMiyauchi T Tamura Y Yin
wa Y
g2 The GeSbTe film composition dependence on
1) S Hosoka
and H Sone Proc 15th symp Phase Change
Optical Information Storage PCOS 2003 (Ed T
Ide Atami Japan 2003) pp52-55
2) K Nakayama K Kojima F Hayaka
Imai1 A Kitagawa and M Suzuki Jpn J Appl
Phys 39 (2001) 6157
Fig1 Schematic diagram of the CVD system Container of Ge Sb and Te precursors were maintained at ndash6 55 50ordmC respectively These gases were mixed at sub chamber and introduced into the reactor
270 275 280 285 290 295 30015
20
25
30
35
40
45
50
55
60
Fi
deposition temperature
組成
(
)
基板温度()
Ge Sb Te
PH2
P
P
MFC
MFC
MFC
Ge
Sb
Te
Sub chamber
TMP
DP
Heater
Drain
Load Lockchamber
PH2
P
P
MFC
MFC
MFC
Ge
Sb
Te
Sub chamber
TMP
DP
Heater
Drain
Load Lockchamber
67
協力研究
豊田工大 08-37
分光機能を持つ MEMS 赤外線センサ
MEMS infrared sensor integrated with wavelength selective filter
佐々木 実
Minoru Sasaki
豊田工業大学
Toyota Technological Institute
小型軽量のメリットを生かすためサーモパイルを利用した赤外線センサが用いられる従来の誘
電体光学フィルタを使わないで高分子膜の赤外吸収スペクトルを利用した熱型赤外線センサを一体
型とするセンサを提案するセンサ自体が小型化に適すると共に分光特性の温度安定性が安定化す
る長所を持つことが分かった A thermal infrared detector integrated with wavelength selective filter is fabricated A polymer film is formed onto hot junctions of the thermopiles as a wavelength selective absorber to integrate spectroscopic characteristic The detector shows +35 increase of the signal output from the baseline at the absorbance peak The fabricated detector shows low temperature dependences on its center wavelength
背景と研究目的 近年環境測定や検知器な
ど手軽に物質の検知や濃度測定を行えるセンサ
のニーズが高まっているこのようなガスなど
の物質の検出と濃度測定を行うセンサに物質
固有の赤外吸収スペクトルにおけるピーク波長
と強度を利用した非分散型赤外分光 (NDIR)センサがあるNDIR型センサは高精度で応答時間
も短く検出器が被検体と直接接触しないため
信頼性も高いしかし別々の部品により構成さ
れるためその他のセンサ方式と比較して構造
が複雑で高価である現在広い市場からの受
け入れを目指しコストやサイズの削減に開発
努力が注がれている 1) 我々はその構成部品の中でも赤外線センサに
注目したNDIR 式センサの小型軽量のメリ
ットを生かすためサーモパイルを利用した赤
外線センサが用いられるサーモパイル型セン
サは熱を検出する方式であり波長に対してフ
ラットな分光特性を持つそのため特定波長
の赤外線を受光するために誘電体光学フィルタ
とパッケージで組み合わされるのが一般的であ
るしかし NDIR 式センサの目的に見合う性能
のフィルタは高価でありアセンブリ全体のコ
ストなどを上げる要因の一つとなっている光
学フィルタと熱型赤外線センサを一体型とする
形態も考案された 2)しかし光学フィルタと熱
型センサとのプロセス整合性に疑問が残るさ
らに光学フィルタの分光特性の温度依存性など
の問題なども懸念される 3)そこで高分子材料
の吸収スペクトルを利用して簡単な構造で分光
特性を集積化させた赤外線センサの試作を行っ
た温度特性についても報告する Fig1(a)に赤外線センサのベースとなるサー
モパイルセンサの概念図を示す20mmtimes
20mm 厚さ 04mm の Si を基板として基板上
に Pt と p++-Si で構成されたサーモパイルが形
成されるSi 異方性エッチングにより中央部の
約10mm角領域およびサーモパイル温接点部は
ダイアフラム構造となっている赤外吸収材と
してポリアクリロニトリル (PAN)をサーモパ
イルの温接点上に堆積した作製したデバイス
を Fig1(b)に示す
68
(a) (b) 実験 PANは波長~4450nmの赤外線に対し大
きな吸収を持つことが知られている吸収ピー
ク波長においては入射赤外線が効率よく熱に変
換されると考えられより高い感度を示すと考
えられる
Monochromater
Optical Chopper
IR Sensor
PC for DAQ
232C
Sensor S
ignal
Reference SignalChopperController
Lock In Amplifier
US
B
IR Source
Focusing Lens
Vacuum Chamber
Monochromater
Optical Chopper
IR Sensor
PC for DAQ
232C
Sensor S
ignal
Reference SignalChopperController
Lock In Amplifier
US
B
IR Source
Focusing Lens
Vacuum Chamber
作製したセンサはFig2に示す実験系で評価し
たFig3に分光特性を示す4450nmにおいて~
025μVのピーク出力を確認した 結果および考察 IRセンサの動作環境を
室温から 80まで変化させたときの特性を
Fig4 に示す加えてFT-IRでPANの透過特性の
温度依存を精密に計測した結果をFig5 に示す
吸収ピークの波長シフトは~3nmであった同
条件で従来の光学フィルタ式のものでは~
50nmのシフトがあるのと比べて温度特性が安
定していることがわかった 今後の課題 最も基本となる分子スペクト
ルのピークに対応したサーモパイルセンサの確
認に成功したがピークのSN比はベースライン
から+35に留まる赤外分光スペクトルから判
断するともっと大きな変化が期待できるPAN膜を付着するプロセスから改良する 論文発表状況特許出願 [1] 「温度依存性の少ない分光機能集積型赤外
線ディテクタ」桝野雄矢熊谷慎也佐々木実
第 56 回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集 No3 p1029 200942 筑波大学 [2] ldquoThermopile IR Detector Integrated with Wavelength Selective Filter Stable against Temperature and Incident Angle Changesrdquo Katsuya Masuno Shinya Kumagai Minoru Sasaki and Kohji Tashiro 2009 International Conference on Solid State Devices and Materials 投稿中
参考文献 1) Mark P McNeal Nicholas Moelders Martin U
Pralle Irina Puscasu Lisa Last William Ho Anton
C Greenwald James T Daly Edward A Johnson
ldquoDevelopment of Optical MEMS CO2 Sensorsrdquo
Proceedings SPIE vol 4805 (2002) p30-35 2) 特開 2006-58203 3) Shigeki Sakaguchi ldquoTemperature Dependence of
Transmission Characteristics of Multilayer Film
Narrow Bandpass Filtersrdquo Jpn J Appl Phys
Vol38 (1999) pp6362-6368
Fig2 Experimental setup
Fig5 Transmittances of PAN at various temperatures (Acquired with FT-IR)
Fig1 (a) Schematic diagram of a thermopile detector (b)Fabricated IR detector with a PAN bump as an absorber
Thermopiles
20 mm
04
mm TP2TP1
TP3
TP4
Thermopiles
20 mm
04
mm TP2TP1
TP3
TP4
PAN Bump
050607080910
4300 4350 4400 4450 4500 4550 4600
Wavelength [nm]
Sens
or O
utpu
t (w
ith P
AN) [μV
]
+025μV(+35)
Fig3 Spectral response from fabricated sensor
Fig4 Spectral responses of the fabricated sensor at various temperatures
03
04
05
06
4300 4400 4500 4600Wavelength [nm]
Sen
sor O
utpu
t [μV
] 80604022
0
10
20
30
40
4440 4450 4460 4470 4480wavelength [nm]
trans
mitt
ance
[]
20C40C60C80C
69
協力研究 豊田工大 08-39
エンジニアリングプラスチックスの残留歪解析 Residual Strain Analysis of Engineering Plastics
安藤 幸也a 田代 孝二b 杉田 英嗣a
Yukiya Andoa Kohji Tashirob Eiji Sugitaa
a(株)デンソー b豊田工業大学
aDENSO COLTD b TOYOTA TECHNOLOGICAL INSTITUTE エンジニアリングプラスチックスで自動車部品用途に多用される PPS(poly-p-phenylene sulfide)
を対象にX 線回折の sin2ψ法による残留歪測定の可能性を調査した A possibility to evaluate the residual strain of poly-p-phenylene sulfide (PPS) which is an engineering plastic and is used for automobile parts on the basis of sin2f method using X-ray diffraction data has been investigated 背景と研究目的 実験 自動車の軽量化のために自動車部品には樹脂
が多用されておりその使用比率は増加する一
方である樹脂はクリープしやすくその耐久
特性は応力の違いで大きく異なるため残留歪
の見積もりが甘いと大事故を招くことになる
残留歪は成形条件によっても変化するため
それに伴い耐久寿命も変化するしたがって
樹脂の残留歪の高精度測定が必要である
アニーリング処理した平板から切り出した試
験片を用いTD(流動直角方向)MD(流動方
向)にそれぞれ歪を負荷し側傾法で測定した
歪はかまぼこ型の冶具に沿わせることで負荷
した(図 1)着目した反射ピークは(311)反
射とした(図 2) 結果と考察 現状樹脂の残留歪測定は歪ゲージに頼って
いるがその精度は低く成形条件の違いによ
る残留歪の変化まで捉えることはできないま
た測定エリアが広いため平均化された値し
か得られないこのため金属分野で実績のあ
るX線回折法により樹脂の残留歪を高精度に
測定する技術を確立させることは樹脂製品の
信頼性向上のためにも極めて重要であるしか
しながらこの分野の研究事例はほとんどなく
手法の有効性が確認されれば様々の点で大き
な成果に結びつくと考えられCAE(Computer Aided Engineering)の予測精度向上にもつなが
る
歪と sin2ψ線図の傾きで整理した測定結果を
図3に示すこの結果PPS については0~15の歪範囲で歪と sin2ψ線図の傾きに良い
今回の実験では自動車部品に多用されている
耐熱性の高いエンジニアリングプラスチックス
である PPSPPS-GF40 を対象にsin2ψ法に
基づく残留歪測定を試みた
Fig 1 Equipment to generate strain on the sample
70
相関が見られMD と TD の差が小さく大き
なバラツキもなく良好な結果が得られたPPSでは>15の歪範囲PPS-GF40 では>0の
歪範囲でTD と MD の差が大きくバラツキ
も大きいことがわかった
今後の課題 今回sin2ψ法によりPPSPPS-GF40 の残
留歪を測定できないか調査したこの結果現
状実用性のある対象範囲がわかった 今後TDとMDの差バラツキ原因を調査し
精度向上できる測定条件を明確にする したがって実用化においては材料組成歪
範囲が限定されると考えられる
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
2θ
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
2θ
Fig2 X-ray diffraction pattern of PPS
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 15 2 25
歪 []
傾き
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 1
歪 []
傾き
5
(PPS) (PPS-GF40)
- TD- MD
- TD- MD
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 15 2 25
歪 []
傾き
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 1
歪 []
傾き
5
(PPS) (PPS-GF40)
- TD- MD
- TD- MD
Fig 3 Relation of sin2ψ and strain (311 reflection)
71
装置利用
豊田工大 08-40
光ファイバ材料の吸発光特性
Optical properties of optical fiber materials
齋藤和也
Kazuya Saito
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
Pd 内包カーボンナノチューブ(CNT)は走査型プローブ顕微鏡(SPM)用の探針先端材料(特に電気特
性評価用)として有望である本研究では探針材料と同一のシリコンウェハ上に化学気相成長法に
より Pd 内包 CNT を成長しその直径や密度が触媒調整条件によりどのように変化するかを調べると
ともにPd 内包 CNT の構造解析を行った Since the metal-filled CNT is expected to provide larger radial rigidity higher mechanical and thermal stability than the conventional hollow nanotube it would be suitable for the tip of scanning probe microscopy (SPM) Here we report synthesis of Pd-filled CNTs onto the silicon substrate by microwave plasma enhanced CVD technique Their structure is also studied by SEM TEM and Raman spectroscopy
背景と研究目的 希土類元素は固体中では
3価イオンRe3+として安定に存在するが2価
イオンRe2+として存在することもありRe3+とは
異なる分野で利用されているRe2+はそれと
等電子配置のRe3+と比較して電子項間のエネル
ギー間隔が減少するために異なる吸収蛍光ス
ペクトルをもつ特に4f-4f間の電気双極子遷
移確率に比べて 102~3倍ほど大きな値をもつ
4f-5d間の遷移が可視領域付近に現れることは
利用価値が大きく可視光におけるブロードな
蛍光は蛍光材料として広く利用されている
また価数変化を利用したX線イメージングプ
レートや赤外線検出器などでは電子正孔トラ
ップ(Re3+hArrRe2+)としての役割が活用されてい
る反対に価数変化が問題となるケースもある
例えばYb添加シリカファイバレーザーではフ
ォトダークニングを引き起こす主要因と考えら
れている[1]そこで本研究ではYb2+とEr2+
の光学特性を詳しく調べた 実験 Yb2+Er2+生成のために還元雰囲気下に
おける試料作製をMCVD法を用いて行ったこの
試料より2mm厚の光学研磨平板を作製し分光蛍
光光度計(日立F-7000)を用いて励起蛍光スペ
クトルを測定した
結果および考察 作製したYb2+生成試料
でUV~blue光励起で非常に輝度の高いYb2+か
らの蛍光を観測できた輝度の強い蛍光は波長
可変レーザーや他の活性イオンの増感剤として
の応用が期待できる図1にその励起蛍光ス
ペクトルを示す蛍光波長500nmにおける励起ス
ペクトルとMgF2結晶において報告されている
72
Yb2+の吸収スペクトル[2]を比較すると(図2)
ガラス中では無秩序な構造を反映して各4f135d
多重項は非常にブロードになっていることがわ
かるピーク分離で決定した各準位の中心波
長を図3に示す
5s 5p電子に遮蔽されている4f電子と異な
り5d電子は配位子場の影響を大きく受ける
ためYb2+の4f-5d遷移は仮想温度による配位
子場の変化の影響も大きく受けると予想され
る蛍光および励起スペクトルの仮想温度依
存性を測定したところ予想どおり大きな仮
想温度依存性があること明らかとなった 同様に還元雰囲気下において Er2+含有シリ
カガラスの作製を試みたEr は一般には2価の
酸化状態はとり難いと考えられているがpale
green の蛍光を示す試料を作製することができ
た図4にその蛍光スペクトルを示すEr3+の
4f-4f 遷移が示す鋭い蛍光ピークとは異なり非
常にブロードな蛍光であるさらに励起スペ
クトルには Er3+の鋭いピークに加えて可視か
ら紫外域にかけての非常にブロードな吸収があ
ることがわかり(図5)確かに Er2+の 4f-5d 遷
移によるものと判断できるEr は酸化物中では
2価状態をとり難いと考えられていたが還元
雰囲気下で安定な Er2+を生成できることが明ら
かとなった
今後の課題 今回作製した2価イオンを含む
シリカガラスのレーザー発振や他の活性イオン
の増感剤としての利用を検討するために蛍光
寿命等の詳細な測定を行う
論文発表状況特許出願 [1] K Saito et al XII PNCS Brasil 20099 発表
予定
参考文献 1) 例えばT Kitabayashi et al OFT 34 (2006) 9
2) J Rubio J Appl Chem Solids 52 (1991) 161
200 2 350 400 450
0
1000
50 300
2000
3000
4000
5000
Absorbance
MgF2
励起スペクトル SiO2中の Yb2+の
Fig1 EmissionEscitation pectrum of Yb2+ doped silicaS
Fig2 Comparison with theSpectrum of Yb2+MgF2
lower
59 eV 52 eV 45 eV 42 eV 38 eV 33 eV
Fig3 Energy levels of Yb2+ in silica glass
Fig4 Emission spectrum of Er2+ doped silica glass
(a)
3+
E
Er
r3+
Er3+ Er3+
Fig5 Excitation spectrum of Er2+ doped silica glass
73
23 成果の外部への公表
平成20年度支援成果による発表件数(H21年3月末時点)
和文(内
投稿中)英文等
(内投稿中)
計 国内(内
投稿中)海外
(内投稿中)
計 国内(内
申込中)海外
(内申込中)
計 国内 海外 計
計測分析 0 0 0 0
超微細加工 0 0 6 1 6 0 0 0 0 0 24 3 2 1 26 2 0 2
分子合成 0 0 0 0
極限環境 0 0 0 0
計 0 0 6 1 6 0 0 0 0 0 24 3 2 1 26 2 0 2注1注2 査読のあるプロシーディングは論文とみなす査読のないプロシーディング等(和文英文その他)は口頭発表とする注3
拠点名 機関名 機能名
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
プレス発表解説記事等 口頭発表(講演)
空欄に数値を記入してください
プレス発表解説記事等 には原著論文以外の紙上発表を記入する
特許出願原著論文発表
74
委託業務題目「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析 」(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援)
機 関 名学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
2学会誌雑誌等における論文掲載
業務コード実施年度
論文タイトル 発表者名 発表誌名 掲載号ページ(年)和誌洋誌
支援機能名
07008049 20
Local opening of a large bandgap in metallic single-walled carbon nanotubes induced by tunnel injectionof low-energy electrons
Kenta Yamada Hiroaki Sato TetsuyaKomaguchi Yutaka Mera and Koji Maeda Appl Phys Lett 投稿中 洋 超微細加工
07008049 20
Conductive pattern forming method on vertical wallusing spray coating and angled exposuretechnologies
H Morii F Oohira M Sasaki etal Proc Optical MEMS p30 (2008) 洋 超微細加工
07008049 20
Conductive pattern forming method on vertical wallusing spray coating and angled exposuretechnologies
H Morii F Oohira M Sasaki etal Proc 25th Sensor Symposium pp29-32 (2008) 洋 超微細加工
07008049 20
High-Resolution Magnetic Force Microscopy UsingCarbon Nanotube Probes Fabricated Directly byMicrowave Plasma-Enhanced Chemical VaporDeposition
K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J Nanomater in press 洋誌 超微細加工
07008049 H20 Iron Nanowire Formation in Si(110) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda JJAP 47(7B)61382008 洋紙 超微細加工
07008049 H20
TOF-ICISS and STM study on 3ML-PdPt(111) surface structure Does the latticemismatch determine the epitaxial growth
K Umezawa E Narihiro Y Ohira MYohimura Nucl Instrum Meth B vol 266 (2008) pp
1903-1907洋誌 超微細加工
学 会 等 発 表 実 績
75
委託業務題目「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析 」(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援)
機 関 名学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
1学会等における口頭ポスター発表業務コード
実施年度
講演タイトル 発表者名 講演会名 発表年月日国内国
際口頭ポ
スター支援機能名
07008049 20 太陽電池用多結晶Si基板の欠陥および不純物の評価今井 啓太田中 聡志立花 福久香川 泰平増田 純一小椋 厚志大下 祥雄新船 幸二河合秀昭田島 道夫井上 雅晶
第55回応用物理学関係連合講演会 2008329 国内 口頭 超微細加工
07008049 20Evaluation of multi-crystalline silicon substrates with p-ndiode array
Tomihisa Tachibana Keita Imai Jyunichi MasudaAtushi Ogura Koji Arafune Yoshio Ohshita MichioTajima
18th Workshop on Crystalline SiliconSolar Cells amp Modules Materials andProcesses
200885 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20太陽電池用多結晶シリコン基板上に作成したp-nダイオードアレイの評価
増田 純一立花 福久今井 啓太大下 祥雄新船 幸二小椋 厚志
先端ナノオプトバイオワークショップ
20081213 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 太陽電池用多結晶Si基板の応力と結晶性の評価立花 福久増田 純一福田 晃司小椋 厚志大下 祥雄新船 幸二
第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Current-Voltage Characteristics of GaAs Nano-SchottkyDiodes Using InAs Self-Assembled Quantum Dots as Nano-Electrodes Dependence on Doping Concentration
Ichiro Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and HSakaki
IEEE Nanotechnology Materials andDevices Conference 2008
20081020 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20Current-Voltage Characteristics of GaAs Nano-SchottkyDiodes Using InAs Self-Assembled Quantum Dots as Nano-Electrodes Dependence on Doping Concentration
Ichiro Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and HSakaki
The 2nd IEEE NanotechnologyMaterials and Devices Conference2008 (NMDC2008)(October20-222008 Kyoto University JAPAN)
20081020 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20走査型トンネル顕微鏡探針による金属カーボンナノチューブへの欠陥導入
山田賢太佐藤弘紹駒口哲也目良裕前田康二 日本物理学会 第64回年次大会 2009329 国内 口頭 超微細加工
07008049 20金属カーボンナノチューブのSTM 探針による局所構造変化-HOMO-LUMO ギャップの形成
佐藤弘紹山田賢太駒口哲也目良 裕前田康二 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20単層カーボンナノチューブにおける電子励起による欠陥生成
目良 裕前田康二 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 磁気力顕微鏡用探針の分解能の理論的検討 〇田仲 圭石川憲一吉村雅満上田一之「ナノ格子新技術開発研究センター」第7回シンポジウム
2009年 3月 13日 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Fe-Co蒸着により形成されるSi(110)表面上のシリサイドナノワイヤ
大平 豊丹司敬義 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 Fe-Co二元蒸着によるシリサイドナノワイヤの作製 大平 豊丹司敬義文部科学省私立大学ハイテクリサーチセンター整備事業「ナノ格子新技術開発センター」第7回シンポジウム
2009313 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 電子線露光技術を用いたナノ構造の試作藤川久喜三浦篤志井上大介野村壮史佐藤和夫梶原建大澤潤
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線技術
森井裕貴大平文和佐々木実中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 酸化亜鉛透明導電膜の熱処理効果吉野賢二竹本裕仁小島稔小島信晃大下祥雄山口真史
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二 目良裕 吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成 年度成 報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
学 会 等 発 表 実 績
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二目良裕吉村雅満平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20InAs自己形成量子ドットを電極に用いたGaAsナノショットキーダイオードのI-V特性におけるドーピング濃度依存性
田中一郎中谷茂希宇野和行神谷格榊裕之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20低速イオン散乱およびSTMによる金属表件ナノ成長の観察
梅澤憲司吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 EB露光による窒化物半導体のナノ加工とPL評価 黒木康彦大澤潤中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20機能性カーボンナノチューブの開発-次世代プローブ顕微鏡の高分解能高性能化-
吉村雅満Chien-Chao Chiu田仲圭上田一之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 酸化亜鉛透明導電膜の熱処理効果吉野賢二竹本裕仁小島稔小島信晃大下祥雄山口真史
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20InAs自己形成量子ドットを電極に用いたGaAsナノショットキーダイオードのI-V特性におけるドーピング濃度依存性
田中一郎中谷茂希宇野和行神谷格榊裕之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二目良裕吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20低速イオン散乱およびSTMによる金属表件ナノ成長の観察
梅澤憲司吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 短パルスレーザーアニールによる規則合金膜生成の試み加藤剛志山内幸大徐倩茜大島大樹岩田聡綱島茂
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Correlation between structural disorder and opticalproperties in YbEr doped silica glass
K Saito E H Sekiya T Okazaki and Y FujitaXII PNCS (Conference on thePhysics of Non-Crystalline Solids)
200998 国際 口頭 超微細加工
76
特許
業務コード実施年度
発明の名称 発明者 出願人出願登録
区分出願番号(出願日)
出願区分
出願国登録番号(登録日)
支援機能名
07008049 H20 チップ中野 圭洋亀岡 遵安池 雅之
株式会社 ESPINEX 出願 特願2008-53209 国内 超微細加工
07008049 H20 微生物の検出方法中野 圭洋亀岡 遵安池 雅之
株式会社 ESPINEX 出願 特願2008-307867 国内 超微細加工
プレス発表業務コー
ド実施年度
発表タイトル 掲載新聞名 掲載日 支援機能名
受賞
業務コード
実施年度
受賞件名 受賞者氏名 所属機関名 受賞年月受賞理由
(本プロジェクトとの関係)
メモ
07008049 H20 Graduate Student Award 立花 福久 明治大学 200885 ポスター発表による表彰
該当なし該当なし
77
24 活動(運営委員会等の活動等)
平成20年度の活動(運営委員会等の活動等)
支援機関名 研究会名称 主催機関名 日時 場所 参加者数 内容 特記事項
中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析
自然科学研究機構分子科学研究所名古屋大学名古屋工業大学豊田工業大学
200934-5名古屋大学野依記念学術交流館
口頭24件ポスター35件
成果報告と互いの情報交換新しい連携も生まれた例があ
る
nano tech 2009国際ナノテクノロジー総合展技術会議
nano tech 実行委員会
2009219 東京ビッグサイト約16000名
成果報告と互いの情報交換ナノテクノロジー総合展示会
半導体プロセス実習講習会 豊田工業大学 2008724-25豊田工業大学 クリーンルーム3号棟
受講者56名
半導体プロセスの実習講習と共にナノテク総合支援のアピール
豊田工大 学内 ナノネット委員会(第1回)
豊田工業大学ナノネット運営委員会
2008519 学内8号棟中会議室学内関係者~16名
議題1H19年度実績 支援件数 委託費消費実績 2H19年度成果報告について 3H20年度受付状況 4その他
豊田工大 学内 ナノネット委員会(第2回)
豊田工業大学ナノネット運営委員会
20081125 書面審議学内関係
者
議題1H20年度予算配分 各支援別配分予算額 2H20年度委託費消費状況 3H20年度支援受付状況 4その他
豊田工業大学
78
25 実施体制
1業務責任者
役職氏名 豊田工業大学大学院 教授 榊 裕之E-メールアドレスsakakitoyota-tiacjp
TEL052-809-1706 FAX052-809-1741
2 実施場所
大学院工学研究科(各担当者研究室)
豊田工業大学共同利用クリーンルーム
3 業務項目(支援要素名)別実施区分及び担当者
研究項目 担当機関等 担当責任者及び担当者
1シリコン超微細加工用要素プロ
セス技術と評価の支援
豊田工業大学
工学部
大澤 潤准教授(施設長)
近藤憲司施設専任職員
梶原 建専任支援員
23次元フォトリソグラフィなど
による(微細)デバイス構造の製作
と評価の支援
豊田工業大学
工学部
佐々木 実教授
3化合物半導体ナノ構造の形成と
評価の支援
豊田工業大学
工学部
榊 裕之教授
4化合物半導体ナノ構造の形成お
よび有機物との複合化と評価の支
援
豊田工業大学
大学院
神谷 格教授
5フラーレンナノ構造の作製と評
価および化合物半導体シリコンナ
ノ構造の評価の支援
豊田工業大学
大学院
山口 真史教授
大下祥雄准教授
小島信晃助教
6カーボンナノプローブナノチ
ューブの形成と評価の支援
豊田工業大学
大学院
吉村 雅満准教授
7金属微粒子の形成と評価の支援 豊田工業大学
工学部
柳瀬 明久准教授
8有機物および高分子系材料のナ
ノ構造物性評価
豊田工業大学
大学院
田代孝二教授
注1 課題代表者サブテーマ代表者
注2 本業務に携わっている方はすべて記入
79
80
26 支援装置 261 超微細加工領域
クリーンルーム施設 【仕 様】
クリーン度クラス 100およびクラス 1000 の 2 室か
らなる面積 400m2 の本格的なものです 付帯設備として純水製造装置(18MΩ-cm)ガス
精製供給装置廃水処理装置ガス除害装置のほか空
調維持装置などを備えています 【特 徴】
本学クリーンルームの特徴としては主としてシリコ
ン系プロセス装置を利用して一連の各種素子試作や各
種機能薄膜等との複合化プロセスと評価が行えることで
す化合物系ではシリコン系と分離したホトリソ洗浄ウェットエッチング等の薬品処理も実施
可能です
主に以下の項目を実施できます ①アライナ用のマスク作製や電子線描画による直接露光 ②
イオン注入や熱拡散による不純物導入プロセス ③ウェットおよびドライエッチングプロセスなど
④試作プロセス途中および完了後の評価(必要に応じて関係研究室の支援を得ます)
電子ビーム露光装置 【仕 様】
電子ビーム最小径φ3nm にて線幅 20nm 前後の細線
描画および直径約 20nm のドットサイズまで加工を行え
ます基板サイズはφ4inch までレーザ干渉計ステージ
による 100nm のステージ位置読み取り分解能により
50nm のフィールドつなぎ精度と 50nm の重合わせ精度
でのプロセスが可能です描画フィールドサイズは
500μm 四方に対して 60000times60000 ピクセルに分割
(8nmpixel)が可能でより小さなフィールドサイズの例
としては例えば 100μm に対しては 17nmpixel のサイ
ズで描画パターンを与えることができます
【特 徴】 電子線を走査してレジスト上にパターンを直接描くためマスクなしでナノオーダーの微細なパ
ターンが形成できますリフトオフやエッチング等のプロセスと組み合わせて微細な電極形成など
の加工を行うことができますパターニングされた結晶成長のためのマスク形成やDFBレーザ用
パターンドットマトリクスパターンの形成などにも用いることが可能です
写真
81
プラズマCVD装置 【仕 様】
1356MHz の高周波プラズマにより
① SiH4+H2rarrα-Si
② SiH4+NH3+H2rarr P-SiN
を成膜する装置です
基板加熱は max250まで可能反応槽のクリーニングは
CF4O2 プラズマで行います
【特 徴】
φ4インチ以下の各種基板上に成膜可能です
基本レシピによる成膜レートは
① α-Si35nmmin
② P-SiN20nmmin
でありプロセス条件の例としては以下のとおりです
(1) α-Si
SiH425sccmH230sccmPress03TorrPower80WTemp200
(2) P-SiN SiH430sccmNH360sccmH260sccmPress04TorrPower100WTemp250
マスクアライナ装置 【仕 様】
i 線h 線g 線を用いた露光装置ですマスク寸法は 50 mm 角~102 mm 角基板寸法は 3ldquoΦ以下 露光最小線幅は 075 μm位置決め精度は 05 μm で
す 研究用に下記仕様の 2 台所有しています 1 マスク寸法 102mm角基板寸法3ldquo用アライナ
ー プロキシミティーギャップ量可変(0~48μm) 露光最小線幅 2μm
2 マスク寸法 50mm 角基板寸法 40mm角以内 ハードコンタクト(真空方式)可能 露光最小線幅は(05)~075 μm位置決め精度 05 μm
【特 徴】 研究者が使用する多様な寸法の基板に対応可能ですまた本アライナーで製作した基板上の位
置決めパターンを利用して上記の電子ビーム露光装置による微細パターンと組み合わせることも
可能です そのことによりパターン全体の描画時間の短縮や各種パターン要素の組み合わせによる効率的
な研究を進めることも可能です
写真
82
斜め露光用アライナ 【仕 様】
密着型露光装置ですマスクは2インチ角基板寸法は
2cm 角~1 インチ角ウェハ厚みは 200μm から 1mm です
ウェハ側が xy 粗微動の2重度をもつためマニュアル式な
がらも操作性が高い研究開発用ですアライメント等は
一般の片面アライナと同様です 【特 徴】
ウェハとマスクをメカクランプ機構によって固定できる
ためアライメントした状態のまま別装置 2 にセット可
能です垂直壁面にパターニングを行うためにはウェハ
壁面に対して斜め方向から UV 光を照射することが必須に
なりますが別に用意した斜め露光用照射系にセットする
ことが可能です更にアライナにウェハを固定する前にウェハを純水で濡らした状態にするこ
とでウェハとマスク間の隙間を空気から純水に置換することが出来ますレジスト表面と媒体
の屈折率差が小さくなるため界面反射を小さく押さえることが可能となります2009 年 3 月の
時点で段差 100μm の垂直壁に幅 30μm の斜め線も含めた任意パターンがアライメントし
た状態で転写可能です
装置2
83
X 線光電子分光装置(XPS) 【仕 様】
X 線源はMgKαAlKαデュアルアノード X 線源
とモノクロメータ X 線源の2種を装備しています
Ag 試料を使用して Ag 3d52ピークを測定した時のエ
ネルギー分解能(半値幅)はモノクロメータ X 線源
使用時で 048eV 以下となっています試料上の分析
位置を走査して水平分解能 10μm で空間マッピン
グが可能ですAr イオンエッチング銃を使用して深
さ方向分析ができます電子中和機構により絶縁性
試料の測定にも対応しています試料サイズは最大
15mmφ(厚さ 4mm)です 【特 徴】
材料の元素分析化学状態分析を行う装置ですモノクロメータ X 線源による高エネルギー分解
能での測定空間分解能 10μm でのマッピング測定が可能です
DC amp AC ホール効果測定装置 【仕 様】
以下の仕様で Van der Pauw 法による半導体薄膜材
料のホール効果測定が可能です ホール測定電圧感度10-8 V抵抗測定範囲001
~1012 Ω(電極端子間)試料印加電流5 pA~100 mA(電圧リミット 100V)最大磁場079 T(AC 磁
場での測定可能)測定温度42~400K試料サイズ
最大 10mm 角 【特 徴】
Van der Pauw 法によるホール効果測定により半
導体薄膜材料の抵抗率伝導型キャリア濃度移動度を測定する装置です交流磁場を使用した
AC ホール効果測定により高抵抗試料で問題となる測定器の DC ドリフトや試料の不均衡電圧に
よる誤差を除去し高感度な測定が可能です
84
ナノ秒パルスYAGレーザー装置 【仕 様】
小型のナノ秒パルス NdYAG レーザー装置ですレ
ーザー本体の出力は2倍波(532 nm)で 200 mJ です
基本的に2倍波を使用していますパルス時間幅は約 6 ns ですフライアイレンズを用いた照射光学系によって
照射エネルギー密度の均一化を図っています4 ミリ角
の照射領域に対して照射エネルギー密度は 300 mJfraslcm2
までの範囲で調整可能ですレーザーは 10 Hz の運転で
すが手動シャッターによって1パルスを切り分けて照
射できます
【特 徴】 空気中高真空中(~10-4 Pa)液体中に置かれた試料に対してパルスレーザー照射が可能です
用いる波長の光を吸収する物質を中心に加熱することができることきわめて短時間での加熱冷
却が可能なことが特徴です
X線回折装置 【仕 様】
高輝度小角 X 線散乱装置高分子専用X線装置単結
晶解析用X線装置等各種X線解析装置群で構成されて
います 【特 徴】
各種の有機材料特に高分子材料についてナノスケ
ールでその階層的な構造(結晶構造非晶構造高次
組織など)や構造形成プロセスあるいは試料中での
応力分布などを本装置群であるX線回折に加えてラ
マン赤外分光法などの手法を組み合わせることによ
り解明できますその理論的理解のための計算機シミ
ュレーションなども行い総合的に学術技術支援を
実施しますさらに構造と種々の物性との相関解明
の支援を実施できる
85
27 各種データ271 支援件数
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援日数 61 0 91 80 232 32 0 7 6 45 18 0 68 44 130 11 0 16 30 57 0 0 25 05 3 235
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
技術代行技術相談
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
計
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 委託事業(外部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況
総計利用機関
利用形態共同研究 装置利用
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援日数 61 0 91 80 232 32 0 7 6 45 18 0 68 44 130 11 0 16 30 57 0 0 25 05 3 235
注1 空欄に数値を記入してください注2注3注4 公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)注5 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
利用形態共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
一つの採択テーマにおいて複数回支援した場合は一つと数えるただしその支援が複数機関あるいは同一機関内でも複数領域にまたがる場合はそれぞれ別に数える大学は大学高等専門学校等の教育機関
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 自主事業(外部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況技術相談
総計利用機関
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計
86
なし なし なし なし なし実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関
のみ大学 公 大企業 中小企 合計
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援日数 88 0 0 0 0 88 10 0 0 0 0 10 58 0 0 0 0 58 20 0 0 0 0 20 0 0 0 0 0 0 88
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援日数 88 0 0 0 0 88 10 0 0 0 0 10 58 0 0 0 0 58 20 0 0 0 0 20 0 0 0 0 0 0 88
注1 空欄に数値を記入してください注2注3注4 公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)注5 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上注6 外部機関者が参加している課題は「外部参加機関あり」に仕分けしその外部機関に応じてカウントして下さいまた機関内利用で外部機関参加者なしの課題は「実施機関のみ」にカウントして下さい
(もし 複数の外部機関が参加している場合は も とも貢献度の大きい外部機関を選択して下さい )
外部参加機関あり
極限環境
計
一つの採択テーマにおいて複数回支援した場合は一つと数えるただしその支援が複数機関あるいは同一機関内でも複数領域にまたがる場合はそれぞれ別に数える大学は大学高等専門学校等の教育機関
中部地区ナノテク総合支援
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行技術相談
外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 委託事業(内部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況
分子合成
外部参加機関あり
(もし複数の外部機関が参加している場合はもっとも貢献度の大きい外部機関を選択して下さい)
なし なし なし
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関
のみ大学 公 大企業 中小企 合計
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
計
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 自主事業(内部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
外部参加機関あり
支援状況技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用
87
272 課金収入実績
平成20年度課金実績(H21年3月末時点) 委託事業(外部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
支援機関名
豊田工業大学
装置利用共同研究 技術代行利用形態
総計
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名
中部地区ナノテク総合支援
支援
利用機関技術相談
支援機能名
352
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(外部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
拠点名支援機関
名支援機能名
支援技術相談
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
352
88
平成20年度課金実績(H21年3月末時点) 委託事業(内部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(内部利用)
技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援
352
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(内部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援
352
89
目 次
1委託業務の目的 3
2平成20年度の実施内容
21 実施計画 3
22 実施内容(成果)
221 成果概要 4
222 支援成果トピックス 6
223 支援課題一覧 8
224 支援成果報告
(注07- シリーズの成果報告は昨年度の「公開猶予」分)
07-03 ナノ結晶制御型高品質結晶化Si形成 12
橋上 洋
07-04 プラズマCVDによる薄膜成膜 14
砂山竜男
07-05 側面へのパターニング技術 16
大平文和
07-06 微小面積薄膜のレーザ加熱による変形 18
柳瀬明久
07-07 超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発 20
中野圭洋
07-10 高分解プローブ顕微鏡による薄膜表面の構造評価 22
笹川 薫
07-12 鉄系シリサイド形成に関する研究 23
大平 豊丹司敬義
07-16 多結晶シリコンデバイスのための酸化メカニズムに関する研究 25
山本直矢
08-01 多結晶シリコン基板へのpnダイオード作製 27
小椋 厚志
08-02 可視光用超高速空間光変調器の研究開発 29
近藤 直樹
08-03 結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動について 31
仙田 愼嗣
08-04 ナノレベルで膜厚を制御した透明導電膜の光学的特性評価 33
吉野 賢二
08-05 プラズマCVD法による薄膜作成と構造評価 35
吉野 賢二
08-07 電子線ビーム露光技術と組み合わせたナノ粒子パターン配置技術の開発 36
熊谷慎也
08-08 超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発 38
中野 圭洋
08-13 垂直壁側面へのパターニング技術 40
大平文和
1
08-15 プローブ顕微鏡を用いた物性測定 42
田仲 圭
08-16 磁気記録用パターン媒体の研究 44
加藤剛志
08-17 鉄コバルト系シリサイド形成に関する研究 46
大平 豊丹司 敬義
08-20 ナノ構造半導体薄膜の作製 48
竹田 康彦
08-22 InAs量子ドットを電極としたナノショットキーダイオードの理想係数 50
田中一郎
08-26 FETデバイス基板の試作 52
吉村雅満
08-27 触媒ナノ粒子を用いたCVD膜中残留応力制御 54
熊谷慎也
08-28 a-SiNxHSi界面特性の面方位依存症 56
新船 幸二
08-29 太陽電池特性評価技術の習得 58
岩本 恵里
08-32 レジストマスクによるリン砒素のイオン注入 60
上田 一之
08-33 新規プローブの開発 62
森田 幸治
08-34 ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製 64
田中一郎
08-35 次世代メモリ用材料GeSbTe薄膜のCVD成膜 66
町田 英明
08-37 分光機能を持つMEMS赤外線センサ 68
佐々木 実
08-39 エンジニアリングプラスチックスの成形加工物の残留歪解析 70
安藤幸也
08-40 光ファイバー材料の吸発光特性 72
齋藤和也
23 成果の外部への発表 74
24活動(運営委員会等の活動等) 78
25 実施体制 79
26 支援装置 81
27 各種データ 86
2
1委託業務の目的
11 委託業務の課題
拠点課題名 「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析」
機関業務名 ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援 (超微細加工領域)
12 実施機関
機関名 学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
住 所 468-8511 愛知県名古屋市天白区久方2-12-1
13 委託業務の目的
中部地区ナノテクノロジー総合支援拠点を形成し「ナノ計測分析」「超微細加工」「分
子物質合成」の3領域において「最先端ナノ計測機器の利用支援」「有機生体関連分子
等の多彩な物質群の設計合成評価支援」「最先端設備技術による半導体超微細加工支援」等を
総合的に実施する
このため大学共同利用機関法人自然科学研究機構分子科学研究所国立大学法人名古
屋大学国立大学法人名古屋工業大学学校法人豊田工業大学の愛知県内4機関が共同で業
務を行う
学校法人トヨタ学園 豊田工業大学では超微細加工を中心とした支援を担当する
2平成20年度の実施内容
21 実施計画
①シリコン超微細加工用要素プロセス技術と評価の支援
クリーンルーム内に設置のシリコン系を主体とするプロセス装置を利用して各種素
子構造を試作するとともに各種の機能物質とシリコンとの複合化プロセスおよび評価
を行う今年度は特に電子線リソグラフィと走査型プローブ顕微鏡(兼加工装置)の
活用を進めるリソグラフィ薄膜形成イオン注入や熱拡散による不純物導入酸化
やウェットおよびドライエッチング等一連の要素プロセス技術を提供する微細構造
や物性の測定評価についてはクリーンルーム内の評価装置および関係研究室の精密分
析装置を併用して実施する
②3次元フォトリソグラフィなどによる(微細)デバイス構造の製作と評価の支援
ナノ構造などを持つ微細デバイス製作にはフォトリソグラフィが利用されるがMEMS
デバイスには3次元化も重要となるこのようなニーズに対応するためフォトレジス
トのスプレー成膜と立体特有の露光装置を組み合わせたオリジナルな3次元フォトリ
ソグラフィを開発応用しこれらを用いた新規デバイスの製作を支援する
平成20年2月の段階でスプレー成膜アライメントを必要としない立体露光触針段
差計による膜厚評価が可能となったアライナと組み合わせた露光UVキュア処理レ
ジスト剥離MEMS立体加工などと有機的に結び付く装置支援ができるよう順に用意す
る
③化合物半導体ナノ構造の形成(および有機物との複合化)と評価の支援
化合物半導体ナノ構造の形成のためにMBE(分子線エピタキシー)によるAlGaInAs
系AlGaInSb系のナノ薄膜超格子量子ドットなどの構造やこれを含む素子構造の形
成を行うまたこれらのナノ構造の光物性(蛍光と光吸収特性)および電子物性(伝
3
導特性)などの計測評価手法も提供し原子間力顕微鏡による構造評価も実施する
有機薄膜の形成と評価支援についてはOMBE(有機分子線エピタキシー)による有機薄
膜構造の形成真空一貫システムでの電極蒸着に加えて電子物性(伝導特性)や光物
性(蛍光と光吸収特性)原子間力顕微鏡による構造計測を実施する
④フラーレンナノ構造の作製と評価および化合物半導体シリコンナノ構造の評価の支
援
分子線エピタキシー装置によるC60(エピタキシャル)薄膜の作製支援ならびに
化合物半導体シリコンフラーレンなど半導体ナノ構造の物性評価の支援を行う物
性評価支援では主に以下の装置が利用できる(a)X線光電子分光装置元素分析化
学結合状態分析(b)結晶性解析X線回折装置結晶構造評価(c)DC amp ACホール効果
測定装置電気的特性(キャリア濃度移動度)評価
⑤カーボンナノプローブナノチューブおよび金属微粒子の形成と評価の支援
ナノ機能デバイスを実現することを目的としてカーボンナノチューブ(CNT)成長に加えてCNT
探針等を用いた高分解能走査プローブ顕微鏡(SPM)によるナノ構造評価などに関する支援を行う
また短パルス YAG レーザー照射によるナノマイクロ構造の加熱および抵抗加熱型真空蒸
着と短パルス YAG レーザー照射による金属微粒子形成に関する支援を行う
⑥有機物および高分子系材料のナノ構造物性評価
各種の有機材料特に高分子材料についてナノスケールでその階層的な構造をX線回折やラ
マンおよび赤外分光法で解明するまたその理論的理解のための計算機シミュレーションなど
に関する学術技術支援を行うさらに構造と種々の物性との相関解明の支援も行う
22 成果
221 成果概要
①シリコン超微細加工用要素プロセス技術と評価の支援
フォトリソグラフィおよびドライエッチングウェットエッチング等を組み合
わせたセンサー素子の作製低圧およびプラズマCVD法を用いたシリコン等各種
基板上へのシリコンナノ薄膜の形成ICの故障解析のための各種薄膜エッチング
法の検討と故障個所の解析フォトニック用デバイスのプロセス検討及び設計のた
めの基本的な知見の取得など12件の支援を実施した
②3次元フォトリソグラフィなどによる(微細)デバイス構造の製作と評価の支援
垂直壁側面へのパターニング技術およびレジストコーティング装置による側面への塗布
技術に関し1件の支援を実施したレジストのUVキュア処理装置の整備張り合わせウェハ
にも処理がし易いレジスト剥離用ツールの整備を実施した
③化合物半導体ナノ構造の形成(および有機物との複合化)と評価の支援
InAs 量子ドットの導電性 AFM 観察ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製新型
ガスセンサーに関する技術相談光ファイバー材料の吸発光特性測定など5件の支援を実施
した
④フラーレンナノ構造の作製と評価および化合物半導体シリコンナノ構造の評価の支
援
結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動に関する検討 ナノレベルで膜厚
を制御した透明導電膜の光学的特性評価太陽電池に必須なプラズマ CVD で形成した半導体
4
ナノ構造太陽電池材料における量子閉じ込め効果の評価など13
⑤カー
薄膜の構造的評価量子
件の支援を実施した
ボンナノプローブナノチューブおよび金属微粒子の形成と評価の支援
デバイスのナノ構造評価を行うためのトンネル顕微鏡(STM)あるいは磁気力顕
微鏡(MFM)用CNT探針の作製磁気記録媒体記録層を高温処理するための短パルス
所的短時間加熱方法の検討など7
件
⑥有機
YAGレーザー照射によるナノマイクロ構造の局
の支援を実施した
物および高分子系材料のナノ構造物性評価
エンジニアリングプラスチックスの成形加工物の残留歪解析分光機能を持つM
EMS赤外線センサの検討の支援2件を実施した
5
222 支援成果トピックス
6
7
一覧
支援課題一覧(H19 年度公開猶予分)
223 支援課題
平成19年度
支援機
関名
課題番
号 支援機能名 業務形態名 実施課題名 申請者の所属 申請者 役職
主な利用装置
名
主な利用装
置の利用
日数
豊田工
業大学 07-03 超微細加工 送致利用
結晶化Si形成 京セラ(株) 橋上 洋 研究員 2
ナノ結晶制御型高品質LPCVD
07-04 超微細加工 装置利用
プラズマCVDによる薄
膜成膜 矢崎総業(株) 砂山竜男
グルー
プリー
ダー
プラズマCVD 2 技術代行
07-05 超微細加工 装置利用 側面へのパターニング
技術
香川大学
工学部 大平文和
レジストスプ
レーコーター 4 教授
07-06 超微細加工
装置利用
微小面積薄膜のレーザ
ー加熱による変形 業大学 柳瀬明久
ダイシング 3 技術代行豊田工 准教授
アライナー 67
07-07 超微細加工 技術代行
装置利用
超微細加工技術を用い
たマイクロ流路チップの
開発
X 中野 圭洋
取締役
パターンジェ
ネレータ 5
株式会社
ESPINE
代表アライナー 11
電子線描画 2
RIE 13
07-10 超微細加工 協力研究 による薄膜表面の構造
株式会社コベル
コ科研 エレクト
ロニクス事業部
笹川 薫 主席
研究員
走査型プロー
ブ顕微鏡 1
高分解プローブ顕微鏡
評価
07-11 超微細加工 技術相談
立体サンプルのフォトリ
ソグラフィ技術に関する
相談
日本電波工業
株式会社 第一 松戸 秀亮 課長 ___ ___
技術部
07-12 超微細加工 装置利用 リサイド形成に関
名古屋大学エコ
トピア科学研究
所
大平 豊
丹司 敬義
教授 SPMSEM 10
鉄系シ
する研究
07-14 超微細加工 技術相談 カーボンナノチューブ深
針作製に関する相談
株式会社 ユニ
ソク 阪巻 なみ 研究員 ___ ___
07-16 超微細加工 装置利用
多結晶 デバイス
のための酸化メカニズ
ムに関する研究
株式会社IHI
薄膜表
ロジェクト部
山本 直矢 課長 エリプソメータ 3
シリコン産業システムセ
クター
面プ
8
平成20年度支援課題一覧
支援機
関名
課題番
号 支援機能名 業務形態名 実施課題名 申請者の所属 申請者 役職
主な利用装置
名
主な利用装
置の利用
日数
豊田工
業大学 08-01 超微細加工 協力研究 多結晶シリコン基板へ
小椋 厚志 教授
ナー
5 の pn ダイオード作製
明治大学
アライ
不純物拡散
炉
08-02 超微細加工 協力研究 可視光用超高速空間光
変調器の研究開発 近藤 直樹 講師 MBE 3
帝京大学
理工学部情報科
学科
08-03 超微細加工 技術相談装
結晶シリコン太陽電池
用受光面銀ペーストの
て
仙田 愼嗣
グルー
プリー
D 23
置利用 焼成挙動につい
株式会社ノリタ
ケカンパニーリ
ミテド ダー
プラズマCV
紫外可視
近赤外分光
光度計
2
08-04 超微細加工 技術代行装
置利用
ナノレベルで膜厚を制
御した透明導電膜の光
学的特性評価 学科
宮崎大学 工学
部電気電子工 吉野 賢二 准教授
紫外可視
近赤外分光
光度計
8
08-05 超微細加工 技術代行装
工学
吉野 賢二 准教授 プラズマCV
2 置利用
プラズマCVD法による
薄膜作成と構造評価
宮崎大学
部電気電子工
学科 D
08-06 超微細加工
技術代行装「公開猶予」
25
置利用
08-07 超微細加工 置利用
電子線ビーム露光技術
たナノ粒
子パターン配置技術の豊田工業大学 熊谷慎也 准教授
装置 32
技術代行装 と組み合わせ
開発
電子線描画
08-08 超微細加工 技術代行装
超微細加工技術を用い
株式会社
スピネックス)
代表取
置利用 たマイクロ流路チップの
開発
ESPINEX(イー 中野 圭洋 締役
アライナー
RIE 14
08-09 超微細加工 装
置利用 4
技術代行「公開猶予」
08-10 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-11 超微細加工 技術代行 「公開猶予」 3
装置利用 「公開猶予」
08-12 超微細加工
20
08-13 超微細加工 協力研究
垂直壁側面へのパター 香川大学 工学
アライナー ニング技術 部 大平文和 教授
スプレーコート10
9
08-14 超微細加工 技術相談 「公開猶予」
___
___
08-15 超微細加工 協力研究 プローブ顕微鏡を用い
た物性測定
株式会社大同
分析リサーチ 田仲 圭
技術主
任
カーボンナノ
チューブ製膜
装置
2
08-16 超微細加工 装置利用 磁気記録用パターン媒
大学工
学研究科 量子
工学専攻
加藤剛志 准教授 ルスYAG
2 体の研究
名古屋 パ
レーザ
08-17 超微細加工 に関する研究
名古屋大学エコ
ノマテリア
ル科学研究部
門
丹司 敬義
鏡 3 装置利用
鉄コバルト系シリサイド
形成
トピア科学研究
所 ナ大平 豊
教授 電子顕微
「公開猶予」 08-18 超微細加工 装置利用 2
08-19 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-20 超微細加工 技術代行装 株式会社 豊田
中央研究所 竹田 康彦
主任研
究員
フォトルミネ
ッセンス測定
装置
1 置利用
ナノ構造半導体薄膜の
作製
08-21 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-22 超微細加工 協力研究
InAs 量子ドットを電極と
したナノショットキーダイ
オードの理想係数
和歌山大学シ
ステム工学部 田中一郎 教授
顕微鏡 5
走査プローブ
08-23 超微細 予」
12 加工 装置利用 「公開猶
08-24 超微細加工
技術代行装
置利用 「公開猶予」
11
08-25 超微細加工 技術代行装
置利用 「公開猶予」
10
5
08-26 超微細加工 技術代行 FET デバイス基板の試
作 豊田工業大学 吉村雅満 准教授
アライナー
EB蒸着装置5
08-27 超微細加工 装置利用
触媒ナノ粒子を用いた
CVD 膜中残留応力制御豊田工業大学 熊谷慎也 准教授 LPCVD 2
08-28 超微細加工 協力研究
a-SiNxHSi 界面特性
の面方位依存性 兵庫県立大学 新船 幸二 准教授
プラズマCV
D 5
08-29 超微細加工 技術代行装
置利用
太陽電池特性評価技術
の習得
日本ソーラーシ
リコン(株) 岩本 恵里
アライナー
不純物拡散
炉
11
08-30 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 6
10
08-31 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 14
08-32 超微細加工 技術代行 レジストマスクによるリ
ン砒素のイオン注入
豊田工大 表面
科学研究室 上田 一之 教授
アライナー
イオン注入装
置
4
08-33 超微細加工 技術相談装
置利用 新規プローブの開発
株式会社 ユニ
ソク 森田 幸治 技術員
アライナー
イオン注入装
置
21
08-34 超微細加工 協力研究
ポテンシャルマッピング
用量子構造試料作製
和歌山大学シ
ステム工学部 田中一郎 教授
分子線エピタ
キシー 4
08-35 超微細加工 装置利用協
力研究
次世代メモリ用材料
GeSbTe 薄膜の CVD 成
膜
気相成長株式
会社 町田 英明
代表取
締役社
長
X 線光電子
分光装置 5
08-36 超微細加工 技術代行 「公開猶予」 3
08-37 超微細加工 協力研究
分光機能を持つ MEMS
赤外線センサ 豊田工業大学 佐々木 実 教授 FTIR 10
08-38 超微細加工 技術相談 「公開猶予」 ――― ―――
08-39 超微細加工 協力研究
エンジニアリングプラス
チックスの成形加工物
の残留歪解析
株式会社デンソ
ー材料技術部 安藤幸也
担当部
員 X線回折 7
08-40 超微細加工 装置利用
光ファイバー材料の吸
発光特性 豊田工業大学 齋藤和也 准教授
蛍光分光計
吸収分光計 6
224 超微細加工領域における支援成果報告
次ページ以後参照
11
装置利用
豊田工大 07-03
ナノ結晶制御型高品質結晶化 Si 形成技術調査
An investigation of technologies for nanocrystal-controlled high quality crystalline Si formation
橋上 洋
Hiroshi Hashigami
京セラ株式会社
Kyocera corporation
ナノサイズ結晶粒からなる高品質結晶化 Si を形成するための技術調査を行った
豊田工業大学クリーンルームにて LPCVD での結晶化 Si 形成を行った作製した LPCVD 結晶 Si と京
セラで作製したプラズマ CVD 結晶 Si との比較評価を行い結晶作製条件と結晶品質に関する知見を
得た
We conducted a technology investigation for realization of high quality crystalline silicon consisted of nanocrystal Crystalline Si was formed by means of LPCVD at a clean room of Toyota Technological Institute The LPCVD crystalline Si and plasma-CVD crystalline Si deposited at Kyocera have undergone comparative investigations from which we obtained knowledge about Si deposition conditions and quality of the crystal
背景と研究目的 結晶シリコン薄膜はTFT をはじめMEMSに至る広い分野で利用されている非常に有用な
材料であるしかしながらたとえばその電気
的特性は形成方法によって様々であるした
がって重要なのは必要とする結晶 Si のスペッ
クを明確化した上でこれに一番適した形成方
法を適用することであるそこで我々は結晶
Si 形成に最も一般的である化学気相堆積
(CVD)法に特化し各種 CVD 法とそれらに
よって得られる結晶 Si の特質を調査した 結晶Si形成方法 本調査では熱 CVD 法の一つである減圧
CVD(LPCVD)法およびこれとは対照的な低温
製膜手法であるプラズマ CVD(PECVD)につ
いて調査を行った以下に各技術の特徴を述べ
る
熱 CVD 法 熱 CVD 法は成膜する元素の揮発性化合物を
気化し高温加熱した基板上で熱分解反応をお
こなわせて基板上に薄膜を形成する方法である
シリコン薄膜を得る場合はモノシランガスや
ジシランガスあるいはジクロロシランや 4 塩
化シランなどが用いられる 成膜時の反応が熱分解であるため成膜温度
が反応ガスの反応温度である数百以上の高温
になる従って低軟化点基板には適用できない
のがデメリットであるしかし一方で高温の
プロセスであることにより一般的に品質の良
い膜を得ることが出来る熱 CVD にはこの他
以下のような特徴がある 1成膜速度が速い(数~数百μmmin) 2ステップカバレージが良く凹凸形状に
も反応ガスが行き渡れば均一に成膜で
きる 3高真空でないので装置が簡単で生産性
が高い
12
4成膜温度が高いので緻密で高純度の膜が
得られる 5密着性が良い 熱 CVD 法は大気圧で成膜を行う常圧 CVD と
~01torr に減圧して成膜を行う減圧 CVD とがあ
る常圧 CVD は真空装置が不要であるという
最も簡単な CVD として広く利用されているが
減圧 CVD では常圧 CVD を基に膜厚や抵抗率
分布の改善を意図して考え出された実際反
応炉内を減圧することにより反応ガスおよび
キャリアガスの平均自由行程および拡散定数が
大きくなり基板内の膜厚および比抵抗分布が
改善される またホットウォール型であるLPCVDでは
バッチあたりの処理枚数を多くすることが可能
でありしかも減圧下であることにより基板が
均一に過熱されやすいことで歩留まりや信頼性
も改善されるこれらの特長によりLPCVD は
結晶 Si 膜を作製する主な方法のひとつとなっ
ている プラズマ CVD 法 プラズマ CVD 法は薄膜の低温形成を意図
して生まれた成膜方法であるプラズマ放電中
では系内のガスは衝突により相互に活性化され
ラジカルとなり熱的励起のみによっては困難
な低温下での反応が可能になる特にプラズマ
CVD では非熱平衡状態で化学反応が進行する
ため熱 CVD とは異なった組成や特性の膜が
得られる プラズマ CVD に用いる原料ガスは熱
CVD と違いはないがプラズマではキャリアガ
スに用いられる水素ガス分子なども分解されて
しまうそのためこれらの成分も必然的に相当
量が膜中に取り込まれ形成された膜の特性に
影響を及ぼすその他にもプラズマ中では多種
多様な反応活性種が生成され堆積に関与する
ので膜形成過程は熱 CVD に比べてはるかに
複雑である 薄膜 Si 堆積においてプラズマの条件を変
化させるとSiH2SiHSiH高次シラン関
連反応種(SixHy)さらにイオン種の膜形成へ
の寄与率が変化し欠陥密度に影響を及ぼすこ
とが知られているまた結晶 Si 薄膜の形成にお
いてはこの他にキャリアガス流量なども結晶
の組成に影響を及ぼす プラズマ CVD にはプラズマの励起方式に
より平行平板型の他誘導結合プラズマ(ICP)型や電子サイクロトロン共鳴(ECR)型などが
ある平行平板型では原料ガスが広い面積にわ
たって均一に供給されるようにできており大
面積の膜形成に適しているしかしプラズマ密
度が比較的低いので製膜レートは他の方法に
比べて低い ICP 型は石英板の上に設置したアンテナに高
周波電流を流すことにより高周波磁場とこれ
を打ち消そうとする誘導磁場を生じさせ誘導
磁場によって加速した電子によってプラズマを
得るこの方法では高密度プラズマを比較的容
易に得ることができ一般に高速製膜が可能で
ある利点があるECR プラズマ法ではマイク
ロ波と磁場中での電子のサイクロトロン運動が
同期することで電子がエネルギーをもち低圧
高密度プラズマを得るこのため高速な成膜が
可能となりしかも膜の密着性が優れているな
どの利点がある
結果 LPCVD での結晶化 Si 形成は豊田工業大学ク
リーンルームにてジシランガスを用いて行った
また平行平板ICPECR の各種プラズマ CVDでの結晶化 Si を京セラで作製したLPCVD 膜
とプラズマ CVD との比較評価を行い結晶作
製条件と結晶品質に関する知見を得た
参考文献 [1] 金原粲白木靖寛吉田貞史 著薄膜
工学丸善2004 [2] 麻蒔立男薄膜作成の基礎第 3 版日刊
工業新聞社1996
13
技術代行装置利用
豊田工大 07-04
プラズマ CVD による薄膜成膜
Thin film fabrication by plasma CVD
砂山 竜男加藤 博照佐久本 尚武
Tatuo Sunayma Hiroteru Kato Naotake Sakumoto
矢崎総業株式会社
YAZAKI corporation
現在MEMS 技術を利用したセンサの開発を行っている本研究ではダイアフラム膜としてプラズ
マ CVD 装置により成膜した SiN 膜を検討するためその成膜条件と膜質を調査した成膜条件とし
てSiH4と NH3 の流量比を変更したところ流量比 15 で成膜後の膜応力がほぼ 0 となったまた
700アニール後2times109 dynecm2 の引っ張り応力が生じた The sensor has been developed using the micro-electro-mechanical systems (MEMS) technique In order to apply SiN film to plasma CVD as a diaphragm fabrication conditions and film characteristics were studied Film stress deposited on flow ratio 51 of SiH4 and NH3 was almost zero After annealing at 700 tension stress occurred and was about 2times109 dynecm2
背景と研究目的 現在開発しているセンサの断面構造を図1に
示すシリコンチップ上にPtヒーターをIC製造
技術を用いて形成したそしてヒーターの熱
絶縁性を向上させるためヒーター下部を
MEMS技術を用いて除去しダイアフラムを形
成した
本センサの特徴はMEMS技術を用いたこと
により小型軽量高速応答を実現した点で
ある b) cross-section Fig1 micro gas sensor 本報告書ではセンサのダイアフラム膜の検
討としてプラズマCVD装置により成膜した
SiN膜の成膜条件とその膜特性について述べる
実験 SiN膜の成膜ではSiH4とNH3の流量を変化さ
せた流量条件を表1に示す成膜温度は250
成膜圧力を04 Torrに設定し成膜時間を15 minとしたそして成膜後700Air中にてアニ
a) sensor chip (26 mm times 16 mm)
14
ールを行った 図4に膜応力と屈折率の関係を示す圧縮応
力が増加することで膜屈折率が小さくなること
がわかる 成膜したSiN膜は触針式段差計によりウェ
ーハのそりより応力を算出したまたエリプ
ソメータにより膜厚と屈折率を測定したそし
てアニール後にも応力測定を実施しその変
動を調査した
屈折率の変化は SiN 膜の組成が変化している
ことを示しておりNH3 流量を増加させること
で SiN 膜の組成比を制御することが可能となっ
たそしてこの組成比制御が応力緩和に有効で
あると予想できる
SiH4 NH3 SiH4 NH3
1 5 3 151 2 3 61 1 3 3
Flow ratio flow rate (sccm)Table 1 Flow ratio of SiH4 and NH3
SiH4 NH3
Filmthickness(Å)
Growthrate(Å)
σ()
1 5 34606 2307 00711 2 26070 1738 00481 1 30638 2043 0017
0
50
100
150
200
250
0 1 2 3 4 5 6
Flow ratio of NH3SiH4
Gro
wth
rate
Å
00000010002000300040005000600070008000900100
Stan
dard
dev
iatio
n
growth rate
standard deviation
-6E+09
-4E+09
-2E+09
0E+00
2E+09
4E+09
6E+09
0 1 2 3 4 5Flow ratio of NH3SiH4
Film
stre
ss
dyne
cm
2
6
(a)(b)
結果および考察 表2にプラズマ CVD 装置で成膜した SiN 膜
の膜厚を図2に SiH4に対する NH3の流量比と
面内ばらつきの関係を示す
膜厚は各流量条件ともにほぼ目標値通りであ
り成長レートはほぼ 200Åmin 程度であった
面内ばらつきは流量比と相関があり流量比が
小さいほど抑えられることがわかった
(a) As film deposition (b) After annealing Fig3 Relationship of film stresses to flow ratios
174
176
178
18
182
184
186
-8E+09 -6E+09 -4E+09 -2E+09 0 2E+09
Film stressdynecm2
Ref
ract
ive
inde
x
Table 2 Film thickness of each flow ratios
Fig4 Relationship of film stress and gas flow
ratios 今後の課題 今回の評価でプラズマ CVD 装置による SiN
膜の特性はほぼ把握した今後はセンサとし
ての評価を行いプラズマ CVD 装置とスパッ
タ装置による SiN 膜の比較をする
キーワード Fig2 Growth rates and standard deviations of flow ratios MEMSMEMS とは micro-electro mechanical
system の略で半導体の微細加工技術を用い
て作製する電気機械システムのことである
図3に流量比と膜応力の関係を示す成膜後
流量比 1で応力は圧縮方向に 5times109 dynecm2で
あったが流量比をあげることでその応力は小
さくなった
またアニール後の膜応力は流量比との依存
性がなくなり応力も圧縮方向から引張方向に
変化した
15
装置利用
豊田工大 07-05
スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線形成技術
Conductive pattern forming method on vertical wall using spray coating and angled exposure technologies
森井裕貴大平文和
Hiroki Morii Fumikazu Oohira
香川大学
Kagawa University
スプレーコート技術と傾斜露光技術を用いた垂直壁面への配線パターン形成方法について検討した
この方法を用いることによりチップパッケージサイズを縮小することが可能となるスプレーコート
技術と傾斜露光技術を用いることにより 600μm の垂直壁へレジストを均一に塗布さらにレジストパ
ターン形成を可能としたまた配線パターンはスパッタと無電解 Ni めっきにより形成した本研
究で製作した配線パターンの幅は 200μm配線間隔は 300μm である A novel conductive pattern forming method on the vertical wall using a resist spray coating and an angled exposure technologies is proposed This method makes it possible to decrease the chip package size The spray coating and the angled exposure technologies enable the uniform resist coating and the patterning the resist on the vertical wall of 600 μm height Then a conductive pattern layers are sputtered and electroless plated As the result the conductive patterns of 200 μm width and 300 μm spacing is successfully formed on the vertical walls
背景と研究目的 携帯電話や携帯情報端末な
どにおいて更なる小型化高機能化が求められ
ている限られた容積の中でそれらの要求を満
たすには半導体チップの小型化高集積化
又はチップ実装の高密度化が挙げられる 本研究ではチップ実装の小型化に着目し
半導体プロセス技術を用いてチップ実装パッケ
ージ側面に 3 次元的に電極を配線することによ
り高密度実装可能な側面配線技術の確立を目指
す パッケージ側面に金属の配線パターンを形成
する手段としてレジストにより配線パターン
を形成し金属を成膜しリフトオフすることに
より金属の配線パターンを形成するこのとき
半導体プロセス技術で成膜できる金属の膜厚は
数千Åと少ないため配線としては電流抵抗が
大きくなるそこで Ni めっきを行い配線とし
て十分な膜厚を得るここでスプレーコートに
よるパッケージ側面への 3 次元レジストパター
ニングの原理確認を行った
実験 スプレーコートを用いてチップ実装パ
ッケージにレジストを塗布するさらにサンプ
ルを露光する際に側面部が十分露光されるよう
にサンプルを傾けて傾斜露光[1]を行いパッケー
ジ側面に配線パターンを形成する本研究では
パッケージ高さ600μm配線幅200μm配線間
隔300μmであるスプレーコートによるレジス
ト塗布ではレジスト流量ステージ温度ステ
ージ速度によってレジストの膜厚や分布などが
変化する[2]そこでレジスト流量81gh100ghステージ温度95105115ステージ速
度300mms400mmsの条件を検討した 結果および考察 条件を検討した結果
すべての条件で塗布可能であるが比較的均一
な塗布条件はレジスト流量 100ghステージ温
度 105ステージ速度 300mmsである図 1
16
にレジストパターニングの結果を示すレジス
トはエッジ部で途切れることなく全面に塗布さ
れているレジストの段差切れが無いこと隣
接するパターンのつながりが無いことを確認し
600μmの垂直壁にも均一にレジストを塗布パ
ターニングが可能であることを明らかにした さらにレジストパターニングしたサンプル
にスパッタにより金属膜を成膜しリフトオフ
により配線パターンを形成したNi めっきを行
い配線として十分な膜厚を得た図 2 に Niめっき後の配線パターン形成の結果を示す Ni めっき後でも配線パターンがエッジ部で途
切れることなく隣接するパターンのつながり
が無いことを確認し600μm の垂直壁に配線形
成が可能であることを明らかにした
Fig1 The spray coating and patterning the resist
Fig2 Conductive pattern forming 今後の課題 パッケージ側面において下面に
近い部分でパターンが広がる基板とマスクの
間に空間ができるため回折などの影響によりパ
ターンが広がるこの広がりを抑える工夫を今
後検討していく 参考文献 [1] Hayato Izumi Yohei Matsumoto Seiji Aoyagi Yusaku Harada Shoso Shingubara Minoru Sasaki Kazuhiro Hane Hiroshi Tokunaga IEEJ Trans SM Vol 128-E No 3 (2008) pp102-107 [2] Vijay Kumar Singh Minoru Sasaki and Kazuhiro Hane Japanese Journal of Applied Physics Vol 46 No 9B (2007) pp 6449-6453
Substrate
Ni NiPlastic material
Resist Plastic material Resist
Substrate Plastic material
17
技術代行装置利用
豊田工大 07-06
微小面積薄膜のレーザー加熱による変形
Deformation of small patchy films by pulsed laser heating
柳瀬 明久
Akihisa Yanase
豊田工業大学
Toyota Institute of Technology
真空蒸着法で作製した微小面積の薄膜(パッチ状薄膜)は一般にエネルギー最小の安定な形態では
ない凹凸パターン基板上に堆積させたパッチ状金薄膜をパルスレーザー加熱することによって微粒
子化する方法を検討した結果サイズ分布の狭い球形金粒子が得られた A small patchy film fabricated by vacuum evaporation does not have a stable shape with an energy minimum A preparation method of Au particles from thin patchy Au films by pulsed laser heating has been studied As a result spherical Au particles with a narrow size distribution were obtained
背景と研究目的
ナノテクノロジーにおける微細構造作製方法
は大きく2つに分けられる一方はリソグラ
フィエッチングなどの微細加工技術に基づく
「トップダウンアプローチ」であり今日大き
な技術分野となっているしかし微細化の進
展とともに高コストで環境負荷の大きいことが
問題化されているもう一方は「ボトムアップ
アプローチ」と呼ばれ原子分子を積み上げ
ていく方法で今後の発展が期待されている
「ボトムアップアプローチ」では分子クラ
スター微粒子などの「部品」をまず作製し
次の段階でそれらを自己組織的に組み立ててい
くという階層的な方法が有力と考えられている
「ボトムアップアプローチ」の微粒子に関わる
要素技術として形状サイズならびに表面物
性が制御された微粒子の作製が最も基礎的であ
ると考える 単分散微粒子の一般的な作製法は液相中の
固相析出反応において核生成期とその後の粒
子成長期とを時間的に明確に分離し粒子成長
期における粒子間の凝集を防止する方法である
この原理に基づいてポリスチレンやシリカガ
ラスなどの材料で精度のよい単分散粒子が作製
されているしかし化学反応を用いる方法で
きわめてサイズの均一な粒子を作製することは
ごく一部の反応系を除いてきわめて困難である
のが現状である
短パルスレーザーを物質に照射すると物質
がその波長の光を十分に吸収する場合その表
面近傍はきわめて短時間で加熱されその後急
速に冷却されるこのパルスレーザー加熱によ
って基板上に形成された有限の面積をもつ固
体薄膜(以下パッチ状薄膜とよぶ)を溶融させ
ることが可能であるそして溶融した薄膜は
基板表面とぬれにくい場合表面張力により微
粒子化する[1]パッチ状薄膜の面積ならびに厚
さが均一であるならばこの方法により粒子
径のきわめてそろった単分散微粒子が得られる
はずである本方法により単純な物理プロセ
スによる広範囲な材料系に適用可能な単分散微
粒子作製法が確立されればその意義は大きい
本研究ではシリコン熱酸化膜上に形成した
パッチ状金薄膜を波長 532 nm のパルスレー
ザーによって加熱することによって球形金粒
子を得ることができた
18
パッチ状薄膜をパルスレーザー加熱して微粒
子を作製する方法の利点として次の3点が挙
げられる①プロセスが単純でありパッチ状
薄膜の大きさ膜厚を精度よく再現できること
から粒子サイズの制御性が高いことが期待さ
れる②パルス光を用いるため冷却過程を考
えても非常に短時間のプロセスであるその
ため材料の蒸発による損失が抑制される③
微粒子化させたい材料の種類に合わせてレーザ
ーの波長を選択できる
参考文献 [1] 特許 3989424
実験 Fig 1に実際の実験方法を模式的に
示したシリコン基板上にシリコン熱酸化膜
からなるテーブル状の凸構造(10 μm times 10 μm)
を周期 15 μmで2次元的に形成したまた
Fig2 に示すように隣り合う凸部間の溝部表
面をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
でコーティングしたこの基板上に膜厚30 - 90 nm の金薄膜を真空蒸着法によって堆積させた
金はPTFE上に付着しにくいため独立した
パッチ状の金薄膜がシリコン熱酸化膜上に得ら
れたこの試料を空気中でナノ秒パルス
NdYAGレーザーの2倍波 (532 nm) 1パルス
を照射して加熱したなおNdYAGレーザー
のパルス時間幅は 6 ns であった
Fig 1 Schematic procedure of preparation of monodisperse Au particles
PTFE SiO2
結果および考察 Fig 3 は膜厚 90 nm のパッチ状金薄膜をパルスエネルギー密度 140 mJcm-2 の条件で加熱した後の走査電子顕
微鏡像であるほぼ均一な粒子径をもつ金微粒
子が生成されていることがわかるその直径(~
27 μm)は1個のパッチ状金薄膜が1つの球
へと変化した場合に予想される直径とよく一致
したなお金薄膜の初期反射率( ~07)を
考慮するとこの照射条件は薄膜を十分に溶融
しえるものであるまた得られた金粒子は
基板との付着力が弱くドデカンチオールのエ
タノール溶液中で超音波照射することによって
基板から容易に脱離させることができた
Si
Fig 2 Cross-sectional SEM image of the patterned substrate used for preparing Au patchy films
また現在までに得られた結果から本方法
の特徴として①膜厚 50 nm 以下の薄膜は
1個のパッチから多数の微細な粒子に変形する
傾向をもつこと②微粒子化した場合生成し
た粒子は基板から離れて気相側に飛散しやすい
ことが挙げられる
今後の課題 リフトオフプロセスを利用して
平坦な基板上に微小面積薄膜のパターンを形成
する方法を用いる予定であるまたさらなる
プロセスの簡便化金以外の金属や半導体への
材料系の拡大ならびに粒子サイズの微細化
の検討を進めていく必要がある
Fig 3 SEM image of Au particles prepared on a patterned substrate by pulsed laser heating with a pulse energy of 140 mJcm-2 Initial film thickness of Au was 90 nm
19
技術代行装置利用
豊田工大 07-07
超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発
Development of microfluidic chip based on Nano fabrication technologies
中野 圭洋 安池 雅之
Keiyo Nakano Masayuki Yasuike
株式会社 ESPINEX
ESPINEX Inc
マイクロ流路を応用した細菌検出法を開発し大腸菌を用いた検出試験を行ったこの細菌検出法は
使い捨てのマイクロ流路チップと蛍光検出装置で構成されておりマイクロ流路はフォトリソグラフ
ィー技術とシリコーンゴム(PDMS)により製作したマイクロ流路中の検出部に抗体を固定して
抗原抗体反応により蛍光された大腸菌を捕捉した試料を注入し検出部における大腸菌の密度を上
げる事で大腸菌の計数高感度検出が可能となった Microfluidic based bacteria detection platform was developed and investigated the performance by detecting Escherichia-colis (e-coli) This platform is consisted a disposable microfluidic chip and a fluorescent detection system Microfluidic chip was fabricated using photolithography technology and PDMS At the detection spot of the microfluidic channel antibodies were immobilized to capture e-colis which contained fluorescent dyes Because of antigen-antibody interaction e-colis concentration was increased at the detection spot of microfluidic channel and the fluorescent detection system can count the number of e-colis captured
(一行スペース) 背景と研究目的 近年院内感染や食品の細
菌汚染問題が深刻化しており細菌汚染の迅速
検査は重要度を増しているしかし現行の細
菌検査は主に培養法を用いるため検査の結果
が出るまで数日を要するそこで当社は細菌
を抗原抗体反応でマイクロ流路中に高濃度で捕
捉して蛍光を光学的に検出することで培養過
程を要さない細菌の高感度迅速検出システム
の開発を行っているマイクロ流路を用いた細
菌検出の概略を図 1に示す
実験 マイクロ流路チップは流路構造を施
したシリコンモールド型をフォトリソグラフィ
ー技術により作製しその型から流路構造を転
写したシリコーンゴム(PDMS)を流路部スライ
ドガラスを基盤として作製した図 2 にPDMSマ
イクロ流路チップを示すその後マイクロ流
路中に蛍光試薬と大腸菌を含んだ試料を注入し
大腸菌を補足後検出部の画像を解析して大
腸菌の検出実験を行ったさらに大腸菌を捕
捉後抗生物質を注入し生死菌数の変化を観
察した大腸菌の薬剤感受性試験を行った マイクロ流路
検出装置
励起光
PC
マイクロ流路試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
抗体
蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
マイクロ流路
検出装置
励起光
PC
マイクロ流路試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
抗体
蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
Fig 1 Schematic diagram of bacteria detection by
microfluidic chip
20
Fig2 Image of PDMS microfluidic chip 結果および考察 検出部における蛍光さ
れた大腸菌の画像を図 3 に示す図 3 では生菌
が緑色死菌が赤色に発色し検出部において
多数の菌が確認でき大腸菌を効率よく捕捉し
ている結果が得られた検出に要した時間は約
10 分間であり培養法等と比べると格段に迅速
な検出が可能であることが証明された又図
4 に示す薬剤感受性試験の結果において抗生
物質投与直後2時間後4時間後と時間を経る
につれて赤色に発色している死菌が増加してい
ることが解る従ってマイクロ流路チップを
用いた細菌の薬剤感受性試験も良好な結果を得
た
緑生菌赤死菌
生菌数の計数 死菌数の計数総菌数の計数
画像処理
緑生菌赤死菌
生菌数の計数 死菌数の計数総菌数の計数
画像処理
Fig3 Florescence microscope images of Ecoli at a detection spot of microfluidic chip
抗菌剤投与直後 2時間後 4時間後抗菌剤投与直後 2時間後 4時間後 Fig4 Florescence microscope images of Ecoli in maicrofluidic chip after applying antibiotics 今後の課題 今回の実験により大腸菌の迅速
検出及び薬剤感受性試験におけるマイクロ流
路チップの有効性が確認されたが今後検出
感度の向上を目指した流路構造の最適化や大
腸菌以外の菌種での検出確認が課題として挙げ
られる又PDMSマイクロ流路チップは非常
に生産性が低い上抗体の固定化が容易ではな
いそこで生産性が高く抗体が容易に固定
できる樹脂製のマイクロ流路チップの製造技術
の確立が商業化に向けた課題であるといえる
論文発表状況特許出願 [1] 中野圭洋亀岡遵安池雅之特願
2008-053209チップ キーワード マイクロ流路 マイクロ又はナノサイズの極微細流路であり
化学物質や生体物質の検出解析などに用いら
れる
21
協力研究
豊田工大 07-10
高分解能プローブ顕微鏡による薄膜表面の構造評価 Structural evaluation of film surface by high-resolution probe microscope
笹川 薫
Kaoru Sasakawa
コベルコ科研
Kobelco Res Inst
無電解めっき法によって金属薄膜を形成させるために種々の金属触媒層が用いられているわれわれ
は PdSn 触媒を温度 85湿度 85の環境下に放置したときの形状変化を高分解能プローブ顕微
鏡によって調べることを目的とした平成 19 年度後期の協力研究ではガラス表面に形成した PdSn触媒層が高分解能プローブ顕微鏡によってどのように観察されるかを調べた Various kinds of metal catalysis are used by electroless plating method to form a metal film We were aimed at examining a shape change when a PdSn catalyst was left in 85 degrees Celsius and humidity 85 for several hundred hours by a high-resolution probe microscope In the cooperation study of the latter period in 2007 we examined how the PdSn catalysis which was formed on the glass surface was observed by a high-resolution probe microscope
背景と研究目的 無電解めっきに用いられる
PdSn[1]が電気回路基板の形成後に残留する場
合使用中に絶縁性が保たれることが必要であ
る高温高湿試験中PdSn触媒層の抵抗値は
様々に変化するが抵抗変化の原因の1つとし
てガラス基板表面の形状や触媒粒子の形状
が変化している可能性が考えられるそこで
高分解能プローブ顕微鏡(SPM Scanning Probe Microscopy)によって形状変化を調べることと
した 実験 高温高湿試験前後のPdSn触媒層およ
びガラス基板を用意しタッピングモードプ
ローブ顕微鏡(Beeco社製NanoScopeⅢa)により
高分解能形状観察を行った尚実験環境は大
気中室温である
結果および考察 ガラス基板上のPdSn触媒層について高い分解能でプローブ顕微鏡増
を得ることができたしかしながら触媒層の
下地に用いたガラス基板そのものが高温高湿
試験によって変質しPdSn触媒層の形状変化の
詳細を知るのは難しいということがわかった
PdSn以外の触媒もあり触媒自体の形状変化を
調べることができそうなものもあるがPdSnが基本となるのでこれ以上の検討は行わないこ
ととしたすなわち今回は準備した試料が
適切でないということがわかった 今後の課題 高温高湿試験の前後における触
媒層の形状変化を詳細に調べるためには高温
高湿試験により形状変化が生じないか生じても
触媒の変化を調べるのに影響しないような基板
を探す必要がある 参考文献
1) Eugene J M OrsquoSullivan J Horkans J R White
and J M Roldan IBM J Res Develop 32 (1988)
591
22
装置利用 豊田工大 07-12
鉄シリサイド形成に関する研究 Study for Iron Silicide Formation
丹司敬義ab大平 豊a
Takayoshi Tanjiab and Yutaka Ohiraa
a名古屋大学院工学研究科 b名古屋大学エコトピア科学研究所
aGraduate School of Engineering Nagoya University bEcoTopia Science Institute Nagoya University
様々な条件下で作製した一次元鉄シリサイドの形状について走査トンネル顕微鏡(STM)や走査電子
顕微鏡(SEM)等を用いて研究した50 times 10-8 Pa 以下の超高真空環境下で固相エピタキシー法(SPE)と反応性蒸着エピタキシー法(RDE)を用いて作製したナノワイヤの形状の違いについて述べるXPSの結果から両者は共に FeSi2の組成を持つことも明らかにしている更に40 times 10-4 Pa 以下の高真
空下でさえワイヤが形成されることを見出した One-dimensional (1D) iron silicides prepared under various growth conditions have been studied by scanning tunneling microscopy (STM) scanning electron microscopy (SEM) and so on We discuss difference in the shape of nanowires (NWs) prepared by solid-phase epitaxy (SPE) and reactive-deposition epitaxy (RDE) in an ultrahigh vacuum (UHV) of below 50 times 10-8 Pa A similar chemical shift in XPS spectra is observed on both surfaces corresponding to iron disilicide NWs are also formed even in a high vacuum (HV) of below 40 times 10-4 Pa at 600 ordmC 背景と研究目的主に電荷を用いる半導体エレク
トロニクスでは従来使われなかった電子のもう一
つの性質であるldquoスピンrdquoを積極的に利用して
新しい材料の機能やデバイスを構築しようとする
半導体スピントロニクスに関する研究が近年盛
んに行なわれているシリコン(以下Si)技術と
の融合を図るためにはSi基板上へ磁性体の直接
成長が必要となるまたデバイスの高集積化
高密度化を達成するために従来のリソグラフィ
ー技術を用いたトップダウン技術だけではなく
低次元構造体の作製が可能な自己組織化等のボト
ムアップ技術も必要になる このような背景の下我々はldquo磁性を有するナ
ノワイヤを Si 基板上に直接成長させるrdquoことを最
終目的としているそこでまず磁性元素である
鉄を Si(110)表面上に蒸着し加熱することで形成
されるナノワイヤに注目し研究を行なっている 先行研究としてはLiang et al1)らによる報告が
ありそれによると清浄化処理を行なった Si(110)基板を 600 ordmC に加熱しながら Fe を蒸着すること
でワイヤの幅が数十 nm長さが数μm にも及ぶ
高アスペクト比のワイヤが形成すると報告してい
る(反応性蒸着エピタキシー法RDE)我々は
彼らとは別の成長方法を用いてナノワイヤを形成
させることに成功した(Fe を蒸着した後基板を
600 ordmC に加熱する(固相エピタキシー法SPE)) 本研究ではSPE と RDE で成長させたワイヤの
形状がどれくらい異なるかワイヤの組成は同一
なのかどうかを走査トンネル顕微鏡(STM)走査
電子顕微鏡(SEM)そして X 線光電子分光法(XPS)を用いて評価したまた通常ワイヤの作製には
超高真空環境が必要となるが我々は新たに高真
空環境でもワイヤが作製できる方法を開発した 実験試料作製は以下に示す真空度の異なる2種類のチャンバーを用いた 超高真空下での試料作製はSTMとXPSを装備
したチャンバー内(到達圧力lt 20 times 10-8 Pa)で
行なった試料にはPドープのn型Si(110)ウエハー
(2 ndash 4 Ωmiddotcm)を用いた試料の清浄化は通常用い
られる加熱処理により行なった2)Feの蒸着は
電子衝撃加熱法を用い蒸着レートは018 MLminである(1 MLSi(110) = 959 times 1014 atomscm2) 高真空下での試料作製は到達圧力が13 times 10-4 Pa以下のチャンバー内で行なった試料にはPドープのn型Si(110)ウエハー(lt 001 Ωmiddotcm)を用いた
試料の清浄化はフッ酸処理によるウエットプロ
セスにより行なったFeの蒸着はアークプラズ
23
マガン(APG)を用い蒸着レートは047 MLshotである それぞれの試料加熱は通電加熱法で行ない
温度測定には予め校正した放射温度計を用いた 結果および考察Figure 1 に超高真空下(50 times 10-8 Pa以下)で作製したナノワイヤを示す共に
蒸着量は 018 ML基板温度は 600 ordmCである
Figure 1(a)と(c)はSPEによって作製したワイヤの
SEM像とSTM像であるlt110gt方向に沿った長さ
は 20 ndash 120 nm幅は 6 ndash 15 nmであった一方
Fig 1(b)と(d)はRDEによって作製したワイヤの
SEM像とSTM像であるlt110gt方向に沿った長さ
は 100 ndash 1000 nm幅は 15 ndash 20 nmであったXPS結果からSPEとRDE共にFeSi2の組成を持つこと
も明らかにし両者とも同じ構造であると考えら
れるRDEで成長させたワイヤの長さはサブマ
イクロメートルにも達しSPEに比べ非常にア
スペクト比が大きくなることが分かる成長手法
を変えることでワイヤの長さをμmオーダーにす
るかnmオーダーにするかの制御が可能となる このような違いが生じる原因としては鉄を蒸
着するときの Si 基板の構造の違いが考えられる
基板温度-ワイヤの密度の依存性を調べることで
得られる活性化エネルギーの値を調べるとSPEの方が RDE に比べて小さくなるRDE の場合
鉄を蒸着するときに基板を 600 ordmC に加熱してい
るこの温度はFig 1(c)の下地にも確認できるよ
うにSi(110)-ldquo16 times 2rdquo清浄表面が形成される 3)
この表面は原子一層分の高さを有する凹凸構造
となるこの状態で蒸着種が拡散するためには
非常に大きなエネルギーを要し拡散する方向も
制限されると考えられるので非常に長いワイヤ
が形成されると考えられる
23
Figure 2(a)に高真空下(40 times 10-4 Pa以下)でSPEによって作製したナノワイヤのSEM像を示す超
高真空下と同様にlt110gt方向に沿っておりサ
イズもほぼ同程度であるしかし超高真空下で
作製したワイヤのSEM像のコントラストと比べ
ると非常に弱いこれは大気に一度曝すことで
生じる自然酸化膜の影響であると考えられるま
た当研究室でワイヤの断面TEM観察したところ
Si基板中の三角形のコントラストとして現れてい
る(Fig 2(b))超高真空下で作製したワイヤも同様
に基板内部にワイヤが成長するので 1)高真空
下と超高真空下で類似の構造を作製することに成
功した 以上のことからワイヤを作製するにあたり以
下の二点のことを明らかにした 数十 nm か数μm の長さのワイヤを自在に成長
させることが可能
10-4 Pa 台から 10-8 Pa 台の広い範囲の環境下で
ワイヤの作製は可能 今後の課題作製したワイヤに磁性が存在するの
かどうかについての研究を進めていく予定である 論文発表状況特許出願 1) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
Jpn J Appl Phys 47(7B) (2008) 6138 2) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
ldquoThe 15th International Colloquium on Scanning Probe Microscopyrdquo (poster)
3) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda ldquoThe 9th International Conference on Atomically Controlled Surfaces Interfaces and Nanostructuresrdquo (poster)
参考文献 1) S Liana R Islam D J Smith P A Bennet J R
OrsquoBrien and B Taylor Appl Phys Lett 88 (2006) 113111
2) R S Becker B S Swartzentruber and J S Vickers J Vac Sci Technol A6 (1988) 472
3) Y Yamamoto Phys Rev B 50 (1994) 8534
Fig 1 (a) and (b) SEM images of NWs on Si(110) surface prepared by SPE and RDE in UHV respectively In both cases the NWs grow along lt110gt
Fig 2 (a) SEM image of NWs on Si(110) surface prepared by SPE in HV The NWs grow along lt 1 10gt (b) Cross-Sectional TEM image of NWs observed along lt110gt direction The NWs are observed as a triangular contrast in the Si substrate
24
装置利用
豊田工大 07-16
多結晶シリコンデバイスのための酸化メカニズムに関する研究
The study on the silicon surface oxidation for poly-silicon electronic devices
山本 直矢a 芳之内 淳a 大下祥雄b
Naoya Yamamotoa Atsushi Yoshinouchia Yoshio Ohshitab
a株式会社 IHI b豊田工業大学
aIHI bTTU シリコン表面酸化速度はその面方位よって大きく異なることが知られている今回多結晶シリ
コンを用いた電子デバイスを作製するうえで重要なさまざまな面方位表面における酸化速度を詳細
に調べたまたシリコンの結晶構造の Si(100)表面で規格化された状態密度との比較も合わせて行った その結果各面方位の酸化速度はWet O2中での酸化では Si(111)面を除いてシリコン表面に存在
する Si-Si 結合の密度に近くなる一方で Dry O2 中では Si-Si 結合密度と表面原子密度の間に位置して
いることが分かった
The effects of crystal orientation of Si substrates on the oxidation rates are studied The Si with (111) (211) (311) (511) (100) (310) (210) and (110) surface are oxidized by the dry and the wet oxidation methods We analyzed the relative oxidation rates which is normalizing them by the values of Si(100) by comparing with the interface structure The relative wet oxidation rates at the low temperatures except for the surfaces that have a large lt111gt component can be explained by the number of the back bonds of Si at the SiSiO2 interface On the other hand the relative oxidation rate obtained by the dry oxidation lies between the numbers of Si-Si bonds and Si atoms at Si surface
背景と研究目的 近年多結晶シリコンを用いた電子デバイス
の開発が盛んに行われている多結晶シリコン
ウェハは単結晶化シリコンウェハに比べて安価
に製造することができるため太陽電池市場お
いてはシェアの多くを多結晶シリコン太陽電
池が占める多結晶シリコン薄膜はガラスや
プラスチック等のシリコンと異なる基盤表面に
成膜可能であることから液晶ディスプレイや
有機 EL ディスプレイ用の駆動用 TFT の活性層
としても用いられているまた特異な電子特性
からシリコンナノ結晶を用いたさまざまな電
子デバイスが提唱されている それらの多結晶シリコンデバイスの性能を向
上させるためにはいくつかの問題点があるが
その中でも重要なのがシリコンとそれを絶縁
させるための絶縁膜および界面の問題である
通常の単結晶シリコンデバイスでは酸化雰囲気
中でシリコン表面を酸化することで得られるシ
リコン熱酸化膜を用いるが多結晶シリコンデ
バイスでは粒界に不純物が析出したり基板が
反ったりと熱負荷をかけられない場合が多い
そ の た め 低 温 形 成 可 能 な 化 学 気 相 堆 積
(Chemical Vapor DepositionCVD)酸化膜が多
く用いられるが多結晶シリコン表面がそのま
まシリコンシリコン酸化膜界面になるため良
質な界面を得ることが難しい低温でもシリコ
ン表面を酸化することは可能ありそのメカニ
ズムに関しては以前から様々なモデルが提唱さ
れてきた[1-6]しかしそれらは多くは(100)(110)(111)面に関するものでありそれ以外の
面方位については実験データも少なく酸化の
25
メカニズムや酸化膜の膜質についても不明な点
が多い 本研究では低温における多結晶シリコン表
面の酸化のメカニズムとその膜質を検証する上
で必要な各種面方位を持ったシリコン単結晶
表面の酸化速度を分析しその傾向に関する知
見を得ることを目的とする 実験 鏡面研磨した(111)(211)(311)(511)(100)(310)(210)(110)それぞ
れの面方位をもった単結晶シリコンサンプルを
準備したそれらを縦型酸化炉にて各面方位一
括で酸化処理を行ったWetO2酸化の時はO2
H2を同じ流量で炉内横に設置された石英製の
燃焼器で燃焼させ燃焼ガスを炉内に導入した
酸化処理の後エリプソメーターにて膜厚を計
測した
Figure 2 Comparison of calculated data and oxide thickness formed in Wet O2
同じく750のWetO2中でシリコンを酸化し
たときの酸化膜厚と各種表面密度との比較を図
2に示す(100)方位から(110)方位に向かって
はバックボンド密度と非常によく似た傾向を
示す一方で(100)から(111)方面にかけては
弧を描くように増加し(111)表面では酸化膜厚
が遅くなっていることがわかるこの傾向はγ
(表面原子密度)の傾向に近いことが分かった
結果および考察 DryO2 およびWetO2
中さまざまな温度で酸化処理を行ったが今回
は温度の低い 750での酸化膜の成長に関する
結果を示す各面方位の酸化初期における相対
的な酸化膜厚は水蒸気が含まれても大きく変わ
らず基本的Si(100)からSi(111)Si(110)各面
方向に向かってほぼ直線的に増加する各表
面密度をSi(100)表面の値で規格化したものと
DryO2中 750において 180 分間酸化処理した
酸化膜厚をSi(100)の膜厚で規格化した値を
ここに示すような主要な(100)(110)(111)方面以外の酸化速度を同時に酸化処理を行っ
て得られたデータはこれまでになく酸化速度
の面方位依存性のメカニズムを検証する上で
貴重なデータになるものと考える 今後の課題 各面方位の実際の酸化速度と状
態密度の計算結果との違いの原因を調べるとと
もにより詳細な酸化メカニズムについて検討
を行うまたこのような酸化速度の違いが多
結晶デバイスに及ぼす影響についても分析を行
っていく
参考文献 1) B E Deal and A S Grove J Appl Phys 36
(1965) 3770
2) H Z Maasoud et al J Electrodhem Soc 132
(1985) 1745 Figure 1 Comparison of calculated data and oxide thickness formed in dry O2
3) E A Lewis and E A Irene J Electrochem Soc
134(1987) 2332
重ねたものを図1に示すαは各面方位表面の
シリコン原子が持つ Si-Si 結合(バックボンド)数の密度βはダングリングボンド密度γは
表面の原子密度それぞれを Si(100)表面の値で
規格化したものである酸化膜厚が Si(111)Si(110)かけての増加する様子はバックボンド
密度の傾向に似ているただ計算値に比べ酸
化膜厚が薄くなる傾向にある
4) S I Raider and LEForget J Electrochem Soc
127(1980)1783
5) E A Irene et al J Electrodhem Soc 133
(1986) 1253
6) J R Ligenza J Phys Chem 65 (1961) 2011
26
協力研究
豊田工大 08-01
多結晶シリコン基板への pn ダイオード作製
Fabricated p-n diode on multi-crystal Silicon substrate
小椋 厚志
Atsushi Ogura
明治大学
Meiji University
多結晶シリコンは太陽電池用基板として広く用いられているそれは単結晶シリコン基板に匹敵する
変換効率を有し多結晶シリコン基板のほうが低コストで作成することが出来るからである粒界
欠陥不純物などにより単結晶シリコンと比べ特性が劣化してしまう本研究では微少な p-n ダイ
オードを多結晶シリコン基板上に作成し電気特性と結晶性の評価を行い特性劣化の起因を調べる
ことを行った
Multi-crystalline silicon (mc-Si) is widely used as solar cell substrate For mc-Si it is desired to realize uniformly high conversion efficiency comparable to that of single-crystalline silicon with keeping its low production cost Inhomogeneous degradation in the efficiency can be caused by grain boundaries defects impurities and so on In this study we fabricated p-n diode array on mc-Si and the diode was evaluated relation between electrical property and crystal quality for revealing as causes of degradation
実験 背景と研究目的
キャスト法により作成された多結晶Si基板を
用いてp-nダイオードアレイを作成した図1が多結晶Si基板上に作製したダイオードアレイの
完成図であるAl電極をリン拡散領域に対して
およそ4分の1領域被せてある電極の大きさは
1mm角で各電極間の距離は2mmである
多結晶シリコン太陽電池は単結晶シリコン太
陽電池と比較してコストの低減が見込まれて
いるが結晶欠陥粒界不純物応力などの
種々の問題からいま一つ変換効率の向上が難し
い変換効率特性の改善の為にはこれらの欠
陥の挙動および特徴を理解し検証評価す
ることが求められている
A B
Al electrode
P diffusion area
A B
Al electrode
P diffusion area
SiO2 SiO2
p-type mc-Si
Al
P diffusion area
A-B cross-section
BA
(a) (b) Fig1 Structure of p-n diode (a) layout and (b) cross-section (A-B)
本研究では多結晶シリコン基板上に微小 p-nダイオードアレイを作製し各々の電気特性を
測定することで基板内での分布粒界や欠陥な
どの依存性を検証するまた同基板を用いて PLEBICTEM を用いた不純物分布および結晶
性の評価を行う
27
電気特性の測定から理想係数n値とリーク電
流に基板内で分布が見られることを確認した
同条件により単結晶Si基板上に作成したものに
は見られなかった為多結晶基板に見られる粒
界や欠陥などが起因していると考え結晶性評
価をEBICPLTEMを用いて行った
500μm
Al electrode
200 μm
High
Low
Al electrode
200 μm
Al electrode
200 μm
High
Low
High
Low
(a) (b)
Fig2 Images of (a) EBIC and (b) PL 結果および考察
Fig2 に PL 及び EBIC 像を示すこのダイオ
ードアレイの特性は理想係数 n 値リーク電流
はそれぞれ 319210E-08[A]を示し明確な粒
界の存在しないポイントであったしかしPLEBIC 像には明らかなダークラインが確認され
これらが電気特性悪化に起因しているのではな
いかと考えられるPL 測定に関して田島先生の
論文の中で小傾角粒界に起因した発光の確認[]がなされ今回測定した試料においても同様の
ものが見られたのではないかと考えられる
(a)
(b)
(c)
(d)
(a) (b)
Fig3 TEM images of the defect (a) low magnification
image (b) (c) TED pattern and (d) high magnification
image
ダークラインの構造を確認する為に TEM に
よる観察を行ったFig3 の(a)は低倍率による観
察(b)及び(c)は電子回折像(d)は高倍率による
観察である(a)及び(d)より転位が確認され電
子回折像の比較から異なるパターンを示して
いることを確認した 以上のことから多結晶 Si 上に作成したダイ
オードアレイの電気特性を劣化させている原因
は粒界だけではなく小傾角粒界も影響を与え
ることを確認した 今後の課題 今回基板特性がダイオード特性に大きく影響
を与えることを再度確認したので今後は基板
特性向上の為欠陥の種類の評価起因の解明
を行う予定である 謝辞 本研究は豊田工業大学大下祥雄准教授
兵庫県立大学新船幸二准教授の共同研究九
州大学柿本浩一教授宇宙航空研究開発機構
田島道夫教授のご助力に深く感謝致します
論文発表状況特許出願 [1] T Tachibana et al ECS Symposium Austria 200910 発表予定
参考文献
1) H Sugimoto K Araki M Tajima T Eguchi I
Yamaga M Dhamrin K Kamisako and T Saitoh
J Appl Phys 102 054506 (2007)
28
共同研究
豊田工大08-02
可視光用超高速空間光変調器の研究開発
Research amp Development of Ultrafast Spacial Light Modulator for Visible Light
近藤 直樹a
Naoki Kondoa
a帝京大学
aTeikyo University
半導体ナノ構造光デバイスの超高速性のイメージング応用の一環として量子井戸の光吸収変調を
用いた可視光用の透過型空間光変調器を作製しようとしている
今年度は透過型光変調器を作成する際に不要な吸収層となってしまう GaAs 基板をウェットエッ
チングで除去するプロセスの条件出しを行った3mm 角程度の面積の50nm の AlGaAs エッチスト
ップ層つき多重量子井戸構造サンプルにおいて面内均一に GaAs 基板層を除去することができた
またレーザ光照射による白色光の吸収変調測定系を立ち上げ室温での吸収変調の様子を測定した
As an attempt to exploit ultafast optical response of semiconductor nanostructures for imaging technologies we started to develop transmissive spacial light modulator for visible light using absoption modulation of quantum wells We have clarified conditions for uniform etch-off of GaAs substrate which would otherwise be
the dominant light absorber (3mm)2 MQW sample with 50nm AlGaAs etch stop layer was etched down to approximately 3μm thickness with modest in-plane uniformity We have also built white light transmission measurement system under additional laser irradiation and measured room-temperature modulated absorption of the processed sample
背景と研究目的 本研究は半導体量子ナノ
構造の光学応答の超高速性を背景としてそれ
を可視光域でのイメージング用途に用いる事で
現在イメージング用途に用いられている光変調
機構である機械式シャッターや液晶などをはる
かに上回る速度を実現し超高速イメージング
や新用途への展開を図ることを目的として行っ
ている具体的には光吸収飽和 1)を利用した
可視光用の透過型多重量子井戸空間光変調器
の作製を行う 今年度は前年度作成したGaAs系多重量子井
戸構造を透過型空間光変調器として利用するた
めの基板除去プロセスの条件出しを行ったま
たレーザ照射による白色光吸収の変調を測定
するための光学系を立ち上げ室温での吸収変
調効果の測定を行えるようにし予備的測定を
行った 実験 エッチング サンプル構造にはエッチストッ
プのための50nm厚のAlgaAs層が入っている多
重量子井戸構造を用いたエッチング剤には
29
GaAsとAlGaAsのエッチング速度が大きく異な
る選択性のもの(H2O2NH4OH)を用いる事で
GaAs基板を除去した
我々のGaAs基板のエッチング除去のプロセ
スでは最初にまずサンプル基板をガラスにエ
ポキシ樹脂で固定した後約100um厚まで機械
研磨しその後ウェットエッチング
(H2O2NH4OH=101 GaAsエッチング速度~
3ummin)でエッチングを行った
光変調吸収測定 レーザ照射による白色光吸収
の変調を測定するための光学系を組み室温で
のサンプルの吸収変調の様子を測定したサン
プルには残り膜厚約 3μm のものを用いた波
長 532nm05W の緑色レーザ光を集光せずにサ
ンプル前面に照射非照射した時のハロゲンラ
ンプ光吸収スペクトルを測定した
FigureCaption Fig 2 Microscope image of substrate-etched MQW sample
結果および考察 エッチング 当初機械研磨は表面にキズが目
視できるレベルで止めていたが表面にμmオ
ーダーで凹凸が残っていると後のエッチング
深さに大きな面内ムラが生じることがわかった
そのため表面が光学的鏡面になるまで研磨す
るようにしたところエッチング後の面内ムラ
は減少した(図2)ただし目視で透過が確認
できるところまでエッチングを行うと量子井戸
による吸収が消えてしまうため薄いAlGaAs層によるエッチストップには失敗しているよう
であった
FigureCaption Fig 2 Modulated transmission spectra of approx 3μm thick MQW sample at room temperature
光変調吸収測定 測定結果を図3に示すGaAsによる吸収端がレーザ照射によってシフトして
いることが確認できた 今後の課題
エッチングに関しては現在上記の透過測定
系を用いてレーザ透過強度変化を観察する事
により精度の高いエッチストップを行えるよ
う再実験中である光吸収変調に関しては
レーザ光照射および透過光測定を局所的にでき
るよう改善する予定である FigureCaption Fig 3 Calculated wavefunctions and energy levels in SLAM structures at room temperature 現在のサンプル構造は GaAsAlGaAs 系であ
るが可視光用途を GaAsAlGaAs 系で実現する
のは単純な量子井戸では可能なバンドギャッ
プの値から考えて困難である超格子疑似合金
(SLAM)2)構造を採用した可視光用量子井戸構
造を設計し数値解析した結果を図4に示す
本解析結果を元に試料を作製し可視光域での
動作を目指す予定である
参考文献
1) D A B Miller D S Chemla T C Damen A C
Gossard W Wiegmann T H Wood and C A
Burrus Phys Rev Lett 53 2173 (1984)
2) H Sakaki M Tsuchiya and J Yoshino Appl
Phys Lett 47 295 (1985)
30
技術相談装置利用
豊田工大 08-03
結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動について
Firing behavior of front side Ag for crystalline silicon solar cells
仙田 愼嗣 吉野 泰 加藤 夕子
Shinji Senda Yasushi Yoshino Yuko Kato
(株)ノリタケカンパニーリミテド
NORITAKE CO LIMITED
高結晶シリコン太陽電池用銀ペーストの焼成時の挙動を解明し高い出力の得られる銀ペーストを研
究することを目的として平成 19 年度 3 月から装置利用を開始しているp 型シリコンウエハ上に n
層SiNx 反射防止膜を作製し作製したセルを使用して出力評価を行った Silicon solar cell electrodes are typically formed by using the screen printing Technique Good fire-through properties are required for an Ag electrode for the front-side surface insufficient fire through causes higher contact resistance (Rc) which decreases the conversion efficiency of solar cells In order to control the fire-through properties contact formation mechanism is important In this study n-layer thickness and antireflection coating thickness have a positivenegative effect on fire-through of Ag paste
背景と研究目的 現在太陽電池市場は急速
に拡大しておりその市場の中でも大部分を結
晶シリコン太陽電池が占めている受光面側に
は銀ペーストが裏面側にはアルミペーストと銀
ペーストが電極として用いられておりスクリ
ーン印刷を用いて低コストで電極を形成して
いるさらなる高効率化低コスト化への要求
が高まる中で生産性の向上および出力特性向
上のために高速焼成が主流になってきており
電極ペーストの焼成挙動を解明しペースト組
成焼成条件を最適化し高速焼成に対応する
ことが必要となる本研究では結晶シリコン
太陽電池用電極ペーストにおいて特に受光面
銀ペーストにおける焼成挙動の解明を目的とし
高い出力を得られる銀ペーストの研究を行う 実験 市販のシリコン基板 (p型 抵抗率1~
H2
結果および考察
10 (Ωcm) CZ110 厚さ200μm)を用いたオ
キシ塩化リン(POCl3)窒素酸素の混合ガス雰
囲気で熱処理を行うことによりP拡散を行い
n層を形成したその後プラズマCVD装置
(Samco製)を用いSiH4ガスNH3ガスおよび
ガスを原材料として反射防止膜(シリコン窒化
膜)を成膜形成した反射防止膜の厚みと屈折
率の評価にはエリプソメーター反射率には反
射率測定装置を用いた作製した基板上に裏
アルミ電極表銀電極ペーストをスクリーン印
刷法で付着乾燥後焼成したソーラーシュ
ミレーターを使用し作製したセルの電気的特
性の評価を行った
表 1 にP拡散条件を変
化させたときのn層のシート抵抗を示すP拡散
を制御することができシート抵抗を変化させ
ることが可能であり低温で短時間の拡散とす
ることで高シート抵抗の基板を作製できるこ
とがわかった一般的に用いられる 30~60Ωsqのシート抵抗のセルは条件が合わず作製でき
ていない表 2 にSiNx膜形成条件を示すガス
組成および製膜時間によりSiNx膜厚および屈
折率を制御することが可能であり一般的な膜
厚 80nm程度のセルを作製することが可能であ
31
今後の課題
Sheet
resistance
[Ωsq]
Pre-deposition P-diffusion
Temperature
[]
Time
[min]
Temperature
[]
Time
[min]
6 840 10 1000 40
10 840 10 1000 10
15 840 10 1000 5
110 800 5 800 10
ることがわかったが屈折率は一般的な 20 程
度にすることが出来なかった屈折率を高くす
るためにはSiNx膜の密度を上げることが必要で
あるが密度を上げるためには製膜温度を上げ
る必要があると考えられるが本プラズマCVD製膜装置では 250が限界であったため250で試験を進めた図 1 に作製した基板の反射率
を示す作製した基板上にスクリーン印刷法に
より電極を形成し乾燥焼成し出力特性
評価を行った結果を表 3 に示すシート抵抗の
高いセルを用いるとVocが高くなることが確認
できた本来であればSiの吸収係数の高い長
波長側の反射率が低いSiNx膜厚 80 nmのセルの
方が 55 nmのセルより電流値が高くなると考え
られるがpn接合が浅くなることで電流として
利用可能な波長が増大した効果の方が大きかっ
たと考えられるFFについては良好な特性が得
られたため焼成条件を変えたときの焼結挙動
について検討を行っていきたい
Table 2 Condition of PE-CVD
SiNx membrane PE-CVD
Thickness
[nm]
Refractive
[-]
SiH4
[mlmi
n]
NH3
[mlmi
n]
H2
[ml
min]
Time
[min]
55 179 3 6 6 3
80 180 3 6 6 4
100 185 3 6 6 5
80 185 3 4 8 4
80 187 4 11 0 3
今回の試験ではFFについては
論文発表状況特許出願
良好な値が得られたがファイヤースルー性に
ついてはSiNx膜厚および密度によって大きく異
なると考えられより緻密な膜の形成条件を探
索していく必要があるシート抵抗およびSiNx膜ともに一般的なセルと同等のセルを作製し
銀ペーストと焼成条件を変えたときの焼結挙動
について試験を行いたい
特になし 参考文献 1) Y Ohshita Y Nishikawa M Tachibana VK
Hilali A Rohatgi S Asheri
Table 1 Condition of P-deposition
Tuong T Sasaki N Kojima S Tanaka M
Yamaguchi J Crystal Growth 275 (2005)
491-494
2) M
010203040506070
350 550 750 950 1150
Wavelength [nm]
Ref
lect
ance
[]
Mirror waferSiN 55nm(Planer cell)SiN 80nm (Planer cell)
Fig 1 Reflectance of planer cells
Table 3 Cell performance
Cell PE-CVD
Sheet
resistance
[Ωsq]
SiNx
membrane
thickness
[nm]
Jsc
[mAc
m2]
Voc
[mV]
FF
[]
Eff
[]
15 55 259 595 757 117
10 80 252 588 754 112
TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES 51
(2004) 948-955
32
技術代行装置利用
豊田工大 08-04
ナノレベルで膜厚を制御した透明導電膜の光学特性評価
Optical properties of TCO nano material
吉野賢二竹元裕仁小嶋稔
Kenji Yoshino Yujin Takemoto Minoru Oshima
宮崎大学工学部電気電子工学科 Department of Electrical amp Electronic Engineering University of Miyazaki
Ga-doped ZnO (GZO)をプラズマアークを利用したイオンプレーティング法で作製した作製した試料
を酸素雰囲気中で熱処理を行った熱処理温度の増加とともに赤外領域の透過率が減少したこれ
は自由キャリアの減少による散乱の減少と考えられる Ga-doped ZnO (GZO) films were deposited on alkali-free glass substrate by ion-plating system with DC arc discharge using a pressure gradient-type plasma gun The GZO films samples were annealed under O2 atmosphere at from 100 to 500 ˚C Optical transmittance in infrared region increased with increasing annealing temperature This was due to decreasing the scattering by decreasing of their free carrier 背景と研究目的 透明導電膜は高い電気伝
導度と高い可視光透過率を併せ持つものであり
現在 フラットパネルディスプレイ(FPD)や太
陽電池などさまざまな分野で利用されている
代表的な透明導電膜の材料としてIn2O3 SnO2
ZnO などがあるなかでも Sn を添加した
In2O3(ITO)は安易に 10-4 cm台の低抵抗が得ら
れているしかしITOの材料であるInは希少金
属であり価格が高いという難点があるまた 原料のInやSnに加えてITO粉末の毒性が懸念さ
れている加えて近年FPDや太陽電池などの
透明電極用途でのITO需要の恒常的な増大とは
相まってIn需要の増大が指摘されておりITO透明導電膜における省Inや脱In透明導電膜材料
が注目されている1)SnO2膜は比較的安価な
材料であるが エッチング加工と低温成長に難
があり用途が大幅に限定されるこれに対し
て ZnOは安価で豊富毒性に問題のない材料で
あるこのことからZnOはITOにかわる透明導
電膜の材料として注目されている 1) 本実験ではイオンプレーティング法により作
製
験
した Ga-doped ZnO(GZO)薄膜の熱処理を行
うことにより膜質の改善を試み考察した 実 イオンプレーティング法により作製し
果および考察
たGZO薄膜の熱処理を行った今回は焼きな
ましと呼ばれる熱処理方法を用いた雰囲気ガ
スとして酸素ガスを用い時間を 5 分温度 100~500 で行った試料をX線回折透過率
ホール測定で評価を行った 結 X線回折によりイオ
直型の検出器を用いた室温での
透
ンプレーティング法により作製されたGZO薄膜
はZnOのJCPDSカードと比較すると(0002)面のピークのみ確認された熱処理温度を増加
してもスペクトルに大きな変化は見られな
かった次にX線スペクトルより粒界サイズ
を計算し熱処理前の粒界サイズは約 64 nmで
あり熱処理後の粒界サイズは 61 ~67 nmとな
り粒界サイズの変化は見られなかったまた
格子定数もICDDとの差は 04以下である値が
得られ熱処理温度を増加させても変化は見ら
れなかった Fig 1 に垂
過スペクトルを示す一般的に ZnO のバンド
ギャップを室温では 33 eV で吸収端は 376 nmに位置することから今回熱処理に使用した
GZO 基板のバンドギャップとほぼ一致してい
る 2)また熱処理後も吸収端はほぼ同じ位置
であったGoncalves らの論文の方向によると熱
処理温度が増加すると吸収端が長波長側にシフ
トしているが2)本研究ではその傾向は見られ
33
熱処理温度 にしたがっ
Fig 1 Optical transmittance at RT
なかった 可視領域で
が増加する
て透過率にほとんど変化が見られなかったが
長波長側では透過率が上昇した(Figs 2 3)これは他の熱処理の論文でも同様な結果が報
告され 2)自由キャリアの減少による散乱の減
少と考えられキャリア濃度も熱処理温度が
400 度以上で減少している
Fig 2 Average transm e in visible region ittanc
Fig 3 Average transmittance in infrared region
今後の課題 今回の酸素中の熱処理の実験で
熱の効果を確認するためにアルゴンなどの不
活性ガスの実験を行う予定である 謝辞 本研究は豊田工業大学山口真史教
授大下祥雄准教授小島信晃助教に光透過測
定において協力を頂いた深く感謝したい
論文発表状況特許出願 [1] Y Takemo et al DRIP Conference USA 20099
発表予定
参考文献 1)南内嗣 応用物理 75 (2006) 1218 2) R Ghosh et al Mater Res Bull 40 (2005)
1905
0
20
40
60
80
100
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500
as-depo100200300350400450500
Tra
nsm
ittan
ce[
]
GZO O2 annealing 450oC 5min
Wavelength[nm]
34
技術代行装置利用 豊田工大 08-05
プラズマ CVD による薄膜作製と構造評価 a-Si film grown by plasma CVD
吉野賢二小嶋稔
Kenji Yoshino Minoru Oshima
宮崎大学工学部電気電子工学科 Department of Electrical amp Electronic Engineering University of Miyazaki
プラズマアーク CVD 法で作製したアモルファスシリコンをラマン法で評価を行ったスペクトルに
アモルファス成分結晶化成分および粒界成分に分離し結晶化度を決めることができた a-Si thin film on Si (100) substrate were successfully grown by plasma CVD Crystalline of the sample could be decided by Raman spectroscopy 背景と研究目的 アモルファスシリコンの原
子配列は規則正しい原子配列を結晶シリコン
とは異なり不規則になっている実際完全
場なアモルファスの結晶の存在は難しく一部
結晶化している 1)そこでラマン法により
結晶化度などの膜の構造に関する知見を非破壊
に得ることを目的として評価を行った
400 450 500 550
Experimental result Total c-Si GB a-Si
Inte
nsity
(au
)
Raman shift (cm-1)
a-Si
GB
c-Si
400 450 500 550
Experimental result Total c-Si GB a-Si
Inte
nsity
(au
)
Raman shift (cm-1)
a-Si
GB
c-Si
実験 グロー放電で発生するプラズマを中で
SiH4 を分解しa-Si膜をSi(100)基板上に作製し
たラマン分光法は室温でAr+レーザ(488 nm)を使用し測定した
Fig1 ラマンスペクトルのピーク分離例 結果および考察 Fig 1 にAr+レーザーで
ラマン測定した一例を示すSiのLOモードの信
号を結晶Si (c-Si)アモルファスSi (a-Si)結晶
粒間の粒界(GB)のピークに分離した
謝辞 本研究は豊田工業大学山口真史教
授大下祥雄准教授小島信晃助教にプラズマ
CVD作業において協力を頂いた深く感謝した
い GB ピークの起源についてはまだよく分かってい
ない各ピーク位置の結晶化度に対する依存性
はa-Si と c-Si のピークはややばらつきがある
が結晶化度によらず一定だったBG のピー
ク位置は結晶化度が上がるに伴って c-Si のピー
ク位置に近づいていったこれは結晶化度が
上がると GB の部分も結晶のフォノンエネルギ
ーに近づくことを意味しており構造が変化して
いることを示している
論文発表状況特許出願
該当なし
参考文献 1)森垣和夫米沢富美子嶋川晃一固体物理
37 (2002) 1
今後の課題 SiH4ガス圧などの条件を変えて
作製した試料のラマン測定やX線回折等の評価
を行う予定である
35
技術代行装置利用
豊田工大 08-07
電子線ビーム露光技術と組み合わせたナノ粒子パターン配置技術の開発
Patterning method of nanoparticles by using electron beam lithography
熊谷 慎也
Shinya Kumagai
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
近年ナノテクノロジー技術の進展に伴いナノ粒子が注目されているこのナノ粒子を自在に利用
するためには固体表面上の狙った位置にナノ粒子を配置する技術が必要とされる本研究では電
子ビーム露光技術を利用してナノパターンを作製しナノ粒子のパターン配置を試みた With the development in nanotechnology nanoparticles have attracted much attention and been utilized in various applications To utilize the nanoparticles patterning method of nanoparticles is indispensable In this study nanopatterns were fabricated by using electrom beam lithography technique and we investigated nanopatterning method through the lift-off process
背景と研究目的 ナノ粒子は通常のバルク材料とは異なった性
質を発揮することからナノテクノロジー研究
において注目されている例えば磁性材料
触媒ドラッグデリバリー等の用途での期待が
高まっている実際に応用することを考えると
固体表面上の狙った位置に配置する技術が必要
になってくる 12)本研究ではナノ粒子をナノス
ケールでパターン配置することを試みたナノ
粒子のパターン配置の方法としてリフトオフ
法を利用したリフトオフ法はこれまでに
MEMS 半導体デバイスの開発で使用されてお
り適切に用いればナノスケールの構造体を作
製することも可能でありここでは溶液中に
ナノ粒子を分散させた系に適用することを狙っ
ている
パターン配置の原理 パターン配置手法の概略をFig1に示す基板
表面にレジストを塗布し配置パターンを作製
するこのパターン基板にナノ粒子を分散させ
た溶液を滴下する溶液中に分散しているナノ
粒子は熱運動を利用してそのレジストのパタ
ーン内部に侵入させて露出している基板表面
と吸着させるレジストを溶解してレジスト
上に吸着したナノ粒子を取り除くと基板に直
接吸着したナノ粒子のみが残ることになる 実験 電子ビーム(EB)描画によるパターン作製 リフトオフ法に使用するレジストパターンを
EB 描画装置で作製した電子線レジスト
ZEP520A-7(日本ゼオン)にアニソールを加えて
10に希釈しスピンコーターによって塗布し
たスピンコートは500rpmで 10 秒回転させた
後3000rpm で30 秒回転させて行った(レジ
スト膜厚約15nm) EB 露光装置のDose 量[μCcm2]を変化させて微細なパターンの描画
を行った描画パターンの現像は酢酸アミル溶
液に15 秒間浸漬することで行いその後N2
ブローで乾燥させた
36
結
ナノ粒子のパターン配置 参考文献 配置パターンが描画された基板の上にイオン
強度を100mMに調整したナノ粒子溶液を滴下
し吸着を行ったこの条件のもとでは溶液
中の静電相互作用距離であるDebye 長は約1nm と計算されるナノ粒子―基板表面の間の静電
反発は十分に低くなっており表面近傍に十分
接近できる溶液を滴下後の状態を30分間保持
し純水でリンスしたその後 40の
ZDMAC(日本ゼオン)に5 分間浸し超音波を5 分間かけることでリフトオフを行いアセト
ン純水の順でリンスした
1) S Esconjauregui C M Whelan K Maex
Nanotechnology 19 (2008) 153306
2) W Hu K Sarveswaran M Lieberman G H
Bernstein J Vac Sci Technol B 22 (2004) 1711
果および考察 EB露光現像後の描画パターンの一例をFig2
に示す最も小さいもので直径20nmの微細な
ホールパターンを作製することができたさら
に小さなパターンを描画するためにはEB露光
条件現像条件を最適にチューニングする必要
があるナノ粒子の吸着実験では直径125nm~285nmのホールパターンを用いてリフトオフ
法でパターン配置を行ったSPM 観察画像を
Fig3(a)に示すFig 3(a) とFig 3(b) はそれぞ
れ使用したレジストパターンリフトオフ後
のナノ粒子の配置パターンのSPM像であるFig 3(a)と比べるとFig 3(b)ではナノ粒子の配置パ
ターンに大きさや形のばらつきが見られたナ
ノ粒子の配置パターンの面積は図5 のホールサ
イズの約8 割のサイズの大きさとなっていた
その理由の一つとしてシリコン酸化膜に吸着
したナノ粒子の一部がリフトオフの際に同時
に剥離されている可能性が考えられるその一
方で配置パターン以外の箇所へのナノ粒子の
吸着が見られたリフトオフ後に溶液中に分散
したナノ粒子が再付着したものと考えられる
またFig 3(b)においてFig 3(a)の125nm~
165nmに対応する部分にナノ粒子の吸着パター
ンが存在していないことがわかる本手法では
吸着パターン内にナノ粒子が積極的に入り込む
機構がないためにパターンが小さくなった場
合内部に侵入する確率が低くなり吸着パタ
ーンとして得られないことが要因として考えら
れる現在の環境下では直径175nm 以上のホ
ールであればナノ粒子をパターン配置するこ
とができるということがわかった
Fig 1 Principle of nanoparticle patterning through lift-off process
Fig 2 SEM image of EB lithography patterns The diameter of holes is φ20nm
(a) (b)
Fig 3 SPM images of (a) holes patterned in EB resist film and (b) nanoparticle patterns corresponding to each holes in (a) まとめ
ナノ粒子のパターン配置について検討した
今回検討した条件範囲内では175nm 以上のホ
ールを用いればナノ粒子をパターン配置でき
る今後の課題としてパターン以外の再吸着
量を低減させる必要がある
37
技術代行
豊田工大 08-08
超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発
Development of microfluidics chip using nanofabrication technologies
中野 圭洋 安池 雅之
Keiyo Nakano Masayuki Yasuike
株式会社 ESPINEX
ESPINEXINC
半導体製造技術を用いて作製されるマイクロ流路チップは近年バイオや化学研究用に用いられて
おり高精度な測定を可能にしている本研究では Si 基板上に作製したマイクロ流路型から細菌検
出用のマイクロ流路チップを作製し細菌を効率的に捕捉するための流路構造の最適化を行った
Recently microfluidics chips fabricated by the top-down semiconductor fabrication techniques have been widely utilized in the field of biology and chemistry These chips can detect bio- molecules or chemicals with ultra sensitivity In this research PDMS microfluidic chips for bacteria detection have been fabricated from Si wafer molds and structure of the microchannels have been optimized for bacterial sensing
背景と研究目的 半導体製造技術を用いて作
製するマイクロ流路チップは検出対象を微小
領域に高密度で凝集させることが出来るため
バイオや化学研究向けの高精度な測定に用いら
れている当社はマイクロ流路中に抗体を配
したバイオチップで特定の細菌を補足し蛍光
顕微鏡で検出するシステムを開発しており培
養を主体とする現状の検出法に比べ大幅に検査
時間を短縮でき簡便性にも優れるため感染
症診断や食品衛生検査での使用が見込まれる
(b)
Fig1 Microfluidics chip
本研究では効率的に細菌を捕捉するための流
路構造の最適化を行う具体的には作製した数
種類のチップで細菌の検出実験を行い抗生物
質の薬剤感受性試験 1)も行う
実験 (a)に示したマイクロ流路構造をSi 基板
上に凸形状として作製しシリコーンゴム
(PDMS)に転写して得られた凹形状のマイクロ
流路をガラス基盤と張り合わせて(b)のマイク
ロ流路チップを作製した実験は大腸菌(Ecoli K-12株)を用いてfig1(a)中の流入路より抗体
固相化剤(ZeptoBind)を用いて抗体(Poly Anti-
Fig2 Image of Ecoli captured in the microfludics chip
(a)
38
30min later 60min later 90min later
Fig3Images of Ecoli after applying antibioticz(Pansporin) Ecoli )を導入しブロッキングバッファー (Zepto block)を添加してガラス基盤上を修飾し
たその後104-105cfuml濃度の大腸菌液100ulを注入蛍光試薬(LIVEDEAD Baclight)を添加
して10分後バッファー(PBS)で洗浄し蛍光顕
微鏡観察を行ったさらに同チップに抗生物
質(Pansporin)1mgmlを添加し大腸菌に対する
同薬剤の感受性試験を行った
今後の課題 今回作成したマイクロ流路チッ
プはシリコーンゴム製で型を転写するだけで
1 時間程度かかり生産性が悪い量産にはポ
リスチレン等の樹脂にホットエンボス加工で転
写することが望ましいが離型時に樹脂の熱収
縮で流路構造が損傷する点や型として使用し
ているSi基板が転写時の圧力で損傷する点が今
後の課題として残る 結果および考察 大腸菌の捕捉率が高か
ったマイクロ流路(Fig1)での蛍光顕微鏡画像を
Fig2 に示す図中緑色に蛍光しているのが
生菌で死菌は赤く蛍光する前処理も含めて
1 時間程度で大腸菌を検出できた
謝辞 本研究は豊田工業大学の榊裕之教授
をはじめ共同利用クリーンルームの皆様にご協
力頂きました特にマイクロ流路の型製作に
おいて梶原建氏にご尽力頂き深く感謝してお
ります Fig3は抗生物質を添加してから 30 分60 分
90 分後の蛍光顕微鏡画像を示している時間経
過に伴って大腸菌が緑色(生菌)から赤色(死菌)に変化しているのが良く分かるFig4に薬剤感
受性試験結果をまとめた抗生物質未添加のチ
ップ(ピンク)では時間が経過しても死菌量が 0のまま増えないのに対して抗生物質を添加し
たチップ(青)では時間経過とともに死菌量がリ
ニアに増えている薬剤感受性試験でも前処
理を含めて 2 時間程度で検証できることが分か
った
論文発表状況特許出願 [1] ESPINEX特願 2008-53209チップ
注釈 1) ある細菌がある薬剤に対して感受性か耐性
かを判断する試験
0
5
10
15
20
25
0 02 04 06 08 1 12 14 16
Time (hour)
Dea
d ce
ll co
unts
w drugwo drug
Fig4 Result of drug screening test
39
協力研究
豊田工大 08-13
スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線形成技術
Conductive pattern forming method on vertical wall using spray coating and angled exposure technologies
森井裕貴大平文和
Hiroki Morii Fumikazu Oohira
香川大学
Kagawa University
スプレーコート技術と傾斜露光技術を用いた垂直壁面への配線パターン形成方法について検討した
この方法を用いることによりチップパッケージサイズを縮小することが可能となるスプレーコート
技術と傾斜露光技術を用いることにより 600μm の垂直壁へレジストを均一に塗布さらにレジストパ
ターン形成を可能としたまた配線パターンはスパッタと無電解 Ni めっきにより形成した本研
究で製作した配線パターンの幅は 200μm配線間隔は 300μm である A novel conductive pattern forming method on the vertical wall using a resist spray coating and an angled exposure technologies is proposed This method makes it possible to decrease the chip package size The spray coating and the angled exposure technologies enable the uniform resist coating and the patterning the resist on the vertical wall of 600 μm height Then a conductive pattern layers are sputtered and electroless plated As the result the conductive patterns of 200 μm width and 300 μm spacing is successfully formed on the vertical walls
背景と研究目的 携帯電話や携帯情報端末な
どにおいて更なる小型化高機能化が求められ
ている限られた容積の中でそれらの要求を満
たすには半導体チップの小型化高集積化
又はチップ実装の高密度化が挙げられる 本研究ではチップ実装の高密度化に着目し
半導体プロセス技術を用いてチップパッケージ
樹脂の垂直側面に 3 次元的に電極を配線するこ
とにより高密度実装可能な側面配線技術の確立
を目指す 本研究ではパッケージ樹脂高さ 600μm の
垂直側面に幅 200μm300μm の配線パターン
を形成するその手段としてフォトリソグラ
フィ技術を用いてフォトレジストの配線パター
ンを形成し金属を成膜しリフトオフすること
により金属の配線パターンを形成するこのと
き半導体プロセス技術で成膜できる金属の膜厚
は数千Åと少ないため配線としては電流抵抗
が大きくなるそこで配線として十分な膜厚を
得るため Ni めっきを行うこのプロセスにおい
て高さ 600μm の垂直側面にフォトレジスト
を均一に塗布することが重要となるそのため
スプレーコート技術と斜め露光技術を研究し
垂直側面への配線形成の原理確認を行った 実験 スプレーコートを用いてパッケージ樹
脂の垂直側面へのレジスト塗布の原理確認を行
ったスプレーコートではレジスト流量ステ
ージ温度ステージ速度などの条件がレジスト
の膜厚や分布に大きく影響する[2]そのため
これらのパラメータを調節し垂直側面へのレ
ジスト塗布を行った 露光プロセスでは垂直側面部が十分露光さ
れるように傾斜露光[1]を行うこのプロセスに
おいてマスクは平面のガラスマスクを用いる
ため樹脂側面やガラス基板上ではマスクとレ
ジストの間に間隔が生じるその結果光の回
折などにより側面のパターンが広がるそのた
40
め露光量に対するパターンの広がりについて検
証を行った さらにレジストパターニング後スパッタ
により金属膜を成膜リフトオフ無電解 Niめっきを行い配線パターンを形成した図 3にパッケージ樹脂の垂直側面に形成した配線パ
ターンを示す同様にして側面配線形成を行っ
たチップを 5 つ作製しそれぞれの抵抗値を計
測した5 つのサンプルを A から E としそれ
ぞれの抵抗値の平均値と分散値を図 4 に示す
製作した側面配線は数オームであり実用上問
題のない値であるこれらの原理確認から高さ
600μm の樹脂の垂直側面への配線形成が可能
であることを明らかにした
さらにレジストパターニング後スパッタ
により金属膜を成膜リフトオフ無電解 Niめっきを行い配線パターンを形成した図 3にパッケージ樹脂の垂直側面に形成した配線パ
ターンを示す同様にして側面配線形成を行っ
たチップを 5 つ作製しそれぞれの抵抗値を計
測した5 つのサンプルを A から E としそれ
ぞれの抵抗値の平均値と分散値を図 4 に示す
製作した側面配線は数オームであり実用上問
題のない値であるこれらの原理確認から高さ
600μm の樹脂の垂直側面への配線形成が可能
であることを明らかにした
結果および考察 スプレーコートにおい
てレジスト流量ステージ温度ステージ速度
条件を検討した結果レジスト流量 81grh100grhステージ温度 95105115ス
テージ速度 300mms400mmsで塗布が可能で
あることを確認した図 1 にレジスト流量
100grhステージ温度 105ステージ速度
300mmsの条件でスプレーコートしパターニ
ングしたサンプルを示すレジストはエッジ部
などで途切れることなく全面に塗布されている 斜め露光において露光量に対するパターン
の広がりについて検証した結果図 2 に示すよ
うに1Jcm2 では 20μm2Jcm2 では 50μm
4Jcm2 では 70μm8Jcm2では 90μm 程度側面
の最下部で広がっている本研究では配線間
隔は 300μm の設計であり広がりが生じても
パターンが重なることはなく実用上問題ない
研究では配線間
隔は 300μm の設計であり広がりが生じても
パターンが重なることはなく実用上問題ない スプレーコート技術と斜め露光技術により
パッケージ樹脂の垂直側面へのレジストパター
ニングを可能とした
スプレーコート技術と斜め露光技術により
パッケージ樹脂の垂直側面へのレジストパター
ニングを可能とした
Fig1 The spray coating and patterning the resist Fig1 The spray coating and patterning the resist
Fig7 Changes of pattern widths at various exposure doses Fig7 Changes of pattern widths at various exposure doses
Fig3 Conductive pattern forming Fig3 Conductive pattern forming
A
B
CD E
0
05
1
15
2
25
3
Resistan
ce(Ω
)
Fig4 Electric resistance measurement results 今後の課題 本研究で提案したプロセスでは
パッケージ樹脂側面の配線パターンが広がって
しまうこの広がりを抑える工夫を今後検討し
ていく 参考文献 [1] Hayato Izumi Yohei Matsumoto Seiji Aoyagi Yusaku Harada Shoso Shingubara Minoru Sasaki Kazuhiro Hane Hiroshi Tokunaga IEEJ Trans SM Vol 128-E No 3 (2008) pp102-107 [2] Vijay Kumar Singh Minoru Sasaki and Kazuhiro Hane Japanese Journal of Applied Physics Vol 46 No 9B (2007) pp 6449-6453
Plastic material NiNi
Substrate
Resist Plastic material Resist
Substrate Plastic material
Exposure doses (1) 1 Jcm2
(2) 2 Jcm2
(3) 4 Jcm2
(4) 8 Jcm2
43
2
1
Wall side Upper side
Height 600μm
Width 200μm
41
協力研究
豊田工大 08-15
プローブ顕微鏡を用いた物性測定
Measurement of Physical Properties by Scanning Probe Microscopy
田仲 圭
Kei Tanaka
(株)大同分析リサーチ
DAIDO BUNSEKI RESEARCH Inc
先端に磁性ナノ粒子を持つカーボンナノチューブ(CNT)探針は高分解能な磁気力顕微鏡(MFM)
用として有望である本研究ではこの CNT 探針を用いた際の分解能の Q 値依存性を調べるととも
に理論的に分解能の検討を行った Carbon nanotube probes with magnetic nanoparticles on the top are expected for use in high-resolution magnetic force microscopy (MFM) Here we investigate the Q-value dependency of resolution using such CNT probes and performed a theoretical discussion for resolution
背景と研究目的我々はこれまでに先端に磁
性ナノ粒子(触媒金属)を持つカーボンナノ
チューブ(CNT)をカンチレバー上に成長させ
た探針を使用することにより磁気力顕微鏡
(MFM)の分解能が市販品の従来探針に比べて
飛躍的に向上することを示した 1)今回はさ
らに分解能を向上させる手段として実験的
にはカンチレバーのQ値を高める工夫を行う
とともに理論的な面からもCNT探針の分解能
の検討を行った
24
min)(0QA
TBkkzF BL
ϖ=prime (2)
で表される3)ここでkLはカンチレバーのば
ね定数kBはボルツマン定数Tは探針の絶対
温度Bは周波数のバンド幅ω0は共振周波
数Qは探針の性能指数Aは探針振幅の実行
値である (2)式からも分かるように同じ探
針を使用した場合でもQ値を高めることによ
り熱振動ノイズが下がりSNが向上し到
達分解能が高くなることが予想される 理論 周期的に書き込まれた磁気記録媒体に対する磁気力顕微鏡が検出する信号(力勾配)は
果および考察結 (1)式から得られた関
数を用いて実験値に対してフィッティングを
行った結果をFig1 に示すFig1 のグラフは
周期的に書き込まれた磁気記録媒体のMFM像
に対してFFTを行いパワースペクトルから得
られたピーク強度とその空間周波数をプロッ
トしたものである黒丸および黒四角の点は
Q=200(前報値大気中観察Q値制御なし)
Q=526(今回報告値大気中Q値制御MFM SII
ナ ノ テ ク ノ ロ ジ - 製 SPM 装 置 rdquo
( ) ( )
tip
kzktstz dVekx tipz
ekMM
F int minusminus
partpart
minus=prime cos120μ
(1) で表される 2)ここでμ0は真空透磁率MtMs は探針および試料の磁化k は空間周波数を示すまた熱振動ノイズによって制限される最小の信号は
42
NanoNaviE-sweeprdquo使用)のそれぞれの場合で
得られた値を示すQ値が高くなると強度が高
くなっていることが分かる図中の実線は
Q=200 の場合の実験値に対して(1)から得ら
れた関数でフィッティングを行った結果であ
るそこから得られたパラメーターを用いて
比例定数のみをフィッティングパラメーター
としQ=526 に対してフィッティングを行っ
たものが図中の破線である上式(2)から算出
されたノイズレベルとの交点が予想される到
達分解能である現在(2)式を用いた熱振動
ノイズの算出を試みているしかしながら
現段階においても破線のカーブ(Q=526)は実
線のカーブ(Q=200)に比べて空間周波数が高
い方にシフトしていることからQ値を高くし
た効果として到達分解能が向上していること
が推測される
10E-01
10E+00
10E+01
10E+02
10E+03
10E+04
10E+07 10E+08
Spatial Frequency (1m)
Inte
nsi
ty (
au)
Q=200
Q=526
Fig1Spatial frequency dependence of MFM signal
参考文献
今後の課題 今後はQ値を系統的に変化させ
た測定値を得ることと熱振動ノイズの算出お
よび実験値との整合性を検討することにより
分解能の理論的予測を行っていく
1) K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J
Nanomater in press
2) S Porthu L Abelmann and C Lodder J Magn
Magn Mater 182 (1998) 238 謝辞 今回の測定はSIIナノテクノロジー社
の山岡武博氏の好意によるものである 3) T R Albrecht P Grutter D Horne and D Rugar
J Appl Phys 69 (1991) 668 論文発表状況特許出願
K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J Nanomater in press
43
装置利用
豊田工大 08-16
磁気記録用パターン媒体の研究
Fabrication of patterned media for magnetic recording
加藤 剛志
Takeshi Kato
名古屋大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Nagoya University
イオン照射型ビットパターン媒体として利用できる CrPt3 規則合金膜の成長プロセスを検討するため
赤外線ランプおよび短パルスレーザーを利用した急速熱処理を検討した赤外線ランプ加熱では真空
中熱処理と同様CrPt3膜を規則合金化できさらに多層構造を崩さずに CrPt3規則相を生成すること
が可能であることが分かった一方短パルスレーザー処理を行った場合赤外線ランプ処理のよう
な規則合金化は見られなかった In order to develop new fabrication process of CrPt3 ordered film for ion irradiation bit patterned media rapid thermal annealing using infra-red (IR) lamp or short pulse layer has been investigated In the case of IR lamp annealing the ordered structure of CrPt3 was confirmed just as in the sample prepared by vacuum annealing Moreover this method was found to be quite useful to fabricate multilayered structure including the ordered CrPt3 layer On the other hand the ordered CrPt3 was not confirmed for the annealing using short pulse layer
背景と研究目的 ハードディスクドライブ
(HDD)の記録媒体として現在使用されてい
る微粒子媒体に代わる超高密度記録媒体である
ビットパターン媒体が注目されているこれは
熱安定性の確保低記録磁界低ノイズという
現在微粒子媒体において問題となっているトリ
レンマを微細加工によりビットを定義すること
で克服するというものである超高密度なビッ
トパターン媒体に要求される特性として高い
熱安定性シャープなビット境界優れた表面
平坦性などが挙げられるこれまでに我々は
これらを満足するものとしてイオン照射型
CrPt3パターン媒体を作成し超高密度パターン
媒体の可能性があることを示してきた[1] イオン照射型パターン媒体はイオン照射に
より媒体の物性を局所的に制御しパターン化す
る方式であり表面平坦性に優れた媒体が作製
可能となるこれまで CoPt[2]CoPd[3]多層膜
などにおいて高エネルギーイオン照射により
垂直磁化の領域と面内磁化の領域をパターン化
する研究などが報告されているしかしながら
これらの材料ではイオン照射だけで照射領域を
非磁性化することが困難であり照射領域を介
した記録ビット間の磁気的結合が高密度記録に
重大な支障をきたす[3]一方CrPt3 膜は L12
型の規則合金ではフェリ磁性を不規則の fcc相では非磁性となり低ドーズのイオン照射に
よりこの相変化を起こすことが可能であるこ
のため低ドーズの照射により磁性非磁性領域
のパターン化が可能でビット間の磁気的結合
のないイオン照射型パターン媒体の実現が可能
となるCrPt3パターン媒体の応用上唯一の課
題はその規則化温度の高さであるこれまでの
報告ではCrPt3 規則合金の生成には真空中で
850˚C 程度の熱処理が必要であり[4]これは低
価格のディスク基板や軟磁性裏打ち層の形成の
障害となるこのため本研究では赤外線ラン
プおよび短パルスレーザーを利用した急速熱処
理を用いた CrPt3 規則合金膜の規則化を検討し
た
44
実験 マグネトロンスパッタ法によりSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substまたはSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (10 ndash 20 nm) CoFeZrNb (10 nm) SiO2 substという構成の膜を
作製したCr25Pt75層はCrとPtを同時成膜するこ
とで形成した赤外線ランプおよび短パルスレ
ーザーを用いた急速熱処理によりC 25Pt75 膜の
規則合金化を試みた赤外線ランプ加熱では
800 ˚C - 1000 ˚Cを 30 sec程度保持した昇温
降温速度は約 70 ˚Csecと真空中熱処理の 10 ˚Cminに比べ非常に速いパルスレーザー加熱
にはNdYAGレーザーのSHG光(パルス幅 6 nsec)を用い照射パワーを 40 - 190 mJcm2 と
変化させた膜構造はX線回折(XRD)により磁
気特性は交番磁界勾配型磁力計(AGM)磁気光
学Kerr効果測定装置により測定した
r
結
Fig1 (a) MndashH loops of lamp annealed Cr25Pt75 (15 nm) applying a magnetic field in-plane and film normal directions (b) Kerr loop of lamp annealed Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (20 nm) CoFeZrNb (10 nm)
果および考察 Fig 1 (a)はSiO2 (2 nm)
Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substを 1000 ˚C30 secの赤外線ランプ加熱処理後試料の磁化曲線を示し
ている18 kOeの最大印加磁場における磁化は
150 emucc程度で保磁力は 12 kOeとなった同
一のサンプルを真空中 850 ˚C15 minの熱処理
を行った場合磁化は 250 emucc保磁力は 12 kOeであったこれは赤外線ランプ加熱によっ
ても真空中熱処理と同様CrPt3膜を規則合金化
できることを示している真空中熱処理に比べ
赤外線ランプ加熱では短時間に熱処理を行うこ
とができるため多層構造膜の界面の合金化を
抑え熱処理することが可能となる可能性があ
るFig 1 (b)はSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (20 nm) CoFeZrNb (10 nm) SiO2 substの1000 ˚C30 secの赤外線ランプか熱処理後の
Kerrループを示しているKerrループは膜面側
から測定した結果でありCrPt層の磁化曲線を
反映するFig 1 (b)のように単層膜と同様の大
きな保磁力のループが得られておりSiO2 (20 nm)中間層によりCoFeZrNb層とCrPt3層との合
金化が抑えられたことを示している
Fig2 Dependence of saturation magnetization of pulse laser annealed Cr25Pt75 (15 nm) on the laser fluence
参考文献
[1] T Kato S Iwata Y Yamauchi S Tsunashima
K Matsumoto T Morikawa K Ozaki J Appl
Phys 105 (2009) 07C117
[2] C Chappert H Bernas J Ferreacute V Kottler J-P
Jamet Y Chen E Cambril T Devolder F
Rousseaux V Mathet H Launois Science 280
(1998) 1919
Fig 2 は SiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substを 40 ndash 190 mJcm2 のエネルギーでパルス
レーザー処理した後の磁化の照射強度依存性を
示している照射強度と温度との関係は不明で
あるがCr25Pt75 (15 nm)の反射率透過率から
照射エネルギーの 10 程度が膜に吸収される
と見積もられることからPt の体積比熱 29 JKcm3 を仮定すると50 mJcm2 で約 1000 ˚C の
温度上昇が見込まれるFig 2 に示すように CrPt合金膜に短パルスレーザー処理を行った場合
100 ndash150 mJcm2 程度の照射で若干磁化の増大
が観測されたが赤外線ランプ処理のような
100 emucc 以上の磁化は見られていない
[3] E Suharyadi T Kato S Tsunashima S Iwata
IEEE Trans Magn 42 (2006) 2972
[4] J Cho M Park H Kim T Kato S Iwata S
Tsunashima J Appl Phys 86 (1999) 3149
45
装置利用 豊田工大 08-17
鉄-コバルトナノワイヤシリサイド形成に関する研究 Study for Iron ndash Cobalt Nanowire Silicide Formation
丹司敬義ab大平 豊a
Takayoshi Tanjiab and Yutaka Ohiraa
a名古屋大学院工学研究科 b名古屋大学エコトピア科学研究所
aGraduate School of Engineering Nagoya University bEcoTopia Science Institute Nagoya University
Si(110)表面上にFe と Co の二元蒸着により作製したナノワイヤ(NW)の元素分析を行うために走査電子顕微鏡(SEM)に装備されているエネルギー分散型スペクトロスコピー(EDX)を用いたその結果我々は NW が形成されている同一表面上から FeCo の両ピークの検出に成功した Elemental analysis of Nanowire (NW) prepared by co-deposition of Fe and Co onto Si(110) surface have been studied by energy dispersion spectroscopy (EDX) equipped scanning tunneling microscopy (SEM) As a result we found both peaks of Fe and Co K line from same surface formed NW 背景と研究目的主に電荷を用いる半導体エレク
トロニクスでは従来使われなかった電子のもう一
つの性質であるldquoスピンrdquoを積極的に利用して
新しい材料の機能やデバイスを構築しようとする
半導体スピントロニクスに関する研究が近年盛
んに行なわれているシリコン(以下Si)技術と
の融合を図るためにはSi基板上へ磁性体の直接
成長が必要となる この背景の下我々はldquo磁性を有するナノワイ
ヤ(以下 NW)を Si 基板上に直接成長させるrdquoこ
とを最終目的として本研究を行なっているこれ
までは磁性元素である鉄(以下 Fe)のみを蒸着
し加熱することで形成される NW に注目し研
究を行なってきた 1)今回は FeSi(110)系に更にコ
バルト(以下 Co)を同時蒸着することにより
NW を形成させることを試みている Fe ndash CoSi(110)系の先行研究例は全くなくまず
Si(110)表面上に Fe と Co を同時に蒸着させた場合
にもFeSi(110)系や CoSi(110)系と同様なワイヤ
が形成されるかどうかを調べる必要があるこれ
はすでに著者らが形成されることを明らかにして
いる次の段階としてFe と Co 両方が同一ワイ
ヤ内に存在しているかどうかを調べるために本
支援により元素分析が可能な SEM ndash EDX を使
用した 実験Si(110)表面上にFeとCoの二元蒸着により
作製したNWのSEM ndash EDX測定を行う
結果および考察Figure 1 にFeとCoを蒸着
加熱を行い作製した試料のSEM像を示す
FeSi(110)系やCoSi(110)系で作製したNW同様
lt-110gt方向に配向したNWが観察されるNWの形
状としては幅が約 10 ndash 100 nm長さが約 300 ndash 1200 nmであり長いものでアスペクト比が 20 を
超えるNWが形成される この表面上の SEM ndash EDX 測定を行った結果を
Fig 2 に示す測定時に試料を入射電子線に対
して傾けて測定しているFeCo それぞれの K線のピーク(Fe 6398 keV Co 6924 keV)を検出す
ることに成功しこの表面上には FeCo それぞ
れ 2 種類の原子が存在していることを確認するこ
とができたまた母体である Si の K 線のピー
ク(Si 1739 keV)の横にあるピークはSi の K線エネルギーの丁度 2 倍の位置にあたりサムピ
ークと呼ばれているこれは検出器に Si からの特
性 X 線が 2 つ同時に入った場合検出器が分離で
きないために起こるアーティファクトである 次にワイヤ 1 本に FeCo がそれぞれ含まれ
ているかどうかを調べるためにEDX マッピング
を行ったその結果を Fig 3 に示すFigure 3(a)はマッピングを行った場所の SEM 像(b)から
(d)はそれぞれSiCoFe の K 線のピークの強
度を濃淡で表示したものであるこの結果SEM像と対応した濃淡を測定することはできなかった
これは試料のドリフトにより観察領域が同一の
場所に安定しないため測定することができなか
ったと考えられる
46
本支援ではFe と Co の二元蒸着により作製し
た Si(110)表面上の NW の元素分析を SEM ndash EDXにより行ったその結果 NW を有する表面上から Fe と Co の両ピーク
を検出した 非常に微小な構造のためSEM ndash EDX では
NW1 本辺りからの元素分析は困難であった 以上のことを明らかにした 今後の課題二元蒸着により作製したワイヤの詳
細な元素分析また磁気特性について研究を行な
う予定である 論文発表状況特許出願 該当なし 参考文献 1) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
Jpn J Appl Phys 47(7B) (2008) 6138
Fig 3 EDX mapping of Fe ndash CoSi(110) surface (a) SEM image (b) Si K line (c) Co K line (d) Fe K line
Fig 1 SEM images of NWs on Si(110) surface The NWs grow along lt110gt
Fig 2 (a) Configuration of EDX measurement (b) EDX spectrum of Fe ndash CoSi(110) surface
1 μm lt110
lt001gt
(c)Co K line
(a)SEM image (b)Si K line
500 nm
(d)Fe K line
47
技術代行装置利用
豊田工大 08-20
ナノ構造半導体薄膜の作製
Fabrication of Nano-Structured Semiconductor Thin films
竹田 康彦
Yasuhiko Takeda
株式会社 豊田中央研究所
Toyota Central Research and Development Laboratories Inc
