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平成 29 年度製造基盤技術実態等調査事業 (水ビジネス海外展開と動向把握の方策に関する調査) 報告書 平成 30 年 3 月 経済産業省 受託者:株式会社富士経済

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平成 29 年度製造基盤技術実態等調査事業

(水ビジネス海外展開と動向把握の方策に関する調査)

報告書

平成 30 年 3 月

経済産業省

受託者:株式会社富士経済

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目次

1.調査対象とした我が国水ビジネス企業の範囲 ................................................................................. 3

2.我が国水ビジネス企業の売上高の動向 .......................................................................................... 4

1) 我が国水ビジネス企業の売上高 ............................................................................................... 4

2) 取扱製品・技術・サービス別にみた売上高 ................................................................................. 4

3) 国内・海外別にみた売上高 ...................................................................................................... 6

4) 事業分野別にみた売上高 ........................................................................................................ 8

3. 海外市場における我が国水ビジネス企業の動向 .......................................................................... 10

1) 我が国水ビジネス企業の占有率 .............................................................................................. 10

2) 海外の地域別にみた占有率 .................................................................................................... 10

3) 事業分野別にみた占有率 ....................................................................................................... 12

4) 海外拠点の設置状況 .............................................................................................................. 12

5) 海外の地域別・事業分野別の注力度 ....................................................................................... 14

4. 我が国水ビジネス企業の今後のビジネス展開 .............................................................................. 16

1) 海外企業とのアライアンス ........................................................................................................ 16

2) ビジネス展開の方向性 ............................................................................................................ 27

3) ビジネス展開の課題 ............................................................................................................... 29

5. 動向把握のための方策の検討 .................................................................................................... 30

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本調査について

調査の目的

水分野は、上水、造水、産業用水・産業排水、再利用水、下水、海水淡水化など多岐にわたり、それぞ

れの分野に対応した水ビジネスの拡大が期待されている。

我が国水関連企業は、水処理膜や耐震・漏水防止技術など、高度な水処理機器・技術を有するが、今

後、海外展開を進めるためには、相手国ニーズに応えた技術開発を進め、市場を獲得した上で先端技術

導入に拡大していくなど、水ビジネス分野の更なるイノベーションサイクルにつなげていく必要がある。今後

の水ビジネスの海外展開とイノベーション促進に向けた戦略策定などに資するため、我が国水関連企業の

海外展開の実態を把握・分析するとともに、今後の動向把握のための方策などについて検討した。

調査の内容

① 水ビジネスに携わる我が国企業の海外展開の動向把握及び分析

水ビジネス市場に携わる我が国企業を整理し、個社の動向を把握するとともに、海外での参入・受

注状況について把握・分析した。

② 動向把握のための方策などの検討

我が国企業による海外での上水道及び下水道分野における参入・受注状況、投資案件の実績、先

進分野の実態などについて、捕捉・把握するための方策を検討した。

調査の方法

上記の目的を達成するために、各種データベースなどから、水ビジネスに携わる企業 200 社以上をリス

トアップし、それら企業に対して面談によるヒアリング調査及びアンケート票による調査を行い、55 社から回

答を得た。

なお、海外市場の動向については、Global Water Intelligence 社の『Global Water Market 2017』(以

下、GWM2017 という)のデータを利用した。また、GWM2017 の金額データは米国ドル表記のため、これを

円換算する際には、下記為替レートを用いて試算した。

為替レート(年平均)

2013 2014 2015 2016 2017

97.6 105.9 121.1 108.8 112.4

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1.調査対象とした我が国水ビジネス企業の範囲

本事業では、水ビジネスとして下記分類の製品、技術、サービスを取り扱う我が国企業をリストアップし、

本調査の対象とした。

図表 1 水ビジネスの取扱製品・技術・サービス

大分類 中分類 小分類

膜 水処理膜 MF 膜、UF 膜、RO 膜、NF 膜、MBR 用膜、FO 膜、左記の膜を使用す

る膜ろ過装置

薬品・部材・装置

薬品 ボイラ・冷却水用薬品、水殺菌・消毒用薬品、高分子凝集剤、無機凝集

剤、活性炭、イオン交換樹脂、キレート樹脂、ろ過材、吸着剤(セラミック

等)、EDI、微生物固定化担体・接触材、薬品注入設備 など

管材 管路、管きょ、付属機器(継手・バルブ類) など

機器 ポンプ、ブロア、コンプレッサー など

浄水/用水 処理装置

純水製造装置、超純水製造装置、オゾン発生器、紫外線照射装置、砂

ろ過装置、繊維ろ過装置、軟水装置 など

下水/排水他処

理装置 汚泥脱水機・濃縮機、汚泥乾燥機、汚泥焼却炉、汚泥炭化炉、汚泥掻

寄機、超微細気泡散気装置、排水再利用装置、バラスト水処理装置等

電気設備 電気設備 受変電・自家発・運転操作・計装・監視制御設備

プラント・ エンジニアリング

(EPC)

プラント・ エンジニアリング

(EPC)

浄水処理プラント、下水処理・再利用プラント、産業用水・排水処理(排

水再利用・エネルギー・有価物回収)プラント、海水淡水化プラント、そ

の他

運営・管理等 サービス

運営・管理等 サービス

上下水道施設運営管理(運営、維持管理サービス)、水道顧客サービス

(検針・料金徴収等)、漏水検知サービス、産業用水・排水運転・維持管

理サービス、純水・超純水供給サービス など

コンサルティング コンサルティング コンサルティングサービス(計画立案・調査・設計・技術移転業務、その

他)

海外事業投資 海外事業投資 -

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2.我が国水ビジネス企業の売上高の動向

1) 我が国水ビジネス企業の売上高

本調査の対象企業における 2016 年度の水ビジネスに関連する売上高は、国内外合わせて、1 兆 5,265

億円であった。

図表 2-1 我が国水ビジネス企業の売上高

2) 取扱製品・技術・サービス別にみた売上高

我が国水ビジネス企業の売上高を、図表1で示した取扱製品・技術・サービスの大分類別にみると、最も

売上高が大きかったのは薬品・部材・装置 7,314 億円(売上高全体に占めるシェア 47.9%)で、全体の約

過半を占めた。次に大きかったのは、運営・管理等サービス 3,635 億円(同 23.8%)、次いでプラント・エン

ジニアリング(EPC)2,987 億円(同 19.6%)であった。この他は、売上高全体に占めるシェアが比較的小さ

く、電気設備 611 億円(同 4.0%)、膜 442 億円(同 2.9%)であった。なお、分類について回答が得られな

かったものは 276 億円(1.8%)あった。また、コンサルティングと海外事業投資の売上高については、有効

な回答が得られなかった。

単位:百万円

1,526,493

2016年度

売上高

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図表 2-2 取扱製品・技術・サービス別にみた売上高

注 1:コンサルティングと海外事業投資については、回答が得られなかったことから「-」とした。

注 2:分類について回答が得られなかったものを「分類非回答」とした。

単位:百万円、%

44,230

シェア 2.9%

731,391

シェア 47.9%

61,093

シェア 4.0%

298,688

シェア 19.6%

363,491

シェア 23.8%

コンサルティング -

シェア -

海外事業投資 -

シェア -

27,600

シェア 1.8%

1,526,493

シェア 100.0%

分類非回答

合計

2016年度

電気設備

薬品・部材・装置

プラント・エンジニアリング(EPC)

