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国際印刷大学校研究報告 19 2019年3月 目 次 巻頭言 国際印刷大学校創立20周年記念を迎えて 木下 堯博 1 論 文 今後の印刷メディア産業 木下 堯博 2 『広告表示と価値創造』 若生 彦治 5 デジタルマーケティングの研究-第二報 田中  崇 9 印刷統計 三浦 澄雄 11 「印刷による表現」への挑戦 ② 森下 舒弘 15 『字彫り版木師木村嘉平とその刻本』にみる 歴代木村嘉平の作品 大串 誠寿 17 2018年度主たる活動などの要約 平成30年度 国際印刷大学校主たる活動記録 渡航及び主たる活動記録 平成31年度 国際印刷大学校カリキュラム 賛助会員名簿 目次一覧(2001年第1巻~2019年第19巻)

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国際印刷大学校研究報告

第19巻

2 0 1 9年 3月

International Graphic Arts&

Printing UniversityResearch Report

Vol. 19

March. 2 0 1 9

ContentsOn Greeting the 20th Anniversary Foundation of IGU Akihiro KINOSHITA 1

Future of Print Media Industry Akihiro KINOSHITA 2

An advertisement efficiency and robotization of today’s printing business Hikoji WAKOH 5

Studies on the Digital Marketing in Print media Industry Part-2 Shu TANAKA 9

Printing statistic dates Sumio MIURA 11

Experiment of 「Print Expression」② Nobuhiro MORISHITA 15

Kimura Kahei family's works recorded on『Kimura family the Woodblock Engraver, and Books made by them』 Seiju OGUSHI 17

Appendix

Regulations & Activities

目 次巻頭言

国際印刷大学校創立20周年記念を迎えて 木下 堯博 1

論 文

今後の印刷メディア産業 木下 堯博 2『広告表示と価値創造』 若生 彦治 5デジタルマーケティングの研究-第二報 田中  崇 9印刷統計 三浦 澄雄 11「印刷による表現」への挑戦 ② 森下 舒弘 15『字彫り版木師木村嘉平とその刻本』にみる歴代木村嘉平の作品 大串 誠寿 17

2018年度主たる活動などの要約平成30年度 国際印刷大学校主たる活動記録 渡航及び主たる活動記録平成31年度 国際印刷大学校カリキュラム賛助会員名簿目次一覧(2001年第1巻~2019年第19巻)

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1

国際印刷大学校創立 20 周年記念を迎えて■

国際印刷大学校創立 20 周年記念を迎えて

On Greeting the 20th Anniversary Foundation of IGU

Akihiro KINOSHITA

木 下 堯 博

2000年6月16日、日本で初めて、e-ラーニングにより印刷メディア系の教育を行うバーチャル大学の国際印刷大学校(International Graphic Arts & Printing University, IGU)が設立され20年目を迎えた。東京・神田神保町で行われた設立総会ではその趣旨及び規定の審議が行われ、理事会・教授会組織が承認された。事業計画では世界のグラフィックアーツ系大学と連携し、若い世代の人材育成を行うことを第一目標とした。

2000年5月16日から31日までデュセルドルフ市でdrupa 2000、更にマインツ市でGutenberg600年祭*(1400 ~ 2000)が同時開催され、著者はそれらの行事に参加し、国際印刷大学校の構想を内外に広く展開した。更に2000年3月に行われた九州産業大学の最終講義で行った大学での32年間の集大成である「人類史上最も偉大な発明~出版印刷文化へのチャレンジ~」の論文も活用した。(*注;マインツ市のグーテンベルグ博物館で購入した記念ピンバッジ「Gutenberg Gedenk Jahr Mainz 2000」を20年間愛用している。)

設立された国際印刷大学校の5項目の理念の内の一つに「大学での印刷教育の拡大」を掲げ、対応してきたが、残念ながら日本では最終的には結実せず、印刷出荷額減少とともに、印刷及び関連課程の教育機関は消滅していったが、今後のデジタルの進展とともに新しい運動を期待している。国際印刷大学校の教育・研究組織は2学部6学科構想でグラフィックアーツ学部とコミュニケーション学部のそれぞれに3学科を設置し、6学科とした。

教育・研究に参画する客員教授は1学科2名とし最低12名による構成で関東、中部、関西地方から印刷メディアに関する教育・研究業績のある人材を客員教授としてお迎えした。東京圏に於ける事務局(現在の事務局;東京都東村山市青葉町)の設置に関し、1995年に物件を購入し着々と準備を進めていた。当時、著者は1968年から2000年まで日本印刷学会西部支部理事を併任していて、大阪地区で大変お世話頂いている富士精版印刷(株)石川 忠会長(当時は社長)に理事長職をご依頼致しました。昨年10月、同社で研究報告第19巻の編集会議でご挨拶する機会があり、大変お元気で活躍されておられました。更に、客員教授、賛助会員(設立当時は19社)の皆様と協力して、各大学、学会、図書館、博物館、工業会、更に、研究開発などに関与した国内外の企業に対して印刷メディア産業発展のためにそれぞれ教育・研究活動を続けてきた。詳細は第1巻(創刊号)からの論文目次と巻末の「渡航及び主たる活動記録」にまとめている。

e-ラーニングでの印刷メディアの教育は世界中どこにいても可能であり、更に各企業での新入社員教育にも有用で、そのノウハウの構築は印刷メディア産業の宝とも言える。今後は益々研鑽を重ね、印刷メディアの産業界及び教育界の発展のために活発な活動を継続していく所存です。今後とも皆様方のご指導、ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。

巻頭言

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2

■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)

1, はじめに韓国の東国大学校主催によるInternational Environment Printing Conference, Seoul「2018年

11月14日開催」の招待を受け、資料など制作の準備を行った。韓国と印刷メディアに関する学術・文化交流は1980年4月のシカゴのPrint展にてGATF(現、PIA)で日本におけるカラースキャナーのアンケート調査などの発表とアメリカの印刷メディア系大学の視察などを印刷新報(1)に発表した論文(新聞1頁相当)に始まった。その発表論文を読んだ釜山工業専門大学(後に釜慶大学校)印刷工学科主任教授故金成根先生が大学の木下研究室を訪問、更に自宅での歓迎会などから韓国との交流が始まった。1980年から今日まで韓国の大学との交換講座、韓国印刷学会での活動、ユネスコでの直指心体要節の認証、日韓印刷文化交流、斗山東亜でのMDC印刷改善事業(2)など多くの学術・文化活動を行ってきた。一方、九州産業大学では1968年から32年間の勤務で、著書、論文、資料、特許など1,000件以上の研究業績を生み出してきた。同時に全学の役職(教務部長・芸術学部長など)を12年間併任していたため約5万人以上の若者に「印刷メディア」の重要性を教育・指導してきた。

2017年1月には国際印刷情報メディア学会(3)(事務局;名古屋市工業研究所)を新設し、教え子の名城大学名誉教授工学博士村瀬勝彦氏が会長として活躍をしている。事務局の同研究所は世界で初めてインクジェット印刷を生み出した研究機関であり、本年、新しくIJの研究所が設立された。

なお、2018年には印刷メディア産業の動向(第1報)―労働生産性とリカレント教育―「印刷雑誌7月号」、同(第2報)―人材確保と育成・定着―「印刷センター 6月号」にそれぞれ今後の印刷メディア産業の動向を発表してきた。本報告ではこれらをベースとして日本に於ける印刷メディア産業とそれに伴う人財育成についてまとめた。なお、2019年2月6日のpage2019のOpen Eventでもそれぞれの専門分野の講師が同題目で報告した。

詳細(4)はHPや研究報告などを参照して下さい。 www.media-igu.com

2, 印刷メディア産業の動向近年、全人類が直面している諸問題(環境、エネルギー、食糧、医療、教育、セキュリティ、

水資源など)を革新的な技術を用いて積極的に取り組むことを目的として、2008年に、シンギュラリティ大学(SU)がシリコンバレーを拠点として設立され、世界各都市にネットワークがある。世界各国にて幾何学的に進化するAI及びロボット技術などにより、直面している課題を解決することを遂行することにより、爆発的な経済成長がもたらされる可能性がある。日本ではSociety5.0を内閣府が中心として運用されている。狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く新たな経済社会でサイバー空間とフィジカル空間を融合させ高度な生活を営むことの出来る人間中心の社会を目指している。AI,IoT、ビッグデータ等を活用し、経済・社会のあらゆる分野の構造改革を引き起こし、地域・暮らし・現場の課題を革新的技術で解決するとともに潜在成長力を高めて、2020年の日本ではGDP600兆円を目指している。

一方、印刷産業はGDPと人口の増大により、成長してきたが工業統計から印刷・同関連業1991

木 下 堯 博

今後の印刷メディア産業Future of Print Media Industry

Akihiro KINOSHITA

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3

今後の印刷メディア産業■

年に8兆9千億円の出荷額が2015年には5兆3千億円に減少し、事業所数、従業者数も減少している。又、日本の人口も2017年1億2653万人から2065年には8807万人(中位推定)に減少し、15歳から64歳までの労働人口も7578万人から4529万人に減少していくことが予想されている。

この50年間を近似方程式で算出すると総人口の減少と労働人口の減少の割合はほぼ同一直線上でその減少率勾配は労働人口勾配が総人口よりもやや高いことがわかった。これは寿命の延び

(100歳時代の到来)が大きな要因とも考えられる。印刷産業のV字回復には産学官の共同研究体制からシンギュラリティ大学(SU)の活用、Society5.0への参加及び未来投資を促進し、多様性のある印刷産業を目指すことが必要不可欠であろう。最近のデジタルファクトリーの論文ではデジタル導入は工場全体を対象として、外部のサプライチェーンとのリンク、経営者の主導、従業員マネージメント教育の必要性を論じている。(5)

3, 印刷人財育成日本での印刷及び関連の高等教育機関はすべて無くなり、アジア(韓、中、台)での同機関との

交流を活性化させる必要があり、産学交流で印刷分野の革新的人材交流の構築が急がれる。日本商工会議所が専門的・技術的分野の外国人受け入れに関する意見書を関係省庁に2018年2月に要望した。従来までの単純労働者と高度な技術を持った専門職であったが、中間技能人材のニーズが高いことが調査により判明し、新しくそれら人材を海外から求めるための法整備が2019年3月中に完成すると思われる。

毎年2月に東京・池袋のサンシャインで開催されるpage展のOpen Eventでは2002年から人財育成、環境、情報セキュリィテイの諸問題につて報告してきた。人財育成に関し、2017年までに12keysをまとめた。

日本では人口減少更に若手人材不足に伴う、生産性の低下が印刷産業でも喫緊の課題であり、内外の文献から、2018年のOpen Eventで(13)正直、(14)管理職と現場の良好なコミュニケーションの確立、(15)Entrepreneurshipの3項目を加えて15Keysとした。(6)

2018年11月、経済産業省は中国地区等の魅力発信による消費拡大事業を開始した。著者は専門家委員として登録し、各団体からの各種事業に対し、アドバイスや活性化のための

研究・教育などをサポートとすることになった。https://hashiwatashiproject.jp/specialist/なお、この事業は2019年2月28日までで、予算が無くなり次第、中止となる。2016年4月の熊本地震の際と同様の消費拡大事業は長崎・本木昌造、熊本・天草版、鹿児島・

木村嘉平など印刷の創始を中心とした印刷の歴史を立脚した観光事業を提案し、いくつかの旅行社が対応した。(7)

4, まとめ2005年から2014年の10年間にわたり韓国の斗山東亜(株)、現在の東亜出版(株)更に2012年から

2017年まで同国の大洋パッケージ(株)の協力により印刷及び関連の研究と教育について調査してきた。これらから印刷メディア系の大学と学会及び印刷企業の数多くの協力で有用な論文を生み出し、世界の印刷国際展(drupa, IPEX, print, IGAS)の参加を含めワールドワイドに展開した。夕方の最終ミーテイングでは韓国産の有名な百歳酒(ペクセイシュ)が毎回、食卓に並び、人生百年時代を先取りし、参加者との討論により、次の研究調査のアイディアを集約し、それらに挑戦してきた。これらの結果、斗山東亜(株)では2010年にG7CMSの認証を得た。2012年9月、本学主催でG7の技術セミナーを東京の印刷会館にてアメリカのIDEA(International Digital Enterprise Alliance)からゲストを迎えてJapan Colorとの比較などを行った。詳細は本学研究報告第12巻で発表した。又、大洋パッケージ(株)ではオフセット枚葉印刷機のインキング装置上部にVOC除去フードを設置し、吸引VOCを活性炭に吸着させ除去、日本の水上印刷㈱では光触媒を利用、

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■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)

それぞれ環境対応に貢献し、ESG投資とも言える。ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶 佑教授は2012年に「ゲノムが語る生命線」(講談社)を

出版した。2012年に印刷校正工場で胆管癌が発症したが、このゲノム解析による予防医学は印刷と環境に明るい未来がある。

しかし、近年、若者の海外留学離れが深刻であるとの記事(日経、2018年11月9日号)があり、20年間で40%も減少している。また、アメリカの科学工学分野の大学院留学生数はアジアでは中国が1位、インドが2位、韓国4位、台湾6位で日本は19位で低迷している。