分子線エピタキシー法によりGaAs ウェハー上に良質の GaAs 膜を作製するための条件を調べた成
膜時の基板温度が 520のときにバンド間遷移に起因するフォトルミネッセンスの強度が最大半値
幅が最小となりこれが最適条件であることがわかった We found the optimal substrate temperature to fabricate GaAs thin films on GaAs wafers by molecular beam epitaxy When the substrate temperature during the deposition was 520 the intensity of photoluminescence attributed to the band-to-band transition was the largest and the peak width was the narrowest
背景と研究目的 ナノ構造半導体中に閉じ込
められたキャリアはその構造の次元(2 次元
薄膜1 次元細線0 次元ドット)に特徴的
な光電子物性を示す1970 年代の分子線エピ
タキシー(MBE)成膜技術の進歩によってこ
の分野の研究が大いに進展した[1]このように
長い歴史をもつにも関わらず未だに新たな発
見が絶えない分野でもある例えば近年地球
温暖化対策の一環として種々の太陽電池の研究
開発が盛んになっている現在製品化されてい
る太陽電池の主流はシリコンpn接合を基にした
ものであるが変換効率の大幅な向上を目指し
ナノ構造半導体中の長寿命ホットキャリアや
多重キャリア生成の利用が提案されている[2]しかしこれらのナノ構造に特徴的な光電子
物性の起因と詳細は未だ議論の渦中にある[3 4]
III-V 族化合物半導体混晶を用いた多層薄膜
においてはその組成を変調することにより
キャリアに対する閉じ込めポテンシャルを制御
することができる更に格子整合不整合の
利用により閉じ込め構造の次元をも制御する
ことができるのでナノ構造に特徴的な物性を
発現させるための格好の舞台となる 我々は2 次元閉じ込めの代表的な材料であ
る GaAsAlGaAs 多層膜[1]及び 0 次元閉じ込め
構造が得られる InAsGaAs 多層膜[5]を GaAs ウェハー上に作製することを計画しているこれ
らを作製するためには通常GaAs ウェハーの
上に厚さ数 100nm の GaAs バッファ層が形成さ
れる新たに導入された MBE 成膜装置におけ
る成膜条件を調べる第一歩としてGaAs バッフ
ァ層の作製を試みた 実験 市販n型GaAs(100)ウェハー基板上に
MEB法により厚さ200nmのGaAs膜を作製した
良質な薄膜が得られる条件を調べるため基板
温度を400~600の間で変化させた成膜速度
が10~20nm分になるように原料の供給量を調
節した 作製したGaAs膜の結晶性をフォトルミネッ
センス測定により評価した励起光にはNdYAGレーザーの第2高調波(波長532nm)を用いた
この波長でのGaAsの光吸収係数は78times104cm-1
でであり[6]励起光は基板には到達しないので
膜からの発光のみを測定することができる検
48
出器にはInGaAs光電面をもつ光電子増倍管を
用いた試料温度は室温にて測定を行った
0
2
4
6
8
10
800 900 1000 1100 1200
Wavelength (nm)
PL Inte
nsi
ty (ar
b U
nits)
MBE film
Wafer
結果と考察 何れの基板温度の場合にもバン
ド間遷移に起因する発光ピークが波長 860nm付
近に現れたただしその強度とピークの幅は
基板温度に依存し520のときに強度が最大
かつピーク幅が最小であったこれよりも低温
では結晶性が低く一方高温ではAsの再蒸発に
より欠損が生じるためであると考えられる 今回の成膜条件において最適であった基板温
度 520にて作製された GaAs 膜のフォトルミ
ネッセンススペクトルを Fig 1 に示す同条件
にて測定された GaAs ウェハーの結果と比較す
るとピーク波長が若干短波長側にシフトして
いる更にピーク幅が広くまた長波長側に
格子欠陥あるいは不純物に起因すると考えられ
る発光が見られる従って結晶性にはまだ改
善の余地があると考えられる
Fig1 Photoluminescence spectra of the GaAs thin film deposited at a substrate temperature of 520degC and the GaAs wafer measured at room temperature
今後の課題 更に良質のGaAsバッファ層を作
製するための条件を探索すると共にこれを基
にナノ構造薄膜を作製しその光電子物性を
評価する予定である 謝辞 フォトルミネッセンス測定技術につい
てご指導いただきました豊田工業大学小島伸
晃先生に深謝申し上げます
参考文献
[1] 日本物理学会編半導体超格子の物理と応
用(培風館1984)
[2] M A Green Third Generation Photovoltaics
(Springer-Verlag Berlin 2003)
[3] J A McGuire et al Acc Chem Res 41 1810
(2008)
[4] A Pandy and P Guyot-Sionnest Science 322
929 (2008)
[5] R Ohshima et al J Cryst Growth 310 2234
(2008)
[6]
49
協力研究
豊田工大 08-22
InAs 量子ドットを電極としたナノショットキーダイオードの理想係数
Ideality factor of nano-Schottky diodes using InAs quantum dots as electrodes
田中 一郎
Ichiro Tanaka
和歌山大学 システム工学部
Faculty of Systems Engineering Wakayama University
導電性探針を用いた原子間力顕微鏡(AFM)によって表面における伝導性をナノスケールで測定する
ことが可能である本研究ではGaAs(001)表面上に自己形成した単一 InAs 量子ドットを電極とした
ナノショットキーダイオードの電流電圧特性を行いその理想係数に対するフェルミレベルピニン
グの影響を検討したまたGaAs 層へのドーピングによりその影響が緩和されることを明らかに
した We fabricated nano-scale Schottky diodes using self-assembled InAs quantum dots as nano-electrodes on n-GaAs layers and current-voltage characteristics of the single nano-Schottky diodes were measured with conductive AFM at room temperature It has been simulated and experimentally confirmed that the ideality factor of the nano-Schottky diodes becomes considerably large because of Fermi level pinning at GaAs (001) surfaces We have also found that higher doping concentration of n-GaAs decreases the influence of the environmental Fermi level pinning
背景と研究目的 InAs量子ドットはその0
次元電子物性や光電子素子への応用可能性が
注目されて様々な研究が行われてきた われわれは導電性探針を用いた原子間力顕
微鏡(AFM)により InAs量子ドットの導電性を画
像化し同ドットがナノ電極として使用できる
ことを見出している1) 今後デバイスの微細
化が進むとともに電極もナノスケール化される
と考えられるがそれによってデバイス特性が
受ける影響を検討することは重要である本研
究では InAs 量子ドットを電極に用いて GaAs ナノショットキーダイオードを作製してその電
流電圧特性を検討することを目的とした 計算 n-GaAs層上にナノスケールの電極を設
けてバイアス電圧を印加した場合にその電極
下における電位分布がどうなるかを有限要素法
によりポアッソン方程式を解いて計算したそ
のモデルを図1に示すこの計算においてナノ
電極以外の表面はフェルミレベルピニングによ
り電位が07Vに固定されているものとした 実験 n-GaAs層およびその上のInAs量子ドッ
トはn+-GaAs(001)基板上に固体ソースの分子線
結晶成長(MBE)装置を用いて作製した 試料表面をAFM観察し直径が60~80nm程度
のInAsドットに導電性探針を接触させて順バイ
アス電圧を印加し電流電圧特性を測定した 結果および考察 図2(a)にナノ電極の
05V の順バイアス電圧を加えた場合のナノ電
極近傍の電位分布計算結果を示すこの図にお
いてナノ電極は電位が 02V になっているため
その直下の電位はそれに応じて青色で表されて
いるが深さ 20nm 程度の所は緑色になってい
て電位がやや上昇しているさらに深くなると
50
別紙
電位は次第に減少し中性領域で 0V になるこ
のように電位が深さ方向に単調には減少しない
原因はナノ電極周囲の表面電位がフェルミレベ
ルピニングのため 07V に固定されていてその
影響がナノ電極下に及んでいるためであること
がわかる2) Z 軸に沿った深さ方向のポテンシ
ャル変化を図2(b)に示す この計算結果からナノショットキーダイオ
ードでは理想係数が増加すると考えられるそ
こでドナー濃度が 1x1017cm-3 の n-GaAs 層を
100nm 成長しその表面に InAs 量子ドットを形
成してナノショットキーダイオードを作製した
さらに接触モードの導電性 AFM でその表面
を観察した後単一ドット上に探針を移動させ
て順方向にバイアス電圧を印加し電流電圧
特性を測定したその結果図3に示すように
バイアス電圧が 03V 近辺から電流の増加が緩
やかになり理想係数が 14 から 22 になること
がわかったこれはフェルミレベルピニング
の影響により電極直下の電位が低下しにくくな
ったためと考えられる
Fig 1 Calculation model for voltage distribution under a nano-electrode formed on the (001) surface of n-GaAs layer
またn-GaAs 層のドナー濃度を3倍に高めた
ところこのような理想係数の増加は見られな
かったこれは空乏層中のドナーの増加によ
りフェルミレベルピニングの影響が緩和された
ためと考えられる Fig 2 Calculated (a) potential distribution near the nano-electrode on which a forward bias voltage of 05 V is applied and (b) potential variation along Z-axis
今後の課題 n-GaAs 層表面近傍の空乏層中に
二重障壁構造を作製して本研究と同様の手法
でナノ共鳴トンネルダイオード(nano-RTD)を作
製することができる3) この場合フェルミレ
ベルピニングの影響により共鳴トンネル効果が
生じる電圧が増加するためそれにより直接
的定量的に把握できる今後はnano-RTD を
用いて表面処理によるショットキー障壁の低
減を検討する
論文発表状況特許出願 [1]I Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and H Sakaki Abstract for the 2nd IEEE Nanotechnology Materials and Devices Conference Mo P38 (October 20-22 2008 Kyoto University Japan) 参考文献 1) I Tanaka I Kamiya H Sakaki N Qureshi S J Allen Jr and P M Petroff Appl Phys Lett 74 (1999) 844
Fig 3 Current-voltage characteristics of nano-Schottky diodes measured by conductive AFM2) T Sato S Kasai and H Hasegawa Jpn J Appl
Phys 40 (2001) 2021 3) I Tanaka Y Tada S Nakatani K Uno M Azuma K Umemura I Kamiya and H Sakaki Phys Stat Sol(c) 5 (2008) 2938
51
技術代行
豊田工大 08-26
カーボンナノチューブ FET の作製と評価
Fabrication and Measurement of Carbon Nanotube FET
吉村 雅満
Masamichi Yoshimura
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
カーボンナノチューブ FET 素子の試作を行ったHiPco 試料の I-V 特性は金属半導体(p 型)が混在
していることSG65 試料では半導体特性が明瞭に観測されたまた架橋した本数によりドレイン電
流値に違いがあり少数の CNT が架橋しているとゲート依存性が強くなることが分かった CNT-FET has been fabricated using dielectrophoresis method The HiPco-FET shows both p-type semiconducting and metallic behavior The semiconductor behavior is clearly observed for SG65-FET The Current value and gate voltage dependence are highly influenced by the number of bridged CNTs
背景と研究目的 現在の半導体産業はデバ
イスの微細化による素子性能の向上と高密度化
により発展を遂げてきたしかしシリコンMOSFET(metal-oxide- semiconductor field-effect transistor)では微細化が進むにつれてゲート絶縁
膜の薄膜化に伴う量子効果(例えばキャリアの
トンネル)の影響により性能の向上が阻害され
るそのためSi技術の微細化は限界が近づいて
いるそこで次世代のデバイス材料の一つとし
て注目されているのがカーボンナノチューブ
(CNT)であるカーボンナノチューブFET(以下
CNT-FET)とはCNTをチャネルとして利用した
電界効果トランジスタであるその構造の概略
図をFig1 に示すTansらは平面ゲート電極で変
調され室温で動作するカーボンナノチューブデ
バイスを初めて報告した[1] CNT-FET はバリスティック伝導および高い
電流密度を示しさらに基板を選ばず 1 次元チ
ャネルで短ゲート化に適しているなど優れた特
徴をもつそこで本研究では CNT-FET を作製し
その電気特性を測定することを目的とする 実験 溶媒としてDMF10 mlにCNT試料1 mgを
加え約50 で超音波処理を1 h行うことによ
り分散させたCNTを電極間に架橋させる方法
として誘電泳動法を用いた[2]すなわち溶
液中の微粒子に外部から電場を加えると溶液
-微粒子界面に電荷が誘起される電荷量は溶
媒と粒子の分極率に依存しこの相違により
双極子モーメントが誘起される本研究では
この原理を利用してCNTを電極に引き寄せる
CNT試料として異なる純度分散状態電気
的特性を有するUnidym社製Super Purified
HiPcoSouthWest Nano Technologies社製SG65
を使用したHiPcoは金属半導体の割合が1
2SG65は90 以上が半導体的なCNTで構成さ
れている 具体的にはCNT分散溶液を基板に
滴下後高周波(5 MHz)を15分程加えることに
よりCNTの配向を行ったソースメータ
(Keithley社製2636)及びマイクロプローバー
(共和理研社製K-157MP150)を用いFET特性の
測定を行ったFig1下図に測定回路図を示す
ゲート電極は基板背面を利用した 結果および考察 Fig2 にHiPco試料のド
52
レインソース間の電流(Ids)-電圧(Vds)特性のゲ
ート電圧依存性の測定結果を示すこのときゲ
ート電圧Vgsを-15~+15 Vの間で5 Vステップで
印加したオーミックな特性が観測されIdsはVgsを負に印加すると増加したよって架橋し
たCNTは金属p型半導体双方の性質をもつもの
が混在していたと考えられる直線の傾きから
抵抗値を見積もると抵抗値はVgs=-15 Vで 019 MΩ15 Vで 026 MΩとなりVgsが負のとき抵
抗値の低下が確認されたCNT 1 本当たりの抵
抗値に換算するとVgs=-15 Vのとき約 3 MΩと
なり文献値の 29 MΩとほぼ一致した[3]
-10 -05 00 05 10
-4
-2
0
2
4
1microm
Vgs=15V
Vgs=‐15V
0V
+
-
5Vstep
次に多量及び少数のSG65が架橋した電極の I-V測定結果を Fig34 に示すFig34 どちらも p 型
半導体的な特性が現れているまた CNT 数が少
数の場合電流値が約 120 に減少しているさ
らに Vgs による Ids の変調は少数の CNT が架橋
した時により大きいことがわかる
今後の課題 カーボンナノチューブの高分散
技術の改良ナノ電極のデザイン改良が今後必
要である 謝辞 本研究は豊田工業大学寺尾良輔氏
梶原健氏との共同研究である
参考文献
1) SJTanset alNature 393 (1998) 49
2) YMiyatoet alJpnJApplPhys 87
(2005) 183102
3) RMartelet alApplPhysLett 73
(1998) 2447
Fig1 Schematics of CNT-FET (upper) and electric circuit (lower)
SiO2
Source Drain
CNT
Gate(P+‐Si)
Vgs Vds
AD
S
G
CNT
Ids
-3 -2 -1 0 1 2 3-02
-01
00
01
02
Vgs=-10VVgs=-5VVgs=0VVgs=5V
1microm
Vds
Ids
(nA
)
Fig 4 IV curve of SG65-FET with a small amount of CNTs
Vds
Ids
(nA
)
Fig 3 IV curve of SG65-FET with plenty of CNTs
-3 -2 -1 0 1 2 3-10
-5
0
5
10
1microm
Vgs=‐10V
Vgs=‐10V‐5V
05V
‐5V +5V
0V
Vds
Ids
(μA
)
Fig 2 IV curve of HiPco-FET
53
装置利用
豊田工大 08-27
触媒ナノ粒子を用いた CVD 膜中残留応力制御
Study of controlling residual stress in CVD thin film by using catalyst nanoparticles
熊谷慎也
Shinya Kumagai
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
MEMS ではデバイス構造を作製するために Si 薄膜が使用される高性能な MEMS デバイスを実現す
るためにはその薄膜中の応力状態を制御することが必要であるアモルファス Si 薄膜を結晶化さ
せるとその過程で薄膜の堆積が収縮し薄膜中に引張応力が発生することが知られている薄膜の
結晶化を適切に促進すれば薄膜中の応力状態を制御することができると考えられる本研究では
アモルファス Si 薄膜の成膜および結晶化促進のための触媒ナノ粒子を Si 薄膜基板上に吸着させ
るプロセスについて検討を行った Thin films of Si are widely used in the fabrication of MEMS structure To realize high performance MEMS devices it is necessary to control the stress in the Si thin film As the crystallization of amorphous Si films proceeds the shrinkage of the volume of the Si thin film generates tensile stress in the film Appropriate crystallization process can control stress in the Si thin film In this study we investigated deposition condition of amorphous Si films and adsorption of catalyst nanoparticles onto the Si films
背景と研究目的 近年MEMS デバイスは我々の周りで広く使
用され欠かせないものになっている例えば
光関連の分野ではマイクロミラーデバイスが
プロジェクタプリンタ等の中に組み込まれて
いるこのミラーデバイスではミラーの回転
角は大きくその一方で不安定動作は小さい
ことが求められるこの要求を満たすために
例えばミラーを支えるトーションバーに張力
(引張応力)を加えることが提案されている[1] シリコン薄膜に引張応力を生じる原理はアモ
ルファスシリコンからポリシリコンへの結晶化
に伴う体積収縮によって発生する結晶化誘起応
力にあると言われている[2]通常はサンプル
を加熱するだけのアニール処理で行うためラ
ンダムな場所から核成長が起こり得られる結
晶粒径は限られ発生する引張応力も限られて
いたそこで何らかの方法で結晶粒径を大き
くできれば引張応力発生に寄与する材料の比
率が増しより大きな引張応力を得ることがで
きると考えられる[3]結晶化の促進には金属誘
起結晶成長法が利用できる[4] 本研究では
アモルファスシリコン薄膜の成膜とそのシリ
コン薄膜上へ結晶化促進のための触媒ナノ粒子
を吸着させるプロセスについて検討を行った
54
実験 アモルファスシリコン薄膜の堆積 プロセスガスとしてジシランを使用したジ
シランは通常用いられるシランよりも低い温度
で熱分解するためアモルファス薄膜の成膜に
適している[5]薄膜のアモルファス性が高いほ
ど結晶化する際の堆積収縮量が大きく引張応
力の発生の効果が大きいといえる堆積実験で
はCVD炉温度を510度に設定し炉内圧力
13Paのもとで成膜を行った成膜時間は100分間
とした
シリコン薄膜上への触媒ナノ粒子の吸着 触媒ナノ粒子を分散させた溶液をアモルファ
スシリコン薄膜上に滴下して10分間吸着を行っ
たその後遠心分離機(10000rpm1分)を用い
て余剰の溶液を除去しその後SPMで観察を
行った 結果および考察 シリコン薄膜堆積後光干渉法により膜厚
を測定したサンプル表面20箇所の平均値とし
て2790nmが得られた堆積レートに換算すると
約28nmminとなるMEMS応用には1μm程度の
Si薄膜の厚さがあることが望ましいそのため
にはより長い堆積時間が必要となる堆積レ
ートを高くするには成膜温度を上げることが
有効であるが堆積後に結晶化が進み薄膜の
アモルファス性が低下することになる膜質と
トレードオフの関係にあるため今後検討を進
めていく必要がある 作製した Si 薄膜のサンプルを用いてナノ粒
子の吸着実験を行ったFig 1 にナノ粒子吸着
後サンプル表面の SPM 像を示すナノ粒子が分
散して吸着していることがわかるその一方で
成膜後のサンプル表面を光学顕微鏡で観察した
限りでは分からなかったがナノ粒子の他に表
面に比較的大きな凹凸形状が見られるこのよ
うな箇所では MEMS 構造を作った際に機械的
強度が低下すると考えられ堆積条件のさらな
る検討が必要といえるFig2 ではナノ粒子濃度
を Fig1 の条件の 10 倍に希釈した溶液を滴下し
た後の SPM 像であるFig1 と比較すると溶
液濃度が希釈されて低くなっていることに対応
して表面上へのナノ粒子吸着量が減少してい
ることがわかる溶液中のナノ粒子濃度は基板
上への吸着量の制御パラメーターとして利用で
きる まとめ
Si 薄膜の堆積条件ナノ粒子の吸着プロセス
について検討を行った引き続き検討を行
いシリコン薄膜結晶化の評価を進めていく予
定である
参考文献
1) M Sasaki S Yuki K Hane IEEE Photon
Technol Lett 18 (2006) 1573
2) 三浦英夫ら日本機械学会論文集(A 編)58
巻 554 号(1992-10)216-221
3) P Temple-Boyer et alThin Solid Films 310
(1997) 234
4) C Hayzelden and J L Batstone J Appl Phys
73 (1993) 8279
5) K Nakazawa J Appl Phys 69 (1991) 1703
Fig1 SPM image of nanoparticle adsorption on Si film surface
Fig2 SPM image of nanoparticle adsorption Concentration of nanoparticle in the solution is 110 of the condition in Fig1
55
協力研究
豊田工大 08-28
a-SiNxHSi 界面特性の面方位依存性
Dependence of crystallographic orientation on a-SiNxHSi interface characteristics
新船 幸二a近藤 憲司b大下 祥雄b
Koji Arafune a Kenji Kondob Yoshio Ohshita b a 兵庫県立大学b 豊田工業大学
a University of Hyogo b Toyota Technological Institute
多結晶シリコン太陽電池の表面パッシベーション膜としてアモルファス水素化窒化シリコン膜
(a-SiNXH)が通常使用されているこのパッシベーション機構を明らかにするために面方位の異な
る単結晶シリコン基板に a-SiNXH 膜を同一条件で製膜しその容量-電圧特性を水素処理前後に測定
し界面準位密度や固定電荷について検討を行った a-SiNXH film is used as surface passivation layer for polycrystalline silicon solar cells In order to clarify the passivation mechanism a-SiNXH films are deposited on the single crystalline silicon substrates with different crystallographic orientation by plasma enhanced chemical vapor deposition The characteristics of a- SiNXHSi interface is also studied by C-V measurements
背景と研究目的 現在主流の多結晶シリコン
太陽電池には表面パッシベーション膜として
アモルファス水素化窒化シリコン膜(a-SiNXH膜)が使用されているa-SiNXH膜をシリコン基
板上に形成することにより界面準位密度が低
下し加えてa-SiNXH膜中の固定電荷に起因す
る電界効果により界面におけるキャリアの再
結合が抑制される 1)と考えられているしかし
具体的なパッシベーション機構については未だ
明らかになっていないこの原因の一つとして
多結晶シリコンが面方位の異なる結晶粒により
構成されているため得られる情報が平均化さ
れてしまうことが予想されるそこで面方位
の異なる単結晶シリコン上にa-SiNXH膜を形成
しそれらの電気的特性の相違を詳細に検討す
ることによりa-SiNXH膜によるパッシベーシ
ョン機構解明の端緒とすることを目的とした 実験 面方位が(100)および(111)である3inch
果および考察
のp型単結晶シリコン基板を4分割し希フッ酸
処理SC1処理希フッ酸-過酸化水素処理等
により洗浄を行った洗浄後の(100)および
(111)基板上にPECVD法によりa-SiNXH膜を製
膜した製膜条件は250 []圧力 04 [torr] ガス流量 SiH4 3 [sccm]NH3 6 [sccm]H2 6 [sccm]製膜時間 5 [min]とした製膜したa-SiNXH膜の
膜厚および屈折率はエリプソメトリー法により
評価したC-V測定サンプルのゲート電極には
Al(D=06mm)を使用した界面準位低減効果を
比較するためにフォーミングガス(N2+H2)によ
るアニールを400 []30 [min]で行った 結 製膜したa-SiNXH膜の
ングガスアニール前の C-V 曲
膜厚は面内で多少のばらつきはあったものの
(100)基板および(111)基板ともに89plusmn4 [nm]以内
であった屈折率に関しては178 と全て一定
の値を示した Fig1 にフォーミ
56
の C-V
えるとa-SiNXHSi 界面に
(a)
線を示す膜中の固定電荷に関しては(111)基板上の膜の方が(100)基板上の膜より密度が高
いことが判ったこれはシリコン上の熱酸化膜
と同様の傾向を示しているまた両者ともに
ヒステリシスを示しているがその原因は(100)基板の場合は正の可動電荷型(111)基板では正
孔注入型と異なることが判った界面準位密度
に関してはどちらの場合も非常にリークが大
きいため今回の測定では求めることが出来な
かった今後膜厚増加によるリーク低減を行
い界面準位密度の評価を進めたい Fig2 にフォーミングガスアニール後
曲線を示すどちらの場合もフォーミングガス
アニールによりヒステリシスが消失している
これは熱による構造変化と水素によるダング
リングボンドの終端化によるものと考えられる
より詳細な検討を行うためにはアニールガス
種の変更や温度時間等を変化させた評価が必
要である界面準位密度に関してはフォーミ
ングガスアニールにより界面準位密度が低減さ
れた傾向が現れているまたC-V 特性測定時
の周波数を変化させた測定も行ったところ周
波数分散特性も(100)基板と(111)基板では大き
く異なっていた 以上の結果を踏ま
おける界面準位密度及び膜中固定電荷密度は基
板面方位に大きく依存しヒステリシス特性の
要因も基板面方位により変化することが明らか
になった
0
50
100
150
200
-10 -8 -6 -4 -2 0
容量[pF]
電圧[V]
(b)
0
50
100
150
200
-20 -18 -16 -14 -12 -10
容量
[pF]
電圧[V]
Fig1 C-V characteristics of a-SiNXH films on (a)
(100) and (b) (111) single crystalline silicon substrates before forming gas annealing
(a)
0
50
100
150
200
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
容量
[pF]
電圧[V]
(b)
0
50
100
150
200
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
容量
[pF]
電圧[V]
Fig2 C-V characteristics of a-SiNXH films on (a) (100) and (b) (111) single crystalline silicon
後の課題
substrates after forming gas annealing 今 今回はPVCVD装置のトラブルに
りサンプルは2種類しか試すことが出来なよ
かったが今後は(110)基板の使用やa-SiNXH膜の製膜条件を変えたサンプルを準備し固定
電荷の起源やパッシベーション能力の定量的評
価などを行う予定である 謝辞 C-V測定において兵庫県立大学の佐
真一教授及び吉田晴彦准教授に協力頂いた
許出願
藤
深く感謝したい
論文発表状況特 [1 未定
考文献
]
参
t et al Semicond Sci Technol vol16 1) JSchmid
pp164-170 (2001)
57
技術代行装置利用
豊田工大 08-29
太陽電池特性評価技術の習得 Acquirement of solar cell characterization skill
岩本 恵里
Eri Iwamoto
日本ソーラーシリコン株式会社
Japan Solar Silicon Co Ltd
特性の異なるシリコンウェーハから太陽電池セルを作製し作製した太陽電池セルについてその特性評
価を行った
We made silicon solar cells with silicon wafer of a different characteristic and conducted investigation of these
cell performance
研究目的 シリコン原料メーカーとして太陽
電池セルの特性評価に関する知識を持つことが
必要であるしたがって本研究ではセル作製工程
の一連の流れを理解し実際に作製したセルにつ
いてその特性評価を行い自社内での太陽電池特
性評価技術の向上を目的とする今回はプロセ
スに慣れることプロセス条件を最適化すること
を目的とし基板抵抗やPの拡散温度のセル特性
への影響を見ることとした
実験 Si基板は購入した 3 インチ厚み 380 μ
mのSi基板 (CZ結晶) でp型抵抗a (低抵抗) とb
(高抵抗) の2種類の比抵抗値を示す基板を用いた
Si基板を洗浄後基板上にPを温度A B Cの 3 水
準で変化させて拡散させた基板裏面の酸化膜を
除去した後リフトオフ工程によって表面に 10
mm角セル (16 個分) のAl電極パターンを形成し
たこの際Alの蒸着は抵抗加熱真空蒸着装置を用
いて行った表面と同様に裏面にAl電極を形成し
た後380で 10 分間の水素シンター処理を行っ
たその後ダイシング装置で 10 mm角セルに分
割し中心部分のセルについてI-V特性評価を行
ったこのI-V特性評価によってpn接合の良否
電極とSiの接触の良否などが判断できる
結果と考察 Fig1 に低抵抗Si基板と高抵抗Si基
散温度を変化させて作製した各セルの短
絡
板についてリン拡散温度を変化させて作製した
各セルの開放電圧 (Voc) を示すFig1 を見ると
温度Aで拡散させたセルでは他と比較してVocの
値が低かったこれは温度Aでのリン拡散が不十
分でpn接合がうまくできていないと考えられる
Fig2 に低抵抗 Si 基板と高抵抗 Si 基板について
リン拡
電流 (Isc) を示すFig2 を見ると拡散温度 C で
Isc が悪化しているこれは温度 C でのリン拡散
でp 層基板が高温処理によって劣化した可能性
が高いと考えられる
本設備においては拡散温度は CZ 基板を用い
58
た場合温度B近傍で行うのが最適と考えられる
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Isc
(arb
uni
ts)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
今後の課題 今回作製したセルはプロセスの最
適化がされていないため基板評価のため十分な
効率が得られていない今後はプロセス条件の改
善を実施し太陽電池特性評価技術の向上を目指
す
謝辞 本研究は豊田工業大学梶原氏および
下准教授に指導して頂いた深く感謝したい
豊田工業大学梶原氏および
下准教授に指導して頂いた深く感謝したい 大大
Fig2 The phosphorus diffusion temperature dependence of shortcircuit current (I sc) for low resistivity Si substrate and highresistivity Si substrate
Fig1 The phosphorus diffusion temperature dependence ocircuit voltage (V oc) for low resistivity Si substrate aresistivity Si substrate
f opennd high
Fig3 The phosphorus diffusion temperature dependence ofconversion efficiency for low resistivity Si substrate and highresistivity Si substrate
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Voc
(arb
uni
ts)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Con
vers
ion
effic
ienc
y (a
rb u
nits
)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
59
技術代行
豊田工大 08-32
レジストマスクによるリン砒素のイオン注入
P and As Ion implantation using Resist Mask patterns 上田一之
Kazuyuki Ueda
豊田工業大学ナノハイテクリサーチセンター
Nano High-Tech Research Center in Toyota Technological Institute Supported by MEXT
シリコン表面に PAs をイオン注入してマスクパターンを作りそのときの打ち込みエネルギーやイ
オンの種類により打ち込み層に含まれる水素や酸素の形態はpn 接合を考える上で極めて重要な
要素となるしたがってこれらの打ち込み層に存在する水素と酸素の起源と振舞いについて電子励
起イオン脱離法を応用した水素顕微鏡で調べた
Masked patterns by ion implanted surface include hydrogen and oxygen which might affect to p- n-junction properties Electron-stimulate-desorption (ESD) spectroscopy is useful to investigate behaviors of hydrogen and oxygen on the device surfaces Implated musked patterns have been investigated by using hydrogen microscope
背景と研究目的 2次元的なp- n-接合をシリコン表面上にイオン注入法で数十ナノメートルの深さ方向に作りその層の表面や層間に存在するする水素や酸素の起源と振る舞いを調べることは注入層がp-n-層として機能するかどうかの重要な問題を含んでいるナノテク支援により作成されたイオン注入マスクパターンを用いて超高真空中に配置された電子励起イオン脱離(ESD)を発展させた水素顕微鏡を使用して数百ナノメートルの2次元分解能でそれらの挙動を調べた 実験 実験は超高真空中にセットされたESD装置を応用した水素顕微鏡(Fig1)1)2)を使用して
実施されたナノ支援によってシリコンウエハ
ーに注入されたPおよびAsの格子状のパターン
構造をしており最上層にはPのストライプパタ
ーンの層がありその下にはAsのストライプパ
ターンが直角方向に形成されている表面の酸
化物層をイオン衝撃で取り除くとPのストライ
プパターンが現れイオン衝撃法により25nm程度の深さに達するとAsの打ち込み層が存在
していることが水素酸素のイメージから判る
これらのパターンの様子をFig2に2次元的な
模型で示しイオン衝撃に応じて水素顕微鏡で
観察するとFig3に示すようにPのストライプ
パターンが水素像酸素像として示されている
これは打ち込み層が極浅いところなのでP層の
みが現れている水素酸素に2種類のパターン
が示されているのはPとAsではそれぞれの層
に吸着する水素と酸素の吸着状態の違いを反映
して異なる運動エネルギーのイオン像が現れ
るであるうことを期待しているからである
Fig3に示すように同時に得られたSEM像には
両方の元素のパターンがモノクロに撮影されて
いるだけで表面物性的な差異は全く見られな
いこのことはSEM像が2次電子の発生深さの 情報を持つのに対してESDは殆どトップレイ
ヤーの情報しか持たないことに由来する
60
4μm
12μm
18μm
7μm
4μm
As+ As+ 5x1015cm2
P +
5x1015cm‐2
P +
As + 20 keV(127 nm)p‐S i(100)
S iO2
試料の形状(マスクによるイオンの打ち込み)
Top view
S ide view
P + 10keV (108 nm)Thickness of S iO2 1 5 nm
1times1010 As+(on the back ground)
7μm
Fig 1 Ion implanted patterns of P and As
On the B-dose Si surface
Fig2 Shematic drawing of hydrogen
microscope
Fig3 をさらにスパッタリングで 25nm 程度取
り除くと深いところに分布している As 層から
水素酸素の像が得られてそれぞれ格子模様と
なるこれらの水素酸素の起源はイオン注入
打ち込みの過程から考えて酸素は酸化物層にイ
オン注入しているので当然であるが水素につ
いては原因は不明であるイオン注入時はマス
フィルターにより元素を選択的に打ち込んでい
るので水素の混入は考えられないそうすると
マスク材料から打ち込まれたかあるいはマス
クを取り除く薬品から混入したことが考えられ
る現時点ではこれらの水素濃度の定量
Fig3 H+ and O+ images from P-implanted
Layer on Si-SiO2 layers
Fig4 H+ and O+ images from P-and
As implanted layer on Si-SiO2 layers
的評価は出来ないが水素の量によっては今後
のデバイス処理に重要な情報を与えているもの
と考えられる
参考文献
1) KUeda and KOgai Surf Sci 462 (2000) 1
2) 上田一之表面技術 59 (2008) 893
H(1)+ H(2) +
O(1)+ O(2) +
H(1)+ H(2) + SEM
O(1)+ O(2) +
61
協力研究
豊田工大 08-33
新規プローブの開発
Development of new probe for AFMSTM
森田 幸治 長村 俊彦 佐々木 徹
Kouzi Morita Toshihiko Nagamura Touru Sasaki
株式会社ユニソク
UNISOKU CoLtd
近年ナノスケールデバイスの開発においてその表面形状または電気的特性を評価するためのプロ
ーブの必要性が高まってきているそこでプローブ自身が歪み検出部分を持ちかつ先端に他と絶
縁された金属配線を持つ新しいプローブの要素技術開発を行った
Recently new probe to evaluate surface shape and electrical characteristics are required in nanometer scale devicersquos development Here we developed functional elements of new probe with piezo resistance and metal
wiring is isolated other metal wiring
背景と研究目的 現在LSI各種センサな
どのデバイスがナノスケールで開発作製され
それらの金属配線パターンは30nmオーダーに
まで達しているしかしそのデバイスの表面形
状力学的特性電気的特性を評価することは
非常に難しいこれらの研究分野ではデバイス
の各種評価用の装置またそれに合わせた新し
いプローブの開発製品化が強く求められてい
る 弊社では以前より立命館大学磯野教授との共
同開発で新しい機能を持ったプローブの試作を
行ってきた本研究ではその結果を利用して新
規プローブの量産化に向けたMEMSプロセスの
確立を行うプローブはSOIウェハ(Silicon On Insulator)から作製するプローブ上にはピエゾ
抵抗素子を作製しその抵抗変化によってプロ
ーブの歪み検出を行うまたプローブ先端には
他と絶縁された金属配線を持っているこれら
の組み合わせによって様々な評価を行えるプロ
ーブを作製する プローブの絶縁性能に関しては歪み検出を
しながらSTM(Scanning Tunneling Microscope)測定することを想定した時ピエゾ抵抗素子に1V
程度の電圧をかけた時にプローブ先端へ漏れる
電流はトンネル電流より十分少ないことが求め
られる今回はその漏れ電流01nA以下つまり
絶縁抵抗10GΩ以上を目標とする 実験 まず各種プロセス条件に関して以前
から弊社にて研究してきた結果が豊田工業大学
共同クリーンルームの装置で再現できるように
装置の扱いに慣れる意味も含めて繰り返し使用
しプロセス条件を修正合致させたその結
果フォトリソグラフィ真空蒸着イオン注
入TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)エッチング熱酸化シンタリングのプロセス
において以前の結果を再現させることができ
た そのプロセス条件を使用してピエゾ抵抗素
子とそれへの金属配線およびSiO2膜で絶縁され
た金属配線を作製したSiO2絶縁膜は熱酸化炉
(炉内温度1100O2雰囲気30分加熱)で作
製したFig1に作製したデバイスの断面模式図
を示すFig1中の①Al電極はSiO2絶縁膜で基盤
Siから絶縁されている②Al電極はピエゾ抵抗
素子と接続されている①②Al電極を弊社製
62
品であるAFM(Atomic Forced Microscope)STM測定用コントローラに接続しスイープ電圧を
かけてその時の微小電流値をモニターすること
で絶縁抵抗の評価を行った
Al SiO2
Piezo Resistance
(Type Positive)
Si(Type Negative)
① ②
結果および考察
Fig2に作製したデバイスの光学顕微鏡写真
を示す設計寸法通りパターニングできゴミ
などの不純物もほとんど乗ることなく出来上が
ったエリプソメーターでSiO2絶縁膜厚を測定
したところ80nmであったFig2中の①②は
Fig1の①Al電極②Al電極の場所を示している
Fig3にスイープ電圧とその時に得られた電流
値のグラフを示すPiezo resistance(Type Positive)とSi(Type Negative)の間のPN接合の影響で順
方向バイアスではノイズが漏れやすいことが分
かったグラフの傾きから絶縁抵抗値を計算し
たところ約25GΩの抵抗値が得られ目標の絶
縁抵抗値を達成することができた
Fig1 Cross section model of piezo resistance Al wiring and SiO2 dielectric(80nm)
今後の課題 本デバイスはピエゾ抵抗と金属
配線との間でAl-Alの積層構造を持っているが Al 同士の間に Al 酸化膜が存在し接触が不安
定になる現象が確認できた今後は Al を積層し
ない構造に変更するか配線材料の変更を検討
する実験を行う必要がある ② ①
Fig2 Optical microscope image of piezo resistance Al wiring and SiO2 dielectric(80nm) 参考文献
1) 江刺正喜藤田博之五十嵐伊勢美杉山進
共著「マイクロマシーニングとマイクロメカト
ロニクス」培風館
-15
-1
-05
0
05
1
15
-11 -9 -7 -5 -3 -1 1 3 5 7 9 11
Voltage(V)
Current(nA)
2) MエルベンスポークHVヤンセン 著田
畑修佐藤一雄 訳「シリコンマイクロ加工の
基礎」シュプリンガーフェアラーク東京
Forward bias back bias
Fig3 Graph of leak current and voltage put SiO2 dielectric(-9V to +9V)
63
研究協力
豊田工大 08-34
ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製
Fabrication of quantum-structures for potential mapping
賀数 広海 田中 一郎
Hiromi Kakazu Ichiro Tanaka
和歌山大学システム工学部
Faculty of Systems Engineering Wakayama University
InAs 量子ドットをナノメートルサイズの電極(ナノ電極)として用いて順バイアス電圧を印加した場合
その周囲におけるフェルミレベルピニングの影響により電極直下においても電位が下がりにくい
本研究ではInAs 量子ドットをナノ電極として GaAsAlAs 二重障壁構造を含むナノ共鳴トンネルダ
イオードを作製し導電性 AFM を用いてその電流-電圧特性を測定することにより二重障壁構造内
部の電位に対するフェルミレベルピニングの影響を検討することを目的とした When a forward bias voltage is applied on InAs quantum dots (QDs) used as nano-scale electrodes (nano electrodes) Fermi level pinning around nano-electrode prevents us from lowering the potential under the nano-electrodes We fabricated nano-scale resonant tunneling diodes (nano-RTDs) which comprise GaAsAlAs double barrier structures with InAs QDs electrodes by molecular beam epitaxy We measured current-voltage characteristics of the nano-RTDs by conductive AFM for investigating the influence of Fermi level pinning on the potential in the double barrier structure
背景と研究目的 近年ナノテクノロジーの
分野においてInAs量子ドットに関する研究が盛
んに行われているInAs量子ドットは分子線エ
ピタキシー法(MBE)等を用いてGaAs(001)基板
との僅かな格子定数の違いにより自己組織化成
長しナノメートルスケールのサイズを有する
そのためナノスケール化が予想される半導体
デバイスに対応する電極(ナノ電極)としての
応用が考えられるしかしGaAs(001)面上のナ
ノ電極に順バイアス電圧を印加した場合その
周囲のフェルミレベルピニングの影響によって
電極直下でも電位が下がりにくい このフェルミレベルピニングの影響はInAs
ドット直下のGaAs層のドナー濃度を高めるこ
とで緩和できる1)この点についてさらに検討す
るためGaAsAlAs二重障壁構造を含むナノ共
鳴トンネルダイオードを作製しその電流-電圧
特性を測定した 実験 MBEを用いてn+-GaAs(n=10~50times1018cm-3)基板上に基板温度約590でn+
-GaAs(n=20times1018cm-3)を500nmn-GaAs(n=50times1017cm-3)n-GaAs(n=10times1017cm-3)をそれぞれ
10nmudGaAsを25nm成長したその上に二
重障壁構造となるAlAs17nmGaAs50nm
AlAs17nmを成長したさらにキャップ層とし
てn-GaAs(n=10times1017cm-3)を20nm最後にInAs量子ドットを基板温度約460で約25ML成長
させたこのときのGaAsAlAsInAsの成長レ
ートはそれぞれ044MLs012MLs00159MLsであった 作製した試料をMBE装置から取り出した後
に試料表面の酸化を防ぐため硫化アンモニウ
ムで表面処理を行った 電流-電圧特性を測定するために試料を高真
64
空原子間力顕微鏡(AFM)装置に移したまず試
料表面の形状を測定して電極となるInAs量子
ドットを確認したドリフトの影響が小さくな
った後にひとつのInAs量子ドットの上に導電性
探針を移動させて電流-電圧測定を室温真空
中で行った今回は試料に0 ~ 2Vの順バイアス
電圧を印加した
結果および考察 Figure 1はAFMにより
測定した試料表面のInAs量子ドット形状像であ
る量子ドットの平均直径は616nm平均高さ
は393nmである Fig1 AFM image of InAs QDs grown on the n-GaAs cap layer The QD indicated as ldquoardquo was used as a nano-electrode
Figure 2 に Fig1 に示した量子ドット a をナノ
電極として測定した電流-電圧特性を示すショ
ットキー特性が得られているが共鳴トンネル
効果を示す負性微分抵抗は確認できなかった
これは試料に原因があると考えられる そこで作製した試料中に二重障壁構造が存在
するかどうかを確認するためフォトルミネッ
センス(PL)測定を液体窒素中(77K)励起光波
長 532nm の条件で行ったその結果を Fig3 に
示すAlAs(17nm)GaAs(5nm)AlAs(17nm)の二
重障壁構造中の第一準位に対応する PL ピーク
波長は約 720nm と見積もられる 2)しかし Fig3の PL の測定結果にはこのピークは見られな
かった PL 測定結果において GaAsAlAs 二重障壁構
造に対応するピークが見られなかったので今
回作製した試料中には同構造が存在せずその
ため電流-電圧特性にも共鳴トンネル効果が現
れなかったと推定されるこの原因としては
MBE における成長条件が最適化されていなか
ったことが考えられる
Fig2 Current-voltage characteristic measured using the InAs QD as a nano-electrode
今後の課題 今回はGaAsAlAs二重障壁構造
が作製できなかったためにその内部における
電位やそれに対するフェルミレベルピニングの
影響を検討できなかった今後MBE成長条件
を見直し同様の実験を行っていきたい
参考文献
1) 中谷 成希和歌山大学大学院システム工学
研究科システム工学専攻 修士論文 「InAs 自己
形成量子ドットのナノ電極効果」(2007 年)
2) 多田 吉伸和歌山大学大学院システム工学
研究科システム工学専攻 修士論文 「単一 InAs
量子ドットを介した共鳴トンネル効果の導電性
探針 AFM による測定」(2004 年)
Fig3 PL spectra of the sample measured at 77K
65
装置利用協力研究
豊田工大 08-35
次世代メモリ(PCRAMPhase Change RAM)用材料
GeSbTe 薄膜の CVD 成膜
GeSbTe-thin film formation by CVD for next generation
Memory (PCRAM Phase ChangeRAM)materials
町田英明
Hideaki Machida
気相成長株式会社
Gas Phase Growth LTD
GeSbTe薄膜は次世代メモリ(PCRAMPhase Change RAM)用材料として有望である本研究では
(t-C4H9)GeH3 (i-C3H7)3Sb (i-C3H7)2Teを原料として低圧熱CVD法によりSi基板上にGeSbTe薄膜を作成
しX線光電子分光 (XPS)分析によりGeSbTeの組成が堆積温度によってどのように変化するかを調べ
た
GeSbTe thin film is a promising material for next generation memory (PCRAM Phase Change RAM) Here
we report synthesis of GeSbTe-thin films onto the silicon substrate by thermal low pressure CVD technique
using (t-C4H9)GeH3 (i-C3H7)3Sb (i-C3H7)2Te precursors And also the GeSbTe film composition dependence
on deposition temperature and pressure is studied by X-ray photoelectron spectroscopy (XPS)
背景と研究目的 次世代半導体メモリ候補
として相変化メモリ(PRAM)が注目され相変
化材料としてGeSbTe(GST)系材料が提案されて
いる 12)大容量化のためには埋め込みに有
利 な 化 学 気 相 法 (CVD Chemical Vapor
Deposition)による成膜が必要とされるがCVD
法による組成や構造制御に関する基礎的な知見
は充分でない相変化材料GSTを用いたPCRAMデ
バイス試作研究においてGST膜堆積にはスパッ
タ法による蒸着が用いられているが高集積な
メモリデバイスに要求される膜均一性50nm
以下のホールへの埋め込み等が要求されるし
たがって良好な埋め込み形状を実現できる可
能性を有するCVD法によるGST系薄膜堆積技術へ
の期待が高まっている本研究ではGeSbTe薄
膜堆積のためのCVD原料の検討を行いGe原料に
Tertiarybutylgermane[(t-C4H9)GeH3] Sb原料
としてTriisopropylantimony[(i-C3H7)3Sb]
Te 原 料 と し て Diisopropyltellurium
[(i-C3H7)2Te]をそれぞれ用い成膜条件膜組
成等の成膜特性を明らかにすることを目的と
した
実験 成膜に用いたCVD装置は抵抗加熱のコ
66
ールドウオールタイプの低圧CVD装置であり
図1にレイアウトを示す成膜チャンバー内部
に設置した基板の温度は下部に設置したヒータ
ーで加熱しセンサーによる温度測定結果をフ
ィードバックして制御される膜堆積のための
基板はフォルダーに固定されロードロックチ
ャンバーより成膜チャンバーへと運ばれヒー
ター上部に設置される装置全体はターボ分子
ポンプで排気され成膜時の圧力はオリフィス
で制御する原料は原料容器中にH2ガスをバブ
リングする事によってH2ガスに同伴させて成
長チャンバーへと輸送した各原料輸送量はH2
キャリアガス流量と原料容器温度内圧により
見積り制御したSi(100)基板が設定温度に達し
たことを確認した後原料ガスを供給し膜堆積
を行った成膜条件は基板温度270-300
堆積中の圧力30torrGe Sb Te原料のキャ
リアH2 ガス流量10 sccm15sccm10sccm
原料容器温度-65550とした
教授明治大学小椋厚志准教授及び東京大
学大場隆之教授との共同研究である
各温度での堆積膜の炭素不純物及び GeSbTe
組成変化を XPS によって調べた
結果および考察 XPS分析により堆積膜に
はGeSbTeが含まれる事がわかった炭素の残留
不純物はXPSの検出限界以内では観察されず良
好な原料の選択と成膜条件が確認された図2
に 30Torrでの堆積膜のGeSbTe組成と温度の関
係を示す基板温度上昇とともにGe組成の減少
とSb組成の増加が見られたGeとSbには相互的
な影響が存在することが示唆された280deg以上
の温度領域ではTeの減少が確認されたがこれ
は堆積Te金属の蒸発が起こっていると思われる
後の課題今 今後CVDによるGST成膜実験で圧
辞
力と組成の関係2成分の堆積などを調べ膜
堆積組成制御に関するメカニズム解析を 行
いたい
謝 本研究は豊田工業大学大下祥雄准
考文献参
wa KMiyauchi T Tamura Y Yin
wa Y
g2 The GeSbTe film composition dependence on
1) S Hosoka
and H Sone Proc 15th symp Phase Change
Optical Information Storage PCOS 2003 (Ed T
Ide Atami Japan 2003) pp52-55
2) K Nakayama K Kojima F Hayaka
Imai1 A Kitagawa and M Suzuki Jpn J Appl
Phys 39 (2001) 6157
Fig1 Schematic diagram of the CVD system Container of Ge Sb and Te precursors were maintained at ndash6 55 50ordmC respectively These gases were mixed at sub chamber and introduced into the reactor
270 275 280 285 290 295 30015
20
25
30
35
40
45
50
55
60
Fi
deposition temperature
組成
(
)
基板温度()
Ge Sb Te
PH2
P
P
MFC
MFC
MFC
Ge
Sb
Te
Sub chamber
TMP
DP
Heater
Drain
Load Lockchamber
PH2
P
P
MFC
MFC
MFC
Ge
Sb
Te
Sub chamber
TMP
DP
Heater
Drain
Load Lockchamber
67
協力研究
豊田工大 08-37
分光機能を持つ MEMS 赤外線センサ
MEMS infrared sensor integrated with wavelength selective filter
佐々木 実
Minoru Sasaki
豊田工業大学
Toyota Technological Institute
小型軽量のメリットを生かすためサーモパイルを利用した赤外線センサが用いられる従来の誘
電体光学フィルタを使わないで高分子膜の赤外吸収スペクトルを利用した熱型赤外線センサを一体
型とするセンサを提案するセンサ自体が小型化に適すると共に分光特性の温度安定性が安定化す
る長所を持つことが分かった A thermal infrared detector integrated with wavelength selective filter is fabricated A polymer film is formed onto hot junctions of the thermopiles as a wavelength selective absorber to integrate spectroscopic characteristic The detector shows +35 increase of the signal output from the baseline at the absorbance peak The fabricated detector shows low temperature dependences on its center wavelength
背景と研究目的 近年環境測定や検知器な
ど手軽に物質の検知や濃度測定を行えるセンサ
のニーズが高まっているこのようなガスなど
の物質の検出と濃度測定を行うセンサに物質
固有の赤外吸収スペクトルにおけるピーク波長
と強度を利用した非分散型赤外分光 (NDIR)センサがあるNDIR型センサは高精度で応答時間
も短く検出器が被検体と直接接触しないため
信頼性も高いしかし別々の部品により構成さ
れるためその他のセンサ方式と比較して構造
が複雑で高価である現在広い市場からの受
け入れを目指しコストやサイズの削減に開発
努力が注がれている 1) 我々はその構成部品の中でも赤外線センサに
注目したNDIR 式センサの小型軽量のメリ
ットを生かすためサーモパイルを利用した赤
外線センサが用いられるサーモパイル型セン
サは熱を検出する方式であり波長に対してフ
ラットな分光特性を持つそのため特定波長
の赤外線を受光するために誘電体光学フィルタ
とパッケージで組み合わされるのが一般的であ
るしかし NDIR 式センサの目的に見合う性能
のフィルタは高価でありアセンブリ全体のコ
ストなどを上げる要因の一つとなっている光
学フィルタと熱型赤外線センサを一体型とする
形態も考案された 2)しかし光学フィルタと熱
型センサとのプロセス整合性に疑問が残るさ
らに光学フィルタの分光特性の温度依存性など
の問題なども懸念される 3)そこで高分子材料
の吸収スペクトルを利用して簡単な構造で分光
特性を集積化させた赤外線センサの試作を行っ
た温度特性についても報告する Fig1(a)に赤外線センサのベースとなるサー
モパイルセンサの概念図を示す20mmtimes
20mm 厚さ 04mm の Si を基板として基板上
に Pt と p++-Si で構成されたサーモパイルが形
成されるSi 異方性エッチングにより中央部の
約10mm角領域およびサーモパイル温接点部は
ダイアフラム構造となっている赤外吸収材と
してポリアクリロニトリル (PAN)をサーモパ
イルの温接点上に堆積した作製したデバイス
を Fig1(b)に示す
68
(a) (b) 実験 PANは波長~4450nmの赤外線に対し大
きな吸収を持つことが知られている吸収ピー
ク波長においては入射赤外線が効率よく熱に変
換されると考えられより高い感度を示すと考
えられる
Monochromater
Optical Chopper
IR Sensor
PC for DAQ
232C
Sensor S
ignal
Reference SignalChopperController
Lock In Amplifier
US
B
IR Source
Focusing Lens
Vacuum Chamber
Monochromater
Optical Chopper
IR Sensor
PC for DAQ
232C
Sensor S
ignal
Reference SignalChopperController
Lock In Amplifier
US
B
IR Source
Focusing Lens
Vacuum Chamber
作製したセンサはFig2に示す実験系で評価し
たFig3に分光特性を示す4450nmにおいて~
025μVのピーク出力を確認した 結果および考察 IRセンサの動作環境を
室温から 80まで変化させたときの特性を
Fig4 に示す加えてFT-IRでPANの透過特性の
温度依存を精密に計測した結果をFig5 に示す
吸収ピークの波長シフトは~3nmであった同
条件で従来の光学フィルタ式のものでは~
50nmのシフトがあるのと比べて温度特性が安
定していることがわかった 今後の課題 最も基本となる分子スペクト
ルのピークに対応したサーモパイルセンサの確
認に成功したがピークのSN比はベースライン
から+35に留まる赤外分光スペクトルから判
断するともっと大きな変化が期待できるPAN膜を付着するプロセスから改良する 論文発表状況特許出願 [1] 「温度依存性の少ない分光機能集積型赤外
線ディテクタ」桝野雄矢熊谷慎也佐々木実
第 56 回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集 No3 p1029 200942 筑波大学 [2] ldquoThermopile IR Detector Integrated with Wavelength Selective Filter Stable against Temperature and Incident Angle Changesrdquo Katsuya Masuno Shinya Kumagai Minoru Sasaki and Kohji Tashiro 2009 International Conference on Solid State Devices and Materials 投稿中
参考文献 1) Mark P McNeal Nicholas Moelders Martin U
Pralle Irina Puscasu Lisa Last William Ho Anton
C Greenwald James T Daly Edward A Johnson
ldquoDevelopment of Optical MEMS CO2 Sensorsrdquo
Proceedings SPIE vol 4805 (2002) p30-35 2) 特開 2006-58203 3) Shigeki Sakaguchi ldquoTemperature Dependence of
Transmission Characteristics of Multilayer Film
Narrow Bandpass Filtersrdquo Jpn J Appl Phys
Vol38 (1999) pp6362-6368
Fig2 Experimental setup
Fig5 Transmittances of PAN at various temperatures (Acquired with FT-IR)
Fig1 (a) Schematic diagram of a thermopile detector (b)Fabricated IR detector with a PAN bump as an absorber
Thermopiles
20 mm
04
mm TP2TP1
TP3
TP4
Thermopiles
20 mm
04
mm TP2TP1
TP3
TP4
PAN Bump
050607080910
4300 4350 4400 4450 4500 4550 4600
Wavelength [nm]
Sens
or O
utpu
t (w
ith P
AN) [μV
]
+025μV(+35)
Fig3 Spectral response from fabricated sensor
Fig4 Spectral responses of the fabricated sensor at various temperatures
03
04
05
06
4300 4400 4500 4600Wavelength [nm]
Sen
sor O
utpu
t [μV
] 80604022
0
10
20
30
40
4440 4450 4460 4470 4480wavelength [nm]
trans
mitt
ance
[]
20C40C60C80C
69
協力研究 豊田工大 08-39
エンジニアリングプラスチックスの残留歪解析 Residual Strain Analysis of Engineering Plastics
安藤 幸也a 田代 孝二b 杉田 英嗣a
Yukiya Andoa Kohji Tashirob Eiji Sugitaa
a(株)デンソー b豊田工業大学
aDENSO COLTD b TOYOTA TECHNOLOGICAL INSTITUTE エンジニアリングプラスチックスで自動車部品用途に多用される PPS(poly-p-phenylene sulfide)
を対象にX 線回折の sin2ψ法による残留歪測定の可能性を調査した A possibility to evaluate the residual strain of poly-p-phenylene sulfide (PPS) which is an engineering plastic and is used for automobile parts on the basis of sin2f method using X-ray diffraction data has been investigated 背景と研究目的 実験 自動車の軽量化のために自動車部品には樹脂
が多用されておりその使用比率は増加する一
方である樹脂はクリープしやすくその耐久
特性は応力の違いで大きく異なるため残留歪
の見積もりが甘いと大事故を招くことになる
残留歪は成形条件によっても変化するため
それに伴い耐久寿命も変化するしたがって
樹脂の残留歪の高精度測定が必要である
アニーリング処理した平板から切り出した試
験片を用いTD(流動直角方向)MD(流動方
向)にそれぞれ歪を負荷し側傾法で測定した
歪はかまぼこ型の冶具に沿わせることで負荷
した(図 1)着目した反射ピークは(311)反
射とした(図 2) 結果と考察 現状樹脂の残留歪測定は歪ゲージに頼って
いるがその精度は低く成形条件の違いによ
る残留歪の変化まで捉えることはできないま
た測定エリアが広いため平均化された値し
か得られないこのため金属分野で実績のあ
るX線回折法により樹脂の残留歪を高精度に
測定する技術を確立させることは樹脂製品の
信頼性向上のためにも極めて重要であるしか
しながらこの分野の研究事例はほとんどなく
手法の有効性が確認されれば様々の点で大き
な成果に結びつくと考えられCAE(Computer Aided Engineering)の予測精度向上にもつなが
る
歪と sin2ψ線図の傾きで整理した測定結果を
図3に示すこの結果PPS については0~15の歪範囲で歪と sin2ψ線図の傾きに良い
今回の実験では自動車部品に多用されている
耐熱性の高いエンジニアリングプラスチックス
である PPSPPS-GF40 を対象にsin2ψ法に
基づく残留歪測定を試みた
Fig 1 Equipment to generate strain on the sample
70
相関が見られMD と TD の差が小さく大き
なバラツキもなく良好な結果が得られたPPSでは>15の歪範囲PPS-GF40 では>0の
歪範囲でTD と MD の差が大きくバラツキ
も大きいことがわかった
今後の課題 今回sin2ψ法によりPPSPPS-GF40 の残
留歪を測定できないか調査したこの結果現
状実用性のある対象範囲がわかった 今後TDとMDの差バラツキ原因を調査し
精度向上できる測定条件を明確にする したがって実用化においては材料組成歪
範囲が限定されると考えられる
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
2θ
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
2θ
Fig2 X-ray diffraction pattern of PPS
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 15 2 25
歪 []
傾き
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 1
歪 []
傾き
5
(PPS) (PPS-GF40)
- TD- MD
- TD- MD
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 15 2 25
歪 []
傾き
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 1
歪 []
傾き
5
(PPS) (PPS-GF40)
- TD- MD
- TD- MD
Fig 3 Relation of sin2ψ and strain (311 reflection)
71
装置利用
豊田工大 08-40
光ファイバ材料の吸発光特性
Optical properties of optical fiber materials
齋藤和也
Kazuya Saito
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
Pd 内包カーボンナノチューブ(CNT)は走査型プローブ顕微鏡(SPM)用の探針先端材料(特に電気特
性評価用)として有望である本研究では探針材料と同一のシリコンウェハ上に化学気相成長法に
より Pd 内包 CNT を成長しその直径や密度が触媒調整条件によりどのように変化するかを調べると
ともにPd 内包 CNT の構造解析を行った Since the metal-filled CNT is expected to provide larger radial rigidity higher mechanical and thermal stability than the conventional hollow nanotube it would be suitable for the tip of scanning probe microscopy (SPM) Here we report synthesis of Pd-filled CNTs onto the silicon substrate by microwave plasma enhanced CVD technique Their structure is also studied by SEM TEM and Raman spectroscopy
背景と研究目的 希土類元素は固体中では
3価イオンRe3+として安定に存在するが2価
イオンRe2+として存在することもありRe3+とは
異なる分野で利用されているRe2+はそれと
等電子配置のRe3+と比較して電子項間のエネル
ギー間隔が減少するために異なる吸収蛍光ス
ペクトルをもつ特に4f-4f間の電気双極子遷
移確率に比べて 102~3倍ほど大きな値をもつ
4f-5d間の遷移が可視領域付近に現れることは
利用価値が大きく可視光におけるブロードな
蛍光は蛍光材料として広く利用されている
また価数変化を利用したX線イメージングプ
レートや赤外線検出器などでは電子正孔トラ
ップ(Re3+hArrRe2+)としての役割が活用されてい
る反対に価数変化が問題となるケースもある
例えばYb添加シリカファイバレーザーではフ
ォトダークニングを引き起こす主要因と考えら
れている[1]そこで本研究ではYb2+とEr2+
の光学特性を詳しく調べた 実験 Yb2+Er2+生成のために還元雰囲気下に
おける試料作製をMCVD法を用いて行ったこの
試料より2mm厚の光学研磨平板を作製し分光蛍
光光度計(日立F-7000)を用いて励起蛍光スペ
クトルを測定した
結果および考察 作製したYb2+生成試料
でUV~blue光励起で非常に輝度の高いYb2+か
らの蛍光を観測できた輝度の強い蛍光は波長
可変レーザーや他の活性イオンの増感剤として
の応用が期待できる図1にその励起蛍光ス
ペクトルを示す蛍光波長500nmにおける励起ス
ペクトルとMgF2結晶において報告されている
72
Yb2+の吸収スペクトル[2]を比較すると(図2)
ガラス中では無秩序な構造を反映して各4f135d
多重項は非常にブロードになっていることがわ
かるピーク分離で決定した各準位の中心波
長を図3に示す
5s 5p電子に遮蔽されている4f電子と異な
り5d電子は配位子場の影響を大きく受ける
ためYb2+の4f-5d遷移は仮想温度による配位
子場の変化の影響も大きく受けると予想され
る蛍光および励起スペクトルの仮想温度依
存性を測定したところ予想どおり大きな仮
想温度依存性があること明らかとなった 同様に還元雰囲気下において Er2+含有シリ
カガラスの作製を試みたEr は一般には2価の
酸化状態はとり難いと考えられているがpale
green の蛍光を示す試料を作製することができ
た図4にその蛍光スペクトルを示すEr3+の
4f-4f 遷移が示す鋭い蛍光ピークとは異なり非
常にブロードな蛍光であるさらに励起スペ
クトルには Er3+の鋭いピークに加えて可視か
ら紫外域にかけての非常にブロードな吸収があ
ることがわかり(図5)確かに Er2+の 4f-5d 遷
移によるものと判断できるEr は酸化物中では
2価状態をとり難いと考えられていたが還元
雰囲気下で安定な Er2+を生成できることが明ら
かとなった
今後の課題 今回作製した2価イオンを含む
シリカガラスのレーザー発振や他の活性イオン
の増感剤としての利用を検討するために蛍光
寿命等の詳細な測定を行う
論文発表状況特許出願 [1] K Saito et al XII PNCS Brasil 20099 発表
予定
参考文献 1) 例えばT Kitabayashi et al OFT 34 (2006) 9
2) J Rubio J Appl Chem Solids 52 (1991) 161
200 2 350 400 450
0
1000
50 300
2000
3000
4000
5000
Absorbance
MgF2
励起スペクトル SiO2中の Yb2+の
Fig1 EmissionEscitation pectrum of Yb2+ doped silicaS
Fig2 Comparison with theSpectrum of Yb2+MgF2
lower
59 eV 52 eV 45 eV 42 eV 38 eV 33 eV
Fig3 Energy levels of Yb2+ in silica glass
Fig4 Emission spectrum of Er2+ doped silica glass
(a)
3+
E
Er
r3+
Er3+ Er3+
Fig5 Excitation spectrum of Er2+ doped silica glass
73
23 成果の外部への公表
平成20年度支援成果による発表件数(H21年3月末時点)
和文(内
投稿中)英文等
(内投稿中)
計 国内(内
投稿中)海外
(内投稿中)
計 国内(内
申込中)海外
(内申込中)
計 国内 海外 計
計測分析 0 0 0 0
超微細加工 0 0 6 1 6 0 0 0 0 0 24 3 2 1 26 2 0 2
分子合成 0 0 0 0
極限環境 0 0 0 0
計 0 0 6 1 6 0 0 0 0 0 24 3 2 1 26 2 0 2注1注2 査読のあるプロシーディングは論文とみなす査読のないプロシーディング等(和文英文その他)は口頭発表とする注3
拠点名 機関名 機能名
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
プレス発表解説記事等 口頭発表(講演)
空欄に数値を記入してください
プレス発表解説記事等 には原著論文以外の紙上発表を記入する
特許出願原著論文発表
74
委託業務題目「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析 」(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援)
機 関 名学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
2学会誌雑誌等における論文掲載
業務コード実施年度
論文タイトル 発表者名 発表誌名 掲載号ページ(年)和誌洋誌
支援機能名
07008049 20
Local opening of a large bandgap in metallic single-walled carbon nanotubes induced by tunnel injectionof low-energy electrons
Kenta Yamada Hiroaki Sato TetsuyaKomaguchi Yutaka Mera and Koji Maeda Appl Phys Lett 投稿中 洋 超微細加工
07008049 20
Conductive pattern forming method on vertical wallusing spray coating and angled exposuretechnologies
H Morii F Oohira M Sasaki etal Proc Optical MEMS p30 (2008) 洋 超微細加工
07008049 20
Conductive pattern forming method on vertical wallusing spray coating and angled exposuretechnologies
H Morii F Oohira M Sasaki etal Proc 25th Sensor Symposium pp29-32 (2008) 洋 超微細加工
07008049 20
High-Resolution Magnetic Force Microscopy UsingCarbon Nanotube Probes Fabricated Directly byMicrowave Plasma-Enhanced Chemical VaporDeposition
K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J Nanomater in press 洋誌 超微細加工
07008049 H20 Iron Nanowire Formation in Si(110) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda JJAP 47(7B)61382008 洋紙 超微細加工
07008049 H20
TOF-ICISS and STM study on 3ML-PdPt(111) surface structure Does the latticemismatch determine the epitaxial growth
K Umezawa E Narihiro Y Ohira MYohimura Nucl Instrum Meth B vol 266 (2008) pp
1903-1907洋誌 超微細加工
学 会 等 発 表 実 績
75
委託業務題目「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析 」(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援)
機 関 名学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
1学会等における口頭ポスター発表業務コード
実施年度
講演タイトル 発表者名 講演会名 発表年月日国内国
際口頭ポ
スター支援機能名
07008049 20 太陽電池用多結晶Si基板の欠陥および不純物の評価今井 啓太田中 聡志立花 福久香川 泰平増田 純一小椋 厚志大下 祥雄新船 幸二河合秀昭田島 道夫井上 雅晶
第55回応用物理学関係連合講演会 2008329 国内 口頭 超微細加工
07008049 20Evaluation of multi-crystalline silicon substrates with p-ndiode array
Tomihisa Tachibana Keita Imai Jyunichi MasudaAtushi Ogura Koji Arafune Yoshio Ohshita MichioTajima
18th Workshop on Crystalline SiliconSolar Cells amp Modules Materials andProcesses
200885 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20太陽電池用多結晶シリコン基板上に作成したp-nダイオードアレイの評価
増田 純一立花 福久今井 啓太大下 祥雄新船 幸二小椋 厚志
先端ナノオプトバイオワークショップ
20081213 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 太陽電池用多結晶Si基板の応力と結晶性の評価立花 福久増田 純一福田 晃司小椋 厚志大下 祥雄新船 幸二
第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Current-Voltage Characteristics of GaAs Nano-SchottkyDiodes Using InAs Self-Assembled Quantum Dots as Nano-Electrodes Dependence on Doping Concentration
Ichiro Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and HSakaki
IEEE Nanotechnology Materials andDevices Conference 2008
20081020 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20Current-Voltage Characteristics of GaAs Nano-SchottkyDiodes Using InAs Self-Assembled Quantum Dots as Nano-Electrodes Dependence on Doping Concentration
Ichiro Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and HSakaki
The 2nd IEEE NanotechnologyMaterials and Devices Conference2008 (NMDC2008)(October20-222008 Kyoto University JAPAN)
20081020 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20走査型トンネル顕微鏡探針による金属カーボンナノチューブへの欠陥導入
山田賢太佐藤弘紹駒口哲也目良裕前田康二 日本物理学会 第64回年次大会 2009329 国内 口頭 超微細加工
07008049 20金属カーボンナノチューブのSTM 探針による局所構造変化-HOMO-LUMO ギャップの形成
佐藤弘紹山田賢太駒口哲也目良 裕前田康二 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20単層カーボンナノチューブにおける電子励起による欠陥生成
目良 裕前田康二 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 磁気力顕微鏡用探針の分解能の理論的検討 〇田仲 圭石川憲一吉村雅満上田一之「ナノ格子新技術開発研究センター」第7回シンポジウム
2009年 3月 13日 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Fe-Co蒸着により形成されるSi(110)表面上のシリサイドナノワイヤ
大平 豊丹司敬義 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 Fe-Co二元蒸着によるシリサイドナノワイヤの作製 大平 豊丹司敬義文部科学省私立大学ハイテクリサーチセンター整備事業「ナノ格子新技術開発センター」第7回シンポジウム
2009313 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 電子線露光技術を用いたナノ構造の試作藤川久喜三浦篤志井上大介野村壮史佐藤和夫梶原建大澤潤
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線技術
森井裕貴大平文和佐々木実中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 酸化亜鉛透明導電膜の熱処理効果吉野賢二竹本裕仁小島稔小島信晃大下祥雄山口真史
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二 目良裕 吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成 年度成 報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
学 会 等 発 表 実 績
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二目良裕吉村雅満平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20InAs自己形成量子ドットを電極に用いたGaAsナノショットキーダイオードのI-V特性におけるドーピング濃度依存性
田中一郎中谷茂希宇野和行神谷格榊裕之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20低速イオン散乱およびSTMによる金属表件ナノ成長の観察
梅澤憲司吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 EB露光による窒化物半導体のナノ加工とPL評価 黒木康彦大澤潤中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20機能性カーボンナノチューブの開発-次世代プローブ顕微鏡の高分解能高性能化-
吉村雅満Chien-Chao Chiu田仲圭上田一之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 酸化亜鉛透明導電膜の熱処理効果吉野賢二竹本裕仁小島稔小島信晃大下祥雄山口真史
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20InAs自己形成量子ドットを電極に用いたGaAsナノショットキーダイオードのI-V特性におけるドーピング濃度依存性
田中一郎中谷茂希宇野和行神谷格榊裕之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二目良裕吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20低速イオン散乱およびSTMによる金属表件ナノ成長の観察
梅澤憲司吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 短パルスレーザーアニールによる規則合金膜生成の試み加藤剛志山内幸大徐倩茜大島大樹岩田聡綱島茂
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Correlation between structural disorder and opticalproperties in YbEr doped silica glass
K Saito E H Sekiya T Okazaki and Y FujitaXII PNCS (Conference on thePhysics of Non-Crystalline Solids)
200998 国際 口頭 超微細加工
76
特許
業務コード実施年度
発明の名称 発明者 出願人出願登録
区分出願番号(出願日)
出願区分
出願国登録番号(登録日)
支援機能名
07008049 H20 チップ中野 圭洋亀岡 遵安池 雅之
株式会社 ESPINEX 出願 特願2008-53209 国内 超微細加工
07008049 H20 微生物の検出方法中野 圭洋亀岡 遵安池 雅之
株式会社 ESPINEX 出願 特願2008-307867 国内 超微細加工
プレス発表業務コー
ド実施年度
発表タイトル 掲載新聞名 掲載日 支援機能名
受賞
業務コード
実施年度
受賞件名 受賞者氏名 所属機関名 受賞年月受賞理由
(本プロジェクトとの関係)
メモ
07008049 H20 Graduate Student Award 立花 福久 明治大学 200885 ポスター発表による表彰
該当なし該当なし
77
24 活動(運営委員会等の活動等)
平成20年度の活動(運営委員会等の活動等)
支援機関名 研究会名称 主催機関名 日時 場所 参加者数 内容 特記事項
中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析
自然科学研究機構分子科学研究所名古屋大学名古屋工業大学豊田工業大学
200934-5名古屋大学野依記念学術交流館
口頭24件ポスター35件
成果報告と互いの情報交換新しい連携も生まれた例があ
る
nano tech 2009国際ナノテクノロジー総合展技術会議
nano tech 実行委員会
2009219 東京ビッグサイト約16000名
成果報告と互いの情報交換ナノテクノロジー総合展示会
半導体プロセス実習講習会 豊田工業大学 2008724-25豊田工業大学 クリーンルーム3号棟
受講者56名
半導体プロセスの実習講習と共にナノテク総合支援のアピール
豊田工大 学内 ナノネット委員会(第1回)
豊田工業大学ナノネット運営委員会
2008519 学内8号棟中会議室学内関係者~16名
議題1H19年度実績 支援件数 委託費消費実績 2H19年度成果報告について 3H20年度受付状況 4その他
豊田工大 学内 ナノネット委員会(第2回)
豊田工業大学ナノネット運営委員会
20081125 書面審議学内関係
者
議題1H20年度予算配分 各支援別配分予算額 2H20年度委託費消費状況 3H20年度支援受付状況 4その他
豊田工業大学
78
25 実施体制
1業務責任者
役職氏名 豊田工業大学大学院 教授 榊 裕之E-メールアドレスsakakitoyota-tiacjp
TEL052-809-1706 FAX052-809-1741
2 実施場所
大学院工学研究科(各担当者研究室)
豊田工業大学共同利用クリーンルーム
3 業務項目(支援要素名)別実施区分及び担当者
研究項目 担当機関等 担当責任者及び担当者
1シリコン超微細加工用要素プロ
セス技術と評価の支援
豊田工業大学
工学部
大澤 潤准教授(施設長)
近藤憲司施設専任職員
梶原 建専任支援員
23次元フォトリソグラフィなど
による(微細)デバイス構造の製作
と評価の支援
豊田工業大学
工学部
佐々木 実教授
3化合物半導体ナノ構造の形成と
評価の支援
豊田工業大学
工学部
榊 裕之教授
4化合物半導体ナノ構造の形成お
よび有機物との複合化と評価の支
援
豊田工業大学
大学院
神谷 格教授
5フラーレンナノ構造の作製と評
価および化合物半導体シリコンナ
ノ構造の評価の支援
豊田工業大学
大学院
山口 真史教授
大下祥雄准教授
小島信晃助教
6カーボンナノプローブナノチ
ューブの形成と評価の支援
豊田工業大学
大学院
吉村 雅満准教授
7金属微粒子の形成と評価の支援 豊田工業大学
工学部
柳瀬 明久准教授
8有機物および高分子系材料のナ
ノ構造物性評価
豊田工業大学
大学院
田代孝二教授
注1 課題代表者サブテーマ代表者
注2 本業務に携わっている方はすべて記入
79
80
26 支援装置 261 超微細加工領域
クリーンルーム施設 【仕 様】
クリーン度クラス 100およびクラス 1000 の 2 室か
らなる面積 400m2 の本格的なものです 付帯設備として純水製造装置(18MΩ-cm)ガス
精製供給装置廃水処理装置ガス除害装置のほか空
調維持装置などを備えています 【特 徴】
本学クリーンルームの特徴としては主としてシリコ
ン系プロセス装置を利用して一連の各種素子試作や各
種機能薄膜等との複合化プロセスと評価が行えることで
す化合物系ではシリコン系と分離したホトリソ洗浄ウェットエッチング等の薬品処理も実施
可能です
主に以下の項目を実施できます ①アライナ用のマスク作製や電子線描画による直接露光 ②
イオン注入や熱拡散による不純物導入プロセス ③ウェットおよびドライエッチングプロセスなど
④試作プロセス途中および完了後の評価(必要に応じて関係研究室の支援を得ます)
電子ビーム露光装置 【仕 様】
電子ビーム最小径φ3nm にて線幅 20nm 前後の細線
描画および直径約 20nm のドットサイズまで加工を行え
ます基板サイズはφ4inch までレーザ干渉計ステージ
による 100nm のステージ位置読み取り分解能により
50nm のフィールドつなぎ精度と 50nm の重合わせ精度
でのプロセスが可能です描画フィールドサイズは
500μm 四方に対して 60000times60000 ピクセルに分割
(8nmpixel)が可能でより小さなフィールドサイズの例
としては例えば 100μm に対しては 17nmpixel のサイ
ズで描画パターンを与えることができます
【特 徴】 電子線を走査してレジスト上にパターンを直接描くためマスクなしでナノオーダーの微細なパ
ターンが形成できますリフトオフやエッチング等のプロセスと組み合わせて微細な電極形成など
の加工を行うことができますパターニングされた結晶成長のためのマスク形成やDFBレーザ用
パターンドットマトリクスパターンの形成などにも用いることが可能です
写真
81
プラズマCVD装置 【仕 様】
1356MHz の高周波プラズマにより
① SiH4+H2rarrα-Si
② SiH4+NH3+H2rarr P-SiN
を成膜する装置です
基板加熱は max250まで可能反応槽のクリーニングは
CF4O2 プラズマで行います
【特 徴】
φ4インチ以下の各種基板上に成膜可能です
基本レシピによる成膜レートは
① α-Si35nmmin
② P-SiN20nmmin
でありプロセス条件の例としては以下のとおりです
(1) α-Si
SiH425sccmH230sccmPress03TorrPower80WTemp200
(2) P-SiN SiH430sccmNH360sccmH260sccmPress04TorrPower100WTemp250
マスクアライナ装置 【仕 様】
i 線h 線g 線を用いた露光装置ですマスク寸法は 50 mm 角~102 mm 角基板寸法は 3ldquoΦ以下 露光最小線幅は 075 μm位置決め精度は 05 μm で
す 研究用に下記仕様の 2 台所有しています 1 マスク寸法 102mm角基板寸法3ldquo用アライナ
ー プロキシミティーギャップ量可変(0~48μm) 露光最小線幅 2μm
2 マスク寸法 50mm 角基板寸法 40mm角以内 ハードコンタクト(真空方式)可能 露光最小線幅は(05)~075 μm位置決め精度 05 μm
【特 徴】 研究者が使用する多様な寸法の基板に対応可能ですまた本アライナーで製作した基板上の位
置決めパターンを利用して上記の電子ビーム露光装置による微細パターンと組み合わせることも
可能です そのことによりパターン全体の描画時間の短縮や各種パターン要素の組み合わせによる効率的
な研究を進めることも可能です
写真
82
斜め露光用アライナ 【仕 様】
密着型露光装置ですマスクは2インチ角基板寸法は
2cm 角~1 インチ角ウェハ厚みは 200μm から 1mm です
ウェハ側が xy 粗微動の2重度をもつためマニュアル式な
がらも操作性が高い研究開発用ですアライメント等は
一般の片面アライナと同様です 【特 徴】
ウェハとマスクをメカクランプ機構によって固定できる
ためアライメントした状態のまま別装置 2 にセット可
能です垂直壁面にパターニングを行うためにはウェハ
壁面に対して斜め方向から UV 光を照射することが必須に
なりますが別に用意した斜め露光用照射系にセットする
ことが可能です更にアライナにウェハを固定する前にウェハを純水で濡らした状態にするこ
とでウェハとマスク間の隙間を空気から純水に置換することが出来ますレジスト表面と媒体
の屈折率差が小さくなるため界面反射を小さく押さえることが可能となります2009 年 3 月の
時点で段差 100μm の垂直壁に幅 30μm の斜め線も含めた任意パターンがアライメントし
た状態で転写可能です
装置2
83
X 線光電子分光装置(XPS) 【仕 様】
X 線源はMgKαAlKαデュアルアノード X 線源
とモノクロメータ X 線源の2種を装備しています
Ag 試料を使用して Ag 3d52ピークを測定した時のエ
ネルギー分解能(半値幅)はモノクロメータ X 線源
使用時で 048eV 以下となっています試料上の分析
位置を走査して水平分解能 10μm で空間マッピン
グが可能ですAr イオンエッチング銃を使用して深
さ方向分析ができます電子中和機構により絶縁性
試料の測定にも対応しています試料サイズは最大
15mmφ(厚さ 4mm)です 【特 徴】
材料の元素分析化学状態分析を行う装置ですモノクロメータ X 線源による高エネルギー分解
能での測定空間分解能 10μm でのマッピング測定が可能です
DC amp AC ホール効果測定装置 【仕 様】
以下の仕様で Van der Pauw 法による半導体薄膜材
料のホール効果測定が可能です ホール測定電圧感度10-8 V抵抗測定範囲001
~1012 Ω(電極端子間)試料印加電流5 pA~100 mA(電圧リミット 100V)最大磁場079 T(AC 磁
場での測定可能)測定温度42~400K試料サイズ
最大 10mm 角 【特 徴】
Van der Pauw 法によるホール効果測定により半
導体薄膜材料の抵抗率伝導型キャリア濃度移動度を測定する装置です交流磁場を使用した
AC ホール効果測定により高抵抗試料で問題となる測定器の DC ドリフトや試料の不均衡電圧に
よる誤差を除去し高感度な測定が可能です
84
ナノ秒パルスYAGレーザー装置 【仕 様】
小型のナノ秒パルス NdYAG レーザー装置ですレ
ーザー本体の出力は2倍波(532 nm)で 200 mJ です
基本的に2倍波を使用していますパルス時間幅は約 6 ns ですフライアイレンズを用いた照射光学系によって
照射エネルギー密度の均一化を図っています4 ミリ角
の照射領域に対して照射エネルギー密度は 300 mJfraslcm2
までの範囲で調整可能ですレーザーは 10 Hz の運転で
すが手動シャッターによって1パルスを切り分けて照
射できます
【特 徴】 空気中高真空中(~10-4 Pa)液体中に置かれた試料に対してパルスレーザー照射が可能です
用いる波長の光を吸収する物質を中心に加熱することができることきわめて短時間での加熱冷
却が可能なことが特徴です
X線回折装置 【仕 様】
高輝度小角 X 線散乱装置高分子専用X線装置単結
晶解析用X線装置等各種X線解析装置群で構成されて
います 【特 徴】
各種の有機材料特に高分子材料についてナノスケ
ールでその階層的な構造(結晶構造非晶構造高次
組織など)や構造形成プロセスあるいは試料中での
応力分布などを本装置群であるX線回折に加えてラ
マン赤外分光法などの手法を組み合わせることによ
り解明できますその理論的理解のための計算機シミ
ュレーションなども行い総合的に学術技術支援を
実施しますさらに構造と種々の物性との相関解明
の支援を実施できる
85
27 各種データ271 支援件数
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援日数 61 0 91 80 232 32 0 7 6 45 18 0 68 44 130 11 0 16 30 57 0 0 25 05 3 235
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
技術代行技術相談
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
計
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 委託事業(外部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況
総計利用機関
利用形態共同研究 装置利用
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援日数 61 0 91 80 232 32 0 7 6 45 18 0 68 44 130 11 0 16 30 57 0 0 25 05 3 235
注1 空欄に数値を記入してください注2注3注4 公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)注5 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
利用形態共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
一つの採択テーマにおいて複数回支援した場合は一つと数えるただしその支援が複数機関あるいは同一機関内でも複数領域にまたがる場合はそれぞれ別に数える大学は大学高等専門学校等の教育機関
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 自主事業(外部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況技術相談
総計利用機関
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計
86
なし なし なし なし なし実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関
のみ大学 公 大企業 中小企 合計
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援日数 88 0 0 0 0 88 10 0 0 0 0 10 58 0 0 0 0 58 20 0 0 0 0 20 0 0 0 0 0 0 88
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援日数 88 0 0 0 0 88 10 0 0 0 0 10 58 0 0 0 0 58 20 0 0 0 0 20 0 0 0 0 0 0 88
注1 空欄に数値を記入してください注2注3注4 公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)注5 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上注6 外部機関者が参加している課題は「外部参加機関あり」に仕分けしその外部機関に応じてカウントして下さいまた機関内利用で外部機関参加者なしの課題は「実施機関のみ」にカウントして下さい
(もし 複数の外部機関が参加している場合は も とも貢献度の大きい外部機関を選択して下さい )
外部参加機関あり
極限環境
計
一つの採択テーマにおいて複数回支援した場合は一つと数えるただしその支援が複数機関あるいは同一機関内でも複数領域にまたがる場合はそれぞれ別に数える大学は大学高等専門学校等の教育機関
中部地区ナノテク総合支援
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行技術相談
外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 委託事業(内部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況
分子合成
外部参加機関あり
(もし複数の外部機関が参加している場合はもっとも貢献度の大きい外部機関を選択して下さい)
なし なし なし
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関
のみ大学 公 大企業 中小企 合計
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
計
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 自主事業(内部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
外部参加機関あり
支援状況技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用
87
272 課金収入実績
平成20年度課金実績(H21年3月末時点) 委託事業(外部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
支援機関名
豊田工業大学
装置利用共同研究 技術代行利用形態
総計
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名
中部地区ナノテク総合支援
支援
利用機関技術相談
支援機能名
352
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(外部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
拠点名支援機関
名支援機能名
支援技術相談
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
352
88
平成20年度課金実績(H21年3月末時点) 委託事業(内部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(内部利用)
技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援
352
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(内部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援
352
89
08-15 プローブ顕微鏡を用いた物性測定 42
田仲 圭
08-16 磁気記録用パターン媒体の研究 44
加藤剛志
08-17 鉄コバルト系シリサイド形成に関する研究 46
大平 豊丹司 敬義
08-20 ナノ構造半導体薄膜の作製 48
竹田 康彦
08-22 InAs量子ドットを電極としたナノショットキーダイオードの理想係数 50
田中一郎
08-26 FETデバイス基板の試作 52
吉村雅満
08-27 触媒ナノ粒子を用いたCVD膜中残留応力制御 54
熊谷慎也
08-28 a-SiNxHSi界面特性の面方位依存症 56
新船 幸二
08-29 太陽電池特性評価技術の習得 58
岩本 恵里
08-32 レジストマスクによるリン砒素のイオン注入 60
上田 一之
08-33 新規プローブの開発 62
森田 幸治
08-34 ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製 64
田中一郎
08-35 次世代メモリ用材料GeSbTe薄膜のCVD成膜 66
町田 英明
08-37 分光機能を持つMEMS赤外線センサ 68
佐々木 実
08-39 エンジニアリングプラスチックスの成形加工物の残留歪解析 70
安藤幸也
08-40 光ファイバー材料の吸発光特性 72
齋藤和也
23 成果の外部への発表 74
24活動(運営委員会等の活動等) 78
25 実施体制 79
26 支援装置 81
27 各種データ 86
2
1委託業務の目的
11 委託業務の課題
拠点課題名 「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析」
機関業務名 ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援 (超微細加工領域)
12 実施機関
機関名 学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
住 所 468-8511 愛知県名古屋市天白区久方2-12-1
13 委託業務の目的
中部地区ナノテクノロジー総合支援拠点を形成し「ナノ計測分析」「超微細加工」「分
子物質合成」の3領域において「最先端ナノ計測機器の利用支援」「有機生体関連分子
等の多彩な物質群の設計合成評価支援」「最先端設備技術による半導体超微細加工支援」等を
総合的に実施する
このため大学共同利用機関法人自然科学研究機構分子科学研究所国立大学法人名古
屋大学国立大学法人名古屋工業大学学校法人豊田工業大学の愛知県内4機関が共同で業
務を行う
学校法人トヨタ学園 豊田工業大学では超微細加工を中心とした支援を担当する
2平成20年度の実施内容
21 実施計画
①シリコン超微細加工用要素プロセス技術と評価の支援
クリーンルーム内に設置のシリコン系を主体とするプロセス装置を利用して各種素
子構造を試作するとともに各種の機能物質とシリコンとの複合化プロセスおよび評価
を行う今年度は特に電子線リソグラフィと走査型プローブ顕微鏡(兼加工装置)の
活用を進めるリソグラフィ薄膜形成イオン注入や熱拡散による不純物導入酸化
やウェットおよびドライエッチング等一連の要素プロセス技術を提供する微細構造
や物性の測定評価についてはクリーンルーム内の評価装置および関係研究室の精密分
析装置を併用して実施する
②3次元フォトリソグラフィなどによる(微細)デバイス構造の製作と評価の支援
ナノ構造などを持つ微細デバイス製作にはフォトリソグラフィが利用されるがMEMS
デバイスには3次元化も重要となるこのようなニーズに対応するためフォトレジス
トのスプレー成膜と立体特有の露光装置を組み合わせたオリジナルな3次元フォトリ
ソグラフィを開発応用しこれらを用いた新規デバイスの製作を支援する
平成20年2月の段階でスプレー成膜アライメントを必要としない立体露光触針段
差計による膜厚評価が可能となったアライナと組み合わせた露光UVキュア処理レ
ジスト剥離MEMS立体加工などと有機的に結び付く装置支援ができるよう順に用意す
る
③化合物半導体ナノ構造の形成(および有機物との複合化)と評価の支援
化合物半導体ナノ構造の形成のためにMBE(分子線エピタキシー)によるAlGaInAs
系AlGaInSb系のナノ薄膜超格子量子ドットなどの構造やこれを含む素子構造の形
成を行うまたこれらのナノ構造の光物性(蛍光と光吸収特性)および電子物性(伝
3
導特性)などの計測評価手法も提供し原子間力顕微鏡による構造評価も実施する
有機薄膜の形成と評価支援についてはOMBE(有機分子線エピタキシー)による有機薄
膜構造の形成真空一貫システムでの電極蒸着に加えて電子物性(伝導特性)や光物
性(蛍光と光吸収特性)原子間力顕微鏡による構造計測を実施する
④フラーレンナノ構造の作製と評価および化合物半導体シリコンナノ構造の評価の支
援
分子線エピタキシー装置によるC60(エピタキシャル)薄膜の作製支援ならびに
化合物半導体シリコンフラーレンなど半導体ナノ構造の物性評価の支援を行う物
性評価支援では主に以下の装置が利用できる(a)X線光電子分光装置元素分析化
学結合状態分析(b)結晶性解析X線回折装置結晶構造評価(c)DC amp ACホール効果
測定装置電気的特性(キャリア濃度移動度)評価
⑤カーボンナノプローブナノチューブおよび金属微粒子の形成と評価の支援
ナノ機能デバイスを実現することを目的としてカーボンナノチューブ(CNT)成長に加えてCNT
探針等を用いた高分解能走査プローブ顕微鏡(SPM)によるナノ構造評価などに関する支援を行う
また短パルス YAG レーザー照射によるナノマイクロ構造の加熱および抵抗加熱型真空蒸
着と短パルス YAG レーザー照射による金属微粒子形成に関する支援を行う
⑥有機物および高分子系材料のナノ構造物性評価
各種の有機材料特に高分子材料についてナノスケールでその階層的な構造をX線回折やラ
マンおよび赤外分光法で解明するまたその理論的理解のための計算機シミュレーションなど
に関する学術技術支援を行うさらに構造と種々の物性との相関解明の支援も行う
22 成果
221 成果概要
①シリコン超微細加工用要素プロセス技術と評価の支援
フォトリソグラフィおよびドライエッチングウェットエッチング等を組み合
わせたセンサー素子の作製低圧およびプラズマCVD法を用いたシリコン等各種
基板上へのシリコンナノ薄膜の形成ICの故障解析のための各種薄膜エッチング
法の検討と故障個所の解析フォトニック用デバイスのプロセス検討及び設計のた
めの基本的な知見の取得など12件の支援を実施した
②3次元フォトリソグラフィなどによる(微細)デバイス構造の製作と評価の支援
垂直壁側面へのパターニング技術およびレジストコーティング装置による側面への塗布
技術に関し1件の支援を実施したレジストのUVキュア処理装置の整備張り合わせウェハ
にも処理がし易いレジスト剥離用ツールの整備を実施した
③化合物半導体ナノ構造の形成(および有機物との複合化)と評価の支援
InAs 量子ドットの導電性 AFM 観察ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製新型
ガスセンサーに関する技術相談光ファイバー材料の吸発光特性測定など5件の支援を実施
した
④フラーレンナノ構造の作製と評価および化合物半導体シリコンナノ構造の評価の支
援
結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動に関する検討 ナノレベルで膜厚
を制御した透明導電膜の光学的特性評価太陽電池に必須なプラズマ CVD で形成した半導体
4
ナノ構造太陽電池材料における量子閉じ込め効果の評価など13
⑤カー
薄膜の構造的評価量子
件の支援を実施した
ボンナノプローブナノチューブおよび金属微粒子の形成と評価の支援
デバイスのナノ構造評価を行うためのトンネル顕微鏡(STM)あるいは磁気力顕
微鏡(MFM)用CNT探針の作製磁気記録媒体記録層を高温処理するための短パルス
所的短時間加熱方法の検討など7
件
⑥有機
YAGレーザー照射によるナノマイクロ構造の局
の支援を実施した
物および高分子系材料のナノ構造物性評価
エンジニアリングプラスチックスの成形加工物の残留歪解析分光機能を持つM
EMS赤外線センサの検討の支援2件を実施した
5
222 支援成果トピックス
6
7
一覧
支援課題一覧(H19 年度公開猶予分)
223 支援課題
平成19年度
支援機
関名
課題番
号 支援機能名 業務形態名 実施課題名 申請者の所属 申請者 役職
主な利用装置
名
主な利用装
置の利用
日数
豊田工
業大学 07-03 超微細加工 送致利用
結晶化Si形成 京セラ(株) 橋上 洋 研究員 2
ナノ結晶制御型高品質LPCVD
07-04 超微細加工 装置利用
プラズマCVDによる薄
膜成膜 矢崎総業(株) 砂山竜男
グルー
プリー
ダー
プラズマCVD 2 技術代行
07-05 超微細加工 装置利用 側面へのパターニング
技術
香川大学
工学部 大平文和
レジストスプ
レーコーター 4 教授
07-06 超微細加工
装置利用
微小面積薄膜のレーザ
ー加熱による変形 業大学 柳瀬明久
ダイシング 3 技術代行豊田工 准教授
アライナー 67
07-07 超微細加工 技術代行
装置利用
超微細加工技術を用い
たマイクロ流路チップの
開発
X 中野 圭洋
取締役
パターンジェ
ネレータ 5
株式会社
ESPINE
代表アライナー 11
電子線描画 2
RIE 13
07-10 超微細加工 協力研究 による薄膜表面の構造
株式会社コベル
コ科研 エレクト
ロニクス事業部
笹川 薫 主席
研究員
走査型プロー
ブ顕微鏡 1
高分解プローブ顕微鏡
評価
07-11 超微細加工 技術相談
立体サンプルのフォトリ
ソグラフィ技術に関する
相談
日本電波工業
株式会社 第一 松戸 秀亮 課長 ___ ___
技術部
07-12 超微細加工 装置利用 リサイド形成に関
名古屋大学エコ
トピア科学研究
所
大平 豊
丹司 敬義
教授 SPMSEM 10
鉄系シ
する研究
07-14 超微細加工 技術相談 カーボンナノチューブ深
針作製に関する相談
株式会社 ユニ
ソク 阪巻 なみ 研究員 ___ ___
07-16 超微細加工 装置利用
多結晶 デバイス
のための酸化メカニズ
ムに関する研究
株式会社IHI
薄膜表
ロジェクト部
山本 直矢 課長 エリプソメータ 3
シリコン産業システムセ
クター
面プ
8
平成20年度支援課題一覧
支援機
関名
課題番
号 支援機能名 業務形態名 実施課題名 申請者の所属 申請者 役職
主な利用装置
名
主な利用装
置の利用
日数
豊田工
業大学 08-01 超微細加工 協力研究 多結晶シリコン基板へ
小椋 厚志 教授
ナー
5 の pn ダイオード作製
明治大学
アライ
不純物拡散
炉
08-02 超微細加工 協力研究 可視光用超高速空間光
変調器の研究開発 近藤 直樹 講師 MBE 3
帝京大学
理工学部情報科
学科
08-03 超微細加工 技術相談装
結晶シリコン太陽電池
用受光面銀ペーストの
て
仙田 愼嗣
グルー
プリー
D 23
置利用 焼成挙動につい
株式会社ノリタ
ケカンパニーリ
ミテド ダー
プラズマCV
紫外可視
近赤外分光
光度計
2
08-04 超微細加工 技術代行装
置利用
ナノレベルで膜厚を制
御した透明導電膜の光
学的特性評価 学科
宮崎大学 工学
部電気電子工 吉野 賢二 准教授
紫外可視
近赤外分光
光度計
8
08-05 超微細加工 技術代行装
工学
吉野 賢二 准教授 プラズマCV
2 置利用
プラズマCVD法による
薄膜作成と構造評価
宮崎大学
部電気電子工
学科 D
08-06 超微細加工
技術代行装「公開猶予」
25
置利用
08-07 超微細加工 置利用
電子線ビーム露光技術
たナノ粒
子パターン配置技術の豊田工業大学 熊谷慎也 准教授
装置 32
技術代行装 と組み合わせ
開発
電子線描画
08-08 超微細加工 技術代行装
超微細加工技術を用い
株式会社
スピネックス)
代表取
置利用 たマイクロ流路チップの
開発
ESPINEX(イー 中野 圭洋 締役
アライナー
RIE 14
08-09 超微細加工 装
置利用 4
技術代行「公開猶予」
08-10 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-11 超微細加工 技術代行 「公開猶予」 3
装置利用 「公開猶予」
08-12 超微細加工
20
08-13 超微細加工 協力研究
垂直壁側面へのパター 香川大学 工学
アライナー ニング技術 部 大平文和 教授
スプレーコート10
9
08-14 超微細加工 技術相談 「公開猶予」
___
___
08-15 超微細加工 協力研究 プローブ顕微鏡を用い
た物性測定
株式会社大同
分析リサーチ 田仲 圭
技術主
任
カーボンナノ
チューブ製膜
装置
2
08-16 超微細加工 装置利用 磁気記録用パターン媒
大学工
学研究科 量子
工学専攻
加藤剛志 准教授 ルスYAG
2 体の研究
名古屋 パ
レーザ
08-17 超微細加工 に関する研究
名古屋大学エコ
ノマテリア
ル科学研究部
門
丹司 敬義
鏡 3 装置利用
鉄コバルト系シリサイド
形成
トピア科学研究
所 ナ大平 豊
教授 電子顕微
「公開猶予」 08-18 超微細加工 装置利用 2
08-19 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-20 超微細加工 技術代行装 株式会社 豊田
中央研究所 竹田 康彦
主任研
究員
フォトルミネ
ッセンス測定
装置
1 置利用
ナノ構造半導体薄膜の
作製
08-21 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-22 超微細加工 協力研究
InAs 量子ドットを電極と
したナノショットキーダイ
オードの理想係数
和歌山大学シ
ステム工学部 田中一郎 教授
顕微鏡 5
走査プローブ
08-23 超微細 予」
12 加工 装置利用 「公開猶
08-24 超微細加工
技術代行装
置利用 「公開猶予」
11
08-25 超微細加工 技術代行装
置利用 「公開猶予」
10
5
08-26 超微細加工 技術代行 FET デバイス基板の試
作 豊田工業大学 吉村雅満 准教授
アライナー
EB蒸着装置5
08-27 超微細加工 装置利用
触媒ナノ粒子を用いた
CVD 膜中残留応力制御豊田工業大学 熊谷慎也 准教授 LPCVD 2
08-28 超微細加工 協力研究
a-SiNxHSi 界面特性
の面方位依存性 兵庫県立大学 新船 幸二 准教授
プラズマCV
D 5
08-29 超微細加工 技術代行装
置利用
太陽電池特性評価技術
の習得
日本ソーラーシ
リコン(株) 岩本 恵里
アライナー
不純物拡散
炉
11
08-30 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 6
10
08-31 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 14
08-32 超微細加工 技術代行 レジストマスクによるリ
ン砒素のイオン注入
豊田工大 表面
科学研究室 上田 一之 教授
アライナー
イオン注入装
置
4
08-33 超微細加工 技術相談装
置利用 新規プローブの開発
株式会社 ユニ
ソク 森田 幸治 技術員
アライナー
イオン注入装
置
21
08-34 超微細加工 協力研究
ポテンシャルマッピング
用量子構造試料作製
和歌山大学シ
ステム工学部 田中一郎 教授
分子線エピタ
キシー 4
08-35 超微細加工 装置利用協
力研究
次世代メモリ用材料
GeSbTe 薄膜の CVD 成
膜
気相成長株式
会社 町田 英明
代表取
締役社
長
X 線光電子
分光装置 5
08-36 超微細加工 技術代行 「公開猶予」 3
08-37 超微細加工 協力研究
分光機能を持つ MEMS
赤外線センサ 豊田工業大学 佐々木 実 教授 FTIR 10
08-38 超微細加工 技術相談 「公開猶予」 ――― ―――
08-39 超微細加工 協力研究
エンジニアリングプラス
チックスの成形加工物
の残留歪解析
株式会社デンソ
ー材料技術部 安藤幸也
担当部
員 X線回折 7
08-40 超微細加工 装置利用
光ファイバー材料の吸
発光特性 豊田工業大学 齋藤和也 准教授
蛍光分光計
吸収分光計 6
224 超微細加工領域における支援成果報告
次ページ以後参照
11
装置利用
豊田工大 07-03
ナノ結晶制御型高品質結晶化 Si 形成技術調査
An investigation of technologies for nanocrystal-controlled high quality crystalline Si formation
橋上 洋
Hiroshi Hashigami
京セラ株式会社
Kyocera corporation
ナノサイズ結晶粒からなる高品質結晶化 Si を形成するための技術調査を行った
豊田工業大学クリーンルームにて LPCVD での結晶化 Si 形成を行った作製した LPCVD 結晶 Si と京
セラで作製したプラズマ CVD 結晶 Si との比較評価を行い結晶作製条件と結晶品質に関する知見を
得た
We conducted a technology investigation for realization of high quality crystalline silicon consisted of nanocrystal Crystalline Si was formed by means of LPCVD at a clean room of Toyota Technological Institute The LPCVD crystalline Si and plasma-CVD crystalline Si deposited at Kyocera have undergone comparative investigations from which we obtained knowledge about Si deposition conditions and quality of the crystal
背景と研究目的 結晶シリコン薄膜はTFT をはじめMEMSに至る広い分野で利用されている非常に有用な
材料であるしかしながらたとえばその電気
的特性は形成方法によって様々であるした
がって重要なのは必要とする結晶 Si のスペッ
クを明確化した上でこれに一番適した形成方
法を適用することであるそこで我々は結晶
Si 形成に最も一般的である化学気相堆積
(CVD)法に特化し各種 CVD 法とそれらに
よって得られる結晶 Si の特質を調査した 結晶Si形成方法 本調査では熱 CVD 法の一つである減圧
CVD(LPCVD)法およびこれとは対照的な低温
製膜手法であるプラズマ CVD(PECVD)につ
いて調査を行った以下に各技術の特徴を述べ
る
熱 CVD 法 熱 CVD 法は成膜する元素の揮発性化合物を
気化し高温加熱した基板上で熱分解反応をお
こなわせて基板上に薄膜を形成する方法である
シリコン薄膜を得る場合はモノシランガスや
ジシランガスあるいはジクロロシランや 4 塩
化シランなどが用いられる 成膜時の反応が熱分解であるため成膜温度
が反応ガスの反応温度である数百以上の高温
になる従って低軟化点基板には適用できない
のがデメリットであるしかし一方で高温の
プロセスであることにより一般的に品質の良
い膜を得ることが出来る熱 CVD にはこの他
以下のような特徴がある 1成膜速度が速い(数~数百μmmin) 2ステップカバレージが良く凹凸形状に
も反応ガスが行き渡れば均一に成膜で
きる 3高真空でないので装置が簡単で生産性
が高い
12
4成膜温度が高いので緻密で高純度の膜が
得られる 5密着性が良い 熱 CVD 法は大気圧で成膜を行う常圧 CVD と
~01torr に減圧して成膜を行う減圧 CVD とがあ
る常圧 CVD は真空装置が不要であるという
最も簡単な CVD として広く利用されているが
減圧 CVD では常圧 CVD を基に膜厚や抵抗率
分布の改善を意図して考え出された実際反
応炉内を減圧することにより反応ガスおよび
キャリアガスの平均自由行程および拡散定数が
大きくなり基板内の膜厚および比抵抗分布が
改善される またホットウォール型であるLPCVDでは
バッチあたりの処理枚数を多くすることが可能
でありしかも減圧下であることにより基板が
均一に過熱されやすいことで歩留まりや信頼性
も改善されるこれらの特長によりLPCVD は
結晶 Si 膜を作製する主な方法のひとつとなっ
ている プラズマ CVD 法 プラズマ CVD 法は薄膜の低温形成を意図
して生まれた成膜方法であるプラズマ放電中
では系内のガスは衝突により相互に活性化され
ラジカルとなり熱的励起のみによっては困難
な低温下での反応が可能になる特にプラズマ
CVD では非熱平衡状態で化学反応が進行する
ため熱 CVD とは異なった組成や特性の膜が
得られる プラズマ CVD に用いる原料ガスは熱
CVD と違いはないがプラズマではキャリアガ
スに用いられる水素ガス分子なども分解されて
しまうそのためこれらの成分も必然的に相当
量が膜中に取り込まれ形成された膜の特性に
影響を及ぼすその他にもプラズマ中では多種
多様な反応活性種が生成され堆積に関与する
ので膜形成過程は熱 CVD に比べてはるかに
複雑である 薄膜 Si 堆積においてプラズマの条件を変
化させるとSiH2SiHSiH高次シラン関
連反応種(SixHy)さらにイオン種の膜形成へ
の寄与率が変化し欠陥密度に影響を及ぼすこ
とが知られているまた結晶 Si 薄膜の形成にお
いてはこの他にキャリアガス流量なども結晶
の組成に影響を及ぼす プラズマ CVD にはプラズマの励起方式に
より平行平板型の他誘導結合プラズマ(ICP)型や電子サイクロトロン共鳴(ECR)型などが
ある平行平板型では原料ガスが広い面積にわ
たって均一に供給されるようにできており大
面積の膜形成に適しているしかしプラズマ密
度が比較的低いので製膜レートは他の方法に
比べて低い ICP 型は石英板の上に設置したアンテナに高
周波電流を流すことにより高周波磁場とこれ
を打ち消そうとする誘導磁場を生じさせ誘導
磁場によって加速した電子によってプラズマを
得るこの方法では高密度プラズマを比較的容
易に得ることができ一般に高速製膜が可能で
ある利点があるECR プラズマ法ではマイク
ロ波と磁場中での電子のサイクロトロン運動が
同期することで電子がエネルギーをもち低圧
高密度プラズマを得るこのため高速な成膜が
可能となりしかも膜の密着性が優れているな
どの利点がある
結果 LPCVD での結晶化 Si 形成は豊田工業大学ク
リーンルームにてジシランガスを用いて行った
また平行平板ICPECR の各種プラズマ CVDでの結晶化 Si を京セラで作製したLPCVD 膜
とプラズマ CVD との比較評価を行い結晶作
製条件と結晶品質に関する知見を得た
参考文献 [1] 金原粲白木靖寛吉田貞史 著薄膜
工学丸善2004 [2] 麻蒔立男薄膜作成の基礎第 3 版日刊
工業新聞社1996
13
技術代行装置利用
豊田工大 07-04
プラズマ CVD による薄膜成膜
Thin film fabrication by plasma CVD
砂山 竜男加藤 博照佐久本 尚武
Tatuo Sunayma Hiroteru Kato Naotake Sakumoto
矢崎総業株式会社
YAZAKI corporation
現在MEMS 技術を利用したセンサの開発を行っている本研究ではダイアフラム膜としてプラズ
マ CVD 装置により成膜した SiN 膜を検討するためその成膜条件と膜質を調査した成膜条件とし
てSiH4と NH3 の流量比を変更したところ流量比 15 で成膜後の膜応力がほぼ 0 となったまた
700アニール後2times109 dynecm2 の引っ張り応力が生じた The sensor has been developed using the micro-electro-mechanical systems (MEMS) technique In order to apply SiN film to plasma CVD as a diaphragm fabrication conditions and film characteristics were studied Film stress deposited on flow ratio 51 of SiH4 and NH3 was almost zero After annealing at 700 tension stress occurred and was about 2times109 dynecm2
背景と研究目的 現在開発しているセンサの断面構造を図1に
示すシリコンチップ上にPtヒーターをIC製造
技術を用いて形成したそしてヒーターの熱
絶縁性を向上させるためヒーター下部を
MEMS技術を用いて除去しダイアフラムを形
成した
本センサの特徴はMEMS技術を用いたこと
により小型軽量高速応答を実現した点で
ある b) cross-section Fig1 micro gas sensor 本報告書ではセンサのダイアフラム膜の検
討としてプラズマCVD装置により成膜した
SiN膜の成膜条件とその膜特性について述べる
実験 SiN膜の成膜ではSiH4とNH3の流量を変化さ
せた流量条件を表1に示す成膜温度は250
成膜圧力を04 Torrに設定し成膜時間を15 minとしたそして成膜後700Air中にてアニ
a) sensor chip (26 mm times 16 mm)
14
ールを行った 図4に膜応力と屈折率の関係を示す圧縮応
力が増加することで膜屈折率が小さくなること
がわかる 成膜したSiN膜は触針式段差計によりウェ
ーハのそりより応力を算出したまたエリプ
ソメータにより膜厚と屈折率を測定したそし
てアニール後にも応力測定を実施しその変
動を調査した
屈折率の変化は SiN 膜の組成が変化している
ことを示しておりNH3 流量を増加させること
で SiN 膜の組成比を制御することが可能となっ
たそしてこの組成比制御が応力緩和に有効で
あると予想できる
SiH4 NH3 SiH4 NH3
1 5 3 151 2 3 61 1 3 3
Flow ratio flow rate (sccm)Table 1 Flow ratio of SiH4 and NH3
SiH4 NH3
Filmthickness(Å)
Growthrate(Å)
σ()
1 5 34606 2307 00711 2 26070 1738 00481 1 30638 2043 0017
0
50
100
150
200
250
0 1 2 3 4 5 6
Flow ratio of NH3SiH4
Gro
wth
rate
Å
00000010002000300040005000600070008000900100
Stan
dard
dev
iatio
n
growth rate
standard deviation
-6E+09
-4E+09
-2E+09
0E+00
2E+09
4E+09
6E+09
0 1 2 3 4 5Flow ratio of NH3SiH4
Film
stre
ss
dyne
cm
2
6
(a)(b)
結果および考察 表2にプラズマ CVD 装置で成膜した SiN 膜
の膜厚を図2に SiH4に対する NH3の流量比と
面内ばらつきの関係を示す
膜厚は各流量条件ともにほぼ目標値通りであ
り成長レートはほぼ 200Åmin 程度であった
面内ばらつきは流量比と相関があり流量比が
小さいほど抑えられることがわかった
(a) As film deposition (b) After annealing Fig3 Relationship of film stresses to flow ratios
174
176
178
18
182
184
186
-8E+09 -6E+09 -4E+09 -2E+09 0 2E+09
Film stressdynecm2
Ref
ract
ive
inde
x
Table 2 Film thickness of each flow ratios
Fig4 Relationship of film stress and gas flow
ratios 今後の課題 今回の評価でプラズマ CVD 装置による SiN
膜の特性はほぼ把握した今後はセンサとし
ての評価を行いプラズマ CVD 装置とスパッ
タ装置による SiN 膜の比較をする
キーワード Fig2 Growth rates and standard deviations of flow ratios MEMSMEMS とは micro-electro mechanical
system の略で半導体の微細加工技術を用い
て作製する電気機械システムのことである
図3に流量比と膜応力の関係を示す成膜後
流量比 1で応力は圧縮方向に 5times109 dynecm2で
あったが流量比をあげることでその応力は小
さくなった
またアニール後の膜応力は流量比との依存
性がなくなり応力も圧縮方向から引張方向に
変化した
15
装置利用
豊田工大 07-05
スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線形成技術
Conductive pattern forming method on vertical wall using spray coating and angled exposure technologies
森井裕貴大平文和
Hiroki Morii Fumikazu Oohira
香川大学
Kagawa University
スプレーコート技術と傾斜露光技術を用いた垂直壁面への配線パターン形成方法について検討した
この方法を用いることによりチップパッケージサイズを縮小することが可能となるスプレーコート
技術と傾斜露光技術を用いることにより 600μm の垂直壁へレジストを均一に塗布さらにレジストパ
ターン形成を可能としたまた配線パターンはスパッタと無電解 Ni めっきにより形成した本研
究で製作した配線パターンの幅は 200μm配線間隔は 300μm である A novel conductive pattern forming method on the vertical wall using a resist spray coating and an angled exposure technologies is proposed This method makes it possible to decrease the chip package size The spray coating and the angled exposure technologies enable the uniform resist coating and the patterning the resist on the vertical wall of 600 μm height Then a conductive pattern layers are sputtered and electroless plated As the result the conductive patterns of 200 μm width and 300 μm spacing is successfully formed on the vertical walls
背景と研究目的 携帯電話や携帯情報端末な
どにおいて更なる小型化高機能化が求められ
ている限られた容積の中でそれらの要求を満
たすには半導体チップの小型化高集積化
又はチップ実装の高密度化が挙げられる 本研究ではチップ実装の小型化に着目し
半導体プロセス技術を用いてチップ実装パッケ
ージ側面に 3 次元的に電極を配線することによ
り高密度実装可能な側面配線技術の確立を目指
す パッケージ側面に金属の配線パターンを形成
する手段としてレジストにより配線パターン
を形成し金属を成膜しリフトオフすることに
より金属の配線パターンを形成するこのとき
半導体プロセス技術で成膜できる金属の膜厚は
数千Åと少ないため配線としては電流抵抗が
大きくなるそこで Ni めっきを行い配線とし
て十分な膜厚を得るここでスプレーコートに
よるパッケージ側面への 3 次元レジストパター
ニングの原理確認を行った
実験 スプレーコートを用いてチップ実装パ
ッケージにレジストを塗布するさらにサンプ
ルを露光する際に側面部が十分露光されるよう
にサンプルを傾けて傾斜露光[1]を行いパッケー
ジ側面に配線パターンを形成する本研究では
パッケージ高さ600μm配線幅200μm配線間
隔300μmであるスプレーコートによるレジス
ト塗布ではレジスト流量ステージ温度ステ
ージ速度によってレジストの膜厚や分布などが
変化する[2]そこでレジスト流量81gh100ghステージ温度95105115ステージ速
度300mms400mmsの条件を検討した 結果および考察 条件を検討した結果
すべての条件で塗布可能であるが比較的均一
な塗布条件はレジスト流量 100ghステージ温
度 105ステージ速度 300mmsである図 1
16
にレジストパターニングの結果を示すレジス
トはエッジ部で途切れることなく全面に塗布さ
れているレジストの段差切れが無いこと隣
接するパターンのつながりが無いことを確認し
600μmの垂直壁にも均一にレジストを塗布パ
ターニングが可能であることを明らかにした さらにレジストパターニングしたサンプル
にスパッタにより金属膜を成膜しリフトオフ
により配線パターンを形成したNi めっきを行
い配線として十分な膜厚を得た図 2 に Niめっき後の配線パターン形成の結果を示す Ni めっき後でも配線パターンがエッジ部で途
切れることなく隣接するパターンのつながり
が無いことを確認し600μm の垂直壁に配線形
成が可能であることを明らかにした
Fig1 The spray coating and patterning the resist
Fig2 Conductive pattern forming 今後の課題 パッケージ側面において下面に
近い部分でパターンが広がる基板とマスクの
間に空間ができるため回折などの影響によりパ
ターンが広がるこの広がりを抑える工夫を今
後検討していく 参考文献 [1] Hayato Izumi Yohei Matsumoto Seiji Aoyagi Yusaku Harada Shoso Shingubara Minoru Sasaki Kazuhiro Hane Hiroshi Tokunaga IEEJ Trans SM Vol 128-E No 3 (2008) pp102-107 [2] Vijay Kumar Singh Minoru Sasaki and Kazuhiro Hane Japanese Journal of Applied Physics Vol 46 No 9B (2007) pp 6449-6453
Substrate
Ni NiPlastic material
Resist Plastic material Resist
Substrate Plastic material
17
技術代行装置利用
豊田工大 07-06
微小面積薄膜のレーザー加熱による変形
Deformation of small patchy films by pulsed laser heating
柳瀬 明久
Akihisa Yanase
豊田工業大学
Toyota Institute of Technology
真空蒸着法で作製した微小面積の薄膜(パッチ状薄膜)は一般にエネルギー最小の安定な形態では
ない凹凸パターン基板上に堆積させたパッチ状金薄膜をパルスレーザー加熱することによって微粒
子化する方法を検討した結果サイズ分布の狭い球形金粒子が得られた A small patchy film fabricated by vacuum evaporation does not have a stable shape with an energy minimum A preparation method of Au particles from thin patchy Au films by pulsed laser heating has been studied As a result spherical Au particles with a narrow size distribution were obtained
背景と研究目的
ナノテクノロジーにおける微細構造作製方法
は大きく2つに分けられる一方はリソグラ
フィエッチングなどの微細加工技術に基づく
「トップダウンアプローチ」であり今日大き
な技術分野となっているしかし微細化の進
展とともに高コストで環境負荷の大きいことが
問題化されているもう一方は「ボトムアップ
アプローチ」と呼ばれ原子分子を積み上げ
ていく方法で今後の発展が期待されている
「ボトムアップアプローチ」では分子クラ
スター微粒子などの「部品」をまず作製し
次の段階でそれらを自己組織的に組み立ててい
くという階層的な方法が有力と考えられている
「ボトムアップアプローチ」の微粒子に関わる
要素技術として形状サイズならびに表面物
性が制御された微粒子の作製が最も基礎的であ
ると考える 単分散微粒子の一般的な作製法は液相中の
固相析出反応において核生成期とその後の粒
子成長期とを時間的に明確に分離し粒子成長
期における粒子間の凝集を防止する方法である
この原理に基づいてポリスチレンやシリカガ
ラスなどの材料で精度のよい単分散粒子が作製
されているしかし化学反応を用いる方法で
きわめてサイズの均一な粒子を作製することは
ごく一部の反応系を除いてきわめて困難である
のが現状である
短パルスレーザーを物質に照射すると物質
がその波長の光を十分に吸収する場合その表
面近傍はきわめて短時間で加熱されその後急
速に冷却されるこのパルスレーザー加熱によ
って基板上に形成された有限の面積をもつ固
体薄膜(以下パッチ状薄膜とよぶ)を溶融させ
ることが可能であるそして溶融した薄膜は
基板表面とぬれにくい場合表面張力により微
粒子化する[1]パッチ状薄膜の面積ならびに厚
さが均一であるならばこの方法により粒子
径のきわめてそろった単分散微粒子が得られる
はずである本方法により単純な物理プロセ
スによる広範囲な材料系に適用可能な単分散微
粒子作製法が確立されればその意義は大きい
本研究ではシリコン熱酸化膜上に形成した
パッチ状金薄膜を波長 532 nm のパルスレー
ザーによって加熱することによって球形金粒
子を得ることができた
18
パッチ状薄膜をパルスレーザー加熱して微粒
子を作製する方法の利点として次の3点が挙
げられる①プロセスが単純でありパッチ状
薄膜の大きさ膜厚を精度よく再現できること
から粒子サイズの制御性が高いことが期待さ
れる②パルス光を用いるため冷却過程を考
えても非常に短時間のプロセスであるその
ため材料の蒸発による損失が抑制される③
微粒子化させたい材料の種類に合わせてレーザ
ーの波長を選択できる
参考文献 [1] 特許 3989424
実験 Fig 1に実際の実験方法を模式的に
示したシリコン基板上にシリコン熱酸化膜
からなるテーブル状の凸構造(10 μm times 10 μm)
を周期 15 μmで2次元的に形成したまた
Fig2 に示すように隣り合う凸部間の溝部表
面をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
でコーティングしたこの基板上に膜厚30 - 90 nm の金薄膜を真空蒸着法によって堆積させた
金はPTFE上に付着しにくいため独立した
パッチ状の金薄膜がシリコン熱酸化膜上に得ら
れたこの試料を空気中でナノ秒パルス
NdYAGレーザーの2倍波 (532 nm) 1パルス
を照射して加熱したなおNdYAGレーザー
のパルス時間幅は 6 ns であった
Fig 1 Schematic procedure of preparation of monodisperse Au particles
PTFE SiO2
結果および考察 Fig 3 は膜厚 90 nm のパッチ状金薄膜をパルスエネルギー密度 140 mJcm-2 の条件で加熱した後の走査電子顕
微鏡像であるほぼ均一な粒子径をもつ金微粒
子が生成されていることがわかるその直径(~
27 μm)は1個のパッチ状金薄膜が1つの球
へと変化した場合に予想される直径とよく一致
したなお金薄膜の初期反射率( ~07)を
考慮するとこの照射条件は薄膜を十分に溶融
しえるものであるまた得られた金粒子は
基板との付着力が弱くドデカンチオールのエ
タノール溶液中で超音波照射することによって
基板から容易に脱離させることができた
Si
Fig 2 Cross-sectional SEM image of the patterned substrate used for preparing Au patchy films
また現在までに得られた結果から本方法
の特徴として①膜厚 50 nm 以下の薄膜は
1個のパッチから多数の微細な粒子に変形する
傾向をもつこと②微粒子化した場合生成し
た粒子は基板から離れて気相側に飛散しやすい
ことが挙げられる
今後の課題 リフトオフプロセスを利用して
平坦な基板上に微小面積薄膜のパターンを形成
する方法を用いる予定であるまたさらなる
プロセスの簡便化金以外の金属や半導体への
材料系の拡大ならびに粒子サイズの微細化
の検討を進めていく必要がある
Fig 3 SEM image of Au particles prepared on a patterned substrate by pulsed laser heating with a pulse energy of 140 mJcm-2 Initial film thickness of Au was 90 nm
19
技術代行装置利用
豊田工大 07-07
超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発
Development of microfluidic chip based on Nano fabrication technologies
中野 圭洋 安池 雅之
Keiyo Nakano Masayuki Yasuike
株式会社 ESPINEX
ESPINEX Inc
マイクロ流路を応用した細菌検出法を開発し大腸菌を用いた検出試験を行ったこの細菌検出法は
使い捨てのマイクロ流路チップと蛍光検出装置で構成されておりマイクロ流路はフォトリソグラフ
ィー技術とシリコーンゴム(PDMS)により製作したマイクロ流路中の検出部に抗体を固定して
抗原抗体反応により蛍光された大腸菌を捕捉した試料を注入し検出部における大腸菌の密度を上
げる事で大腸菌の計数高感度検出が可能となった Microfluidic based bacteria detection platform was developed and investigated the performance by detecting Escherichia-colis (e-coli) This platform is consisted a disposable microfluidic chip and a fluorescent detection system Microfluidic chip was fabricated using photolithography technology and PDMS At the detection spot of the microfluidic channel antibodies were immobilized to capture e-colis which contained fluorescent dyes Because of antigen-antibody interaction e-colis concentration was increased at the detection spot of microfluidic channel and the fluorescent detection system can count the number of e-colis captured
(一行スペース) 背景と研究目的 近年院内感染や食品の細
菌汚染問題が深刻化しており細菌汚染の迅速
検査は重要度を増しているしかし現行の細
菌検査は主に培養法を用いるため検査の結果
が出るまで数日を要するそこで当社は細菌
を抗原抗体反応でマイクロ流路中に高濃度で捕
捉して蛍光を光学的に検出することで培養過
程を要さない細菌の高感度迅速検出システム
の開発を行っているマイクロ流路を用いた細
菌検出の概略を図 1に示す
実験 マイクロ流路チップは流路構造を施
したシリコンモールド型をフォトリソグラフィ
ー技術により作製しその型から流路構造を転
写したシリコーンゴム(PDMS)を流路部スライ
ドガラスを基盤として作製した図 2 にPDMSマ
イクロ流路チップを示すその後マイクロ流
路中に蛍光試薬と大腸菌を含んだ試料を注入し
大腸菌を補足後検出部の画像を解析して大
腸菌の検出実験を行ったさらに大腸菌を捕
捉後抗生物質を注入し生死菌数の変化を観
察した大腸菌の薬剤感受性試験を行った マイクロ流路
検出装置
励起光
PC
マイクロ流路試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
抗体
蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
マイクロ流路
検出装置
励起光
PC
マイクロ流路試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
抗体
蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
Fig 1 Schematic diagram of bacteria detection by
microfluidic chip
20
Fig2 Image of PDMS microfluidic chip 結果および考察 検出部における蛍光さ
れた大腸菌の画像を図 3 に示す図 3 では生菌
が緑色死菌が赤色に発色し検出部において
多数の菌が確認でき大腸菌を効率よく捕捉し
ている結果が得られた検出に要した時間は約
10 分間であり培養法等と比べると格段に迅速
な検出が可能であることが証明された又図
4 に示す薬剤感受性試験の結果において抗生
物質投与直後2時間後4時間後と時間を経る
につれて赤色に発色している死菌が増加してい
ることが解る従ってマイクロ流路チップを
用いた細菌の薬剤感受性試験も良好な結果を得
た
緑生菌赤死菌
生菌数の計数 死菌数の計数総菌数の計数
画像処理
緑生菌赤死菌
生菌数の計数 死菌数の計数総菌数の計数
画像処理
Fig3 Florescence microscope images of Ecoli at a detection spot of microfluidic chip
抗菌剤投与直後 2時間後 4時間後抗菌剤投与直後 2時間後 4時間後 Fig4 Florescence microscope images of Ecoli in maicrofluidic chip after applying antibiotics 今後の課題 今回の実験により大腸菌の迅速
検出及び薬剤感受性試験におけるマイクロ流
路チップの有効性が確認されたが今後検出
感度の向上を目指した流路構造の最適化や大
腸菌以外の菌種での検出確認が課題として挙げ
られる又PDMSマイクロ流路チップは非常
に生産性が低い上抗体の固定化が容易ではな
いそこで生産性が高く抗体が容易に固定
できる樹脂製のマイクロ流路チップの製造技術
の確立が商業化に向けた課題であるといえる
論文発表状況特許出願 [1] 中野圭洋亀岡遵安池雅之特願
2008-053209チップ キーワード マイクロ流路 マイクロ又はナノサイズの極微細流路であり
化学物質や生体物質の検出解析などに用いら
れる
21
協力研究
豊田工大 07-10
高分解能プローブ顕微鏡による薄膜表面の構造評価 Structural evaluation of film surface by high-resolution probe microscope
笹川 薫
Kaoru Sasakawa
コベルコ科研
Kobelco Res Inst
無電解めっき法によって金属薄膜を形成させるために種々の金属触媒層が用いられているわれわれ
は PdSn 触媒を温度 85湿度 85の環境下に放置したときの形状変化を高分解能プローブ顕微
鏡によって調べることを目的とした平成 19 年度後期の協力研究ではガラス表面に形成した PdSn触媒層が高分解能プローブ顕微鏡によってどのように観察されるかを調べた Various kinds of metal catalysis are used by electroless plating method to form a metal film We were aimed at examining a shape change when a PdSn catalyst was left in 85 degrees Celsius and humidity 85 for several hundred hours by a high-resolution probe microscope In the cooperation study of the latter period in 2007 we examined how the PdSn catalysis which was formed on the glass surface was observed by a high-resolution probe microscope
背景と研究目的 無電解めっきに用いられる
PdSn[1]が電気回路基板の形成後に残留する場
合使用中に絶縁性が保たれることが必要であ
る高温高湿試験中PdSn触媒層の抵抗値は
様々に変化するが抵抗変化の原因の1つとし
てガラス基板表面の形状や触媒粒子の形状
が変化している可能性が考えられるそこで
高分解能プローブ顕微鏡(SPM Scanning Probe Microscopy)によって形状変化を調べることと
した 実験 高温高湿試験前後のPdSn触媒層およ
びガラス基板を用意しタッピングモードプ
ローブ顕微鏡(Beeco社製NanoScopeⅢa)により
高分解能形状観察を行った尚実験環境は大
気中室温である
結果および考察 ガラス基板上のPdSn触媒層について高い分解能でプローブ顕微鏡増
を得ることができたしかしながら触媒層の
下地に用いたガラス基板そのものが高温高湿
試験によって変質しPdSn触媒層の形状変化の
詳細を知るのは難しいということがわかった
PdSn以外の触媒もあり触媒自体の形状変化を
調べることができそうなものもあるがPdSnが基本となるのでこれ以上の検討は行わないこ
ととしたすなわち今回は準備した試料が
適切でないということがわかった 今後の課題 高温高湿試験の前後における触
媒層の形状変化を詳細に調べるためには高温
高湿試験により形状変化が生じないか生じても
触媒の変化を調べるのに影響しないような基板
を探す必要がある 参考文献
1) Eugene J M OrsquoSullivan J Horkans J R White
and J M Roldan IBM J Res Develop 32 (1988)
591
22
装置利用 豊田工大 07-12
鉄シリサイド形成に関する研究 Study for Iron Silicide Formation
丹司敬義ab大平 豊a
Takayoshi Tanjiab and Yutaka Ohiraa
a名古屋大学院工学研究科 b名古屋大学エコトピア科学研究所
aGraduate School of Engineering Nagoya University bEcoTopia Science Institute Nagoya University
様々な条件下で作製した一次元鉄シリサイドの形状について走査トンネル顕微鏡(STM)や走査電子
顕微鏡(SEM)等を用いて研究した50 times 10-8 Pa 以下の超高真空環境下で固相エピタキシー法(SPE)と反応性蒸着エピタキシー法(RDE)を用いて作製したナノワイヤの形状の違いについて述べるXPSの結果から両者は共に FeSi2の組成を持つことも明らかにしている更に40 times 10-4 Pa 以下の高真
空下でさえワイヤが形成されることを見出した One-dimensional (1D) iron silicides prepared under various growth conditions have been studied by scanning tunneling microscopy (STM) scanning electron microscopy (SEM) and so on We discuss difference in the shape of nanowires (NWs) prepared by solid-phase epitaxy (SPE) and reactive-deposition epitaxy (RDE) in an ultrahigh vacuum (UHV) of below 50 times 10-8 Pa A similar chemical shift in XPS spectra is observed on both surfaces corresponding to iron disilicide NWs are also formed even in a high vacuum (HV) of below 40 times 10-4 Pa at 600 ordmC 背景と研究目的主に電荷を用いる半導体エレク
トロニクスでは従来使われなかった電子のもう一
つの性質であるldquoスピンrdquoを積極的に利用して
新しい材料の機能やデバイスを構築しようとする
半導体スピントロニクスに関する研究が近年盛
んに行なわれているシリコン(以下Si)技術と
の融合を図るためにはSi基板上へ磁性体の直接
成長が必要となるまたデバイスの高集積化
高密度化を達成するために従来のリソグラフィ
ー技術を用いたトップダウン技術だけではなく
低次元構造体の作製が可能な自己組織化等のボト
ムアップ技術も必要になる このような背景の下我々はldquo磁性を有するナ
ノワイヤを Si 基板上に直接成長させるrdquoことを最
終目的としているそこでまず磁性元素である
鉄を Si(110)表面上に蒸着し加熱することで形成
されるナノワイヤに注目し研究を行なっている 先行研究としてはLiang et al1)らによる報告が
ありそれによると清浄化処理を行なった Si(110)基板を 600 ordmC に加熱しながら Fe を蒸着すること
でワイヤの幅が数十 nm長さが数μm にも及ぶ
高アスペクト比のワイヤが形成すると報告してい
る(反応性蒸着エピタキシー法RDE)我々は
彼らとは別の成長方法を用いてナノワイヤを形成
させることに成功した(Fe を蒸着した後基板を
600 ordmC に加熱する(固相エピタキシー法SPE)) 本研究ではSPE と RDE で成長させたワイヤの
形状がどれくらい異なるかワイヤの組成は同一
なのかどうかを走査トンネル顕微鏡(STM)走査
電子顕微鏡(SEM)そして X 線光電子分光法(XPS)を用いて評価したまた通常ワイヤの作製には
超高真空環境が必要となるが我々は新たに高真
空環境でもワイヤが作製できる方法を開発した 実験試料作製は以下に示す真空度の異なる2種類のチャンバーを用いた 超高真空下での試料作製はSTMとXPSを装備
したチャンバー内(到達圧力lt 20 times 10-8 Pa)で
行なった試料にはPドープのn型Si(110)ウエハー
(2 ndash 4 Ωmiddotcm)を用いた試料の清浄化は通常用い
られる加熱処理により行なった2)Feの蒸着は
電子衝撃加熱法を用い蒸着レートは018 MLminである(1 MLSi(110) = 959 times 1014 atomscm2) 高真空下での試料作製は到達圧力が13 times 10-4 Pa以下のチャンバー内で行なった試料にはPドープのn型Si(110)ウエハー(lt 001 Ωmiddotcm)を用いた
試料の清浄化はフッ酸処理によるウエットプロ
セスにより行なったFeの蒸着はアークプラズ
23
マガン(APG)を用い蒸着レートは047 MLshotである それぞれの試料加熱は通電加熱法で行ない
温度測定には予め校正した放射温度計を用いた 結果および考察Figure 1 に超高真空下(50 times 10-8 Pa以下)で作製したナノワイヤを示す共に
蒸着量は 018 ML基板温度は 600 ordmCである
Figure 1(a)と(c)はSPEによって作製したワイヤの
SEM像とSTM像であるlt110gt方向に沿った長さ
は 20 ndash 120 nm幅は 6 ndash 15 nmであった一方
Fig 1(b)と(d)はRDEによって作製したワイヤの
SEM像とSTM像であるlt110gt方向に沿った長さ
は 100 ndash 1000 nm幅は 15 ndash 20 nmであったXPS結果からSPEとRDE共にFeSi2の組成を持つこと
も明らかにし両者とも同じ構造であると考えら
れるRDEで成長させたワイヤの長さはサブマ
イクロメートルにも達しSPEに比べ非常にア
スペクト比が大きくなることが分かる成長手法
を変えることでワイヤの長さをμmオーダーにす
るかnmオーダーにするかの制御が可能となる このような違いが生じる原因としては鉄を蒸
着するときの Si 基板の構造の違いが考えられる
基板温度-ワイヤの密度の依存性を調べることで
得られる活性化エネルギーの値を調べるとSPEの方が RDE に比べて小さくなるRDE の場合
鉄を蒸着するときに基板を 600 ordmC に加熱してい
るこの温度はFig 1(c)の下地にも確認できるよ
うにSi(110)-ldquo16 times 2rdquo清浄表面が形成される 3)
この表面は原子一層分の高さを有する凹凸構造
となるこの状態で蒸着種が拡散するためには
非常に大きなエネルギーを要し拡散する方向も
制限されると考えられるので非常に長いワイヤ
が形成されると考えられる
23
Figure 2(a)に高真空下(40 times 10-4 Pa以下)でSPEによって作製したナノワイヤのSEM像を示す超
高真空下と同様にlt110gt方向に沿っておりサ
イズもほぼ同程度であるしかし超高真空下で
作製したワイヤのSEM像のコントラストと比べ
ると非常に弱いこれは大気に一度曝すことで
生じる自然酸化膜の影響であると考えられるま
た当研究室でワイヤの断面TEM観察したところ
Si基板中の三角形のコントラストとして現れてい
る(Fig 2(b))超高真空下で作製したワイヤも同様
に基板内部にワイヤが成長するので 1)高真空
下と超高真空下で類似の構造を作製することに成
功した 以上のことからワイヤを作製するにあたり以
下の二点のことを明らかにした 数十 nm か数μm の長さのワイヤを自在に成長
させることが可能
10-4 Pa 台から 10-8 Pa 台の広い範囲の環境下で
ワイヤの作製は可能 今後の課題作製したワイヤに磁性が存在するの
かどうかについての研究を進めていく予定である 論文発表状況特許出願 1) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
Jpn J Appl Phys 47(7B) (2008) 6138 2) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
ldquoThe 15th International Colloquium on Scanning Probe Microscopyrdquo (poster)
3) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda ldquoThe 9th International Conference on Atomically Controlled Surfaces Interfaces and Nanostructuresrdquo (poster)
参考文献 1) S Liana R Islam D J Smith P A Bennet J R
OrsquoBrien and B Taylor Appl Phys Lett 88 (2006) 113111
2) R S Becker B S Swartzentruber and J S Vickers J Vac Sci Technol A6 (1988) 472
3) Y Yamamoto Phys Rev B 50 (1994) 8534
Fig 1 (a) and (b) SEM images of NWs on Si(110) surface prepared by SPE and RDE in UHV respectively In both cases the NWs grow along lt110gt
Fig 2 (a) SEM image of NWs on Si(110) surface prepared by SPE in HV The NWs grow along lt 1 10gt (b) Cross-Sectional TEM image of NWs observed along lt110gt direction The NWs are observed as a triangular contrast in the Si substrate
24
装置利用
豊田工大 07-16
多結晶シリコンデバイスのための酸化メカニズムに関する研究
The study on the silicon surface oxidation for poly-silicon electronic devices
山本 直矢a 芳之内 淳a 大下祥雄b
Naoya Yamamotoa Atsushi Yoshinouchia Yoshio Ohshitab
a株式会社 IHI b豊田工業大学
aIHI bTTU シリコン表面酸化速度はその面方位よって大きく異なることが知られている今回多結晶シリ
コンを用いた電子デバイスを作製するうえで重要なさまざまな面方位表面における酸化速度を詳細
に調べたまたシリコンの結晶構造の Si(100)表面で規格化された状態密度との比較も合わせて行った その結果各面方位の酸化速度はWet O2中での酸化では Si(111)面を除いてシリコン表面に存在
する Si-Si 結合の密度に近くなる一方で Dry O2 中では Si-Si 結合密度と表面原子密度の間に位置して
いることが分かった
The effects of crystal orientation of Si substrates on the oxidation rates are studied The Si with (111) (211) (311) (511) (100) (310) (210) and (110) surface are oxidized by the dry and the wet oxidation methods We analyzed the relative oxidation rates which is normalizing them by the values of Si(100) by comparing with the interface structure The relative wet oxidation rates at the low temperatures except for the surfaces that have a large lt111gt component can be explained by the number of the back bonds of Si at the SiSiO2 interface On the other hand the relative oxidation rate obtained by the dry oxidation lies between the numbers of Si-Si bonds and Si atoms at Si surface
背景と研究目的 近年多結晶シリコンを用いた電子デバイス
の開発が盛んに行われている多結晶シリコン
ウェハは単結晶化シリコンウェハに比べて安価
に製造することができるため太陽電池市場お
いてはシェアの多くを多結晶シリコン太陽電
池が占める多結晶シリコン薄膜はガラスや
プラスチック等のシリコンと異なる基盤表面に
成膜可能であることから液晶ディスプレイや
有機 EL ディスプレイ用の駆動用 TFT の活性層
としても用いられているまた特異な電子特性
からシリコンナノ結晶を用いたさまざまな電
子デバイスが提唱されている それらの多結晶シリコンデバイスの性能を向
上させるためにはいくつかの問題点があるが
その中でも重要なのがシリコンとそれを絶縁
させるための絶縁膜および界面の問題である
通常の単結晶シリコンデバイスでは酸化雰囲気
中でシリコン表面を酸化することで得られるシ
リコン熱酸化膜を用いるが多結晶シリコンデ
バイスでは粒界に不純物が析出したり基板が
反ったりと熱負荷をかけられない場合が多い
そ の た め 低 温 形 成 可 能 な 化 学 気 相 堆 積
(Chemical Vapor DepositionCVD)酸化膜が多
く用いられるが多結晶シリコン表面がそのま
まシリコンシリコン酸化膜界面になるため良
質な界面を得ることが難しい低温でもシリコ
ン表面を酸化することは可能ありそのメカニ
ズムに関しては以前から様々なモデルが提唱さ
れてきた[1-6]しかしそれらは多くは(100)(110)(111)面に関するものでありそれ以外の
面方位については実験データも少なく酸化の
25
メカニズムや酸化膜の膜質についても不明な点
が多い 本研究では低温における多結晶シリコン表
面の酸化のメカニズムとその膜質を検証する上
で必要な各種面方位を持ったシリコン単結晶
表面の酸化速度を分析しその傾向に関する知
見を得ることを目的とする 実験 鏡面研磨した(111)(211)(311)(511)(100)(310)(210)(110)それぞ
れの面方位をもった単結晶シリコンサンプルを
準備したそれらを縦型酸化炉にて各面方位一
括で酸化処理を行ったWetO2酸化の時はO2
H2を同じ流量で炉内横に設置された石英製の
燃焼器で燃焼させ燃焼ガスを炉内に導入した
酸化処理の後エリプソメーターにて膜厚を計
測した
Figure 2 Comparison of calculated data and oxide thickness formed in Wet O2
同じく750のWetO2中でシリコンを酸化し
たときの酸化膜厚と各種表面密度との比較を図
2に示す(100)方位から(110)方位に向かって
はバックボンド密度と非常によく似た傾向を
示す一方で(100)から(111)方面にかけては
弧を描くように増加し(111)表面では酸化膜厚
が遅くなっていることがわかるこの傾向はγ
(表面原子密度)の傾向に近いことが分かった
結果および考察 DryO2 およびWetO2
中さまざまな温度で酸化処理を行ったが今回
は温度の低い 750での酸化膜の成長に関する
結果を示す各面方位の酸化初期における相対
的な酸化膜厚は水蒸気が含まれても大きく変わ
らず基本的Si(100)からSi(111)Si(110)各面
方向に向かってほぼ直線的に増加する各表
面密度をSi(100)表面の値で規格化したものと
DryO2中 750において 180 分間酸化処理した
酸化膜厚をSi(100)の膜厚で規格化した値を
ここに示すような主要な(100)(110)(111)方面以外の酸化速度を同時に酸化処理を行っ
て得られたデータはこれまでになく酸化速度
の面方位依存性のメカニズムを検証する上で
貴重なデータになるものと考える 今後の課題 各面方位の実際の酸化速度と状
態密度の計算結果との違いの原因を調べるとと
もにより詳細な酸化メカニズムについて検討
を行うまたこのような酸化速度の違いが多
結晶デバイスに及ぼす影響についても分析を行
っていく
参考文献 1) B E Deal and A S Grove J Appl Phys 36
(1965) 3770
2) H Z Maasoud et al J Electrodhem Soc 132
(1985) 1745 Figure 1 Comparison of calculated data and oxide thickness formed in dry O2
3) E A Lewis and E A Irene J Electrochem Soc
134(1987) 2332
重ねたものを図1に示すαは各面方位表面の
シリコン原子が持つ Si-Si 結合(バックボンド)数の密度βはダングリングボンド密度γは
表面の原子密度それぞれを Si(100)表面の値で
規格化したものである酸化膜厚が Si(111)Si(110)かけての増加する様子はバックボンド
密度の傾向に似ているただ計算値に比べ酸
化膜厚が薄くなる傾向にある
4) S I Raider and LEForget J Electrochem Soc
127(1980)1783
5) E A Irene et al J Electrodhem Soc 133
(1986) 1253
6) J R Ligenza J Phys Chem 65 (1961) 2011
26
協力研究
豊田工大 08-01
多結晶シリコン基板への pn ダイオード作製
Fabricated p-n diode on multi-crystal Silicon substrate
小椋 厚志
Atsushi Ogura
明治大学
Meiji University
多結晶シリコンは太陽電池用基板として広く用いられているそれは単結晶シリコン基板に匹敵する
変換効率を有し多結晶シリコン基板のほうが低コストで作成することが出来るからである粒界
欠陥不純物などにより単結晶シリコンと比べ特性が劣化してしまう本研究では微少な p-n ダイ
オードを多結晶シリコン基板上に作成し電気特性と結晶性の評価を行い特性劣化の起因を調べる
ことを行った
Multi-crystalline silicon (mc-Si) is widely used as solar cell substrate For mc-Si it is desired to realize uniformly high conversion efficiency comparable to that of single-crystalline silicon with keeping its low production cost Inhomogeneous degradation in the efficiency can be caused by grain boundaries defects impurities and so on In this study we fabricated p-n diode array on mc-Si and the diode was evaluated relation between electrical property and crystal quality for revealing as causes of degradation
実験 背景と研究目的
キャスト法により作成された多結晶Si基板を
用いてp-nダイオードアレイを作成した図1が多結晶Si基板上に作製したダイオードアレイの
完成図であるAl電極をリン拡散領域に対して
およそ4分の1領域被せてある電極の大きさは
1mm角で各電極間の距離は2mmである
多結晶シリコン太陽電池は単結晶シリコン太
陽電池と比較してコストの低減が見込まれて
いるが結晶欠陥粒界不純物応力などの
種々の問題からいま一つ変換効率の向上が難し
い変換効率特性の改善の為にはこれらの欠
陥の挙動および特徴を理解し検証評価す
ることが求められている
A B
Al electrode
P diffusion area
A B
Al electrode
P diffusion area
SiO2 SiO2
p-type mc-Si
Al
P diffusion area
A-B cross-section
BA
(a) (b) Fig1 Structure of p-n diode (a) layout and (b) cross-section (A-B)
本研究では多結晶シリコン基板上に微小 p-nダイオードアレイを作製し各々の電気特性を
測定することで基板内での分布粒界や欠陥な
どの依存性を検証するまた同基板を用いて PLEBICTEM を用いた不純物分布および結晶
性の評価を行う
27
電気特性の測定から理想係数n値とリーク電
流に基板内で分布が見られることを確認した
同条件により単結晶Si基板上に作成したものに
は見られなかった為多結晶基板に見られる粒
界や欠陥などが起因していると考え結晶性評
価をEBICPLTEMを用いて行った
500μm
Al electrode
200 μm
High
Low
Al electrode
200 μm
Al electrode
200 μm
High
Low
High
Low
(a) (b)
Fig2 Images of (a) EBIC and (b) PL 結果および考察
Fig2 に PL 及び EBIC 像を示すこのダイオ
ードアレイの特性は理想係数 n 値リーク電流
はそれぞれ 319210E-08[A]を示し明確な粒
界の存在しないポイントであったしかしPLEBIC 像には明らかなダークラインが確認され
これらが電気特性悪化に起因しているのではな
いかと考えられるPL 測定に関して田島先生の
論文の中で小傾角粒界に起因した発光の確認[]がなされ今回測定した試料においても同様の
ものが見られたのではないかと考えられる
(a)
(b)
(c)
(d)
(a) (b)
Fig3 TEM images of the defect (a) low magnification
image (b) (c) TED pattern and (d) high magnification
image
ダークラインの構造を確認する為に TEM に
よる観察を行ったFig3 の(a)は低倍率による観
察(b)及び(c)は電子回折像(d)は高倍率による
観察である(a)及び(d)より転位が確認され電
子回折像の比較から異なるパターンを示して
いることを確認した 以上のことから多結晶 Si 上に作成したダイ
オードアレイの電気特性を劣化させている原因
は粒界だけではなく小傾角粒界も影響を与え
ることを確認した 今後の課題 今回基板特性がダイオード特性に大きく影響
を与えることを再度確認したので今後は基板
特性向上の為欠陥の種類の評価起因の解明
を行う予定である 謝辞 本研究は豊田工業大学大下祥雄准教授
兵庫県立大学新船幸二准教授の共同研究九
州大学柿本浩一教授宇宙航空研究開発機構
田島道夫教授のご助力に深く感謝致します
論文発表状況特許出願 [1] T Tachibana et al ECS Symposium Austria 200910 発表予定
参考文献
1) H Sugimoto K Araki M Tajima T Eguchi I
Yamaga M Dhamrin K Kamisako and T Saitoh
J Appl Phys 102 054506 (2007)
28
共同研究
豊田工大08-02
可視光用超高速空間光変調器の研究開発
Research amp Development of Ultrafast Spacial Light Modulator for Visible Light
近藤 直樹a
Naoki Kondoa
a帝京大学
aTeikyo University
半導体ナノ構造光デバイスの超高速性のイメージング応用の一環として量子井戸の光吸収変調を
用いた可視光用の透過型空間光変調器を作製しようとしている
今年度は透過型光変調器を作成する際に不要な吸収層となってしまう GaAs 基板をウェットエッ
チングで除去するプロセスの条件出しを行った3mm 角程度の面積の50nm の AlGaAs エッチスト
ップ層つき多重量子井戸構造サンプルにおいて面内均一に GaAs 基板層を除去することができた
またレーザ光照射による白色光の吸収変調測定系を立ち上げ室温での吸収変調の様子を測定した
As an attempt to exploit ultafast optical response of semiconductor nanostructures for imaging technologies we started to develop transmissive spacial light modulator for visible light using absoption modulation of quantum wells We have clarified conditions for uniform etch-off of GaAs substrate which would otherwise be
the dominant light absorber (3mm)2 MQW sample with 50nm AlGaAs etch stop layer was etched down to approximately 3μm thickness with modest in-plane uniformity We have also built white light transmission measurement system under additional laser irradiation and measured room-temperature modulated absorption of the processed sample
背景と研究目的 本研究は半導体量子ナノ
構造の光学応答の超高速性を背景としてそれ
を可視光域でのイメージング用途に用いる事で
現在イメージング用途に用いられている光変調
機構である機械式シャッターや液晶などをはる
かに上回る速度を実現し超高速イメージング
や新用途への展開を図ることを目的として行っ
ている具体的には光吸収飽和 1)を利用した
可視光用の透過型多重量子井戸空間光変調器
の作製を行う 今年度は前年度作成したGaAs系多重量子井
戸構造を透過型空間光変調器として利用するた
めの基板除去プロセスの条件出しを行ったま
たレーザ照射による白色光吸収の変調を測定
するための光学系を立ち上げ室温での吸収変
調効果の測定を行えるようにし予備的測定を
行った 実験 エッチング サンプル構造にはエッチストッ
プのための50nm厚のAlgaAs層が入っている多
重量子井戸構造を用いたエッチング剤には
29
GaAsとAlGaAsのエッチング速度が大きく異な
る選択性のもの(H2O2NH4OH)を用いる事で
GaAs基板を除去した
我々のGaAs基板のエッチング除去のプロセ
スでは最初にまずサンプル基板をガラスにエ
ポキシ樹脂で固定した後約100um厚まで機械
研磨しその後ウェットエッチング
(H2O2NH4OH=101 GaAsエッチング速度~
3ummin)でエッチングを行った
光変調吸収測定 レーザ照射による白色光吸収
の変調を測定するための光学系を組み室温で
のサンプルの吸収変調の様子を測定したサン
プルには残り膜厚約 3μm のものを用いた波
長 532nm05W の緑色レーザ光を集光せずにサ
ンプル前面に照射非照射した時のハロゲンラ
ンプ光吸収スペクトルを測定した
FigureCaption Fig 2 Microscope image of substrate-etched MQW sample
結果および考察 エッチング 当初機械研磨は表面にキズが目
視できるレベルで止めていたが表面にμmオ
ーダーで凹凸が残っていると後のエッチング
深さに大きな面内ムラが生じることがわかった
そのため表面が光学的鏡面になるまで研磨す
るようにしたところエッチング後の面内ムラ
は減少した(図2)ただし目視で透過が確認
できるところまでエッチングを行うと量子井戸
による吸収が消えてしまうため薄いAlGaAs層によるエッチストップには失敗しているよう
であった
FigureCaption Fig 2 Modulated transmission spectra of approx 3μm thick MQW sample at room temperature
光変調吸収測定 測定結果を図3に示すGaAsによる吸収端がレーザ照射によってシフトして
いることが確認できた 今後の課題
エッチングに関しては現在上記の透過測定
系を用いてレーザ透過強度変化を観察する事
により精度の高いエッチストップを行えるよ
う再実験中である光吸収変調に関しては
レーザ光照射および透過光測定を局所的にでき
