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- 107 - (イ) 「受」の下に「取」は入り 「受」の左袖口を右手で,左手で左横襟を深く握 「受」の身体を引き出し,右足を「受」の左膝に当て後方へ押すとともに, 左足甲を「受」の 大腿裏に当て,跳ね上げて「受」を左へ横転させる。その勢 いで「受」の上に乗り右手を移し絞める。 (ウ) 学習指導上の留意点 「取」はできるだけ深く手を入れて襟を握るように指導する。 「取」は自分の方に引いたり,体重をかけて絞めるのではなく,頚動脈を圧 迫する向きに手首の力をいれるように指導する。 送り襟絞め 送り襟絞め (ア) 技の説明 「取」は「受」の後ろに左膝を着き位 置し,左手を「受」の左脇の下から入れ て左襟を握って下に引き,右手を「受」 の右肩上から入れて耳の下の頚部に手首 が当たるようにして左横襟を握る。左手 を右横襟上部に持ち替え右後ろに崩しな がら絞める。 (イ) 「取」は馬乗りになり左右の足を大腿の内側へ入れ,両手もそれぞれ脇の下か ら入れ「受」の前襟を握る。両脚で「受」の脚を後方へ押しやり腹這いにする。左 手を「受」の左手首に,右手を「受」の左横襟に移す 「受」の左手首を後方へ 引き,互いにあおむけになり,左手を「受」の右横襟に持ち替えて絞める。 (ウ) 学習指導上の留意点 ①「取」は襟と手に緩みがないようにしてから絞めることを指導する。 ②「受」の後ろに密着して絞め 「受」の脊椎を傷めるような身体を反らせての 絞めはしないように注意する。

(イ)〈練習方法の例〉 「受」の下に「取」は入り「受」の左袖口を右手で,左手で左横襟を深く握… · ら右手を入れて自分の左手首を上から握

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Page 1: (イ)〈練習方法の例〉 「受」の下に「取」は入り「受」の左袖口を右手で,左手で左横襟を深く握… · ら右手を入れて自分の左手首を上から握

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(イ) 〈練習方法の例〉

「受」の下に「取」は入り 「受」の左袖口を右手で,左手で左横襟を深く握,

る 「受」の身体を引き出し,右足を「受」の左膝に当て後方へ押すとともに,。

左足甲を「受」の右大腿裏に当て,跳ね上げて「受」を左へ横転させる。その勢

いで「受」の上に乗り右手を移し絞める。

(ウ) 学習指導上の留意点

① 「取」はできるだけ深く手を入れて襟を握るように指導する。

② 「取」は自分の方に引いたり,体重をかけて絞めるのではなく,頚動脈を圧

迫する向きに手首の力をいれるように指導する。

イ 送り襟絞め 送り襟絞め

(ア) 技の説明

「取」は「受」の後ろに左膝を着き位

置し,左手を「受」の左脇の下から入れ

て左襟を握って下に引き,右手を「受」

の右肩上から入れて耳の下の頚部に手首

が当たるようにして左横襟を握る。左手

を右横襟上部に持ち替え右後ろに崩しな

がら絞める。

(イ) 〈練習方法の例〉

「取」は馬乗りになり左右の足を大腿の内側へ入れ,両手もそれぞれ脇の下か

ら入れ「受」の前襟を握る。両脚で「受」の脚を後方へ押しやり腹這いにする。左

手を「受」の左手首に,右手を「受」の左横襟に移す 「受」の左手首を後方へ。

引き,互いにあおむけになり,左手を「受」の右横襟に持ち替えて絞める。

(ウ) 学習指導上の留意点

①「取」は襟と手に緩みがないようにしてから絞めることを指導する。

②「受」の後ろに密着して絞め 「受」の脊椎を傷めるような身体を反らせての,

絞めはしないように注意する。

Page 2: (イ)〈練習方法の例〉 「受」の下に「取」は入り「受」の左袖口を右手で,左手で左横襟を深く握… · ら右手を入れて自分の左手首を上から握

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「 」 。③ 取 は頚動脈に当てた手の部分が内側へ入るように手首の使い方を指導する

(3) 関節技

関節技は,相手の肘を逆方向に伸ばしたり,捻ったりして極める技である。この技き

を練習する場合は肘関節を傷めるおそれがあるので十分注意する。

ア 腕がらみ

(ア) 技の説明 腕がらみ

「取」は,あおむけの「受」の右横か

ら上体をふせて乗り 「受」の左腕を掌,

が上を向くようにして曲げ,その左手首

を上から左手で握る 「受」の左肘下か。

ら右手を入れて自分の左手首を上から握

る 「受」の左手をその左肩に引きつけ,。

右手で「受」の左肘を押し上げて極める。き

(イ) 〈練習方法の例〉

「取」が抑えようとする 「受」は「取」の右脚を絡み,左手で「取」の右横帯を。

「取」の右腕の上からとり防御する。「取」は「受」の左手を「受」の左肩方向へ身体

を移して離し,左手で「受」の左手首を握り,上体を元の位置にもどしながら極き

める。

(ウ) 学習指導上の留意点

① 「取」は「受」の肘の角度,脇の角度を鋭角にして極めるように指導する。

② 「取」は極める時,「受」が身体を反らさないように,自分の上体又は膝で「受」

の動きを止めることができるようにする。

③ 右腕を「受」の上腕の下に入れて極めると「受」の肩関節を傷めることがあるの

で,肘の下に置くように指導する。

イ 腕ひしぎ十字固め

(ア) 技の説明

「取」はあおむけの「受」の身体の下に右足を入れ,左脚を膝が「受」の首の上に乗

るようにして,「受」の右上腕を両腿で挟む。右足は「受」の右肩甲骨のあたりまで

入れ,腰は「受」の右肩の近くに置く。関節を極める時は「受」の右手親指を上に

して小指の方向へ引き極める。試合などでは両脚を相手の身体の上にして極めるき き

場合もある。