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GNPの5年間を振り返る Yoshiyuki SAKAKI 榊 佳之 ゲノムネットワークプロジェクト実施会議 議長 理化学研究所 特任顧問/豊橋技術科学大学 学長 ゲノムネットワークプロジェクト(GNP)は5年間 にわたり活発な活動を行ってきたが平成20年度をもっ て終了することになった。先ず、実施会議議長として GNPを直接、間接に支えてくださった全ての方々にこ の場を借りて御礼を申し上げたい。 さて、GNPは2003年のヒトゲノム解読を受けて スタートしたいわゆるポストゲノムプロジェクトであり、 ゲノムの配列情報が分子を介する機能情報に変換される 最初のステップである“転写”、特に“ヒトゲノムの転写” に焦点を当て、様々な生命現象を支える転写の制御ネッ トワークの全体像を明らかにし、ポストゲノム時代の生 命科学研究の新たな基盤の整備を目指すものである。以 下、GNPのこの5年間の成果をいくつかの視点から総 括する。 まずゲノム科学の観点からみると、画期的な成果が2 つ生まれた。ひとつは林﨑グループによる通称「RNA 大陸の発見」と呼ぶ、大量の非コードRNAの発見であ る。これはRNAが遺伝情報発現の普遍的な制御因子と して多様な機能を果たしていることを示し、機能分子と してのRNAの再発見ともいえる。もう一つは、ゲノム 上の遺伝子の発現領域を区分するインシュレーターの発 見である。白髭グループを中心にした成果であるが、遺 伝情報の発現制御をエピゲノミックな視点から解析する ための重要な基礎を築いたといえる。 研究基盤整備の観点からみるとCAGE法を中心に トランスクリプトーム解析が進展し、ゲノム上に5万余 りの転写単位と18万余りの転写開始点が、その発現頻 度情報と共に正確にマップされ、また1000を超える 転写制御因子の相互作用マップがツーハイブリッド法を 中心に構築された。これらは世界のどこにもないGNP 発の基盤データである。更にリソースとして、日本独自 の技術をもとにした完全長cDNAライブラリーやsiRNA ライブラリーなども基盤として整備された。これら中核 機関の成果はのちに述べる個別生命現象のデータと統合 化されオリジナリティーの高い“GNPプラットフォー ム”としてコミュニティーに公開される。このプラット フォームにはこれまでに国内外の学術機関、企業から月 平均6000件のアクセスがある。 GNPはゲノムワイドな大規模解析を基盤整備とし て進める中核拠点機関と個々の生命現象のより深い理解 を目指す個別機能解析機関の連携するいわゆる横軸・縦 軸連携というこれまでにない新しい研究体制で推進され た。その結果、個別生命現象のネットワーク解析におい ても顕著な成果が多数生み出された。例えば、影山Gr の転写制御因子 Hes7 を中心とする2時間周期のリズム を刻む体節形成の転写ネットワーク、岡崎Grの多分化 能をもった細胞の脂肪細胞と骨芽細胞への分化のスイッ チングの転写制御ネットワーク、高柳Grの RANKL 中心とする破骨細胞分化制御のネットワーク、井上(聡) Grの乳がん・前立腺がんに関する性ホルモン(エスト ロジェン・アンドロジェン)関連の転写制御ネットワー クなどがその代表例である。これらの一部はさらに、ネッ トワークのダイナミックな変化をとらえるために数理解 析手法をとり入れた動的ネットワーク解析技術開発とし て展開している。 GNPの成果はプラットフォームで統合化される以 外に個別に300件を超える学術論文や16件の特許申 請などとして社会に発表されている。また、GNPメン バーはその優れた業績により、林﨑良英が紫綬褒章、 高柳広、白髭克彦が日本学術振興会賞を受賞するなどさ まざまに表彰された。 以上、GNPは所期の目標を十分達成し、我が国の生 命科学発展の新たな研究基盤を築いたと総括したい。 GNP March 2009 Newsletter Vol.7 (Final) Genome Network Proj ect 20042008

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GNPの5年間を振り返る

Yoshiyuki SAKAKI 榊 佳之 ゲノムネットワークプロジェクト実施会議 議長 理化学研究所 特任顧問/豊橋技術科学大学 学長

ゲノムネットワークプロジェクト(GNP)は5年間

にわたり活発な活動を行ってきたが平成20年度をもっ

て終了することになった。先ず、実施会議議長として

GNPを直接、間接に支えてくださった全ての方々にこ

の場を借りて御礼を申し上げたい。 さて、GNPは2003年のヒトゲノム解読を受けて

スタートしたいわゆるポストゲノムプロジェクトであり、

ゲノムの配列情報が分子を介する機能情報に変換される

最初のステップである“転写”、特に“ヒトゲノムの転写”

