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●月刊ビデオジャーナル ● 昭和 43 年 3 月 1 日創刊 ●【発行所】株式会社伸樹社 ●【発行人】立石伸雄 ●〒 160-0006 東京都新宿区舟町 4-4-101 ● TEL.03-3353-9508  ● FAX.03-3357-4846 ● 年間購読料 10,800 円(税込)・一部 980 円(税込) http://www.videojournal.co.jp [email protected] 7 2015 Vol.1302 July ◆ INDEX ◆ ◎ 1 面:池上通信機、放送映像機器内覧会 2015 ◎ 2 面:秋山謙一の映像業界トレンド探訪 〜パナソニックが東京でも After NAB を開催〜 ◎ 4 面:〜ソニーが映像制作機器新製品内見会を開催〜 ◎ 4 面:〜クレッセントが 3D &バーチャルリアリティ展に出展〜 ◎ 6 面:ケーブル技術ショー 2015 開催 ◎ 9 面:岡英史の ViewFinder Vol.156 〜 SONY「PXW-X70」〜 池上通信機、放送映像機器内覧会 2015 「4K」 関 連 製 品 で は 4K カ メ ラ、 4K 出力のコンバータボード、4K 対 応コンパクトスイッチャ「CSS-400」、 4K モ ニ タ「HQLM-3210W」、 そ し てファイルベースシステムとして同社 取扱いの Avid のソリューションが見 られた。 技術展示されていた 4K カメラは 2/3 型 フ ル 4K(3840×2160)800 万画素 3CMOS センサを採用。3 板 方式による豊かな色再現、コンパクト で使いやすいカメラヘッドが実現さ れており、スポーツ中継等に最適だ。 8K ポータブルカメラ「SHK-810」の デモでは 8K スーパーハイビジョン映 像をシャープのモニターで確認するこ とができた。 「4K コンバータボード」は、CCU- 980/BS-98 に搭載することで 4K 映 像の出力を可能にする。一般的な 4K カメラと比較して、被写界深度の深 い 4K 映像を再現可能だ。2K 機器の 資産を有効活用して最小限のコストで 4K の映像システムが構築できる。会 場ではこのボードの対応カメラである 「HDK-97AP」の 4K 出力映像を確認 することができた。 「HDK-5500」 は 最 低 被 写 体 照 度 0.001lx の超高感度撮影と日中の通 常撮影に対応した超高感度 3CMOS HDTV カメラ。ドッカブルシステム カメラなので、延長装置と接続したス タイルでの運用が可能だ。会場では、 暗室が設けられ、同機と「HDL-45E」 との比較映像が流されていた。 「映像パケット化多重伝送装置 iHTR series」は 1 対向で最大 8 素材 の HD-SDI 信号を光ファイバ伝送す ることが可能で電源供給が困難な場所 での小規模中継に最適だ。会場デモで は、同ソリューションの配信例がわか りやすく展示されていた。 この他、併設セミナーとして「運用 を 見 据 え た Ikegami の 8K/4K カ メ ラ開発」、「Avidから始める4K編集」 も行われた。 5 月、6 月と NAB 後にはメーカー各社が〝After NAB〟という位置づけで NAB に来られなかった業界関係者向けに展示会を全国各地で開催した。本紙 中面の秋山氏のコラムではそれら多くの展示会の詳細を掲載。1 面ではトップ バッターとして、東京・青山の TEPIA で開催された池上通信機の「放送映像 機器内覧会 2015-Ikegami Broadcast Equipment-」をレポートする。 8K ポータブルカメラ「SHK-810」 2/3 型 4K 3CMOS システムカメラ 超高感度 3CMOS HDTV カメラ「HDK-5500」の比較デモ

Hotel First App Michal Tost - 2015年7月号

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Page 1: Hotel First App Michal Tost - 2015年7月号

●月刊ビデオジャーナル ● 昭和 43 年 3 月 1 日創刊●【発行所】株式会社伸樹社 ●【発行人】立石伸雄●〒 160-0006 東京都新宿区舟町 4-4-101● TEL.03-3353-9508  ● FAX.03-3357-4846● 年間購読料 10,800 円(税込)・一部 980 円(税込)● http://www.videojournal.co.jp ● [email protected] 2 0 1 5