運営・管理等サービス

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3) 国内・海外別にみた売上高

売上高を国内向けと海外向けに分けると、国内向け売上高が 1 兆 2,267 億円(売上高全体に占める

シェア 80.4%)と 8 割超を占め、海外向け売上高は 2,878 億円(同 18.9%)と 2 割弱であった。また、国内

外の別について回答が得られなかったものは 120 億円(同 0.8%)あった。

次に、海外売上高(2,878 億円)を地域別に分けると、中国を除くアジアが最も多く 995 億円(海外売上

高全体に占めるシェア 34.6%)、次いで、欧州が 482 億円(同 16.8%)、中東が 357 億円(同 12.4%)、中

国が 325 億円(同 11.3%)、北米が 159 億円(同 5.5%)、その他の地域(中南米やアフリカなど)が 91 億

円(同 3.2%)であった。また、どの地域かについて回答を得られなかったものが 468 億円(同 16.8%)あっ

た。

最も売上高の大きいアジアでは、東南アジアの経済発展に伴う上下水道の整備需要の拡大に、我が国

企業が関与するケースがみられた。また、我が国製造業が東南アジアに進出する際、我が国企業も現地工

場の水処理を担う形で進出し、それを足掛かりに現地の製造業企業への営業攻勢を強める事例もあった。

また、韓国や台湾などの半導体産業が盛んな地域においては、従来から、産業用水・排水の受注実績が

豊富であり、この点も、アジア向け売上高が大きい要因の一つと推察される。

欧州では、水処理メーカーの実績が目立つほか、我が国企業による欧州企業の買収が多くみられる

(p16「図表 4-1 海外企業とのアライアンス一覧(各社のプレスリリースなどの公表情報より)」参照)。欧州

は、日本同様、上下水道のインフラは成熟しており、産業用水・排水の規制も整備されている。これから設

備を新規に整備する地域と異なり、我が国企業が有する技術やノウハウを、現地の販売チャネルを通じて

販売することも可能である。そのため、我が国企業が買収を進める事例が増えているとみられる。

中東は、海水淡水化分野の需要が旺盛であり、我が国企業の技術優位性が活かせる地域といえる。近

年では、海水淡水化のみならず、下水の再生水利用などの需要も増加しており、我が国企業もそれらの需

要確保のため、NEDO 実証事業などを含め、営業展開を進めている。

北米は、水処理膜メーカーのほか、ポンプやバルブなどの水処理部材メーカーが実績を上げている。北

米は、欧州と同様、インフラ整備が進んでいる地域であり、高度処理技術も受け入れられやすい。特に、西

海岸では干ばつによる水不足が深刻化しており、下水再利用など造水需要の拡大が見込まれることから、

高度な水処理技術を有する我が国水ビジネス企業の商機が期待される。

その他地域としては、中南米やアフリカなどがある。現在、中南米では、商社による上下水道事業への

出資が盛んである。中南米やアフリカは、鉱山向け水処理や海水淡水化などの需要が見込まれる地域で

あり、今後注力度を高めていく企業も現れるとみられる。

各地域の市場競争環境について言えば、欧州と北米は、市場ポテンシャルが大きく、マーケットとして魅

力的である一方、海外のいわゆる水メジャーの本拠地であり、企業間の競争が厳しい。東南アジアや中国

も、それら水メジャーや水メジャーと連携したローカル企業が隆盛しており、市場環境はより厳しくなりつつ

ある。

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図表 2-3 国内・海外別にみた売上高

注:国内外別の回答が得られなかったものを「国内外非回答」とした。

図表 2-4 海外地域別にみた売上高

注 1:地域区分は p30 参照。

注 2:地域別の回答が得られなかったものを「地域非回答」とした。

単位:百万円、%

売上高合計 1,526,493

1,226,698

シェア 80.4%

287,795

シェア 18.9%

12,000

シェア 0.8%

海 外

国 内

2016年度

国内外非回答

単位:百万円、%

287,795

48,229

シェア 16.8%

15,922

シェア 5.5%

35,700

シェア 12.4%

99,470

シェア 34.6%

32,546

シェア 11.3%

9,119

シェア 3.2%

46,809

シェア 16.3%

2016年度

海外売上高合計

欧 州

北 米

中 東

アジア(中国を除く)

中国

その他(中南米やアフリカなど)

地域非回答

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4) 事業分野別にみた売上高

(1) 国内

国内売上高(1 兆 2,267 億円)を事業分野別にみると、上水道分野の売上高が最も大きく、2,552 億

円(国内売上高全体に占めるシェア 20.8%)であった。次いで、下水道分野 2,287 億円(同 18.6%)、

産業用水分野 1,755 億円(同 14.3%)、産業排水分野 906 億円(同 7.4%)であった。ただし、どの分野

の売上高か回答を得られなかったものが 3,378 億円(同 27.5%)あり、各分野の実際の売上高は、図表

2-5 の数値を上回るものと推察される。

(2) 海外

海外売上高(2,878 億円)を分野毎に分けると、産業用水分野が最も高く、730 億円(海外売上高全

体に占めるシェア 25.4%)であった。次いで上水道分野 483 億円(同 16.8%)、産業排水分野 452 億

円(同 15.7%)、下水道分野 181 億円(同 6.3%)、海水淡水化分野 165 億円(同 5.7%)であった。

産業用水・産業排水分野の割合が大きい主な理由は、我が国企業の海外企業買収に伴う売上高増

加である。海水淡水化分野は、淡水化プラントの規模などにより年によって変動があるが、近年、我が国

水ビジネス企業の受注が比較的多く、また、水処理膜などでコンスタントな需要があったため、100 億円

を超える規模となった。上下水道分野では、管材メーカー、脱水機メーカー、水処理膜メーカーなどの

実績が目立った。なお、海外売上高についても、分野別の回答が得られなかったものが 754 億円(同

26.2%)あり、各分野の実際の売上高は、ここに示した数値を上回ると推察される。

図表 2-5 事業分野別にみた売上高

単位:百万円、%

国内 海外

255,159 48,278

シェア 20.8% 16.8%

228,654 18,130

シェア 18.6% 6.3%

175,525 73,027

シェア 14.3% 25.4%

90,604 45,189

シェア 7.4% 15.7%

1,353 16,507

シェア 0.1% 5.7%

54,867 374

シェア 4.5% 0.1%

82,777 10,896

シェア 6.7% 3.8%

337,759 75,394

シェア 27.5% 26.2%

1,226,698 287,795

シェア 100.0% 100.0%

その他(民間需要)

下水

産業用水

上水

産業排水

海水淡水化

事業分野非回答

2016年度

合計

その他(官公需要)

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図表 2-5-1 国内売上高の事業分野別構成(2016 年度)

図表 2-5-2 海外売上高の事業分野別構成(2016 年度)

