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姿25 20 便群馬大学理工学部庶務係 群馬県桐生市天神町一丁目5-1 郵便番号 376-8515 電話:0277(30)1011 FAX:0277(30)1020 http://www.st.gumma-u.ac.jp E-mail:[email protected] 編集責任者:石間 経章 編集担当者:広報担当 紙面紹介 2面・3面 創立100周年記念行事 4面、5面、6面、7面、8面、 9面受賞報告 10面・11面 新任教員挨拶 12面 イベント報告 投稿歓迎 多くの皆様から記事はもちろん、 写真・マンガ・挿絵等広く投稿を歓 迎します。 発行 学部教務委員長 山口 誉夫 理工学府長 工学研究科長 工学部長 篠塚 和夫  活字文化の 将来 卒業生へのメッセージ 若い人よ、 失敗を恐れず前進しよう 専門と進路先での分野を 融合し新しい価値を創ろう 20 11 20 群馬大学理工学部ニュース 第227号 ( 1 )  平 成28年3月23日

(1) 平成28年3月23日 群馬大学理工学部ニュース 理工学部 …€¦ · 大村先生ご自身はろが有るのではないかと思ても、大いに頷かれるとこ

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Page 1: (1) 平成28年3月23日 群馬大学理工学部ニュース 理工学部 …€¦ · 大村先生ご自身はろが有るのではないかと思ても、大いに頷かれるとこ

理工学部ニュース

かも知れません。また、そ

うして国内だけでなく国外

においても、それぞれの場

で活躍しておられる多くの

先輩方の姿から、色々な意

味で力づけられることと思

います。今回皆さんは、改

めてこのような社会で活躍

する先輩達の輪の中に入る

わけですが、やがて数年も

すると、皆さん方自身が、

後に続く後輩達からそのよ

うな頼もしい存在として見

られることになるのです。

その意味では卒業・修了に

よって、皆さんは改めて、

これまでとは違った形で母

校との間に強い絆を持った

とも言えると思います。是

非そのことに心して、これ

らからの皆さん自身の道を

力一杯歩んで下さい。

 

さて、これから新たな一

歩を踏み出そうとしてい

る皆さんに、私からは一つ

の言葉を贈りたいと思いま

す。それは昨年のノーベル

生理学医学賞を受賞された

大村智先生が受賞記者会

見で言われた、「成功した

人は誰よりも失敗した人で

ある」という言葉です。恐

らくこの言葉は卒業研究

や、修士・博士の学位研究

を経験された皆さんにとっ

ても、大いに頷かれるとこ

ろが有るのではないかと思

います。大村先生ご自身は

これまで様々な微生物から

約500種もの新規化合物

を発見すると言った、素晴

らしい学術的成果を挙げて

来ただけでなく、その中か

ら25種の化合物を医薬・動

物薬、農薬、生命科学研究

用試薬として実用化にまで

育て上げ、それによって世

界中の人々の暮らしの向上

に多大な貢献をするといっ

た、社会的にも正に驚異的

とも言ってよい成果を挙げ

てこられました。その一方

でこのような成果を挙げる

ために行った研究量・実験

量も驚異的であったと言わ

れています。ご自身もそ

こで数限りない失敗を経験

し、一方ではそのような失

敗にめげることなく、むし

ろ積み重ねられたその失敗

の中から、研究を成功に導

くヒントをつかみ出すこと

で、新たな道を切り拓いて

こられたことと思います。

しかし、翻って見ると、こ

れは正に皆さんが理工学

部・理工学府における自分

自身の卒業研究や学位研究

の活動の中で、多かれ少な

かれ実践して来たことでは

ないでしょうか?何か新た

な課題を始めようとする場

合、その目指す目標が高け

れば高い程、失敗のリスク

は大きくなります。しかし、

当たり前のことですが、そ

の課題に自ら実際に取り組

んでみなければ、上手く行

くかそれとも失敗に終わる

かは分からないのです。あ

るいは、たった一度の取り

組みで成功を納めると言う

こともむしろ稀でありま

す。これまでもそうであっ

た様に、これから皆さんは

自ら歩む様々な道の途中で

幾つもの困難に出会うこと

でしょう。その困難の前に

立ち止まり、あるいは一度

の失敗で歩むことを止めて

しまえば道はそこで行き止

まりになってしまいます。

しかし、ここで無用に心配

することは有りません。そ

の理由は、皆さん自身その

ことを自覚しているかどう

かはともかく、既に学部生・

大学院生として勉学や研究

に従事してきた中で、他の

人に無い多くの専門知識や

ものの見方、コミュニケー

ション力、さらには論理的

な考え方を身に付けてきて

いるからです。皆さんが母

校で暮らす中で身に付けて

来たこれらこそが、困難や

失敗に出会ったとき、これ

を乗り越えようとする皆さ

ん自身の助けとなる大きな

武器となるのです。

 

もう一つ、今の皆さん方

は他の何ものにも代え難

い大きな強みを持っていま

す。それは皆さん自身の若

さです。困難や失敗に遭遇

してもそこで立

ち止まらず、失

敗の中にヒント

を見つけ、そこ

から新たな考

えを紡ぎだし

て道を切り拓い

て行くには、や

はり大きなエネ

ルギーが必要で

しょう。その様

な時、皆さん方

が持つ若さこ

そ、困難や失敗

を乗り越えてた

ゆまぬ前進を支

えるエネルギーとなるので

す。そう考えるとき、今、

卒業・修了を迎えた若い皆

さんの前には、正に未来に

向けた無限の可能性が開か

れていると言って良いで

しょう。

 

皆さん、どうか自らの持

つ可能性を信じ、夢や課

題に果敢にチャレンジしつ

つ、それぞれの新たな道を

切り拓いて行って下さい。

私たちは、恐れず、驕らず、

将来を見据えて絶えず前に

進もうとする歩みを続け、

やがて大きく成長した皆さ

んに、いつの日かまた会え

る時が来ることを心から楽

しみにしています。

 

20年ほど前に、図書館の

広報誌に「アンドロイドは

ディスプレイでホームズを

読むか?」という小文を書

いた。ほとんど知られてい

なかったものの、電子ブッ

クは既に存在しており、イ

ンターネットが家庭に広が

り始めた頃だ。アップデー

トが頻繁な地図はほぼ確実

に電子化されるだろうが、

レコードが生き残っている

ように、本はなくならない

だろうと予想している。▼

当時は化学文献の検索シス

テムが冊子体からCD(毎

年購入!)に代わって、便

利だと思っていたのだが、

オンラインで雑誌まで読め

るようになるとは予想でき

なかった。一方で、電子ブッ

クは気軽に購入できるよう

になったが、本と値段があ

まり変わらないこともあ

り、意外に普及していない。

▼今後はおそらく徐々にで

はあるが、出版社を通さな

い(印税率が数倍になる!)

形態が新人の作家を中心に

増えていくであろう。一方

で、コレクターアイテムと

しての本は生き残るに違い

ない。▼出版関連業界とし

ては死活問題だが、聞くと

ころによれば、現在では数

人の売れっ子の作家に、「会

社全体+売れない作家」が

お世話になっている状態な

ので、致し方ないかもしれ

ない。もちろん、厳密な校

正や、関連事項のリサーチ

など、重要な仕事を担って

いる編集者の人たちも多い

わけだが。ところで、どう

も最近の週刊誌は「どうせ

早晩なくなるのだから何で

もやってやる」というスタ

ンスのような気がしてしょ

うがないのだが、いかがで

しょう?

(4G)

として活躍し、社会の発展

や人々の暮らしの向上に向

け、活躍してこられました。

また、アジアを中心とする

各国から我が校に集い、勉

学に励まれた数多くの留学

生の皆さんも、母国に帰ら

れた後は様々な分野のリー

ダーとして、それぞれの国

の発展のため力を尽くして

こられました。おそらく、

これから社会の中で歩まれ

るそれぞれの道の多くで、

皆さんは数多くのこうした

先輩達に出会われ、またそ

のこと自体に驚きを覚える

 

皆さんもすでにご存知の

様に、群馬大学工学部・理

工学部は大正4年、当時の

日本を代表する織都桐生に

日本で8番目の官立高等

工業学校として設置され、

昨年には記念すべき創立

100周年を迎えました。

この間に我が校を巣立って

行かれた卒業生・修了生の

数は4万名を超えていま

す。こうした卒業生・修了

生の方々は産業界・学界・

官界などの様々な分野にお

いて、技術者・経営者・教

育者・研究者・行政官など

群馬大学理工学部庶務係群馬県桐生市天神町一丁目5-1郵便番号 376-8515電話:0277(30)1011FAX:0277(30)1020http://www.st.gumma-u.ac.jpE-mail:[email protected]編集責任者:石間 経章編集担当者:広報担当

紙面紹介2面・3面 創立100周年記念行事4面、5面、6面、7面、8面、9面受賞報告10面・11面 新任教員挨拶12面 イベント報告

投稿歓迎多くの皆様から記事はもちろん、写真・マンガ・挿絵等広く投稿を歓迎します。

発行

学部教務委員長

山口 誉夫

理工学府長工学研究科長工学部長

篠塚 和夫 

若さを

強みに、

果敢に

挑戦すべし

活字文化の将来

い こ い

卒業生へのメッセージ

若い人よ、失敗を恐れず前進しよう

専門と進路先での分野を融合し新しい価値を創ろう

とや研究したことがもとと

なり、20年先に花開くかも

しれません。

 

天才的な思いつき、発想

力も大事です。しかし、3

日の検討で実現できたもの

は、他の人も、それくらい

の時間の検討で追いつける

のでないでしょうか。研究

や技術の種を時間をかけ詳

細を検討して実現し開花さ

せたものは、そう簡単に追

いつけるものではありませ

ん。地道に研究活動や技術

開発を続けることは、そう

簡単には追いつけない高い

価値に結び付けるために必

要と思います。諸君らが博

士論文、修士論文や卒業研

究で長時間参画し、残した

データは大事な研究資産で

す。研究室にとって宝、も

しかしたら日本あるいは人

類にとって将来、宝となる

かもしれません。貴重なも

のですので、すべての条件

を明確にして、後の研究者

や後輩など後から取り組ん

だ人が、再現できるレベル

でデータを残しておいてく

ださい。そうでないと、後

の人はもう一度、検討し直

しとなってしまいかねませ

ん。また、そのデータの一

部にミスがあった場合に

は、記録を精査することで、

取り除くことができます。

ミスがミスとわからないこ

とが一番やっかいです。そ

の検証には何倍も労力が必

要となります。研究にはト

レーサビリティが重要なの

です。失敗したデータも大

事です。影響が少ない条件、

実現が困難な条件のひとつ

を明らかにしたと考えれば

貴重なお宝のデータです。

また、なぜ失敗したのかが

新しい研究テーマの種とな

る場合もあります。そこを

起点として新たな現象の発

見やブレークスルーにつな

がるかもしれません。百年

後に地球の反対側あるいは

地球外にいる研究者が再現

を試みるかもしれません。

 

この3月11日であの震災

から5年となりました。修

士の修了生の多くは、在学

中の出来事でした。学部の

卒業生の多くは受験に本格

的に取り組まなければなら

ない時期で、将来どうなる

のか不安に思われたかもし

れません。あの震災は大き

な被害とともに私たち研究

者、技術者に多くの困難な

問題を突きつけました。そ

れまでは世の中のいろいろ

なシステム、技術について、

ある程度信頼され、ある程

度完成されてきているよう

な気がする風潮があったと

感じます。しかし、震災に

よって、信頼は傷つき解決

しなければならない課題が

たくさんあることを思い知

らされました。あの後に、

諸君らの中にも、将来、研

究者、技術者として、突き

つけられた課題を解決して

いこうと感じた人も少なく

ないでしょう。研究室にも

そういう学生がいました。

5年過ぎて、あの時に感じ

たことを思い起こしてくだ

さい。諸君には、ひとつで

も多くの課題を解決し、日

本や世界の将来を担って

いってくれるように期待し

ています。

ことがあると思います。そ

のような場合に、原因が専

門分野外の課題であること

があると思います。むし

ろ、その場合の方が多い気

がします。現在までに自身

が関連してきた分野と、全

く異なる分野を融合して検

討していかなければならな

くなる場合が出てくるので

す。その時に、積極的に異

分野にもチャレンジして取

組み、自分の新たな力にし

てください。融合した分野

が新しい研究課題となり、

それを解決できて、結実

した時に、先人達とは異な

る考え方や方法で、素晴ら

しいブレークスルーをする

ことができるかもしれませ

ん。その融合は1年先かも

しれませんし20年先かもし

れません。大学で学んだこ

 

諸君らは、今後、新しい

進路先で研究者や技術者と

しての活躍が期待されてい

ます。私が会社の研究所に

在籍していた時の経験から

すると、大学で参画した研

究分野と、新しい進路先で

与えられた仕事の研究分

野、技術分野が異なること

のほうが多いと思います。

また、与えられた仕事の分

野が、大学で携わった分野

に近かったとしても、研究、

技術、開発が進み実用段階

となったときに、いろいろ

な想定外の問題に直面する

卒業、修了

おめでとう

ございます。

卒業、修了を迎えられる

皆さん、先ずは皆さんに

心よりおめでとうの

言葉を贈ります。

群馬大学理工学部ニュース 第227号(1) 平成28年3月23日

Page 2: (1) 平成28年3月23日 群馬大学理工学部ニュース 理工学部 …€¦ · 大村先生ご自身はろが有るのではないかと思ても、大いに頷かれるとこ

「テクノドリームツアー2015」を開催!~年に一度の理科体験イベント2,656名の来場で大盛況~

 10月17日(土)に、桐生キャンパスで小中学生向け理科体験イベント「テクノドリームツアー2015」を開催した。 毎年、桐生キャンパス学園祭「群桐祭」に合わせて開催しており、子どもたちの理科離れを防ぐために、本学部の教員や学生が小中学生向けの理科体験アトラクションを多数用意して、参加者に理科の楽しさを伝えている。事前の申込みは不要で、来場者には、毎回、様々なブースを自由に回って参加してもらっている。

の18ブースが出展されたほか、同窓記念会館の講堂で「第11回発明想像画コンクールの入選作品100点(小中学生の絵画作品)を展覧した。前回の開催から人気のアトラクションも、今回初出展のアトラクションも、子供たちの歓声に溢れていた。来場者等に行なった人気投票では、第1位「⑭プラバンでキーホルダーを作ろう!!」、第2位「⑪ペットボトルロケットを飛ばそう!」、第3位「⑬飛び出す 3Dハウス!!」となり、これらは特に好評のようで、子ども達は様々なアトラクション等を楽しみながら、理科への興味関心を深めているようであった。当日は昼前まであいにくの雨天で出足は遅かったものの、近隣の小中学生や保護者など、2,656名もの方々にお越しいただいた。 最後となるが、アトラクションの出展にご協力いただいた各研究室の方々、そして本行事の運営に携わっていただいた教職員の方々に、厚く御礼を申し上げたい。

当日は、    ①地震を君ジシンで体験しよう!    ②チーズ(パニール)をつくろう!    ③折り紙で学ぶ科学④ロボットと遊ぼう!!⑤空中コマを作って,飛ばそう☆⑥ぱたぱたホバークラフトで遊ぼう⑦紙の強さを調べよう!⑧無回転シュートを打とう!⑨いろんなゲームで遊ぼう!

⑩身近なもので遊んで科学を学ぼう!⑪ペットボトルロケットを飛ばそう!⑫ゼオライトって何だろう?⑬飛び出す 3Dハウス!!⑭プラバンでキーホルダーを作ろう! ⑮目指せ!! プラスチック博士!! ⑯CDで虹を作ろう!⑰超音波探傷を体験する教室⑱磁石でモノをあやつろう!!

※学部創立100周年の平成27年度、行事の副題に「~群馬大学工学部創立100周年記念~」と入れてご案内させていただきました。沢山のご参加ありがとうございました。

久米原理事長

      門学校」と名称変更を行った後、昭和24年に、新しい学校教育法が制定され、 「群馬大学工学部」となり、昭和39年には「大学院工学研究科」を設置し、       介することを目的に、群馬大学工学部創立100周年の記念式典の挙行並びに記念行事として「記念講演会」及び「記念音楽会」を開催した。

 

平成27年10月10日(土)

に桐生市民文化会館シルク

ホールにおいて、「群馬大

学工学部創立100周年記

念式典」を挙行した。記念

式典には、国会議員、関係

自治体、地元企業、名誉教

授、同窓生、学内関係者や

学生ら、900名を超える

参加があった。

 

平塚

浩士群馬大学長の

挨拶の後、来賓祝辞として、

浩文部科学大臣(代読 

北山

浩士文部科学省高等

教育局専門教育課長)、大

正明群馬県知事(代読 

笠原

寛群馬県企画部長)、

亀山

豊文桐生市長、清水

聖義太田市長からそれぞれ

祝辞をいただいた。

 

引き続き、篠塚

和夫理

工学部長の挨拶、来賓紹介、

祝電披露が行われた後、卒

業生で現在、東レ株式会社

の栗原

優フェローと、日本

女子大学の蟻川

芳子前学

長による記念講演が行われ

た。

 

式典後、同会館のスカイ

ホールにおいて行われた祝

賀会では、平塚

浩士学長、

篠塚 和夫理工学部長、金子

祐正工業会理事長の主催者

による挨拶の後、来賓祝辞

として、元財務大臣、NP

O法人科学技術と人類の未

来に関する国際フォーラム

尾身

幸次理事長、赤岩英

夫元学長、鈴木

守元学長、

高田

邦昭前学長からそれ

ぞれ祝辞をいただいた。

 

引き続き、来賓紹介、群

馬大学科学技術振興会 

米原

宏之理事長のご発声

による乾杯の後、花泉 

評議員による謝辞、工業会

員有志等による工学部歌

「関東八州」の斉唱が盛大

に行われた。また、歓談中

には、工業会前中国支部長

武強大連理工大学教授

に、多大な寄附に対する平

塚学長からの感謝状の贈呈

も併せて行われるなど、盛

大に100周年を祝った。

群馬大学

理工学部教員による

リレー式講演会

■「群馬大学工学部

 

創立100周年

 

記念行事」の開催

 

群馬大学工学部100周

年記念事業として、学内の

教員によるリレー式の講演

会を企画、実施した。本理

工学部ニュースの随所に書

かれているかとも思うが、

理工学部の前身である桐生

高等染織学校の設立にあ

たっては桐生市の多くの有

志が活躍したことは史実に

ある。すなわち、群馬大学

理工学部は地元の熱い思い

でできた大学であり、地元

密着型の大学(高等専門学

校)であったことは簡単に

 

100周年記念行事とし

て、学内教員による「リレー

式講演会」を計7回、桐生

市市民文化会館、桐生市立

中央公民館、テクノプラザ

おおた及び桐生地域地場産

業センターにおいて開催す

るとともに、京都大学 

不二男特任教授、職人

醤油 

高橋

万太郎代表及

び筑波大学 

松島

皓三名

誉教授による学外者の講演

会を計6回、テクノプラザ

おおた及び桐生キャンパス

において開催した。来場者

も両講演会を併せて合計で

1,500名を超えるなど、

大変好評であった。

このほか、「あたかも旧知

の友人が桐生を訪れ、とも

に創立100周年を祝い、

共に互いの次の100年に

羽ばたこう」というコンセ

プトのもと、記念音楽会を

開催した。一般市民を対象

に、「成田

達輝

中野

太デュオ

リサイタル」(平

成27年10月12日(月・祝)

15時30分開演)、「東京交響

楽団首席奏者による弦楽四

重奏演奏会」(平成27年11

月8日(日)15時30分開演)、

及び「水谷

三又

瑛子

 

デュオ

リサイタル」(平

成27年11月20日(金)18時

30分開演)の3回、桐生市

市民文化会館において開催

し、来場者も3公演を併せ

て1,500名を超えるな

ど、大変好評であった。

(100周年記念事業実行委員会事務局 

田中正実)

想像できる。今回のリレー

式講演会は、群馬大学理工

学部の原点である「地域と

密着した大学、大学の研究

内容の市民への配信」を主

たる目的として、「大学の

教員が大学の中で普段どん

な研究をしているのか」と

いうことをわかりやすく説

明するような講演会とし

た。これらの企画は篠塚

学部長の発案で、100周

年記念事業部会で詳細を企

画、検討しての実施となっ

た。発案があったのは平成

26年度の当初であり、初回

は平成26年の秋から、旧工

学部7学科から各2名の講

師の選出をお願いしての実

施となった。

以下に実施日、タイトル、

講演者を記述する。

■平成26年11月8日(土)

桐生市中央公民館市民ホー

ル 

第1回「化学(環境)

に関する先端研究の話題」

(教授 

板橋英之)、「物理

(流れ)に関する先端研究

の話題」(教授 

石間経章)

 

参加:210名

■平成26年12月14日(日)

桐生市中央公民館市民ホー

ル 

第2回「楽しい生活で

二酸化炭素を減らそう

官学民による独創的な未来

創生塾の活動

」(教授 

宝田恭之)、「物理(電波)

に関する先端研究の話題

電波を用いた地震予知への

挑戦

」(教授 

本島邦行)

 

参加:115名

■平成27年4月11日(土)

桐生市市民文化会館 

スカ

イホールA 第3回「桐

生の災害を考える

命を

守る防衛研究の最前線

(准教授 

金井昌信)、「ソ

フトウェアが世界を変え

る」(教授 

中野眞一) 

加111名

■平成27年5月23日(土)

テクノプラザおおた 

研修

室2、第4回「手を触れな

いであやつる

ハンズフ

リーインターフェースの開

」(准教授 

中沢信明)、

「教科書を書き換える?X

線で調べる自動車用リチウ

ムイオン二次電池の電極反

応」(教授 

櫻井浩) 

参加:

18名

■平成27年6月20日(土)

桐生市市民文化会館 

スカ

イホールA第5回「便利

な液体燃料電池のはなし」

(教授 

中川紳好)、「量子

コンピューター

量子力学

に基づく未来の超高速計算

機-

」(助教 

森前智行)

参加:100名

■平成27年9月5日(土)

桐生地域地場産業振興セン

ター

第2ホール、第6回

「尽きることのないエネル

ギーを求めて

核融合研究

の現状と課題

」(准教授

 

高橋俊樹)、「微生物の気

持ち

見えない相手とどう

付き合うか

」(准教授 

伊藤司)参加:8名

■平成27年10月3日(土)

桐生市市民文化会館 

スカ

イホールB第7回(最終

回)「分子の発光を使って

生体を探る

生体内での酸

素の働きとがん腫瘍の検出

」(教授 

飛田成史)、「目

に見えないが危険な波動と

心地よい波動

乗り物を壊

す共振、地震との戦いと楽

器の響

」(教授 

山口誉

夫)参加:46名

 

今回の講演会の対象は中

学生以上一般までとしてお

り、各先生には極力平易な

言葉を使いながら最先端の

研究紹介をしていただい

た。桐生市と連携をして『広

報きりゅう』での告知をは

じめ、桐生タイムス、朝日

新聞などでもこの講演会の

紹介をしていただいた。何

度か広報が十分にできな

かったことや、高校生の都

合(模試など)により、集

客が十分でない回もあった

ものの、最初から最後まで

ほぼ全回に出席された方も

いらっしゃった。参加して

くださった方々からはどの

回も非常に高い評価をいた

だいた。一方で、最近も高

校訪問などに行くと、「リ

レー式講演会はもうやらな

いのか」などの質問をいた

だく。反応を見て、100

周年記念事業とは切り離し

ての実施も検討してもいい

かもしれない。

(100周年記念事業実行委員会 

石間経章)

⑪ペットボトルロケットを飛ばそう!