Vol.1302July

◆ INDEX◆

◎ 1 面:池上通信機、放送映像機器内覧会 2015◎ 2 面:秋山謙一の映像業界トレンド探訪 〜パナソニックが東京でも After NAB を開催〜◎ 4 面:〜ソニーが映像制作機器新製品内見会を開催〜◎ 4 面:〜クレッセントが 3D &バーチャルリアリティ展に出展〜◎ 6 面:ケーブル技術ショー 2015 開催◎ 9 面:岡英史の ViewFinder Vol.156 〜 SONY「PXW-X70」〜

池上通信機、放送映像機器内覧会 2015

 「4K」 関 連 製 品 で は 4K カ メ ラ、4K 出力のコンバータボード、4K 対応コンパクトスイッチャ「CSS-400」、4K モ ニ タ「HQLM-3210W」、 そ してファイルベースシステムとして同社取扱いの Avid のソリューションが見られた。 技術展示されていた 4K カメラは2/3 型 フ ル 4K(3840×2160)800万画素 3CMOS センサを採用。3 板

方式による豊かな色再現、コンパクトで使いやすいカメラヘッドが実現されており、スポーツ中継等に最適だ。8K ポータブルカメラ「SHK-810」のデモでは 8K スーパーハイビジョン映像をシャープのモニターで確認することができた。 「4K コンバータボード」は、CCU-980/BS-98 に搭載することで 4K 映像の出力を可能にする。一般的な 4K

カメラと比較して、被写界深度の深い 4K 映像を再現可能だ。2K 機器の資産を有効活用して最小限のコストで4K の映像システムが構築できる。会場ではこのボードの対応カメラである

「HDK-97AP」の 4K 出力映像を確認することができた。 「HDK-5500」は最低被写体照度0.001lx の超高感度撮影と日中の通常撮影に対応した超高感度 3CMOS HDTV カメラ。ドッカブルシステムカメラなので、延長装置と接続したスタイルでの運用が可能だ。会場では、

暗室が設けられ、同機と「HDL-45E」との比較映像が流されていた。 「 映 像 パ ケ ッ ト 化 多 重 伝 送 装 置 iHTR series」は 1 対向で最大 8 素材の HD-SDI 信号を光ファイバ伝送することが可能で電源供給が困難な場所での小規模中継に最適だ。会場デモでは、同ソリューションの配信例がわかりやすく展示されていた。 この他、併設セミナーとして「運用を見据えた Ikegami の 8K/4K カメラ開発」、「Avid から始める 4K 編集」も行われた。

5 月、6 月と NAB 後にはメーカー各社が〝After NAB〟という位置づけでNAB に来られなかった業界関係者向けに展示会を全国各地で開催した。本紙中面の秋山氏のコラムではそれら多くの展示会の詳細を掲載。1 面ではトップバッターとして、東京・青山の TEPIA で開催された池上通信機の「放送映像機器内覧会 2015-Ikegami Broadcast Equipment-」をレポートする。

8K ポータブルカメラ「SHK-810」

2/3 型 4K 3CMOS システムカメラ 超高感度 3CMOS HDTV カメラ「HDK-5500」の比較デモ

Page 2: Hotel First App Michal Tost - 2015年7月号

VIDEO JOURNAL July 2015 | VOL.1302 |(2)REPORT

(→ 4 面に続く)

■秋山謙一の■■■■■■■■■■■■■■■

映像業界トレンド探訪■■■■■■■■■■■■■■■ Vol.112

秋山謙一(あきやまけんいち):イメージアイ主宰。1967 年、ヨコハマ生まれ、ヨコハマ育ち。映像制作分野、ソーシャルメディア分野を中心に活動するジャーナリスト兼 編集者。女子美術大学アート・デザイン表現学科メディア表現領域 非常勤講師。写真やビデオ、DTP、天文まで広い守備範囲を持つ。 焚き火をしながらジャズやカントリーを流して、葉巻片手に星空を眺められれば最高ね。