かつて、1弗=360円、1 £=1200円時代に著者は家財を一部売却し、海外留学・研修に出かけ、各種論文を発表してきた。文科省では科学研究費制度を見直すとのことであるが、帰国後のポストの確保や官民による研究サポートなどが大切であり、日本の将来は若者の熱意と国家の指針にかかっている。

参考文献(1)木下堯博;プリント80と米国大学視察、印刷新報1980年5月8日号(2)MDC印刷改善活動;MDC ReportVol.5 全108頁(2013年9月)斗山東亜㈱                    Vol.1~4は2007年から刊行している。

(3)国際印刷大学校研究報告第17巻(2017)pp26 ~ 27(4)同上 第19巻(2019)巻末(5)Strategy &Foresight Vol.18(2018)pp11~15(6)木下堯博;㈱サンエムカラー教育事業に関する資料「全121頁」                    (1708頁の抜粋)(2015年7月30日)

(7)木下堯博;日韓印刷文化シンポジウム資料集「全207頁」                    (2011年9月17日、東京ビッグサイト)

参考資料(1)総務省統計局;人口推計―平成30年11月報―(2018年11月20日)(2)吉高まり;企業経営としてのSDGs、資本市場 No.399(2018年11月)(3)菅野雅明;世界経済、Kanno Report(2018年11月21日)(4)土場内明彦;人生100年時代、ニッセイ経済研究所(2018年11月28日)(5)日本政策金融公庫;小企業の従業員の不足感(2018年11月22日)(6)NRIメディアフォーラム;ITナビゲーター 2019年度版、野村総合研究所(2018年12月6日)(7)日本経済団体連合会;今後の採用と大学教育に関する提案(2018年12月4日)(8)前田泰伸;高齢化と労働生産性の関係、経済のプリズム No.173(2018年12月)(9)和喜多裕一;持続可能な世界の実現に向けた日本の役割、立法と調査 No.407(2018年12月)(10)みずほ銀行;日本経済の中期見通し―紙パ、情報サービスなど―(2018年12月6日)

本論文は印刷情報2018年12月号に投稿した内容を補筆して、まとめたものである。

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5

『広告表示と価値創造』■

本文は、日本の直近の工業統計などを基に印刷業の経営環境、実体、課題を整理する。

はじめに自然環境と資源は、生活、食糧、種保存の源泉であり、絶えず変動している。身体と5感覚器官は、

環境の覚知、心理、感性の根幹であるが、有限である。感性はあらゆる認識、安全判断、集団形成および集団行動の基盤である。絶えず変動する環境、身体機能の有限は、得られる情報を束縛し、独自な意識、文化を創作させる一方、時に不安感を誘起、生存を脅かす場合もある。ヒト、モノおよび情報の移動の道具は身体・感覚器官の限界を補完する。情報媒体は情報交換の道具であり、環境変化へ素早く対応、不安感を解消する機能が求められる。この利用目的は個人のその時点・場の生活環境、期待感で異なる。例えば、生存競争環境では安全の確保、我欲・快楽の追求、存在感の演出、集団支配・覇権の争奪、農業経済環境では居住地、観察・狩猟・採取・生産・交換・保蔵の方法の探索、工業経済社会では貨幣経済価値物の創造、生産・販売・消費に必要な原材料・道具・製法・管理技術の入手、効率化と複雑多様である。生活環境、意識、好奇心、願望の不同および学習の試行錯誤は、情報などの移動の道具を発想させ、移動の律速、経路、範囲の制約条件や視野を変革させている。

1 紙媒体―印刷業の誕生―木製彫刻版は7世紀の中国で考案され、絵・文字の紙への複写時間を短縮し、筆に替わって複

写物量産の道具に供された。印刷物は書き言葉を共有する地域で2次元の静止視覚情報を移動させる媒体に利用された。印刷業は印刷機械を中核に複写作業の請負業として経営され、情報の流布、低価格化、種類・質量・視点の拡大に貢献した。欧州の印刷業は、需要の黎明期はその時代・地域の先端技術の流用、印刷機・器材の開発、出版・販売の業務の一体化で経営、競争し合った。

日本の19世紀末の産業構造は、土地を中核とする農業社会であった。明治政府(1868 ~ 1912年)は強国を図るため欧米から海軍兵器と工業技術・機械を導入した。産業構造の農業から工業への転換は、大量生産消費・宣伝のため印刷物の需要を増やした。印刷業の1874年(明治7)の実質粗付加価値額成長率は、製造業の中で機械業に次いで高い(図1)。この理由は、政府が政権基盤を固めるため新法令を次々と公告しなければならない国内の政治的軍事的大混乱にあった。新法令の頻発、例えば、租税の物納から金納への改正(1873年)や徴兵制は、製造業の中で付加価値額が最小であった印刷業を急成長させた。同業の付加価値額の製造業に占める寄与率は1925年(大正14)に頂点4.5%まで達し、官報の需要が一段落した40年(昭和15)に3.05%へ下落した(図2)。寄与率が低下しても、付加価値絶対額は上昇した。この上昇は最大の需要者である製造業、特に機械業の付加価値絶対額の急増に負う。工業化は1940年の製造業全体の付加価値額平均値を25年の3.14倍した。製造業の伸び率の平均値は0.68以下の食品、繊維・衣服、窯業、雑製品、印刷・製本の消耗財群、および1.21以上の機械、製材・木製品、化学製品、金属・製品の生産財群に2極化された。

若 生 彦 治

『広告表示と価値創造』An advertisement efficiency and robotization of today’s printing business

Hikoji WAKOH

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■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)

出典:摂津,Jean-Pascal,深尾(2016)「明治期経済成長の再検討―産業構造,労働生産性と地域間格差」一橋大・経済研究,Vol.67,No.3,pp.193-214.のデータを基に著者作成。製造業とは印刷業を含む9産業。製本業とは複写の後作業,この売上高が印刷業の1 / 10。

出典;前掲。

2 電気媒体―エネルギー―動力源は15 ~ 19世紀末の欧米で人馬、風水力、石炭蒸気圧から電気へ変革された。電気エネ

ルギーは19世紀後半から運搬・生産機械の動力源に供された。電流の断続(デジタル)は電磁気片を動かす。この断続間隔の長短は文字・数値・暗号と対応付けられ、戦場の最前線で軍令・戦況の通信文の送信に応用された。音声の電気断続信号への変換、送信、受信信号の音声への再変換はいつでもどこからでも情報交換を可能にした。この通信網は音声情報を光速で瞬時に移動および移動の範囲を拡げ、全国放送、国際商取引に利用された。

20世紀中頃からの電子計算機のソフトウエア・アルゴリズムと視覚・聴覚・記憶の各端末機器との接続網・ネットワークは、この利用者の指示に従ってその場・時点で求めたい情報の検索、データの演算、解析、変換・翻訳、或いは発信し、情報処理の価格を下げ、情報の地域差・時間

図1 産業別年別実質粗付加価値額の推移系列1;1874年,2;1890,3;1909,4;1925,5;1935,6;1940

図2 産業別年別実質粗付加価値額の寄与率系列1;1874年,2;1890,3;1909,4;1925,5; 1935,6;1940

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『広告表示と価値創造』■

差を無くし、需要を急増させた。情報通信機器ICTの利便性、低価格化は、一方であらゆる産業の労働生産性を変革させ、他方で印刷物の利便性の限界を顕在化させた。経済先進国の1人当たりICT機器量(固定・携帯電話、パソコン、インターネット接続回線数)は1998 ~ 2015年に平均年率5.9%で増えている。アフリカのICT機器量は2015年時点で先進国の1 / 4であるが、先進国の増加率が鈍化、両国間の差が縮小傾向にある。出典:篠崎彰彦(2017)「イノベーションの奔流とグローバル経済の発展」研究技術計画Vol.32,No.1,pp31-38.

世界の広告企業のインターネット媒体と雑誌・新聞媒体の売上高は2011年に逆転、07年と16年の9年間に前者が4倍増、後者が半減している(図3)。

出典:WARC(2017)。 系統1の単位は千万ドル。

系統1 2 3 4 5 6 7 8 9

全体 雑誌 インターネット 新聞 テレビ 北米 アジア太平洋州 欧州 中東

3 日本の印刷業の経営形態の特徴と課題印刷物は2次元静止視覚情報の表示、流布に貢献してきたが、嵩張り、重く、運搬道具が必須、

かつ電気機械操作の機能が無く、情報媒体としての利便性、用途が局限される。印刷物の用途は電気が不要な表示、装飾の用品分野へ縮退している。英国の印刷業は1930年代から植民地の独立、米国発の大恐慌に遭遇し、売上高が低迷し、人件費の高騰に印刷作業の国外移管で対応した。印刷業の従業者数は最盛期の1桁以下へ縮小中である。日本の印刷業は創業以来、経営資源の不足を同業者同士の業務相互委託(売上高の約3割)で補完している。この経営形態は業務の相互委託を好まない欧米企業の形態と異なる。しかしながら、日本の印刷業の売上高も1990年代以降から年率2.7%で逓減中している点で同じである。

日本の小規模(4 ~ 29人)印刷事業所に勤務する従業者数が全従業者(4人以上)に占める比率は製造業事業所の1.55(=41.4%/26.8%)である。印刷業の従業者は製造業と比べて小規模事業所で働く比率が高い。小規模と中大規模(30人以上)印刷事業所の1人当たり加工賃収入額は同額2.3 百万円である(表1)。しかし、小規模の付加価値額は中大規模の58.9%(=6.01/10.2)である。即ち、中大規模事業所は機械装置の取得で付加価値を高めている。また、圧電素子は加電で伸縮し、21世紀に振動圧で液滴状にしたインクを紙へ直接噴射する印刷に応用された。印刷機器の小型化、低価格化は、個人宅内での複写作業を容易にした。欧米の印刷工場の複写作業は2020年頃にロボット・半無人化されると予想されている。

図3 媒体別世界の広告費の推移(2007 ~ 16年)

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■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)

表1 製造業と印刷・同関連業の規模別従業者1人当たり付加価値額(*:百万円/人)

従業者数規模/事業所

事業所数

事業所

/従業者数

現金給与*

原材料額*

加工賃額*

付加価値*

機械取得*

30人以上

製 造 業 M 45,344 126.6 4.82 27.35 1.16 13.88 1.08印 刷 業 P 2,136 84.9 4.37 12.77 2.34 10.20 0.56P/M(%) 4.71 67.1 90.7 48.3 209.5 76.1 55.6

4〜29人

製 造 業 M 195,936 10.7 3.18 8.42 2.19 6.82 —印 刷 業 P 12,851 10.0 3.49 4.68 2.30 6.01 —P/M(%) 6.56 93.5 110.4 65.7 125.2 96.5 —

M4/M30(%) 432.1 8.5 66.0 30.8 188.8 52.1 —P4/P30(%) 601.6 11.8 79.7 36.6 98.3 58.9 —

出典:工業統計表:産業編(経産省)。算出値は2002,06,09,11,16年の5年間の年平均。

むすび情報媒体は移動の道具の一つであり、生活を支えている。ICTの機能は、文字が読めなくても、

紙印刷物無しでも音声・画像で応答、決済手続、介護や癒しの仮想空間・イメージを演出し、世界の政治・軍事・経済・社会・雇用環境、産業構造を変えている。印刷物の情報媒体としての物理的機能の限界は、紙複写加工作業請負に替わる事業の探索、企業価値の創造、人材の確保・育成・定着を喫緊の経営課題にしている。

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デジタルマーケティングの研究−第二報■

1.はじめに印刷会社のマーケティングの必要性

前号で、インターネット環境やスマートフォンの普及で、IoT(モノのインターネット)時代が到来して、ビッグデータの解析やAI((人工知能)の利用で、個々の顧客に対して、One to One(1対1)に近いマーケティングが可能になったことを報告した。しかし印刷会社は消費者へ直接製品を販売していないので、消費者の自社製品への感想を理解把握できず、販売努力のしようがない。このようなデジタル時代に印刷会社はどうゆう分野に参入すべきかについて方向を探している現状である。

そこで、多くの印刷会社は、新しいデジタル時代、すなわち、高品質、小ロット、オンデマンドに対応するため、とりあえず、オフセット印刷から、デジタル印刷機に設備の変革を進めている。

具体的には、電子写真方式(トナー)、インクジェット(IJ)方式の印刷機で、枚葉、輪転を採用して従来業務の減少に対応しようとしている。

印刷品質でもオフセット並みの高品質で、銀インク、オレンジ、ピンク、白などの特色にも対応して、機械の大きさもB-1サイズの大判も実用され、印刷スピードも時速5000枚以上が可能になった。

2.印刷会社のマーケティングの方向性(印刷物のコンテンツの内容、利用方法は?)AI時代における印刷メディア、印刷技術のあり方

今から20、30年後に人口知能(AI ; Artificial Intelligence)が人間の知能、科学、経済の将来予測研究よりも進むようになるであろうと言われている。

