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(写) 1 28 大監発第 10308 号 平成 29 年3月 17 日 大田区議会議長 大田区教育委員会 大田区選挙管理委員会 大田区監査委員 中 井 恭 子 大田区監査委員 清 水 耕 次 大田区監査委員 安 藤 大田区監査委員 秋 成 平成 28 年度行政監査の結果について(報告) 地方自治法第 199 条第2項の規定に基づき実施した平成 28 年度行政監査の結果に ついて、同条第9項の規定により、下記のとおり報告します。 本監査の結果に基づき、又は本監査の結果を参考として措置を講じたときは、同 条第 12 項の規定に基づき、速やかにその内容を通知願います。 第1 監査の根拠 地方自治法第199条第2項の規定に基づく地方公共団体の事務の執行に関 する監査 第2 監査のテーマ 区民の健康づくりについて 第3 監査の目的 大田区は、平成 23 年3月に「おおた健康プラン」を策定し、「区民一人ひと りが生涯を通じて、健康で生きがいを持ち、安心して充実した生活を送ります」 を理念として掲げ、「健康推進プラン」「健康危機管理」「食育」のそれぞれ について、具体的な取り組みを定めて、健康施策を展開している。 平成 26 年3月には「おおた健康プラン(第二次)」を策定し、「第一次計画 策定後の成果及び評価できる視点の記載」「地域診断の実施とそこからみえる

(写) 28 大監発第 10308 号 資料番号6-2 平成 29 …...(写) 1 28大監発第10308号 平成29年3月17日 大田区長 大田区議会議長 大田区教育委員会

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(写)

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28 大監発第 10308 号

平成 29 年3月 17 日

大 田 区 長

大 田 区 議 会 議 長

大 田 区 教 育 委 員 会

大田区選挙管理委員会

大田区監査委員 中 井 恭 子

大田区監査委員 清 水 耕 次

大田区監査委員 安 藤 充

大田区監査委員 秋 成 靖

平成 28 年度行政監査の結果について(報告)

地方自治法第 199条第2項の規定に基づき実施した平成 28年度行政監査の結果に

ついて、同条第9項の規定により、下記のとおり報告します。

本監査の結果に基づき、又は本監査の結果を参考として措置を講じたときは、同

条第 12 項の規定に基づき、速やかにその内容を通知願います。

第1 監査の根拠

地方自治法第199条第2項の規定に基づく地方公共団体の事務の執行に関

する監査

第2 監査のテーマ

区民の健康づくりについて

第3 監査の目的

大田区は、平成 23 年3月に「おおた健康プラン」を策定し、「区民一人ひと

りが生涯を通じて、健康で生きがいを持ち、安心して充実した生活を送ります」

を理念として掲げ、「健康推進プラン」「健康危機管理」「食育」のそれぞれ

について、具体的な取り組みを定めて、健康施策を展開している。

平成 26 年3月には「おおた健康プラン(第二次)」を策定し、「第一次計画

策定後の成果及び評価できる視点の記載」「地域診断の実施とそこからみえる

資料番号6-2

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課題と解決策の検討」「外国人区民の意識・実態把握と対応施策の検討」を踏

まえ、施策の充実をめざし、地域の特色を生かしたより実践的な健康づくりを

行っている。

平成 28 年度は第二次計画の3年目であり、区民一人ひとりの健康づくりにつ

いて、指標目標に沿って計画的・効果的に行われているか、経費は経済的、有

効的に使われているかなどを中心に監査を実施した。

第4 監査の着眼点

【総括的な着眼点】

(1) これまで取り組んできた健康推進プランの内容と効果について

(2) 健康推進プランの課題とそれに対する取組み内容について

(3) 目標達成に向けて検討・実施すべき施策は計画的に行われているか。

(4) 外国人を含めた区民に向けた取り組みは適切に行われているか。

(5) 各部局間の連携、外部との連携は適切か。

【個別の着眼点】

(6) 自主的な健康づくり支援の取り組みは効果的に行われているか。

(7) がんの予防・がん対策の取り組みは効果的に行われているか。

(8) こころの健康づくり推進事業の取り組みは効果的に行われているか。

(9) 女性への健康支援は計画的に行われているか。

第5 監査等の対象

所管部局である健康政策部に対し、監査を実施した。

第6 監査の期間

平成 28 年6月1日(水)~平成 29 年3月 17 日(金)まで

第7 監査の実施方法

1 監査の着眼点に基づき、所管課である健康政策部各課に対して、以下の方法

で監査を実施した。

(1) 調査票を作成のうえ、回答を求める方法による調査

(2) 監査委員によるヒアリング及び実地調査

2 行政監査実施の経過は、下表のとおりである。

監査日程 項 目

平成 28年5月 30日(月) 平成 28 年度行政監査実施計画を決定

平成 28 年6月1日(水) 行政監査実施通知を区長に送付

平成 28年7月 27日(水) 監査対象所属へ調査票を送付(事務局)

平成 28年8月 31日(水) 調査票の回答受理(事務局)

