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第⚑編 レース車両規定 ※文中の太字斜体部分は、2015年JAF国内競技車両規則第⚑編レース 車両規定からの改正箇所を示す。

JAF|国内競技車両規則2016年 第1編 レース車両規定 · 第編 レース車両規定 ※文中の太字斜体部分は、2015年JAF国内競技車両規則第編レース

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第 編 レース車両規定

※文中の太字斜体部分は、2015年JAF国内競技車両規則第 編レース

車両規定からの改正箇所を示す。

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第 1 章 車両の分類

部門とグループ

第 1 条 国内競技車両

 部門Ⅰ 量産車両(公認車両および登録車両)

  N :量産ツーリングカー

  N :特殊ツーリングカー

  JAF−GT :グランドツーリングカー

  JAF-GT MC:グランドツーリングカー マザーシャシー  JAF−GT :グランドツーリングカー

 部門Ⅱ 競技専用車両(ナショナルフォーミュラ)

  S−FJ:スーパーFJ

  F :フォーミュラ

  SF:スーパーフォーミュラ

第 2 条 国際競技車両

 部門Ⅰ

  グループN :プロダクションカー

  グループA :ツーリングカー

  グループR :ツーリングカーまたは大規模量産プロダクションカー

 部門Ⅱ

  グループR-GT:GTプロダクションカー

  グループGT3:カップグランドツーリングカー

  グループCN:プロダクションスポーツカー

  グループD :国際フォーミュラレーシングカー

  グループE :フリーフォーミュラレーシングカー

 部門Ⅲ

  グループF :レーシングトラック

第 章 車両の分類

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第 2 章 レース車両の排気音量規制

 国内で開催されるJAF公認レース競技会に参加するすべての車両は以下の排気音

量に対する規制が適用される。

.参加者は開催場所の周辺の環境を守るために国または地方自治体が制定した音量

に関する法令およびオーガナイザーが決める排気音量に関する規定に従うこと。

ただし、最大音量は測定距離 mの場合120dB(A)以下とする。

.参加車両の音量に関する規定は付則「レース車両の排気音量測定に関する指導要

綱」に従うこと。

第 章 レース車両の排気音量規制

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JAFは、予告期間をもって最大音量を引き下げる権利を留保する。

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部門Ⅰ:量産車両    (公認車両および登録車両)

    (第 章〜第 章)

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第 3 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

第 1 条 定 義

  1.1 )公認車両

    一定期間内における同一車両(“同一車両”の項参照)の生産台数が量産に

達すると認められた車両で、顧客に対する通常の販売(“通常の販売”の項参

照)を目的としたものであり、車両型式が当該車両の公認書と合致しているこ

と。この一定期間とは、連続する12ヵ月間とする。JAFは最少生産台数を調

査し、FIAに対し公認を申請することができる(“公認”の項参照)。

  1.2 )同一車両

    同一の生産系列に属し同一の車体構造(外部および内部)、同一の機械構造部

分および同一のシャシー構造(モノコック構造の場合、このシャシーは車体と一

体となっている)を有する車両をいう。

    機械構造部分とはエンジン、駆動、懸架、操向および制動の諸装置をいう。

  1.3 )車両の型式(モデル)

    車体特有の設計や外観、同一機械構造のエンジン・電気モーターおよび駆動

装置によって区別できる量産の車両をいう。

    同一型式の判定には打刻が参照される。

  1.4 )グループ別最少生産台数

    グループ別最少生産台数を次のように定める。

    量産ツーリングカー(N )・・・・・   2,500台

    特殊ツーリングカー(N )・・・・・   500台

  1.5 )通常の販売

    通常の販売とは、自動車製造者の通常の日本国内販売網を通じ、個々の顧客

に対して車両を販売することをいう。

  1.6 )公 認

    公認とはJAFおよび/あるいはFIAによる公式の証明であって、当該型

式の車両の最少生産台数が、本規則のN 、N 、または 年FIA国際モータースポーツ競技規則付則J項のグループN、A、T のいずれかに、そ

の車を分類可能ならしめる生産の条件のもとで達成されたという証明である。

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

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公認申請は、JAF国内公認申請の場合、JAFにおいて審査公認される。ま

た、FIA公認申請の場合、JAFによってFIAに提出され、公認はFIA

の規則に基づいて行われる。公認は現行規則が有効である年の前年の 月 日

にまだ生産されている型式、またその 月 日以降に生産が開始された車両に

のみ与えられる。生産車の公認はそのモデルが生産を中止した翌年から 年間

有効である。モデルの公認は一つのグループに対してのみ有効である。すでに

公認されているモデルがそのグループから他のグループに変更された場合、以

前の公認は無効となる。

    公認書の発効日が競技会期間中である場合、この書式は該当する競技の全期

間を通じて有効である。

  1.7 )公認書

    JAFおよび/あるいはFIAによって公認されたすべての車両は、公認書

とよばれる書類に記載される。公認書には、その型式の識別を可能とするため

の諸元が記入される。

    公認記載項目、記入要領ならびに公認申請要領は「FIA車両公認規則」に

示される。

    競技期間中いかなる時でも技術委員の求めに応じ、最新の該当する車両公認

書を提示することが義務付けられる。

    提示しなかった場合は、当該競技への出場拒否までの罰則が与えられる。

    当該車両を車両公認書と照合のうえ検査した結果疑問のある場合、技術委員

はその銘柄の車の販売店のために発行された整備説明書、または、あらゆるス

ペアパーツを記載してあるカタログと照合する必要がある。

    参加者は自分の車両が生産された国のASNもしくはFIAから、その車両

の公認書、および必要な場合は追加公認書(正常進化・変型公認の公認書等を

含む)の交付を受け、常に携帯することが義務付けられている。

  1.8 )登録車両

    JAF登録車両規定(モータースポーツイヤーブック参照)に基づいて登録

された車両。

  1.9 )気筒容積別クラス

    車両はその気筒容積に従い、次の クラスに分けられる。

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

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    1 ... 気筒容積  660ccを含み  660ccまで

    2 ...  〃 660ccを超え 1,000cc 〃 1,000cc  〃 

    3 ...  〃 1,000  〃  1,150  〃 1,150   〃 

    4 ...  〃 1,150  〃  1,400  〃 1,400   〃 

    5 ...  〃 1,400  〃  1,500  〃 1,500   〃 

    6 ...  〃 1,00  〃  1,600  〃 1,600   〃 

    7 ...  〃 1,600  〃  2,000  〃 2,000   〃 

    8 ...  〃 2,000  〃  2,500  〃 2,500   〃 

    9 ...  〃 2,500  〃  3,000  〃 3,000   〃 

    10 .. 〃 3,000  〃  3,500  〃 3,500   〃 

    1 .. 〃 3,500  〃  4,000  〃 4,000   〃 

    1 .. 〃 4,000  〃  4,500  〃 4,500   〃 

    1 .. 〃 4,500  〃  5,000  〃 5,000   〃 

    1 .. 〃 5,000  〃  5,500  〃 5,500   〃 

    1 .. 〃 5,500  〃  6,000  〃 6,000   〃 

    1 .. 〃    6,000ccを超える車両

    競技会特別規則では、第1クラス(気筒容積6,000ccを超えるクラス)につい

てさらにクラス分けすることができる。ただし、その他のクラスを細分するこ

とはできない。

    上記のクラスの分類は、過給されていないエンジンを備えた車両に対するも

のである。(過給装置付エンジンのクラス区分:4.3.1)参照)

    ある特定の競技の部門別に関し、JAFによって反対措置が課せられない限

り、オーガナイザーはすべてのクラスを特別規則書に記載する必要はなく、ま

たさらに、その競技の特殊事情によっては つ、あるいは幾つかの相次いだク

ラスを合体させることは自由である。

  1.10 )車 体(ボディ)

    車体とは以下のことを意味する。

    外側:完全に懸架されている車両のすべての部分で、空気の流れにさらされ

る部分。

    内側:車室内の見える範囲のすべての部分および荷物室。

    車体は次の形式に区別する。

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

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  1.10.1 )完全に密閉されている車体構造の車両。

  1.10.2 )完全なオープンの車体構造の車両。

  1.10.3 )コンバーティブルの車体構造の車両:開閉または脱着可能な屋根を備えた

車両。

   [注]1.10.2)および1.10.3)の車両をオープンカーという。同一の系列に属す

る車体はすべて同種でなければならないが、〈サンルーフ〉はこの限りではない。

    コンバーティブル車両はオープン車両に適用される規則にすべて合致しなけ

ればならない。

  1.11 )電子システム

  1.11.1 )クローズド-ループ電子制御システム

    以下の条件を満たす電子制御システムをいう。

    )連続的に実際値(可変制御)を監視するもの。

    )フィードバック信号を期待値(参考可変値)と比較するもの。

    )演算結果により自動的に調整するシステム。

   例:シャシーの制御、オートマチックあるいはセミオートマチックトランスミ

ッション、電子クラッチ、ファイナル・ディファレンシャル、調整式ショ

ックアブソーバー、車高調整サスペンション、 輪操舵など。

  1.11.2 )ドライバーが作動させ、 つもしくは複数のシステムに作用する単純な自

動でない電気スイッチは、電子制御とはみなされない。

  1.12 )テレメトリー

    走行中の車両とその車両の参加に関係しているあらゆる者との間で行われる

データの通信をいう。

  1.13 )データロガー

    走行中の各部状況をセンサー等により数値データ化し記録するシステム。デ

ータはメモリーに蓄積され、走行後確認することができる。

第 2 条 一般事項

  2.1 )適合性

    競技に出場するすべての車両は本章および第 章“公認車両および登録車両

に関する安全規定”に従うことが義務付けられる。また、その車両を改造する

場合は、その車両が属しているグループに対し許される範囲内とする。

    競技会期間中いかなるときでも、車両がそのすべてにわたってこれら規定を

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

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遵守していることを競技会の技術委員および審査委員の求めに応じて説明およ

び検証作業に応じることは各参加者の義務である。

  2.2 )許される変更の限度

    任意選択部品/仕様の公認はその車両の該当するグループに定められている

最少生産台数と同生産数が原則として必要とされる。ただし、あるグループに

対しては一定の条件により公認されるものもある。

    公認書に記載されている部品/仕様(任意選択部品/仕様を含む)および公

認書には明示されていないが自動車製造者によって当該型式の車両に通常取り

付けられている部品/仕様に対する改造および変更(取り付け、取り外しを含

む)の限度は本規定によってグループの各々に対し明白に定められている。

    排気ガス対策装置は自由とするが、これらを完全に取り除いた場合に生ずる

穴を完全にふさがなければならない。ただし、触媒装置については各グループ

の規則に従うこと。

  2.3 )マグネシウム

    公認書に記載されているか、もしくは自動車製造者によって当該型式の車両

に通常取り付けられている部品(以降、標準部品という)を除き厚さ mm未

満のマグネシウム軽合金板の使用は禁止される。

  2.4 )ねじ山の修理

    破損したねじ山は同一内径の新たなねじ山をきることによって修理すること

ができる(ヘリコイル形式)。

第 3 条 寸法および重量

  3.1 )最低地上高

    車両の左右 つの側面のすべてのタイヤの空気が抜けた場合であっても、車

両のいかなる部分も地表に接してはならない。

    このテストはレース出走状態で(ドライバーが搭乗し)平坦な面上で行われ

ること。

  3.2 )最低重量

    ツーリングカー(N /N )は、それぞれの気筒容積に対し次の最低重量

を必要とする。

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

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JAFは、予告期間をもって触媒装置の装着を義務付ける。

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    これらの重量は、出走可能な状態で一切の潤滑油、冷却水を満たし、燃料と

ドライバーを除く車両の真の最低重量である。競技中、いかなるときでも上記

に記載されている最低重量より車両が軽くなっていてはならない。

    疑義がある場合、技術委員は、重量を検証するため、燃料タンク(複数)を

空にすることができる。

    過給装置付エンジンを搭載する車両によるワンメイクレース、および量産車

で生産中止から 年を経過した車両によるワンメイクレースの場合、上記以外

の最低重量を競技会特別規則書に規定できる。

  3.3 )バラスト

     個あるいは数個のバラストによって最低重量を満たすことが許される。た

だし、バラストは十分な強度を有する単一構造体で、工具によって、車室また

は荷物室の床に目に見えるように取り付けられ、封印できる構造でなければな

らない。上記条件を満たせば、 個のスペアホイールまたはリムをバラストと

して使用してもよいが、当初の搭載位置に当初の取り付け方法で搭載しなけれ

ばならない。

  3.4 )室内寸法

    本規定によって許されている改造が車両公認書に記載されている寸法に影響

する場合、この寸法は当該車両に対する認可基準とは見なされない。

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

−17−

NNkgkgcc  以 下kgkg, cc   〃 kgkg, cc   〃 kgkg, cc   〃 kgkg, cc   〃 kgkg, cc   〃 kg, kg, cc   〃 

, kg, kg, cc   〃 , kg, kg, cc   〃 , kg, kg, cc   〃 , kg, kg, cc   〃 , kg, kg, cc   〃 , kg, kg, cc   〃 , kg, kg, cc を超える

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第 4 条 エンジン

  4.1 )気筒容積

    気筒容積:ピストンの上下運動により 個または複数の気筒内に生じる容積

Vをいう。

    V=0.7854×b2×s×n。b=ボア、s=ストローク、n=気筒数。

  4.2 )過給装置

    方法のいかんを問わず燃焼室内に充填される燃料と空気の混合気の重量を増

加(吸気または/あるいは排気系統内における通常の大気圧下での重量および

ラム圧、流体力学的効果による重量の増加)させる装置をいう。

    燃料の加圧噴射および外部の空気をエンジンの吸気口に向かわせるための吸

気装置は過給装置とはみなされない。

  4.3 )気筒容積の換算係数

    自然吸気ピストンエンジン以外のエンジンを搭載した車両の場合、以下に示

す換算方式により自然吸気ピストンエンジンの気筒容積に相当する値を計算す

る。

    いかなる場合も、換算によって得られた相当容積が、その車両の実際の気筒

容積とみなされる。これは気筒容積別クラス分けの他、車室内寸法や最少座席、

最低重量等についても適用される。

  4.3.1 )過給装置付エンジン

    過給装置付エンジンの車両は、その公称気筒容積に、ガソリンエンジンにつ

いては係数1.7、ディーゼルエンジンについては係数1.5を乗じ、それによって

得られた値に相当するクラスの車両として扱われる。

  4.3.2 )レシプロピストンエンジンとロータリーエンジン

    (NSU-WANKELの特許による方式のもの)との等価方式

    この排気容積の換算式は燃焼室の最大および最小容積の差に等しいものとす

る。

  4.4 )タービンエンジン

    タービンエンジンの車両は、下記の換算方式により得られた値に相当するク

ラスの車両として扱われる。

    換算方式は次の通りとする。

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

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           S(3.10×R)−7.63         C=                     0.09625

S=高圧ノズル面積

    Sはステーターブレードからの出口(ステーターが数個の段階をもつ場合に

は第一段階からの出口)における空気の流れの面積を平方センチメートルで表

す。測定は高圧タービンの第一段階の固定ブレード間の最小面積をとって行わ

れる。第一段階のタービンステーターブレードが調節できる場合、それらを最

大に開いた面積をもってSの測定値とする。

    高圧ノズルの面積は翼間隙の高さ、幅、数の積を平方センチメートルで表す。

    R=圧縮比、すなわちタービンエンジンのコンプレッサーの圧縮比。

    この圧縮比は下記の通り、コンプレッサー各段の値を乗ずることによって得

られる。

    亜音速軸流コンプレッサー(Subsonic axial compressor)= 段につき1.15

    遷音速軸流コンプレッサー(Trans-sonic axial compressor)= 段につき1.5

    遠心コンプレッサー(Radial compressor)= 段につき4.25

    したがって、遠心 段と亜音軸流 段を持つコンプレッサーの場合、

4.25×1.15×1.15×1.15×1.15×1.15×1.15、または、4.25×1.15の 乗の圧縮比と

なる。

    C=立法センチメートルで表したレシプロピストンエンジンに対する等価気

筒容積。

  4.5 )ジェットエンジンおよびアフターバーナーシステムは禁止される。

  4.6 )排気系統と消音器

    排気口は熱を帯びた排気管によって焼損を生じないように適切な防熱措置を

講じなければならない。

    排気系統は、暫定的であってはならない。排気ガスは、排気系統の末端から

のみ排出することが許される。シャシーの部分を排気ガスの排出のために使用

することは許されない。

  4.6.1 )後方に向ける場合

    排気口の位置は燃料タンクの後方で地表から最大高さ45cm、最低高さ10cm

とし、出走状態の車両上面視で車両外縁から内側に10cm以内になければなら

ない。

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

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  4.6.2 )側方に向ける場合

    排気口の位置は当該構造の直上あるいは直下の車体の側面より突き出しては

ならず、高さは第 条に定める最低地上高を維持しなければならない。また、

車体側面から内側10cm以内とする。

    なお、N 車両については、基本車両が側方排気である場合を除き、後方排

気でなければならない。

  4.6.3 )消音器を取り付ける場合

    車体の改造は、ブラケットの取り付けを除き、許されない。

    消音器はできる限り生産車の消音器が取り付けられていた位置に取り付ける

こと。

  4.7 )車室内においての始動

    運転席に着座したドライバーによって操作可能な、車両に搭載されている電

気あるいは他のエネルギー源による始動装置を持たなければならない。

第 5 条 駆動系統

  すべての車両は競技をスタートする時点において、正常に作動する後退ギアを含

むギアボックスを搭載していなければならない。また、この後退ギアは正常に着座

したドライバーによって操作できなければならない。

第 6 条 ホイール、スペアホイール

  6.1 )ホイール

    コンプリートホイール幅の測定:ホイール幅は地上に置かれた車両に取り付

けられた状態で測定する。車両はレース出走状態であって、ドライバーが搭乗

している状態とする。ホイール幅の測定点は、地面に接している箇所を除くタ

イヤ周辺のいかなる箇所においても測定できるものとする。

    コンプリートホイールの要素として、複合タイヤが装着されている場合、コ

ンプリートホイールは、これらのタイヤが使用されているグループに関する最

大寸法に合致していなければならない。

    コンプリートホイールの幅:リムとタイヤを組合せた幅をいう。

  6.2 )スペアホイール

    スペアホイールの搭載は義務付けられない。

第 7 条 タイヤ

  タイヤは地表以外の部分と接触してはならない。

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

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第 8 条 車 体

  8.1 )ド ア

    すべての車両は両側に少なくとも 枚の硬いドアを備えなければならず、そ

のドアには閉鎖装置と蝶番を備えていなければならない。

  8.2 )ホイールアーチ

    車両のホイールアーチは暫定的な性格のものであってはならず、しっかりと

固定されており、かつ、車体との間に隙間があってはならない。

    ホイールアーチはコンプリートホイールの上に張り出し、ホイールハブ中心

から計測して、少なくとも車輪回転軸を通過する垂直線の前30°、後50°の範

囲を効果的に覆うものでなければならない。

    ホイールアーチのフランジ部は、タイヤとの接触を避けるために内側に折り

曲げなければならない。合成樹脂の場合、その部分を最小限切除することが許

される。

  8.3 )車 室

    )車室とは、固定された前部隔壁と後部隔壁で仕切られた空間をいう。

    ) ボックス車両等で、後部隔壁が明確な壁形状を形成されない構造で床面

と連続している場合は、最後部座席シートバック背面の直後で、当該面と同

等の角度を持った面を想定後部隔壁とし、それと前部隔壁で仕切られた空間

をいう。

    ) 座席車両で、当初から後部隔壁が存在しない場合は、前部隔壁と、 )

で定義する想定後部隔壁または床の底部主平面(フランジを除いたサイドシ

ル下面の直線部に平行な面)から立ち上がった面で仕切られた空間をいう。

    )車室は、エンジンルーム、ガソリンタンク、オイルタンク、ギアボックス、

プロペラシャフトから隔壁で完全に隔離されていなければならない。

    )車室の隔壁は、堅固で防火性に富んだ材質を持つものでなければならない。

(第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第17条参照)

    )危険性のあるすべての物体《バッテリー(ドライバッテリーを除く)、可

燃性のある物品等》は、車室以外に搭載しなければならない。なお、車室内

に取り付けが許される付属品とは、スペアホイール、工具、取り替え部品、

安全装置、通信装置、バラスト(許されているもの)、ウインドスクリーンウ

ォッシャー液容器、クールスーツ用諸装置などをいう。

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

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    )オイルタンクを荷物室に取り付ける場合は、漏油および耐火の隔壁で完全

に仕切られていれば許される。

    )車室内にヘルメットおよび工具の収納容器を設置する場合、その容器は難

燃性の材質で造られなければならず、火災の場合に有毒ガスを発生してはな

らない。

    )オープン車両の搭乗者室および座席を覆ってはならない。

  8.4 )無線機器

    電波法に定める無線機器の競技車両への搭載および使用に際し、その空中線

(アンテナ)を設置/固定するためルーフ部に最小限の穴を開けることは許さ

れる。

  8.5 )サンルーフ

    同一型式においてすべての車両がサンルーフを標準装備している場合、サン

ルーフを取り外すことは禁止されるが、車体に一体化するという条件でリベッ

ト留め、または溶接することは許される。

    同様にガラスサンルーフを、残りのルーフ部と同じ厚さを持つ他の材質(ス

チール、アルミ)へ変更することは許される。

    ロールケージ取り付けに伴う、レール部の最小限の改造は許される。

第 9 条 電気系統

  電気系統の定格電圧は、イグニッションスイッチの供給回路の電圧を含み、オリ

ジナルを保たねばならない。

第 10 条 燃料系統

  10.1 )燃料 − 燃焼物

  10.1.1 )燃料は、通常のガソリンスタンドのポンプから販売されている(潤滑油以

外のいかなる添加物も含まない)ガソリンでなくてはならない。

    燃料は、次の特性を持たなければならない。

   ‐無鉛燃料を使用し最大102RONで90MON、最低95RONで85MONという特性

を有すること。測定はASTM規格のD2699-86、および、D2700-86に準拠

して行い、燃料を許可するか却下するかは、95%の信頼限度をもってAST

M規格D3244に基づいて決定する。

   ‐比重は15℃において、720〜785kg/m3の間にあること(ASTM規格D4052

に沿って測定される)。

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

−22−

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   ‐重量で酸素は最大2.8%(鉛の含有量が0.013g/ℓ以下の場合は最大3.7%)、

窒素は最大0.5%で、残りの燃料は炭化水素のみで成り立っていて、いかな

る出力増強添加剤を含んでいないもの。

    窒素の含有量の測定はASTM規格D3228に沿って、酸素の含有量は成分分

析により公差0.2%をもって行われる。

   ‐過酸化水素および窒素酸化物の最大含有量:100ppm(ASTM規格D3703)

   ‐鉛の最大含有量:0.40g/ℓ、または、これを下回って定められた、大会規

定の定める量(ASTM規格D3341、または、D3237)

   ‐ベンゼンの最大含有量:容積比で %(ASTM規格D3606)

   ‐リード式最大蒸気圧:900hPa(ASTM規格D323)

   ‐70℃での蒸留液:10%〜47%(ASTM規格D86)

   ‐100℃での蒸留液:30%〜70%(ASTM規格D86)

   ‐180℃での蒸留液:最低85%(ASTM規格D86)

   ‐最大最終沸騰点 :225℃(ASTM規格D86)

   ‐最大残留物   : %容積(ASTM規格D86)

    オーガナイザーは上記に適合しない市販燃料を指定することができる。ただ

し、組織許可申請時にその旨をJAFへ申請し承認を得なければならない。

  10.1.2 )ディーゼル

    ディーゼルエンジンの場合、通常のガソリンスタンドのポンプから販売され

ている(潤滑油以外のいかなる添加物も含まない)軽油でなくてはならない。

  10.1.3 )複数の燃料を混ぜて使用することを含み、指定された燃料に対し、空気を

除き、その他の気体/液体/固体を混入して使用することは一切禁止される。

    ただし、ロータリーエンジン搭載車両は、エンジンオイルに限り、車両改造

申告書にその種類を明記することにより、燃料への混入が認められる。

  10.2 )燃料タンクの容量

    N 、N の各車両の燃料タンク総容量(主タンクと補助タンクを合わせた)

は次の限界以下のものでなければならない。(ただし、当初の燃料タンクを使

用する場合はその限りではない。)

    気筒容積 700ccまでの車両 60ℓ

      〃   700ccを超え1,000ccまでの車両 70ℓ

      〃  1,000 〃  1,400   〃 80ℓ

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

−23−

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      〃  1,400ccを超える車両 95ℓ

  10.3 )燃料補給装置

  10.3.1 )基準のカップリング(継ぎ手)

    サーキットに設備された集中方式、あるいは、参加者が用意した方式の場合、

燃料補給ホースには車両に装着された基準の注入口に適合する漏出防止のカッ

プリングを取り付けなければならない。(取り付けのための寸法は第3-1図、

第3-1a図および第3-1b図に示される。内径Dは50mm(2インチ)を超えてはな

らない。)

第 − 図

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

−24−

押す/引くオス型

押す/引くメス型

L1D4D3D2D1

6.3"3.7"2.25"2.5"2.0"PP20M

6.3"3.7"1.75"2.5"1.5"PP20MR

6.9"3.7"2.5"1.5"PF20MS

5.7"3.3"1.75"2.0"1.5"PP15M

4.64"2.68"1.45"1.65"1.25"PF30M

4.64"2.68"1.45"1.65"1.25"PF40M

5.1"2.9"1.5"1.75"1.25"PP125M

L4L3D2D1

3.25"6.75"2.5"2.0"PP20F

3.25"6.75"2.5"2.0"PP20FR

3"5.3"2.12"1.75"PF31F

3.38"5.7"2.12"1.75"PF41F

3.25"6.75"2.0"1.5"PP15F

3.1"6.25"1.75"1.25"PP125F

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第 − a図

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

−25−

同軸型

オス型

メス型

車体への取り付け

燃料タンクへの取り付け

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第 − b図

   ‐競技中に燃料補給を伴う競技に参加するすべての車両は、この図に合致した

燃料注入口を装備しなければならない。この漏出防止カップリング継ぎ手は

デッドマン機構の原理に合致していなければならず、したがって開放状態の

ときに、いかなる保持装置も組み込まれてはならない(スプリングにより反

力を与えられたボール方式、差し込みピン方式等)。

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

−26−

メス型

0.455

WIGGENS CLAMP

4.329

4.329

4.309

4.309

2.801

2.801

0.8430.843

4.3034.303

8.9398.939

5.460

Drill .312 DIA.2 PLC 180 DEG APARTON 5.000 BCD 12 HOLE“C”SINK 82 DEG. X .4

DRILL .201 DIA.10 PLC ON 5.000 BCDX 12 HOLE“C”SINK82 DEG. X .4

TAP 10-32 THRU4 PLC ON 5.000BCDEQUALLY SPACED

オス型

12.97012.970

6.7316.731

3.958

3.958

     AIR OUTLET STYLE’S

1)1 1/2”CAM LOCK WITH 1.500 BORE DIA.

2)1 3/4”HOSE BARB WITH 1.500 BORE DIA.

1) 1 1/2”CAM LOCK WITH 1.500 BORE DIA.

2) 1 3/4”HOSE BARB WITH 1.500 BORE DIA.

3) 2’CAM LOCK WITH A 2”OR

50MM,OR 1.900 BORE DIA.

4) 2 1/4 HOSE BARB WITH A 2”,OR

50MM,OR 1.900 BORE DIA.

5) CUSTOMER SPECIFICATIONS

FUEL INLET STYLE’S

8.88.8

10.610.6

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   ‐空気孔には逆流防止バルブを取り付け、また、バルブは上述の注入口にある

ような遮断方式を有し、かつ、直径の寸法も同一でなければならない。

    サーキットに集中方式を用意できない場合には、参加者は上記の手順で燃料

補給を行うこと。

  10.3.2 )燃料補給タンク

    燃料補給タンクは第3-2図でなければならず(第3-1a図に示された基準のカッ

プリングを用いる場合、それと燃料補給タンクとの接続は第3-2a図の通りでな

ければならない)、燃料補給中、空気孔の排出口は適切なカップリングで補給

タンクの本体に接続すること。

    燃料補給タンクには適切な転倒防止策を施すこと。

    燃料ブラダーを剥き出しで使用することは認められない。

    燃料補給タンク本体は完全な円筒形でなければならない。

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

−27−

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第 − 図

  ※「⑨流量リストリクター」は、FIAイベントのみ適用されます。

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

−28−

⑩⑤

①⑤ ④

④⑥⑨

半透明のホース

1m

D:80cm

D:50mm

⑩ ⑦⑤

1m

2mMax

直径:最大33mm

流量リストリクター補給タンク接続部

最大1mm 最大1mm

最小1mm

45° 45°

高さ:最大50mm

直径最大39mm

直径最大38mm

40cm

10cm

20cm 50mm

D:50mm

⑨④⑥

③⑤

半透明のホース

構造体は補給タンクに機械的に固定されていること。

A

A

A

①オス型給油口(基準のカップリング)②給油ホース内径:38mm(1.5インチ)③ブリーザーホース(半透明)④給油用コネクター 内径:38mm(1.5インチ)⑤ブリーザー用コネクター⑥自動遮断弁 内径:38mm(1.5インチ)⑦給油口キャップ(漏出防止の措置が講じられていること。モンツァキャップは禁止)⑧火炎防止換気口⑨流量リストリクター※⑩分別バルブ

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    )支柱:太さが50mm以上のものが望ましい。本数は自由。

    )燃料補給タンクの高さ:燃料補給タンク上面は地面から高さ mを超えて

はならない。

    )燃料補給タンクの寸法:( )タンクの深さ:最大40cm

                ( )タンクの直径:最大80cm

    )給油ホース:( )長さ:柔軟性のある部分のみで最小 m(図⑨の流量

リストリクター使用時は最小2.5m)

           ( )内径:最大38mm(1.5インチ)

    )ブリーザーホース(半透明):ホースの長さは自由。また、その中間に金

属製のパイプ(アルミパイプ等)を使用してもよいが、ホースとの接続はク

ランプ等を使用することにより確実に漏出防止がなされなければならない。

    )コネクター(図④参照):図に従い内径38mm(1.5インチ)以下の漏出防

止コネクターを装備しなければならない。

    )自動遮断弁(図⑥参照):燃料補給タンクとコネクター(図④)の間に燃

料流入を閉鎖できる内径38mm(1.5インチ)以下の自動遮断弁をとりつけ

ること。

    )給油口キャップ(図⑦参照):漏出防止の措置が講じられていること(モ

ンツァキャップは禁止)。

    )火炎防止/換気口(図⑧参照):

    ( )分別バルブ(図⑩参照):上部から換気口先端までの高さは、地面と

垂直に計った状態で mなければならない。

    ( )火炎防止/換気口の内径寸法は自由。

   10)分別バルブ(図⑩参照):オーバーフローした燃料と気体化したガスを分

別できるバルブを図の位置に取り付けなければならない。

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

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第 − a図

  10.3.3 )燃料補給のアース

    燃料補給装置のすべての金属部品は電気的にアースされていること。

    下記が義務付けられる:

      .各ピットにアースコネクターが つ備えられていること。(航空機規

格が推奨される。)

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

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      .燃料補給装置(塔、タンク、ホース、ノズル、バルブおよびベントボ

トルを含む)はレースが続行している間を通して、上記のアースコネク

ターに連結されているものとする。

      .レース車両は、一時的であっても、ピットで停車した際は、速やかに

アースコネクターに連結されるものとする。

      . および が実行されなかったり、実行されるまでは、ホース(注入ま

たはガス抜き)を連結してはならない。

      .すべての燃料取扱いピットクルーは静電気防御服の着用が推奨される。

  10.4 )簡易燃料補給方法

     回のピットインにおける燃料補給が20ℓ以下の場合、下記の条件を満たし

た携行缶による補給が許される。

    )耐圧性の金属性携行缶で容量が20ℓ以下であること。

    )携行缶が、車両給油口まで内径38mm(1.5インチ)以下の耐油性ホースを

接続できる構造となっていること。

    )バルブ径38mm(1.5インチ)以下でバルブ開閉が90°以内の角度で操作で

きる手元コックが携行缶から30cm以内の位置に設置されていること。

    )手元コックから車両の給油口までのホースの内部が目視でき、長さが50cm

以内であること。

    )申請書および詳細を記載した特別規則書草案をJAFに提出し、その承認

を得たうえで公告すること。

第11条 ブレーキ

  カーボン製ブレーキディスクの使用は禁止される。

第12条 障害者用操作装置

  第 編付則「アクセサリー等の自動車部品」 .に従った障害者用操作装置を装

着することができる。ただし健常者の使用は許されない。

第 章 公認車両および登録車両に関する一般規定

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第 4 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

 改造および付加物の取り付け等により競技会技術委員長が安全でない車両と判断し

た場合、その指示に従わなければならない。

 安全性確保の見地から、その事例は「JAF MOTOR SPORTS」誌上に広報される場

合がある。

第 1 条 配管類

  1.1 )配管類の保護

    燃料およびオイルとブレーキ配管は、外部から損傷を受けぬよう(飛石、腐

触、機械的損傷等)、すべてを考慮して保護策をとらねばならない。また、室

内には絶対に火災および損傷を発生させない配慮を必要とする。

    量産車の装備がそのまま維持される場合は追加の防護は任意。防音材および

防振材等を取り除くことにより配管や配線類が露出する場合には適切なる防護

策を講じなければならない。

    燃料配管について、金属部品が絶縁部品によってボディシェルから隔離され

ている場合は、ボディシェルと電気的に接続されていなければならない。

  1.2 )仕様および取り付け

    量産の装備が保持されない場合は以下の適用が義務付けられる。

  )液体用配管の取り付け:

  ( )冷却水または潤滑油を収容する配管:車室外部になくてはならない。

  ( )燃料または油圧液を収容する配管:車室を通過してよいが、第4-1図および

第4-2図に従った前後の隔壁部分とブレーキ回路およびクラッチ液回路を除

き、車室内部にいかなるコネクターも有さないこと。

  )液体用配管の仕様:

   燃料配管、潤滑油配管および加圧される油圧液を収容する配管の取り付け具は

下記の仕様に従って製造されていなくてはならない。柔軟なものである場合、こ

れらの配管はネジ山のついたコネクター、はめ込み式のコネクター、あるいは自

動的に密閉されるコネクターと、摩擦と炎に耐え得る(燃焼しない)外部網材を

有していなくてはならない。

  ( )燃料配管の仕様(インジェクターおよびタンクへ戻る配管上の冷却ラジエ

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

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ターへの連結部を除く):135℃(250゚ F)の最低作動温度で MPa(70bar

/1000psi)の最低破裂圧力を有していなくてはならない。

  ( )潤滑油の配管の仕様:232℃(450゚ F)の最低作動温度で MPa(70bar

/1000psi)の最低破裂圧力を有していなくてはならない。

  ( )加圧下にある油圧液を収容する配管の仕様:232℃(450゚ F)の最低作動

温度で最低破裂圧力28MPa(280bar/4000psi)を有しなくてはならない。

     油圧システムの作動圧力が14MPa(140bar/2000psi)を超える場合は、作

動圧力の少なくとも倍の破裂圧力を有していなくてはならない。

第 − 図

第 − 図

第 2 条 ブレーキ

  2.1 )ブレーキ

    同一のペダルによって作動する二重回路。

    ペダルは通常、すべてのホイールに作動するものであること。

    制動装置のパイプに漏れもしくは欠陥が生じた場合でも、ペダルは少なくと

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

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隔壁

隔壁

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も つのホイールに作動しなければならない。量産車にこのシステムが取り付

けられている場合は変更を必要としない。

    ペダルブラケットの安全のための補強は許される。

  2.2 )駐車ブレーキ

    駐車ブレーキ装置は左右同時に作動すること。

第 3 条 ファスナーの追加

  フロントおよびリアボンネットとトランクリッドには、少なくとも 個のファス

ナーを可能な限り離れた位置に取り付けること。ファスナーは、赤(もしくは対照

的に目立つ色)の矢印で明示されていなければならない。元のファスナーおよび開

口を維持する装置(ダンパー等)は作動しないように処理するか取り除くこと。

第 4 条 安全ベルト

  安全ベルトは、その材質、取り付け方法などを含め「レース競技における安全ベ

ルトに関する付則」に従ったフルハーネスタイプでなければならず、その肩部スト

ラップは幅75mm以上を有していなければならない(ヘッドアンドネックサポート

指定ベルトを除く)。安全ベルトを座席やその支持体に固定することは禁止される。

FIA国際モータースポーツ競技規則 付則J項 第253条に定められた取り付け方法

も許される。(第4-3図〜第4-4図参照)

       第 − 図              第 − 図

第 5 条 消火装置—消火系統

  すべての車両は手動消火器を装備することが義務付けられる。

  手動消火器を自動消火装置に取り替えることができる。

  5.1 )手動消火器

    手動消火器とは消火器単体をドライバー等が取り外して消火を行うための消

火器をいう。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

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A:安全ベルト取り付け用の穴A穴の断面図

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  )取り付け

   各々の消火器の取り付けは、クラッシュ時を考慮し、減速度25Gがいかなる方

向に加えられても耐えられるように取り付けなければならず、取り付け方向は車

両の前後方向中心線に対し直角に近い状態であること。(リベット留めは禁止さ

れる。)

   金属製ストラップの付いたラピッドリリースメタル(ワンタッチ金具)の装着の

み認められる(最低 箇所に装着することが推奨される)。

   すべての消火器は充分に保護されていなければならない。

  )取り付け場所・取り外し

   消火器はドライバー等が容易に取り外せる位置に取り付けられなければならな

い。

  )下記情報を各消火器に明記しなければならない。

   - 容器の容量

   - 消火剤の種類

   - 消火剤の重量もしくは容量

   - 消火器の点検日

  )消火器の点検日は、消火剤の充填期日もしくは前回点検期日から 年以内とす

る。(消火剤の充填期日もしくは前回の点検期日から 年を過ぎて使用してはな

らない。)ただし、 年毎の点検を継続したとしても消火器の製造者が定めた有

効年数あるいは耐用年数を超えて使用することはできない。

   - 消火器の製造者が、有効年数あるいは耐用年数を定めていない場合、その

使用期限は製造期日(または初回充填期日)から 年間を目処とする。

   - 消火剤の充填日もしくは前回検査日の表示が年(月)表示である場合、有

効期間の起算日は当該年(月)の末日とする。

  ) 年毎に製造者、製造者が指定した工場、あるいは代理店等の有資格者による

点検を受けること。外部が損傷している容器等機能/性能に影響を与える恐れが

あると判断される場合には、装置を交換しなければならない。

  )仕 様

   つあるいは つの消火剤容器とする。粉末2.0kg以上の内容量が必要である(ま

たは、FIA国際モータースポーツ競技規則 付則J項 第253条に記された消火剤

および内容量を装備してもよい)。すべての消火器は耐火性でなければならない。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

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 参考)2015年国際モータースポーツ競技規則 付則J項 第253条

 7.3 )手動消火器

 7.3.1 )すべての車両は下記7.3.2 )から7.3.5 )、もしくはFIA基準8865-2015(後者の場

合は下記7.3.2 )から7.3.5 )は適用しない。)に従った消火器を1個あるいは2個装

備していること。

 7.3.2 )認められる消火剤

    AFFF、FX G-TEC、Viro3、粉末消火剤、FIAが公認したその他の消火剤。

 7.3.3 )消火剤の最少容量

    AFFF:2.4ℓ

    FX G-TEC:2.0kg

    Viro3:2.0kg

    Zero 360:2.0kg

    粉末:2.0kg

 7.3.4 )すべての消火器は、その内容物によって以下の封入圧力を有さなければなら

ない。

    AFFF:製造者の指示に従う。

    FX G-TECおよびViro3:製造者の指示に従う。

    Zero 360:製造者の指示に従う。

    粉末:最小8 bar、最大13.5 bar

    更に、消火剤にAFFFが用いられている場合は、消火器それぞれに封入圧力

を確認できる機構を備えていなければならない。

 7.3.5 )下記情報を各消火器に明記しなければならない。

   -容器の容量

   -消火剤の種類

   -消火剤の重量もしくは容量

   -消火器の日付が確認されなければならず、それは消火剤の充填期日もしくは

前回の検査期日から 年以内の日付、あるいは有効期限以内の日付でなけれ

ばならない。

  5.2 )自動消火装置

    自動消火装置とは、車両に固定された消火装置が、車室内とエンジンルーム

に対し起動装置によって同時に作動するものをいう。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

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   )取り付け

    各々の消火装置の容器は、クラッシュを考慮し、減速度25Gがいかなる方向

に加わってもそれに耐えられるように取り付けられなければならない。

   )操 作 - 起 動

     つの系統は同時に起動しなければならない。

    いかなる起動装置も認められる。しかしながら、起動系統が機械式だけでな

い場合、主要エネルギー源からでないエネルギー源を備えなければならない。

    運転席に正常に着座し、安全ベルトを着用したドライバーが起動装置を操作

できなければならない。

    車両の外部のいかなる者も同時に操作できること。外部からの起動装置はサ

ーキットブレーカーに接して、あるいは、それと組み合わせて位置しなければ

ならない。また、赤色で縁取られた直径が最小10cmの白色の円形内に赤色で

Eの文字を描いたマークによって表示されなければならない。

    装置はいかなる車両姿勢にあっても、たとえ車両が転倒した場合でも作動し

なければならない。

   )下記情報を各消火装置に明記しなければならない。

    - 容器の容量

    - 消火剤の種類

    - 消火剤の重量もしくは容量

    - 消火器の点検日

   )消火装置の点検日は、消火剤の充填期日もしくは前回点検期日から 年以内

とする。(消火剤の充填期日もしくは前回の点検期日から 年を過ぎて使用し

てはならない。)ただし、 年毎の点検を継続したとしても消火装置の製造者

が定めた有効年数あるいは耐用年数を超えて使用することはできない。

   - 消火装置の製造者が、有効年数あるいは耐用年数を定めていない場合、そ

の使用期限は製造期日(または初回充填期日)から 年間を目処とする。

   - 消火剤の充填日もしくは前回検査日の表示が年(月)表示である場合、有

効期間の起算日は当該年(月)の末日とする。

   ) 年毎に製造者、製造者が指定した工場、あるいは代理店などの有資格者に

よる点検を受けること。外部が損傷している容器等機能/性能に影響を与える

恐れがあると判断される場合には、装置を交換しなければならない。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

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   )仕 様

    FIAテクニカルリストNo.16の消火システム、またはFIA国際モーター

スポーツ競技規則 付則J項 第259条14項に記された消火剤および内容量を装備

すること。

    消火装置は耐火性でなければならず、また、充分に防護されていなければな

らない。消火剤の噴出ノズルは、ドライバーに直接消火剤がかかることのない

ように取り付けなければならない。(凍傷の危険)

   )放射時間

    車室内 :最短30秒/最長80秒

    エンジン:最短10秒/最長40秒

    両方の消火装置が同時に作動しなければならない。

 参考)2015年国際モータースポーツ競技規則 付則J項 第259条14

 14.1 )消火装置

    次の成分は使用が禁止される:BCF、NAF

 14.1.1 )すべての車両は つの消火装置を備えていなければならない。 つはコク

ピットへ放射されるもの、もう つはエンジンルームへ放射されるものである。

    消火器の代りに、第253条7.2項の仕様に合致した消火システムを取り付ける

ことが許される。

 14.1.2 )認められる消火剤

    FIAによって特に承認されたAFFF(“テクニカルリスト No.6”を参照)。ド

ライ粉末も許可される。ただし、国の法規で上記の製品の使用を認めていない

国で使用するか、そうした国に由来する車両の場合に限られる。

 14.1.3 )消火器最少容量

    AFFF:使用されるタイプによって容量が異なる(“テクニカルリスト No.6”

を参照)。

 14.1.4 )消火剤の最少容量

             クローズドカー オープンカー

    粉末:コクピット 1.2 kg 2.4 kg

       エンジン 2.4 kg 1.2 kg

    AFFF:使用されるタイプによって容量が異なる(“テクニカルリスト No.6”

を参照)。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-38-

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 14.1.5 )放射時間

    エンジン:最低10秒/最高40秒

    コクピット:最低30秒/最高80秒

    両方の消火装置が同時に放射されなければならない。

 14.1.6 )すべての消火器はその内容物に応じて以下の封入圧力を有さなければなら

ない。

    粉末:13.5 bar

    AFFF:使用されるタイプによって圧力が異なる(“テクニカルリスト No.

6”を参照)。

    更に、AFFFの場合、各消火器は容器内の圧力を確認できる手段を装備して

いなければならない。

 14.1.7 )下記情報を各消火器に明記しなければならない:

    ‐容量

    ‐消火剤のタイプ

    ‐消火剤の重量または容量

    ‐消火器の日付が検査されねばならず、消火剤を詰めた日付もしくは最後に

検査を受けた日付から 年を過ぎて使用してはならない。

第 6 条 ロールケージ

  6.1 )全 般

    ロールケージの取り付けが義務付けられる。

    ロールケージは以下の何れかであること:

    a) 6.2項以降の条項に記された要件に従い製作されたもの

    b) JAFまたは他のASNが公認あるいは認証したもの(「ロールケージ

製造者のロールケージJAF公認申請手続きに関する付則」に基づきJ

AFが公認したものを含む)

      JAFまたは他のASNが承認し、製造者を代表する資格を有する技術

者が署名した公認の書類または証明書を、大会の車両検査委員に提出し

なければならない。

      2003年 月 日より、ASNによって公認され販売されるすべての新規

ケージは、当該製造者が貼付する識別プレートによって識別されなけれ

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

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ばならない。この識別プレートは複製できたり移動できたりしてはなら

ない(埋め込み、刻印、あるいは剥がすと破損するタイプのステッカー

等による)。

      この識別プレートには製造者の名称、ASNの公認番号あるいは認証番

号、製造者による個別の製造番号の記載がなければならない。

      同一の製造番号が記載されている証明書を車両に付帯させ、これを大会

の車両検査委員に提出しなければならない。

    c)安全ケージ公認規定に基づきFIAが公認したもの

      このロールケージはFIAにより公認された車両の公認書に対する追加

公認(VO)の対象とならなければならない。

      1997年1月1日以降に公認され販売されたすべてのケージには、製造者の

識別と製造番号がはっきりと視認できるようになっていなければならな

い。

      ロールケージの公認書式には、この情報の記入方法とその場所が特定さ

れていなければならず、購入者は、これに対応した製造番号の付された

証明書を受領しなければならない。

    公認または認証されたロールケージに対する改造は禁止される。

    素材またはロールケージへの恒久的な変更を伴う、ロールケージへの機械加

工、溶接によるいかなる工程も改造と見なされる。

    事故により損傷を受けた公認あるいは認証されたロールケージに対するすべ

ての補修作業は、当該ロールケージ製造者が実施するか、あるいはその承認の

下で実施されなければならない。

    ロールケージのパイプには液体またはその他のものを通してはならない。

    ロールケージは、搭乗者の乗降を著しく阻害してはならない。

    ロールケージの一部あるいは全部へのクロームメッキは禁止される。

    コクピット内部において、車体側面の部材とロールケージの間に次のものを

通すことは禁止される。

    -電気ケーブル

    -液体(ウインドウォッシャー液を除く)用配管

    -消火器用配管

    部材は、ダッシュボードとトリムおよび後部座席を貫通して、搭乗者用の空

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-40-

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間へ侵入してもよい。

    後部座席は折り畳まれてよい。

  6.2 )定 義

  6.2.1 )ロールケージ

    コクピット内にボディシェルに近接して取り付けられる複数のパイプによる

構造。その機能は、衝撃を受けた際のボディシェル(シャシー)の変形を抑制

することである。

  6.2.2 )ロールバー

     つの取り付け基部を有するフープ状のパイプフレーム。

  6.2.3 )メインロールバー(第 − 図)

   2009年12月31日以前に公認または登録された車両:

    前部座席直後で車両の左右に亘って配置される、横方向で、かつ垂直に近い

ワンピースのパイプによるフープ。

   2010年1月1日から2011年12月31日までに公認または登録された車両:

    前部座席直後で車両の左右に亘って配置される、横方向の垂直に対する最大

角が±10°のワンピースのパイプによるフープ。

   2012年1月1日以降に公認または登録された車両:

    前部座席直後で車両の左右に亘って配置される、横方向の垂直に対する最大

角が±10°のワンピースのパイプによるフープ。なお、当該パイプの中心線は

単一平面上になければならない。

  6.2.4 )フロントロールバー(第 − 図)

    メインロールバーと同様なものであるが、その形状はウインドスクリーンピ

ラーとスクリーン上端に沿うもの。

  6.2.5 )サイドロールバー(第 − 図)

    車両の前後方向中心線にほぼ平行で、垂直に近いワンピースのパイプによる

フープで、車両の右側もしくは左側に沿って配置され、そのフロント支柱はウ

インドスクリーンピラーに沿い、そのリア支柱は垂直に近く、かつ前部座席直

後に配置される。

     年 月 日以降に公認または登録された車両については、当該リア支柱

は横から見て真っ直ぐでなければならない。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-41-

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  6.2.6 )ハーフ・サイドロールバー(第 − 図)

    リア支柱のないサイドロールバーをいう。

  6.2.7 )前後方向の部材

    フロントおよびメインロールバーの上部に接合する車両の前後方向中心線に

ほぼ平行なシングルピースのパイプ。

  6.2.8 )横方向の部材

    ハーフ・サイドロールバーまたはサイドロールバーの上部に接合するほぼ横

方向のシングルピースのパイプ。

  6.2.9 )斜行部材

    メインロールバーの上部コーナーの一つ、またはサイドロールバーの場合は

横方向の部材の端部の一つと、反対側のロールバーの下部取り付け点との間、

もしくはバックステー上端ともう一方のバックステーの下部取り付け点との間

をつなぐ横方向のパイプ。

  6.2.10 )取り外し可能な部材

    取り外しが可能でなければならないロールケージの部材。

  6.2.11 )ケージの補強

    ロールケージの強度を増すために、ケージに追加される部材。

  6.2.12 )取り付け基部

    通常は補強板の上になるが、ロールバーのパイプをボディシェル/シャシー

にボルト留めおよび/または溶接できるようにパイプ端に溶接されるプレート。

  6.2.13 )補強板

    ロールバーの取り付け基部の下方に、ボディシェル/シャシーへの荷重をよ

り拡散するために、ボディシェル/シャシーに取り付けられる金属板。

  6.2.14 )ガセット(第 − 図)

    U型に湾曲した金属板による湾曲部または連結部の補強(第 - 図)。その

厚さは1.0mm以上なければならない。

    このガセットの端(E点)は、角の頂点(S点)から測って、連結される最

も太いパイプ外径の 倍から 倍の距離に位置しなければならない。

    2013年 月 日以降に公認または登録された車両については、角(S点)の

頂点に切り抜きが許されるが、その半径は連結される最も太いパイプの外径の

1.5倍を超えてはならない。ガセットの平坦な面には穴 つを設けることがで

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-42-

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きるが、その直径は連結される最も太いパイプの外径を超えてはならない。

第 − 図

  6.3 )仕 様

  6.3.1 )基本構造

    基本構造は、以下の設計のうちの一つに従い製作されなければならない:

   * メインロールバー 本+フロントロールバー 本+前後方向の部材 本+

バックステー 本+取り付け基部 箇所(第 - 図)。

   または、

   * サイドロールバー 本+横方向の部材 本+バックステー 本+取り付け

基部 箇所(第 - 図)。

   あるいは、

   * メインロールバー 本+ハーフ・サイドロールバー 本+横方向の部材

本+バックステー 本+取り付け基部 箇所(第 - 図)。

   

      第 − 図      第 − 図      第 − 図

    メインロールバーの垂直部分は、ボディシェルの内部輪郭にできるだけ近接

したものでなければならず、その下部の垂直部分の湾曲は 箇所のみでなけれ

ばならない。

    オープンカーの場合、メインロールバーの高さは、ドライバーの脊柱に沿っ

て座席の座面からメインロールバーの上部までを測定して少なくとも920mm

なければならず、かつ、通常に着座したドライバーのヘルメットから50mm以

上上方になければならない。

    フロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロント支柱は、ウインド

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-43-

S

E

EE

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スクリーンピラーに可能な限り近く沿わなければならず、2007年 月 日以降

に公認または登録された車両については、そのウインドスクリーンピラーの底

部に相当する高さに ヶ所のみ湾曲があるものでなければならない。

    ロールケージの製作のためになされる横方向の部材のサイドロールバーへの

連結、前後方向の部材のフロントおよびメインロールバーへの連結、ならびに

ハーフ・サイドロールバーのメインロールバーへの連結は、ルーフの高さにて

実施されなければならない。

    すべての場合において、ルーフの高さに ヶ所を超えて取り外し可能な連結

部を設けないことが推奨され、2008年 月 日以降に公認または登録された車

両については、これが義務付けられる。

    バックステーは、ルーフラインおよびメインロールバーの外側湾曲頂部に近

接して、車両の両側に取り付けられなければならず、取り外し可能な連結を用

いてもよい。

    2003年 月 日以降に公認または登録された車両については、バックステー

の形成する角度は垂直に対して少なくとも30°を有し後方へ延び、まっすぐで

なければならず、可能な限りボディシェルの内部側面に近接していなければな

らない。

  6.3.2 )設 計

    基本構造が一旦決定したならば、義務付けられる部材と補強を加え完成され

なければならない(6.3.2.1項参照)。それに対して任意の部材および補強を追加

することができる(6.3.2.2項参照)。

    明確に許されていない限り、または6.3.2.4)に従った取り外し可能な連結具

が使用されていない限り、すべての部材および補強パイプはシングルピースで

なければならない。

  6.3.2.1 )義務付けの部材と補強

  6.3.2.1.1 )斜行部材

    2002年12月31日以前に公認または登録された車両:

    ロールケージは、第 - 図、第 -10図、第 -11図、第 -12図、第

-26図、および第 -27図に示される斜行部材のうち、何れか つに合致しな

ければならない。

    斜行部材の方向が逆になっても構わない。第 -11図の場合には、ボディシ

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-44-

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ェル/シャシー上の 箇所の取り付け点間の距離が300mmを超えてはならな

い。

    部材はまっすぐでなければならないが、取り外し可能であってよい。

   2003年1月1日以降に公認または登録された車両:

    ロールケージには、第 -12図に従い2本の斜行部材をメインロールバーに取

り付けなければならず、交差部をガセットにより補強しなければならない。

    部材はまっすぐでなければならないが、取り外し可能であってよい。

    斜行部材の下端は、メインロールバー取り付け基部から100mm以内の箇所で

連結していなければならない(その計測については第 -58図を参照)。

    斜行部材の上端は、バックステーとの連結部から100mm以内のメインロー

ルバーに連結していなければならない。

  

         第 − 図          第 −10図

  

         第 −11図          第 −12図

  6.3.2.1.2 )ドアバー

     本または複数の前後方向の部材が、第 -13図、第 -14図、第 -15図

および第 -16図に従い(2008年1月1日以降に公認または登録された車両につ

いては、第 -14図、第 -15図および第 -16図)、車両の運転席側に取り

付けなければならず、助手席側に取り付けることも強く推奨される。

    各図を組み合わせてもよい。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

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    これらは取り外し可能であってよい。

    この側面防護はできるだけ高くなければならないが、上部取り付け点はドア

開口部の底部より計測しその高さの半分より高くなってはならない。

    もし、この上部の取付け点がドア開口部より前もしくは後に位置している場

合、この高さの制限は、バーとドア開口部との交差位置に相当する高さにも適

用される。

    “X”(クロス-ストラット)形状のドアバーの場合(第 -14図)、クロス

ストラットの下部取り付け点はボディシェル/シャシーの前後方向のメンバー

に直接取り付けられ、“X”形状のうちの最低 本がシングルピース・バーで

あることが推奨される。

    ドアバーがフロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロントの支柱

の補強(第 -20図)へ連結されることも認められる(第 -42A図参照)。

  

         第 −13図          第 −14図

  

          第 −15図         第 −16図

  6.3.2.1.3 )ルーフの補強

    2006年 月 日以降に公認または登録された車両についてのみ:

    ロールケージの上部は、第 -17図、第 -18図および第 -19図のいずれ

か つに合致していなければならない。

    この補強はルーフのカーブに沿って構わない。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

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    第 -17図の場合に限り、 本の部材のみを取り付けることが許されるが、

