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1. 単元名(活動名) 豊かさの違いから学ぶ~「私の大切なもの」を通して 2. 対 象:当別町立当別中学校 2年 授業者:長屋 増美 3.学習領域 A多文化共生 文化理解 文化交流 多文化 共生 Bグローバル 社会 相互依存 情報化 C地球的誯題 人権 環境 平和 開発 D未来への 選択 歴史認識 市民意識 社会参加 4. 教科領域との関連性: 総合学習 5. 実施時期:2011年3月4日 6. 総時数:2 (カードゲーム、フォトパズル) 7. 単元(活動)目標: 知識理解…セネガルの文化を知り、データでは読み取れない「豊かさ」が あることを理解する。 技能目標…班で話し合い、データを読み取ることができる。 態度目標…ゲームを通して、自分の生活や考え方を見つめ直そうとする。 8. キーワード 豊かさ 思い込み 偏見 見つめ直す 9. 単元について(教材観・単元設定の理由など) データでセネガルと日本を見比べると、日本の方が圧倒的に豊かな生活を送っているように思える。実際の生 活においてもたくさんの物があふれ、食べ物に困ることがない。しかし、セネガルの人々との生活を比べた時に、 一概に日本の人たちが豊かな生活をしていると言えるのだろうか。 セネガルの中学生と日本の中学生では、当然のことながら大きく異なる社会のもとで生活をしている。もち ろん価値観も大きく異なっている。しかし、生活の中で同じようにすごしていたり、大切にしているものが同 じだったりする。そこで文化の違いを理解するとともに、同じものを知り、セネガルを身近に感じてもらいた い。またゲームをすることで、日本やセネガルに対する自分の思い込みについて知ってもらいたい。 当別は地域のつながりが非常に強い。しかしその反面、外に出ることが尐なく閉鎖的である。「海外旅行はあ まり…」という生徒も尐なくない。生徒たちの視野を広げるため、セネガルの魅力的なところを多く伝えていき たい。また、日本の豊かさとセネガルの豊かさは質が違う。質の違う豊かさから日本人が学ぶことについても考 えさせていきたいと考え、この授業計画を考えた。

JICA - 豊かさの違いから学ぶ~「私の大切なもの」を通して · 2012-09-18 · の人は挨拶を大切にするというのを聞いて、自分も挨拶をもっとしようと思った。(男子)

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Page 1: JICA - 豊かさの違いから学ぶ~「私の大切なもの」を通して · 2012-09-18 · の人は挨拶を大切にするというのを聞いて、自分も挨拶をもっとしようと思った。(男子)

1. 単元名(活動名) 豊かさの違いから学ぶ~「私の大切なもの」を通して

2. 対 象:当別町立当別中学校 2年

授業者:長屋 増美

3.学習領域

1 2 3 4

A多文化共生 文化理解 文化交流 多文化

共生

Bグローバル

社会 相互依存 情報化

C地球的誯題 人権 環境 平和 開発

D未来への

選択 歴史認識 市民意識 社会参加

4. 教科領域との関連性: 総合学習

5. 実施時期:2011年3月4日

6. 総時数:2

(カードゲーム、フォトパズル)

7. 単元(活動)目標:

● 知識理解…セネガルの文化を知り、データでは読み取れない「豊かさ」が

あることを理解する。

● 技能目標…班で話し合い、データを読み取ることができる。

● 態度目標…ゲームを通して、自分の生活や考え方を見つめ直そうとする。

8. キーワード

豊かさ

思い込み

偏見

見つめ直す

9. 単元について(教材観・単元設定の理由など)