①地震を君ジシンで体験しよう!

■「群馬大学工学部創立100周年記念式典・祝賀会」

を挙行

平塚学長挨拶(祝賀会)

高田前学長鈴木元学長赤岩元学長鈴木理事長 尾身理事長講演に聞き入る卒業生ら蟻川氏(日本女子大学前学長)の講演栗原氏(東レ株式会社フェロー)の講演

高橋万太郎氏の講演(9/5)

松島皓三氏の講演(11/21) 中野不二男氏の講演(5/30)

亀山桐生市長平塚学長挨拶

文部科学大臣祝辞(代読 北山氏)

群馬県知事祝辞(代読 笠原氏)

清水太田市長

篠塚理工学部長挨拶

式典を挙行ならびに記念行事を開催

(広報委員)

中川教授の講演

森前助教の講演

群馬大学理工学部ニュース第227号 平成28年3月23日 (2)

Page 3: (1) 平成28年3月23日 群馬大学理工学部ニュース 理工学部 …€¦ · 大村先生ご自身はろが有るのではないかと思ても、大いに頷かれるとこ

群馬大学工学部記念事業募金について

記念事業募金の使途

工学部創立100周年記念式典及び記念事業の開催工学部の更なる飛躍を祈念して創立100周年記念式典を行い、併せてシンポジウム等の記念事業を行う。

工学部創立100周年記念誌の刊行工学部の100年の歩みをまとめた資料としての記念誌を編集・刊行する。

教育・研究支援のための基金を設立工学部の教育・研究を推進するための基金を設立する。

桐生キャンパスの整備桐生キャンパス正門、同窓記念会館の整備等を行う。

創立100周年

 100周年記念事業の大きな柱である「記念事業募金」については、卒業・修了生組織である「(一社)群馬大学工業会」、群馬大学の学術振興を目的とする「(一財)群馬大学科学技術振興会」、さらには桐生商工会議所、太田商工会議所など、様々な方面からの御協力を得て募金活動を行ってまいりました。その結果、本年3月2日時点で卒業・修了生を中心とする個人から3,135件、工業会中国支部を含む法人(企業)・団体から111件の総計3,246件、総額153,143,687円のお申し込みをいただきました。今後集まりました募金を元に、グローバル化推進のための優秀学生、若手教員支援をさらに活発化させて参ります。募金にご賛同いただきました皆様には、誠にありがとうございました。

(注1)2013年は100周年募金の受付開始(10月)から。(注2)郵便局利用は2016年2月24日,ほか銀行利用は2016年2月25日まで入金を確認。(注3)正門の金額(個人1件,14,400,000円)を加算したが、実際には正門そのものを寄贈していただいた。 (理工学部長)

群馬大学工学部創立100周年記念事業募金(2016年3月2日時点)個人

入金年2013201420152016

(注1)

(注2)

24,023,00035,474,10621,686,999440,000

81,624,105合計

9971,16995018

3,134

件数 金額 件数 金額 件数 金額 件数 金額法人(企業等) 団体(工業会支部等) 合計

73644188

750,00028,019,56824,090,000100,000

52,959,568

11110123

1,990,000709,114

1,360,900100,0004,160,014

1,0051,2161,00420

3,245

26,763,00064,202,78847,137,899640,000

138,743,687

個人入金年2013201420152016

(注1)(注3)

(注2)

24,023,00049,874,10621,686,999440,000

96,024,105合計

9971,17095018

3,135

件数 金額 件数 金額 件数 金額 件数 金額法人(企業等) 団体(工業会支部等) 合計

73644188

750,00028,019,56824,090,000100,000

52,959,568

11110123

1,990,000709,114

1,360,900100,0004,160,014

1,0051,2171,00420

3,246

26,763,00078,602,78847,137,899640,000

153,143,687

※物納(正門の寄附)を金額として加算した場合

※学部創立100周年の平成27年度、行事の副題に「~群馬大学工学部創立100周年記念~」と入れてご案内させていただきました。沢山のご参加ありがとうございました。

 群馬大学理工学部は、大正4年に当時の日本の花形産業である繊維産業の中心地桐生で、日本で8番目の官立高等工業学校 「桐生高等染色学校」 を前身校として創立された。創立後、大正9年に 「桐生高等工業学校」 、昭和19年に 「桐生工業専       その後、平成16年に国立大学法人となり、平成25年には現在の「理工学部」、「大学院理工学府」となっている。これまでの100年の間、4万人を超える多くの有為な人材を輩出してきた。100年の歴史を振り返るととともに、現在の理工学部を紹       

工学部100周年記念音楽会のご報告

サイエンスカフェ開催 -カフェ気分で、大学の先生に研究の話を聞いてみよう!!-

貢献することを日々の使命

としている訳だが、やはり

大学は根源的には広く芸術

を含めた文化の殿堂であっ

てしかるべきという考えが

ある。元々芸術と科学は全

く違うものではなく、技術

を表す英語のtechnology

と芸術のart

の語源をたど

れば、同じギリシャ語の

techne

(テクネ)

に行き着

く。このような考えから、

我々理工学部もこの機会に

何らかの形で文化に貢献し

ようと考えた訳である。も

ちろん我々自身が何か芸術

的なことをやったのでは顰

蹙を買うのみであるから、

音楽家の方をお呼びして音

楽会をと言う話になった。

 

音楽会を開催することに

当たって考えたことは、世

界で活躍する一流の方にお

いでいただこうということ

だ。理工学部での研究・教

育も世界一流でありたいと

常々考えている。音楽会を

開催するに当たっても、や

はり高度な技術と芸術性を

兼ね備えた一流の方をお呼

びするのでなければ意味が

ないと考えた。一方これを

音楽プロモータに頼んだの

では多くの資金が必要にな

る。このような状況であっ

たが、幸いなことに群馬大

学の教員に音楽界にネット

ワークを持っている者がお

り、そのネットワークを使

わせてもらって音楽家の方

に直接お願いし、会場運営

は群馬大学の人間で行うこ

とで、皆さんからの募金か

ら支出していただいている

予算を有効に使うことがで

 

今年度は理工学部の創立

100周年の記念すべき年

度であり、それにちなんで

様々な行事が行われたが、

その一つとして記念音楽会

がある。この音楽会は群馬

大学に関係する皆さんのみ

ならず、地域の皆さんにも

楽しんでいただけたと考え

ているが、本稿では100

周年の記念事業として音楽

会開催に至った経緯や音楽

会の内容などをご報告した

い。

 

理工学部の記念事業とし

て科学的な講演会などなら

ば分かるが、音楽会という

のは奇異にお感じの方もお

られるかも知れないので、

まずはそのことについてご

説明したい。我々理工学部

は科学技術の分野で社会に

 

平成28年2月1日から5

日の間、桐生市役所の玄関

ロビーをお借りして、工学

部の100年の歴史をふり

返るミニ写真展をおこなっ

た。100周年を期に、桐

生市民に工学部の歩んでき

た100年を「見て」いた

だくという企画である。

工学部同窓記念会館には、

前身の桐生高等染織学校時

代からの写真が多数保管

されており、これらは皆

工学部の歴史をわかりや

すく語っていて興味深い。

100年という歴史を実感

できる写真群であり、歴史

のある大学ならでこそ、こ

ういった写真がぞろぞろと

出てくるのである。この一

部をお借りして、写真展を

おこなうことにした。

 

研究に関しては最近の研

究プロジェクトの紹介にお

さえ、開学時の熱

い思いの伝わる

写真、学生の様

子や昔の桐生市

の様子の分かる

写真を中心に展

示して、工学部

は、桐生市民に

望まれて開学し、

いつも桐生市民

の身近にあるこ

とを再認識して

いただけるよう

にした。桐生高

等染織学校第1

回入学式の大竹

多気初代校長の

訓示を掲載した

パネル、工学部

の歴史エピソー

ドを紹介したポスター等も

織り交ぜることで、時間が

ある方には、ただ見るだけ

でなくじっくり読むことも

できるようにした。桐生市

民に群馬大学工学部・理工

学部をなお一層身近に感じ

ていただけるようになれば

幸いである。

(100周年記念事業実行委員会 

山本隆夫)

きた。

 

音楽会は最初に大学関係

者向けのものを1回、次に

一般向けのものを3回行っ

た。平成27年4月に行った

最初の演奏会では、バイオ

リニストの水谷晃さんと佐

田大陸さんを桐生キャンパ

スの同窓記念会館にお迎

えし、デュオ演奏をして

いただいた。水谷さんは

東京交響楽団のコンサー

トマスター、佐田さんは

TSUKEMEN

というグルー

プで活躍されているバイオ

リニストだ。曲目はモー

ツアルトやプロコフィエ

フ、ヘンデルの作品であっ

た。また記念会館は音楽会

場として大変美しい響きを

持っており、そのことは演

奏家のお二人も絶賛されて

おられた。なお、第1回目

の音楽会を大学関係者向け

に限ったのは記念会館の耐

震性の問題で、一般の方を

お呼びする訳には行かな

かったからである。近く、

記念会館の耐震性を向上さ

せる工事が計画されている

ので、それが終了した後に

は素晴らしい響きのホール

として活用できると思われ

る。

 

第2回以降は平成27年の

10月から11月にかけて桐

生市民文化会館に会場を移

して開催し、地域の一般の

方もご招待した。第2回は

成田達輝さんのバイオリ

ン、中野翔太さんのピアノ

のデュオで、プログラムは

ラベルやサン=

サーンス

などフランスの作曲家の曲

によって構成されたもので

あった。成田さんはエリザ

ベート王妃国際音楽コン

クールなど、国際的なコン

クールで度々入賞されてい

る方である。中野さんも

ジュリアード音楽院を卒業

された実力派だ。音楽会で

はフランスの作曲家特有の

香るような音楽を楽しむこ

とができた。音楽会の中で

5種類のバイオリンの弾き

比べのコーナーがあり、ま

たアンコールでも予定に無

い多くの曲を演奏してくだ

さり、観客にとって盛りだ

くさんの音楽会になった。

 

第3回は東京交響楽団主

席演奏者の皆さんをお呼び

しての弦楽四重奏であっ

た。バイオリンが第1回目

の音楽会もお願いした水谷

晃さんと福留史紘さん、ビ

オラが青木篤子さん、チェ

ロが伊藤文嗣さん。演奏曲

目はハイドン、モーツアル

ト、ブラームスの曲であっ

た。いつも同じオーケスト

ラで演奏されているみなさ

んだけあって、とても息の

合った緻密な音楽を聴かせ

てくださった。音楽会の後

に皆さんとお話ししたのだ

が、このメンバーだと演奏

中に安心して音楽的な掛け

合いができると話しておら

れた。

 

最後の音楽会はバイオリ

ン水谷晃さん、ピアノ三又

瑛子さんで、バッハ、シュー

マン、ベートーベンの曲を

演奏いただいた。三又瑛子

さんは桐朋学園大学のピア

ノ科を主席で卒業された実

力派である。お二人とも同

じ大学で学ばれたという

縁から、時々一緒に演奏を

するようになったとのお話

であった。この音楽会もお

二人のお人柄が出て、サー

ビス精神あふれる音楽会に

なった。

 

以上が工学部100周年

の記念音楽会の報告であ

る。この4回で記念音楽会

は終了したが、皆さんのご

要望があるならば、何かの

機会を捉えてまた音楽会を

開催できれば良いと考えて

いる。

(100周年記念事業実行委員会 

太田直哉)

 大学の研究室で取り組んでいる最新の科学や技術の研究は、一般に「難解で近寄りがたい、、、」と思われがちである。それでも、それらの研究は現代社会の基盤を支えているわけであるから、地域住民に知ってもらえないのはもったいない!ということで、群馬大学理工学部で取り組む研究や教育の話を、地域住民にお茶を飲みながら気軽に聴いてもらうのが、このサイエンスカフェである。毎回、理工学部の教授が大学から外に飛び出して、街の中の喫茶店等で行っている。中高生以上の方ならば誰でも理解できるように、わかり易くお話ししている。 毎年度、桐生地区と前橋地区で交互に2回ずつ開催している。平成27年度は、前身の桐生高等染織学校から数えて学部創立100周年にあたり、歴史と最新の技術研究力を兼ね備えた教育機関であることをお伝えするため、ちらしの副題に「~群馬大学工学部創立 100 周年記念~」と入れてご案内した。 第1回は、6月14日(日)に桐生市内で奥津哲夫教授(分子科学部門)による「“結晶成長学”講座 美味しい結晶」を実施した。「結晶成長学」と聞くと難しそうであるが、チョコレートを溶かし固める温度の違いによって結晶の大きさや並び方が変わり、味にも変化が出ることを例に挙げて話したため、大人も子どもも最後まで楽しんで参加していた。 第2回は、8月29日(土)に、魏 書剛教授(知能機械創製部門)による「数の表現と高速演算」を前橋市内で実施した。スーパーコンピュータの中には、誰でも知っている二進法を使った計算が組み込まれていることなどについて、ホワイトボードを使った授業形式で行った。

 第3回は、12月23日(水・祝)に桐生市内で宝田恭之教授(環境創生部門)が、「地域資源を活用した脱温暖化と低炭素社会構築」と題し、脱温暖化のための社会構造、産業構造の抜本的転換、ライフスタイルの変革の必要性について話され、参加者は熱心にメモを取るなどして聞き入っていた。 第4回は、3月19日(土)前橋開催の、山越芳樹教授(電子情報部門)による「波の新たな特徴を知り医療に役立たせる(未開拓な波の特徴を医療技術に結び付ける)」だ。現代医学では、診断技術としてX線、超音波、光など波を使った機器が多く使われているが、この、波の使い方にはまだまだ可能性が多く秘められている。そこで、波の新たな活用方法を探ることで、新規の医療技術を開拓する研究について話す予定だ。 今後も引き続きサイエンスカフェを開催し、理工学部の研究を広めていければと思う。

8月 29 日(土)の様子

12 月 23 日(水・祝)の様子

「群馬大学工学部創立100周年」記念

(広報委員)

6 月 14 日(日)の様子

工学部の歴史写真展

群馬大学理工学部ニュース 第227号(3) 平成28年3月23日

Page 4: (1) 平成28年3月23日 群馬大学理工学部ニュース 理工学部 …€¦ · 大村先生ご自身はろが有るのではないかと思ても、大いに頷かれるとこ

催された当シンポジウム主

催団体であるスマートプロ

セス学会エレクトロニクス

生産科学部会の電子デバイ

ス実装研究委員会内にて行

われた。優秀発表賞は研究

内容はもちろんのこと、当

日の質疑応答も含めた発表

について評価されたもので

あり、今後の自信にもつな

がるものと期待される。ま

た本研究の金属塩生成接合

法は、鋼以外でも有効な精

密固相接合方法であり、発

表時間以外にも質問を頂く

など大きな注目を集めてい

た。本研究のますますの発

展を期待したい。

(知能機械創製部門 

広報委員)

第49回日本水環境学会年会 学生ポスター発表優秀賞(ライオン賞)受賞日本微生物生態学会第30回大会 優秀ポスター賞受賞

理工学府 環境創生理工学教育プログラム 博士前期課程1年 山梨 由布

せる現象がある。

 

近年、中川教授らのグ

ループはメタノールから電

子を取り出す反応の触媒と

して、酸化チタンを埋め込

んだカーボンナノファイ

バーに白金ルテニウムを担

持させた「複合触媒」を提

案し、触媒そのものの性能

(触媒活性)が従来の触媒

よりも高いことを示した。

塚越君らは、実用化を目指

すと「複合触媒」を燃料電

池に実装して「触媒層」を

構築したときの性能が重要

だと考えている。そこで、

生が選出された。

 

メタノールは体積エネル

ギー密度が4.8 kW

h/L

と高

く、メタノールを直接使う

燃料電池は次世代の小型電

子機器用の電源として期待

が高まっている。この燃料

電池の実用化を阻む大きい

要因として、メタノールか

ら電子を取り出す反応の速

度が低いために高価な貴金

属(白金、ルテニウムなど)

を多用する点、およびメタ

ノールが空気極(酸素が電

子を受け取る電極)まで通

り抜けて電池性能を低下さ

 

2015年3月19日から

21日まで芝浦工業大学で開

催された化学工学会第80年

会において、環境創生理工

学教育プログラムの塚越陽

介君が学生賞(銀賞)を受

賞した。発表題目は「高活

性ナノファイバー触媒を用

いたDMFC発電特性」

で、中川教授、石飛助教と

の共著である。本賞は優れ

たポスター発表を行なった

学生に対して与えられる賞

である。銀賞については

414件の学生講演の中か

ら、塚越君を含む13名の学

化学工学会第80年会

    学生賞(銀賞)受賞

理工学府 

環境創生理工学教育プログラム

博士前期課程1年 

塚越 

陽介

「触媒層」の構造と電池出

力の関係を調べた。その結

果、同じ白金ルテニウム

の使用量でも、複合触媒を

用いた電池は市販触媒を用

いた電池と比べて出力密度

が6.5倍になることを明らか

にした。つまり、複合触媒

を実装した燃料電池は白金

ルテニウムの使用量を削減

することが可能になる。塚

越君らは複合触媒を用いる

ことにより反応速度が高く

なったこと、ファイバー状

の触媒は比較的に厚い触媒

層構造となりメタノールの

空気極への通り抜けを抑え

たためだと考察している。

(環境創生部門 

広報委員)

 2015 年 3 月 17 日に金沢大学で開催された第 49 回日本水環境学会年会にて環境創生理工学教育プログラム博士前期課程1年(受賞当時、社会環境デザイン工学科4年)の山梨由布さんが学生ポスター発表賞優秀賞(ライオン賞)を受賞した。学部4年生以下を対象にしたポスター発表約 100 件から選ばれた 10 件のうちの1つである。山梨さんは水環境中のバクテリアの活性化と制御を目的として、通常の気泡よりも小さな微細気泡(気泡径 50µm以下)がバクテリアに与える培養効果に関して研究発表を行った。 さらに、山梨さんは指導教員の伊藤司准教授とともに今年度 2015 年 10 月 19 日に土浦市で開催された日本微生物生態学会第 30 回大会においても、日本・韓国・台湾の微生物生態研究者による約 200 件のポスターのうちの7件に贈られた優秀ポスター賞を受賞した。山梨さんは

バクテリアの培養に普通に用いられているバブリングに着目し、微細気泡でバブリングした大腸菌と通常の気泡でバブリングした大腸菌の遺伝子発現を比較解析することにより、バブリングのストレスがバクテリアの増殖に影響を与えていることを研究発表した。 微細気泡を利用した技術は、医療、工業、農業等の様々な分野で注目されている一方で、その効果、特にバクテリア等の生物に対する効果の学術的な知見は極めて少ない。山梨さんのこれらの発表は微細気泡に関する新たな知見となった。          (環境創生部門 広報委員)

