2
D A T A S H E E T HyperLynx Thermal 高速 PCB 設計の熱解析 PCB System Design www.mentorg.co.jp/pcb 概要 部品の温度が100℃を超過すると、10℃増すごとに平均故 障間隔が最大50%ずつ短くなります。この問題をPCBの設計 プロセスにおいて解決するため、HyperLynx ® Thermalは、 ボードの温度、部品や接合温度をシミュレーションし、部品温 度の制約違反を検出します。温度勾配の様子を考慮しなが ら、ボードが反らないように設計することも可能です。 シミュレーション・オリエントの解析 HyperLynx Thermalでは、異形状やリファレンス・プレーン が不連続なものであっても、片面や両面、多層の基板をイン ポートして解析できます。シミュレーションにおいては、キャビネッ トの壁面側や内部に基板を置いたり、ドーターカードを搭載し たり、「What-if」解析で部品を移動したりすることが可能です。 部品や高温の領域から熱を伝達するため、PCBをヒートシン クにねじ留めしたり、 ICを放熱ファンや熱伝道パッドに取り付け たり、ボードの端をくさび状に留めたりできます。重力の影響や 気圧、気流をモデル化し、PCBを熱交換可否な状態で密封 状態に置いたり、強制対流の開放システム内に置くことも可 能です。 高速で高精度なシミュレーション HyperLynx Thermalは、複雑な流れの三次元モデ リングと、熱 伝 導、対 流、および 放 射に基づく熱 領 域を 取り入れており、ユーザの 評 価 や 風 洞 実 験 、および 赤 外 線イメージ試 験において一 貫して実 証された±1 0 % の 高 精 度な結 果 が 得られます 。計 算 速 度を劇 的に早く するために、局 所 的に精 細なメッシュを適 用することで、 精 度を確 保しつつも平 均 的なP C でも2 0 0 部 品のボード を1 0 秒 以 内にシミュレーション可 能です。 熱解析の様子 熱の状況 伝 導 、放 射 、対 流による熱 伝 達を考 慮したP C Bの温 度 状 況 のスナップショットは、部 品 の加熱対策を施すのに役立ち ます。 例えば、高電力要件のために複数の部品が熱くなるも のの、その周囲の基板が適切に冷えていれば、リファ レンス・プレーンを厚くすることで解決するかもしれ ません。高温部品の周囲の基板も高温の場合は、他の 熱伝達手法を用いるべきかもしれません。 HyperLynx Thermal を使用することで、一般的な PCB レイアウト環境から、部品配置だけの状態、 部分的に配線した状態、完全に配線済みの PCB デザインにおいても、ボードレベルの熱問題を 解析できます。 熱の様子や勾配、過剰温度のマップから、設計者は、設計プロセスの早い段階で、ボードや部品の 加熱対策を講じることが可能です。 特長: 市場流通製品の平均故障間隔(MTBF) を伸ばし、製品保障の経費を削減 設計の繰り返しや、費用のかかる試作 回数を削減 対流、伝導、放射などの主要な熱伝達 メカニズムをすべて解析 電子技術者やPCB設計者は、部品や 基板の高熱部分を特定し、部品配置や 積層設計、物理的な冷却技法など、解 決に向けた「What-if」解析が可能 すべての主要PCBレイアウトツールと互換 •  •  •  • 

HyperLynx Thermal PCB System Design 高速PCB設 …...本 社 〒140-0001 東京都品川区北品川4 丁目7 番35 号 御殿山ガーデン 電話( 03)5488-3030 (営業代表)

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: HyperLynx Thermal PCB System Design 高速PCB設 …...本 社 〒140-0001 東京都品川区北品川4 丁目7 番35 号 御殿山ガーデン 電話( 03)5488-3030 (営業代表)

D A T A S H E E THyperLynx Thermal高速 PCB設計の熱解析

P C B S y s t e m D e s i g n

www.mentorg.co.jp/pcb

概要部品の温度が100℃を超過すると、10℃増すごとに平均故障間隔が最大50%ずつ短くなります。この問題をPCBの設計プロセスにおいて解決するため、HyperLynx® Thermalは、ボードの温度、部品や接合温度をシミュレーションし、部品温度の制約違反を検出します。温度勾配の様子を考慮しながら、ボードが反らないように設計することも可能です。

シミュレーション・オリエントの解析HyperLynx Thermalでは、異形状やリファレンス・プレーンが不連続なものであっても、片面や両面、多層の基板をインポートして解析できます。シミュレーションにおいては、キャビネットの壁面側や内部に基板を置いたり、ドーターカードを搭載したり、「What-if」解析で部品を移動したりすることが可能です。部品や高温の領域から熱を伝達するため、PCBをヒートシンクにねじ留めしたり、ICを放熱ファンや熱伝道パッドに取り付けたり、ボードの端をくさび状に留めたりできます。重力の影響や気圧、気流をモデル化し、PCBを熱交換可否な状態で密封状態に置いたり、強制対流の開放システム内に置くことも可能です。

