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~ インターネット広告関係者が知っておきたい ~ 測定ハンドブック 2020/7/30 一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA測定指標委員会

~インターネット広告関係者が知っておきたい~ 測定ハンドブック · より第三者による測定が制限されることも多い. プライバシー対応の強化により、第三者によ

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~ インターネット広告関係者が知っておきたい ~

測定ハンドブック

2020/7/30

一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)測定指標委員会

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測定ハンドブック 目次

Ⅰ.インターネット広告測定の誤解と実情1)どうして何種類も指標がある?2)全数とパネル、何が違う?3)ネット広告は正確に測れるのか?4)ネット広告の数値定義ってブレませんよね?5)ビューアブル率はどう見たらいい?6)クリック率って高い方がいい?7)「リーチ」って何ですか?8)オン・オフ統合の時代ですよね?

Ⅱ.各指標の整理1)到達指標2)効果指標3)コスト指標

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『ネット広告って測定が容易で正確』って思っていませんか?即時性と双方向性を持つインターネットの世界では様々なデータの取得が可能です。

広告配信数、広告クリック数、コンテンツ閲覧回数、ワード検索数、資料請求・問い合わせ件数、購入・利用件数など、ユーザーのオンライン上の多種多様な行動履歴を全数でリアルタイムに把握することができます。そして、その大量のデータによって、各種施策の結果と効果を可視化できるだけでなく、高速でPDCAサイクルを回していくことができるようになります。多種多様なデータの取得と活用こそが、インターネット広告が持つ最大のメリットであり、現在の企業のマーケティング活動において必要不可欠な要素となっているのです。

では、そもそもインターネット広告効果は、どこまで測定可能なのでしょうか?全ての事業者が同じ基準で算出されたデータを活用しているのでしょうか?

本ハンドブックでは、広告主や、広告会社の営業担当を含めたインターネット広告に携わる方々が、インターネット広告の発注にあたって聞いておきたい“測定”の重要ポイントをまとめました。ネット広告の効果を示す上で、第三者測定のニーズも求められてきていますが、第三者測定には限界があり、また、単位の定義・指標の意味が異なるケースもあるため、それらを正しく理解することがデータの効果的な活用に繋がります。インターネット広告をより有効活用するための参考資料として、本ハンドブックを活用していただければ幸いです。

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広告配信

インターネットメディアでは、サイトやアプリ内のコンテンツと各ページやアプリに表示される広告は別々に管理されている。ユーザーからのリクエストに応じて、コンテンツはメディアが管理するサーバーからブラウザーやアプリに配信される。表示されたページ・アプリの広告枠に対しては、自社以外の第三者からも配信を受け付けているメディアもあり、必ずしもメディア側が全ての広告を管理しているわけではない。

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広告配信の仕組み

広告リクエストコンテンツリクエスト

A社が自社のアドサーバーから自社のメディアへ広告を配信。

⇒1stPartyによる配信

B社のアドサーバーからA社のメディアへ広告を配信。

⇒3rdPartyによる配信(第三者配信)

A社メディア

AD

AD

AD

AD

A社アプリ

A社コンテンツサーバー A社アドサーバー(1stParty)

B社アドサーバー(3rdParty)

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インターネット広告ってどこに出稿される?

広告入稿 PC

スマートデバイス

ブラウザー上の広告

ブラウザー上の広告

スマートデバイス上のアプリ

アプリ内広告

インターネット広告は色々なデバイス、色々な形態でユーザーに届く。さらに、インターネット広告はデバイス、形態の違いによって、測定方法も異なる。

アドサーバー

※ブラウザー上の広告とはインターネットサイトに表示される広告のことであり、Web広告、サイト広告など、様々表記される。

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各指標測定方法ディスプレイ広告 ビデオ広告

指標 対象 測定方法 ブラウザー(PC/SD) アプリ ブラウザー

(PC/SD) アプリ

配信量 全数 Imp計測 タグ設定 タグ設定 タグ設定 SDK設定

視認(到達) 全数 Viewable-imp計測*1 タグ設定 タグ(&SDK)

設定 タグ設定 SDK設定

広告Reach 全数/パネル 広告接触判定*2 タグ設定 タグ(&SDK)

設定 タグ設定 SDK設定

広告認知率 パネル 広告認知率調査 アンケート アンケート アンケート アンケート

意識態度変容 パネル ブランドリフト

調査 アンケート アンケート アンケート アンケート

クリック 全数 クリック計測 タグ設定 タグ設定 タグ設定 タグ設定

CV 全数 CV計測 タグ設定 タグ設定 タグ設定 タグ設定*1 JAVAスクリプトタグで計測*2 パネル判定において、ブラウザーはCookie、アプリはモバイル広告識別子(AAID/IDFA)を使用※SD;スマートデバイス(スマートフォン、タブレットなど)※上記は第三者測定(3rdParty)を行う場合の方法であり、1stPartyによる測定は上記と異なる。

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Ⅰ.インターネット広告測定の誤解と実情

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1)どうして何種類も指標がある?• マーケティングファネルそれぞれのステージで指標が存在。• 広告の目的や測定の難易度によって重視する指標は異なる(=適切なKPIの設定が必要)。

リピートファン化

購入

出稿

到達

認知

興味関心

購入意向

到達指標

効果指標

出稿(配信): インプレッション(imp)到 達 : ビューアブルインプレッション、リーチ、フリークエンシー

認 知 : 広告認知率

興味関心 : クリック、検索、サイト閲覧、ブランド認知、商品興味関心

購入意向 : クリック、コンバージョン、商品購入・利用意向

購 入 : 購入・利用経験、コンバージョン

リピート : 購入・利用頻度、LTV*

ファン化 : シェア、いいね、好意、継続購入・利用意向、推奨意向

※LTVとはLife Time Value(ライフ・タイム・バリュー)の略であり、1人の顧客が取引を開始してから終了するまでの間にもたらす利益のこと。

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2)全数とパネル、何が違う?全数データ パネルデータ

全数から抽出

測定タグ(測定用のプログラム)などによって、全てのログデータを取得。

全数の中から、特定の手法を通じてユーザーを集め、データを取得。(無作為抽出、オンラインモニター、学生パネルなど)

※ タグとは、ブラウザー上で命令を実行させるプログラムであり、Webサイトを構成通りに表示させたり、アクセス数やクリック数のカウントを行ったりする際に設定される。

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2)全数とパネル、何が違う?• 全数調査では実際の行動を確認する上で有益な情報の取得が可能。• パネル調査では人ベースの分析と意識の深堀が可能。• 目的によって全数調査・パネル調査を使い分けることが重要。

全数調査;大量データによる行動把握 パネル調査;意識・態度変容把握

概要インプレッション数やクリック数など、測定対象すべての測定データの収集を目指す手法です。量的な効果を測定するときに採用される。

意図的に集められたユーザー(調査パネル)に対して測定データの収集、アンケートによる意識・態度変容など、量的・質的効果を測定するデータ収集方法です。コスト・技術・測定許諾などの要因により、全数調査の実施が困難な場合にも採用される。

メリット

測定タグ(測定用のプログラム)を設定することで測定が可能であり、誰でも容易に測定が可能。

インプレッション数のみならず、リーチ、フリークエンシーなどの到達指標、クリック、コンバージョンといった効果指標の測定が可能。

大量のデータの取得が可能であり、統計的な分析にも活用できる。

登録モニターから事前に識別子の情報を取得することで、人ベースの分析が可能。

全数調査による行動データとアンケートによる意識データを組み合わせた深い分析を行うことができる。

全数調査では測定できない媒体・メディアの接触をアンケートで確認することで、意識ベースのクロスメディア接触効果を把握できる。

デメリット

ログによって実際の行動を把握するだけであり、その行動に至った意識の変化はわからない。

ベースは識別子単位となり、複数の識別子を持つユーザーの重複排除が困難。

インターネット上のあらゆるデータが取得できるわけではない。 個人情報保護の高まりにより、ユーザーの同意なしに取得でき

ないデータが増えている。

自己登録制の調査パネルは、ある意味偏ったサンプルである点には注意が必要。

パネルの規模が小さければ、特定の条件に合致するサンプルの出現数が少なく、分析が難しいケースもある。

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3)ネット広告は正確に測れるのか?• デジタルデータといえども、精度は発展途上であり、制度の上でも様々な課題が存在する。

第三者によるアプリ内広告の測定には技術的な対応が必要

カウント基準の問題、アドフラウドの問題があり、同じ指標であれば同じ数字が出てくるわけではない

ユーザーは異なる複数のクッキーを持っており、クッキーでユーザーを特定することは難しい

媒体社のポリシーやプライバシー関連の法令等により第三者による測定が制限されることも多い

プライバシー対応の強化により、第三者によるデータの取得、活用が困難になるケースが増えている

Ⅰ. アプリ内広告も簡単に測定できる?

