サウジアラビア：石油産業をめぐる最近の動向...2019/10/17 · （※SATORP、YASREF、SAMREF、SASREF、Petro Rabigh向け） ②-5 国内refinery（100%保有）向け

独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構2019年10月17日調査部猪原渉

サウジアラビア：石油産業をめぐる最近の動向（エネルギー部門人事、石油生産施設への攻撃等）

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免責事項

本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構（以下「機構」）が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

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本日の報告事項

サウジ石油施設等への攻撃（概要および考察） Abqaiq、Khurais施設への攻撃（概要とインプリケーション）生産能力回復状況に係る考察

エネルギー部門人事・組織改正エネルギー省と工業鉱物資源省に分割アブドゥルアジズ王子がエネルギー相に就任サウジアラムコ会長交代

アラムコ財務情報の開示上半期決算の発表

アラムコIPOの進捗状況、最新情報

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石油生産施設等への攻撃（2019年）

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石油生産施設等への攻撃（2019年）

頻発する石油関連施設への攻撃タンカー攻撃（5月12日）

フジャイラ（UAE）沖でサウジ船籍2隻を含むタンカー4隻に妨害行為、犯人未特定

サウジパイプライン施設への攻撃（5月14日）東西パイプラインの加圧施設2か所にドローンによる攻撃、フーシ―派が

犯行声明、イラク南部からとの見方もタンカー攻撃（6月12日）

オマーン湾で日本の国華産業が運航する1隻を含む2隻のタンカーに対し攻撃、犯人未特定も米・サウジはイランに責任ありと主張。

Shaybah油田への攻撃（8月17日）フーシ―派が10機のドローンで攻撃と表明。被害は小規模。

AbqaiqとKhuraisの石油生産施設への攻撃（9月14日）（詳細次頁以降）

10月11日、イランのタンカーが紅海で「ミサイル攻撃を受け爆発」（イラン発表）

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AbqaiqとKhuraisの石油施設への攻撃

経緯等 9月14日、AbqaiqとKhuraisのアラムコ施設攻撃。一時570万b/d（Abqaiq 450万b/d、

Khurais 120万b/d）の生産停止。世界の原油供給量の5％に相当。攻撃直後、フーシー派（イエメン）が10機のドローンを使って攻撃したと発表。サウジ政府は9月18日、攻撃に使用されたとするドローンや巡航ミサイルの破片を

公開。Abqaiqにはドローン18機（巡航ミサイル3機は到達せず）、Khuraisには巡航ミサイル4機による攻撃と説明。

同日、サウジ国防省発表。ミサイル等は南のイエメンからではなく、標的の北から南に向けて飛来。イランが疑いなく支援を行っている。正確な発射場所は調査中。

同日、ポンペオ米国務長官発言。本攻撃は「戦争行為」にあたる「イランによる攻撃」である。イラン製の武器が使用された。米当局者「イラン南西部が発射地点。」

米国は20日、イラン中央銀行、イラン国家開発基金等への制裁発動。同日、トランプ米大統領は、サウジの防空能力強化のために空軍部隊の増派を指示。 10月11日、米国防総省は、サウジアラビアに数千人規模（→米メディア「純増

2000人前後」）の米兵増派を発表。戦闘機部隊やミサイル防衛システムの運用部隊等を追加派遣。

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供給回復に向けた取り組み

サウジ政府は9月20日、AbqaiqとKhuraisの石油施設を日本を含む外国メディアに初めて公開。アラムコIPOも念頭におき、積極的な情報公開姿勢をアピール。

https://this.kiji.is/549206616315118689?c=39546741839462401https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50311520X20C19A9X11000/

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供給回復に向けた取り組み

攻撃の3日後の9月17日、アブドゥルアジズ・エネルギー相が記者会見を行い、「アラムコは9月末までに生産能力を1100万b/dに回復し、11月末までにフル生産能力の1200万b/dに戻す」と述べ、攻撃前の供給体制への早期復帰を表明。

10月3日、アブドゥルアジズエネルギー相はモスクワで講演し、石油施設への攻撃で影響を受けたサウジの石油生産が完全に回復し、生産余力も通常レベルに戻ったと表明。石油生産は（攻撃前を上回る）990万b/d、生産能力は1100万b/dに回復。 10月9日、ナーセルアラムコCEOはロンドンで、「今年、3度の攻撃（5/14東西パ

イプライン、8/17Shaybah、9/14Abqaiq・Khurais)を乗り切り、アラムコのレジリエンス（回復力）を示せた。今後も企業価値向上に努める」と強調。

復旧の長期化を予想する見方もあったが、アラムコは急ピッチで施設復旧を進め、9月末までに攻撃前の生産を回復したと表明。市場も好意的な評価。ただし、Fitchの格付けはA+→Aに低下。

