H7N9 　 AVIAN INFLUENZA VOL.3

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

( ～ 2013.4.26)

Division of International Health 　 (Public Health)Graduate School of Medical and Dental Sciences, Niigata University

発症地域　ＭＡＰ

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

2013-4-27 現在

4 月 1 日

発症日について報告があったものについてのみ採用した。3 月末から発症するものが増加し、 4 月の中旬までその傾向は続いていることが分かる。7 日間の潜伏期を考えると、 3 月末から 4 月初旬に感染が成立したケースが多いと予測する。また、 H7N9 は感染者の増加速度が H5N1 よりも大きいことが分かる。　 人数

2月

19日 20 21 22 23 24 25 26 27 28

3月

1日 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

4月

1日 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

2013 年

0

1

2

3

4

5

6

7

8

H7N9 鳥インフルエンザ　発症日別症例数症例数 死亡者数

( N=107)2013-4-27 現在

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

地域ごとに感染症例の報告をまとめてみると、 4 月 4 日まででは上海での報告が目立つが、それ以降は浙江省 で多く報告されていることが分かる。上海、浙江省、江蘇省 では、発症者数≧ 2/ 日となる日がある。発症地域を時系列で追うと、感染の拡がり方が、山東省の発症例により北上したかのように思われたが、 17 日以降では南下している印象を受ける。

2月

19

日 20

21

22

23

24

25

26

27

28

3月

1日 2 3 4 5 6 7 8 910

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

4月

1日 2 3 4 5 6 7 8 910

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

2013 年

0

1

2

3

4

5

6

7

8

1 1 1 1 1

2 2 2

4

1

3 3

1 1 1 1 1 1 11 1

1

5

1

3

3 3

2

4

4

4

2

4

2 2

2

11

1

1

1

1

2 2 2

1

1

1

2

1

1

1

1

1 1

11 1

1

1

1

1

1

1

1

1

発症地域別　感染症例数　 (N=117)

福建省 湖南省 台湾 山東省

江西省 北京 河南省 江蘇省

浙江省 安徽省 上海

2013-4-27 現在

　人数

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

4 月 16 日までの集計では上海が約 40% 、浙江省 及び江蘇省が 25% 前後という結果であったが、浙江省 での感染報告が急激に増加し、全体の感染者の約 60% が浙江省で報告されていることとなった。

上海27%

安徽省3%

浙江省37%

江蘇省23%

河南省3%

北京1%

江西省2%

山東省1%

台湾1%

福建省1%

湖南省2%

地域別　発症者割合2013-4-27 現

在N=117

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

上海52%

安徽省4%

浙江省26%

江蘇省17%

地域別　死亡者割合2013-4-27 現在

N=117

発症者は浙江省が最多となったが、死亡者における割合は上海が最も多い。H7N9 の感染が確認された初期の頃に比べ、浙江省 で最近報告された症例に対して、 H7N9 鳥インフルエンザの認知があるため、適切に対応できているからではないかと考えられる。

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

2月

19

日 20

21

22

23

24

25

26

27

28

3月

1日 2 3 4 5 6 7 8 910

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

4月

1日 2 3 4 5 6 7 8 910

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

2013 年

0

1

2

3

4

5

発症例　日別　（上海）感染者 死亡者 2013-4-26 現在

最も早くに感染症例が確認された上海であるが、最も発症者が多発したのは 4 月 1 日であった。

人数

(N=29)

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

2月

19

日 20

21

22

23

24

25

26

27

28

3月

1日 2 3 4 5 6 7 8 910

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

4月

1日 2 3 4 5 6 7 8 910

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

2013 年

0

1

2

3

4

5

6

発症例　日別　（浙江省） 感染者 死亡者

2013-4-26 現在

発症者の報告が最多であるが、上海ほど死亡例があるわけではない。4 月に入ってからの感染者の増加は明らかである。

人数

(N=46)

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

2月

19

日 20

21

22

23

24

25

26

27

28

3月

1日 2 3 4 5 6 7 8 910

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

4月

1日 2 3 4 5 6 7 8 910

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

2013 年

0

1

2

3

4

5

発症例　日別　（江蘇省） 感染者 死亡者

2013-4-26 現在

江蘇省ではまとまった期間に、まとまった発症者が出ているという特徴がある。

人数

(N=18)