Ⅱ. ネット広告の数字って信用できる?

Ⅲ. クッキーって1人1個?

Ⅳ. ネット広告って全部測定できる?

Ⅴ.デジタルの世界では誰でもどんなデータも取れる?

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3)ネット広告は正確に測れるのか?• アプリ内広告を測定するには技術的なハードルがあり、測定可否が異なる。

第三者による測定を行う場合、測定タグ・SDKの設定が必要

・ユーザーを特定するにはアプリにユニーク性を識別するデータを提供してもらう必要があり、そのためにアプリにSDKを埋め込んだり改修したりしなければならないケースも多い。

配信状況収集

・インプレッションを把握するにはタグを設定することで測定は可能。

※ 1stPartyによる測定においては、タグがなくても測定可能。

SDK

改修 配信状況+ユニークな識別子収集

※ SDK(Software Development Kit)とは、特定のシステムで動作するソフトウェアを開発する際に使用するプログラムやAPI、ドキュメントなどをひとまとめにしたパッケージツールのこと。

Ⅰ. アプリ内広告も簡単に測定できる?

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General-IVT(正当なクローラ等)

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3)ネット広告は正確に測れるのか?• 同じ指標であれば同じ数字になるとは限らないため、算出される基準の確認が重要。

媒体社によって測定基準が異なることに加え、不正インプレッション・不正クリック(アドフラウド含む)も存在する

・インプレッションには異なるカウント方法があり、その方法によって算出されるスコアは異なる。

・また、インプレッションはその定義が媒体社によって異なるケースもある。

・どの程度不正インプレッション・不正クリックを除外して算出されているかを確認することが重要。

アドブロックされる配信

配信数

インプレッション

IVT(Invalid Traffic)

ビューアブルインプレッション

ノンビューアブルインプレッション

Sophisticated-IVT

ビューアブルか不明なインプレッション

Ⅱ. ネット広告の数字って信用できる?

不正なインプレッション、クリックを発生させるトラフィックであり、広告費を詐取する目的で意図的に発生させる手法は「アドフラウド」と呼ばれる。

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3)ネット広告は正確に測れるのか?• ユーザーを特定するための識別子は必ずしも1人1つという訳ではない。

ブラウザー(Chrome/Safariなど)毎に異なるクッキーが発行され、さらに、不定期にリフレッシュされるため、1人が複数のクッキー情報を持っている

ブラウザーA: クッキー①

ブラウザーB: クッキー②

ブラウザーA: クッキー③

ブラウザーC: クッキー⑤ ※ 3か月平均で1人7個のクッキー情報を所有しているという調査結果もある(インテージ調べ)。

・クッキーベースでブラウザーをカウントする場合、同じユーザーを重複してカウントしてしまう可能性がある。

・また、クッキーには有効期間があり、一定期間後にはリフレッシュされ新たなクッキーが発行されることで同一端末・同一ブラウザーでも異なるクッキーを持つことにも注意が必要。

クッキー④

一定期間後、新たなクッキーが発行される(クッキーリフレッシュ)

クッキー⑥クッキーリフレッシュ

会社のPC

自宅のPC

個人のモバイル端末

Ⅲ. クッキーって1人1個?

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3)ネット広告は正確に測れるのか?• SDKの設定可否、媒体社による測定タグの受け入れ制限の問題などにより、第三者測定においては、

全てのメディアを一律で同じように測定することは難しい。

媒体社のポリシー等により第三者による測定が制限されることも多い

Webサイト アプリ

メディアA

第三者測定可否(媒体社判断) 〇 〇

第三者測定可能項目

imp&UB imp

• 出稿先メディアの事情(SDK埋め込みやアプリの改修が困難、媒体ポリシーにより第三者のタグの受入れ制限など)によって、第三者による測定が出来ないケースは多い。

アプリ

メディアB

〇 ×

imp&UB ×

アプリ

メディアC

×

×

アプリ

メディアD

〇 ×

imp&UB ×

※UB;ユニークブラウザー※媒体社自身(1stParty)で自社メディアの測定を行う場合、自社の裁量で様々なデータの取得が可能。

Webサイト

Webサイト

Ⅳ. ネット広告って全部測定できる?

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• ブラウザーのトラッキング制限とプライバシーへの配慮が進む。プライバシー対応の強化に伴い、これまで可能だった第三者によるデータの取得・活用が困難となるケースも増えている

米AppleがSafariの機能として「ITP(Intelligent TrackingPrevention)」を2017年9月に搭載スタートさせ、 3rd party クッキーの活用に厳しい制限をつけた。

米Googleは、2020年1月に今後2年以内に同社のブラウザー「Chrome」でターゲティング広告のためのクッキー利用を規制する計画を発表。

・UBをカウントすることが困難になる・リターゲティング広告の配信が困難になる・ユーザーの興味関心を推測することが困難になる

<ブラウザーによる3rdPartyCookieへの対応>

米Mozillaは2019年1月に、Webサイトを横断してユーザーを追跡するトラッキングを制限するため、Firefoxの初期設定でブロックする方針を明記した「反トラッキングポリシー」を発表。

どんな影響が?

3)ネット広告は正確に測れるのか?

Ⅴ. デジタルの世界では誰でもどんなデータも取れる?

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• ブラウザーのトラッキング制限とプライバシーへの配慮が進む。ブラウザーによる3rdPartyクッキー活用制限により、第三者によるユーザーの特定・重複排除が困難になる

①UBをカウントすることが困難になる

広告が配信されると、ユーザーのブラウザにクッキーが発行され、クッキーIDによって同一ブラウザーであることを認識することができる。

Time クッキーID

2020/3/2 08:25 a0065691

2020/3/3 11:16 a1655894

2020/3/5 14:51 a0065691

2020/3/11 12:47 a3611465

2020/3/14 22:19 a0065691

Time クッキーID

2020/3/2 08:25 a0065691

2020/3/3 11:16 a1655894

2020/3/5 14:51 a0516684

2020/3/11 12:47 a3611465

2020/3/14 22:19 a0899412

同一ブラウザーへの配信でも、クッキーIDが変わってしまう

広告が配信された時にクッキーIDを取得 同一のブラウ

ザーに配信した場合、同じクッキーIDを取得

広告配信 同一ブラウザーであれば同一ユーザーであると推測が可能

すべて異なるクッキーIDのため、ユーザーの判定ができなくなる

3)ネット広告は正確に測れるのか?

Ⅴ. デジタルの世界では誰でもどんなデータも取れる?

アドサーバー(3rdParty)

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• ブラウザーのトラッキング制限とプライバシーへの配慮が進む。

②リターゲティング広告の配信が困難になる

昨日プレゼントはこの時計にしようかな

もう少し考えよう

通販サイトで時計の商品ページを閲覧。

昨日見た時計の広告だ!

これにしよう!

NWES

ニュースサイトに、前日見ていた通販サイトの時計の広告が表示される。

今日

通販サイト訪問時にクッキーを取得しリスト化

リスト化されたクッキー情報を基に、広告を配信

クッキーの活用に制限が掛かると、同一ブラウザーの行動であることが判定できなくなる。

そのため、過去の閲覧行動をブラウザー単位でまとめることが出来なくなり、リターゲティング広告の配信や、ユーザーの興味関心を推測することが困難となる。

3)ネット広告は正確に測れるのか?

ブラウザーによる3rdPartyクッキー活用制限により、第三者によるユーザーの特定・重複排除が困難になる

Ⅴ. デジタルの世界では誰でもどんなデータも取れる?

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4)ネット広告の数値定義ってブレませんよね?