IEAによると、9月のサウジの原油生産量は、施設攻撃の影響を受け、前月比77万b/d減の902万b/d。9月の原油輸出量は637万b/d（前月比41万b/d減）。

サウジは、在庫の取り崩しと国内外の自社製油所向け原油供給の低減によって、顧客向け供給を確保。軽質油供給減少に伴い顧客に油種変更の打診も。 9/14の国内在庫は6800万bbl。その後取り崩しで減少して9/24までに5400万bblとなった。国内製油所への供給が約100万b/d減少し、製品不足となり、UAEやクウェートから輸入。

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石油市場への影響

原油価格の動向事件発生後初日（9月16日）、WTI、Brentとも約15％の大幅上昇。すぐに下落に

転じ、10月14日時点で事件発生前より2～4％程度低い水準で推移。 WTI価格

9月13日（事件発生前日）終値 54.85ドル/バレル 9月16日（事件発生後初日）終値 62.90ドル/バレル 10月15日終値 52.81ドル/バレル

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ﾄﾞﾙ/ﾊﾞﾚﾙ原油価格の推移

出所：NYMEX、ICE、IOD

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ドバイブレント出所：NYMEX、ICE、IOD

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2018年 2019年10/

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サウジ原油需給状況（基礎情報）

2018年のサウジ原油の生産・販売・製油所向け供給実績（出所：サウジアラムコ債券目論見書（Bond Prospectus）2019/4）

①原油生産量（blended condensate含む） 1030万b/d②-1 国外顧客向け供給量 602万b/d②-2 国内顧客向け供給量 41万b/d②-3 国外refinery（アラムコ100%保有またはJV)向け 130万b/d（※Motiva、S-Oil、FREP、SSPC、昭和シェル向け）②-4 国内refinery（JV)向け 190万b/d（※SATORP、YASREF、SAMREF、SASREF、Petro Rabigh向け）②-5 国内refinery（100%保有）向け 70万b/d（※ラスタヌラ・ヤンブー・リヤド製油所向け）

註：アラムコ保有の国外備蓄基地（ロッテルダム（蘭）、Ain Sukhna（エジプト）、フジャイラ（UAE）、沖縄（日本））向けの供給は社内転送の扱いとなるため、上記②の供給量には

含まれていないとみられる。

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サウジ原油生産実績（2014年～2019年7月）

サウジ原油輸出実績（2014年～2019年7月）

出所：JODI（2019年9月報告）

https://www.jodidata.org/oil/

Joint Organisations Data Initiative (JODI)


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サウジ原油Refinery Intake実績（2014年～2019年7月）

サウジ原油備蓄実績（2014年～2019年7月）

出所：JODI（2019年9月報告）



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サウジ油田別生産能力及びCPF処理能力

Field LocationProduction capacityby field (millionb/d)

Crude gradeCPF(Central Processing

Facility)Capacity (million b/d)

Remarks

Ghawar onshore 3.80 Arab Light － Abqaiqで処理

Khurais onshore 1.45 Arab Light 1.45 Abu Jifan、Mazalijも処理

Safaniya offshore 1.30 Arab Heavy 1.30

Shaybah onshore 1.00 Arab Extra Light －1.20処理可能だが最終処理はAbqaiq

Zuluf offshore 0.83 Arab Medium 0.83

Manifa offshore 0.90 Arab Heavy 0.90

Marjan offshore 0.60 Arab Medium 0.60

Khursaniyah onshore 0.50 Arab Light 0.50 Abu Hadriyah、Fadhiliも処理

Qatif onshore 0.50 Arab Light 0.80 Abu Safah(0.30）含め処理

Abqaiq onshore 0.40 Arab Extra Light 7.00 Ghawar、Shaybah等を処理

Others 0.72

Total 12.0

出所：生産能力はアラムコ「債券目論見書」及びMEES等、CPF能力は各種情報および推計

2週間で4.9百万bpdへ復旧

• Abqaiqの復旧状況（考察）：既に約600万bpd処理能力を確保（?）– 主要被災設備：スタビライザー5基及び、Spheroid14基の内、11基損傷?