印刷物は古くから、人間に必要な情報、知識のための主たる媒体であった。印刷会社が印刷物を作る際に、情報のデジタル化によって、AIを利用して印刷工程の自動化、校正の自動化、など印刷物作成の合理化が可能になったが、その印刷物が最終的に人々の幸せに貢献するかどうかまでを考える必要が求められる時代になった。

ということは、印刷物色調管理についても、校正刷の色調と本刷の色調のマッチングだけでなく、印刷物を発注するお客が、その印刷物を利用して、自社製品の拡販のための宣伝に役立つ色調になっているかまで対応することが求められるようになった。

千年も前から印刷物は、聖書や経本のような人間の心の豊かさを支えるためのものでもあった。これからも、科学や経済分野の先端技術を発展させていくために、いくらAIが進んでも人間

の精神的な豊かさのためのシンギュラリティー(Singularity)のためには、人間の創造力の方が人類のためになることは明白である。

ただし、人間の、文明の進歩や科学の進歩のための研究は、インターネットを利用した、 Facebook、Twitter、Wikipedia などのビッグデーター解析の力を十分に利用する必要がある。

田 中   崇

デジタルマーケティングの研究−第二報Studies on the Digital Marketing in Print media Industry Part-2

Shu TANAKA

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■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)

そして、その分析結果を研究することも印刷会社の仕事にする必要がある。すなわち、印刷物の色調管理から、工程中の色調管理の自動化、また印刷物を自社製品の拡販に利用している会社の売り上げ向上の効果を理解し、その会社のMISへの利用まで多角的に研究するのが、デジタル時代の拡販印刷物を作成する印刷会社の仕事である。

現実の作業では、印刷物作成のワークフローは、企画、デザイン、DTP、校正、セットアップ、生産、自動管理、後処理の自動化を総合管理するスマートファクトリーにしなければならない。

3.印刷会社の優位性

長年研究されてきた紙メディアそのものは電子メディアなど他のメディアにはない特長も持っている。すなわち、紙媒体は 他の媒体より、人間の感覚、知覚、認知との親和性がすぐれているし、紙メディアでなければならない領域もあると言われている。

元印刷学会会長の尾鍋史彦氏の印刷学会創立90周年記念講演会での講演によると、紙メディアでなければならない領域には次のような領域があると報告している。

1)ジャーナリズムの世界2)初等教育の世界3)学術研究における世界4)感性の表現の世界5)紙幣という実体の世界6)宗教の世界7)造形芸術の世界そして、これらはデジタルではどうなるのかは不明であると報告している。世の中がデジタル時代になり、情報がスマホ端末で利用されるようになって、情報媒体も紙、

テレビ、スマホ、になり、無限の数の情報提供形式が実用されるようになったが一方で、すべての媒体上の画像の品質の標準化は不可能になり、印刷物品質中心の印刷会社の優位性を保持することが困難になった。もちろん長年の歴史を持つ印刷技術者が最高の画像処理能力者であり、印刷会社こそがこれらの情報処理の最適任者であることは当然である。

次号にて印刷会社のマーケティングの方向性の具体的検討ポイント、関連するハード、ソフトや実際例の報告をする。

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印刷統計■

1 印刷産業の統計現代社会では統計値は欠かせないものである。日本の産業全体の状況を知るのにGDP(国内

総生産)を参考にする。昨年のGDP値を見て今年の日本経済は順調そうだとか判断する。各人が興味を持つのはGDPのような国全体の統計値だけでなく所属する産業の統計値も興味

がある。たとえば、印刷人なら印刷産業全体の出荷額だけでなく商業印刷の出荷額はいくらか?包装印刷の出荷額はいくらか?など各人が関係する事業のことが知りたくなる。しかし統計値を細かく調査をする事は大変なことである。そのため大きな枠組みの統計値は行政が行い、細かな統計値についてはそれぞれの任意団体が調査を行っている。

過去の統計値を基に将来の予測をすることは統計値の利用法の一つである。経済の統計値は何か事件(リーマンショックのような)が起こらない限りある傾向を持って変化している。来年度の経済予測をしようとする場合、過去何年間の統計値から推定する。時系列解析という。

時系列解析から得た将来のGDPを基に印刷産業の売り上げを予測することも統計値の利用法である。印刷業の売り上げはGDPの伸び率と同じ割合で伸びていないが、ある比例関係がある。印刷の伸びとGDPとの間にある相関関係がある。どのくらいの相関関係があるのかを相関係数と言い、相関性が高いのでGDPから印刷の統計値を推測することがよく行われている。

印刷産業の出荷額が20世紀末から減少していることは印刷人の間で話題になっている。出荷額の時系列図を図1に示す。図1の横軸は西暦で、1997年スタートで2015年までである。縦軸は印刷産業の出荷額で単位は兆円である。この図の基になる統計値は日印産連が産出したもので、印刷産業の状況を見るのによく使われている。図1を見ると印刷産業の出荷額は1997年を最高(8兆9千億円)に年々減少していて2015年には5兆4千億円まで減少している。しかしここ数年の減少幅は小さくなっている。

印刷産業が提供するものには印刷物だけでなく、電子製品や印刷関連のサービスがある。大手印刷企業に限られるが印刷技術を利用した電子製品を製造している。印刷は微細な像を作ったり、薄い皮膜を均一に塗布する技術を持っており、暑い皮膜が要求される場合は印刷方式を変えて製造する技術を有している。古くはTV受像管のシャドウマスクや電子回路、アンテナなどを製造した。IARIGAIの研究レポートによると燃料電池の触媒層や交流用増幅器、アルカリ蓄電池、リチウムイオン電池の製造にも印刷を利用している。

三 浦 澄 雄

印刷統計printing statistic dates

Sumio MIURA

1997

6

5

7

8

9

2000 2005 2010 2015

出荷額

西 暦

(兆円)

(年)

図1 印刷産業出荷額

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■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)

電子製品製造は大手の印刷企業に限られるが、印刷関連サービスは中小印刷企業も手掛けている。印刷物を郵送する必要がある場合は、印刷物を刷るだけでなく郵送事務を受け持っていた。最近はサービスの範囲が拡大しているようである。図1の出荷額にはこのような印刷以外の製品、サービスも含まれている。

反面、新聞社が印刷している新聞は含まれていない。同じ印刷物であるけれど印刷産業が刷ったものでないので、印刷の統計から除かれている。どの立場で統計値を利用するかによって変わるが、印刷産業の立場から見れば図1で利用した統計値が正解ということになる。

2 工業統計産業経済省では工業統計値を発表している。産業

別に統計値が発表されていて印刷産業は七つの分野に分けて出荷額、企業数、従業員数が発表されている。表1は出荷額についての統計値である。

表1は2007年と2017年の印刷品目の出荷額であるが、2017年では商業印刷の出荷額がトップで包装印刷、出版印刷と続いている。2007年と2017年を比べると出荷額が増加したのは包装印刷と建築材印刷で、減少が大きいのは出版印刷である。

表2は工業統計による出荷額の時系列表である。

表2 印刷出荷額(工業統計)07 08 09 10 11 12

45,400 43,000 40,600 35,800 38,400 -13 14 15 16 17

35,800 39,000 39,700 38,700 37,800

表2を図で示すと図2になる。図の横軸は西暦年で2007年から2017年まで縦軸は出荷額で単位は兆円である。07年から11年までの出荷額の減少は大きいが2011年以降の減少は横ばいである。傾向としては図1と近似している。

次に印刷産業の出荷額と工業統計の印刷出荷額との関連を考えてみる。印刷産業と工業統計の出荷額との差を表3にまとめる。

表3 出荷額差西暦 07 08 09 10 11 12 13 14 15差 2.7 2.6 2.3 2.3 1.9 - 1.6 1.6 1.4

工業統計の出荷額は印刷物製作による生産額であり、印刷産業の出荷額は印刷物製作を含めた全てのものであるからその差は印刷物作成以外の電子製品と関連サービスによるものと考えられる。関連サービスは表1のその他に含まれるかによるが、含まれるとすれば出荷額の差は電子製品によるものと考えられる。

表1の統計値は従業員100人以上の印刷企業のものであり、出荷額には中小企業の分が含まれていない。印刷産業の出荷額には全ての印刷業の出荷額が含まれているので、従業員100人未満の企業の影響を考えなければならない。しかし従業員100人未満の企業数は多いが出荷額への影響は多くないと思われる。

(単位:億円)

(単位:兆円)

表1 印刷出荷額(百人以上の企業)

2007年 2017年

出 版 印 刷 14,300 6,563

商 業 印 刷 14,870 14,261

証 券 印 刷 560 550

事 務 用 品 5,570 5,460

包 装 印 刷 5,790 7,437

建 築 材 1,680 1,717

そ の 他 2,600 1,767

計 45,370 37,755

(単位:億円)

5

4

32007 2010 2015

西 暦

出荷額

(兆円)

(年)

図2 印刷出荷額(工業統計)

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印刷統計■

表3の出荷額差を見ると年々その差は小さくなっている。電子製品製造の額が減少していると考えられる。

3 米国の工業統計米国の工業統計はNAICS(北米産業分類システム)によっていて印刷産業はNAICS323商業印

刷・関連サービスとNAICS511印刷メディア(出版)に分かれている。2016年版の売上額について表4、表5に示す。

表4 商業印刷と関連サービスの売り上げ商業印刷 619億ドル(6.8兆円) 関連サービス 45億ドル(0.5兆円)

商業スクリーン 115億ドル(1.2兆円) 計 815億ドル(8.9兆円)

商業書籍 36億ドル(0.4兆円)

表5 印刷メディアの売り上げ新聞 225億ドル(2.5兆円) カタログ、名簿 75億ドル(0.8兆円)

定期刊行物 242億ドル(2.6兆円) グリーティングカード 46億ドル(0.5兆円)

書籍 260億ドル(2.9兆円) 計 848億ドル(9.3兆円)

商業印刷と印刷メディアの売上高を加算すると1663億ドル(18.3兆円)になる。日本の印刷産業出荷額には新聞印刷が含まれていないので2.5兆円除いても米国印刷産業の規模は日本の3倍に相当する。

米国の統計の取り方は時代に合わせて分類法が変わっている。以前の分類は日本の工業統計のように印刷品目によって分けていたが、2016年版は商業印刷と印刷メディアに大きく二分しそれぞれ細分化している。マルチメディアの時代になり、メディアの売り上げが大きくなり米国経済への影響が大きくなって、印刷メディアはメディアの一分野になったのであろう。印刷の立場から統計値を調べる場合、商業印刷と印刷メディアの両方を調べる必要がある。統計値を時系列で調べる場合、統計の分類法が変わると連続性が失われる恐れがある。

2016年の米国統計で興味深いのは商業印刷と関連サービスというタイトルになったことである。印刷産業が印刷物を作るだけでなく、関連サービスをする産業であるという考えの表れであろう。関連サービスの売り上げは44.9億ドル(4900億円)でまだ少額であるが、将来の伸びを見越してのことと思われる。

関連サービスについて米国の印刷組合の調査データがある。それを見ると印刷企業の多くが関連サービスを手掛けていることが判る。印刷企業が行っている関連サービスの内容を表6に示す。

表6 関連サービスの種類と実施企業製 品 詰 め 込 み 55.4 運 輸 管 理 32.4郵 送 管 理 52.7 デ ジ タ ル 資 産 管 理 25.7デ ザ イ ン 48.9 クロスメディアサービス 25.0w e b t o p r i n t の 印 刷 43.2 デ ー タ ベ ー ス 保 管 23.0w e b t o p r i n t 管 理 36.5 C D / D V D サ ー ビ ス 14.9デ ー タ ベ ー ス 管 理 33.1 デ ジ タ ル 写 真 ス タ ジ オ 8.8

日本の印刷企業とかなり多岐にわたっている。

4 米国印刷組合の統計工業統計は全国規模で正確なことが特徴であるが、分類が大きすぎるので細かい情報が得にく

(%)

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■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)

い。工業統計値からは得にくい情報を得るためにいろいろな機関が統計値を作っている。米国の印刷組合でも前述の関連サービスを実施している企業を調べたりしている。その他、成長している印刷方式とか印刷企業の利益率はどの位なのかの統計値を調査している。これらの統計値は印刷業全体を調べるわけではないが、その値は平均的である。ここでは利益率の統計値について説明する。

米国の印刷組合(PIA)の統計値によると利益率(利益額/売上額)の時系列は表7のとうりである。この表では利益の高い企業と利益の低い企業とその平均値を調べている。

表7 利益率の時系列(2005 ~ 2017)05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17

平均 2.5 2.7 3.1 3.1 1.5 -1.4 1.4 1.8 2.7 2.6 3.0 2.7 2.9

利益の高い企業 9.4 10.3 10.1 9.8 9.4 7.0 9.5 9.6 9.9 10.3 10.3 9.5 8.5

利益の低い企業 0.2 0.2 1.2 0.9 -1.1 -4.2 -1.3 -0.8 0.3 0.3 0.6 0.4 0.7

ここで利益の高い企業とは利益の高い上位25%の企業を意味し、利益の低い企業とはその他75%の企業を意味している。2010年に利益率がマイナスになっているのはリーマンショックのためである。

参考文献工業統計表(産業経済省)フラッシュニュース(PIA)