第82回電気化学会大会 ポスター賞を受賞理工学府 環境創生理工学教育プログラム博士前期課程1年 浜野 幹也

が発表され、活発に質疑討

論が行われた。93件の発表

から18件の優秀論文発表賞

が選出され、群馬大学から

は以下の5名が受賞した。

「振動発電用圧電デバイス

の形状効果に対する解析と

実験検証」坂本森太郎君

 

平成27年3月2日・3月

3日に宇都宮大学工学部で

第5回電気学会東京支部栃

木・群馬支所合同研究発表

会が開催された。参加者は

大学、高専などから、3月

2日(月)99名、3月3日

(火)58名で、93件の論文

理工学府 

電子情報数理教育プログラム 

平成26年度博士前期課程修了

理工学府 

電子情報数理教育プログラム 

平成26年度博士前期課程修了

理工学府 

電子情報数理教育プログラム 

博士前期課程2年

理工学府 

電子情報数理教育プログラム 

博士前期課程2年

工学部 

電気電子工学科 

平成26年度卒業

大澤 

優介

浦野 

貴弘

坂本森太郎

水野 

翔太

森  

智章

電気学会栃木・群馬支所

合同研究発表会

優秀論文発表賞を受賞

(橋本研究室)、「高速入出

力インターフェース受信回

路のジッタ耐性試験用ジッ

タ発生回路の検討」大澤優

介君(小林研究室)、「モー

ションキャプチャデバイス

を用いた非接触生体情報セ

ンシングとその医療応用」

森智章君(弓仲研究室)、

「FRCの自発的トロイ

ダル回転現象のハイブリッ

ドシミュレーション」浦野

貴弘君(高橋(俊)研究室)、

「GAを用いたトポロジー

最適化手法による永久磁石

同期発電機の回転子構造設

計」水野翔太君(石川研究

室)。いずれも論文内容、

発表内容、質疑応答などが

高く評価され、受賞に至っ

た。各受賞者の益々の活躍

を期待したい。

(電子情報部門 

広報委員)

 

平成27年2月28日に明治

大学で開催された第20回電

子情報通信学会東京支部学

生会発表会において、電子

情報・数理教育プログラム

修士2年の渡邉健太郎君が

奨励賞を受賞した。本賞は、

電子情報通信学会学生会員

などの若手による研究発表

会で、特に優秀な発表を

行った学生に対し贈賞され

るものである。

 

今回受賞対象となった研

究題目は「モーションキャ

プチャデバイスを用いたリ

ハビリテーションアシス

ト」であり、本学医学部附

属病院リハビリテーション

部と本学理工学府電子情報

部門の弓仲准教授との共同

研究の成果をとりまとめた

ものである。近年、高齢化

に伴いリハビリテーショ

ン(リハビリ)の必要性が

高まっている。しかし、リ

ハビリにおいては、療法士

が患者に付きっきりで介助

を行う必要があり、人手不

足が深刻化しているのと共

に、在宅で効果的なリハビ

リ動作を確認することが困

難、かつ単調なリハビリの

継続を苦痛に感じてしまう

などの療法士・患者双方の

問題点が存在する。これら

の医療現場のニーズをもと

に本研究では、非接触かつ

リアルタイムに骨格情報を

認識可能なモーションキャ

プチャデバイスKinect v2

を用いて、個人で安全かつ

効果的なリハビリを実施可

能とするリハビリアシスト

システムを開発した。

 

開発したアプリケーショ

ンの完成度・有効性、お

よび発表態度、質疑応答な

どが高く評価され、受賞に

至った。なお、本テーマは

医理工生命医科学融合医療

イノベーションプロジェク

トの成果であり、今後の

益々の研究の進展および同

君の活躍が期待される。

(電子情報部門 

広報委員)

ながら高価格のため、現

在、マグネシウム製品はダ

イカストによる鋳造品がほ

とんどで、塑性加工用の材

料としての実用化は進んで

いない。そのため、展伸材

の低価格化が可能な双ロー

ルキャスティングによるマ

グネシウム合金板材の製造

法の研究が多く行われてい

る。本研究では、従来の製

造法では製造困難な高強

度Mg

合金である高Al

有Mg

合金薄板を、横型双

ロール法によって初めて溶

湯から直接製造した。これ

によりM

g

合金の用途がさ

らに拡大することが期待さ

れる。

 

なお、この研究は渡利久

規教授、西田進一助教の指

導の下、行われた成果であ

り、群馬大学太田キャンパ

スの教育研究活動が評価を

受けた点からも喜ばしいこ

とである。李華君君には今

後のさらなる活躍を期待し

たい。

(知能機械創製部門 

広報委員)

 

知能機械創製理工学教育

プログラム博士前期課程2

年の李華君

君が日本塑性

加工学会学生奨励賞を受賞

した。学生奨励賞は、塑性

加工関連の研究に精勤し、

所期の卒業成果を挙げ、将

来が嘱望されている今年度

修了・卒業予定の学生会員

日本塑性加工学会

平成27年度

学生奨励賞

受賞

理工学府 

知能機械創製理工学教育プログラム

博士前期課程 

2年 

李 

華君

「修士(大学院博士前期

課程)、学部、高専・短大」

に贈られる。

 

受賞したテーマは「横型

タンデム双ロール法による

高Al

含有M

g

合金薄板の

連続鋳造」である。マグネ

シウム合金は軽量かつ高比

強度な優れた材料であり

 

知能機械創製理工学教育

プログラム修士1年生(

賞当時)

の常藤達礼君が

2015年2月3日〜4日

に開催されたM

ate2015

ンポジウムにて行った研究

発表に対し、M

ate2015

秀発表賞が授与された。同

賞の受賞は、所属研究室(

テリアルシステム分野第二

研究室)

から二年連続での

受賞となった。

 

発表タイトルは「クエン

酸を用いた金属塩生成接合

法によるSUS304

ステンレ

ス鋼の固相接合」であり、

医療機器からエレクトロニ

クス製品、さらには自動車

部品まで幅の広い展開が期

待される新たな接合法に関

する発表であった。当シン

ポジウムは、正式名称を「エ

レクトロニクスにおけるマ

イクロ接合・実装技術」シ

ンポジウム(M

icrojoining and Assembly Technology in Electronics: M

ate

いい、エレクトロニクス

実装に関する国内最大級

のシンポジウムであり、

1995年より例年同時

期にパシフィコ横浜にて開

催されている。現代情報化

社会を牽引するエレクトロ

ニクス製品の生産技術を対

象とした、科学的探究を目

的としたシンポジウムであ

るため、産学官から多くの

参加者が集い、研究者相互

の情報交換の場となってお

り、約100件の最新研究

発表があり、500名を超

える出席者があった。

 

表彰式は、5月27日に開

 理工学専攻物質・生命理工学領域博士後期課程1年丸山亮太君と理工学府分子科学部門の浅川直紀准教授の論文が、工業的に注目すべき研究成果として、カナダのリサーチ会社 Advances in Engineering 社(以下、AIE 社)のホームページ(650,000ビュー/月)で紹介された。AIE 社は、主な学術雑誌から実用的、応用的観点から重要な基礎研究を抜き出し(全学術分野の中から採択率 0.1% 以下)、自社のホームページを通じて世界の民間企業にその研究成果の概要をアナウンスし、コンサルティングやマッチングを行う会社だ。今回のAIE社の featured articleとして紹介されたのは、浅川准教授らが発表した以下の論文である。(分子科学部門 広報委員)

【論文のタイトル】``Spatio-temporal fluctuations in immiscible polymeric binary mixtures: towards the realization of a signal/information processing device with hierarchical instabilities”Ryota Maruyama and Naoki Asakawa, J.Phys.D:Appl.Phys., 47, 365402(2014).

【AIE 社の紹介ページ】http://advanceseng.com/applied-physics/spatio-temporal-fluctuations-in-immiscible-polymeric-binary-mixtures-towards-the-realization-of-a-signalinformation-processing-device-with-hierarchical-instabilities/

【高分子創発機能科学研究室ホームページ】http://emp.chem-bio.st.gunma-u.ac.jp/

カナダのリサーチ会社Advances in Engineering 社が、理工学府教員と学生の論文を紹介

理工学府 物質・生命理工学領域 博士後期課程1年 丸山 亮太分子科学部門 准教授 浅川 直紀

Mate2015優秀発表賞を受賞

理工学府 知能機械創製理工学教育プログラム博士前期課程1年 常藤 達礼

第20回電子情報通信学会

東京支部学生会奨励賞を受賞

理工学府 

電子情報・数理教育プログラム

博士前期課程2年 

渡邉 

健太郎

 横浜国立大学で開催された標記大会(2015 年3月 15 日~ 17 日)で、元素科学国際教育研究センター尾崎研究室修士1年(受賞当時 4年)の浜野幹也君がポスター賞を受賞した。研究題目は「鉄と銅を用いて調製したカーボンアロイカソード触媒の酸素還元活性」である。この研究は、当研究室で精力的に進めている固体高分子形燃料電池用カーボンアロイ触媒に関するものである。浜野君らは、銅錯体と鉄錯体を同時に炭素化時に添加して相乗的な触媒活性の増加を報告した。この研究のポイントは、炭素の原料となる高分子材料を炭素化する際に金属元素を添加し、その結果として触媒活性を得るところにある。 これまで銅は活性増加をもたらさない元素として認識されていた。ところが、鉄と共存させると、相乗的な活性増大効果を示すことが分かった。今後、銅と鉄が炭素化過程に及ぼす作用と、その結果形成された表面構造を検討し、高活性触媒調製の材料設計指針を確立することが期待される。(元素科学国際教育センター 尾崎 純一)

坂本 森太郎君

浦野 貴弘君

森 智章君

大澤 優介君

水野翔太君

群馬大学理工学部ニュース第227号 平成28年3月23日 (4)

Page 5: (1) 平成28年3月23日 群馬大学理工学部ニュース 理工学部 …€¦ · 大村先生ご自身はろが有るのではないかと思ても、大いに頷かれるとこ

 

平成27年5月21日(木)

にタワーホール船堀で行わ

れた第10回日本分子イメー

ジング学会学術集会におい

て物質・生命理工学教育プ

ログラム博士前期課程1年

の高橋一平君が優秀発表賞

を受賞した。この賞はポス

ターセッションにおいて研

究内容、プレゼンテーショ

ン及び質疑応答などが特に

優れた発表者に贈られるも

ので、賞にエントリーした

約60名の発表者の中から4

名(群大1名、東大2名、

北大1名)が選出された。

受賞者には、学術集会の最

後に表彰式とともに口頭発

表の場が設けられた。

 

高橋君の受賞題目と

共同発表者は「ゲート

ICCDカメラを用い

たりん光寿命計測に基づく

 

平成27年6月20日(土)

に新潟薬科大学にて行われ

た平成27年度日本生化学会

関東支部例会において、分

子生物科学研究室の村里旺

彦君(理工学府物質・生

命理工学教育プログラム博

士前期課程2年)と吉兼明

日香さん(同1年)が、奨

励賞を受賞した。この賞は

ポスターセッションにおい

て研究内容、プレゼンテー

ション及び質疑応答などに

優れた発表者に送られるも

ので、3名の受賞者中の2

名を本学が占めることと

なった。詳細は以下の通り

 

2015年8月25日から

28日まで山形市で開催され

た第54回研究発表会及び現

 

2015年9月1日から

3日まで札幌市で開催され

た第50回地盤工学研究発表

会にて、環境創生理工学教

育プログラムの大淵亮さん

が優秀論文発表者賞を受賞

した。論文題目は「プラス

チック製地下雨水貯留槽の

耐震性照査の一事例」であ

る。

 

本発表では、近年都市部

で多発しているゲリラ豪雨

等の対策として使用されて

いるプラスチック製地下雨

水貯留槽(以後「貯留槽」

と略)を、兵庫県南部地震

第10回日本分子イメージング学会

公益社団法人 

日本地すべり学会

日本分析化学会第64年会

理工学府

 物質・生命理工学教育プログラム

博士前期課程1年

高橋

一平

理工学府 物質・生命理工学教育プログラム

博士前期課程1年

理工学府

 環境創生理工学教育プログラム

博士前期課程2年

本明

 将来

菊池 紗也香

芳澤 理志

優秀発表賞を受賞

第54回研究発表会及び現地見学会

優秀若手ポスター賞を受賞

若手優秀ポスター賞を受賞

2次元酸素濃度イメージ

ング」(高橋一平、藤倉大

地、吉原利忠、飛田成史)

で、研究は分子科学部門の

分子光化学研究室で行われ

た。この研究の特徴は、培

養細胞や個体組織の酸素濃

度分布をリアルタイムで計

測する技術の開発を行った

ことにある。蛍光顕微鏡下

で培養細胞にレーザーパル

ス光を照射し、培養細胞に

取り込まれた発光プロー

ブの発光寿命を、ゲート

ICCDカメラを使って

計測することにより、細胞

レベルの酸素濃度分布画像

を撮ることに成功した。高

橋一平君が学部4年次より

熱心に取り組んできた研究

の成果が認められることと

なり、今後のさらなる発展

が期待される。

(分子科学部門 

広報委員) 一番右が高橋君

 物質・生命理工学教育プログラム博

士前期課程2年の小栗直己君が、アメ

リカ合衆国のカリフォルニア大学デイ

ビス校にて行なわれた“46th Silicon

Symposium”において、優秀ポスター

賞を受賞した。同学会は1967年から

毎年開催されており、アメリカのケイ

素化学界において重要な役割を持つ歴史ある学会である。

 発表内容は“Facile Synthesis of Fluorinated Cyclic Siloxanes as

Precursor to Structurally-Controlled Siloxanes”であり、指導教員で

ある海野雅史教授、武田亘弘准教授の指導のもと、行なわれたものである。

この研究の最大の特色は、高度に規制された骨格を持つシロキサン化合物の

前駆体を、簡便に合成したという点である。この前駆体から合成された「ヤ

ヌスキューブ」は、様々なアプリケーションを持つ高耐熱性材料として非常

に期待されており、この研究はシロキサンの化学に大きく貢献するものであ

る。小栗君は、3分間のショートプレゼンテーションで研究内容を口頭で発

表しており、その結果も合わせて評価されたと考えられる。

 同君は来年度より、米国ミシガン大学大学院博士課程への進学が決まって

おり、今後の活躍が期待される。

 環境創生部門社会基盤防災

コース コンクリート工学研究

室 ( 小澤研 ) が、日本コンクリー

ト工学会年次大会2015( 千葉 )

で開催されたKing of Concrete

ニアピン部門で準優勝した。

概要: 2015年 7月 14-16日の期間に日本コンクリート工学会年次大会(千葉:幕張メッセ)において、King of

Concrete (コンクリート強度コンテスト)が開催された。この大会はコンクリート

を研究する大学・高専が参加し、コンクリートの性能を競うものである。本研究室は

ニアピン部門に出場した。ニアピン部門では20チームが参加し、直径100mm×

長さ200mmの円柱供試体による圧縮試験を実施し、圧縮強度:50MPaにどのく

らい近づけるか?を競うものであった。本研究室は予選を1位(記録:51.6MPa)

で通過し、決勝トーナメントでは安定した強度を出し、決勝に進出した。決勝でも

49.9MPaという記録を出したが、50MPa未満は採用されないというルールのため、

準優勝となった。ただ、49.9MPaという記録は、実質の誤差が0.1MPaで参加チー

ム中、最小誤差であった。今回の経験をこれからの研究に活かしてほしいと思う。

 2015年 8月31日~9月3日、千葉市幕張メッ

セ国際会議場にて開催された国際会議・The 8th

Asia Pacific Symposium on Ion Analysis におい

て、板橋・森研究室に在籍している石川原さん、金井

さん、平塚君が「Best Student Poster Award」を受賞した。本学会は、アジア諸国のイ

オン分析化学者を中心に隔年で開催されており、今年度は日本が当番として延べ100名の参

加者で実施された。本賞は、当初4件が選出される予定だったが、3名が同票数でトップ、3

名が次点であったため、最終的に6名の受賞となった。本学会において、同じ研究室から3

名が受賞したのは初めての快挙であり、共にトップの票数を獲得した。

 3名の発表題目を紹介する。石川原さんは「Application of simultaneous separation

of cations and anions by capillary electrophoresis to saliva analysis of wrestling

players 」という題目で、減量中のレスリング選手の唾液中のイオン濃度の変動をキャピラリー

電気泳動によりモニタリングし、統計学的知見からストレスに関わるイオンの探索結果を発表

した。金井さんは「Adsorptivity of a zirconia particle for inorganic ions in aqueous

solution」という題目で、クロマトグラフィーの固定相としてジルコニアを利用し、フッ化物

イオンの選択的分離及びその熱的変化について発表した。平塚君は「Adsorption of cesium

ion onto woodchip-mixed porous mortar」という題目で、チップ化した廃材を骨材とし

たセメントを開発し、水中のセシウムの除去フィルターとして使用した結果を発表した。審査

委員長から、いずれも研究内容だけでなく、英語でのプレゼンにおいて高評価であったことが

公表された。今後、彼らの益々の活躍に期待したい。

北米 46th Silicon Symposium

平成 27年度日本生化学会関東支部例会

第50回地盤工学研究発表会

日本コンクリート工学会 King of Concrete平成26年 電気学会電子・情報・システム部門平成27年応用科学学会

ポスター賞を受賞

奨励賞を受賞

優秀論文発表者賞を受賞

ニアピン部門で準優勝

Asia Pacific Symposium on Ion AnalysisBest Student Poster Awardに3名が受賞の快挙!

技術委員会奨励賞演算増幅器設計コンテスト 入賞

理工学府 物質・生命理工学教育プログラム博士前期課程 2年

理工学府 物質・生命理工学教育プログラム 博士前期課程 2年

博士前期課程1年

理工学府 環境創生理工学教育プログラム 博士前期課程1年

環境創生部門社会基盤防災コースコンクリート工学研究室(小澤研究室)

理工学府 環境創生理工学教育プログラム博士前期課程 1年

理工学府 電子情報・数理教育プログラム《小林 春夫 研究室》2014 年 博士前期課程修了 安部 文隆博士前期課程2年 小林 佑太朗博士前期課程2年 中條 剛志

《高井 伸和 研究室》博士前期課程1年 鈴木 研人学部4年 吉澤 慧

小栗 直己

村里 旺彦吉兼 明日香

大淵 亮

明石 孝太、臼田 拓哉、大嶋 美紗樹、鉄羅 健太、本明 将来、佐竹 亮一郎

 石川原 楓光、金井 朝子、平塚 育翔

組織委員長の A. Franz 教授と小栗君

左から順に 小林君、中條君、鈴木君、吉澤君 2014年博士前期課程修了 安部君

左から 平塚 育翔君、石川原 楓光さん、金井 朝子さん

である。

◆「ミトコンドリアにおけ

る翻訳停滞解消機構の解

明」村里旺彦、小暮裕幸、

堀居拓郎、浅川直紀、畑田

出穂、行木信一

 

この研究は、行木信一准

教授の指導のもと、本学生

体調節研究所の畑田出穂

教授・堀居拓郎

助教との共

同研究(医理工生命医科学

融合医療イノベーション)

で行われたものである。ま

た、この演題は口頭発表に

も選出された。

◆「逆行性輸送因子

BICD1の積荷認識およ

び制御機構に重要なアミノ

酸残基の同定」吉兼明日香、

寺脇慎一、樋口芳樹、若松

馨 

この研究は、高等生物

の細胞内での物質輸送で

働くBICD1と呼ば

れる蛋白質が、どのよう

にして輸送する分子を選

択的に認識できるのかを

BICD1の立体構造

をもとにした変異体解析に

よって明らかにしたという

内容である。なお、本研究

は、若松馨教授、寺脇慎一

助教の指導、並びに、兵庫

県立大学の樋口芳樹教授と

の共同研究で行われた。

(分子科学部門 

広報委員)

地見学会において、環境

創生理工学教育プログラ

ムの本明将来さんが優秀

若手ポスター賞を受賞し

た。論文題目は「2013

年伊豆大島台風災害にお

ける表層崩壊機構に関す

る実験的検討」で、横内啓

隆さん、若井明彦教授、後

藤聡准教授(山梨大)との

共著である。

 

2013年10月に発生し

た台風26号の際、伊豆大島

では三原山麓の西側の斜面

で大規模な斜面崩壊が発生

した。斜面崩壊が発生した

詳細な原因やメカニズムに

ついて模型実験を行い、現

地の状況と合わせて検討し

た。豪雨により地盤中の火

山砂の層に大量に地下水が

流入し、地盤の強度低下を

引き起こす。その結果、せ

ん断破壊が先行する斜面崩

壊が発生したと考察した。

加えて、得られた知見と課

題から今後の展望について

も言及し、研究の方向性に

ついて示している。

 

緻密な実験を行い、得ら

れた結果と実際の状況を比

較していること、実験事実

に基づいた定量的な検討を

行っていることなどが評価

され受賞につながった。

(環境創生部門 

広報委員)

 

平成26年開催の電気学会

主催電子回路研究会での発

表に対し、2014年卒業

安部君、修士2年

小林

君、中條君が技術委員会奨

励賞を受賞した。この賞は

電気学会に優れた論文を発

表した若手研究者に贈られ

るものであり、年度ごとに

数件が選出される。受賞論

文は電子回路の高性能化に

寄与するものである。

 