その前部の接続はドライバー側になければならない(第 -17A図および第

-17B図参照)。

    この補強の端は、ロールバーと部材との連結部から100mm未満でなければ

ならない(第 -18図と第 -19図の補強におけるV字型の頂点には適用され

ない)。

     年 月 日以降に公認または登録された車両についてのみ:

    V字型の頂点のパイプの交差部:    パイプ同士がお互いに接合していない場合、それらのパイプの間の距離は、

ロールバーあるいは横方向の部材との接合部において、 mmを超えてはな

らない。

     

      第 −17図     第 −17A図     第 −17B図

                  

          第 −18図        第 −19図

  6.3.2.1.4 )フロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロントの支柱の補強

   2008年 月 日以降に公認または登録された車両についてのみ:

    寸法<A>(第 -20図参照)が200mmを超える場合は、フロントロールバ

ーあるいはサイドロールバーのフロントの支柱の補強をフロントロールバーの

左右に取り付けなければならない。

    この補強は曲げてよいが、横から見てまっすぐであり、その曲げ角度は20°

※この場合、運転席が 右側になければ ならない。

※この場合、運転席が 左側になければ ならない。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

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Page 42: JAF|国内競技車両規則2016年 第1編 レース車両規定 · 第編 レース車両規定 ※文中の太字斜体部分は、2015年JAF国内競技車両規則第編レース

を超えてはならない。

    その上端は、フロント(サイド)ロールバーと前後方向(横方向)部材の連

結部から100mm未満でなければならない(その計測については第 -42A図を

参照)。

    その下端は、フロント(サイド)ロールバーの(前部)取り付け基部より

100mm未満でなければならない(その計測については第 -58図を参照)。

第 −20図

  6.3.2.1.5 )コーナーと交差部の補強

    2007年 月 日以降に公認または登録された車両についてのみ:

    以下の交差部:

    - メインロールバーの斜行部材同士

    - ルーフの補強(第 -17図の構成で、かつ2008年 月 日以降に公認ま

たは登録された車両についてのみ)

    - ドアバー同士(第 -14図の構成)

    - ドアバーとフロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロントの

支柱の補強(第 -42A図)

    は、6.2.14項に合致する最低 つの相対するガセットにより補強されなけれ

ばならない。

    ドアバーとフロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロントの支柱

の補強とが同一面上にない場合、6.2.14項の寸法に合致することを条件に、金

属板を組み合わせて補強することができる(第 -42A図参照)。

  6.3.2.2 )任意の部材と補強

    6.3.2.1項に規定されている指示事項を除き、第 -17図〜第 -26図および

第 -28図〜第 -38図に示される部材と補強は任意であり、自由に取り付け

できる。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-48-

A

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    これらは、溶接されるか、取り外し可能な連結具により取り付けされなけれ

ばならない。

    上述のすべての部材および補強は、個別に使用されるか、あるいは互いに組

み合わせて使用することができる。

  6.3.2.2.1 )ルーフの補強(第 −17図〜第 −19図、第 −28図、第 −29図)

    2005年12月31日以前に公認または登録された車両についてのみ任意。

    第 -17図の場合に限り、 本の部材のみを取り付けることが許されるが、

その前部の接続はドライバー側になければならない(第 -17A図および第

-17B図参照)。

  6.3.2.2.2 )フロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロントの支柱の補強

(第 −20図)

    2007年12月31日以前に公認または登録された車両についてのみ任意。

    この補強は曲げてよいが横から見てまっすぐであり、その曲げ角度は20°を

超えてはならない。

  6.3.2.2.3 )バックステーの斜行部材(第 −26図)

    ルーフの補強が第 -19図に合致したものであるならば、第 -26図の構成

を第 -27図に置き換えることができる。

     年 月 日以降に公認または登録された車両についてのみ:

    第 - 図に従ったルーフの補強が使用されている場合、第 - 図の構成

が義務付けられる。

  6.3.2.2.4 )フロントサスペンション取り付け点(第 −30図)

    延長部分は、フロントサスペンションの頂部取り付け点に連結しなければな

らない。

  6.3.2.2.5 )横方向の部材(第 −31図〜第 −35図)

    メインロールバー内、あるいはバックステー同士の間に取り付けられた横方

向の部材は、安全ベルトの取り付けに使用することができる(取り外し可能な

連結具の使用は禁止される)。

    第 -31図および第 -32図に示される部材については、中央の上下方向の

部材と垂直の成す角度が30°以上でなければならない。

    フロントロールバーに取り付けられる横方向の部材は、搭乗者のための空間

を侵害してはならない。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-49-

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    これはできるだけ高い位置に設けることができるが、その下端はダッシュボ

ードの頂点より高い位置にあってはならない。

    2008年1月1日以降に公認または登録された車両については、フロントロール

バーに取り付けられる横方向の部材は、ステアリングコラムより下に位置して

はならない。

  6.3.2.2.6 )コーナーと連結部の補強(第 − 図、第 −36図〜第 −38図)

    補強は、パイプあるいは6.2.14に合致したU型に湾曲した金属板によって実

施されなければならない。補強材の厚さは1.0mm以上なければならない。

    このパイプによる補強の端は、それらが取り付けられる部材の半分より下に

なったり、これに沿ったりしてはならない。ただし、フロントロールバーの連

結部の補強の端はこの限りではなく、ドアバー/フロントロールバーの連結部

を結んでよい。

       

      第 −21図      第 −22図     第 −23図

     

      第 −24図      第 −25図     第 −26図

     

      第 −27図      第 −28図     第 −29図

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-50-

この連続箇所はドアバーと同じ高さにしてよいこの連続箇所はドアバーと同じ高さにしてよい

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    第 −30図        第 −31図       第 −32図

     

    第 −33図        第 −34図       第 −35図

  

  

    第 −36図        第 −37図       第 −38図

  6.3.2.3 )ロールケージの最低限の構成

    ロールケージの最低限の構成は、以下の通り定義される:

    ドアバーおよびルーフの補強は、6.3.2.1.2項および6.3.2.1.3項に従い異なる構

成でもよい。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-51-

サスペンション取付点

最低限の構成車両公認・登録時期

第 -39図またはその左右対称(ただし、斜行部材は第 - 図〜第 -12図、あるいは第 -26図〜第 -27図の方式も可)

2002年12月31日以前

第 -40図またはその左右対称2003年1月1日〜2005年12月31日

第 -41図またはその左右対称2006年1月1日〜2007年12月31日

第 -42図またはその左右対称2008年1月1日以降

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       第 −39図              第 −40図

  

       第 −41図              第 −42図

第 −42A図

  6.3.2.4 )取り外し可能な部材

    取り外し可能な部材が、安全ケージの構造の中に用いられている場合には、

使用される取り外し可能な連結具はFIAにより承認された方式に従っていな

ければならない(第 -43図〜第 -53図を参照)。

    それらは一旦組み立てられたならば、溶接されてはならない。

    ネジおよびボルトは、最低限ISO規格の8.8以上の品質でなければならない。

    第 -46図、第 -49図および第 -53図に合致する取り外し可能な連結具

は、6.3.2.2項に規定される任意の部材と補強の取り付けのみに使用され、メイ

ンロールバー、フロントロールバー、ハーフ・サイドロールバーおよびサイド

ロールバーの上部を連結するために使用することは禁止される。同様に、2008

年 月 日以降に公認または登録された車両については、第 -43図および第

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-52-

連結が許される

計測

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-52図に示される連結具についても上述の連結のために使用することが禁止

される。(本条項は、2002年 月 日以降に公認または登録された車両に対し

て適用される。それ以前に公認または登録された車両については、2001年国内

競技車両規則の第 編第 章第 条3.3.5.6項を適用してよいが、新規にロール

ケージを製作する場合には、本条項に従った取り外し可能な連結具を用いるこ

とが推奨される。)

  

       第 −43図              第 −44図

  

       第 −45図              第 −46図

  

       第 −47図              第 −48図

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-53-

荷重の方向

2510

3mm min

L1=L3>18mmL2>=36mmD=8mm

L1L2

L3 D

L1=L3>36mm

D=10mm

L1L3

D

e>=5mm(3/16”)L>=D

D>=10mm(3/8”)

L D

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第 −49図

第 −50図

第 −51図

第 −52図

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-54-

18 36 18

40

e e’>=e

8

溶接

単位:mm

36 36

40

e e’>=e

10

溶接

3.234

10

24.25

3.0

2.5mini

溶接

26mini

26mini

90

Lは必要最小限の長さ。クランプの幅は最低でも25mm以上有すること。

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第 −53図

  6.3.2.5 )追加の制約

    前後方向に見て、ロールケージは、垂直方向の荷重を支えるフロントサスペ

ンションおよびリアサスペンション部品(スプリングおよびショックアブソー

バー)の取り付け点の範囲内に全体が収まっていなければならない。

    ロールケージとリア・アンチロールバーのボディシェル/シャシーへの取り

付け点との間には、上記制限を超えた補強を追加することが認められる。

    これらの各取り付け点と安全ケージとは、30×1.5mmの単一のパイプで接続

することができる。

    2003年1月1日以降に公認または登録された車両のロールケージについて:

    ドア開口部に侵入するケージの補強は、下記の基準を満たしていなければな

らない(第 -55図)。

    - 寸法A :300mm以上

    - 寸法B :250mm以下

    - 寸法C :300mm以下

    - 寸法E :ドア開口部(H)の高さの半分以下

    2008年1月1日以降に公認または登録された車両のロールケージについて:

    前面投影面において、フロントロールバーの上部コーナーの湾曲部と連結部

の補強は、フロントウインドスクリーンの第 -54図に示す部分にのみ見える

ように設けなければならない。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-55-

>= 10

>= 10

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第 −54図

  

第 −55図

  6.3.2.6 )ロールケージのボディシェル/シャシーへの取り付け

    最少取り付け点数は:

    - フロントロールバーの各支柱につき 箇所

    - サイドロールバーまたはハーフ・サイドロールバーの各支柱につき 箇

    - メインロールバーの各支柱につき 箇所

    - 各バックステーにつき 箇所

    - 斜行部材が第 -11図の方式である場合には、その支柱 本につき 箇

    ボディシェルへの取り付けを効果的に実施するために、当初の内装トリムは、

ロールケージおよびその取り付け点の周囲を切除したり、曲げることにより改

造できる。

    しかしながら、この改造は室内装飾やトリムを完全に取り除くことを認める

ものではない。

    必要に応じてヒューズボックスをロールケージの取り付けが可能となるよう

に移動させることができる。

    特殊な場合:

    非鋼鉄製のボディシェル/シャシーの場合、ロールケージとボディシェル/

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-56-

R100mm

70mm

垂直投影面 100mm

D A B

E E

C

H

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シャシーとの溶接は一切禁止され、ボディシェル/シャシー上に補強板を接着

することのみ許される。

  6.3.2.6.1 )2007年12月31日以前に公認または登録された車両

   )各支柱側の最少取り付け点における車体への取り付け基部は、面積60cm2、

板厚2.5mm以上を有すること。この取り付け基部は支柱に溶接されていなけれ

ばならない。

   )車体側の補強板は、面積120cm2、厚さ3.0mm以上を有し、第 -56図〜第 -

58図に示すように取り付けること。

    ただし、第 -56図、第 -58図については、補強板を必ずしもボディシェル

へ溶接しなくともよい。

   )各支柱と車体との結合は、下記のいずれかの方法によること。

   ①直径 mm以上( T以上)のボルトを 本以上使用し、緩み止め効果のあ

るナット(ワッシャー/セルフロッキング等)で、支柱の周辺に分散して取

り付ける。(第 -56図〜第 -62図を参照)

    第 -図の場合は、取り付け部の側部を溶接プレートで塞ぐことができる。

   ②溶接により取り付ける場合、車体あるいは骨組み(フレーム)に溶接して取

り付ける。ロールバーの取り付け基部は、補強板無しで、直接ボディシェル

に溶接してはならない。

    ①および②の取り付け方法は最少限を示すものである。ボルトの数を増加す

ることや取り付け点の数を増やすことは許される。

  6.3.2.6.2 )2008年1月1日から2009年12月31日までに公認または登録された車両

    フロント、メイン、サイドロールバーまたはハーフ・サイドロールバーの取

り付け点:

    各取り付け基部は、最低 mmの厚みを有する鋼鉄製の板により構成されて

いなければならない。

    各取り付け基部は、最低厚さ mmで最小表面積120cm2のボディシェルに

溶接された鋼鉄製補強板に、最低 本以上のボルトで固定されなければならな

い。120cm2の面積は、補強板とボディシェルとの接触面でなければならない。

    第 -56図〜第 -62図に例示される。

    第 -56図と第 -58図については、補強板は必ずしもボディシェルに溶接

されなくともよい。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-57-

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    第 -図の場合は、取り付け部の側部を溶接プレートで塞ぐことができる。

    取り付けボルトは、最小直径がM で、最低限ISO規格の8.8以上の品質を有

していなければならない。

    ボルトの留め具は、セルフロック式あるいはロックワッシャーでなければな

らない。

    バックステーの取り付け点:

    各バックステーは、少なくとも 本のM ボルトで、最小60cm2を有する取

り付け基部によって固定されるか(第 -63図)、1本の二面せん断のシングル

ボルトにより固定されなければならない(第 -64図)。

    ただし、後者は、ボルトが適当な断面積と強度を有し、カラーがバックステ

ーの中に溶接されることを条件とする。

    以上は最低要件である。

    さらに、使用する留め具の数を増やすことができ、取り付け基部のプレート

を補強板に溶接したり、ロールケージ(6.3.1項で定義されたもの)を、ボディ

シェル/シャシーに溶接することができる。

  6.3.2.6.3 )2010年1月1日以降に公認または登録された車両

    フロント、メイン、サイドロールバーまたはハーフ・サイドロールバーの取

り付け点:

    各取り付け基部は、最低 mmの厚みを有する鋼鉄製の板により構成されて

いなければならない。

    各取り付け基部は、最低厚さ mmで最小表面積120cm2のボディシェルに溶

接された鋼鉄製補強板に、最低 本以上のボルトで固定されなければならない。

120cm2の面積は、補強板とボディシェルとの接触面でなければならない。

    第 -56図〜第 -62図に例示される。

    第 -58図については、補強板は必ずしもボディシェルに溶接されなくとも

よい。

    第 -図の場合は、取り付け部の側部を溶接プレートで塞ぐことができる。

    取り付けボルトは、最小直径がM で、最低限ISO規格の8.8以上の品質を有

していなければならない。

    ボルトの留め具は、セルフロック式あるいはロックワッシャーでなければな

らない。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-58-

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     つのボルトの間の角度(取り付け基部の高さでパイプ軸から計測して。第

-56A図参照)は60°未満となってはならない。

    バックステーの取り付け点:

    各バックステーは、少なくとも 本のM ボルトで、最小60cm2を有する取

り付け基部によって固定されるか(第 -63図)、1本の二面せん断のシングル

ボルトにより固定されなければならない(第 -64図)。

    ただし、後者は、ボルトが適当な断面積と強度を有し、カラーがバックステ

ーの中に溶接されることを条件とする。

    以上は最低要件である:

    さらに、使用する留め具の数を増やすことができ、取り付け基部のプレート

を補強板に溶接したり、ロールケージ(6.3.1項で定義されたもの)を、ボディ

シェル/シャシーに溶接することができる。

       第 −56図              第 −56A図

  

       第 −57図              第 −58図

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-59-

計測

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       第 −59図              第 −60図

       第 −61図              第 −62図

       

       第 −63図              第 −64図

  6.3.3 )材質の仕様

    円形の断面を有するパイプのみが認められる。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-60-

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    使用されるパイプの仕様:

   ※2008年1月1日以降に公認または登録された車両については、認められる添

加物の最大量は、炭素0.3%、マンガンが1.7%、その他の物質については0.6%

である。

    鋼材を選ぶにあたっては、伸びが大きいことと、溶接に適した質のものであ

ることに注意を払わなければならない。

      年 月 日以前に公認または登録された車両については 年国内競

技車両規則の同条項を適用してもよい。

      年 月 日以降に公認または登録された車両については、パイプを曲

げる場合は冷間加工処理によるものでなければならず、曲げの中心線の半径

は、少なくともパイプの直径の 倍でなければならない。

     曲げる間にパイプが楕円形になる場合には、長い方の直径に対して、短い

方の直径が0.9かそれ以上の割合となっていなければならない。

     湾曲箇所にある表面は、波状や亀裂がなく、滑らかで均一でなければなら

ない。

  6.3.4 )溶接についての指示

    溶接は管の端の全周に沿って施されなければならない。

    すべての溶接は可能な限り高品質のものであり、全体的な溶融を施さなけれ

ばならず、できればガス被包アーク溶接を用いることが望ましい。

    溶接の外観が良好だからといって、その品質が必ずしも保証されるものでは

ないが、貧相な溶接は決して良い品質のものではない。熱処理を施した鋼鉄を

使用する時には、製造者が特に指示した内容に従わなければならない(特別な

溶接棒、ガス被包溶接)。

  6.3.5 )防護のための被覆

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-61-

用 途最小寸法(mm)最小引張強度材 質

メインロールバー(第 - 図および第 - 図)または、構造によってはサイドロールバーおよび後部横方向の部材(第 - 図)

45×2.5または50×2.0

350N/mm2冷間引抜継ぎ目無し純炭素鋼

ハーフ・サイドロールバーおよび安全ケージのその他の部分

38×2.5または40×2.0

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    搭乗者の身体がロールケージに接触する可能性がある箇所には、防護のため

の難燃性の被覆が施されていなければならない。

    搭乗者のヘルメットがロールケージに接触する可能性がある箇所については、

FIA基準8857-2001タイプAに合致したものが推奨される。

第 7 条 後方視界

  後方視界は、リアウィンドウの少なくとも幅50cm、高さ10cmの範囲を見渡せる

つの室内ミラー、および 個の室外ミラーによって確保されなければならない。

ただし、リアウィンドウの上端と下端を結ぶ直線が水平に対して20°に満たない角

度で傾斜している場合、室内ミラーを別途有効な後方視界を得る装置(室内ミラー

と同等の効果を得られる装置)に代えることが許される。

第 8 条 けん引用穴あきブラケット

  すべての車両はすべての競技に際し、前後にけん引用穴あきブラケットを備えな

ければならない。このけん引用穴あきブラケットは、車両をけん引して移動するの

に取り付け部分も含め十分な強度を有していなければならない。車両が砂地に停車

したときでも使用が可能な位置に取り付けられていなければならない。また、これ

らは明確に視認でき、黄色、オレンジ色、あるいは赤色に塗装されていること。

  金属製のけん引用穴あきブラケットは下記の要件を満たすこと。

  ①材質は、スチール製でなければならない。

  ②最小内径:50mm(車両に装着した状態で直径50mmおよび長さ50mmの丸棒が

通ること)。

  ③内径の角部はRを付けて滑らかにすること。

  ④板製の場合、最小断面積(取り付け部分も含む):100mm2

  ⑤丸棒の場合、最小直径:10mm

 なお、可倒式、およびケーブルフープ式(上記②を満たすこと)も許される。

第 9 条 ウインドシールド

  前面ガラスは合わせガラスを常に備えていなければならない。

  その外側表面には、 枚あるいは複数枚の無色透明なフィルムを取り付けること

ができる。

  上端からガラス面に沿って10cmの幅で幻惑防止処置を施すことは許される。

第 10 条 ウインドシールドの安全固定装置

  ウインドシールドの安全固定装置を自由に設けてよい。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-62-

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第 11 条 サーキットブレーカー(主電源回路開閉装置)

  イグニッションスイッチおよび燃料ポンプスイッチは、その位置が確認できるよ

う黄色で明示しなければならない。イグニッションスイッチおよび燃料ポンプスイ

ッチを変更する場合、ONの位置が上、OFFの位置が下になければならない。

  電子的に制御されないインジェクターを有するディーゼルエンジンに関しては、

サーキットブレーカーは、エンジンに吸入される空気を遮断する装置に連動するよ

うになっていなければならない。

  また、運転席および車外から操作できるすべての回路を遮断する各々独立した放

電防止型のサーキットブレーカー(主電源回路開閉装置)を装備しなければならな

い。これらはすべての電気回路を遮断できるものであり、エンジンを停止すること

ができるものであること。その場所は外部から容易に確認できる位置とし、赤色の

スパークを底辺が最小12cmの青色の三角形で囲んだ記号で表示すること。引くこ

とにより機能する車外操作部を持つサーキットブレーカーをフロントウインドシー

ルド支持枠の下方付近に設置すること。ただし、車両の構造上フロントウインドシ

ールド支持枠の下方付近に設置することが不可能な場合、センターピラーあるいは

クォーターピラーの外部から操作可能な位置に装着することが許される。

第 12 条 安全燃料タンク

  12.1 )安全燃料タンク

    安全燃料タンクを使用する場合、FIA公認の安全燃料タンクの使用が義務

付けられる。安全燃料タンクは約 年を経過した後に強度が急速に低下するた

め、ブラダーは製造者が検査し、次の 年間までの使用を保証しない限り、製

造年月日から 年以上経過したものを使用してはならない。ただし、その場合

でも製造年月日から 年を超えて使用してはならない。

    取り付けは各車両定義の分類による改造規定に従うこと。コレクタータンク

を別に装着する場合は最大容量 ℓまでとする。

    安全燃料タンク本体(燃料ブラダー)が、当初から耐火/耐浸透性のケース

(コンテナ)に収納されていない場合、コンテナに収納してから車体に取り付

けねばならない。

    コンテナは、厚さ1.0mm以上のスチール、または厚さ1.6mm以上のアルミニ

ウム、あるいはそれらと同等以上の強度を有することを証明できる不燃/不浸

透性の材質で作られており、燃料ブラダーに記載されている表示項目(製造者

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-63-

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名、型式、製造に用いられた基準、製造年月日、製造番号)を判読できる窓ま

たは表示項目内容の証明書類を備えていなければならない。なお、ブラダーの

表示項目内容の証明書類を備えられない場合に、ブラダーの表示項目を判読す

るためのコンテナの窓が車体により直接確認できない状態に限って、車体に穴

をあけて表示項目を確認するための窓を設ける必要最小限の改造は許される。

    摩擦や異物混入による燃料ブラダーの損傷を避けるため、コンテナと燃料ブ

ラダーとが密接していなければならず(付属品取り付け部を除く)、コンテナの

内側に突起や鋭利な箇所があってはならない。

    コンテナの車体への取り付けは暫定的であってはならず、また、取り付けに

よりコンテナが変形するようなことがあってはならない。

    安全燃料タンクは当初の位置あるいは荷物室に取り付けることが許される。

N およびJAF-GTの車両についてはホイールベース間に搭載することが

推奨される。

    漏出した燃料が車室内に滞留しない構造であること。また、荷物室に設置し

た場合、難燃性材料による隔壁を取り付けなければならない。燃料タンクの位

置の変更に伴い軽量化、補強が生じてはならない。

    当初の燃料タンクの移動によって生じた空間部をはめ板でふさぐことは許さ

れるが、空気力学的効果が生じてはならない。

    給油口の位置、寸法ならびに給油口のキャップは車体の表面を超えて突出す

ることなく、また、車内に燃料が漏れて流出することが防止されるならば変更

してもよい。この給油口は窓枠に位置してもよい。燃料の給油口には、燃料供

給ホースに適合する漏出防止カップリングが取り付けられていること。ただし、

レース競技中に燃料補給を行わない車両については適用が除外される(第 章

“公認車両および登録車両に関する一般規定”10.3)、参照)。

  12.2 )自動燃料遮断装置

    エンジンにつながるすべての燃料補給パイプには自動の遮断弁がついている

ことを推奨する。

    これら遮断弁は燃料タンクに直接位置し、燃料装置中の圧力のかかった配管

の つが破損したり漏れたりした場合に、すべての燃料配管を自動的に閉じ、

さらに通気管路は、重力で始動するロールオーバーバルブを備えていなければ

ならない。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-64-

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    始動の最中を除き、すべての燃料ポンプはエンジンの稼動中にのみ作動する

こと。

  12.3 )燃料遮断バルブ

    燃料タンク給油口が直接タンクに連結していない場合、タンクの頂点にはバ

ルブが設置されていることが望ましい。バルブはタンク製造者によって供給さ

れ、事故のとき万一給油口が外れ落ちてしまった場合に密閉するものとする。

給油口と安全燃料タンクを結ぶ配管が車室を通過する場合、配管のタンク側に

燃料遮断バルブを備えなければならない。

  12.4 )ブリーザー

    )燃料タンクにブリーザーを設置することができる。ブリーザー回路にはワ

ンウェイバルブを設け燃料の車外への排出を防止しなければならない。

    )設置するブリーザー回路の配管は、燃料配管と同じ仕様(1.2項参照)でな

ければならない。

    )車両のルーフにブリーザー装置の排出口を設けたタンクを装備することは

認められる。

第 13 条 座 席

  )当初の座席を変更する場合、FIA基準8855-1999またはFIA基準8862-2009

に従ったものの使用が強く推奨される。なお、座席にヘッドレストが含まれていること。

  )前部座席は後方に移動できる。しかし、当初の後部座席の前端によって区切ら

れた垂直面を越えてはならない。ただし、ヘッドレスト部分は考慮されない。

  )助手席ならびに後部座席は、(それらのバックレストを含めて)取り外すこと

ができる。

  )当初の座席の取り付け具または支持具が変更される場合、支持具は以下のいず

れかに取り付けられなければならない。

  -座席を固定するために使用されている当初の固定点

  -付則J項第253-65図に合致する座席固定用の固定点

   座席支持具は第 -65図に従って、最小直径 mmのボルトを使用し、 座席

につき少なくとも 箇所で座席固定用の固定点に取り付けられなければならない。

   各取り付け点について、支持具、車体/シャシーと当て板の接触面積は最低

40cm2であること。

  )座席は、直径が最低 mmのボルトを使用し、座席の前部 ヶ所、後部 ヶ所

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-65-

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の ヶ所の支持具で固定され、補強部は座席に結合されていなくてはならない。

  )支持具と当て板の最低の厚さは鋼鉄の場合は mm、軽合金の場合は mmを

有さなければならない。各支持具の前後方向の長さは、最低でも60mmを有さね

ばならない。

  )座席を調整するレールが使用される場合、当初から車両に設定されているもの、

または座席とともに設定されているものを使用しなければならない。

  )運転席とサイドロールバーの間には機械装置の設置は許可されない。

  )座席とドライバーの間にクッションを置く場合、このクッションの厚さは

50mm以下でなければならない。

第 −65図

第 14 条 ライト

  ガラス製のライト類に無色透明の飛散防止対策を施さなければならない。

第 15 条 床

  防音材および防振材は取り外すことが許される。カーペットは取り外さなければ

ならない。

第 16 条 内 張

  運転席と助手席のドアの内張り、および、車体のドア開口部のプロテクターを除

き、内張りを取り外すことは許される。天井の内張りは、それが難燃材の場合を除

き、取り外さなければならない。

第 17 条 火災に対する防護

  火災の場合、火炎の直接の通過を防止するため、エンジンと搭乗者席の間に有効

な防護遮へい物を取り付けなければならない。

第 18 条 ステアリングホイール

  ステアリングホイールに切れ目があってはならない。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-66-

補 強

シートシェル

当て板

当て板

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  スイッチやメーター等を装着する場合、それらは突起した形状(トグルスイッチ

等)であってはならず、トグルスイッチ以外のスイッチやメーターを装着する場合

は、ドライバーと対面するステアリングホイールリムの全体で形成される平面より

もドライバーに近いところに位置してはならない。

  緩衝パッドの装着を推奨する。

第 19 条 オイルキャッチ装置

  オイルがコースに流出することを防ぐための確実な装置を備えなければならない。

その装置の取り付け方法は、針金やテープなどによる暫定的なものであってはなら

ない。

  エンジンオイルキャッチタンクを使用する場合、気筒容積が2,000ccまでの車両

に対しては ℓ、気筒容積が2,000ccを超える車両に対しては ℓの容積がなけれ

ばならない。この容器はプラスチック、あるいは透明な窓を備えたものでなければ

ならない。キャッチタンク取り付けに伴うブリーザーバブルおよびホース類の変更

は認められる。回収されたオイルを重力によりエンジンへ還流させるシステムの取

り付けは認められる。この目的のためオイルパン、またはヘッドカバーに最小限の

改造が認められる。

  エンジンオイル以外のオイルキャッチ装置を備えることが許される。

第 20 条 圧力制御バルブ

  ホイール上の圧力制御バルブは禁止される。

第 21 条 その他

  車両に搭載する部品等(スペアホイール、工具類)は、確実に固定されなければ

ならない。

  ステアリングロック/オートドアロックは取り外さなければならない。

第 22 条 ネット

  下記仕様に従ったネットをロールケージに取り付けて使用することを推奨する。

  帯の最小幅:19mm

  網目の最小寸法:25×25mm

  網目の最大寸法:60×60mm

  範囲:ステアリングホイール中心より後方のフロントサイドウィンドウを覆うも

のとする。

第 章 公認車両および登録車両に関する安全規定

-67-

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第 5 章 量産ツーリングカー(N )

第 1 条 車 両

  1.1 )定義

    量産ツーリングカー

  1.2 )資格

    車両はFIAグループN、A(ただし、1992年までに公認されたスポーツ進

化を除く)、JAF量産ツーリングカーとして公認されているか、またはJA

F登録車両として登録されていなければならず、少なくとも 個の座席を備え

ていなければならない。

  1.3 )基本車両

    公認あるいは登録された同一車両型式。

  1.4 )基本車両の資料

    公認書あるいは当該自動車製造者発行の国内向けカタログ、仕様書等。

第 2 条 許可される、もしくは義務付けられる変更と付加物

  本章によって許されていないすべての変更および調整仕上げは厳禁される。

  車両に対して行うことのできる作業は、通常の整備に必要な作業または使用によ

る摩耗、事故によって損傷した部品の交換に必要な作業のみである。許可されてい

る変更および付加物の制限については、後記で規定される。これら以外に、使用に

よる摩耗、事故によって損傷した部品は、いずれも、損傷した部品と全く同一の日

本国内で販売されている部品によってのみ交換が許される。

  本車両は厳密に量産車であり、基本車両の資料と同一でなければならない。

  オートマチック車両の車体への、基本車両に設定されたマニュアルミッションの

搭載、および搭載のための最小限の改造が許される。

  本章の規定にかかわらず、第 章“レース車両の排気音量規制”、第 章“公認

車両および登録車両に関する一般規定”、第 章“公認車両および登録車両に関する

安全規定”を守らなければならない。

  ただし、上記規定より本章の規定が厳しい場合は、本章を守らなければならない。

  本章に許される改造範囲を超える場合、第 章“特殊ツーリングカー(N )”

に編入される。

第 章 量産ツーリングカー(N )

−68−

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第 3 条 エンジン

  3.1 )気筒容積

    変更は許されない。

  3.2 )サーモスタット

    自由。

  3.3 )クーリングファンおよびファンシュラウド

    取り外しおよび変更が許される。クーリングファンの変更に伴うファンシュ

ラウドの最小限の変更は許される。

  3.4 )エアクリーナー

    エアフィルターは自由。ただし、エアフィルターボックスは当初のままでな

ければならない。フィルターボックス前部に位置するボルトあるいはバンド等

により装着されたパイプ、ダクトおよびフィルターボックスとキャブレター、

あるいはスロットルボディ間のホースに補助的に取り付けられている装置(吸

気音防止レゾネーター、ブローバイガス循環ホース等)を取り外すことができ

る。ただし、取り外した後の穴は完全に塞がなくてはならない。

  3.5 )オイルポンプ

    シムおよびスペーサーによる油圧の調整機構に限り変更が許される。

  3.6 )オイルフィルター

    自由。ただし、取り付け位置の著しい変更は許されない。

  3.7 )キャブレターおよびインジェクションシステム

    ベンチュリーの直径あるいはスロットル開口部を変更することはできない。

    インジェクションシステムは、当初の形式が保持され、かつ機能していなけ

ればならない。

    エンジンに供給される燃料の量を調整しているキャブレターの部品、もしく

は、フューエルインジェクション装置の部品(エンジンコントロールユニット、

インジェクター、コネクター、プレッシャーレギュレーター、エアフローメー

ター等を含む)は流入する空気の量に影響がなければ、改造または交換するこ

とが許される。

  3.8 )燃料ポンプ

    安全燃料タンクを装着した場合に限り、燃料ポンプを変更することが認めら

れ、元のポンプを取り除くことが許される。

第 章 量産ツーリングカー(N )

−69−

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  3.9 )バルブスプリング

    バルブスプリングは自動車製造者の定めた数と取り付け部を変更することな

く取り付けられることを条件に他のものと交換することができる。

  3.10 )バルブおよびバルブシート

    バルブガイド、バルブシートは基本車両に設定されている純正部品への変更

は許される。

  3.11 )カムシャフト

    基本車両に設定されている純正部品への変更は許される。

  3.12 )ピストンおよびコンロッド

    ピストンおよびコンロッドはバランス調整のみ許されるが、それぞれ 個が

未加工品であること。

  3.13 )ヘッドガスケット

    ヘッドガスケットの変更は許される。

  3.14 )オイルパン

    オイルパンの外観変更は許されない。ただし、エンジンオイルの片寄り防止、

および温度センサー取り付けのための追加加工は許される。また、エンジンへ

の取り付け位置および取り付け方法/作動原理を変えなければ、オイルストレ

ーナーの位置を変更することも許される。

  3.15 )フライホイール

    基本車両に設定されている純正部品への変更は許される。

  3.16 )電気系統

   ●電気的に諸装置を調整できる調整装置(エンジンコントロールユニット等の

すべてのコンピューター類のコントローラーを含む)は当初から装着されて

いるものを除き車室内に設置されてはならない。

   ●点火装置は、装着ブラケットを含み、改造が許される。

    ディストリビューター方式を同時点火方式(マルチコイル方式等)に変更す

ることは許される。

   ●取り付け位置を除き、バッテリーは自由。

    ただし、リアバッテリー搭載車で、安全燃料タンクを装着するための最小限

の取り付け位置の変更は許される。

    取り付けブラケット、ボルトの変更も許される。

第 章 量産ツーリングカー(N )

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  3.17 )吸・排気系統

    吸気、排気マニホールドは国内向けの当初の部品と同一な純正部品との交換

が許される。

    ただし、ポート内面に段付修正を行う場合、取り付け面より垂直に mmの

奥行の範囲に限り、シリンダーヘッド側を含み許される。

  3.17.1 )吸気系統

    取り付け位置について、取り付け穴の修正によりポート合わせを行うことも

許される。

    インタークーラーのホースの変更は許される。

  3.17.2 )排気系統

    排気マニホールドは防熱措置を施すことは許されるが、確認作業のため全面

的に覆うことはできない。排気マニホールド後方(過給装置付の場合、過給装

置の後方)の部分は材質を除き自由とするが、取り外した場合、第 章“公認

車両および登録車両に関する一般規定”4.6.1)、4.6.2)に従って処理されていな

ければならない。ただし、2010年1月1日以降に公認または登録された車両につ

いては、触媒装置を装着しなければならない。

  3.17.2.1 )排気口

    排気口はホイールベースの中央を通る垂直面の後方になければならない。

  3.17.2.2 )消音器を取り付ける場合

    ブラケットの取り付けを除き、車体の改造は許されない。

  3.18 )ウォーターラジエター

    車体側取り付け部の変更がなければ容量およびラジエターキャップ圧力の変

更が許される。

    ホース類の変更は許される。

  3.19 )エンジンオイルクーラー

    オイルクーラーの取り付けおよび変更は許される。

    元のオイルクーラーを取り外すことも許される。ただし、車体外部への取り

付けは認められない。

第 4 条 シャシー

  4.1 )クラッチ

    取り付け方法および枚数の変更を行わなければ、クラッチカバー、クラッチ

第 章 量産ツーリングカー(N )

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ディスク、クラッチスプリングの変更は許される。

  4.2 )トランスミッション、ディファレンシャル

    基本車両に設定されている純正部品への変更は許される。シフトレバーはボ

ルトオンでのみ取り付けられる変更および改造が許される。

    リミテッドスリップデフは、いかなる改造も伴わずボルトオンでの取り付け

のみが許される。

  4.2.1 )オイルクーラー

    空冷式オイルクーラーおよび電動オイルポンプを取り付けることができる。

その取り付け具は当該装置に対して最小限にとどめること。ただし、車体外部

への取り付けは認められない。

  4.3 )タイヤ

    公道走行の許される一般市販ラジアルタイヤとする。

  4.3.1 )装着できるタイヤの幅は基本車両の資料に記載されているサイズを最大と

する。偏平率を変更してもよい。

  4.3.2 )タイヤには、いかなる場合も、リグルーブを含み一切の加工も許されない。

  4.3.3 )JAFは、競技会オーガナイザーからの申請に基づき、上記4.3.1)に適合

した競技専用タイヤの使用を許可する。

    ※使用許可願いおよび競技専用タイヤを使用する旨を記載した特別規則書草

案をJAFに提出し、その承認を得たうえで公告すること。

  4.4 )ホイール

  4.4.1 )基本車両の資料に記載された以外への径の変更は許されない。

    ただし、上記4.3)で選択したタイヤサイズのJATMA YEAR BOOK(日本自

動車タイヤ協会規格)に許容された範囲におけるリムの幅が適用される。

    直径の異なるホイールは同時に装着できない。

  4.4.2 )ホイールの材質は、スチール製以外のものはアルミ合金製とし、JWLま

たはVIAマークの有るものとする。

  4.4.3 )タイヤおよびホイールは、いかなる場合も車両の他の部分と接触してはな

らない。ホイールのオフセットは自由。ただし、スペーサーは禁止される。

  4.5 )ストラットおよびショックアブソーバー

    車体への取り付け位置と取り付け方法、数および作動原理を変えなければス

トラットおよびショックアブソーバーの変更は許される。

第 章 量産ツーリングカー(N )

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    当初から取り付けられているものを除き、シェルケースの別タンクシステム

は許されない。また、シェルケースの材質の変更は許されない。

    走行中に減衰力を変更できるシステムの搭載は許されない。

    ストラットとナックルアームが一体構造となっている場合は、当初のナック

ルアームのタイロッドとの連結点の座標および材質が保持されていることを条

件に、ナックルアームの変更が許される。

  4.6 )ストラットタワーバー

    車体への取り付け位置、取り付け方法および数を変えなければ変更すること

が許される。

    ストラットタワーバーが当初から取り付けられていない車両の場合、ストラ

ットタワーバーを、ストラットアッパー取り付けボルトのみを利用して取り付

けることが許される。

  4.7 )スプリング

    車体への取り付け位置、取り付け方法、作動原理、およびスプリングの数を

変えなければ、変更は許される。

    車高調整式への変更に伴うスプリングシートの変更、および挿入物の追加も

許される。

  4.8 )スタビライザーおよびスタビライザーブッシュ

    スタビライザーは、径の変更が許される。また、連結を含みその取り外しも

許される。ただし、可変式スタビライザーへの変更は認められない。

    スタビライザーが当初から取り付けられていない車両については、基本車両

に設定されている場合に限り、取り付けが許される。

    形状および寸法の変更が無ければ、スタビライザーブッシュは、金属以外の

他の材質に変更することが許される。

    スタビライザーの径の変更に伴うブッシュ内径の変更は許される。

  4.9 )ブレーキ

  4.9.1 )ブレーキシュー、ライニングパッドおよびブレーキホースの交換、変更は

許される。

  4.9.2 )標準で冷却ダクトが装着されていない場合、または標準で装着されている

冷却ダクトを取り外した場合、以下に従い冷却ダクトを装着することが許され

る。

第 章 量産ツーリングカー(N )

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    標準の開口部を使用し、フロントのみフレキシブルダクトによる冷却ダクト

の装着が許される。ただし、車体の外観形状に変更があってはならない。左右

のダクトの各々の内径は50mm以下とし、その数は各々 本とする。

  4.9.3 )ディスクブレーキのバックプレートの取り外しは許される。サーボブレー

キとの接続を外すことはできるが、取り外してはならない。

  4.9.4 )アンチロック装置との接続を外すこと、およびアンチロック装置を取り外

すことは許される。プロポーショニングバルブを取り外すことも許される。ま

た、取り外しに伴うパイプの修正、変更が許される。

    運転者が走行中に調整不可能なプロポーショニングバルブの追加は許される。

  4.10 )ステアリングホイールおよびステアリング

    ステアリングシャフトの変更または改造を行うことなく取り付けられるステ

アリングホイールとボスは自由。

    クイックリリースシステムに変更する場合、クイックリリース機構は、ステアリングホイール軸と同中心のフランジにより構成されていなければならず、

フランジは陽極処理にて黄色く着色されるか、その他の耐久性のあるコーティ

ングにより黄色く着色され、ステアリングホイール裏側のステアリングコラム

に取り付けられなければならず、ステアリングの軸に沿ってフランジを引くこ

とによりリリースが行われなければならない。

    ステアリングホイールの上下位置の調整は許される。

    パワーステアリングのポンプと配管の接続を外すこと、およびそれらを取り

外すことは許される。

    ステアリングロックは機能を解除しなければならない。しかし、当該機能部

分以外は変更されてはならない。

  4.11 )ペダル類

    安全性、操作性を向上させる目的でペダルパッドを変更することは許される。

ペダル剛性向上のため、マスターシリンダーまたはマスターバックに対しての

み、ロッドおよびプレートをボディ構造部へ連結するという簡易補強が許され、

ストラットタワーバーと一体化することも許される。

  4.12 )ラバーマウントおよびブッシュ類

    形状および寸法を変えなければ、金属への変更を除き、材質および硬度の変

更が許される。また、スグリタイプのものをソリッドタイプに変更することが

第 章 量産ツーリングカー(N )

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許される。

  4.13 )ドライブシャフト

    ドライブシャフトブーツの材質を変更することが認められる。

第 5 条 車 体

  5.1 )外観、形状

    車体の外観や形状を変更することは許されない。ただし、安全燃料タンクを

搭載するために必要な最低限の車体の改造(切除は不可)、および漏出防止カッ

プリング取り付けに伴う部材の付加および切除は認められる。

    アンダーカバーを取り外すことは許される。

  5.2 )板厚

    車両のすべての車体パネルは常に基本車両の当初の材質および厚さと同一で

なければならない。(±10%の許容公差を認める。計測は平面もしくは大きな

半径を有する部分で行われる。)

  5.3 )座席

    ドライビングポジションを改善する目的で運転席を交換してもよい。座席を

交換する場合、シートレールの強度は当初のものと同等以上でなければならず、

車体側の取り付け部の変更は許されない。

  5.4 )室内ミラーおよび室外ミラー

    室内ミラーの追加を含め変更は許されない。

  5.5 )窓ガラス

  5.5.1 )フロントウィンドウ

    フロントウインドシールドは第 章“公認車両および登録車両に関する安全

規定”第 条に適合しなければならない。

  5.5.2 )サイドウィンドウ

    変更は許されない。サイドウィンドウに対し無色透明なフィルム等での飛散

防止対策を施すことを推奨する。ただし、既存車両によるワンメイクレースは、

競技会特別規則により、材質の変更を認めることができる。

  5.6 )ドア

    防音材を取り外すことは許される。ただし、取り外すことにより、ドアの形

状に変更をもたらすものであってはならない。

    ウェザーストリップ等の保護材を取り除くことは許されない。また、ボルト

第 章 量産ツーリングカー(N )

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オンであってもサイドドアビームを取り外してはならない。

    ドア内部に衝撃吸収のため難燃性の衝撃吸収材を充填することが許される。    電気式巻き上げ装置を手動式巻き上げ装置に取り替えることが許され、取り

付けのための最小限の改造は認められる。

  5.7 )ライト

    前照灯、尾灯、制動灯、方向指示灯は正常に作動しなければならない。ガラ

ス製のライト類は無色透明のガラス飛散防止策を必ず実施すること。

  5.8 )補助前照灯

    補助前照灯の追加、変更、交換または取り外しが許される。取り外す場合、

装着部は当初のものを残さなければならない。

  5.8.1 )補助前照灯を装着するための穴

    補助前照灯のブラケットのために車体前部に穴を開けることは許されるが、

その目的は「装着のため」に限定される。

  5.9 )補 強

    車体の補強は、使用される材料が当初の形状に沿いそれと接触していれば許

される。複合材料による補強は第 − 図のように片面にのみ許される。また、

車体(排気系を含み)、ならびにサイドシル・各メンバー等の空洞部を第 −

図のように充填することにより補強することができる。

    補強によって標準部品の取り付けに影響があってはならない。

第 − 図

第 章 量産ツーリングカー(N )

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第 − 図

  5.10 )補助的付加物

    補助的付加物の取り外しは、その配線も含み許される(例えば、マッドガー

ド、アンダーガード、ストーンガード、オープン車両の幌およびその取り付け

具、室内照明、ラジオ、ヒーター、エアコン、モール類、エアバッグ、ホーン、

リアワイパー等)。

    計器類(データロガー、センサー、配線を含む)の取り付け、または取り外

しが認められる。

    絶縁材を車両の床下、エンジン室、トランク内やホイール格納アーチ部から

除去することは許される。シャシー/車体部にあって、ボルトオンで取り付け

てある使用していない支持体は取り外すことができる。

    ヒールレストや消火器の取り付けブラケットおよび類似目的の部品、後部隔

壁を新たに室内に設置することは許されるが、難燃材質であることおよびボル

トなどで確実に車体に固定されていなければならない。

  5.11 )エアジャッキ

    エアジャッキの使用は許される。ただし、圧搾気体の容器を搭載することは

許されない。

第 6 条 配管・他

  6.1 )配 管

    オイルキャッチタンク等の取り付けに伴う最小限の変更のみ許される。

  6.2 )安全燃料タンク

    第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第12条に基づく安全燃

料タンクに交換することが許される。

    取り付けのための車体の改造は、第 条5.1)で認められた改造を除き禁止さ

れる。タンク下部の最低地上高は10cm以上であること。

    取り付けに伴う燃料配管の変更は許される。

第 章 量産ツーリングカー(N )

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補強部分

サイドアウタパネル

フロントフロアパン

フロントフロアサイドシルインナ

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  6.3 )室内冷却用ダクト

    ドライバーおよび室内補機類のための冷却ダクトを設置してもよい。ただし、

外観形状の変更を伴うものは許されない。フレキシブルダクトをピラー等に簡

易的に固定することなどは、外観形状の変更とはみなされない。

第 章 量産ツーリングカー(N )

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第 6 章 特殊ツーリングカー(N )

第 1 条 車両の資格

  1.1 )定義

    特殊ツーリングカー。

  1.2 )資格

    車両はFIAグループN、A(スポーツ進化を含む)、B、JAF量産ツーリ

ングカーまたは特殊ツーリングカーとして公認されているか、もしくはJAF

登録車両として登録されていなければならず、少なくとも 個の座席を備えて

いなければならない。

第 2 条 許される改造

    すでに量産ツーリングカー(N )に対して許されている改造限度に次の項

目が加えられる。

    本章の規定にかかわらず、第 章“レース車両の排気音量規制”、第 章“公

認車両および登録車両に関する一般規定”、第 章“公認車両および登録車両に

関する安全規定”を守らなければならない。

    ただし、上記規定より本章の規定が厳しい場合は、本章を守らなければなら

ない。

  2.1 )材質の制限

    以下に示す材質は、各条項で認められているものを除き、使用することは許

されない。ただし、当該車両に標準で使用されている場合は当該部分にのみ使

用が許される。

    チタニウム、マグネシウム、カーボン、アラミド繊維。

  2.2 )制御機能

    以下に示す制御機能を使用することは許されない。ただし、当該車両に標準

で使用されている場合は当該機能のみ使用が許される。

    トラクションコントロール、オートマチック/セミオートマチックギアボッ

クス、アクティブサスペンション、アンチロックブレーキシステム、シーケン

シャルミッション。

第 3 条 エンジン

第 章 特殊ツーリングカー(N )

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  車両と同一製造者の他の公認車両または登録車両の生産エンジンであれば、別車

種のエンジンを搭載することができる。

  エンジンの位置とその取り付けは、車体に対する当初のエンジンの方位と方向が

保持されているならば、エンジンルーム内で自由。

  3.1 )気筒容積

    気筒容積は、搭載しているエンジンが所属する第 章“公認車両および登録

車両に関する一般規定”1.9)の気筒容積別クラス限度まで変更してよい(過給

装置付エンジンは、各々の係数を乗じ、それによって得られた値に相当するク

ラスの限度まで変更することができる)。

  3.2 )シリンダーブロック

    改造は自由。ただし、シリンダーブロックは当初のものを使用すること。

  3.3 )シリンダーヘッドおよびバルブ

    リフターを含み自由。ただし、シリンダーヘッドは当初のものを使用するこ

と。

  3.4 )ヘッドガスケット

    自由。

  3.5 )カムシャフトおよび動弁系(バルブスプリングを含む)

    自由。ただし、カムシャフトの位置、個数および駆動方式は変更できない。

    材質の変更は禁止される。

  3.6 )ピストン、ピストンピンおよびピストンリング

    自由。

  3.7 )クランクシャフト、コンロッド

    自由。ただし、チタニウム合金の使用は許されない。

  3.8 )フライホイール

    自由。ただし、材質はスチールに限定される。

  3.9 )ベアリング

    プレーンベアリング、ローラーベアリングなどベアリングは同種の他のもの

に変更してもよい。

  3.10 )吸気装置

    吸気系統は自由。ただし、可変吸気トランペットは禁止される。

    過給装置の装着は数に変更がなければ自由。(非装着エンジンに取り付ける

第 章 特殊ツーリングカー(N )

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場合、シングルに限られる。)

  3.11 )燃料供給装置

    自由。ただし、インジェクターは各シリンダーにつき基本車両の数を最大と

する。

  3.12 )点火系統

    自由。

  3.13 )潤滑系統

    オイルポンプを変更してもよい。オイルパンの変更および改造は自由。オイ

ルクーラーは、車両の輪郭から突出するものであってはならない。

  3.14 )ウォーターラジエター

    自由。

  3.15 )その他の要素

  3.15.1 )ウォーターポンプおよび燃料ポンプ

    自由。ただし、車室内に燃料ポンプを取り付けることは許されない。

  3.15.2 )プーリー類、ベルト

    自由。

  3.16 )排気系統

    排気系統は材質を含み自由。ただし、2010年1月1日以降に公認または登録さ

れた車両については、触媒装置を装着しなければならない。

    側方排気車両の排気口の高さは次の通り:

    )最低高:排気口の最低点は最低地上高を確保しなければならない。

    )最大高:排気口の最高点は前後車輪回転軸を結ぶ線より高くなってはなら

ない。

  3.17 )マウント方法

    自由。

第 4 条 シャシー

  4.1 )クラッチ

    自由。ただし、ツインプレートを最大とする。

  4.2 )トランスミッションおよびコントロールレバー

    同一製造者のミッションの搭載、および搭載のための最小限の改造が許され

る。ギアレシオの変更およびオイルクーラー、オイルポンプの取り付けは自由。

第 章 特殊ツーリングカー(N )

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  4.3 )最終減速機と差動装置

    同一製造者のディファレンシャルの搭載、および搭載のための最小限の改造

が許される。

    駆動方式の変更は許されない。

    トランスミッションと最終減速機との間のシャフトは自由。

    ギアレシオは自由。

    オイルクーラー、オイルポンプの取り付けは自由。

  4.4 )アクスル

    スピンドルを含み自由。

    センターロック方式への変更は許されない。

  4.5 )スプリングおよびスタビライザー

    自由。ただし、主要な形式は変更してはならない。

    補助スプリングの付加は許される。

    走行中にスタビライザーを運転席からコントロールすることは許されない。

  4.6 )ショックアブソーバー

    自由。運転席から減衰力を調整することは許されない。

  4.7 )サスペンションの要素

    当初の形式を保つならば変更、改造は自由。当初の形式とはストラット方式、

ウイッシュボーン方式、トレーリングアーム方式、スウィングアクスル方式、

リジッドアクスル方式の つをいう。

  4.8 )ステアリングおよびステアリングギア

    自由。

  4.9 )ホイールおよびタイヤ

    ホイールスペーサーを含み自由。

  4.10 )ブレーキシステム

    自由。ただし、 輪につき ピストン以下のキャリパーを 個とする。

    ブレーキの冷却は空気による場合のみ認められ、各ブレーキには空気を送り

込むフレキシブルダクトを設置することが許される。冷却用ダクトの断面は

80cm2以下であり、上から見た車両の輪郭から突出せず、バンパーより上の車

体に変更を生じない条件で付加することができる。

    駐車ブレーキは自由。駐車ブレーキを装着する場合、左右同時に、かつ確実

第 章 特殊ツーリングカー(N )

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に作動しなくてはならない。

第 5 条 車 体

  5.1 )車体の外部

  5.1.1 )バンパー(ステーを含む)

    基本車両の全長の± cm以内であれば、バンパーは自由。またバンパーの

幅は1,850mmまで拡張が許されるが、フェンダーと滑らかに接続すること。

  5.1.2 )ボンネット、トランクリッド

    ボンネット、トランクリッドは形状、主要構成要素を変えない限り合成樹脂、

または軽金属への交換が許される。ただし、これらの部分は、十分な強度を満

足し、走行中に開かないようにすること。

    エンジンクーリングのため、内部構造が見えないことを条件にナカダクトお

よび最大突出量が20mmのルーバーを設置することができる。

  5.1.3 )前部空力装置

    可動式でなく、基本車両の全長の± cm以内であれば、前部空力装置は自

由であるが、上から見た車体輪郭に対する突出量は最大 cmまでに制限され

る。

    前部空力装置をバンパーと一体に成形することができる。前車軸の中心より

前方のアンダーパネルは自由。

  5.1.4 )フェンダー

    車両の全幅を最大幅1,850mmまで広げることができる。

    タイヤは真上から見て、車輪回転の中心を通過する垂直線の前後に、回転の

中心から計測して前後60°の範囲において、はみだしてはならない。

    フェンダーは車体のシルエットから遊離した形状であってはならず、かつ横

方向および後方から機械構造物が見えてはならない。

    タイヤが容易に取り外せる形状でなければならない。

  5.1.5 )サイドスカート

    サイドスカートは、車体から遊離した形状でなければ取り付けることができ

るが、最低地上高はいかなる状態でも確保されなければならない。

  5.1.6 )後部空力装置

    車両の全長および全高を超えず、基本車両の最大幅以内で、外縁に mm以

上のRをつけることを条件に形状は自由。

第 章 特殊ツーリングカー(N )

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    後車軸の中心より後方のアンダーパネルは自由。ただし、上から見た車体輪

郭から突出してはならない。

  5.1.7 )外部ミラー

    外部の後方視界用ミラーは車両の両側に有効に取り付けられていなければな

らない。

    各々の外部の後方視界用ミラーは最低90cm2の反射面積を有していなくては

ならない。

  5.1.8 )窓ガラス

    サイドウィンドウおよびリアウィンドウを無色透明な他の材質のものに変更

することが許される。ただし、取り付け位置および板厚の削減と形状の変更は

認められない。取り付け部をタッピング、ビス等で補強することが推奨される。

  5.1.9 )車体外部の改造

    フロントピラーおよびルーフドリップ部分の改造、サイドウィンドウガラス

取り付け位置の変更、結果として空力持性の改善をもたらす車体の不可視部分

の改造、および空力持性の改善をもたらす取り付けおよび切除等による車両の

改造は一切許されない。

    オープンカーのハードトップは、ソフトトップ、もしくはオプションにハー

ドトップが設定されている場合、形状がそれに近似していなければならない。

  5.2 )車体の内部

  5.2.1 )ダッシュボード(インストルメントパネル)の変更および交換は許される

が取り外しは許されない。

  5.2.2 )燃料タンクの容量は第 章“公認車両および登録車両に関する一般規定”10.2)

に規定された限界以内ならば自由。

  5.2.3 )排気管取り付けのためのサイドシルおよびフロアの最小限の改造は許され

る。

  5.2.4 )FIA基準8855-1999またはFIA基準8862-2009に従った座席の使用が推奨

される。標準のシートレールフレームの前後の位置を変更してはならない。

第 6 条 電装品および補機

  6.1 )ライト類の付加による最小限の変更、および前部霧灯の取り外しは許される。

    ただし、ヘッドライトの取り外しは配線を含み許されない。

    リトラクタブルライトの可動システムの変更は許される。

第 章 特殊ツーリングカー(N )

