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Keysight Technologies 85072A 10 GHzスプリットシリンダー共振器 Technical Overview

Keysight Technologies 85072A 10 GHzスプリットシリンダー …...02 | Keysight ス85072A 10 GHz プ リットシ ンダー共振器 - Technical Overview 特長 – 薄膜 、アンクラッド基板

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  • Keysight Technologies85072A 10 GHzスプリットシリンダー共振器

    Technical Overview

  • 02 | Keysight 85072A 10 GHzスプリットシリンダー共振器 - Technical Overview

    特長

    – 薄膜、アンクラッド基板、低損失シート材料の複素誘電率と誘電正接の測定

    – IPCテスト手法TM-650 2.5.5.13[1] に準拠

    – Keysight共振空洞ソフトウェアで動作

    – 信頼性が高く使いやすい革新的なデザイン

    – サンプル特性によっては、さらに高い周波数モードも測定可能

    スプリットシリンダー共振器による誘電体測定ソリューションの構成(IPCテスト手法TM-650 2.5.5.131に対応)

  • 03 | Keysight 85072A 10 GHzスプリットシリンダー共振器 - Technical Overview

    電界

    サンプルz

    Keysight 85072Aスプリットシリンダー共振器を使用して、薄膜、アンクラッド基板、低損失シート材料の比誘電率と誘電正接を測定できます。完全なテストシステムを構築するには、キーサイトのベクトル・ネットワーク・アナライザ、ケーブル、ソフトウェアを別途購入する必要があります。

    スプリットシリンダー共振器は円筒形の空洞共振器で、同じ大きさの2つの円筒(シリンダー)を組み合わせたものです。サンプルは、その2つのシリンダー間の隙間に装着します。2つのシリンダーの一方は固定で、もう一方は調整可能なので、さまざまな厚さのサンプルを隙間にはさむことができます。共振器のTE0npモードを測定するために、2つの各シリンダーの側面にある小さな穴から結合ループを差し込みます。

    固定シリンダー

    調整シリンダー

    サンプル

    Z

    結合ループ

    結合ループ

    電界はサンプルに対して平行でシリンダーのZ軸に対して垂直です。スプリットシリンダー共振器で最高の感度を実現するには、電界が最大になる位置にサンプルを置きます。シリンダーの対称性により、電界が最大になるのは、p(シリンダーのZ軸沿いの半波長の倍数)が奇数になるようなTEOnpモードです。

    電界の向き

    図2. 電界はサンプルに対して平行で空洞共振器のZ軸に対して垂直です

    図1. スプリットシリンダー共振器の断面図

  • 04 | Keysight 85072A 10 GHzスプリットシリンダー共振器 - Technical Overview

    誘電率(ε')の実数部や、誘電正接/タンデルタ(tanδ)は、スプリットシリンダー共振器が空の状態とサンプルが装着された状態でのサンプルの厚さ、シリンダーの長さ、Sパラメータの測定値から計算します。NIST(コロラド州ボールダー)で開発された整合モデルを使用すれば、誘電率と誘電正接をTE011モードと高次のTE0npモードで計算できます[2]。

    スプリットシリンダー共振器にサンプルが装着されているときは共振周波数が下側にずれるので、測定周波数は、スプリットシリンダーが空のときよりも低くなります。周波数のずれの量は、誘電率の実数部とサンプルの厚さによって決まります。サンプルの厚さを変更すれば、特定の測定周波数を対象にすることができます。しかし、他の非TEモードからの干渉によって歪みが生じて測定確度が劣化する範囲まで、測定周波数が下側にシフトする可能性もあります。サンプルの厚さによって、測定周波数が干渉モードからずれることもあります。

    図3. 誘電特性およびサンプルの厚さによるTE011モードの共振周波数の変化

    サンプルをスプリットシリンダー共振器に装着すると、スプリットシリンダー共振器のQ値も低下します。低下量は、誘電正接とサンプルの厚さによって決まります。材料が厚い場合や損失が高い場合はQ値が低下するため、スプリットシリンダー共振器が適切に共振せず、材料を測定するのが困難になったり不可能になったりします。サンプルを薄くすればQ値が向上する場合もありますが、損失の高いサンプルの中には、測定できるほど薄くすることができないものがあります。このような理由で、スプリットシリンダー共振器は、低損失材料のみに推奨されています。

    サンプルの厚さ(mm)

    共振周波数

    (GH

    z)

