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〔千葉医学 ㄹ㜹䨠 〔原著〕 てんかんの 所見について 信男 堀江 牧野博安 ⡉䥛{2 日受付) 千葉大学医学部附属病院において,てんかん発作,または,類似の症状を主訴として 䍯浰- 畴敤 瑯浯杲慰桹 ⢈좉먠 と略す⦂箍玂떂ス例について分析し, のてんかん治療に おける有用性について検討した。全例をその病歴より,てんかんの国際分類に従って分類し, 所見と脳波所見を対応させた。 に見られる異常所見は,大発作の例では脳室の拡大等, 脳の全体的変化を示す場合が比較的多かった。一方, 部分発作の例では, 低吸収領域等,局所 的異常を示す所見が比較的多く見られた。また, これらの局所的所見は, 脳波上で見られる発 作焦点と良い一致を示す場合が多かった。しかし, 上に見られる異常所見は,外科的治療 の対象とならないものが大部分であり,外科的治療が行われた例は,孔脳症の 1 例,髄膜腫の 1 例,神経腰腫の 2 例,計 4 例である。 4 笹" 共,手術の結果,良好な発作の抑制が得られている。 は少い侵襲で頭蓋内の形態的変化を知ることの出来る検査法なので, てんかんのスクリー ニング検査法として優れている。従来より行われてきた機能的検査法である脳波と併用すれば, より精密なてんかんの診断と治療が可能になると思われる。 䭥礠 睯牤猠 㬠䕰楬数獹 䍔獣慮 䕅䜮 略語一覧:䍔㬠 䍯浰畴敤 瑯浯杲慰桹 まえがき 従来よりてんかんの診断と治療には脳波が非常に重要 な位置を占めてきた。てんかん患者のうち抗けいれん剤 治療に抵抗する例や,他の神経症状を認める例等,基質 的疾患の考えられる場合は,血管写,気脳写等を施行し てきた。しかしこれらの検査は侵襲も大きく,特に小児 の場合は気軽に施行できるもので、はなかった。近年にな が臨床検査として使用されるようになりㄩ, ,少 い侵襲で頭蓋内の形態的変化を比較的詳しく知ることが 可能となった。 をてんかんの患者に施行した場合, 従来の診断法では捉えられなかった器質的変化が捉えら れるか,さらに,外科的治療の適応となる例が見出され るか否か,又,スクリーニング検査としてどの程度の意 義を持っか検討した。 *千葉大学医学部脳神経外科学教室 千葉大学医学部附属病院ではㄹ㜶 7 月より 䕍I が設置され, ㄹ㜸 月迄に,約 㘵〰 例の検査 が行われている。今回はこれらの例の中で,てんかん発 作,または,類似の症状を主訴として を施行した 例を対象とした。明らかなけいれん発作の病歴があっ ても,初回 施行以前に基質的疾患の存在が明らか であった例は対象より除外されている。上記例につい て,病歴より得られた発作型により,てんかんの国際分 類に従呡扬攠 1 の如く分類した。各発作型の症例 数は表中に示す通りである。各例について, 像と脳 波所見を対応させ検討した。 典型的な 4 症例を示す。 乏䉕传 佋A 呁䭅午䤠 䡏剉E 䡉剏奁单 䵁䭉乏㨠 䍔 獣慮 潢獥牶慴楯渠 楮 数楬数瑩捳⸠ 䑥灡牴浥畴 潦 乥畲潬潧楣慬 卵牧敲y 卣桯潬 潦 䵥摩捩湥 䍨楢愠 啮楶敲獩瑹 䍨楢愠 ㈸〮 剥捥楶敤 景爠 灵扬楣慴楯n 䙥扲畡特 ㄹ79⸠

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  • 〔千葉医学� 55,193~200, 1979J

    〔原著〕 てんかんの� CT所見について

    間 信男 堀 江� 武 牧野博安

    (II[{和54年� 2月27日受付)