指標 定義の一例

クリックA社の定義;サーバー上でクリックのリクエストが確認された時点でカウント。B社の定義;クリック後、ランディングページへの移動が確認できた時点でカウント。C社の定義;一定秒数以上、広告が画面に表示された時点でクリックとみなして

カウント。

インプレッション

A社の定義;サーバー上でリクエストが確認された時点でカウント。B社の定義;ユーザーの端末のスクリーンに広告が表示された時点でカウント。

*広告がユーザーに見られる時点(OTS;Opportunity to see)に最も近いタイミングで測定する方法。

※InvalidTraffic(IVT:無効トラフィック)の排除についての考え方も各社で異なるケースが多い。

ノンビューアブル A社の定義;ユーザーの端末に広告が一切表示されなければノンビューアブルとする。B社の定義;ビューアブルの基準を満たしていなければノンビューアブルとする。

• ネット広告の指標は測定方法がいくつもあり、定義が変われば算出されるスコアにも差が生じる。• 各事業者によって定義が決められることが多く、それは必ずしも統一されているわけではない。• 指標のカウント・算出の定義が媒体によって異なると、同じ指標でも、横並びでの比較が困難になる。

※第三者測定の場合、媒体社が定義する基準でスコアが算出される。

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参考)広告のimpression測定方法の違い

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5)ビューアブル率ってどう見たらいい?

-基本原則 -• 広告が視聴可能なスクリーンに表示されていること• 広告の一定面積以上が見える状態にあること• 広告が一定の時間以上見える状態であること• 広告が人間によって視聴されていること

• 日本におけるビューアブルの考え方は、メディア調査会社の監査や認定審査を行う米国の業界団体であるMRC(Media Rating Council)が発表した以下の定義に準拠している。

• なお、ビューアブル率は広告の視認可能性を定義したものであり、ビューアブルの高低が広告費の不正詐取やブランド毀損リスクに繋がるものではない。

ディスプレイ広告条件①広告ピクセルの50%以上がビューアブルなスペースに表示される条件② 1秒以上連続して上記ピクセルが表示される※時間の計測前に、50%以上のピクセルが表示されなくてはならない。

動画広告(インストリーム型)

条件①広告ピクセルの50%以上がビューアブルなスペースに表示される条件② 2秒以上連続して動画が再生される※時間の計測前に、50%以上のピクセルが表示されなくてはならない。※かならずしも最初の2秒でなくてもよい。

注)インバナー型の動画広告は、ディスプレイ広告の基準に準じる。

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広告効果

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ビューアブル効果の誤解 ・ビューアブルの定義に満たない「ノンビューアブル」は一律で価値がない?

・判定基準を超えたインプレッションは全て等価?

実際には、ディスプレイ広告のビューアビリティ判定基準である広告表示秒数が1秒に満たなかったとしても広告効果がゼロになるわけではない。

1秒を超えて表示秒数が伸びると一定時間までは広告効果は高まり、その後フラットになっていくと考えられがちであるが…

5)ビューアブル率ってどう見たらいい?

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• ビューアブル率と相場の関係。 メディアの掲載枠には長年の商慣行の蓄積により、ビューアブル率の高低が既に相場感に反映されていることも多く、他の要素も加味した上で取引相場が決められている。

ビューアブル率は重要な到達指標であるものの、効果の判断基準の1つであり、必ず取引指標に結び付けなければならないという訳ではない。

広告目的と照らし合わせ、どのような効果を重視するのかによって総合的に判断した上で掲載枠を決定する必要がある。

5)ビューアブル率ってどう見たらいい?

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6)クリック率って高いほうがいい?• クリック率を高める絞り込みは効率は上がっても効果が増えず先細り。• 「広告=広く告げる」の本来の役割を考慮すると、クリック率が多少低くても狙う意味がある。

高いクリック率を狙うと、結局は同じような人たちにしか広告が届かず、潜在的なニーズを持つユーザーを取り込むことができなくなる。長い目で見ると顧客の損失に繋がることになり、最適化を追い過ぎるのは逆にマイナスとなる可能性もある。

クリック率

配信先をクリック率の高い順に並べる

クリック率の高いターゲットに絞り込むのが効率化…?

クリック率

広く告げることで…

心理・態度が変容し、販売(購入)が促される

「広告に接触することで心理や態度が変容しうる潜在顧客や休眠顧客」に注力することが販促につながる。

「中程度の反応率」のターゲットを狙うことが大切

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• 「クリック率の高さ」を追い求めることで、誤クリックを誘発する「不適切フォーマット」、機械的にクリックを水増しする「クリック詐欺」などの別の問題を引き起こすケースが増えている。

ユーザーのクリック数を増やすため、ユーザーにとって好ましくない、煩わしい広告フォーマットが増えており、それがインターネット広告への不信感に繋がっている。また、クリック数の水増しによる広告費の不正詐取(アドフラウド)も問題となっている。

6)クリック率って高いほうがいい?

【クリック詐欺】

コンピュータプログラムを用いて、インターネットユーザがクリックしたように見せかけることで、不正なクリックを発生させ、広告費を詐取するアドフラウドの一種

【不適切フォーマット】

広告の表示を消す「×」が小さい、また、ウェブサイト上で画面を覆うように表示され、誤クリックや誤タップを誘発しかねないような広告掲載フォーマット

クリックを追い求めることで、ユーザー軽視、不正の誘発に繋がる可能性がある

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• 広告接触時にクリックしなくとも、その後コンバージョンに至るケースも多い。• 広告にはクリック率だけでは測れない到達効果があることも認識しておくことが大事。

ユーザーの接触行動はさまざまで、接触時にはクリックを行わず、その後、検索などを通じて広告で訴求した製品・サービスのWeb サイトを訪問するケースもある。

広告配信 広告をクリック

広告接触後検索

広告主のサイトを閲覧

コンバージョン

6)クリック率って高いほうがいい?

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7)「リーチ」って何ですか?• インプレッションとリーチの違い。

ユーザーに対して広告が配信された総回数インプレッション

広告が1回以上配信された重複のない(ユニーク)ユーザー数(実数)

リーチ

広告が配信された総量の把握が可能

広告が配信されたユーザーの総数・カバー率の把握が可能

広告が1回以上配信された重複のない(ユニーク)ユーザーの割合(%)

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• 実数リーチと割合リーチ。

リーチ/実数

主に全数調査で算出されることが多い。 広告が配信されたユーザーを重複なくカウントすることで、実際に広告が配信されたユーザーの実数を算出する。

ユーザーの定義によりカウント数が変わる。 主なユーザーの定義は以下の通り。・ユニークユーザー ;人単位でカウント・ユニークブラウザー;ブラウザー単位でカウント・ユニークアカウント;アカウント単位でカウント

それぞれの定義よる「ユーザー」の全体の数がわからないと、全体の中でどれだけ接触したかを認識することは困難となる。

リーチ/割合

主にパネル調査など、全体の母数が確認できている場合に算出が可能。

パネルにおける広告が配信された重複の無いユーザー数をパネル登録者全体で割り戻すことで、割合を算出

算出された割合を人口に掛け合わせることで、広告が配信された推定のユーザー数を算出。

クッキーなどのユーザーを特定できる情報をパネル登録者から事前に許諾を得て取得することで、重複を排除し、人ベースでのリーチを算出することが可能になる。

7)「リーチ」って何ですか?

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3回接触 5回接触 2回接触

1回接触 1回接触 2回接触

3回接触 5回接触

5回接触 3回接触

合計30imp ブラウザー単位リーチ 10UB• ユニークブラウザー(UB)ベースのリーチ。

※1デバイスで1ブラウザーのみ利用していると仮定

10 imp

4 imp

8 imp

8 imp

7)「リーチ」って何ですか?

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3回接触 5回接触 2回接触

1回接触 1回接触 2回接触

3回接触 5回接触

5回接触 3回接触

合計30imp ユーザー単位リーチ 4UU• ユニークユーザー(UU)ベースのリーチ。

10 imp

4 imp

8 imp

8 imp

※1デバイスで1ブラウザーのみ利用していると仮定

7)「リーチ」って何ですか?

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• インプレッションとリーチのカウント方法の違い。

15回

3回

1回

非接触 5回

2回

非接触非接触

17回6回

広告配信

11回 8回

インプレッション:総広告配信数

68imp(15+2+3+1+6+11+5+17+8)

リーチ:広告が1回以上配信された重複のないユーザーの数・割合

リーチ(数);9ユーザーリーチ(割合*);75%**

*割合は総ユーザー数の把握が可能な場合に算出可能**接触ユーザー数(9)÷ 総ユーザー数(12)で算出

ユーザーへの配信状況

7)「リーチ」って何ですか?

