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【保存版】 (2018年 7月30日) (2019年 5月 好日改定) 一般財団法人 江戸・東京歴史文化ルネッサンスの会 よ み が え れ! 江戸城 城下町 江戸・東京歴史文化ルネッサンス 5ヵ年基本計画 (案)

江戸・東京歴史文化ルネッサンス 5ヵ年 ... · 2. 江戸城再生と歴史まちづくりの本流として、新事業体を設立 2016年11月、「江戸城天守再建事業と歴史文化まちづくりグランドデザイン(検討会座長:

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【保存版】

(2018年 7月30日)

(2019年 5月 好日改定)

一般財団法人 江戸・東京歴史文化ルネッサンスの会

よ み が え れ! 江戸城 城下町

江戸・東京歴史文化ルネッサンス

5ヵ年基本計画 (案)

Page 2: 江戸・東京歴史文化ルネッサンス 5ヵ年 ... · 2. 江戸城再生と歴史まちづくりの本流として、新事業体を設立 2016年11月、「江戸城天守再建事業と歴史文化まちづくりグランドデザイン(検討会座長:

目 次 頁

はじめに 近未来の世界遺産を目指す

江戸・東京歴史文化ルネッサンス 基 本 構 想

1

第 1 章 「江戸・東京歴史文化ルネッサンス5カ年基本計画(案)」

策定に至る経緯と今後の課題

2-4

第 2 章 なぜ、江戸・東京の歴史文化再生の調査・研究

をする必要があるのか?

5

第 3 章 学術・調査、研究事業の主な課題と

その成果を普及・啓発、提言する事業

6-9

第 4 章 産学官民との交流・連携による歴史文化まちづくり

その活動を広く社会一般に公開

10

第 5 章 今日的意義策定と江戸城全体整備計画など今後の課題

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関連資料1 ・歴史まちづくり法の参画を視野にいれた

江戸・東京歴史文化ルネッサンス5カ年基本計画 (案)

12

関連資料2 江戸・東京歴史文化ルネッサンス 5カ年基本計画(案)俯瞰図

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近未来の世界遺産を目指す

江戸・東京歴史文化ルネッサンス

基 本 構 想

1. 世界は、21世紀初頭から、歴史的文化的創造による都市間競争(特に首都の都心部)の時代に

入り、地球規模の大交流時代が到来している。一方、国際都市東京の世界に類を見ない超少子・

超高齢化社会の課題解決に、今、世界の注目が集まっている。

2. 都市東京は、四百年以上蓄積された世界に誇るべき江戸城祉が存在している。先進諸国のトレ

ンド「クリエイティブシティ(歴史・文化と創造都市)を視野に、首都東京の歴史的伝統と文化

的個性に光を当て、新たな都市の品格を創造していこう。

3. 城(castle)と宮殿(palace)の二つが同じ場所にあることは世界に類がなく、特別史跡である

江戸城祉は、日本一壮大で美しい。

櫓、門、石垣、豊かな水を湛えた外濠、内濠等は、今も、勇大なスケールで城郭を包んでいる。

先人達により守られ現存する文化財と失われた歴史文化遺産の痕跡が連綿と続いている。

近世江戸から明治東京へと移り変わり、いつの日か、近未来の世界遺産として、平和のシンボ

ルとして、市民の誇り(シビックプライド)とすることができるだろう。

5. 江戸城祉における歴史遺産や歴史建造物等の復元や整備の検討は、文化財保護法、歴史文化基

本構想、景観法、歴史まちづくり法等、国際憲章(ベニス憲章等)の観点から、歴史上、初の、

本格的な学術・調査・研究をすることにより、初めて史実に忠実で普遍的価値と本物を志向する

ことができるだろう。

6. 伝統と革新が共存・融合するコスモポリタン的な都市東京の「歴史や文化・芸術、まちづくり」

は、住んで好し、訪れて佳し、働いて佳し、楽しさのある都市東京の歴史的文化的価値により、

おもてなしの心を内外の多くの人々に伝えていこう。

7. 江戸・東京歴史文化ルネッサンスは、国家的事業であり、産学官民の多くの人々と交流を進め、

歴史まちづくりに主体的に参画し、文化・芸術及び地域社会の振興を目的とし、2018年国連

が提唱した持続可能な国際観光年により、真の文化観光先進国を創造し、日本の発展に寄与して

いこう。

2019年5月

一般財団法人 江戸・東京歴史文化ルネッサンスの会

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第1章 「江戸・東京歴史文化ルネッサンス5カ年基本計画(案)」