平成27年9月に開催され

た演算増幅器設計コンテス

ト(応用科学学会主催)の

シミュレーションの部で、

修士1年

鈴木君、学部4

吉澤君が入賞した。こ

 

2015年9月9日〜9

月11日に九州大学伊都キャ

ンパスで開催された日本分

析化学会第64年会におい

て、修士課程1年(分析化

学研究室)の菊池紗也香さ

んと芳澤理志君が若手優秀

ポスター賞を受賞した。

 

菊池さんの受賞演題は

「光架橋反応を利用したマ

イクロ流路内への細胞パ

ターニング法の開発」で、

指導教員である佐藤記一准

教授および角田欣一教授ら

との共同研究による成果で

ある。本発表では、ベンゾ

フェノンで修飾したマイク

ロチップの流路底面に紫外

線を用いてヒト由来細胞を

生きたままパターニングす

る方法を確立したことを報

告した。

 

一方、芳澤君の受賞演題

は「液/液光導波路におけ

るAl3+

有機酸錯体とルモガ

リオンとの生成反応」で、

の賞は設計した演算増幅回

路を計算機シミュレーショ

ンにより評価し、部門別に

参加者の回路設計技術を競

うコンテストであり、成績

上位者に贈られるものであ

る。 

 

アナログ電子回路分野で

十数年にわたり、アナログ

集積回路研究会活動、産業

界との共同研究、海外国際

学会研修等の地道な努力を

続けてきた。国内外学会な

ど対外的にも研究成果が評

価され着実にレベルが向上

しているのが実感できる。

(電子情報部門 

広報委員)

指導教員である角田欣一教

授および佐藤記一准教授と

の共同研究による成果であ

る。本発表では、有機酸を

含むAl3+溶液とルモガリオ

ン溶液を用いて液/液光導

波路を形成させ、蛍光観察

することによりその錯体生

成反応の様子を解析し、シ

ミュレーションとの比較を

行ったことを報告した。

(分子科学部門 

広報委員)

相当の地震動を加震した場

合における耐震性能の照査

と、施工する貯留槽の大き

さや地震動と変形量に関す

る基礎的な検討を地震応答

解析で行った。

 

解析結果より、地震時に

貯留槽の内部で発生する変

形量が、実験等により規定

されている許容値を大きく

下回る結果となり、貯留槽

に十分な耐震性能を有して

いる事を示した。一方で、

施工する貯留槽が大きくな

り長周期の地震動が到来す

ると、貯留槽の中央部に応

力が集中して発生し、変形

量が増大する可能性がある

ことも示唆された。

 

この研究は、(公社)雨

水貯留浸透技術協会の屋井

裕幸氏、秩父ケミカル(株)

の尾崎昂嗣氏、並びに指導

教員である若井明彦教授と

の共同研究による成果であ

る。

(環境創生部門 

広報委員)

(分子科学部門 広報委員)

(環境創生部門 広報委員)

(環境創生部門 広報委員)

群馬大学理工学部ニュース 第227号(5) 平成28年3月23日

Page 6: (1) 平成28年3月23日 群馬大学理工学部ニュース 理工学部 …€¦ · 大村先生ご自身はろが有るのではないかと思ても、大いに頷かれるとこ

 

2015年10月13日〜10

月15日にタワーホール船堀

(東京)で開催された日本

化学会主催第5回CSJ

化学フェスタ2015

において、修士課程1年(分

析化学研究室)の福田隼也

君が優秀ポスター発表賞を

受賞した。福田君の受賞演

題は「人工血管モデル開発

のための中空状ハイドロゲ

ルの作製とハイドロゲル内

での細胞培養」で、指導教

員である佐藤記一准教授お

よび角田欣一教授らとの共

同研究による成果である。

本発表では、マイクロ流路

を用いて血管に見立てた中

空状アルギン酸ハイドロゲ

ルを作製し、その内部にヒ

ト正常血管内皮細胞および

ヒト正常血管平滑筋細胞を

培養する方法について条件

検討をおこなった結果を報

告した。

(分子科学部門 

広報委員)

第5回CSJ化学フェスタ

優秀ポスター発表賞を受賞

理工学府 

物質・生命理工学教育プログラム

博士前期課程1年 

福田

隼也

 

2015年11月18日(水)

にパシフィコ横浜で〝ET

ソフトウェアデザインロ

ボットコンテスト(ET

ロボコン)2015 

チャンピオンシップ大会〞

が開催された。ETロ

ボコン2015は基

礎、応用、企画の3クラス

に分かれ、全体で346

チーム、特に応用クラス

には222チームが参

加した。群馬大学 

白石研

究室に所属する学生2名と

白石研究室OB1名を

含む(株)両毛システム

ズ4名からなる産学連携

チーム、〝からっ風産学隊

2015〞が応用クラス

の全国3位に入賞した。

 

ETロボコンとは、ロ

ボットの走行競技とET

ソフトウェアの設計技術

(モデリング)の両方で競

うものである。ETとは、

Embedded Technology

(組

込み技術)を表しており、

このコンテストでは全チー

ムがLEGOブロック

で組み立てられた同一仕様

のロボットを使用し、性能

の差はロボットを制御する

ETソフトウェアのみに

依存する。このソフトウェ

アの開発手法はモデルベー

ス手法と呼ばれ、現在、自

動車業界において自動運転

制御システムを開発する場

合などに必須の手法となっ

ている。このロボットコン

テストでは企業、教育機関、

産学連携といったチームが

多く参加している。

 

今回、からっ風産学隊

2015は2015年6月

からソフトウェア設計を開

始し、10月の北関東地区大

会優勝を経てチャンピオ

ンシップ大会に進んだ。走

行競技では、9カ所の難所

を含む全長約20メートルの

コースを黒線に沿って2回

走行し、リザルトタイムの

合計値で順位を競う。リ

ザルトタイムは各難所の

攻略に応じて、走行タイ

ムから時間を引いていき

算出される。1回目の走

行では途中でコースアウ

トしたが、2回目の走行

タイムは49.

1秒であっ

た。合計リザルトタイムは

114.

1秒となり,第2

位の105.

8秒とは僅差

で第3位であった。

2回

目のコース走行のリザルト

タイムは9.1秒で、これは参

加チーム中で第1位であっ

た。

 

今回のETロボコン

で開発したETソフト

ウェアの詳細は2人の卒業

論文にまとめられ、それを

もとにして、ETロボコ

ン2016では新メンバで

チャンピオンシップ大会で

の優勝を目ざす予定であ

る。

ETロボコン2015

チャンピオンシップ大会

応用クラス 

全国3位入賞

工学部 

生産システム工学科 

4年

神保

恭太、牧野

 2015 年 11 月 11 日~ 11 月 13 日、桐生市市民文化会館にて JAXA、JAEA、群馬大学理工学部により開催された国際会議・The 11th International Workshop on⦆Radiation Effects on⦆Semiconductor⦆Devices for Space⦆Applications⦆ (11th RASEDA)&The⦆ 7th⦆ International Conference on⦆ Advanced⦆Micro-Device⦆Engineering⦆(7th AMDE) において、電子情報部門 電子デバイス分野第三 ( 花泉 ) 研究室に在籍している 春山 盛善 君が「NV Centers in Diamond Used for Detection of Single Ion Track」と題した口頭発表を行い、35 歳以下の他研究機関の研究者を抑えて、「Best Oral Presentation Award」を受賞した。 会議は米国、ロシア、ドイツ、クロアチア他からの海外研究者を含め約 130 名の参加者があり、3日間で口頭発表約40件、ポスター発表約40件の発表がなされた。⦆会議URL:⦆http://www.ae.stec.es.osaka-u.ac.jp/RASEDA11/

国際会議 11th RASEDA & 7th AMDEBest Oral Presentation Award を受賞理工学府 電子情報数理教育プログラム 博士前期課程 2年 春山 盛善

 電子情報部門小林研究室所属の博士後期課程 2年の築地伸和君が、平成 27 年 11 月 3 日から 11 月 6 日の期間に中国で開催された「11th International Conference on ASIC (ASICON2015)」において口頭発表を行ない、「Excellent Student Paper Award」を受賞した。 ASICONは米国電気学会 (IEEE) 主催の中国で開催される集積回路関係の大きな国際会議で、テーマはデバイス、回路、テスト、モデリング、システムなど幅広くカバーしている。 本会議は 1994 年から隔年で開催しており、今回は11回目である。今年は三国志、四川料理、大熊猫の里である中国四川省の成都市で開催された。 受賞内容は「ホットキャリア注入によるMOSデバイス特性劣化モデル」に関する研究成果であり、本研究ではホットキャリア注入による電流をゲートから抽出する新手法をモデル化し、実験・検証により有効性を明らかにした。青木均先生(群馬大学客員教授、 モーデック社最高顧問)による研究指導での産業界との共同研究の成果である。 またこの会議に群馬大学から大学院生、教員 計12名が参加し13件の口頭発表を行った。

集積回路分野の国際会議 IEEE ASICON2015Excellent Student Paper Award を受賞理工学府 電子情報数理領域 博士後期課程 2年 築地 伸和

写真左【 左 : 春山 盛善 君、 右 : 廣瀬 和之 東京大学 教授】写真右【 左から : 春山盛善君(群馬大学 M2)、水田栄一 (宇宙航空研究開発機構

JAXA 研究開発部門 研究員)、 築地 伸和君(群馬大学 D2)、 奥野泰希君(大阪府立大学 D1) 】

 電子情報部門小林研究室所属の博士後期課程2 年の築地伸和君が、平成 27 年 11 月 11 日~11 月 13 日に桐生市市民文化会館にて JAXA、JAEA、群馬大学理工学部により共同開催された国際会議「The 11th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (11th RASEDA)&The 7th International Conference on Advanced Micro-Device Engineering (7th AMDE)」においてポスター発表を行ない、優れた研究内容が両会議の海外招待講演者、編集委員会により評価され「AMDE Student Paper Award」を受賞した。 本会議は米国、ロシア、ドイツ、クロアチア他からの海外研究者を含め約 130 名の参加者があった。同研究室からは大学院生・学部生が計9名が参加し、計 9件のポスター発表を行った。本研究は青木均先生(群馬大学客員教授、 モーデック社最高顧問)による研究指導での産業界との共同研究の成果である。

国際会議 11th RASEDA & 7th AMDEAMDE Student Award を受賞理工学府 電子情報数理領域 博士後期課程 2年 築地 伸和

第12回地盤工学会関東支部発表会

GeoKanto2015 

優秀発表者賞を受賞

工学部 

社会環境デザイン工学科 

4年 

中島 

 

2015年10月9日に日

本科学未来館で開催された

第12回地盤工学会関東支部

発表会GeoKanto2015にお

いて、地盤工学研究室所属

の学部4年生の中島航君が

優秀発表者賞を受賞した。

論文題目は「前橋台地周辺

の泥流堆積物の分布特性と

液状化強度」である。

 

論文の内容は、前橋台地

を中心として分布している

浅間火山由来の火山泥流の

堆積物である、前橋泥流堆

積物(以降、Mfと表記)に

ついてのものである。この

Mfは現行の設計法における

N値を用いた液状化判定で

は、「液状化する」という

判定がなされているため、

液状化対策工の必要な地盤

であるとされているが、よ

り精度の高い繰返し非排水

三軸試験(以降、液状化試

験と表記)を用いて液状化

判定を行うと「液状化しな

い」という判定結果となる

ことがわかっている。この

ように判定結果に差が出る

要因として、現行設計法で

はMfの液状化強度特性を正

確に評価できていないとい

うことが考えられる。Mfの

液状化強度特性を明らかに

することで、現場での設計

に役立てることができる可

能性がある。そこでその前

段として、Mfの液状化強度

特性を明らかにするために

Mfの分布特性と液状化強度

の関係性に着目し検討した

のが、論文の内容である。

 

この論文において、Mfの

現時点での液状化試験デー

タとボーリングデータの

関係性の検討が行われた

が、今回の研究対象範囲内

ではまだ液状化試験例が少

なく、現状では液状化強度

特性について考察すること

は難しいとされた。そのた

め、研究対象範囲において

さらに液状化試験例を増や

していくことが課題として

挙げられている。なおこの

研究は、若井明彦教授をは

じめとした関係者各位の指

導のもとで行われたもので

ある。(

環境創生部門 

広報委員)

第15回コンクリート構造物の補修、補強、

 

アップグレードシンポジウム     

優秀論文賞を受賞

 

電子情報部門の修士1

年、津野祐丞君が、平成27

年10月15日から10月16日の

期間で京都において開催さ

れた「第15回コンクリート

構造物の補修、補強、アッ

プグレードシンポジウム」

において査読論文の投稿、

口頭発表を行い、優秀論文

賞を受賞した。今回の受賞

内容はコンクリート構造物

のリニューアル工事等にお

けるコアドリルによる穿孔

時の既設鉄筋破損を防ぐた

めに、コアドリル前方を

レーダで探査しながら穿孔

可能な、コアドリル一体型

アンテナに関する研究であ

り、従来にない概念やその

可能性が評価された。本研

究は情報通信システム第1

講座三輪准教授の指導の下

行われた。

(電子情報部門 

広報委員)

理工学府 

電子情報・数理教育プログラム

博士前期課程1年 

津野 

祐丞

 10 月 11 日(日)に実施された、"ET ソフトウェアデザインロボットコンテスト(ETロボコン)2015 北関東地区大会 " において,白石研究室に所属する学生 2名と白石研究室OB1 名を含む(株)両毛システムズ 4 名からなる産学連携チーム、“からっ風産学隊2015”、および IGGG(群馬大学電子計算機研究会 )に所属する学生 6名からなるチーム、“RoboOhta++” がそれぞれ入賞した。ETとは、Embedded Technology(組込み技術)を表し、このコンテストでは、ロボットの走行競技と ETソフトウェアの設計技術(モデリング)の両方で競いる。ロボットは LEGOブロックで組み立てられ,全チームが同一仕様のロボットを使用する。従って、性能の差はロボットを制御するETソフトウェアのみに依存する。 からっ風産学隊 2015 は上級者向けのアドバンストクラスにおいて,モデル審査部門優勝、総合部門優勝を達成し、11 月 18 日

に行われるチャンピオンシップ大会への出場権を得た。RoboOhta++ は初級者向けのプライマリークラスにおいて、競技部門優勝、総合部門 3 位を達成した。特に競技部門の成績は、同クラスの全国 222チーム中 14 位の好成績であった。 (知能機械創製部門 広報委員)

ETロボコン2015北関東地区大会2チームが優勝工学部 生産システム工学科 4 年 神保 恭太 4 年 牧野 誠理工学部 総合理工学科 3 年 木村 健斗(IGGG) 3 年 塚本 拓野(IGGG) 3 年 篠田 沙樹(IGGG) 3 年 浦部 裕太(IGGG) 電子情報理工学科 2 年 田村 僚士(GFL2 期生、IGGG ) 総合理工学科 2 年 田部 陽大(IGGG )

 平成 27 年 11 月 20 日~ 21 日にレイクサイド入鹿(愛知県犬山市)で開催された第 9回有機π電子系シンポジウムにおいて、理工学府 物質・生命理工学領域 博士後期課程二年の神聖史君(有機構造化学研究室)がポスター賞を受賞した。本シンポジウムは、様々な有機π電子系化合物の合成、構造や物性について討論するものであり、本賞は、学生のポスター発表の中から優秀な発表に対して、10 件に 1 件程度の割合で授与された。 受賞対象となった発表題目は「カルバゾールとトリアゾールまたはトリアゾリウムからなる大環状共役系化合物の合成と物性」である。アジドとアルキンの“クリック反応”という簡便な反応によりトリアゾールというヘテロ環ができるが、本研究では、この反応を巧みに利用して、カルバゾールとトリアゾールからなる大変ユニークな構造の大環状化合物の合成に成功した。この化合物は,その大きな内部空孔により、ハロゲン化物イオンの中でもサイズの大きなヨウ化物イオンと高い錯形成能を示した。さらにトリアゾールの部分をトリアゾリウムイオンに変換すると、その錯形成能は飛躍的に向上した。このようなヨウ化物イオンと高い錯形成能を示す化合物の例は非常に少なく、今後の展開に期待が持たれる。なお、本研究は、中村洋介教授および加藤真一郎助教の指導のもとに行われたものである。

第 9回有機π電子系シンポジウムポスター賞を受賞理工学府 物質・生命理工学領域 博士後期課程 2年

神 聖史

化学とマイクロ・ナノシステム学会

第32回研究会優秀発表賞を受賞

理工学府 

物質・生命理工学領域

博士後期課程2年 

作田

 

2015年11月26日〜11

月27日に北九州国際会議場

で開催された化学とマイク

ロ・ナノシステム学会第32

回研究会において、博士課

程2年(分析化学研究室)

の作田悠君が優秀発表賞を

受賞した。

 

作田君の受賞演題は「集

積化マイクロ循環器モデル

の開発」で、指導教員であ

る佐藤記一准教授および角

田欣一教授らとの共同研究

による成果である。本発表

では、循環流路中に心臓と

腎臓の機能を集積化したマ

イクロ流体デバイスを開発

し、その循環流路中に乳が

ん由来細胞株を培養するこ

とにより、体内残留性を考

慮に入れた抗がん剤試験を

実現したことを報告した。

(分子科学部門 

広報委員)

からっ風産学隊2015 チーム左 1番目

神保 恭太君、

左 2番目牧野 誠君

難所を走行中のロボット

RoboOhta++ チームプライマリークラス:競技部門優勝、総合部門 3位メンバー: 木村健斗君、塚本 拓野君、篠田 沙樹さん、浦部 裕太君、 田村 僚士君、田部 陽大君

からっ風産学隊 2015 チームアドバンストクラス:モデル審査部門優勝、総合部門優勝  メンバー: 神保恭太君、牧野誠君、 および、白石研究室OB1 名を含む(株)両毛システムズ 4名

競技部門優勝(右から 6名)⦆上段右より篠田 沙樹さん田村 僚士君木村 健斗君

下段右より田部 陽大君塚本 拓野君浦部 裕太君

RoboOhta++ チーム

(電子情報部門 広報委員)

(電子情報部門 広報委員)

(知能機械創製部門 

広報委員)

(分子科学部門 広報委員)

(電子情報部門 広報委員)

群馬大学理工学部ニュース第227号 平成28年3月23日 (6)

Page 7: (1) 平成28年3月23日 群馬大学理工学部ニュース 理工学部 …€¦ · 大村先生ご自身はろが有るのではないかと思ても、大いに頷かれるとこ

(特別賞・高見澤君(写真中央))

 去る 2015 年 11 月 27 日から 28 日に桐生市市民文化会館で開催された化学工学会群馬大会 2015 において、環境創生理工学教育プログラムの高見澤正人君が学生賞(特別賞)を受賞した。発表題目は高見澤君が「TECNF担体中の窒素含有量がメタノール酸化活性におよぼす影響で、中川教授、石飛助教との共著である。メタノールはエネルギー密度が比較的に高く、これらを改質器なしで用いる小型の燃料電池に注目が集まっている。中川教授らのグループは、酸化チタン(TiO2)とカーボンナノファイバー(CNF)からなる「複合ナノファイバー担体(TECNFなど)を提案し、複合担体に白金ルテニウム (PtRu) の微小粒子を載せることにより、従来の触媒よりも反応が速くなる点を見出した。高見澤君らは、酸化チタンとカー

ボンナノファイバーの複合化による反応速度の向上以外に、カーボンナノファイバーの原料に含まれる窒素に注目し、触媒中の窒素の含有量が反応速度に及ぼす影響を明らかにした。本発表が高く評価され特別賞の受賞となった。 特別賞の以外にも、以下6名の学生に奨励賞が授与され。学生の所属と研究テーマは以下の通りである。各位の今後の活躍に期待したい。

【特別賞】 理工学府 環境創生理工学教育プログラム 博士前期課程 2年 高見 澤正人【奨励賞】 理工学府 環境創生理工学領域・日本学術振興会特別研究員DC2 博士後期課程 2年 高橋 俊介 理工学府 環境創生理工学教育プログラム 博士前期課程 2年 西尾 裕貴 博士前期課程 2年 林 一貴 博士前期課程 1年 山田 啓太 博士前期課程 1年 浜野 幹也 博士前期課程 1年 菊池 亮

理工学府 物質・生命理工学教育プログラム 博士前期課程2年 諏訪有里枝 博士前期課程2年 田村 美咲 博士前期課程2年 須田 大輔工学部 応用化学・生物化学科4年 齋藤 隆行 竹内 航太 佐々木裕太

P-06 定常光およびレーザー光分解法を用いた一時利用可能なUVサンスクリーン分子の光生成と熱分解過程の研究○諏訪有里枝,山路稔(群馬大院理工)

P-22 フッ素を有する新規グライコデタージェントの合成○齋藤隆行 1,長谷見早紀 1,吉村弥生 2,松尾一郎 2(1: 群馬大工,2: 群馬大院理工)

P-42 チエノピロールが縮環した種々の電子受容性複素芳香環類とその金属錯体の合成と物性○田村美咲,加藤真一郎,中村洋介 (群馬大院理工)⦆

P-63 放射線グラフト型アニオン電解質膜のアルカリ溶液中での分解挙動○竹内航太 1,濱田崇 2,吉村公男 2,廣木章博 2,前川康成 2(1: 群馬大工,2: 原子力機構)