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「印刷による表現」への挑戦 ②■

「作家」と「印刷現場」が「オフセット版画」に挑戦複製技術の高度化に伴い「美術印刷」の品質は、益々充実して来ている。一方でデジタル簡易印

刷が、一般化して来ている。絵画作家の制作手法も大きく変化した。肉筆原画を基にデジタル環境を活用して、「着色」「グラデーション」「テクスチュア」等を追筆し作品を完成させる。しかしあくまでも基データの完成で有って、作品の実態化にはならない。作品実態化を種々試みているが、殆ど満足いかないのが現状である。

印刷環境が変化する中、印刷企業を経営・管理する責任者にとって、「今後の印刷業の在り方」を懸命に模索し、高品質・高技術の保持・拡張を目的に種々試行している。その一つに「PD(プリンティング・ディレクター)の養成」が有った。「呱呱(ここ)プロジェクト」は、この様な状況の中で発足した。 (※呱呱プロジェクトにつては、前18巻にて既述)

●今回の「呱呱プロジェクト」の構成メンバーと、役割(期間;2018年1月~ 11月)㈱アート印刷工芸社 営業 課長;プロジェクトリーダー、印刷表現設計

営業 担当:プロジェクト事務局、広報、印刷表現設計工 場 長:印刷表現設計、印刷、加工・仕上げ製 版 長:印刷表現設計、製版、データ管理社   長;PD(プリンティング・ディレクター)

藤原 ヨウコウ   原画 作家森下 舒弘     企画 推進、進行 管理

●今回の目的・目標〇 2011年にスタートしたこのプロジェクトは、初期(1 ~ 4回)には、水彩画家、デジタル版画家、

写真家等作家と種々の作品に取り組んできた。先ずは作家の意図を解釈し、感性を持って作品と対話する事からスタート。そして印刷設計の基本的な要素を確認した。

〇前回(5回;2017)は、これまでの経験・実績を踏まえ、「オフセット版画」の実現に成功。〇今回は、作家の意図を解釈し、より積極的に表現領域を拡げることを目標とする。

●今回の進行(進め方)〇 プロジェクト会議定期開催:2018・01・20スタート。定期的な会議を開催し、推進実感を共有

化することがする事が重要である。そのために、土曜の出勤日に開催。メンバーの全員参加を可能にした。また、事務局は議事録を作成し情報の共有化を実現する。

〇 作家とのミーティング:作家の意図(想い)を感じることが重要である。作家は、前回と同じく藤原氏であるが、原画は「龍」をモチーフにして「墨」で描かれている。制作背景や制作意図、着色イメージを感じ取るために、同じ「龍」をモチーフにした「試作品」や、「彩色作品」を幾つも用意し、言葉や文字で伝えるのでは無く、感じ取る環境を用意した。

〇 PD(社長)とのミーティング;私は企画進行責任者として、プロジェクト会議とは別に、作家の価値観・創作意欲などと共に、「龍」に関する基本情報・資料を共有化する。

森 下 舒 弘

「印刷による表現」への挑戦 ②Experiment of 「Print Expression」②

Nobuhiro MORISHITA

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■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)

● 今回の内容①: 原画は「墨で描かれた龍」。着色していないが、イメージ醸成をするための同作家の以前の「龍シリーズ」作品・試作品を検討資料として準備する。これらを基 にメンバーは印刷設計に取り掛かる。

        印刷設計のポイントは、版式・スクリーン・サイズ・用紙・インキなどの選択。         特に、色選択と刷り順設定が大きなポイントとなった。1次選択された内容で、

約20点のミニサイズ(Á3)を試作、充分な検討の後決定する。

●今回の内容②:<原画データ概要>■使用画材;墨■使用アプリケーション;Adobe Photoshop CS4,COREL PAINTER 9■画像スペック;420㎜×297㎜/ 300dpi(4961pixel×3508 pixel)4437㎆       ;レイヤー 16種<印刷概要>■印刷版式;オフセット■スクリーン;FMスクリーン20μ■用紙;ベルーラスタースノーホワイト 135㎏■プロセスインキ;三星スーパーロイヤル新KWS YMCK 金インキ;三星スーパMG特上青口ロイヤルゴールド 銀インキ;三星ニューロイヤル極上シルバー マット墨;三星JUPITERマット墨■刷順;「マット墨」➡「銀」➡「金」➡「K」「C」「M」「Y」

●今回の成果〇 前回に続き「オフセット版画」の成功

今回のプロジェクトによってオフセット版画が完成した。前回は作家側で用意した着色データを基に印刷設計を進めた。今回は「墨」原画を基に色彩設計の主体がプロジェクトチームに委ねられた。各々が主体的に設計し、試作段階での十分な検討が成果を生んだと言えよう。特に用紙の選択・金銀のインク選択、更にマット墨色の刷り順等、今後の印刷設計に大きな成果となった。(社長談)

〇「空でもなく宇宙でもない『天』を舞う龍と言う日本伝統の非現実世界を表現してみました」と語る作家藤原ヨウコウ氏も満足している。

〇前回の「呱呱②・猫」に続き、十分な意見交換ができる作家と印刷設計者の信頼関係が、今回の成果に繋がった・・・と企画担当としては実感した。

●今後の展開緒に就いたばかりの「オフセット版画」の完成度をさらに上げていくためにも、今後もこの企画

は継続していきたい。今回の作品の完成で直感した「金箔」の効果的使用等、今後の挑戦テーマは多く有る。

●資料提供・取材協力/藤原ヨウコウ(画家)、㈱アート印刷工芸社(木村泰清社長)

オフセット版画「呱呱③龍」(サイズ:菊全)

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『字彫り版木師木村嘉平とその刻本』にみる歴代木村嘉平の作品■

■はじめに本稿は、天明期から明治期にかけて活動した五代にわたる版木師・木村嘉平に関する調査報告

である。歴代木村嘉平のうち三代目木村嘉平は、幕末期に電胎法を用いた金属活字を開発したことで知

られる。日本の金属活字の歴史は16世紀末のキリシタン版および駿河版に始まるとされるが、金属活字の製造が継続されることはなかった。17 ~ 19世紀の徳川政権下において印刷文化は発展を見たが、その版式は木整版と木活字版が主流であり、金属活字は約250年にわたり印刷・出版文化の埒外に置かれた。

しかし西欧文明との接触が頻繁となった幕末期、技術革新への要請が急速に高まる中、金属活字開発が国内各地で同時進行した。その中で本木昌造、大鳥圭介、三代目木村嘉平の金属活字開発がよく知られる。1859(安政6)年に本木昌造による金属活字を用いた『和英商賈対話集』が発刊され、翌年、大鳥圭介の金属活字を用いた『築城典刑』が発刊された1。三代目木村嘉平の金属活字は、さらに4年後の1864(元治元)年に完成されたものである。上記の本木昌造および大鳥圭介の金属活字は旧来のパンチマトリクス法などで作られた。これに対し三代目木村嘉平の活字は、近代的製造法である電胎法を用いて製造された最初期の国産活字として評価される2。

三代目木村嘉平は江戸の版木師としての名跡を継いだ職人であるが、薩摩藩・島津斉彬の依頼を受けて金属活字の開発を行った。総活字数は369個で、諸道具とあわせて5つの木箱に収納される3。1998年(平成10)年に「木村嘉平関係資料」として 国指定重要文化財に指定され、鹿児島市吉野町の尚古集成館に所蔵された。

三代目木村嘉平に関する記述は、ほとんどの活字史文献中にみられ、その内容は一致しているが、それらの中には、次の(A)(B)のような記述もみられる。

・(A)『本木昌造平野富二詳伝4』p.43より「明治元年に長崎裁判所(現今の縣庁)にも活版部があつた。然し其所では鉛の彫刻活字とか、

木活字の曲尺二分角のものを使用して居た。さうして木村嘉平なる者が専ら彫刻に當つて居た。即ち明治元年(慶応四年三月発布)「太政官訓諭」の柱に「長崎裁判所、木村嘉平刻」とあり、文字の書体は楷書。(西谷常太郎氏所蔵)」・(B) 『長崎印刷百年史5』p.45より

「崎陽雑報という表題の木活字は、前述の木村嘉平が彫刻したものと言われている。(活版印刷伝来考)」

(A)は木村嘉平なる人物が長崎裁判所で彫刻を行っており、慶応4年3月に発布された「太政官訓諭」の柱にその名がある、という文章と読める。(B)は、長崎で発刊された幕末の新聞『崎陽雑報』

大 串 誠 寿

『字彫り版木師木村嘉平とその刻本』にみる歴代木村嘉平の作品Kimura Kahei family's works recorded on 『Kimura family the Woodblock Engraver, and Books made by them』

Seiju OGUSHI

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■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)

の題字を木村嘉平が彫刻した説があると記している。(A)および(B)は、江戸の版木師である木村嘉平が長崎の印刷物制作に関与した可能性を想起

させるが、木村嘉平と長崎を結び付ける記述は他の文献に見当たらない6。つまり(A)および(B)はそれぞれ孤立した記述であり、検討を要する。今後の研究の指針とするため、以下の課題を提示しておく。・(a)木村嘉平は長崎裁判所の「太政官訓諭」を彫刻したか・(b)木村嘉平は『崎陽雑報』の題字を彫刻したか

(a)および(b)を検討する前提として、本稿ではまず歴代木村嘉平の略歴と各代の木村嘉平が手掛けた作品を調査・整理し、木村家の事績の全体像の把握を行う。

■歴代木村嘉平に関する資料歴代木村嘉平の事績を正確に記したと期待できる資料として、以下の文献を検討する。

(C)『日本書誌學大系13・字彫り版木師木村嘉平とその刻本』(木村嘉次1980年・青裳堂書店)同文献は木村嘉次によって1934(昭和9)年から1979(昭和54)年にかけて断続的に書かれた歴

代木村嘉平およびその他の江戸の版木師に関する記録集である。1980(昭和55)年に九州大学・中野三敏助教授(当時)によって1冊の書籍としてまとめられた。記録者である木村嘉次は江戸の版木師の事績調査に40年以上携わった研究者であり、歴代木村嘉平の近親者でもある。五代目木村嘉平の長男であり三代目木村嘉平の孫、四代目木村嘉平の甥にあたる。従って(C)に記述されている事柄は、他の文献に比較して、明らかな誤記を除くと正確性の高い記録と捉えることができる。

同文献は発表時期の異なる複数の小論が順不同で収められており、重複する記述がある。また相互に整合性がない個所がある。記述に整合性がない場合、合理的な解釈を行った7。(C)中で歴代木村嘉平に言及されている小論は5編である。初出の時系列順に並べると図1のよ

うになる。右列の「掲載頁」は(C)における掲載ページ表す。

■歴代木村嘉平の略歴資料(C1)~(C5)の記述から、歴代木村嘉平の活動期間および各代木村嘉平の事績の概略を

整理する。・一代目木村嘉平 (生年?〜1823(文政6)年・没年齢不詳)

1786(天明6)年に仙台から江戸に出て、神田小柳町に居を定め、版木師として活動を始めた。同居宅は1886(明治19)年に五代目嘉平が転居するまで100年にわたり歴代木村嘉平の工房として用いられた8。出版文化の隆盛を背景に、曲亭馬琴の版本を手掛けたほか、著名文人・書家の教本、書論を多く彫刻した。このことから、名工と認知されていたとされる。・二代目木村嘉平(鴨渓堂) (生年?〜1840(天保11)年・没年齢不詳)

京都生まれ。幼少期に養子として迎えられて二代目を襲名した。米庵ら書家の作品を精緻に彫刻して評価を得る一方9、国学者・平田篤胤と交際を持った10。しかし義太夫節に凝り、京への帰郷を繰り返したため、木村家の家業は衰微したとされる11。四男二女をもうけたが、このうち4人を失った。三男・房義が三代目木村嘉平を襲名した12。・三代目木村嘉平(房義・房吉)(1823(文政6)年〜1886(明治19)年・64歳没)

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『字彫り版木師木村嘉平とその刻本』にみる歴代木村嘉平の作品■

18歳で父を亡くし、三代目木村嘉平を襲名した。家業の衰退を立て直すため、彫刻技術研鑽に打ち込んだ。その技量は、元字の運筆の妙、筆跡のにじみやかすれも再現する水準に達していたとされ、「筆意彫り」「嘉平彫り」と賞賛された13。江戸の名工として薩摩藩、加賀藩から用いられ、同藩の書籍や藩札の版制作に携わった。薩摩藩の開版事業では、『四書五経』『左伝』などを彫刻。島津斉彬から『EngelsChe SpRaakkunst (エンゲルシェ・スプラーククンスト)』の翻刻を依頼され、この実現のために金属製活字の開発を手掛けた。1877(明治10)年には江戸の版木師らを組織して『烈祖成績』を制作して第一回勧業博覧会に出品。鳳紋賞を受賞した14。・四代目木村嘉平(庄太郎・昌義・春海) (1854(安政元)年〜1883(明治16)年・29歳没)