策定に至る経緯と今後の課題

1. 基本計画(案)の位置付けと目的

「江戸・東京歴史文化ルネッサンス5カ年基本計画(案)(以下、基本計画という。)」は、

2022年「江戸・東京歴史文化ルネッサンス基本構想(案)」の完成に向け、「学術・調査、研究」

及びその成果を普及・啓発、提言する事業等を進める指針として策定したものです。

旧江戸城及びその城下町等の歴史的伝統と文化的価値の学術・調査、研究は、歴史上、初の本格

的な事業であり、かつ、その成果を広く社会一般に普及・啓発、提言する事業を行うことにより、

都市東京の歴史的伝統と文化的個性に、よりいっそうの「光」が当たることでしょう。

旧江戸城・城下町全体の再評価により、それらの価値を明確にし、世界的な評価に資する今日的

意義を検証して、都市東京の品格を創造しようとするものです。

私達は、この取り組みを通し、我が国の文化・芸術の振興及び地域社会のより良き発展に寄与す

ることを目的としています。

「江戸・東京歴史文化ルネッサンス基本構想(案)」の策定に向けて、学識者などによる学術調

査・研究委員会等などを設置します。策定から完成に至るまでの間、千代田区を始めとする各区自

治体、東京都、関係所官庁など関係機関の助言を得ると共に、適宜、提言活動を行います。

一連の活動のプロセスはシンポジウムやセミナー等を通してホームページ等により広く社会一

般に公開して参ります。

2022年、(1)「江戸・東京ルネッサンス基本構想」並びに(2)産学官民が支える「国家

的プロジェクトなどの設置」に向けて、自治体や関係官庁、関係機関に対し、を提言して参ります。

参考 当法人の定款

(目的)第3条では、

江戸城及びその城下町等の歴史的伝統と文化的価値を調査・研究し、その成果や今日的意義を普及・

啓発し、提言することにより、我が国の文化・芸術の振興及び地域社会のより良き発展に寄与すること

を目的としています。

(事業)第4条では、

前条の目的を達成するため、次の事業を行います。

(1)旧江戸城及びその城下町等に現存する歴史文化遺産の保存及び失われた歴史文化遺産の復元やこ

れらを活用した文化・芸術及び地域社会の振興に関する調査・研究を行う事業

(2)調査・研究等の成果の普及・啓発及び提言事業等

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2. 江戸城再生と歴史まちづくりの本流として、新事業体を設立

2016年11月、「江戸城天守再建事業と歴史文化まちづくりグランドデザイン(検討会座長:

東京大学・伊藤滋名誉教授)」が、新事業体である一般財団法人の設立に向けた基本構想として提

言され、基本構想はその後、「江戸・東京歴史文化ルネッサンス ビジョン・5ヵ年基本計画(案)」

(当会HPに掲載)に継承されました。

この提言は、持続的な運動展開による市民運動12年の集大成とし、篤い想いと志をもつ代表理

事小竹直隆を始めとする役員、支援者、市民などに継承されて、2017年1月24日、清々粛々

として一般財団法人江戸城天守再建ルネッサンス(略称)の設立に至りました。

現在は、会の名称変更により江戸・東京歴史文化ルネッサンスの会となっています。

同年 2月以降、関係所官庁である文化庁、千代田区、東京都などに相談を進め、同時に学識者、

有識者、産業界、会員や市民等との意見交換を重ねて慎重に検討した結果、次の認識に至りました。

3.