平成 28年 12月7日(水) 監査対象所属へのヒアリング及び実地調査

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第8 テーマの概要

大田区の人口推移をみると、年少人口(14 歳以下)の割合は平成 16 年から

横ばい(11.3~11.4%で推移)で、老年人口(65 歳以上)の割合は年々増加(平

成 16 年 17.9%、平成 25 年 21.7%)している。人口の高齢化に伴い、「生活習

慣病」等の有病者数の増加が予想され、その予防対策と重症化対策の必要性が

高まっている。また、体の健康とともに、こころの健康が生活の質に大きな影

響を与えており、自殺等の社会的損失を防止するためには全ての世代の健やか

な心を支える社会づくりが求められていることから、「おおた健康プラン(第

二次)」が策定された。

策定にあたっては、平成 23 年3月に策定した「おおた健康プラン」(第一次

計画)の計画期間終了を受け、健康づくり関連施策をこれまで以上に展開して

いくため、区民へのアンケート調査や各担当部局に対して「事業評価」や「成

果と課題」、「今後の方向性」についてヒアリングを実施している。

「おおた健康プラン(第二次)」の特徴として、①第一次計画策定後の成果

及び評価できる視点の記載、②地域診断※

の実施とそこからみえる課題と解決策

の検討、③外国人区民の意識・実態把握と対応施策の検討の3点が挙げられる。

本プランは、『健康推進プラン』『健康危機管理』『食育(食育推進基本方

針)』の3つの分野に分かれている。この3つの分野のひとつである『健康推

進プラン』は、「自主的な健康づくり支援」「がんの予防・がん対策」「ここ

ろの健康」「女性の健康」等9つの施策からなり、施策の柱ごとに、地域診断

の実施から浮かび上がる課題とその解決策を検討し、地域の特色を生かしたよ

り実践的な健康づくりを展開している。

※地域診断…対象となる地域の人口構成や保健衛生統計等のデータの分析を通じて、

地域ごとの問題、特徴を総体として把握するもの。

第9 監査の結果

1 これまで取り組んできた健康推進プランの内容と効果について

これまで取り組んできた健康推進プランの取組み内容と効果について調査を

行った。主な施策における所管課からの回答主旨は以下のとおりである。

(1) 自主的な健康づくり支援

自主的な健康づくり活動の担い手となる人材の養成を促進したことで、区

民の健康づくりに関する周知につながった。

また、普及啓発としてホームページやツイッターなどのデジタル媒体によ

る情報発信を強化し、目標以上のアクセス数を達成することができ、若者か

ら高齢者まで幅広い年齢層に周知を促進することができた。健康教室におい

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ては、地域から依頼された団体等に出向く出張型に力を入れたことで、より