三代目嘉平の長男。松浦武四郎の信頼を得て、大著『撥雲餘興・第一集』および『撥雲餘興・第二集』を手掛けた。三代目と並ぶ名工として高く評価され、『古逸叢書15』を依頼された際には、清国公使随員・楊守敬から士大夫と賞賛された逸話が残る。宮内省より『草書孝経』翻刻事業の依頼を受け、4年間にわたり同省内に赴いて制作を行った16。明治1883(明治16)年、29歳で逝去17。『草書孝経』は1895(明治28)年、伊藤博文により国貢として清国に贈呈された18。・五代目木村嘉平(赤次郎) (1873(明治6)年〜1928(昭和3)年・55歳没)

四代目は独身で早世したため、三代目の末子(次男)が五代目を襲名した。四代目の18歳程年下の弟にあたる。四代目が育てた職人たちに支えられ、『松菊遺稿』、『成斎文初集』などを残した。版木師業の傍ら、20歳代で巻煙草機械、写真製版事業に取り組み、30歳頃には版木師業から離れた。その後、色鉛筆、絵具、セロハン、感光紙の開発に携わった。(C)の筆者木村嘉次はこの五代目の長男である19。

■歴代木村嘉平の作品(C1)~(C5)に記される歴代木村嘉平の作品を抽出し、時系列順に整理した。本稿末尾の図

2 ~ 6に示した。左列から「干支」「西暦年」「元号年」そして(C)における「掲載ページ」を記した。右から2列目の「作品」欄には版木彫刻を行った版本や書画、扁額などの名称を記した。歴代木村嘉平が彫刻を行った時期は、その彫刻作業が完了した年で表すのが適当であるが、古文献の場合、その時期を正確に知ることは困難である。序文が書かれた年や刊行された年しか判明しない場合が多く、版本によっては時期に関する記述が無い場合もある。よって各図の右端の列に「種別」の欄を設け、多様な年表記の種別を記した。例えば版本の序文が書かれた年が明らかな場合は「種別」欄に「序文」と記し、刊行された年が明らかな場合は「種別」欄に「刊行」と記した。資料に記載がなかった場合は空欄とした。制作年に関連する記述がなかった作品は左側の3列を空欄にして図の下段に掲載頁順で記した。

■まとめ以上の調査により、(C)に記された歴代木村嘉平の作品総数は109点であった。内訳は一代目3

点、二代目18点、三代目54点、四代目30点、五代目4点であった。一代目の作品が少ないのは、活動時期が享和・文化年間と古いため、確認困難であったためと

みられる。次いで五代目および二代目の作品が少ないのは、五代目は新事業に転じた結果、二代目は家業を怠った結果と説明できる。四代目は29歳で早世したため三代目と比較すると寡作である。三代目の多作は、家業に専心努力した結果、および長命を保った結果と説明できる。以上のように、(C)から見た歴代木村嘉平の作品数の多寡は、それぞれの略歴と概ね対応関係が認められると言えそうである。

多くの印刷史文献では、三代目による金属活字開発を木村家最大の業績として扱い、活字開発後の三代目、および四代目における木版事業の隆盛には触れていない。明治期に入り木版印刷が過去のものとなり、活版印刷に移行した社会背景から、金属活字開発は歴代木村家の事業の掉尾を飾った事業として記されている。しかし図4を見ると、三代目は1854(安政元)年から1864(元

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■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)

治元)年までの金属活字開発期間においても、その前後の期間と変わらぬ制作ペースを保ち、10余もの作品を手掛けている。そして金属活字完成後も『祭文例』など大部におよぶ平田篤胤本シリーズの彫刻に携わり、勧業博覧会出品に向けた『烈祖成績』の開版事業を牽引した。また四代目は宮内省に招じられて宮中の開版事業に携わる栄誉に浴しており、木村家の事業は明治初期においてその最盛に達したと理解できる。

従って、三代目木村嘉平による金属活字開発事業は歴史に残る成果を挙げたが、歴代木村家の家業全体から見ると、一過性の派生的業務にすぎなかったと位置付けるのが適切と思われる。

次回は、三代目木村嘉平が彫刻した版本について詳しく調査する。

参考文献1 『日本の近代活字・本木昌造とその周辺』(2003年・NPO法人・近代印刷活字文化保存会)p.320。『本と活

字の歴史事典』(2000年・柏書房)p.454。『活字文明開化・本木昌造が築いた現代』(2003年・印刷博物館)p.111,117

2 電胎法による近代的活字製造技術は、1869(明治2)年に本木昌造が米国人技師ウイリアム・ギャンブルを招聘することによって本格的に導入された。

3 田村省三1999年「重要文化財「木村嘉平関係資料」について」(「季刊印刷史研究」第7号(印刷史研究会)p.25,28収録)第一号箱に鉛製欧文活字43と鉛製和文活字15、第四号箱に鉛製和文活字311。

4 三谷幸吉1933年『本木昌造平野富二詳伝』(本平木野昌富造二詳伝頒布刊行会)5 田栗奎作1970年『長崎印刷百年史』(長崎県印刷工業組合)6 三代目木村嘉平を用いた戸川蓮庵は戸川播磨守安清として1836(天保7)年から1842(天保13)年まで第96

代長崎奉行を勤めた。その点で長崎との関連は見出せる。(C5)p.145,pp.156-1587 (C4)p.13の「十五の少年」は、(C5)p.208の生年および(C5)p.214の没年齢に矛盾しており「十の少年」の

誤りと思われる。(C5)P.133の『子叢摘芳』の発行年「文政12年」は、(C5)p.167によると文政13年である。いずれにしても初代木村嘉平は文政6年に没していることから「初代」は誤りで同書は「二代目」の刻であると思われる。(C5)p.146の「二代目」は「一八五二年」の時点で既に没しているので「二代目」は「三代目」の誤りと思われる。

8 (C5)p.1229 木村嘉次1976年「版木師三代木村嘉平」(「近世の学藝~史傳と考證」(八木書店)p.269収録)10 (C5)p.13511 (C5)p.12712 (C4)p.213 木版の墨の濃淡により筆勢を表現する高度な木版印刷技術で、「さび」とよばれる。14 『烈祖成績』は1877(明治10)年の第一回勧業博覧会に出品された後も、制作作業は継続され、翌1878(明

治11)年に全部が完成した。(C2)p.7415 図5には『古逸叢書』の書名を記さず、同書に収録された『穀梁傳』『廣韻』『荘子註疏』『草堂詩箋』を記し

ている。16 (C5)pp.192-19317 (C4)p.12。ただしクリストフ・マルケ2010年『日本の文字文化を探る・日仏の視点から』(勉誠出版)で

は「28歳没」と書かれている。18 クリストフ・マルケ2010年『日本の文字文化を探る・日仏の視点から』(勉誠出版)p.128 19 (C5)p.219。ただしクリストフ・マルケ2010年『日本の文字文化を探る・日仏の視点から』(勉誠出版)

p.133では「甥」と書かれている。

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『字彫り版木師木村嘉平とその刻本』にみる歴代木村嘉平の作品■

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■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)

Ⅰ、page2019 Open Event セミナー 今後の印刷メディア産業期日;2019年2月6日、会場;東京池袋サンシャイン文化会館

2018年11月、韓国の東国大学校主催の国際印刷環境会議がソウルで開催され、標記題目で紙上参加し、その要旨は印刷情報2018年12月号で発表した。そこで報告した経済産業省の中国地区等災害対応での魅力発信による印刷メディアの消費拡大事業は熊本地震の際の印刷メディア観光事業と同様、注目された。2018年11月総務省統計局の発表による日本の人口推計は総人口1億2,645万人で前年同月に比べ27万人減少した。又、15歳から64歳までの労働人口も7,558万人(2018年6月1日現在)となり、前年同月に比べ54万人減少し、人手不足が拡大した。日本政策金融公庫総合研究所は小企業の雇用に関する調査(有効回答企業数6,323社)を行い、従業員数が不足と回答した企業割合は37.7%と前回の2017年の調査から1.5ポイント上昇し、9年連続であった。このOpen Eventでの人材採用・教育や印刷メディア技術開発などの報告は2002年から最新情報を基に継続して行っている。今回は「人材確保と定着」と題して、公益社団法人東京グラフィックサービス工業会専務理事・斎藤 成氏から都立中央・城北職業能力開発センターが行っている印刷業、地域団体を含めた能力開発協議会及び勉強会の題目「人材の確保・育成・定着の一体的取り組みと連携強化」についての調査研究に関する経過報告とサレジオ高専名誉教授の三浦 澄雄氏は「ゲノム」の基本的な歴史的背景調査から「印刷工場」でのVOCの取扱いなどを含め新しい提案をし、ここに本年度のpage2019のOpen Eventに於いて下記内容のセミナーを開催した。

記1、期日及び時間;2019年2月6日(水)13時15分~ 14時25分2、会場;東京・池袋サンシャインコンベンションセンター文化会館7階701会議室3、演題及び講師;www.media-igu.com(質疑応答は各講演時間に5分を含む。)

(1)人材確保と定着(13時20分~ 13時50分)公益社団法人東京グラフィックサービス工業会専務理事 斎藤 成氏

(2)ゲノムと印刷(13時50分~ 14時20分)サレジオ高専名誉教授・国際印刷大学校客員教授 三浦 澄雄氏

司会;国際印刷大学校客員教授 工学博士・経営学博士 若生 彦治氏

Ⅱ、学外セミナー千葉大学画像工学同窓会 中部支部発足記念セミナー期日;2018年7月10日、会場;DIC名古屋支店(写真1)発表要旨 印刷メディア産業の動向  国際印刷大学校 木下堯博1、はじめに 1956年3月、千葉大学工学部工業化学科印刷専攻を卒業し、同年4月、東京から名古屋市立工芸高校に着任し、1968年3月まで12年間、印刷科で教鞭をとっていた。その間に日本印刷学会中部支部(名古屋市)の理事、本部理事、印刷雑誌編集参与委員など印刷教育及び印刷産業の発展のための対外的活動を行ってきた。1968年4月より、印刷メディ

2018年度主たる活動などの要約

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アのアジアに於ける拠点の構想があった九州産業大学(福岡市)に転出し、西部支部(大阪市)の理事として活動した。2000年3月までの32年間(内、全学の役職12年間)、約5万人以上の若者に印刷の重要性を教育し、更に、同年4月より国際印刷大学校(東京都)の創設など世界各国との交流も90回以上に及んだ。2015年、中部支部が廃部となり、新しく2017年に国際印刷情報メディア学会(会長:名城大学名誉教授工博村瀬勝彦氏、事務局;名古屋市工業研究所)を設立した。この記念セミナーでは印刷メディア産業の動向と題し、第1報の印刷雑誌(2018年7月号)、第2報の印刷センター(2018年6月号)と2017年の印刷メディア教育の進展(第1報~第7報)を中心にPPTで報告した。2、印刷・同関連業 2017年(平成29年)工業統計速報(従業員4人以上)の印刷同関連業の出荷額は5兆554億円(前年比 5.6%減)となった。印刷メディア産業は人口増とGDP の拡大により、1991年に8兆9千億円に成長したが、それ以降は減少が続いている。GDP に対する割合も同年の 1.8%から2017年には 0.93%に減少した。2020年に GDP を600兆円との目標があるが、現在の印刷同関連の出荷額を維持しても 0.83%へ減少する。又、人材供給面から印刷プロパーの卒業生(印刷工学卒)が高等教育から得られず、海外に依存せざるを得ない状況にある。印刷企業でのインターンシップのプログラムを定着させ、関連部門の卒業生を採用し、養成、定着させることが必要である。学会活動はそれらをサポート可能なプログラムを構築し、AI, IoT により生産性を高め、新しい分野へ事業展開をサポートするためのイノベーションソフトを構築していくことが使命である。3、印刷教育機関 日本での印刷及び関連の高等教育機関は無くなり、アジア(韓、中、台)での同機関(特に韓国の釜慶大学校)との交流を活性化させる必要があり、産学交流で印刷分野の革新的人材交流の構築が急がれる。日本商工会議所が専門的・技術的分野の外国人受け入れに関する意見書を関係省庁に 2018年2月に要望した。従来までの単純労働者と高度な技術を持った専門職との中間技能人材のニーズが高いことが調査により判明し、新しく中間技能人材を海外から求めるための法整備が2019年3月までに完成すると思われる。4、まとめ 千葉大学画像工学(印刷、写真、画像系)の同窓会は100年の歴史と伝統があり、これらの問題解決に他団体とも協力して同窓の皆さんと一体となって取り組むことが大切である。千葉大学画像工学同窓会中部支部の設立のお祝いと今後のご活躍をお祈り致します。

写真1 千葉大学画像工学同窓会中部支部発足記念(DIC名古屋ビル、2018年7月11日、前列中央;田口慎一支部長)

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■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)

Ⅲ、本木昌造143回忌期日;2018年9月3日、会場;長崎市大光寺

本木昌造に関する140回忌からの下記調査研究の論文をもとに挨拶を行った。

資料は国際印刷大学校HPに掲載されている。写真2は長崎県印刷会館入口、写真3は本木昌造墓所。

(木下堯博著;主として印刷ジャーナル2015年~ 2018年から)

目 次1, 印刷メディア産業と人材育成に関する論文一覧(1)2, 本木昌造140回忌と世界の印刷博物館(2)3, 本木昌造141回忌とインバウンドによる印刷メディア

