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プライマリーPB サンプル問題
SAAJ 公益社団法人 日本証券アナリスト協会 1
プライベートバンキング(PB)教育プログラム
プライマリーPB サンプル問題
●プライマリーPB
≪実際の試験問題の構成≫
第 1単位 120分 64題 (ウェルスマネジメント 64題)
第 2単位 120分 65題 (不動産 29題、税金 36題)
第 3単位 120分 71題 (リレーションシップ・マネジメント 20題、信託・エステートプランニン
グ 23題、マス富裕層 12題、職業倫理 16題)
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サンプル問題
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≪サンプル問題の構成≫
第 1単位 6題 (ウェルスマネジメント 6題)
第 2単位 4題 (不動産 2題、税金 2題)
第 3単位 8題 (リレーションシップ・マネジメント 2題、信託・エステートプランニング 2題、マス
富
裕層 2題、職業倫理 2題)
※ 特に断りのない限り、平成 29年 1月 1日現在の法令及び通達によります。
-- 平成 29年 1月 5日以降平成 29年中に実施する試験については、特に断りのない
限り、平成 29年 1月 1日現在の法令および通達に準拠することとします。
第 1単位 ウェルスマネジメント(WM)
問1 【WM】富裕層を顧客とするプライベートバンカーが、顧客のために最も考慮すべき事項
はどれですか。
A. ゴルフ・プレー費用を始めとする顧客の交際費の負担増
B. 経済環境が顧客のファイナンシャルゴールに及ぼす影響
C. 商品先物マーケットの動向が顧客のファイナンシャルゴールに及ぼす影響
D. 顧客の世界一周豪華客船ツアーの実現
プライマリーPB サンプル問題
SAAJ 公益社団法人 日本証券アナリスト協会 2
問 2 【WM】遺言の方式と効力について、正しくないものはどれですか。
A. 自筆証書遺言は遺言を自分で書いて自分で管理する方法である。
B. 公正証書遺言は遺言書の作成に際し、専門家である公証人が関与する。
C. 公正証書遺言は自筆証書遺言、秘密証書遺言と異なり、検認の手続きを取る必要はな
い。
D. 秘密証書遺言は 2人以上の証人と公証役場で内容の公証を行い、自分の遺言書である
ことを証明する遺言であり、裁判所の検認手続きが必要である。
問 3 【WM】贈与税の仕組みについて、正しくないものはどれですか。
A. 会社等の法人から財産をもらった場合、贈与税はかからないが、所得税がかかる。
B. 自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合、あるいは債務の免除等
により利益を受けた場合等には、贈与を受けたとみなされて贈与税がかかることがある。
C. 被相続人が自分を被保険者として保険料を負担していた場合、保険金を受け取った人
は相続したとみなされて相続税がかかる。
D. 贈与税の課税方法には暦年課税と相続時精算課税の 2 つがあり、相続時精算課税適
用者は、1人の贈与者から複数回贈与を受けた場合、それぞれの贈与についてどちらの
方法も自由に適用できる。
問 4 【WM】利益配当に関する以下の記述の( )に入れるべき言葉として、最もふさわしいも
のはどれですか。
「投資尺度としての配当利回りは、( )傾向のもとではその重要性を増すと考えられる。」
A. 高金利
B. 株価上昇
C. 低金利
D. 株価下落
プライマリーPB サンプル問題
SAAJ 公益社団法人 日本証券アナリスト協会 3
問 5 【WM】 満期が 3 年で年1回 3 円のクーポンが支払われ、満期時点で確実に額面額
100 円が支払われる利付債を考える。2 年目に支払われるクーポン 3 円の現在価値が 2.72
円の時の割引率はいくらですか。
A. 3.0%
B. 4.0%
C. 5.0%
D. 10.0%