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  6.2 )バッテリーの位置は自由。ただし、強固に取り付けられ、ドライバッテリー

でない場合には車室から確実に隔離されなければならない。

第 7 条 安全燃料タンク

  第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第12条に従った安全燃料タ

ンクの装着が義務付けられる。

  ただし、3.16)排気系統、および4.7)サスペンションの要素の各条項が、第 章

“量産ツーリングカー(N )”の規定の中の相当する条項に従って改造されてお

り、かつ、5.1.1)バンパーについてはステーおよびリインフォースメントを改造し

ない場合、安全燃料タンクの装着が免除される。

  安全燃料タンクの取り付けのための改造は許される。タンク下部の最低地上高は

10cm以上であること。

  安全燃料タンクをホイールベース間に搭載するため、安全燃料タンクが荷室およ

び車室にまたがる場合は、次の事項を遵守しなければならない。

  )前部座席の後端より後方に位置していなければならない。

  )タンクの両側は衝撃吸収構造とすることを強く推奨する。

  )隔壁は後方視界を妨げる形状であってはならない。

  )漏出した燃料は滞留してはならず、また車室には浸入しないよう十分配慮され

ていなければならない。

第 章 特殊ツーリングカー(N )

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第 7 章 グランドツーリングカー

定義: 最少 座席を有し、車両の片側面にそれぞれ 枚以上の乗降用ドアを有する自動車であり、以下の つに分類される。  .本章第 節に規定するグランドツーリングカー (JAF-GT )  .本章第 節に規定するグランドツーリングカー マザーシャシー(JAF-GT MC)

第 節 グランドツーリングカー (JAF-GT )

第 1 条 車 両

  1.1 )基本車両としての資格

    自動車製造者によって生産され、公道走行に適合し以下のいずれかの条件を

満たすこと。

    ①FIAグループN/A/GT /GT /GT 、JAF量産ツーリング

カーまたは特殊ツーリングカーとして公認された車両。

    ②JAF登録車両として登録された車両。

  1.2 )基本エンジン

    自動車製造者によって生産され、公道走行に適合し、FIAおよび/または

JAFによって認められたエンジン。

  1.3 )オプション部品

    FIAおよび/またはJAF車両公認書、またはJAF登録車両JAF-G

T主要諸元登録書に記載されているオプション部品のみ使用が許される。

第 2 条 規 則

  2.1 )改 造

    本節によって許されていないすべての改造は禁止される。    本節の規定に係わらず第 章“レース車両の排気音量規制”、第 章“公認

車両および登録車両に関する一般規定”、および第 章“公認車両および登録車

両に関する安全規定”を守らなければならない。

    ただし、上記規定と同義の条項が本節にも規定されている場合は本節に従

第 章 グランドツーリングカー300

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うこと。

  2.1.1 )材質の制限

  2.1.1.1 )合成樹脂(カーボン/アラミド繊維を含む)

    本節で許されている場合、または基本車両、基本エンジンに標準で使用されている場合のみ当該部分に使用が許される。

  2.1.1.2 )チタニウム、セラミック

    本節の規定にかかわらず、以下を遵守しなければならない。    )基本車両、基本エンジンに標準で使用されている場合のみ、当該部分に使

用が許される。

    )下記に指定された部品に使用が認められる。

    ①エンジンコンロッド ②吸/排気バルブ

    ③バルブリテーナー ④ヒートシールド

    ⑤アペックスシール(ロータリーエンジン)

    ⑥ブレーキキャリパーのピストン ⑦過給装置

  2.1.1.3 )アルミ合金

    本節の規定にかかわらず、以下を遵守しなければならない。    縦弾性係数が80Gpaを超えるアルミ合金の使用は、ブレーキキャリパーを除

き一切禁止される。

  2.1.1.4 )その他の材質

    本節の規定にかかわらず、以下を遵守しなければならない。    比重12.0を超える材質の使用は禁止される。

  2.1.2 )制御機能の制限

    )基本車両に設置されている制御機能であっても、オートマチックまたは電

子式のシャシーコントロールシステムあるいは機能は、JAFに申請し承認

されたアンチロックブレーキシステムおよびトラクションコントロールシス

テムを除き、いずれも禁止される。これには本節別表 に列記したシステ

ムが含まれる。

     ただし、ドライバーが作動させ、システムに作用する単純なオープンルー

プ電動スイッチは電子式の制御とは見なされない。

    )ピットレーン指定速度を遵守するためのリミッターの使用(付加)は認め

られる。

第 章 グランドツーリングカー300

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  2.2 )規則への適合

    競技会期間中いかなるときでも、車両がそのすべてにわたってこれら規定を

遵守していることを、競技会の技術委員および審査委員の求めに応じて説明お

よび検証作業に応じることは、各参加者の義務である。

  2.2.1 )計 測

    競技会期間中のすべての計測は、技術委員長の指定する場所において、オー

ガナイザーによって用意された機材、器具によって行われる。

    これらの場所、機材、器具、および計測方法に対する抗議は認められない。

第 3 条 車体および外部寸法

    本節により改造を許されている場合を除き、公認書、登録車両に関する資料に記載されている基本車両の諸元寸法および取り付けのためのボルト類を除

いた外面形状を維持していなければならない。

  3.1 )寸法

  3.1.1 )全長

    車両の全長は3.1.4 )により認められるオーバーハング、ホイールベース寸法

の総和を超えてはならない。

  3.1.2 )最大高さ

    フラットボトム底面からルーフの最高点(ルーフ基準面とし、局部的突起形

状やルーフレール、アンテナ等の付加部品は除く)までの寸法は、フラットボ

トム底面に垂直に計測して1,100mm未満であってはならない。また、本規定に

適合するために、サイドシル、床の削除が許され、サイドシルの下側方向への

嵩上げおよび床位置を移動することも認められる。

  3.1.3 )オーバーハングおよびホイールベース

    )フロントオーバーハング

     オーバーハングを、最大950mmまで延長することができる。ただし、基

本車両のフロントバンパーの最前端から120mmを超えてはならない。

    )ホイールベース

     基本車両のホイールベースが2,600mm以下の車両は最大 %まで延長する

ことができる。基本車両のホイールベースが2,601mm以上の車両は最大 %

まで延長することができる。ただし、その中間点の位置は、基本車両のホイ

ールベースの中間点(基本車両の定義可能な位置からの寸法をJAFへ届け

第 章 グランドツーリングカー300

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Page 83: JAF|国内競技車両規則2016年 第1編 レース車両規定 · 第編 レース車両規定 ※文中の太字斜体部分は、2015年JAF国内競技車両規則第編レース

出なければならない)を基点として前後方向に+/-30mmの範囲で移動するこ

とが認められる。

    )リアオーバーハング

     基本車両のリアオーバーハングが950mm未満の車両は最大950mmまで延

長することができる。

  3.2 )ウィンドウ

  3.2.1 )フロントウィンドウ

    フロントウインドシールドは第 章“公認車両および登録車両に関する安全

規定”第 条に適合しなければならない。ただし、

    )ウインドシールド表面の保護のための無色、透明なフィルムの貼付が許さ

れる。

    )ウインドシールドを厚さ mm以上のポリカーボネイトに変更することが

できる。

  3.2.2 )その他のウィンドウ

    )取り付け位置、板厚と形状に変更がなければ車室内を透視することができ

る他の材質に交換してもよい。

    )ドアウィンドウガラスは機能が保持されているならば、作動方法、方式を

変更することが許され、ドライバー側ドアにはドアウィンドウガラスを取り

付けなくともよい。この場合、第 章“公認車両および登録車両に関する安

全規定”第22条「ネット」に従った保護ネットを装備すること。

    )車室の換気用開口部を設置することが許されるが、各々のウィンドウに追

加された開口部の面積は該当するウィンドウ面積の15%を超えてはならない。

開口部の形状は自由。

    )ウィンドウガラスの外側面上に、外側面から垂直に計測した突出量が最大

で50mmまでのエアスクープを設置することができる。

    )ドアウィンドウガラスを除いたウィンドウガラスは、ウェザーストリップ、

モール等の補助的付加物を取り外し、車体本体に直接取り付けることができ

る。

    )ドアウィンドウ後方の車体側面に設置されたウィンドウは、ドアウィンド

ウガラスの外側面を延長した面まで突出させることができる。

    )パーテーションウィンドウを防火壁に置き換えることができる。

第 章 グランドツーリングカー300

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    )サイドウィンドウおよびリアウィンドウに色付きガラスまたはウィンドウ

フィルムを使用する場合、 m離れた位置から車室内のドライバーを目視で

きなければならない。

    )ドア( ドア車両の場合は前部ドア)より後方でかつ後部隔壁より後方に

位置するウィンドウについては不透視であってもよいが、塗装する場合は車

体色と異なる塗色により明確に区分されなければならない。

  3.3 )車 体

  3.3.1 )車体の材質変更

    前後バンパー、フェンダー、ボンネット(エンジンフードを含む)、リアハッ

チゲート、およびトランクリッドの材質は、十分な強度を保持し、形状を変え

ない限り合成樹脂または軽金属へ交換することが許される。ただし、ボンネッ

ト(エンジンフードを含む)、リアハッチゲートにガラスによる構成が含まれて

いて、その材質を変更する場合は、ガラスにより構成されていた部分が見切り

線により明確に区分されなければならず、当該部分を塗装する場合は車体色と

異なる塗色により明確に区分されなければならない。

    また、本節が認める場合に限り形状を変更することができ、ボンネット(エンジンフードを含む)、リアハッチゲート、トランクリッドは強度が維持され

るならば、その裏面の補強部材を削除することが許される。

  3.3.2 )ドア

    )ドア外面形状は、フラットボトム底面から120mmまでの範囲を削除するこ

とが出来るが、それ以外の部分は当初の形状を維持しなければならない。ド

アの裏面形状を変更することが認められる。

    )ドアの材質は、十分な強度を保持することで合成樹脂または軽金属へ交換

することが許される。

    )ドアヒンジは、万一の事故の際にドライバーが速やかに脱出できるように

する目的のためにのみ、交換が許される。 )項により切除される範囲にド

アヒンジが含まれる場合は当該ドアヒンジの変更が認められる。

      ドアの後部ドアは開閉機能を維持する場合にはドアヒンジ、ドアロック

を3.3.4)に準拠した 箇所以上のファスナーに置き換えることができる。

    )ドアミラーを移設した場合、当初のドアミラーベースを合成樹脂または軽

金属へ変更することは認められる。

第 章 グランドツーリングカー300

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    ) ドア車両の後部ドアは、拡幅された後部フェンダー外側面まで後部ドア

を拡幅することができる。後部ドアの開閉機能は自由。

  3.3.3 )車体の開口部

  3.3.3.1 )ボンネット(エンジンフードを含む)、リアハッチゲート、およびトラン

クリッドの開口

    )外面形状を大幅に変更しない範囲で放熱、冷却を目的とした開口部の設置、

閉鎖が許されるが、開口部を塞ぐ場合、塞がれた範囲は当初の形状を保持、

または外包絡面を形成しなければならない。

     但し、ボンネット(エンジンフードを含む)の開口部は下記の条件を満た

さなければならない。

    ①ボンネット(エンジンフードを含む)後縁から100mm前方であること。

    ②開口部の前後長はボンネット(エンジンフードを含む)後縁から最大

1,000mm。

    ③最大幅は車両の前後方向中心線から左右にそれぞれ最大625mm。

第7-1図

    )リアハッチゲートおよびトランクリッドに外面形状を大幅に変更しない範

囲で放熱、冷却を目的とした開口部の設置が許される。

    )ハッチゲートの形状の変更を伴う開口部を設けてもよいが、当初のウィン

ドウ範囲に設ける場合、変更される形状の範囲はリアハッチゲートの当初ウ

ィンドウ面積の15%を超えてはならず、開口部の最大幅は合計400mmで、

車両の前後方向中心線に対し対称でなければならない。

    )開口部に最大突出量20mmまでのルーバー、リップ等を取り付けること、

および開口部に接続するダクトを追加することは許されるが、真上から見た

第 章 グランドツーリングカー300

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100mm Min

1,000mm Max1,000mm Max

625mm Max

ボンネット後縁

ボンネット後縁との平行線ボンネット後縁との平行線ボンネット後縁との平行線

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場合に当該開口部に接続するダクト以外の内部構造が見えてはならない。

  3.3.3.2 )フェンダーの開口

    コンプリートホイール後端より後方のフェンダーにブレーキ冷却後の空気を

排出させるための排気口を設置することが許されるが、これら排気口は側面お

よび上面から内部が見える構造であってはならない。

    リアホイールの後面にブレーキ冷却後の空気を排出する排気口を構成した場

合は、後車輪軸中心を通る水平面より下を除き、空気以外の排出防止のため、

ルーバーまたは細密なワイヤーメッシュによる構造でなければならない。

    フェンダーに排気管を通すための開口を設ける場合、その開口部は排気管の

直径の / までの隙間を有してよい。

  3.3.3.3 )天井部分の開口

    天井部分に開口部を つ設置することができるが、下記の条件を満たさなけ

ればならない。

    )フロントウインドシールド後端より100mm以上後方であること。ただし、

リアエンジンの吸気用の場合は後部隔壁最高端位置より後方であること。

(エアダクトを天井部分の開口部に接続することができる。)

     基本車両に標準としてエンジン用ルーフ上吸気ダクトが存在する場合に限り、ルーフ上からのエンジン吸気が認められる。ただし、ダクト形状は基本車両のそれから変更することはできない。ただし、2015年以前に製造された競技車両は、基本車両に標準としてエンジン用ルーフ上吸気ダクトが存在しない場合でも、ルーフ上からのエンジン吸気が認められる。

    )開口部の前後長は天井全長の / を超えないこと。

    )最大幅は400mmで、車両の前後方向中心線に対し対称であること。

    )車両上面視で開口部の範囲に車体の表面から垂直に計測して最大高さ

40mmまでのエアスクープを設けることが許されるが、当該構造以外は車体

の表面から突出しないこと。

    )真上から見た場合に内部が見えないこと。

    )室内側の構造体は天井の内側面より150mmを超えない範囲に位置し、ドラ

イバーの頭部より100mm以上のヘッドクリアランスが保持できること。

  3.3.3.4 )車体側面の開口

    ヒートエクスチェンジャーの冷却用等の外気の導入のため、 ドア車両の場

第 章 グランドツーリングカー300

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合は後部ドアに、 ドア車両の場合はドア後方のボディサイドパネルに、以下

の条件で開口部を設置することができる。

    )① ドア車両の場合:

      後部ドア外周見切り線の内側で、フラットボトム底面から770mm上方

を通過する平行な面の下側の範囲(第7-2図斜線部)とする。

     ② ドア車両の場合:

      フラットボトム底面から770㎜上方を通過する平行な面の下側で、ドア

後端見切り線、ドア下部見切り線の後方延長線および後車輪軸中心を通り

フラットボトム底面に垂直な面により囲まれた範囲内(第7-3図斜線部)と

する。

    )開口部は側面、上面より内部が見える構造であってはならない。

    )ルーバー形状は禁止され、開口部には最大突出量50mmまでのエアスクープを

設置することが許される。ただし、競技車両の最大幅を超えてはならない。

第7-2図

第 章 グランドツーリングカー300

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フラットボトム

770mm

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第7-3図

  3.3.3.5 )車体後部の開口

    車体後部の開口部はルーバー、細密なワイヤーメッシュまたはパンチングメ

タル等で覆わなければならない。

  3.3.4 )ボンネット(エンジンフードを含む)、リアハッチゲート、トランクリッド

のヒンジ

    ヒンジ類は第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第 条「フ

ァスナーの追加」に規定されるファスナーにより、少なくとも ケ所が安全に

固定され、走行中に開かないようにすることを条件に取り外すことができる。

    エンジンおよび燃料タンクが設置されている箇所においては、これらのファ

スナーは工具を必要とすることなく取り外すことができなければならない。

    ファスナーは、赤(もしくは対照的に目立つ色)の矢印で明示されていなけ

ればならない。

  3.3.5 )車体(モノコック構造体)と隔壁

    本節で改造が許されている場合を除き、車室部分は当初の車体(モノコック構造体)が維持され、フェンダー、バンパーおよびフィニッシャーに被われて

いない車体構造は残されていなければならない。

    前部隔壁および後部隔壁を除き、車室に当初からある開口部は塞いでもよい。

  3.3.5.1 )前部隔壁(カウルトップ部を含む)

    )当初の前部隔壁を削除し、車室を完全に隔離する新たな隔壁を設置するこ

とが出来る。

第 章 グランドツーリングカー300

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フラットボトム

770mm

ドア下部見切線の後方延長線

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     ただし、カウルトップ部を削除した場合フロントウィンドウ下端部支持構

造は新たに構築しなければならない。

     カウルトップカバーは、材質・形状自由。ただし、車両前面視におけるボ

ンネット後端外縁より上に突出してはならない。

    )室内換気のため3.3.3.1 )の開口に接続する開口が車室の隔離機能を維持す

ることを条件に認められる。

     車室の換気口とボンネット(エンジンフードを含む)裏面に設置されたダ

クトを接合する場合、エンジンルームに火災が発生した場合に、車室に火炎

が侵入するのを防止できる構造でなければならない。

    )前部隔壁基準面(車両前側の面)を設置できる範囲

     隔壁の前後方向位置は基準車の元の位置から±250mmの範囲とする。

    )前部隔壁、3.3.3.1)の開口部の接続構造、または当初から存在する開口部

を塞ぐ素材の形状と材質

     形状:自由。

     材質:基本車両のモノコックを形成する素材と同一素材、同一以上の厚さ

を持つ材料。

    )3.3.8 )「床部のトンネル設置」、3.3.12.1 )および本項により許されている改造、

および3.3.6 )「前部隔壁の前方、後部隔壁の後方の車体構造」に規定したパ

イプフレーム構造をロールケージに接続するための開口部を設けることはで

きるが、開口部を設ける必要が生じた場合であっても、その大きさは必要最

小限に留められなければならない。

  3.3.5.2 )後部隔壁

    )当初の車体の後部隔壁を削除し、新たな隔壁を設置することができる。

    )側面透視で運転席の座席後方に位置し車室を完全に隔離する後部隔壁を有

することが義務付けられる。ただし、室内換気の排気のため3.3.3.1)3)の開

口に接続する最小限の開口が車室の隔離機能を維持することを条件に認めら

れる。

第 章 グランドツーリングカー300

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第7-4図

    )後部隔壁、3.3.3.1)3)の開口部の接続構造、または当初から存在する開口

部を塞ぐ素材の形状と材質

    形状:自由。

    材質:堅固で防火性に富んだ材質により構成されていなければならない。

     ①基本車両のモノコックを形成する素材と同一素材、同一以上の厚さを持

つ材料。

     ②10mm以上の厚さのハニカム構造を持つカーボンファイバー材。

     ③3.5mm以上の厚さを持つカーボンファイバーコンポジット。

    )床の底部主平面を延長した面と後部隔壁の主平面を延長した面とを繋ぐ構

造とすることができる。

  3.3.5.3 )リアミッドシップエンジン車両

     3.3.5.1)「前部隔壁」および3.3.5.2)「後部隔壁」の他に以下が適用される。

    )エンジンルームと荷物室を隔離する隔壁およびエンジンルームと荷物室の

床を削除することが許されるが、荷物室の床部分にある補強部材等の車体の

強度に影響のある部材はその限りではない。

    )荷物室に燃料タンクを設置する場合、エンジンルームと荷物室を隔離する

隔壁の切除は禁止される。

    )エンジンルームと荷物室を隔離する隔壁に設置されているメンバーは、車

体強度に影響を及ぼさなければ脱着式に変更することが許される。

  3.3.6 )前部隔壁の前方、後部隔壁の後方の車体構造

    前部隔壁より前方および/または後部隔壁より後方の主構造(フレーム構造)

は、これを切除し、ロールケージに接続するパイプフレーム構造に置き換える

第 章 グランドツーリングカー300

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隔壁設置可能域

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ことが許される。

    後部隔壁後方の車体構造(モノコック構造体)を兼ねていた外板部分の材質

については、十分な強度を保持し3.3.3.3)「天井部分の開口」に許される条件

以外に形状を変えない限り、合成樹脂または軽金属へ交換することが許され、

各ドア、フェンダー、トランクリッドと分離される構造の場合に限り着脱が許

される。ただし、当該部分は、前面、後面、側面視でシルエットから遊離して

いてはならず、ヒンジ、ロック機構、または3.3.4)に準拠した 箇所以上のフ

ァスナーにより堅固に固定できなければならない。

    前部隔壁より前方の主構造(フレーム構造)をロールケージに接続するパイ

プフレーム構造に置き換える場合、12.7)「前(後)面防護構造」に規定され

る衝撃吸収構造体(クラッシャブルストラクチャー)の設置が義務付けられる。

    パイプフレーム構造は下記条件を満たさなければならない。

    )材質:スチール製であること。

    )強度要件:前後方向に5.5W、横方向に1.5W、垂直方向に1.5W(W=1500kg)

の荷重を負荷しても耐え得ること。

    ( )上記荷重を負荷する部位

       前部パイプフレーム:衝撃吸収構造体の取り付け箇所

       後部パイプフレーム:当該パイプフレームの後端

    ( )上記荷重を負荷する条件

       ①車室床部(キャビン)を固定する。

       ②出走状態とする。(例;サスペンションを取り付けるための穴等は

開けた状態。エンジン、ギアボックス、フラットボトム等にストレ

スメンバーとしての機能を持たせる場合は、それらを搭載した状

態)。

    ( )強度要件を満たす証明のJAFへの提出

       ①静荷重試験の結果、強度計算結果(強度計算書)、もしくは強度解析

結果

       ②ロールケージおよびパイプフレームの構造概略図および使用パイプ

の材質・寸法

       本証明は、同一型式でかつ設計変更がなされない限り、毎年度の提出

は不要である。

第 章 グランドツーリングカー300

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    )ロールケージへの取り付け方法、パイプ径と肉厚

     パイプの形状を含め自由。

     ただし、パイプフレーム構造の装着に伴うFIA/JAF公認ロールケー

ジに対する一切の加工、改造は認められない。

    )エンジンを取り外しても、車体を懸架している部分が正常に作動しなけれ

ばならない。

  3.3.7 )フラットボトム、床

    タイヤハウス、外部ミラーを除き、車両の真下から見える車体部分の全幅に

渡り下記に適合するフラットボトムの設置が義務付けられる。

    )前車輪軸中心線と後車輪軸中心線の間の車両下面に、いかなる状況におい

ても堅固な平面を持つ不浸透性の連続した固体を、堅固に固定しなければならない。

     材質は自由。

     フラットボトムは、最小幅950mmで車両の前後方向中心線に対し対称で

あること。

     この面は、複数枚で構成されてよいが各々の隙間は mm以内であり、平

面全域に渡り平面公差は垂直方向に最大で mmとする。

    )フラットボトムは、いかなる場合も空力的効果を有してはならない。

    )隔壁より前方、排気管が通過する部分(サイドシルを除く)、センタート

ンネル、およびリアエンジン車両のトンネルを除き、車室の床とフラットボ

トムの間を空気が流れる構造であってはならない。

第7-5図

第 章 グランドツーリングカー300

-98-

後車輪軸中心線後車輪軸中心線

フラットボトム後端

前車輪軸中心線前車輪軸中心線

フラットボトム前端

フラットボトム

床前端

隔壁(バルクヘッド)

Min 950mmMin 950mm

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    )車両のすべての懸架される部分は、3.4.1)「前部空力装置」に関わらず、

一切フラットボトムにより形成される平面より下方に位置してはならない。

    )フラットボトムの周縁部には、最大半径25mmの上向きの湾曲を形成する

ことが許される。

    )フラットボトムに、次に従い開口部を設けることが許される。

    ( )エアジャッキ用の開口部。

    ( )排気管の放熱用の開口部。

      ‐排気管の直径に相当する幅まで

      ‐排気管の形状に沿っていること

      ‐最大直径50mm以下

      ‐数は自由

    ( )センサー用の開口部(最大φ20)。

       ただし、車高センサーの光軸の通過のため、最大20mm×50mmの穴

(スリット)を 個迄設置することができる。

    )フラットボトムは、フランジを除いたサイドシル下面の直線部を最上部と

して設置することが許される。ただし、フラットボトムが、基本車両の床と

干渉する場合、元の床を改造すること、あるいは3.3.9.1) )「形状と材質」

に規定される材質により新たな平板状の床を形成することが許される。

    )フラットボトム設置のため、サイドシル下面の直線部より下部に位置する

部分は折り曲げあるいは切除できる。

第7-6図

    )3.3.12.1)( )「タイヤハウスの形状」を満足すること。

第 章 グランドツーリングカー300

-99-

フラットボトムフラットボトムフラットボトム

フラットボトム

床床

サイドシル

折り曲げあるいは切除

サイドスカート

A-A' 断面

A'

A

サイドシル下面の直線部

サイドシルフェンダーアーチ

フェンダーアーチ

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    )JAFによって指定されるスキッドブロックを前後それぞれ つずつ装着しなければならない。スキッドブロックは最少8mmの厚さを円周部の か所以上で有していなければならない。

  3.3.8 )床部のトンネル設置

    )センタートンネル

     基本車両のセンタートンネルを削除し以下に定める寸法内で新たなトンネ

ルを構築することが出来る。

     材質:堅固で防火性に富んだ材質により構成されていなければならない。

        ①基本車両のモノコックを形成する素材と同一素材、同一以上の厚

さを持つ材料。

第7-7図

    )排気管用トンネル

    ①床面の上方向に対してフラットボトム形状に影響を及ぼさないことを条件

に幅210mmおよび高さ210mmまでのトンネルを 本設置することができ

る。ただし、フロントに左右バンクを有するエンジンを持つ車両の場合、

左右に各々 本のトンネルを構成することが認められる。

    ②壁面の改造が直径210mmの円に外接する四角形の範囲まで許される。

  3.3.9 )ボデイサイドパネル、サイドシル

  3.3.9.1 )ボデイサイドパネル、サイドシル、床

    )ドアウィンドウ下部見切りより下方のボデイサイドパネルおよびサイドシ

ル、床は、当初のボデイサイドパネルおよびサイドシル、床を削除し新たに

設置することができる。

    )形状と材質

     形状:自由

第 章 グランドツーリングカー300

-100-

450mm

460mm 370mm後部隔壁

前部隔壁

車両CTRに対し左右対称

センタートンネル設置許容範囲

300mm

390mm

800mm

フラットボトム

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     ただし、ボデイサイドパネルとサイドシルはフラットボトム底面から、そ

の250mm以上上方までの範囲で、車両幅方向で、ドア外側面下端とドア外

側面下端から120mm内側の間に外側面を有さなければならない。ただし、

3.3.8 ) )「排気管用トンネル」による改造は許される。

     材質:堅固で防火性に富んだ下記の材質により構成されていなければなら

ない。

       ①基本車両のモノコックを形成する素材と同一素材、同一以上の厚さ

を持つ材料。

       ②10mm以上の厚さのハニカム構造を持つカーボンファイバー材。

       ③3.5mm以上の厚さを持つカーボンファイバーコンポジット。

    )サイドシル内部を空気が流れる構造は禁止される。

    )フロントフェンダーとリアフェンダーの間で、ドアの下方の範囲は、基本

車両の外面(ドアアウターパネル又は、サイドシル外側面、又はサイドシル

カバー外側面)を拡幅しサイドシルカバーを設置してもよいが、拡幅されな

い部分は基本車両と同一の面を保持していなければならない。

     本部位の最外側面とサイドシルとの間には、空気が流れる構造は禁止され、

最外側面に排気管を通すための開口を設ける場合、車両側面視で直径

120mmの円に外接する四角形の範囲まで許される。

    )サイドシルカバーを設置する場合、材質は自由。

第7-8図

第 章 グランドツーリングカー300

-101-

ボディサイドパネル&サイドシル外側面

サイドシルカバー

ドア

ドア外側面下端

サイドスカート

MAX120mmMAX120mm

MAX120mm

MIN250mmMIN

250mm

フラットボトム

ボディサイドパネル&

サイドシル

ボディサイドパネル&

サイドシル

ボディサイドパネル&

サイドシル

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第7-9図

  3.3.10 )バンパー

  3.3.10.1.1)フロントバンパー

    )車両の前後方向中心線と垂直に交わり、かつそれと左右対称で、基本車両

最大幅の75%の長さを有する直線が、車両を真上から見たフロントバンパー

の輪郭に接する両端の間(第7-10図に示す基準点P とP の間)で、フラ

ットボトム底面から300mm上方を通過する平行面によって区分けされる上

部形状は基本車両の形状を維持しなければならない。

    )上記 )に定める基準点P とP (第7-10図)の間で、フラットボトム

底面から上方40mmを超え300mm以下の部分のバンパーは、基本車両バンパ

ー輪郭の内側の範囲であれば開口部の追加を含み改造できる。

    )バンパー内側の補強部材は自由。

  3.3.10.1.2)リアバンパー

    )車両の前後方向中心線と垂直に交わり、かつそれと左右対称で、基本車両

最大幅の80%の長さを有する直線が、車両を真上から見たリアバンパーの輪

郭に接する両端の間(第7-10図に示す基準点P とP の間)で、フラット

ボトム底面から300mm上方を通過する平行面によって区分けされる上部形

状は基本車両の形状を維持しなければならない。

    )車両の左右後車輪軸中心を結ぶ線から車両後端の平行線上で、前後方向中

心から左右665mmの点で30°の角度を持って交差し、競技車両の前後方向

中心と平行に引かれる最外側線の交わる線の内側の範囲(第7-11図に示され

る)でフラットボトム底面から300mm以下の部分を改造する(切除も含む)

ことが出来る。ただし、車両の前後方向中心から左右650mmまでの範囲に

第 章 グランドツーリングカー300

-102-

MAX210mmMAX210mm

MAX210mmMAX210mm

ボディサイドパネル&

サイドシル

ボディサイドパネル&

サイドシル

ドア排気管トンネル

サイドシルカバー

ドア外側面下端

サイドスカート

排気管排気管

フラットボトム

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わたりバンパーの改造部分の底面は水平な面を保持しなければならない。

    )バンパー内側の補強部材は自由。

第7-10図

第7-11図

  3.3.10.2)フェンダーの拡幅に伴うバンパー形状の変更

    バンパー形状の変更は次の条件によってのみ許される。

    形状変更の検査を容易にするため、テンプレートを所持していなければなら

ない。

    )フロントバンパーの形状を変更できる範囲

     車両を真上から見て、第7-10図に示す基準点P とP を結ぶ直線に対

し、各々の基準点を基点として、30°の角度を持つ直線と、車両の前後方向

中心線に平行で車体最外側に接する直線がそれぞれ交差する範囲の内側とす

る。さらに、各々の交点部分は、車両を真上から見て曲げ(R)を有してい

なければならない。

     ただし、当該規定の範囲に位置するフロントバンパーは、カナードおよび

それに類似する形状(車両の前後方向に延びる棚形状)であってはならない。

第 章 グランドツーリングカー300

-103-

W1

W1:基本車両の全幅の75%の長さW1:基本車両の全幅の75%の長さ W2:基本車両の全幅の80%の長さW2:基本車両の全幅の80%の長さ

30°30°

30°30°

P1

P2

P3

W2

P4

MAX 300mm

フラットボトム底面の延長線

車両前後方向中心線

30°

競技車両全幅

後車輪軸中心 665mm665mm車両後端

車両後端

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    )リアバンパーの形状を変更できる範囲

    )- フラットボトム底面から300mm上方を通過する平行面によって区分け

される上部車両を真上から見て、第7-10図に示す基準点P とP を結ぶ

直線に対し、各々の基準点を基点として、30°の角度を持つ直線と、車両の

前後方向中心線に平行で車体最外側に接する直線がそれぞれ交差する範囲の

内側とする。さらに、各々の交点部分は、車両を真上から見て曲げ(R)を

有していなければならない。

    )- フラットボトム底面から300mm上方を通過する平行面によって区分け

される下部車両を真上から見て、車両の左右後輪車軸中心を結ぶ線から車両

後端の平行線上で、前後方向中心から左右665mmの点で30°の角度を持っ

て交差し、競技車両の前後方向中心と平行に引かれる最外側線の交わる線の

内側の範囲(第7-11図に示される)とする。さらに、各々の交点部分は、車

両を真上から見て曲げ(R)を有していなければならない。

  3.3.11 )フェンダー

    )フェンダーを車両全幅寸法で最大1,950mmまで拡幅させることができるが、

フロントフェンダー前部およびリアフェンダー後部は、車両を真上から見た

ときに、3.3.10.2 )「フェンダーの拡幅に伴うバンパー形状の変更」に規定さ

れた範囲内に収まらなければならない。

     フロントフェンダーの後縁はドア前端に存在する見切り線を超えて延長さ

れてはならない。(フロントフェンダーの前後方向の寸法は拡大することが

できない。)

第7-12図

    )拡幅されるフェンダーのデザインに制限は無いが、開口の設置は3.3.3.2)

第 章 グランドツーリングカー300

-104-

ドア前端の見切り線

フェンダーはこの見切り線

より後方に位置できない。

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「フェンダーの開口」に従い、車両外面の鋭角的な突起部分には半径 mm

以上のR形状を有し、拡幅されない部分については、基本車両と同一な面を

保持していなければならない。

    )基本車両のフェンダーがエンジンの吸気や冷却のための開口部を有する形

状の場合で、そのフェンダーを拡幅した結果、開口部の寸法変更、あるいは

開口部が閉鎖された形状となることも認められる。ただし、開口部の寸法変

更が伴う場合であっても、3.3.3.2)「フェンダーの開口」に従わなければな

らない。

    )バンパーがフェンダーの内側に包括される構造は、基本車両と同一構造で

ある場合にのみ許される。

    )フェンダーは、基本車両の側面視におけるフェンダー上端外縁を超えては

ならない。ただし、3.3.12 )「タイヤハウス」によって設置されたタイヤハ

ウスが干渉する場合は、設置されたタイヤハウス上端に接する曲面部をフェ

ンダー上端外縁より突出させることが許され突出部は滑らかなアールで周辺

と繋げることが出来る。

第7-13図

    )当初のリアフェンダーがリアピラーと一体構造の場合、フェンダーはリア

ウィンドウの最下端を通過する水平面より下側とする。

  3.3.12 )タイヤハウス

  3.3.12.1 )前/後コンプリートホイールを収納するため、基本車両の構造にかかわ

らず、ホイールアーチの内側に面構成による独立したタイヤハウスが存在して

いなければならず、材質は自由。

    )タイヤハウスは、コンプリートホイールが直進状態の出走状態で、以下の

範囲に設置されなければならない。

第 章 グランドツーリングカー300

-105-

タイヤハウス構築による突出部

滑らかなアール滑らかなアール

基本車両のフェンダー見切り線基本車両のフェンダー見切り線

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   ( )フラットボトム底面と平行で、車輪中心を通る平面より上:

     車輪軸中心から半径410mmの範囲内。車両の左右方向の位置は自由。

   ( )フラットボトム底面と平行で、車輪中心を通る平面より下:

     左右車輪軸中心を通りフラットボトム底面に垂直な平面に平行で車両の前

後方向に各々410mm間の平面の範囲内。車両左右方向の位置は自由。

   ( )タイヤハウスの形状

     ①タイヤハウスの形状は自由。

     ②フラットボトム前端より後方で、フラットボトム後端より前方のタイヤ

ハウスの範囲において、フラットボトム底面から50mm未満の高さにあ

るタイヤハウスと車体構造(第 編第 章第 条1.10)車体)は、下面

視でフラットボトムに覆われていなければならない。

フロントタイヤハウスの例

第 章 グランドツーリングカー300

-106-

半径25mm

F410mm MAX410mm MAX

50mm Min

フラットボトム

410mm MAX

F410mm MAX410mm MAX

フラットボトム

410mm MAX

50mm Min

角度は自由

F

フラットボトム

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リアタイヤハウスの例

第7-14図

   ( )タイヤハウスの車両後方部に、3.3.3.2)「フェンダーの開口」で設置さ

れたブレーキ冷却後の空気を排出させるための排気口につながる開口形状

を形成してもよい。

   ( )懸架装置、操舵装置およびブレーキ冷却のためのダクトを貫通させるた

めの開口、排気管放熱用の開口を設けることが許される。

    )基本車両のタイヤハウスが )に規定される寸法を超えて構築されている

場合は、基本車両の寸法以内でなければならない。

    )タイヤハウスの前端あるいは後端が隔壁と干渉する場合、前部隔壁にステ

アリングを直進状態にして前車輪軸中心から半径460mm、後部隔壁に後車

輪軸中心から半径410mmの範囲内に限り改造を行うことができる。

    ) )により規定される範囲内に存在するサイドシルは削除することが認め

られる。

  3.3.12.2 )タイヤハウスを構築するため、当初のサイドレールアッパーとその周辺

骨格は、サスペンションストラットの上部取り付け点が当該部位に設置される

場合を除き、車体強度の低下がないことを条件にこれを除去することが認めら

れる。

  3.3.12.3 )ドライブシャフトがサイドメンバーと干渉する場合、車体強度を確保で

きる補強を施すことを条件に、当該部分の最小限の範囲を加工することが許さ

れる。

第 章 グランドツーリングカー300

-107-

リアタイヤハウス

F

410mm MAX410mm MAX

410mm MAX410mm MAX

フラットボトム

リアタイヤハウス

F 410mm MAX410mm MAX

角度は自由

410mm MAX410mm MAX

50mm Min50mm Min

フラットボトム

リアタイヤハウス

F

50mm Min

410mm MAX410mm MAX

フラットボトム

リアタイヤハウス

半径25mm

50mm Min

F 410mm MAX410mm MAX

フラットボトム

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  3.3.13 )サイドスカート

    サイドスカートは、次の条件を満たすことにより設置が許され、その材質は

自由。

    )出走状態の車両の車輪軸中心を通る水平面より下であること。

    )拡幅された車両の最大幅までの範囲内に取り付けること。

    )前/後縁および側縁は半径 mm以上のR形状を有していること。

    )サイドスカートの外側面は、基本車両の外側面より内側に入り込まないこ

と。

    )フラットボトムと隙間無く、前後フェンダーとも接合されなければならな

い。

  3.3.14 )エンジンベイ

  3.3.14.1 )ラジエターサポートとそのサポートメンバーは取り外してもよい。

  3.3.14.2 )ボンネット(エンジンフードを含む)、リアハッチゲート、トランクリ

ッド

   3.3.12 )「タイヤハウス」によって設置されたタイヤハウスとの干渉が生じる

部分は設置されたタイヤハウス上端に接する曲面形状で突出させることが許さ

れる。突出部は滑らかなアールで周辺およびフェンダーとつながる形状とする

ことが許される。

  3.3.15 )荷物室

    荷物室の床部分は改造、あるいは除去することができるが、地面が見えては

ならない。

    )改造の場合:

    .)床下の後部空力部品を設定しない場合:

    ①第7-15図Aのような形状は禁止される。

    ②床面は「平面でフラットボトムに平行」であること(第7-15図B参照)。

    ③床面が「平面でフラットボトムに平行」であれば、フラットボトムの高さ

まで下げることが許される。

    .)床下の後部空力部品を設定する場合:

    ①床下の後部空力部品が車両後端部分まで設置されている場合(第7-15図C

参照)、その上面の床面形状は自由。

    ②床下の後部空力部品が前後方向の途中まで設置されている場合、その後端

第 章 グランドツーリングカー300

-108-

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より後部の床面の形状は同様に「平面でフラットボトムに平行」であること

(第7-15図D参照)

    ③床下の後部空力部品と床面の間を空気が前後に流れないこと。

第7-15図

    .)床下の後部空力部品設置の有無にかかわらず、荷物室床面の上側の空間

にはラジエターを通過した空気のみ流れることが許される。車体最下面(荷

物室床面)の上側(の空間)を空気が流れる構造で、当該開口部が荷物室内

等に設置されたラジエターを通過する空気の排出を目的とする場合は、開口

部面積はラジエターコア面積以下でなければならない。

    )床部分を除去した場合:

    ①衝突に対する影響を最小限に抑える目的により、衝撃吸収構造を設置する

ことが認められる。

    ②車体強度の保持のためにクロスメンバーを自由に追加してもよい。

    )荷物室に安全燃料タンクを搭載する場合:

    燃料タンクの脱落防止のため、補強部材による構造体を追加することが許さ

れる。

  3.3.16 )オープンカーのハードトップ

    オープンカーのハードトップは次の条件に従うことにより取り付けることが

許される。

    )形状:ソフトトップ、もしくはオプションにハードトップが設定されてい

る場合は、形状がそれに近似していなければならない。

第 章 グランドツーリングカー300

-109-

AD

C

B

MAX 150mm

フラットボトム

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    )材質:堅固で防火性に富んだ材質であり、以下の何れかで構成されていな

ければならない。

     ただし、取り付け部(フランジ部を含む)を除く。

    ①基本車両のモノコックを形成する素材と同一素材、同一以上の厚さを持つ

材料。

    ②10mm以上の厚さのハニカム構造を持つカーボンファイバー材。

    ③3.5mm以上の厚さを持つカーボンファイバーコンポジット。

    )最高点:当該車両カタログに記載されている 面図の最高点を当該車両の

最高点とする。

    )固定方法:車体への固定は自由。ただし、公認ロールケージへの固定は一

切の加工を伴ってはならない。

  3.3.17 )車室の内部

    荷物室を除き、車室内には当初から設置されている以外の機械構造部分が存

在してはならない。

    ダッシュボード(インストルメントパネル)の変更および交換は許されるが

取り外しは許されない。

    補機類(電装品)の冷却およびドライバーの冷却のため、車室内に難燃性材

質のフレキシブルエアダクトを設置すること、また、これを3.3.19)「補助的付

加物」に規定されたエアスクープに接続することが許されるが、ドライバーの

視界を妨げてはならない。

    オイルタンクは車室内に設置されてはならない。

  3.3.18 )補 強

    車体(隔壁を含む)の補強は、運転席、助手席のための空間を含めた区域を

侵害しなければ自由に行うことができる。

  3.3.19 )補助的付加物

    霜取り装置、車室の換気装置は当初の換気口が残され、外観形状を大幅に変

更しない範囲(最大突出量20mm)であれば自由。

  3.4 )空力装置

  3.4.1 )前部空力装置

  ①車体下部には、左右前車輪軸中心を結ぶ線から最大950mmまでの前方の平行

線上で、前後方向中心から左右460mmの点で30゚ の角度を持って交差し、競

第 章 グランドツーリングカー300

-110-

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技車両の前後方向中心と平行に引かれる最外側線の交わる線の内側でフラット

ボトム底面から130mmの範囲に、前部空力装置を設置することが許される。

第7-16図

    ②材質は自由。

    ③前縁および側縁は、車両の最外側に位置する場合、半径 mm以上のR形

状を有していること。

    ④車体下部の構造体は前部コンプリートホイールの前端を通過する垂直面よ

り前方に位置するフェンダーの下部と接合することができる。

    ⑤①の検査のためのテンプレートを所持していなければならない。

    ⑥フラップ(カナード)は、以下の範囲内に取り付けることができる。(第

- 図)

     (ⅰ)車両のフラットボトム底面の250mm上方を通る平行面より下。

     (ⅱ)前部コンプリートホイールより前で、P1、P2点の外側。

     (ⅲ)左右前車輪軸中心を結ぶ線から最大950mmまでの前方の平行線上で、

前後方向中心から左右460mmの点で30゚ の角度を持って交差し、

競技車両の前後方向中心と平行に引かれる最外側線の交わる線の内

第 章 グランドツーリングカー300

-111-

F

MAX 950mm

30°

前車輪軸中心線

フラットボトム前端

競技車両全幅460mm460mm

MAX130mm

前部空力装置前、後端高さ制限

MAX130mm

フラットボトム

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側。

     (ⅳ)車体外縁から120mm以内。

第7-17図

  3.4.2 )後部空力装置

    後部空力装置は、次の条件に従うことにより、リアエアスポイラーもしくは

リアウイングの何れかを取り付けることができる。

    )数は 構成であること。

    )翼の枚数は 枚であり、翼断面の何れの部分も400mm×150mmの長方形に

収まること(ガーニーフラップを含むが支持体と翼端板は除く)。

    )高さは、オプション部品を除いた天井の最高点(フラットボトム底面から

1,100mm)を限度とする。

    )幅は最大1,900mm(支持体と翼端板を含む)。

     車両の後端の左右後車輪軸中心を結ぶ線に平行な線上で、前後方向中心か

ら左右665mmの各点で30°の角度を持って交差し、基本車両の前後方向中

心と平行に引かれる最外側線の交わる線の内側の範囲(第 -18図に示され

る)を車体輪郭の外縁と見なし、その輪郭から突出しないこと。

第 章 グランドツーリングカー300

-112-

フラットボトム

MAX950mm

カナード

断面

30°

P2点(反対側はP1点)P2点(反対側はP1点)

MAX

250mm

460mm

基本車両全幅の75%

前車輪軸中心線

競技車両全幅

車両前後方向中心線

MAX120mmMAX120mm

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第7-18図

    )車両を横から見て車体輪郭およびリアフェンダーの見切り線より上部もし

くはトランクリッド(エンジンフード)面上に位置すること。(リアフェン

ダー上に空力装置を設置することは許されない。)

    )後車輪軸の中心線を通過するフラットボトム底面に垂直な面より後方に位

置すること。

    )翼端板を含み、前縁および側縁は半径 mm以上のR形状を有しているこ

と。

    )形状および材質は自由。トランクリッドに取り付ける場合、支持体の取り

付け剛性を確保するためにトランクリッド内側に補強を施してもよい。

    )構造体を取り外すことなくトランクリッド、リアハッチゲートが開閉でき

ること。

  3.4.3 )後部床下の空力装置

    以下に従い完全にフラットで開口部のない傾斜のあるプレートを追加するこ

とが認められる。

    後車輪軸の中心より後方の床下で、車両の前後方向の中心線から左右

650mmまでの範囲には、基本車両に設定されている空力部品、もしくは以下

に従った完全にフラットで開口部のない傾斜のあるプレート(傾斜プレート)

のみ設置することが認められる。なお、当該空力部品または傾斜プレートの何

れも装着しないことは認められるが、併設は認められない。

第 章 グランドツーリングカー300

-113-

リアウィング

後車輪軸中心線

MAX1,900mmMAX

1,900mm

665mm665mm

30°

車両後端

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    ただし、傾斜プレートの前端を移動することにより、車両の構造物が傾斜プ

レートに干渉する場合は当該部位をフラットボトム面に平行な直方体形状で突

出することが許される。

    材質は自由。

    傾斜プレートの有無に関わらず、車両の前後方向の中心線から左右650mm

を超える部分で、後車輪軸の中心線を通過するフラットボトム底面に垂直な面

より後方、かつフラットボトム底面から300mm上方を通過する平行面より下

については自由とする。

    )フラットボトムの後端(後車輪軸中心線を通過する垂直面)と車体最後端

を通過する垂直面の間に位置すること。

    )傾斜プレートの最大幅は1300mmで、車両の前後方向中心線に対し対称で

あること。

    )傾斜プレートのいかなる点も、フラットボトムより150mm以上上方に位置

してはならない。

    )排気管および空冷式クーラーラジエターの設置は認められる。

第7-19図

    .)傾斜プレート側方に遮蔽版を設置することは任意であり、設置する場合

の形状と材質は自由。

    .)基本車両の後部車体に取り外し可能なグリル等の補助的付加物がある場

合は、次の条件に従い当該付加物を取り外してもよい。

   -補助的付加物より下部に車体部分が存在し、傾斜プレートとの間に隙間が無

第 章 グランドツーリングカー300

-114-

傾斜プレート

MAX 150mm

フラットボトム

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い場合、補助的付加物を取り外した後にできる空間は3.3.3.5)「車体後部の

開口」に従って処置が施されること。

    )フラットボトムの後端と傾斜プレートの前端を連続的に接合しなければな

らず、つなぎ目の部分は最大半径25mmの湾曲を有してもよい。

    )垂直整流板は次の条件下で設置することが認められ、材質は自由。

    ( )車両の前後方向の中心線と平行であること。

    ( )いかなる空力的効果も有さないこと。

    ( )最大 枚。

    ( )垂直整流板はプレート後端部より後方に延長できるが、幅1300mm以

内の最高端はフラットボトム面から150mm以下であり、最後端は車輌

輪郭の内側に位置していなければならない。

       延長部分の上部を車体に固定する場合は第7-20図の通りの開口を必

要とする。

第 章 グランドツーリングカー300

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第7-20図

    )追加した傾斜パネルに、次に従い開口部を設けることが許される。

    ( )エアジャッキ用の開口部

    ( )排気管の放熱用の開口部

      ‐排気管の直径に相当する幅まで

      ‐排気管の形状に沿っていること

第 章 グランドツーリングカー300

-116-

トランク/またはハッチゲートを開け

た際に、地面が見えてはならない。

傾斜プレート後方へ延長される

整流版取り付けのためのブラケット

車体構造の下面

車体構造の下面

車体構造の下面

傾斜プレート

傾斜プレート

傾斜プレート

空間

150mm 直径50mmの円

垂直整流板

垂直整流板

垂直整流板

傾斜プレートの後方へ延長される整流板

傾斜プレートの後方へ延長される整流板

傾斜プレートの後方へ延長される整流板

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      ‐最大直径50mm以下

      ‐数は自由

    ( )センサー用開口部

       最大20mm×50mmを 個迄設置することができる。

    )床下の後部空力部品を設定する場合で、その左右方向の寸法が、車両の前

後方向中心線からそれぞれ650mmに満たない場合、その端部から車両の前

後方向中心線から650mmまでの範囲には、排気管、オイルクーラー(配管を

含む)を除き、傾斜パネル面より下に位置する構造物があってはならない。

第 4 条 重 量

  4.1 )最低重量

    本節別表 に従った最低重量を保持しなければならない。JAFは性能の

均等化を図るため、年度途中でも事前予告をもって最低重量を変更することが

ある。

  4.2 )バラスト

     個あるいは数個のバラストによって最低重量を満たすことが許される。搭

載位置および取り付け方法は自由であるが、バラストおよび車体側の取り付け

部共に十分な強度がなければならない。

第 5 条 エンジン

  5.1 )エンジンの型式および位置

    基本車両と同一製造者のエンジンを搭載することができる。

    エンジンの取り付け方位、方向、位置は、前部隔壁より前方、または後部隔

壁より後方であれば自由。

    エンジンの搭載位置は基本車両から変更は認められない。当初のエンジンルーム内においてエンジンの取り付け方位、方向、位置は自由である。ただし、2016年以前に製造された競技車両のエンジンの取り付け方位、方向、位置は前部隔壁より前方、または後部隔壁より後方であれば自由。

  5.2 )エンジンの改造

  5.2.1 )気筒容積

    気筒容積の変更は許される。

  5.2.2 )過給装置

    自由。

第 章 グランドツーリングカー300

-117-

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  5.2.3 )シリンダーヘッド、シリンダーブロック

    補強は許される。

  5.2.4 )クランクシャフト、コンロッド

    自由。

  5.2.5 )ベアリング

    当初の形式(プレーンベアリング、ローラーベアリング等)が保持されてい

るならば自由。

  5.2.6 )ヘッドガスケット

    自由。

  5.2.7 )カムシャフトおよび動弁系(バルブスプリングを含む)

    カムシャフトの位置/個数および駆動方式の変更は禁止されるが、その他の

要素は自由。

    基本エンジンに設置され、機構がそれと同一の場合のみ可変バルブタイミン

グの使用が許される。

  5.2.8 )ピストン、ピストンピンおよびピストンリング

    自由。

  5.2.9 )フライホイール

    自由。

  5.2.10 )点火系統

    自由。

  5.2.11 )潤滑系統

    次に定める制約の他は自由。

    オイルクーラーは上方から見て、車両の輪郭から突出するものであってはな

らない。車体の外側に取り付ける場合、出走状態の車両の車輪軸中心を通る水

平面より下に位置しなければならない。

  5.3 )吸気系統

    次に定める制約の他は自由。

    ウォーターインジェクション、可変インレットポート、調整式吸気装置は、

基本車両または基本エンジンに設置されている場合のみ使用が許される。

    可変吸気トランペットは許されない。

第 章 グランドツーリングカー300

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  5.3.1.1 )エアリストリクター

    金属性であり円形断面を有する、 つまたは つの長さが最小 mmの平行

孔を有するエアリストリクターを取り付けなければならない。エンジンに吸入

される空気は、すべてこのエアリストリクターを通過しなければならず、エア

リストリクターの上流で吸入空気の全量を強制的に遮断した場合、直ちにエン

ジンが停止しなければならない。

  5.3.1.2 )エアリストリクター径

    本節別表 に規定されたエアリストリクター径を競技会期間中いかなる時

でも遵守しなければならない。

    JAFは性能の均等化を図るため、年度途中でも事前予告をもってエアリス

トリクター径を変更することがある。

  5.3.1.3 )過給装置付きエンジン

    エアリストリクターの設置は、過給装置のホイールブレードの最先端を通過

する垂直面から最高50mm上流までの間、あるいは空気漏れの無い一体部品で

最低 °の開口部を有する円錐体により過給装置吸気口直径の上流に設置され

なくてはならない。

    エアリストリクターと円錐体が一体構造で設置される場合は、過給装置のハ

ウジング側と段差を設けることなく接合されていなければならない。

    JAFは性能の均等化を図るため、事前予告をもって過給圧制限を実施する

ことがある。

第7-21図

  5.3.1.4 )自然吸気エンジン

    エアボックスの設置が義務付けられ、エアリストリクターがエアボックスの

吸入口に取り付けられていなければならない。

    エアボックスは、

第 章 グランドツーリングカー300

-119-

エアリストリクター

一体部品

過給装置のハウジング側

Min.3mm

Min.7°

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    )1,000mm×500mm×500mmを超えてはならない。

    )エアボックス前方の吸気ダクト類は車体外観を変更しない限り自由。また、

エアボックスの内部構造、材質も自由。

    )エアボックスおよびエアボックス前方の吸気ダクト類は、エンジンが稼動

中に吸入空気の全量を強制的に遮断した場合エンジンが停止し、破損、損傷

しない強度を保持していなければならない。

  5.3.2 )エアリストリクターの免除

    気筒容積が2,000cc迄の自然吸気レシプロエンジンを使用する場合、吸気の

すべてを つの開口部から得るならばエアリストリクターの装着を義務としな

い。

  5.3.3 )吸気温度

  5.3.3.1 )インタークーラー

    吸入空気の冷却のためのインタークーラーは取り付け位置、配管を含めて自

由。

    ただし、配管は空気の通り道としてのみ機能すること。

    インタークーラー以外のエンジンに供給される空気の温度を下げる目的また

は効果を持ついかなる装置、システム、手続き、構造もしくは設計はすべて禁

止される。

  5.4 )冷却

    ウォーターラジエターは、機能が基本車両と同一であれば、自由。

    ウォーターポンプは自由。

    ウォーターラジエター、オイルクーラーおよびエンジン各部の冷却は、空気

のみが認められ、空気以外のいかなる物質の噴射または噴霧による方法は禁止

される。

    ヒートエクスチェンジャーの使用は認められる。

    エンジン補機類の冷却のためエンジンルーム内にフレキシブルエアダクトを

設置することが認められる。

  5.5 )排気系統

    排気系統は自由。ただし、

    )すべての排気ガスが通過する、少なくとも つの触媒装置が設置されなけ

ればならない。触媒装置はJAFに申請し承認されなければならず、当該触

第 章 グランドツーリングカー300

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媒装置を使用して初めて参加する競技会の ヵ月前までに申請しなければな

らない。

    )いかなる可変排気装置も禁止される。

    側方排気車両の排気管の高さは次の通り:

     )最低高:排気口の最低点は最低地上高を確保しなければならない。

     )最大高:排気口の最高点はフラットボトム底面から300mm上方を通過す

る平行面より高くなってはならない。

  5.6 )ロータリーエンジン

  5.6.1 ) ローターエンジンを使用する場合、過給装置は禁止される。

  5.6.2 ) ローターエンジンを使用する場合、本節別表 に規定されたエアリスト

リクターを設置しなくてはならない。

  5.6.3 )自然吸気のロータリーエンジンを使用する場合、吸気のすべてを つの開

口部から得るならばエアリストリクターの装着を義務としない。

  5.6.4 )ロ一タリーエンジンのポート方式

    自由。

第 6 条 配管とポンプおよび燃料タンク

   6.1)、6.2)および6.3)に従っていることを条件に自由。

  6.1 )燃料タンク

    安全燃料タンクの装着が義務付けられる。

    安全燃料タンクと給油口の接合部は、多少の車体の変形を吸収して燃料漏れ

を発生させないフレキシブルジョイント構造でなければならない。

  6.1.1 )燃料タンクの位置

    すべての安全燃料タンクは、当初の位置、ホイールベース間に設置され、下

記の条件が満たされなければならない。

    )少なくとも厚さ10mmを有する衝撃吸収構造体で囲われる構造でなければ

ならない。

    )安全燃料タンクを搭載するために車室の床を切除することができる。

    )3.3.5.2)「後部隔壁」 )に規定する材質で構成された堅固で防火性に富

んだ防火壁によりドライバーとエンジンルームから隔離されなければならな

い。この際、3.3.5)「車体(モノコック構造体)と隔壁」による隔壁もしく

は開口部の無い床を防火壁と見なすことができる。

第 章 グランドツーリングカー300

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     防火壁を床から天井まで設けた場合、後方視界を確保するため、合わせガ

ラスによる最小限の大きさの窓を設けてもよい。

    )漏出した燃料は滞留してはならず、また車室に浸入しないよう十分配慮さ

れていなければならない。

  6.1.2 )燃料タンクとエンジンの間にあるすべての燃料配管は自動閉鎖・分離バル

ブを備えることが望ましい。このバルブは、燃料タンクから燃料配管取り付け

具を引き抜いたり、燃料配管取り付け具を破損するのに必要な荷重の50%以下

の負荷で作動するものでなければならない。

  6.1.3 )燃料供給装置

    車室内、車体外部への設置を禁止されることを除き自由。

  6.1.4 )タンク給油口が直接タンクに連結していない場合、タンクの頂点にはバル

ブが設置されていることが望ましい。バルブはタンク製造者によって供給され、

事故のとき万一給油口が外れ落ちてしまった場合に密閉するものであること。

  6.1.5)給油口の位置

    )最低高:給油口の中心はフラットボトム底面から595mm上方を通過する平

行面より低くなってはならない。

    )給油口中心と排気口端部との距離は上面視で1,000mm以上離れていなけれ

ばならない。

第7-22図

第 章 グランドツーリングカー300

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排気口

1,000mm Min1,000mm Min

595mm Min595mm Min

1,000mm Min1,000mm Min

給油口

フラットボトム

給油口中心

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  6.2 )燃料タンクの容量

    車両に搭載できる燃料の総容量は100ℓとする。

    JAFは事前予告をもって、燃料タンクの総容量を減じることがある。

  6.3 )燃料タンクの数

     6.2)「燃料タンクの容量」に規定される容量の範囲内であれば複数の安全燃

料タンクを搭載することが許される。ただし、コレクタータンクの数は つに

限定される。

  6.4 )燃料の冷却

    車載の燃料供給配管に、燃料の温度を下げるための冷却装置を設けることが

できるが、その冷却は外気の自然流による空冷式に限定される。

第 7 条 電装品

  7.1 )バッテリー

    密閉式のバッテリーを使用しなければならず、ショート防止のための絶縁が

施されていなくてはならない。

    バッテリーの搭載位置は、運転席を除き自由。

    バッテリーの銘柄、容量は自由。

  7.2 )照 明

    前照灯、ターンシグナルランプは運転席においてその点灯を確認できるイン

ジケーターを設けなければならない。

  7.2.1 )前照灯

    )前照灯は当初の位置に基本車両の形状と機能を保持し、主光軸は前方向で

あり、前方の車両およびコース周辺のオフィシャルから点灯を認識できる、

少なくとも基本車両と同等の照度を維持しなければならない。左右交互に点

滅する前照灯は禁止される。

    )黄色またはアンバー色の前照灯カバーを備えなければならない。

    )基本車両と同一のライトユニット(発光バルブを除く)を設置できない場

合、ヘッドライトレンズ面は最小直径100mm相当が保持されなければなら

ない。

    )照度(あるいは光度)向上のための光源の変更は認められる。

    )リトラクタブル構造の場合、リトラクター機能を削除し、透明な材料の使

用により前方を照射するよう改造することが許される。

第 章 グランドツーリングカー300

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  7.2.2 )その他の灯火類

  7.2.2.1 )尾灯、制動灯

    当初の形状を維持し、当初と同等以上の照度を維持しなければならない。

  7.2.2.2 )方向指示器

    前後の車両およびコース周辺のオフィシャルから点滅が認識できなければな

らず、レンズ面は最小直径30mm相当を有すること。

    サイドマーカーは取り外しを含め自由。

  ... )レインライト

    車両後部には、競技会期間中を通し正常に作動する、以下に規定されるレイ

ンライトのいずれかを装備しなければならない。

    ① ECE R 公道規準に従い承認されている(あるいはその他の国の同等ま

たはさらに厳しい規準に従い承認されている)レインライト

    ② FIAに承認された つのレインライト(テクニカルリストNo.)