アドサーバー

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• リーチの意味と役割。

インプレッション:総広告配信数

68imp(15+2+3+1+6+11+5+17+8)

リーチ:広告が1回以上配信された重複のないユーザーの数・割合

リーチ(数);9ユーザーリーチ(割合*);75%**

*割合は総ユーザー数の把握が可能な場合に算出可能。**接触ユーザー数(9)÷総ユーザー数(12)で算出。

1人に68回配信されても、68人に1回配信されても、算出されるスコアは68imp。

重複を排除することで、ユーザーの何人に配信されたかを把握することができ、impと割り戻すことで1人が平均何回配信されたかも確認できる(ここでは7.6回=平均フリークエンシー)。

また、ユーザーの母数が把握できていれば、その中のどの程度の割合に配信されたかを算出でき、ターゲットカバー率を確認することもできる。

7)「リーチ」って何ですか?

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32

• 複数のメディアを横断した統合リーチ・統合フリークエンシーとは?

ユーザー デバイス 利用ブラウザー UB UU UB UU UB UUPC a 5 5

スマートフォン c 3 1 4PC a 6 6

スマートフォン c 4 4スマートフォン d

C スマートフォン cPC a 1 1PC b 3 3

スマートフォン dPC a 2 2

スマートフォン c 5 5imp

Reach(実数) 5 4 4 3 8 4Reach(%) 45.5% 80.0% 36.4% 60.0% 72.7% 80.0%Frequency 3.6 4.5 3.0 4.0 3.8 7.5母数 11 5 11 5 11 5

E

4

3

5

6

統合リーチ&フリークエンシー接触判定(メディアA)

A

B

D

接触判定(メディアB)

6

4

18 12 30

9

10

4

72

7)「リーチ」って何ですか?

※パネル調査であれば、ユーザー単位で広告配信回数を管理することが可能であり、リーチ(%)も算出可能となる。

UB;各ユーザーの所有するデバイスのブラウザーへの広告配信回数(imp)

UU;各ユーザーへの広告配信回数(imp)

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ユーザー デバイス 利用ブラウザー UB UU UB UU UB UUPC a 5 5

スマートフォン c 3 1 4PC a 6 6

スマートフォン c 4 4スマートフォン d

C スマートフォン cPC a 1 1PC b 3 3

スマートフォン dPC a 2 2

スマートフォン c 5 5imp

Reach(実数) 5 4 4 3 8 4Reach(%) 45.5% 80.0% 36.4% 60.0% 72.7% 80.0%Frequency 3.6 4.5 3.0 4.0 3.8 7.5母数 11 5 11 5 11 5

E

4

3

5

6

統合リーチ&フリークエンシー接触判定(メディアA)

A

B

D

接触判定(メディアB)

6

4

18 12 30

9

10

4

72

33

• 統合リーチ、統合フリークエンシー測定はメディアを横断的に測定する必要がある。

〇 〇 △

メディアそれぞれ単体の測定をすることは可能であるが、横断的なリーチを確認するには各メディアの測定環境、ユーザー情報の共有、配信結果の突合など、事業社間の連携も含めた様々な調整が必要になる。

7)「リーチ」って何ですか?

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0

10

20

30

40

50

0回 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回 10回以上

34

• リーチは到達の拡がりを表す指標であるが、深さを把握する「フリークエンシー」指標も合わせて確認することが重要。

• フリークエンシーは、接触回数が少ないグループ(過少フリークエンシー)と多いグループ(過剰フリークエンシー)に分類されることが多く、適正な回数(有効フリークエンシー)接触させるようなコントロールや、過剰に接触してしまうことで生じる広告への飽きを防ぐような対策が必要。

7)「リーチ」って何ですか?

幅広くリーチを獲得するため配信量を増やすと、過剰に接触するグループの割合が増加する可能性が高くなる。同じクリエイティブでは広告に飽きてしまい、煩わしさを感じさせることになるため、一定回数接触後、クリエイティブを差し替えることで、新たな情報の提供や理解促進を促すなど、飽きさせない工夫が必要になる。

<広告フリークエンシー分布>

(%)

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<各媒体到達指標*>ネット;Viewable-impテレビ;視聴率ラジオ;聴取率新 聞;閲読率雑 誌;閲読率交 通;接触率

• 広告キャンペーンはオン・オフに跨って実施され、ユーザーは様々な情報に接触する。

8)オン・オフ統合の時代ですよね?

※到達指標は媒体によって考え方、測定方法が異なる。広告に接触する可能性として、ネットはログデータによる端末への広告表示、テレビは機械式調査による受像機への広告表示を把握でき、広告レベルで判定可能であるのに対し、他媒体は各媒体単位の接触有無で判断するケースが多い。また、測定・調査の精度にも差があるため、比較をする上で測定方法・基準を理解しておくことが重要。

各媒体で活用されている指標が異なる。 出稿から購入~ファン化までの中間指

標が多く、それぞれに指標が存在。 各接点における情報取得が難しい。 バラバラの情報を繋げることが難しい。

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インプレッションビューアブルインプレッション

広告リーチ広告クリック

検索サイト閲覧資料請求

オンラインショッピングシェア・拡散

インターネット接触テレビ視聴ラジオ聴取新聞閲読雑誌閲読

交通機関利用店舗来店商品購入

媒体・メディア単体の詳細な接触状況の把握 ユーザー単位の複数媒体接触及び行動の把握

番組・広告視聴

番組・広告リーチ

フリークエンシー

視聴時間量

• 特定メディア・特定媒体の詳細は把握できるが、ユーザーの接触・行動の全ての把握は困難。

8)オン・オフ統合の時代ですよね?

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• 媒体別に管理指標や指標測定方法が異なる。• ひとりのユーザーから全ての指標を取得することは困難。

インターネット テレビ ラジオ 新聞 雑誌 交通

出稿 imp 発行部数 発行部数

到達 Viewable-imp(実数) 視聴率(%) 聴取率(%) 閲読率(%) 閲読率(%) 利用率(%)

リーチ(数・%)

認知 アンケート(広告認知率、ブランド認知率)

態度変容 検索、広告クリック、サイト接触、店舗来店、アンケート(ブランド好意)など

購入 オンラインショッピング購入履歴、店舗での購買情報、アンケート(購入経験)など

インターネット&テレビ&ラジオ…など、複数媒体での広告接触と各種行動・意識を統合的に把握するには各データをユーザー単位で連携していく必要がある。

リーチは各媒体で共通の指標であり、到達力を横並びで比較できるものとして活用が期待されている。

8)オン・オフ統合の時代ですよね?

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Ⅱ.各指標の整理

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指標の意味(定義)

指標の役割

測定方法

測定条件

測定課題・留意点

:各指標の意味・定義の説明

:各指標の活用方法を説明

:各指標を測定する具体的な方法、手順等を説明

※複数の方法があればその違いを含め全て記載

:前提条件、測定基準、排除すべき項目などがあれば明記

:各指標を測定する上で存在するハードルや留意点などが

あれば明記

各指標で整理する内容

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NO 指標 分類 説明

1 インプレッション(imp) 到達 広告配信量を示す代表的な指標だが、測定方法によってカウント数が異なることが多い

2ユニークユーザー(UU)ユニークブラウザー(UB)ユニークデバイス(UD)

到達様々な指標のカウントのベースになる指標、単位はユーザー様々な指標のカウントのベースになる指標、単位はブラウザー様々な指標のカウントのベースになる指標、単位はデバイス

3 リーチ(Reach) 到達 広告の到達人数・割合を示す指標。その母数や算出単位で結果が異なる。4 フリークエンシー(Frequency) 到達 広告接触頻度。カウントの単位が異なれば意味合いが異なる。5 GRP(Gross Rating Point) 到達 指標の掛け合わせで算出可能(リーチ×フリークエンシー)

6MAU(Monthly Active User)WAU(Weekly Active User)DAU(Daily Active User) 到達

月間の到達量をユーザー単位で示す指標週間の到達量をユーザー単位で示す指標1日の到達量ユーザー単位でを示す指標*カウントの単位がUserではなくAccount単位のケースもある点を明記