P-83 金コロイドおよび金ナノロッドによる表面プラズモン共鳴を利用したタンパク質の光誘起結晶化〇佐々木裕太,堀内宏明,奥津哲夫(群馬大院理工)⦆⦆

P-77 シリル化ポルフィリンの光線力学的性質に及ぼすマンノースの効果○須田大輔,堀内宏明,奥津哲夫(群馬大院理工)

独立行政法人

日本学術振興会

特別研究員(DC2)に採用

独立行政法人

日本学術振興会

特別研究員(DC1)に採用

日本化学会関東支部群馬地区研究交流発表会6名がポスター賞を受賞 理

工学府

物質・生命理工学領域

博士後期課程1年 

藤田

博仁

理工学府

物質・生命理工学教育プログラム

博士前期課程2年

片岡

由佳

日本塑性加工学会若手学生研究交流会において

優秀発表賞を受賞理工学府 知能機械創製理工学教育プログラム

博士前期課程2年 佐藤 由貴

 平成 27 年 12 月 5 日に群馬高専で開催された日本化学会関東支部群馬地区研究交流発表会において、群馬大学が関係する受賞が 6件あった。 その詳細は以下の通りである。

理工学府 

環境創生理工学領域

博士後期課程3年 

真家

卓也

 

大学院理工学府博士後期

課程1年の藤田博仁

君(指

導教員:分子科学部門

原正靖

准教授)が平成28

年度特別研究員選考におい

て、特別研究員(DC2)

への採用が決定 された。

 

特別研究員制度は、我が

国トップクラスの優れた若

 

大学院理工学府博士前期

課程2年の片岡由佳さん

(指導教員:分子科学部門

桒原正靖准教授)が平成28

年度特別研究員選考におい

て、特別研究員(DC1)

への採用が決定された。

 

特別研究員制度は、我が

国トップクラスの優れた若

 

2015年12月2日〜4

日に関西大学で開催された

第42回炭素材料学会年会の

総会で、元素科学国際教育

研究センター博士3年の真

家卓也君が論文賞を受賞し

た。受賞論文題目は「固体

高分子形燃料電池カソード

用カーボンアロイ触媒の酸

素還元反応活性に及ぼす酸

化黒鉛の添加効果」だ。こ

の賞は、同学会の機関誌「炭

素」に掲載された論文から

手研究者に対して、自由な

発想のもとに主体的に研究

課題等を選びながら研究に

専念する機会を与え、研究

者の養成・

確保を図る制度

である。

(URL:⦆https://www.jsps.go.jp/j-pd/

(分子科学部門 

広報委員)

手研究者に対して、自由な

発想のもとに主体的に研究

課題等を選びながら研究に

専念する機会を与え、研究

者の養成・確保を図る制度

である。

(URL:⦆https://www.jsps.go.jp/j-pd/

(分子科学部門 

広報委員)

 

知能機械創製理工学教育

プログラム博士前期課程2

年の佐藤由貴君が、日本塑

性加工学会若手学生研究交

流会において優秀発表賞を

受賞した。若

手学生研究交

流会は、日本

塑性加工学会

の新進部会が

主催し、塑性

加工に関係す

る研究を行う

東京・南関東

支部、東関東

支部、北関東・信越支部、

計3支部所属の学生達によ

る研究発表会であり、平成

27年12月9日、埼玉大学・

東京ステーションカレッ

ジにて開催された。優秀発

表賞は、優れた研究発表を

行い、他の発表者からも優

秀と認められた者に贈られ

る。

 

受賞したテーマは「マグ

ネシウム合金AZ131

の半

凝固鍛造法の検討」であ

る。マグネシウム合金は軽

量かつ高比強度をもつ優れ

た材料でありながら、塑性

加工性が困難な材料である

ため、鍛造に代表される塑

性加工の実例はほとんど無

い。本研究では、従来の展

伸用合金よりもさらに高

強度なマグネシウム合金

AZ131

の熱間鍛造工法を確

立し、工程短縮と加工荷重

の低減を目的として、半凝

固鍛造法の検討を行った。

これにより、マグネシウム

合金の塑性加工用途への拡

大が期待される。

 

なお、この研究は渡利久

規名誉教授、林偉民教授、

西田進一助教の指導の下、

行われた成果であり、群馬

大学太田キャンパスで行わ

れた教育研究活動として評

価を受けた点からも大変喜

ばしいことである。佐藤由

貴君には今後のさらなる活

躍を期待したい。

(知能機械創製部門 

広報委員)

毎年1報に対して与えられ

るものである。本論文は、

我々の研究室で開発してき

たカーボンアロイ触媒の原

料に酸化黒鉛を添加するこ

とで、その触媒活性が大き

く変化することを報告した

ものである。酸化黒鉛は、

グラフェンの原料の一つと

して注目されている物質だ

が、それ自身は触媒活

性をもたない。ところが、

これを上記の原料に添加す

ると触媒活性が大幅に増加

する。今後、その活性増加

の原因探求と耐久性評価を

進めることで、実用的な触

媒の開発に結び付けていく

ことが期待される。

(元素科学国際教育センター

尾崎 

純一)

化学工学会群馬大会 2015 学生賞(特別賞・奨励賞)受賞

電子情報部門 教授 櫻井 浩、助教 鈴木 宏輔

リチウムイオン二次電池の電池電極反応に寄与する電子軌道の解明-マンガン酸リチウム系正電極材料設計に新たな指針-

分子科学部門 

助教 

加藤

真一郎

第27回有機合成化学協会

研究企画賞を受賞

Mate2016

シンポジウムにて

優秀論文賞をダブル受賞

先端科学研究指導者育成ユニット 

井上

雅博 

研究室

知能機械創製部門 

荘司

郁夫 

研究室

 

先端科学研究指導者育成

ユニットの井上雅博講師お

よび知能機械創製部門の荘

司郁夫教授の研究グループ

が発表した二つの論文が、

2016年2月2日-

3日

に開催されたM

ate2016

ンポジウムにて、優秀論文

賞を受賞した。本シンポジ

 

分子科学部門の加藤真一

郎助教が、第27回(2014

年度)有機合成化学協会研

究企画賞(昭和電工研究企

画賞)を受賞した。同賞は

独創的な発想に基づく、有

機合成化学分野における研

究企画に対して、賛同企業

の寄付をもとに賛同企業名

(冠)をつけた助成金が贈

呈されるものである。

 

受賞対象となった題目名

は「高速キャリヤ輸送材料

を指向した安定な反芳香族

縮環炭素π電子系化合物の

開発」だ。本研究の特色は、

ウムは、エレクトロニクス

実装に関する国内最大級の

シンポジウムであり、毎年

同時期にパシフィコ横浜に

て開催され、今年は107

件の最新研究発表(口頭:

87件、ポスター:20件)が

あり、500名を超える参

加者があった。二つの受賞

論文は口頭発表の中から選

出されたもので、同一機関

からの同時受賞はシンポジ

ウム初の快挙となった。

 

井上講師らの論文は「銅

系導電性接着剤の大気キュ

ア過程での導電特性変化に

及ぼすバインダケミストリ

の影響」というタイトルで、

井上研究室の学生である庭

山泰一君及び坂庭慶昭君並

びに研究支援員の多田泰

徳氏との共著である。ア

ミン硬化系エポキシバイ

ンダを用いた銅系導電性

接着剤を対象として、接

着剤の硬化過程における

硬化反応挙動及び電気抵

抗変化を調査し、導電

パスの形成及び発達に及

ぼすアミン硬化剤の影響

を考察した。導電パスの

形成発達過程が硬化剤で

あるアミンの種類によっ

て異なることを明らかに

し、フィラー間の導電コ

ンタクトの状態変化への

界面化学反応の関与を示

唆したことが高く評価さ

れた。

 

荘司教授らの論文は「パ

ワーモジュール向けピラー

状IMC分散鉛フリーは

んだ接合部の開発」という

タイトルで、荘司研究室の

学生である林和君と共同研

究先である(株)カルソニッ

クカンセイの研究者との共

著である。パワーモジュー

ル用絶縁基板とヒートシン

クの大面積接合を対象とし

て、ピラー状IMCを

接合部に分散させた新規ミ

クロ組織を形成してクラッ

クの進展抑制に成功し、耐

熱疲労特性に優れたマイ

クロ接合部を開発した。

SiCやGaNなどの

次世代パワーモジュール分

野における今後の実用化が

期待できることが高く評価

された。

 

Mate2016

では本学から

招待講演を含む13件の発表

がなされた。本学は同分野

における一大研究拠点と

なっており、産学官関係者

からも今後益々の発展が期

待されている。

(知能機械創製部門 

広報委員)

 

群馬大学(高田邦昭学

長)、京都大学(山極壽一

総長)、高輝度光科学研究

センター(土肥義治理事長)

は、米国のノースイースタ

ン大学(Joseph E Aoun

長)

と共同で、大型放射光

施設SPring-8の高輝度・高

エネルギーの放射光X線

を用いてマンガン酸リチウ

ムにおけるリチウムイオン

挿入の電池電極反応に寄与

する電子軌道の正体を明ら

かにした。マンガン酸リチ

ウムは、現在リチウムイオ

ン二次電池の正極材料とし

て利用されている。

 

本研究グループは、

SPring-8

・ビームライン

BL08W

の高輝度・高エネ

ルギーX線を利用してコ

ンプトン散乱測定によりリ

チウムイオン挿入における

マンガン酸リチウムの電子

運動量分布(コンプトンプ

ロファイル)の変化を精密

に測定し、第一原理計算と

比較した。その結果、リチ

ウムイオンがマンガン酸母

材に入ると、酸素の2p電子

が増加する一方、マンガン

原子の価数はほとんど変化

しないことを見出した。こ

れは、マンガン酸リチウム

の正極反応として一般的に

考えられている「マンガン

原子の価数が四価から三価

へ変わる現象」は起きてい

ないことを示している。本

研究の成果は、電極反応メ

カニズムの詳細を明らかに

するだけでなく、リチウム

イオン二次電池の電極材料

設計に新たな知見を与える

ものと期待される。

 

今回の研究成果は、群

馬大学の鈴木

宏輔

助教、

直人

氏、櫻井

授、ノースイースタン大

学(米国)のB. Barbiellini

准教授、S. Kaprzyk

授、Yung Jui W

ang

博士、

H. Hafiz

氏、A. Bansil

授、京都大学の折笠

有基

助教、山本

健太郎

氏、内

喜晴

教授、高輝度光科

学研究センターの伊藤

副主幹研究員、櫻井

副主席研究員との国際

共同研究によるもので、

2015年2月27日に、米

国科学誌「Physical Review

Letters

」に掲載された

(http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevLett.114.087401

)。

 

※詳細は次のリンク先を

ご参照下さい。

プレスリリース:http://

www.gunm

a-u.ac.jp/sb/img/img873_file.pdf

(電子情報部門 

広報委員)

高見澤 正人 中川・石飛研 TECNF担体中の窒素含有量がメタノール酸化活性におよぼす影響西尾 裕貴 中川・石飛研 Pd 担持 TiO2-CNF複合触媒を用いたギ酸酸化特性の評価山田 啓太 尾崎・松井・石井研 タングステン系カーボンアロイ触媒の調製と水素発生反応活性浜野 幹也 尾崎・松井・石井研 金属フタロシアニンを用いて調製したカーボンアロイ触媒の酸素還元活性菊池 亮 尾崎・松井・石井研 カーボンブラックに対するタンパク質の吸脱着特性高橋 俊介 桂・大重研 DNAおよびDNA代謝酵素の 1分子蛍光観察による動態解析林 一貴 桂・大重研 環状DNA固定化技術の開発

受賞者の所属と発表題目

これまで不安定化学種とさ

れてきた反芳香族化合物

を、同氏の独自の化学修飾

法に基づき安定化し、電子

的・電気化学的に興味深い

化合物の開発を可能にする

点である。これにより、今

後の有機デバイスの高機能

化と多様化への貢献が期待

される(

分子科学部門 

広報委員)

(環境創生部門 広報委員)

(分子科学部門 広報委員)

炭素材料学会

   

論文賞を受賞

平成27年度

群馬大学理工学部ニュース 第227号(7) 平成28年3月23日

Page 8: (1) 平成28年3月23日 群馬大学理工学部ニュース 理工学部 …€¦ · 大村先生ご自身はろが有るのではないかと思ても、大いに頷かれるとこ

 2015 年 9 月 7 日~ 8 日、大阪大学吹田キャンパスにて開催された環境科学会 2015 年会において、当学会が発行している「環境科学会誌」の論文賞に、齋藤博士が本学大学院博士後期課程に在籍中に執筆した「1971 年から 2011 年の渡良瀬川河川水の高濁度時における濁度、懸濁物質及び重金属濃度の推移(環境科学会誌,26,345-356(2013)」が選ばれた。 本論文は、齋藤博士が桐生市水道局に在籍時から本学大学院の在籍までの 40 年間における渡良瀬

川河川水中の重金属を定点測定し、濁度、浮遊物質との環境を解析することにより、当該地域で施されてきた行政政策を評価した論文である。表彰理由として、長期間の河川水の調査結果の解析に留まらず、環境行政の施策の有効性を明らかにしたこと、また日本各地で長期定点測定が蓄積されている中で今までまとまった論文が無かったことが上げられていた。 当時、齋藤氏は桐生市水道局局長の重責を担っている傍ら、社会人ドクターとして板橋教授、森准教授、角田教授の指導を受けながら本論文を完成させた。我々、共著者も齋藤氏の活動を通して、研究する志(こころざし)に年齢は関係ないことを改めて感じさせられている。   (環境創生部門 広報委員)

 理工学府電子情報部門の加田 渉助教は、平成 27 年 5 月 24 日から 5 月 28日の期間において、静岡グランシップにおいて開催された国際会議「第 9回International Conference on New Diamond and Nano Carbons (NDNC)」にて , 「Living-cell cultivation on single-crystal CVD diamond membrane」と題したポスター講演を行い、「Best Poster Award」を受賞した。同助教は、群馬大学重粒子医学研究センター酒井真理 助教と医理工学連携を目指した共同研究に取り組んでおり、本受賞は本共同研究におけるはじめての成果である。 本研究成果は、電子デバイスである「ダイヤモンドセンサ」の上に生体細胞の培養を世界に先駆けて実現したものであり、従来にない融合型の先進デ

バイスを実現した点が高く評価された。本研究遂行にあたり、(独)日本原子力研究開発機構、クロアチア Institut Ru er Boškovi 、及びフランス Le Centre CEA de Saclay 間の国際共同研究枠組の協力も受けている。本研究内容は発展段階にあり、更なる技術開発がきわめて重要である。今後も継続して海外研究者との協力体制を維持しながら、さらなる研究開発を進める予定である。

(電子情報部門 広報委員)

 

平成27年4月7日、文部

科学省より平成27年度科学

技術分野の文部科学大臣表

彰受賞者が発表され、知能

機械創製部門の鈴木孝明准

教授が、「バイオ及び医療

向けマイクロ/ナノデバイ

スに関する研究」について、

若手科学者賞を受賞した。

 

本表彰は、科学技術に関

する研究開発、理解増進等

において顕著な成果を収め

 

知能機械創製部門の荘司

郁夫教授が、スマートプロ

セス学会論文賞を受賞し、

2015年5月18日に開催

された平成27年度スマート

プロセス学会春季総合学術

講演会において授賞式が開

催された。受賞対象論文

は、「Sn-3Ag-0.5Cu

はんだ

とW基板上めっきメタライ

ズ界面に生成するSn-W

造」であり、依田智子氏

(現日立製作所)が博士過

程在籍時に荘司研究室にて

実施した研究である。当時

の共同研究者である小林竜

也氏(現東芝)および他の

共著者2名と共に表彰され

た。該当論文はMate

2014シンポジウムでの

発表が評価され、学会誌へ

の投稿推薦を受け、同学会

 文部科学省のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定された高校生徒が研究成果を発表するSSH生徒研究発表会が 8月 5 日・6日にインテックス大阪で開催された。SSHにおいて本学部が研究

協力を行っている桐生高校から分子化学部門の高橋亮助教が指導した生徒のグループが代表で参加し、見事ポスター発表賞を受賞した。この賞は、対象 127 の高校のうち、20 校に与えられるものであり、同高校が受賞するのは平成 24 年に続き二度目である。 このグループは、平成 26 年 9 月から、当該教員から課題研究の指導を受け、廃棄人毛からヘアケア剤を開発する研究を実施してきた。今回の発表会ではこの研究成果を来場者に説明した。

(分子科学部門 広報委員)

東京大学 石川・渡辺研究室/群馬大学 奥研究室の共同研究成果である 「るみぺん2」が 経済産業省が実施する Innovative Technologies 2015 に採択された。《参考HP》 http://www.meti.go.jp/press/2015/09/20150910001/20150910001.html http://www.dcexpo.jp/10497 http://www.dcexpo.jp/10111 (電子情報部門 広報委員)

 

2015年第20回日本

バーチャルリアリティ学会

大会9月10日において、電

子情報部門 

寛雅准教

授が、日本バーチャルリア

 

平成27年6月6日(土)

テクノプラザおおたで開催

された全日本製造業コマ

大戦両毛場所3(特別場

所)にて、理工学部研究推

進支援センター所属技術職

員の齋藤昭吾氏と鈴木務士

氏が「群大理工学部マシン

ショップ(チーム名)」と

して参加し、ベスト8入

りを果たした。また、平成

27年7月4日(土)長野県

上田市で開催された第二回

県別対抗団体戦(特別場

所)に、群馬県代表の一員

として出場し、群馬県チー

ムは大会3位という好成

績を収めた。コマ大戦は、

NPO法人全日本製造業

コマ大戦協会によって運営

されており、大会グレード

はG1(全国大会)とG

2(地方予選)、G3(エ

キシビジョンマッチ)、特

別場所(独自のルール採用)

の4つに分かれている。特

に県別対抗団体戦は、特別

場所の中でも全国各地で選

抜戦を勝ち抜いた強豪が集

結するため二大大会の一つ

と言われている。製作する

環境科学会誌論文賞受賞環境化学会2015年会において

スマートプロセス学会

論文賞を受賞

国際会議 9th International Conference on New Diamond and Nano Carbons (NDNC)

Best Poster Award を受賞

分子化学部門 高橋亮助教の指導を受けた桐生高校生徒グループがSSH研究発表全国大会で受賞

全日本製造業コマ大戦両毛場所3 

ベスト8入賞

第二回県別対抗団体戦 

群馬県チーム大会3位

日本バーチャルリアリティ学会論文賞を受賞

日本化学会第95春季年会(2015)優秀講演賞(学術)を受賞

るみぺん2:ダイナミックプロジェクションマッピングシステム経済産業省 Innovative Technologies 2015 に採択

平成 27 年度科学技術分野の文部科学大臣表彰

「若手科学者賞」を受賞知能機械創製部門 准教授 鈴木 孝明

工学研究科 電物質創製工学領域(H25 年度博士後期課程修了)齋藤 陽一環境創生部門 教授 板橋 英之、准教授 森 勝伸分子科学部門 教授 角田 欣一

知能機械創製部門 

教授 

荘司

郁夫

電子情報部門 助教 加田 渉

分子科学部門 助教 高橋 亮群馬県立桐生高等学校生徒グループ

電子情報部門 准教授 奥 寛雅

研究推進支援センター

   

技術職員 

齋藤

昭吾、鈴木

務士

高度人材育成センター 博士研究員 津留﨑 陽大

電子情報部門 准教授 奥 寛雅

た者について、その功績を

讃えることにより、科学技

術に携わる者の意欲の向上

を図り、もって我が国の科

学技術水準の向上に寄与す

ることを目的とするもので

ある。特に今回、鈴木准教

授が受賞する若手科学者賞

は、萌芽的な研究、独創的

視点に立った研究等、高度

な研究開発能力を示す顕著

な研究業績をあげた40歳未

満の若手研究者個人に与え

られるものである。なお、

本賞の表彰式は、4月15日

に文部科学省講堂にて挙行

された。

 

今回の受賞対象となった

業績は、ナノテクノロジー

に関する研究で、バイオ・

医療分野への応用が期待さ

れているマイクロ/ナノデ

バイスのための独創的な製

誌2014年度第4号に掲

載されたものである。

 

大型コンピュータなどに

使用されるセラミック基板

の配線にはW(タングス

テン)が使用され、無電

解Ni

(ニッケル)めっき

層と反応させてNi-W

メタ

ライズを形成した後、Sn

(錫)-Ag

(銀)系はんだ

と接合される。複数の半導

体チップが搭載される大型

コンピュータ用モジュール

では、チップのリペア工

程(チップの交換工程:同

一メタライズ上にてはんだ

除去と供給が行われる)が

発生するため、リペアを考

慮した接合部設計が必須に

なる。Ni-W

メタライズは、

加熱を伴うリペアの繰り返

しによりメタライズが消失

しても、接合界面にSn-W

の反応層が生成し、良好

な接合信頼性が確保され

る。しかし、低融点Sn

(融

点:232℃)と高融点W

(3422℃)の二元系状

態図は詳細が確定しておら

ず、Sn-W

合金の構造など

の特徴は不明であった。 

 