天守台、天守単体の再建、特別史跡江戸城祉の課題

*「特別城跡・江戸城祉における歴史建造物の復元など整備の検討を行うには」参照

皇居東御苑に存在する江戸城天守の「台座」は、歴史的な経緯のある特別史跡、即ち、国宝であ

り、国内法はもとより国際憲章による厳しい制約を課せられています。

天守単体での復元は極めて難題であると云われ、慎重且つ丁寧な学術・調査、研究等が必須とい

われています。

現在は、城門や外濠の再生など歴史文化資源による産学官民の活動が地道に展開されています。

現存する文化財の保存や環境整備も十分とは云えない状況にあり、歴史性は失われつつあります。

4. 都市東京の歴史文化まちづくりの環境整備へ

一方、2017年3月に、政府が発表した「観光立国推進基本計画(閣議決定)」では、観光は

我が国の成長戦略の柱であり、地方創生への切り札であると云う認識の下に、国際競争力を高め、

拡大する世界の観光需要を誘致することにより、世界が憧れ、訪れたくなる「観光先進国・日本」

への飛躍を図ろうとし、政府が一丸となり取組むことにしたものです。

同年、3月を契機に、国連は、短期的な経済的利益を得るための生態系や文化にマイナスの影響

を及ぼす環境利用を抑制し、地域固有の生態系や文化の保全を通じて、長期的な経済的利益に繋げ

ていくよう提唱する「持続可能な観光国際年」を定めています。

国内では、2018年7月(予定)の文化財保護法の改正の動きや、歴史文化基本構想指針、歴

史まちづくり法、景観法などの見直しも行われ、漸く、文化財の冷凍保存から地域固有の文化の保

全や活用の時代に向け、法的に示す第一歩となるべき環境が整備されてきたと云えます。

このように、私達を取り巻く内外の環境の下で、現在から将来、近未来に向けた検討を慎重に

重ねて、下記のビジョンの策定を進めました。

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2017年10月「江戸・東京歴史文化ルネッサンス ビジョン・5カ年基本計画(案)」の策定

2018年 3月に至る半年の間に、セミナーや報告会、説明会の開催、ホームページへの掲載に

より広く一般公開を行い、産学官民の多くの人々から賛同の輪が拡がりつつある状況を踏まえて

2018年7月には、「江戸・東京歴史文化ルネッサンス5カ年基本計画(案)」の策定に至り、

同年11月第一次学術・調査をスタート致しました。

5.

近未来の世界遺産を目指し、私達から次世代へ、夢と希望を継承しよう!

一人ひとりの想いと一歩で、繋がろう!

2018年度にスタートする「江戸・東京歴史文化ルネッサンス基本計画書」の策定事業は、歴

史上、初の試みであり、多くの人々にとっての夢と希望のある運動と云えましょう。

世界遺産に登録された法隆寺に代表されるように1000年以上の超長寿命をもつと云われる

日本の歴史的建造物は、私達から一歩一歩、間断なく、次世代に継承することができれば、近未来

の世界遺産を目指すことも可能となると考えます。

都市東京の歴史や文化まちづくりの歴史的なこの運動に、是非、ご参加頂き、次世代に継承する

ためにも、一人でも多くのみなさまのご参加を、心より、お待ち申し上げております。

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第2章 なぜ、江戸・東京の歴史文化を再生・活用する必要があるのか?