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

2月

19

日 20

21

22

23

24

25

26

27

28

3月

1日 2 3 4 5 6 7 8 910

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

4月

1日 2 3 4 5 6 7 8 910

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

2013 年

0

1

2

3

4

5

発症例　日別　（安徽省） 感染者 死亡者2013-4-26 現在

安徽省では 1 例の死亡例が出たが、比較的発症者が少ない。

人数

(N=5)

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

2月

19

日 20

21

22

23

24

25

26

27

28

3月

1日 2 3 4 5 6 7 8 910

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

4月

1日 2 3 4 5 6 7 8 910

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

2013 年

0

1

2

3

4

5

発症例　日別　（河南省） 感染者 死亡者

2013-4-26 現在

　人数

現在のところ発症者は少ないが、 H7N9 の感染の拡がる速度を考えると油断はできない。発症者が急に増加する前は上海も浙江省も確認された発症者は少なく数日置きに 1 人ずつというペースだった。

(N=3)

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

2月

19

日 20 21 22 23 24 25 26 27 283

月1

日 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 314

月1

日 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

2013 年

0

1

2

3

4

5

発症例　日別　（北京） 死亡者

2月

19

日 20 21 22 23 24 25 26 27 283

月1

日 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 314

月1

日 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

2013 年

0

1

2

3

4

5

発症数　日別　（江西省）死亡者2

月19

日 20 21 22 23 24 25 26 27 283

月1

日 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 314

月1

日 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

2013 年

012345

発症例　日別　（山東省）　

感染者

2013-4-26 現在

2月

19

日 20 21 22 23 24 25 26 27 283

月1

日 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 314

月1

日 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

2013 年

0

1

2

3

4

5

発症例　日別　（福建省）感染者

4 月中旬以降では、様々な場所で発症者が確認されるようになった。新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

2月

19

日 20

21

22

23

24

25

26

27

28

3月

1日 2 3 4 5 6 7 8 910

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

4月

1日 2 3 4 5 6 7 8 910

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

2013 年

0

1

2

3

4

5

発症例　日別　（台湾） 感染者 死亡者

2013-4-26 現在

　人数

台湾での発症者は、台湾で感染したとは考えられていない。もともと江蘇省蘇州市で仕事をしていて台湾に戻ってから発症した、という経緯のため江蘇省で感染したと予測される。 新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

上海　男　 87 歳上海　男　 27 歳浙江　男　 38 歳安徽　女　 35 歳江蘇　男　 83 歳江蘇　女　 32 歳上海　女　 67 歳上海　女　 52 歳上海　男　 48 歳上海　男　 74 歳浙江　男　 64 歳浙江　女　 62 歳浙江　女　 62 歳上海　男　 74 歳上海　男　 64 歳上海　男　 77 歳上海　男　 86 歳江蘇　女　 77 歳江蘇　男　 60 歳浙江　男　 76 歳浙江　男　 69 歳浙江　男　 86 歳

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70

発症から死亡までの日数比較 発症日

10days9days

14days11days

10days19days

12days

7days

12days

23days

21days

7days

11days

7days

8days14days

21days

30days21days

12days

14days

平均日数：約 14日

2月 19日

3月 7日

4月 1日

35days

2013-4-27 現在

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

男65%

女26%

不明9%

死亡者男女比　（ N=23 ）

男65%

女31%

不明3%

感染症例　男女比　（ N=115 ）

2013-4-26 現在

感染症例数、死亡者数の男女比はほぼ等しい。

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

0 ～５ 5 ～10

10 ～15

15 ～20

20 ～25

25 ～30

30 ～35

35 ～40

40 ～45

45 ～50

50 ～55

55 ～60

60 ～65

65 ～70

70 ～75

75 ～80

80 ～85

85 ～90

90 ～95

95 ～100

0

1

2

3

4

5

死亡者　年齢別 (N=23) 男 女

平均： 65歳男性： 67.5歳女性： 59歳

2013-4-26 現在

死亡者の平均年齢は約 65 歳であった。男性のみではそれよりやや高めの 67.5 歳、逆に女性は低めの 59 歳であった。上の死亡者の年齢分布を見ても分かるが、高齢である方が死亡リスクが高くなりそうだと予想できる。