積極的な情報発信につながった。

(2) がんの予防・がん対策

胃がん、肺がん、大腸がん、子宮頸がん及び乳がん(以下、5がん)の 75

歳未満年齢調整死亡率で見ると、東京都で公表されている年齢調整死亡率を

評価指標とした場合、平成 26 年度の死亡率を平成 25 年度と比較すると、胃

がん、肺がん(男性)、大腸がん(男性)の死亡率は低下している。しかし、

大腸がん(女性)、子宮頸がん及び乳がんの死亡率は上がっている。

5がんの要精密検査者の受診率平均値は前年度と比較して増加した。また、

平成 27 年度から乳がんに加えて、5がんすべての要精密検査者に対して受診

勧奨を始めた。

(3) こころの健康

精神障がい者やその家族等からの相談に対して、保健師が庁内関係部局や

医療機関等の関係機関と連携し、地域で安心して暮らせるように、きめの細

かい支援を行った。地域全体で自殺総合対策に取り組むため、区民、区職員

及び関係機関を対象にゲートキーパー※

研修(初級・中級)を実施したほか、平

成 27 年度は、初めて区管理職向けゲートキーパー研修を実施した。また、自

殺対策庁内連絡会及び自殺総合対策協議会を開催し、総合対策のネットワー

クの構築、連携の強化を図ることができた。

※ゲートキーパー…直訳すると「門番」。悩みを持つ方に接する人を「門番」と位置

付け、自殺の兆候を見つけ出し、適切な相談機関につなぐ役割を

担う。

(4) 女性の健康

地域健康課では子育て中の母親に対して、4か月健康診査や3歳児健康診

査時の機会をとらえ、39 歳以下区民健康診査及び骨密度測定を行っている。

日頃の子育ての忙しさの中で自分の健康を省みる貴重な機会となっている。

また、骨密度測定については、平成 27 年度は児童館に出向いて、児童館を

利用している母親に対して測定を行う回数を増やした。健診結果に基づいて

健康教育を行っており、実際の自分のデータを見て話しを聞くため現実的に

なっており、真剣に聞いている母親が多く見受けられる。

健康づくり課で実施している女性の健康相談では、平成 27 年度から女性の

産婦人科医師による専門相談を開始し、日頃感じている婦人科系の身体の悩

みの相談窓口として活用されている。アンケート結果でも相談後の満足度は

高い状況である。

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(5) その他

「おおた健康プラン(第二次)」の策定の背景においては、人口の高齢化に

伴い、「生活習慣病」等の有病者数の増加が予想され、その予防対策と重症

化を防ぐ必要性が高まっている。

区民部国保年金課では、レセプト分析・検診データを活用し、特定健診(特

定健康診査)の実施及び受診勧奨を行っている。しかし、特定健診の受診勧

奨の対象者のうち、実際に受診した人数については減少気味である。その理

由としては「医師の指導を受けているから」、「自己管理ができるから」、

「忙しいから」などである。

健康づくり課では、生活習慣病の前段階であるメタボリックシンドローム

(内臓脂肪症候群)の状態や予備軍を対象に、生活習慣を改善するための特

定保健指導を実施している。

2 健康推進プランの課題とそれに対する取組み内容について

「おおた健康プラン(第二次)」の健康推進プランの課題と、それを踏まえ

た今後の取組み内容について調査を行った。

所管部局からの回答主旨は、課題については「各事業とも、指標目標に沿っ

て概ね順調に実施している」とのことであり、今後の取組み内容については以

下のとおりである。

(1) 自主的な健康づくり支援

現在、ホームページには講演会等イベントの記事の掲載のほか、いつでも

記事が閲覧できるよう「私の健康づくり大・作・戦!」実践編のパンフレッ

トや運動、口腔・栄養編等の記事を掲載している。また、ツイッターでは週

1回のペースで健康づくりに関する記事を、デジタルサイネージで健康増進

月間等に合わせた記事を、それぞれ掲載している。

区民の方が様々な媒体で健康情報を得て、健康づくりに取り組むことがで

きるよう、これらのことを継続実施していく。

(2) がんの予防・がん対策

受診しやすい検診体制の一環として、女性のがんの検診は、女性医師が診

察に当たる医療機関の情報を提供している。しかし、聴覚に障がいがある方

が筆談で受診できる医療機関等の多様なニーズに対応可能な医療機関の把握

ができていない。今後は医師会に協力を求め、情報を把握し受診しやすい体

制の整備と周知を図っていく。

がんの精密検査勧奨は、平成 26 年度に乳がん検診で、平成 27 年度から5

がん検診で実施している。今後は精密検査未受診者に、がん等の早期発見、

早期治療のために精密検査の重要性を周知するとともに、検診機関、医師会

と連携して受診状況を把握できるように努めていく。

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(3) こころの健康

精神保健福祉に関する相談は、精神障がい者やその家族等からの相談に対

して、保健師が庁内関係部局や医療機関等の関係機関と連携し、支援を行っ

ている。精神保健福祉に関する相談は個別支援が中心となり、個別の状況に

応じた対応にならざるを得ないため、引き続き関係機関ときめ細やかな連携

に努め、支援を行っていく。

(4) 女性の健康

従来、保健師が女性の健康相談に応じていたが、女性が気軽に相談できる

よう、平成 26 年5月から健康づくり課に「女性の健康相談窓口」を設置し相

談に応じている。また、産後の母親が子育てに一生懸命で自分の体について

なおざりになりがちな自分自身を見つめるきっかけ作りとして、運動を通じ

た産後セルフケア事業を行っている。子育て中の保護者に対しても養育の支

援が必要な家庭に対しては、養育支援者が訪問し相談、指導、助言を行って

いる。

女性の健康相談は、より多くの方に利用していただけるよう周知方法を工

夫していく。

ア 意見・要望事項

「自主的な健康づくり支援」における健康づくりの情報については、現在も

ホームページや紙媒体等により発信しているが、健康づくりがすべての区民

に関連するものであるから、幅広い年齢層に沿った、より効果的なタイミン

グや回数、発信場所について周知方法を検討されたい。 <健康づくり課>

3 目標達成に向けて検討・実施すべき施策は計画的に行われているか

健康推進プランの目標達成に向けた進捗管理について調査を行った。

健康づくり課では、毎年度「おおた健康プラン推進会議」を開催し、事業を

所管する担当課(以下、担当課)から事業の進捗状況について報告を受け、内

容の確認と情報共有を行っている。

会議の開催に先立ち庁内検討会を開催しており、この会議で、担当課から各

事業の前年度実績報告や進捗状況などの内容を集約し、確認・情報共有をして

いる。また、各担当課は「おおた健康プラン推進会議」での質疑応答の際は、

出席委員から報告内容や今後の事業実施に関する意見・質問等を受け、委員に

対して直接その場で回答・説明をしている。そして、各担当課において今後の

事業展開をしていくうえでの検討材料としている。さらに、次回の同会議にお

いて、その後検討した内容やその取組状況等について報告している。

4 外国人を含めた区民に向けた取り組みは適切に行われているか

健康推進プランの外国人を含めた区民に向けた取組み内容について調査を行

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った。

所管課では、外国人区民の健康に関する意識や習慣などを把握し、「おおた

健康プラン(第二次)」のための基礎資料とすることを目的として、平成 25 年

7月に、外国人区民に対してのアンケート及びヒアリングを実施している。そ

の結果、健康に関する主な情報源は、窓口配付のパンフレットやインターネッ

トを利用していることが分かった。そこで、外国人区民に対する施策として、

「生活習慣病の予防」と「子どもの健康」について以下の取り組みを行ってい

る。

(1) 外国人区民に対する施策の取組み内容について

「生活習慣病の予防」

事業名 対象及び人数 方法 担当課 概要

健康相談 区民(外国人含む) 保健師、栄養士、歯

科衛生士が個別相談 4 地域健康課

専門職が電話または面接で生活習慣病の予防に

関して個別相談に対応

生活習慣病予防教室 区民(外国人含む) 2 日制の教室 4 地域健康課 講義、運動、調理実習等で生活習慣病予防の方

法を学ぶ

国民健康保険特定健

診、特定保健指導

40 歳~64 歳の国保加入

者(外国人含む) 国保年金課

健康診査を受け、特定保健指導対象者には、保

健指導を実施し生活習慣病予防を促す。

長寿健康診査 75 歳以上後期高齢者(外

国人含む) 国保年金課 健康診査受診し疾病の早期発見、早期対応

39 歳以下区民健康診

査及び骨密度測定

4 か月健診及び 3 歳児健

診受診児の保護者(外国

人含む)

4 か月健診及び 3 歳

児健診時に同時に実

4 地域健康課

4 か月健診及び 3 歳児健診時に来所の保護者を

対象に実施。骨密度は 3 歳児健診に来所の母親

に実施

子どもの健康(区内に住所を持つ外国人含む)

事業名 対象及び人数 方法 担当課 概要

すこやか赤ちゃん訪問 生後4か月までの乳児保健師または委託の助産師

が乳児宅に訪問4地域健康課

乳児宅に訪問し、乳児や産婦の健康状態を確認するととも

に、相談支援を行う

乳幼児健康診査 4か月児.1歳半児・3歳児

健診児

内科的診察、歯科健診(1歳

半児・3歳児)、心理相談、

集団指導、個別相談

4地域健康課案内文に(英語・中国語・韓国語・タガログ語)あり、事前

郵送の時外国人には外国語版送付

乳幼児健康診査時アン

ケート

4か月児.1歳半児・3歳児

健診児

健診時保護者が事前に記入

して持参4地域健康課

乳幼児健診時に保護者が持参する児の様子、相談等を記入

するアンケート(英語・中国語・韓国語・タガログ語・ベ

トナム語)もあり

6~7か月・9~10か月

健診

6~7か月・9~10か月

健診内科的診察 医師会委託

6~7か月・9~10か月健診に関する案内に英語、中国

語あり。

乳幼児経過観察・乳幼児

発達健診乳児、幼児

各乳幼児健康診査で再度健

診が必要な児に対しての健

4地域健康課体重増加不良、肥満等医療機関受診まではないが、個別指

導後数か月後に小児科医が診察し健康状態を確認する。

育児学級乳幼児(6か月児・9か月

児・1歳児)育児についての講座 4地域健康課

子どもの成長の節目の時期に育児について学ぶ(離乳食・

育児等)

多胎児育児学級 双子を持つ保護者 グループワーク 2地域健康課

母親同士の情報交換と育児に関する講話、育児相談を行っ

ている。交流を深め情報交換をすることで育児不安の軽減

を図っている。

子育て仲間の集い 乳幼児親子手遊び遊び、グループワー

ク4地域健康課

子育てに不慣れな母親が、子どもを連れ気軽に定期的に集

まる場を提供し、育児不安の軽減を図っている。

子育てグループ 育児不安の強い親行動療法や講義、グループ

ワーク4地域健康課

行動療法や講義、グループワーク等によるプログラムで、

児の発育発達を理解し、困った行動に対する適切な関わり

方を学ぶ。(母子分離して実施)

子育てグループワーク

MCG子育てに悩みを持つ母親 グループワーク 4地域健康課

心理相談員、保健師が子育てに悩みを持つ母親のグループ

ワークを実施し、子育てを支援する。(母子分離して実

施)

小集団個別対応グループ

産後うつスクリーニング

において高得点で育児不

安を抱える母親

グループワーク 3地域健康課育児情報提供とともに、母親の孤立化を防ぐことを目的に

定期的にグループミーティング。

出張育児相談 乳幼児親子 個別相談 1地域健康課 児童館で育児相談

児童医療・養育医療・育

成医療・療育給付医療給付等

健康づくり課

地域健康課

子育て支援課

養育支援家庭訪問事業

(ゆりかご)

