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スリランカIT事情スリランカIT事情
2005年7月21日
元JICA技術協力専門家 上金 孝平
主なICT指標
通信サービス-固定電話 991,239 (3) 5.1% (2004 TRC)-携帯電話 2,211,158 (4) 11.4% (2004 TRC)コンピュータ 325,000 1.7% (2003 ITU)
371,600+ 1.9+% (推定2004) インターネット- ISP数 23 (2004 TRC)- .lk数 1,882 (2003 ITU)-利用者数 259,000+ (推定2004)テレビ 2,300,000 12.1% (2002 ITU) コンピュータリテラシー 全体 9.7% (2004 DCS)
コロンボ 20.1% (2004 DCS)IT 産業 会社数 約120社, 従業員数約8,000人、
売上高 約150M$
Digital Access Index (ITU)
(178)
(122)(119)(116)(106)
(90)(84)(68)
(46)
(15)(14)(4)
(1)
0.00
0.100.20
0.30
0.400.50
0.60
0.700.80
0.90Sw
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Viet
Nam
Nig
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The Networked Readiness Index 2004-2005(World Economic Forum: WEF)
(1←2)
(8←12)
(24←20)(27←26)
(36←38)(39←45)
(41←41)
(51←73)
(67←69)
(68←68)
(71←66)
(104←102)-2.00
-1.50
-1.00
-0.50
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00Si
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IT人材需給by National IT Workforce Survey 2005 (Sri Lanka ICT Association)
PP
P
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
合 計
政府・公共部門
IT ユーザ部門
ICT供給部門
D
D
需要
P:推計値
D:需要
2005年 Degree+ Diploma 合計
大学 2,059 1,852 3,911
技術短大 650 3,240 3,890
民間研修機関 897 96,970 97,867
合計 3,606 102,062 105,668
供給
(対象 5-69 歳)
-全体 9.7%
-西部州 15.3%
- コロンボ地区 20.1%
- モナラガラ地区 3.1%
コンピュータリテラシ(1)
Computer Literacy of Sri Lanka 2004
コンピュータリテラシ(2)
コンピュータ保有世帯率
-全体 3.8%
-西部州 8.4%
-ウバ州 0.4%
-都市部 10.5%
-地方 3.1%
- プランテーション 0.3%%
コンピュータリテラシ(3)
インターネット使用環境(世帯)
-全体 0.7%
-西部州 1.8%
インターネット認識率
-知らない 89.9%-知っているが使えない
7.3%-使える 2.8%
コンピュータ保有世帯での
インターネット使用環境
-全体 19.2%
-都市部 25.1%
コンピュータリテラシ(4)
電子メール使用実績
-全体 17.0%
-西部州 26.7%
-中央州 8.5%
インターネット使用場所
-職場 49.9%
-家庭 24.9%
-私的機関 17.1%
-友人・親戚 11.1%
-教育機関 10.1%
政策イニシアティブ国家ICT政策イニシアティブ
1983年 国家コンピュータ政策リポート
1999年 ITカウンシル(CINTEC)2000年 投資委員会(BOI)2001年 競争力イニシアティブ ロードマップ
2001年 JICA工業開発マスタープラン2002年 商工会議所
2002年 スウェーデンコンサルタンシー
2002年 世界銀行コンサルタンシー
2002年 MOER’S ITイニシアティブ2002年 e-Sri Lanka、ロードマップ
人材開発
1999年 CINTEC IT教育政策2001年 IT教育政策2002年 FITIS円卓会議
スリランカにおける情報技術の画期的出来事1962年 スリランカで最初のコンピュータが設置された
1967年 コロンボの大学でコンピュータが初めて教えられた
1970年 銀行でコンピュータが初めて使われた
1977年 コンピュータの価格が下落
1980年 教育にマイクロコンピュータが使われた
