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The Walker's 8 Vol. 9 Django Reinhardt I am Jazz! Profile 1910 1 23 Jean Baptiste Reinhardt 10 26 26 (p) 28 31 (vln) 34 35 (ts) 38 39 9 46 (p) 53 3 (tp) 1953 5 16 43 34

I am Jazz! Vol. 34 Django Reinhardt ジャンゴ ラインハルト · The Walker's 8 Vol.9 Django Reinhardt 【ジャンゴ・ラインハルト】 ~ジプシー・スウィングの創始者&不出世の天才ギタリスト~

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Page 1: I am Jazz! Vol. 34 Django Reinhardt ジャンゴ ラインハルト · The Walker's 8 Vol.9 Django Reinhardt 【ジャンゴ・ラインハルト】 ~ジプシー・スウィングの創始者&不出世の天才ギタリスト~

The Walker's 8

Vol.9Django Reinhardt 【ジャンゴ ・ ラインハルト】

~ジプシー ・スウィングの創始者&不出世の天才ギタリスト~

I am Jazz! (ジャズ ・スーパー列伝)

Profile

1910年 1月 23日ベルギーのリベルシーで生まれる。本名は Jean Baptiste Reinhardt。父親はヴァイオリン&ギター奏者、

母親はダンサーというジプシー芸人の子として育ち、 地元ベルギーやフランスを放浪しながらアコーディオンやヴァイオリン、

バンジョーを習得。 10代前半よりパリのダンスホールで音楽活動を始める。 26年に歌手の伴奏で初のレコーディングを果

たす。 同 26年にビリー ・ アーノルド (p) のバンド演奏を聴いて、 ジャズに傾倒するようになる。 28年火事により半身に大

やけどを負う。 右足は麻痺し、 弦楽器奏者にとって致命的といえる左手の薬指と小指に障害が残ったが、 練習によって独

自の奏法を確立。 ハンディキャップを克服し見事に復活を果たす。 31年に後に盟友となるステファン ・ グラッペリ (vln) と出

会う。 34年にはステファン ・ グラッペリ等とフランス ・ ホット ・ クラブ ・ クインテットを結成し、 フランスにジャズ ・ ブームを巻

き起こす。 35年には、 フランスを訪れていたコールマン ・ホーキンス (ts) と共演。 この頃からトレード ・マークのセルマー ・

ギターを使用し始める。38年に初のイギリス公演を行い、39年夏に行われたイギリス公演の最中に第二次世界大戦が勃発。

ジャンゴは 9月にフランスへ戻るが、 ステファン ・ グラッペリはロンドンに残ることを決意し、 フランス ・ ホット ・ クインテット

は解散。 46年デューク ・ エリントン (p) に招かれ、 初のアメリカ公演を行う。 53年 3月にディジー ・ ガレスピー (tp) のブリ

ュッセル公演にゲスト参加。 1953年 5月 16日友人の経営する店で突然倒れ、 同日に脳出血で死去。 享年 43歳。 ロマ

音楽とスウィング・ジャズを融合させたジプシー・スウィング (マヌーシュ・スウィング) の創始者として多大な貢献を果たした。

ジャズの発展に貢献し、その歴史に名を刻んだ名プレイヤーたち。 その人生は、楽器が異なる如く千差万別。 このコーナーでは、

そんな個性的なジャズマンたちの功績を称え、 生き様を紹介することで、 より多くの人々にジャズの素晴らしさを伝えていきたい。

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写真提供 : ソニー ・ ミュージックジャパンインターナショナル

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The Walker's 9

不滅������������集!

DR's Great Album 輸入盤も含めて、 ベスト盤やコンピ盤なども多く、 ギタリストをはじめ、 他のアーティス

トがジャンゴに捧げた作品も多い。 ぜひ一度はジャンゴの名演に触れてみて欲しい。

����入門��最適�一枚ジャンゴ・プレイズ・スタンダーズ/不滅のジャンゴ・ラインハルト スタンダード編

ジャンゴ・ラインハルト

(ソニー ・ ミュージック : BVCJ-7461) [ 絶盤 ]

����初期�名演�収��一枚

�������������共演�

イン・メモリアムジャンゴ・ラインハルト

(ソニー ・ ミュージック : BVCJ-37559) [入手困難 ]

久����再会�生�れ�名盤

盟友�������������

ジャンゴロジー ~スペシャル・エディションジャンゴ・ラインハルト

(ソニー ・ ミュージック : SICP-30226)ジャンゴ ・ ラインハルト (g)、 ステファン ・グラッペリ (vln)、 コールマン ・ホーキンス (tsp)、 ジョセフ ・ ラインハルト (e-g)、 他1. ジョージア ・オン ・マイ ・マインド 2. ホット ・リップス 3. アヴァロン 4. パルファン 5. オリエンタル ・シャッフル (他、 全 12曲)

ジャンゴ ・ ラインハルト (g)、 ステファン ・グラッペリ (vln)、 ジャンニ ・ サフレッド (p)、 キャルロ ・ペコリ (b)、 他1. アイ ・ ソー ・スターズ 2. アフター ・ ユーヴ ・ゴーン 3. ヘヴィ ・アーティラリー 4. ラ ・ メール 5. マイナー ・スイング (他、 全 23曲)