問 6 【WM】 リスク・リターンに関する次の記述のうち、正しくないものはどれですか。
A. 株式の期待収益率は一般に預金金利と比べて高い。
B. 投資家全体がリスク回避的になると、リスク・プレミアムは小さくなる。
C. 一般にリスクが大きい証券ほどリターンが大きい。
D. リスク回避的な投資家は、それほどリスク回避的でない投資家と比べて、高いリスク・プ
レミアムを要求する。
プライマリーPB サンプル問題
SAAJ 公益社団法人 日本証券アナリスト協会 4
第 2単位 不動産、税金
問1 【不動産】定期借地権、定期借家契約の説明で、正しいものはどれですか。
A. 一般定期借地権は、借地期間の満了時に契約の更新がなく、存続期間は 50 年未満と
する必要があり、定期借地権付分譲マンションによく利用される。
B. 事業用定期借地権は借地期間の満了時に契約の更新がある。専ら事業の用に供する建物
の所有を目的とし、存続期間は 50 年以上で、契約は公正証書で作成する必要があり、郊外
の店舗などに利用される。
C. 建物譲渡特約付借地権は、借地権者が建物を取り壊して終了するのではなく、貸地人が建
物を買い取って終了する。建物を譲渡する時期は借地権設定後 20年以上である。
D. 定期借家契約は 2000 年 3 月に施行された改正で、建物の賃貸借に関しても期間満了後に
更新の予定がない定期借家契約を結ぶことが可能になった。書面による契約とする必要が
ある等の要件が複数あり、賃料の増減額をしない等の特約も有効とすることができる。
問 2 【不動産】マンション売買や防火等の管理に関するアドバイスとして、正しくないものはどれ
ですか。
A. 住宅用火災報知機の設置義務に関し、設置をしていないと設置義務違反となるのは新築マ
ンションに限る。
B. マンションの購入はマンションごとの規約や独自ルールを調査して判断すべきである。
C. 共有部分である避難通路や避難階段に荷物を置くことは、たとえ自宅のベランダ内であって
も消防法の規定に抵触する。
D. 建物の区分所有権を売買する場合、共有持ち分部分も合わせて売買を行うのが一般的であ
る。
問 3 【税金】法人税法は各事業年度の所得の金額の計算について、内国法人の各事業年度
の所得金額の計算上で当該事業年度の益金に算入すべき金額を、別段の定めがあるものを
除き、所定の取引に係る当該事業年度の収益の額と規定する。次の取引のうちで、当該事
業年度の収益の額が当該事業年度の益金に算入すべき金額ではないものはどれですか。
A. 資産の販売
B. 有償又は無償による資産の譲渡
プライマリーPB サンプル問題
SAAJ 公益社団法人 日本証券アナリスト協会 5
C. 有償又は無償による役務の提供
D. 時価の支払いを伴う資産の譲受け
問 4 【税金】
遺族が年金として受給する生命保険金のうち、相続税の課税対象となった部分は、所得税の
課税対象とならないとする最高裁判所の判決を受けて、平成 22 年に相続等に係る生命保険
契約等に基づく年金の課税方式が改められ、相続税と所得税が二重に課税されている部分
について還付が受けられることとなった。以下のうち、還付の対象とならない者は誰ですか。
A. 保険料等の負担なしに、個人年金保険契約に基づく年金を受給していた者
B. 保険料等の負担なしに、死亡保険金を年金形式で受給していた者
C. 保険料等の負担なしに、遺族厚生年金を受給していた者
D. 保険料等の負担なしに、学資保険の保険契約者の死亡に伴い、育英年金を受給してい
た者
プライマリーPB サンプル問題
SAAJ 公益社団法人 日本証券アナリスト協会 6
第 3単位 リレーションシップ・マネジメント(RM)、信託・エステートプランニング、マス富裕層、
職業倫理
問 1 【RM】ファミリーオフィスについて述べた以下の文章で、正しくないものはどれですか。
A. シングル・ファミリーオフィスは、例えばロックフェラー家など特定の一族のみにサービスを提
供する。
B. ファミリーオフィスは、複数の富裕層一族の資産を管理する会社として当初スタートした。
C. マルチクライアント・ファミリーオフィスは、特定の中核顧客を持たないのが特徴である。