拡大(3)4, 本木昌造142回忌と印刷メディア教育(4)5, 印刷メディア産業の動向(第1報)−労働生産性とリカ

レント教育(5)6, 同上(第2報)−人材確保と育成・定着―(9)7, 印刷産業の環境問題に関する指針(14) ( )は頁数

Ⅳ、訃報九州産業大学名誉教授工学博士故内藤郁夫氏が2018年11月6日に永眠されました。先生は1972年5月に京都工芸繊維大学から写真製版印刷学コースに着任され、2012年3月

まで印刷メディア教育に邁進され、多くの論文を発表致しました。木下と共同で印刷メディアに関する研究・教育に邁進し、多数の卒業生を印刷界に送り

出しました。2012年3月17日、最終講義と送別会(写真4)をホテルセントラーザ博多で行い、お元気な様子で、退職後も学会活動を活発に行い、最近では「楽譜の印刷」に関する論文を日本印刷学会で刊行され、これからという時に全く残念の至りです。

どうか安らかにお眠り下さい。 合掌

写真2 長崎県印刷会館入口

写真3 本木昌造墓所(長崎市大光寺)

写真4 故内藤郁夫名誉教授工学博士送別会(ホテルセントラーザ博多、2012年3月17日、前列左から5人目)

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◆教育グラフィックアーツ学 (平成 30年 4月、9月) 木下 堯博電子商取引の e- ラーニング(平成 30年 8月) 三浦 澄雄、木下 堯博

◆研究改正個人情報保護法とマイナンバー制度(JaGra)(三浦 澄雄、木下 堯博)中国の印刷史の研究(松根 格)カラースキャナーによる再現論(中村 隆志)人材育成に関する調査研究(木下 堯博)インターネットコンソシアムの調査研究(田中 尚安)日本の近代活字の研究(府川 充男)CTPに関する調査研究(喜多 信行)最近の出版・印刷の研究(田中 崇)マルチメディアに関する調査研究(杉本 文司)印刷画像の定量解析の研究(野中 通敬)CMSに関する研究(三浦 澄雄)ベネチア共和国の印刷・出版に関する研究(松久 卓)デジタルフォトグラフィーの調査(伊藤 晴夫)印刷の知識(連載)(小早川 亨)マーケティング研究(森田 進)中小企業の技術経営の研究(若生 彦治)フレキソ印刷の研究(杉浦 正弘)プリンテッドエレクトロニックス研究(手塚 博昭)G7カラーマネージメント(日向 東)最新印刷デザイン研究(森下 舒弘)

◆共同研究熊本地震及び西日本災害の復興に関する調査研究4S活動と印刷作業分析G7と JapanColor の CMSCTPの網点再現セキュリティ印刷に関する研究印刷工場におけるVOC削減対策グラビアオフセットによる微細画像再現グラビア印刷の色再現印刷文化史に関する研究光触媒によるVOC除去印刷産業に於けるインターンシップに関する調査印刷メディア教育機関設立に関する調査研究LED-UV乾燥システム調査研究印刷事故解析研究偽造防止印刷技術の研究印刷生産性向上に関する研究

平成 30 年度 国際印刷大学校主たる活動記録

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■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)

平成29年(2017年)度は12月29日から (国際印刷大学校研究報告第18巻に続く)

1、12月29日 世界遺産・宗像沖ノ島と関連遺跡群(宗像大社)

2、1月11日 観光・IoT・知財シンポジウム(九州経済産業局、ハイアットリージェンシー福岡)

3、1月13日 平成30年新年賀詞交歓会(福岡県印刷関連団体協議会、ホテルニューオータニ博多)

4、1月22日 東京グラフィックサービス工業会新年会(東京上野、東天紅)三浦客員教授出席

5、1月22日 個人情報保護法改正版セミナー(日印産連、TKP新橋汐留ビジネスセンター)

6、1月23日 エネルギー合理化シンポジウム(大井町、キュウリアン)

7、1月24日 PrintDoors2018,(株)光文堂新春機材展(名古屋吹上会場)

8、1月27日 富士精版印刷(株)からの国際印刷大学校研究報告第18巻束見本検討

9、2月6日 国際印刷大学校打ち合わせ(銀座ドトール、小伝馬町フレッシュネスベジタブルバーガー)

10、2月6日 Pマーク付与審査会(ジャグラ、ニッケイ会館)

11、2月7日 page2018開会式(池袋サンシャインシティ)

12、2月7日 page2018会場出展各社視察

13、2月7日 印刷メディア産業の動向セミナー(page2018OpenEvent,サンシャイン文化会館)

14、2月8日 国際印刷大学校関西地区打合せ(新阪急ホテル)

15、2月13日 産学連携でIoTビジネスモデル構想(北九州学園都市)

16、2月16日 デジタルテクノロジーで営業生産性の向上(日本経済新聞社)

17、2月17日 血液検査と対応(水光会セミナー)

18、2月20日 国際印刷大学校研究報告第18巻国内外の各機関に発送

19、2月21日 クラウドで生産性向上(KDDI.リバーウォーク北九州)

20、2月26日 ビジネスマッチ交流会、IoT発表会(九州経済産業局、電気ビル)

21、3月1日 IT活用による人材確保(中小機構、TKPガーデンシティ)

22、3月2日 景気討論会(日本経済新聞社、ホテルオークラ福岡)

23、3月3日 転倒防止と対策(水光会セミナー)

24、3月6日 海外事業展開セミナー(西日本シティ銀行、NCB, R&C)

25、3月7日 3Dものづくり研究会(北九州産業学術推進機構、西日本総合展示場)

26、3月12日 最近の経済情勢(福岡商工会議所、同所)

27、3月13日 曹洞宗法話(全龍寺、東京・新大久保)

28、3月14日 国際印刷大学校打ち合わせ(銀座ドトール、小伝馬町フレッシュネスベジタブルバーガー)

29、3月14日 Pマーク付与審査会(ジャグラ、ニッケイ会館)

30、3月14日 研究報告18巻納本(東京・印刷図書館、国会図書館他、印刷及び関連350ヶ所)

平成30年(2018年)度渡航及び主たる活動記録

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31、3月15日 国際印刷情報メディア学会2018年度第1回理事会(名古屋市立工業研究所)

32、3月15日 名古屋工芸プレス会打合せ(同上)

33、3月19日 IoT技術の社会実装(北九州大学、北九州国際会議場)

34、3月22日 福岡ベンチャーマーケット(福岡アジアビジネスセンター、福岡ビル4階)

35、3月23日 トリリオンセンター可視化研究会(産総研九州センター)

36、3月28日 スマートファクトリー入門(九州経済産業局、アクロス福岡)

37、3月29日 水光会研修会(3月29日から4月14日)

38、4月17日 実践ソリューションフェア(大塚商会、福岡国際会議場)

39、4月21日 環日本海経済圏構築(北九州国際会議場)

40、4月25日 福岡(FMV)ベンチャーマーケット(福岡アジアビジネスセンター、福岡ビル4階)

41、4月30日 正教寺法話(山口県山陽小野田市)

42、5月1日 水光会及び金融機関研修会(5月1日から5月14日)

43、5月15日 国際印刷大学校事務打ち合わせ(東京都東村山市)

44、5月16日 Pマーク付与審査会(ジャグラ、ニッケイ会館)

45、5月16日 国際印刷大学校打ち合わせ(銀座ドトール、小伝馬町フレッシュネスベジタブルバーガー)

46、5月17日 富士通フォーラム(国際会館)

47、5月18日 IoT研究会(九州工業大学)

48、5月19日 デジタルテクノロジー(東京・印刷博物館、事務局)

49、5月23日 福岡ベンチャーマーケット(福岡アジアビジネスセンター、福岡ビル4階)

50、5月24日 営業強化セミナー(日経西部本社)

51、5月25日 人材確保(福岡大学)

52、5月26日 水光会セミナー(同所)

53、5月31日 2020年のインフラシフト(インテル、ホテルオークラ福岡)

54、5月31日 印刷事故研究会(日本紙工、福岡)

55、6月1日 福岡県水素エネルギー戦略会議(福岡県、ホテルオークラ福岡)

56、6月1日 九州印刷情報産業展(福岡国際センター)

57、6月1日 東京グラフィックサービス工業会打合せ(福岡、ホテルクリオコート博多)

58、6月2日 日本グラフィックサービス工業会総会(ホテル日航福岡)

59、6月4日 日本経済と株式(大和証券、ソラリア西鉄ホテル)

60、6月6日 台湾MICR産業討論会(グランドハイアット福岡)

61、6月7日 有機光エレクトロニクス研究会(ハイアットリージェンシー福岡)

62、6月7日 福岡ギフトショウ2018(マリンメッセ福岡)

63、6月7日 中小企業白書説明会(中小企業庁、福岡合同庁舎)

64、6月8日 世界遺産研究会(ホテルニューオータニ博多、塚田家)

65、6月9日 出版に於けるデジタル印刷活用(東京・印刷博物館・事務局)

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■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)

66、6月12日 ハイデルフォーラム21(関東甲信越静地区セミナー、客員教授参加)

67、6月13日 西日本製造技術イノベーション2018(西日本総合展示場)

68、6月13日 衛星ビッグデータセミナー(同上)

69、6月15日 中小企業生産性向上セミナー(同所)

70、6月15日 メニコン会社説明会(大和証券・福岡)

71、6月16日 国際印刷大学校打合せ(東京・事務局)

72、6月16日 九州産業大学楠風会総会(ソラリア西鉄ホテル)

73、6月18日 人工知能研究会(北九州学園都市)

74、6月19日 福岡ベンチャーマーケット(福岡アジアビジネスセンター、福岡ビル4階)

75、6月20日 ビジネスショウ福岡(福岡国際センター)

76、6月21日 ITフェア(福岡ファションビル)

77、6月27日 知的財産セミナー(アジアインポートマート)

78、6月28日 MonoistIoTForum(TKPガーデンシテイ博多新幹線口)

79、6月29日 先端技術シンポジウム(リーセントホテル)

80、7月3日 変化に挑む企業経営と人材戦略(日経、アクロス福岡)

81、7月5日 M&Aセミナー(ストライク、ホテル日航福岡)

82、7月6日 M&Aセミナー(日経、西部本社)

83、7月7日 クールジャパン推進会議(リーガロイヤルホテル)

84、7月10日 千葉大学画像同窓会中部支部設立総会、セミナー(DIC名古屋)巻末参照

85、7月10日 国際印刷情報メディア学会打合せ(DIC名古屋)

86、7月11日 国際印刷大学校打ち合わせ(銀座ドトール、小伝馬町フレッシュネスベジタブルバーガー)

87、7月11日 Pマーク付与審査会(ジャグラ、ニッケイ会館)

88、7月13日 EC事例大集合2018(日経、西部本社)

89、7月13日 変化に挑む人材戦略(日経、アクロス福岡)

90、7月21日 水光会セミナー(同所)

91、7月25日 FVM(福岡ビル9F)

92、7月26日 JobCard活用人材育成(福岡商工会議所)

93、7月26日 JTC打合せ(同上)

94、7月27日 ハイデルフォーラム21(全国大会、品川プリンスホテル、客員教授参加)

95、7月27日 国際印刷大学校打ち合わせ(品川プリンスホテル)

96、7月28日 IGAS2018(東京ビッグサイト)

97、7月28日 drupaglobalデュッセルドルフclub(同上)

98、7月28日 K-Print打合せ(東京ビッグサイト)

99、8月6日 九州IoTコミュニティ報告会(九州経済産業局、ハイアットリージェンシー福岡)

100、8月8日 IoTセミナー(福岡商工会議所)

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101、8月18日 宗像水光会セミナー

102、8月22日 FVM(福岡ビル9F)

103、8月23日 日経MJフォーラム(日経西部本社)

104、8月24日 産学交流サロン(北九州学園都市)

105、8月28日 高度外国人と会社成長(小倉AIM)

106、9月1日 TNC健康セミナー(エルガーラホール、大丸)

107、9月3日 本木昌造143回忌(長崎市、大光寺)巻末参照

108、9月3日 長崎歴史文化博物館本木昌造調査(長崎市)

109、9月3日 長崎県立図書館調査(長崎市)

110、9月4日 働き方改革推進大会(西鉄グランドホテル)

111、9月5日 ふくおか経営戦略セミナー(JR九州、博多駅ホール)

112、9月6日 IoTセミナー(福岡県Rubyコンテンツ振興会、ハイアットリージェンシーホテル)

113、9月6日 ITと経営融合(福岡国際会議場)

114、9月8日 NTT光回線改良(国際印刷大学校事務局)

115、9月10日 KNJGlobal打合せ(池袋、メトロポリタンホテル)

116、9月11日 Pマーク付与審査会(ジャグラ、ニッケイ会館)

117、9月11日 page2019OpenEvent打合せ(東京グラフィックサービス工業会)

118、9月13日 自動運転セミナー(北九州自動車訓練所)

119、9月14日 知財見本説明会(天神ビル)

120、9月18日 日経BigGateセミナー働き方改革(日経西部本社)

121、9月19日 機能教育訓練(宗像アコール、9月22日まで)