    ③ ②と同等の輝度を持つ以下規定に従ったレインライト

     -車両後方から見えるレンズ面の面積は最小 cm2、最大 cm2

     -光度は cd以上、 cd以下

     -発光色は赤色のみ

    そのレインライトは、以下の条件を満たさなければならない。

     -発光パターンは点灯のみ

     -他の光源回路と独立した回路で確立されること

     -車両中心線に直角で、車両後方を向いていること

     -後方からはっきりと見えるものであること

     -車両中心線から cm以内の位置に取り付けられること

     -フラットボトム底面から最低 cm上方にあること

     -リアホイール中心線よりフラットボトム底面と平行に計測して、レンズ

の表面が cm以上後方にあること

     -ドライバーが車両に正常に着座した時にスイッチを操作できること

      上記の つの計測はレンズ面の中心で計測される。

  7.2.2.4 )その他の灯火

    当初の灯火を取り外し、その結果生じた開口部にダクトを接続することが許

される。

第 章 グランドツーリングカー300

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  7.2.3 )ワイパー

    フロントウィンドウワイパー構成を変更することができるが、少なくとも

つのワイパーが装備されていなければならず、競技期間中は常に運転席からの

操作により有効に作動しなければならない。

第 8 条 駆動系

  8.1 )駆動方式

    基本車両の駆動方式に関わらず変更は許される。

    「運動エネルギー回生システムに関する付則」に従いJAFに申請し承認を

受けた運動エネルギー回生システムの使用が認められる。

  8.2 )クラッチ

    2.1.2)「制御機能の制限」の条件を満たしていればクラッチは自由。

  8.3 )トランスミッションおよびコントロールレバー

    最大 速および後退ギアで構成されていなければならない。取り付け位置は

自由。

    パドルシフトシステムの使用は認められる。

  8.4 )最終減速機と差動装置

    2.1.2)「制御機能の制限」の条件を満たしていれば自由。

    ビスカスクラッチは、車両が走行中に制御することができなければ使用が許

される。

  8.5 )プロペラシャフトとドライブシャフト

    自由。

  8.6 )冷却

    駆動系統の冷却は、空気のみが認められ、空気以外のいかなる物質の噴射ま

たは噴霧による方法は禁止される。

    オイルクーラーの取り付けは自由。

第 9 条 サスペンションおよびステアリング

  9.1 )サスペンションの形式と取り付け

    基本車両のサスペンション形式からの変更および改造は自由。

    ただし、サスペンションの車体側の取り付け点を移動した場合でも、エンジ

ンを取り外したときにサスペンションが正常に作動しなければならない。

第 章 グランドツーリングカー300

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  9.2 )スタビライザー

    取り付けブラケットを含み自由。

    走行中にドライバーによって機械的方法で調整することのみが許され、他の

いかなる方法によっても走行中に調整可能であってはならない。

  9.3 )アクスル

    スピンドルを含み自由。センターロック方式への変更は許される。

  9.4 )スプリング

    2.1.2)「制御機能の制限」の条件を満たしていれば補助スプリングの追加を

含めて自由。

  9.5 )ショックアブソーバー

    2.1.2)「制御機能の制限」の条件を満たしていれば自由。

  9.6 )サスペンションアーム

    すべてのサスペンションアームは金属製でなければならない。

  9.7 )クロームメッキ

    スチール製のサスペンションアームにクロームメッキを施すことは禁止され

る。

  9.8 )ステアリング

    ステアリングホイールと操向装置(ステアリングギアボックス、リンク)と

操向車輪とは、唯一機械的に連結されていなければならない。

    また、パワーステアリングは、プログラム可能な制御を備えていない単一の

システムである場合に限り使用することができる。

    ステアリングホイールは、クイックリリースシステムを備えていなければな

らず、その方式はステアリングコラム上に配置された同心円状のフランジを引

く方法によるものでなければならない。

    ステアリングホイールの形状は自由。

    衝撃吸収装置付きステアリングコラムの設置を推奨する。

第10条 ブレーキ

  10.1 )ブレーキシステム

    2.1.2)「制御機能の制限」の条件を満たしていれば自由。

    ただし、マスターシリンダーからキャリパーの間の配管経路に、液圧センサ

ー、ブレーキランプスイッチ、プロポーショニングバルブ以外のセンサー、デ

第 章 グランドツーリングカー300

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バイス類が存在しないこと。

    駐車ブレーキの設置は任意とする。ただし、駐車ブレーキを装備する場合、

第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第 条2.2)「駐車ブレー

キ」の規定に従わなければならない。

  10.2 )ブレーキキャリパー

    各ホイールには最大 ピストンまでのシングルキャリパーが許されるが、キ

ャリパーの各ピストンの断面は円形でなければならない。

  10.3 )ブレーキの冷却

    空気による冷却以外、いかなる物質の噴射、噴霧による方法も禁止される。

ただし、ブレーキキャリパーは液体を循環させる方式で冷却してもよい。

    バンパーより上の車体に変更を生じることがなく、ホイールベース間の車体

下部に空力的効果をもたらす形状でない限り、冷却用にダクトを装着すること

ができる。

     つのブレーキに設置されるエアダクトの数と寸法は自由。

    ダクトの材質は自由。

  10.4 )ブレーキディスク

    各輪に鉄製の最大 つのブレーキディスクが許される。

第11条 ホイールおよびタイヤ

  11.1 )寸法

  11.1.1)コンプリートホイール最大径、最大幅

    最大径: インチ

    最大幅: インチ

  11.2 )ホイールの材質

    材質はアルミニウムに限定され、 本の最低重量は10kgとする。ただし、

エアバルブを含み、バランスウエイトは除くものとする。

    ホイールの付属品は、コンプリートホイール最大幅を超えることなくボルト

等で固定される場合に限り認められる。

  11.3 )ホイールの固定

    自由。ただし、固定がセンターナット つによって行われる場合、赤または

蛍光オレンジ色の安全スプリング、あるいは同等の機能をもった他のシステム

が車両の走行中に取り付けられていなければならず、ホイール交換後も同様に

第 章 グランドツーリングカー300

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設置されていなければならない。

  11.4 )エアジャッキ

    圧搾気体の容器を除き、エアジャッキの搭載は自由。

第12条 安全装備、装置

    安全に関するすべての項目は第 章“公認車両および登録車両に関する安全

規定”に次の事項を加えて適用する。

  12.1 )安全ベルト

    安全ベルトのストラップは 本の肩部ストラップと 本の腰部ストラップお

よび 本以上の脚部ストラップの着用が義務付けられる。

    安全ベルトはFIA基準8853/98に従い公認されたものを使用しなければな

らない。

    安全ベルトはそれぞれのストラップが単独で車体に取り付けられていなけれ

ばならない。左右の腰ベルトを同一公認番号の腰ベルトに限りそれぞれ 本ま

で用意することができ、片側 本の腰ベルトを 箇所の車体側取り付け点に取

り付けてもよい。

  12.2 )後方視界用ミラー

    第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第 条「火災に対する

防護」によりパーテーションウィンドウを隔壁化した場合、および6.1.1 )によ

り防火壁を床から天井まで設置した場合、第 章“公認車両および登録車両に

関する安全規定”第 条「後方視界」に関わらず、室内ミラーを除去すること、

同等の機能を持つ他の機構へ変更することは認められる。ただし、後方視界を

確保できなければならず、また、車体外部両側面に基本車両に設置されている

もの、または100cm 以上の面積の室外ミラーを設置しなければならない。

  12.3 )座席、ヘッドレスト

    ドライバー頭部周辺にエネルギーを吸収する不燃材を詰めた補強部分を持つ

FIA公認競技用シート(基準8855-1999または8862-2009)を使用しなければ

ならない。

    車両の前後方向の中心線を超えない限り、運転席位置を中央部へ移動するこ

とが認められる。

    ヘッドレストはヘルメットをつけたドライバーの頭部が保持され、加速時に

後方へ動くようなものではなく、ロールオーバーバーとヘッドレストの間に挟

第 章 グランドツーリングカー300

-128-

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まらないようになっていなければならない。ヘッドレストの両側面の間隔は

400mm以下で、最低20mmのエネルギー吸収材が両側面に取り付けられている

ことが推奨される。

  12.4)座席とロールケージおよび側面防護構造の関係

    シート中心での座面最低点を含み、車両中心線およびフラットボトム面に垂

直な平面内において、下記寸法を確保すること(第7-23図参照)。ただし、シ

ートスライドを有する場合、スライド位置は任意とする。

    )シート座面中心とサイドロールバー間の距離は950mm 以上確保すること。

    )シート座面中心と側面防護構造との水平方向距離は250mm以上、垂直方向

の高さ差は430mm以下とする。

第7-23図

  12.5 )ドライバーヘルメットとロールケージの関係

    ドライバーが正常に着座して真っすぐ前を向いた状態で、車両を側面から見

た場合、第7-24図に示す範囲にロールケージが存在してはならない。

第 章 グランドツーリングカー300

-129-

A

A

430max

シート中心での座面最低点

シート中心での座面最低点

フラットボトム車両側面視

側面防護構造存在範囲

250min

SECTION A-A

サイドロールバー断面

950min

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第7-24図

  12.6 )ドアと運転席間の構成物

    ドアと運転席間にはロールケージのサイドバーを除き機械構成部分が設置さ

れていてはならない。衝撃吸収装置、ニーパッド、給水用ボトルは機械構成部

品とみなさない。

  12.7 )前(後)面防護構造

    車両の前面に衝撃吸収構造体を設置する場合は、フロントコンプリートホイ

ール前端よりも前方のサイドレールに最小限の改造を施すことが許される。

    3.3.6)「前部隔壁の前方、後部隔壁の後方の車体構造」によるパイプフレー

ム構造を設置する場合、以下に示す衝撃吸収構造体を設置しなければならない。

    )構造体を取り付ける部位

     前部パイプフレームより前方とする。後部については義務付けない(任意)。

    )要求性能

     車重1500kg、車速12m/sでフルラップ前面衝突したときの車体の平均減速

度は25Gを下回らなければならず、 ms以上の間最大減速度60Gを超える

ことがあってはならない。

    )動的衝撃試験

     台車に衝撃吸収構造体単体を取り付け、動的試験を実施し、試験実施施設

の責任者の署名のある証明書の発行を受けなければならず、JAFへ当該証

明書の写しを提出しなければならない。

第 章 グランドツーリングカー300

-130-

フラットボトム車両側面視

450

300

正常に着座して真っすぐ前を向いたドライバーのヘルメット後端を通り、フラットボトムに垂直な線

正常に着座して真っすぐ前を向いたドライバーのヘルメット上端を通り、フラットボトムに平行な線

この網掛け部分に、ロールケージが存在してはならない。

R150

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     本証明書の写しは、同一型式でかつ設計変更がなされない限り、毎年度の

提出は不要である。

  12.8 )側面防護構造

    )第 -25図に従い 本の側部防護バーが追加されたロールケージ構造を構

成している場合を除き(ドア外板の板厚を増加する等の措置を施すことを推

奨する)、運転席側ドアの内部に衝撃吸収のため難燃性の衝撃吸収材を充填

すること、および/または衝撃吸収構造を施すこと。

第 -25図

    )ドライバー側ドアが基本車両と同一である場合、ドア内部の当初の衝撃吸

収構造の削除は認められず、第 章“公認車両と登録車両に関する安全規定”

第 条「ロールケージ」で規定されるロールバーと同一の材質、寸法の追加

バーを施さなければならない。

    )ドアの材質を変更した場合は第 章“公認車両と登録車両に関する安全規

定”第 条6.3.2.1.2)「ドアバー」によるドアバーを追加設置しなければなら

ない。

     なお、基本となるドアバーの形態とは第 章“公認車両と登録車両に関す

る安全規定”第 条第4-13図とし、第4-14図、第4-15図、第4-16図の形

状はドアバーを追加した構造と見なされる。

     ただし、JAF/FIA公認ロールケージでドアバーが構成されていない

場合は、 )および当該条項適用は必須とはされない。

    )運転席側ドアとロールケージの間に衝撃吸収装置を設置することは認めら

れる。

  12.9 )ドライバーの脱出時間

    正常に着座したドライバーが緊急時に車室から脱出するときに、運転者側ド

アより 秒以内に、助手席側ドアより 秒以内に脱出できる構造でなければな

らない。

第 章 グランドツーリングカー300

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  12.10 )消火装置

    第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第 条5.2)「自動消火

装置」に定められた自動消火装置の装着が義務付けられる。

第13条 その他の要素

  13.1 )各種ガード、サポート類

    ラジエターガード、タンクガードおよびサンプガードの設置は認められる。

ただし、3.3.6)「前部隔壁の前方、後部隔壁の後方の車体構造」を満足するこ

と。

    材質は、マグネシウムを除き、自由。

  13.2 )ハンディウェイト取り付け装置

    ハンディウェイトを固定できる堅牢なウェイト固定装置を競技会の技術委員

が容易に確認できる位置に装備しなければならない。

第 章 グランドツーリングカー300

-132-

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別表

第 条2.1.2)「制御機能の制限」による禁止項目の具体的事例

別表  最低重量とエアリストリクター

第 章 グランドツーリングカー300

-133-

禁止されるシステム等オートマチックギアボックス動力作動式クラッチ電動または自動調整のファイナルドライブディファレンシャルシステム(例えば、電子制御および/または外部ポンプ等を持つ気圧式あるいは油圧式のスリップコントロールを備えたディファレンシャル等)電動または自動調整のショックアブソーバー、サスペンションあるいは車高調整四輪操舵可動バラストエンジン以外のクローズドループ電子制御システム走行中に運転席からショックアブソーバー、サスペンションスプリングの調整を行う装置テレメトリーシステムアクティブサスペンション0

最低重量区分 (kg)数気筒容積区分(cc) 1,2001,1501,100

装着免除≦2,000cc44.6643.7742.9012,000cc<

≦2,500cc 31.9131.2830.66243.1342.2841.4312,500cc<

≦3,000cc 30.8230.2129.61242.1541.3140.4913,000cc<

≦3,500cc 30.1729.5728.98241.5040.6739.8613,500cc<

≦4,000cc 29.6329.0428.46241.0640.2539.4514,000cc<

≦4,500cc 29.3028.7228.15240.6339.8239.0314,500cc<

≦5,000cc 28.9728.4027.83240.3039.5038.7115,000cc<

≦5,500cc 28.7628.1827.62239.8739.0738.3015,500cc< 28.4327.8627.312

*過給装置付きエンジンは、気筒容積に係数1.7を乗じ、それによって得られた値に相当する区分のテーブルが適用される。

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第 節 グランドツーリングカー マザーシャシー(JAF-GT MC)

第 条 車 両

 1.1 )基本車両としての資格

    自動車製造者によって生産され、公道走行に適合し以下のいずれかの条件を満たすこと。

    ①FIAグループN/A/GT /GT /GT 、JAF量産ツーリングカーまたは特殊ツーリングカーとして公認された車両。

    ②JAF登録車両として登録された車両。    ③JAFによって認められた車両 1.2 )基本エンジン

    自動車製造者によって生産され、公道走行に適合し、JAFによって認められたエンジン。

 1.3 )オプション部品

    FIAおよび/またはJAF車両公認書、またはJAF登録車両JAF-GT主要諸元登録書に記載されているオプション部品のみ使用が許される。

第 条 規 則

 2.1 )改 造

    本節によって許されていないすべての改造は禁止される。    本節の規定にかかわらず、第 章“レース車両の排気音量規制”、第 章“公

認車両および登録車両に関する一般規定”、および第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”を守らなければならない。

    ただし、上記規定と同義の条項が本節にも規定されている場合は本節に従うこと。

 2.1.1 )材質の制限

 2.1.1.1 )合成樹脂(カーボン/アラミド繊維を含む)

    本節で許されている場合、または基本車両、基本エンジンに標準で使用されている場合のみ当該部分に使用が許される。

 2.1.1.2 )チタニウム、セラミック

    本節の規定にかかわらず、以下を遵守しなければならない。    )基本車両、基本エンジンに標準で使用されている場合のみ、当該部分に使

用が許される。

第 章 グランドツーリングカー300

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    )下記に指定された部品に使用が認められる。    ①ブレーキキャリパーのピストン 2.1.1.3 )アルミ合金

    本節の規定にかかわらず、以下を遵守しなければならない。    縦弾性係数が80Gpaを超えるアルミ合金の使用は、ブレーキキャリパーを除

き一切禁止される。 2.1.1.4 )その他の材質

    本節の規定にかかわらず、以下を遵守しなければならない。    比重12.0を超える材質の使用は禁止される。 2.1.2 )制御機能の制限

    )基本車両に設置されている制御機能であっても、オートマチックまたは電子式のシャシーコントロールシステムあるいは機能は、JAFに申請し承認されたアンチロックブレーキシステムおよびトラクションコントロールシステムを除き、いずれも禁止される。これには本節別表 に列記したシステムが含まれる。

     ただし、ドライバーが作動させ、システムに作用する単純なオープンループ電動スイッチは電子式の制御とは見なされない。

    )ピットレーン指定速度を遵守するためのリミッターの使用(付加)は認められる。

 2.2 )規則への適合

    競技会期間中いかなるときでも、車両がそのすべてにわたってこれら規定を遵守していることを、競技会の技術委員および審査委員の求めに応じて説明および検証作業に応じることは、各参加者の義務である。

 2.2.1 )計 測

    競技会期間中のすべての計測は、技術委員長の指定する場所において、オーガナイザーによって用意された機材、器具によって行われる。

    これらの場所、機材、器具、および計測方法に対する抗議は認められない。第 条 車体および外部寸法

    本節により改造を許されている場合を除き、公認書、登録車両などに関する資料に記載された基本車両の諸元寸法および取り付けのためのボルト類を除いた外面形状を維持していなければならない。

第 章 グランドツーリングカー300

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 3.1 )寸法

 3.1.1 )全長

    車両の全長は3.1.3 )により認められるオーバーハング、ホイールベース寸法の総和を超えてはならない。

 3.1.2 )最大高さ

    フラットボトム底面からルーフの最高点(ルーフ基準面とし、局部的突起形状やルーフレール、アンテナ等の付加部品は除く)までの寸法は、フラットボトム底面に垂直に計測して1,100mm未満であってはならない。また、本規定に適合するために、サイドシル、床の削除が許され、サイドシルの下側方向への嵩上げおよび床位置を移動することも認められる。

 3.1.3 )オーバーハングおよびホイールベース

    )フロントオーバーハング     オーバーハングを、最大950mmまで延長することができる。ただし、基

本車両のフロントバンパーの最前端から120mmを超えてはならない。基本車両のオーバーハングが950mm以上の場合、基本車両のオーバーハング長を最大とする。但し、3.4.1 )で定められるJAFによって認められたフロントアンダーパネルについては、その前端部は前輪車軸中心より最大950mmでなければならない。

    )ホイールベース     ホイールベースは2,750mm+/-10mmとする。     ホイールベースを2,750mm+/-10mmに適合させる為にベース車両のホイ

ールベースから伸縮させる場合、Aピラーより前および/もしくはCピラーより後方で調整しなければならない。

    )リアオーバーハング     基本車両のリアオーバーハングが950mm未満の車両は最大950mmまで延

長することができる。基本車両のオーバーハングが950mm以上の場合、基本車両のオーバーハング長さを最大とする。ただし、3.4.3 )で定められるJAFによって認められたリアディフューザーについては、その後端部は後輪車軸中心より最大950mmでなければならない。

第 章 グランドツーリングカー300

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 3.2 )ウィンドウ

 3.2.1 )フロントウィンドウ

    フロントウインドシールドは第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第 条に適合しなければならない。ただし、

    )ウインドシールド表面の保護のための無色、透明なフィルムの貼付が許される。

    )ウインドシールドを厚さ mm以上のポリカーボネイトに変更することができる。

 3.2.2 )その他のウィンドウ

    )取り付け位置、板厚と形状に変更がなければ車室内を透視することができる他の材質に交換してもよい。

    )ドアウィンドウガラスは機能が保持されているならば、作動方法、方式を変更することが許され、ドライバー側ドアにはドアウィンドウガラスを取り付けなくともよい。この場合、第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第 条「ネット」に従った保護ネットを装備すること。

    )車室の換気用開口部を設置することが許されるが、各々のウィンドウに追加された開口部の面積は該当するウィンドウ面積の15%を超えてはならない。開口部の形状は自由。

    )ウィンドウガラスの外側面上に、外側面から垂直に計測した突出量が最大で50mmまでのエアスクープを設置することができる。

    )ドアウィンドウガラスを除いたウィンドウガラスは、ウェザーストリップ、モール等の補助的付加物を取り外し、車体本体に直接取り付けることができる。

    )ドアウィンドウ後方の車体側面に設置されたウィンドウは、ドアウィンドウガラスの外側面を延長した面まで突出させることができる。

    )パーテーションウィンドウを防火壁に置き換えることができる。    )サイドウィンドウおよびリアウィンドウに色付きガラスまたはウィンドウ

フィルムを使用する場合、 m離れた位置から車室内のドライバーを目視できなければならない。

    )ドア( ドア車両の場合は前部ドア)より後方でかつ後部隔壁より後方に位置するウィンドウについては不透視であってもよいが、塗装する場合は車

第 章 グランドツーリングカー300

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体色と異なる塗色により明確に区分されなければならない。 3.3 )車 体

 3.3.1 )車体の材質変更

    基本車両の車体形状(Aピラー、ルーフ、B/Cピラー、ウィンドウ)を維持することを条件に、車体材質を合成樹脂または軽金属へ変更することが認められる。

    ただし、ボンネット(エンジンフードを含む)、リアハッチゲートにガラスによる構成が含まれていて、その材質を変更する場合は、ガラスにより構成されていた部分が見切り線により明確に区分されなければならず、当該部分を塗装する場合は車体色と異なる塗色により明確に区分されなければならない。

 3.3.2 )ドア

    )ドア外面形状は、フラットボトム底面から120mmまでの範囲を削除することが出来るが、それ以外の部分は当初の形状を維持しなければならない。ドアの裏面形状を変更することが認められる。

    )ドアの材質は、十分な強度を保持することで合成樹脂または軽金属へ交換することが許される。

    )ドアヒンジは、万一の事故の際にドライバーが速やかに脱出できるようにする目的のためにのみ、交換が許される。 )項により切除される範囲にドアヒンジが含まれる場合は当該ドアヒンジの変更が認められる。

      ドアの後部ドアは開閉機能を維持する場合にはドアヒンジ、ドアロックを3.3.4 )に準拠した 箇所以上のファスナーに置き換えることができる。

    )ドアミラーを移設した場合、当初のドアミラーベースを合成樹脂または軽金属へ変更することは認められる。

    ) ドア車両の後部ドアは、拡幅された後部フェンダー外側面まで後部ドアを拡幅することができる。後部ドアの開閉機能は自由。

 3.3.3 )車体の開口部

 3.3.3.1 )ボンネット(エンジンフードを含む)、リアハッチゲート、およびトラン

クリッドの開口

    )外面形状を大幅に変更しない範囲で放熱、冷却を目的とした開口部の設置、閉鎖が許されるが、開口部を塞ぐ場合、塞がれた範囲は当初の形状を保持、または外包絡面を形成しなければならない。

第 章 グランドツーリングカー300

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     但し、ボンネット(エンジンフードを含む)の開口部は下記の条件を満たさなければならない。

    ①ボンネット(エンジンフードを含む)後縁から100mm前方であること。    ②開口部の前後長はボンネット(エンジンフードを含む)後縁から最大

1,000mm。    ③最大幅は車両の前後方向中心線から左右にそれぞれ最大625mm。

第 図

    )リアハッチゲートおよびトランクリッドに外面形状を大幅に変更しない範囲で放熱、冷却を目的とした開口部の設置が許される。

    )ハッチゲートの形状の変更を伴う開口部を設けてもよいが、当初のウィンドウ範囲に設ける場合、変更される形状の範囲はリアハッチゲートの当初ウィンドウ面積の15%を超えてはならず、開口部の最大幅は合計400mmで、車両の前後方向中心線に対し対称でなければならない。

    )開口部に最大突出量20mmまでのルーバー、リップ等を取り付けること、および開口部に接続するダクトを追加することは許されるが、真上から見た場合に当該開口部に接続するダクト以外の内部構造が見えてはならない。

 3.3.3.2 )フェンダーの開口

    コンプリートホイール後端より後方のフェンダーにブレーキ冷却後の空気を排出させるための排気口を設置することが許されるが、これら排気口は側面および上面から内部が見える構造であってはならない。

    リアホイールの後面にブレーキ冷却後の空気を排出する排気口を構成した場合は、後車輪軸中心を通る水平面より下を除き、空気以外の排出防止のため、ルーバーまたは細密なワイヤーメッシュによる構造でなければならない。

第 章 グランドツーリングカー300

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100mm Min

1,000mm Max1,000mm Max

625mm Max

ボンネット後縁

ボンネット後縁との平行線ボンネット後縁との平行線ボンネット後縁との平行線

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    フェンダーに排気管を通すための開口を設ける場合、その開口部は排気管の直径の / までの隙間を有してよい。

 3.3.3.3 )天井部分の開口

    天井部分に開口部を つ設置することができるが、下記の条件を満たさなければならない。

    )フロントウインドシールド後端より100mm以上後方であること。ただし、リアエンジンの吸気用の場合は後部隔壁最高端位置より後方であること。(エアダクトを天井部分の開口部に接続することができる。)

     基本車両に標準としてエンジン用ルーフ上吸気ダクトが存在する場合に限り、ルーフ上からのエンジン吸気が認められる。ただし、ダクト形状は基本車両のそれから変更することはできない。ただし、2015年以前に製造された競技車両は、基本車両に標準としてエンジン用ルーフ上吸気ダクトが存在しない場合でも、ルーフ上からのエンジン吸気が認められる。

    )開口部の前後長は天井全長の / を超えないこと。    )最大幅は400mmで、車両の前後方向中心線に対し対称であること。    )車両上面視で開口部の範囲に車体の表面から垂直に計測して最大高さ

40mmまでのエアスクープを設けることが許されるが、当該構造以外は車体の表面から突出しないこと。

    )真上から見た場合に内部が見えないこと。    )室内側の構造体は天井の内側面より150mmを超えない範囲に位置し、ドラ

イバーの頭部より100mm以上のヘッドクリアランスが保持できること。 3.3.3.4 )車体側面の開口

    車体部品冷却用の外気の導入のため、 ドア車両の場合は後部ドアに、 ドア車両の場合はドア後方のボディサイドパネルに、以下の条件で開口部を設置することができる。

    )① ドア車両の場合:      後部ドア外周見切り線の内側で、フラットボトム底面から770mm上方

を通過する平行な面の下側の範囲(第 図斜線部)とする。     ② ドア車両の場合:      フラットボトム底面から770mm上方を通過する平行な面の下側で、ド

ア後端見切り線、ドア下部見切り線の後方延長線および後車輪軸中心を通

第 章 グランドツーリングカー300

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りフラットボトム底面に垂直な面により囲まれた範囲内(7-3図斜線部)とする。

    )導入された空気は冷却対象部品を通過後、拡散されなければならず、いかなる空力的効果も有してはならない。

    )開口部は側面、上面より内部が見える構造であってはならない。    )ルーバー形状は禁止され、開口部には最大突出量50mmまでのエアスクー

プを設置することが許される。ただし、競技車両の最大幅を越えてはならない。

第 図

第 図

 3.3.3.5 )車体後部の開口

    車体後部の開口部はルーバー、細密なワイヤーメッシュまたはパンチングメ

第 章 グランドツーリングカー300

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フラットボトム

770mm

フラットボトム

770mm

ドア下部見切線の後方延長線

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タル等で覆わなければならない。 3.3.4 )ボンネット(エンジンフードを含む)、リアハッチゲート、トランクリッド

のヒンジ

    ヒンジ類は第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第 条「ファスナーの追加」に規定されるファスナーにより、少なくとも ケ所が安全に固定され、走行中に開かないようにすることを条件に取り外すことができる。

    エンジンおよび燃料タンクが設置されている箇所においては、これらのファスナーは工具を必要とすることなく取り外すことができなければならない。

    ファスナーは、赤(もしくは対照的に目立つ色)の矢印で明示されていなければならない。

 3.3.5 )車体(モノコック構造体)と隔壁

 3.3.5.1 )車体(モノコック構造体)

    車室部分はJAFによって認められたモノコックおよびロールケージを設置しなければならない。

 3.3.5.2 )前部隔壁(カウルトップ部を含む)

    )3.3.5.1により設置されたモノコックの前面パネル、およびモノコックとカウルトップの間に設置されるパネルを前部隔壁とみなすことができる。ただし、カウルトップ部を削除した場合フロントウィンドウ下端部支持構造は新たに構築しなければならない。

     カウルトップカバーは、材質・形状自由。ただし、車両前面視におけるボンネット後端外縁より上に突出してはならない。

    )室内換気のため3.3.3.1 )の開口に接続する開口が車室の隔離機能を維持することを条件に認められる。

     車室の換気口とボンネット(エンジンフードを含む)裏面に設置されたダクトを接合する場合、エンジンルームに火災が発生した場合に、車室に火炎が侵入するのを防止できる構造でなければならない。

    )前部隔壁、3.3.3.1 )の開口部の接続構造、または当初から存在する開口部を塞ぐ素材の形状と材質

     形状:自由。     材質:①基本車両のモノコックを形成する素材と同一素材、同一以上の厚

さを持つ材料。

第 章 グランドツーリングカー300

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        ②10mm以上の厚さのハニカム構造を持つカーボンファイバー材。        ③3.5mm以上の厚さを持つカーボンファイバーコンポジット。    )3.3.8 )「床部のトンネル設置」、3.3.12.1 )および本項により許されている

改造、および3.3.6 )「前部隔壁の前方、後部隔壁の後方の車体構造」に規定したパイプフレーム構造をロールケージに接続するための開口部を設けることはできるが、開口部を設ける必要が生じた場合であっても、その大きさは必要最小限に留められなければならない。

 3.3.5.3 )後部隔壁

    )当初の車体の後部隔壁を削除し、新たな隔壁を設置することができる。その際、3.3.5.1により設置されたモノコックの後面パネル後部隔壁の一部とみなすことができる。

    )側面透視で運転席の座席後方に位置し車室を完全に隔離する後部隔壁を有することが義務付けられる。ただし、室内換気の排気のため3.3.3.1 ) )の開口に接続する最小限の開口が車室の隔離機能を維持することを条件に認められる。

第 図

    )後部隔壁、3.3.3.1 ) )の開口部の接続構造、または当初から存在する開口部を塞ぐ素材の形状と材質

     形状:自由。     材質:堅固で防火性に富んだ材質により構成されていなければならない。 3.3.5.4 )リアミッドシップエンジン車両

    3.3.5.1 )「前部隔壁」および3.3.5.2 )「後部隔壁」の他に以下が適用される。    エンジンルームと荷物室を隔離する隔壁およびエンジンルームと荷物室の床

第 章 グランドツーリングカー300

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隔壁設置可能域

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を削除することが許される。 3.3.6 )前部隔壁の前方、後部隔壁の後方の車体構造

    前部隔壁より前方および/または後部隔壁より後方の主構造(フレーム構造)は、これを切除し、モノコックに接続する十分な強度を有したフレーム構造に置き換えることが許される。

    後部隔壁後方の車体構造(モノコック構造体)を兼ねていた外板部分の材質については、十分な強度を保持し3.3.3.3 )「天井部分の開口」に許される条件以外に形状を変えない限り、合成樹脂または軽金属へ交換することが許され、各ドア、フェンダー、トランクリッドと分離される構造の場合に限り着脱が許される。ただし、当該部分は、前面、後面、側面視でシルエットから遊離していてはならず、ヒンジ、ロック機構、または3.3.4 )に準拠した 箇所以上のファスナーにより堅固に固定できなければならない。

    前部隔壁より前方の主構造(フレーム構造)をモノコックに接続するフレーム構造に置き換える場合、12.5 )「前(後)面防護構造」に規定される衝撃吸収構造体(クラッシャブルストラクチャー)の設置が義務付けられる。

    フレーム構造は下記条件を満たさなければならない。    )材質:スチール製であること。    )強度要件:前後方向に5.5W、横方向に1.5W、垂直方向に1.5W(W=1,500kg)

の荷重を負荷しても耐え得ること。   ( )上記荷重を負荷する部位      前部パイプフレーム:衝撃吸収構造体の取り付け箇所      後部パイプフレーム:当該パイプフレームの後端   ( )上記荷重を負荷する条件      ①車室床部(キャビン)を固定する。      ②出走状態とする。(例;サスペンションを取り付けるための穴等は開

けた状態。エンジン、ギアボックス、フラットボトム等にストレスメンバーとしての機能を持たせる場合は、それらを搭載した状態)。

   ( )強度要件を満たす証明のJAFへの提出      ①静荷重試験の結果、強度計算結果(強度計算書)、もしくは強度解析結

果      ②ロールケージおよびパイプフレームの構造概略図および使用パイプの

第 章 グランドツーリングカー300

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材質・寸法      本証明は、同一型式でかつ設計変更がなされない限り、毎年度の提出は

不要である。    )ロールケージへの取り付け     ロールケージに対する一切の加工、改造は認められない。    )エンジンを取り外しても、車体を懸架している部分が正常に作動しなけれ

ばならない。 3.3.7 )フラットボトム、床

    タイヤハウス、外部ミラーを除き、車両の真下から見える車体部分の全幅に渡り下記に適合するフラットボトムの設置が義務付けられる。

    )前車輪軸中心線と後車輪軸中心線の間の車両下面に、いかなる状況においても堅固な平面を持つ不浸透性の連続した固体を、堅固に固定しなければならない。

     材質は自由。     フラットボトムは、最小幅950mmで車両の前後方向中心線に対し対称で

あること。     この面は、複数枚で構成されてよいが各々の隙間は mm以内であり、平

面全域に渡り平面公差は垂直方向に最大で mmとする。    )フラットボトムは、いかなる場合も空力的効果を有してはならない。    )隔壁より前方、排気管が通過する部分(サイドシルを除く)、センタート

ンネル、およびリアエンジン車両のトンネルを除き、車室の床とフラットボトムの間を空気が流れる構造であってはならない。

第 章 グランドツーリングカー300

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第 図

    )車両のすべての懸架される部分は、 .4.1 )「前部空力装置」に関わらず、一切フラットボトムにより形成される平面より下方に位置してはならない。

    )フラットボトムの周縁部には、最大半径25mmの上向きの湾曲を形成することが許される。

    )フラットボトムに、次に従い開口部を設けることが許される。    ( )エアジャッキ用の開口部。    ( )排気管の放熱用の開口部。      -排気管の直径に相当する幅まで      -排気管の形状に沿っていること      -最大直径50mm以下      -数は自由    ( )センサー用の開口部(最大φ20)。       ただし、車高センサーの光軸の通過のため、最大20mm×50mmの穴

(スリット)を 個迄設置することができる。    )JAFによって認められたスキッドブロックを前後それぞれ1つずつ装着し

なければならない。スキッドブロックは最少 mmの厚さを円周部の1か所以上で有していなければならない

    )3.3.12.1 )( )「タイヤハウスの形状」を満足すること。 3.3.8 )床部のトンネル設置

    排気管用トンネル    ①床面の上方向に対してフラットボトム形状に影響を及ぼさないことを条件

第 章 グランドツーリングカー300

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後車輪軸中心線後車輪軸中心線

フラットボトム後端

前車輪軸中心線前車輪軸中心線

フラットボトム前端

フラットボトム

床前端

隔壁(バルクヘッド)

Min 950mmMin 950mm

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に幅210mmおよび高さ210mmまでのトンネルを 本設置することができる。ただし、フロントに左右バンクを有するエンジンを持つ車両の場合、左右に各々 本のトンネルを構成することが認められる。

    ②壁面の改造が直径210mmの円に外接する四角形の範囲まで許される。 3.3.9 )ボディサイドパネル、サイドシル

 3.3.9.1 )ボディサイドパネル、サイドシル、床

    )ドアウィンドウ下部見切りより下方のボディサイドパネルおよびサイドシル、床は、当初のボディサイドパネルおよびサイドシル、床を削除し新たに設置することができる。

    )形状と材質     形状:自由        ただし、ボディサイドパネルとサイドシルはフラットボトム底面か

ら、その250mm以上上方までの範囲で、車両幅方向で、ドア外側面下端とドア外側面下端から120mm内側の間に外側面を有さなければならない。ただし、3.3.8 ) )「排気管用トンネル」による改造は許される。

     材質:堅固で防火性に富んだ下記の材質により構成されていなければならない。

        ①基本車両のモノコックを形成する素材と同一素材、同一以上の厚さを持つ材料。

        ②10mm以上の厚さのハニカム構造を持つカーボンファイバー材。        ③3.5mm以上の厚さを持つカーボンファイバーコンポジット。    )サイドシル内部を空気が流れる構造は禁止される。    )フロントフェンダーとリアフェンダーの間で、ドアの下方の範囲は、基本

車両の外面(ドアアウターパネル又は、サイドシル外側面、又はサイドシルカバー外側面)を拡幅しサイドシルカバーを設置してもよいが、拡幅されない部分は基本車両と同一の面を保持していなければならない。

     本部位の最外側面とサイドシルとの間には、空気が流れる構造は禁止され、最外側面に排気管を通すための開口を設ける場合、車両側面視で直径120mmの円に外接する四角形の範囲まで許される。

    )サイドシルカバーを設置する場合、材質は自由。

第 章 グランドツーリングカー300

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第 図

第 図

 3.3.10 )バンパー

 3.3.10.1.1 )フロントバンパー

    )車両の前後方向中心線と垂直に交わり、かつそれと左右対称で、基本車両最大幅の75%の長さを有する直線が、車両を真上から見たフロントバンパーの輪郭に接する両端の間(第 図に示す基準点P とP の間)で、フラットボトム底面から300mm上方を通過する平行面によって区分けされる上部形状は基本車両の形状を維持しなければならない。

    )上記 )に定める基準点P とP (第 図)の間で、フラットボトム底面から上方40mmを超え300mm以下の部分のバンパーは、基本車両バンパー輪郭の内側の範囲であれば開口部の追加を含み改造できる。

    )バンパー内側の補強部材は自由。 3.3.10.1.2 )リアバンパー

    )車両の前後方向中心線と垂直に交わり、かつそれと左右対称で、基本車両

第 章 グランドツーリングカー300

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ボディサイドパネル&サイドシル外側面

サイドシルカバー

ドア

ドア外側面下端

サイドスカート

MAX120mmMAX120mm

MAX120mm

MIN250mmMIN

250mm

フラットボトム

ボディサイドパネル&

サイドシル

ボディサイドパネル&

サイドシル

ボディサイドパネル&

サイドシル

MAX210mmMAX210mm

MAX210mmMAX210mm

ボディサイドパネル&

サイドシル

ボディサイドパネル&

サイドシル

ドア排気管トンネル

サイドシルカバー

ドア外側面下端

サイドスカート

排気管排気管

フラットボトム

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最大幅の80%の長さを有する直線が、車両を真上から見たリアバンパーの輪郭に接する両端の間(第 図に示す基準点P とP の間)で、フラットボトム底面から300mm上方を通過する平行面によって区分けされる上部形状は基本車両の形状を維持しなければならない。

    )車両の左右後車輪軸中心を結ぶ線から車両後端の平行線上で、前後方向中心から左右665mmの点で °の角度を持って交差し、競技車両の前後方向中心と平行に引かれる最外側線の交わる線の内側の範囲(第 図に示される)でフラットボトム底面から300mm以下の部分を改造する(切除も含む)ことが出来る。ただし、車両の前後方向中心から左右650mmまでの範囲にわたりバンパーの改造部分の底面は水平な面を保持しなければならない。

    )バンパー内側の補強部材は自由。

第 図

第 図

 3.3.10.2 )フェンダーの拡幅に伴うバンパー形状の変更

    バンパー形状の変更は次の条件によってのみ許される。    形状変更の検査を容易にするため、テンプレートを所持していなければなら

第 章 グランドツーリングカー300

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W1

W1:基本車両の全幅の75%の長さW1:基本車両の全幅の75%の長さ W2:基本車両の全幅の80%の長さW2:基本車両の全幅の80%の長さ

30°30°

30°30°

P1

P2

P3

W2

P4

MAX 300mm

フラットボトム底面の延長線

車両前後方向中心線

30°

競技車両全幅

後車輪軸中心 665mm665mm車両後端

車両後端

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ない。    )フロントバンパーの形状を変更できる範囲     車両を真上から見て、第 図に示す基準点P とP を結ぶ直線に対し、

各々の基準点を基点として、 °の角度を持つ直線と、車両の前後方向中心線に平行で車体最外側に接する直線がそれぞれ交差する範囲の内側とする。さらに、各々の交点部分は、車両を真上から見て曲げ(R)を有していなければならない。

     ただし、当該規定の範囲に位置するフロントバンパーは、カナードおよびそれに類似する形状(車両の前後方向に延びる棚形状)であってはならない。

    )リアバンパーの形状を変更できる範囲    )- フラットボトム底面から300mm上方を通過する平行面によって区分け

される上部車両を真上から見て、第 図に示す基準点P とP を結ぶ直線に対し、各々の基準点を基点として、30°の角度を持つ直線と、車両の前後方向中心線に平行で車体最外側に接する直線がそれぞれ交差する範囲の内側とする。さらに、各々の交点部分は、車両を真上から見て曲げ(R)を有していなければならない。

    )- フラットボトム底面から300mm上方を通過する平行面によって区分けされる下部車両を真上から見て、車両の左右後車輪軸中心を結ぶ線から車両後端の平行線上で、前後方向中心から左右665mmの点で30°の角度を持って交差し、競技車両の前後方向中心と平行に引かれる最外側線の交わる線の内側の範囲(第 図に示される)とする。さらに、各々の交点部分は、車両を真上から見て曲げ(R)を有していなければならない。

 3.3.11 )フェンダー

    )フェンダーを車両全幅寸法で最大1,950mmまで拡幅させることができるが、フロントフェンダー前部およびリアフェンダー後部は、車両を真上から見たときに、3.3.10.2 )「フェンダーの拡幅に伴うバンパー形状の変更」に規定された範囲内に収まらなければならない。

     フロントフェンダーの後縁はドア前端に存在する見切り線を超えて延長されてはならない。(フロントフェンダーの前後方向の寸法は拡大することができない。)

第 章 グランドツーリングカー300

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第 図

    )拡幅されるフェンダーのデザインに制限は無いが、開口の設置は3.3.3.2 )「フェンダーの開口」に従い、車両外面の鋭角的な突起部分には半径 mm以上のR形状を有し、拡幅されない部分については、基本車両と同一な面を保持していなければならない。

    )基本車両のフェンダーがエンジンの吸気や冷却のための開口部を有する形状の場合で、そのフェンダーを拡幅した結果、開口部の寸法変更、あるいは開口部が閉鎖された形状となることも認められる。ただし、開口部の寸法変更が伴う場合であっても、3.3.3.2 )「フェンダーの開口」に従わなければならない。

    )バンパーがフェンダーの内側に包括される構造は、基本車両と同一構造である場合にのみ許される。

    )フェンダーは、基本車両の側面視におけるフェンダー上端外縁を超えてはならない。ただし、3.3.12 )「タイヤハウス」によって設置されたタイヤハウスが干渉する場合は、設置されたタイヤハウス上端に接する曲面部をフェンダー上端外縁より突出させることが許され突出部は滑らかなアールで周辺と繋げることが出来る。

第 章 グランドツーリングカー300

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ドア前端の見切り線

フェンダーはこの見切り線

より後方に位置できない。

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第 図

    )当初のリアフェンダーがリアピラーと一体構造の場合、フェンダーはリアウィンドウの最下端を通過する水平面より下側とする。

 3.3.12 )タイヤハウス

 3.3.12.1 )前/後コンプリートホイールを収納するため、基本車両の構造にかかわらず、ホイールアーチの内側に面構成による独立したタイヤハウスが存在していなければならず、材質は自由。

    )タイヤハウスは、コンプリートホイールが直進状態の出走状態で、以下の範囲に設置されなければならない。

   ( )フラットボトム底面と平行で、車輪中心を通る平面より上:     車輪軸中心から半径410mmの範囲内。車両の左右方向の位置は自由。   ( )フラットボトム底面と平行で、車輪中心を通る平面より下:     左右車輪軸中心を通りフラットボトム底面に垂直な平面に平行で車両の前

後方向に各々410mm間の平面の範囲内。車両左右方向の位置は自由。   ( )タイヤハウスの形状     ①タイヤハウスの形状は自由。     ②フラットボトム前端より後方で、フラットボトム後端より前方のタイヤ

ハウスの範囲において、フラットボトム底面から mm未満の高さにあるタイヤハウスと車体構造(第 編第 章第 条1.10 )車体)は、下面視でフラットボトムに覆われていなければならない。

第 章 グランドツーリングカー300

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タイヤハウス構築による突出部

滑らかなアール滑らかなアール

基本車両のフェンダー見切り線基本車両のフェンダー見切り線

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フロントタイヤハウスの例

リアタイヤハウスの例

第 図

   ( )タイヤハウスの車両後方部に、3.3.3.2 )「フェンダーの開口」で設置されたブレーキ冷却後の空気を排出させるための排気口につながる開口形状を形成してもよい。

   ( )懸架装置、操舵装置およびブレーキ冷却のためのダクトを貫通させるための開口、排気管放熱用の開口を設けることが許される。

    )基本車両のタイヤハウスが )に規定される寸法を超えて構築されている場合は、基本車両の寸法以内でなければならない。

第 章 グランドツーリングカー300

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リアタイヤハウス

F

410mm MAX410mm MAX

410mm MAX410mm MAX

フラットボトム

リアタイヤハウス

F 410mm MAX410mm MAX

角度は自由

410mm MAX410mm MAX

50mm Min50mm Min

フラットボトム

リアタイヤハウス

F

50mm Min

410mm MAX410mm MAX

フラットボトム

リアタイヤハウス

半径25mm

50mm Min

F 410mm MAX410mm MAX

フラットボトム

半径25mm

F410mm MAX410mm MAX

50mm Min

フラットボトム

410mm MAX

F410mm MAX410mm MAX

フラットボトム

410mm MAX

50mm Min

角度は自由

F

フラットボトム

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    )タイヤハウスの前端あるいは後端が隔壁と干渉する場合、前部隔壁にステアリングを直進状態にして前車輪軸中心から半径460mm、後部隔壁に後車輪軸中心から半径410mmの範囲内に限り改造を行うことができる。

    ) )により規定される範囲内に存在するサイドシルは削除することが認められる。

 3.3.13 )サイドスカート

    サイドスカートは、次の条件を満たすことにより設置が許され、その材質は自由。

    )出走状態の車両の車輪軸中心を通る水平面より下であること。    )拡幅された車両の最大幅までの範囲内に取り付けること。    )前/後縁および側縁は半径 mm以上のR形状を有していること。    )サイドスカートの外側面は、基本車両の外側面より内側に入り込まないこ

と。    )フラットボトムと隙間無く、前後フェンダーとも接合されなければならな

い。 3.3.14 )エンジンベイ

 3.3.14.1 )ラジエターサポートとそのサポートメンバーは取り外してもよい。 3.3.14.2 )ボンネット(エンジンフードを含む)、リアハッチゲート、トランクリッ

    3.3.12 )「タイヤハウス」によって設置されたタイヤハウスとの干渉が生じる部分は設置されたタイヤハウス上端に接する曲面形状で突出させることが許される。突出部は滑らかなアールで周辺およびフェンダーとつながる形状とすることが許される。

 3.3.15 )荷物室

    荷物室の床部分を除去することができるが、タイヤハウス部および本節で認められた開口部を除いて床下の後部空力装置を装着した状態で地面が見えてはならない。

第 章 グランドツーリングカー300

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第 図

    )床下の後部空力部品設置の上側の空間にはヒートエクスチェンジャーを通過した空気のみ流れることが許される。車体最下面(荷物室床面)の上側(の空間)を空気が流れる構造で、当該開口部が荷物室内等に設置されたラジエターを通過する空気の排出を目的とする場合は、開口部面積はラジエターコア面積以下でなければならない。

    )床部分を除去した場合:    ①衝突に対する影響を最小限に抑える目的により、衝撃吸収構造を設置する

ことが認められる。    ②車体強度の保持のためにクロスメンバーを自由に追加してもよい。 3.3.16 )オープンカーのハードトップ

    オープンカーのハードトップは次の条件に従うことにより取り付けることが許される。

    )形状:ソフトトップ、もしくはオプションにハードトップが設定されている場合は、形状がそれに近似していなければならない。

    )材質:堅固で防火性に富んだ材質であり、以下の何れかで構成されていなければならない。

     ただし、取り付け部(フランジ部を含む)を除く。    ①基本車両のモノコックを形成する素材と同一素材、同一以上の厚さを持つ

材料。    ②10mm以上の厚さのハニカム構造を持つカーボンファイバー材。

第 章 グランドツーリングカー300

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AD

C

B

MAX 150mm

フラットボトム

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    ③3.5mm以上の厚さを持つカーボンファイバーコンポジット。    )最高点:当該車両カタログに記載されている 面図の最高点を当該車両の

最高点とする。    )固定方法:車体への固定は自由。ただし、公認ロールケージへの固定は一

切の加工を伴ってはならない。 3.3.17 )車室の内部

    ダッシュボードの取り外し及び新たに設置することが認められる。但し、衝撃を受けて車室内構成部品が飛散したり、ドライバーが衝突したりしないよう配慮されていなければならない。

    補機類(電装品)の冷却およびドライバーの冷却のため、車室内に難燃性材質のフレキシブルエアダクトを設置すること、また、これを3.3.19 )「補助的付加物」に規定されたエアスクープに接続することが許されるが、ドライバーの視界および緊急時の救出を妨げてはならない。

    オイルタンクは車室内に設置されてはならない。 3.3.18 )補 強

    車体(隔壁を含む)の補強は、運転席、助手席のための空間を含めた区域を侵害しなければ自由に行うことができる。ただし、モノコックおよびロールケージに対する加工・変更は、JAFが認めた場合に限り許される。

 3.3.19 )補助的付加物

    霜取り装置、車室の換気装置は当初の換気口が残され、外観形状を大幅に変更しない範囲(最大突出量20mm)であれば自由。

 3.4 )空力装置

 3.4.1 )前部空力装置

  ①JAFによって認められたフロントアンダーパネルの使用が義務付けられる。  ②JAFによって認められたアンダーパネルを使用した上で、下記範囲内で改造

することができる。  ③出走状態でフロントバンパー内側に入るエリアで、フロントバンパーとの接合

および/もしくは、フロントアンダーパネルの固定を補強する為に必要な部材を追加することができる。但し、JAFによって認められたアンダーパネルに対しては接着(および接着に際してのサンディング)のみ認められ、一切の機械的加工は認められない。

第 章 グランドツーリングカー300

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第 図

  ④接着される部材の材質は自由。  ⑤フラップ(カナード)は、以下の範囲内に取り付けることができる。(第 図)   (ⅰ)車両のフラットボトム底面の mm上方を通る平行面より下。   (ⅱ)前部コンプリートホイールより前で、P 、P 点の外側。   (ⅲ)左右前車輪軸中心を結ぶ線から最大950mmまでの前方の平行線上で、