に焦点を当て、様々な生命現象を支える転写の制御ネッ

トワークの全体像を明らかにし、ポストゲノム時代の生

命科学研究の新たな基盤の整備を目指すものである。以

下、GNPのこの5年間の成果をいくつかの視点から総

括する。 まずゲノム科学の観点からみると、画期的な成果が2

つ生まれた。ひとつは林﨑グループによる通称「RNA

大陸の発見」と呼ぶ、大量の非コードRNAの発見であ

る。これはRNAが遺伝情報発現の普遍的な制御因子と

して多様な機能を果たしていることを示し、機能分子と

してのRNAの再発見ともいえる。もう一つは、ゲノム

上の遺伝子の発現領域を区分するインシュレーターの発

見である。白髭グループを中心にした成果であるが、遺

伝情報の発現制御をエピゲノミックな視点から解析する

ための重要な基礎を築いたといえる。 研究基盤整備の観点からみるとCAGE法を中心に

トランスクリプトーム解析が進展し、ゲノム上に5万余

りの転写単位と18万余りの転写開始点が、その発現頻

度情報と共に正確にマップされ、また1000を超える

転写制御因子の相互作用マップがツーハイブリッド法を

中心に構築された。これらは世界のどこにもないGNP

発の基盤データである。更にリソースとして、日本独自

の技術をもとにした完全長cDNAライブラリーやsiRNA

ライブラリーなども基盤として整備された。これら中核

機関の成果はのちに述べる個別生命現象のデータと統合

化されオリジナリティーの高い“GNPプラットフォー

ム”としてコミュニティーに公開される。このプラット

フォームにはこれまでに国内外の学術機関、企業から月

平均6000件のアクセスがある。 GNPはゲノムワイドな大規模解析を基盤整備とし

て進める中核拠点機関と個々の生命現象のより深い理解

を目指す個別機能解析機関の連携するいわゆる横軸・縦

軸連携というこれまでにない新しい研究体制で推進され

た。その結果、個別生命現象のネットワーク解析におい

ても顕著な成果が多数生み出された。例えば、影山Gr

の転写制御因子 Hes7 を中心とする2時間周期のリズム

を刻む体節形成の転写ネットワーク、岡崎Grの多分化

能をもった細胞の脂肪細胞と骨芽細胞への分化のスイッ

チングの転写制御ネットワーク、高柳GrのRANKL を

中心とする破骨細胞分化制御のネットワーク、井上(聡)

Grの乳がん・前立腺がんに関する性ホルモン(エスト

ロジェン・アンドロジェン)関連の転写制御ネットワー

クなどがその代表例である。これらの一部はさらに、ネッ

トワークのダイナミックな変化をとらえるために数理解

析手法をとり入れた動的ネットワーク解析技術開発とし

て展開している。 GNPの成果はプラットフォームで統合化される以

外に個別に300件を超える学術論文や16件の特許申

請などとして社会に発表されている。また、GNPメン

バーはその優れた業績により、林﨑良英が紫綬褒章、

高柳広、白髭克彦が日本学術振興会賞を受賞するなどさ

まざまに表彰された。 以上、GNPは所期の目標を十分達成し、我が国の生

命科学発展の新たな研究基盤を築いたと総括したい。

GNP March 2009

Newsletter Vol.7 (Final)