1982年 選挙にコンピュータが使われた
1984年 スリランカ情報技術委員会(CINTEC)が設立された
1985年 大学にコンピュータサイエンス学科が設置された
1986年 IT法律委員会が設置された
1987年 コロンボ大学にコンピュータ技術センター(ICT)が設置された、ICTプロジェクトが開始された
1990年 学術ネットワークLEARNが開設された
1995年 証拠法が成立した、商用インターネットが開始された
1996年 国家Electronic Data Interchange (EDI)委員会が設置された
1997年 スリランカテレコムが民営化された、コンピュータに免税措置が取られた
1998年 IT年が開催された
2001年 IT教育年が開催された
2002年 JICAのITプロジェクトが開始された、UCSCが設立された
2002年 e-Sri Lanka
・学科情報システム工学科コンピューテーション・知能システム学科通信・メディア技術学科
・センター先端デジタルメディア技術センターE-Learningセンターコンピューティング・サービス・センターBITセンタープロフェッショナル・デヴェロップメント・センター
コロンボ大学スクール・オブ・コンピューティング
UCSCは、コンピュータ技術センター(ICT)とコンピュータ・サイエンス学科(DCS)を統合して、2002年9月1日に高等教育センターとして設立されました。
情報技術学士(BIT) 外部学位
・このプログラムは、カリキュラムの開発及び試験をUCSCが行う。
・実際の教育は、外部の教育研修機関が行う。
・認定証、上級認定証、学位はコロンボ大学から授与される。
・毎年約5千人の生徒が登録される。
•2004年に63名、2005年に110名が修了
IT分野のJICA プロジェクト
1987-1991 コンピュータ技術センター(ICT)プロジェクト及びフォローアップ協力
1995-1996 アフターケア協力
1993-1997 第三国研修(構造化システム分析設計手法)1998- 2003 第三国研修(情報システム工学)
1995 JICA表彰(Prof. Samaranayake)1999 JICA表彰(ICTプロジェクト)
2002- 2005 スリランカ情報技術分野人材育成計画
第三国研修(情報システム工学)
期間:2003年1月13日~3月7日参加者:アジア太平洋諸国、アフリカ
協力:JICA
Opening Ceremony
Closing CeremonyTraining
• 最先端機器を備えたスタジオ、開発室、研修室
• WBTのインストラクター及びコンテンツ開発者の研修
• イーラーニングの支援• JICA技術協力プロジェクト
R/D Signing
Tape Cutting Ceremony
先進デジタルメディア技術センターADMTC
情報化ビジョン
e-Sri Lankasmart people smart island
e-Sri Lankaスマート・ピープル スマート・アイランド
「全て村落、全ての市民、全てのビジネスに対してICTの配当をもたらすとともに、政府の活動方法を変えるビジョン」
2002年11月20日ラニル・ウイクラマシンハ首相の宣言
e-Sri Lankaのビジョン実行のための戦略
・実行能力の向上
・国家情報基盤及び実現環境の構築
ハード基盤の構築:多様なユーザに対する適正な通信サービルの提供、ローカル及びグローバルな接続の確保
ソフト基盤の構築及び実現環境の創造
適応、学習、管理及び評価のための能力向上
・ICT人的資源の開発
・電子政府:市民サービスの提供
・経済社会発展のためのICTの強化
社会アプリケーション及びコンテンツ開発、接続性と通信センター、マスメディア
e-Sri Lanka 戦略国家ICT戦略の要素
ソフトウエア及びICT実現産業の促進•電子関連法、知的財産権•一般調達方針•民間セクターにおけるICT利用インセンティブ•R&D, ICT普及計画•労働法及び制度•電子主導研修、官民パートナーシップ•目標海外市場、ITパーク
電子政府、電子社会•社会応用を刺激する資金供与•電子政府政策、戦略、調整の確立•パイロット及び段階的戦略応用•通信センター及び市民サービス•政府ネットワーク•地域ラジオ・TVネットワーク
人材開発•IT教育のCOE•ICT教師の専門的育成•あらゆるレベルにおけるICT教育•ICT教育研修へのインセンティブ•あらゆるレベルの電子政府における個別研修
•イーラーニング
情報インフラ•国家通信政策•通信規制委員会規制能力•相互接続、周波数割•民営化汎用アクセス政策•通信開発基金
ビジョン及び実行メカニズム
体制ー ICT 政策調整及び計画実施
Prime Minister
ICT AgencyBoard of Directors
CEO/Managing Director/Programme Directors/ProgrammeHeads/Programme Managers Project managers/Advisors/Specialists
