2
12 技術的な内容に関するお問い合わせ先:カスタマーサポート Free Fax:0120-021557 Free Dial:0120-489548 在庫や価格(記載容量以外もしくは request)に関するお問い合わせ:マーケティング部 Tel:096-286-1515 Fax:096-286-1525 ()同仁化学研究所 プロトコル 機能性 有機材料 細 胞 増殖 / 毒性 酸  化 ストレス 分 子 生物学 蛍光プローブ 細胞 染色 ミトコンドリア 関連試薬 細菌研究用 膜タンパク質 ラベル 化 剤 二価性 試 薬 イオン 電 極 その他 オートファジーを検出したい I はじめに 細胞内の不要なタンパク質や細胞小器官は、再利用または代 謝するための分解過程が存在し、オートファジーと呼ばれてい る。この過程において、二重膜で構成される隔離膜は次第に 伸長し、不要物を覆いオートファゴソームを形成する。内容 物は、オートファゴソームとリソソームが融合したオートリソ ソームの段階で消化酵素により分解を受ける。この細胞機能は パーキンソン病などの神経変性疾患、老化に関りがあることが III DALGreen - Autophagy Detection の操作 (1) 溶液調製 1 mmol/l DALGreen DMSO stock solution の調製 DALGreen 20 nmol を含むチューブに 20 μl DMSO を加え ピペッティングにより溶解する。 調製後は -20℃で保存する。調製後 1 か月間安定である。 DALGreen working solution の調製 最終濃度が 0.1-1.0 μmol/l になるように DALGreen DMSO stock solution を培養培地で希釈する。 細胞種により最適濃度が異なるため最適条件の検討が必要である。 (2) 操作 λ ex : 405 nm λ em : 525 nm <推奨フィルター> 励起:350 450 nm 蛍光:500 560 nm 1 DALGreen - Autophagy Detection によるオートファジー検出 2 DALGreen - Autophagy Detection 励起、蛍光スペクトル 使用製品 DALGreen - Autophagy Detection [D675] 解析装置 分かってきており盛んに研究されている。本色素は、疎水性お よび酸性環境で蛍光発光する特性を有する。そのため、オート ファゴソームがリソソームと融合したオートリソソームを検 出する。低分子のため細胞への導入も容易であり、遺伝子導入 などは必要ない。本色素を細胞へ導入後は、蛍光顕微鏡下での ライブセルイメージングやフローサイトメトリーによる定量 が可能である。 II キット内容 DALGreen - Autophagy Detection 20 nmol x 1 キット以外に必要なもの Dimethyl sulfoxide (DMSO) ・培養培地 HanksHEPES buffer またはフェノールレッド不含培地 ・マイクロピペット 1) 細胞をディッシュに播種し培養する。 2) 培地を除去後、培養培地で 1 回洗浄する。 3) 調製した DALGreen working solution を添加し、37℃で 30 分間 インキュベートする。 4) 上澄みを除去後、培養培地で 2 回洗浄する。 5) オートファジー誘導刺激剤を含む培地を加え 37℃でインキュ ベートする。 オートファジー誘導条件に応じてインキュベート時間を設定すること。 6) 蛍光顕微鏡またはフローサイトメトリーにて測定する。 DALGreen DALGreen Lysosome 300 300 250 200 150 100 50 0 400 500 Wavelength (nm) Fluorescence Intensity (A.u) 600 700 Excitation Emission DALGreen working solution 30

オートファジーを検出したい - Dojindo12 技術的な内容に関するお問い合わせ先:カスタマーサポート Free Fax:0120-021557 Free Dial:0120-489548 在庫や価格(記載容量以外もしくはrequest)に関するお問い合わせ:マーケティング部

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技術的な内容に関するお問い合わせ先:カスタマーサポート Free Fax:0120-021557 Free Dial:0120-489548在庫や価格(記載容量以外もしくは request)に関するお問い合わせ:マーケティング部 Tel:096-286-1515 Fax:096-286-1525 (株)同仁化学研究所

プロトコル

機能性有機材料

細 胞増殖 /毒性酸  化ストレス分 子生物学細 胞 内蛍光プローブ細胞染色

ミトコンドリア関連試薬細菌研究用試 薬膜タンパク質可 溶 化 剤ラベル化 剤二価性試 薬イオン電 極

その他

オートファジーを検出したい

I はじめに

 細胞内の不要なタンパク質や細胞小器官は、再利用または代謝するための分解過程が存在し、オートファジーと呼ばれている。この過程において、二重膜で構成される隔離膜は次第に伸長し、不要物を覆いオートファゴソームを形成する。内容物は、オートファゴソームとリソソームが融合したオートリソソームの段階で消化酵素により分解を受ける。この細胞機能はパーキンソン病などの神経変性疾患、老化に関りがあることが

III DALGreen - Autophagy Detection の操作

(1) 溶液調製

1 mmol/l DALGreen DMSO stock solution の調製

DALGreen 20 nmol を含むチューブに 20 μl の DMSO を加え

ピペッティングにより溶解する。

※ 調製後は -20℃で保存する。調製後 1 か月間安定である。

DALGreen working solution の調製

最終濃度が 0.1-1.0 μmol/l になるように DALGreen DMSO stock solution を培養培地で希釈する。

※ 細胞種により最適濃度が異なるため最適条件の検討が必要である。

(2) 操作

λex : 405 nmλem : 525 nm

<推奨フィルター>

励起:350 ~ 450 nm蛍光:500 ~ 560 nm

図 1 DALGreen - Autophagy Detection によるオートファジー検出

図 2 DALGreen - Autophagy Detection の

励起、蛍光スペクトル

使用製品

 DALGreen - Autophagy Detection [D675]