    サンプルの比誘電率

    2468102050100

  • 05 | Keysight 85072A 10 GHzスプリットシリンダー共振器 - Technical Overview

    信頼性が高く使いやすいデザインのキーサイトの スプリットシリンダー共振器

    85072Aのシリンダーは軽量のアルミニウム製で、可能な限り最高の表面仕上げを実現するためにダイヤモンドターニング加工が施され、銅と金のめっきにより優れた伝導率と耐久性を実現しています。また、精密で安定した調整のために、キネマティックマウントを採用しています。このような特長により、Q値の高い空洞共振器と最高の誘電正接分解能を実現しています。シリンダーの横からサンプルを装着できるので、大きなサンプルを測定できます。測定の際には、付属のデジタルマイクロメータによってサンプルの厚さを測定できます。空洞への電気的結合はフィクスチャの上側にある大きなダイヤルを使用して調整可能で、結合ループと配線は保護カバーによって保護されています。

    図4. 85072Aスプリットシリンダー共振器

    シリンダーには高精度ダイヤモンドターニング加工が施され、銅と金のめっきによって高いQ値と誘電正接分解能が得られます

    サンプルは、シリンダーの横側から滑り込ませるので、大きなシート材料も装着できます

    結合ループへの配線はカバーで覆われ保護されています

    固定シリンダーにはキネマティックマウントを採用し、精密で安定した調整を実現しています

    付属のデジタルマイクロメータにより、シリンダー間の隙間を調整しながら測定サンプルの厚さを測定できます

    大きなダイヤルによって入力結合を容易にセットできます

  • 06 | Keysight 85072A 10 GHzスプリットシリンダー共振器 - Technical Overview

    Keysight共振空洞ソフトウェア1ですべてのセットアップ/測定手順をガイド

    別売のKeysight共振空洞ソフトウェアは、NISTのElectromagnetics Division(コロラド州ボールダー)で開発されたアルゴリズムを用いて誘電率と誘電正接を計算します [2]。直観的なユーザーインタフェースを備え、ネットワーク・アナライザの制御、セットアップ/測定手順のガイド、結果の表示が可能です。スプリットシリンダー共振器向けに開発された特殊な機能によって、ユーザーは、正しいTE0npモードの選択、そのモードが使用可能かどうかの判断、最適な入力結合の設定が行えます。アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)により、ユーザーは個別のニーズに適合したカスタマイズソフトウェアを開発できます。

    図5. Keysight共振空洞ソフトウェアのガイドに従って、セットアップ/測定が行えます

    1. 別途購入する必要があります

  • 07 | Keysight 85072A 10 GHzスプリットシリンダー共振器 - Technical Overview

    測定例

    図6. PTFEの誘電率(Dk)の実数部

    図7. PTFEの誘電正接(Df)

    Keysight共振空洞ソフトウェアの結果をMicrosoft Excelのスプレッドシートに表示したもの。

    予測値

    予測値

    測定値

    測定値

  • 08 | Keysight 85072A 10 GHzスプリットシリンダー共振器 - Technical Overview

    電気特性

    閉じた空のシリンダーのTEO11共振モード(23 ℃) 周波数=10.03±0.03 GHz Q≧20,000(-55 dBの入力結合)

    空のシリンダーに存在するその他の使用可能な高次TE0npモードは、以下のとおりです(近似値)

    13.1 GHz 22.8 GHz 27.0 GHz

    17.8 GHz 22.9 GHz 27.1 GHz

    19.7 GHz 25.6 GHz 28.2 GHz

    使用できるTE0npモードは、誘電特性とサンプルの厚さに依存します。サンプルの中には、非TEモードからの干渉によって1次以上のTE0npモードが使用できなくなるものがあります。サンプルの厚さによって、測定周波数が干渉モードからずれることもあります。

    不確かさ(代表値)

    TE011モード 誘電率の実数部: ±1 % 誘電正接: ±0.0001

    使用可能な高次TE0npモード 誘電率の実数部: ±1 – 2 % 誘電正接: ± 0.0005

    サンプル要件

    サンプルの前提条件は、非磁性(μr*=1-j0)、均質、非等方性、均一の厚さ、平らな平行面をもつことです。

    スプリットシリンダー共振器で測定できる誘電率および誘電正接の実際の値は、厚さによって異なります。 厚さ1 mmのサンプルの参考値を以下に示します。 誘電率の実数部:<100 誘電正接<0.01

    厚さ: 0.1~ 3 mm、1 mm(代表値)。薄いサンプルは重ねることができます。 最大5 mmのサンプルをシリンダー間に装着できますが、確度が低下します。最短長または直径:56 mm。扱いやすい最適値は>60 mm。

  • 09 | Keysight 85072A 10 GHzスプリットシリンダー共振器 - Technical Overview

    メカニカル特性

    図8. スプリットシリンダー共振器の断面図と寸法

    25.4 mm.