生後4か月までの乳児宅で

養育支援者訪問が必要と

認められた宅

養育支援者ご訪問し支援 子育て支援課生後4か月までの乳児のいる家庭に対して同行受診や沐浴

の補助等の支援を行う。

Page 8: (写) 28 大監発第 10308 号 資料番号6-2 平成 29 …...(写) 1 28大監発第10308号 平成29年3月17日 大田区長 大田区議会議長 大田区教育委員会

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(2) 庁内外の関係者との連携について

国際都市・多文化共生推進課と連携し、パンフレットや帳票類の翻訳や、

窓口での面接・相談時には翻訳機能付きタブレットを活用し対応している。

(3) これまでの取組み状況の評価について

窓口で配布している各種資料やリーフレット等の外国語版を設置するほか、

帳票類の外国語訳を用意することにより、各種届出や申請手続き、面接や相

談がスムーズに対応できるようになった。

(4) その他

上記の表によると、窓口配布の各種資料やリーフレット等の外国語版の設

置や帳票類の外国語訳を用意しており、外国人区民に対する取り組みはおお

むね適切に行われている。しかしながら、外国人の参加者(受診者または利

用者)の状況や意見等の把握について調査したところ、統計はとっていなか

った。

ア 意見・要望事項

今後は実施する事業の中で、外国人の利用状況やニーズを把握し、きめ細

やかな対応に努められたい。また、利用者アンケートの実施などにより意見・

要望等を分析した上で、外国人区民に向け、情報を迅速かつ正確に提供され

たい。 <健康づくり課>

5 各部局間の連携、外部との連携は適切か

「おおた健康プラン(第二次)」の各施策の実施にあたり、各部局間の連携、

外部との連携は適切かについて、調査を行った。

「おおた健康プラン(第二次)」策定時には、各担当部局に対して「事業評

価」や「成果と課題」、「今後の方向性」についてヒアリングを実施している。

また、策定後には「おおた健康プラン推進会議」(P6参照)や庁内検討会に

おいて、事業内容の確認や情報共有をしている。

子育てひろば 0歳から3歳親子で利用できるフリース

ペース子育て支援課 親子でゆっくり過ごしながら、個別相談も実施

初めてのパパとママ子育

て教室0歳児を持つパパ・ママ 講座とグループワーク 子育て支援課

2部制で前半は「ベビーマッサージ」「ふれあい遊び」で

後半は「みんなでおしゃべりタイム」で出産の夫婦関係を

振り返る。

絵本との出会い事業 4か月児健診受診児 4か月健診時に絵本配布 4地域健康課子ども読書活動推進計画の一つで、絵本の読み聞かせの

きっかけ作りとして4か月健康診査時に配布。

定期予防接種 予防接種対象児 各医療機関で実施 感染症対策課乳幼児に必要な定期予防接種に関する書類を対象児の保護

者に送付し、各医療機関で予防接種の実施を促す。

子育て情報提供

・子育てハンドブック

・子育て応援サイト

・区報、区ホームページ

・大田区休日・平日救急室

の周知

子育て支援課

健康づくり課

4地域健康課

・「子育てハンドブック」は妊娠届出時に配布

・「大田区休日・平日救急室の周知」は「すこやか赤ちゃ

ん訪問」時に配布

Page 9: (写) 28 大監発第 10308 号 資料番号6-2 平成 29 …...(写) 1 28大監発第10308号 平成29年3月17日 大田区長 大田区議会議長 大田区教育委員会

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ア 意見・要望事項

各施策とも部局間、自治会・町会、区内の保健医療機関、区民による活動

団体など、外部と適切に連携していることがうかがえる。

特に、こころの健康における相談は、相談内容によっては複数部局に関連

することも多いため、担当課は主体性をもって迅速で適切に対応するための

体制づくりに努められたい。 <健康づくり課>

6 自主的な健康づくり支援の取り組みは効果的に行われているか

本施策の主な取り組みの中から「健康づくり自主グループの育成」、「区民

に対する健康づくりに関する情報の周知」について調査を行った。所管課の回

答主旨は以下のとおりである。

(1) 健康づくり自主グループの育成

① 「健康づくり自主グループの育成」の取組み内容について

・ ウォーキング、体操、太極拳、健康の話、料理教室等、区民が取り組ん

でいる健康づくりに関連するグループ活動状況の記事及び大田健康づ

くりネットワーク登録団体一覧を掲載した「健康づくり情報ガイド」を

2か月に1回発行している。

・ 年1回、大田健康づくりネットワーク登録団体懇親会を実施し、相互の

情報交換や区の施策の紹介等を行っている。

・ 大田健康づくりネットワーク登録団体に対して、希望があれば保健所の

保健師や栄養士などが健康教育を行っている。

・ 健康づくり課で発行のウォーキングマップのウォーキングコースの作

成を大田健康づくりネットワーク登録団体に依頼した。

② 過去5年間のグループ数と参加人数の推移について

平成 28 年9月現在の大田健康づくりネットワーク登録団体の登録数は

33 団体と、毎年団体数が増えている。平成 26、27 年度には年1回座談会

形式のグループ交流会を、今年度については平成 29 年2月に講座方式での

グループ交流会を開催し、交流会の会場では健康づくりのパンフットを配

布した。

③ 庁内外の関係者との連携について

「健康づくり情報ガイド」を地域健康課、地域福祉課、図書館、文化セ

ンター、特別出張所等に配布し、広くガイドの活用を促し、各グループの

登録団体数

種類 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度

体操系 グループ数 22 22 25 26

文化系 グループ数 5 4 4 4

※参加人数は、グループに報告を求めておらず、不明

Page 10: (写) 28 大監発第 10308 号 資料番号6-2 平成 29 …...(写) 1 28大監発第10308号 平成29年3月17日 大田区長 大田区議会議長 大田区教育委員会