前後方向中心から左右460mmの点で30゚ の角度を持って交差し、競技車両の前後方向中心と平行に引かれる最外側線の交わる線の内側。

   (ⅳ)車体外縁から120mm以内。   (ⅴ)車両の最外側に位置しない場合、形状は自由

第 章 グランドツーリングカー300

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F

MAX 950mm

30°

前車輪軸中心線

フラットボトム前端

競技車両全幅460mm460mm

MAX130mm

前部空力装置前、後端高さ制限

MAX130mm

フラットボトム

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第 図

 3.4.2 )後部空力装置

    後部空力装置は、次の条件に従うことにより、リアエアスポイラーもしくはリアウイングの何れかを取り付けることができる。

    )数は 構成であること。    )翼の枚数は 枚であり、翼断面の何れの部分も400mm×150mmの長方形

に収まること(ガーニーフラップを含むが支持体と翼端板は除く)。    )高さは、オプション部品を除いた天井の最高点(フラットボトム底面から

1,100mm)を限度とする。    )幅は最大1,900mm(支持体と翼端板を含む)。     車両の後端の左右後車輪軸中心を結ぶ線に平行な線上で、前後方向中心か

ら左右665mmの各点で30°の角度を持って交差し、基本車両の前後方向中心と平行に引かれる最外側線の交わる線の内側の範囲(第16図に示される)を車体輪郭の外縁と見なし、その輪郭から突出しないこと。

第 章 グランドツーリングカー300

-158-

フラットボトム

MAX950mm

カナード

断面

30°

P2点(反対側はP1点)P2点(反対側はP1点)

MAX

250mm

460mm

基本車両全幅の75%

前車輪軸中心線

競技車両全幅

車両前後方向中心線

MAX120mmMAX120mm

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第 図

    )車両を横から見て車体輪郭およびリアフェンダーの見切り線より上部もしくはトランクリッド(エンジンフード)面上に位置すること。(リアフェンダー上に空力装置を設置することは許されない。)

    )後車輪軸の中心線を通過するフラットボトム底面に垂直な面より後方に位置すること。

    )翼端板を含み、前縁および側縁は半径 mm以上のR形状を有していること。

    )形状および材質は自由。トランクリッドに取り付ける場合、支持体の取り付け剛性を確保するためにトランクリッド内側に補強を施してもよい。

    )構造体を取り外すことなくトランクリッド、リアハッチゲートが開閉できること。

 3.4.3 )後部床下の空力装置

  ①JAFによって認められたリアディフューザーの使用が義務付けられる。  ②JAFによって認められたリアディフューザーを使用した上で、下記範囲内で

改造することができる。  ③傾斜プレートより上面であることを条件に、車体部品を取り付けることが認め

られるが、JAFによって認められたリアディフューザーに対しては接着(および接着に際してのサンディング)のみ認められ、一切の機械的加工は認められない。

第 章 グランドツーリングカー300

-159-

リアウィング

後車輪軸中心線

MAX1,900mmMAX

1,900mm

665mm665mm

30°

車両後端

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  ④垂直整流板は次の条件下で設置することが認められ、材質は自由。   ( )車両の前後方向の中心線と平行であること。   ( )いかなる空力的効果も有さないこと。   ( )最大 枚。   ( )取付位置はJAFによって認められたリアディフューザーにあらかじめ

設けられている穴のみ認められる。

第 図

第 章 グランドツーリングカー300

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トランク/またはハッチゲートを開け

た際に、地面が見えてはならない。

傾斜プレート後方へ延長される

整流版取り付けのためのブラケット

車体構造の下面

車体構造の下面

車体構造の下面

傾斜プレート

傾斜プレート

傾斜プレート

空間

150mm 直径50mmの円

垂直整流板

垂直整流板

垂直整流板

傾斜プレートの後方へ延長される整流板

傾斜プレートの後方へ延長される整流板

傾斜プレートの後方へ延長される整流板

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  ⑤傾斜パネルに、次に従い開口部を設けることが許される。   ( )エアジャッキ用の開口部   ( )排気管の放熱用の開口部     -排気管の直径に相当する幅まで     -排気管の形状に沿っていること     -最大直径50mm以下     -数は自由   ( )センサー用開口部      最大20mm×50mmを 個迄設置することができる。   ( )ブリーザーホース用開口部第 条 重 量

 4.1 )最低重量

    本節別表 に従った最低重量を保持しなければならない。JAFは性能の均等化を図るため、年度途中でも事前予告をもって最低重量を変更することがある。

 4.2 )バラスト

     個あるいは数個のバラストによって最低重量を満たすことが許される。搭載位置および取り付け方法は自由であるが、バラストおよび車体側の取り付け部共に十分な強度がなければならない。

第 条 エンジン

 5.1 )エンジンの型式

    JAFによって認められたエンジンのみ使用することができる。 5.2 )エンジンの位置

    エンジンの搭載位置は基本車両から変更は認められない。当初のエンジンルーム内においてエンジンの取り付け方位、方向、位置は自由である。

 5.3 )エンジンの改造

    JAFによって認められたエンジンについては供給状態から変更することはできない。

 5.4 )潤滑系統

    オイルクーラーは上方から見て、車両の輪郭から突出するものであってはならない。車体の外側に取り付ける場合、出走状態の車両の車輪軸中心を通る水

第 章 グランドツーリングカー300

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平面より下に位置しなければならない。 5.5 )吸気系統

    JAFによって認められたエンジンに当初から取り付けられているもの以外は自由。

 5.5.1 )エアリストリクター

    金属性であり円形断面を有する、 つまたは つの長さが最小 mmの平行孔を有するエアリストリクターを取り付けなければならない。エンジンに吸入される空気は、すべてこのエアリストリクターを通過しなければならず、エアリストリクターの上流で吸入空気の全量を強制的に遮断した場合、直ちにエンジンが停止しなければならない。

 5.5.2 )エアリストリクター径

    本節別表 に規定されたエアリストリクター径を競技会期間中いかなる時でも遵守しなければならない。

    JAFは性能の均等化を図るため、年度途中でも事前予告をもってエアリストリクター径を変更することがある。

 5.5.3 )エアボックス

    エアボックスの設置が義務付けられ、エアリストリクターがエアボックスの吸入口に取り付けられていなければならない。

    エアボックスは、    )1,000mm×500mm×500mmを超えてはならない。    )エアボックス前方の吸気ダクト類は車体外観を変更しない限り自由。また、

エアボックスの内部構造、材質も自由。    )エアボックスおよびエアボックス前方の吸気ダクト類は、エンジンが稼動

中に吸入空気の全量を強制的に遮断した場合エンジンが停止し、破損、損傷しない強度を保持していなければならない。

 5.6 )冷却

    ウォーターラジエターは、機能が基本車両と同一であれば、自由。    ウォーターラジエター、オイルクーラーおよびエンジン各部の冷却は、空気

のみが認められ、空気以外のいかなる物質の噴射または噴霧による方法は禁止される。

    ヒートエクスチェンジャーの使用は認められる。

第 章 グランドツーリングカー300

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    エンジン補機類の冷却のためエンジンルーム内にフレキシブルエアダクトを設置することが認められる。

 5.7 )排気系統

    排気系統は自由。ただし、    )すべての排気ガスが通過する、少なくとも つの触媒装置が設置されなけ

ればならない。触媒装置はJAFに申請し承認されなければならず、当該触媒装置を使用して初めて参加する競技会の か月前までに申請しなければならない。

    )いかなる可変排気装置も禁止される。    側方排気車両の排気管の高さは次の通り:     )最低高:排気口の最低点は最低地上高を確保しなければならない。     )最大高:排気口の最高点はフラットボトム底面から300mm上方を通過す

る平行面より高くなってはならない。第 条 配管とポンプおよび燃料タンク

   6.1 )、6.2 )および6.3 )に従っていることを条件に自由。 6.1 )燃料タンク

    JAFによって認められた安全燃料タンクのみ使用が認められる。    安全燃料タンクと給油口の接合部は、多少の車体の変形を吸収して燃料漏れ

を発生させないフレキシブルジョイント構造でなければならない。 6.1.1 )燃料タンクの位置

    すべての安全燃料タンクは、JAFによって認められたモノコックの指定位置に位置しなければならない。

    漏出した燃料は滞留してはならず、また車室に浸入しないよう十分配慮されていなければならない。

 6.1.2 )燃料タンクとエンジンの間にあるすべての燃料配管は自動閉鎖・分離バルブを備えることが望ましい。このバルブは、燃料タンクから燃料配管取り付け具を引き抜いたり、燃料配管取り付け具を破損するのに必要な荷重の %以下の負荷で作動するものでなければならない。

 6.1.3 )燃料供給装置

    車室内、車体外部への設置を禁止されることを除き自由。 6.1.4 )タンク給油口が直接タンクに連結していない場合、タンクの頂点にはバルブ

第 章 グランドツーリングカー300

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が設置されていることが望ましい。バルブはタンク製造者によって供給され、事故のとき万一給油口が外れ落ちてしまった場合に密閉するものであること。

 6.1.5 )給油口の位置

    )最低高:給油口の中心はフラットボトム底面から595mm上方を通過する平行面より低くなってはならない。

    )給油口中心と排気口端部との距離は上面視で1,000mm以上離れていなければならない。

第 図

 6.2 )燃料タンクの容量

    車両に搭載できる燃料の総容量は Lとする。    JAFは事前予告をもって、燃料タンクの総容量を減じることがある。 6.3 )燃料コレクタータンクの数

    コレクタータンクの数は つに限定される。 6.4 )燃料の冷却

    車載の燃料供給配管に、燃料の温度を下げるための冷却装置を設けることができるが、その冷却は外気の自然流による空冷式に限定される。

第 条 電装品

 7.1 )バッテリー

    密閉式のバッテリーを使用しなければならず、ショート防止のための絶縁が

第 章 グランドツーリングカー300

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排気口

1,000mm Min1,000mm Min

595mm Min595mm Min

1,000mm Min1,000mm Min

給油口

フラットボトム

給油口中心

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施されていなくてはならない。    バッテリーの搭載位置は、運転席を除き自由。    バッテリーの銘柄、容量は自由。 7.2 )照 明

    前照灯、ターンシグナルランプは運転席においてその点灯を確認できるインジケーターを設けなければならない。

 7.2.1 )前照灯

    )前照灯は当初の位置に基本車両の形状と機能を保持し、主光軸は前方向であり、前方の車両およびコース周辺のオフィシャルから点灯を認識できる、少なくとも基本車両と同等の照度を維持しなければならない。左右交互に点滅する前照灯は禁止される。

    )黄色またはアンバー色の前照灯カバーを備えなければならない。    )照度(あるいは光度)向上のための光源の変更は認められる。    )リトラクタブル構造の場合、リトラクター機能を削除し、透明な材料の使

用により前方を照射するよう改造することが許される。 7.2.2 )その他の灯火類

 7.2.2.1 )尾灯、制動灯

    当初の形状を維持し、当初と同等以上の照度を維持しなければならない。 7.2.2.2 )方向指示器

    前後の車両およびコース周辺のオフィシャルから点滅が認識できなければならない。

    サイドマーカーは取り外しを含め自由。 7.2.2.3 )レインライト

    車両後部には、競技会期間中を通し正常に作動する、以下に規定されるレインライトのいずれかを装備しなければならない。

    ①ECE R 公道規準に従い承認されている(あるいはその他の国の同等またはさらに厳しい規準に従い承認されている)レインライト

    ②FIAに承認された つのレインライト(テクニカルリストNo.19)    ③②と同等の輝度を持つ以下規定に従ったレインライト     -車両後方から見えるレンズ面の面積は最小30cm、最大140cm     -光度は150cd以上、300cd以下

第 章 グランドツーリングカー300

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     -発行色は赤色のみ    そのレインライトは、以下の条件を満たさなければならない。     -発光パターンは点灯のみ     -他の光源回路と独立した回路で確立されること     -車両の中心線に直角で、車両後方を向いていること     -後方からはっきりと見えるものであること     -車両中心線から10cm以内の位置に取り付けられること     -基準面から最低35cm上方にあること     -リアホイール中心線より基準面と平行に計測して、レンズの表面が

45cm以上後方にあること     -ドライバーが車両に正常に着座した時にスイッチを操作できること      上記の つの計測はレンズ面の中心で計測される。 7.2.2.4 )その他の灯火

    当初の灯火を取り外し、その結果生じた開口部にダクトを接続することが許される。

 7.2.3 )ワイパー

    フロントウィンドウワイパー構成を変更することができるが、少なくともつのワイパーが装備されていなければならず、競技期間中は常に運転席からの操作により有効に作動しなければならない。

第 条 駆動系

 8.1 )駆動方式

    基本車両の駆動方式に関わらず変更は許される。 8.2 )クラッチ

    2.1.2 )「制御機能の制限」の条件を満たしていればクラッチは自由。 8.3 )トランスミッションおよびコントロールレバー

    最大 速および後退ギアで構成されていなければならない。取り付け位置は自由。

    パドルシフトシステムの使用が認められる。 8.4 )最終減速機と差動装置

    2.1.2 )「制御機能の制限」の条件を満たしていれば自由。    ビスカスクラッチは、車両が走行中に制御することができなければ使用が許

第 章 グランドツーリングカー300

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される。 8.5 )プロペラシャフトとドライブシャフト

    自由。 8.6 )冷却

    駆動系統の冷却は、空気のみが認められ、空気以外のいかなる物質の噴射または噴霧による方法は禁止される。

    オイルクーラーの取り付けは車外に露出しないことを条件に自由。第 条 サスペンションおよびステアリング

 9.1 )サスペンションの形式と取り付け

    基本車両のサスペンション形式からの変更および改造は自由。    ただし、サスペンションの車体側の取り付け点を移動した場合でも、エンジ

ンを取り外したときにサスペンションが正常に作動しなければならない。 9.2 )スタビライザー

    取り付けブラケットを含み自由。    走行中にドライバーによって機械的方法で調整することのみが許され、他の

いかなる方法によっても走行中に調整可能であってはならない。 9.3 )アクスル

    スピンドルを含み自由。センターロック方式への変更は許される。 9.4 )スプリング

    2.1.2 )「制御機能の制限」の条件を満たしていれば補助スプリングの追加を含めて自由。

 9.5 )ショックアブソーバー

    2.1.2 )「制御機能の制限」の条件を満たしていれば自由。 9.6 )サスペンションアーム

    すべてのサスペンションアームは金属製でなければならない。 9.7 )クロームメッキ

    スチール製のサスペンションアームにクロームメッキを施すことは禁止される。

 9.8 )ステアリング

    ステアリングホイールと操向装置(ステアリングギアボックス、リンク)と操向車輪とは、唯一機械的に連結されていなければならない。

第 章 グランドツーリングカー300

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    また、パワーステアリングは、プログラム可能な制御を備えていない単一のシステムである場合に限り使用することができる。

    ステアリングホイールの形状は自由。クイックリリースシステムを備えていなければならず、その方式はステアリングコラム上に配置された同心円状のフランジを引く方法によるものでなければならない。

    衝撃吸収装置付きステアリングコラムの設置を推奨する。第 条 ブレーキ

 10.1 )ブレーキシステム

    2.1.2 )「制御機能の制限」の条件を満たしていれば自由。    ただし、マスターシリンダーからキャリパーの間の配管経路に、液圧センサ

ー、ブレーキランプスイッチ、プロポーショニングバルブ、JAFによって認められたABS油圧ユニット以外のセンサー、デバイス類が存在しないこと。

    駐車ブレーキの設置は任意とする。ただし、駐車ブレーキを装備する場合、第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第 条2.2 )「駐車ブレーキ」の規定に従わなければならない。

 10.2 )ブレーキキャリパー

    各ホイールには最大 ピストンまでのシングルキャリパーが許されるが、キャリパーの各ピストンの断面は円形でなければならない。

 10.3 )ブレーキの冷却

    空気による冷却以外、いかなる物質の噴射、噴霧による方法も禁止される。ただし、ブレーキキャリパーは液体を循環させる方式で冷却してもよい。

    3.3.3.4 )及び3.3.10.1.1 )に準じ、バンパーより上の車体に変更を生じることがなく、ホイールベース間の車体下部に空力的効果をもたらす形状でない限り、冷却用にダクトを装着することができる。

     つのブレーキに設置されるエアダクトの数と寸法は自由。    ダクトの材質は自由。 10.4 )ブレーキディスク

    各輪に鉄製の最大 つのブレーキディスクが許される。第 条 ホイールおよびタイヤ

 11.1 )寸法

 11.1.1 )コンプリートホイール最大径、最大幅

第 章 グランドツーリングカー300

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    最大径:28インチ    最大幅:14インチ    なお、コンプリートホイール最大幅が インチを超える場合は以下を条件と

する。      )材質はアルミニウムに限定する。      )最低重量は10kg/本とする。       ただし、エアバルブを含み、バランスウェイトは除く。 11.2 )ホイールの材質

    材質はアルミニウムに限定され、 本の最低重量は10kgとする。ただし、エアバルブを含み、バランスウエイトは除くものとする。

    ホイールの付属品は、コンプリートホイール最大幅を超えることなくボルト等で固定される場合に限り認められる。

 11.3 )ホイールの固定

    自由。ただし、固定がセンターナット つによって行われる場合、赤または蛍光オレンジ色の安全スプリング、あるいは同等の機能をもった他のシステムが車両の走行中に取り付けられていなければならず、ホイール交換後も同様に設置されていなければならない。

 11.4 )エアジャッキ

    圧搾気体の容器を除き、エアジャッキの搭載は自由。第 条 安全装備、装置

    安全に関するすべての項目は第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”に次の事項を加えて適用する。

 12.1 )安全ベルト

    安全ベルトのストラップは 本の肩部ストラップと 本の腰部ストラップおよび 本以上の脚部ストラップの着用が義務付けられる。

    安全ベルトはFIA基準8853/98に従い公認されたものを使用しなければならない。

    安全ベルトはそれぞれのストラップが単独で車体に取り付けられていなければならない。左右の腰ベルトを同一公認番号の腰ベルトに限りそれぞれ 本まで用意することができ、片側 本の腰ベルトを 箇所の車体側取り付け点に取り付けてもよい。

第 章 グランドツーリングカー300

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 12.2 )後方視界用ミラー

    第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第 条「火災に対する防護」によりパーテーションウィンドウを隔壁化した場合、および6.1.1 )により防火壁を床から天井まで設置した場合、第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第 条「後方視界」に関わらず、室内ミラーを除去すること、同等の機能を持つ他の機構へ変更することは認められる。ただし、後方視界を確保できなければならず、また、車体外部両側面に基本車両に設置されているもの、または100cm以上の面積の室外ミラーを設置しなければならない。

 12.3 )座席、ヘッドレスト

    ドライバー頭部周辺にエネルギーを吸収する不燃材を詰めた補強部分を持つFIA公認競技用シート(基準8855-1999または8862-2009)を使用しなければならない。

    車両の前後方向の中心線を超えない限り、運転席位置を中央部へ移動することが認められる。

    ヘッドレストはヘルメットをつけたドライバーの頭部が保持され、加速時に後方へ動くようなものではなく、ロールオーバーバーとヘッドレストの間に挟まらないようになっていなければならない。ヘッドレストの両側面の間隔は400mm以下で、最低20mmのエネルギー吸収材が両側面に取り付けられていることが推奨される。

 12.4 )座席とロールケージおよび側面防護構造の関係

    シート中心での座面最低点を含み、車両中心線およびフラットボトム面に垂直な平面内において、下記寸法を確保すること。(第21図参照)ただし、シートスライドを有する場合、スライド位置は任意とする。

    )シート座面中心とサイドロールバー間の距離は950mm以上確保すること。    )シート座面中心と側面防護構造との水平方向距離は250mm以上、垂直方向

の高さ差は430mm以下とする。

第 章 グランドツーリングカー300

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第 図

 12.5 )ドライバーヘルメットとロールケージの関係

    ドライバーが正常に着座して真っすぐ前を向いた状態で、車両を側面から見た場合、第 図に示す範囲にロールケージが存在してはならない。

第 図

 12.6 )ドアと運転席間の構成物

    ドアと運転席間にはロールケージのサイドバーを除き機械構成部分が設置されていてはならない。衝撃吸収装置、ニーパッド、給水用ボトルは機械構成部品とみなさない。

 12.7 )前(後)面防護構造

    JAFによって認められた衝撃吸収装置を設置しなければならない。

第 章 グランドツーリングカー300

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A

A

430max

シート中心での座面最低点

シート中心での座面最低点

フラットボトム車両側面視

側面防護構造存在範囲

250min

SECTION A-A

サイドロールバー断面

950min

フラットボトム車両側面視

450

300

正常に着座して真っすぐ前を向いたドライバーのヘルメット後端を通り、フラットボトムに垂直な線

正常に着座して真っすぐ前を向いたドライバーのヘルメット上端を通り、フラットボトムに平行な線

この網掛け部分に、ロールケージが存在してはならない。

R150

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    )構造体を取り付ける部位     前部フレーム構造より前方とする。後部については義務付けない(任意)。    )要求性能     車重1,500kg、車速12m/sでフルラップ前面衝突したときの車体の平均減

速度は25Gを下回らなければならず、 ms以上の間最大減速度60Gを超えることがあってはならない。

    )動的衝撃試験     台車に衝撃吸収構造体単体を取り付け、動的試験を実施し、試験実施施設

の責任者の署名のある証明書の発行を受けなければならず、JAFへ当該証明書の写しを提出しなければならない。

    )運転席側ドアとロールケージの間に衝撃吸収装置を設置することは認められる。

 12.8 )ドライバーの脱出時間

    正常に着座したドライバーが緊急時に車室から脱出するときに、運転者側ドアより 秒以内に、助手席側ドアより 秒以内に脱出できる構造でなければならない。

 12.9 )消火装置

    第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第 条5.2 )「自動消火装置」に定められた自動消火装置の装着が義務付けられる。

第 条 その他の要素

 13.1 )各種ガード、サポート類

    ラジエターガード、タンクガードおよびサンプガードの設置は認められる。ただし、3.4.6 )「前部隔壁の前方、後部隔壁の後方の車体構造」を満足すること。

    材質は、マグネシウムを除き、自由。 13.2 )ハンディウェイト取り付け装置

    ハンディウェイトを固定できる堅牢なウェイト固定装置を競技会の技術委員が容易に確認できる位置に装備しなければならない。

第 章 グランドツーリングカー300

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別表

第 条2.1.2 )「制御機能の制限」による禁止項目の具体的事例

別表  最低重量とエアリストリクター

第 章 グランドツーリングカー300

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禁止されるシステム等オートマチックギアボックス動力作動式クラッチ電動または自動調整のファイナルドライブディファレンシャルシステム(例えば、電子制御および/または外部ポンプ等を持つ気圧式あるいは油圧式のスリップコントロールを備えたディファレンシャル等)電動または自動調整のショックアブソーバー、サスペンションあるいは車高調整四輪操舵可動バラストエンジン以外のクローズドループ電子制御システム走行中に運転席からショックアブソーバー、サスペンションスプリングの調整を行う装置テレメトリーシステムアクティブサスペンション

最低重量区分(kg)数 1,2001,1501,10041.0640.2539.45129.3028.7228.152

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第 章 グランドツーリングカー (JAF-GT500)

第 1 条 車 両

  1.1 )定 義

    グランドツーリングカー 。

    最少 座席を有し、車両の片側面にそれぞれ 枚の乗降用ドアを有する自動

車。

  1.2 )基本車両としての資格

    自動車製造者によって生産され、公道走行に適合し以下のいずれかの条件を

満たすこと。

    ① FIAグループN/A/GT /GT 、JAF量産ツーリングカーま

たは特殊ツーリングカーとして公認された車両。

    ② JAF登録車両として登録された車両。

    ③ JAFによって認められた車両。

    ④ DMSBによってDTM基本車両として認められた車両。

  1.3 )オプション部品

    FIAおよび/またはJAF車両公認書、またはJAF登録車両JAF-G

T主要諸元登録書に記載されているオプション部品の使用が許される。

    DMSBによってDTM基本車両と認められた車両については、DMSBにより認められたオプション部品の使用が認められる。

第 2 条 規 則

  2.1 )改 造

    本章によって許されていないすべての改造は禁止される。

    本章の規定にかかわらず、第 章“レース車両の排気音量規制”、第 章“公

認車両および登録車両に関する一般規定”、および第 章“公認車両および登録

車両に関する安全規定”を守らなければならない。

    ただし、上記規定と同義の条項が本章にも規定されている場合は本章に従う

こと。

  2.1.1 )材質の制限

  2.1.1.1 )合成樹脂(カーボン/アラミド繊維を含む)

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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    本章で許されている場合、または基本車両に標準で使用されている場合のみ、

当該部分に使用が許される。

  2.1.1.2 )チタニウム、セラミック、ベリリウム

    本章の規定にかかわらず、以下を遵守しなければならない。

    ブレーキキャリパーのピストン、ハブベアリング、ヒートシールド、フロン

トディフューザー、フラットボトムの擦り板、および本章第 条「エンジン」

5.1.16 )「材料の規制」により明確に使用が許されている部位、または基本車

両に使用されている当該部分にのみ使用が許される。

  2.1.1.3 )アルミ合金

    本章の規定にかかわらず、以下を遵守しなければならない。

    縦弾性係数が80Gpaを超えるアルミ合金の使用は、ブレーキキャリパーを除

き一切禁止される。

  2.1.1.4 )その他の材質

    本章の規定にかかわらず、以下を遵守しなければならない。

    比重12.0を超える材質の使用は禁止される。

  2.1.2 )制御機能の制限

    )基本車両に設置されている制御機能であっても、オートマチックまたは電

子式のシャシーコントロールシステムあるいは機能はいずれも禁止される。

これには本章別表 に列記したシステムが含まれる。

     ただし、ドライバーが作動させ、システムに作用する単純なオープンルー

プ電動スイッチは電子式の制御とは見なされない。

    )制限される制御機能使用の疑義を防止するため、駆動輪と駆動系に車速セ

ンサーを取り付けることは禁止される。ただし、車両に最大 つのセンサー

を非駆動輪に対してのみ取り付けることを認める。

     制限される制御機能の使用検証のために、オーガナイザーはJAFの承認

の下に、特定車両を指定して複数のセンサーの取り付けを指示することがで

きる。

    )ピットレーン指定速度を遵守するためのリミッターの使用(付加)は認め

られる。

  2.2 )規則への適合

    競技会期間中いかなるときでも、車両がそのすべてにわたってこれら規定を

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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遵守していることを、競技会の技術委員および審査委員の求めに応じて説明お

よび検証作業に応じることは、各参加者の義務である。

  2.3 )計 測

    競技会期間中のすべての計測は、技術委員長の指定する場所において、オー

ガナイザーによって用意された機材、器具によって行われる。

    これらの場所、機材、器具、および計測方法に対する抗議は認められない。

第 3 条 車体および外部寸法

    本章により改造を許されている場合を除き、公認書、登録車両に関する資料

に記載された基本車両の諸元寸法、寸法公差、および取り付けのためのボルト

類を除いた外面形状を維持していなければならない。

  3.1 )寸 法

  3.1.1 )デザインライン(3.3.1)より上部

    )全長は4,650mmとする。

    )フロントオーバーハングは875mmとする。

    )前車輪軸中心より後方の長さは3,775mmとする。

     これら寸法(リアウィングおよびリアウィング・サポートは含まない)は

3.3.2)によりJAFに申請し承認された形状から+/-6mmの公差が許される。

  3.1.2)デザインライン(3.3.1)より下部

    )全長は4,725mmを超えてはならない。

    )フロントオーバーハングは925mmを超えてはならない。

    )前車輪軸中心より後方の長さは3,800mmを超えてはならない。

    (リアウィングおよびリアウィング・サポート、フロントスプリッターおよ

びリアディフィーザーは含まない)

  3.1.3)フロントスプリッターを含む車両の全長は最大で4,775mmとする。

  (リアウィングおよびリアウィング・サポートは含まない)

  3.1.4 )最大高さ

    フラットボトム底面からルーフの最高点(ルーフ基準面とし、局部的突起形

状やルーフレール、アンテナ等の付加部品は除く)までの寸法は、フラットボ

トム底面に垂直に計測して1,150mm未満であってはならない。また、本規定に

適合するために、サイドシル、床の削除が許され、サイドシルの下側方向への

嵩上げおよび床位置を移動することも認められる。

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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  3.1.5 )最低地上高

   3.3.9.2)「スキッドブロック」に従うこと。

  3.1.6 )ホイールベース

     ホイールベースは2,750mm+/-10mmでなければならない。

  3.2 )ウィンドウ

  3.2.1 )フロントウィンドウ

    フロントウインドシールドは第 章“公認車両および登録車両に関する安全

規定”第 条に適合しなければならない。ただし、

    )車両前面視におけるボンネット後端外縁より下側を削除することができる。

    )ウインドシールド表面の保護のための無色、透明なフィルムの貼付が許さ

れる。

    )ウインドシールドを厚さ5.8mm以上のポリカーボネイトに変更することが

できる。

    )外面形状を大幅に変更しない範囲でかつ十分な強度を有していれば、取り

付け方法は自由。

  3.2.2 )その他のウィンドウ

    )取り付け位置、形状に変更がなければ車室内を透視することができるポリ

カーボネイトに交換してもよい。

     ただし、板厚はサイドウィンドウで2.8mm以上、リアウィンドウで3.8mm

以上の厚さを有しなければならない。

     なお、リアクォーターウィンドウをポリカーボネイトへ交換した場合、ク

イックリフューエルバルブ装着用ブラケットにより車室内を透視できなくて

もよい。

    )ドアウィンドウガラス

     ドアウィンドウガラスが維持される場合、その機能を保持するために作動

方法、方式を変更することが許される。

    )ドアウィンドウガラスを除いたウィンドウガラスは、ウェザーストリップ、

モール等の補助的付加物を取り外し、車体本体に直接取り付けることができ

る。

    )パーテーションウィンドウを防火壁に置き換えることができる。

    )サイドウィンドウに色付きガラスまたはウィンドウフィルムを使用する場

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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合、 m離れた位置から車室内のドライバーを目視できなければならない。

  )リアウィンドウに以下条件で穴を開けることが許される。

   i)車室内の換気を目的とした穴

    リアウインドウ端部に沿って両側から80mm以内、上端部から200mm下方の範囲

で、穴の合計面積が10,000mm²以上、30,000mm²以下。穴の個数は自由。

   ii) エアコンシステムの放熱、冷却を目的とした穴

    幅1,200mm以下で面積40,000mm²以下の穴一箇所。この穴はエアコンシステ

ムを搭載する場合に限り認められる。

第 - 図

  3.3 )車 体

  3.3.1 )デザインライン

    以下の第 - 図、第 - a図および第 - b図に示される太線をデザ

インラインと定義する。

第 - 図:デザインライン - 側面図

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

-178-

80 80

200

z=0フラットボトム底面

275

975 x=0

車両進行方向

275

3800x=2750

400

(1900)

550 750 850 900

R500R400

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第 - a図:デザインライン - 後面図

第 - b図:デザインライン - 前面図

  3.3.2 )デザインラインより上のボディ外形

    空気の流れに晒され、ドアおよびウインドウが閉められた状態でデザインラ

インより上に位置する競技車両の全ての範囲はJAFに申請し承認された形状

を維持していなければならない。

  3.3.3 )デザインラインより下に位置する競技車両の全ての範囲は、本規則に従っ

て自由に設計することが許されるが、デザインラインより上方同様にJAFに

申請し承認された形状を維持しなければならない。

  3.3.4 )車体の材質変更

    車体の材質変更は認められる。

  3.3.5 )ドア

    )ドア外面形状は、フラットボトム底面から275mmまでの範囲を削除する

ことが出来るが、それ以外の部分は当初の形状を維持しなければならない。

     ドアの裏面形状を変更することが認められる。

    )ドアヒンジは、万一の事故の際にドライバーが速やかに脱出できるように

する目的のためにのみ、交換が許される。 )項により切除される範囲にド

アヒンジが含まれる場合は当該ドアヒンジの変更が認められる。

    )ドアミラーを移設した場合、当初のドアミラーベースの不透明な区域をド

アウィンドウと一体の透明部材として設計することができる。

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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975

580

206 275 400

フラットボトム底面

275

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  3.3.6 )車体の開口部

  3.3.6.1 )ボンネット(エンジンフードを含む)、リアハッチゲート、およびトラン

クリッドの開口

    )外面形状を大幅に変更しない範囲で放熱、冷却を目的とした開口部の設置、

閉鎖が許されるが、開口部を塞ぐ場合、塞がれた範囲は当初の形状を保持、

または外包絡面を形成しなければならない。

    )リアハッチゲートおよびトランクリッドに外面形状を大幅に変更しない範

囲で放熱、冷却を目的とした開口部の設置が許される。

  3.3.6.2 )フェンダーの開口

    )前後コンプリートホイール後端より後方のフェンダーにブレーキ冷却後の

空気を排出させるための排気口を設置することが許されるが、これら排気口

は側面および上面から内部が見える構造であってはならない。

    )後部フェンダーに10.3 )「ブレーキの冷却」で認められるダクトに接続す

る開口がフラットボトム底面から325mm上方の平面より下に許されるが、

側面および上面から見た場合に接続されるダクト以外の内部構造が見えては

ならない。

    )ホイールアーチ上面に以下の範囲で開口を設けてよいが、上面視でコンプ

リートホイールが見えてはならない。

     前車輪軸中心より200mm前方から150mm後方の間

     車両の前後方向の中心線から850mmから965mmの間

  3.3.6.3 )天井部分の開口

    )ドライバーの救出のためにヘルメットの上部に少なくとも420×420 mm

(公差 ± 5 mm)の四角形の開口部がなければならない。開口部の角部は最大

R80 mmで丸めることが許される。

    )その開口部はカバーによって閉鎖しなければならない。

     そのカバーは解除ファスナーで車体外部から操作できるようにしなければ

ならない。カバーにより生じる分離線は最大2 mmのクリアランスを有し、そ

の隙間は装飾用ストリップで埋めてはならない。

    )吊り上げ装置用開口部

     車両吊り上げ用ソケットに吊り上げ器具を挿入するための開口部がなけれ

ばならない。

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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     この開口部に容易に剥がせるステッカーを貼付することは認められる。

  3.3.6.4 )その他の開口

    補助的付加物等を取り外した結果生ずる車体後部(後面)の開口部は、ルー

バー、細密なワイヤーメッシュまたはパンチングメタル等で覆わなければなら

ない。

  3.3.7 )ボンネット(エンジンフードを含む)、リアハッチゲート、トランクリッ

ドのヒンジ

    ヒンジ類は第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第 条「フ

ァスナーの追加」に規定されるファスナーにより、少なくとも ヶ所が安全に

固定され、走行中に開かないようにすることを条件に取り外すことができる。

    エンジンおよび燃料タンクが設置されている箇所においては、これらのファ

スナーは工具を必要とすることなく取り外すことができなければならない。

    ファスナーは、赤(もしくは対照的に目立つ色)の矢印で明示されていなけ

ればならない。

  3.3.8 )車体(モノコック構造体)と隔壁

  3.3.8.1 )車体(モノコック構造体)

    JAFの指定するモノコック構造体のみの使用が認められる。

  3.3.8.2 )前部隔壁(カウルトップ部を含む)

    )当初の前部隔壁を削除し、車室を完全に隔離する新たな隔壁を設置するこ

とが出来る。

     ただし、カウルトップ部を削除した場合フロントウィンドウ下端部支持構

造は新たに構築しなければならない。

     カウルトップカバーは、材質・形状自由。ただし、車両前面視におけるボ

ンネット後端外縁より上に突出してはならない。

    )室内換気のため3.3.6.1 )の開口に接続する開口が車室の隔離機能を維持す

ることを条件に認められる。

     車室の換気口とボンネット(エンジンフードを含む)裏面に設置されたダ

クトを接合する場合、エンジンルームに火災が発生した場合に、車室に火炎

が侵入するのを防止できる構造でなければならない。

    )前部隔壁(バルクヘッド)、3.3.6.1 )の開口部の接続構造、または当初から

存在する開口部を塞ぐ素材の形状と材質

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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     形状:自由。

     材質:堅固で防火性に富んだ下記の材質により構成されていなければなら

ない。

  3.3.8.3 )後部隔壁

    後部隔壁(バルクヘッド)、3.3.6.1 ) )の開口部の接続構造、または当初か

ら存在する開口部を塞ぐ素材の形状と材質

    形状:自由。

    材質:堅固で防火性に富んだ材質により構成されていなければならない。

  3.3.9 )前部隔壁の前方、後部隔壁の後方の車体構造

    JAFに申請し承認されたパイプフレーム構造のみの使用が認められる。

  3.3.10 )フラットボトム、スキッドブロック

  3.3.10.1 )フラットボトム

    JAFの規定するフラットボトムの装着が義務付けられる。

  3.3.10.2 )スキッドブロック

    JAFの規定するスキッドブロックの装着が義務付けられる。

  3.3.11 )最大外形

    車両を真上から見た最大外形は下記の例外部位を除き第 - 図に示される

範囲を超えてはならない。

    例外部位

    )リアウィングおよびリアウィングサポートの部品

    )外部ミラー

    )フロントスプリッターの部品

    )フリックボックス(カナード)

    )リアディフューザー

    )フラットボトム底面から275mmより下のホイール

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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第 - 図

  3.3.11.1.1 )フロントバンパー

    )デザインラインより下の部分は最大外形の範囲内で改造が認められる。

    )バンパー内側の補強部材は自由。

  3.3.11.1.2 )リアバンパー

    )デザインラインより下の部分は最大外形の範囲内で改造が認められる。

    )バンパー内側の補強部材は自由。

  3.3.12 )フェンダー

     デザインラインより下方のフェンダーを車両全幅寸法で最大1,950mm-/+ mmまで拡幅させることができるが、フロントフェンダー前部およびリ

アフェンダー後部は、車両を真上から見たときに、3.3.11 )「最大外形」に

規定された範囲内に収まらなければならない。

     フロントフェンダーの後縁はドア前端に存在する見切り線を超えて延長さ

れてはならない。

第 - 図

  3.3.13 )タイヤハウス

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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ドア前端の見切り線

フェンダーはこの見切り線

より後方に位置できない。

925 3800

R5000

R2000

1950+6

R10003200

前車輪軸中心前車輪軸中心

R300

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  3.3.13.1 )前/後コンプリートホイールを収納するため、基本車両の構造にかかわ

らず、ホイールアーチの内側に面構成による独立したタイヤハウスが存在して

いなければならず、材質は自由。

    )タイヤハウスの形状

     タイヤハウスの形状は自由。

    )フロントフェンダーへのルーバーの設置が認められる。

  3.3.14 )オープンカーのハードトップ

    オープンカーのハードトップは次の条件に従うことにより取り付けることが

許される。

    )形状:ソフトトップ、もしくはオプションにハードトップが設定されてい

る場合は、形状がそれに近似していなければならない。

    )材質:堅固で防火性に富んだ材質でなければならない。

    )最高点:当該車両カタログに記載されている 面図の最高点を当該車両の

最高点とする。

    )固定方法:車体への固定は自由。ただし、ロールケージへの固定は一切の

加工を伴ってはならない。

  3.3.15 )車室の内部

    荷物室を除き、車室内には当初から設置されている以外の機械構造部分が存

在してはならない。

    ダッシュボード(インストルメントパネル)の変更および交換は許されるが

取り外しは許されない。

    補機類(電装品)の冷却およびドライバーの冷却のため、車室内に難燃性材

質のフレキシブルエアダクトを設置することが許されるが、ドライバーの視界

および緊急時の救出を妨げてはならない。    オイルタンクは車室内に設置されてはならない。

  3.3.16 )補 強

    車体(隔壁を含む)の補強は、運転席、助手席のための空間を含めた区域を

侵害しなければ自由。

  3.3.17 )補助的付加物

    車両の動きに何らの影響も及ぼさない補助的付加物の取り付け、もしくは取

り外しは、快適性を高める装備品、絶縁材、使用しない支持体、モール類等と

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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ともに、その配線も含み許される。

  3.4 )空力装置

    本章で許されていない場合、すべての空力装置は、車体に対して非可動であ

り堅固に取り付けられていなければならない。

  3.4.1 )前部空力装置(スプリッター)

    )JAFの規定するフロントスプリッターの装着が義務付けられる。

    )以下の範囲内(フリックボックス領域という)において追加部品の装着が認められる。

     側面視において、フロントディフューザーより上面で前車輪軸中心より

300mm以上前方、かつ、デザインラインより下方の範囲。また、平面視に

おいて、フロントディフューザー外形線より内側で、フロントスカート外形

線より外側、および、ボディ外形線より外側の範囲。

    )追加の部品を装着した車体外表面はJAFに申請し承認された形状を維持しなければならない。

  3.4.2 )後部空力装置

    後部空力装置は、次の条件に従うことにより、リアエアスポイラーおよびリ

アウイングを取り付けることができる。

  3.4.2.1 )リアスポイラー

    トランクリッド上面に車体前後方向中心線から左右それぞれ575mm、前車

輪軸中心から3,725mm、フラットボトム底面から800mmの範囲に設置するこ

とができる。

  3.4.2.2 )リアウイングおよびリアウイングステー

    )JAFの指定するリアウイングおよびリアウイングステーの装着が義務付けられる。

    )数は 構成であること。

    )翼の枚数は 枚であり、翼断面の何れの部分も長さ380mm×高さ200mm

の長方形に収まること(ガーニーフラップを含むが支持体と翼端板は除く)。

    )高さは、フラットボトム底面から1,160mmを限度とする。

    )幅は最大1,390mm(支持体と翼端板を含む)。

    )車両を横から見て車体輪郭およびリアフェンダーの見切り線より上部もし

くはトランクリッド(エンジンフード)面上に位置すること。(リアフェン

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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ダー上に空力装置を設置することは許されない。)

    )後車輪軸の中心線を通過するフラットボトム底面に垂直な面より後方に位

置すること。

    )翼端板を含み、前縁および側縁は半径 mm以上のR形状を有しているこ

と。

    )形状および材質は自由。トランクリッドに取り付ける場合、支持体の取り

付け剛性を確保するためにトランクリッド内側に補強を施してもよい。

    )構造体を取り外すことなくトランクリッド、リアハッチゲートが開閉でき

ること。

   11)翼端板の板厚は10mm以上であること。  3.4.3 )後部床下の空力装置

    JAFの規定するリアディフューザーの装着が義務付けられる。

第 4 条 重 量

  4.1 )最低重量

    最低重量は、1,020kgを保持しなければならない。

  4.2 )バラスト

     個あるいは数個のバラストによって最低重量を満たすことが許される。搭

載位置および取り付け方法は自由であるが、バラストおよび車体側の取り付け

部共に十分な強度がなければならない。

第 5 条 エンジン

  以下の条項を除き自由。

  5.1.1 )エンジンの型式および排気量

    認められるエンジンはJAFに申請し承認を受けた過給器付き筒内直接噴射

の直列 気筒で、排気量2,000ccを超えることの無いエンジンのみである。

    当該エンジンを使用して初めて参加する競技会の2ヶ月前までに申請しなけ

ればならない。

    申請は シーズンに 回に限られる。

  5.1.2 )エンジンの位置

    搭載されるエンジンは、基本車両の搭載位置に車両前後方向で配置されなけ

ればならない。

  5.1.3 )クランク軸は車両前後方向に配され、シリンダーは直立に配置されなけれ

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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ばならない。

  5.1.4 ) シリンダーにつき インジェクターとする。

  5.1.5 ) シリンダーにつき吸気 バルブ、排気 バルブとする。

  5.1.6 )バルブスプリングはコイル式とする。

  5.1.7)カムシャフトは最大 本とする。

  5.1.8 )可変バルブタイミング機構は禁止される。

  5.1.9 )可変圧縮比機構は禁止される。

  5.1.10 )デッキハイトは制限しない。

  5.1.11 )ボア径は88±2.0mmとする。

  5.1.12 )クランクシャフトのピン径およびメインジャーナル径は自由。

  5.1.13 )クランクシャフトベアリングは、プレーンベアリングとする。  5.1.14 )クランク中心からサンプ底面までの距離は最小100mmとする。

  5.1.15 )エンジン全長(エンジン前後のマウンティング面間)は500±0.5mmとする。

  5.1.16 )エンジン重量は最低85kgとする。ただし、下記部品は含まない。

    オルタネーター、スターター、フライホイールおよびスタッドボルト、オイ

ル、水、ECU、排気管およびそのガスケット(ヘッド-排気管間)、エアフィ

ルタ、クラッチ一式、遮熱板

  5.1.17 )材料の規制

    各部品の材料規制は以下の通りとする。

   a) アルミ合金または鉄合金に制限される部品

     シリンダーヘッドカバー、シリンダーヘッド、シリンダーブロック・サン

プ、フロントカバー、リアカバー、シリンダーライナ(スリーブ)

   b) チタン合金、鉄合金またはニッケル合金に制限される部品

     バルブ、バルブスプリングリテーナ、バルブコッタ、ターボセンターハウ

ジング

   c) 鉄合金に制限される部品

     カムシャフト、バルブスプリング、ピストンピン、クランクシャフト、コ

ンロッド、フライホイール

   d) アルミ合金に制限される部品

     ピストン

   e) コバルト、鉄またはニッケルをベースとした合金に制限される部品

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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     ボルト、ナット類

   f) セラミックを使用して良い部品

     点火プラグ、センサー類

   g) 金属間化合物、マグネシウム合金

     禁止(ターボコンプレッサーハウジングのみマグネシウム合金可)

   h) ダイヤモンドライクカーボンコーティング(DLC)の禁止

     ピストン、シリンダーライナ(スリーブ)

  5.1.18 )過給装置

    過給装置は、JAFに申請し承認された 仕様のみとする。

  5.2 )エンジンの改造

    以下の部位を開発制限領域とし、製造者により製作された状態を維持してい

なければならない。

    ①クランクケースAssy鋳造物   ⑦ボア中心間隔

     (サンプ、ブロック)      ⑧オイルポンプ

    ②鋳造シリンダーヘッド     ⑨ウォーターポンプ

    ③点火プラグ位置        ⑩スカベンジポンプ

    ④バルブ角           ⑪カムシャフト位置

    ⑤クランクシャフト       ⑫カム駆動用ギア

    ⑥バルブ中心線間間隔      ⑬ベアリング最小径

  5.2.1 ) 燃料系統

    )燃料ポンプ

     JAFに申請し承認された高圧燃料ポンプおよびポンプカムプロフィール

の使用が義務付けられる。

     車室内、車体外部への設置を禁止される。

    )燃料流量制限機構

     JAFに申請し承認された燃料流量制限機構を装着しなければならない。

    )燃圧

     高圧側200bar、低圧側8barを上限とする。

    )燃料インジェクター

     JAFに申請し承認された燃料インジェクターの使用が義務付けられる。

      個/シリンダーとする。

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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  5.2.2 )点火系統

    点火プラグは 気筒当り 本とする。

  5.2.3 )潤滑系統

    オイルクーラーは上方から見て、車両の輪郭から突出するものであってはな

らない。

  5.3 )吸気系統

    可変インレットポート、調整式吸気装置、可変吸気トランペットは許されな

い。

  5.3.1 )インタークーラー

    吸入空気冷却のためのインタークーラーは1個で、そのコア(フィンピッチ、

厚さ)はJAFに申請し承認された仕様とする。

    インタークーラー以外のエンジンに供給される空気の温度を下げる目的また

は効果を持ついかなる装置、システム、手続き、構造もしくは設計はすべて禁

止される。

  5.4 )冷却

 5.4.1 )ウォーターラジエターのコアは、JAFに申請し承認を受けた仕様とする。

    ウォーターラジエター、オイルクーラーおよびエンジン各部の冷却は、空気

のみが認められ、空気以外のいかなる物質の噴射または噴霧による方法は禁止

される。

  5.4.2 )ヒートエクスチェンジャーの使用は認められる。

  5.5 )排気系統

    排気系統は自由。ただし、

    ) すべての排気ガスが通過する、少なくとも つの触媒装置が設置されなけ

ればならない。触媒装置はJAFに申請し承認されなければならない。

    )いかなる可変排気装置も禁止される。

    )FAS(Fresh Air System)パス(アンチラグシステムの配管)は禁止され

る。

    )FR車両のエンジン排気は車両右側面の

      前車輪軸中心から1,350mm~1,600mm

      フラットボトム底面から150mm~400mm

     の制限範囲に排出されなければならない。

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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    )MR車両のエンジン排気は車両右後面の

      250mm~500mm

      フラットボトム底面から210mm~460mm

     の制限範囲に排出されなければならない。

  5.6 )エンジンコントロールコンピューター

    JAFの指定するエンジンコントロールコンピューターを使用しなければな

らない。

第 6 条 配管および燃料タンク

    6.1 )、6.2 )および6.3 )に従っていることを条件に自由。

  6.1 )燃料タンク

    JAFの指定する安全燃料タンクの装着が義務付けられる。

    安全燃料タンクと給油口の接合部は、多少の車体の変形を吸収して燃料漏れ

を発生させないフレキシブルジョイント構造でなければならない。

  6.1.1 )すべての安全燃料タンクは、JAFの指定するモノコック構造体の指定さ

れた位置に設置されなければならない。

    漏出した燃料は滞留してはならず、また車室に浸入しないよう十分配慮され

ていなければならない。

  6.1.2 )燃料タンクとエンジンの間にあるすべての燃料配管は自動閉鎖・分離バル

ブを備えることが望ましい。このバルブは、燃料タンクから燃料配管取り付け

具を引き抜いたり、燃料配管取り付け具を破損するのに必要な荷重の50%以下

の負荷で作動するものでなければならない。

  6.1.3 )タンク給油口が直接タンクに連結していない場合、タンクの頂点にはバル

ブが設置されていることが望ましい。バルブはタンク製造者によって供給され、

事故のとき万一給油口が外れ落ちてしまった場合に密閉するものであること。

  6.2 )燃料タンクの容量

    車両に搭載できる燃料の総容量は100ℓとする。

    事前予告をもって、燃料タンクの総容量を減じることがある。

  6.3 )燃料の冷却

    車載の燃料供給配管に、燃料の温度を下げるための冷却装置を設けることが

できるが、その冷却は外気の自然流による空冷式に限定される。

第 7 条 電装品

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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  7.1 )バッテリー

    JAFの指定する密閉式のバッテリーを使用しなければならず、ショート防止のための絶縁が施されていなくてはならない。

    バッテリーの搭載位置は、運転席を除き自由。

  7.2 )照 明

    前照灯、ターンシグナルランプは運転席においてその点灯を確認できるイン

ジケーターを設けなければならない。

  7.2.1 )前照灯

    前照灯は当初の位置に基本車両の形状と機能を保持し、主光軸は前方向であ

り、前方の車両およびコース周辺のオフィシャルから点灯を認識できる、少な

くとも基本車両と同等の照度を維持しなければならない。左右交互に点滅する

前照灯は禁止される。

    照度(あるいは光度)向上のための光源の変更は認められる。

    リトラクタブル構造の場合、リトラクター機能を削除し、透明な材料の使用

により前方を照射するよう改造することが許される。

  7.2.2 )その他の灯火類

  7.2.2.1 )尾灯、制動灯

    当初の形状を維持し、当初と同等以上の照度を維持しなければならない。

  7.2.2.2 )方向指示器

    前後の車両およびコース周辺のオフィシャルから点滅が認識できなければな

らない。

    サイドマーカーは取り外しを含め自由。

  7.2.2.3 )レインライト

    車両後部には、競技会期間中を通し正常に作動する、以下に規定されるレイ

ンライトのいずれかを装備しなければならない。

    ① ECE R38公道規準に従い承認されている(あるいはその他の国の同等また

はさらに厳しい規準に従い承認されている)レインライト

    ② FIAに承認された つのレインライト(テクニカルリストNo.19)

    ③ ②と同等の輝度を持つ以下規定に従ったレインライト

     -車両後方から見えるレンズ面の面積は最小30cm2、最大140cm2

     -光度は150cd以上、300cd以下

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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     -発光色は赤色のみ

    そのレインライトは、以下の条件を満たさなければならない。

     -発光パターンは点灯のみ

     -他の光源回路と独立した回路で確立されること

     -車両中心線に直角で、車両後方を向いていること

     -後方からはっきりと見えるものであること

     -車両中心線から cm以内の位置に取り付けられること

     -フラットボトム底面から最低35cm上方にあること

     -リアホイール中心線よりフラットボトム底面と平行に計測して、レンズ

の表面が45cm以上後方にあること

     -ドライバーが車両に正常に着座した時にスイッチを操作できること

     上記の つの計測はレンズ面の中心で計測される。

  7.2.2.4 )その他の灯火

    当初の灯火を取り外し、その結果生じた開口部にダクトを接続することが許

される。

  7.2.3 )ワイパー

    フロントウィンドウワイパー構成を変更することが出来るが、少なくとも

つのワイパーが装備されていなければならず競技期間中は常に運転席からの操

作により有効に作動しなければならない。

    ワイパーモーターはJAFが指定する部品を使用しなければならない。

第 8 条 駆動系

  8.1 )駆動方式

    基本車両の駆動方式に関わらず後輪による駆動のみが許される。

    「運動エネルギー回生システムに関する付則」に従いJAFに申請し承認を

受けた運動エネルギー回生システムの使用が認められる。

  8.2 )クラッチ

    JAFの指定するクラッチを使用しなければならない。

    なお、2.1.2 )「制御機能の制限」の条件を満たすこと。

  8.3 )トランスミッションおよびコントロールレバー

    JAFの指定するギアボックスを使用しなければならない。

    最大 速および後退ギアで構成されていなければならない。

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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    パドルシフトシステムの使用は認められる。

  8.4 )最終減速機と差動装置

    JAFの指定するギアボックスの最終減速装置と差動装置を使用しなければ

ならない。

    また、45/65のランプ角のみ使用してよい。ランプの差動方向は自由。

    なお、2.1.2 )「制御機能の制限」の条件を満たすこと。

  8.5 )プロペラシャフトとドライブシャフト

    JAFの指定するプロペラシャフトとドライブシャフトを使用しなければな

らない。

  8.6 )冷却

    駆動系統の冷却は、空気のみが認められ、空気以外のいかなる物質の噴射ま

たは噴霧による方法は禁止される。

    オイルクーラーの取り付けは自由。

第 9 条 サスペンションおよびステアリング

  9.1 )サスペンションの形式と取り付け

    基本車両のサスペンション形式からの変更および改造は自由。

  9.2 )スタビライザー

    2.1.2 )「制御機能の制限」の条件を満たしていれば取り付けブラケットを含

み自由。

    走行中にドライバーによってスタビライザーを調整することは禁止される。

  9.3 )アクスル

    スピンドルを含み自由。センターロック方式への変更は許される。

  9.4 )スプリング

    2.1.2 )「制御機能の制限」の条件を満たしていれば補助スプリングの追加を

含めて自由。

  9.5 )ショックアブソーバー

    JAFの指定するショックアブソーバーを使用しなければならない。

    2.1.2 )「制御機能の制限」の条件を満たすこと。

  9.6 )サスペンションアーム

    すべてのサスペンションアームは金属製でなければならない。

  9.7 )クロームメッキ

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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    スチール製のサスペンションアームにクロームメッキを施すことは禁止され

る。

  9.8 )ステアリング

    ステアリングホイールと操向装置(ステアリングギアボックス、リンク)と

操向車輪とは、唯一機械的に連結されていなければならない。

  9.8.1 )JAFの指定するパワーステアリングを使用しなければならない。パワー

ステアリングは、プログラム可能な制御を備えていない単一のシステムである

場合に限り使用することができる。また、パワーステアリングポンプはJAF

の指定するものでなければならない。

  9.8.2 )JAFの指定するクイックリリースシステムを備えていなければならない。

クイックリリースシステムはステアリングコラム上に配置された同心円状のフ

ランジを引く方法によるものでなければならない。

  9.8.3 )ステアリングホイールの形状は自由。

  9.8.4 )衝撃吸収装置付きステアリングコラムの設置を推奨する。

第10条 ブレーキ

  10.1 )ブレーキシステム

    JAFの指定するブレーキシステムを使用しなければならない。

    2.1.2 )「制御機能の制限」の条件を満たすこと。

    ただし、マスターシリンダーからキャリパーの間の配管経路に、液圧センサ

ー、ブレーキランプスイッチ、プロポーショニングバルブ以外のセンサー、デ

バイス類が存在しないこと。

    駐車ブレーキの設置は任意とする。ただし、駐車ブレーキを装備する場合、

第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第 条2.2 )「駐車ブレー

キ」の規定に従わなければならない。

  10.2 )ブレーキキャリパー

    JAFの指定するブレーキキャリパーを使用しなければならない。

  10.3 )ブレーキの冷却

    空気による冷却および水噴射による冷却以外、いかなる物質の噴射、噴霧に

よる方法も禁止される。

    空力的効果をもたらす形状でない限り、冷却用にエアダクトを装着すること

ができる。

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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    エアダクトは、3.2 )「ウィンドウ」、3.3.5 )「車体の開口部」、3.3.11 )「フ