    56.0

    mm

    .

    38.1

    mm

    .

    25.4 mm.

    Z

    固定シリンダー

    調整シリンダー

    サンプル

    結合ループ

    結合ループ

    シリンダーは高精度ダイヤモンドターニング加工されたAl 6061-T6で、0.5 μmのCu、0.25 μmのPdNi, and 2.0 μmのAuでめっきされています。 長さ:25.4 mm±0.010 直径:38.1 mm±0.005 入力コネクタ:3.5 mm(メス) マイクロメータ分解能:0.001 mm マイクロメータ確度(代表値):0.01 mm 動作温度:0~ 60 ℃(デジタル・マイクロメータ・ディスプレイ:5~ 40 ℃)

    スプリットシリンダー(片側半分)の外観

    キーサイトのスプリットシリンダー共振器のシリンダーは、高精度ダイヤモンドターニングによって鏡面加工され、高い確度と優れた分解能で測定できる最高のQ値を実現しています。

  • 10 | Keysight 85072A 10 GHzスプリットシリンダー共振器 - Technical Overview

    構成ガイド

    誘電体測定システム

    – 85072Aスプリットシリンダー共振器 – N1500A材料測定ソフトウェア(オプション300共振空洞ソフトウェア搭載) – N4419AK20 3.5 mm(オス)‐3.5 mm(メス)ケーブル、2本 – N5230A PNA-Lネットワーク・アナライザ(オプション220、10 MHz~ 20 GHz)

    またはN5230A PNA-Lネットワーク・アナライザ(オプション420、10 MHz~ 40 GHz)および2個の85130-60010アダプター

    その他のPNA、PNA-L、PNA-Xシリーズ ネットワーク・アナライザも使用できます。40 GHzより高いPNA/PNA-Lには、2個の85130-60010アダプターを追加する必要があります。

    参考資料

    [1] 『Relative Permittivity and Loss Tangent Using a Split-Cylinder Resonator』、IPC TM-650 2.5.5.13.

    [2] M.D. Janezic、"Nondestructive Relative Permittivity and Loss Tangent Measurements using a Split-Cylinder Resonator"、Ph.D. Thesis、University of Colorado at Boulder, 2003.

    ウェブリソース

    その他の製品/カタログ情報については、以下のキーサイトのウェブサイトをご覧ください。

    材料テストwww.keysight.co.jp/find/materials

    PNAシリーズ ネットワーク・アナライザwww.keysight.co.jp/find/pnal

    RF/マイクロ波テスト・アクセサリwww.keysight.co.jp/find/accessories

  • 11 | Keysight 85072A 10 GHzスプリットシリンダー共振器 - Technical Overview

    myKeysight

    www.keysight.co.jp/find/mykeysightご使用製品の管理に必要な情報を即座に手に入れることができます。

    www.axiestandard.org

    AXIe(AdvancedTCA® Extensions for Instrumentation and Test)は、AdvancedTCA®を汎用テストおよび半導体テスト向けに拡張したオープン規格です。Keysightは、AXIeコンソーシアムの設立メンバーです。

    www.lxistandard.org

    LXIは、ウェブへのアクセスを可能にするイーサネットベースのテストシステム用インタフェースです。Keysightは、LXIコンソーシアムの設立メンバーです。

    www.pxisa.org

    PXI(PCI eXtensions for Instrumentation)モジュラー測定システムは、PCベースの堅牢な高性能測定/自動化システムを実現します。

    www.keysight.com/go/quality

    Keysight Technologies, Inc.DEKRA Certified ISO 9001:2008 Quality Management System

    Keysight Infoline

    www.keysight.com/find/service測定器を効率よく管理するためのオンラインサービスです。無料登録により、保有製品リストや修理・校正の作業履歴、校正証明書などをオンラインで確認できます。

    契約販売店

    www.keysight.co.jp/find/channelpartnersキーサイト契約販売店からもご購入頂けます。お気軽にお問い合わせください。

    www.keysight.co.jp/find/materialswww.keysight.co.jp/find/pnalwww.keysight.co.jp/find/accessories

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