e-Leadership & Policy
e-Society
Information Infrastructure
e-Government
Investment and Private Sector Development
Secretary in charge of ICT
PR/Media HR & Capacity Building
パイロットプロジェクト
Name of Pilot Project Implementing Organization
1 Sinhala Fonts ICTA
2 Public Registry TBA
3 Government Printer On-line Government Printer
4 National Operations Room PricewaterhouseCoopers
5 Empowering the Workplace Informatics Information Systems (Pvt) Ltd
6 Distance e-Learning Arthur C. Clarke Institute of Modern Technology
7 Govi Gnana System e-Development Labs/Interblocks Ltd./ PricewaterhouseCoopers
8 e-Money Order University of Colombo School of Computing
9 SME Portal National Chamber of Commerce of Sri Lanka
10 Internally Displaced Persons Finder2000 (Pvt.) Limited
11 Legal Draftsman e-Futures (Pvt) Ltd
12 e-Cabinet ICTA
13 e-Parliament ICTA
14 e-Office of the President ICTA
主要プロジェクト
1.「VGKプロジェクト」(Vishva Gnana Kendras)「グローバル知識センター」地域格差を解消するために、地方に多数の多目的サービスコミュニティ情報
センターを設立するものである。センターは、インターネット及び電話へのアクセスが可能で、研修などのサービス機能を持つこととしている。当面、2005年中に北部・東部及び南部で100か所の開設を目指している。最初のセンターが同年5月に南部で開所した。
2.「RTNプロジェクト」(Regional Telecommunications Networks)特に、通信ネットワークが未整備の地域を対象として、その整備を支援する
ものである。これは、上記のVGKプロジェクトの円滑な実施の前提となっており、同様の地域を対象としている。RTNのサービスプロバイダについては、入札で決定することとしていたが、その手続きについて、既存大手通信業者からクレームがついて、訴訟に発展した。現時点では、原告の訴えは退けられている。
3.「電子個人登録プロジェクト」個人の基本情報(氏名、番号、国籍、家族関係、住所等)をデータベースに
登録し、各行政機関が多目的に活用しようとするものである。本プロジェクトを実施するために、複数の省の間で覚書が交わされた。
主要IT企業
Informatics International Ltd. 1983年設立。従業員数500人、売上高3.5百万米ドルのソフト開発会社、ITソリューション会社。金融、通信、保険などの分野を得意とし、さらに、研修、教育の分野に展開。
Millennium Information Technologies Ltd. 1996年設立。従業員数は220名、売上が10百万米ドルを超える優良企業。取引、財務、決済、顧客管理などの企業向け応用ソフトを開発販売するとともに、スリランカの大手企業であるスリランカ航空、スリランカテレコム、ダイアログなどが顧客。
Virtusa (Pvt.)Ldt. 1995年にeRunwayとして設立。米国マサチューセッツ州ウェストボローに本社を置き、コロンボ、インドのハイデラバードを拠点とする。従業員数は全体で1,800人(うち、コロンボで500人、売上高は6百万米ドル)。市場は米国、ヨーロッパ、アジア、オーストラリア。
John Keells Computer Services (Pvt) Limited John Keelsグループ会社のひとつとして、1998年に設立。航空、通信、金融、物流業界などを対象にして、英国、スカンジナビア諸国、中東、南アジア、日本の企業が取引先。従業員数は300名程度。
IFS社 1983年にスウェーデンで設立。40か国以上で活動する世界的な企業。スリランカでは、IFS Sri Lanka LTD 及びIFS R&D Ltdを設立して、特に、R&D活動に力を入れている。
日系ICT企業
現地企業 日本企業 形態 分野・活動等
Altech Lanka (Pvt) Ltd.
