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課題が出たら確認すること
レポート作成ガイド ~Web を活用した資料収集から参考文献の書き方まで~
下調べに適する資料
尚美学園大学メディアセンター作成
STEP2 下調べをして基礎知識を得る
STEP3 テーマを考える
STEP4 資料やデータを集める
STEP5 アウトラインを作成する
STEP6 文章を書く
STEP7 引用・参考文献リストを作る
レポートの作成手順
STEP1 課題を理解する
課題の趣旨 どのように書くことが求められているのか?レポートのタイプは?
●読書レポート (指定された文献を読んで著者の主張や内容を要約する)
●報告型レポート(あるテーマについて、複数の資料を調べ、整理して解説する)
●論証型レポート(テーマについて、資料やデータをもとに自分の意見を述べる)
作成の条件 枚数、文字数、提出期限、提出方法、その他(使用する資料名など)
参考図書 図書館の参考図書コーナーには、さまざまな事典や辞書、白書がある。
●『世界大百科事典』、『現代用語の基礎知識』、人名事典、専門事典
(『ニューグローヴ世界音楽大事典』、『スポーツ心理学大事典』など)
●白書とは、政府が各分野の現状・課題・政策をまとめた公式の報告書のこと。
『高齢社会白書』『観光白書』『情報通信白書』など。ウェブにも公開されている。
STEP2 下調べをして基礎知識を得る
入門書 ●各科目のテキストや、履修ガイドに“参考図書“として記載された本で調べる。
●各分野の入門書で調べる。本の目次や索引を使うと、効率良く情報を得られる。
ノートやプリントを見直す。課題と照らし合わせて、授業の内容を振り返る。
新聞記事データベース(→p.6)を使い、キーワード(テーマに関連する重要語)で検索する。
Web 辞典 ●Yahoo!辞書(https://dic.yahoo.co.jp/)さまざまな辞書をまとめて検索できる。
※フリー百科事典「ウィキペディア」は、研究者や公的な機関が書いたものではなく、情報の
信頼性・正確性が低いので、レポートや卒論には使わないこと。
STEP1 課題を理解する
STEP8 仕上げ
うまく進まないときは
前のステップに戻って
修正する
2
テーマ選びの原則
レポートに必要なものは次の3つ!
資料・データ集めの原則
メディアセンターのホームページにあるリンク集を使って、効率良く資料・データを集める
STEP3 テーマを考える
テーマは、先生から具体的に指定される場合と自分で設定する場合(例えば「環境問題を 1つ取
り上げて、自由に論じなさい」など)がある。
テーマは次の基準で選ぶとよい。
●興味や関心がある。 ●論じる価値がある。
●関連する資料がほどほどにある。※テーマの範囲が広すぎず、狭すぎない。
テーマが広すぎると、読むべき資料が多くなり、かえって大変になる。範囲を狭くして、焦点
を絞ると、内容を深く掘り下げることができ、良いレポートになる。
例 「環境問題」 > 「地球温暖化」 > 「ヒートアイランド現象」
例 「スポーツ政策について」 > 「子どもの体力向上のためのスポーツ政策」、「ドイツのスポーツ政策の現状と課
題」、「21 世紀初頭における日本のスポーツ政策」
STEP4 資料やデータを集める
●信頼できる資料・情報源であること。
〇その分野の研究者が書いた図書・論文
〇新聞記事
〇政府や公的機関のサイト
×作者が不明のウェブページ(ウィキペディア、知恵袋、個人のブログなど)
×出典(しゅってん=情報源)のない情報
※出典が書いてあっても、情報を鵜呑みにせず、元データや原文を自分で確認すること!