7 再生(視聴)回数 到達 動画広告におけるインプレッション、再生の基準によってカウントが異なる8 再生(視聴)完了数 到達 動画広告の視聴量を示す指標、広告が最後まで視聴された数をカウント9 Viewable-imp 到達 到達量を示す指標。Viewableの基準によってカウントが異なる。10 NonViewable-imp 到達 到達量を示す指標。NonViewableの基準に注意。11 Measured_imp 到達 Viewableを測定できたインプレッションの量12 viewable率 到達 Viewableを測定できたインプレッションにおけるViewableの割合13 ページビュー(PV) 到達 タイアップ系広告の閲覧総数を示す指標。14 オンターゲット率 到達 キャンペーンの全インプレッション中、ターゲット属性に到達したインプレッションの割合。

1)到達指標

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NO 指標 分類 説明

1クリック 効果 広告をクリックした回数。クリックの定義が事業者によって異なる場合があるので注意が必要。

クリック率(CTR=Click Through Rate) 効果 指標の掛け合わせで算出可能

2エンゲージメント 効果 何をエンゲージメントとするかによって測定方法も異なる。ツイート、いいね、シェアなど。

コンバージョン、コンバージョン率(CVR=Conversion Rate) 効果 何かしらの行動(資料請求、サイト誘導、申込みなど)の数

3 読了率 効果 タイアップ系広告の深さを示す指標。読了の基準は各社様々。

4 滞在時間 効果 タイアップ系広告の深さを示す指標。滞在時間の算出に注意が必要。

5

広告認知率 効果 ブランドリフト指標。広告を認知したユーザーの割合。

商品・企業興味度 効果 ブランドリフト指標。ブランドや企業に興味を持ったユーザーの割合。

商品・企業好意度 効果 ブランドリフト指標。ブランドや企業に好意を持ったユーザーの割合。

商品購入(利用)意向度 効果 ブランドリフト指標。ブランドやサービスを購入・利用してみたいと思うユーザーの割合。

2)効果指標

※ブランドリフト指標とは、広告に接触したユーザーと接触していないユーザーのブランドや企業に対して行った行動や意識を比較することで、広告がどの程度ブランド・企業への関与を高めることに貢献しているかを測る指標。

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NO 指標 分類 説明

1 CPM(Cost per Mille) コスト インプレッション単価。広告費とインプレッション数の掛け合わせで算出。

2 CPC(Cost per Click) コスト クリック単価。広告費とクリック数の掛け合わせで算出。

3 CPE(Cost Per Engagement) コスト 1エンゲージメント当たりのコスト。

4 ROAS(Return on Ad Spend) コスト 広告の費用対効果。広告費と広告による売り上げの掛け合わせで算出。

5 ROI(Return on Investment) コスト 費用対効果。広告費と得られた利益の掛け合わせで算出。

6 CPV(Cost per View) コスト ビデオ広告再生(視聴)1回あたりの費用。広告費と再生数の掛け合わせで算出。

7 CPCV(Cost per Complete View) コスト ビデオ広告再生(視聴)完了1回あたりの費用。広告費と再生完了数の掛け合わせで算出。

8 CPA(Cost per Action/Acquisition) コスト コンバージョン単価。広告費とコンバージョン数の掛け合わせで算出。

9 CPI(Cost Per Install) コスト スマートフォン広告におけるアプリのインストール単価。

3)コスト指標

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指標の整理• 広告は「到達」して初めて「効果」が生じる。• 広告がどれだけのユーザーにどれくらいの頻度で「到達」したかによって、その先の「効果」の結果

が変わるため、「到達」と「効果」を分けて理解しておくことが重要。

リピートファン化

購入

出稿

到達

認知

興味関心

購入意向

到達指標

効果指標

到達指標は特にリーチ関連のデータの検証で使われる指標で、実際にどれだけ予定通り広告がユーザーに到達したかを検証するもの。

効果指標は広告が到達することによってユーザーの態度変容や行動変容などにどれだけ影響を与えたかを把握するための指標。

投下した広告費と各指標の結果により、広告のコスト効率を示すことが可能。予算に対して期待された結果が得られたかどうかといった、広告運用全体の成果を検証するもの。

コスト指標

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■インプレッション(imp;impression)

定義 広告の配信回数。インターネット広告ではWebサイトの媒体力の指標としてのページビュー(PV)とインプレッションを区別する。

測定課題/留意点

測定方法・測定タイミングによってカウント数が異なるため、測定条件・測定方法を明記することが望ましい。TVCMとの量的な比較で活用されるケースもあるが、インプレッションが総配信回数であるのに対し、 TVCMのGRPはリーチの積み上げであり、ベースの考え方が異なる点に注意が必要。

測定条件

測定にあたっては米国IABが設定したアドインプレッション測定ガイドラインに準拠することが望ましいとされており、インプレッションの測定にあたり次に挙げる要素を満たしていることが求められる。 キャッシュバスティング手法の導入:ブラウザーがキャッシュしたキャッシュデータを利用しないようにし、表示回数を正

しく把握できるようにする 自社内トラフィックの排除:自社のトラフィックが極端に多い場合、そのインプレッションの排除する 無効インプレッションの排除:人以外によるアクセスなどの適切ではないインプレッションの検出・排除

広告の配信量を表す指標であり、広告が配信された総数を示す。配信量による広告取引で活用されている。役割

広告配信サーバ(アドサーバー)から測定用のプログラム(測定タグ)を広告と一緒に配信してカウントする方式が一般的であり、測定方法は以下に大別される。 リクエストベース:アドサーバーへのリクエスト回数をインプレッションとしてカウント OTSベース:広告がユーザーに見られる時点(Opportunity to see)に最も近いタイミングで測定する方法で、ユーザーから

の広告配信リクエストに応じて、ユーザー側に広告素材が届いたと確認できた場合のみカウント

測定方法

1)到達指標1

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■参考)impression測定方法1)到達指標1

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Invalid Traffic(IVT:無効トラフィック)の種類

General IVT 検索エンジンのクローラーなど、悪意のないボット・スパイダーによるインプレッション

Sophisticated IVT悪意のあるマルウェア・アドウェアなどによるトラフィックや、人為的に生成された不正トラフィックなどのインプレッション

正当なユーザーからではないトラフィック

無効インプレッションの排除 人以外によるアクセスなどの適切ではないインプレッションの検出・排除

■参考)無効インプレッションの排除について1)到達指標1

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■ユニークユーザー(UU;UniqueUser)/ユニークブラウザー(UB; UniqueBrowser)/ユニークデバイス(UD;UniqueDevice)

定義 ユニークユーザー :重複のないユーザーの人数 ユニークブラウザー:重複のないブラウザーの数 ユニークデバイス :重複のないデバイスの数

測定課題/留意点

現状広く活用されているユニークブラウザーはユーザーのクッキー情報を基に算出できるものであるが、ユーザーの利用ブラウザーは複数にまたがっているため、人ベースでの到達状況ではない。その分ユニークユーザーに対して過剰評価してしまうこともある点には注意が必要。ユーザーとブラウザー、デバイスでは各指標のスコアの意味が大きく変わるため、予め測定単位と測定方法を確認することが重要となる。

測定方法

ユーザーを特定するための識別子(クッキーや広告ID、登録IDなど)をカウントしていくことで算出できるが、ユーザーの定義によって重複排除の方法が異なる。ユニークブラウザーであればサーバー単位で発行されたブラウザークッキーを重複を除いてカウントすることで算出可能であるが、人単位でのカウントの場合、ユーザーの利用デバイス、利用ブラウザーを考慮した上で、人を特定していくことが必要となり、ユーザー情報を取得しているパネルやユーザーの登録IDなどを活用してユーザーを特定することが行われている。また、デバイスにおいても同様に、測定ログとデバイスを紐付ける情報の取得・活用が必要となる。

特定のサイト/広告に接触した重複のないユーザーの数を言い、リーチを始め様々な指標算出の基になる基準の指標。役割

ユーザーの定義に合わせ、重複を排除する方法を検討しておくことが必要。測定条件

1)到達指標2

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■広告リーチ(Reach)定義 一定期間に広告が配信された人の実数、またはそのネットユーザー全体に対する割合(%)をいう。

測定課題/留意点

ユーザー識別子であるクッキー、広告識別子等の取り扱いが厳しくなっているため、ユーザーの重複を排除する新たな対応策が求められている。また、サイトによって測定タグの受入れを制限しているケースもあり、全ての広告の配信状況を測定できるわけではない点、さらに、識別子の提供を拒否しているユーザーがいる点にも注意が必要。