るよう改善する予定である FigureCaption Fig 3 Calculated wavefunctions and energy levels in SLAM structures at room temperature 現在のサンプル構造は GaAsAlGaAs 系であ
るが可視光用途を GaAsAlGaAs 系で実現する
のは単純な量子井戸では可能なバンドギャッ
プの値から考えて困難である超格子疑似合金
(SLAM)2)構造を採用した可視光用量子井戸構
造を設計し数値解析した結果を図4に示す
本解析結果を元に試料を作製し可視光域での
動作を目指す予定である
参考文献
1) D A B Miller D S Chemla T C Damen A C
Gossard W Wiegmann T H Wood and C A
Burrus Phys Rev Lett 53 2173 (1984)
2) H Sakaki M Tsuchiya and J Yoshino Appl
Phys Lett 47 295 (1985)
30
技術相談装置利用
豊田工大 08-03
結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動について
Firing behavior of front side Ag for crystalline silicon solar cells
仙田 愼嗣 吉野 泰 加藤 夕子
Shinji Senda Yasushi Yoshino Yuko Kato
(株)ノリタケカンパニーリミテド
NORITAKE CO LIMITED
高結晶シリコン太陽電池用銀ペーストの焼成時の挙動を解明し高い出力の得られる銀ペーストを研
究することを目的として平成 19 年度 3 月から装置利用を開始しているp 型シリコンウエハ上に n
層SiNx 反射防止膜を作製し作製したセルを使用して出力評価を行った Silicon solar cell electrodes are typically formed by using the screen printing Technique Good fire-through properties are required for an Ag electrode for the front-side surface insufficient fire through causes higher contact resistance (Rc) which decreases the conversion efficiency of solar cells In order to control the fire-through properties contact formation mechanism is important In this study n-layer thickness and antireflection coating thickness have a positivenegative effect on fire-through of Ag paste
背景と研究目的 現在太陽電池市場は急速
に拡大しておりその市場の中でも大部分を結
晶シリコン太陽電池が占めている受光面側に
は銀ペーストが裏面側にはアルミペーストと銀
ペーストが電極として用いられておりスクリ
ーン印刷を用いて低コストで電極を形成して
いるさらなる高効率化低コスト化への要求
が高まる中で生産性の向上および出力特性向
上のために高速焼成が主流になってきており
電極ペーストの焼成挙動を解明しペースト組
成焼成条件を最適化し高速焼成に対応する
ことが必要となる本研究では結晶シリコン
太陽電池用電極ペーストにおいて特に受光面
銀ペーストにおける焼成挙動の解明を目的とし
高い出力を得られる銀ペーストの研究を行う 実験 市販のシリコン基板 (p型 抵抗率1~
H2
結果および考察
10 (Ωcm) CZ110 厚さ200μm)を用いたオ
キシ塩化リン(POCl3)窒素酸素の混合ガス雰
囲気で熱処理を行うことによりP拡散を行い
n層を形成したその後プラズマCVD装置
(Samco製)を用いSiH4ガスNH3ガスおよび
ガスを原材料として反射防止膜(シリコン窒化
膜)を成膜形成した反射防止膜の厚みと屈折
率の評価にはエリプソメーター反射率には反
射率測定装置を用いた作製した基板上に裏
アルミ電極表銀電極ペーストをスクリーン印
刷法で付着乾燥後焼成したソーラーシュ
ミレーターを使用し作製したセルの電気的特
性の評価を行った
表 1 にP拡散条件を変
化させたときのn層のシート抵抗を示すP拡散
を制御することができシート抵抗を変化させ
ることが可能であり低温で短時間の拡散とす
ることで高シート抵抗の基板を作製できるこ
とがわかった一般的に用いられる 30~60Ωsqのシート抵抗のセルは条件が合わず作製でき
ていない表 2 にSiNx膜形成条件を示すガス
組成および製膜時間によりSiNx膜厚および屈
折率を制御することが可能であり一般的な膜
厚 80nm程度のセルを作製することが可能であ
31
今後の課題
Sheet
resistance
[Ωsq]
Pre-deposition P-diffusion
Temperature
[]
Time
[min]
Temperature
[]
Time
[min]
6 840 10 1000 40
10 840 10 1000 10
15 840 10 1000 5
110 800 5 800 10
ることがわかったが屈折率は一般的な 20 程
度にすることが出来なかった屈折率を高くす
るためにはSiNx膜の密度を上げることが必要で
あるが密度を上げるためには製膜温度を上げ
る必要があると考えられるが本プラズマCVD製膜装置では 250が限界であったため250で試験を進めた図 1 に作製した基板の反射率
を示す作製した基板上にスクリーン印刷法に
より電極を形成し乾燥焼成し出力特性
評価を行った結果を表 3 に示すシート抵抗の
高いセルを用いるとVocが高くなることが確認
できた本来であればSiの吸収係数の高い長
波長側の反射率が低いSiNx膜厚 80 nmのセルの
方が 55 nmのセルより電流値が高くなると考え
られるがpn接合が浅くなることで電流として
利用可能な波長が増大した効果の方が大きかっ
たと考えられるFFについては良好な特性が得
られたため焼成条件を変えたときの焼結挙動
について検討を行っていきたい
Table 2 Condition of PE-CVD
SiNx membrane PE-CVD
Thickness
[nm]
Refractive
[-]
SiH4
[mlmi
n]
NH3
[mlmi
n]
H2
[ml
min]
Time
[min]
55 179 3 6 6 3
80 180 3 6 6 4
100 185 3 6 6 5
80 185 3 4 8 4
80 187 4 11 0 3
今回の試験ではFFについては
論文発表状況特許出願
良好な値が得られたがファイヤースルー性に
ついてはSiNx膜厚および密度によって大きく異
なると考えられより緻密な膜の形成条件を探
索していく必要があるシート抵抗およびSiNx膜ともに一般的なセルと同等のセルを作製し
銀ペーストと焼成条件を変えたときの焼結挙動
について試験を行いたい
特になし 参考文献 1) Y Ohshita Y Nishikawa M Tachibana VK
Hilali A Rohatgi S Asheri
Table 1 Condition of P-deposition
Tuong T Sasaki N Kojima S Tanaka M
Yamaguchi J Crystal Growth 275 (2005)
491-494
2) M
010203040506070
350 550 750 950 1150
Wavelength [nm]
Ref
lect
ance
[]
Mirror waferSiN 55nm(Planer cell)SiN 80nm (Planer cell)
Fig 1 Reflectance of planer cells
Table 3 Cell performance
Cell PE-CVD
Sheet
resistance
[Ωsq]
SiNx
membrane
thickness
[nm]
Jsc
[mAc
m2]
Voc
[mV]
FF
[]
Eff
[]
15 55 259 595 757 117
10 80 252 588 754 112
TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES 51
(2004) 948-955
32
技術代行装置利用
豊田工大 08-04
ナノレベルで膜厚を制御した透明導電膜の光学特性評価
Optical properties of TCO nano material
吉野賢二竹元裕仁小嶋稔
Kenji Yoshino Yujin Takemoto Minoru Oshima
宮崎大学工学部電気電子工学科 Department of Electrical amp Electronic Engineering University of Miyazaki
Ga-doped ZnO (GZO)をプラズマアークを利用したイオンプレーティング法で作製した作製した試料
を酸素雰囲気中で熱処理を行った熱処理温度の増加とともに赤外領域の透過率が減少したこれ
は自由キャリアの減少による散乱の減少と考えられる Ga-doped ZnO (GZO) films were deposited on alkali-free glass substrate by ion-plating system with DC arc discharge using a pressure gradient-type plasma gun The GZO films samples were annealed under O2 atmosphere at from 100 to 500 ˚C Optical transmittance in infrared region increased with increasing annealing temperature This was due to decreasing the scattering by decreasing of their free carrier 背景と研究目的 透明導電膜は高い電気伝
導度と高い可視光透過率を併せ持つものであり
現在 フラットパネルディスプレイ(FPD)や太
陽電池などさまざまな分野で利用されている
代表的な透明導電膜の材料としてIn2O3 SnO2
ZnO などがあるなかでも Sn を添加した
In2O3(ITO)は安易に 10-4 cm台の低抵抗が得ら
れているしかしITOの材料であるInは希少金
属であり価格が高いという難点があるまた 原料のInやSnに加えてITO粉末の毒性が懸念さ
れている加えて近年FPDや太陽電池などの
透明電極用途でのITO需要の恒常的な増大とは
相まってIn需要の増大が指摘されておりITO透明導電膜における省Inや脱In透明導電膜材料
が注目されている1)SnO2膜は比較的安価な
材料であるが エッチング加工と低温成長に難
があり用途が大幅に限定されるこれに対し
て ZnOは安価で豊富毒性に問題のない材料で
あるこのことからZnOはITOにかわる透明導
電膜の材料として注目されている 1) 本実験ではイオンプレーティング法により作
製
験
した Ga-doped ZnO(GZO)薄膜の熱処理を行
うことにより膜質の改善を試み考察した 実 イオンプレーティング法により作製し
果および考察
たGZO薄膜の熱処理を行った今回は焼きな
ましと呼ばれる熱処理方法を用いた雰囲気ガ
スとして酸素ガスを用い時間を 5 分温度 100~500 で行った試料をX線回折透過率
ホール測定で評価を行った 結 X線回折によりイオ
直型の検出器を用いた室温での
透
ンプレーティング法により作製されたGZO薄膜
はZnOのJCPDSカードと比較すると(0002)面のピークのみ確認された熱処理温度を増加
してもスペクトルに大きな変化は見られな
かった次にX線スペクトルより粒界サイズ
を計算し熱処理前の粒界サイズは約 64 nmで
あり熱処理後の粒界サイズは 61 ~67 nmとな
り粒界サイズの変化は見られなかったまた
格子定数もICDDとの差は 04以下である値が
得られ熱処理温度を増加させても変化は見ら
れなかった Fig 1 に垂
過スペクトルを示す一般的に ZnO のバンド
ギャップを室温では 33 eV で吸収端は 376 nmに位置することから今回熱処理に使用した
GZO 基板のバンドギャップとほぼ一致してい
る 2)また熱処理後も吸収端はほぼ同じ位置
であったGoncalves らの論文の方向によると熱
処理温度が増加すると吸収端が長波長側にシフ
トしているが2)本研究ではその傾向は見られ
33
熱処理温度 にしたがっ
Fig 1 Optical transmittance at RT
なかった 可視領域で
が増加する
て透過率にほとんど変化が見られなかったが
長波長側では透過率が上昇した(Figs 2 3)これは他の熱処理の論文でも同様な結果が報
告され 2)自由キャリアの減少による散乱の減
少と考えられキャリア濃度も熱処理温度が
400 度以上で減少している
Fig 2 Average transm e in visible region ittanc
Fig 3 Average transmittance in infrared region
今後の課題 今回の酸素中の熱処理の実験で
熱の効果を確認するためにアルゴンなどの不
活性ガスの実験を行う予定である 謝辞 本研究は豊田工業大学山口真史教
授大下祥雄准教授小島信晃助教に光透過測
定において協力を頂いた深く感謝したい
論文発表状況特許出願 [1] Y Takemo et al DRIP Conference USA 20099
発表予定
参考文献 1)南内嗣 応用物理 75 (2006) 1218 2) R Ghosh et al Mater Res Bull 40 (2005)
1905
0
20
40
60
80
100
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500
as-depo100200300350400450500
Tra
nsm
ittan
ce[
]
GZO O2 annealing 450oC 5min
Wavelength[nm]
34
技術代行装置利用 豊田工大 08-05
プラズマ CVD による薄膜作製と構造評価 a-Si film grown by plasma CVD
吉野賢二小嶋稔
Kenji Yoshino Minoru Oshima
宮崎大学工学部電気電子工学科 Department of Electrical amp Electronic Engineering University of Miyazaki
プラズマアーク CVD 法で作製したアモルファスシリコンをラマン法で評価を行ったスペクトルに
アモルファス成分結晶化成分および粒界成分に分離し結晶化度を決めることができた a-Si thin film on Si (100) substrate were successfully grown by plasma CVD Crystalline of the sample could be decided by Raman spectroscopy 背景と研究目的 アモルファスシリコンの原
子配列は規則正しい原子配列を結晶シリコン
とは異なり不規則になっている実際完全
場なアモルファスの結晶の存在は難しく一部
結晶化している 1)そこでラマン法により
結晶化度などの膜の構造に関する知見を非破壊
に得ることを目的として評価を行った
400 450 500 550
Experimental result Total c-Si GB a-Si
Inte
nsity
(au
)
Raman shift (cm-1)
a-Si
GB
c-Si
400 450 500 550
Experimental result Total c-Si GB a-Si
Inte
nsity
(au
)
Raman shift (cm-1)
a-Si
GB
c-Si
実験 グロー放電で発生するプラズマを中で
SiH4 を分解しa-Si膜をSi(100)基板上に作製し
たラマン分光法は室温でAr+レーザ(488 nm)を使用し測定した
Fig1 ラマンスペクトルのピーク分離例 結果および考察 Fig 1 にAr+レーザーで
ラマン測定した一例を示すSiのLOモードの信
号を結晶Si (c-Si)アモルファスSi (a-Si)結晶
粒間の粒界(GB)のピークに分離した
謝辞 本研究は豊田工業大学山口真史教
授大下祥雄准教授小島信晃助教にプラズマ
CVD作業において協力を頂いた深く感謝した
い GB ピークの起源についてはまだよく分かってい
ない各ピーク位置の結晶化度に対する依存性
はa-Si と c-Si のピークはややばらつきがある
が結晶化度によらず一定だったBG のピー
ク位置は結晶化度が上がるに伴って c-Si のピー
ク位置に近づいていったこれは結晶化度が
上がると GB の部分も結晶のフォノンエネルギ
ーに近づくことを意味しており構造が変化して
いることを示している
論文発表状況特許出願
該当なし
参考文献 1)森垣和夫米沢富美子嶋川晃一固体物理
37 (2002) 1
今後の課題 SiH4ガス圧などの条件を変えて
作製した試料のラマン測定やX線回折等の評価
を行う予定である
35
技術代行装置利用
豊田工大 08-07
電子線ビーム露光技術と組み合わせたナノ粒子パターン配置技術の開発
Patterning method of nanoparticles by using electron beam lithography
熊谷 慎也
Shinya Kumagai
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
近年ナノテクノロジー技術の進展に伴いナノ粒子が注目されているこのナノ粒子を自在に利用
するためには固体表面上の狙った位置にナノ粒子を配置する技術が必要とされる本研究では電
子ビーム露光技術を利用してナノパターンを作製しナノ粒子のパターン配置を試みた With the development in nanotechnology nanoparticles have attracted much attention and been utilized in various applications To utilize the nanoparticles patterning method of nanoparticles is indispensable In this study nanopatterns were fabricated by using electrom beam lithography technique and we investigated nanopatterning method through the lift-off process
背景と研究目的 ナノ粒子は通常のバルク材料とは異なった性
質を発揮することからナノテクノロジー研究
において注目されている例えば磁性材料
触媒ドラッグデリバリー等の用途での期待が
高まっている実際に応用することを考えると
固体表面上の狙った位置に配置する技術が必要
になってくる 12)本研究ではナノ粒子をナノス
ケールでパターン配置することを試みたナノ
粒子のパターン配置の方法としてリフトオフ
法を利用したリフトオフ法はこれまでに
MEMS 半導体デバイスの開発で使用されてお
り適切に用いればナノスケールの構造体を作
製することも可能でありここでは溶液中に
ナノ粒子を分散させた系に適用することを狙っ
ている
パターン配置の原理 パターン配置手法の概略をFig1に示す基板
表面にレジストを塗布し配置パターンを作製
するこのパターン基板にナノ粒子を分散させ
た溶液を滴下する溶液中に分散しているナノ
粒子は熱運動を利用してそのレジストのパタ
ーン内部に侵入させて露出している基板表面
と吸着させるレジストを溶解してレジスト
上に吸着したナノ粒子を取り除くと基板に直
接吸着したナノ粒子のみが残ることになる 実験 電子ビーム(EB)描画によるパターン作製 リフトオフ法に使用するレジストパターンを
EB 描画装置で作製した電子線レジスト
ZEP520A-7(日本ゼオン)にアニソールを加えて
10に希釈しスピンコーターによって塗布し
たスピンコートは500rpmで 10 秒回転させた
後3000rpm で30 秒回転させて行った(レジ
スト膜厚約15nm) EB 露光装置のDose 量[μCcm2]を変化させて微細なパターンの描画
を行った描画パターンの現像は酢酸アミル溶
液に15 秒間浸漬することで行いその後N2
ブローで乾燥させた
36
結
ナノ粒子のパターン配置 参考文献 配置パターンが描画された基板の上にイオン
強度を100mMに調整したナノ粒子溶液を滴下
し吸着を行ったこの条件のもとでは溶液
中の静電相互作用距離であるDebye 長は約1nm と計算されるナノ粒子―基板表面の間の静電
反発は十分に低くなっており表面近傍に十分
接近できる溶液を滴下後の状態を30分間保持
し純水でリンスしたその後 40の
ZDMAC(日本ゼオン)に5 分間浸し超音波を5 分間かけることでリフトオフを行いアセト
ン純水の順でリンスした
1) S Esconjauregui C M Whelan K Maex
Nanotechnology 19 (2008) 153306
2) W Hu K Sarveswaran M Lieberman G H
Bernstein J Vac Sci Technol B 22 (2004) 1711
果および考察 EB露光現像後の描画パターンの一例をFig2
に示す最も小さいもので直径20nmの微細な
ホールパターンを作製することができたさら
に小さなパターンを描画するためにはEB露光
条件現像条件を最適にチューニングする必要
があるナノ粒子の吸着実験では直径125nm~285nmのホールパターンを用いてリフトオフ
法でパターン配置を行ったSPM 観察画像を
Fig3(a)に示すFig 3(a) とFig 3(b) はそれぞ
れ使用したレジストパターンリフトオフ後
のナノ粒子の配置パターンのSPM像であるFig 3(a)と比べるとFig 3(b)ではナノ粒子の配置パ
ターンに大きさや形のばらつきが見られたナ
ノ粒子の配置パターンの面積は図5 のホールサ
イズの約8 割のサイズの大きさとなっていた
その理由の一つとしてシリコン酸化膜に吸着
したナノ粒子の一部がリフトオフの際に同時
に剥離されている可能性が考えられるその一
方で配置パターン以外の箇所へのナノ粒子の
吸着が見られたリフトオフ後に溶液中に分散
したナノ粒子が再付着したものと考えられる
またFig 3(b)においてFig 3(a)の125nm~
165nmに対応する部分にナノ粒子の吸着パター
ンが存在していないことがわかる本手法では
吸着パターン内にナノ粒子が積極的に入り込む
機構がないためにパターンが小さくなった場
合内部に侵入する確率が低くなり吸着パタ
ーンとして得られないことが要因として考えら
れる現在の環境下では直径175nm 以上のホ
ールであればナノ粒子をパターン配置するこ
とができるということがわかった
Fig 1 Principle of nanoparticle patterning through lift-off process
Fig 2 SEM image of EB lithography patterns The diameter of holes is φ20nm
(a) (b)
Fig 3 SPM images of (a) holes patterned in EB resist film and (b) nanoparticle patterns corresponding to each holes in (a) まとめ
ナノ粒子のパターン配置について検討した
今回検討した条件範囲内では175nm 以上のホ
ールを用いればナノ粒子をパターン配置でき
る今後の課題としてパターン以外の再吸着
量を低減させる必要がある
37
技術代行
豊田工大 08-08
超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発
Development of microfluidics chip using nanofabrication technologies
中野 圭洋 安池 雅之
Keiyo Nakano Masayuki Yasuike
株式会社 ESPINEX
ESPINEXINC
半導体製造技術を用いて作製されるマイクロ流路チップは近年バイオや化学研究用に用いられて
おり高精度な測定を可能にしている本研究では Si 基板上に作製したマイクロ流路型から細菌検
出用のマイクロ流路チップを作製し細菌を効率的に捕捉するための流路構造の最適化を行った
Recently microfluidics chips fabricated by the top-down semiconductor fabrication techniques have been widely utilized in the field of biology and chemistry These chips can detect bio- molecules or chemicals with ultra sensitivity In this research PDMS microfluidic chips for bacteria detection have been fabricated from Si wafer molds and structure of the microchannels have been optimized for bacterial sensing
背景と研究目的 半導体製造技術を用いて作
製するマイクロ流路チップは検出対象を微小
領域に高密度で凝集させることが出来るため
バイオや化学研究向けの高精度な測定に用いら
れている当社はマイクロ流路中に抗体を配
したバイオチップで特定の細菌を補足し蛍光
顕微鏡で検出するシステムを開発しており培
養を主体とする現状の検出法に比べ大幅に検査
時間を短縮でき簡便性にも優れるため感染
症診断や食品衛生検査での使用が見込まれる
(b)
Fig1 Microfluidics chip
本研究では効率的に細菌を捕捉するための流
路構造の最適化を行う具体的には作製した数
種類のチップで細菌の検出実験を行い抗生物
質の薬剤感受性試験 1)も行う
実験 (a)に示したマイクロ流路構造をSi 基板
上に凸形状として作製しシリコーンゴム
(PDMS)に転写して得られた凹形状のマイクロ
流路をガラス基盤と張り合わせて(b)のマイク
ロ流路チップを作製した実験は大腸菌(Ecoli K-12株)を用いてfig1(a)中の流入路より抗体
固相化剤(ZeptoBind)を用いて抗体(Poly Anti-
Fig2 Image of Ecoli captured in the microfludics chip
(a)
38
30min later 60min later 90min later
Fig3Images of Ecoli after applying antibioticz(Pansporin) Ecoli )を導入しブロッキングバッファー (Zepto block)を添加してガラス基盤上を修飾し
たその後104-105cfuml濃度の大腸菌液100ulを注入蛍光試薬(LIVEDEAD Baclight)を添加
して10分後バッファー(PBS)で洗浄し蛍光顕
微鏡観察を行ったさらに同チップに抗生物
質(Pansporin)1mgmlを添加し大腸菌に対する
同薬剤の感受性試験を行った
今後の課題 今回作成したマイクロ流路チッ
プはシリコーンゴム製で型を転写するだけで
1 時間程度かかり生産性が悪い量産にはポ
リスチレン等の樹脂にホットエンボス加工で転
写することが望ましいが離型時に樹脂の熱収
縮で流路構造が損傷する点や型として使用し
ているSi基板が転写時の圧力で損傷する点が今
後の課題として残る 結果および考察 大腸菌の捕捉率が高か
ったマイクロ流路(Fig1)での蛍光顕微鏡画像を
Fig2 に示す図中緑色に蛍光しているのが
生菌で死菌は赤く蛍光する前処理も含めて
1 時間程度で大腸菌を検出できた
謝辞 本研究は豊田工業大学の榊裕之教授
をはじめ共同利用クリーンルームの皆様にご協
力頂きました特にマイクロ流路の型製作に
おいて梶原建氏にご尽力頂き深く感謝してお
ります Fig3は抗生物質を添加してから 30 分60 分
90 分後の蛍光顕微鏡画像を示している時間経
過に伴って大腸菌が緑色(生菌)から赤色(死菌)に変化しているのが良く分かるFig4に薬剤感
受性試験結果をまとめた抗生物質未添加のチ
ップ(ピンク)では時間が経過しても死菌量が 0のまま増えないのに対して抗生物質を添加し
たチップ(青)では時間経過とともに死菌量がリ
ニアに増えている薬剤感受性試験でも前処
理を含めて 2 時間程度で検証できることが分か
った
論文発表状況特許出願 [1] ESPINEX特願 2008-53209チップ
注釈 1) ある細菌がある薬剤に対して感受性か耐性
かを判断する試験
0
5
10
15
20
25
0 02 04 06 08 1 12 14 16
Time (hour)
Dea
d ce
ll co
unts
w drugwo drug
Fig4 Result of drug screening test
39
協力研究
豊田工大 08-13
スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線形成技術
Conductive pattern forming method on vertical wall using spray coating and angled exposure technologies
森井裕貴大平文和
Hiroki Morii Fumikazu Oohira
香川大学
Kagawa University
スプレーコート技術と傾斜露光技術を用いた垂直壁面への配線パターン形成方法について検討した
この方法を用いることによりチップパッケージサイズを縮小することが可能となるスプレーコート
技術と傾斜露光技術を用いることにより 600μm の垂直壁へレジストを均一に塗布さらにレジストパ
ターン形成を可能としたまた配線パターンはスパッタと無電解 Ni めっきにより形成した本研
究で製作した配線パターンの幅は 200μm配線間隔は 300μm である A novel conductive pattern forming method on the vertical wall using a resist spray coating and an angled exposure technologies is proposed This method makes it possible to decrease the chip package size The spray coating and the angled exposure technologies enable the uniform resist coating and the patterning the resist on the vertical wall of 600 μm height Then a conductive pattern layers are sputtered and electroless plated As the result the conductive patterns of 200 μm width and 300 μm spacing is successfully formed on the vertical walls
背景と研究目的 携帯電話や携帯情報端末な
どにおいて更なる小型化高機能化が求められ
ている限られた容積の中でそれらの要求を満
たすには半導体チップの小型化高集積化
又はチップ実装の高密度化が挙げられる 本研究ではチップ実装の高密度化に着目し
半導体プロセス技術を用いてチップパッケージ
樹脂の垂直側面に 3 次元的に電極を配線するこ
とにより高密度実装可能な側面配線技術の確立
を目指す 本研究ではパッケージ樹脂高さ 600μm の
垂直側面に幅 200μm300μm の配線パターン
を形成するその手段としてフォトリソグラ
フィ技術を用いてフォトレジストの配線パター
ンを形成し金属を成膜しリフトオフすること
により金属の配線パターンを形成するこのと
き半導体プロセス技術で成膜できる金属の膜厚
は数千Åと少ないため配線としては電流抵抗
が大きくなるそこで配線として十分な膜厚を
得るため Ni めっきを行うこのプロセスにおい
て高さ 600μm の垂直側面にフォトレジスト
を均一に塗布することが重要となるそのため
スプレーコート技術と斜め露光技術を研究し
垂直側面への配線形成の原理確認を行った 実験 スプレーコートを用いてパッケージ樹
脂の垂直側面へのレジスト塗布の原理確認を行
ったスプレーコートではレジスト流量ステ
ージ温度ステージ速度などの条件がレジスト
の膜厚や分布に大きく影響する[2]そのため
これらのパラメータを調節し垂直側面へのレ
ジスト塗布を行った 露光プロセスでは垂直側面部が十分露光さ
れるように傾斜露光[1]を行うこのプロセスに
おいてマスクは平面のガラスマスクを用いる
ため樹脂側面やガラス基板上ではマスクとレ
ジストの間に間隔が生じるその結果光の回
折などにより側面のパターンが広がるそのた
40
め露光量に対するパターンの広がりについて検
証を行った さらにレジストパターニング後スパッタ
により金属膜を成膜リフトオフ無電解 Niめっきを行い配線パターンを形成した図 3にパッケージ樹脂の垂直側面に形成した配線パ
ターンを示す同様にして側面配線形成を行っ
たチップを 5 つ作製しそれぞれの抵抗値を計
測した5 つのサンプルを A から E としそれ
ぞれの抵抗値の平均値と分散値を図 4 に示す
製作した側面配線は数オームであり実用上問
題のない値であるこれらの原理確認から高さ
600μm の樹脂の垂直側面への配線形成が可能
であることを明らかにした
さらにレジストパターニング後スパッタ
により金属膜を成膜リフトオフ無電解 Niめっきを行い配線パターンを形成した図 3にパッケージ樹脂の垂直側面に形成した配線パ
ターンを示す同様にして側面配線形成を行っ
たチップを 5 つ作製しそれぞれの抵抗値を計
測した5 つのサンプルを A から E としそれ
ぞれの抵抗値の平均値と分散値を図 4 に示す
製作した側面配線は数オームであり実用上問
題のない値であるこれらの原理確認から高さ
600μm の樹脂の垂直側面への配線形成が可能
であることを明らかにした
結果および考察 スプレーコートにおい
てレジスト流量ステージ温度ステージ速度
条件を検討した結果レジスト流量 81grh100grhステージ温度 95105115ス
テージ速度 300mms400mmsで塗布が可能で
あることを確認した図 1 にレジスト流量
100grhステージ温度 105ステージ速度
300mmsの条件でスプレーコートしパターニ
ングしたサンプルを示すレジストはエッジ部
などで途切れることなく全面に塗布されている 斜め露光において露光量に対するパターン
の広がりについて検証した結果図 2 に示すよ
うに1Jcm2 では 20μm2Jcm2 では 50μm
4Jcm2 では 70μm8Jcm2では 90μm 程度側面
の最下部で広がっている本研究では配線間
隔は 300μm の設計であり広がりが生じても
パターンが重なることはなく実用上問題ない
研究では配線間
隔は 300μm の設計であり広がりが生じても
パターンが重なることはなく実用上問題ない スプレーコート技術と斜め露光技術により
パッケージ樹脂の垂直側面へのレジストパター
ニングを可能とした
スプレーコート技術と斜め露光技術により
パッケージ樹脂の垂直側面へのレジストパター
ニングを可能とした
Fig1 The spray coating and patterning the resist Fig1 The spray coating and patterning the resist
Fig7 Changes of pattern widths at various exposure doses Fig7 Changes of pattern widths at various exposure doses
Fig3 Conductive pattern forming Fig3 Conductive pattern forming
A
B
CD E
0
05
1
15
2
25
3
Resistan
ce(Ω
)
Fig4 Electric resistance measurement results 今後の課題 本研究で提案したプロセスでは
パッケージ樹脂側面の配線パターンが広がって
しまうこの広がりを抑える工夫を今後検討し
ていく 参考文献 [1] Hayato Izumi Yohei Matsumoto Seiji Aoyagi Yusaku Harada Shoso Shingubara Minoru Sasaki Kazuhiro Hane Hiroshi Tokunaga IEEJ Trans SM Vol 128-E No 3 (2008) pp102-107 [2] Vijay Kumar Singh Minoru Sasaki and Kazuhiro Hane Japanese Journal of Applied Physics Vol 46 No 9B (2007) pp 6449-6453
Plastic material NiNi
Substrate
Resist Plastic material Resist
Substrate Plastic material
Exposure doses (1) 1 Jcm2
(2) 2 Jcm2
(3) 4 Jcm2
(4) 8 Jcm2
43
2
1
Wall side Upper side
Height 600μm
Width 200μm
41
協力研究
豊田工大 08-15
プローブ顕微鏡を用いた物性測定
Measurement of Physical Properties by Scanning Probe Microscopy
田仲 圭
Kei Tanaka
(株)大同分析リサーチ
DAIDO BUNSEKI RESEARCH Inc
先端に磁性ナノ粒子を持つカーボンナノチューブ(CNT)探針は高分解能な磁気力顕微鏡(MFM)
用として有望である本研究ではこの CNT 探針を用いた際の分解能の Q 値依存性を調べるととも
に理論的に分解能の検討を行った Carbon nanotube probes with magnetic nanoparticles on the top are expected for use in high-resolution magnetic force microscopy (MFM) Here we investigate the Q-value dependency of resolution using such CNT probes and performed a theoretical discussion for resolution
背景と研究目的我々はこれまでに先端に磁
性ナノ粒子(触媒金属)を持つカーボンナノ
チューブ(CNT)をカンチレバー上に成長させ
た探針を使用することにより磁気力顕微鏡
(MFM)の分解能が市販品の従来探針に比べて
飛躍的に向上することを示した 1)今回はさ
らに分解能を向上させる手段として実験的
にはカンチレバーのQ値を高める工夫を行う
とともに理論的な面からもCNT探針の分解能
の検討を行った
24
min)(0QA
TBkkzF BL
ϖ=prime (2)
で表される3)ここでkLはカンチレバーのば
ね定数kBはボルツマン定数Tは探針の絶対
温度Bは周波数のバンド幅ω0は共振周波
数Qは探針の性能指数Aは探針振幅の実行
値である (2)式からも分かるように同じ探
針を使用した場合でもQ値を高めることによ
り熱振動ノイズが下がりSNが向上し到
達分解能が高くなることが予想される 理論 周期的に書き込まれた磁気記録媒体に対する磁気力顕微鏡が検出する信号(力勾配)は
果および考察結 (1)式から得られた関
数を用いて実験値に対してフィッティングを
行った結果をFig1 に示すFig1 のグラフは
周期的に書き込まれた磁気記録媒体のMFM像
に対してFFTを行いパワースペクトルから得
られたピーク強度とその空間周波数をプロッ
トしたものである黒丸および黒四角の点は
Q=200(前報値大気中観察Q値制御なし)
Q=526(今回報告値大気中Q値制御MFM SII
ナ ノ テ ク ノ ロ ジ - 製 SPM 装 置 rdquo
( ) ( )
tip
kzktstz dVekx tipz
ekMM
F int minusminus
partpart
minus=prime cos120μ
(1) で表される 2)ここでμ0は真空透磁率MtMs は探針および試料の磁化k は空間周波数を示すまた熱振動ノイズによって制限される最小の信号は
42
NanoNaviE-sweeprdquo使用)のそれぞれの場合で
得られた値を示すQ値が高くなると強度が高
くなっていることが分かる図中の実線は
Q=200 の場合の実験値に対して(1)から得ら
れた関数でフィッティングを行った結果であ
るそこから得られたパラメーターを用いて
比例定数のみをフィッティングパラメーター
としQ=526 に対してフィッティングを行っ
たものが図中の破線である上式(2)から算出
されたノイズレベルとの交点が予想される到
達分解能である現在(2)式を用いた熱振動
ノイズの算出を試みているしかしながら
現段階においても破線のカーブ(Q=526)は実
線のカーブ(Q=200)に比べて空間周波数が高
い方にシフトしていることからQ値を高くし
た効果として到達分解能が向上していること
が推測される
10E-01
10E+00
10E+01
10E+02
10E+03
10E+04
10E+07 10E+08
Spatial Frequency (1m)
Inte
nsi
ty (
au)
Q=200
Q=526
Fig1Spatial frequency dependence of MFM signal
参考文献
今後の課題 今後はQ値を系統的に変化させ
た測定値を得ることと熱振動ノイズの算出お
よび実験値との整合性を検討することにより
分解能の理論的予測を行っていく
1) K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J
Nanomater in press
2) S Porthu L Abelmann and C Lodder J Magn
Magn Mater 182 (1998) 238 謝辞 今回の測定はSIIナノテクノロジー社
の山岡武博氏の好意によるものである 3) T R Albrecht P Grutter D Horne and D Rugar
J Appl Phys 69 (1991) 668 論文発表状況特許出願
K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J Nanomater in press
43
装置利用
豊田工大 08-16
磁気記録用パターン媒体の研究
Fabrication of patterned media for magnetic recording
加藤 剛志
Takeshi Kato
名古屋大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Nagoya University
イオン照射型ビットパターン媒体として利用できる CrPt3 規則合金膜の成長プロセスを検討するため
赤外線ランプおよび短パルスレーザーを利用した急速熱処理を検討した赤外線ランプ加熱では真空
中熱処理と同様CrPt3膜を規則合金化できさらに多層構造を崩さずに CrPt3規則相を生成すること
が可能であることが分かった一方短パルスレーザー処理を行った場合赤外線ランプ処理のよう
な規則合金化は見られなかった In order to develop new fabrication process of CrPt3 ordered film for ion irradiation bit patterned media rapid thermal annealing using infra-red (IR) lamp or short pulse layer has been investigated In the case of IR lamp annealing the ordered structure of CrPt3 was confirmed just as in the sample prepared by vacuum annealing Moreover this method was found to be quite useful to fabricate multilayered structure including the ordered CrPt3 layer On the other hand the ordered CrPt3 was not confirmed for the annealing using short pulse layer
背景と研究目的 ハードディスクドライブ
(HDD)の記録媒体として現在使用されてい
る微粒子媒体に代わる超高密度記録媒体である
ビットパターン媒体が注目されているこれは
熱安定性の確保低記録磁界低ノイズという
現在微粒子媒体において問題となっているトリ
レンマを微細加工によりビットを定義すること
で克服するというものである超高密度なビッ
トパターン媒体に要求される特性として高い
熱安定性シャープなビット境界優れた表面
平坦性などが挙げられるこれまでに我々は
これらを満足するものとしてイオン照射型
CrPt3パターン媒体を作成し超高密度パターン
媒体の可能性があることを示してきた[1] イオン照射型パターン媒体はイオン照射に
より媒体の物性を局所的に制御しパターン化す
る方式であり表面平坦性に優れた媒体が作製
可能となるこれまで CoPt[2]CoPd[3]多層膜
などにおいて高エネルギーイオン照射により
垂直磁化の領域と面内磁化の領域をパターン化
する研究などが報告されているしかしながら
これらの材料ではイオン照射だけで照射領域を
非磁性化することが困難であり照射領域を介
した記録ビット間の磁気的結合が高密度記録に
重大な支障をきたす[3]一方CrPt3 膜は L12
型の規則合金ではフェリ磁性を不規則の fcc相では非磁性となり低ドーズのイオン照射に
よりこの相変化を起こすことが可能であるこ
のため低ドーズの照射により磁性非磁性領域
のパターン化が可能でビット間の磁気的結合
のないイオン照射型パターン媒体の実現が可能
となるCrPt3パターン媒体の応用上唯一の課
題はその規則化温度の高さであるこれまでの
報告ではCrPt3 規則合金の生成には真空中で
850˚C 程度の熱処理が必要であり[4]これは低
価格のディスク基板や軟磁性裏打ち層の形成の
障害となるこのため本研究では赤外線ラン
プおよび短パルスレーザーを利用した急速熱処
理を用いた CrPt3 規則合金膜の規則化を検討し
た
44
実験 マグネトロンスパッタ法によりSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substまたはSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (10 ndash 20 nm) CoFeZrNb (10 nm) SiO2 substという構成の膜を
作製したCr25Pt75層はCrとPtを同時成膜するこ
とで形成した赤外線ランプおよび短パルスレ
ーザーを用いた急速熱処理によりC 25Pt75 膜の
規則合金化を試みた赤外線ランプ加熱では
800 ˚C - 1000 ˚Cを 30 sec程度保持した昇温
降温速度は約 70 ˚Csecと真空中熱処理の 10 ˚Cminに比べ非常に速いパルスレーザー加熱
にはNdYAGレーザーのSHG光(パルス幅 6 nsec)を用い照射パワーを 40 - 190 mJcm2 と
変化させた膜構造はX線回折(XRD)により磁
気特性は交番磁界勾配型磁力計(AGM)磁気光
学Kerr効果測定装置により測定した
r
結
Fig1 (a) MndashH loops of lamp annealed Cr25Pt75 (15 nm) applying a magnetic field in-plane and film normal directions (b) Kerr loop of lamp annealed Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (20 nm) CoFeZrNb (10 nm)
果および考察 Fig 1 (a)はSiO2 (2 nm)
Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substを 1000 ˚C30 secの赤外線ランプ加熱処理後試料の磁化曲線を示し
ている18 kOeの最大印加磁場における磁化は
150 emucc程度で保磁力は 12 kOeとなった同
一のサンプルを真空中 850 ˚C15 minの熱処理
を行った場合磁化は 250 emucc保磁力は 12 kOeであったこれは赤外線ランプ加熱によっ
ても真空中熱処理と同様CrPt3膜を規則合金化
できることを示している真空中熱処理に比べ
赤外線ランプ加熱では短時間に熱処理を行うこ
とができるため多層構造膜の界面の合金化を
抑え熱処理することが可能となる可能性があ
るFig 1 (b)はSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (20 nm) CoFeZrNb (10 nm) SiO2 substの1000 ˚C30 secの赤外線ランプか熱処理後の
Kerrループを示しているKerrループは膜面側
から測定した結果でありCrPt層の磁化曲線を
反映するFig 1 (b)のように単層膜と同様の大
きな保磁力のループが得られておりSiO2 (20 nm)中間層によりCoFeZrNb層とCrPt3層との合
金化が抑えられたことを示している
Fig2 Dependence of saturation magnetization of pulse laser annealed Cr25Pt75 (15 nm) on the laser fluence
参考文献
[1] T Kato S Iwata Y Yamauchi S Tsunashima
K Matsumoto T Morikawa K Ozaki J Appl
Phys 105 (2009) 07C117
[2] C Chappert H Bernas J Ferreacute V Kottler J-P
Jamet Y Chen E Cambril T Devolder F
Rousseaux V Mathet H Launois Science 280
(1998) 1919
Fig 2 は SiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substを 40 ndash 190 mJcm2 のエネルギーでパルス
レーザー処理した後の磁化の照射強度依存性を
示している照射強度と温度との関係は不明で
あるがCr25Pt75 (15 nm)の反射率透過率から
照射エネルギーの 10 程度が膜に吸収される
と見積もられることからPt の体積比熱 29 JKcm3 を仮定すると50 mJcm2 で約 1000 ˚C の
温度上昇が見込まれるFig 2 に示すように CrPt合金膜に短パルスレーザー処理を行った場合
100 ndash150 mJcm2 程度の照射で若干磁化の増大
が観測されたが赤外線ランプ処理のような
100 emucc 以上の磁化は見られていない
[3] E Suharyadi T Kato S Tsunashima S Iwata
IEEE Trans Magn 42 (2006) 2972
[4] J Cho M Park H Kim T Kato S Iwata S
Tsunashima J Appl Phys 86 (1999) 3149
45
装置利用 豊田工大 08-17
鉄-コバルトナノワイヤシリサイド形成に関する研究 Study for Iron ndash Cobalt Nanowire Silicide Formation
丹司敬義ab大平 豊a
Takayoshi Tanjiab and Yutaka Ohiraa
a名古屋大学院工学研究科 b名古屋大学エコトピア科学研究所
aGraduate School of Engineering Nagoya University bEcoTopia Science Institute Nagoya University
Si(110)表面上にFe と Co の二元蒸着により作製したナノワイヤ(NW)の元素分析を行うために走査電子顕微鏡(SEM)に装備されているエネルギー分散型スペクトロスコピー(EDX)を用いたその結果我々は NW が形成されている同一表面上から FeCo の両ピークの検出に成功した Elemental analysis of Nanowire (NW) prepared by co-deposition of Fe and Co onto Si(110) surface have been studied by energy dispersion spectroscopy (EDX) equipped scanning tunneling microscopy (SEM) As a result we found both peaks of Fe and Co K line from same surface formed NW 背景と研究目的主に電荷を用いる半導体エレク
トロニクスでは従来使われなかった電子のもう一
つの性質であるldquoスピンrdquoを積極的に利用して
新しい材料の機能やデバイスを構築しようとする
半導体スピントロニクスに関する研究が近年盛
んに行なわれているシリコン(以下Si)技術と
の融合を図るためにはSi基板上へ磁性体の直接
成長が必要となる この背景の下我々はldquo磁性を有するナノワイ
ヤ(以下 NW)を Si 基板上に直接成長させるrdquoこ
とを最終目的として本研究を行なっているこれ
までは磁性元素である鉄(以下 Fe)のみを蒸着
し加熱することで形成される NW に注目し研
究を行なってきた 1)今回は FeSi(110)系に更にコ
バルト(以下 Co)を同時蒸着することにより
NW を形成させることを試みている Fe ndash CoSi(110)系の先行研究例は全くなくまず
Si(110)表面上に Fe と Co を同時に蒸着させた場合
にもFeSi(110)系や CoSi(110)系と同様なワイヤ
が形成されるかどうかを調べる必要があるこれ
はすでに著者らが形成されることを明らかにして
いる次の段階としてFe と Co 両方が同一ワイ
ヤ内に存在しているかどうかを調べるために本
支援により元素分析が可能な SEM ndash EDX を使
用した 実験Si(110)表面上にFeとCoの二元蒸着により
作製したNWのSEM ndash EDX測定を行う
結果および考察Figure 1 にFeとCoを蒸着
加熱を行い作製した試料のSEM像を示す
FeSi(110)系やCoSi(110)系で作製したNW同様
lt-110gt方向に配向したNWが観察されるNWの形
状としては幅が約 10 ndash 100 nm長さが約 300 ndash 1200 nmであり長いものでアスペクト比が 20 を
超えるNWが形成される この表面上の SEM ndash EDX 測定を行った結果を
Fig 2 に示す測定時に試料を入射電子線に対
して傾けて測定しているFeCo それぞれの K線のピーク(Fe 6398 keV Co 6924 keV)を検出す
ることに成功しこの表面上には FeCo それぞ
れ 2 種類の原子が存在していることを確認するこ
とができたまた母体である Si の K 線のピー
ク(Si 1739 keV)の横にあるピークはSi の K線エネルギーの丁度 2 倍の位置にあたりサムピ
ークと呼ばれているこれは検出器に Si からの特
性 X 線が 2 つ同時に入った場合検出器が分離で
きないために起こるアーティファクトである 次にワイヤ 1 本に FeCo がそれぞれ含まれ
ているかどうかを調べるためにEDX マッピング
を行ったその結果を Fig 3 に示すFigure 3(a)はマッピングを行った場所の SEM 像(b)から
(d)はそれぞれSiCoFe の K 線のピークの強
度を濃淡で表示したものであるこの結果SEM像と対応した濃淡を測定することはできなかった
これは試料のドリフトにより観察領域が同一の
場所に安定しないため測定することができなか
ったと考えられる
46
本支援ではFe と Co の二元蒸着により作製し
た Si(110)表面上の NW の元素分析を SEM ndash EDXにより行ったその結果 NW を有する表面上から Fe と Co の両ピーク
を検出した 非常に微小な構造のためSEM ndash EDX では
NW1 本辺りからの元素分析は困難であった 以上のことを明らかにした 今後の課題二元蒸着により作製したワイヤの詳
細な元素分析また磁気特性について研究を行な
う予定である 論文発表状況特許出願 該当なし 参考文献 1) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
Jpn J Appl Phys 47(7B) (2008) 6138
Fig 3 EDX mapping of Fe ndash CoSi(110) surface (a) SEM image (b) Si K line (c) Co K line (d) Fe K line
Fig 1 SEM images of NWs on Si(110) surface The NWs grow along lt110gt
Fig 2 (a) Configuration of EDX measurement (b) EDX spectrum of Fe ndash CoSi(110) surface
1 μm lt110
lt001gt
(c)Co K line
(a)SEM image (b)Si K line
500 nm
(d)Fe K line
47
技術代行装置利用
豊田工大 08-20
ナノ構造半導体薄膜の作製
Fabrication of Nano-Structured Semiconductor Thin films
竹田 康彦
Yasuhiko Takeda
株式会社 豊田中央研究所
Toyota Central Research and Development Laboratories Inc
分子線エピタキシー法によりGaAs ウェハー上に良質の GaAs 膜を作製するための条件を調べた成
膜時の基板温度が 520のときにバンド間遷移に起因するフォトルミネッセンスの強度が最大半値
幅が最小となりこれが最適条件であることがわかった We found the optimal substrate temperature to fabricate GaAs thin films on GaAs wafers by molecular beam epitaxy When the substrate temperature during the deposition was 520 the intensity of photoluminescence attributed to the band-to-band transition was the largest and the peak width was the narrowest
背景と研究目的 ナノ構造半導体中に閉じ込
められたキャリアはその構造の次元(2 次元
薄膜1 次元細線0 次元ドット)に特徴的
な光電子物性を示す1970 年代の分子線エピ
タキシー(MBE)成膜技術の進歩によってこ
の分野の研究が大いに進展した[1]このように
長い歴史をもつにも関わらず未だに新たな発
見が絶えない分野でもある例えば近年地球
温暖化対策の一環として種々の太陽電池の研究
開発が盛んになっている現在製品化されてい
る太陽電池の主流はシリコンpn接合を基にした
ものであるが変換効率の大幅な向上を目指し
ナノ構造半導体中の長寿命ホットキャリアや
多重キャリア生成の利用が提案されている[2]しかしこれらのナノ構造に特徴的な光電子
物性の起因と詳細は未だ議論の渦中にある[3 4]
III-V 族化合物半導体混晶を用いた多層薄膜
においてはその組成を変調することにより
キャリアに対する閉じ込めポテンシャルを制御
することができる更に格子整合不整合の
利用により閉じ込め構造の次元をも制御する
ことができるのでナノ構造に特徴的な物性を
発現させるための格好の舞台となる 我々は2 次元閉じ込めの代表的な材料であ
る GaAsAlGaAs 多層膜[1]及び 0 次元閉じ込め
構造が得られる InAsGaAs 多層膜[5]を GaAs ウェハー上に作製することを計画しているこれ
らを作製するためには通常GaAs ウェハーの
上に厚さ数 100nm の GaAs バッファ層が形成さ
れる新たに導入された MBE 成膜装置におけ
る成膜条件を調べる第一歩としてGaAs バッフ
ァ層の作製を試みた 実験 市販n型GaAs(100)ウェハー基板上に
MEB法により厚さ200nmのGaAs膜を作製した
良質な薄膜が得られる条件を調べるため基板
温度を400~600の間で変化させた成膜速度
が10~20nm分になるように原料の供給量を調
節した 作製したGaAs膜の結晶性をフォトルミネッ
センス測定により評価した励起光にはNdYAGレーザーの第2高調波(波長532nm)を用いた
この波長でのGaAsの光吸収係数は78times104cm-1
でであり[6]励起光は基板には到達しないので
膜からの発光のみを測定することができる検
48
出器にはInGaAs光電面をもつ光電子増倍管を
用いた試料温度は室温にて測定を行った
0
2
4
6
8
10
800 900 1000 1100 1200
Wavelength (nm)
PL Inte
nsi
ty (ar
b U
nits)
MBE film
Wafer
結果と考察 何れの基板温度の場合にもバン
ド間遷移に起因する発光ピークが波長 860nm付
近に現れたただしその強度とピークの幅は
基板温度に依存し520のときに強度が最大
かつピーク幅が最小であったこれよりも低温
では結晶性が低く一方高温ではAsの再蒸発に
より欠損が生じるためであると考えられる 今回の成膜条件において最適であった基板温
度 520にて作製された GaAs 膜のフォトルミ
ネッセンススペクトルを Fig 1 に示す同条件
にて測定された GaAs ウェハーの結果と比較す
るとピーク波長が若干短波長側にシフトして
いる更にピーク幅が広くまた長波長側に
格子欠陥あるいは不純物に起因すると考えられ
る発光が見られる従って結晶性にはまだ改
善の余地があると考えられる
Fig1 Photoluminescence spectra of the GaAs thin film deposited at a substrate temperature of 520degC and the GaAs wafer measured at room temperature
今後の課題 更に良質のGaAsバッファ層を作
製するための条件を探索すると共にこれを基
にナノ構造薄膜を作製しその光電子物性を
評価する予定である 謝辞 フォトルミネッセンス測定技術につい
てご指導いただきました豊田工業大学小島伸
晃先生に深謝申し上げます
参考文献
[1] 日本物理学会編半導体超格子の物理と応
用(培風館1984)
[2] M A Green Third Generation Photovoltaics
(Springer-Verlag Berlin 2003)
[3] J A McGuire et al Acc Chem Res 41 1810
(2008)
[4] A Pandy and P Guyot-Sionnest Science 322
929 (2008)
[5] R Ohshima et al J Cryst Growth 310 2234
(2008)
[6]
49
協力研究
豊田工大 08-22
InAs 量子ドットを電極としたナノショットキーダイオードの理想係数
Ideality factor of nano-Schottky diodes using InAs quantum dots as electrodes
田中 一郎
Ichiro Tanaka
和歌山大学 システム工学部
Faculty of Systems Engineering Wakayama University
導電性探針を用いた原子間力顕微鏡(AFM)によって表面における伝導性をナノスケールで測定する
ことが可能である本研究ではGaAs(001)表面上に自己形成した単一 InAs 量子ドットを電極とした
ナノショットキーダイオードの電流電圧特性を行いその理想係数に対するフェルミレベルピニン
グの影響を検討したまたGaAs 層へのドーピングによりその影響が緩和されることを明らかに
した We fabricated nano-scale Schottky diodes using self-assembled InAs quantum dots as nano-electrodes on n-GaAs layers and current-voltage characteristics of the single nano-Schottky diodes were measured with conductive AFM at room temperature It has been simulated and experimentally confirmed that the ideality factor of the nano-Schottky diodes becomes considerably large because of Fermi level pinning at GaAs (001) surfaces We have also found that higher doping concentration of n-GaAs decreases the influence of the environmental Fermi level pinning
背景と研究目的 InAs量子ドットはその0
次元電子物性や光電子素子への応用可能性が
注目されて様々な研究が行われてきた われわれは導電性探針を用いた原子間力顕
微鏡(AFM)により InAs量子ドットの導電性を画
像化し同ドットがナノ電極として使用できる
ことを見出している1) 今後デバイスの微細
化が進むとともに電極もナノスケール化される
と考えられるがそれによってデバイス特性が
受ける影響を検討することは重要である本研
究では InAs 量子ドットを電極に用いて GaAs ナノショットキーダイオードを作製してその電
流電圧特性を検討することを目的とした 計算 n-GaAs層上にナノスケールの電極を設
けてバイアス電圧を印加した場合にその電極
下における電位分布がどうなるかを有限要素法
によりポアッソン方程式を解いて計算したそ
のモデルを図1に示すこの計算においてナノ
電極以外の表面はフェルミレベルピニングによ
り電位が07Vに固定されているものとした 実験 n-GaAs層およびその上のInAs量子ドッ
トはn+-GaAs(001)基板上に固体ソースの分子線
結晶成長(MBE)装置を用いて作製した 試料表面をAFM観察し直径が60~80nm程度
のInAsドットに導電性探針を接触させて順バイ
アス電圧を印加し電流電圧特性を測定した 結果および考察 図2(a)にナノ電極の
05V の順バイアス電圧を加えた場合のナノ電
極近傍の電位分布計算結果を示すこの図にお
いてナノ電極は電位が 02V になっているため
その直下の電位はそれに応じて青色で表されて
いるが深さ 20nm 程度の所は緑色になってい
て電位がやや上昇しているさらに深くなると
50
別紙
電位は次第に減少し中性領域で 0V になるこ
のように電位が深さ方向に単調には減少しない
原因はナノ電極周囲の表面電位がフェルミレベ
ルピニングのため 07V に固定されていてその
影響がナノ電極下に及んでいるためであること
がわかる2) Z 軸に沿った深さ方向のポテンシ
ャル変化を図2(b)に示す この計算結果からナノショットキーダイオ
ードでは理想係数が増加すると考えられるそ
こでドナー濃度が 1x1017cm-3 の n-GaAs 層を
100nm 成長しその表面に InAs 量子ドットを形
成してナノショットキーダイオードを作製した
さらに接触モードの導電性 AFM でその表面
を観察した後単一ドット上に探針を移動させ
て順方向にバイアス電圧を印加し電流電圧
特性を測定したその結果図3に示すように
バイアス電圧が 03V 近辺から電流の増加が緩
やかになり理想係数が 14 から 22 になること
がわかったこれはフェルミレベルピニング
の影響により電極直下の電位が低下しにくくな
ったためと考えられる
Fig 1 Calculation model for voltage distribution under a nano-electrode formed on the (001) surface of n-GaAs layer
またn-GaAs 層のドナー濃度を3倍に高めた
ところこのような理想係数の増加は見られな
かったこれは空乏層中のドナーの増加によ
りフェルミレベルピニングの影響が緩和された
ためと考えられる Fig 2 Calculated (a) potential distribution near the nano-electrode on which a forward bias voltage of 05 V is applied and (b) potential variation along Z-axis
今後の課題 n-GaAs 層表面近傍の空乏層中に
二重障壁構造を作製して本研究と同様の手法
でナノ共鳴トンネルダイオード(nano-RTD)を作
製することができる3) この場合フェルミレ
ベルピニングの影響により共鳴トンネル効果が
生じる電圧が増加するためそれにより直接
的定量的に把握できる今後はnano-RTD を
用いて表面処理によるショットキー障壁の低
減を検討する
論文発表状況特許出願 [1]I Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and H Sakaki Abstract for the 2nd IEEE Nanotechnology Materials and Devices Conference Mo P38 (October 20-22 2008 Kyoto University Japan) 参考文献 1) I Tanaka I Kamiya H Sakaki N Qureshi S J Allen Jr and P M Petroff Appl Phys Lett 74 (1999) 844
Fig 3 Current-voltage characteristics of nano-Schottky diodes measured by conductive AFM2) T Sato S Kasai and H Hasegawa Jpn J Appl
Phys 40 (2001) 2021 3) I Tanaka Y Tada S Nakatani K Uno M Azuma K Umemura I Kamiya and H Sakaki Phys Stat Sol(c) 5 (2008) 2938
51
技術代行
豊田工大 08-26
カーボンナノチューブ FET の作製と評価
Fabrication and Measurement of Carbon Nanotube FET
吉村 雅満
Masamichi Yoshimura
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
カーボンナノチューブ FET 素子の試作を行ったHiPco 試料の I-V 特性は金属半導体(p 型)が混在
していることSG65 試料では半導体特性が明瞭に観測されたまた架橋した本数によりドレイン電
流値に違いがあり少数の CNT が架橋しているとゲート依存性が強くなることが分かった CNT-FET has been fabricated using dielectrophoresis method The HiPco-FET shows both p-type semiconducting and metallic behavior The semiconductor behavior is clearly observed for SG65-FET The Current value and gate voltage dependence are highly influenced by the number of bridged CNTs
背景と研究目的 現在の半導体産業はデバ
イスの微細化による素子性能の向上と高密度化
により発展を遂げてきたしかしシリコンMOSFET(metal-oxide- semiconductor field-effect transistor)では微細化が進むにつれてゲート絶縁
膜の薄膜化に伴う量子効果(例えばキャリアの
トンネル)の影響により性能の向上が阻害され
るそのためSi技術の微細化は限界が近づいて
いるそこで次世代のデバイス材料の一つとし
て注目されているのがカーボンナノチューブ
(CNT)であるカーボンナノチューブFET(以下
CNT-FET)とはCNTをチャネルとして利用した
電界効果トランジスタであるその構造の概略
図をFig1 に示すTansらは平面ゲート電極で変
調され室温で動作するカーボンナノチューブデ
バイスを初めて報告した[1] CNT-FET はバリスティック伝導および高い
電流密度を示しさらに基板を選ばず 1 次元チ
ャネルで短ゲート化に適しているなど優れた特
徴をもつそこで本研究では CNT-FET を作製し
その電気特性を測定することを目的とする 実験 溶媒としてDMF10 mlにCNT試料1 mgを
加え約50 で超音波処理を1 h行うことによ
り分散させたCNTを電極間に架橋させる方法
として誘電泳動法を用いた[2]すなわち溶
液中の微粒子に外部から電場を加えると溶液
-微粒子界面に電荷が誘起される電荷量は溶
媒と粒子の分極率に依存しこの相違により
双極子モーメントが誘起される本研究では
この原理を利用してCNTを電極に引き寄せる
CNT試料として異なる純度分散状態電気
的特性を有するUnidym社製Super Purified
HiPcoSouthWest Nano Technologies社製SG65
を使用したHiPcoは金属半導体の割合が1
2SG65は90 以上が半導体的なCNTで構成さ
れている 具体的にはCNT分散溶液を基板に
滴下後高周波(5 MHz)を15分程加えることに
よりCNTの配向を行ったソースメータ
(Keithley社製2636)及びマイクロプローバー
(共和理研社製K-157MP150)を用いFET特性の
測定を行ったFig1下図に測定回路図を示す
ゲート電極は基板背面を利用した 結果および考察 Fig2 にHiPco試料のド
52
レインソース間の電流(Ids)-電圧(Vds)特性のゲ
ート電圧依存性の測定結果を示すこのときゲ
ート電圧Vgsを-15~+15 Vの間で5 Vステップで
印加したオーミックな特性が観測されIdsはVgsを負に印加すると増加したよって架橋し
たCNTは金属p型半導体双方の性質をもつもの
が混在していたと考えられる直線の傾きから
抵抗値を見積もると抵抗値はVgs=-15 Vで 019 MΩ15 Vで 026 MΩとなりVgsが負のとき抵
抗値の低下が確認されたCNT 1 本当たりの抵
抗値に換算するとVgs=-15 Vのとき約 3 MΩと
なり文献値の 29 MΩとほぼ一致した[3]
-10 -05 00 05 10
-4
-2
0
2
4
1microm
Vgs=15V
Vgs=‐15V
0V
+
-
5Vstep
次に多量及び少数のSG65が架橋した電極の I-V測定結果を Fig34 に示すFig34 どちらも p 型
半導体的な特性が現れているまた CNT 数が少
数の場合電流値が約 120 に減少しているさ
らに Vgs による Ids の変調は少数の CNT が架橋
した時により大きいことがわかる
今後の課題 カーボンナノチューブの高分散
技術の改良ナノ電極のデザイン改良が今後必
要である 謝辞 本研究は豊田工業大学寺尾良輔氏
梶原健氏との共同研究である
参考文献
1) SJTanset alNature 393 (1998) 49
2) YMiyatoet alJpnJApplPhys 87
(2005) 183102
3) RMartelet alApplPhysLett 73
(1998) 2447
Fig1 Schematics of CNT-FET (upper) and electric circuit (lower)
SiO2
Source Drain
CNT
Gate(P+‐Si)
Vgs Vds
AD
S
G
CNT
Ids
-3 -2 -1 0 1 2 3-02
-01
00
01
02
Vgs=-10VVgs=-5VVgs=0VVgs=5V
1microm
Vds
Ids
(nA
)
Fig 4 IV curve of SG65-FET with a small amount of CNTs
Vds
Ids
(nA
)
Fig 3 IV curve of SG65-FET with plenty of CNTs
-3 -2 -1 0 1 2 3-10
-5
0
5
10
1microm
Vgs=‐10V
Vgs=‐10V‐5V
05V
‐5V +5V
0V
Vds
Ids
(μA
)
Fig 2 IV curve of HiPco-FET
53
装置利用
豊田工大 08-27
触媒ナノ粒子を用いた CVD 膜中残留応力制御
Study of controlling residual stress in CVD thin film by using catalyst nanoparticles
熊谷慎也
Shinya Kumagai
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
MEMS ではデバイス構造を作製するために Si 薄膜が使用される高性能な MEMS デバイスを実現す
るためにはその薄膜中の応力状態を制御することが必要であるアモルファス Si 薄膜を結晶化さ
せるとその過程で薄膜の堆積が収縮し薄膜中に引張応力が発生することが知られている薄膜の
結晶化を適切に促進すれば薄膜中の応力状態を制御することができると考えられる本研究では
アモルファス Si 薄膜の成膜および結晶化促進のための触媒ナノ粒子を Si 薄膜基板上に吸着させ
るプロセスについて検討を行った Thin films of Si are widely used in the fabrication of MEMS structure To realize high performance MEMS devices it is necessary to control the stress in the Si thin film As the crystallization of amorphous Si films proceeds the shrinkage of the volume of the Si thin film generates tensile stress in the film Appropriate crystallization process can control stress in the Si thin film In this study we investigated deposition condition of amorphous Si films and adsorption of catalyst nanoparticles onto the Si films
背景と研究目的 近年MEMS デバイスは我々の周りで広く使
用され欠かせないものになっている例えば
光関連の分野ではマイクロミラーデバイスが
プロジェクタプリンタ等の中に組み込まれて
いるこのミラーデバイスではミラーの回転
角は大きくその一方で不安定動作は小さい
ことが求められるこの要求を満たすために
例えばミラーを支えるトーションバーに張力
(引張応力)を加えることが提案されている[1] シリコン薄膜に引張応力を生じる原理はアモ
ルファスシリコンからポリシリコンへの結晶化
に伴う体積収縮によって発生する結晶化誘起応
力にあると言われている[2]通常はサンプル
を加熱するだけのアニール処理で行うためラ
ンダムな場所から核成長が起こり得られる結
晶粒径は限られ発生する引張応力も限られて
いたそこで何らかの方法で結晶粒径を大き
くできれば引張応力発生に寄与する材料の比
率が増しより大きな引張応力を得ることがで
きると考えられる[3]結晶化の促進には金属誘
起結晶成長法が利用できる[4] 本研究では
アモルファスシリコン薄膜の成膜とそのシリ
コン薄膜上へ結晶化促進のための触媒ナノ粒子
を吸着させるプロセスについて検討を行った
54
実験 アモルファスシリコン薄膜の堆積 プロセスガスとしてジシランを使用したジ
シランは通常用いられるシランよりも低い温度
で熱分解するためアモルファス薄膜の成膜に
適している[5]薄膜のアモルファス性が高いほ
ど結晶化する際の堆積収縮量が大きく引張応
力の発生の効果が大きいといえる堆積実験で
はCVD炉温度を510度に設定し炉内圧力
13Paのもとで成膜を行った成膜時間は100分間
とした
シリコン薄膜上への触媒ナノ粒子の吸着 触媒ナノ粒子を分散させた溶液をアモルファ
スシリコン薄膜上に滴下して10分間吸着を行っ
たその後遠心分離機(10000rpm1分)を用い
て余剰の溶液を除去しその後SPMで観察を
行った 結果および考察 シリコン薄膜堆積後光干渉法により膜厚
を測定したサンプル表面20箇所の平均値とし
て2790nmが得られた堆積レートに換算すると
約28nmminとなるMEMS応用には1μm程度の
Si薄膜の厚さがあることが望ましいそのため
にはより長い堆積時間が必要となる堆積レ
ートを高くするには成膜温度を上げることが
有効であるが堆積後に結晶化が進み薄膜の
アモルファス性が低下することになる膜質と
トレードオフの関係にあるため今後検討を進
めていく必要がある 作製した Si 薄膜のサンプルを用いてナノ粒
子の吸着実験を行ったFig 1 にナノ粒子吸着
後サンプル表面の SPM 像を示すナノ粒子が分
散して吸着していることがわかるその一方で
成膜後のサンプル表面を光学顕微鏡で観察した
限りでは分からなかったがナノ粒子の他に表
面に比較的大きな凹凸形状が見られるこのよ
うな箇所では MEMS 構造を作った際に機械的
強度が低下すると考えられ堆積条件のさらな
る検討が必要といえるFig2 ではナノ粒子濃度
を Fig1 の条件の 10 倍に希釈した溶液を滴下し
た後の SPM 像であるFig1 と比較すると溶
液濃度が希釈されて低くなっていることに対応
して表面上へのナノ粒子吸着量が減少してい
ることがわかる溶液中のナノ粒子濃度は基板
上への吸着量の制御パラメーターとして利用で
きる まとめ
Si 薄膜の堆積条件ナノ粒子の吸着プロセス
について検討を行った引き続き検討を行
いシリコン薄膜結晶化の評価を進めていく予
定である
参考文献
1) M Sasaki S Yuki K Hane IEEE Photon
Technol Lett 18 (2006) 1573
2) 三浦英夫ら日本機械学会論文集(A 編)58
巻 554 号(1992-10)216-221
3) P Temple-Boyer et alThin Solid Films 310
(1997) 234
4) C Hayzelden and J L Batstone J Appl Phys
73 (1993) 8279
5) K Nakazawa J Appl Phys 69 (1991) 1703
Fig1 SPM image of nanoparticle adsorption on Si film surface
Fig2 SPM image of nanoparticle adsorption Concentration of nanoparticle in the solution is 110 of the condition in Fig1
55
協力研究
豊田工大 08-28
a-SiNxHSi 界面特性の面方位依存性
Dependence of crystallographic orientation on a-SiNxHSi interface characteristics
新船 幸二a近藤 憲司b大下 祥雄b
Koji Arafune a Kenji Kondob Yoshio Ohshita b a 兵庫県立大学b 豊田工業大学
a University of Hyogo b Toyota Technological Institute
多結晶シリコン太陽電池の表面パッシベーション膜としてアモルファス水素化窒化シリコン膜
(a-SiNXH)が通常使用されているこのパッシベーション機構を明らかにするために面方位の異な
る単結晶シリコン基板に a-SiNXH 膜を同一条件で製膜しその容量-電圧特性を水素処理前後に測定
し界面準位密度や固定電荷について検討を行った a-SiNXH film is used as surface passivation layer for polycrystalline silicon solar cells In order to clarify the passivation mechanism a-SiNXH films are deposited on the single crystalline silicon substrates with different crystallographic orientation by plasma enhanced chemical vapor deposition The characteristics of a- SiNXHSi interface is also studied by C-V measurements
背景と研究目的 現在主流の多結晶シリコン
太陽電池には表面パッシベーション膜として
アモルファス水素化窒化シリコン膜(a-SiNXH膜)が使用されているa-SiNXH膜をシリコン基
板上に形成することにより界面準位密度が低
下し加えてa-SiNXH膜中の固定電荷に起因す
る電界効果により界面におけるキャリアの再
結合が抑制される 1)と考えられているしかし
具体的なパッシベーション機構については未だ
明らかになっていないこの原因の一つとして
多結晶シリコンが面方位の異なる結晶粒により
構成されているため得られる情報が平均化さ
れてしまうことが予想されるそこで面方位
の異なる単結晶シリコン上にa-SiNXH膜を形成
しそれらの電気的特性の相違を詳細に検討す
ることによりa-SiNXH膜によるパッシベーシ
ョン機構解明の端緒とすることを目的とした 実験 面方位が(100)および(111)である3inch
果および考察
のp型単結晶シリコン基板を4分割し希フッ酸
処理SC1処理希フッ酸-過酸化水素処理等
により洗浄を行った洗浄後の(100)および
(111)基板上にPECVD法によりa-SiNXH膜を製
膜した製膜条件は250 []圧力 04 [torr] ガス流量 SiH4 3 [sccm]NH3 6 [sccm]H2 6 [sccm]製膜時間 5 [min]とした製膜したa-SiNXH膜の
膜厚および屈折率はエリプソメトリー法により
評価したC-V測定サンプルのゲート電極には
Al(D=06mm)を使用した界面準位低減効果を
比較するためにフォーミングガス(N2+H2)によ
るアニールを400 []30 [min]で行った 結 製膜したa-SiNXH膜の
ングガスアニール前の C-V 曲
膜厚は面内で多少のばらつきはあったものの
(100)基板および(111)基板ともに89plusmn4 [nm]以内
であった屈折率に関しては178 と全て一定
の値を示した Fig1 にフォーミ
56
の C-V
えるとa-SiNXHSi 界面に
(a)
線を示す膜中の固定電荷に関しては(111)基板上の膜の方が(100)基板上の膜より密度が高
いことが判ったこれはシリコン上の熱酸化膜
と同様の傾向を示しているまた両者ともに
ヒステリシスを示しているがその原因は(100)基板の場合は正の可動電荷型(111)基板では正
孔注入型と異なることが判った界面準位密度
に関してはどちらの場合も非常にリークが大
きいため今回の測定では求めることが出来な
かった今後膜厚増加によるリーク低減を行
い界面準位密度の評価を進めたい Fig2 にフォーミングガスアニール後
曲線を示すどちらの場合もフォーミングガス
アニールによりヒステリシスが消失している
これは熱による構造変化と水素によるダング
リングボンドの終端化によるものと考えられる
より詳細な検討を行うためにはアニールガス
種の変更や温度時間等を変化させた評価が必
要である界面準位密度に関してはフォーミ
ングガスアニールにより界面準位密度が低減さ
れた傾向が現れているまたC-V 特性測定時
の周波数を変化させた測定も行ったところ周
波数分散特性も(100)基板と(111)基板では大き
く異なっていた 以上の結果を踏ま
おける界面準位密度及び膜中固定電荷密度は基
板面方位に大きく依存しヒステリシス特性の
要因も基板面方位により変化することが明らか
になった
0
50
100
150
200
-10 -8 -6 -4 -2 0
容量[pF]
電圧[V]
(b)
0
50
100
150
200
-20 -18 -16 -14 -12 -10
容量
[pF]
電圧[V]
Fig1 C-V characteristics of a-SiNXH films on (a)
(100) and (b) (111) single crystalline silicon substrates before forming gas annealing
(a)
0
50
100
150
200
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
容量
[pF]
電圧[V]
(b)
0
50
100
150
200
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
容量
[pF]
電圧[V]
Fig2 C-V characteristics of a-SiNXH films on (a) (100) and (b) (111) single crystalline silicon
後の課題
substrates after forming gas annealing 今 今回はPVCVD装置のトラブルに
りサンプルは2種類しか試すことが出来なよ
かったが今後は(110)基板の使用やa-SiNXH膜の製膜条件を変えたサンプルを準備し固定
電荷の起源やパッシベーション能力の定量的評
価などを行う予定である 謝辞 C-V測定において兵庫県立大学の佐
真一教授及び吉田晴彦准教授に協力頂いた
許出願
藤
深く感謝したい
論文発表状況特 [1 未定
考文献
]
参
t et al Semicond Sci Technol vol16 1) JSchmid
pp164-170 (2001)
57
技術代行装置利用
豊田工大 08-29
太陽電池特性評価技術の習得 Acquirement of solar cell characterization skill
岩本 恵里
Eri Iwamoto
日本ソーラーシリコン株式会社
Japan Solar Silicon Co Ltd
特性の異なるシリコンウェーハから太陽電池セルを作製し作製した太陽電池セルについてその特性評
価を行った
We made silicon solar cells with silicon wafer of a different characteristic and conducted investigation of these
cell performance
研究目的 シリコン原料メーカーとして太陽
電池セルの特性評価に関する知識を持つことが
必要であるしたがって本研究ではセル作製工程
の一連の流れを理解し実際に作製したセルにつ
いてその特性評価を行い自社内での太陽電池特
性評価技術の向上を目的とする今回はプロセ
スに慣れることプロセス条件を最適化すること
を目的とし基板抵抗やPの拡散温度のセル特性
への影響を見ることとした
実験 Si基板は購入した 3 インチ厚み 380 μ
mのSi基板 (CZ結晶) でp型抵抗a (低抵抗) とb
(高抵抗) の2種類の比抵抗値を示す基板を用いた
Si基板を洗浄後基板上にPを温度A B Cの 3 水
準で変化させて拡散させた基板裏面の酸化膜を
除去した後リフトオフ工程によって表面に 10
mm角セル (16 個分) のAl電極パターンを形成し
たこの際Alの蒸着は抵抗加熱真空蒸着装置を用
いて行った表面と同様に裏面にAl電極を形成し
た後380で 10 分間の水素シンター処理を行っ
たその後ダイシング装置で 10 mm角セルに分
割し中心部分のセルについてI-V特性評価を行
ったこのI-V特性評価によってpn接合の良否
電極とSiの接触の良否などが判断できる
結果と考察 Fig1 に低抵抗Si基板と高抵抗Si基
散温度を変化させて作製した各セルの短
絡
板についてリン拡散温度を変化させて作製した
各セルの開放電圧 (Voc) を示すFig1 を見ると
温度Aで拡散させたセルでは他と比較してVocの
値が低かったこれは温度Aでのリン拡散が不十
分でpn接合がうまくできていないと考えられる
Fig2 に低抵抗 Si 基板と高抵抗 Si 基板について
リン拡
電流 (Isc) を示すFig2 を見ると拡散温度 C で
Isc が悪化しているこれは温度 C でのリン拡散
でp 層基板が高温処理によって劣化した可能性
が高いと考えられる
本設備においては拡散温度は CZ 基板を用い
58
た場合温度B近傍で行うのが最適と考えられる
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Isc
(arb
uni
ts)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
今後の課題 今回作製したセルはプロセスの最
適化がされていないため基板評価のため十分な
効率が得られていない今後はプロセス条件の改
善を実施し太陽電池特性評価技術の向上を目指
す
謝辞 本研究は豊田工業大学梶原氏および
下准教授に指導して頂いた深く感謝したい
豊田工業大学梶原氏および
下准教授に指導して頂いた深く感謝したい 大大
Fig2 The phosphorus diffusion temperature dependence of shortcircuit current (I sc) for low resistivity Si substrate and highresistivity Si substrate
Fig1 The phosphorus diffusion temperature dependence ocircuit voltage (V oc) for low resistivity Si substrate aresistivity Si substrate
f opennd high
Fig3 The phosphorus diffusion temperature dependence ofconversion efficiency for low resistivity Si substrate and highresistivity Si substrate
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Voc
(arb
uni
ts)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Con
vers
ion
effic
ienc
y (a
rb u
nits
)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
59
技術代行
豊田工大 08-32
レジストマスクによるリン砒素のイオン注入
P and As Ion implantation using Resist Mask patterns 上田一之
Kazuyuki Ueda
豊田工業大学ナノハイテクリサーチセンター
Nano High-Tech Research Center in Toyota Technological Institute Supported by MEXT
シリコン表面に PAs をイオン注入してマスクパターンを作りそのときの打ち込みエネルギーやイ
オンの種類により打ち込み層に含まれる水素や酸素の形態はpn 接合を考える上で極めて重要な
要素となるしたがってこれらの打ち込み層に存在する水素と酸素の起源と振舞いについて電子励
起イオン脱離法を応用した水素顕微鏡で調べた
Masked patterns by ion implanted surface include hydrogen and oxygen which might affect to p- n-junction properties Electron-stimulate-desorption (ESD) spectroscopy is useful to investigate behaviors of hydrogen and oxygen on the device surfaces Implated musked patterns have been investigated by using hydrogen microscope
背景と研究目的 2次元的なp- n-接合をシリコン表面上にイオン注入法で数十ナノメートルの深さ方向に作りその層の表面や層間に存在するする水素や酸素の起源と振る舞いを調べることは注入層がp-n-層として機能するかどうかの重要な問題を含んでいるナノテク支援により作成されたイオン注入マスクパターンを用いて超高真空中に配置された電子励起イオン脱離(ESD)を発展させた水素顕微鏡を使用して数百ナノメートルの2次元分解能でそれらの挙動を調べた 実験 実験は超高真空中にセットされたESD装置を応用した水素顕微鏡(Fig1)1)2)を使用して
実施されたナノ支援によってシリコンウエハ
ーに注入されたPおよびAsの格子状のパターン
構造をしており最上層にはPのストライプパタ
ーンの層がありその下にはAsのストライプパ
ターンが直角方向に形成されている表面の酸
化物層をイオン衝撃で取り除くとPのストライ
プパターンが現れイオン衝撃法により25nm程度の深さに達するとAsの打ち込み層が存在
していることが水素酸素のイメージから判る
これらのパターンの様子をFig2に2次元的な
模型で示しイオン衝撃に応じて水素顕微鏡で
観察するとFig3に示すようにPのストライプ
パターンが水素像酸素像として示されている
これは打ち込み層が極浅いところなのでP層の
みが現れている水素酸素に2種類のパターン
が示されているのはPとAsではそれぞれの層
に吸着する水素と酸素の吸着状態の違いを反映
して異なる運動エネルギーのイオン像が現れ
るであるうことを期待しているからである
Fig3に示すように同時に得られたSEM像には
両方の元素のパターンがモノクロに撮影されて
いるだけで表面物性的な差異は全く見られな
いこのことはSEM像が2次電子の発生深さの 情報を持つのに対してESDは殆どトップレイ
ヤーの情報しか持たないことに由来する
60
4μm
12μm
18μm
7μm
4μm
As+ As+ 5x1015cm2
P +
5x1015cm‐2
P +
As + 20 keV(127 nm)p‐S i(100)
S iO2
試料の形状(マスクによるイオンの打ち込み)
Top view
S ide view
P + 10keV (108 nm)Thickness of S iO2 1 5 nm
1times1010 As+(on the back ground)
7μm
Fig 1 Ion implanted patterns of P and As
On the B-dose Si surface
Fig2 Shematic drawing of hydrogen
microscope
Fig3 をさらにスパッタリングで 25nm 程度取
り除くと深いところに分布している As 層から
水素酸素の像が得られてそれぞれ格子模様と
なるこれらの水素酸素の起源はイオン注入
打ち込みの過程から考えて酸素は酸化物層にイ
オン注入しているので当然であるが水素につ
いては原因は不明であるイオン注入時はマス
フィルターにより元素を選択的に打ち込んでい
るので水素の混入は考えられないそうすると
マスク材料から打ち込まれたかあるいはマス
クを取り除く薬品から混入したことが考えられ
る現時点ではこれらの水素濃度の定量
Fig3 H+ and O+ images from P-implanted
Layer on Si-SiO2 layers
Fig4 H+ and O+ images from P-and
As implanted layer on Si-SiO2 layers
的評価は出来ないが水素の量によっては今後
のデバイス処理に重要な情報を与えているもの
と考えられる
参考文献
1) KUeda and KOgai Surf Sci 462 (2000) 1
2) 上田一之表面技術 59 (2008) 893
H(1)+ H(2) +
O(1)+ O(2) +
H(1)+ H(2) + SEM
O(1)+ O(2) +
61
協力研究
豊田工大 08-33
新規プローブの開発
Development of new probe for AFMSTM
森田 幸治 長村 俊彦 佐々木 徹
Kouzi Morita Toshihiko Nagamura Touru Sasaki
株式会社ユニソク
UNISOKU CoLtd
近年ナノスケールデバイスの開発においてその表面形状または電気的特性を評価するためのプロ
ーブの必要性が高まってきているそこでプローブ自身が歪み検出部分を持ちかつ先端に他と絶
縁された金属配線を持つ新しいプローブの要素技術開発を行った
Recently new probe to evaluate surface shape and electrical characteristics are required in nanometer scale devicersquos development Here we developed functional elements of new probe with piezo resistance and metal
wiring is isolated other metal wiring
背景と研究目的 現在LSI各種センサな
どのデバイスがナノスケールで開発作製され
それらの金属配線パターンは30nmオーダーに
まで達しているしかしそのデバイスの表面形
状力学的特性電気的特性を評価することは
非常に難しいこれらの研究分野ではデバイス
の各種評価用の装置またそれに合わせた新し
いプローブの開発製品化が強く求められてい
る 弊社では以前より立命館大学磯野教授との共
同開発で新しい機能を持ったプローブの試作を
行ってきた本研究ではその結果を利用して新
規プローブの量産化に向けたMEMSプロセスの
確立を行うプローブはSOIウェハ(Silicon On Insulator)から作製するプローブ上にはピエゾ
抵抗素子を作製しその抵抗変化によってプロ
ーブの歪み検出を行うまたプローブ先端には
他と絶縁された金属配線を持っているこれら
の組み合わせによって様々な評価を行えるプロ
ーブを作製する プローブの絶縁性能に関しては歪み検出を
しながらSTM(Scanning Tunneling Microscope)測定することを想定した時ピエゾ抵抗素子に1V
程度の電圧をかけた時にプローブ先端へ漏れる
電流はトンネル電流より十分少ないことが求め
られる今回はその漏れ電流01nA以下つまり
絶縁抵抗10GΩ以上を目標とする 実験 まず各種プロセス条件に関して以前
から弊社にて研究してきた結果が豊田工業大学
共同クリーンルームの装置で再現できるように
装置の扱いに慣れる意味も含めて繰り返し使用
しプロセス条件を修正合致させたその結
果フォトリソグラフィ真空蒸着イオン注
入TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)エッチング熱酸化シンタリングのプロセス
において以前の結果を再現させることができ
た そのプロセス条件を使用してピエゾ抵抗素
子とそれへの金属配線およびSiO2膜で絶縁され
た金属配線を作製したSiO2絶縁膜は熱酸化炉
(炉内温度1100O2雰囲気30分加熱)で作
製したFig1に作製したデバイスの断面模式図
を示すFig1中の①Al電極はSiO2絶縁膜で基盤
Siから絶縁されている②Al電極はピエゾ抵抗
素子と接続されている①②Al電極を弊社製
62
品であるAFM(Atomic Forced Microscope)STM測定用コントローラに接続しスイープ電圧を
かけてその時の微小電流値をモニターすること
で絶縁抵抗の評価を行った
Al SiO2
Piezo Resistance
(Type Positive)
Si(Type Negative)
① ②
結果および考察
Fig2に作製したデバイスの光学顕微鏡写真
を示す設計寸法通りパターニングできゴミ
などの不純物もほとんど乗ることなく出来上が
ったエリプソメーターでSiO2絶縁膜厚を測定
したところ80nmであったFig2中の①②は
Fig1の①Al電極②Al電極の場所を示している
Fig3にスイープ電圧とその時に得られた電流
値のグラフを示すPiezo resistance(Type Positive)とSi(Type Negative)の間のPN接合の影響で順
方向バイアスではノイズが漏れやすいことが分
かったグラフの傾きから絶縁抵抗値を計算し
たところ約25GΩの抵抗値が得られ目標の絶
縁抵抗値を達成することができた
Fig1 Cross section model of piezo resistance Al wiring and SiO2 dielectric(80nm)
今後の課題 本デバイスはピエゾ抵抗と金属
配線との間でAl-Alの積層構造を持っているが Al 同士の間に Al 酸化膜が存在し接触が不安
定になる現象が確認できた今後は Al を積層し
ない構造に変更するか配線材料の変更を検討
する実験を行う必要がある ② ①
Fig2 Optical microscope image of piezo resistance Al wiring and SiO2 dielectric(80nm) 参考文献
1) 江刺正喜藤田博之五十嵐伊勢美杉山進
共著「マイクロマシーニングとマイクロメカト
ロニクス」培風館
-15
-1
-05
0
05
1
15
-11 -9 -7 -5 -3 -1 1 3 5 7 9 11
Voltage(V)
Current(nA)
2) MエルベンスポークHVヤンセン 著田
畑修佐藤一雄 訳「シリコンマイクロ加工の
基礎」シュプリンガーフェアラーク東京
Forward bias back bias
Fig3 Graph of leak current and voltage put SiO2 dielectric(-9V to +9V)
63
研究協力
豊田工大 08-34
ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製
Fabrication of quantum-structures for potential mapping
賀数 広海 田中 一郎
Hiromi Kakazu Ichiro Tanaka
和歌山大学システム工学部
Faculty of Systems Engineering Wakayama University
InAs 量子ドットをナノメートルサイズの電極(ナノ電極)として用いて順バイアス電圧を印加した場合
その周囲におけるフェルミレベルピニングの影響により電極直下においても電位が下がりにくい
本研究ではInAs 量子ドットをナノ電極として GaAsAlAs 二重障壁構造を含むナノ共鳴トンネルダ
イオードを作製し導電性 AFM を用いてその電流-電圧特性を測定することにより二重障壁構造内
部の電位に対するフェルミレベルピニングの影響を検討することを目的とした When a forward bias voltage is applied on InAs quantum dots (QDs) used as nano-scale electrodes (nano electrodes) Fermi level pinning around nano-electrode prevents us from lowering the potential under the nano-electrodes We fabricated nano-scale resonant tunneling diodes (nano-RTDs) which comprise GaAsAlAs double barrier structures with InAs QDs electrodes by molecular beam epitaxy We measured current-voltage characteristics of the nano-RTDs by conductive AFM for investigating the influence of Fermi level pinning on the potential in the double barrier structure
背景と研究目的 近年ナノテクノロジーの
分野においてInAs量子ドットに関する研究が盛
んに行われているInAs量子ドットは分子線エ
ピタキシー法(MBE)等を用いてGaAs(001)基板
との僅かな格子定数の違いにより自己組織化成
長しナノメートルスケールのサイズを有する
そのためナノスケール化が予想される半導体
デバイスに対応する電極(ナノ電極)としての
応用が考えられるしかしGaAs(001)面上のナ
ノ電極に順バイアス電圧を印加した場合その
周囲のフェルミレベルピニングの影響によって
電極直下でも電位が下がりにくい このフェルミレベルピニングの影響はInAs
ドット直下のGaAs層のドナー濃度を高めるこ
とで緩和できる1)この点についてさらに検討す
るためGaAsAlAs二重障壁構造を含むナノ共
鳴トンネルダイオードを作製しその電流-電圧
特性を測定した 実験 MBEを用いてn+-GaAs(n=10~50times1018cm-3)基板上に基板温度約590でn+
-GaAs(n=20times1018cm-3)を500nmn-GaAs(n=50times1017cm-3)n-GaAs(n=10times1017cm-3)をそれぞれ
10nmudGaAsを25nm成長したその上に二
重障壁構造となるAlAs17nmGaAs50nm
AlAs17nmを成長したさらにキャップ層とし
てn-GaAs(n=10times1017cm-3)を20nm最後にInAs量子ドットを基板温度約460で約25ML成長
させたこのときのGaAsAlAsInAsの成長レ
ートはそれぞれ044MLs012MLs00159MLsであった 作製した試料をMBE装置から取り出した後
に試料表面の酸化を防ぐため硫化アンモニウ
ムで表面処理を行った 電流-電圧特性を測定するために試料を高真
64
空原子間力顕微鏡(AFM)装置に移したまず試
料表面の形状を測定して電極となるInAs量子
ドットを確認したドリフトの影響が小さくな
った後にひとつのInAs量子ドットの上に導電性
探針を移動させて電流-電圧測定を室温真空
中で行った今回は試料に0 ~ 2Vの順バイアス
電圧を印加した
結果および考察 Figure 1はAFMにより
測定した試料表面のInAs量子ドット形状像であ
る量子ドットの平均直径は616nm平均高さ
は393nmである Fig1 AFM image of InAs QDs grown on the n-GaAs cap layer The QD indicated as ldquoardquo was used as a nano-electrode
Figure 2 に Fig1 に示した量子ドット a をナノ
電極として測定した電流-電圧特性を示すショ
ットキー特性が得られているが共鳴トンネル
効果を示す負性微分抵抗は確認できなかった
これは試料に原因があると考えられる そこで作製した試料中に二重障壁構造が存在
するかどうかを確認するためフォトルミネッ
センス(PL)測定を液体窒素中(77K)励起光波
長 532nm の条件で行ったその結果を Fig3 に
示すAlAs(17nm)GaAs(5nm)AlAs(17nm)の二
重障壁構造中の第一準位に対応する PL ピーク
波長は約 720nm と見積もられる 2)しかし Fig3の PL の測定結果にはこのピークは見られな
かった PL 測定結果において GaAsAlAs 二重障壁構
造に対応するピークが見られなかったので今
回作製した試料中には同構造が存在せずその
ため電流-電圧特性にも共鳴トンネル効果が現
れなかったと推定されるこの原因としては
MBE における成長条件が最適化されていなか
ったことが考えられる
Fig2 Current-voltage characteristic measured using the InAs QD as a nano-electrode
今後の課題 今回はGaAsAlAs二重障壁構造
が作製できなかったためにその内部における
電位やそれに対するフェルミレベルピニングの
影響を検討できなかった今後MBE成長条件
を見直し同様の実験を行っていきたい
参考文献
1) 中谷 成希和歌山大学大学院システム工学
研究科システム工学専攻 修士論文 「InAs 自己
形成量子ドットのナノ電極効果」(2007 年)
2) 多田 吉伸和歌山大学大学院システム工学
研究科システム工学専攻 修士論文 「単一 InAs
量子ドットを介した共鳴トンネル効果の導電性
探針 AFM による測定」(2004 年)
Fig3 PL spectra of the sample measured at 77K
65
装置利用協力研究
豊田工大 08-35
次世代メモリ(PCRAMPhase Change RAM)用材料
GeSbTe 薄膜の CVD 成膜
GeSbTe-thin film formation by CVD for next generation
Memory (PCRAM Phase ChangeRAM)materials
町田英明
Hideaki Machida
気相成長株式会社
Gas Phase Growth LTD
GeSbTe薄膜は次世代メモリ(PCRAMPhase Change RAM)用材料として有望である本研究では
(t-C4H9)GeH3 (i-C3H7)3Sb (i-C3H7)2Teを原料として低圧熱CVD法によりSi基板上にGeSbTe薄膜を作成
しX線光電子分光 (XPS)分析によりGeSbTeの組成が堆積温度によってどのように変化するかを調べ
た
GeSbTe thin film is a promising material for next generation memory (PCRAM Phase Change RAM) Here
we report synthesis of GeSbTe-thin films onto the silicon substrate by thermal low pressure CVD technique
using (t-C4H9)GeH3 (i-C3H7)3Sb (i-C3H7)2Te precursors And also the GeSbTe film composition dependence
on deposition temperature and pressure is studied by X-ray photoelectron spectroscopy (XPS)
背景と研究目的 次世代半導体メモリ候補
として相変化メモリ(PRAM)が注目され相変
化材料としてGeSbTe(GST)系材料が提案されて
いる 12)大容量化のためには埋め込みに有
利 な 化 学 気 相 法 (CVD Chemical Vapor
Deposition)による成膜が必要とされるがCVD
法による組成や構造制御に関する基礎的な知見
は充分でない相変化材料GSTを用いたPCRAMデ
バイス試作研究においてGST膜堆積にはスパッ
タ法による蒸着が用いられているが高集積な
メモリデバイスに要求される膜均一性50nm
以下のホールへの埋め込み等が要求されるし
たがって良好な埋め込み形状を実現できる可
能性を有するCVD法によるGST系薄膜堆積技術へ
の期待が高まっている本研究ではGeSbTe薄
膜堆積のためのCVD原料の検討を行いGe原料に
Tertiarybutylgermane[(t-C4H9)GeH3] Sb原料
としてTriisopropylantimony[(i-C3H7)3Sb]
Te 原 料 と し て Diisopropyltellurium
[(i-C3H7)2Te]をそれぞれ用い成膜条件膜組
成等の成膜特性を明らかにすることを目的と
した
実験 成膜に用いたCVD装置は抵抗加熱のコ
66
ールドウオールタイプの低圧CVD装置であり
図1にレイアウトを示す成膜チャンバー内部
に設置した基板の温度は下部に設置したヒータ
ーで加熱しセンサーによる温度測定結果をフ
ィードバックして制御される膜堆積のための
基板はフォルダーに固定されロードロックチ
ャンバーより成膜チャンバーへと運ばれヒー
ター上部に設置される装置全体はターボ分子
ポンプで排気され成膜時の圧力はオリフィス
で制御する原料は原料容器中にH2ガスをバブ
リングする事によってH2ガスに同伴させて成
長チャンバーへと輸送した各原料輸送量はH2
キャリアガス流量と原料容器温度内圧により
見積り制御したSi(100)基板が設定温度に達し
たことを確認した後原料ガスを供給し膜堆積
を行った成膜条件は基板温度270-300
堆積中の圧力30torrGe Sb Te原料のキャ
リアH2 ガス流量10 sccm15sccm10sccm
原料容器温度-65550とした
教授明治大学小椋厚志准教授及び東京大
学大場隆之教授との共同研究である
各温度での堆積膜の炭素不純物及び GeSbTe
組成変化を XPS によって調べた
結果および考察 XPS分析により堆積膜に
はGeSbTeが含まれる事がわかった炭素の残留
不純物はXPSの検出限界以内では観察されず良
好な原料の選択と成膜条件が確認された図2
に 30Torrでの堆積膜のGeSbTe組成と温度の関
係を示す基板温度上昇とともにGe組成の減少
とSb組成の増加が見られたGeとSbには相互的
な影響が存在することが示唆された280deg以上
の温度領域ではTeの減少が確認されたがこれ
は堆積Te金属の蒸発が起こっていると思われる
後の課題今 今後CVDによるGST成膜実験で圧
辞
力と組成の関係2成分の堆積などを調べ膜
堆積組成制御に関するメカニズム解析を 行
いたい
謝 本研究は豊田工業大学大下祥雄准
考文献参
wa KMiyauchi T Tamura Y Yin
wa Y
g2 The GeSbTe film composition dependence on
1) S Hosoka
and H Sone Proc 15th symp Phase Change
Optical Information Storage PCOS 2003 (Ed T
Ide Atami Japan 2003) pp52-55
2) K Nakayama K Kojima F Hayaka
Imai1 A Kitagawa and M Suzuki Jpn J Appl
Phys 39 (2001) 6157
Fig1 Schematic diagram of the CVD system Container of Ge Sb and Te precursors were maintained at ndash6 55 50ordmC respectively These gases were mixed at sub chamber and introduced into the reactor
270 275 280 285 290 295 30015
20
25
30
35
40
45
50
55
60
Fi
deposition temperature
組成
(
)
基板温度()
Ge Sb Te
PH2
P
P
MFC
MFC
MFC
Ge
Sb
Te
Sub chamber
TMP
DP
Heater
Drain
Load Lockchamber
PH2
P
P
MFC
MFC
MFC
Ge
Sb
Te
Sub chamber
TMP
DP
Heater
Drain
Load Lockchamber
67
協力研究
豊田工大 08-37
分光機能を持つ MEMS 赤外線センサ
MEMS infrared sensor integrated with wavelength selective filter
佐々木 実
Minoru Sasaki
豊田工業大学
Toyota Technological Institute
小型軽量のメリットを生かすためサーモパイルを利用した赤外線センサが用いられる従来の誘
電体光学フィルタを使わないで高分子膜の赤外吸収スペクトルを利用した熱型赤外線センサを一体
型とするセンサを提案するセンサ自体が小型化に適すると共に分光特性の温度安定性が安定化す
る長所を持つことが分かった A thermal infrared detector integrated with wavelength selective filter is fabricated A polymer film is formed onto hot junctions of the thermopiles as a wavelength selective absorber to integrate spectroscopic characteristic The detector shows +35 increase of the signal output from the baseline at the absorbance peak The fabricated detector shows low temperature dependences on its center wavelength
背景と研究目的 近年環境測定や検知器な
ど手軽に物質の検知や濃度測定を行えるセンサ
のニーズが高まっているこのようなガスなど
の物質の検出と濃度測定を行うセンサに物質
固有の赤外吸収スペクトルにおけるピーク波長
と強度を利用した非分散型赤外分光 (NDIR)センサがあるNDIR型センサは高精度で応答時間
も短く検出器が被検体と直接接触しないため
信頼性も高いしかし別々の部品により構成さ
れるためその他のセンサ方式と比較して構造
が複雑で高価である現在広い市場からの受
け入れを目指しコストやサイズの削減に開発
努力が注がれている 1) 我々はその構成部品の中でも赤外線センサに
注目したNDIR 式センサの小型軽量のメリ
ットを生かすためサーモパイルを利用した赤
外線センサが用いられるサーモパイル型セン
サは熱を検出する方式であり波長に対してフ
ラットな分光特性を持つそのため特定波長
の赤外線を受光するために誘電体光学フィルタ
とパッケージで組み合わされるのが一般的であ
るしかし NDIR 式センサの目的に見合う性能
のフィルタは高価でありアセンブリ全体のコ
ストなどを上げる要因の一つとなっている光
学フィルタと熱型赤外線センサを一体型とする
形態も考案された 2)しかし光学フィルタと熱
型センサとのプロセス整合性に疑問が残るさ
らに光学フィルタの分光特性の温度依存性など
の問題なども懸念される 3)そこで高分子材料
の吸収スペクトルを利用して簡単な構造で分光
特性を集積化させた赤外線センサの試作を行っ
た温度特性についても報告する Fig1(a)に赤外線センサのベースとなるサー
モパイルセンサの概念図を示す20mmtimes
20mm 厚さ 04mm の Si を基板として基板上
に Pt と p++-Si で構成されたサーモパイルが形
成されるSi 異方性エッチングにより中央部の
約10mm角領域およびサーモパイル温接点部は
ダイアフラム構造となっている赤外吸収材と
してポリアクリロニトリル (PAN)をサーモパ
イルの温接点上に堆積した作製したデバイス
を Fig1(b)に示す
68
(a) (b) 実験 PANは波長~4450nmの赤外線に対し大
きな吸収を持つことが知られている吸収ピー
ク波長においては入射赤外線が効率よく熱に変
換されると考えられより高い感度を示すと考
えられる
Monochromater
Optical Chopper
IR Sensor
PC for DAQ
232C
Sensor S
ignal
Reference SignalChopperController
Lock In Amplifier
US
B
IR Source
Focusing Lens
Vacuum Chamber
Monochromater
Optical Chopper
IR Sensor
PC for DAQ
232C
Sensor S
ignal
Reference SignalChopperController
Lock In Amplifier
US
B
IR Source
Focusing Lens
Vacuum Chamber
作製したセンサはFig2に示す実験系で評価し
たFig3に分光特性を示す4450nmにおいて~
025μVのピーク出力を確認した 結果および考察 IRセンサの動作環境を
室温から 80まで変化させたときの特性を
Fig4 に示す加えてFT-IRでPANの透過特性の
温度依存を精密に計測した結果をFig5 に示す
吸収ピークの波長シフトは~3nmであった同
条件で従来の光学フィルタ式のものでは~
50nmのシフトがあるのと比べて温度特性が安
定していることがわかった 今後の課題 最も基本となる分子スペクト
ルのピークに対応したサーモパイルセンサの確
認に成功したがピークのSN比はベースライン
から+35に留まる赤外分光スペクトルから判
断するともっと大きな変化が期待できるPAN膜を付着するプロセスから改良する 論文発表状況特許出願 [1] 「温度依存性の少ない分光機能集積型赤外
線ディテクタ」桝野雄矢熊谷慎也佐々木実
第 56 回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集 No3 p1029 200942 筑波大学 [2] ldquoThermopile IR Detector Integrated with Wavelength Selective Filter Stable against Temperature and Incident Angle Changesrdquo Katsuya Masuno Shinya Kumagai Minoru Sasaki and Kohji Tashiro 2009 International Conference on Solid State Devices and Materials 投稿中
参考文献 1) Mark P McNeal Nicholas Moelders Martin U
Pralle Irina Puscasu Lisa Last William Ho Anton
C Greenwald James T Daly Edward A Johnson
ldquoDevelopment of Optical MEMS CO2 Sensorsrdquo
Proceedings SPIE vol 4805 (2002) p30-35 2) 特開 2006-58203 3) Shigeki Sakaguchi ldquoTemperature Dependence of
Transmission Characteristics of Multilayer Film
Narrow Bandpass Filtersrdquo Jpn J Appl Phys
Vol38 (1999) pp6362-6368
Fig2 Experimental setup
Fig5 Transmittances of PAN at various temperatures (Acquired with FT-IR)
Fig1 (a) Schematic diagram of a thermopile detector (b)Fabricated IR detector with a PAN bump as an absorber
Thermopiles
20 mm
04
mm TP2TP1
TP3
TP4
Thermopiles
20 mm
04
mm TP2TP1
TP3
TP4
PAN Bump
050607080910
4300 4350 4400 4450 4500 4550 4600
Wavelength [nm]
Sens
or O
utpu
t (w
ith P
AN) [μV
]
+025μV(+35)
Fig3 Spectral response from fabricated sensor
Fig4 Spectral responses of the fabricated sensor at various temperatures
03
04
05
06
4300 4400 4500 4600Wavelength [nm]
Sen
sor O
utpu
t [μV
] 80604022
0
10
20
30
40
4440 4450 4460 4470 4480wavelength [nm]
trans
mitt
ance
[]
20C40C60C80C
69
協力研究 豊田工大 08-39
エンジニアリングプラスチックスの残留歪解析 Residual Strain Analysis of Engineering Plastics
安藤 幸也a 田代 孝二b 杉田 英嗣a
Yukiya Andoa Kohji Tashirob Eiji Sugitaa
a(株)デンソー b豊田工業大学
aDENSO COLTD b TOYOTA TECHNOLOGICAL INSTITUTE エンジニアリングプラスチックスで自動車部品用途に多用される PPS(poly-p-phenylene sulfide)
を対象にX 線回折の sin2ψ法による残留歪測定の可能性を調査した A possibility to evaluate the residual strain of poly-p-phenylene sulfide (PPS) which is an engineering plastic and is used for automobile parts on the basis of sin2f method using X-ray diffraction data has been investigated 背景と研究目的 実験 自動車の軽量化のために自動車部品には樹脂
が多用されておりその使用比率は増加する一
方である樹脂はクリープしやすくその耐久
特性は応力の違いで大きく異なるため残留歪
の見積もりが甘いと大事故を招くことになる
残留歪は成形条件によっても変化するため
それに伴い耐久寿命も変化するしたがって
樹脂の残留歪の高精度測定が必要である
アニーリング処理した平板から切り出した試
験片を用いTD(流動直角方向)MD(流動方
向)にそれぞれ歪を負荷し側傾法で測定した
歪はかまぼこ型の冶具に沿わせることで負荷
した(図 1)着目した反射ピークは(311)反
射とした(図 2) 結果と考察 現状樹脂の残留歪測定は歪ゲージに頼って
いるがその精度は低く成形条件の違いによ
る残留歪の変化まで捉えることはできないま
た測定エリアが広いため平均化された値し
か得られないこのため金属分野で実績のあ
るX線回折法により樹脂の残留歪を高精度に
測定する技術を確立させることは樹脂製品の
信頼性向上のためにも極めて重要であるしか
しながらこの分野の研究事例はほとんどなく
手法の有効性が確認されれば様々の点で大き
な成果に結びつくと考えられCAE(Computer Aided Engineering)の予測精度向上にもつなが
る
歪と sin2ψ線図の傾きで整理した測定結果を
図3に示すこの結果PPS については0~15の歪範囲で歪と sin2ψ線図の傾きに良い
今回の実験では自動車部品に多用されている
耐熱性の高いエンジニアリングプラスチックス
である PPSPPS-GF40 を対象にsin2ψ法に
基づく残留歪測定を試みた
Fig 1 Equipment to generate strain on the sample
70
相関が見られMD と TD の差が小さく大き
なバラツキもなく良好な結果が得られたPPSでは>15の歪範囲PPS-GF40 では>0の
歪範囲でTD と MD の差が大きくバラツキ
も大きいことがわかった
今後の課題 今回sin2ψ法によりPPSPPS-GF40 の残
留歪を測定できないか調査したこの結果現
状実用性のある対象範囲がわかった 今後TDとMDの差バラツキ原因を調査し
精度向上できる測定条件を明確にする したがって実用化においては材料組成歪
範囲が限定されると考えられる
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
2θ
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
2θ
Fig2 X-ray diffraction pattern of PPS
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 15 2 25
歪 []
傾き
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 1
歪 []
傾き
5
(PPS) (PPS-GF40)
- TD- MD
- TD- MD
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 15 2 25
歪 []
傾き
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 1
歪 []
傾き
5
(PPS) (PPS-GF40)
- TD- MD
- TD- MD
Fig 3 Relation of sin2ψ and strain (311 reflection)
71
装置利用
豊田工大 08-40
光ファイバ材料の吸発光特性
Optical properties of optical fiber materials
齋藤和也
Kazuya Saito
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
Pd 内包カーボンナノチューブ(CNT)は走査型プローブ顕微鏡(SPM)用の探針先端材料(特に電気特
性評価用)として有望である本研究では探針材料と同一のシリコンウェハ上に化学気相成長法に
より Pd 内包 CNT を成長しその直径や密度が触媒調整条件によりどのように変化するかを調べると
ともにPd 内包 CNT の構造解析を行った Since the metal-filled CNT is expected to provide larger radial rigidity higher mechanical and thermal stability than the conventional hollow nanotube it would be suitable for the tip of scanning probe microscopy (SPM) Here we report synthesis of Pd-filled CNTs onto the silicon substrate by microwave plasma enhanced CVD technique Their structure is also studied by SEM TEM and Raman spectroscopy
背景と研究目的 希土類元素は固体中では
3価イオンRe3+として安定に存在するが2価
イオンRe2+として存在することもありRe3+とは
異なる分野で利用されているRe2+はそれと
等電子配置のRe3+と比較して電子項間のエネル
ギー間隔が減少するために異なる吸収蛍光ス
ペクトルをもつ特に4f-4f間の電気双極子遷
移確率に比べて 102~3倍ほど大きな値をもつ
4f-5d間の遷移が可視領域付近に現れることは
利用価値が大きく可視光におけるブロードな
蛍光は蛍光材料として広く利用されている
また価数変化を利用したX線イメージングプ
レートや赤外線検出器などでは電子正孔トラ
ップ(Re3+hArrRe2+)としての役割が活用されてい
る反対に価数変化が問題となるケースもある
例えばYb添加シリカファイバレーザーではフ
ォトダークニングを引き起こす主要因と考えら
れている[1]そこで本研究ではYb2+とEr2+
の光学特性を詳しく調べた 実験 Yb2+Er2+生成のために還元雰囲気下に
おける試料作製をMCVD法を用いて行ったこの
試料より2mm厚の光学研磨平板を作製し分光蛍
光光度計(日立F-7000)を用いて励起蛍光スペ
クトルを測定した
結果および考察 作製したYb2+生成試料
でUV~blue光励起で非常に輝度の高いYb2+か
らの蛍光を観測できた輝度の強い蛍光は波長
可変レーザーや他の活性イオンの増感剤として
の応用が期待できる図1にその励起蛍光ス
ペクトルを示す蛍光波長500nmにおける励起ス
ペクトルとMgF2結晶において報告されている
72
Yb2+の吸収スペクトル[2]を比較すると(図2)
ガラス中では無秩序な構造を反映して各4f135d
多重項は非常にブロードになっていることがわ
かるピーク分離で決定した各準位の中心波
長を図3に示す
5s 5p電子に遮蔽されている4f電子と異な
り5d電子は配位子場の影響を大きく受ける
ためYb2+の4f-5d遷移は仮想温度による配位
子場の変化の影響も大きく受けると予想され
る蛍光および励起スペクトルの仮想温度依
存性を測定したところ予想どおり大きな仮
想温度依存性があること明らかとなった 同様に還元雰囲気下において Er2+含有シリ
カガラスの作製を試みたEr は一般には2価の
酸化状態はとり難いと考えられているがpale
green の蛍光を示す試料を作製することができ
た図4にその蛍光スペクトルを示すEr3+の
4f-4f 遷移が示す鋭い蛍光ピークとは異なり非
常にブロードな蛍光であるさらに励起スペ
クトルには Er3+の鋭いピークに加えて可視か
ら紫外域にかけての非常にブロードな吸収があ
ることがわかり(図5)確かに Er2+の 4f-5d 遷
移によるものと判断できるEr は酸化物中では
2価状態をとり難いと考えられていたが還元
雰囲気下で安定な Er2+を生成できることが明ら
かとなった
今後の課題 今回作製した2価イオンを含む
シリカガラスのレーザー発振や他の活性イオン
の増感剤としての利用を検討するために蛍光
寿命等の詳細な測定を行う
論文発表状況特許出願 [1] K Saito et al XII PNCS Brasil 20099 発表
予定
参考文献 1) 例えばT Kitabayashi et al OFT 34 (2006) 9
2) J Rubio J Appl Chem Solids 52 (1991) 161
200 2 350 400 450
0
1000
50 300
2000
3000
4000
5000
Absorbance
MgF2
励起スペクトル SiO2中の Yb2+の
Fig1 EmissionEscitation pectrum of Yb2+ doped silicaS
Fig2 Comparison with theSpectrum of Yb2+MgF2
lower
59 eV 52 eV 45 eV 42 eV 38 eV 33 eV
Fig3 Energy levels of Yb2+ in silica glass
Fig4 Emission spectrum of Er2+ doped silica glass
(a)
3+
E
Er
r3+
Er3+ Er3+
Fig5 Excitation spectrum of Er2+ doped silica glass
73
23 成果の外部への公表
平成20年度支援成果による発表件数(H21年3月末時点)
和文(内
投稿中)英文等
(内投稿中)
計 国内(内
投稿中)海外
(内投稿中)
計 国内(内
申込中)海外
(内申込中)
計 国内 海外 計
計測分析 0 0 0 0
超微細加工 0 0 6 1 6 0 0 0 0 0 24 3 2 1 26 2 0 2
分子合成 0 0 0 0
極限環境 0 0 0 0
計 0 0 6 1 6 0 0 0 0 0 24 3 2 1 26 2 0 2注1注2 査読のあるプロシーディングは論文とみなす査読のないプロシーディング等(和文英文その他)は口頭発表とする注3
拠点名 機関名 機能名
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
プレス発表解説記事等 口頭発表(講演)
空欄に数値を記入してください
プレス発表解説記事等 には原著論文以外の紙上発表を記入する
特許出願原著論文発表
74
委託業務題目「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析 」(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援)
機 関 名学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
2学会誌雑誌等における論文掲載
業務コード実施年度
論文タイトル 発表者名 発表誌名 掲載号ページ(年)和誌洋誌
支援機能名
07008049 20
Local opening of a large bandgap in metallic single-walled carbon nanotubes induced by tunnel injectionof low-energy electrons
Kenta Yamada Hiroaki Sato TetsuyaKomaguchi Yutaka Mera and Koji Maeda Appl Phys Lett 投稿中 洋 超微細加工
07008049 20
Conductive pattern forming method on vertical wallusing spray coating and angled exposuretechnologies
H Morii F Oohira M Sasaki etal Proc Optical MEMS p30 (2008) 洋 超微細加工
07008049 20
Conductive pattern forming method on vertical wallusing spray coating and angled exposuretechnologies
H Morii F Oohira M Sasaki etal Proc 25th Sensor Symposium pp29-32 (2008) 洋 超微細加工
07008049 20
High-Resolution Magnetic Force Microscopy UsingCarbon Nanotube Probes Fabricated Directly byMicrowave Plasma-Enhanced Chemical VaporDeposition
K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J Nanomater in press 洋誌 超微細加工
07008049 H20 Iron Nanowire Formation in Si(110) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda JJAP 47(7B)61382008 洋紙 超微細加工
07008049 H20
TOF-ICISS and STM study on 3ML-PdPt(111) surface structure Does the latticemismatch determine the epitaxial growth
K Umezawa E Narihiro Y Ohira MYohimura Nucl Instrum Meth B vol 266 (2008) pp
1903-1907洋誌 超微細加工
学 会 等 発 表 実 績
75
委託業務題目「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析 」(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援)
機 関 名学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
1学会等における口頭ポスター発表業務コード
実施年度
講演タイトル 発表者名 講演会名 発表年月日国内国
際口頭ポ
スター支援機能名
07008049 20 太陽電池用多結晶Si基板の欠陥および不純物の評価今井 啓太田中 聡志立花 福久香川 泰平増田 純一小椋 厚志大下 祥雄新船 幸二河合秀昭田島 道夫井上 雅晶
第55回応用物理学関係連合講演会 2008329 国内 口頭 超微細加工
07008049 20Evaluation of multi-crystalline silicon substrates with p-ndiode array
Tomihisa Tachibana Keita Imai Jyunichi MasudaAtushi Ogura Koji Arafune Yoshio Ohshita MichioTajima
18th Workshop on Crystalline SiliconSolar Cells amp Modules Materials andProcesses
200885 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20太陽電池用多結晶シリコン基板上に作成したp-nダイオードアレイの評価
増田 純一立花 福久今井 啓太大下 祥雄新船 幸二小椋 厚志
先端ナノオプトバイオワークショップ
20081213 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 太陽電池用多結晶Si基板の応力と結晶性の評価立花 福久増田 純一福田 晃司小椋 厚志大下 祥雄新船 幸二
第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Current-Voltage Characteristics of GaAs Nano-SchottkyDiodes Using InAs Self-Assembled Quantum Dots as Nano-Electrodes Dependence on Doping Concentration
Ichiro Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and HSakaki
IEEE Nanotechnology Materials andDevices Conference 2008
20081020 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20Current-Voltage Characteristics of GaAs Nano-SchottkyDiodes Using InAs Self-Assembled Quantum Dots as Nano-Electrodes Dependence on Doping Concentration
Ichiro Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and HSakaki
The 2nd IEEE NanotechnologyMaterials and Devices Conference2008 (NMDC2008)(October20-222008 Kyoto University JAPAN)
20081020 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20走査型トンネル顕微鏡探針による金属カーボンナノチューブへの欠陥導入
山田賢太佐藤弘紹駒口哲也目良裕前田康二 日本物理学会 第64回年次大会 2009329 国内 口頭 超微細加工
07008049 20金属カーボンナノチューブのSTM 探針による局所構造変化-HOMO-LUMO ギャップの形成
佐藤弘紹山田賢太駒口哲也目良 裕前田康二 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20単層カーボンナノチューブにおける電子励起による欠陥生成
目良 裕前田康二 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 磁気力顕微鏡用探針の分解能の理論的検討 〇田仲 圭石川憲一吉村雅満上田一之「ナノ格子新技術開発研究センター」第7回シンポジウム
2009年 3月 13日 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Fe-Co蒸着により形成されるSi(110)表面上のシリサイドナノワイヤ
大平 豊丹司敬義 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 Fe-Co二元蒸着によるシリサイドナノワイヤの作製 大平 豊丹司敬義文部科学省私立大学ハイテクリサーチセンター整備事業「ナノ格子新技術開発センター」第7回シンポジウム
2009313 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 電子線露光技術を用いたナノ構造の試作藤川久喜三浦篤志井上大介野村壮史佐藤和夫梶原建大澤潤
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線技術
森井裕貴大平文和佐々木実中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 酸化亜鉛透明導電膜の熱処理効果吉野賢二竹本裕仁小島稔小島信晃大下祥雄山口真史
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二 目良裕 吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成 年度成 報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
学 会 等 発 表 実 績
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二目良裕吉村雅満平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20InAs自己形成量子ドットを電極に用いたGaAsナノショットキーダイオードのI-V特性におけるドーピング濃度依存性
田中一郎中谷茂希宇野和行神谷格榊裕之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20低速イオン散乱およびSTMによる金属表件ナノ成長の観察
梅澤憲司吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 EB露光による窒化物半導体のナノ加工とPL評価 黒木康彦大澤潤中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20機能性カーボンナノチューブの開発-次世代プローブ顕微鏡の高分解能高性能化-
吉村雅満Chien-Chao Chiu田仲圭上田一之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 酸化亜鉛透明導電膜の熱処理効果吉野賢二竹本裕仁小島稔小島信晃大下祥雄山口真史
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20InAs自己形成量子ドットを電極に用いたGaAsナノショットキーダイオードのI-V特性におけるドーピング濃度依存性
田中一郎中谷茂希宇野和行神谷格榊裕之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二目良裕吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20低速イオン散乱およびSTMによる金属表件ナノ成長の観察
梅澤憲司吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 短パルスレーザーアニールによる規則合金膜生成の試み加藤剛志山内幸大徐倩茜大島大樹岩田聡綱島茂
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Correlation between structural disorder and opticalproperties in YbEr doped silica glass
K Saito E H Sekiya T Okazaki and Y FujitaXII PNCS (Conference on thePhysics of Non-Crystalline Solids)
200998 国際 口頭 超微細加工
76
特許
業務コード実施年度
発明の名称 発明者 出願人出願登録
区分出願番号(出願日)
出願区分
出願国登録番号(登録日)
支援機能名
07008049 H20 チップ中野 圭洋亀岡 遵安池 雅之
株式会社 ESPINEX 出願 特願2008-53209 国内 超微細加工
07008049 H20 微生物の検出方法中野 圭洋亀岡 遵安池 雅之
株式会社 ESPINEX 出願 特願2008-307867 国内 超微細加工
プレス発表業務コー
ド実施年度
発表タイトル 掲載新聞名 掲載日 支援機能名
受賞
業務コード
実施年度
受賞件名 受賞者氏名 所属機関名 受賞年月受賞理由
(本プロジェクトとの関係)
メモ
07008049 H20 Graduate Student Award 立花 福久 明治大学 200885 ポスター発表による表彰
該当なし該当なし
77
24 活動(運営委員会等の活動等)
平成20年度の活動(運営委員会等の活動等)
支援機関名 研究会名称 主催機関名 日時 場所 参加者数 内容 特記事項
中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析
自然科学研究機構分子科学研究所名古屋大学名古屋工業大学豊田工業大学
200934-5名古屋大学野依記念学術交流館
口頭24件ポスター35件
成果報告と互いの情報交換新しい連携も生まれた例があ
る
nano tech 2009国際ナノテクノロジー総合展技術会議
nano tech 実行委員会
2009219 東京ビッグサイト約16000名
成果報告と互いの情報交換ナノテクノロジー総合展示会
半導体プロセス実習講習会 豊田工業大学 2008724-25豊田工業大学 クリーンルーム3号棟
受講者56名
半導体プロセスの実習講習と共にナノテク総合支援のアピール
豊田工大 学内 ナノネット委員会(第1回)
豊田工業大学ナノネット運営委員会
2008519 学内8号棟中会議室学内関係者~16名
議題1H19年度実績 支援件数 委託費消費実績 2H19年度成果報告について 3H20年度受付状況 4その他
豊田工大 学内 ナノネット委員会(第2回)
豊田工業大学ナノネット運営委員会
20081125 書面審議学内関係
者
議題1H20年度予算配分 各支援別配分予算額 2H20年度委託費消費状況 3H20年度支援受付状況 4その他
豊田工業大学
78
25 実施体制
1業務責任者
役職氏名 豊田工業大学大学院 教授 榊 裕之E-メールアドレスsakakitoyota-tiacjp
TEL052-809-1706 FAX052-809-1741
2 実施場所
大学院工学研究科(各担当者研究室)
豊田工業大学共同利用クリーンルーム
3 業務項目(支援要素名)別実施区分及び担当者
研究項目 担当機関等 担当責任者及び担当者
1シリコン超微細加工用要素プロ
セス技術と評価の支援
豊田工業大学
工学部
大澤 潤准教授(施設長)
近藤憲司施設専任職員
梶原 建専任支援員
23次元フォトリソグラフィなど
による(微細)デバイス構造の製作
と評価の支援
豊田工業大学
工学部
佐々木 実教授
3化合物半導体ナノ構造の形成と
評価の支援
豊田工業大学
工学部
榊 裕之教授
4化合物半導体ナノ構造の形成お
よび有機物との複合化と評価の支
援
豊田工業大学
大学院
神谷 格教授
5フラーレンナノ構造の作製と評
価および化合物半導体シリコンナ
ノ構造の評価の支援
豊田工業大学
大学院
山口 真史教授
大下祥雄准教授
小島信晃助教
6カーボンナノプローブナノチ
ューブの形成と評価の支援
豊田工業大学
大学院
吉村 雅満准教授
7金属微粒子の形成と評価の支援 豊田工業大学
工学部
柳瀬 明久准教授
8有機物および高分子系材料のナ
ノ構造物性評価
豊田工業大学
大学院
田代孝二教授
注1 課題代表者サブテーマ代表者
注2 本業務に携わっている方はすべて記入
79
80
26 支援装置 261 超微細加工領域
クリーンルーム施設 【仕 様】
クリーン度クラス 100およびクラス 1000 の 2 室か
らなる面積 400m2 の本格的なものです 付帯設備として純水製造装置(18MΩ-cm)ガス
精製供給装置廃水処理装置ガス除害装置のほか空
調維持装置などを備えています 【特 徴】
本学クリーンルームの特徴としては主としてシリコ
ン系プロセス装置を利用して一連の各種素子試作や各
種機能薄膜等との複合化プロセスと評価が行えることで
す化合物系ではシリコン系と分離したホトリソ洗浄ウェットエッチング等の薬品処理も実施
可能です
主に以下の項目を実施できます ①アライナ用のマスク作製や電子線描画による直接露光 ②
イオン注入や熱拡散による不純物導入プロセス ③ウェットおよびドライエッチングプロセスなど
④試作プロセス途中および完了後の評価(必要に応じて関係研究室の支援を得ます)
電子ビーム露光装置 【仕 様】
電子ビーム最小径φ3nm にて線幅 20nm 前後の細線
描画および直径約 20nm のドットサイズまで加工を行え
ます基板サイズはφ4inch までレーザ干渉計ステージ
による 100nm のステージ位置読み取り分解能により
50nm のフィールドつなぎ精度と 50nm の重合わせ精度
でのプロセスが可能です描画フィールドサイズは
500μm 四方に対して 60000times60000 ピクセルに分割
(8nmpixel)が可能でより小さなフィールドサイズの例
としては例えば 100μm に対しては 17nmpixel のサイ
ズで描画パターンを与えることができます
【特 徴】 電子線を走査してレジスト上にパターンを直接描くためマスクなしでナノオーダーの微細なパ
ターンが形成できますリフトオフやエッチング等のプロセスと組み合わせて微細な電極形成など
の加工を行うことができますパターニングされた結晶成長のためのマスク形成やDFBレーザ用
パターンドットマトリクスパターンの形成などにも用いることが可能です
写真
81
プラズマCVD装置 【仕 様】
1356MHz の高周波プラズマにより
① SiH4+H2rarrα-Si
② SiH4+NH3+H2rarr P-SiN
を成膜する装置です
基板加熱は max250まで可能反応槽のクリーニングは
CF4O2 プラズマで行います
【特 徴】
φ4インチ以下の各種基板上に成膜可能です
基本レシピによる成膜レートは
① α-Si35nmmin
② P-SiN20nmmin
でありプロセス条件の例としては以下のとおりです
(1) α-Si
SiH425sccmH230sccmPress03TorrPower80WTemp200
(2) P-SiN SiH430sccmNH360sccmH260sccmPress04TorrPower100WTemp250
マスクアライナ装置 【仕 様】
i 線h 線g 線を用いた露光装置ですマスク寸法は 50 mm 角~102 mm 角基板寸法は 3ldquoΦ以下 露光最小線幅は 075 μm位置決め精度は 05 μm で
す 研究用に下記仕様の 2 台所有しています 1 マスク寸法 102mm角基板寸法3ldquo用アライナ
ー プロキシミティーギャップ量可変(0~48μm) 露光最小線幅 2μm
2 マスク寸法 50mm 角基板寸法 40mm角以内 ハードコンタクト(真空方式)可能 露光最小線幅は(05)~075 μm位置決め精度 05 μm
【特 徴】 研究者が使用する多様な寸法の基板に対応可能ですまた本アライナーで製作した基板上の位
置決めパターンを利用して上記の電子ビーム露光装置による微細パターンと組み合わせることも
可能です そのことによりパターン全体の描画時間の短縮や各種パターン要素の組み合わせによる効率的
な研究を進めることも可能です
写真
82
斜め露光用アライナ 【仕 様】
密着型露光装置ですマスクは2インチ角基板寸法は
2cm 角~1 インチ角ウェハ厚みは 200μm から 1mm です
ウェハ側が xy 粗微動の2重度をもつためマニュアル式な
がらも操作性が高い研究開発用ですアライメント等は
一般の片面アライナと同様です 【特 徴】
ウェハとマスクをメカクランプ機構によって固定できる
ためアライメントした状態のまま別装置 2 にセット可
能です垂直壁面にパターニングを行うためにはウェハ
壁面に対して斜め方向から UV 光を照射することが必須に
なりますが別に用意した斜め露光用照射系にセットする
ことが可能です更にアライナにウェハを固定する前にウェハを純水で濡らした状態にするこ
とでウェハとマスク間の隙間を空気から純水に置換することが出来ますレジスト表面と媒体
の屈折率差が小さくなるため界面反射を小さく押さえることが可能となります2009 年 3 月の
時点で段差 100μm の垂直壁に幅 30μm の斜め線も含めた任意パターンがアライメントし
た状態で転写可能です
装置2
83
X 線光電子分光装置(XPS) 【仕 様】
X 線源はMgKαAlKαデュアルアノード X 線源
とモノクロメータ X 線源の2種を装備しています
Ag 試料を使用して Ag 3d52ピークを測定した時のエ
ネルギー分解能(半値幅)はモノクロメータ X 線源
使用時で 048eV 以下となっています試料上の分析
位置を走査して水平分解能 10μm で空間マッピン
グが可能ですAr イオンエッチング銃を使用して深
さ方向分析ができます電子中和機構により絶縁性
試料の測定にも対応しています試料サイズは最大
15mmφ(厚さ 4mm)です 【特 徴】
材料の元素分析化学状態分析を行う装置ですモノクロメータ X 線源による高エネルギー分解
能での測定空間分解能 10μm でのマッピング測定が可能です
DC amp AC ホール効果測定装置 【仕 様】
以下の仕様で Van der Pauw 法による半導体薄膜材
料のホール効果測定が可能です ホール測定電圧感度10-8 V抵抗測定範囲001
~1012 Ω(電極端子間)試料印加電流5 pA~100 mA(電圧リミット 100V)最大磁場079 T(AC 磁
場での測定可能)測定温度42~400K試料サイズ
最大 10mm 角 【特 徴】
Van der Pauw 法によるホール効果測定により半
導体薄膜材料の抵抗率伝導型キャリア濃度移動度を測定する装置です交流磁場を使用した
AC ホール効果測定により高抵抗試料で問題となる測定器の DC ドリフトや試料の不均衡電圧に
よる誤差を除去し高感度な測定が可能です
84
ナノ秒パルスYAGレーザー装置 【仕 様】
小型のナノ秒パルス NdYAG レーザー装置ですレ
ーザー本体の出力は2倍波(532 nm)で 200 mJ です
基本的に2倍波を使用していますパルス時間幅は約 6 ns ですフライアイレンズを用いた照射光学系によって
照射エネルギー密度の均一化を図っています4 ミリ角
の照射領域に対して照射エネルギー密度は 300 mJfraslcm2
までの範囲で調整可能ですレーザーは 10 Hz の運転で
すが手動シャッターによって1パルスを切り分けて照
射できます
【特 徴】 空気中高真空中(~10-4 Pa)液体中に置かれた試料に対してパルスレーザー照射が可能です
用いる波長の光を吸収する物質を中心に加熱することができることきわめて短時間での加熱冷
却が可能なことが特徴です
X線回折装置 【仕 様】
高輝度小角 X 線散乱装置高分子専用X線装置単結
晶解析用X線装置等各種X線解析装置群で構成されて
います 【特 徴】
各種の有機材料特に高分子材料についてナノスケ
ールでその階層的な構造(結晶構造非晶構造高次
組織など)や構造形成プロセスあるいは試料中での
応力分布などを本装置群であるX線回折に加えてラ
マン赤外分光法などの手法を組み合わせることによ
り解明できますその理論的理解のための計算機シミ
ュレーションなども行い総合的に学術技術支援を
実施しますさらに構造と種々の物性との相関解明
の支援を実施できる
85
27 各種データ271 支援件数
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援日数 61 0 91 80 232 32 0 7 6 45 18 0 68 44 130 11 0 16 30 57 0 0 25 05 3 235
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
技術代行技術相談
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
計
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 委託事業(外部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況
総計利用機関
利用形態共同研究 装置利用
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援日数 61 0 91 80 232 32 0 7 6 45 18 0 68 44 130 11 0 16 30 57 0 0 25 05 3 235
注1 空欄に数値を記入してください注2注3注4 公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)注5 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
利用形態共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
一つの採択テーマにおいて複数回支援した場合は一つと数えるただしその支援が複数機関あるいは同一機関内でも複数領域にまたがる場合はそれぞれ別に数える大学は大学高等専門学校等の教育機関
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 自主事業(外部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況技術相談
総計利用機関
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計
86
なし なし なし なし なし実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関
のみ大学 公 大企業 中小企 合計
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援日数 88 0 0 0 0 88 10 0 0 0 0 10 58 0 0 0 0 58 20 0 0 0 0 20 0 0 0 0 0 0 88
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援日数 88 0 0 0 0 88 10 0 0 0 0 10 58 0 0 0 0 58 20 0 0 0 0 20 0 0 0 0 0 0 88
注1 空欄に数値を記入してください注2注3注4 公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)注5 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上注6 外部機関者が参加している課題は「外部参加機関あり」に仕分けしその外部機関に応じてカウントして下さいまた機関内利用で外部機関参加者なしの課題は「実施機関のみ」にカウントして下さい
(もし 複数の外部機関が参加している場合は も とも貢献度の大きい外部機関を選択して下さい )
外部参加機関あり
極限環境
計
一つの採択テーマにおいて複数回支援した場合は一つと数えるただしその支援が複数機関あるいは同一機関内でも複数領域にまたがる場合はそれぞれ別に数える大学は大学高等専門学校等の教育機関
中部地区ナノテク総合支援
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行技術相談
外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 委託事業(内部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況
分子合成
外部参加機関あり
(もし複数の外部機関が参加している場合はもっとも貢献度の大きい外部機関を選択して下さい)
なし なし なし
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関
のみ大学 公 大企業 中小企 合計
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
計
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 自主事業(内部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
外部参加機関あり
支援状況技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用
87
272 課金収入実績
平成20年度課金実績(H21年3月末時点) 委託事業(外部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
支援機関名
豊田工業大学
装置利用共同研究 技術代行利用形態
総計
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名
中部地区ナノテク総合支援
支援
利用機関技術相談
支援機能名
352
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(外部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
拠点名支援機関
名支援機能名
支援技術相談
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
352
88
平成20年度課金実績(H21年3月末時点) 委託事業(内部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(内部利用)
技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援
352
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(内部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援
352
89
1委託業務の目的
11 委託業務の課題
拠点課題名 「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析」
機関業務名 ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援 (超微細加工領域)
12 実施機関
機関名 学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
住 所 468-8511 愛知県名古屋市天白区久方2-12-1
13 委託業務の目的
中部地区ナノテクノロジー総合支援拠点を形成し「ナノ計測分析」「超微細加工」「分
子物質合成」の3領域において「最先端ナノ計測機器の利用支援」「有機生体関連分子
等の多彩な物質群の設計合成評価支援」「最先端設備技術による半導体超微細加工支援」等を
総合的に実施する
このため大学共同利用機関法人自然科学研究機構分子科学研究所国立大学法人名古
屋大学国立大学法人名古屋工業大学学校法人豊田工業大学の愛知県内4機関が共同で業
務を行う
学校法人トヨタ学園 豊田工業大学では超微細加工を中心とした支援を担当する
2平成20年度の実施内容
21 実施計画
①シリコン超微細加工用要素プロセス技術と評価の支援
クリーンルーム内に設置のシリコン系を主体とするプロセス装置を利用して各種素
子構造を試作するとともに各種の機能物質とシリコンとの複合化プロセスおよび評価
を行う今年度は特に電子線リソグラフィと走査型プローブ顕微鏡(兼加工装置)の
活用を進めるリソグラフィ薄膜形成イオン注入や熱拡散による不純物導入酸化
やウェットおよびドライエッチング等一連の要素プロセス技術を提供する微細構造
や物性の測定評価についてはクリーンルーム内の評価装置および関係研究室の精密分
析装置を併用して実施する
②3次元フォトリソグラフィなどによる(微細)デバイス構造の製作と評価の支援
ナノ構造などを持つ微細デバイス製作にはフォトリソグラフィが利用されるがMEMS
デバイスには3次元化も重要となるこのようなニーズに対応するためフォトレジス
トのスプレー成膜と立体特有の露光装置を組み合わせたオリジナルな3次元フォトリ
ソグラフィを開発応用しこれらを用いた新規デバイスの製作を支援する
平成20年2月の段階でスプレー成膜アライメントを必要としない立体露光触針段
差計による膜厚評価が可能となったアライナと組み合わせた露光UVキュア処理レ
ジスト剥離MEMS立体加工などと有機的に結び付く装置支援ができるよう順に用意す
る
③化合物半導体ナノ構造の形成(および有機物との複合化)と評価の支援
化合物半導体ナノ構造の形成のためにMBE(分子線エピタキシー)によるAlGaInAs
系AlGaInSb系のナノ薄膜超格子量子ドットなどの構造やこれを含む素子構造の形
成を行うまたこれらのナノ構造の光物性(蛍光と光吸収特性)および電子物性(伝
3
導特性)などの計測評価手法も提供し原子間力顕微鏡による構造評価も実施する
有機薄膜の形成と評価支援についてはOMBE(有機分子線エピタキシー)による有機薄
膜構造の形成真空一貫システムでの電極蒸着に加えて電子物性(伝導特性)や光物
性(蛍光と光吸収特性)原子間力顕微鏡による構造計測を実施する
④フラーレンナノ構造の作製と評価および化合物半導体シリコンナノ構造の評価の支
援
分子線エピタキシー装置によるC60(エピタキシャル)薄膜の作製支援ならびに
化合物半導体シリコンフラーレンなど半導体ナノ構造の物性評価の支援を行う物
性評価支援では主に以下の装置が利用できる(a)X線光電子分光装置元素分析化
学結合状態分析(b)結晶性解析X線回折装置結晶構造評価(c)DC amp ACホール効果
測定装置電気的特性(キャリア濃度移動度)評価
⑤カーボンナノプローブナノチューブおよび金属微粒子の形成と評価の支援
ナノ機能デバイスを実現することを目的としてカーボンナノチューブ(CNT)成長に加えてCNT
探針等を用いた高分解能走査プローブ顕微鏡(SPM)によるナノ構造評価などに関する支援を行う
また短パルス YAG レーザー照射によるナノマイクロ構造の加熱および抵抗加熱型真空蒸
着と短パルス YAG レーザー照射による金属微粒子形成に関する支援を行う
⑥有機物および高分子系材料のナノ構造物性評価
各種の有機材料特に高分子材料についてナノスケールでその階層的な構造をX線回折やラ
マンおよび赤外分光法で解明するまたその理論的理解のための計算機シミュレーションなど
に関する学術技術支援を行うさらに構造と種々の物性との相関解明の支援も行う
22 成果
221 成果概要
①シリコン超微細加工用要素プロセス技術と評価の支援
フォトリソグラフィおよびドライエッチングウェットエッチング等を組み合
わせたセンサー素子の作製低圧およびプラズマCVD法を用いたシリコン等各種
基板上へのシリコンナノ薄膜の形成ICの故障解析のための各種薄膜エッチング
法の検討と故障個所の解析フォトニック用デバイスのプロセス検討及び設計のた
めの基本的な知見の取得など12件の支援を実施した
②3次元フォトリソグラフィなどによる(微細)デバイス構造の製作と評価の支援
垂直壁側面へのパターニング技術およびレジストコーティング装置による側面への塗布
技術に関し1件の支援を実施したレジストのUVキュア処理装置の整備張り合わせウェハ
にも処理がし易いレジスト剥離用ツールの整備を実施した
③化合物半導体ナノ構造の形成(および有機物との複合化)と評価の支援
InAs 量子ドットの導電性 AFM 観察ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製新型
ガスセンサーに関する技術相談光ファイバー材料の吸発光特性測定など5件の支援を実施
した
④フラーレンナノ構造の作製と評価および化合物半導体シリコンナノ構造の評価の支
援
結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動に関する検討 ナノレベルで膜厚
を制御した透明導電膜の光学的特性評価太陽電池に必須なプラズマ CVD で形成した半導体
4
ナノ構造太陽電池材料における量子閉じ込め効果の評価など13
⑤カー
薄膜の構造的評価量子
件の支援を実施した
ボンナノプローブナノチューブおよび金属微粒子の形成と評価の支援
デバイスのナノ構造評価を行うためのトンネル顕微鏡(STM)あるいは磁気力顕
微鏡(MFM)用CNT探針の作製磁気記録媒体記録層を高温処理するための短パルス
所的短時間加熱方法の検討など7
件
⑥有機
YAGレーザー照射によるナノマイクロ構造の局
の支援を実施した
物および高分子系材料のナノ構造物性評価
エンジニアリングプラスチックスの成形加工物の残留歪解析分光機能を持つM
EMS赤外線センサの検討の支援2件を実施した
5
222 支援成果トピックス
6
7
一覧
支援課題一覧(H19 年度公開猶予分)
223 支援課題
平成19年度
支援機
関名
課題番
号 支援機能名 業務形態名 実施課題名 申請者の所属 申請者 役職
主な利用装置
名
主な利用装
置の利用
日数
豊田工
業大学 07-03 超微細加工 送致利用
結晶化Si形成 京セラ(株) 橋上 洋 研究員 2
ナノ結晶制御型高品質LPCVD
07-04 超微細加工 装置利用
プラズマCVDによる薄
膜成膜 矢崎総業(株) 砂山竜男
グルー
プリー
ダー
プラズマCVD 2 技術代行
07-05 超微細加工 装置利用 側面へのパターニング
技術
香川大学
工学部 大平文和
レジストスプ
レーコーター 4 教授
07-06 超微細加工
装置利用
微小面積薄膜のレーザ
ー加熱による変形 業大学 柳瀬明久
ダイシング 3 技術代行豊田工 准教授
アライナー 67
07-07 超微細加工 技術代行
装置利用
超微細加工技術を用い
たマイクロ流路チップの
開発
X 中野 圭洋
取締役
パターンジェ
ネレータ 5
株式会社
ESPINE
代表アライナー 11
電子線描画 2
RIE 13
07-10 超微細加工 協力研究 による薄膜表面の構造
株式会社コベル
コ科研 エレクト
ロニクス事業部
笹川 薫 主席
研究員
走査型プロー
ブ顕微鏡 1
高分解プローブ顕微鏡
評価
07-11 超微細加工 技術相談
立体サンプルのフォトリ
ソグラフィ技術に関する
相談
日本電波工業
株式会社 第一 松戸 秀亮 課長 ___ ___
技術部
07-12 超微細加工 装置利用 リサイド形成に関
名古屋大学エコ
トピア科学研究
所
大平 豊
丹司 敬義
教授 SPMSEM 10
鉄系シ
する研究
07-14 超微細加工 技術相談 カーボンナノチューブ深
針作製に関する相談
株式会社 ユニ
ソク 阪巻 なみ 研究員 ___ ___
07-16 超微細加工 装置利用
多結晶 デバイス
のための酸化メカニズ
ムに関する研究
株式会社IHI
薄膜表
ロジェクト部
山本 直矢 課長 エリプソメータ 3
シリコン産業システムセ
クター
面プ
8
平成20年度支援課題一覧
支援機
関名
課題番
号 支援機能名 業務形態名 実施課題名 申請者の所属 申請者 役職
主な利用装置
名
主な利用装
置の利用
日数
豊田工
業大学 08-01 超微細加工 協力研究 多結晶シリコン基板へ
小椋 厚志 教授
ナー
5 の pn ダイオード作製
明治大学
アライ
不純物拡散
炉
08-02 超微細加工 協力研究 可視光用超高速空間光
変調器の研究開発 近藤 直樹 講師 MBE 3
帝京大学
理工学部情報科
学科
08-03 超微細加工 技術相談装
結晶シリコン太陽電池
用受光面銀ペーストの
て
仙田 愼嗣
グルー
プリー
D 23
置利用 焼成挙動につい
株式会社ノリタ
ケカンパニーリ
ミテド ダー
プラズマCV
紫外可視
近赤外分光
光度計
2
08-04 超微細加工 技術代行装
置利用
ナノレベルで膜厚を制
御した透明導電膜の光
学的特性評価 学科
宮崎大学 工学
部電気電子工 吉野 賢二 准教授
紫外可視
近赤外分光
光度計
8
08-05 超微細加工 技術代行装
工学
吉野 賢二 准教授 プラズマCV
2 置利用
プラズマCVD法による
薄膜作成と構造評価
宮崎大学
部電気電子工
学科 D
08-06 超微細加工
技術代行装「公開猶予」
25
置利用
08-07 超微細加工 置利用
電子線ビーム露光技術
たナノ粒
子パターン配置技術の豊田工業大学 熊谷慎也 准教授
装置 32
技術代行装 と組み合わせ
開発
電子線描画
08-08 超微細加工 技術代行装
超微細加工技術を用い
株式会社
スピネックス)
代表取
置利用 たマイクロ流路チップの
開発
ESPINEX(イー 中野 圭洋 締役
アライナー
RIE 14
08-09 超微細加工 装
置利用 4
技術代行「公開猶予」
08-10 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-11 超微細加工 技術代行 「公開猶予」 3
装置利用 「公開猶予」
08-12 超微細加工
20
08-13 超微細加工 協力研究
垂直壁側面へのパター 香川大学 工学
アライナー ニング技術 部 大平文和 教授
スプレーコート10
9
08-14 超微細加工 技術相談 「公開猶予」
___
___
08-15 超微細加工 協力研究 プローブ顕微鏡を用い
た物性測定
株式会社大同
分析リサーチ 田仲 圭
技術主
任
カーボンナノ
チューブ製膜
装置
2
08-16 超微細加工 装置利用 磁気記録用パターン媒
大学工
学研究科 量子
工学専攻
加藤剛志 准教授 ルスYAG
2 体の研究
名古屋 パ
レーザ
08-17 超微細加工 に関する研究
名古屋大学エコ
ノマテリア
ル科学研究部
門
丹司 敬義
鏡 3 装置利用
鉄コバルト系シリサイド
形成
トピア科学研究
所 ナ大平 豊
教授 電子顕微
「公開猶予」 08-18 超微細加工 装置利用 2
08-19 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-20 超微細加工 技術代行装 株式会社 豊田
中央研究所 竹田 康彦
主任研
究員
フォトルミネ
ッセンス測定
装置
1 置利用
ナノ構造半導体薄膜の
作製
08-21 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-22 超微細加工 協力研究
InAs 量子ドットを電極と
したナノショットキーダイ
オードの理想係数
和歌山大学シ
ステム工学部 田中一郎 教授
顕微鏡 5
走査プローブ
08-23 超微細 予」
12 加工 装置利用 「公開猶
08-24 超微細加工
技術代行装
置利用 「公開猶予」
11
08-25 超微細加工 技術代行装
置利用 「公開猶予」
10
5
08-26 超微細加工 技術代行 FET デバイス基板の試
作 豊田工業大学 吉村雅満 准教授
アライナー
EB蒸着装置5
08-27 超微細加工 装置利用
触媒ナノ粒子を用いた
CVD 膜中残留応力制御豊田工業大学 熊谷慎也 准教授 LPCVD 2
08-28 超微細加工 協力研究
a-SiNxHSi 界面特性
の面方位依存性 兵庫県立大学 新船 幸二 准教授
プラズマCV
D 5
08-29 超微細加工 技術代行装
置利用
太陽電池特性評価技術
の習得
日本ソーラーシ
リコン(株) 岩本 恵里
アライナー
不純物拡散
炉
11
08-30 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 6
10
08-31 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 14
08-32 超微細加工 技術代行 レジストマスクによるリ
ン砒素のイオン注入
豊田工大 表面
科学研究室 上田 一之 教授
アライナー
イオン注入装
置
4
08-33 超微細加工 技術相談装
置利用 新規プローブの開発
株式会社 ユニ
ソク 森田 幸治 技術員
アライナー
イオン注入装
置
21
08-34 超微細加工 協力研究
ポテンシャルマッピング
用量子構造試料作製
和歌山大学シ
ステム工学部 田中一郎 教授
分子線エピタ
キシー 4
08-35 超微細加工 装置利用協
力研究
次世代メモリ用材料
GeSbTe 薄膜の CVD 成
膜
気相成長株式
会社 町田 英明
代表取
締役社
長
X 線光電子
分光装置 5
08-36 超微細加工 技術代行 「公開猶予」 3
08-37 超微細加工 協力研究
分光機能を持つ MEMS
赤外線センサ 豊田工業大学 佐々木 実 教授 FTIR 10
08-38 超微細加工 技術相談 「公開猶予」 ――― ―――
08-39 超微細加工 協力研究
エンジニアリングプラス
チックスの成形加工物
の残留歪解析
株式会社デンソ
ー材料技術部 安藤幸也
担当部
員 X線回折 7
08-40 超微細加工 装置利用
光ファイバー材料の吸
発光特性 豊田工業大学 齋藤和也 准教授
蛍光分光計
吸収分光計 6
224 超微細加工領域における支援成果報告
次ページ以後参照
11
装置利用
豊田工大 07-03
ナノ結晶制御型高品質結晶化 Si 形成技術調査
An investigation of technologies for nanocrystal-controlled high quality crystalline Si formation
橋上 洋
Hiroshi Hashigami
京セラ株式会社
Kyocera corporation
ナノサイズ結晶粒からなる高品質結晶化 Si を形成するための技術調査を行った
豊田工業大学クリーンルームにて LPCVD での結晶化 Si 形成を行った作製した LPCVD 結晶 Si と京
セラで作製したプラズマ CVD 結晶 Si との比較評価を行い結晶作製条件と結晶品質に関する知見を
得た
We conducted a technology investigation for realization of high quality crystalline silicon consisted of nanocrystal Crystalline Si was formed by means of LPCVD at a clean room of Toyota Technological Institute The LPCVD crystalline Si and plasma-CVD crystalline Si deposited at Kyocera have undergone comparative investigations from which we obtained knowledge about Si deposition conditions and quality of the crystal
背景と研究目的 結晶シリコン薄膜はTFT をはじめMEMSに至る広い分野で利用されている非常に有用な
材料であるしかしながらたとえばその電気
的特性は形成方法によって様々であるした
がって重要なのは必要とする結晶 Si のスペッ
クを明確化した上でこれに一番適した形成方
法を適用することであるそこで我々は結晶
Si 形成に最も一般的である化学気相堆積
(CVD)法に特化し各種 CVD 法とそれらに
よって得られる結晶 Si の特質を調査した 結晶Si形成方法 本調査では熱 CVD 法の一つである減圧
CVD(LPCVD)法およびこれとは対照的な低温
製膜手法であるプラズマ CVD(PECVD)につ
いて調査を行った以下に各技術の特徴を述べ
る
熱 CVD 法 熱 CVD 法は成膜する元素の揮発性化合物を
気化し高温加熱した基板上で熱分解反応をお
こなわせて基板上に薄膜を形成する方法である
シリコン薄膜を得る場合はモノシランガスや
ジシランガスあるいはジクロロシランや 4 塩
化シランなどが用いられる 成膜時の反応が熱分解であるため成膜温度
が反応ガスの反応温度である数百以上の高温
になる従って低軟化点基板には適用できない
のがデメリットであるしかし一方で高温の
プロセスであることにより一般的に品質の良
い膜を得ることが出来る熱 CVD にはこの他
以下のような特徴がある 1成膜速度が速い(数~数百μmmin) 2ステップカバレージが良く凹凸形状に
も反応ガスが行き渡れば均一に成膜で
きる 3高真空でないので装置が簡単で生産性
が高い
12
4成膜温度が高いので緻密で高純度の膜が
得られる 5密着性が良い 熱 CVD 法は大気圧で成膜を行う常圧 CVD と
~01torr に減圧して成膜を行う減圧 CVD とがあ
る常圧 CVD は真空装置が不要であるという
最も簡単な CVD として広く利用されているが
減圧 CVD では常圧 CVD を基に膜厚や抵抗率
分布の改善を意図して考え出された実際反
応炉内を減圧することにより反応ガスおよび
キャリアガスの平均自由行程および拡散定数が
大きくなり基板内の膜厚および比抵抗分布が
改善される またホットウォール型であるLPCVDでは
バッチあたりの処理枚数を多くすることが可能
でありしかも減圧下であることにより基板が
均一に過熱されやすいことで歩留まりや信頼性
も改善されるこれらの特長によりLPCVD は
結晶 Si 膜を作製する主な方法のひとつとなっ
ている プラズマ CVD 法 プラズマ CVD 法は薄膜の低温形成を意図
して生まれた成膜方法であるプラズマ放電中
では系内のガスは衝突により相互に活性化され
ラジカルとなり熱的励起のみによっては困難
な低温下での反応が可能になる特にプラズマ
CVD では非熱平衡状態で化学反応が進行する
ため熱 CVD とは異なった組成や特性の膜が
得られる プラズマ CVD に用いる原料ガスは熱
CVD と違いはないがプラズマではキャリアガ
スに用いられる水素ガス分子なども分解されて
しまうそのためこれらの成分も必然的に相当
量が膜中に取り込まれ形成された膜の特性に
影響を及ぼすその他にもプラズマ中では多種
多様な反応活性種が生成され堆積に関与する
ので膜形成過程は熱 CVD に比べてはるかに
複雑である 薄膜 Si 堆積においてプラズマの条件を変
化させるとSiH2SiHSiH高次シラン関
連反応種(SixHy)さらにイオン種の膜形成へ
の寄与率が変化し欠陥密度に影響を及ぼすこ
とが知られているまた結晶 Si 薄膜の形成にお
いてはこの他にキャリアガス流量なども結晶
の組成に影響を及ぼす プラズマ CVD にはプラズマの励起方式に
より平行平板型の他誘導結合プラズマ(ICP)型や電子サイクロトロン共鳴(ECR)型などが
ある平行平板型では原料ガスが広い面積にわ
たって均一に供給されるようにできており大
面積の膜形成に適しているしかしプラズマ密
度が比較的低いので製膜レートは他の方法に
比べて低い ICP 型は石英板の上に設置したアンテナに高
周波電流を流すことにより高周波磁場とこれ
を打ち消そうとする誘導磁場を生じさせ誘導
磁場によって加速した電子によってプラズマを
得るこの方法では高密度プラズマを比較的容
易に得ることができ一般に高速製膜が可能で
ある利点があるECR プラズマ法ではマイク
ロ波と磁場中での電子のサイクロトロン運動が
同期することで電子がエネルギーをもち低圧
高密度プラズマを得るこのため高速な成膜が
可能となりしかも膜の密着性が優れているな
どの利点がある
結果 LPCVD での結晶化 Si 形成は豊田工業大学ク
リーンルームにてジシランガスを用いて行った
また平行平板ICPECR の各種プラズマ CVDでの結晶化 Si を京セラで作製したLPCVD 膜
とプラズマ CVD との比較評価を行い結晶作
製条件と結晶品質に関する知見を得た
参考文献 [1] 金原粲白木靖寛吉田貞史 著薄膜
工学丸善2004 [2] 麻蒔立男薄膜作成の基礎第 3 版日刊
工業新聞社1996
13
技術代行装置利用
豊田工大 07-04
プラズマ CVD による薄膜成膜
Thin film fabrication by plasma CVD
砂山 竜男加藤 博照佐久本 尚武