研究グル―プは、界面

に生成するSn-W構造を解

明するために、走査型お

よび透過型電子顕微鏡によ

る分析を駆使して、ワシン

トン大学が開発したX線吸

収スペクトルと電子構造の

計算を行うFEFF計

算より化学結合状態を評価

した。その結果、Sn-W

は規則化された結晶構造は

持たず、元素比の異なる2

層からなることを明らかに

コマは、直径20㎜以下、全

長60㎜以下という条件を厳

守すれば材質・重さ・形に

制限がなく、行司の「はっ

きょい、のこった」の掛け

声に合わせて、直径250

㎜の土俵めがけてコマを投

げる。勝者の権利として敗

者のコマを戦利品として獲

得することができるところ

もコマ大戦の魅力である。

両毛場所3には、多くの企

業や教育機関から合わせ

て18チームの参加があり、

トーナメント形式で試合が

行なわれ、勝ち残った上位

5チームが群馬県代表に選

ばれた。齋藤氏が投手とな

り、真鍮製の低重心型のコ

マを使用して群馬県代表枠

を獲得した。県別対抗団体

戦には16の県が参戦し、4

つのブロックからなる予選

リーグ戦で各ブロック1位

通過の県が決勝トーナメン

ト戦にて優勝争いをした。

研究推進支援センターでは

日頃、実験装置や部品など

の製作を行なっているが今

回のようなコマづくりは初

めてということもあり、形

状や材質の選定、加工方法

の検討などの試行錯誤を繰

り返すことになった。今回

の成績を収められたこと

で、技術職員としての技術

力のアピール、さらには群

馬大学理工学部の広報活動

に貢献できたと考えてい

る。次回もコマ大戦に出場

できるのであれば、学生と

一緒に参加できる支援体制

を作っていきたい。

 

この度、全日本製造業コ

マ大戦両毛場所3(特別場

所)および第二回県別対抗

団体戦(特別場所)に参加

するにあたりご支援下さり

ました知能機械創製部門に

厚く御礼申し上げます。

(研究推進支援センター 

鈴木務士)

造技術とその応用である。

複数の機能を集積化した

マイクロ/ナノデバイスを

組立工程なし(アセンブリ

フリー)で作製する3次元

微細加工法を提案し、従来

困難であった生体細胞・分

子の機能測定や、臨床診断

を効率化するバイオマイク

ロシステムを複数開発し

た。本成果は、製造現場で

は多品種少量・省エネル

ギ・フレキシブル加工

シス

テムの実現につながり、ま

た、医療応用ではポイント

オブケア検査や

テーラー

メイド医療に向けた新しい

遺伝子解析デバイスの開発

など、さらなる研究が進め

られている。

 

鈴木准教授は、本学工学

部卒業生(平成9年度卒業)

であり、その後、京都大学、

香川大学で研究を続け、本

年4月に本学に赴任した。

今後も、多角的な視点で最

先端研究に継続的・発展的

に取り組み、社会に貢献す

ることが期待される。

(知能機械創製部門 

広報委員)

した。この元素比はその後

の研究より、層内において

濃度勾配を有することも

明らかとなっている。ま

た、小林氏が卒業研究で実

施した接合強度に関する論

文も高い評価を受けてお

り、2011年の海外誌発

表以来、毎年関連研究の投

稿依頼を受けている。接合

材であるはんだの鉛フリー

化に伴い、Ni-W

メタライ

ズの半導体電極の高信頼性

化は、世界的にも注目の高

いテーマとなっており、更

なる研究の発展が期待され

る。

(知能機械創製部門 

広報委員)

リティ学会論文賞を受賞し

た。

(電子情報部門 

広報委員)

 

高度人材育成センター博

士研究員の津留﨑陽大氏

が、日本化学会第95春季年

会(2015)の「優秀講

演賞(学術)」を受賞した。

「優秀講演賞(学術)」は発

表内容、プレゼンテーショ

ン、質疑応答などにおいて

優れた講演で、講演者の今

後の一層の研究活動発展の

可能性を有すると期待され

るものに対して贈呈される

ものである。

 

受賞内容は「テトラシラ

ン架橋ビシクロ[

4.1.

0]

ヘプタシラ-

1(6)-

エンの合成と性質」で、分

子科学部門の久新荘一郎教

授らと共に行った研究の

成果である。本発表の最大

の特色は、高反応性である

ビシクロ[

4.1.0]

プト-1(6)-

エン骨格

を持つケイ素類縁体を初め

て安定な化合物として単離

し、その性質を解明した点

である。この合成は、独自

の手法であるかさ高い置換

基を有するシクロヘキサシ

ランを還元的縮合反応に

よって達成された。今回単

離した化合物は、シクロオ

リゴシランのσ結合とケイ

素-ケイ素二重結合のπ結

合が相互作用した特異な三

次元ケイ素クラスターであ

ることが明らかとなった。

本成果は、基礎科学的見地

からケイ素化学の発展に大

きく貢献するものである。

(Journal of the American

Chemical Society

誌(2014, 136, 12896.

)に掲載されて

いるので、興味のある方は

ご覧いただけると幸いであ

る。)

 

津留﨑氏は今年3月を

もって、産業技術総合研究

所の博士研究員として転出

された。今後のご活躍を期

待している。

(分子科学部門 

広報委員)

群馬大学理工学部ニュース第227号 平成28年3月23日 (8)

Page 9: (1) 平成28年3月23日 群馬大学理工学部ニュース 理工学部 …€¦ · 大村先生ご自身はろが有るのではないかと思ても、大いに頷かれるとこ

 

電子情報部門の砂口尚輝

助教が第31回センシング

フォーラム(計測自動制御

学会主催)において発表し

た「屈折コントラストCT

のための投影削減手法」が

2015年9月11日にセン

シングフォーラム研究奨励

賞を受賞した。本賞は若手

研究者による計測の新しい

分野を切り開く優れた研究

発表に対して5名程度に贈

呈されるものである。本研

究で扱う屈折(あるいは位

相)コントラストX線CT

は原子番号の低い元素に対

し非常に高い感度を持つた

め、従来の吸収コントラス

トX線CTではコントラス

トが付かない生体軟部組織

内の構造を明瞭に描出でき

る。しかしながら、投影1

枚当たり撮像条件を変えて

数回の露光を必要とするた

め、CTの撮像には非常に

長い時間を要する。本研究

は、屈折(微分位相)コン

トラストX線CTのための

投影削減アルゴリズムに関

するもので、CTの再構成

に必要な投影数を従来法の

約3分の1に削減できる。

本手法はシミュレーション

及び人から摘出された動脈

の撮像データに適用され、

どちらも有用な結果が得ら

れている。

X線の屈折や位相情報を

用いるCTは、手術中に摘

出した組織をその場で病理

的に観察する応用が計画さ

れているが、術中に評価す

るには高速な撮像が必要と

なる。本手法は少ない投影

撮像からCTを再構成でき

るので、このような場面で

も大きく貢献できると考え

られる。

(電子情報部門 

広報委員)

 

電子情報部門の弓仲康史

准教授らの研究グループが

発表した論文が、平成27年

9月12日〜13日に北海道大

学で開催された第38回多値

論理フォーラムにおいて、

優秀論文発表賞を受賞し

た。多値論理フォーラムは、

従来の0,1の2値論理にとら

われない柔軟な情報処理と

その応用に関する技術討論

を目的とした研究発表会で

ある。優秀論文発表賞は,

同フォーラムにおいて聴講

者の投票により優秀と認め

られた研究論文発表を対象

に贈賞されるものである。

受賞対象となった『モー

ションキャプチャデイバス

を活用した医療・ヘルスケ

ア支援システム』は、研究

室の学生および医学部附属

病院リハビリテーション部

の長谷川信主任療法士、和

田直樹教授との共同研究の

成果をとりまとめたもので

ある。近年、「慢性閉塞性

肺疾患(COPD)」と呼

ばれる肺疾患の患者数が増

加し、将来、死亡原因の3

位になると言われ、早期診

断の必要性が高まってい

る。本研究では非接触で生

体情報センシングが可能な

モーションキャプチャデバ

イスKinect v2

を用いて非

接触呼吸モニタリングを実

現し、胸部と腹部の呼吸パ

ターンの位相差に着目した

簡便なCOPDスクリーニ

ング(簡易診断)を可能と

するシステムを提案した。

開発した医療・ヘルスケア

支援システムの完成度・有

効性、発表態度などが高く

評価され、受賞に至った。

なお、本テーマは医理工生

命医科学融合医療イノベー

ションプロジェクトの成果

であり、今後、臨床での検

証、実際の医療ニーズの

フィードバック等、医学部

との連携による研究のさら

なる進展が期待される。

(電子情報部門 

広報委員)

た特別研究員事業を行って

おり、その審査は専門的見

地から3段階で行われてい

る。第1段の書面審査はす

べての審査の基盤となるも

のであり、その質を高めて

いくことが大変重要であ

る。そのため、審査終了後、

同会学術システム研究セン

ターにおいて、書面審査結

果の公平性や公正性につい

ての検証を実施し、その結

果を翌年度の専門委員の選

考に適切に反映すると共

に、書面審査において有意

義な審査意見を付した専門

委員を表彰している。

 

平成26年度に書面審査を

 

分子科学部門・網井秀樹

教授が独立行政法人日本学

術振興会から平成26年度特

別研究員等審査会専門委員

(書面担当)表彰を受けた。

 

日本学術振興会では、学

術研究の将来を担う研究

者の養成・確保を目的とし

行った約1,600名の専

門委員のうち、表彰対象と

なる任期2期目にあたる約

600名の中から114名

が表彰を受けたが、本学か

らは網井教授が選ばれた。

(分子科学部門 

広報委員)

 

理工学府電子情報部門

の安川美智子助教が、平

成27年12月8日から12

月9日の期間にシドニー

(

オーストラリア)

で開催

された「20th Australasian

Docum

ent Computing

Symposium

(ADCS2015)

において口頭発表およびポ

スター発表を行ない、「Best

Paper Award

」を受賞した。

ADCSは、情報検索の研

究分野における重要な研究

成果が発表されている国際

シンポジウムであり、今年

 

知能機械創製部門の鈴木

孝明准教授が、科学技術

振興機構(JST)のさき

がけ研究者として採択され

た。

 

身のまわりの僅かな振動

から電気をつくる〞柔軟な

3次元微細構造を用いたポ

リマー振動発電〞について

本年12月から2018年度

まで実施予定である。

健康モニタリングや子供の

見守りのために身に付ける

はWestern Sydney

大学の

Parramatta City cam

pus

およびParramatta South

Campus

で開催された。受

賞内容は、「平成24年度群

馬大学大学院工学研究科若

手教員を対象とした短期海

外派遣」によりオーストラ

リアRMIT大学に滞在し

て行った研究の成果であ

り、異なる単語分割の手法

を組み合わせたデータ融合

の検索有効性について詳細

に調べた点が高く評価さ

れた。本論文は、J. Shane

Culpepper

師、Falk

Scholer

講師との共著であ

る。(

電子情報部門 

広報委員)

小型センサと組み合わせる

超小型発電機としての利用

が期待される。

 

さきがけ研究とは戦略

目標に基づいて未来のイ

ノベーションの芽を育

む個人型研究である。 

 (URL

:http://www.

jst.go.jp/kisoken/presto/news/2015/151120/151120presto.pdf

(知能機械創製部門 

広報委員)

電子情報部門 

助教 

砂口

尚輝

分子科学部門 

教授 

網井

秀樹

知能機械創製部門 

准教授 

鈴木

孝明

左から:吸収コントラスト、位相コントラスト ( 従来再構成法 )、位相コントラスト (本方式 )。フォトンファクトリー(高エネルギー加速器研究機構、茨城県つくば市)BL-14C で撮像。 従来法と本方式を比較すると、従来法ではアーチファクトによる構造の欠落(青矢印部分)があることが分かる。赤い丸で示した領域はリウマチにより破壊された骨である。

生体硬組織と軟組織の両方を鮮明に画像化するCT再構成アルゴリズムを開発

電子情報部門 助教 砂口 尚輝

理工学基盤部門 准教授 後藤 民浩

【奥 : S. Messenger 博士、手前 : 桐生高校 SSHプログラム参加者】

【左から 篠塚学部長、和泉理事、網井教授、平塚学長、後藤事務局長】

リウマチモデルマウスの足

【奥左より : H. Kraus 博士 , S. Messenger 博士 , M. Jakši 博士、手前 : 桐生高校 SSHプログラム参加者のうち女子学生が質問中の様子】

 理工学基盤部門の後藤民浩准教授が、平成 27 年 9 月 13 日から 9 月 18 日の期間にアーヘン(ドイツ)で開催された「26th International Conference on Amorphous and Nanocrystalline Semiconductors(ICANS26)」においてポスター講演を行ない、

「Young Researcher Award」を受賞した。ICANS はアモルファス半導体の基礎物性を主体とした半世紀の歴史をもつ国際会議であり、今年は大聖堂で有名な古都アーヘンで開催された。受賞内容は「硫化スズ薄膜のキャリア濃度制御」に関する研究成果であり、薄膜太陽電池材料として有望な硫化スズのキャリア特性を組成を制御して詳細に調べた点が高く評価された。本発表は平成26年度電子情報・数理教育プログラム(修士)修了の矢澤広祐君との共著である。

 群馬大学大学院理工学府の砂口尚輝 助教、山形大学の湯浅哲也、東京理科大学の安藤正海,Massachusetts General Hospital の Rajiv Gupta、メルシャンクリンテック(現所属:MiZ 株式会社)の平野伸一らのグループは、放射光の特性を利用した X 線イメージング法である位相コントラスト X 線 CT の再構成アルゴリズムを改良し、従来見えなかった硬組織と軟組織が混在する領域を鮮明に画像化する再構成アルゴリズムを開発した。  X 線の波の性質を利用した位相コントラスト CT(断層撮影)法は、試料を通り抜けることによって生じる X 線の位相のずれから三次元像を構築するイメージング手法である。この方法では、レントゲンに代表される X 線の吸収を利用した手法では見えにくい、軟骨や乳がんといった軟組織、骨折に至らない微細なひびなどを高感度で捉えられることから、多くの研究グループがさまざまなイメージング方式を用い実用化を目指して研究開発を進めている。しかし、高感度であるが故に、骨や石灰化などの硬組織が含まれた部分では、測定のダイナミックレンジを超えてしまい、画像全体に悪影響を及ぼす現象(硬組織アーチファクト)が、位相コントラスト法の共通の克服すべき課題となっていた。 研究グループは、硬組織アーチファクトを効果的に除去するアルゴリズムを提案した。この方式は、まず位相コントラスト法による投影像からダイナミックレンジを超える可能性がある領域を、吸収コントラスト法による投影像から特定する。特定された領域を欠落領域として扱い、その領域を位相コントラスト法に基づく先験情報が組み込まれた逐次的断層再構成アルゴリズムで更新していく。その結果、硬組織領域から生じるアーチファクトが除去された断層像が再構成される。この方式をリウマチモデルマウスの足(写真)、動脈硬化症を患った人の冠動脈および腸骨動脈に適用し、検証したところ、骨や石灰化から広範囲に生じる硬組織アーチファクトの除去が確認できた。 近年、従来の吸収コントラスト CT 法では、放射線治療における正確な治療計画の作成や、造影剤濃度測定などの定量的な診断のために、メタルアーチファクト除去に関する研究が注目されている。同様に、位相コントラストCT 法についても将来実用化が進めば、軟組織で高い定量性を得るために、硬組織アーチファクトを除去する研究に注目が集まると考えられる。 本成果は、オンライン学術誌 PLOS ONE に 8 月 21 日 14:00(米国東時間)付で公開された。また、岐阜新聞(2015 年 9 月 10 日)、河北新報(同年 9 月 12 日)、信濃毎日(同年 9 月 26 日)の紙面上に取り上げられた。http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0135654

 2015 年 11 月 13 日、桐生市市民文化会館にて 国際会議 11th RASEDA&7th AMDE に来訪した米国、ロシア、ドイツ、クロアチア他からの海外研究者約 7 名を集め、インフォーマルセミナー 形式において、 桐生高校 SSH (Super Science High-school) プログラム参加者約 40 名との交流活動を行った。 セミナーでは S. Messenger 博士 ( 米国 メリーランド大学バルティモアカウンティ校 教授 ), M. Jakši 博士 ( クロアチア , Institut Ru er Boškovi  実験物理部門 部門長 ) ならびに H. Kraus 博士 ( ドイツ , ユリウス・マクシミリアン大学ヴュルツブルク校 , DAAD 海外派遣プログラム P.R.I.M.E. 研究員 ) ら 3名の基調講演者による自己紹介や研究内容に関する講演を聴講した後、高校生による質疑応答がなされた。 質疑では 「研究者として壁や問題に直面した際の対処法」や、

「海外留学のような新しい環境に置かれた際の取り組みの仕方」などが質問された。セミナー後には歓談の場が設けられ、SSH プログラム参加者と海外研究者間でのより深い交流の場が設けられた。国際会議 URL: http://www.ae.stec.es.osaka-u.ac.jp/RASEDA11/ドイツ DAAD 海外派遣プログラム URL: https://www.daad.de/

2014年度計測自動制御学会

センシングフォーラム研究奨励賞を受賞

日本学術振興会 

平成26年度

特別研究員等審査会専門委員表彰を受賞

電子情報部門 助教 安川 美智子

国際シンポジウムADCS2015

Best Paper Awardを受賞

科学技術振興機構(JST)の

さきがけ研究者に採択

国際会議 ICANS26Young Researcher Award を受賞

国際会議 11th⦆RASEDA & 7th⦆AMDE来訪海外研究者と桐生高校 SSHプログラム参加者が交流

医理工連携プロジェクトの成果に対し、多値論理フォーラム優秀論文発表賞を受賞電子情報部門 准教授 弓仲 康史

(電子情報部門 広報委員)

(理工学基盤部門 広報委員)

(電子情報部門 広報委員)

群馬大学理工学部ニュース 第227号(9) 平成28年3月23日

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山科学 技術賞 (平成27年度)

〜横山科学

  技術賞とは〜

 

今年度の「群馬大学一日

体験化学教室」(主催:理

工学部化学・生物化学科、

共催:日本化学会関東支部、

高分子学会関東支部、群馬

大学科学技術振興会)は例

年通り、八月の第一土曜日

となる8月1日に開催され

た。これは高校生を対象と

して、化学や生物の実験を

実際に体験することで、そ

れらのおもしろさは言うま

でもなく最先端の科学の一

端を肌で感じてもらい、理

科にもっと関心をもってい

ただくことを意図して行わ

れているものであり、今回

で第20回目の開催となる。

本年度の参加者は81名(28

校)で、参加した高校生の

内、65%が女子であり、昨

年度(80%)よりも男子の

数が増えた。群馬・栃木・

埼玉からの参加者が殆どで

ある。今年度の実験テー

マは10テーマあり、「液晶

ディスプレイをつくって

みよう」、「化学の力で電

力を」、「色素増感太陽電

池を作ろう!」、「血の色

はなぜ赤い?」、「紫色のタ

ンパク質の世界をのぞいて

みよう」、「血液の不思議」、

「1000倍水を吸う樹

脂の秘密を探る」、「大腸菌

を使って目的のDNA・

タンパク質を作らせよう」、

「身近にある酵素の力を体

感しよう!」、「長い鎖の分

子をさらに繋げるとどうな

る?」であった。各担当研

究室の専門分野の内容をも

とに参加者の興味をひくよ

うなさまざまな工夫が施さ

れていた。

 

参加者は教員や大学院

生(TA)の指導のもと、

熱心に実験に取り組んでい

た。普段高校生が見ること

のできないさまざまな測定

装置や実験器具や試薬など

を目のあたりにし、大いに

刺激になったようである。

実験終了後の感想では、「楽

しく実験できた」、「貴重な

体験ができた」、「今後、化

学に興味を持って授業が

受けられる」などの意見が

得られた。本事業は理科教

育の啓蒙活動に大きく寄与

し,地域貢献を推進する効

果があり、今後も開催して

いくことが重要であると思

われる。

 

最後に、一日体験化学教

室の実施にあたり、ご協力

いただきました関係各位に

厚く御礼申し上げます。

一日体験化学教室を実施

 

横山科学技術賞は、若手

研究者(45歳以下)の学術

研究を奨励するために設け

られたものであり、公募に

より、特に優れた研究業績

を上げた者に賞を贈るもの

である。平成9年12月15日、

横山亮次氏により設置され

た※。選考委員会(平成27

年度委員長:大塚 

榮子氏

(北海道大学名誉教授、産

業技術総合研究所名誉フェ

ロー))において、応募申

請書/教員調査書/代表的

な論文(10編)の概要を審

査し、受賞者を決定する。

※横山亮次 

氏(工学博士)

 