Genome Network Project 2004~2008

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2

ゲノムネットワークプロジェクト終了 -生命科学への新たな一歩-

Takehiko SASAZUKI 笹月 健彦 ゲノムネットワーク推進委員会 主査 国立国際医療センター 名誉総長

ヒトゲノムの配列と構築のフレームワークが解明され

た時、次なる課題は、受精卵から胎児、誕生、成熟、疾

病、老化、そして死に至るまで、それぞれの遺伝子がい

つどこでどれほど発現するのか、そしてそれがどのよう

に制御されているのかを知ることであった。ゲノムネッ

トワークプロジェクトでは、一個の遺伝子の発現のため

に、どれだけの因子が関与しているのか、そしてそれら

の因子を支配する遺伝子の発現はどのように制御されて

いるのか、これをネットワークとして統合的に理解する

ことが目標であった。 高次で複雑精緻な生命系の代表として、しばしば 1016

に及ぶ免疫システムの多様性や、21 兆にも達する脳の機

能状況の多様性が挙げられる。免疫システムの多様性は

遺伝子再編成でまかなわれており、脳の多様性は 109

オーダーのニューロンと各ニューロンが持つ 103 オー

ダーの神経突起が織りなす1012のネットワークがその基

盤である。 これに対し、遺伝子発現ネットワークは、104オーダー

の遺伝子、105に達するタンパク、そこへnon coding RNAが登場し、エピジェネティクスもからめて、10の何乗の

多様性になるのか、推測することさえ困難な状況である。 一卵性双生児と二卵性双生児を用いたさまざまな表現

型の一致率の研究によると、性的に成熟するまでの時間

は、二卵性双生児に比して、一卵性双生児では非常によ

く一致していることが明らかにされている。つまり当然

のことながら、生物種の次の世代を残すための戦略は、

厳密な遺伝子支配を受けているということを示している。

遺伝子発現ネットワークは受精に始まって生物が性的に

成熟し、その後しばらくの間は厳密な制御のもとにある

ことになる。逆に、生殖年齢を過ぎると、箍たが

が徐々に外

れてゆくのであろう。 ここでいう制御、箍

たが

の分子機構とはどのようなものな

のか、これの解明こそが生命の理解、疾病の理解、老化

の理解に一つの光を当てることになるであろう。 免疫システムは、一分の隙もないように多様性を活用

して、生体防御、恒常性維持のために機能している。し

かしながらその一方では、1016の多様性確立のためには、

ストキャスティックプロセスに加え、正と負のセレク

ションプロセスを踏んでいる。 受精卵からスタートした細胞の分化、増殖、活性化、

休眠、そして細胞死という個体発生と機能発現に際して、

遺伝子発現ネットワークの制御機構の成立に、ストキャ

スティックプロセスやセレクションプロセスはどのよう

に寄与しているのか、非常に興味深い問題である。 ゲノムネットワークプロジェクト終了に当たり、研究

に携わったチャレンジャーの方々の多大な功績を称え、

また、関係各位に心から感謝したい。そして、新しくス

タートするセルイノベーションプロジェクトでの、研究

者の新たなる挑戦と新世界の開拓に期待したい。

Genome Network Project 2004~2008

P1 実施会議議長 榊 佳之 GNPの5年間を振り返る P2 推進委員会主査 笹月 健彦 ゲノムネットワークプロジェクト終了 -生命科学への新たな一歩- P3 中核機関代表者 林﨑 良英 細胞の分子レベルでの理解に向けて 確実な一歩 P4 中核機関代表者 五條堀 孝 プロジェクト成果としてのゲノムネットワークプラットフォーム P5 研究成果 上田 泰己 脳の時間的・空間的発現制御機構のシステム生物学 プレス発表 白髭 克彦 “日本学術振興会賞”受賞 P6~7 研究成果一覧 P8 文部科学省 「ゲノムネットワークプロジェクト」の終了に寄せて TOPIC 第5回シンポジウム開催報告