各種展示会、各社製品発表会が相次ぐ毎年のことだが、6 月は展示会関連が最も多い月だ。メーカー・代理店各社は、「全部の展示会に出せるわけもないので、取捨選択する」「なるべく多く出すけど、その分ブースを小さくするので、全ての新製品は展示できない」「展示会には出ないで、自社イベントで紹介する」と、製品アピールの方法を試行錯誤している。 これが正しいという解決策はないのだが、いずれの方法であっても、製品・ソリューションを検討する会社にとっては悩ましい。見たい展示会に必要なメーカー・代理店が出展していなかったり、出展していても目的の新製品が見当たらなかったり、製品比較のためにメーカーイベントを複数日程で駆けずり回ったり、結局は Web 情報でいいかとしたり。これではメーカー・代理店の出展やイベント開催の効果もそこそこなものになってしまう。 筆者もできる限り展示会・イベントを取材して回っているが、全てに参加することはなかなか難しい。それもそのはず、6 月から 7 月にかけては、国内展示会だけをあげても PHOTO NEXT(6 月 2、3 日)、東北映像機器フェスティバル(6 月 3、4 日)、ケーブル技術ショー(6月 10、11 日 )、Connected Media Tokyo(6 月 10 〜 12 日 )、3D &バーチャルリアリティ展(6 月 24 〜 26 日)、プロダクションEXPO(7 月 1 〜 3 日)、九州放送機器展(7 月 2、3 日)、ライブ&イベント産業展(7 月 8 〜 10 日)と、わずか 1 カ月でこれだけ開催され、海外では Broadcast Asia(シンガポール、6 月 2 〜 5 日)もあった。さらにメーカー独自のイベントはソニー、パナソニック、池上通信機が行い、7 月に入ってからローランドも予定している。とても回りきれない。 5 月に開催された After NAB SHOW の来場者からは、機材検討はInter BEE のある 11 月までは待てないという雰囲気が伝わって来た。新製品/新ソリューションを見れる機会が 6 〜 7 月にあるのはベストタイミングだが、各社がバラバラに分散して展示会に参加したり、比較検討するには複数の展示会をまたがなくてはならないのは不便極まりない。「企業が展示会に出ても十分な効果が出なくなってきた」とも言われて久しいが、ニッチな展示会が多すぎて比較検討したい来場者のニーズにマッチできなくなっているように感じる。どうせ比較検討できないのであれば、たとえ複数のメーカー・代理店を回らなければいけないにしても、メーカー/代理店が開催する単独イベントの方がベターとも言えるのか。必要な時期に、ニッチ市場を狙った展示会ばかりで必要な機器/ソリューションの比較ができない状況は、メーカー/代理店/参加者のいずれにとっても残念でしかない。

■ ハンディ型 DVX-200 の動作開発機を公開

 パナソニックは、6 月 9、10 日の両日、東京都中央区のベルサール八重洲で After NAB 2015 新製品発表会を開催した。4 月に米ラスベガスで開催された NAB SHOW(全米放送機器展)で発表した機材を紹介するイベントで、制作向けラインナップの拡充、P2 クラウドワークフロー、4K + IPで広がる映像活用に関する紹介を行った。 NAB SHOW 後の大きなアップデートと言えば、映像出力が可能なハンディ型 4K カムコーダー AG-DVX200の開発機が公開されたこと。直前に行われた Broadcast Asia で初公開され、この新製品発表会で国内でも映像初公開となった。DVX200 は、フォーサーズ大判イメージセンサーと 13倍ズームレンズを搭載した 4K ハンディー型カムコーダー。VARICAM シリーズで採用された V-Log L(12 ストップ)を搭載している。100Mbps以上の高ビットレートの UHD(3840×2160ピクセル)60p、フル4K(4096×2160 ピクセル)24p 映像を、MP4/ MOV フォーマットで、UHS-I U3 (UHS Speed Class 3) 対 応 の SDXC/ SDHC カ ー ド に 記 録できる。DVX200 のデモコーナーでは、メカニカルな時計を撮影し、その出力を 4K ディスプレイに直接出力する形で、そ

パナソニックが東京でも After NAB を開催NAB SHOW で発表された AG-DVX200。ついに映像出力される開発機が公開された。

の撮影映像をデモした。残念ながら、今回は透明ケースで囲われ、各種設定を変更しながらの確認はできなかった。 「New Technology for 4K/8K」 と題したセミナーでは、UHD とネットワーク時代に向けたパナソニックの新技術関連を紹介。その中でも AG-DVX200 に使用されている専用ズームレンズやフォーサーズセンサーな度、技術面での取り組みをアピールした。

■ ライブスイッチャーも 4K 対応の動作機を公開

 パナソニック After NAB 2015 新製品発表会では、次世代大型ライブスイッチャー AV-HS7300 シリーズの4K 対応機もデモした。複数の SDI 端子から入力された 4K 映像は、いったんバッファー内で 1 枚の 4K 画像に合成し、その 4K をスイッチング、M/E

(ミックス/エフェクト)の追加を行っている。そのため、簡易 4K スイッチングのように SDI 系統ごとの 4 分割でしかエフェクトがかからないということはなく、フル HD の M/E 処理と同様のスイッチングが可能だ。

4K へのアップグレードが可能になった次世代大型ライブスイッチャー AV-HS7300 シリーズ