• スタビライザーは3基、Spheroidは10基は（仮?）復旧←人工衛星からの情報分析（Kayross社）

– 直ぐに2百万bpd復旧 ← 処理済の原油・ガス（シャイバ、遠方の油田）

– 更なる2.9百万bpd復旧 ← Spheroid（気液分離最終ステージ）を仮復旧（衛星データ）？

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原油

処理

気液分離

ガス処理一時処理済ガ

ス

処理済原油タンク

殆ど停止？

一部停止？

※1：https://www.thenationalherald.com/260853/trump-us-locked-and-loaded-for-response-to-attack-on-saudis/※2：https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-09-27/saudi-recovery-from-oil-attack-isn-t-all-it-seems-oil-strategy

既に復旧？↑

※1

※2

報道やエンジ会社の発言では、装置の復旧は工事や試験を含めて数か月は必要。「Capacity」の復旧の意味に留意が必要。

注：プロセスを単純化して表現

タンク

NGL一時処理済原

油

Spheroid

既に復旧？↑

P14 ～P18：JOGMEC中東事務所見解（報道に基づく考察）

Spheroidの復旧

• 復旧工事のモニタリング

– Kayrros社が人工衛星から可視光や赤外線？等でモニタリング

– 「Spheroidは9/26時点で穴の開いた11基の内1基を除いてすべて「パッチ」が充てられた」

– Bloombergの掲載写真では確かに、損傷部分を切り出している（写真）

• Spheroid

– 気液分離の最終工程

– 原油をスタビライザーに送る前のタンク

– 運転圧力は2psigと低く、パッチをあてる仮復旧はありうる対応か

• 気液分離プロセスはほぼ復旧

– 仮復旧か本格化は不明、腐食等の懸念？

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https://medium.com/kayrros/on-supply-disruptions-and-satellite-imagery-ebe67a8d91a9https://www.kayrros.com/media、Kayross：衛星観測データ、デジタル技術でエネルギー動向を観測

https://archive.aramcoworld.com/issue/196001/sweetening.up.the.crude.htm


https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-09-20/saudi-aramco-reveals-damage-to-giant-khurais-oil-field

原油処理プロセスにおけるスタビライザーの復旧

• 復旧工事のモニタリング

– Kayrros社が可視光や赤外線？等でモニタリング

– ガス圧縮ユニットと脱酸ユニットとしているが、報道やアラムコの発表からするとスタビライザーのことと思われる

– 「攻撃で5系列が損壊、9/25に3系列が復旧」

• スタビライザー

– Abqaiqには18系列の原油処理プロセス

– Kayrrosの報告が正しければ16基のスタビライザーは運転可能（10/3頃）

– 定修等を考え、20%程度の余裕率を独自仮定し、3基は常時停止とすると、13基のスタビライザーが対応可能か

– 15系列で700万bpd対応可能と仮定すると、13系列では607万bpd

• スタビライザー

– Abqaiqは攻撃前の490万bpdに対応できる生産能力に復旧

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https://medium.com/kayrros/on-supply-disruptions-and-satellite-imagery-ebe67a8d91a9

https://www.hydrocarbons-technology.com/projects/abqaiq-aramco/


Khurais

• Khurais復旧状況（考察）– 構成：気液分離5系統（300千bpd/系統）、ガス・NGL処理3系統（210百万scfd+80千bpd/系統？）

– 主要被災設備：原油処理2系統?

– 直ぐに1.2百万bpd復旧と発表（9/16） ←3系統で900千bpd、残りの300千bpdは??

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原油

処理

気液分離

ガス処理

原油+ガス（一次処理済？）

タンク

一部停止？

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注：プロセスを単純化して表現10/12付 Gulf News： Khuraisは1.45百万bpd生産能力に戻した。攻撃を受けた4つのスタビライザー塔が報道陣に公開（写真）

https://tankertrackers.com/news/discoveries/khurais-and-the-tilted-compass

タンク

NGL

ガス

原油

From wells in Khurais、AbuJifan、Mazalij


Khurais復旧状況

• 原油スタビライザー– 塔自体に損傷はなく、外側の配管等の交換で済んだと見られる。

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https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-10-12/aramco-says-khurais-can-operate-fully-though-damage-remains

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エネルギー部門改組および幹部人事

エネルギー工業鉱物資源省の分割（8/30）エネルギー省と工業鉱物資源省に分割新工業鉱物資源相にはバンダル・ホライエフ氏が就任

アブドゥルアジズ・ビン・サルマン王子が新エネルギー相に就任（9/8）ムハンマド皇太子（1985年生まれ）の異母兄。1960年生まれ。 1987年に石油省顧問となり、1995年石油省副大臣、2015年副石油鉱物資源相、

2017年からエネルギー担当国務相を務めるなど、長年にわたりエネルギー部門で活躍。アラビア石油利権失効（2000年）時のサウジ側交渉窓口。

エネルギー相（旧石油鉱物資源相）は、ヤマニ氏（在任期間1962～1986）、ナーセル氏（1986～1995）、ナイミ氏（1995～2016）、ファリハ氏（2016～2019）と代々民間人のテクノクラートが務めてきたが、初めて王族が就任。サルマン・ムハンマド体制強化の側面も。