CONTENTS

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3

細胞の分子レベルでの理解に向けて確実な一歩

Yoshihide HAYASHIZAKI 林﨑 良英 理化学研究所 オミックス基盤研究領域 領域長

ゲノムネットワークプロジェクトがスタートした当

時、米国では ENCODE 計画が始まっており、ゲノム

の要素の解明にいよいよ拍車がかかっていました。そ

の中で、我が国が打ち出した方向性は、遺伝子やタン

パク質などの要素の相互作用のカスケード、つまり

ネットワークの解析。本当にネットワークを描くこと

ができるのか?誰もが、このプロジェクトがとてつも

ないチャレンジであると感じていました。

中核機関の一つとして、プロジェクトの成果を語る

上で外せないのは、CAGE (Cap Analysis of Gene

Expression) 法です。これは、私どものグループが開発

した技術で、cap trapper 法や酵素反応を組み合わせて

転写物の 5’末端から 20 塩基程度のタグを切り出す方

法です。得られたタグをゲノムにマップすることによ

り、転写開始点をゲノムワイドに調べることができる

のです。この方法を用いて、コンソーシアムに提供す

るデータを産出するなかで、思いがけない発見があり

ました。「RNA 新大陸」の発見です。大量の非タンパ

クコード RNA がゲノムから転写され、他の遺伝子や

RNA,タンパク質の機能を制御している可能性を示唆

したのです。Science 誌に掲載されたこの発見は、既存

の教科書を書き換えるもので、朝日新聞では、「2005

年科学の十大ニュース」の一つに数えていただきまし

た。

この発見と前後して、大きなブレークスルーがあり

ました。ちょうど 2005 年ごろ、米国を中心に開発が進

められていた次世代型シーケンサーが実用段階に入っ

たのです。これにより、ゲノムネットワークプロジェ

クトにおける研究は大きく前進しました。CAGE タグ

を大量に収集、次世代シーケンサーで配列決定したの

ち、ゲノムにマップすると、同じ位置にマップされた

タグの数をカウントすることにより、ゲノムワイドな

遺伝子発現プロファイルを得ることができるのです。

現在では、次世代シーケンサーの性能の向上とあい

まって、10 個の細胞を集めたときに、その中でたった

1 分子しか発現していないような稀な RNA も逃さず

検出することができるレベルになっています。

そこで、この発現プロファイルを経時的に収集し、

転写因子に注目して、その制御関係を明らかにするこ

とに着手しました。ゲノムネットワークプロジェクト

では、FANTOM コンソーシアムと協力して、THP-1

細胞株をモデルとしてデータを取得し、モチーフアク

ティビティという新たな概念を取り入れて解析を行い

ました。こうして、最終的に、単球の状態を維持する

転写制御ネットワークを描くことができました。実験

データのみに基づいて転写制御ネットワークを明らか

にしたのは、これが初めての例です。ゲノムネットワー

クプロジェクト開始から 5 年、チャレンジは成功しま

した。

ゲノムネットワークプロジェクトを通じて、次の大

きな目標も見えてきました。理化学研究所オミックス

基盤研究領域では、本プロジェクトで培った技術やノ

ウハウを元に、さまざまな細胞の状態をネットワーク

に基づいて自在にコントロールする技術の開発に取り

組んでいます。

本プロジェクトは、「縦軸・横軸」という実施体制も

またユニークなポイントでした。横軸研究機関として

確立した次世代シーケンサーを活用したデータ産出な

どを、今後より多くの研究者に提供し、ライフサイエ

ンスの発展に貢献できればと願っております。

Genome Network Project 2004~2008

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4

プロジェクト成果としての ゲノムネットワークプラットフォーム

Takashi GOJOBORI

五條堀 孝 国立遺伝学研究所 副所長 2003年4月のヒトゲノム解読終了を機にヒトのゲノ

ム研究はシークエンスから機能解析へと大きくシフト

しました。ゲノムが機能を発揮する第一段階の「転写

調節」に焦点を当てて 2004 年 4 月に始動したゲノム

ネットワークプロジェクトは、まさにそのポストゲノ

ムシークエンス研究の先駆的プロジェクトでした。

本プロジェクトの特徴として、転写開始点情報やタ

ンパク質間相互作用などのゲノム機能に関する網羅的

なデータを産生する「横軸研究」と特定の細胞分化過

程など個別の生命現象に特化した「縦軸研究」を、そ

れぞれ異なる研究機関が分担したという点があります。

「横軸研究」による大規模データを既存の公共データ

と有機的に結合してプロジェクト内に提示し、それを

利用して生まれた「縦軸研究」の成果をフィードバッ

クとして取り入れる――このように異なるアプローチ

の研究の間で密接な連携を保つ事により、縦横の糸が

布を織り上げるようにヒトの生命現象の一端を描き上

げる事が本プロジェクトの狙いでした。このデータの

循環を担う基盤情報システムが、我々国立遺伝学研究

所チームが開発を担当した「ゲノムネットワークプ

ラットフォーム」です。

「ゲノムネットワークプラットフォーム」はプロ

ジェクト内におけるデータの展開だけでなく、基礎研

究・産業界を問わず広く社会一般にプロジェクトの成

果を発信する役割も担っています。本格的にプラット

フォームが稼動し始めた2006年には国内外の354サイ

トからアクセスがありましたが、2008 年には 1,716 サ

イトと 3 年間で約 5 倍にも増え、本プロジェクトがい

かに注目されているかを実感すると共に、各参加機関

のご協力にあらためて感謝しております。2009 年 3 月

にはプロジェクト成果の集大成として、大きく更新し

たプラットフォームを公開致します。(下図)

2009 年度から本プロジェクトの後継的位置付けの

「革新的細胞研究プログラム(セルイノベーション)」

プロジェクトが始動します。「ゲノムネットワークプ

ラットフォーム」の情報基盤のみならず本プロジェク

トにご参画いただいた全ての研究機関の成果は引き続

き活用され、セルイノベーションプロジェクトを介し

て社会に貢献し続ける事と確信しております。

ゲノムネットワークプラットフォーム トップページ

Genome Network Project 2004~2008

プロジェクト内で開発

された、他システムへの

リンク

プロジェクト実験データと

既存公共データを組み合わ

せた統合データベース

全参加研究機関の

課題と成果の一覧

http://genomenetwork.nig.ac.jp/

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■【研究成果】脳の時間的・空間的発現制御機構のシステム生物学