注 1:「その他(官公需要)」とは、し尿処理、最終処分場浸出水処理、農業集落排水処理、その他公共施設水処理で

ある。

注 2:「その他(民間需要)」とは、製造業以外のオフィスビル、商業施設、私立病院などの水処理である。

注 3:事業分野別の回答が得られなかったものを「事業分野非回答」とした。

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3. 海外市場における我が国水ビジネス企業の動向

1) 我が国水ビジネス企業の占有率

GWM2017 によれば、2016 年の水ビジネスの海外市場規模は、66 兆 6,073 億円にのぼる。世界全体の

経済成長率はプラスで推移しており、上下水道や海水淡水化などのインフラ整備需要は上昇基調であるこ

とから、水ビジネス市場は今後も高い伸び率で拡大するものと考えられる。

その成長市場において、本調査の対象企業の海外売上高は 2,878 億円に止まり、海外市場規模に占

めるシェアは 0.4%と低い。ただし、本調査における我が国水ビジネス企業の売上高には、水ビジネスに関

わる土木工事(躯体工事、推進工事、管きょ更生工事などを含む建設工事)が含まれていない一方で、

GWM2017 の海外市場規模には「Civil engineering/fabrication」(土木工事)が含められているため、単純

比較では我が国企業の占有率が低くなることに留意されたい。

図表 3-1 海外市場における我が国企業の占有率

注 1:海外市場規模は、GWM2017 の世界市場全体の値から日本市場の値を引いて算出した。なお、GWM2017 に

は、本調査の調査対象外である多目的ダムや導水トンネル、開水路などを含む「Water Resources」の数値が含ま

れているため、ここでは「Water Resources」を除いて海外市場規模を算出した。

注 2:調査対象企業の売上高は年度の値であり、GWM2017 の値は年次の集計値であるため、厳密には整合していな

いが、便宜的に年度として比較した。

2) 海外の地域別にみた占有率

海外の各地域における我が国水ビジネス企業の売上高と占有率は、図表 3-2 の通りである。

我が国企業の占有率が最も高いのは、中国を除くアジアで 1.3%、次いで中東が 1.0%、中国が 0.3%、

欧州が 0.2%、北米及びその他(中南米やアフリカなど)がそれぞれ 0.1%であった。

アジアでは、前述の通り、東南アジアの経済発展に伴う上下水道需要の拡大、同地域への我が国水ビ

ジネス企業の製造拠点移転の活発化、韓国や台湾の半導体産業の需要などにより、我が国企業の占有率

が高い。

我が国企業が比較的技術優位を有する海水淡水化関連の需要が旺盛な中東は、市場規模が他の地

域に比べて小さいことから、占有率が高めに出る点には留意が必要である。

単位:百万円、%

66,607,283

287,795

我が国企業の占有率 0.4%

2016年度

海外市場規模

我が国企業の海外売上高

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図表 3-2 海外の地域別にみた我が国企業の占有率

注 1:地域区分は p30 参照。

注 2:海外売上高のうち、地域別の回答が得られなかったものを「域別非回答」とした。

単位:百万円、%

19,861,085

我が国水ビジネス企業の海外売上高 48,229

我が国企業の占有率 0.2%

18,149,649

我が国水ビジネス企業の海外売上高 15,922

我が国企業の占有率 0.1%

3,580,135

我が国水ビジネス企業の海外売上高 35,700

我が国企業の占有率 1.0%

7,385,917

我が国水ビジネス企業の海外売上高 99,470

我が国企業の占有率 1.3%

10,755,522

我が国水ビジネス企業の海外売上高 32,546

我が国企業の占有率 0.3%

6,874,975

我が国水ビジネス企業の海外売上高 9,119

我が国企業の占有率 0.1%

46,809

66,607,283

287,795

我が国企業の占有率 0.4%

その他

市場規模

合 計

市場規模

我が国水ビジネス企業の海外売上高

地域非回答

2016年度

欧 州

市場規模

北 米

市場規模

中 東

市場規模

アジア(中国を除く)

市場規模

中 国

市場規模

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12

3) 事業分野別にみた占有率

海外市場における我が国水ビジネス企業の占有率を事業分野別にみると、上水道分野は 0.2%、下水

道分野は 0.1%、産業用水・排水等分野が 0.9%、海水淡水化分野が 5.3%であった。

海水淡水化分野は、プロジェクトの規模や受注の有無により年毎の変動が大きいが、2016 年度は、我が

国企業の売上高が比較的大きかった。

図表 3-3 事業分野別にみた我が国企業の占有率

注 1:産業用水・排水等については、海外市場規模を GWM2017 の産業用水・排水から算出し、我が国水ビジネス企

業の海外売上高を、図表 2-5 の「産業用水」、「産業排水」「その他(官公需要)」及び「その他(民間需要)」より算出

した。

注 2:事業分野別の回答が得られなかったものを「事業分野非回答」とした。

4) 海外拠点の設置状況

海外展開のハブとなる拠点として、「営業拠点」、「製造拠点」、「サービス拠点」の各機能別に設置件数を

尋ねた。なお、一つの拠点が複数の機能(「営業」と「製造」など)を有している場合には重複して集計され

るが、ここでは延べ数として合計した。

地域別にみると、アジア(中国を除く)が最も多く、206 カ所であった。次いで中国 108 カ所、欧州 97 カ

所、中東 43 カ所、北米 35 カ所、その他地域(アフリカや中南米など)33 カ所であった。

単位:百万円、%

26,728,086

我が国水ビジネス企業の海外売上高 48,278

我が国企業の占有率 0.2%

25,791,950

我が国水ビジネス企業の海外売上高 18,130

我が国企業の占有率 0.1%

13,774,833

我が国水ビジネス企業の海外売上高 129,486

我が国企業の占有率 0.9%

312,414

我が国水ビジネス企業の海外売上高 16,507

我が国企業の占有率 5.3%

75,394

66,607,283

287,795

我が国企業の占有率 0.4%

 

海水淡水化

海外市場規模

事業分野非回答

合計

海外市場規模

我が国水ビジネス企業の海外売上高

2016年度

上水

海外市場規模

下水

海外市場規模

産業用水・排水等

海外市場規模

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13

アジアでは、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシアなどへの拠点整備が進んでいる。この理由として、

これらの地域における上下水道の整備需要が盛んであること、また、我が国の製造業が製造拠点を設置す

るケースが多く、その工場の水処理を我が国水ビジネス企業が手掛けるケースが多いこと、距離的に比較的地

の利があることなどが挙げられた。また、韓国や台湾などの半導体産業が盛んな地域ではプロセス水に関する

保守・メンテナンス需要が旺盛で、サービス拠点も充実している。製造拠点数についても、アジアが最も多い。近

年では、水処理需要の旺盛なインドなどの南アジアへの展開が、製造拠点の設置も含めて活発化している。

メンテナンスなどのアフターサービスは、プラント・エンジニアリング(EPC)や運転・管理等サービスにおいて

は必須の機能となる。現時点では営業・販売拠点の人員が軽微なメンテナンスを行うケースもあるとみられるが、

海外市場においても顧客からクレームが寄せられてから同問題に対処するまでの時間を短縮することが強く求

められる傾向があり、高い技術力・対応力を有し、迅速な対応が可能なサービス拠点の重要性が高まっている。

今後、我が国企業の海外展開の拡大に伴い、メンテナンスサービスを行う拠点数は拡大していくものとみられる。

例えば、プロセスオートメーション分野における代表格であるオイル&ガス分野では、生産を止められないという

特性上、メンテナンスを含めたアフターサービス拠点の重要性が高く、これらの産業が盛んな地域では、サービ

ス拠点の充実が事業展開において重要な要素となっている。

図表 3-4 機能別の海外拠点数

注 1:地域区分は p30 参照。

注 2:本調査における拠点数とは、対象企業及びその子会社が海外に有する支店・出張所・工場などのうち、営業、製

造、サービス機能を有する拠点数である。1 つの支店・子会社などで複数の機能を有する場合はそれぞれの機能

別に 1 カ所として集計しているため、対象企業の海外拠点の累計数とは必ずしも一致しない。

単位:ヵ所

欧州 北米 中東 中国 アジア その他 合計

営業拠点 56 20 25 52 112 18 283

製造拠点 8 4 2 25 34 2 75

サービス拠点 33 11 16 31 60 13 164

合計 97 35 43 108 206 33 522

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14

5) 海外の地域別・事業分野別の注力度

現時点で水ビジネス展開に注力している地域、あるいは今後注力していきたい地域について、その注力度を

尋ねた。拠点数の設置状況から分かるとおり、現在、我が国企業の海外展開はインフラ整備需要が盛んであり、

なおかつ地理的に近いアジアを中心に進められている。そのため、注力する地域についてもアジアと回答する

ケースが最も多かった。次いで中国への注力度を高めようとする企業が多く、特に下水、産業排水に注力すると

回答した企業が多かった。中東については、海水淡水化だけではなく、そこから派生させて上下水道や産業用

水、排水などの分野でも注力していきたいとする企業がみられた。

図表 3-5 海外の地域別・事業分野別の海外展開への注力度

注 1:地域区分は p30 参照。

注 2:「その他(官公需要)」とは、し尿処理、最終処分場浸出水処理、農業集落排水処理、その他公共施設水処理で

ある。

注 3:「その他(民間需要)」とは、製造業以外のオフィスビル、商業施設、私立病院などの水処理である。

単位:件

上水道

下水道

産業用水

産業排水

海水淡水

その他

(

官公需要

)

その他

(民間需要

)上水道

下水道

産業用水

産業排水

海水淡水

その他

(

官公需要

)

その他

(

民間需要

)

上水道

下水道

産業用水

産業排水

海水淡水

その他

(

官公需要

)

その他

(

民間需要

)

非常に注力する 7 8 2 5 1 1 2 5 13 5 7 1 1 3 4 6 4 4 7 2 1

注力する 3 5 8 9 1 1 3 6 2 8 7 0 2 3 5 4 7 8 5 2 4

あまり注力しない 2 2 1 1 3 1 1 1 1 1 3 3 1 1 3 4 3 6 1 1 1

単位:件

上水道

下水道

産業用水

産業排水

海水淡水

その他

(

官公需要

)

その他

(

民間需要

)