ェンダー」、3.3.12 )「タイヤハウス」で許される開口部(天井部分の開口を

除く)と接続してもよいが、前部隔壁、後部隔壁を貫通してはならない。

     つのブレーキに設置されるエアダクトの数と寸法は自由。

    ダクトの材質は自由。

  10.4 )ブレーキディスク・ブレーキパッド

    各輪にJAFの指定するブレーキディスク・ブレーキバッドを使用しなけれ

ばならない。

第11条 ホイールおよびタイヤ

  11.1 )コンプリートホイールの最大寸法は以下のとおり。

    フロント:最大幅 336mm、最大外径 685mm

    リ  ア:最大幅 356mm、最大外径 712mm

  11.2 )ホイール

  11.2.1 )ホイールのサイズは、フロント:12J-18、リア:13J-18 とする。

  11.2.2 )ホイールの最低重量は以下のとおり。

     フロント: 9.5kg

     リ  ア:10.0kg

  11.2.3 )ホイールの材質

    ホイールの材質はアルミニウム合金5000系および6000系のみとする。

    ホイールの付属品は、コンプリートホイール最大幅を超えることなくボルト

等で固定される場合に限り認められる。

  11.3 )ホイールの固定

    自由。ただし、固定がセンターナット つによって行われる場合、赤または

蛍光オレンジ色の安全スプリング、あるいは同等の機能をもった他のシステム

が車両の走行中に取り付けられていなければならず、ホイール交換後も同様に

設置されていなければならない。

  11.4 )エアジャッキ

    JAFの指定するエアジャッキを使用しなければならない。

第12条 安全装備、装置

    安全に関するすべての項目は第 章“公認車両および登録車両に関する安全

規定”に次の事項を加えて適用する。

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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  12.1 )安全ベルト

    安全ベルトのストラップは 本の肩部ストラップと 本の腰部ストラップお

よび 本の脚部ストラップの着用が義務付けられる。

    安全ベルトはFIA基準8853/98に従い公認されたものを使用しなければな

らない。

    安全ベルトはそれぞれのストラップが単独で車体に取り付けられていなけれ

ばならない。左右の腰ベルトを同一公認番号の腰ベルトに限りそれぞれ 本ま

で用意することができ、片側 本の腰ベルトを 箇所の車体側取り付け点に取

り付けてもよい。

  12.2 )後方視界用ミラー

    第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第17条「火災に対する

防護」によりパーテーションウィンドウを隔壁化した場合、および6.1.1 )によ

り防火壁を床から天井まで設置した場合、第 章“公認車両および登録車両に

関する安全規定”第 条「後方視界」に関わらず、室内ミラーを除去すること、

同等の機能を持つ他の機構へ変更することは認められる。ただし、後方視界を

確保できなければならず、また、車体外部両側面に基本車両に設置されている

もの、または100cm2以上の面積の室外ミラーを設置しなければならない。

  12.3 )座席、ヘッドレスト

    JAFの指定するヘッドレストを使用しなければならない。ヘッドレストは

ヘルメットをつけたドライバーの頭部が保持され、加速時に後方へ動くような

ものではなく、ロールオーバーバーとヘッドレストの間に挟まらないようにな

っていなければならない。ヘッドレストの両側面の間隔は400mm以下で、最

低20mmのエネルギー吸収材が両側面に取り付けられていることが推奨される。

  12.4 )ドアと運転席間の構成物

    ドアと運転席間にはロールケージのサイドバーおよびペダルスライダーのレ

バーを除き機械構成部分が設置されていてはならない。

    衝撃吸収装置、ニーパッド、給水用ボトル、ダクトは機械構成部品とみなさ

ない。

  12.5 )前/後面防護構造

    車両の前面および後面にJAFの指定する衝撃吸収構造体を設置しなければ

ならない。

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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  12.6 )側面防護構造

    JAFの指定する側面衝撃吸収構造体を設置しなければならない。

  12.7 )消火装置

    第 章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第 条 . )「自動消火

装置」に定められたJAFが指定する自動消火装置の装着が義務付けられる。第13条 その他の要素

  13.1 )各種ガード、サポート類

    ラジエターガード、タンクガードおよびサンプガードの設置は認められる。

ただし、3.3.8 )「前部隔壁の前方、後部隔壁の後方の車体構造」を満足すること。

    材質は、マグネシウムを除き、自由。

  13.2 )ハンディウェイト取り付け装置

    ハンディウェイトを固定できる堅牢なウェイト固定装置を競技会の技術委員

が容易に確認できる位置に装備しなければならない。

別表

第 条2.1.2 )「制御機能の制限」による禁止項目の具体的事例

第 章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)

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禁止されるシステム等アンチロックブレーキシステムトラクションコントロールオートマチックギアボックス動力作動式クラッチ電動または自動調整のファイナルドライブディファレンシャルシステム(例えば、電子制御および/または外部ポンプ等を持つ気圧式あるいは油圧式のスリップコントロールを備えたディファレンシャル等)電動または自動調整のショックアブソーバー、サスペンションあるいは車高調整四輪操舵可動バラストエンジン以外のクローズドループ電子制御システム走行中に運転席からショックアブソーバー、サスペンションスプリングの調整を行う装置テレメトリーシステムアクティブサスペンション

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部門Ⅱ:競技専用車両    (ナショナルフォーミュラ)

    (第 章〜第12章)

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第 9 章 競技専用車両(ナショナルフォーミュラ)に関する定義

  1.1 )フォーミュラ車両

    サーキットあるいはクローズドコース上で行われるスピードレースのために

のみに設計された 輪自動車をいう。

 1.2 )自動車

    直線上に並べられていない少なくとも つの車輪によって走行し、少なくと

も つの車輪が操舵に、また少なくとも つの車輪が推進に使用される陸上車

両をいう。

  1.3 )陸上車両

    それ自体の手段によって、地表に対する実際上の支えを常時保持して推進し、

その推進および操舵装置は乗車したドライバーの制御下にある移動装置をいう。

  1.4 )車体

    ロールオーバー構造体ならびにエンジン、トランスミッションおよび走行装

置で機械的機構に明らかに関連する部分を除き、外気にさらされている車両の

すべての主要懸架部分をいう。エアボックス、ラジエターおよび排気系統(S

Fは除く)は車体の一部とみなされる。

  1.5 )空気力学的装置

    空気力学的な動作に影響することを基本機能とした車体の部分をいう。

  1.6 )ホイール

    フランジとリムをいう。

  1.7 )コンプリートホイール

    フランジ、リムおよびタイヤをいう。

  1.8 )自動車の銘柄

    フォーミュラレーシングカーの場合、自動車の銘柄とは完成車のことをいう。

製造者が自身で生産しないエンジンを取り付けた場合、その車両は「合成」と

みなされ、エンジン製造者名と車両製造者名が連名となる。車両製造者名が常

にエンジン製造者名の前に付く。

    合成車が選手権のタイトルのかかったカップ、あるいはトロフィーを獲得し

た場合には、この賞は車両の製造者に与えられる。

第 章 競技専用車両(ナショナルフォーミュラ)に関する定義

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  1.9 )競技

    競技とは、フリー走行、公式予選およびレースからなる。

  1.10 )重量

    車両重量とは、レース用装備品をすべて着用した状態のドライバーを含めた

競技の行われているすべての期間中の重量をいう(すべての燃料を含まない)。

  1.11 )レーシング重量

    すべての燃料タンクを満たし、ドライバーが搭乗し、出走可能な状態の車両

重量をいう。

  1.12 )気筒容積

    エンジンの気筒内でのピストン運動により排出される容積をいう。この容積

は、立方センチメートルであらわされる。エンジンの気筒容積を算出する場合

のπの数値は3.1416とする。

  1.13 )過給装置

    何らかの方法により、燃焼室に充填される燃料/空気の混合気の重量を増加

(インテークおよび/またはエキゾーストシステム内における通常の大気圧、

ラム効果および力学的効果によって吸入される重量を超えて増加)させる装置

をいう。燃料の加圧噴射は、過給装置とはみなされない。

  1.14 )主要構造体

    サスペンションまたはスプリングの負荷が伝えられる車両のすべての主要構

造体で、シャシー上の前部サスペンション最前部から後部にあるサスペンショ

ンの最後部にまで縦方向に延びている部分をいう。

  1.15 )懸架・サスペンション

    スプリングを介在して車体/シャシーからすべてのコンプリートホイールを

懸架する手段。

  1.16 )コクピット

    ドライバーを収容する容積をいう。

  1.17 )サバイバルセル

    すべての燃料タンクとコクピットを収容する連続した閉鎖構造体をいう。

  1.18 )アクティブサスペンション

    車両が動いているときにサスペンションのいかなる部分および車高を制御す

るすべての方式をいう。

第 章 競技専用車両(ナショナルフォーミュラ)に関する定義

-202-

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  1.19 )複合構造

    一枚の薄板から成る層の集まり、もしくはコアの材質の両側に接着された

枚の外板で構成される断面を有する同質でない材質をいう。

  1.20 )テレメトリー

    走行中の車両とその車両の参加に関係しているあらゆる者との間で行われる

データの通信をいう。

  1.21 )セミオートマチック・ギアボックス

    ドライバーがギアの変更を要した際に、ギアが入るようにするためにエンジ

ン、クラッチ、またはギアセレクターの内の つ以上を瞬間的に制御するもの

をいう。

  1.22 )コクピットのパッド

    ドライバーの居住性の向上と安全性確保のみを目的としたコクピット内部に

配置される非構造部品をいう。この材質はすべて工具を使用しなくても即座に

取り外せる機構になっていなくてはならない。

第 章 競技専用車両(ナショナルフォーミュラ)に関する定義

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第10章 スーパーFJ(S-FJ)

第 1 条 規 定

  1.1 )改定に関する公表年月日

    JAFは、毎年遅くとも10月にこれらの規定に関する改定内容を発表し、通

常、翌年の 月 日から施行する。

    ただし、安全上の理由による改定は上記にかかわらず直ちに施行する。

  1.2 )危険な構造

    自動車が危険とみなされた場合、その車両は競技会の審査委員会によって除

外されることがある。

  1.3 )規則の遵守

    車両は、競技期間中いかなる時でも、これらの規則に合致していなければな

らず、第 編付則“S-FJ車両規定の競技会用実施細則”をも遵守すること。

  1.4 )測 定

    すべての測定は、車両が平坦な水平面の上に静止した状態で行われなければならない。

  1.5 )競技参加者の義務

    競技参加者は競技期間中、いかなる時でも自己のS-FJ車両が本規定に合

致していることを、車両検査委員および競技会審査委員会に立証する義務があ

る。

  1.6 )アクティブサスペンション

    アクティブサスペンションは禁止される。

  1.7 )材質規制

    以下の材質の使用は禁止される。

    マグネシウム/チタニウム/カーボン/アラミド繊維。

  1.8 )クロームメッキ

    サスペンションに対するクロームメッキは禁止される。

第 2 条 車体と寸法

  2.1 )車 幅

    ステアリングホイールを直進状態にしたときのコンプリートホイールを含む

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

-204-

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車体の全幅は、1,700mmを超えてはならない。

  2.2 )フロントホイールの中心線より前方の幅

    フロントホイールの中心線より前方の車体は、幅1,300mmを超えてはならな

い。

  2.3 )フロントホイールとリアホイールの間の幅と形状

    フロントホイールの中心線より後方とリアホイールの中心線の前方にある車

体の最大幅は、1,300mmを超えてはならない。この中に側面防護体は含まれる。

    リアホイールの中心線より前方の車体で、リアコンプリートホイールの高さ

より上方の車体のいかなる部分も、車両の縦方向軸の中心から450mmを超え

てはならない。

  2.4 )リアホイールの中心線より後方の幅

    リアホイールの中心線から後方の車体の幅は、900mmを超えてはならない。

  2.5 )オーバーハング

    リアホイールの中心線より後方600mm以上の所には、車両のいかなる部分

もあってはならない。

    フロントホイールの中心線より前方900mm以上の所には、車両のいかなる

部分もあってはならない。

    ホイールの中心線とは左右のハブセンター間を結ぶ中心線をいう。  2.6 )高さ

    ドライバーが正常に着座し、また正常にレース装備した車両のいかなる部分

も、安全ロール構造体を除き、地上から900mmを超えてはならない。

    安全ロール構造体のうち、地上高900mmを超える部分は、車両の性能に大

きく影響を与えるような空気力学的形状をもってはならない。

  2.7 )ホイールベース/トレッド

    最小ホイールベース:2,200mm

    最小トレッド   :1,200mm

    最低地上高    :50mm(レース用装備品をすべて着用したドライバー

が正常に着座した状態)

              縦350mm×横350mm×高さ50mmの最低地上高測定

板に触れることなく通過できなければならない。

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

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  2.8 )フラットボトム

  2.8.1 )前部コンプリートホイールの後端と後部コンプリートホイールの前端との

間にあって、車両の真下から見える車両のすべての構成部分は、±10mmの許

容範囲内で つの平面上(フラットボトム)に位置しなければならない。

    また、フラットボトムの後端はリアコンプリートホイールの前端からリアホ

イールの中心線の間で終結しなければならない。これらすべての部分は、いか

なる状況下にあっても、均一で、固形で、堅固に固定されており(車体/シャ

シー構成に関していかなる遊びもあってはならない)、水・空気を通さない面で

あること。これらの部分によって形成される表面の周囲は、最大半径50mmの

上向きの湾曲を形成することが許される。フラットボトム後端部の形状は、上

向きに平面で立ち上げることが許されるが、その高さはフラットボトムを形成

する平面から上方に20mm以内とする。

  2.8.2 ) ±10mmの許容差が、考えられる製造上の問題点を網羅するために規定に

導入されているが、これは“フラットボトム”の精神に反する設計を許すため

のものではない。

  2.8.3 )いかなるスキッド、スカートあるいは“フラットボトム”から突出してい

る他の装置(上と同様に導入された±10mmの許容差)も、本条文に関連する

規定に抵触するため、フラットボトム区画から取り除かなければならない。

  2.8.4 )車両の底部を保護するため、スキッドをフラットボトム区画の外に配置す

ることができるが、本規則第 条「車体と寸法」は遵守されなければならない。

なお、スキッドの端部は半径 mm以上の面を持つこととする。

  2.8.5 )上記フラットボトムの後端より後方において地表と車両の主要部分との間

を全面的あるいは部分的に遮断するような空気力学的構造物は一切禁止される。

(ディフューザー構造等の禁止)

    車両の空気力学的影響を有する特定の部分は:

   -車体の主要部分にしっかりと取り付けられていなくてはならず、(しっかり

と取り付けるとは、固定されていない部分があってはならないという意味であ

る。)

   -車体の突出部と固定されていなくてはならない。

    車両の主要部と地表との間隙を連結するいかなる装置あるいは構造体は、あ

らゆる状況下でも禁止される。

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

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    いかなる状況下にあっても本条によって規定される表面によって生ずる幾何

学平面より下部に位置してはならない。

  2.8.6 )エンジンの搭載位置

    エンジンブロック背面(ベルハウジングと接する面)はリアホイールの中心

線より260mm以内とする。

  2.9 )空気力学的装置

    空気力学的装置は前後のウイングおよび翼端板を除き一切禁止される。

    ただし、ドライバーが風・飛石等を防ぐため、開口部に沿って最小限のウイ

ンドスクリーンを取り付けることは許される。その取り付けは暫定的なもので

あってはならない。

    リアサスペンション・フロントピックアップより後方で、かつアッパーピッ

クアップより下方にカウルを取り付けることは許されない。

  2.9.1 )ウイング

    各フロントウイングおよびリアウイングは 枚で構成され、 枚以上で構成

することは禁止する。ウイング形状は前方および上方から見て長方形であるこ

と。

    各翼端板は平板とするが、フロントウイングの翼端板の前側(前から見える

すべての面)は半径 mm以上の面を持つこととする。

    前端の角部(上側、下側とも)には最小半径35mmのRを付けることが推奨さ

れる。この場合R形状を形作る範囲に限り平板とならないことは認められる。

    リアウイングの取り付け支持方法はセンターマウントとする。

    リアウイングの車体への取り付けに関するウイング側固定構造は車両中心線

を基準として対称とし、その取り付け構造のすべては300mm以内であること。

  2.10 )コクピット

  2.10.1 )コクピット開口部

    コクピットに入るための開口部は図に示される水平版(テンプレート)が、

ステアリングホイールを取り外した状態で車両上部から垂直に挿入できるもの

でなくてはならない。テンプレートをコクピットの開口部の最も低い点から下

方へ25mm下げることが可能でなくてはならない。

    測定時には、ドライバーサイドパッドは取り外すこと。

    ドライバーは、ドアを開けたり、その他の部分を移動させることなく、乗降

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

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できなくてはならない。

第10- 図

  2.10.2 )脱出時間

    コクピットは、ドライバーが通常の位置に着座し、すべての運転装置を取り

付け、安全ベルトを締めてステアリングホイールが最も不都合な状態にあって

も、ドライバーが 秒以内に外に出られるよう設計されていなくてはならない。

  2.11 )ステアリングホイール

    ステアリングホイールは迅速に取り外せる機構を備えていなくてはならない。

その開放(取り外し)方法は、ステアリングホイール後方のステアリングコラ

ムに設置された同心円状のフランジを引く方法によるものでなくてはならない。

ステアリングラックは、フロントアクスル軸より前方に取り付けなければなら

ない。

    ステアリングホイールに切れ目があってはならない。

    スイッチ、メーター、その他の部品等を装着する場合、それらは突起した形

状(トグルスイッチ等)であってはならず、ドライバーと対面するステアリン

グホイールリム全体で形成される平面よりドライバーに近いところに位置して

はならない。

    緩衝パッドの装着を推奨する。

第 3 条 重 量

  3.1 )最低重量

    大会期間中を通じ kg を下回ってはならない。

  3.2 )バラスト

    バラストはその取り外しに工具を必要とするような方法で固定されるならば

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

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車両中心線

300mm

500mm

600mm

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使用することが許される。技術委員が封印を施すことができるようなものでな

ければならない。

第 4 条 エンジン

  4.1 )エンジンの種類

    国土交通省の指定を受けた量産車両に搭載されているエンジンを使用しなけ

ればならない。

  4.2 )エンジンの形式

    レシプロピストンによるエンジンのみ認められる。

  4.3 )最大容積

    1,510ccを含み1,510ccまでとする。

  4.4 )シリンダーの最大数

    最大 とする。

  4.5 ) 過給装置は禁止される。

  4.6 ) シリンダーヘッドのバルブ数はシリンダー当たり 個とする。

  4.7 )エンジンの改造限度

    エンジンおよび補機は次の各項目を除き変更してはならない。ただし、シャ

シーにエンジンを搭載するための最小限の変更は許される。

    エンジン補修のためのオーバーサイズピストンの使用は、ボアの拡大が

0.25mmまでのものに限り許される。ただし、ピストンは純正部品に限る。

  4.8 )サーモスタット

    自由。

  4.9 )オイルフィルター

    自由。

  4.10 )エアフィルター

    ゴミの進入を防ぐ目的のメッシュやエアクリーナーの取り付けはスロットル

ボディ端面から200mm以内で自由とする。

    エアファンネルはスロットルボディ端面より長さ120mm以下、最大径

140mm以下とし、開口部は車両の後方を向いていること。

    インダクションボックスまたは走行により吸気圧を上げる構造のダクト、カ

ウル等の取り付けは許されない。

    また、リアカウルを取り付けた場合、エアファンネル後端面は横からと後方

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

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から見えること。

  4.11 )燃料ポンプ

    自由。

  4.12 )潤滑系統

    自由。ただし、ドライサンプ方式は禁止される。

  4.13 )クラッチディスク

    クラッチディスクは当初の枚数を変更しなければ自由。

    クラッチカバーは元の取り付け寸法、形状を変えなければ変更は許される。

  4.14 )ファンベルト

    自由。

  4.15 )フライホイール

    軽量加工は許される。ただし、リングギア径寸法は保持されなければならな

い。

  4.16 )オルタネーター

    取り外しは許されない。また、発電機能は正常に機能していなければならな

い。

  4.17 )バルブスプリング

    いかなる他のものとも交換が許される。ただし、製造者の定めた数を変更し

てはならず、当初の取り付け部を変更することなく取り付けられること。バル

ブスプリング調整用のスプリングシートの取り付けは許される。

  4.18 )シリンダーブロック

    ボーリング、ホーニングの加工のみ許される。

  4.19 )シリンダーヘッド

    面削は平面研磨に限り mmまで許される。

  4.20 )調整・仕上げ

    クランクシャフト、ピストン、ピストンピンのバランス取りのみ許される。

  4.21 )性能の均等化

    JAFは性能の均等化のため、事前予告をもって出力制限装置を取り付ける

権利を留保する。

  4.22 )排気管

    排気マニホールドは防熱措置を施すことは許されるが、確認作業のため全面

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

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的に覆うことはできない。排気マニホールド後方部分は自由、ただし、サイレ

ンサーを除き材質は鉄系で磁力に反応すること。

    排気管の出口は、それが水平に、かつ後方に向けられている場合、地面から

400mm以下の高さでなければならない。走行中の可変装置は禁止される。

    触媒装置の装着を義務付ける。装着する触媒装置はJAFに申請し承認を受

けたものとする。取付け位置は排気管最後端とし、取外しにより触媒装置内部

を前後から容易に視認できる方式としなければならない。

  4.23 )排気音量測定

    すべての車両は第2章“レース車両の排気音量規制”に従うこと。

第 5 条 始 動

  5.1 )始動装置

    電気エネルギー源による始動装置を車両に搭載しなければならず、ドライバ

ーが正常に着座した状態で作動できなければならない。また、始動装置は常に

エンジンを始動できるものでなくてはならない。

  5.2 )エンジン始動

    グリッド上およびピットエリアにおいて、補助的に外部よりエネルギー源を、

車両に一時的に接続してエンジンを始動することができる。

第 6 条 駆動装置

  6.1 )駆 動

    車両は 輪でのみ駆動されなければならない。

  6.2 )ギアボックスの型式

    前進ギアの最大数は 段とし、シ-ケンシャルシフト方式は禁止される。

  6.3 )後退ギア

    すべての車両は、競技期間中いかなる時にもエンジンがかかっている間、通

常に使用できる後退ギアを備えていなくてはならない。

  6.4 )横置きギアボックスおよびリアアクスル(リアホイールハブセンター)より

前方のギアボックスは禁止される。

  6.5 )ギアボックス

    日本製に限り許される。

  6.6 )ディファレンシャル

    デフの差動を制限する装置は禁止される。

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

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第 7 条 サスペンション

  7.1 ) コクピットから調整できるスタビライザーは禁止される。

第 8 条 燃料パイプとタンク、ケーブルおよび電気装置

  8.1 )ライン/ケーブル/電気装置

    ケーブルラインおよび電気装置が、その取り付け位置/材質または連結方法

等に関して航空機工業基準に準拠していない場合、次のことを生じるいかなる

漏れもないよう取り付けられなければならない。

   -コクピット内の液体たまり

   -コクピット内への液体の侵入

   -電線または電気装置と液体の接触

    もし、ケーブルラインあるいは電気装置がコクピットを通過する、またはコ

クピット内に取り付けられている場合、それらは防火材でかつ液体の侵入を防

ぐ材料によって完全に覆われていなければならない。

    電気系、燃料系へのMIL規格品の使用は禁止される。

  8.2 )パイプライン

    すべての燃料の配管は最大作動温度135℃で、4.1MPa(41bar)の最低破裂圧

力を有していなければならない。

  8.3 )燃料タンク

    下記に従い、JAF/FIA公認の安全燃料タンクの装着が義務付けられる。

    A)最大容量20ℓまでのタンクを 個。なお、コレクタータンクの使用は禁

止される。

    B)取り付け位置はシートバックと主要ロール構造体のバルクヘッドの間と

する。

    C)すべての燃料タンクには、製造者名、タンクの製造に際し適用された仕

様(規格)、製造月日が表示されていなければならない。

  8.4 )燃料タンクの給油キャップ

    燃料タンクの給油キャップは車体より突出してはならない。

    衝撃の際や不完全なロックによりキャップが緩まないように設計されていな

ければならない。

    燃料給油口は衝突により、破損されやすい場所を避けて取り付けなければな

らない。

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

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    空気孔はコクピットの後方250mm以上の場所に位置すること。

  8.5 )オイルキャッチタンク

    車両には最小 ℓのオイルキャッチタンクを装着しなければならない。ブリ

ーザーはこのキャッチタンクに排出しなければならない。

    この容器は透明なプラスチック製であるか、透明な窓わくを備えること。

    ミッションケースより後方に位置してはならない。

第 9 条 制動装置

  9.1 ) 重回路

    すべての車両は、同一のペダルによって操作される少なくとも 系統の回路

を有する制動装置を装備しなければならない。この装置の つの回路に漏れ、

もしくは欠陥が生じた場合でも、ペダルは少なくとも 輪のホイールを依然と

して制御できなければならない。

  9.2 )ブレーキ圧の調整

    アンチロックブレーキおよびパワーブレーキは禁止される。

  9.3 )材質と加工

    ブレーキディスクは鉄製に限定され、ディスクへの穴あけ、溝切りは禁止さ

れる。ベンチレーテッドディスクは禁止される。

  9.4 )ブレーキキャリパー

    すべてのブレーキキャリパーは、同質の金属材で作られていなければならず、

最大 ピストンまでとし、各ホイールにつき 個でなければならない。

  9.5 )ブレーキダクト

    ブレーキを冷却するためのすべてのダクト類および空気力学的付加物はすべ

て禁止される。

第 10 条 タイヤとホイール

  10.1 )タイヤ

    競技専用タイヤの装着が許される。ただし、タイヤの径は左右同一でなけれ

ばならない。

  10.2 )ホイールの数

    ホイールの数は 本に限定される。

  10.3 )ホイールの寸法

    ホイールの幅は インチを超えてはならない。

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

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    ホイールリム径は13インチを超えてはならない。

  10.4 )材質

    すべてのホイールは、均質の鉄またはアルミ合金で作られていなければなら

ない。(ただし、アルミ合金の場合はJWLまたはVIA規格に合致している

こと。)

第 11 条 安全装置

  11.1 )消火器

    すべての車両は、内容量 kg以上の粉末消火器、またはFIA国際モータ

ースポーツ競技規則付則J項第253条 に記された消火剤および内容量、ある

いは同第259条14に記された消火器を、ドライバーが速やかに操作できるよう

に搭載しなければならない。取り付け位置は車体構造の内側とし、コクピット

内とエンジンルームに同時に散布する 系統の消火装置でなければならない。

  11.2 )記載項目

    )以下の情報を各消火器に明記しなければならない:

    a)容器の容量

    b)消火剤の種類

    c)消火剤の重量もしくは容量

    d)消火器の点検日

    )消火装置の点検日は、消火剤の充填期日もしくは前回点検期日から 年以

内とする。(消火剤の充填日もしくは前回の点検期日から 年を過ぎて使用

してはならない。)ただし、 年毎の点検を継続したとしても消火装置の製造者が定めた有効年数あるいは耐用年数を超えて使用することはできない。

    -消火装置の製造者が、有効年数あるいは耐用年数を定めていない場合、その使用期限は製造期日(または初回充填期日)から 年間を目処とする。

    -消火剤の充填日もしくは前回検査日の表示が年(月)表示である場合、有効期間の起算日は当該年(月)の末日とする。

    ) 年毎に製造者、製造者が指定した工場、あるいは代理店などの有資格者

による点検を受けること。

  11.3 )電気回路開閉装置(サーキットブレーカー)

    ドライバーが安全ベルトを装着し、ステアリングホイールをつけ運転席に着

座した状態で操作できる放電防止つきサーキットブレーカーによって、点火装

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

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置、燃料ポンプ、および電気回路を遮断することができなくてはならない。

    スイッチはコクピットの右側に取り付けられ白い縁どりをした底辺が

100mmの青い三角の中に赤色のスパークを描いた標識で表示されていなくて

はならない。また、外部からでも容易に操作できるような構造になっていなけ

ればならない。

  11.4 )後方視界用ミラー

    すべての車両は、ドライバーが後方と車両の両側を見ることができるよう取

り付けられた最低 つのミラーを有していなくてはならない。

    各ミラーの反射面の最小幅は150mmで、少なくともそれが縦50mmにわたり

維持されていなければならない。各コーナー部については最大半径10mmのR

が上記寸法内で許される。

    技術委員は、通常に着座したドライバーが確実に後方車両を確認できるよう

な検証を実施することができる。

  11.5 )安全ベルト

     本の肩部ストラップ、 本の腰部ストラップおよび 本の脚部ストラップ

の装着が義務付けられる。

    これらのストラップは、車両に確実に固定され、FIA基準8853/98に合致

していなければならない。

  11.6 )尾灯

    すべての車両には、競技会中作動する少なくとも白熱球の21ワット相当以上

の明るさをもつ赤色警告灯を装備していなくてはならない。

     )車両の縦方向の中心線に対して90° で後方に面していること。

     )後方からはっきりと見えること。

     )車両の中心線より100mm以上の所に取り付けないこと。

     )地上から最低400mmの所にあること。

     )その表面は最小2,000mm2の面積を有すること。

     )車両に正常に着座したドライバーによって点灯できるものでなくてはな

らない。

  11.7 )ヘッドレスト・サイドパッド

    すべての車両は、直径50mmのパッドを介し垂直に833N(85kg)の荷重を加

えた時に、50mm以上変形しないヘッドレストを備えていなくてはならない。

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

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    ヘッドレストは、40,000mm2以上の領域にわたり、その厚さが50〜60mmの

衝撃吸収材を有しなければならず、連続的であり、突出した部分があってはな

らない。

    衝撃吸収材は、FIAが指定したCONFOR Form CF45(Blue)、またはそれと同

等の性能を有するとJAFが認めた材質でなければならない。

    また、正常な着座位置にあるドライバーのヘルメットの両側に直接沿う位置

のコックピット両側の、少なくとも25,000mm2の領域にわたり、その厚さが50

〜60mmの衝撃吸収材によるパッドを装備しなくてはならない。

    ヘッドレスト、サイドパッドの上面は、少なくともコックピット開口部と同

じ高さでなければならず、工具を使用しなくても取り外せるような構造になっ

ていなければならない。

    固定具を使用する場合には、黄色による識別、あるいは矢印によりその所在

が明確に表示されていなければならない。

    ヘッドレスト、サイドパッドは、事故による衝撃がドライバーの頭部に加わ

った時に、ドライバーのヘルメットが最初に接触する場所になければならない。

第 12 条 安全構造

  12.1 )車体構造

  12.1.1 )車体の構造は左右対称でなければならない。すなわち、その車を水平にし、

計量した場合、いずれの片側半分の重量も全体の重量の半分でなければならな

いが、その半分の重量の± %の誤差が許される。車両はすべてのタンクを満

たし(燃料、水、オイル)、バラストを除いた状態で計測される。

  12.1.2 )スペースフレーム前端のバルクヘッドから主要ロール構造体のバルクヘッ

ドまでの間は、スペースフレームに厚さ1.6mmの鉄板を溶接で組み合わせた構

造でなければならない(フロントバルクヘッド、フロアパネル、サイドパネル

の 面に取り付けなければならない)。この鉄板には機能部品の搭載構成上に

必要な部分的な開口は許されるが、開口部は最小限の大きさでかつ大きな強度

低下がおこらないように考慮されていなければならない。開口部にスペースフ

レームが存在する部位についてはこの限りではない。

  12.1.3 )スペースフレーム構造とは最低限主要となる 本のパイプを四隅に配置し、

バルクヘッドと斜材とによりトラス構造をなすフレーム形式をいう。

  12.1.4 )スペーススレームをウォーターパイプおよびオイルパイプに併用してはな

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

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らない。

  12.1.5 )主要となる 本のパイプは最外径28mm以上の真円で肉厚1.6mm以上の丸

パイプ、最外形の対向する二辺の長さが各々28mm以上で肉厚1.6mm以上の正

方形もしくは長方形の角パイプ、短辺28mm以上かつ長辺54mm以上で肉厚

1.6mm以上の扁平パイプ(長方形を除く)のいずれかを使用しなければならない。

    ドライバーの足部裏面からドライバー座席の背部までの範囲において上記の

主要となる 本のパイプは車両の中心線から150mm以上離れた場所に位置し

なければならない。

  12.1.6 )フロント・サスペンション・アームの車体側取り付け点は車体構造すなわ

ちスペースフレームの外側に位置しなければならず、取り付け点より車体構造

の内部に向かう方向にはスペースフレームを構成するパイプ、または肉厚

1.6mm以上の鉄板がなければならない。

  12.1.7 )ドライバーの足部裏面からドライバー座席の背部までのいかなる点でもコ

クピットの内部断面積は80,000mm2以下であってはならず、また最小幅はコク

ピットの全長を通じ300mm以上で、主要ロール構造体の前部から前方へ

600mmの部分については500mm以上を確保しなければならない。ただし、四

隅に配置される主要となるパイプ以外でフレーム底面を構成するパイプは上記

の最小幅に含まれない。

  12.1.8 )主要ロール構造体バルクヘッドから後方のスペースフレームはベルハウジ

ングで終了してもよい。

  12.2 )前部衝撃吸収構造体

    前部衝撃吸収構造体は前部横断隔壁の前方300mmの位置に少なくとも

20,000mm2の断面を有し、前部横断隔壁と接する部分の断面は横240mm以上、

縦250mm以上でなければならない。

    この前部衝撃吸収構造体は前面、上下左右面で構成され、取り付けに際して

の最小の曲げ加工(最大曲げ半径10mm)を除き平面板でなければならず、前

部衝撃吸収構造体部材はアルミニウム合金5052またはこれと同等以上の強度を

有していなければならない。

    部材の肉厚は2mmを下回ってはならない。前部衝撃吸収構造体の上面板に

は穴を開けられるが、元の強度が維持されていなければならない。

    ドライバーが通常に着座した状態で、操作されていない位置にあるペダルの

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

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上に乗せられた足の裏は、フロントホィール中心線より前方に位置してはなら

ない。

  12.3 )側面防護体

    ドライバーを防護するために、車両の両側に側面防護体を設けなければなら

ない。

    側面防護体の構造は、車両の中心線から最小550mmのところに高さ300mm

以上、前後長さは第 ロール構造体の前端から燃料タンク後端までを覆うもの

で、外径25.4mm以上、肉厚1.2mm以上のパイプで四角い構造とし、角は半径

100mm(外Rで測定し112.7mmの円弧に対して± mm)以内で曲げることが

出来る。

    この四角い構造材とメインフレーム間は、上下各 本の外径25.4mm以上、

肉厚1.2mm以上のハイプを水平な配置で繋げなければならない。

    この水平に配置されたパイプの取り付け高さは、側面防護体の半径100mm

以内とする。

    パイプ同士の取付け間隔は上下が最低140mm、上側同士および下側同士は

350mm以上離れていなければならない。

    側面防護体およびこれを構成する取付け水平パイプは、上面および車体側面

から見てすべて側面防護体カウルにて覆われていなければならない。

    側面防護体カウルは車体側面から見て側面防護体をすべて覆わねばならず、

かつ側面には穴やスリット等の空気が通過できる構造であってはならない。た

だし、側面防護体の最後端より後方はこの限りではない。側面防護体カウルの

材質はFRPに限定する。

第10- 図

  12.4 )ロール構造体

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

-218-

外径25.4mm以上、肉厚1.2mm以上水平に取り付けること 外径25.4mm以上、肉厚1.2mm以上

第2ロール構造体前端から燃料タンク後端以上

300mm以上

550mm以上

メインフレーム

100R以内

側面防護体

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  12.4.1 )安全構造の基本目的はドライバーの防護にある。この目的は設計の基本考

察である。

  12.4.2 )すべての車両は少なくとも つのロール構造体を装備しなければならない。

    主要ロール構造体は、ドライバーの後方に位置しなければならない。

    第 構造体は、ステアリングホイールの前方になければならないが、いかな

る地点においてもステアリングホイールのリム上端の前方250mm以上前にあ

ってはならない。

    主要ロール構造体は、第 ロール構造体の後方に500mm以上離れていなけ

ればならない。

     つのロール構造体は、いかなる時でもそれらの頂点を結ぶ線より、ドライ

バーが正常に着座し、ヘルメットをかぶり、シートベルトを締めた状態の時、

そのドライバーのヘルメットの頂点およびステアリングホイールのリム上端が

下に来るような高さがなければならない。

  12.4.3 )第 ロール構造体は外径35mm以上、肉厚 mm以上の冷間仕上継目無鋼

管を使用し、曲げはR125mm(外Rで測定し142.5mmの円弧に対して± mm)

以上の 回曲げで構成しなければならない。

  12.4.4 )主要ロール構造体の頂点は、コクピット底面から垂直に測定し、少なくと

も950mm以上なければならない。

  12.4.5 )主要ロール構造体の頂点は、通常の運転姿勢におけるドライバーのヘルメ

ットの頂点から少なくとも50mm以上、上方になければならない。

  12.4.6 )主要ロール構造体の頂点より50mm低いところを通る水平面上に構成され

る主要ロール構造体の垂直投影面積は最低10,000mm2なければならない。

  12.4.7 )主要ロール構造体は、コクピット底面から垂直に高さ500mmの位置で、

その全幅は400mm以上なければならない。主要ロール構造体は外径35mm以上、

肉厚 mm以上の冷間仕上継目無鋼管を主材として使用し、その曲げ部はR

50mm(外Rで測定し67.5mmの円弧に対して± mm)以上の 回曲げで構成

しなければならない。円弧の内心角は180°を超えてはならない。

  12.4.8 )主要ロール構造体より後方にのびる後方支持部材は、外径25.4mm以上、

肉厚1.6mm以上の冷間仕上継目無鋼管を使用し、取り付けはフレーム構造体に

連結されて強固に取り付けられなければならず、その角度は水平より60°以内

でなければならない。

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

-219-

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  12.5 )側面ロール構造体

    コクピット両側面には車体下面より最低500mmの高さに側面ロール構造体

を取り付けること。

    側面ロール構造体は、直径25.4mm以上、肉厚1.6mm以上の鉄パイプで構成

され、主要構造体と第 構造体を強固に連結されなければならない。

  12.6 )ロール構造体の強度

    主要ロール構造体および第 ロール構造体の頂点に、次の最小荷重が同時に

加わっても耐えられるものでなければならない。

   -1.5W横方向

   -5.5W前後方向

   -7.5W垂直方向

    Wは4.802KN(490kgf)とする。

    参加者は、車体製造責任者またはその設計者による証明書を、競技会の技術

委員の求めに応じ提出しなければならない。

    証明書には、このロール構造体の図面または写真が添付され、このロール構

造体が上記荷重に耐え得ることが明記されていなければならない。

  一般考察:

   ) ボルト、ナットを使用する場合には、その数に応じて十分な最小寸法を必要

とする。

   その材質は最上級のものであること(航空機用)。

   スクエアヘッドボルト、ナットは使用しないこと。

   ) 構造の主たる部分には継ぎ目の無い 本のパイプを使用し、曲折部分は滑ら

かに連続的に曲げられており、ひだ、あるいは壁部に欠損がないこと。

   ) 溶接は全体にわたって最高の技能を持って行われるべきである(通常アーク

溶接、または特別の場合にはヘリアーク溶接が使われる)。

   ) スペースフレーム構造に関し、ロール構造体はそれにかかる荷重を広い面積

に分散するように車両に取り付けられることが重要である。ロール構造体を単

一なパイプ、あるいは継ぎ足されたパイプに付帯させるだけでは不十分である。

    それぞれの取り付け部にはガセットを使用しその断面積は使用するパイプの

断面積以上の面積であること。

    また、これらは強固に補強されていなければならない。

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

-220-

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    ロール構造体はフレームの延長として設計されるべきで、単なるフレームの

付属として考えるべきではない。

    基本構造の強度は十分な考慮が払われるべきである。例えば荷重を分散させ

るため補強バーあるいはプレートを付加すること。

第 13 条 燃 料

 第 章“公認車両および登録車両に関する一般規定”第10条10.1)「燃料-燃焼物」

に従うこと。

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

-221-

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第10- 図

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

-222-

最小断面積20,000m

m2

NO1バルクヘッド最小300m

mNO1バルクヘッド最小300m

m

サイドロールバー最小高500m

mサイドロールバー最小高500m

m

最大250m

m最大250m

m

最小500m

m最小500m

m

AAAA

フラットボトム区間

フラットボトム区間

最大260m

m最大260m

m

最低地上高50mm以上

最低地上高50mm以上

ホイールベース最小2,200m

mホイールベース最小2,200m

mリアオーバーハング最大600m

mリアオーバーハング最大600m

m

側面防護体最大曲げ半径R100m

m側面防護体最大曲げ半径R100m

m

側面防護体の高さ最小300m

m側面防護体の高さ最小300m

m

フロントオーバーハング最大900m

mフロントオーバーハング最大900m

m

NO1バルクヘッドより600m

m前方のコクピット内幅最小500m

mNO1バルクヘッドより600m

m前方のコクピット内幅最小500m

m

NO3バルクヘッド最小500m

mNO3バルクヘッド最小500m

m

600mm

600mm

600mm

600mm

燃料タンク後端まで

燃料タンク後端まで

300mm

300mm

最小550m

m最小550m

m

断面A-A

断面A-A

300mm

300mm

最小R5mm

最小R5mm

全幅最大1,700mm

最小240mm

フロントホイール中心軸より前方の車体幅最大1,300mm

リアホイール中心軸から後方の最大幅900mmリアホイール中心軸から後方の最大幅900mm

最小トレッド1,200mm最小トレッド1,200mm

最大400mm最大400mm

最小50mm最小50mm

最小950mm最小950mm

50mm50mm最大60°最大60°

第2ロール構造体の前端から

最小10,000m

m2

500mm500mm500mm

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第10- 図

第10章 スーパーFJ(S-FJ)

-223-

高さ500mmの最小幅400mm

最小R50

最小R125

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第11章 フォーミュラ4(F4)

第 1 条 規 定

  1.1 )改定に関する公表年月日

    JAFは、毎年遅くとも10月にこれらの規定に関する改定内容を発表し、通

常、翌年の 月 日から施行する。

    ただし、安全上の理由による改定は上記にかかわらず直ちに施行する。

  1.2 )エアリストリクターについての変更

    JAFは性能の均衡化のため、エアリストリクターの寸法を変更することが

できる。

  1.3 )危険な構造

    自動車が危険とみなされた場合、その車両は競技会の審査委員会によって除

外されることがある。

  1.4 )規則の遵守

    車両は、競技期間中いかなる時でも、これらの規則に合致していなければな

らず、第 編付則“F 車両規定の競技会用実施細則”をも遵守すること。

  1.5 )測 定

    すべての測定は、車両が平坦な水平面の上に静止した状態で行われなければ

ならない。

  1.6 )競技参加者の義務

    競技参加者は競技期間中、いかなる時でも自己のF 車両が本規定に合致し

ていることを、車両検査委員および競技会審査委員会に立証する義務がある。

  1.7 )材質/加工規制

  1.7.1 )材質規制

    以下の材質は使用を禁止する。

    マグネシウム/チタニウム/カーボン/アラミド繊維/インコネル。

    サバイバルセル、ホイールテザー、ボディカウル、およびシャシー前部横断

隔壁の前方の独立した衝撃吸収構造体に関してのみ、カーボン/アラミド繊維

を使用することができる。

  1.7.2 )加工規制

第11章 フォーミュラ4(F4)

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    DLC加工(類似した加工、表面処理を含む)は禁止する。

  1.8 )クロームメッキ

    サスペンションに対するクロームメッキは禁止される。

第 2 条 車体と寸法

  2.1 )車 幅

  2.1.1 )ステアリングホイールを直進状態にしたときのコンプリートホイールを含

む車体の全幅は1,700mmを超えてはならない。

  2.1.2 )フロントホイールの中心線より前方の幅

    フロントホイールの中心線より前方の車体の全幅は1,300mmを超えてはなら

ない。

  2.1.3 )フロントホイールとリアホイールの間の形状

    フロントホイールの中心線より後方とリアホイールの中心線の前方にある車

体の最大幅は1,300mmを超えてはならない。この中に衝撃吸収構造体は含まれ

る。

    エアボックスを除き、リアホイールの中心線より前方の車体で、リアコンプ

リートホイールの高さより上方の車体のいかなる部分も、車両の縦方向軸の中

心から450mmを超えてはならない。

  2.1.4 )リアホイールの中心線より後方の幅

    リアホイールの中心線から後方の車体の幅は、900mmを超えてはならない。

  2.2 )オーバーハング

    リアホイールの中心線より後方600mm以上の所に車両のいかなる部分もあ

ってはならない。

    フロントホイールの中心線より前方1,000mm以上の所には、車両のいかなる

部分もあってはならない。

    ホイールの中心線とは左右のハブセンター間を結ぶ中心線をいう。

  2.3 )高 さ

    ドライバーが正常に着座し、また正常にレース装備した車両のいかなる部分

も、安全ロール構造体を除き、地上から900mmを超えてはならない。

    安全ロール構造体のうち、地上高900mmを超える部分は、車両の性能に大

きく影響を与えるような空気力学的形状をもってはならない。

  2.4 )ホイールベース/トレッド

第11章 フォーミュラ4(F4)

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    最小ホイールベース:2,000mm

    最小トレッド   :1,200mm

  2.5 )フラットボトム

  2.5.1 )前部コンプリートホイールの後端と後部コンプリートホイールの前端との

間にあって、車両の真下から見える車体のすべての構成部分は、±10mmの許

容範囲内で つの平面上(フラットボトム)に位置しなければならない。

    また、フラットボトムの後端はリアコンプリートホイールの前端より後方で

リアコンプリートホイール軸で終結しなければならない。これらすべての部分

は、いかなる状況下にあっても、均一で、固形で、堅固で、硬直なソリッドパ

ネルのみが許され(ハニカムサンドイッチ構造は禁止)(車体/シャシー構成

部にしっかりと取り付けられていること)不浸透性の表面でなければならず、

これらの部分によって形成される表面の周囲は、最大半径50mmの上向きに湾

曲させることができる。フラットボトム後端部の形状は、上向きに平面で立ち

上げることが許されるが、その高さはフラットボトムを形成する平面から上方

に20mm以内とする。

  2.5.2 )±10mmの許容差が、考えられる製造上の問題点を網羅するために規定に

導入されているが、これは“フラットボトム”の精神に反する設計を許すため

のものではない。

  2.5.3 )いかなるスキッド、スカートあるいは“フラットボトム”から突き出して

いる他の装置(上と同様に導入された±10mmの許容差)も、本条文に関連す

る規定に抵触するため、フラットボトム区画から取り除かなければならない。

  2.5.4 )車両の底部を防護するため、スキッドをフラットボトム区画の外に配置す

ることができるが、本規則第 条「車体と寸法」を遵守しなければならない。

なお、スキッドの端部は半径 mm以上の面を持つこととする。

  2.5.5 )フロントホイール軸より前方と車両の縦方向軸の中心線から200mm以上離

れたすべての車体構造は、“フラットボトム”により形成される平面より車両上

方になければならない。

  2.5.6 )上記フラットボトムの後端より後方において地表と車両の主要部分との間

を全面的あるいは部分的に遮断するような空気力学的構造物は一切禁止される。

(ディフューザー構造等の禁止)

  2.6 )空気力学的装置

第11章 フォーミュラ4(F4)

-226-

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    車両の空気力学的性能に影響する車両の他のすべての特定の部分は、本条文

に関連する規定を遵守していなければならない。例えば、前部ウイング末端の

板状部(翼端部)は、柔軟であってはならず、かつ 枚の平板であっても空気

力学的性能に影響を及ぼすいかなる部品も追加することを禁止する。

    車両の空気力学的影響を有する特定の部分は:

   ‐車体に関する規則に合致していなくてはならず、

   ‐車体の主要部分に完全に取り付けられていなくてはならず(しっかりと取り

付けられるとは、固定されていない部分があってはならないという意味であ

る。)

   ‐車体の突出部と固定されていなくてはならない。

    車両の主要部と地表との間隙を連結するいかなる装置あるいは構造体は、あ

らゆる状況下でも禁止される。

    いかなる状況下にあっても本条によって規定される表面によって生ずる幾何

学平面より下部に位置してはならない。

  2.7 )ウイング

    フロントおよびリアウイングは 枚で構成され 枚以上で構成することは禁

止する。なお、ウイングの形状は前方および上方から見て長方形であり、全域

にわたって同一断面形状を維持しなくてはならない。

    各ウイングにガーニーフラップの取り付けが許されるが、外形形状は平板であれば自由、ただし同一断面形状をなすウイングの後端から前後 mm範囲に限り許される。このガーニーフラップとウイングとの間に隙間を開けてはならない。

    各ウイングには平板の翼端板を設ける事ができる。フロントウイングの翼端

板の全ての角度(上側、下側共)には車両側方から見て、最小半径 mmのR

を付けることが推奨される。また、平板の周囲は、半径 mm以上の円弧の断

面形状を持つこととする。このR形状を形作る範囲は平板とならなくてもよい。

    フロントウイングの翼端板と車体を結ぶステーをウイングと平行に設けるこ

とができる。ただし、このステーは直線で、その断面形状は真円に限る。また、

車両の前方、上方から見て車両の左右のステーは直線に配置されなければなら

ない。リアウイングの翼端板と車両を結ぶステーをウイングと平行に設けるこ

とができる。ただし、このステーは直線でその位置はリアホイールセンターよ

第11章 フォーミュラ4(F4)

-227-

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り上方であり、このステーをウイングとはみなさない。

  2.8 )コクピット

  2.8.1 )コクピット開口部

    コクピットに入るための開口部は図に示される水平板(テンプレート)がス

テアリングホイールを取り外した状態で車両上部から垂直に挿入できるもので

なくてはならない。テンプレートをコクピットの開口部の最下端より下に

25mm下げることが可能でなくてはならない。

    測定時には、ドライバーサイドパッドは取り外すこと。

    ドライバーは、ドアを開けたり、その他の部分を移動させることなく、乗降

できなくてはならない。

第11- 図

  2.8.2 )脱出時間

    コクピットは、ドライバーが通常の位置に着座し、すべての運転装置を取り

付け、安全ベルトを締めてステアリングホイールが最も不都合な状態にあって

も、ドライバーが 秒以内に外に出られるように設計されていなければならな

い。

第 3 条 重 量

  3.1 )車両の最低重量

    大会期間中を通じ555kgを下回ってはならない。

  3.2 )バラスト

    バラストはその取り外しに工具を必要とするような方法で固定されるならば

使用することが許される。技術委員が封印を施すことができるようなものでな

ければならない。

第11章 フォーミュラ4(F4)

-228-

車両中心線

300mm

450mm

600mm平面図

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第 4 条 エンジン

  4.1 )エンジンの種類

    レシプロピストンによる一般市販エンジンが使用できる。一般市販とは、誰

もが容易に購入できるよう、価格と販路が公開される事である。ただし性能の

均等化の為、新規に使用するレース用エンジンはJAFに申請し、承認を受けなければならない。

  4.1.1 )最大容積

    2,000ccを含み2,000ccまでとする。

  4.1.2 )シリンダーの最大数

    最大 とする。

  4.1.3 )過給装置は禁止される。

  4.2 )吸気系統

    シリンダーヘッドとスロットルリングフランジの外側の間にある吸気系統す

べての要素。

  4.3 )エンジンの改造

    規定によって許されていないすべての変更および調整、仕上げは厳禁される。

    エンジンに対して行うことのできる作業は、エンジン性能の個体差をなくし、

性能を向上させると同時に恒久的にコストの削減を目的とした作業のみである。

    具体的には鋭角部の除去、角部のR作業、シリンダーヘッドポート内の研磨

加工、クリアランスの調整作業である。ただし、元の寸法を変更することは許

されない。元の寸法とは申請され承認を受けたエンジンの諸元表に記載された

寸法のことである。

    これら以外に使用による磨耗事故によって損傷した部品は、いずれも損傷し

た部品と全く同一の日本国内で購入できる(輸出用を含む)部品によってのみ

交換が許される。シリンダーヘッドとエアボックスの間の吸気装置は自由とす

る。

    ただし、吸気系の長さを可変できる装置、およびそれに類する装置はすべて

禁止する。また空気の量をコントロールするスロットルバルブの径は最小

43mm、最大45mmで最大 個までとする。吸/排気ポートの切削による加工

は自由。ただし、肉盛り等、材料の付加は方法の如何を問わず許されない。ま

た、ポートに対するインサート等の加工も許されない。

第11章 フォーミュラ4(F4)

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    円形断面を有する、長さ mm、直径25mmの並行孔のエアリストリクター

を取り付けること。エンジンに吸入される空気はすべてこのエアリストリクタ

ーを通過すること。1.2)に従いエアリストリクター径が変更されることがある。

    エアリストリクターは、金属性でなければならない。

    エアボックスの材質は多孔性でない限り自由とするが容積は最大9.5ℓとす

る。

    また、エアボックスはコンプリートホイールから150mm以上離れていなけ

ればならない。

    マニホールド、インジェクター、エアボックスおよびエアリストリクターを

含む全吸気系は長さ1,000mm、幅500mm、高さ500mmの箱に納まるものでな

ければならない。ただし、水平対向エンジンについては、エアリストリクター

は500mm×500mm×380mmを超えることのないエアボックスに取り付けるこ

と。

    吸気系はシリンダーヘッドと一体でエンジンから取り外しうるよう規定され

る。

  4.3.1 )シリンダー径の拡大は0.5mmまで許されるが気筒容積は2,000ccを超えては

ならない。ただし、シリンダー径の歪修正の場合は元の寸法に対してトレラン

スを .%まで許容する。また、修正のためのシリンダーライナーの入れ替え

は鉄製に限り許される。加工に伴う上面の研磨も許される。

  4.3.2 )サーモスタット

    サーモスタットは自由。

  4.3.3 )オイルフィルター

    オイルフィルターは自由。

  4.3.4 )ヘッドガスケット

    ヘッドガスケットは自由。

  4.3.5 )カムシャフト、カムギア、バルブスプリング、バルブシート、バルブリフ

ター、ロッカーピポット、バルブクリアランスの調整機構は自由とする。ただ

し、可変バルブタイミングシステムの使用は禁止される。これに伴う最小限の

改造は許される。材質の変更も禁止される。

  4.3.6 )ピストンおよびコンロッドはバランス調整のみ許されるが、それぞれ 個

が未加工品であること。ただし、バルブとの接触をさける加工は全ピストンに

第11章 フォーミュラ4(F4)

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許される。

    クランクシャフトの最低限のバランス調整は許される。

    シリンダーブロックのクランクキャップ部分に対するステフナー(補強材料)

の取り付けは、そのボルトを含め許される。ただし、その取り付けは既存のボ

ルト穴を利用しなければならない。

  4.3.7 )ドライサンプ方式への変更は許される。(オイルパン、オイルポンプ駆動

用ベルト、プーリーの変更も含む)ただし、ドライサンプのスカペンジポンプ

の数は 個までとする。

    ドライサンプ方式への変更に伴い、元のオイルパンと接合する部分の切削加

工および溶接等による最小限の加工は許される。

    オイルポンフ駆動用ベルト、プーリー等の変更にともない、元のアイドルプ

ーリーやウォーターポンプ等のプーリーを含め、最小限の変更は許される。

  4.3.8 )フライホイール

    フライホイールは自由とする。ただし、材質は鉄製で重量は2.5kg以上とす

る。

  4.3.9 )インジェクター、燃料ポンプ

    インジェクターは、最大 個までとし、一般市販のものとする。燃料ポンプ

は自由。

  4.3.10 )シリンダーヘッド

    シリンダーヘッドの平面研磨は自由とする。ただし平面研磨によって生じる

フロントカバーの段つきやボルト穴の長穴加工は許される。

  4.3.11 )スターター

    スターターモーターは電気式であれば自由とする。

  4.3.12 )オルタネーター

    オルタネーターの容量、形式、取り付け方法は自由とする。オルタネーター

の取り外しも許される。取り外しによって生じる補器類駆動のベルトやプーリ

ーの改造、アイドラプーリーの追加は許される。

  4.3.13 )性能の均等化の為、ECUおよびインダクションボックスはJAFに申

請し、承認を受けなければならない。

  4.3.14 )シャシーにエンジンを搭載する場合の最小限の変更および改造は許され

る。

第11章 フォーミュラ4(F4)