上田 泰己 Hiroki UEDA 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター チームリーダー

本研究では多様な細胞・領域から構成されている脳における「時間的」「空間的」発現

制御ネットワークを捉えることを目指し、5年間の研究中様々な成果が得られました。 まず「空間的」な発現制御機構の解明を目指し、脳の約50領域を対象とした遺伝子

発現解析を行いました。脳内には摂食や睡眠などの機能を担う領域が存在し、それら機

能部位について包括的な遺伝子発現を知ることが、その後の詳細な解析のためのプラッ

トフォームとなりえます。そこで本研究では明確な機能を持つ脳領域に対して、DNA chip を用いた遺伝子発現プロファイルを獲得し、約50脳領域の遺伝子発現データベー

スを構築しました。さらに、脳の「時間的」発現制御機構(ダイナミクス)の解明にむ

けて、数十分から数時間スケールの発現制御機構のモデルケースとして視交叉上核の光

応答の解析を行い、数ヶ月スケールの発現制御機構解析のモデルケースとして光周性と呼ばれる日長変化(季節)

を生物が感知する機構の解析を行いました。これらの解析により、各現象に関与する遺伝子の同定、その制御機

構の推定・同定に成功しています。これらの「空間的」「時間的」発現制御ネットワーク解析の研究成果について

はそれぞれ現在論文投稿中・準備中です。 また、本研究に関連して発現制御機構解明のための解析システムの構築も行いました。1つめは、哺乳類プロ

モーター・エンハンサーデータベースです。具体的な応用として本データベースを用いゲノム上の「朝」・「昼」・

「夜」のスイッチとなる DNA 制御配列をモデル化し、さらに、体内時計の人工的な制御配列の設計および証明

に成功し論文が公表されています。2つめは、制御機構解明のためのハイスループットなスクリーニングシステ

ムです。このシステムを使うと、数万クローンを一日でト

ランスフェクションし、ゲノムスケールでのスクリーニン

グがハイスループットに可能になります。この実験系を用

いることで、概日時計の転写制御を担う因子の同定に成功

しています。 本研究により得られた成果は、多様な部位での発現や

様々な時定数をもつ発現ネットワークの解明につながるこ

とに加え、その後の詳細な脳科学研究に対するリソースを

提供します。さらに、今回開発した解析システムを応用す

ることで、脳研究分野に加えて、さまざまな現象の制御機

構の解明につなげることができると期待されます。

■【プレス発表】“日本学術振興会賞” 白髭 克彦教授 受賞

日本学術振興会(理事長小野元之)は、平成 20 年 11 月 18 日開催の日本学術振興会

賞審査会(委員長 江崎玲於奈)の選考に基づき、日本の学術研究の将来のリーダーと

期待される日本学術振興会賞受賞者に東京工業大学白髭克彦教授他 24 名を決定した。 【受賞コメント】Katsuhiko SHIRAHIGE

今回の受賞は予期していなかっただけに大変驚きました。言うまでもなく、この賞

は私個人のものではなく、今まで私と一緒に研究を進めてきて下さった方達、また、

指導していただいた諸先輩方あってこそのものです。この場を借りて、深く感謝しま

す。特に GNP に参加したことで、自分自身の興味の対象を広げることが出来、そのことも今回の受賞につながっ

ています。我々が地道に取り組んできたことがこのような形で評価していただけたことを、素直に喜び、この賞

に込められた期待を裏切らぬよう、今後も研究を続けていきたいと思います。

Genome Network Project 2004~2008

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【研究成果一覧】 【平成21年3月16日現在】

Journal Book Conference Patent 成果発表数 329 23 591 16 *

* 出願中 4 件含む

<主な発表論文 一覧>

【Nature 掲載論文】

Nakao N, Ono H, Yamamura T, Anraku T, Takagi T, Higashi K, Yasuo S, Katou Y, Kageyama S, Uno Y, Kasukawa T, Iigo M, Sharp PJ, Iwasawa A, Suzuki Y, 菅野 純夫 Sugano S, Niimi T, Mizutani M, Namikawa T, Ebihara S, 上田 泰己 Ueda HR, Yoshimura T:

Thyrotrophin in the pars tuberalis triggers photoperiodic response. Nature 452: 317-322, 2008 Wendt KS, Yoshida K, 伊藤 武彦 Itoh T, Bando M, Koch B, Schirghuber E, Tsutsumi S, Nagae G, Ishihara K, Mishiro T, Yahata K, Imamoto F, 油谷 浩幸 Aburatani H, Nakao M, Imamoto N, Maeshima K, 白髭 克彦 Shirahige K, Peters JM:

Cohesin mediates transcriptional insulation by CCCTC-binding factor. Nature 451: 796-801, 2008 Sharif J, Muto M, Takebayashi S, Suetake I, Iwamatsu A, Endo TA, Shinga J, Mizutani-Koseki Y, Toyoda T, Okamura K, Tajima S, Mitsuya K, Okano M, 古関 明彦 Koseki H:

The SRA protein Np95 mediates epigenetic inheritance by recruiting Dnmt1 to methylated DNA. Nature 450: 908-912, 2007 Gack MU, Shin YC, Joo CH, Urano T, Liang C, Sun L, Takeuchi O, Akira S, Chen Z, 井上 聡 Inoue S, Jung JU:

TRIM25 RING-finger E3 ubiquitin ligase is essential for RIG-I-mediated antiviral activity. Nature 446: 916-920, 2007

【Science 掲載論文】

Asagiri M, Hirai T, Kunigami T, Kamano S, Gober HJ, Okamoto K, Nishikawa K, Latz E, Golenbock DT, Aoki K, Ohya K, Imai Y, Morishita Y, Miyazono K, Kato S, Saftig P, 高柳 広 Takayanagi H:

Cathepsin K-dependent toll-like receptor 9 signaling revealed in experimental arthritis. Science 319: 624-627, 2008 Katayama S, Tomaru Y, Kasukawa T, Waki K, Nakanishi M, Nakamura M, Nishida H, Yap CC, Suzuki M, Kawai J, Suzuki H, Carninci P, 林﨑 良英 Hayashizaki Y, Wells C, Frith M, Ravasi T, Pang KC, Hallinan J, Mattick J, Hume DA, Lipovich L, Batalov S, Engstrom PG, Mizuno Y, Faghihi MA, Sandelin A, Chalk AM, Mottagui-Tabar S, Liang Z, Lenhard B, Wahlestedt C:

Antisense transcription in the mammalian transcriptome. Science 309: 1564-1566, 2005 Carninci P et al., 五條堀 孝 Gojobori T, 北野 宏明 Kitano H, 林﨑 良英 Hayashizaki Y: The FANTOM Consortium; Riken Genome Exploration Research Group and Genome Science Group (Genome Network Project Core Group)

The transcriptional landscape of the mammalian genome. Science 309: 1559-1563, 2005

【Cell 掲載論文】

Shinohara M, Koga T, Okamoto K, Sakaguchi S, Arai K, Yasuda H, Takai T, Kodama T, Morio T, Geha RS, Kitamura D, Kurosaki T, Ellmeier W, 高柳 広 Takayanagi H:

Tyrosine kinases Btk and Tec regulate osteoclast differentiation by linking RANK and ITAM signals. Cell 132: 794-806, 2008

【Proceedings of the National Academy of Sciences USA 掲載論文】

Kumaki Y, Ukai-Tadenuma M, Uno KD, Nishio J, Masumoto K, Nagano M, Komori T, Shigeyoshi Y, Hogenesch JB, 上田 泰己 Ueda HR: Analysis and synthesis of high―amplitude Cis-elements in the mammalian circadian clock. Proc Natl Acad Sci U S A 105: 14946-14951, 2008

Yoshiura S, Ohtsuka T, Takenaka Y, Nagahara H, Yoshikawa K, 影山 龍一郎 Kageyama R: Ultradian oscillations of Stat, Smad, and Hes1 expression in response to serum. Proc Natl Acad Sci U S A 104: 11292-11297, 2007

Kamath-Loeb AS, Lan L, Nakajima S, 安井 明 Yasui A, Loeb LA:

Werner syndrome protein interacts functionally with translesion DNA polymerases. Proc Natl Acad Sci U S A 104: 10394-10399, 2007 Takehashi M, Kanatsu-Shinohara M, Inoue K, Ogonuki N, Miki H, Toyokuni S, Ogura A, 篠原 隆司 Shinohara T:

Adenovirus-mediated gene delivery into mouse spermatogonial stem cells. Proc Natl Acad Sci U S A 104: 2596-2601, 2007 篠原 隆司 Shinohara T, Kato M, Takehashi M, Lee J, Chuma S, Nakatsuji N, Kanatsu-Shinohara M, Hirabayashi M:

Rats produced by interspecies spermatogonial transplantation in mice and in vitro microinsemination. Proc Natl Acad Sci U S A 103: 13624-13628, 2006

Masamizu Y, Ohtsuka T, Takashima Y, Nagahara H, Takenaka Y, Yoshikawa K, Okamura H, 影山 龍一郎 Kageyama R: Real-time imaging of the somite segmentation clock: revelation of unstable oscillators in the individual presomitic mesoderm cells.