    千葉大学医学部附属病院において,てんかん発作,または,類似の症状を主訴として� Comp-

    uted tomography (以下 CTと略す)を施行した87例について分析し,� CTのてんかん治療に

    おける有用性について検討した。全例をその病歴より,てんかんの国際分類に従って分類し,�

    CT所見と脳波所見を対応させた。� CTに見られる異常所見は,大発作の例では脳室の拡大等,

    脳の全体的変化を示す場合が比較的多かった。一方, 部分発作の例では, 低吸収領域等,局所

    的異常を示す所見が比較的多く見られた。また, これらの局所的所見は, 脳波上で見られる発

    作焦点と良い一致を示す場合が多かった。しかし,� CT上に見られる異常所見は,外科的治療

    の対象とならないものが大部分であり,外科的治療が行われた例は,孔脳症の� 1例,髄膜腫の� 1

    例,神経腰腫の� 2例,計4例である。� 4{9"IJ共,手術の結果,良好な発作の抑制が得られている。�

    CTは少い侵襲で頭蓋内の形態的変化を知ることの出来る検査法なので, てんかんのスクリー

    ニング検査法として優れている。従来より行われてきた機能的検査法である脳波と併用すれば,

    より精密なてんかんの診断と治療が可能になると思われる。�

    Key words ; Epilepsy,CTscan,EEG.

    略語一覧:CT; Computed tomography

    まえがき

    従来よりてんかんの診断と治療には脳波が非常に重要

    な位置を占めてきた。てんかん患者のうち抗けいれん剤

    治療に抵抗する例や,他の神経症状を認める例等,基質

    的疾患の考えられる場合は,血管写,気脳写等を施行し

    てきた。しかしこれらの検査は侵襲も大きく,特に小児

    の場合は気軽に施行できるもので、はなかった。近年にな

    りCTが臨床検査として使用されるようになり1),2),少

    い侵襲で頭蓋内の形態的変化を比較的詳しく知ることが

    可能となった。� CTをてんかんの患者に施行した場合,

    従来の診断法では捉えられなかった器質的変化が捉えら

    れるか,さらに,外科的治療の適応となる例が見出され

    るか否か,又,スクリーニング検査としてどの程度の意

    義を持っか検討した。

    *千葉大学医学部脳神経外科学教室

    対 象

    千葉大学医学部附属病院では1976年� 7月より� EMI社

    の� CTが設置され,� 1978年10月迄に,約� 6500例の検査

    が行われている。今回はこれらの例の中で,てんかん発

    作,または,類似の症状を主訴として� CTを施行した�

    87例を対象とした。明らかなけいれん発作の病歴があっ

    ても,初回� CT施行以前に基質的疾患の存在が明らか

    であった例は対象より除外されている。上記87例につい

    て,病歴より得られた発作型により,てんかんの国際分

    類に従V',Table 1の如く分類した。各発作型の症例

    数は表中に示す通りである。各例について,� CT 像と脳

    波所見を対応させ検討した。

    結 果�

    典型的な� 4症例を示す。

    NOBUO OKA,TAKESHI HORIE,HIROYASU MAKINO: CT scan observation in epileptics. Departmeut of Neurological Surgery,School of Medicine,Chiba University,Chiba 280.

    Received for publication,February 27,1979.

  • 194 岡信男・堀江武・牧野博安�

    Table 1. Types of epilepsy

    cases

    Primary generalizec1epilepsy 35

    Partial seizure with elementary sympto・�

    matology 15

    Partial seizure with complex symptoma-

    tology 10

    Primary genera1izec1 epilepsy of petit

    mal type 11

    U nclassifiecl 16

    症例 1,N. M. 7カ月,平� (Fig. 1)

    満期安産,生後4カ月迄正常に発育した。生後� 4カ月

    より上肢を屈曲し首を前屈させる発作が出現,以後徐々

    にその頻度が地加してきた。生後7カ月目の脳波では,

    左の側頭葉に高振l隔徐波が目立ち,左の中心回~頭頂葉

    に不規則な締徐波結合を認める。� CTでは,脳室の拡大

    と共に,左の側頭葉に大きな低吸収領域が見られ,左側

    脳室と交通している。頭蓋骨にもこの部位と一致して膨

    隆が見られる。本例は気脳写で孔脳症であることが確認

    され,脳室腹腔短絡術が施行された。術後は� ACTH

    療法を行ない,発作を完全に消失せしめた。

    本例は脳波と� CTの所見が良く一致した例であるが,

    頭蓋骨変型により容易に器質的疾患の存在が疑われ,気

    脳写により確定診断がつくので,� CTの必要性は必ずし

    も絶対的なものではない。�

    Fig. 1. CT scan ancl EEG of case 1.