Tatuo Sunayma Hiroteru Kato Naotake Sakumoto
矢崎総業株式会社
YAZAKI corporation
現在MEMS 技術を利用したセンサの開発を行っている本研究ではダイアフラム膜としてプラズ
マ CVD 装置により成膜した SiN 膜を検討するためその成膜条件と膜質を調査した成膜条件とし
てSiH4と NH3 の流量比を変更したところ流量比 15 で成膜後の膜応力がほぼ 0 となったまた
700アニール後2times109 dynecm2 の引っ張り応力が生じた The sensor has been developed using the micro-electro-mechanical systems (MEMS) technique In order to apply SiN film to plasma CVD as a diaphragm fabrication conditions and film characteristics were studied Film stress deposited on flow ratio 51 of SiH4 and NH3 was almost zero After annealing at 700 tension stress occurred and was about 2times109 dynecm2
背景と研究目的 現在開発しているセンサの断面構造を図1に
示すシリコンチップ上にPtヒーターをIC製造
技術を用いて形成したそしてヒーターの熱
絶縁性を向上させるためヒーター下部を
MEMS技術を用いて除去しダイアフラムを形
成した
本センサの特徴はMEMS技術を用いたこと
により小型軽量高速応答を実現した点で
ある b) cross-section Fig1 micro gas sensor 本報告書ではセンサのダイアフラム膜の検
討としてプラズマCVD装置により成膜した
SiN膜の成膜条件とその膜特性について述べる
実験 SiN膜の成膜ではSiH4とNH3の流量を変化さ
せた流量条件を表1に示す成膜温度は250
成膜圧力を04 Torrに設定し成膜時間を15 minとしたそして成膜後700Air中にてアニ
a) sensor chip (26 mm times 16 mm)
14
ールを行った 図4に膜応力と屈折率の関係を示す圧縮応
力が増加することで膜屈折率が小さくなること
がわかる 成膜したSiN膜は触針式段差計によりウェ
ーハのそりより応力を算出したまたエリプ
ソメータにより膜厚と屈折率を測定したそし
てアニール後にも応力測定を実施しその変
動を調査した
屈折率の変化は SiN 膜の組成が変化している
ことを示しておりNH3 流量を増加させること
で SiN 膜の組成比を制御することが可能となっ
たそしてこの組成比制御が応力緩和に有効で
あると予想できる
SiH4 NH3 SiH4 NH3
1 5 3 151 2 3 61 1 3 3
Flow ratio flow rate (sccm)Table 1 Flow ratio of SiH4 and NH3
SiH4 NH3
Filmthickness(Å)
Growthrate(Å)
σ()
1 5 34606 2307 00711 2 26070 1738 00481 1 30638 2043 0017
0
50
100
150
200
250
0 1 2 3 4 5 6
Flow ratio of NH3SiH4
Gro
wth
rate
Å
00000010002000300040005000600070008000900100
Stan
dard
dev
iatio
n
growth rate
standard deviation
-6E+09
-4E+09
-2E+09
0E+00
2E+09
4E+09
6E+09
0 1 2 3 4 5Flow ratio of NH3SiH4
Film
stre
ss
dyne
cm
2
6
(a)(b)
結果および考察 表2にプラズマ CVD 装置で成膜した SiN 膜
の膜厚を図2に SiH4に対する NH3の流量比と
面内ばらつきの関係を示す
膜厚は各流量条件ともにほぼ目標値通りであ
り成長レートはほぼ 200Åmin 程度であった
面内ばらつきは流量比と相関があり流量比が
小さいほど抑えられることがわかった
(a) As film deposition (b) After annealing Fig3 Relationship of film stresses to flow ratios
174
176
178
18
182
184
186
-8E+09 -6E+09 -4E+09 -2E+09 0 2E+09
Film stressdynecm2
Ref
ract
ive
inde
x
Table 2 Film thickness of each flow ratios
Fig4 Relationship of film stress and gas flow
ratios 今後の課題 今回の評価でプラズマ CVD 装置による SiN
膜の特性はほぼ把握した今後はセンサとし
ての評価を行いプラズマ CVD 装置とスパッ
タ装置による SiN 膜の比較をする
キーワード Fig2 Growth rates and standard deviations of flow ratios MEMSMEMS とは micro-electro mechanical
system の略で半導体の微細加工技術を用い
て作製する電気機械システムのことである
図3に流量比と膜応力の関係を示す成膜後
流量比 1で応力は圧縮方向に 5times109 dynecm2で
あったが流量比をあげることでその応力は小
さくなった
またアニール後の膜応力は流量比との依存
性がなくなり応力も圧縮方向から引張方向に
変化した
15
装置利用
豊田工大 07-05
スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線形成技術
Conductive pattern forming method on vertical wall using spray coating and angled exposure technologies
森井裕貴大平文和
Hiroki Morii Fumikazu Oohira
香川大学
Kagawa University
スプレーコート技術と傾斜露光技術を用いた垂直壁面への配線パターン形成方法について検討した
この方法を用いることによりチップパッケージサイズを縮小することが可能となるスプレーコート
技術と傾斜露光技術を用いることにより 600μm の垂直壁へレジストを均一に塗布さらにレジストパ
ターン形成を可能としたまた配線パターンはスパッタと無電解 Ni めっきにより形成した本研
究で製作した配線パターンの幅は 200μm配線間隔は 300μm である A novel conductive pattern forming method on the vertical wall using a resist spray coating and an angled exposure technologies is proposed This method makes it possible to decrease the chip package size The spray coating and the angled exposure technologies enable the uniform resist coating and the patterning the resist on the vertical wall of 600 μm height Then a conductive pattern layers are sputtered and electroless plated As the result the conductive patterns of 200 μm width and 300 μm spacing is successfully formed on the vertical walls
背景と研究目的 携帯電話や携帯情報端末な
どにおいて更なる小型化高機能化が求められ
ている限られた容積の中でそれらの要求を満
たすには半導体チップの小型化高集積化
又はチップ実装の高密度化が挙げられる 本研究ではチップ実装の小型化に着目し
半導体プロセス技術を用いてチップ実装パッケ
ージ側面に 3 次元的に電極を配線することによ
り高密度実装可能な側面配線技術の確立を目指
す パッケージ側面に金属の配線パターンを形成
する手段としてレジストにより配線パターン
を形成し金属を成膜しリフトオフすることに
より金属の配線パターンを形成するこのとき
半導体プロセス技術で成膜できる金属の膜厚は
数千Åと少ないため配線としては電流抵抗が
大きくなるそこで Ni めっきを行い配線とし
て十分な膜厚を得るここでスプレーコートに
よるパッケージ側面への 3 次元レジストパター
ニングの原理確認を行った
実験 スプレーコートを用いてチップ実装パ
ッケージにレジストを塗布するさらにサンプ
ルを露光する際に側面部が十分露光されるよう
にサンプルを傾けて傾斜露光[1]を行いパッケー
ジ側面に配線パターンを形成する本研究では
パッケージ高さ600μm配線幅200μm配線間
隔300μmであるスプレーコートによるレジス
ト塗布ではレジスト流量ステージ温度ステ
ージ速度によってレジストの膜厚や分布などが
変化する[2]そこでレジスト流量81gh100ghステージ温度95105115ステージ速
度300mms400mmsの条件を検討した 結果および考察 条件を検討した結果
すべての条件で塗布可能であるが比較的均一
な塗布条件はレジスト流量 100ghステージ温
度 105ステージ速度 300mmsである図 1
16
にレジストパターニングの結果を示すレジス
トはエッジ部で途切れることなく全面に塗布さ
れているレジストの段差切れが無いこと隣
接するパターンのつながりが無いことを確認し
600μmの垂直壁にも均一にレジストを塗布パ
ターニングが可能であることを明らかにした さらにレジストパターニングしたサンプル
にスパッタにより金属膜を成膜しリフトオフ
により配線パターンを形成したNi めっきを行
い配線として十分な膜厚を得た図 2 に Niめっき後の配線パターン形成の結果を示す Ni めっき後でも配線パターンがエッジ部で途
切れることなく隣接するパターンのつながり
が無いことを確認し600μm の垂直壁に配線形
成が可能であることを明らかにした
Fig1 The spray coating and patterning the resist
Fig2 Conductive pattern forming 今後の課題 パッケージ側面において下面に
近い部分でパターンが広がる基板とマスクの
間に空間ができるため回折などの影響によりパ
ターンが広がるこの広がりを抑える工夫を今
後検討していく 参考文献 [1] Hayato Izumi Yohei Matsumoto Seiji Aoyagi Yusaku Harada Shoso Shingubara Minoru Sasaki Kazuhiro Hane Hiroshi Tokunaga IEEJ Trans SM Vol 128-E No 3 (2008) pp102-107 [2] Vijay Kumar Singh Minoru Sasaki and Kazuhiro Hane Japanese Journal of Applied Physics Vol 46 No 9B (2007) pp 6449-6453
Substrate
Ni NiPlastic material
Resist Plastic material Resist
Substrate Plastic material
17
技術代行装置利用
豊田工大 07-06
微小面積薄膜のレーザー加熱による変形
Deformation of small patchy films by pulsed laser heating
柳瀬 明久
Akihisa Yanase
豊田工業大学
Toyota Institute of Technology
真空蒸着法で作製した微小面積の薄膜(パッチ状薄膜)は一般にエネルギー最小の安定な形態では
ない凹凸パターン基板上に堆積させたパッチ状金薄膜をパルスレーザー加熱することによって微粒
子化する方法を検討した結果サイズ分布の狭い球形金粒子が得られた A small patchy film fabricated by vacuum evaporation does not have a stable shape with an energy minimum A preparation method of Au particles from thin patchy Au films by pulsed laser heating has been studied As a result spherical Au particles with a narrow size distribution were obtained
背景と研究目的
ナノテクノロジーにおける微細構造作製方法
は大きく2つに分けられる一方はリソグラ
フィエッチングなどの微細加工技術に基づく
「トップダウンアプローチ」であり今日大き
な技術分野となっているしかし微細化の進
展とともに高コストで環境負荷の大きいことが
問題化されているもう一方は「ボトムアップ
アプローチ」と呼ばれ原子分子を積み上げ
ていく方法で今後の発展が期待されている
「ボトムアップアプローチ」では分子クラ
スター微粒子などの「部品」をまず作製し
次の段階でそれらを自己組織的に組み立ててい
くという階層的な方法が有力と考えられている
「ボトムアップアプローチ」の微粒子に関わる
要素技術として形状サイズならびに表面物
性が制御された微粒子の作製が最も基礎的であ
ると考える 単分散微粒子の一般的な作製法は液相中の
固相析出反応において核生成期とその後の粒
子成長期とを時間的に明確に分離し粒子成長
期における粒子間の凝集を防止する方法である
この原理に基づいてポリスチレンやシリカガ
ラスなどの材料で精度のよい単分散粒子が作製
されているしかし化学反応を用いる方法で
きわめてサイズの均一な粒子を作製することは
ごく一部の反応系を除いてきわめて困難である
のが現状である
短パルスレーザーを物質に照射すると物質
がその波長の光を十分に吸収する場合その表
面近傍はきわめて短時間で加熱されその後急
速に冷却されるこのパルスレーザー加熱によ
って基板上に形成された有限の面積をもつ固
体薄膜(以下パッチ状薄膜とよぶ)を溶融させ
ることが可能であるそして溶融した薄膜は
基板表面とぬれにくい場合表面張力により微
粒子化する[1]パッチ状薄膜の面積ならびに厚
さが均一であるならばこの方法により粒子
径のきわめてそろった単分散微粒子が得られる
はずである本方法により単純な物理プロセ
スによる広範囲な材料系に適用可能な単分散微
粒子作製法が確立されればその意義は大きい
本研究ではシリコン熱酸化膜上に形成した
パッチ状金薄膜を波長 532 nm のパルスレー
ザーによって加熱することによって球形金粒
子を得ることができた
18
パッチ状薄膜をパルスレーザー加熱して微粒
子を作製する方法の利点として次の3点が挙
げられる①プロセスが単純でありパッチ状
薄膜の大きさ膜厚を精度よく再現できること
から粒子サイズの制御性が高いことが期待さ
れる②パルス光を用いるため冷却過程を考
えても非常に短時間のプロセスであるその
ため材料の蒸発による損失が抑制される③
微粒子化させたい材料の種類に合わせてレーザ
ーの波長を選択できる
参考文献 [1] 特許 3989424
実験 Fig 1に実際の実験方法を模式的に
示したシリコン基板上にシリコン熱酸化膜
からなるテーブル状の凸構造(10 μm times 10 μm)
を周期 15 μmで2次元的に形成したまた
Fig2 に示すように隣り合う凸部間の溝部表
面をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
でコーティングしたこの基板上に膜厚30 - 90 nm の金薄膜を真空蒸着法によって堆積させた
金はPTFE上に付着しにくいため独立した
パッチ状の金薄膜がシリコン熱酸化膜上に得ら
れたこの試料を空気中でナノ秒パルス
NdYAGレーザーの2倍波 (532 nm) 1パルス
を照射して加熱したなおNdYAGレーザー
のパルス時間幅は 6 ns であった
Fig 1 Schematic procedure of preparation of monodisperse Au particles
PTFE SiO2
結果および考察 Fig 3 は膜厚 90 nm のパッチ状金薄膜をパルスエネルギー密度 140 mJcm-2 の条件で加熱した後の走査電子顕
微鏡像であるほぼ均一な粒子径をもつ金微粒
子が生成されていることがわかるその直径(~
27 μm)は1個のパッチ状金薄膜が1つの球
へと変化した場合に予想される直径とよく一致
したなお金薄膜の初期反射率( ~07)を
考慮するとこの照射条件は薄膜を十分に溶融
しえるものであるまた得られた金粒子は
基板との付着力が弱くドデカンチオールのエ
タノール溶液中で超音波照射することによって
基板から容易に脱離させることができた
Si
Fig 2 Cross-sectional SEM image of the patterned substrate used for preparing Au patchy films
また現在までに得られた結果から本方法
の特徴として①膜厚 50 nm 以下の薄膜は
1個のパッチから多数の微細な粒子に変形する
傾向をもつこと②微粒子化した場合生成し
た粒子は基板から離れて気相側に飛散しやすい
ことが挙げられる
今後の課題 リフトオフプロセスを利用して
平坦な基板上に微小面積薄膜のパターンを形成
する方法を用いる予定であるまたさらなる
プロセスの簡便化金以外の金属や半導体への
材料系の拡大ならびに粒子サイズの微細化
の検討を進めていく必要がある
Fig 3 SEM image of Au particles prepared on a patterned substrate by pulsed laser heating with a pulse energy of 140 mJcm-2 Initial film thickness of Au was 90 nm
19
技術代行装置利用
豊田工大 07-07
超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発
Development of microfluidic chip based on Nano fabrication technologies
中野 圭洋 安池 雅之
Keiyo Nakano Masayuki Yasuike
株式会社 ESPINEX
ESPINEX Inc
マイクロ流路を応用した細菌検出法を開発し大腸菌を用いた検出試験を行ったこの細菌検出法は
使い捨てのマイクロ流路チップと蛍光検出装置で構成されておりマイクロ流路はフォトリソグラフ
ィー技術とシリコーンゴム(PDMS)により製作したマイクロ流路中の検出部に抗体を固定して
抗原抗体反応により蛍光された大腸菌を捕捉した試料を注入し検出部における大腸菌の密度を上
げる事で大腸菌の計数高感度検出が可能となった Microfluidic based bacteria detection platform was developed and investigated the performance by detecting Escherichia-colis (e-coli) This platform is consisted a disposable microfluidic chip and a fluorescent detection system Microfluidic chip was fabricated using photolithography technology and PDMS At the detection spot of the microfluidic channel antibodies were immobilized to capture e-colis which contained fluorescent dyes Because of antigen-antibody interaction e-colis concentration was increased at the detection spot of microfluidic channel and the fluorescent detection system can count the number of e-colis captured
(一行スペース) 背景と研究目的 近年院内感染や食品の細
菌汚染問題が深刻化しており細菌汚染の迅速
検査は重要度を増しているしかし現行の細
菌検査は主に培養法を用いるため検査の結果
が出るまで数日を要するそこで当社は細菌
を抗原抗体反応でマイクロ流路中に高濃度で捕
捉して蛍光を光学的に検出することで培養過
程を要さない細菌の高感度迅速検出システム
の開発を行っているマイクロ流路を用いた細
菌検出の概略を図 1に示す
実験 マイクロ流路チップは流路構造を施
したシリコンモールド型をフォトリソグラフィ
ー技術により作製しその型から流路構造を転
写したシリコーンゴム(PDMS)を流路部スライ
ドガラスを基盤として作製した図 2 にPDMSマ
イクロ流路チップを示すその後マイクロ流
路中に蛍光試薬と大腸菌を含んだ試料を注入し
大腸菌を補足後検出部の画像を解析して大
腸菌の検出実験を行ったさらに大腸菌を捕
捉後抗生物質を注入し生死菌数の変化を観
察した大腸菌の薬剤感受性試験を行った マイクロ流路
検出装置
励起光
PC
マイクロ流路試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
抗体
蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
マイクロ流路
検出装置
励起光
PC
マイクロ流路試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
抗体
蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
Fig 1 Schematic diagram of bacteria detection by
microfluidic chip
20
Fig2 Image of PDMS microfluidic chip 結果および考察 検出部における蛍光さ
れた大腸菌の画像を図 3 に示す図 3 では生菌
が緑色死菌が赤色に発色し検出部において
多数の菌が確認でき大腸菌を効率よく捕捉し
ている結果が得られた検出に要した時間は約
10 分間であり培養法等と比べると格段に迅速
な検出が可能であることが証明された又図
4 に示す薬剤感受性試験の結果において抗生
物質投与直後2時間後4時間後と時間を経る
につれて赤色に発色している死菌が増加してい
ることが解る従ってマイクロ流路チップを
用いた細菌の薬剤感受性試験も良好な結果を得
た
緑生菌赤死菌
生菌数の計数 死菌数の計数総菌数の計数
画像処理
緑生菌赤死菌
生菌数の計数 死菌数の計数総菌数の計数
画像処理
Fig3 Florescence microscope images of Ecoli at a detection spot of microfluidic chip
抗菌剤投与直後 2時間後 4時間後抗菌剤投与直後 2時間後 4時間後 Fig4 Florescence microscope images of Ecoli in maicrofluidic chip after applying antibiotics 今後の課題 今回の実験により大腸菌の迅速
検出及び薬剤感受性試験におけるマイクロ流
路チップの有効性が確認されたが今後検出
感度の向上を目指した流路構造の最適化や大
腸菌以外の菌種での検出確認が課題として挙げ
られる又PDMSマイクロ流路チップは非常
に生産性が低い上抗体の固定化が容易ではな
いそこで生産性が高く抗体が容易に固定
できる樹脂製のマイクロ流路チップの製造技術
の確立が商業化に向けた課題であるといえる
論文発表状況特許出願 [1] 中野圭洋亀岡遵安池雅之特願
2008-053209チップ キーワード マイクロ流路 マイクロ又はナノサイズの極微細流路であり
化学物質や生体物質の検出解析などに用いら
れる
21
協力研究
豊田工大 07-10
高分解能プローブ顕微鏡による薄膜表面の構造評価 Structural evaluation of film surface by high-resolution probe microscope
笹川 薫
Kaoru Sasakawa
コベルコ科研
Kobelco Res Inst
無電解めっき法によって金属薄膜を形成させるために種々の金属触媒層が用いられているわれわれ
は PdSn 触媒を温度 85湿度 85の環境下に放置したときの形状変化を高分解能プローブ顕微
鏡によって調べることを目的とした平成 19 年度後期の協力研究ではガラス表面に形成した PdSn触媒層が高分解能プローブ顕微鏡によってどのように観察されるかを調べた Various kinds of metal catalysis are used by electroless plating method to form a metal film We were aimed at examining a shape change when a PdSn catalyst was left in 85 degrees Celsius and humidity 85 for several hundred hours by a high-resolution probe microscope In the cooperation study of the latter period in 2007 we examined how the PdSn catalysis which was formed on the glass surface was observed by a high-resolution probe microscope
背景と研究目的 無電解めっきに用いられる
PdSn[1]が電気回路基板の形成後に残留する場
合使用中に絶縁性が保たれることが必要であ
る高温高湿試験中PdSn触媒層の抵抗値は
様々に変化するが抵抗変化の原因の1つとし
てガラス基板表面の形状や触媒粒子の形状
が変化している可能性が考えられるそこで
高分解能プローブ顕微鏡(SPM Scanning Probe Microscopy)によって形状変化を調べることと
した 実験 高温高湿試験前後のPdSn触媒層およ
びガラス基板を用意しタッピングモードプ
ローブ顕微鏡(Beeco社製NanoScopeⅢa)により
高分解能形状観察を行った尚実験環境は大
気中室温である
結果および考察 ガラス基板上のPdSn触媒層について高い分解能でプローブ顕微鏡増
を得ることができたしかしながら触媒層の
下地に用いたガラス基板そのものが高温高湿
試験によって変質しPdSn触媒層の形状変化の
詳細を知るのは難しいということがわかった
PdSn以外の触媒もあり触媒自体の形状変化を
調べることができそうなものもあるがPdSnが基本となるのでこれ以上の検討は行わないこ
ととしたすなわち今回は準備した試料が
適切でないということがわかった 今後の課題 高温高湿試験の前後における触
媒層の形状変化を詳細に調べるためには高温
高湿試験により形状変化が生じないか生じても
触媒の変化を調べるのに影響しないような基板
を探す必要がある 参考文献
1) Eugene J M OrsquoSullivan J Horkans J R White
and J M Roldan IBM J Res Develop 32 (1988)
591
22
装置利用 豊田工大 07-12
鉄シリサイド形成に関する研究 Study for Iron Silicide Formation
丹司敬義ab大平 豊a
Takayoshi Tanjiab and Yutaka Ohiraa
a名古屋大学院工学研究科 b名古屋大学エコトピア科学研究所
aGraduate School of Engineering Nagoya University bEcoTopia Science Institute Nagoya University
様々な条件下で作製した一次元鉄シリサイドの形状について走査トンネル顕微鏡(STM)や走査電子
顕微鏡(SEM)等を用いて研究した50 times 10-8 Pa 以下の超高真空環境下で固相エピタキシー法(SPE)と反応性蒸着エピタキシー法(RDE)を用いて作製したナノワイヤの形状の違いについて述べるXPSの結果から両者は共に FeSi2の組成を持つことも明らかにしている更に40 times 10-4 Pa 以下の高真
空下でさえワイヤが形成されることを見出した One-dimensional (1D) iron silicides prepared under various growth conditions have been studied by scanning tunneling microscopy (STM) scanning electron microscopy (SEM) and so on We discuss difference in the shape of nanowires (NWs) prepared by solid-phase epitaxy (SPE) and reactive-deposition epitaxy (RDE) in an ultrahigh vacuum (UHV) of below 50 times 10-8 Pa A similar chemical shift in XPS spectra is observed on both surfaces corresponding to iron disilicide NWs are also formed even in a high vacuum (HV) of below 40 times 10-4 Pa at 600 ordmC 背景と研究目的主に電荷を用いる半導体エレク
トロニクスでは従来使われなかった電子のもう一
つの性質であるldquoスピンrdquoを積極的に利用して
新しい材料の機能やデバイスを構築しようとする
半導体スピントロニクスに関する研究が近年盛
んに行なわれているシリコン(以下Si)技術と
の融合を図るためにはSi基板上へ磁性体の直接
成長が必要となるまたデバイスの高集積化
高密度化を達成するために従来のリソグラフィ
ー技術を用いたトップダウン技術だけではなく
低次元構造体の作製が可能な自己組織化等のボト
ムアップ技術も必要になる このような背景の下我々はldquo磁性を有するナ
ノワイヤを Si 基板上に直接成長させるrdquoことを最
終目的としているそこでまず磁性元素である
鉄を Si(110)表面上に蒸着し加熱することで形成
されるナノワイヤに注目し研究を行なっている 先行研究としてはLiang et al1)らによる報告が
ありそれによると清浄化処理を行なった Si(110)基板を 600 ordmC に加熱しながら Fe を蒸着すること
でワイヤの幅が数十 nm長さが数μm にも及ぶ
高アスペクト比のワイヤが形成すると報告してい
る(反応性蒸着エピタキシー法RDE)我々は
彼らとは別の成長方法を用いてナノワイヤを形成
させることに成功した(Fe を蒸着した後基板を
600 ordmC に加熱する(固相エピタキシー法SPE)) 本研究ではSPE と RDE で成長させたワイヤの
形状がどれくらい異なるかワイヤの組成は同一
なのかどうかを走査トンネル顕微鏡(STM)走査
電子顕微鏡(SEM)そして X 線光電子分光法(XPS)を用いて評価したまた通常ワイヤの作製には
超高真空環境が必要となるが我々は新たに高真
空環境でもワイヤが作製できる方法を開発した 実験試料作製は以下に示す真空度の異なる2種類のチャンバーを用いた 超高真空下での試料作製はSTMとXPSを装備
したチャンバー内(到達圧力lt 20 times 10-8 Pa)で
行なった試料にはPドープのn型Si(110)ウエハー
(2 ndash 4 Ωmiddotcm)を用いた試料の清浄化は通常用い
られる加熱処理により行なった2)Feの蒸着は
電子衝撃加熱法を用い蒸着レートは018 MLminである(1 MLSi(110) = 959 times 1014 atomscm2) 高真空下での試料作製は到達圧力が13 times 10-4 Pa以下のチャンバー内で行なった試料にはPドープのn型Si(110)ウエハー(lt 001 Ωmiddotcm)を用いた
試料の清浄化はフッ酸処理によるウエットプロ
セスにより行なったFeの蒸着はアークプラズ
23
マガン(APG)を用い蒸着レートは047 MLshotである それぞれの試料加熱は通電加熱法で行ない
温度測定には予め校正した放射温度計を用いた 結果および考察Figure 1 に超高真空下(50 times 10-8 Pa以下)で作製したナノワイヤを示す共に
蒸着量は 018 ML基板温度は 600 ordmCである
Figure 1(a)と(c)はSPEによって作製したワイヤの
SEM像とSTM像であるlt110gt方向に沿った長さ
は 20 ndash 120 nm幅は 6 ndash 15 nmであった一方
Fig 1(b)と(d)はRDEによって作製したワイヤの
SEM像とSTM像であるlt110gt方向に沿った長さ
は 100 ndash 1000 nm幅は 15 ndash 20 nmであったXPS結果からSPEとRDE共にFeSi2の組成を持つこと
も明らかにし両者とも同じ構造であると考えら
れるRDEで成長させたワイヤの長さはサブマ
イクロメートルにも達しSPEに比べ非常にア
スペクト比が大きくなることが分かる成長手法
を変えることでワイヤの長さをμmオーダーにす
るかnmオーダーにするかの制御が可能となる このような違いが生じる原因としては鉄を蒸
着するときの Si 基板の構造の違いが考えられる
基板温度-ワイヤの密度の依存性を調べることで
得られる活性化エネルギーの値を調べるとSPEの方が RDE に比べて小さくなるRDE の場合
鉄を蒸着するときに基板を 600 ordmC に加熱してい
るこの温度はFig 1(c)の下地にも確認できるよ
うにSi(110)-ldquo16 times 2rdquo清浄表面が形成される 3)
この表面は原子一層分の高さを有する凹凸構造
となるこの状態で蒸着種が拡散するためには
非常に大きなエネルギーを要し拡散する方向も
制限されると考えられるので非常に長いワイヤ
が形成されると考えられる
23
Figure 2(a)に高真空下(40 times 10-4 Pa以下)でSPEによって作製したナノワイヤのSEM像を示す超
高真空下と同様にlt110gt方向に沿っておりサ
イズもほぼ同程度であるしかし超高真空下で
作製したワイヤのSEM像のコントラストと比べ
ると非常に弱いこれは大気に一度曝すことで
生じる自然酸化膜の影響であると考えられるま
た当研究室でワイヤの断面TEM観察したところ
Si基板中の三角形のコントラストとして現れてい
る(Fig 2(b))超高真空下で作製したワイヤも同様
に基板内部にワイヤが成長するので 1)高真空
下と超高真空下で類似の構造を作製することに成
功した 以上のことからワイヤを作製するにあたり以
下の二点のことを明らかにした 数十 nm か数μm の長さのワイヤを自在に成長
させることが可能
10-4 Pa 台から 10-8 Pa 台の広い範囲の環境下で
ワイヤの作製は可能 今後の課題作製したワイヤに磁性が存在するの
かどうかについての研究を進めていく予定である 論文発表状況特許出願 1) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
Jpn J Appl Phys 47(7B) (2008) 6138 2) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
ldquoThe 15th International Colloquium on Scanning Probe Microscopyrdquo (poster)
3) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda ldquoThe 9th International Conference on Atomically Controlled Surfaces Interfaces and Nanostructuresrdquo (poster)
参考文献 1) S Liana R Islam D J Smith P A Bennet J R
OrsquoBrien and B Taylor Appl Phys Lett 88 (2006) 113111
2) R S Becker B S Swartzentruber and J S Vickers J Vac Sci Technol A6 (1988) 472
3) Y Yamamoto Phys Rev B 50 (1994) 8534
Fig 1 (a) and (b) SEM images of NWs on Si(110) surface prepared by SPE and RDE in UHV respectively In both cases the NWs grow along lt110gt
Fig 2 (a) SEM image of NWs on Si(110) surface prepared by SPE in HV The NWs grow along lt 1 10gt (b) Cross-Sectional TEM image of NWs observed along lt110gt direction The NWs are observed as a triangular contrast in the Si substrate
24
装置利用
豊田工大 07-16
多結晶シリコンデバイスのための酸化メカニズムに関する研究
The study on the silicon surface oxidation for poly-silicon electronic devices
山本 直矢a 芳之内 淳a 大下祥雄b
Naoya Yamamotoa Atsushi Yoshinouchia Yoshio Ohshitab
a株式会社 IHI b豊田工業大学
aIHI bTTU シリコン表面酸化速度はその面方位よって大きく異なることが知られている今回多結晶シリ
コンを用いた電子デバイスを作製するうえで重要なさまざまな面方位表面における酸化速度を詳細
に調べたまたシリコンの結晶構造の Si(100)表面で規格化された状態密度との比較も合わせて行った その結果各面方位の酸化速度はWet O2中での酸化では Si(111)面を除いてシリコン表面に存在
する Si-Si 結合の密度に近くなる一方で Dry O2 中では Si-Si 結合密度と表面原子密度の間に位置して
いることが分かった
The effects of crystal orientation of Si substrates on the oxidation rates are studied The Si with (111) (211) (311) (511) (100) (310) (210) and (110) surface are oxidized by the dry and the wet oxidation methods We analyzed the relative oxidation rates which is normalizing them by the values of Si(100) by comparing with the interface structure The relative wet oxidation rates at the low temperatures except for the surfaces that have a large lt111gt component can be explained by the number of the back bonds of Si at the SiSiO2 interface On the other hand the relative oxidation rate obtained by the dry oxidation lies between the numbers of Si-Si bonds and Si atoms at Si surface
背景と研究目的 近年多結晶シリコンを用いた電子デバイス
の開発が盛んに行われている多結晶シリコン
ウェハは単結晶化シリコンウェハに比べて安価
に製造することができるため太陽電池市場お
いてはシェアの多くを多結晶シリコン太陽電
池が占める多結晶シリコン薄膜はガラスや
プラスチック等のシリコンと異なる基盤表面に
成膜可能であることから液晶ディスプレイや
有機 EL ディスプレイ用の駆動用 TFT の活性層
としても用いられているまた特異な電子特性
からシリコンナノ結晶を用いたさまざまな電
子デバイスが提唱されている それらの多結晶シリコンデバイスの性能を向
上させるためにはいくつかの問題点があるが
その中でも重要なのがシリコンとそれを絶縁
させるための絶縁膜および界面の問題である
通常の単結晶シリコンデバイスでは酸化雰囲気
中でシリコン表面を酸化することで得られるシ
リコン熱酸化膜を用いるが多結晶シリコンデ
バイスでは粒界に不純物が析出したり基板が
反ったりと熱負荷をかけられない場合が多い
そ の た め 低 温 形 成 可 能 な 化 学 気 相 堆 積
(Chemical Vapor DepositionCVD)酸化膜が多
く用いられるが多結晶シリコン表面がそのま
まシリコンシリコン酸化膜界面になるため良
質な界面を得ることが難しい低温でもシリコ
ン表面を酸化することは可能ありそのメカニ
ズムに関しては以前から様々なモデルが提唱さ
れてきた[1-6]しかしそれらは多くは(100)(110)(111)面に関するものでありそれ以外の
面方位については実験データも少なく酸化の
25
メカニズムや酸化膜の膜質についても不明な点
が多い 本研究では低温における多結晶シリコン表
面の酸化のメカニズムとその膜質を検証する上
で必要な各種面方位を持ったシリコン単結晶
表面の酸化速度を分析しその傾向に関する知
見を得ることを目的とする 実験 鏡面研磨した(111)(211)(311)(511)(100)(310)(210)(110)それぞ
れの面方位をもった単結晶シリコンサンプルを
準備したそれらを縦型酸化炉にて各面方位一
括で酸化処理を行ったWetO2酸化の時はO2
H2を同じ流量で炉内横に設置された石英製の
燃焼器で燃焼させ燃焼ガスを炉内に導入した
酸化処理の後エリプソメーターにて膜厚を計
測した
Figure 2 Comparison of calculated data and oxide thickness formed in Wet O2
同じく750のWetO2中でシリコンを酸化し
たときの酸化膜厚と各種表面密度との比較を図
2に示す(100)方位から(110)方位に向かって
はバックボンド密度と非常によく似た傾向を
示す一方で(100)から(111)方面にかけては
弧を描くように増加し(111)表面では酸化膜厚
が遅くなっていることがわかるこの傾向はγ
(表面原子密度)の傾向に近いことが分かった
結果および考察 DryO2 およびWetO2
中さまざまな温度で酸化処理を行ったが今回
は温度の低い 750での酸化膜の成長に関する
結果を示す各面方位の酸化初期における相対
的な酸化膜厚は水蒸気が含まれても大きく変わ
らず基本的Si(100)からSi(111)Si(110)各面
方向に向かってほぼ直線的に増加する各表
面密度をSi(100)表面の値で規格化したものと
DryO2中 750において 180 分間酸化処理した
酸化膜厚をSi(100)の膜厚で規格化した値を
ここに示すような主要な(100)(110)(111)方面以外の酸化速度を同時に酸化処理を行っ
て得られたデータはこれまでになく酸化速度
の面方位依存性のメカニズムを検証する上で
貴重なデータになるものと考える 今後の課題 各面方位の実際の酸化速度と状
態密度の計算結果との違いの原因を調べるとと
もにより詳細な酸化メカニズムについて検討
を行うまたこのような酸化速度の違いが多
結晶デバイスに及ぼす影響についても分析を行
っていく
参考文献 1) B E Deal and A S Grove J Appl Phys 36
(1965) 3770
2) H Z Maasoud et al J Electrodhem Soc 132
(1985) 1745 Figure 1 Comparison of calculated data and oxide thickness formed in dry O2
3) E A Lewis and E A Irene J Electrochem Soc
134(1987) 2332
重ねたものを図1に示すαは各面方位表面の
シリコン原子が持つ Si-Si 結合(バックボンド)数の密度βはダングリングボンド密度γは
表面の原子密度それぞれを Si(100)表面の値で
規格化したものである酸化膜厚が Si(111)Si(110)かけての増加する様子はバックボンド
密度の傾向に似ているただ計算値に比べ酸
化膜厚が薄くなる傾向にある
4) S I Raider and LEForget J Electrochem Soc
127(1980)1783
5) E A Irene et al J Electrodhem Soc 133
(1986) 1253
6) J R Ligenza J Phys Chem 65 (1961) 2011
26
協力研究
豊田工大 08-01
多結晶シリコン基板への pn ダイオード作製
Fabricated p-n diode on multi-crystal Silicon substrate
小椋 厚志
Atsushi Ogura
明治大学
Meiji University
多結晶シリコンは太陽電池用基板として広く用いられているそれは単結晶シリコン基板に匹敵する
変換効率を有し多結晶シリコン基板のほうが低コストで作成することが出来るからである粒界
欠陥不純物などにより単結晶シリコンと比べ特性が劣化してしまう本研究では微少な p-n ダイ
オードを多結晶シリコン基板上に作成し電気特性と結晶性の評価を行い特性劣化の起因を調べる
ことを行った
Multi-crystalline silicon (mc-Si) is widely used as solar cell substrate For mc-Si it is desired to realize uniformly high conversion efficiency comparable to that of single-crystalline silicon with keeping its low production cost Inhomogeneous degradation in the efficiency can be caused by grain boundaries defects impurities and so on In this study we fabricated p-n diode array on mc-Si and the diode was evaluated relation between electrical property and crystal quality for revealing as causes of degradation
実験 背景と研究目的
キャスト法により作成された多結晶Si基板を
用いてp-nダイオードアレイを作成した図1が多結晶Si基板上に作製したダイオードアレイの
完成図であるAl電極をリン拡散領域に対して
およそ4分の1領域被せてある電極の大きさは
1mm角で各電極間の距離は2mmである
多結晶シリコン太陽電池は単結晶シリコン太
陽電池と比較してコストの低減が見込まれて
いるが結晶欠陥粒界不純物応力などの
種々の問題からいま一つ変換効率の向上が難し
い変換効率特性の改善の為にはこれらの欠
陥の挙動および特徴を理解し検証評価す
ることが求められている
A B
Al electrode
P diffusion area
A B
Al electrode
P diffusion area
SiO2 SiO2
p-type mc-Si
Al
P diffusion area
A-B cross-section
BA
(a) (b) Fig1 Structure of p-n diode (a) layout and (b) cross-section (A-B)
本研究では多結晶シリコン基板上に微小 p-nダイオードアレイを作製し各々の電気特性を
測定することで基板内での分布粒界や欠陥な
どの依存性を検証するまた同基板を用いて PLEBICTEM を用いた不純物分布および結晶
性の評価を行う
27
電気特性の測定から理想係数n値とリーク電
流に基板内で分布が見られることを確認した
同条件により単結晶Si基板上に作成したものに
は見られなかった為多結晶基板に見られる粒
界や欠陥などが起因していると考え結晶性評
価をEBICPLTEMを用いて行った
500μm
Al electrode
200 μm
High
Low
Al electrode
200 μm
Al electrode
200 μm
High
Low
High
Low
(a) (b)
Fig2 Images of (a) EBIC and (b) PL 結果および考察
Fig2 に PL 及び EBIC 像を示すこのダイオ
ードアレイの特性は理想係数 n 値リーク電流
はそれぞれ 319210E-08[A]を示し明確な粒
界の存在しないポイントであったしかしPLEBIC 像には明らかなダークラインが確認され
これらが電気特性悪化に起因しているのではな
いかと考えられるPL 測定に関して田島先生の
論文の中で小傾角粒界に起因した発光の確認[]がなされ今回測定した試料においても同様の
ものが見られたのではないかと考えられる
(a)
(b)
(c)
(d)
(a) (b)
Fig3 TEM images of the defect (a) low magnification
image (b) (c) TED pattern and (d) high magnification
image
ダークラインの構造を確認する為に TEM に
よる観察を行ったFig3 の(a)は低倍率による観
察(b)及び(c)は電子回折像(d)は高倍率による
観察である(a)及び(d)より転位が確認され電
子回折像の比較から異なるパターンを示して
いることを確認した 以上のことから多結晶 Si 上に作成したダイ
オードアレイの電気特性を劣化させている原因
は粒界だけではなく小傾角粒界も影響を与え
ることを確認した 今後の課題 今回基板特性がダイオード特性に大きく影響
を与えることを再度確認したので今後は基板
特性向上の為欠陥の種類の評価起因の解明
を行う予定である 謝辞 本研究は豊田工業大学大下祥雄准教授
兵庫県立大学新船幸二准教授の共同研究九
州大学柿本浩一教授宇宙航空研究開発機構
田島道夫教授のご助力に深く感謝致します
論文発表状況特許出願 [1] T Tachibana et al ECS Symposium Austria 200910 発表予定
参考文献
1) H Sugimoto K Araki M Tajima T Eguchi I
Yamaga M Dhamrin K Kamisako and T Saitoh
J Appl Phys 102 054506 (2007)
28
共同研究
豊田工大08-02
可視光用超高速空間光変調器の研究開発
Research amp Development of Ultrafast Spacial Light Modulator for Visible Light
近藤 直樹a
Naoki Kondoa
a帝京大学
aTeikyo University
半導体ナノ構造光デバイスの超高速性のイメージング応用の一環として量子井戸の光吸収変調を
用いた可視光用の透過型空間光変調器を作製しようとしている
今年度は透過型光変調器を作成する際に不要な吸収層となってしまう GaAs 基板をウェットエッ
チングで除去するプロセスの条件出しを行った3mm 角程度の面積の50nm の AlGaAs エッチスト
ップ層つき多重量子井戸構造サンプルにおいて面内均一に GaAs 基板層を除去することができた
またレーザ光照射による白色光の吸収変調測定系を立ち上げ室温での吸収変調の様子を測定した
As an attempt to exploit ultafast optical response of semiconductor nanostructures for imaging technologies we started to develop transmissive spacial light modulator for visible light using absoption modulation of quantum wells We have clarified conditions for uniform etch-off of GaAs substrate which would otherwise be
the dominant light absorber (3mm)2 MQW sample with 50nm AlGaAs etch stop layer was etched down to approximately 3μm thickness with modest in-plane uniformity We have also built white light transmission measurement system under additional laser irradiation and measured room-temperature modulated absorption of the processed sample
背景と研究目的 本研究は半導体量子ナノ
構造の光学応答の超高速性を背景としてそれ
を可視光域でのイメージング用途に用いる事で
現在イメージング用途に用いられている光変調
機構である機械式シャッターや液晶などをはる
かに上回る速度を実現し超高速イメージング
や新用途への展開を図ることを目的として行っ
ている具体的には光吸収飽和 1)を利用した
可視光用の透過型多重量子井戸空間光変調器
の作製を行う 今年度は前年度作成したGaAs系多重量子井
戸構造を透過型空間光変調器として利用するた
めの基板除去プロセスの条件出しを行ったま
たレーザ照射による白色光吸収の変調を測定
するための光学系を立ち上げ室温での吸収変
調効果の測定を行えるようにし予備的測定を
行った 実験 エッチング サンプル構造にはエッチストッ
プのための50nm厚のAlgaAs層が入っている多
重量子井戸構造を用いたエッチング剤には
29
GaAsとAlGaAsのエッチング速度が大きく異な
る選択性のもの(H2O2NH4OH)を用いる事で
GaAs基板を除去した
我々のGaAs基板のエッチング除去のプロセ
スでは最初にまずサンプル基板をガラスにエ
ポキシ樹脂で固定した後約100um厚まで機械
研磨しその後ウェットエッチング
(H2O2NH4OH=101 GaAsエッチング速度~
3ummin)でエッチングを行った
光変調吸収測定 レーザ照射による白色光吸収
の変調を測定するための光学系を組み室温で
のサンプルの吸収変調の様子を測定したサン
プルには残り膜厚約 3μm のものを用いた波
長 532nm05W の緑色レーザ光を集光せずにサ
ンプル前面に照射非照射した時のハロゲンラ
ンプ光吸収スペクトルを測定した
FigureCaption Fig 2 Microscope image of substrate-etched MQW sample
結果および考察 エッチング 当初機械研磨は表面にキズが目
視できるレベルで止めていたが表面にμmオ
ーダーで凹凸が残っていると後のエッチング
深さに大きな面内ムラが生じることがわかった
そのため表面が光学的鏡面になるまで研磨す
るようにしたところエッチング後の面内ムラ
は減少した(図2)ただし目視で透過が確認
できるところまでエッチングを行うと量子井戸
による吸収が消えてしまうため薄いAlGaAs層によるエッチストップには失敗しているよう
であった
FigureCaption Fig 2 Modulated transmission spectra of approx 3μm thick MQW sample at room temperature
光変調吸収測定 測定結果を図3に示すGaAsによる吸収端がレーザ照射によってシフトして
いることが確認できた 今後の課題
エッチングに関しては現在上記の透過測定
系を用いてレーザ透過強度変化を観察する事
により精度の高いエッチストップを行えるよ
う再実験中である光吸収変調に関しては
レーザ光照射および透過光測定を局所的にでき
るよう改善する予定である FigureCaption Fig 3 Calculated wavefunctions and energy levels in SLAM structures at room temperature 現在のサンプル構造は GaAsAlGaAs 系であ
るが可視光用途を GaAsAlGaAs 系で実現する
のは単純な量子井戸では可能なバンドギャッ
プの値から考えて困難である超格子疑似合金
(SLAM)2)構造を採用した可視光用量子井戸構
造を設計し数値解析した結果を図4に示す
本解析結果を元に試料を作製し可視光域での
動作を目指す予定である
参考文献
1) D A B Miller D S Chemla T C Damen A C
Gossard W Wiegmann T H Wood and C A
Burrus Phys Rev Lett 53 2173 (1984)
2) H Sakaki M Tsuchiya and J Yoshino Appl
Phys Lett 47 295 (1985)
30
技術相談装置利用
豊田工大 08-03
結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動について
Firing behavior of front side Ag for crystalline silicon solar cells
仙田 愼嗣 吉野 泰 加藤 夕子
Shinji Senda Yasushi Yoshino Yuko Kato
(株)ノリタケカンパニーリミテド
NORITAKE CO LIMITED
高結晶シリコン太陽電池用銀ペーストの焼成時の挙動を解明し高い出力の得られる銀ペーストを研
究することを目的として平成 19 年度 3 月から装置利用を開始しているp 型シリコンウエハ上に n
層SiNx 反射防止膜を作製し作製したセルを使用して出力評価を行った Silicon solar cell electrodes are typically formed by using the screen printing Technique Good fire-through properties are required for an Ag electrode for the front-side surface insufficient fire through causes higher contact resistance (Rc) which decreases the conversion efficiency of solar cells In order to control the fire-through properties contact formation mechanism is important In this study n-layer thickness and antireflection coating thickness have a positivenegative effect on fire-through of Ag paste
背景と研究目的 現在太陽電池市場は急速
に拡大しておりその市場の中でも大部分を結
晶シリコン太陽電池が占めている受光面側に
は銀ペーストが裏面側にはアルミペーストと銀
ペーストが電極として用いられておりスクリ
ーン印刷を用いて低コストで電極を形成して
いるさらなる高効率化低コスト化への要求
が高まる中で生産性の向上および出力特性向
上のために高速焼成が主流になってきており
電極ペーストの焼成挙動を解明しペースト組
成焼成条件を最適化し高速焼成に対応する
ことが必要となる本研究では結晶シリコン
太陽電池用電極ペーストにおいて特に受光面
銀ペーストにおける焼成挙動の解明を目的とし
高い出力を得られる銀ペーストの研究を行う 実験 市販のシリコン基板 (p型 抵抗率1~
H2
結果および考察
10 (Ωcm) CZ110 厚さ200μm)を用いたオ
キシ塩化リン(POCl3)窒素酸素の混合ガス雰
囲気で熱処理を行うことによりP拡散を行い
n層を形成したその後プラズマCVD装置
(Samco製)を用いSiH4ガスNH3ガスおよび
ガスを原材料として反射防止膜(シリコン窒化
膜)を成膜形成した反射防止膜の厚みと屈折
率の評価にはエリプソメーター反射率には反
射率測定装置を用いた作製した基板上に裏
アルミ電極表銀電極ペーストをスクリーン印
刷法で付着乾燥後焼成したソーラーシュ
ミレーターを使用し作製したセルの電気的特
性の評価を行った
表 1 にP拡散条件を変
化させたときのn層のシート抵抗を示すP拡散
を制御することができシート抵抗を変化させ
ることが可能であり低温で短時間の拡散とす
ることで高シート抵抗の基板を作製できるこ
とがわかった一般的に用いられる 30~60Ωsqのシート抵抗のセルは条件が合わず作製でき
ていない表 2 にSiNx膜形成条件を示すガス
組成および製膜時間によりSiNx膜厚および屈
折率を制御することが可能であり一般的な膜
厚 80nm程度のセルを作製することが可能であ
31
今後の課題
Sheet
resistance
[Ωsq]
Pre-deposition P-diffusion
Temperature
[]
Time
[min]
Temperature
[]
Time
[min]
6 840 10 1000 40
10 840 10 1000 10
15 840 10 1000 5
110 800 5 800 10
ることがわかったが屈折率は一般的な 20 程
度にすることが出来なかった屈折率を高くす
るためにはSiNx膜の密度を上げることが必要で
あるが密度を上げるためには製膜温度を上げ
る必要があると考えられるが本プラズマCVD製膜装置では 250が限界であったため250で試験を進めた図 1 に作製した基板の反射率
を示す作製した基板上にスクリーン印刷法に
より電極を形成し乾燥焼成し出力特性
評価を行った結果を表 3 に示すシート抵抗の
高いセルを用いるとVocが高くなることが確認
できた本来であればSiの吸収係数の高い長
波長側の反射率が低いSiNx膜厚 80 nmのセルの
方が 55 nmのセルより電流値が高くなると考え
られるがpn接合が浅くなることで電流として
利用可能な波長が増大した効果の方が大きかっ
たと考えられるFFについては良好な特性が得
られたため焼成条件を変えたときの焼結挙動
について検討を行っていきたい
Table 2 Condition of PE-CVD
SiNx membrane PE-CVD
Thickness
[nm]
Refractive
[-]
SiH4
[mlmi
n]
NH3
[mlmi
n]
H2
[ml
min]
Time
[min]
55 179 3 6 6 3
80 180 3 6 6 4
100 185 3 6 6 5
80 185 3 4 8 4
80 187 4 11 0 3
今回の試験ではFFについては
論文発表状況特許出願
良好な値が得られたがファイヤースルー性に
ついてはSiNx膜厚および密度によって大きく異
なると考えられより緻密な膜の形成条件を探
索していく必要があるシート抵抗およびSiNx膜ともに一般的なセルと同等のセルを作製し
銀ペーストと焼成条件を変えたときの焼結挙動
について試験を行いたい
特になし 参考文献 1) Y Ohshita Y Nishikawa M Tachibana VK
Hilali A Rohatgi S Asheri
Table 1 Condition of P-deposition
Tuong T Sasaki N Kojima S Tanaka M
Yamaguchi J Crystal Growth 275 (2005)
491-494
2) M
010203040506070
350 550 750 950 1150
Wavelength [nm]
Ref
lect
ance
[]
Mirror waferSiN 55nm(Planer cell)SiN 80nm (Planer cell)
Fig 1 Reflectance of planer cells
Table 3 Cell performance
Cell PE-CVD
Sheet
resistance
[Ωsq]
SiNx
membrane
thickness
[nm]
Jsc
[mAc
m2]
Voc
[mV]
FF
[]
Eff
[]
15 55 259 595 757 117
10 80 252 588 754 112
TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES 51
(2004) 948-955
32
技術代行装置利用
豊田工大 08-04
ナノレベルで膜厚を制御した透明導電膜の光学特性評価
Optical properties of TCO nano material
吉野賢二竹元裕仁小嶋稔
Kenji Yoshino Yujin Takemoto Minoru Oshima
宮崎大学工学部電気電子工学科 Department of Electrical amp Electronic Engineering University of Miyazaki
Ga-doped ZnO (GZO)をプラズマアークを利用したイオンプレーティング法で作製した作製した試料
を酸素雰囲気中で熱処理を行った熱処理温度の増加とともに赤外領域の透過率が減少したこれ
は自由キャリアの減少による散乱の減少と考えられる Ga-doped ZnO (GZO) films were deposited on alkali-free glass substrate by ion-plating system with DC arc discharge using a pressure gradient-type plasma gun The GZO films samples were annealed under O2 atmosphere at from 100 to 500 ˚C Optical transmittance in infrared region increased with increasing annealing temperature This was due to decreasing the scattering by decreasing of their free carrier 背景と研究目的 透明導電膜は高い電気伝
導度と高い可視光透過率を併せ持つものであり
現在 フラットパネルディスプレイ(FPD)や太
陽電池などさまざまな分野で利用されている
代表的な透明導電膜の材料としてIn2O3 SnO2
ZnO などがあるなかでも Sn を添加した
In2O3(ITO)は安易に 10-4 cm台の低抵抗が得ら
れているしかしITOの材料であるInは希少金
属であり価格が高いという難点があるまた 原料のInやSnに加えてITO粉末の毒性が懸念さ
れている加えて近年FPDや太陽電池などの
透明電極用途でのITO需要の恒常的な増大とは
相まってIn需要の増大が指摘されておりITO透明導電膜における省Inや脱In透明導電膜材料
が注目されている1)SnO2膜は比較的安価な
材料であるが エッチング加工と低温成長に難
があり用途が大幅に限定されるこれに対し
て ZnOは安価で豊富毒性に問題のない材料で
あるこのことからZnOはITOにかわる透明導
電膜の材料として注目されている 1) 本実験ではイオンプレーティング法により作
製
験
した Ga-doped ZnO(GZO)薄膜の熱処理を行
うことにより膜質の改善を試み考察した 実 イオンプレーティング法により作製し
果および考察
たGZO薄膜の熱処理を行った今回は焼きな
ましと呼ばれる熱処理方法を用いた雰囲気ガ
スとして酸素ガスを用い時間を 5 分温度 100~500 で行った試料をX線回折透過率
ホール測定で評価を行った 結 X線回折によりイオ
直型の検出器を用いた室温での
透
ンプレーティング法により作製されたGZO薄膜
はZnOのJCPDSカードと比較すると(0002)面のピークのみ確認された熱処理温度を増加
してもスペクトルに大きな変化は見られな
かった次にX線スペクトルより粒界サイズ
を計算し熱処理前の粒界サイズは約 64 nmで
あり熱処理後の粒界サイズは 61 ~67 nmとな
り粒界サイズの変化は見られなかったまた
格子定数もICDDとの差は 04以下である値が
得られ熱処理温度を増加させても変化は見ら
れなかった Fig 1 に垂
過スペクトルを示す一般的に ZnO のバンド
ギャップを室温では 33 eV で吸収端は 376 nmに位置することから今回熱処理に使用した
GZO 基板のバンドギャップとほぼ一致してい
る 2)また熱処理後も吸収端はほぼ同じ位置
であったGoncalves らの論文の方向によると熱
処理温度が増加すると吸収端が長波長側にシフ
トしているが2)本研究ではその傾向は見られ
33
熱処理温度 にしたがっ
Fig 1 Optical transmittance at RT
なかった 可視領域で
が増加する
て透過率にほとんど変化が見られなかったが
長波長側では透過率が上昇した(Figs 2 3)これは他の熱処理の論文でも同様な結果が報
告され 2)自由キャリアの減少による散乱の減
少と考えられキャリア濃度も熱処理温度が
400 度以上で減少している
Fig 2 Average transm e in visible region ittanc
Fig 3 Average transmittance in infrared region
今後の課題 今回の酸素中の熱処理の実験で
熱の効果を確認するためにアルゴンなどの不
活性ガスの実験を行う予定である 謝辞 本研究は豊田工業大学山口真史教
授大下祥雄准教授小島信晃助教に光透過測
定において協力を頂いた深く感謝したい
論文発表状況特許出願 [1] Y Takemo et al DRIP Conference USA 20099
発表予定
参考文献 1)南内嗣 応用物理 75 (2006) 1218 2) R Ghosh et al Mater Res Bull 40 (2005)
1905
0
20
40
60
80
100
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500
as-depo100200300350400450500
Tra
nsm
ittan
ce[
]
GZO O2 annealing 450oC 5min
Wavelength[nm]
34
技術代行装置利用 豊田工大 08-05
プラズマ CVD による薄膜作製と構造評価 a-Si film grown by plasma CVD
吉野賢二小嶋稔
Kenji Yoshino Minoru Oshima
宮崎大学工学部電気電子工学科 Department of Electrical amp Electronic Engineering University of Miyazaki
プラズマアーク CVD 法で作製したアモルファスシリコンをラマン法で評価を行ったスペクトルに
アモルファス成分結晶化成分および粒界成分に分離し結晶化度を決めることができた a-Si thin film on Si (100) substrate were successfully grown by plasma CVD Crystalline of the sample could be decided by Raman spectroscopy 背景と研究目的 アモルファスシリコンの原
子配列は規則正しい原子配列を結晶シリコン
とは異なり不規則になっている実際完全
場なアモルファスの結晶の存在は難しく一部
結晶化している 1)そこでラマン法により
結晶化度などの膜の構造に関する知見を非破壊
に得ることを目的として評価を行った
400 450 500 550
Experimental result Total c-Si GB a-Si
Inte
nsity
(au
)
Raman shift (cm-1)
a-Si
GB
c-Si
400 450 500 550
Experimental result Total c-Si GB a-Si
Inte
nsity
(au
)
Raman shift (cm-1)
a-Si
GB
c-Si
実験 グロー放電で発生するプラズマを中で
SiH4 を分解しa-Si膜をSi(100)基板上に作製し
たラマン分光法は室温でAr+レーザ(488 nm)を使用し測定した
Fig1 ラマンスペクトルのピーク分離例 結果および考察 Fig 1 にAr+レーザーで
ラマン測定した一例を示すSiのLOモードの信
号を結晶Si (c-Si)アモルファスSi (a-Si)結晶
粒間の粒界(GB)のピークに分離した
謝辞 本研究は豊田工業大学山口真史教
授大下祥雄准教授小島信晃助教にプラズマ
CVD作業において協力を頂いた深く感謝した
い GB ピークの起源についてはまだよく分かってい
ない各ピーク位置の結晶化度に対する依存性
はa-Si と c-Si のピークはややばらつきがある
が結晶化度によらず一定だったBG のピー
ク位置は結晶化度が上がるに伴って c-Si のピー
ク位置に近づいていったこれは結晶化度が
上がると GB の部分も結晶のフォノンエネルギ
ーに近づくことを意味しており構造が変化して
いることを示している
論文発表状況特許出願
該当なし
参考文献 1)森垣和夫米沢富美子嶋川晃一固体物理
37 (2002) 1
今後の課題 SiH4ガス圧などの条件を変えて
作製した試料のラマン測定やX線回折等の評価
を行う予定である
35
技術代行装置利用
豊田工大 08-07
電子線ビーム露光技術と組み合わせたナノ粒子パターン配置技術の開発
Patterning method of nanoparticles by using electron beam lithography
熊谷 慎也
Shinya Kumagai
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
近年ナノテクノロジー技術の進展に伴いナノ粒子が注目されているこのナノ粒子を自在に利用
するためには固体表面上の狙った位置にナノ粒子を配置する技術が必要とされる本研究では電
子ビーム露光技術を利用してナノパターンを作製しナノ粒子のパターン配置を試みた With the development in nanotechnology nanoparticles have attracted much attention and been utilized in various applications To utilize the nanoparticles patterning method of nanoparticles is indispensable In this study nanopatterns were fabricated by using electrom beam lithography technique and we investigated nanopatterning method through the lift-off process
背景と研究目的 ナノ粒子は通常のバルク材料とは異なった性
質を発揮することからナノテクノロジー研究
において注目されている例えば磁性材料
触媒ドラッグデリバリー等の用途での期待が
高まっている実際に応用することを考えると
固体表面上の狙った位置に配置する技術が必要
になってくる 12)本研究ではナノ粒子をナノス
ケールでパターン配置することを試みたナノ
粒子のパターン配置の方法としてリフトオフ
法を利用したリフトオフ法はこれまでに
MEMS 半導体デバイスの開発で使用されてお
り適切に用いればナノスケールの構造体を作
製することも可能でありここでは溶液中に
ナノ粒子を分散させた系に適用することを狙っ
ている
パターン配置の原理 パターン配置手法の概略をFig1に示す基板
表面にレジストを塗布し配置パターンを作製
するこのパターン基板にナノ粒子を分散させ
た溶液を滴下する溶液中に分散しているナノ
粒子は熱運動を利用してそのレジストのパタ
ーン内部に侵入させて露出している基板表面
と吸着させるレジストを溶解してレジスト
上に吸着したナノ粒子を取り除くと基板に直
接吸着したナノ粒子のみが残ることになる 実験 電子ビーム(EB)描画によるパターン作製 リフトオフ法に使用するレジストパターンを
EB 描画装置で作製した電子線レジスト
ZEP520A-7(日本ゼオン)にアニソールを加えて
10に希釈しスピンコーターによって塗布し
たスピンコートは500rpmで 10 秒回転させた
後3000rpm で30 秒回転させて行った(レジ
スト膜厚約15nm) EB 露光装置のDose 量[μCcm2]を変化させて微細なパターンの描画
を行った描画パターンの現像は酢酸アミル溶
液に15 秒間浸漬することで行いその後N2
ブローで乾燥させた
36
結
ナノ粒子のパターン配置 参考文献 配置パターンが描画された基板の上にイオン
強度を100mMに調整したナノ粒子溶液を滴下
し吸着を行ったこの条件のもとでは溶液
中の静電相互作用距離であるDebye 長は約1nm と計算されるナノ粒子―基板表面の間の静電
反発は十分に低くなっており表面近傍に十分
接近できる溶液を滴下後の状態を30分間保持
し純水でリンスしたその後 40の
ZDMAC(日本ゼオン)に5 分間浸し超音波を5 分間かけることでリフトオフを行いアセト
ン純水の順でリンスした
1) S Esconjauregui C M Whelan K Maex
Nanotechnology 19 (2008) 153306
2) W Hu K Sarveswaran M Lieberman G H
Bernstein J Vac Sci Technol B 22 (2004) 1711
果および考察 EB露光現像後の描画パターンの一例をFig2
に示す最も小さいもので直径20nmの微細な
ホールパターンを作製することができたさら
に小さなパターンを描画するためにはEB露光
条件現像条件を最適にチューニングする必要
があるナノ粒子の吸着実験では直径125nm~285nmのホールパターンを用いてリフトオフ
法でパターン配置を行ったSPM 観察画像を
Fig3(a)に示すFig 3(a) とFig 3(b) はそれぞ
れ使用したレジストパターンリフトオフ後
のナノ粒子の配置パターンのSPM像であるFig 3(a)と比べるとFig 3(b)ではナノ粒子の配置パ
ターンに大きさや形のばらつきが見られたナ
ノ粒子の配置パターンの面積は図5 のホールサ
イズの約8 割のサイズの大きさとなっていた
その理由の一つとしてシリコン酸化膜に吸着
したナノ粒子の一部がリフトオフの際に同時
に剥離されている可能性が考えられるその一
方で配置パターン以外の箇所へのナノ粒子の
吸着が見られたリフトオフ後に溶液中に分散
したナノ粒子が再付着したものと考えられる
またFig 3(b)においてFig 3(a)の125nm~
165nmに対応する部分にナノ粒子の吸着パター
ンが存在していないことがわかる本手法では
吸着パターン内にナノ粒子が積極的に入り込む
機構がないためにパターンが小さくなった場
合内部に侵入する確率が低くなり吸着パタ
ーンとして得られないことが要因として考えら
れる現在の環境下では直径175nm 以上のホ
ールであればナノ粒子をパターン配置するこ
とができるということがわかった
Fig 1 Principle of nanoparticle patterning through lift-off process
Fig 2 SEM image of EB lithography patterns The diameter of holes is φ20nm
(a) (b)
Fig 3 SPM images of (a) holes patterned in EB resist film and (b) nanoparticle patterns corresponding to each holes in (a) まとめ
ナノ粒子のパターン配置について検討した
今回検討した条件範囲内では175nm 以上のホ
ールを用いればナノ粒子をパターン配置でき
る今後の課題としてパターン以外の再吸着
量を低減させる必要がある
37
技術代行
豊田工大 08-08
超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発
Development of microfluidics chip using nanofabrication technologies
中野 圭洋 安池 雅之
Keiyo Nakano Masayuki Yasuike
株式会社 ESPINEX
ESPINEXINC
半導体製造技術を用いて作製されるマイクロ流路チップは近年バイオや化学研究用に用いられて
おり高精度な測定を可能にしている本研究では Si 基板上に作製したマイクロ流路型から細菌検
出用のマイクロ流路チップを作製し細菌を効率的に捕捉するための流路構造の最適化を行った
Recently microfluidics chips fabricated by the top-down semiconductor fabrication techniques have been widely utilized in the field of biology and chemistry These chips can detect bio- molecules or chemicals with ultra sensitivity In this research PDMS microfluidic chips for bacteria detection have been fabricated from Si wafer molds and structure of the microchannels have been optimized for bacterial sensing
背景と研究目的 半導体製造技術を用いて作
製するマイクロ流路チップは検出対象を微小
領域に高密度で凝集させることが出来るため
バイオや化学研究向けの高精度な測定に用いら
れている当社はマイクロ流路中に抗体を配
したバイオチップで特定の細菌を補足し蛍光
顕微鏡で検出するシステムを開発しており培
養を主体とする現状の検出法に比べ大幅に検査
時間を短縮でき簡便性にも優れるため感染
症診断や食品衛生検査での使用が見込まれる
(b)
Fig1 Microfluidics chip
本研究では効率的に細菌を捕捉するための流
路構造の最適化を行う具体的には作製した数
種類のチップで細菌の検出実験を行い抗生物
質の薬剤感受性試験 1)も行う
実験 (a)に示したマイクロ流路構造をSi 基板
上に凸形状として作製しシリコーンゴム
(PDMS)に転写して得られた凹形状のマイクロ
流路をガラス基盤と張り合わせて(b)のマイク
ロ流路チップを作製した実験は大腸菌(Ecoli K-12株)を用いてfig1(a)中の流入路より抗体
固相化剤(ZeptoBind)を用いて抗体(Poly Anti-
Fig2 Image of Ecoli captured in the microfludics chip
(a)
38
30min later 60min later 90min later
Fig3Images of Ecoli after applying antibioticz(Pansporin) Ecoli )を導入しブロッキングバッファー (Zepto block)を添加してガラス基盤上を修飾し
たその後104-105cfuml濃度の大腸菌液100ulを注入蛍光試薬(LIVEDEAD Baclight)を添加
して10分後バッファー(PBS)で洗浄し蛍光顕
微鏡観察を行ったさらに同チップに抗生物
質(Pansporin)1mgmlを添加し大腸菌に対する
同薬剤の感受性試験を行った
今後の課題 今回作成したマイクロ流路チッ
プはシリコーンゴム製で型を転写するだけで
1 時間程度かかり生産性が悪い量産にはポ
リスチレン等の樹脂にホットエンボス加工で転
写することが望ましいが離型時に樹脂の熱収
縮で流路構造が損傷する点や型として使用し
ているSi基板が転写時の圧力で損傷する点が今
後の課題として残る 結果および考察 大腸菌の捕捉率が高か
ったマイクロ流路(Fig1)での蛍光顕微鏡画像を
Fig2 に示す図中緑色に蛍光しているのが
生菌で死菌は赤く蛍光する前処理も含めて
1 時間程度で大腸菌を検出できた
謝辞 本研究は豊田工業大学の榊裕之教授
をはじめ共同利用クリーンルームの皆様にご協
力頂きました特にマイクロ流路の型製作に
おいて梶原建氏にご尽力頂き深く感謝してお
ります Fig3は抗生物質を添加してから 30 分60 分
90 分後の蛍光顕微鏡画像を示している時間経
過に伴って大腸菌が緑色(生菌)から赤色(死菌)に変化しているのが良く分かるFig4に薬剤感
受性試験結果をまとめた抗生物質未添加のチ
ップ(ピンク)では時間が経過しても死菌量が 0のまま増えないのに対して抗生物質を添加し
たチップ(青)では時間経過とともに死菌量がリ
ニアに増えている薬剤感受性試験でも前処
理を含めて 2 時間程度で検証できることが分か
った
論文発表状況特許出願 [1] ESPINEX特願 2008-53209チップ
注釈 1) ある細菌がある薬剤に対して感受性か耐性
かを判断する試験
0
5
10
15
20
25
0 02 04 06 08 1 12 14 16
Time (hour)
Dea
d ce
ll co
unts
w drugwo drug
Fig4 Result of drug screening test
39
協力研究
豊田工大 08-13
スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線形成技術
Conductive pattern forming method on vertical wall using spray coating and angled exposure technologies
森井裕貴大平文和
Hiroki Morii Fumikazu Oohira
香川大学
Kagawa University
スプレーコート技術と傾斜露光技術を用いた垂直壁面への配線パターン形成方法について検討した
この方法を用いることによりチップパッケージサイズを縮小することが可能となるスプレーコート
技術と傾斜露光技術を用いることにより 600μm の垂直壁へレジストを均一に塗布さらにレジストパ
ターン形成を可能としたまた配線パターンはスパッタと無電解 Ni めっきにより形成した本研
究で製作した配線パターンの幅は 200μm配線間隔は 300μm である A novel conductive pattern forming method on the vertical wall using a resist spray coating and an angled exposure technologies is proposed This method makes it possible to decrease the chip package size The spray coating and the angled exposure technologies enable the uniform resist coating and the patterning the resist on the vertical wall of 600 μm height Then a conductive pattern layers are sputtered and electroless plated As the result the conductive patterns of 200 μm width and 300 μm spacing is successfully formed on the vertical walls
背景と研究目的 携帯電話や携帯情報端末な
どにおいて更なる小型化高機能化が求められ
ている限られた容積の中でそれらの要求を満
たすには半導体チップの小型化高集積化
又はチップ実装の高密度化が挙げられる 本研究ではチップ実装の高密度化に着目し
半導体プロセス技術を用いてチップパッケージ
樹脂の垂直側面に 3 次元的に電極を配線するこ
とにより高密度実装可能な側面配線技術の確立
を目指す 本研究ではパッケージ樹脂高さ 600μm の
垂直側面に幅 200μm300μm の配線パターン
を形成するその手段としてフォトリソグラ
フィ技術を用いてフォトレジストの配線パター
ンを形成し金属を成膜しリフトオフすること
により金属の配線パターンを形成するこのと
き半導体プロセス技術で成膜できる金属の膜厚
は数千Åと少ないため配線としては電流抵抗
が大きくなるそこで配線として十分な膜厚を
得るため Ni めっきを行うこのプロセスにおい
て高さ 600μm の垂直側面にフォトレジスト
を均一に塗布することが重要となるそのため
スプレーコート技術と斜め露光技術を研究し
垂直側面への配線形成の原理確認を行った 実験 スプレーコートを用いてパッケージ樹
脂の垂直側面へのレジスト塗布の原理確認を行
ったスプレーコートではレジスト流量ステ
ージ温度ステージ速度などの条件がレジスト
の膜厚や分布に大きく影響する[2]そのため
これらのパラメータを調節し垂直側面へのレ
ジスト塗布を行った 露光プロセスでは垂直側面部が十分露光さ
れるように傾斜露光[1]を行うこのプロセスに
おいてマスクは平面のガラスマスクを用いる
ため樹脂側面やガラス基板上ではマスクとレ
ジストの間に間隔が生じるその結果光の回
折などにより側面のパターンが広がるそのた
40
め露光量に対するパターンの広がりについて検
証を行った さらにレジストパターニング後スパッタ
により金属膜を成膜リフトオフ無電解 Niめっきを行い配線パターンを形成した図 3にパッケージ樹脂の垂直側面に形成した配線パ
ターンを示す同様にして側面配線形成を行っ
たチップを 5 つ作製しそれぞれの抵抗値を計
測した5 つのサンプルを A から E としそれ
ぞれの抵抗値の平均値と分散値を図 4 に示す
製作した側面配線は数オームであり実用上問
題のない値であるこれらの原理確認から高さ
600μm の樹脂の垂直側面への配線形成が可能
であることを明らかにした
さらにレジストパターニング後スパッタ
により金属膜を成膜リフトオフ無電解 Niめっきを行い配線パターンを形成した図 3にパッケージ樹脂の垂直側面に形成した配線パ
ターンを示す同様にして側面配線形成を行っ
たチップを 5 つ作製しそれぞれの抵抗値を計
測した5 つのサンプルを A から E としそれ
ぞれの抵抗値の平均値と分散値を図 4 に示す
製作した側面配線は数オームであり実用上問
題のない値であるこれらの原理確認から高さ
600μm の樹脂の垂直側面への配線形成が可能
であることを明らかにした
結果および考察 スプレーコートにおい
てレジスト流量ステージ温度ステージ速度
条件を検討した結果レジスト流量 81grh100grhステージ温度 95105115ス
テージ速度 300mms400mmsで塗布が可能で
あることを確認した図 1 にレジスト流量
100grhステージ温度 105ステージ速度
300mmsの条件でスプレーコートしパターニ
ングしたサンプルを示すレジストはエッジ部
などで途切れることなく全面に塗布されている 斜め露光において露光量に対するパターン
の広がりについて検証した結果図 2 に示すよ
うに1Jcm2 では 20μm2Jcm2 では 50μm
4Jcm2 では 70μm8Jcm2では 90μm 程度側面
の最下部で広がっている本研究では配線間
隔は 300μm の設計であり広がりが生じても
パターンが重なることはなく実用上問題ない
研究では配線間
隔は 300μm の設計であり広がりが生じても
パターンが重なることはなく実用上問題ない スプレーコート技術と斜め露光技術により
パッケージ樹脂の垂直側面へのレジストパター
ニングを可能とした
スプレーコート技術と斜め露光技術により
パッケージ樹脂の垂直側面へのレジストパター
ニングを可能とした
Fig1 The spray coating and patterning the resist Fig1 The spray coating and patterning the resist
Fig7 Changes of pattern widths at various exposure doses Fig7 Changes of pattern widths at various exposure doses
Fig3 Conductive pattern forming Fig3 Conductive pattern forming
A
B
CD E
0
05
1
15
2
25
3
Resistan
ce(Ω
)
Fig4 Electric resistance measurement results 今後の課題 本研究で提案したプロセスでは
パッケージ樹脂側面の配線パターンが広がって
しまうこの広がりを抑える工夫を今後検討し
ていく 参考文献 [1] Hayato Izumi Yohei Matsumoto Seiji Aoyagi Yusaku Harada Shoso Shingubara Minoru Sasaki Kazuhiro Hane Hiroshi Tokunaga IEEJ Trans SM Vol 128-E No 3 (2008) pp102-107 [2] Vijay Kumar Singh Minoru Sasaki and Kazuhiro Hane Japanese Journal of Applied Physics Vol 46 No 9B (2007) pp 6449-6453
Plastic material NiNi
Substrate
Resist Plastic material Resist
Substrate Plastic material
Exposure doses (1) 1 Jcm2
(2) 2 Jcm2
(3) 4 Jcm2
(4) 8 Jcm2
43
2
1
Wall side Upper side
Height 600μm
Width 200μm
41
協力研究
豊田工大 08-15
プローブ顕微鏡を用いた物性測定
Measurement of Physical Properties by Scanning Probe Microscopy
田仲 圭
Kei Tanaka
(株)大同分析リサーチ
DAIDO BUNSEKI RESEARCH Inc
先端に磁性ナノ粒子を持つカーボンナノチューブ(CNT)探針は高分解能な磁気力顕微鏡(MFM)
用として有望である本研究ではこの CNT 探針を用いた際の分解能の Q 値依存性を調べるととも
に理論的に分解能の検討を行った Carbon nanotube probes with magnetic nanoparticles on the top are expected for use in high-resolution magnetic force microscopy (MFM) Here we investigate the Q-value dependency of resolution using such CNT probes and performed a theoretical discussion for resolution
背景と研究目的我々はこれまでに先端に磁
性ナノ粒子(触媒金属)を持つカーボンナノ
チューブ(CNT)をカンチレバー上に成長させ
た探針を使用することにより磁気力顕微鏡
(MFM)の分解能が市販品の従来探針に比べて
飛躍的に向上することを示した 1)今回はさ
らに分解能を向上させる手段として実験的
にはカンチレバーのQ値を高める工夫を行う
とともに理論的な面からもCNT探針の分解能
の検討を行った
24
min)(0QA
TBkkzF BL
ϖ=prime (2)
で表される3)ここでkLはカンチレバーのば
ね定数kBはボルツマン定数Tは探針の絶対
温度Bは周波数のバンド幅ω0は共振周波
数Qは探針の性能指数Aは探針振幅の実行
値である (2)式からも分かるように同じ探
針を使用した場合でもQ値を高めることによ
り熱振動ノイズが下がりSNが向上し到
達分解能が高くなることが予想される 理論 周期的に書き込まれた磁気記録媒体に対する磁気力顕微鏡が検出する信号(力勾配)は
果および考察結 (1)式から得られた関
数を用いて実験値に対してフィッティングを
行った結果をFig1 に示すFig1 のグラフは
周期的に書き込まれた磁気記録媒体のMFM像
に対してFFTを行いパワースペクトルから得
られたピーク強度とその空間周波数をプロッ
トしたものである黒丸および黒四角の点は
Q=200(前報値大気中観察Q値制御なし)
Q=526(今回報告値大気中Q値制御MFM SII
ナ ノ テ ク ノ ロ ジ - 製 SPM 装 置 rdquo
( ) ( )
tip
kzktstz dVekx tipz
ekMM
F int minusminus
partpart
minus=prime cos120μ
(1) で表される 2)ここでμ0は真空透磁率MtMs は探針および試料の磁化k は空間周波数を示すまた熱振動ノイズによって制限される最小の信号は
42
NanoNaviE-sweeprdquo使用)のそれぞれの場合で
得られた値を示すQ値が高くなると強度が高
くなっていることが分かる図中の実線は
Q=200 の場合の実験値に対して(1)から得ら
れた関数でフィッティングを行った結果であ
るそこから得られたパラメーターを用いて
比例定数のみをフィッティングパラメーター
としQ=526 に対してフィッティングを行っ
たものが図中の破線である上式(2)から算出
されたノイズレベルとの交点が予想される到
達分解能である現在(2)式を用いた熱振動
ノイズの算出を試みているしかしながら
現段階においても破線のカーブ(Q=526)は実
線のカーブ(Q=200)に比べて空間周波数が高
い方にシフトしていることからQ値を高くし
た効果として到達分解能が向上していること
が推測される
10E-01
10E+00
10E+01
10E+02
10E+03
10E+04
10E+07 10E+08
Spatial Frequency (1m)
Inte
nsi
ty (
au)
Q=200
Q=526
Fig1Spatial frequency dependence of MFM signal
参考文献
今後の課題 今後はQ値を系統的に変化させ
た測定値を得ることと熱振動ノイズの算出お
よび実験値との整合性を検討することにより
分解能の理論的予測を行っていく
1) K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J
Nanomater in press
2) S Porthu L Abelmann and C Lodder J Magn
Magn Mater 182 (1998) 238 謝辞 今回の測定はSIIナノテクノロジー社
の山岡武博氏の好意によるものである 3) T R Albrecht P Grutter D Horne and D Rugar
J Appl Phys 69 (1991) 668 論文発表状況特許出願
K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J Nanomater in press
43
装置利用
豊田工大 08-16
磁気記録用パターン媒体の研究
Fabrication of patterned media for magnetic recording
加藤 剛志
Takeshi Kato
名古屋大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Nagoya University
イオン照射型ビットパターン媒体として利用できる CrPt3 規則合金膜の成長プロセスを検討するため
赤外線ランプおよび短パルスレーザーを利用した急速熱処理を検討した赤外線ランプ加熱では真空
中熱処理と同様CrPt3膜を規則合金化できさらに多層構造を崩さずに CrPt3規則相を生成すること
が可能であることが分かった一方短パルスレーザー処理を行った場合赤外線ランプ処理のよう
な規則合金化は見られなかった In order to develop new fabrication process of CrPt3 ordered film for ion irradiation bit patterned media rapid thermal annealing using infra-red (IR) lamp or short pulse layer has been investigated In the case of IR lamp annealing the ordered structure of CrPt3 was confirmed just as in the sample prepared by vacuum annealing Moreover this method was found to be quite useful to fabricate multilayered structure including the ordered CrPt3 layer On the other hand the ordered CrPt3 was not confirmed for the annealing using short pulse layer
背景と研究目的 ハードディスクドライブ
(HDD)の記録媒体として現在使用されてい
る微粒子媒体に代わる超高密度記録媒体である
ビットパターン媒体が注目されているこれは
熱安定性の確保低記録磁界低ノイズという
現在微粒子媒体において問題となっているトリ
レンマを微細加工によりビットを定義すること
で克服するというものである超高密度なビッ
トパターン媒体に要求される特性として高い
熱安定性シャープなビット境界優れた表面
平坦性などが挙げられるこれまでに我々は
これらを満足するものとしてイオン照射型
CrPt3パターン媒体を作成し超高密度パターン
媒体の可能性があることを示してきた[1] イオン照射型パターン媒体はイオン照射に
より媒体の物性を局所的に制御しパターン化す
る方式であり表面平坦性に優れた媒体が作製
可能となるこれまで CoPt[2]CoPd[3]多層膜
などにおいて高エネルギーイオン照射により
垂直磁化の領域と面内磁化の領域をパターン化
する研究などが報告されているしかしながら
これらの材料ではイオン照射だけで照射領域を
非磁性化することが困難であり照射領域を介
した記録ビット間の磁気的結合が高密度記録に
重大な支障をきたす[3]一方CrPt3 膜は L12
型の規則合金ではフェリ磁性を不規則の fcc相では非磁性となり低ドーズのイオン照射に
よりこの相変化を起こすことが可能であるこ
のため低ドーズの照射により磁性非磁性領域
のパターン化が可能でビット間の磁気的結合
のないイオン照射型パターン媒体の実現が可能
となるCrPt3パターン媒体の応用上唯一の課
題はその規則化温度の高さであるこれまでの
報告ではCrPt3 規則合金の生成には真空中で
850˚C 程度の熱処理が必要であり[4]これは低
価格のディスク基板や軟磁性裏打ち層の形成の
障害となるこのため本研究では赤外線ラン
プおよび短パルスレーザーを利用した急速熱処
理を用いた CrPt3 規則合金膜の規則化を検討し
た
44
実験 マグネトロンスパッタ法によりSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substまたはSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (10 ndash 20 nm) CoFeZrNb (10 nm) SiO2 substという構成の膜を
作製したCr25Pt75層はCrとPtを同時成膜するこ
とで形成した赤外線ランプおよび短パルスレ
ーザーを用いた急速熱処理によりC 25Pt75 膜の
規則合金化を試みた赤外線ランプ加熱では
800 ˚C - 1000 ˚Cを 30 sec程度保持した昇温
降温速度は約 70 ˚Csecと真空中熱処理の 10 ˚Cminに比べ非常に速いパルスレーザー加熱
にはNdYAGレーザーのSHG光(パルス幅 6 nsec)を用い照射パワーを 40 - 190 mJcm2 と
変化させた膜構造はX線回折(XRD)により磁
気特性は交番磁界勾配型磁力計(AGM)磁気光
学Kerr効果測定装置により測定した
r
結
Fig1 (a) MndashH loops of lamp annealed Cr25Pt75 (15 nm) applying a magnetic field in-plane and film normal directions (b) Kerr loop of lamp annealed Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (20 nm) CoFeZrNb (10 nm)
果および考察 Fig 1 (a)はSiO2 (2 nm)
Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substを 1000 ˚C30 secの赤外線ランプ加熱処理後試料の磁化曲線を示し
ている18 kOeの最大印加磁場における磁化は
150 emucc程度で保磁力は 12 kOeとなった同
一のサンプルを真空中 850 ˚C15 minの熱処理
を行った場合磁化は 250 emucc保磁力は 12 kOeであったこれは赤外線ランプ加熱によっ
ても真空中熱処理と同様CrPt3膜を規則合金化
できることを示している真空中熱処理に比べ
赤外線ランプ加熱では短時間に熱処理を行うこ
とができるため多層構造膜の界面の合金化を
抑え熱処理することが可能となる可能性があ
るFig 1 (b)はSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (20 nm) CoFeZrNb (10 nm) SiO2 substの1000 ˚C30 secの赤外線ランプか熱処理後の
Kerrループを示しているKerrループは膜面側
から測定した結果でありCrPt層の磁化曲線を
反映するFig 1 (b)のように単層膜と同様の大
きな保磁力のループが得られておりSiO2 (20 nm)中間層によりCoFeZrNb層とCrPt3層との合
金化が抑えられたことを示している
Fig2 Dependence of saturation magnetization of pulse laser annealed Cr25Pt75 (15 nm) on the laser fluence
参考文献
[1] T Kato S Iwata Y Yamauchi S Tsunashima
K Matsumoto T Morikawa K Ozaki J Appl
Phys 105 (2009) 07C117
[2] C Chappert H Bernas J Ferreacute V Kottler J-P
Jamet Y Chen E Cambril T Devolder F
Rousseaux V Mathet H Launois Science 280
(1998) 1919
Fig 2 は SiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substを 40 ndash 190 mJcm2 のエネルギーでパルス
レーザー処理した後の磁化の照射強度依存性を
示している照射強度と温度との関係は不明で
あるがCr25Pt75 (15 nm)の反射率透過率から
照射エネルギーの 10 程度が膜に吸収される
と見積もられることからPt の体積比熱 29 JKcm3 を仮定すると50 mJcm2 で約 1000 ˚C の
温度上昇が見込まれるFig 2 に示すように CrPt合金膜に短パルスレーザー処理を行った場合
100 ndash150 mJcm2 程度の照射で若干磁化の増大
が観測されたが赤外線ランプ処理のような
100 emucc 以上の磁化は見られていない
[3] E Suharyadi T Kato S Tsunashima S Iwata
IEEE Trans Magn 42 (2006) 2972
[4] J Cho M Park H Kim T Kato S Iwata S
Tsunashima J Appl Phys 86 (1999) 3149
45
装置利用 豊田工大 08-17
鉄-コバルトナノワイヤシリサイド形成に関する研究 Study for Iron ndash Cobalt Nanowire Silicide Formation
丹司敬義ab大平 豊a
Takayoshi Tanjiab and Yutaka Ohiraa
a名古屋大学院工学研究科 b名古屋大学エコトピア科学研究所
aGraduate School of Engineering Nagoya University bEcoTopia Science Institute Nagoya University
Si(110)表面上にFe と Co の二元蒸着により作製したナノワイヤ(NW)の元素分析を行うために走査電子顕微鏡(SEM)に装備されているエネルギー分散型スペクトロスコピー(EDX)を用いたその結果我々は NW が形成されている同一表面上から FeCo の両ピークの検出に成功した Elemental analysis of Nanowire (NW) prepared by co-deposition of Fe and Co onto Si(110) surface have been studied by energy dispersion spectroscopy (EDX) equipped scanning tunneling microscopy (SEM) As a result we found both peaks of Fe and Co K line from same surface formed NW 背景と研究目的主に電荷を用いる半導体エレク
トロニクスでは従来使われなかった電子のもう一
つの性質であるldquoスピンrdquoを積極的に利用して
新しい材料の機能やデバイスを構築しようとする
半導体スピントロニクスに関する研究が近年盛
んに行なわれているシリコン(以下Si)技術と
の融合を図るためにはSi基板上へ磁性体の直接
成長が必要となる この背景の下我々はldquo磁性を有するナノワイ
ヤ(以下 NW)を Si 基板上に直接成長させるrdquoこ
とを最終目的として本研究を行なっているこれ
までは磁性元素である鉄(以下 Fe)のみを蒸着
し加熱することで形成される NW に注目し研
究を行なってきた 1)今回は FeSi(110)系に更にコ
バルト(以下 Co)を同時蒸着することにより
NW を形成させることを試みている Fe ndash CoSi(110)系の先行研究例は全くなくまず
Si(110)表面上に Fe と Co を同時に蒸着させた場合
にもFeSi(110)系や CoSi(110)系と同様なワイヤ
が形成されるかどうかを調べる必要があるこれ
はすでに著者らが形成されることを明らかにして
いる次の段階としてFe と Co 両方が同一ワイ
ヤ内に存在しているかどうかを調べるために本
支援により元素分析が可能な SEM ndash EDX を使
用した 実験Si(110)表面上にFeとCoの二元蒸着により
作製したNWのSEM ndash EDX測定を行う
結果および考察Figure 1 にFeとCoを蒸着
加熱を行い作製した試料のSEM像を示す
FeSi(110)系やCoSi(110)系で作製したNW同様
lt-110gt方向に配向したNWが観察されるNWの形
状としては幅が約 10 ndash 100 nm長さが約 300 ndash 1200 nmであり長いものでアスペクト比が 20 を
超えるNWが形成される この表面上の SEM ndash EDX 測定を行った結果を
Fig 2 に示す測定時に試料を入射電子線に対
して傾けて測定しているFeCo それぞれの K線のピーク(Fe 6398 keV Co 6924 keV)を検出す
ることに成功しこの表面上には FeCo それぞ
れ 2 種類の原子が存在していることを確認するこ
とができたまた母体である Si の K 線のピー
ク(Si 1739 keV)の横にあるピークはSi の K線エネルギーの丁度 2 倍の位置にあたりサムピ
ークと呼ばれているこれは検出器に Si からの特
性 X 線が 2 つ同時に入った場合検出器が分離で
きないために起こるアーティファクトである 次にワイヤ 1 本に FeCo がそれぞれ含まれ
ているかどうかを調べるためにEDX マッピング
を行ったその結果を Fig 3 に示すFigure 3(a)はマッピングを行った場所の SEM 像(b)から
(d)はそれぞれSiCoFe の K 線のピークの強
度を濃淡で表示したものであるこの結果SEM像と対応した濃淡を測定することはできなかった
これは試料のドリフトにより観察領域が同一の
場所に安定しないため測定することができなか
ったと考えられる
46
本支援ではFe と Co の二元蒸着により作製し
た Si(110)表面上の NW の元素分析を SEM ndash EDXにより行ったその結果 NW を有する表面上から Fe と Co の両ピーク
を検出した 非常に微小な構造のためSEM ndash EDX では
NW1 本辺りからの元素分析は困難であった 以上のことを明らかにした 今後の課題二元蒸着により作製したワイヤの詳
細な元素分析また磁気特性について研究を行な
う予定である 論文発表状況特許出願 該当なし 参考文献 1) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
Jpn J Appl Phys 47(7B) (2008) 6138
Fig 3 EDX mapping of Fe ndash CoSi(110) surface (a) SEM image (b) Si K line (c) Co K line (d) Fe K line
Fig 1 SEM images of NWs on Si(110) surface The NWs grow along lt110gt
Fig 2 (a) Configuration of EDX measurement (b) EDX spectrum of Fe ndash CoSi(110) surface
1 μm lt110
lt001gt
(c)Co K line
(a)SEM image (b)Si K line
500 nm
(d)Fe K line
47
技術代行装置利用
豊田工大 08-20
ナノ構造半導体薄膜の作製
Fabrication of Nano-Structured Semiconductor Thin films
竹田 康彦
Yasuhiko Takeda
株式会社 豊田中央研究所
Toyota Central Research and Development Laboratories Inc
分子線エピタキシー法によりGaAs ウェハー上に良質の GaAs 膜を作製するための条件を調べた成
膜時の基板温度が 520のときにバンド間遷移に起因するフォトルミネッセンスの強度が最大半値
幅が最小となりこれが最適条件であることがわかった We found the optimal substrate temperature to fabricate GaAs thin films on GaAs wafers by molecular beam epitaxy When the substrate temperature during the deposition was 520 the intensity of photoluminescence attributed to the band-to-band transition was the largest and the peak width was the narrowest
背景と研究目的 ナノ構造半導体中に閉じ込
められたキャリアはその構造の次元(2 次元
薄膜1 次元細線0 次元ドット)に特徴的
な光電子物性を示す1970 年代の分子線エピ
タキシー(MBE)成膜技術の進歩によってこ
の分野の研究が大いに進展した[1]このように
長い歴史をもつにも関わらず未だに新たな発
見が絶えない分野でもある例えば近年地球
温暖化対策の一環として種々の太陽電池の研究
開発が盛んになっている現在製品化されてい
る太陽電池の主流はシリコンpn接合を基にした
ものであるが変換効率の大幅な向上を目指し
ナノ構造半導体中の長寿命ホットキャリアや
多重キャリア生成の利用が提案されている[2]しかしこれらのナノ構造に特徴的な光電子
物性の起因と詳細は未だ議論の渦中にある[3 4]
III-V 族化合物半導体混晶を用いた多層薄膜
においてはその組成を変調することにより
キャリアに対する閉じ込めポテンシャルを制御
することができる更に格子整合不整合の
利用により閉じ込め構造の次元をも制御する
ことができるのでナノ構造に特徴的な物性を
発現させるための格好の舞台となる 我々は2 次元閉じ込めの代表的な材料であ
る GaAsAlGaAs 多層膜[1]及び 0 次元閉じ込め
構造が得られる InAsGaAs 多層膜[5]を GaAs ウェハー上に作製することを計画しているこれ
らを作製するためには通常GaAs ウェハーの
上に厚さ数 100nm の GaAs バッファ層が形成さ
れる新たに導入された MBE 成膜装置におけ
る成膜条件を調べる第一歩としてGaAs バッフ
ァ層の作製を試みた 実験 市販n型GaAs(100)ウェハー基板上に
MEB法により厚さ200nmのGaAs膜を作製した
良質な薄膜が得られる条件を調べるため基板
温度を400~600の間で変化させた成膜速度
が10~20nm分になるように原料の供給量を調
節した 作製したGaAs膜の結晶性をフォトルミネッ
センス測定により評価した励起光にはNdYAGレーザーの第2高調波(波長532nm)を用いた
この波長でのGaAsの光吸収係数は78times104cm-1
でであり[6]励起光は基板には到達しないので
膜からの発光のみを測定することができる検
48
出器にはInGaAs光電面をもつ光電子増倍管を
用いた試料温度は室温にて測定を行った
0
2
4
6
8
10
800 900 1000 1100 1200
Wavelength (nm)
PL Inte
nsi
ty (ar
b U
nits)
MBE film
Wafer
結果と考察 何れの基板温度の場合にもバン
ド間遷移に起因する発光ピークが波長 860nm付
近に現れたただしその強度とピークの幅は
基板温度に依存し520のときに強度が最大
かつピーク幅が最小であったこれよりも低温
では結晶性が低く一方高温ではAsの再蒸発に
より欠損が生じるためであると考えられる 今回の成膜条件において最適であった基板温
度 520にて作製された GaAs 膜のフォトルミ
ネッセンススペクトルを Fig 1 に示す同条件
にて測定された GaAs ウェハーの結果と比較す
るとピーク波長が若干短波長側にシフトして
いる更にピーク幅が広くまた長波長側に
格子欠陥あるいは不純物に起因すると考えられ
る発光が見られる従って結晶性にはまだ改
善の余地があると考えられる
Fig1 Photoluminescence spectra of the GaAs thin film deposited at a substrate temperature of 520degC and the GaAs wafer measured at room temperature
今後の課題 更に良質のGaAsバッファ層を作
製するための条件を探索すると共にこれを基
にナノ構造薄膜を作製しその光電子物性を
評価する予定である 謝辞 フォトルミネッセンス測定技術につい
てご指導いただきました豊田工業大学小島伸
晃先生に深謝申し上げます
参考文献
[1] 日本物理学会編半導体超格子の物理と応
用(培風館1984)
[2] M A Green Third Generation Photovoltaics
(Springer-Verlag Berlin 2003)
[3] J A McGuire et al Acc Chem Res 41 1810
(2008)
[4] A Pandy and P Guyot-Sionnest Science 322
929 (2008)
[5] R Ohshima et al J Cryst Growth 310 2234
(2008)
[6]
49
協力研究
豊田工大 08-22
InAs 量子ドットを電極としたナノショットキーダイオードの理想係数
Ideality factor of nano-Schottky diodes using InAs quantum dots as electrodes
田中 一郎
Ichiro Tanaka
和歌山大学 システム工学部
Faculty of Systems Engineering Wakayama University
導電性探針を用いた原子間力顕微鏡(AFM)によって表面における伝導性をナノスケールで測定する
ことが可能である本研究ではGaAs(001)表面上に自己形成した単一 InAs 量子ドットを電極とした
ナノショットキーダイオードの電流電圧特性を行いその理想係数に対するフェルミレベルピニン
グの影響を検討したまたGaAs 層へのドーピングによりその影響が緩和されることを明らかに
した We fabricated nano-scale Schottky diodes using self-assembled InAs quantum dots as nano-electrodes on n-GaAs layers and current-voltage characteristics of the single nano-Schottky diodes were measured with conductive AFM at room temperature It has been simulated and experimentally confirmed that the ideality factor of the nano-Schottky diodes becomes considerably large because of Fermi level pinning at GaAs (001) surfaces We have also found that higher doping concentration of n-GaAs decreases the influence of the environmental Fermi level pinning
背景と研究目的 InAs量子ドットはその0
次元電子物性や光電子素子への応用可能性が
注目されて様々な研究が行われてきた われわれは導電性探針を用いた原子間力顕
微鏡(AFM)により InAs量子ドットの導電性を画
像化し同ドットがナノ電極として使用できる
ことを見出している1) 今後デバイスの微細
化が進むとともに電極もナノスケール化される
と考えられるがそれによってデバイス特性が
受ける影響を検討することは重要である本研
究では InAs 量子ドットを電極に用いて GaAs ナノショットキーダイオードを作製してその電
流電圧特性を検討することを目的とした 計算 n-GaAs層上にナノスケールの電極を設
けてバイアス電圧を印加した場合にその電極
下における電位分布がどうなるかを有限要素法
によりポアッソン方程式を解いて計算したそ
のモデルを図1に示すこの計算においてナノ
電極以外の表面はフェルミレベルピニングによ
り電位が07Vに固定されているものとした 実験 n-GaAs層およびその上のInAs量子ドッ
トはn+-GaAs(001)基板上に固体ソースの分子線
結晶成長(MBE)装置を用いて作製した 試料表面をAFM観察し直径が60~80nm程度
のInAsドットに導電性探針を接触させて順バイ
アス電圧を印加し電流電圧特性を測定した 結果および考察 図2(a)にナノ電極の
05V の順バイアス電圧を加えた場合のナノ電
極近傍の電位分布計算結果を示すこの図にお
いてナノ電極は電位が 02V になっているため
その直下の電位はそれに応じて青色で表されて
いるが深さ 20nm 程度の所は緑色になってい
て電位がやや上昇しているさらに深くなると
50
別紙
電位は次第に減少し中性領域で 0V になるこ
のように電位が深さ方向に単調には減少しない
原因はナノ電極周囲の表面電位がフェルミレベ
ルピニングのため 07V に固定されていてその
影響がナノ電極下に及んでいるためであること
がわかる2) Z 軸に沿った深さ方向のポテンシ
ャル変化を図2(b)に示す この計算結果からナノショットキーダイオ
ードでは理想係数が増加すると考えられるそ
こでドナー濃度が 1x1017cm-3 の n-GaAs 層を
100nm 成長しその表面に InAs 量子ドットを形
成してナノショットキーダイオードを作製した
さらに接触モードの導電性 AFM でその表面
を観察した後単一ドット上に探針を移動させ
て順方向にバイアス電圧を印加し電流電圧
特性を測定したその結果図3に示すように
バイアス電圧が 03V 近辺から電流の増加が緩
やかになり理想係数が 14 から 22 になること
がわかったこれはフェルミレベルピニング
の影響により電極直下の電位が低下しにくくな
ったためと考えられる
Fig 1 Calculation model for voltage distribution under a nano-electrode formed on the (001) surface of n-GaAs layer
またn-GaAs 層のドナー濃度を3倍に高めた
ところこのような理想係数の増加は見られな
かったこれは空乏層中のドナーの増加によ
りフェルミレベルピニングの影響が緩和された
ためと考えられる Fig 2 Calculated (a) potential distribution near the nano-electrode on which a forward bias voltage of 05 V is applied and (b) potential variation along Z-axis
今後の課題 n-GaAs 層表面近傍の空乏層中に
二重障壁構造を作製して本研究と同様の手法
でナノ共鳴トンネルダイオード(nano-RTD)を作
製することができる3) この場合フェルミレ
ベルピニングの影響により共鳴トンネル効果が
生じる電圧が増加するためそれにより直接
的定量的に把握できる今後はnano-RTD を
用いて表面処理によるショットキー障壁の低
減を検討する
論文発表状況特許出願 [1]I Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and H Sakaki Abstract for the 2nd IEEE Nanotechnology Materials and Devices Conference Mo P38 (October 20-22 2008 Kyoto University Japan) 参考文献 1) I Tanaka I Kamiya H Sakaki N Qureshi S J Allen Jr and P M Petroff Appl Phys Lett 74 (1999) 844
Fig 3 Current-voltage characteristics of nano-Schottky diodes measured by conductive AFM2) T Sato S Kasai and H Hasegawa Jpn J Appl
Phys 40 (2001) 2021 3) I Tanaka Y Tada S Nakatani K Uno M Azuma K Umemura I Kamiya and H Sakaki Phys Stat Sol(c) 5 (2008) 2938
51
技術代行
豊田工大 08-26
カーボンナノチューブ FET の作製と評価
Fabrication and Measurement of Carbon Nanotube FET
吉村 雅満
Masamichi Yoshimura
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
カーボンナノチューブ FET 素子の試作を行ったHiPco 試料の I-V 特性は金属半導体(p 型)が混在
していることSG65 試料では半導体特性が明瞭に観測されたまた架橋した本数によりドレイン電
流値に違いがあり少数の CNT が架橋しているとゲート依存性が強くなることが分かった CNT-FET has been fabricated using dielectrophoresis method The HiPco-FET shows both p-type semiconducting and metallic behavior The semiconductor behavior is clearly observed for SG65-FET The Current value and gate voltage dependence are highly influenced by the number of bridged CNTs
背景と研究目的 現在の半導体産業はデバ
イスの微細化による素子性能の向上と高密度化
により発展を遂げてきたしかしシリコンMOSFET(metal-oxide- semiconductor field-effect transistor)では微細化が進むにつれてゲート絶縁
膜の薄膜化に伴う量子効果(例えばキャリアの
トンネル)の影響により性能の向上が阻害され
るそのためSi技術の微細化は限界が近づいて
いるそこで次世代のデバイス材料の一つとし
て注目されているのがカーボンナノチューブ
(CNT)であるカーボンナノチューブFET(以下
CNT-FET)とはCNTをチャネルとして利用した
電界効果トランジスタであるその構造の概略
図をFig1 に示すTansらは平面ゲート電極で変
調され室温で動作するカーボンナノチューブデ
バイスを初めて報告した[1] CNT-FET はバリスティック伝導および高い
電流密度を示しさらに基板を選ばず 1 次元チ
ャネルで短ゲート化に適しているなど優れた特
徴をもつそこで本研究では CNT-FET を作製し
その電気特性を測定することを目的とする 実験 溶媒としてDMF10 mlにCNT試料1 mgを
加え約50 で超音波処理を1 h行うことによ
り分散させたCNTを電極間に架橋させる方法
として誘電泳動法を用いた[2]すなわち溶
液中の微粒子に外部から電場を加えると溶液
-微粒子界面に電荷が誘起される電荷量は溶
媒と粒子の分極率に依存しこの相違により
双極子モーメントが誘起される本研究では
この原理を利用してCNTを電極に引き寄せる
CNT試料として異なる純度分散状態電気
的特性を有するUnidym社製Super Purified
HiPcoSouthWest Nano Technologies社製SG65
を使用したHiPcoは金属半導体の割合が1
2SG65は90 以上が半導体的なCNTで構成さ
れている 具体的にはCNT分散溶液を基板に
滴下後高周波(5 MHz)を15分程加えることに
よりCNTの配向を行ったソースメータ
(Keithley社製2636)及びマイクロプローバー
(共和理研社製K-157MP150)を用いFET特性の
測定を行ったFig1下図に測定回路図を示す
ゲート電極は基板背面を利用した 結果および考察 Fig2 にHiPco試料のド
52
レインソース間の電流(Ids)-電圧(Vds)特性のゲ
ート電圧依存性の測定結果を示すこのときゲ
ート電圧Vgsを-15~+15 Vの間で5 Vステップで
印加したオーミックな特性が観測されIdsはVgsを負に印加すると増加したよって架橋し
たCNTは金属p型半導体双方の性質をもつもの
が混在していたと考えられる直線の傾きから
抵抗値を見積もると抵抗値はVgs=-15 Vで 019 MΩ15 Vで 026 MΩとなりVgsが負のとき抵
抗値の低下が確認されたCNT 1 本当たりの抵
抗値に換算するとVgs=-15 Vのとき約 3 MΩと
なり文献値の 29 MΩとほぼ一致した[3]
-10 -05 00 05 10
-4
-2
0
2
4
1microm
Vgs=15V
Vgs=‐15V
0V
+
-
5Vstep
次に多量及び少数のSG65が架橋した電極の I-V測定結果を Fig34 に示すFig34 どちらも p 型
半導体的な特性が現れているまた CNT 数が少
数の場合電流値が約 120 に減少しているさ
らに Vgs による Ids の変調は少数の CNT が架橋
した時により大きいことがわかる
今後の課題 カーボンナノチューブの高分散
技術の改良ナノ電極のデザイン改良が今後必
要である 謝辞 本研究は豊田工業大学寺尾良輔氏
梶原健氏との共同研究である
参考文献
1) SJTanset alNature 393 (1998) 49
2) YMiyatoet alJpnJApplPhys 87
(2005) 183102
3) RMartelet alApplPhysLett 73
(1998) 2447
Fig1 Schematics of CNT-FET (upper) and electric circuit (lower)
SiO2
Source Drain
CNT
Gate(P+‐Si)
Vgs Vds
AD
S
G
CNT
Ids
-3 -2 -1 0 1 2 3-02
-01
00
01
02
Vgs=-10VVgs=-5VVgs=0VVgs=5V
1microm
Vds
Ids
(nA
)
Fig 4 IV curve of SG65-FET with a small amount of CNTs
Vds
Ids
(nA
)
Fig 3 IV curve of SG65-FET with plenty of CNTs
-3 -2 -1 0 1 2 3-10
-5
0
5
10
1microm
Vgs=‐10V
Vgs=‐10V‐5V
05V
‐5V +5V
0V
Vds
Ids
(μA
)
Fig 2 IV curve of HiPco-FET
53
装置利用
豊田工大 08-27
触媒ナノ粒子を用いた CVD 膜中残留応力制御
Study of controlling residual stress in CVD thin film by using catalyst nanoparticles
熊谷慎也
Shinya Kumagai
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
MEMS ではデバイス構造を作製するために Si 薄膜が使用される高性能な MEMS デバイスを実現す
るためにはその薄膜中の応力状態を制御することが必要であるアモルファス Si 薄膜を結晶化さ
せるとその過程で薄膜の堆積が収縮し薄膜中に引張応力が発生することが知られている薄膜の
結晶化を適切に促進すれば薄膜中の応力状態を制御することができると考えられる本研究では
アモルファス Si 薄膜の成膜および結晶化促進のための触媒ナノ粒子を Si 薄膜基板上に吸着させ
るプロセスについて検討を行った Thin films of Si are widely used in the fabrication of MEMS structure To realize high performance MEMS devices it is necessary to control the stress in the Si thin film As the crystallization of amorphous Si films proceeds the shrinkage of the volume of the Si thin film generates tensile stress in the film Appropriate crystallization process can control stress in the Si thin film In this study we investigated deposition condition of amorphous Si films and adsorption of catalyst nanoparticles onto the Si films
背景と研究目的 近年MEMS デバイスは我々の周りで広く使
用され欠かせないものになっている例えば
光関連の分野ではマイクロミラーデバイスが
プロジェクタプリンタ等の中に組み込まれて
いるこのミラーデバイスではミラーの回転
角は大きくその一方で不安定動作は小さい
ことが求められるこの要求を満たすために
例えばミラーを支えるトーションバーに張力
(引張応力)を加えることが提案されている[1] シリコン薄膜に引張応力を生じる原理はアモ
ルファスシリコンからポリシリコンへの結晶化
に伴う体積収縮によって発生する結晶化誘起応
力にあると言われている[2]通常はサンプル
を加熱するだけのアニール処理で行うためラ
ンダムな場所から核成長が起こり得られる結
晶粒径は限られ発生する引張応力も限られて
いたそこで何らかの方法で結晶粒径を大き
くできれば引張応力発生に寄与する材料の比
率が増しより大きな引張応力を得ることがで
きると考えられる[3]結晶化の促進には金属誘
起結晶成長法が利用できる[4] 本研究では
アモルファスシリコン薄膜の成膜とそのシリ
コン薄膜上へ結晶化促進のための触媒ナノ粒子
を吸着させるプロセスについて検討を行った
54
実験 アモルファスシリコン薄膜の堆積 プロセスガスとしてジシランを使用したジ
シランは通常用いられるシランよりも低い温度
で熱分解するためアモルファス薄膜の成膜に
適している[5]薄膜のアモルファス性が高いほ
ど結晶化する際の堆積収縮量が大きく引張応
力の発生の効果が大きいといえる堆積実験で
はCVD炉温度を510度に設定し炉内圧力
13Paのもとで成膜を行った成膜時間は100分間
とした
シリコン薄膜上への触媒ナノ粒子の吸着 触媒ナノ粒子を分散させた溶液をアモルファ
スシリコン薄膜上に滴下して10分間吸着を行っ
たその後遠心分離機(10000rpm1分)を用い
て余剰の溶液を除去しその後SPMで観察を
行った 結果および考察 シリコン薄膜堆積後光干渉法により膜厚
を測定したサンプル表面20箇所の平均値とし
て2790nmが得られた堆積レートに換算すると
約28nmminとなるMEMS応用には1μm程度の
Si薄膜の厚さがあることが望ましいそのため
にはより長い堆積時間が必要となる堆積レ
ートを高くするには成膜温度を上げることが
有効であるが堆積後に結晶化が進み薄膜の
アモルファス性が低下することになる膜質と
トレードオフの関係にあるため今後検討を進
めていく必要がある 作製した Si 薄膜のサンプルを用いてナノ粒
子の吸着実験を行ったFig 1 にナノ粒子吸着
後サンプル表面の SPM 像を示すナノ粒子が分
散して吸着していることがわかるその一方で
成膜後のサンプル表面を光学顕微鏡で観察した
限りでは分からなかったがナノ粒子の他に表
面に比較的大きな凹凸形状が見られるこのよ
うな箇所では MEMS 構造を作った際に機械的
強度が低下すると考えられ堆積条件のさらな
る検討が必要といえるFig2 ではナノ粒子濃度
を Fig1 の条件の 10 倍に希釈した溶液を滴下し
た後の SPM 像であるFig1 と比較すると溶
液濃度が希釈されて低くなっていることに対応
して表面上へのナノ粒子吸着量が減少してい
ることがわかる溶液中のナノ粒子濃度は基板
上への吸着量の制御パラメーターとして利用で
きる まとめ
Si 薄膜の堆積条件ナノ粒子の吸着プロセス
について検討を行った引き続き検討を行
いシリコン薄膜結晶化の評価を進めていく予
定である
参考文献
1) M Sasaki S Yuki K Hane IEEE Photon
Technol Lett 18 (2006) 1573
2) 三浦英夫ら日本機械学会論文集(A 編)58
巻 554 号(1992-10)216-221
3) P Temple-Boyer et alThin Solid Films 310
(1997) 234
4) C Hayzelden and J L Batstone J Appl Phys
73 (1993) 8279
5) K Nakazawa J Appl Phys 69 (1991) 1703
Fig1 SPM image of nanoparticle adsorption on Si film surface
Fig2 SPM image of nanoparticle adsorption Concentration of nanoparticle in the solution is 110 of the condition in Fig1
55
協力研究
豊田工大 08-28
a-SiNxHSi 界面特性の面方位依存性
Dependence of crystallographic orientation on a-SiNxHSi interface characteristics
新船 幸二a近藤 憲司b大下 祥雄b
Koji Arafune a Kenji Kondob Yoshio Ohshita b a 兵庫県立大学b 豊田工業大学
a University of Hyogo b Toyota Technological Institute
多結晶シリコン太陽電池の表面パッシベーション膜としてアモルファス水素化窒化シリコン膜
(a-SiNXH)が通常使用されているこのパッシベーション機構を明らかにするために面方位の異な
る単結晶シリコン基板に a-SiNXH 膜を同一条件で製膜しその容量-電圧特性を水素処理前後に測定
し界面準位密度や固定電荷について検討を行った a-SiNXH film is used as surface passivation layer for polycrystalline silicon solar cells In order to clarify the passivation mechanism a-SiNXH films are deposited on the single crystalline silicon substrates with different crystallographic orientation by plasma enhanced chemical vapor deposition The characteristics of a- SiNXHSi interface is also studied by C-V measurements
背景と研究目的 現在主流の多結晶シリコン
太陽電池には表面パッシベーション膜として
アモルファス水素化窒化シリコン膜(a-SiNXH膜)が使用されているa-SiNXH膜をシリコン基
板上に形成することにより界面準位密度が低
下し加えてa-SiNXH膜中の固定電荷に起因す
る電界効果により界面におけるキャリアの再
結合が抑制される 1)と考えられているしかし
具体的なパッシベーション機構については未だ
明らかになっていないこの原因の一つとして
多結晶シリコンが面方位の異なる結晶粒により
構成されているため得られる情報が平均化さ
れてしまうことが予想されるそこで面方位
の異なる単結晶シリコン上にa-SiNXH膜を形成
しそれらの電気的特性の相違を詳細に検討す
ることによりa-SiNXH膜によるパッシベーシ
ョン機構解明の端緒とすることを目的とした 実験 面方位が(100)および(111)である3inch
果および考察
のp型単結晶シリコン基板を4分割し希フッ酸
処理SC1処理希フッ酸-過酸化水素処理等
により洗浄を行った洗浄後の(100)および
(111)基板上にPECVD法によりa-SiNXH膜を製
膜した製膜条件は250 []圧力 04 [torr] ガス流量 SiH4 3 [sccm]NH3 6 [sccm]H2 6 [sccm]製膜時間 5 [min]とした製膜したa-SiNXH膜の
膜厚および屈折率はエリプソメトリー法により
評価したC-V測定サンプルのゲート電極には
Al(D=06mm)を使用した界面準位低減効果を
比較するためにフォーミングガス(N2+H2)によ
るアニールを400 []30 [min]で行った 結 製膜したa-SiNXH膜の
ングガスアニール前の C-V 曲
膜厚は面内で多少のばらつきはあったものの
(100)基板および(111)基板ともに89plusmn4 [nm]以内
であった屈折率に関しては178 と全て一定
の値を示した Fig1 にフォーミ
56
の C-V
えるとa-SiNXHSi 界面に
(a)
線を示す膜中の固定電荷に関しては(111)基板上の膜の方が(100)基板上の膜より密度が高
いことが判ったこれはシリコン上の熱酸化膜
と同様の傾向を示しているまた両者ともに
ヒステリシスを示しているがその原因は(100)基板の場合は正の可動電荷型(111)基板では正
孔注入型と異なることが判った界面準位密度
に関してはどちらの場合も非常にリークが大
きいため今回の測定では求めることが出来な
かった今後膜厚増加によるリーク低減を行
い界面準位密度の評価を進めたい Fig2 にフォーミングガスアニール後
曲線を示すどちらの場合もフォーミングガス
アニールによりヒステリシスが消失している
これは熱による構造変化と水素によるダング
リングボンドの終端化によるものと考えられる
より詳細な検討を行うためにはアニールガス
種の変更や温度時間等を変化させた評価が必
要である界面準位密度に関してはフォーミ
ングガスアニールにより界面準位密度が低減さ
れた傾向が現れているまたC-V 特性測定時
の周波数を変化させた測定も行ったところ周
波数分散特性も(100)基板と(111)基板では大き
く異なっていた 以上の結果を踏ま
おける界面準位密度及び膜中固定電荷密度は基
板面方位に大きく依存しヒステリシス特性の
要因も基板面方位により変化することが明らか
になった
0
50
100
150
200
-10 -8 -6 -4 -2 0
容量[pF]
電圧[V]
(b)
0
50
100
150
200
-20 -18 -16 -14 -12 -10
容量
[pF]
電圧[V]
Fig1 C-V characteristics of a-SiNXH films on (a)
(100) and (b) (111) single crystalline silicon substrates before forming gas annealing
(a)
0
50
100
150
200
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
容量
[pF]
電圧[V]
(b)
0
50
100
150
200
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
容量
[pF]
電圧[V]
Fig2 C-V characteristics of a-SiNXH films on (a) (100) and (b) (111) single crystalline silicon
後の課題
substrates after forming gas annealing 今 今回はPVCVD装置のトラブルに
りサンプルは2種類しか試すことが出来なよ
かったが今後は(110)基板の使用やa-SiNXH膜の製膜条件を変えたサンプルを準備し固定
電荷の起源やパッシベーション能力の定量的評
価などを行う予定である 謝辞 C-V測定において兵庫県立大学の佐
真一教授及び吉田晴彦准教授に協力頂いた
許出願
藤
深く感謝したい
論文発表状況特 [1 未定
考文献
]
参
t et al Semicond Sci Technol vol16 1) JSchmid
pp164-170 (2001)
57
技術代行装置利用
豊田工大 08-29
太陽電池特性評価技術の習得 Acquirement of solar cell characterization skill
岩本 恵里
Eri Iwamoto
日本ソーラーシリコン株式会社
Japan Solar Silicon Co Ltd
特性の異なるシリコンウェーハから太陽電池セルを作製し作製した太陽電池セルについてその特性評
価を行った
We made silicon solar cells with silicon wafer of a different characteristic and conducted investigation of these
cell performance
研究目的 シリコン原料メーカーとして太陽
電池セルの特性評価に関する知識を持つことが
必要であるしたがって本研究ではセル作製工程
の一連の流れを理解し実際に作製したセルにつ
いてその特性評価を行い自社内での太陽電池特
性評価技術の向上を目的とする今回はプロセ
スに慣れることプロセス条件を最適化すること
を目的とし基板抵抗やPの拡散温度のセル特性
への影響を見ることとした
実験 Si基板は購入した 3 インチ厚み 380 μ
mのSi基板 (CZ結晶) でp型抵抗a (低抵抗) とb
(高抵抗) の2種類の比抵抗値を示す基板を用いた
Si基板を洗浄後基板上にPを温度A B Cの 3 水
準で変化させて拡散させた基板裏面の酸化膜を
除去した後リフトオフ工程によって表面に 10
mm角セル (16 個分) のAl電極パターンを形成し
たこの際Alの蒸着は抵抗加熱真空蒸着装置を用
いて行った表面と同様に裏面にAl電極を形成し
た後380で 10 分間の水素シンター処理を行っ
たその後ダイシング装置で 10 mm角セルに分
割し中心部分のセルについてI-V特性評価を行
ったこのI-V特性評価によってpn接合の良否
電極とSiの接触の良否などが判断できる
結果と考察 Fig1 に低抵抗Si基板と高抵抗Si基
散温度を変化させて作製した各セルの短
絡
板についてリン拡散温度を変化させて作製した
各セルの開放電圧 (Voc) を示すFig1 を見ると
温度Aで拡散させたセルでは他と比較してVocの
値が低かったこれは温度Aでのリン拡散が不十
分でpn接合がうまくできていないと考えられる
Fig2 に低抵抗 Si 基板と高抵抗 Si 基板について
リン拡
電流 (Isc) を示すFig2 を見ると拡散温度 C で
Isc が悪化しているこれは温度 C でのリン拡散
でp 層基板が高温処理によって劣化した可能性
が高いと考えられる
本設備においては拡散温度は CZ 基板を用い
58
た場合温度B近傍で行うのが最適と考えられる
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Isc
(arb
uni
ts)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
今後の課題 今回作製したセルはプロセスの最
適化がされていないため基板評価のため十分な
効率が得られていない今後はプロセス条件の改
善を実施し太陽電池特性評価技術の向上を目指
す
謝辞 本研究は豊田工業大学梶原氏および
下准教授に指導して頂いた深く感謝したい
豊田工業大学梶原氏および
下准教授に指導して頂いた深く感謝したい 大大
Fig2 The phosphorus diffusion temperature dependence of shortcircuit current (I sc) for low resistivity Si substrate and highresistivity Si substrate
Fig1 The phosphorus diffusion temperature dependence ocircuit voltage (V oc) for low resistivity Si substrate aresistivity Si substrate
f opennd high
Fig3 The phosphorus diffusion temperature dependence ofconversion efficiency for low resistivity Si substrate and highresistivity Si substrate
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Voc
(arb
uni
ts)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Con
vers
ion
effic
ienc
y (a
rb u
nits
)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
59
技術代行
豊田工大 08-32
レジストマスクによるリン砒素のイオン注入
P and As Ion implantation using Resist Mask patterns 上田一之
Kazuyuki Ueda
豊田工業大学ナノハイテクリサーチセンター
Nano High-Tech Research Center in Toyota Technological Institute Supported by MEXT
シリコン表面に PAs をイオン注入してマスクパターンを作りそのときの打ち込みエネルギーやイ
オンの種類により打ち込み層に含まれる水素や酸素の形態はpn 接合を考える上で極めて重要な
要素となるしたがってこれらの打ち込み層に存在する水素と酸素の起源と振舞いについて電子励
起イオン脱離法を応用した水素顕微鏡で調べた
Masked patterns by ion implanted surface include hydrogen and oxygen which might affect to p- n-junction properties Electron-stimulate-desorption (ESD) spectroscopy is useful to investigate behaviors of hydrogen and oxygen on the device surfaces Implated musked patterns have been investigated by using hydrogen microscope
背景と研究目的 2次元的なp- n-接合をシリコン表面上にイオン注入法で数十ナノメートルの深さ方向に作りその層の表面や層間に存在するする水素や酸素の起源と振る舞いを調べることは注入層がp-n-層として機能するかどうかの重要な問題を含んでいるナノテク支援により作成されたイオン注入マスクパターンを用いて超高真空中に配置された電子励起イオン脱離(ESD)を発展させた水素顕微鏡を使用して数百ナノメートルの2次元分解能でそれらの挙動を調べた 実験 実験は超高真空中にセットされたESD装置を応用した水素顕微鏡(Fig1)1)2)を使用して
実施されたナノ支援によってシリコンウエハ
ーに注入されたPおよびAsの格子状のパターン
構造をしており最上層にはPのストライプパタ
ーンの層がありその下にはAsのストライプパ
ターンが直角方向に形成されている表面の酸
化物層をイオン衝撃で取り除くとPのストライ
プパターンが現れイオン衝撃法により25nm程度の深さに達するとAsの打ち込み層が存在
していることが水素酸素のイメージから判る
これらのパターンの様子をFig2に2次元的な
模型で示しイオン衝撃に応じて水素顕微鏡で
観察するとFig3に示すようにPのストライプ
パターンが水素像酸素像として示されている
これは打ち込み層が極浅いところなのでP層の
みが現れている水素酸素に2種類のパターン
が示されているのはPとAsではそれぞれの層
に吸着する水素と酸素の吸着状態の違いを反映
して異なる運動エネルギーのイオン像が現れ
るであるうことを期待しているからである
Fig3に示すように同時に得られたSEM像には
両方の元素のパターンがモノクロに撮影されて
いるだけで表面物性的な差異は全く見られな
いこのことはSEM像が2次電子の発生深さの 情報を持つのに対してESDは殆どトップレイ
ヤーの情報しか持たないことに由来する
60
4μm
12μm
18μm
7μm
4μm
As+ As+ 5x1015cm2
P +
5x1015cm‐2
P +
As + 20 keV(127 nm)p‐S i(100)
S iO2
試料の形状(マスクによるイオンの打ち込み)
Top view
S ide view
P + 10keV (108 nm)Thickness of S iO2 1 5 nm
1times1010 As+(on the back ground)
7μm
Fig 1 Ion implanted patterns of P and As
On the B-dose Si surface
Fig2 Shematic drawing of hydrogen
microscope
Fig3 をさらにスパッタリングで 25nm 程度取
り除くと深いところに分布している As 層から
水素酸素の像が得られてそれぞれ格子模様と
なるこれらの水素酸素の起源はイオン注入
打ち込みの過程から考えて酸素は酸化物層にイ
オン注入しているので当然であるが水素につ
いては原因は不明であるイオン注入時はマス
フィルターにより元素を選択的に打ち込んでい
るので水素の混入は考えられないそうすると
マスク材料から打ち込まれたかあるいはマス
クを取り除く薬品から混入したことが考えられ
る現時点ではこれらの水素濃度の定量
Fig3 H+ and O+ images from P-implanted
Layer on Si-SiO2 layers
Fig4 H+ and O+ images from P-and
As implanted layer on Si-SiO2 layers
的評価は出来ないが水素の量によっては今後
のデバイス処理に重要な情報を与えているもの
と考えられる
参考文献
1) KUeda and KOgai Surf Sci 462 (2000) 1
2) 上田一之表面技術 59 (2008) 893
H(1)+ H(2) +
O(1)+ O(2) +
H(1)+ H(2) + SEM
O(1)+ O(2) +
61
協力研究
豊田工大 08-33
新規プローブの開発
Development of new probe for AFMSTM
森田 幸治 長村 俊彦 佐々木 徹
Kouzi Morita Toshihiko Nagamura Touru Sasaki
株式会社ユニソク
UNISOKU CoLtd
近年ナノスケールデバイスの開発においてその表面形状または電気的特性を評価するためのプロ
ーブの必要性が高まってきているそこでプローブ自身が歪み検出部分を持ちかつ先端に他と絶
縁された金属配線を持つ新しいプローブの要素技術開発を行った
Recently new probe to evaluate surface shape and electrical characteristics are required in nanometer scale devicersquos development Here we developed functional elements of new probe with piezo resistance and metal
wiring is isolated other metal wiring
背景と研究目的 現在LSI各種センサな
どのデバイスがナノスケールで開発作製され
それらの金属配線パターンは30nmオーダーに
まで達しているしかしそのデバイスの表面形
状力学的特性電気的特性を評価することは
非常に難しいこれらの研究分野ではデバイス
の各種評価用の装置またそれに合わせた新し
いプローブの開発製品化が強く求められてい
る 弊社では以前より立命館大学磯野教授との共
同開発で新しい機能を持ったプローブの試作を
行ってきた本研究ではその結果を利用して新
規プローブの量産化に向けたMEMSプロセスの
確立を行うプローブはSOIウェハ(Silicon On Insulator)から作製するプローブ上にはピエゾ
抵抗素子を作製しその抵抗変化によってプロ
ーブの歪み検出を行うまたプローブ先端には
他と絶縁された金属配線を持っているこれら
の組み合わせによって様々な評価を行えるプロ
ーブを作製する プローブの絶縁性能に関しては歪み検出を
しながらSTM(Scanning Tunneling Microscope)測定することを想定した時ピエゾ抵抗素子に1V
程度の電圧をかけた時にプローブ先端へ漏れる
電流はトンネル電流より十分少ないことが求め
られる今回はその漏れ電流01nA以下つまり
絶縁抵抗10GΩ以上を目標とする 実験 まず各種プロセス条件に関して以前
から弊社にて研究してきた結果が豊田工業大学
共同クリーンルームの装置で再現できるように
装置の扱いに慣れる意味も含めて繰り返し使用
しプロセス条件を修正合致させたその結
果フォトリソグラフィ真空蒸着イオン注
入TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)エッチング熱酸化シンタリングのプロセス
において以前の結果を再現させることができ
た そのプロセス条件を使用してピエゾ抵抗素
子とそれへの金属配線およびSiO2膜で絶縁され
た金属配線を作製したSiO2絶縁膜は熱酸化炉
(炉内温度1100O2雰囲気30分加熱)で作
製したFig1に作製したデバイスの断面模式図
を示すFig1中の①Al電極はSiO2絶縁膜で基盤
Siから絶縁されている②Al電極はピエゾ抵抗
素子と接続されている①②Al電極を弊社製
62
品であるAFM(Atomic Forced Microscope)STM測定用コントローラに接続しスイープ電圧を
かけてその時の微小電流値をモニターすること
で絶縁抵抗の評価を行った
Al SiO2
Piezo Resistance
(Type Positive)
Si(Type Negative)
① ②
結果および考察
Fig2に作製したデバイスの光学顕微鏡写真
を示す設計寸法通りパターニングできゴミ
などの不純物もほとんど乗ることなく出来上が
ったエリプソメーターでSiO2絶縁膜厚を測定
したところ80nmであったFig2中の①②は
Fig1の①Al電極②Al電極の場所を示している
Fig3にスイープ電圧とその時に得られた電流
値のグラフを示すPiezo resistance(Type Positive)とSi(Type Negative)の間のPN接合の影響で順
方向バイアスではノイズが漏れやすいことが分
かったグラフの傾きから絶縁抵抗値を計算し
たところ約25GΩの抵抗値が得られ目標の絶
縁抵抗値を達成することができた
Fig1 Cross section model of piezo resistance Al wiring and SiO2 dielectric(80nm)
今後の課題 本デバイスはピエゾ抵抗と金属
配線との間でAl-Alの積層構造を持っているが Al 同士の間に Al 酸化膜が存在し接触が不安
定になる現象が確認できた今後は Al を積層し
ない構造に変更するか配線材料の変更を検討
する実験を行う必要がある ② ①
Fig2 Optical microscope image of piezo resistance Al wiring and SiO2 dielectric(80nm) 参考文献
1) 江刺正喜藤田博之五十嵐伊勢美杉山進
共著「マイクロマシーニングとマイクロメカト
ロニクス」培風館
-15
-1
-05
0
05
1
15
-11 -9 -7 -5 -3 -1 1 3 5 7 9 11
Voltage(V)
Current(nA)
2) MエルベンスポークHVヤンセン 著田
畑修佐藤一雄 訳「シリコンマイクロ加工の
基礎」シュプリンガーフェアラーク東京
Forward bias back bias
Fig3 Graph of leak current and voltage put SiO2 dielectric(-9V to +9V)
63
研究協力
豊田工大 08-34
ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製
Fabrication of quantum-structures for potential mapping
賀数 広海 田中 一郎
Hiromi Kakazu Ichiro Tanaka
和歌山大学システム工学部
Faculty of Systems Engineering Wakayama University
InAs 量子ドットをナノメートルサイズの電極(ナノ電極)として用いて順バイアス電圧を印加した場合
その周囲におけるフェルミレベルピニングの影響により電極直下においても電位が下がりにくい
本研究ではInAs 量子ドットをナノ電極として GaAsAlAs 二重障壁構造を含むナノ共鳴トンネルダ
イオードを作製し導電性 AFM を用いてその電流-電圧特性を測定することにより二重障壁構造内
部の電位に対するフェルミレベルピニングの影響を検討することを目的とした When a forward bias voltage is applied on InAs quantum dots (QDs) used as nano-scale electrodes (nano electrodes) Fermi level pinning around nano-electrode prevents us from lowering the potential under the nano-electrodes We fabricated nano-scale resonant tunneling diodes (nano-RTDs) which comprise GaAsAlAs double barrier structures with InAs QDs electrodes by molecular beam epitaxy We measured current-voltage characteristics of the nano-RTDs by conductive AFM for investigating the influence of Fermi level pinning on the potential in the double barrier structure
背景と研究目的 近年ナノテクノロジーの
分野においてInAs量子ドットに関する研究が盛
んに行われているInAs量子ドットは分子線エ
ピタキシー法(MBE)等を用いてGaAs(001)基板
との僅かな格子定数の違いにより自己組織化成
長しナノメートルスケールのサイズを有する
そのためナノスケール化が予想される半導体
デバイスに対応する電極(ナノ電極)としての
応用が考えられるしかしGaAs(001)面上のナ
ノ電極に順バイアス電圧を印加した場合その
周囲のフェルミレベルピニングの影響によって
電極直下でも電位が下がりにくい このフェルミレベルピニングの影響はInAs
ドット直下のGaAs層のドナー濃度を高めるこ
とで緩和できる1)この点についてさらに検討す
るためGaAsAlAs二重障壁構造を含むナノ共
鳴トンネルダイオードを作製しその電流-電圧
特性を測定した 実験 MBEを用いてn+-GaAs(n=10~50times1018cm-3)基板上に基板温度約590でn+
-GaAs(n=20times1018cm-3)を500nmn-GaAs(n=50times1017cm-3)n-GaAs(n=10times1017cm-3)をそれぞれ
10nmudGaAsを25nm成長したその上に二
重障壁構造となるAlAs17nmGaAs50nm
AlAs17nmを成長したさらにキャップ層とし
てn-GaAs(n=10times1017cm-3)を20nm最後にInAs量子ドットを基板温度約460で約25ML成長
させたこのときのGaAsAlAsInAsの成長レ
ートはそれぞれ044MLs012MLs00159MLsであった 作製した試料をMBE装置から取り出した後
に試料表面の酸化を防ぐため硫化アンモニウ
ムで表面処理を行った 電流-電圧特性を測定するために試料を高真
64
空原子間力顕微鏡(AFM)装置に移したまず試
料表面の形状を測定して電極となるInAs量子
ドットを確認したドリフトの影響が小さくな
った後にひとつのInAs量子ドットの上に導電性
探針を移動させて電流-電圧測定を室温真空
中で行った今回は試料に0 ~ 2Vの順バイアス
電圧を印加した
結果および考察 Figure 1はAFMにより
測定した試料表面のInAs量子ドット形状像であ
る量子ドットの平均直径は616nm平均高さ
は393nmである Fig1 AFM image of InAs QDs grown on the n-GaAs cap layer The QD indicated as ldquoardquo was used as a nano-electrode
Figure 2 に Fig1 に示した量子ドット a をナノ
電極として測定した電流-電圧特性を示すショ
ットキー特性が得られているが共鳴トンネル
効果を示す負性微分抵抗は確認できなかった
これは試料に原因があると考えられる そこで作製した試料中に二重障壁構造が存在
するかどうかを確認するためフォトルミネッ
センス(PL)測定を液体窒素中(77K)励起光波
長 532nm の条件で行ったその結果を Fig3 に
示すAlAs(17nm)GaAs(5nm)AlAs(17nm)の二
重障壁構造中の第一準位に対応する PL ピーク
波長は約 720nm と見積もられる 2)しかし Fig3の PL の測定結果にはこのピークは見られな
かった PL 測定結果において GaAsAlAs 二重障壁構
造に対応するピークが見られなかったので今
回作製した試料中には同構造が存在せずその
ため電流-電圧特性にも共鳴トンネル効果が現
れなかったと推定されるこの原因としては
MBE における成長条件が最適化されていなか
ったことが考えられる
Fig2 Current-voltage characteristic measured using the InAs QD as a nano-electrode
今後の課題 今回はGaAsAlAs二重障壁構造
が作製できなかったためにその内部における
電位やそれに対するフェルミレベルピニングの
影響を検討できなかった今後MBE成長条件
を見直し同様の実験を行っていきたい
参考文献
1) 中谷 成希和歌山大学大学院システム工学
研究科システム工学専攻 修士論文 「InAs 自己
形成量子ドットのナノ電極効果」(2007 年)
2) 多田 吉伸和歌山大学大学院システム工学
研究科システム工学専攻 修士論文 「単一 InAs
量子ドットを介した共鳴トンネル効果の導電性
探針 AFM による測定」(2004 年)
Fig3 PL spectra of the sample measured at 77K
65
装置利用協力研究
豊田工大 08-35
次世代メモリ(PCRAMPhase Change RAM)用材料
GeSbTe 薄膜の CVD 成膜
GeSbTe-thin film formation by CVD for next generation
Memory (PCRAM Phase ChangeRAM)materials
町田英明
Hideaki Machida
気相成長株式会社
Gas Phase Growth LTD
GeSbTe薄膜は次世代メモリ(PCRAMPhase Change RAM)用材料として有望である本研究では
(t-C4H9)GeH3 (i-C3H7)3Sb (i-C3H7)2Teを原料として低圧熱CVD法によりSi基板上にGeSbTe薄膜を作成
しX線光電子分光 (XPS)分析によりGeSbTeの組成が堆積温度によってどのように変化するかを調べ
た
GeSbTe thin film is a promising material for next generation memory (PCRAM Phase Change RAM) Here
we report synthesis of GeSbTe-thin films onto the silicon substrate by thermal low pressure CVD technique
using (t-C4H9)GeH3 (i-C3H7)3Sb (i-C3H7)2Te precursors And also the GeSbTe film composition dependence
on deposition temperature and pressure is studied by X-ray photoelectron spectroscopy (XPS)
背景と研究目的 次世代半導体メモリ候補
として相変化メモリ(PRAM)が注目され相変
化材料としてGeSbTe(GST)系材料が提案されて
いる 12)大容量化のためには埋め込みに有
利 な 化 学 気 相 法 (CVD Chemical Vapor
Deposition)による成膜が必要とされるがCVD
法による組成や構造制御に関する基礎的な知見
は充分でない相変化材料GSTを用いたPCRAMデ
バイス試作研究においてGST膜堆積にはスパッ
タ法による蒸着が用いられているが高集積な
メモリデバイスに要求される膜均一性50nm
以下のホールへの埋め込み等が要求されるし
たがって良好な埋め込み形状を実現できる可
能性を有するCVD法によるGST系薄膜堆積技術へ
の期待が高まっている本研究ではGeSbTe薄
膜堆積のためのCVD原料の検討を行いGe原料に
Tertiarybutylgermane[(t-C4H9)GeH3] Sb原料
としてTriisopropylantimony[(i-C3H7)3Sb]
Te 原 料 と し て Diisopropyltellurium
[(i-C3H7)2Te]をそれぞれ用い成膜条件膜組
成等の成膜特性を明らかにすることを目的と
した
実験 成膜に用いたCVD装置は抵抗加熱のコ
66
ールドウオールタイプの低圧CVD装置であり
図1にレイアウトを示す成膜チャンバー内部
に設置した基板の温度は下部に設置したヒータ
ーで加熱しセンサーによる温度測定結果をフ
ィードバックして制御される膜堆積のための
基板はフォルダーに固定されロードロックチ
ャンバーより成膜チャンバーへと運ばれヒー
ター上部に設置される装置全体はターボ分子
ポンプで排気され成膜時の圧力はオリフィス
で制御する原料は原料容器中にH2ガスをバブ
リングする事によってH2ガスに同伴させて成
長チャンバーへと輸送した各原料輸送量はH2
キャリアガス流量と原料容器温度内圧により
見積り制御したSi(100)基板が設定温度に達し
たことを確認した後原料ガスを供給し膜堆積
を行った成膜条件は基板温度270-300
堆積中の圧力30torrGe Sb Te原料のキャ
リアH2 ガス流量10 sccm15sccm10sccm
原料容器温度-65550とした
教授明治大学小椋厚志准教授及び東京大
学大場隆之教授との共同研究である
各温度での堆積膜の炭素不純物及び GeSbTe
組成変化を XPS によって調べた
結果および考察 XPS分析により堆積膜に
はGeSbTeが含まれる事がわかった炭素の残留
不純物はXPSの検出限界以内では観察されず良
好な原料の選択と成膜条件が確認された図2
に 30Torrでの堆積膜のGeSbTe組成と温度の関
係を示す基板温度上昇とともにGe組成の減少
とSb組成の増加が見られたGeとSbには相互的
な影響が存在することが示唆された280deg以上
の温度領域ではTeの減少が確認されたがこれ
は堆積Te金属の蒸発が起こっていると思われる
後の課題今 今後CVDによるGST成膜実験で圧
辞
力と組成の関係2成分の堆積などを調べ膜
堆積組成制御に関するメカニズム解析を 行
いたい
謝 本研究は豊田工業大学大下祥雄准
考文献参
wa KMiyauchi T Tamura Y Yin
wa Y
g2 The GeSbTe film composition dependence on
1) S Hosoka
and H Sone Proc 15th symp Phase Change
Optical Information Storage PCOS 2003 (Ed T
Ide Atami Japan 2003) pp52-55
2) K Nakayama K Kojima F Hayaka
Imai1 A Kitagawa and M Suzuki Jpn J Appl
Phys 39 (2001) 6157
Fig1 Schematic diagram of the CVD system Container of Ge Sb and Te precursors were maintained at ndash6 55 50ordmC respectively These gases were mixed at sub chamber and introduced into the reactor
270 275 280 285 290 295 30015
20
25
30
35
40
45
50
55
60
Fi
deposition temperature
組成
(
)
基板温度()
Ge Sb Te
PH2
P
P
MFC
MFC
MFC
Ge
Sb
Te
Sub chamber
TMP
DP
Heater
Drain
Load Lockchamber
PH2
P
P
MFC
MFC
MFC
Ge
Sb
Te
Sub chamber
TMP
DP
Heater
Drain
Load Lockchamber
67
協力研究
豊田工大 08-37
分光機能を持つ MEMS 赤外線センサ
MEMS infrared sensor integrated with wavelength selective filter
佐々木 実
Minoru Sasaki
豊田工業大学
Toyota Technological Institute
小型軽量のメリットを生かすためサーモパイルを利用した赤外線センサが用いられる従来の誘
電体光学フィルタを使わないで高分子膜の赤外吸収スペクトルを利用した熱型赤外線センサを一体
型とするセンサを提案するセンサ自体が小型化に適すると共に分光特性の温度安定性が安定化す
る長所を持つことが分かった A thermal infrared detector integrated with wavelength selective filter is fabricated A polymer film is formed onto hot junctions of the thermopiles as a wavelength selective absorber to integrate spectroscopic characteristic The detector shows +35 increase of the signal output from the baseline at the absorbance peak The fabricated detector shows low temperature dependences on its center wavelength
背景と研究目的 近年環境測定や検知器な
ど手軽に物質の検知や濃度測定を行えるセンサ
のニーズが高まっているこのようなガスなど
の物質の検出と濃度測定を行うセンサに物質
固有の赤外吸収スペクトルにおけるピーク波長
と強度を利用した非分散型赤外分光 (NDIR)センサがあるNDIR型センサは高精度で応答時間
も短く検出器が被検体と直接接触しないため
信頼性も高いしかし別々の部品により構成さ
れるためその他のセンサ方式と比較して構造
が複雑で高価である現在広い市場からの受
け入れを目指しコストやサイズの削減に開発
努力が注がれている 1) 我々はその構成部品の中でも赤外線センサに
注目したNDIR 式センサの小型軽量のメリ
ットを生かすためサーモパイルを利用した赤
外線センサが用いられるサーモパイル型セン
サは熱を検出する方式であり波長に対してフ
ラットな分光特性を持つそのため特定波長
の赤外線を受光するために誘電体光学フィルタ
とパッケージで組み合わされるのが一般的であ
るしかし NDIR 式センサの目的に見合う性能
のフィルタは高価でありアセンブリ全体のコ
ストなどを上げる要因の一つとなっている光
学フィルタと熱型赤外線センサを一体型とする
形態も考案された 2)しかし光学フィルタと熱
型センサとのプロセス整合性に疑問が残るさ
らに光学フィルタの分光特性の温度依存性など
の問題なども懸念される 3)そこで高分子材料
の吸収スペクトルを利用して簡単な構造で分光
特性を集積化させた赤外線センサの試作を行っ
た温度特性についても報告する Fig1(a)に赤外線センサのベースとなるサー
モパイルセンサの概念図を示す20mmtimes
20mm 厚さ 04mm の Si を基板として基板上
に Pt と p++-Si で構成されたサーモパイルが形
成されるSi 異方性エッチングにより中央部の
約10mm角領域およびサーモパイル温接点部は
ダイアフラム構造となっている赤外吸収材と
してポリアクリロニトリル (PAN)をサーモパ
イルの温接点上に堆積した作製したデバイス
を Fig1(b)に示す
68
(a) (b) 実験 PANは波長~4450nmの赤外線に対し大
きな吸収を持つことが知られている吸収ピー
ク波長においては入射赤外線が効率よく熱に変
換されると考えられより高い感度を示すと考
えられる
Monochromater
Optical Chopper
IR Sensor
PC for DAQ
232C
Sensor S
ignal
Reference SignalChopperController
Lock In Amplifier
US
B
IR Source
Focusing Lens
Vacuum Chamber
Monochromater
Optical Chopper
IR Sensor
PC for DAQ
232C
Sensor S
ignal
Reference SignalChopperController
Lock In Amplifier
US
B
IR Source
Focusing Lens
Vacuum Chamber
作製したセンサはFig2に示す実験系で評価し
たFig3に分光特性を示す4450nmにおいて~
025μVのピーク出力を確認した 結果および考察 IRセンサの動作環境を
室温から 80まで変化させたときの特性を
Fig4 に示す加えてFT-IRでPANの透過特性の
温度依存を精密に計測した結果をFig5 に示す
吸収ピークの波長シフトは~3nmであった同
条件で従来の光学フィルタ式のものでは~
50nmのシフトがあるのと比べて温度特性が安
定していることがわかった 今後の課題 最も基本となる分子スペクト
ルのピークに対応したサーモパイルセンサの確
認に成功したがピークのSN比はベースライン
から+35に留まる赤外分光スペクトルから判
断するともっと大きな変化が期待できるPAN膜を付着するプロセスから改良する 論文発表状況特許出願 [1] 「温度依存性の少ない分光機能集積型赤外
線ディテクタ」桝野雄矢熊谷慎也佐々木実
第 56 回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集 No3 p1029 200942 筑波大学 [2] ldquoThermopile IR Detector Integrated with Wavelength Selective Filter Stable against Temperature and Incident Angle Changesrdquo Katsuya Masuno Shinya Kumagai Minoru Sasaki and Kohji Tashiro 2009 International Conference on Solid State Devices and Materials 投稿中
参考文献 1) Mark P McNeal Nicholas Moelders Martin U
Pralle Irina Puscasu Lisa Last William Ho Anton
C Greenwald James T Daly Edward A Johnson
ldquoDevelopment of Optical MEMS CO2 Sensorsrdquo
Proceedings SPIE vol 4805 (2002) p30-35 2) 特開 2006-58203 3) Shigeki Sakaguchi ldquoTemperature Dependence of
Transmission Characteristics of Multilayer Film
Narrow Bandpass Filtersrdquo Jpn J Appl Phys
Vol38 (1999) pp6362-6368
Fig2 Experimental setup
Fig5 Transmittances of PAN at various temperatures (Acquired with FT-IR)
Fig1 (a) Schematic diagram of a thermopile detector (b)Fabricated IR detector with a PAN bump as an absorber
Thermopiles
20 mm
04
mm TP2TP1
TP3
TP4
Thermopiles
20 mm
04
mm TP2TP1
TP3
TP4
PAN Bump
050607080910
4300 4350 4400 4450 4500 4550 4600
Wavelength [nm]
Sens
or O
utpu
t (w
ith P
AN) [μV
]
+025μV(+35)
Fig3 Spectral response from fabricated sensor
Fig4 Spectral responses of the fabricated sensor at various temperatures
03
04
05
06
4300 4400 4500 4600Wavelength [nm]
Sen
sor O
utpu
t [μV
] 80604022
0
10
20
30
40
4440 4450 4460 4470 4480wavelength [nm]
trans
mitt
ance
[]
20C40C60C80C
69
協力研究 豊田工大 08-39
エンジニアリングプラスチックスの残留歪解析 Residual Strain Analysis of Engineering Plastics
安藤 幸也a 田代 孝二b 杉田 英嗣a
Yukiya Andoa Kohji Tashirob Eiji Sugitaa
a(株)デンソー b豊田工業大学
aDENSO COLTD b TOYOTA TECHNOLOGICAL INSTITUTE エンジニアリングプラスチックスで自動車部品用途に多用される PPS(poly-p-phenylene sulfide)
を対象にX 線回折の sin2ψ法による残留歪測定の可能性を調査した A possibility to evaluate the residual strain of poly-p-phenylene sulfide (PPS) which is an engineering plastic and is used for automobile parts on the basis of sin2f method using X-ray diffraction data has been investigated 背景と研究目的 実験 自動車の軽量化のために自動車部品には樹脂
が多用されておりその使用比率は増加する一
方である樹脂はクリープしやすくその耐久
特性は応力の違いで大きく異なるため残留歪
の見積もりが甘いと大事故を招くことになる
残留歪は成形条件によっても変化するため
それに伴い耐久寿命も変化するしたがって
樹脂の残留歪の高精度測定が必要である
アニーリング処理した平板から切り出した試
験片を用いTD(流動直角方向)MD(流動方
向)にそれぞれ歪を負荷し側傾法で測定した
歪はかまぼこ型の冶具に沿わせることで負荷
した(図 1)着目した反射ピークは(311)反
射とした(図 2) 結果と考察 現状樹脂の残留歪測定は歪ゲージに頼って
いるがその精度は低く成形条件の違いによ
る残留歪の変化まで捉えることはできないま
た測定エリアが広いため平均化された値し
か得られないこのため金属分野で実績のあ
るX線回折法により樹脂の残留歪を高精度に
測定する技術を確立させることは樹脂製品の
信頼性向上のためにも極めて重要であるしか
しながらこの分野の研究事例はほとんどなく
手法の有効性が確認されれば様々の点で大き
な成果に結びつくと考えられCAE(Computer Aided Engineering)の予測精度向上にもつなが
る
歪と sin2ψ線図の傾きで整理した測定結果を
図3に示すこの結果PPS については0~15の歪範囲で歪と sin2ψ線図の傾きに良い
今回の実験では自動車部品に多用されている
耐熱性の高いエンジニアリングプラスチックス
である PPSPPS-GF40 を対象にsin2ψ法に
基づく残留歪測定を試みた
Fig 1 Equipment to generate strain on the sample
70
相関が見られMD と TD の差が小さく大き
なバラツキもなく良好な結果が得られたPPSでは>15の歪範囲PPS-GF40 では>0の
歪範囲でTD と MD の差が大きくバラツキ
も大きいことがわかった
今後の課題 今回sin2ψ法によりPPSPPS-GF40 の残
留歪を測定できないか調査したこの結果現
状実用性のある対象範囲がわかった 今後TDとMDの差バラツキ原因を調査し
精度向上できる測定条件を明確にする したがって実用化においては材料組成歪
範囲が限定されると考えられる
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
2θ
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
2θ
Fig2 X-ray diffraction pattern of PPS
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 15 2 25
歪 []
傾き
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 1
歪 []
傾き
5
(PPS) (PPS-GF40)
- TD- MD
- TD- MD
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 15 2 25
歪 []
傾き
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 1
歪 []
傾き
5
(PPS) (PPS-GF40)
- TD- MD
- TD- MD
Fig 3 Relation of sin2ψ and strain (311 reflection)
71
装置利用
豊田工大 08-40
光ファイバ材料の吸発光特性
Optical properties of optical fiber materials
齋藤和也
Kazuya Saito
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
Pd 内包カーボンナノチューブ(CNT)は走査型プローブ顕微鏡(SPM)用の探針先端材料(特に電気特
性評価用)として有望である本研究では探針材料と同一のシリコンウェハ上に化学気相成長法に
より Pd 内包 CNT を成長しその直径や密度が触媒調整条件によりどのように変化するかを調べると
ともにPd 内包 CNT の構造解析を行った Since the metal-filled CNT is expected to provide larger radial rigidity higher mechanical and thermal stability than the conventional hollow nanotube it would be suitable for the tip of scanning probe microscopy (SPM) Here we report synthesis of Pd-filled CNTs onto the silicon substrate by microwave plasma enhanced CVD technique Their structure is also studied by SEM TEM and Raman spectroscopy
背景と研究目的 希土類元素は固体中では
3価イオンRe3+として安定に存在するが2価
イオンRe2+として存在することもありRe3+とは
異なる分野で利用されているRe2+はそれと
等電子配置のRe3+と比較して電子項間のエネル