データでセネガルと日本を見比べると、日本の方が圧倒的に豊かな生活を送っているように思える。実際の生

活においてもたくさんの物があふれ、食べ物に困ることがない。しかし、セネガルの人々との生活を比べた時に、

一概に日本の人たちが豊かな生活をしていると言えるのだろうか。

セネガルの中学生と日本の中学生では、当然のことながら大きく異なる社会のもとで生活をしている。もち

ろん価値観も大きく異なっている。しかし、生活の中で同じようにすごしていたり、大切にしているものが同

じだったりする。そこで文化の違いを理解するとともに、同じものを知り、セネガルを身近に感じてもらいた

い。またゲームをすることで、日本やセネガルに対する自分の思い込みについて知ってもらいたい。

当別は地域のつながりが非常に強い。しかしその反面、外に出ることが尐なく閉鎖的である。「海外旅行はあ

まり…」という生徒も尐なくない。生徒たちの視野を広げるため、セネガルの魅力的なところを多く伝えていき

たい。また、日本の豊かさとセネガルの豊かさは質が違う。質の違う豊かさから日本人が学ぶことについても考

えさせていきたいと考え、この授業計画を考えた。

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10. 展開計画・展開記録

次/時 主な学習活動と子ども(学習者)の意識 ○留意点

【導入】

①簡単なクイズをする

写真「これなんだ?」サイの写真、歯磨き棒

②セネガルでみつけた日本の写真を紹介

日本車、よさこいの写真

③日本、セネガルのデータを提示する

データについて班で話し合う。→ワークシートに記入

気づいたことについて、班ごとに発表する

日本とセネガルの違い、セネガルと同じところ、気づいたこと

(例) 日本 セネガル

一人当たりの

所徔平均

37180(ドル) 670(ドル)

就学率(小学校) 男子100%

女子100%

男子74.4(52%)

女子71.7(45%)

修了率43.4

就学率(中学校) 男子100%

女子100%

男子23%

女子16%

識字率 男子100%

女子100%

男子51%

女子29%

【カードゲーム】

①カードを配る

セネガルの中学生、日本の中学生に関するカードを4人一組に配

り、グループ分けする(セネガルの中学生、日本の中学生、どち

らにも共通すること)

→ワークシートに記録しておく

②カードの答えを確認する

→教師が関連する写真や映像を見せる

③自分の思い込み、気づいたこと、知ったことをワークシートに

まとめる

楽しい雰囲気を作る。

普段の生活班とは違う、話し

合いのための4人班を作る。

思い込みによってなかなか

写真が組み合わないものも作

る。

セネガルにおける人とのつ

ながりの豊かさや、心の豊か

さについて気づくように解説

する。一見ものもあまりない

ように見えるが、そうではな

い豊かさに気づかせる。

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【絵合わせ】

① 切り取った写真を配布する。写真の片割れを持っている人が教

室にいるので、その人を探す。組み合わせる相手が見つかった

ら、どんな場面の写真か考える。

② どんな写真かペアで発表する。発表に教師が解説を加える。

「テランガ」「あいさつ」「子供たちの笑顔」「地域のつなが

り」「違う民族が仲良く暮らしている」

③ 写真を見て気づいたこと、意外に感じたことをワークシートに

書く。

③ 協力隊員の書いた「私の大切なもの」を紹介する。(「人と自然」、

「あいさつ」「人とのつながり」

【まとめ】

「日本の豊かなところ」「セネガルの豊かなところ」、そして自分が

気づいたことなど感想をまとめる。

11. 評価計画:

● 知識理解…セネガル文化について知る。セネガルの中学生との違いだけではなく、同じ点について知り、セ

ネガルを身近に感じることができる。セネガルや日本についての自分の思い込みについて知る。豊かさの違

いを知る。(ワークシート)

● 技能目標…班で話し合い、データを読み取る。【ワークシート】

● 態度目標…積極的に意見を述べ、ゲームに参加する。ゲームを通して、自分の生活や考え方を見つめ直す。

(ワークシート、観察)

12. 苦労した点・改善点

・カードの文言が一人称でないため、考える幅ができる(例えば一人でも日本の中学生が言っている

ことは、日本の中学生に当てはまることになる。)。スタディツアー以前に授業を考え、焦点をしぼった

取材をすることができれば良かった。今回は生徒が描いた「私の大切なもの」の絵を生かすことを目的

に、カードの内容は生徒の絵から起こし、そのままにしている(注:中学校2年生の学年全員に「私の

大切なもの」という絵を描いてもらい、それをセネガルの中学生に渡している)

・思っている以上に教師が話す場面が多くなってしまった。

・「豊かさの違い」を感じさせることを目標にした授業計画であるが、目標への迫り方が甘かったと思う。

授業の中での、話の落とし方など、工夫が必要だと思う。

13. 授業づくりのための参考資料

○国際理解教育の手引き(2002JICA)

○子供を世界につなげるースタディツアーを生かした国際理解教育・開発教育教材集(2009 石狩管内

国際理解教育研究協議会)

○国際理解教育-地球市民を育てる授業と構想 大津和子 国土社 1992

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14. 学びの軌跡(感想文、作品、ノートなど)

【生徒】

・ セネガルは就学率も良いし、所徔平均も低いけれど、人と人がみんな仲良いし、民族も仲が良いのがすご

い。日本は豊かで食べ物、水は安全だけど、そういった人とのつながりは薄い。セネガルは食べ物や水、

教育は充実しているわけではないけど、人たちのつながりがあっていいな、と思った。(男子)