D. ファミリーカウンシルとは、一族の資産運営状況や将来の運用方針について討議する会議の
ことである。
問 2 【RM】PB 担当者が果たすべき、C がつく 3 つの役割のうち、該当しないものはどれです
か。
A. Counselor
B. Consultant
C. Career
D. Coach
問 3 【信託・エステートプランニング】日本で欧米型の PB 業務が発展しなかった理由として、適
切でないものはどれですか。
A. 日本は資産が各年代層に広く分散し、大金持ちが生まれにくい土壌にあった。
B. 資産形成上、土地の割合が高かった。
C. 日本人は円で資産を運用することの安心感が強く、過度に銀行預金の割合が高い。
D. スペシャリストとしてのプライベートバンカーに対する本格的なニーズが意識されていなかっ
たことや、業界の細分化によるフィービジネスの制限により、プライベートバンカーの育成機
運が十分に盛り上がらなかった。
プライマリーPB サンプル問題
SAAJ 公益社団法人 日本証券アナリスト協会 7
問 4 【信託・エステートプランニング】指定単独金銭信託と特定金銭信託の違いについて述
べた以下の文章のうち、正しくないものはどれですか。
A. どちらも、信託終了時に金銭以外で返還することは認められていない。
B. ある企業の信託財産を、債券で運用することを約束して信託銀行が資金を預かり、運用
管理を行ってその成果を企業に還元する信託は、指定単独金銭信託と呼ばれる。
C. 投資信託は、委託者である投資信託委託会社が受託者である信託銀行に運用・管理を
信託するので、指定単独金銭信託の一つと考えられる。
D. 委託者が証券会社を通じて、信託銀行に預けた運用財産の具体的な指図(株式の場合
ならば、銘柄、数量、価格など)を行う信託を特定金銭信託という。
問 5 【マス富裕層】マス富裕層における財務面での特徴のうち、適切でないものはどれですか。
A. 相続税に関する課題は暦年贈与の活用で十分解決できる。
B. 資産形成期で必要な努力を怠ると、十分な純金融資産の蓄積ができずに引退後の生活の
質を落とさざるを得なくなるリスクが存在する。
C. 総資産に占める不動産の比率が富裕層に比べ相対的に高い。
D. 特定の職業に共通の財務課題が見つけにくいため、ソリューションのパッケージ化が難しい
層である。
問 6 【マス富裕層】代表的な非課税貯蓄制度の1つである個人型確定拠出年金について、正し
いものはどれですか。
A. 老齢給付金は 65歳から年金または一時金で受取ることができる。
B. 企業型年金や厚生年金基金等の確定給付型の年金を実施していない場合は、拠出限度額
は 33,000円(月額)である。
C. 給付金を年金で受取る場合には「公的年金等控除」は適用されず、雑所得となる。
D. 給付金を一時金で受取る場合には「退職一時金」として優遇課税が適用される。
問 7 【職業倫理】高度な職業倫理が求められる PB 業務に携わる者の行動として、ふさわしくな
いものはどれですか。
プライマリーPB サンプル問題
SAAJ 公益社団法人 日本証券アナリスト協会 8
A. 顧客の収益機会を最大化するアドバイスの提供
B. 顧客の秘密保持
C. 専門家としての能力の維持・向上
D. 利益相反の排除
問 8 【職業倫理】PB職業行為基準 6(不当表示に係る禁止等)に関して、プライベートバンカ
ーが不実表示をしてはならない事項に該当しないものはどれですか。
A. 顧客に対して行うことができる PB業務の種類、内容および方法
B. 顧客に対して行うことができる PB業務に係る重要な事実
C. プライベートバンカーが有する資格のうち PB業務に関連する資格
D. プライベートバンカーが有する資格のうち PB業務とは一切関連しない資格の非開示
プライマリーPB サンプル問題
SAAJ 公益社団法人 日本証券アナリスト協会 9
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解答解説
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第 1単位 ウェルスマネジメント(WM)
