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経済活動再開状況 Copyright (C) JETRO. All rights reserved. 禁無断転載 経済活動・行動制限状況 イタリア:ビジネス活動正常化に向けた基本情報 (2020年8月17日時点) 経済活動・行動制限 あり 主な制限と再開基準等 3月10日より通勤、通院等を除く移動を禁止。 3月12日より必要不可欠な部門を除く商業活動、同23日より一部を除く生産活動を停止。 企業活動は、生産活動が安全な状況で行われることが前提であり、各州は感染拡大の進行状 況や衛生システムの適正さを日々モニタリングすることが求められており、感染拡大などがみられる 場合、企業活動の停止措置が行われる。 政府は緊急事態措置を10月15日まで延長することを決定。入国にかかる制限、在宅勤務の奨 励等が継続する。 感染者状況 累計感染者数 253,915人 累計死亡者数 新規感染の傾向 (直近1週間前比) 35,396人 ⤴(増加) ※出所:欧州疾病予防管理センター(ECDC) 渡航/入国制限状況 外務省渡航情報 レベル3 (渡航中止勧告) 日本からの直行便 アリタリア航空:羽田⇔ローマ(10月3日就航予定) 成田⇔ローマ・ミラノ(再開未定) ANA:羽田⇔ミラノ(新規就航開設延期中) 主な入国制限措置概要 6月3日より、EU加盟国、シェンゲン協定加盟国、英国、アンド ラ、モナコ、サンマリノ共和国およびバチカン市国からの入国を自 由化。入国後の自主隔離も不要。 7月1日より、日本を含む14カ国(アルジェリア、オーストラリア、 カナダ、ジョージア、日本、モンテネグロ、モロッコ、ニュージーランド、 ルワンダ、セルビア、韓国、タイ、チュニジア、ウルグアイ)について、 入国制限を解除(注)。一方、入国後の14日間の自主隔離 措置は、少なくとも9月7日までは継続。 (注)モンテネグロ、セルビア、アルジェリア、モロッコについては再 度入国制限が設けられている。 5月4日より製造業等の再開を許可。 5月18日より、小売店、理美容、飲食店などの営業再開を許可。5月25日から、スポーツジム、 スイミングプールなどの再開許可。6月15日から、映画館、劇場などの再開許可。 これまで特定の理由を除いて制限されていた州内の移動は、5月18日から自由となり、携帯必 須となっていた自己宣誓書も不要に。 6月3日より州をまたいだ移動禁止も解除。 イタリア政府は6月3日、新型コロナウイルスの接触追跡アプリについての詳細を発表。アプリは「イ ンムーニ」(Immuni)と名付けられ、さまざまな社会活動を再開していく段階において、感染拡 大の防止および安全性を高めるための技術的手段として位置づけられている。 イタリア産業連盟中央研究所が7月24日に発表した景気レポートでは、需要不足によりイタリア の景気回復は不完全との評価。戦後最長の経済危機の真っただ中にあり、登山道は非常に長 いと表現。輸出は回復が始まっており、米国やドイツの回復スピードより速いが、コロナ以前と比較 して-26.1%の水準。回復は医薬品がけん引し、食品は足踏み、自動車やファッションは半減。 イタリア産業連盟中央研究所は7月27日、企業アンケート結果を発表。それによると、企業の活 動再開状況について、85.2%の企業が「完全に再開」(5月は73.8%)、12.9%が「部分的 に再開」(5月は20.3%)、1.6%が「依然閉鎖中」(5月は5.9%)と回答している。

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経済活動再開状況

Copyright (C) JETRO. All rights reserved. 禁無断転載

経済活動・行動制限状況

イタリア:ビジネス活動正常化に向けた基本情報(2020年8月17日時点)

経済活動・行動制限 あり

主な制限と再開基準等

• 3月10日より通勤、通院等を除く移動を禁止。• 3月12日より必要不可欠な部門を除く商業活動、同23日より一部を除く生産活動を停止。• 企業活動は、生産活動が安全な状況で行われることが前提であり、各州は感染拡大の進行状況や衛生システムの適正さを日々モニタリングすることが求められており、感染拡大などがみられる場合、企業活動の停止措置が行われる。

• 政府は緊急事態措置を10月15日まで延長することを決定。入国にかかる制限、在宅勤務の奨励等が継続する。

感染者状況

累計感染者数 253,915人

累計死亡者数新規感染の傾向

(直近1週間前比)

35,396人 ⤴(増加)

※出所:欧州疾病予防管理センター(ECDC)

渡航/入国制限状況

外務省渡航情報レベル3

(渡航中止勧告)

日本からの直行便

• アリタリア航空:羽田⇔ローマ(10月3日就航予定)成田⇔ローマ・ミラノ(再開未定)

• ANA:羽田⇔ミラノ(新規就航開設延期中)

主な入国制限措置概要

• 6月3日より、EU加盟国、シェンゲン協定加盟国、英国、アンドラ、モナコ、サンマリノ共和国およびバチカン市国からの入国を自由化。入国後の自主隔離も不要。

• 7月1日より、日本を含む14カ国(アルジェリア、オーストラリア、カナダ、ジョージア、日本、モンテネグロ、モロッコ、ニュージーランド、ルワンダ、セルビア、韓国、タイ、チュニジア、ウルグアイ)について、入国制限を解除(注)。一方、入国後の14日間の自主隔離措置は、少なくとも9月7日までは継続。

(注)モンテネグロ、セルビア、アルジェリア、モロッコについては再度入国制限が設けられている。

• 5月4日より製造業等の再開を許可。• 5月18日より、小売店、理美容、飲食店などの営業再開を許可。5月25日から、スポーツジム、スイミングプールなどの再開許可。6月15日から、映画館、劇場などの再開許可。