10

新規加入者増につながっている。

④ これまでの取組み状況の評価と課題について

これまでグループの活動を広く周知する広報活動を中心に行ってきた。

近年各グループの問題としてグループメンバーの高齢化が進み、グループ

をけん引していく人が少なくなり、グループ運営が難しくなっている。

⑤ 課題に対する今後の取組み内容について

長年にわたり活動を継続しているグループがほとんどである。新たなグ

ループの設立及び新規加入者を増やすために今後も広報活動を行っていく

ことに加え、大田健康づくりネットワーク登録団体が活動を広く区民に公

開できる場面を設定し、グループ活動のモチベーションを上げていく。

(2) 区民に対する健康づくりに関する情報の周知

① 「区民に対する健康づくりに関する情報の周知」の取組み内容について

② 庁内外の関係者との連携について

【運動篇】は、「おおた健康プラン(第二次)実践編パンフレット」の

別冊として、より具体的に活動するために活用することを目的に作成して

いる。できる限り地域の情報を掲載するために、大田健康づくりネットワ

ーク登録団体等に情報提供を依頼した。また、特別出張所からの申し出を

受け、自治会・町会の協力を得て作成したものもある。

③ これまでの取組み状況の評価と課題について

情報提供のための冊子及びパンフレットを作成し、ホームページ、ツイ

ッター、区報等で区民に周知している。

④ 課題に対する今後の取組み内容について

【運動編】は、今年度、大田区全地域が網羅された総集編を作成した。

平成 27 年度

事業名 対象及び人数 提供の媒体 期間 事業経費 概要

私の健康づくり大・作・戦!

(実践パンフレット) 成人区民 冊子 通年 1,015,200 円

平成 26 年度作成

平成 27 年度増刷

【運動篇】私の健康づくり大・作・戦!

(実践パンフレット別冊) 成人区民 パンフレット(9 種類) 通年 2,665,860 円

平成 24 年度から

27 年度順次作成

【栄養篇】私の健康づくり大・作・戦!

(実践パンフレット別冊) 成人区民 パンフレット(2 種) 通年 438,825 円

平成 25 年度から

1 年に 1 種類作成

【口腔篇】私の健康づくり大・作・戦!

(実践パンフレット別冊) 成人区民 パンフレット(2 種) 通年 459,162 円

平成 26 年度から

1 年に 1 種類作成

私の健康づくり大・作・戦! 掲載 ホームページ掲載 通年 0 円 平成 26 年度より

健康づくり情報配信 ツイッター 1 回/週 0 円 平成 24 年度より

Page 11: (写) 28 大監発第 10308 号 資料番号6-2 平成 29 …...(写) 1 28大監発第10308号 平成29年3月17日 大田区長 大田区議会議長 大田区教育委員会

11

ア 意見・要望事項

(ア) 健康づくり自主グループの育成については、様々な機会を活用した健康

に関する広報活動の継続・周知をするとともに、社会活動団体・区民活

動団体等に参加を促すなど、他部局との連携も検討されたい。

<健康づくり課>

(イ) 区民に対する健康づくりに関する情報の周知については、「私の健康づ

くり大・作・戦!」(おおた健康プラン(第二次)実践編パンフレット)

等を作成し、広く配布を行い周知に努めていると認められる。

平成 29 年度には、健康に関するアンケート調査を実施する予定である

が、その調査において、区民に対する健康づくりに関する情報の周知がど

のような効果をもたらすのかについても分析できるよう検討されたい。

<健康づくり課>

7 がんの予防・がん対策の取り組みは効果的に行われているか

本施策の主な取り組みの中から「がん検診の充実」、「有効ながん検診の推

進」について調査を行った。所管課の回答主旨は以下のとおりである。

(1)がん検診の充実

① 各種がん検診の内容について

② 過去5年間の予算額、執行額、執行率、対象者数、予定者数、受診者数、

受診者 1 人当たりコストの推移(検診別)について

検診名 対象 実施方法・期間 回数 自己負担額(円) 概要

胃がん検診 35 歳以上 個別 7 月~2 月 1,000 対象年齢以外は国の指針に基づき実施

40 歳以上に勧奨通知発送

大腸がん検診 40 歳以上 個別 7 月~2 月 200 国の指針に基づき実施

対象者全員に勧奨通知発送

肺がん検診 40 歳以上 個別 7 月~2 月 500 国の指針に基づき実施

対象者全員に勧奨通知発送

喉頭がん検診* 40 歳以上 個別 7 月~10 月 500 対象者全員に勧奨通知発送

前立腺がん検診* 60・65・70 歳 個別 6 月~3 月 500 対象者全員に勧奨通知発送

乳がん検診 40 歳以上 集団・個別

7 月~2 月

集団

30

偶数年齢: 500

奇数年齢:4,000

対象年齢以外は国の指針に基づき実施

対象者に勧奨通知発送

子宮頸がん検診 20 歳以上 集団・個別

7 月~2 月

集団

30

偶数年齢: 500

奇数年齢:2,000

対象年齢以外は国の指針に基づき実施

対象者に勧奨通知発送

*国の指針が示されていない検診

検診名 年度 予算現額 執行額 執行率 対象者数 予定者数 受診者数

受診者1人

当たりコスト

(執行額/受診

数)

23年度 289,654,000 277,822,872 95.9% 266,672 11,500 11,475 24,211

24年度 275,520,035 273,660,676 99.3% 268,900 11,500 11,791 23,209

25年度 280,499,243 279,933,112 99.8% 270,978 12,100 12,413 22,552

26年度 370,647,000 294,518,013 79.5% 273,426 18,000 14,219 20,713

27年度 338,022,858 330,456,588 97.8% 265,563 18,000 15,894 20,791

胃がん検診

Page 12: (写) 28 大監発第 10308 号 資料番号6-2 平成 29 …...(写) 1 28大監発第10308号 平成29年3月17日 大田区長 大田区議会議長 大田区教育委員会