人数

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

0 ～５

5 ～10

10 ～15

15 ～20

20 ～25

25 ～30

30 ～35

35 ～40

40 ～45

45 ～50

50 ～55

55 ～60

60 ～65

65 ～70

70 ～75

75 ～80

80 ～85

85 ～90

90 ～95

95 ～100

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

感染症例　年齢別　男性 (N=75)感染者数 死亡者数

感染者平均年齢：59.7歳死亡者平均年齢：67.5歳

　人数

男性の感染者全体の平均年齢よりも死亡者の平均年齢が高いことが分かる。

2013-4-26 現在

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

0 ～５

5 ～10

10 ～15

15 ～20

20 ～25

25 ～30

30 ～35

35 ～40

40 ～45

45 ～50

50 ～55

55 ～60

60 ～65

65 ～70

70 ～75

75 ～80

80 ～85

85 ～90

90 ～95

95 ～100

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

感染症例　年齢別　女性　 (N=36)

感染者数 死亡者数

感染者平均年齢：56.8歳死亡者平均年齢：59歳

　人数 2013-4-26 現在

女性の感染者の平均年齢は死亡者のものより、やや低いことが分かる。

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

0 ～５

5 ～10

10～15

15～20

20～25

25～30

30～35

35～40

40～45

45～50

50～55

55～60

60～65

65～70

70～75

75～80

80～85

85～90

90～95

95～100

0

1

2

3

4

5

年齢別発症者の推移　上海　男性感染者数 死亡者数

感染者平均年齢： 67.1歳死亡者平均年齢： 59.8歳(N=22)

0 ～５

5 ～10

10～15

15～20

20～25

25～30

30～35

35～40

40～45

45～50

50～55

55～60

60～65

65～70

70～75

75～80

80～85

85～90

90～95

95～100

0

1

2

3

4

5

年齢別発症者の推移　上海　女性感染者数 死亡者数

感染者平均年齢： 60.3歳死亡者平均年齢： 71.1歳

2013-4-26 現在

上海年齢別発症者

(N=7)

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

0 ～５

5 ～10

10～15

15～20

20～25

25～30

30～35

35～40

40～45

45～50

50～55

55～60

60～65

65～70

70～75

75～80

80～85

85～90

90～95

95～100

0

1

2

3

4

5

6

年齢別発症者の推移　浙江省　男性感染者数 死亡者数

感染者平均年齢： 66.6歳死亡者平均年齢： 60.9歳

0 ～５

5 ～10

10～15

15～20

20～25

25～30

30～35

35～40

40～45

45～50

50～55

55～60

60～65

65～70

70～75

75～80

80～85

85～90

90～95

95～100

0

1

2

3

4

5

6

年齢別発症者の推移　浙江省　女性感染者数 死亡者数

感染者平均年齢： 62歳死亡者平均年齢： 59.8歳

2013-4-26 現在

浙江省年齢別発症者

(N=28)

(N=19)

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

0 ～５

5 ～10

10～15

15～20

20～25

25～30

30～35

35～40

40～45

45～50

50～55

55～60

60～65

65～70

70～75

75～80

80～85

85～90

90～95

95～100

0

1

2

3

4

5

年齢別発症者の推移　江蘇省　男性感染者数 死亡者数

感染者平均年齢： 59.4歳死亡者平均年齢： 71.5歳

0 ～５

5 ～10

10～15

15～20

20～25

25～30

30～35

35～40

40～45

45～50

50～55

55～60

60～65

65～70

70～75

75～80

80～85

85～90

90～95

95～100

0

1

2

3

4

5

年齢別発症者の推移　江蘇省　女性感染者数 死亡者数感染者平均年齢： 46歳死亡者年齢： 77歳

2013-4-26 現在

江蘇省年齢別発症者

(N=14)

(N=9)

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

Shanhai/上海

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

Ｚｈｅｊｉｎａｇ/浙江省

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

Ｊｉａｎgsu/江蘇省

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

Ａｎｈｕｉ/安徽省

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

Ｈｅｎａｎ/河南省

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

Beijing/北京市

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

Ｆｕｊｉａｎ/福建省

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

Jiangxi/江西省

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

Shandong/山東省

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野　

Taiwan/台湾

新潟大学大学院　医歯学総合研究科　国際保健学分野