• これまで特定の理由を除いて制限されていた州内の移動は、5月18日から自由となり、携帯必須となっていた自己宣誓書も不要に。

• 6月3日より州をまたいだ移動禁止も解除。• イタリア政府は6月3日、新型コロナウイルスの接触追跡アプリについての詳細を発表。アプリは「インムーニ」(Immuni)と名付けられ、さまざまな社会活動を再開していく段階において、感染拡大の防止および安全性を高めるための技術的手段として位置づけられている。

• イタリア産業連盟中央研究所が7月24日に発表した景気レポートでは、需要不足によりイタリアの景気回復は不完全との評価。戦後最長の経済危機の真っただ中にあり、登山道は非常に長いと表現。輸出は回復が始まっており、米国やドイツの回復スピードより速いが、コロナ以前と比較して-26.1%の水準。回復は医薬品がけん引し、食品は足踏み、自動車やファッションは半減。

• イタリア産業連盟中央研究所は7月27日、企業アンケート結果を発表。それによると、企業の活動再開状況について、85.2%の企業が「完全に再開」(5月は73.8%)、12.9%が「部分的に再開」(5月は20.3%)、1.6%が「依然閉鎖中」(5月は5.9%)と回答している。

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イタリア:ビジネス活動正常化に向けた基本情報

■ 欧州における新型コロナウイルス対応状況ウェブサイト

ジェトロウェブサイトにて新型コロナウイルス関連ニュース、動画によるワンポイント解説、欧州各国の企業などに対する支援策を紹介。

https://www.jetro.go.jp/world/covid-19/europe/

TEL : 03-3582-5651(平日9時~12時/13時~17時(土日、祝祭日を除く))

■ 新型コロナウィルスに関するお問い合わせ

(海外)最寄りのジェトロ海外事務所まで

お問い合わせください

(国内)新型コロナウィルス相談窓口

注目のトピック

①自転車などの購入に補助金イタリア環境・国土・海洋保全省は5月21日、自転車などの購入に対する補助金「モビリティー・バウチャー」(Buono Mobilità)に関する「よくある質問(FAQ)」を発表。「モビリティー・バウチャー」の活用により、自転車や電動の個人用移動手段(電動キックボード、ホバーボード、セグウェイなど)を購入する際、500ユーロを上限に、購入費用の60%の額の補助が受けられる。5月4日から12月31日までの購入が対象。感染拡大防止のため、乗客数制限など公共交通機関の利用に現在規制がかかっていることを踏まえ、特に都市部の人々に対してサステナブルな移動手段の利用を促し、移動の自由を保障することを目的。なお、機器自体の購入のみならず、いわゆるシェアリング型のモビリティーサービスの利用にも適用可能(自動車のシェアリングサービスは除く)(ジェトロ2020年5月28日ビジネス短信)。

②自動車の購入にエコボーナスイタリア経済開発省は7月31日、環境低負荷の車種購入にあたっての補助金制度「エコボーナス」の拡充について発表。同補助金は、2020年8月1日から同年12月31日までに、M1のカテゴリーに属し、下記の条件を満たす車両を購入する際に適用。・ 1kmあたりのCO2排出量が0~60g/kmで、50,000ユーロ未満の車両・ 1kmあたりのCO2排出量が61~110g/kmで、ユーロ6の認定を受けている

40,000ユーロ未満の車両「エコボーナス」制度自体はすでに2019年より運用されているが、今回新たに定められた補助金は、既存の補助額に上乗せするかたちで適用することができる。実際の補助額は、すでに所持している車をスクラップにするか否か、あるいは購入する車種のCO2排出量等により変動する(ジェトロ2020年8月4日ビジネス短信)。

③ミラノウニカ、展示会のデジタルプラットフォーム開発テキスタイルの世界的な見本市「ミラノウニカ」は8月4日、独自のオンライン展示会プラットフォーム「e-MilanoUnica Connect」を開発したと発表。出展企業と製品の中から指定の項目にフィルターをかけ、希望の製品や企業を迅速かつ正確に探し出せる検索機能や、商談をしたい相手にコンタクトを取ってチャットやビデオ通話を行う機能などを備えている。全て1つのプラットフォーム上で完結する。ミラノウニカは通常年に2回開催され、次回は9月の予定。現段階では、既存のリアルでの展示会と、今回開発された「e-MilanoUnica Connect」がどのようにリンクしていくかは明らかではないが、ミラノウニカは「物理的およびバーチャルの展示会を融合し、いつでも、どこからでもアクセスできる様にする」とする(ジェトロ2020年8月12日ビジネス短信)。

現地日系企業の活動状況

現地日系企業の抱える課題

操業状況、現在抱える課題、懸念ほか

• 製造業については、首相令で指定された必要不可欠業種はロックダウン期間中も操業継続、その他の業種は5月4日以降操業を再開。原料調達が困難となった一部製品に関して注文に生産が追い付かない、製品の出荷先の一部に需要減がみられる一方で別の需要が拡大している、など、各社それぞれに影響は異なっている模様。

• デスクワークを主とする業種においては在宅勤務が定着。出勤せずともある程度ビジネスが維持できることが分かった、と語る企業が多い。

• 観光大国イタリアにあっていまだ観光客が戻ってきていない状況下、旅行業への影響は甚大。

• 日本食レストランはデリバリーの開始などの対応策を打っているものの、客足の戻りが鈍いこと、ソーシャルディスタンス確保のために回転率が低下していることなどから、体力勝負の状況に陥っている。

• 現状ではイタリア到着後14日の自己隔離が求められるものの、日系企業の間では、日本に退避した駐在員や家族を帰還させる準備を進めている企業が大多数となっている。

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(2020年8月17日時点)

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