横山氏は、昭和16年に桐

生高等工業学校を卒業、同

19年には東京工業大学を卒

業後、日立化成㈱に入社、

社長、会長を歴任され、現

在は相談役に就任されてい

る。同氏は、かつて、アメ

リカ合衆国(カリフォルニ

ア州立大学)及び中国(中

国科学院科学研究所)の大

学で客員教授等を務めた際

に、両国において横山科

学技術賞を設けた経緯があ

り、日本でも、若手研究者

の育成に寄与したいとの趣

旨から、同様の賞を設立さ

せることとなった。

馬 県桐生市錦町3-1―25)において、「第19回横山科学技術賞」授与式を行った。

第1回(平成9年度) ・生物化学工学科 若松 馨 助教授(理学博士)研究題目:「核磁気共鳴法によるペプチドと蛋白質間相互作用に関する研究」

第2回(平成10年度) ・情報工学科 横尾 英俊 助教授(工学博士)研究題目:「無歪みデータ圧縮法の研究」

第3回(平成11年度) ・応用化学科 飛田 成史 助教授(理学博士)研究題目:「気相および疑縮相における有機イオンの生成と反応」

 ・建設工学科 片田 敏孝 助教授(工学博士)研究題目:「自然災害への社会的対応に関する総合的研究」

第4回 ( 平成12年度) ・電気電子工学科 石川 赴夫 助教授(工学博士)研究題目:「専用シミュレータの開発」

第5回(平成13年度 ) ・応用化学科 久新 荘一郎 助教授(理学博士)研究題目:「特異な構造をもつ有機ケイ素化合物の合成,構造,性質の研究」

 ・機械システム工学科 松原 雅昭 助教授(工学博士)研究題目:「原子炉圧力容器の耐加圧熱衝撃構造健全性評価手法の開発」

第6回(平成14年度) ・電気電子工学科 小林 春夫 教授 博士(工学)研究題目:「アナログ・デジタル混載システムLSI 設計技術の研究」

 ・電気電子工学科 花泉 修 助教授(工学博士)研究題目:「フォトニック結晶と機能材料の融合及びデバイス応用技術の研究」

第7回(平成15年度) ・応用化学科 海野 雅史 助教授(理学博士)研究題目:「高度に規制されたシリコーンの合成研究」

 ・生物化学工学科 中川 紳好 助教授(工学博士)研究題目:「燃料電池の電極有効反応領域と電極高性能化に関する研究」

第8回(平成16年度) ・情報工学科 中野 眞一 教授 博士(工学)研究題目:「高速なグラフアルゴリズムの開発」

 ・機械システム工学科 山田 功 助教授 博士(工学)研究題目:「繰返し補償器のパラメトリゼーションに関する研究」

 ・機械システム工学科 天谷 賢児 助教授 博士(工学)研究題目:「燃焼場で形成されるナノ微粒子前駆物質のレーザ誘起蛍光計測」

第9回(平成17年度) ・電気電子工学科 藤井 雄作 助教授 博士(工学)研究題目:「光波干渉と慣性質量による超高精度力学量測定法の開発」

 ・応用化学科 山路 稔 助教授(理学博士)研究題目:「レーザー光分解法を用いた新しい光化学反応過程の研究」

第10回(平成18年度) ・ナノ材料システム工学専攻 中村 洋介 助教授 博士(理学)研究題目:「二次元・三次元π共役系化合物の創製と物性に関する研究」

・ナノ材料システム工学専攻 尾崎 純一 助教授(工学博士)研究題目:「炭素系燃料電池カソード触媒の開発」

・応用化学科 奥津 哲夫 助教授(理学博士)研究題目:「光化学反応を用いた結晶成長の制御に関する研究」

第11回(平成19年度) ・応用化学・生物化学専攻 武田 茂樹 准教授(工学博士)研究題目:「Gタンパク質共役受容体の新規リガンド検索と機能解析に関する研究」

 ・機械システム工学専攻 荘司 郁夫 准教授 博士(工学)研究題目:「エレクトロニクス実装用鉛フリーマイクロ接合に関する研究」

第12回(平成20年度)  ・応用化学・生物化学専攻 粕谷 健一 准教授 博士(工学)研究題目:「生分解性プラスチックの生物分解に関する研究」

・機械システム工学専攻 岩崎 篤 准教授 博士(工学)研究題目:「統計的応答変化判定法を用いた老朽化構造の無学習自動健全性評価法に関する     研究」 

第13回(平成21年度) ・社会環境デザイン工学専攻 半井 健一郎 准教授(工学博士)研究題目:「セメント系材料-地盤材料の統合解析システムの構築と高性能バリア材料の開発」

 ・応用化学・生物化学専攻 堀内 宏明 助教 博士(工学)研究題目:「光機能性有機ケイ素化合物の基礎と応用に関する研究」

第14回(平成22年度) ・応用化学・生物化学専攻 上原 宏樹 准教授 博士(理学)研究題目:「分子鎖絡み合い・異方性の制御による汎用性高分子材料の高性能化」

・電気電子工学専攻 弓仲 康史 准教授 博士(工学)研究題目:「通信技術・信号処理技術をチップ内/間 高速高効率情報伝送に利用した集積      回路システムの構築」

第15回(平成23年度) ・応用化学・生物化学専攻 桒原  正靖 准教授 博士(学術)研究題目:「特異的結合能をもつ機能性人工核酸創製法の開発とその応用」

・応用化学・生物化学専攻 行木  信一 准教授 博士(理学)研究題目:「細菌およびミトコンドリアにおける翻訳停滞解消機構の研究」

・機械システム工学専攻 半谷  禎彦 准教授 博士(工学)研究題目:「ポーラスアルミニウムの低コスト化および高機能化に関する研究」

第16回(平成24年度) ・応用化学・生物化学専攻 浅川 直紀 准教授 博士(工学)研究題目:「パイ共役系高分子の分子ダイナミクスとノイズ駆動型信号情報処理デバイスの開発」

・生産システム工学専攻 尹 友 助教 博士(工学)研究題目:「次世代相変化メモリに関する研究」

・情報工学専攻 浜名 誠 助教 博士(工学)研究題目:「依存型による安全で高信頼なソフトウェアの基礎研究」

第17回(平成25年度) ・分子科学部門 村岡 貴子 助教 博士(工学)研究題目:「特徴的な高周期典型元素配位子を含む遷移金属錯体の合成 , 構造 , 性質の研究」

・分子科学部門 吉原 利忠 助教 博士(工学)研究題目:「環境応答型発光分子の開発および生体プローブへの展開」

第18回(平成26年度) ・電子情報部門 橋本 誠司 准教授 博士(工学)研究題目:「システム同定法を用いたモデルベースド制御理論の産業応用に関する研究」

・環境創生部門 森 勝伸 准教授 博士(地球環境科学)研究題目:「無機分離科学と材料科学をベースにした環境分析・浄化に関する研究」

 

この度は、大変名誉ある

賞を授与いただき、非常に

感激致しております。本賞

の設置者であります横山亮

次先生をはじめ、選考委員

長の大塚榮子先生、選考委

員の先生方、関係者の皆様

に心より御礼申し上げま

す。このような賞を受賞で

きましたのは、私一人の力

では決してなく、これまで

ご指導頂きました先生方、

共に研究に勤しんでくれた

研究室の学生、そして快適

な環境を提供して頂いた群

馬大学のお陰であると、心

から感謝しております。

 

今回受賞対象となった研

究は、「精密重合化学を基

盤とした環境調整型および

金属複合ナノ材料の創製」

です。私の専門分野であり

ます高分子合成を基礎とし

て、ビニルモノマーや環状

モノマーのリビング重合・

立体規則性重合など、合計

21件の精密重合系を開発し

ました。更なる発展系を目

指し、精密重合技術を基盤

として、環境調整型(有価・

有害金属捕集ポリマー・二

酸化炭素固定化材料)及び

金属複合ナノ材料を開発し

ました。主な成果としては、

金属吸着ユニットと水溶性

ユニットをハイブリッド化

したポリマーを合成し、簡

便かつ高回収でのレアメタ

ル捕集システムを開発しま

した。ポリマーは金属塩水

溶液に溶解するため効率よ

く金属イオンを吸着でき、

吸着量増加に伴

いポリマーが沈

殿し、ろ過操作

により簡便に分

離できることを

明らかにしまし

た。例えば、パ

ラジウム回収

の場合、ポリマー1gに

対して0.5〜1.25g捕集で

きる高回収能を示します。

さらに金属を吸着したポ

リマーの有効利用として、

炭素-

炭素結合カップリ

ング反応において、1原

子のパラジウムイオンが

2 700 000以上の

生成物を与える高活性高分

子触媒の開発、及び金イオ

ン吸着を利用したナノオー

ダー繊維状ゲルの簡便合成

法を開発しました。

 

このような環境で研究を

遂行できましたのは、ご指

導頂いております先生方、

学生の研究力が大きく、私

一人では到底できるもので

はありません。この度の横

山科学技術賞受賞者の名前

に恥じないよう、教育研究

を通じて群馬大学および社

会の発展に貢献して参る所

存であります。今後とも、

より一層のご指導ご鞭撻を

賜りますよう、宜しくお願

い申し上げます。

(分子科学部門 

助教 

永井大介)

精密重合化学を基盤とした環境調整型

および金属複合ナノ材料の創製

分子科学部門 助教 永井

大介

横山科学技術賞を受賞

「マイクロナノデバイスとそのバイオ・医療・光・環境応用」知能機械創製部門 准教授  鈴

すずき

木 孝たかあき

明 2015 年度 4月1日付で知能機械創製部門インテリジェントシステム分野第 1研究室に准教授として着任致しました。 1994 年に群馬大学工学部機械システム工学科に入学し、同大学院修士課程を 2000 年に修了後、京都大学にて学位を取得、その後、京都大学・助教、香川大学・准教授の勤務を経て、15 年ぶりに故郷の母校に参りました。主とする研究テーマは、マイクロナノデバイスとそのバイオ・医療・光・環境応用です。半導体製造技術を基盤する3次元微細加工技術で実現する非常に小さな機械「マイクロナノデバイス」の開発を通して、高速遺伝子診断システム、細胞精密操作デバイス、超小型光走査デバイス、微小エネルギーを利用した環境発電などの応用展開をハードとソフトの両面で行っています。 群馬大学学生の間は、長屋幸助先生の研究室で、振動解析・振動制御・メカトロニクスなどの研究でご指導を賜りました。当時を振り返りますと、長屋先生は面白いと思われた研究に次々に取り組み、なによりご自身が率先して楽しまれていたのではないかと拝察致しております。また、私自身もその姿勢に感銘を受け、ここまできたのかもしれないと、いま考えております。是非、これから同窓生となる群馬大学学生にも、同じ気持ちを感じてもらえるように、真摯に研究・教育に取り組んで参りたいと考えております。 生まれも育ちも群馬の身で、創立 100 周年の記念の年に母校で研究と教育に携われることを非常に嬉しく思うとともに、粛然として襟を正して参る所存です。何卒ご指導とご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 2015年 9月1日付で理工学基盤部門に助教として着任を致しました宮崎隆史と申します。2012年に首都大学東京大学院で博士(理学)を取得後に、日本学術振興会特別研究員PDとして、首都大学東京、日本大学を経て、現職に至ります。私の研究分野は、様々な方程式の整数解を扱う不定方程式論です。特に、有名なフェルマーの最終定理で扱われた様な累乗数に関連する方程式に興味を持っています。フェルマー予想が証明された後、その様々な類似・一般化問題が現在でも活発に研究されていますが、中でも「二つの累乗数の和が再び累乗数になる現象を完全に記述する」という一つの難しい問題があり、これをいつか解決したい、というのが数学における私の夢です。群馬大学では、これまで私の研究において主な対象であった指数型不定方程式の研究をさらに推し進めることに加えて、より一般的な不定方程式の解構造を記述する理論の創生を目指し研究を行う所存です。また、講義を中心とする教育に関しては、これまでに行ってきた非常勤講師等で培ってきた経験を生かし、さらなる工夫を織り交ぜながら真摯に取り組んでいきたいと考えております。どうぞご指導とご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

多項式や指数関数で表される方程式の整数解の構造の研究理工学基盤部門 助教  宮

みやざき

崎 隆たかふみ

史 2016 年 2月より大学院理工学府の助教として着任いたしました江田 廉と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。私は2014 年 3月に東京農工大学生物システム応用科学府の博士後期課程を修了し、医療超音波を専門に研究してきました。学位取得後は富山大学、東北大学にて特任助教等で勤務してきました。研究では、医療診断に使用されるマイクロバブル(微小気泡)を遺伝子導入や薬剤送達に応用する超音波治療に関する基礎研究を行っています。このシステムが実現することで治療効率の向上や副作用の軽減につながることが期待され、本学でもこれまでに培ってきた超音波に関する経験を活かし、医工連携による新規診断治療法の開発に携わっていきます。 依然として医療に対する超音波の秘めている可能性は非常に大きく、本学においても超音波を用いた研究に携われることになり、うれしく思っています。また、群馬大学の学生と関わってまだ間もないですが、多くの学生が研究に対しての熱意を持っているように見受けられ、こちらも刺激を受けます。群馬は初めての土地で不慣れな部分もありますが、諸先輩方を見習い、本学における研究活動の活性化に一層尽力したいと思います。また、微力ではございますが、教育を通じて地域社会の発展に貢献して参りたいと思います。至らぬ点も多々あるかと存じますが、今後とも皆様方には、ご指導・ご鞭撻を賜りたく存じます。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

医工連携による新規診断・治療法の創出に向けて電子情報部門 助教  江

こうだ

田 廉れん

 2015 年 4月1日付で群馬大学大学院理工学府分子科学部門に准教授として着任しました、高橋剛と申します。私は、2011 年1月に群馬大学先端科学研究指導者育成ユニットの准教授として着任し、約 4年間群馬大学で研究活動を行ってきました。研究は主に、ペプチド・タンパク質を中心とした生物有機化学・化学生物学を行っています。高齢化社会における問題として、認知症患者の増加がありますが、認知症の約半数を占めるといわれているのがアルツハイマー病です。アルツハイマー病は、アミロイドβと呼ばれるペプチドの凝集体形成が発症に関与していると考えられています。これまでに、アミロイドβに作用する人工ペプチドやタンパク質の構築を行ってきました。これをさらに発展させ、アルツハイマー病の早期診断法の開発などを目指していきたいと考えています。また、アルツハイマー病だけでなく、がんや糖尿病などの発症に関与するタンパク質を標的とした研究も展開しています。特に、未解明の細胞内タンパク質間相互作用ネットワークに焦点を当て、創薬の標的となり得る、新たな標的タンパク質の開拓などを進めていきたいと考えています。 これまでは、先端科学研究指導者育成ユニット所属として、学生の教育を行ってきましたが、これからは理工学府所属の教員として、さらに教育活動にも力を入れて行く所存です。どうかよろしくお願いいたします。

疾患関連タンパク質を標的とした機能性分子の創製と応用分子科学部門 准教授  高

たかはし

橋 剛つよし

歴代受賞者 ※役職は、受賞時のものです。

,

,

(分子科学部門 

一日体験化学

教室実行委員 

上原 

宏樹)

群馬大学理工学部ニュース第227号 平成28年3月23日 (10)

Page 11: (1) 平成28年3月23日 群馬大学理工学部ニュース 理工学部 …€¦ · 大村先生ご自身はろが有るのではないかと思ても、大いに頷かれるとこ

第19回横

津実行委員長からは、桐生

の織都1300年を記念し

て作られた現代のからくり

人形、機を織る「白瀧姫

がえびす講にお披露目さ

れる新聞記事の連絡をいた

だいていた。11月、当時展

示されていた市民活動セン

ター「ゆい」に行き、作者

の佐藤卓巳さんに

アースデイ

in

桐生

2015の参加を

お願いしたところ、

快く受けて下さり、

打ち合わせを順次

進めていた。

 

2月のある日、

「大変なものが出て

きたのですよ!」

と興奮した佐藤さ

んの声。それは今

までで発見されて

いる中で一番古い

 

アースデイ

in

桐生とし

て、第10回に当たる年、そ

れは工学部創立100周

年の年でもあり関連行事も

念頭に入れ、実行委員会

はいつもより2か月早い

2014年10月から動き始

めた。開催日は、平成27年

4月19日(日)に決定。根

からくり人形、大正5年4

月に21日間開催されてい

た「天満宮御開帳」に奉納

されたからくり芝居「戻り

橋」の2体の人形、渡辺綱

と鬼女であった。大正5年

4月は工学部の前身、桐生

高等染織学校1回生の入学

が行われた月であり、人形

は、卒業生でもある元筑波

大学教授、ロボット博士と

呼ばれていて、今はからく

り人形の研究をされている

松島皓三氏のご尊父様のも

ので、発見場所はご実家。

 

そんな鳥肌の立つような

ことがあり100年前と現

代のからくり人形芝居を来

場者にお見せすることがで

きた。また、いろいろな方

のご協力で足尾鉄道のジオ

ラマや博物館しかない大正

3年に開通した歴史的資料

の展示もしていただけた。

このように、毎年書ききれ

ないたくさんのドラマが展

開している。

 

平成27年は、来場者数

3 300人、スタッフ

は500人、参加協力団

体は92の大きな環境教育イ

ベントを皆様のお陰で行う

ことができ、大変ありがた

く思っている。

 

すでに次回第11回の準備

は進んでいる。環境、地域

活性、学術文化の継承も含

めたイベントに更に発展で

きるよう、実行委員は参加

団体やボランティアの皆様

とともに協力していきたい

と思う。

 

どうぞ、今後もよろしく

お願い致します。

(アースディin桐生事務局 

石島 

悦子)

 

電子情報部門の砂口尚

輝助教が計測自動制御学

会(SICE)におい

て、

2015年度学術奨励

賞(技術奨励賞)を受賞し

た。本賞はその年に開催さ

れる計測自動制御学会の全

ての講演会で発表された題

目・35歳以下の発表者を対

象とし、優れた実用技術研

究発表に対して贈呈される

ものである。本年度は5名

贈呈されている。本研究で

は、位相コントラストX

線CT(PCCT)の

測定時間・被曝量削減に繋

がる投影削減に関するCT

再構成アルゴリズムを提案

している。PCCTは

従来の吸収コントラストC

Tに比べ生体軟部組織の描

出能が飛躍的に高いことか

ら、次世代のCT撮像法と

して注目されてきた。しか

しながら、PCCTの撮

像には、光学系の撮像条件

を変えて数回の露光を必要

とするため、長い撮像時間

を要するという課題があっ

た。本手法では、「ラプラ

シアン化されたPCCT

(Δδ)のラドン変換が2

階微分投影となる」という

ことを利用している。Δδ

はδと比べて十分に平坦な

テクスチャを持つことに着

目し、

Δδに基づくTotal Variation

正則化CT再構

成アルゴリズムを開発し、

投影削減に対して非常に有

効であることを示した。

 

近年、位相コントラスト・

イメージングは乳房内の腫

瘍を明瞭に描出できること

で注目を集めており、少数

投影からPCCTを再

構成できる本手法は将来の

マンモグラフィーや病理診

断などで活用される可能性

を持っている。

(電子情報部門 

広報委員)

2015年度計測自動制御学会(SICE)⦆学術奨励賞(技術奨励賞)を受賞電子情報部門 助教 砂口 尚輝

平成27年11月13日、桐生商工会議所(群馬 ■第19回(平成27年度)授与式

新任教員紹介

 2015年1月1日付で大学院理工学府附属元素科学国際教育研究センターに准教授として着任致しました、エムデイ ザキール ホサインと申します。私はバングラデシュ出身で、ダッカ大学で理学士と理学修士課程を修了し、シャジャラル科学技術大学に勤務の後、文部科学省奨学金を受け来日しました。2002年3月に京都大学大学院理学研究科にて博士(化学)を取得し、東京大学物性研究所、理化学研究所、米国のノースウェスタン大学を経て、2011年3月からテニュアトラック助教として群馬大学に着任し、現職に至ります。 固体表面上の特異性への理解とその制御は、科学技術の進歩のために非常に重要な課題です。私は京都大学の博士課程時に表面化学への興味を持ち、それ以来、表面化学の研究に精力的に取り組んでいます。現在シリコンおよびグラフェンを材料として研究を行っています。グラフェンは、炭素原子 1層のハニカム格子であり、物理的電子的に、他の物質には無い非常にユニークな性質を示すものです。世界中の多くの研究者が、高速で薄いフレキシブルな電子デバイス開発の観点から、シリコンを超える材料として注目しています。しかし、グラフェンをベースとしたエレクトロニクス実現のためには、グラフェンの電子的性質を制御することが解決すべき大きな課題となっています。私はグラフェンの電子物性を制御したり、より機能化したりするために、グラフェンの化学修飾の研究をしており、最近グラフェンを可逆的に酸化したり有機分子によって機能化する新しい方法を開発しました。より具体的には、水素終端 Si 表面上での連鎖反応による様々な1次元単分子列の形成および成長の制御に成功しました。 今後も私は群馬大学で日本の科学技術発展のために自分の知識や能力を用いて、よりインパクトの高い研究をしていきたいと考えています。皆様ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。

「固体表面上での原子レベルで制御された化学反応」―高性能エレクトロニクスデバイスへの一歩 ―大学院理工学府附属元素科学国際教育研究センター 准教授  エムデイ ザキール ホサイン

学生の尽力によるものと改

めて感じております。この

場をお借りし、深く感謝申

し上げます。

 

受賞対象となりました研

究は、「新世代フォトニッ

クデバイス創製に向けた発

光材料/プロセス開発の総

合研究」で、主に酸化タン

タル系新規発光材料の開拓

と、その発光特性の改善の

ための微細加工プロセスの

開発に関する内容となって

おります。酸化タンタルは、

光ファイバ通信用波長選

択フィルタなどの多層膜型

 