測定方法

広告に測定タグを設定することで取得できるユーザーのクッキーや広告識別子(AAID/IDFA)を重複を除いてカウントすることが一般的な測定方法。ただし、測定する単位によってカウントする対象も異なり、到達率を算出する際には、母集団となる集団の定義と数を用意する必要がある。 全数調査による算出:広告に接触した際に発行される全てのクッキーやデバイス固有の識別子を重複を除いてカウント パネル・登録IDによる算出:全数測定で取得した識別子をパネル登録者やサービス利用ユーザーの情報と突合すること

で、ユーザーを特定し、パネル・利用ユーザーにおける到達率の算出が可能となる

一定期間における広告へのユニークな到達力を示す指標。広告の到達効果が求められる中で、その前提となる指標として重要性が増している。また、オンオフ統合プランニングにおける共通指標としての役割も期待されている。

役割

リーチの測定においては、ユーザーの定義によってスコアの意味が大きく変わるため、測定単位を予め確認することが重要。なお、測定単位は大きくは以下に大別される。 ユニークユーザー :重複のないユーザーの人数 ユニークブラウザー:重複のないブラウザーの数 ユニークデバイス :重複のないデバイスの数

測定条件

1)到達指標3

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■広告フリークエンシー(Frequency)

定義 広告到達者に対して平均何回広告が配信されたかを示す指標。

測定課題/留意点

フリークエンシーの算出単位がユニークブラウザーやユニークデバイスの場合、1人のユーザーが複数ブラウザー・デバイスを利用しているケースも多く、想定する以上の広告が配信されている可能性があることに注意。(過剰フリークエンシー)また、同じ回数配信されたとしても、短期間で配信されるのと、中長期間で配信されるのでは効果に違いが生じるため、期間の概念も念頭に入れ、結果を確認することが重要。

測定方法 フリークエンシー(平均接触回数)=総広告配信数÷ユニークユーザー広告の配信回数(インプレッション)をリーチ数で割った数がフリークエンシー。

広告の接触頻度であり、ユーザーに対する広告配信回数をコントロールする際に活用される。広告の接触過少がその先の効果に影響を与えることが実証されており、ユーザーの広告への平均接触回数と広告認知やその先の態度変容に生じる効果の関係を明らかにすることで、効率良く広告配信する基準を作成することが可能。(有効フリークエンシー)

役割

フリークエンシーを算出する際、ユニークユーザーの定義によってスコアの意味が大きく変わるため、測定単位を予め確認することが重要。なお、測定単位は大きくは以下に大別される。 ユニークユーザー :重複のないユーザーの人数 ユニークブラウザー:重複のないブラウザーの数 ユニークデバイス :重複のないデバイスの数

測定条件

1)到達指標4

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■GRP(Gross Rating Point)

定義 広告の延べ到達率。広告出稿時点の到達率を足しあげたもの。

測定課題/留意点

テレビ視聴率には世帯視聴率と個人視聴率があり、世帯視聴率をベースに世帯に対する到達量を示すのが『世帯GRP』、個人視聴率をベースにターゲットの到達量を示すのが『個人GRP』となる。インターネット広告は個人に対する配信となるため、個人GRPと同様の考え方が必要。

測定方法 GRP=リーチ×フリークエンシー

広告の到達を示す指標であり、広告の到達総量を把握することが可能。テレビCMにおいてCMの取引単位として活用されている。役割

GRPは世帯・ターゲットベースの到達量を算出する指標であるため、世帯・ターゲットを特定した上でリーチ・フリークエンシーを算出する必要がある。テレビのGRPでは主にパネル調査を用いて、パネル内のリーチ・フリークエンシーを測定し、GRPを算出している。

測定条件

1)到達指標5

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■MAU/WAU/DAU(Monthly/Weekly/Daily Active User)

定義 Webサイトやアプリ、各種オンライサービスで、月間/週間/1日のアクティブユーザー数。ユーザー総数を表す「登録ユーザー数」、期間限定しない「アクティブユーザー数」と区別する。

測定課題/留意点

・「アクティブユーザー」はWebサイト、アプリ、各種オンライサービスの登録者数ではなく、実際に利用しているユーザー数であり、定義によって数が異なるため、定義を明記することが望ましい。(例:ログインユーザー、アプリ起動ユーザー等)

・ また、カウントの単位が「ユーザー」ではなく、各種サービスの「アカウント」単位のケース(Monthly/Weekly/Daily Active Account)もあるため、ユーザーの定義にも注意が必要。

・ MAU/WAU/DAU3つともアクティブユーザーを示す指標だが、それぞれ「計測期間」が異なり、Webサイトやアプリ、各種オンライサービスの特性によって使い分けるケースもよくある。

※ SNSやメッセンジャー系のサイトやアプリの場合、毎日の利用が想定されているため、DAUが比較的に重要な指標になる。

※ ECサイトの場合、MAUが比較的に重要になる。

測定方法 指定期間中(月間/週間/1日)、Webサイトやアプリ、各種オンライサービスを利用したユニークユーザー数。登録ユーザーによる識別可能な場合を除き、クッキーやブラウザーベースのカウントが良く用いられる。

月間/週間/1日の到達量をユーザー単位で表し、ユーザーの利用実態を把握するための指標。Webサイト、ソーシャルメディア、アプリなど、各種オンラインサービスでよく使われる指標。役割

測定条件

1)到達指標6

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■動画広告再生(視聴)回数定義 動画広告が視聴または再生された回数。(視聴完了・未完了両方含まれている)

測定課題/留意点

広告媒体もしくは広告メニューによって視聴(再生)回数のカウント方法が異なるケースもあるため、カウントの定義を明記することが望ましい。また、再生(視聴)回数とは別で、動画25%/50%/75%/3秒再生(視聴)回数もある。

測定方法 測定用のプログラム(測定タグ)を動画広告と一緒に配信してカウントする方式、もしくは動画プレイヤーに測定用プログラム(測定タグ)を実装する方式がある。

動画広告の配信量を表す指標。動画広告におけるインプレッション。また、CPV(Cost per View)を算出するベースとなる。役割

測定にあたって共通ルールはないが、米国IAB Tech Labが設定した動画広告掲出テンプレートVAST(Video Ad Serving Template)の規格がある。VASTを通して、動画のURL、サイズ、ファイル形式、再生時間などの素材情報と、インプレッションやクリック、ビューアビリティ、再生開始、停止、ミュート、再生時間率(25%/50%/75%/100%)などの測定指標をカウントするリクエストURLが記載されている。

測定条件

1)到達指標7

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■再生(視聴)完了数定義 動画広告が最後まで再生(視聴)された割合。

測定課題/留意点 再生完了の判定が異なる場合もあるため、その基準を事前に確認することが望ましい。

測定方法 測定用のプログラム(測定タグ)を動画広告と一緒に配信してカウントする方式、もしくは動画プレイヤーに測定用プログラム(測定タグ)を実装する方式がある。

動画広告の視聴量を表す指標。場合によって、視聴者の興味や商品の理解促進を測るための重要指標でもある。また、CPCV(Cost per Complete View)を算出するベースとなる。役割

測定にあたって、共通ルールはないが、米国IAB Tech Labが設定した動画広告掲出テンプレートVAST(Video Ad Serving Template)の規格がある。VASTを通して、動画のURL、サイズ、ファイル形式、再生時間などの素材情報と、インプレッションやクリック、ビューアビリティ、再生開始、停止、ミュート、再生時間率(25%/50%/75%/100%)などの測定指標をカウントするリクエストURLが記載されている。

測定条件

1)到達指標8

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■ビューアブル・インプレッション(Viewable-impression)

定義 ユーザーのデバイスに広告が配信された際、視認可能(ビューアブル)な状態で表示された広告インプレッション。

インプレッション数をベースに取引が行われるインターネット広告において、ユーザーに広告が到達したかを示す重要な指標であり、広告を視認することで得られる効果(認知効果・ブランディング効果)を説明する際の基準となる。

役割

PC・モバイル共通<ディスプレイ広告>条件① 広告ピクセルの50%以上がビューアブルなスペースに表示される条件② 1秒以上連続して上記ピクセルが表示される※時間の計測前に、50%以上のピクセルが表示されなくてはならない