122、9月21日 生産性向上のデータ活用セミナー(ARKビル)

123、9月26日 FVM(福岡ビル9F)

124、9月29日 NTT第2回光回線改良(国際印刷大学校事務局)

125、10月3日 働き方改革(大塚商会フェア、福岡国際会議場)

126、10月5日 産業界で活躍する技術人材育成(産学交流サロン、研究学園都市)

127、10月10日 エコテクノ2018(西日本総合展示場)

128、10月10日 datalympic2018(福岡電気ビル)

129、10月11日 中小企業テクノフェアー(西日本総合展示場)

130、10月12日 アカデミックセミナー・電気化学反応利用(同上)

131、10月13日 がん治療最前線(久留米大学、福岡ガーデンパレス)

132、10月16日 東京工業大学新技術説明会(市ヶ谷、JST)

133、10月17日 国際印刷大学校打ち合わせ(銀座ドトール、小伝馬町フレッシュネスベジタブルバーガー)

134、10月17日 Pマーク付与審査会(ジャグラ、ニッケイ会館)

135、10月17日 IoTJapan2018(東京ビッグサイト)

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■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)

136、10月20日 働き方改革(日経、ホテル日航福岡)

137、10月25日 FVM(福岡ビル9F)

138、10月31日 国際印刷大学校研究報告第19巻投稿予定題目と頁数締め切り

139、11月1日 日韓印刷商談会(三浦客員教授講師、新宿ワシントンホテル)

140、11月2日 イズミ会社説明会(大和証券)

141、11月2日 福岡オープンイノベーション(アクロス福岡)

142、11月8日 九州小森会(ホテルオークラ福岡)

143、11月8日 九州ホスピタルショウ2018(福岡国際会議場)

144、11月10日 自動運転セミナー(宗像自動車学校)

145、11月12日 外国人材採用と育成(㈱世真、大阪)

146、11月12日 国際印刷大学校研究報告第19巻編集会議(富士精版印刷㈱大阪本社)

147、11月14日 国際印刷環境会議、ソウル(PJHotel-紙上参加)論文参照

148、11月21日 認知症改善セミナー(宗像病院)

149、11月21日 FVM(福岡ビル9F)

150、11月27日 人材不足解消セミナー(福岡商工会議所)

151、12月4日 私学共済組合セミナー(福岡ガーデンパレス)

152、12月5日 早稲田大学クラス会(銀座マロニエゲイト)

153、12月5日 国際印刷大学校在京教授会(銀座ドトール)

154、12月5日 Pマーク付与審査会(ジャグラ、ニッケイ会館)

155、12月11日 医療系大学新技術発表会(JST,市ヶ谷)

156、12月13日 中小企業新ものづくりサービス展(東京ビッグサイト)

157、12月19日 FVM(福岡ビル9F)

158、12月20日 印刷情報2018年12月号賛助会員に献本

159、12月20日 page2019セミナー打合せ(東光印刷㈱九州営業所)

160、12月21日 OpenAILab.事例発表会(天神・FFGホール)

161、12月25日 国際印刷大学校創立20周年記念準備会(ホテル日航福岡)

(注)活動記録第19巻では2017年12月29日から2018年12月25日までの主たる記録161件をまとめています。

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平成31 年度国際印刷大学校カリキュラム国際印刷大学校 事務局

2000 年(平成 12 年)6 月に開学した国際印刷大学校(理事長 石川 忠・学長 木下堯博)は、印刷及び関連分野の教育と研究のためのバーチャル大学です。主として e−ラーニングなどを利用し、誰でも受講出来ます。現在 20 名の客員教授がそれぞれ専門の学科目を担当し、プリプレス及びプレス・同関連分野の研究に専念し、研究報告に論文などを発表しています。

平成 30 年度の学科目名称は下記を参照、各学科目内容などは HP で公開され、1 年に 1 度改正されます。原則として基礎学科目から順次受講をお奨めしますが、興味ある学科目から選択する事もできます。各学科目は随時開講 HP から受付けし、履修修了者には認定証を授与しています。2013 年東京大学で導入した MOOCs(ムークス)「Massive Open Online Courses」の参加も検討中です。(2019 年 3 月現在)

学科目構成1. 基礎学科目 2. 専門学科目 3. 研究学科目 4. 特別講座(印刷産業の電子商取引の e ーラーニング)5. 学外(出張)講座 6. その他・新設予定学科目

1. 基礎学科目グラフィックアーツ学(印刷学)/情報学/色彩学/出版学/編集・デザイン学/マルチメディア学/印刷システム論/サービス科学/新印刷営業論、各学科目の特論2. 専門学科目

1)印刷史、グーテンベルク研究、印刷博物館学、本木昌造研究、印刷文化論2)印刷教育カリキュラム論、オンライン教育論、印刷教育原理、研究開発論3)調子再現論、色再現論、印刷適性論、印刷管理学、印刷機械学、プリプレス論、フレキソ印刷論4)プリプレス論、DTP 論、オンデマンド論、デジタル・タイポグラフィー論5)画像評価論、ネットワーク論、画像情報論、デジタルフォト論、CTP 論、高品位印刷画像論6)印刷産業論、世界印刷産業論、印刷未来学、デジタル印刷出版論、印刷経営論、P マーク論、MOT 論3. 研究学科目

各担当客員教授がテーマを設定して、受講者と 1 年間にわたり、研究・指導を行う。4. 特別講座

全国中小企業団体中央会の指導による「印刷産業の電子商取引の e- ラーニング」などの講座。5. 学外(出張)講座

新人教育や今日の新しいテクノロジー、drupa 展や print 展、IPEX 展、IGAS 展などの国内外の技術動向、ISO 関連などについて客員教授が各地の会場に赴き開講する講座。6. その他・新設予定学科目

Printed Electronics 論(開講中)、e - コマース論、JDF 論、カラーマネージメント論、ワークフロー論、XML 論、印刷マネージメント論、デジタルマーケッティング論、グラビア印刷学、スクリーン印刷学、製本学、新デザイン論などを予定。詳しくは HP http://www.media-igu.com を参照。

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株式会社加貫ローラ製作所 〒 544 − 0005 大阪市生野区中川 5 丁目 3 番 13 号株式会社研文社 〒 660 − 0095 尼崎市大浜町 2 丁目 28 番 10 号寿印刷株式会社 〒 555 − 0021 大阪市西淀川区歌島 1 丁目 4 番 4 号香和印刷株式会社 〒 830 − 0047 福岡県久留米市津福本町 2320 の 15 番地株式会社光文堂 〒 460 − 0022 名古屋市中区金山 2 丁目 15 番 18 号国際印刷情報メディア学会 〒 456 − 0058 名古屋市熱田区 6 番 3 丁目 4 番地 47 号 名古屋市工業研究所内株式会社サンエムカラー 〒 601 − 8371 京都市南区吉祥院嶋樫山町 37サンメッセ株式会社 〒 503 − 8518 大垣市久瀬川 7 丁目 5 番1号新和印刷株式会社 〒 535 − 0031 大阪市旭区高殿 6 丁目 16 番 19 号株式会社世真 〒 530 − 0054 大阪市北区南森町 2 丁目 1 番地 29 号 三井住友銀行南森町ビル 4 階相互印刷株式会社 〒 531 − 0073 大阪市北区本庄西 3 丁目 8 番 26 号大日本スクリーン製造株式会社 〒 602 − 8585 京都市上京区堀川通寺之内上 4 丁目ダイヤモンド秀巧社印刷株式会社 〒 815 − 0035 福岡市南区向野 2 丁目 13 番 29 号田中尚安 〒 503 − 9020 大垣市竹島町 7 番地手塚博昭 〒 112 − 0011 東京都文京区千石 2 丁目 35 番 3 号東光印刷株式会社 〒 733 − 0833 広島市西区商工センター 7 丁目 5 番 15 号株式会社ドミックスコーポレーション 〒 812 − 0016 福岡市博多区博多駅南 6 丁目 6 番 1 号株式会社日光プロセス 〒 543 − 0045 大阪市天王寺区寺田町 2 丁目 2 番 26 号ハイデルベルグ・ジャパン株式会社 〒 140 − 8541 東京都品川区東品川 3 丁目 31 番 8 号原多印刷株式会社 〒 531 − 0061 大阪市北区長柄西 1 丁目 7 番地 23 号久野印刷株式会社 〒 812 − 0023 福岡市博多区奈良屋町 3 番 1 号 5 階 〒 811 − 2221 福岡県糟屋郡須恵町旅石 印刷団地富士精版印刷株式会社 〒 532 − 0004 大阪市淀川区西宮原 2 丁目 4 番 33 号富士フイルムグローバル 〒 106 − 0031 東京都港区西麻布 2 丁目 26 番 30 号グラフィックシステムズ株式会社 富士フイルム西麻布ビル三菱化学株式会社 〒 227 − 8502 横浜市青葉区鴨志田町 1000三菱製紙株式会社 〒 617 − 0826 京都府長岡京市開田 1 丁目 6 番 6 号メッシュ株式会社 〒 530 − 0047 大阪市北区西天満 3 丁目 3 番 5 号株式会社リーブルテック 〒 114 − 0004 東京都北区堀船 1 丁目 23 番 31 号株式会社リョーイン 〒 116 − 0002 東京都荒川区町屋 1 丁目 38 番 16 号 菱興町屋ビル内Daeyang Package Corporation 〒 425 − 100 45, Beonnyeong-ro 10 keen-gil, Ansan-Si, Gyeonggi-Do, KoreaDong-A Printing Corporation 〒 425 − 100 475-1, Mongnae-Dong, Danwon-Gu, Ansan-Si, Gyeonggi-Do, Korea

(以上 50 音順)

御賛助を賜り有難うございました。

賛助会員名簿

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1、創刊号(2001 年 3 月)目 次 国際印刷大学校の設立を祝す… ………………………………………………… 石川  忠… 1創刊にあたり… …………………………………………………………………… 木下 堯博… 3論 文世界の印刷技術動向… …………………………………………………………… 木下 堯博… 4加津佐に創設した活版印刷所… −マインツから加津佐まで−… ……………………………………………… 松久  卓… 24国際印刷大学校での色彩学… …………………………………………………… 三浦 澄雄… 34グラフィツクアーツ学(印刷学)のバーチャル教育… ……… 木下 堯博、小林 盛夫… 37

2、第 2 巻(2002 年 3 月) 目 次 巻頭言 3年目に期待して… ……………………………………………………………… 八尋 弘文… 1論 文 印刷界におけるVirtual…University の展望… ………………………………… 木下 堯博… 2加津佐に創設した活版印刷所… −ヴェネツィアから長崎まで−… …………………………………………… 松久  卓… 11Hexachrome 印刷について… …………………………………… 松根  格、三浦 芳裕… 23日米の初等理数教育… …………………………………………………………… 三浦 澄雄… 31プリプレスワークフローの動向… ……………………………………………… 中村 安孝… 39

3、第 3 巻(2003 年 3 月) 目 次 巻頭言 次世代を担う若人へ… …………………………………………………………… 田中 尚安… 1論 文 高濃度印刷画像に関する研究(第1報)… −色再現比較論−… …………………………………………………………… 木下 堯博… 2Hi-Fi カラープリンティング……………………………………………………… 淀野 温敏… 12デジタルフォトグラフィーに関する研究… −課題と展望−… ……………………………………………………………… 伊藤 晴夫… 19ヴェネツィア共和国の印刷・出版業… −印刷術発明から伝播普及の史実−… ……………………………………… 松久  卓… 34

国際印刷大学校研究報告目次一覧(2001年第1巻~2019年第19巻)

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金属活字印刷技術の発明、発展における朝鮮の… 高麗朝、李朝とドイツのグーテンベルグの貢献… ………………………… 鄭 萬 佑… 45印刷産業のカスタマサービス… ………………………………………………… 三浦 澄雄… 62印刷デジタルフローにおけるコミュニケーションとしてのCMS…………… 河合 英昭… 66

4、第 4 巻(2004 年 3 月) 目 次 巻頭言 「電子商取引」…への対応を急げ!………………………………………………… 斎藤  成… 1論 文 印刷産業に於ける電子商取引の e- ラ一二ングによる…研修に関する総括と展望(第 1報)… −平成 15 年度の運営と展開−………………………………………………… 木下 堯博… 2e- コマースと印刷… ……………………………………………………………… 三浦 澄雄… 10デジタル時代の計測器 −測定器は生産機材−… ……………………………………………………… 大友  誠… 16天正遺欧使節随員の印刷術の習得 −ミラノからゴアまで−… …………………………………………………… 松久  卓… 24

5、第 5 巻(2005 年 3 月) 目 次 巻頭言 過去、現在、未来… ……………………………………………………………… 木下 堯博… 1論 文 高濃度印刷画像に関する研究(第 2報)… −色再現比較論−… …………………………………………………………… 木下 堯博… 2環境対応型印刷インキ用の新しいゴムローラー… …………………………… 上中 善視… 7日本と外国の印刷研究… ………………………………………………………… 三浦 澄雄… 12天正遺欧使節随員の印刷術の習得… −「マカオ版」二種の刊行まで−… ………………………………………… 松久  卓… 16

