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「ITアーキテクトの思考法 ～アーキテクチャの視点からシステム開発を見直す～」2010/7/17に沖縄Javaコミュニティ"Java Kuche"で講演
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ITアーキテクトの思考法～アーキテクチャの視点からシステム開発を見直す～
2010/7/17
グロースエクスパートナーズ（株）ビジネスプラットフォーム事業ゼネラルマネージャー/チーフITアーキテクト
日本Javaユーザー会/日本Springユーザー会幹事
アークランプ（http://www.arclamp.jp/）
鈴木雄介
自己紹介
• 鈴木雄介– 所属
• グロースエクスパートナーズ（株）– ビジネスプラットフォーム事業ゼネラルマネージャー/チーフITアーキテクト
– コミュニティ• 日本Javaユーザー会 幹事
• 日本Springユーザー会 幹事
– ブログ/記事/書籍など• アークランプ（http://www.arclamp.jp）
• 「ソフトアーキテクトが知るべき97のこと」監修
• 「拡張する空間」共著
連絡先等
• http://twitter.com/yusuke_arclamp
• http://www.arclamp.jp/
• yusuke あっとまーく arclamp.jp
• y.suzuki あっとまーく gxp.co.jp
シャボン玉をデザインする
シャボン玉をデザインするときに、どんなに完璧な丸を紙の上に描いても、いいシャボン玉はできないわけで、そのシャボン玉をつくる装置、そこにシャボン液がたくさん溜まるシステムをつくらなければいけない。
-阿部雅世
http://www.arclamp.jp/blog/archives/do_not_design_software.htmlhttp://www.axisjiku.com/jp/2009/12/16/axisフォーラム-阿部雅世さん講演-レポート-その1（全3/http://opengl.jp/blogger/2009/07/masayo-ave-at-axis.html
http://www.flickr.com/photos/roomiccube/2740870263/
対象が生成されるプロセスに注目する
対象そのものではなく、
ソフトウェアの生成プロセス
利用時の品質
利用時の品質
プロセス
内部 外部 利用時
JISX0129-1 ソフトウェア製品の品質 第１部 品質モデル
影響 影響 影響
依存 依存 依存
特徴 例
利用時の品質 ・利用状況によって評価が異なる
・ユーザーＡさんとユーザーＢさんで評価が異なる
外部品質 ・システムの振る舞い・誰がテストしても同じ結果・一般的な仕様策定の対象
・テストケース・外部仕様
内部品質 ・システムを構成している要素すべて（含ドキュメント）・後に残り、評価が可能・エンジニアがこだわるところ
・クラス図・フレームワーク・ドキュメント
プロセス品質 ・後に残らない ・コミュニケーション・
各要素は互いに依存し、互いに影響するためそれらのバランスが重要になる
利用時の品質
利用時の品質動 静 動
利用時の品質
利用時の品質
コーディング
クラスインスタンス
ユニットテスト
プログラマの視点
優秀なプログラマはインスタンスをコーディングする
利用時の品質
利用時の品質
マネジメント
予定 実績
PMの視点
優秀なPMは実績をマネジメントする
アーキテクチャの視点
Plan of the Panopticon（1791）The works of Jeremy Bentham vol. IV, 172-3
http://www.flickr.com/photos/ms_sarahbgibson/425946626/
http://www.flickr.com/photos/rollertrain/3428602890/
元イースタン州刑務所（Eastern State Penitentiary）グランドプラン
http://www.flickr.com/photos/jiathwee/2870629436/
proposed prison at outram in 1880s by colonial engineer JFA McNair.
http://www.flickr.com/photos/base10/2673314994/
元イースタン州刑務所（Eastern State Penitentiary）現在の内部写真
ペンシルバニアシステム
• パノプティコンの発展的継承
• 独居拘禁
–食事も労働も読書も独りで
• アウトサイドセル方式の獄舎を放射状に設置
http://www.flickr.com/photos/mjkmjk/3402525185/
http://www.flickr.com/photos/jayemphoto/3096319303/
アルカトラズ刑務所
オーバーンシステム別名：ニューヨークシステム
• 労働力の有効活用
–食事も労働も共同で
• インサイドセル方式。配管を中心に両側に房を設置
–建物としての最適化
http://www.flickr.com/photos/batbob/2253519657/
例の脱走は部屋の奥にあった配管用のすき間を利用したもの
ビルディング・タイプとは、建築にとっては、使用目的から見た建築の類型を指す。と同時にそれらは、建築の外部と交通することで、自己組織的に生成する一つの建築形式でもある。
10+1 No.2 特集 制度 プログラム ビルディング・タイプ
推薦図書：『ビルディングタイプの解剖学』
五十嵐 太郎, 大川 信行/王国社 (2002/12)
内圧作るコト
戦術/設計/実装
外圧使うコト
ビジョン/要求/要件
公開資料用注記
• 刑務所に社会復帰が求められる– パノプティコンは一望監視による精神的抑圧を実現し、監視効率を上げるとして提唱された。ただし、思想が先行したため実際の建築物は少ない。
• 建築物としての効率化が求められる– パノプティコンの発想を継承し、独居拘禁型でのペンシルバニアシステムとして完成。
– 中央の監視ルームと放射状の部屋配置は病院でも同じような配置が見られる。
• 囚人の労働力活用が求められる– 労働者が食事や労働を共同で行う前提に立ち、オーバーンシステムが完成。放射配置が消える。
• ビルディングタイプ– 同じ使用目的（＝ビルディングタイプ）をもった建築物でも、外部からの要請が変わると形状を変えていく
アーキテクチャとは何か？
利用時の品質
利用時の品質
つなぐコトアーキテクチャ/
戦略
外圧使うコト
ビジョン/要求/要件
内圧作るコト
戦術/設計/実装
つなぐコトアーキテクチャ/
戦略
http://www.flickr.com/photos/31576229@N00/4443975728/in/photostream/
http://www.flickr.com/photos/31576229@N00/4443204331/
公開資料用まとめ
• シャボン玉をデザインする– ソフトウェア品質モデル。良いシステムを作るには、良い生成プロセスが必要。プロセス要素同士は影響し、依存する。全てをバランス良く実施する必要がある
• ビルディングタイプ– 同じ目的を持ったモノでも外部からの要請によって構造が変化をする。外圧と内圧をバランスすることが大事
• アーキテクチャとはつなぐコト– 生成プロセスの要素同士、外圧と内圧をいかにバランス良くつなぐか（バランスが悪いと崩壊する）
– アーキテクチャ的思想＝”つなぐコト”はアーキテクトだけではなくて、すべての立場の人に必要