ギー間隔が減少するために異なる吸収蛍光ス
ペクトルをもつ特に4f-4f間の電気双極子遷
移確率に比べて 102~3倍ほど大きな値をもつ
4f-5d間の遷移が可視領域付近に現れることは
利用価値が大きく可視光におけるブロードな
蛍光は蛍光材料として広く利用されている
また価数変化を利用したX線イメージングプ
レートや赤外線検出器などでは電子正孔トラ
ップ(Re3+hArrRe2+)としての役割が活用されてい
る反対に価数変化が問題となるケースもある
例えばYb添加シリカファイバレーザーではフ
ォトダークニングを引き起こす主要因と考えら
れている[1]そこで本研究ではYb2+とEr2+
の光学特性を詳しく調べた 実験 Yb2+Er2+生成のために還元雰囲気下に
おける試料作製をMCVD法を用いて行ったこの
試料より2mm厚の光学研磨平板を作製し分光蛍
光光度計(日立F-7000)を用いて励起蛍光スペ
クトルを測定した
結果および考察 作製したYb2+生成試料
でUV~blue光励起で非常に輝度の高いYb2+か
らの蛍光を観測できた輝度の強い蛍光は波長
可変レーザーや他の活性イオンの増感剤として
の応用が期待できる図1にその励起蛍光ス
ペクトルを示す蛍光波長500nmにおける励起ス
ペクトルとMgF2結晶において報告されている
72
Yb2+の吸収スペクトル[2]を比較すると(図2)
ガラス中では無秩序な構造を反映して各4f135d
多重項は非常にブロードになっていることがわ
かるピーク分離で決定した各準位の中心波
長を図3に示す
5s 5p電子に遮蔽されている4f電子と異な
り5d電子は配位子場の影響を大きく受ける
ためYb2+の4f-5d遷移は仮想温度による配位
子場の変化の影響も大きく受けると予想され
る蛍光および励起スペクトルの仮想温度依
存性を測定したところ予想どおり大きな仮
想温度依存性があること明らかとなった 同様に還元雰囲気下において Er2+含有シリ
カガラスの作製を試みたEr は一般には2価の
酸化状態はとり難いと考えられているがpale
green の蛍光を示す試料を作製することができ
た図4にその蛍光スペクトルを示すEr3+の
4f-4f 遷移が示す鋭い蛍光ピークとは異なり非
常にブロードな蛍光であるさらに励起スペ
クトルには Er3+の鋭いピークに加えて可視か
ら紫外域にかけての非常にブロードな吸収があ
ることがわかり(図5)確かに Er2+の 4f-5d 遷
移によるものと判断できるEr は酸化物中では
2価状態をとり難いと考えられていたが還元
雰囲気下で安定な Er2+を生成できることが明ら
かとなった
今後の課題 今回作製した2価イオンを含む
シリカガラスのレーザー発振や他の活性イオン
の増感剤としての利用を検討するために蛍光
寿命等の詳細な測定を行う
論文発表状況特許出願 [1] K Saito et al XII PNCS Brasil 20099 発表
予定
参考文献 1) 例えばT Kitabayashi et al OFT 34 (2006) 9
2) J Rubio J Appl Chem Solids 52 (1991) 161
200 2 350 400 450
0
1000
50 300
2000
3000
4000
5000
Absorbance
MgF2
励起スペクトル SiO2中の Yb2+の
Fig1 EmissionEscitation pectrum of Yb2+ doped silicaS
Fig2 Comparison with theSpectrum of Yb2+MgF2
lower
59 eV 52 eV 45 eV 42 eV 38 eV 33 eV
Fig3 Energy levels of Yb2+ in silica glass
Fig4 Emission spectrum of Er2+ doped silica glass
(a)
3+
E
Er
r3+
Er3+ Er3+
Fig5 Excitation spectrum of Er2+ doped silica glass
73
23 成果の外部への公表
平成20年度支援成果による発表件数(H21年3月末時点)
和文(内
投稿中)英文等
(内投稿中)
計 国内(内
投稿中)海外
(内投稿中)
計 国内(内
申込中)海外
(内申込中)
計 国内 海外 計
計測分析 0 0 0 0
超微細加工 0 0 6 1 6 0 0 0 0 0 24 3 2 1 26 2 0 2
分子合成 0 0 0 0
極限環境 0 0 0 0
計 0 0 6 1 6 0 0 0 0 0 24 3 2 1 26 2 0 2注1注2 査読のあるプロシーディングは論文とみなす査読のないプロシーディング等(和文英文その他)は口頭発表とする注3
拠点名 機関名 機能名
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
プレス発表解説記事等 口頭発表(講演)
空欄に数値を記入してください
プレス発表解説記事等 には原著論文以外の紙上発表を記入する
特許出願原著論文発表
74
委託業務題目「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析 」(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援)
機 関 名学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
2学会誌雑誌等における論文掲載
業務コード実施年度
論文タイトル 発表者名 発表誌名 掲載号ページ(年)和誌洋誌
支援機能名
07008049 20
Local opening of a large bandgap in metallic single-walled carbon nanotubes induced by tunnel injectionof low-energy electrons
Kenta Yamada Hiroaki Sato TetsuyaKomaguchi Yutaka Mera and Koji Maeda Appl Phys Lett 投稿中 洋 超微細加工
07008049 20
Conductive pattern forming method on vertical wallusing spray coating and angled exposuretechnologies
H Morii F Oohira M Sasaki etal Proc Optical MEMS p30 (2008) 洋 超微細加工
07008049 20
Conductive pattern forming method on vertical wallusing spray coating and angled exposuretechnologies
H Morii F Oohira M Sasaki etal Proc 25th Sensor Symposium pp29-32 (2008) 洋 超微細加工
07008049 20
High-Resolution Magnetic Force Microscopy UsingCarbon Nanotube Probes Fabricated Directly byMicrowave Plasma-Enhanced Chemical VaporDeposition
K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J Nanomater in press 洋誌 超微細加工
07008049 H20 Iron Nanowire Formation in Si(110) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda JJAP 47(7B)61382008 洋紙 超微細加工
07008049 H20
TOF-ICISS and STM study on 3ML-PdPt(111) surface structure Does the latticemismatch determine the epitaxial growth
K Umezawa E Narihiro Y Ohira MYohimura Nucl Instrum Meth B vol 266 (2008) pp
1903-1907洋誌 超微細加工
学 会 等 発 表 実 績
75
委託業務題目「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析 」(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援)
機 関 名学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
1学会等における口頭ポスター発表業務コード
実施年度
講演タイトル 発表者名 講演会名 発表年月日国内国
際口頭ポ
スター支援機能名
07008049 20 太陽電池用多結晶Si基板の欠陥および不純物の評価今井 啓太田中 聡志立花 福久香川 泰平増田 純一小椋 厚志大下 祥雄新船 幸二河合秀昭田島 道夫井上 雅晶
第55回応用物理学関係連合講演会 2008329 国内 口頭 超微細加工
07008049 20Evaluation of multi-crystalline silicon substrates with p-ndiode array
Tomihisa Tachibana Keita Imai Jyunichi MasudaAtushi Ogura Koji Arafune Yoshio Ohshita MichioTajima
18th Workshop on Crystalline SiliconSolar Cells amp Modules Materials andProcesses
200885 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20太陽電池用多結晶シリコン基板上に作成したp-nダイオードアレイの評価
増田 純一立花 福久今井 啓太大下 祥雄新船 幸二小椋 厚志
先端ナノオプトバイオワークショップ
20081213 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 太陽電池用多結晶Si基板の応力と結晶性の評価立花 福久増田 純一福田 晃司小椋 厚志大下 祥雄新船 幸二
第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Current-Voltage Characteristics of GaAs Nano-SchottkyDiodes Using InAs Self-Assembled Quantum Dots as Nano-Electrodes Dependence on Doping Concentration
Ichiro Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and HSakaki
IEEE Nanotechnology Materials andDevices Conference 2008
20081020 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20Current-Voltage Characteristics of GaAs Nano-SchottkyDiodes Using InAs Self-Assembled Quantum Dots as Nano-Electrodes Dependence on Doping Concentration
Ichiro Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and HSakaki
The 2nd IEEE NanotechnologyMaterials and Devices Conference2008 (NMDC2008)(October20-222008 Kyoto University JAPAN)
20081020 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20走査型トンネル顕微鏡探針による金属カーボンナノチューブへの欠陥導入
山田賢太佐藤弘紹駒口哲也目良裕前田康二 日本物理学会 第64回年次大会 2009329 国内 口頭 超微細加工
07008049 20金属カーボンナノチューブのSTM 探針による局所構造変化-HOMO-LUMO ギャップの形成
佐藤弘紹山田賢太駒口哲也目良 裕前田康二 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20単層カーボンナノチューブにおける電子励起による欠陥生成
目良 裕前田康二 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 磁気力顕微鏡用探針の分解能の理論的検討 〇田仲 圭石川憲一吉村雅満上田一之「ナノ格子新技術開発研究センター」第7回シンポジウム
2009年 3月 13日 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Fe-Co蒸着により形成されるSi(110)表面上のシリサイドナノワイヤ
大平 豊丹司敬義 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 Fe-Co二元蒸着によるシリサイドナノワイヤの作製 大平 豊丹司敬義文部科学省私立大学ハイテクリサーチセンター整備事業「ナノ格子新技術開発センター」第7回シンポジウム
2009313 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 電子線露光技術を用いたナノ構造の試作藤川久喜三浦篤志井上大介野村壮史佐藤和夫梶原建大澤潤
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線技術
森井裕貴大平文和佐々木実中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 酸化亜鉛透明導電膜の熱処理効果吉野賢二竹本裕仁小島稔小島信晃大下祥雄山口真史
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二 目良裕 吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成 年度成 報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
学 会 等 発 表 実 績
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二目良裕吉村雅満平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20InAs自己形成量子ドットを電極に用いたGaAsナノショットキーダイオードのI-V特性におけるドーピング濃度依存性
田中一郎中谷茂希宇野和行神谷格榊裕之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20低速イオン散乱およびSTMによる金属表件ナノ成長の観察
梅澤憲司吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 EB露光による窒化物半導体のナノ加工とPL評価 黒木康彦大澤潤中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20機能性カーボンナノチューブの開発-次世代プローブ顕微鏡の高分解能高性能化-
吉村雅満Chien-Chao Chiu田仲圭上田一之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 酸化亜鉛透明導電膜の熱処理効果吉野賢二竹本裕仁小島稔小島信晃大下祥雄山口真史
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20InAs自己形成量子ドットを電極に用いたGaAsナノショットキーダイオードのI-V特性におけるドーピング濃度依存性
田中一郎中谷茂希宇野和行神谷格榊裕之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二目良裕吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20低速イオン散乱およびSTMによる金属表件ナノ成長の観察
梅澤憲司吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 短パルスレーザーアニールによる規則合金膜生成の試み加藤剛志山内幸大徐倩茜大島大樹岩田聡綱島茂
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Correlation between structural disorder and opticalproperties in YbEr doped silica glass
K Saito E H Sekiya T Okazaki and Y FujitaXII PNCS (Conference on thePhysics of Non-Crystalline Solids)
200998 国際 口頭 超微細加工
76
特許
業務コード実施年度
発明の名称 発明者 出願人出願登録
区分出願番号(出願日)
出願区分
出願国登録番号(登録日)
支援機能名
07008049 H20 チップ中野 圭洋亀岡 遵安池 雅之
株式会社 ESPINEX 出願 特願2008-53209 国内 超微細加工
07008049 H20 微生物の検出方法中野 圭洋亀岡 遵安池 雅之
株式会社 ESPINEX 出願 特願2008-307867 国内 超微細加工
プレス発表業務コー
ド実施年度
発表タイトル 掲載新聞名 掲載日 支援機能名
受賞
業務コード
実施年度
受賞件名 受賞者氏名 所属機関名 受賞年月受賞理由
(本プロジェクトとの関係)
メモ
07008049 H20 Graduate Student Award 立花 福久 明治大学 200885 ポスター発表による表彰
該当なし該当なし
77
24 活動(運営委員会等の活動等)
平成20年度の活動(運営委員会等の活動等)
支援機関名 研究会名称 主催機関名 日時 場所 参加者数 内容 特記事項
中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析
自然科学研究機構分子科学研究所名古屋大学名古屋工業大学豊田工業大学
200934-5名古屋大学野依記念学術交流館
口頭24件ポスター35件
成果報告と互いの情報交換新しい連携も生まれた例があ
る
nano tech 2009国際ナノテクノロジー総合展技術会議
nano tech 実行委員会
2009219 東京ビッグサイト約16000名
成果報告と互いの情報交換ナノテクノロジー総合展示会
半導体プロセス実習講習会 豊田工業大学 2008724-25豊田工業大学 クリーンルーム3号棟
受講者56名
半導体プロセスの実習講習と共にナノテク総合支援のアピール
豊田工大 学内 ナノネット委員会(第1回)
豊田工業大学ナノネット運営委員会
2008519 学内8号棟中会議室学内関係者~16名
議題1H19年度実績 支援件数 委託費消費実績 2H19年度成果報告について 3H20年度受付状況 4その他
豊田工大 学内 ナノネット委員会(第2回)
豊田工業大学ナノネット運営委員会
20081125 書面審議学内関係
者
議題1H20年度予算配分 各支援別配分予算額 2H20年度委託費消費状況 3H20年度支援受付状況 4その他
豊田工業大学
78
25 実施体制
1業務責任者
役職氏名 豊田工業大学大学院 教授 榊 裕之E-メールアドレスsakakitoyota-tiacjp
TEL052-809-1706 FAX052-809-1741
2 実施場所
大学院工学研究科(各担当者研究室)
豊田工業大学共同利用クリーンルーム
3 業務項目(支援要素名)別実施区分及び担当者
研究項目 担当機関等 担当責任者及び担当者
1シリコン超微細加工用要素プロ
セス技術と評価の支援
豊田工業大学
工学部
大澤 潤准教授(施設長)
近藤憲司施設専任職員
梶原 建専任支援員
23次元フォトリソグラフィなど
による(微細)デバイス構造の製作
と評価の支援
豊田工業大学
工学部
佐々木 実教授
3化合物半導体ナノ構造の形成と
評価の支援
豊田工業大学
工学部
榊 裕之教授
4化合物半導体ナノ構造の形成お
よび有機物との複合化と評価の支
援
豊田工業大学
大学院
神谷 格教授
5フラーレンナノ構造の作製と評
価および化合物半導体シリコンナ
ノ構造の評価の支援
豊田工業大学
大学院
山口 真史教授
大下祥雄准教授
小島信晃助教
6カーボンナノプローブナノチ
ューブの形成と評価の支援
豊田工業大学
大学院
吉村 雅満准教授
7金属微粒子の形成と評価の支援 豊田工業大学
工学部
柳瀬 明久准教授
8有機物および高分子系材料のナ
ノ構造物性評価
豊田工業大学
大学院
田代孝二教授
注1 課題代表者サブテーマ代表者
注2 本業務に携わっている方はすべて記入
79
80
26 支援装置 261 超微細加工領域
クリーンルーム施設 【仕 様】
クリーン度クラス 100およびクラス 1000 の 2 室か
らなる面積 400m2 の本格的なものです 付帯設備として純水製造装置(18MΩ-cm)ガス
精製供給装置廃水処理装置ガス除害装置のほか空
調維持装置などを備えています 【特 徴】
本学クリーンルームの特徴としては主としてシリコ
ン系プロセス装置を利用して一連の各種素子試作や各
種機能薄膜等との複合化プロセスと評価が行えることで
す化合物系ではシリコン系と分離したホトリソ洗浄ウェットエッチング等の薬品処理も実施
可能です
主に以下の項目を実施できます ①アライナ用のマスク作製や電子線描画による直接露光 ②
イオン注入や熱拡散による不純物導入プロセス ③ウェットおよびドライエッチングプロセスなど
④試作プロセス途中および完了後の評価(必要に応じて関係研究室の支援を得ます)
電子ビーム露光装置 【仕 様】
電子ビーム最小径φ3nm にて線幅 20nm 前後の細線
描画および直径約 20nm のドットサイズまで加工を行え
ます基板サイズはφ4inch までレーザ干渉計ステージ
による 100nm のステージ位置読み取り分解能により
50nm のフィールドつなぎ精度と 50nm の重合わせ精度
でのプロセスが可能です描画フィールドサイズは
500μm 四方に対して 60000times60000 ピクセルに分割
(8nmpixel)が可能でより小さなフィールドサイズの例
としては例えば 100μm に対しては 17nmpixel のサイ
ズで描画パターンを与えることができます
【特 徴】 電子線を走査してレジスト上にパターンを直接描くためマスクなしでナノオーダーの微細なパ
ターンが形成できますリフトオフやエッチング等のプロセスと組み合わせて微細な電極形成など
の加工を行うことができますパターニングされた結晶成長のためのマスク形成やDFBレーザ用
パターンドットマトリクスパターンの形成などにも用いることが可能です
写真
81
プラズマCVD装置 【仕 様】
1356MHz の高周波プラズマにより
① SiH4+H2rarrα-Si
② SiH4+NH3+H2rarr P-SiN
を成膜する装置です
基板加熱は max250まで可能反応槽のクリーニングは
CF4O2 プラズマで行います
【特 徴】
φ4インチ以下の各種基板上に成膜可能です
基本レシピによる成膜レートは
① α-Si35nmmin
② P-SiN20nmmin
でありプロセス条件の例としては以下のとおりです
(1) α-Si
SiH425sccmH230sccmPress03TorrPower80WTemp200
(2) P-SiN SiH430sccmNH360sccmH260sccmPress04TorrPower100WTemp250
マスクアライナ装置 【仕 様】
i 線h 線g 線を用いた露光装置ですマスク寸法は 50 mm 角~102 mm 角基板寸法は 3ldquoΦ以下 露光最小線幅は 075 μm位置決め精度は 05 μm で
す 研究用に下記仕様の 2 台所有しています 1 マスク寸法 102mm角基板寸法3ldquo用アライナ
ー プロキシミティーギャップ量可変(0~48μm) 露光最小線幅 2μm
2 マスク寸法 50mm 角基板寸法 40mm角以内 ハードコンタクト(真空方式)可能 露光最小線幅は(05)~075 μm位置決め精度 05 μm
【特 徴】 研究者が使用する多様な寸法の基板に対応可能ですまた本アライナーで製作した基板上の位
置決めパターンを利用して上記の電子ビーム露光装置による微細パターンと組み合わせることも
可能です そのことによりパターン全体の描画時間の短縮や各種パターン要素の組み合わせによる効率的
な研究を進めることも可能です
写真
82
斜め露光用アライナ 【仕 様】
密着型露光装置ですマスクは2インチ角基板寸法は
2cm 角~1 インチ角ウェハ厚みは 200μm から 1mm です
ウェハ側が xy 粗微動の2重度をもつためマニュアル式な
がらも操作性が高い研究開発用ですアライメント等は
一般の片面アライナと同様です 【特 徴】
ウェハとマスクをメカクランプ機構によって固定できる
ためアライメントした状態のまま別装置 2 にセット可
能です垂直壁面にパターニングを行うためにはウェハ
壁面に対して斜め方向から UV 光を照射することが必須に
なりますが別に用意した斜め露光用照射系にセットする
ことが可能です更にアライナにウェハを固定する前にウェハを純水で濡らした状態にするこ
とでウェハとマスク間の隙間を空気から純水に置換することが出来ますレジスト表面と媒体
の屈折率差が小さくなるため界面反射を小さく押さえることが可能となります2009 年 3 月の
時点で段差 100μm の垂直壁に幅 30μm の斜め線も含めた任意パターンがアライメントし
た状態で転写可能です
装置2
83
X 線光電子分光装置(XPS) 【仕 様】
X 線源はMgKαAlKαデュアルアノード X 線源
とモノクロメータ X 線源の2種を装備しています
Ag 試料を使用して Ag 3d52ピークを測定した時のエ
ネルギー分解能(半値幅)はモノクロメータ X 線源
使用時で 048eV 以下となっています試料上の分析
位置を走査して水平分解能 10μm で空間マッピン
グが可能ですAr イオンエッチング銃を使用して深
さ方向分析ができます電子中和機構により絶縁性
試料の測定にも対応しています試料サイズは最大
15mmφ(厚さ 4mm)です 【特 徴】
材料の元素分析化学状態分析を行う装置ですモノクロメータ X 線源による高エネルギー分解
能での測定空間分解能 10μm でのマッピング測定が可能です
DC amp AC ホール効果測定装置 【仕 様】
以下の仕様で Van der Pauw 法による半導体薄膜材
料のホール効果測定が可能です ホール測定電圧感度10-8 V抵抗測定範囲001
~1012 Ω(電極端子間)試料印加電流5 pA~100 mA(電圧リミット 100V)最大磁場079 T(AC 磁
場での測定可能)測定温度42~400K試料サイズ
最大 10mm 角 【特 徴】
Van der Pauw 法によるホール効果測定により半
導体薄膜材料の抵抗率伝導型キャリア濃度移動度を測定する装置です交流磁場を使用した
AC ホール効果測定により高抵抗試料で問題となる測定器の DC ドリフトや試料の不均衡電圧に
よる誤差を除去し高感度な測定が可能です
84
ナノ秒パルスYAGレーザー装置 【仕 様】
小型のナノ秒パルス NdYAG レーザー装置ですレ
ーザー本体の出力は2倍波(532 nm)で 200 mJ です
基本的に2倍波を使用していますパルス時間幅は約 6 ns ですフライアイレンズを用いた照射光学系によって
照射エネルギー密度の均一化を図っています4 ミリ角
の照射領域に対して照射エネルギー密度は 300 mJfraslcm2
までの範囲で調整可能ですレーザーは 10 Hz の運転で
すが手動シャッターによって1パルスを切り分けて照
射できます
【特 徴】 空気中高真空中(~10-4 Pa)液体中に置かれた試料に対してパルスレーザー照射が可能です
用いる波長の光を吸収する物質を中心に加熱することができることきわめて短時間での加熱冷
却が可能なことが特徴です
X線回折装置 【仕 様】
高輝度小角 X 線散乱装置高分子専用X線装置単結
晶解析用X線装置等各種X線解析装置群で構成されて
います 【特 徴】
各種の有機材料特に高分子材料についてナノスケ
ールでその階層的な構造(結晶構造非晶構造高次
組織など)や構造形成プロセスあるいは試料中での
応力分布などを本装置群であるX線回折に加えてラ
マン赤外分光法などの手法を組み合わせることによ
り解明できますその理論的理解のための計算機シミ
ュレーションなども行い総合的に学術技術支援を
実施しますさらに構造と種々の物性との相関解明
の支援を実施できる
85
27 各種データ271 支援件数
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援日数 61 0 91 80 232 32 0 7 6 45 18 0 68 44 130 11 0 16 30 57 0 0 25 05 3 235
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
技術代行技術相談
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
計
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 委託事業(外部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況
総計利用機関
利用形態共同研究 装置利用
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援日数 61 0 91 80 232 32 0 7 6 45 18 0 68 44 130 11 0 16 30 57 0 0 25 05 3 235
注1 空欄に数値を記入してください注2注3注4 公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)注5 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
利用形態共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
一つの採択テーマにおいて複数回支援した場合は一つと数えるただしその支援が複数機関あるいは同一機関内でも複数領域にまたがる場合はそれぞれ別に数える大学は大学高等専門学校等の教育機関
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 自主事業(外部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況技術相談
総計利用機関
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計
86
なし なし なし なし なし実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関
のみ大学 公 大企業 中小企 合計
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援日数 88 0 0 0 0 88 10 0 0 0 0 10 58 0 0 0 0 58 20 0 0 0 0 20 0 0 0 0 0 0 88
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援日数 88 0 0 0 0 88 10 0 0 0 0 10 58 0 0 0 0 58 20 0 0 0 0 20 0 0 0 0 0 0 88
注1 空欄に数値を記入してください注2注3注4 公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)注5 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上注6 外部機関者が参加している課題は「外部参加機関あり」に仕分けしその外部機関に応じてカウントして下さいまた機関内利用で外部機関参加者なしの課題は「実施機関のみ」にカウントして下さい
(もし 複数の外部機関が参加している場合は も とも貢献度の大きい外部機関を選択して下さい )
外部参加機関あり
極限環境
計
一つの採択テーマにおいて複数回支援した場合は一つと数えるただしその支援が複数機関あるいは同一機関内でも複数領域にまたがる場合はそれぞれ別に数える大学は大学高等専門学校等の教育機関
中部地区ナノテク総合支援
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行技術相談
外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 委託事業(内部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況
分子合成
外部参加機関あり
(もし複数の外部機関が参加している場合はもっとも貢献度の大きい外部機関を選択して下さい)
なし なし なし
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関
のみ大学 公 大企業 中小企 合計
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
計
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 自主事業(内部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
外部参加機関あり
支援状況技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用
87
272 課金収入実績
平成20年度課金実績(H21年3月末時点) 委託事業(外部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
支援機関名
豊田工業大学
装置利用共同研究 技術代行利用形態
総計
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名
中部地区ナノテク総合支援
支援
利用機関技術相談
支援機能名
352
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(外部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
拠点名支援機関
名支援機能名
支援技術相談
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
352
88
平成20年度課金実績(H21年3月末時点) 委託事業(内部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(内部利用)
技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援
352
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(内部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援
352
89
導特性)などの計測評価手法も提供し原子間力顕微鏡による構造評価も実施する
有機薄膜の形成と評価支援についてはOMBE(有機分子線エピタキシー)による有機薄
膜構造の形成真空一貫システムでの電極蒸着に加えて電子物性(伝導特性)や光物
性(蛍光と光吸収特性)原子間力顕微鏡による構造計測を実施する
④フラーレンナノ構造の作製と評価および化合物半導体シリコンナノ構造の評価の支
援
分子線エピタキシー装置によるC60(エピタキシャル)薄膜の作製支援ならびに
化合物半導体シリコンフラーレンなど半導体ナノ構造の物性評価の支援を行う物
性評価支援では主に以下の装置が利用できる(a)X線光電子分光装置元素分析化
学結合状態分析(b)結晶性解析X線回折装置結晶構造評価(c)DC amp ACホール効果
測定装置電気的特性(キャリア濃度移動度)評価
⑤カーボンナノプローブナノチューブおよび金属微粒子の形成と評価の支援
ナノ機能デバイスを実現することを目的としてカーボンナノチューブ(CNT)成長に加えてCNT
探針等を用いた高分解能走査プローブ顕微鏡(SPM)によるナノ構造評価などに関する支援を行う
また短パルス YAG レーザー照射によるナノマイクロ構造の加熱および抵抗加熱型真空蒸
着と短パルス YAG レーザー照射による金属微粒子形成に関する支援を行う
⑥有機物および高分子系材料のナノ構造物性評価
各種の有機材料特に高分子材料についてナノスケールでその階層的な構造をX線回折やラ
マンおよび赤外分光法で解明するまたその理論的理解のための計算機シミュレーションなど
に関する学術技術支援を行うさらに構造と種々の物性との相関解明の支援も行う
22 成果
221 成果概要
①シリコン超微細加工用要素プロセス技術と評価の支援
フォトリソグラフィおよびドライエッチングウェットエッチング等を組み合
わせたセンサー素子の作製低圧およびプラズマCVD法を用いたシリコン等各種
基板上へのシリコンナノ薄膜の形成ICの故障解析のための各種薄膜エッチング
法の検討と故障個所の解析フォトニック用デバイスのプロセス検討及び設計のた
めの基本的な知見の取得など12件の支援を実施した
②3次元フォトリソグラフィなどによる(微細)デバイス構造の製作と評価の支援
垂直壁側面へのパターニング技術およびレジストコーティング装置による側面への塗布
技術に関し1件の支援を実施したレジストのUVキュア処理装置の整備張り合わせウェハ
にも処理がし易いレジスト剥離用ツールの整備を実施した
③化合物半導体ナノ構造の形成(および有機物との複合化)と評価の支援
InAs 量子ドットの導電性 AFM 観察ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製新型
ガスセンサーに関する技術相談光ファイバー材料の吸発光特性測定など5件の支援を実施
した
④フラーレンナノ構造の作製と評価および化合物半導体シリコンナノ構造の評価の支
援
結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動に関する検討 ナノレベルで膜厚
を制御した透明導電膜の光学的特性評価太陽電池に必須なプラズマ CVD で形成した半導体
4
ナノ構造太陽電池材料における量子閉じ込め効果の評価など13
⑤カー
薄膜の構造的評価量子
件の支援を実施した
ボンナノプローブナノチューブおよび金属微粒子の形成と評価の支援
デバイスのナノ構造評価を行うためのトンネル顕微鏡(STM)あるいは磁気力顕
微鏡(MFM)用CNT探針の作製磁気記録媒体記録層を高温処理するための短パルス
所的短時間加熱方法の検討など7
件
⑥有機
YAGレーザー照射によるナノマイクロ構造の局
の支援を実施した
物および高分子系材料のナノ構造物性評価
エンジニアリングプラスチックスの成形加工物の残留歪解析分光機能を持つM
EMS赤外線センサの検討の支援2件を実施した
5
222 支援成果トピックス
6
7
一覧
支援課題一覧(H19 年度公開猶予分)
223 支援課題
平成19年度
支援機
関名
課題番
号 支援機能名 業務形態名 実施課題名 申請者の所属 申請者 役職
主な利用装置
名
主な利用装
置の利用
日数
豊田工
業大学 07-03 超微細加工 送致利用
結晶化Si形成 京セラ(株) 橋上 洋 研究員 2
ナノ結晶制御型高品質LPCVD
07-04 超微細加工 装置利用
プラズマCVDによる薄
膜成膜 矢崎総業(株) 砂山竜男
グルー
プリー
ダー
プラズマCVD 2 技術代行
07-05 超微細加工 装置利用 側面へのパターニング
技術
香川大学
工学部 大平文和
レジストスプ
レーコーター 4 教授
07-06 超微細加工
装置利用
微小面積薄膜のレーザ
ー加熱による変形 業大学 柳瀬明久
ダイシング 3 技術代行豊田工 准教授
アライナー 67
07-07 超微細加工 技術代行
装置利用
超微細加工技術を用い
たマイクロ流路チップの
開発
X 中野 圭洋
取締役
パターンジェ
ネレータ 5
株式会社
ESPINE
代表アライナー 11
電子線描画 2
RIE 13
07-10 超微細加工 協力研究 による薄膜表面の構造
株式会社コベル
コ科研 エレクト
ロニクス事業部
笹川 薫 主席
研究員
走査型プロー
ブ顕微鏡 1
高分解プローブ顕微鏡
評価
07-11 超微細加工 技術相談
立体サンプルのフォトリ
ソグラフィ技術に関する
相談
日本電波工業
株式会社 第一 松戸 秀亮 課長 ___ ___
技術部
07-12 超微細加工 装置利用 リサイド形成に関
名古屋大学エコ
トピア科学研究
所
大平 豊
丹司 敬義
教授 SPMSEM 10
鉄系シ
する研究
07-14 超微細加工 技術相談 カーボンナノチューブ深
針作製に関する相談
株式会社 ユニ
ソク 阪巻 なみ 研究員 ___ ___
07-16 超微細加工 装置利用
多結晶 デバイス
のための酸化メカニズ
ムに関する研究
株式会社IHI
薄膜表
ロジェクト部
山本 直矢 課長 エリプソメータ 3
シリコン産業システムセ
クター
面プ
8
平成20年度支援課題一覧
支援機
関名
課題番
号 支援機能名 業務形態名 実施課題名 申請者の所属 申請者 役職
主な利用装置
名
主な利用装
置の利用
日数
豊田工
業大学 08-01 超微細加工 協力研究 多結晶シリコン基板へ
小椋 厚志 教授
ナー
5 の pn ダイオード作製
明治大学
アライ
不純物拡散
炉
08-02 超微細加工 協力研究 可視光用超高速空間光
変調器の研究開発 近藤 直樹 講師 MBE 3
帝京大学
理工学部情報科
学科
08-03 超微細加工 技術相談装
結晶シリコン太陽電池
用受光面銀ペーストの
て
仙田 愼嗣
グルー
プリー
D 23
置利用 焼成挙動につい
株式会社ノリタ
ケカンパニーリ
ミテド ダー
プラズマCV
紫外可視
近赤外分光
光度計
2
08-04 超微細加工 技術代行装
置利用
ナノレベルで膜厚を制
御した透明導電膜の光
学的特性評価 学科
宮崎大学 工学
部電気電子工 吉野 賢二 准教授
紫外可視
近赤外分光
光度計
8
08-05 超微細加工 技術代行装
工学
吉野 賢二 准教授 プラズマCV
2 置利用
プラズマCVD法による
薄膜作成と構造評価
宮崎大学
部電気電子工
学科 D
08-06 超微細加工
技術代行装「公開猶予」
25
置利用
08-07 超微細加工 置利用
電子線ビーム露光技術
たナノ粒
子パターン配置技術の豊田工業大学 熊谷慎也 准教授
装置 32
技術代行装 と組み合わせ
開発
電子線描画
08-08 超微細加工 技術代行装
超微細加工技術を用い
株式会社
スピネックス)
代表取
置利用 たマイクロ流路チップの
開発
ESPINEX(イー 中野 圭洋 締役
アライナー
RIE 14
08-09 超微細加工 装
置利用 4
技術代行「公開猶予」
08-10 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-11 超微細加工 技術代行 「公開猶予」 3
装置利用 「公開猶予」
08-12 超微細加工
20
08-13 超微細加工 協力研究
垂直壁側面へのパター 香川大学 工学
アライナー ニング技術 部 大平文和 教授
スプレーコート10
9
08-14 超微細加工 技術相談 「公開猶予」
___
___
08-15 超微細加工 協力研究 プローブ顕微鏡を用い
た物性測定
株式会社大同
分析リサーチ 田仲 圭
技術主
任
カーボンナノ
チューブ製膜
装置
2
08-16 超微細加工 装置利用 磁気記録用パターン媒
大学工
学研究科 量子
工学専攻
加藤剛志 准教授 ルスYAG
2 体の研究
名古屋 パ
レーザ
08-17 超微細加工 に関する研究
名古屋大学エコ
ノマテリア
ル科学研究部
門
丹司 敬義
鏡 3 装置利用
鉄コバルト系シリサイド
形成
トピア科学研究
所 ナ大平 豊
教授 電子顕微
「公開猶予」 08-18 超微細加工 装置利用 2
08-19 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-20 超微細加工 技術代行装 株式会社 豊田
中央研究所 竹田 康彦
主任研
究員
フォトルミネ
ッセンス測定
装置
1 置利用
ナノ構造半導体薄膜の
作製
08-21 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-22 超微細加工 協力研究
InAs 量子ドットを電極と
したナノショットキーダイ
オードの理想係数
和歌山大学シ
ステム工学部 田中一郎 教授
顕微鏡 5
走査プローブ
08-23 超微細 予」
12 加工 装置利用 「公開猶
08-24 超微細加工
技術代行装
置利用 「公開猶予」
11
08-25 超微細加工 技術代行装
置利用 「公開猶予」
10
5
08-26 超微細加工 技術代行 FET デバイス基板の試
作 豊田工業大学 吉村雅満 准教授
アライナー
EB蒸着装置5
08-27 超微細加工 装置利用
触媒ナノ粒子を用いた
CVD 膜中残留応力制御豊田工業大学 熊谷慎也 准教授 LPCVD 2
08-28 超微細加工 協力研究
a-SiNxHSi 界面特性
の面方位依存性 兵庫県立大学 新船 幸二 准教授
プラズマCV
D 5
08-29 超微細加工 技術代行装
置利用
太陽電池特性評価技術
の習得
日本ソーラーシ
リコン(株) 岩本 恵里
アライナー
不純物拡散
炉
11
08-30 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 6
10
08-31 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 14
08-32 超微細加工 技術代行 レジストマスクによるリ
ン砒素のイオン注入
豊田工大 表面
科学研究室 上田 一之 教授
アライナー
イオン注入装
置
4
08-33 超微細加工 技術相談装
置利用 新規プローブの開発
株式会社 ユニ
ソク 森田 幸治 技術員
アライナー
イオン注入装
置
21
08-34 超微細加工 協力研究
ポテンシャルマッピング
用量子構造試料作製
和歌山大学シ
ステム工学部 田中一郎 教授
分子線エピタ
キシー 4
08-35 超微細加工 装置利用協
力研究
次世代メモリ用材料
GeSbTe 薄膜の CVD 成
膜
気相成長株式
会社 町田 英明
代表取
締役社
長
X 線光電子
分光装置 5
08-36 超微細加工 技術代行 「公開猶予」 3
08-37 超微細加工 協力研究
分光機能を持つ MEMS
赤外線センサ 豊田工業大学 佐々木 実 教授 FTIR 10
08-38 超微細加工 技術相談 「公開猶予」 ――― ―――
08-39 超微細加工 協力研究
エンジニアリングプラス
チックスの成形加工物
の残留歪解析
株式会社デンソ
ー材料技術部 安藤幸也
担当部
員 X線回折 7
08-40 超微細加工 装置利用
光ファイバー材料の吸
発光特性 豊田工業大学 齋藤和也 准教授
蛍光分光計
吸収分光計 6
224 超微細加工領域における支援成果報告
次ページ以後参照
11
装置利用
豊田工大 07-03
ナノ結晶制御型高品質結晶化 Si 形成技術調査
An investigation of technologies for nanocrystal-controlled high quality crystalline Si formation
橋上 洋
Hiroshi Hashigami
京セラ株式会社
Kyocera corporation
ナノサイズ結晶粒からなる高品質結晶化 Si を形成するための技術調査を行った
豊田工業大学クリーンルームにて LPCVD での結晶化 Si 形成を行った作製した LPCVD 結晶 Si と京
セラで作製したプラズマ CVD 結晶 Si との比較評価を行い結晶作製条件と結晶品質に関する知見を
得た
We conducted a technology investigation for realization of high quality crystalline silicon consisted of nanocrystal Crystalline Si was formed by means of LPCVD at a clean room of Toyota Technological Institute The LPCVD crystalline Si and plasma-CVD crystalline Si deposited at Kyocera have undergone comparative investigations from which we obtained knowledge about Si deposition conditions and quality of the crystal
背景と研究目的 結晶シリコン薄膜はTFT をはじめMEMSに至る広い分野で利用されている非常に有用な
材料であるしかしながらたとえばその電気
的特性は形成方法によって様々であるした
がって重要なのは必要とする結晶 Si のスペッ
クを明確化した上でこれに一番適した形成方
法を適用することであるそこで我々は結晶
Si 形成に最も一般的である化学気相堆積
(CVD)法に特化し各種 CVD 法とそれらに
よって得られる結晶 Si の特質を調査した 結晶Si形成方法 本調査では熱 CVD 法の一つである減圧
CVD(LPCVD)法およびこれとは対照的な低温
製膜手法であるプラズマ CVD(PECVD)につ
いて調査を行った以下に各技術の特徴を述べ
る
熱 CVD 法 熱 CVD 法は成膜する元素の揮発性化合物を
気化し高温加熱した基板上で熱分解反応をお
こなわせて基板上に薄膜を形成する方法である
シリコン薄膜を得る場合はモノシランガスや
ジシランガスあるいはジクロロシランや 4 塩
化シランなどが用いられる 成膜時の反応が熱分解であるため成膜温度
が反応ガスの反応温度である数百以上の高温
になる従って低軟化点基板には適用できない
のがデメリットであるしかし一方で高温の
プロセスであることにより一般的に品質の良
い膜を得ることが出来る熱 CVD にはこの他
以下のような特徴がある 1成膜速度が速い(数~数百μmmin) 2ステップカバレージが良く凹凸形状に
も反応ガスが行き渡れば均一に成膜で
きる 3高真空でないので装置が簡単で生産性
が高い
12
4成膜温度が高いので緻密で高純度の膜が
得られる 5密着性が良い 熱 CVD 法は大気圧で成膜を行う常圧 CVD と
~01torr に減圧して成膜を行う減圧 CVD とがあ
る常圧 CVD は真空装置が不要であるという
最も簡単な CVD として広く利用されているが
減圧 CVD では常圧 CVD を基に膜厚や抵抗率
分布の改善を意図して考え出された実際反
応炉内を減圧することにより反応ガスおよび
キャリアガスの平均自由行程および拡散定数が
大きくなり基板内の膜厚および比抵抗分布が
改善される またホットウォール型であるLPCVDでは
バッチあたりの処理枚数を多くすることが可能
でありしかも減圧下であることにより基板が
均一に過熱されやすいことで歩留まりや信頼性
も改善されるこれらの特長によりLPCVD は
結晶 Si 膜を作製する主な方法のひとつとなっ
ている プラズマ CVD 法 プラズマ CVD 法は薄膜の低温形成を意図
して生まれた成膜方法であるプラズマ放電中
では系内のガスは衝突により相互に活性化され
ラジカルとなり熱的励起のみによっては困難
な低温下での反応が可能になる特にプラズマ
CVD では非熱平衡状態で化学反応が進行する
ため熱 CVD とは異なった組成や特性の膜が
得られる プラズマ CVD に用いる原料ガスは熱
CVD と違いはないがプラズマではキャリアガ
スに用いられる水素ガス分子なども分解されて
しまうそのためこれらの成分も必然的に相当
量が膜中に取り込まれ形成された膜の特性に
影響を及ぼすその他にもプラズマ中では多種
多様な反応活性種が生成され堆積に関与する
ので膜形成過程は熱 CVD に比べてはるかに
複雑である 薄膜 Si 堆積においてプラズマの条件を変
化させるとSiH2SiHSiH高次シラン関
連反応種(SixHy)さらにイオン種の膜形成へ
の寄与率が変化し欠陥密度に影響を及ぼすこ
とが知られているまた結晶 Si 薄膜の形成にお
いてはこの他にキャリアガス流量なども結晶
の組成に影響を及ぼす プラズマ CVD にはプラズマの励起方式に
より平行平板型の他誘導結合プラズマ(ICP)型や電子サイクロトロン共鳴(ECR)型などが
ある平行平板型では原料ガスが広い面積にわ
たって均一に供給されるようにできており大
面積の膜形成に適しているしかしプラズマ密
度が比較的低いので製膜レートは他の方法に
比べて低い ICP 型は石英板の上に設置したアンテナに高
周波電流を流すことにより高周波磁場とこれ
を打ち消そうとする誘導磁場を生じさせ誘導
磁場によって加速した電子によってプラズマを
得るこの方法では高密度プラズマを比較的容
易に得ることができ一般に高速製膜が可能で
ある利点があるECR プラズマ法ではマイク
ロ波と磁場中での電子のサイクロトロン運動が
同期することで電子がエネルギーをもち低圧
高密度プラズマを得るこのため高速な成膜が
可能となりしかも膜の密着性が優れているな
どの利点がある
結果 LPCVD での結晶化 Si 形成は豊田工業大学ク
リーンルームにてジシランガスを用いて行った
また平行平板ICPECR の各種プラズマ CVDでの結晶化 Si を京セラで作製したLPCVD 膜
とプラズマ CVD との比較評価を行い結晶作
製条件と結晶品質に関する知見を得た
参考文献 [1] 金原粲白木靖寛吉田貞史 著薄膜
工学丸善2004 [2] 麻蒔立男薄膜作成の基礎第 3 版日刊
工業新聞社1996
13
技術代行装置利用
豊田工大 07-04
プラズマ CVD による薄膜成膜
Thin film fabrication by plasma CVD
砂山 竜男加藤 博照佐久本 尚武
Tatuo Sunayma Hiroteru Kato Naotake Sakumoto
矢崎総業株式会社
YAZAKI corporation
現在MEMS 技術を利用したセンサの開発を行っている本研究ではダイアフラム膜としてプラズ
マ CVD 装置により成膜した SiN 膜を検討するためその成膜条件と膜質を調査した成膜条件とし
てSiH4と NH3 の流量比を変更したところ流量比 15 で成膜後の膜応力がほぼ 0 となったまた
700アニール後2times109 dynecm2 の引っ張り応力が生じた The sensor has been developed using the micro-electro-mechanical systems (MEMS) technique In order to apply SiN film to plasma CVD as a diaphragm fabrication conditions and film characteristics were studied Film stress deposited on flow ratio 51 of SiH4 and NH3 was almost zero After annealing at 700 tension stress occurred and was about 2times109 dynecm2
背景と研究目的 現在開発しているセンサの断面構造を図1に
示すシリコンチップ上にPtヒーターをIC製造
技術を用いて形成したそしてヒーターの熱
絶縁性を向上させるためヒーター下部を
MEMS技術を用いて除去しダイアフラムを形
成した
本センサの特徴はMEMS技術を用いたこと
により小型軽量高速応答を実現した点で
ある b) cross-section Fig1 micro gas sensor 本報告書ではセンサのダイアフラム膜の検
討としてプラズマCVD装置により成膜した
SiN膜の成膜条件とその膜特性について述べる
実験 SiN膜の成膜ではSiH4とNH3の流量を変化さ
せた流量条件を表1に示す成膜温度は250
成膜圧力を04 Torrに設定し成膜時間を15 minとしたそして成膜後700Air中にてアニ
a) sensor chip (26 mm times 16 mm)
14
ールを行った 図4に膜応力と屈折率の関係を示す圧縮応
力が増加することで膜屈折率が小さくなること
がわかる 成膜したSiN膜は触針式段差計によりウェ
ーハのそりより応力を算出したまたエリプ
ソメータにより膜厚と屈折率を測定したそし
てアニール後にも応力測定を実施しその変
動を調査した
屈折率の変化は SiN 膜の組成が変化している
ことを示しておりNH3 流量を増加させること
で SiN 膜の組成比を制御することが可能となっ
たそしてこの組成比制御が応力緩和に有効で
あると予想できる
SiH4 NH3 SiH4 NH3
1 5 3 151 2 3 61 1 3 3
Flow ratio flow rate (sccm)Table 1 Flow ratio of SiH4 and NH3
SiH4 NH3
Filmthickness(Å)
Growthrate(Å)
σ()
1 5 34606 2307 00711 2 26070 1738 00481 1 30638 2043 0017
0
50
100
150
200
250
0 1 2 3 4 5 6
Flow ratio of NH3SiH4
Gro
wth
rate
Å
00000010002000300040005000600070008000900100
Stan
dard
dev
iatio
n
growth rate
standard deviation
-6E+09
-4E+09
-2E+09
0E+00
2E+09
4E+09
6E+09
0 1 2 3 4 5Flow ratio of NH3SiH4
Film
stre
ss
dyne
cm
2
6
(a)(b)
結果および考察 表2にプラズマ CVD 装置で成膜した SiN 膜
の膜厚を図2に SiH4に対する NH3の流量比と
面内ばらつきの関係を示す
膜厚は各流量条件ともにほぼ目標値通りであ
り成長レートはほぼ 200Åmin 程度であった
面内ばらつきは流量比と相関があり流量比が
小さいほど抑えられることがわかった
(a) As film deposition (b) After annealing Fig3 Relationship of film stresses to flow ratios
174
176
178
18
182
184
186
-8E+09 -6E+09 -4E+09 -2E+09 0 2E+09
Film stressdynecm2
Ref
ract
ive
inde
x
Table 2 Film thickness of each flow ratios
Fig4 Relationship of film stress and gas flow
ratios 今後の課題 今回の評価でプラズマ CVD 装置による SiN
膜の特性はほぼ把握した今後はセンサとし
ての評価を行いプラズマ CVD 装置とスパッ
タ装置による SiN 膜の比較をする
キーワード Fig2 Growth rates and standard deviations of flow ratios MEMSMEMS とは micro-electro mechanical
system の略で半導体の微細加工技術を用い
て作製する電気機械システムのことである
図3に流量比と膜応力の関係を示す成膜後
流量比 1で応力は圧縮方向に 5times109 dynecm2で
あったが流量比をあげることでその応力は小
さくなった
またアニール後の膜応力は流量比との依存
性がなくなり応力も圧縮方向から引張方向に
変化した
15
装置利用
豊田工大 07-05
スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線形成技術
Conductive pattern forming method on vertical wall using spray coating and angled exposure technologies
森井裕貴大平文和
Hiroki Morii Fumikazu Oohira
香川大学
Kagawa University
スプレーコート技術と傾斜露光技術を用いた垂直壁面への配線パターン形成方法について検討した
この方法を用いることによりチップパッケージサイズを縮小することが可能となるスプレーコート
技術と傾斜露光技術を用いることにより 600μm の垂直壁へレジストを均一に塗布さらにレジストパ
ターン形成を可能としたまた配線パターンはスパッタと無電解 Ni めっきにより形成した本研
究で製作した配線パターンの幅は 200μm配線間隔は 300μm である A novel conductive pattern forming method on the vertical wall using a resist spray coating and an angled exposure technologies is proposed This method makes it possible to decrease the chip package size The spray coating and the angled exposure technologies enable the uniform resist coating and the patterning the resist on the vertical wall of 600 μm height Then a conductive pattern layers are sputtered and electroless plated As the result the conductive patterns of 200 μm width and 300 μm spacing is successfully formed on the vertical walls
背景と研究目的 携帯電話や携帯情報端末な
どにおいて更なる小型化高機能化が求められ
ている限られた容積の中でそれらの要求を満
たすには半導体チップの小型化高集積化
又はチップ実装の高密度化が挙げられる 本研究ではチップ実装の小型化に着目し
半導体プロセス技術を用いてチップ実装パッケ
ージ側面に 3 次元的に電極を配線することによ
り高密度実装可能な側面配線技術の確立を目指
す パッケージ側面に金属の配線パターンを形成
する手段としてレジストにより配線パターン
を形成し金属を成膜しリフトオフすることに
より金属の配線パターンを形成するこのとき
半導体プロセス技術で成膜できる金属の膜厚は
数千Åと少ないため配線としては電流抵抗が
大きくなるそこで Ni めっきを行い配線とし
て十分な膜厚を得るここでスプレーコートに
よるパッケージ側面への 3 次元レジストパター
ニングの原理確認を行った
実験 スプレーコートを用いてチップ実装パ
ッケージにレジストを塗布するさらにサンプ
ルを露光する際に側面部が十分露光されるよう
にサンプルを傾けて傾斜露光[1]を行いパッケー
ジ側面に配線パターンを形成する本研究では
パッケージ高さ600μm配線幅200μm配線間
隔300μmであるスプレーコートによるレジス
ト塗布ではレジスト流量ステージ温度ステ
ージ速度によってレジストの膜厚や分布などが
変化する[2]そこでレジスト流量81gh100ghステージ温度95105115ステージ速
度300mms400mmsの条件を検討した 結果および考察 条件を検討した結果
すべての条件で塗布可能であるが比較的均一
な塗布条件はレジスト流量 100ghステージ温
度 105ステージ速度 300mmsである図 1
16
にレジストパターニングの結果を示すレジス
トはエッジ部で途切れることなく全面に塗布さ
れているレジストの段差切れが無いこと隣
接するパターンのつながりが無いことを確認し
600μmの垂直壁にも均一にレジストを塗布パ
ターニングが可能であることを明らかにした さらにレジストパターニングしたサンプル
にスパッタにより金属膜を成膜しリフトオフ
により配線パターンを形成したNi めっきを行
い配線として十分な膜厚を得た図 2 に Niめっき後の配線パターン形成の結果を示す Ni めっき後でも配線パターンがエッジ部で途
切れることなく隣接するパターンのつながり
が無いことを確認し600μm の垂直壁に配線形
成が可能であることを明らかにした
Fig1 The spray coating and patterning the resist
Fig2 Conductive pattern forming 今後の課題 パッケージ側面において下面に
近い部分でパターンが広がる基板とマスクの
間に空間ができるため回折などの影響によりパ
ターンが広がるこの広がりを抑える工夫を今
後検討していく 参考文献 [1] Hayato Izumi Yohei Matsumoto Seiji Aoyagi Yusaku Harada Shoso Shingubara Minoru Sasaki Kazuhiro Hane Hiroshi Tokunaga IEEJ Trans SM Vol 128-E No 3 (2008) pp102-107 [2] Vijay Kumar Singh Minoru Sasaki and Kazuhiro Hane Japanese Journal of Applied Physics Vol 46 No 9B (2007) pp 6449-6453
Substrate
Ni NiPlastic material
Resist Plastic material Resist
Substrate Plastic material
17
技術代行装置利用
豊田工大 07-06
微小面積薄膜のレーザー加熱による変形
Deformation of small patchy films by pulsed laser heating
柳瀬 明久
Akihisa Yanase
豊田工業大学
Toyota Institute of Technology
真空蒸着法で作製した微小面積の薄膜(パッチ状薄膜)は一般にエネルギー最小の安定な形態では
ない凹凸パターン基板上に堆積させたパッチ状金薄膜をパルスレーザー加熱することによって微粒
子化する方法を検討した結果サイズ分布の狭い球形金粒子が得られた A small patchy film fabricated by vacuum evaporation does not have a stable shape with an energy minimum A preparation method of Au particles from thin patchy Au films by pulsed laser heating has been studied As a result spherical Au particles with a narrow size distribution were obtained
背景と研究目的
ナノテクノロジーにおける微細構造作製方法
は大きく2つに分けられる一方はリソグラ
フィエッチングなどの微細加工技術に基づく
「トップダウンアプローチ」であり今日大き
な技術分野となっているしかし微細化の進
展とともに高コストで環境負荷の大きいことが
問題化されているもう一方は「ボトムアップ
アプローチ」と呼ばれ原子分子を積み上げ
ていく方法で今後の発展が期待されている
「ボトムアップアプローチ」では分子クラ
スター微粒子などの「部品」をまず作製し
次の段階でそれらを自己組織的に組み立ててい
くという階層的な方法が有力と考えられている
「ボトムアップアプローチ」の微粒子に関わる
要素技術として形状サイズならびに表面物
性が制御された微粒子の作製が最も基礎的であ
ると考える 単分散微粒子の一般的な作製法は液相中の
固相析出反応において核生成期とその後の粒
子成長期とを時間的に明確に分離し粒子成長
期における粒子間の凝集を防止する方法である
この原理に基づいてポリスチレンやシリカガ
ラスなどの材料で精度のよい単分散粒子が作製
されているしかし化学反応を用いる方法で
きわめてサイズの均一な粒子を作製することは
ごく一部の反応系を除いてきわめて困難である
のが現状である
短パルスレーザーを物質に照射すると物質
がその波長の光を十分に吸収する場合その表
面近傍はきわめて短時間で加熱されその後急
速に冷却されるこのパルスレーザー加熱によ
って基板上に形成された有限の面積をもつ固
体薄膜(以下パッチ状薄膜とよぶ)を溶融させ
ることが可能であるそして溶融した薄膜は
基板表面とぬれにくい場合表面張力により微
粒子化する[1]パッチ状薄膜の面積ならびに厚
さが均一であるならばこの方法により粒子
径のきわめてそろった単分散微粒子が得られる
はずである本方法により単純な物理プロセ
スによる広範囲な材料系に適用可能な単分散微
粒子作製法が確立されればその意義は大きい
本研究ではシリコン熱酸化膜上に形成した
パッチ状金薄膜を波長 532 nm のパルスレー
ザーによって加熱することによって球形金粒
子を得ることができた
18
パッチ状薄膜をパルスレーザー加熱して微粒
子を作製する方法の利点として次の3点が挙
げられる①プロセスが単純でありパッチ状
薄膜の大きさ膜厚を精度よく再現できること
から粒子サイズの制御性が高いことが期待さ
れる②パルス光を用いるため冷却過程を考
えても非常に短時間のプロセスであるその
ため材料の蒸発による損失が抑制される③
微粒子化させたい材料の種類に合わせてレーザ
ーの波長を選択できる
参考文献 [1] 特許 3989424
実験 Fig 1に実際の実験方法を模式的に
示したシリコン基板上にシリコン熱酸化膜
からなるテーブル状の凸構造(10 μm times 10 μm)
を周期 15 μmで2次元的に形成したまた
Fig2 に示すように隣り合う凸部間の溝部表
面をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
でコーティングしたこの基板上に膜厚30 - 90 nm の金薄膜を真空蒸着法によって堆積させた
金はPTFE上に付着しにくいため独立した
パッチ状の金薄膜がシリコン熱酸化膜上に得ら
れたこの試料を空気中でナノ秒パルス
NdYAGレーザーの2倍波 (532 nm) 1パルス
を照射して加熱したなおNdYAGレーザー
のパルス時間幅は 6 ns であった
Fig 1 Schematic procedure of preparation of monodisperse Au particles
PTFE SiO2
結果および考察 Fig 3 は膜厚 90 nm のパッチ状金薄膜をパルスエネルギー密度 140 mJcm-2 の条件で加熱した後の走査電子顕
微鏡像であるほぼ均一な粒子径をもつ金微粒
子が生成されていることがわかるその直径(~
27 μm)は1個のパッチ状金薄膜が1つの球
へと変化した場合に予想される直径とよく一致
したなお金薄膜の初期反射率( ~07)を
考慮するとこの照射条件は薄膜を十分に溶融
しえるものであるまた得られた金粒子は
基板との付着力が弱くドデカンチオールのエ
タノール溶液中で超音波照射することによって
基板から容易に脱離させることができた
Si
Fig 2 Cross-sectional SEM image of the patterned substrate used for preparing Au patchy films
また現在までに得られた結果から本方法
の特徴として①膜厚 50 nm 以下の薄膜は
1個のパッチから多数の微細な粒子に変形する
傾向をもつこと②微粒子化した場合生成し
た粒子は基板から離れて気相側に飛散しやすい
ことが挙げられる
今後の課題 リフトオフプロセスを利用して
平坦な基板上に微小面積薄膜のパターンを形成
する方法を用いる予定であるまたさらなる
プロセスの簡便化金以外の金属や半導体への
材料系の拡大ならびに粒子サイズの微細化
の検討を進めていく必要がある
Fig 3 SEM image of Au particles prepared on a patterned substrate by pulsed laser heating with a pulse energy of 140 mJcm-2 Initial film thickness of Au was 90 nm
19
技術代行装置利用
豊田工大 07-07
超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発
Development of microfluidic chip based on Nano fabrication technologies
中野 圭洋 安池 雅之
Keiyo Nakano Masayuki Yasuike
株式会社 ESPINEX
ESPINEX Inc
マイクロ流路を応用した細菌検出法を開発し大腸菌を用いた検出試験を行ったこの細菌検出法は
使い捨てのマイクロ流路チップと蛍光検出装置で構成されておりマイクロ流路はフォトリソグラフ
ィー技術とシリコーンゴム(PDMS)により製作したマイクロ流路中の検出部に抗体を固定して
抗原抗体反応により蛍光された大腸菌を捕捉した試料を注入し検出部における大腸菌の密度を上
げる事で大腸菌の計数高感度検出が可能となった Microfluidic based bacteria detection platform was developed and investigated the performance by detecting Escherichia-colis (e-coli) This platform is consisted a disposable microfluidic chip and a fluorescent detection system Microfluidic chip was fabricated using photolithography technology and PDMS At the detection spot of the microfluidic channel antibodies were immobilized to capture e-colis which contained fluorescent dyes Because of antigen-antibody interaction e-colis concentration was increased at the detection spot of microfluidic channel and the fluorescent detection system can count the number of e-colis captured
(一行スペース) 背景と研究目的 近年院内感染や食品の細
菌汚染問題が深刻化しており細菌汚染の迅速
検査は重要度を増しているしかし現行の細
菌検査は主に培養法を用いるため検査の結果
が出るまで数日を要するそこで当社は細菌
を抗原抗体反応でマイクロ流路中に高濃度で捕
捉して蛍光を光学的に検出することで培養過
程を要さない細菌の高感度迅速検出システム
の開発を行っているマイクロ流路を用いた細
菌検出の概略を図 1に示す
実験 マイクロ流路チップは流路構造を施
したシリコンモールド型をフォトリソグラフィ
ー技術により作製しその型から流路構造を転
写したシリコーンゴム(PDMS)を流路部スライ
ドガラスを基盤として作製した図 2 にPDMSマ
イクロ流路チップを示すその後マイクロ流
路中に蛍光試薬と大腸菌を含んだ試料を注入し
大腸菌を補足後検出部の画像を解析して大
腸菌の検出実験を行ったさらに大腸菌を捕
捉後抗生物質を注入し生死菌数の変化を観
察した大腸菌の薬剤感受性試験を行った マイクロ流路
検出装置
励起光
PC
マイクロ流路試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
抗体
蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
マイクロ流路
検出装置
励起光
PC
マイクロ流路試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
抗体
蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
Fig 1 Schematic diagram of bacteria detection by
microfluidic chip
20
Fig2 Image of PDMS microfluidic chip 結果および考察 検出部における蛍光さ
れた大腸菌の画像を図 3 に示す図 3 では生菌
が緑色死菌が赤色に発色し検出部において
多数の菌が確認でき大腸菌を効率よく捕捉し
ている結果が得られた検出に要した時間は約
10 分間であり培養法等と比べると格段に迅速
な検出が可能であることが証明された又図
4 に示す薬剤感受性試験の結果において抗生
物質投与直後2時間後4時間後と時間を経る
につれて赤色に発色している死菌が増加してい
ることが解る従ってマイクロ流路チップを
用いた細菌の薬剤感受性試験も良好な結果を得
た
緑生菌赤死菌
生菌数の計数 死菌数の計数総菌数の計数
画像処理
緑生菌赤死菌
生菌数の計数 死菌数の計数総菌数の計数
画像処理
Fig3 Florescence microscope images of Ecoli at a detection spot of microfluidic chip
抗菌剤投与直後 2時間後 4時間後抗菌剤投与直後 2時間後 4時間後 Fig4 Florescence microscope images of Ecoli in maicrofluidic chip after applying antibiotics 今後の課題 今回の実験により大腸菌の迅速
検出及び薬剤感受性試験におけるマイクロ流
路チップの有効性が確認されたが今後検出
感度の向上を目指した流路構造の最適化や大
腸菌以外の菌種での検出確認が課題として挙げ
られる又PDMSマイクロ流路チップは非常
に生産性が低い上抗体の固定化が容易ではな
いそこで生産性が高く抗体が容易に固定
できる樹脂製のマイクロ流路チップの製造技術
の確立が商業化に向けた課題であるといえる
論文発表状況特許出願 [1] 中野圭洋亀岡遵安池雅之特願
2008-053209チップ キーワード マイクロ流路 マイクロ又はナノサイズの極微細流路であり
化学物質や生体物質の検出解析などに用いら
れる
21
協力研究
豊田工大 07-10
高分解能プローブ顕微鏡による薄膜表面の構造評価 Structural evaluation of film surface by high-resolution probe microscope
笹川 薫
Kaoru Sasakawa
コベルコ科研
Kobelco Res Inst
無電解めっき法によって金属薄膜を形成させるために種々の金属触媒層が用いられているわれわれ
は PdSn 触媒を温度 85湿度 85の環境下に放置したときの形状変化を高分解能プローブ顕微
鏡によって調べることを目的とした平成 19 年度後期の協力研究ではガラス表面に形成した PdSn触媒層が高分解能プローブ顕微鏡によってどのように観察されるかを調べた Various kinds of metal catalysis are used by electroless plating method to form a metal film We were aimed at examining a shape change when a PdSn catalyst was left in 85 degrees Celsius and humidity 85 for several hundred hours by a high-resolution probe microscope In the cooperation study of the latter period in 2007 we examined how the PdSn catalysis which was formed on the glass surface was observed by a high-resolution probe microscope
背景と研究目的 無電解めっきに用いられる
PdSn[1]が電気回路基板の形成後に残留する場
合使用中に絶縁性が保たれることが必要であ
る高温高湿試験中PdSn触媒層の抵抗値は
様々に変化するが抵抗変化の原因の1つとし
てガラス基板表面の形状や触媒粒子の形状
が変化している可能性が考えられるそこで
高分解能プローブ顕微鏡(SPM Scanning Probe Microscopy)によって形状変化を調べることと
した 実験 高温高湿試験前後のPdSn触媒層およ
びガラス基板を用意しタッピングモードプ
ローブ顕微鏡(Beeco社製NanoScopeⅢa)により
高分解能形状観察を行った尚実験環境は大
気中室温である
結果および考察 ガラス基板上のPdSn触媒層について高い分解能でプローブ顕微鏡増
を得ることができたしかしながら触媒層の
下地に用いたガラス基板そのものが高温高湿
試験によって変質しPdSn触媒層の形状変化の
詳細を知るのは難しいということがわかった
PdSn以外の触媒もあり触媒自体の形状変化を
調べることができそうなものもあるがPdSnが基本となるのでこれ以上の検討は行わないこ
ととしたすなわち今回は準備した試料が
適切でないということがわかった 今後の課題 高温高湿試験の前後における触
媒層の形状変化を詳細に調べるためには高温
高湿試験により形状変化が生じないか生じても
触媒の変化を調べるのに影響しないような基板
を探す必要がある 参考文献
1) Eugene J M OrsquoSullivan J Horkans J R White
and J M Roldan IBM J Res Develop 32 (1988)
591
22
装置利用 豊田工大 07-12
鉄シリサイド形成に関する研究 Study for Iron Silicide Formation
丹司敬義ab大平 豊a
Takayoshi Tanjiab and Yutaka Ohiraa
a名古屋大学院工学研究科 b名古屋大学エコトピア科学研究所
aGraduate School of Engineering Nagoya University bEcoTopia Science Institute Nagoya University
様々な条件下で作製した一次元鉄シリサイドの形状について走査トンネル顕微鏡(STM)や走査電子
顕微鏡(SEM)等を用いて研究した50 times 10-8 Pa 以下の超高真空環境下で固相エピタキシー法(SPE)と反応性蒸着エピタキシー法(RDE)を用いて作製したナノワイヤの形状の違いについて述べるXPSの結果から両者は共に FeSi2の組成を持つことも明らかにしている更に40 times 10-4 Pa 以下の高真
空下でさえワイヤが形成されることを見出した One-dimensional (1D) iron silicides prepared under various growth conditions have been studied by scanning tunneling microscopy (STM) scanning electron microscopy (SEM) and so on We discuss difference in the shape of nanowires (NWs) prepared by solid-phase epitaxy (SPE) and reactive-deposition epitaxy (RDE) in an ultrahigh vacuum (UHV) of below 50 times 10-8 Pa A similar chemical shift in XPS spectra is observed on both surfaces corresponding to iron disilicide NWs are also formed even in a high vacuum (HV) of below 40 times 10-4 Pa at 600 ordmC 背景と研究目的主に電荷を用いる半導体エレク
トロニクスでは従来使われなかった電子のもう一
つの性質であるldquoスピンrdquoを積極的に利用して
新しい材料の機能やデバイスを構築しようとする
半導体スピントロニクスに関する研究が近年盛
んに行なわれているシリコン(以下Si)技術と
の融合を図るためにはSi基板上へ磁性体の直接
成長が必要となるまたデバイスの高集積化
高密度化を達成するために従来のリソグラフィ
ー技術を用いたトップダウン技術だけではなく
低次元構造体の作製が可能な自己組織化等のボト
ムアップ技術も必要になる このような背景の下我々はldquo磁性を有するナ
ノワイヤを Si 基板上に直接成長させるrdquoことを最
終目的としているそこでまず磁性元素である
鉄を Si(110)表面上に蒸着し加熱することで形成
されるナノワイヤに注目し研究を行なっている 先行研究としてはLiang et al1)らによる報告が
ありそれによると清浄化処理を行なった Si(110)基板を 600 ordmC に加熱しながら Fe を蒸着すること
でワイヤの幅が数十 nm長さが数μm にも及ぶ
高アスペクト比のワイヤが形成すると報告してい
る(反応性蒸着エピタキシー法RDE)我々は
彼らとは別の成長方法を用いてナノワイヤを形成
させることに成功した(Fe を蒸着した後基板を
600 ordmC に加熱する(固相エピタキシー法SPE)) 本研究ではSPE と RDE で成長させたワイヤの
形状がどれくらい異なるかワイヤの組成は同一
なのかどうかを走査トンネル顕微鏡(STM)走査
電子顕微鏡(SEM)そして X 線光電子分光法(XPS)を用いて評価したまた通常ワイヤの作製には
超高真空環境が必要となるが我々は新たに高真
空環境でもワイヤが作製できる方法を開発した 実験試料作製は以下に示す真空度の異なる2種類のチャンバーを用いた 超高真空下での試料作製はSTMとXPSを装備
したチャンバー内(到達圧力lt 20 times 10-8 Pa)で
行なった試料にはPドープのn型Si(110)ウエハー
(2 ndash 4 Ωmiddotcm)を用いた試料の清浄化は通常用い
られる加熱処理により行なった2)Feの蒸着は
電子衝撃加熱法を用い蒸着レートは018 MLminである(1 MLSi(110) = 959 times 1014 atomscm2) 高真空下での試料作製は到達圧力が13 times 10-4 Pa以下のチャンバー内で行なった試料にはPドープのn型Si(110)ウエハー(lt 001 Ωmiddotcm)を用いた
試料の清浄化はフッ酸処理によるウエットプロ
セスにより行なったFeの蒸着はアークプラズ
23
マガン(APG)を用い蒸着レートは047 MLshotである それぞれの試料加熱は通電加熱法で行ない
温度測定には予め校正した放射温度計を用いた 結果および考察Figure 1 に超高真空下(50 times 10-8 Pa以下)で作製したナノワイヤを示す共に
蒸着量は 018 ML基板温度は 600 ordmCである
Figure 1(a)と(c)はSPEによって作製したワイヤの
SEM像とSTM像であるlt110gt方向に沿った長さ
は 20 ndash 120 nm幅は 6 ndash 15 nmであった一方
Fig 1(b)と(d)はRDEによって作製したワイヤの
SEM像とSTM像であるlt110gt方向に沿った長さ
は 100 ndash 1000 nm幅は 15 ndash 20 nmであったXPS結果からSPEとRDE共にFeSi2の組成を持つこと
も明らかにし両者とも同じ構造であると考えら
れるRDEで成長させたワイヤの長さはサブマ
イクロメートルにも達しSPEに比べ非常にア
スペクト比が大きくなることが分かる成長手法
を変えることでワイヤの長さをμmオーダーにす
るかnmオーダーにするかの制御が可能となる このような違いが生じる原因としては鉄を蒸
着するときの Si 基板の構造の違いが考えられる
基板温度-ワイヤの密度の依存性を調べることで
得られる活性化エネルギーの値を調べるとSPEの方が RDE に比べて小さくなるRDE の場合
鉄を蒸着するときに基板を 600 ordmC に加熱してい
るこの温度はFig 1(c)の下地にも確認できるよ
うにSi(110)-ldquo16 times 2rdquo清浄表面が形成される 3)
この表面は原子一層分の高さを有する凹凸構造
となるこの状態で蒸着種が拡散するためには
非常に大きなエネルギーを要し拡散する方向も
制限されると考えられるので非常に長いワイヤ
が形成されると考えられる
23
Figure 2(a)に高真空下(40 times 10-4 Pa以下)でSPEによって作製したナノワイヤのSEM像を示す超
高真空下と同様にlt110gt方向に沿っておりサ
イズもほぼ同程度であるしかし超高真空下で
作製したワイヤのSEM像のコントラストと比べ
ると非常に弱いこれは大気に一度曝すことで
生じる自然酸化膜の影響であると考えられるま
た当研究室でワイヤの断面TEM観察したところ
Si基板中の三角形のコントラストとして現れてい
る(Fig 2(b))超高真空下で作製したワイヤも同様
に基板内部にワイヤが成長するので 1)高真空
下と超高真空下で類似の構造を作製することに成
功した 以上のことからワイヤを作製するにあたり以
下の二点のことを明らかにした 数十 nm か数μm の長さのワイヤを自在に成長
させることが可能
10-4 Pa 台から 10-8 Pa 台の広い範囲の環境下で
ワイヤの作製は可能 今後の課題作製したワイヤに磁性が存在するの
かどうかについての研究を進めていく予定である 論文発表状況特許出願 1) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
Jpn J Appl Phys 47(7B) (2008) 6138 2) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
ldquoThe 15th International Colloquium on Scanning Probe Microscopyrdquo (poster)
3) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda ldquoThe 9th International Conference on Atomically Controlled Surfaces Interfaces and Nanostructuresrdquo (poster)
参考文献 1) S Liana R Islam D J Smith P A Bennet J R
OrsquoBrien and B Taylor Appl Phys Lett 88 (2006) 113111
2) R S Becker B S Swartzentruber and J S Vickers J Vac Sci Technol A6 (1988) 472
3) Y Yamamoto Phys Rev B 50 (1994) 8534
Fig 1 (a) and (b) SEM images of NWs on Si(110) surface prepared by SPE and RDE in UHV respectively In both cases the NWs grow along lt110gt
Fig 2 (a) SEM image of NWs on Si(110) surface prepared by SPE in HV The NWs grow along lt 1 10gt (b) Cross-Sectional TEM image of NWs observed along lt110gt direction The NWs are observed as a triangular contrast in the Si substrate
24
装置利用
豊田工大 07-16
多結晶シリコンデバイスのための酸化メカニズムに関する研究
The study on the silicon surface oxidation for poly-silicon electronic devices
山本 直矢a 芳之内 淳a 大下祥雄b
Naoya Yamamotoa Atsushi Yoshinouchia Yoshio Ohshitab
a株式会社 IHI b豊田工業大学
aIHI bTTU シリコン表面酸化速度はその面方位よって大きく異なることが知られている今回多結晶シリ
コンを用いた電子デバイスを作製するうえで重要なさまざまな面方位表面における酸化速度を詳細
に調べたまたシリコンの結晶構造の Si(100)表面で規格化された状態密度との比較も合わせて行った その結果各面方位の酸化速度はWet O2中での酸化では Si(111)面を除いてシリコン表面に存在
する Si-Si 結合の密度に近くなる一方で Dry O2 中では Si-Si 結合密度と表面原子密度の間に位置して
いることが分かった
The effects of crystal orientation of Si substrates on the oxidation rates are studied The Si with (111) (211) (311) (511) (100) (310) (210) and (110) surface are oxidized by the dry and the wet oxidation methods We analyzed the relative oxidation rates which is normalizing them by the values of Si(100) by comparing with the interface structure The relative wet oxidation rates at the low temperatures except for the surfaces that have a large lt111gt component can be explained by the number of the back bonds of Si at the SiSiO2 interface On the other hand the relative oxidation rate obtained by the dry oxidation lies between the numbers of Si-Si bonds and Si atoms at Si surface
背景と研究目的 近年多結晶シリコンを用いた電子デバイス
の開発が盛んに行われている多結晶シリコン
ウェハは単結晶化シリコンウェハに比べて安価
に製造することができるため太陽電池市場お
いてはシェアの多くを多結晶シリコン太陽電
池が占める多結晶シリコン薄膜はガラスや
プラスチック等のシリコンと異なる基盤表面に
成膜可能であることから液晶ディスプレイや
有機 EL ディスプレイ用の駆動用 TFT の活性層
としても用いられているまた特異な電子特性
からシリコンナノ結晶を用いたさまざまな電
子デバイスが提唱されている それらの多結晶シリコンデバイスの性能を向
上させるためにはいくつかの問題点があるが
その中でも重要なのがシリコンとそれを絶縁
させるための絶縁膜および界面の問題である
通常の単結晶シリコンデバイスでは酸化雰囲気
中でシリコン表面を酸化することで得られるシ
リコン熱酸化膜を用いるが多結晶シリコンデ
バイスでは粒界に不純物が析出したり基板が
反ったりと熱負荷をかけられない場合が多い
そ の た め 低 温 形 成 可 能 な 化 学 気 相 堆 積
(Chemical Vapor DepositionCVD)酸化膜が多
く用いられるが多結晶シリコン表面がそのま
まシリコンシリコン酸化膜界面になるため良
質な界面を得ることが難しい低温でもシリコ
ン表面を酸化することは可能ありそのメカニ
ズムに関しては以前から様々なモデルが提唱さ
れてきた[1-6]しかしそれらは多くは(100)(110)(111)面に関するものでありそれ以外の
面方位については実験データも少なく酸化の
25
メカニズムや酸化膜の膜質についても不明な点
が多い 本研究では低温における多結晶シリコン表
面の酸化のメカニズムとその膜質を検証する上
で必要な各種面方位を持ったシリコン単結晶
表面の酸化速度を分析しその傾向に関する知
見を得ることを目的とする 実験 鏡面研磨した(111)(211)(311)(511)(100)(310)(210)(110)それぞ
れの面方位をもった単結晶シリコンサンプルを
準備したそれらを縦型酸化炉にて各面方位一
括で酸化処理を行ったWetO2酸化の時はO2
H2を同じ流量で炉内横に設置された石英製の
燃焼器で燃焼させ燃焼ガスを炉内に導入した
酸化処理の後エリプソメーターにて膜厚を計
測した
Figure 2 Comparison of calculated data and oxide thickness formed in Wet O2
同じく750のWetO2中でシリコンを酸化し
たときの酸化膜厚と各種表面密度との比較を図
2に示す(100)方位から(110)方位に向かって
はバックボンド密度と非常によく似た傾向を
示す一方で(100)から(111)方面にかけては
弧を描くように増加し(111)表面では酸化膜厚
が遅くなっていることがわかるこの傾向はγ
(表面原子密度)の傾向に近いことが分かった
結果および考察 DryO2 およびWetO2
中さまざまな温度で酸化処理を行ったが今回
は温度の低い 750での酸化膜の成長に関する
結果を示す各面方位の酸化初期における相対
的な酸化膜厚は水蒸気が含まれても大きく変わ
らず基本的Si(100)からSi(111)Si(110)各面
方向に向かってほぼ直線的に増加する各表
面密度をSi(100)表面の値で規格化したものと
DryO2中 750において 180 分間酸化処理した
酸化膜厚をSi(100)の膜厚で規格化した値を
ここに示すような主要な(100)(110)(111)方面以外の酸化速度を同時に酸化処理を行っ
て得られたデータはこれまでになく酸化速度
の面方位依存性のメカニズムを検証する上で
貴重なデータになるものと考える 今後の課題 各面方位の実際の酸化速度と状
態密度の計算結果との違いの原因を調べるとと
もにより詳細な酸化メカニズムについて検討
を行うまたこのような酸化速度の違いが多
結晶デバイスに及ぼす影響についても分析を行
っていく
参考文献 1) B E Deal and A S Grove J Appl Phys 36
(1965) 3770
2) H Z Maasoud et al J Electrodhem Soc 132
(1985) 1745 Figure 1 Comparison of calculated data and oxide thickness formed in dry O2
3) E A Lewis and E A Irene J Electrochem Soc
134(1987) 2332
重ねたものを図1に示すαは各面方位表面の
シリコン原子が持つ Si-Si 結合(バックボンド)数の密度βはダングリングボンド密度γは
表面の原子密度それぞれを Si(100)表面の値で
規格化したものである酸化膜厚が Si(111)Si(110)かけての増加する様子はバックボンド
密度の傾向に似ているただ計算値に比べ酸
化膜厚が薄くなる傾向にある
4) S I Raider and LEForget J Electrochem Soc
127(1980)1783
5) E A Irene et al J Electrodhem Soc 133
(1986) 1253
6) J R Ligenza J Phys Chem 65 (1961) 2011
26
協力研究
豊田工大 08-01
多結晶シリコン基板への pn ダイオード作製
Fabricated p-n diode on multi-crystal Silicon substrate
小椋 厚志
Atsushi Ogura
明治大学
Meiji University
多結晶シリコンは太陽電池用基板として広く用いられているそれは単結晶シリコン基板に匹敵する
変換効率を有し多結晶シリコン基板のほうが低コストで作成することが出来るからである粒界
欠陥不純物などにより単結晶シリコンと比べ特性が劣化してしまう本研究では微少な p-n ダイ
オードを多結晶シリコン基板上に作成し電気特性と結晶性の評価を行い特性劣化の起因を調べる
ことを行った
Multi-crystalline silicon (mc-Si) is widely used as solar cell substrate For mc-Si it is desired to realize uniformly high conversion efficiency comparable to that of single-crystalline silicon with keeping its low production cost Inhomogeneous degradation in the efficiency can be caused by grain boundaries defects impurities and so on In this study we fabricated p-n diode array on mc-Si and the diode was evaluated relation between electrical property and crystal quality for revealing as causes of degradation
実験 背景と研究目的
キャスト法により作成された多結晶Si基板を
用いてp-nダイオードアレイを作成した図1が多結晶Si基板上に作製したダイオードアレイの
完成図であるAl電極をリン拡散領域に対して
およそ4分の1領域被せてある電極の大きさは
1mm角で各電極間の距離は2mmである
多結晶シリコン太陽電池は単結晶シリコン太
陽電池と比較してコストの低減が見込まれて
いるが結晶欠陥粒界不純物応力などの
種々の問題からいま一つ変換効率の向上が難し
い変換効率特性の改善の為にはこれらの欠
陥の挙動および特徴を理解し検証評価す
ることが求められている
A B
Al electrode
P diffusion area
A B
Al electrode
P diffusion area
SiO2 SiO2
p-type mc-Si
Al
P diffusion area
A-B cross-section
BA
(a) (b) Fig1 Structure of p-n diode (a) layout and (b) cross-section (A-B)
本研究では多結晶シリコン基板上に微小 p-nダイオードアレイを作製し各々の電気特性を
測定することで基板内での分布粒界や欠陥な
どの依存性を検証するまた同基板を用いて PLEBICTEM を用いた不純物分布および結晶
性の評価を行う
27
電気特性の測定から理想係数n値とリーク電
流に基板内で分布が見られることを確認した
同条件により単結晶Si基板上に作成したものに
は見られなかった為多結晶基板に見られる粒
界や欠陥などが起因していると考え結晶性評
価をEBICPLTEMを用いて行った
500μm
Al electrode
200 μm
High
Low
Al electrode
200 μm
Al electrode
200 μm
High
Low
High
Low
(a) (b)
Fig2 Images of (a) EBIC and (b) PL 結果および考察
Fig2 に PL 及び EBIC 像を示すこのダイオ
ードアレイの特性は理想係数 n 値リーク電流
はそれぞれ 319210E-08[A]を示し明確な粒
界の存在しないポイントであったしかしPLEBIC 像には明らかなダークラインが確認され
これらが電気特性悪化に起因しているのではな
いかと考えられるPL 測定に関して田島先生の
論文の中で小傾角粒界に起因した発光の確認[]がなされ今回測定した試料においても同様の
ものが見られたのではないかと考えられる
(a)
(b)
(c)
(d)
(a) (b)
Fig3 TEM images of the defect (a) low magnification
image (b) (c) TED pattern and (d) high magnification
image
ダークラインの構造を確認する為に TEM に
よる観察を行ったFig3 の(a)は低倍率による観
察(b)及び(c)は電子回折像(d)は高倍率による
観察である(a)及び(d)より転位が確認され電
子回折像の比較から異なるパターンを示して
いることを確認した 以上のことから多結晶 Si 上に作成したダイ
オードアレイの電気特性を劣化させている原因
は粒界だけではなく小傾角粒界も影響を与え
ることを確認した 今後の課題 今回基板特性がダイオード特性に大きく影響
を与えることを再度確認したので今後は基板
特性向上の為欠陥の種類の評価起因の解明
を行う予定である 謝辞 本研究は豊田工業大学大下祥雄准教授
兵庫県立大学新船幸二准教授の共同研究九
州大学柿本浩一教授宇宙航空研究開発機構
田島道夫教授のご助力に深く感謝致します
論文発表状況特許出願 [1] T Tachibana et al ECS Symposium Austria 200910 発表予定
参考文献
1) H Sugimoto K Araki M Tajima T Eguchi I
Yamaga M Dhamrin K Kamisako and T Saitoh
J Appl Phys 102 054506 (2007)
28
共同研究
豊田工大08-02
可視光用超高速空間光変調器の研究開発
Research amp Development of Ultrafast Spacial Light Modulator for Visible Light
近藤 直樹a
Naoki Kondoa
a帝京大学
aTeikyo University
半導体ナノ構造光デバイスの超高速性のイメージング応用の一環として量子井戸の光吸収変調を
用いた可視光用の透過型空間光変調器を作製しようとしている
今年度は透過型光変調器を作成する際に不要な吸収層となってしまう GaAs 基板をウェットエッ
チングで除去するプロセスの条件出しを行った3mm 角程度の面積の50nm の AlGaAs エッチスト
ップ層つき多重量子井戸構造サンプルにおいて面内均一に GaAs 基板層を除去することができた
またレーザ光照射による白色光の吸収変調測定系を立ち上げ室温での吸収変調の様子を測定した
As an attempt to exploit ultafast optical response of semiconductor nanostructures for imaging technologies we started to develop transmissive spacial light modulator for visible light using absoption modulation of quantum wells We have clarified conditions for uniform etch-off of GaAs substrate which would otherwise be
the dominant light absorber (3mm)2 MQW sample with 50nm AlGaAs etch stop layer was etched down to approximately 3μm thickness with modest in-plane uniformity We have also built white light transmission measurement system under additional laser irradiation and measured room-temperature modulated absorption of the processed sample
背景と研究目的 本研究は半導体量子ナノ
構造の光学応答の超高速性を背景としてそれ
を可視光域でのイメージング用途に用いる事で
現在イメージング用途に用いられている光変調
機構である機械式シャッターや液晶などをはる
かに上回る速度を実現し超高速イメージング
や新用途への展開を図ることを目的として行っ
ている具体的には光吸収飽和 1)を利用した
可視光用の透過型多重量子井戸空間光変調器
の作製を行う 今年度は前年度作成したGaAs系多重量子井
戸構造を透過型空間光変調器として利用するた
めの基板除去プロセスの条件出しを行ったま
たレーザ照射による白色光吸収の変調を測定
するための光学系を立ち上げ室温での吸収変
調効果の測定を行えるようにし予備的測定を
行った 実験 エッチング サンプル構造にはエッチストッ
プのための50nm厚のAlgaAs層が入っている多
重量子井戸構造を用いたエッチング剤には
29
GaAsとAlGaAsのエッチング速度が大きく異な
る選択性のもの(H2O2NH4OH)を用いる事で
GaAs基板を除去した
我々のGaAs基板のエッチング除去のプロセ
スでは最初にまずサンプル基板をガラスにエ
ポキシ樹脂で固定した後約100um厚まで機械
研磨しその後ウェットエッチング
(H2O2NH4OH=101 GaAsエッチング速度~
3ummin)でエッチングを行った
光変調吸収測定 レーザ照射による白色光吸収
の変調を測定するための光学系を組み室温で
のサンプルの吸収変調の様子を測定したサン
プルには残り膜厚約 3μm のものを用いた波
長 532nm05W の緑色レーザ光を集光せずにサ
ンプル前面に照射非照射した時のハロゲンラ
ンプ光吸収スペクトルを測定した
FigureCaption Fig 2 Microscope image of substrate-etched MQW sample
結果および考察 エッチング 当初機械研磨は表面にキズが目
視できるレベルで止めていたが表面にμmオ
ーダーで凹凸が残っていると後のエッチング
深さに大きな面内ムラが生じることがわかった
そのため表面が光学的鏡面になるまで研磨す
るようにしたところエッチング後の面内ムラ
は減少した(図2)ただし目視で透過が確認
できるところまでエッチングを行うと量子井戸
による吸収が消えてしまうため薄いAlGaAs層によるエッチストップには失敗しているよう
であった
FigureCaption Fig 2 Modulated transmission spectra of approx 3μm thick MQW sample at room temperature
光変調吸収測定 測定結果を図3に示すGaAsによる吸収端がレーザ照射によってシフトして
いることが確認できた 今後の課題
エッチングに関しては現在上記の透過測定
系を用いてレーザ透過強度変化を観察する事
により精度の高いエッチストップを行えるよ
う再実験中である光吸収変調に関しては
レーザ光照射および透過光測定を局所的にでき
るよう改善する予定である FigureCaption Fig 3 Calculated wavefunctions and energy levels in SLAM structures at room temperature 現在のサンプル構造は GaAsAlGaAs 系であ
るが可視光用途を GaAsAlGaAs 系で実現する
のは単純な量子井戸では可能なバンドギャッ
プの値から考えて困難である超格子疑似合金
(SLAM)2)構造を採用した可視光用量子井戸構
造を設計し数値解析した結果を図4に示す
本解析結果を元に試料を作製し可視光域での
動作を目指す予定である
参考文献
1) D A B Miller D S Chemla T C Damen A C
Gossard W Wiegmann T H Wood and C A
Burrus Phys Rev Lett 53 2173 (1984)
2) H Sakaki M Tsuchiya and J Yoshino Appl
Phys Lett 47 295 (1985)
30
技術相談装置利用
豊田工大 08-03
結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動について
Firing behavior of front side Ag for crystalline silicon solar cells
仙田 愼嗣 吉野 泰 加藤 夕子
Shinji Senda Yasushi Yoshino Yuko Kato
(株)ノリタケカンパニーリミテド
NORITAKE CO LIMITED
高結晶シリコン太陽電池用銀ペーストの焼成時の挙動を解明し高い出力の得られる銀ペーストを研
究することを目的として平成 19 年度 3 月から装置利用を開始しているp 型シリコンウエハ上に n
層SiNx 反射防止膜を作製し作製したセルを使用して出力評価を行った Silicon solar cell electrodes are typically formed by using the screen printing Technique Good fire-through properties are required for an Ag electrode for the front-side surface insufficient fire through causes higher contact resistance (Rc) which decreases the conversion efficiency of solar cells In order to control the fire-through properties contact formation mechanism is important In this study n-layer thickness and antireflection coating thickness have a positivenegative effect on fire-through of Ag paste
背景と研究目的 現在太陽電池市場は急速
に拡大しておりその市場の中でも大部分を結
晶シリコン太陽電池が占めている受光面側に
は銀ペーストが裏面側にはアルミペーストと銀
ペーストが電極として用いられておりスクリ
ーン印刷を用いて低コストで電極を形成して
いるさらなる高効率化低コスト化への要求
が高まる中で生産性の向上および出力特性向
上のために高速焼成が主流になってきており
電極ペーストの焼成挙動を解明しペースト組
成焼成条件を最適化し高速焼成に対応する
ことが必要となる本研究では結晶シリコン
太陽電池用電極ペーストにおいて特に受光面
銀ペーストにおける焼成挙動の解明を目的とし
高い出力を得られる銀ペーストの研究を行う 実験 市販のシリコン基板 (p型 抵抗率1~
H2
結果および考察
10 (Ωcm) CZ110 厚さ200μm)を用いたオ
キシ塩化リン(POCl3)窒素酸素の混合ガス雰
囲気で熱処理を行うことによりP拡散を行い
n層を形成したその後プラズマCVD装置
(Samco製)を用いSiH4ガスNH3ガスおよび
ガスを原材料として反射防止膜(シリコン窒化
膜)を成膜形成した反射防止膜の厚みと屈折
率の評価にはエリプソメーター反射率には反
射率測定装置を用いた作製した基板上に裏
アルミ電極表銀電極ペーストをスクリーン印
刷法で付着乾燥後焼成したソーラーシュ
ミレーターを使用し作製したセルの電気的特
性の評価を行った
表 1 にP拡散条件を変
化させたときのn層のシート抵抗を示すP拡散
を制御することができシート抵抗を変化させ
ることが可能であり低温で短時間の拡散とす
ることで高シート抵抗の基板を作製できるこ
とがわかった一般的に用いられる 30~60Ωsqのシート抵抗のセルは条件が合わず作製でき
ていない表 2 にSiNx膜形成条件を示すガス
組成および製膜時間によりSiNx膜厚および屈
折率を制御することが可能であり一般的な膜
厚 80nm程度のセルを作製することが可能であ
31
今後の課題
Sheet
resistance
[Ωsq]
Pre-deposition P-diffusion
Temperature
[]
Time
[min]
Temperature
[]
Time
[min]
6 840 10 1000 40
10 840 10 1000 10
15 840 10 1000 5
110 800 5 800 10
ることがわかったが屈折率は一般的な 20 程
度にすることが出来なかった屈折率を高くす
るためにはSiNx膜の密度を上げることが必要で
あるが密度を上げるためには製膜温度を上げ
る必要があると考えられるが本プラズマCVD製膜装置では 250が限界であったため250で試験を進めた図 1 に作製した基板の反射率
を示す作製した基板上にスクリーン印刷法に
より電極を形成し乾燥焼成し出力特性
評価を行った結果を表 3 に示すシート抵抗の
高いセルを用いるとVocが高くなることが確認
できた本来であればSiの吸収係数の高い長
波長側の反射率が低いSiNx膜厚 80 nmのセルの
方が 55 nmのセルより電流値が高くなると考え
られるがpn接合が浅くなることで電流として
利用可能な波長が増大した効果の方が大きかっ
たと考えられるFFについては良好な特性が得
られたため焼成条件を変えたときの焼結挙動
について検討を行っていきたい
Table 2 Condition of PE-CVD
SiNx membrane PE-CVD
Thickness
[nm]
Refractive
[-]
SiH4
[mlmi
n]
NH3
[mlmi
n]
H2
[ml
min]
Time
[min]
55 179 3 6 6 3
80 180 3 6 6 4
100 185 3 6 6 5
80 185 3 4 8 4
80 187 4 11 0 3
今回の試験ではFFについては
論文発表状況特許出願
良好な値が得られたがファイヤースルー性に
ついてはSiNx膜厚および密度によって大きく異
なると考えられより緻密な膜の形成条件を探
索していく必要があるシート抵抗およびSiNx膜ともに一般的なセルと同等のセルを作製し
銀ペーストと焼成条件を変えたときの焼結挙動
について試験を行いたい
特になし 参考文献 1) Y Ohshita Y Nishikawa M Tachibana VK
Hilali A Rohatgi S Asheri
Table 1 Condition of P-deposition
Tuong T Sasaki N Kojima S Tanaka M
Yamaguchi J Crystal Growth 275 (2005)
491-494
2) M
010203040506070
350 550 750 950 1150
Wavelength [nm]
Ref
lect
ance
[]
Mirror waferSiN 55nm(Planer cell)SiN 80nm (Planer cell)
Fig 1 Reflectance of planer cells
Table 3 Cell performance
Cell PE-CVD
Sheet
resistance
[Ωsq]
SiNx
membrane
thickness
[nm]
Jsc
[mAc
m2]
Voc
[mV]
FF
[]
Eff
[]
15 55 259 595 757 117
10 80 252 588 754 112
TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES 51
(2004) 948-955
32
技術代行装置利用
豊田工大 08-04
ナノレベルで膜厚を制御した透明導電膜の光学特性評価
Optical properties of TCO nano material
吉野賢二竹元裕仁小嶋稔
Kenji Yoshino Yujin Takemoto Minoru Oshima
宮崎大学工学部電気電子工学科 Department of Electrical amp Electronic Engineering University of Miyazaki
Ga-doped ZnO (GZO)をプラズマアークを利用したイオンプレーティング法で作製した作製した試料
を酸素雰囲気中で熱処理を行った熱処理温度の増加とともに赤外領域の透過率が減少したこれ
は自由キャリアの減少による散乱の減少と考えられる Ga-doped ZnO (GZO) films were deposited on alkali-free glass substrate by ion-plating system with DC arc discharge using a pressure gradient-type plasma gun The GZO films samples were annealed under O2 atmosphere at from 100 to 500 ˚C Optical transmittance in infrared region increased with increasing annealing temperature This was due to decreasing the scattering by decreasing of their free carrier 背景と研究目的 透明導電膜は高い電気伝
導度と高い可視光透過率を併せ持つものであり
現在 フラットパネルディスプレイ(FPD)や太
陽電池などさまざまな分野で利用されている
代表的な透明導電膜の材料としてIn2O3 SnO2
ZnO などがあるなかでも Sn を添加した
In2O3(ITO)は安易に 10-4 cm台の低抵抗が得ら
れているしかしITOの材料であるInは希少金
属であり価格が高いという難点があるまた 原料のInやSnに加えてITO粉末の毒性が懸念さ
れている加えて近年FPDや太陽電池などの
透明電極用途でのITO需要の恒常的な増大とは
相まってIn需要の増大が指摘されておりITO透明導電膜における省Inや脱In透明導電膜材料
が注目されている1)SnO2膜は比較的安価な
材料であるが エッチング加工と低温成長に難
があり用途が大幅に限定されるこれに対し
て ZnOは安価で豊富毒性に問題のない材料で
あるこのことからZnOはITOにかわる透明導
電膜の材料として注目されている 1) 本実験ではイオンプレーティング法により作
製
験
した Ga-doped ZnO(GZO)薄膜の熱処理を行
うことにより膜質の改善を試み考察した 実 イオンプレーティング法により作製し
果および考察
たGZO薄膜の熱処理を行った今回は焼きな
ましと呼ばれる熱処理方法を用いた雰囲気ガ
スとして酸素ガスを用い時間を 5 分温度 100~500 で行った試料をX線回折透過率
ホール測定で評価を行った 結 X線回折によりイオ
直型の検出器を用いた室温での
透
ンプレーティング法により作製されたGZO薄膜
はZnOのJCPDSカードと比較すると(0002)面のピークのみ確認された熱処理温度を増加
してもスペクトルに大きな変化は見られな
かった次にX線スペクトルより粒界サイズ
を計算し熱処理前の粒界サイズは約 64 nmで
あり熱処理後の粒界サイズは 61 ~67 nmとな
り粒界サイズの変化は見られなかったまた
格子定数もICDDとの差は 04以下である値が
得られ熱処理温度を増加させても変化は見ら
れなかった Fig 1 に垂
過スペクトルを示す一般的に ZnO のバンド
ギャップを室温では 33 eV で吸収端は 376 nmに位置することから今回熱処理に使用した
GZO 基板のバンドギャップとほぼ一致してい
る 2)また熱処理後も吸収端はほぼ同じ位置
であったGoncalves らの論文の方向によると熱
処理温度が増加すると吸収端が長波長側にシフ
トしているが2)本研究ではその傾向は見られ
33
熱処理温度 にしたがっ
Fig 1 Optical transmittance at RT
なかった 可視領域で
が増加する
て透過率にほとんど変化が見られなかったが
長波長側では透過率が上昇した(Figs 2 3)これは他の熱処理の論文でも同様な結果が報
告され 2)自由キャリアの減少による散乱の減
少と考えられキャリア濃度も熱処理温度が
400 度以上で減少している
Fig 2 Average transm e in visible region ittanc
Fig 3 Average transmittance in infrared region
今後の課題 今回の酸素中の熱処理の実験で
熱の効果を確認するためにアルゴンなどの不
活性ガスの実験を行う予定である 謝辞 本研究は豊田工業大学山口真史教
授大下祥雄准教授小島信晃助教に光透過測
定において協力を頂いた深く感謝したい
論文発表状況特許出願 [1] Y Takemo et al DRIP Conference USA 20099
発表予定
参考文献 1)南内嗣 応用物理 75 (2006) 1218 2) R Ghosh et al Mater Res Bull 40 (2005)
1905
0
20
40
60
80
100
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500
as-depo100200300350400450500
Tra
nsm
ittan
ce[
]
GZO O2 annealing 450oC 5min
Wavelength[nm]
34
技術代行装置利用 豊田工大 08-05
プラズマ CVD による薄膜作製と構造評価 a-Si film grown by plasma CVD
吉野賢二小嶋稔
Kenji Yoshino Minoru Oshima
宮崎大学工学部電気電子工学科 Department of Electrical amp Electronic Engineering University of Miyazaki
プラズマアーク CVD 法で作製したアモルファスシリコンをラマン法で評価を行ったスペクトルに
アモルファス成分結晶化成分および粒界成分に分離し結晶化度を決めることができた a-Si thin film on Si (100) substrate were successfully grown by plasma CVD Crystalline of the sample could be decided by Raman spectroscopy 背景と研究目的 アモルファスシリコンの原
子配列は規則正しい原子配列を結晶シリコン
とは異なり不規則になっている実際完全
場なアモルファスの結晶の存在は難しく一部
結晶化している 1)そこでラマン法により
結晶化度などの膜の構造に関する知見を非破壊
に得ることを目的として評価を行った
400 450 500 550
Experimental result Total c-Si GB a-Si
Inte
nsity
(au
)
Raman shift (cm-1)
a-Si
GB
c-Si
400 450 500 550
Experimental result Total c-Si GB a-Si
Inte
nsity
(au
)
Raman shift (cm-1)
a-Si
GB
c-Si
実験 グロー放電で発生するプラズマを中で
SiH4 を分解しa-Si膜をSi(100)基板上に作製し
たラマン分光法は室温でAr+レーザ(488 nm)を使用し測定した
Fig1 ラマンスペクトルのピーク分離例 結果および考察 Fig 1 にAr+レーザーで
ラマン測定した一例を示すSiのLOモードの信
号を結晶Si (c-Si)アモルファスSi (a-Si)結晶
粒間の粒界(GB)のピークに分離した
謝辞 本研究は豊田工業大学山口真史教
授大下祥雄准教授小島信晃助教にプラズマ
CVD作業において協力を頂いた深く感謝した
い GB ピークの起源についてはまだよく分かってい
ない各ピーク位置の結晶化度に対する依存性
はa-Si と c-Si のピークはややばらつきがある
が結晶化度によらず一定だったBG のピー
ク位置は結晶化度が上がるに伴って c-Si のピー
ク位置に近づいていったこれは結晶化度が
上がると GB の部分も結晶のフォノンエネルギ
ーに近づくことを意味しており構造が変化して
いることを示している
論文発表状況特許出願
該当なし
参考文献 1)森垣和夫米沢富美子嶋川晃一固体物理
37 (2002) 1
今後の課題 SiH4ガス圧などの条件を変えて
作製した試料のラマン測定やX線回折等の評価
を行う予定である
35
技術代行装置利用
豊田工大 08-07
電子線ビーム露光技術と組み合わせたナノ粒子パターン配置技術の開発
Patterning method of nanoparticles by using electron beam lithography
熊谷 慎也
Shinya Kumagai
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
近年ナノテクノロジー技術の進展に伴いナノ粒子が注目されているこのナノ粒子を自在に利用
するためには固体表面上の狙った位置にナノ粒子を配置する技術が必要とされる本研究では電
子ビーム露光技術を利用してナノパターンを作製しナノ粒子のパターン配置を試みた With the development in nanotechnology nanoparticles have attracted much attention and been utilized in various applications To utilize the nanoparticles patterning method of nanoparticles is indispensable In this study nanopatterns were fabricated by using electrom beam lithography technique and we investigated nanopatterning method through the lift-off process
背景と研究目的 ナノ粒子は通常のバルク材料とは異なった性
質を発揮することからナノテクノロジー研究
において注目されている例えば磁性材料
触媒ドラッグデリバリー等の用途での期待が
高まっている実際に応用することを考えると
固体表面上の狙った位置に配置する技術が必要
になってくる 12)本研究ではナノ粒子をナノス
ケールでパターン配置することを試みたナノ
粒子のパターン配置の方法としてリフトオフ
法を利用したリフトオフ法はこれまでに
MEMS 半導体デバイスの開発で使用されてお
り適切に用いればナノスケールの構造体を作
製することも可能でありここでは溶液中に
ナノ粒子を分散させた系に適用することを狙っ
ている
パターン配置の原理 パターン配置手法の概略をFig1に示す基板
表面にレジストを塗布し配置パターンを作製
するこのパターン基板にナノ粒子を分散させ
た溶液を滴下する溶液中に分散しているナノ
粒子は熱運動を利用してそのレジストのパタ
ーン内部に侵入させて露出している基板表面
と吸着させるレジストを溶解してレジスト
上に吸着したナノ粒子を取り除くと基板に直
接吸着したナノ粒子のみが残ることになる 実験 電子ビーム(EB)描画によるパターン作製 リフトオフ法に使用するレジストパターンを
EB 描画装置で作製した電子線レジスト
ZEP520A-7(日本ゼオン)にアニソールを加えて
10に希釈しスピンコーターによって塗布し
たスピンコートは500rpmで 10 秒回転させた
後3000rpm で30 秒回転させて行った(レジ
スト膜厚約15nm) EB 露光装置のDose 量[μCcm2]を変化させて微細なパターンの描画
を行った描画パターンの現像は酢酸アミル溶
液に15 秒間浸漬することで行いその後N2
ブローで乾燥させた
36
結
ナノ粒子のパターン配置 参考文献 配置パターンが描画された基板の上にイオン
強度を100mMに調整したナノ粒子溶液を滴下
し吸着を行ったこの条件のもとでは溶液
中の静電相互作用距離であるDebye 長は約1nm と計算されるナノ粒子―基板表面の間の静電
反発は十分に低くなっており表面近傍に十分
接近できる溶液を滴下後の状態を30分間保持
し純水でリンスしたその後 40の
ZDMAC(日本ゼオン)に5 分間浸し超音波を5 分間かけることでリフトオフを行いアセト
ン純水の順でリンスした
1) S Esconjauregui C M Whelan K Maex
Nanotechnology 19 (2008) 153306
2) W Hu K Sarveswaran M Lieberman G H
Bernstein J Vac Sci Technol B 22 (2004) 1711
果および考察 EB露光現像後の描画パターンの一例をFig2
に示す最も小さいもので直径20nmの微細な
ホールパターンを作製することができたさら
に小さなパターンを描画するためにはEB露光
条件現像条件を最適にチューニングする必要
があるナノ粒子の吸着実験では直径125nm~285nmのホールパターンを用いてリフトオフ
法でパターン配置を行ったSPM 観察画像を
Fig3(a)に示すFig 3(a) とFig 3(b) はそれぞ
れ使用したレジストパターンリフトオフ後
のナノ粒子の配置パターンのSPM像であるFig 3(a)と比べるとFig 3(b)ではナノ粒子の配置パ
ターンに大きさや形のばらつきが見られたナ
ノ粒子の配置パターンの面積は図5 のホールサ
イズの約8 割のサイズの大きさとなっていた
その理由の一つとしてシリコン酸化膜に吸着
したナノ粒子の一部がリフトオフの際に同時
に剥離されている可能性が考えられるその一
方で配置パターン以外の箇所へのナノ粒子の
吸着が見られたリフトオフ後に溶液中に分散
したナノ粒子が再付着したものと考えられる
またFig 3(b)においてFig 3(a)の125nm~
165nmに対応する部分にナノ粒子の吸着パター
ンが存在していないことがわかる本手法では
吸着パターン内にナノ粒子が積極的に入り込む
機構がないためにパターンが小さくなった場
合内部に侵入する確率が低くなり吸着パタ
ーンとして得られないことが要因として考えら
れる現在の環境下では直径175nm 以上のホ
ールであればナノ粒子をパターン配置するこ
とができるということがわかった
Fig 1 Principle of nanoparticle patterning through lift-off process
Fig 2 SEM image of EB lithography patterns The diameter of holes is φ20nm
(a) (b)
Fig 3 SPM images of (a) holes patterned in EB resist film and (b) nanoparticle patterns corresponding to each holes in (a) まとめ
ナノ粒子のパターン配置について検討した
今回検討した条件範囲内では175nm 以上のホ
ールを用いればナノ粒子をパターン配置でき
る今後の課題としてパターン以外の再吸着
量を低減させる必要がある
37
技術代行
豊田工大 08-08
超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発
Development of microfluidics chip using nanofabrication technologies
中野 圭洋 安池 雅之
Keiyo Nakano Masayuki Yasuike
株式会社 ESPINEX
ESPINEXINC
半導体製造技術を用いて作製されるマイクロ流路チップは近年バイオや化学研究用に用いられて
おり高精度な測定を可能にしている本研究では Si 基板上に作製したマイクロ流路型から細菌検
出用のマイクロ流路チップを作製し細菌を効率的に捕捉するための流路構造の最適化を行った
Recently microfluidics chips fabricated by the top-down semiconductor fabrication techniques have been widely utilized in the field of biology and chemistry These chips can detect bio- molecules or chemicals with ultra sensitivity In this research PDMS microfluidic chips for bacteria detection have been fabricated from Si wafer molds and structure of the microchannels have been optimized for bacterial sensing
背景と研究目的 半導体製造技術を用いて作
製するマイクロ流路チップは検出対象を微小
領域に高密度で凝集させることが出来るため
バイオや化学研究向けの高精度な測定に用いら
れている当社はマイクロ流路中に抗体を配
したバイオチップで特定の細菌を補足し蛍光
顕微鏡で検出するシステムを開発しており培
養を主体とする現状の検出法に比べ大幅に検査
時間を短縮でき簡便性にも優れるため感染
症診断や食品衛生検査での使用が見込まれる
(b)
Fig1 Microfluidics chip
本研究では効率的に細菌を捕捉するための流
路構造の最適化を行う具体的には作製した数
種類のチップで細菌の検出実験を行い抗生物
質の薬剤感受性試験 1)も行う
実験 (a)に示したマイクロ流路構造をSi 基板
上に凸形状として作製しシリコーンゴム
(PDMS)に転写して得られた凹形状のマイクロ
流路をガラス基盤と張り合わせて(b)のマイク
ロ流路チップを作製した実験は大腸菌(Ecoli K-12株)を用いてfig1(a)中の流入路より抗体
固相化剤(ZeptoBind)を用いて抗体(Poly Anti-
Fig2 Image of Ecoli captured in the microfludics chip
(a)
38
30min later 60min later 90min later
Fig3Images of Ecoli after applying antibioticz(Pansporin) Ecoli )を導入しブロッキングバッファー (Zepto block)を添加してガラス基盤上を修飾し
たその後104-105cfuml濃度の大腸菌液100ulを注入蛍光試薬(LIVEDEAD Baclight)を添加
して10分後バッファー(PBS)で洗浄し蛍光顕
微鏡観察を行ったさらに同チップに抗生物
質(Pansporin)1mgmlを添加し大腸菌に対する
同薬剤の感受性試験を行った
今後の課題 今回作成したマイクロ流路チッ
プはシリコーンゴム製で型を転写するだけで
1 時間程度かかり生産性が悪い量産にはポ
リスチレン等の樹脂にホットエンボス加工で転
写することが望ましいが離型時に樹脂の熱収
縮で流路構造が損傷する点や型として使用し
ているSi基板が転写時の圧力で損傷する点が今
後の課題として残る 結果および考察 大腸菌の捕捉率が高か
ったマイクロ流路(Fig1)での蛍光顕微鏡画像を
Fig2 に示す図中緑色に蛍光しているのが
生菌で死菌は赤く蛍光する前処理も含めて
1 時間程度で大腸菌を検出できた
謝辞 本研究は豊田工業大学の榊裕之教授
をはじめ共同利用クリーンルームの皆様にご協
力頂きました特にマイクロ流路の型製作に
おいて梶原建氏にご尽力頂き深く感謝してお
ります Fig3は抗生物質を添加してから 30 分60 分
90 分後の蛍光顕微鏡画像を示している時間経
過に伴って大腸菌が緑色(生菌)から赤色(死菌)に変化しているのが良く分かるFig4に薬剤感
受性試験結果をまとめた抗生物質未添加のチ
ップ(ピンク)では時間が経過しても死菌量が 0のまま増えないのに対して抗生物質を添加し
たチップ(青)では時間経過とともに死菌量がリ
ニアに増えている薬剤感受性試験でも前処
理を含めて 2 時間程度で検証できることが分か
った
論文発表状況特許出願 [1] ESPINEX特願 2008-53209チップ
注釈 1) ある細菌がある薬剤に対して感受性か耐性
かを判断する試験
0
5
10
15
20
25
0 02 04 06 08 1 12 14 16
Time (hour)
Dea
d ce
ll co
unts
w drugwo drug
Fig4 Result of drug screening test
39
協力研究
豊田工大 08-13
スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線形成技術
Conductive pattern forming method on vertical wall using spray coating and angled exposure technologies
森井裕貴大平文和
Hiroki Morii Fumikazu Oohira
香川大学
Kagawa University
スプレーコート技術と傾斜露光技術を用いた垂直壁面への配線パターン形成方法について検討した
この方法を用いることによりチップパッケージサイズを縮小することが可能となるスプレーコート
技術と傾斜露光技術を用いることにより 600μm の垂直壁へレジストを均一に塗布さらにレジストパ
ターン形成を可能としたまた配線パターンはスパッタと無電解 Ni めっきにより形成した本研
究で製作した配線パターンの幅は 200μm配線間隔は 300μm である A novel conductive pattern forming method on the vertical wall using a resist spray coating and an angled exposure technologies is proposed This method makes it possible to decrease the chip package size The spray coating and the angled exposure technologies enable the uniform resist coating and the patterning the resist on the vertical wall of 600 μm height Then a conductive pattern layers are sputtered and electroless plated As the result the conductive patterns of 200 μm width and 300 μm spacing is successfully formed on the vertical walls
背景と研究目的 携帯電話や携帯情報端末な
どにおいて更なる小型化高機能化が求められ
ている限られた容積の中でそれらの要求を満
たすには半導体チップの小型化高集積化
又はチップ実装の高密度化が挙げられる 本研究ではチップ実装の高密度化に着目し
半導体プロセス技術を用いてチップパッケージ
樹脂の垂直側面に 3 次元的に電極を配線するこ
とにより高密度実装可能な側面配線技術の確立
を目指す 本研究ではパッケージ樹脂高さ 600μm の
垂直側面に幅 200μm300μm の配線パターン
を形成するその手段としてフォトリソグラ
フィ技術を用いてフォトレジストの配線パター
ンを形成し金属を成膜しリフトオフすること
により金属の配線パターンを形成するこのと
き半導体プロセス技術で成膜できる金属の膜厚
は数千Åと少ないため配線としては電流抵抗
が大きくなるそこで配線として十分な膜厚を
得るため Ni めっきを行うこのプロセスにおい
て高さ 600μm の垂直側面にフォトレジスト
を均一に塗布することが重要となるそのため
スプレーコート技術と斜め露光技術を研究し
垂直側面への配線形成の原理確認を行った 実験 スプレーコートを用いてパッケージ樹
脂の垂直側面へのレジスト塗布の原理確認を行
ったスプレーコートではレジスト流量ステ
ージ温度ステージ速度などの条件がレジスト
の膜厚や分布に大きく影響する[2]そのため
これらのパラメータを調節し垂直側面へのレ
ジスト塗布を行った 露光プロセスでは垂直側面部が十分露光さ
れるように傾斜露光[1]を行うこのプロセスに
おいてマスクは平面のガラスマスクを用いる
ため樹脂側面やガラス基板上ではマスクとレ
ジストの間に間隔が生じるその結果光の回
折などにより側面のパターンが広がるそのた
40
め露光量に対するパターンの広がりについて検
証を行った さらにレジストパターニング後スパッタ
により金属膜を成膜リフトオフ無電解 Niめっきを行い配線パターンを形成した図 3にパッケージ樹脂の垂直側面に形成した配線パ
ターンを示す同様にして側面配線形成を行っ
たチップを 5 つ作製しそれぞれの抵抗値を計
測した5 つのサンプルを A から E としそれ
ぞれの抵抗値の平均値と分散値を図 4 に示す
製作した側面配線は数オームであり実用上問
題のない値であるこれらの原理確認から高さ
600μm の樹脂の垂直側面への配線形成が可能
であることを明らかにした
さらにレジストパターニング後スパッタ
により金属膜を成膜リフトオフ無電解 Niめっきを行い配線パターンを形成した図 3にパッケージ樹脂の垂直側面に形成した配線パ
ターンを示す同様にして側面配線形成を行っ
たチップを 5 つ作製しそれぞれの抵抗値を計
測した5 つのサンプルを A から E としそれ
ぞれの抵抗値の平均値と分散値を図 4 に示す
製作した側面配線は数オームであり実用上問
題のない値であるこれらの原理確認から高さ
600μm の樹脂の垂直側面への配線形成が可能
であることを明らかにした
結果および考察 スプレーコートにおい
てレジスト流量ステージ温度ステージ速度
条件を検討した結果レジスト流量 81grh100grhステージ温度 95105115ス
テージ速度 300mms400mmsで塗布が可能で
あることを確認した図 1 にレジスト流量
100grhステージ温度 105ステージ速度
300mmsの条件でスプレーコートしパターニ
ングしたサンプルを示すレジストはエッジ部
などで途切れることなく全面に塗布されている 斜め露光において露光量に対するパターン
の広がりについて検証した結果図 2 に示すよ
うに1Jcm2 では 20μm2Jcm2 では 50μm
4Jcm2 では 70μm8Jcm2では 90μm 程度側面
の最下部で広がっている本研究では配線間
隔は 300μm の設計であり広がりが生じても
パターンが重なることはなく実用上問題ない
研究では配線間
隔は 300μm の設計であり広がりが生じても
パターンが重なることはなく実用上問題ない スプレーコート技術と斜め露光技術により
パッケージ樹脂の垂直側面へのレジストパター
ニングを可能とした
スプレーコート技術と斜め露光技術により
パッケージ樹脂の垂直側面へのレジストパター
ニングを可能とした
Fig1 The spray coating and patterning the resist Fig1 The spray coating and patterning the resist
Fig7 Changes of pattern widths at various exposure doses Fig7 Changes of pattern widths at various exposure doses
Fig3 Conductive pattern forming Fig3 Conductive pattern forming
A
B
CD E
0
05
1
15
2
25
3
Resistan
ce(Ω
)
Fig4 Electric resistance measurement results 今後の課題 本研究で提案したプロセスでは
パッケージ樹脂側面の配線パターンが広がって
しまうこの広がりを抑える工夫を今後検討し
ていく 参考文献 [1] Hayato Izumi Yohei Matsumoto Seiji Aoyagi Yusaku Harada Shoso Shingubara Minoru Sasaki Kazuhiro Hane Hiroshi Tokunaga IEEJ Trans SM Vol 128-E No 3 (2008) pp102-107 [2] Vijay Kumar Singh Minoru Sasaki and Kazuhiro Hane Japanese Journal of Applied Physics Vol 46 No 9B (2007) pp 6449-6453
Plastic material NiNi
Substrate
Resist Plastic material Resist
Substrate Plastic material
Exposure doses (1) 1 Jcm2
(2) 2 Jcm2
(3) 4 Jcm2
(4) 8 Jcm2
43
2
1
Wall side Upper side
Height 600μm
Width 200μm
41
協力研究
豊田工大 08-15
プローブ顕微鏡を用いた物性測定
Measurement of Physical Properties by Scanning Probe Microscopy
田仲 圭
Kei Tanaka
(株)大同分析リサーチ
DAIDO BUNSEKI RESEARCH Inc
先端に磁性ナノ粒子を持つカーボンナノチューブ(CNT)探針は高分解能な磁気力顕微鏡(MFM)
用として有望である本研究ではこの CNT 探針を用いた際の分解能の Q 値依存性を調べるととも
に理論的に分解能の検討を行った Carbon nanotube probes with magnetic nanoparticles on the top are expected for use in high-resolution magnetic force microscopy (MFM) Here we investigate the Q-value dependency of resolution using such CNT probes and performed a theoretical discussion for resolution
背景と研究目的我々はこれまでに先端に磁
性ナノ粒子(触媒金属)を持つカーボンナノ
チューブ(CNT)をカンチレバー上に成長させ
た探針を使用することにより磁気力顕微鏡
(MFM)の分解能が市販品の従来探針に比べて
飛躍的に向上することを示した 1)今回はさ
らに分解能を向上させる手段として実験的
にはカンチレバーのQ値を高める工夫を行う
とともに理論的な面からもCNT探針の分解能
の検討を行った
24
min)(0QA
TBkkzF BL
ϖ=prime (2)
で表される3)ここでkLはカンチレバーのば
ね定数kBはボルツマン定数Tは探針の絶対
温度Bは周波数のバンド幅ω0は共振周波
数Qは探針の性能指数Aは探針振幅の実行
値である (2)式からも分かるように同じ探
針を使用した場合でもQ値を高めることによ
り熱振動ノイズが下がりSNが向上し到
達分解能が高くなることが予想される 理論 周期的に書き込まれた磁気記録媒体に対する磁気力顕微鏡が検出する信号(力勾配)は
果および考察結 (1)式から得られた関
数を用いて実験値に対してフィッティングを
行った結果をFig1 に示すFig1 のグラフは
周期的に書き込まれた磁気記録媒体のMFM像
に対してFFTを行いパワースペクトルから得
られたピーク強度とその空間周波数をプロッ
トしたものである黒丸および黒四角の点は
Q=200(前報値大気中観察Q値制御なし)
Q=526(今回報告値大気中Q値制御MFM SII
ナ ノ テ ク ノ ロ ジ - 製 SPM 装 置 rdquo
( ) ( )
tip
kzktstz dVekx tipz
ekMM
F int minusminus
partpart
minus=prime cos120μ
(1) で表される 2)ここでμ0は真空透磁率MtMs は探針および試料の磁化k は空間周波数を示すまた熱振動ノイズによって制限される最小の信号は
42
NanoNaviE-sweeprdquo使用)のそれぞれの場合で
得られた値を示すQ値が高くなると強度が高
くなっていることが分かる図中の実線は
Q=200 の場合の実験値に対して(1)から得ら
れた関数でフィッティングを行った結果であ
るそこから得られたパラメーターを用いて
比例定数のみをフィッティングパラメーター
としQ=526 に対してフィッティングを行っ
たものが図中の破線である上式(2)から算出
されたノイズレベルとの交点が予想される到
達分解能である現在(2)式を用いた熱振動
ノイズの算出を試みているしかしながら
現段階においても破線のカーブ(Q=526)は実
線のカーブ(Q=200)に比べて空間周波数が高
い方にシフトしていることからQ値を高くし
た効果として到達分解能が向上していること
が推測される
10E-01
10E+00
10E+01
10E+02
10E+03
10E+04
10E+07 10E+08
Spatial Frequency (1m)
Inte
nsi
ty (
au)
Q=200
Q=526
Fig1Spatial frequency dependence of MFM signal
参考文献
今後の課題 今後はQ値を系統的に変化させ
た測定値を得ることと熱振動ノイズの算出お
よび実験値との整合性を検討することにより
分解能の理論的予測を行っていく
1) K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J
Nanomater in press
2) S Porthu L Abelmann and C Lodder J Magn
Magn Mater 182 (1998) 238 謝辞 今回の測定はSIIナノテクノロジー社
の山岡武博氏の好意によるものである 3) T R Albrecht P Grutter D Horne and D Rugar
J Appl Phys 69 (1991) 668 論文発表状況特許出願
K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J Nanomater in press
43
装置利用
豊田工大 08-16
磁気記録用パターン媒体の研究
Fabrication of patterned media for magnetic recording
加藤 剛志
Takeshi Kato
名古屋大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Nagoya University
イオン照射型ビットパターン媒体として利用できる CrPt3 規則合金膜の成長プロセスを検討するため
赤外線ランプおよび短パルスレーザーを利用した急速熱処理を検討した赤外線ランプ加熱では真空
中熱処理と同様CrPt3膜を規則合金化できさらに多層構造を崩さずに CrPt3規則相を生成すること
が可能であることが分かった一方短パルスレーザー処理を行った場合赤外線ランプ処理のよう
な規則合金化は見られなかった In order to develop new fabrication process of CrPt3 ordered film for ion irradiation bit patterned media rapid thermal annealing using infra-red (IR) lamp or short pulse layer has been investigated In the case of IR lamp annealing the ordered structure of CrPt3 was confirmed just as in the sample prepared by vacuum annealing Moreover this method was found to be quite useful to fabricate multilayered structure including the ordered CrPt3 layer On the other hand the ordered CrPt3 was not confirmed for the annealing using short pulse layer
背景と研究目的 ハードディスクドライブ
(HDD)の記録媒体として現在使用されてい
る微粒子媒体に代わる超高密度記録媒体である
ビットパターン媒体が注目されているこれは
熱安定性の確保低記録磁界低ノイズという
現在微粒子媒体において問題となっているトリ
レンマを微細加工によりビットを定義すること
で克服するというものである超高密度なビッ
トパターン媒体に要求される特性として高い
熱安定性シャープなビット境界優れた表面
平坦性などが挙げられるこれまでに我々は
これらを満足するものとしてイオン照射型
CrPt3パターン媒体を作成し超高密度パターン
媒体の可能性があることを示してきた[1] イオン照射型パターン媒体はイオン照射に
より媒体の物性を局所的に制御しパターン化す
る方式であり表面平坦性に優れた媒体が作製
可能となるこれまで CoPt[2]CoPd[3]多層膜
などにおいて高エネルギーイオン照射により
垂直磁化の領域と面内磁化の領域をパターン化
する研究などが報告されているしかしながら
これらの材料ではイオン照射だけで照射領域を
非磁性化することが困難であり照射領域を介
した記録ビット間の磁気的結合が高密度記録に
重大な支障をきたす[3]一方CrPt3 膜は L12
型の規則合金ではフェリ磁性を不規則の fcc相では非磁性となり低ドーズのイオン照射に
よりこの相変化を起こすことが可能であるこ
のため低ドーズの照射により磁性非磁性領域
のパターン化が可能でビット間の磁気的結合
のないイオン照射型パターン媒体の実現が可能
となるCrPt3パターン媒体の応用上唯一の課
題はその規則化温度の高さであるこれまでの
報告ではCrPt3 規則合金の生成には真空中で
850˚C 程度の熱処理が必要であり[4]これは低
価格のディスク基板や軟磁性裏打ち層の形成の
障害となるこのため本研究では赤外線ラン
プおよび短パルスレーザーを利用した急速熱処
理を用いた CrPt3 規則合金膜の規則化を検討し
た
44
実験 マグネトロンスパッタ法によりSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substまたはSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (10 ndash 20 nm) CoFeZrNb (10 nm) SiO2 substという構成の膜を
作製したCr25Pt75層はCrとPtを同時成膜するこ
とで形成した赤外線ランプおよび短パルスレ
ーザーを用いた急速熱処理によりC 25Pt75 膜の
規則合金化を試みた赤外線ランプ加熱では
800 ˚C - 1000 ˚Cを 30 sec程度保持した昇温
降温速度は約 70 ˚Csecと真空中熱処理の 10 ˚Cminに比べ非常に速いパルスレーザー加熱
にはNdYAGレーザーのSHG光(パルス幅 6 nsec)を用い照射パワーを 40 - 190 mJcm2 と
変化させた膜構造はX線回折(XRD)により磁
気特性は交番磁界勾配型磁力計(AGM)磁気光
学Kerr効果測定装置により測定した
r
結
Fig1 (a) MndashH loops of lamp annealed Cr25Pt75 (15 nm) applying a magnetic field in-plane and film normal directions (b) Kerr loop of lamp annealed Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (20 nm) CoFeZrNb (10 nm)
果および考察 Fig 1 (a)はSiO2 (2 nm)
Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substを 1000 ˚C30 secの赤外線ランプ加熱処理後試料の磁化曲線を示し
ている18 kOeの最大印加磁場における磁化は
150 emucc程度で保磁力は 12 kOeとなった同
一のサンプルを真空中 850 ˚C15 minの熱処理
を行った場合磁化は 250 emucc保磁力は 12 kOeであったこれは赤外線ランプ加熱によっ
ても真空中熱処理と同様CrPt3膜を規則合金化
できることを示している真空中熱処理に比べ
赤外線ランプ加熱では短時間に熱処理を行うこ
とができるため多層構造膜の界面の合金化を
抑え熱処理することが可能となる可能性があ
るFig 1 (b)はSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (20 nm) CoFeZrNb (10 nm) SiO2 substの1000 ˚C30 secの赤外線ランプか熱処理後の
Kerrループを示しているKerrループは膜面側
から測定した結果でありCrPt層の磁化曲線を
反映するFig 1 (b)のように単層膜と同様の大
きな保磁力のループが得られておりSiO2 (20 nm)中間層によりCoFeZrNb層とCrPt3層との合
金化が抑えられたことを示している
Fig2 Dependence of saturation magnetization of pulse laser annealed Cr25Pt75 (15 nm) on the laser fluence
参考文献
[1] T Kato S Iwata Y Yamauchi S Tsunashima
K Matsumoto T Morikawa K Ozaki J Appl
Phys 105 (2009) 07C117
[2] C Chappert H Bernas J Ferreacute V Kottler J-P
Jamet Y Chen E Cambril T Devolder F
Rousseaux V Mathet H Launois Science 280
(1998) 1919
Fig 2 は SiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substを 40 ndash 190 mJcm2 のエネルギーでパルス
レーザー処理した後の磁化の照射強度依存性を
示している照射強度と温度との関係は不明で
あるがCr25Pt75 (15 nm)の反射率透過率から
照射エネルギーの 10 程度が膜に吸収される
と見積もられることからPt の体積比熱 29 JKcm3 を仮定すると50 mJcm2 で約 1000 ˚C の
温度上昇が見込まれるFig 2 に示すように CrPt合金膜に短パルスレーザー処理を行った場合
100 ndash150 mJcm2 程度の照射で若干磁化の増大
が観測されたが赤外線ランプ処理のような
100 emucc 以上の磁化は見られていない
[3] E Suharyadi T Kato S Tsunashima S Iwata
IEEE Trans Magn 42 (2006) 2972
[4] J Cho M Park H Kim T Kato S Iwata S
Tsunashima J Appl Phys 86 (1999) 3149
45
装置利用 豊田工大 08-17
鉄-コバルトナノワイヤシリサイド形成に関する研究 Study for Iron ndash Cobalt Nanowire Silicide Formation
丹司敬義ab大平 豊a
Takayoshi Tanjiab and Yutaka Ohiraa
a名古屋大学院工学研究科 b名古屋大学エコトピア科学研究所
aGraduate School of Engineering Nagoya University bEcoTopia Science Institute Nagoya University
Si(110)表面上にFe と Co の二元蒸着により作製したナノワイヤ(NW)の元素分析を行うために走査電子顕微鏡(SEM)に装備されているエネルギー分散型スペクトロスコピー(EDX)を用いたその結果我々は NW が形成されている同一表面上から FeCo の両ピークの検出に成功した Elemental analysis of Nanowire (NW) prepared by co-deposition of Fe and Co onto Si(110) surface have been studied by energy dispersion spectroscopy (EDX) equipped scanning tunneling microscopy (SEM) As a result we found both peaks of Fe and Co K line from same surface formed NW 背景と研究目的主に電荷を用いる半導体エレク
トロニクスでは従来使われなかった電子のもう一
つの性質であるldquoスピンrdquoを積極的に利用して
新しい材料の機能やデバイスを構築しようとする
半導体スピントロニクスに関する研究が近年盛
んに行なわれているシリコン(以下Si)技術と
の融合を図るためにはSi基板上へ磁性体の直接
成長が必要となる この背景の下我々はldquo磁性を有するナノワイ
ヤ(以下 NW)を Si 基板上に直接成長させるrdquoこ
とを最終目的として本研究を行なっているこれ
までは磁性元素である鉄(以下 Fe)のみを蒸着
し加熱することで形成される NW に注目し研
究を行なってきた 1)今回は FeSi(110)系に更にコ
バルト(以下 Co)を同時蒸着することにより
NW を形成させることを試みている Fe ndash CoSi(110)系の先行研究例は全くなくまず
Si(110)表面上に Fe と Co を同時に蒸着させた場合
にもFeSi(110)系や CoSi(110)系と同様なワイヤ
が形成されるかどうかを調べる必要があるこれ
はすでに著者らが形成されることを明らかにして
いる次の段階としてFe と Co 両方が同一ワイ
ヤ内に存在しているかどうかを調べるために本
支援により元素分析が可能な SEM ndash EDX を使
用した 実験Si(110)表面上にFeとCoの二元蒸着により
作製したNWのSEM ndash EDX測定を行う
結果および考察Figure 1 にFeとCoを蒸着
加熱を行い作製した試料のSEM像を示す
FeSi(110)系やCoSi(110)系で作製したNW同様
lt-110gt方向に配向したNWが観察されるNWの形
状としては幅が約 10 ndash 100 nm長さが約 300 ndash 1200 nmであり長いものでアスペクト比が 20 を
超えるNWが形成される この表面上の SEM ndash EDX 測定を行った結果を
Fig 2 に示す測定時に試料を入射電子線に対
して傾けて測定しているFeCo それぞれの K線のピーク(Fe 6398 keV Co 6924 keV)を検出す
ることに成功しこの表面上には FeCo それぞ
れ 2 種類の原子が存在していることを確認するこ
とができたまた母体である Si の K 線のピー
ク(Si 1739 keV)の横にあるピークはSi の K線エネルギーの丁度 2 倍の位置にあたりサムピ
ークと呼ばれているこれは検出器に Si からの特
性 X 線が 2 つ同時に入った場合検出器が分離で
きないために起こるアーティファクトである 次にワイヤ 1 本に FeCo がそれぞれ含まれ
ているかどうかを調べるためにEDX マッピング
を行ったその結果を Fig 3 に示すFigure 3(a)はマッピングを行った場所の SEM 像(b)から
(d)はそれぞれSiCoFe の K 線のピークの強
度を濃淡で表示したものであるこの結果SEM像と対応した濃淡を測定することはできなかった
これは試料のドリフトにより観察領域が同一の
場所に安定しないため測定することができなか
ったと考えられる
46
本支援ではFe と Co の二元蒸着により作製し
た Si(110)表面上の NW の元素分析を SEM ndash EDXにより行ったその結果 NW を有する表面上から Fe と Co の両ピーク
を検出した 非常に微小な構造のためSEM ndash EDX では
NW1 本辺りからの元素分析は困難であった 以上のことを明らかにした 今後の課題二元蒸着により作製したワイヤの詳
細な元素分析また磁気特性について研究を行な
う予定である 論文発表状況特許出願 該当なし 参考文献 1) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
Jpn J Appl Phys 47(7B) (2008) 6138
Fig 3 EDX mapping of Fe ndash CoSi(110) surface (a) SEM image (b) Si K line (c) Co K line (d) Fe K line
Fig 1 SEM images of NWs on Si(110) surface The NWs grow along lt110gt
Fig 2 (a) Configuration of EDX measurement (b) EDX spectrum of Fe ndash CoSi(110) surface
1 μm lt110
lt001gt
(c)Co K line
(a)SEM image (b)Si K line
500 nm
(d)Fe K line
47
技術代行装置利用
豊田工大 08-20
ナノ構造半導体薄膜の作製
Fabrication of Nano-Structured Semiconductor Thin films
竹田 康彦
Yasuhiko Takeda
株式会社 豊田中央研究所
Toyota Central Research and Development Laboratories Inc
分子線エピタキシー法によりGaAs ウェハー上に良質の GaAs 膜を作製するための条件を調べた成
膜時の基板温度が 520のときにバンド間遷移に起因するフォトルミネッセンスの強度が最大半値
幅が最小となりこれが最適条件であることがわかった We found the optimal substrate temperature to fabricate GaAs thin films on GaAs wafers by molecular beam epitaxy When the substrate temperature during the deposition was 520 the intensity of photoluminescence attributed to the band-to-band transition was the largest and the peak width was the narrowest
背景と研究目的 ナノ構造半導体中に閉じ込
められたキャリアはその構造の次元(2 次元
薄膜1 次元細線0 次元ドット)に特徴的
な光電子物性を示す1970 年代の分子線エピ
タキシー(MBE)成膜技術の進歩によってこ
の分野の研究が大いに進展した[1]このように
長い歴史をもつにも関わらず未だに新たな発
見が絶えない分野でもある例えば近年地球
温暖化対策の一環として種々の太陽電池の研究
開発が盛んになっている現在製品化されてい
る太陽電池の主流はシリコンpn接合を基にした
ものであるが変換効率の大幅な向上を目指し
ナノ構造半導体中の長寿命ホットキャリアや
多重キャリア生成の利用が提案されている[2]しかしこれらのナノ構造に特徴的な光電子
物性の起因と詳細は未だ議論の渦中にある[3 4]
III-V 族化合物半導体混晶を用いた多層薄膜
においてはその組成を変調することにより
キャリアに対する閉じ込めポテンシャルを制御
することができる更に格子整合不整合の
利用により閉じ込め構造の次元をも制御する
ことができるのでナノ構造に特徴的な物性を
発現させるための格好の舞台となる 我々は2 次元閉じ込めの代表的な材料であ
る GaAsAlGaAs 多層膜[1]及び 0 次元閉じ込め
構造が得られる InAsGaAs 多層膜[5]を GaAs ウェハー上に作製することを計画しているこれ
らを作製するためには通常GaAs ウェハーの
上に厚さ数 100nm の GaAs バッファ層が形成さ
れる新たに導入された MBE 成膜装置におけ
る成膜条件を調べる第一歩としてGaAs バッフ
ァ層の作製を試みた 実験 市販n型GaAs(100)ウェハー基板上に
MEB法により厚さ200nmのGaAs膜を作製した
良質な薄膜が得られる条件を調べるため基板
温度を400~600の間で変化させた成膜速度
が10~20nm分になるように原料の供給量を調
節した 作製したGaAs膜の結晶性をフォトルミネッ
センス測定により評価した励起光にはNdYAGレーザーの第2高調波(波長532nm)を用いた
この波長でのGaAsの光吸収係数は78times104cm-1
でであり[6]励起光は基板には到達しないので
膜からの発光のみを測定することができる検
48
出器にはInGaAs光電面をもつ光電子増倍管を
用いた試料温度は室温にて測定を行った
0
2
4
6
8
10
800 900 1000 1100 1200
Wavelength (nm)
PL Inte
nsi
ty (ar
b U
nits)
MBE film
Wafer
結果と考察 何れの基板温度の場合にもバン
ド間遷移に起因する発光ピークが波長 860nm付
近に現れたただしその強度とピークの幅は
基板温度に依存し520のときに強度が最大
かつピーク幅が最小であったこれよりも低温
では結晶性が低く一方高温ではAsの再蒸発に
より欠損が生じるためであると考えられる 今回の成膜条件において最適であった基板温
度 520にて作製された GaAs 膜のフォトルミ
ネッセンススペクトルを Fig 1 に示す同条件
にて測定された GaAs ウェハーの結果と比較す
るとピーク波長が若干短波長側にシフトして
いる更にピーク幅が広くまた長波長側に
格子欠陥あるいは不純物に起因すると考えられ
る発光が見られる従って結晶性にはまだ改
善の余地があると考えられる
Fig1 Photoluminescence spectra of the GaAs thin film deposited at a substrate temperature of 520degC and the GaAs wafer measured at room temperature
今後の課題 更に良質のGaAsバッファ層を作
製するための条件を探索すると共にこれを基
にナノ構造薄膜を作製しその光電子物性を
評価する予定である 謝辞 フォトルミネッセンス測定技術につい
てご指導いただきました豊田工業大学小島伸
晃先生に深謝申し上げます
参考文献
[1] 日本物理学会編半導体超格子の物理と応
用(培風館1984)
[2] M A Green Third Generation Photovoltaics
(Springer-Verlag Berlin 2003)
[3] J A McGuire et al Acc Chem Res 41 1810
(2008)
[4] A Pandy and P Guyot-Sionnest Science 322
929 (2008)
[5] R Ohshima et al J Cryst Growth 310 2234
(2008)
[6]
49
協力研究
豊田工大 08-22
InAs 量子ドットを電極としたナノショットキーダイオードの理想係数
Ideality factor of nano-Schottky diodes using InAs quantum dots as electrodes
田中 一郎
Ichiro Tanaka
和歌山大学 システム工学部
Faculty of Systems Engineering Wakayama University
導電性探針を用いた原子間力顕微鏡(AFM)によって表面における伝導性をナノスケールで測定する
ことが可能である本研究ではGaAs(001)表面上に自己形成した単一 InAs 量子ドットを電極とした
ナノショットキーダイオードの電流電圧特性を行いその理想係数に対するフェルミレベルピニン
グの影響を検討したまたGaAs 層へのドーピングによりその影響が緩和されることを明らかに
した We fabricated nano-scale Schottky diodes using self-assembled InAs quantum dots as nano-electrodes on n-GaAs layers and current-voltage characteristics of the single nano-Schottky diodes were measured with conductive AFM at room temperature It has been simulated and experimentally confirmed that the ideality factor of the nano-Schottky diodes becomes considerably large because of Fermi level pinning at GaAs (001) surfaces We have also found that higher doping concentration of n-GaAs decreases the influence of the environmental Fermi level pinning
背景と研究目的 InAs量子ドットはその0
次元電子物性や光電子素子への応用可能性が
注目されて様々な研究が行われてきた われわれは導電性探針を用いた原子間力顕
微鏡(AFM)により InAs量子ドットの導電性を画
像化し同ドットがナノ電極として使用できる
ことを見出している1) 今後デバイスの微細
化が進むとともに電極もナノスケール化される
と考えられるがそれによってデバイス特性が
受ける影響を検討することは重要である本研
究では InAs 量子ドットを電極に用いて GaAs ナノショットキーダイオードを作製してその電
流電圧特性を検討することを目的とした 計算 n-GaAs層上にナノスケールの電極を設
けてバイアス電圧を印加した場合にその電極
下における電位分布がどうなるかを有限要素法
によりポアッソン方程式を解いて計算したそ
のモデルを図1に示すこの計算においてナノ
電極以外の表面はフェルミレベルピニングによ
り電位が07Vに固定されているものとした 実験 n-GaAs層およびその上のInAs量子ドッ
トはn+-GaAs(001)基板上に固体ソースの分子線
結晶成長(MBE)装置を用いて作製した 試料表面をAFM観察し直径が60~80nm程度
のInAsドットに導電性探針を接触させて順バイ
アス電圧を印加し電流電圧特性を測定した 結果および考察 図2(a)にナノ電極の
05V の順バイアス電圧を加えた場合のナノ電
極近傍の電位分布計算結果を示すこの図にお
いてナノ電極は電位が 02V になっているため
その直下の電位はそれに応じて青色で表されて
いるが深さ 20nm 程度の所は緑色になってい
て電位がやや上昇しているさらに深くなると
50
別紙
電位は次第に減少し中性領域で 0V になるこ
のように電位が深さ方向に単調には減少しない
原因はナノ電極周囲の表面電位がフェルミレベ
ルピニングのため 07V に固定されていてその
影響がナノ電極下に及んでいるためであること
がわかる2) Z 軸に沿った深さ方向のポテンシ
ャル変化を図2(b)に示す この計算結果からナノショットキーダイオ
ードでは理想係数が増加すると考えられるそ
こでドナー濃度が 1x1017cm-3 の n-GaAs 層を
100nm 成長しその表面に InAs 量子ドットを形
成してナノショットキーダイオードを作製した
さらに接触モードの導電性 AFM でその表面
を観察した後単一ドット上に探針を移動させ
て順方向にバイアス電圧を印加し電流電圧
特性を測定したその結果図3に示すように
バイアス電圧が 03V 近辺から電流の増加が緩
やかになり理想係数が 14 から 22 になること
がわかったこれはフェルミレベルピニング
の影響により電極直下の電位が低下しにくくな
ったためと考えられる
Fig 1 Calculation model for voltage distribution under a nano-electrode formed on the (001) surface of n-GaAs layer
またn-GaAs 層のドナー濃度を3倍に高めた
ところこのような理想係数の増加は見られな
かったこれは空乏層中のドナーの増加によ
りフェルミレベルピニングの影響が緩和された
ためと考えられる Fig 2 Calculated (a) potential distribution near the nano-electrode on which a forward bias voltage of 05 V is applied and (b) potential variation along Z-axis
今後の課題 n-GaAs 層表面近傍の空乏層中に
二重障壁構造を作製して本研究と同様の手法
でナノ共鳴トンネルダイオード(nano-RTD)を作
製することができる3) この場合フェルミレ
ベルピニングの影響により共鳴トンネル効果が
生じる電圧が増加するためそれにより直接
的定量的に把握できる今後はnano-RTD を
用いて表面処理によるショットキー障壁の低
減を検討する
論文発表状況特許出願 [1]I Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and H Sakaki Abstract for the 2nd IEEE Nanotechnology Materials and Devices Conference Mo P38 (October 20-22 2008 Kyoto University Japan) 参考文献 1) I Tanaka I Kamiya H Sakaki N Qureshi S J Allen Jr and P M Petroff Appl Phys Lett 74 (1999) 844
Fig 3 Current-voltage characteristics of nano-Schottky diodes measured by conductive AFM2) T Sato S Kasai and H Hasegawa Jpn J Appl
Phys 40 (2001) 2021 3) I Tanaka Y Tada S Nakatani K Uno M Azuma K Umemura I Kamiya and H Sakaki Phys Stat Sol(c) 5 (2008) 2938
51
技術代行
豊田工大 08-26
カーボンナノチューブ FET の作製と評価
Fabrication and Measurement of Carbon Nanotube FET
吉村 雅満
Masamichi Yoshimura
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
カーボンナノチューブ FET 素子の試作を行ったHiPco 試料の I-V 特性は金属半導体(p 型)が混在
していることSG65 試料では半導体特性が明瞭に観測されたまた架橋した本数によりドレイン電
流値に違いがあり少数の CNT が架橋しているとゲート依存性が強くなることが分かった CNT-FET has been fabricated using dielectrophoresis method The HiPco-FET shows both p-type semiconducting and metallic behavior The semiconductor behavior is clearly observed for SG65-FET The Current value and gate voltage dependence are highly influenced by the number of bridged CNTs
背景と研究目的 現在の半導体産業はデバ
イスの微細化による素子性能の向上と高密度化
により発展を遂げてきたしかしシリコンMOSFET(metal-oxide- semiconductor field-effect transistor)では微細化が進むにつれてゲート絶縁
膜の薄膜化に伴う量子効果(例えばキャリアの
トンネル)の影響により性能の向上が阻害され
るそのためSi技術の微細化は限界が近づいて
いるそこで次世代のデバイス材料の一つとし
て注目されているのがカーボンナノチューブ
(CNT)であるカーボンナノチューブFET(以下
CNT-FET)とはCNTをチャネルとして利用した
電界効果トランジスタであるその構造の概略
図をFig1 に示すTansらは平面ゲート電極で変
調され室温で動作するカーボンナノチューブデ
バイスを初めて報告した[1] CNT-FET はバリスティック伝導および高い
電流密度を示しさらに基板を選ばず 1 次元チ
ャネルで短ゲート化に適しているなど優れた特
徴をもつそこで本研究では CNT-FET を作製し
その電気特性を測定することを目的とする 実験 溶媒としてDMF10 mlにCNT試料1 mgを
加え約50 で超音波処理を1 h行うことによ
り分散させたCNTを電極間に架橋させる方法
として誘電泳動法を用いた[2]すなわち溶
液中の微粒子に外部から電場を加えると溶液
-微粒子界面に電荷が誘起される電荷量は溶
媒と粒子の分極率に依存しこの相違により
双極子モーメントが誘起される本研究では
この原理を利用してCNTを電極に引き寄せる
CNT試料として異なる純度分散状態電気
的特性を有するUnidym社製Super Purified
HiPcoSouthWest Nano Technologies社製SG65
を使用したHiPcoは金属半導体の割合が1
2SG65は90 以上が半導体的なCNTで構成さ
れている 具体的にはCNT分散溶液を基板に
滴下後高周波(5 MHz)を15分程加えることに
よりCNTの配向を行ったソースメータ
(Keithley社製2636)及びマイクロプローバー
(共和理研社製K-157MP150)を用いFET特性の
測定を行ったFig1下図に測定回路図を示す
ゲート電極は基板背面を利用した 結果および考察 Fig2 にHiPco試料のド
52
レインソース間の電流(Ids)-電圧(Vds)特性のゲ
ート電圧依存性の測定結果を示すこのときゲ
ート電圧Vgsを-15~+15 Vの間で5 Vステップで
印加したオーミックな特性が観測されIdsはVgsを負に印加すると増加したよって架橋し
たCNTは金属p型半導体双方の性質をもつもの
が混在していたと考えられる直線の傾きから
抵抗値を見積もると抵抗値はVgs=-15 Vで 019 MΩ15 Vで 026 MΩとなりVgsが負のとき抵
抗値の低下が確認されたCNT 1 本当たりの抵
抗値に換算するとVgs=-15 Vのとき約 3 MΩと
なり文献値の 29 MΩとほぼ一致した[3]
-10 -05 00 05 10
-4
-2
0
2
4
1microm
Vgs=15V
Vgs=‐15V
0V
+
-
5Vstep
次に多量及び少数のSG65が架橋した電極の I-V測定結果を Fig34 に示すFig34 どちらも p 型
半導体的な特性が現れているまた CNT 数が少
数の場合電流値が約 120 に減少しているさ
らに Vgs による Ids の変調は少数の CNT が架橋
した時により大きいことがわかる
今後の課題 カーボンナノチューブの高分散
技術の改良ナノ電極のデザイン改良が今後必
要である 謝辞 本研究は豊田工業大学寺尾良輔氏
梶原健氏との共同研究である
参考文献
1) SJTanset alNature 393 (1998) 49
2) YMiyatoet alJpnJApplPhys 87
(2005) 183102
3) RMartelet alApplPhysLett 73
(1998) 2447
Fig1 Schematics of CNT-FET (upper) and electric circuit (lower)
SiO2
Source Drain
CNT
Gate(P+‐Si)
Vgs Vds
AD
S
G
CNT
Ids
-3 -2 -1 0 1 2 3-02
-01
00
01
02
Vgs=-10VVgs=-5VVgs=0VVgs=5V
1microm
Vds
Ids
(nA
)
Fig 4 IV curve of SG65-FET with a small amount of CNTs
Vds
Ids
(nA
)
Fig 3 IV curve of SG65-FET with plenty of CNTs
-3 -2 -1 0 1 2 3-10
-5
0
5
10
1microm
Vgs=‐10V
Vgs=‐10V‐5V
05V
‐5V +5V
0V
Vds
Ids
(μA
)
Fig 2 IV curve of HiPco-FET
53
装置利用
豊田工大 08-27
触媒ナノ粒子を用いた CVD 膜中残留応力制御
Study of controlling residual stress in CVD thin film by using catalyst nanoparticles
熊谷慎也
Shinya Kumagai
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
MEMS ではデバイス構造を作製するために Si 薄膜が使用される高性能な MEMS デバイスを実現す
るためにはその薄膜中の応力状態を制御することが必要であるアモルファス Si 薄膜を結晶化さ
せるとその過程で薄膜の堆積が収縮し薄膜中に引張応力が発生することが知られている薄膜の
結晶化を適切に促進すれば薄膜中の応力状態を制御することができると考えられる本研究では
アモルファス Si 薄膜の成膜および結晶化促進のための触媒ナノ粒子を Si 薄膜基板上に吸着させ
るプロセスについて検討を行った Thin films of Si are widely used in the fabrication of MEMS structure To realize high performance MEMS devices it is necessary to control the stress in the Si thin film As the crystallization of amorphous Si films proceeds the shrinkage of the volume of the Si thin film generates tensile stress in the film Appropriate crystallization process can control stress in the Si thin film In this study we investigated deposition condition of amorphous Si films and adsorption of catalyst nanoparticles onto the Si films
背景と研究目的 近年MEMS デバイスは我々の周りで広く使
用され欠かせないものになっている例えば
光関連の分野ではマイクロミラーデバイスが
プロジェクタプリンタ等の中に組み込まれて
いるこのミラーデバイスではミラーの回転
角は大きくその一方で不安定動作は小さい
ことが求められるこの要求を満たすために
例えばミラーを支えるトーションバーに張力
(引張応力)を加えることが提案されている[1] シリコン薄膜に引張応力を生じる原理はアモ
ルファスシリコンからポリシリコンへの結晶化
に伴う体積収縮によって発生する結晶化誘起応
力にあると言われている[2]通常はサンプル
を加熱するだけのアニール処理で行うためラ
ンダムな場所から核成長が起こり得られる結
晶粒径は限られ発生する引張応力も限られて
いたそこで何らかの方法で結晶粒径を大き
くできれば引張応力発生に寄与する材料の比
率が増しより大きな引張応力を得ることがで
きると考えられる[3]結晶化の促進には金属誘
起結晶成長法が利用できる[4] 本研究では
アモルファスシリコン薄膜の成膜とそのシリ
コン薄膜上へ結晶化促進のための触媒ナノ粒子
を吸着させるプロセスについて検討を行った
54
実験 アモルファスシリコン薄膜の堆積 プロセスガスとしてジシランを使用したジ
シランは通常用いられるシランよりも低い温度
で熱分解するためアモルファス薄膜の成膜に
適している[5]薄膜のアモルファス性が高いほ
ど結晶化する際の堆積収縮量が大きく引張応
力の発生の効果が大きいといえる堆積実験で
はCVD炉温度を510度に設定し炉内圧力
13Paのもとで成膜を行った成膜時間は100分間
とした
シリコン薄膜上への触媒ナノ粒子の吸着 触媒ナノ粒子を分散させた溶液をアモルファ
スシリコン薄膜上に滴下して10分間吸着を行っ
たその後遠心分離機(10000rpm1分)を用い
て余剰の溶液を除去しその後SPMで観察を
行った 結果および考察 シリコン薄膜堆積後光干渉法により膜厚