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  4.4 )吸気系統の制御

    F エンジン吸気系、真空度コントロール器具。

    以下に示すコントロール器具は、F 用吸気系の真空度をチェックするため

の最良の方法であり、控訴の可能性がないものである。すべてのF は、レー

ス前後にこれをチェックするため、技術委員の処理により本器具を取り付けな

ければならない。この器具のねらいは、吸気系の中に人工的に真空をつくるこ

とであり、下記のものが含まれる。

   ‐0.025〜0.028m3(25〜28ℓ)/minの公称出力を有し、かつ、空気流ゼロに対

し73〜86kPa(55〜65cm Hg)の真空を生ぜしめうるダイヤフラム式真空ポ

ンプ。

   ‐エアリストリクターに完全にマッチしたゴム製管状ストッパー。

   ‐ゴム製ストッパーと真空ポンプ間のパイプに接続する真空計。

    チェックに際し守らなければならない手順は、次の通りである。

   a)各シリンダーにおいて少なくとも 個のバルブが閉じる位置になるまでエ

ンジンを回す。

   b)噴射スライドまたはキャブレターバタフライを開く。

   c)真空ポンプにより20kPa(15cm Hg)あるいは、それ以上の空気低下が吸

気系内に生じるかを真空計でチェックする。

   d)a)の条件が満たされない場合は、すべてのインレットバルブを閉じるた

めにロッカーアームまたはカムシャフトを取り外す。また、競技中バルブ

が損傷した場合には、当チェック手順以前にエントラントは技術委員監督

下において、それらのバルブを修理してもよい。このような場合、20kPa

(15cm Hg)でなく最小限27kPa(20cm Hg)の真空を確保しなければな

らない。

  4.5 )始 動

    電気エネルギー源と始動装置を車両に搭載しなければならず、またドライバ

ー席に通常に着座したドライバーによって作動でき、いかなる時もエンジンを

スタートできなければならない。

    なお、グリッドおよびピットにおいて、補助的に外部より電気エネルギー源

を、車両に一時的に接続してエンジンを始動することができる。

  4.6 )排気管

第11章 フォーミュラ4(F4)

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    排気管の出口は、後方に向けなければならず、水平面から 度以内の上方に

向けることが許容される。

    排気管の高さは、地面から600mmの水平面以下でなければならない。

    走行中の可変装置は禁止される。また、 ..)で使用が禁止される材質を除

き、排気管の材質はサイレンサーを含み自由とする。

    触媒装置の装着を義務付ける。装着する触媒装置は、JAFに申請し、承認

を受けなければならない。

  4.7 )排気音量規定

    すべての車両は第 章“レース車両の排気音量規制”に従うこと。

第 5 条 駆動装置

  5.1 )トランスミッション

  5.1.1 )最大 段のギアボックスとする。ただし、後退ギアは含まれない。

  5.1.2 )後退ギア

    競技に出走したすべての車両は、正常に車両に着座したドライバーによって

操作でき、また正常に作動する後退ギアを備えなければならない。

  5.1.3 )車両は 車輪でのみ駆動すること。

  5.1.4 )横置きギアボックスおよびリアアクスルより前方のギアボックスは許され

ない。

    パドルシフト方式は禁止される。

  5.2 )ディファレンシャル

    リミテッドスリップ方式は認められる。

  5.3 )クラッチ

    クラッチ外径は . インチ以上とする。

第 6 条 サスペンション

  6.1 )走行中にドライバーの操作、電子的・機械的手段により調整できる機構は禁止する。

  6.2 )装備されたショックアブソーバーの複数を関連させて操作、制御する機構は禁止する。

  6.3 )アクティブサスペンションは禁止する。第 7 条 燃料パイプとタンク、ケーブルおよび電気装置

  7.1 )ライン/ケーブル/電気装置

第11章 フォーミュラ4(F4)

-233-

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    ケーブルラインおよび電気装置が、その取り付け位置/材質または連結方法

等に関して航空機工業基準に準拠していない場合、次のことを生じるいかなる

漏れもないよう取り付けなければならない。

   ‐コクピット内に液体のたまり

   ‐コクピット内への液体の侵入

   ‐配線または電気装置と液体との接触

    もし、ケーブルラインあるいは電気装置がコクピットを通過する、または、

コクピット内に取り付けられている場合、それらは防火材でかつ液体の侵入を

防ぐ材料によって完全に覆われなければならない。

    電気系、燃料系へのMIL規格品の使用は禁止される。

  7.2 )パイプライン

    すべての燃料の配管は最大作動温度135℃で、4.1MPa(41bar)の最低破裂圧

力を有していなければならない。

  7.3 )燃料タンク

    最大容積 ℓのコレクタータンクを除くすべての燃料タンクは、FIA/

FT3-1999の仕様に合致するか、あるいはそれを上まわる仕様の燃料ブラダー

でなければならない。

  7.3.1 )JAF/FIA承認の安全燃料タンク

    第 編“付則”参照

  7.3.2 )燃料タンク容量はコレクタータンクを含み35ℓ以下とする。

  7.3.3 )タンクの給油口およびキャップ

    給油口およびそのキャップは、車体外板より突き出してはならない。

    給油口は急速燃料補給の際(特に加圧の下に行う場合)空気の排出ができる

ように十分な直径を有するものとし、かつ、タンクと外気とを結合するブリー

ザーパイプが必要ならばブリーザーパイプより走行中燃料が漏れてはならない。

    また、その排出口はコクピット開口部より後方に250mm以上であること。

    すべてのキャップは、燃料補給後、不完全なロックあるいは衝突による衝撃

によって偶発的に開く危険を少なくするよう十分なロックを確保するように設

計されていなければならない。

    レースおよび予選中のガソリン補給は禁止される。

  7.4 )衝撃吸収構造体

第11章 フォーミュラ4(F4)

-234-

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    直接外気にさらされる車両の燃料タンクのすべての部分は、後記の仕様に合

致した衝撃吸収構造体を組み込まなければならない。

    この区画はウォーターラジエター、インレットダクト、風防等のように付加

されたものに無関係の車体/モノコック構造より完全に外部の範囲をいう。

   a)衝撃吸収構造体は最小180kPa(18N/cm2)の衝撃強度をもつ耐火性のコア

を用いたサンドイッチ構造であること。このコアの中を水パイプを通すこと

は許されるが、燃料、オイル、配線を通してはならない。

     サンドイッチ構造は225MPa(225N/mm2)の引っ張り強度と %の最小伸

張度をもつ厚さ1.5mmの 枚で、どちらか 枚はアルミニウムの合金板で包

含されなければならない。代替として、サンドイッチ構造体は、225MPa

(225N/mm2)の引っ張り強度を有する厚さ1.5mmの 枚の板で包含するこ

とができる。

   b)サンドイッチ構造体の厚さは最小10mmなければならない。

    燃料タンクの位置する前後の部分は製造者の設計による最も幅の広い点は最

小100mmの厚さをもち、長さが350mm以上あり、また次第に10mmまで薄く

なった衝撃吸収構造体で防備されなければならない。

    上記の衝撃吸収構造体の取り付けを強く推奨する。

第 8 条 潤滑系統

  8.1 )オイルタンク

    車両の主要構造体の外部に位置するすべてのオイルタンクは厚さ10mmの衝

撃吸収構造体で防護されなければならない。ベルハウジング内にエンジンオイ

ルを収容する場合はこの限りでない。

    オイルを収容している車両のいかなる部分もギアボックスあるいはファイナ

ルドライブケーシングの後方に位置してはならない。

    レース中、オイルの補給は許されない。

  8.2 )オイルライン

    エンジンに常設されているパイプラインを除き、コクピットの外部にあるす

べてのオイルパイプラインは補強構造でなければならない。

    これらは、次の圧力に耐えられなくてはならない:

   ‐圧力の下でこれらラインの作動について6.86MPa(70kg/cm2)

   ‐その他について686kPa( kg/cm2)

第11章 フォーミュラ4(F4)

-235-

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  8.3 )オイルキャッチタンク

    車両には最小 ℓのオイルキャッチタンクを装着しなければならない。ブリ

ーザーはこのキャッチタンク内に排出しなければならない。

    この容器は透明をプラスチック製であるか、透明な窓わくを備えること。

    ミッションケースより後方に搭載してはならない。

第 9 条 制動装置

  9.1 )制動装置

    すべての車両は、同一のペダルによって操作される少なくとも 系統の回路

を有する制動装置を装備しなければならない。この装置は つの回路に漏れ、

もしくは欠陥が生じた場合でも、ぺダルは少なくとも 輪のホイールを依然と

して制御できなければならない。

  9.1.1 )ブレーキディスクは鉄製に限る。また、パッド摺動面に溝切り加工をされ

たディスクの使用は許される。ただし、パッド摺動面への穴あけは禁止する。

  9.1.2 )ブレーキキャリパーは最大 ピストンまでとし、各ホイールにつき 個と

する。

  9.1.3 )ブレーキを冷却するためのエアダクトを取り付けることが許される。

    ただし、フロントブレーキを冷却するためのエアダクトは下記を超えてはな

らない。

   ‐ホイールの水平中心線上140mmの位置にあって、地面と平行な面。

   ‐ホイールの水平中心線下140mmの位置にあって、地面と平行な面。

   ‐フロントリムの内側面に平行に車両の中心線に向かって120mm移動した面。

   ‐車両の側面から見た時、前方についてはタイヤの周囲、後方についてはホイ

ールリムの周囲。

第10条 ホイールとタイヤ

  10.1 )ホイールの最大数

    ホイールの数は 本に限定される。

  10.2 )位 置

    後部空気力学的装置を取り外した車両を平面的に見た場合、コンプリートホ

イールはエアボックスを除く車体の外側になければならない。

  10.3 )寸 法

   a)コンプリートホイールの幅は11.5インチを超えてはならない。

第11章 フォーミュラ4(F4)

-236-

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     ホイールリム径:13インチとする。

     タイヤの径は左右同一とする。

   b)幅の測定は、タイヤを通常の走行状態の圧力下で、コンプリートホイール

をドライバーが搭乗した走行状態の地上に静止している車両に装備して実施

する。幅の測定はハブの高さより上部で、コンプリートホイールの最も広い

点で行うこと。

  10.4 )材 質

    ホイールの材質は鉄またはアルミ軽合金とする。

第 11 条 安全装置

  11.1 )消火装置

    すべての車両には、内容量 kg以上の粉末消火器、またはFIA国際競技

規則付則J項第253条 に記された消火剤および内容量、あるいは同第259条14

に記された消火器を、ドライバーが速やかに操作できるように搭載しなければ

ならない。

  11.2 )記載項目

    )以下の情報を各消火器に明記しなければならない:

    a)容器の容量

    b)消火剤の種類

    c)消火剤の重量もしくは容量

    d)消火器の点検日

    )消火装置の点検日は、消火剤の充填期日もしくは前回点検期日から 年以

内とする。(消火剤の充填日もしくは前回の点検期日から 年を過ぎて使用

してはならない。)ただし、 年毎の点検を継続したとしても消火装置の製造者が定めた有効年数あるいは耐用年数を超えて使用することはできない。

    -消火装置の製造者が、有効年数あるいは耐用年数を定めていない場合、その使用期限は製造期日(または初回充填期日)から 年間を目処とする。

    -消火剤の充填日もしくは前回検査日の表示が年(月)表示である場合、有効期間の起算日は当該年(月)の末日とする。

    ) 年毎に製造者、製造者が指定した工場、あるいは代理店などの有資格者

による点検を受けること。

  11.3 )後方視界

第11章 フォーミュラ4(F4)

-237-

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    すべての車両は、その両側にドライバーが後方を見ることができるように少

なくとも つのミラーを装備しなければならない。

    各ミラーの反射面の最小幅は150mmで、少なくともそれが縦50mmにわたり

維持されていなければならない。各コーナー部については最大半径10mmのR

が上記寸法内で許される。

  11.4 )ステアリングホイール

    ステアリングホイールは迅速に取り外せる機構を備えていなければならない。

その取り外しはステアリングホイール裏側のステアリングコラムに設置された

同心円状のフランジを引く方法であること。

    スイッチ、メーター、その他の部品等を装着する場合、それらは突起した形

状(トグルスイッチ等)であってはならず、ドライバーと対面するステアリン

グホイールリム全体で形成される平面よりドライバーに近いところに位置して

はならない。

    緩衝パッドの装着を推奨する。

  11.5 )安全ベルト

    肩部ストラップ、 本の腰部ストラップおよび 本の脚部ストラップの装着

が義務づけられる。

    これらのストラップは、車両に確実に固定され、FIA基準8853/98に合致

していなければならない。

  11.6 )電気回路開閉装置(サーキットブレーカー)

    ドライバーが安全ベルトを装着し、ステアリングホイールをつけ運転席に着

座した状態で、操作できる放電防止つきサーキットブレーカーによって、点火

装置、燃料ポンプ、および電気回路を遮断することができなければならない。

    スイッチはコクピットの右側に取り付けられ白い縁どりをした底辺が

100mmの青い三角の中に赤色のスパークを描いた標識で表示されていなくて

はならない。また、外部からでも容易に操作できるような構造になっていなけ

ればならない。

    外部のスイッチは引く事により操作するもので、主要ロール構造体の基部の

右側に取り付けられ、救急要員が離れた所からフックにより操作できるもので

なくてはならない。

  11.7 )尾 灯

第11章 フォーミュラ4(F4)

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    すべての車両には、競技中作動する赤色灯を装備していなくてはならない。

    )JAFに申請し、承認を受けたモデルであること。

    )車両の中心線に対して90°の角度で後方に向けられていること。

    )後方から明確に認知できること。

    )車両の中心線より100mm以内に設置されなければならない。

    )地上から400mm以上の位置に設置すること。

    )取り付け位置は尾灯表面の中心で定義されるものとする。

    )車両に正常に着座したドライバーによって点灯できるものでなくてはなら

ない。

    )操作スイッチにより点灯した時には常時点滅する構造のものとする。

  11.8 )ヘッドレスト・サイドパッド

    すべての車両は、直径50mmのパッドを介し垂直に833N(85kg)の荷重を加

えた時に、50mm以上変形しないへッドレストを備えていなくてはならない。

    ヘッドレストは、40,000mm2以上の領域にわたり、その厚さが50〜60mmの

衝撃吸収材を有しなければならず、連続的であり、突出した部分があってはな

らない。

    また、正常な着座位置にあるドライバーのヘルメットの両側に直接沿う位置

のコックピット両側の、少なくとも25,000mm2の領域にわたり、その厚さが50

〜60mmの衝撃吸収材によるパッドを装備することができる。

    ヘッドレスト、サイドパッドの上面は、少なくともコックピット開口部と同

じ高さでなければならず、工具を使用しなくても取り外せるような構造になっ

ていなければならない。

    固定具を使用する場合には、黄色による識別、あるいは矢印によりその所在

が明確に表示されていなければならない。

    ヘッドレスト、サイドパッドは、事故による衝撃がドライバーの頭部に加わ

った時に、ドライバーのヘルメットが最初に接触する場所になければならない。

    ヘッドレスト、サイドパッドの衝撃吸収材は、FIAが指定したCONFOR

Form CF (Blue)、またはそれと同等の性能を有するとJAFが認めた材質

を強く推奨する。

  11.9 )安全構造

  11.9.1 )サバイバルセル

第11章 フォーミュラ4(F4)

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    )シャシー構造体は連続した つの構造部材をドライバーの両側に つずつ

包含すること。

    )それぞれの構造部材は、燃料タンクの背面から作動していない位置にある

ペダルより前方まで延長され、そして横断隔壁で終結する。

     このペダル軸はフロントホイール中心の垂直面より後方に位置しなければ

ならない。

    )それぞれの構造部材を構成する強度部材は、最小引っ張り強度225MPa

(225N/mm2)以上で、その全長を通じ最小1,000mm2の断面積を有すること。

ハニカム材、発泡材等の空隙を含む材料は強度部材として断面積には含まな

い。

    )その全長を通じそれぞれの構造部材は、金属材料製の場合最小15,000mm2

の構造断面積(空隙を含む)を有しなければならない。カーボン/アラミド

繊維製の場合はこの限りではないが、金属材料製と同等かそれ以上の強度を

有し、その証明をJAFに提出し、承認を得なければならない。

    )ボックスすべての孔部あるいは切り抜き部は、強固に補強し、またこれら

孔部を通るすべての断面の材質は最低材質・領域の要求条件に合致している

こと。

    )ドライバーの足部裏面からドライバー座席の背部までいかなる点でもコク

ピットの内部断面積は70,000mm2以下であってはならず、また最小幅はコク

ピットの全長を通じ250mm以上なければならない。

     この部分に侵入してよい唯一の物はステアリングコラムとドライバーの居

住性のためのパッドのみである。

    )前部と後部ロールオーバーバー構造体の間の構造部材の最小高は300mm以

上あること。

    .)シャシーは前部横断隔壁の前方に独立した衝撃吸収構造体を包含するこ

と。

     ラジエターをこの構造体に組み込むことは許される。もし、この構造体が

取り外しできる場合にはしっかりと取り付けられなければならない。

    .)構造体は前部横断隔壁の前方300mmの位置に最小20,000mm2の断面を有

すること。

    .)部材は最小引っ張り強度225MPa(225N/mm2)以上のアルミニウム材料

第11章 フォーミュラ4(F4)

-240-

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とし、部材の厚さは最小1.5mmでなければならない。

     カーボン/アラミド繊維製の場合は、金属材料と同等かそれ以上の安全性

能を有すること。

     しっかり取り付けられたラジエターは、これら主要条件に合致していると

考察される。孔部あるいは切り抜き部分は元の強度を保有するよう強固に補

強されていなければならない。

  11.9.2 )側面防護体

    側面防護体は高さ150mm以上あること。それらは、車両の縦の中心線から

最小550mmの両側にあり、前部ロールオーバーバーから燃料タンク背面まで

連続して設置されなくてはならない。側面防護体は、 kPa( N/cm )以上

の衝撃強度をもつコアを用いたサンドイッチ構造であること。

    サンドイッチ構造の表面板には MPa( N/mm )の引っ張り強度と %

の最小伸張度をもつ表裏の合計厚さ .mm以上のアルミニウムの合金板あるい

は同等の強度を持つ材料で構成されなければならない。それぞれの防護体は最

小2,000mm2の断面積を有すること。側面防護体は側面衝撃の緩和を有効にす

るため車体横断して堅固に連結すること。ラジエターをこれら構造体に取り入

れることができる。このコアの中に水パイプを通すことは許されるが、燃料、

オイル、配線を通してはならない。

  11.9.3 )ロール構造体     )安全構造の基本目的はドライバーの防護にある。この目的は設計の基本考

察である。

    )すべての車両は少なくとも つのロール構造体を装備しなければならない。

チタニウム材の使用は禁止される。サバイバルセルがカーボン/アラミド繊

維製でロール構造体が一体の場合、カーボン/アラミド繊維の使用は認めら

れる。

     第 ロール構造体は、ステアリングホイールの前方にあり、ステアリング

ホイールの前方250mm以上にあってはならず、また少なくともステアリン

グホイールの項点と同じ高さでなければならない。

     主要ロール構造体は、第 ロール構造体の後方500mm以上離れていなけ

ればならず、ドライバーが通常に車両に着座し、へルメットをかぶり、シー

トベルトを締めた状態のとき、そのドライバーのヘルメットは、第 ロール

第11章 フォーミュラ4(F4)

-241-

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構造体の頂点と主要ロール構造体の頂点を結ぶ線を超えてはならない。

     座席の背部にある主要ロール構造体は、車両の縦方向の中心線に対し左右

対称であり、また次の項目に合致しなければならない。

    ‐高さはコクピット底面から垂直に測定し、ロール構造体の頂点までの間が

少なくとも950mmなければならない。

    ‐ロール構造体の頂点は、通常の運転姿勢におけるドライバーのへルメット

から少なくとも50mm上方になければならない。

    ‐主要ロール構造体の上部より50mm低いところを通る水平面上に構成され

た主要ロール構造体の垂直投影面積は少なくとも10,000mm2はなければな

らない。

第11- 図

    )サイドロールバー:

     コクピット両側面には車体下面より最低500mmの高さにサイドロールバ

ーを取り付けること。

     サイドロールバーは第 ロール構造体と主要ロール構造体を連結すること。

     サイドロールバー構造体は直径25mm以上で肉厚1.6mm以上の鉄パイプで

あること。ただし、これをサバイバルセルで代用してもよい。

    )ロール構造体の強度:

     第 ロール構造体および主要ロール構造体の頂点に、次の最小荷重が同時

第11章 フォーミュラ4(F4)

-242-

50mm

50mm

横から見た図

上から見た図

垂直投影面積10,000mm2以上

車両中心線

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に加わっても耐えられるものでなければならない。

    ‐1.5W横方向

    ‐5.5W車の前後方向

    ‐7.5W垂直方向

    Wは5.733kN(585kgf)とする。

    参加者は、コンストラクター責任者またはその設計者による証明書を、競技

会の技術委員の求めに応じ提出しなければならない。証明書には、このロール

構造体の図面または写真が添付され、このロール構造体が上記荷重に耐え得る

ことが明記されていなければならない。

   一般考察:

    )ボルト、ナットを使用する場合には、その数に応じて十分な最小寸法を必

要とする。その材質は最上級のものであること(航空機用)。スクエアヘッド

ボルト、ナットは使用しないこと。

    )構造の主たる部分には継ぎ目の無い 本のパイプを使用し、曲折部分は滑

らかに連続的に曲げられており、ひだ、あるいは壁部に欠損がないこと。

    )溶接は全体にわたって最高の技能をもって行われるべきである(通常はア

ーク溶接、または特別の場合にはへリアーク溶接が使われる)。

    )スペースフレーム構造に関し、ロール構造体はそれにかかる荷重を広い面

積に分散するように車両に取り付けられることが重要である。

     ロール構造体を単一なパイプ、あるいは継ぎ足されたパイプに付帯させる

だけでは不十分である。

     ロール構造体はフレームの延長として設計されるべきで、単にフレームの

付属として考えるべきでない。

     基本構造の強度は十分な考慮が払われるべきである。例えば適宜に荷重を

分散させるため補強バーあるいはプレートを付加すること。

    )モノコック構造には車両の内部に360゚の完全な輪状のロール構造体を装備

することが考えられ、また、適切な取り付け板をもって取り付けられる。こ

の種のロール構造体はフレームに代わるものである。

  11.10 )ホイールテザー

    ホイールと車両との結合を保つすべてのサスペンション連結部が破損した際

にホイールが車両から外れるのを防ぐために、ホイールテザーの装着が認めら

第11章 フォーミュラ4(F4)

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れる。テザーの強度要件は引っ張り強度70kNであることが望ましい。ホイー

ルテザーを装着する場合は、車両の主要構造体と各ホイール/アップライトア

ッセンブリを、断面積が75mm2を上回る柔軟性のあるケーブルで連結しなけれ

ばならない。

第 12 条 燃 料

  第 章“公認車両および登録車両に関する一般規定”第10条10.1)「燃料-燃焼物」

に従うこと。

第11章 フォーミュラ4(F4)

-244-

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第11- 図

第11章 フォーミュラ4(F4)

-245-

フロントオーバーハング1000m

m

300mm

600

断面A-A

AA

燃料タンクから背

面まで前部ロールオーバーバーから

最小断面積10,000mm

2

300

最小550mm

450

最小300mm

最小断面積2,000mm

2

R5

最小ホイールベース2,000m

mリアオーバー

ハング最大600mm

フラットボトム区間

最大250m

m

最小500m

m

最小500mm

最小150mm

全幅最大1,700mm

フロントホイールより前方の車体幅最大1,300mm

リアホイール中心線から後方の最大幅900mm

最小トレッド1,200mm安全ロールバー以外の最高地上高900mm

最小50mm

50mm

最小950mm

最大600mm

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第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

第 1 条 規 定

  1.1 )規定の発行

    スーパーフォーミュラ(SF)車両の構造を規定する以下の技術規定はJA

Fによって発行される。

  1.2 )規定の改定

    JAFは、毎年遅くとも10月にこれらの規定に関する改定内容を発表し、通

常、翌年の 月 日から施行する。

    ただし、安全上の理由による改定は上記にかかわらず直ちに施行する。

  1.3 )規則の遵守

    すべてのSF車両は、競技期間中および公式テスト期間中のいかなる時でも、

これら規則に合致していなければならない。

  1.4 )適合車両

 1.4.1 )本規定の以下の条項に合致した車両で、JAFが認めたスーパーフォーミュラ(SF)車両製造者から供給される車両。

 1.4.2 )本規定で個別に認められた改造、および、スーパーフォーミュラ(SF)車両製造者が指定した改造以外にいかなる改造も許されない。

 1.4.3 )シャシーの一部として取替えが可能な部品は、本規則で個別に認められているものを除き、すべてスーパーフォーミュラ(SF)車両製造者が供給するも

のに限られる。

  1.5 )測 定

    すべての測定は、車両を平坦な水平面の上に静止させた状態で行われる。

  1.6 )競技参加者の義務

    競技参加者は競技期間中、いかなる時でも自己のSF車両が本規定に合致し

ていることを、車両検査委員および競技会審査委員会に立証する義務がある。

  1.7 )テクニカルパスポート

    すべての競技参加者は、公式登録申請に基づき、JAFが競技参加者の個々

の車両に対して発行するテクニカルパスポートを所持し、常に車両に付帯して

おかなければならない。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

-246-

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    いかなる車両も、車両検査でテクニカルパスポートが有効でない場合、競技

に出場することは許されない。

第 2 条 車体と寸法

    カメラ、カメラハウジング、エンジンおよびトランスミッションと走行装置

の機械的機能に限定して関連する部分を除き、外気にさらされている車両の全

ての懸架部分は車体と定義される。

    エアボックス、ラジエターおよびエンジンの排気装置は車体の一部とみなさ

れる。

  2.1 )許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更

 2.1.1 )本規定の遵守、ならびに構成部品の正規の取り付け位置および寸法の確保を目的とした各部品の切削、調整およびシムの追加。

 2.1.2 )オリジナルの車体に対して次の改造が認められる。   1) 車載カメラ、無線、ECU、データロガー、センサーアンテナ、通信コネ

クター、および配線の取り付け。

   2) ラジエター、オイルクーラーから放出される空気量を制御する開口部およ

びルーバーの設置。

   3) 接合部、留め具、または、任意の傷つきやすい部分の先端部に限り車体に

テープを貼付。

   4) 車体(衝撃吸収装置を含む)の塗装。

   5) 車高センサー防護用カバーの設置。

     (1) 平面視において、縦横断面比は 3.5:1以下。

     (2) 側面視において、200mm×80mmの領域以内。

   6) ガーニータイプのトリムタブの取り付けおよび取り外し。

  2.2 )ホイールの中心線

    ホイールの中心線とは、いずれも床面に垂直に静止している車両のタイヤト

レッドの中心を基準にしてコンプリートホイールの相対的な側面の つの垂線

の中間をいう。

  2.3 )高さの測定

    すべての高さは基準となる面(以下、基準面)を基準として、そこから計測

されるものとする。

  2.4 )全 幅

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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    操舵される車輪を直進位置に向けた状態でのコンプリートホイールを含む車

体の全幅は1,910mmを超えてはならない。

    車体の全幅は、空気圧1.4barのタイヤを取り付けた状態で測定するものとす

る。

  2.5 )リアホイールの中心線より前方の幅

  2.5.1 )リアホイールの中心線とフロントホイールの中心線との間にある車体の幅

は、1,605mmを超えてはならない。

  2.5.2 )フロントホイールの中心線から前方にある車体の幅は、1,905mmを超えて

はならない。

  2.5.3 )他の車両のタイヤに損傷を与えることを防ぐため、フロントホイール前方

の車体側面先端部の頂点および前端(フロント翼端部先端を構成するすべての

部分を含む)は、少なくとも半径 mmの丸みを帯びており、最低10mmの厚さ

がなければならない。

    車両中心線に対し、上面視で60°未満の角度で後退している場合には、これ

らの領域にある車体の一切の水平部分の前端部はこの要件に合致する必要は無

い。

  2.6 )リアホイールの中心線より後方の幅

  2.6.1 )リアホイールの中心線から後方の車体の幅は、1,000mmを超えてはならな

い。

  2.6.2 )基準面から650mm以上の高さに位置する車体部分の幅は、リアホイール中

心線とその後方600mmの間にあっては900mmを超えてはならず、600mm以上

後方にあっては、960mmを超えてはならない。

  2.7 )全 高

    車体のいかなる部分も、基準面から上方960mmを超えて位置してはならな

い。

  2.8 )フロント車体部分

    フロントホイール中心線の後方330mmの地点より前方に位置し、車両の中

心線と中心線から725mmの間にある車体のすべての部分は基準面上方55mm以

上でなければならず、725mmを超える所にある部分は基準面上方55mm以上

320mm以下でなければならない。

    折り目から15mmを超えないガーニータイプのトリムタブは許される。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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    ガーニータイプのトリムタブの曲げ角度は任意だが、基準面から高さ

320mmを超えてはならない。

  2.9 )リアホイール前方の車体

  2.9.1 )13.4)で規定する後方視界用のミラーとその取り付け部を除き、フロントホ

イールの中心線より330mm以上後方、およびリアホイールの中心線より

330mm以上前方にあり、基準面から高さ600mm以上にある車体のいかなる部

分も、車両の縦方向の中心線から340mm以上離れてはならない。

  2.9.2 )リアホイール中心線とリアホイール中心線より550mm前方に引いた線の間

で、車両の中心線から500mmを超える位置にある車体のいかなる部分も、基

準面から375mmを超える高さにあってはならない。

  2.9.3 )リアホイール中心線とリアホイール中心線より400mm前方に引いた線の間

で、車両の中心線から500mmを超える位置にある車体のいかなる部分も、基

準面から335mmを超える高さにあってはならない。

  2.10 )リアホイール間の車体

  2.10.1 )リアホイールの中心線とリアホイールの中心線より330mm前方の地点と

の間にある車体のいかなる部分も、基準面から805mmを超える高さにあって

はならない。

  2.10.2 )リアホイールの中心線とリアホイールの中心線より115mm後方の地点と

の間にある車体のいかなる部分も、基準面から560mmを超える高さにあって

はならない。

  2.11 )リアホイールの中心線から後方の車体

  2.11.1 )リアホイールの中心線から120mm以上後方に位置する車体のいかなる部

分も、基準面から高さ960mm以上にあってはならない。

  2.11.2 )リアホイールの中心線から120mm以上後方で、基準面から高さ650mmと

960mmの間にある車体で、車両の中心線から115mm離れた地点と405mm離れ

た地点との間にあるいかなる部分も、リアホイール中心線後方135mmと

540mmの間に位置する領域に収まっていなければならない。

    この領域を側面から見たとき、その縦断面に つを超えて閉鎖部分があって

はならない。

    ただし、 つの閉鎖部分( 枚エレメント)の場合は、リアホイール中心線

後方135mmと725mmの間に位置する領域に収まっていなければならない。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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  2.11.3 )車両の走行中に、これらの領域の関係が変化する可能性が無いことを確実

にするため、堅固な複数の支持体を使用し、互いに架橋されなければならない。

  2.11.4 )折り目から15mmを超えないガーニータイプのトリムタブは許される。

    ガーニータイプのトリムタブの曲げ角度は任意だが、角度にかかわらず基準

面から高さ960mmを超えてはならない。

  2.12 )フロントホイール周囲の車体

    10.5)で規定するエアダクトおよび13.4)で規定する後方視界用のミラーとそ

れらの取り付け部を除き、平面に見て、車両の中心線から350mmおよび955mm

の所にある 本の縦方向の線と、フロントコンプリートホイールの中心線から

前方425mmおよび同ホイールの中心線から後方800mmの所にある 本の横断

線とによって形成される領域には、いかなる車体の部分もあってはならない。

  2.13 )地面に面した車体部分

  2.13.1 )フロントホイールの中心線より1,000mm以上後方、およびリアホイールの

中心線より330mm以上前方にある、車両の下から見える懸架部分はいずれも、

基準面とステップ面のどちらかを形成するものとする。これは、見えている後

方視界用ミラーのいかなる部分ならびにサスペンションアーム・ブラケットに

も適用されない。

  2.13.2 )さらに、すべての部品によって基準面上に形成される面は次の条件を満た

さなければならない。

   ‐フロントホイールの330mm後方の地点からリアホイールの中心線まで継続す

る。

   ‐その幅は最小300mm、最大500mmとする。

   ‐車両中心線を軸に左右対称とする。

  2.13.3 )フロントホイールの中心線より330mm以上後方、およびリアホイールの

中心線より330mm以上前方にある、車両の下から見える懸架部分はいずれも、

均一で、重厚で、堅く、連続していて、固定され(車体/シャシーに関してい

かなる遊びもないこと)、不浸透性の表面となっていなくてはならない。

    基準面とステップ面の表面に、これら自身の面に完全に囲われた穴を設ける

ことが認められるが、車両部品が車両の真下からそれらの穴を通して直接見え

ないことを条件とする。

  2.13.4 )製造上の問題および、すべての規定に準拠していなければいかなる設計も

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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認められないという点を考慮し、フロントホイール中心線の330mm後方の地

点とリアホイール中心線の間にある基準面とステップ面の表面の形状に対して

± mmの垂直公差が認められ、車両の真下からこれらの面が見えるかどうか

を確認する時には、左右に mmの水平公差が認められる。

  2.13.5 )車両を平面に見て、フロントホイールの中心線より後方 mmおよび, mmにある 本の横断線と、車両中心線から mmの車両中心線に平行する 本の線により形成される領域内にある懸架部分を除き、フロントホイールの中心線より mm後方で、車両の中心線から mm以上離れた所にあり車両の下から見ることができるすべての懸架部分は、基準面から高さ mm

以上になくてはならない。

  2.14 )スキッドブロック

  2.14.1 )基準面上のすべての部品で形成される面の下に、各前面角部に半径50mm

(± mm)の丸みをつけた状態で長方形のスキッドブロックを取り付けなけ

ればならない。スキッドブロックは複数でもよい。

    ただし、

   a)スキッドブロックはフロントホイール中心線の330mm後方から縦方向にリ

アホイールの中心線の前方255mmに至るものであること。

   b)比重が1.3〜1.45の間で均質の材質で造られていること。

   c)幅は300mmで公差は± mmであること。

   d)厚さは10mmで公差は± mmであること。

   e)新しい場合は一定の厚さであること。

   f)2.14.2)で認められている留め金具を固定する際に必要な穴や、下記g)に

指定されている穴以外の穴や切り取りがあってはならない。

   g)第12-1図に示される位置に つの穴をあけること。

     使用後のスキッドブロックの適合性を確証するために、その厚さは直径

mmの穴 つの周囲のみを使って測定される。

     この つの穴の各々の周囲の少なくとも 箇所で最小 mmの厚さが遵守

されていなければならない。

   h)スキッドブロックは、ブロックと基準面上の部品で形成される面の間に空

気を通さぬよう、車体の中心線を軸として左右対称に取り付けること。

  2.14.2 )スキッドブロックを車両に取り付ける際に使用する留め金具は、次の条件

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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を満たしていなければならない。

   a)留め金具は、最少10箇所。

   b)下から直接見たときの総面積は40,000mm2を超えてはならない。

   c)下から直接見たときの各部分の面積は2,000mm2を超えてはならない。

   d)底面全体が車両の下から直接見えるように取り付けること。

     留め金具は底面と同一面あるいはそれより上方に設置されること。

  2.14.3 )ブロックの周囲の下端の縁を、斜角30°、深さ mmとなるよう削っても

よいが、後縁は長さ200mmにわたり深さ mmまで面取りすることができる。

  2.15 )オーバーハング

 2.15.1 )車両のいかなる部分もリアホイール中心線の後方875mmを超えてはならず、

またフロントホイール中心線の前方1,245mmを超えてはならない。

 2.15.2 )リアホイール中心線より後方120mm以上離れた位置にあり、基準面から高

さ650mm以上に位置する車体部分は、リアホイール中心線の後方725mmを超

えてはならない。

 2.15.3 )車両の縦方向の中心線から200mm以上離れた所にある車体のいかなる部分

も、フロントホイール中心線の前方1,010mmを超えてはならない。

    すべてのオーバーハングの測定は、すべて基準面に対して平行に行われる。

  2.16 )空気力学的装置

    9.5.5)に規定されるホイールテザーを保護する目的のみのため単独で使用さ

れている非構造のシュラウド、および10.5)に規定されるエアダクトを除き、

車両の空気力学的性能に影響するいかなる部分も

   ‐車体に関するすべての規定に準拠していなければならない。

   ‐車両の懸架部分全体に堅固に固定して取り付けられていなければならない

(一切の遊びがなく固定されているものとする)。

   ‐ラバー等弾性のあるものを用いてはならず、剛体結合されていること。

   ‐懸架部分との連結において動きが一切ないものとする。

    あらゆる状況においても、車両の懸架部分と地面との間に、何らかの装置あ

るいは構造体を有することは一切禁止される。

    2.14)に規定されるスキッドブロックを除き、空気力学的影響を持つ構造部

分および車体は、状況を問わず基準面より下に位置してはならない。

  2.17 )車体上部

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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  2.17.1 )車両を側面から見て、リアホイールの中心線より1,200mm前方の垂直線と、

基準面から高さ540mmの位置の水平線と、基準面から高さ760mmの地点でこ

の垂直線と交わりリアホイール中心線の前方270mmの地点でこの水平線と交

わる斜線の 本の線で形成される三角形の領域部分の領域全体には、2.17.2)に

記述されている開口部を除き、車体部分が存在しなければならない。

    この三角形部分の車体は、車両の中心線に対して対称であり、最初の斜線よ

りも200mm下の平行なもう 本の斜線上のどの地点で測定しても必ず幅が

150mm以上なければならない。

    また、この 本の斜線に挟まれる部分の車体は、第 斜線上に幅150mmの

底辺を持つ水平面に形成される垂直な二等辺三角形よりも広くなければならな

い。

  2.17.2 )サーキット上で停止した車両の撤去を速やかに行うため、主要ロールオー

バー構造体には車両を持ち上げるためのストラップが通せるような、確認が容

易で遮るもののない断面60mm×30mmの開口部を装備しなければならない。

    開口部は、赤色または黄色の矢印でその所在が示されていなければならない。

    吊り上げストラップあるいはテンプレートを通過させる際に、それらが落下

しないような構造でなければならない。

  2.18 )車体の柔軟性

    フロントホイール前方の車体部分は、垂直方向に0.5kNの荷重を加えた時に、

垂直方向の歪みが mmを超えてはならない。

    この試験を行うときは、フロントホイール中心線の850mm前方、かつ車両

の中心線から650mmの位置が中心となる直径50mmのパッドを介し、長さ

200mmで幅150mmのアダプターを通して下方に荷重を加える。

    競技参加者はこのテストが必要と見なされた場合にアダプターを提供しなけ

ればならない。

第 3 条 重 量

  3.1 )最低重量

    660kg未満であってはならない。

  3.1.1 )最低重量の検証にかかわるすべての搭載燃料は、車載の燃料ポンプにより

排出されなければならない。

  3.1.2 )車載の燃料ポンプを使用することが出来ない場合は、すべての搭載燃料が

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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排出されることが明らかであることを条件に、補助的な外部ポンプを一時的に

接続して使用することができる。

  3.2 )バラスト

    バラストは、その取り付けを目的とした位置に取り外しに工具を必要とする

ような方法で固定されるならば使用することは許される。車両検査委員によっ

て必要とみなされた場合に封印を施すことが可能でなければならない。

  3.3 )レース中の追加

    燃料、窒素と圧搾された空気を除き、いかなる物質もレース中車両に追加し

てはならない。

    レース中に車両のいずれかの部品の交換が必要となった場合、新たに取り付

ける交換部分の重量が元の部分の重量を超えてはならない。

第 4 条 エンジン

 4.1.1 )エンジンの型式および排気量

    認められるエンジンはJAFに申請し承認を受けた過給器付き筒内直接噴射

の直列 気筒で、排気量2,000ccを超えることの無いエンジンのみである。

    当該エンジンを使用して初めて参加する競技会の ヶ月前までに申請しなけ

ればならない。

    申請は シーズンに 回に限られる。

 4.1.2 )クランク軸は車両前後方向に配され、シリンダーは直立に配置されなけれ

ばならない。

 4.1.3 ) シリンダーにつき インジェクターとする。

 4.1.4 ) シリンダーにつき吸気 バルブ、排気 バルブとする。

 4.1.5 )バルブスプリングはコイル式とする。

 4.1.6 )カムシャフトは最大 本とする。

 4.1.7 )可変バルブタイミング機構は禁止される。

 4.1.8 )可変圧縮比機構は禁止される。

 4.1.9 )デッキハイトは制限しない。

 4.1.10 )ボア径は88±2.0mmとする。

 4.1.11 )クランクシャフトのピン径およびメインジャーナル径は自由。

 4.1.12 )クランクシャフトベアリングは、プレーンベアリングとする。

 4.1.13 )クランク中心からサンプ底面までの距離は最小100mmとする。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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 4.1.14 )エンジン全長(エンジン前後のマウンティング面間)は500±0.5mmとす

る。

 4.1.15 )エンジン重量は最低85kgとする。ただし、下記部品は含まない。

    オルタネーター、フライホイール及びスタッドボルト、オイル、水、ECU、

排気管及びそのガスケット(ヘッド-排気管間)、エアフィルタ、クラッチ一式、

遮熱版

 4.1.16 )材料の規制

    各部品の材料規制は以下の通りとする。

   a)アルミ合金または鉄合金に制限される部品

     シリンダーヘッドカバー、シリンダーヘッド、シリンダーブロック・サン

プ、フロントカバー、リアカバー、シリンダーライナ(スリーブ)

   b)チタン合金、鉄合金またはニッケル合金に制限される部品

     バルブ、バルブスプリングリテーナ、バルブコッタ、ターボセンターハウ

ジング

   c)鉄合金に制限される部品

     カムシャフト、バルブスプリング、ピストンピン、クランクシャフト、コ

ンロッド、フライホイール

   d)アルミ合金に制限される部品

     ピストン

   e)コバルト、鉄またはニッケルをベースとした合金に制限される部品

     ボルト、ナット類

   f)セラミックを使用して良い部品

     点火プラグ、センサー類

   g)金属間化合物、マグネシウム合金

     禁止(ターボコンプレッサーハウジングのみマグネシウム合金可)

   h)ダイヤモンドライクカーボンコーティング(DLC)の禁止

     ピストン、シリンダーライナ(スリーブ)

 4.1.17 )過給装置

    過給装置は、JAFに申請し承認された 仕様のみとする。

 4.2 )エンジンの改造

 4.2.1 ) 燃料系統

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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    )燃料ポンプ

    JAFに申請し承認された高圧燃料ポンプおよびポンプカムプロフィールの

使用が義務付けられる。

    車室内、車体外部への設置を禁止される。

    )燃料流量制限機構

    JAFに申請し承認された燃料流量制限機構を装着しなければならない。

    )燃圧

    減速時を除き、高圧側 bar、低圧側 barを上限とする。

    )燃料インジェクター

    JAFに申請し承認された燃料インジェクターの使用が義務付けられる。

     個/シリンダーとする。

 4.2.2 )点火系統

    点火プラグは 気筒当り 本とする。

 4.2.3 )潤滑系統

    オイルクーラーは上方から見て、車両の輪郭から突出するものであってはな

らない。

 4.3 )吸気系統

    可変インレットポート、調整式吸気装置、可変吸気トランペットは許されな

い。

 4.3.1 )インタークーラー

    吸入空気冷却のためのインタークーラーは 個で、インタークーラー以外の

エンジンに供給される空気の温度を下げる目的または効果を持ついかなる装置、

システム、手続き、構造もしくは設計はすべて禁止される。

  4.4 )冷却

 4.4.1 )ウォーターラジエターのコアは 個で、ウォーターラジエター、オイルク

ーラーおよびエンジン各部の冷却は、空気のみが認められ、空気以外のいかな

る物質の噴射または噴霧による方法は禁止される。

  4.5 )排気系統

    排気系統は自由。ただし、

    )すべての排気ガスが通過する、少なくとも つの触媒装置が設置されなけ

ればならない。触媒装置はJAFに申請し承認されなければならない。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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    )いかなる可変排気装置も禁止される。

    )FAS(Fresh Air System)パス(アンチラグシステムの配管)は禁止され

る。

  4.6 )エンジンコントロールコンピューター

    JAFの指定するエンジンコントロールコンピューターを使用しなければな

らない。

第 5 条 燃料システム

  5.1 )許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更

    配管および取り付け具はオリジナルと同等、あるいはそれ以上の最低破裂圧

力を有していなければならない。

   1) オイル配管(オイルタワーを含む)

   2) 燃料配管

   3) 燃料タンク内部(燃料ブラダーを除く)

   4) 水配管(ラジエターキャップを含む)

   5) 燃料ポンプ

  5.2 )燃料タンク

  5.2.1 )燃料タンクは、FIAのFT5-1999仕様に合致するか、またはそれを上回る

単一の燃料ブラダーでなければならない。

  5.2.2 )車載されるすべての燃料は、側面から見てエンジンの前面とドライバーの

背中の間に貯蔵されていなくてはならない。さらに、いかなる燃料もドライバ

ーの背中が座席と接触する最も高い点より300mm以上前方に貯蔵することは

できない。ただし、最大で ℓの燃料をサバイバルセルの外側には貯蔵するこ

とができるが、これはエンジンの通常の作動にのみ必要とされるもののみとす

る。

  5.2.3 )燃料は車両の縦方向軸から400mm以上離れた所に貯蔵してはならない。

  5.2.4 )すべての燃料ブラダーはFIAに承認された製造者により製造されていな

くてはならない。FIAの承認を得るために、製造者はFIAより承認される

仕様に各自の製品が合致していることを証明しなければならない。これらの製

造者は承認された基準に合致しているタンクのみをその顧客に納品すること。

承認された製造者の一覧はFIAテクニカルリストNo.1に記載されている。

  5.2.5 )すべての燃料ブラダーには製造者名、ブラダーの製造に際し適用された仕

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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様および製造月日が記載されていなければならない。

  5.2.6 )製造日から 年以上経過した燃料ブラダーを使用してはならない。

  5.3 )取り付けと配管

  5.3.1 )燃料タンクのすべての開口部は、ブラダーの内側に金属製または複合材質

のボルトリングによって接合されたハッチまたは取り付け具によって閉鎖され

ていなければならない。

    ボルトの穴の縁は、ボルトリング、ハッチまたは取り付け部の端から mm

以上離れていなければならない。

    すべてのハッチおよび取り付け具は、燃料タンクに付属のガスケットまたは

“O”リングで密閉されなければならない。

  5.3.2 )燃料タンクとエンジンの間にあるすべての燃料配管は、自動閉鎖・分離バ

ルブを備えなければならない。このバルブは、燃料タンクから燃料配管取り付

け具を引き抜いたり、燃料配管取り付け具を破損するのに必要な荷重の50%以

下の負荷で分離するものでなければならない。

  5.3.3 )燃料を収容する配管は、コクピットを通過してはならない。

  5.3.4 )すべての配管は、いかなる漏れが生じても、コクピット内に燃料が滞留し

ないように取り付けられていなくてはならない。

  5.3.5 )すべての配管は、それが曲げられるものである場合、ネジ山のついたコネ

クターおよび摩擦と炎に耐え得る外部網材を有していなくてはならない。

  5.3.6 )すべての燃料の配管は最大作動温度135℃で、4.1MPa(41bar)の最低破裂

圧力を有していなければならない。

  5.4 )衝撃吸収構造体

    燃料タンクは、サバイバルセルの一部分を形成しており、17.2.1)および17.3)

に規定する試験により要求される荷重に耐え得る衝撃吸収構造体で完全に覆わ

れていなければならない。

  5.5 )燃料タンクの給油口

  5.5.1 )すべての車両は燃料タンク給油口と通気口を備えなければならない。これ

は結合されているか、シングルユニットでなければならず、車両の両側もしく

は片側に取り付けられていること(FIA 国際モータースポーツ競技規則付則J

項第252条第 項第252-6図または、JAF国内競技車両規則第 編レース車両規

定第 章10.3.1)第3-1図、第3-1a図に準拠する)。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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  5.5.2 )燃料タンクの給油口および通気口は、デッドマン機構の原理に合致した、

基準の漏出防止ドライブレイクカップリングを備えなければならず、開放状態

のときに、いかなる保持装置も組み込んではならない。

  5.5.3 )燃料タンクの給油口および通気口は、車体より突き出してはならない。

  5.5.4 )燃料タンクの給油口および通気口が燃料タンクに直接取り付けられ、給油

口および通気口が燃料タンクの最上部に位置しない構造を有する場合、給油口

および通気口にダクト(シュノーケル)を設けることは禁止される。

  5.5.5 )燃料タンクの給油口、通気口およびブリーザーは、事故の際に破損しやす

いような場所を避けて取り付けられなくてはならない。

  5.5.6 )燃料タンクと外気とを結ぶブリーザーパイプは走行時に液体の漏れがない

ように設計されていなければならず、その排気口はコクピットの開口部より

250mm以上離れていなくてはならない。

  5.5.7 )燃料タンク内と外気を連結しているすべての通気口またはブリーザーパイ

プは車体の外側に開口していなければならず、逆流防止バルブを備え、車両が

転倒したとき、または燃料補給中に燃料の漏出を防ぐ様に設計されていなくて

はならない。

  5.5.8 )すべての車両には、燃料タンクから車両検査委員により燃料を取り出すこ

とができる自動閉鎖コネクターを備えていなければならない。このコネクター

はFIAで認可されたタイプのものでなければならない。

    コネクターの仕様、その装着ダイアグラムはFIAテクニカルリスト№ に

従うこと。

  5.6 )燃料補給

  5.6.1 )レース中のすべての燃料補給は、FIA 国際モータースポーツ競技規則付則

J項第252条第 項第252-7図またはJAF国内競技車両規則第 編レース車両規

定第 章10.3.2) 「燃料補給タンク」に従った装置を使用しなければならない。

  5.6.2 )レース中の燃料補給ホースには、車両に装着された基準の給油口と通気口

に適合する基準の漏洩防止カップリングを取り付けなければならない。

  5.6.3 )燃料補給を開始する前に、車両および給油装置は地面に電気的にアースさ

れていなければならない。

  5.6.4 )補給タンクからカップリングまでの補給装置のすべての金属部分も同様に

アースされていなければならない。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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  5.6.5 )大気温度より摂氏10℃以上低い温度で燃料を車両へ搭載することは禁止さ

れる。

  5.6.6 )‐燃料の温度を大気温度より下げるための特別な装置の使用は、車載の如何

を問わず禁止される。

    ‐車載の燃料供給配管系統に、燃料の温度を下げるための冷却装置を設ける

ことができるが、その冷却は外気の自然流による空冷式に限定される。

第 6 条 オイルとウォーターシステム

  6.1 )許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更

    配管および取り付け具はオリジナルと同等、あるいはそれ以上の最低破裂圧

力を有していなければならない。

   1) 配管および取り付け具。

   2) オイルまたはウォーターラジエターのインテーク開口部の部分的閉鎖。

   3) オイルまたはウォーターラジエターの前部にストーンガードの設置。

  6.2 )オイルタンクの位置

    オイル貯蔵するすべてのタンクは、車両を縦方向に見てフロントホイール軸

とギアボックスケーシングの最後部との間に設置されなければならず、サバイ

バルセル両端(横方向)より外に位置してはならない。

  6.3 )オイルシステムの縦方向の位置

    オイルを収容する車両のすべての部分は、リアコンプリートホイールの後方

に設けられてはならない。

  6.4 )キャッチタンク

    オープン方式のサンプブリーザーを含む潤滑系統の車両では、このブリーザ

ーは、最少容積2,000ccのキャッチタンク内に排出しなければならない。

  6.5 )オイルシステムの横方向の位置

    オイルを収容するすべての部分は、車両の縦方向の中心線から700mm以上

離れてはならない。

  6.6 )オイルおよび水の配管

  6.6.1 )水または潤滑油を収容する配管は、コクピットを通過してはならない。

  6.6.2 )すべての配管は、いかなる漏れが生じても、コクピット内に液が滞留しな

いように取り付けられていなければならない。

  6.6.3 )油圧液配管の取り外し可能なコネクターは、コクピット内にあってはなら

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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ない。

  6.6.4 )すべての潤滑油の配管は作動温度135℃で4.1MPa(41bar)の最低破裂圧力

を有していなければならない。

  6.6.5 )急激な圧力変化を受けることのないすべての油圧液配管は、重力による負

圧を利用する配管を除き、スチール製コネクターを使用したときの最大作動温

度は204℃、アルミニウム製コネクターを使用したときは135℃で、各々が最低

破裂圧力40.8MPa(408bar)を有していなければならない。

  6.6.6 )急激な圧力変化のかかる油圧液の配管はすべて最大作動温度204℃で最低破

裂圧力81.6MPa(816bar)を有さなければならない。

第 7 条 電気系統

  7.1 )許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更

   1) ドライバーの通信装置の取り付け。

   2) 7.3)に規定する集計データのダウンロード用配線の取り付け。

  7.2 )エンジン始動補助装置

    グリッド、ピットエリアにおいてエンジンを始動させるために、補助的な装

置を一時的に車両に接続して使用することができる。

  7.3 )データ集計装置

  7.3.1 )競技参加者は、競技の行われているすべての期間中、次のデータを集計し

なければならない。

   ‐エンジン回転数

   ‐車両速度

   ‐変速ギア位置

  7.3.2 )7.3.1)の集計データをダウンロードできるようなコネクターを車体に設け

なければならない。

  7.3.3 )すべてのプラクティスセッションの途中および終了後ならびにレース終了

後、7.3.1)で規定する集計データが競技会技術委員によりダウンロードされる。

また、競技会技術委員より集計データ(他のすべての集計データを含む)の提

出を求められた場合、競技参加者はこれを提出しなければならない。

  7.3.4 )その他データー集計装置(各種センサー)    7.3.1)に規定される以外のデーター集計装置(各種センサー)の取り付けは

1.4.3)に反することなく、外観形状に影響を及ぼさない限り許される。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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    ただし、タイヤサーモセンサーの取付場所は、アンダーフロアの上面に上面視で目視可能範囲内に限られ、確実に固定されなければならない。

  7.4 )ドライバー無線

    無線装置は音声による通信のみ許される。

第 8 条 駆動装置

  8.1 )許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更

   1) 車輪回転センサーの取り付け。

   2) CVブーツ

   3) クラッチ

    エンジン供給者が指定したものでなければならない。

   4) クラッチ周辺にカバーの取り付け。

   5) マスターシリンダー

   6) リザーバータンク

   7) フルード

   8) 配管

   9) フィッティング

  8.2 )ニュートラルスイッチ

  8.2.1 )エンジンが停止し、車両が静止状態になった際にもトランスミッションの

ギア位置をニュートラルにするための手段を備えていなければならない。

  8.2.2 )そのスイッチ、あるいはボタンは外部から容易に操作できるように見易い

位置に設置され、明確に表示されていなければならない。

  8.3 )四輪駆動

    四輪駆動車両は禁止される。

  8.4 )ディファレンシャル

    ディファレンシャルの機構は機械式に限定される。

  8.5 )前進ギア

    すべての車両は 段より多い前進ギアを有してはならない。

  8.6 )後退ギア

    すべての車両は競技期間中のいかなる場合においても、ドライバーが通常に

コクピットに着座しエンジンを作動した状態で選択し、使用できる後退ギアを

装備していなくてはならない。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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  8.7 )トラクションコントロール