Proc Natl Acad Sci U S A 103: 1313-1318, 2006

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7

【Journal of Biological Chemistry 掲載論文】

Shiomi Y, Masutani C, Hanaoka F, 木村 宏 Kimura H, Tsurimoto T: A second proliferating cell nuclear antigen loader complex, Ctf18-replication factor C, stimulates DNA polymerase eta activity. J Biol Chem 282: 20906-20914, 2007

Nojima T, Hirose T, 木村 宏 Kimura H, Hagiwara M: The interaction between cap-binding complex and RNA export factor is required for intronless mRNA export. J Biol Chem 282: 15645-15651, 2007

Fujita M, Sugama S, Nakai M, Takenouchi T, Wei J, Urano T, 井上 聡 Inoue S, Hashimoto M: alpha-Synuclein stimulates differentiation of osteosarcoma cells: relevance to down-regulation of proteasome activity. J Biol Chem 282: 5736-5748, 2007

Ichikawa T, Horie-Inoue K, Ikeda K, Blumberg B, 井上 聡 Inoue S: Steroid and xenobiotic receptor SXR mediates vitamin K2-activated transcription of extracellular matrix-related genes and collagen accumulation in osteoblastic cells. J Biol Chem 281: 16927-16934, 2006

【The EMBO Journal 掲載論文】

Petta TB, Nakajima S, Zlatanou A, Despras E, Couve-Privat S, Ishchenko A, Sarasin A, 安井 明 Yasui A, Kannouche P: Human DNA polymerase iota protects cells against oxidative stress. EMBO J 27: 2883-2895, 2008 Yamauchi T, Ishidao T, Nomura T, Shinagawa T, Tanaka Y, Yonemura S, 石井 俊輔 Ishii S:

A B-Myb complex containing clathrin and filamin is required for mitotic spindle function. EMBO J 27: 1852-1862, 2008

Kanno S, Kuzuoka H, Sasao S, Hong Z, Lan L, Nakajima S, 安井 明 Yasui A: A novel human AP endonuclease with conserved zinc-finger-like motifs involved in DNA strand break responses. EMBO J 26: 2094-2103, 2007 Hayashi M, Katou Y, 伊藤 武彦 Itoh T, Tazumi A, Yamada Y, Takahashi T, Nakagawa T, 白髭 克彦 Shirahige K, Masukata H:

Genome-wide localization of pre-RC sites and identification of replication origins in fission yeast. EMBO J 26: 1327-1339, 2007 Kurochkin IV, Mizuno Y, Konagaya A, 榊 佳之 Sakaki Y, Schonbach C, 岡崎 康司 Okazaki Y:

Novel peroxisomal protease Tysnd1 processes PTS1- and PTS2-containing enzymes involved in beta-oxidation of fatty acids. EMBO J 26: 835-845, 2007 Yokomizo T, 高橋 智 Takahashi S, Mochizuki N, Kuroha T, Ema M, Wakamatsu A, Shimizu R, Ohneda O, Osato M, Okada H, Komori T, Ogawa M, Nishikawa S, Ito Y, Yamamoto M:

Characterization of GATA-1(+) hemangioblastic cells in the mouse embryo. EMBO J 26: 184-196, 2007

<特許>

発明者 発明の名称 出願日 出願番号

✦ 林﨑 良英, 鈴木 治和,伊藤 昌可 ⅡS型制限酵素を用いる翻訳終始コドンの除去方法 2005/12/15 特願2005-362337

✦ 柳川 弘志, 宮本 悦子,鷲尾 尊規

配列データの取得方法ならびにそれらを利用したターゲット遺伝子の抽出方法および蛋白質の設計方法 2005/12/08 特願2005-354344

✦ 五條堀 孝, 池尾 一穂,岡山 利次 相同性検索システム、相同性検索装置および相同性検索方法 2007/03/02 特願2007-052583;