ジャンゴ ・ ラインハルト (g)、 他

1. ダイナ 2. タイガー ・ラグ 3. レディー ・ビー ・グッド 4. アイ ・ ソウ ・ スターズ 5. コンフェッシン 6. コンチネンタル (他、 全 16曲)

永遠なるジプシー魂 ドッチー ・ ラインハルト

ジャンゴの死から今年でちょうど 60年。 フランスでは毎年 6月にジャンゴのメモリアル ・ ジャズ ・ フェスティバルが開催さ

れている。 モダン ・ ジャズ ・ カルテット (MJQ) のジョン ・ ル

イス作曲の名曲 「ジャンゴ」 やジョー ・ パスがジャンゴに捧

げた名盤 『フォー・ジャンゴ』 (1965年) に代表されるように、

ミュージシャンからの尊敬も厚い。 また、 ウディ・アレン監督・

脚本の映画 『ギター弾きの恋』 (1999年) はジャンゴを崇拝

するギタリストの物語だ。 愛用のセルマー ・ ギターから繰り出

される魂の即興は、 バードのサックスと並ぶ無敵の一級品。

女性ジャズ ・ シンガー/ギタリスト、 ドッチー ・ ラインハルト

(Dotschy Reinhardt ) はドイツ語圏に住むジプシー民族の

シンティ ・ ロマ人でジャンゴ一族の血筋に属する。 ジプシー ・

スウィングを基調に、 ジャズ、 ボサノヴァ、 ラテン等の要素も

取り入れたサウンドが魅力で、 日本でも 2008年 『さまよう瞳

(Sprinkled Eyes)』 でアルバム ・ デビューを果たしている。

最新作は 2012年リリースの 『Pani Sindhu』。 『さまよう瞳』

ではジャンゴの名曲 「ジャンゴロジー」 を取り入れた 「ガール

ズ・ライク・ミー (ジャンゴのテーマ)」 という曲も披露している。

録 音 は 1935 年 3月、 1936 年 5 月& 10 月、

1937年 4月、 1939年 4月。 ジャンゴの初期の名演を収めた全 12曲収録のアルバム。 コールマン ・ ホーキンスとのレコーディング ・セッション 「アヴァロン」 「スターダスト」 の他、 ヨーロッパに渡ったアメリカ人ミュージシャン達との共演、 “ フランス ・ ホット ・ クラブ五重奏団 ” 名義の演奏、 ジャンゴのギター 1本での独演 「パルファ

ン」 等、 バラエティに富んだ内容を誇る 1枚。

今回 「レガシー ・ レコーディング ・ シリーズ」 ジ

ャズ編として再発された作品。1949年に録音されたジャンゴ絶頂期の傑作で、 フランス ・ ホット ・ クラブ ・クインテット以来、 久しぶりに再会した盟友グラッペリとローマのジャズ ・ クラブで演奏した模様を収めた記録。 「マイナー ・スウィング」 「ジャンゴロジー」 等、 ジャズとジプシー ・ スウィングと格調高き欧州の香気による絶妙なブレンド

から生まれた欧州ジャズの真髄がここにある。

ジャンゴのギターが奏でる 「セントルイス ・ ブル

ース」 「ハウ ・ハイ ・ザ ・ムーン」は最高。 「捧ぐるは愛のみ」 と共に、この 3曲は 1947年の渡米直後の録音で、他の演奏は 34年と 35年録音のもの。20代のジャンゴの姿が思い浮かぶ 「レディー ・ビー ・グッド」 「コンフェッシン」 「アヴァロン」 も味わい深い。 ジャンゴの手にかかれば、 平凡なスタンダードも一変する。 ジャンゴのスタンダー

ド集としてジャンゴ初心者にも最適な 1枚です。

この曲はヘンリー ・ マンシーニ作曲、 歌詞を手掛けたのはジョ

ニー ・マーサー。 1962年公開の同名のアメリカ映画で、 徐々に

アルコールに溺れてゆくカップルを描いた 『酒とバラの日々』 の

テーマ曲。 1962年度のアカデミー賞 「歌曲賞」、 グラミー賞で

は 「最優秀レコード賞」 「最優秀楽曲賞」 「最優秀編曲賞」 を受

賞。アンディ・ウィリアムスが歌って大ヒットを記録し、その後もジャ

ズ ・スタンダードとして多くのアーティストに取り上げられている。

The Walker's 9

Jazz Standards (ジャズ名曲列伝)  Vol.7~ Days Of Wine And Roses 【酒とバラの日々】 ~

ウェス ・モンゴメリー 『ボス ・ギター』 オスカー ・ ピーターソン 『プリーズ ・ リクエスト』 

トニー ・ベネット&ビル ・エヴァンス 『トニー ・ベネット&ビル ・エヴァンス』

菅野邦彦 『酒とバラの日々』 

海野雅威 『プレイズ ・ジャズ ・スタンダード~ソロ ・ピアノ~』

★ この名曲が聴けるお薦めのアルバム