・ セネガルの人は、人とのつながりをすごく大切にしていて、すごいと思いました。同じ民族じゃなくてもと

ても歓迎していて、心の優しい人が多いんだなと思いました。(女子)

・ セネガルは裕福ではないけれど、人とのかかわりを大切にするということを知った。まさに自分は「井の中

の蛙だなぁ」と思った。(男子)

・ セネガルは都市と地方では生活にすごく差があることがわかった。裕福ではないけれど、日本人をおもてな

ししてくれるというところでは、とても優しくてあたたかい人々なんだとわかったし、挨拶を大切にしてい

るのは尊敬できると思った。イベントなどたくさんしていて、もりあがっていて、日本にないものをたくさ

ん持っていた。(女子)

・ (金銭面で)豊かだからいいってものじゃないんだな、と思った。学校に行きたくても行けないのは尐しか

わいそうだけど、みんな笑っていた。それってすごくステキだと思った。お金がなくたって大変だけど、み

んなで楽しくやっていけているから、そこはうらやましかった。(女子)

・ セネガルに対して、最初は「貧しくてかわいそうな国」というイメージがすごくありました。でも、今日長

屋先生の話を聞いて、セネガルは人間関係がすばらしいと思いました。(女子)

・ セネガルの人は他の国の人が来たら、すごく歓迎をすると聞いて、貧しいのにすごいなと思った。セネガル

の人は挨拶を大切にするというのを聞いて、自分も挨拶をもっとしようと思った。(男子)

・ 日本は豊かな国だけど、セネガルはそうでもない。でもセネガルの人は日本に負けない豊かな「心」を持っ

ている。(男子)

・ セネガルはとても貧しくて、日本人は嫌いだというイメージがあったけど、長屋先生がされたみたく、歓迎

してくれるのはすごいことだと思いました。今回の授業で、すごくセネガルに興味を持てたし、行ってみた

くなりました。(男子)

・ 日本人よりもセネガルの人は他の人と触れあうのがすごく楽しそうで、みんな助け合って生きていくという

のがいいと思った。お金よりもその心の方が大切だと思う。(女子)

・ セネガルの人々はお金がないのに、お金を持っている日本人にたくさんのおもてなしをする。人々との関わ

りがすごい。日本人は差別などがあるけど、セネガルの人々はすごく優しい人たち!セネガルはすごいと思

った!!(女子)

【参観した教員】 ・ 初めての開発途上国を通しての学習(開発教育)に生徒たちがワクワクと興味深く触れていける学習だ

った。授業者のフィールドワークからの実体験と実写の映像資料により、文化も暮らしも異なる遠いアフ

リカの小国のことを大変身近に「つながり」を感じながら学べた。また、データだけでは読み取れない現

地の人々の姿を、2時間授業としては十分に学び取ることができ、とても良かった。通常の中学校の授業

に開発教育を持ち込み、十分に実践できた成果はとても大きい。

・ 長屋先生の服装、画像を静止と動画をまぜていたことが視覚で楽しむ、わかるだけではなく、聞いてさら

に深まること、どれも伝えるタイミングが良く、とてもわかりやすい授業でした。授業を見学するまでは「学

年一斉でもいいのに…」と尐し思っていましたが、実際に見学すると学級ごと(30人前後)の方が集中し

やすく、参加することも保証されていて良かったです。

・ 実際に行かなければ気がつかないことがたくさんあったと思う。経験が物を言う授業でした。映像、写

真がたくさんあって良かったと思う。「豊かさ」については曖昧でした。目標の迫り方への工夫。

・ 限られた時間の中で、子供たちが意欲的に取り組める内容(構成)を作っていたと思う。「絵を使う」「写

真を切って渡す」、工夫がちりばめられた授業だったと思います。国際理解教育はいろいろな教科や道徳、

総合とも結びついているので、計画・準備の段階から組織的に取り組めていくといいなぁと思いました。

社会科や道徳的な観点から考えてみると…セネガルの様子や日本人の偏見みたいなものもわかったのです

が、子供たちに何を考えさせ、どうさせていくのかをもっとはっきりさせるとよかったのかな、と思いま

す。セネガルのほんの一面はわかった(ような気)になったのですが、「だからどうするの?」というとこ

ろが大切なのだと思います。

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・ 写真を切って、相手を探すことはコミュニケーション力をつけさせるためにも良かったです。日本とセ

ネガルの収入の比較は金額を比べるより、プレステ何台分…と付け加えると生徒はイメージしやすいと思

いました。

15. 備考(授業者による自由記述)