上水道

下水道

産業用水

産業排水

海水淡水

その他

(

官公需要

)

その他

(

民間需要

)

上水道

下水道

産業用水

産業排水

海水淡水

その他

(

官公需要

)

その他

(

民間需要

)

非常に注力する 6 11 7 14 2 2 3 13 16 13 24 3 4 6 3 3 3 5 2 2 2

注力する 4 9 8 10 3 2 6 8 10 10 15 5 3 7 3 3 3 6 1 0 2

あまり注力しない 1 1 2 3 3 1 1 0 1 0 1 3 0 0 0 2 0 2 1 0 0

中国 アジア その他

欧州 北米 中東

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15

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16

4. 我が国水ビジネス企業の今後のビジネス展開

1) 海外企業とのアライアンス

海外展開を進めるにあたり、販売提携、技術提携や合併・買収(M&A)など各種のアライアンスを実施している

企業は多い。かつては、国内への技術導入が主な目的であったが、近年は、海外展開の拡大を目的に、合弁

会社(JV)を設立したり、M&A により企業を買収するなど、よりダイナミックな取組がみられる。

図表 4-1 海外企業とのアライアンス一覧(各社のプレスリリースなどの公表情報より)

① 水処理部材メーカー、装置・プラントメーカー

企業名 提携企業名(国名) アライアンス内容 提携開始

時期

主要展開

対象地域

旭化成 Pall

(米国)

大手水処理エンジニアリング会社であ

り、欧州・米国を中心とした膜モジュール

の販売代理契約を締結している。

販売

代理 1991 年~

欧州、米国、

中東 など

ウェルシィ

Myanmar Water

Engineering &

Products

(ミャンマー)

同社はミャンマーにて水処理、水質分

析、環境コンサルティングを実施する水

処理・水質分析会社として、ウェルシィ

60%、ミャンマーの水処理・EPC 事業者

である Myanmar Water Engineering And

Products40%の出資比率で 2017 年 4

月に設立。

ウェルシィは同社設立により、ミャンマー

にて上水処理や水質分析事業などを開

始する。

JV 2017 年

4 月 ミャンマー

オルガノ

PT Lautan

Luas Tbk

(インドネシア)

現地大手化学メーカーである Lautan

Luas 社の子会社で水処理事業を展開し

ている PT Hydro Hitech Optima 社の株

式 51%取得。日系及び現地顧客をター

ゲットとした事業を推進。

資本

参加 2012 年 インドネシア

Murugappa グループ

(インド)

インドの中堅財閥 Murugappa グループ

とインドにおける水処理事業の合弁会社

を設立。

オルガノは新会社の株式の 49%を取得

し、Murugappa グループの傘下でありイ

ンドで水処理事業を手掛ける Polutech

Ltd.が残りの 51%を保有。

Polutech 社はインド有数の水処理エン

ジニアリング企業の一つであり、水処理

装備やシステムの製造を手掛けている。

JV 2015 年

9 月 インド

大阪ガス

ケミカル

Jacobi Carbons AB

(スウェーデン)

活性炭事業で世界トップクラスのシェア

を持つ Jacobi Carbons を、392 百万米ド

ルで取得。

活性炭事業で有力な 2 社の統合によ

り、安定した原料調達力と幅広い商品

群、世界に広がる流通を保有する活性

炭企業グループを形成し、競争力を強

化。

M&A 2013 年

10 月 全世界

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企業名 提携企業名(国名) アライアンス内容 提携開始

時期

主要展開

対象地域

クボタ 安徽三聯ポンプ

(中国)

上下水道・一般産業用ポンプの生産・販

売の合弁会社設立。 JV

2010 年

4 月

中国、

東南アジア

クボタ

安徽国禎環保

節能科技

(中国)

水処理市場(産業排水再利用、農村部

環境対策)向けプラント・エンジニアリン

グ、及び機器販売の合弁会社設立。

JV 2011 年

3 月 中国

富士化水工業

(日本)

日本国内及びアジア諸国における産業

排水をはじめとするエンジニアリング事

業。現在はクボタ化水に名称変更してい

る。

M&A 2012 年

11 月

台湾、マレー

シア、フィリピ

ン、タイ、ベト

ナム、インドネ

シア

クラレ

Calgon Carbon

Corpration

(米国)

活性炭世界最大手である Calgon

Carbon Corporation の全株式を取得

し、完全子会社。

Calgon Carbon 社は、世界 7 か国に生

産拠点、世界 16 か国に販売拠点を有

する活性炭のグローバルリーダーであ

り、この買収により同社の強固な事業基

盤を活用した事業拡大の推進、技術力・

開発力の融合による技術革新の加速、

生産体制の最適化によるコストダウンな

どの戦略的施策を順次実施する。

M&A 2018 年

3 月 全世界

栗田工業

BK Giulini GmbH

(ドイツ)

ドイツの BKG 社及びその関連会社の水

処理薬品事業、紙プロセス薬品事業、ア

ルミナ化合物の製造・販売及び研究開

発に関わる事業を買収。

M&A 2015 年

1 月

ドイツ、

トルコ、

欧州

APANA

(米国)

IoT を活用した水マネジメント技術及び

サービスを北米で展開している APANA

Inc.への出資を完了。

同社は、北米の商業施設、産業施設向

けに新たな IoT 無線通信技術を活用し

た水使用量のモニタリングとビッグデー

タ解析に関する技術開発およびサービ

ス事業の展開を進めており、国内外のベ

ンチャー企業との協業機会探索の一環

として戦略的投資を実施。

資本

参加

2016 年

12 月 北米

Fremont Industries

(米国)

米国の水処理薬品の製造・販売会社で

ある Fremont Industries, LLC の全持分

を取得し完全子会社化。

既存の海外事業会社との協働により水

処理薬品の販売・サービスネットワークを

米国全土へと広げることで、同国での事

業展開をさらに加速させていく方針。

M&A 2017 年

1 月 米国

韓水

(韓国)

同社は 1974 年に韓国において水処理

薬品の製造、販売を行う合弁会社として

設立。

アジアの戦略市場の一つである韓国で

の事業強化の一環として、発行済株式

の約 50%を取得し、出資比率を 85%へ

引き上げ連結子会社化を実施。

増資 2017 年 韓国

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18

企業名 提携企業名(国名) アライアンス内容 提携開始

時期

主要展開

対象地域

ササクラ

SASAKURA MIDDLE

EAST COMPANY

(サウジアラビア)

2003 年に中東における海水淡水化事

業拡大のためサウジアラビアに Arabian

Company and Sasakura for Water and

Power を設立(出資比率 Arabian

Company for Water and Power

Development(以下 ACWA))50.0%、サ

サクラ 35.1%、伊藤忠商事 14.9%)。

2016 年に ACWA の保有する全株式を

取得し、出資比率を 85.1%へ拡大、連

結子会社化。

2017 年 5 月にはグループとのつながり

を明確とする目的で SASAKURA

MIDDLE EAST COMPANY へ商号を変

更。

増資 2016 年

10 月 中東

上海筱仓环保科技

(中国)

ササクラの台湾における子会社である台

灣篠倉貿易股份(ササクラ 90%出資)の全

額出資により設立。

中国において需要の高まる蒸発濃縮装

置の事業拡大を目指す。

子会

社設

2018 年

5 月 中国

三機工業

エアロストリップ

(米国)

三機工業子会社の散気装置メーカー・

アクアコンサルト社(オーストリア)の北米

総代理店であるエアロストリップ社の全

株式を取得。

M&A 2011 年

9 月 北米

OVIVO USA

(米国)

米国大手水処理プラントメーカーである

OVIVO USA と子会社化したエアロスト

リップ社の間で、北米(アメリカ・カナダ)

の下水処理、工場排水処理を対象とし

た散気装置の販売契約を締結。

販売

代理

2011 年

9 月 北米

ノルディックウォー

タープロダクツ

(スウェーデン)

砂ろ過装置の特許実施権の許諾、技術

的知識の提供。

技術

提携

1978 年~

2018 年 ―

神鋼環境

ソリュー

ション

INVENT

Umwelt-Und

Verfahrenstechnik

(ドイツ)