<インストリーム動画広告>条件① 広告ピクセルの50%以上がビューアブルなスペースに表示される条件② 2秒以上連続して動画が再生される※時間の計測前に、50%以上のピクセルが表示されなくてはならない※かならずしも最初の2秒でなくてもよい

判定条件

1)到達指標9

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■ビューアブル・インプレッション(Viewable-impression)

測定基準

・ 前提として「アドインプレッション」測定基準を満たしていることが求められる。・ アドインプレッションを測定する際は、配信する側ではなく、ユーザー側に広告が届いた時に測定する

こと(=「OTSベース」であること)が必要。※詳細はインプレッションの頁を参照・ 下記の原則をすべて満たす場合に「ビューアブルインプレッション」とカウントする。 広告が視聴可能なスクリーンに表示されていること(裏側の頁で表示されていないこと) 広告の一定面積以上が見える状態にあること 広告が一定の時間以上見える状態であること 広告へのアクセスが人間からのものであること(人以外からの無効トラフィックではないこと)

測定課題/留意点

・ そもそも「測定率」(全インプレッションにおけるビューアブル率を測定できたインプレッションの割合)がベンダーや広告フォーマットによって左右されるため、全ての広告が測定できるわけではない。

・ ビューアビリティはユーザーの視認可能性を示すものであるため、人間以外によるアクセスである無効インプレッションを可能な限り排除することが求められる。

・ フォーマットや条件によって判定が異なるケースや、事業者によって独自の基準を設けているケースもあるため、判定方法や基準を事前に確認しておくことが重要。

・ 通信環境や、ユーザー端末、サーバー等の機器の処理能力によって、測定ベンダーや測定のタイミングによって少なからず誤差が存在することは理解しておく必要がある。

1)到達指標9

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■ノン・ビューアブルインプレッション(NonViewable-impression)

定義ビューアブルインプレッション測定基準を満たしていないインプレッション。PC版のディスプレイ広告と動画広告において、広告ピクセル(≒面積)の50%以以下の表示、または、ディスプレイ広告の場合は連続1秒以上、動画広告の場合は連続2秒以上表示されなかったインプレッションをさす。

測定課題/留意点

・ ノンビューアブルインプレッションはあくまでもビューアブル判定基準に合致しないインプレッションを指すだけであり、必ずしもユーザーの画面に広告が表示されていないわけではない点には注意が必要。

・ 表示面積、表示秒数が基準に満たない場合でも、画面に表示されていれば効果があることは調査によって示されていることもあり、完全に表示ゼロとなるケースと区別して結果を確認することが重要になる。

測定方法 ビューアブルインプレッションの測定方法に順ずる。

業界で推奨された基準において、非到達とみなされたインプレッションの総量を示す指標。役割

・ 前提として「アドインプレッション」測定基準を満たしていることが求められる。・ アドインプレッションを測定する際は、配信する側ではなく、ユーザー側に広告が届いた時に測定する

こと(=「OTSベース」であること)が必要。※詳細はインプレッションの頁を参照・ 下記の原則をすべて満たす場合に「ビューアブルインプレッション」とカウントする。 広告が視聴可能なスクリーンに表示されていること(裏側の頁で表示されていないこと) 広告の一定面積以上が見える状態にあること 広告が一定の時間以上見える状態であること 広告へのアクセスが人間からのものであること(人以外からの無効トラフィックではないこと)

測定条件

1)到達指標10

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■メジャードインプレッション(Measured-imp)

定義 アドインプレッションのうちビューアブルか否かを判定できたインプレッション。

測定課題/留意点

技術的課題や、OS、ブラウザーのバージョン等により、ビューアブル測定できないケースも多い。測定率によって、ビューアブルインプレッションの総量やビューアブル率に差異が生じるため、ビューアブルインプレッションの評価を行う際には測定率を加味する必要がある。

測定方法メジャードインプレッションは、アドインプレッションのうち、ビューアブルか否かを測定できたインプレッションをカウントする。メジャードインプレッションが測定できた割合を測定率と言い、「メジャードインプレッション数/アドインプレッション数」で算出する。

総インプレッションにおけるビューアブルインプレッションの総量を把握する際のベースになるものであり、ビューアブル率を判定する母数となる。役割

メジャードインプレッションの判定は、総インプレッションから人以外によるアクセスなどの適切ではないインプレッションである無効インプレッションを除いたアドインプレッションを測定対象とする。測定条件

1)到達指標11

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■Viewable率

定義 メジャードインプレッションにおけるビューアブルインプレッションの割合であり、広告が到達した割合を示す指標。

測定課題/留意点

ビューアブル率は広告の到達効果を求める際に重視されるものであり、その広告目的によっては影響が少ないケースもある。獲得目的の出稿であれば、レスポンス指数で効果を示すことが多くなるため、ビューアブル率を重視しないこともある。

測定方法ビューアブルインプレッション数/メジャードインプレッション数ビューアブル率は、ビューアブル判定可能なインプレッション(メジャードインプレッション)のうち、ビューアブルであったインプレッションの割合を算出する。

広告の到達効果を確認する際にのベースとなる指標。配信された広告の到達割合によってその効果も異なるため、同じインプレッションでもビューアブル率の高低によって効果が異なることもある。役割

測定条件

1)到達指標12

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■ ページビュー(PV;Page View)

定義 ウェブページが閲覧された回数。Webサイトにおけるアクセスカウント単位の一つ。Webサイトの媒体力の指標としてのインプレッションとPVを区別する。

測定課題/留意点

下記事象がありうるため、PVのカウントは、ユーザーの端末側での測定とサーバー側での測定の数値では一致しない可能性がある。 ユーザー端末のブラウザーに表示されたページの状態はブラウザーの状況に依存する(実際はサーバーから読み

出されても、表示されないページもありうる)。 キャッシュ(一度アクセスしたウェブサーバーのデータが、ユーザー端末の目盛りに保存され、そこから読み出

されること)から読み出されるページはサーバー側ではカウントされない。PVカウントの方式を標準化するためには、ウェブページの定義に基づいて、様々なページの表示形態についての測定ルールを定められなければならない。PVの数値を公表する際に、これらページ測定基準も併せて表示すべきである。

測定方法

ウェブページがブラウザーによってリクエストされ、サーバーから読みだされた回数をカウントする。媒体社では表示されるページに全数カウントを行う仕組みを埋め込む方法でカウントしている。また、プロキシサーバー(インターネットと企業等の内部ネットワークとの境界に置くサーバー)を利用し、中間地点での測定を行う方法などもある。オーディエンス・メジャメント機関では、カウントするためのプログラムを埋め込まれたサンプルクライアントによる拡大推計値を用いて発表している。

ウェブページの閲覧総数を表す指標。タイアップ系広告でよく使われている。役割

測定条件

1)到達指標13

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■オンターゲット率

定義 キャンペーンの全インプレッション中、ターゲット属性に配信されたインプレッションの割合。

測定課題/留意点 メディアによってターゲティング精度が異なるため、メディアごとのオンターゲット率に差が見れれる。

測定方法 オンターゲット率=ターゲットに到達したインプレッション/全インプレッション

事前に設定したターゲット層に対して、広告がどのくらい届いたかを把握する指標であり、キャンペーン効果指標の1つとして活用されている。役割

リーチの算出(重複のないユーザーのカウント)とターゲットの条件となるプロフィールが把握できていることが前提となる。測定条件

1)到達指標14

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■クリック/クリック率(CTR:Click Through Rate)

定義

広告がユーザーにクリックされた回数。広告をクリックしたカウントでは、移動もしくは起動する要求(リクエスト)の回数が計測され、移動・起動を要求した結果として、移動すべきURL(LP:ランディングページ)にユーザーが実際に到達したか(ファイルがきちんと起動したか)どうかまでは保証されない。クリック率はインプレッション数のうち、広告がクリックされた回数の割合を指す。

測定課題/留意点

・ クリックを判定する基準によってカウント数が異なることに注意。・ クリックのリクエストカウントと、LPへの移動数のカウントではスコアが異なるため、判定基準を確認しておく

ことが重要。・ 事業者によってクリック判定の基準や条件も変わることがあるため、クリック測定条件、判定基準を事前に確認

しておくことが望ましい。・ インプレッション・クリックはCTRのスコアに影響を与えるため、判定条件には注意が必要。・ 第三者測定では、媒体社が定めた定義でクリックが算出されることも認識しておく必要がある。