皇居を中心とした都市・東京は、今から約400年前に徳川家康が江戸城を天下の府に定めて以来、

我が国の首府として400年の歴史を持つ伝統的な都市です。

今から150年前に江戸城は、無血開城を果たし、皇城(皇居)となり、現在は江戸城本丸などが皇

居東御苑、西の丸下が皇居外苑として、豊かな歴史的景観と自然に恵まれた公園として、私たちに憩い

の場を提供しています。

城(castle)と宮殿(palace)の二つが同じ場所にあるのは、世界を見渡してもこの江戸城・皇居を除

いてなく、特異な都市といえます。さらに幕末の江戸は、100万都市として栄え、その後、明治時代

を迎えても整然とした都市の中心部が維持されています。

このように都市東京は、江戸という都市を下敷きにして独自の文化を形成し、西洋の都市とは異なる、

世界に類をみない大都市として発展した姿を私たちは享受しています。

しかし、歴史的な都市であり、そこには近世近代の多くの歴史的な遺産があるにも関わらず、全体像

を把握し、現代へ継承されているとは云えないのが実情と考えます。

私たちは、江戸から明治・東京へと400年にわたり、移りゆく東京の歴史的伝統と文化的個性を伝

え、新たな都市の品格を創造していく必要性があると考えます。

その為、当会では、市民や産学間民の交流を通じて、歴史的・文化的遺産の価値を多くの方々に伝え、

文化観光都市として東京の「おもてなしの心」を伝えていきたいと考えています。

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第3章 学術・調査、研究事業、及び

その成果を普及・啓発、提言する事業

1. 趣旨・目的

首都東京の歴史的伝統と文化的個性に「光」を当て、旧江戸城・城下町全体の再評価を行い、

それらの価値を明確にするために、歴史上、初の本格的な学術調査・検討、提言活動を進め「江

戸・東京歴史文化ルネッサンス基本計画書」を策定し、民間の公益活動の振興に寄与します。

また、提言活動は、基本計画書策定のプロセスから完成に至る間、自治体、関係所官庁等の関

係機関に対して、適宜、提言活動を行い、基本計画書策定の後には、産学官民が支える「国家的

プロジェクト等」の設置に向けて、「江戸・東京ルネッサンス基本構想」を提言して参ります。

2. 「基本計画書」の策定と委員会の設置

趣旨・目的にあるように、歴史上、初の本格的な学術調査・検討、提言活動を進めます。その

ために学識者などで構成する調査・研究委員会等を設置します。委員会は、「江戸・東京歴史文

化基本構想(仮称」」を策定します。

調査・研究の成果は、シンポジウムやセミナー等のとおし、ホームページ等により広く一般社

会に公開します。委員会は委員会規程により進め議事録は公開します。

江戸・東京の歴史文化:その時代と対象範囲

対象とする時代は江戸時代を中心とし、明治維新、明治中期、大正、昭和初期までとします。

対象地域は、江戸御府内、江戸城外濠内とします。

タイムスケジュール :①2018年度 ②2018~2019年度 ③2019~2022年度

3. 学術調査事項

次の通り進めます。

(1) 連携団体や関連団体及び行政の活動内容の把握(産学官民の活動)

① 民間;「東京文化資源区」など

② 行政;東京都・千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区などの都市計画、

文化財保護等の取組み、関係所官庁など

(2) 活かす文化的文脈(ストーリー)と課題の把握

・ 江戸城に関する文化遺産(指定・未指定含めて:江戸城内城・江戸城外濠など)

・ 城下町に関する文化遺産

・ 東京の近代化に関する文化遺産(明治初期から明治中期の建造物等)

・ 東京の災害に関する文化遺産(関東大震災・東京大空襲)

復興に関わるもの、課題把握として(復興橋梁、復興稜の建物.復興期の公園・小学校)

・ 全国の城郭・城跡の保存整備状況の把握

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4. 活動プログラムの策定(調査・分析・評価・価値)

江戸・東京歴史文化の再生と活用を進める為の調査活動、本章3.(1)「連携団体や関連団体

及び行政の活動内容の把握(産学官民の活動)」、(2)「活かす文化的文脈(ストーリー)と課

題把握」の成果を踏まえて、順次、次の課題に取組みます。

(1) 歴史遺産の内容と価値を調査し、活用の方法を模索、提案します。

・ 東京の歴史は、二百五十年に亘る都市江戸から明治政府による文明開化、明治中期の改

正計画を経て、関東大震災および太平洋戦争を経験し、幾度も被災復興を果たしてきま

した。文化財は、歴史を積み重ねた価値があります。現在の東京の街には、各時代の歴

史遺産が重層的に分布しています。

・ こうした歴史遺産の実態や分布状況を調査し、評価すると共に、その活用等の方策を提

案、実施します。

・ また全国の城跡(指定文化財・未指定含めて)における保存・整備活用事例や文化資源

としての観光の取組みを調査し、活動に役立てます。

(2) 歴史文化遺産の再生(復元・活用・維持管理)を検討し、実施に向けて活動します。

これまで検討してきた経緯と、上記本章3.(1)、(2)の経過を踏まえて、江戸・東

京の歴史文化を伝えるに必要かつ重要な歴史的建造物の復元を研究します。

さらに再生した歴史遺産を陳腐化しないよう、維持管理の方法や活用方法等も検討します。

*江戸城の歴史建造物

天守、本丸御殿の玄関、大広間、白書院、黒書院、能舞台、松の廊下等、城門、石垣、

櫓など

(3) 歴史遺産をめぐる観光の方法を提案します。

・ 域内の文化遺産(本章3. 学術調査事項(2)の成果)の情報発信

・ 文化遺産の周遊ルートの開発(徒歩や自転車による江戸観光の推進や神田川、日本橋川

等江戸城外濠の水上交通による観光ルートの提案)

(4) 歴史遺産の再生や環境整備を検肘します。

・ 江戸城内・江戸城外濠に残る建造物や遺構の保存活用、再生復元の検討

・ 域内の文化遺産をつなぐネットワーク(水と緑に触れあい歩けるネットワーク)やポケ

ットパーク、自転車、舟を利用した周遊ルートの開発

・ 江戸東京を偲ばせる景観の保全の提案(電線地中化)