を測定したサンプル表面20箇所の平均値とし
て2790nmが得られた堆積レートに換算すると
約28nmminとなるMEMS応用には1μm程度の
Si薄膜の厚さがあることが望ましいそのため
にはより長い堆積時間が必要となる堆積レ
ートを高くするには成膜温度を上げることが
有効であるが堆積後に結晶化が進み薄膜の
アモルファス性が低下することになる膜質と
トレードオフの関係にあるため今後検討を進
めていく必要がある 作製した Si 薄膜のサンプルを用いてナノ粒
子の吸着実験を行ったFig 1 にナノ粒子吸着
後サンプル表面の SPM 像を示すナノ粒子が分
散して吸着していることがわかるその一方で
成膜後のサンプル表面を光学顕微鏡で観察した
限りでは分からなかったがナノ粒子の他に表
面に比較的大きな凹凸形状が見られるこのよ
うな箇所では MEMS 構造を作った際に機械的
強度が低下すると考えられ堆積条件のさらな
る検討が必要といえるFig2 ではナノ粒子濃度
を Fig1 の条件の 10 倍に希釈した溶液を滴下し
た後の SPM 像であるFig1 と比較すると溶
液濃度が希釈されて低くなっていることに対応
して表面上へのナノ粒子吸着量が減少してい
ることがわかる溶液中のナノ粒子濃度は基板
上への吸着量の制御パラメーターとして利用で
きる まとめ
Si 薄膜の堆積条件ナノ粒子の吸着プロセス
について検討を行った引き続き検討を行
いシリコン薄膜結晶化の評価を進めていく予
定である
参考文献
1) M Sasaki S Yuki K Hane IEEE Photon
Technol Lett 18 (2006) 1573
2) 三浦英夫ら日本機械学会論文集(A 編)58
巻 554 号(1992-10)216-221
3) P Temple-Boyer et alThin Solid Films 310
(1997) 234
4) C Hayzelden and J L Batstone J Appl Phys
73 (1993) 8279
5) K Nakazawa J Appl Phys 69 (1991) 1703
Fig1 SPM image of nanoparticle adsorption on Si film surface
Fig2 SPM image of nanoparticle adsorption Concentration of nanoparticle in the solution is 110 of the condition in Fig1
55
協力研究
豊田工大 08-28
a-SiNxHSi 界面特性の面方位依存性
Dependence of crystallographic orientation on a-SiNxHSi interface characteristics
新船 幸二a近藤 憲司b大下 祥雄b
Koji Arafune a Kenji Kondob Yoshio Ohshita b a 兵庫県立大学b 豊田工業大学
a University of Hyogo b Toyota Technological Institute
多結晶シリコン太陽電池の表面パッシベーション膜としてアモルファス水素化窒化シリコン膜
(a-SiNXH)が通常使用されているこのパッシベーション機構を明らかにするために面方位の異な
る単結晶シリコン基板に a-SiNXH 膜を同一条件で製膜しその容量-電圧特性を水素処理前後に測定
し界面準位密度や固定電荷について検討を行った a-SiNXH film is used as surface passivation layer for polycrystalline silicon solar cells In order to clarify the passivation mechanism a-SiNXH films are deposited on the single crystalline silicon substrates with different crystallographic orientation by plasma enhanced chemical vapor deposition The characteristics of a- SiNXHSi interface is also studied by C-V measurements
背景と研究目的 現在主流の多結晶シリコン
太陽電池には表面パッシベーション膜として
アモルファス水素化窒化シリコン膜(a-SiNXH膜)が使用されているa-SiNXH膜をシリコン基
板上に形成することにより界面準位密度が低
下し加えてa-SiNXH膜中の固定電荷に起因す
る電界効果により界面におけるキャリアの再
結合が抑制される 1)と考えられているしかし
具体的なパッシベーション機構については未だ
明らかになっていないこの原因の一つとして
多結晶シリコンが面方位の異なる結晶粒により
構成されているため得られる情報が平均化さ
れてしまうことが予想されるそこで面方位
の異なる単結晶シリコン上にa-SiNXH膜を形成
しそれらの電気的特性の相違を詳細に検討す
ることによりa-SiNXH膜によるパッシベーシ
ョン機構解明の端緒とすることを目的とした 実験 面方位が(100)および(111)である3inch
果および考察
のp型単結晶シリコン基板を4分割し希フッ酸
処理SC1処理希フッ酸-過酸化水素処理等
により洗浄を行った洗浄後の(100)および
(111)基板上にPECVD法によりa-SiNXH膜を製
膜した製膜条件は250 []圧力 04 [torr] ガス流量 SiH4 3 [sccm]NH3 6 [sccm]H2 6 [sccm]製膜時間 5 [min]とした製膜したa-SiNXH膜の
膜厚および屈折率はエリプソメトリー法により
評価したC-V測定サンプルのゲート電極には
Al(D=06mm)を使用した界面準位低減効果を
比較するためにフォーミングガス(N2+H2)によ
るアニールを400 []30 [min]で行った 結 製膜したa-SiNXH膜の
ングガスアニール前の C-V 曲
膜厚は面内で多少のばらつきはあったものの
(100)基板および(111)基板ともに89plusmn4 [nm]以内
であった屈折率に関しては178 と全て一定
の値を示した Fig1 にフォーミ
56
の C-V
えるとa-SiNXHSi 界面に
(a)
線を示す膜中の固定電荷に関しては(111)基板上の膜の方が(100)基板上の膜より密度が高
いことが判ったこれはシリコン上の熱酸化膜
と同様の傾向を示しているまた両者ともに
ヒステリシスを示しているがその原因は(100)基板の場合は正の可動電荷型(111)基板では正
孔注入型と異なることが判った界面準位密度
に関してはどちらの場合も非常にリークが大
きいため今回の測定では求めることが出来な
かった今後膜厚増加によるリーク低減を行
い界面準位密度の評価を進めたい Fig2 にフォーミングガスアニール後
曲線を示すどちらの場合もフォーミングガス
アニールによりヒステリシスが消失している
これは熱による構造変化と水素によるダング
リングボンドの終端化によるものと考えられる
より詳細な検討を行うためにはアニールガス
種の変更や温度時間等を変化させた評価が必
要である界面準位密度に関してはフォーミ
ングガスアニールにより界面準位密度が低減さ
れた傾向が現れているまたC-V 特性測定時
の周波数を変化させた測定も行ったところ周
波数分散特性も(100)基板と(111)基板では大き
く異なっていた 以上の結果を踏ま
おける界面準位密度及び膜中固定電荷密度は基
板面方位に大きく依存しヒステリシス特性の
要因も基板面方位により変化することが明らか
になった
0
50
100
150
200
-10 -8 -6 -4 -2 0
容量[pF]
電圧[V]
(b)
0
50
100
150
200
-20 -18 -16 -14 -12 -10
容量
[pF]
電圧[V]
Fig1 C-V characteristics of a-SiNXH films on (a)
(100) and (b) (111) single crystalline silicon substrates before forming gas annealing
(a)
0
50
100
150
200
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
容量
[pF]
電圧[V]
(b)
0
50
100
150
200
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
容量
[pF]
電圧[V]
Fig2 C-V characteristics of a-SiNXH films on (a) (100) and (b) (111) single crystalline silicon
後の課題
substrates after forming gas annealing 今 今回はPVCVD装置のトラブルに
りサンプルは2種類しか試すことが出来なよ
かったが今後は(110)基板の使用やa-SiNXH膜の製膜条件を変えたサンプルを準備し固定
電荷の起源やパッシベーション能力の定量的評
価などを行う予定である 謝辞 C-V測定において兵庫県立大学の佐
真一教授及び吉田晴彦准教授に協力頂いた
許出願
藤
深く感謝したい
論文発表状況特 [1 未定
考文献
]
参
t et al Semicond Sci Technol vol16 1) JSchmid
pp164-170 (2001)
57
技術代行装置利用
豊田工大 08-29
太陽電池特性評価技術の習得 Acquirement of solar cell characterization skill
岩本 恵里
Eri Iwamoto
日本ソーラーシリコン株式会社
Japan Solar Silicon Co Ltd
特性の異なるシリコンウェーハから太陽電池セルを作製し作製した太陽電池セルについてその特性評
価を行った
We made silicon solar cells with silicon wafer of a different characteristic and conducted investigation of these
cell performance
研究目的 シリコン原料メーカーとして太陽
電池セルの特性評価に関する知識を持つことが
必要であるしたがって本研究ではセル作製工程
の一連の流れを理解し実際に作製したセルにつ
いてその特性評価を行い自社内での太陽電池特
性評価技術の向上を目的とする今回はプロセ
スに慣れることプロセス条件を最適化すること
を目的とし基板抵抗やPの拡散温度のセル特性
への影響を見ることとした
実験 Si基板は購入した 3 インチ厚み 380 μ
mのSi基板 (CZ結晶) でp型抵抗a (低抵抗) とb
(高抵抗) の2種類の比抵抗値を示す基板を用いた
Si基板を洗浄後基板上にPを温度A B Cの 3 水
準で変化させて拡散させた基板裏面の酸化膜を
除去した後リフトオフ工程によって表面に 10
mm角セル (16 個分) のAl電極パターンを形成し
たこの際Alの蒸着は抵抗加熱真空蒸着装置を用
いて行った表面と同様に裏面にAl電極を形成し
た後380で 10 分間の水素シンター処理を行っ
たその後ダイシング装置で 10 mm角セルに分
割し中心部分のセルについてI-V特性評価を行
ったこのI-V特性評価によってpn接合の良否
電極とSiの接触の良否などが判断できる
結果と考察 Fig1 に低抵抗Si基板と高抵抗Si基
散温度を変化させて作製した各セルの短
絡
板についてリン拡散温度を変化させて作製した
各セルの開放電圧 (Voc) を示すFig1 を見ると
温度Aで拡散させたセルでは他と比較してVocの
値が低かったこれは温度Aでのリン拡散が不十
分でpn接合がうまくできていないと考えられる
Fig2 に低抵抗 Si 基板と高抵抗 Si 基板について
リン拡
電流 (Isc) を示すFig2 を見ると拡散温度 C で
Isc が悪化しているこれは温度 C でのリン拡散
でp 層基板が高温処理によって劣化した可能性
が高いと考えられる
本設備においては拡散温度は CZ 基板を用い
58
た場合温度B近傍で行うのが最適と考えられる
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Isc
(arb
uni
ts)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
今後の課題 今回作製したセルはプロセスの最
適化がされていないため基板評価のため十分な
効率が得られていない今後はプロセス条件の改
善を実施し太陽電池特性評価技術の向上を目指
す
謝辞 本研究は豊田工業大学梶原氏および
下准教授に指導して頂いた深く感謝したい
豊田工業大学梶原氏および
下准教授に指導して頂いた深く感謝したい 大大
Fig2 The phosphorus diffusion temperature dependence of shortcircuit current (I sc) for low resistivity Si substrate and highresistivity Si substrate
Fig1 The phosphorus diffusion temperature dependence ocircuit voltage (V oc) for low resistivity Si substrate aresistivity Si substrate
f opennd high
Fig3 The phosphorus diffusion temperature dependence ofconversion efficiency for low resistivity Si substrate and highresistivity Si substrate
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Voc
(arb
uni
ts)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Con
vers
ion
effic
ienc
y (a
rb u
nits
)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
59
技術代行
豊田工大 08-32
レジストマスクによるリン砒素のイオン注入
P and As Ion implantation using Resist Mask patterns 上田一之
Kazuyuki Ueda
豊田工業大学ナノハイテクリサーチセンター
Nano High-Tech Research Center in Toyota Technological Institute Supported by MEXT
シリコン表面に PAs をイオン注入してマスクパターンを作りそのときの打ち込みエネルギーやイ
オンの種類により打ち込み層に含まれる水素や酸素の形態はpn 接合を考える上で極めて重要な
要素となるしたがってこれらの打ち込み層に存在する水素と酸素の起源と振舞いについて電子励
起イオン脱離法を応用した水素顕微鏡で調べた
Masked patterns by ion implanted surface include hydrogen and oxygen which might affect to p- n-junction properties Electron-stimulate-desorption (ESD) spectroscopy is useful to investigate behaviors of hydrogen and oxygen on the device surfaces Implated musked patterns have been investigated by using hydrogen microscope
背景と研究目的 2次元的なp- n-接合をシリコン表面上にイオン注入法で数十ナノメートルの深さ方向に作りその層の表面や層間に存在するする水素や酸素の起源と振る舞いを調べることは注入層がp-n-層として機能するかどうかの重要な問題を含んでいるナノテク支援により作成されたイオン注入マスクパターンを用いて超高真空中に配置された電子励起イオン脱離(ESD)を発展させた水素顕微鏡を使用して数百ナノメートルの2次元分解能でそれらの挙動を調べた 実験 実験は超高真空中にセットされたESD装置を応用した水素顕微鏡(Fig1)1)2)を使用して
実施されたナノ支援によってシリコンウエハ
ーに注入されたPおよびAsの格子状のパターン
構造をしており最上層にはPのストライプパタ
ーンの層がありその下にはAsのストライプパ
ターンが直角方向に形成されている表面の酸
化物層をイオン衝撃で取り除くとPのストライ
プパターンが現れイオン衝撃法により25nm程度の深さに達するとAsの打ち込み層が存在
していることが水素酸素のイメージから判る
これらのパターンの様子をFig2に2次元的な
模型で示しイオン衝撃に応じて水素顕微鏡で
観察するとFig3に示すようにPのストライプ
パターンが水素像酸素像として示されている
これは打ち込み層が極浅いところなのでP層の
みが現れている水素酸素に2種類のパターン
が示されているのはPとAsではそれぞれの層
に吸着する水素と酸素の吸着状態の違いを反映
して異なる運動エネルギーのイオン像が現れ
るであるうことを期待しているからである
Fig3に示すように同時に得られたSEM像には
両方の元素のパターンがモノクロに撮影されて
いるだけで表面物性的な差異は全く見られな
いこのことはSEM像が2次電子の発生深さの 情報を持つのに対してESDは殆どトップレイ
ヤーの情報しか持たないことに由来する
60
4μm
12μm
18μm
7μm
4μm
As+ As+ 5x1015cm2
P +
5x1015cm‐2
P +
As + 20 keV(127 nm)p‐S i(100)
S iO2
試料の形状(マスクによるイオンの打ち込み)
Top view
S ide view
P + 10keV (108 nm)Thickness of S iO2 1 5 nm
1times1010 As+(on the back ground)
7μm
Fig 1 Ion implanted patterns of P and As
On the B-dose Si surface
Fig2 Shematic drawing of hydrogen
microscope
Fig3 をさらにスパッタリングで 25nm 程度取
り除くと深いところに分布している As 層から
水素酸素の像が得られてそれぞれ格子模様と
なるこれらの水素酸素の起源はイオン注入
打ち込みの過程から考えて酸素は酸化物層にイ
オン注入しているので当然であるが水素につ
いては原因は不明であるイオン注入時はマス
フィルターにより元素を選択的に打ち込んでい
るので水素の混入は考えられないそうすると
マスク材料から打ち込まれたかあるいはマス
クを取り除く薬品から混入したことが考えられ
る現時点ではこれらの水素濃度の定量
Fig3 H+ and O+ images from P-implanted
Layer on Si-SiO2 layers
Fig4 H+ and O+ images from P-and
As implanted layer on Si-SiO2 layers
的評価は出来ないが水素の量によっては今後
のデバイス処理に重要な情報を与えているもの
と考えられる
参考文献
1) KUeda and KOgai Surf Sci 462 (2000) 1
2) 上田一之表面技術 59 (2008) 893
H(1)+ H(2) +
O(1)+ O(2) +
H(1)+ H(2) + SEM
O(1)+ O(2) +
61
協力研究
豊田工大 08-33
新規プローブの開発
Development of new probe for AFMSTM
森田 幸治 長村 俊彦 佐々木 徹
Kouzi Morita Toshihiko Nagamura Touru Sasaki
株式会社ユニソク
UNISOKU CoLtd
近年ナノスケールデバイスの開発においてその表面形状または電気的特性を評価するためのプロ
ーブの必要性が高まってきているそこでプローブ自身が歪み検出部分を持ちかつ先端に他と絶
縁された金属配線を持つ新しいプローブの要素技術開発を行った
Recently new probe to evaluate surface shape and electrical characteristics are required in nanometer scale devicersquos development Here we developed functional elements of new probe with piezo resistance and metal
wiring is isolated other metal wiring
背景と研究目的 現在LSI各種センサな
どのデバイスがナノスケールで開発作製され
それらの金属配線パターンは30nmオーダーに
まで達しているしかしそのデバイスの表面形
状力学的特性電気的特性を評価することは
非常に難しいこれらの研究分野ではデバイス
の各種評価用の装置またそれに合わせた新し
いプローブの開発製品化が強く求められてい
る 弊社では以前より立命館大学磯野教授との共
同開発で新しい機能を持ったプローブの試作を
行ってきた本研究ではその結果を利用して新
規プローブの量産化に向けたMEMSプロセスの
確立を行うプローブはSOIウェハ(Silicon On Insulator)から作製するプローブ上にはピエゾ
抵抗素子を作製しその抵抗変化によってプロ
ーブの歪み検出を行うまたプローブ先端には
他と絶縁された金属配線を持っているこれら
の組み合わせによって様々な評価を行えるプロ
ーブを作製する プローブの絶縁性能に関しては歪み検出を
しながらSTM(Scanning Tunneling Microscope)測定することを想定した時ピエゾ抵抗素子に1V
程度の電圧をかけた時にプローブ先端へ漏れる
電流はトンネル電流より十分少ないことが求め
られる今回はその漏れ電流01nA以下つまり
絶縁抵抗10GΩ以上を目標とする 実験 まず各種プロセス条件に関して以前
から弊社にて研究してきた結果が豊田工業大学
共同クリーンルームの装置で再現できるように
装置の扱いに慣れる意味も含めて繰り返し使用
しプロセス条件を修正合致させたその結
果フォトリソグラフィ真空蒸着イオン注
入TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)エッチング熱酸化シンタリングのプロセス
において以前の結果を再現させることができ
た そのプロセス条件を使用してピエゾ抵抗素
子とそれへの金属配線およびSiO2膜で絶縁され
た金属配線を作製したSiO2絶縁膜は熱酸化炉
(炉内温度1100O2雰囲気30分加熱)で作
製したFig1に作製したデバイスの断面模式図
を示すFig1中の①Al電極はSiO2絶縁膜で基盤
Siから絶縁されている②Al電極はピエゾ抵抗
素子と接続されている①②Al電極を弊社製
62
品であるAFM(Atomic Forced Microscope)STM測定用コントローラに接続しスイープ電圧を
かけてその時の微小電流値をモニターすること
で絶縁抵抗の評価を行った
Al SiO2
Piezo Resistance
(Type Positive)
Si(Type Negative)
① ②
結果および考察
Fig2に作製したデバイスの光学顕微鏡写真
を示す設計寸法通りパターニングできゴミ
などの不純物もほとんど乗ることなく出来上が
ったエリプソメーターでSiO2絶縁膜厚を測定
したところ80nmであったFig2中の①②は
Fig1の①Al電極②Al電極の場所を示している
Fig3にスイープ電圧とその時に得られた電流
値のグラフを示すPiezo resistance(Type Positive)とSi(Type Negative)の間のPN接合の影響で順
方向バイアスではノイズが漏れやすいことが分
かったグラフの傾きから絶縁抵抗値を計算し
たところ約25GΩの抵抗値が得られ目標の絶
縁抵抗値を達成することができた
Fig1 Cross section model of piezo resistance Al wiring and SiO2 dielectric(80nm)
今後の課題 本デバイスはピエゾ抵抗と金属
配線との間でAl-Alの積層構造を持っているが Al 同士の間に Al 酸化膜が存在し接触が不安
定になる現象が確認できた今後は Al を積層し
ない構造に変更するか配線材料の変更を検討
する実験を行う必要がある ② ①
Fig2 Optical microscope image of piezo resistance Al wiring and SiO2 dielectric(80nm) 参考文献
1) 江刺正喜藤田博之五十嵐伊勢美杉山進
共著「マイクロマシーニングとマイクロメカト
ロニクス」培風館
-15
-1
-05
0
05
1
15
-11 -9 -7 -5 -3 -1 1 3 5 7 9 11
Voltage(V)
Current(nA)
2) MエルベンスポークHVヤンセン 著田
畑修佐藤一雄 訳「シリコンマイクロ加工の
基礎」シュプリンガーフェアラーク東京
Forward bias back bias
Fig3 Graph of leak current and voltage put SiO2 dielectric(-9V to +9V)
63
研究協力
豊田工大 08-34
ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製
Fabrication of quantum-structures for potential mapping
賀数 広海 田中 一郎
Hiromi Kakazu Ichiro Tanaka
和歌山大学システム工学部
Faculty of Systems Engineering Wakayama University
InAs 量子ドットをナノメートルサイズの電極(ナノ電極)として用いて順バイアス電圧を印加した場合
その周囲におけるフェルミレベルピニングの影響により電極直下においても電位が下がりにくい
本研究ではInAs 量子ドットをナノ電極として GaAsAlAs 二重障壁構造を含むナノ共鳴トンネルダ
イオードを作製し導電性 AFM を用いてその電流-電圧特性を測定することにより二重障壁構造内
部の電位に対するフェルミレベルピニングの影響を検討することを目的とした When a forward bias voltage is applied on InAs quantum dots (QDs) used as nano-scale electrodes (nano electrodes) Fermi level pinning around nano-electrode prevents us from lowering the potential under the nano-electrodes We fabricated nano-scale resonant tunneling diodes (nano-RTDs) which comprise GaAsAlAs double barrier structures with InAs QDs electrodes by molecular beam epitaxy We measured current-voltage characteristics of the nano-RTDs by conductive AFM for investigating the influence of Fermi level pinning on the potential in the double barrier structure
背景と研究目的 近年ナノテクノロジーの
分野においてInAs量子ドットに関する研究が盛
んに行われているInAs量子ドットは分子線エ
ピタキシー法(MBE)等を用いてGaAs(001)基板
との僅かな格子定数の違いにより自己組織化成
長しナノメートルスケールのサイズを有する
そのためナノスケール化が予想される半導体
デバイスに対応する電極(ナノ電極)としての
応用が考えられるしかしGaAs(001)面上のナ
ノ電極に順バイアス電圧を印加した場合その
周囲のフェルミレベルピニングの影響によって
電極直下でも電位が下がりにくい このフェルミレベルピニングの影響はInAs
ドット直下のGaAs層のドナー濃度を高めるこ
とで緩和できる1)この点についてさらに検討す
るためGaAsAlAs二重障壁構造を含むナノ共
鳴トンネルダイオードを作製しその電流-電圧
特性を測定した 実験 MBEを用いてn+-GaAs(n=10~50times1018cm-3)基板上に基板温度約590でn+
-GaAs(n=20times1018cm-3)を500nmn-GaAs(n=50times1017cm-3)n-GaAs(n=10times1017cm-3)をそれぞれ
10nmudGaAsを25nm成長したその上に二
重障壁構造となるAlAs17nmGaAs50nm
AlAs17nmを成長したさらにキャップ層とし
てn-GaAs(n=10times1017cm-3)を20nm最後にInAs量子ドットを基板温度約460で約25ML成長
させたこのときのGaAsAlAsInAsの成長レ
ートはそれぞれ044MLs012MLs00159MLsであった 作製した試料をMBE装置から取り出した後
に試料表面の酸化を防ぐため硫化アンモニウ
ムで表面処理を行った 電流-電圧特性を測定するために試料を高真
64
空原子間力顕微鏡(AFM)装置に移したまず試
料表面の形状を測定して電極となるInAs量子
ドットを確認したドリフトの影響が小さくな
った後にひとつのInAs量子ドットの上に導電性
探針を移動させて電流-電圧測定を室温真空
中で行った今回は試料に0 ~ 2Vの順バイアス
電圧を印加した
結果および考察 Figure 1はAFMにより
測定した試料表面のInAs量子ドット形状像であ
る量子ドットの平均直径は616nm平均高さ
は393nmである Fig1 AFM image of InAs QDs grown on the n-GaAs cap layer The QD indicated as ldquoardquo was used as a nano-electrode
Figure 2 に Fig1 に示した量子ドット a をナノ
電極として測定した電流-電圧特性を示すショ
ットキー特性が得られているが共鳴トンネル
効果を示す負性微分抵抗は確認できなかった
これは試料に原因があると考えられる そこで作製した試料中に二重障壁構造が存在
するかどうかを確認するためフォトルミネッ
センス(PL)測定を液体窒素中(77K)励起光波
長 532nm の条件で行ったその結果を Fig3 に
示すAlAs(17nm)GaAs(5nm)AlAs(17nm)の二
重障壁構造中の第一準位に対応する PL ピーク
波長は約 720nm と見積もられる 2)しかし Fig3の PL の測定結果にはこのピークは見られな
かった PL 測定結果において GaAsAlAs 二重障壁構
造に対応するピークが見られなかったので今
回作製した試料中には同構造が存在せずその
ため電流-電圧特性にも共鳴トンネル効果が現
れなかったと推定されるこの原因としては
MBE における成長条件が最適化されていなか
ったことが考えられる
Fig2 Current-voltage characteristic measured using the InAs QD as a nano-electrode
今後の課題 今回はGaAsAlAs二重障壁構造
が作製できなかったためにその内部における
電位やそれに対するフェルミレベルピニングの
影響を検討できなかった今後MBE成長条件
を見直し同様の実験を行っていきたい
参考文献
1) 中谷 成希和歌山大学大学院システム工学
研究科システム工学専攻 修士論文 「InAs 自己
形成量子ドットのナノ電極効果」(2007 年)
2) 多田 吉伸和歌山大学大学院システム工学
研究科システム工学専攻 修士論文 「単一 InAs
量子ドットを介した共鳴トンネル効果の導電性
探針 AFM による測定」(2004 年)
Fig3 PL spectra of the sample measured at 77K
65
装置利用協力研究
豊田工大 08-35
次世代メモリ(PCRAMPhase Change RAM)用材料
GeSbTe 薄膜の CVD 成膜
GeSbTe-thin film formation by CVD for next generation
Memory (PCRAM Phase ChangeRAM)materials
町田英明
Hideaki Machida
気相成長株式会社
Gas Phase Growth LTD
GeSbTe薄膜は次世代メモリ(PCRAMPhase Change RAM)用材料として有望である本研究では
(t-C4H9)GeH3 (i-C3H7)3Sb (i-C3H7)2Teを原料として低圧熱CVD法によりSi基板上にGeSbTe薄膜を作成
しX線光電子分光 (XPS)分析によりGeSbTeの組成が堆積温度によってどのように変化するかを調べ
た
GeSbTe thin film is a promising material for next generation memory (PCRAM Phase Change RAM) Here
we report synthesis of GeSbTe-thin films onto the silicon substrate by thermal low pressure CVD technique
using (t-C4H9)GeH3 (i-C3H7)3Sb (i-C3H7)2Te precursors And also the GeSbTe film composition dependence
on deposition temperature and pressure is studied by X-ray photoelectron spectroscopy (XPS)
背景と研究目的 次世代半導体メモリ候補
として相変化メモリ(PRAM)が注目され相変
化材料としてGeSbTe(GST)系材料が提案されて
いる 12)大容量化のためには埋め込みに有
利 な 化 学 気 相 法 (CVD Chemical Vapor
Deposition)による成膜が必要とされるがCVD
法による組成や構造制御に関する基礎的な知見
は充分でない相変化材料GSTを用いたPCRAMデ
バイス試作研究においてGST膜堆積にはスパッ
タ法による蒸着が用いられているが高集積な
メモリデバイスに要求される膜均一性50nm
以下のホールへの埋め込み等が要求されるし
たがって良好な埋め込み形状を実現できる可
能性を有するCVD法によるGST系薄膜堆積技術へ
の期待が高まっている本研究ではGeSbTe薄
膜堆積のためのCVD原料の検討を行いGe原料に
Tertiarybutylgermane[(t-C4H9)GeH3] Sb原料
としてTriisopropylantimony[(i-C3H7)3Sb]
Te 原 料 と し て Diisopropyltellurium
[(i-C3H7)2Te]をそれぞれ用い成膜条件膜組
成等の成膜特性を明らかにすることを目的と
した
実験 成膜に用いたCVD装置は抵抗加熱のコ
66
ールドウオールタイプの低圧CVD装置であり
図1にレイアウトを示す成膜チャンバー内部
に設置した基板の温度は下部に設置したヒータ
ーで加熱しセンサーによる温度測定結果をフ
ィードバックして制御される膜堆積のための
基板はフォルダーに固定されロードロックチ
ャンバーより成膜チャンバーへと運ばれヒー
ター上部に設置される装置全体はターボ分子
ポンプで排気され成膜時の圧力はオリフィス
で制御する原料は原料容器中にH2ガスをバブ
リングする事によってH2ガスに同伴させて成
長チャンバーへと輸送した各原料輸送量はH2
キャリアガス流量と原料容器温度内圧により
見積り制御したSi(100)基板が設定温度に達し
たことを確認した後原料ガスを供給し膜堆積
を行った成膜条件は基板温度270-300
堆積中の圧力30torrGe Sb Te原料のキャ
リアH2 ガス流量10 sccm15sccm10sccm
原料容器温度-65550とした
教授明治大学小椋厚志准教授及び東京大
学大場隆之教授との共同研究である
各温度での堆積膜の炭素不純物及び GeSbTe
組成変化を XPS によって調べた
結果および考察 XPS分析により堆積膜に
はGeSbTeが含まれる事がわかった炭素の残留
不純物はXPSの検出限界以内では観察されず良
好な原料の選択と成膜条件が確認された図2
に 30Torrでの堆積膜のGeSbTe組成と温度の関
係を示す基板温度上昇とともにGe組成の減少
とSb組成の増加が見られたGeとSbには相互的
な影響が存在することが示唆された280deg以上
の温度領域ではTeの減少が確認されたがこれ
は堆積Te金属の蒸発が起こっていると思われる
後の課題今 今後CVDによるGST成膜実験で圧
辞
力と組成の関係2成分の堆積などを調べ膜
堆積組成制御に関するメカニズム解析を 行
いたい
謝 本研究は豊田工業大学大下祥雄准
考文献参
wa KMiyauchi T Tamura Y Yin
wa Y
g2 The GeSbTe film composition dependence on
1) S Hosoka
and H Sone Proc 15th symp Phase Change
Optical Information Storage PCOS 2003 (Ed T
Ide Atami Japan 2003) pp52-55
2) K Nakayama K Kojima F Hayaka
Imai1 A Kitagawa and M Suzuki Jpn J Appl
Phys 39 (2001) 6157
Fig1 Schematic diagram of the CVD system Container of Ge Sb and Te precursors were maintained at ndash6 55 50ordmC respectively These gases were mixed at sub chamber and introduced into the reactor
270 275 280 285 290 295 30015
20
25
30
35
40
45
50
55
60
Fi
deposition temperature
組成
(
)
基板温度()
Ge Sb Te
PH2
P
P
MFC
MFC
MFC
Ge
Sb
Te
Sub chamber
TMP
DP
Heater
Drain
Load Lockchamber
PH2
P
P
MFC
MFC
MFC
Ge
Sb
Te
Sub chamber
TMP
DP
Heater
Drain
Load Lockchamber
67
協力研究
豊田工大 08-37
分光機能を持つ MEMS 赤外線センサ
MEMS infrared sensor integrated with wavelength selective filter
佐々木 実
Minoru Sasaki
豊田工業大学
Toyota Technological Institute
小型軽量のメリットを生かすためサーモパイルを利用した赤外線センサが用いられる従来の誘
電体光学フィルタを使わないで高分子膜の赤外吸収スペクトルを利用した熱型赤外線センサを一体
型とするセンサを提案するセンサ自体が小型化に適すると共に分光特性の温度安定性が安定化す
る長所を持つことが分かった A thermal infrared detector integrated with wavelength selective filter is fabricated A polymer film is formed onto hot junctions of the thermopiles as a wavelength selective absorber to integrate spectroscopic characteristic The detector shows +35 increase of the signal output from the baseline at the absorbance peak The fabricated detector shows low temperature dependences on its center wavelength
背景と研究目的 近年環境測定や検知器な
ど手軽に物質の検知や濃度測定を行えるセンサ
のニーズが高まっているこのようなガスなど
の物質の検出と濃度測定を行うセンサに物質
固有の赤外吸収スペクトルにおけるピーク波長
と強度を利用した非分散型赤外分光 (NDIR)センサがあるNDIR型センサは高精度で応答時間
も短く検出器が被検体と直接接触しないため
信頼性も高いしかし別々の部品により構成さ
れるためその他のセンサ方式と比較して構造
が複雑で高価である現在広い市場からの受
け入れを目指しコストやサイズの削減に開発
努力が注がれている 1) 我々はその構成部品の中でも赤外線センサに
注目したNDIR 式センサの小型軽量のメリ
ットを生かすためサーモパイルを利用した赤
外線センサが用いられるサーモパイル型セン
サは熱を検出する方式であり波長に対してフ
ラットな分光特性を持つそのため特定波長
の赤外線を受光するために誘電体光学フィルタ
とパッケージで組み合わされるのが一般的であ
るしかし NDIR 式センサの目的に見合う性能
のフィルタは高価でありアセンブリ全体のコ
ストなどを上げる要因の一つとなっている光
学フィルタと熱型赤外線センサを一体型とする
形態も考案された 2)しかし光学フィルタと熱
型センサとのプロセス整合性に疑問が残るさ
らに光学フィルタの分光特性の温度依存性など
の問題なども懸念される 3)そこで高分子材料
の吸収スペクトルを利用して簡単な構造で分光
特性を集積化させた赤外線センサの試作を行っ
た温度特性についても報告する Fig1(a)に赤外線センサのベースとなるサー
モパイルセンサの概念図を示す20mmtimes
20mm 厚さ 04mm の Si を基板として基板上
に Pt と p++-Si で構成されたサーモパイルが形
成されるSi 異方性エッチングにより中央部の
約10mm角領域およびサーモパイル温接点部は
ダイアフラム構造となっている赤外吸収材と
してポリアクリロニトリル (PAN)をサーモパ
イルの温接点上に堆積した作製したデバイス
を Fig1(b)に示す
68
(a) (b) 実験 PANは波長~4450nmの赤外線に対し大
きな吸収を持つことが知られている吸収ピー
ク波長においては入射赤外線が効率よく熱に変
換されると考えられより高い感度を示すと考
えられる
Monochromater
Optical Chopper
IR Sensor
PC for DAQ
232C
Sensor S
ignal
Reference SignalChopperController
Lock In Amplifier
US
B
IR Source
Focusing Lens
Vacuum Chamber
Monochromater
Optical Chopper
IR Sensor
PC for DAQ
232C
Sensor S
ignal
Reference SignalChopperController
Lock In Amplifier
US
B
IR Source
Focusing Lens
Vacuum Chamber
作製したセンサはFig2に示す実験系で評価し
たFig3に分光特性を示す4450nmにおいて~
025μVのピーク出力を確認した 結果および考察 IRセンサの動作環境を
室温から 80まで変化させたときの特性を
Fig4 に示す加えてFT-IRでPANの透過特性の
温度依存を精密に計測した結果をFig5 に示す
吸収ピークの波長シフトは~3nmであった同
条件で従来の光学フィルタ式のものでは~
50nmのシフトがあるのと比べて温度特性が安
定していることがわかった 今後の課題 最も基本となる分子スペクト
ルのピークに対応したサーモパイルセンサの確
認に成功したがピークのSN比はベースライン
から+35に留まる赤外分光スペクトルから判
断するともっと大きな変化が期待できるPAN膜を付着するプロセスから改良する 論文発表状況特許出願 [1] 「温度依存性の少ない分光機能集積型赤外
線ディテクタ」桝野雄矢熊谷慎也佐々木実
第 56 回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集 No3 p1029 200942 筑波大学 [2] ldquoThermopile IR Detector Integrated with Wavelength Selective Filter Stable against Temperature and Incident Angle Changesrdquo Katsuya Masuno Shinya Kumagai Minoru Sasaki and Kohji Tashiro 2009 International Conference on Solid State Devices and Materials 投稿中
参考文献 1) Mark P McNeal Nicholas Moelders Martin U
Pralle Irina Puscasu Lisa Last William Ho Anton
C Greenwald James T Daly Edward A Johnson
ldquoDevelopment of Optical MEMS CO2 Sensorsrdquo
Proceedings SPIE vol 4805 (2002) p30-35 2) 特開 2006-58203 3) Shigeki Sakaguchi ldquoTemperature Dependence of
Transmission Characteristics of Multilayer Film
Narrow Bandpass Filtersrdquo Jpn J Appl Phys
Vol38 (1999) pp6362-6368
Fig2 Experimental setup
Fig5 Transmittances of PAN at various temperatures (Acquired with FT-IR)
Fig1 (a) Schematic diagram of a thermopile detector (b)Fabricated IR detector with a PAN bump as an absorber
Thermopiles
20 mm
04
mm TP2TP1
TP3
TP4
Thermopiles
20 mm
04
mm TP2TP1
TP3
TP4
PAN Bump
050607080910
4300 4350 4400 4450 4500 4550 4600
Wavelength [nm]
Sens
or O
utpu
t (w
ith P
AN) [μV
]
+025μV(+35)
Fig3 Spectral response from fabricated sensor
Fig4 Spectral responses of the fabricated sensor at various temperatures
03
04
05
06
4300 4400 4500 4600Wavelength [nm]
Sen
sor O
utpu
t [μV
] 80604022
0
10
20
30
40
4440 4450 4460 4470 4480wavelength [nm]
trans
mitt
ance
[]
20C40C60C80C
69
協力研究 豊田工大 08-39
エンジニアリングプラスチックスの残留歪解析 Residual Strain Analysis of Engineering Plastics
安藤 幸也a 田代 孝二b 杉田 英嗣a
Yukiya Andoa Kohji Tashirob Eiji Sugitaa
a(株)デンソー b豊田工業大学
aDENSO COLTD b TOYOTA TECHNOLOGICAL INSTITUTE エンジニアリングプラスチックスで自動車部品用途に多用される PPS(poly-p-phenylene sulfide)
を対象にX 線回折の sin2ψ法による残留歪測定の可能性を調査した A possibility to evaluate the residual strain of poly-p-phenylene sulfide (PPS) which is an engineering plastic and is used for automobile parts on the basis of sin2f method using X-ray diffraction data has been investigated 背景と研究目的 実験 自動車の軽量化のために自動車部品には樹脂
が多用されておりその使用比率は増加する一
方である樹脂はクリープしやすくその耐久
特性は応力の違いで大きく異なるため残留歪
の見積もりが甘いと大事故を招くことになる
残留歪は成形条件によっても変化するため
それに伴い耐久寿命も変化するしたがって
樹脂の残留歪の高精度測定が必要である
アニーリング処理した平板から切り出した試
験片を用いTD(流動直角方向)MD(流動方
向)にそれぞれ歪を負荷し側傾法で測定した
歪はかまぼこ型の冶具に沿わせることで負荷
した(図 1)着目した反射ピークは(311)反
射とした(図 2) 結果と考察 現状樹脂の残留歪測定は歪ゲージに頼って
いるがその精度は低く成形条件の違いによ
る残留歪の変化まで捉えることはできないま
た測定エリアが広いため平均化された値し
か得られないこのため金属分野で実績のあ
るX線回折法により樹脂の残留歪を高精度に
測定する技術を確立させることは樹脂製品の
信頼性向上のためにも極めて重要であるしか
しながらこの分野の研究事例はほとんどなく
手法の有効性が確認されれば様々の点で大き
な成果に結びつくと考えられCAE(Computer Aided Engineering)の予測精度向上にもつなが
る
歪と sin2ψ線図の傾きで整理した測定結果を
図3に示すこの結果PPS については0~15の歪範囲で歪と sin2ψ線図の傾きに良い
今回の実験では自動車部品に多用されている
耐熱性の高いエンジニアリングプラスチックス
である PPSPPS-GF40 を対象にsin2ψ法に
基づく残留歪測定を試みた
Fig 1 Equipment to generate strain on the sample
70
相関が見られMD と TD の差が小さく大き
なバラツキもなく良好な結果が得られたPPSでは>15の歪範囲PPS-GF40 では>0の
歪範囲でTD と MD の差が大きくバラツキ
も大きいことがわかった
今後の課題 今回sin2ψ法によりPPSPPS-GF40 の残
留歪を測定できないか調査したこの結果現
状実用性のある対象範囲がわかった 今後TDとMDの差バラツキ原因を調査し
精度向上できる測定条件を明確にする したがって実用化においては材料組成歪
範囲が限定されると考えられる
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
2θ
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
2θ
Fig2 X-ray diffraction pattern of PPS
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 15 2 25
歪 []
傾き
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 1
歪 []
傾き
5
(PPS) (PPS-GF40)
- TD- MD
- TD- MD
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 15 2 25
歪 []
傾き
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 1
歪 []
傾き
5
(PPS) (PPS-GF40)
- TD- MD
- TD- MD
Fig 3 Relation of sin2ψ and strain (311 reflection)
71
装置利用
豊田工大 08-40
光ファイバ材料の吸発光特性
Optical properties of optical fiber materials
齋藤和也
Kazuya Saito
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
Pd 内包カーボンナノチューブ(CNT)は走査型プローブ顕微鏡(SPM)用の探針先端材料(特に電気特
性評価用)として有望である本研究では探針材料と同一のシリコンウェハ上に化学気相成長法に
より Pd 内包 CNT を成長しその直径や密度が触媒調整条件によりどのように変化するかを調べると
ともにPd 内包 CNT の構造解析を行った Since the metal-filled CNT is expected to provide larger radial rigidity higher mechanical and thermal stability than the conventional hollow nanotube it would be suitable for the tip of scanning probe microscopy (SPM) Here we report synthesis of Pd-filled CNTs onto the silicon substrate by microwave plasma enhanced CVD technique Their structure is also studied by SEM TEM and Raman spectroscopy
背景と研究目的 希土類元素は固体中では
3価イオンRe3+として安定に存在するが2価
イオンRe2+として存在することもありRe3+とは
異なる分野で利用されているRe2+はそれと
等電子配置のRe3+と比較して電子項間のエネル
ギー間隔が減少するために異なる吸収蛍光ス
ペクトルをもつ特に4f-4f間の電気双極子遷
移確率に比べて 102~3倍ほど大きな値をもつ
4f-5d間の遷移が可視領域付近に現れることは
利用価値が大きく可視光におけるブロードな
蛍光は蛍光材料として広く利用されている
また価数変化を利用したX線イメージングプ
レートや赤外線検出器などでは電子正孔トラ
ップ(Re3+hArrRe2+)としての役割が活用されてい
る反対に価数変化が問題となるケースもある
例えばYb添加シリカファイバレーザーではフ
ォトダークニングを引き起こす主要因と考えら
れている[1]そこで本研究ではYb2+とEr2+
の光学特性を詳しく調べた 実験 Yb2+Er2+生成のために還元雰囲気下に
おける試料作製をMCVD法を用いて行ったこの
試料より2mm厚の光学研磨平板を作製し分光蛍
光光度計(日立F-7000)を用いて励起蛍光スペ
クトルを測定した
結果および考察 作製したYb2+生成試料
でUV~blue光励起で非常に輝度の高いYb2+か
らの蛍光を観測できた輝度の強い蛍光は波長
可変レーザーや他の活性イオンの増感剤として
の応用が期待できる図1にその励起蛍光ス
ペクトルを示す蛍光波長500nmにおける励起ス
ペクトルとMgF2結晶において報告されている
72
Yb2+の吸収スペクトル[2]を比較すると(図2)
ガラス中では無秩序な構造を反映して各4f135d
多重項は非常にブロードになっていることがわ
かるピーク分離で決定した各準位の中心波
長を図3に示す
5s 5p電子に遮蔽されている4f電子と異な
り5d電子は配位子場の影響を大きく受ける
ためYb2+の4f-5d遷移は仮想温度による配位
子場の変化の影響も大きく受けると予想され
る蛍光および励起スペクトルの仮想温度依
存性を測定したところ予想どおり大きな仮
想温度依存性があること明らかとなった 同様に還元雰囲気下において Er2+含有シリ
カガラスの作製を試みたEr は一般には2価の
酸化状態はとり難いと考えられているがpale
green の蛍光を示す試料を作製することができ
た図4にその蛍光スペクトルを示すEr3+の
4f-4f 遷移が示す鋭い蛍光ピークとは異なり非
常にブロードな蛍光であるさらに励起スペ
クトルには Er3+の鋭いピークに加えて可視か
ら紫外域にかけての非常にブロードな吸収があ
ることがわかり(図5)確かに Er2+の 4f-5d 遷
移によるものと判断できるEr は酸化物中では
2価状態をとり難いと考えられていたが還元
雰囲気下で安定な Er2+を生成できることが明ら
かとなった
今後の課題 今回作製した2価イオンを含む
シリカガラスのレーザー発振や他の活性イオン
の増感剤としての利用を検討するために蛍光
寿命等の詳細な測定を行う
論文発表状況特許出願 [1] K Saito et al XII PNCS Brasil 20099 発表
予定
参考文献 1) 例えばT Kitabayashi et al OFT 34 (2006) 9
2) J Rubio J Appl Chem Solids 52 (1991) 161
200 2 350 400 450
0
1000
50 300
2000
3000
4000
5000
Absorbance
MgF2
励起スペクトル SiO2中の Yb2+の
Fig1 EmissionEscitation pectrum of Yb2+ doped silicaS
Fig2 Comparison with theSpectrum of Yb2+MgF2
lower
59 eV 52 eV 45 eV 42 eV 38 eV 33 eV
Fig3 Energy levels of Yb2+ in silica glass
Fig4 Emission spectrum of Er2+ doped silica glass
(a)
3+
E
Er
r3+
Er3+ Er3+
Fig5 Excitation spectrum of Er2+ doped silica glass
73
23 成果の外部への公表
平成20年度支援成果による発表件数(H21年3月末時点)
和文(内
投稿中)英文等
(内投稿中)
計 国内(内
投稿中)海外
(内投稿中)
計 国内(内
申込中)海外
(内申込中)
計 国内 海外 計
計測分析 0 0 0 0
超微細加工 0 0 6 1 6 0 0 0 0 0 24 3 2 1 26 2 0 2
分子合成 0 0 0 0
極限環境 0 0 0 0
計 0 0 6 1 6 0 0 0 0 0 24 3 2 1 26 2 0 2注1注2 査読のあるプロシーディングは論文とみなす査読のないプロシーディング等(和文英文その他)は口頭発表とする注3
拠点名 機関名 機能名
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
プレス発表解説記事等 口頭発表(講演)
空欄に数値を記入してください
プレス発表解説記事等 には原著論文以外の紙上発表を記入する
特許出願原著論文発表
74
委託業務題目「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析 」(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援)
機 関 名学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
2学会誌雑誌等における論文掲載
業務コード実施年度
論文タイトル 発表者名 発表誌名 掲載号ページ(年)和誌洋誌
支援機能名
07008049 20
Local opening of a large bandgap in metallic single-walled carbon nanotubes induced by tunnel injectionof low-energy electrons
Kenta Yamada Hiroaki Sato TetsuyaKomaguchi Yutaka Mera and Koji Maeda Appl Phys Lett 投稿中 洋 超微細加工
07008049 20
Conductive pattern forming method on vertical wallusing spray coating and angled exposuretechnologies
H Morii F Oohira M Sasaki etal Proc Optical MEMS p30 (2008) 洋 超微細加工
07008049 20
Conductive pattern forming method on vertical wallusing spray coating and angled exposuretechnologies
H Morii F Oohira M Sasaki etal Proc 25th Sensor Symposium pp29-32 (2008) 洋 超微細加工
07008049 20
High-Resolution Magnetic Force Microscopy UsingCarbon Nanotube Probes Fabricated Directly byMicrowave Plasma-Enhanced Chemical VaporDeposition
K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J Nanomater in press 洋誌 超微細加工
07008049 H20 Iron Nanowire Formation in Si(110) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda JJAP 47(7B)61382008 洋紙 超微細加工
07008049 H20
TOF-ICISS and STM study on 3ML-PdPt(111) surface structure Does the latticemismatch determine the epitaxial growth
K Umezawa E Narihiro Y Ohira MYohimura Nucl Instrum Meth B vol 266 (2008) pp
1903-1907洋誌 超微細加工
学 会 等 発 表 実 績
75
委託業務題目「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析 」(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援)
機 関 名学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
1学会等における口頭ポスター発表業務コード
実施年度
講演タイトル 発表者名 講演会名 発表年月日国内国
際口頭ポ
スター支援機能名
07008049 20 太陽電池用多結晶Si基板の欠陥および不純物の評価今井 啓太田中 聡志立花 福久香川 泰平増田 純一小椋 厚志大下 祥雄新船 幸二河合秀昭田島 道夫井上 雅晶
第55回応用物理学関係連合講演会 2008329 国内 口頭 超微細加工
07008049 20Evaluation of multi-crystalline silicon substrates with p-ndiode array
Tomihisa Tachibana Keita Imai Jyunichi MasudaAtushi Ogura Koji Arafune Yoshio Ohshita MichioTajima
18th Workshop on Crystalline SiliconSolar Cells amp Modules Materials andProcesses
200885 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20太陽電池用多結晶シリコン基板上に作成したp-nダイオードアレイの評価
増田 純一立花 福久今井 啓太大下 祥雄新船 幸二小椋 厚志
先端ナノオプトバイオワークショップ
20081213 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 太陽電池用多結晶Si基板の応力と結晶性の評価立花 福久増田 純一福田 晃司小椋 厚志大下 祥雄新船 幸二
第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Current-Voltage Characteristics of GaAs Nano-SchottkyDiodes Using InAs Self-Assembled Quantum Dots as Nano-Electrodes Dependence on Doping Concentration
Ichiro Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and HSakaki
IEEE Nanotechnology Materials andDevices Conference 2008
20081020 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20Current-Voltage Characteristics of GaAs Nano-SchottkyDiodes Using InAs Self-Assembled Quantum Dots as Nano-Electrodes Dependence on Doping Concentration
Ichiro Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and HSakaki
The 2nd IEEE NanotechnologyMaterials and Devices Conference2008 (NMDC2008)(October20-222008 Kyoto University JAPAN)
20081020 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20走査型トンネル顕微鏡探針による金属カーボンナノチューブへの欠陥導入
山田賢太佐藤弘紹駒口哲也目良裕前田康二 日本物理学会 第64回年次大会 2009329 国内 口頭 超微細加工
07008049 20金属カーボンナノチューブのSTM 探針による局所構造変化-HOMO-LUMO ギャップの形成
佐藤弘紹山田賢太駒口哲也目良 裕前田康二 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20単層カーボンナノチューブにおける電子励起による欠陥生成
目良 裕前田康二 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 磁気力顕微鏡用探針の分解能の理論的検討 〇田仲 圭石川憲一吉村雅満上田一之「ナノ格子新技術開発研究センター」第7回シンポジウム
2009年 3月 13日 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Fe-Co蒸着により形成されるSi(110)表面上のシリサイドナノワイヤ
大平 豊丹司敬義 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 Fe-Co二元蒸着によるシリサイドナノワイヤの作製 大平 豊丹司敬義文部科学省私立大学ハイテクリサーチセンター整備事業「ナノ格子新技術開発センター」第7回シンポジウム
2009313 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 電子線露光技術を用いたナノ構造の試作藤川久喜三浦篤志井上大介野村壮史佐藤和夫梶原建大澤潤
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線技術
森井裕貴大平文和佐々木実中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 酸化亜鉛透明導電膜の熱処理効果吉野賢二竹本裕仁小島稔小島信晃大下祥雄山口真史
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二 目良裕 吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成 年度成 報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
学 会 等 発 表 実 績
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二目良裕吉村雅満平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20InAs自己形成量子ドットを電極に用いたGaAsナノショットキーダイオードのI-V特性におけるドーピング濃度依存性
田中一郎中谷茂希宇野和行神谷格榊裕之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20低速イオン散乱およびSTMによる金属表件ナノ成長の観察
梅澤憲司吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 EB露光による窒化物半導体のナノ加工とPL評価 黒木康彦大澤潤中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20機能性カーボンナノチューブの開発-次世代プローブ顕微鏡の高分解能高性能化-
吉村雅満Chien-Chao Chiu田仲圭上田一之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 酸化亜鉛透明導電膜の熱処理効果吉野賢二竹本裕仁小島稔小島信晃大下祥雄山口真史
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20InAs自己形成量子ドットを電極に用いたGaAsナノショットキーダイオードのI-V特性におけるドーピング濃度依存性
田中一郎中谷茂希宇野和行神谷格榊裕之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二目良裕吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20低速イオン散乱およびSTMによる金属表件ナノ成長の観察
梅澤憲司吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 短パルスレーザーアニールによる規則合金膜生成の試み加藤剛志山内幸大徐倩茜大島大樹岩田聡綱島茂
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Correlation between structural disorder and opticalproperties in YbEr doped silica glass
K Saito E H Sekiya T Okazaki and Y FujitaXII PNCS (Conference on thePhysics of Non-Crystalline Solids)
200998 国際 口頭 超微細加工
76
特許
業務コード実施年度
発明の名称 発明者 出願人出願登録
区分出願番号(出願日)
出願区分
出願国登録番号(登録日)
支援機能名
07008049 H20 チップ中野 圭洋亀岡 遵安池 雅之
株式会社 ESPINEX 出願 特願2008-53209 国内 超微細加工
07008049 H20 微生物の検出方法中野 圭洋亀岡 遵安池 雅之
株式会社 ESPINEX 出願 特願2008-307867 国内 超微細加工
プレス発表業務コー
ド実施年度
発表タイトル 掲載新聞名 掲載日 支援機能名
受賞
業務コード
実施年度
受賞件名 受賞者氏名 所属機関名 受賞年月受賞理由
(本プロジェクトとの関係)
メモ
07008049 H20 Graduate Student Award 立花 福久 明治大学 200885 ポスター発表による表彰
該当なし該当なし
77
24 活動(運営委員会等の活動等)
平成20年度の活動(運営委員会等の活動等)
支援機関名 研究会名称 主催機関名 日時 場所 参加者数 内容 特記事項
中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析
自然科学研究機構分子科学研究所名古屋大学名古屋工業大学豊田工業大学
200934-5名古屋大学野依記念学術交流館
口頭24件ポスター35件
成果報告と互いの情報交換新しい連携も生まれた例があ
る
nano tech 2009国際ナノテクノロジー総合展技術会議
nano tech 実行委員会
2009219 東京ビッグサイト約16000名
成果報告と互いの情報交換ナノテクノロジー総合展示会
半導体プロセス実習講習会 豊田工業大学 2008724-25豊田工業大学 クリーンルーム3号棟
受講者56名
半導体プロセスの実習講習と共にナノテク総合支援のアピール
豊田工大 学内 ナノネット委員会(第1回)
豊田工業大学ナノネット運営委員会
2008519 学内8号棟中会議室学内関係者~16名
議題1H19年度実績 支援件数 委託費消費実績 2H19年度成果報告について 3H20年度受付状況 4その他
豊田工大 学内 ナノネット委員会(第2回)
豊田工業大学ナノネット運営委員会
20081125 書面審議学内関係
者
議題1H20年度予算配分 各支援別配分予算額 2H20年度委託費消費状況 3H20年度支援受付状況 4その他
豊田工業大学
78
25 実施体制
1業務責任者
役職氏名 豊田工業大学大学院 教授 榊 裕之E-メールアドレスsakakitoyota-tiacjp
TEL052-809-1706 FAX052-809-1741
2 実施場所
大学院工学研究科(各担当者研究室)
豊田工業大学共同利用クリーンルーム
3 業務項目(支援要素名)別実施区分及び担当者
研究項目 担当機関等 担当責任者及び担当者
1シリコン超微細加工用要素プロ
セス技術と評価の支援
豊田工業大学
工学部
大澤 潤准教授(施設長)
近藤憲司施設専任職員
梶原 建専任支援員
23次元フォトリソグラフィなど
による(微細)デバイス構造の製作
と評価の支援
豊田工業大学
工学部
佐々木 実教授
3化合物半導体ナノ構造の形成と
評価の支援
豊田工業大学
工学部
榊 裕之教授
4化合物半導体ナノ構造の形成お
よび有機物との複合化と評価の支
援
豊田工業大学
大学院
神谷 格教授
5フラーレンナノ構造の作製と評
価および化合物半導体シリコンナ
ノ構造の評価の支援
豊田工業大学
大学院
山口 真史教授
大下祥雄准教授
小島信晃助教
6カーボンナノプローブナノチ
ューブの形成と評価の支援
豊田工業大学
大学院
吉村 雅満准教授
7金属微粒子の形成と評価の支援 豊田工業大学
工学部
柳瀬 明久准教授
8有機物および高分子系材料のナ
ノ構造物性評価
豊田工業大学
大学院
田代孝二教授
注1 課題代表者サブテーマ代表者
注2 本業務に携わっている方はすべて記入
79
80
26 支援装置 261 超微細加工領域
クリーンルーム施設 【仕 様】
クリーン度クラス 100およびクラス 1000 の 2 室か
らなる面積 400m2 の本格的なものです 付帯設備として純水製造装置(18MΩ-cm)ガス
精製供給装置廃水処理装置ガス除害装置のほか空
調維持装置などを備えています 【特 徴】
本学クリーンルームの特徴としては主としてシリコ
ン系プロセス装置を利用して一連の各種素子試作や各
種機能薄膜等との複合化プロセスと評価が行えることで
す化合物系ではシリコン系と分離したホトリソ洗浄ウェットエッチング等の薬品処理も実施
可能です
主に以下の項目を実施できます ①アライナ用のマスク作製や電子線描画による直接露光 ②
イオン注入や熱拡散による不純物導入プロセス ③ウェットおよびドライエッチングプロセスなど
④試作プロセス途中および完了後の評価(必要に応じて関係研究室の支援を得ます)
電子ビーム露光装置 【仕 様】
電子ビーム最小径φ3nm にて線幅 20nm 前後の細線
描画および直径約 20nm のドットサイズまで加工を行え
ます基板サイズはφ4inch までレーザ干渉計ステージ
による 100nm のステージ位置読み取り分解能により
50nm のフィールドつなぎ精度と 50nm の重合わせ精度
でのプロセスが可能です描画フィールドサイズは
500μm 四方に対して 60000times60000 ピクセルに分割
(8nmpixel)が可能でより小さなフィールドサイズの例
としては例えば 100μm に対しては 17nmpixel のサイ
ズで描画パターンを与えることができます
【特 徴】 電子線を走査してレジスト上にパターンを直接描くためマスクなしでナノオーダーの微細なパ
ターンが形成できますリフトオフやエッチング等のプロセスと組み合わせて微細な電極形成など
の加工を行うことができますパターニングされた結晶成長のためのマスク形成やDFBレーザ用
パターンドットマトリクスパターンの形成などにも用いることが可能です
写真
81
プラズマCVD装置 【仕 様】
1356MHz の高周波プラズマにより
① SiH4+H2rarrα-Si
② SiH4+NH3+H2rarr P-SiN
を成膜する装置です
基板加熱は max250まで可能反応槽のクリーニングは
CF4O2 プラズマで行います
【特 徴】
φ4インチ以下の各種基板上に成膜可能です
基本レシピによる成膜レートは
① α-Si35nmmin
② P-SiN20nmmin
でありプロセス条件の例としては以下のとおりです
(1) α-Si
SiH425sccmH230sccmPress03TorrPower80WTemp200
(2) P-SiN SiH430sccmNH360sccmH260sccmPress04TorrPower100WTemp250
マスクアライナ装置 【仕 様】
i 線h 線g 線を用いた露光装置ですマスク寸法は 50 mm 角~102 mm 角基板寸法は 3ldquoΦ以下 露光最小線幅は 075 μm位置決め精度は 05 μm で
す 研究用に下記仕様の 2 台所有しています 1 マスク寸法 102mm角基板寸法3ldquo用アライナ
ー プロキシミティーギャップ量可変(0~48μm) 露光最小線幅 2μm
2 マスク寸法 50mm 角基板寸法 40mm角以内 ハードコンタクト(真空方式)可能 露光最小線幅は(05)~075 μm位置決め精度 05 μm
【特 徴】 研究者が使用する多様な寸法の基板に対応可能ですまた本アライナーで製作した基板上の位
置決めパターンを利用して上記の電子ビーム露光装置による微細パターンと組み合わせることも
可能です そのことによりパターン全体の描画時間の短縮や各種パターン要素の組み合わせによる効率的
な研究を進めることも可能です
写真
82
斜め露光用アライナ 【仕 様】
密着型露光装置ですマスクは2インチ角基板寸法は
2cm 角~1 インチ角ウェハ厚みは 200μm から 1mm です
ウェハ側が xy 粗微動の2重度をもつためマニュアル式な
がらも操作性が高い研究開発用ですアライメント等は
一般の片面アライナと同様です 【特 徴】
ウェハとマスクをメカクランプ機構によって固定できる
ためアライメントした状態のまま別装置 2 にセット可
能です垂直壁面にパターニングを行うためにはウェハ
壁面に対して斜め方向から UV 光を照射することが必須に
なりますが別に用意した斜め露光用照射系にセットする
ことが可能です更にアライナにウェハを固定する前にウェハを純水で濡らした状態にするこ
とでウェハとマスク間の隙間を空気から純水に置換することが出来ますレジスト表面と媒体
の屈折率差が小さくなるため界面反射を小さく押さえることが可能となります2009 年 3 月の
時点で段差 100μm の垂直壁に幅 30μm の斜め線も含めた任意パターンがアライメントし
た状態で転写可能です
装置2
83
X 線光電子分光装置(XPS) 【仕 様】
X 線源はMgKαAlKαデュアルアノード X 線源
とモノクロメータ X 線源の2種を装備しています
Ag 試料を使用して Ag 3d52ピークを測定した時のエ
ネルギー分解能(半値幅)はモノクロメータ X 線源
使用時で 048eV 以下となっています試料上の分析
位置を走査して水平分解能 10μm で空間マッピン
グが可能ですAr イオンエッチング銃を使用して深
さ方向分析ができます電子中和機構により絶縁性
試料の測定にも対応しています試料サイズは最大
15mmφ(厚さ 4mm)です 【特 徴】
材料の元素分析化学状態分析を行う装置ですモノクロメータ X 線源による高エネルギー分解
能での測定空間分解能 10μm でのマッピング測定が可能です
DC amp AC ホール効果測定装置 【仕 様】
以下の仕様で Van der Pauw 法による半導体薄膜材
料のホール効果測定が可能です ホール測定電圧感度10-8 V抵抗測定範囲001
~1012 Ω(電極端子間)試料印加電流5 pA~100 mA(電圧リミット 100V)最大磁場079 T(AC 磁
場での測定可能)測定温度42~400K試料サイズ
最大 10mm 角 【特 徴】
Van der Pauw 法によるホール効果測定により半
導体薄膜材料の抵抗率伝導型キャリア濃度移動度を測定する装置です交流磁場を使用した
AC ホール効果測定により高抵抗試料で問題となる測定器の DC ドリフトや試料の不均衡電圧に
よる誤差を除去し高感度な測定が可能です
84
ナノ秒パルスYAGレーザー装置 【仕 様】
小型のナノ秒パルス NdYAG レーザー装置ですレ
ーザー本体の出力は2倍波(532 nm)で 200 mJ です
基本的に2倍波を使用していますパルス時間幅は約 6 ns ですフライアイレンズを用いた照射光学系によって
照射エネルギー密度の均一化を図っています4 ミリ角
の照射領域に対して照射エネルギー密度は 300 mJfraslcm2
までの範囲で調整可能ですレーザーは 10 Hz の運転で
すが手動シャッターによって1パルスを切り分けて照
射できます
【特 徴】 空気中高真空中(~10-4 Pa)液体中に置かれた試料に対してパルスレーザー照射が可能です
用いる波長の光を吸収する物質を中心に加熱することができることきわめて短時間での加熱冷
却が可能なことが特徴です
X線回折装置 【仕 様】
高輝度小角 X 線散乱装置高分子専用X線装置単結
晶解析用X線装置等各種X線解析装置群で構成されて
います 【特 徴】
各種の有機材料特に高分子材料についてナノスケ
ールでその階層的な構造(結晶構造非晶構造高次
組織など)や構造形成プロセスあるいは試料中での
応力分布などを本装置群であるX線回折に加えてラ
マン赤外分光法などの手法を組み合わせることによ
り解明できますその理論的理解のための計算機シミ
ュレーションなども行い総合的に学術技術支援を
実施しますさらに構造と種々の物性との相関解明
の支援を実施できる
85
27 各種データ271 支援件数
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援日数 61 0 91 80 232 32 0 7 6 45 18 0 68 44 130 11 0 16 30 57 0 0 25 05 3 235
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
技術代行技術相談
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
計
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 委託事業(外部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況
総計利用機関
利用形態共同研究 装置利用
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援日数 61 0 91 80 232 32 0 7 6 45 18 0 68 44 130 11 0 16 30 57 0 0 25 05 3 235
注1 空欄に数値を記入してください注2注3注4 公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)注5 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
利用形態共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
一つの採択テーマにおいて複数回支援した場合は一つと数えるただしその支援が複数機関あるいは同一機関内でも複数領域にまたがる場合はそれぞれ別に数える大学は大学高等専門学校等の教育機関
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 自主事業(外部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況技術相談
総計利用機関
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計
86
なし なし なし なし なし実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関
のみ大学 公 大企業 中小企 合計
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援日数 88 0 0 0 0 88 10 0 0 0 0 10 58 0 0 0 0 58 20 0 0 0 0 20 0 0 0 0 0 0 88
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援日数 88 0 0 0 0 88 10 0 0 0 0 10 58 0 0 0 0 58 20 0 0 0 0 20 0 0 0 0 0 0 88
注1 空欄に数値を記入してください注2注3注4 公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)注5 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上注6 外部機関者が参加している課題は「外部参加機関あり」に仕分けしその外部機関に応じてカウントして下さいまた機関内利用で外部機関参加者なしの課題は「実施機関のみ」にカウントして下さい
(もし 複数の外部機関が参加している場合は も とも貢献度の大きい外部機関を選択して下さい )
外部参加機関あり
極限環境
計
一つの採択テーマにおいて複数回支援した場合は一つと数えるただしその支援が複数機関あるいは同一機関内でも複数領域にまたがる場合はそれぞれ別に数える大学は大学高等専門学校等の教育機関
中部地区ナノテク総合支援
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行技術相談
外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 委託事業(内部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況
分子合成
外部参加機関あり
(もし複数の外部機関が参加している場合はもっとも貢献度の大きい外部機関を選択して下さい)
なし なし なし
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関
のみ大学 公 大企業 中小企 合計
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
計
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 自主事業(内部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
外部参加機関あり
支援状況技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用
87
272 課金収入実績
平成20年度課金実績(H21年3月末時点) 委託事業(外部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
支援機関名
豊田工業大学
装置利用共同研究 技術代行利用形態
総計
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名
中部地区ナノテク総合支援
支援
利用機関技術相談
支援機能名
352
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(外部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
拠点名支援機関
名支援機能名
支援技術相談
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
352
88
平成20年度課金実績(H21年3月末時点) 委託事業(内部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(内部利用)
技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援
352
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(内部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援
352
89
ナノ構造太陽電池材料における量子閉じ込め効果の評価など13
⑤カー
薄膜の構造的評価量子
件の支援を実施した
ボンナノプローブナノチューブおよび金属微粒子の形成と評価の支援
デバイスのナノ構造評価を行うためのトンネル顕微鏡(STM)あるいは磁気力顕
微鏡(MFM)用CNT探針の作製磁気記録媒体記録層を高温処理するための短パルス
所的短時間加熱方法の検討など7
件
⑥有機
YAGレーザー照射によるナノマイクロ構造の局
の支援を実施した
物および高分子系材料のナノ構造物性評価
エンジニアリングプラスチックスの成形加工物の残留歪解析分光機能を持つM
EMS赤外線センサの検討の支援2件を実施した
5
222 支援成果トピックス
6
7
一覧
支援課題一覧(H19 年度公開猶予分)
223 支援課題
平成19年度
支援機
関名
課題番
号 支援機能名 業務形態名 実施課題名 申請者の所属 申請者 役職
主な利用装置
名
主な利用装
置の利用
日数
豊田工
業大学 07-03 超微細加工 送致利用
結晶化Si形成 京セラ(株) 橋上 洋 研究員 2
ナノ結晶制御型高品質LPCVD
07-04 超微細加工 装置利用
プラズマCVDによる薄
膜成膜 矢崎総業(株) 砂山竜男
グルー
プリー
ダー
プラズマCVD 2 技術代行
07-05 超微細加工 装置利用 側面へのパターニング
技術
香川大学
工学部 大平文和
レジストスプ
レーコーター 4 教授
07-06 超微細加工
装置利用
微小面積薄膜のレーザ
ー加熱による変形 業大学 柳瀬明久
ダイシング 3 技術代行豊田工 准教授
アライナー 67
07-07 超微細加工 技術代行
装置利用
超微細加工技術を用い
たマイクロ流路チップの
開発
X 中野 圭洋
取締役
パターンジェ
ネレータ 5
株式会社
ESPINE
代表アライナー 11
電子線描画 2
RIE 13
07-10 超微細加工 協力研究 による薄膜表面の構造
株式会社コベル
コ科研 エレクト
ロニクス事業部
笹川 薫 主席
研究員
走査型プロー
ブ顕微鏡 1
高分解プローブ顕微鏡
評価
07-11 超微細加工 技術相談
立体サンプルのフォトリ
ソグラフィ技術に関する
相談
日本電波工業
株式会社 第一 松戸 秀亮 課長 ___ ___
技術部
07-12 超微細加工 装置利用 リサイド形成に関
名古屋大学エコ
トピア科学研究
所
大平 豊
丹司 敬義
教授 SPMSEM 10
鉄系シ
する研究
07-14 超微細加工 技術相談 カーボンナノチューブ深
針作製に関する相談
株式会社 ユニ
ソク 阪巻 なみ 研究員 ___ ___
07-16 超微細加工 装置利用
多結晶 デバイス
のための酸化メカニズ
ムに関する研究
株式会社IHI
薄膜表
ロジェクト部
山本 直矢 課長 エリプソメータ 3
シリコン産業システムセ
クター
面プ
8
平成20年度支援課題一覧
支援機
関名
課題番
号 支援機能名 業務形態名 実施課題名 申請者の所属 申請者 役職
主な利用装置
名
主な利用装
置の利用
日数
豊田工
業大学 08-01 超微細加工 協力研究 多結晶シリコン基板へ
小椋 厚志 教授
ナー
5 の pn ダイオード作製
明治大学
アライ
不純物拡散
炉
08-02 超微細加工 協力研究 可視光用超高速空間光
変調器の研究開発 近藤 直樹 講師 MBE 3
帝京大学
理工学部情報科
学科
08-03 超微細加工 技術相談装
結晶シリコン太陽電池
用受光面銀ペーストの
て
仙田 愼嗣
グルー
プリー
D 23
置利用 焼成挙動につい
株式会社ノリタ
ケカンパニーリ
ミテド ダー
プラズマCV
紫外可視
近赤外分光
光度計
2
08-04 超微細加工 技術代行装
置利用
ナノレベルで膜厚を制
御した透明導電膜の光
学的特性評価 学科
宮崎大学 工学
部電気電子工 吉野 賢二 准教授
紫外可視
近赤外分光
光度計
8
08-05 超微細加工 技術代行装
工学
吉野 賢二 准教授 プラズマCV
2 置利用
プラズマCVD法による
薄膜作成と構造評価
宮崎大学
部電気電子工
学科 D
08-06 超微細加工
技術代行装「公開猶予」
25
置利用
08-07 超微細加工 置利用
電子線ビーム露光技術
たナノ粒
子パターン配置技術の豊田工業大学 熊谷慎也 准教授
装置 32
技術代行装 と組み合わせ
開発
電子線描画
08-08 超微細加工 技術代行装
超微細加工技術を用い
株式会社
スピネックス)
代表取
置利用 たマイクロ流路チップの
開発
ESPINEX(イー 中野 圭洋 締役
アライナー
RIE 14
08-09 超微細加工 装
置利用 4
技術代行「公開猶予」
08-10 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-11 超微細加工 技術代行 「公開猶予」 3
装置利用 「公開猶予」
08-12 超微細加工
20
08-13 超微細加工 協力研究
垂直壁側面へのパター 香川大学 工学
アライナー ニング技術 部 大平文和 教授
スプレーコート10
9
08-14 超微細加工 技術相談 「公開猶予」
___
___
08-15 超微細加工 協力研究 プローブ顕微鏡を用い
た物性測定
株式会社大同
分析リサーチ 田仲 圭
技術主
任
カーボンナノ
チューブ製膜
装置
2
08-16 超微細加工 装置利用 磁気記録用パターン媒
大学工
学研究科 量子
工学専攻
加藤剛志 准教授 ルスYAG
2 体の研究
名古屋 パ
レーザ
08-17 超微細加工 に関する研究
名古屋大学エコ
ノマテリア
ル科学研究部
門
丹司 敬義
鏡 3 装置利用
鉄コバルト系シリサイド
形成
トピア科学研究
所 ナ大平 豊
教授 電子顕微
「公開猶予」 08-18 超微細加工 装置利用 2
08-19 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-20 超微細加工 技術代行装 株式会社 豊田
中央研究所 竹田 康彦
主任研
究員
フォトルミネ
ッセンス測定
装置
1 置利用
ナノ構造半導体薄膜の
作製
08-21 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-22 超微細加工 協力研究
InAs 量子ドットを電極と
したナノショットキーダイ
オードの理想係数
和歌山大学シ
ステム工学部 田中一郎 教授
顕微鏡 5
走査プローブ
08-23 超微細 予」
12 加工 装置利用 「公開猶
08-24 超微細加工
技術代行装
置利用 「公開猶予」
11
08-25 超微細加工 技術代行装
置利用 「公開猶予」
10
5
08-26 超微細加工 技術代行 FET デバイス基板の試
作 豊田工業大学 吉村雅満 准教授
アライナー
EB蒸着装置5
08-27 超微細加工 装置利用
触媒ナノ粒子を用いた
CVD 膜中残留応力制御豊田工業大学 熊谷慎也 准教授 LPCVD 2
08-28 超微細加工 協力研究
a-SiNxHSi 界面特性
の面方位依存性 兵庫県立大学 新船 幸二 准教授
プラズマCV
D 5
08-29 超微細加工 技術代行装
置利用
太陽電池特性評価技術
の習得
日本ソーラーシ
リコン(株) 岩本 恵里
アライナー
不純物拡散
炉
11
08-30 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 6
10
08-31 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 14
08-32 超微細加工 技術代行 レジストマスクによるリ
ン砒素のイオン注入
豊田工大 表面
科学研究室 上田 一之 教授
アライナー
イオン注入装
置
4
08-33 超微細加工 技術相談装
置利用 新規プローブの開発
株式会社 ユニ
ソク 森田 幸治 技術員
アライナー
イオン注入装
置
21
08-34 超微細加工 協力研究
ポテンシャルマッピング
用量子構造試料作製
和歌山大学シ
ステム工学部 田中一郎 教授
分子線エピタ
キシー 4
08-35 超微細加工 装置利用協
力研究
次世代メモリ用材料
GeSbTe 薄膜の CVD 成
膜
気相成長株式
会社 町田 英明
代表取
締役社
長
X 線光電子
分光装置 5
08-36 超微細加工 技術代行 「公開猶予」 3
08-37 超微細加工 協力研究
分光機能を持つ MEMS
赤外線センサ 豊田工業大学 佐々木 実 教授 FTIR 10
08-38 超微細加工 技術相談 「公開猶予」 ――― ―――
08-39 超微細加工 協力研究
エンジニアリングプラス
チックスの成形加工物
の残留歪解析
株式会社デンソ
ー材料技術部 安藤幸也
担当部
員 X線回折 7
08-40 超微細加工 装置利用
光ファイバー材料の吸
発光特性 豊田工業大学 齋藤和也 准教授
蛍光分光計
吸収分光計 6
224 超微細加工領域における支援成果報告
次ページ以後参照
11
装置利用
豊田工大 07-03
ナノ結晶制御型高品質結晶化 Si 形成技術調査
An investigation of technologies for nanocrystal-controlled high quality crystalline Si formation
橋上 洋
Hiroshi Hashigami
京セラ株式会社
Kyocera corporation
ナノサイズ結晶粒からなる高品質結晶化 Si を形成するための技術調査を行った
豊田工業大学クリーンルームにて LPCVD での結晶化 Si 形成を行った作製した LPCVD 結晶 Si と京
セラで作製したプラズマ CVD 結晶 Si との比較評価を行い結晶作製条件と結晶品質に関する知見を
得た
We conducted a technology investigation for realization of high quality crystalline silicon consisted of nanocrystal Crystalline Si was formed by means of LPCVD at a clean room of Toyota Technological Institute The LPCVD crystalline Si and plasma-CVD crystalline Si deposited at Kyocera have undergone comparative investigations from which we obtained knowledge about Si deposition conditions and quality of the crystal
背景と研究目的 結晶シリコン薄膜はTFT をはじめMEMSに至る広い分野で利用されている非常に有用な
材料であるしかしながらたとえばその電気
的特性は形成方法によって様々であるした
がって重要なのは必要とする結晶 Si のスペッ
クを明確化した上でこれに一番適した形成方
法を適用することであるそこで我々は結晶
Si 形成に最も一般的である化学気相堆積
(CVD)法に特化し各種 CVD 法とそれらに
よって得られる結晶 Si の特質を調査した 結晶Si形成方法 本調査では熱 CVD 法の一つである減圧
CVD(LPCVD)法およびこれとは対照的な低温
製膜手法であるプラズマ CVD(PECVD)につ
いて調査を行った以下に各技術の特徴を述べ
る
熱 CVD 法 熱 CVD 法は成膜する元素の揮発性化合物を
気化し高温加熱した基板上で熱分解反応をお
こなわせて基板上に薄膜を形成する方法である
シリコン薄膜を得る場合はモノシランガスや
ジシランガスあるいはジクロロシランや 4 塩
化シランなどが用いられる 成膜時の反応が熱分解であるため成膜温度
が反応ガスの反応温度である数百以上の高温
になる従って低軟化点基板には適用できない
のがデメリットであるしかし一方で高温の
プロセスであることにより一般的に品質の良
い膜を得ることが出来る熱 CVD にはこの他
以下のような特徴がある 1成膜速度が速い(数~数百μmmin) 2ステップカバレージが良く凹凸形状に
も反応ガスが行き渡れば均一に成膜で
きる 3高真空でないので装置が簡単で生産性
が高い
12
4成膜温度が高いので緻密で高純度の膜が
得られる 5密着性が良い 熱 CVD 法は大気圧で成膜を行う常圧 CVD と
~01torr に減圧して成膜を行う減圧 CVD とがあ
る常圧 CVD は真空装置が不要であるという
最も簡単な CVD として広く利用されているが
減圧 CVD では常圧 CVD を基に膜厚や抵抗率
分布の改善を意図して考え出された実際反
応炉内を減圧することにより反応ガスおよび
キャリアガスの平均自由行程および拡散定数が
大きくなり基板内の膜厚および比抵抗分布が
改善される またホットウォール型であるLPCVDでは
バッチあたりの処理枚数を多くすることが可能
でありしかも減圧下であることにより基板が
均一に過熱されやすいことで歩留まりや信頼性
も改善されるこれらの特長によりLPCVD は
結晶 Si 膜を作製する主な方法のひとつとなっ
ている プラズマ CVD 法 プラズマ CVD 法は薄膜の低温形成を意図
して生まれた成膜方法であるプラズマ放電中
では系内のガスは衝突により相互に活性化され
ラジカルとなり熱的励起のみによっては困難
な低温下での反応が可能になる特にプラズマ
CVD では非熱平衡状態で化学反応が進行する
ため熱 CVD とは異なった組成や特性の膜が
得られる プラズマ CVD に用いる原料ガスは熱
CVD と違いはないがプラズマではキャリアガ
スに用いられる水素ガス分子なども分解されて
しまうそのためこれらの成分も必然的に相当
量が膜中に取り込まれ形成された膜の特性に
影響を及ぼすその他にもプラズマ中では多種
多様な反応活性種が生成され堆積に関与する
ので膜形成過程は熱 CVD に比べてはるかに
複雑である 薄膜 Si 堆積においてプラズマの条件を変
化させるとSiH2SiHSiH高次シラン関
連反応種(SixHy)さらにイオン種の膜形成へ
の寄与率が変化し欠陥密度に影響を及ぼすこ
とが知られているまた結晶 Si 薄膜の形成にお
いてはこの他にキャリアガス流量なども結晶
の組成に影響を及ぼす プラズマ CVD にはプラズマの励起方式に
より平行平板型の他誘導結合プラズマ(ICP)型や電子サイクロトロン共鳴(ECR)型などが
ある平行平板型では原料ガスが広い面積にわ
たって均一に供給されるようにできており大
面積の膜形成に適しているしかしプラズマ密
度が比較的低いので製膜レートは他の方法に
比べて低い ICP 型は石英板の上に設置したアンテナに高
周波電流を流すことにより高周波磁場とこれ
を打ち消そうとする誘導磁場を生じさせ誘導
磁場によって加速した電子によってプラズマを
得るこの方法では高密度プラズマを比較的容
易に得ることができ一般に高速製膜が可能で
ある利点があるECR プラズマ法ではマイク
ロ波と磁場中での電子のサイクロトロン運動が
同期することで電子がエネルギーをもち低圧
高密度プラズマを得るこのため高速な成膜が
可能となりしかも膜の密着性が優れているな
どの利点がある
結果 LPCVD での結晶化 Si 形成は豊田工業大学ク
リーンルームにてジシランガスを用いて行った
また平行平板ICPECR の各種プラズマ CVDでの結晶化 Si を京セラで作製したLPCVD 膜
とプラズマ CVD との比較評価を行い結晶作
製条件と結晶品質に関する知見を得た
参考文献 [1] 金原粲白木靖寛吉田貞史 著薄膜
工学丸善2004 [2] 麻蒔立男薄膜作成の基礎第 3 版日刊
工業新聞社1996
13
技術代行装置利用
豊田工大 07-04
プラズマ CVD による薄膜成膜
Thin film fabrication by plasma CVD
砂山 竜男加藤 博照佐久本 尚武
Tatuo Sunayma Hiroteru Kato Naotake Sakumoto
矢崎総業株式会社
YAZAKI corporation
現在MEMS 技術を利用したセンサの開発を行っている本研究ではダイアフラム膜としてプラズ
マ CVD 装置により成膜した SiN 膜を検討するためその成膜条件と膜質を調査した成膜条件とし
てSiH4と NH3 の流量比を変更したところ流量比 15 で成膜後の膜応力がほぼ 0 となったまた
700アニール後2times109 dynecm2 の引っ張り応力が生じた The sensor has been developed using the micro-electro-mechanical systems (MEMS) technique In order to apply SiN film to plasma CVD as a diaphragm fabrication conditions and film characteristics were studied Film stress deposited on flow ratio 51 of SiH4 and NH3 was almost zero After annealing at 700 tension stress occurred and was about 2times109 dynecm2
背景と研究目的 現在開発しているセンサの断面構造を図1に
示すシリコンチップ上にPtヒーターをIC製造
技術を用いて形成したそしてヒーターの熱
絶縁性を向上させるためヒーター下部を
MEMS技術を用いて除去しダイアフラムを形
成した
本センサの特徴はMEMS技術を用いたこと
により小型軽量高速応答を実現した点で
ある b) cross-section Fig1 micro gas sensor 本報告書ではセンサのダイアフラム膜の検
討としてプラズマCVD装置により成膜した
SiN膜の成膜条件とその膜特性について述べる
実験 SiN膜の成膜ではSiH4とNH3の流量を変化さ
せた流量条件を表1に示す成膜温度は250
成膜圧力を04 Torrに設定し成膜時間を15 minとしたそして成膜後700Air中にてアニ
a) sensor chip (26 mm times 16 mm)
14
ールを行った 図4に膜応力と屈折率の関係を示す圧縮応
力が増加することで膜屈折率が小さくなること
がわかる 成膜したSiN膜は触針式段差計によりウェ
ーハのそりより応力を算出したまたエリプ
ソメータにより膜厚と屈折率を測定したそし
てアニール後にも応力測定を実施しその変
動を調査した
屈折率の変化は SiN 膜の組成が変化している
ことを示しておりNH3 流量を増加させること
で SiN 膜の組成比を制御することが可能となっ
たそしてこの組成比制御が応力緩和に有効で
あると予想できる
SiH4 NH3 SiH4 NH3
1 5 3 151 2 3 61 1 3 3
Flow ratio flow rate (sccm)Table 1 Flow ratio of SiH4 and NH3
SiH4 NH3
Filmthickness(Å)
Growthrate(Å)
σ()
1 5 34606 2307 00711 2 26070 1738 00481 1 30638 2043 0017
0
50
100
150
200
250
0 1 2 3 4 5 6
Flow ratio of NH3SiH4
Gro
wth
rate
Å
00000010002000300040005000600070008000900100
Stan
dard
dev
iatio
n
growth rate
standard deviation
-6E+09
-4E+09
-2E+09
0E+00
2E+09
4E+09
6E+09
0 1 2 3 4 5Flow ratio of NH3SiH4
Film
stre
ss
dyne
cm
2
6
(a)(b)
結果および考察 表2にプラズマ CVD 装置で成膜した SiN 膜
の膜厚を図2に SiH4に対する NH3の流量比と
面内ばらつきの関係を示す
膜厚は各流量条件ともにほぼ目標値通りであ
り成長レートはほぼ 200Åmin 程度であった
面内ばらつきは流量比と相関があり流量比が
小さいほど抑えられることがわかった
(a) As film deposition (b) After annealing Fig3 Relationship of film stresses to flow ratios
174
176
178
18
182
184
186
-8E+09 -6E+09 -4E+09 -2E+09 0 2E+09
Film stressdynecm2
Ref
ract
ive
inde
x
Table 2 Film thickness of each flow ratios
Fig4 Relationship of film stress and gas flow
ratios 今後の課題 今回の評価でプラズマ CVD 装置による SiN
膜の特性はほぼ把握した今後はセンサとし
ての評価を行いプラズマ CVD 装置とスパッ
タ装置による SiN 膜の比較をする
キーワード Fig2 Growth rates and standard deviations of flow ratios MEMSMEMS とは micro-electro mechanical
system の略で半導体の微細加工技術を用い
て作製する電気機械システムのことである
図3に流量比と膜応力の関係を示す成膜後
流量比 1で応力は圧縮方向に 5times109 dynecm2で
あったが流量比をあげることでその応力は小
さくなった
またアニール後の膜応力は流量比との依存
性がなくなり応力も圧縮方向から引張方向に
変化した
15
装置利用
豊田工大 07-05
スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線形成技術
Conductive pattern forming method on vertical wall using spray coating and angled exposure technologies
森井裕貴大平文和
Hiroki Morii Fumikazu Oohira
香川大学
Kagawa University
スプレーコート技術と傾斜露光技術を用いた垂直壁面への配線パターン形成方法について検討した
この方法を用いることによりチップパッケージサイズを縮小することが可能となるスプレーコート
技術と傾斜露光技術を用いることにより 600μm の垂直壁へレジストを均一に塗布さらにレジストパ
ターン形成を可能としたまた配線パターンはスパッタと無電解 Ni めっきにより形成した本研
究で製作した配線パターンの幅は 200μm配線間隔は 300μm である A novel conductive pattern forming method on the vertical wall using a resist spray coating and an angled exposure technologies is proposed This method makes it possible to decrease the chip package size The spray coating and the angled exposure technologies enable the uniform resist coating and the patterning the resist on the vertical wall of 600 μm height Then a conductive pattern layers are sputtered and electroless plated As the result the conductive patterns of 200 μm width and 300 μm spacing is successfully formed on the vertical walls
背景と研究目的 携帯電話や携帯情報端末な
どにおいて更なる小型化高機能化が求められ
ている限られた容積の中でそれらの要求を満
たすには半導体チップの小型化高集積化
又はチップ実装の高密度化が挙げられる 本研究ではチップ実装の小型化に着目し
半導体プロセス技術を用いてチップ実装パッケ
ージ側面に 3 次元的に電極を配線することによ
り高密度実装可能な側面配線技術の確立を目指
す パッケージ側面に金属の配線パターンを形成
する手段としてレジストにより配線パターン
を形成し金属を成膜しリフトオフすることに
より金属の配線パターンを形成するこのとき
半導体プロセス技術で成膜できる金属の膜厚は
数千Åと少ないため配線としては電流抵抗が
大きくなるそこで Ni めっきを行い配線とし
て十分な膜厚を得るここでスプレーコートに
よるパッケージ側面への 3 次元レジストパター
ニングの原理確認を行った
実験 スプレーコートを用いてチップ実装パ
ッケージにレジストを塗布するさらにサンプ
ルを露光する際に側面部が十分露光されるよう
にサンプルを傾けて傾斜露光[1]を行いパッケー
ジ側面に配線パターンを形成する本研究では
パッケージ高さ600μm配線幅200μm配線間
隔300μmであるスプレーコートによるレジス
ト塗布ではレジスト流量ステージ温度ステ
ージ速度によってレジストの膜厚や分布などが
変化する[2]そこでレジスト流量81gh100ghステージ温度95105115ステージ速
度300mms400mmsの条件を検討した 結果および考察 条件を検討した結果
すべての条件で塗布可能であるが比較的均一
な塗布条件はレジスト流量 100ghステージ温
度 105ステージ速度 300mmsである図 1
16
にレジストパターニングの結果を示すレジス
トはエッジ部で途切れることなく全面に塗布さ
れているレジストの段差切れが無いこと隣
接するパターンのつながりが無いことを確認し
600μmの垂直壁にも均一にレジストを塗布パ
ターニングが可能であることを明らかにした さらにレジストパターニングしたサンプル
にスパッタにより金属膜を成膜しリフトオフ
により配線パターンを形成したNi めっきを行
い配線として十分な膜厚を得た図 2 に Niめっき後の配線パターン形成の結果を示す Ni めっき後でも配線パターンがエッジ部で途
切れることなく隣接するパターンのつながり
が無いことを確認し600μm の垂直壁に配線形
成が可能であることを明らかにした
Fig1 The spray coating and patterning the resist
Fig2 Conductive pattern forming 今後の課題 パッケージ側面において下面に
近い部分でパターンが広がる基板とマスクの
間に空間ができるため回折などの影響によりパ
ターンが広がるこの広がりを抑える工夫を今
後検討していく 参考文献 [1] Hayato Izumi Yohei Matsumoto Seiji Aoyagi Yusaku Harada Shoso Shingubara Minoru Sasaki Kazuhiro Hane Hiroshi Tokunaga IEEJ Trans SM Vol 128-E No 3 (2008) pp102-107 [2] Vijay Kumar Singh Minoru Sasaki and Kazuhiro Hane Japanese Journal of Applied Physics Vol 46 No 9B (2007) pp 6449-6453
Substrate
Ni NiPlastic material
Resist Plastic material Resist
Substrate Plastic material
17
技術代行装置利用
豊田工大 07-06
微小面積薄膜のレーザー加熱による変形
Deformation of small patchy films by pulsed laser heating
柳瀬 明久
Akihisa Yanase
豊田工業大学
Toyota Institute of Technology
真空蒸着法で作製した微小面積の薄膜(パッチ状薄膜)は一般にエネルギー最小の安定な形態では
ない凹凸パターン基板上に堆積させたパッチ状金薄膜をパルスレーザー加熱することによって微粒
子化する方法を検討した結果サイズ分布の狭い球形金粒子が得られた A small patchy film fabricated by vacuum evaporation does not have a stable shape with an energy minimum A preparation method of Au particles from thin patchy Au films by pulsed laser heating has been studied As a result spherical Au particles with a narrow size distribution were obtained
背景と研究目的
ナノテクノロジーにおける微細構造作製方法
は大きく2つに分けられる一方はリソグラ
フィエッチングなどの微細加工技術に基づく
「トップダウンアプローチ」であり今日大き
な技術分野となっているしかし微細化の進
展とともに高コストで環境負荷の大きいことが
問題化されているもう一方は「ボトムアップ
アプローチ」と呼ばれ原子分子を積み上げ
ていく方法で今後の発展が期待されている
「ボトムアップアプローチ」では分子クラ
スター微粒子などの「部品」をまず作製し
次の段階でそれらを自己組織的に組み立ててい
くという階層的な方法が有力と考えられている
「ボトムアップアプローチ」の微粒子に関わる
要素技術として形状サイズならびに表面物
性が制御された微粒子の作製が最も基礎的であ
ると考える 単分散微粒子の一般的な作製法は液相中の
固相析出反応において核生成期とその後の粒
子成長期とを時間的に明確に分離し粒子成長
期における粒子間の凝集を防止する方法である
この原理に基づいてポリスチレンやシリカガ
ラスなどの材料で精度のよい単分散粒子が作製
されているしかし化学反応を用いる方法で
きわめてサイズの均一な粒子を作製することは
ごく一部の反応系を除いてきわめて困難である
のが現状である
短パルスレーザーを物質に照射すると物質
がその波長の光を十分に吸収する場合その表
面近傍はきわめて短時間で加熱されその後急
速に冷却されるこのパルスレーザー加熱によ
って基板上に形成された有限の面積をもつ固
体薄膜(以下パッチ状薄膜とよぶ)を溶融させ
ることが可能であるそして溶融した薄膜は
基板表面とぬれにくい場合表面張力により微
粒子化する[1]パッチ状薄膜の面積ならびに厚
さが均一であるならばこの方法により粒子
径のきわめてそろった単分散微粒子が得られる
はずである本方法により単純な物理プロセ
スによる広範囲な材料系に適用可能な単分散微
粒子作製法が確立されればその意義は大きい
本研究ではシリコン熱酸化膜上に形成した
パッチ状金薄膜を波長 532 nm のパルスレー
ザーによって加熱することによって球形金粒
子を得ることができた
18
パッチ状薄膜をパルスレーザー加熱して微粒
子を作製する方法の利点として次の3点が挙
げられる①プロセスが単純でありパッチ状
薄膜の大きさ膜厚を精度よく再現できること
から粒子サイズの制御性が高いことが期待さ
れる②パルス光を用いるため冷却過程を考
えても非常に短時間のプロセスであるその
ため材料の蒸発による損失が抑制される③
微粒子化させたい材料の種類に合わせてレーザ
ーの波長を選択できる
参考文献 [1] 特許 3989424
実験 Fig 1に実際の実験方法を模式的に
示したシリコン基板上にシリコン熱酸化膜
からなるテーブル状の凸構造(10 μm times 10 μm)
を周期 15 μmで2次元的に形成したまた
Fig2 に示すように隣り合う凸部間の溝部表
面をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
でコーティングしたこの基板上に膜厚30 - 90 nm の金薄膜を真空蒸着法によって堆積させた
金はPTFE上に付着しにくいため独立した
パッチ状の金薄膜がシリコン熱酸化膜上に得ら
れたこの試料を空気中でナノ秒パルス
NdYAGレーザーの2倍波 (532 nm) 1パルス
を照射して加熱したなおNdYAGレーザー
のパルス時間幅は 6 ns であった
Fig 1 Schematic procedure of preparation of monodisperse Au particles
PTFE SiO2
結果および考察 Fig 3 は膜厚 90 nm のパッチ状金薄膜をパルスエネルギー密度 140 mJcm-2 の条件で加熱した後の走査電子顕
微鏡像であるほぼ均一な粒子径をもつ金微粒
子が生成されていることがわかるその直径(~
27 μm)は1個のパッチ状金薄膜が1つの球
へと変化した場合に予想される直径とよく一致
したなお金薄膜の初期反射率( ~07)を
考慮するとこの照射条件は薄膜を十分に溶融
しえるものであるまた得られた金粒子は
基板との付着力が弱くドデカンチオールのエ
タノール溶液中で超音波照射することによって
基板から容易に脱離させることができた
Si
Fig 2 Cross-sectional SEM image of the patterned substrate used for preparing Au patchy films
また現在までに得られた結果から本方法
の特徴として①膜厚 50 nm 以下の薄膜は
1個のパッチから多数の微細な粒子に変形する
傾向をもつこと②微粒子化した場合生成し
た粒子は基板から離れて気相側に飛散しやすい
ことが挙げられる
今後の課題 リフトオフプロセスを利用して
平坦な基板上に微小面積薄膜のパターンを形成
する方法を用いる予定であるまたさらなる
プロセスの簡便化金以外の金属や半導体への
材料系の拡大ならびに粒子サイズの微細化
の検討を進めていく必要がある
Fig 3 SEM image of Au particles prepared on a patterned substrate by pulsed laser heating with a pulse energy of 140 mJcm-2 Initial film thickness of Au was 90 nm
19
技術代行装置利用
豊田工大 07-07
超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発
Development of microfluidic chip based on Nano fabrication technologies
中野 圭洋 安池 雅之
Keiyo Nakano Masayuki Yasuike
株式会社 ESPINEX
ESPINEX Inc
マイクロ流路を応用した細菌検出法を開発し大腸菌を用いた検出試験を行ったこの細菌検出法は
使い捨てのマイクロ流路チップと蛍光検出装置で構成されておりマイクロ流路はフォトリソグラフ
ィー技術とシリコーンゴム(PDMS)により製作したマイクロ流路中の検出部に抗体を固定して
抗原抗体反応により蛍光された大腸菌を捕捉した試料を注入し検出部における大腸菌の密度を上
げる事で大腸菌の計数高感度検出が可能となった Microfluidic based bacteria detection platform was developed and investigated the performance by detecting Escherichia-colis (e-coli) This platform is consisted a disposable microfluidic chip and a fluorescent detection system Microfluidic chip was fabricated using photolithography technology and PDMS At the detection spot of the microfluidic channel antibodies were immobilized to capture e-colis which contained fluorescent dyes Because of antigen-antibody interaction e-colis concentration was increased at the detection spot of microfluidic channel and the fluorescent detection system can count the number of e-colis captured
(一行スペース) 背景と研究目的 近年院内感染や食品の細
菌汚染問題が深刻化しており細菌汚染の迅速
検査は重要度を増しているしかし現行の細
菌検査は主に培養法を用いるため検査の結果
が出るまで数日を要するそこで当社は細菌
を抗原抗体反応でマイクロ流路中に高濃度で捕
捉して蛍光を光学的に検出することで培養過
程を要さない細菌の高感度迅速検出システム
の開発を行っているマイクロ流路を用いた細
菌検出の概略を図 1に示す
実験 マイクロ流路チップは流路構造を施
したシリコンモールド型をフォトリソグラフィ
ー技術により作製しその型から流路構造を転
写したシリコーンゴム(PDMS)を流路部スライ
ドガラスを基盤として作製した図 2 にPDMSマ
イクロ流路チップを示すその後マイクロ流
路中に蛍光試薬と大腸菌を含んだ試料を注入し
大腸菌を補足後検出部の画像を解析して大
腸菌の検出実験を行ったさらに大腸菌を捕
捉後抗生物質を注入し生死菌数の変化を観
察した大腸菌の薬剤感受性試験を行った マイクロ流路
検出装置
励起光
PC
マイクロ流路試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
抗体
蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
マイクロ流路
検出装置
励起光
PC
マイクロ流路試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
抗体
蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
Fig 1 Schematic diagram of bacteria detection by
microfluidic chip
20
Fig2 Image of PDMS microfluidic chip 結果および考察 検出部における蛍光さ
れた大腸菌の画像を図 3 に示す図 3 では生菌
が緑色死菌が赤色に発色し検出部において
多数の菌が確認でき大腸菌を効率よく捕捉し
ている結果が得られた検出に要した時間は約
10 分間であり培養法等と比べると格段に迅速
な検出が可能であることが証明された又図
4 に示す薬剤感受性試験の結果において抗生
物質投与直後2時間後4時間後と時間を経る
につれて赤色に発色している死菌が増加してい
ることが解る従ってマイクロ流路チップを
用いた細菌の薬剤感受性試験も良好な結果を得
た
緑生菌赤死菌
生菌数の計数 死菌数の計数総菌数の計数
画像処理
緑生菌赤死菌
生菌数の計数 死菌数の計数総菌数の計数
画像処理
Fig3 Florescence microscope images of Ecoli at a detection spot of microfluidic chip
抗菌剤投与直後 2時間後 4時間後抗菌剤投与直後 2時間後 4時間後 Fig4 Florescence microscope images of Ecoli in maicrofluidic chip after applying antibiotics 今後の課題 今回の実験により大腸菌の迅速
検出及び薬剤感受性試験におけるマイクロ流
路チップの有効性が確認されたが今後検出
感度の向上を目指した流路構造の最適化や大
腸菌以外の菌種での検出確認が課題として挙げ
られる又PDMSマイクロ流路チップは非常
に生産性が低い上抗体の固定化が容易ではな
いそこで生産性が高く抗体が容易に固定
できる樹脂製のマイクロ流路チップの製造技術
の確立が商業化に向けた課題であるといえる
論文発表状況特許出願 [1] 中野圭洋亀岡遵安池雅之特願
2008-053209チップ キーワード マイクロ流路 マイクロ又はナノサイズの極微細流路であり
化学物質や生体物質の検出解析などに用いら
れる
21
協力研究
豊田工大 07-10
高分解能プローブ顕微鏡による薄膜表面の構造評価 Structural evaluation of film surface by high-resolution probe microscope
笹川 薫
Kaoru Sasakawa
コベルコ科研
Kobelco Res Inst
無電解めっき法によって金属薄膜を形成させるために種々の金属触媒層が用いられているわれわれ
は PdSn 触媒を温度 85湿度 85の環境下に放置したときの形状変化を高分解能プローブ顕微
鏡によって調べることを目的とした平成 19 年度後期の協力研究ではガラス表面に形成した PdSn触媒層が高分解能プローブ顕微鏡によってどのように観察されるかを調べた Various kinds of metal catalysis are used by electroless plating method to form a metal film We were aimed at examining a shape change when a PdSn catalyst was left in 85 degrees Celsius and humidity 85 for several hundred hours by a high-resolution probe microscope In the cooperation study of the latter period in 2007 we examined how the PdSn catalysis which was formed on the glass surface was observed by a high-resolution probe microscope
背景と研究目的 無電解めっきに用いられる
PdSn[1]が電気回路基板の形成後に残留する場
合使用中に絶縁性が保たれることが必要であ
る高温高湿試験中PdSn触媒層の抵抗値は
様々に変化するが抵抗変化の原因の1つとし
てガラス基板表面の形状や触媒粒子の形状
が変化している可能性が考えられるそこで
高分解能プローブ顕微鏡(SPM Scanning Probe Microscopy)によって形状変化を調べることと
した 実験 高温高湿試験前後のPdSn触媒層およ
びガラス基板を用意しタッピングモードプ
ローブ顕微鏡(Beeco社製NanoScopeⅢa)により
高分解能形状観察を行った尚実験環境は大
気中室温である
結果および考察 ガラス基板上のPdSn触媒層について高い分解能でプローブ顕微鏡増
を得ることができたしかしながら触媒層の
下地に用いたガラス基板そのものが高温高湿
試験によって変質しPdSn触媒層の形状変化の
詳細を知るのは難しいということがわかった
PdSn以外の触媒もあり触媒自体の形状変化を
調べることができそうなものもあるがPdSnが基本となるのでこれ以上の検討は行わないこ
ととしたすなわち今回は準備した試料が
適切でないということがわかった 今後の課題 高温高湿試験の前後における触
媒層の形状変化を詳細に調べるためには高温
高湿試験により形状変化が生じないか生じても
触媒の変化を調べるのに影響しないような基板
を探す必要がある 参考文献
1) Eugene J M OrsquoSullivan J Horkans J R White
and J M Roldan IBM J Res Develop 32 (1988)
591
22
装置利用 豊田工大 07-12
鉄シリサイド形成に関する研究 Study for Iron Silicide Formation
丹司敬義ab大平 豊a
Takayoshi Tanjiab and Yutaka Ohiraa
a名古屋大学院工学研究科 b名古屋大学エコトピア科学研究所
aGraduate School of Engineering Nagoya University bEcoTopia Science Institute Nagoya University
様々な条件下で作製した一次元鉄シリサイドの形状について走査トンネル顕微鏡(STM)や走査電子
顕微鏡(SEM)等を用いて研究した50 times 10-8 Pa 以下の超高真空環境下で固相エピタキシー法(SPE)と反応性蒸着エピタキシー法(RDE)を用いて作製したナノワイヤの形状の違いについて述べるXPSの結果から両者は共に FeSi2の組成を持つことも明らかにしている更に40 times 10-4 Pa 以下の高真
空下でさえワイヤが形成されることを見出した One-dimensional (1D) iron silicides prepared under various growth conditions have been studied by scanning tunneling microscopy (STM) scanning electron microscopy (SEM) and so on We discuss difference in the shape of nanowires (NWs) prepared by solid-phase epitaxy (SPE) and reactive-deposition epitaxy (RDE) in an ultrahigh vacuum (UHV) of below 50 times 10-8 Pa A similar chemical shift in XPS spectra is observed on both surfaces corresponding to iron disilicide NWs are also formed even in a high vacuum (HV) of below 40 times 10-4 Pa at 600 ordmC 背景と研究目的主に電荷を用いる半導体エレク
トロニクスでは従来使われなかった電子のもう一
つの性質であるldquoスピンrdquoを積極的に利用して
新しい材料の機能やデバイスを構築しようとする
半導体スピントロニクスに関する研究が近年盛
んに行なわれているシリコン(以下Si)技術と
の融合を図るためにはSi基板上へ磁性体の直接
成長が必要となるまたデバイスの高集積化
高密度化を達成するために従来のリソグラフィ
ー技術を用いたトップダウン技術だけではなく
低次元構造体の作製が可能な自己組織化等のボト
ムアップ技術も必要になる このような背景の下我々はldquo磁性を有するナ
ノワイヤを Si 基板上に直接成長させるrdquoことを最
終目的としているそこでまず磁性元素である
鉄を Si(110)表面上に蒸着し加熱することで形成
されるナノワイヤに注目し研究を行なっている 先行研究としてはLiang et al1)らによる報告が
ありそれによると清浄化処理を行なった Si(110)基板を 600 ordmC に加熱しながら Fe を蒸着すること
でワイヤの幅が数十 nm長さが数μm にも及ぶ
高アスペクト比のワイヤが形成すると報告してい
る(反応性蒸着エピタキシー法RDE)我々は
彼らとは別の成長方法を用いてナノワイヤを形成
させることに成功した(Fe を蒸着した後基板を
600 ordmC に加熱する(固相エピタキシー法SPE)) 本研究ではSPE と RDE で成長させたワイヤの
形状がどれくらい異なるかワイヤの組成は同一
なのかどうかを走査トンネル顕微鏡(STM)走査
電子顕微鏡(SEM)そして X 線光電子分光法(XPS)を用いて評価したまた通常ワイヤの作製には
超高真空環境が必要となるが我々は新たに高真
空環境でもワイヤが作製できる方法を開発した 実験試料作製は以下に示す真空度の異なる2種類のチャンバーを用いた 超高真空下での試料作製はSTMとXPSを装備
したチャンバー内(到達圧力lt 20 times 10-8 Pa)で
行なった試料にはPドープのn型Si(110)ウエハー
(2 ndash 4 Ωmiddotcm)を用いた試料の清浄化は通常用い
られる加熱処理により行なった2)Feの蒸着は
電子衝撃加熱法を用い蒸着レートは018 MLminである(1 MLSi(110) = 959 times 1014 atomscm2) 高真空下での試料作製は到達圧力が13 times 10-4 Pa以下のチャンバー内で行なった試料にはPドープのn型Si(110)ウエハー(lt 001 Ωmiddotcm)を用いた
試料の清浄化はフッ酸処理によるウエットプロ
セスにより行なったFeの蒸着はアークプラズ
23
マガン(APG)を用い蒸着レートは047 MLshotである それぞれの試料加熱は通電加熱法で行ない
温度測定には予め校正した放射温度計を用いた 結果および考察Figure 1 に超高真空下(50 times 10-8 Pa以下)で作製したナノワイヤを示す共に
蒸着量は 018 ML基板温度は 600 ordmCである
Figure 1(a)と(c)はSPEによって作製したワイヤの
SEM像とSTM像であるlt110gt方向に沿った長さ
は 20 ndash 120 nm幅は 6 ndash 15 nmであった一方
Fig 1(b)と(d)はRDEによって作製したワイヤの
SEM像とSTM像であるlt110gt方向に沿った長さ
は 100 ndash 1000 nm幅は 15 ndash 20 nmであったXPS結果からSPEとRDE共にFeSi2の組成を持つこと
も明らかにし両者とも同じ構造であると考えら
れるRDEで成長させたワイヤの長さはサブマ
イクロメートルにも達しSPEに比べ非常にア
スペクト比が大きくなることが分かる成長手法
を変えることでワイヤの長さをμmオーダーにす
るかnmオーダーにするかの制御が可能となる このような違いが生じる原因としては鉄を蒸
着するときの Si 基板の構造の違いが考えられる
基板温度-ワイヤの密度の依存性を調べることで
得られる活性化エネルギーの値を調べるとSPEの方が RDE に比べて小さくなるRDE の場合
鉄を蒸着するときに基板を 600 ordmC に加熱してい
るこの温度はFig 1(c)の下地にも確認できるよ
うにSi(110)-ldquo16 times 2rdquo清浄表面が形成される 3)
この表面は原子一層分の高さを有する凹凸構造
となるこの状態で蒸着種が拡散するためには
非常に大きなエネルギーを要し拡散する方向も
制限されると考えられるので非常に長いワイヤ
が形成されると考えられる
23
Figure 2(a)に高真空下(40 times 10-4 Pa以下)でSPEによって作製したナノワイヤのSEM像を示す超
高真空下と同様にlt110gt方向に沿っておりサ
イズもほぼ同程度であるしかし超高真空下で
作製したワイヤのSEM像のコントラストと比べ
ると非常に弱いこれは大気に一度曝すことで
生じる自然酸化膜の影響であると考えられるま
た当研究室でワイヤの断面TEM観察したところ
Si基板中の三角形のコントラストとして現れてい
る(Fig 2(b))超高真空下で作製したワイヤも同様
に基板内部にワイヤが成長するので 1)高真空
下と超高真空下で類似の構造を作製することに成
功した 以上のことからワイヤを作製するにあたり以
下の二点のことを明らかにした 数十 nm か数μm の長さのワイヤを自在に成長
させることが可能
10-4 Pa 台から 10-8 Pa 台の広い範囲の環境下で
ワイヤの作製は可能 今後の課題作製したワイヤに磁性が存在するの
かどうかについての研究を進めていく予定である 論文発表状況特許出願 1) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
Jpn J Appl Phys 47(7B) (2008) 6138 2) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
ldquoThe 15th International Colloquium on Scanning Probe Microscopyrdquo (poster)
3) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda ldquoThe 9th International Conference on Atomically Controlled Surfaces Interfaces and Nanostructuresrdquo (poster)
参考文献 1) S Liana R Islam D J Smith P A Bennet J R
OrsquoBrien and B Taylor Appl Phys Lett 88 (2006) 113111
2) R S Becker B S Swartzentruber and J S Vickers J Vac Sci Technol A6 (1988) 472
3) Y Yamamoto Phys Rev B 50 (1994) 8534
Fig 1 (a) and (b) SEM images of NWs on Si(110) surface prepared by SPE and RDE in UHV respectively In both cases the NWs grow along lt110gt
Fig 2 (a) SEM image of NWs on Si(110) surface prepared by SPE in HV The NWs grow along lt 1 10gt (b) Cross-Sectional TEM image of NWs observed along lt110gt direction The NWs are observed as a triangular contrast in the Si substrate
24
装置利用
豊田工大 07-16
多結晶シリコンデバイスのための酸化メカニズムに関する研究
The study on the silicon surface oxidation for poly-silicon electronic devices
山本 直矢a 芳之内 淳a 大下祥雄b
Naoya Yamamotoa Atsushi Yoshinouchia Yoshio Ohshitab
a株式会社 IHI b豊田工業大学
aIHI bTTU シリコン表面酸化速度はその面方位よって大きく異なることが知られている今回多結晶シリ
コンを用いた電子デバイスを作製するうえで重要なさまざまな面方位表面における酸化速度を詳細
に調べたまたシリコンの結晶構造の Si(100)表面で規格化された状態密度との比較も合わせて行った その結果各面方位の酸化速度はWet O2中での酸化では Si(111)面を除いてシリコン表面に存在
する Si-Si 結合の密度に近くなる一方で Dry O2 中では Si-Si 結合密度と表面原子密度の間に位置して
いることが分かった
The effects of crystal orientation of Si substrates on the oxidation rates are studied The Si with (111) (211) (311) (511) (100) (310) (210) and (110) surface are oxidized by the dry and the wet oxidation methods We analyzed the relative oxidation rates which is normalizing them by the values of Si(100) by comparing with the interface structure The relative wet oxidation rates at the low temperatures except for the surfaces that have a large lt111gt component can be explained by the number of the back bonds of Si at the SiSiO2 interface On the other hand the relative oxidation rate obtained by the dry oxidation lies between the numbers of Si-Si bonds and Si atoms at Si surface
背景と研究目的 近年多結晶シリコンを用いた電子デバイス
の開発が盛んに行われている多結晶シリコン
ウェハは単結晶化シリコンウェハに比べて安価
に製造することができるため太陽電池市場お
いてはシェアの多くを多結晶シリコン太陽電
池が占める多結晶シリコン薄膜はガラスや
プラスチック等のシリコンと異なる基盤表面に
成膜可能であることから液晶ディスプレイや
有機 EL ディスプレイ用の駆動用 TFT の活性層
としても用いられているまた特異な電子特性
からシリコンナノ結晶を用いたさまざまな電
子デバイスが提唱されている それらの多結晶シリコンデバイスの性能を向
上させるためにはいくつかの問題点があるが
その中でも重要なのがシリコンとそれを絶縁
させるための絶縁膜および界面の問題である
通常の単結晶シリコンデバイスでは酸化雰囲気
中でシリコン表面を酸化することで得られるシ
リコン熱酸化膜を用いるが多結晶シリコンデ
バイスでは粒界に不純物が析出したり基板が
反ったりと熱負荷をかけられない場合が多い
そ の た め 低 温 形 成 可 能 な 化 学 気 相 堆 積
(Chemical Vapor DepositionCVD)酸化膜が多
く用いられるが多結晶シリコン表面がそのま
まシリコンシリコン酸化膜界面になるため良
質な界面を得ることが難しい低温でもシリコ
ン表面を酸化することは可能ありそのメカニ
ズムに関しては以前から様々なモデルが提唱さ
れてきた[1-6]しかしそれらは多くは(100)(110)(111)面に関するものでありそれ以外の
面方位については実験データも少なく酸化の
25
メカニズムや酸化膜の膜質についても不明な点
が多い 本研究では低温における多結晶シリコン表
面の酸化のメカニズムとその膜質を検証する上
で必要な各種面方位を持ったシリコン単結晶
表面の酸化速度を分析しその傾向に関する知
見を得ることを目的とする 実験 鏡面研磨した(111)(211)(311)(511)(100)(310)(210)(110)それぞ
れの面方位をもった単結晶シリコンサンプルを
準備したそれらを縦型酸化炉にて各面方位一
括で酸化処理を行ったWetO2酸化の時はO2
H2を同じ流量で炉内横に設置された石英製の
燃焼器で燃焼させ燃焼ガスを炉内に導入した
酸化処理の後エリプソメーターにて膜厚を計
測した
Figure 2 Comparison of calculated data and oxide thickness formed in Wet O2
同じく750のWetO2中でシリコンを酸化し
たときの酸化膜厚と各種表面密度との比較を図
2に示す(100)方位から(110)方位に向かって
はバックボンド密度と非常によく似た傾向を
示す一方で(100)から(111)方面にかけては
弧を描くように増加し(111)表面では酸化膜厚
が遅くなっていることがわかるこの傾向はγ
(表面原子密度)の傾向に近いことが分かった
結果および考察 DryO2 およびWetO2
中さまざまな温度で酸化処理を行ったが今回
は温度の低い 750での酸化膜の成長に関する
結果を示す各面方位の酸化初期における相対
的な酸化膜厚は水蒸気が含まれても大きく変わ
らず基本的Si(100)からSi(111)Si(110)各面
方向に向かってほぼ直線的に増加する各表
面密度をSi(100)表面の値で規格化したものと
DryO2中 750において 180 分間酸化処理した
酸化膜厚をSi(100)の膜厚で規格化した値を
ここに示すような主要な(100)(110)(111)方面以外の酸化速度を同時に酸化処理を行っ
て得られたデータはこれまでになく酸化速度
の面方位依存性のメカニズムを検証する上で
貴重なデータになるものと考える 今後の課題 各面方位の実際の酸化速度と状
態密度の計算結果との違いの原因を調べるとと
もにより詳細な酸化メカニズムについて検討
を行うまたこのような酸化速度の違いが多
結晶デバイスに及ぼす影響についても分析を行
っていく
参考文献 1) B E Deal and A S Grove J Appl Phys 36
(1965) 3770
2) H Z Maasoud et al J Electrodhem Soc 132
(1985) 1745 Figure 1 Comparison of calculated data and oxide thickness formed in dry O2
3) E A Lewis and E A Irene J Electrochem Soc
134(1987) 2332
重ねたものを図1に示すαは各面方位表面の
シリコン原子が持つ Si-Si 結合(バックボンド)数の密度βはダングリングボンド密度γは
表面の原子密度それぞれを Si(100)表面の値で
規格化したものである酸化膜厚が Si(111)Si(110)かけての増加する様子はバックボンド
密度の傾向に似ているただ計算値に比べ酸
化膜厚が薄くなる傾向にある
4) S I Raider and LEForget J Electrochem Soc
127(1980)1783
5) E A Irene et al J Electrodhem Soc 133
(1986) 1253
6) J R Ligenza J Phys Chem 65 (1961) 2011
26
協力研究
豊田工大 08-01
多結晶シリコン基板への pn ダイオード作製
Fabricated p-n diode on multi-crystal Silicon substrate
小椋 厚志
Atsushi Ogura
明治大学
Meiji University
多結晶シリコンは太陽電池用基板として広く用いられているそれは単結晶シリコン基板に匹敵する
変換効率を有し多結晶シリコン基板のほうが低コストで作成することが出来るからである粒界
欠陥不純物などにより単結晶シリコンと比べ特性が劣化してしまう本研究では微少な p-n ダイ
オードを多結晶シリコン基板上に作成し電気特性と結晶性の評価を行い特性劣化の起因を調べる
ことを行った
Multi-crystalline silicon (mc-Si) is widely used as solar cell substrate For mc-Si it is desired to realize uniformly high conversion efficiency comparable to that of single-crystalline silicon with keeping its low production cost Inhomogeneous degradation in the efficiency can be caused by grain boundaries defects impurities and so on In this study we fabricated p-n diode array on mc-Si and the diode was evaluated relation between electrical property and crystal quality for revealing as causes of degradation
実験 背景と研究目的
キャスト法により作成された多結晶Si基板を
用いてp-nダイオードアレイを作成した図1が多結晶Si基板上に作製したダイオードアレイの
完成図であるAl電極をリン拡散領域に対して
およそ4分の1領域被せてある電極の大きさは
1mm角で各電極間の距離は2mmである
多結晶シリコン太陽電池は単結晶シリコン太
陽電池と比較してコストの低減が見込まれて
いるが結晶欠陥粒界不純物応力などの
種々の問題からいま一つ変換効率の向上が難し
い変換効率特性の改善の為にはこれらの欠
陥の挙動および特徴を理解し検証評価す
ることが求められている
A B
Al electrode
P diffusion area
A B
Al electrode
P diffusion area
SiO2 SiO2
p-type mc-Si
Al
P diffusion area
A-B cross-section
BA
(a) (b) Fig1 Structure of p-n diode (a) layout and (b) cross-section (A-B)
本研究では多結晶シリコン基板上に微小 p-nダイオードアレイを作製し各々の電気特性を
測定することで基板内での分布粒界や欠陥な
どの依存性を検証するまた同基板を用いて PLEBICTEM を用いた不純物分布および結晶
性の評価を行う
27
電気特性の測定から理想係数n値とリーク電
流に基板内で分布が見られることを確認した
同条件により単結晶Si基板上に作成したものに
は見られなかった為多結晶基板に見られる粒
界や欠陥などが起因していると考え結晶性評
価をEBICPLTEMを用いて行った
500μm
Al electrode
200 μm
High
Low
Al electrode
200 μm
Al electrode
200 μm
High
Low
High
Low
(a) (b)
Fig2 Images of (a) EBIC and (b) PL 結果および考察
Fig2 に PL 及び EBIC 像を示すこのダイオ
ードアレイの特性は理想係数 n 値リーク電流
はそれぞれ 319210E-08[A]を示し明確な粒
界の存在しないポイントであったしかしPLEBIC 像には明らかなダークラインが確認され
これらが電気特性悪化に起因しているのではな
いかと考えられるPL 測定に関して田島先生の
論文の中で小傾角粒界に起因した発光の確認[]がなされ今回測定した試料においても同様の
ものが見られたのではないかと考えられる
(a)
(b)
(c)
(d)
(a) (b)
Fig3 TEM images of the defect (a) low magnification
image (b) (c) TED pattern and (d) high magnification
image
ダークラインの構造を確認する為に TEM に
よる観察を行ったFig3 の(a)は低倍率による観
察(b)及び(c)は電子回折像(d)は高倍率による
観察である(a)及び(d)より転位が確認され電
子回折像の比較から異なるパターンを示して
いることを確認した 以上のことから多結晶 Si 上に作成したダイ
オードアレイの電気特性を劣化させている原因
は粒界だけではなく小傾角粒界も影響を与え
ることを確認した 今後の課題 今回基板特性がダイオード特性に大きく影響
を与えることを再度確認したので今後は基板
特性向上の為欠陥の種類の評価起因の解明
を行う予定である 謝辞 本研究は豊田工業大学大下祥雄准教授
兵庫県立大学新船幸二准教授の共同研究九
州大学柿本浩一教授宇宙航空研究開発機構
田島道夫教授のご助力に深く感謝致します
論文発表状況特許出願 [1] T Tachibana et al ECS Symposium Austria 200910 発表予定
参考文献
1) H Sugimoto K Araki M Tajima T Eguchi I
Yamaga M Dhamrin K Kamisako and T Saitoh
J Appl Phys 102 054506 (2007)
28
共同研究
豊田工大08-02
可視光用超高速空間光変調器の研究開発
Research amp Development of Ultrafast Spacial Light Modulator for Visible Light
近藤 直樹a
Naoki Kondoa
a帝京大学
aTeikyo University
半導体ナノ構造光デバイスの超高速性のイメージング応用の一環として量子井戸の光吸収変調を
用いた可視光用の透過型空間光変調器を作製しようとしている
今年度は透過型光変調器を作成する際に不要な吸収層となってしまう GaAs 基板をウェットエッ
チングで除去するプロセスの条件出しを行った3mm 角程度の面積の50nm の AlGaAs エッチスト
ップ層つき多重量子井戸構造サンプルにおいて面内均一に GaAs 基板層を除去することができた
またレーザ光照射による白色光の吸収変調測定系を立ち上げ室温での吸収変調の様子を測定した
As an attempt to exploit ultafast optical response of semiconductor nanostructures for imaging technologies we started to develop transmissive spacial light modulator for visible light using absoption modulation of quantum wells We have clarified conditions for uniform etch-off of GaAs substrate which would otherwise be
the dominant light absorber (3mm)2 MQW sample with 50nm AlGaAs etch stop layer was etched down to approximately 3μm thickness with modest in-plane uniformity We have also built white light transmission measurement system under additional laser irradiation and measured room-temperature modulated absorption of the processed sample
背景と研究目的 本研究は半導体量子ナノ
構造の光学応答の超高速性を背景としてそれ
を可視光域でのイメージング用途に用いる事で
現在イメージング用途に用いられている光変調
機構である機械式シャッターや液晶などをはる
かに上回る速度を実現し超高速イメージング
や新用途への展開を図ることを目的として行っ
ている具体的には光吸収飽和 1)を利用した
可視光用の透過型多重量子井戸空間光変調器
の作製を行う 今年度は前年度作成したGaAs系多重量子井
戸構造を透過型空間光変調器として利用するた
めの基板除去プロセスの条件出しを行ったま
たレーザ照射による白色光吸収の変調を測定
するための光学系を立ち上げ室温での吸収変
調効果の測定を行えるようにし予備的測定を
行った 実験 エッチング サンプル構造にはエッチストッ
プのための50nm厚のAlgaAs層が入っている多
重量子井戸構造を用いたエッチング剤には
29
GaAsとAlGaAsのエッチング速度が大きく異な
る選択性のもの(H2O2NH4OH)を用いる事で
GaAs基板を除去した
我々のGaAs基板のエッチング除去のプロセ
スでは最初にまずサンプル基板をガラスにエ
ポキシ樹脂で固定した後約100um厚まで機械
研磨しその後ウェットエッチング
(H2O2NH4OH=101 GaAsエッチング速度~
3ummin)でエッチングを行った
光変調吸収測定 レーザ照射による白色光吸収
の変調を測定するための光学系を組み室温で
のサンプルの吸収変調の様子を測定したサン
プルには残り膜厚約 3μm のものを用いた波
長 532nm05W の緑色レーザ光を集光せずにサ
ンプル前面に照射非照射した時のハロゲンラ
ンプ光吸収スペクトルを測定した
FigureCaption Fig 2 Microscope image of substrate-etched MQW sample
結果および考察 エッチング 当初機械研磨は表面にキズが目
視できるレベルで止めていたが表面にμmオ
ーダーで凹凸が残っていると後のエッチング
深さに大きな面内ムラが生じることがわかった
そのため表面が光学的鏡面になるまで研磨す
るようにしたところエッチング後の面内ムラ
は減少した(図2)ただし目視で透過が確認
できるところまでエッチングを行うと量子井戸
による吸収が消えてしまうため薄いAlGaAs層によるエッチストップには失敗しているよう
であった
FigureCaption Fig 2 Modulated transmission spectra of approx 3μm thick MQW sample at room temperature
光変調吸収測定 測定結果を図3に示すGaAsによる吸収端がレーザ照射によってシフトして
いることが確認できた 今後の課題
エッチングに関しては現在上記の透過測定
系を用いてレーザ透過強度変化を観察する事
により精度の高いエッチストップを行えるよ
う再実験中である光吸収変調に関しては
レーザ光照射および透過光測定を局所的にでき
るよう改善する予定である FigureCaption Fig 3 Calculated wavefunctions and energy levels in SLAM structures at room temperature 現在のサンプル構造は GaAsAlGaAs 系であ
るが可視光用途を GaAsAlGaAs 系で実現する
のは単純な量子井戸では可能なバンドギャッ
プの値から考えて困難である超格子疑似合金
(SLAM)2)構造を採用した可視光用量子井戸構
造を設計し数値解析した結果を図4に示す
本解析結果を元に試料を作製し可視光域での
動作を目指す予定である
参考文献
1) D A B Miller D S Chemla T C Damen A C
Gossard W Wiegmann T H Wood and C A
Burrus Phys Rev Lett 53 2173 (1984)
2) H Sakaki M Tsuchiya and J Yoshino Appl
Phys Lett 47 295 (1985)
30
技術相談装置利用
豊田工大 08-03
結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動について
Firing behavior of front side Ag for crystalline silicon solar cells
仙田 愼嗣 吉野 泰 加藤 夕子
Shinji Senda Yasushi Yoshino Yuko Kato
(株)ノリタケカンパニーリミテド
NORITAKE CO LIMITED
高結晶シリコン太陽電池用銀ペーストの焼成時の挙動を解明し高い出力の得られる銀ペーストを研
究することを目的として平成 19 年度 3 月から装置利用を開始しているp 型シリコンウエハ上に n
層SiNx 反射防止膜を作製し作製したセルを使用して出力評価を行った Silicon solar cell electrodes are typically formed by using the screen printing Technique Good fire-through properties are required for an Ag electrode for the front-side surface insufficient fire through causes higher contact resistance (Rc) which decreases the conversion efficiency of solar cells In order to control the fire-through properties contact formation mechanism is important In this study n-layer thickness and antireflection coating thickness have a positivenegative effect on fire-through of Ag paste
背景と研究目的 現在太陽電池市場は急速
に拡大しておりその市場の中でも大部分を結
晶シリコン太陽電池が占めている受光面側に
は銀ペーストが裏面側にはアルミペーストと銀
ペーストが電極として用いられておりスクリ
ーン印刷を用いて低コストで電極を形成して
いるさらなる高効率化低コスト化への要求
が高まる中で生産性の向上および出力特性向
上のために高速焼成が主流になってきており
電極ペーストの焼成挙動を解明しペースト組
成焼成条件を最適化し高速焼成に対応する
ことが必要となる本研究では結晶シリコン
太陽電池用電極ペーストにおいて特に受光面
銀ペーストにおける焼成挙動の解明を目的とし
高い出力を得られる銀ペーストの研究を行う 実験 市販のシリコン基板 (p型 抵抗率1~
H2
結果および考察
10 (Ωcm) CZ110 厚さ200μm)を用いたオ
キシ塩化リン(POCl3)窒素酸素の混合ガス雰
囲気で熱処理を行うことによりP拡散を行い
n層を形成したその後プラズマCVD装置
(Samco製)を用いSiH4ガスNH3ガスおよび
ガスを原材料として反射防止膜(シリコン窒化
膜)を成膜形成した反射防止膜の厚みと屈折
率の評価にはエリプソメーター反射率には反
射率測定装置を用いた作製した基板上に裏
アルミ電極表銀電極ペーストをスクリーン印
刷法で付着乾燥後焼成したソーラーシュ
ミレーターを使用し作製したセルの電気的特
性の評価を行った
表 1 にP拡散条件を変
化させたときのn層のシート抵抗を示すP拡散
を制御することができシート抵抗を変化させ
ることが可能であり低温で短時間の拡散とす
ることで高シート抵抗の基板を作製できるこ
とがわかった一般的に用いられる 30~60Ωsqのシート抵抗のセルは条件が合わず作製でき
ていない表 2 にSiNx膜形成条件を示すガス
組成および製膜時間によりSiNx膜厚および屈
折率を制御することが可能であり一般的な膜
厚 80nm程度のセルを作製することが可能であ
31
今後の課題
Sheet
resistance
[Ωsq]
Pre-deposition P-diffusion
Temperature
[]
Time
[min]
Temperature
[]
Time
[min]
6 840 10 1000 40
10 840 10 1000 10
15 840 10 1000 5
110 800 5 800 10
ることがわかったが屈折率は一般的な 20 程
度にすることが出来なかった屈折率を高くす
るためにはSiNx膜の密度を上げることが必要で
あるが密度を上げるためには製膜温度を上げ
る必要があると考えられるが本プラズマCVD製膜装置では 250が限界であったため250で試験を進めた図 1 に作製した基板の反射率
を示す作製した基板上にスクリーン印刷法に
より電極を形成し乾燥焼成し出力特性
評価を行った結果を表 3 に示すシート抵抗の
高いセルを用いるとVocが高くなることが確認
できた本来であればSiの吸収係数の高い長
波長側の反射率が低いSiNx膜厚 80 nmのセルの
方が 55 nmのセルより電流値が高くなると考え
られるがpn接合が浅くなることで電流として
利用可能な波長が増大した効果の方が大きかっ
たと考えられるFFについては良好な特性が得
られたため焼成条件を変えたときの焼結挙動
について検討を行っていきたい
Table 2 Condition of PE-CVD
SiNx membrane PE-CVD
Thickness
[nm]
Refractive
[-]
SiH4
[mlmi
n]
NH3
[mlmi
n]
H2
[ml
min]
Time
[min]
55 179 3 6 6 3
80 180 3 6 6 4
100 185 3 6 6 5
80 185 3 4 8 4
80 187 4 11 0 3
今回の試験ではFFについては
論文発表状況特許出願
良好な値が得られたがファイヤースルー性に
ついてはSiNx膜厚および密度によって大きく異
なると考えられより緻密な膜の形成条件を探
索していく必要があるシート抵抗およびSiNx膜ともに一般的なセルと同等のセルを作製し
銀ペーストと焼成条件を変えたときの焼結挙動
について試験を行いたい
特になし 参考文献 1) Y Ohshita Y Nishikawa M Tachibana VK
Hilali A Rohatgi S Asheri
Table 1 Condition of P-deposition
Tuong T Sasaki N Kojima S Tanaka M
Yamaguchi J Crystal Growth 275 (2005)
491-494
2) M
010203040506070
350 550 750 950 1150
Wavelength [nm]
Ref
lect
ance
[]
Mirror waferSiN 55nm(Planer cell)SiN 80nm (Planer cell)
Fig 1 Reflectance of planer cells
Table 3 Cell performance
Cell PE-CVD
Sheet
resistance
[Ωsq]
SiNx
membrane
thickness
[nm]
Jsc
[mAc
m2]
Voc
[mV]
FF
[]
Eff
[]
15 55 259 595 757 117
10 80 252 588 754 112
TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES 51
(2004) 948-955
32
技術代行装置利用
豊田工大 08-04
ナノレベルで膜厚を制御した透明導電膜の光学特性評価
Optical properties of TCO nano material
吉野賢二竹元裕仁小嶋稔
Kenji Yoshino Yujin Takemoto Minoru Oshima
宮崎大学工学部電気電子工学科 Department of Electrical amp Electronic Engineering University of Miyazaki
Ga-doped ZnO (GZO)をプラズマアークを利用したイオンプレーティング法で作製した作製した試料
を酸素雰囲気中で熱処理を行った熱処理温度の増加とともに赤外領域の透過率が減少したこれ
は自由キャリアの減少による散乱の減少と考えられる Ga-doped ZnO (GZO) films were deposited on alkali-free glass substrate by ion-plating system with DC arc discharge using a pressure gradient-type plasma gun The GZO films samples were annealed under O2 atmosphere at from 100 to 500 ˚C Optical transmittance in infrared region increased with increasing annealing temperature This was due to decreasing the scattering by decreasing of their free carrier 背景と研究目的 透明導電膜は高い電気伝
導度と高い可視光透過率を併せ持つものであり
現在 フラットパネルディスプレイ(FPD)や太
陽電池などさまざまな分野で利用されている
代表的な透明導電膜の材料としてIn2O3 SnO2
ZnO などがあるなかでも Sn を添加した
In2O3(ITO)は安易に 10-4 cm台の低抵抗が得ら
れているしかしITOの材料であるInは希少金
属であり価格が高いという難点があるまた 原料のInやSnに加えてITO粉末の毒性が懸念さ
れている加えて近年FPDや太陽電池などの
透明電極用途でのITO需要の恒常的な増大とは
相まってIn需要の増大が指摘されておりITO透明導電膜における省Inや脱In透明導電膜材料
が注目されている1)SnO2膜は比較的安価な
材料であるが エッチング加工と低温成長に難
があり用途が大幅に限定されるこれに対し
て ZnOは安価で豊富毒性に問題のない材料で
あるこのことからZnOはITOにかわる透明導
電膜の材料として注目されている 1) 本実験ではイオンプレーティング法により作
製
験
した Ga-doped ZnO(GZO)薄膜の熱処理を行
うことにより膜質の改善を試み考察した 実 イオンプレーティング法により作製し
果および考察
たGZO薄膜の熱処理を行った今回は焼きな
ましと呼ばれる熱処理方法を用いた雰囲気ガ
スとして酸素ガスを用い時間を 5 分温度 100~500 で行った試料をX線回折透過率
ホール測定で評価を行った 結 X線回折によりイオ
直型の検出器を用いた室温での
透
ンプレーティング法により作製されたGZO薄膜
はZnOのJCPDSカードと比較すると(0002)面のピークのみ確認された熱処理温度を増加
してもスペクトルに大きな変化は見られな
かった次にX線スペクトルより粒界サイズ
を計算し熱処理前の粒界サイズは約 64 nmで
あり熱処理後の粒界サイズは 61 ~67 nmとな
り粒界サイズの変化は見られなかったまた
格子定数もICDDとの差は 04以下である値が
得られ熱処理温度を増加させても変化は見ら
れなかった Fig 1 に垂
過スペクトルを示す一般的に ZnO のバンド
ギャップを室温では 33 eV で吸収端は 376 nmに位置することから今回熱処理に使用した
GZO 基板のバンドギャップとほぼ一致してい
る 2)また熱処理後も吸収端はほぼ同じ位置
であったGoncalves らの論文の方向によると熱
処理温度が増加すると吸収端が長波長側にシフ
トしているが2)本研究ではその傾向は見られ
33
熱処理温度 にしたがっ
Fig 1 Optical transmittance at RT
なかった 可視領域で
が増加する
て透過率にほとんど変化が見られなかったが
長波長側では透過率が上昇した(Figs 2 3)これは他の熱処理の論文でも同様な結果が報
告され 2)自由キャリアの減少による散乱の減
少と考えられキャリア濃度も熱処理温度が
400 度以上で減少している
Fig 2 Average transm e in visible region ittanc
Fig 3 Average transmittance in infrared region
今後の課題 今回の酸素中の熱処理の実験で
熱の効果を確認するためにアルゴンなどの不
活性ガスの実験を行う予定である 謝辞 本研究は豊田工業大学山口真史教
授大下祥雄准教授小島信晃助教に光透過測
定において協力を頂いた深く感謝したい
論文発表状況特許出願 [1] Y Takemo et al DRIP Conference USA 20099
発表予定
参考文献 1)南内嗣 応用物理 75 (2006) 1218 2) R Ghosh et al Mater Res Bull 40 (2005)
1905
0
20
40
60
80
100
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500
as-depo100200300350400450500
Tra
nsm
ittan
ce[
]
GZO O2 annealing 450oC 5min
Wavelength[nm]
34
技術代行装置利用 豊田工大 08-05
プラズマ CVD による薄膜作製と構造評価 a-Si film grown by plasma CVD
吉野賢二小嶋稔
Kenji Yoshino Minoru Oshima
宮崎大学工学部電気電子工学科 Department of Electrical amp Electronic Engineering University of Miyazaki
プラズマアーク CVD 法で作製したアモルファスシリコンをラマン法で評価を行ったスペクトルに
アモルファス成分結晶化成分および粒界成分に分離し結晶化度を決めることができた a-Si thin film on Si (100) substrate were successfully grown by plasma CVD Crystalline of the sample could be decided by Raman spectroscopy 背景と研究目的 アモルファスシリコンの原
子配列は規則正しい原子配列を結晶シリコン
とは異なり不規則になっている実際完全
場なアモルファスの結晶の存在は難しく一部
結晶化している 1)そこでラマン法により
結晶化度などの膜の構造に関する知見を非破壊
に得ることを目的として評価を行った
400 450 500 550
Experimental result Total c-Si GB a-Si
Inte
nsity
(au
)
Raman shift (cm-1)
a-Si
GB
c-Si
400 450 500 550
Experimental result Total c-Si GB a-Si
Inte
nsity
(au
)
Raman shift (cm-1)
a-Si
GB
c-Si
実験 グロー放電で発生するプラズマを中で
SiH4 を分解しa-Si膜をSi(100)基板上に作製し
たラマン分光法は室温でAr+レーザ(488 nm)を使用し測定した
Fig1 ラマンスペクトルのピーク分離例 結果および考察 Fig 1 にAr+レーザーで
ラマン測定した一例を示すSiのLOモードの信
号を結晶Si (c-Si)アモルファスSi (a-Si)結晶
粒間の粒界(GB)のピークに分離した
謝辞 本研究は豊田工業大学山口真史教
授大下祥雄准教授小島信晃助教にプラズマ
CVD作業において協力を頂いた深く感謝した
い GB ピークの起源についてはまだよく分かってい
ない各ピーク位置の結晶化度に対する依存性
はa-Si と c-Si のピークはややばらつきがある
が結晶化度によらず一定だったBG のピー
ク位置は結晶化度が上がるに伴って c-Si のピー
ク位置に近づいていったこれは結晶化度が
上がると GB の部分も結晶のフォノンエネルギ
ーに近づくことを意味しており構造が変化して
いることを示している
論文発表状況特許出願
該当なし
参考文献 1)森垣和夫米沢富美子嶋川晃一固体物理
37 (2002) 1
今後の課題 SiH4ガス圧などの条件を変えて
作製した試料のラマン測定やX線回折等の評価
を行う予定である
35
技術代行装置利用
豊田工大 08-07
電子線ビーム露光技術と組み合わせたナノ粒子パターン配置技術の開発
Patterning method of nanoparticles by using electron beam lithography
熊谷 慎也
Shinya Kumagai
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
近年ナノテクノロジー技術の進展に伴いナノ粒子が注目されているこのナノ粒子を自在に利用
するためには固体表面上の狙った位置にナノ粒子を配置する技術が必要とされる本研究では電
子ビーム露光技術を利用してナノパターンを作製しナノ粒子のパターン配置を試みた With the development in nanotechnology nanoparticles have attracted much attention and been utilized in various applications To utilize the nanoparticles patterning method of nanoparticles is indispensable In this study nanopatterns were fabricated by using electrom beam lithography technique and we investigated nanopatterning method through the lift-off process
背景と研究目的 ナノ粒子は通常のバルク材料とは異なった性
質を発揮することからナノテクノロジー研究
において注目されている例えば磁性材料
触媒ドラッグデリバリー等の用途での期待が
高まっている実際に応用することを考えると
固体表面上の狙った位置に配置する技術が必要
になってくる 12)本研究ではナノ粒子をナノス
ケールでパターン配置することを試みたナノ
粒子のパターン配置の方法としてリフトオフ
法を利用したリフトオフ法はこれまでに
MEMS 半導体デバイスの開発で使用されてお
り適切に用いればナノスケールの構造体を作
製することも可能でありここでは溶液中に
ナノ粒子を分散させた系に適用することを狙っ
ている
パターン配置の原理 パターン配置手法の概略をFig1に示す基板
表面にレジストを塗布し配置パターンを作製
するこのパターン基板にナノ粒子を分散させ
た溶液を滴下する溶液中に分散しているナノ
粒子は熱運動を利用してそのレジストのパタ
ーン内部に侵入させて露出している基板表面
と吸着させるレジストを溶解してレジスト
上に吸着したナノ粒子を取り除くと基板に直
接吸着したナノ粒子のみが残ることになる 実験 電子ビーム(EB)描画によるパターン作製 リフトオフ法に使用するレジストパターンを
EB 描画装置で作製した電子線レジスト
ZEP520A-7(日本ゼオン)にアニソールを加えて
10に希釈しスピンコーターによって塗布し
たスピンコートは500rpmで 10 秒回転させた
後3000rpm で30 秒回転させて行った(レジ
スト膜厚約15nm) EB 露光装置のDose 量[μCcm2]を変化させて微細なパターンの描画
を行った描画パターンの現像は酢酸アミル溶
液に15 秒間浸漬することで行いその後N2
ブローで乾燥させた
36
結
ナノ粒子のパターン配置 参考文献 配置パターンが描画された基板の上にイオン
強度を100mMに調整したナノ粒子溶液を滴下
し吸着を行ったこの条件のもとでは溶液
中の静電相互作用距離であるDebye 長は約1nm と計算されるナノ粒子―基板表面の間の静電
反発は十分に低くなっており表面近傍に十分
接近できる溶液を滴下後の状態を30分間保持
し純水でリンスしたその後 40の
ZDMAC(日本ゼオン)に5 分間浸し超音波を5 分間かけることでリフトオフを行いアセト
ン純水の順でリンスした
1) S Esconjauregui C M Whelan K Maex
Nanotechnology 19 (2008) 153306
2) W Hu K Sarveswaran M Lieberman G H
Bernstein J Vac Sci Technol B 22 (2004) 1711
果および考察 EB露光現像後の描画パターンの一例をFig2
に示す最も小さいもので直径20nmの微細な
ホールパターンを作製することができたさら
に小さなパターンを描画するためにはEB露光
条件現像条件を最適にチューニングする必要
があるナノ粒子の吸着実験では直径125nm~285nmのホールパターンを用いてリフトオフ
法でパターン配置を行ったSPM 観察画像を
Fig3(a)に示すFig 3(a) とFig 3(b) はそれぞ
れ使用したレジストパターンリフトオフ後
のナノ粒子の配置パターンのSPM像であるFig 3(a)と比べるとFig 3(b)ではナノ粒子の配置パ
ターンに大きさや形のばらつきが見られたナ
ノ粒子の配置パターンの面積は図5 のホールサ
イズの約8 割のサイズの大きさとなっていた
その理由の一つとしてシリコン酸化膜に吸着
したナノ粒子の一部がリフトオフの際に同時
に剥離されている可能性が考えられるその一
方で配置パターン以外の箇所へのナノ粒子の
吸着が見られたリフトオフ後に溶液中に分散
したナノ粒子が再付着したものと考えられる
またFig 3(b)においてFig 3(a)の125nm~
165nmに対応する部分にナノ粒子の吸着パター
ンが存在していないことがわかる本手法では
吸着パターン内にナノ粒子が積極的に入り込む
機構がないためにパターンが小さくなった場
合内部に侵入する確率が低くなり吸着パタ
ーンとして得られないことが要因として考えら
れる現在の環境下では直径175nm 以上のホ
ールであればナノ粒子をパターン配置するこ
とができるということがわかった
Fig 1 Principle of nanoparticle patterning through lift-off process
Fig 2 SEM image of EB lithography patterns The diameter of holes is φ20nm
(a) (b)
Fig 3 SPM images of (a) holes patterned in EB resist film and (b) nanoparticle patterns corresponding to each holes in (a) まとめ
ナノ粒子のパターン配置について検討した
今回検討した条件範囲内では175nm 以上のホ
ールを用いればナノ粒子をパターン配置でき
る今後の課題としてパターン以外の再吸着
量を低減させる必要がある
37
技術代行
豊田工大 08-08
超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発
Development of microfluidics chip using nanofabrication technologies
中野 圭洋 安池 雅之
Keiyo Nakano Masayuki Yasuike
株式会社 ESPINEX
ESPINEXINC
半導体製造技術を用いて作製されるマイクロ流路チップは近年バイオや化学研究用に用いられて
おり高精度な測定を可能にしている本研究では Si 基板上に作製したマイクロ流路型から細菌検
出用のマイクロ流路チップを作製し細菌を効率的に捕捉するための流路構造の最適化を行った
Recently microfluidics chips fabricated by the top-down semiconductor fabrication techniques have been widely utilized in the field of biology and chemistry These chips can detect bio- molecules or chemicals with ultra sensitivity In this research PDMS microfluidic chips for bacteria detection have been fabricated from Si wafer molds and structure of the microchannels have been optimized for bacterial sensing
背景と研究目的 半導体製造技術を用いて作
製するマイクロ流路チップは検出対象を微小
領域に高密度で凝集させることが出来るため
バイオや化学研究向けの高精度な測定に用いら
れている当社はマイクロ流路中に抗体を配
したバイオチップで特定の細菌を補足し蛍光
顕微鏡で検出するシステムを開発しており培
養を主体とする現状の検出法に比べ大幅に検査
時間を短縮でき簡便性にも優れるため感染
症診断や食品衛生検査での使用が見込まれる
(b)
Fig1 Microfluidics chip
本研究では効率的に細菌を捕捉するための流
路構造の最適化を行う具体的には作製した数
種類のチップで細菌の検出実験を行い抗生物
質の薬剤感受性試験 1)も行う
実験 (a)に示したマイクロ流路構造をSi 基板
上に凸形状として作製しシリコーンゴム
(PDMS)に転写して得られた凹形状のマイクロ
流路をガラス基盤と張り合わせて(b)のマイク
ロ流路チップを作製した実験は大腸菌(Ecoli K-12株)を用いてfig1(a)中の流入路より抗体
固相化剤(ZeptoBind)を用いて抗体(Poly Anti-
Fig2 Image of Ecoli captured in the microfludics chip
(a)
38
30min later 60min later 90min later
Fig3Images of Ecoli after applying antibioticz(Pansporin) Ecoli )を導入しブロッキングバッファー (Zepto block)を添加してガラス基盤上を修飾し
たその後104-105cfuml濃度の大腸菌液100ulを注入蛍光試薬(LIVEDEAD Baclight)を添加
して10分後バッファー(PBS)で洗浄し蛍光顕
微鏡観察を行ったさらに同チップに抗生物
質(Pansporin)1mgmlを添加し大腸菌に対する
同薬剤の感受性試験を行った
今後の課題 今回作成したマイクロ流路チッ
プはシリコーンゴム製で型を転写するだけで
1 時間程度かかり生産性が悪い量産にはポ
リスチレン等の樹脂にホットエンボス加工で転
写することが望ましいが離型時に樹脂の熱収
縮で流路構造が損傷する点や型として使用し
ているSi基板が転写時の圧力で損傷する点が今
後の課題として残る 結果および考察 大腸菌の捕捉率が高か
ったマイクロ流路(Fig1)での蛍光顕微鏡画像を
Fig2 に示す図中緑色に蛍光しているのが
生菌で死菌は赤く蛍光する前処理も含めて
1 時間程度で大腸菌を検出できた
謝辞 本研究は豊田工業大学の榊裕之教授
をはじめ共同利用クリーンルームの皆様にご協
力頂きました特にマイクロ流路の型製作に
おいて梶原建氏にご尽力頂き深く感謝してお
ります Fig3は抗生物質を添加してから 30 分60 分
90 分後の蛍光顕微鏡画像を示している時間経
過に伴って大腸菌が緑色(生菌)から赤色(死菌)に変化しているのが良く分かるFig4に薬剤感
受性試験結果をまとめた抗生物質未添加のチ
ップ(ピンク)では時間が経過しても死菌量が 0のまま増えないのに対して抗生物質を添加し
たチップ(青)では時間経過とともに死菌量がリ
ニアに増えている薬剤感受性試験でも前処
理を含めて 2 時間程度で検証できることが分か
った
論文発表状況特許出願 [1] ESPINEX特願 2008-53209チップ
注釈 1) ある細菌がある薬剤に対して感受性か耐性
かを判断する試験
0
5
10
15
20
25
0 02 04 06 08 1 12 14 16
Time (hour)
Dea
d ce
ll co
unts
w drugwo drug
Fig4 Result of drug screening test
39
協力研究
豊田工大 08-13
スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線形成技術
Conductive pattern forming method on vertical wall using spray coating and angled exposure technologies
森井裕貴大平文和
Hiroki Morii Fumikazu Oohira
香川大学
Kagawa University
スプレーコート技術と傾斜露光技術を用いた垂直壁面への配線パターン形成方法について検討した
この方法を用いることによりチップパッケージサイズを縮小することが可能となるスプレーコート
技術と傾斜露光技術を用いることにより 600μm の垂直壁へレジストを均一に塗布さらにレジストパ
ターン形成を可能としたまた配線パターンはスパッタと無電解 Ni めっきにより形成した本研