初めてスタディーツアーから授業を作りました。帰国してから、実際に授業を作る際に「あれもあったら…」

と後悔することも尐なくなく、現地に行くまでに漠然とでもどのような授業を作るのか考え、そのための資料

集めをする必要性を感じました。写真や映像は、現地の文化などを伝えるために大変大きな役割を果たし、そ

れらの選択が授業の中で大きな意味を持ちます。

また、行く前に聞いていた通り、スタディーツアーに行ったからこそ感じる「授業作りの難しさ」を実感し

ました。現地で見たもの、感じたものの情報量が膨大であり、その写真や映像を選ぶことだけでかなりの時間

を費やしました。情報の取捨選択、そして授業の目標を絞ることが授業作りの大きな鍵になると感じます。

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<カード(日本の中学生)>

<カード(日本とセネガル共通)>

<カード(セネガルの中学生)>

(カードの解説)

私は家でペットを飼っています。

猫は大切な家族の一員です。

私の家ではお米を作っています。

水田は家族の大切なものです。

私は部活動に所属していて、放

課後に卓球をします。

私はおすしやお味噌汁を食べま

す。

私の空手をする時間と仲間を大

切にしています。

私は友人や家族と囲碁すること

が好きです。

私の大切なものは家族です。 私は親友を大切にしています。 私の友人は携帯電話を持ってい

ます。

私は挨拶をとても大切にしてい

ます。

私はドラえもんやNARUTO

が好きです。

私はテレビゲームやパソコンで

遊びます。

私はたくさんの言語を勉強しま

す。

私のクラスにはいろんな年齢の

人がいます。

私の大切なものは人とのつなが

りです。

私はお祈りを大切にしていま

す。

私の大切なものは、自分たちの

国の文化です。

私の大切なものは学校です。

家庭生活 私は家でペットを飼っていま

す。猫は大切な家族の一員で

す。

セネガルでは家で家畜を飼う家は多いが、ペットとして

の動物を飼う家は最近増えてきたようであるが、まだま

だ少ない。

食文化 私の家ではお米を作っていて、

水田は家族の大切なものです。

セネガルでは主食が米であるが、タイなどからの輸入に

依存しており、自国で米はほとんど生産していない。

食文化 私はおすしやお味噌汁を食べ

ます。

お寿司やお味噌汁はセネガルでほとんど食べられてい

ない。このカードはゲームとしては簡単すぎるが、日本

の中学生が実際に描いた「私の大切なもの」のカードを

生かしたものである。

学校生活 私は部活動に所属していて、放

課後に卓球をします。

部活動はなく、放課後はまっすぐ家に帰る。また体育館

を目にすることもなかった。そのため卓球をすることは

難しいと考えられる。

学校生活 私の空手をする時間と仲間を

大切にしています。

世界で空手文化は広まっているが、セネガルで空手はあ

まり広まっていない。

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趣味 私は友人や家族と囲碁するこ

とが好きです。

囲碁も日本独特の文化であり、セネガルには普及してい

ない。これも日本の中学生が描いた「私の大切なもの」

を生かしたカードである。

家族 私の大切なものは家族です。 セネガル、日本に共通して大切なものは「家族」と答え

る中学生が多かった。

友人 私は親友を大切にしています。 友人を大切にするのはセネガル・日本共通である。特にセネガルでは「会話をする」ことを大切にしている。

挨拶 私は挨拶をとても大切にして

います。

挨拶を大切にするのも、日本とセネガルで共通である

が、大きな違いがある。日本ではマナーとしての挨拶を

大切にしているが、セネガルでは知らない人でも挨拶か

ら始まり相手の体調や、出身などを話す.長いときには

30分を越えることもある、大切なコミュニケーション

の一つである。

電話 私の友人は携帯電話を持って

います。

セネガルでは発展途上国によくある、固定電話より携帯

電話が発達している国である。コミュニケーションが好

きなセネガルの人々は携帯電話を大切にしている。しか

し万人が持っているわけではないので、解説が必要であ

る。

文化 私はドラえもんやNARUT

Oが好きです。

日本のアニメ本をセネガルの本屋さんで見かけた。ドラ

えもんやNARUTOなど、日本の中学生にも人気のあ

るものである。