今後のエネルギー政策の方向性（9月WEC＠アブダビでの発言）サウジの従来の政策路線を基本的に継承。 OPECプラスは石油市場の需給均衡継続に向け尽力。

減産合意は他の産油国の意見も聞きながら、維持継続。

IPOに関しアラムコのモデルを再チェック予定。規制側として（石油省と）分離は必須。サウジの2030 Strategyに沿って、エネルギーミックスを進める。低炭素化・再エネ・省エネへの

取り組み強化。

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エネルギー部門改組および幹部人事

サウジアラムコ会長の交代（9/3）パブリック・インベストメント・ファンド（PIF)総裁で、2016年からアラムコ取締役を

務めるヤセル・アル・ルマイヤン氏が新たにアラムコ会長に就任。ルマイヤン氏は投資銀行出身で、2015年9月よりPIF事務局長、今年5月に同総

裁に就任。以前サウジ証券取引所（Tadawul)の役員を務めるなど、金融行政、金融取引に精通し、アラムコIPOの推進役として最適任との評。

サウジの石油ガス行政は今後、VIP3人（アブドゥルアジズ大臣、ルマイヤン・アラムコ会長、ナーセル・アラムコCEO）が主導。

ファリハ前会長は兼務を解かれ、翌週エネルギー相も解任。ファリハ氏の会長退任の背景には、アラムコがファリハ大臣の出張経費を負担するなど、不透明な金の流れなどがあり、エネルギー省とアラムコの関係を整理（分離）する狙い。

ファリハ氏はアラムコIPOに積極的でなかったとの見方もあり。

アブドゥルアジズエネルギー相ルマイヤン・サウジアラムコ会長アミン・ナーセルサウジアラムコCEO

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サウジアラムコ2019年上半期決算

アラムコ初の上半期決算発表（8月）

純利益：469億ドル 2018年上半期：530億ドル

配当：464億ドル（特別配当200億ドル含む）、2018年上半期：320億ドル

特別配当は前年同期の60億ドルから3倍以上に増加。特別配当は一般投資家には

支払われずサウジ政府が100%独占。IPO実施後に問題とされる可能性。

初の決算報告会（8/12）の場で以下を発表

印Relianceの下流事業の権益20％取得

東西パイプラインの能力増強（500万b/d→700万b/d）を9月までに実施

→10/9ナーセルCEO「アラムコは、東西パイプラインの能力700万b/dへの増強の

年内実現に向け、尽力」と軌道修正。

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サウジの原油・ガスパイプライン

出所（地図・データ）：ＥＩＡ

出荷能力Ras Tanura 340万b/d Juaymah 310万b/dYanbu 660万b/d

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迂回出荷ルート

ＥＩＡ資料に基づき作成

ルートパイプライン輸送能力

現行使用量（推定）

追加輸送可能量（推定）

バーブル・マンデブも迂回

アブダビ→フジャイラ（Abu Dhabi CrudeOil Pipeline:

ADCOP)

150万b/d 50～100万b/d（報道ベース）

50～100万b/d ○

ペルシャ湾岸 →

紅海ヤンブー（東西パイプラインまたはペトロライン）

480万b/d 200万b/d（報道ベース）

280万b/d （欧州向けは迂回可能）

アブカイク→紅海ヤンブー（ガス生産随伴液分）

29万b/d 29万b/d 0 （欧州向けは迂回可能）

合計 660万b/d 279～329万b/d 390～440万b/d

ホルムズ海峡迂回出荷ルート

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アラムコIPO

IPOの年内実施に向けての環境整備 2020年に基本配当750億ドルを目指す（10/1 IOD)

IPO最新動向 10/29-31のFuture Investment Initiative＠リヤドの場で、ムハンマド皇太子が

IPO実施を発表する可能性（10/1 IOD) IPO目論見書（prospectus）を10/25（アラビア語版）、10/27（英語版）に発行の予

定（10/9 WSJ）アラムコは11月にも、新規株式公開（IPO）を実施する。サウジ国内の証券取引

所（Tadawul）に最大3%の株式を上場することを検討しており、20日に発表する。国内でIPOを実施した後、国外取引所に上場する方針という。（10/14FT)

サウジは、アラムコの企業価値（時価総額）が2兆ドルを下回る事態を想定し、上場比率の引き上げを検討中。しかし、関係者はEnergy Intelligenceに対し、今回の上場の主目的は市場から1000億ドル（当初想定：2兆ドル×5％）の資金調達を行うことであり、結果としてTadawulへの上場比率が従来言われていた比率（1％）から引き上げられることはありうるとコメント。（10/17 IOD)

関係者によると、サウジアラムコは20日に予定していたＩＰＯ発表を突如延期。石油施設への攻撃の四半期業績への影響を投資家に明確に示せるようになるまで先送りしたい考えだという。 (10/18 Bloomberg）

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