12

③ 過去5年間の推移からみた、各種がん検診の傾向と特徴について

・ 国の指針※

が示されている胃、肺、大腸がん検診については、平成 27 年度

から受診者数の上限を廃止し、受診期間内であれば希望者全員の検診を

受け入れた結果、肺がん検診と大腸がん検診の受診者数が大幅増となっ

ている。

・ 胃がん検診については、平成 26 年度に受診期間の3か月延長を実施した

結果受診者数が大幅増となったため、平成 27 年度は受診者数の上限廃止

と2か月間の期間延長による更なる増を期待したが、効果は微増となっ

た。

・ 喉頭がん検診は、平成 26 年度に予定数を 300 人増やした。年齢と喫煙歴

等の要件を設けているが、国の指針が示されていないため、今後は検診

の有効性とリスク※

を勘案しながら予定数の検討をしていく。

・ 前立腺がん検診は、他のがん検診と違い対象年齢を60、65、70歳に設定

している。特定健診と同時に受診できる体制やがん検診の中では最長の

10か月間の受診期間を設定しているが、受診者数は平成26、27年度と減

少している。

・ 乳がん、子宮頸がん検診については、平成 26 年度に国の施策が改正され、

無料クーポン券の対象者を縮小した。受診期間は1か月間延長した。

23年度 171,019,000 157,376,235 92.0% 252,047 18,000 17,970 8,758

24年度 158,410,000 149,644,852 94.5% 255,987 18,000 17,952 8,336

25年度 156,424,000 149,693,289 95.7% 259,607 18,000 17,954 8,338

26年度 156,757,000 152,608,954 97.4% 263,342 18,500 18,227 8,373

27年度 243,584,628 243,584,628 100.0% 262,601 19,000 28,988 8,403

23年度 103,113,000 100,696,847 97.7% 250,911 24,000 23,439 4,296

24年度 124,374,940 112,514,232 90.5% 254,834 29,200 26,379 4,265

25年度 125,044,203 112,295,627 89.8% 258,438 29,200 26,464 4,243

26年度 132,090,000 123,188,218 93.3% 262,156 32,200 29,277 4,208

27年度 158,846,000 149,132,947 93.9% 249,773 47,065 39,514 3,774

23年度 61,078,000 60,795,520 99.5% 378,448 6,000 6,000 10,133

24年度 58,280,869 58,248,532 99.9% 384,365 6,000 6,014 9,685

25年度 58,150,000 58,103,674 99.9% 389,801 6,000 5,998 9,687

26年度 60,676,608 60,676,608 100.0% 395,408 6,300 6,263 9,688

27年度 61,163,000 61,071,599 99.9% 400,916 6,300 6,300 9,694

23年度 8,543,000 7,945,098 93.0% 13,265 2,000 2,081 3,818

24年度 8,632,707 8,625,837 99.9% 14,262 2,000 2,390 3,609

25年度 9,356,000 8,387,799 89.7% 13,684 2,300 2,334 3,594

26年度 9,953,000 5,877,669 59.1% 13,002 2,800 1,858 3,163

27年度 6,765,372 5,637,672 83.3% 11,683 2,800 1,744 3,233

23年度 210,491,000 138,896,550 66.0% 140,066 16,500 10,711 12,968

24年度 179,755,181 140,190,942 78.0% 142,286 15,400 11,568 12,119

25年度 186,023,750 146,762,901 78.9% 144,340 15,300 12,230 12,000

26年度 177,354,078 134,047,233 75.6% 146,363 15,800 11,539 11,617

27年度 178,353,000 176,147,392 98.8% 135,977 14,800 15,151 11,626

23年度 241,981,000 190,811,515 78.9% 188,254 22,000 17,291 11,035

24年度 233,476,961 193,032,697 82.7% 188,806 22,000 18,387 10,498

25年度 230,353,000 191,985,557 83.3% 189,668 21,900 18,585 10,330

26年度 231,609,392 184,155,035 79.5% 191,374 23,600 19,879 9,264

27年度 247,582,142 247,513,142 100.0% 200,940 21,120 26,543 9,325

肺がん検診

子宮頸がん検診

胃、肺、大腸がん検診の27年度予定数は予算算定のために設定した予定数で、実際の受診は、上限を設けず実施期間中であれば受

診希望があれば検診を実施している。

大腸がん検診

喉頭がん検診

前立腺がん検診

乳がん検診

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13

・ 乳がん検診は、平成 26 年度は受診者数減となったが、平成 27 年度は著

名人の罹患報道や受診者数の上限廃止等の結果、受診者数が増加し過去

5年で最も多くなった。

・ 子宮頸がん検診の平成 26 年度は、検診対象者を「20 歳以上の偶数年齢

者」から「20 歳以上」へと拡充して実施した結果、受診者数増となった。

また、平成 27 年度は受診期間内であれば希望者全員の検診を受け入れる

態勢をとった結果、大幅増となった。

・ 女性のがん検診は、ピンクリボン運動の定着やテレビ報道等で関心も高

まり、今後も受診希望者は増えると予想される。

※国の指針…厚生労働省(国)の「がん検診のあり方に関する検討会」の報告を基に、

国から示される検診対象者、実施回数、検診方法などを示す「がん予防

重点健康教育及びがん検診実施のための指針」

※リスク…無症状で健康な多数の区民に対し、死亡率減少の有効性が確立されていな

い身体的、精神的苦痛が伴う検査をすること(患者を対象とする診断に基

づく検査とは異なる)。

④ 他区との比較における各種がん検診の受診状況について

≪平成 26 年度大田区受診率の比較 ※( )内は 23 区平均受診率≫

胃がん 5.9%(6.8%)、肺がん 6.9%(10.7%)、大腸がん 11.2%(20.9%)、

乳がん 14.0%(19.0%)、子宮頸がん 18.3%(22.0%)

受診者数の上限を設けていた平成 26 年度は 23 区平均を下回っていた。平成

27 年度の受診は胃がん 6.8%、肺がん 11.0%、大腸がん 15.8%、乳がん 16.5%、

子宮頸がん 19.6%となった。23区のデータは出ていないが、大田区においては、

この増加は期間延長や上限廃止の実施の効果と思われる。

⑤ 各種がん検診の受診率向上のための取組み内容について

・ 胃、肺、大腸がん検診は 40 歳以上の対象者 41 万人に「検診案内」を郵

送し受診勧奨を行っている。また、受診期間を延長し受診機会を増やし

ている。

・ 女性のがん検診については、対象者全員に「検診案内」を郵送して勧奨

している。また、検診方法を医療機関での「個別検診」と区施設等で乳・

子宮頸がん検診が同時に受診できる「集団検診」の場を提供し、多様な

ニーズへの対応に努めている。

・ 広報活動としては、区の催事等でのリーフレット配布、区報掲載、デジ

タルサイネージ、実施医療機関での検診会場を示すステッカー掲示等を

実施している。

Page 14: (写) 28 大監発第 10308 号 資料番号6-2 平成 29 …...(写) 1 28大監発第10308号 平成29年3月17日 大田区長 大田区議会議長 大田区教育委員会