文化 私はテレビゲームやパソコン

で遊びます。

シェイクアワバラ中学校で描いてもらった「私の大切な物」には

「Face Book」やインターネットメールなど、が描いてあった。

しかし、これは万人に共通することではない。中学校への進学率

等も鑑みると、中学校に来ているというだけで、ある程度の収入

がある家庭ということが予測される。

学校生活 私はたくさんの言語を勉強し

ます。

小学生からフランス語、アラビア語、英語など複数言語

を学習する。

学校生活 私のクラスにはいろんな年齢

の人がいます。

中学校の一つの授業に15歳~20歳の生徒がいた。

学校生活 私の大切なものは学校です 教育を受けることはセネガルでは大変貴重な機会であ

り、特に中学校からの進学率の低さを考えると学校に通

えることは幸せなことである。

生活 私はお祈りを大切にしていま

す。

イスラム教徒が多く、早朝には街にコーランがかかる。

文化 私の大切なものは、自分たちの

国の文化です。

セネガル相撲は地域の大切な行事であり、大人も子供も盛り上が

る。またアフリカの楽器や「ソリタリテ」(人との連帯)など人の

つながりも含めて、自国の文化を大切にしている。

生活 私の大切なものは人とのつな

がりです。

「ソリタリテ」(連帯)」という言葉があり、人とのつな

がりをとにかく大切にしている。

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セネガルを通して考えた!

1.日本とセネガルのデータを比べて、気づいたことをどんどん書こう。→他の班の気づきもメモしよう。

2.データを通して、セネガルはどんな国かイメージを書いてみよう。できるだけ自由に!

3.カードゲームを通して、班でもめたカード、記憶に残ったカードをメモしよう。

カード もめた、意見が割れた理由

4.意外に思ったことはありましたか?なぜ意外に思ったのか理由も書きましょう。

2年 組 番 名前

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セネガルを通して考えた!2

1. なかなか組み合わせを見つけられなかった写真はありましたか?それはどの写真でしたか?

2.どの写真が印象に残りましたか?その理由は何ですか?

3.日本で「豊かだ」と感じることは何ですか?

4.セネガルで「豊かだ」と思うことは何ですか?

5.全体を通して、自分が感じたこと、思ったことをまとめましょう。

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データで見るセネガル

日本

(首都:東京)

セネガル

(首都:ダカール)

人口 1億2千713万人 980万人

面積

人口密度

38万平方キロメートル

336人(人/平方 km)

20万平方キロメートル

主な言語 日本語 フランス語、ウォロフ語

主な宗教 仏教 神道 キリスト教 イスラム教

主な輸出品目 機械類、自動車、精密機械 魚介類、石油製品、落花生

一人当たりの所徔平均 37180(ドル) 670(ドル)

改善された水源を利用する

人の比率

都市100%

農村100%

都市90%

農村54%

平均余命 82歳 56歳

一人の女性が生涯に生む子

供の数

1.3人 5.1人

就学率(小学校) 男子100%

女子100%

男子74.4(52%)

女子71.7(45%)

修了率43.4

就学率(中学校) 男子100%

女子100%

男子23%

女子16%

識字率 男子100%

女子100%

男子51%

女子29%

帝国書院 社会科地図(2005)

ユニセフ 子供白書(2009)

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2. 単元名(活動名) アフリカから見た奴隷貿易

2. 対 象:当別町立当別中学校 3年

授業者:長屋 増美 3.学習領域

1 2 3 4

A多文化共生 文化理解 文化交流 多文化

共生

Bグローバル

社会 相互依存 情報化

C地球的誯題 人権 環境 平和 開発

D未来への

選択 歴史認識 市民意識 社会参加

4. 教科領域との関連性:

・社会科 →(歴史分野)ヨーロッパ人との出会いと全国統一

(公民分野)人権と共生社会

5. 実施時期:2011年6月27日

6. 総時数: 2(道徳) (実際の授業では1時間でやりましたが、きついと思います)

7. 単元(活動)目標:

● 知識理解…アフリカからの奴隷貿易について考え、世界人権宣言のような

人権を守る宣言に結びつき、それが自分たちの生活につながっていること

を知る。

● 技能目標…班で積極的に意見を出し、班の意見をまとめることができる。

ワークシートを用いて自分の意見をまとめることができる。

● 態度目標…アフリカ側から見た奴隷貿易について関心を持ち、自分たちの

生活との結びつきについて考えようとする。

8. キーワード

奴隷貿易

アフリカ

世界人権宣言

自由

9. 単元について(教材観・単元設定の理由など) 今回のセネガル視察の中で奴隷貿易の拠点であったゴレ島を訪れることができた。セネガルはアフリカ大陸最

西端に位置し、その中でも西にあるゴレ島はアメリカ、ポルトガル、イギリス、フランスに奴隷を「輸出」する

に都合の良い場所であったと考えられる。セネガンビア付近で捕らえられた輸出用奴隷は、ゴレ島の「奴隷の家」

に一時的に収容され、「最後の扉」と言われる出口から欧米に向けて出荷されていった。収容施設には男性用、女

性用、そして幼児用の部屋があり、収容施設の中でも非常に過酷な生活を送っていた。また、その後は3ヶ月と

言われる大西洋を横断する航路に向かい、それを悲観して出荷される前に海に飛び込んだ人もいたということで

ある。約400年にわたる奴隷貿易において1500万人とも言われる数の奴隷が輸出され、多くの人が「ひと」

として扱われなかった。

生徒たちはアメリカから見た奴隷制度については社会科で学習済みであり、なぜアメリカには黒人がいるの

か、という問いには「アフリカから奴隷として連れてこられたから」というように答えられる。しかしながら、

そこに一人ひとりの人生があり、生活があったことは想像することが難しい。「奴隷」を知っていてもどのよう

な過酷な状況で彼らが「輸出」され、「販売」され、「拷問を受けた」かということを考えさせたい。また、拷

問を与えた側の立場についても考え、気づかせていきたい。

世界人権宣言(1948年)には

第三条:すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有する。

第四条:何人も、奴隷にされ、又は苦役に服することはない。奴隷制度及び奴隷売買は、いかなる形においても禁止する。

第五条:何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは屈辱的な取扱若しくは刑罰を受けることはない。

と、ある。

今回の授業では奴隷たちがどのような過酷な状況にいたか、ということを知るにとどまらず、「自由」とはどの

ようなことなのかを考えること、そして奴隷貿易という負の歴史が最終的には世界人権宣言へとつながり、過去

の人たちの苦労の上に自分たちの「自由」な生活が成り立っていることを考えさせていきたい。

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10. 展開計画・展開記録

次/時 主な学習活動と子ども(学習者)の意識 ○留意点

<導入>

①セネガルクイズ

・前回の授業を思い出させる写真(食事の写真)

・ピーナツが主要な産業であることを気づかせる写真

(マフェ、ピーナツを売る人)

②セネガル、インド、アメリカで撮った写真を見せる

→インドではアーリア系が多く、セネガルでは黒人、アメリカで

は白人と黒人が混ざっている。アメリカにはなぜ黒人も多くいるのか

という問いかけから、奴隷の話に入っていく。

<展開>

①世界地図を見せる(2種類用意 日本が中心のもの、イギリスが中

心のもの)

(発問)なぜセネガルが奴隷貿易の中心の一つになったのか?

→位置的な利便さに気づかせる。

なぜアメリカにとって奴隷が必要だったのか?

→イギリスとの貿易の中で綿花栽培が大きな収益になり、その労

働力として奴隷が必要だった。

②ゴレ島での写真を見せる

・人が船に詰まっている写真を見せる

(発問)これは何の写真でしょうか?

→船に奴隷が積まれて出荷されたことに

気づかせる。

・奴隷の家での写真

・最後の扉の写真

・男、幼児の部屋

・足かせ

→関連づけてジュリアス・レスターの絵本の絵(①人が海に浮いて

いるもの ②人が積まれているもの ③拷問を受けている絵)

③拷問を受けている絵を見て考えさせる

(発問)奴隷を捕らえた人の気持ちは?

なぜ奴隷を捕らえ、拷問を与えたのだろう?

前回の授業を思い出させる。ピーナツ

が主要な産業の一つである。奴隷制度

廃止後、宗主国であるフランスにピー

ナツを送り続けている。そのため国内

での労働力が必要だった。奴隷の輸出

が廃止された後も、宗主国に従属する

ことが必要であった。

*写真等の資料はパワーポイ

ントのものをテレビ画面に映

す。

奴隷の扱いがいかに非人道的

であったかについて気づかせ

る。

・航海中の奴隷の死亡率は8~34%。

熱病やチフスでの死亡に加えて、海に

飛び込んだ人も多くいた。

奴隷を捕らえた人も、そうしな

ければ拷問を受けなければな

らなかったり、脅されたりした

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→奴隷も奴隷を捕らえる人も、行動や気持ちに「自由」がないことに

気づかせる。

(発問)

(1)奴隷貿易から「自由」とはどのようなことだと思うか、言葉

でまとめましょう。

(2)また、自分たちが今生きていて「自由」だと思えることはど

んなことかまとめてみましょう。

班で意見をまとめ、大きな紙に書く。

まとまったものは黒板に掲示し、班で発表する。

→予想される答え

(1)「誮にも捕らわれない」「仕事を強制されない」

「商品として売り買いされない」

(2)「自分の家で、好きにテレビが見られる」

「家族に大事にされる、周りの人にも自由にされる」

「学校に行くことができる」

<まとめ>

①世界人権宣言の第3条、第4条、5条を紹介する。

アフリカ(セネガル)の負の歴史から、人権宣言に結びつき、それ

が自分たちの生活につながっていることを伝える。自分たちの生活が

当たり前のようでいて、過去の人たちが勝ち取ってきた権利のもとに

成り立っていることについて考えさせる。

感想をワークシートに書く。

ことについて気づかせる。

班での話し合いが進むよう、手

助けをする。

(用意するもの:画用紙、ペン)