高速で高精度なシミュレーションHyperLynx Thermalは、複雑な流れの三次元モデリングと、熱伝導、対流、および放射に基づく熱領域を取り入れており、ユーザの評価や風洞実験、および赤外線イメージ試験において一貫して実証された±10%の高精度な結果が得られます。計算速度を劇的に早くするために、局所的に精細なメッシュを適用することで、精度を確保しつつも平均的なPCでも200部品のボードを10秒以内にシミュレーション可能です。

熱解析の様子熱の状況伝導、放射、対流による熱伝達を考慮したPCBの温度

状況のスナップショットは、部品の加熱対策を施すのに役立ちます。

例えば、高電力要件のために複数の部品が熱くなるものの、その周囲の基板が適切に冷えていれば、リファレンス・プレーンを厚くすることで解決するかもしれません。高温部品の周囲の基板も高温の場合は、他の熱伝達手法を用いるべきかもしれません。

HyperLynx Thermal を使用することで、一般的なPCBレイアウト環境から、部品配置だけの状態、部分的に配線した状態、完全に配線済みの PCBデザインにおいても、ボードレベルの熱問題を解析できます。熱の様子や勾配、過剰温度のマップから、設計者は、設計プロセスの早い段階で、ボードや部品の加熱対策を講じることが可能です。

特長:

市場流通製品の平均故障間隔(MTBF)を伸ばし、製品保障の経費を削減

設計の繰り返しや、費用のかかる試作回数を削減

対流、伝導、放射などの主要な熱伝達メカニズムをすべて解析

電子技術者やPCB設計者は、部品や基板の高熱部分を特定し、部品配置や積層設計、物理的な冷却技法など、解決に向けた「What-if」解析が可能

すべての主要PCBレイアウトツールと互換

•  

 

• 

 

• 

 

• 

 

 

 

Page 2: HyperLynx Thermal PCB System Design 高速PCB設 …...本 社 〒140-0001 東京都品川区北品川4 丁目7 番35 号 御殿山ガーデン 電話( 03)5488-3030 (営業代表)

本  社 〒 140-0001 東京都品川区北品川 4丁目 7番 35号 御殿山ガーデン 電話 (03)5488-3030 (営業代表)大阪支店 〒 532-0004 大阪府大阪市淀川区西宮原 2丁目 1番 3号 SORA新大阪 21 電話 (06)6399-9521 名古屋支店 〒 460-0008 愛知県名古屋市中区栄 4丁目 2番 29号名古屋広小路プレイス 電話 (052)249-2101 URL http://www.mentorg.co.jp

Copyright © 2009 Mentor Graphics Corporation. All rights reserved.Mentor Graphics は Mentor Graphics Corporation の登録商標です。その他記載されている製品名および会社名は各社の商標または登録商標です。製品の仕様は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。

09/10-R1-PDF-WP

部品温度の制約違反部品の熱破損は、材質や製造プロセスの変更、ひいては

動作環境にも直結しています。HyperLynx Thermalは、ボード全体にわたる温度制約に違反する部品の有無を迅速に解析します。

温度勾配激しい温度勾配は大きな熱膨張圧を引き起こすため、潜在

的に基板の破断や反りの原因となります。HyperLynx Thermalは、ボード全体の温度勾配でトラブルの原因となりうる箇所を検出します。

セットアップ、変換、モデリングHyperLynx Thermalには完全に定義された部品が2500点付属しており、部品のデータシートから数分で新たな部品モデルを作成できます。メンター・グラフィックスのExpedition® PCBから直接エクスポートできると共に、Board Station® やPADS®

PCB Layout、CadenceのAllegro、OrCAD Layout、Cadstar、Visula、Protel、およびPCADから、IDF(Independent Data Format)のPCBインタフェースを使用してファイルを取り込むことが可能です。

多数の産業向けソリューションこれまで10年にわたって開発、改良されてきたHyperLynx Thermalの解析能力は、複数のアプリケーションや異なる多数の産業に特有の要求に合致するよう最適化されています。

自動車産業自動車で使用される多くのアプリケーションでは、ボード上

の厚い配線に大電流が通るため、激しく発熱します。左図は、HyperLynx Thermalで解析した熱い配線からの熱伝導の様子です。

航空宇宙産業下図は典型的な衛星のアプリケーションで使用されるボード

を示しています。熱伝導ねじとカードガイドで上下端がヒートシンクにつながった状態の放熱を解析しています。

コンピュータや計測機器PCのマザーボードを下図に示します。この種の基板は面積が大きい上に、部品密度が高く、通常は消費電力が大きい

CPUを搭載しています。チップ用の冷却ファン、ヒートシンクなどに加え、他の対流式冷却方法もモデル化することができます。

電気通信や産業機器左図は、複数の部品にヒートシンクが取り付けられ、キャビネット内で自然対流冷却するカードケージ内の基板を示しています。

電源通常、電源回路には高電力で空気の流れを妨げる背の高い

部品が搭載されています。左図は、自然対流で動作する電源回路基板を示します。トランスは高出力ではあるものの、表面積が広いことと自然対流のため、その温

度は低いままになっています。最も熱い部品は、適度の電力と中型サイズであることが分かります。

稼動条件・ Windows XPおよび2000・ ライセンス管理ソフトウェアがホストIDを認識するためのネットワークカード、パラレルポート、もしくはUSBポート