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⑥ これまでの取組み状況の評価と課題について

・ 胃、肺、大腸がん検診は、受診期間延長と受診者数の上限廃止により受

診環境の整備をした。胃、肺がん検診は受診者増に一定の成果を上げた

が、胃がん検診は肺、大腸がん検診に比べてその効果が低く、受診者数

も1万人以上の差がある。これは肺がん検診の胸部レントゲン(単純)、

大腸がん検診の検便に比べ、胃がん検診のレントゲン検査においてバリ

ウム造影という負担感があるため、受診率に差が出たと思われる。胃が

ん検診の検診受診者増が今後の課題である。

・ 乳がん、子宮頸がん検診は、多様な場の提供と受診期間延長、受診者数

の上限廃止で受診者増に一定の効果を上げている。

・ 乳がん、子宮頸がん検診は、集団検診で検診月により予約開始日を設け

電話での予約としているが、予約開始日は電話が繋がりにくい、開始日

の午前9時に電話が出来る環境に無いので検診をあきらめた等、意見が

寄せられている。

⑦ 課題に対する今後の取組み内容について

胃がん検診は、平成 28 年度に国の指針が改正され、検診方法が「胃部

エックス線検査」から、「胃部エックス線または胃内視鏡検査のいずれか」

に、対象年齢が 50 歳以上に変更され、内視鏡を導入する場合は(仮称)

「胃内視鏡検診運営委員会及び読影委員会」を設置することになる。その

ため、実施方法について医師会と検討を始めている。今後、検討結果に基

づく胃がん検診の検査方法や各検診の重要性について、各種イベントや検

診会場で周知する機会を増やしていく。

乳がん、子宮頸がん検診の集団検診は、インターネットによる予約手続

開始のための個人情報審議会の承認が完了している。現在、同手続の利用

開始に向けて委託業者と協議を進めている。

(2) 有効ながん検診の推進

① 精密検査未受診者への受診勧奨の取組み内容について

② 過去5年間の対象及び人数、受診者数、事業経費の推移(検診別)につ

いて

平成 27 年度検診分に対する精密検査勧奨

検診名 対象 人数 方法 回数

1次検診受診時期と

精密検査勧奨時期 事業経費

第1回 第2回

胃がん検診 1次検診で要精密検

査となった者で、精密

検査結果の報告が区

に届いていない者

136

郵便 2回

1次検診受診月

7-9月

精密検査勧奨時期

H28 年 2 月下旬

1次検診受診月

10-2 月

精密検査勧奨時期

H28 年 7 月下旬

17,206 円

大腸がん検診 344 43,521 円

肺がん検診 140 17,712 円

乳がん検診 106 13,411 円

子宮頸がん検診 252 31,882 円

Page 15: (写) 28 大監発第 10308 号 資料番号6-2 平成 29 …...(写) 1 28大監発第10308号 平成29年3月17日 大田区長 大田区議会議長 大田区教育委員会

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③ これまでの取組み状況の評価と課題について

がん検診は、健康増進法等で定める健康増進事業として実施している。

また、がん検診の実施に関し必要な事項を定める国の指針では、その目的

として「がんの予防及び早期発見の推進を図ることにより、がんの死亡率

を減少させること」と定めている。これに基づき、がん検診において要精

密検査となった者には精密検査を確実に受診させ、がんの死亡率減少に繋

げていくことが大切である。同指針では、5がん検診の実施推奨と、その

受診指導の内容において「がん検診の結果“要精密検査”と判定された者

に対し、医療機関への受診を指導する。指導後も精密検査未受診者に対し

ては、再度、受診勧奨を行う。」とされている。そのため、がん検診で要

精密検査となり精密検査未受診である者に対しては、精密検査の重要性を

周知するとともに受診勧奨を行うことが必要である。

がん検診は、受診率の向上とともに有効かつ科学的根拠に基づく効果的

な検診を実施するための精度管理※

が重要である。より精度の高い検診を提

供するため、毎年厚生労働省による「地域保健・健康増進事業報告」にお

いて、国へ検診の実績報告を行っている。また、平成 18 年度からは東京

都により「東京都におけるがん検診精度管理評価事業」として各区市区町

村の精度管理状況等の評価を行っている。この、国・都の精度管理の中で

は、精密検査未把握者の受診状況把握等への対策が重要となっている。

大田区では、平成 26 年度からの保健所システムの導入・本稼働により、

速やかなデータ処理が可能となった。そこで、システムを活用して精密検

査対象者への受診状況確認・受診勧奨通知を行い、がんの早期発見・早期

治療の促進を図り、精度管理向上に繋げている。5がんの精密検査勧奨は、

平成 26 年度にモデルケースとして乳がん検診受診者を対象に実施し、平

成 27 年度からは他の4がんでも精密検査未受診者への受診勧奨を行って

いる。

対象者の抽出は、医療機関から各医師会を経由して区に送付される一次

検診結果のシステム反映後となる。一次検診の要精密判定者を把握するた

めの事務処理や、要精密判定者が二次検診を受診するまでの日数は一定期

間を要するため、勧奨通知が遅れている。勧奨結果に基づく精度管理や未

受診者への再勧奨等が課題である。

※精度管理…「がん検診の質を高く保つ取り組み」で、がん死亡率を減少させるため、

平成 26 年度検診分に対する精密検査勧奨

検診名 対象 人数 方法 回数 1次検診受診時期と精密検査勧奨時期

事業経費 第1回 第2回

乳がん検診

1次検診で要精密検査

となった者で、精密検

査結果の報告が区に届

いていない者

135 郵便 2回

1次検診受診月

7-9月

精密検査勧奨時期

H27 年 3 月上旬

1次検診受診月

10-2 月

精密検査勧奨時期

H27 年 7 月中旬

17,666 円

精密検査勧奨は乳がんのみ H26 年度から実施、その他 4 がんについては H27 年度から実施しています。

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がん検診の指針に則り、適切な検診を適切な方法で行うこと。