・ 文化遺産の保全や観光のみならず、都市の安全性を含めた提案のあり方

(5) 2020年オリンピック・パラリンピックに向けての活動

オリパラ2020のマラソンコースが発表され東京の名所を通ることとなりました。旧

江戸城・皇居や浅草寺、増上寺といった歴史遺産が豊富に含まれており、江戸城に関して

は、外濠の市谷-牛込(飯田橋)間、雉子橋・一橋、江戸城内濠の大手門や和田倉門を経

て、二重橋(旧西の丸大手門下乗門、伏見櫓)、神田川の浅草橋など江戸城跡の風景が海外

も含めて映し出されます。

これに先駆けて、江戸城や浅草寺、日本橋、増上寺などに関するガイドマップ、案内書

の刊行、ガイドツアーや講座を開催することも検討します。また、関係所官庁や都・区、

民間団体と連携して魅力ある都心東京を広める活動を行います。

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(6) 2020年オリンピック・パラリンピックを契機に、継承します。

2020年、江戸・東京歴史文化ルネッサンスの今日的意義を策定し、シンポジウムを

始めとする各種の催事の開催により、その意義を広く社会に向けて発信します。これを契

機として更に進めていきます。

5. 活動の拠点

江戸・東京歴史文化ルネッサンスの調査・研究を進める為に、次を活動の拠点とします。

(1) 江戸城跡

公開地域

・ 本丸・二の丸跡(皇居東御苑)、西の丸下(皇居外苑)

・ 番所;同心番所、百人番所、大番所

・ 櫓;富士見多聞櫓(内部公開)、富士見櫓周辺

・ 城門;大手門、平川門、北桔橋門、乾門、外桜田門、田安門、清水門、下乗門跡、

中の門跡、中雀門跡(枯梗門、坂下門、西の丸大手門)

・ 濠と石垣;江戸城内曲輪が良好に遺存する他、天守台等本丸周辺石垣

・ 二の丸庭園

・ 明治時代の遺構;二重橋(皇居正門石橋と鉄橋)など

・ 展示施設;三の丸尚蔵館

(2) 江戸城外濠跡・常盤橋門跡

・ 牛込門跡・市谷門跡・四谷門跡・喰遺・赤坂門及び濠・土手、展示施設(市ヶ谷駅)、虎

ノ門周辺の石垣遺構と展示施設、常盤橋門跡・常磐橋

(3) 神田川・日本橋川

・ 江戸時代の石垣遺構・大手町川端緑道(歩行者専用道路)・舟運(観光船)

(4) 大名庭園跡

・ 小石川後楽園・浜離宮庭園・芝離宮庭園・六義園など

(5) 近代建造物

・ 東京駅等丸の内・大手町の文化財等

(6) 天下祭など江戸文化、芸術、伝統芸能や産業

6.

歴史文化遺産による普及活動は産学官民の多くの人々との交流 シンポジウム、セミナー、文化財巡り、交流会、広報活動等

会員や市民、産学官民の参加者を募り、江戸・東京歴史文化ルネッサンスの課題を通し、普及

活動等の交流によって多く人々へのアピール、社会的認知を得るために以下の活動を行います。

学識者、有識者により歴史文化遺産の保存・活用、再生や復元の検討をし、シンポジウムやセミ

ナー、講座、文化財巡りを通して、江戸東京の都市の歴史・文化遺産を伝えていきます。また、

ホームページ等により、広く一般に公開します。

それに先立ち、キックオフセミナーや学識者などによるシンポジウムを開催します。

シンポジウムやセミナー、文化財案内や文化財巡りなどの活動も検討していきます。

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(1) キックオフセミナー

・ 江戸城の見える化―文化財の保存活用

江戸の今昔

お城へ行こう

(2) 基調講演、セミナー等

・ 東京における文化財保護の役割(保護法改正によって何が変わるか)

まちづくり・観光と文化財の保護(保存と活用)の関連性

・ 近世城郭の復元と活用事例(各地の城郭保存整備活用事例、名古屋城天守他)

・ 文化遺産の観光(城郭遺構の観光としての活かし方事例)

・ 水辺に関わる文化遺産の保存と活用の事例

(東京の河川や濠に広がる文化遺産の保存と整備活用の方向性を考える)

・ 江戸城本丸御殿のCG復元 事例

(3) 文化財案内・文化財巡り

・ 江戸城跡

東御苑(江戸城本丸)、VRによる本丸御殿、天守など

・ 江戸城外濠①

飯田橋駅から四谷駅、赤坂門周辺

・ 江戸城外濠②

常盤橋から日本橋川、神田川の船巡り、江戸城と台場の船巡り

・ 大名庭園案内(小石川庭園・浜離宮・芝離宮・六義園など)