●複数の資料を集める。意見が偏らないように、さまざまな立場・意見の資料を集める。
①メディアセンターのホームページを開く。
https://www.shobi-u.ac.jp/mediacenter/
② 資料・情報を探す をクリック。
③ 本や雑誌を探す 論文や雑誌記事を探す
新聞記事を探す などのメニューを選んでクリック。
④自分が検索したいサイトを選んでクリック。
※アクセス方法が「学内 LAN」と表示されているものは
学内 LAN に接続したパソコンでのみ利用できる。
「ウィキペディア」など、信頼性の
低い情報を引用すると、レポートの
評価が一気に下がる場合がある
1. 問い(問題点、疑問点)
2. 問いに対する自分の答え(意見、主張)
3. その答えが正しいという根拠
レポートとは、あるテーマについて、問題点をあげ、自分の言いたいことを、証拠(資料やデ
ータ)にもとづいて、読む人が納得できるように分かりやすく説明する文章である。
3
蔵書検索(ゾウショ ケンサク) https://library.shobi-u.ac.jp/drupal
Webcat Plus(ウェブキャット プラス) http://webcatplus.nii.ac.jp/
メディアセンターのカウンターへ相談してください。
希望があれば、他の図書館を紹介したり、論文のコピーや図書を取り寄せたりします。
(取り寄せにかかる実費は申込者負担)
カーリル https://calil.jp/
図書を集める
●メディアセンターにどんな図書や雑誌等があるか
キーワードで検索できる。
どの書棚にあるか、貸出中かどうかも分かる。
●複数のキーワードを組み合わせる場合は、
スペースで区切る。
●テーマに関する図書を幅広く探せるサイト。どの図書
館にあるか、古書店で入手できるかどうかもわかる。
●検索の方法は連想検索と一致検索の 2種類がある。
連想検索は、自分が思いつかないような関連用語で
図書を探してくれる。
一致検索は、キーワードに合致する図書をもれなく
探してくれる。
【使い方】
①テーマに関する文章または単語を入力し、
この文章で連想するまたは検索するボタンをクリック。
②本のリストが表示される。
③本のタイトルをクリックすると、詳細情報が表示される。
※「NCID」「全国書誌番号」の項目を
クリックすると、大学図書館や国立国
会図書館の所蔵情報が表示される。
古本屋や公共図書館の所蔵がわか
る外部サイトへのリンクもある。
必要な資料がメディアセンターになかったら・・・
●全国の公共図書館等の蔵書と貸出状況を検索で
きるサイト。
●「課題で指定された本がメディアセンターになか
った」などの場合、近くの公共図書館等にないか
調べられるので便利。
※一般的に、在住・在勤・在学している地域の公共図書
館では、図書を借りることができる。尚美生は、川越市
立図書館を利用できる。
4
CiNii Articles (サイニィ アーティクルズ) https://ci.nii.ac.jp/
国立国会図書館の「リサーチナビ」を活用しよう。
調べる分野や資料の種類別に、使えるWebサイトや参考図書の紹介、
調査のポイントなど、調べものに役立つ情報を提供している。 http://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/
●日本の論文を探せる代表的なデータベースサイト。
学術雑誌や研究紀要(大学の論文集)などに掲載され
た論文を、キーワードや執筆者などで検索できる。
●一部の論文は、本文を表示・印刷できる。
【使い方】
①キーワードや執筆者名などを入力し、検索ボタンをクリック。
②論文の一覧が表示される。
読みたい論文があったら、論文のタイトルをクリック。
③論文の詳しい情報が表示される。
④③の画面で
「この論文にアクセスする」の項目がある場合
オレンジ色のアイコンをクリックすると、本文、または本
文を公開している外部サイト(機関リポジトリ、J-STAGE
等)へ移動します。
※情報処理学会のアイコン・・・本学ではサイトライセンス契約
をしており、学会論文誌(ジャーナル、トランザクション)、研
究報告を閲覧できる(学内LANでの利用のみ)。
※医中誌Web などの、メディアセンターが契約していない
データベースは、本文を表示できない。
「この論文にアクセスする」の項目がない場合または
アイコンをクリックしても本文が表示されない場合
●論文を掲載している雑誌がメディアセンターにないか
調べる。
①「収録刊行物」の項目の、雑誌名と巻号を確認する。
②メディアセンターの蔵書検索(→p.3)で、雑誌名(注:
論文のタイトルでは検索できない)を入力し、検索する。
③雑誌を所蔵していたら、巻号と所在を確認し、書棚
へ行く。
●メディアセンターに掲載雑誌がなかったら
「この論文をさがす」の項目にあるリンクボタンをクリック
して、ほかの大学図書館や国立国会図書館で所蔵して
いないか調べる。
(→p.3「必要な資料がメディアセンターになかったら」)
論文を集める
資料やデータの集め方がわからなかったら・・・
5