廃水処理の爆気及び撹拌技術の導入。 技術

提携

2000 年~

2019 年 ―

KTN Kunststoff-

technik Neumarkt

(ドイツ)

散気装置技術の導入 技術

提携

2005 年~

2018 年 ―

水道機工

五洲富士化水工程

(中国)

30%の資本出資を実施し、技術・製品の

供給を行っていた。2015 年 2 月、水道

機工の保有する同社の全持分をクボタ

へ譲渡。

譲渡 2015 年

2 月 中国

藍星(焦作)水務

(中国)

20%の資本参加。施設運営に係る指

導・助言を行う。

資本

参加 2010 年 中国

Suido Kiko

Middle East

(サウジアラビア)

49%の資本参加。中東諸国における上

下水道及び環境装置の製造・販売を行

う。

資本

参加 2007 年 中東

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19

企業名 提携企業名(国名) アライアンス内容 提携開始

時期

主要展開

対象地域

住友

重機械

エンバイロ

メント

Valmet

(スウェーデン)

緑液清澄装置(スミシックナー)の設計・

製造技術(凝集沈殿装置)を供与。

Valmet 社よりイニシャルペイメント、ロイ

ヤリティ、技師派遣費を対価として受け

取る。

技術

供与

2005 年~

2021 年 ―

積水化学

工業

Al Garaboli Complex

For Foam And

Plastic Production

(リビア)

2009 年、プラスチック製品製造・販売会

社である同社との合弁会社設立。

強化プラスチック複合管・継手の製造・

販売及び積水化学製品の輸入販売を

行う予定だったが、リビアの政情の不安

定から 2011 年 8 月同国より撤退。

撤退 2011 年

8 月

リビア、

北アフリカ

水 ing

(日本)

上下水道の管路・水処理施設などの設

計、建築及び維持管理業務。 提携

2011 年

6 月 全世界

河北可耐特

玻璃鋼

(中国)

強化プラスチック製品などの水インフラ

関連事業の合弁会社を設立。公共投資

案件が主対象。

JV 2013 年

2 月 中国

SEKISUI SPR

EUROPE GmbH

(オーストリア)

SEKISUI SPR

CONSTRUCTION

GmbH

(オーストリア)

欧州にて管路更生関連製品の製造・販

売を手がける SEKISUI SPR EUROPE

GmbH と、工事を担う SEKISUI SPR

CONSTRUCTION GmbH を、両社経営

陣が中心となって設立された New

Technologies Management SAS 社(フラ

ンス)に譲渡。

売却 2016 年

1 月 東欧

SEKISUI PIPE

RENEWAL BV

(オランダ)

今後の欧州における展開に向け、オラン

ダに新会社を設立。

譲渡した上記 2 社の SPR 工法関連製

品に関わるすべての機能を移管し、製

造・販売に特化した事業展開を図る。

事業

移管

2016 年

1 月 欧州

Tien Phong

Plastic Joint

Stock Company

(ベトナム)

大手プラスチックメーカーTieh Phong 社

が保有する販売網の活用及び OEM 生

産。積水化学工業が有する製品力・技

術力を活用した現地での上下水道シス

テムなどの業務提携。

業務

提携

2013 年

7 月

ベトナム、

ラオス

Tien Phong Plastic

South Joint Stock

Company

(ベトナム)

Tien Phong Plastic Joint Stock Company

の子会社で、ベトナム南部で事業を展開

する同社へ資本参加を行い、発行済み

株式の 25.3%を取得。

資本

参加

2017 年

7 月

ベトナム、

ASEAN 地域

Tien Phong

Plastic Joint

Stock Company

(ベトナム)

2013 年の業務提携に続いて同社への

資本参加を行い、発行済み株式の 15%

を取得。

水インフラ整備需要の大きいベトナム南

部市場を獲得し、ベトナム事業の拡大を

図るとともに、今後の ASEAN 地域進出

の橋頭堡とする方針。

資本

参加

2017 年

10 月

ベトナム、

ASEAN 地域

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20

企業名 提携企業名(国名) アライアンス内容 提携開始

時期

主要展開

対象地域

JFE

エンジニア

リング

オーストラリア

連邦政府 など

(オーストラリア)

川崎市、クイーンズランド州政府などとと

もに雨水利用の分散型水供給システム

ビジネスを行う。実証運転後、事業開

始。

提携 2009 年

7 月 オーストラリア

月島機械

(日本)

海外における上下水道設備・バイオマス

関連設備・産業廃棄物処理設備などで

の共同展開を目的とした業務提携に関

する基本合意。

業務

提携

2010 年

11 月 アジア

月島機械

Andritz Separation

(米国) デカンタ遠心分離機の製造技術

技術

提携 1988 年~ ―

Andritz AG

(オーストリア)

プレスロールフィルター及びベルト濃縮

機の設計、製作に関する技術

技術

提携 1976 年~ ―

JFE

エンジニアリング

(日本)

海外における上下水道設備・バイオマス

関連設備・産業廃棄物処理設備などで

の共同展開を目的とした業務提携に関

する基本合意。

業務

提携

2010 年

11 月 ―

ハイブリッドケミカル

(日本)

同社は 2014 年 4 月に、月島機械株の

100%子会社である月島テクノメンテサー

ビスと、メタウォーターサービスとの共同

出資により設立。

上下水道分野の薬品事業の展開、拡大

を図る目的で、石垣メンテナンス、水機

テクノスの 2 社が新たに出資参画。

資本

参加

2016 年

4 月 ―

東芝

広州白雲電器設備

(中国)

合弁による水処理エンジニアリング会社

の設立。主に上下水道プラント向け電

気・監視制御システムの設計・製造、保

守メンテナンスを行う。

JV 2004 年

3 月 中国

PT. Envitech

Perkasa

(インドネシア)

同社グループ会社化により、インドネシ

アでの水処理エンジニアリング拠点を設

立。産業水処理から火力発電所用、上

下水道、海水淡水化プラントなど行う。

M&A 2011 年 インドネシア

UEM India

(インド)

2014 年に第三者割当増資により取得し

た同社の株式 26%に加えて、54%の株

式を追加取得し、出資比率を 80%に引

き上げ連結子会社化。

インドのほか、北米や中東などで事業展

開していく方針で、連結子会社化により

水処理分野における海外売上高の比率

を高めていく。

増資 2015 年

9 月

インドおよび

周辺諸国、

北米、中東

東レ

中国藍星集団

(中国)

「藍星東麗膜科技(北京)有限公司」を

合弁で設立。水処理膜製品の製造・販

売及び輸出入を行う。

JV 2009 年

5 月 ―

Abunayyan

Holding

Company

(サウジアラビア)

水処理・排水処理技術の合弁会社

「Toray membrane Middle East LLC」設

立契約締結。水処理膜の製造・販売及

び技術サービスを行う。

JV 2014 年

2 月

サウジアラビ

ア、中東、

北アフリカ

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21

企業名 提携企業名(国名) アライアンス内容 提携開始

時期

主要展開

対象地域

東レ 万邦達東麗膜科技

(中国)

中国の工業用廃水分野における有力エ

ンジニアリング会社で、中国万邦達グ

ループの江蘇万邦達環保技術と合弁で

膜分離活性汚泥法(MBR)向け水処理

膜の生産販売会社を設立。出資比率は

東レグループ 51%、江蘇万邦達環保技

術 49%。

東レは同社を通じて中国で MBR 用膜・

処理装置事業の拡大を推進。

JV 2016 年

10 月 中国

野村

マイクロ・

サイエンス

銅仁市栄盛興環保

科技工程

(中国)

中国での排水処理事業拡大のため、

35%の資本参加。貴州省で浄水場、汚

水処理場の設計及び運転管理を行う。

資本

参加 2012 年 中国(貴州省)

日立

製作所

LG-Hitachi Water

Solutions

(韓国)

LG 電子と日立プラントテクノロジーの水

事業に関する合弁会社で出資比率は

LG 電子 51%、日立プラントテクノロジー

が 49%。主に韓国における排水処理設

備や上水・下水処理施設向けの機器の

製造・販売、EPC、施設の O&M を行う。

将来的には第三国における水事業に参

画していくことも検討。

JV 2011 年

7 月 韓国

Veolia Water

Technologies

(フランス)

