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単位(unit)
基本単位
物理量の大きさを表すには,一定の基準の大きさを決めておいて,その基準の何倍であるというように表す。基準の大きさが単位である。
基本単位長さ m(メートル)質量 kg(キログラム)時間 s(秒)電流 A(アンペア)温度 K(ケルビン)物質量 mol(モル)光度 cd(カンデラ)
組立単位面積:m2
速度:m/s
加速度:m/s2
力:kg・m/s2
絶対単位系と重力(工学)単位系
絶対単位系長さ[L],質量[M],時間[T]を基本量とする単位系
CGS単位系 cm g s
○MKS単位系 m kg s
重力(工学)単位系長さ[L],重量[F],時間[T]を基本量とする単位系
gf(重量グラム) kgf(重量キログラム)重量は力である(地球が物体を引っ張る力)
SI単位系
単位系の国際的統一,MKS単位系の拡張版
重力単位系1kgf=1kg(質量)×9.8m/s2(重力加速度)
これが隠されているMKS単位系
9.8kg・m/s2=1kgf
SI単位系質量1kgの物体に1m/s2の加速度を生じさせるときの力を1N
(ニュートン)と定義する1N=1 kg・m/s2 1kgf= 9.8kg・m/s2=9.8N
単位面積当たりに1Nの力が働くときの応力を1Pa(パスカル)である。
1Pa=1N/m2=kg/m・s2
力 N(ニュートン) kg・m/s2
圧力,応力 Pa(パスカル) N/m2
エネルギー,仕事,熱量 J(ジュール) N・m仕事率,電力 W(ワット) J/s
周波数 Hz(ヘルツ) 1/s=s-1
109 G(ギガ)106 M(メガ)103 k(キロ)102 h(ヘクト)10 da(デカ)
10-1 d(デシ)10-2 c(センチ)10-3 m(ミリ)10-6 μ(マイクロ)10-9 n(ナノ)
SI接頭語
代表的なSI単位
60(kgf)=60(kg)×9.8(m/sec2)=588(kg・m/sec2) =588(N)
60(N)=60(kg・m/sec2)÷ 9.8(m/sec2)=6.12(kgf)
単位の換算
○流体の物理的性質
物質の三態
気体 液体 固体 (プラズマ)
もう一つの状態
流体
気体・液体の総称を流体と呼ぶ
連続体
古典力学では流体,固体は連続体として取り扱う
物質は分子(分子は原子,原子は素粒子(電子,クォーク))から成る.ミクロに見れば物質は隙間だらけである.
古典力学では物質は隙間のない密な状態と見なす.これが連続体である.分子の影響は別の形で考慮する.
流体の物理学的定義
どんなに小さな力によっても連続的に限りなく変化する(容易に形が変わる.水は容器の形に瞬時に変形する).引っ張りに対して抵抗しない.
静止状態において接線応力(せん断応力)が現れず,かつ法線応力が圧力である連続体が流体である.
接線応力(せん断応力):ある面に平行に働く応力
法線応力(圧力,引っ張り応力):ある面に垂直に働く応力
四角形が平行四辺形に変形
引っ張り応力 圧力,圧縮応力
流体は特定の形を持たない
単位体積当たりの量で考える.
密度ρ:単位体積当たりの質量単位体積重量w:単位体積当たりの重量
水の場合(4°C)ρ=1000kg/m3
w=1000kgf/ m3 =9800N/ m3 =9.8kN/ m3
圧縮率
流体は圧力が加えられると,圧縮されて体積が変化し,それに伴って密度が変化する。これを圧縮生という。
圧力p
体積V圧力p+δp
体積V-δV
圧力が増し,体積が小さくなった
圧縮率:/V V
p
= 体積弾性率:
1E
=
温度20度の水がある。1~500気圧の平均の圧縮率は4.2×10-10Pa-1である。
概算:500気圧はおよそ5×107Pa(およそ5000mの海底の水圧)である。水塊はおよそ2%縮む
水は力を加えても縮まない(非圧縮性)
非圧縮性流体(液体)力を加えても密度は変化しない
圧縮性流体(気体)力を加えたら密度が変化する
ピストンを押す 水は縮まないのでピストンは動かない
水
空気
空気は押しつぶされる
ピストンを押す
連続体では分子運動の影響は分子粘性として考える
分子粘性
容器に水を入れてかき混ぜる.やがて水は静止する
粘性(内部摩擦)の作用によって運動エネルギーが熱となって逃げていく.
流体の分類
完全流体(分子粘性を無視した仮想的な流体)非圧縮性流体圧縮性流体
(非圧縮性非粘性流体を理想流体とよぶこともある)
粘性流体(実在する流体)非圧縮性流体(水理学で取り扱う流体)圧縮性流体
○流れの分類水路の状態による分類
管水路(閉水路):閉じた断面の流路を流体が充満して流れる.パイプなど.
開水路:自由水表面(水と大気が接している面)を持つ流れ.河川など.
噴流(ジェット):管壁など流れを束縛するものが無い場合の流れ.
時間に着目した分類
非定常流:時間的に水深,流速,流量などが変化する流れ.例えば洪水など
定常流:水深,流速,流量などが時間的に変化しない流れ.
*一般に物理現象が時間に依存しない(時間的に一定)状態を定常状態という.
場所に着目した分類
等流:水深,流速,流量が流れ方向に変化しない流れ.
不等流:水深,流速,流量が流れ方向に変化する流れ.
*自然河川では断面形状が流れ方向に変化するため,流れは不等流が一般的である.
定常流 等流 ⇒ 定常等流不等流 ⇒ 定常不等流
非定常流 不等流 ⇒ 非定常不等流(河口など)×等流 (非定常等流は存在しない)
開水路における二種類の流れ方
開水路では同じ流量を流す場合でも二種類の水深を取りうる.
常流:水深が大きく比較的ゆっくりとした流れ.河川の中流・下流域の流れ
射流:水深が小さく早い流れ.ダムや堰の頂上を越えるときの流れ
○流れの定義
流速v
流積A
流量Q
潤辺s
径深R
断面平均流速V
流体粒子の移動速度
流速v[LT-1]
水を小さな粒子(流体粒子,水分子ではない)の集まりと考え,水路の中のある点を通過する流体粒子の移動速度
水路断面のうち水が流れる部分の面積.河川では河積という.
流積A[L2]
流水断面積
流積A
流量Q:単位時間あたりの水路断面を通過する水の体積
流量Q[L3T-1]
潤辺s:水路断面で水が周囲の固体壁と接している長さ
潤辺s
潤辺s[L]と径深R[L]
径深R:流積Aを潤辺sで除したもの.R=A/s
流積A
断面平均流速V:通常流速vは断面内の各位置で異なる.断面内の各点の流速を平均化し,その断面内各点で同じ流速としたもの.断面平均流速Vを用いれば流量Qは
Q=VA
となる.
断面平均流速V[LT-1]
実際は流速は断面内で異なる
平均化
断面内で一様な流速になる