問1
正答 B
解説
B. 富裕層を顧客とするプライベートバンカーは、経済環境が顧客のファイナンシャルゴール
に与える影響について、広くかつ深く考察を加えなければならない。
問 2
正答 D
解説
D. 秘密証書遺言の内容は公証されない。
問 3
正答 D
解説
D. 贈与税の課税方法については、一定の要件に該当する場合に相続時精算課税を選択
することができる。いったん相続時精算課税を選択したら、贈与者の相続時まで継続し
て適用され、途中で暦年贈与に切り替えることはできない。
問 4
正答C
解説
C. 投資家が配当利回りを特に重視するのは、低金利状況が続くといった状況においてであ
る。
プライマリーPB サンプル問題
SAAJ 公益社団法人 日本証券アナリスト協会 10
問 5
正答C
解説
C. 割引率を rとすると、3 / (1+r) 2=2.72 だから、これを解くと 5.0%となる。
問 6
正答 B
解説
B. 投資家全体がリスク回避的になると、リスク・プレミアムは大きくなる。
第 2単位 不動産、税金
問1
正答D
解説
A. 存続期間は 50年未満ではなくて 50年以上とする必要がある。
B. 事業用定期借地権では借地期間の満了時に契約の更新がない。存続期間は 50 年以上で
はなくて 10年以上 50年未満である。
C. 建物を譲渡する時期は借地権設定後 30年以上である。
問 2
正答 A
解説
A. 火災報知機の設置については建築基準法のような既存不適格の規定はなく、新築に限らず
中古マンションでも設置する必要がある。
問 3
正答 D
プライマリーPB サンプル問題
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解説
D. 時価の支払いを伴う資産の譲受けの場合、収益は生じない。無償または時価に満たない
低価による資産の譲受けがなされた場合には、それによる収益の額は、当該事業年度
の益金の額に算入される。
問 4
正答C
解説
C. 遺族厚生年金や遺族基礎年金は、もともと非課税所得であるため、還付対象にならない。
第 3単位 リレーションシップ・マネジメント(RM)、信託・エステートプランニング、マス富裕層、
職業倫理
問 1
正答 B
解説
B. ファミリーオフィスはある特定の一族専用の資産管理の会社としてスタートした。
問 2
正答C
解説
C. Careerは顧客を支援する 3つの Cには直接関連しない。
問 3
プライマリーPB サンプル問題
SAAJ 公益社団法人 日本証券アナリスト協会 12
正答A
解説
A. 日本で欧米型 PB 業務が発展しなかった背景としては、日本の個人金融資産の3分の2以上
が高年齢層に集中しており、相続または事業承継のたびに高率の相続税が資産を大きく目
減りさせ、大金持ちが持続的に増えにくい構造であることが一因となっている。
問 4
正答C
解説
C. 投資信託は、投資信託委託会社が信託銀行に運用についての指図をするので、特定
単独金銭信託の1つとなる。
問 5
正答 D
解説
D. マス富裕層においては特定の職業に共通する財務課題は比較的見つけやすく、ソリューショ
ンのパッケージ化も容易である。
問 6
正答D
解説
A. 老齢給付金は原則 60歳から年金または一時金で受取ることができる。
B. 企業型年金や厚生年金基金等の確定給付型の年金を実施していない場合は、拠出限度額
は 23,000円(月額)となる。
C. 給付金を年金で受け取る場合には雑所得となり、「公的年金等控除」が適用される。
問 7
正答A
プライマリーPB サンプル問題
SAAJ 公益社団法人 日本証券アナリスト協会 13
解説
A. PB の職業行為基準 1 として、顧客の収益機会を最大化するアドバイスの提供ではなく顧客
への最善のアドバイス提供が定められている。
問 8
正答D
解説
D. プライベートバンカーが有する資格のうち、PB 業務とは一切関連しない資格については
開示義務はなく、当該資格について開示しないことをもって、不実表示と解されることは
ない。