Google Scholar(グーグル スカラー) https://scholar.google.co.jp/
総務省統計局 http://www.stat.go.jp/
政府統計の総合窓口「e-stat」
https://www.e-stat.go.jp/
TKC ローライブラリー
LEX/DB (レックス ディービー)
アクセス方法は2ページ参照
裁判所(裁判例情報)http://www.courts.go.jp/
●裁判日やキーワードなどで過去の裁判例を
検索できる。本文や要旨、評釈論文情報が表示
される。
●各府省が公表する統計データをキーワード
等で検索し、表示・ダウンロードできる。
●国勢調査などの主要統計、『日本の統計』『世
界の統計』などの統計書が見られる。
●都道府県や民間、海外の統計機関へのリンク
集がある。
データを集める
判例を集める
●Googleが提供する、学術資料の検索サービス。
日本や海外の論文・図書などを検索できる。
●一部の資料は、本文を表示・印刷できる。本文が
ウェブに公開されていないものは、メディアセン
ターで所蔵していないか調べる。(→p.3)
●「引用元」の数が表示されるので、よく引用され
ている資料(読むべき資料)を見つけやすい。
●「引用元」や「関連記事」をクリックすると、
引用している論文や関連する論文の一覧が表示
される。
●判例情報を調べられる。
※LEX/DBのほうが、網羅的に調べられる。
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日経テレコン 学内 LANのみ。アクセス方法は2ページ参照。
読売新聞記事検索「ヨミダス文書館」(ブンショカン) 学内 LANのみ。アクセス方法は2ページ参照。
朝日新聞記事検索「聞蔵Ⅱ」(キクゾウ ツー) 学内 LANのみ。アクセス方法は2ページ参照。
●1975 年から今日までの日経各紙(日本経済新
聞、日経産業、日経流通など)の記事を
キーワードや日付で検索して、本文を読むこ
とができる。印刷可能。
●「記事検索」のほかに、企業検索(企業の概要
や財務状況等)や人事検索(人物の経歴等)の
メニューもあり、就活のための業界研究や面接
対策にも役立つ。
●1945 年から今日までの朝日新聞の記事を
キーワードや日付で検索して、本文を読むこ
とができる。印刷可能。
●ほかに、週刊誌「週刊朝日」「AERA」と現代用
語事典「知恵蔵(チエゾウ)」も収録。
【新聞記事データベースの基本的な使い方】
① キーワード を入力する。
複数のキーワードを組み合わせる場合は、スペースで区切る。
② 古い記事も検索したい場合は、「発行日」の項目
を “全期間”に設定する。
③ 検索実行ボタンをクリック。
④ 新聞記事の見出しの一覧が表示される。
⑤ 読みたい記事の見出しをクリックすると、本文(テキ
スト形式)が表示される。
画像の部分をクリックすると、新聞に掲載された形
(PDF 形式)で表示される。
⑥ 終了するときは、ウィンドウを閉じる前に
ログアウトボタンをクリックすること。
●1986年から前日までの読売新聞の記事を
キーワードや日付で検索して、本文を読むこと
ができる。印刷可能。
●トップメニューで「平成」のタブをクリックして
から検索する。
●英字新聞「The Japan News」検索のタブもある。
新聞記事を集める
7
アウトラインの例
文章を書く際の注意点
引用する際の注意点
上図は酒井(2009)p.140 を参考に作成
STEP5 アウトラインを作成する
テーマ:格差社会
タイトル:格差社会の前提としての機会と評価の公平性
1. はじめに
・問題の背景 -近年、ワーキングプアや派遣切りなど、格差社会の負の問題が取り上げられている。
・何を論じるか -個人が動機づけを持って取り組み、社会が活性化するための格差社会の改善点。
・なぜ論じるか -グローバル時代で日本が生き残るには格差社会は不可避であり、改善が必要。
2. 日本における格差の現状
3. 格差社会の問題
3-1. 機会の不公平
3-2. 評価の不公平
4. 終わりに
・主張のまとめ -機会と評価の公平さを堅守した格差社会をめざすべきである。
・今回の研究で触れなかったこと、今後の課題
<参考文献> ・厚生労働省(2015)『労働経済白書(平成 27 年版)』音羽印刷
結論
どのような筋道で自分の言いたいことを伝えるか、アウトライン(構成)を考える。
STEP6 文章を書く
序論
本論
●文末は「・・・です」「・・・ます」ではなく、「・・・である」「・・・だ」に統一する。
●読みやすい文章にする。一文は短めにする。
●「他者の考え」か、「自分の考え」か、レポートを読む人がわかるように区別して書く。
STEP5で考えたアウトラインに沿って、文章を書く。
文章が続かなくなってしまった場合は、前の STEPに戻って、アウトラインを修正したり、必要な
資料やデータを集めたりする。
●他者の調査結果や文章を使用(引用)する場合は、次の点に注意する。
■引用した部分を明確にする。
■引用元(情報源)を表示する。
■適正な分量を引用する。※引用だらけのレポートはダメ!