世界最大手水処理会社 Veolia と水イン

フラプロジェクトでの協業推進で合意。

中東・アフリカ・アジア地域を中心とした

上下水処理や海水淡水化などプロジェ

クトに共同で事業展開を推進。

提携 2014 年

6 月

中東、

アフリカ、

アジア

カタール大学

(カタール)

インフラシステム分野の環境・省エネ技

術に関する包括的な産学連携協定を締

結。水分野では「水処理・再生水利用」

について共同研究開発テーマの検討・

選定を連携して行う。

提携 2014 年

11 月 カタール

Aqua Works and

Engineering

(シンガポール)

東南アジア地域統括会社の Hitachi

Infrastructure Systems を通じ買収。同

社は商業施設など及び住宅向け水関連

設備のエンジニアリング会社。日立が事

業展開する RO 膜システムと Aqua

Works 社の有する水関連設備を組み合

わせ、東南アジアでの展開を進める。

M&A 2014 年

12 月

シンガポー

ル、

東南アジア

日立造船

ナガオカ

(日本)

ナガオカとの共同出資により中国・大連

市に取水装置などの水処理装置などを

製造する合弁会社を設立。

JV 2012 年

3 月 中国

Cumberland

グループ 4 社

(イギリス)

海水電解装置、塩水電解装置、エンジ

ニアリングサービスを行う Cumberland グ

ループ 4 社を子会社化。中東を中心と

したネットワークを活用し、日立造船が得

意とする大型海水電解装置と

Cumberland の中小型装置で補完しあう

ことで、海水電解装置事業へ注力。

M&A 2014 年

6 月

イギリス、

中東

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22

企業名 提携企業名(国名) アライアンス内容 提携開始

時期

主要展開

対象地域

日立造船 Osmoflo Holdings

(オーストラリア)

オスモフロー社の大株主であるシャイン

インベストメンツを通じて発行済み株式

の7割を取得。

同社はオーストラリアの水処理装置メー

カー大手で逆浸透膜(RO 膜)など膜技

術を活用した海水淡水化・産業用水処

理エンジニアリング分野に強く、買収に

より同分野での需要拡大が期待される

中東や南米での展開強化を図る。

なお同社は 2011 年に丸紅が出資して

おり、買収後も株式の 30%を保有。

資本

参加

2017 年

1 月

オーストラリ

ア、中東、

南米

前澤工業

埼玉県企業局

(日本)

水・インフラの海外展開に関する連携協

定の締結。官民連携方策の検討及び調

査・助言を行う。

提携 2011 年

6 月

タイ、

その他アジア

埼玉県海外下水道

推進協議会

(日本)

同会は、埼玉県下水道局が進める JICA

の草の根技術協力事業「官民一体と

なったタイ王国への下水道技術の支援」

の推進を目的とした協議会で、前澤工

業は構成員として相互協力に関する協

定を締結。

タイ王国での取り組みに関して連携を推

進し、海外展開を強化していく方針。

提携 2016 年

2 月

タイ、

東南アジア

アマタ

コーポレーション、

アマタウォーター

(タイ)

アマタが運営する工業団地の用水供給

システムの高度化に関して協力関係を

確立。その他に、タイや ASEAN 地域で

の高品質な用水供給事業の展開に対す

る検討を行う。

提携 2013 年

8 月

タイ、

アジア圏

明電舎 シーメンス

(ドイツ)

排水処理事業でシーメンスとの事業提

携を実施。シーメンスが開発した小型の

水処理システムに、明電舎のセラミック

平膜をろ過素材として供給する。

シーメンスが開発した排水処理システム

は、主に石油の精製やプラントの排水処

理に使われており、同製品をはじめ世界

各国への導入実績があるシーメンスへ

の部品供給を通じて、北米などでの事

業拡大に弾みをつける方針。

提携 2016 年

12 月 北米

メタ

ウォーター

北九州市

上下水道局

(日本)

2010 年に北九州市上下水道局とカンボ

ジア及びベトナムハイフォン市を対象と

した水ビジネスの展開を共同で取り組む

事に合意、協定を締結。アジアにおける

水ビジネス展開のための拠点を北九州

市に開設。

提携 2013 年

3 月

カンボジア、

ベトナム、

その他アジア

国際航業

(日本)

国内及び海外の上下水道事業におい

て、クラウドと GIS による維持管理及びソ

リューションの提供について業務提携を

行う。

提携 2013 年

6 月 ―

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23

企業名 提携企業名(国名) アライアンス内容 提携開始

時期

主要展開

対象地域

メタ

ウォーター

PMN

Technologies

(オランダ)

浄水用セラミック膜の海外展開に関する

戦略的提携関係を構築。 提携

2013 年

7 月 ―

Rood Wit Blauw

(オランダ)

上下水処理エンジニアリング企業である

Rood Wit Blauw 社との資本業務提携を

締結。欧州事業の中核拠点とする計画。

提携 2013 年

9 月 欧州

Aqua-Aerobic

Systems

(米国)

メタウォーターの米国法人である META

WATER USA を通じて米国の水処理エ

ンジニアリング会社の Aqua-Aerobic

Systems およびその子会社を買収し、完

全子会社化。

M&A 2016 年

1 月 米国

三菱

ケミカル

アクア・

ソリューショ

ンズ

北京碧水源科技

(中国)

下排水処理用中空糸膜の製造・販売及

び膜エレメント加工・販売の合弁会社

「無錫碧水源麗陽膜科技有限公司」を

設立。

JV 2011 年

7 月 中国

江西金達莱環保

(中国)

江西金達莱環保は中国大手水処理エン

ジニアリング会社。同社子会社で水処理

O&M 事業を行う「奉新金達莱環保」に

三菱レイヨン及び豊田通商が共同出

資。

資本

参加

2012 年

4 月 中国

Greentech

Environment

(ベトナム)

Greentech 社はベトナム現地のエンジニ

アリング会社であり、水処理膜における

販売代理契約を締結。日系企業の工場

排水や病院、ホテル向けの排水処理設

備も手掛けており、ベトナムでの MBR 市

場の拡大を目指す。

販売

代理

2013 年

2 月 ベトナム

浙江清華長三角

研究院

(中国)

「浙江清華長三角研究院-MRC 膜分

離水処理技術開発センター」を共同で

設立。産業排水処理に関する研究開発

を推進する。

JV 2013 年

6 月 中国

Myanmar Water

Engineering And

Products

(ミャンマー)

ミャンマーの上下水処理専門のエンジニ

アリング会社である。水処理膜に関する

販売代理契約を締結。同時に Yangon

Technologicaal University と現地の水質

分析などの業務委託契約も締結。

販売

代理

2014 年

6 月 ミャンマー

日東電工

(日本)

排水処理及び排水再利用市場における

戦略的パートナーシップ合意書を締結。 提携

2015 年

1 月 全世界

注 1:各社の「主要展開対象地域」に記載した地域は、プレスリリースによるもので、地域の区分や定義については、本調査で示す

地域区分(p30「参考:地域区分」)とは一致しない。

注 2:「主要展開対象地域」に記載した「-」は、主に日本国内を指す。

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24

② 商社など

企業名 投資対象

(国/地域/企業) 内容 開始時期 対象分野

伊藤忠

商事

Bristol Water

(英国)

ブリストル市と周辺地域約 2,400 平方㎞

を給水区域とする上水道サービス事業会

社 Bristol Water 社の株式 20%相当を

取得。

資本

参加

2012 年

5 月 上水

Canaragua

Concesiones

(スペイン)

同社の株式 33.4%をスペイン最大の民

間水道事業会社である Agbar 社の子会

社 Canaragua S.A から取得。スペイン・カ

ナリア諸島の上下水道事業への参入を

行う。

資本

参加

2014 年

2 月

上水

下水

SASAKURA MIDDLE

EAST COMPNY

(サウジアラビア)