PCT/JP2008/053647

✦ 関根 光雄, 清尾 康志,大窪 章寛 固体支持体及びDNAチップ 2005/09/12 特願2005-263722

✦ 関根 光雄,清尾 康志 大窪 章寛,田中 邦彦

オリゴヌクレオチド誘導体,遺伝子検出用プローブ 及びDNAチップ 2006/02/28 特願2007-506962

PCT/JP2006/303772

✦ 関根 光雄,清尾 康志 大窪 章寛,田中 邦彦 オリゴヌクレオチド固定化固相担体 2006/03/10 特願2006-066396

PCT/JP2007/054645

✦ 篠原 隆司,篠原 美都 精原幹細胞のインビトロ増殖方法 2006/10/25 特願2006-290111

✦ 岡崎 康司, クーロチキン・イーゴル, ションバッハ・クリスチャン

A Pharmaceutical Composition for Treating and Disorder Associated with Peroxisomal Biogenesis and Function 2006/06/09 PCT/JP2006/312085

✦ 井上 聡,池田 和博 子宮癌及び乳癌の予防乃至治療に好適な二本鎖核酸分子、癌細胞増殖抑制剤、並びに医薬 2006/06/20 特願2007-162641

✦ 井上 聡,池田 和博 子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の予防乃至治療に好適な二本鎖核酸分子、癌細胞増殖抑制剤、並びに医薬 2008/06/20 PCT/JP2008/61346

✦ 井上 聡,池田 和博 前立腺癌及び膀胱癌の予防乃至治療に好適な二本鎖核酸分子、癌細胞増殖抑制剤、並びに医薬 2008/03/11 特願2008-060757

✦ 白澤 専二, 藤本 崇宏, 角田 俊之, 土井 佳子, 小柳 緑

ZFAT遺伝子発現抑制RNA 2008/09/08 PCT/JP2008/66155

(太字:GNP研究課題代表者 及び 分担研究代表者等)

Page 8: GNP - National Institute of Geneticsgenomenetwork.nig.ac.jp/docs/GNP_Newsletter_0903_Vol7.pdfGNPの5年間を振り返る Yoshiyuki SAKAKI 榊 佳之 ゲノムネットワークプロジェクト実施会議

■文部科学省 「ゲノムネットワークプロジェクト」の終了に寄せて

文部科学省では、生命科学の新時代を切り拓いたこのヒトゲノム計画の基盤を活かし、ゲノム研究をさらに発展させるため、「ゲノムネットワークプロジェクト」を平成16年度より開始しました。

このプロジェクトは、遺伝子の発現調節機能やタンパク質等の生体分子間の相互作用の系統的な解析に基づき、生命現象を成立させているネットワークを明らかにし、さらには、これらの研究によって得られる情報により、生活習慣病や難病等の新たな治療法の開発や創薬につながる成果を上げることを目指して実施されてきました。

今年度、平成20年度において事業最終年度を迎えることとなりましたが、これまで、大量のノンコーディング RNA の発見やインシュレーター機能因子の発見をはじめとし、エストロゲン受容体の遺伝子ネットワークの解明や骨粗鬆症や関節リウマチの治療を目指した研究成果など、多くの研究成果が生み出されつつあります。また、解析されたゲノムデータをはじめ、膨大な転写ネットワークについて、国内外の多くの研究者の方々にご利用いただけるよう、情報プラットフォームから提供されております。

さらに、平成21年度からは、この「ゲノムネットワークプロジェクト」で得られた成果や基盤を活用しつつ、高性能のシーケンサーを活用して、従来なしえなかった大規模・多面的な遺伝情報解析やリアルタイム細胞解析等により、細胞・生命プログラムの解読を目指す「革新的細胞解析研究プログラム」=“セルイノベーション”を開始する予定です。

文部科学省としましては、我が国の未来を切り拓く科学の一つとして、引き続きライフサイエンス研究の推進に努めてまいりますので、今後とも皆様の一層の御理解と御支援をお願い申し上げます。

■第5回シンポジウム開催報告 東京国際フォーラム 平成 21 年 1 月 16 日(金)

講演会場 座長 榊 佳之 文部科学省 倉持 隆雄 推進委員会 笹月 健彦 来賓 堀田 凱樹 講演1 林﨑 良英 講演2 五條堀 孝 講演3 高柳 広 講演4 古関 明彦 講演5 白髭 克彦 講演6 松田 秀雄 ポスターセッション

5年間にわたるゲノムネットワークプロジェクトにおける皆様のご支援ご協力に心より御礼申し上げます。 ゲノムネットワークプロジェクト実施会議事務局一同

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GNP Newsletter March 2009 Vol. 7 (Final)

発行日 平成 21 年 3 月 16 日

発 行 ゲノムネットワークプロジェクト実施会議事務局(理研)

〒230-0045 横浜市鶴見区末広町 1-7-22 W503

独立行政法人 理化学研究所 横浜研究所

Genome Network Project 2004~2008