    トラクションコントロール機構の使用は禁止される。

  8.8 )車両速度リミッター

    車両速度リミッターを作動させた時、天候にかかわらず常にリアライトが点

滅すること。また、車両が停止状態であっても、操作スイッチを起動した時に

は点滅すること。

第 9 条 サスペンションとステアリング

  9.1 )許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更

   1) サスペンション構成部材への、センサー、歪ゲージの貼り付けおよび配線

の取り付け。

   2) センサーの取り付け、接続を目的としたステー、ブラケット、サポートの

取り付け。

     センサー、歪ゲージ、ステー、ブラケット、サポートがサスペンション構

成部材の強度/機能に影響を与えてはならず、オリジナルと同等、あるいは

それ以上の強度信頼性が維持されていなければならない。

   3) アクスルキャップの取り付け。

   4) ダンパー

   5) キャンバーシム

   6) ホィールナット

   7) ステアリングポジションセンサーおよび配線の取り付け。

   8) ステアリングホイール位置の移動を目的としたスペーサーの追加。

   9) ステアリングホイールの変更。

    その代替品は、15.5)で規定する衝突試験に合格していなければならない。

  9.2 )アクティブサスペンション

    アクティブサスペンションの使用は禁止される。

  9.3 )フロントとリヤの相互接続サスペンションシステム(FRIC)

    フロントとリヤの相互接続サスペンションシステム(FRIC)は禁止される。  9.4 )クロームメッキ

    鋼鉄サスペンションのクロームメッキは禁止される。

  9.5 )懸架・サスペンション

    車両は懸架・サスペンションを装備しなければならない。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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  9.6 )サスペンション部材

  9.6.1 )すべてのサスペンション部材は均質の金属材で造られていなくてはならな

い。

  9.6.2 )各サスペンション構成部品の個々の部材は、断面の縦横比(9.5.5)で規定

するホイールテザーを保護する目的のため、単独で使用されている非構造のシ

ュラウドを含む)が3.5: 以下で、しかも断面の主軸に対して対称でなければ

ならない。ただし、すべてのサスペンション構成部品は、内側および外側アタ

ッチメントに隣接しており、関連する部材のアタッチメント間の合計距離に対

して占める割合が25%以下であれば、断面の縦横比が3.5: を超えても、また、

対称でなくてもよい。

    測定はすべて、関連する部材の内側アタッチメントと外側アタッチメントの

間に引いた直線に対して垂直に行われる。

  9.6.3 )すべてのサスペンション部材の断面の主軸は、車両の中心線に平行に測定

したときに、基準面に対して °を超える角度(±迎角)がついていてはなら

ない。

  9.6.4 )サスペンション部材の非構造部分は車体とみなす。

  9.6.5 )ホイールと車両との結合を保つすべてのサスペンション連結部が破損した

際にホイールが車両から外れるのを防ぐのを助けるために、車両の主要構造体

と各ホイール/アップライトアッセンブリを、断面積が110mm2を上回る柔軟

性のあるケーブルで連結しなければならない。それらのケーブルおよび取り付

け部も、事故が発生した際にホイールがドライバーの頭部に当たることがない

ように設計しなければならない。

    各ケーブルの長さは、サスペンションの正常な動作を妨げないために必要な

長さを超えてはならない。

    各ケーブルには、以下のそれぞれ別個の取り付け部を有していなければなら

ない。

   ‐70kNの最低引っ張り強度に耐え得ること。

   ‐最小内径15mmのケーブル端部の取り付け具に適合できること。

    各ホイールにはFIA試験手順03/07にて試験を受けた際の性能に応じ、

本あるいは 本のケーブルを取り付けることができる。取り付けケーブルが

本の場合、それは試験手順03/07の3.1.1の要件を超えるものでなければならず、

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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本の場合は、それぞれ3.1.2の要件を超えるものでなければならない。

    各ケーブルは、長さが最低450mmで、7.5mmを上回るテザー曲がり角半径

となる端部取り付け具を使用しなければならない。

  9.7 )ステアリング

  9.7.1 )ステアリングはドライバーとホイールの間を機械的に連結するように構成

されていなくてはならない。

    また、パワーステアリングは、プログラム可能な制御を備えていない単一の

システムである場合に限り使用することができる。

  9.7.2 )四輪操舵は禁止される。

  9.7.3 )ステアリングホイール、ステアリングコラムおよびステアリングラックア

ッセンブリーは、衝突試験に合格しなければならない。試験手順の詳細は15.5)

で説明される。

  9.7.4 )衝突試験に合格したステアリングホイール、ステアリングコラム、ステア

リングラックアッセンブリーおよびクイックリリース機構、ステアリングメカ

ニズムを変更、改造してはならない。

第 10 条 制動装置

  10.1 )許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更

    配管、フィッティングは、オリジナルと同等、あるいはそれ以上の最低破裂

圧力を有していなければならない。

   1) ブレーキ周辺のエアダクト

   (1) エアダクト吸気口の一部閉鎖。

   (2) エアダクト吸気口の前部にストーンガードの設置。

   2) マスターシリンダー

   3) リザーバータンク

   4) フルード

   5) 配管

   6) フィッティング

   7) ブレーキ圧力センサーおよび配線の取り付け。

  10.2 )制動回路

    すべての車両は、少なくとも 系統の同一ペダルによって操作される回路を

有するブレーキを装備しなければならない。このブレーキは つの回路に漏れ、

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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もしくは欠陥が生じた場合でもペダルは少なくとも つのホイールを制御でき

なければならない。システムは、ブレーキの つの回路に欠陥が生じた場合で

もペダルがもう つの回路でブレーキを制御できるよう設計されていなければ

ならない。

    ペダルによって操作されるブレーキ回路に、ブレーキペダル以外の操作で作

用する機能、効果を設けることは、その手段(機械、電気、油圧、空気圧、お

よびその複合)にかかわらず禁止される。

  10.3 )ブレーキディスク

    すべてのブレーキディスクは、最大厚さが30mmで、最大外径は300mmでな

ければならない。

  10.4 )ブレーキキャリパー

  10.4.1 )すべてのブレーキキャリパーは、同質の金属材で造られていなくてはなら

ない。

  10.4.2 )各ホイールに装着されるブレーキキャリパー・ピストンの数は つまでと

する。

  10.5 )エアダクト

    フロントおよびリアのブレーキ周辺のエアダクトは、制動装置の一部分と見

なされ下記の領域の範囲内になければならない。

   ‐基準面より上部であること。

   ‐車両側面視においてコンプリートホイールの投影内であること。

   ‐コンプリートホイールのリム内側面と車体側面に挟まれた領域。

  10.6 )液体冷却

    ブレーキの液体冷却は禁止される。   10.7 )ブレーキ圧の調整

    アンチロックブレーキおよびパワーブレーキは禁止される。

第 11 条 ホイールとタイヤ

  11.1 )位 置

    後部空力装置を取り外した車両を平面に見た場合、ホイールは車体の外側に

位置していなければならない。

  11.2 )寸 法

  11.2.1 )コンプリートホイールの最大幅:18.0インチ

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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    コンプリートホイールの最大直径:26.5インチ

    ホイール本体の直径:13.0インチ

  11.2.2 )これらの測定は車軸の高さで水平に行われる。

  11.3 )ホイールの材質

    すべてのホイールは均質の金属材で造られていなくてはならない。

  11.4 )ホイールの数

    ホイールの数は 本に限定される。

  11.5 )ホイールアッセンブリー

    タイヤに加えてホイールに物理的に取り付けることのできる部品は、ホイー

ルの表面処理および保護材、タイヤガス充填および排出のためのバルブ、ホイ

ールナット、バランスウェイト、ドライブペグ、タイヤ圧力および温度監視装

置、タイヤ圧力調整装置、ホイールスペーサーおよびホイールと一体構造でな

いホイールカバーに限定される。

    ただし、11.2.1)に規定される最大幅を超えないことを条件とする。

第 12 条 コクピット

  12.1 )許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更

   1) ペダル

   2) ペダルブレース

   3) ペダルマウントベース

   4) スクリーン

   5) フットレスト

    上記については、改造、取り付けおよび変更後においても、オリジナル仕様

と同等、あるいはそれ以上の強度信頼性が維持されていなければならない。

   6) ドリンク装置

  12.2 )コクピット開口部

  12.2.1 )コクピット開口部の寸法が適切であることを確認するため、第12-2図に示

される型板が、サバイバルセルおよび車体に挿入されるものとする。

    この試験を行うときは、ステアリングホイール、ステアリングコラム、シー

ト、および13.7.1)〜13.7.6)で必要とされるすべてのパッド(取り付け具を含

む)は外してもよいが、次の条件が満たされていなければならない。

   ‐型板の下端が基準面から高さ525mmの位置になるまでは、車両上方から挿入

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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された水平を保って垂直に下げられなければならず、

   ‐第12-2図に基づき、d-e線上にある型板の縁端部は第12-5図に示されるA-A線

の後方1,800mm以上になければならない。

    コクピット入口の型板による測定もすべて(12.2.3)、14.2.1)、14.4.4)、14.5.4)、

15.3)、および17.4)に示される場合)、型板がこの位置に保持されている間に測

定されなければならない。

  12.2.2 )コクピット開口部最前端は、サバイバルセルの構造または一部分であった

としてもステアリングホイールの少なくとも50mm前方になくてはならない。

  12.2.3 )ドライバーは、ステアリングホイール以外の部品を取り外さなくても乗降

できなければならない。ドライバーは通常に着座すると進行方向に直面する様

になっていなければならない。また、ドライバーのヘルメットの後端部がコク

ピット入口の型板の後端より125mm以内でなければならない。

  12.2.4 )ドライバーは、すべての安全ベルトを締め、運転に必要な装備をつけ、通

常に着座した状態から、ステアリングホイールを取り外して、 秒以内で車両

から脱出できなければならない。その後、ステアリングホイールを取り付ける

ことが、合計10秒以内でできなければならない。

    ステアリングホイールが取り付けられた後は、操舵制御が維持されなければ

ならない。

  12.3 )ステアリングホイール

    ステアリングホイールはクイックリリースシステムを備えていなければなら

ない。その操作方式は、ステアリングホイールの後方のステアリングコラム上

に設置された同心円上のフランジを引く方法によるものでなければならない。

  12.4 )内部断面

  12.4.1 )第12-3図に示す外部型板を、コクピットに挿入し、作動していない状態の

最後部ペダルの正面から100mm後方の地点まで垂直に通すことができるよう

な垂直断面積がコクピット全体に確保されていなければならない。

    この部分に侵入してもよいのは、ステアリングホイールおよび13.7.7 )で要

求されるパッドのみである。

  12.4.2 )第12-3図に示す内部型板を、コクピットに挿入し、作動していない状態の

最後部ペダルの正面から100mm後方の地点まで垂直に通すことができるよう

な垂直断面積がコクピット全体に確保されていなければならない。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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    この部分に侵入してもよいのは、ステアリングホイールのみである。

  12.4.3 )安全ベルトを締め、ステアリングホイールを外した状態で、通常に着座し

たドライバーが両足を同時に持ち上げられるようになっていなければならず、

その際ドライバーの膝は、ステアリングホイールの面を後方に向かって通過で

きなければならない。この動作は車両のいかなる部分によっても妨げられては

ならない。

  12.5 )ドライバーの足の位置

  12.5.1 )サバイバルセルは、前方向においては、燃料タンク後方からドライバーの

足の少なくとも前方300mmの地点まで延びていなければならない。その際の

ドライバーの足は操作されていないペダルの上に乗せられているものとする。

  12.5.2 )ドライバーが通常に着座した状態で、操作されていない位置にあるペダル

の上に乗せられている足の裏は、フロントホイール中心線よりも前方に位置し

ていてはならない。

第 13 条 安全装置

  13.1 )許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更

   1) 消火装置

   2) 後方視界用ミラー

   3) 後方視界用ミラーの位置

     車体への当初の取り付け位置を維持しなければならない。

   4) 安全ベルト

   5) リムーバブルシート

    改造、取り付けおよび変更後も13.2)、13.4)、13.5)、および13.8)を満足して

いなければならない。

  13.2 )消火装置

  13.2.1 )すべての車両はコクピットとエンジンコンパートメントに散布される消火

装置を備えなければならない。

  13.2.2 )FIAに特別に認可されたあらゆるAFFF、およびFIAテクニカルリス

トNo.16に記載された消火システムの使用が許される。

  13.2.3 )消火剤の量は使用するAFFFの種類により変わってよい。種類別の最低容

量はFIAテクニカルリストNo.6に従うこと。

  13.2.4 )作動の際、10秒以上30秒以内にわたって、消火装置は内容量の95%を一定

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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の圧力で放出しなければならない。

    消火剤を収容した複数のコンテナが取り付けられていた場合は、それらは同

時に放出されなければならない。

  13.2.5 )各圧力容器には、圧力をチェックする機能が備わっていなければならない。

これは、使用するAFFFの種類により変わってよい。FIAテクニカルリスト

No.6に従うこと。

  13.2.6 )下記の情報が、消火剤が入っている各コンテナに記載されていなければな

らない。

   a)消火剤の種類

   b)消火剤の重量または容量

   c)容器の日付が検査されなければならず、消火剤を充填した日付から 年を

過ぎて使用してはならない。

  13.2.7 )消火装置のすべての部品はサバイバルセル内に置かれなければならず、す

べての消火装置は耐火性でなければならない。いかなる場合でも、容器の取り

付けは減速度25Gに耐え得るものでなければならない。

  13.2.8 )車両の主要電気回路に故障が生じた場合でも、すべての消火システムを作

動させることができるならば、システム自体に動力源を有する放出起動システ

ムが許される。

    ドライバーが安全ベルトを装着し、ステアリングホイールをつけ運転席に通

常に着座した状態で、消火システムを手動により起動させることができなけれ

ばならない。

    さらに、外部起動システムは13.3.2)に規定されるサーキットブレーカースイ

ッチに組み込まれていなければならない。それらは、最低線幅 mmで赤く縁

取られた最低直径100mmの白色の円形内に、最低高さ80mmで最低線幅 mm

の“E”の文字を赤字で描いたマークで表示されなければならない。

  13.2.9 )装置はどのような状態であっても、たとえ車両が転倒した場合でも作動し

なければならない。

  13.2.10 )消火ノズルは使用する消火剤に適したものを用い、ドライバーに直接向

けられないよう取り付けられていなくてはならない。

  13.3 )マスタースイッチ

  13.3.1 )ドライバーが、安全ベルトを装着し、ステアリングホイールをつけ運転席

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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に着座した状態で操作できる放電防止つきサーキットブレーカーを操作するこ

とによって、イグニッション、すべての燃料ポンプおよびリアライトへの電気

回路を遮断できなければならない。

    このスイッチはダッシュボード上に設けなければならず、白い縁取りをした

青の三角形の中に赤のスパークを描いた標識で表示されていなければならない。

  13.3.2 )離れた場所からフックにより操作されることができる つの水平ハンドル

を持つ外部スイッチを設けなくてはならない。これらのハンドルは、車両両側

の主要ロールオーバー構造体の基部に設けられ、13.3.1)に記載のスイッチと同

じ機能を有していなければならない。

  13.4 )後方視界用ミラー

  13.4.1 )すべての車両には、ドライバーが後方および車両の両側を見ることができ

るよう、車両の両側に各々 つ以上のミラーを装備しなければならない。

  13.4.2 )各ミラーの反射面の最小幅は150mmで、少なくともそれが縦50mmにわた

り維持されていなくてはならず、各コーナーの半径は10mmを超えてはならな

い。

    各ミラーは、車両に装着した状態でそれらの全ての取り付け部も含み、平面

および前面に見て16,000㎟、側面に見て14,000㎟を超える面積を有してはなら

ない。

  13.4.3 )反射面のいかなる部分も車両の中心線から250mm以内にあってはならず、

かつコクピット入口の型板の後部から830mmを超える位置にあってはならな

い。

  13.4.4 )ドライバーは、下記の指示に従った方法によって、車両の後ろに据えられ

たボード上に、任意に表示される高さ150mm幅100mmの文字や数字の識別を

要求されるものとする。

   高さ:地表から400mm以上1,000mm以下

   幅 :車両の中心線のいずれかの側で2,000mm

   位置:車両のリア車軸から10m後方

  13.5 )安全ベルト

     本の肩部ストラップ、 本の腰部ストラップ、および 本の脚部ストラッ

プの装着が義務付けられる。これらのストラップは、車両に確実に固定され、

FIA基準8853/98に合致していなければならない。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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  13.6 )リアライト

    すべての車両には競技会中作動する赤色灯を装備しなければならない。

    この赤色灯は;

   ‐FIAが特定したモデルであること。

   ‐車両の中心線に対し90°の角度で後方に向けられていること。

   ‐後方から明確に認知できること。

   ‐車両の中心線から100mm以内に設置されていなければならない。

   ‐基準面より上方300mm(+/-5mm)〜375mm(+/-5mm)の位置に取り付け

ること。

   ‐リアホイール中心線からレンズ表面までを基準面に平行に計測するときに、

リアホイール中心線より800mm以上後ろに位置すること。

   ‐車両に正常に着座したドライバーによって点灯できるものでなくてはならな

い。

   ‐操作スイッチを起動した時には、常時点滅すること。

    上記 つの測定はリアライト後面の中心で行われるものとする。

  13.7 )コックピットパッド

  13.7.1 )すべての車両には、以下の基準を満たす つのドライバー頭部保護のパッ

ドエリアが装備されなければならない。

   ‐ つのパーツとして取り外せることが可能となっていること。

   ‐ドライバーの頭部後方では つの水平ペグで、また前方各部分では つの固

定具を用いて配置され、工具を使わなくても簡単に取り外しができること。

    前面各部の つの固定具は、黄色による識別、あるいは矢印によりその所在

が明確に表示されていること。

   ‐FIAが指定した材質CONFOR form CF42(Pink)またはCF45(Blue)で

造られていること。

   ‐ドライバーの頭部が接触する可能性のある全ての領域にわたり、重量で50%

(± %)の硬化樹脂含有量のある、60-240gsmの平織り構造の 積層アラミ

ド繊維/エポキシ樹脂複合基材プリプレグ材質により作られたカバーが付い

ていること。

   ‐事故による衝撃がドライバーの頭部に加わったときに、ドライバーのヘルメ

ットが最初に接触する場所であること。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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  13.7.2 )ドライバーの頭部を保護するパッドの つはドライバーの後側に取り付け

られ、少なくとも40,000mm2以上の領域にわたりその厚さが75mm〜90mmで

なければならない。

    ドライバーの快適性のみを目的として必要であれば、厚みが10mm以下の追

加パッドをこのヘッドレストに取り付けることが出来るが、13.7.1)で指定する

パッドと同様の素材でできていることを条件とする。

  13.7.3 )その他 つのドライバー頭部保護パッド域が、通常に着座した状態でドラ

イバーのヘルメット(車両中心線上)の前端、後端、下端を通る 本の垂直線

と 本の水平線とサバイバルセルの上部表面で画定される領域になければなら

ない。

    各保護パッド領域は、車両を横から見て少なくとも30,000mm2の領域にわた

り厚さが95mm以上でなければならない。

    この最小肉厚はサバイバルセルの上端についてその全長にわたり維持される。

最小肉厚は車両中心線に垂直に評価されるが、それらの上部内側端に沿って最

大10mmの湾曲を適用することができる。

    ドライバーの快適性のみを目的として追加のパッドをこの側方ヘッドレスト

に取り付けることが認められるが、13.7.1)で指定するパッドと同様の素材が使

用され、表面の摩擦抵抗が低く、本体ヘッドレストと同様の素材でできており、

救急オフィシャルが工具を使用することなく容易に取り外しが可能であること。

  13.7.4 )側方保護パッドエリアの前方に、コクピットパッド接続部をコックピット

リムの両側に備えなければならない。これは、斜め前方の衝撃を受けた場合に

もドライバーの頭部を十分に保護できることを目的とするものである。したが

って、このパッドも他の 箇所の保護パッドエリアと同じ材質でできていなけ

ればならない。

    この場合、次の条件を満たさなければならない。

   ‐車両の中心線に対して対称に、かつ両側のパッドに続けて取り付けること。

   ‐全長にわたりその上面が少なくともサバイバルセルと同じ高さになること。

   ‐上部内側の端部は半径10mm以内の丸みをおびていること。

   ‐この つのパッド間の距離が320mm以上となるような位置にあること。

   ‐ドライバーの乗り心地の良さを損なわない範囲でできる限り実用的とするこ

と。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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  13.7.5 )上記のパッドはいずれも、事故発生時にドライバーの頭部が押し付けられ

るあらゆる方向を想定し、万一フォームが完全に圧縮される部分があっても、

ヘルメットが車両の構造部分に触れることがないように取り付けなければなら

ない。

    さらに、レスキュークルーのことを考え、上記のパッドはすべてFIA承認

のシステムにより取り付けなければならない。取り外し方法も明確に表示され

ていなければならない。

  13.7.6 )保護パッドエリアのいかなる部分も、ドライバーが通常に着座した状態で

車両の上から直接見たときに、ドライバーのヘルメットからの視界を一切妨げ

てはならない。

  13.7.7 )事故時の足のけがを最小限に抑えるため、ドライバーの足の両側や上にも

パッドを取り付けなければならない。

    これらの場所に取り付けるパッドは、次の条件を満たしていなければならな

い。

   ‐FIAが指定した材質CONFOR form CF42(Pink)またはCF45(Blue)で

造られていること。

   ‐全領域にわたり厚さが25mm以上であること。

   ‐第 ロール構造体試験が実施された地点の中心から後方50mmの地点と、第

12-4図に示す作動していない状態のペダルの最後端から100mm後方の地点ま

での間に位置する領域を覆っていなければならない。

   ‐第12-3図のA-A線より上方の領域を覆っていなければならない。

  13.8 )シートの固定および取り外し

  13.8.1 )事故によりドライバーが怪我をした場合に、座席ごと車両から救出できる

ようにするため、車両にシートを取り付けるときはボルトを 本以上使用しな

いものとする。ボルトを使用する場合は、次の指示に従わなければならない。

   ‐レスキュークルーがすぐにわかり、簡単に取り外せるようにすること。

   ‐垂直に取り付けること。

   ‐すべてのレスキュークルーに配付されている全チームに共通の工具で取り外

しが可能であること。

   ‐ボルトは、黄色による識別、あるいは矢印によりその所在が明確に表示され

ていること。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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  13.8.2 )シートには、ドライバーを安全に固定するためのベルトを取り付けること

ができ、ネックサポートの取り付けが可能なベルトガイドが装備されていなけ

ればならない。

   ‐FIAレスキューパック内に装備されている頭部安定化装置の受け側スロッ

トの入口断面は、黄色による識別、あるいは矢印によりその所在が明確に表

示されていなければならない。

  13.8.3 )シートは、シートベルトのどの部分をも切断したりすることなく、取り外

せなければならない。

    上述の工具、ベルトガイドおよびネックサポートに関する詳細は、FIA発

行の次の資料に記述されている。

   「RECOMMENDED SPECIFICATION FOR EXTRACTABLE SEATS IN

SINGLE SEATER AND SPORTS CARS Version 3 01-20-2005」

  13.9 )頭部および頸部の保護装置

  13.9.1 )FIAテクニカルリストNo.29に従ったものであること。

  13.9.2 )ドライバーが通常に着座した状態において、いかなる車両の構造部分から

も25mm未満であってはならない。

第 14 条 車両の構造

  14.1 )材 質

  14.1.1 )厚さ mmに満たないマグネシウムシートの使用は禁止される。

  14.1.2 )複合構造内におけるすべての繊維性強化材質の破損に至る歪みが1.5%以下

であってはならない。

  14.1.3 )サバイバルセルまたはノーズボックスの一切の修理は、製造者によって認

可された修理工場で、製造者の仕様書に従って行われなければならない。

  14.1.4 )テクニカルパスポートが完全に整うまでは、車両は別の競技で使用されて

はならない。

  14.2 )ロール構造体

  14.2.1 )すべての車両は、車両が転倒した場合にドライバーを防護する つのロー

ル構造体を備えなければならない。

    主要ロール構造体は、コクピット入口の型板の後方30mmの地点で、基準面

の少なくとも940mm上方に位置していなければならない。

    第 ロール構造体は、ステアリングホイールの前方になければならないが、

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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どの位置にあってもステアリングホイールリムの周縁の頂点前方250mm以上

にあってはならない。

     つのロール構造体は、ドライバーのヘルメットとステアリングホイールが

主要ロール構造体の頂点と第 ロール構造体の頂点とを結ぶ線からそれぞれ少

なくとも70mmと50mm下方に常に位置するよう、十分な高さを有していなけ

ればならない。

  14.2.2 )主要ロール構造体は、16.2)に説明されている静荷重試験に合格しなけれ

ばならない。

    さらに、車両製造者は、縦の構成部品が前方方向に利用された場合にも同じ

負荷に耐え得ることを明確に示した計算詳細を提供しなければならない。

  14.2.3 )第 ロール構造体は、16.3)に説明されている静荷重試験に合格しなけれ

ばならない。

  14.2.4 )主要ロール構造体および第 ロール構造体共に、垂直投影面で、各ロール

構造体の最高点から50mm低いところを通過する水平面を交差して、最低面積

10,000mm2の構造的断面積を有していなければならない。

  14.3 )ドライバーの後部の構造体

    ドライバーの直後にあり、コックピットを燃料タンクから離し、車両中心線

から150mm未満の位置にあるサバイバルセルの部品は、第12-2図に示されるa-

b-c-d-e線よりも前方に位置してはならない。

    この構造体の一体性を確認するために、サバイバルセルは、車両中心線に対

して直角に配置された堅牢な垂直バリアに衝突させる試験に合格しなければな

らない。試験手順の詳細は、第15条 )に記載されている。

  14.4 )サバイバルセルの仕様

  14.4.1 )全てのサバイバルセルは、その識別を目的とするFIAが承認した つの

トランスポンダーを組み込まなければならない。

     つのトランスポンダーはサバイバルセルの恒久的部品とされ、第12-6図に

従い配置され、常に確認検査がしやすい状態でなければならない。

  14.4.2 )サバイバルセルはドライバー用に少なくとも12.2)に規定する開口部を有

していなければならない。サバイバルセルの他のすべての開口部は、機械構成

要素に接するための必要最小限の大きさでなければならない。

  14.4.3 )サバイバルセルの前には つの衝撃吸収構造体を備えなければならない。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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この構造体はサバイバルセルの一体構造である必要はないが、サバイバルセル

にしっかりと取り付けられていなければならない。

    水平投影面上で、その最前端の後方50mmの点で最低でも9,000mm2の外部断

面積を有していなければならず、さらに、この点において取られた断面積のい

かなる部分も基準面の上方500mmを越えることはできない。

  14.4.4 )第12-5図について

    B-B線とC-C線の間のサバイバルセル外側の幅は、最小450mmでなければな

らず、側部は片側が少なくとも60mmで、コックピットの開き口の内側に垂直

に計測してコックピット開口部より広くなければならない。これら最小寸法は

少なくとも350mmの高さに渡り維持されなければならない。

    サバイバルセルの幅はB-B線前方で逓減することができるが、その場合A-A

線のところで最低300mmの幅となるまで線形率で逓減する平面よりも車両中

心線に近い外側表面があってはならない。

    最小幅は車両中心線に左右対称に配置され、B-B線のところで最小高400mm

が、A-A線のところでは275mmが維持されなければならない。

    A-A線とB-B線の間のいかなる点の高さも、これら つの断面の間で線形逓

減によって決められる高さより下回ってはならない。

    サバイバルセルの外側の最小断面積を評価する場合には、B-B線のところで

半径50mmを有すること、およびA-A線の地点で25mmとなるまで線形率での

逓減が容認される。

    許される半径の適用後、A-A線とB-B線の間のサバイバルセル外部断面は、

それぞれの最低幅に渡って、A-A線の地点で225mmの最低高となるまで線形

率で逓減され、B-B線の地点で最低300mmの高さを有していなければならない。

    A-A線とB-B線の間のサバイバルセルの最小高は、当該区間の水平中心線に

ついて左右対称である必要はないが、その幅全体にわたって維持されなければ

ならない。

    B-B線およびC-C線間のサバイバルセル最小幅は550mmとする。

  14.4.5 )12.2.1)で説明されている試験が実施され、型板をその下端が基準面の上

方に高さ525mmの位置になるように設置したとき、サバイバルセルは、車両

のどちら側から見てもどの部分も見えないような形状でなければならない。

    ドライバーのヘルメットの両側にそれぞれ位置するサバイバルセルの部品は、

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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550mm以上離れていてはならない。

    ドライバーの頭部が過度に突き出すことのないよう、また、横方向の視界を

良好に維持するために、ドライバーが通常に着座し、頭部を可能な限り後方に

して真っ直ぐ前を見た時、ドライバーの目は車両の横から見て見えなければな

らない。この時、ドライバーの頭部の重心は、耳の中心を通る垂直線と目の中

心を通る水平線の交差する点と見なされる。

  14.4.6 )側面からの衝撃を受けた際にドライバーを保護する性能を高めるために、

サバイバルセルの側部を想定した均一構造の平らな試験パネルを設計および構

築し、これを強度試験に合格させなければならない。試験手順は17.6)におい

て説明される。

    第12-5図に基づき、局部的な補強および/またはインサートを除き、サバイ

バルセルの部品で、14.4.4)に示す最小幅と同じかそれより幅の広い部品はすべ

て(丸みをおびている部分も含まれる)、17.6)において試験を実施されるパネ

ルと同じ仕様で造られなければならない。さらに、この試験を受けた仕様の部

分は以下の領域を覆っていなければならない。

   ‐A-A線のところで、少なくとも250mmの高さより開始され、

   ‐B-B線のところで、少なくとも高さが400mmとなるまで線形率で逓減し、さ

らにその高さでサバイバルセルの後部にまで維持され、

   ‐B-B線とサバイバルセルの後部との間では基準面上100mm以上の領域。

  14.4.7 )14.4.4)、14.4.6)、14.5.1)、14.5.2)、14.5.4)、14.5.5)、15.1)、15.2)、15.3)、

16.1)、16.2)、16.3)、17.1)、17.2)、17.3)、17.4)、17.5)、17.6)および17.8)の

条件が一旦満たされたなら、厚みが6.2mm以上のパネルをサバイバルセル側に

恒久的に取り付けなくてはならない。

    これらのパネルは

   1) 前後方向については、コックピット入り口型板の前方125mmに位置する垂

直面とその型板の後方50mmに位置する垂直面の間の領域を覆うものでなけ

ればならない。

     両端に水平な50mm線形逓減部を含むことができる。

   2) 垂直方向については、14.4.6)および17.6)に従って構築された領域を覆っ

ていなければならない。

     これは、14.4.4)により認められた半径が許可される最小シャシー幅につい

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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ては適用されない。

   3) 16層ザイロンと 層カーボンにより、レイアップ製法に従って製作されて

いなければならない。

     詳細は、FIA発行の「Specification for 2008 Secondary Side Intrusion

Panel(Final Version 1.0)」に記載されている。

   4) パネル表面全体に適切な接着剤を用いてサバイバルセルに恒久的に貼り付

けなければならない。

    側方衝撃吸収体周囲への取り付け、配線用の孔および必要な取り付け具のた

め、片側で合計25,000㎟の切抜き部をこれらのパネルに設けることができる。

  14.5 )サバイバルセルの安全要件

  14.5.1 )サバイバルセルおよび前部衝撃吸収構造体は、車両の中心線に対して垂直

に置かれた固定障壁への衝突試験に合格しなければならない。その試験手順は

15.2)に定められている。

  14.5.2 )前部ロール構造体と後部ロール構造体の間では、サバイバルセルの各側面

に衝撃吸収構造体が備わっていなければならず、しっかりと固定されていなけ

ればならない。

    これらの構造体の目的は、側方からの衝撃に対しドライバーを保護すること、

またその保護を実際確実なものとするために、ドライバーの着席位置付近の側

面強度試験を成功させなければならない。試験手順は、17.2)に記載されてい

る。

    サバイバルセルならびに衝撃吸収構造体の つは衝突試験に合格しなければ

ならない。

    その試験手順は、15.3)に定められている。これらの構造体が車両中心線に

対し左右対称になるように設計され、取り付けが為されていない場合は、その

それぞれの構造体の試験を成功させなければならない。

  14.5.3 )衝撃吸収構造体 つを、車両中心線について対称に、その最後端面領域の

中心が基準面上方300mm(± mm)となり、リアホイールの中心線から

575mm以上になるよう、ギアボックス後方に装着しなければならない。

    衝撃吸収構造体の最後端面は、幅100mm以上の長方形でなければならない。

また、この最小幅は少なくとも130mm以上の高さにわたって維持されなけれ

ばならず、各角部には10mm以上の丸みをつけることができる。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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    後面とリアホイール中心線の間では、このように定められた領域の寸法を減

少させることはできず、許可された丸みを除き、下から見える構造体あるいは

ギアボックスのいかなる部分も後面の下端より高くすることはできない。構造

体の範囲内で最小サイズのポケットが、サスペンション部材の固定の目的だけ

のために認められる。

    この構造体は衝突試験に合格しなければならず、使用中の温度に対して著し

い影響を受けない素材で製作されなければならない。試験手順は、15.4)に定

められている。

  14.5.4 )サバイバルセルは、下記の 種類の静荷重試験をそれぞれ受けなければな

らない。

    )燃料タンク部の中心を通過する垂直面に対する試験

    )内部の取り付け具を中心に旋回したときに、最前部のフロントホイールテ

ザーの外端がサバイバルセルと接触する最後部の地点を通過する垂直面に対

する試験

    )コクピット入口の型板の後端の前方375mmの位置の垂直面に対する試験

    )燃料タンクの真下からの試験

    )コクピットの開口部の各側面に対する試験

    各々の試験手順は17.2)〜17.4)において説明される。

  14.5.5 )前部、側部および後部衝撃吸収構造体のサバイバルセルへの取り付け部に

対する試験として、静側面荷重試験が行われなければならない。試験手順は

17.5)、17.7)、17.8)において説明される。

第 15 条 衝突試験

  15.1 )すべての衝突試験に適用される条件

  15.1.1 )すべての試験は、FIAが公認(FIAテクニカルリスト№ )したテス

トハウスにおいて、FIA試験手順01/00に従って、FIAが承認した測定機

器を使用して実行されなければならない。

  15.1.2 )試験を受けた構造体に大規模な改造が施された場合には、再試験を実施し

それに合格しなければならない。

  15.1.3 )基準のサバイバルセルは衝突試験実施前に、14.2)、14.5.4)、14.5.5)に記

載されるすべての静荷重試験に合格しなければならない。

  15.2 )前部の試験-

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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    試験の結果に影響を及ぼす可能性のあるすべての部品は、エンジン取り付け

点で台車に確実に固定し試験構造体に取り付けられなければならない。これに

より衝撃強度が増すことがないように取り付けられる。

    燃料タンクは水で満たされた上、取り付けられなければならない。

    最低75kgの重量のダミーが、13.5)で説明されている安全ベルトを締めた状

態で取り付けられなければならない。ただし、安全ベルトを外した状態では、

ダミーはコクピット内で前方向に自由に移動できるようにしておかなくてはな

らない。

    13.2)に定められる消火装置も取り付けられていなければならない。

    この試験の目的上、台車と試供構造体の総重量は780kg(+1% /-0)とし、衝

突速度は15.0m/s以上とする。

    試験構造体の抵抗力は、衝撃時に以下が達成できるものでなければならない。

   1) 最初の150mmの変形を起こす間の平均減速度は10Gを超えないこと。

   2) 最初の60KJエネルギー吸収を起こす減速度は20Gを超えない。

   3) 台車の平均減速度は40Gを超えないこと。

   4) ダミーの胸部に与えられる減速ピークが累積 msを超える間60Gを超えな

いこと。

   5) さらに、サバイバルセル、安全ベルトまたは消火装置の取り付け部に、何

ら損傷があってはならない。

    この試験は、17.2)〜17.4)で説明されている試験を受けるサバイバルセルと、

17.5)に説明されている試験を受けるものと同一の前部衝撃吸収構造体に対し

て、実行されなければならない。

  15.3 )側方試験

    試験の結果に影響を及ぼす可能性の大きい部品はすべて、地面にしっかりと

固定された試供構造体に取り付け、重量780kg(+1%/-0)の固形物質を10m/s

以上の速度でそれに衝突させる。

    試験に使用する物体は次の条件を満たさなければならない。

   1) FIA指定のインパクターアセンブリをFIAの指示通りに取り付けるこ

と。

   2) コクピット開口部の型板の後端の前方500mm(± mm)の地点および基

準面から高さ300mm(±25mm)の位置で構造体に中心部分が当るような配

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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置にすること。

    試験中、衝突させる物体がいかなる軸においても回転することは許されない

が、試験対象となる部品の衝撃抵抗を強化することがなければ、サバイバルセ

ルを支えることは許される。衝撃の軸は車両の中心線に対して垂直、地面に対

して平行でなければならない。

    試験構造体の抵抗力は、衝撃を受けている間は、以下の通りでなければなら

ない。

   3) 衝撃の方向で測定した物体の平均減速度は20Gを超えないこと。

   4) つのインパクターセグメントのいずれか つに適用する力は累積 msを

超える間80kNを超えないこと。

   5) つのインパクターセグメントそれぞれに吸収されるエネルギーは総エネル

ギー吸収の15%〜35%の範囲であること。

   6) さらに、構造的な損傷はすべて衝撃吸収構造体内に収まらなくてはならな

い。

    この試験は、17.2)〜17.4)で説明される試験を受けるサバイバルセルで実施

するものとする。また、17.8) で説明されている試験を受ける側方衝撃吸収構

造体(複数)に対して行われなければならない。

  15.4 )後部試験

    エンジンの後部面より後方に取り付けられ、試験結果に実質的影響を与える

可能性のある部品は全て、試験構造体に装着しなければならない。

    サスペンションメンバーが構造体に搭載されることになっている場合は、試

験時にも取り付けられなければならない。

    構造体とギアボックスは地面にしっかりと固定しなければならず、それに向

けて質量780kg(+1%/-0)の固形物体を11m/s以上の速度でそれに衝突させる。

    試験に使用する物体は、平らで、寸法が幅450mm(± mm)、高さ550mm

(± mm)でなければならない。すべての縁部は半径10mmの丸みを帯びてい

てもよい。この下端部は車両の基準面と同じ高さ(± mm)になるように位

置させ、車両の中心線に対して垂直に90の角度で構造体に衝突するように配

置しなければならない。

    試験中、衝突させる物体がいかなる軸においても回転することは許されない

が、衝突構造体は試験対象部品の衝撃抵抗を高めない限り、どのような方法で

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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固定してもよい。

    試験構造体の抵抗力は、衝突時に以下が達成できるものでなければならない。

   1)最初の225mmの変形を起こす減速度は20Gを超えない。

   2)最大減速度は、累積15msを超える間20Gを超えないこと。これは、衝撃方

向でのみ測定されること。

   3) さらに、構造的な損傷はすべてリアホイール中心線の後方の領域に収まら

なくてはならない。

    この試験は、17.7)で説明されている試験対象となった後部衝撃吸収構造体

について実施されなければならない。

  15.5 )ステアリングコラムの試験

    9.6.3)で触れられている部品、およびその他試験結果に実質的影響を与える

可能性のある部品は、全て試験構造体に装着しなければならない。試験結果に

影響を及ぼす可能性のある部品もまた、取り付けられていなければならない。

試験構造体は地面に固定されていなければならず、質量8kg(+1%/-0)の固形

物体を m/s以上の速度でそれに衝突させる。

    この試験に使用される物体は直径165mm(+/- 1mm)の半球形のものでなけ

ればならない。

    この試験では半球体の中心が、ステアリングコラムの主要部と同じ軸に沿っ

たステアリングホイールの中心で、構造体を打撃するように衝突させなければ

ならない。

    試験中、衝突させる物体がいかなる軸においても回転することは許されない

が、試験対象となる部品の衝撃抵抗を強化することがなければ、試供構造体を

支えることは許される。

    試供構造体の抵抗力は、衝突を与えられている間、物体の減速ピークが累積

msを超える間80Gを超過しないような抵抗力を有していなければならない。

これは衝突方向でのみ測定されること。

    試験後も、実変形はすべてステアリングコラム内に収まらなければならず、

ステアリングホイールのクイックリリース機構が正常に機能していなければな

らない。

第 16 条 ロール構造体の試験

  16.1 )両ロール構造体の試験に適用される条件

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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  16.1.1 ) mm厚のゴムを荷重パッドとロール構造体の間に使用することが許され

る。

  16.1.2 )両方の最高荷重の適用は 分未満としなければならず、10秒間維持されな

ければならない。

  16.1.3 )荷重が加わった際、その変形は荷重軸に沿って計測して、50mm未満でな

ければならず、構造な破損は垂直に測定してロールオーバー構造体の頂点の下

100mmまでに制限される。

  16.1.4 )試験を受けた構造体に大規模な改造が施された場合には、改造部分にさら

に試験を受けることが求められる。

  16.2 )主要ロール構造体試験

    横方向の50kN、縦方向の60kN(後方方向)、垂直方向の90kNに相当する荷重

が、荷重軸に垂直に固定された直径200mmの平坦な堅いパッドを通して、構

造体の頂上部に加えられなければならない。

    この試験の間ロール構造体は、その下部を平面に支えられ、エンジン取り付

け部を通じて固定され、17.2)に記述された静荷重試験パッドのいずれかによ

り側面をくさび止めされたサバイバルセルに取り付けられていなければならな

い。

  16.3 )第 ロール構造体試験

    垂直方向の75kNの荷重が、荷重軸に垂直に固定された直径100mmの平坦な

堅いパッドを通して、構造体の頂上部に加えられなければならない。

    試験中、ロール構造体は、平らな水平面に固定されたサバイバルセルに取り

付けられなければならない。

第 17 条 静荷重試験

  17.1 )すべての静的試験に適用される条件

  17.1.1 )15.2)に記載された衝突試験の対象となるサバイバルセルに、17.2)、17.3)、

17.4)、17.5)および17.8.2)に記載された静荷重試験を行わなくてはならない。

  17.1.2 )歪みと変形は、円形の負荷パッド域の中心および、方形のパッドの頂点で

計測されることとする。

  17.1.3 )すべての最高荷重は 分未満、ボールジョイント継手を介して、パッド部

の中心に加えられ、それは最低30秒間持続しなければならない。

  17.1.4 )17.2)、17.3)および17.4)に説明される試験の後では、荷重を除いて 分

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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経過してからの恒久的変形は、1.0mm(17.3)では0.5mm)未満でなければな

らない。

  17.1.5 )すべての試験は、FIAが承認した測定機器を使用して実施されなければ

ならない。

  17.1.6 )すべての荷重パッドの端部は最大半径 mmの丸みをもたせることができ、

mm厚のゴムを荷重パッドと試供構造体の間に置くことができる。

  17.1.7 )重量が、15.2)、15.3)に記述されている衝突試験を受けるものから、 %

を超えて異なる場合、さらに前部および側方衝突試験とロール構造体試験が行

われなければならない。

  17.1.8 )試験を受けた構造体に大規模な改造が施された場合には、改造部分に対す

る再試験を実施しそれに合格しなければならない。

  17.2 )サバイバルセルの側方試験

  17.2.1 )14.5.4)に記述されている試験 の試験荷重を加えるパッドは、長さ100mm

高さ300mmで、サバイバルセルの形状に添うものとする。そのパッドはサバ

イバルセルの最外側面で、パッドの下端をサバイバルセルの最下部に合わせた

位置としなければならない。

    水平横方向の25.0kNの一定荷重が加えられるとき、サバイバルセルの内部ま

たは外部表面に構造的欠陥が生じてはならない。

  17.2.2 )14.5.4)に記述されている試験 では、サバイバルセルの形状に一致する

直径200mmのパッドをサバイバルセルの両側の最外側面に対して設置しなけ

ればならない。

    パッド部の中心が上記の面および、構造体の高さの中間点を通過していなけ

ればならない。

    水平横方向の30.0kNの一定荷重が加えられるとき、サバイバルセルの内部ま

たは外部表面に構造的欠陥が生じてはならず、歪みの総計が15mmを超えては

ならない。

  17.2.3 )14.5.4)に記述されている試験 では、サバイバルセルの両側の最外側面

に対して、サバイバルセルの形状に沿う直径200mmのパッドを設置しなけれ

ばならない。パッドの中央は基準面の上方350mmに位置し、14.5.4)に言及さ

れている垂直面上になければならない。

    水平横方向の30.0kNの一定荷重が加えられるとき、サバイバルセルの内部ま

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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たは外部表面に構造的欠陥が生じてはならず、歪みの総計が15mm以下でなけ

ればならない。

  17.3 )燃料タンク床試験

    直径200mmのパッドが燃料タンク床域の中心に置かれ、垂直上方に12.5kN

の荷重が加えられる。

    この負荷が加えられた結果、サバイバルのセルの内部または外部に構造的欠

陥が生じてはならない。

  17.4 )コクピットリム試験

    直径100mmの つのパッドを、その上端をコクピット側面の最高点と同じ

高さにし、その中心をコクピット開口部の型板の後端より250mm前方に位置

するように、コクピットリムの両側に取り付けなければならない。

    水平横方向の15.0kNの一定荷重が90°の角度で車両の中心線に加えられる間、

サバイバルセルの内部または外部表面に構造的欠陥が生じてはならず、歪みの

総計が20mmを超えてはならない。

  17.5 )ノーズ部プッシュオフ試験

    試験中は、サバイバルセルは平坦な面に設置され、試験対象となる取り付け

部の強度を増すことのない方法により、堅固に固定されていなければならない。

    フロントホイールの車軸から550mm離れた地点で、17.2.1)の横方向の試験

で使用されるものと同一のパッドを使用して、衝撃吸収構造体の片側に水平横

方向の40.0kNの一定荷重を加えることとする。

    パッド部の中心は上記の面および、構造体の高さの中間点を通過していなけ

ればならない。30秒間荷重を加えた後に、構造体または、構造体とサバイバル

セルの取り付け部に欠陥が生じていてはならない。

  17.6 )側方貫通試験

  17.6.1 )この試験は、FIA試験手順02/00に従って、FIAが承認した測定機器

を使って実行されなければならない。

    試験の手順詳細は、2013FIAフォーミュラ 技術規則付則に記載されている。

  17.6.2 )試験パネルの寸法は500mm×500mmでなければならない。堅い円錐台を

mm(± mm)/秒の速度で、パネルの中心を通じ、変位が150mmを超え

るまで、この試験パネルの中心に貫通させる。

    最初の100mmの変位が生じている間、試験荷重は250kNを超えていなけれ

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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ばならず、エネルギー吸収性は6,000Jを超えていなければならない。これら

の要件が満たされる前に、取り付け物に損傷を生じること、または境界部分に

系統だった損傷を生じることがあってはならない。

  17.7 )後部衝撃吸収構造体プッシュオフ試験

  17.7.1 )試験中は、ギアボックスと後部衝撃吸収構造体は水平な面にしっかりと固

定されていなければならない。試験対象となる取り付け部の強度を増すことの

ない方法により、堅固に固定されていなければならない。

  17.7.2 )40kNの一定の横向き水平荷重が17.2.1)のサバイバルセルの側方試験で使

用されたものと同じパッドを使用し、リアホイール軸から後方400mmの点で

衝撃吸収構造体の片側に加えることとする。

    パッド部分の中央は、当該部分の衝撃吸収構造体の高さの中心を通らなけれ

ばならない。

    水平荷重を30秒加えた後、衝撃吸収構造体とギアボックスの取り付け部に一

切の構造的欠陥が生じてはならない。

 17.8 )側部衝撃吸収構造体プッシュオフ試験

 17.8.1 )スーパーフォーミュラ(SF)車両製造者は、構造体(含む複数)が以下に

耐え得ることを明確に示す計算詳細を提供しなければならない。

   - ボールジョイント・パッドにより前方および後方方向へ別々に負荷される

20KNの水平荷重。

     この場合のパッドは、構造体の形状に沿ったものとすることができ、高さ

550mm×幅100mmで、中心が車両中心線から600mm、基準面上方300mmの

ところに位置する。

   - ボールジョイント・パッドにより上方および下方方向へ別々に負荷される

10KNの荷重。

     この場合のパッドは、構造体の形状に沿ったものとすることができ、長さ

400mm×幅100mmで、中心が車両中心線から600mm、コックピット入り口

型板の後端の500mm前方に位置する。

     いかなる場合にも、計算によって、部品に構造的損傷がないことが示され

ること。

     また、ボールジョイント・パッドが使用され、ジョイント部がパッド領域

の中心にあると想定されること。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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     複合衝撃構造体が、車両に装着されている場合は、パッドに接触している

部分のみが構造体に負荷される荷重を受ける必要がある。

 17.8.2 )プッシュオフ試験の間、サバイバルセルは平坦な板の上に置かれ、それに

しっかりと固定されていなければならないが、試験を受ける取り付け部の強度

を増すような固定方法を用いてはならない。

    その後20kNの一定の後ろ向き水平荷重が、高さ550mm×幅100mmで、衝撃

吸収構造体の形状に沿ったものとすることができるボールジョイント・パッド

を使用し、構造体の車両中心線から600mmの地点に加えられる。

    パッド領域の中心は、基準面の300mm上方に位置し、構造体とサバイバル

セルとの間の一切の構造と取り付け部に全く損傷を生じてはならない。

    複合衝撃構造体が車両に装着されている場合は、パッドに接触している部分

のみが試験を受ける。

第 18 条 燃 料

  18.1 )燃 料

    一般市販燃料に限定され、供給された燃料には何も加えてはならない。

  18.2 )空 気

    燃料に混入することができる酸化剤は空気に限る。

第 19 条 車載テレビカメラ

  19.1 )車載テレビカメラシステム搭載の有無にかかわらず、最低重量(3.1)参照)

を満たさなければならない。

  19.2 )車載テレビカメラシステムを搭載しない車両は、その重量に相当するダミー

ウェイトを搭載しなければならない。

  19.3 )車載テレビカメラシステムは、車体寸法規定の対象とはならない。

  19.4 )車両(主要ロール構造体を含む)への取り付けは、指定された場所、治具、方

法、寸度に限定される。

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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第12- 図:スキッドブロックの寸法

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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2250

1500

750330

50 φ50 φ80×2 φ50×2

255

φ80

330

387

9090

100

100

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第12- 図:コクピット入口の型板

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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R200

R100

12°

400

850min

R100

520

130

25

375

270

250

50 90

dc

R25 max

950

b

15°

45°

R300 max

Ram Position

基準面

230

550

e

a

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第12- 図:コクピット横断面型板

第12- 図:コクピットのパッド

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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最小850

領域 B

連続したパッド 前部ロール構造体より後方50mm

ペダル面最後部より後方100mm

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第12- 図:サバイバルセルの寸法

第12- 図:トランスポンダーの位置

第12章 スーパーフォーミュラ(SF)

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R25(4)R50(4)

300

A-A面における最小外部寸法 B-B面における

最小外部寸法

450

400

275

A

a

ab

b

300 450

B C

A B C最小60

1800

925

コクピット型板の後部

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第13章 リブレ(その他の車両)(NE)

 本規則第 編レース車両規定、もしくは国際モータースポーツ競技規則付則J項の

グループのいずれにも属さない車両で競技会を開催する場合、オーガナイザーは、特

別規則書に車両規則を明記しなければならず、いかなる場合においても下記に従いJ

AFの許可を得なければならない。

  )車両規定およびその仕様の詳細をJAFに申請し、その承認を得たうえで公告

すること。

  )承認された車両規定および仕様は競技会特別規則書に明記すること。

  )部門Ⅰ(量産車両)、部門Ⅱ(競技専用車両)のどちらに相当するか、もしく

はどちらにも相当しないかにより、下記の条項に合致しなければならない。

(第 章参照)

   ただし、JAFが安全であると認めた時はその限りではない。

    部門Ⅰ(量産車両)に相当する車両……………

    部門Ⅱ(競技専用車両)に相当する車両………

    その他の形式………………………………………

  )すべての車両は、第 章“レース車両の排気音量規制”に従っていなければな

らない。

  )気筒容積の制限はオーガナイザーが任意に定めることができる。

  )JAFにより、2009年 月 日より新車と見なされるすべてのクローズドカー

は、コクピットへの出入りおよびその乗員へのアクセスが可能なように、左右

両側にそれぞれ少なくとも つの開口部を有していなければならない。

  )コクピットは、正常に着座したドライバーがドライバー側の開口部を使って

秒以内に、同乗者側の開口部を使って 秒以内で脱出できるよう設計されてい

なければならない。

第13章 リブレ(その他の車両)(NE)

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第13章 リブレ(その他の車両)(NE)

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第5章3条3.17.2)1触媒装置:2011年1月1日以降に新たに申請される車両については触媒装置の装着が義務付けられる。

23

第4章2条2.1)1制動安全装置:23第4章11条1サーキットブレーカー:

23第6章7条1安全燃料タンク:付則J項259.6.32

3第4章1条1.1)および1.2)1燃料配管、ポンプ、フィルター:付則J項259.6.22

3第3章10条10.3)1燃料補給用開口部とキャップ:付則J項259.6.42

3第4章19条ただし、1000cc以下のエンジンを使用する場合、1ℓ以下でも良い

1オイルキャッチタンク:

付則J項259.7.4231電気ケーブル:付則J項259.8.52

3第4章4条1安全ベルト:付則J項259.14.2.12

31オイルシステムの縦方向の位置:付則J項275.7.22

付則J項275.12.21ホイールの材質:23

付則J項275.9.31後退ギア:231サスペンションアーム:付則J項275.10.3.12

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 安全構造:

    部門Ⅰ(量産車両)に相当する車両は、第4章第6条「ロールケージ」に合致

しなければならず、“その他の車両(クラシック、ヒストリック)”に相当す

る車両は付則J項259条15.1に合致しなければならない。部門Ⅱ(競技専用車両)

に相当する車両は、それらの形式により、下記の規定に合致しなければならな

い。

    ・クロスカントリー型:付則J項283条8

    ・ つ以上の座席を備えたサーキット車両型:付則J項259条15.1

    ・シングルシーター型:最低 つのロールオーバー構造

 シングルシーターの寸法と位置:

    第 ロール構造体はステアリングホイールの前になくてはならず、ステアリ

ングホイールリムの頂点より250mm前方まで、また少なくとも同じ高さにな

くてはならない。

    主要ロール構造体は、第 ロール構造体より少なくとも500mm後方になく

第13章 リブレ(その他の車両)(NE)

-295-

第4章5条5.1)および5.2)1消火器付則J項275.14.12

3第4章7条1後方視界用ミラー:付則J項275.14.32

3付則J項275.14.51リアライト:

23第4章13条1ヘッドレスト:付則J項275.14.62

3第4章8条1牽引用穴あきブラケット:付則J項259.14.62

3第4章17条1防火壁:付則J項259.15.32

3第4章13条1座席:第4章18条1ステアリング:

23

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てはならず、主要ロール構造体の頂点から第 ロール構造体の頂点に延びる線

が、ヘルメットを着用してシートベルトを締め、通常に着座したドライバーの

ヘルメットの上方50mmの位置を通るよう、十分高い位置になくてはならない。

    この主要ロール構造体の最低高はドライバーの脊柱に沿って座席のシェルか

らロール構造体の頂点までを測定し最低920mmなければならない。側面の

つの直立支柱の間にあるロール構造体の内側で測定し、その幅は少なくとも

380mmなければならない。それはドライバーの脊柱に沿って座席のシェルか

ら垂直に高さ600mmの位置で測定すること。

 シングルシーターの強度:

    ロール構造体に関する十分な強度を製造者が得るために、 つの方法がある。

   a)ロール構造体の規格については全く自由であるが、付則J項第275条15.2.3

に示された最小強度に耐え得るものでなければならない。当該強度要件を満

たすことを証明する書類をJAFへ提出すること。

   b)チューブとブレース(支柱)の直径は少なくとも35mmで、肉厚は少なく

とも mmなければならない。その材質は、モリブデンクロムSAE4130また

はSAE4125(あるいは、DIN、NF等と同等なもの)。

    ロール構造体の頂点から水平に対し60°を超えない角度で後方に少なくとも

本の支柱を取り付けること。この支柱の直径および材質はロール構造体と同

じでなければならない。 本の支柱を取り付ける場合は、外径26mmで肉厚

mmのパイプを用いてもよい。メインフープと支柱との間の取り外し可能な連

結部は付則J項第253-37図から第253-46図に合致していなくてはならない。支

柱は前方に取り付けてもよいが、転倒した際、ドライバーが脱出できる構造と

すること。

 シングルシーターの安全構造:

    パワーウェイトレシオに応じた車両カテゴリーの安全構造の条件に配慮する

こと。

第13章 リブレ(その他の車両)(NE)

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