海水淡水化装置などの水処理装置を展

開するササクラと共同で、中東地域にお

ける海水淡水化事業拡大のために現地

法人を設立。2016 年にササクラによる株

式の追加取得などもあり、出資比率はサ

サクラ 85.1%、伊藤忠商事 14.9%。

中東地域における海水淡水化プラントの

建設、既存プラントのリハビリ、保守部品

の供給を含むメンテナンスなどのソリュー

ション事業を展開する。

合弁 2003 年

5 月 海水淡水化

大阪ガス

Sumisho Osaka Gas Water UK Limited

(英国)

住友商事が株式 100 パーセントを保有

する英国の水道事業会社 Sutton and

East Surrey Water plc の持株会社である

Summit Water UK Limited の株式の 50

パーセントを大阪ガスの英国子会社であ

る大阪ガス UK 社が取得。

あわせて Summit Water UK Limited の

社名を「Sumisho Osaka Gas Water UK

Limited」に変更。

資本

参加

2013 年

9 月 上水

住友商事

Junta Municipal de Agua y

Saneamiento de Juarez(メキシコ)

メキシコの住友商事と Degremont(フラン

ス)が共同出資した事業会社を通じて、フ

アレス市下水道公社向けの下水処理

サービス拡張事業及び保守運転業務を

展開。

資本

参加

2009 年

5 月 下水

北京首創

(中国)

中国の水事業大手の北京首創及び同社

子会社の首創(香港)と水インフラ関連事

業において提携。住友商事グループと首

創(香港)が共同で事業投資会社を設立

し、山東省や浙江省にて下水処理事業

に参画。

提携 2010 年

9 月 下水

VA Tech

Wabag

(インド)

インドの水業界最大手エンジニアリング

会社 Wabag 社と戦略的提携契約を締

結。中東、北アフリカ、西南アジアでの新

規水プロジェクト開発での協業などを行

う。

提携 2010 年

12 月

水ビジネス

全般

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25

企業名 投資対象

(国/地域/企業) 内容 開始時期 対象分野

住友商事

Sutton&East

Surrey Water

(英国)

英国の水事業会社である SESW 社の持

株会社である East Surrey Holdings 社の

全株式を取得。同年 9 月に株式の 50%

を大阪ガスの英国子会社に売買。それぞ

れ 50%ずつ株式を保有する合弁会社と

し、SESW 社が行うロンドン南東部での上

水道事業の事業運営を行う。

M&A 2013 年

2 月 上水

BRK Ambieantal

(ブラジル)

BRK Ambieantal(ブラジル)が有する在ブ

ラジルの上下水道や産業用水処理事業

26 社の株式 70%を rookfield Business

Partners 社および Brookfield Asset

Management 社(いずれもカナダ)と共同

で取得。住友商事の出資額は 250 百万

US$。

資本

参加

2017 年

4 月

上水

下水

産業用水

双日

唐山曹妃甸基礎

インフラ建設投資

(中国)

中国の政府系投資会社。同企業と河北

省唐山曹妃甸工業区の環境・インフラ整

備を包括的に推進する旨の戦略的合作

意向書を締結。

提携 2010 年

8 月

排水、

再生水、

海水淡水化

など

Befesa Desalination

Development Ghana

Ltd.(ガーナ)

スペインの Abengoa 社と共同で出資、設

立した BDDG 社による海水淡水化プラン

トの建設、所有、運転管理を実施。事業

期間は 25 年。事業形態は BOOT。

合弁 2011 年

1 月 海水淡水化

丸紅

Maynilad Water

Services

(フィリピン)

フィリピンの上下水道事業会社である

Maynilad Water 社の株式 20%を取得。

マニラ首都圏の上下水道サービス事業を

展開している。

資本

参加

2012 年

12 月

上水

下水

Administração e

Gestão

Sistemas de

Salubridade, S.A.

(ポルトガル)

産業革新機構(INCJ)と共同で、ポルトガ

ル大手の水事業会社 AGS 社の全株式

を買収。AGS 社はポルトガル及びブラジ

ルで上下水道事業サービスを展開してい

る。

M&A 2014 年

6 月

上水

下水

Osmoflo Holdings Pty

Ltd.

(オーストラリア)

RO 膜など膜処理技術を用いた水処理プ

ラント・エンジニアリング会社の Osmoflo

の株式を 30%を保有。

丸紅は、Osmoflo 社を豪州内外における

産業用水処理分野での戦略的コア会社

と位置付け、豪州における水処理市場に

参入するのみならず、Osmoflo 社の培っ

てきた技術力を活用し、膜技術を活用し

た産業用水処理分野における取り組みを

中南米などの資源国や海水淡水化の需

要が見込まれる中東・中国へ展開してい

く。

資本

参加

2011 年

2 月

海水淡水化

産業用水

四川省成都市

(中国)

Veolia(フランス)と Chengdu Generale

des Eaux-marubeni Waterworks 社を創

設し、成都市の上水事業について、EPC

及びコンセッション実施。期間は 2017 年

まで。

資本

参加 1999 年 上水

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企業名 投資対象

(国/地域/企業) 内容 開始時期 対象分野

丸紅

安徽国禎環保

節能科技

(中国)

2009 年に資本参加。安徽省をはじめと

する中国国内 8 省にて 30 箇所の下水

処理事業を行うとともに、受託運営、建

設、設備機器の製造・販売など幅広く事

業展開を行う。2014 年 8 月に安徽国禎

は中国・深圳証券取引新興企業向け市

場に上場。

資本

参加

2009 年

12 月 下水

Aguas Decima

(チリ)

2006 年 10 月に丸紅チリ現地法人と、チ

リ・バルディビア市で水道事業を運営する

Aguas Decima 社を買収した。

M&A 2006 年

10 月

上水

下水

Aguas Nuevas

(チリ)

産業革新機構(INCJ)と共同で、チリ大手

水事業会社 AN 社の全株式を買収。AN

社はチリ国内にて上下水道サービス事業

を展開している。

M&A 2010 年

11 月

上水

下水

Consorcio Agua Azul

(ペルー)

2009 年 7 月にペルー・リマ市で浄水

BTO 事業を運営する Consorcio Agua

Azul

の株式 29%を取得している。

資本

参加

2009 年

7 月 上水

三井

物産

Aqualia

(投資対象:チェコ)

スペインの水事業会社 Aqualia がチェコ

で推進する上下水事業に参画。

資本

参加

2013 年

7 月

上水

下水

Atratec

(メキシコ)

排水、下水処理設備の設計、建設、操

業。株式 85%保有。東洋エンジニアリン

グと共同で子会社化。

M&A 2008 年

7 月

下水

産業排水

三菱商事

Trility

(オーストラリア)

オーストラリアにおいて 20 年以上にわた

り、上下水道サービス及び海水淡水化事

業を展開する同社に対し 60%を出資。

資本

参加 - 下水

Aguas CAP

(チリ)

海水淡水化プラントの建設及び運営と、

鉱山向け処理水供給プロジェクト。CAP

社と共同による水供給会社を設立。

JV -

鉱山向け

処理水、海水

淡水化

South Staffirdshire

Plc

(英国)

英国で 160 万人に上水道事業を展開す

るとともに、全英のほかの上下水道会社

向けの技術サービス事業(水道関連機器

の修繕、管路補修、水質検査など)と顧

客サービス事業を 30 以上の英国国内拠

点をベースに実施。株式 25%を取得。

資本

参加

2016 年

2 月 上水

METITO

(UAE)

