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スウェーデンにおける地層処分の安全評価SR-Canについて
平成19年6月22日
原子力環境整備促進・資金管理センター
技術情報調査プロジェクト
玉ノ井 宏一
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本日の講演内容
全体概要
安全評価の流れ
処分システム
評価するプロセス、シナリオ
評価結果と今後の課題
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スウェーデンにおける地層処分の実施状況
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SR-Canプロジェクトの目的
最終処分場の建設許可申請における安全評価(SR-Site)に向けた準備準備
フォルスマルク、ラクセマルの2つの候補地におけるKBS-3処分概念の最初の安全評価
今後のSKBの設計開発、研究開発プログラム、サイト
調査などへのフィードバック
規制当局であるSKI、SSIとの対話促進
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SR-Can報告書の構成
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地層処分に関連する法規制
SSI FS 1998:1「使用済燃料あるいは原子力廃棄物の最終管理に関連した人間の健康と環境の防護に係る放射線防護機関の規則」
第5条:処分場は、最大のリスクにさらされるグループの代表的個人に対する閉鎖後の有害影響の年リスクは10-6(約1.4×10-5Sv/y)を超えないように設計されなければならない。
第11条:処分場閉鎖後の最初の1,000年間における処分場の防護能力の評価は、人間の健康及び環境に対する影響を定量的解析に基づいたものでなければならない。
第12条:処分場閉鎖後の最初の1,000年以降の期間に対する処分場の防護能力の評価は、処分場の特性、環境及び生物圏の変換に関する種々の可能なシーケンスに基づいたものでなければならない。
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地層処分に関連する法規制
SSI FS 2005:5(SSI FS 1998:1の適用に関するガイドライン)第10条~第12条:期間
時間上のリスク解析の制約1.・・・リスク解析は少なくとも約10万年、ないしは氷期1サイクルにあたる期間について含まなければならない。リスク解析の期間は、最大でも100万年とし、処分場の防護能力の改良可能性についての重要な情報をもたらす限りの期間まで延長されなければならない。
極めて長い期間を対象とした報告
10万年を超える期間・規則に示された個人リスクに関する基準に関して、算出されたリスクの厳密な定量的比較に意味を見出すことは出来ない。処分場の防護能力の評価はむしろ、処分場の防護能力の関するいくつかの補足的な指標と共に、算出されたリスクに関する考察に基づいて実施されるべきである。
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地層処分に関連する法規制
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安全評価手順
1.FEPの取扱い
2.初期状態の説明
(人工バリア、サイト、レイアウト)
3.外部条件の説明
4.プロセスの編成
5.安全性能と安全性能指標
6.入力データの編集
7.参照される変遷の定義と解析
8.シナリオの選択
9.選択されたシナリオの解析
10.結論
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FEPの取扱い
FEP=feature(特性),event(事象),process(プロセス)
SR-Can FEPデータベースSR97プロセス報告書、プロセスと相互作用に関する報告書
NEA FEPデータベース
FEPカテゴリ
初期状態
内部プロセス(燃料、キャニスタ、緩衝材、埋め戻し材、地圏)
内部変数 (〃)
生物圏
外部
手法の問題
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初期条件(廃棄体及び人工バリア)
KBS-3概念
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初期条件(廃棄体及び人工バリア)
燃料集合体12,000t、6,000体原子炉40年運転/BWR:7,000t、PWR:2,300t、MOX等:45t※将来の不確実性を考慮
1,700W/体、平均燃焼度38MWd/kgU(BWR)
キャニスタ
銅シェル
鋳鉄インサート
密封プロセス:FSW(摩擦溶接)
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初期条件(廃棄体及び人工バリア)
緩衝材NaまたはCaベントナイト
埋め戻し材粘土ブロックまたは粘土・岩石混合ブロック
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初期条件(地圏及び生物圏)
フォルスマルク
-基本特性:花崗岩-地下水組成-生態系-土地利用等
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初期条件(地圏及び生物圏)
フォルスマルク
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初期条件(地圏及び生物圏)
ラクセマル-基本特性:花崗岩-地下水組成-生態系-土地利用等
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初期条件(地圏及び生物圏)
ラクセマル
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初期条件(レイアウト)
処分場設計・D1(初期サイト調査)における予
備設計
・設計フロー
・不適格な処分孔の排除条件
-FPC(完全周囲交差基準)
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初期条件(レイアウト:フォルスマルク)
主要坑道延長 5,030m、搬送坑道 2,676m、処分坑道本数 187本、
処分坑道延長 47,503m、処分坑道間隔40m、処分孔間隔6m
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初期条件(レイアウト:ラクセマル)
主要坑道延長6,500m、搬送坑道4,600m、処分坑道本数244本、
処分坑道延長60,620m 、処分坑道間隔40m、処分孔間隔7.4m
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外部条件
気候
氷河期・間氷期サイクル
人間活動に伴う地球温暖化
地質学的プロセス(風化、浸食、隆起など)
将来の人間活動
その他(隕石衝突)
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プロセスの編成
プロセス表の作成燃料とキャニスタ内部、キャニスタ、緩衝材、埋め戻し材、地圏
例.燃料とキャニスタ内部(一部)
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プロセスの編成
評価モデルフロー図(AMF)
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プロセスの編成
評価モデルフロー図(AMF)
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安全性能と安全性能指標
安全性能指標
[隔離化、遅延化]
-キャニスタ
-緩衝材
-埋め戻し材
-地圏
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入力データの編集
-入力データ選定、不確実性
テンプレート(SR-Canデータ報告書)
・モデル/条件
・評価結果に対する感度
・概念上の不確実要因
・データの不確実性、空間的・時間的ばらつき
・相関
・定量化
品質管理
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入力データの編集
パラメータ
• 燃料インベントリ、IRF、溶解速度、溶解度
• キャニスタ物性、機械特性、最小厚さ、遅延時間など
• 緩衝材及び埋め戻し材熱特性、水理・力学特性、密度、間隙率など
• 地圏地下水組成、水理・力学特性、亀裂、移行特性など