●引用のしかたの一例
①引用部分を「」かぎかっこで囲み、文末に通し番号を付ける。
②本文の最後に「引用文献」と記し、①の番号順に書く。(→STEP7参照)
正しく引用しないと、
剽 窃ひょうせつ
(盗用)にあたり
著作権法上、問題になる!
木下是雄は、「明快な文章の第 1 の条件は、文章全体が論理的な順序にしたがって組み立てられて
いる」ことと述べている。1) したがって、良いレポートとは・・・・・・(略)
<引用文献>
1)木下是雄(1990)『レポートの組み立て方』筑摩書房、p.144
本論では、
自分の主張とその根拠を積み上げていく
引用した部分のページを記載する
8
以下の図書は、このパンフレットを作成するにあたり、参考にさせていただきました。
こちらの図書を含め、レポートや企画書、卒論の書き方に関する図書は、メディアセンターの「大学生活コーナー」
にありますので、ぜひ読んで理解を深めてください。
文献の書き方の例
2018年 3 月
STEP8 仕上げ
参考文献
1)石井一成(2011)『ゼロからわかる大学生のためのレポート・論文の書き方』ナツメ社
2)慶応義塾大学日吉キャンパス学習相談員(2014)『学生による学生のためのダメレポート脱出法』慶応義
塾大学出版会
3)酒井浩二(2009)『論理性を鍛えるレポートの書き方』ナカニシヤ出版
4)山口裕之(2013)『コピペと言われないレポートの書き方教室』新曜社
5)リチャード J.ウィンジェル著、宮澤淳一・小倉眞理訳(2014)『音楽の文章術. 改訂新版』春秋社
STEP7 引用・参考文献リストを作る
●図書の場合⇒ 著者名(発行年)『書名』発行所名
例 木下是雄(1990)『レポートの組み立て方』筑摩書房
●楽譜の場合⇒ 作曲者名(発行年)「曲名」編者・校訂者名『曲集名』発行所名、ページ
例 スクリャービン(1987)ピアノ・ソナタ第7番作品 64「白ミサ」伊達純、岡田敦子編・校訂『スクリャービン集 2』
春秋社、p. 26-47
●引用や参考に使った資料のリストを作り、本文の最後に記す。
●文献の書き方は、学問分野などによって異なる。教員の指示が
あれば、それに従うこと。
●必要事項が記入されているか確認する。
(提出日、科目名、教員名、学部・学科名・学年、学籍番号、氏名、レポートのタイトル)
●誤字・脱字がないか確認する。
●体裁を整える(フォントの種類や大きさを読みやすいようにそろえる。ホッチキスで留める。
必要な場合は、表紙をつける)
リストがないと、何も調べな
いでレポートを書いたこと
になってしまうよ!
●雑誌論文の場合⇒ 著者名(発行年)「論文タイトル」『雑誌名』、巻数(号数)、ページ
例 縄田健悟(2014)「血液型と性格の無関連性」『心理学研究』、85(2)、p. 148-156
●新聞記事の場合⇒ 記者名「記事タイトル」『新聞紙名』発行年月日 朝刊・夕刊、ページ
例 佐藤恵子「職場で音楽、仕事弾む!?」『朝日新聞』2013 年 8 月 23 日夕刊、p.1
●ウェブ資料の場合⇒ サイトの運営団体や著者名「ウェブページのタイトル」、URL<参照した日>
例 総務省統計局「労働力調査(基本集計)平成 29 年 12 月分」、
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/201712.pdf (2018 年 2 月 12 日参照)