6、第 6 巻(2006 年 3 月) 目 次 巻頭言 日韓印刷学術文化交流 25 年……………………………………………………… 木下 堯博… 1論 文 世界の印刷メディアの動向… …………………………………………………… 木下 堯博… 2高品位印刷画像制作のための e- ラーニング…………………………………… 大友  誠… 8カラーマネージメント… ………………………………………………………… 三浦 澄雄… 12e- ラーニング編集工学と物語学(ナラティブス)……………………………… 森田  進… 17

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印刷の源流を探る 資料の宝庫 石経山と雲居寺のこと… ……………………………………… 松根  格… 22アメリカ大陸の印刷術の伝播とベンジャミン・フランクリン(1)… ……… 松久  卓… 28

7、第 7 巻(2007 年 3 月) 目 次 巻頭言出版印刷メディア専門職大学院大学と…東アジア出版印刷拠点構想… …………………………………………………… 木下 堯博… 1論 文 高濃度印刷画像に関する研究(第 3報)… −高濃度域インキ展色テスト−… …………………………… 木下 堯博、鄭  国海… 2中小印刷業業種別の売上高人件費… …………………………………………… 若生 彦治… 7印刷会社の事例研究… …………………………………………………………… 三浦 澄雄… 12アメリカ大陸の印刷術の伝播とベンジャミン・フランクリン(2)… ……… 松久  卓… 17北方アジアの 5つの文字… −契丹文字、女真文字、西夏文字、パスパ文字、ハングル文字のこと−… …………………………………………………………………………………… 松根  格… 21

8、第 8 巻(2008 年 3 月) 目 次 巻頭言 国際印刷大学校のさらなる発展を… …………………………………………… 三浦 澄雄… 1論 文世界の印刷産業の動向… − drupa2008 の資料−………………………………………………………… 木下 堯博… 3印刷業の経営戦略と技術経営論(MOT)… …………………………………… 若生 彦治… 9墨版の色域拡大効果… …………………………………………………………… 三浦 澄雄… 14アメリカ大陸の印刷術の伝播とベンジャミン・フランクリン(3)………… 松久  卓… 182007 年 11 月刊行〈中国藏西夏文献〉20 巻のこと… ……………………………………………… 松根  格… 22

9、第 9 巻(2009 年 3 月) 目 次 巻頭言創立 10 周年を迎えるにあたり…………………………………………………… 木下 堯博… 1論 文高濃度印刷画像に関する研究(第 5報) −新規高濃度インキによる色再現−… ……………………… 木下 堯博、鄭  国海… 李  源和、李  忠植… 2高濃度印刷の色域… ……………………………………………………………… 三浦 澄雄… 9

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数値計算による印刷でのカラーマネジメント… ……………………………… 野中 通敬… 13アメリカ大陸の印刷術の伝播とベンジャミン・フランクリン(4)… ……… 松久  卓… 16中国における印刷の歴史(1)印刷はどのようにして誕生したか… …………………………………………… 松根  格… 20

10、第 10 巻(2010 年 3 月) 目 次 巻頭言 大学の国際化と就業力育成… …………………………………………………… 木下 堯博… 1論 文 高濃度印刷画像に関する研究(第6報) −オフセット輪転印刷による色再現−… …………………………………… 木下 堯博… 2カラー印刷の歴史… ……………………………………………………………… 三浦 澄雄… 7IARIGAI2009 での網点研究……………………………………………………… 野中 通敬… 12日本のフレキソ印刷の将来展望… ……………………………………………… 杉浦 正弘… 13都市型中小製造業の経営課題… ………………………………………………… 若生 彦治… 17室町時代の開版事業と大内義隆… ……………………………………………… 松久  卓… 21中国における印刷の歴史(2) 宋代の印刷… ……………………………………………………………………… 松根  格… 25

11、第 11 巻(2011 年 3 月)目 次 巻頭言 将来の印刷産業と大学印刷教育… ……………………………………………… 野中 通敬… 1論 文 ジョブ・カード制度の印刷界への導入… ……………………………………… 木下 堯博… 2高品位印刷画像論(第 1報)…−テスト結果−… ……………… 近島 哲男、大友  誠… 5G 7 について… …………………………………………………………………… 三浦 澄雄… 9都市型中小製造業の経営課題(2)……………………………………………… 若生 彦治… 13中国、韓国の出版の現状と日本の出版 , 印刷の問題点… …………………… 田中  崇… 17「魏志倭人伝」と中国の木版印刷………………………………………………… 松久  卓… 21中国における印刷の歴史(3)…宋の周辺 契丹(遼)、西夏、金の印刷………………………………………… 松根  格… 25

12、第 12 巻(2012 年 3 月) 目 次 巻頭言 東日本大震災と drupa2012… …………………………………………………… 木下 堯博… 1論 文 カラー印刷画像の標準化に関する研究… ……………………………………… 木下 堯博… 2− G7CMS導入と検証−

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G 7について(2)………………………………………………………………… 三浦 澄雄… 6大手中堅印刷業の売上高と投資の関連… ……………………………………… 若生 彦治… 10「横浜毎日新聞」の創刊と本木昌造の活版印刷事業…………………………… 松久  卓… 15世界の出版業の展望… …………………………………………………………… 田中  崇… 19−第 38 回 FIPP 世界雑誌会議報告から−印刷教育に望むこと… …………………………………………………………… 石川  忠… 21人材教育は誰が行うのか?… …………………………………………………… 斎藤  成… 22

13、第 13 巻(2013 年 3 月) 目 次 巻頭言 印刷プロパーの大学教員の養成の必要性… …………………………………… 野中 通敬… 1論 文 ISO − 12647 について… ………………………………………………………… 三浦 澄雄… 2CMSの数値計算による新手法…………………………………………………… 野中 通敬… 6印刷業経営体の形成過程と課題… ……………………………………………… 若生 彦治… 9プリンテッドエレクトロニクスの概要… ……………………………………… 手塚 博昭… 13中国歴史年表を翻りながら印刷の歴史を考える(1)………………………… 松根  格… 15東日本大震災の支援調査活動(1)……………………………………………… 木下 堯博… 19

14、第 14 巻(2014 年 3 月) 目 次 巻頭言 サービス業化と技術開発,人材… ……………………………………………… 若生 彦治… 1論 文 印刷産業に於ける環境諸問題の一考察… ……………………………………… 木下 堯博… 2ネット時代のプライバシィをどう考えるか… ………………………………… 三浦 澄雄… 6印刷画像の定量解析(Ⅰ)………………………………………………………… 野中 通敬… 10イギリスにおける印刷及び出版業の動向… …………………………………… 若生 彦治… 13ナノインプリント技術及びナノインプリントモールドの概要… …………… 手塚 博昭… 16中国歴史年表を翻りながら印刷の歴史を考える(2)………………………… 松根  格… 19印刷業での原価計算と収益性の分析… ………………………………………… 李  賢勲… 23

15、第 15 巻(2015 年 3 月) 目 次 巻頭言 MDC印刷改善活動… …………………………………………………………… 木下 堯博… 1論 文 印刷画像の定量解析(Ⅱ)―クベルカ・ムンク理論式の導出―… ………… 野中 通敬… 2階調値… …………………………………………………………………………… 三浦 澄雄… 6

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印刷産業発展のための人財育成… ……………………………… 木下 堯博、谷脇 栗太… 10ネットワーク社会と中小印刷業… ……………………………………………… 若生 彦治… 13日本に於ける出版ビジネスと印刷会社の役割の変革… ……………………… 田中  崇… 16スマートフォンへの印刷技術(PE)の応用…………………………………… 手塚 博昭… 18西夏文字誕生秘話… ……………………………………………………………… 松根  格… 21『筑紫新聞』印刷文字と「諏訪神社・木彫文字」の同一性…………………… 大串 誠寿… 24

16、第 16 巻(2016 年 3 月) 目 次 巻頭言 印刷教育研究半世紀の歩み… …………………………………………………… 木下 堯博… 1論 文 業種境界の融解…―印刷業は静止画像処理業?―……………………………… 若生 彦治… 2次世代有機ELディスプレイと PE(印刷技術)… …………………………… 手塚 博昭… 5カラー印刷画像の偽造防止に関する研究… ―特殊網点による偽造防止―… ……………………………………………… 石原由紀夫… 8印刷産業に於ける個人情報保護の重要性… …………………………………… 木下 堯博… 10デジタル時代の印刷トラブル対策… …………………………………………… 小金 陽介… 13西夏初代皇帝李元昊の主な政策は何であったか?… ………………………… 松根  格… 16ISO12647 系………………………………………………………………………… 三浦 澄雄… 20インターンシップ制度の印刷企業への導入研究… …………………………………… 木下 堯博、森下 舒弘、谷脇 栗太、川口  花… 22

17、第 17 巻(2017 年 3 月) 目 次 巻頭言 国際印刷情報メディア学会の設立… …………………………………………… 木下 堯博… 1論 文 印刷業の労働生産性と IT社会… ……………………………………………… 若生 彦治… 2印刷人財育成の現状と課題… …………………………………………………… 木下 堯博… 4グローバル印刷人財の育成… …………………………………………………… 倉永 龍成… 8ものづくり補助金事業実績報告書 −デジタル検版を利用した印刷トラブル削減… …………………………… 目黒  信… 10液晶ディスプレイ産業技術史… ………………………………………………… 手塚 博昭… 12CTP のレーザー出力と描画面積率に関する調査……………………………… 石原由紀夫… 15印刷画像の定量解析(Ⅲ)−印刷インキの粘度について−… ……………… 野中 通敬… 18研究報文上の印刷技術の変遷… ………………………………………………… 三浦 澄雄… 21

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18、第 18 巻(2018 年 3 月) 目 次 巻頭言印刷産業の発展… ………………………………………………………………… 木下 堯博… 1論 文『情報通信時代の印刷業』… ……………………………………………………… 若生 彦治… 2印刷情報と電子情報… …………………………………………………………… 三浦 澄雄… 5デジタルマーケティングの研究… ……………………………………………… 田中  崇… 8印刷メディア教育の進展(第7報) −職業訓練に関する教育を中心として−… ………………… 木下 堯博 故廣津俊二… 10「印刷による表現」への挑戦……………………………………………………… 森下 舒弘… 15有機 ELディスプレイの技術史概論(Ⅰ)黎明期… ………………………… 手塚 博昭… 17OSS による画像比較検査サーバーの構築……………………………………… 石原由紀夫… 20IoT…による印刷機稼働状況の見える化について… …………………………… 波多野孝司… 22

19、第 19 巻(2019 年 3 月) 目 次 巻頭言国際印刷大学校創立 20 周年記念を迎えて……………………………………… 木下 堯博… 1論 文今後の印刷メディア産業… ……………………………………………………… 木下 堯博… 2『広告表示と価値創造』… ………………………………………………………… 若生 彦治… 5デジタルマーケティングの研究−第二報… …………………………………… 田中  崇… 9印刷統計……………………………………………………………………………… 三浦 澄雄… 11「印刷による表現」への挑戦…②… ……………………………………………… 森下 舒弘… 15『字彫り版木師木村嘉平とその刻本』にみる…歴代木村嘉平の作品…………… 大串 誠寿… 17

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国際印刷大学校研究報告

第19巻

発 行 日 平成31年3月25日

編集代表 木下 堯博

発 行 者 石川  忠

印 刷 所 富士精版印刷株式会社

発 行 所 国際印刷大学校 東京都東村山市青葉町2-29-12 〒189-0002 電話 070-5694-0174 FAX 042-392-8216 E-Mail : kinoaki@mpd. biglobe.ne.jp URL : http://www.media-igu.com

(非売品)

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国際印刷大学校研究報告

第19巻

2 0 1 9年 3月

International Graphic Arts&

Printing UniversityResearch Report

Vol. 19

March. 2 0 1 9

ContentsOn Greeting the 20th Anniversary Foundation of IGU Akihiro KINOSHITA 1

Future of Print Media Industry Akihiro KINOSHITA 2

An advertisement efficiency and robotization of today’s printing business Hikoji WAKOH 5

Studies on the Digital Marketing in Print media Industry Part-2 Shu TANAKA 9

Printing statistic dates Sumio MIURA 11

Experiment of 「Print Expression」② Nobuhiro MORISHITA 15

Kimura Kahei family's works recorded on『Kimura family the Woodblock Engraver, and Books made by them』 Seiju OGUSHI 17

Appendix

Regulations & Activities

目 次巻頭言

国際印刷大学校創立20周年記念を迎えて 木下 堯博 1

論 文

今後の印刷メディア産業 木下 堯博 2『広告表示と価値創造』 若生 彦治 5デジタルマーケティングの研究-第二報 田中  崇 9印刷統計 三浦 澄雄 11「印刷による表現」への挑戦 ② 森下 舒弘 15『字彫り版木師木村嘉平とその刻本』にみる歴代木村嘉平の作品 大串 誠寿 17

2018年度主たる活動などの要約平成30年度 国際印刷大学校主たる活動記録 渡航及び主たる活動記録平成31年度 国際印刷大学校カリキュラム賛助会員名簿目次一覧(2001年第1巻~2019年第19巻)