・ 丸の内周辺の近代建築物

・ 神田周辺、・浅草周辺

・ 品川台場周辺

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第4章 産学官民との交流・連携による歴史文化まちづくり

1. 交流に向けて、活動内容の把握

第3章3. 学術調査事項(1)「連携団体や関連団体及び行政の活動内容の把握」や(2)「活

かす文化的文脈(ストーリー)と課題の把握」により、様々な産学官民の活動との交流・連携を

進め、それらの声を「基本計画書(案)」に反映して参ります。

2. 歴史文化資源を活用した産学官民による多様な活動の散在

旧江戸城、城下町である東御苑や北の丸公園、皇居外苑は、明治以降において必ずしも歴史性

を意識した土地利用や施設配備がされてきたわけではないと云われています。

徐々に、市民に開放されてきたこと、また、近年は、江戸城祉と関連する歴史文化資源である

外濠や内濠の再生、神田川などの川下りや文化財巡り、皇居外苑の景観を守る等の多様な市民、

産学官民による活動が散在し展開されています。

旧城下町である都心北部の文化資源地域では、江戸時代から明治、大正、昭和に至る文化資源

地域となっています。谷根千の生活文化や上野の学術、芸術・文化、湯島聖堂の精神文化、秋葉

原のポップカルチャー、神保町の古書文化圏などの様々な活動が、市民や産学官民による地道な

活動が展開されています。

3. 「歴史まちづくり法の参画」による江戸東京歴史文化まちづくり

江戸城祉に現存する歴史文化遺産の多くは散在し、現在、必ずしも全体像は把握しきれていま

せん。400年以上の歴史を持ち、四季折々の自然と豊かな水を湛える濠に囲まれ、雄大な城郭

を形成している東京の歴史性は、今、益々、失われつつあります。また、その周辺もビルラッシ

ュが続いています。

「歴史まちづくり法」の参画を視野に入れて、産学官民の多様な活動を進める人々と、ゆるや

かに交流・連携を進めることが、歴史風致の維持向上を進めると共に、我が国の文化・芸術及び

地域社会の振興に寄与するものと考えます。

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第5章 今日的意義の策定と江戸城全体整備計画等 今後の課題

1. 今日的意義の策定と江戸城全体整備計画

2020年、世界にメッセージする今日的意義の検証を経て、江戸城全体整備計画書の策定を

もって江戸城全体整備資金計画(案)を策定します。

いま、なぜ、江戸東京歴史文化ルネッサンスか?についての歴史的、文化的な評価が学術的に

明らかにされ、今日的意義を検証する観点から江戸城全体整備計画書(案)の策定に取り掛かり

ます。

資金計画は実施段階までの事業検証を繰り返し行い、最終的な資金計画の把握に至ります。

その上で、資金調達は関係機関及びプロフェショナル等との調整・合意形成の上で、基本方針等

を策定します。

2. 提言活動と事業運営推進や事業体の検討

調査・研究のプロセスから「基本計画書」の完成に至るまで、行政や関係機関への提言活動を

進めます。

江戸城全体整備計画の策定は、事業運営推進体制や事業体の在り方と深くかかわります。「最適

な事業・運営、事業体は、どうあるべきか」について、検討します。

3. 一財財団法人から公益法人を目指す

私達は、市民運動設立以来12年、公益の増進に努め持続的に運動を展開して参りました。

現在は、徹底した非営利法人として、法人自治、役員の自己責任経営による厳格なガバナンスを

堅持できる法人運営を目指しています。

定款の目的と事業や計画は次のとおりです。

目的

旧江戸城及びその城下町等の歴史的伝統と文化的価値を調査・研究し、その成果や今日的

意義を普及・啓発し、提言することにより、我が国の文化・芸術の振興及び地域社会のより

良き発展に寄与することを目的とする

事業種類

(1)

(2)

(3)

旧江戸城及びその城下町等に現存する歴史文化遺産の保存及び失われた歴史文化遺産の

復元やこれらを活用した文化・芸術及び地域社会の振興に関する調査・研究を行う事業

調査・研究等の成果を普及・啓発及び提言する事業

(1)(2)を実現するための事業

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お問い合わせ

名称 一般財団法人 江戸・東京歴史文化ルネッサンスの会 事務局

住所 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-20ワカヤギビル503号

FAX 03-6261-6813

メールアドレス [email protected]

ホームページアドレス https://zaidan-edojo.or.jp/

開局日 毎週月曜日から木曜日の、午前10時から午後4時まで

お休み 金・土・日、祝祭日、年末年始等 事情により、事務局開閉日・時間を変更させて頂く場合がありますので、予めご了承ください。