究で製作した配線パターンの幅は 200μm配線間隔は 300μm である A novel conductive pattern forming method on the vertical wall using a resist spray coating and an angled exposure technologies is proposed This method makes it possible to decrease the chip package size The spray coating and the angled exposure technologies enable the uniform resist coating and the patterning the resist on the vertical wall of 600 μm height Then a conductive pattern layers are sputtered and electroless plated As the result the conductive patterns of 200 μm width and 300 μm spacing is successfully formed on the vertical walls
背景と研究目的 携帯電話や携帯情報端末な
どにおいて更なる小型化高機能化が求められ
ている限られた容積の中でそれらの要求を満
たすには半導体チップの小型化高集積化
又はチップ実装の高密度化が挙げられる 本研究ではチップ実装の高密度化に着目し
半導体プロセス技術を用いてチップパッケージ
樹脂の垂直側面に 3 次元的に電極を配線するこ
とにより高密度実装可能な側面配線技術の確立
を目指す 本研究ではパッケージ樹脂高さ 600μm の
垂直側面に幅 200μm300μm の配線パターン
を形成するその手段としてフォトリソグラ
フィ技術を用いてフォトレジストの配線パター
ンを形成し金属を成膜しリフトオフすること
により金属の配線パターンを形成するこのと
き半導体プロセス技術で成膜できる金属の膜厚
は数千Åと少ないため配線としては電流抵抗
が大きくなるそこで配線として十分な膜厚を
得るため Ni めっきを行うこのプロセスにおい
て高さ 600μm の垂直側面にフォトレジスト
を均一に塗布することが重要となるそのため
スプレーコート技術と斜め露光技術を研究し
垂直側面への配線形成の原理確認を行った 実験 スプレーコートを用いてパッケージ樹
脂の垂直側面へのレジスト塗布の原理確認を行
ったスプレーコートではレジスト流量ステ
ージ温度ステージ速度などの条件がレジスト
の膜厚や分布に大きく影響する[2]そのため
これらのパラメータを調節し垂直側面へのレ
ジスト塗布を行った 露光プロセスでは垂直側面部が十分露光さ
れるように傾斜露光[1]を行うこのプロセスに
おいてマスクは平面のガラスマスクを用いる
ため樹脂側面やガラス基板上ではマスクとレ
ジストの間に間隔が生じるその結果光の回
折などにより側面のパターンが広がるそのた
40
め露光量に対するパターンの広がりについて検
証を行った さらにレジストパターニング後スパッタ
により金属膜を成膜リフトオフ無電解 Niめっきを行い配線パターンを形成した図 3にパッケージ樹脂の垂直側面に形成した配線パ
ターンを示す同様にして側面配線形成を行っ
たチップを 5 つ作製しそれぞれの抵抗値を計
測した5 つのサンプルを A から E としそれ
ぞれの抵抗値の平均値と分散値を図 4 に示す
製作した側面配線は数オームであり実用上問
題のない値であるこれらの原理確認から高さ
600μm の樹脂の垂直側面への配線形成が可能
であることを明らかにした
さらにレジストパターニング後スパッタ
により金属膜を成膜リフトオフ無電解 Niめっきを行い配線パターンを形成した図 3にパッケージ樹脂の垂直側面に形成した配線パ
ターンを示す同様にして側面配線形成を行っ
たチップを 5 つ作製しそれぞれの抵抗値を計
測した5 つのサンプルを A から E としそれ
ぞれの抵抗値の平均値と分散値を図 4 に示す
製作した側面配線は数オームであり実用上問
題のない値であるこれらの原理確認から高さ
600μm の樹脂の垂直側面への配線形成が可能
であることを明らかにした
結果および考察 スプレーコートにおい
てレジスト流量ステージ温度ステージ速度
条件を検討した結果レジスト流量 81grh100grhステージ温度 95105115ス
テージ速度 300mms400mmsで塗布が可能で
あることを確認した図 1 にレジスト流量
100grhステージ温度 105ステージ速度
300mmsの条件でスプレーコートしパターニ
ングしたサンプルを示すレジストはエッジ部
などで途切れることなく全面に塗布されている 斜め露光において露光量に対するパターン
の広がりについて検証した結果図 2 に示すよ
うに1Jcm2 では 20μm2Jcm2 では 50μm
4Jcm2 では 70μm8Jcm2では 90μm 程度側面
の最下部で広がっている本研究では配線間
隔は 300μm の設計であり広がりが生じても
パターンが重なることはなく実用上問題ない
研究では配線間
隔は 300μm の設計であり広がりが生じても
パターンが重なることはなく実用上問題ない スプレーコート技術と斜め露光技術により
パッケージ樹脂の垂直側面へのレジストパター
ニングを可能とした
スプレーコート技術と斜め露光技術により
パッケージ樹脂の垂直側面へのレジストパター
ニングを可能とした
Fig1 The spray coating and patterning the resist Fig1 The spray coating and patterning the resist
Fig7 Changes of pattern widths at various exposure doses Fig7 Changes of pattern widths at various exposure doses
Fig3 Conductive pattern forming Fig3 Conductive pattern forming
A
B
CD E
0
05
1
15
2
25
3
Resistan
ce(Ω
)
Fig4 Electric resistance measurement results 今後の課題 本研究で提案したプロセスでは
パッケージ樹脂側面の配線パターンが広がって
しまうこの広がりを抑える工夫を今後検討し
ていく 参考文献 [1] Hayato Izumi Yohei Matsumoto Seiji Aoyagi Yusaku Harada Shoso Shingubara Minoru Sasaki Kazuhiro Hane Hiroshi Tokunaga IEEJ Trans SM Vol 128-E No 3 (2008) pp102-107 [2] Vijay Kumar Singh Minoru Sasaki and Kazuhiro Hane Japanese Journal of Applied Physics Vol 46 No 9B (2007) pp 6449-6453
Plastic material NiNi
Substrate
Resist Plastic material Resist
Substrate Plastic material
Exposure doses (1) 1 Jcm2
(2) 2 Jcm2
(3) 4 Jcm2
(4) 8 Jcm2
43
2
1
Wall side Upper side
Height 600μm
Width 200μm
41
協力研究
豊田工大 08-15
プローブ顕微鏡を用いた物性測定
Measurement of Physical Properties by Scanning Probe Microscopy
田仲 圭
Kei Tanaka
(株)大同分析リサーチ
DAIDO BUNSEKI RESEARCH Inc
先端に磁性ナノ粒子を持つカーボンナノチューブ(CNT)探針は高分解能な磁気力顕微鏡(MFM)
用として有望である本研究ではこの CNT 探針を用いた際の分解能の Q 値依存性を調べるととも
に理論的に分解能の検討を行った Carbon nanotube probes with magnetic nanoparticles on the top are expected for use in high-resolution magnetic force microscopy (MFM) Here we investigate the Q-value dependency of resolution using such CNT probes and performed a theoretical discussion for resolution
背景と研究目的我々はこれまでに先端に磁
性ナノ粒子(触媒金属)を持つカーボンナノ
チューブ(CNT)をカンチレバー上に成長させ
た探針を使用することにより磁気力顕微鏡
(MFM)の分解能が市販品の従来探針に比べて
飛躍的に向上することを示した 1)今回はさ
らに分解能を向上させる手段として実験的
にはカンチレバーのQ値を高める工夫を行う
とともに理論的な面からもCNT探針の分解能
の検討を行った
24
min)(0QA
TBkkzF BL
ϖ=prime (2)
で表される3)ここでkLはカンチレバーのば
ね定数kBはボルツマン定数Tは探針の絶対
温度Bは周波数のバンド幅ω0は共振周波
数Qは探針の性能指数Aは探針振幅の実行
値である (2)式からも分かるように同じ探
針を使用した場合でもQ値を高めることによ
り熱振動ノイズが下がりSNが向上し到
達分解能が高くなることが予想される 理論 周期的に書き込まれた磁気記録媒体に対する磁気力顕微鏡が検出する信号(力勾配)は
果および考察結 (1)式から得られた関
数を用いて実験値に対してフィッティングを
行った結果をFig1 に示すFig1 のグラフは
周期的に書き込まれた磁気記録媒体のMFM像
に対してFFTを行いパワースペクトルから得
られたピーク強度とその空間周波数をプロッ
トしたものである黒丸および黒四角の点は
Q=200(前報値大気中観察Q値制御なし)
Q=526(今回報告値大気中Q値制御MFM SII
ナ ノ テ ク ノ ロ ジ - 製 SPM 装 置 rdquo
( ) ( )
tip
kzktstz dVekx tipz
ekMM
F int minusminus
partpart
minus=prime cos120μ
(1) で表される 2)ここでμ0は真空透磁率MtMs は探針および試料の磁化k は空間周波数を示すまた熱振動ノイズによって制限される最小の信号は
42
NanoNaviE-sweeprdquo使用)のそれぞれの場合で
得られた値を示すQ値が高くなると強度が高
くなっていることが分かる図中の実線は
Q=200 の場合の実験値に対して(1)から得ら
れた関数でフィッティングを行った結果であ
るそこから得られたパラメーターを用いて
比例定数のみをフィッティングパラメーター
としQ=526 に対してフィッティングを行っ
たものが図中の破線である上式(2)から算出
されたノイズレベルとの交点が予想される到
達分解能である現在(2)式を用いた熱振動
ノイズの算出を試みているしかしながら
現段階においても破線のカーブ(Q=526)は実
線のカーブ(Q=200)に比べて空間周波数が高
い方にシフトしていることからQ値を高くし
た効果として到達分解能が向上していること
が推測される
10E-01
10E+00
10E+01
10E+02
10E+03
10E+04
10E+07 10E+08
Spatial Frequency (1m)
Inte
nsi
ty (
au)
Q=200
Q=526
Fig1Spatial frequency dependence of MFM signal
参考文献
今後の課題 今後はQ値を系統的に変化させ
た測定値を得ることと熱振動ノイズの算出お
よび実験値との整合性を検討することにより
分解能の理論的予測を行っていく
1) K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J
Nanomater in press
2) S Porthu L Abelmann and C Lodder J Magn
Magn Mater 182 (1998) 238 謝辞 今回の測定はSIIナノテクノロジー社
の山岡武博氏の好意によるものである 3) T R Albrecht P Grutter D Horne and D Rugar
J Appl Phys 69 (1991) 668 論文発表状況特許出願
K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J Nanomater in press
43
装置利用
豊田工大 08-16
磁気記録用パターン媒体の研究
Fabrication of patterned media for magnetic recording
加藤 剛志
Takeshi Kato
名古屋大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Nagoya University
イオン照射型ビットパターン媒体として利用できる CrPt3 規則合金膜の成長プロセスを検討するため
赤外線ランプおよび短パルスレーザーを利用した急速熱処理を検討した赤外線ランプ加熱では真空
中熱処理と同様CrPt3膜を規則合金化できさらに多層構造を崩さずに CrPt3規則相を生成すること
が可能であることが分かった一方短パルスレーザー処理を行った場合赤外線ランプ処理のよう
な規則合金化は見られなかった In order to develop new fabrication process of CrPt3 ordered film for ion irradiation bit patterned media rapid thermal annealing using infra-red (IR) lamp or short pulse layer has been investigated In the case of IR lamp annealing the ordered structure of CrPt3 was confirmed just as in the sample prepared by vacuum annealing Moreover this method was found to be quite useful to fabricate multilayered structure including the ordered CrPt3 layer On the other hand the ordered CrPt3 was not confirmed for the annealing using short pulse layer
背景と研究目的 ハードディスクドライブ
(HDD)の記録媒体として現在使用されてい
る微粒子媒体に代わる超高密度記録媒体である
ビットパターン媒体が注目されているこれは
熱安定性の確保低記録磁界低ノイズという
現在微粒子媒体において問題となっているトリ
レンマを微細加工によりビットを定義すること
で克服するというものである超高密度なビッ
トパターン媒体に要求される特性として高い
熱安定性シャープなビット境界優れた表面
平坦性などが挙げられるこれまでに我々は
これらを満足するものとしてイオン照射型
CrPt3パターン媒体を作成し超高密度パターン
媒体の可能性があることを示してきた[1] イオン照射型パターン媒体はイオン照射に
より媒体の物性を局所的に制御しパターン化す
る方式であり表面平坦性に優れた媒体が作製
可能となるこれまで CoPt[2]CoPd[3]多層膜
などにおいて高エネルギーイオン照射により
垂直磁化の領域と面内磁化の領域をパターン化
する研究などが報告されているしかしながら
これらの材料ではイオン照射だけで照射領域を
非磁性化することが困難であり照射領域を介
した記録ビット間の磁気的結合が高密度記録に
重大な支障をきたす[3]一方CrPt3 膜は L12
型の規則合金ではフェリ磁性を不規則の fcc相では非磁性となり低ドーズのイオン照射に
よりこの相変化を起こすことが可能であるこ
のため低ドーズの照射により磁性非磁性領域
のパターン化が可能でビット間の磁気的結合
のないイオン照射型パターン媒体の実現が可能
となるCrPt3パターン媒体の応用上唯一の課
題はその規則化温度の高さであるこれまでの
報告ではCrPt3 規則合金の生成には真空中で
850˚C 程度の熱処理が必要であり[4]これは低
価格のディスク基板や軟磁性裏打ち層の形成の
障害となるこのため本研究では赤外線ラン
プおよび短パルスレーザーを利用した急速熱処
理を用いた CrPt3 規則合金膜の規則化を検討し
た
44
実験 マグネトロンスパッタ法によりSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substまたはSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (10 ndash 20 nm) CoFeZrNb (10 nm) SiO2 substという構成の膜を
作製したCr25Pt75層はCrとPtを同時成膜するこ
とで形成した赤外線ランプおよび短パルスレ
ーザーを用いた急速熱処理によりC 25Pt75 膜の
規則合金化を試みた赤外線ランプ加熱では
800 ˚C - 1000 ˚Cを 30 sec程度保持した昇温
降温速度は約 70 ˚Csecと真空中熱処理の 10 ˚Cminに比べ非常に速いパルスレーザー加熱
にはNdYAGレーザーのSHG光(パルス幅 6 nsec)を用い照射パワーを 40 - 190 mJcm2 と
変化させた膜構造はX線回折(XRD)により磁
気特性は交番磁界勾配型磁力計(AGM)磁気光
学Kerr効果測定装置により測定した
r
結
Fig1 (a) MndashH loops of lamp annealed Cr25Pt75 (15 nm) applying a magnetic field in-plane and film normal directions (b) Kerr loop of lamp annealed Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (20 nm) CoFeZrNb (10 nm)
果および考察 Fig 1 (a)はSiO2 (2 nm)
Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substを 1000 ˚C30 secの赤外線ランプ加熱処理後試料の磁化曲線を示し
ている18 kOeの最大印加磁場における磁化は
150 emucc程度で保磁力は 12 kOeとなった同
一のサンプルを真空中 850 ˚C15 minの熱処理
を行った場合磁化は 250 emucc保磁力は 12 kOeであったこれは赤外線ランプ加熱によっ
ても真空中熱処理と同様CrPt3膜を規則合金化
できることを示している真空中熱処理に比べ
赤外線ランプ加熱では短時間に熱処理を行うこ
とができるため多層構造膜の界面の合金化を
抑え熱処理することが可能となる可能性があ
るFig 1 (b)はSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (20 nm) CoFeZrNb (10 nm) SiO2 substの1000 ˚C30 secの赤外線ランプか熱処理後の
Kerrループを示しているKerrループは膜面側
から測定した結果でありCrPt層の磁化曲線を
反映するFig 1 (b)のように単層膜と同様の大
きな保磁力のループが得られておりSiO2 (20 nm)中間層によりCoFeZrNb層とCrPt3層との合
金化が抑えられたことを示している
Fig2 Dependence of saturation magnetization of pulse laser annealed Cr25Pt75 (15 nm) on the laser fluence
参考文献
[1] T Kato S Iwata Y Yamauchi S Tsunashima
K Matsumoto T Morikawa K Ozaki J Appl
Phys 105 (2009) 07C117
[2] C Chappert H Bernas J Ferreacute V Kottler J-P
Jamet Y Chen E Cambril T Devolder F
Rousseaux V Mathet H Launois Science 280
(1998) 1919
Fig 2 は SiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substを 40 ndash 190 mJcm2 のエネルギーでパルス
レーザー処理した後の磁化の照射強度依存性を
示している照射強度と温度との関係は不明で
あるがCr25Pt75 (15 nm)の反射率透過率から
照射エネルギーの 10 程度が膜に吸収される
と見積もられることからPt の体積比熱 29 JKcm3 を仮定すると50 mJcm2 で約 1000 ˚C の
温度上昇が見込まれるFig 2 に示すように CrPt合金膜に短パルスレーザー処理を行った場合
100 ndash150 mJcm2 程度の照射で若干磁化の増大
が観測されたが赤外線ランプ処理のような
100 emucc 以上の磁化は見られていない
[3] E Suharyadi T Kato S Tsunashima S Iwata
IEEE Trans Magn 42 (2006) 2972
[4] J Cho M Park H Kim T Kato S Iwata S
Tsunashima J Appl Phys 86 (1999) 3149
45
装置利用 豊田工大 08-17
鉄-コバルトナノワイヤシリサイド形成に関する研究 Study for Iron ndash Cobalt Nanowire Silicide Formation
丹司敬義ab大平 豊a
Takayoshi Tanjiab and Yutaka Ohiraa
a名古屋大学院工学研究科 b名古屋大学エコトピア科学研究所
aGraduate School of Engineering Nagoya University bEcoTopia Science Institute Nagoya University
Si(110)表面上にFe と Co の二元蒸着により作製したナノワイヤ(NW)の元素分析を行うために走査電子顕微鏡(SEM)に装備されているエネルギー分散型スペクトロスコピー(EDX)を用いたその結果我々は NW が形成されている同一表面上から FeCo の両ピークの検出に成功した Elemental analysis of Nanowire (NW) prepared by co-deposition of Fe and Co onto Si(110) surface have been studied by energy dispersion spectroscopy (EDX) equipped scanning tunneling microscopy (SEM) As a result we found both peaks of Fe and Co K line from same surface formed NW 背景と研究目的主に電荷を用いる半導体エレク
トロニクスでは従来使われなかった電子のもう一
つの性質であるldquoスピンrdquoを積極的に利用して
新しい材料の機能やデバイスを構築しようとする
半導体スピントロニクスに関する研究が近年盛
んに行なわれているシリコン(以下Si)技術と
の融合を図るためにはSi基板上へ磁性体の直接
成長が必要となる この背景の下我々はldquo磁性を有するナノワイ
ヤ(以下 NW)を Si 基板上に直接成長させるrdquoこ
とを最終目的として本研究を行なっているこれ
までは磁性元素である鉄(以下 Fe)のみを蒸着
し加熱することで形成される NW に注目し研
究を行なってきた 1)今回は FeSi(110)系に更にコ
バルト(以下 Co)を同時蒸着することにより
NW を形成させることを試みている Fe ndash CoSi(110)系の先行研究例は全くなくまず
Si(110)表面上に Fe と Co を同時に蒸着させた場合
にもFeSi(110)系や CoSi(110)系と同様なワイヤ
が形成されるかどうかを調べる必要があるこれ
はすでに著者らが形成されることを明らかにして
いる次の段階としてFe と Co 両方が同一ワイ
ヤ内に存在しているかどうかを調べるために本
支援により元素分析が可能な SEM ndash EDX を使
用した 実験Si(110)表面上にFeとCoの二元蒸着により
作製したNWのSEM ndash EDX測定を行う
結果および考察Figure 1 にFeとCoを蒸着
加熱を行い作製した試料のSEM像を示す
FeSi(110)系やCoSi(110)系で作製したNW同様
lt-110gt方向に配向したNWが観察されるNWの形
状としては幅が約 10 ndash 100 nm長さが約 300 ndash 1200 nmであり長いものでアスペクト比が 20 を
超えるNWが形成される この表面上の SEM ndash EDX 測定を行った結果を
Fig 2 に示す測定時に試料を入射電子線に対
して傾けて測定しているFeCo それぞれの K線のピーク(Fe 6398 keV Co 6924 keV)を検出す
ることに成功しこの表面上には FeCo それぞ
れ 2 種類の原子が存在していることを確認するこ
とができたまた母体である Si の K 線のピー
ク(Si 1739 keV)の横にあるピークはSi の K線エネルギーの丁度 2 倍の位置にあたりサムピ
ークと呼ばれているこれは検出器に Si からの特
性 X 線が 2 つ同時に入った場合検出器が分離で
きないために起こるアーティファクトである 次にワイヤ 1 本に FeCo がそれぞれ含まれ
ているかどうかを調べるためにEDX マッピング
を行ったその結果を Fig 3 に示すFigure 3(a)はマッピングを行った場所の SEM 像(b)から
(d)はそれぞれSiCoFe の K 線のピークの強
度を濃淡で表示したものであるこの結果SEM像と対応した濃淡を測定することはできなかった
これは試料のドリフトにより観察領域が同一の
場所に安定しないため測定することができなか
ったと考えられる
46
本支援ではFe と Co の二元蒸着により作製し
た Si(110)表面上の NW の元素分析を SEM ndash EDXにより行ったその結果 NW を有する表面上から Fe と Co の両ピーク
を検出した 非常に微小な構造のためSEM ndash EDX では
NW1 本辺りからの元素分析は困難であった 以上のことを明らかにした 今後の課題二元蒸着により作製したワイヤの詳
細な元素分析また磁気特性について研究を行な
う予定である 論文発表状況特許出願 該当なし 参考文献 1) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
Jpn J Appl Phys 47(7B) (2008) 6138
Fig 3 EDX mapping of Fe ndash CoSi(110) surface (a) SEM image (b) Si K line (c) Co K line (d) Fe K line
Fig 1 SEM images of NWs on Si(110) surface The NWs grow along lt110gt
Fig 2 (a) Configuration of EDX measurement (b) EDX spectrum of Fe ndash CoSi(110) surface
1 μm lt110
lt001gt
(c)Co K line
(a)SEM image (b)Si K line
500 nm
(d)Fe K line
47
技術代行装置利用
豊田工大 08-20
ナノ構造半導体薄膜の作製
Fabrication of Nano-Structured Semiconductor Thin films
竹田 康彦
Yasuhiko Takeda
株式会社 豊田中央研究所
Toyota Central Research and Development Laboratories Inc
分子線エピタキシー法によりGaAs ウェハー上に良質の GaAs 膜を作製するための条件を調べた成
膜時の基板温度が 520のときにバンド間遷移に起因するフォトルミネッセンスの強度が最大半値
幅が最小となりこれが最適条件であることがわかった We found the optimal substrate temperature to fabricate GaAs thin films on GaAs wafers by molecular beam epitaxy When the substrate temperature during the deposition was 520 the intensity of photoluminescence attributed to the band-to-band transition was the largest and the peak width was the narrowest
背景と研究目的 ナノ構造半導体中に閉じ込
められたキャリアはその構造の次元(2 次元
薄膜1 次元細線0 次元ドット)に特徴的
な光電子物性を示す1970 年代の分子線エピ
タキシー(MBE)成膜技術の進歩によってこ
の分野の研究が大いに進展した[1]このように
長い歴史をもつにも関わらず未だに新たな発
見が絶えない分野でもある例えば近年地球
温暖化対策の一環として種々の太陽電池の研究
開発が盛んになっている現在製品化されてい
る太陽電池の主流はシリコンpn接合を基にした
ものであるが変換効率の大幅な向上を目指し
ナノ構造半導体中の長寿命ホットキャリアや
多重キャリア生成の利用が提案されている[2]しかしこれらのナノ構造に特徴的な光電子
物性の起因と詳細は未だ議論の渦中にある[3 4]
III-V 族化合物半導体混晶を用いた多層薄膜
においてはその組成を変調することにより
キャリアに対する閉じ込めポテンシャルを制御
することができる更に格子整合不整合の
利用により閉じ込め構造の次元をも制御する
ことができるのでナノ構造に特徴的な物性を
発現させるための格好の舞台となる 我々は2 次元閉じ込めの代表的な材料であ
る GaAsAlGaAs 多層膜[1]及び 0 次元閉じ込め
構造が得られる InAsGaAs 多層膜[5]を GaAs ウェハー上に作製することを計画しているこれ
らを作製するためには通常GaAs ウェハーの
上に厚さ数 100nm の GaAs バッファ層が形成さ
れる新たに導入された MBE 成膜装置におけ
る成膜条件を調べる第一歩としてGaAs バッフ
ァ層の作製を試みた 実験 市販n型GaAs(100)ウェハー基板上に
MEB法により厚さ200nmのGaAs膜を作製した
良質な薄膜が得られる条件を調べるため基板
温度を400~600の間で変化させた成膜速度
が10~20nm分になるように原料の供給量を調
節した 作製したGaAs膜の結晶性をフォトルミネッ
センス測定により評価した励起光にはNdYAGレーザーの第2高調波(波長532nm)を用いた
この波長でのGaAsの光吸収係数は78times104cm-1
でであり[6]励起光は基板には到達しないので
膜からの発光のみを測定することができる検
48
出器にはInGaAs光電面をもつ光電子増倍管を
用いた試料温度は室温にて測定を行った
0
2
4
6
8
10
800 900 1000 1100 1200
Wavelength (nm)
PL Inte
nsi
ty (ar
b U
nits)
MBE film
Wafer
結果と考察 何れの基板温度の場合にもバン
ド間遷移に起因する発光ピークが波長 860nm付
近に現れたただしその強度とピークの幅は
基板温度に依存し520のときに強度が最大
かつピーク幅が最小であったこれよりも低温
では結晶性が低く一方高温ではAsの再蒸発に
より欠損が生じるためであると考えられる 今回の成膜条件において最適であった基板温
度 520にて作製された GaAs 膜のフォトルミ
ネッセンススペクトルを Fig 1 に示す同条件
にて測定された GaAs ウェハーの結果と比較す
るとピーク波長が若干短波長側にシフトして
いる更にピーク幅が広くまた長波長側に
格子欠陥あるいは不純物に起因すると考えられ
る発光が見られる従って結晶性にはまだ改
善の余地があると考えられる
Fig1 Photoluminescence spectra of the GaAs thin film deposited at a substrate temperature of 520degC and the GaAs wafer measured at room temperature
今後の課題 更に良質のGaAsバッファ層を作
製するための条件を探索すると共にこれを基
にナノ構造薄膜を作製しその光電子物性を
評価する予定である 謝辞 フォトルミネッセンス測定技術につい
てご指導いただきました豊田工業大学小島伸
晃先生に深謝申し上げます
参考文献
[1] 日本物理学会編半導体超格子の物理と応
用(培風館1984)
[2] M A Green Third Generation Photovoltaics
(Springer-Verlag Berlin 2003)
[3] J A McGuire et al Acc Chem Res 41 1810
(2008)
[4] A Pandy and P Guyot-Sionnest Science 322
929 (2008)
[5] R Ohshima et al J Cryst Growth 310 2234
(2008)
[6]
49
協力研究
豊田工大 08-22
InAs 量子ドットを電極としたナノショットキーダイオードの理想係数
Ideality factor of nano-Schottky diodes using InAs quantum dots as electrodes
田中 一郎
Ichiro Tanaka
和歌山大学 システム工学部
Faculty of Systems Engineering Wakayama University
導電性探針を用いた原子間力顕微鏡(AFM)によって表面における伝導性をナノスケールで測定する
ことが可能である本研究ではGaAs(001)表面上に自己形成した単一 InAs 量子ドットを電極とした
ナノショットキーダイオードの電流電圧特性を行いその理想係数に対するフェルミレベルピニン
グの影響を検討したまたGaAs 層へのドーピングによりその影響が緩和されることを明らかに
した We fabricated nano-scale Schottky diodes using self-assembled InAs quantum dots as nano-electrodes on n-GaAs layers and current-voltage characteristics of the single nano-Schottky diodes were measured with conductive AFM at room temperature It has been simulated and experimentally confirmed that the ideality factor of the nano-Schottky diodes becomes considerably large because of Fermi level pinning at GaAs (001) surfaces We have also found that higher doping concentration of n-GaAs decreases the influence of the environmental Fermi level pinning
背景と研究目的 InAs量子ドットはその0
次元電子物性や光電子素子への応用可能性が
注目されて様々な研究が行われてきた われわれは導電性探針を用いた原子間力顕
微鏡(AFM)により InAs量子ドットの導電性を画
像化し同ドットがナノ電極として使用できる
ことを見出している1) 今後デバイスの微細
化が進むとともに電極もナノスケール化される
と考えられるがそれによってデバイス特性が
受ける影響を検討することは重要である本研
究では InAs 量子ドットを電極に用いて GaAs ナノショットキーダイオードを作製してその電
流電圧特性を検討することを目的とした 計算 n-GaAs層上にナノスケールの電極を設
けてバイアス電圧を印加した場合にその電極
下における電位分布がどうなるかを有限要素法
によりポアッソン方程式を解いて計算したそ
のモデルを図1に示すこの計算においてナノ
電極以外の表面はフェルミレベルピニングによ
り電位が07Vに固定されているものとした 実験 n-GaAs層およびその上のInAs量子ドッ
トはn+-GaAs(001)基板上に固体ソースの分子線
結晶成長(MBE)装置を用いて作製した 試料表面をAFM観察し直径が60~80nm程度
のInAsドットに導電性探針を接触させて順バイ
アス電圧を印加し電流電圧特性を測定した 結果および考察 図2(a)にナノ電極の
05V の順バイアス電圧を加えた場合のナノ電
極近傍の電位分布計算結果を示すこの図にお
いてナノ電極は電位が 02V になっているため
その直下の電位はそれに応じて青色で表されて
いるが深さ 20nm 程度の所は緑色になってい
て電位がやや上昇しているさらに深くなると
50
別紙
電位は次第に減少し中性領域で 0V になるこ
のように電位が深さ方向に単調には減少しない
原因はナノ電極周囲の表面電位がフェルミレベ
ルピニングのため 07V に固定されていてその
影響がナノ電極下に及んでいるためであること
がわかる2) Z 軸に沿った深さ方向のポテンシ
ャル変化を図2(b)に示す この計算結果からナノショットキーダイオ
ードでは理想係数が増加すると考えられるそ
こでドナー濃度が 1x1017cm-3 の n-GaAs 層を
100nm 成長しその表面に InAs 量子ドットを形
成してナノショットキーダイオードを作製した
さらに接触モードの導電性 AFM でその表面
を観察した後単一ドット上に探針を移動させ
て順方向にバイアス電圧を印加し電流電圧
特性を測定したその結果図3に示すように
バイアス電圧が 03V 近辺から電流の増加が緩
やかになり理想係数が 14 から 22 になること
がわかったこれはフェルミレベルピニング
の影響により電極直下の電位が低下しにくくな
ったためと考えられる
Fig 1 Calculation model for voltage distribution under a nano-electrode formed on the (001) surface of n-GaAs layer
またn-GaAs 層のドナー濃度を3倍に高めた
ところこのような理想係数の増加は見られな
かったこれは空乏層中のドナーの増加によ
りフェルミレベルピニングの影響が緩和された
ためと考えられる Fig 2 Calculated (a) potential distribution near the nano-electrode on which a forward bias voltage of 05 V is applied and (b) potential variation along Z-axis
今後の課題 n-GaAs 層表面近傍の空乏層中に
二重障壁構造を作製して本研究と同様の手法
でナノ共鳴トンネルダイオード(nano-RTD)を作
製することができる3) この場合フェルミレ
ベルピニングの影響により共鳴トンネル効果が
生じる電圧が増加するためそれにより直接
的定量的に把握できる今後はnano-RTD を
用いて表面処理によるショットキー障壁の低
減を検討する
論文発表状況特許出願 [1]I Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and H Sakaki Abstract for the 2nd IEEE Nanotechnology Materials and Devices Conference Mo P38 (October 20-22 2008 Kyoto University Japan) 参考文献 1) I Tanaka I Kamiya H Sakaki N Qureshi S J Allen Jr and P M Petroff Appl Phys Lett 74 (1999) 844
Fig 3 Current-voltage characteristics of nano-Schottky diodes measured by conductive AFM2) T Sato S Kasai and H Hasegawa Jpn J Appl
Phys 40 (2001) 2021 3) I Tanaka Y Tada S Nakatani K Uno M Azuma K Umemura I Kamiya and H Sakaki Phys Stat Sol(c) 5 (2008) 2938
51
技術代行
豊田工大 08-26
カーボンナノチューブ FET の作製と評価
Fabrication and Measurement of Carbon Nanotube FET
吉村 雅満
Masamichi Yoshimura
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
カーボンナノチューブ FET 素子の試作を行ったHiPco 試料の I-V 特性は金属半導体(p 型)が混在
していることSG65 試料では半導体特性が明瞭に観測されたまた架橋した本数によりドレイン電
流値に違いがあり少数の CNT が架橋しているとゲート依存性が強くなることが分かった CNT-FET has been fabricated using dielectrophoresis method The HiPco-FET shows both p-type semiconducting and metallic behavior The semiconductor behavior is clearly observed for SG65-FET The Current value and gate voltage dependence are highly influenced by the number of bridged CNTs
背景と研究目的 現在の半導体産業はデバ
イスの微細化による素子性能の向上と高密度化
により発展を遂げてきたしかしシリコンMOSFET(metal-oxide- semiconductor field-effect transistor)では微細化が進むにつれてゲート絶縁
膜の薄膜化に伴う量子効果(例えばキャリアの
トンネル)の影響により性能の向上が阻害され
るそのためSi技術の微細化は限界が近づいて
いるそこで次世代のデバイス材料の一つとし
て注目されているのがカーボンナノチューブ
(CNT)であるカーボンナノチューブFET(以下
CNT-FET)とはCNTをチャネルとして利用した
電界効果トランジスタであるその構造の概略
図をFig1 に示すTansらは平面ゲート電極で変
調され室温で動作するカーボンナノチューブデ
バイスを初めて報告した[1] CNT-FET はバリスティック伝導および高い
電流密度を示しさらに基板を選ばず 1 次元チ
ャネルで短ゲート化に適しているなど優れた特
徴をもつそこで本研究では CNT-FET を作製し
その電気特性を測定することを目的とする 実験 溶媒としてDMF10 mlにCNT試料1 mgを
加え約50 で超音波処理を1 h行うことによ
り分散させたCNTを電極間に架橋させる方法
として誘電泳動法を用いた[2]すなわち溶
液中の微粒子に外部から電場を加えると溶液
-微粒子界面に電荷が誘起される電荷量は溶
媒と粒子の分極率に依存しこの相違により
双極子モーメントが誘起される本研究では
この原理を利用してCNTを電極に引き寄せる
CNT試料として異なる純度分散状態電気
的特性を有するUnidym社製Super Purified
HiPcoSouthWest Nano Technologies社製SG65
を使用したHiPcoは金属半導体の割合が1
2SG65は90 以上が半導体的なCNTで構成さ
れている 具体的にはCNT分散溶液を基板に
滴下後高周波(5 MHz)を15分程加えることに
よりCNTの配向を行ったソースメータ
(Keithley社製2636)及びマイクロプローバー
(共和理研社製K-157MP150)を用いFET特性の
測定を行ったFig1下図に測定回路図を示す
ゲート電極は基板背面を利用した 結果および考察 Fig2 にHiPco試料のド
52
レインソース間の電流(Ids)-電圧(Vds)特性のゲ
ート電圧依存性の測定結果を示すこのときゲ
ート電圧Vgsを-15~+15 Vの間で5 Vステップで
印加したオーミックな特性が観測されIdsはVgsを負に印加すると増加したよって架橋し
たCNTは金属p型半導体双方の性質をもつもの
が混在していたと考えられる直線の傾きから
抵抗値を見積もると抵抗値はVgs=-15 Vで 019 MΩ15 Vで 026 MΩとなりVgsが負のとき抵
抗値の低下が確認されたCNT 1 本当たりの抵
抗値に換算するとVgs=-15 Vのとき約 3 MΩと
なり文献値の 29 MΩとほぼ一致した[3]
-10 -05 00 05 10
-4
-2
0
2
4
1microm
Vgs=15V
Vgs=‐15V
0V
+
-
5Vstep
次に多量及び少数のSG65が架橋した電極の I-V測定結果を Fig34 に示すFig34 どちらも p 型
半導体的な特性が現れているまた CNT 数が少
数の場合電流値が約 120 に減少しているさ
らに Vgs による Ids の変調は少数の CNT が架橋
した時により大きいことがわかる
今後の課題 カーボンナノチューブの高分散
技術の改良ナノ電極のデザイン改良が今後必
要である 謝辞 本研究は豊田工業大学寺尾良輔氏
梶原健氏との共同研究である
参考文献
1) SJTanset alNature 393 (1998) 49
2) YMiyatoet alJpnJApplPhys 87
(2005) 183102
3) RMartelet alApplPhysLett 73
(1998) 2447
Fig1 Schematics of CNT-FET (upper) and electric circuit (lower)
SiO2
Source Drain
CNT
Gate(P+‐Si)
Vgs Vds
AD
S
G
CNT
Ids
-3 -2 -1 0 1 2 3-02
-01
00
01
02
Vgs=-10VVgs=-5VVgs=0VVgs=5V
1microm
Vds
Ids
(nA
)
Fig 4 IV curve of SG65-FET with a small amount of CNTs
Vds
Ids
(nA
)
Fig 3 IV curve of SG65-FET with plenty of CNTs
-3 -2 -1 0 1 2 3-10
-5
0
5
10
1microm
Vgs=‐10V
Vgs=‐10V‐5V
05V
‐5V +5V
0V
Vds
Ids
(μA
)
Fig 2 IV curve of HiPco-FET
53
装置利用
豊田工大 08-27
触媒ナノ粒子を用いた CVD 膜中残留応力制御
Study of controlling residual stress in CVD thin film by using catalyst nanoparticles
熊谷慎也
Shinya Kumagai
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
MEMS ではデバイス構造を作製するために Si 薄膜が使用される高性能な MEMS デバイスを実現す
るためにはその薄膜中の応力状態を制御することが必要であるアモルファス Si 薄膜を結晶化さ
せるとその過程で薄膜の堆積が収縮し薄膜中に引張応力が発生することが知られている薄膜の
結晶化を適切に促進すれば薄膜中の応力状態を制御することができると考えられる本研究では
アモルファス Si 薄膜の成膜および結晶化促進のための触媒ナノ粒子を Si 薄膜基板上に吸着させ
るプロセスについて検討を行った Thin films of Si are widely used in the fabrication of MEMS structure To realize high performance MEMS devices it is necessary to control the stress in the Si thin film As the crystallization of amorphous Si films proceeds the shrinkage of the volume of the Si thin film generates tensile stress in the film Appropriate crystallization process can control stress in the Si thin film In this study we investigated deposition condition of amorphous Si films and adsorption of catalyst nanoparticles onto the Si films
背景と研究目的 近年MEMS デバイスは我々の周りで広く使
用され欠かせないものになっている例えば
光関連の分野ではマイクロミラーデバイスが
プロジェクタプリンタ等の中に組み込まれて
いるこのミラーデバイスではミラーの回転
角は大きくその一方で不安定動作は小さい
ことが求められるこの要求を満たすために
例えばミラーを支えるトーションバーに張力
(引張応力)を加えることが提案されている[1] シリコン薄膜に引張応力を生じる原理はアモ
ルファスシリコンからポリシリコンへの結晶化
に伴う体積収縮によって発生する結晶化誘起応
力にあると言われている[2]通常はサンプル
を加熱するだけのアニール処理で行うためラ
ンダムな場所から核成長が起こり得られる結
晶粒径は限られ発生する引張応力も限られて
いたそこで何らかの方法で結晶粒径を大き
くできれば引張応力発生に寄与する材料の比
率が増しより大きな引張応力を得ることがで
きると考えられる[3]結晶化の促進には金属誘
起結晶成長法が利用できる[4] 本研究では
アモルファスシリコン薄膜の成膜とそのシリ
コン薄膜上へ結晶化促進のための触媒ナノ粒子
を吸着させるプロセスについて検討を行った
54
実験 アモルファスシリコン薄膜の堆積 プロセスガスとしてジシランを使用したジ
シランは通常用いられるシランよりも低い温度
で熱分解するためアモルファス薄膜の成膜に
適している[5]薄膜のアモルファス性が高いほ
ど結晶化する際の堆積収縮量が大きく引張応
力の発生の効果が大きいといえる堆積実験で
はCVD炉温度を510度に設定し炉内圧力
13Paのもとで成膜を行った成膜時間は100分間
とした
シリコン薄膜上への触媒ナノ粒子の吸着 触媒ナノ粒子を分散させた溶液をアモルファ
スシリコン薄膜上に滴下して10分間吸着を行っ
たその後遠心分離機(10000rpm1分)を用い
て余剰の溶液を除去しその後SPMで観察を
行った 結果および考察 シリコン薄膜堆積後光干渉法により膜厚
を測定したサンプル表面20箇所の平均値とし
て2790nmが得られた堆積レートに換算すると
約28nmminとなるMEMS応用には1μm程度の
Si薄膜の厚さがあることが望ましいそのため
にはより長い堆積時間が必要となる堆積レ
ートを高くするには成膜温度を上げることが
有効であるが堆積後に結晶化が進み薄膜の
アモルファス性が低下することになる膜質と
トレードオフの関係にあるため今後検討を進
めていく必要がある 作製した Si 薄膜のサンプルを用いてナノ粒
子の吸着実験を行ったFig 1 にナノ粒子吸着
後サンプル表面の SPM 像を示すナノ粒子が分
散して吸着していることがわかるその一方で
成膜後のサンプル表面を光学顕微鏡で観察した
限りでは分からなかったがナノ粒子の他に表
面に比較的大きな凹凸形状が見られるこのよ
うな箇所では MEMS 構造を作った際に機械的
強度が低下すると考えられ堆積条件のさらな
る検討が必要といえるFig2 ではナノ粒子濃度
を Fig1 の条件の 10 倍に希釈した溶液を滴下し
た後の SPM 像であるFig1 と比較すると溶
液濃度が希釈されて低くなっていることに対応
して表面上へのナノ粒子吸着量が減少してい
ることがわかる溶液中のナノ粒子濃度は基板
上への吸着量の制御パラメーターとして利用で
きる まとめ
Si 薄膜の堆積条件ナノ粒子の吸着プロセス
について検討を行った引き続き検討を行
いシリコン薄膜結晶化の評価を進めていく予
定である
参考文献
1) M Sasaki S Yuki K Hane IEEE Photon
Technol Lett 18 (2006) 1573
2) 三浦英夫ら日本機械学会論文集(A 編)58
巻 554 号(1992-10)216-221
3) P Temple-Boyer et alThin Solid Films 310
(1997) 234
4) C Hayzelden and J L Batstone J Appl Phys
73 (1993) 8279
5) K Nakazawa J Appl Phys 69 (1991) 1703
Fig1 SPM image of nanoparticle adsorption on Si film surface
Fig2 SPM image of nanoparticle adsorption Concentration of nanoparticle in the solution is 110 of the condition in Fig1
55
協力研究
豊田工大 08-28
a-SiNxHSi 界面特性の面方位依存性
Dependence of crystallographic orientation on a-SiNxHSi interface characteristics
新船 幸二a近藤 憲司b大下 祥雄b
Koji Arafune a Kenji Kondob Yoshio Ohshita b a 兵庫県立大学b 豊田工業大学
a University of Hyogo b Toyota Technological Institute
多結晶シリコン太陽電池の表面パッシベーション膜としてアモルファス水素化窒化シリコン膜
(a-SiNXH)が通常使用されているこのパッシベーション機構を明らかにするために面方位の異な
る単結晶シリコン基板に a-SiNXH 膜を同一条件で製膜しその容量-電圧特性を水素処理前後に測定
し界面準位密度や固定電荷について検討を行った a-SiNXH film is used as surface passivation layer for polycrystalline silicon solar cells In order to clarify the passivation mechanism a-SiNXH films are deposited on the single crystalline silicon substrates with different crystallographic orientation by plasma enhanced chemical vapor deposition The characteristics of a- SiNXHSi interface is also studied by C-V measurements
背景と研究目的 現在主流の多結晶シリコン
太陽電池には表面パッシベーション膜として
アモルファス水素化窒化シリコン膜(a-SiNXH膜)が使用されているa-SiNXH膜をシリコン基
板上に形成することにより界面準位密度が低
下し加えてa-SiNXH膜中の固定電荷に起因す
る電界効果により界面におけるキャリアの再
結合が抑制される 1)と考えられているしかし
具体的なパッシベーション機構については未だ
明らかになっていないこの原因の一つとして
多結晶シリコンが面方位の異なる結晶粒により
構成されているため得られる情報が平均化さ
れてしまうことが予想されるそこで面方位
の異なる単結晶シリコン上にa-SiNXH膜を形成
しそれらの電気的特性の相違を詳細に検討す
ることによりa-SiNXH膜によるパッシベーシ
ョン機構解明の端緒とすることを目的とした 実験 面方位が(100)および(111)である3inch
果および考察
のp型単結晶シリコン基板を4分割し希フッ酸
処理SC1処理希フッ酸-過酸化水素処理等
により洗浄を行った洗浄後の(100)および
(111)基板上にPECVD法によりa-SiNXH膜を製
膜した製膜条件は250 []圧力 04 [torr] ガス流量 SiH4 3 [sccm]NH3 6 [sccm]H2 6 [sccm]製膜時間 5 [min]とした製膜したa-SiNXH膜の
膜厚および屈折率はエリプソメトリー法により
評価したC-V測定サンプルのゲート電極には
Al(D=06mm)を使用した界面準位低減効果を
比較するためにフォーミングガス(N2+H2)によ
るアニールを400 []30 [min]で行った 結 製膜したa-SiNXH膜の
ングガスアニール前の C-V 曲
膜厚は面内で多少のばらつきはあったものの
(100)基板および(111)基板ともに89plusmn4 [nm]以内
であった屈折率に関しては178 と全て一定
の値を示した Fig1 にフォーミ
56
の C-V
えるとa-SiNXHSi 界面に
(a)
線を示す膜中の固定電荷に関しては(111)基板上の膜の方が(100)基板上の膜より密度が高
いことが判ったこれはシリコン上の熱酸化膜
と同様の傾向を示しているまた両者ともに
ヒステリシスを示しているがその原因は(100)基板の場合は正の可動電荷型(111)基板では正
孔注入型と異なることが判った界面準位密度
に関してはどちらの場合も非常にリークが大
きいため今回の測定では求めることが出来な
かった今後膜厚増加によるリーク低減を行
い界面準位密度の評価を進めたい Fig2 にフォーミングガスアニール後
曲線を示すどちらの場合もフォーミングガス
アニールによりヒステリシスが消失している
これは熱による構造変化と水素によるダング
リングボンドの終端化によるものと考えられる
より詳細な検討を行うためにはアニールガス
種の変更や温度時間等を変化させた評価が必
要である界面準位密度に関してはフォーミ
ングガスアニールにより界面準位密度が低減さ
れた傾向が現れているまたC-V 特性測定時
の周波数を変化させた測定も行ったところ周
波数分散特性も(100)基板と(111)基板では大き
く異なっていた 以上の結果を踏ま
おける界面準位密度及び膜中固定電荷密度は基
板面方位に大きく依存しヒステリシス特性の
要因も基板面方位により変化することが明らか
になった
0
50
100
150
200
-10 -8 -6 -4 -2 0
容量[pF]
電圧[V]
(b)
0
50
100
150
200
-20 -18 -16 -14 -12 -10
容量
[pF]
電圧[V]
Fig1 C-V characteristics of a-SiNXH films on (a)
(100) and (b) (111) single crystalline silicon substrates before forming gas annealing
(a)
0
50
100
150
200
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
容量
[pF]
電圧[V]
(b)
0
50
100
150
200
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
容量
[pF]
電圧[V]
Fig2 C-V characteristics of a-SiNXH films on (a) (100) and (b) (111) single crystalline silicon
後の課題
substrates after forming gas annealing 今 今回はPVCVD装置のトラブルに
りサンプルは2種類しか試すことが出来なよ
かったが今後は(110)基板の使用やa-SiNXH膜の製膜条件を変えたサンプルを準備し固定
電荷の起源やパッシベーション能力の定量的評
価などを行う予定である 謝辞 C-V測定において兵庫県立大学の佐
真一教授及び吉田晴彦准教授に協力頂いた
許出願
藤
深く感謝したい
論文発表状況特 [1 未定
考文献
]
参
t et al Semicond Sci Technol vol16 1) JSchmid
pp164-170 (2001)
57
技術代行装置利用
豊田工大 08-29
太陽電池特性評価技術の習得 Acquirement of solar cell characterization skill
岩本 恵里
Eri Iwamoto
日本ソーラーシリコン株式会社
Japan Solar Silicon Co Ltd
特性の異なるシリコンウェーハから太陽電池セルを作製し作製した太陽電池セルについてその特性評
価を行った
We made silicon solar cells with silicon wafer of a different characteristic and conducted investigation of these
cell performance
研究目的 シリコン原料メーカーとして太陽
電池セルの特性評価に関する知識を持つことが
必要であるしたがって本研究ではセル作製工程
の一連の流れを理解し実際に作製したセルにつ
いてその特性評価を行い自社内での太陽電池特
性評価技術の向上を目的とする今回はプロセ
スに慣れることプロセス条件を最適化すること
を目的とし基板抵抗やPの拡散温度のセル特性
への影響を見ることとした
実験 Si基板は購入した 3 インチ厚み 380 μ
mのSi基板 (CZ結晶) でp型抵抗a (低抵抗) とb
(高抵抗) の2種類の比抵抗値を示す基板を用いた
Si基板を洗浄後基板上にPを温度A B Cの 3 水
準で変化させて拡散させた基板裏面の酸化膜を
除去した後リフトオフ工程によって表面に 10
mm角セル (16 個分) のAl電極パターンを形成し
たこの際Alの蒸着は抵抗加熱真空蒸着装置を用
いて行った表面と同様に裏面にAl電極を形成し
た後380で 10 分間の水素シンター処理を行っ
たその後ダイシング装置で 10 mm角セルに分
割し中心部分のセルについてI-V特性評価を行
ったこのI-V特性評価によってpn接合の良否
電極とSiの接触の良否などが判断できる
結果と考察 Fig1 に低抵抗Si基板と高抵抗Si基
散温度を変化させて作製した各セルの短
絡
板についてリン拡散温度を変化させて作製した
各セルの開放電圧 (Voc) を示すFig1 を見ると
温度Aで拡散させたセルでは他と比較してVocの
値が低かったこれは温度Aでのリン拡散が不十
分でpn接合がうまくできていないと考えられる
Fig2 に低抵抗 Si 基板と高抵抗 Si 基板について
リン拡
電流 (Isc) を示すFig2 を見ると拡散温度 C で
Isc が悪化しているこれは温度 C でのリン拡散
でp 層基板が高温処理によって劣化した可能性
が高いと考えられる
本設備においては拡散温度は CZ 基板を用い
58
た場合温度B近傍で行うのが最適と考えられる
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Isc
(arb
uni
ts)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
今後の課題 今回作製したセルはプロセスの最
適化がされていないため基板評価のため十分な
効率が得られていない今後はプロセス条件の改
善を実施し太陽電池特性評価技術の向上を目指
す
謝辞 本研究は豊田工業大学梶原氏および
下准教授に指導して頂いた深く感謝したい
豊田工業大学梶原氏および
下准教授に指導して頂いた深く感謝したい 大大
Fig2 The phosphorus diffusion temperature dependence of shortcircuit current (I sc) for low resistivity Si substrate and highresistivity Si substrate
Fig1 The phosphorus diffusion temperature dependence ocircuit voltage (V oc) for low resistivity Si substrate aresistivity Si substrate
f opennd high
Fig3 The phosphorus diffusion temperature dependence ofconversion efficiency for low resistivity Si substrate and highresistivity Si substrate
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Voc
(arb
uni
ts)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Con
vers
ion
effic
ienc
y (a
rb u
nits
)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
59
技術代行
豊田工大 08-32
レジストマスクによるリン砒素のイオン注入
P and As Ion implantation using Resist Mask patterns 上田一之
Kazuyuki Ueda
豊田工業大学ナノハイテクリサーチセンター
Nano High-Tech Research Center in Toyota Technological Institute Supported by MEXT
シリコン表面に PAs をイオン注入してマスクパターンを作りそのときの打ち込みエネルギーやイ
オンの種類により打ち込み層に含まれる水素や酸素の形態はpn 接合を考える上で極めて重要な
要素となるしたがってこれらの打ち込み層に存在する水素と酸素の起源と振舞いについて電子励
起イオン脱離法を応用した水素顕微鏡で調べた
Masked patterns by ion implanted surface include hydrogen and oxygen which might affect to p- n-junction properties Electron-stimulate-desorption (ESD) spectroscopy is useful to investigate behaviors of hydrogen and oxygen on the device surfaces Implated musked patterns have been investigated by using hydrogen microscope
背景と研究目的 2次元的なp- n-接合をシリコン表面上にイオン注入法で数十ナノメートルの深さ方向に作りその層の表面や層間に存在するする水素や酸素の起源と振る舞いを調べることは注入層がp-n-層として機能するかどうかの重要な問題を含んでいるナノテク支援により作成されたイオン注入マスクパターンを用いて超高真空中に配置された電子励起イオン脱離(ESD)を発展させた水素顕微鏡を使用して数百ナノメートルの2次元分解能でそれらの挙動を調べた 実験 実験は超高真空中にセットされたESD装置を応用した水素顕微鏡(Fig1)1)2)を使用して
実施されたナノ支援によってシリコンウエハ
ーに注入されたPおよびAsの格子状のパターン
構造をしており最上層にはPのストライプパタ
ーンの層がありその下にはAsのストライプパ
ターンが直角方向に形成されている表面の酸
化物層をイオン衝撃で取り除くとPのストライ
プパターンが現れイオン衝撃法により25nm程度の深さに達するとAsの打ち込み層が存在
していることが水素酸素のイメージから判る
これらのパターンの様子をFig2に2次元的な
模型で示しイオン衝撃に応じて水素顕微鏡で
観察するとFig3に示すようにPのストライプ
パターンが水素像酸素像として示されている
これは打ち込み層が極浅いところなのでP層の
みが現れている水素酸素に2種類のパターン
が示されているのはPとAsではそれぞれの層
に吸着する水素と酸素の吸着状態の違いを反映
して異なる運動エネルギーのイオン像が現れ
るであるうことを期待しているからである
Fig3に示すように同時に得られたSEM像には
両方の元素のパターンがモノクロに撮影されて
いるだけで表面物性的な差異は全く見られな
いこのことはSEM像が2次電子の発生深さの 情報を持つのに対してESDは殆どトップレイ
ヤーの情報しか持たないことに由来する
60
4μm
12μm
18μm
7μm
4μm
As+ As+ 5x1015cm2
P +
5x1015cm‐2
P +
As + 20 keV(127 nm)p‐S i(100)
S iO2
試料の形状(マスクによるイオンの打ち込み)
Top view
S ide view
P + 10keV (108 nm)Thickness of S iO2 1 5 nm
1times1010 As+(on the back ground)
7μm
Fig 1 Ion implanted patterns of P and As
On the B-dose Si surface
Fig2 Shematic drawing of hydrogen
microscope
Fig3 をさらにスパッタリングで 25nm 程度取
り除くと深いところに分布している As 層から
水素酸素の像が得られてそれぞれ格子模様と
なるこれらの水素酸素の起源はイオン注入
打ち込みの過程から考えて酸素は酸化物層にイ
オン注入しているので当然であるが水素につ
いては原因は不明であるイオン注入時はマス
フィルターにより元素を選択的に打ち込んでい
るので水素の混入は考えられないそうすると
マスク材料から打ち込まれたかあるいはマス
クを取り除く薬品から混入したことが考えられ
る現時点ではこれらの水素濃度の定量
Fig3 H+ and O+ images from P-implanted
Layer on Si-SiO2 layers
Fig4 H+ and O+ images from P-and
As implanted layer on Si-SiO2 layers
的評価は出来ないが水素の量によっては今後
のデバイス処理に重要な情報を与えているもの
と考えられる
参考文献
1) KUeda and KOgai Surf Sci 462 (2000) 1
2) 上田一之表面技術 59 (2008) 893
H(1)+ H(2) +
O(1)+ O(2) +
H(1)+ H(2) + SEM
O(1)+ O(2) +
61
協力研究
豊田工大 08-33
新規プローブの開発
Development of new probe for AFMSTM
森田 幸治 長村 俊彦 佐々木 徹
Kouzi Morita Toshihiko Nagamura Touru Sasaki
株式会社ユニソク
UNISOKU CoLtd
近年ナノスケールデバイスの開発においてその表面形状または電気的特性を評価するためのプロ
ーブの必要性が高まってきているそこでプローブ自身が歪み検出部分を持ちかつ先端に他と絶
縁された金属配線を持つ新しいプローブの要素技術開発を行った
Recently new probe to evaluate surface shape and electrical characteristics are required in nanometer scale devicersquos development Here we developed functional elements of new probe with piezo resistance and metal
wiring is isolated other metal wiring
背景と研究目的 現在LSI各種センサな
どのデバイスがナノスケールで開発作製され
それらの金属配線パターンは30nmオーダーに
まで達しているしかしそのデバイスの表面形
状力学的特性電気的特性を評価することは
非常に難しいこれらの研究分野ではデバイス
の各種評価用の装置またそれに合わせた新し
いプローブの開発製品化が強く求められてい
る 弊社では以前より立命館大学磯野教授との共
同開発で新しい機能を持ったプローブの試作を
行ってきた本研究ではその結果を利用して新
規プローブの量産化に向けたMEMSプロセスの
確立を行うプローブはSOIウェハ(Silicon On Insulator)から作製するプローブ上にはピエゾ
抵抗素子を作製しその抵抗変化によってプロ
ーブの歪み検出を行うまたプローブ先端には
他と絶縁された金属配線を持っているこれら
の組み合わせによって様々な評価を行えるプロ
ーブを作製する プローブの絶縁性能に関しては歪み検出を
しながらSTM(Scanning Tunneling Microscope)測定することを想定した時ピエゾ抵抗素子に1V
程度の電圧をかけた時にプローブ先端へ漏れる
電流はトンネル電流より十分少ないことが求め
られる今回はその漏れ電流01nA以下つまり
絶縁抵抗10GΩ以上を目標とする 実験 まず各種プロセス条件に関して以前
から弊社にて研究してきた結果が豊田工業大学
共同クリーンルームの装置で再現できるように
装置の扱いに慣れる意味も含めて繰り返し使用
しプロセス条件を修正合致させたその結
果フォトリソグラフィ真空蒸着イオン注
入TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)エッチング熱酸化シンタリングのプロセス
において以前の結果を再現させることができ
た そのプロセス条件を使用してピエゾ抵抗素
子とそれへの金属配線およびSiO2膜で絶縁され
た金属配線を作製したSiO2絶縁膜は熱酸化炉
(炉内温度1100O2雰囲気30分加熱)で作
製したFig1に作製したデバイスの断面模式図
を示すFig1中の①Al電極はSiO2絶縁膜で基盤
Siから絶縁されている②Al電極はピエゾ抵抗
素子と接続されている①②Al電極を弊社製
62
品であるAFM(Atomic Forced Microscope)STM測定用コントローラに接続しスイープ電圧を
かけてその時の微小電流値をモニターすること
で絶縁抵抗の評価を行った
Al SiO2
Piezo Resistance
(Type Positive)
Si(Type Negative)
① ②
結果および考察
Fig2に作製したデバイスの光学顕微鏡写真
を示す設計寸法通りパターニングできゴミ
などの不純物もほとんど乗ることなく出来上が
ったエリプソメーターでSiO2絶縁膜厚を測定
したところ80nmであったFig2中の①②は
Fig1の①Al電極②Al電極の場所を示している
Fig3にスイープ電圧とその時に得られた電流
値のグラフを示すPiezo resistance(Type Positive)とSi(Type Negative)の間のPN接合の影響で順
方向バイアスではノイズが漏れやすいことが分
かったグラフの傾きから絶縁抵抗値を計算し
たところ約25GΩの抵抗値が得られ目標の絶
縁抵抗値を達成することができた
Fig1 Cross section model of piezo resistance Al wiring and SiO2 dielectric(80nm)
今後の課題 本デバイスはピエゾ抵抗と金属
配線との間でAl-Alの積層構造を持っているが Al 同士の間に Al 酸化膜が存在し接触が不安
定になる現象が確認できた今後は Al を積層し
ない構造に変更するか配線材料の変更を検討
する実験を行う必要がある ② ①
Fig2 Optical microscope image of piezo resistance Al wiring and SiO2 dielectric(80nm) 参考文献
1) 江刺正喜藤田博之五十嵐伊勢美杉山進
共著「マイクロマシーニングとマイクロメカト
ロニクス」培風館
-15
-1
-05
0
05
1
15
-11 -9 -7 -5 -3 -1 1 3 5 7 9 11
Voltage(V)
Current(nA)
2) MエルベンスポークHVヤンセン 著田
畑修佐藤一雄 訳「シリコンマイクロ加工の
基礎」シュプリンガーフェアラーク東京
Forward bias back bias
Fig3 Graph of leak current and voltage put SiO2 dielectric(-9V to +9V)
63
研究協力
豊田工大 08-34
ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製
Fabrication of quantum-structures for potential mapping
賀数 広海 田中 一郎
Hiromi Kakazu Ichiro Tanaka
和歌山大学システム工学部
Faculty of Systems Engineering Wakayama University
InAs 量子ドットをナノメートルサイズの電極(ナノ電極)として用いて順バイアス電圧を印加した場合
その周囲におけるフェルミレベルピニングの影響により電極直下においても電位が下がりにくい
本研究ではInAs 量子ドットをナノ電極として GaAsAlAs 二重障壁構造を含むナノ共鳴トンネルダ
イオードを作製し導電性 AFM を用いてその電流-電圧特性を測定することにより二重障壁構造内
部の電位に対するフェルミレベルピニングの影響を検討することを目的とした When a forward bias voltage is applied on InAs quantum dots (QDs) used as nano-scale electrodes (nano electrodes) Fermi level pinning around nano-electrode prevents us from lowering the potential under the nano-electrodes We fabricated nano-scale resonant tunneling diodes (nano-RTDs) which comprise GaAsAlAs double barrier structures with InAs QDs electrodes by molecular beam epitaxy We measured current-voltage characteristics of the nano-RTDs by conductive AFM for investigating the influence of Fermi level pinning on the potential in the double barrier structure
背景と研究目的 近年ナノテクノロジーの
分野においてInAs量子ドットに関する研究が盛
んに行われているInAs量子ドットは分子線エ
ピタキシー法(MBE)等を用いてGaAs(001)基板
との僅かな格子定数の違いにより自己組織化成
長しナノメートルスケールのサイズを有する
そのためナノスケール化が予想される半導体
デバイスに対応する電極(ナノ電極)としての
応用が考えられるしかしGaAs(001)面上のナ
ノ電極に順バイアス電圧を印加した場合その
周囲のフェルミレベルピニングの影響によって
電極直下でも電位が下がりにくい このフェルミレベルピニングの影響はInAs
ドット直下のGaAs層のドナー濃度を高めるこ
とで緩和できる1)この点についてさらに検討す
るためGaAsAlAs二重障壁構造を含むナノ共
鳴トンネルダイオードを作製しその電流-電圧
特性を測定した 実験 MBEを用いてn+-GaAs(n=10~50times1018cm-3)基板上に基板温度約590でn+
-GaAs(n=20times1018cm-3)を500nmn-GaAs(n=50times1017cm-3)n-GaAs(n=10times1017cm-3)をそれぞれ
10nmudGaAsを25nm成長したその上に二
重障壁構造となるAlAs17nmGaAs50nm
AlAs17nmを成長したさらにキャップ層とし
てn-GaAs(n=10times1017cm-3)を20nm最後にInAs量子ドットを基板温度約460で約25ML成長
させたこのときのGaAsAlAsInAsの成長レ
ートはそれぞれ044MLs012MLs00159MLsであった 作製した試料をMBE装置から取り出した後
に試料表面の酸化を防ぐため硫化アンモニウ
ムで表面処理を行った 電流-電圧特性を測定するために試料を高真
64
空原子間力顕微鏡(AFM)装置に移したまず試
料表面の形状を測定して電極となるInAs量子
ドットを確認したドリフトの影響が小さくな
った後にひとつのInAs量子ドットの上に導電性
探針を移動させて電流-電圧測定を室温真空
中で行った今回は試料に0 ~ 2Vの順バイアス
電圧を印加した
結果および考察 Figure 1はAFMにより
測定した試料表面のInAs量子ドット形状像であ
る量子ドットの平均直径は616nm平均高さ
は393nmである Fig1 AFM image of InAs QDs grown on the n-GaAs cap layer The QD indicated as ldquoardquo was used as a nano-electrode
Figure 2 に Fig1 に示した量子ドット a をナノ
電極として測定した電流-電圧特性を示すショ
ットキー特性が得られているが共鳴トンネル
効果を示す負性微分抵抗は確認できなかった
これは試料に原因があると考えられる そこで作製した試料中に二重障壁構造が存在
するかどうかを確認するためフォトルミネッ
センス(PL)測定を液体窒素中(77K)励起光波
長 532nm の条件で行ったその結果を Fig3 に
示すAlAs(17nm)GaAs(5nm)AlAs(17nm)の二
重障壁構造中の第一準位に対応する PL ピーク
波長は約 720nm と見積もられる 2)しかし Fig3の PL の測定結果にはこのピークは見られな
かった PL 測定結果において GaAsAlAs 二重障壁構
造に対応するピークが見られなかったので今
回作製した試料中には同構造が存在せずその
ため電流-電圧特性にも共鳴トンネル効果が現
れなかったと推定されるこの原因としては
MBE における成長条件が最適化されていなか
ったことが考えられる
Fig2 Current-voltage characteristic measured using the InAs QD as a nano-electrode
今後の課題 今回はGaAsAlAs二重障壁構造
が作製できなかったためにその内部における
電位やそれに対するフェルミレベルピニングの
影響を検討できなかった今後MBE成長条件
を見直し同様の実験を行っていきたい
参考文献
1) 中谷 成希和歌山大学大学院システム工学
研究科システム工学専攻 修士論文 「InAs 自己
形成量子ドットのナノ電極効果」(2007 年)
2) 多田 吉伸和歌山大学大学院システム工学
研究科システム工学専攻 修士論文 「単一 InAs
量子ドットを介した共鳴トンネル効果の導電性
探針 AFM による測定」(2004 年)
Fig3 PL spectra of the sample measured at 77K
65
装置利用協力研究
豊田工大 08-35
次世代メモリ(PCRAMPhase Change RAM)用材料
GeSbTe 薄膜の CVD 成膜
GeSbTe-thin film formation by CVD for next generation
Memory (PCRAM Phase ChangeRAM)materials
町田英明
Hideaki Machida
気相成長株式会社
Gas Phase Growth LTD
GeSbTe薄膜は次世代メモリ(PCRAMPhase Change RAM)用材料として有望である本研究では
(t-C4H9)GeH3 (i-C3H7)3Sb (i-C3H7)2Teを原料として低圧熱CVD法によりSi基板上にGeSbTe薄膜を作成
しX線光電子分光 (XPS)分析によりGeSbTeの組成が堆積温度によってどのように変化するかを調べ
た
GeSbTe thin film is a promising material for next generation memory (PCRAM Phase Change RAM) Here
we report synthesis of GeSbTe-thin films onto the silicon substrate by thermal low pressure CVD technique
using (t-C4H9)GeH3 (i-C3H7)3Sb (i-C3H7)2Te precursors And also the GeSbTe film composition dependence
on deposition temperature and pressure is studied by X-ray photoelectron spectroscopy (XPS)
背景と研究目的 次世代半導体メモリ候補
として相変化メモリ(PRAM)が注目され相変
化材料としてGeSbTe(GST)系材料が提案されて
いる 12)大容量化のためには埋め込みに有
利 な 化 学 気 相 法 (CVD Chemical Vapor
Deposition)による成膜が必要とされるがCVD
法による組成や構造制御に関する基礎的な知見
は充分でない相変化材料GSTを用いたPCRAMデ
バイス試作研究においてGST膜堆積にはスパッ
タ法による蒸着が用いられているが高集積な
メモリデバイスに要求される膜均一性50nm
以下のホールへの埋め込み等が要求されるし
たがって良好な埋め込み形状を実現できる可
能性を有するCVD法によるGST系薄膜堆積技術へ
の期待が高まっている本研究ではGeSbTe薄
膜堆積のためのCVD原料の検討を行いGe原料に
Tertiarybutylgermane[(t-C4H9)GeH3] Sb原料
としてTriisopropylantimony[(i-C3H7)3Sb]
Te 原 料 と し て Diisopropyltellurium
[(i-C3H7)2Te]をそれぞれ用い成膜条件膜組
成等の成膜特性を明らかにすることを目的と
した
実験 成膜に用いたCVD装置は抵抗加熱のコ
66
ールドウオールタイプの低圧CVD装置であり
図1にレイアウトを示す成膜チャンバー内部
に設置した基板の温度は下部に設置したヒータ
ーで加熱しセンサーによる温度測定結果をフ
ィードバックして制御される膜堆積のための
基板はフォルダーに固定されロードロックチ
ャンバーより成膜チャンバーへと運ばれヒー
ター上部に設置される装置全体はターボ分子
ポンプで排気され成膜時の圧力はオリフィス
で制御する原料は原料容器中にH2ガスをバブ
リングする事によってH2ガスに同伴させて成
長チャンバーへと輸送した各原料輸送量はH2
キャリアガス流量と原料容器温度内圧により
見積り制御したSi(100)基板が設定温度に達し
たことを確認した後原料ガスを供給し膜堆積
を行った成膜条件は基板温度270-300
堆積中の圧力30torrGe Sb Te原料のキャ
リアH2 ガス流量10 sccm15sccm10sccm
原料容器温度-65550とした
教授明治大学小椋厚志准教授及び東京大
学大場隆之教授との共同研究である
各温度での堆積膜の炭素不純物及び GeSbTe
組成変化を XPS によって調べた
結果および考察 XPS分析により堆積膜に
はGeSbTeが含まれる事がわかった炭素の残留
不純物はXPSの検出限界以内では観察されず良
好な原料の選択と成膜条件が確認された図2
に 30Torrでの堆積膜のGeSbTe組成と温度の関
係を示す基板温度上昇とともにGe組成の減少
とSb組成の増加が見られたGeとSbには相互的
な影響が存在することが示唆された280deg以上
の温度領域ではTeの減少が確認されたがこれ
は堆積Te金属の蒸発が起こっていると思われる
後の課題今 今後CVDによるGST成膜実験で圧
辞
力と組成の関係2成分の堆積などを調べ膜
堆積組成制御に関するメカニズム解析を 行
いたい
謝 本研究は豊田工業大学大下祥雄准
考文献参
wa KMiyauchi T Tamura Y Yin
wa Y
g2 The GeSbTe film composition dependence on
1) S Hosoka
and H Sone Proc 15th symp Phase Change
Optical Information Storage PCOS 2003 (Ed T
Ide Atami Japan 2003) pp52-55
2) K Nakayama K Kojima F Hayaka
Imai1 A Kitagawa and M Suzuki Jpn J Appl
Phys 39 (2001) 6157
Fig1 Schematic diagram of the CVD system Container of Ge Sb and Te precursors were maintained at ndash6 55 50ordmC respectively These gases were mixed at sub chamber and introduced into the reactor
270 275 280 285 290 295 30015
20
25
30
35
40
45
50
55
60
Fi
deposition temperature
組成
(
)
基板温度()
Ge Sb Te
PH2
P
P
MFC
MFC
MFC
Ge
Sb
Te
Sub chamber
TMP
DP
Heater
Drain
Load Lockchamber
PH2
P
P
MFC
MFC
MFC
Ge
Sb
Te
Sub chamber
TMP
DP
Heater
Drain
Load Lockchamber
67
協力研究
豊田工大 08-37
分光機能を持つ MEMS 赤外線センサ
MEMS infrared sensor integrated with wavelength selective filter
佐々木 実
Minoru Sasaki
豊田工業大学
Toyota Technological Institute
小型軽量のメリットを生かすためサーモパイルを利用した赤外線センサが用いられる従来の誘
電体光学フィルタを使わないで高分子膜の赤外吸収スペクトルを利用した熱型赤外線センサを一体
型とするセンサを提案するセンサ自体が小型化に適すると共に分光特性の温度安定性が安定化す
る長所を持つことが分かった A thermal infrared detector integrated with wavelength selective filter is fabricated A polymer film is formed onto hot junctions of the thermopiles as a wavelength selective absorber to integrate spectroscopic characteristic The detector shows +35 increase of the signal output from the baseline at the absorbance peak The fabricated detector shows low temperature dependences on its center wavelength
背景と研究目的 近年環境測定や検知器な
ど手軽に物質の検知や濃度測定を行えるセンサ
のニーズが高まっているこのようなガスなど
の物質の検出と濃度測定を行うセンサに物質
固有の赤外吸収スペクトルにおけるピーク波長
と強度を利用した非分散型赤外分光 (NDIR)センサがあるNDIR型センサは高精度で応答時間
も短く検出器が被検体と直接接触しないため
信頼性も高いしかし別々の部品により構成さ
れるためその他のセンサ方式と比較して構造
が複雑で高価である現在広い市場からの受
け入れを目指しコストやサイズの削減に開発
努力が注がれている 1) 我々はその構成部品の中でも赤外線センサに
注目したNDIR 式センサの小型軽量のメリ
ットを生かすためサーモパイルを利用した赤
外線センサが用いられるサーモパイル型セン
サは熱を検出する方式であり波長に対してフ
ラットな分光特性を持つそのため特定波長
の赤外線を受光するために誘電体光学フィルタ
とパッケージで組み合わされるのが一般的であ
るしかし NDIR 式センサの目的に見合う性能
のフィルタは高価でありアセンブリ全体のコ
ストなどを上げる要因の一つとなっている光
学フィルタと熱型赤外線センサを一体型とする
形態も考案された 2)しかし光学フィルタと熱
型センサとのプロセス整合性に疑問が残るさ
らに光学フィルタの分光特性の温度依存性など
の問題なども懸念される 3)そこで高分子材料
の吸収スペクトルを利用して簡単な構造で分光
特性を集積化させた赤外線センサの試作を行っ
た温度特性についても報告する Fig1(a)に赤外線センサのベースとなるサー
モパイルセンサの概念図を示す20mmtimes
20mm 厚さ 04mm の Si を基板として基板上
に Pt と p++-Si で構成されたサーモパイルが形
成されるSi 異方性エッチングにより中央部の
約10mm角領域およびサーモパイル温接点部は
ダイアフラム構造となっている赤外吸収材と
してポリアクリロニトリル (PAN)をサーモパ
イルの温接点上に堆積した作製したデバイス
を Fig1(b)に示す
68
(a) (b) 実験 PANは波長~4450nmの赤外線に対し大
きな吸収を持つことが知られている吸収ピー
ク波長においては入射赤外線が効率よく熱に変
換されると考えられより高い感度を示すと考
えられる
Monochromater
Optical Chopper
IR Sensor
PC for DAQ
232C
Sensor S
ignal
Reference SignalChopperController
Lock In Amplifier
US
B
IR Source
Focusing Lens
Vacuum Chamber
Monochromater
Optical Chopper
IR Sensor
PC for DAQ
232C
Sensor S
ignal
Reference SignalChopperController
Lock In Amplifier
US
B
IR Source
Focusing Lens
Vacuum Chamber
作製したセンサはFig2に示す実験系で評価し
たFig3に分光特性を示す4450nmにおいて~
025μVのピーク出力を確認した 結果および考察 IRセンサの動作環境を
室温から 80まで変化させたときの特性を
Fig4 に示す加えてFT-IRでPANの透過特性の
温度依存を精密に計測した結果をFig5 に示す
吸収ピークの波長シフトは~3nmであった同
条件で従来の光学フィルタ式のものでは~
50nmのシフトがあるのと比べて温度特性が安
定していることがわかった 今後の課題 最も基本となる分子スペクト
ルのピークに対応したサーモパイルセンサの確
認に成功したがピークのSN比はベースライン
から+35に留まる赤外分光スペクトルから判
断するともっと大きな変化が期待できるPAN膜を付着するプロセスから改良する 論文発表状況特許出願 [1] 「温度依存性の少ない分光機能集積型赤外
線ディテクタ」桝野雄矢熊谷慎也佐々木実
第 56 回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集 No3 p1029 200942 筑波大学 [2] ldquoThermopile IR Detector Integrated with Wavelength Selective Filter Stable against Temperature and Incident Angle Changesrdquo Katsuya Masuno Shinya Kumagai Minoru Sasaki and Kohji Tashiro 2009 International Conference on Solid State Devices and Materials 投稿中
参考文献 1) Mark P McNeal Nicholas Moelders Martin U
Pralle Irina Puscasu Lisa Last William Ho Anton
C Greenwald James T Daly Edward A Johnson
ldquoDevelopment of Optical MEMS CO2 Sensorsrdquo
Proceedings SPIE vol 4805 (2002) p30-35 2) 特開 2006-58203 3) Shigeki Sakaguchi ldquoTemperature Dependence of
Transmission Characteristics of Multilayer Film
Narrow Bandpass Filtersrdquo Jpn J Appl Phys
Vol38 (1999) pp6362-6368
Fig2 Experimental setup
Fig5 Transmittances of PAN at various temperatures (Acquired with FT-IR)
Fig1 (a) Schematic diagram of a thermopile detector (b)Fabricated IR detector with a PAN bump as an absorber
Thermopiles
20 mm
04
mm TP2TP1
TP3
TP4
Thermopiles
20 mm
04
mm TP2TP1
TP3
TP4
PAN Bump
050607080910
4300 4350 4400 4450 4500 4550 4600
Wavelength [nm]
Sens
or O
utpu
t (w
ith P
AN) [μV
]
+025μV(+35)
Fig3 Spectral response from fabricated sensor
Fig4 Spectral responses of the fabricated sensor at various temperatures
03
04
05
06
4300 4400 4500 4600Wavelength [nm]
Sen
sor O
utpu
t [μV
] 80604022
0
10
20
30
40
4440 4450 4460 4470 4480wavelength [nm]
trans
mitt
ance
[]
20C40C60C80C
69
協力研究 豊田工大 08-39
エンジニアリングプラスチックスの残留歪解析 Residual Strain Analysis of Engineering Plastics
安藤 幸也a 田代 孝二b 杉田 英嗣a
Yukiya Andoa Kohji Tashirob Eiji Sugitaa
a(株)デンソー b豊田工業大学
aDENSO COLTD b TOYOTA TECHNOLOGICAL INSTITUTE エンジニアリングプラスチックスで自動車部品用途に多用される PPS(poly-p-phenylene sulfide)
を対象にX 線回折の sin2ψ法による残留歪測定の可能性を調査した A possibility to evaluate the residual strain of poly-p-phenylene sulfide (PPS) which is an engineering plastic and is used for automobile parts on the basis of sin2f method using X-ray diffraction data has been investigated 背景と研究目的 実験 自動車の軽量化のために自動車部品には樹脂
が多用されておりその使用比率は増加する一
方である樹脂はクリープしやすくその耐久
特性は応力の違いで大きく異なるため残留歪
の見積もりが甘いと大事故を招くことになる
残留歪は成形条件によっても変化するため
それに伴い耐久寿命も変化するしたがって
樹脂の残留歪の高精度測定が必要である
アニーリング処理した平板から切り出した試
験片を用いTD(流動直角方向)MD(流動方
向)にそれぞれ歪を負荷し側傾法で測定した
歪はかまぼこ型の冶具に沿わせることで負荷
した(図 1)着目した反射ピークは(311)反
射とした(図 2) 結果と考察 現状樹脂の残留歪測定は歪ゲージに頼って
いるがその精度は低く成形条件の違いによ
る残留歪の変化まで捉えることはできないま
た測定エリアが広いため平均化された値し
か得られないこのため金属分野で実績のあ
るX線回折法により樹脂の残留歪を高精度に
測定する技術を確立させることは樹脂製品の
信頼性向上のためにも極めて重要であるしか
しながらこの分野の研究事例はほとんどなく
手法の有効性が確認されれば様々の点で大き
な成果に結びつくと考えられCAE(Computer Aided Engineering)の予測精度向上にもつなが
る
歪と sin2ψ線図の傾きで整理した測定結果を
図3に示すこの結果PPS については0~15の歪範囲で歪と sin2ψ線図の傾きに良い
今回の実験では自動車部品に多用されている
耐熱性の高いエンジニアリングプラスチックス
である PPSPPS-GF40 を対象にsin2ψ法に
基づく残留歪測定を試みた
Fig 1 Equipment to generate strain on the sample
70
相関が見られMD と TD の差が小さく大き
なバラツキもなく良好な結果が得られたPPSでは>15の歪範囲PPS-GF40 では>0の
歪範囲でTD と MD の差が大きくバラツキ
も大きいことがわかった
今後の課題 今回sin2ψ法によりPPSPPS-GF40 の残
留歪を測定できないか調査したこの結果現
状実用性のある対象範囲がわかった 今後TDとMDの差バラツキ原因を調査し
精度向上できる測定条件を明確にする したがって実用化においては材料組成歪
範囲が限定されると考えられる
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
2θ
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
2θ
Fig2 X-ray diffraction pattern of PPS
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 15 2 25
歪 []
傾き
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 1
歪 []
傾き
5
(PPS) (PPS-GF40)
- TD- MD
- TD- MD
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 15 2 25
歪 []
傾き
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 1
歪 []
傾き
5
(PPS) (PPS-GF40)
- TD- MD
- TD- MD
Fig 3 Relation of sin2ψ and strain (311 reflection)
71
装置利用
豊田工大 08-40
光ファイバ材料の吸発光特性
Optical properties of optical fiber materials
齋藤和也
Kazuya Saito
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
Pd 内包カーボンナノチューブ(CNT)は走査型プローブ顕微鏡(SPM)用の探針先端材料(特に電気特
性評価用)として有望である本研究では探針材料と同一のシリコンウェハ上に化学気相成長法に
より Pd 内包 CNT を成長しその直径や密度が触媒調整条件によりどのように変化するかを調べると
ともにPd 内包 CNT の構造解析を行った Since the metal-filled CNT is expected to provide larger radial rigidity higher mechanical and thermal stability than the conventional hollow nanotube it would be suitable for the tip of scanning probe microscopy (SPM) Here we report synthesis of Pd-filled CNTs onto the silicon substrate by microwave plasma enhanced CVD technique Their structure is also studied by SEM TEM and Raman spectroscopy
背景と研究目的 希土類元素は固体中では
3価イオンRe3+として安定に存在するが2価
イオンRe2+として存在することもありRe3+とは
異なる分野で利用されているRe2+はそれと
等電子配置のRe3+と比較して電子項間のエネル
ギー間隔が減少するために異なる吸収蛍光ス
ペクトルをもつ特に4f-4f間の電気双極子遷
移確率に比べて 102~3倍ほど大きな値をもつ
4f-5d間の遷移が可視領域付近に現れることは
利用価値が大きく可視光におけるブロードな
蛍光は蛍光材料として広く利用されている
また価数変化を利用したX線イメージングプ
レートや赤外線検出器などでは電子正孔トラ
ップ(Re3+hArrRe2+)としての役割が活用されてい
る反対に価数変化が問題となるケースもある
例えばYb添加シリカファイバレーザーではフ
ォトダークニングを引き起こす主要因と考えら
れている[1]そこで本研究ではYb2+とEr2+
の光学特性を詳しく調べた 実験 Yb2+Er2+生成のために還元雰囲気下に
おける試料作製をMCVD法を用いて行ったこの
試料より2mm厚の光学研磨平板を作製し分光蛍
光光度計(日立F-7000)を用いて励起蛍光スペ
クトルを測定した
結果および考察 作製したYb2+生成試料
でUV~blue光励起で非常に輝度の高いYb2+か
らの蛍光を観測できた輝度の強い蛍光は波長
可変レーザーや他の活性イオンの増感剤として
の応用が期待できる図1にその励起蛍光ス
ペクトルを示す蛍光波長500nmにおける励起ス
ペクトルとMgF2結晶において報告されている
72
Yb2+の吸収スペクトル[2]を比較すると(図2)
ガラス中では無秩序な構造を反映して各4f135d
多重項は非常にブロードになっていることがわ
かるピーク分離で決定した各準位の中心波
長を図3に示す
5s 5p電子に遮蔽されている4f電子と異な
り5d電子は配位子場の影響を大きく受ける
ためYb2+の4f-5d遷移は仮想温度による配位
子場の変化の影響も大きく受けると予想され
る蛍光および励起スペクトルの仮想温度依
存性を測定したところ予想どおり大きな仮
想温度依存性があること明らかとなった 同様に還元雰囲気下において Er2+含有シリ
カガラスの作製を試みたEr は一般には2価の
酸化状態はとり難いと考えられているがpale
green の蛍光を示す試料を作製することができ
た図4にその蛍光スペクトルを示すEr3+の
4f-4f 遷移が示す鋭い蛍光ピークとは異なり非
常にブロードな蛍光であるさらに励起スペ
クトルには Er3+の鋭いピークに加えて可視か
ら紫外域にかけての非常にブロードな吸収があ
ることがわかり(図5)確かに Er2+の 4f-5d 遷
移によるものと判断できるEr は酸化物中では
2価状態をとり難いと考えられていたが還元
雰囲気下で安定な Er2+を生成できることが明ら
かとなった
今後の課題 今回作製した2価イオンを含む
シリカガラスのレーザー発振や他の活性イオン
の増感剤としての利用を検討するために蛍光
寿命等の詳細な測定を行う
論文発表状況特許出願 [1] K Saito et al XII PNCS Brasil 20099 発表
予定
参考文献 1) 例えばT Kitabayashi et al OFT 34 (2006) 9
2) J Rubio J Appl Chem Solids 52 (1991) 161
200 2 350 400 450
0
1000
50 300
2000
3000
4000
5000
Absorbance
MgF2
励起スペクトル SiO2中の Yb2+の
Fig1 EmissionEscitation pectrum of Yb2+ doped silicaS
Fig2 Comparison with theSpectrum of Yb2+MgF2
lower
59 eV 52 eV 45 eV 42 eV 38 eV 33 eV
Fig3 Energy levels of Yb2+ in silica glass
Fig4 Emission spectrum of Er2+ doped silica glass
(a)
3+
E
Er
r3+
Er3+ Er3+
Fig5 Excitation spectrum of Er2+ doped silica glass
73
23 成果の外部への公表
平成20年度支援成果による発表件数(H21年3月末時点)
和文(内
投稿中)英文等
(内投稿中)
計 国内(内
投稿中)海外
(内投稿中)
計 国内(内
申込中)海外
(内申込中)
計 国内 海外 計
計測分析 0 0 0 0
超微細加工 0 0 6 1 6 0 0 0 0 0 24 3 2 1 26 2 0 2
分子合成 0 0 0 0
極限環境 0 0 0 0
計 0 0 6 1 6 0 0 0 0 0 24 3 2 1 26 2 0 2注1注2 査読のあるプロシーディングは論文とみなす査読のないプロシーディング等(和文英文その他)は口頭発表とする注3
拠点名 機関名 機能名
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
プレス発表解説記事等 口頭発表(講演)
空欄に数値を記入してください
プレス発表解説記事等 には原著論文以外の紙上発表を記入する
特許出願原著論文発表
74
委託業務題目「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析 」(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援)
機 関 名学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
2学会誌雑誌等における論文掲載
業務コード実施年度
論文タイトル 発表者名 発表誌名 掲載号ページ(年)和誌洋誌
支援機能名
07008049 20
Local opening of a large bandgap in metallic single-walled carbon nanotubes induced by tunnel injectionof low-energy electrons
Kenta Yamada Hiroaki Sato TetsuyaKomaguchi Yutaka Mera and Koji Maeda Appl Phys Lett 投稿中 洋 超微細加工
07008049 20
Conductive pattern forming method on vertical wallusing spray coating and angled exposuretechnologies
H Morii F Oohira M Sasaki etal Proc Optical MEMS p30 (2008) 洋 超微細加工
07008049 20
Conductive pattern forming method on vertical wallusing spray coating and angled exposuretechnologies
H Morii F Oohira M Sasaki etal Proc 25th Sensor Symposium pp29-32 (2008) 洋 超微細加工
07008049 20
High-Resolution Magnetic Force Microscopy UsingCarbon Nanotube Probes Fabricated Directly byMicrowave Plasma-Enhanced Chemical VaporDeposition
K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J Nanomater in press 洋誌 超微細加工
07008049 H20 Iron Nanowire Formation in Si(110) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda JJAP 47(7B)61382008 洋紙 超微細加工
07008049 H20
TOF-ICISS and STM study on 3ML-PdPt(111) surface structure Does the latticemismatch determine the epitaxial growth
K Umezawa E Narihiro Y Ohira MYohimura Nucl Instrum Meth B vol 266 (2008) pp
1903-1907洋誌 超微細加工
学 会 等 発 表 実 績
75
委託業務題目「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析 」(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援)
機 関 名学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
1学会等における口頭ポスター発表業務コード
実施年度
講演タイトル 発表者名 講演会名 発表年月日国内国
際口頭ポ
スター支援機能名
07008049 20 太陽電池用多結晶Si基板の欠陥および不純物の評価今井 啓太田中 聡志立花 福久香川 泰平増田 純一小椋 厚志大下 祥雄新船 幸二河合秀昭田島 道夫井上 雅晶
第55回応用物理学関係連合講演会 2008329 国内 口頭 超微細加工
07008049 20Evaluation of multi-crystalline silicon substrates with p-ndiode array
Tomihisa Tachibana Keita Imai Jyunichi MasudaAtushi Ogura Koji Arafune Yoshio Ohshita MichioTajima
18th Workshop on Crystalline SiliconSolar Cells amp Modules Materials andProcesses
200885 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20太陽電池用多結晶シリコン基板上に作成したp-nダイオードアレイの評価
増田 純一立花 福久今井 啓太大下 祥雄新船 幸二小椋 厚志
先端ナノオプトバイオワークショップ
20081213 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 太陽電池用多結晶Si基板の応力と結晶性の評価立花 福久増田 純一福田 晃司小椋 厚志大下 祥雄新船 幸二
第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Current-Voltage Characteristics of GaAs Nano-SchottkyDiodes Using InAs Self-Assembled Quantum Dots as Nano-Electrodes Dependence on Doping Concentration
Ichiro Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and HSakaki
IEEE Nanotechnology Materials andDevices Conference 2008
20081020 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20Current-Voltage Characteristics of GaAs Nano-SchottkyDiodes Using InAs Self-Assembled Quantum Dots as Nano-Electrodes Dependence on Doping Concentration
Ichiro Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and HSakaki
The 2nd IEEE NanotechnologyMaterials and Devices Conference2008 (NMDC2008)(October20-222008 Kyoto University JAPAN)
20081020 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20走査型トンネル顕微鏡探針による金属カーボンナノチューブへの欠陥導入
山田賢太佐藤弘紹駒口哲也目良裕前田康二 日本物理学会 第64回年次大会 2009329 国内 口頭 超微細加工
07008049 20金属カーボンナノチューブのSTM 探針による局所構造変化-HOMO-LUMO ギャップの形成
佐藤弘紹山田賢太駒口哲也目良 裕前田康二 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20単層カーボンナノチューブにおける電子励起による欠陥生成
目良 裕前田康二 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 磁気力顕微鏡用探針の分解能の理論的検討 〇田仲 圭石川憲一吉村雅満上田一之「ナノ格子新技術開発研究センター」第7回シンポジウム
2009年 3月 13日 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Fe-Co蒸着により形成されるSi(110)表面上のシリサイドナノワイヤ
大平 豊丹司敬義 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 Fe-Co二元蒸着によるシリサイドナノワイヤの作製 大平 豊丹司敬義文部科学省私立大学ハイテクリサーチセンター整備事業「ナノ格子新技術開発センター」第7回シンポジウム
2009313 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 電子線露光技術を用いたナノ構造の試作藤川久喜三浦篤志井上大介野村壮史佐藤和夫梶原建大澤潤
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線技術
森井裕貴大平文和佐々木実中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 酸化亜鉛透明導電膜の熱処理効果吉野賢二竹本裕仁小島稔小島信晃大下祥雄山口真史
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二 目良裕 吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成 年度成 報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
学 会 等 発 表 実 績
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二目良裕吉村雅満平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20InAs自己形成量子ドットを電極に用いたGaAsナノショットキーダイオードのI-V特性におけるドーピング濃度依存性
田中一郎中谷茂希宇野和行神谷格榊裕之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20低速イオン散乱およびSTMによる金属表件ナノ成長の観察
梅澤憲司吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 EB露光による窒化物半導体のナノ加工とPL評価 黒木康彦大澤潤中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20機能性カーボンナノチューブの開発-次世代プローブ顕微鏡の高分解能高性能化-
吉村雅満Chien-Chao Chiu田仲圭上田一之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 酸化亜鉛透明導電膜の熱処理効果吉野賢二竹本裕仁小島稔小島信晃大下祥雄山口真史
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20InAs自己形成量子ドットを電極に用いたGaAsナノショットキーダイオードのI-V特性におけるドーピング濃度依存性
田中一郎中谷茂希宇野和行神谷格榊裕之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二目良裕吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20低速イオン散乱およびSTMによる金属表件ナノ成長の観察
梅澤憲司吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 短パルスレーザーアニールによる規則合金膜生成の試み加藤剛志山内幸大徐倩茜大島大樹岩田聡綱島茂
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Correlation between structural disorder and opticalproperties in YbEr doped silica glass
K Saito E H Sekiya T Okazaki and Y FujitaXII PNCS (Conference on thePhysics of Non-Crystalline Solids)
200998 国際 口頭 超微細加工
76
特許
業務コード実施年度
発明の名称 発明者 出願人出願登録
区分出願番号(出願日)
出願区分
出願国登録番号(登録日)
支援機能名
07008049 H20 チップ中野 圭洋亀岡 遵安池 雅之
株式会社 ESPINEX 出願 特願2008-53209 国内 超微細加工
07008049 H20 微生物の検出方法中野 圭洋亀岡 遵安池 雅之
株式会社 ESPINEX 出願 特願2008-307867 国内 超微細加工
プレス発表業務コー
ド実施年度
発表タイトル 掲載新聞名 掲載日 支援機能名
受賞
業務コード
実施年度
受賞件名 受賞者氏名 所属機関名 受賞年月受賞理由
(本プロジェクトとの関係)
メモ
07008049 H20 Graduate Student Award 立花 福久 明治大学 200885 ポスター発表による表彰
該当なし該当なし
77
24 活動(運営委員会等の活動等)
平成20年度の活動(運営委員会等の活動等)
支援機関名 研究会名称 主催機関名 日時 場所 参加者数 内容 特記事項
中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析
自然科学研究機構分子科学研究所名古屋大学名古屋工業大学豊田工業大学
200934-5名古屋大学野依記念学術交流館
口頭24件ポスター35件
成果報告と互いの情報交換新しい連携も生まれた例があ
る
nano tech 2009国際ナノテクノロジー総合展技術会議
nano tech 実行委員会
2009219 東京ビッグサイト約16000名
成果報告と互いの情報交換ナノテクノロジー総合展示会
半導体プロセス実習講習会 豊田工業大学 2008724-25豊田工業大学 クリーンルーム3号棟
受講者56名
半導体プロセスの実習講習と共にナノテク総合支援のアピール
豊田工大 学内 ナノネット委員会(第1回)
豊田工業大学ナノネット運営委員会
2008519 学内8号棟中会議室学内関係者~16名
議題1H19年度実績 支援件数 委託費消費実績 2H19年度成果報告について 3H20年度受付状況 4その他
豊田工大 学内 ナノネット委員会(第2回)
豊田工業大学ナノネット運営委員会
20081125 書面審議学内関係
者
議題1H20年度予算配分 各支援別配分予算額 2H20年度委託費消費状況 3H20年度支援受付状況 4その他
豊田工業大学
78
25 実施体制
1業務責任者
役職氏名 豊田工業大学大学院 教授 榊 裕之E-メールアドレスsakakitoyota-tiacjp
TEL052-809-1706 FAX052-809-1741
2 実施場所
大学院工学研究科(各担当者研究室)
豊田工業大学共同利用クリーンルーム
3 業務項目(支援要素名)別実施区分及び担当者
研究項目 担当機関等 担当責任者及び担当者
1シリコン超微細加工用要素プロ
セス技術と評価の支援
豊田工業大学
工学部
大澤 潤准教授(施設長)
近藤憲司施設専任職員
梶原 建専任支援員
23次元フォトリソグラフィなど
による(微細)デバイス構造の製作
と評価の支援
豊田工業大学
工学部
佐々木 実教授
3化合物半導体ナノ構造の形成と
評価の支援
豊田工業大学
工学部
榊 裕之教授
4化合物半導体ナノ構造の形成お
よび有機物との複合化と評価の支
援
豊田工業大学
大学院
神谷 格教授
5フラーレンナノ構造の作製と評
価および化合物半導体シリコンナ
ノ構造の評価の支援
豊田工業大学
大学院
山口 真史教授
大下祥雄准教授
小島信晃助教
6カーボンナノプローブナノチ
ューブの形成と評価の支援
豊田工業大学
大学院
吉村 雅満准教授
7金属微粒子の形成と評価の支援 豊田工業大学
工学部
柳瀬 明久准教授
8有機物および高分子系材料のナ
ノ構造物性評価
豊田工業大学
大学院
田代孝二教授
注1 課題代表者サブテーマ代表者
注2 本業務に携わっている方はすべて記入
79
80
26 支援装置 261 超微細加工領域
クリーンルーム施設 【仕 様】
クリーン度クラス 100およびクラス 1000 の 2 室か
らなる面積 400m2 の本格的なものです 付帯設備として純水製造装置(18MΩ-cm)ガス
精製供給装置廃水処理装置ガス除害装置のほか空
調維持装置などを備えています 【特 徴】
本学クリーンルームの特徴としては主としてシリコ
ン系プロセス装置を利用して一連の各種素子試作や各
種機能薄膜等との複合化プロセスと評価が行えることで
す化合物系ではシリコン系と分離したホトリソ洗浄ウェットエッチング等の薬品処理も実施
可能です
主に以下の項目を実施できます ①アライナ用のマスク作製や電子線描画による直接露光 ②
イオン注入や熱拡散による不純物導入プロセス ③ウェットおよびドライエッチングプロセスなど
④試作プロセス途中および完了後の評価(必要に応じて関係研究室の支援を得ます)
電子ビーム露光装置 【仕 様】
電子ビーム最小径φ3nm にて線幅 20nm 前後の細線
描画および直径約 20nm のドットサイズまで加工を行え
ます基板サイズはφ4inch までレーザ干渉計ステージ
による 100nm のステージ位置読み取り分解能により
50nm のフィールドつなぎ精度と 50nm の重合わせ精度
でのプロセスが可能です描画フィールドサイズは
500μm 四方に対して 60000times60000 ピクセルに分割
(8nmpixel)が可能でより小さなフィールドサイズの例
としては例えば 100μm に対しては 17nmpixel のサイ
ズで描画パターンを与えることができます
【特 徴】 電子線を走査してレジスト上にパターンを直接描くためマスクなしでナノオーダーの微細なパ
ターンが形成できますリフトオフやエッチング等のプロセスと組み合わせて微細な電極形成など
の加工を行うことができますパターニングされた結晶成長のためのマスク形成やDFBレーザ用
パターンドットマトリクスパターンの形成などにも用いることが可能です
写真
81
プラズマCVD装置 【仕 様】
1356MHz の高周波プラズマにより
① SiH4+H2rarrα-Si
② SiH4+NH3+H2rarr P-SiN
を成膜する装置です
基板加熱は max250まで可能反応槽のクリーニングは
CF4O2 プラズマで行います
【特 徴】
φ4インチ以下の各種基板上に成膜可能です
基本レシピによる成膜レートは
① α-Si35nmmin
② P-SiN20nmmin
でありプロセス条件の例としては以下のとおりです
(1) α-Si
SiH425sccmH230sccmPress03TorrPower80WTemp200
(2) P-SiN SiH430sccmNH360sccmH260sccmPress04TorrPower100WTemp250
マスクアライナ装置 【仕 様】
i 線h 線g 線を用いた露光装置ですマスク寸法は 50 mm 角~102 mm 角基板寸法は 3ldquoΦ以下 露光最小線幅は 075 μm位置決め精度は 05 μm で
す 研究用に下記仕様の 2 台所有しています 1 マスク寸法 102mm角基板寸法3ldquo用アライナ
ー プロキシミティーギャップ量可変(0~48μm) 露光最小線幅 2μm
2 マスク寸法 50mm 角基板寸法 40mm角以内 ハードコンタクト(真空方式)可能 露光最小線幅は(05)~075 μm位置決め精度 05 μm
【特 徴】 研究者が使用する多様な寸法の基板に対応可能ですまた本アライナーで製作した基板上の位
置決めパターンを利用して上記の電子ビーム露光装置による微細パターンと組み合わせることも
可能です そのことによりパターン全体の描画時間の短縮や各種パターン要素の組み合わせによる効率的
な研究を進めることも可能です
写真
82
斜め露光用アライナ 【仕 様】
密着型露光装置ですマスクは2インチ角基板寸法は
2cm 角~1 インチ角ウェハ厚みは 200μm から 1mm です
ウェハ側が xy 粗微動の2重度をもつためマニュアル式な
がらも操作性が高い研究開発用ですアライメント等は
一般の片面アライナと同様です 【特 徴】
ウェハとマスクをメカクランプ機構によって固定できる
ためアライメントした状態のまま別装置 2 にセット可
能です垂直壁面にパターニングを行うためにはウェハ
壁面に対して斜め方向から UV 光を照射することが必須に
なりますが別に用意した斜め露光用照射系にセットする
ことが可能です更にアライナにウェハを固定する前にウェハを純水で濡らした状態にするこ
とでウェハとマスク間の隙間を空気から純水に置換することが出来ますレジスト表面と媒体
の屈折率差が小さくなるため界面反射を小さく押さえることが可能となります2009 年 3 月の
時点で段差 100μm の垂直壁に幅 30μm の斜め線も含めた任意パターンがアライメントし
た状態で転写可能です
装置2
83
X 線光電子分光装置(XPS) 【仕 様】
X 線源はMgKαAlKαデュアルアノード X 線源
とモノクロメータ X 線源の2種を装備しています
Ag 試料を使用して Ag 3d52ピークを測定した時のエ
ネルギー分解能(半値幅)はモノクロメータ X 線源
使用時で 048eV 以下となっています試料上の分析
位置を走査して水平分解能 10μm で空間マッピン
グが可能ですAr イオンエッチング銃を使用して深
さ方向分析ができます電子中和機構により絶縁性
試料の測定にも対応しています試料サイズは最大
15mmφ(厚さ 4mm)です 【特 徴】
材料の元素分析化学状態分析を行う装置ですモノクロメータ X 線源による高エネルギー分解
能での測定空間分解能 10μm でのマッピング測定が可能です
DC amp AC ホール効果測定装置 【仕 様】
以下の仕様で Van der Pauw 法による半導体薄膜材
料のホール効果測定が可能です ホール測定電圧感度10-8 V抵抗測定範囲001
~1012 Ω(電極端子間)試料印加電流5 pA~100 mA(電圧リミット 100V)最大磁場079 T(AC 磁
場での測定可能)測定温度42~400K試料サイズ
最大 10mm 角 【特 徴】
Van der Pauw 法によるホール効果測定により半
導体薄膜材料の抵抗率伝導型キャリア濃度移動度を測定する装置です交流磁場を使用した
AC ホール効果測定により高抵抗試料で問題となる測定器の DC ドリフトや試料の不均衡電圧に
よる誤差を除去し高感度な測定が可能です
84
ナノ秒パルスYAGレーザー装置 【仕 様】
小型のナノ秒パルス NdYAG レーザー装置ですレ
ーザー本体の出力は2倍波(532 nm)で 200 mJ です
基本的に2倍波を使用していますパルス時間幅は約 6 ns ですフライアイレンズを用いた照射光学系によって
照射エネルギー密度の均一化を図っています4 ミリ角
の照射領域に対して照射エネルギー密度は 300 mJfraslcm2
までの範囲で調整可能ですレーザーは 10 Hz の運転で
すが手動シャッターによって1パルスを切り分けて照
射できます
【特 徴】 空気中高真空中(~10-4 Pa)液体中に置かれた試料に対してパルスレーザー照射が可能です
用いる波長の光を吸収する物質を中心に加熱することができることきわめて短時間での加熱冷
却が可能なことが特徴です
X線回折装置 【仕 様】
高輝度小角 X 線散乱装置高分子専用X線装置単結
晶解析用X線装置等各種X線解析装置群で構成されて
います 【特 徴】
各種の有機材料特に高分子材料についてナノスケ
ールでその階層的な構造(結晶構造非晶構造高次
組織など)や構造形成プロセスあるいは試料中での
応力分布などを本装置群であるX線回折に加えてラ
マン赤外分光法などの手法を組み合わせることによ
り解明できますその理論的理解のための計算機シミ
ュレーションなども行い総合的に学術技術支援を
実施しますさらに構造と種々の物性との相関解明
の支援を実施できる
85
27 各種データ271 支援件数
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援日数 61 0 91 80 232 32 0 7 6 45 18 0 68 44 130 11 0 16 30 57 0 0 25 05 3 235
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
技術代行技術相談
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
計
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 委託事業(外部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況
総計利用機関
利用形態共同研究 装置利用
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援日数 61 0 91 80 232 32 0 7 6 45 18 0 68 44 130 11 0 16 30 57 0 0 25 05 3 235
注1 空欄に数値を記入してください注2注3注4 公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)注5 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
利用形態共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
一つの採択テーマにおいて複数回支援した場合は一つと数えるただしその支援が複数機関あるいは同一機関内でも複数領域にまたがる場合はそれぞれ別に数える大学は大学高等専門学校等の教育機関
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 自主事業(外部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況技術相談
総計利用機関
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計
86
なし なし なし なし なし実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関
のみ大学 公 大企業 中小企 合計
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援日数 88 0 0 0 0 88 10 0 0 0 0 10 58 0 0 0 0 58 20 0 0 0 0 20 0 0 0 0 0 0 88
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援日数 88 0 0 0 0 88 10 0 0 0 0 10 58 0 0 0 0 58 20 0 0 0 0 20 0 0 0 0 0 0 88
注1 空欄に数値を記入してください注2注3注4 公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)注5 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上注6 外部機関者が参加している課題は「外部参加機関あり」に仕分けしその外部機関に応じてカウントして下さいまた機関内利用で外部機関参加者なしの課題は「実施機関のみ」にカウントして下さい
(もし 複数の外部機関が参加している場合は も とも貢献度の大きい外部機関を選択して下さい )
外部参加機関あり
極限環境
計
一つの採択テーマにおいて複数回支援した場合は一つと数えるただしその支援が複数機関あるいは同一機関内でも複数領域にまたがる場合はそれぞれ別に数える大学は大学高等専門学校等の教育機関
中部地区ナノテク総合支援
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行技術相談
外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 委託事業(内部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況
分子合成
外部参加機関あり
(もし複数の外部機関が参加している場合はもっとも貢献度の大きい外部機関を選択して下さい)
なし なし なし
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関
のみ大学 公 大企業 中小企 合計
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
計
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 自主事業(内部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
外部参加機関あり
支援状況技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用
87
272 課金収入実績
平成20年度課金実績(H21年3月末時点) 委託事業(外部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
支援機関名
豊田工業大学
装置利用共同研究 技術代行利用形態
総計
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名
中部地区ナノテク総合支援
支援
利用機関技術相談
支援機能名
352
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(外部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
拠点名支援機関
名支援機能名
支援技術相談
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
352
88
平成20年度課金実績(H21年3月末時点) 委託事業(内部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(内部利用)
技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援
352
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(内部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援
352
89
222 支援成果トピックス
6
7
一覧
支援課題一覧(H19 年度公開猶予分)
223 支援課題
平成19年度
支援機
関名
課題番
号 支援機能名 業務形態名 実施課題名 申請者の所属 申請者 役職
主な利用装置
名
主な利用装
置の利用
日数
豊田工
業大学 07-03 超微細加工 送致利用
結晶化Si形成 京セラ(株) 橋上 洋 研究員 2
ナノ結晶制御型高品質LPCVD
07-04 超微細加工 装置利用
プラズマCVDによる薄
膜成膜 矢崎総業(株) 砂山竜男
グルー
プリー
ダー
プラズマCVD 2 技術代行
07-05 超微細加工 装置利用 側面へのパターニング
技術
香川大学
工学部 大平文和
レジストスプ
レーコーター 4 教授
07-06 超微細加工
装置利用
微小面積薄膜のレーザ
ー加熱による変形 業大学 柳瀬明久
ダイシング 3 技術代行豊田工 准教授
アライナー 67
07-07 超微細加工 技術代行
装置利用
超微細加工技術を用い
たマイクロ流路チップの
開発
X 中野 圭洋
取締役
パターンジェ
ネレータ 5
株式会社
ESPINE
代表アライナー 11
電子線描画 2
RIE 13
07-10 超微細加工 協力研究 による薄膜表面の構造
株式会社コベル
コ科研 エレクト
ロニクス事業部
笹川 薫 主席
研究員
走査型プロー
ブ顕微鏡 1
高分解プローブ顕微鏡
評価
07-11 超微細加工 技術相談
立体サンプルのフォトリ
ソグラフィ技術に関する
相談
日本電波工業
株式会社 第一 松戸 秀亮 課長 ___ ___
技術部
07-12 超微細加工 装置利用 リサイド形成に関
名古屋大学エコ
トピア科学研究
所
大平 豊
丹司 敬義
教授 SPMSEM 10
鉄系シ
する研究
07-14 超微細加工 技術相談 カーボンナノチューブ深
針作製に関する相談
株式会社 ユニ
ソク 阪巻 なみ 研究員 ___ ___
07-16 超微細加工 装置利用
多結晶 デバイス
のための酸化メカニズ
ムに関する研究
株式会社IHI
薄膜表
ロジェクト部
山本 直矢 課長 エリプソメータ 3
シリコン産業システムセ
クター
面プ
8
平成20年度支援課題一覧
支援機
関名
課題番
号 支援機能名 業務形態名 実施課題名 申請者の所属 申請者 役職
主な利用装置
名
主な利用装
置の利用
日数
豊田工
業大学 08-01 超微細加工 協力研究 多結晶シリコン基板へ
小椋 厚志 教授
ナー
5 の pn ダイオード作製
明治大学
アライ
不純物拡散
炉
08-02 超微細加工 協力研究 可視光用超高速空間光
変調器の研究開発 近藤 直樹 講師 MBE 3
帝京大学
理工学部情報科
学科
08-03 超微細加工 技術相談装
結晶シリコン太陽電池
用受光面銀ペーストの
て
仙田 愼嗣
グルー
プリー
D 23
置利用 焼成挙動につい
株式会社ノリタ
ケカンパニーリ
ミテド ダー
プラズマCV
紫外可視
近赤外分光
光度計
2
08-04 超微細加工 技術代行装
置利用
ナノレベルで膜厚を制
御した透明導電膜の光
学的特性評価 学科
宮崎大学 工学
部電気電子工 吉野 賢二 准教授
紫外可視
近赤外分光
光度計
8
08-05 超微細加工 技術代行装
工学
吉野 賢二 准教授 プラズマCV
2 置利用
プラズマCVD法による
薄膜作成と構造評価
宮崎大学
部電気電子工
学科 D
08-06 超微細加工
技術代行装「公開猶予」
25
置利用
08-07 超微細加工 置利用
電子線ビーム露光技術
たナノ粒
子パターン配置技術の豊田工業大学 熊谷慎也 准教授
装置 32
技術代行装 と組み合わせ
開発
電子線描画
08-08 超微細加工 技術代行装
超微細加工技術を用い
株式会社
スピネックス)
代表取
置利用 たマイクロ流路チップの
開発
ESPINEX(イー 中野 圭洋 締役
アライナー
RIE 14
08-09 超微細加工 装
置利用 4
技術代行「公開猶予」
08-10 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-11 超微細加工 技術代行 「公開猶予」 3
装置利用 「公開猶予」
08-12 超微細加工
20
08-13 超微細加工 協力研究
垂直壁側面へのパター 香川大学 工学
アライナー ニング技術 部 大平文和 教授
スプレーコート10
9
08-14 超微細加工 技術相談 「公開猶予」
___
___
08-15 超微細加工 協力研究 プローブ顕微鏡を用い
た物性測定
株式会社大同
分析リサーチ 田仲 圭
技術主
任
カーボンナノ
チューブ製膜
装置
2
08-16 超微細加工 装置利用 磁気記録用パターン媒
大学工
学研究科 量子
工学専攻
加藤剛志 准教授 ルスYAG
2 体の研究
名古屋 パ
レーザ
08-17 超微細加工 に関する研究
名古屋大学エコ
ノマテリア
ル科学研究部
門
丹司 敬義
鏡 3 装置利用
鉄コバルト系シリサイド
形成
トピア科学研究
所 ナ大平 豊
教授 電子顕微
「公開猶予」 08-18 超微細加工 装置利用 2
08-19 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-20 超微細加工 技術代行装 株式会社 豊田
中央研究所 竹田 康彦
主任研
究員
フォトルミネ
ッセンス測定
装置
1 置利用
ナノ構造半導体薄膜の
作製
08-21 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 5
08-22 超微細加工 協力研究
InAs 量子ドットを電極と
したナノショットキーダイ
オードの理想係数
和歌山大学シ
ステム工学部 田中一郎 教授
顕微鏡 5
走査プローブ
08-23 超微細 予」
12 加工 装置利用 「公開猶
08-24 超微細加工
技術代行装
置利用 「公開猶予」
11
08-25 超微細加工 技術代行装
置利用 「公開猶予」
10
5
08-26 超微細加工 技術代行 FET デバイス基板の試
作 豊田工業大学 吉村雅満 准教授
アライナー
EB蒸着装置5
08-27 超微細加工 装置利用
触媒ナノ粒子を用いた
CVD 膜中残留応力制御豊田工業大学 熊谷慎也 准教授 LPCVD 2
08-28 超微細加工 協力研究
a-SiNxHSi 界面特性
の面方位依存性 兵庫県立大学 新船 幸二 准教授
プラズマCV
D 5
08-29 超微細加工 技術代行装
置利用
太陽電池特性評価技術
の習得
日本ソーラーシ
リコン(株) 岩本 恵里
アライナー
不純物拡散
炉
11
08-30 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 6
10
08-31 超微細加工 装置利用 「公開猶予」 14
08-32 超微細加工 技術代行 レジストマスクによるリ
ン砒素のイオン注入
豊田工大 表面
科学研究室 上田 一之 教授
アライナー
イオン注入装
置
4
08-33 超微細加工 技術相談装
置利用 新規プローブの開発
株式会社 ユニ
ソク 森田 幸治 技術員
アライナー
イオン注入装
置
21
08-34 超微細加工 協力研究
ポテンシャルマッピング
用量子構造試料作製
和歌山大学シ
ステム工学部 田中一郎 教授
分子線エピタ
キシー 4
08-35 超微細加工 装置利用協
力研究
次世代メモリ用材料
GeSbTe 薄膜の CVD 成
膜
気相成長株式
会社 町田 英明
代表取
締役社
長
X 線光電子
分光装置 5
08-36 超微細加工 技術代行 「公開猶予」 3
08-37 超微細加工 協力研究
分光機能を持つ MEMS
赤外線センサ 豊田工業大学 佐々木 実 教授 FTIR 10
08-38 超微細加工 技術相談 「公開猶予」 ――― ―――
08-39 超微細加工 協力研究
エンジニアリングプラス
チックスの成形加工物
の残留歪解析
株式会社デンソ
ー材料技術部 安藤幸也
担当部
員 X線回折 7
08-40 超微細加工 装置利用
光ファイバー材料の吸
発光特性 豊田工業大学 齋藤和也 准教授
蛍光分光計
吸収分光計 6
224 超微細加工領域における支援成果報告
次ページ以後参照
11
装置利用
豊田工大 07-03
ナノ結晶制御型高品質結晶化 Si 形成技術調査
An investigation of technologies for nanocrystal-controlled high quality crystalline Si formation
橋上 洋
Hiroshi Hashigami
京セラ株式会社
Kyocera corporation
ナノサイズ結晶粒からなる高品質結晶化 Si を形成するための技術調査を行った
豊田工業大学クリーンルームにて LPCVD での結晶化 Si 形成を行った作製した LPCVD 結晶 Si と京
セラで作製したプラズマ CVD 結晶 Si との比較評価を行い結晶作製条件と結晶品質に関する知見を
得た
We conducted a technology investigation for realization of high quality crystalline silicon consisted of nanocrystal Crystalline Si was formed by means of LPCVD at a clean room of Toyota Technological Institute The LPCVD crystalline Si and plasma-CVD crystalline Si deposited at Kyocera have undergone comparative investigations from which we obtained knowledge about Si deposition conditions and quality of the crystal
背景と研究目的 結晶シリコン薄膜はTFT をはじめMEMSに至る広い分野で利用されている非常に有用な
材料であるしかしながらたとえばその電気
的特性は形成方法によって様々であるした
がって重要なのは必要とする結晶 Si のスペッ
クを明確化した上でこれに一番適した形成方
法を適用することであるそこで我々は結晶
Si 形成に最も一般的である化学気相堆積
(CVD)法に特化し各種 CVD 法とそれらに
よって得られる結晶 Si の特質を調査した 結晶Si形成方法 本調査では熱 CVD 法の一つである減圧
CVD(LPCVD)法およびこれとは対照的な低温
製膜手法であるプラズマ CVD(PECVD)につ
いて調査を行った以下に各技術の特徴を述べ
る
熱 CVD 法 熱 CVD 法は成膜する元素の揮発性化合物を
気化し高温加熱した基板上で熱分解反応をお
こなわせて基板上に薄膜を形成する方法である
シリコン薄膜を得る場合はモノシランガスや
ジシランガスあるいはジクロロシランや 4 塩
化シランなどが用いられる 成膜時の反応が熱分解であるため成膜温度
が反応ガスの反応温度である数百以上の高温
になる従って低軟化点基板には適用できない
のがデメリットであるしかし一方で高温の
プロセスであることにより一般的に品質の良
い膜を得ることが出来る熱 CVD にはこの他
以下のような特徴がある 1成膜速度が速い(数~数百μmmin) 2ステップカバレージが良く凹凸形状に
も反応ガスが行き渡れば均一に成膜で
きる 3高真空でないので装置が簡単で生産性
が高い
12
4成膜温度が高いので緻密で高純度の膜が
得られる 5密着性が良い 熱 CVD 法は大気圧で成膜を行う常圧 CVD と
~01torr に減圧して成膜を行う減圧 CVD とがあ
る常圧 CVD は真空装置が不要であるという
最も簡単な CVD として広く利用されているが
減圧 CVD では常圧 CVD を基に膜厚や抵抗率
分布の改善を意図して考え出された実際反
応炉内を減圧することにより反応ガスおよび
キャリアガスの平均自由行程および拡散定数が
大きくなり基板内の膜厚および比抵抗分布が
改善される またホットウォール型であるLPCVDでは
バッチあたりの処理枚数を多くすることが可能
でありしかも減圧下であることにより基板が
均一に過熱されやすいことで歩留まりや信頼性
も改善されるこれらの特長によりLPCVD は
結晶 Si 膜を作製する主な方法のひとつとなっ
ている プラズマ CVD 法 プラズマ CVD 法は薄膜の低温形成を意図
して生まれた成膜方法であるプラズマ放電中
では系内のガスは衝突により相互に活性化され
ラジカルとなり熱的励起のみによっては困難
な低温下での反応が可能になる特にプラズマ
CVD では非熱平衡状態で化学反応が進行する
ため熱 CVD とは異なった組成や特性の膜が
得られる プラズマ CVD に用いる原料ガスは熱
CVD と違いはないがプラズマではキャリアガ
スに用いられる水素ガス分子なども分解されて
しまうそのためこれらの成分も必然的に相当
量が膜中に取り込まれ形成された膜の特性に
影響を及ぼすその他にもプラズマ中では多種
多様な反応活性種が生成され堆積に関与する
ので膜形成過程は熱 CVD に比べてはるかに
複雑である 薄膜 Si 堆積においてプラズマの条件を変
化させるとSiH2SiHSiH高次シラン関
連反応種(SixHy)さらにイオン種の膜形成へ
の寄与率が変化し欠陥密度に影響を及ぼすこ
とが知られているまた結晶 Si 薄膜の形成にお
いてはこの他にキャリアガス流量なども結晶
の組成に影響を及ぼす プラズマ CVD にはプラズマの励起方式に
より平行平板型の他誘導結合プラズマ(ICP)型や電子サイクロトロン共鳴(ECR)型などが
ある平行平板型では原料ガスが広い面積にわ
たって均一に供給されるようにできており大
面積の膜形成に適しているしかしプラズマ密
度が比較的低いので製膜レートは他の方法に
比べて低い ICP 型は石英板の上に設置したアンテナに高
周波電流を流すことにより高周波磁場とこれ
を打ち消そうとする誘導磁場を生じさせ誘導
磁場によって加速した電子によってプラズマを
得るこの方法では高密度プラズマを比較的容
易に得ることができ一般に高速製膜が可能で
ある利点があるECR プラズマ法ではマイク
ロ波と磁場中での電子のサイクロトロン運動が
同期することで電子がエネルギーをもち低圧
高密度プラズマを得るこのため高速な成膜が
可能となりしかも膜の密着性が優れているな
どの利点がある
結果 LPCVD での結晶化 Si 形成は豊田工業大学ク
リーンルームにてジシランガスを用いて行った
また平行平板ICPECR の各種プラズマ CVDでの結晶化 Si を京セラで作製したLPCVD 膜
とプラズマ CVD との比較評価を行い結晶作
製条件と結晶品質に関する知見を得た
参考文献 [1] 金原粲白木靖寛吉田貞史 著薄膜
工学丸善2004 [2] 麻蒔立男薄膜作成の基礎第 3 版日刊
工業新聞社1996
13
技術代行装置利用
豊田工大 07-04
プラズマ CVD による薄膜成膜
Thin film fabrication by plasma CVD
砂山 竜男加藤 博照佐久本 尚武
Tatuo Sunayma Hiroteru Kato Naotake Sakumoto
矢崎総業株式会社
YAZAKI corporation
現在MEMS 技術を利用したセンサの開発を行っている本研究ではダイアフラム膜としてプラズ
マ CVD 装置により成膜した SiN 膜を検討するためその成膜条件と膜質を調査した成膜条件とし
てSiH4と NH3 の流量比を変更したところ流量比 15 で成膜後の膜応力がほぼ 0 となったまた
700アニール後2times109 dynecm2 の引っ張り応力が生じた The sensor has been developed using the micro-electro-mechanical systems (MEMS) technique In order to apply SiN film to plasma CVD as a diaphragm fabrication conditions and film characteristics were studied Film stress deposited on flow ratio 51 of SiH4 and NH3 was almost zero After annealing at 700 tension stress occurred and was about 2times109 dynecm2
背景と研究目的 現在開発しているセンサの断面構造を図1に
示すシリコンチップ上にPtヒーターをIC製造
技術を用いて形成したそしてヒーターの熱
絶縁性を向上させるためヒーター下部を
MEMS技術を用いて除去しダイアフラムを形
成した
本センサの特徴はMEMS技術を用いたこと
により小型軽量高速応答を実現した点で
ある b) cross-section Fig1 micro gas sensor 本報告書ではセンサのダイアフラム膜の検
討としてプラズマCVD装置により成膜した
SiN膜の成膜条件とその膜特性について述べる
実験 SiN膜の成膜ではSiH4とNH3の流量を変化さ
せた流量条件を表1に示す成膜温度は250
成膜圧力を04 Torrに設定し成膜時間を15 minとしたそして成膜後700Air中にてアニ
a) sensor chip (26 mm times 16 mm)
14
ールを行った 図4に膜応力と屈折率の関係を示す圧縮応
力が増加することで膜屈折率が小さくなること
がわかる 成膜したSiN膜は触針式段差計によりウェ
ーハのそりより応力を算出したまたエリプ
ソメータにより膜厚と屈折率を測定したそし
てアニール後にも応力測定を実施しその変
動を調査した
屈折率の変化は SiN 膜の組成が変化している
ことを示しておりNH3 流量を増加させること
で SiN 膜の組成比を制御することが可能となっ
たそしてこの組成比制御が応力緩和に有効で
あると予想できる
SiH4 NH3 SiH4 NH3
1 5 3 151 2 3 61 1 3 3
Flow ratio flow rate (sccm)Table 1 Flow ratio of SiH4 and NH3
SiH4 NH3
Filmthickness(Å)
Growthrate(Å)
σ()
1 5 34606 2307 00711 2 26070 1738 00481 1 30638 2043 0017
0
50
100
150
200
250
0 1 2 3 4 5 6
Flow ratio of NH3SiH4
Gro
wth
rate
Å
00000010002000300040005000600070008000900100
Stan
dard
dev
iatio
n
growth rate
standard deviation
-6E+09
-4E+09
-2E+09
0E+00
2E+09
4E+09
6E+09
0 1 2 3 4 5Flow ratio of NH3SiH4
Film
stre
ss
dyne
cm
2
6
(a)(b)
結果および考察 表2にプラズマ CVD 装置で成膜した SiN 膜
の膜厚を図2に SiH4に対する NH3の流量比と
面内ばらつきの関係を示す
膜厚は各流量条件ともにほぼ目標値通りであ
り成長レートはほぼ 200Åmin 程度であった
面内ばらつきは流量比と相関があり流量比が
小さいほど抑えられることがわかった
(a) As film deposition (b) After annealing Fig3 Relationship of film stresses to flow ratios
174
176
178
18
182
184
186
-8E+09 -6E+09 -4E+09 -2E+09 0 2E+09
Film stressdynecm2
Ref
ract
ive
inde
x
Table 2 Film thickness of each flow ratios
Fig4 Relationship of film stress and gas flow
ratios 今後の課題 今回の評価でプラズマ CVD 装置による SiN
膜の特性はほぼ把握した今後はセンサとし
ての評価を行いプラズマ CVD 装置とスパッ
タ装置による SiN 膜の比較をする
キーワード Fig2 Growth rates and standard deviations of flow ratios MEMSMEMS とは micro-electro mechanical
system の略で半導体の微細加工技術を用い
て作製する電気機械システムのことである
図3に流量比と膜応力の関係を示す成膜後
流量比 1で応力は圧縮方向に 5times109 dynecm2で
あったが流量比をあげることでその応力は小
さくなった
またアニール後の膜応力は流量比との依存
性がなくなり応力も圧縮方向から引張方向に
変化した
15
装置利用
豊田工大 07-05
スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線形成技術
Conductive pattern forming method on vertical wall using spray coating and angled exposure technologies
森井裕貴大平文和
Hiroki Morii Fumikazu Oohira
香川大学
Kagawa University
スプレーコート技術と傾斜露光技術を用いた垂直壁面への配線パターン形成方法について検討した
この方法を用いることによりチップパッケージサイズを縮小することが可能となるスプレーコート
技術と傾斜露光技術を用いることにより 600μm の垂直壁へレジストを均一に塗布さらにレジストパ
ターン形成を可能としたまた配線パターンはスパッタと無電解 Ni めっきにより形成した本研
究で製作した配線パターンの幅は 200μm配線間隔は 300μm である A novel conductive pattern forming method on the vertical wall using a resist spray coating and an angled exposure technologies is proposed This method makes it possible to decrease the chip package size The spray coating and the angled exposure technologies enable the uniform resist coating and the patterning the resist on the vertical wall of 600 μm height Then a conductive pattern layers are sputtered and electroless plated As the result the conductive patterns of 200 μm width and 300 μm spacing is successfully formed on the vertical walls
背景と研究目的 携帯電話や携帯情報端末な
どにおいて更なる小型化高機能化が求められ
ている限られた容積の中でそれらの要求を満
たすには半導体チップの小型化高集積化
又はチップ実装の高密度化が挙げられる 本研究ではチップ実装の小型化に着目し
半導体プロセス技術を用いてチップ実装パッケ
ージ側面に 3 次元的に電極を配線することによ
り高密度実装可能な側面配線技術の確立を目指
す パッケージ側面に金属の配線パターンを形成
する手段としてレジストにより配線パターン
を形成し金属を成膜しリフトオフすることに
より金属の配線パターンを形成するこのとき
半導体プロセス技術で成膜できる金属の膜厚は
数千Åと少ないため配線としては電流抵抗が
大きくなるそこで Ni めっきを行い配線とし
て十分な膜厚を得るここでスプレーコートに
よるパッケージ側面への 3 次元レジストパター
ニングの原理確認を行った
実験 スプレーコートを用いてチップ実装パ
ッケージにレジストを塗布するさらにサンプ
ルを露光する際に側面部が十分露光されるよう
にサンプルを傾けて傾斜露光[1]を行いパッケー
ジ側面に配線パターンを形成する本研究では
パッケージ高さ600μm配線幅200μm配線間
隔300μmであるスプレーコートによるレジス
ト塗布ではレジスト流量ステージ温度ステ
ージ速度によってレジストの膜厚や分布などが
変化する[2]そこでレジスト流量81gh100ghステージ温度95105115ステージ速
度300mms400mmsの条件を検討した 結果および考察 条件を検討した結果
すべての条件で塗布可能であるが比較的均一
な塗布条件はレジスト流量 100ghステージ温
度 105ステージ速度 300mmsである図 1
16
にレジストパターニングの結果を示すレジス
トはエッジ部で途切れることなく全面に塗布さ
れているレジストの段差切れが無いこと隣
接するパターンのつながりが無いことを確認し
600μmの垂直壁にも均一にレジストを塗布パ
ターニングが可能であることを明らかにした さらにレジストパターニングしたサンプル
にスパッタにより金属膜を成膜しリフトオフ
により配線パターンを形成したNi めっきを行
い配線として十分な膜厚を得た図 2 に Niめっき後の配線パターン形成の結果を示す Ni めっき後でも配線パターンがエッジ部で途
切れることなく隣接するパターンのつながり
が無いことを確認し600μm の垂直壁に配線形
成が可能であることを明らかにした
Fig1 The spray coating and patterning the resist
Fig2 Conductive pattern forming 今後の課題 パッケージ側面において下面に
近い部分でパターンが広がる基板とマスクの
間に空間ができるため回折などの影響によりパ
ターンが広がるこの広がりを抑える工夫を今
後検討していく 参考文献 [1] Hayato Izumi Yohei Matsumoto Seiji Aoyagi Yusaku Harada Shoso Shingubara Minoru Sasaki Kazuhiro Hane Hiroshi Tokunaga IEEJ Trans SM Vol 128-E No 3 (2008) pp102-107 [2] Vijay Kumar Singh Minoru Sasaki and Kazuhiro Hane Japanese Journal of Applied Physics Vol 46 No 9B (2007) pp 6449-6453
Substrate
Ni NiPlastic material
Resist Plastic material Resist
Substrate Plastic material
17
技術代行装置利用
豊田工大 07-06
微小面積薄膜のレーザー加熱による変形
Deformation of small patchy films by pulsed laser heating
柳瀬 明久
Akihisa Yanase
豊田工業大学
Toyota Institute of Technology
真空蒸着法で作製した微小面積の薄膜(パッチ状薄膜)は一般にエネルギー最小の安定な形態では
ない凹凸パターン基板上に堆積させたパッチ状金薄膜をパルスレーザー加熱することによって微粒
子化する方法を検討した結果サイズ分布の狭い球形金粒子が得られた A small patchy film fabricated by vacuum evaporation does not have a stable shape with an energy minimum A preparation method of Au particles from thin patchy Au films by pulsed laser heating has been studied As a result spherical Au particles with a narrow size distribution were obtained
背景と研究目的
ナノテクノロジーにおける微細構造作製方法
は大きく2つに分けられる一方はリソグラ
フィエッチングなどの微細加工技術に基づく
「トップダウンアプローチ」であり今日大き
な技術分野となっているしかし微細化の進
展とともに高コストで環境負荷の大きいことが
問題化されているもう一方は「ボトムアップ
アプローチ」と呼ばれ原子分子を積み上げ
ていく方法で今後の発展が期待されている
「ボトムアップアプローチ」では分子クラ
スター微粒子などの「部品」をまず作製し
次の段階でそれらを自己組織的に組み立ててい
くという階層的な方法が有力と考えられている
「ボトムアップアプローチ」の微粒子に関わる
要素技術として形状サイズならびに表面物
性が制御された微粒子の作製が最も基礎的であ
ると考える 単分散微粒子の一般的な作製法は液相中の
固相析出反応において核生成期とその後の粒
子成長期とを時間的に明確に分離し粒子成長
期における粒子間の凝集を防止する方法である
この原理に基づいてポリスチレンやシリカガ
ラスなどの材料で精度のよい単分散粒子が作製
されているしかし化学反応を用いる方法で
きわめてサイズの均一な粒子を作製することは
ごく一部の反応系を除いてきわめて困難である
のが現状である
短パルスレーザーを物質に照射すると物質
がその波長の光を十分に吸収する場合その表
面近傍はきわめて短時間で加熱されその後急
速に冷却されるこのパルスレーザー加熱によ
って基板上に形成された有限の面積をもつ固
体薄膜(以下パッチ状薄膜とよぶ)を溶融させ
ることが可能であるそして溶融した薄膜は
基板表面とぬれにくい場合表面張力により微
粒子化する[1]パッチ状薄膜の面積ならびに厚
さが均一であるならばこの方法により粒子
径のきわめてそろった単分散微粒子が得られる
はずである本方法により単純な物理プロセ
スによる広範囲な材料系に適用可能な単分散微
粒子作製法が確立されればその意義は大きい
本研究ではシリコン熱酸化膜上に形成した
パッチ状金薄膜を波長 532 nm のパルスレー
ザーによって加熱することによって球形金粒
子を得ることができた
18
パッチ状薄膜をパルスレーザー加熱して微粒
子を作製する方法の利点として次の3点が挙
げられる①プロセスが単純でありパッチ状
薄膜の大きさ膜厚を精度よく再現できること
から粒子サイズの制御性が高いことが期待さ
れる②パルス光を用いるため冷却過程を考
えても非常に短時間のプロセスであるその
ため材料の蒸発による損失が抑制される③
微粒子化させたい材料の種類に合わせてレーザ
ーの波長を選択できる
参考文献 [1] 特許 3989424
実験 Fig 1に実際の実験方法を模式的に
示したシリコン基板上にシリコン熱酸化膜
からなるテーブル状の凸構造(10 μm times 10 μm)
を周期 15 μmで2次元的に形成したまた
Fig2 に示すように隣り合う凸部間の溝部表
面をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
でコーティングしたこの基板上に膜厚30 - 90 nm の金薄膜を真空蒸着法によって堆積させた
金はPTFE上に付着しにくいため独立した
パッチ状の金薄膜がシリコン熱酸化膜上に得ら
れたこの試料を空気中でナノ秒パルス
NdYAGレーザーの2倍波 (532 nm) 1パルス
を照射して加熱したなおNdYAGレーザー
のパルス時間幅は 6 ns であった
Fig 1 Schematic procedure of preparation of monodisperse Au particles
PTFE SiO2
結果および考察 Fig 3 は膜厚 90 nm のパッチ状金薄膜をパルスエネルギー密度 140 mJcm-2 の条件で加熱した後の走査電子顕
微鏡像であるほぼ均一な粒子径をもつ金微粒
子が生成されていることがわかるその直径(~
27 μm)は1個のパッチ状金薄膜が1つの球
へと変化した場合に予想される直径とよく一致
したなお金薄膜の初期反射率( ~07)を
考慮するとこの照射条件は薄膜を十分に溶融
しえるものであるまた得られた金粒子は
基板との付着力が弱くドデカンチオールのエ
タノール溶液中で超音波照射することによって
基板から容易に脱離させることができた
Si
Fig 2 Cross-sectional SEM image of the patterned substrate used for preparing Au patchy films
また現在までに得られた結果から本方法
の特徴として①膜厚 50 nm 以下の薄膜は
1個のパッチから多数の微細な粒子に変形する
傾向をもつこと②微粒子化した場合生成し
た粒子は基板から離れて気相側に飛散しやすい
ことが挙げられる
今後の課題 リフトオフプロセスを利用して
平坦な基板上に微小面積薄膜のパターンを形成
する方法を用いる予定であるまたさらなる
プロセスの簡便化金以外の金属や半導体への
材料系の拡大ならびに粒子サイズの微細化
の検討を進めていく必要がある
Fig 3 SEM image of Au particles prepared on a patterned substrate by pulsed laser heating with a pulse energy of 140 mJcm-2 Initial film thickness of Au was 90 nm
19
技術代行装置利用
豊田工大 07-07
超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発
Development of microfluidic chip based on Nano fabrication technologies
中野 圭洋 安池 雅之
Keiyo Nakano Masayuki Yasuike
株式会社 ESPINEX
ESPINEX Inc
マイクロ流路を応用した細菌検出法を開発し大腸菌を用いた検出試験を行ったこの細菌検出法は
使い捨てのマイクロ流路チップと蛍光検出装置で構成されておりマイクロ流路はフォトリソグラフ
ィー技術とシリコーンゴム(PDMS)により製作したマイクロ流路中の検出部に抗体を固定して
抗原抗体反応により蛍光された大腸菌を捕捉した試料を注入し検出部における大腸菌の密度を上
げる事で大腸菌の計数高感度検出が可能となった Microfluidic based bacteria detection platform was developed and investigated the performance by detecting Escherichia-colis (e-coli) This platform is consisted a disposable microfluidic chip and a fluorescent detection system Microfluidic chip was fabricated using photolithography technology and PDMS At the detection spot of the microfluidic channel antibodies were immobilized to capture e-colis which contained fluorescent dyes Because of antigen-antibody interaction e-colis concentration was increased at the detection spot of microfluidic channel and the fluorescent detection system can count the number of e-colis captured
(一行スペース) 背景と研究目的 近年院内感染や食品の細
菌汚染問題が深刻化しており細菌汚染の迅速
検査は重要度を増しているしかし現行の細
菌検査は主に培養法を用いるため検査の結果
が出るまで数日を要するそこで当社は細菌
を抗原抗体反応でマイクロ流路中に高濃度で捕
捉して蛍光を光学的に検出することで培養過
程を要さない細菌の高感度迅速検出システム
の開発を行っているマイクロ流路を用いた細
菌検出の概略を図 1に示す
実験 マイクロ流路チップは流路構造を施
したシリコンモールド型をフォトリソグラフィ
ー技術により作製しその型から流路構造を転
写したシリコーンゴム(PDMS)を流路部スライ
ドガラスを基盤として作製した図 2 にPDMSマ
イクロ流路チップを示すその後マイクロ流
路中に蛍光試薬と大腸菌を含んだ試料を注入し
大腸菌を補足後検出部の画像を解析して大
腸菌の検出実験を行ったさらに大腸菌を捕
捉後抗生物質を注入し生死菌数の変化を観
察した大腸菌の薬剤感受性試験を行った マイクロ流路
検出装置
励起光
PC
マイクロ流路試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
抗体
蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
マイクロ流路
検出装置
励起光
PC
マイクロ流路試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
試料+蛍光試薬
対象菌 抗体
抗体
蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
対象菌
試料+蛍光試薬
Fig 1 Schematic diagram of bacteria detection by
microfluidic chip
20
Fig2 Image of PDMS microfluidic chip 結果および考察 検出部における蛍光さ
れた大腸菌の画像を図 3 に示す図 3 では生菌
が緑色死菌が赤色に発色し検出部において
多数の菌が確認でき大腸菌を効率よく捕捉し
ている結果が得られた検出に要した時間は約
10 分間であり培養法等と比べると格段に迅速
な検出が可能であることが証明された又図
4 に示す薬剤感受性試験の結果において抗生
物質投与直後2時間後4時間後と時間を経る
につれて赤色に発色している死菌が増加してい
ることが解る従ってマイクロ流路チップを
用いた細菌の薬剤感受性試験も良好な結果を得
た
緑生菌赤死菌
生菌数の計数 死菌数の計数総菌数の計数
画像処理
緑生菌赤死菌
生菌数の計数 死菌数の計数総菌数の計数
画像処理
Fig3 Florescence microscope images of Ecoli at a detection spot of microfluidic chip
抗菌剤投与直後 2時間後 4時間後抗菌剤投与直後 2時間後 4時間後 Fig4 Florescence microscope images of Ecoli in maicrofluidic chip after applying antibiotics 今後の課題 今回の実験により大腸菌の迅速
検出及び薬剤感受性試験におけるマイクロ流
路チップの有効性が確認されたが今後検出
感度の向上を目指した流路構造の最適化や大
腸菌以外の菌種での検出確認が課題として挙げ
られる又PDMSマイクロ流路チップは非常
に生産性が低い上抗体の固定化が容易ではな
いそこで生産性が高く抗体が容易に固定
できる樹脂製のマイクロ流路チップの製造技術
の確立が商業化に向けた課題であるといえる
論文発表状況特許出願 [1] 中野圭洋亀岡遵安池雅之特願
2008-053209チップ キーワード マイクロ流路 マイクロ又はナノサイズの極微細流路であり
化学物質や生体物質の検出解析などに用いら
れる
21
協力研究
豊田工大 07-10
高分解能プローブ顕微鏡による薄膜表面の構造評価 Structural evaluation of film surface by high-resolution probe microscope
笹川 薫
Kaoru Sasakawa
コベルコ科研
Kobelco Res Inst
無電解めっき法によって金属薄膜を形成させるために種々の金属触媒層が用いられているわれわれ
は PdSn 触媒を温度 85湿度 85の環境下に放置したときの形状変化を高分解能プローブ顕微
鏡によって調べることを目的とした平成 19 年度後期の協力研究ではガラス表面に形成した PdSn触媒層が高分解能プローブ顕微鏡によってどのように観察されるかを調べた Various kinds of metal catalysis are used by electroless plating method to form a metal film We were aimed at examining a shape change when a PdSn catalyst was left in 85 degrees Celsius and humidity 85 for several hundred hours by a high-resolution probe microscope In the cooperation study of the latter period in 2007 we examined how the PdSn catalysis which was formed on the glass surface was observed by a high-resolution probe microscope
背景と研究目的 無電解めっきに用いられる
PdSn[1]が電気回路基板の形成後に残留する場
合使用中に絶縁性が保たれることが必要であ
る高温高湿試験中PdSn触媒層の抵抗値は
様々に変化するが抵抗変化の原因の1つとし
てガラス基板表面の形状や触媒粒子の形状
が変化している可能性が考えられるそこで
高分解能プローブ顕微鏡(SPM Scanning Probe Microscopy)によって形状変化を調べることと
した 実験 高温高湿試験前後のPdSn触媒層およ
びガラス基板を用意しタッピングモードプ
ローブ顕微鏡(Beeco社製NanoScopeⅢa)により
高分解能形状観察を行った尚実験環境は大
気中室温である
結果および考察 ガラス基板上のPdSn触媒層について高い分解能でプローブ顕微鏡増
を得ることができたしかしながら触媒層の
下地に用いたガラス基板そのものが高温高湿
試験によって変質しPdSn触媒層の形状変化の
詳細を知るのは難しいということがわかった
PdSn以外の触媒もあり触媒自体の形状変化を
調べることができそうなものもあるがPdSnが基本となるのでこれ以上の検討は行わないこ
ととしたすなわち今回は準備した試料が
適切でないということがわかった 今後の課題 高温高湿試験の前後における触
媒層の形状変化を詳細に調べるためには高温
高湿試験により形状変化が生じないか生じても
触媒の変化を調べるのに影響しないような基板
を探す必要がある 参考文献
1) Eugene J M OrsquoSullivan J Horkans J R White
and J M Roldan IBM J Res Develop 32 (1988)
591
22
装置利用 豊田工大 07-12
鉄シリサイド形成に関する研究 Study for Iron Silicide Formation
丹司敬義ab大平 豊a
Takayoshi Tanjiab and Yutaka Ohiraa
a名古屋大学院工学研究科 b名古屋大学エコトピア科学研究所
aGraduate School of Engineering Nagoya University bEcoTopia Science Institute Nagoya University
様々な条件下で作製した一次元鉄シリサイドの形状について走査トンネル顕微鏡(STM)や走査電子
顕微鏡(SEM)等を用いて研究した50 times 10-8 Pa 以下の超高真空環境下で固相エピタキシー法(SPE)と反応性蒸着エピタキシー法(RDE)を用いて作製したナノワイヤの形状の違いについて述べるXPSの結果から両者は共に FeSi2の組成を持つことも明らかにしている更に40 times 10-4 Pa 以下の高真
空下でさえワイヤが形成されることを見出した One-dimensional (1D) iron silicides prepared under various growth conditions have been studied by scanning tunneling microscopy (STM) scanning electron microscopy (SEM) and so on We discuss difference in the shape of nanowires (NWs) prepared by solid-phase epitaxy (SPE) and reactive-deposition epitaxy (RDE) in an ultrahigh vacuum (UHV) of below 50 times 10-8 Pa A similar chemical shift in XPS spectra is observed on both surfaces corresponding to iron disilicide NWs are also formed even in a high vacuum (HV) of below 40 times 10-4 Pa at 600 ordmC 背景と研究目的主に電荷を用いる半導体エレク
トロニクスでは従来使われなかった電子のもう一
つの性質であるldquoスピンrdquoを積極的に利用して
新しい材料の機能やデバイスを構築しようとする
半導体スピントロニクスに関する研究が近年盛
んに行なわれているシリコン(以下Si)技術と
の融合を図るためにはSi基板上へ磁性体の直接
成長が必要となるまたデバイスの高集積化
高密度化を達成するために従来のリソグラフィ
ー技術を用いたトップダウン技術だけではなく
低次元構造体の作製が可能な自己組織化等のボト
ムアップ技術も必要になる このような背景の下我々はldquo磁性を有するナ
ノワイヤを Si 基板上に直接成長させるrdquoことを最
終目的としているそこでまず磁性元素である
鉄を Si(110)表面上に蒸着し加熱することで形成
されるナノワイヤに注目し研究を行なっている 先行研究としてはLiang et al1)らによる報告が
ありそれによると清浄化処理を行なった Si(110)基板を 600 ordmC に加熱しながら Fe を蒸着すること
でワイヤの幅が数十 nm長さが数μm にも及ぶ
高アスペクト比のワイヤが形成すると報告してい
る(反応性蒸着エピタキシー法RDE)我々は
彼らとは別の成長方法を用いてナノワイヤを形成
させることに成功した(Fe を蒸着した後基板を
600 ordmC に加熱する(固相エピタキシー法SPE)) 本研究ではSPE と RDE で成長させたワイヤの
形状がどれくらい異なるかワイヤの組成は同一
なのかどうかを走査トンネル顕微鏡(STM)走査
電子顕微鏡(SEM)そして X 線光電子分光法(XPS)を用いて評価したまた通常ワイヤの作製には
超高真空環境が必要となるが我々は新たに高真
空環境でもワイヤが作製できる方法を開発した 実験試料作製は以下に示す真空度の異なる2種類のチャンバーを用いた 超高真空下での試料作製はSTMとXPSを装備
したチャンバー内(到達圧力lt 20 times 10-8 Pa)で
行なった試料にはPドープのn型Si(110)ウエハー
(2 ndash 4 Ωmiddotcm)を用いた試料の清浄化は通常用い
られる加熱処理により行なった2)Feの蒸着は
電子衝撃加熱法を用い蒸着レートは018 MLminである(1 MLSi(110) = 959 times 1014 atomscm2) 高真空下での試料作製は到達圧力が13 times 10-4 Pa以下のチャンバー内で行なった試料にはPドープのn型Si(110)ウエハー(lt 001 Ωmiddotcm)を用いた
試料の清浄化はフッ酸処理によるウエットプロ
セスにより行なったFeの蒸着はアークプラズ
23
マガン(APG)を用い蒸着レートは047 MLshotである それぞれの試料加熱は通電加熱法で行ない
温度測定には予め校正した放射温度計を用いた 結果および考察Figure 1 に超高真空下(50 times 10-8 Pa以下)で作製したナノワイヤを示す共に
蒸着量は 018 ML基板温度は 600 ordmCである
Figure 1(a)と(c)はSPEによって作製したワイヤの
SEM像とSTM像であるlt110gt方向に沿った長さ
は 20 ndash 120 nm幅は 6 ndash 15 nmであった一方
Fig 1(b)と(d)はRDEによって作製したワイヤの
SEM像とSTM像であるlt110gt方向に沿った長さ
は 100 ndash 1000 nm幅は 15 ndash 20 nmであったXPS結果からSPEとRDE共にFeSi2の組成を持つこと
も明らかにし両者とも同じ構造であると考えら
れるRDEで成長させたワイヤの長さはサブマ
イクロメートルにも達しSPEに比べ非常にア
スペクト比が大きくなることが分かる成長手法
を変えることでワイヤの長さをμmオーダーにす
るかnmオーダーにするかの制御が可能となる このような違いが生じる原因としては鉄を蒸
着するときの Si 基板の構造の違いが考えられる
基板温度-ワイヤの密度の依存性を調べることで
得られる活性化エネルギーの値を調べるとSPEの方が RDE に比べて小さくなるRDE の場合
鉄を蒸着するときに基板を 600 ordmC に加熱してい
るこの温度はFig 1(c)の下地にも確認できるよ
うにSi(110)-ldquo16 times 2rdquo清浄表面が形成される 3)
この表面は原子一層分の高さを有する凹凸構造
となるこの状態で蒸着種が拡散するためには
非常に大きなエネルギーを要し拡散する方向も
制限されると考えられるので非常に長いワイヤ
が形成されると考えられる
23
Figure 2(a)に高真空下(40 times 10-4 Pa以下)でSPEによって作製したナノワイヤのSEM像を示す超
高真空下と同様にlt110gt方向に沿っておりサ
イズもほぼ同程度であるしかし超高真空下で
作製したワイヤのSEM像のコントラストと比べ
ると非常に弱いこれは大気に一度曝すことで
生じる自然酸化膜の影響であると考えられるま
た当研究室でワイヤの断面TEM観察したところ
Si基板中の三角形のコントラストとして現れてい
る(Fig 2(b))超高真空下で作製したワイヤも同様
に基板内部にワイヤが成長するので 1)高真空
下と超高真空下で類似の構造を作製することに成
功した 以上のことからワイヤを作製するにあたり以
下の二点のことを明らかにした 数十 nm か数μm の長さのワイヤを自在に成長
させることが可能
10-4 Pa 台から 10-8 Pa 台の広い範囲の環境下で
ワイヤの作製は可能 今後の課題作製したワイヤに磁性が存在するの
かどうかについての研究を進めていく予定である 論文発表状況特許出願 1) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
Jpn J Appl Phys 47(7B) (2008) 6138 2) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
ldquoThe 15th International Colloquium on Scanning Probe Microscopyrdquo (poster)
3) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda ldquoThe 9th International Conference on Atomically Controlled Surfaces Interfaces and Nanostructuresrdquo (poster)
参考文献 1) S Liana R Islam D J Smith P A Bennet J R
OrsquoBrien and B Taylor Appl Phys Lett 88 (2006) 113111
2) R S Becker B S Swartzentruber and J S Vickers J Vac Sci Technol A6 (1988) 472
3) Y Yamamoto Phys Rev B 50 (1994) 8534
Fig 1 (a) and (b) SEM images of NWs on Si(110) surface prepared by SPE and RDE in UHV respectively In both cases the NWs grow along lt110gt