アルプス技研 出資比率68.9%
ITトレーニングセンターの運営、人材派遣、人材紹介、人材活用のトータルソリューションを目指したコンサルティング業務
FDK Lanka (Pvt) Ltd.
FDK 全額出資
FDD用磁気ヘッド 、ロータリートランス 、光通信用部品
Kopas Lanka Company (Pvt) Ltd.
小宮山印刷工業 データ入力、印刷
MetatechnoLanka Company (Pvt) Ltd.
メタテクノ 出資比率100%
ソフト開発(コントローラ、ドライバ)
Opro Lanka 日本オプロ ソフト開発
Sri Lanka TelecomLtd.
NTTコミュニケーションズ
株式取得(当初35%)
スリランカ最大の通信会社、CEO等を派遣、技術供与
Toslanka Co. (Pvt) Ltd
トスレック 全額出資
表面実装技術プリント基板、電球型蛍光ランプ、液晶モニター、モデム
スリランカ情報技術分野人材育成計画
Project for Human Resource Development in Information Technology through Capacity
Building of the University of Colombo School of Computing
本プロジェクトは、スリランカ政府と日本政府によって実施される技術協力プロジェクトであり、独立行政法人国際協力機構(JICA)を通じて、コロンボ大学スクール・オブ・コンピューティング(UCSC)において実施された。
(1) 協力期間2002年6月1日から2005年5月31日(3年間)
(2) 上位目標スリランカ産業界におけるIT関連人材の質及び量が向
上すること。
(3) 目的UCSCが、スリランカ産業界のニーズに適合して、大学、
IT研修機関及び産業界におけるIT関連人材に対してより効果的で効率的な方法でIT研修を実施できるようにその能力を向上させること。
(4) 成果1. UCSCの組織・機能が強化されること
2. C/Pが、Web Based Training (WBT) を実施できるためにIT技能・技術を習得すること
3. UCSCがWBTに関するIT研修を実施すること
4. UCSCが、WBTコースを実施すること
5. UCSCのWBTに関連した研究開発能力を強化すること
プロジェクトの背景・環境
• Institute of Computer Technology(ICT)設立 1987 • JICA ICT プロジェクト開始 1987
• スリランカIT年 1998
• 九州・沖縄サミットにおけるIT憲章 2000
• 日本スリランカ国交樹立50周年記念 2002
• 政府・LTTE間の休戦協定 2002
• UCSC 設立 2002
• e-Sri Lanka発表 2002
• 新政権発足 2004
• 対スリランカ国別援助計画決定 2004
経 緯
2000年8月 本プロジェクトに関する要請書提出
2001年7月、11月 事前調査
2002年1月 プロジェクトに関する合意
2002年6月 JICA協力開始
2002年9月 UCSC、ADMTC発足
2003年10月 WBTに関する研修開始
2003年12月 中間評価
2004年5月 R&D活動本格化
2004年11月 WBTモジュール提供開始
2005年3月 終了時評価
2005年5月 プロジェクト終了
実施体制
教育省
大学助成委員会
JICA合同調整委員会
産業-大学フォーラム
JICA専門家総括責任者
実施調整責任者
監理・補助スタッフ
直接C/P 間接C/P
プロジェクトの活動と成果 (1)1. WBTに関する研修
WBTに関するワークショップ、セミナー、研修等を16回実施、500名弱の参加者を得た。
2.WBTモジュールの開発及び提供
9件のWBTモジュールを開発し、7件を160名のUCSC学生及び455名のBIT学生に提供した。
3. 研究開発
3分野の研究開発グループが設置され、10件の論文が公表された。
プロジェクトの活動と成果(2)4. 日本におけるC/P研修
15名
5.日本人専門家派遣
長期 2名
短期 26名
6. 機材供与
コンピュータ、サーバ、ソフトウエア、デジタル・スタジオ機器、研究開発用機器など
7. 日本側投入額
377百万円
(うち、機材供与額156百万円)