④ 課題に対する今後の取組み内容について

一次検診結果のシステム反映は、医師会からの受診票の受理後となるた

め、今後の勧奨回数や時期については、医師会と検討し、精度管理につい

ては、国の指針や他区の状況を参考に医師会の協力を得ながら進めていく

ことにしている。

(4) その他

各種がん検診の実施については、実施期間の延長や受診者数の上限の廃止

により、受診機会の拡充を図った。その結果、実施期間内であれば受診でき

る体制が構築され、受診者数の増加が見られる。

この各種がん検診のうち、集団検診については、予約が一定期間に殺到し

たという経緯から、年間の受診日数の増や予約日の分割を行っている。

ア 意見・要望事項

子宮頸がん及び乳がんにおける集団検診では、予約時期の分散化を図るた

めに今年度ウェブ予約の導入が予定されていたが、システム調整に時間がか

かり、来年度事業となったとのことである。区民の利便性を高めるためにも、

できるだけ速やかに対応されたい。 <健康づくり課>

8 こころの健康づくり推進事業の取り組みは効果的に行われているか

本施策の主な取り組みの中から「自殺総合対策」について調査を行った。所

管課の回答主旨は以下のとおりである。

(1) 「ゲートキーパー研修」の取組み内容について

(2) 過去5年間の修了者数と事業経費の推移について

27 年度

事業名 レベル 対象 回数 実施場所 修了者数 事業経費 概要

ゲートキー

パー研修

初級

区管理職 1 回

本庁舎

217 人

(内訳)区民:33

関係機関職員:51

区管理職:96

区職員:37 106,000 円

「自殺の現状と自殺対策」

区民、区内相

談機関職員、

区職員等

2 回

「自殺の現状と自殺対策」

「自死遺族支援からの声」

中級

区民、区内相

談機関職員、

区職員等

1 回 蒲田地域

庁舎

46 人

(内訳)区民:12

関係機関職員:26

区職員:8

「相手に寄り添って相談を

受けるために」ロールプレ

イ等

Page 17: (写) 28 大監発第 10308 号 資料番号6-2 平成 29 …...(写) 1 28大監発第10308号 平成29年3月17日 大田区長 大田区議会議長 大田区教育委員会

17

(3) 庁内外の関係者との連携について

平成 27 年度は、管理職向けにゲートキーパー研修を行い、各部局のゲート

キーパー研修への職員参加を依頼した。また、「大田区自殺対策庁内連絡会」

等を通じて、ゲートキーパー研修への職員参加を依頼している。

(4) これまでの取組み状況の評価と課題について

研修内容をより良いものとするため、ゲートキーパー研修でアンケー

トを実施している。地域や区の様々な部局にゲートキーパーを養成すること

で、自殺総合対策を推進する一助としている。

(5) 課題に対する今後の取組み内容について

研修をより効果的な内容とするため、平成 27 年8月ゲートキーパー研修か

ら、修了者に対して活動状況を把握するためのアンケートを行うこととした。

今後の研修修了者に対してもアンケートを実施し、研修内容に活用する予定

である。

(6) その他

平成 27 年度に初級研修を受講した者は 57 名で、そのうち、中級研修を受

講しない者 40 名中、29 名からアンケートの回答を得ている。研修終了後に

実際に相談を受けたという者は9名で、相談内容は家庭・健康・経済等とな

っている。「研修が役に立った」、「ゲートキーパーの基礎が学べた」とい

う感想がある一方で、現場に接することが少ないという感想もあった。

ア 意見・要望事項

ゲートキーパー研修は今後も継続するが、研修受講者の育成・活用につい

ての方針が定められていないとのことである。研修の修了者数は毎年増えて

おり、区民の関心が高いことがうかがえる。今後も、受講者数を増やすだけ

でなく、自殺防止という重い課題であることを踏まえ、研修内容の充実を図

るとともに、修了者の今後の活用方法について慎重かつ具体的に検討された

い。 <健康医療政策課>

事業名 年度 レベル 回数 修了者数 事業経費

ゲートキーパー

研修

23 年度 初級 2 回 76 人 68,000 円

24 年度 初級 2 回 75 人 76,000 円

25 年度 初級 2 回 49 人

92,000 円 中級 1 回 24 人

26 年度 初級 2 回 104 人

118,000 円 中級 1 回 54 人

27 年度 初級 3 回 217 人

106,000 円 中級 1 回 46 人

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9 女性への健康支援は計画的に行われているか

本施策の主な取り組みの中から、平成 28 年度新規事業である「大田区きずな

メールの配信」について調査を行った。所管課の回答主旨は以下のとおりであ

る。

(1) 「大田区きずなメール」の取組み内容について

(2) 現時点での課題に対する今後の取組み内容と目標値について

① きずなメールの利用者数は、平成 28 年 10 月時点で妊婦 343 件、産後 747

件で、配信中はそれぞれ 225 件と 680 件である。配信が始まった時に比べ

て大きく増えており、情報発信に努めていることが認められる。

② 事業の周知が大きな課題である。現在は妊婦面接時、各乳幼児健診等で

チラシを配布して事業周知を図っているが、さらにチラシの配布先を広げ

ていく必要があると考える。

ア 意見・要望事項

きずなメールを定期的に配信することにより、本事業の目的である出産・

子育ての不安やストレスの軽減、産後うつや児童虐待を予防する効果が期待

できる。今後も、事業の周知に取り組まれたい。また、きずなメールの利用

者に、年1回アンケート調査を実施するとのことであるが、調査の内容につ

いて調査結果が効果的に事業の運営に活用されるよう、工夫されたい。

本事業は、アドレス登録者への定期的メールの一斉配信で、区民が受け取

ったメールから直接問い合わせする機能はないとのことである。一方通行の

事業にならないよう、区民の悩みに対する相談の受け皿にもなるように検討

されたい。 <健康づくり課>

第 10 まとめ

今回の行政監査において監査対象とした「区民の健康づくり」の監査結果は、

一部検討を要するものはあったものの、区民に向けた健康プランの取り組みは

計画的に行っており、おおむね適切であると認められる。

平成 29 年度は「おおた健康プラン(第二次)」の4年目となり、最終年度の

事業名 対象及び人数 利用者数 実施時期 配信回数 事業経費 概要

大田区

きずな

メール

妊婦及び

3 歳未満の

児の保護者

7/1~7/31 配信中

妊婦 93 人

産後 316 人

平成 28

年 7 月よ

り開始

・妊婦:毎日

・生後 0 日から 100 日:毎

・生後 101 日から 1 歳誕生

日:1 回/3 日

・1 歳~2 歳誕生日:週 1 回

・2 歳~3 歳:月 2 回

2,268,540

(予算額)

妊娠週数や生後の月齢に合わ

せてお腹の赤ちゃんの状態や

お子さんの成長の様子、健

康・食事子育てのアドバイス

等をタイムリーに配信。

また、区の子育てサービス情

報等も配信

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到達目標を見据えた取り組みとなる。健康推進プランをはじめとした各事業が、

どのような効果を生んでいるのかを判断するために、事業やアンケートを実施

する中で、区民の声を捉えるよう努められたい。そして、個人情報の保護を踏

まえつつ、これらの情報を有効に活用して「区民一人ひとりが生涯を通して、

健康で生きがいを持ち、安心して充実した生活を送ります」という、本プラン

の目指す姿を実現できるよう、引き続き着実な計画の実施に取り組まれたい。