解析装置

分かってきており盛んに研究されている。本色素は、疎水性および酸性環境で蛍光発光する特性を有する。そのため、オートファゴソームがリソソームと融合したオートリソソームを検出する。低分子のため細胞への導入も容易であり、遺伝子導入などは必要ない。本色素を細胞へ導入後は、蛍光顕微鏡下でのライブセルイメージングやフローサイトメトリーによる定量が可能である。

II キット内容

DALGreen - Autophagy Detection 20 nmol x 1

キット以外に必要なもの

・Dimethyl sulfoxide (DMSO)・培養培地

・Hanks’ HEPES buffer またはフェノールレッド不含培地

・マイクロピペット

1) 細胞をディッシュに播種し培養する。

2) 培地を除去後、培養培地で 1 回洗浄する。

3) 調製した DALGreen working solution を添加し、37℃で 30 分間

インキュベートする。

4) 上澄みを除去後、培養培地で 2 回洗浄する。

5) オートファジー誘導刺激剤を含む培地を加え 37℃でインキュ

ベートする。

  ※ オートファジー誘導条件に応じてインキュベート時間を設定すること。

6) 蛍光顕微鏡またはフローサイトメトリーにて測定する。

DALGreen DALGreen

Lysosome

300

300

250

200

150

100

50

0400 500

Wavelength (nm)

Fluo

resc

ence

Inte

nsity

(A.u

)

600 700

Excitation Emission

DALGreen working solution

30

Page 2: オートファジーを検出したい - Dojindo12 技術的な内容に関するお問い合わせ先:カスタマーサポート Free Fax:0120-021557 Free Dial:0120-489548 在庫や価格(記載容量以外もしくはrequest)に関するお問い合わせ:マーケティング部

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技術的な内容に関するお問い合わせ先:カスタマーサポート Free Fax:0120-021557 Free Dial:0120-489548在庫や価格(記載容量以外もしくは request)に関するお問い合わせ:マーケティング部 Tel:096-286-1515 Fax:096-286-1525 (株)同仁化学研究所

プロトコル

細 胞増殖 /毒性酸  化ストレス分 子生物学細 胞 内蛍光プローブ細胞染色

ミトコンドリア関連試薬細菌研究用試 薬膜タンパク質可 溶 化 剤ラベル化 剤二価性試 薬イオン電 極

その他

機能性有機材料

a b

Cou

nt

102 103 104 105

図 3 オートファジー誘導条件による共焦点レーザー

顕微鏡画像

DALGreen 添加後、A) 培養培地で 6 時間培養した細胞、

B) アミノ酸不含培地で 6 時間培養した細胞

検出波長: 488 nm (Ex)、500- 563 nm (Em)スケールバー: 20 μm

図 4 フローサイトメトリーを用いた検出

DALGreen 添加後、a) 培養培地で 20 時間培養した細胞、

b) アミノ酸不含培地で 20 時間培養した細胞 検出波長: 405 nm (Ex)、485- 535 nm (Em)

IV 実験例

共焦点レーザー顕微鏡による観察

1) μ-slide 8 well (Ibidi) にHeLa 細胞を播種し37℃、CO2インキュ

ベーターにて一晩培養した。

2) 培養培地で 1 回洗浄後、1 μmol/l DALGreen working solution を添加し 30 分インキュベートした。

3) 培養培地で 2 回洗浄後、培養培地またはアミノ酸不含培地(和

光純薬工業 , 製品コード:048-33575)で 6 時間培養した。

4) Hanks’ HEPES buffer で 1 回洗浄後、共焦点レーザー顕微鏡

で観察した。

FAQQ: DALGreen working solution は、どのくらい安定ですか?

A :保存できません。用時調製してください。

Q: DMSO stock solution は、どのくらい安定ですか?

A : 調製後は、-20℃で保存してください。調製後 1 ヶ月間安定

です。また使用量に応じて小分けし保存することをお勧め

します。

Q: 推奨フィルターを教えてください。

A : 励起フィルター:350 ~ 450 nm蛍光フィルター:500 ~ 560 nmなお、共焦点顕微鏡を用いて 488 nm 励起により蛍光観察

した実績がございます。

弊社 HP 内の製品ページの実験例を参照ください。

最新の測定データやアプリケーション、論文情報を小社 HP にて

掲載。ご興味のある方は、小社 HP にて最新情報をご確認下さい。

参考文献

H. Iwashita, H. T. Sakurai, N. Nagahora, M. Ishiyama, K. Shioji, K. Sasamoto, K. Okuma, S. Shimizu, and Y. Ueno, “Small fluorescent molecules for monitoring autophagic flux” FEBS Letters., 2018, 592(4), 559-567.

検 索Autophagy 同仁

A B

フローサイトメトリーによる検出

1) 24 well プレートに HeLa 細胞を播種し 37℃、CO2 インキュ

ベーターにて一晩培養した。

2) 培養培地で 1 回洗浄後、1 μmol/l DALGreen working solution を添加し 30 分インキュベートした。

3) 培養培地で 2 回洗浄後、培養培地またはアミノ酸不含培地

で 20 時間培養した。

4) PBS で 1 回洗浄後、トリプシンで細胞を剥離し遠心にて細

胞を回収した。

5) Hanks’HEPES buffer に懸濁させ、フローサイトメトリー

で測定した。