測定方法 広告配信サーバ(アドサーバー)から測定用のプログラム(測定タグ)を広告と一緒に配信してカウントする方式が一般的。なお、クリック率(CTR)は「クリック数÷インプレッション数」で算出する。

広告の移動すべきURL(LP)への誘導効果を把握するための指標。配信量に対するクリック率(CTR:Click Through Rate)で広告の出稿効率を示すことが可能。掲載先やクリエイティブの効率面の評価を行う際の基準となるだけでなく、行動指標の1つとして、またその先の本来達成したいマーケティング上の目的コンバージョンの中間指標として活用されている。

役割

クリックの測定は判定基準によって異なり、大きくは以下に大別される。 アドサーバー上でクリックのリクエストが確認された時点でカウントする クリック後、LPへの移動が確認できた時点でカウントする

測定条件

2)効果指標1

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■エンゲージメント/コンバージョン、コンバージョン率(Conversion Rate)

定義 エンゲージメント;広告やブランドの評価指標の1つであり、広告効果を示す際にも活用される。 コンバージョン;購買プロセスにおける状態の変化(顧客見込→顧客)を指し、資料請求やサイトへの

誘導、申込、購買などの成果指標を設定するケースが多い。

測定課題/留意点

いずれも設定された指標の測定条件、判定基準を確認しておくことが重要。また、エンゲージメントに関しては、効果を単一の指標で示すことが難しく、複合的な判断が必要になる。

測定方法

エンゲージメントは、その判定は様々であり、明確な指標が存在しているわけではない。SNSでのツイート、いいね、シェア、サイト訪問頻度などの実行動で判定するケースもあれば、企業やブランドに対する意識で判定するケースもある。

コンバージョンは、クリック数、LP誘導数、資料申込件数、購入数など、広告目的によって指標が異なり、指標によって測定方法も異なるため、設定された指標に合わせた測定を行うことになる。

エンゲージメントは、媒体、広告、ブランドに対して、ユーザーが行うポジティブな行動を数値化したものであり、ユーザーと企業のつながりや関係性を把握する際に活用される。

コンバージョンは、広告の成果を把握するために活用される指標であり、広告の達成度を示す際に活用される。ある指標に対して、目的とする成果が得られた率はコンバージョン率(Conversion Rate)で表される。

役割

エンゲージメント、コンバージョン共に、設定された指標によって条件が異なる。測定条件

2)効果指標2

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■読了率

定義 インターネットサイト、広告のランディングページ、タイアップ広告などが最後まで読まれた割合を示す指標。

測定課題/留意点

読了率の判定基準は使用するツールや各社の判断によって異なるケースがあり、計測方法並びにその判定基準を事前に確認することが重要。また、ページ下部まで到達した割合を完全読了率として区別している場合もある。

測定方法対象ページのスクロール割合で測定する方法(Scroll Depth)が一般的。外部ツールを用いて、ユーザーが対象ページをどの程度の深さまで閲覧したのかを当該ページのトップから何%部分を経過したかどうかで判定する。

サイト、コンテンツ、広告において閲覧の深さを表す指標であり、ユーザーの興味度合いを把握する上で活用されている。ABテストの判定の際に活用されるケースも多い。役割

測定条件

2)効果指標3

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■滞在時間

定義 インターネットサイト、広告のランディングページ、タイアップ広告などがどれだけ長く閲覧されたかを示す指標。

測定課題/留意点

滞在時間の測定において、ユーザーがブラウザーを閉じたり、他のサイトに遷移した場合、次ページの来訪時間が判定できないことが多く、その場合、当該サイト内の最終閲覧ページの時間の算出ができなくなる。最終ページの扱いによって滞在時間の計算方法は変わり、その基準は媒体社や測定事業社によって異なるため、算出方法を正しく把握することが重要。

測定方法 当該ページへの来訪時点と遷移後のページの来訪時点の時間の差分で算出する方法が一般的。

サイト、コンテンツ、広告において閲覧の深さを表す指標であり、ユーザーの興味度合いを把握する上で活用されている。役割

測定条件

2)効果指標4

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■ブランドリフト指標

定義 広告に接触したユーザーと接触していないユーザーのブランドや企業に対して行った行動や意識を比較することで、広告がどの程度ブランド・企業への関与を高めることに貢献しているかを示す指標

測定方法

効果測定調査を実施する場合、個別の調査や第三者機関による調査が必要。よくある方法は以下2種類になる。①リサーチ会社が提供するサービスを利用する。②広告配信プラットフォームが提供するブランドリフト調査オプションを利用する。ログ照合、もしくは広告接触の有無に関する質問を聴取する方式で、広告に接触したユーザーと接触していないユーザーをそれぞれ抽出し、アンケート調査の形でユーザーの態度変容を確認することが一般的な方法。

広告認知率:広告出稿後に、広告がどのくらいの人に認知されたかを検証する指標 商品・企業興味度:広告接触後、どのくらいの人が商品、ブランド、もしくは企業に興味を持つようになったか

を検証する指標 商品・企業好意度:広告接触後、どのくらいの人が商品、ブランド、もしくは企業に好意を持つようになったか

を検証する指標 商品購入(利用)意向度:広告接触後、どのくらいの人が商品やサービスを購入・利用してみたいと思うように

なったかを検証する指標いずれもブランディングを始めとした広告の到達効果を示すものであり、直接的なユーザー行動ではなく、ユーザーインサイトの変化に注目した指標として広告効果検証で活用されている。

役割

2)効果指標5

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■ブランドリフト指標

測定課題/留意点

・ 広告出稿の目的に応じて、測定指標を設定することが重要。・ 各種定義を明確にし、意識を合わせておく必要がある。

ex) 広告接触の定義;ログベースで判定(実測)か、アスキングベースでの判定(意識)か検証のタイミング;広告出稿前後か、広告配信期間中かなど

・ 第三者測定において、複数の媒体社や広告配信プラットホームのすべてを跨いた広告出稿効果を測定することは、測定タグや(アプリの場合には)SDKを受け入れてもらわない限り実現が難しい。

・ 広告接触者が少ないと分析を行うことが難しいため、広告配信量や出稿媒体、測定可能媒体などを考慮した上で、調査の実施可否を判断することが必要。

・ 広告の成果を振り返る際に、広告配信量、クリエイティブ、ブランドリフト指標なども含めて、総合的に評価を行うことが重要。

第三者測定による広告接触判定を行う場合、媒体社・プラットフォームに測定タグや(アプリの場合には)SDKを受け入れてもらう必要がある。測定条件

2)効果指標5

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指標名 指標の意味

1 CPM(Cost per Mille) 広告表示1,000回あたりの費用。「広告費用÷インプレッション数×1,000」で算出する。

2 CPC(Cost per Click) ユーザーによる広告クリック1回あたりにかかる費用。また、クリック課金型の広告取引におけるクリック単価。「広告費用÷クリック数」で算出する。

3 CPE(Cost per Engagement) 広告媒体のサービスを利用し、定義した一定の成果(ユーザー行動)を起こさせるのに掛かったコスト。

4 ROAS(Return on Ad Spend) 広告の費用対効果。特定の広告に投資した広告費用から発生した売上額で、「売上額÷広告費用×100」で算出する。

5 ROI(Return on Investment)費用対効果。企業が広告などに投資したコストに対して得られる利益の割合で、「利益÷広告費用×100」で算出する。広告に費やしたコストが、実際どれくらいの成果(売上、利益、資料請求件数など)に繋がったのかを計測する際の指標となる。

6 CPV(Cost per View) ビデオ広告再生1回あたりの費用で、「広告費用÷再生回数」で算出する。

7 CPCV(Cost per Complete View) ビデオ広告再生完了1回あたりの費用で、「広告費用÷再生完了数」で算出する。

8 CPA(Cost per Action/Acquisition)

広告によって誘導されたユーザーが、広告主サイトで会員登録や商品購入など、特定のアクションにいたった回数(1回)当たりの費用であり、「広告費用÷コンバージョン数」で算出する。

9 CPI(Cost Per Install) スマートフォン広告におけるアプリのインストール単価。CPAと同義であるが、スマートフォン向けアプリのインストールを強調するために使用される傾向がある。

3)コスト指標