ドバイを拠点として、中東・アフリカ・アジ

ア地域に展開する総合水事業会社

METITO 社に三菱商事 6 割、三菱重工

が 4 割を出資し、同社の 4 割弱の株式を

取得。また、JBIC が同社が新たに発行す

る優先株を最大 9,200 万ドル引き受け

る。

資本

参加

2014 年

7 月

上水

下水

海水淡水化

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2) ビジネス展開の方向性

今後の水ビジネス展開の方向性について尋ねたところ、85%超の企業が「国内外での水ビジネス展開を指向

し、なかでも海外事業に注力していく」と回答し、10%弱が「基本的に国内での水ビジネス展開に継続して注力

する」と回答した。

国内の水ビジネス市場は、人口の減少に伴う上下水道処理施設の統合やダウンサイジングが想定され、また

製造業においても海外移転の動きから漸減していく可能性がある。各社とも、企業としての成長を考えた場合、

内需の掘り起こしだけでは限界があり、海外事業を取り込むことにより、事業を発展させていきたいという考えが

あるとみられる。ただし、海外事業に注力すると回答した企業の中にも、国内向けが水ビジネス関連売上高全体

の過半を占めており、今後もマザーマーケットは国内に求めるとした企業も多かった

一方、「国内での水ビジネス展開に継続して注力する」と回答した企業としては、「水処理薬品は地産地消が

基本のため、海外展開は睨んでいない」とした水処理薬品メーカーや、「韓国企業や中国企業とのコスト競争に

打ち勝つのが難しいため、国内展開を指向する」とした部材メーカーなどがみられた。

その他の意見としては、日本市場は収益の重要の基盤として維持していくとともに、それ以外の伸びしろを海

外市場に求めるといった意見があった。

図表 4-2 水ビジネス展開の方向性

単位:件、%

全体

構成比

国内外での水ビジネス展開を指向し、中でも海外事業に注力していく

47 85.5%

基本的に国内での水ビジネス展開に継続して注力する。

5 9.1%

その他 3 5.5%

合計 55 100.0%

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図表 4-3 取扱製品・技術・サービス別にみた水ビジネス展開の方向性

注 1:コンサルティングについては、回答が得られなかった。

単位:件、%

構成比 構成比 構成比 構成比

国内外での水ビジネス展開を指向し、中でも海外事業に注力していく

8 100.0% 30 74.4% 13 72.2% 16 76.2%

基本的に国内での水ビジネス展開に継続して注力する。

0 0.0% 8 20.5% 4 22.2% 3 14.3%

その他 0 0.0% 2 5.1% 1 5.6% 2 9.5%

合計 8 100.0% 39 100.0% 18 100.0% 21 100.0%

構成比 構成比

国内外での水ビジネス展開を指向し、中でも海外事業に注力していく

16 84.2% 7 88.9%

基本的に国内での水ビジネス展開に継続して注力する。

2 10.5% 1 0.0%

その他 1 5.3% 1 11.1%

合計 19 100.0% 9 100.0%

膜 薬品・部材・装置 電気設備 プラント・エンジニアリング

運営・管理等サービス 海外事業投資

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3) ビジネス展開の課題

本調査の調査対象企業は、化学メーカー、機械メーカー、商社など多岐にわたり、それぞれが事業分野や地

域に応じて、多種多様な課題を抱えている。

以下に、企業から課題として挙げられた点について記載する。

(1) 地産地消型製品の海外展開の限界

汎用的な水処理薬品やポンプなどは、現地で生産し、現地ないしはその近傍で販売する地産地消

型のビジネスモデルとサプライチェーンを構築しなければ、市場におけるプレゼンスを確保することが難

しい。日本から現地へ製品を輸送するコスト、現地に製造拠点がないことによる顧客のクレームへの対

応遅延などのディスアドバンテージを跳ね除けるほどの技術的優位性の高い製品はごく一部の特殊な

ものに限定される。このため、一部の大手メーカーは、ローからミドルレンジの製品を展開する場合、現

地に営業から製造、アフターサービスまでの一連の拠点を設置し、上記問題を解決している。しかし、

経営体力の低い中堅・中小企業のなかには、拠点設置にかかる原資を調達できない場合も多い。仮

に、補助金などで初期投資費用を確保できたとしても、現地での事業が軌道に乗るまでの資金を調達

することが難しいというジレンマに陥りがちである。加えて、中堅・中小企業の中には、経営体力の関係

から、事業化から投資回収までのスパンを短く設定することも多く、事業の収益化までの期間が長期間

となりやすい水ビジネスにおいて、海外展開を躊躇する一因となっている。

(2) 安定収益源の確保の必要性

水ビジネスにおいて、水処理プラントの建設は、準備段階から受注までに費やす時間が長く、また受注で

きるかどうかにより、売上高が大きな影響を受ける。そのため、水ビジネスの基盤となる安定収益源を築

き、その上で、大型プロジェクトを取り込めるような体制を整備していく必要がある。

(3) 政府開発援助(ODA)にまつわる課題

ODA では、アンタイド案件が多く、他国企業との価格勝負に陥りがちとなり、我が国企業が受注でき

ないケースも多い。また、利用準備や利用後の報告などに時間を要し、活用しにくいという意見も聞か

れた。さらに、中国が援助する側に回ることにより、スピード感で日本のプレゼンスが脅かされる可能性

についても指摘があった。

(4) 国際実証実験関連予算の充実の必要性

水処理プロセスにおいては、高効率化や省エネルギー化が求められており、各社とも新たな技術開

発に取り組んでいる。先進的な技術を海外で有効に展開していくためには、現地での実証実験で成果

を出すことが求められる。一民間企業の力で技術実証を行うことは難しいため、国際実証実験関連の予

算の充実を求めるとの意見があった。

(5) 現地の事業環境の把握の必要性

国内の上下水道分野においても、運営・管理等サービスについて、第三者委託や包括的民間委託

パブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)やプライベイト・ファイナンス・イニシアティブ(PFI)など

官民連携手法の採用が進みつつあるが、安定収益源として、長期の維持管理などによる収益を確保す

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30

ることの必要性が指摘されている。運営面については自治体と連携するなどの動きがみられるものの、

海外では、上下水道事業が全て民営化されているわけではなく、さらに、民営化されたものが官営へ回

帰するといったケースもあることから、現地の事業環境を的確に把握していくこと必要である

5. 動向把握のための方策の検討

我が国企業の海外市場への参入状況を、継続的且つ効率的に把握する方策を検討するため、関係省庁

及び関係団体との意見交換会を実施した。「上水道、下水道、海水淡水化などの分野毎の売上高や受注実

績を捕捉できるような統計はないか?」、「事業分野別非回答の数値について、なんらかの係数を掛けるなど

して、分野毎に振り分けられないか?」などについて検討したが、参加者からは、「分野別の売上高の統計は

ないと思われる。」、「事業分野非回答分を分野別に分けることは難しい。」といったコメントが出された。

意見交換会では、併せて、本調査の速報結果についても説明し、実際の市場規模と大きな齟齬がないか

確認したところ、参加者から「土木事業が含まれていないという前提であれば、それほど違和感はない。」との

認識が示された。また、本調査における問題点の一つとして、企業間の売上高の重複が排除されない(例え

ば、ある事業の総額が 100 億円のところ、元受けが 100 億円、EPC が 50 億円、膜メーカーが 2 億円、装

置メーカーが 2 億円、その他が 2 億円で売上高を計上した場合、本調査では 156 億円となる。)があり、解

決方法がないかを探ったが、「重複を排除することは難しく、調査の限界である。」との指摘があった。

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31

参考:地域区分

地域 主要国等

欧州

オーストリア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、キプ

ロス、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハ

ンガリー、アイルランド、イタリア、カザフスタン、ラトビア、リトアニア、ルクセンブル

グ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、スロヴァキ

ア、スロヴェニア、スペイン、スウェーデン、スイス、ウクライナ、イギリス、ロシア、ベ

ラルーシ、ウクライナ、クロアチア、アルメニア、グルジア

北米 カナダ、アメリカ合衆国

中東 バーレーン、イラン、イラク、イスラエル、ヨルダン、クウェート、レバノン、オマーン、

カタール、サウジアラビア、トルコ、UAE

アジア(中国を除く) オーストラリア、香港、インドネシア、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、

シンガポール、台湾、タイ、ベトナム、バングラデシュ、インド、スリランカ、パキスタン

中国 中国

その他

南米(アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、コスタリカ、ドミニカ、エ

クアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、パナマ、パラグアイ、

ペルー、トリニダード・トバコ、ウルグアイ、ベネズエラ)、アフリカ(アルジェリア、アン

ゴラ、カメルーン、コートジボワール、エジプト、エチオピア、ガーナ、ケニヤ、モロッコ、

ナミビア、ナイジェリア、カタール、ルワンダ、南アフリカ、タンザニア、チュニジア、ウ

ガンダなど)、中央アジア(アゼルバイジャン、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニ

スタン、キルギス、タジキスタン、ジョージア、モルドバ) など