生徒たちにわかりやすく伝え

るために中川ひろたか訳の世

界人権宣言を使う。

人権宣言には法的拘束力がな

いが、こういった世界的な人権

宣言ができたことで、「人らし

く生きる」ことを守る意識がで

きてきたこと、そして自分たち

の生活も守られていることを

伝える。

11. 評価計画: ● 知識理解…アフリカからの奴隷貿易について考え、世界人権宣言のような人権を守る宣言に結びつき、それ

が自分たちの生活につながっていることを知る。(観察、ワークシート)

● 技能目標…班で積極的に意見を出し、班の意見をまとめることができる。ワークシートを用いて自分の意見

をまとめることができる。(観察、ワークシート)

● 態度目標…アフリカ側から見た奴隷貿易について関心を持ち、自分たちの生活との結びつきについて考えよ

うとする。(観察)

12. 苦労した点・改善点

・奴隷という重たいテーマのため、情報の取捨選択に非常に苦労した。また、セネガルでの取材ももっと綿密

にするべきだった。写真資料だけではなく、書籍(絵が入っているもの)を現地で買えば良かった、と後悔し

た。

・1時間という時間の短さから、教師が誘導的に授業を進めてしまった。生徒がこちらの意図をくみ取って授

業に参加してくれたことに助けられた。次授業をすることがあれば、生徒の意見を引き出させ、それを生かし

た授業にしていきたい。

奴隷貿易から、「自由」とはどのようなことだと思いますか?

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13. 授業づくりのための参考資料

・「あなたがもし奴隷だったら…」(ジュリアス・レスター・ロッド・ブラウン著 あすなろ書房 1999)

・「セネガルとカーボベルデを知るための60章」(小川了著 明石書店 2010)

・「ほんとうにあったこわい話 どれい船のゆくえ」(桜井 信夫、 梶 鮎太著 1990)

・「ひとはみな、自由 世界人権宣言~地球上のすべてのひとのために」(中川ひろたか訳 主婦の友社

2008)

・「アメリカ黒人の歴史」(本田創造 岩波新書 1991)

・外務省ホームページ「世界人権宣言」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/udhr/)

・地球歴史館「奴隷貿易」(http://www.benedict.co.jp/Smalltalk/talk-91.htm)

14. 学びの軌跡(感想文、作品、ノートなど)

【班の話し合いで出た意見】

(1)「自由」とはどんなことか

●平等に生きること

●自分のやりたいことができること。人間として生きられる。不自然なく生きられる。気持ちも身体も縛られ

ることがない。人として生活できる。

●人として生きている限り、最低限やりたいこともできて、食べたり飲んだりもできること。

●ルールをきちんと守った上で、好きなことをできること。

●人は物ではなく、人らしく生きられること。

●自由に動けて、しゃべることができて、考えられること。

●平和に暮らせること

●誮にも奴隷にさせられることなく、自分が思っている通りに行動できること。

(2)自分たちが自由だと思うのはどんな時か

●自由に発言できる

●好きな時に好きなことができる

●普通のことを普通にできること

●家に住めて、ご飯も食べられて、学校に行けること

●いろいろなことをやれたり、食べ物をちゃんと食べられたりすること

【生徒の感想】

● 今僕たちは自由だが、昔の奴隷になった人たちはすごくつらかった。自分たちに関係ないとは思ってはいけ

ない。(男子)

● 考えさせられることがたくさんある授業でした!とにかく昔はひどい扱いを受けていた人がいた地域も、今

は良くなっているんじゃないかな~と思う。これから先は昔みたいな間違いをしてはならないなとも思った。

(女子)

● セネガルは遠い国だから知らなくていいわけじゃなくて、同じ地球の中の国なんだから知っておかなければ

ならないと思った。こういうことが2度と起こらないようにしなければならないと思った。(男子)

● 黒人が奴隷だったのは知っていたけど、ここまでひどい扱いだったのは驚いたし、ショックだった。今は自

分のことは自分で決められるし、自分の気持ちもちゃんと言えるから、自由は幸せだと思った。(女子)