  • 195 てんかんの CT所見について

    Fig. 2. CT scan and EEG of case 2.

    Numbers: The international 10-20 system.

    症例 2. S. N. 13歳,♀ (Fig.2)

    4歳までは正常に発育, 4歳より両上肢を囲内する発

    作が起り,両上肢,口周囲に拡がり,頻度が増加してき

    た。抗けいれん剤の投与にもかかわらず発作は完全に抑

    制されず,知的発達が遅延し,落ちつきがなく,特殊学

    級に通学していた。 13識の時,治療を開始してから 9年

    目に CTを施行した。 CTでは左の前頭葉に大きな低

    吸収領域が見られ,一部に不規則な高吸収領域も見られ

    る。しかし左側脳室前角の変形,及び,正中構造の変位

    はほとんど認められない。ほぼ同時期の脳波では左の側

    頭葉~前頭葉に高頻度に椀波, J陳徐波結合が見られた。

    昭和53年 4月, 13歳の時に左前頭葉の腫場の Hff全摘を行

    い, Astrocytoma gracle nであることが確認された。術後は発作は全く消失し,抗けいれん剤の減量が可能と

    なり,脳波でも発作波の減少,基礎律動にも改善が見ら

    れた。

    本例は,てんかんとして長年治療を受けて来たが, CT

    により初めて腫揚であることが判明した例である o CT

    に見られるように masseffectは少なし脳血管写もほ

    ぼ正常所見であり, CTなしで診断が困難であったと思

    わ~l.,る。

    症例 3. A. T. 22歳, o (Fig. 3)

    14歳の時頭部外傷の既応がある。昭和5:3年 9月22歳の

    11寺初回の大発作を起して外来を受診した。神経学的には

    屈の左右差があ11波に振 -α特に症状を認めず,脳波では

    り,左後頭葉が少 々 cr-lazy.である。 CTでは軽度の脳

    室拡大が見られた。さらに左側頭葉前部に低吸収領域が

    見られ,同側のシノレピウス瀞の拡大があり,この部位に

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    Fig. 4. CT scan and EEG ofcase 4.

    と比較的相関の高い所見と考えられる。� EnlargeclSylv- 経験する。� 87例中正常と判定される脳波所見が 91ftlに見

    ian fissureは,拡大したシノレビウス裂が� CTで明瞭に られた。これらの例について� CT所見を見たのが� Table

    認められるものである。� Lowdensity areaは脳実質内� 3である。� 9例中� 7例が� primarygeneralized epilepsy

    重,11の吸収系数の低い部位の存在を示し,壊死巣,脳浮

    脱髄等と高い相関を持つ所見である。� High clensity

    の量匂壌に入り,� CTも正常所見であったものが� 3例あ

    り,異常所見も,脳室拡大,脳溝拡大のように全体的な

    areaは脳実質内の正常より高い吸収系数を持つ領域を

    示し,腫療,血Jl重,石灰沈着等で見られる。それぞれの

    異常所見数を合計すると全異常例数より多くなるが,こ

    れは� 1例で複数の異常所見が見られる場合があるからで

    ある。

    病歴より明らかにてんかんであることが推測されて

    も,脳波が正常所見であることは日常の診療で時として

    脳の変化を示唆する所見が多かった。�

    CT上で脳の一部の基質変化の存在を疑わせる所見と

    して,一側性のシルピウス裂の拡大,低吸収領域及び高

    吸収領域をとりあげ,これらの所見を有する例について

    脳波所見との対応を見た。各所見のある部位と脳波所見

    との対応を� Table 4に示す。発作型に関係なく全体と

    日波の興奮性焦点の関係11所見とCTして見た場合には,�

  • 198 岡信男・� 1和江武・牧野博安�

    Table 2. CT scan finclings of epileptics

    Primary Partial s. Partial s. Primary gen. generalizecl with element. with complex epi.of petit Unclassifiecl

    epi. symp. symp. mal type

    Normal 13 0 3 3 9

    Abnormal

    ventricular clilatation

    ventricular asymmetry

    ventricular deformity

    ventricular malformation

    enlargecl sulci

    2つ 15 7 8 7

    5 5 1 6

    2 1

    2 1 2

    1

    1 1

    M

    一1

    4

    2

    2

    4

    一1ょ

    enlargecl Sy 1vian fissure 2 2 2 2 1

    low clensi ty area 8 5 1 4 3

    high c1ensity area 1 2 1

    Table 3. CT scan五ndingsof epileptics with normal EEG

    。。

    e Partial s.Partial s.Primaorf y gen. Primalirzygeneralizecl with element. with cornpiex epi. of petit U n class ified

    mal type epl.