名誉ある横山科学技術賞

を授与いただき、大変光栄

に存じます。本賞の設置者

であられます横山亮次先生

をはじめ、選考委員長の大

塚榮子先生、選考委員の先

生方、関係者の皆様に心よ

りお礼を申し上げます。ま

た、このたびの受賞は、先

輩方のご指導と、研究室の

光学素子に多用されている

高屈折率材料ですが、発光

材料としての応用はほとん

ど報告されていませんでし

た。ところが、スパッタ法

と呼ばれる薄膜形成法で作

製された酸化タンタル薄膜

が、適切な熱処理後、青色

に発光することがわかり、

これをきっかけに、酸化タ

ンタル系発光材料の研究に

着手しました。その後、希

土類酸化物と酸化タンタル

を同時スパッタする簡便な

手法を提案し、様々な希土

類がドープされた酸化タン

タル薄膜を作製す

ることに成功しま

した。それらの薄

膜からは、可視発

光や近赤外発光な

ど、多様な発光を

得ることができま

す。一方で、この

ような発光材料の

内部で発生した光の外部へ

の取り出し効率は、その材

料の表面への微細周期構造

の加工もしくは付与によっ

て大きく改善できることが

知られています。そこで、

干渉露光法とリフトオフ法

と呼ばれる2つの微細加工

技術を組み合わせた簡便な

手法で、発光材料の表面に

微細周期構造を形成したと

ころ、観測される発光強度

を約5倍に改善することに

成功しました。これらの成

果は、ディスプレイや照明

用の発光体への応用だけで

なく、将来的には太陽電池

の高効率化技術にもつなが

る可能性を秘めています。

さらに、生体透過率が高い

近赤外発光を積極的に利用

すれば、放射線治療など医

療分野への展開も期待でき

ます。現在は、本学の重点

プロジェクトの一つであり

ます医理工連携の分野へと

発展させるべく、研究に取

り組んでおります。

 

最後になりましたが、こ

のたびの受賞を励みに、群

馬大学と社会の発展に少し

でも貢献できるよう、より

一層の努力を重ねてまいり

ます。今後とも、ご指導、

ご鞭撻のほど、よろしくお

願い申し上げます。

(電子情報部門 

准教授 

三浦 

健太)

新世代フォトニックデバイス創製に向けた発光材料/

プロセス開発の総合研究

電子情報部門

 准教授

 三浦

 健太

 大学院理工学府分子科学部門の桒原正靖准教授と大学院医学系研究科病態制御内科学の山田正信教授らとの共同研究企画が日本医療研究開発機構(AMED)の革新的バイオ医薬品創出基盤技術開発事業に採択されました。 ゼノ核酸アプタマー創薬基盤技術の開発が、2015年 10月から2018年度までの計画で実施されます。 (URL:⦆http://www.i-biomed.jp/subject/2015/)

大学院理工学府・生命分子創製化学の研究チーム(左)と大学院医学研究科・病態制御内科学の研究チーム(右)

分子科学部門 准教授  桒原 正靖

 2016 年2月1日付で大学院理工学府知能機械創製部門に助教として着任しました、小木津武樹と申します。2013 年に慶應義塾大学大学院にて博士課程を修了したのち、東京理科大学理工学部機械工学科の助教として2016 年1月まで務め、現在に至ります。 研究では、自動車交通システムの更なる安全化、効率化を目指し、新たなカー ・ロボティクス技術の開拓に力を入れています。近年では、カーメーカーや一部の情報系企業が自動運転システムの実用化に向けて研究開発を活発に行っております。その中で小職は自動車を、他の自動車、道路、あるいは歩行者と、通信を介して制御レベルで協調・連携させることで、他の手法よりも安全性・効率性を向上させる技術的知見を蓄積してきました。今後は、上記の研究を加速させながら、群馬大学という新たな環境で得られる他領域の知見を吸収し、自身の研究領域として融合・発展させることにも挑戦していく所存です。 今後の教育活動は、これまでの東京理科大学での経験を活かしながら、学生一人一人の立場に立って、各々の将来に活かせるように、真摯に取り組みたいと考えております。 小職は研究・教育ともに未熟の身でありますが、群馬大学の発展に貢献できるよう、少しでも早く成長していきたいと考えております。皆様方のご指導とご鞭撻をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

安全で効率的な自動車交通に向けたカー・ロボティクス技術の研究知能機械創製部門 助教  小

お ぎ つ

木津 武たけ き

樹 2015 年 4月1日付で電子情報部門助教に着任いたしました宮田洋行と申します。 2012 年 3月に東京大学大学院情報理工学研究科で学位を取得後、東北大学大学院情報科学研究科に 3年間勤務しておりました。 研究に関しては、情報科学と数学の境界に興味があり、特に凸多面体のさらなる理解を目指して研究を行っております。古代ギリシャ時代から、(3 次元 ) 正多面体がちょうど5種類存在することが知られていたように、凸多面体は古くから研究されており、化学や建築、情報科学などさまざまな分野と深い関連があります。高次元の凸多面体が考えられ始めたのは比較的最近 (1850年代 )で、それらは情報科学で大きな役割を果たしています。例えば、さまざまな最適化問題に対し、関連する凸多面体の構造を調べることで、その問題の効率の良いアルゴリズムを設計するというアプローチが大きな成功を収めています。また、オペレーションズ・リサーチ等で幅広く用いられている線形計画問題のさらなる理解には凸多面体のさらなる理解が必要となっています。 凸多面体の研究では、しばしば重要な問題が可換代数や代数幾何等の深い数学を用いて解決されており、純粋数学としても極めて興味深い研究対象です。 今後は、凸多面体の研究を基軸としつつも、視野を広く持って、幅広く情報科学やそれと関連する数学の研究に挑戦していきたいと考えております。教育に関しては、学生と近い立場で、研究やその他いろいろなことに学生とともに挑戦し、共に成長していきたいと考えております。 皆様のご指導とご鞭撻の程どうぞよろしくお願い申し上げます。

新任教員挨拶凸多面体の数学的・情報科学的研究電子情報部門 助教  宮

みやた

田 洋ひろゆき

・電子情報部門准教授 三浦 健太 博士(工学)研究題目:「新世代フォトニックデバイス創製に向     けた発光材料 /プロセス開発の総合研究・分子科学部門助教 永井 大介 博士(工学)研究題目:「精密重合化学を基盤とした環境調整型     および金属複合ナノ材料の創製」

(分子科学部門 広報委員)

工学部創立100周年と第10回アースデイ in 桐生-

,

アースデイ in 桐生2015 開催

アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア スススススススススススススデデデデデデデデデデデデデデデイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ 桐桐生生生生生ア スデイ iin 桐桐アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーースススススススススススススススススススデデデデデデデデデデデデデデデデデデイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ iiiiiiiiiiiinnnnnnn 桐桐桐桐桐桐桐桐桐桐桐桐桐生生生生生生生生生生生生222200000000000000000000111111115 2222222222222222000000000000000000000111111111111111115555555555555555 開開開開開開開開開開催催催催催催催催催催催

国立研究開発法人 日本医療研究開発機構革新的バイオ医薬品創出基盤技術開発事業に採択

群馬大学理工学部ニュース 第227号(11) 平成28年3月23日

Page 12: (1) 平成28年3月23日 群馬大学理工学部ニュース 理工学部 …€¦ · 大村先生ご自身はろが有るのではないかと思ても、大いに頷かれるとこ

 

平成27年7月12日(日曜)

に、桐生キャンパスを会場

として、第4回一日体験機

械教室 

機械の学校を開催

した。知的好奇心をくすぐ

るようなレベルで、近隣の

高校生に、大学の施設、実

験装置を使った世界最先端

を感じさせることの出来る

実験などをしてもらい、機

械工学の楽しさ・面白さを

体験してもらう企画であ

る。群馬大学大学院理工学

 

産・学・官の連携を深め

ることを目的とした、理工

学部主催による企業懇談会

を8月27日(木)に開催し

た。今年も、就職関連情報

交換会を1部制として、桐

生キャンパスでの開催とな

りました。今回で29回目を

迎えた本懇談会は、学外来

場機関数・来場者数として

211機関・275名の来

場が記録され、昨と比べる

と減少しており、就職活動

スケジュールの遅れによる

影響も考えられる。

 

平成27年7月19日(日)

に、群馬大学太田キャンパ

スにおいて、小中高校生向

けイベントメカメカフェア

2015が開催された。メ

カメカフェアは、群馬県内

 

平成27年7月18日(土)

の午前10:00〜11:45に、

群馬大学桐生キャンパス6

号館2階で、小学校4〜6

年生34名を対象に地域イベ

ントを行った。

 

今回のイベントでは、い

わゆるソートアルゴリズム

を小学生に考えてもらう、

というものである。ソート

とは、[

入力]

として数字の

列が与えられ、[

出力]

とし

て昇順に数字の列を並べ替

えるということで、ソート

アルゴリズムとはその並べ

替えの手順のことである。

具体的には次のようなゲー

ムを作成し参加者に遊んで

もらった。

 

1列に並んだ5〜11個

の、中に数字が入っている

箱があり、中の数字が昇順

になるように箱を並び替え

るゲームである。序盤は全

ての箱の中の数字が見えて

いるが、途中から中の数

字の見えない箱が登場し、

徐々にその割合が増え終盤

では全ての箱で中の数字が

見えない状態となる。この

ゲームには天秤が用意され

ており、それを使うことに

より2つの箱の(中の数字

の)大小関係を知ることが

できる。すべて数字が見え

ない状態では頼れるのは天

秤しかなく、どのような箱

のペアに対し天秤を繰り返

し適用すればよいかを考え

ることになる。

 

内容が内容だけに、アン

年度も予算執行の全面委

託、司会と子供向け親睦タ

イム(アイスブレイク)な

ど多岐に渡りサポートして

いただいた。

 

開催日は、平成27年8月

18日(火)13時〜16時30

分、開催テーマは「エコ!

紙をすいてハガキをつくろ

う」「葉脈標本を作ろう」「ホ

バークラフトをつくろう」

「歩くおもちゃ!」「パソコ

ンの分解と組み立て体験」

「永久コマ」の6テーマと

して、桐生市、みどり市の

小学校(4・5・6年生)を

対象として募集を行った。

募集人数95名のところ、桐

生市やみどり市以外の県内

の地域および県外の足利市

などから、106名の応募

があり、抽選により参加者

を確定した。

 

当日は猛暑日だったが、

 

群馬大学理工学系技術部

では、技術職員の業務で得

た技術と知識を活かし、地

域の子供たちに科学への興

味と楽しさ、そして身近

な大学を知ってもらう事

を目的として、今年度も

「2015ぐんだいで遊ぼ

う!ものつくり体験・おも

しろ探検」を開催した。

 

2013年度から独立行

政法人国立赤城青少年交流

の家との共同開催とし、今

府(知能機械創製部門)と

(一社)日本機械学会関東

支部(群馬ブロック)の共

催,群馬大学

研究・産業連

携戦略推進機構

機器分析

センターの協力で、知能機

械創製部門の8研究室から

8つのテーマを設け、各研

究室の研究設備を利用して

高校生に分かり易く機械工

学の体験・実験をしていた

だいた。

 

テーマは、(1)エンジン、

(2)液体の力学的挙

動、(3)ロボット、

(4)ジェスチャ認識、

(5)超伝導浮上、(6)

鉄鋼材料の強度、(7)

機械振動、(8)ジェッ

ト騒音、であり、高

校生が興味を頂き易

いテーマとしている。

各テーマの実施前後

には、同窓記念会館

にて入学式・卒業式

を実施し、卒業式で

は受講生に部門長よ

り卒業証書の授与もなされ

た。21名の高校生の参加が

あり、午前・午後に別テー

マを受講した高校生のべで

26名の参加となった。実施

後のアンケート結果でも、

全員が非常に満足もしくは

やや満足、95%以上の参加

者がまた参加したいと回答

しており、さらに自由回答

では、体験内容への興味や

満足度のほか、大学の研究

設備を見るだけでなく実際

使用できたことへの感動

や、大学教員や学生が分か

り易く説明し質問に答えて

くれたことへの好感、また

機械工学への興味がそそら

れた、将来の進路選択にと

ても役立ったなどの回答が

みられ、参加者の満足度が

高かったことが伺えた。

(知能機械創製部門 

丸山真一)

全体の会の流れとしては、

会場は大講義室で全体会

を、総合研究棟で研究発表

等と就職関連情報交換会を

行った。

 

全体会は、窪田健二・理

事による開催者挨拶、亀

山豊文・桐生市長による来

賓挨拶の後、篠塚和夫・理

工学部長により理工学部の

取組み等についての説明を

行った。最後に石間経章・

理工学部広報委員長により

諸連絡を行った。

 

分科会は、研究等発表

会場として4

階に集結させ、

就職関連情報

交換会場を3、

5階にて行っ

た。今年も、

企業合同説明

会の説明をプ

レゼン発表(2

回)として行っ

たが、参加者

が多かったの

で、来年度で

は全大会での

説明とする等

の検討をする

必要がある。そして今年も

地域との連携を深めること

を目的として、群馬県産業

技術センターの研究発表参

加を依頼し、概ね好評のよ

うであったので来年以降も

継続して交流を深めたい。

最後に工学部会館1階食堂

にて連携推進交流会を設定

し、87名(内、学外42名)

の参加があり、企業と教員

の情報交換・懇親を深める

ことができたと思える。

(産学官推進戦略室 

小暮広行)

 「群馬ちびっこ大学」は、

本学主催の地域貢献推進

事業「こども体験教室」と

して、主に小・中学生を対

象に平成17年度より実施さ

れており、今回で11回目の

開催となった。高崎駅東口

のヤマダ電機LABI

1高崎の4階のイベント

の小中高校生を対象に、機

械、科学および技術の楽し

さを体験してもらうことを

主旨として、(一社)日本

機械学会関東支部(群馬ブ

ロック)が主催し、群馬大

学大学院理工学府(知能機

械創製部門)、こうがくク

ラブが後援する形態で、毎

年開催しているイベントで

あり、本年で22回目を迎え

た。

 

本年度は、株式会社ミツ

バ、株式会社シンクトゥ

ギャザー、新潟原動機株式

会社、ホンダ学園、群馬自

動車大学校、群馬工業高等

専門学校、群馬大学次世

代EV研究会、群馬大

学大学院理工学府知能機械

創製部門から計10件の出展

があった。内容としては、

EVカーの試乗

(3件)、EVバ

スの試乗、船の

模型の展示、様々

な高機能で面白

い自転車の試乗、

燃料電池自動車

の展示、空気や

液体に関する科

学実験、様々な

材質のタイヤを

用いたウィンド

カー走行の実験、

熱の力を体験できる装置、

などの展示・実演のほかに、

流体力学を応用したブーメ

ランの工作教室、など様々

であった。

 

当日は快晴で暑い日で

あったが、多くの家族連れ

でにぎわい、参加者数は

634名と盛況であった。

子供たちは目をキラキラと

させて、展示物に見入った

り意外な動きにびっくりし

たりしながら、展示スタッ

フの教員や大学生・大学院

生に熱心に質問する様子も

見受けられた。本質的に子

供たちは動くものやメカ

(機械)が好きな様子であ

り、その興味をさらに引き

出し、理科や技術に対する

関心を高めることができた

ものと考えられ、当フェア

の開催目的は十分達成でき

たものと考えられる。

 

最後に、助成ならびに後

援をいただいた各団体、出

展者の皆様、当イベントの

事前準備から当日の運営に

ご協力いただいた群馬大

学、こうがくクラブ、群馬

大学大学院理工学府知能機

械創製部門の教職員、学生

諸君および関係各位のご協

力に感謝の意を表します。

(知能機械創製部門 

広報委員)

ケート結果では8割弱の参

加者が難しかったと答えて

いる。一方で9割強の参加

者がこのゲームは楽しいと

答えてくれた。

 

このような地域イベント

は毎年行い10年以上続けて

いるが、毎回小学生のポテ

ンシャルの高さを感じさせ

られる。ポテンシャルの高

さとは、我々が思う以上に

小学生は高いレベルのこと

が出来るということであ

る。今回のイベントを例

にこのことを説明したい。

ソートアルゴリズムは大学

(もしくは高校)で学ぶの

が一般的で、小学生が学ぶ

には無理があると考えられ

ている。これには幾つか理

由が考えられる。一つは、

アルゴリズムを表現する、

すなわち並べ替えの手順を

記述する必要があるが、通

常それはプログラムを記述

することで行われ、それを

小学生に期待することは難

しいからである。これは、

例えるなら、作曲をするた

めに楽譜の読み書きが出来

なければならないというこ

とである。もう一つは、ソー

トアルゴリズムは小学生に

は難しすぎる内容と考えら

れている点である。ただし

一部の研究者は、ソートア

ルゴリズムでバブルソート

と呼ばれるような簡単なも

のなら高校生や中学生でも

理解できるであろうと主張

している。ここでバブル

ソートとは、隣り合う数字

(箱)のペアを大小関係に

従い入れ換えを行い、この

操作をペアをずらしながら

必要な回数繰り返す方法で

ある。

 

今回のイベントでは、小

学生に実際に並べ替え作業

を行ってもらうようにした

が、これは例えるなら、並

べ替えゲームという楽器を

使って、並べ替え作業とい

う作曲を行ってもらうとい

うことである。この並べ替

えゲームのプレイログを解

析したところ、驚くべきこ

とに、ソートアルゴリズム

を教える前の段階で、す

でに参加者の約1/4が単

純なソートアルゴリズムに

従った並べ替えをしている

ことがわかった。つまり試

行錯誤の末に、約1/4の

参加者が単純なソートアル

ゴリズムを【発見】したこ

とを意味する。さらにソー

トアルゴリズムを教えた後

では、約7割の参加者がバ

ブルソートを理解してい

た。つまりソートアルゴリ

ズムの説明を理解し、約7

割の参加者がバブルソート

を【学習】したことを意味

する。

 

参加児童の将来が楽しみ

であり、また今回を通じて

アルゴリズムやプログラミ

ングに興味を持ってもらえ

れば幸いである。

(電子情報部門 

山﨑 

浩一)

スペース(LABI

Gate)を会場とし

て8月7日(金)から8

月10日(月)の4日間の

日程で実施され、合計で

6 287名の来場が

あった。

 

出展は、理工学部をはじ

めとする本学の各部局、サ

イエンスインストラクター

の会、日本原子力研究開発

機構高崎量子応用研究所に

より行われた。会期の前半

(8月7日、8日)、後半(8

月9日、10日)でテーマを

入れ替え、前半17テーマ、

後半13テーマの実験・展示

ブースを設けた。

 

理工学部からは合計11

テーマ(「みんなで作ろう

入浴剤」、「プルプル

スラ

イム」、「DNAの模型ス

トラップを作ろう!」、「ミ

クロすごい」、「ビー玉にう

つる小さな世界」、「ボール

チェーンの不思議な動き」、

「☆キラキラ回るカレイド

スコープ☆」、「簡単!!顕微

鏡を作ろう。」、「タッチで

遊ぼう」、「まわるまわる工

作」、「光の色ってどんな色

♪」)が出展され、身近な

物を使った実験や、記念に

完成品を持ち帰ることもで

きる工作などを、子供たち

に楽しみながら体験しても

らった。今回は、多くの地

域貢献活動の実績がある理

工学系技術部からも出展が

あり、まさに理工学部が一

丸となってこのイベントに

取り組んだ。

 

来場者へのアンケートの

結果、次回以降も来場した

いと回答した人が93%と

高い割合を占め、来場者の

満足度が高かったことがう

かがえる。子供たちに学問

の面白さを実感してもらえ

たものと考えている。この

ような体験学習の場を通

じ、将来の科学技術の発展

を担うような人材が育って

いくことを熱望する。

(電子情報部門 

三浦 

健太)

科学に興味のある小学生と

保護者らで、主会場である

総合研究棟が賑わい、参加

者は各テーマに分かれて技

術職員の指導の下、ものづ

くりを行い、イベントを楽

しんだようだ。

 

参加者と保護者にそれぞ

れ行ったアンケートを集

計した結果、参加者および

保護者共にイベントを楽し

めたようである。内容につ

いても好評であった。今後

はアンケート結果を参考に

し、テーマの改変、内容を

検討し、より良いイベント

になるように計画して行き

たいと思う。

(理工学系技術部 

近藤良夫)

一日体験機械教室

「機械の学校」

第29回理工学部企業懇談会

平成27年度第22回小中高校生向けイベント「メカメカフェア2015」

アルゴリズムで脳を鍛えよう2015のイベント報告

平成28年3月23日(水) 学位記授与式4月 1日(金) オリエンテーション(全学) ※新入生対象4月 3日(日) 太田キャンパス「桜を観る会」4月 5日(火) 入学式4月 6日(水) オリエンテーション(学部) ※新入生・新2年生対象

4月 8日(金) 前期授業開始4月 10日(日) 桐生キャンパス「しだれ桜を観る会」4月 21日(木)まで 前期履修届提出4月 24日(日) アースデイin桐生2016

2015ぐんだいで遊ぼう!

ものつくり体験・おもしろ探検

色々な面白自転車も登場

光の色ってどんな色♪

簡単!!顕微鏡を作ろう。

行事予定 INFORMATION (3/23以降の予定について)

「群馬ちびっこ大学」第11回こども体験教室

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群馬大学理工学部ニュース第227号 平成28年3月23日 (12)