● 奴隷の話を聞いて、人を物として扱っていたことがありえないと思った。みんな自由じゃないと生きていけ

ないし、今自分が普通に生活できることがすごいことなんだと思った。(女子)

● 日々の生活で何気なくすごしていることも、奴隷の人たちにとってはあこがれた生活だろうし、普段何気な

いことにも多くの人の努力があり、自由があるのだろうと思う。(男子)

● 奴隷だった人も、奴隷を捕らえた人もみんな嫌な気持ちだったことを改めて感じた。他人に命令されずに自

由に生きられる自分は幸せだな、と思った。(女子)

● こういう歴史があったから自分たちの生活が守られている。自由に生きていて、ごはんも食べられて、好き

なときに寝て、好きなことができる自分たちは本当に幸せだと思った。(女子)

● セネガルは、今は奴隷という環境はなくなったと思うけど、昔はこんなにも不自由で、生きている心地がし

なかったと思う。自分は今までこのことを尐しだけど知っていて、こんなにのん気に生活している自分に腹

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が立つ。でも、昔にあったことを忘れず、今ある自由を大事に自分らしく生活していきたい。(男子)

● 自分たちは何不自由なく生きていけるが、昔のセネガルの人は自分たちの行動が限られていて、自由じゃな

かった。何があっても人の自由は奪ってはいけないと思った(男子)

● 今自分たちがこうして何もなく生きているのは、セネガルの奴隷貿易や日本の戦争のように、今までの過ち

を、昔の人が二度と起きないようにしてくれたからだと思った。今「当たり前」に生きていることに感謝し

たい。

● 昔の人(いろんな国の人)が奴隷にされたり、奴隷を痛めつけたり、いろんな間違いをしてきたからこそ、

今の自分たちの生活があるのだと思う。自分たちは自由だということをしっかり噛みしめて生活していきた

い。そして人はみんな自由で平等なんだから、今の中学生がしっかり勉強して、社会に出てから不平等のな

いもっといい社会を作っていけたらいいと思う。(女子)

【参観した教師の感想・意見】 ● 子供たちは真面目に取り組んでいたと思います。普段の学級の雰囲気が、この授業にも出ていたと思います。

導入はもっと「ざっくり」とするほうが良かったのかな?と。奴隷の写真や絵をしっかり見せたかったです

ね。それが子供たちの気持ちを揺さぶるのではないかと思います。ワークシートは枠だけではなく、構造化

するともっと良かったですね。

● 世界の歴史に目を向けるという点では大変勉強になった。「自由」を考えるのが難しかった。

● 題材、目標の設定は板書する。流れが教師主導すぎ。強引だった感がある。せっかくの写真等が、後ろの生

徒が見えにくい。「奴隷の過酷さ⇔自由(今の生徒)」という対比の強さがもっとあったほうが良かった。

● 展開が唐突な感じがありました。「しばられる→自由が大切だ」ではなく、「しばられる→生きていてもつら

い→人として生きるための自由とは何?→人権宣言→人が生きていくために大切なこと」という説明が必要

だったように思います。

15. 備考(授業者による自由記述)

今回、生徒たちにとってはすでに学習したことを違う角度から見るという意味で、考えることの多かった授

業にすることができたと思う。しかし1時間では学習内容の割に時間が短く(かなりシンプルにしたつもりで

はあるが…)、話の持っていき方が教師主導になってしまった。時間が短い中でも、ファシリテーションの仕方

をもっと熟考し、生徒の意見を自然に導いていける形にしていきたい。また、生徒たちにじっくり考えさせる

ためにも、資料を見せる時間を十分に取り、話し合いももっと時間を取れるように授業の組み方や資料の提示

の仕方を改善していきたい。

この授業はたった一時間の時間ではあるが、内容の組み立て方や資料集めにかなりの時間がかかっている。

この授業を組み立てる中で、スタディーツアーの中でどのように情報収集をしていくのか、そこで徔た情報を

どのように授業作りに生かしていくのか、帰国後の資料集めをどのように行っていくのかなど反省点が多かっ

た。また、自分自身と向き合う時間もかなり長くかかった。この反省点を今後生かし、またこの教員研修に行

く方々に伝えていきたい。

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セネガルの奴隷貿易を通し考えた・ワークシート

3年 組 番 名前

1.自分が奴隷の立場だったとしたなら…どうしたと思いますか?どんな気持ちだったと思いますか?

2.奴隷を捕らえなければならない立場なら…どうしたと思いますか?どんな気持ちだったと思いますか?

3.「自由」とはどんなことだと考えましたか?

4.授業全体を通して…考えたこと(自分の生活とのつながりということを中心に、感想を書こう)