Fig 2 (a) SEM image of NWs on Si(110) surface prepared by SPE in HV The NWs grow along lt 1 10gt (b) Cross-Sectional TEM image of NWs observed along lt110gt direction The NWs are observed as a triangular contrast in the Si substrate
24
装置利用
豊田工大 07-16
多結晶シリコンデバイスのための酸化メカニズムに関する研究
The study on the silicon surface oxidation for poly-silicon electronic devices
山本 直矢a 芳之内 淳a 大下祥雄b
Naoya Yamamotoa Atsushi Yoshinouchia Yoshio Ohshitab
a株式会社 IHI b豊田工業大学
aIHI bTTU シリコン表面酸化速度はその面方位よって大きく異なることが知られている今回多結晶シリ
コンを用いた電子デバイスを作製するうえで重要なさまざまな面方位表面における酸化速度を詳細
に調べたまたシリコンの結晶構造の Si(100)表面で規格化された状態密度との比較も合わせて行った その結果各面方位の酸化速度はWet O2中での酸化では Si(111)面を除いてシリコン表面に存在
する Si-Si 結合の密度に近くなる一方で Dry O2 中では Si-Si 結合密度と表面原子密度の間に位置して
いることが分かった
The effects of crystal orientation of Si substrates on the oxidation rates are studied The Si with (111) (211) (311) (511) (100) (310) (210) and (110) surface are oxidized by the dry and the wet oxidation methods We analyzed the relative oxidation rates which is normalizing them by the values of Si(100) by comparing with the interface structure The relative wet oxidation rates at the low temperatures except for the surfaces that have a large lt111gt component can be explained by the number of the back bonds of Si at the SiSiO2 interface On the other hand the relative oxidation rate obtained by the dry oxidation lies between the numbers of Si-Si bonds and Si atoms at Si surface
背景と研究目的 近年多結晶シリコンを用いた電子デバイス
の開発が盛んに行われている多結晶シリコン
ウェハは単結晶化シリコンウェハに比べて安価
に製造することができるため太陽電池市場お
いてはシェアの多くを多結晶シリコン太陽電
池が占める多結晶シリコン薄膜はガラスや
プラスチック等のシリコンと異なる基盤表面に
成膜可能であることから液晶ディスプレイや
有機 EL ディスプレイ用の駆動用 TFT の活性層
としても用いられているまた特異な電子特性
からシリコンナノ結晶を用いたさまざまな電
子デバイスが提唱されている それらの多結晶シリコンデバイスの性能を向
上させるためにはいくつかの問題点があるが
その中でも重要なのがシリコンとそれを絶縁
させるための絶縁膜および界面の問題である
通常の単結晶シリコンデバイスでは酸化雰囲気
中でシリコン表面を酸化することで得られるシ
リコン熱酸化膜を用いるが多結晶シリコンデ
バイスでは粒界に不純物が析出したり基板が
反ったりと熱負荷をかけられない場合が多い
そ の た め 低 温 形 成 可 能 な 化 学 気 相 堆 積
(Chemical Vapor DepositionCVD)酸化膜が多
く用いられるが多結晶シリコン表面がそのま
まシリコンシリコン酸化膜界面になるため良
質な界面を得ることが難しい低温でもシリコ
ン表面を酸化することは可能ありそのメカニ
ズムに関しては以前から様々なモデルが提唱さ
れてきた[1-6]しかしそれらは多くは(100)(110)(111)面に関するものでありそれ以外の
面方位については実験データも少なく酸化の
25
メカニズムや酸化膜の膜質についても不明な点
が多い 本研究では低温における多結晶シリコン表
面の酸化のメカニズムとその膜質を検証する上
で必要な各種面方位を持ったシリコン単結晶
表面の酸化速度を分析しその傾向に関する知
見を得ることを目的とする 実験 鏡面研磨した(111)(211)(311)(511)(100)(310)(210)(110)それぞ
れの面方位をもった単結晶シリコンサンプルを
準備したそれらを縦型酸化炉にて各面方位一
括で酸化処理を行ったWetO2酸化の時はO2
H2を同じ流量で炉内横に設置された石英製の
燃焼器で燃焼させ燃焼ガスを炉内に導入した
酸化処理の後エリプソメーターにて膜厚を計
測した
Figure 2 Comparison of calculated data and oxide thickness formed in Wet O2
同じく750のWetO2中でシリコンを酸化し
たときの酸化膜厚と各種表面密度との比較を図
2に示す(100)方位から(110)方位に向かって
はバックボンド密度と非常によく似た傾向を
示す一方で(100)から(111)方面にかけては
弧を描くように増加し(111)表面では酸化膜厚
が遅くなっていることがわかるこの傾向はγ
(表面原子密度)の傾向に近いことが分かった
結果および考察 DryO2 およびWetO2
中さまざまな温度で酸化処理を行ったが今回
は温度の低い 750での酸化膜の成長に関する
結果を示す各面方位の酸化初期における相対
的な酸化膜厚は水蒸気が含まれても大きく変わ
らず基本的Si(100)からSi(111)Si(110)各面
方向に向かってほぼ直線的に増加する各表
面密度をSi(100)表面の値で規格化したものと
DryO2中 750において 180 分間酸化処理した
酸化膜厚をSi(100)の膜厚で規格化した値を
ここに示すような主要な(100)(110)(111)方面以外の酸化速度を同時に酸化処理を行っ
て得られたデータはこれまでになく酸化速度
の面方位依存性のメカニズムを検証する上で
貴重なデータになるものと考える 今後の課題 各面方位の実際の酸化速度と状
態密度の計算結果との違いの原因を調べるとと
もにより詳細な酸化メカニズムについて検討
を行うまたこのような酸化速度の違いが多
結晶デバイスに及ぼす影響についても分析を行
っていく
参考文献 1) B E Deal and A S Grove J Appl Phys 36
(1965) 3770
2) H Z Maasoud et al J Electrodhem Soc 132
(1985) 1745 Figure 1 Comparison of calculated data and oxide thickness formed in dry O2
3) E A Lewis and E A Irene J Electrochem Soc
134(1987) 2332
重ねたものを図1に示すαは各面方位表面の
シリコン原子が持つ Si-Si 結合(バックボンド)数の密度βはダングリングボンド密度γは
表面の原子密度それぞれを Si(100)表面の値で
規格化したものである酸化膜厚が Si(111)Si(110)かけての増加する様子はバックボンド
密度の傾向に似ているただ計算値に比べ酸
化膜厚が薄くなる傾向にある
4) S I Raider and LEForget J Electrochem Soc
127(1980)1783
5) E A Irene et al J Electrodhem Soc 133
(1986) 1253
6) J R Ligenza J Phys Chem 65 (1961) 2011
26
協力研究
豊田工大 08-01
多結晶シリコン基板への pn ダイオード作製
Fabricated p-n diode on multi-crystal Silicon substrate
小椋 厚志
Atsushi Ogura
明治大学
Meiji University
多結晶シリコンは太陽電池用基板として広く用いられているそれは単結晶シリコン基板に匹敵する
変換効率を有し多結晶シリコン基板のほうが低コストで作成することが出来るからである粒界
欠陥不純物などにより単結晶シリコンと比べ特性が劣化してしまう本研究では微少な p-n ダイ
オードを多結晶シリコン基板上に作成し電気特性と結晶性の評価を行い特性劣化の起因を調べる
ことを行った
Multi-crystalline silicon (mc-Si) is widely used as solar cell substrate For mc-Si it is desired to realize uniformly high conversion efficiency comparable to that of single-crystalline silicon with keeping its low production cost Inhomogeneous degradation in the efficiency can be caused by grain boundaries defects impurities and so on In this study we fabricated p-n diode array on mc-Si and the diode was evaluated relation between electrical property and crystal quality for revealing as causes of degradation
実験 背景と研究目的
キャスト法により作成された多結晶Si基板を
用いてp-nダイオードアレイを作成した図1が多結晶Si基板上に作製したダイオードアレイの
完成図であるAl電極をリン拡散領域に対して
およそ4分の1領域被せてある電極の大きさは
1mm角で各電極間の距離は2mmである
多結晶シリコン太陽電池は単結晶シリコン太
陽電池と比較してコストの低減が見込まれて
いるが結晶欠陥粒界不純物応力などの
種々の問題からいま一つ変換効率の向上が難し
い変換効率特性の改善の為にはこれらの欠
陥の挙動および特徴を理解し検証評価す
ることが求められている
A B
Al electrode
P diffusion area
A B
Al electrode
P diffusion area
SiO2 SiO2
p-type mc-Si
Al
P diffusion area
A-B cross-section
BA
(a) (b) Fig1 Structure of p-n diode (a) layout and (b) cross-section (A-B)
本研究では多結晶シリコン基板上に微小 p-nダイオードアレイを作製し各々の電気特性を
測定することで基板内での分布粒界や欠陥な
どの依存性を検証するまた同基板を用いて PLEBICTEM を用いた不純物分布および結晶
性の評価を行う
27
電気特性の測定から理想係数n値とリーク電
流に基板内で分布が見られることを確認した
同条件により単結晶Si基板上に作成したものに
は見られなかった為多結晶基板に見られる粒
界や欠陥などが起因していると考え結晶性評
価をEBICPLTEMを用いて行った
500μm
Al electrode
200 μm
High
Low
Al electrode
200 μm
Al electrode
200 μm
High
Low
High
Low
(a) (b)
Fig2 Images of (a) EBIC and (b) PL 結果および考察
Fig2 に PL 及び EBIC 像を示すこのダイオ
ードアレイの特性は理想係数 n 値リーク電流
はそれぞれ 319210E-08[A]を示し明確な粒
界の存在しないポイントであったしかしPLEBIC 像には明らかなダークラインが確認され
これらが電気特性悪化に起因しているのではな
いかと考えられるPL 測定に関して田島先生の
論文の中で小傾角粒界に起因した発光の確認[]がなされ今回測定した試料においても同様の
ものが見られたのではないかと考えられる
(a)
(b)
(c)
(d)
(a) (b)
Fig3 TEM images of the defect (a) low magnification
image (b) (c) TED pattern and (d) high magnification
image
ダークラインの構造を確認する為に TEM に
よる観察を行ったFig3 の(a)は低倍率による観
察(b)及び(c)は電子回折像(d)は高倍率による
観察である(a)及び(d)より転位が確認され電
子回折像の比較から異なるパターンを示して
いることを確認した 以上のことから多結晶 Si 上に作成したダイ
オードアレイの電気特性を劣化させている原因
は粒界だけではなく小傾角粒界も影響を与え
ることを確認した 今後の課題 今回基板特性がダイオード特性に大きく影響
を与えることを再度確認したので今後は基板
特性向上の為欠陥の種類の評価起因の解明
を行う予定である 謝辞 本研究は豊田工業大学大下祥雄准教授
兵庫県立大学新船幸二准教授の共同研究九
州大学柿本浩一教授宇宙航空研究開発機構
田島道夫教授のご助力に深く感謝致します
論文発表状況特許出願 [1] T Tachibana et al ECS Symposium Austria 200910 発表予定
参考文献
1) H Sugimoto K Araki M Tajima T Eguchi I
Yamaga M Dhamrin K Kamisako and T Saitoh
J Appl Phys 102 054506 (2007)
28
共同研究
豊田工大08-02
可視光用超高速空間光変調器の研究開発
Research amp Development of Ultrafast Spacial Light Modulator for Visible Light
近藤 直樹a
Naoki Kondoa
a帝京大学
aTeikyo University
半導体ナノ構造光デバイスの超高速性のイメージング応用の一環として量子井戸の光吸収変調を
用いた可視光用の透過型空間光変調器を作製しようとしている
今年度は透過型光変調器を作成する際に不要な吸収層となってしまう GaAs 基板をウェットエッ
チングで除去するプロセスの条件出しを行った3mm 角程度の面積の50nm の AlGaAs エッチスト
ップ層つき多重量子井戸構造サンプルにおいて面内均一に GaAs 基板層を除去することができた
またレーザ光照射による白色光の吸収変調測定系を立ち上げ室温での吸収変調の様子を測定した
As an attempt to exploit ultafast optical response of semiconductor nanostructures for imaging technologies we started to develop transmissive spacial light modulator for visible light using absoption modulation of quantum wells We have clarified conditions for uniform etch-off of GaAs substrate which would otherwise be
the dominant light absorber (3mm)2 MQW sample with 50nm AlGaAs etch stop layer was etched down to approximately 3μm thickness with modest in-plane uniformity We have also built white light transmission measurement system under additional laser irradiation and measured room-temperature modulated absorption of the processed sample
背景と研究目的 本研究は半導体量子ナノ
構造の光学応答の超高速性を背景としてそれ
を可視光域でのイメージング用途に用いる事で
現在イメージング用途に用いられている光変調
機構である機械式シャッターや液晶などをはる
かに上回る速度を実現し超高速イメージング
や新用途への展開を図ることを目的として行っ
ている具体的には光吸収飽和 1)を利用した
可視光用の透過型多重量子井戸空間光変調器
の作製を行う 今年度は前年度作成したGaAs系多重量子井
戸構造を透過型空間光変調器として利用するた
めの基板除去プロセスの条件出しを行ったま
たレーザ照射による白色光吸収の変調を測定
するための光学系を立ち上げ室温での吸収変
調効果の測定を行えるようにし予備的測定を
行った 実験 エッチング サンプル構造にはエッチストッ
プのための50nm厚のAlgaAs層が入っている多
重量子井戸構造を用いたエッチング剤には
29
GaAsとAlGaAsのエッチング速度が大きく異な
る選択性のもの(H2O2NH4OH)を用いる事で
GaAs基板を除去した
我々のGaAs基板のエッチング除去のプロセ
スでは最初にまずサンプル基板をガラスにエ
ポキシ樹脂で固定した後約100um厚まで機械
研磨しその後ウェットエッチング
(H2O2NH4OH=101 GaAsエッチング速度~
3ummin)でエッチングを行った
光変調吸収測定 レーザ照射による白色光吸収
の変調を測定するための光学系を組み室温で
のサンプルの吸収変調の様子を測定したサン
プルには残り膜厚約 3μm のものを用いた波
長 532nm05W の緑色レーザ光を集光せずにサ
ンプル前面に照射非照射した時のハロゲンラ
ンプ光吸収スペクトルを測定した
FigureCaption Fig 2 Microscope image of substrate-etched MQW sample
結果および考察 エッチング 当初機械研磨は表面にキズが目
視できるレベルで止めていたが表面にμmオ
ーダーで凹凸が残っていると後のエッチング
深さに大きな面内ムラが生じることがわかった
そのため表面が光学的鏡面になるまで研磨す
るようにしたところエッチング後の面内ムラ
は減少した(図2)ただし目視で透過が確認
できるところまでエッチングを行うと量子井戸
による吸収が消えてしまうため薄いAlGaAs層によるエッチストップには失敗しているよう
であった
FigureCaption Fig 2 Modulated transmission spectra of approx 3μm thick MQW sample at room temperature
光変調吸収測定 測定結果を図3に示すGaAsによる吸収端がレーザ照射によってシフトして
いることが確認できた 今後の課題
エッチングに関しては現在上記の透過測定
系を用いてレーザ透過強度変化を観察する事
により精度の高いエッチストップを行えるよ
う再実験中である光吸収変調に関しては
レーザ光照射および透過光測定を局所的にでき
るよう改善する予定である FigureCaption Fig 3 Calculated wavefunctions and energy levels in SLAM structures at room temperature 現在のサンプル構造は GaAsAlGaAs 系であ
るが可視光用途を GaAsAlGaAs 系で実現する
のは単純な量子井戸では可能なバンドギャッ
プの値から考えて困難である超格子疑似合金
(SLAM)2)構造を採用した可視光用量子井戸構
造を設計し数値解析した結果を図4に示す
本解析結果を元に試料を作製し可視光域での
動作を目指す予定である
参考文献
1) D A B Miller D S Chemla T C Damen A C
Gossard W Wiegmann T H Wood and C A
Burrus Phys Rev Lett 53 2173 (1984)
2) H Sakaki M Tsuchiya and J Yoshino Appl
Phys Lett 47 295 (1985)
30
技術相談装置利用
豊田工大 08-03
結晶シリコン太陽電池用受光面銀ペーストの焼成挙動について
Firing behavior of front side Ag for crystalline silicon solar cells
仙田 愼嗣 吉野 泰 加藤 夕子
Shinji Senda Yasushi Yoshino Yuko Kato
(株)ノリタケカンパニーリミテド
NORITAKE CO LIMITED
高結晶シリコン太陽電池用銀ペーストの焼成時の挙動を解明し高い出力の得られる銀ペーストを研
究することを目的として平成 19 年度 3 月から装置利用を開始しているp 型シリコンウエハ上に n
層SiNx 反射防止膜を作製し作製したセルを使用して出力評価を行った Silicon solar cell electrodes are typically formed by using the screen printing Technique Good fire-through properties are required for an Ag electrode for the front-side surface insufficient fire through causes higher contact resistance (Rc) which decreases the conversion efficiency of solar cells In order to control the fire-through properties contact formation mechanism is important In this study n-layer thickness and antireflection coating thickness have a positivenegative effect on fire-through of Ag paste
背景と研究目的 現在太陽電池市場は急速
に拡大しておりその市場の中でも大部分を結
晶シリコン太陽電池が占めている受光面側に
は銀ペーストが裏面側にはアルミペーストと銀
ペーストが電極として用いられておりスクリ
ーン印刷を用いて低コストで電極を形成して
いるさらなる高効率化低コスト化への要求
が高まる中で生産性の向上および出力特性向
上のために高速焼成が主流になってきており
電極ペーストの焼成挙動を解明しペースト組
成焼成条件を最適化し高速焼成に対応する
ことが必要となる本研究では結晶シリコン
太陽電池用電極ペーストにおいて特に受光面
銀ペーストにおける焼成挙動の解明を目的とし
高い出力を得られる銀ペーストの研究を行う 実験 市販のシリコン基板 (p型 抵抗率1~
H2
結果および考察
10 (Ωcm) CZ110 厚さ200μm)を用いたオ
キシ塩化リン(POCl3)窒素酸素の混合ガス雰
囲気で熱処理を行うことによりP拡散を行い
n層を形成したその後プラズマCVD装置
(Samco製)を用いSiH4ガスNH3ガスおよび
ガスを原材料として反射防止膜(シリコン窒化
膜)を成膜形成した反射防止膜の厚みと屈折
率の評価にはエリプソメーター反射率には反
射率測定装置を用いた作製した基板上に裏
アルミ電極表銀電極ペーストをスクリーン印
刷法で付着乾燥後焼成したソーラーシュ
ミレーターを使用し作製したセルの電気的特
性の評価を行った
表 1 にP拡散条件を変
化させたときのn層のシート抵抗を示すP拡散
を制御することができシート抵抗を変化させ
ることが可能であり低温で短時間の拡散とす
ることで高シート抵抗の基板を作製できるこ
とがわかった一般的に用いられる 30~60Ωsqのシート抵抗のセルは条件が合わず作製でき
ていない表 2 にSiNx膜形成条件を示すガス
組成および製膜時間によりSiNx膜厚および屈
折率を制御することが可能であり一般的な膜
厚 80nm程度のセルを作製することが可能であ
31
今後の課題
Sheet
resistance
[Ωsq]
Pre-deposition P-diffusion
Temperature
[]
Time
[min]
Temperature
[]
Time
[min]
6 840 10 1000 40
10 840 10 1000 10
15 840 10 1000 5
110 800 5 800 10
ることがわかったが屈折率は一般的な 20 程
度にすることが出来なかった屈折率を高くす
るためにはSiNx膜の密度を上げることが必要で
あるが密度を上げるためには製膜温度を上げ
る必要があると考えられるが本プラズマCVD製膜装置では 250が限界であったため250で試験を進めた図 1 に作製した基板の反射率
を示す作製した基板上にスクリーン印刷法に
より電極を形成し乾燥焼成し出力特性
評価を行った結果を表 3 に示すシート抵抗の
高いセルを用いるとVocが高くなることが確認
できた本来であればSiの吸収係数の高い長
波長側の反射率が低いSiNx膜厚 80 nmのセルの
方が 55 nmのセルより電流値が高くなると考え
られるがpn接合が浅くなることで電流として
利用可能な波長が増大した効果の方が大きかっ
たと考えられるFFについては良好な特性が得
られたため焼成条件を変えたときの焼結挙動
について検討を行っていきたい
Table 2 Condition of PE-CVD
SiNx membrane PE-CVD
Thickness
[nm]
Refractive
[-]
SiH4
[mlmi
n]
NH3
[mlmi
n]
H2
[ml
min]
Time
[min]
55 179 3 6 6 3
80 180 3 6 6 4
100 185 3 6 6 5
80 185 3 4 8 4
80 187 4 11 0 3
今回の試験ではFFについては
論文発表状況特許出願
良好な値が得られたがファイヤースルー性に
ついてはSiNx膜厚および密度によって大きく異
なると考えられより緻密な膜の形成条件を探
索していく必要があるシート抵抗およびSiNx膜ともに一般的なセルと同等のセルを作製し
銀ペーストと焼成条件を変えたときの焼結挙動
について試験を行いたい
特になし 参考文献 1) Y Ohshita Y Nishikawa M Tachibana VK
Hilali A Rohatgi S Asheri
Table 1 Condition of P-deposition
Tuong T Sasaki N Kojima S Tanaka M
Yamaguchi J Crystal Growth 275 (2005)
491-494
2) M
010203040506070
350 550 750 950 1150
Wavelength [nm]
Ref
lect
ance
[]
Mirror waferSiN 55nm(Planer cell)SiN 80nm (Planer cell)
Fig 1 Reflectance of planer cells
Table 3 Cell performance
Cell PE-CVD
Sheet
resistance
[Ωsq]
SiNx
membrane
thickness
[nm]
Jsc
[mAc
m2]
Voc
[mV]
FF
[]
Eff
[]
15 55 259 595 757 117
10 80 252 588 754 112
TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES 51
(2004) 948-955
32
技術代行装置利用
豊田工大 08-04
ナノレベルで膜厚を制御した透明導電膜の光学特性評価
Optical properties of TCO nano material
吉野賢二竹元裕仁小嶋稔
Kenji Yoshino Yujin Takemoto Minoru Oshima
宮崎大学工学部電気電子工学科 Department of Electrical amp Electronic Engineering University of Miyazaki
Ga-doped ZnO (GZO)をプラズマアークを利用したイオンプレーティング法で作製した作製した試料
を酸素雰囲気中で熱処理を行った熱処理温度の増加とともに赤外領域の透過率が減少したこれ
は自由キャリアの減少による散乱の減少と考えられる Ga-doped ZnO (GZO) films were deposited on alkali-free glass substrate by ion-plating system with DC arc discharge using a pressure gradient-type plasma gun The GZO films samples were annealed under O2 atmosphere at from 100 to 500 ˚C Optical transmittance in infrared region increased with increasing annealing temperature This was due to decreasing the scattering by decreasing of their free carrier 背景と研究目的 透明導電膜は高い電気伝
導度と高い可視光透過率を併せ持つものであり
現在 フラットパネルディスプレイ(FPD)や太
陽電池などさまざまな分野で利用されている
代表的な透明導電膜の材料としてIn2O3 SnO2
ZnO などがあるなかでも Sn を添加した
In2O3(ITO)は安易に 10-4 cm台の低抵抗が得ら
れているしかしITOの材料であるInは希少金
属であり価格が高いという難点があるまた 原料のInやSnに加えてITO粉末の毒性が懸念さ
れている加えて近年FPDや太陽電池などの
透明電極用途でのITO需要の恒常的な増大とは
相まってIn需要の増大が指摘されておりITO透明導電膜における省Inや脱In透明導電膜材料
が注目されている1)SnO2膜は比較的安価な
材料であるが エッチング加工と低温成長に難
があり用途が大幅に限定されるこれに対し
て ZnOは安価で豊富毒性に問題のない材料で
あるこのことからZnOはITOにかわる透明導
電膜の材料として注目されている 1) 本実験ではイオンプレーティング法により作
製
験
した Ga-doped ZnO(GZO)薄膜の熱処理を行
うことにより膜質の改善を試み考察した 実 イオンプレーティング法により作製し
果および考察
たGZO薄膜の熱処理を行った今回は焼きな
ましと呼ばれる熱処理方法を用いた雰囲気ガ
スとして酸素ガスを用い時間を 5 分温度 100~500 で行った試料をX線回折透過率
ホール測定で評価を行った 結 X線回折によりイオ
直型の検出器を用いた室温での
透
ンプレーティング法により作製されたGZO薄膜
はZnOのJCPDSカードと比較すると(0002)面のピークのみ確認された熱処理温度を増加
してもスペクトルに大きな変化は見られな
かった次にX線スペクトルより粒界サイズ
を計算し熱処理前の粒界サイズは約 64 nmで
あり熱処理後の粒界サイズは 61 ~67 nmとな
り粒界サイズの変化は見られなかったまた
格子定数もICDDとの差は 04以下である値が
得られ熱処理温度を増加させても変化は見ら
れなかった Fig 1 に垂
過スペクトルを示す一般的に ZnO のバンド
ギャップを室温では 33 eV で吸収端は 376 nmに位置することから今回熱処理に使用した
GZO 基板のバンドギャップとほぼ一致してい
る 2)また熱処理後も吸収端はほぼ同じ位置
であったGoncalves らの論文の方向によると熱
処理温度が増加すると吸収端が長波長側にシフ
トしているが2)本研究ではその傾向は見られ
33
熱処理温度 にしたがっ
Fig 1 Optical transmittance at RT
なかった 可視領域で
が増加する
て透過率にほとんど変化が見られなかったが
長波長側では透過率が上昇した(Figs 2 3)これは他の熱処理の論文でも同様な結果が報
告され 2)自由キャリアの減少による散乱の減
少と考えられキャリア濃度も熱処理温度が
400 度以上で減少している
Fig 2 Average transm e in visible region ittanc
Fig 3 Average transmittance in infrared region
今後の課題 今回の酸素中の熱処理の実験で
熱の効果を確認するためにアルゴンなどの不
活性ガスの実験を行う予定である 謝辞 本研究は豊田工業大学山口真史教
授大下祥雄准教授小島信晃助教に光透過測
定において協力を頂いた深く感謝したい
論文発表状況特許出願 [1] Y Takemo et al DRIP Conference USA 20099
発表予定
参考文献 1)南内嗣 応用物理 75 (2006) 1218 2) R Ghosh et al Mater Res Bull 40 (2005)
1905
0
20
40
60
80
100
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500
as-depo100200300350400450500
Tra
nsm
ittan
ce[
]
GZO O2 annealing 450oC 5min
Wavelength[nm]
34
技術代行装置利用 豊田工大 08-05
プラズマ CVD による薄膜作製と構造評価 a-Si film grown by plasma CVD
吉野賢二小嶋稔
Kenji Yoshino Minoru Oshima
宮崎大学工学部電気電子工学科 Department of Electrical amp Electronic Engineering University of Miyazaki
プラズマアーク CVD 法で作製したアモルファスシリコンをラマン法で評価を行ったスペクトルに
アモルファス成分結晶化成分および粒界成分に分離し結晶化度を決めることができた a-Si thin film on Si (100) substrate were successfully grown by plasma CVD Crystalline of the sample could be decided by Raman spectroscopy 背景と研究目的 アモルファスシリコンの原
子配列は規則正しい原子配列を結晶シリコン
とは異なり不規則になっている実際完全
場なアモルファスの結晶の存在は難しく一部
結晶化している 1)そこでラマン法により
結晶化度などの膜の構造に関する知見を非破壊
に得ることを目的として評価を行った
400 450 500 550
Experimental result Total c-Si GB a-Si
Inte
nsity
(au
)
Raman shift (cm-1)
a-Si
GB
c-Si
400 450 500 550
Experimental result Total c-Si GB a-Si
Inte
nsity
(au
)
Raman shift (cm-1)
a-Si
GB
c-Si
実験 グロー放電で発生するプラズマを中で
SiH4 を分解しa-Si膜をSi(100)基板上に作製し
たラマン分光法は室温でAr+レーザ(488 nm)を使用し測定した
Fig1 ラマンスペクトルのピーク分離例 結果および考察 Fig 1 にAr+レーザーで
ラマン測定した一例を示すSiのLOモードの信
号を結晶Si (c-Si)アモルファスSi (a-Si)結晶
粒間の粒界(GB)のピークに分離した
謝辞 本研究は豊田工業大学山口真史教
授大下祥雄准教授小島信晃助教にプラズマ
CVD作業において協力を頂いた深く感謝した
い GB ピークの起源についてはまだよく分かってい
ない各ピーク位置の結晶化度に対する依存性
はa-Si と c-Si のピークはややばらつきがある
が結晶化度によらず一定だったBG のピー
ク位置は結晶化度が上がるに伴って c-Si のピー
ク位置に近づいていったこれは結晶化度が
上がると GB の部分も結晶のフォノンエネルギ
ーに近づくことを意味しており構造が変化して
いることを示している
論文発表状況特許出願
該当なし
参考文献 1)森垣和夫米沢富美子嶋川晃一固体物理
37 (2002) 1
今後の課題 SiH4ガス圧などの条件を変えて
作製した試料のラマン測定やX線回折等の評価
を行う予定である
35
技術代行装置利用
豊田工大 08-07
電子線ビーム露光技術と組み合わせたナノ粒子パターン配置技術の開発
Patterning method of nanoparticles by using electron beam lithography
熊谷 慎也
Shinya Kumagai
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
近年ナノテクノロジー技術の進展に伴いナノ粒子が注目されているこのナノ粒子を自在に利用
するためには固体表面上の狙った位置にナノ粒子を配置する技術が必要とされる本研究では電
子ビーム露光技術を利用してナノパターンを作製しナノ粒子のパターン配置を試みた With the development in nanotechnology nanoparticles have attracted much attention and been utilized in various applications To utilize the nanoparticles patterning method of nanoparticles is indispensable In this study nanopatterns were fabricated by using electrom beam lithography technique and we investigated nanopatterning method through the lift-off process
背景と研究目的 ナノ粒子は通常のバルク材料とは異なった性
質を発揮することからナノテクノロジー研究
において注目されている例えば磁性材料
触媒ドラッグデリバリー等の用途での期待が
高まっている実際に応用することを考えると
固体表面上の狙った位置に配置する技術が必要
になってくる 12)本研究ではナノ粒子をナノス
ケールでパターン配置することを試みたナノ
粒子のパターン配置の方法としてリフトオフ
法を利用したリフトオフ法はこれまでに
MEMS 半導体デバイスの開発で使用されてお
り適切に用いればナノスケールの構造体を作
製することも可能でありここでは溶液中に
ナノ粒子を分散させた系に適用することを狙っ
ている
パターン配置の原理 パターン配置手法の概略をFig1に示す基板
表面にレジストを塗布し配置パターンを作製
するこのパターン基板にナノ粒子を分散させ
た溶液を滴下する溶液中に分散しているナノ
粒子は熱運動を利用してそのレジストのパタ
ーン内部に侵入させて露出している基板表面
と吸着させるレジストを溶解してレジスト
上に吸着したナノ粒子を取り除くと基板に直
接吸着したナノ粒子のみが残ることになる 実験 電子ビーム(EB)描画によるパターン作製 リフトオフ法に使用するレジストパターンを
EB 描画装置で作製した電子線レジスト
ZEP520A-7(日本ゼオン)にアニソールを加えて
10に希釈しスピンコーターによって塗布し
たスピンコートは500rpmで 10 秒回転させた
後3000rpm で30 秒回転させて行った(レジ
スト膜厚約15nm) EB 露光装置のDose 量[μCcm2]を変化させて微細なパターンの描画
を行った描画パターンの現像は酢酸アミル溶
液に15 秒間浸漬することで行いその後N2
ブローで乾燥させた
36
結
ナノ粒子のパターン配置 参考文献 配置パターンが描画された基板の上にイオン
強度を100mMに調整したナノ粒子溶液を滴下
し吸着を行ったこの条件のもとでは溶液
中の静電相互作用距離であるDebye 長は約1nm と計算されるナノ粒子―基板表面の間の静電
反発は十分に低くなっており表面近傍に十分
接近できる溶液を滴下後の状態を30分間保持
し純水でリンスしたその後 40の
ZDMAC(日本ゼオン)に5 分間浸し超音波を5 分間かけることでリフトオフを行いアセト
ン純水の順でリンスした
1) S Esconjauregui C M Whelan K Maex
Nanotechnology 19 (2008) 153306
2) W Hu K Sarveswaran M Lieberman G H
Bernstein J Vac Sci Technol B 22 (2004) 1711
果および考察 EB露光現像後の描画パターンの一例をFig2
に示す最も小さいもので直径20nmの微細な
ホールパターンを作製することができたさら
に小さなパターンを描画するためにはEB露光
条件現像条件を最適にチューニングする必要
があるナノ粒子の吸着実験では直径125nm~285nmのホールパターンを用いてリフトオフ
法でパターン配置を行ったSPM 観察画像を
Fig3(a)に示すFig 3(a) とFig 3(b) はそれぞ
れ使用したレジストパターンリフトオフ後
のナノ粒子の配置パターンのSPM像であるFig 3(a)と比べるとFig 3(b)ではナノ粒子の配置パ
ターンに大きさや形のばらつきが見られたナ
ノ粒子の配置パターンの面積は図5 のホールサ
イズの約8 割のサイズの大きさとなっていた
その理由の一つとしてシリコン酸化膜に吸着
したナノ粒子の一部がリフトオフの際に同時
に剥離されている可能性が考えられるその一
方で配置パターン以外の箇所へのナノ粒子の
吸着が見られたリフトオフ後に溶液中に分散
したナノ粒子が再付着したものと考えられる
またFig 3(b)においてFig 3(a)の125nm~
165nmに対応する部分にナノ粒子の吸着パター
ンが存在していないことがわかる本手法では
吸着パターン内にナノ粒子が積極的に入り込む
機構がないためにパターンが小さくなった場
合内部に侵入する確率が低くなり吸着パタ
ーンとして得られないことが要因として考えら
れる現在の環境下では直径175nm 以上のホ
ールであればナノ粒子をパターン配置するこ
とができるということがわかった
Fig 1 Principle of nanoparticle patterning through lift-off process
Fig 2 SEM image of EB lithography patterns The diameter of holes is φ20nm
(a) (b)
Fig 3 SPM images of (a) holes patterned in EB resist film and (b) nanoparticle patterns corresponding to each holes in (a) まとめ
ナノ粒子のパターン配置について検討した
今回検討した条件範囲内では175nm 以上のホ
ールを用いればナノ粒子をパターン配置でき
る今後の課題としてパターン以外の再吸着
量を低減させる必要がある
37
技術代行
豊田工大 08-08
超微細加工技術を用いたマイクロ流路チップの開発
Development of microfluidics chip using nanofabrication technologies
中野 圭洋 安池 雅之
Keiyo Nakano Masayuki Yasuike
株式会社 ESPINEX
ESPINEXINC
半導体製造技術を用いて作製されるマイクロ流路チップは近年バイオや化学研究用に用いられて
おり高精度な測定を可能にしている本研究では Si 基板上に作製したマイクロ流路型から細菌検
出用のマイクロ流路チップを作製し細菌を効率的に捕捉するための流路構造の最適化を行った
Recently microfluidics chips fabricated by the top-down semiconductor fabrication techniques have been widely utilized in the field of biology and chemistry These chips can detect bio- molecules or chemicals with ultra sensitivity In this research PDMS microfluidic chips for bacteria detection have been fabricated from Si wafer molds and structure of the microchannels have been optimized for bacterial sensing
背景と研究目的 半導体製造技術を用いて作
製するマイクロ流路チップは検出対象を微小
領域に高密度で凝集させることが出来るため
バイオや化学研究向けの高精度な測定に用いら
れている当社はマイクロ流路中に抗体を配
したバイオチップで特定の細菌を補足し蛍光
顕微鏡で検出するシステムを開発しており培
養を主体とする現状の検出法に比べ大幅に検査
時間を短縮でき簡便性にも優れるため感染
症診断や食品衛生検査での使用が見込まれる
(b)
Fig1 Microfluidics chip
本研究では効率的に細菌を捕捉するための流
路構造の最適化を行う具体的には作製した数
種類のチップで細菌の検出実験を行い抗生物
質の薬剤感受性試験 1)も行う
実験 (a)に示したマイクロ流路構造をSi 基板
上に凸形状として作製しシリコーンゴム
(PDMS)に転写して得られた凹形状のマイクロ
流路をガラス基盤と張り合わせて(b)のマイク
ロ流路チップを作製した実験は大腸菌(Ecoli K-12株)を用いてfig1(a)中の流入路より抗体
固相化剤(ZeptoBind)を用いて抗体(Poly Anti-
Fig2 Image of Ecoli captured in the microfludics chip
(a)
38
30min later 60min later 90min later
Fig3Images of Ecoli after applying antibioticz(Pansporin) Ecoli )を導入しブロッキングバッファー (Zepto block)を添加してガラス基盤上を修飾し
たその後104-105cfuml濃度の大腸菌液100ulを注入蛍光試薬(LIVEDEAD Baclight)を添加
して10分後バッファー(PBS)で洗浄し蛍光顕
微鏡観察を行ったさらに同チップに抗生物
質(Pansporin)1mgmlを添加し大腸菌に対する
同薬剤の感受性試験を行った
今後の課題 今回作成したマイクロ流路チッ
プはシリコーンゴム製で型を転写するだけで
1 時間程度かかり生産性が悪い量産にはポ
リスチレン等の樹脂にホットエンボス加工で転
写することが望ましいが離型時に樹脂の熱収
縮で流路構造が損傷する点や型として使用し
ているSi基板が転写時の圧力で損傷する点が今
後の課題として残る 結果および考察 大腸菌の捕捉率が高か
ったマイクロ流路(Fig1)での蛍光顕微鏡画像を
Fig2 に示す図中緑色に蛍光しているのが
生菌で死菌は赤く蛍光する前処理も含めて
1 時間程度で大腸菌を検出できた
謝辞 本研究は豊田工業大学の榊裕之教授
をはじめ共同利用クリーンルームの皆様にご協
力頂きました特にマイクロ流路の型製作に
おいて梶原建氏にご尽力頂き深く感謝してお
ります Fig3は抗生物質を添加してから 30 分60 分
90 分後の蛍光顕微鏡画像を示している時間経
過に伴って大腸菌が緑色(生菌)から赤色(死菌)に変化しているのが良く分かるFig4に薬剤感
受性試験結果をまとめた抗生物質未添加のチ
ップ(ピンク)では時間が経過しても死菌量が 0のまま増えないのに対して抗生物質を添加し
たチップ(青)では時間経過とともに死菌量がリ
ニアに増えている薬剤感受性試験でも前処
理を含めて 2 時間程度で検証できることが分か
った
論文発表状況特許出願 [1] ESPINEX特願 2008-53209チップ
注釈 1) ある細菌がある薬剤に対して感受性か耐性
かを判断する試験
0
5
10
15
20
25
0 02 04 06 08 1 12 14 16
Time (hour)
Dea
d ce
ll co
unts
w drugwo drug
Fig4 Result of drug screening test
39
協力研究
豊田工大 08-13
スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線形成技術
Conductive pattern forming method on vertical wall using spray coating and angled exposure technologies
森井裕貴大平文和
Hiroki Morii Fumikazu Oohira
香川大学
Kagawa University
スプレーコート技術と傾斜露光技術を用いた垂直壁面への配線パターン形成方法について検討した
この方法を用いることによりチップパッケージサイズを縮小することが可能となるスプレーコート
技術と傾斜露光技術を用いることにより 600μm の垂直壁へレジストを均一に塗布さらにレジストパ
ターン形成を可能としたまた配線パターンはスパッタと無電解 Ni めっきにより形成した本研
究で製作した配線パターンの幅は 200μm配線間隔は 300μm である A novel conductive pattern forming method on the vertical wall using a resist spray coating and an angled exposure technologies is proposed This method makes it possible to decrease the chip package size The spray coating and the angled exposure technologies enable the uniform resist coating and the patterning the resist on the vertical wall of 600 μm height Then a conductive pattern layers are sputtered and electroless plated As the result the conductive patterns of 200 μm width and 300 μm spacing is successfully formed on the vertical walls
背景と研究目的 携帯電話や携帯情報端末な
どにおいて更なる小型化高機能化が求められ
ている限られた容積の中でそれらの要求を満
たすには半導体チップの小型化高集積化
又はチップ実装の高密度化が挙げられる 本研究ではチップ実装の高密度化に着目し
半導体プロセス技術を用いてチップパッケージ
樹脂の垂直側面に 3 次元的に電極を配線するこ
とにより高密度実装可能な側面配線技術の確立
を目指す 本研究ではパッケージ樹脂高さ 600μm の
垂直側面に幅 200μm300μm の配線パターン
を形成するその手段としてフォトリソグラ
フィ技術を用いてフォトレジストの配線パター
ンを形成し金属を成膜しリフトオフすること
により金属の配線パターンを形成するこのと
き半導体プロセス技術で成膜できる金属の膜厚
は数千Åと少ないため配線としては電流抵抗
が大きくなるそこで配線として十分な膜厚を
得るため Ni めっきを行うこのプロセスにおい
て高さ 600μm の垂直側面にフォトレジスト
を均一に塗布することが重要となるそのため
スプレーコート技術と斜め露光技術を研究し
垂直側面への配線形成の原理確認を行った 実験 スプレーコートを用いてパッケージ樹
脂の垂直側面へのレジスト塗布の原理確認を行
ったスプレーコートではレジスト流量ステ
ージ温度ステージ速度などの条件がレジスト
の膜厚や分布に大きく影響する[2]そのため
これらのパラメータを調節し垂直側面へのレ
ジスト塗布を行った 露光プロセスでは垂直側面部が十分露光さ
れるように傾斜露光[1]を行うこのプロセスに
おいてマスクは平面のガラスマスクを用いる
ため樹脂側面やガラス基板上ではマスクとレ
ジストの間に間隔が生じるその結果光の回
折などにより側面のパターンが広がるそのた
40
め露光量に対するパターンの広がりについて検
証を行った さらにレジストパターニング後スパッタ
により金属膜を成膜リフトオフ無電解 Niめっきを行い配線パターンを形成した図 3にパッケージ樹脂の垂直側面に形成した配線パ
ターンを示す同様にして側面配線形成を行っ
たチップを 5 つ作製しそれぞれの抵抗値を計
測した5 つのサンプルを A から E としそれ
ぞれの抵抗値の平均値と分散値を図 4 に示す
製作した側面配線は数オームであり実用上問
題のない値であるこれらの原理確認から高さ
600μm の樹脂の垂直側面への配線形成が可能
であることを明らかにした
さらにレジストパターニング後スパッタ
により金属膜を成膜リフトオフ無電解 Niめっきを行い配線パターンを形成した図 3にパッケージ樹脂の垂直側面に形成した配線パ
ターンを示す同様にして側面配線形成を行っ
たチップを 5 つ作製しそれぞれの抵抗値を計
測した5 つのサンプルを A から E としそれ
ぞれの抵抗値の平均値と分散値を図 4 に示す
製作した側面配線は数オームであり実用上問
題のない値であるこれらの原理確認から高さ
600μm の樹脂の垂直側面への配線形成が可能
であることを明らかにした
結果および考察 スプレーコートにおい
てレジスト流量ステージ温度ステージ速度
条件を検討した結果レジスト流量 81grh100grhステージ温度 95105115ス
テージ速度 300mms400mmsで塗布が可能で
あることを確認した図 1 にレジスト流量
100grhステージ温度 105ステージ速度
300mmsの条件でスプレーコートしパターニ
ングしたサンプルを示すレジストはエッジ部
などで途切れることなく全面に塗布されている 斜め露光において露光量に対するパターン
の広がりについて検証した結果図 2 に示すよ
うに1Jcm2 では 20μm2Jcm2 では 50μm
4Jcm2 では 70μm8Jcm2では 90μm 程度側面
の最下部で広がっている本研究では配線間
隔は 300μm の設計であり広がりが生じても
パターンが重なることはなく実用上問題ない
研究では配線間
隔は 300μm の設計であり広がりが生じても
パターンが重なることはなく実用上問題ない スプレーコート技術と斜め露光技術により
パッケージ樹脂の垂直側面へのレジストパター
ニングを可能とした
スプレーコート技術と斜め露光技術により
パッケージ樹脂の垂直側面へのレジストパター
ニングを可能とした
Fig1 The spray coating and patterning the resist Fig1 The spray coating and patterning the resist
Fig7 Changes of pattern widths at various exposure doses Fig7 Changes of pattern widths at various exposure doses
Fig3 Conductive pattern forming Fig3 Conductive pattern forming
A
B
CD E
0
05
1
15
2
25
3
Resistan
ce(Ω
)
Fig4 Electric resistance measurement results 今後の課題 本研究で提案したプロセスでは
パッケージ樹脂側面の配線パターンが広がって
しまうこの広がりを抑える工夫を今後検討し
ていく 参考文献 [1] Hayato Izumi Yohei Matsumoto Seiji Aoyagi Yusaku Harada Shoso Shingubara Minoru Sasaki Kazuhiro Hane Hiroshi Tokunaga IEEJ Trans SM Vol 128-E No 3 (2008) pp102-107 [2] Vijay Kumar Singh Minoru Sasaki and Kazuhiro Hane Japanese Journal of Applied Physics Vol 46 No 9B (2007) pp 6449-6453
Plastic material NiNi
Substrate
Resist Plastic material Resist
Substrate Plastic material
Exposure doses (1) 1 Jcm2
(2) 2 Jcm2
(3) 4 Jcm2
(4) 8 Jcm2
43
2
1
Wall side Upper side
Height 600μm
Width 200μm
41
協力研究
豊田工大 08-15
プローブ顕微鏡を用いた物性測定
Measurement of Physical Properties by Scanning Probe Microscopy
田仲 圭
Kei Tanaka
(株)大同分析リサーチ
DAIDO BUNSEKI RESEARCH Inc
先端に磁性ナノ粒子を持つカーボンナノチューブ(CNT)探針は高分解能な磁気力顕微鏡(MFM)
用として有望である本研究ではこの CNT 探針を用いた際の分解能の Q 値依存性を調べるととも
に理論的に分解能の検討を行った Carbon nanotube probes with magnetic nanoparticles on the top are expected for use in high-resolution magnetic force microscopy (MFM) Here we investigate the Q-value dependency of resolution using such CNT probes and performed a theoretical discussion for resolution
背景と研究目的我々はこれまでに先端に磁
性ナノ粒子(触媒金属)を持つカーボンナノ
チューブ(CNT)をカンチレバー上に成長させ
た探針を使用することにより磁気力顕微鏡
(MFM)の分解能が市販品の従来探針に比べて
飛躍的に向上することを示した 1)今回はさ
らに分解能を向上させる手段として実験的
にはカンチレバーのQ値を高める工夫を行う
とともに理論的な面からもCNT探針の分解能
の検討を行った
24
min)(0QA
TBkkzF BL
ϖ=prime (2)
で表される3)ここでkLはカンチレバーのば
ね定数kBはボルツマン定数Tは探針の絶対
温度Bは周波数のバンド幅ω0は共振周波
数Qは探針の性能指数Aは探針振幅の実行
値である (2)式からも分かるように同じ探
針を使用した場合でもQ値を高めることによ
り熱振動ノイズが下がりSNが向上し到
達分解能が高くなることが予想される 理論 周期的に書き込まれた磁気記録媒体に対する磁気力顕微鏡が検出する信号(力勾配)は
果および考察結 (1)式から得られた関
数を用いて実験値に対してフィッティングを
行った結果をFig1 に示すFig1 のグラフは
周期的に書き込まれた磁気記録媒体のMFM像
に対してFFTを行いパワースペクトルから得
られたピーク強度とその空間周波数をプロッ
トしたものである黒丸および黒四角の点は
Q=200(前報値大気中観察Q値制御なし)
Q=526(今回報告値大気中Q値制御MFM SII
ナ ノ テ ク ノ ロ ジ - 製 SPM 装 置 rdquo
( ) ( )
tip
kzktstz dVekx tipz
ekMM
F int minusminus
partpart
minus=prime cos120μ
(1) で表される 2)ここでμ0は真空透磁率MtMs は探針および試料の磁化k は空間周波数を示すまた熱振動ノイズによって制限される最小の信号は
42
NanoNaviE-sweeprdquo使用)のそれぞれの場合で
得られた値を示すQ値が高くなると強度が高
くなっていることが分かる図中の実線は
Q=200 の場合の実験値に対して(1)から得ら
れた関数でフィッティングを行った結果であ
るそこから得られたパラメーターを用いて
比例定数のみをフィッティングパラメーター
としQ=526 に対してフィッティングを行っ
たものが図中の破線である上式(2)から算出
されたノイズレベルとの交点が予想される到
達分解能である現在(2)式を用いた熱振動
ノイズの算出を試みているしかしながら
現段階においても破線のカーブ(Q=526)は実
線のカーブ(Q=200)に比べて空間周波数が高
い方にシフトしていることからQ値を高くし
た効果として到達分解能が向上していること
が推測される
10E-01
10E+00
10E+01
10E+02
10E+03
10E+04
10E+07 10E+08
Spatial Frequency (1m)
Inte
nsi
ty (
au)
Q=200
Q=526
Fig1Spatial frequency dependence of MFM signal
参考文献
今後の課題 今後はQ値を系統的に変化させ
た測定値を得ることと熱振動ノイズの算出お
よび実験値との整合性を検討することにより
分解能の理論的予測を行っていく
1) K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J
Nanomater in press
2) S Porthu L Abelmann and C Lodder J Magn
Magn Mater 182 (1998) 238 謝辞 今回の測定はSIIナノテクノロジー社
の山岡武博氏の好意によるものである 3) T R Albrecht P Grutter D Horne and D Rugar
J Appl Phys 69 (1991) 668 論文発表状況特許出願
K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J Nanomater in press
43
装置利用
豊田工大 08-16
磁気記録用パターン媒体の研究
Fabrication of patterned media for magnetic recording
加藤 剛志
Takeshi Kato
名古屋大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Nagoya University
イオン照射型ビットパターン媒体として利用できる CrPt3 規則合金膜の成長プロセスを検討するため
赤外線ランプおよび短パルスレーザーを利用した急速熱処理を検討した赤外線ランプ加熱では真空
中熱処理と同様CrPt3膜を規則合金化できさらに多層構造を崩さずに CrPt3規則相を生成すること
が可能であることが分かった一方短パルスレーザー処理を行った場合赤外線ランプ処理のよう
な規則合金化は見られなかった In order to develop new fabrication process of CrPt3 ordered film for ion irradiation bit patterned media rapid thermal annealing using infra-red (IR) lamp or short pulse layer has been investigated In the case of IR lamp annealing the ordered structure of CrPt3 was confirmed just as in the sample prepared by vacuum annealing Moreover this method was found to be quite useful to fabricate multilayered structure including the ordered CrPt3 layer On the other hand the ordered CrPt3 was not confirmed for the annealing using short pulse layer
背景と研究目的 ハードディスクドライブ
(HDD)の記録媒体として現在使用されてい
る微粒子媒体に代わる超高密度記録媒体である
ビットパターン媒体が注目されているこれは
熱安定性の確保低記録磁界低ノイズという
現在微粒子媒体において問題となっているトリ
レンマを微細加工によりビットを定義すること
で克服するというものである超高密度なビッ
トパターン媒体に要求される特性として高い
熱安定性シャープなビット境界優れた表面
平坦性などが挙げられるこれまでに我々は
これらを満足するものとしてイオン照射型
CrPt3パターン媒体を作成し超高密度パターン
媒体の可能性があることを示してきた[1] イオン照射型パターン媒体はイオン照射に
より媒体の物性を局所的に制御しパターン化す
る方式であり表面平坦性に優れた媒体が作製
可能となるこれまで CoPt[2]CoPd[3]多層膜
などにおいて高エネルギーイオン照射により
垂直磁化の領域と面内磁化の領域をパターン化
する研究などが報告されているしかしながら
これらの材料ではイオン照射だけで照射領域を
非磁性化することが困難であり照射領域を介
した記録ビット間の磁気的結合が高密度記録に
重大な支障をきたす[3]一方CrPt3 膜は L12
型の規則合金ではフェリ磁性を不規則の fcc相では非磁性となり低ドーズのイオン照射に
よりこの相変化を起こすことが可能であるこ
のため低ドーズの照射により磁性非磁性領域
のパターン化が可能でビット間の磁気的結合
のないイオン照射型パターン媒体の実現が可能
となるCrPt3パターン媒体の応用上唯一の課
題はその規則化温度の高さであるこれまでの
報告ではCrPt3 規則合金の生成には真空中で
850˚C 程度の熱処理が必要であり[4]これは低
価格のディスク基板や軟磁性裏打ち層の形成の
障害となるこのため本研究では赤外線ラン
プおよび短パルスレーザーを利用した急速熱処
理を用いた CrPt3 規則合金膜の規則化を検討し
た
44
実験 マグネトロンスパッタ法によりSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substまたはSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (10 ndash 20 nm) CoFeZrNb (10 nm) SiO2 substという構成の膜を
作製したCr25Pt75層はCrとPtを同時成膜するこ
とで形成した赤外線ランプおよび短パルスレ
ーザーを用いた急速熱処理によりC 25Pt75 膜の
規則合金化を試みた赤外線ランプ加熱では
800 ˚C - 1000 ˚Cを 30 sec程度保持した昇温
降温速度は約 70 ˚Csecと真空中熱処理の 10 ˚Cminに比べ非常に速いパルスレーザー加熱
にはNdYAGレーザーのSHG光(パルス幅 6 nsec)を用い照射パワーを 40 - 190 mJcm2 と
変化させた膜構造はX線回折(XRD)により磁
気特性は交番磁界勾配型磁力計(AGM)磁気光
学Kerr効果測定装置により測定した
r
結
Fig1 (a) MndashH loops of lamp annealed Cr25Pt75 (15 nm) applying a magnetic field in-plane and film normal directions (b) Kerr loop of lamp annealed Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (20 nm) CoFeZrNb (10 nm)
果および考察 Fig 1 (a)はSiO2 (2 nm)
Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substを 1000 ˚C30 secの赤外線ランプ加熱処理後試料の磁化曲線を示し
ている18 kOeの最大印加磁場における磁化は
150 emucc程度で保磁力は 12 kOeとなった同
一のサンプルを真空中 850 ˚C15 minの熱処理
を行った場合磁化は 250 emucc保磁力は 12 kOeであったこれは赤外線ランプ加熱によっ
ても真空中熱処理と同様CrPt3膜を規則合金化
できることを示している真空中熱処理に比べ
赤外線ランプ加熱では短時間に熱処理を行うこ
とができるため多層構造膜の界面の合金化を
抑え熱処理することが可能となる可能性があ
るFig 1 (b)はSiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 (20 nm) CoFeZrNb (10 nm) SiO2 substの1000 ˚C30 secの赤外線ランプか熱処理後の
Kerrループを示しているKerrループは膜面側
から測定した結果でありCrPt層の磁化曲線を
反映するFig 1 (b)のように単層膜と同様の大
きな保磁力のループが得られておりSiO2 (20 nm)中間層によりCoFeZrNb層とCrPt3層との合
金化が抑えられたことを示している
Fig2 Dependence of saturation magnetization of pulse laser annealed Cr25Pt75 (15 nm) on the laser fluence
参考文献
[1] T Kato S Iwata Y Yamauchi S Tsunashima
K Matsumoto T Morikawa K Ozaki J Appl
Phys 105 (2009) 07C117
[2] C Chappert H Bernas J Ferreacute V Kottler J-P
Jamet Y Chen E Cambril T Devolder F
Rousseaux V Mathet H Launois Science 280
(1998) 1919
Fig 2 は SiO2 (2 nm) Cr25Pt75 (15 nm) SiO2 substを 40 ndash 190 mJcm2 のエネルギーでパルス
レーザー処理した後の磁化の照射強度依存性を
示している照射強度と温度との関係は不明で
あるがCr25Pt75 (15 nm)の反射率透過率から
照射エネルギーの 10 程度が膜に吸収される
と見積もられることからPt の体積比熱 29 JKcm3 を仮定すると50 mJcm2 で約 1000 ˚C の
温度上昇が見込まれるFig 2 に示すように CrPt合金膜に短パルスレーザー処理を行った場合
100 ndash150 mJcm2 程度の照射で若干磁化の増大
が観測されたが赤外線ランプ処理のような
100 emucc 以上の磁化は見られていない
[3] E Suharyadi T Kato S Tsunashima S Iwata
IEEE Trans Magn 42 (2006) 2972
[4] J Cho M Park H Kim T Kato S Iwata S
Tsunashima J Appl Phys 86 (1999) 3149
45
装置利用 豊田工大 08-17
鉄-コバルトナノワイヤシリサイド形成に関する研究 Study for Iron ndash Cobalt Nanowire Silicide Formation
丹司敬義ab大平 豊a
Takayoshi Tanjiab and Yutaka Ohiraa
a名古屋大学院工学研究科 b名古屋大学エコトピア科学研究所
aGraduate School of Engineering Nagoya University bEcoTopia Science Institute Nagoya University
Si(110)表面上にFe と Co の二元蒸着により作製したナノワイヤ(NW)の元素分析を行うために走査電子顕微鏡(SEM)に装備されているエネルギー分散型スペクトロスコピー(EDX)を用いたその結果我々は NW が形成されている同一表面上から FeCo の両ピークの検出に成功した Elemental analysis of Nanowire (NW) prepared by co-deposition of Fe and Co onto Si(110) surface have been studied by energy dispersion spectroscopy (EDX) equipped scanning tunneling microscopy (SEM) As a result we found both peaks of Fe and Co K line from same surface formed NW 背景と研究目的主に電荷を用いる半導体エレク
トロニクスでは従来使われなかった電子のもう一
つの性質であるldquoスピンrdquoを積極的に利用して
新しい材料の機能やデバイスを構築しようとする
半導体スピントロニクスに関する研究が近年盛
んに行なわれているシリコン(以下Si)技術と
の融合を図るためにはSi基板上へ磁性体の直接
成長が必要となる この背景の下我々はldquo磁性を有するナノワイ
ヤ(以下 NW)を Si 基板上に直接成長させるrdquoこ
とを最終目的として本研究を行なっているこれ
までは磁性元素である鉄(以下 Fe)のみを蒸着
し加熱することで形成される NW に注目し研
究を行なってきた 1)今回は FeSi(110)系に更にコ
バルト(以下 Co)を同時蒸着することにより
NW を形成させることを試みている Fe ndash CoSi(110)系の先行研究例は全くなくまず
Si(110)表面上に Fe と Co を同時に蒸着させた場合
にもFeSi(110)系や CoSi(110)系と同様なワイヤ
が形成されるかどうかを調べる必要があるこれ
はすでに著者らが形成されることを明らかにして
いる次の段階としてFe と Co 両方が同一ワイ
ヤ内に存在しているかどうかを調べるために本
支援により元素分析が可能な SEM ndash EDX を使
用した 実験Si(110)表面上にFeとCoの二元蒸着により
作製したNWのSEM ndash EDX測定を行う
結果および考察Figure 1 にFeとCoを蒸着
加熱を行い作製した試料のSEM像を示す
FeSi(110)系やCoSi(110)系で作製したNW同様
lt-110gt方向に配向したNWが観察されるNWの形
状としては幅が約 10 ndash 100 nm長さが約 300 ndash 1200 nmであり長いものでアスペクト比が 20 を
超えるNWが形成される この表面上の SEM ndash EDX 測定を行った結果を
Fig 2 に示す測定時に試料を入射電子線に対
して傾けて測定しているFeCo それぞれの K線のピーク(Fe 6398 keV Co 6924 keV)を検出す
ることに成功しこの表面上には FeCo それぞ
れ 2 種類の原子が存在していることを確認するこ
とができたまた母体である Si の K 線のピー
ク(Si 1739 keV)の横にあるピークはSi の K線エネルギーの丁度 2 倍の位置にあたりサムピ
ークと呼ばれているこれは検出器に Si からの特
性 X 線が 2 つ同時に入った場合検出器が分離で
きないために起こるアーティファクトである 次にワイヤ 1 本に FeCo がそれぞれ含まれ
ているかどうかを調べるためにEDX マッピング
を行ったその結果を Fig 3 に示すFigure 3(a)はマッピングを行った場所の SEM 像(b)から
(d)はそれぞれSiCoFe の K 線のピークの強
度を濃淡で表示したものであるこの結果SEM像と対応した濃淡を測定することはできなかった
これは試料のドリフトにより観察領域が同一の
場所に安定しないため測定することができなか
ったと考えられる
46
本支援ではFe と Co の二元蒸着により作製し
た Si(110)表面上の NW の元素分析を SEM ndash EDXにより行ったその結果 NW を有する表面上から Fe と Co の両ピーク
を検出した 非常に微小な構造のためSEM ndash EDX では
NW1 本辺りからの元素分析は困難であった 以上のことを明らかにした 今後の課題二元蒸着により作製したワイヤの詳
細な元素分析また磁気特性について研究を行な
う予定である 論文発表状況特許出願 該当なし 参考文献 1) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda
Jpn J Appl Phys 47(7B) (2008) 6138
Fig 3 EDX mapping of Fe ndash CoSi(110) surface (a) SEM image (b) Si K line (c) Co K line (d) Fe K line
Fig 1 SEM images of NWs on Si(110) surface The NWs grow along lt110gt
Fig 2 (a) Configuration of EDX measurement (b) EDX spectrum of Fe ndash CoSi(110) surface
1 μm lt110
lt001gt
(c)Co K line
(a)SEM image (b)Si K line
500 nm
(d)Fe K line
47
技術代行装置利用
豊田工大 08-20
ナノ構造半導体薄膜の作製
Fabrication of Nano-Structured Semiconductor Thin films
竹田 康彦
Yasuhiko Takeda
株式会社 豊田中央研究所
Toyota Central Research and Development Laboratories Inc
分子線エピタキシー法によりGaAs ウェハー上に良質の GaAs 膜を作製するための条件を調べた成
膜時の基板温度が 520のときにバンド間遷移に起因するフォトルミネッセンスの強度が最大半値
幅が最小となりこれが最適条件であることがわかった We found the optimal substrate temperature to fabricate GaAs thin films on GaAs wafers by molecular beam epitaxy When the substrate temperature during the deposition was 520 the intensity of photoluminescence attributed to the band-to-band transition was the largest and the peak width was the narrowest
背景と研究目的 ナノ構造半導体中に閉じ込
められたキャリアはその構造の次元(2 次元
薄膜1 次元細線0 次元ドット)に特徴的
な光電子物性を示す1970 年代の分子線エピ
タキシー(MBE)成膜技術の進歩によってこ
の分野の研究が大いに進展した[1]このように
長い歴史をもつにも関わらず未だに新たな発
見が絶えない分野でもある例えば近年地球
温暖化対策の一環として種々の太陽電池の研究
開発が盛んになっている現在製品化されてい
る太陽電池の主流はシリコンpn接合を基にした
ものであるが変換効率の大幅な向上を目指し
ナノ構造半導体中の長寿命ホットキャリアや
多重キャリア生成の利用が提案されている[2]しかしこれらのナノ構造に特徴的な光電子
物性の起因と詳細は未だ議論の渦中にある[3 4]
III-V 族化合物半導体混晶を用いた多層薄膜
においてはその組成を変調することにより
キャリアに対する閉じ込めポテンシャルを制御
することができる更に格子整合不整合の
利用により閉じ込め構造の次元をも制御する
ことができるのでナノ構造に特徴的な物性を
発現させるための格好の舞台となる 我々は2 次元閉じ込めの代表的な材料であ
る GaAsAlGaAs 多層膜[1]及び 0 次元閉じ込め
構造が得られる InAsGaAs 多層膜[5]を GaAs ウェハー上に作製することを計画しているこれ
らを作製するためには通常GaAs ウェハーの
上に厚さ数 100nm の GaAs バッファ層が形成さ
れる新たに導入された MBE 成膜装置におけ
る成膜条件を調べる第一歩としてGaAs バッフ
ァ層の作製を試みた 実験 市販n型GaAs(100)ウェハー基板上に
MEB法により厚さ200nmのGaAs膜を作製した
良質な薄膜が得られる条件を調べるため基板
温度を400~600の間で変化させた成膜速度
が10~20nm分になるように原料の供給量を調
節した 作製したGaAs膜の結晶性をフォトルミネッ
センス測定により評価した励起光にはNdYAGレーザーの第2高調波(波長532nm)を用いた
この波長でのGaAsの光吸収係数は78times104cm-1
でであり[6]励起光は基板には到達しないので
膜からの発光のみを測定することができる検
48
出器にはInGaAs光電面をもつ光電子増倍管を
用いた試料温度は室温にて測定を行った
0
2
4
6
8
10
800 900 1000 1100 1200
Wavelength (nm)
PL Inte
nsi
ty (ar
b U
nits)
MBE film
Wafer
結果と考察 何れの基板温度の場合にもバン
ド間遷移に起因する発光ピークが波長 860nm付
近に現れたただしその強度とピークの幅は
基板温度に依存し520のときに強度が最大
かつピーク幅が最小であったこれよりも低温
では結晶性が低く一方高温ではAsの再蒸発に
より欠損が生じるためであると考えられる 今回の成膜条件において最適であった基板温
度 520にて作製された GaAs 膜のフォトルミ
ネッセンススペクトルを Fig 1 に示す同条件
にて測定された GaAs ウェハーの結果と比較す
るとピーク波長が若干短波長側にシフトして
いる更にピーク幅が広くまた長波長側に
格子欠陥あるいは不純物に起因すると考えられ
る発光が見られる従って結晶性にはまだ改
善の余地があると考えられる
Fig1 Photoluminescence spectra of the GaAs thin film deposited at a substrate temperature of 520degC and the GaAs wafer measured at room temperature
今後の課題 更に良質のGaAsバッファ層を作
製するための条件を探索すると共にこれを基
にナノ構造薄膜を作製しその光電子物性を
評価する予定である 謝辞 フォトルミネッセンス測定技術につい
てご指導いただきました豊田工業大学小島伸
晃先生に深謝申し上げます
参考文献
[1] 日本物理学会編半導体超格子の物理と応
用(培風館1984)
[2] M A Green Third Generation Photovoltaics
(Springer-Verlag Berlin 2003)
[3] J A McGuire et al Acc Chem Res 41 1810
(2008)
[4] A Pandy and P Guyot-Sionnest Science 322
929 (2008)
[5] R Ohshima et al J Cryst Growth 310 2234
(2008)
[6]
49
協力研究
豊田工大 08-22
InAs 量子ドットを電極としたナノショットキーダイオードの理想係数
Ideality factor of nano-Schottky diodes using InAs quantum dots as electrodes
田中 一郎
Ichiro Tanaka
和歌山大学 システム工学部
Faculty of Systems Engineering Wakayama University
導電性探針を用いた原子間力顕微鏡(AFM)によって表面における伝導性をナノスケールで測定する
ことが可能である本研究ではGaAs(001)表面上に自己形成した単一 InAs 量子ドットを電極とした
ナノショットキーダイオードの電流電圧特性を行いその理想係数に対するフェルミレベルピニン
グの影響を検討したまたGaAs 層へのドーピングによりその影響が緩和されることを明らかに
した We fabricated nano-scale Schottky diodes using self-assembled InAs quantum dots as nano-electrodes on n-GaAs layers and current-voltage characteristics of the single nano-Schottky diodes were measured with conductive AFM at room temperature It has been simulated and experimentally confirmed that the ideality factor of the nano-Schottky diodes becomes considerably large because of Fermi level pinning at GaAs (001) surfaces We have also found that higher doping concentration of n-GaAs decreases the influence of the environmental Fermi level pinning
背景と研究目的 InAs量子ドットはその0
次元電子物性や光電子素子への応用可能性が
注目されて様々な研究が行われてきた われわれは導電性探針を用いた原子間力顕
微鏡(AFM)により InAs量子ドットの導電性を画
像化し同ドットがナノ電極として使用できる
ことを見出している1) 今後デバイスの微細
化が進むとともに電極もナノスケール化される
と考えられるがそれによってデバイス特性が
受ける影響を検討することは重要である本研
究では InAs 量子ドットを電極に用いて GaAs ナノショットキーダイオードを作製してその電
流電圧特性を検討することを目的とした 計算 n-GaAs層上にナノスケールの電極を設
けてバイアス電圧を印加した場合にその電極
下における電位分布がどうなるかを有限要素法
によりポアッソン方程式を解いて計算したそ
のモデルを図1に示すこの計算においてナノ
電極以外の表面はフェルミレベルピニングによ
り電位が07Vに固定されているものとした 実験 n-GaAs層およびその上のInAs量子ドッ
トはn+-GaAs(001)基板上に固体ソースの分子線
結晶成長(MBE)装置を用いて作製した 試料表面をAFM観察し直径が60~80nm程度
のInAsドットに導電性探針を接触させて順バイ
アス電圧を印加し電流電圧特性を測定した 結果および考察 図2(a)にナノ電極の
05V の順バイアス電圧を加えた場合のナノ電
極近傍の電位分布計算結果を示すこの図にお
いてナノ電極は電位が 02V になっているため
その直下の電位はそれに応じて青色で表されて
いるが深さ 20nm 程度の所は緑色になってい
て電位がやや上昇しているさらに深くなると
50
別紙
電位は次第に減少し中性領域で 0V になるこ
のように電位が深さ方向に単調には減少しない
原因はナノ電極周囲の表面電位がフェルミレベ
ルピニングのため 07V に固定されていてその
影響がナノ電極下に及んでいるためであること
がわかる2) Z 軸に沿った深さ方向のポテンシ
ャル変化を図2(b)に示す この計算結果からナノショットキーダイオ
ードでは理想係数が増加すると考えられるそ
こでドナー濃度が 1x1017cm-3 の n-GaAs 層を
100nm 成長しその表面に InAs 量子ドットを形
成してナノショットキーダイオードを作製した
さらに接触モードの導電性 AFM でその表面
を観察した後単一ドット上に探針を移動させ
て順方向にバイアス電圧を印加し電流電圧
特性を測定したその結果図3に示すように
バイアス電圧が 03V 近辺から電流の増加が緩
やかになり理想係数が 14 から 22 になること
がわかったこれはフェルミレベルピニング
の影響により電極直下の電位が低下しにくくな
ったためと考えられる
Fig 1 Calculation model for voltage distribution under a nano-electrode formed on the (001) surface of n-GaAs layer
またn-GaAs 層のドナー濃度を3倍に高めた
ところこのような理想係数の増加は見られな
かったこれは空乏層中のドナーの増加によ
りフェルミレベルピニングの影響が緩和された
ためと考えられる Fig 2 Calculated (a) potential distribution near the nano-electrode on which a forward bias voltage of 05 V is applied and (b) potential variation along Z-axis
今後の課題 n-GaAs 層表面近傍の空乏層中に
二重障壁構造を作製して本研究と同様の手法
でナノ共鳴トンネルダイオード(nano-RTD)を作
製することができる3) この場合フェルミレ
ベルピニングの影響により共鳴トンネル効果が
生じる電圧が増加するためそれにより直接
的定量的に把握できる今後はnano-RTD を
用いて表面処理によるショットキー障壁の低
減を検討する
論文発表状況特許出願 [1]I Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and H Sakaki Abstract for the 2nd IEEE Nanotechnology Materials and Devices Conference Mo P38 (October 20-22 2008 Kyoto University Japan) 参考文献 1) I Tanaka I Kamiya H Sakaki N Qureshi S J Allen Jr and P M Petroff Appl Phys Lett 74 (1999) 844
Fig 3 Current-voltage characteristics of nano-Schottky diodes measured by conductive AFM2) T Sato S Kasai and H Hasegawa Jpn J Appl
Phys 40 (2001) 2021 3) I Tanaka Y Tada S Nakatani K Uno M Azuma K Umemura I Kamiya and H Sakaki Phys Stat Sol(c) 5 (2008) 2938
51
技術代行
豊田工大 08-26
カーボンナノチューブ FET の作製と評価
Fabrication and Measurement of Carbon Nanotube FET
吉村 雅満
Masamichi Yoshimura
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
カーボンナノチューブ FET 素子の試作を行ったHiPco 試料の I-V 特性は金属半導体(p 型)が混在
していることSG65 試料では半導体特性が明瞭に観測されたまた架橋した本数によりドレイン電
流値に違いがあり少数の CNT が架橋しているとゲート依存性が強くなることが分かった CNT-FET has been fabricated using dielectrophoresis method The HiPco-FET shows both p-type semiconducting and metallic behavior The semiconductor behavior is clearly observed for SG65-FET The Current value and gate voltage dependence are highly influenced by the number of bridged CNTs
背景と研究目的 現在の半導体産業はデバ
イスの微細化による素子性能の向上と高密度化
により発展を遂げてきたしかしシリコンMOSFET(metal-oxide- semiconductor field-effect transistor)では微細化が進むにつれてゲート絶縁
膜の薄膜化に伴う量子効果(例えばキャリアの
トンネル)の影響により性能の向上が阻害され
るそのためSi技術の微細化は限界が近づいて
いるそこで次世代のデバイス材料の一つとし
て注目されているのがカーボンナノチューブ
(CNT)であるカーボンナノチューブFET(以下
CNT-FET)とはCNTをチャネルとして利用した
電界効果トランジスタであるその構造の概略
図をFig1 に示すTansらは平面ゲート電極で変
調され室温で動作するカーボンナノチューブデ
バイスを初めて報告した[1] CNT-FET はバリスティック伝導および高い
電流密度を示しさらに基板を選ばず 1 次元チ
ャネルで短ゲート化に適しているなど優れた特
徴をもつそこで本研究では CNT-FET を作製し
その電気特性を測定することを目的とする 実験 溶媒としてDMF10 mlにCNT試料1 mgを
加え約50 で超音波処理を1 h行うことによ
り分散させたCNTを電極間に架橋させる方法
として誘電泳動法を用いた[2]すなわち溶
液中の微粒子に外部から電場を加えると溶液
-微粒子界面に電荷が誘起される電荷量は溶
媒と粒子の分極率に依存しこの相違により
双極子モーメントが誘起される本研究では
この原理を利用してCNTを電極に引き寄せる
CNT試料として異なる純度分散状態電気
的特性を有するUnidym社製Super Purified
HiPcoSouthWest Nano Technologies社製SG65
を使用したHiPcoは金属半導体の割合が1
2SG65は90 以上が半導体的なCNTで構成さ
れている 具体的にはCNT分散溶液を基板に
滴下後高周波(5 MHz)を15分程加えることに
よりCNTの配向を行ったソースメータ
(Keithley社製2636)及びマイクロプローバー
(共和理研社製K-157MP150)を用いFET特性の
測定を行ったFig1下図に測定回路図を示す
ゲート電極は基板背面を利用した 結果および考察 Fig2 にHiPco試料のド
52
レインソース間の電流(Ids)-電圧(Vds)特性のゲ
ート電圧依存性の測定結果を示すこのときゲ
ート電圧Vgsを-15~+15 Vの間で5 Vステップで
印加したオーミックな特性が観測されIdsはVgsを負に印加すると増加したよって架橋し
たCNTは金属p型半導体双方の性質をもつもの
が混在していたと考えられる直線の傾きから
抵抗値を見積もると抵抗値はVgs=-15 Vで 019 MΩ15 Vで 026 MΩとなりVgsが負のとき抵
抗値の低下が確認されたCNT 1 本当たりの抵
抗値に換算するとVgs=-15 Vのとき約 3 MΩと
なり文献値の 29 MΩとほぼ一致した[3]
-10 -05 00 05 10
-4
-2
0
2
4
1microm
Vgs=15V
Vgs=‐15V
0V
+
-
5Vstep
次に多量及び少数のSG65が架橋した電極の I-V測定結果を Fig34 に示すFig34 どちらも p 型
半導体的な特性が現れているまた CNT 数が少
数の場合電流値が約 120 に減少しているさ
らに Vgs による Ids の変調は少数の CNT が架橋
した時により大きいことがわかる
今後の課題 カーボンナノチューブの高分散
技術の改良ナノ電極のデザイン改良が今後必
要である 謝辞 本研究は豊田工業大学寺尾良輔氏
梶原健氏との共同研究である
参考文献
1) SJTanset alNature 393 (1998) 49
2) YMiyatoet alJpnJApplPhys 87
(2005) 183102
3) RMartelet alApplPhysLett 73
(1998) 2447
Fig1 Schematics of CNT-FET (upper) and electric circuit (lower)
SiO2
Source Drain
CNT
Gate(P+‐Si)
Vgs Vds
AD
S
G
CNT
Ids
-3 -2 -1 0 1 2 3-02
-01
00
01
02
Vgs=-10VVgs=-5VVgs=0VVgs=5V
1microm
Vds
Ids
(nA
)
Fig 4 IV curve of SG65-FET with a small amount of CNTs
Vds
Ids
(nA
)
Fig 3 IV curve of SG65-FET with plenty of CNTs
-3 -2 -1 0 1 2 3-10
-5
0
5
10
1microm
Vgs=‐10V
Vgs=‐10V‐5V
05V
‐5V +5V
0V
Vds
Ids
(μA
)
Fig 2 IV curve of HiPco-FET
53
装置利用
豊田工大 08-27
触媒ナノ粒子を用いた CVD 膜中残留応力制御
Study of controlling residual stress in CVD thin film by using catalyst nanoparticles
熊谷慎也
Shinya Kumagai
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
MEMS ではデバイス構造を作製するために Si 薄膜が使用される高性能な MEMS デバイスを実現す
るためにはその薄膜中の応力状態を制御することが必要であるアモルファス Si 薄膜を結晶化さ
せるとその過程で薄膜の堆積が収縮し薄膜中に引張応力が発生することが知られている薄膜の
結晶化を適切に促進すれば薄膜中の応力状態を制御することができると考えられる本研究では
アモルファス Si 薄膜の成膜および結晶化促進のための触媒ナノ粒子を Si 薄膜基板上に吸着させ
るプロセスについて検討を行った Thin films of Si are widely used in the fabrication of MEMS structure To realize high performance MEMS devices it is necessary to control the stress in the Si thin film As the crystallization of amorphous Si films proceeds the shrinkage of the volume of the Si thin film generates tensile stress in the film Appropriate crystallization process can control stress in the Si thin film In this study we investigated deposition condition of amorphous Si films and adsorption of catalyst nanoparticles onto the Si films
背景と研究目的 近年MEMS デバイスは我々の周りで広く使
用され欠かせないものになっている例えば
光関連の分野ではマイクロミラーデバイスが
プロジェクタプリンタ等の中に組み込まれて
いるこのミラーデバイスではミラーの回転
角は大きくその一方で不安定動作は小さい
ことが求められるこの要求を満たすために
例えばミラーを支えるトーションバーに張力
(引張応力)を加えることが提案されている[1] シリコン薄膜に引張応力を生じる原理はアモ
ルファスシリコンからポリシリコンへの結晶化
に伴う体積収縮によって発生する結晶化誘起応
力にあると言われている[2]通常はサンプル
を加熱するだけのアニール処理で行うためラ
ンダムな場所から核成長が起こり得られる結
晶粒径は限られ発生する引張応力も限られて
いたそこで何らかの方法で結晶粒径を大き
くできれば引張応力発生に寄与する材料の比
率が増しより大きな引張応力を得ることがで
きると考えられる[3]結晶化の促進には金属誘
起結晶成長法が利用できる[4] 本研究では
アモルファスシリコン薄膜の成膜とそのシリ
コン薄膜上へ結晶化促進のための触媒ナノ粒子
を吸着させるプロセスについて検討を行った
54
実験 アモルファスシリコン薄膜の堆積 プロセスガスとしてジシランを使用したジ
シランは通常用いられるシランよりも低い温度
で熱分解するためアモルファス薄膜の成膜に
適している[5]薄膜のアモルファス性が高いほ
ど結晶化する際の堆積収縮量が大きく引張応
力の発生の効果が大きいといえる堆積実験で
はCVD炉温度を510度に設定し炉内圧力
13Paのもとで成膜を行った成膜時間は100分間
とした
シリコン薄膜上への触媒ナノ粒子の吸着 触媒ナノ粒子を分散させた溶液をアモルファ
スシリコン薄膜上に滴下して10分間吸着を行っ
たその後遠心分離機(10000rpm1分)を用い
て余剰の溶液を除去しその後SPMで観察を
行った 結果および考察 シリコン薄膜堆積後光干渉法により膜厚
を測定したサンプル表面20箇所の平均値とし
て2790nmが得られた堆積レートに換算すると
約28nmminとなるMEMS応用には1μm程度の
Si薄膜の厚さがあることが望ましいそのため
にはより長い堆積時間が必要となる堆積レ
ートを高くするには成膜温度を上げることが
有効であるが堆積後に結晶化が進み薄膜の
アモルファス性が低下することになる膜質と
トレードオフの関係にあるため今後検討を進
めていく必要がある 作製した Si 薄膜のサンプルを用いてナノ粒
子の吸着実験を行ったFig 1 にナノ粒子吸着
後サンプル表面の SPM 像を示すナノ粒子が分
散して吸着していることがわかるその一方で
成膜後のサンプル表面を光学顕微鏡で観察した
限りでは分からなかったがナノ粒子の他に表
面に比較的大きな凹凸形状が見られるこのよ
うな箇所では MEMS 構造を作った際に機械的
強度が低下すると考えられ堆積条件のさらな
る検討が必要といえるFig2 ではナノ粒子濃度
を Fig1 の条件の 10 倍に希釈した溶液を滴下し
た後の SPM 像であるFig1 と比較すると溶
液濃度が希釈されて低くなっていることに対応
して表面上へのナノ粒子吸着量が減少してい
ることがわかる溶液中のナノ粒子濃度は基板
上への吸着量の制御パラメーターとして利用で
きる まとめ
Si 薄膜の堆積条件ナノ粒子の吸着プロセス
について検討を行った引き続き検討を行
いシリコン薄膜結晶化の評価を進めていく予
定である
参考文献
1) M Sasaki S Yuki K Hane IEEE Photon
Technol Lett 18 (2006) 1573
2) 三浦英夫ら日本機械学会論文集(A 編)58
巻 554 号(1992-10)216-221
3) P Temple-Boyer et alThin Solid Films 310
(1997) 234
4) C Hayzelden and J L Batstone J Appl Phys
73 (1993) 8279
5) K Nakazawa J Appl Phys 69 (1991) 1703
Fig1 SPM image of nanoparticle adsorption on Si film surface
Fig2 SPM image of nanoparticle adsorption Concentration of nanoparticle in the solution is 110 of the condition in Fig1
55
協力研究
豊田工大 08-28
a-SiNxHSi 界面特性の面方位依存性
Dependence of crystallographic orientation on a-SiNxHSi interface characteristics
新船 幸二a近藤 憲司b大下 祥雄b
Koji Arafune a Kenji Kondob Yoshio Ohshita b a 兵庫県立大学b 豊田工業大学
a University of Hyogo b Toyota Technological Institute
多結晶シリコン太陽電池の表面パッシベーション膜としてアモルファス水素化窒化シリコン膜
(a-SiNXH)が通常使用されているこのパッシベーション機構を明らかにするために面方位の異な
る単結晶シリコン基板に a-SiNXH 膜を同一条件で製膜しその容量-電圧特性を水素処理前後に測定
し界面準位密度や固定電荷について検討を行った a-SiNXH film is used as surface passivation layer for polycrystalline silicon solar cells In order to clarify the passivation mechanism a-SiNXH films are deposited on the single crystalline silicon substrates with different crystallographic orientation by plasma enhanced chemical vapor deposition The characteristics of a- SiNXHSi interface is also studied by C-V measurements
背景と研究目的 現在主流の多結晶シリコン
太陽電池には表面パッシベーション膜として
アモルファス水素化窒化シリコン膜(a-SiNXH膜)が使用されているa-SiNXH膜をシリコン基
板上に形成することにより界面準位密度が低
下し加えてa-SiNXH膜中の固定電荷に起因す
る電界効果により界面におけるキャリアの再
結合が抑制される 1)と考えられているしかし
具体的なパッシベーション機構については未だ
明らかになっていないこの原因の一つとして
多結晶シリコンが面方位の異なる結晶粒により
構成されているため得られる情報が平均化さ
れてしまうことが予想されるそこで面方位
の異なる単結晶シリコン上にa-SiNXH膜を形成
しそれらの電気的特性の相違を詳細に検討す
ることによりa-SiNXH膜によるパッシベーシ
ョン機構解明の端緒とすることを目的とした 実験 面方位が(100)および(111)である3inch
果および考察
のp型単結晶シリコン基板を4分割し希フッ酸
処理SC1処理希フッ酸-過酸化水素処理等
により洗浄を行った洗浄後の(100)および
(111)基板上にPECVD法によりa-SiNXH膜を製
膜した製膜条件は250 []圧力 04 [torr] ガス流量 SiH4 3 [sccm]NH3 6 [sccm]H2 6 [sccm]製膜時間 5 [min]とした製膜したa-SiNXH膜の
膜厚および屈折率はエリプソメトリー法により
評価したC-V測定サンプルのゲート電極には
Al(D=06mm)を使用した界面準位低減効果を
比較するためにフォーミングガス(N2+H2)によ
るアニールを400 []30 [min]で行った 結 製膜したa-SiNXH膜の
ングガスアニール前の C-V 曲
膜厚は面内で多少のばらつきはあったものの
(100)基板および(111)基板ともに89plusmn4 [nm]以内
であった屈折率に関しては178 と全て一定
の値を示した Fig1 にフォーミ
56
の C-V
えるとa-SiNXHSi 界面に
(a)
線を示す膜中の固定電荷に関しては(111)基板上の膜の方が(100)基板上の膜より密度が高
いことが判ったこれはシリコン上の熱酸化膜
と同様の傾向を示しているまた両者ともに
ヒステリシスを示しているがその原因は(100)基板の場合は正の可動電荷型(111)基板では正
孔注入型と異なることが判った界面準位密度
に関してはどちらの場合も非常にリークが大
きいため今回の測定では求めることが出来な
かった今後膜厚増加によるリーク低減を行
い界面準位密度の評価を進めたい Fig2 にフォーミングガスアニール後
曲線を示すどちらの場合もフォーミングガス
アニールによりヒステリシスが消失している
これは熱による構造変化と水素によるダング
リングボンドの終端化によるものと考えられる
より詳細な検討を行うためにはアニールガス
種の変更や温度時間等を変化させた評価が必
要である界面準位密度に関してはフォーミ
ングガスアニールにより界面準位密度が低減さ
れた傾向が現れているまたC-V 特性測定時
の周波数を変化させた測定も行ったところ周
波数分散特性も(100)基板と(111)基板では大き
く異なっていた 以上の結果を踏ま
おける界面準位密度及び膜中固定電荷密度は基
板面方位に大きく依存しヒステリシス特性の
要因も基板面方位により変化することが明らか
になった
0
50
100
150
200
-10 -8 -6 -4 -2 0
容量[pF]
電圧[V]
(b)
0
50
100
150
200
-20 -18 -16 -14 -12 -10
容量
[pF]
電圧[V]
Fig1 C-V characteristics of a-SiNXH films on (a)
(100) and (b) (111) single crystalline silicon substrates before forming gas annealing
(a)
0
50
100
150
200
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
容量
[pF]
電圧[V]
(b)
0
50
100
150
200
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
容量
[pF]
電圧[V]
Fig2 C-V characteristics of a-SiNXH films on (a) (100) and (b) (111) single crystalline silicon
後の課題
substrates after forming gas annealing 今 今回はPVCVD装置のトラブルに
りサンプルは2種類しか試すことが出来なよ
かったが今後は(110)基板の使用やa-SiNXH膜の製膜条件を変えたサンプルを準備し固定
電荷の起源やパッシベーション能力の定量的評
価などを行う予定である 謝辞 C-V測定において兵庫県立大学の佐
真一教授及び吉田晴彦准教授に協力頂いた
許出願
藤
深く感謝したい
論文発表状況特 [1 未定
考文献
]
参
t et al Semicond Sci Technol vol16 1) JSchmid
pp164-170 (2001)
57
技術代行装置利用
豊田工大 08-29
太陽電池特性評価技術の習得 Acquirement of solar cell characterization skill
岩本 恵里
Eri Iwamoto
日本ソーラーシリコン株式会社
Japan Solar Silicon Co Ltd
特性の異なるシリコンウェーハから太陽電池セルを作製し作製した太陽電池セルについてその特性評
価を行った
We made silicon solar cells with silicon wafer of a different characteristic and conducted investigation of these
cell performance
研究目的 シリコン原料メーカーとして太陽
電池セルの特性評価に関する知識を持つことが
必要であるしたがって本研究ではセル作製工程
の一連の流れを理解し実際に作製したセルにつ
いてその特性評価を行い自社内での太陽電池特
性評価技術の向上を目的とする今回はプロセ
スに慣れることプロセス条件を最適化すること
を目的とし基板抵抗やPの拡散温度のセル特性
への影響を見ることとした
実験 Si基板は購入した 3 インチ厚み 380 μ
mのSi基板 (CZ結晶) でp型抵抗a (低抵抗) とb
(高抵抗) の2種類の比抵抗値を示す基板を用いた
Si基板を洗浄後基板上にPを温度A B Cの 3 水
準で変化させて拡散させた基板裏面の酸化膜を
除去した後リフトオフ工程によって表面に 10
mm角セル (16 個分) のAl電極パターンを形成し
たこの際Alの蒸着は抵抗加熱真空蒸着装置を用
いて行った表面と同様に裏面にAl電極を形成し
た後380で 10 分間の水素シンター処理を行っ
たその後ダイシング装置で 10 mm角セルに分
割し中心部分のセルについてI-V特性評価を行
ったこのI-V特性評価によってpn接合の良否
電極とSiの接触の良否などが判断できる
結果と考察 Fig1 に低抵抗Si基板と高抵抗Si基
散温度を変化させて作製した各セルの短
絡
板についてリン拡散温度を変化させて作製した
各セルの開放電圧 (Voc) を示すFig1 を見ると
温度Aで拡散させたセルでは他と比較してVocの
値が低かったこれは温度Aでのリン拡散が不十
分でpn接合がうまくできていないと考えられる
Fig2 に低抵抗 Si 基板と高抵抗 Si 基板について
リン拡
電流 (Isc) を示すFig2 を見ると拡散温度 C で
Isc が悪化しているこれは温度 C でのリン拡散
でp 層基板が高温処理によって劣化した可能性
が高いと考えられる
本設備においては拡散温度は CZ 基板を用い
58
た場合温度B近傍で行うのが最適と考えられる
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Isc
(arb
uni
ts)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
今後の課題 今回作製したセルはプロセスの最
適化がされていないため基板評価のため十分な
効率が得られていない今後はプロセス条件の改
善を実施し太陽電池特性評価技術の向上を目指
す
謝辞 本研究は豊田工業大学梶原氏および
下准教授に指導して頂いた深く感謝したい
豊田工業大学梶原氏および
下准教授に指導して頂いた深く感謝したい 大大
Fig2 The phosphorus diffusion temperature dependence of shortcircuit current (I sc) for low resistivity Si substrate and highresistivity Si substrate
Fig1 The phosphorus diffusion temperature dependence ocircuit voltage (V oc) for low resistivity Si substrate aresistivity Si substrate
f opennd high
Fig3 The phosphorus diffusion temperature dependence ofconversion efficiency for low resistivity Si substrate and highresistivity Si substrate
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Voc
(arb
uni
ts)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
A B CPhosphorus diffusion temperature ()
Con
vers
ion
effic
ienc
y (a
rb u
nits
)
a (Low resistivity)b (High resistivity)
59
技術代行
豊田工大 08-32
レジストマスクによるリン砒素のイオン注入
P and As Ion implantation using Resist Mask patterns 上田一之
Kazuyuki Ueda
豊田工業大学ナノハイテクリサーチセンター
Nano High-Tech Research Center in Toyota Technological Institute Supported by MEXT
シリコン表面に PAs をイオン注入してマスクパターンを作りそのときの打ち込みエネルギーやイ
オンの種類により打ち込み層に含まれる水素や酸素の形態はpn 接合を考える上で極めて重要な
要素となるしたがってこれらの打ち込み層に存在する水素と酸素の起源と振舞いについて電子励
起イオン脱離法を応用した水素顕微鏡で調べた
Masked patterns by ion implanted surface include hydrogen and oxygen which might affect to p- n-junction properties Electron-stimulate-desorption (ESD) spectroscopy is useful to investigate behaviors of hydrogen and oxygen on the device surfaces Implated musked patterns have been investigated by using hydrogen microscope
背景と研究目的 2次元的なp- n-接合をシリコン表面上にイオン注入法で数十ナノメートルの深さ方向に作りその層の表面や層間に存在するする水素や酸素の起源と振る舞いを調べることは注入層がp-n-層として機能するかどうかの重要な問題を含んでいるナノテク支援により作成されたイオン注入マスクパターンを用いて超高真空中に配置された電子励起イオン脱離(ESD)を発展させた水素顕微鏡を使用して数百ナノメートルの2次元分解能でそれらの挙動を調べた 実験 実験は超高真空中にセットされたESD装置を応用した水素顕微鏡(Fig1)1)2)を使用して
実施されたナノ支援によってシリコンウエハ
ーに注入されたPおよびAsの格子状のパターン
構造をしており最上層にはPのストライプパタ
ーンの層がありその下にはAsのストライプパ
ターンが直角方向に形成されている表面の酸
化物層をイオン衝撃で取り除くとPのストライ
プパターンが現れイオン衝撃法により25nm程度の深さに達するとAsの打ち込み層が存在
していることが水素酸素のイメージから判る
これらのパターンの様子をFig2に2次元的な
模型で示しイオン衝撃に応じて水素顕微鏡で
観察するとFig3に示すようにPのストライプ
パターンが水素像酸素像として示されている
これは打ち込み層が極浅いところなのでP層の
みが現れている水素酸素に2種類のパターン
が示されているのはPとAsではそれぞれの層
に吸着する水素と酸素の吸着状態の違いを反映
して異なる運動エネルギーのイオン像が現れ
るであるうことを期待しているからである
Fig3に示すように同時に得られたSEM像には
両方の元素のパターンがモノクロに撮影されて
いるだけで表面物性的な差異は全く見られな
いこのことはSEM像が2次電子の発生深さの 情報を持つのに対してESDは殆どトップレイ
ヤーの情報しか持たないことに由来する
60
4μm
12μm
18μm
7μm
4μm
As+ As+ 5x1015cm2
P +
5x1015cm‐2
P +
As + 20 keV(127 nm)p‐S i(100)
S iO2
試料の形状(マスクによるイオンの打ち込み)
Top view
S ide view
P + 10keV (108 nm)Thickness of S iO2 1 5 nm
1times1010 As+(on the back ground)
7μm
Fig 1 Ion implanted patterns of P and As
On the B-dose Si surface
Fig2 Shematic drawing of hydrogen
microscope
Fig3 をさらにスパッタリングで 25nm 程度取
り除くと深いところに分布している As 層から
水素酸素の像が得られてそれぞれ格子模様と
なるこれらの水素酸素の起源はイオン注入
打ち込みの過程から考えて酸素は酸化物層にイ
オン注入しているので当然であるが水素につ
いては原因は不明であるイオン注入時はマス
フィルターにより元素を選択的に打ち込んでい
るので水素の混入は考えられないそうすると
マスク材料から打ち込まれたかあるいはマス
クを取り除く薬品から混入したことが考えられ
る現時点ではこれらの水素濃度の定量
Fig3 H+ and O+ images from P-implanted
Layer on Si-SiO2 layers
Fig4 H+ and O+ images from P-and
As implanted layer on Si-SiO2 layers
的評価は出来ないが水素の量によっては今後
のデバイス処理に重要な情報を与えているもの
と考えられる
参考文献
1) KUeda and KOgai Surf Sci 462 (2000) 1
2) 上田一之表面技術 59 (2008) 893
H(1)+ H(2) +
O(1)+ O(2) +
H(1)+ H(2) + SEM
O(1)+ O(2) +
61
協力研究
豊田工大 08-33
新規プローブの開発
Development of new probe for AFMSTM
森田 幸治 長村 俊彦 佐々木 徹
Kouzi Morita Toshihiko Nagamura Touru Sasaki
株式会社ユニソク
UNISOKU CoLtd
近年ナノスケールデバイスの開発においてその表面形状または電気的特性を評価するためのプロ
ーブの必要性が高まってきているそこでプローブ自身が歪み検出部分を持ちかつ先端に他と絶
縁された金属配線を持つ新しいプローブの要素技術開発を行った
Recently new probe to evaluate surface shape and electrical characteristics are required in nanometer scale devicersquos development Here we developed functional elements of new probe with piezo resistance and metal
wiring is isolated other metal wiring
背景と研究目的 現在LSI各種センサな
どのデバイスがナノスケールで開発作製され
それらの金属配線パターンは30nmオーダーに
まで達しているしかしそのデバイスの表面形
状力学的特性電気的特性を評価することは
非常に難しいこれらの研究分野ではデバイス
の各種評価用の装置またそれに合わせた新し
いプローブの開発製品化が強く求められてい
る 弊社では以前より立命館大学磯野教授との共
同開発で新しい機能を持ったプローブの試作を
行ってきた本研究ではその結果を利用して新
規プローブの量産化に向けたMEMSプロセスの
確立を行うプローブはSOIウェハ(Silicon On Insulator)から作製するプローブ上にはピエゾ
抵抗素子を作製しその抵抗変化によってプロ
ーブの歪み検出を行うまたプローブ先端には
他と絶縁された金属配線を持っているこれら
の組み合わせによって様々な評価を行えるプロ
ーブを作製する プローブの絶縁性能に関しては歪み検出を
しながらSTM(Scanning Tunneling Microscope)測定することを想定した時ピエゾ抵抗素子に1V
程度の電圧をかけた時にプローブ先端へ漏れる
電流はトンネル電流より十分少ないことが求め
られる今回はその漏れ電流01nA以下つまり
絶縁抵抗10GΩ以上を目標とする 実験 まず各種プロセス条件に関して以前
から弊社にて研究してきた結果が豊田工業大学
共同クリーンルームの装置で再現できるように
装置の扱いに慣れる意味も含めて繰り返し使用
しプロセス条件を修正合致させたその結
果フォトリソグラフィ真空蒸着イオン注
入TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)エッチング熱酸化シンタリングのプロセス
において以前の結果を再現させることができ
た そのプロセス条件を使用してピエゾ抵抗素
子とそれへの金属配線およびSiO2膜で絶縁され
た金属配線を作製したSiO2絶縁膜は熱酸化炉
(炉内温度1100O2雰囲気30分加熱)で作
製したFig1に作製したデバイスの断面模式図
を示すFig1中の①Al電極はSiO2絶縁膜で基盤
Siから絶縁されている②Al電極はピエゾ抵抗
素子と接続されている①②Al電極を弊社製
62
品であるAFM(Atomic Forced Microscope)STM測定用コントローラに接続しスイープ電圧を
かけてその時の微小電流値をモニターすること
で絶縁抵抗の評価を行った
Al SiO2
Piezo Resistance
(Type Positive)
Si(Type Negative)
① ②
結果および考察
Fig2に作製したデバイスの光学顕微鏡写真
を示す設計寸法通りパターニングできゴミ
などの不純物もほとんど乗ることなく出来上が
ったエリプソメーターでSiO2絶縁膜厚を測定
したところ80nmであったFig2中の①②は
Fig1の①Al電極②Al電極の場所を示している
Fig3にスイープ電圧とその時に得られた電流
値のグラフを示すPiezo resistance(Type Positive)とSi(Type Negative)の間のPN接合の影響で順
方向バイアスではノイズが漏れやすいことが分
かったグラフの傾きから絶縁抵抗値を計算し
たところ約25GΩの抵抗値が得られ目標の絶
縁抵抗値を達成することができた
Fig1 Cross section model of piezo resistance Al wiring and SiO2 dielectric(80nm)
今後の課題 本デバイスはピエゾ抵抗と金属
配線との間でAl-Alの積層構造を持っているが Al 同士の間に Al 酸化膜が存在し接触が不安
定になる現象が確認できた今後は Al を積層し
ない構造に変更するか配線材料の変更を検討
する実験を行う必要がある ② ①
Fig2 Optical microscope image of piezo resistance Al wiring and SiO2 dielectric(80nm) 参考文献
1) 江刺正喜藤田博之五十嵐伊勢美杉山進
共著「マイクロマシーニングとマイクロメカト
ロニクス」培風館
-15
-1
-05
0
05
1
15
-11 -9 -7 -5 -3 -1 1 3 5 7 9 11
Voltage(V)
Current(nA)
2) MエルベンスポークHVヤンセン 著田
畑修佐藤一雄 訳「シリコンマイクロ加工の
基礎」シュプリンガーフェアラーク東京
Forward bias back bias
Fig3 Graph of leak current and voltage put SiO2 dielectric(-9V to +9V)
63
研究協力
豊田工大 08-34
ポテンシャルマッピング用量子構造試料作製
Fabrication of quantum-structures for potential mapping
賀数 広海 田中 一郎
Hiromi Kakazu Ichiro Tanaka
和歌山大学システム工学部
Faculty of Systems Engineering Wakayama University
InAs 量子ドットをナノメートルサイズの電極(ナノ電極)として用いて順バイアス電圧を印加した場合
その周囲におけるフェルミレベルピニングの影響により電極直下においても電位が下がりにくい
本研究ではInAs 量子ドットをナノ電極として GaAsAlAs 二重障壁構造を含むナノ共鳴トンネルダ
イオードを作製し導電性 AFM を用いてその電流-電圧特性を測定することにより二重障壁構造内
部の電位に対するフェルミレベルピニングの影響を検討することを目的とした When a forward bias voltage is applied on InAs quantum dots (QDs) used as nano-scale electrodes (nano electrodes) Fermi level pinning around nano-electrode prevents us from lowering the potential under the nano-electrodes We fabricated nano-scale resonant tunneling diodes (nano-RTDs) which comprise GaAsAlAs double barrier structures with InAs QDs electrodes by molecular beam epitaxy We measured current-voltage characteristics of the nano-RTDs by conductive AFM for investigating the influence of Fermi level pinning on the potential in the double barrier structure
背景と研究目的 近年ナノテクノロジーの
分野においてInAs量子ドットに関する研究が盛
んに行われているInAs量子ドットは分子線エ
ピタキシー法(MBE)等を用いてGaAs(001)基板
との僅かな格子定数の違いにより自己組織化成
長しナノメートルスケールのサイズを有する
そのためナノスケール化が予想される半導体
デバイスに対応する電極(ナノ電極)としての
応用が考えられるしかしGaAs(001)面上のナ
ノ電極に順バイアス電圧を印加した場合その
周囲のフェルミレベルピニングの影響によって
電極直下でも電位が下がりにくい このフェルミレベルピニングの影響はInAs
ドット直下のGaAs層のドナー濃度を高めるこ
とで緩和できる1)この点についてさらに検討す
るためGaAsAlAs二重障壁構造を含むナノ共
鳴トンネルダイオードを作製しその電流-電圧
特性を測定した 実験 MBEを用いてn+-GaAs(n=10~50times1018cm-3)基板上に基板温度約590でn+
-GaAs(n=20times1018cm-3)を500nmn-GaAs(n=50times1017cm-3)n-GaAs(n=10times1017cm-3)をそれぞれ
10nmudGaAsを25nm成長したその上に二
重障壁構造となるAlAs17nmGaAs50nm
AlAs17nmを成長したさらにキャップ層とし
てn-GaAs(n=10times1017cm-3)を20nm最後にInAs量子ドットを基板温度約460で約25ML成長
させたこのときのGaAsAlAsInAsの成長レ
ートはそれぞれ044MLs012MLs00159MLsであった 作製した試料をMBE装置から取り出した後
に試料表面の酸化を防ぐため硫化アンモニウ
ムで表面処理を行った 電流-電圧特性を測定するために試料を高真
64
空原子間力顕微鏡(AFM)装置に移したまず試
料表面の形状を測定して電極となるInAs量子
ドットを確認したドリフトの影響が小さくな
った後にひとつのInAs量子ドットの上に導電性
探針を移動させて電流-電圧測定を室温真空
中で行った今回は試料に0 ~ 2Vの順バイアス
電圧を印加した
結果および考察 Figure 1はAFMにより
測定した試料表面のInAs量子ドット形状像であ
る量子ドットの平均直径は616nm平均高さ
は393nmである Fig1 AFM image of InAs QDs grown on the n-GaAs cap layer The QD indicated as ldquoardquo was used as a nano-electrode
Figure 2 に Fig1 に示した量子ドット a をナノ
電極として測定した電流-電圧特性を示すショ
ットキー特性が得られているが共鳴トンネル
効果を示す負性微分抵抗は確認できなかった
これは試料に原因があると考えられる そこで作製した試料中に二重障壁構造が存在
するかどうかを確認するためフォトルミネッ
センス(PL)測定を液体窒素中(77K)励起光波
長 532nm の条件で行ったその結果を Fig3 に
示すAlAs(17nm)GaAs(5nm)AlAs(17nm)の二
重障壁構造中の第一準位に対応する PL ピーク
波長は約 720nm と見積もられる 2)しかし Fig3の PL の測定結果にはこのピークは見られな
かった PL 測定結果において GaAsAlAs 二重障壁構
造に対応するピークが見られなかったので今
回作製した試料中には同構造が存在せずその
ため電流-電圧特性にも共鳴トンネル効果が現
れなかったと推定されるこの原因としては
MBE における成長条件が最適化されていなか
ったことが考えられる
Fig2 Current-voltage characteristic measured using the InAs QD as a nano-electrode
今後の課題 今回はGaAsAlAs二重障壁構造
が作製できなかったためにその内部における
電位やそれに対するフェルミレベルピニングの
影響を検討できなかった今後MBE成長条件
を見直し同様の実験を行っていきたい
参考文献
1) 中谷 成希和歌山大学大学院システム工学
研究科システム工学専攻 修士論文 「InAs 自己
形成量子ドットのナノ電極効果」(2007 年)
2) 多田 吉伸和歌山大学大学院システム工学
研究科システム工学専攻 修士論文 「単一 InAs
量子ドットを介した共鳴トンネル効果の導電性
探針 AFM による測定」(2004 年)
Fig3 PL spectra of the sample measured at 77K
65
装置利用協力研究
豊田工大 08-35
次世代メモリ(PCRAMPhase Change RAM)用材料
GeSbTe 薄膜の CVD 成膜
GeSbTe-thin film formation by CVD for next generation
Memory (PCRAM Phase ChangeRAM)materials
町田英明
Hideaki Machida
気相成長株式会社
Gas Phase Growth LTD
GeSbTe薄膜は次世代メモリ(PCRAMPhase Change RAM)用材料として有望である本研究では
(t-C4H9)GeH3 (i-C3H7)3Sb (i-C3H7)2Teを原料として低圧熱CVD法によりSi基板上にGeSbTe薄膜を作成
しX線光電子分光 (XPS)分析によりGeSbTeの組成が堆積温度によってどのように変化するかを調べ
た
GeSbTe thin film is a promising material for next generation memory (PCRAM Phase Change RAM) Here
we report synthesis of GeSbTe-thin films onto the silicon substrate by thermal low pressure CVD technique
using (t-C4H9)GeH3 (i-C3H7)3Sb (i-C3H7)2Te precursors And also the GeSbTe film composition dependence
on deposition temperature and pressure is studied by X-ray photoelectron spectroscopy (XPS)
背景と研究目的 次世代半導体メモリ候補
として相変化メモリ(PRAM)が注目され相変
化材料としてGeSbTe(GST)系材料が提案されて
いる 12)大容量化のためには埋め込みに有
利 な 化 学 気 相 法 (CVD Chemical Vapor
Deposition)による成膜が必要とされるがCVD
法による組成や構造制御に関する基礎的な知見
は充分でない相変化材料GSTを用いたPCRAMデ
バイス試作研究においてGST膜堆積にはスパッ
タ法による蒸着が用いられているが高集積な
メモリデバイスに要求される膜均一性50nm
以下のホールへの埋め込み等が要求されるし
たがって良好な埋め込み形状を実現できる可
能性を有するCVD法によるGST系薄膜堆積技術へ
の期待が高まっている本研究ではGeSbTe薄
膜堆積のためのCVD原料の検討を行いGe原料に
Tertiarybutylgermane[(t-C4H9)GeH3] Sb原料
としてTriisopropylantimony[(i-C3H7)3Sb]
Te 原 料 と し て Diisopropyltellurium
[(i-C3H7)2Te]をそれぞれ用い成膜条件膜組
成等の成膜特性を明らかにすることを目的と
した
実験 成膜に用いたCVD装置は抵抗加熱のコ
66
ールドウオールタイプの低圧CVD装置であり
図1にレイアウトを示す成膜チャンバー内部
に設置した基板の温度は下部に設置したヒータ
ーで加熱しセンサーによる温度測定結果をフ
ィードバックして制御される膜堆積のための
基板はフォルダーに固定されロードロックチ
ャンバーより成膜チャンバーへと運ばれヒー
ター上部に設置される装置全体はターボ分子
ポンプで排気され成膜時の圧力はオリフィス
で制御する原料は原料容器中にH2ガスをバブ
リングする事によってH2ガスに同伴させて成
長チャンバーへと輸送した各原料輸送量はH2
キャリアガス流量と原料容器温度内圧により
見積り制御したSi(100)基板が設定温度に達し
たことを確認した後原料ガスを供給し膜堆積
を行った成膜条件は基板温度270-300
堆積中の圧力30torrGe Sb Te原料のキャ
リアH2 ガス流量10 sccm15sccm10sccm
原料容器温度-65550とした
教授明治大学小椋厚志准教授及び東京大
学大場隆之教授との共同研究である
各温度での堆積膜の炭素不純物及び GeSbTe
組成変化を XPS によって調べた
結果および考察 XPS分析により堆積膜に
はGeSbTeが含まれる事がわかった炭素の残留
不純物はXPSの検出限界以内では観察されず良
好な原料の選択と成膜条件が確認された図2
に 30Torrでの堆積膜のGeSbTe組成と温度の関
係を示す基板温度上昇とともにGe組成の減少
とSb組成の増加が見られたGeとSbには相互的
な影響が存在することが示唆された280deg以上
の温度領域ではTeの減少が確認されたがこれ
は堆積Te金属の蒸発が起こっていると思われる
後の課題今 今後CVDによるGST成膜実験で圧
辞
力と組成の関係2成分の堆積などを調べ膜
堆積組成制御に関するメカニズム解析を 行
いたい
謝 本研究は豊田工業大学大下祥雄准
考文献参
wa KMiyauchi T Tamura Y Yin
wa Y
g2 The GeSbTe film composition dependence on
1) S Hosoka
and H Sone Proc 15th symp Phase Change
Optical Information Storage PCOS 2003 (Ed T
Ide Atami Japan 2003) pp52-55
2) K Nakayama K Kojima F Hayaka
Imai1 A Kitagawa and M Suzuki Jpn J Appl
Phys 39 (2001) 6157
Fig1 Schematic diagram of the CVD system Container of Ge Sb and Te precursors were maintained at ndash6 55 50ordmC respectively These gases were mixed at sub chamber and introduced into the reactor
270 275 280 285 290 295 30015
20
25
30
35
40
45
50
55
60
Fi
deposition temperature
組成
(
)
基板温度()
Ge Sb Te
PH2
P
P
MFC
MFC
MFC
Ge
Sb
Te
Sub chamber
TMP
DP
Heater
Drain
Load Lockchamber
PH2
P
P
MFC
MFC
MFC
Ge
Sb
Te
Sub chamber
TMP
DP
Heater
Drain
Load Lockchamber
67
協力研究
豊田工大 08-37
分光機能を持つ MEMS 赤外線センサ
MEMS infrared sensor integrated with wavelength selective filter
佐々木 実
Minoru Sasaki
豊田工業大学
Toyota Technological Institute
小型軽量のメリットを生かすためサーモパイルを利用した赤外線センサが用いられる従来の誘
電体光学フィルタを使わないで高分子膜の赤外吸収スペクトルを利用した熱型赤外線センサを一体
型とするセンサを提案するセンサ自体が小型化に適すると共に分光特性の温度安定性が安定化す
る長所を持つことが分かった A thermal infrared detector integrated with wavelength selective filter is fabricated A polymer film is formed onto hot junctions of the thermopiles as a wavelength selective absorber to integrate spectroscopic characteristic The detector shows +35 increase of the signal output from the baseline at the absorbance peak The fabricated detector shows low temperature dependences on its center wavelength
背景と研究目的 近年環境測定や検知器な
ど手軽に物質の検知や濃度測定を行えるセンサ
のニーズが高まっているこのようなガスなど
の物質の検出と濃度測定を行うセンサに物質
固有の赤外吸収スペクトルにおけるピーク波長
と強度を利用した非分散型赤外分光 (NDIR)センサがあるNDIR型センサは高精度で応答時間
も短く検出器が被検体と直接接触しないため
信頼性も高いしかし別々の部品により構成さ
れるためその他のセンサ方式と比較して構造
が複雑で高価である現在広い市場からの受
け入れを目指しコストやサイズの削減に開発
努力が注がれている 1) 我々はその構成部品の中でも赤外線センサに
注目したNDIR 式センサの小型軽量のメリ
ットを生かすためサーモパイルを利用した赤
外線センサが用いられるサーモパイル型セン
サは熱を検出する方式であり波長に対してフ
ラットな分光特性を持つそのため特定波長
の赤外線を受光するために誘電体光学フィルタ
とパッケージで組み合わされるのが一般的であ
るしかし NDIR 式センサの目的に見合う性能
のフィルタは高価でありアセンブリ全体のコ
ストなどを上げる要因の一つとなっている光
学フィルタと熱型赤外線センサを一体型とする
形態も考案された 2)しかし光学フィルタと熱
型センサとのプロセス整合性に疑問が残るさ
らに光学フィルタの分光特性の温度依存性など
の問題なども懸念される 3)そこで高分子材料
の吸収スペクトルを利用して簡単な構造で分光
特性を集積化させた赤外線センサの試作を行っ
た温度特性についても報告する Fig1(a)に赤外線センサのベースとなるサー
モパイルセンサの概念図を示す20mmtimes
20mm 厚さ 04mm の Si を基板として基板上
に Pt と p++-Si で構成されたサーモパイルが形
成されるSi 異方性エッチングにより中央部の
約10mm角領域およびサーモパイル温接点部は
ダイアフラム構造となっている赤外吸収材と
してポリアクリロニトリル (PAN)をサーモパ
イルの温接点上に堆積した作製したデバイス
を Fig1(b)に示す
68
(a) (b) 実験 PANは波長~4450nmの赤外線に対し大
きな吸収を持つことが知られている吸収ピー
ク波長においては入射赤外線が効率よく熱に変
換されると考えられより高い感度を示すと考
えられる
Monochromater
Optical Chopper
IR Sensor
PC for DAQ
232C
Sensor S
ignal
Reference SignalChopperController
Lock In Amplifier
US
B
IR Source
Focusing Lens
Vacuum Chamber
Monochromater
Optical Chopper
IR Sensor
PC for DAQ
232C
Sensor S
ignal
Reference SignalChopperController
Lock In Amplifier
US
B
IR Source
Focusing Lens
Vacuum Chamber
作製したセンサはFig2に示す実験系で評価し
たFig3に分光特性を示す4450nmにおいて~
025μVのピーク出力を確認した 結果および考察 IRセンサの動作環境を
室温から 80まで変化させたときの特性を
Fig4 に示す加えてFT-IRでPANの透過特性の
温度依存を精密に計測した結果をFig5 に示す
吸収ピークの波長シフトは~3nmであった同
条件で従来の光学フィルタ式のものでは~
50nmのシフトがあるのと比べて温度特性が安
定していることがわかった 今後の課題 最も基本となる分子スペクト
ルのピークに対応したサーモパイルセンサの確
認に成功したがピークのSN比はベースライン
から+35に留まる赤外分光スペクトルから判
断するともっと大きな変化が期待できるPAN膜を付着するプロセスから改良する 論文発表状況特許出願 [1] 「温度依存性の少ない分光機能集積型赤外
線ディテクタ」桝野雄矢熊谷慎也佐々木実
第 56 回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集 No3 p1029 200942 筑波大学 [2] ldquoThermopile IR Detector Integrated with Wavelength Selective Filter Stable against Temperature and Incident Angle Changesrdquo Katsuya Masuno Shinya Kumagai Minoru Sasaki and Kohji Tashiro 2009 International Conference on Solid State Devices and Materials 投稿中
参考文献 1) Mark P McNeal Nicholas Moelders Martin U
Pralle Irina Puscasu Lisa Last William Ho Anton
C Greenwald James T Daly Edward A Johnson
ldquoDevelopment of Optical MEMS CO2 Sensorsrdquo
Proceedings SPIE vol 4805 (2002) p30-35 2) 特開 2006-58203 3) Shigeki Sakaguchi ldquoTemperature Dependence of
Transmission Characteristics of Multilayer Film
Narrow Bandpass Filtersrdquo Jpn J Appl Phys
Vol38 (1999) pp6362-6368
Fig2 Experimental setup
Fig5 Transmittances of PAN at various temperatures (Acquired with FT-IR)
Fig1 (a) Schematic diagram of a thermopile detector (b)Fabricated IR detector with a PAN bump as an absorber
Thermopiles
20 mm
04
mm TP2TP1
TP3
TP4
Thermopiles
20 mm
04
mm TP2TP1
TP3
TP4
PAN Bump
050607080910
4300 4350 4400 4450 4500 4550 4600
Wavelength [nm]
Sens
or O
utpu
t (w
ith P
AN) [μV
]
+025μV(+35)
Fig3 Spectral response from fabricated sensor
Fig4 Spectral responses of the fabricated sensor at various temperatures
03
04
05
06
4300 4400 4500 4600Wavelength [nm]
Sen
sor O
utpu
t [μV
] 80604022
0
10
20
30
40
4440 4450 4460 4470 4480wavelength [nm]
trans
mitt
ance
[]
20C40C60C80C
69
協力研究 豊田工大 08-39
エンジニアリングプラスチックスの残留歪解析 Residual Strain Analysis of Engineering Plastics
安藤 幸也a 田代 孝二b 杉田 英嗣a
Yukiya Andoa Kohji Tashirob Eiji Sugitaa
a(株)デンソー b豊田工業大学
aDENSO COLTD b TOYOTA TECHNOLOGICAL INSTITUTE エンジニアリングプラスチックスで自動車部品用途に多用される PPS(poly-p-phenylene sulfide)
を対象にX 線回折の sin2ψ法による残留歪測定の可能性を調査した A possibility to evaluate the residual strain of poly-p-phenylene sulfide (PPS) which is an engineering plastic and is used for automobile parts on the basis of sin2f method using X-ray diffraction data has been investigated 背景と研究目的 実験 自動車の軽量化のために自動車部品には樹脂
が多用されておりその使用比率は増加する一
方である樹脂はクリープしやすくその耐久
特性は応力の違いで大きく異なるため残留歪
の見積もりが甘いと大事故を招くことになる
残留歪は成形条件によっても変化するため
それに伴い耐久寿命も変化するしたがって
樹脂の残留歪の高精度測定が必要である
アニーリング処理した平板から切り出した試
験片を用いTD(流動直角方向)MD(流動方
向)にそれぞれ歪を負荷し側傾法で測定した
歪はかまぼこ型の冶具に沿わせることで負荷
した(図 1)着目した反射ピークは(311)反
射とした(図 2) 結果と考察 現状樹脂の残留歪測定は歪ゲージに頼って
いるがその精度は低く成形条件の違いによ
る残留歪の変化まで捉えることはできないま
た測定エリアが広いため平均化された値し
か得られないこのため金属分野で実績のあ
るX線回折法により樹脂の残留歪を高精度に
測定する技術を確立させることは樹脂製品の
信頼性向上のためにも極めて重要であるしか
しながらこの分野の研究事例はほとんどなく
手法の有効性が確認されれば様々の点で大き
な成果に結びつくと考えられCAE(Computer Aided Engineering)の予測精度向上にもつなが
る
歪と sin2ψ線図の傾きで整理した測定結果を
図3に示すこの結果PPS については0~15の歪範囲で歪と sin2ψ線図の傾きに良い
今回の実験では自動車部品に多用されている
耐熱性の高いエンジニアリングプラスチックス
である PPSPPS-GF40 を対象にsin2ψ法に
基づく残留歪測定を試みた
Fig 1 Equipment to generate strain on the sample
70
相関が見られMD と TD の差が小さく大き
なバラツキもなく良好な結果が得られたPPSでは>15の歪範囲PPS-GF40 では>0の
歪範囲でTD と MD の差が大きくバラツキ
も大きいことがわかった
今後の課題 今回sin2ψ法によりPPSPPS-GF40 の残
留歪を測定できないか調査したこの結果現
状実用性のある対象範囲がわかった 今後TDとMDの差バラツキ原因を調査し
精度向上できる測定条件を明確にする したがって実用化においては材料組成歪
範囲が限定されると考えられる
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
2θ
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
tth
Counts
(110)
(102)
(200)
(111)
(311)
2θ
Fig2 X-ray diffraction pattern of PPS
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 15 2 25
歪 []
傾き
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 1
歪 []
傾き
5
(PPS) (PPS-GF40)
- TD- MD
- TD- MD
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 15 2 25
歪 []
傾き
-08
-07
-06
-05
-04
-03
-02
-01
0
01
0 05 1 1
歪 []
傾き
5
(PPS) (PPS-GF40)
- TD- MD
- TD- MD
Fig 3 Relation of sin2ψ and strain (311 reflection)
71
装置利用
豊田工大 08-40
光ファイバ材料の吸発光特性
Optical properties of optical fiber materials
齋藤和也
Kazuya Saito
豊田工業大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering Toyota Technological Institute
Pd 内包カーボンナノチューブ(CNT)は走査型プローブ顕微鏡(SPM)用の探針先端材料(特に電気特
性評価用)として有望である本研究では探針材料と同一のシリコンウェハ上に化学気相成長法に
より Pd 内包 CNT を成長しその直径や密度が触媒調整条件によりどのように変化するかを調べると
ともにPd 内包 CNT の構造解析を行った Since the metal-filled CNT is expected to provide larger radial rigidity higher mechanical and thermal stability than the conventional hollow nanotube it would be suitable for the tip of scanning probe microscopy (SPM) Here we report synthesis of Pd-filled CNTs onto the silicon substrate by microwave plasma enhanced CVD technique Their structure is also studied by SEM TEM and Raman spectroscopy
背景と研究目的 希土類元素は固体中では
3価イオンRe3+として安定に存在するが2価
イオンRe2+として存在することもありRe3+とは
異なる分野で利用されているRe2+はそれと
等電子配置のRe3+と比較して電子項間のエネル
ギー間隔が減少するために異なる吸収蛍光ス
ペクトルをもつ特に4f-4f間の電気双極子遷
移確率に比べて 102~3倍ほど大きな値をもつ
4f-5d間の遷移が可視領域付近に現れることは
利用価値が大きく可視光におけるブロードな
蛍光は蛍光材料として広く利用されている
また価数変化を利用したX線イメージングプ
レートや赤外線検出器などでは電子正孔トラ
ップ(Re3+hArrRe2+)としての役割が活用されてい
る反対に価数変化が問題となるケースもある
例えばYb添加シリカファイバレーザーではフ
ォトダークニングを引き起こす主要因と考えら
れている[1]そこで本研究ではYb2+とEr2+
の光学特性を詳しく調べた 実験 Yb2+Er2+生成のために還元雰囲気下に
おける試料作製をMCVD法を用いて行ったこの
試料より2mm厚の光学研磨平板を作製し分光蛍
光光度計(日立F-7000)を用いて励起蛍光スペ
クトルを測定した
結果および考察 作製したYb2+生成試料
でUV~blue光励起で非常に輝度の高いYb2+か
らの蛍光を観測できた輝度の強い蛍光は波長
可変レーザーや他の活性イオンの増感剤として
の応用が期待できる図1にその励起蛍光ス
ペクトルを示す蛍光波長500nmにおける励起ス
ペクトルとMgF2結晶において報告されている
72
Yb2+の吸収スペクトル[2]を比較すると(図2)
ガラス中では無秩序な構造を反映して各4f135d
多重項は非常にブロードになっていることがわ
かるピーク分離で決定した各準位の中心波
長を図3に示す
5s 5p電子に遮蔽されている4f電子と異な
り5d電子は配位子場の影響を大きく受ける
ためYb2+の4f-5d遷移は仮想温度による配位
子場の変化の影響も大きく受けると予想され
る蛍光および励起スペクトルの仮想温度依
存性を測定したところ予想どおり大きな仮
想温度依存性があること明らかとなった 同様に還元雰囲気下において Er2+含有シリ
カガラスの作製を試みたEr は一般には2価の
酸化状態はとり難いと考えられているがpale
green の蛍光を示す試料を作製することができ
た図4にその蛍光スペクトルを示すEr3+の
4f-4f 遷移が示す鋭い蛍光ピークとは異なり非
常にブロードな蛍光であるさらに励起スペ
クトルには Er3+の鋭いピークに加えて可視か
ら紫外域にかけての非常にブロードな吸収があ
ることがわかり(図5)確かに Er2+の 4f-5d 遷
移によるものと判断できるEr は酸化物中では
2価状態をとり難いと考えられていたが還元
雰囲気下で安定な Er2+を生成できることが明ら
かとなった
今後の課題 今回作製した2価イオンを含む
シリカガラスのレーザー発振や他の活性イオン
の増感剤としての利用を検討するために蛍光
寿命等の詳細な測定を行う
論文発表状況特許出願 [1] K Saito et al XII PNCS Brasil 20099 発表
予定
参考文献 1) 例えばT Kitabayashi et al OFT 34 (2006) 9
2) J Rubio J Appl Chem Solids 52 (1991) 161
200 2 350 400 450
0
1000
50 300
2000
3000
4000
5000
Absorbance
MgF2
励起スペクトル SiO2中の Yb2+の
Fig1 EmissionEscitation pectrum of Yb2+ doped silicaS
Fig2 Comparison with theSpectrum of Yb2+MgF2
lower
59 eV 52 eV 45 eV 42 eV 38 eV 33 eV
Fig3 Energy levels of Yb2+ in silica glass
Fig4 Emission spectrum of Er2+ doped silica glass
(a)
3+
E
Er
r3+
Er3+ Er3+
Fig5 Excitation spectrum of Er2+ doped silica glass
73
23 成果の外部への公表
平成20年度支援成果による発表件数(H21年3月末時点)
和文(内
投稿中)英文等
(内投稿中)
計 国内(内
投稿中)海外
(内投稿中)
計 国内(内
申込中)海外
(内申込中)
計 国内 海外 計
計測分析 0 0 0 0
超微細加工 0 0 6 1 6 0 0 0 0 0 24 3 2 1 26 2 0 2
分子合成 0 0 0 0
極限環境 0 0 0 0
計 0 0 6 1 6 0 0 0 0 0 24 3 2 1 26 2 0 2注1注2 査読のあるプロシーディングは論文とみなす査読のないプロシーディング等(和文英文その他)は口頭発表とする注3
拠点名 機関名 機能名
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
プレス発表解説記事等 口頭発表(講演)
空欄に数値を記入してください
プレス発表解説記事等 には原著論文以外の紙上発表を記入する
特許出願原著論文発表
74
委託業務題目「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析 」(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援)
機 関 名学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
2学会誌雑誌等における論文掲載
業務コード実施年度
論文タイトル 発表者名 発表誌名 掲載号ページ(年)和誌洋誌
支援機能名
07008049 20
Local opening of a large bandgap in metallic single-walled carbon nanotubes induced by tunnel injectionof low-energy electrons
Kenta Yamada Hiroaki Sato TetsuyaKomaguchi Yutaka Mera and Koji Maeda Appl Phys Lett 投稿中 洋 超微細加工
07008049 20
Conductive pattern forming method on vertical wallusing spray coating and angled exposuretechnologies
H Morii F Oohira M Sasaki etal Proc Optical MEMS p30 (2008) 洋 超微細加工
07008049 20
Conductive pattern forming method on vertical wallusing spray coating and angled exposuretechnologies
H Morii F Oohira M Sasaki etal Proc 25th Sensor Symposium pp29-32 (2008) 洋 超微細加工
07008049 20
High-Resolution Magnetic Force Microscopy UsingCarbon Nanotube Probes Fabricated Directly byMicrowave Plasma-Enhanced Chemical VaporDeposition
K Tanaka M Yoshimura and K Ueda J Nanomater in press 洋誌 超微細加工
07008049 H20 Iron Nanowire Formation in Si(110) Y Ohira T Tanji M Yoshimura and K Ueda JJAP 47(7B)61382008 洋紙 超微細加工
07008049 H20
TOF-ICISS and STM study on 3ML-PdPt(111) surface structure Does the latticemismatch determine the epitaxial growth
K Umezawa E Narihiro Y Ohira MYohimura Nucl Instrum Meth B vol 266 (2008) pp
1903-1907洋誌 超微細加工
学 会 等 発 表 実 績
75
委託業務題目「中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析 」(ハイブリッド化ナノ構造ものづくり支援)
機 関 名学校法人トヨタ学園 豊田工業大学
1学会等における口頭ポスター発表業務コード
実施年度
講演タイトル 発表者名 講演会名 発表年月日国内国
際口頭ポ
スター支援機能名
07008049 20 太陽電池用多結晶Si基板の欠陥および不純物の評価今井 啓太田中 聡志立花 福久香川 泰平増田 純一小椋 厚志大下 祥雄新船 幸二河合秀昭田島 道夫井上 雅晶
第55回応用物理学関係連合講演会 2008329 国内 口頭 超微細加工
07008049 20Evaluation of multi-crystalline silicon substrates with p-ndiode array
Tomihisa Tachibana Keita Imai Jyunichi MasudaAtushi Ogura Koji Arafune Yoshio Ohshita MichioTajima
18th Workshop on Crystalline SiliconSolar Cells amp Modules Materials andProcesses
200885 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20太陽電池用多結晶シリコン基板上に作成したp-nダイオードアレイの評価
増田 純一立花 福久今井 啓太大下 祥雄新船 幸二小椋 厚志
先端ナノオプトバイオワークショップ
20081213 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 太陽電池用多結晶Si基板の応力と結晶性の評価立花 福久増田 純一福田 晃司小椋 厚志大下 祥雄新船 幸二
第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Current-Voltage Characteristics of GaAs Nano-SchottkyDiodes Using InAs Self-Assembled Quantum Dots as Nano-Electrodes Dependence on Doping Concentration
Ichiro Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and HSakaki
IEEE Nanotechnology Materials andDevices Conference 2008
20081020 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20Current-Voltage Characteristics of GaAs Nano-SchottkyDiodes Using InAs Self-Assembled Quantum Dots as Nano-Electrodes Dependence on Doping Concentration
Ichiro Tanaka S Nakatani K Uno I Kamiya and HSakaki
The 2nd IEEE NanotechnologyMaterials and Devices Conference2008 (NMDC2008)(October20-222008 Kyoto University JAPAN)
20081020 国際 ポスター 超微細加工
07008049 20走査型トンネル顕微鏡探針による金属カーボンナノチューブへの欠陥導入
山田賢太佐藤弘紹駒口哲也目良裕前田康二 日本物理学会 第64回年次大会 2009329 国内 口頭 超微細加工
07008049 20金属カーボンナノチューブのSTM 探針による局所構造変化-HOMO-LUMO ギャップの形成
佐藤弘紹山田賢太駒口哲也目良 裕前田康二 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20単層カーボンナノチューブにおける電子励起による欠陥生成
目良 裕前田康二 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 磁気力顕微鏡用探針の分解能の理論的検討 〇田仲 圭石川憲一吉村雅満上田一之「ナノ格子新技術開発研究センター」第7回シンポジウム
2009年 3月 13日 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Fe-Co蒸着により形成されるSi(110)表面上のシリサイドナノワイヤ
大平 豊丹司敬義 第56回応用物理学関係連合講演会 200941 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 Fe-Co二元蒸着によるシリサイドナノワイヤの作製 大平 豊丹司敬義文部科学省私立大学ハイテクリサーチセンター整備事業「ナノ格子新技術開発センター」第7回シンポジウム
2009313 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 電子線露光技術を用いたナノ構造の試作藤川久喜三浦篤志井上大介野村壮史佐藤和夫梶原建大澤潤
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20スプレーコート技術と斜め露光技術による垂直側面への配線技術
森井裕貴大平文和佐々木実中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 酸化亜鉛透明導電膜の熱処理効果吉野賢二竹本裕仁小島稔小島信晃大下祥雄山口真史
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二 目良裕 吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成 年度成 報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
学 会 等 発 表 実 績
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二目良裕吉村雅満平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20InAs自己形成量子ドットを電極に用いたGaAsナノショットキーダイオードのI-V特性におけるドーピング濃度依存性
田中一郎中谷茂希宇野和行神谷格榊裕之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20低速イオン散乱およびSTMによる金属表件ナノ成長の観察
梅澤憲司吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 口頭 超微細加工
07008049 20 EB露光による窒化物半導体のナノ加工とPL評価 黒木康彦大澤潤中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20機能性カーボンナノチューブの開発-次世代プローブ顕微鏡の高分解能高性能化-
吉村雅満Chien-Chao Chiu田仲圭上田一之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 酸化亜鉛透明導電膜の熱処理効果吉野賢二竹本裕仁小島稔小島信晃大下祥雄山口真史
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20InAs自己形成量子ドットを電極に用いたGaAsナノショットキーダイオードのI-V特性におけるドーピング濃度依存性
田中一郎中谷茂希宇野和行神谷格榊裕之中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 カーボンナノチューブ探針の作成とその応用 前田康二目良裕吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20低速イオン散乱およびSTMによる金属表件ナノ成長の観察
梅澤憲司吉村雅満中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20 短パルスレーザーアニールによる規則合金膜生成の試み加藤剛志山内幸大徐倩茜大島大樹岩田聡綱島茂
中部地区ナノテクノロジーネットワーク平成20年度成果報告会
200935 国内 ポスター 超微細加工
07008049 20Correlation between structural disorder and opticalproperties in YbEr doped silica glass
K Saito E H Sekiya T Okazaki and Y FujitaXII PNCS (Conference on thePhysics of Non-Crystalline Solids)
200998 国際 口頭 超微細加工
76
特許
業務コード実施年度
発明の名称 発明者 出願人出願登録
区分出願番号(出願日)
出願区分
出願国登録番号(登録日)
支援機能名
07008049 H20 チップ中野 圭洋亀岡 遵安池 雅之
株式会社 ESPINEX 出願 特願2008-53209 国内 超微細加工
07008049 H20 微生物の検出方法中野 圭洋亀岡 遵安池 雅之
株式会社 ESPINEX 出願 特願2008-307867 国内 超微細加工
プレス発表業務コー
ド実施年度
発表タイトル 掲載新聞名 掲載日 支援機能名
受賞
業務コード
実施年度
受賞件名 受賞者氏名 所属機関名 受賞年月受賞理由
(本プロジェクトとの関係)
メモ
07008049 H20 Graduate Student Award 立花 福久 明治大学 200885 ポスター発表による表彰
該当なし該当なし
77
24 活動(運営委員会等の活動等)
平成20年度の活動(運営委員会等の活動等)
支援機関名 研究会名称 主催機関名 日時 場所 参加者数 内容 特記事項
中部地区ナノテク総合支援ナノ材料創製加工と先端機器分析
自然科学研究機構分子科学研究所名古屋大学名古屋工業大学豊田工業大学
200934-5名古屋大学野依記念学術交流館
口頭24件ポスター35件
成果報告と互いの情報交換新しい連携も生まれた例があ
る
nano tech 2009国際ナノテクノロジー総合展技術会議
nano tech 実行委員会
2009219 東京ビッグサイト約16000名
成果報告と互いの情報交換ナノテクノロジー総合展示会
半導体プロセス実習講習会 豊田工業大学 2008724-25豊田工業大学 クリーンルーム3号棟
受講者56名
半導体プロセスの実習講習と共にナノテク総合支援のアピール
豊田工大 学内 ナノネット委員会(第1回)
豊田工業大学ナノネット運営委員会
2008519 学内8号棟中会議室学内関係者~16名
議題1H19年度実績 支援件数 委託費消費実績 2H19年度成果報告について 3H20年度受付状況 4その他
豊田工大 学内 ナノネット委員会(第2回)
豊田工業大学ナノネット運営委員会
20081125 書面審議学内関係
者
議題1H20年度予算配分 各支援別配分予算額 2H20年度委託費消費状況 3H20年度支援受付状況 4その他
豊田工業大学
78
25 実施体制
1業務責任者
役職氏名 豊田工業大学大学院 教授 榊 裕之E-メールアドレスsakakitoyota-tiacjp
TEL052-809-1706 FAX052-809-1741
2 実施場所
大学院工学研究科(各担当者研究室)
豊田工業大学共同利用クリーンルーム
3 業務項目(支援要素名)別実施区分及び担当者
研究項目 担当機関等 担当責任者及び担当者
1シリコン超微細加工用要素プロ
セス技術と評価の支援
豊田工業大学
工学部
大澤 潤准教授(施設長)
近藤憲司施設専任職員
梶原 建専任支援員
23次元フォトリソグラフィなど
による(微細)デバイス構造の製作
と評価の支援
豊田工業大学
工学部
佐々木 実教授
3化合物半導体ナノ構造の形成と
評価の支援
豊田工業大学
工学部
榊 裕之教授
4化合物半導体ナノ構造の形成お
よび有機物との複合化と評価の支
援
豊田工業大学
大学院
神谷 格教授
5フラーレンナノ構造の作製と評
価および化合物半導体シリコンナ
ノ構造の評価の支援
豊田工業大学
大学院
山口 真史教授
大下祥雄准教授
小島信晃助教
6カーボンナノプローブナノチ
ューブの形成と評価の支援
豊田工業大学
大学院
吉村 雅満准教授
7金属微粒子の形成と評価の支援 豊田工業大学
工学部
柳瀬 明久准教授
8有機物および高分子系材料のナ
ノ構造物性評価
豊田工業大学
大学院
田代孝二教授
注1 課題代表者サブテーマ代表者
注2 本業務に携わっている方はすべて記入
79
80
26 支援装置 261 超微細加工領域
クリーンルーム施設 【仕 様】
クリーン度クラス 100およびクラス 1000 の 2 室か
らなる面積 400m2 の本格的なものです 付帯設備として純水製造装置(18MΩ-cm)ガス
精製供給装置廃水処理装置ガス除害装置のほか空
調維持装置などを備えています 【特 徴】
本学クリーンルームの特徴としては主としてシリコ
ン系プロセス装置を利用して一連の各種素子試作や各
種機能薄膜等との複合化プロセスと評価が行えることで
す化合物系ではシリコン系と分離したホトリソ洗浄ウェットエッチング等の薬品処理も実施
可能です
主に以下の項目を実施できます ①アライナ用のマスク作製や電子線描画による直接露光 ②
イオン注入や熱拡散による不純物導入プロセス ③ウェットおよびドライエッチングプロセスなど
④試作プロセス途中および完了後の評価(必要に応じて関係研究室の支援を得ます)
電子ビーム露光装置 【仕 様】
電子ビーム最小径φ3nm にて線幅 20nm 前後の細線
描画および直径約 20nm のドットサイズまで加工を行え
ます基板サイズはφ4inch までレーザ干渉計ステージ
による 100nm のステージ位置読み取り分解能により
50nm のフィールドつなぎ精度と 50nm の重合わせ精度
でのプロセスが可能です描画フィールドサイズは
500μm 四方に対して 60000times60000 ピクセルに分割
(8nmpixel)が可能でより小さなフィールドサイズの例
としては例えば 100μm に対しては 17nmpixel のサイ
ズで描画パターンを与えることができます
【特 徴】 電子線を走査してレジスト上にパターンを直接描くためマスクなしでナノオーダーの微細なパ
ターンが形成できますリフトオフやエッチング等のプロセスと組み合わせて微細な電極形成など
の加工を行うことができますパターニングされた結晶成長のためのマスク形成やDFBレーザ用
パターンドットマトリクスパターンの形成などにも用いることが可能です
写真
81
プラズマCVD装置 【仕 様】
1356MHz の高周波プラズマにより
① SiH4+H2rarrα-Si
② SiH4+NH3+H2rarr P-SiN
を成膜する装置です
基板加熱は max250まで可能反応槽のクリーニングは
CF4O2 プラズマで行います
【特 徴】
φ4インチ以下の各種基板上に成膜可能です
基本レシピによる成膜レートは
① α-Si35nmmin
② P-SiN20nmmin
でありプロセス条件の例としては以下のとおりです
(1) α-Si
SiH425sccmH230sccmPress03TorrPower80WTemp200
(2) P-SiN SiH430sccmNH360sccmH260sccmPress04TorrPower100WTemp250
マスクアライナ装置 【仕 様】
i 線h 線g 線を用いた露光装置ですマスク寸法は 50 mm 角~102 mm 角基板寸法は 3ldquoΦ以下 露光最小線幅は 075 μm位置決め精度は 05 μm で
す 研究用に下記仕様の 2 台所有しています 1 マスク寸法 102mm角基板寸法3ldquo用アライナ
ー プロキシミティーギャップ量可変(0~48μm) 露光最小線幅 2μm
2 マスク寸法 50mm 角基板寸法 40mm角以内 ハードコンタクト(真空方式)可能 露光最小線幅は(05)~075 μm位置決め精度 05 μm
【特 徴】 研究者が使用する多様な寸法の基板に対応可能ですまた本アライナーで製作した基板上の位
置決めパターンを利用して上記の電子ビーム露光装置による微細パターンと組み合わせることも
可能です そのことによりパターン全体の描画時間の短縮や各種パターン要素の組み合わせによる効率的
な研究を進めることも可能です
写真
82
斜め露光用アライナ 【仕 様】
密着型露光装置ですマスクは2インチ角基板寸法は
2cm 角~1 インチ角ウェハ厚みは 200μm から 1mm です
ウェハ側が xy 粗微動の2重度をもつためマニュアル式な
がらも操作性が高い研究開発用ですアライメント等は
一般の片面アライナと同様です 【特 徴】
ウェハとマスクをメカクランプ機構によって固定できる
ためアライメントした状態のまま別装置 2 にセット可
能です垂直壁面にパターニングを行うためにはウェハ
壁面に対して斜め方向から UV 光を照射することが必須に
なりますが別に用意した斜め露光用照射系にセットする
ことが可能です更にアライナにウェハを固定する前にウェハを純水で濡らした状態にするこ
とでウェハとマスク間の隙間を空気から純水に置換することが出来ますレジスト表面と媒体
の屈折率差が小さくなるため界面反射を小さく押さえることが可能となります2009 年 3 月の
時点で段差 100μm の垂直壁に幅 30μm の斜め線も含めた任意パターンがアライメントし
た状態で転写可能です
装置2
83
X 線光電子分光装置(XPS) 【仕 様】
X 線源はMgKαAlKαデュアルアノード X 線源
とモノクロメータ X 線源の2種を装備しています
Ag 試料を使用して Ag 3d52ピークを測定した時のエ
ネルギー分解能(半値幅)はモノクロメータ X 線源
使用時で 048eV 以下となっています試料上の分析
位置を走査して水平分解能 10μm で空間マッピン
グが可能ですAr イオンエッチング銃を使用して深
さ方向分析ができます電子中和機構により絶縁性
試料の測定にも対応しています試料サイズは最大
15mmφ(厚さ 4mm)です 【特 徴】
材料の元素分析化学状態分析を行う装置ですモノクロメータ X 線源による高エネルギー分解
能での測定空間分解能 10μm でのマッピング測定が可能です
DC amp AC ホール効果測定装置 【仕 様】
以下の仕様で Van der Pauw 法による半導体薄膜材
料のホール効果測定が可能です ホール測定電圧感度10-8 V抵抗測定範囲001
~1012 Ω(電極端子間)試料印加電流5 pA~100 mA(電圧リミット 100V)最大磁場079 T(AC 磁
場での測定可能)測定温度42~400K試料サイズ
最大 10mm 角 【特 徴】
Van der Pauw 法によるホール効果測定により半
導体薄膜材料の抵抗率伝導型キャリア濃度移動度を測定する装置です交流磁場を使用した
AC ホール効果測定により高抵抗試料で問題となる測定器の DC ドリフトや試料の不均衡電圧に
よる誤差を除去し高感度な測定が可能です
84
ナノ秒パルスYAGレーザー装置 【仕 様】
小型のナノ秒パルス NdYAG レーザー装置ですレ
ーザー本体の出力は2倍波(532 nm)で 200 mJ です
基本的に2倍波を使用していますパルス時間幅は約 6 ns ですフライアイレンズを用いた照射光学系によって
照射エネルギー密度の均一化を図っています4 ミリ角
の照射領域に対して照射エネルギー密度は 300 mJfraslcm2
までの範囲で調整可能ですレーザーは 10 Hz の運転で
すが手動シャッターによって1パルスを切り分けて照
射できます
【特 徴】 空気中高真空中(~10-4 Pa)液体中に置かれた試料に対してパルスレーザー照射が可能です
用いる波長の光を吸収する物質を中心に加熱することができることきわめて短時間での加熱冷
却が可能なことが特徴です
X線回折装置 【仕 様】
高輝度小角 X 線散乱装置高分子専用X線装置単結
晶解析用X線装置等各種X線解析装置群で構成されて
います 【特 徴】
各種の有機材料特に高分子材料についてナノスケ
ールでその階層的な構造(結晶構造非晶構造高次
組織など)や構造形成プロセスあるいは試料中での
応力分布などを本装置群であるX線回折に加えてラ
マン赤外分光法などの手法を組み合わせることによ
り解明できますその理論的理解のための計算機シミ
ュレーションなども行い総合的に学術技術支援を
実施しますさらに構造と種々の物性との相関解明
の支援を実施できる
85
27 各種データ271 支援件数
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援日数 61 0 91 80 232 32 0 7 6 45 18 0 68 44 130 11 0 16 30 57 0 0 25 05 3 235
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
技術代行技術相談
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
計
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 委託事業(外部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況
総計利用機関
利用形態共同研究 装置利用
支援件数 13 0 95 65 29 6 0 1 15 85 5 0 6 4 15 2 0 25 1 55 0 0 25 05 3 32
支援日数 61 0 91 80 232 32 0 7 6 45 18 0 68 44 130 11 0 16 30 57 0 0 25 05 3 235
注1 空欄に数値を記入してください注2注3注4 公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)注5 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
利用形態共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
一つの採択テーマにおいて複数回支援した場合は一つと数えるただしその支援が複数機関あるいは同一機関内でも複数領域にまたがる場合はそれぞれ別に数える大学は大学高等専門学校等の教育機関
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 自主事業(外部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況技術相談
総計利用機関
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計
86
なし なし なし なし なし実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関
のみ大学 公 大企業 中小企 合計
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援日数 88 0 0 0 0 88 10 0 0 0 0 10 58 0 0 0 0 58 20 0 0 0 0 20 0 0 0 0 0 0 88
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援件数 8 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 1 35 0 0 0 0 35 35 0 0 0 0 35 0 0 0 0 0 0 8
支援日数 88 0 0 0 0 88 10 0 0 0 0 10 58 0 0 0 0 58 20 0 0 0 0 20 0 0 0 0 0 0 88
注1 空欄に数値を記入してください注2注3注4 公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)注5 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上注6 外部機関者が参加している課題は「外部参加機関あり」に仕分けしその外部機関に応じてカウントして下さいまた機関内利用で外部機関参加者なしの課題は「実施機関のみ」にカウントして下さい
(もし 複数の外部機関が参加している場合は も とも貢献度の大きい外部機関を選択して下さい )
外部参加機関あり
極限環境
計
一つの採択テーマにおいて複数回支援した場合は一つと数えるただしその支援が複数機関あるいは同一機関内でも複数領域にまたがる場合はそれぞれ別に数える大学は大学高等専門学校等の教育機関
中部地区ナノテク総合支援
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行技術相談
外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 委託事業(内部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援状況
分子合成
外部参加機関あり
(もし複数の外部機関が参加している場合はもっとも貢献度の大きい外部機関を選択して下さい)
なし なし なし
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関
のみ大学 公 大企業 中小企 合計
実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計実施機関のみ
大学 公 大企業 中小企 合計
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
申請件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援件数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
支援日数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり 外部参加機関あり技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
計測分析
超微細加工
分子合成
極限環境
計
平成20年度支援実績(H21年3月末時点) 自主事業(内部利用)
拠点名支援機関
名支援機能名
外部参加機関あり
支援状況技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用
87
272 課金収入実績
平成20年度課金実績(H21年3月末時点) 委託事業(外部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
支援機関名
豊田工業大学
装置利用共同研究 技術代行利用形態
総計
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名
中部地区ナノテク総合支援
支援
利用機関技術相談
支援機能名
352
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(外部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
拠点名支援機関
名支援機能名
支援技術相談
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
352
88
平成20年度課金実績(H21年3月末時点) 委託事業(内部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(内部利用)
技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援
352
平成20年度課金実績(H21年3月末時点)自主事業(内部利用)
大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計 大学 公 大企業 中小企 合計
計測分析 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
超微細加工 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
分子合成 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
極限環境 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
計 金額(円) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
注1注2注3注4 大企業は資本金3億円以上または従業員300人以上
技術相談
総計
利用機関利用形態
共同研究 装置利用 技術代行
中部地区ナノテク総合支援
豊田工業大学
空欄に数値を記入してください大学は大学高等専門学校等の教育機関公は公的研究機関(国研独法財団地方自治体等の試験研究機関)
拠点名支援機関
名支援機能名
支援
352
89