    Normal 3

    Abnormal 4

    ventricular dilatation 3

    ventricular asymmentry l

    ventricl¥lar cleformi ty

    ventriular malformation

    enlargecl sulci l

    enlarggdd Sylvian五ssure

    low densi ty area 1

    high clensity area

    Table 4. EEG finc1ings in epileptics with focal CT finclings

    symp.

    。2

    一一一�

    1

    l

    1

    1

    。。

    symp.

    。。

    Partial s. Partial s.

    Prim17aai irzy with with genPrim,� 1t.f Deaetprlygeneralizecl Unclassi五ecl' Total

    。。�

    。。。

    。。

    element. complex of p epl. symp. symp. mal type

    。 。Normal EEG 1 2 EEG focus compatible to CT 5 6 2 3

    EEG focus opposite to CT 1 1 1 1

    Generealized EEG abnormali ty l 1 。dリEEG not available ・‘~

    Total 一一一一一一ー 一一一一一一一一一一ー一一� F

    3

    16

    4

    5

    4

    32

    は,部位的に一致するものが16例� (50%),� CT所見の あり ,L1例ではJI白波所見を得ることが出来なかった。発

    存在する部位と対称の部位に焦点の見ら� hるもの� 4例� 作型別に見ると,� partial seizure with elementary

    (12.5%) generalizecl high voltage slow burst等の全 symptomatologyでは� CT と脳波所見が良く一致し�

    でも,Primarygeneralizecl epilepsy こ。7に見られた。また,(15.7%)例5汎性に出現する異常は� 右jb止}詰でで、CT

    Jl白波に異常所見を認めなかったものが 3例� (9.4%)で する;典長民!常所見がある場場.合は, この部位に一致した脳波上

  • 199 てんかんの� CT所見について�

    の焦点を認める場合が多かった。

    考 察

    けいれん発作を主徴とする疾患には種々の原因がある

    が,抗けいれん斉IJによる治療は, いわば対症療法であ

    り,抗けいれん剤を投与して治療をする前提として,治

    療可能な原因疾患の存在を充分に否定しなければならな

    い。中枢神経の器質的変化の検索は,従来,脳血管写,

    気脳写,脳スキャン等の放射線学的方法によるところが

    多かった。しかし,これらの検査方法は手技が複雑なも

    のもあり,検査に伴う危険も皆無ではないため,けいれ

    ん発作をもっ全例には施行されず,抗けいれん剤療法

    に抵抗するもの,高齢初発のもの,神経症状を伴うもの

    等,臨床的に器質的疾患の存在の疑われる例にのみ施行

    されてきた。その他の例については, ,適当なスクリー

    ニング検査法がなかったので, ここに示した� S.N.例

    のように,腫療でありながら長年放置されるということ

    が時として起った。しかし� CTの出現以来,頭蓋内容

    の形態的変化を,少し、侵襲で知ることが可能となり,ス

    クリーニング検査として使用することが可能となった。

    今回得られた87例についてその� CT所見を見ると,脳

    室拡大,脳溝拡大のように脳全体の萎縮性変化を表わす

    所見と,シノレピウス裂の拡大,脳室の左右差,脳室系の

    奇型等,けいれん発作と器質的変化の関連を示唆するも

    の,脳室変形,低及び高吸収領域のように,器質的疾患

    の存在を強く疑わせる所見に分けることが出来る。発作

    型別に見ると,全体的な脳の萎縮を示唆する所見は� Pri-

    mary generalized epilepsyの例に多く, これは原因

    というより, くり返す発作が脳に障害を与えた結果とし

    ての像を見ていると考えられる。一方� partialseizure

    を持つ例で、は,器質的変化を疑わせる所見が多く得られ

    ており,これは,� Gal1ら汽 Bachman らωの報告と良

    く一致する。脳波との関連においては,� CTで基質的変

    化を強く疑わせる局在した変化の見られた例では,これ

    に一致した脳波上の発作焦点が見られる場合が多かっ

    た。また,� CT所見と対称的な部位に焦点が見られるこ

    とがあり,これは所謂� mirrorfocusであると推測され

    る。さらに,脳波上では異常所見の認められなかった例

    でも高率に異常所見が得られた。以上のことより,脳波

    と� CTはおたがいに一方が他に取ってかわるものでは

    なく,両者を併用することにより発作焦点の決定や,焦

    点の原因となっている器質的変化に対するより多くの情

    報を得ることが出来ると思われる。治療という観点より

    見れば,� CTで異常所見は87.例中59例� (68%)に見られ

    たが,このうち外科的治療の対象となったのは,孔脳症�

    1f7U,髄膜!厘� 1例, 神経腰腫� 2例の計� 4例� (4.5%)で

    あり,いずれも術後は発作が効果的に抑制されている。

    てんかんを疑われる例にルーチンの検査として� CTを

    行なえば,異常所見が高率に得られ1),3>,汽 中には原因

    を想像させるような所見が得られることがある。外科的

    治療の対象となる例は数の上では多くはないが,中には

    他の補助診断法では診断不可能と思われる例もあるの

    で,危険度の低いことを考えれば,有効なスクリーニン

    グ検査ということが出来る。造影剤を使用した強増法の

    必要性については,� 87例の約半数に増強法が行われてい

    るが,増強法でのみ異常所見の得られた例はなく,造影

    剤使用に伴う危険度の増強を考えれば,スクリーニング

    検査としては造影剤の使用は不必要といえる。� CTで得

    られる所見はあくまでも形態的変化のみなので,抗けい

    れん剤の効果の判定のような機能的な面に関しての情報

    は全く得られない。この点に関しては脳波によらなけれ

    ばならず,診断,治療に占める脳波の位置は,� CTの出

    現によって,いささかも変らないと考える。今後は,て

    んかんの治療開始の早期に� CT を施行し, 外科的治療

    の適応でないことを充分に確認した後,従来の抗けいれ

    ん剤の投与と脳波による経過観察を主とした治療を行う

    べきであると考える。�

    SUMMARY

    Eighty seven patients,who had experienced

    epileptic seizure and/or consciousness disturbance

    of a sudden onset were investigated in CT

    scan,and the results were discussed in relation

    with EEG.

    The patients were classi五edaccording to the

    international classi五caticationof epilepsy. Gen-

    eralized CT abnormalities were found in many

    cases with primary generalized epilepsy. Loca-

    lized CT abnormalitles were most frequently

    associated with partial seizure,and the localiza-

    tion of' abnormalities had good correlation

    with epileptic foci in EEG. Four cases were

    surgically treated,and the seizure was well

    controlled after surgical procedure. EEG has

    been conventionally used in diagnosis and

    treatment of epileptics,but it reveals only a

    functional aspect of the brain.

    Since CT scan has come in c1inical use,this

    non-invasive measure makes it possible to detect

    morphologic events occurring in the brain in

  • 200 岡信男・;開!江武・牧野博安�

    great detail. It sometimes gives a good informa-

    tion on a nature of epileptic focus. From these

    points of view,CT scan is quite valuable as a

    screening test of epileptics,and is recommended

    to be performed at least once in early period in

    order to detect or,conversely,to rule out

    surgically treatable lesions.

    文 献�

    1) Scollo・Lavizzari,G.,Eichhorn,K. and Wむ-

    thrich,R.: Computerized transverse axial

    tomography(CTAT) in the diagnosis of Epi-

    lepsy. Eur. Neurol.15,5-8,1977.

    2) Gastau,H.,Gastau,J. L.,Regis,H.,Bern-

    ard,R.,Pinsarcl,N.,Saint-Jean,M.,Roger,

    J. ancl Dravet,C.: Computerizecl tomogra-

    phy in stucly of West's syndrome.

    3) GaU,M. V.,Becker,H. und Haeker,H.:

    Die Computer-Tomographie in cler Diagn-

    ostik der Epilesie. Nervenarzt 48,72-76,

    1977.

    4) Bachman,D. S.,Hoclges,F. J. and Free-

    man,J. M.: Computerized axial tomogra-

    phy in chronic seizure disorder of childhood.

    Pediatrics 58,828-832,1976.

    5)宮尾益知,石津棟映,丸山博,福山幸夫:年

    齢別頭部� CT スキャン所見のレ線的計測値.

    脳と発達,� 10,459-464,1978.